本日11月25日(水)のZepp Tokyo公演で、弾き語り全国ツアー『ひとり股旅 2020』のファイナルを迎える奥田民生が、2021年1月より全国11か所をまわるバンド編成(奥田民生・湊雅史・小原礼・斎藤有太)でのツアー『MTRY TOUR 2021』の開催を発表した。本ツアーは新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに従い、来場者の安全安心を第一に万全の対策で実施される。なお、『ひとり股旅 2020』ツアー同様、全箇所全公演が「LINE LIVE-VIEWING」で生配信されるとのこと。チケット券種は、内野席(来場チケット)と外野席(配信視聴チケット)のほか、パネル席(グッズ付き配信視聴チケット)が用意される。パネル席を購入すると、ライブ会場のソーシャルディスタンスを考慮し設けられた空席に“イラストパネル”が設置され、奥田と一緒に会場にいるような演出となる。また、配信での鑑賞スタイルに合わせ3種類のオリジナルグッズが付いた配信チケットセットも用意されているが、新ツアーではサッポロビールの協賛により、全てのパネル席チケットセットに「OT×SAPPOROコラボグラス」が1個付くという。チケットは、11月25日(水)12:00より、内野席(来場チケット)が奥田民生メンバーズサイト「エーギョー★ライダー(悪)」にて最速先行受付がスタート、パネル席(オリジナルグッズ付き配信視聴チケット)は「LINE LIVE-VIEWING」にて先行販売スタートとなる。ツアー情報奥田民生『MTRY TOUR 2021』1月31日(日) 【山梨】YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール) OPEN16:00 / START17:00問) DISK GARAGE:050-5533-08882月5日(金)【北海道】カナモトホール(札幌市民ホール) OPEN18:00 / START19:00問) WESS:011-614-99992月8日(月) 【東京】昭和女子大学 人見記念講堂 OPEN18:00 / START19:00問) DISK GARAGE:050-5533-08882月11日(木・祝) 【宮城】東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館) OPEN17:00 / START18:00問) キョードー東北:022-217-77882月13日(土) 【群馬】ベイシア文化ホール(群馬県民会館) OPEN17:00 / START18:00問) ラウンド・アバウト:03-6418-72052月15日(月) 【岡山】倉敷市民会館 OPEN18:00 / START19:00問) YUMEBANCHI(岡山):086-231-35312月16日(火) 【福岡】福岡市民会館 OPEN18:00 / START19:00問) キョードー西日本:0570-09-24242月18日(木) 【兵庫】神戸国際会館 こくさいホール OPEN18:00 / START19:00問) 清水音泉:06-6357-36662月20日(土) 【静岡】富士市文化会館 ロゼシアター OPEN17:00 / START18:00問) ラウンド・アバウト:03-6418-72052月23日(火・祝) 【長野】上田市交流文化芸術センター サントミューゼOPEN17:00 / START18:00問) キョードー北陸:025-245-51002月26日(金) 【東京】府中の森芸術劇場 どりーむホール OPEN18:00 / START19:00問) DISK GARAGE:050-5533-0888『MTRY TOUR 2021』特設サイト【チケット券種】■内野席(来場チケット)チケット料金:前売9,350円(税込)※全席指定。未就学児童入場不可。お1人様1枚のみ購入可能。一般発売日:12月25日(金)・LINE TICKET<チケット先行>①エーギョー★ライダー(悪)先行受付期間:11/25(水)12:00~11/30(月)23:59受付URL: ②UCFC ビジーファイブ先行受付期間:12/3(木)12:00~12/7(月)23:59受付URL: ③LINE TICKET先行受付期間:12/9(水)12:00~12/13(日)23:59受付URL: ■パネル席(オリジナルグッズ付き配信視聴チケット)購入するとライブ会場のソーシャルディスタンスを考慮した空席に“OT画伯作の観客イラストパネル”が設置されます。※パネルは購入不可①自宅で見るなら、家飲みじゃ!ちょい飲み配信セット(ライブ配信視聴+OT×SAPPOROコラボグラス1個・栓抜き・箸置き付き)チケット料金:6,500円(税込・送料込)②自宅で見るなら、くつろぎじゃ!ぬくぬく配信セット(ライブ配信視聴+ブランケット+OT×SAPPOROコラボグラス1個付き)チケット料金:6,900円(税込・送料込)③自宅で見るなら、テレビで見た~い!大画面満足配信セット(ライブ配信視聴+HDMIケーブル・アクリルキーホルダー+OT×SAPPOROコラボグラス1個付き)チケット料金:7,500円(税込・送料込)先行発売日:11月25日(水)受付URL: ※12/31までにご注文頂きますと、LIVE当日までに商品をお届けする「優先配送」をご用意しております。「優先配送」に関しては、天候・交通・その他状況により、商品のお届けに遅れが出る場合がございます。予めご了承下さい。※規定数量に達し次第、販売終了となります。※HDMIケーブルを、スマホやタブレットに接続する際は、ポートに合った変換アダプタが別途必要となります。※見逃し配信期間:1週間■外野席(配信視聴チケット)チケット料金:早割3,500円(税込)/ 当日・見逃し4,000円(税込)※一般発売のみの販売となります。※見逃し配信期間:1週間一般発売日:12月25日(金)・LINE LIVE-VIEWINGリリース情報最新Blu-ray&DVD『カンタンバーチャビレ』発売日:2020年11月11日(水)『カンタンバーチャビレ』スペシャルサイト:6,300円(税抜)DVD:5,800円(税抜)収録時間:64分Blu-ray&DVDそれぞれ通常盤の1形態 / ブックレット(4ページ)入り『カンタンバーチャビレ』DVDジャケット【収録内容】あいさつ1.海へと2.羊の歩み3.なんでもっと解説①4.俺のギター5.ヘヘヘイ6.股旅(ジョンと)解説②7.ザギンデビュー8.雨降りにチューイ中9.SUNのSON解説③10.快楽ギター11.And I Love Car12.リー!リー!リー!解説④13.Paradise Has No Border14.美しく燃える森15.ツイストで目を覚せ -Twistin’ in Suits ’85-解説⑤関連リンクラーメンカレーミュージックレコード / 奥田民生RCMRオフィシャルサイト Twitter Facebookページ Instagram LINEアカウント YouTube Channel
2020年11月25日フリーアナウンサーで、数々の女性誌のビューティ企画に登場し、女性たちの憧れでもある宇垣美里が自身の美容法をまとめた美容本『宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK』を出版した。No.1美容誌『美的』編集部と組んで制作された本書には、彼女のふだんのメイクやスキンケア、ボディケアから愛用のベストコスメ、たくさん持っている趣味のことまで、彼女の美と健やかな内面まですべてがわかる一冊となっている。自他ともに認める“コスメオタク”の宇垣にその美しさの秘密を訊いた。ぜんぜん違う自分になれるのがメイクの楽しさ! 真似してもらいやすいメイク法を紹介しました――美容本『宇垣美里のコスメ愛』が発売となります。企画はどのように決まったのでしょうか?編集者さんといろいろ話し合って、私の美容法をお伝えして、「じゃあこういうのどうですか?」とご提案をいただきながら一緒に作り上げました。私はメイクの何が好きって、いろいろな自分になれるところが好きなので、「じゃあ変身する内容にしましょうか」と言っていただいて、メイクアップアーティストの方々と一緒に「変身メイク」企画をやってみることにしたり。――いろいろな表情の宇垣さんが見られるのがファンにはたまらないですね! そしてご自身のセルフメイクもご紹介されています。セルフメイクはお仕事やデートなどの状況別というよりは、このイメージだったらどういう風にメイクするかなというのをいつも使っているコスメで考えました。私物のコスメのHow Toも紹介しているので、みなさんにトライしてもらいやすい内容にできたかなと思います。――宇垣さんがメイクを始めたのはいつからなんですか?始めたのは大学生のときなんです。入学式のときに私以外の子が全員メイクしていて、「これはあかん」と思って始めたのがきっかけで。最初は義務みたいに思っていてあまり好きではなかったんです。やらなきゃいけないものだからやりたくない、と思っていたんですけど、やってみるとすごく楽しくて、幾通りもの自分にもなれますし、お絵かきみたいでそもそも楽しいし、というのでどんどんハマっていったのかなと思います。――始めたてのころは失敗もありましたか?わりと器用なほうなので、失敗といえるような失敗はしなかったんですけど、たとえばアイラインを引こうと決意するまでに時間がかかったりしました。目に筆を当てるって怖いじゃないですか。でも引いてみるとすごく楽しかったですし何事も挑戦なんだなって思いました。メイクって変化できるのがすごく楽しいですよね。それに気づいてからはどんどんハマっていきました。――朝時間がないときのメイク法は?私、メイク時間はけっこう短い方だと思います。だいたいトータル30分で終わるので、家を出る前にぱぱっとメイクするのが癖になっています。でもすごく時間がなかったら眉毛と目でしょうか。単色アイシャドウで、肌はファンデーションをぬらないかなと思います。ファンデーションはいつも薄めです。肌荒れしてしまうので、お仕事のときも薄めに塗っています。――その美肌も多くの女性たちの憧れの的ですが、スキンケアはすごくこだわっていらっしゃるようですね。それが、私、スキンケアには気合をいれているつもりはなかったんです。でもこの本を作ることになって、編集者さんにこういうスキンケアをしている、というのを伝えたら「それは全然ふつうではないです」と言われて。よくわかっていなかったんです。アイテムもすごく多いので、意外と頑張っていたみたいで(笑)。編集者さんが、私がこれを使っています、と伝えたものを使ったみたら、「確かにすごい肌が綺麗になった」とおっしゃっていたので、みなさんにもご紹介しているアイテムをぜひ手に取っていただければなと思います。――ひとつここでお気に入りのスキンケアアイテムをご紹介していただくとしたら何をあげますか?アルビオンの化粧液「フローラ ドリップ」はすごくおすすめです! 良い匂いだし、しっかり浸透してくれるし、ぴりぴりもしないし保湿もしてくれるし、すごくいい化粧水です!(早口)――その語り口だけでコスメ愛が伝わりました。あはは! 本当にコスメが好きなので、ひとつひとつについて、しっかりどんなコスメなのか、どんなところがいいのか、語っているので、一文一句読んでいただければなと思います。――お肌、とても白いですが、これも秘訣が……?ロート製薬のサプリメント「へリオホワイト」を飲んでいます。めちゃくちゃいいです!コロナの自粛中、外に出られなかったので、逆に美白しようと思って毎日飲んでいたんです。そうするとすごく効果があったなと思います。おうちの中にいて外に出ない日も、朝、化粧水や乳液を塗ったあと、最後に日焼け止めは塗るようにしているので。――それはすごい。コレクターなんですよ。選んで集めるのがすごく好きなので。――コスメはどのようにして選んでいるのですか?雑誌や雑誌のインスタを見て、新作をチェックして、これ良さそうだなって思ったものをメイクさんとか編集者さんに「これどうなんですか?」って聞いて、良いと言われたものを買いに行って試したりしています。――美容はなりたい女性像があってやっているんでしょうか?誰になりたいと思ったことはないんですけど、メイクはその日、なりたいイメージを決めてしています。今日は強そうな感じにしてみよう、とか、今日はロック感じにしたいとか、ふわふわなニットが似合う感じの病みメイクっぽくしたい、とか。こんな感じの女の子になりたい、というイメージを持ってメイクしてます。もちろんTPOは大事なので、そこは気にしていますが、このアイシャドウが使いたいから、これに合うのはこのリップ、このチークでこの服、というのを決めたらなりたい女の子イメージが決まります。もしくはこの服が着たいからこのアイテムでメイクする、とか何かひとつ出発点を決めて、考えています。――オタクのやりかたですね!たぶんそうだと思います(笑)。――今の宇垣さんにとって、美容ってどんな存在なんでしょうかスキンケアは私にとって“ご褒美”です。これは頑張っていなくて、「今日一日お疲れさま!」という気持ちで自分のケアをしているので、苦にならないですし、つらいなと思うことはしません。帰宅してどんなに疲れていても、絶対にメイクを落としますし、時間があれば2時間、お風呂につかります。どんなに疲れていても、30分でもお風呂に入ったほうが睡眠の質もあがりますし、私の場合、「今日はもう終わり!」というスイッチの切り替えになるので湯舟につかることはすごく大事にしています。お風呂の中ではスマホを見ることもありますし、本や漫画を読んで過ごします。でもわりと何もせずに考え事をすることの方が多いかもしれません。明日の仕事はこれで何時に終わるから、じゃあ何時からは書く仕事ができて、とか段取りを考えたり。新しいことに挑戦するのが生きる目的なんです。――コスメの他にもたくさんの趣味をご紹介されていますね。本もたくさん!自分の家の本棚にある本の一部を撮影現場に持っていって、私の本棚にはこういうものが入っていますというのを再現しました。――「腐女子のつづ井さん」が入っているところにものすごい親近感を感じました(笑)。つづ井さん、大好きなんですよ!最高ですよね!抜け感がいいですよね。この緩さが良い。――本はどれくらい持っていらっしゃるんですか?本棚は自宅に大きめのものが2つあって、入りきらない本が床にも積んであるので、200冊はあると思います。怖いですよね。いつか本に飲まれる(笑)。マンガは基本デジタルで読んでいるんですけど、小説とか活字は紙で買っています。紙のほうがやっぱり読みやすいです。――好きなお菓子の紹介もされていますね。すッパイチューは私が大学生のときに買いすぎて、よく行っていた京都のコンビニに絶対置いてもらえるようになりました。「どこ?」って探してたらコンビニのおばさんが「あっちにおいてるよ」って教えてくれたり。――お料理のページもありますが、すごい凝っていらっしゃる!これはがんばったときの写真ですけど、自分の味が一番安心するので、お外で買ってきたものや外食よりもおうちで作るほうが好きです。自分で品目やカロリーをコントロールできるので。メニューは冷蔵庫にあるもので食べたいものを作ります。器もすごく好きなので、いっぱい集めてます。――飼い始めた、わんちゃんのぺージも。ずっと犬は飼いたかったんですけど、いつもは寄らないペットショップになぜかふらふら入って行ってしまって、「好き♡」ってなって、そのときは帰ったんですけど、もう一回見に行ったときにいなかったら泣いてしまう、と思って、「飼いたいんですが」ってその日のうちにお店に戻りました。犬は祖父母の家では飼っていたんですけど、ゴールデンレトリバーとラブラドールだったので、小型犬とはちょっと勝手は違いましたけど、慣れてはいました。この子を食べさせるために働かなきゃ!って言う気持ちになります。――すごくたくさん好きなものがあって好奇心をずっと保っていられるのは何か秘訣があるんですか?うーん、そういうタイプなんだと思います。知りたいことがたくさんあって、新しいことに挑戦するのがすごく好きなんです。それが生きる目的なので、逆に新しいことに挑戦できなかったり、同じことの繰り返しの毎日になると疲れてしまってそっちのほうが私には合っていないので、ストレスになってしまうんです。――そうすると旅行もお好きですか?旅行も大好きです! 人におすすめするなら、スペインがすごく良かったです。食べ物が日本人が好きな味だと思うし、めちゃくちゃワインが安いし、人がすごく陽気で、その国にいるだけで私もなんとなく朗らかな気持ちになれるというか、「ま、いっか」という気持ちになれたので、すごく好きな国です。サクラダファミリアとか、建物がすごく素敵で、エネルギーにあふれた色彩の建築物を見ていると小さなことにこだわるのがばかばかしくなるので、すごくいい国でした。違う価値観とか、基準に触れられるのが海外旅行の良さですよね。――メンタルケアについても教えてください。すごく嫌なことがあった日は何をしますか?甘いものを食べます。あとなんでもないことを妹とか友達にLINEしたりとかして、だいぶ切り替えられます。寝たら嫌なことも忘れてしまいます。これは性格なので頑張っているとかではないんですけど。寝て起きてもまだ引っかかっていることって、解決しないから。じゃあ、もう忘れたらよくない?ってなっちゃうんです(笑)。わりと省エネというか、これをしても意味がないなということをやりたくなくて、システマティックに生きているところがあるので効率的かもしれないです。――ではお仕事仲間が非効率な仕事のしかたをしていたら、気になるほうですか?他の人の仕事の段取りについてはあまり気にならないんですけど、私に何かが降りかかるようであれば「こうしたほうがいいんじゃない?」って言うことはあります。その人が自分のリズムでやっているのであれば私には関係ないので。――そんなマイペースなところも憧れです。いえ、単純に、マメじゃない、っていうことなんだと思います(笑)。――では最後にこの本の見てほしいポイントを教えてください。私の写真がたくさん出てくるんですけど、全部ぜんぜん違う表情、雰囲気なのでひとりの人間がメイクでこんなにも幅を出せるんだな、こんなに変身できるんだなというところをぜひ見ていただきたいです。あと、中には私の好きな本や映画、食べ物、私自身のこともぎゅっと詰まっているので、まるっと宇垣美里を楽しんでいただければ嬉しいです。『宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK』は11月18日(水)発売宇垣美里さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント! ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=09afdec7-32c8-4977-866c-0c74cd1a2f0b&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹衣装協力/ブラウス¥33000(テラ/ティースクエアプレスルームtel.03-5770-7068)スカート¥25000(オットダム/ストックマンtel.03-3796-6851)イヤリング¥32000、ブレスレット¥9000、リング¥11000(エテtel.0120-10-6616)靴¥14500(ダイアナ 銀座本店tel.03-3573-4005)
2020年11月18日この関係は、ライバルであり、盟友だ。あの人気コミック『とんかつDJアゲ太郎』がまさかの映画化。二宮健監督によるポップな映像と、ブルーノ・マーズをはじめとしたファンキーな音楽という衣をまとい、こんがりジューシーに揚がってスクリーンに登場する。注目のキャストは、主人公・アゲ太郎役に北村匠海。そして、アゲ太郎のライバル・DJ屋敷役を伊藤健太郎が演じる。北村と伊藤といえば、1997年生まれの同い年。2016年に放送されたドラマ『仰げば尊し』(TBS系)で初共演。若かりし10代の頃を「売れてえなあ」と語り合った“盟友”が4年ぶりにタッグを組んだ。そこには、このふたりだから分かち合える特別な感慨があった。※本取材は9月21日に行われたものです。「アイツら付き合ってんじゃねえか」と言われるぐらい、よく会ってた(笑)「『仰げば尊し』で初めて会ったときの感想は……お互いトゲトゲしかった!(笑)」(北村)「あの頃は、全員ぶっ飛ばそうと思ってたからね(笑)」(伊藤)「健太郎とか怖すぎて、最初はめっちゃ年上だと思ってたから(笑)」(北村)「新しい輪に入るときは最初にナメられたら終わりというのが、中高時代に培った僕の持論で(笑)。特に学園モノということもあって周りは同世代ばっかだから、絶対にナメられないようにずっとひとりでいた」(伊藤)「僕らふたりともヤバかったよね。僕も(劇中で演奏する)トロンボーン持ってこうやってた(笑)(と、前かがみになって威嚇するような顔)」(北村)「同じ(笑)。サックス持ってこうやってた(と、前かがみになって威嚇するような顔)」(伊藤)そんなふたりだが、撮影の帰りのバスで一緒になったことから意気投合。これまでのことからこれからの夢まで何でも話せる友人となった。「1回、家に遊びに行ったら、匠海がいろんなレコードを聴かせてくれて」(伊藤)「ちょうど僕が趣味でDJを始めたばかりの頃で。今はお互い忙しくてなかなか会えないけど、20歳ぐらいのときはしょっちゅう会ってました」(北村)「『アイツら付き合ってんじゃねえか』って言われるぐらいね(笑)」(伊藤)初共演から4年を経て、すっかり売れっ子俳優に成長したふたり。それぞれ立場は変われども、お互いへの信頼は変わらない。「面白いのが、メンタル的に食らったときとか、しんどいときに、匠海にテレビ電話しがちなんですよね」(伊藤)「僕も。お互い落ちてるときに連絡しがちだよね(笑)。うまくできない自分に悔しさを感じたときとか、何か心の底にあるものをさらけ出したいとき、健太郎の顔が浮かんでくる」(北村)「すぐ電話しちゃう。で、声聞いたら顔が見たくなるから、結局テレビ電話になるっていう(笑)」(伊藤)「で、『匠海の声聞いたら泣けてきたわ』とか普通に言ってくる(笑)」(北村)v「(恥ずかしそうに)あははは」(伊藤)「そういう熱いところが健太郎はあるんです」(北村)今回の現場でも、そんな友の存在が支えとなった。「本格的なコメディは今回が初挑戦。普段のお芝居は現場の感覚というか呼吸でやるんですけど、コメディということもあって、こうすれば面白いんじゃないかというのを考えすぎちゃって、どんどん気持ちが負の方向に向かっていた時期があったんですね」(北村)「控え室に帰ってくると、チーンッてお通夜みたいな顔になってた(笑)。やっぱり匠海は主演ということもあって背負うものも大きかったんだと思う。だから、頑張ってる匠海を支えたくて、よく共演者のみんなで一緒になって匠海を笑わせたりして盛り上げていました」(伊藤)「確かに今回ほど主演であることを意識した作品はなかったかもしれない。自分の中で主演は作品の軸にならなくちゃいけないという気持ちが強くて、かなり気負っていたところがあったんですけど、そのプレッシャーを軽くしてくれたというか。支えてくれたみんなとの絆が、何かこの映画から醸し出される“エモさ”や“青春感”に結びついたところはあるのかなと思います」(北村)ブリットポップを好きになってUKファッションに目覚めた好きだとはっきり言えるものが見つけられずにいたアゲ太郎は、ある日偶然訪れたクラブでDJの魅力に魅せられ、「とんかつDJ」を目指そうとする。アゲ太郎のように何か好きなものに目覚めた瞬間は、ふたりにもあるのだろうか。「僕は服ですね。中学の頃からファッションへの興味はあったんですけど、高校に入ってモデルの仕事を始めてから自分でいろいろと買うようになって」(伊藤)「僕も服だな。僕の場合はオアシスだったりブラーだったりブリットポップが好きになって。それが高校生の頃だったんですけど、そこからどんどんイギリスのカルチャーを掘るようになって、ファッションもUKの影響を受けるようになりました」(北村)「わかるわ。僕も匠海も意味のあるものが好きなのが共通点。ブランドとかに興味はないけど、ちゃんとバックボーンを説明できるものを身につけていたいっていうこだわりがあって」(伊藤)「バックボーンを知って服を着るのと知らない服を着るのとじゃ、気分が全然違うんです。自己満といえばそれまでなんですけど、自信になるというか(笑)。僕は他の人とは違うぞ感を出せる楽しみが古着にはあるのかなと思います」(北村)「お気に入りの服を着ると間違いなく気分は上がる。服はその日1日のテンションを決める大事なアイテムなんです。今まで買った中で忘れられない一着は、都内の古着屋で見つけた革ジャン。製造年が入ってるんですけど、僕と同い年なんですよ。本当たまたまだったんですけど、それがうれしくて、すごく思い出のつまった一着になっています」(伊藤)一緒に並んでプレイするシーンは、カメラの前に立つだけでグッと来た「とんかつDJ」として巷の話題を集めていくアゲ太郎。しかし、あるイベントで大失敗を犯してしまい、DJとしての自信を失ってしまう。そんなアゲ太郎にちなんで、ふたりの忘れられない大失敗について聞いてみた。「何だろう。いろいろ失敗はあるんですけど、全部忘れちゃうんだよな…(笑)」(伊藤)「僕、健太郎の大失敗なら覚えてるよ。『仰げば尊し』のときに寺尾(聰)さんがみんなの前に立って喋ってるシーンで寝てたんですよ、健太郎が(笑)」(北村)「あ、あったわ(笑)」(伊藤)「『仰げば尊し』の撮影中はスケジュールがタイトで、めちゃくちゃ忙しい毎日で。健太郎は自分の台詞なのに寝てて、いきなりバッて立ち上がって台詞を言ったんですけど、周りからすると『いや、今、寝てたやん』ってバレバレだった(笑)」(北村)「あのときは焦った〜(笑)。そこで言うと、僕も匠海の大失敗なら覚えてます。『仰げば尊し』のときに匠海も寝てたんですよ、確か音楽室でみんなで演奏をするシーンだったと思うけど」(伊藤)「あったね(笑)」(北村)『仰げば尊し』の撮影中は、朝4時に起きて、終わるのが夜の1時みたいなめちゃくちゃ忙しい毎日で。そのシーンの匠海は、台詞がなかったんですよ。だから終わるまでずっと寝てた(笑)」(伊藤)「誰にも何も言われないまま気づいたらそのシーンが終わってて。あとで自分がツラくなるっていう(笑)」(北村)「ちなみに、あのとき出てたキャストはみんな本番中1回は寝てます(笑)」(伊藤)「大変な現場だったよね。でも、こういう話をしていると、あの頃を知ってる健太郎とこうやってまた映画を一緒にやれて本当に良かったなと思う」(北村)「お互いまだまだだけど、こうやって匠海の名前がいちばん最初にあって、自分の名前もあるのがうれしいし。DJブースで一緒に並んでプレイするシーンとか、カメラの前に立つだけでなんかグッと来るものがあった」(伊藤)「お互い日本アカデミー賞新人俳優賞を獲れたのもうれしかった。同じ作品をやることはなかったけど、この4年間、ずっと健太郎がどんな仕事をしてるのかは見てたから。これからも健太郎とは刺激を与え合いながらやっていけたらなと思います」(北村)とびっきりのコメディでありながら、『とんかつDJアゲ太郎』が何か甘酸っぱい青春の記憶を思い出せてくれるのは、北村匠海と伊藤健太郎というふたりの俳優が共に過ごした時間がスクリーンから溢れ出ているからなのかもしれない。次世代を担うふたりの映画俳優の記録として、『とんかつDJアゲ太郎』はきっと多くの人の心に残り続けるはずだ。撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明
2020年10月30日ごく普通に生きているように見える人も、みんな何かしら悩みや痛みを抱えている。そんな息苦しい時代へ送る静かなエールのような映画が誕生した。それが、10月23日(金)公開の映画『空に住む』だ。両親の急逝。その悲しみを受け止めきれないまま、叔父夫婦の計らいによって高層タワーマンションで新たな生活を始めた直実。仕事、人生、そして恋愛のはざまで揺れる現代女性の孤独や喪失感が、直実の姿を通じて繊細に描かれていく。主人公・直実を演じたのは、女優の多部未華子。メガホンをとったのは、実に7年ぶりの長編映画となる青山真治監督。日本映画界の至宝というべきビッグネームが、本作で初めて顔を合わせた。「直実は、亡くなった両親からも『雲みたい』と言われるような、どんな人なのか一言では言い表せない、掴みどころのない女性。私も彼女のことを100%共感しながら演じたとは正直言えなくて。どちらかと言えば、よくわからないまま『これでいいのかな?』と思いながら演じていました」(多部)ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=c2573753-93df-4963-a170-f8270f362c64&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明
2020年10月21日人気漫画家・咲坂伊緒の傑作コミック『思い、思われ、ふり、ふられ』がアニメーション×実写のW映画化を果たす。本作は、『ストロボ・エッジ』『アオハライド』に続く咲坂伊緒の青春三部作最終章。同じマンションで暮らす4人の高校生の恋と青春を切なく瑞々しく描いていく。特集第1弾に登場するのは、山本理央を演じた声優・島崎信長と俳優・北村匠海。告白できないまま義理の姉となった朱里への恋心を胸に秘めながら、由奈に想いを寄せられるセンシティブな役どころだ。アニメと実写、それぞれフィールドは違うものの、役へ向き合う姿勢には重なるものが。「お話をするのは今日が初めて」というふたりの貴重な対談をお届けする。観たあとは一粒で二度おいしいという感覚でした(笑)――まずは試写をご覧になった感想をお願いします!島崎アニメも実写もどちらも素敵で。『思い、思われ、ふり、ふられ』という素晴らしい原作をそれぞれ違うビジョンを持って、みんなで誠心誠意つくったことが伝わる内容でしたね。北村わかります。それこそシャボン玉とか花びらが舞うシーンは、アニメならではの良さが光る演出。本当にキラキラとしていて、総合芸術だなと思いました。そういったアニメの良さもあれば、僕たちリアルな人間が演じる実写の良さもあって。おのおのの良さが輝く作品になったのかなと。島崎僕は気持ちとしては別の作品というつもりで。だから観たあとは一粒で二度おいしいという感覚でした(笑)。北村あと面白かったのが、アニメを観ていると、自分が理央を演じたときに見た風景がそこに描かれているような感覚になるんですよ。それが不思議というか。島崎わかります。やっぱり自然と理央に目がいくよね。これは北村さんの演技から受けた印象なんですけど、理央を演じる上で大事にした根本の部分は同じなんじゃないかなって気がして。実写とアニメ、生業にしている場所は違うけれど、同じ役者同士、同じ役に向き合ったら大きくは同じ流れになるんだなっていうのが発見でした。北村僕も同じです。きっと同じ感覚なんだろうなというのが伝わってきて。これは、演じる僕の特権的な見方になっちゃいますけど、そんなところも面白かったです。――おふたりが理央を演じるうえで大事にしたところとは?北村僕は不器用さですね。理央は一見王子的に見えるんですけど、カッコよく演じようとすると、逆にカッコよくなくなってしまうんです。理央が無自覚的に発する言葉が誰かを救っていたりして。でも本人はそこにまったく気づいていないのが理央の良さ。だから、いわゆるキラキラ要素というよりも、もっと人間臭いところ、ひとりの人間として呼吸をしている土臭さみたいなものを大切にしようと思っていました。島崎今、北村さんが言ってくれたこととまったく同じことを僕も意識していて。さっきちらっと話したんですけど、ここで理央が変わったとか、ここで恋をしたよねとか、そういう細かいターニングポイントも一緒で、うれしかったです。北村僕もうれしかったです。同じ役を別の角度で演じる経験ってなかなかないので、なんだかすごく不思議な感じがします。あの別れが僕たちを前に進ませてくれた――本作ではいろんな告白シーンが登場しますが、おふたりは好きになったら自分から告白するタイプですか?それともそっと想いを胸に閉じ込めるタイプですか?島崎僕は想いが高まったら衝動的に動いてしまう人間です(笑)。結果、空回っちゃったり、告白のタイミングでコケちゃうこともあるんですけど。わりと自分の気持ちには素直なタイプなのかなと。北村僕も自分から伝えますけど、気持ちのままには行けないですね。タイミングをすごく気にしちゃうというか。ただ、計算しすぎることで失敗することもあって。タイミングを探しているうちに、そのタイミングが過ぎ去っていた……ということはありました(笑)。――本作の特徴が、振られたあとにそれぞれが人間的に成長し、恋が新たな局面を迎えるところです。おふたりの「失恋」に関する思い出を聞かせてください。北村この作品ほどのものはないですけど……(笑)。島崎あんなドラマチックなのはね(笑)。北村ただ、別れが人を強くするというのは信じています。失恋ではないですけど、僕がやっているDISH//というバンドのメンバーのひとりが脱退したすることになって…。そのとき、バンドを続けるか解散するかという選択を提示されると覚悟していたんですけど、メンバーが誰ひとりバンドを辞める気がなくて、これからもDISH//を続けることが正義だって、みんなの心がひとつだったんです。それをきっかけにバンドの結束もより深まって。あの別れは悲しかったけれど、僕たちを確実に前に進ませてくれた。別れは必ずしもネガティブなものではないんだって、あのとき実感しました。島崎月並みな言葉だけど、失ってから気づくことっていっぱいありますよね。確かに傷つくし苦しいけど、別れがなかったらわからないこともきっとある。だから、あとはその人の捉え方次第。前向きに考えることができれば、どんな悲しいことでも前に進むきっかけになるし、失敗から学ぶこともあるよなって僕も思います。――おふたりは傷ついたらすぐ立ち直れるタイプですか?島崎僕はすぐ立ち直れます(笑)。ずっとウジウジ悩んでいてもしょうがないじゃないですか。だったら次の反省として活かすか、忘れた方がいいことなら気にしないに限ります。それに、もしそれが悔しさから来るものなら、見返してやるって反骨心に変えればいい。僕はわりと負けず嫌いな方なので、今までもネガティブなことがあったら、それをエネルギーに変えて、その反動でやってきたようなところはある気がしますね。北村僕は基本的に滅多に落ち込まないんですけど、落ち込んだときはネガティブにネガティブを掛け算してプラスに変えます。自分で落ち込んだなと思ったときは、無理せずいけるところまで落ちきる!もう明るい曲とか一切聴かない(笑)。そうやって沈むだけ沈んだら、あとはのぼるだけだって気持ちを切り替えます。中学のとき、文化祭でお姫様役をやりました(笑)――では最後に、文化祭が重要なシーンとして登場しますが、おふたりの文化祭の思い出を教えてください。北村僕は高校時代に文化祭実行委員をやっていて。高2のときに全学年合同の出し物グランプリがあって、それで僕たち2年生が3年生を置き去りにして賞を総なめしたんですよ(笑)。島崎そんなすごいものを出したんですか?北村僕らはショートフィルムを撮ったんですけど。僕は編集とかをやっていて。賞が決まったときはすごいカタルシスでしたね。そういうグランプリって普通は3年生がメインだから、自分たちが呼ばれるなんてまったく思っていなくて。発表の瞬間、「嘘だろ!?」ってみんなで立ち上がるっていう。あのときはうれしかったですね。島崎そんな素晴らしい青春の思い出は残念ながら僕にはないんですけど(笑)、中学のときに生徒会長をやっていて。うちの中学では文化祭で生徒会が演劇をやって、生徒会長はお姫様役をやるという謎の伝統があったんですよ。『眠り姫』みたいなお話なんですけど、僕が最後に復活して、王子様役の男の子をお姫様抱っこして走り回るっていう(笑)。北村めっちゃ面白そうじゃないですか(笑)。島崎おかげさまでウケました。今考えてもよくわからない伝統ですね(笑)。撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明※島崎信長の「崎」は「たつさき」が正式表記
2020年09月16日国民的人気アニメシリーズ『クレヨンしんちゃん』の、劇場版第28弾『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』で、俳優の山田裕貴は防衛大臣役を演じる。自由な落書きをエネルギーにして浮かぶ国、ラクガキングダムは、地上の落書きが減ったことで墜落の危機に瀕している。そこで王国軍と防衛大臣は、強制的に人々に落書きをさせる「ウキウキカキカキ作戦」を決行。しんのすけたちの住んでいる春日部も、大パニックになってしまう。平和をとりもどすために、ミラクルクレヨンを手にしたしんのすけは、自ら描いた落書きの仲間たちとともに、勇者として立ち向かうのだが……。ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=86f29d8e-d544-4bcd-8413-bc8b4d90f20c&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。(撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明)
2020年09月07日中村倫也が主演を務める映画『人数の町』が、9月4日に全国公開される。CMディレクターとして活躍する荒木伸二氏のオリジナル企画で、第1回木下グループ新人監督賞・準グランプリを受賞しており、氏にとって初の長編映画となる。借金を重ね、追いつめられた生活を送っていた蒼山(中村倫也)は、ある日突然、謎の男から不思議な「町」への招待を受ける。その町の住民たちは衣食住を保証され、享楽的に暮らしていたが、蒼山はある女性との出会いをきっかけに徐々に「町」に対して違和感を覚えるようになり――。本作は、中村が「町」のルールを読み上げる予告からも伺えるように、一筋縄ではいかない謎に満ちた作品に仕上がっている。「台本を読み終わった後、“観てくれた人はどんな感想を抱くのかな?”と、気になりました。僕みたいな職業は、世間の人とは微妙に物差しが違うかもしれないし、生活していく上でズレていくかもしれないし。そこがズレていたら、役者という仕事にも関わってくるので、気にしてしまいますね」ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=77ca923f-19c8-40bf-92e1-95f009da3202&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。『人数の町』9月4日(金)全国公開撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明
2020年09月04日奥田民生が、11月11日(水)にミュージックビデオ集Blu-ray&DVD『カンタンバーチャビレ』を発売する。この度、商品のスペシャルサイトがオープンし、ジャケット写真・収録曲なども公開となった。奥田民生は、これまでもYouTubeで音楽を軸とした様々な動画を公開していたが、『カンタンバーチャビレ』は、2020年4月から公開の“バーチャル背景命”とした動画のコーナーで、自身で企画からスタートさせスタッフもリモートで見守る中、レコーディングや撮影・編集等すべてを行っていた。今回のパッケージ化にあたり、YouTubeで公開された動画に加え、パッケージ限定で新たに2曲(「And I Love Car」・「美しく燃える森」)が収録される。そして、公開中の動画のうち2曲(「リー!リー!リー!」・「ツイストで目を覚せ -Twistin’ in Suits ’85-」)は、新たにパッケージバージョンとして編集したものを収録し、さらに曲間には制作エピソード(解説)も収録される。収録曲は全15曲で、奥田民生自身や自身が関わった曲から選曲しているが、映像と相まってユニークで多彩なラインナップとなっている。「雨降りにチューイ中」は、「マシマロ」と「チューイチューイトレイン」をミックスした1曲、「And I Love Car」は、発売から20年経っても色褪せないポップな1曲で、現在Honda FITのCMソングとして放送中だ。映像は、“バーチャル背景を使用する”というテーマはそのままに、企画スタート時から次第に楽器や小道具、演者や衣装のバリエーションが増え、東京スカパラダイスオーケストラの楽曲「美しく燃える森」ではゲストボーカルである自身も含めひとり10役を演じる。「何年か後に、この年はこうだったねと、すごく分かりやすいものになった」と奥田民生本人が語る、ユーモアたっぷりで見どころ聴きどころ満載な内容となりそうだ。商品は、1週間後の2020年9月4日(金)正午より全国で予約受付がスタート。詳細は『カンタンバーチャビレ』スペシャルサイトで確認できる。また同日予約受付スタートで、既に発売中のシングル『サテスハクション』のソノシート盤も発売決定。こちらは、SMA公式オンラインショップ「ROCKET-EXPRESS」でのみ、数量限定で発売される。■商品概要Blu-ray&DVD『カンタンバーチャビレ』発売日:2020年11月11日(水)商品予約受付開始:2020年9月4日(金)昼12:00~『カンタンバーチャビレ』スペシャルサイト:▼形態・価格・品番Blu-ray 6,300円(税抜) / 6,930円(税込)RCMR-2509DVD 5,800円(税抜) / 6,380円(税込)RCMR-2011収録分数 64分Blu-ray&DVDそれぞれ通常盤の1形態/ブックレット(4ページ)入り▼収録内容あいさつ1.海へと2.羊の歩み3.なんでもっと4.俺のギター5.ヘヘヘイ6.股旅(ジョンと)7.ザギンデビュー8.雨降りにチューイ中9.SUNのSON11.And I Love Car12.リー!リー!リー!13.Paradise Has No Border14.美しく燃える森15.ツイストで目を覚せ -Twistin’ in Suits ’85-■商品概要ソノシート※ソノシートは、「ROCKET-EXPRESS」でのみの販売となります。『サテスハクション』予約開始:2020年9月4日(金)正午(昼12:00~)発売日:2020年11月11日(水)収録曲: サテスハクション/プゥータのテーマ仕様:ソノシート+台紙(OPP袋入り)価格 : 909円(税抜)/1,000円(税込)商品サイト:SMA公式オンラインショップ「ROCKET-EXPRESS」
2020年08月28日友達と同じ人を好きになっても、絶対に好きだって伝えます恋をしている男の子たちは、どうしてこんなに綺麗なんだろう。四者四様の片想いを描いた映画『思い、思われ、ふり、ふられ』が8月14日(金)より公開される。物語の中で、北村匠海、赤楚衛二という旬の若手俳優が、すれ違う想いに心を焦がす表情を、切なく、甘酸っぱく演じ、観る者をときめかせてくれる。「自分の気持ちを伝えるって、すごく大変なこと。もしかしたら自分が傷つくかもしれないし、相手を傷つけるかもしれない。だけど、気持ちに素直にならないと何も始まらない。僕は今まで素直に生きてこられなかった人間なので、悩みながらも自分の本当の気持ちと向き合って恋愛をしている4人を見て素敵だなと思いました」(北村)「僕は自分の気持ちをすぐに伝えちゃうタイプなんで、今回の役を通して想いを伝えられない苦しさが初めてわかりました。ああいうグチャグチャした感情って今まで経験してこなかったから、こんな気持ちが自分の中にもあるんだって新しい発見になりましたね」(赤楚)北村演じる理央と、赤楚演じる和臣。ふたりの間には、浜辺美波演じる朱里がいる。もし友達と同じ人を好きになったら、ふたりはどうするのだろうか。「僕は構わず好きだって伝えますね」(北村)「うん。好きの度合いによるけど、本気なら僕も行く」(赤楚)「昔の取材だと、カッコつけて『奥手なんで、譲ります』とか言ってたんですよ。でもそんなわけがないっていう(笑)。もし同じ人を好きになったとしても、本当に友達ならどちらか片方がうまくいっても両方振られても笑い話にできるだろうし。それに、ふたりとも好きになるなんて、めっちゃ魅力的な人ってことじゃないですか。だったら、ちゃんと友達に言います、『僕もあの子のことが好き。絶対負けないけどね』って」(北村)「わかる。俺もちゃんと友達にその子のことが好きって伝えてから勝負に行きます。そういうことで仲が悪くならないのが、男同士の友情の良さ。ただ、もし僕がまだそこまで好きじゃない中で、友達がその子のことを好きって知ったら、急激に冷めちゃうタイプでもある。友達が片想いしている女の子とか、それこそ付き合っている相手とかは異性として見られなくなるんですよね」(赤楚)同じクラスだったら、僕が頑張って心をこじ開けます(笑)青春映画の名手・三木孝浩監督の瑞々しい映像とともに映し出される4人の高校生たちの恋と学園生活。原作は、第63回小学館漫画賞 少女向け部門を受賞した咲坂伊緒の同名コミック。20代の男性である北村と赤楚の目にも、胸がキュンとなる場面がたくさんあったようだ。「理央と(福本莉子演じる)由奈が図書館にいて、由奈が涙を流すシーンがあるんですけど、あそこはすごく好きですね。僕は小中高と図書室で過ごすことが多くて。図書室にはいろんな思い出があるんです。図書室って得てして床が絨毯だったりするから、靴を脱がなきゃいけなくて、靴下越しに伝わる感触とか、ちょっと生温かい空気とか、本の匂いとか、全部が好き。できれば、僕も高校生の頃に女の子とふたりで図書室で過ごしたかったなと思いました(笑)」(北村)「僕は鬼ごっこのシーンがすごく好きです。自分が高校生のときとか、全然あんな感じのことはなかったから。あのピュアな感じは今でもすごく憧れます」(赤楚)「僕も高校生の頃はあんなピュアじゃなかった。凄く大人ぶってたし、もっと尖り散らしていたから(笑)」(北村)「そうなの?単に考え方が大人だったというわけではなく?」(赤楚)「うん。騒がしい男子とか、『ヘッ』って顔で見てた(笑)」(北村)「それはスレてるね…(苦笑)」(赤楚)22歳の北村と26歳の赤楚。もしふたりがクラスメイトだったら、どうなっていただろうか。「僕は相当暗いと思う。休み時間とかずっと寝てたし、周りから怖いって言われていて。高校3年間のあいだ、男友達はバンドメンバーの矢部昌暉だけ。ずっとふたりで過ごしていました」(北村)「でもそれはあれでしょ?もともと男子が少ないクラスだったんでしょ?」(赤楚)「少なかったのもあるけど、みんなハジけて楽しそうだったから、こんな僕みたいなローな人間はついていけなくて。相手からこじ開けてくれないと仲良くなれないかもしれない……。」(北村)「それで言うと、僕は高校の頃はクラス全員友達みたいなタイプで。ヤンキーだろうがどんな人だろうかみんなと仲良くなれていたから、たぶん大丈夫。頑張ってこじ開けます(笑)」(赤楚)高校生のときは、将来に対する漠然とした不安があった恋愛だけではなく、進路に迷う気持ちも繊細に描かれているのが、本作の魅力。将来に悩む高校生の姿は、いつの時代も変わらない普遍的なものだ。「僕も進路は悩みました。本当は大学に行きたい気持ちもあったけど、僕はこの仕事一本で進んでいこうと決めて。。結局その選択をしたことで、『仰げば尊し』に出ることができたりしたので、これで良かったのかなという気持ちもありますけど、当時はすごく悩んでいましたね」(北村)「将来に対する漠然とした不安はあったよね。僕も自分って何なんだろうっていう疑問が常に心のどこかにあって。そういうのを忘れたくて、今を全力で生きていたようなところはある。僕の場合は大学に進学したあと、やっぱり自分の好きなことをあきらめきれなくて、本格的にこの世界に入ったんですけど。こうやって今振り返ってみて、自分のやりたいことをやろうと決めたあの決断は正解だったなと思います」(赤楚)劇中では、高台が特別な場所として登場する。ふたりにも、そんな心安らぐお気に入りの場所があるようだ。「小学生のとき、学年のみんながそこで遊んでいるような公園があって。僕らはそこに立っている一本の大きな木に登って秘密基地つくったりして遊んでいました。今でも地元に帰ったときに、その公園に行くとなつかしい気持ちになります」(北村)「僕も家の近くの公園が大好きでした。実はそこが映画と同じような高台にあって。映画みたいに綺麗な夜景が見えるわけじゃないんですけど、地元の街が見渡せる素敵な場所だったんです。僕は悩みごとがあるとひとりで散歩をするんですけど、そういうときはいつも緑が多いところとか気持ちのいいところに行きたくて。中でもその高台はお気に入りの場所で、よくひとりで考えごとをしていました」(赤楚)「わかるな。僕も自然が好きで、今でも川沿いを1時間くらい歩いたり、夜、土手に寝転がって空を見たりする。そうしてると、なんだか不思議と心が温まるんです」(北村)恋愛で求めるのは、結果じゃなくて過程です映画の中で描かれる、複雑な恋の矢印。ふたりは思う方と思われる方、どちらを選ぶだろうか。「僕は思いたいです。なんでも好きな人を追いかけるのは男の本能らしくて。オスが家族を食べさせるために狩りをしたり、そういう狩猟本能が男には備わっているそうなんです」(北村)「僕も思いたい。じゃあこの追いたい気持ちは本能なんだ」(赤楚)「もちろん思い思われる関係がいちばんハッピーだけど。たぶん僕らは追いたい以上、追われる側が常に優位。きっと尻に敷かれるタイプなんだと思います(笑)」(北村)「確かに(笑)。思われるのが得意じゃないというか、どうしても負担に感じちゃうところがあるんですよね」(赤楚)けれど、報われない中で思い続けることほど難しいことはない。自分のことを一途に思ってくれている人と、好きだけど絶対に結ばれる見込みがない人。ふたりいたら、それでもただ一心に続ける方を選べるだろうか。「僕はそれでも思う方を選びます。なんでなんですかね。確かに自分のことを思ってくれている人を選んだ方が、確実に愛は手に入れられるのに」(赤楚)「きっと結果じゃなくて過程が好きなんだと思う。仕事においてもそうだけど。結果に向かう過程が僕は好きなだけで。恋愛も一緒。だから、お付き合いという結果に100%発展できる相手より、本当に好きな女性をただ純粋に追いかけたいんじゃないかな」(北村)「まさにその通りだよ!うわ、こんなにそういうことだって思ったの久しぶり(笑)。自分の考えていることがそのまま言語化されました(笑)」(赤楚)「僕、感情を言語化するマシンなんで(笑)」(北村)「さすが!おかげでスッキリした〜(笑)」(赤楚)きっと映画を観終わったあと、こんなふうに自分の恋バナや恋愛観について話したくなるに違いない。『思い、思われ、ふり、ふられ』は、恋の苦みと輝きがつまった青春ラブストーリーの決定版だ。『思い、思われ、ふり、ふられ』8月14日(金)公開撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明
2020年08月14日奥田民生が、7月18日(土)に生配信企画『トツゼン生タビレ』を開催することが決定した。本企画は、自宅で過ごす時間が増える中、通信の力で少しでも豊かで快適な体験を提案したいという思いでauが掲げたスローガン「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」に、奥田民生が呼応する形で開催するもの。これまでもテレワークスタイルでゲストと繋がり、トークや演奏を繰り広げる『カンタンテレタビレ』や、誰でもカンタンにロックンロールをやれる方法を届ける『在宅ロックンロール』など、さまざまなアプローチの映像を次々とYouTubeで公開し、精力的に活動をおこなってきた奥田。今回の『トツゼン生タビレ』では、ゲストとして、フジファブリックと東京スカパラダイスオーケストラより北原雅彦、谷中敦、加藤隆志を迎え、同じ所属事務所(SMA)ならではのトークセッションを行う。また、配信に先駆け出演者への質問を募集する。配信当日にトークセッション内で、寄せられた質問に答えていく予定だ。さらに、奥田民生がバーチャル背景を駆使して演奏する企画『カンタンバーチャビレ』では、ゲストの東京スカパラダイスオーケストラの代表曲「Paradise Has No Border」のカバー動画を公開された。■生配信『トツゼン生タビレ』日時 :7月18日(土) 18:00 頃生配信予定出演 :奥田民生・東京スカパラダイスオーケストラ(北原雅彦、谷中敦、加藤隆志)・フジファブリック生配信:奥田民生(RCMR)YouTubeチャンネル 『トツゼン生タビレ』質問はこちらから:
2020年07月11日人気ロックバンド シドが3月4日に待望の新曲『delete』をリリースする。アルバム『承認欲求』を引っ提げたツアーを大成功のうちに終わらせたシドにツアーを通して感じたこと、『delete』で表現したかったこと、その次の未来への展望など、シドの「今」を訊いた。ファンの目を見つめるようにしていました。目って記憶と結びついていると思うから。お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=49e959f8-6129-4007-aef2-88790eb9e9d5)(撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹、ヘアメイク/坂野井英明、スタイリング/奥村渉)
2020年03月04日桜庭の“異物感”をうまく出せたら俳優・岩田剛典が“覚醒”のときを迎えようとしている。AI(人工知能)が全国民の個人情報・健康を管理し、欠かすことのできないライフラインとなった2030年の日本を舞台に、医療AI<のぞみ>が暴走しテロリストとして逃亡者となるAI開発者桐生(大沢たかお)の逃亡劇を描いたサスペンス超大作『AI崩壊』。岩田が演じるのは、桐生と対立する天才捜査官・桜庭。天才VS天才の頭脳戦が、本作の大きな見どころだ。知的な銀縁眼鏡の下に覗かせる、感情を一切排した眼差し。落ち着き払いながら迷いのない声のトーン。それらのすべてが、MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取得した天才肌の桜庭というキャラクターにリアリティをもたらしている。「入江(悠)監督が『桜庭をもうひとつの正義として描きたい』とおっしゃっていて。確かに桜庭の考え方はドライでシステマチックだけど、そのベースには世の中をより良くしたいという厚い正義感がある」AI暴走の犯人として容疑をかけられる桐生。桜庭は、捜査AI<百眼>を駆使し、逃げる桐生を追いつめる。その絶対的な存在感を発するために、岩田はどんなことを心がけたのだろうか。「まずはまばたきを一回もしないでいようと。イメージは、人より体温の低い、低体温な動物のような人間。桜庭は、これだけたくさん登場人物がいる中で、最も人間味の薄い男 。その“異物感”をうまく出せたらと」また、MIT出身というバックボーンに説得力を持たせるためにも、こんなオリジナルのアイデアをプラスした。「海外から帰国した人って、ちょっと人との距離感が違う気がして。だから台本には書かれていないんですけど、初対面で挨拶をするときに握手をしてみようと。普通、警察の人間が事件現場で握手なんてしないと思うんですけど、あえてそうすることで桜庭らしさが 出ればと思った。他にも名刺の渡し方とか、所作についてはいろいろ工夫しました」また、随所に挟まれるリアクションにもこだわりを見せた。「役づくりの段階で、IQが高い人の特徴を調べたりもしました。あまり一貫性はなかったんですけど、意外と変人が多いということがわかって。中でも参考になったのが、頭が良い人は人の思考の二歩も三歩も先を読めるから、想定外のことがほとんどない。だからあまり驚いたり慌てることがないそうなんです。そうした実例も踏まえつつ、桐生がとった行動に対して桜庭がどうリアクションをとるか。かなり細かく計算しながら演じました」入江監督が称賛した岩田剛典の“引き算の芝居”AI研究者として共に天才の領域にいるのが、桐生と桜庭。劇中では「逃げる者/追う者」 という相反する立場だが、このふたりにしか分かち合えないものがあると岩田は考えた。「桜庭は誰の意見も聞かないし、微塵もブレない芯がある男。逆に言うと、自分の部下も含めて誰とも対等に話ができないと思っていた。そんな桜庭にとって、初めて自分と同じ目線で話せる相手が桐生だった。そういう意味では、桐生に会えてうれしいという気持ちがあった気はします」こうした岩田の深い役づくりや読解力に、監督の入江悠も絶賛。岩田の演技を「余計なものを足さない、引き算の芝居」と舌を巻いた。そう監督からの賛辞を伝えると、岩田の表情がうれしそうに輝いた。「まさに引き算の芝居でしたし、それについては撮影に入る前からかなり綿密に考えていました。これだけの作品でキーマンとなる大きな役をいただけたからには、絶対期待に応えたい気持ちがあった。だから、とにかく現場では全神経を集中して、感覚を研ぎ澄ませていました」そう真剣に語る表情には、俳優として確かな自信を深めた手応えが窺える。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、EXILEのメンバーとして活動する一方、近年は『 去年の冬、きみと別れ』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』『町田くんの世界』など俳優として目覚ましい躍進を遂げる岩田。そのフィルモグラフィーにおいて、この『AI崩壊 』は記念すべき1本として刻まれることになるだろう。『AI崩壊』1月31日(金)全国公開(撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明)
2020年01月28日全国公開中の映画『カイジ ファイナルゲーム』。「週刊ヤングマガジン」連載の人気コミック『カイジ』の実写化第1弾『カイジ 人生逆転ゲーム』(09年)が大ヒット、主演の藤原竜也の代表作となる。続いて『カイジ2 人生奪回ゲーム』(11年)が公開、本作は藤原主演の9年ぶりの『カイジ』となる。シリーズ最終回と銘打たれた本作は、原作者の福本伸行氏も脚本に携わった完全オリジナルストーリー。2020年の東京オリンピック以降、現在以上に格差社会となった日本。カイジは、国を巻き込んだゲームに身を投じることになるーー。本作に登場するゲームは4つ。“バベルの塔”、“最後の審判~人間秤~”、“ドリームジャンプ”、“ゴールドジャンケン”、どれも福本氏考案のオリジナルゲームという点にも注目が集まっている。そして“最後の審判~人間秤~”でカイジの前に立ちふさがるのは、彼の勤務する派遣会社社長・黒崎だ。弱者から搾取し、自分の利益のためには手段を選ばない、腹黒い権力者である黒崎を演じるのは、舞台やドラマに活躍の目覚ましい吉田鋼太郎。藤原とはプライベートでも親交が深く、昨年公開されたアニメーション映画『ルパン三世 THE FIRST』での共演も記憶に新しい。そんなふたりの“最後の審判~人間秤~”での演技バトルは本作の見どころのひとつだ。「“最後の審判”の撮影は長丁場な上に、ゲームのルールも複雑なので、僕も鋼太郎さんも共演者の方も、集中力を切らせないようにするのは大変でしたね。常にどうやってテンションを維持するかを考えながら演じていました」(藤原)藤原竜也吉田鋼太郎そして、『カイジ』初参戦となる吉田は、本シリーズ特有の“リアルさ”に着目したという。「藤原竜也の演じるカイジ像はすでに完成されていて、それを期待してお客さんは劇場に足を運ぶと思うんです。『カイジ』の世界は、現実離れしているように見えて、今の現実と地続きのもの。そのキワキワの世界が面白いんじゃない?だから、こういう突飛な設定だからこそ、振り切ってしまうと戦隊モノの悪役のようになってしまう。だからこそ、演技をする上でのリアルさや人間臭さにはこだわりました」(吉田)共演経験も多いふたりだが、本作の藤原に対して吉田は“手強かった”と語る。「普段は、僕が大きい声を出したり、相手の目を見てその人に向かってセリフを発すると、たいていの場合は“怖かった”だとか“迫力があった”と言われるんです。けれど、この人(藤原)にはそういうの、一切通用しないんですよ。こちらとしては、ひるませたり、怯えさせたりしたいじゃない?そういうことが一切ないから、そりゃあ手強いですよ(笑)」(吉田)「ははは!僕は“大声を出したら他者を圧倒できると思うなよ”と思ってしまうタイプなので(笑)。でも、鋼太郎さんと共演する時って、ある意味とても楽をさせてもらっているんですね。鋼太郎さんが率先してそのシーンを引っ張ってくれるので、すごく頼りがいがありました。鋼太郎さんの芝居表現は、カイジの世界に合っていますし、あの空間に負けないエネルギーを持っているので」(藤原)吉田鋼太郎、藤原竜也吉田鋼太郎、藤原竜也「『カイジ』は、これまでの歴代の悪役が凄いじゃないですか。香川(照之・1作目の敵役、利根川を怪演)とか。それはプレッシャーでしたね」(吉田)先述したとおり、プライベートでも仲が良いことで知られているふたり。忙しい合間を縫って食事をしたり、お互いの出演舞台も鑑賞しているという。なお、先月はカラオケに行ったそうだが、藤原は長渕剛、吉田は70年代の歌謡曲が十八番だという。そんな盤石の信頼関係があるからか、撮影現場でも阿吽の呼吸だった。「予めお互いに打ち合わせをするというよりは、一発勝負。僕は色々と頭で試行錯誤や計算をして、色んな演技のパターンを持っていったんですが、竜也は必ずそれに応えてくれるので、そこに演技の楽しさがあるんだよね」(吉田)藤原竜也吉田鋼太郎現実を予見するかのような、格差社会のサバイバルを描く『カイジ』シリーズ。カイジを演じてきた藤原は、本作をこう捉えている。「格差も広がって、『カイジ』の世界がいま、現実になろうとしている。『カイジ』はエンタテインメント作品ですが、福本先生は物語を通して、それをずっと僕らひとりひとりに訴えかけていたのだと思います。今回、それを改めて感じました。鋼太郎さんを筆頭に新しい共演者さんたちのおかげで、ものすごいスケールの大きな作品になったと思うし、天海(祐希)さんや生瀬(勝久)さんの出演も、僕としてはとても嬉しいです。自信を持っておすすめできる映画になっています!」(藤原)吉田鋼太郎、藤原竜也藤原竜也吉田鋼太郎(撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明)
2020年01月11日キャラクターに感情を込めるのではなく、作品を語るのが活動弁士周防正行監督の最新作『カツベン!』が上映中だ。舞台は、無声映画が国民の娯楽だった大正時代。活動弁士に憧れる主人公・俊太郎(成田凌)の青春と恋を描いた本作で、高良健吾はスター気取りの活動弁士・茂木貴之を演じている。役づくりに欠かせないのは、活動弁士の話芸を身につけること。そこで、現役の活動弁士である片岡一郎のもと、3ヶ月に及ぶ稽古に励んだと言う。「高良さんの演じた茂木とイメージの重なる弁士の方が無声映画時代にいて。その方が自分の芸をレコードに録音されていたので、まずはそれを高良さんに聞いてもらうところから稽古を始めました」(片岡)「最初に聞いた瞬間、『これが自分にできるのか?』と(笑)。でも、活動弁士は一生に一度出会えるか出会えないかという役。しかも稽古期間を3ヶ月いただけるということだったので、これはどうにか自分のものにしようと気合いを入れました」(高良)俳優も活動弁士も台詞を発するという点では同じ。しかし、言葉の扱い方はまるで違った。「いちばん面白かったのが、稽古に入ってすぐ片岡さんから『活動弁士は感情を込めてやっちゃいけません』と言われたんです。てっきり芝居のように感情を込めてやるものだと思っていたので驚きでした」(高良)「個々のキャラクターに感情を込めるのではなく、作品を語るのが活動弁士。作品を語るためには、個々に入り込みすぎるとかえって散漫になってしまうわけですね。特に高良さんが演じた茂木は正統派の弁士。なので、現代のお客さんにはちょっとわかりづらいかもしれないけど、語りのプロが見たときに『この人はうまい』と思ってもらえるものに持っていきたかったんです」(片岡)学識肌の片岡は、指導も論理的で理路整然。その中に感覚的なアドバイスも盛り込み、「それが自分にはフィットした」と高良は顔を綻ばせる。特に役立ったのが、一人で老若男女を演じる際に必要な声色の使い分け方。片岡はピンボールを例にこんなアドバイスを送った。「口の中にピンボールサイズの空気の塊をイメージするんです。高い音を出したいときは、この空気の塊を上に上げる。逆に低い音を出したいときは、下に下げる。そうすると、体に負担をかけず、意識の持ち方だけで音の高低差をつくることができるんです」(片岡)「それも上下の2種類だけじゃなくて。たとえば女の子を3人演じるなら、この女の子は右上、この女の子は左上というふうにピンボールの位置を変えてみる。感覚的なんですけど、僕にはこのやり方がいちばんわかりやすくて。活弁のシーンでは『このキャラクターはこの位置』とイメージしながらやっていました」(高良)活弁のシーンは不思議と自信を持って臨めた稽古期間中には、活動弁士役を演じる成田凌、森田甘路と3人で合同稽古や途中経過発表会も行った。「この映画の肝は、弁士によって同じ作品が違って見えるところ。そこが大事だから、3人が同じ芸になっていないことを確認するためにも一緒に稽古をやってみようかと。そしたら見事に三者三様でしたね(笑)」(片岡)「三者三様ですね。僕が正統派なのに対し、凌はもう少し遊びがあったというか」(高良)「茂木は自分の芸がすでに出来上がっているスター弁士。一方、成田さん演じる俊太郎は天才的な才能を持ちながらも、先輩のモノマネから入ってきて、自分の芸を探している成長過程にいる役。成田さんは、高良さんや森田さんと比べても台詞の量が膨大で、当時はまだ試行錯誤されている様子でした。そんな悩みながらも取り組む姿が、物語序盤の俊太郎と酷似していて、いい生々しさを生んでいました」(片岡)濃密な稽古を経て、いよいよ撮影へ。観客役のエキストラがひしめく中、カメラの前に立つ。どれだけ緊張やプレッシャーでいっぱいだったかと思いきや、高良の心境はまったく違っていた。「不安というのがあんまりなくて。いつもの僕ならこんなふうに何か習ったことを披露するときは不安を持ちながらも『とにかくやるか!』って自分で自分を焚きつけることの方が多いんですけど、今回は違ったんですよね。不思議と自信があって。それは稽古でずっと片岡さんが褒めてくれたからというのもあると思うんですけど、すごく楽しんでやれました」(高良)「撮影のときがいちばんいい出来でした。普通にお客さんから拍手が起きましたもんね。稽古中もこんな習得が早い人っているのかしらというぐらいで。むしろ途中から教えることがなくて大変でした(笑)」(片岡)「うれしいです。ありがとうございます!」(高良)今の映画館では見られない光景が描かれている大正時代の活気と映画に対する愛がつまった本作。その出来栄えに、高良も自信の表情を浮かべる。「この作品の魅力は、当時の映画館の雰囲気が映し出されているところ。お客さんはみんな映画というより活動弁士が見たくて映画館にやってきて、面白ければ一緒になってわーっと盛り上がる。今の映画館では見られない光景が描かれているところが面白いなと思います」(高良)映画とともにキャリアを重ね、映画を愛する高良だからこそ、「映画の始まりの時代を生きられたことがうれしかった」と声を弾ませる。「あとはやっぱり活劇なんです。サイレント映画は音がない分、動きが大きくて活劇的。『カツベン!』は音もあるし色もついているけど、どこかサイレント映画の雰囲気が残っていて、常に人が動いている。そういうところが活劇という感じがして、いいなと思いました」(高良)日本映画に造詣の深い片岡は、こんな楽しみ方を提案する。「ソフト化したらぜひオーディオコメンタリーをしたいんですけど、『ここは実在したある弁士のエピソードがもとになっていて……』と解説しはじめたら6時間はかかっちゃう(笑)。それぐらい随所に無声映画時代へのオマージュが散りばめられているんです。きっと映画史をちょっとかじったことのある人なら永遠に楽しめるはず。だから一度観た人も、当時の映画のことを調べて、もう一度観てほしい!そしたらいろんなネタに気づくと思うし、そうすると他にも別の視点があるんじゃないかってまた観たくなる。何回観ても楽しめる作品であることは間違いないです!」(片岡)無声映画を知らない人も、無声映画を知っている人も楽しめる、娯楽映画の傑作がまたひとつここに誕生した。撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明『カツベン!』全国公開中
2019年12月27日2020年1月から、3度目のミュージカル上演がスタートとなる『デスノート THE MUSICAL』。誰もが知るこの大作に、弱冠15歳で主要キャラクターの1人・弥海砂(通称:ミサミサ)役で出演するのが、吉柳咲良だ。2017年には最年少タイの13歳で、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で初舞台・初主演をこなしている彼女。キャリアは短くとも若さと情熱、そしてキャラクターへの積極的なアプローチを武器に、先輩たちと舞台を作り上げる心意気を語ってもらった。「ミサミサを演じるプレッシャーは、本当に大きいです。今まで演じてきた『ピーターパン』とは全くかけ離れた役なので、培ってきたものをというよりは本当に新しい挑戦という気持ちです。でも私でやってみようと決断していただいたんですから、稽古場では期待にお応えできるくらい、頑張りたいと思っています。初演と再演の『デスノート THE MUSICAL』でミサミサ役だったのは、私の大好きな先輩の唯月ふうかさん。また違うミサミサになると思いますが、変わらずみなさんに愛されるようなミサミサになれたらという気持ちで演じたいです」舞台の上ではマイナスな感情を一切出さない決意をしている。「舞台を見に来てくださっている皆様に、私の迷いをお見せすることはできないので、一歩一歩、確実にステップアップして準備をしようと思っています。新しい挑戦に戸惑うことは多いですが、ワクワクする気持ちも確実にあります。小さな共感を積み重ねて、理想のミサミサを演じたいです」吉柳さんは2004年生まれ。漫画『DEATH NOTE』は2003年に連載がスタートしたので、彼女にとってはクラシックな部類に入る作品だった。「漫画の『DEATH NOTE』は、連載開始が私の生まれる前で、連載終了が2歳の時。お父さん、お母さんの方が世代なんじゃないかな。私の『DEATH NOTE』のイメージはドラマからですね。『DEATH NOTE』の面白さは、悪の正解も正義の正解もないということだと思います。個人が持つ正義が少しずつ曲った方向に行ってしまっていて、じゃあどの方向が正解かと言えば読者・視聴者にもわからないんですけど、思想の絡み合い、ぶつかり合いがスリリングな作品だと思います。そして『DEATH NOTE』という架空のノートがあったら本当にこうなるだろうなっていう、リアリティが怖いです」その怖い世界の中で、月に恋するミサミサの情熱は、吉柳さんにとって別世界の事柄のように感じることも。「アイドルというたくさんの人の愛を一身に受ける存在のミサミサが、なぜキラに執着するのか、恋をしてしまうのか、自分の身を滅ぼす寸前まで守りたいと思うのか……。恋愛に命を懸けるって、なかなかできないですよね。両親の敵を討ってくれたとはいえ、自分の身を顧みずに相手を想い続ける実感がわかなくて。でもまだ私にはわかりきれていないミサミサの考えが沢山あるので、これから少しずつ理解していきたいです」理解している途中にいるとはいえ、ぼんやりとしたミサミサ像は、心の中で徐々に形になりつつある。「私はミサミサがアイドルとして魅せる陽の部分よりも、抱えている闇の部分のほうが、たぶん出せるんじゃないかな。私自身が深い闇を抱えているとかではないんですけど、『かけ離れているな』と感じる部分はミサミサの陽の部分なんです。女の子らしいという言葉には縁遠かったので、私にとって海砂の衣装や可愛い仕草もまた挑戦なんです。だからミサミサのアイドルとしての、可愛い女の子としての部分よりも、内側にある部分の方が、私は共感できるものが多いと思います。この3年間、舞台や映画と色んな経験をさせていただいて、楽しいことはたくさんあったけど、もちろん悩んだことや辛いこともたくさんあったので、きっかけは何にせよ、何かを秘めていることに関しては、共通点があると思うんです。そんなことを頭に置きながら、台本や譜面を読んでいくつもりです」役柄への理解は、歌の理解・表現にももちろんつながる。「ミサミサの歌って、歌詞の意味が深くて。どれだけ思いが込められているかが、伝わってくる歌なんです。アイドルとしてミサミサがステージで歌う歌と、レコーディングの歌と、最後に出てくる歌はまったく路線が違うので、アイドルとしてのミサミサと、闇を抱えながら生きる弥海砂との違いが、すごくわかると思います。衣装を着て、セリフが入ったら、たぶんもっともっと感情移入できると思うので、よりリアルなミサミサをお届けできると思います。私自身、アイドルのキラキラしている姿を見るのが大好きなので、アイドルとしてミサミサが歌うシーンはすごく楽しみ。アイドルになったつもりでステージにいられるんだなって思うと、嬉しくなります(笑)」今回の出演者の中では断トツに最年少だが、あくまで対等を目指す。「『私で大丈夫?』って内心弱気になってしまうこともありますが、やっぱり同じ舞台に立つ以上は、同じくらい、それ以上で頑張らなければいけない。本格的な稽古が始まったら、絶対に悩むと思うんですけど、ミサミサという役柄を通していろいろ学べることが楽しみでもあります。『DEATH NOTE』は、今まで自分が関わってきた作品の中で一番テーマが重いのですが、その重さの中で演じる私を、見てくださる皆さんにいかに共感していただけるか、感情移入していただけるのかっていうのが、最大の課題です。頑張った成果を爆発させて、ミサミサとしてステージで存在したいです」ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』は2020年1月20日(月)の東京公演を皮切りに、静岡、大阪を経て、福岡で千秋楽3月8日(日)まで上演。吉柳咲良の闇を抱えた愛らしいミサミサに、ぜひ会いに行きたい。撮影/奥田耕平、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴
2019年12月21日実写じゃできないことを表現できるのがアニメの良さ撮影/奥田耕平宗田理のベストセラー作品であり、宮沢りえ主演で実写映画化もされた『ぼくらの七日間戦争』がアニメーションとなってリブートされる。本日から公開のアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』は、舞台を2020年の北海道へと移し、現代を生きる少年少女たちが大人との“戦い”を経て成長する姿を描いた珠玉の青春ムービーだ。「アニメーションの良さって、実写じゃなかなか表現できないものを表現できるところだと思うんです。今回の作品で言えば、やっぱり大人と戦うシーン。コミカルなところはコミカルに、芯をつくところはしっかり芯をついていて、こういうワクワクするような表現はアニメならではですよね」そう主人公・鈴原守のCVを務めた北村匠海は声を弾ませる。アニメの声優に挑戦するのは、映画『HELLO WORLD』に続いて2度目。だが、前作はプレスコ(台詞を先に収録すること)で、共演者ともほとんど別々に収録したのに対し、今回は2日にわたってみんなと一緒にアフレコを行った。おかげで、本職の声優陣からも貴重なアドバイスをたくさんもらえたのだそう。「たとえば近くの人と話しているシーンならマイクに近づいた方がいいし、声だけで広さや空気を表現しないといけないときはマイクから離れた方がいいとか。マイクとの距離のとり方だけで、リアリティが変わるんだということもみなさんから教えていただきました。普段歌のレコーディングをするときは、マイクとゼロ距離だから、こういうやり方もあるんだって新鮮で面白かったですね」10代の頃は、早く大人になりたいと思っていた撮影/奥田耕平北村は本作を「10代の頃に漠然と抱えていた大人への反抗心を代弁してくれる作品」だと語る。自身も10代だったときは、大人への疑問と戦う時期を過ごした。「大人って『こうしなさい』とか『こうあるべき』っていう自分たちの考えを言ってくるところがあると思うんですよ。それに対して疑問は抱いていたかもしれないですね。たとえば進路ひとつとっても、『大学へ行ったほうが良い』ってよく言うけれど、大学に行って何を得られるかはその人次第。大学に行くことがゴールじゃないだろうと思っていた部分はありました」当時の自分を「勝手に大人びていた」と北村は振り返る。「僕は8歳でこの世界に入って、大人の方と接することが多かったから、自然とそうなっちゃったところはあると思います。そう考えると、僕は僕で『こうあるべき』という枠にはまっていたんでしょうね。10代のときも、本当はカルチャー的なものが好きなのに、世間の目を気にして言えなかったりとか。そういう他の人から見た印象と本当の自分とのギャップにモヤモヤしていた時期もありました」だからこそ当時から強く願っていた、早く大人になりたいと。「自分の現状が嫌だったので、早く大人になって、周りの大人たちと社会的に対等になりたかった。10代の頃から早く20歳になりたかったし、20歳になったら今度は早く30歳になりたいって思っていました」撮影/奥田耕平現在22歳。未成年の枠から外れ、ひとりの成人として十分認められる年齢になった。今、自分のことを「大人になった」と感じることはあるのだろうか。「18で初めて投票に行ったときは、勝手に大人な気分になりましたね(笑)」そう照れ臭そうに笑ってから、そのミステリアスな眼差しに、すっとまっすぐな光が灯った。「僕が最近出会った素敵な方々は、年齢的にも大人だし、言うことも大人なんですけど、子供の頃の気持ちを忘れていなくて、いくつになっても若いなって感じがするんです。そう考えると、大人かどうかなんて世の中が勝手に決めることなのかもしれないなと。自分で自分のことを大人だと自覚する必要もない。だから、あんまり自分で大人とか子供とか決めつけるのはやめにしました」撮影/奥田耕平作中、「大人になるということは、目上の人間の命令に従うことだ」といった台詞が登場する。「この台詞は特にすごいエゴだなって思いました。でもきっとその人にとってはそれが正義というか、ずっとそうやって生きてきた。だから、それを否定する気もなくて。ルールや理性さえちゃんと守っていれば、あとは大人としてのあり方なんて人それぞれなんじゃないかなって」大人になるとは、どういうことか。その問いに対し、北村匠海は考えを整理するように真摯に言葉を編みながら、自分なりの解をたぐり寄せていく。「映画の中で、同級生の6人が自分の想いを吐き出すシーンがあるんですけど、あの瞬間、僕はみんながひとつ大人になったと感じたんです。人それぞれ思うことがあって、生きる人生があって。それぞれの想いは決して重ならないけど、つながり合うことはできる。相手を受け入れて、自分も受け入れてもらうことが、大人になるっていうことなんじゃないかと思いました」他者を否定するのではなく、受け入れる。考えを押しつけるのではなく、異なる価値観を認め合う。多様性の時代を生きる22歳の北村らしい“大人論”だ。17歳で夢を叶えて、17歳で夢を失った撮影/奥田耕平映画の中で、6人の高校生は“本当の自分”を模索する。SNSが発達し、誰もが自由に自分を編集・加工できる現代にふさわしいテーマだ。では、芸能界という華やかなステージに身を置く北村にとって、“本当の自分”を出せる場所は果たしてどこか。「表に出る仕事である以上、架空の自分をつくり上げてしまっているところは確かにあるかもしれないです。誰にでもいい顔をしてしまうというか“本当の自分”を出せずにいたり、自分でつくり上げた架空の自分から抜け出せていないのかもしれないと思う瞬間もあって。そんな中で何も考えずにいられるのは、やっぱり家族と、十数年一緒にやってきたDISH//の仲間たち。自分の世界が広がれば広がるほど、長年自分のことを見てくれる人たちといる時間は大切だし、その大切さを見失いたくないなって思います」守は、父親の仕事の都合で急遽引っ越しが決まった幼馴染みの千代野綾(声:芳根京子)の17歳の誕生日のためにバースデー・キャンプを計画する。北村にとっても17歳は特別な時間だった。「僕、17歳のときにDISH//で日本武道館に立っているんですよ。ずっと武道館に立つことが夢だったからうれしい反面、こんなにも早く立ってしまっていいのかっていう葛藤もあって。まだ子供だった僕らは、武道館という大きなステージを与えてもらっているのに、どこか不安みたいなものを抱えていました」撮影/奥田耕平撮影/奥田耕平夢の舞台に立てるだけの経験値がないことは、誰よりも自分たちがわかっていた。それでも、取り巻く大きな流れをせき止めることなどできるはずもない。17歳の北村は、夢と現実のはざまで戸惑っていた。「武道館に立ったら立ったで、そのあと、これからどうしていこうと……今振り返ると、グループとしては停滞期に入っていたのかなあと。17歳は、夢を叶えた頂点の想い出から苦い想い出まで全部味わった1年でした」北村匠海は、包み隠さない。自分の感じたこと、考えたことを、誤魔化さずに言葉にしていく。こうして17歳の頃の葛藤を明かせるのも、すべてを乗り越え、受け入れた今があるからだ。「初めて武道館に立ったとき、DISH//は楽器を持っているエアバンドだったんです。でもそこからより自分たちのしたいことをやっていこうと決めて。みんなで楽器を練習して、いろんな音楽フェスに出たりした。今はやっと自分たちのことをバンドだって声を大にして言えるようになった気がします」撮影/奥田耕平今年4月に発売したアルバム『Junkfood Junction』では、あいみょんやUNISON SQUARE GARDENの田淵智也など豪華クリエイター陣が楽曲を提供。さらに、11月に配信された新曲『PM 5:30』では北村自ら作詞を担当するなど、充実した音楽活動を行っている。「でももうDISH//のことを何と言われようが僕らには関係ないというか、DISH//はDISH//なんです」そう胸を張れるのは、歩んできた道のりに確かな手応えを感じているからだ。「今、自分たちは好きな音楽をやれている。そして、そこに対して探究心もある。それがすべてで。僕が今、DISH//を続けているのは、これからの自分たちに懸けているから。まだまだ僕らは年齢も若いし、技術もない。その中で、ちゃんとより良いものを目指して戦っていかなくちゃいけない。そういう自分たちに今、期待しているんです」大人への疑問や反発心が渦巻いていた10代。揺れる胸の内と戦うことで、彼はひとつ大人になった。20代の北村匠海もまたいくつもの戸惑いや葛藤と戦っていくことになるだろう。そうやって人は豊かになる。年齢が、人を大人にさせるんじゃない。戦うことで、人は大人になっていく。撮影/奥田耕平撮影/奥田耕平(撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明)
2019年12月13日11月8日に公開された『ひとよ』は、劇作家・桑原裕子の同名舞台を、『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督の手によって映画化した作品だ。降りしきる雨の夜。小さなタクシー会社を営む一家で事件は来た。家族に凄惨な暴力を振い続ける父に苦しめられる母と3人の子どもたち。子どもたちを守るため、母・こはる(田中裕子)は夫を殺害してしまう。事件はマスコミによって、センセーショナルに報道され、「一夜(ひとよ)」にして家族をとりまく環境は一変してしまう。そして15年後、3人の子どもたちは、それぞれの道を歩んでいた。事件の傷を抱えたまま。兄の大樹(鈴木亮平)は地元の電気店、弟の雄二(佐藤健)は東京でフリーライター、そして妹の園子は地元のスナックで働いている。鈴木亮平演じる長男の大樹は、吃音を抱えている寡黙な青年だ。兄妹の中で唯一、妻と子どもという「家族」を持っているが、それも崩壊寸前だ。そんなある日、刑期が終わってからも、姿を見せなかった母が、15年ぶりに家族のもとに帰ってきたーー。白石監督作品に初出演する鈴木。監督の手がける映画は“強さ”があると語る。「映画の“強さ”を持っている人だと思います。観客を飽きさせないような意志、エンタテインメント性を持っていますし、空気感や雰囲気で曖昧に押し通すのではなくて、芝居の付け方も“強い”というか。現場は監督やスタッフはリラックスした環境を演出するのが上手で、緊張感を求めるのではなく、役者が自然に実力を発揮できるような空間でした。ただ、そうなると役者の個人にかかってくるという責任はありますね」鈴木亮平といえば、『西郷どん』や『俺物語!!』などの、「気は優しくて力持ち」的な役どころのイメージがある。しかし本作の大樹は、内向的で自分の気持ちを上手く他人に、家族にすらも伝えることが出来ない。そして、いなくなったはずの父の影に怯え続けている、不器用な男なのだ。「役を作る上で、監督とはかなり話し合いを重ねました。実際に吃音症の方、先生ともお会いして勉強させていただいて、その上で監督と話し合いました。僕なりに役への解釈を伝えたりして、一部台本を変えてもらったりしたこともありました」大樹は、“溜め込んでしまう”役柄だと語る鈴木。 「これまでにも、内向的というか“静かな人”を演じることはあったのですが、今回は“溜め込んでいる”役なんですよね。言いたいことを口にせずに溜め込んでいく役は初めてで、新鮮な経験でした。吃音はもちろんのこと、事件の加害者の遺族でもあり、被害者の遺族でもある。虐待の記憶もあいまって、彼(大樹)は自分の感情を他人とシェアしない、できない人間になってしまった」家族という関係は、“絆”でもあり、それが“鎖”になってしまうこともある。鈴木は、大樹の不器用な生き方は“長男”という立場にも原因があると語る。「彼は長男で、親からの暴力を最初に受けた子どもです。上がいないから、自分ひとりの中で気持ちを処理するしかなかったんです。自分が殴られる原因もわからないし、反発すらできない。原作の舞台には、大樹の人差し指が曲がっているという設定があるんです。セリフなどで言及しているわけではありませんが、映画でもそこは残しているんです。よく見ると分かります。当初、その設定は映画ではなくそうという話もあったのですが、原作者の桑原さんとお話する機会があって、人差し指について尋ねたんです。“子どもの頃に親の暴力で指を脱臼してしまった。でもそれを言うと、また暴力を振るわれるから黙っていた”とおっしゃっていて。そこに大樹の生き方が集約されていると思って、クランクイン二日目くらいに監督に“あの設定、復活させてください”と、メールしたんです」大樹という役に対して、誠実に取り組んでいることが伺えるエピソードだ。兄妹のなかで、いち早く“家族”を作った大樹だが、それは“復讐”だという鈴木。「僕の中で、あれは、親父への復讐なんですよね。“自分は父親とは違う”という証明をしたくて。だからこそ、早く結婚して幸せな家庭を作りたかった。だけど、何が“幸せな家庭”なんて知らないから、上手く行かないんです。今でも父親を強烈に意識して生きている。おそらくは3人の子どもの中で1番。悲しいですよね」観る者の家族観に訴えかけてくるような本作。様々な立場によって、印象が変わってくる作品だ。「僕の友人で、離婚を経験した人は大樹の目線でしか、この映画を観ることが出来ないと言っていました。僕の周りでは、こはる、お母さんの目線の人も多かった。そういう方は“痛いほど気持ちがわかる。子どもたちはどうしてわかってあげないんだ”とおっしゃっていて。無論、雄二や園子の視点で観る人もいます。そういう映画ですよね。完全に分かり合うことは出来ないけれど、どこかつながっているのが家族なのかもしれないですね」『ひとよ』全国公開中撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明
2019年11月11日本日11月8日より、白石和彌監督による映画『ひとよ』が全国公開される。15年前。降りしきる雨の夜に、その「事件」は起きた。小さなタクシー会社を営む一家の母親が、父親を殺害したのだ。母・こはる(田中裕子)と3人の子供たちは、父親から度重なる暴力を振るわれており、子供たちを守るための苦渋の手段だった。当然のように事件はセンセーショナルに報道され、「一夜(ひとよ)」にして家族をとりまく環境は一変してしまう。そして現在、三兄妹はそれぞれの道を歩んでいた。兄の大樹(鈴木亮平)は地元の電気店、弟の雄二(佐藤健)は東京でフリーライター、そして妹の園子は地元のスナックで働いている。「ひとよ」の前に描いていた夢とは、違う環境にいる彼ら。なかでも、小説家の夢を持っていた雄二は、ままならない現状にフラストレーションを抱えていた。そんなある日、刑期が終わってからも、姿を見せなかった母が、家族のもとに帰ってきたという知らせが届くーー。佐藤健佐藤健の演じる雄二は、これまでの彼のイメージとは異なる「スレた」役どころだ。彼はこの役にどう挑んだのだろうか?「難しい役とは思いませんでした。なぜなら“意味”はわかるじゃないですか。もちろん僕には、雄二のような経験はない。だけど、もし同じ立場になったら、こういう行動をとるかもしれない、こういう言葉を母親にぶつけてしまうかもしれない……。そんな、彼のやっていることの“意味”は、理解できると思います」自分たちを救ってくれた、でも人生を大幅に変えてしまった母親に対しての複雑な想いを「よくわかる」という佐藤。彼が役を演じる上で、「意味がわかる」という点は、かなり大事にしているそうだ。「まあ、意味のわからない役が来たことはないのですが(笑)。その場合は、わかるまで努力するか、わからないまま演じるかのどちらかでしょうね。でも、“わからないもの”って、努力でどうにかなるものばかりではないし。もし、そういう役が来たら悩むだろうなと思いますね。そもそも、僕自身がそこまで変わった人間でもないので、僕がわからないということは、作品を見ているお客さんにも伝わらないんだろうし」佐藤健口元にはヒゲをたくわえ、腰回りもデスクワークの多いフリーライターらしい(?)肉付きになっており、驚く観客もいるかもしれない。佐藤自身、体格にはこだわりがあったようだ。「白石組に参加するなら、まず芝居の重心が低いというか、“線が太い”方がいいと考えたんです。体内にこびりついた汚れが滲み出てくるような雰囲気が欲しくて、それを体現しました」(佐藤)白石組への参加を、「念願かなっての出演」と嬉しそうに語る佐藤。『凶悪』(2013年)、『日本で一番悪い奴ら』(2016年)など、社会派作品の印象が強い白石監督だが、これまでに観た作品の中では『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)は、「日本映画で久々に引き込まれた、こんなに騙された作品はない」と、お気に入りなのだとか。そんな思い入れの深い白石監督作品への出演だが、雄二の役については作り込んだわけではなく、撮影もフラットに挑んだようだ。「監督も色々と言葉にする方ではありませんでしたし、現場に入るまでは、どんなシーンになるのか想像のつかない状態でした。むしろそうすることで、自分のすべきことがおのずと見えてくるというか、かなり自然体でいられました」(佐藤)佐藤健本作には印象的な言葉がたくさんある。中でも、こはるが口にする「もう、自由になっていい」は、その後の兄妹にも大きな影響を与えていたように感じる。この家族にとっての「自由」を、佐藤はどう考えているのだろうか?「家族がこういう環境だったら、自然と“自分に幸せになる権利なんかない”だとか、色々なことを考えてしまうと思うんです。何か上手くいかないことがあっても“こんな家族のもとに生まれたのだから、仕方ない”みたいに思い込んでしまうというか。そういう縛りから解き放たれることが、“自由”につながるんじゃないかな。だけど、この家族はこの映画のあとも、急に自由を取り戻すわけではなく、大きくは変わらないかもしれない。雄二も年に一回くらい帰省するくらいで。それでも観てくれる人が、この家族が少しでも“自由になった”と感じてくれたら」(佐藤)佐藤健佐藤健ちなみに、佐藤自身にとって「人生が変わった一夜」はあるのだろうか?「ん~~。“スカウトしてもらった日”が、そうと言えるんですけど、昼なんですよね(笑)。その日のことはよく覚えています。高校2年のゴールデンウィークに、原宿に買い物に行った時のことですね。生まれて初めての東京で、ビクビクしながら歩いていたところ、声をかけてもらったんです。もちろんその日だけで変わったわけじゃないけれど、今思えばきっかけとしては大きな一日でした」(佐藤)そして最後に、この映画を鑑賞後、自分の家族のことにも想いを巡らせてほしいと語ってくれた。「“忙しくて最近家族と話してないな”とか、何でもいいんで、そう感じて久々に家族と連絡をとる……なんてことがあったら嬉しいですね」佐藤健撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明
2019年11月08日2020年1月から、3度目のミュージカル上演がスタートとなる『デスノート THE MUSICAL』。初演・吉田鋼太郎、再演・石井一孝(大阪公演・俵和也)という、人気と実力を兼ね備えた歴代俳優から“死神リューク”役のバトンを受けるのは、故・蜷川幸雄の薫陶を受け、今年、第26回演劇読売大賞・優秀男優賞を受賞した横田栄司。シェークスピア作品群でキャリアを積むと共に、現代劇はもちろんゲームや漫画の舞台化までこなしている百戦錬磨の彼に、物語の解釈、「人知の及ばぬはずの死を操る、人外のもの」を演じる面白さやリアリティを語ってもらった。横田栄司「リュークというのは、作品全体を俯瞰している悪魔でありながら、自分もその流れに巻き込まれていく存在。人間の業とか欲を一身に引き受け、人間の近くでそれらを味わっているイメージです。人間に大きな影響を与えるんだけど、人間からもすごく影響を受けているというのが僕の勝手な解釈で、そこら辺をうまく見せられたら、面白いと思うんですよね」人外の存在であるリュークは、冷酷さだけではなく、人間味を垣間見せるシーンが意外と多い。「リュークって、一番自由な気がします。人間たちの方が苦しそうで、リュークはそれを弄んでいるというか……でも本当はわからないんですけどね、どっちが弄んでいるかなんて。この前、『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』(作・演出/三谷幸喜)っていうお芝居をやったんだけど、僕はシャーロック・ホームズの兄で、手の内で彼を転がしているという設定が前半にあったんです。でも本当に僕が弟をコントロールしていたかというと、実は弟が兄を遊んでくれたような部分も……穿った見方をするとあって。そういう意味では、今回の『デスノート THE MUSICAL』も、『リュークは支配しているようで心を動かされているんじゃないか?』ということを、考えてみたいと思っています。ただ、まだお会いしていない出演者の方もたくさんいるので、皆さんのお顔を見て一緒に稽古をしながら、作っていくことになるとは思うんですけどね。今言ったことは、僕の勝手な妄想、イメージなので」横田栄司『DEATH NOTE』との出会いは、松山ケンイチ、藤原竜也主演の映画版。そして原作漫画を経て、初演のミュージカルを観た。「怖さが新しいというか、こんなスリリングさがまだあったのかという驚きが、作品に対する最初の印象です。名前を書いて人が死ぬっていう一番大きなルールに衝撃を受け、『これは面白いな』って思ったのを覚えています。なにせすごい発明(笑)。まあ、あるのかもしれないけどね、西洋の昔の物語とかに……。あ、あと映画版でいえば(藤原)竜也もよかったけど、松山君のエルがね。ずーっとお菓子を食べている頭のキレるヤツっていうのが、良かったなあ」『DEATH NOTE』の面白さのキモは、主人公・月の信じる正義のもとに行われる殺人が100%否定できない点にあり、読者は葛藤しながらページをめくることになるが、演じるとなると役者も常に葛藤すると言う。「これは本当に難しいんですけど、個人的にはね、デスノートがあったら名前を書いてやれって思うことはあります。でも書きますかね?実際にあったら。悲しい事件や犯人が許せないような事件はあります。もし僕が遺族だったらなんともやりきれない感情が生まれるだろうし、手許にデスノートがあったらーーこういう妄想は割とします」「東野圭吾さんの小説で、寺尾聡さんが主演で映画化された『さまよう刃』って作品をご存知ですか?レイプ殺人で凌辱された娘の敵を討つために、お父さんが猟銃を持って犯人グループをひとりずつ血祭りにあげていくというストーリーなんですが、被害者の家族の感情とはいったいどういうものなんだろうっていうのを、考えるきっかけになると思います」「デスノートみたいなものがあったらどうなるんだろう、この彼はどう使うんだろうなって、想像しました。でも使うことが正義かどうかというのはわからなくて、そこが難しいところですよね。『DEATH NOTE』のテーマも結局そこにあるワケだし。まあ、ただひとつ言いたいのは、月君はちょっと名前を簡単に書きすぎなんじゃないかって(笑)。書かないと話が進まないんだろうけど、自分を神のように思うのは危険ですよね」横田栄司また、『DEATH NOTE』は少年漫画だけに、若いキャラクターたちは、10代や20代の若い世代の思うことを、言ったり感じたり行動したりという役回りを持っている。今回、若い出演者が多いこともあり、現実の若い世代との交流で、横田さん自身が感じることを聞いてみると……。「皮肉でも何でもなく、今どきの若い人は立派だなと思います。演劇の世界でもスポーツの世界でも、若い人、優秀じゃないですか?そう思いません?昨今、平成の子がぞろぞろ共演者にいるワケですが、みんなしっかりしている。だから僕は今、共演する若い世代に必死についていこうと思っています。彼らに教えを乞うて、師と仰ぎ、特にミュージカルの世界では僕は新人なので胸を借りるつもりで、彼らからいっぱい学んで、こっちの血と肉にしてやろうと(笑)。彼らのいいところを吸収して、おじさんはもっと気持ち悪いおじさんになってやる。そして若者たちから『あの人邪魔だな、ヤダな、でもいい俳優だな』と思われたい。本当に嫌われるのは悲しいから、俳優として好かれて、人間として目の上のたんこぶ的な、そういう存在でいたいです」ミュージカルだから当たり前とはいえ、死神であるリュークが歌う違和感は、独特の方法で解消するつもりだ。「僕はきっと、歌えないんじゃないかなあ。曲に乗せてしゃべっていきます、少なくともそうなるといいなって思っています。ちょっと言葉遊びみたいだけど、歌うというより語りたいんです。でも語れるようになるには、まず歌の特訓をしなきゃいけない。どこまでいけるかわかりませんが、それを突き抜けたところでリュークとして、歌詞をセリフとして歌うよりも語る……それ以外言いようがない。そうすることによって、リュークが歌う違和感みたいなものを、軽減できればいいと思っているんですが、まあ相当な苦労をこっちがしなければならないので、本当にこれから頑張ります」横田栄司舞台で鍛えた美声の持ち主だけに、成功は約束されているようにも思うが、本人は余裕しゃくしゃくということにはならないようだ。「やめてよ、そう言って持ち上げるの!ハードル上げるのやめてよ!リューク役をやられていた吉田鋼太郎さんとは仲良しなんですけど、彼がこの『デスノート THE MUSICAL』の再々演にあたって、メッセージをくださったんです。初演の役者さんたちからいただいた、公式メッセージのひとつという形なんですが。でも鋼太郎さん、その中で相当なプレッシャーをかけてきてくださっているんですよ、僕の歌に関して。意地の悪い先輩だよね~。まあ僕はそういう先輩になりたいんだけどね、愛のあるメッセージ(笑)。因みに鋼太郎さんは僕のひと回り年上で、来年は彼と僕と、僕のひと回り年下の小栗旬君とで『ジョン王』(演出/吉田鋼太郎)っていうお芝居をやるんですよ。全員イノシシ年のイノシシ集団!何も考えないで突っ込んでいきます」最後に「死神の持つ能力を、実際に持ったとしたら?」と役柄に因んだ質問をすると、名作の引用を使って答えをくれた。「リュークの能力って、デスノートを配ったのはわかっているけど、実は死神の持つ能力としてそれ以上のことは示されていないんだよね。人の生き死にをコントロールできるということは、生きるタイミングも決められるってことだけど……それをできるようになっても、どうするかなあ。近しい人が危なくなったら、『まだ行かなくていいよ』って言いにいくのかな……でもそれもおこがましいよね」「『人の生き死にを自由に操れる死神でも、たったひとつだけたったひとつだけ、自由にできないものがある。それは俺の心意気だ』ってセリフ、知ってますか?『シラノ・ド・ベルジュラク』っていうお芝居があってね、シラノがラストシーンで死ぬ前にこう言うんです。かっこいいでしょ?それが人間だよね。『俺の心意気は自由にできないぜ!』なんて聞いたら、死神だって逃げて帰るんじゃないかな?人の心意気を殺すことはできない、命は奪えてもーーこの結論、ちょっとカッコ良すぎたかな?」ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』は2020年1月20日(月)の東京公演を皮切りに、静岡、大阪を経て、福岡で千秋楽3月8日(日)まで上演。男の艶たっぷりのリュークに、新しい魅力を感じてしまいそうだ。横田栄司撮影/奥田耕平、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴
2019年11月07日青田に囲まれたY字路で、ある日、少女がいなくなった。懸命な捜索も空しく、少女の行方は知れぬまま12年の時が経過。そして、またあのY字路で少女が姿を消したという。渦巻く疑念。噴き出す怒り。10月18日から公開の映画『楽園』は、孤独と喪失を抱えた人々の悲しみと一筋の光を描いたヒューマンサスペンスだ。少女失踪事件の容疑を向けられる青年・豪士〈たけし〉を、綾野剛が演じている。「豪士はずっと人の目を感じることなく生きてきたんだと思います。なぜなら、誰にも見つめられてこなかったから。人から見つめられないのは、存在しないのと同じ。だから、怒りも苦しみも何もなかったんだと思います」綾野が演じた豪士は、外国で生まれ育ち、母親と共に日本に渡ってきた移民だ。しかし、地域の生活に溶け込んではおらず、心許せる友達もいない。「村の人たちは誰も豪士のことなんて知らないし興味もない。豪士にとっては誰かと何かを比べることもできない状態です。比べる対象がいないから、愛とか不幸とか孤独を感じることもない。きっと自発的に“生きている”感覚はなかった。ただ“生かされている”という方が近いのかもしれません」そんな豪士を、見つめてくれる人がいた。「それが、少女失踪事件で消息を絶った愛華ちゃんと、その友人の紡〈つむぎ〉(杉咲花)です。見つめられることは、自分はここにいるんだという存在証明になる。12年前、誰にも見つめられたことのなかった豪士は、初めて愛華ちゃんに見つめられた。そして12年経って、今度は紡が見つめてくれた。ふたりに見つめられた瞬間だけ、ずっと“生かされている”だけだった豪士が“生きている”という気持ちになれたんだと思います」それは、ずっと暗がりを歩いてきた豪士にとって、一筋の光だった。「体温が上がってくる感じというか、自分の中にちゃんと血が流れているんだと体感できた。つまりそれは明日が来るということ。それこそが、豪士にとっての“楽園”だったんじゃないかという気がします」事件直前まで愛華と一緒にいた紡は、誰とも分かち合えない罪悪感を抱えたまま、12年の時を過ごしてきた。豪士は、愛華ちゃんがいなくなってからの12年を、どのように過ごしたのだろうか。そう尋ねると、綾野は間髪入れずに切り出した。「何も変わらないです。T字路で車から降りるシーンで、紡から『どこか行きたいですか?』と聞かれて、『どこへ行っても同じ』と答えるところがあります。あそこにすべてが込められていて。豪士も紡も、変化を選択していい人間じゃないと思って生きているんです。ふたりは圧倒的に底辺。だからこそ理解し合えた、愛華ちゃんという人物を通じて」私たちが生きる社会にも、豪士や紡のような人はいる。真面目に生きようとしているだけなのに、集団からはじき出されて、まるでいないものとして見なされている人が。そんな孤独の淵に立たされている人たちの存在に、私たちは気づいてあげなければならない、と綾野剛は声をあげる。「豪士だけじゃなく、紡も、佐藤浩市さんが演じた善次郎も、ただただ罵声を浴びせられて、それをひたすら受け止めているだけ。そういう人って身近にいると思うんです。だから僕は、まずそういう人たちの存在に気づいてあげたいし、抱きしめてあげたい。まっとうに生きている人たちが、誰からも見つめられていないと感じるなら、僕がその人を見つめてあげたい」抱きしめてあげたい。その言葉は、豪士を演じる上で重要なキーワードだった。劇中、一部、スタントを用いる危険なシーンが含まれているのだが、そのとき、綾野はスタントを務めるアクション部の俳優にこんなお願いをした。「手を広げて倒れるような、そういうお芝居はやめてください、とお願いしました。そうじゃなくて、自分のことを抱きしめてほしいと。ずっと誰からも抱きしめられなかった豪士だからこそ、あの瞬間だけはせめて自分で自分のことを抱きしめてあげてほしかったんです」そこまでひと息で明かしてから、自分で自分に注釈をつけるように、綾野はこう付け加えた。「とは言え、実際の僕は豪士の暮らしとは全然違う。それなりの生活をさせてもらっていますし、スポットライトも当ててもらっている。そんな自分が、彼らの代弁者になれるはずがないと。綺麗事なのだとも思います」俳優・綾野剛は、表舞台に立つ人間として、常に世の中から見つめられている存在だ。だから、見つめられたことのない人間の苦しみを、当事者として語ることはできない。その正直さに、綾野剛の思慮深い人柄が垣間見える。「自分が浴びている歓声が、ある日突然罵声に変わることがあるのもわかっている。想像するだけで身震いするほど怖い。でも、僕の場合は、それさえも全部エサだと思える。罵声も全部栄養。そう言い切れるだけ、僕は体質的に強いのかもしれません。欠落とも言える。同時に自分のように強くなれない人がたくさんいることはよくわかっています。だから強くない人がいたら、やっぱり僕は抱きしめたいです」本来の自分とはかけ離れた役だ。どう共感の接点を結び、役に近づいていくのか。その問いに、綾野は「僕は役に対して共感したことがない」と持論を述べた。「むしろ共感という感情は邪魔なんです。だって、それは綾野剛の主観でしかないから」では、綾野剛が役を生きるときに最も大切にしているものは何か。綾野の答えに、迷いはない。「自分がいちばんその役を愛してあげること。僕、これまでトータル3000人ぐらいは役で人を殺していますけど、それでも自分の演じる役を愛せなかったことはない。もちろん人を殺すこと自体は肯定できません。ちゃんといけないって否定する。その上で、愛する。それはもう共感を超えている」綾野剛は今や「この人が出ている作品は面白い」と映画ファンから信頼を寄せられる俳優のひとりだ。しかし、作品選びの基準は、基本的に「オファーが来た順」だという。それだけオープンな姿勢でいながら、刺激的な作品に次々と出演している理由はどこにあるのか。そこに見えるのは、綾野独特の感性だ。「台本を読んだときに、役に乗っかって生きた気持ちになれるものとなれないものがあります。僕は、生きた気持ちになれない台本に出演したいと思っています」読んでいて生きた気持ちになれる台本が、いい台本なんだと勝手に思い込んでいた。だからこそ、綾野の答えに意表を突かれた。「活字上で生きられたら、現場に行って何があるのよ、という話です。そうじゃなくて、台本を読んでも、これをどうやって生きたらいいのか見当もつかないぐらいの方が、いざ現場に行ったときに、ロケーションが共演者となって、いろんな発見をくれるんです」この映画もそうだった。ロケ地のY字路に立ったとき、綾野は「覚悟を決めさせられた」と振り返る。「誰が読んでも同じ芝居になる書かれ方をしている台本は、演じていて恥ずかしいんです。どう生きればいいかわからないからこそ、何をやっても正解になる。もっと言うと、答えを見つけることなんて大事じゃないんです。それよりも、監督とキャストとスタッフと一緒になって答えを紡いでいくことが、映画をつくることなんじゃないかと思います」本作では、陰惨な村社会の歪みがありありと描かれているが、決してこの閉塞感は地方都市に限ったことではない。フォーカスを広げれば、日本そのものが大きな村社会だ。同調圧力や集団心理による過剰な攻撃が、今を生きるすべての人たちを生きにくくさせている。この息苦しさから解放され、もっと伸びやかに呼吸をしていくために、今、必要なものは何だろうか。「美しいものを見る、ってことじゃないですか。たとえばですけど、最近いつ空を見上げました?」映画について語る熱っぽい言葉がふっとやわらぎ、綾野の声に優しく穏やかな風が吹いた。「曇っていてもいいんです。綾野剛に言われたなと思って、10秒ぐらい、ちゃんと空を見てみてください。『やあ、久々』って気分になりますよ。そしたらきっと空も『やあ、久々』って返してくれる。空は誰のことも平等に見つめてくれているんです。強い人も、強くない人も、人以外の生き物であっても、平等に。どんなに孤独でも、空は見つめてくれていることを忘れないことが大事なんじゃないでしょうか」インタビューを終えると、切れ長の瞳をくしゃりと綻ばせ、「ありがとうございます。またお願いします」と丁寧にお辞儀をして部屋を出た。クールなマスクとは対照的に、誠実な人だ。銀幕の中に生きる役はあくまでつくりものでしかない。それでも、綾野が命を吹き込むと、まるで本当に生きている人のように心を吸い寄せられてしまうのは、どこまでもまっすぐ向き合うこの誠実さにあるのかもしれない。撮影/奥田耕平取材・文/横川良明
2019年10月21日ピエール瀧容疑者の逮捕を受け、当該出演箇所を撮り直し、差し替えることが発表されていた映画『居眠り磐音』。この度、奥田瑛二が代役として“宍戸文六役”を務めることが正式発表された。松坂桃李が主演を務める時代劇『居眠り磐音』。今月14日に、「ピエール瀧容疑者の逮捕を受けて、関係者で協議の上、当該出演箇所を撮り直し、差し替えることと致しました。」と映画ウェブサイトが発表し、その後の動向に注目が集まっていた本作。そんな中、配給元の松竹が「映画『居眠り磐音』宍戸文六役のキャストについて」という書面にて、「この度、宍戸文六役として奥田瑛二さんにご出演頂く事が正式に決定したことを、ここにご報告致します。」と発表した。本作は、“平成で最も売れている時代小説”シリーズとして多くの時代小説ファンの心を掴んだ佐伯泰英の最高傑作にして初の映画化作品。松坂さんが時代劇初主演を務め、新境地を見せているほか、Wヒロインの木村文乃&芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、佐々木蔵之介、陣内孝則、谷原章介ら豪華キャストが揃う。瀧容疑者が演じた宍戸文六は、関前藩国の家老という役どころだ。なお、本作の公開日は予定通り。『居眠り磐音』は5月17日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:居眠り磐音 2019年5月17日より全国にて公開©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
2019年03月29日奥田瑛二(68)が朝の連続テレビ小説「まんぷく」(NHK総合)に出演すると2月7日に発表された。96年「ひまわり」と07年「どんど晴れ」といった朝ドラに出演している奥田だが、実の娘・安藤サクラ(32)のヒロイン作品に出演するのは初めてのことだ。各メディアによると奥田が演じるのは、元食糧庁の長官で食品業界に大きな影響力を持つ衆議院議員の土井垣隆三役。安藤との絡みはなく登場シーンも少ないが、制作統括のチーフ・プロデューサーは「強烈な説得力とインパクトがほしいと思い、お願いした」と告白。奥田も今回の出演についてこうコメントしたという。「まさか、まさか……『まんぷく』に呼ばれてビックリ!演じてビックリ!疲れた、笑った……僕の心はまんぷくだ!!」奥田は3月上旬に登場する予定。Twitterでは、まさかの親子共演を喜ぶ声が上がっている。《親子共演、凄過ぎる演出の遊びゴコロが好きだわ》《間違いなくディープインパクトですよ!》《なんだったら柄本家の皆様にも総出で!!是非》「安藤さんが小学校の学芸会で主役を射止めた際、奥田さんは演技指導をしたそうです。『学芸会みたいな芝居をしてるんじゃない!』と思わず叱ったともいいます(笑)。いっぽうで安藤さんが本格的に女優を志したころには、あえて手を差しのべませんでした。そうすることで、自発的に安藤さんは自らの道を切り拓いてきたのです。大女優となった娘との国民的ドラマでの共演は、奥田さんにとってさぞ意義深いものでしょう」(テレビ局関係者)
2019年02月08日アンアン読者にとっては、お父さんと同世代であろう奥田瑛二さん。“渋みのある大人の男”のイメージがありますが、実は’80年代には、“トレンディドラマ”と呼ばれた若者の恋愛模様などを描いたテレビドラマで、女性たちをメロメロにした過去があるのです…。――30年以上ずっと“かっこいい奥田瑛二”をキープしてこられたのに、2月に全国公開の映画『洗骨』では、情けなく、かっこ悪い男性を演じていますね。そう。僕が演じた信綱という役は、最愛の妻を亡くし、酒に溺れ、世捨て人のように暮らしている男。ここ5~6年よく演じていた、検事や刑事、会社の重役といった役とはまったく違うタイプの男。まあね、年齢的にそういう役回りなんだろうけれども、恫喝したり、あるいは経済や政治に関する専門用語をバーッとまくしたてたりすることが多くて、こっちは年をとるのに覚えるセリフはどんどん増えるわけだから、正直ちょっと疲れちゃってさ(笑)。それで一昨年の夏に、“もうそういう役、やーめた”って思ったの。それで今後は、父親でもいいし、もちろんジジイでもいいんだけど、人の心にある喜びや悲しみ、痛みに寄り添うような役柄をやろうって決めて。そんなときにこの話をいただいた。脚本を読んですぐに監督に会いたいって思って、渋谷のルノアールで話を聞いたんだよね。――照屋年之監督、ガレッジセールのゴリさんですね。うん。笑えるところがあって、切なくなって、また笑えてまた涙が出て。読み終えたとき、それこそ珠玉のため息が出たんです。脚本を読んで、自分から監督に会いたいと思ったのなんて、それこそ25年ぶりくらいじゃないかなぁ。それで「なんで僕なんですか?」って聞いたんですよ、監督に。――監督はなんと?「目です」、と。――ほう…。その時点で、“こいつ、俳優を殺しに来やがって…”って脳裏で思ったんですけど(笑)、さらに続けて「奥田さんの目の奥にある眼差しには、悲しみと切なさがあるのがいい」と。おいおい、倍かけて口説いてきてるよって。もう僕が女性だったら、すぐに相手のものになっちゃうくらい、すごい口説き方だったんです(笑)。承諾して、家に帰る道すがら、今まで積み上げてきた〈俳優・奥田瑛二〉を取っ払うんだろうなぁと思いつつ、自分を再構築したいと思っていたところだったから、もう一度原点に立ち返るのにはすごくいいタイミングだったんですよ。――作品の舞台は沖縄の粟国島。そこで奥田さん演じる信綱は、家に閉じこもって酒浸りの日々を生きているわけですが、先ほど「人の痛みに寄り添う役をやりたかった」とおっしゃいましたけれど、ここまで情けない男を演じることに、躊躇はなかったんですか?まったくなかったよ。ファーストシーン、信綱はケツのたるんだダルダルのブリーフにくたびれたランニングで登場するんだけど、衣装合わせのときに伸び切ったブリーフをはいたらさ、「おぉ~、これだこれだ!」って。自分はもちろん監督も、いわゆる〈奥田瑛二〉を崩していくことが、結構楽しかったんだと思います(笑)。――奥田さんがここ最近演じてきた役柄として挙げたのは、検事や刑事といった職業でしたが、信綱はもはや職業もない“ただの沖縄の離島の男”ですよね。役作りのアプローチは異なりますか?うん、違うね。まず、その役に対しての責任の度合いが違うんだよな。そこに生きている人を演じるって、すごく責任が大きいんだよ。もちろん検事をやるときにも、実際に検事の方にお会いして話を聞いて、リサーチを重ねるわけだけど、信綱のような男はもっと土着性が必要になる。なんだろうね、その土地に溶け込む才能っていうのかな。今回は1か月ちょっと粟国島や沖縄本島に住んでロケをしたんだけど、島の土、風、自然、人々、すべてに好奇心を持って近づき、そのあとは一切考えないようにして、ネイティブの空気感を身につけるんだ。こういう役は形より、心を掴むことが大事。そういう意味では、今までで最も難しい役どころだったかもしれないね。おくだ・えいじ1950年生まれ、愛知県出身。’79年『もっとしなやかに もっとしたたかに』で映画初主演。’86年のドラマ『男女7人夏物語』を機にブレイク。’89年の映画『千利休 本覺坊遺文』で日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。映画監督としても活躍しており、’06年『長い散歩』でモントリオール世界映画祭でグランプリを含む3冠を受賞した。『洗骨』死んだ人を一度土葬あるいは風葬したあと、縁深き人たちの手により骨をきれいに洗うという風習、“洗骨”。4年前に妻を亡くし、沖縄の粟国島で世捨て人のように暮らす信綱の元に、島の外にいる娘と息子が帰ってくる。家族の思いがすれ違う中、洗骨の日が近づいてきて…。共演に、筒井道隆、水崎綾女、筒井真理子ら。沖縄で先行公開中。2月9日より、丸の内TOEIほか全国公開。※『anan』2019年2月6日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2019年02月01日お笑いコンビ・オードリーの若林正恭と春日俊彰がパーソナリティを務めるニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』(毎週土曜 25:00~)が、10月で放送10年目に突入する。この連載では、番組に携わる構成作家のチェ・ひろし、奥田泰、藤井青銅、ディレクターの石井玄、そしてパーソナリティのオードリーにインタビューをする他、番組密着やイベントレポートも行う。第2回は、構成作家の奥田泰にインタビューを実施した。○オードリーとの出会い――奥田さんがオードリーさんの番組につかれたきっかけをお聞かせください。芳樹さん(宗岡芳樹)がディレクターの頃に、ネタコーナーを強くしたいとなって、声をかけてもらいました。――確かに奥田さんはナイナイさんのオールナイトニッポンで常連のハガキ職人でしたよね。芳樹さんとは元々接点があったのですか。芳樹さんが営業から制作に異動になって、『チュートリアルのオールナイトニッポンR』で最初に仕事をしました。その後、ナイナイさんの番組本の制作で一緒にじっくりやらせてもらって、という感じです。――オードリーさんの番組につかれた時期はいつですか。13年の1月です。サンドウィッチマンさんがゲストに来られたスペシャルウィーク(12年12月12日放送)の後の、切りが良いタイミングでしたね。前任の長永(拓也)さんと入れ替わりでした。――オードリーさんとはその以前から接点があったのですか。お2人は覚えていないと思うんですけど、『ヤンピース』(ニッポン放送/06年~08年)という番組に作家として入っていたんですが、若手芸人だけがゲストで来る1週間があって来ていただきました。――以前からご存じだったんですね。オードリーさんへの印象は、ラジオに携わる前と後で変わりましたか。こういう印象だと最初から決めつけていたわけではないので、あまりないですね。ただ、春日さんがあんなに人見知りだとは思いませんでしたけど(笑)。無言でずっといられる方ですしね。○ブース内で"基本しゃべらない"理由――奥田さんは放送中、オードリーさんと一緒にブースに入られています。放送ではよく奥田さんの笑い声が聞こえてきますが、例えば「オチ前で笑わないように」など、意識していることはありますか。それは思うんですよ。春日さんのツッコミの前に笑わない方がいいなとか。我慢することもありますが、素直に面白いと笑っちゃいますね(笑)。若林さんは、僕らにしか分からないことをたまに言ったりするんですよ。さっきの楽屋の話が前提だったり、あとは同世代だからこそ分かることだったりとか。――奥田さんとオードリーさんの2人は同年代ですよね。若林さんも春日さんも微妙なラインをついてくるんですよ(笑)。『キン肉マン』の話でも「ヘル・ミッショネルズ」とかは俺らの世代でもパッと出てこないワードなんです。「ネプチューンマン」や「ビッグ・ザ・武道」とかはすぐ出てくるんですが。そこがちょっと面白いというか、聞いたら絵が出てくるんで、思わず笑っちゃいますね。――他の番組ではブースの作家さんが補足的にしゃべることもあったりしますが、奥田さんはほとんどしゃべられないですよね。そこは意識されているのですか。そうですね。そっちの方がいいと思ってますし、基本しゃべらないですね。ただ、言った方がいいときは、オンエアで聞こえる声じゃなく言ったり、書いたりはしています。例えば、「ここからはありでここからはなし」と名前を挙げていくトークをたまにするじゃないですか。そういったときは、2人が後から見ながらしゃべれるように、言ったことを僕がパーッと書き留めますね。○放送前、春日俊彰が必ず行う"仕事"――フリートークの内容について、お2人から事前に相談されたりするんですか。いや、トークには一切かかわらないです。ただ、若林さんとは本番前にしゃべっていますけどね。だからトークは生放送で全部初めて聴くんですよ。――若林さんとはどんなお話をされているんですか。ここでは言えない話が多いですね(笑)。――春日さんとは話されないんですか。「しんやめ」(コーナー「死んでもやめんじゃねーぞ」)を持っていて、「お願いします」だけです(笑)。春日さんだけ会議室が別なんですが、春日さんの仕事として、お菓子の袋を全部開けるという作業があるので、それは今でもやってもらっています。だから1回はこっちの会議室に必ず来られますね。――そんなルールがあるんですね(笑)。どういう経緯でそうなったんですか。分からないです。昔からそうなんですって。春日さんが全部袋をガンガンガンって開けていきます。だからお菓子を食べたくても、春日さんのところに行って、「すみません、開けてもらっていいですか」と言いにいきますね(笑)。○採用されやすいネタメールとは――話は戻りまして、ブースに入られる以外に、作家としてどんなお仕事をされているか、お聞かせください。主なところではネタメールの最初の粗選びですね。やはり一定レベルに達したものでないと、放送にはのせられないので。そこまで絞ったものを若林さん、春日さんにお見せします。後は本人たちがに好きなように選んでもらえばいいと思っているので。――どんなメールを省くのか、基準があればお聞かせください。まず、放送に適してない表現のあるものですね。後はお2人に合ってない内容のものです。例えば下ネタは読む人によって使えるワードが変わるので、「しんやめ」で春日さんが言って大丈夫かどうか、判断します。おぎやはぎさんなら言ってもいいけど、他の芸人さんだとキツイことがあるじゃないですか。――確かに、おぎやはぎさんの2人が言うから、許されていることもありますよね(笑)。それと芸能人ネタであれば、他のラジオやテレビのバラエティでよくネタにされる人は、新しい触れ方であればはじかないですね。例えばクロちゃんなどをネタにしても、どうしても後追いになってしまうので。後は、言い回しが長すぎてキレが悪すぎるものやオチが先にきちゃってるものでなければ、基本的にははじかないです。――となると、あまり作家側では省かないんですね。こっちの趣味、僕が好みかどうかでははじかないです。だから客観的に見て成立さえしていれば、お2人に持っていきます。――オードリーさんは放送前、ご自分たちでかなり選ばれているんですね。そうですね、2人とも選んでいますよ。芸人さんのラジオのよくある光景だとは思いますね。――それでは最後に、『オードリーのオールナイトニッポン』は10周年イヤーに突入しましたが、奥田さんの中でこの番組はどういう位置づけですか。ブースで好きなように笑って、1週間をリセットする感覚ですね。だから日曜日は仕事がないとうれしいです(笑)。
2018年10月19日寺岡呼人25周年プレゼンツとして、寺岡呼人、奥田民生、斉藤和義、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本ら全員50代のフロントマンによるスーパーバンド「カーリングシトーンズ」が誕生。デビューライブを2018年9月23日(日)にZepp Tokyoで開催する全員ボーカル&ギターの異色編成、ドリームマッチ!それぞれ異なるレコード会社、プロダクションに所属していながらの結成となる「カーリングシトーンズ」。日本の音楽シーンに例を見ないロックンロールバンドと言っても過言ではないだろう。この豪華面々がバンドで担う、演奏パートも面白く、寺岡呼人(Vo.G.B.KEY.)奥田民生(Vo.G.B.Dr.)斉藤和義(Vo.G.B.Dr.) 浜崎貴司(Vo.G.)YO-KING(Vo.G.B.Dr.)トータス松本(Vo.G.)となる、ツインドラムの4人ベース、そして全員がボーカル&ギターという異色の編成だ。また自身のレパートリーのみならず、オリジナルソングまでも制作するという。今回のバンド結成は、お祭り的なオールスターゲームではなく、“本気の公式戦ドリームマッチ”なのだ。ライブ情報寺岡呼人25周年 presents カーリングシトーンズデビューライブ!開催日:2018年9月23日(日)会場:Zepp Tokyo時間:会場 17:00、開演 18:00出演:カーリングシトーンズ(寺岡シトーン、奥田シトーン、斉藤シトーン、浜崎シトーン、キングシトーン、トータスシトーンチケット:前売り 8,800円(税込)、当日 9,300円(税込)※ドリンク代別途500円<チケット販売詳細>・イープラス プレオーダー申込期間:7月28日(土)12:00~8月1日(水)23:59当落確認期間:8月4日(土)13:00~8月8日(水)20:00URL:・プレオーダー2次申込期間:8月11日(土)12:00~8月14日(水)23:59当落確認期間:8月17日(金)13:00~8月21日(火)20:00・一般発売発売開始日時:8月25日(土)10:00~※要イープラス無料会員登録。
2018年07月14日映画『純平、考え直せ』が2018年9月22日(土)より全国ロードショー。主演は野村周平、ヒロインに柳ゆり菜を迎え、直木賞作家・奥田英朗の人気小説が実写化される。奥田英朗の人気小説、待望の実写化原作は、『イン・ザ・プール』『サウスバウンド』『ガール』など数多くの人気作を生み出してきた直木賞作家・奥田英朗の同名小説。過去に奥田英朗の作品は何度となく実写化されてきたが、『純平、考え直せ』は、映画業界が実写化を熱望しやっと実写化が決まった注目作である。主演・野村周平がチンピラ役に主演は『ちはやふる』シリーズ、『帝一の國』、『ラブ×ドック』など話題作に立て続けに出演している野村周平。これまでは爽やかでどこかやんちゃなイメージであったが、映画『純平、考え直せ』ではこれまでとは一変大人の男の魅力を見せつける。主人公は、新宿・歌舞伎町のチンピラ坂本純平。21歳、いつか〝一人前の男〟になることを夢見ながら雑用に追われる毎日を送っている。そんな純平のもとに1つの命令が下された。「対立する組の幹部の命を獲ってこい」。渡されたのは、拳銃一丁と数十万円の支度金だ。人生を覆されるほどの命令ながらも「これで一人前の男になれる」と、頑なに兄貴分や親分との仁義を守ろうとする。ヒロインは柳ゆり菜そんな純平のもとに現れたのは、柳ゆり菜演じる山本加奈。偶然、純平と出会った加奈は一夜を共にし、彼の秘密を知ることとなる。「鉄砲玉?なにそれ、ウケるね」と答えた彼女は、退屈しのぎに純平と3日間を過ごすことに。新宿を見降ろすホテルに泊まり、大好物の焼肉をたらふく食べ、思い切り笑い、そして孤独と不安を慰め合ううちに、ふたりは惹かれ合っていく…。限られた3日間を刹那に駆け抜ける若い男女が進む先に待つものとは!?純平との恋を育むヒロイン役に挑む、柳ゆり菜は、初グラビアクイーンとして人気を集め、2014年公開『うわこい』で映画初主演。新人女優ながら、本作では髪を切るシーンでは、実際に地毛を切ることを自ら申し出るなど、強い女優魂を見せつけている。その他、主⼈公・坂本純平と師弟関係になる兄貴分に『北の桜守』『去年の冬、きみと別れ』『万引き家族』などの話題作にも出演している毎熊克哉、加奈の職場の上司に岡⼭天⾳、歌舞伎町のコインランドリーで知り合うゲイの男⼦に、ドラマ『陸王』に出演していた佐野岳、純平と同じ組の仲間として、『ラブ×ドック』『虹⾊デイズ』『⾛れ!T校バスケット部』『⻘の帰り道』と2018年に公開される4本の映画に出演を果たしている⼾塚純貴が登場。その他、お笑い芸人のやしろ優なども出演し多彩なキャストが物語を盛り上げる。森岡利行監督、新宿歌舞伎町ロケ決行監督は、『女の子ものがたり』『上京ものがたり』の森岡利行。ロケは新宿歌舞伎町で敢行されたという。主題歌はthe pillows「眩しい闇のメロディー」主題歌は、オルタナロックバンドのthe pillowsが手掛ける「眩しい闇のメロディー」。2018年9月19日(水)に発売されるアルバム「REBROADCAST」に収録される。現代を生きる若者たちを激しくもみずみずしく描いた青春物語をより一層盛り上げる。ストーリー新宿・歌舞伎町のチンピラ、坂本純平(野村周平)21歳。いつか〝一人前の男〟になることを夢見ながら、組の雑用に追われる日々だ。そんな純平、ある日、対立する組の幹部の命を獲ってこいと命じられる。「これで一人前の男になれる」と気負い立つ純平は、偶然出会ったOLの加奈(柳ゆり菜)と一夜を共にし、つい〝鉄砲玉〟になることを洩らしてしまう。手元には拳銃一丁と数十万円の支度金。退屈を持て余していた加奈は、時代錯誤な純平の情熱に呆れながらも不思議な胸の高鳴りを覚え、決行までの三日間、純平と行動を共にすることに。新宿を見降ろすホテルに泊まり、大好物の焼肉をたらふく食べ、思い切り笑い、そして孤独と不安を慰め合ううちに、ふたりは惹かれ合っていく…。「鉄砲玉なんかやめて、一緒に逃げようか」と言う加奈に、「男が一度決めたことだから」と純平は聞く耳を持たない。そこで加奈はSNSに相談。すると、忠告や冷やかし、無責任な声援がネット上に飛び交い出した!加奈の想いと、ネット住人たちとの交流が、純平の決意を揺るがし始めるが、決行の日は迫り――さぁ、どうする、純平!詳細映画『純平、考え直せ』公開日:2018年9月22日(土)より全国ロードショー出演:野村周平、柳ゆり菜/毎熊克哉、岡⼭天⾳、佐野 岳/ ⼾塚純貴、佐藤祐基、藤原季節、⽇向寺雅⼈/森⽥涼花、⽊下愛華、やしろ優/下條アトム、⼆階堂智、⽚岡礼⼦原作:奥田英朗『純平、考え直せ』(光文社文庫刊)監督:森岡利行 / 脚本:角田ルミ、木村暉、吉川菜美配給:アークエンタテインメント
2018年06月05日サクソフォンの上野耕平、ピアノの阪田知樹という注目の若手が、平日午後のアフタヌーンコンサートで初共演を果たす。上野耕平(sax)/阪田知樹(P) チケット情報「大学時代、友人に誰かすごいピアニストはいないか聞いたとき、阪田君の名前があがったことがありました。以来、面識はないながら気になっていたんです。共演できることになって、ワクワクですよ!」と上野。阪田のほうは、「すばらしい活躍をされていますから、もちろんお名前は知っていました。あと、大学で一度だけ、僕の友人と一緒にいる上野さんとすれ違ったことがあるんです(笑)」と話す。ふたりは東京藝大出身だが、学年が違うので接点もなかった。そんな中、今回の共演は、主催者からの提案で実現したものだ。しかしそうとは思えないくらい、両者はすでに意気投合している。冒頭はそれぞれソロでバッハを演奏するが、これも細かい相談なしに自然と決まったそう。『フルートのためのパルティータ』を演奏する上野は、「神秘的で、天から降るようなソプラノ・サクソフォンの音が、この曲に驚くほど合う。当時まだ存在しなかったサクソフォンによるバッハを聴いてほしい」と考え、選曲した。阪田が弾くのは、ブゾーニ編曲の『シャコンヌ』。原曲の魅力を保ちながら、ピアノならではの表現の幅を生かしているということで、同じタイプの作品といえるだろう。阪田がこれを、「バッハの中のロマンティックな感情が現れた名曲」というと、すかさず上野が「そう、バッハはロマンティックだと僕も思う!」と同意。ふたりで別の角度から見たバッハを届けたいという。その他、ドビュッシーやシュルホフなど楽しみな曲は多いが、注目したいのは、阪田が書き下ろすサクソフォンとピアノのための作品(世界初演)。阪田は作曲にあたり、「技巧が生かされるモダンなテクニック、サクソフォンから切り離すことのできないジャズの要素も取り入れています。また、実際彼の演奏を聴き、サクソフォンでこんな風に歌える方がいるのかと思ったので、そこを存分に聴かせられる曲にしたい」と話す。そう言われた上野は「歌うところが好きだと言ってもらえると、うれしい」と喜ぶ。「サクソフォンの歩んだ歴史を取り入れながら生まれた、新しいクラシック作品は大好きです。それにしても、何も伝えなくても楽器の良さをわかってくれていて驚きます……」。両者とも高い演奏技術を持つうえ、クリエイティビティにあふれていて、これがお互いを刺激しているようだ。「本番を迎えたとき、例えばこちらが攻めたら上野君がどんな反応をするか、とにかく楽しみです」(阪田)「濃い内容になると思うので、聴き終わったらぐったりされるかもしれません(笑)。普通のコンサートではありませんから、絶対聴きにきてほしいです」(上野)公演は東京オペラシティコンサートホールにて2018年1月11日(木) 13:30より開演。チケット発売中。取材:高坂はる香
2017年12月01日◼︎水原希子演じるヒロイン・天海あかりのかわいさは事件級「希子ちゃんが、こんなにかわいいなんて……!」本作を観たあとに、このように感じる方もきっと多いのではないでしょうか。もちろん、以前からファンだった方も少なくないかと思いますが、正直、本作のヒロイン・天海あかりのかわいさは、事件級です。『モテキ』で長澤まさみを魅力たっぷりに撮った大根仁監督は「希子ちゃんが断ったら企画は下ろそう」「『モテキ』の長澤まさみより、もっとかわいくてエロいヒロインを撮るぞ」と語っていたほど。「出会う男すべて狂わせるガール」は、水原希子の存在なくしてはきっと説得力のないものになったに違いない。そう感じるほどの爆発的なかわいさは、本作の一番の魅力です。◼︎『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』ストーリーとある晴れた日。おしゃれライフスタイル誌『マレ』の編集長・木下(松尾スズキ)の自宅で行われた編集部一同が集まるホームパーティーで、おしゃれ意識の高い会話についていけないコーロキ(妻夫木聡)は居心地の悪い時間を過ごしていた。33歳で「マレ」へと異動になったコーロキは、力まないスタイルでいつも自然体な奥田民生を崇拝し、いつか彼のようなカッコいい大人になりたいと思いながらも、うだつがあがらない日々を送っているのだった。そんなある日、会社の先輩・吉住(新井浩文)から引き継いだ仕事で、レディースファッションブランドのプレス・天海あかり(水原希子)と出会ったコーロキは、彼女にひとめぼれ!あかりに嫌われないようにと仕事に精を出すものの、ファッションライター・倖田シュウ(リリー・フランキー)のせいで、あかりとの仕事でミスを犯してしまう。必死に挽回し、なんとかあかりとの初デートにこぎつけたコーロキだったが、あかりの自由奔放な言動には振り回されてばかり。身も心もズタボロになりながらも、あかりを手に入れようと必死にもがくコーロキ。だが、あかりは、その超絶かわいい見た目と、掴みづらい性格で、出会う男すべてを狂わせる魔性の持ち主で……。◼︎カップル「あるある」ネタも満載!恋愛映画としても楽しめる繰り返しになりますが、水原希子演じる天海あかりのかわいさは、現実離れしているレベル。一方で、ふたり(コーロキとあかり)のやりとりは、実際のカップルあるあるを感じさせるように描かれています。とくに、コーロキを振り回すあかりの言動には「あーこういう子いるよね……」「こんなワガママ言ったことある……」など、身につまされる人も少なくないかもしれません。突然手を握ったり、オーバーに褒めたりと、いわゆるモテテクを披露しながらも、女子会では毒を吐き、自分の選んだ道を突き進むあかり。そんな彼女の姿には、ある種の強さや爽快感をも感じます。あかりに振り回される情けない男・コーロキを演じる妻夫木聡の演技も必見!思わずクスリと笑ってしまうようなケンカのシーンもお見逃しなく。◼︎お仕事ムービーとしても見逃せない!本作は、おしゃれライフスタイル誌『マレ』で働くコーロキの成長ムービーとしても楽しめます。奥田民生のようなカッコいい大人に憧れながらも、ミスをしてばかりのコーロキ。ですが、編集長・木下からのサポートや、仕事での経験を通じて一歩ずつ成長していく姿も描かれています。最初は、フリーのファッションライター倖田シュウ(リリー・フランキー)とのやりとりに四苦八苦していたコーロキですが、『マレ』で長期連載している人気コラムニスト・美上ゆう(安藤サクラ)とのやりとり(どちらも、爆笑必至!)では、圧倒的な成長を見せてくれます。ハードな仕事を通じて、人が成長していく姿を見せてくれる本作は、お仕事ムービーとしても見応えがあります。邦画では珍しい、大人向けのラブコメディに仕上がっている本作『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』は、きっとDRESS世代の大人たちにとっても、満足のいく一本になっているのではないでしょうか。ヒロイン・天海あかりのかわいさだけでも必見の本作。気になった方は、映画館へ足を運んでみてくださいね。◼︎『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』公開情報『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』9月16日より全国東宝系にてロードショー原作:渋谷直角『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』(扶桑社刊)監督・脚本:大根仁出演: 妻夫木聡、水原希子、新井浩文、安藤サクラ、松尾スズキ配給:東宝上映時間:99分公式サイト: 「民生ボーイと狂わせガール」製作委員会
2017年09月16日9月16日(土)公開の『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』では自身の名前がそのまま映画のタイトルになるなど、世代を超えて愛されているミュージシャン・奥田民生が、「ボクらの時代」に初出演。妻夫木聡&岸田繁を対談相手に迎え、ここでしか聞けない貴重なトークを繰り広げた。「ボクらの時代」は、毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトークドキュメンタリー番組。俳優やミュージシャン、アーティスト、映画監督、学者、ビジネスマン、デザイナー、教師…そして政治家まで、ひとつのジャンルにとらわれることなく、多方面で活躍する3人のゲストがそれぞれの立場から自由気ままに語り合う。9月17日(日)放送の本番組に出演する奥田さんは、20代はロックバンド「ユニコーン」、30代からはソロアーティストとしてのみならず、他アーティストとのコラボ、楽曲提供、プロデュースなど、幅広く活躍を続け、多くのアーティストからリスペクトされる存在だ。そんな奥田さんのファンを公言する妻夫木さんが、奥田さんと、こちらも番組初出演で奥田さんとバンド「サンフジンズ」を結成している岸田さんに声をかけたことから、今回の対談が実現。収録はおよそ2時間に及んだという。テレビが苦手と語る奥田さんに、視聴者を代表して、1人のファンとして妻夫木さんが名インタビュアーぶりを発揮!奥田さんが語る“力まないかっこいい大人”誕生エピソードや、ミュージシャンとして最近感じるキーの変化などが明かされる。岸田さんが、奥田さんの“ベテラン感”について問うと、「セルフプロデュースですよ!解散するまでバンドの仕事が忙しかったんです。すごくね。解散して1回ソロになったから、なるべくそのいっぱいの仕事の中から、楽なやつだけできればいいなと思って。なんていうのかな、やりやすくするために、写真撮られるのが嫌いなんですよねとか言ってみたり」と語り、音楽に集中するために自らベテラン感を演出したエピソードを披露。妻夫木さんは“民生ラブ”の熱い思いを、本人を前に力説!「僕も含め、一般のかたはお2人を天才だと思っている」と話すと、岸田さんは「民生さんが特にベースを弾くとき、うわっ!天才や!」と思うと語る。それを聞いた、奥田民生の反応とは!?そして話題は、自分の名前がついた映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』へ。奥田さんは、実際に映画を見て面白かったと話すが「映画は勘弁してほしかったよー。フルネームだよ。しかも本名だよ」と笑わせた。収録を終えて、奥田さんは「テレビは苦手で、避けて通ってきているのですが、今回はお招きをいただきありがとうございます。普通に座ってみてください。テレビに出るっていうのは、出るプロの方がいて、そうでない人が出ると、素人的におもしろいことがある。ぼくはそっちなんで(笑)」とコメント。妻夫木さんは「この2人が揃われてトーク番組に出演するのは、まずあり得ない!カープ応援番組ならあるかもしれないですけど。(笑)」と興奮した様子で、「今回は、視聴者を代表して、聞き手になりました!でも、お話をして、改めて、お2人のこと好きだなと思いました!人間として大好きだな!と。生い立ちについても聞いたので、楽しみにしてほしいです!」とファンへ期待高まるコメントを寄せた。「ボクらの時代」は9月17日(日)7時~フジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年09月15日「ユニコーン」でデビューして30周年を迎えた奥田民生が、9年ぶりに「SONGS」に出演することが決定。今回は500人のファンを招き、「SONGS」だけのスペシャルライブ&トークを繰り広げるという。ライブでは、「イージュー★ライダー」「さすらい」といった大ヒット曲をたっぷりと披露。また、映画『カーズ/クロスロード』日本版エンドソングとして今年話題の「エンジン」など、発表したばかりのアルバムからの楽曲も披露した。さらに、親交の深い俳優・桐谷健太とのテレビ初対談も実現!実は、桐谷さんがバイトをしていた時代に、そのバイト先で知り合ったという、付き合いの長い2人。しかも、桐谷さんにとっては、「人生の節目節目に、民生さんの曲があった」と語る、大切な先輩でもあるという。対談場所は、渋谷某所の居酒屋。ライブの「打ち上げ」よろしく、ざっくばらんな雰囲気の中で、ライブも観て盛り上がった桐谷さんが熱い質問を奥田さんに投げかける。それにおされ、奥田さんも楽曲制作の裏話を吐露。歌詞のない状態で歌を作り始め、メロディーにはまる歌詞を後から考えていく制作手法を打ち明けた。「曲を作って歌うなんて、実は恥ずかしくて仕方ない!」という人間・奥田民生の本音も飛び出す、ファン必見の「SONGS」となるようだ。「SONGS ~奥田民生~」は9月21日(木)22時50分~総合テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年09月13日