保育士の中田馨さんが、子どもの支度や切り替えの際の声かけについてのNGや、おすすめの方法について教えてくれました。外出時の支度や、生活におけるさまざまな場面での切り替え。子どもがなかなか支度をしてくれなくてついつい怒ってしまう……というパパやママも多いのではないでしょうか? お悩みの方はぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。 子どもと生活していると、「この時間がホントに大変!」と思うのが、お出かけの支度や、生活の節目の切り替え時。子どもは、大人の思うようにはなかなか動いてくれません。特に長い休み明けは、余計に大変に思ってしまうかも! そんなときに、普段から使える子どもが動きやすくなる声かけのポイントをお話しします。 「早くして」は言わないように心がけよう!時間がないときに思わず言ってしまう言葉のNo. 1は「早くして」かもしれませんね。早くしなくてもよい場面でも、口癖のように「早くして」と言っているかもしれません。私の経験上、この「早くして」を言って「子どもが素早く準備ができた!」「子どもが機嫌よく出発できた!」ということはありません。 つまり、逆なんですね。大人が「早くして」と言うと、子どもは焦ります。焦るので早くしようとするのですがうまくいきません。うまくいかないのでまた「早くしてって言ってるでしょう!」と大人に言われるんです。どうしてこんなに詳しくわかるのかというと、私も自分の子に言っていたからなんです。 大人は新幹線、子どもは普通電車出かけるときは口癖のように「早くして」と言っていたある日の事。いつものように「早くして」と言うと、「僕なりに、早く準備をしている!!」と逆に息子から言われたんです。その時に「はっ!!」と気づきました。 私たち大人は人生経験が豊富にあります。要領よく準備することもできるんです。例えば、大人が新幹線の速さで準備ができるなら、子どもは普通電車のスピードなんです。息子にそれを言われたときから、私は「早くして」を言わないようにしました。あまりにも日常になっていた「早くして」ですから、言わないようにするには努力が必要でしたが、言わなくなるのが習慣になってきたら、私もイライラが少なくなってきたのです。 皆さんも、「早くして」という言葉を言わないようにしてみてください。では、何と言えばいいのか? それは次にお話しします。 子どもにも都合があることを知る私たち大人は、あまり気づいていないかも知れませんが、実は子どもにも「都合」があるんです。「今は、ブロックで遊んでるねん」「絵本が面白いねん」という、大切な都合がね。その、大切なことをしているときに、「もう出かけるよ。片づけて準備して」と言われたらどうでしょう? 「え? まだ終わってないけど??」と思うはず。大人もTVドラマを見ている途中に「スーパー行きたいんだけど、車出してくれる?」と言われたら「え? 今すぐ? なんで?」と思いますよね。 「早くして!」と言わないでいいようにするためには、出かけたい、片づけてほしいなど、親の目標時間の前から予告があるといいですね。「目標の時間の前」は何分前がいいのかというと、それは子どもの年齢や性格、今遊んでいる物にもよるでしょう。 例えばブロックで遊んでいたら、10分後。絵本を読んでいたらその絵本を読み終えるころ。「絵本を読んだら、出かけるよ」など、予告の声かけをしてみましょう。 「早くして」に代わる言葉はある?とはいえ、早くしてほしいときにのんびりしていると、やっぱり「早くしてよ!!」と思うものです。「早くしてほしいな」と思うときには、別の言葉で言い換えてみましょう。 言い換えの言葉はいくつかあります。「ママ(パパ)が少し手伝ってもいいかな?」「よし! 少しスピードアップしてみよう!」「ママ(パパ)と競争するぞ~よーいドン!(協奏曲を歌う)」「自分で片づけるなんて、さすがだなあ~!」などなど。 その場にあった言葉で、準備や片づけに向けて子どもがやる気になるように励ましたりほめたりしてみましょう。もちろん「早くして」という日もあります。絶対言ってはいけない言葉ではなく、別の言葉に言い換えできないかを声かけ前に考える時間を取れるとよいですね。思わず「早くして」と言ってしまったら、「(早くして)ほしいな~ママからのお願い!」と語尾につけるだけで、子どもに伝わる印象も変わりますね。 子どもと一緒に支度するときや、生活の切り替えの時の声かけは、親主導にしつつも、親主導になりすぎず、子ども目線に立つことも大切ですね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2024年02月23日皆さんは、子どもに性教育を教えたことはありますか?なかには、経血を見た子どもが生理だと知らず思いもよらぬ言葉を言われた方もいるようです。そこで今回は、MOREDOORに寄せられた「生理を見た子どもからのひと言」をご紹介します。子どもと一緒にお風呂に入ったら……2歳の男の子と一緒にお風呂に入っているときに経血が垂れてしまいました。すると子どもから、衝撃のひと言を言われたのです……。経血を見た我が子が放った言葉とは「ママ絵の具たれてるよ」と言ったのでした。私が「血だよ」伝えると私の体調をとても心配してくれました。自分は慣れているけど、子どもから見たらかなりの出血でびっくりしたんだろうなと思います。一生懸命、血を止めようとしてくれて可愛かったです。(36歳/パート)心配する子ども……生理のことを知らない子どもは、母親が出血しているのをみて不安になる子も多いはず。コクリコのHPによると、オランダでは早いと4歳前後から性教育をスタートする学校もありますが、まずは前提となる「愛情の大切さ」「自分の意思の伝え方」「他人の気持ちの尊重」といった、「他者との関わり」から始める場合が多いといいます。その後、10歳前後から「生殖や妊娠出産の仕組み」について学ぶそうです。性教育を受けることで、正しい知識を持って相手の気持ちを尊重できるかもしれませんね。あなたも似たような経験はありますか?※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年11月18日保育士の中田馨さんが、子どもの褒め方や叱り方について教えてくれました。実はあなたのおこなっているその褒め方や叱り方、実はNGかも……!? ぜひ参考にしてくださいね!こんにちは! 保育士の中田馨です。1日子どもと過ごしていると、子どもを褒める場面、叱る場面が何度も訪れると思います。今回は、子どもを褒めるとき、叱るときに意識してほしいことをお話しします。 実はNGな褒め方 「すごい!」だけ「すごいね!」と褒めてばかりいませんか? 「すごい」という言葉を使ってはいけないわけではありませんが、必ずしも子どもは「すごい!」と言われたいわけではありません。 例えば、カラフルな絵を描いてママに見せに来たとします。このとき「すごいね!」だけだと、何がすごいのかが分かりませんよね。そのため、こんなときは「たくさんの色を使って描けたね。何色がある? 赤、青、黄色、緑。たくさんあるね。ママ、この絵が好きだなあ」と具体的にママが感じたことを言葉にするのです。 では、苦手な食べ物を食べられたら? 「ブロッコリー食べられたね!」。段差のある所からジャンプしたら? 「高いジャンプだったね!」。すごいと褒めてもいいですが、その前後に、ママの感想も付け加えてください。子どもは、より満足するはずです。 実はNGな褒め方 できたところだけ褒める子どもを褒める場面は、実は生活のさまざまなところに潜んでいます。子どもが「できた!」ことばかりに意識を向けず、普段の何気ない生活のなかでも見つけてみましょう。 例えば、ブロックであそんでいるとします。集中してあそんでいるときは、そっとしておいてもいいですが「その車、〇〇ちゃんが作ったの? カッコいい形だね」など、さりげなく子どもが作ったものを褒めることができます。 また、すでにできるようになっていることは、なかなか褒められなくなっていませんか? 例えば、妹が、食後の食器を台所まで持ってきてくれたら「ありがとう、助かるわ」と声をかける。でも小学生の兄が持ってきたときは持ってくることが当然だと思っているので「は~い」ぐらいのそっけない返事。親は新たにできるようになったことにどうしても目が行きがちですが、できるようになっていることにも目を向けると、子どもにかける声かけがまた変わってくるかもしれませんね。 実はNGなり方 「ダメ」だけ「ダメ!」という言葉、使ってしまいますよね。私も、わが子には思わず使ってしまうことがありました。「ダメ」だけじゃ「ダメ」って分かっているのに……。そう、「ダメ」だけだとあまり効果がありません。なぜかというと、子どもが、何が「ダメ」なのか分からないからです。「ダメ!」と大きな声で言われると、一瞬「ビクッ」として子どもの動きは止まると思いますが、それだけでは親の気持ちが伝わりません。触ってほしくないものを触ろうとしたら? 「見てるだけにしてね」と、ママがしてほしい行動を言葉にして伝えます。 私は「ダメ!」は、本当にしてほしくないことを子どもがしたときのための、とっておきの叱り文句だと思っています。「ダメ! そんなことしたら、ママ本当に悲しい!」と感情込めて叱るときのね。そのため普段の生活のなかでは、「ダメ!」ではなく、別の言葉に置き換えられないか? を考えてみてください。 実はNGな叱り方 「〇〇しない」「〇〇しなさい」「〇〇しない」の否定、「〇〇しなさい」の命令もよく使ってしまう言葉です。否定の言葉の例でいうと、「ベビーカレンダーのサイトで、私のプロフィール写真見ないでくださいね」と言われると、「え? 何で? めっちゃ見たい!」という気持ちになるのではないでしょうか。大人も「〇〇しないで」と言われると逆にしてしまいたくなるものです。 そのため、走ってほしくない場面で走ったら「走らない」ではなく「歩いてね」とママがしてほしい行動を言葉にして伝えましょう。 同じように、命令の言葉の例でいうと、座ってほしい場面では「座りなさい」ではなく「座ろうね」が良いでしょう。言葉を言い換えるだけで、親のイライラも軽減されるように思います。 昔あったわが家でのそのエピソードをご紹介しましょう。親子でハイキングをしていて、車も走る細い道を歩いていた時の事。幼い私は父母と少し離れて対向車線側を歩いていたそうです。私が、父母の方へ道を渡ろうとしたときに車が走ってきて父は思わず「走るな!」と言ったそうです。でも、私は、走って父母の方へ。幸い間一髪で車とはぶつからなかったのですが、「あのとき、“止まれ”と言うべきだった」と何年経っても父の心に恐怖が残っていました。 褒めるときも叱るときも、共通点としては「子どもと目と目を合わせて声かけする」と言うこと。「ママはちゃんとあなたのことを見ているよ」と子どもに伝えるためにも大切です。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年11月08日保育士の中田馨さんが、子どもを叱るときの「言ってはいけないNGワード」について詳しく教えてくれました。子どもを叱らなくてはいけない場面、どうしてもありますよね。自分に余裕がないとついついキツい言葉を子どもに言ってしまい、反省する……なんてことも育児の中ではあるのではないでしょうか。ぜひ参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。毎日子どもと生活していると、どうしても叱らなければいけない場面が訪れます。子どもを叱るって本当に難しい! と実は私も思っている一人。それは保育所の子どもたちもそうですし、もう中高生になった自分の子どもを叱る時もそうです。 叱る時に大切なことはいろいろありますが、私が大切にしているのは3つ。子どもの目を見て叱ること。そして、子どもの感情に影響されないこと。また、自分の感情は平たんでいることです。今回は、子どもを叱る時に思わず言ってしまいがちな言葉と、その言い換えの方法をご紹介します。 片づけないなら“捨てるわよ”「おもちゃを片づける」は、どのおうちでもあるあるのお悩みかもしれません。「片づけてね」という声かけを何度しても聞いてくれなかったら「とほほほほ」となってしまいますね。だから思わず、「片づけないなら、捨てるわよ!」と言ってしまう気持ち、分かります! 分かります! しかし、これは“脅し”のようになってしまい、子どもの心に悪影響を与えてしまうことにもなり兼ねないのです。子どもにとっては「大切なおもちゃが捨てられる!!」とビックリしてしまいますね。 子どもに片づけてほしい部分はどこでしょう? そんなことを考えてみながら、「片づけなさい!」を違う言葉で言い換えをしてみましょう。 「今、あそんでいないおもちゃを片づけてほしい」⇒「使っていないおもちゃをおもちゃ箱に入れよう」 「これから予定があるから、全て片付けてほしい」⇒「そろそろお出かけするから片付けようね」 遊んでいるとき、“次のおもちゃ(遊び)に移るときには、今まで遊んでいたおもちゃを片づける”ことが基本。家事をしながらでも子どものあそびが変わったときは、「ブロック片づけてからパズルをしようね」と声かけをしていきましょう。それが習慣になると、自分でできるようになっていきます。低年齢のお子さんは、まだ自分ひとりでは片づけることができないので、親も一緒に片づけるようにしましょう。 “ダメ!”子どもが危ないことをするときに必要な言葉は「ダメ!」ですね。とにかくその危険な行動をやめてほしいときに使うにはよいのですが、例えば電車の中で騒いだとき、公園で順番のルールを守らなかったとき、「お菓子を買って!」と駄々をこねたときなど、何でもかんでも使ってしまいがちになるのもこの「ダメ!」です。では、「ダメ!」ではなく違う言葉で言い換えをしてみましょう。 ・電車の中で騒いだとき⇒小さな声でお話ししてほしい。と伝える。 ・公園で順番のルールを守らなかったとき⇒○○ちゃんの後ろに並ぼうね。と伝える。 ・「お菓子を買って!」と駄々をこねたとき⇒今日は、お菓子を買わない日なの。と伝える。 もちろん、どれもこの言葉だけでは納得いかないこともあるでしょう。その場合は、また別の言葉でしてほしいことや決まり事を伝えます。「ダメ」をたくさん使い続けていると「ダメ」では、子どもが反応しないようになります。「ダメ」は危険なことが起きたとき(起きそうなとき)のとっておきの言葉として残しておきましょう。 実は先日、中2の娘に「明日何時に起こしたらいい?」と聞いたときに指摘されました。「毎朝、“ホンマに起きてよ”って言うのやめてくれへん? 腹立つねん」と。最近の娘は、何度起こしても起きなくて手を焼いているので、口癖になっていたんですね。いやあ、反省しましたね。叱る場面じゃないにしても、普段思わず子どもに言ってしまっている「NGワード」は他にもありそうですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年11月05日保育士の中田馨さんが、子どもの秋冬の服装での注意点について教えてくれました。今の時期は朝晩で寒暖差もありどんな服装にするのかも迷いますよね。また、おしゃれな服もたくさんありますが、実は子どもに着せるには注意の必要な服装もあるようです。子どもの月齢や活動の幅に合わせて服装選びのポイントをご紹介しているのでぜひ、確認してみてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。10月になり、秋の空が広がるようになってきました。朝夕は涼しく、日中が暖かい日もあるので、子どもに限らず大人も着る服に悩んでしまうこともあると思います。 そこで今回は、秋冬の子どもの服装で気をつけたいことをお話しします。 0歳児に気をつけたい服装足先までカバーされたロンパース冬本番になると気をつけたい服装の一つが、足先までカバーされたタイプのロンパースです。寒い冬ですので、足の先までカバーされていたら保温性があって安心です。しかし、お部屋で活動するときは足先のカバーのないタイプの服を選んでください。なぜなら、ハイハイするときに床を蹴りにくかったりして、活動の幅を制限してしまう可能性があるからです。また、つかまり立ちする場合、滑りやすいことはもちろんのこと、足先部分を反対の足で踏んづけて、転倒することもあります。 着せすぎに注意特に0歳児の場合、外に行くときにベビーカーや抱っこひもで移動することも多いでしょう。その際、寒いだろうとたくさん服を着せていると汗をかくこともあります。寒い外にいたとしても、時折赤ちゃんの背中に手を入れて、汗をかいていないかのチェックが必要です。 歩くようになったら気をつけたい服装【ズボン編】1歳前後になり、歩くようになったら活動の幅が広がってきますね。その際に気をつけたいのが【ズボンの素材】です。夏は短パンだったのが、秋冬になると長ズボンを履く機会も増えてきます。特に公園などお外で思いっきり遊ぶときは、伸縮性のあるやわらかいズボンを履かせると、活動しやすいでしょう。私の経験では、デニム生地のズボンは伸縮性が少ないので動きにくいものです。転ぶことも多いように思います。 まだ私の息子が幼児のころ、スリムな赤いズボンがかっこよくて購入したことがあります。私はウキウキで買ったそのズボン、息子は「キツイ」と言ってほぼ履いてくれませんでした。購入時はかっこよさだけでなく、履きやすさも大切なんだと印象に残った出来事でした。 歩くようになったら気をつけたい服装【上着編】秋冬になると、服の上に1枚羽織ることも増えてきますね。その際に気をつけたいのが、フードや装飾の多いものです。保育園に通っている方は、保育園では【フード付きはダメ】と言われているのではないでしょうか? これはジャンパーだけでなくトレーナーも同じです。その理由は、お友達と外遊びするとき、あそびの中でお友達が思わずフードを引っ張ってしまったり、フードが遊具などに引っかかる危険性があるからです。フードを引っ張られたら? そう、後ろに転んでしまいますね。また、滑り台を滑る時などに、遊具に引っ掛かる可能性もあります。 特に活発にあそび始めるころからは、気温や子どもの活動に合わせて脱いだり着たりしやすくて、子どもが安全に活動できるシンプルなデザインの上着を選ぶと安心かもしれません。 歩くようになったら気をつけたい服装【肌着編】夏はTシャツ1枚で過ごすこともあったと思いますが、涼しくなると肌着を1枚着ることも増えてきます。ここで気をつけたいのが、中に着せすぎないことです。秋になると保育園で毎年お一人はいらっしゃるのが、朝涼しかったので【肌着+Tシャツ+Tシャツ(長Tシャツ)】を着せて登園する子。トイレ(オムツ替え)のときに気づいて、「あれ? 何枚着てるの?」と思うことがあります。 朝一番に涼しいときは、普段よりも1枚多めに羽織るのはよいのですが、日中になると気温も上がってきますし、子どもも活動時間になります。厚着した状態で外遊びなどすることで汗をかいてしまい、あせもなどの肌トラブルに繋がったり、汗で体が冷えてしまうことなどもあるので着せすぎには注意しましょう。 また、冬になると長そでの肌着を着せることもあると思いますが、体を動かして活動するときは汗をかきやすいものです。半そでの肌着+長そでの服でも十分な日もありますので、天候とお子さんの様子を見ながら、活動しやすい肌着に調整してあげましょう。 私もそうだったのですが、お子さんのお洋服選びは、親にとって楽しみの一つですね。かわいい(かっこいい)デザインも大切ですが、そこに動きやすさと言う視点もプラスして、選んでみてくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年10月20日お互いのフォローをするために声を出すことが大事だと言い続けているが、実際声を出せる子が限られている。大人しい子でも声を出せるようにするには、具体例を挙げて教えるのが良いか、サッカーの理解を深めるべきか、教えて。とお父さんコーチからの相談。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、子どもたちが声を出せるようになるおすすめメニューなども交えてアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<レベル差があるから学年ミックスのグループ分けを検討するも、保護者から「劣等感を抱く」と反対が......。レベル差のあるチームの指導、どうすればいい?<お父さんコーチからの質問>こんにちは。少年団でU-9年代を指導しています。サッカーではお互いに声をかけあってプレーすること、フォローすることが大事だと思っており、練習中も試合中も声を出すことが大切だと言い続けていますが、声を出せる子が限られています。性格によるものも大きいと思いますが、おとなしい子でも声を出せるようにするにはどのような指導法がありますか?状況ごとにどんな声を出せばいいか、いくつか具体例を教えてあげるのが良いですか?それとも、サッカーへの理解を深めることが大事なのでしょうか。だとしたら、どんな風に理解させるのが良いか、ヒントをいただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。今に限らず、かなり以前から子どもは声を出すことが苦手です。サッカーをしているときに声を出す以外でも、トレーニングの際に「今の練習はどうでしたか?」と質問しても、ほとんどの子どもは自分から答えません。■声を出さない背景に、自信がない、間違えるのが恥ずかしいという感情がある同じ集団を教えると、私の質問に積極的に自分から答えるのがひとりか二人の"決まった子ども"になる印象です。多くの子が、小学校のように「はい、君、答えてください」とあてられない限り、じっと黙って誰かが何か言うのを待っています。そうなってしまう背景に目をやると、そもそも自分に自信がなかったり、間違えることをとても嫌がる。間違えることが恥ずかしいという感情があるようです。加えて、彼らの日常生活で「大声を出す」という状況があまりありません。逆に、ちょっと声が大きくなると「どうしてそんな大声出すの?」と大人に言われたり、仲間から「静かにしろよ」と注意されてしまう。感情を表に出す、一緒になって大声でわいわいやる、みたいな経験が、親世代よりも圧倒的に少なくなっているようです。まずは、そのような子どもの実態と背景を理解しなくてはいけません。そうすれば、あの子は声を出せないと否定するような考えや態度にならずに済みます。そのように考えると、声を出すことはサッカーをするうえで必要なので、できるようになるトレーニングをすればよいのです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■空間認知力を養うためにもおすすめの「ハンドパスゲーム」例えば、私がよく行うメニューに「ハンドパスゲーム」があります。子どもたちがバスケットボールの手前で行う、ポートボールのような感覚です。バスケットはリングにシュートしますが、ポートボールは台の上に立った味方に直接渡します。サッカーで行う鳥かごのような形にして、真ん中に守備を入れます。守備をうまく避けてボールをつないでいくポートボールのイメージで、手から手にボールを渡す動作から始めます。次に「鳥かごから、全員動いていいよ」と言って、固定ではなく動くのをOKにします。つまりはサッカーボールで行うバスケットです。どこに走って、どこに投げるとつながるか。このメニューは空間認知力を養うことにも役立ちます。このハンドパスゲームで、味方同士で5本つなぐと1点というルールにします。最初のパスを出す人は「1」と言ってパスを出す。次の人は「2」と言ってパスを出すようにして、6人目がパスを受けた瞬間にチーム全員で「一点!」と叫ばなくてはいけない。そんな決まりをつけます。パスの数を告げる声もコーチに聞こえなくてはいけません。ここで声が小さいと「おーい、聞こえないよ~」と言ってあげてもいいでしょう。子どもたちは勢いづいて大声を出すようになります。全員で一点!と叫ぶのを誰かが忘れたりします。子どもたちが笑顔になるので、アイスブレークにも最適なメニューです。■「左側に相手DFが来ているから右行って」など、どんな声を出せばいいかこの夏休み中にドイツから帰国し全国をまわって指導していた、育成コーチの中野吉之伴さんが行っていたトレーニングも自然に声を出すものです。2メートルくらいの範囲にマーカーを置いてグリッドを作り、そこでボールコントロールの練習をします。パス出す人に「右」と言われたら、右足でコントロールします。右へ出ていかなくてはいけません。グリッドの外にボールを置く決まりです。「後ろ」と言ったら、後方にボールを動かします。つまり指示されたほうにボールを動かさなくてはなりません。このような状況は試合の中でも起こります。仲間から「右行って」とか「左行って」と言われることがあります。言うほうも、聞くほうも瞬時に判断しなくてはなりません。このトレーニングをすると、子どもたちは声を出します。最初はパスを出すときに相手に言うのを忘れてしまうこともあります。決められなくて口ごもり「早く言えよ!」と言われたりします。が、よく考えたら試合の中でもそんなことが起きます。そのことをぜひ子どもたちに伝えてください。「試合の中でも起きるよね。左側に相手のディフェンスがきてるから右に行けよと言ってあげよう」そんなふうに、どんな声を出せばいいのかを明確にしてあげてください。■「最終形は何か」を話し合うこと(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)練習するなかで「最終形は何か」ということも話し合ってください。声を出さなくても通じ合うこと。そんな話が出るでしょう。子どもが賢くなれば「どっちに欲しいか指示しなさい。右足に欲しいときは右手を出すように」とコーチに言われても、それでは相手にばれてしまう、と考えます。そうしながら逆に出すことを考え出す子もいます。チームとしてサッカーの理解が進むと、逆に声は出さなくなります。相手をだまして、かわしてゴールに進む。サッカーのようなボールゲームはその連続なのです。そのなかでお互いの阿吽(あうん)の呼吸みたいなものを作っていきます。そのためにプロ選手は毎日一緒に練習するし、代表でも長く一緒にやっていればそれが強みになります。「サッカーってチームでやるよね。右に行ってほしいなと思ってたら、行ってよって言ったほうがいい。もらう側も、ちょうだいって言えばいい。そこはオフサイドポジションだからパスしないよ、というのもあるね。チームで助け合ってサッカーをするために声を出そう」例えば、そんなふうに子どもたちに話してみてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年08月25日保育士の中田馨さんが、子どものお昼寝や睡眠について教えてくれました。お昼寝をさせたいのになかなか寝てくれない……とお悩みのママもいることでしょう。子どもをスムーズにお昼寝させるコツも教えてくれているのでぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは!保育士の中田馨です。毎日暑い夏だからこそ、生活の中に取り入れてほしいのが「お昼寝」。保育園では、毎日だいたい決まった時間にお昼寝タイムがあります。今回は、お家でも活かせる、保育園の「お昼寝時に気を付けていること」をお話しします。 お昼寝は必要?まだ、体力がない乳幼児さん。お昼寝はそんな乳幼児さんの体と脳を休息させることが目的。特に低年齢児のお子さんは、まだ昼寝が欲しいものです。お昼寝をすることで、体力を回復させて午後からまた元気に活動することができますよ。 とはいえ、お昼寝にも個人差はあります。「もうそろそろ起きようか」というくらいグッスリ寝る子もいれば、お昼寝の時間が短かったり、寝ない日がある子もいます。「必ずしなければいけない」という気合や寝かしつけが、親子の負担になるくらいなら、時にはあきらめも必要です。 「今日は、眠たくないのかもなぁ」と思う日は、子どもの雰囲気でママも分かるはず。そんなときは、ママと一緒にマットやお布団の上でゴロゴロする時間を設けるなど、意識的に体を休息させてあげるのがよいでしょう。 暑い夏のお昼寝で気をつけたいこと特に暑い夏の日のお昼寝で気をつけたいことは、部屋の温度や湿度です。暑いだろうとエアコンや扇風機をかけていると、思った以上に体を冷やしてしまい風邪気味に……! なんてこともありますし、エアコンや扇風機が直接当たらないように気を付けていたら、おでこに汗をかいているなんてことも。 例えば保育園では、一度に何人もの子どもが寝るので、部屋の場所によって温度が違うので難しいものです。特に、部屋の角に寝ている子は、汗をかきやすいんですよ。もし、お子さんが汗をかきやすいようだったら、寝る位置を少し変えるだけで解消されることもあります。 また、子どもがお昼寝しているときは、体を時々触って汗をかいていないか? 冷えすぎていないか? などの確認をしていると安心ですね。パジャマや寝具も汗を吸い取りやすい素材のものがいいでしょう。 声かけの仕方お昼寝の時間は、毎日だいたい同じ時間に設定します。そのときの声のかけ方が重要になります。「今から寝る?」と子どもに聞かないでくださいね。だって、「うん! 寝る! 」なんて答える子どもはなかなかいません。寝る、寝ないは、子どもが決めるのではなく親が決めます。「さあ、寝ようね」と決まり事として布団に連れていきます。 「今から寝る?」と子供に意見をゆだねると、おのずと親の方も「この子、今日は寝てくれるかな……」という気持ちになってしまいます。「さあ、寝ようね」と決まり事にすると、親自身にも寝かしつける決心がつきますね。寝かしつけに限らず、しなければいけない物事のときは、言い切るようにしてみてください。 お昼寝は、子どもにとって「気持ちの良い時間」ということを伝えつつ、子どもが寝ている時間はママも休息してくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年08月20日今回は子どもの寝汗対策について、3児ママで小児科医・保田典子先生に解説していただきます。子どもにとっての「快適な環境」って? 子どもが汗だくになっていたら着替えは必要?こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。赤ちゃんの寝汗ってすごいですよね。特に頭や背中はびしょびしょになったりします。夜中に着替えさせるのも起きたら嫌だし、でも風邪ひくのも怖いし……そんなママのための寝汗対策についてお話したいと思います。 子どもにとっての「快適な環境」って?新生児期を過ぎた赤ちゃんは、基本的に大人より暑がりです。それは、大人よりも代謝が良かったり、体温が高いためだと考えられています。赤ちゃんの寝室の環境は温度26-27℃、湿度50%前後が良いとされています。 これは、エアコンの温度設定ではなく、寝室の実際の温度がこのくらいが良いとされているので、心配なら温度計で実際の家の環境をチェックしてみてください。 子どもが汗だくになっていたら子どもは汗をかきやすいと思われていますが、子どもは汗で体温調節をするのは大人よりも下手だと言われています。なので、子どもが汗だくになっていたら、そもそもそれは「部屋の温度がその子にとって高すぎる」ということです。 大人にとって快適な温度でも、子どもにとっては暑くて調整しきれていないという状態かもしれません。さきほどお伝えした寝室の温度26-27℃でも、汗だくになってしまう子もいるかと思います。その子にとってはその気温では暑すぎるということです。 そんなときは、エアコンをつけてサーキュレーターなどで部屋の空気を循環させる、エアコンの温度を下げるなどをまずは考えた方がいいでしょう。 その上での寝汗対策まずは子どもが汗だくにならない環境づくりが大切です。しかし、それでも寝汗はある程度でてしまうことと思います。特に頭や背中は汗をかきやすいところ。 でも、頭に汗をかくからといって、冷えピタのような貼るタイプの保冷剤を使うのは、個人的には避けたほうがいいと考えます。寝ている間に貼ったところから移動して窒息の原因になることがあるためです。 その子によって多少違うことはありますが、汗をかきやすいお子さんは下着を着るとかえって体感温度が上がることがあるので、下着は取ってしまっていいと思います。または、下着1枚で寝かせても大丈夫です。 着替えをさせることを考えると、前開きタイプが着替えさせやすいですよ。素材は汗の吸いやすさ、湿疹のなりにくさを考えると綿100%、または綿がある程度入った生地が良いです。 朝起きたらシャワーで汗を流しましょう汗をたくさんかいた翌朝は、まずたっぷり水分を摂りましょう。あせもが出やすい子は、朝シャワーで汗を流すことがオススメです。(でも、私は朝忙しくてそんなことはできていませんでした! ) 朝シャワーは、基本的にせっけんは不要です。シャワー後は、簡単でもいいので保湿をしてあげましょう。 「子どもにとって快適な温度」が大事!子どものびっしょり寝汗を見たら、まずは部屋の環境調整をしましょう。その上で下着を取ってしまう、前開きの衣類で着替えをさせやすくして、びしょびしょなら着替えさせてあげましょう。朝になったら汗は流してあげるのがいいですね。わが家は子どもの快適温度に設定すると、私には肌寒くて、足まで掛け物が必要だったりしました。親が肌寒いと感じる温度でも、ぜひお子さんの快適温度にしてあげてください。その方が子どもはぐっすり寝てくれるので、親も子もハッピーですよ。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年08月08日保育士の中田馨さんが、子どもの熱中症対策について教えてくれました。暑い日が続く毎日。親子で熱中症対策をしっかりとおこない、猛暑を乗り切りましょう! 今回は夏の子どもの服装についてお話ししてくれています。子どもの夏服を選ぶ際の参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。うだるような暑さが続いていますね。テレビでもラジオでも連日熱中症に関するニュースが取り上げられています。今回は、暑い夏を子どもと安全に過ごすための熱中症対策や夏の子どもの服装についてお話しします。 熱中症とは?熱中症は、高温多湿の場所で過ごしていて、体温調節機能が上手く働かなくなったり、体内の水分、塩分のバランスが崩れたりすることにより体内に熱がこもった状態のことをいいます。屋外だけでなく、室内でも発症します。その症状は軽度から重度まであり、それぞれの主な症状は以下です。 ・軽度・・めまい、立ち眩み、筋肉痛、汗が止まらない・中度・・頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感・重度・・意識がない、けいれん、体温が高い、呼びかけに反応しない、まっすぐに歩けない 子どもの場合、「なんだか少ししんどいな(軽度)」と思ってもそれを大人に伝えられないことが多いでしょう。少しでも「様子が違う」と感じたら、涼しい場所に連れていき水分補給をし、衣類を緩めたり首やワキ、ももの付け根など動脈が集中する場所を冷やすなどしましょう。心配な場合は、受診をおすすめします。 熱中症を予防するには熱中症を予防するには水分補給がとても大切になります。よくメディアでも言われているので、耳にしたことがあると思いますが、「のどが渇く前に、飲んでください」。子どもは、体温調節機能が十分に発達していません。そして大人のように、「熱中症予防のために、水分をこまめに取ろう」と自分から水分を飲むわけではありませんので、周りの大人が気を付ける必要があります。 例えば、水分補給をする時間を、毎日決めてもいいでしょう。朝起きたとき、遊ぶ(活動)前、遊び(活動)終わったら、お昼寝の前・・・などなど。水分補給を毎日の習慣にすることが大切です。また、室内では扇風機やエアコンで温度を調整し、室温はこまめに確認します。 例えば、保育所では夏の室温は26度~28度に設定。窓にはすだれをするなど暑さ対策をしています。屋外では、帽子や日傘を使ったり、なるべく日陰で過ごす。天気の良い日、暑い時間の外出は避けるなどの対策を取るようにしましょう。 着る服はどうすればいい?熱中症を予防するには、服装もポイントです。暑い夏で汗をかくことも多いはずです。吸湿性、速乾性のある素材や綿素材の肌着やTシャツがおすすめです。 プリントTシャツはかわいいけど夏場に着るのは実はNG!?綿のTシャツで、キャラクターが大きくプリントされているタイプのものは、とってもかわいくて子どもに着せたい衣服の一つだと思いますが、プリントされた部分の通気性が悪く暑さを感じます。夏の服のデザイン、実は「シンプル」がおすすめなんです。 暑い夏、肌着は着せなくてもいい?また、「肌着を着せた方がいいのか?」について。肌着は汗を吸い取ってくれるので、保育園では、夏でも肌着を着て過ごしています。肌着を着ることによって、あせも予防にもなりますし、急な温度変化(暑い外からエアコンのついた部屋へ移動)からも体を守ってくれます。 先日、子どもと園庭の野菜に水やりをしてから、シャワー、室内遊び、給食と午前中の活動をして、子どもが寝たときに突然頭痛が。朝の園庭に出る前の水分補給以来、自分が水分補給をしていなかったことに気づきました。その間、子どもは水分補給していたのに。「子どもに水分補給」させるときは、大人も一緒に飲むことも、とても重要ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年08月05日子どもに絵の描き方を聞かれ、ちょっとしたコツを教えた話です。■絵描き冥利に尽きます※わたしも絵の描き方習ったわけじゃないので、この漫画は参考にしないでね(汗)。十字線だけで終わるお絵描き教室。でも初めて絵の描き方きいてくれたのが嬉しかったよ。とはいえ、タブレットに指で描いてるこまめのほうが何倍もすごいと思ってるんだけど。よく描けるよなぁ。ちなみにブログの絵は十字線は描いてないっす。もう10年以上も同じ子を描いてると、さすがに慣れるよねぇ(汗)。
2023年05月20日体のことや子どもがどのように産まれてくるのかなど、性教育についていつ教えるかは家庭によりタイミングがあると思います。そこで今回MOREDOORでは「性教育はいつからはじめていますか?」とアンケートを実施!なぜそう思うのか、理由も一緒に聞いてみました。気になる結果は……「子どもから性に関する質問をされたら」と答えた人は全体の4割と最も多い結果に。なお、「年長さんになってから」と答えた人は3割、「小学校入学してから」と答えた人は3割で、意見が分かれているようですね。「年長さんになってから」と答えた理由は?「小学校入学してから」と答えた理由は?「小学校高学年から」と答えた理由は?「子どもから性に関する質問をされたら」と答えた理由は?「その他」と答えた理由は?タイミングや考え方は家庭によってそれぞれ「子どもから性に関する質問をされたら性教育を始める」と答えた方が4割を占めた今回の調査。一方で小学校低学年からなど時期を明確に決めて教育をおこなっている家庭もありました。繊細な体に関わることをいつ教えるかは、本当に家庭によってそれぞれです。あなたはこの結果を、どう感じましたか?調査主体:MOREDOOR編集部調査方法:クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」によるインターネット上のアンケート調査調査期間:2023年03月29日~30日有効回答数:50名の男女(MOREDOOR編集部)
2023年05月07日保育士の中田馨さんが、子どもの支度や切り替えの際の声かけについてのNGや、おすすめの方法について教えてくれました。外出時の支度や、生活におけるさまざまな場面での切り替え。子どもがなかなか支度をしてくれなくてついつい怒ってしまう……というパパやママも多いのではないでしょうか? お悩みの方はぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。 子どもと生活していると、「この時間がホントに大変!」と思うのが、お出かけの支度や、生活の節目の切り替え時。子どもは、大人の思うようにはなかなか動いてくれません。特に長い休み明けは、余計に大変に思ってしまうかも! そんなときに、普段から使える子どもが動きやすくなる声かけのポイントをお話しします。 「早くして」は言わないように心がけよう!時間がないときに思わず言ってしまう言葉のNo. 1は「早くして」かもしれませんね。早くしなくてもよい場面でも、口癖のように「早くして」と言っているかもしれません。私の経験上、この「早くして」を言って「子どもが素早く準備ができた!」「子どもが機嫌よく出発できた!」ということはありません。 つまり、逆なんですね。大人が「早くして」と言うと、子どもは焦ります。焦るので早くしようとするのですがうまくいきません。うまくいかないのでまた「早くしてって言ってるでしょう!」と大人に言われるんです。どうしてこんなに詳しくわかるのかというと、私も自分の子に言っていたからなんです。 大人は新幹線、子どもは普通電車出かけるときは口癖のように「早くして」と言っていたある日の事。いつものように「早くして」と言うと、「僕なりに、早く準備をしている!!」と逆に息子から言われたんです。その時に「はっ!!」と気づきました。 私たち大人は人生経験が豊富にあります。要領よく準備することもできるんです。例えば、大人が新幹線の速さで準備ができるなら、子どもは普通電車のスピードなんです。息子にそれを言われたときから、私は「早くして」を言わないようにしました。あまりにも日常になっていた「早くして」ですから、言わないようにするには努力が必要でしたが、言わなくなるのが習慣になってきたら、私もイライラが少なくなってきたのです。 皆さんも、「早くして」という言葉を言わないようにしてみてください。では、何と言えばいいのか? それは次にお話しします。 子どもにも都合があることを知る私たち大人は、あまり気づいていないかも知れませんが、実は子どもにも「都合」があるんです。「今は、ブロックで遊んでるねん」「絵本が面白いねん」という、大切な都合がね。その、大切なことをしているときに、「もう出かけるよ。片づけて準備して」と言われたらどうでしょう? 「え? まだ終わってないけど??」と思うはず。大人もTVドラマを見ている途中に「スーパー行きたいんだけど、車出してくれる?」と言われたら「え? 今すぐ? なんで?」と思いますよね。 「早くして!」と言わないでいいようにするためには、出かけたい、片づけてほしいなど、親の目標時間の前から予告があるといいですね。「目標の時間の前」は何分前がいいのかというと、それは子どもの年齢や性格、今遊んでいる物にもよるでしょう。 例えばブロックで遊んでいたら、10分後。絵本を読んでいたらその絵本を読み終えるころ。「絵本を読んだら、出かけるよ」など、予告の声かけをしてみましょう。 「早くして」に代わる言葉はある?とはいえ、早くしてほしいときにのんびりしていると、やっぱり「早くしてよ!!」と思うものです。「早くしてほしいな」と思うときには、別の言葉で言い換えてみましょう。 言い換えの言葉はいくつかあります。「ママ(パパ)が少し手伝ってもいいかな?」「よし! 少しスピードアップしてみよう!」「ママ(パパ)と競争するぞ~よーいドン!(協奏曲を歌う)」「自分で片づけるなんて、さすがだなあ~!」などなど。 その場にあった言葉で、準備や片づけに向けて子どもがやる気になるように励ましたりほめたりしてみましょう。もちろん「早くして」という日もあります。絶対言ってはいけない言葉ではなく、別の言葉に言い換えできないかを声かけ前に考える時間を取れるとよいですね。思わず「早くして」と言ってしまったら、「(早くして)ほしいな~ママからのお願い!」と語尾につけるだけで、子どもに伝わる印象も変わりますね。 子どもと一緒に支度するときや、生活の切り替えの時の声かけは、親主導にしつつも、親主導になりすぎず、子ども目線に立つことも大切ですね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年01月16日3、4年生に攻守の切り替えを教えるときのポイントは?身体の向きや、ボールを奪った後(奪われた後)何を見ればいいのか、どのぐらいの距離感で守備をすればいいのか。この年代で理解しておくべきこと、そして理解させるための方法を教えて。とのご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、元日本代表監督イビチャ・オシムさんのトレーニングなど具体的な練習方法をアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ドリブル=一人で突っ込む、独りよがりと認識する保護者が多い。ドリブルもスキルを高めるのはダメなのか。いいメニューがあれば教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。子どもたちが所属するスポ少でボランティアコーチをしています。今教えているのは3、4年生の学年ミックスチームです。2学年ごと、レベルごとに2チーム構成にしているためです。強くも弱くもない、よくあるチームレベルでみんな楽しくサッカーしています。ご相談したいのは、攻守の切り替えで何に注意すべきか、身体の向きはどうすればいいかなどをどう理解させればいいのか。ということです。ボールを奪うチャンスとはどんな時なのか、どのぐらいの距離感を持って守備していればいいのか、奪った後は何を見ればいい(何が視野に入るようにすればいい)か、などこの年代で理解しておくべきことを教えてください。よろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。言葉で伝えてしまうと、結果的に教え込むことにもなってしまうので気をつけたいものです。■日本の子どもは教えられた通りのやり方だけをする例えば、ある場面でボールを受けるときの体の向きを伝えるとします。「ここではこっち向きで」などと皆さん教えると思いますが、それは子どもひとり一人の特性に合っているかどうかはわかりません。しかも、大人が教えてしまうと、日本の子どもはその通りにやりがちです。そこで「ああ、でも、僕はこっちのほうがターンしやすいんですけど」といった本人が実際に感じたことを指導者に伝え、そこを尊重しながら一緒に考えられると良いのですが、なかなかそういったやり取りは起きません。従って、子どもにすぐに答えを言うのではなく、それができるような練習をすることが肝要です。そもそも、そんな練習を考え出すのが指導者の一番の役割です。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■プレーの選択肢を増やすことで、自然と適切な向きで受けられるようになる体の向きで言うと、私が今やっているのは、ゴールラインにゴールがある状態で、タッチラインの真ん中、つまりセンターライン際の左右にもゴールをそれぞれ置きます。ダイヤモンド型にゴールが4つある状態です。そこでミニゲームをしてもらいます。互いに相手ゴール以外にタッチライン上にある左右のゴールにも入れていいことにします。要するに、ともに3つのゴールへ攻撃できるわけです。例えば、左サイドでゴールラインにあるゴールに向かってボールを受けようとしています。ところが、右タッチラインのゴール前にはディフェンスが誰もおらず、スペースがある。その近くにフリーの味方もいる。であれば、ボールをもらったときにどこを向いたほうがいいのか?を考えなくてはいけません。そのようにプレーの選択肢が増えれば、自然に適切な向きで受けられるようになりますし、チャンスを察知するために視野も広くなります。そのように練習をオーガナイズしておけば、子どもたちは見るところが多くなります。早く見つけ出せればゴールに直結するので攻守の切り替えが早くなります。そういったトレーニングを遊び感覚でやればいいと私は考えます。コーチがプレーの流れを止めて体の向きはこうだよと説明しなくても、遊びの中で体得できます。そうやってゲームを楽しませてください。■視野を広げ、良い位置にいる味方を見つけるトレーニングもうひとつは、オシムさんのトレーニングにもあるメニューです。普通にゴールは2つにして5対5をします。2つ決まりがあります。1.どちらのゴールにシュートしてもよい。2.ただし、シュートにいくためには、センターサークルにいるフリーマンに一度預けなくてはいけない。フリーマンに預けた瞬間に、どちらのゴールに攻めるのかを5人が意思統一を図らなくてはなりません。その際、フリーマンはどこで誰が最もアタックに適した位置にいるのかを見極めなくてはなりません。よって、フリーマンをキーパーにしておくと、キーパーの攻撃的センスが育ちますし、中盤の選手にやってもらうと360度視野を広げるのに役立ちます。中学生や高校生にはよく行う練習ですが、小学生にやってもらうときはハーフコートにするなど、グリッドを小さくするといいでしょう。■切り替えについて言いすぎると、子どもたちが攻撃をしなくなる場合もある前述した二つのトレーニングは守備から攻撃への切り替えだけでなく、守備への切り替えも速くなります。こうやって練習で体得させれば、選手は自発的に攻守の切り替えをするようになります。コーチが「切り替えろ」と喉をからして命じるよりもずっと効果的です。コーチの皆さんは攻守の切り替えを素早くしたほうがいいことは理解しています。ではそのために練習でどうするかを考え、自分で試行錯誤することも大事なことです。しかし、皆さん早く答えが欲しいようです。そこは子どもと同じなのかなと感じます。さらに、ひとつ気をつけなくてはいけないのが、あまりに切り替えについて言い過ぎると、子どもたちが攻撃しなくなる場合もあります。守備のことを考え、攻撃に迫力が無くなったりします。そうならないよう、チャンスと思ったら全員で攻撃に出る。守備に戻るときも全員で戻る。そこにこだわったトレーニングを行いましょう。■シュートしたら終わり、ではなくボールを奪われた後の動きを設定した練習をしよう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)また、小学生のトレーニングを見ていると、攻撃だけで終わってしまうものが多く見られます。例えば、4対4で攻撃してシュートしたら終わり。ボールを相手に奪われたら終わり、というものです。そうではなく「ボールを取り返したら、ここにパスしたら終わりだよ」「ハーフラインを過ぎたら終わりだよ」というように、ボールを奪ったら次のことがある。攻める側も、ボールを奪われても、次の場面で取り返すこともできる。そのような設定で行ってください。欧州各国では、ジュニア年代はゲームの中でいろいろなことを学びます。特に強調されるのは、ゲームを楽しむことです。遊びの中でボールを奪ったり、仲間とトライアングルをつくったり、楽しみながらサッカーをやらせています。小学世年代ではゲームの中でいろんなことにチャレンジさせます。そして、中学生年代から理屈を学んでいくのです。日本は早くから言葉で伝え過ぎていないでしょうか。そんなことを考えながら、練習をオーガナイズしてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年12月16日保育士の中田馨さんが、子どもを叱るときの「言ってはいけないNGワード」について詳しく教えてくれました。子どもを叱らなくてはいけない場面、どうしてもありますよね。自分に余裕がないとついついキツい言葉を子どもに言ってしまい、反省する……なんてことも育児の中ではあるのではないでしょうか。ぜひ参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。毎日子どもと生活していると、どうしても叱らなければいけない場面が訪れます。子どもを叱るって本当に難しい! と実は私も思っている一人。それは保育所の子どもたちもそうですし、もう中高生になった自分の子どもを叱る時もそうです。 叱る時に大切なことはいろいろありますが、私が大切にしているのは3つ。子どもの目を見て叱ること。そして、子どもの感情に影響されないこと。また、自分の感情は平たんでいることです。今回は、子どもを叱る時に思わず言ってしまいがちな言葉と、その言い換えの方法をご紹介します。 片づけないなら“捨てるわよ”「おもちゃを片づける」は、どのおうちでもあるあるのお悩みかもしれません。「片づけてね」という声かけを何度しても聞いてくれなかったら「とほほほほ」となってしまいますね。だから思わず、「片づけないなら、捨てるわよ!」と言ってしまう気持ち、分かります! 分かります! しかし、これは“脅し”のようになってしまい、子どもの心に悪影響を与えてしまうことにもなり兼ねないのです。子どもにとっては「大切なおもちゃが捨てられる!!」とビックリしてしまいますね。 子どもに片づけてほしい部分はどこでしょう? そんなことを考えてみながら、「片づけなさい!」を違う言葉で言い換えをしてみましょう。 「今、あそんでいないおもちゃを片づけてほしい」⇒「使っていないおもちゃをおもちゃ箱に入れよう」 「これから予定があるから、全て片付けてほしい」⇒「そろそろお出かけするから片付けようね」 遊んでいるとき、“次のおもちゃ(遊び)に移るときには、今まで遊んでいたおもちゃを片づける”ことが基本。家事をしながらでも子どものあそびが変わったときは、「ブロック片づけてからパズルをしようね」と声かけをしていきましょう。それが習慣になると、自分でできるようになっていきます。低年齢のお子さんは、まだ自分ひとりでは片づけることができないので、親も一緒に片づけるようにしましょう。 “ダメ!”子どもが危ないことをするときに必要な言葉は「ダメ!」ですね。とにかくその危険な行動をやめてほしいときに使うにはよいのですが、例えば電車の中で騒いだとき、公園で順番のルールを守らなかったとき、「お菓子を買って!」と駄々をこねたときなど、何でもかんでも使ってしまいがちになるのもこの「ダメ!」です。では、「ダメ!」ではなく違う言葉で言い換えをしてみましょう。 ・電車の中で騒いだとき⇒小さな声でお話ししてほしい。と伝える。 ・公園で順番のルールを守らなかったとき⇒○○ちゃんの後ろに並ぼうね。と伝える。 ・「お菓子を買って!」と駄々をこねたとき⇒今日は、お菓子を買わない日なの。と伝える。 もちろん、どれもこの言葉だけでは納得いかないこともあるでしょう。その場合は、また別の言葉でしてほしいことや決まり事を伝えます。「ダメ」をたくさん使い続けていると「ダメ」では、子どもが反応しないようになります。「ダメ」は危険なことが起きたとき(起きそうなとき)のとっておきの言葉として残しておきましょう。 実は先日、中2の娘に「明日何時に起こしたらいい?」と聞いたときに指摘されました。「毎朝、“ホンマに起きてよ”って言うのやめてくれへん? 腹立つねん」と。最近の娘は、何度起こしても起きなくて手を焼いているので、口癖になっていたんですね。いやあ、反省しましたね。叱る場面じゃないにしても、普段思わず子どもに言ってしまっている「NGワード」は他にもありそうですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年11月13日保育士の中田馨さんが、子どもの褒め方や叱り方について教えてくれました。実はあなたのおこなっているその褒め方や叱り方、実はNGかも……!? ぜひ参考にしてくださいね!こんにちは! 保育士の中田馨です。1日子どもと過ごしていると、子どもを褒める場面、叱る場面が何度も訪れると思います。今回は、子どもを褒めるとき、叱るときに意識してほしいことをお話しします。 実はNGな褒め方 「すごい!」だけ「すごいね!」と褒めてばかりいませんか? 「すごい」という言葉を使ってはいけないわけではありませんが、必ずしも子どもは「すごい!」と言われたいわけではありません。 例えば、カラフルな絵を描いてママに見せに来たとします。このとき「すごいね!」だけだと、何がすごいのかが分かりませんよね。そのため、こんなときは「たくさんの色を使って描けたね。何色がある? 赤、青、黄色、緑。たくさんあるね。ママ、この絵が好きだなあ」と具体的にママが感じたことを言葉にするのです。 では、苦手な食べ物を食べられたら? 「ブロッコリー食べられたね!」。段差のある所からジャンプしたら? 「高いジャンプだったね!」。すごいと褒めてもいいですが、その前後に、ママの感想も付け加えてください。子どもは、より満足するはずです。 実はNGな褒め方 できたところだけ褒める子どもを褒める場面は、実は生活のさまざまなところに潜んでいます。子どもが「できた!」ことばかりに意識を向けず、普段の何気ない生活のなかでも見つけてみましょう。 例えば、ブロックであそんでいるとします。集中してあそんでいるときは、そっとしておいてもいいですが「その車、〇〇ちゃんが作ったの? カッコいい形だね」など、さりげなく子どもが作ったものを褒めることができます。 また、すでにできるようになっていることは、なかなか褒められなくなっていませんか? 例えば、妹が、食後の食器を台所まで持ってきてくれたら「ありがとう、助かるわ」と声をかける。でも小学生の兄が持ってきたときは持ってくることが当然だと思っているので「は~い」ぐらいのそっけない返事。親は新たにできるようになったことにどうしても目が行きがちですが、できるようになっていることにも目を向けると、子どもにかける声かけがまた変わってくるかもしれませんね。 実はNGなり方 「ダメ」だけ「ダメ!」という言葉、使ってしまいますよね。私も、わが子には思わず使ってしまうことがありました。「ダメ」だけじゃ「ダメ」って分かっているのに……。そう、「ダメ」だけだとあまり効果がありません。なぜかというと、子どもが、何が「ダメ」なのか分からないからです。「ダメ!」と大きな声で言われると、一瞬「ビクッ」として子どもの動きは止まると思いますが、それだけでは親の気持ちが伝わりません。触ってほしくないものを触ろうとしたら? 「見てるだけにしてね」と、ママがしてほしい行動を言葉にして伝えます。 私は「ダメ!」は、本当にしてほしくないことを子どもがしたときのための、とっておきの叱り文句だと思っています。「ダメ! そんなことしたら、ママ本当に悲しい!」と感情込めて叱るときのね。そのため普段の生活のなかでは、「ダメ!」ではなく、別の言葉に置き換えられないか? を考えてみてください。 実はNGな叱り方 「〇〇しない」「〇〇しなさい」「〇〇しない」の否定、「〇〇しなさい」の命令もよく使ってしまう言葉です。否定の言葉の例でいうと、「ベビーカレンダーのサイトで、私のプロフィール写真見ないでくださいね」と言われると、「え? 何で? めっちゃ見たい!」という気持ちになるのではないでしょうか。大人も「〇〇しないで」と言われると逆にしてしまいたくなるものです。 そのため、走ってほしくない場面で走ったら「走らない」ではなく「歩いてね」とママがしてほしい行動を言葉にして伝えましょう。 同じように、命令の言葉の例でいうと、座ってほしい場面では「座りなさい」ではなく「座ろうね」が良いでしょう。言葉を言い換えるだけで、親のイライラも軽減されるように思います。 昔あったわが家でのそのエピソードをご紹介しましょう。親子でハイキングをしていて、車も走る細い道を歩いていた時の事。幼い私は父母と少し離れて対向車線側を歩いていたそうです。私が、父母の方へ道を渡ろうとしたときに車が走ってきて父は思わず「走るな!」と言ったそうです。でも、私は、走って父母の方へ。幸い間一髪で車とはぶつからなかったのですが、「あのとき、“止まれ”と言うべきだった」と何年経っても父の心に恐怖が残っていました。 褒めるときも叱るときも、共通点としては「子どもと目と目を合わせて声かけする」と言うこと。「ママはちゃんとあなたのことを見ているよ」と子どもに伝えるためにも大切です。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年11月09日保育士の中田馨さんが、子どもの秋冬の服装での注意点について教えてくれました。今の時期は朝晩で寒暖差もありどんな服装にするのかも迷いますよね。また、おしゃれな服もたくさんありますが、実は子どもに着せるには注意の必要な服装もあるようです。子どもの月齢や活動の幅に合わせて服装選びのポイントをご紹介しているのでぜひ、確認してみてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。10月になり、秋の空が広がるようになってきました。朝夕は涼しく、日中が暖かい日もあるので、子どもに限らず大人も着る服に悩んでしまうこともあると思います。 そこで今回は、秋冬の子どもの服装で気をつけたいことをお話しします。 0歳児に気をつけたい服装足先までカバーされたロンパース冬本番になると気をつけたい服装の一つが、足先までカバーされたタイプのロンパースです。寒い冬ですので、足の先までカバーされていたら保温性があって安心です。しかし、お部屋で活動するときは足先のカバーのないタイプの服を選んでください。なぜなら、ハイハイするときに床を蹴りにくかったりして、活動の幅を制限してしまう可能性があるからです。また、つかまり立ちする場合、滑りやすいことはもちろんのこと、足先部分を反対の足で踏んづけて、転倒することもあります。 着せすぎに注意特に0歳児の場合、外に行くときにベビーカーや抱っこひもで移動することも多いでしょう。その際、寒いだろうとたくさん服を着せていると汗をかくこともあります。寒い外にいたとしても、時折赤ちゃんの背中に手を入れて、汗をかいていないかのチェックが必要です。 歩くようになったら気をつけたい服装【ズボン編】1歳前後になり、歩くようになったら活動の幅が広がってきますね。その際に気をつけたいのが【ズボンの素材】です。夏は短パンだったのが、秋冬になると長ズボンを履く機会も増えてきます。特に公園などお外で思いっきり遊ぶときは、伸縮性のあるやわらかいズボンを履かせると、活動しやすいでしょう。私の経験では、デニム生地のズボンは伸縮性が少ないので動きにくいものです。転ぶことも多いように思います。 まだ私の息子が幼児のころ、スリムな赤いズボンがかっこよくて購入したことがあります。私はウキウキで買ったそのズボン、息子は「キツイ」と言ってほぼ履いてくれませんでした。購入時はかっこよさだけでなく、履きやすさも大切なんだと印象に残った出来事でした。 歩くようになったら気をつけたい服装【上着編】秋冬になると、服の上に1枚羽織ることも増えてきますね。その際に気をつけたいのが、フードや装飾の多いものです。保育園に通っている方は、保育園では【フード付きはダメ】と言われているのではないでしょうか? これはジャンパーだけでなくトレーナーも同じです。その理由は、お友達と外遊びするとき、あそびの中でお友達が思わずフードを引っ張ってしまったり、フードが遊具などに引っかかる危険性があるからです。フードを引っ張られたら? そう、後ろに転んでしまいますね。また、滑り台を滑る時などに、遊具に引っ掛かる可能性もあります。 特に活発にあそび始めるころからは、気温や子どもの活動に合わせて脱いだり着たりしやすくて、子どもが安全に活動できるシンプルなデザインの上着を選ぶと安心かもしれません。 歩くようになったら気をつけたい服装【肌着編】夏はTシャツ1枚で過ごすこともあったと思いますが、涼しくなると肌着を1枚着ることも増えてきます。ここで気をつけたいのが、中に着せすぎないことです。秋になると保育園で毎年お一人はいらっしゃるのが、朝涼しかったので【肌着+Tシャツ+Tシャツ(長Tシャツ)】を着せて登園する子。トイレ(オムツ替え)のときに気づいて、「あれ? 何枚着てるの?」と思うことがあります。 朝一番に涼しいときは、普段よりも1枚多めに羽織るのはよいのですが、日中になると気温も上がってきますし、子どもも活動時間になります。厚着した状態で外遊びなどすることで汗をかいてしまい、あせもなどの肌トラブルに繋がったり、汗で体が冷えてしまうことなどもあるので着せすぎには注意しましょう。 また、冬になると長そでの肌着を着せることもあると思いますが、体を動かして活動するときは汗をかきやすいものです。半そでの肌着+長そでの服でも十分な日もありますので、天候とお子さんの様子を見ながら、活動しやすい肌着に調整してあげましょう。 私もそうだったのですが、お子さんのお洋服選びは、親にとって楽しみの一つですね。かわいい(かっこいい)デザインも大切ですが、そこに動きやすさと言う視点もプラスして、選んでみてくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年10月12日夏休み中など、子どもが学用品を持ち帰ってきても置き場所がなかったり、収納スペースが決まらなかったりして、悩むことはありませんか?子どもに片付けを促してもうまく伝わらず、始業式前に慌てて準備する…なんてことも。そんな事態を防ぐために、今のうちに子どもと一緒にお片づけを進めてみましょう。整理収納アドバイザーである筆者が実践する、学用品の整理方法をご紹介します。1.子どもが自分で管理できる環境を目指そう子どもの学用品の片付けが難しい原因は、以下の2つが考えられます。・持ち物の種類や量を把握できず、要不要の判断ができない・収納場所や収納法があいまいで迷ってしまう親がすべて決めて子どもに指示するよりも、子どもが自分で考えて、行動できる仕組みづくりが大切なポイントです。お片づけの基本は、「整理」してから「収納」すること。まずはすべての持ち物を出して点検して、それから保管場所を決めます。最後に「始業式に持っていくものをまとめておくこと」をゴールにすると、どうやってお片づけをするのかイメージが沸きやすくなります。2.持ち物の種類と量を把握しよう(1)持ち物をすべて集めてみる道具箱や習字道具入れなど、中身をすべて出して、ほこりや汚れをきれいに拭き取っておきましょう。不要な紙やゴミが入っていれば捨てます。ポケットの中も忘れずに!(2)洗濯、補修が必要なものを出す上履きやリコーダー、鍵盤ハーモニカのコードなどを手洗いしましょう。洗濯機にかけるものは、ネットに入れて洗濯かごへ。上履きや体操着など、サイズが合っているかもしっかりチェック!名前が消えかけているものは書き直しておきましょう。(3)買い足しが必要なものをメモする絵具や色鉛筆、スティックのり、墨汁など、普段使っているものの残量を確認。残りが少なければ、自分で早めに申告するように話しておくとよいでしょう。必要なものを知り、自分で用意する習慣は、普段からの忘れ物防止になりますよ。(4)始業式に何が必要かを確認するぞうきん、通知表の表紙など、今準備できるものは、すぐランドセルに入れておきます。道具箱や鍵盤ハーモニカなど、始業式当日ではなく徐々に持っていけばいいものは、どのタイミングで持っていくのか一緒に確認していくと安心ですね。3.休み期間中の保管場所を決める普段使う教科書類と、休み期間中に保管が必要な学用品の収納場所は、分けて考えます。教科書やノートは学習机やランドセルの近くに置きますが、休み中に保管する学用品は、どうしてもスペースがとれなければ別の場所でも大丈夫です。学用品の収納のポイントは、以下の3つです。(1)普段から余白スペースをとっておく実験セットや図工の作品など、かさばるものも多いですよね。そのような時に備えて、普段から棚1段分くらいの余白スペースをとっておくと、収納スペースからモノがあふれてしまうこともありません。休み期間中は、このスペースに学用品を収めておきます。(2)教科書とノートなどは立てて収める教科書やノートはファイルボックスへ、学用品や学校から借りた本は、ブックスタンドに立てて収納すると便利です。上に重ねたり奥に突っ込んだりすると、忘れものの原因になってしまうので要注意!ちなみに使いかけのノートには、最後から5ページ目に付箋を貼っておきます。「国語用ノートを買ってもらう!」などメモしておけば、子どもが申告しやすくなりますよ。(3)プリントは学期末にまとめて整理する筆者宅の学習プリント収納は、ワゴン一番下の引き出しの手前にどんどん入れていくだけです。長期休み中にすべて取り出し、記録や思い出として取っておきたいものを子どもの基準でチョイス。それ以外のプリントはすべて処分します。最初は何をとっておくか決めるのに、時間がかかるかもしれません。そんなときは「学習内容は、頭にすべてしっかり入っているから大丈夫だよ」と声をかけて、見守ってあげることも大切なポイント。年3回繰り返していくうちに、取捨選択にも慣れてくるはずですよ。学用品の収納は、親が判断してすべて決めてしまうよりも、子どもと一緒に考えて、やってみることがおすすめです。自分の持ち物の量を把握して、管理できるスキルは、学期末ごとに何度も経験することで徐々に身につけさせていきましょう。余白スペースにきれいに整えた学用品を揃えて置き、いつ・何を持っていくのかを子どもが事前に分かっていると、新学期も気持ちよくスムーズにスタートできますね。残りの夏休み中に、ぜひ一緒に取り組んでみてください!のぞみシンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。「暮らしもこころもかろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram@non.karoyakaniのぞみ
2022年08月21日保育士の中田馨さんが、子どものお昼寝や睡眠について教えてくれました。お昼寝をさせたいのになかなか寝てくれない……とお悩みのママもいることでしょう。子どもをスムーズにお昼寝させるコツも教えてくれているのでぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは!保育士の中田馨です。毎日暑い夏だからこそ、生活の中に取り入れてほしいのが「お昼寝」。保育園では、毎日だいたい決まった時間にお昼寝タイムがあります。今回は、お家でも活かせる、保育園の「お昼寝時に気を付けていること」をお話しします。 お昼寝は必要?まだ、体力がない乳幼児さん。お昼寝はそんな乳幼児さんの体と脳を休息させることが目的。特に低年齢児のお子さんは、まだ昼寝が欲しいものです。お昼寝をすることで、体力を回復させて午後からまた元気に活動することができますよ。 とはいえ、お昼寝にも個人差はあります。「もうそろそろ起きようか」というくらいグッスリ寝る子もいれば、お昼寝の時間が短かったり、寝ない日がある子もいます。「必ずしなければいけない」という気合や寝かしつけが、親子の負担になるくらいなら、時にはあきらめも必要です。 「今日は、眠たくないのかもなぁ」と思う日は、子どもの雰囲気でママも分かるはず。そんなときは、ママと一緒にマットやお布団の上でゴロゴロする時間を設けるなど、意識的に体を休息させてあげるのがよいでしょう。 暑い夏のお昼寝で気をつけたいこと特に暑い夏の日のお昼寝で気をつけたいことは、部屋の温度や湿度です。暑いだろうとエアコンや扇風機をかけていると、思った以上に体を冷やしてしまい風邪気味に……! なんてこともありますし、エアコンや扇風機が直接当たらないように気を付けていたら、おでこに汗をかいているなんてことも。 例えば保育園では、一度に何人もの子どもが寝るので、部屋の場所によって温度が違うので難しいものです。特に、部屋の角に寝ている子は、汗をかきやすいんですよ。もし、お子さんが汗をかきやすいようだったら、寝る位置を少し変えるだけで解消されることもあります。 また、子どもがお昼寝しているときは、体を時々触って汗をかいていないか? 冷えすぎていないか? などの確認をしていると安心ですね。パジャマや寝具も汗を吸い取りやすい素材のものがいいでしょう。 声かけの仕方お昼寝の時間は、毎日だいたい同じ時間に設定します。そのときの声のかけ方が重要になります。「今から寝る? 」と子どもに聞かないでくださいね。だって、「うん! 寝る! 」なんて答える子どもはなかなかいません。寝る、寝ないは、子どもが決めるのではなく親が決めます。「さあ、寝ようね」と決まり事として布団に連れていきます。 「今から寝る? 」と子供に意見をゆだねると、おのずと親の方も「この子、今日は寝てくれるかな……」という気持ちになってしまいます。「さあ、寝ようね」と決まり事にすると、親自身にも寝かしつける決心がつきますね。寝かしつけに限らず、しなければいけない物事のときは、言い切るようにしてみてください。 お昼寝は、子どもにとって「気持ちの良い時間」ということを伝えつつ、子どもが寝ている時間はママも休息してくださいね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年08月17日保育士の中田馨さんが、子どもの熱中症対策について教えてくれました。暑い日が続く毎日。親子で熱中症対策をしっかりとおこない、猛暑を乗り切りましょう! 今回は夏の子どもの服装についてお話ししてくれています。子どもの夏服を選ぶ際の参考にしてくださいね。こんにちは!保育士の中田馨です。うだるような暑さが続いていますね。テレビでもラジオでも連日熱中症に関するニュースが取り上げられています。 今回は、暑い夏を子どもと安全に過ごすための熱中症対策や夏の子どもの服装についてお話しします。 熱中症とは?熱中症は、高温多湿の場所で過ごしていて、体温調節機能が上手く働かなくなったり、体内の水分、塩分のバランスが崩れたりすることにより体内に熱がこもった状態のことをいいます。屋外だけでなく、室内でも発症します。その症状は軽度から重度まであり、それぞれの主な症状は以下です。 ・軽度・・めまい、立ち眩み、筋肉痛、汗が止まらない・中度・・頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感・重度・・意識がない、けいれん、体温が高い、呼びかけに反応しない、まっすぐに歩けない 子どもの場合、「なんだか少ししんどいな(軽度)」と思ってもそれを大人に伝えられないことが多いでしょう。少しでも「様子が違う」と感じたら、涼しい場所に連れていき水分補給をし、衣類を緩めたり首やワキ、ももの付け根など動脈が集中する場所を冷やすなどしましょう。心配な場合は、受診をおすすめします。 熱中症を予防するには熱中症を予防するには水分補給がとても大切になります。よくメディアでも言われているので、耳にしたことがあると思いますが、「のどが渇く前に、飲んでください」。子どもは、体温調節機能が十分に発達していません。そして大人のように、「熱中症予防のために、水分をこまめに取ろう」と自分から水分を飲むわけではありませんので、周りの大人が気を付ける必要があります。 例えば、水分補給をする時間を、毎日決めてもいいでしょう。朝起きたとき、遊ぶ(活動)前、遊び(活動)終わったら、お昼寝の前・・・などなど。水分補給を毎日の習慣にすることが大切です。また、室内では扇風機やエアコンで温度を調整し、室温はこまめに確認します。 例えば、保育所では夏の室温は26度~28度に設定。窓にはすだれをするなど暑さ対策をしています。屋外では、帽子や日傘を使ったり、なるべく日陰で過ごす。天気の良い日、暑い時間の外出は避けるなどの対策を取るようにしましょう。 着る服はどうすればいい?熱中症を予防するには、服装もポイントです。暑い夏で汗をかくことも多いはずです。吸湿性、速乾性のある素材や綿素材の肌着やTシャツがおすすめです。 プリントTシャツはかわいいけど夏場に着るのは実はNG!?綿のTシャツで、キャラクターが大きくプリントされているタイプのものは、とってもかわいくて子どもに着せたい衣服の一つだと思いますが、プリントされた部分の通気性が悪く暑さを感じます。夏の服のデザイン、実は「シンプル」がおすすめなんです。 暑い夏、肌着は着せなくてもいい?また、「肌着を着せた方がいいのか? 」について。肌着は汗を吸い取ってくれるので、保育園では、夏でも肌着を着て過ごしています。肌着を着ることによって、あせも予防にもなりますし、急な温度変化(暑い外からエアコンのついた部屋へ移動)からも体を守ってくれます。 先日、子どもと園庭の野菜に水やりをしてから、シャワー、室内遊び、給食と午前中の活動をして、子どもが寝たときに突然頭痛が。朝の園庭に出る前の水分補給以来、自分が水分補給をしていなかったことに気づきました。その間、子どもは水分補給していたのに。「子どもに水分補給」させるときは、大人も一緒に飲むことも、とても重要ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年07月12日今回は子どもの寝汗対策について、3児ママで小児科医・保田典子先生に解説していただきます。子どもにとっての「快適な環境」って? 子どもが汗だくになっていたら着替えは必要?こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。赤ちゃんの寝汗ってすごいですよね。特に頭や背中はびしょびしょになったりします。夜中に着替えさせるのも起きたら嫌だし、でも風邪ひくのも怖いし……そんなママのための寝汗対策についてお話したいと思います。 子どもにとっての「快適な環境」って?新生児期を過ぎた赤ちゃんは、基本的に大人より暑がりです。それは、大人よりも代謝が良かったり、体温が高いためだと考えられています。赤ちゃんの寝室の環境は温度26-27℃、湿度50%前後が良いとされています。 これは、エアコンの温度設定ではなく、寝室の実際の温度がこのくらいが良いとされているので、心配なら温度計で実際の家の環境をチェックしてみてください。 子どもが汗だくになっていたら子どもは汗をかきやすいと思われていますが、子どもは汗で体温調節をするのは大人よりも下手だと言われています。なので、子どもが汗だくになっていたら、そもそもそれは「部屋の温度がその子にとって高すぎる」ということです。 大人にとって快適な温度でも、子どもにとっては暑くて調整しきれていないという状態かもしれません。さきほどお伝えした寝室の温度26-27℃でも、汗だくになってしまう子もいるかと思います。その子にとってはその気温では暑すぎるということです。 そんなときは、エアコンをつけてサーキュレーターなどで部屋の空気を循環させる、エアコンの温度を下げるなどをまずは考えた方がいいでしょう。 その上での寝汗対策まずは子どもが汗だくにならない環境づくりが大切です。しかし、それでも寝汗はある程度でてしまうことと思います。特に頭や背中は汗をかきやすいところ。 でも、頭に汗をかくからといって、冷えピタのような貼るタイプの保冷剤を使うのは、個人的には避けたほうがいいと考えます。寝ている間に貼ったところから移動して窒息の原因になることがあるためです。 その子によって多少違うことはありますが、汗をかきやすいお子さんは下着を着るとかえって体感温度が上がることがあるので、下着は取ってしまっていいと思います。または、下着1枚で寝かせても大丈夫です。 着替えをさせることを考えると、前開きタイプが着替えさせやすいですよ。素材は汗の吸いやすさ、湿疹のなりにくさを考えると綿100%、または綿がある程度入った生地が良いです。 朝起きたらシャワーで汗を流しましょう汗をたくさんかいた翌朝は、まずたっぷり水分を摂りましょう。あせもが出やすい子は、朝シャワーで汗を流すことがオススメです。(でも、私は朝忙しくてそんなことはできていませんでした! ) 朝シャワーは、基本的にせっけんは不要です。シャワー後は、簡単でもいいので保湿をしてあげましょう。 「子どもにとって快適な温度」が大事!子どものびっしょり寝汗を見たら、まずは部屋の環境調整をしましょう。その上で下着を取ってしまう、前開きの衣類で着替えをさせやすくして、びしょびしょなら着替えさせてあげましょう。朝になったら汗は流してあげるのがいいですね。わが家は子どもの快適温度に設定すると、私には肌寒くて、足まで掛け物が必要だったりしました。親が肌寒いと感じる温度でも、ぜひお子さんの快適温度にしてあげてください。その方が子どもはぐっすり寝てくれるので、親も子もハッピーですよ。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2022年07月02日保育士の中田馨さんが、子どもの褒め方や叱り方について教えてくれました。実はあなたのおこなっているその褒め方や叱り方、実はNGかも…!? ぜひ参考にしてくださいね!こんにちは!保育士の中田馨です。1日子どもと過ごしていると、子どもを褒める場面、叱る場面が何度も訪れると思います。今回は、子どもを褒めるとき、叱るときに意識してほしいことをお話しします。 実はNGな褒め方 「すごい!」だけ「すごいね!」と褒めてばかりいませんか?「すごい」という言葉を使ってはいけないわけではありませんが、必ずしも子どもは「すごい!」と言われたいわけではありません。 例えば、カラフルな絵を描いてママに見せに来たとします。このとき「すごいね!」だけだと、何がすごいのかが分かりませんよね。そのため、こんなときは「たくさんの色を使って描けたね。何色がある?赤、青、黄色、緑。たくさんあるね。ママ、この絵が好きだわ」と具体的にママが感じたことを言葉にするのです。 では、苦手な食べ物を食べられたら? 「ブロッコリー食べられたね!」。段差のある所からジャンプしたら? 「高いジャンプだったね!」。すごいと褒めてもいいですが、その前後に、ママの感想も付け加えてください。子どもは、より満足するはずです。 実はNGな褒め方 できたところだけ褒める子どもを褒める場面は、実は生活のさまざまなところに潜んでいます。子どもが「できた!」ことばかりに意識を向けず、普段の何気ない生活のなかでも見つけてみましょう。 例えば、ブロックであそんでいるとします。集中してあそんでいるときは、そっとしておいてもいいですが「その車、〇〇ちゃんが作ったの?カッコいい形だね」など、さりげなく子どもが作ったものを褒めることができます。 また、すでにできるようになっていることは、なかなか褒められなくなっていませんか? 例えば、妹が、食後の食器を台所まで持ってきてくれたら「ありがとう、助かるわ」と声をかける。でも小学生の兄が持ってきたときは持ってくることが当然だと思っているので「は~い」くらいのそっけない返事。親は新たにできるようになったことにどうしても目が行きがちですが、できるようになっていることにも目を向けると、子どもにかける声かけがまた変わってくるかもしれませんね。 実はNGなり方 「ダメ」だけ「ダメ!」という言葉、使ってしまいますよね。私もね、わが子には思わず使ってしまうことがありました。「ダメ」だけじゃ「ダメ」って分かっているのに……。そう、「ダメ」だけだとあまり効果がありません。なぜかというと、子どもが、何が「ダメ」なのか分からないからです。「ダメ!」と大きな声で言われると、一瞬「ビクッ」として子どもの動きは止まると思いますが、それだけでは親の気持ちが伝わりません。触ってほしくないものを触ろうとしたら?「見てるだけにしてね」。と、ママがしてほしい行動を言葉にして伝えます。 私は「ダメ!」は、本当にしてほしくないことを子どもがしたときのための、とっておきの叱り文句だと思っています。「ダメ!そんなことしたら、ママ本当に悲しい!」と感情込めて叱るときのね。そのため普段の生活のなかでは、「ダメ!」ではなく、別の言葉に置き換えられないか?を考えてみてください。 実はNGな叱り方 「〇〇しない」「〇〇しなさい」「〇〇しない」の否定、「〇〇しなさい」の命令もよく使ってしまう言葉です。否定の言葉の例でいうと、「ベビーカレンダーのサイトで、私のプロフィール写真見ないでくださいね」と言われると、「え?何で?めっちゃ見たくなるねんけど!」という気持ちになるのではないでしょうか。大人も「〇〇しないで」と言われると逆にしてしまいたくなるものです。 そのため、走ってほしくない場面で走ったら「走らない」ではなく「歩いてね」とママがしてほしい行動を言葉にして伝えましょう。 同じように、命令の言葉の例でいうと、座ってほしい場面では「座りなさい」ではなく「座ろうね」が良いでしょう。言葉を言い換えるだけで、親のイライラも軽減されるように思います。 その昔のわが家のエピソードをご紹介しましょう。親子でハイキングをしていて、車も走る細い道を歩いていた時の事。幼い私は父母と少し離れて対向車線側を歩いていたそうです。私が、父母の方へ道を渡ろうとしたときに車が走ってきて父は思わず「走るな!」と言ったそうです。でも、私は、走って父母の方へ。幸い間一髪で車とはぶつからなかったのですが、「あのとき、“止まれ”と言うべきだった」と何年経っても父の心に恐怖が残っていました。 褒めるときも叱るときも、共通点としては「子どもと目と目を合わせて声かけする」と言うこと。「ママはちゃんとあなたのことを見ているよ」と子どもに伝えるためにも大切です。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年04月20日保育士の中田馨さんが、子どもの成長や発達について教えてくれました。「うちの子は子こだわり強め?」「わがままなの?」とお悩みのママやパパは必見!ぜひ参考にしてくださいね! こんにちは!保育士の中田馨です。子どもが成長するにつれ「アレ?」と心配になることも出てきますよね。子どものこだわりの強さを感じ始める、1歳半を過ぎたころだと、例えば「子どもが〜したい!」と言ってなかなか譲らない。「これってわがまま?」「うちの子、こだわりが強いんじゃない?」と感じること、ありませんか?実はこれ、ただわがままを言っているわけではないんです。子どもなりに理由があって、こだわりが強い子もいるんです。今回は、子どもの「こだわり」とその付き合い方についてお話しします。実はNGな対処法していませんか? 1歳半~3歳ごろのこだわりは、自立への第一歩皆さんのお子さんは、どんなこだわりを持っていますか? ・いつもと同じ手順が大切(手の洗い方、ご飯の食べ方、服の着方など)・いつも同じ服、靴下、帽子、かばんなどを持ち(着)たがる・白ご飯しか食べない(逆におかずしか食べない)・出かけるときは、リュックにおもちゃをパンパンにして持っていく(外で出すことはない)・バスやエレベーターのボタンは、必ず自分が押すなど 例を挙げれば、数限りなくありそうですね。このこだわりを「今日は時間がないから」などと言ってさせなかったら最後。かんしゃくを起して泣き叫ぶというお子さまもいることでしょう。「こんなにこだわりが強くて、うちの子大丈夫かな?」「お友達の○○ちゃんは、こんな感じじゃないのに」と感じることもあるかと思います。この「子どものこだわり」ですが、一見ややこしく、大人を困らせるようにも見えますが「ボク(ワタシ)は、自立したいんだ!」と言う気持ちの表れです。つまり、子どもが成長発達している!ということなのですね。 子どものこだわりとの付き合い方(理解編)子どものこだわりは「今、これが気になるんだ!好きなんだ!」という好奇心の表れなので、「じっくりと付き合う」ことが基本になります。まずは、子どものこだわりを「理解」することが大切です。 例えば「いつもと同じ手順が大切(手の洗い方、ご飯の食べ方、服の着方など)」という子どもの場合、この手順が狂うと不安になってしまいます。ですので、この手順をできる限りいつもと同じにします。私の保育所には、食後は「ごちそうさまでした」と言う→タオルハンカチで顔と手を拭く→食事用エプロンとタオルハンカチをかごに入れる。という流れが狂うと不安になる子がいます。この場合、先生(周りにいる大人)がこの「こだわり(ルール)」を分かっていれば、その流れ通りに手順を踏むことを心がければ良いのです。 しかし、先生やママ・パパがこのことを分かっていなければ、なぜ子どもが泣き出したのかもわからないかもしれません。子どものこだわりをじっくり観察して、何を大切にしているかを理解することが重要です。 子どものこだわりとの付き合い方(メリハリ編)子どものこだわりには「じっくりと付き合う」が基本になります。と言われても、毎日どんなときも、このこだわりにゆったりとお付き合いできるほど大人も時間があるわけではありません。子どものこだわりへのメリハリが必要になります。 物事だったり、そのときの状況だったりで変わってくると思いますが、子どものこだわりの中で、ママやパパが「待てる(OK)」ものと、「待てない(NG)」ものがきっとあると思います。例えば「バスやエレベーターのボタンは、必ず自分が押す」というこだわりがある場合、時間に余裕があり、他に誰もいなければ「OK」ですが、他人がいてその人を待たせるようなことになりそうなら「NG」です。そのため、あらかじめ「○○ちゃんがエレベーターのボタンを押すのは、他の人がいないときね」と言うルールを決めておくのです。 こだわりを思う存分発揮してよいときと、そうでないときのメリハリは大切です。 こだわりが強くてかんしゃくを起こしたときの解決策は、「共感」と「お願い」子どもがこだわりの強さからかんしゃくを起こしたら、本当に困ってしまいます。我が家は娘が、なかなかのかんしゃくちゃんだったので、その苦労はよく分かります。まず、かんしゃくを起こしたときの子どもは、周りの大人の声が全くと言っていいほど届きません。「ボク(ワタシ)は、コレがしたかったんだ~!!」を全身全霊で訴えているのですから。 かんしゃくを起こしたときにはまず、子どもを安全なところに移動させ、ある程度の時間かんしゃくを起こさせてあげましょう。そのときは「そんなこと言っても、もうお出かけの時間なんだからね!」という大人の理論は横に置いて、「そうかそうか。○○がしたかったんだね。ママは分かってるよ」と共感の声かけをします。抱っこできるのなら抱きしめて共感を言い続け、少し落ち着いたところで「ママ、○○ちゃんとお出かけしたいんだけど、靴下はいてほしいな」と、ママがしてほしいことをお願いします。 この方法で、わが子と保育所の子どもたちのかんしゃくは、比較的短い時間で収まります。一度、試してみてください。 子どものこだわりの強さに手を焼いている場合は、市の発達相談や健診時に、保健師や医師に相談してみてください。何か、新たなヒントをもらえるかもしれません。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年03月31日保育士の中田馨さんが、「子どものしつけ」について教えてくれました。子どものしつけについて困っているというママやパパはぜひ参考にしてくださいね。 こんにちは!保育士の中田馨です。今回は“しつけについてのお話。「しつけ」と一言で言ってもなかなか難しいものです。だって、各家庭「ここが大切」と思っている部分が違いますし、保育のプロの私達でもしつけは難しいと感じます。今回は、保育園に通う子どもたちのしつけで「ここのポイントを押さえてもらえると助かるんです!」と言うテーマでお話しします。 しつけをするとき、このポイントを押さえてね!そもそも「しつけ」とはどういう意味の言葉なのか?を改めて調べてみました。「しつけとは、日常生活での行儀作法や生活習慣の型を身につけさせることを言い、主に家庭内での初期教育をさす」とのこと。子どもが社会に出たときに、苦労しないためにも身につけたいことを大人が伝えていくのですが、これは国や地域、家庭の考え方によっても違います。今回お話しする「しつけ」は以下の2点にポイントを絞ってお話しします。 ・保育所で子どもたちが安全に過ごすこと・保育所で子どもが迷わず生活できること 正直、子どもは何度も何度も、本当に何度も同じことを繰り返します。「この前も言ったのに!」なんてことだらけだと思います。でも、繰り返し伝えることと環境を少し変えること、さらに大人が少し意識を変えることで、子どもに伝わっていきます。 何でも触る、なめる、投げる、落とすずいぶん昔の話。まだ私が小学生で、母が保育所を営んでいた時のことです。母は、子どもたちにひな人形を見せようと保育室の隣の部屋に七段飾りを出したことがありました。保護者も喜び、お迎えの際に子どもを抱っこして一緒に見て楽しんでいました。すると、ある子どもが飾りに手を伸ばし、なめて、そのまま落としました。飾りは壊れ、保護者は謝ることなく「あらら」と言った感じだったそうです。 これは、極端な例だと思うのですが、「触らず見るだけの物」と「触っていいもの」の境界線を伝えていくことも大人の役割です。ちなみにそれ以来、私の保育所では、ひな人形は柵の中に飾るか、お内裏様とおひな様だけ子どもの手が届かないところに置くことにしました。月齢が低く「見るだけよ」と伝えても触ってしまう時などは、環境を変えていきましょう。 また、何でも投げる、落とす時期は「投げても、落としてもいいもの」を渡します。ちょうどいいのは「ボール」ですね。子どもの本能が「投げたいんだ!」と言っているのですから、これを遊びにつなげないわけにはいきません! 叩く、噛むへの反応は真剣な顔で!もしお家で、お父さんやお母さんをたたいたり噛んだりする姿がみられたら「噛んだら痛いんだよ」ということを伝えていきましょう。これは0歳でもです。怒る必要はないのですが、噛まれて「いたたたた!!」と大げさに反応したり、笑って冗談にしてしまうと、子どもは「わ!お母さんが反応してくれた!」と思ってしまいがちです。そうすると、またお母さんに反応してもらいたいので噛むのです。 また、気に入らないことがあり噛む時は、まだ言葉で気持ちを伝えられない時でも、「イヤって言えばいいんだよ」と言葉で気持ちを言う方法を伝えていきます。噛んだり叩いたりなどを、お家と同じように保育所でもするようになると、お友達が傷つくことに繋がります。噛む時期はその子によって違いがありますし、すぐにやめる子もいればそうでない子もいます。じっくりと伝えていきましょう。 食事は座って食べる成長過程で、多くの子にある「歩き食べ」。食事中に椅子から立って歩き始め、追いかけて食べさせるなんてこともあるのではないでしょうか。食べ歩きをするのはお行儀も気になるところなのですが、のどに食べ物を詰めてしまう可能性もあるので危険!なんですよ。少々、根気がいるのですが、子どもが立ったら「座ろうね」とその都度、椅子に座りなおさせることが大切です。その回数が多い時期は大変なのですが、続けていることである時を境にピタリとやめます。 歩かないにしても、椅子の上に立ったり、背もたれやひじ掛けの隙間に足を入れ込むことも危険ですので「おしりぺったんで座ろうね」など声掛けをして、座ったことを確認してから食事を進めていきましょう。 「まだ小さいし、どうせ言ってもわからない」と思わず、その都度その都度、子どもの目を見ながら伝えてほしいなと思います。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年02月28日※この物語は実話をベースにしたお話です。登場する人物や団体名は一部フィクションを含みます。■前回のあらすじ展覧会に向けて、子どもたちの絵を見ながら先生方と話し合いが行われました。私のクラスの子どもたちの絵は、どうやらみんな「硬い」らしく…。■子どもたちの前で絵を描いた理由は…■子どもたちの表現力を奪っていた…?幼稚園の先生に対してネガティブなイメージを持たれてしまわないか心配ですが…。重ねて言いますが、決して愚痴を描きたいわけではありません。次回、ゆき先生の言葉の意図が少しずつ明らかになっていきます…!次回に続く「園児の前で絵を描かなくなった先生の話」(全6話)は12時更新!本記事はあくまで筆者の体験談であり、子どもの前で絵を描いてはいけないという意味ではありません。
2021年11月25日「汚い」という概念は、どうやってできあがる?「手洗い」・「うがい」は、何のためにするのでしょうか。健康を維持するために、ウイルスやばい菌を落とす、つまり「汚いものを体から取り除く」という目標があります。これが理解できないと、「手洗い」も「うがい」も自ら取り組んでできるようにはなりません。この「汚い」という目に見えない概念がどう育っていくのか考えてみます。0歳のころは、おしっこやうんちが出る感覚を少しずつわかるようになる時期です。しかし、まだおしりに何か「汚い」ものがついている、という認識はないでしょう。大人がおむつ替えをしたあと、「きれいになったね」や「さっぱりしたね」と声かけすることが大切な時期です。1歳から1歳半くらいになると、うんちが出たあとそのままにしておくとおしりに何かがついていて気持ち悪い、と「自分と異物」の認識ができるようになってきます。1歳半~2歳ごろになると、過去の記憶を思い出せるようになり、「このモゾモゾする感じはうんちやおしっこが出るんだな」と予測したり、出たときに「おむつかえて」と伝えたりするようになります。この違和感のある何かが自分の体についていることが「汚い」という状態だと理解し、「汚い」の概念を覚えていきます。「ごっこ遊び」がもたらす生活動作の練習機会などが大切その次は「目に見えないものをきれいにする」という「手洗い」「うがい」の動作のステップに進みます。この「汚い」を認識する過程がないと「だって何もついていないからきれいだもん」ということになってしまうからです。2~3歳というのは、遊びのバリエーションが根本的に変わる時期で、「ごっこ遊び」ができるようになります。目に見えないものを空想し、演じ、ものに役割を託すといったことができるようになります。「ほら、手にばい菌がついてるよ」と言われて、「ここにばい菌がいるんだ、ばい菌は汚いんだ」ということをイメージして、手を洗うという行動につながります。やがて、「洗いなさい」と言われたら洗う段階を経て、言われなくても手洗いする習慣化が徐々にできていきます。子ども自身が「さっき泥んこ遊びしたから、手が汚れている」と考え、手洗いしようと考えられるようになってはじめて、「自分で手洗いできる」状態となるのです。「手洗い」という動作をスモールステップで考えてみるどのような日常生活動作でも、実際のやり方を教えるときには、動作を分解してスモールステップで教えます。「手洗い」という工程は以下のような手順になっています。①蛇口から出る水に手をつける②石けんをつけて手をこすり合わせる③手についた石けんを水で流すこれらをどのような成長過程を通して学んでいくのかを見ていきましょう。①の『手を水につける』というのは、赤ちゃんのころに水に触れて遊ぶことがスタートとなるでしょう。次の段階として、水遊びをしてもいい場面とそうでない場面を親子のコミュニケーションを通して学んでいきます。②の『手をこすり合わせる』は、さまざまな歌に合わせた動画などもあると思うので、好きなものを参考にしてください。「お父さん指から~♪」と手遊び歌を取り入れると、歌で指の名前を覚えたりしながら、楽しく洗うことを覚えられます。さらに手洗い歌などを通して動作の模倣、風景を想像することで、③の工程で手についた泡を水で流す動作や石けんのヌルヌルがなくなっていく感覚を見通し持って取り組んでいくことができます。最初のうちはしっかりとした洗い方は求めず、「できた」という経験を糧に徐々に動作がうまくなっていくように見守ることが大切です。ごはんやおやつの前、外から帰ったときに「手を洗おうね」と伝え、手を洗う、それがだんだんにルーティン化して、2歳ごろから言われなくても手を洗おうとするようになります。ある日突然、「手洗い」を自発的にするわけではなく、少しずつステップを踏んで、できるようになっていきます。それでも「手が汚れている」ということがうまく伝わらない場合もあります。例えば自閉症などの特性のある子どもの場合、目に見えない汚れを『きちんと落としてね』など曖昧な指示の理解が難しいことがあります。子どもの特性をふまえて手洗いの様子を視覚化して『この手順で手を洗えば良いんだな!』と伝えてあげることが大切です。Upload By 発達障害のキホン感覚の特性が強い場合、例えば水が冷たくて嫌な子、濡れるのが嫌いという子や、手洗いが水あそびになってしまい「終わり」にできない子など、スモールステップに分けても①の『水に手をつける』段階でうまくいかない子もいます。そのときは、消毒用アルコールティッシュなどで拭いてあげる「置き換えルール」を一緒に取り組んでいけると良いでしょう。嫌がることを強要しないことが大切です。そのときはできなくても、成長とともに次第にできるようになることもあります。■目に見えない口の中、苦しい姿勢、難易度が高い「うがい」次に「うがい」ですが、「手洗い」よりもハードルは高いです。口の中、見えないところの動きを想像することや、頭を後ろに倒すという姿勢は認知面、運動面の発達が裏付けられています。まず必要な運動機能について。2~3歳の子どもに、「ガラガラ」や、「おくちぐちゅぐちゅ」をしてみましょうと言っても、体の機能が育っていない子にはとても難しいです。これらを練習してできるようになっていても、口を閉じて水を口に含み、しっかり体を立てて上を向き、口を開けたまま息を吐くことができなければ、うがいはできません。それでは、「手洗い」と同じように、「うがい」の動作を分解してみましょう。「うがい」という工程は以下のような手順になっています。①口に水を溜めること②喉頭で水をガラガラする③水を口から吐き出す①は、コップから水を口に入れ、飲まずに口に溜めておくこと。口の中に水を留めていられない子は、飲んでしまうか、口の端から漏れてしまうか、すぐにピュッと外に吐き出してしまいます。②は、上を向いてのどをガラガラさせるのは、水がのどから奥へ侵入しないように、息を吐き続けながら鼻呼吸ができないとできない難易度が高い動作です。最後に③は、①で口の中にためた水を、自分の意志で吐き出します。口の中の汚れを出すという行動です。「うがい」の場合も大事なことは、「汚い」という概念の形成ができていることです。目に見えない口からノドの汚れを、きれいにするのです。口頭での指示が難しい場合に関しては手洗いと同様に視覚化してあげると良いと思います。うまくできないとき、つまずくときは『置き換えルール』で対応しよう「うがい」は呼吸のリズムを乱すので難易度が高い動作です。立って頭を後ろに倒すという姿勢自体も窮屈なので、そもそもしたがらない子が多いです。ガラガラとのどを水でゆすぐときのコツは、声を出すこと。あ~~と低い音、ア~~と高い音を出して遊んだり、お話したり歌ったり。「手洗い」のときに歌うのと同様に、楽しくするのがいいですね。口に水をためたまま上を向くことができなければ、お口ぐちゅぐちゅだけでもOKです。誘ってもうがいをしたがらない、そもそも運動機能の面で一連の動作が難しい場合には、顔を拭くだけでもOKです。ウイルスは粘膜から感染するので、目をさわったり鼻をほじったりするとウイルスを体内に侵入させてしまいます。顔を拭くことで、うがいができない子どもを守ることができます。これは、赤ちゃんにもやってあげるとよい「置き換えルール」です。顔を拭くことも嫌がるときには、タオルの温度を調整してみてください。冷たいのが嫌いならタオルを温める、暑いときなら冷やして、その子が気持ちいいと感じる状態をつくってあげます。そして拭くまえに、具体的な冷たさを教えてあげます。「これは氷のように冷たいよ」なのか「肉まんみたいに温かいよ」なのか、予測できるように教えます。過敏な子どもは、予測と違ったことに強く反応しますが、予測ができると落ち着くことがあります。予測してみて、どういう結果が返ってくるかで受け取り方が変わるので、過敏の子にはなるべく実際に起こる情報を具体的に伝えてあげましょう。「できた」ときの褒め方、「できない」ときの対処法「手洗い」・「うがい」の動作ができたとき・できなかったときに、大人が気をつけておきたいことがあります。褒めるときには、本人が求めていたことに対応していることが大切。「手がきれいになる」ということを本人が求めていれば、「きれいになったね」が褒め言葉になりますが、洗いたくもないのにいやいや手を水につけたのなら、『洗面所まで来たこと』を褒めてあげます。子ども自身が目標としたことを達成したかどうか、が大事であって、親が子どもに「手を洗ってほしい」と思っていて、それができたから「うまく洗えたね」と褒めるのではありません。本人が、帰宅して手洗い場に行くと決めていたら、手を洗うこと自体はうまくできなくても『手洗い場に行った』という行動を褒めてあげてください。やらない・できないときには、まずは前述の「置き換えルール」での対応が有効だと思います。そのときに、「なぜいやなの?」「代わりに何なら大丈夫なの?」ということを、子どもによく聞いてみましょう。親の気持ちと子どもの気持ちを歩み寄らせることが親子の「コミュニケーション」です。上手にお話できない場合でも、前後の文脈を読み取ると、なぜいやなのかは徐々にわかるようになります。対話は大切です。今の関わりが、5年後10年後に活きてきます。子どもの人格形成に早期から保護者は関わり、小学校入学ごろから親離れしていくときに、それまでに培ったことが生きてきます。苦手なことにチャレンジするとき、得意をもっと高めるときに、「なぜできない?どうしたらできる?」を対話しながら考えることが必要なのです。まとめ・共感を大切にして、日常動作を教えてほしい生活動作を教えるときに、子どもが「できるようになる」ことよりも、「隣でやっているあなたのことを気に掛ける」ことを大切にしてほしいです。人は、隣の人と同じ行動をしているときに共感し、社会性を育んでいきます。全てに共感しなくても、少なくても子ども自身が楽しかったり、隣にいる人が楽しんでいたり、そして相手を意識するということが、日常生活の中で行われていくことが良いと思います。「手洗い」や「うがい」を通して、そんな瞬間を感じ取れたらより良い親子の関係をつくっていけるのではないでしょうか。取材・文/関川香織
2021年08月13日「元日本代表が教える」が売りのスクールで働く新米女性コーチの悩み。子どもたちと年齢が近く親しみやすいのが自分の特長だけど、保護者からは「元日本代表のコーチに教えてほしいのに」と不満が漏れる。指導理念やカリキュラムは共有しているし、元日本代表コーチが全クラスを担当するのは無理だから自分たちがいるのだけど、どうしたら保護者に納得いただけるのか。というご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、アドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<サッカー経験者だが感覚でやってきたので教え方がわからない。U-8からU-12年代は何から教えればいい?<新米スクールコーチからのご質問>初めまして。これまでお父さんコーチからの相談が多いと思うのですが、私は今年22歳の新米女性 コーチです。会社員として未就学児~U-12のクラスがあるスクールのコーチをしています。メインのコーチは私以外に2人いて、2人とも元日本代表です。私は選手と年も近く、女性で親しみやすいのがメリットであり、デメリットだと実感しています。元日本代表が教えるスクールというのが売りでもあるので、私が教えていいのかなど疑問を持ちつつ指導に当たっていますが、保護者アンケートにも「元日本代表とうたっているのならそのコーチに教えてもらいたい」などの意見があります。元代表のコーチがすべてのクラスを担当するのは難しいから私たち社員がいるわけで、指導の方向性やカリキュラムなどは共有しているのですが、どうすれば子どもと保護者の満足度が向上するのか本当に悩んでいます。池上さんがスクールで指導する際など、どんな風に保護者達を納得させているか、などアドバイスをくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。今の時代、入社試験の面接官には、卒業大学を省いた履歴書が渡されます。肩書や経歴だけでは判断できない、してはいけないと考えられています。そう考えるとサッカーコーチも、プレーがどれだけ上手いか(上手かったか)ではなく、本当に指導力があるかが問われるべきです。■選手としての実績=優れた指導者ではないところがサッカーの指導者は、いまだに選手時代の成果で判断されてしまうようです。選手時代の成績だけを看板にして指導者をしているケースも見聞きします。本当にサッカーの成り立ちを知っているのか、コーチングそのものを学んだうえで教えているのかが判断しかねます。選手時代の実績だけを前面に出しているスクールもあります。Jリーグの下部組織にも引退した選手が教える側として十分な学びを得ないまま、指導現場に立つのが実態かと思います。いずれも決して小さくはない問題だと感じています。上記のことを踏まえると、ご相談者様がやるべきは、自分自身がとことん勉強することだと思います。元日本代表選手に対し、サッカーの経験は追いつけなくても指導力でしのぐことはあなたの努力次第です。■プレーヤーとしてのキャリアとコーチとしてのキャリアは別物そこで、少し私の話をしましょう。私は45歳でJリーグクラブに初めて所属しました。Jリーグで私が出会った人の中には元日本代表や元Jリーガーなど選手としての実績のあるコーチがたくさんいて、圧倒されました。実際に一緒にピッチに立つと、私が知らなかった練習方法など新しい情報をたくさん知っていてとても感心しました。ところが、コーチングの方法は指示命令が多く見受けられました。もちろんそうでない人もいらっしゃいましたが、多くの元プロ選手は自分の育成時代に受けた指導をそのまま継承しているようでした。つまり、自分が教えられたように、教えていました。私は徐々に引け目を感じなくなりました。プレーヤーとしてのキャリアと、コーチとしてのキャリアは別物だと思えました。確かに高いレベルでプレーしてきた経験は、指導者としてプラスの要素であることは間違いありません。ただし、それは決定的なものではないと感じました。■子どもたちが変わっていくような指導ができれば保護者の見方も変わるJリーグに指導者として加入すると、アンダーカテゴリーの保護者達がまず注目するのは「どこのJチームから来たか?」「どこで選手をしていたのか?」といったことでした。みなさんご存知のように、私はYMCAという組織でサッカーを教えていました。恐らく「こんなコーチで大丈夫なの?」といった眼差しを向けられていたかと思います。しかし、指導を始めてしばらく経つと、ある大きな大会で強豪チームから勝利を挙げました。保護者は「こんなすごいチームに勝つなんて」とみなさん驚かれました。そこから、私を見る目が変わりました。試合に勝つこと以外でも、目の前にいる子どもたちが変わっていくような指導ができれば、保護者の見方は変わっていきます。そこを理解して、コーチングの勉強に邁進してほしいと思います。学んで得たことを、保護者とのコミュニケーションにも役立ててください。例えば、この子たちには今、こんなことが足らないので、こういうことに取り組んでいますとか、クラブの方針はこうだから、こうしようと思う、ここに着目してトレーニングしてきたら成果が現れました、といったことを丁寧に自分の言葉で伝えてください。人は見えないことやわからないことに不安を覚えます。保護者にご自分の指導を説明できれば、少しずつ信頼は上がるはずです。■「子どもがいないからわからないでしょ?」には学術的エビデンスを用意一方、若手や独身のコーチは子育ての経験のなさに悩むケースもあるようです。保護者から「子どもがいないからわからないでしょ?」と言われてしまうこともあるでしょう。そんなとき、学術的なエビデンスを話せるようになれば、親御さんたちに納得してもらえます。私はさまざまなチームに行って指導する機会があります。私の指導を見ると、みなさん「こうすればいいとわかりました。勉強になります」と言ってくださいます。しかし(そうは言っても、難しい)という本音も聞こえてきます。「そうは言ってもね」と言い続け、変われないコーチも実際にいらっしゃいます。指導者の道は簡単ではないのかもしれません。池上正さんの指導を動画で見る>>■保護者からの信頼を得るには指導者の学ぶ姿勢が大事(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)以前「幼児の指導のスペシャリストになりたい」と希望を語る女性コーチがいました。私は「だったら、このくらいの本は読んだほうがいいよ」と、シュタイナーなど基礎的な幼児教育の本を貸してあげました。しかし、なかなか読み進められないようでした。私が「幼児にサッカーだけやらせてていいの?」といった話をすると「サッカークラブですから、サッカーをやらせればいい」と言います。学べば学ぶほど、幼児に必要なことがわかるはずです。「スペシャリストになりたいって言ってたんじゃないの?」と折にふれ言葉をかけましたが、忙しくて手が回らないようでした。結局、保護者からの深い信頼は得られないままでした。女性だから云々は、自分では言わないことが大切かと思います。女性か男性かは関係ないという気持ちで、ぜひ学ぶことに向き合ってください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年07月16日今回は子どもの寝汗対策について、3児ママ小児科医・保田典子先生に解説していただきます。子どもにとっての「快適な環境」って? 子どもが汗だくになっていたら着替えは必要?こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。赤ちゃんの寝汗ってすごいですよね。特に頭や背中はびっしょびっしょになったりします。夜中に着替えさせるのも起きたら嫌だし、でも風邪ひくのも怖いし……そんなママのための寝汗対策についてお話したいと思います。 子どもにとっての「快適な環境」って?新生児期を過ぎた赤ちゃんは、基本的に大人より暑がりです。それは、大人よりも代謝が良かったり、体温が高いためだと考えられています。赤ちゃんの寝室の環境は温度26-27℃、湿度50%前後が良いとされています。 これは、エアコンの温度設定ではなく、寝室の実際の温度がこのくらいが良いとされているので、心配なら温度計で実際の家の環境をチェックしてみてください。 子どもが汗だくになっていたら子どもは汗をかきやすいと思われていますが、子どもは汗で体温調節をするのは大人よりも下手だと言われています。なので、子どもが汗だくになっていたら、そもそもそれは「部屋の温度がその子にとって高すぎる」ということです。 大人にとって快適な温度でも、子どもにとっては暑くて調整しきれていないという状態かもしれません。さきほどお伝えした寝室の温度26-27℃でも、汗だくになってしまう子もいるかと思います。その子にとってはその気温では暑すぎるということです。 そんなときは、エアコンをつけてサーキュレーターなどで部屋の空気を循環させる、エアコンの温度を下げるなどをまずは考えた方がいいでしょう。その上での寝汗対策まずは子どもが汗だくにならない環境づくりが大切です。しかし、それでも寝汗はある程度でてしまうことと思います。特に頭や背中は汗をかきやすいところ。 でも、頭に汗をかくからといって、冷えピタのような貼るタイプの保冷剤を使うのは、個人的には避けたほうがいいと考えます。寝ている間に貼ったところから移動して窒息の原因になることがあるためです。 その子によって多少違うことはありますが、汗をかきやすいお子さんは下着を着るとかえって体感温度が上がることがあるので、下着は取ってしまっていいと思います。または、下着1枚で寝かせても大丈夫です。 着替えをさせることを考えると、前開きタイプが着替えさせやすいですよ。素材は汗の吸いやすさ、湿疹のなりにくさを考えると綿100%、または綿がある程度入った生地が良いです。朝起きたらシャワーで汗を流しましょう汗をたくさんかいた翌朝は、まずたっぷり水分を摂りましょう。あせもが出やすい子は、朝シャワーで汗を流すこのがオススメです(でも、私は朝忙しくてそんなことはできていませんでした!)。 朝シャワーは、基本的にせっけんは不要です。シャワー後は、簡単でもいいので保湿をしてあげましょう。 「子どもにとって快適な温度」が大事!子どものびっしょり寝汗を見たら、まずは部屋の環境調整をしましょう。その上で下着を取ってしまう、前開きの衣類で着替えをさせやすくして、びしょびしょなら着替えさせてあげましょう。朝になったら汗は流してあげるのがいいですね。わが家は子どもの快適温度に設定すると、私には肌寒くて、足まで掛け物が必要だったりしました。親が肌寒いと感じる温度でも、ぜひお子さんの快適温度にしてあげてください。その方が子どもはぐっすり寝てくれるので、親も子もハッピーですよ。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
2021年07月01日この春からお子さんのサッカー活動に携わる方、中にはお父さんコーチとしてかかわる方たちも少なくないのではないでしょうか。子どもたちにサッカーを教えるお父さんコーチへ、まず最初に伝えたいこととして、前回「サッカーを教えることよりも、大切にしなければならないこと」という記事を書きました。主役はあくまで子どもたち、コーチや保護者は、子どもの成長を急がず、目先の勝利に熱くなりすぎず、見守ることが大切です、という内容です。今回は、子どもがサッカーを表現できるようになるにはどうすればよいか、というテーマでお伝えできればと思います。(構成・文:KEI IMAI)サッカーを「教える」「鍛える」より大事なこととは?(写真は少年サッカーのイメージ)<<前編:子どもたちにサッカーを「教える」ことよりも、大切にしなければならないこと池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>■サッカーを表現できるようになるってどういうこと?私たち日本人は、感情を表に出すことが苦手です。あるサッカースクールでは、ゴールを決めたら喜ぶ練習をするそうです。なぜなら、子どもたちがゴールを決めても喜びの感情を表現できないからだそうです。空気を読む、察する、暗黙の了解......、これらは日本人の特性だと思います。また、出る杭は打たれると言いますが、やはり同調圧力の影響も強いと思います。空気が読めたり、察することができるのは、ポジティブなことでもあります。相手の心情を慮るというのは、海外の人はなかなかできないことです。学校でも、社会に出ても、私たち日本人は感情を表に出す機会が少ないという特徴があります。周りに合わせるのは得意だけど、自分を主張することが苦手なんです。サッカーは表現力が大切です。表現するには、意思が必要です。主張する為には、自信が必要です。自分の感情に忠実である必要があります。5年前、東京で行われた14歳以下の国際ユース大会を取材に行きました。アルゼンチンの名門、ボカジュニアーズやブラジルのコリンチャンスと、日本のチームを見比べて、気がついたことがありました。サッカーの技術、テクニックや強さが違うのではなく、一人ひとりが自分を表現する力が圧倒的に違ったんです。ピッチで強烈な意思を持って、感情剥き出しで、主張し、激しくプレーするアルゼンチンやブラジルの子どもたちを見て衝撃を受けました。サッカーを表現するとはこういうことかと。ボール扱いが上手い子は、日本にもたくさんいます。でも、意思を持ってプレーできる子は多くないんです。それは、南米や欧州の子どもたちの試合を目の当たりにして感じたことです。■子どもたちを制御し過ぎず、表現させること日本という治安の良い国が成り立っているのは、他人に迷惑をかけないように、教育されてきたからに他なりません。みんな一緒にルールを守る為に厳しく教育されます。それは素晴らしいことであると同時に、個人の表現が犠牲になっているとも思います。逆に南米は、傾向として一人ひとりの意思が尊重される教育です。自分を表現する力はすごいけれど、その分ルールを守る力が弱かったりします。総じて治安が悪いのもその教育、国民性ならではだと思います。バランスが取れれば、日本もすごいポテンシャルがあると思います。日本の教育は、子どもに表現させるというよりも、制御しようとします。子どもの意思を育むことよりも、言われたことを正確に実行する能力を育む傾向があります。しかし、サッカーは自分を表現することが大切なスポーツです。自ら意思を持って、判断し、プレーするものなのです。大切なのは制御することよりも、表現させること。自分がどうしたいか、どんなプレーをしたいのか、その意思を育むのがコーチの役目です。大人は、もう少し子どもたちの感情を表現させてあげることができれば良いのかなと思います。ピッチでも、もう少し感情を出すことを許容して良いとも思います。サッカーを教える、鍛えるという発想ではなく、まずは、サッカーを好きにさせること。そして、上手くなりたいという気持ちを育むこと。表現する力を育むこと。表現力を磨くことが大切だと思います。■サッカーは生きる力を育む好奇心を大切にし、自分の意思でプレーするのがサッカーです。人生も同じです。自分はなにをやりたいのか、どう生きるのかを決めるのは自分しかいません。サッカーは生きる力を育みます。サッカーの本質を伝えることで、生きる力を育むことができます。しかし、教え込もう、鍛え上げようと、考え方を誤ってしまうと、子どもにサッカーの本質は伝わりません。日本という素晴らしい国が成り立っている前提を踏まえて、子どもたちがもう少し表現できるように、私たちは見守っていかなければなりません。子どもたちが持つポテンシャルを解放できるように、引き出せるようにアプローチしていきましょう。KEI IMAI桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏にサッカーの本質を学んだ後、育成年代(主にジュニア)の指導に5年ほど携わる。その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国。ブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、サッカー育成年代の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。筆者Facebookアカウント>>筆者Twitterアカウント>>池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>
2021年04月30日この春からお子さんのサッカー活動に携わる方、中にはお父さんコーチとしてかかわる方たちも少なくないのではないでしょうか。子どもたちにサッカーを教えるパパさんへ、伝えておきたいことがあります。サッカーは好きだけど、プレーした経験がなくて教え方がわからない、サッカー経験者だけど、指導経験はない、あるいはサッカーを指導してきたけれど、なかなか上手くいかない。そんなパパさんたちはきっと、「サッカーをしっかりと教えなきゃいけない」と思っているでしょう。今回は、サッカーを教えることよりも大切にしなければならないことをお伝えしたいと思います。(構成・文:KEI IMAI)ジュニア年代で大事なことは、サッカーを「教える」ことではなく......(写真は少年サッカーのイメージ)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>私は、小学2年生の頃からサッカーを始め、高学年になる頃にはすっかりサッカーに魅了され、プロを目指すようになりました。大学時代は、川崎フロンターレや名古屋グランパスで監督経験を勤めた風間八宏氏の元でプレーする経験をさせていただきました。しかし、大怪我によって半年ほどプレーできなくなってしまいました。手術後、リハビリをしながらジュニアのサッカーチームでコーチのバイトをすることになりました。そこで見たジュニア世代のサッカー環境に衝撃を受けました。■コーチの顔色を伺いながらサッカーする子どもたちジュニアサッカーの現場では、サッカーを始めたばかりの子どもたちを、サッカーゲームの選手を操作するかのように指示し、コントロールし続ける指導者の姿がありました。サッカーが楽しくて始めたはずなのに、子どもたちの多くはベンチにいるコーチの顔色を伺いながらプレーしているのです。「なんでシュート撃たないの!」「クリアしろ!」「○○にパスしろ!」「もっと左にポジションを取れ!」「つぶせ!」「ちゃんとやれよ!」「......」子どもたちは怒られないようにビクビクしながらサッカーしてました。そんな光景に私は衝撃を受けました。子どもたちに怒鳴り散らすコーチの多さに、それが当たり前になってしまっているジュニアサッカーの現場に......。■子どもたちにサッカーを教えるよりも大切なことジュニア年代の指導でとりわけ大切なことは、サッカーを好きになってもらうことです。コーチの存在によって、子どもたちがサッカーに夢中になることです。サッカーが楽しいと思えなければ、自ら上手くなろうという気持ちは芽生えません。コーチはサッカーを好きにさせ、上手くなりたいという気持ちを育むことが大切です。コーチングとは、主体性を育み、自ら気が付き、自発的な行動を促す指導法です。サッカーの育成年代の現場で行われているのは、コーチングよりもティーチングです。ティーチングとは、知っている人が知らない人に教える、できる人ができない人に教える指導法です。サッカーというスポーツは、ピッチに出た選手が、目まぐるしく局面が変化する中で、自らプレーを判断していかなければなりません。つまり、コーチングによって自発的にプレーできるようになる必要があるのです。子どもを厳しく指導して、鍛え上げるという発想は、子どもの主体性、自発性を奪うリスクがあることを理解する必要があります。ひどい場合にはサッカーが嫌いになって辞めてしまう子もいます。強いチームを作って実績をつくるという大人のエゴを子どもに押し付けてはいけません。子どもが上手くなりたい!強くなりたい!という心を育むこと、そして適切なタイミングでコーチングをすることが大切なのです。決して、大人が成長を焦ってはいけません。先回りして教えて、子ども自ら気づくチャンスを奪ってはいけません。時間がかかっても、子どもが自ら気がつくことことが、とてもとても大切なのです。■私の子どもの頃のコーチたちが教えてくれたこと私がサッカーをはじめた時、幸運なことに素晴らしいコーチたちに巡り合えました。今思い返しても、一番最初に彼らと出会っていなかったら私はサッカーを辞めてしまっていたかもしれません。彼らは、とにかく子どもたちと一緒にサッカーで遊んでくれたのです。私たちにサッカーの楽しさを伝えてくれました。ああしろ、こうしろなどと言われた記憶はなく、ひたすら一緒にボールを蹴って遊んだ記憶しかありません。リフティングの技、ドリブルで相手を騙す方法を、遊びの中でちょっとづつ教えてくれました。ある日の練習では、マラドーナやプラティニのビデオを見せてくれて、そのままグラウンドでマラドーナのボールタッチを練習したり、プラティニのドリブルを練習しました。後にも先にもあんなに楽しい練習をしたことはありませんでした。コーチたちは、遊びの中で上手くなる術を教えてくれたのです。彼らのおかげで、私たちは時間があればみんなでサッカーをして日が暮れるまで遊びました。私は小学生時代、コーチにサッカーを教わったことはありませんでした。ただし、サッカーの楽しさを伝えてもらいました。そのおかげで、サッカーが上手くなりたい。プロになりたいという気持ちが生まれ、プロサッカー選手になることはできませんでしたが、今日までサッカーを楽しむことができています。ぜひみなさんも、子どもたちにサッカーの魅力を伝えてください。KEI IMAI桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏にサッカーの本質を学んだ後、育成年代(主にジュニア)の指導に5年ほど携わる。その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国。ブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、サッカー育成年代の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。筆者Facebookアカウント>>筆者Twitterアカウント>>池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>風間八宏
2021年04月26日ジュニア年代の指導ではドリブルとパス、どちらを先に教えたらいい?保護者も子どもたちもドリブル軍団が勝利を収める場面を見て移籍したくなるようだ。サッカーの最小局面は2対1という考えで指導しているけど、保護者や子どもたちのそんな姿を見ていると、指導が不安になる。ジュニア年代で優先的に伝えるのはドリブル?パス?というご相談。みなさんはどんな風に教えていますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、お父さんコーチの悩みにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<監督の顔を潰さずチーム外自主トレでできることは?<お父さんコーチからの質問>池上さん初めまして。私は普段は専属で街クラブのジュニアチームで指導しています。指導年齢は未就学児から小6までです。早速ですが質問です。ジュニアの育成年代に伝えて行くべき優先順位はパスですか?ドリブルですか?ドリブルに特化したスクールや動画の配信が子ども達を夢中にさせているのを目の当たりにします。またドリブルに特化したチームが有利にゲームを運び勝利する場面も多々見かけます。私としては「サッカー」を教えたいのでサッカーの最小局面は2対1という考えの元で指導しています。ただ保護者や子ども達はドリブル軍団が勝利を収める場面を見ると移籍したくなるようです。正直私も不安になる事があります。池上さんの育成に関する優先順位、勝手に前提を作って恐縮ですが、ドリブルかパスかの考えをもとにご教授いただけると幸いです。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。これまでも拙書でも何度か取り上げてきましたが、ドリブルかパスかという議論は、日本ではまだ見かける議論です。そのうえ数年前から「ドリブルデザイナー」といった肩書を名乗る方も現れました。■ドリブルよりパスを教えることが難しいと思う指導者も少なくないドリブルやリフティングは、目に見えて成長がわかりやすい技術で、しかも「個人」に絞って技術の程度を評価できます。一方の「パス」は、ひとりだけの技術ではありません。受け手がボールを受けやすいスペースに現れて初めて、出し手はパスを出せます。その点では、ドリブルが個人のスキルであるのに対し、パスはチーム(組織)のスキルと言えます。その点で、指導者のみなさんはパスを教えることを難しく感じられているようです。■止める、蹴るの技術を取り出して教えるのは後でいい例えばパスのスキルというと、まずは「止めて蹴る」から教え始めます。「ボールを止められなかったり、しっかり蹴れなければパスはできない」という考えの方は多いと思います。ある指導者と話をしたときのことです。私が「うまく動くことを教えれば、サッカーは楽しくなりますよ。(止める、蹴るの)技術を取り出して教えるのは後でいいのではないか」と話したら、「ボールを蹴れない子どもに動き方を教えても仕方がないだろう」とおっしゃいました。「まさしくおっしゃる通りです。でも、キックの練習から入ると、このキックはいつ使うのかがわからないのでは?ゲームの中で、向かい合って蹴ったりするパスは使いませんよね。まず最初に、『ここに動いてボールをもらえばシュートを打てる』ということを理解できれば、子どもは『じゃあ、そのときにうまく蹴るためにキックの練習をしよう』となりませんか?」そう話しました。キックやボールコントロールを何のためにやるのか、それがわかったほうが技術練習は断然楽しくなるはずです。その指導者の方は「なるほど」と納得してくださいました。■どちらが先ではない。パスもドリブルも一緒に教えないといけない対するドリブルも、実は同じことが言えます。「こういうときにドリブルできるとどう?向こうの人にパスしやすくなるよね」とか「この密集を抜け出すためにはドリブルができるといいね」と、使いどころを一緒に探してあげてください。要するに、パスもドリブルも一緒に教えないといけません。どちらが先ということはないと私は考えます。では、その先にあるものはなにか。ご相談者様が書かれているように「2対1」がそのひとつです。さまざまな局面で、ドリブルをしたほうがいいか、パスしたほうがいいかを判断する力を養うためにも、2対1をしてもらいます。2対1から始める意味は「2人で協力すると簡単に点が取れるよね」ということを伝えるのが一番のポイントです。例えば、味方のほうにちょっとボール向けると、前が空く可能性があります。そうすると、そこでパスもできるし、自分でドリブルしてシュートも打てます。どっちもできる。「そこで何を選びますか?」といったプロセスをたどることが大事です。指導者が「そこでパスを選べ」とか「ドリブルで勝負しろ」と命じるものではありません。■ドリブルがうまくなった子にパスを教えるのは難しい加えて、これは私の経験上わかっていることですが、ドリブルが上手くなった子に、「じゃあ、次はパスができるようになろう」とパスを教えるのは難しい。ひとりでドリブルで相手を抜けてしまう子は、なかなかパスを出そうとしません。逆に、ドリブルもパスも一緒にトレーニングした子どもがゲームの中で自分の前にスペースがあるのにパスを探していたら「ここ、空いてるじゃん。ドリブルしてごらんよ」とアドバイスすると、その子は変わってきます。変化しやすいのです。パスもドリブルも、選択肢が両方ある。もっといえば、どこにパスを出すか、どんなドリブルで場面を変えるかというようにそれぞれに選択肢があることが重要です。場面場面でどれだけたくさんの情報を持てるか。そして、その情報を瞬時に整理して選べるかがいい選手の条件です。この認知、判断の次に「行動」がきます。正確に出てきたパスをコントロールし、次にパスやドリブルを選べるか。それができるプレーヤーになるためのベースをつくるのが、私たち育成年代を教える指導者の大きな仕事なのです。■サッカーに必要な認知、判断力は「大人になったら理解できる」ものではないしたがって、情報を入れるトレーニングを早くからやったほうがいい。対面パスやジグザグドリブルのようなクローズドスキルだけでは、子どもは考えなくて済みます。日本のジュニアは足元の技術が素晴らしいと言われますが、それだけをやってしまうと頭で考える力がついてきません。近年、この認知能力は、世界のサッカーが見られるようになったおかげで推進されているかもしれません。「個の力を育てないといけないのでは」という意見があります。おっしゃる通り欧州でも「個の力が重要」と言われています。抜きんでた個の技術は、メッシなどスーパーな選手がひとつのお手本でしょう。ところが、欧州の指導者は、すべての子どもたちをメッシになるように育てなきゃいけないとは思っていません。対する日本人はことさら「個の力は大切だ。メッシのような選手を育てなくては」と思ってしまうのかもしれません。ディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワードと、ポジションの違いもありますが、共通して持たなくてはいけないのはサッカーをどう認知して判断するかという力です。このベースがあっての話が「個の力」の追求になるのですが、そこが抜けていないでしょうか。この能力は「大人になったら理解できる」というものでもありません。小さいときから、何を選びますか?何を考えますか?と、自分で考えて認知し行動する習慣をつけておく必要があります。無論、2対1の局面でもドリブルしたほうがいい場合もあります。でも、そこは「君が選べばいいんだよ」と伝える。そんな育て方をしてほしいと思います。池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>次ページ:ドリブル軍団を見て移籍したくなる理由■ドリブル軍団を見て移籍したくなる理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)「ドリブル軍団が勝利を収める場面を見ると移籍したくなるようだ」と書かれていますが、移籍する人たちはドリブルを指導してほしいわけではないと思います。シンプルに「強いチームに行きたい」と親子とも思っているのではないでしょうか。そこを変えない限り、日本の育成は変わらないと思います。「じゃあ、ドリブル軍団に勝つように頑張ろう」では時間がかかります。保護者や子どもたちがサッカーの本質を理解していないから、目に見えて成果がわかりやすいところに行きたくなる。そこに理解を求めたり、一緒に学ぶ姿勢を持てるといいと思います。2対1など、あなたがなさっていることは間違っていません。ご自分の指導にぜひ自信をもって、学びながら進めていってください。池池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年04月16日