写真家・浅田政志による2冊の写真集を原案に、新鋭・中野量太監督のオリジナルストーリーで贈る『浅田家!』(公開中)。主演の二宮和也をはじめとする主要キャストに妻夫木聡、菅田将暉ら日本アカデミー賞にも名を連ねる主役級の実力派俳優が集結。本作は<家族の絆>と<一枚の写真のチカラ>を描く、ユーモアと温もりにあふれた感動の実話だ。モチーフは家族!写真家と映画監督が起こす化学反応「一生にあと一枚しか写真が撮れないとしたら?」との問いに“家族”を選び、その後、父・母・兄・本人の家族4人総出で作り上げたコスプレ写真集「浅田家」が写真集の芥川賞とも呼ばれる木村伊兵衛写真賞を受賞。以来、日本各地をめぐり、様々な家族の写真を撮ってきた浅田さん。一方の中野監督は、別れて暮らす父親に会いに行く姉妹の姿を追った『チチを撮りに』(2012年)が第9回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で日本人初の監督賞を受賞し、ベルリン国際映画祭ほか世界の映画祭で高評価を獲得。商業映画デビュー作となった宮沢りえが銭湯を切り盛りする“おかあちゃん”を演じた『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)や、認知症を患う父と家族の心の準備期間をテーマにした『長いお別れ』(2019年)など、これまで一貫して笑って泣けるヒューマンストーリーをスクリーンに活写してきた。ともにオリジナリティにあふれ“家族”を共通テーマとする2人は、“人々の絆と温もりを作品内に留める”という作風において、とても似ている。それらの共通項が縁となって本作のオファーにつながった中野監督は、消防士やレーサーなど様々なシチュエーションで撮られた写真集「浅田家」を見たとたん、頭の中にユニークな一家のドラマが浮かび上がったと告白。そしてもう1つの原案である東日本大震災の津波で汚れた写真を洗浄するボランティアの人々を2年間に渡り撮影した「アルバムのチカラ」を読み、自由かつ個性的な発想を持った浅田さんというフィルターを通すことで、自分なりの3.11が撮れると直感したのだという。二宮和也、妻夫木聡、菅田将暉が競演!本作で二宮さんは、自由奔放で魅力的な主人公・政志の19歳からの20年間を演じている。家族を巻き込み、恋人を振り回すようないい加減なところがありながらも、どこか人を惹きつける政志。二宮さんはそんな“人たらし”の政志を自然体に演じ、その一方で被写体を理解しないとシャッターを切ろうとしないアーティストの繊細な感性も見事に表現してみせた。茶髪で“カラフル”な若者から、人々に勇気を与える写真家へと成長していく過程の中で見せる表情や、その時々で違った感情がこもる涙など、その味わい深い演技には誰しも心打たれることだろう。また、本作には政志を支え、力となった様々な人物が登場する。写真家・浅田政志が誕生するうえで最も貢献したのが、妻夫木さんが演じる浅田家の長男・幸宏だ。劇中では政志に対して「自分一人で写真家になったつもりでいる」とボヤく幸宏のセリフが登場するが、その言葉通り、消防車や消防服の手配などコスプレ写真を撮る際に必要となる面倒な交渉事は彼が担当。妻夫木さんは、なかなか定職につかない政志に苦言を呈しながらも応援する兄役を包容力をもって好演し、作品に抜群の安定感を与えている。そして写真が撮れなくなった政志が運命的にめぐり合うのが、菅田さんがふんする震災ボランティアの小野陽介だ。1人黙々と写真の泥汚れを落とす小野はある事情を抱えているが、菅田さんはどこか不安げな佇まいの普通の大学院生を体現。黒縁メガネに無精ひげを薄く生やし、完璧にオーラを封印したその驚きの成り切りぶりをお見逃しなく!“誰かを喜ばせたい”という想いを原動力とする映画監督・中野量太と人間を愛し、写真を撮ることの意味を模索する写真家・浅田政志。2人の奇跡のコラボレーションで生まれた『浅田家!』が映す、悩ましくも心温まる半生を豪華キャストの名演とともに堪能して欲しい。《text:足立美由紀》(text:Miyuki Adachi)■関連作品:浅田家! 2020年10月2日より全国東宝系にて公開©2020「浅田家!」製作委員会
2020年10月05日私はファッションが大好き、おしゃれが大好きで、トレンドを取り入れるのにファストファッションをよく利用してきました。ところが最近、ファストファッションの服でしっくりこないものが増えてきました。今でもファッションは大好きなのですが、せっかく買っても袖を通すことなく娘にあげることもしばしば。自粛期間中の断捨離を経て、好きだからこそやたらと洋服を買わなくなった体験談です。ファストファッションが似合わない?これまで定期的に訪れ、ネットでも店頭でも毎月と言っていいほど何かしらお世話になっていたファストファッションの洋服。今でも見ているだけならトレンド感があり、かわいと思う服がたくさん並んでいるのですが、最近いざ試着室で着てみると、どこか違和感を覚えるようになりました。強いて言うなら、顔が浮いてしまっているのです。好みのスタイルに顔がついてこなくなっていると言ったらいいのでしょうか。若作りのおばさんにはなりたくないと強く思うあまり過敏になっているのか、欲しいとは思うのですが買うまでに至らなくなり、このところ足が遠のいています。要は、着たい服と似合う服が一致しなくなってきているのだと気付きました。では、似合う服とはどのような服なのか。ここ10年ほどずっと同じような感じで定番服にファストブランドで購入したトレンドアイテムを合わせて最新のファッションを楽しんできましたが、今後もトレンドアイテムを足す必要があるのか、限られた予算をどこに投入するべきか、50代のファッションについて改めて考えてみました。残す服とさよならする服を選別これからのファッションについて考えるきっかけとなったのは、コロナ禍の自粛期間でおこなった断捨離でした。たくさんの服とさよならをしながら、こういうことを続けていてはいけないと強く思いました。似合うと思ったら堂々と着たらいいと思うのですが、違和感を覚えるのであればファッションをがらりと変えていくべきだと感じました。先日、偶然手にした雑誌のインタビューで、宮沢りえさんが自粛期間におこなった断捨離の話をしていました。自分と同じだったので親近感を抱きながら読み進めていくと、宮沢さんもたくさんの服を処分したと書いてありました。「流行を追ってたくさんお買い物をしてきたけれど、それらの物を処分しながら、もう二度とこういうことはしたくない。これからは、長く使える物だけを買おう。娘に残してあげられる物だけを買おうと決めました」と言うのです。もともとファンだったこともあり、彼女の思いに激しく同感した私は、自分もそうしようと思いました。これからは多少値が張っても、肌触りの良い仕立ての良い服を着たい。体に合った上質なコートを大切に長く着よう。そう思ったら、自然と残しておく服、さよならする服がはっきりとわかるようになり、ベーシックで素材の良い服、流行にとらわれない定番の服だけがクローゼットに残りました。ゆとりのあるクローゼットを楽しむ日々断捨離を経てずいぶん整理されたクローゼットは、がらんとしたまま2カ月がたちました。その間、洋服を買うことはありませんでした。こんなことは初めてですが、欲しいと思わないのでストレスは感じていません。さらに残した服のなかにやはりさよならしようと思う服がしばしば見つかるので、このままいくとまだまだ減っていきそうです。不思議なのが、クローゼットが服であふれていたときは「着たい服が1着もない」「まともな服がまったくない」と嘆いては新しい服を探すということを繰り返していたわけですが、今は自分がどんな服を持っているのか把握しているため、コーディネートもすぐに決まりますし、前より服選びはラクになりました。少数精鋭で、どれも安心して着られるアイテムばかりなので、迷う必要がないのです。まとめ洋服は買わなくなりましたが、物欲がまったくなくなったわけではなく、先日デパートを訪れた際に見かけた新作バッグは今注目のキャンバス地でかわいかったなと気になっていますし、今度購入したいものもあります。また、これまでより心がけるようになったのは、衣類のメンテナンスです。洗濯表示を確認して正しい洗濯をすることが毛玉や形崩れを防ぐため、失敗したくない衣類は必ず専用洗剤を使って手洗いをし、置き干しをするようにしています。またTシャツにもアイロンをかけて、きれいに服を着るようにしています。これからも自分の変化を受け入れ、好きなファッションを追求して楽しみたいと思っています。グレイヘアに細身のバーバリーのトレンチを着て、サングラスをかけているような、そんなおばあちゃんになるのが今の私の目標です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年09月27日久々の明るい話題。しかも清潔感のある、お似合いの美男美女の結婚報道!ということで、ハッピーな気持ちになった人も少なくないでしょう。派手なイメージの芸能界に身を置きながら、5年間、じっくり愛を育んでゴールインっていうのも好感度が高いし。生田斗真さん、清野菜名さん、本当におめでとうございます。■相次ぐ結婚!イケメンたちの運気を占うこのところ、ジャニーズ事務所のタレントさんの結婚が相次いでいますよね。2019年にはTOKIOの城島茂さん、嵐の二宮和也さんが、2018年にはV6の森田剛さんが結婚。長年、テレビや雑誌で見続けていたイケメンが結婚するのって、うれしいような、寂しいような不思議な気分になりませんか?ファンの方なら、その気持ちはもっともっと強いだろうなと。さて、ここ最近、結婚したジャニーズ事務所のタレントさんには、何か共通点でもあるのでしょうか?ちょっと気になったので、占いサイト『HappyCycle』で彼らの運気を占ってみました。『HappyCycle』とは、女優やモデルが絶大な信頼を寄せる占い師・イヴルルド遙華さんが監修するサイト。人生の流れを24の節目で区切る「フォーチュンサイクル(※)」で、運気や転機を占えます。※フォーチュンサイクルの24の節目は「種まきゾーン」「愛の収穫ゾーン」「黄金ゾーン」「モヤモヤゾーン」「運命の分かれ道ゾーン」「転機のゾーン」「運命のゾーン」の7つに区切られ、自分がその時期、どのゾーンにいるかによって、どのように行動したらいいかがわかります。■森田剛、城嶋茂、二宮和也の結婚の運気森田剛さんは2018年に宮沢りえさんと結婚。城島茂さんは2019年に菊池梨沙さんと結婚しました。ゴールインした年の運気を占うと、共に「モヤモヤゾーン」で「将来についてじっくりと考えるとき」という結果に。バツイチ子持ちの宮沢さんと結婚した森田さんも、24歳年下の菊池さんとの結婚を決めた城島さんも、今後のこと、世間の目など、考えることは多かったはず。きっと熟考した結果の結婚だったのでしょう。二宮和也さんはどうだったかというと、2019年は「愛の収穫ゾーン」で「愛を育み、人との絆を深めるとき」。サイトには「恋は将来を視野に入れて」「恋人がいるのなら結婚の話が出る予感」とのメッセージが出ていました。つまり、結婚には最高のタイミングだったようです。■新婚・生田斗真の結婚の運気は?それでは、新婚ほやほやの生田斗真さんはどんな運気なのでしょうか?生田さんの場合は、今は「黄金ゾーン」で「分岐点で大きなチャンスをつかむとき」。詳しく言うと「仕事とプライベートのバランスが崩れたり、するべきことが多くて多忙を極めたり」しがちだけれど「バランスよくその状況を切り抜けていくことで、大きく成長する」タイミングらしいです。30代半ばになり、これからますます大きな仕事をしていくであろう中での結婚。ON・OFFを上手に切り替えていけば、俳優としても家庭人としても、充実した日々を過ごせるのではないでしょうか。■生田斗真と清野菜名の相性は?なお、占いサイト『HappyCycle』で、生田斗真さんと清野菜名さんの相性も調べてみました。◎恋愛相性『まずはお互いに、強烈なほどの魅力を感じる相性。自分にはないものを持っていると感じて「もっともっと相手を知りたい」という気持ちが一気に高まっていくはず!その勢いで、出会ってすぐにカップルになることも多い相性(後略)』◎結婚相性『夫として、妻として、きちんと責任を果たしそう。そういうムードが、結婚すると自然に生まれ、夫婦になると、周りからも「落ち着いたカップルだね」と言われるようになるでしょう。そして、穏やかな日常を重ねながら、夫婦で大きな財産を築く可能性も大!(後略)』5年前に出会ったときは衝撃を受け、それゆえに惹かれ合ったようですが、一緒にいることが当たり前になった今は、既に長年連れ添った夫婦みたいな感覚なのかもしれません。お互いに高め合いつつ、いい仕事をたくさんして、2人で財産を築くなんてうらやましすぎ!お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の吉田敬さんがテレビで「美男美女に生まれて、仕事も成功して…前世なにしたんや?よっぽど、ええことしたんやないか?」と言っていましたが、本当にそう。どれだけ徳を積んできたんだろう?と思ってしまいますよね。■相葉雅紀も結婚間近?ところで、最近は嵐の相葉雅紀さんも結婚秒読み?という噂が。そこで、相葉さんの運気も見てみました。12月24日の誕生日までは「黄金ゾーン」で「分岐点で大きなチャンスをつかむとき」、それ以降は「モヤモヤゾーン」で「将来についてじっくりと考えるとき」。どちらも結婚にはよさそうですが、誕生日をまたぐと1年間は「思うようにいかないこともあって、試練を感じる運気」らしいので、できれば早めに結婚したほうがいいのかも?■人生の周期を知って幸せを手に入れてここまで書いてきたように占いサイト『HappyCycle』でそれぞれの「フォーチュンサイクル」を見ると、みんなちゃんと運気の流れに乗って結婚しているんだな~という印象を受けます。相葉さんも仲間たちに続いて、幸せをつかんでくれたらうれしいですね。自分にとって最高のタイミングがわかれば、誰よりもハッピーな恋愛や結婚を引き寄せられるのかもしれません。みなさんも『HappyCycle』で、自身や愛する人の“人生の周期”をチェックしてみてはいかがでしょう。併せて2人の「恋愛相性」や「結婚相性」もぜひ!(文=ココロニプロロ編集部)イヴルルド遙華イヴルルド研究所主宰。海外で魔女修行の経験をもち、タロット、占星術、姓名 判断、血液型占い、九星気学、数秘術、と幅広いジャンルの占いを駆使。人生の流れを24の節目で区切るオリジナルの「フォーチュンサイクル」占いにも注目が集まり、「よく当たる」と評判で、モデルや女優、経営者なども足繁く通う。
2020年06月08日俳優やダンサー、ミュージシャンに、能楽師や書道家、美術家といったジャンルレスなアーティストと、アイヌ古式舞踊や琉球舞踊といった日本各地の土地に根付いた伝統の芸能をミックス。東京都の文化イベントとして、2015年の東京・駒沢からスタートし、さまざまな土地で開催されてきた「東京キャラバン」。この企画の発案者であり、総監修の立場から演出を手がけるのが野田秀樹さん。「もともとは、東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本各地から盛り上げていくことを目的として、文化の観点から何か立ち上げられないかという発想から始まっているプロジェクトです。僕は東京都が運営している東京芸術劇場の芸術監督という立場で会議に参加していたんだけれど、じゃあ一体何をやるのかという具体的なアイデアが一向に出てこない。それで僕が、例えとして出したのが“文化サーカス”というもの。日本にあるいろんな文化がクロスする場を用意すればいいんじゃないかと思ったんですよね。もともと文化ってそういうものだからって。そしたら、じゃあ野田さんがやってくださいと言われてしまったという、ね(笑)」文化サーカスとしてイメージしたのは、ロンドンに住んでいた時に年に一度家の前でおこなわれていた移動遊園地。「毎年6月に来るんだけれど、設営の準備で2~3日前から賑わいだす。そろそろだなって思うと、何だかすごくワクワクしたりして。そういう、街角に神出鬼没に現れて、何が始まるんだろうなって周りの興味を惹きながら本番を迎えて、終わったら跡形もなく去っていく。あの感じがいいなと思ったんです」容易に混ざるけれど完全に混ざらないのが面白いなと。とはいえ引き受けた当初は、漠然とイメージはあったものの、新しい“試み”すぎて、すべてが手探り状態で、困惑のほうが大きかった。それでも、「関わるうちに、だんだん自分のなかで前向きに変わっていった」そう。「何より、集まってくれたパフォーマーたちのクオリティの高さですよね。事前にいろんな場所に行って土地に残る伝統芸能をたくさん見せてもらったんですが、当たり前の話なんだけど、長く残ってきている芸能ってとてつもないパワーに満ち溢れていると改めて思い知ったことも大きいです。秋田の竿燈(かんとう)なんかは、あまりの迫力に演出家であることを忘れ、ただのおっさんとして感動したし。そういう、通常交わらないもの同士が交わった時、普段なら絶対に観られないようなパフォーマンスが生まれてくるんです。回を重ねていくうちに、この企画で一番得をしているのは、じつは俺かもしれないと思うようになりました」パフォーマーとして参加した人のなかには、松たか子さんや、谷中敦さんの所属する東京スカパラダイスオーケストラのほか、宮沢りえさん、木村カエラさん、EGO‐WRAPPIN’の中納良恵さんら、一線で活躍するアーティストたちが多く名を連ねる。「’18年の秋田でのキャラバンでは、ニューヨークで活躍しているタップダンサーの熊谷和徳さんと民謡の人たちとがコラボレーションしたんです。最初はやっぱりお互いに慣れないものだから、戸惑いもあって。でも、やっていくうちにお互いに『こんなふうにやってみたらどうか』とアイデアを出し合い歩み寄って、みるみる良くなっていくわけです。キャラバンをスタートさせたばかりの頃は、この“混ぜる”っていうことをおっかなびっくりやっていたんだけれど、回を重ねるうちに、それぞれが持っているリズムを掴んでしまえば容易に混ざるんだっていうことがわかってきた。それでもやっぱり完全には混ざらない部分があって、そこもまた面白いんですよ。終わった後に、パフォーマーのなかに『いままで経験したことがなかったけれど、こういうことをもっとやってみたくなった』って言ってくれる方がたくさんいて、また『全然違うからこそ面白かった』って言われたり、そういう言葉を聞くたびに自分の力になっているし、喜びを感じています」誰もがお祭りや遊園地と同じ感覚で気軽に立ち寄って体験できるのが東京キャラバンの魅力だ。「演劇やダンスのようなカルチャーとか、パフォーマンスに興味のなかった人が、ちょっと覗いて、こういう面白いものがあるんだって気づいてくれるかもしれない。その人が興味を持って、観る側もしくはやる側に回ってくれるかはわからないけどね。普段クラシック音楽を聴かない人が、バイオリンって生で聴くとこんなにいいものなんだって、まずは知ってもらうことが大事だと思っています。日が暮れて夕景のなかで見ると、さして興味のなかったものが素敵に見えたりもするっていう効果もあるだろうし」もうひとつ、野田さんがここで目指していることがある。それは東京と地方との文化をつなげていくということ。「東京芸術劇場の芸術監督に就任した時から、自分のなかで柱にしてきたことがいくつかあるんです。若い演劇人の育成、海外の優れた舞台芸術の招聘…もうひとつあるのが、東京と地方とのラインを作りたいということ。僕は演劇しか知らないけれど、作品も観客もやはり東京に集中しがちです。地方は面白いものもあるけれど、あまり注目されないために、自分たちのやっていることへの誇りを失いかけている人もいる。キャラバンを通じて多くの人に観てもらう機会を増やすことで、少しでも地方の文化に活力がみなぎればと思っています」’17年、京都・亀岡で2日間にわたっておこなわれたワークショップ。撮影:井上嘉和のだ・ひでき1955年生まれ、長崎県出身。劇団夢の遊眠社を結成。’80年代に日本の小劇場ブームを巻き起こす。NODA・MAPを率い、国内外で演劇を創作する。さらに東京芸術劇場の芸術監督も務め、精力的に演劇界を牽引している。東京キャラバンは、東京オリンピック・パラリンピック開催により世界からの注目が日本に集まるタイミングで、東京を文化の面から盛り上げるために立ち上げられた。発案者である劇作家・演出家・役者で東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹さんが提唱するのは、多種多様なアーティストが東京キャラバンの旗印のもとに集い、ジャンルを超えて交わることで、新たな可能性を見出す場を作ること。’15年の東京・駒沢を皮切りに、これまでにリオデジャネイロや、東北、京都、九州、四国、岡山、富山、北海道など各地を旅しながら、様々なアーティストが集い、全16か所で開催。出演するのは、俳優、ダンサー、ミュージシャンなどのほか、地方に根付いた伝統芸能の担い手やパフォーマーたち。あらゆる表現が入り乱れたパフォーマンスは、各地で観客を熱狂させている。今年5月に予定していた公演は延期となったが、今後の開催が注目されている。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)ヘア&メイク・赤松絵利(esper.)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月21日外出自粛が続く中、子どもたちが少しでも楽しいお家時間を過ごせるよう、無料でダウンロードできるぬりえや工作を公開しているサイトをご紹介。人気イラストレーターや企業が提供する、ワクワクするようなぬりえ&工作で、笑顔あふれる毎日に!無料ぬりえ&工作 #01Twitter #イラストレーターにできること で拡散中!サタケシュンスケさんのアルファベット動物ぬりえ人気イラストレーター・サタケシュンスケさんが、幼稚園、保育園、学校がお休みになってしまった子どもたちに向けて、無料でアルファベット学習用の動物ぬりえ素材を提供。無料ぬりえはTwitterで「#イラストレーターにできること」 というハッシュタグをつけて拡散し、この動きに賛同してくれたイラストレーターやデザイナー、クリエイターが続々と素材をアップ。ぬりえ、工作、着せ替えなど楽しい素材がいっぱいなのでぜひチェックして!>>サタケさんのぬりえ・PDFダウンロードはこちら!無料ぬりえ&工作 #02HugMugで連載中の人気イラストレーターも参加!育児漫画家のぬりえ絵本リレー育児に関する連載や書籍を手掛ける人気育児漫画家のtomekkoさんが始めた“育児漫画家ぬりえ絵本リレー”。休校期間を親子で、そしてつくる側も楽しめるようなことがしたいという想いからスタート。「うさぎとかめっぽいおはなし」というタイトルで育児絵日記を描くイラストレーター総勢11名の協力のもと、楽しいアイディア満載のストーリーが完成。それぞれの個性を活かしたタッチや展開にワクワクが止まらない!>>ぬりえ絵本リレー・画像ダウンロードは、tomekkoさんのインスタグラム(@tomekomet)プロフィールのハイライト(ぬりえ絵本リレー)から!無料ぬりえ&工作 #03プリントアウトも無料!ローソンのポケモンぬりえ全国のローソンに設置されている対象のコピー機で無料プリントできる「おえかきローソン」。4/27(月)までの期間限定でポケットモンスターのぬりえを配布中。ピカチュウやその仲間たちが描かれたぬりえをローソンで無料プリントしてお家で楽しもう。プリントアウトしたぬりえに色をぬってTwitterに投稿すると、抽選で10名にピカチュウのぬいぐるみをプレゼントするキャンペーンも実施中!>>コンテンツプリントのご利用方法、キャンペーンの詳細はこちらから!>>webサイト「ポケモンイラストラボ」でもダウンロード可!※コピー機の設置がない店舗や一部サービス対象外のコピー機設置店舗がございます。©2020 Pokémon. ©1995-2020 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。無料ぬりえ&工作 #04工作やすごろくなどさまざま!『幼稚園』の人気コンテンツ大集合!ユニークな企業コラボ付録で毎回話題の『幼稚園』から、子どもが楽しく毎日を過ごせるようにお家で遊べるコンテンツを5/6(水)までの期間限定で無料公開中。漫画家の高野文子さんによる「くるくるアニメ」やアーティスト・くらもちあすかさんによる「おはなでふくわらい」など楽しいコンテンツがいっぱい! 遊んだあとは #おあそびえほん をつけてSNSに投稿しよう♪>>『幼稚園』の人気コンテンツのダウンロードはこちらから!無料ぬりえ&工作 #05難易度もいろいろ! 親子で楽しめるキリンキッズのペーパークラフト手軽につくれるものから難しいものまで盛りだくさんのキリンキッズのクラフト集。親子で組み立てに挑戦したいペーパークラフトは、食べ物や動物、乗り物などハイクオリティなものばかり。こちらのキッチンツールは、組み立てるとトースターとキッチンスケールが本物みたいに動く仕掛け付き。小さな子どもには紙コップを使った、つくって遊べるクラフト集がおすすめ。ついつい夢中になっちゃうユニークなアイディアのクラフトをつくって楽しもう!ペーパークラフトの製作者_坂 啓典さん>>ペーパークラフトやその他工作のダウンロードはこちらから!
2020年04月21日「本を書くことになるとは想像もしていなかったんです。突撃洋服店を85年に立ち上げて、それから35年が経ちますが、渋谷店にも神戸店にも色々なお客さんが集まってくださって。本の話をくださった編集の方も学生の頃から通ってくれてて『突撃さんの本を作りたい!』って言ってくれたんです。他にもコピーライターやグラフィックデザイナー、映画監督といった常連さんたちとチームを作って本を制作しました。縁が縁を呼んで生まれた作品です」そう語るのは、突撃洋服店のオーナー・安田美仁子さんだ。安田さんは4月7日に初の著書「古着は、対話する。」(ギャンビット刊)を出版したばかり。そこには彼女が選んだ古着の写真とともに、SNSを通じて発信してきた力強い言葉たちが並んでいる。商品を仕入れるため自ら海外まで出向くという安田さん。その個性的な古着の数々は業界で注目を集め、05年に放送された宮沢りえ(47)らの主演ドラマ「女の一代記」(フジテレビ系)や木村拓哉(47)主演による07年のドラマ「華麗なる一族」(TBS系)といった名作たち。さらに近年では斎藤工(38)主演による19年の映画「麻雀放浪記2020」や、ミクスチャーバンドKing Gnu「Slumberland」のMVにも衣装を提供している。「制作の方に人物像を伝えられて洋服を提案するんです。その人の心情や目には見えない“その人らしさ”を洋服で表すというのは、お店の接客だって同じこと。 詳しく描けない部分をお手伝いするっていうイメージですね」そんな安田さんは「エイジレスでジェンダーフリー」という言葉を大切にしている。「年齢も性別も関係なく自由に」という理念が生まれたのは、男性の持つ価値観への違和感がキッカケだったという。「80年代の終わりになるとジャンルとしての古着が確立されてきて、リーバイスのジーンズが流行りました。すると周りの男性たちが洋服に対して『何年代のどのアイテム』っていうところに価値を置くようになったんです。でもレディースはそんなことより『どれだけ綺麗か、かっこいいか』というのを大事にしていて『すごく自由だな』と感じていました。そこで商業的なカテゴリーに違和感を覚えるようになって男性の価値観に『古着で反発したい!』って考えるようになったんです」安田さんは「男性が女性の服を着たっていい」と提案する。「男性がブラウスを着ることで、逆に男っぽさが際立ちます。男性のジャケットを着た女性に色気が出るのと同じです。デパートでは年齢でフロアが違いますよね?あれも不思議だなって。『どれでもいいんですよ』って言われると本能的に好きな服を選ぶはずです」時代が進歩し、個人の自由や多様性への尊重も広がってきたように見える。しかし、安田さんは社会の矛盾を指摘する。「SNSが普及してるので調べたら何でも出てきちゃう。すると逆に同質化しやすいんですよね。例えば親御さんが入学式にふさわしい服を調べるとすぐに一例が出るので、その枠の中でばかり考えてしまう。私の場合『周りから浮く』っていう経験は、子供の学校行事でだいぶ訓練されてるので耐性が付いてます(笑)。非難されたことはないんですけど、でも特別視されるのってすごくしんどいんですよね。『多様性社会ってところで何?』ってわからなくなってる人もいるんじゃないかな」安田さんは編集者から「若者のマインドを育てるような本にしてほしい」とお願いされたという。「就活中のお客さんが一般的な価値観にうまく擦り合わせできてなかったんです。古着を着ることで、そういう子の自我が芽生えることもあります。社会的な役割を与えられることよりも、まず『自分ってこういう人なんだ』って知るのが大事。でも、それって若者だけの問題じゃないんですよね。年齢も性別も問わず色んな方が私の本を読んで、メッセージを受け取ってもらえたら嬉しいです」
2020年04月17日大塚製薬の健康飲料「ポカリスエット」のCM新ヒロインに、新人女優・汐谷友希の起用が発表。新ヒロイン起用第1弾CMとして、新CM「渇きを力に変えてゆく。」篇が4月10日(金)より公開されることになった。これまで、宮沢りえ、綾瀬はるか、川口春奈、中条あやみら、昭和から令和にかけて多くの新ヒロインを世に送り出してきたポカリスエットのCM。今回は2020年のポカリスエットの新ヒロインである汐谷さんをお披露目。昨年末に実施されたオーディションにおいて、汐谷さんの、その瞳の奥にある強い意志に可能性を感じ、2020年の新ヒロインとして起用することが決定したという。「渇きを力に変えてゆく。」篇は、真っ青な空と海をバックに、新ヒロインの強いまなざしと力強い楽曲が作り上げる世界観でポカリスエットがもつ生命力を表現。新しいキャッチフレーズに「渇きを力に変えてゆく。」という、マイナスをプラスに変えることができるという、力強いメッセージを込めたものとなっている。汐谷さんのコメントも到着――新ヒロインに起用された率直な感想は?だれもが1度は飲んだことがある国民的な飲料「ポカリスエット」のCMは数々の有名な方々が出演されているのでずっと私の憧れでした。念願のポカリスエットのCMヒロインに仲間入りすることができて本当に嬉しいです!!実は昨年度のCMオーディションでは、惜しくも落ちてしまい、悔しい思いから少し自信を無くしていた時もあったのですが、今度こそ絶対にヒロインを勝ち取る!という気持ちでオーディションに臨みました。「渇きを力に変えてゆく。」という言葉のように強い思いが力になり私も変わることができました!――2020年ポカリスエットCM出演の意気込みは?飾らない自分の自然な表情が出せたらいいなと思います。そして、映画のワンシーンのようにみなさんの心にいつまでも印象に残るものにしたいです!――全国の中高生にメッセージをお願いします。ポカリスエットカラーの青は、私にとっては空や海の青のイメージです。私たちの見上げる空も見渡す海もつながっています!!みんな思春期の悩みは色々とあると思いますし、未来が不安になることも多いと思います。でも今しかない1日1日を大切に明るい未来につながるよう上を向いていきましょう!!大塚製薬「ポカリスエット」新CM「渇きを力に変えてゆく。」篇は4月10日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)
2020年04月10日「私が色気特集に…」ととまどいを見せる杉咲花さん。しかし、映像作品で様々な人物を瑞々しい実在感で描く女優としての力は、その底に色気をたたえていればこそ。初舞台という挑戦を前に、さらなる華を咲かせる気配が。悔しい思いをしながら頑張るのが、好きなんだと思います。可憐な素朴さのなかに、ナイーブな色気を感じさせる女優・杉咲花さん。しかしご本人は「色気って自分とは程遠いもの」との評。「色気がどういうものかと聞かれたらわからないですけれど、私のなかで色気がある方というと、宮沢りえさんのイメージがあります。りえさんは、いつもご自分のペースでそこにちゃんといらっしゃるんです。でも、自分のことばかりでなく周りの方々に対して、共演者とか、同志とか、友情とかそういうものを超えた愛情…母性のようなものも感じます。そういうりえさんの、佇まいとか雰囲気とか、しゃべり方とか匂いとか…存在そのものが、色気がある方だなという感じがします」映画『湯を沸かすほどの熱い愛』、そして上演を控えている舞台『桜の園』と共演が続くなかで感じているのは、宮沢さんの言葉がまとう魅力。「言葉のチョイスとか言い方とか、思っていることを素直に伝えたいと思っても、それってすごく難しいですよね。りえさんをはじめ素晴らしい先輩方を見ていると、みなさんとてもまっすぐに、でも嫌みなく、言葉のなかに敬意を感じるような伝え方をされていて、とても勉強になります。私も、そんなふうに誤解のない言葉で相手に伝えられるような人になりたいと思います」発する言葉の輪郭を慎重に慎重になぞるようにしながら、ゆっくりと丁寧に話す。その口調から伝わってくるのは、聡明さや誠実さだ。そしてそれは、杉咲さん自身の役、そして作品への向き合い方にも表れている。「基本的にどの役をやらせていただく時も、こう見せようという思いはないんです。見せるものというより、見えてくるものだという感覚があるので…。だから、現場に行くまではいろいろと考えたりしますが、現場に入ったらいったん忘れて、生のその場で起こることを大事にしようと思っています。ただ、シーンとして描かれる部分は実際に自分が現場で体験できるので不安はないのですが、作品のなかでは描かれない役の過去を自分に染み込ませるのが苦手なんです。頭では理解しているし共感もできますが、実際に自分に起こったこととしてなかなか実感できなくて、悩むことも多いです」そんな時の対処方法を伺うと、「考えても考えてもどうしてもわからない時は、わからんって寝ちゃいます。ふて寝です」。そう言って、茶目っ気を感じる等身大の笑顔をのぞかせる。「私、意外とすぐに凹んでしまうんです。そんな自分に対して、こんなことでクヨクヨしちゃうなんてしょうもないなって思うことも多くて…。でも、一回落ちるところまで落ちると、自然と上がってきて、気づいたら案外ケロッとしていたりもするんです(笑)」現在、舞台『桜の園』の稽古中の杉咲さん。これが初舞台となる。「自分が舞台を観に行くと、役者さんが出てきた瞬間に、なぜかわからないけれど泣きそうになります。みなさんが本当に楽しみながら、自信を持ちながら公演に臨まれている姿に、圧倒されるんだと思います。そういう姿を目の当たりにしているからこそ、いま稽古している自分と比べて、私は全然ダメだなって思ってしまうんですよね。でも、りえさんをはじめ共演者の方々に、稽古は失敗する場所だから、本番で恥をかくよりも稽古場でいっぱい恥をかきなさいと言っていただいて…。そうやって開き直る気持ちで臨むと、どっしりと立つことができるのかもしれない。いまはそう言い聞かせてやっています」それでも、一歩一歩前に進めているという実感はある。「一回やると、何十個と課題が出てくるんです。でも、次にそこを意識してやってみると、なんだかさっきよりやりやすかったとか、少し心が動いたなって思える。まだまだすっごい怖いけれど、楽しかったりもします」悩んだり、壁にぶち当たったりすることも含めて「楽しい」こと。「お芝居していると、悩むことのほうが圧倒的に多いんです。それでも、勉強にならない現場はひとつもないと思うし、終わった時に、絶対にやってよかったって思うだろうっていうことは、自分のなかでわかっているんです」幼い頃からテレビっ子で、大のドラマ好きだったという。それがいつしか自分も演じてみたいという夢へと変わり、いまの事務所に。「悔しい思いをしながら頑張る、っていうのがもともと好きだったんだと思います。泣きながら部活を頑張るドキュメンタリーを見て、いいなと思っていたりしましたから。たぶん私も、必死に頑張れることを探していて、それがたまたま自分の好きなお芝居だったのかもしれません」静かななかに、熱い情熱と強い意志を秘め、清々しいほどまっすぐ誠実に役へと向かっていく。それが杉咲さんの演技に色気を感じる理由なのかもしれない。ドレス¥54,000(ロエフ/ユナイテッドアローズ青山ウィメンズストア TEL:03・5468・2255)ドレス¥186,000(マメ クロゴウチ フォー トッズ/トッズ・ジャパン TEL:0120・102・578)すぎさき・はな1997年10月2日生まれ、東京都出身。初舞台となる『桜の園』は、4月4日(土)~29日(水)までBunkamuraシアターコクーンにて上演。秋スタートのNHK連続テレビ小説『おちょやん』でヒロインを務めることも決定している。※『anan』2020年4月1日号より。写真・三瓶康友スタイリスト・井伊百合子(YARD)ヘア&メイク・河北裕介取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年03月27日映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』Blu-ray豪華版が、4月2日(木)に発売される。この度、Blu-ray豪華版収録される特典映像“ドキュメンタリー映像「<解説>人間失格 蜷川実花と幾人もの作り手たち」directed by 山戸結希”の一部が公開された。突飛な言動と奔放な私生活で、文壇から煙たがられながらも、ベストセラー作品を連発した天才作家・太宰治。正妻とふたりの愛人という、3人の女性と並行して関係を持ち、自堕落な生活を送った果てに、愛人と川に身を投げてしまったスキャンダルは、当時センセーショナルな事件として世間の注目を浴びた。彼をめぐる“3人の女との恋と愛”の物語と裏に隠された“本当の人生”を、事実をもとにしたフィクションとして映画化されたのが本作『人間失格 太宰治と3人の女たち』だ。主人公・太宰治を演じるのは小栗旬。太宰の正妻・津島美知子役を宮沢りえ、太宰の愛人で弟子でもある作家・太田静子役を沢尻エリカ、太宰の愛人で最後の女・山崎富栄役を二階堂ふみが演じる。さらに、太宰と女たちを取り巻く男性陣にも、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也ら豪華キャストが集結した。また、世界で活躍する写真家であり、『さくらん』 『ヘルタースケルター』『Diner ダイナー』などを手がけた映画監督の蜷川実花が、構想に7年を費やし、天才作家・太宰治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に描く。この度公開されたのは、『溺れるナイフ』や『ホットギミック ガールミーツボーイ』を手がけた、次世代を担う気鋭の映画監督・山戸結希がディレクションしたドキュメンタリー映像の一部。映像では、これまで数々のヒット作の看板を背負い続けてきた小栗旬が、本作を自身の新たな代表作にすべく、共演者を驚かせるぐらいの過酷な減量を課すなど、貪欲に天才作家・太宰治にアプローチをしていく過程が描かれる。また、蜷川実花監督より、クランクイン前日の小栗との秘話なども語られている。『人間失格 太宰治と3人の女たち』【商品情報】2020年4月2日(木)Blu-ray&DVD発売(同日Blu-ray&DVDレンタル開始)発売・販売元:ポニーキャニオン■Blu-ray豪華版組枚数:2枚組[本編Blu-ray+特典DVD]¥6,700+税<映像特典>●ドキュメンタリー映像「<解説>人間失格 蜷川実花と幾人もの作り手たち」directed by山戸結希●イベント映像・ジャパンプレミア[7月25日 丸の内ピカデリー(東京)]・お笑い芸人・EXIT出演 公開直前PRイベント[9月1日 スペースFS汐留(東京)]・公開記念舞台挨拶[9月14日 丸の内ピカデリー(東京)]・公開記念舞台挨拶[9月15日 大阪ステーションシティシネマ(大阪)]・公開記念舞台挨拶[9月15日 ミッドランドスクエアシネマ(名古屋)]・大ヒット記念舞台挨拶[9月23日 新宿ピカデリー(東京)]●予告編集・本予告・主題歌入り本予告・主題歌入り90秒予告・特報・メイキング入り特別映像●CM集・ストーリー編・禁断ラブ編■Blu-ray通常版組枚数:1枚組[本編Blu-ray]¥4,700+税■DVD通常版組枚数:1枚組[本編DVD]¥3,800+税※商品ジャケット写真、仕様、特典内容や名称は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
2020年03月27日現在、PARCO劇場にて舞台「ピサロ」で渡辺謙とも共演中の宮沢氷魚が、8月からの舞台「アンナ・カレーニナ」にて宮沢りえと初共演。コメントが到着した。今回、氷魚さんが出演する「アンナ・カレーニナ」は、激動する19世紀後半のロシア貴族社会の人間模様を描いたトルストイの不朽の名作。“破滅”か“希望”か、真実の愛を追い求め、揺れ動く人間たちが奏でる恋愛叙事詩。演じるのは、恋には不器用ながらも真実の愛を手に入れるコンスタンチン・リョーヴィン。そして、タイトルロールとなるアンナ・カレーニナには日本を代表する女優のひとり、宮沢りえ。社交界の華であったが“初めての恋”に燃え上がり、破滅の道へと突き進んでいくアンナを生々しく演じる。今回の出演に際し、氷魚さんは「出演のお話を聞いた時はとても嬉しく、感激しました。数々の名作を上演してきたシアターコクーンに立てることを光栄に思っております。宮沢りえさんと共演させて頂くのは今回が初めてなのですが、雲の上のような存在の女優さんで、ご一緒できることがとても楽しみです。苗字が同じなので勝手ながら少し運命も感じています(笑)」とコメント。「今作で舞台が5作目になりますが、毎回役者として自分が試されているなと感じます。舞台上では逃げ場がない。その中で一人の人生を生き抜く。その責任感を背に今回もたくさん悩み、試練が待ち受けていると思いますが、全力で駆け抜けて行きたい」と気合い十分。また、ほかにも白洲迅、川島海荷、大空ゆうひ、吹越満、段田安則と豪華キャスト陣が集結、万全な布陣で名作の新たな舞台を描き出す。ドラマ「コウノドリ」や「偽装不倫」、映画『his』でも注目を集めた氷魚さん。今回は立て続けに大作の舞台への挑戦。6月19日に公開となる映画『騙し絵の牙』への出演も控えるなど、人気俳優として本格的な躍進を遂げることとなりそうだ。なお、今回の舞台は、イギリスの気鋭の演出家フィリップ・ブリーンが新解釈で戯曲化し、演出。アンナ、青年将校ヴロンスキー、夫カレーニンの三角関係を中心に描かれることが多い作品だが、今回のフィリップ版では、破滅に向かうアンナの「愛」と、未来への希望を感じさせるリョーヴィンとキティの「純愛」とを対照的に描くという。激動する19世紀後半のロシア貴族社会の人間模様を描いたトルストイの長編大作が、フィリップの手によってどのように現代に蘇るか注目だ。DISCOVER WORLD THEATRE vol.8「アンナ・カレーニナ」は【東京公演】8月7日(金)~9月3日(木)Bunkamuraシアターコクーンにて、【京都公演】9月10日(木)~13日(日)京都劇場にて上演。(text:cinemacafe.net)
2020年03月26日シム・ウンギョン&松坂桃李主演映画『新聞記者』が、第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ6部門を受賞したことを受け、全国190館(3月13日時点)での凱旋公開が決定した。各映画賞受賞を受けアンコール上映のオファーが急増3月6日に行われた第43回日本アカデミー賞授賞式において、最優秀作品賞、主演男優賞(松坂桃李)、主演女優賞(シム・ウンギョン)の3部門で最優秀賞を受賞した本作。主演男優賞と主演女優賞を同じ作品が受賞したのは第34回(2010年)の『悪人』(妻夫木聡、深津絵里)以来、さらに最優秀作品賞も同時受賞したのは第26回(2002年)の『たそがれ清兵衛』(真田広之、宮沢りえ)以来17年ぶりの快挙となった。最優秀作品賞が発表された際には、松坂さんは「うれしいです。純粋に」と喜びを露わにし、「スタッフの方々、関係者の方々と一緒に喜びを今すぐにでも分かち合いたい気分」とコメント。シム・ウンギョンは「本当に計り知れません。ありがとうございます。何とも言えない気持ちなので、光栄です。ありがとうございます。(来年の司会)頑張ります!」と来年の授賞式の司会についても言及。藤井監督も「本当にうれしいしか言えないんですけど、本当にもっともっとたくさんのスタッフとみんなと力を合わせてこの映画を作ったので、早くみんなに報告したい。(松坂)桃李君と同じ思いです」と語っていた。各賞受賞を受け、本作のアンコール上映のオファーが急増、それまで47劇場の予定が143館の追加劇場が決まり(3月13日時点・合計190館)凱旋上映が実現した。独自の企画性で躍進するスターサンズ映画が賞レースを席巻『新聞記者』の製作・配給をしたスターサンズは、ほかにも池松壮亮×蒼井優×真利子哲也監督の『宮本から君へ』、『新聞記者』のモデルとなった望月衣塑子記者を追った『i -新聞記者ドキュメント-』も国内映画賞を多数受賞。3作品の合計で29の映画賞を受賞、24ノミネートに上り(3月13日時点)、現在も好調な興行を続けている。スターサンズ代表で『新聞記者』作品の企画・製作・エグゼクティブ・プロデューサーを務める河村光庸は、「このようなインディペンデント映画を日本アカデミー賞の最優秀賞まで引き上げてもらった多くの映画人の方々に深く感謝いたします」とコメントを寄せている。なお、2020年は最新作として長澤まさみ主演、大森立嗣監督『MOTHER マザー』が初夏に全国公開、さらには2021年公開予定の古田新太と松坂さんの実写初共演となる『空白』の公開が控えている。『新聞記者』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:新聞記者 2019年6月28日より全国にて公開©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ宮本から君へ 2019年9月27日より全国にて公開Ⓒ2019「宮本から君へ」製作委員会i-新聞記者ドキュメント- 2019年11月15日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開©2019『i –新聞記者ドキュメント-』
2020年03月12日2月28日(金)今夜の「A-Studio」は、俳優の宮沢氷魚を迎えてオンエア。本番組初登場となる宮沢さんが、幼少期からデビューにいたる日々やプライベートなどをトーク。舞台「ピサロ」で共演する渡辺謙と大鶴佐助が語った宮沢さんの姿とは!?アメリカ・カリフォルニア州に生まれ、東京で育った宮沢さんは2015年、第30回メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得しモデルデビュー。2017年にはドラマ「コウノドリ」で俳優デビューを飾ると、翌年放送の「R134/湘南の約束」でドラマ初主演。「僕の初恋をキミに捧ぐ」や『賭ケグルイ』シリーズなどを経て、昨年夏に放送された「偽装不倫」では脳腫瘍に侵されたカメラマン役で鮮烈な印象を残した。また先日公開された主演映画『his』も話題を振りまいたのも記憶に新しい。そんな宮沢さんだが幼少期は照明スタッフに憧れていたという。父がミュージシャンをしていたこともあり、芸能界入りするもオーディションに落ち続けたというデビュー当初の苦悩などを語ってくれるほか、最近ひき肉のカレーにハマり中だという“料理男子”ぶりや、大学の卒論テーマが「東京都の川の環境変化について」だったという“川好き”な一面も明かされる。番組お馴染みの家族や親友への取材では、幼稚園から高校まで通ったインターナショナルスクールの同級生と野球部の先輩に極秘取材。仲間内で使う“インター語”とは!?カラオケでは沢田研二のモノマネも…!?さらに3月に開演する舞台「ピサロ」で共演する渡辺さんと大鶴さんへの取材では、渡辺さんの案内のもと鶴瓶さんと上白石さんがこっそり稽古場にも潜入する。舞台「ピサロ」は1985年にPARCO劇場で上演された伝説の舞台を復活させるもので、インカ帝国征服を主軸にした物語。85年当時インカの王アタワルパを演じた渡辺さんが今回ピサロを、当時渡辺さんが演じていたアタワルパを宮沢さんが演じるほか、栗原英雄、和田正人、大鶴佐助、首藤康之、長谷川初範ほか総勢約30名の出演者が壮大な歴史絵巻を描き出す。公演は3月13日(金)~4月20日(月)まで、PARCO劇場にて。宮沢氷魚のナチュラルな魅力がたっぷり詰まった「A-Studio」は2月28日(金)今夜23時~TBS系でオンエア。(笠緒)
2020年02月28日第43回目を迎える日本アカデミー賞の授賞式が3月6日に開催される。今年は、昨年まで6年連続で司会を務めた俳優の西田敏行からフリーアナウンサーの羽鳥慎一へバトンタッチされ、昨年最優秀主演女優賞に輝いた安藤サクラと共に式を進行する。大役を担うことになった羽鳥と、2度目の司会となる安藤が本番に向けての意気込みを語った。元日本テレビのアナウンサーだった羽鳥は、局在籍時に日本アカデミー賞受賞式で、受賞者へのインタビューを務めていたこともあり、司会の話を聞いたときは「とても光栄なこと」と感慨深かったという。一方で「他の仕事を含めて、もっとも緊張する番組だった」と当時を振り返ると「すごく嬉しいという気持ち6割、自分で務まるかなという気持ちが4割ぐらい」と率直な胸の内を明かしていた。安藤にとっては、第40回日本アカデミー賞(前年『百円の恋』で最優秀主演女優賞を受賞)」に続き、2度目の大役となる。前回は西田とのタッグだったが「西田さんは俳優さんの目線で自由にお話をされていたので、視聴者の方と同じような気持ちでお話を伺っていました。羽鳥さんは、完璧な進行になるのではないでしょうか。どんなことも受け止めてくださる気がします!!おふたりともものすごく安心感がありますが、まったく違うタイプの司会になるだろうと思います」と羽鳥に期待を寄せる。羽鳥も「西田さんは偉大過ぎて比較にならないので、逆にプレッシャーはないですね」と開き直っているというと「しっかりお勉強をして準備はしていきますが、僕は映画の人間ではないので、素人目ではないですが、一映画ファンとして感じたことをぶつけていきたい」と羽鳥ならではの視点で映画の祭典を彩りたいという。本年度は、『翔んで埼玉』の12部門を始め、『閉鎖病棟-それぞれの朝-』が11部門、『キングダム』が9部門受賞するなど、話題作が目白押しだ。安藤は「出産してから映画を観る本数が減ってしまったので、(2月15日~2月21日まで第43回日本アカデミー賞優秀賞受賞作品上映会がある)T・ジョイPRINCE品川に通おうと思っているんです」と意欲満々なところを見せると「『新聞記者』が優秀作品賞を受賞するなど、日本アカデミー賞のラインナップも少しずつ変わってきたなと感じています」と感想を述べる。また安藤は「優秀主演女優賞、男優賞を見ていると、すごくバラエティに富んでいるなと思いました。韓国のシム・ウンギョンちゃんがいて、松岡茉優ちゃんや二階堂ふみちゃんなど20代がいると思えば、宮沢りえさん、吉永小百合さんらベテランもいる。みなさんが並ぶ姿は華やかでしょうね!とっても楽しみです」と目を輝かせる。羽鳥は「すべての方々が素晴らしいのですが、私の注目は柄本佑さんのインタビューを安藤さんがどうするのか、その一点です」と煽ると、安藤は「(柄本への)インタビューはハードルが高いのか、低いのか……。家ではなるべく(柄本が受賞した作品の)『アルキメデスの大戦』の話をしないで、新鮮な気持ちを保ったまま当日を迎えたいです」と照れ笑いを浮かべていた。さらに安藤は、多数受賞したチームは出演者や監督らスタッフが円卓を囲んで座るというが、単独で受賞した人たちだけが集まるテーブルの存在に言及。「私も『0.5ミリ』で受賞したときは一人で参加していたので、色んな作品の女優さんたちと女子会みたいになっていました。普段共演する機会のない先輩俳優さんや、映画界の方と一緒の空間にいられることができるのも日本アカデミー賞の醍醐味なんです」と安藤ならではの見どころを語ると、羽鳥も「そういう席の方々にも、しっかりとお話しが聞けたらと思っています」と抱負を述べていた。第43回 日本アカデミー賞授賞式3月6日(金)開催第43回 日本アカデミー賞 優秀賞受賞作品上映会2月15日(土)から21日(金)までT・ジョイPRINCE 品川にて取材・文・撮影:磯部正和
2020年02月14日サントリー緑茶「伊右衛門」の公式ツイッターで1月27日に投稿されたツイートが、話題を呼んでいる。同商品のCMで妻役を務める宮沢りえ(46)の写真を添えて、こうツイートした。《昨晩は、主人が熱演のあまり、皆様をお騒がせしましたようで、すみません。まずは心を落ち着け、茶などお召し上がりくださりませ。妻より》これは26日に放送された、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の第2話を受けてのもの。本木雅弘(54)演じる“蝮(マムシ)”の斎藤道三が、矢野聖人(28)演じる娘婿の土岐頼純をお茶で毒殺するシーンがあったのだ。本木といえば、11年から務めている同商品のCMキャラクターでお馴染み。そのことから「#伊右衛門」がトレンド入りするほど、視聴者から“ツッコミ”が続出した。《こんな恐ろしい伊右衛門があるか!》《伊右衛門が茶の湯で土岐頼純をおくりびと》《蝮がお茶で一服盛って殺したから伊右衛門飲む度に思い出すじゃないか!》同社のツイートは、このような反響を呼んだ本木への“助け船”だったのだ。そのため、《流石、サントリー 大人の対応》《粋な対応さすがです》と称賛の声が上がった。さらに「伊右衛門」シリーズの「特茶」公式アカウントもTwitterを更新。ハッシュタグに「#毒茶 でなく #特茶」と添え、本木をフォローした。《伊右衛門が話題になっているようですね。ちなみに、特茶にはケルセチン配糖体が入っていますが、体脂肪を減らすのを助けてくれる成分ですので、ご安心を》そんななか、本木は番組公式ツイッターを通じて出演シーンを述懐した。《「主君であり娘婿でもある土岐頼純を毒殺するシーンは、かなり緊張感のある現場でした。実人生でも特異な父を持つ娘の婿である自分としては、もしあの時代に生きていたらと思うと他人事とは思えず(汗)」(本木雅弘)》本回の平均視聴率は17.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と好調をキープしている『麒麟がくる』。まだまだ視聴者を惹きつけそうだ。
2020年01月28日『MEN’S NON-NO』専属モデルであり、2017年以降は俳優としても活動している宮沢氷魚(25)。昨年は、杏主演の連続ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)で相手役を務め、俳優としての知名度を一気に上げた。そんな宮沢が映画初主演を務める『his』が1月24日に公開された。『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』(19)の今泉力哉監督が、8年ぶりに再会したかつて恋人同士だったふたりの青年の姿を軸に描く人間ドラマだ。宮沢は、自分がゲイだと周囲に隠して、ひとり田舎に移り住んだ青年・井川迅(しゅん)を演じている。「生きづらさ」を抱える迅を演じるにあたり、自らもクォーターというマイノリティの立場から、共感を覚えたという宮沢が、演じた迅のことだけでなく、自分自身について語った。さらに、俳優として強い影響を受けた先輩俳優とのエピソードを明かし、これからやってみたいこととして、意外な願望も告白した。○■迅の生きづらさには少なからず共感した――初主演映画です。どう臨みましたか?最初はプレッシャーがありました。作品の顔ですし、何よりもLGBTQを題材にした映画ということで、センシティブなテーマでもあるので、責任を強く感じました。でもプレッシャーがありつつも、こうした作品に出られる喜びや楽しみを大きく感じて、前向きに作品に入りました。僕はもともとLGBTQの友達もいるし、そうした友達や同じような境遇にいる人たちが住みやすい世の中になってくれればと思っていました。いまだセンシティブな問題ですけど、ゆくゆくはセンシティブだと思わない環境になってくれればという思いで挑みました。――お友達にLGBTQの方がいるとのことですが、今回の作品に携わったことで改めて感じたことはありましたか?僕も4分の1アメリカの血が入っていたりして、偏見の目で見られた時期があったし、それで辛いと思っていました。でも自分の経験してきた苦しみや居場所のなさといったものでは計り知れないくらいの生きづらさがあるのだと、迅を通じて感じました。――迅はもっと生きづらいと感じたとはいえ、宮沢さん自身、偏見の目で見られることは少なからずあったと。そうですね。なので、そうした部分では共感できます。でも迅には、誰にも言えない辛さとか、自分にウソをつく辛さがある。自分にウソをつくって一番辛いことだと思うんです。迅も(かつての恋人)渚(藤原季節)もそれを抱えていたので、大変だったなと本当に思いました。――宮沢さんも偏見に苦しんだとのことですが、田舎に移り住んだ迅に寄り添ってくれた緒方さん(鈴木慶一)のように、人から認めてもらったり肯定してもらえたといった出来事はありますか?ひとりの人物というわけではないのですが。僕はインターナショナルスクールに通っていたので、みんながみんな違うんです。国も言語も。僕にとってはそこが本当にオアシスのようでした。みんなもそれぞれに、色んな目に遭っていて、通学中や電車に乗っていて何かを言われたりしてきています。そういうことって経験してきた人にしか分からないことも多いですし、そうした仲間は今もすごく仲が良いです。――逆に考えると、そこがオアシスだったということは、外ではかなりの差があったということですよね。そうですね。今でも正直、感じます。でも日本も徐々に変わってくるだろうし、変わってほしいです。結局、教育がすべてだと思います。○■俳優として影響を受けた人、これからやってみたいこと。――迅は接してくれた緒方さんから影響を受けます。俳優としての宮沢さんが、強い影響を受けた人物はいますか?綾野剛さんですね。初めてのドラマ『コウノドリ』(第2シリーズ・17年TBS系)でご一緒したのですが、とにかく緊張していて、そこに立っているだけでもいっぱいいっぱいな状態でした。全く余裕がなくて。そのとき、ずっと剛さんが気にかけてくださったんです。吉田羊さんとか、星野源さんとか大森南朋さんとか、坂口健太郎くんとか。すごいキャストばかりで、本当に緊張していたんです。でも剛さんが、「いいよ、ミスして。みんなミスするんだから。何回でも付き合うから」って。何度も言ってくださったんです。そのひと言ひと言が、いまでもすごく残っています。やっぱりその場でミスするのが怖くて、萎縮して自分の納得いくものができないと、いいものはできないので。剛さんが「いいんだよ」と言ってくださったことで、すごく楽になれました。――先輩とのステキなエピソードですね。今、坂口さんのお名前も出ましたが、坂口さんも『MEN’S NON-NO』の元専属モデルです。現役の方でも元でも、メンズノンノ出身の俳優さんは多いですが、意識はしますか?『MEN’S NON-NO』の先輩方は、僕にとって一番近い存在なので、彼らの背中を見て頑張る部分はあります。仲間でもあり、ライバルでもあり。何か不思議な、兄弟に近い感覚ですかね。兄弟って負けたくないけど、近くにいて安心するし、尊敬もしている存在。そういう兄弟に近い存在なのかなと思うときがありますね。――これから挑戦したいことを教えてもらえますか?長期的な目標でいうと、いつか海外でお仕事をしたいです。今年に関しては、オリンピックの年なので、どこかで英語を使う機会があればなと思います。スポーツもカルチャーとしての影響力もあるし、人の感性を高めてくれるものだと思います。今年はスポーツの1年だけでなく、芸術の年にもなるような気がしているので、その波にしっかり乗っていきたいです。――モデル、俳優業以外のことにも機会があればチャレンジしたいということですか?取材をしてみたいんです。する側。普段は取材される側なので、どういう質問をしたら答えやすいかなとか、いい質問ができるんじゃないかなと思って。準備期間があれば、ですけど。アスリートの方は英語を話す人も多いし、通訳を介さずに直接お話ができるメリットってたくさんあると思うんです。アスリート以外にも、ハリウッドの俳優さんも、日本に来る機会があるので、お話をしてみたいです。――そうした宮沢さんを見るのも楽しみです。最後に、この作品を通じて、感化されたことがあれば教えてください。人はひとりでは生きていけないと改めて感じました。迅も、ひとりの力で生きていくという覚悟を決めて、田舎で生活を始めるわけですが、やっぱり近くに住む緒方さんだったり、村の方々の力なしでは生きていけない。迅や渚だけでなく、(渚が女性の玲奈と結婚してできた)空ちゃん(外村紗玖良)のお母さんの玲奈さん(松本若菜)も、玲奈さんのお母さん(中村久美)の力や渚の力なしでは空ちゃんを育てることができない。やっぱり人はひとりでは生きていけないと感じました。■プロフィール宮沢氷魚(みやざわ・ひお)1994年4月24日生まれ。アメリカ・カリフォルニア州出身。身長184センチ。2015年開催の第30回「MEN’S NON-NO」専属オーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。2017年のTBS系『コウノドリ』にレギュラー出演し、俳優デビューも飾った。以降も、『トドメの接吻』(18・日本テレビ系)、『僕の初恋をキミに捧ぐ』(19・テレビ朝日系)、『偽装不倫』(19・日本テレビ系)などのドラマに出演。2020年は、6月19日公開の映画『騙し絵の牙』を控えている。
2020年01月26日世界で活躍する写真家であり映画監督の蜷川実花が、構想に7年を費やし、天才作家・太宰治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に映画化した『人間失格 太宰治と3人の女たち』。主演に小栗旬、共演に宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみらを迎えた本作のBlu-ray&DVDのリリースがこのほど決定した。小栗さんが太宰治を演じ蜷川監督と初タッグを組んだ本作。大幅な減量を敢行しながら、究極のダメ男でモテ男、才気と色気にあふれたセクシーでチャーミングな太宰像を創りあげた。また、宮沢さんが太宰の正妻・美知子役、沢尻さんが作家志望の愛人・静子役、二階堂さんが最後の女・富栄役を熱演。第43回日本アカデミー賞では、宮沢さんが優秀主演女優賞、二階堂さんが優秀助演女優賞を受賞している。ほかにも、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也と豪華メンバーが集結したことでも話題に。今回リリースされるBlu-ray豪華版の特典映像には、『溺れるナイフ』の山戸結希監督がディレクションしたドキュメンタリー映像「〈解説〉人間失格 蜷川実花と幾人もの作り手たち」を収録。主要キャストに迫る撮影の舞台裏や製作秘話のほか、山戸監督が自ら行った、蜷川監督をはじめとしたスタッフインタビューも収められており、作り手たちの作品に掛ける思いやこだわりが感じられる映像となっている。また、このドキュメンタリー映像のナレーションを、劇中で太宰に「人間失格」の執筆を依頼する若手編集者・佐倉を演じた成田さんが担当しているのもポイント。ほかにも特典映像には、ジャパンプレミアや各地で行われた舞台挨拶の模様を収めたイベント映像など盛りだくさんの内容となっている。『人間失格 太宰治と3人の女たち』Blu-ray&DVDは4月2日(木)リリース。(cinemacafe.net)■関連作品:人間失格 太宰治と3人の女たち 2019年9月13日より全国にて公開© 2019「人間失格」製作委員会
2020年01月24日インタビューが行われたのは2019年の年の瀬。その年は、宮沢氷魚にとって間違いなく駆け抜けた、そして飛躍した1年だった。「コウノドリ」第2シリーズで俳優の門をたたいてまだ3年弱というのに、2019年はドラマ3本、映画1本、舞台1本と切れ目なく出演を続け、実績を積み上げたのだから。変化の2019年「この場にいていいのかな」から「今なら自信を持ってその場にいられる」「2018年の夏くらいから、ずっと何かが入っている状態で、振り返る余裕もないまま次が始まって、終わって、また次が、となっています。正直、2019年の一番最初の頃と、今とでは全然違うと思うんですけど、どこがどう変わったかとかは、いまいちまだわからないんです。何か大きく“ひとつの出来事があったから変わった”とかではないので。ひとつ、ひとつ、作品が終わっていくと自信がつくというか。ちょっとずつ、無意識なんですけどね」。一息で言い終えた後、宮沢さんは、「うまく説明できなくて申し訳ないんですけど」と前置きしてから、こう続けた。「こうして取材を受けたりして、スチールのときに特に感じたりもします。その場にズシッと自分の体があって、100%でいる感じがするというか。今までもそのつもりでいたんですけど、思い返してみると、どこかフワフワしていたような、“この場にいていいのかな”みたいな感覚が、どこかにあったみたいで。今なら自信を持ってその場にいられるから、そう思うのかもしれません」。冷静に自身を分析する宮沢さんは、常に穏やかなトーンで話し続ける。身長184cm、「MEN’S NON-NO」専属モデルという人目を引くプロポーション、透明感にあふれるたたずまいも彼の大きな持ち味だ。しかし、それ以上に、自分を過小評価も過大評価もしない真っすぐに生きているスタイルが、多くのライバルがいる若手俳優群の中でも注目を集める存在となっているのだろう。独特の魅力を放つ源泉を探りたくなる。「自分ひとりだけの考え方、生き方、物の感じ方だと、たぶん限界があると思うんです。僕は周りの人たちからいろいろ刺激を受けています。けど、それに流されてはいけないと思っていて、自分という人間を持ったまま、刺激を受けてどんどん自分に着せていくことが大事だと考えています。流されてしまうと自分ではなくなっちゃうし、その人の分身になってしまうから。けど、人から受ける影響は、いいことも悪いことも、すごく素敵だと思います」。「誰かのコピーにはなりたくないんですね」と確認すると、「そうですね、はい。それはよくないですよね」と、変わらず穏やかな口ぶりながら、はっきりとうなずいた。「偏見・差別を受けたこともあります」宮沢さんが語る『his』の役作り宮沢さんが映画初主演を飾った『his』が間もなく公開を迎える。宮沢さんは、8年たっても忘れられない初恋相手・日比野渚(藤原季節)の想いを胸に、周囲にゲイだと知られることを恐れ、東京から離れて、ひとり田舎に住まう井川迅を演じた。「同性愛の美しいところも描いていれば、そうではない醜いところ、苦しいところ、つらいところもすべて見せている作品です。実際の現代社会がLGBTQをどう見ているのか、偏見・差別もきちんと描いているので」と宮沢さんが説明する通り、男性同士の純愛を軸に置いている本作だが、「POPなBL」系統とは一味も二味も違う仕上がりだ。現代のLGBTQについて、田舎で生活することについて、夫婦間の価値観のズレのもの悲しさなどを通して、生きること、人と関わることという根底のテーマが照らし出される。華やかな世界に身を置く宮沢さんと、差別を恐れる迅は、一見まったく共通点がないように見える。伝えると、彼は小さく首を振った。「僕はアメリカ生まれで、向こうの血が4分の1入っているので、小さい頃偏見・差別を受けたこともあります。日本にいても、日本人扱いをされないときもあるから、いまいち居場所が見つからなかった。“向こうに行けば居場所があるかな”と思ってアメリカ留学したときも、ローカルの人とはまた別の“日本人”という見られ方をしましたし。そうなると、“自分の居場所ってどこにあるんだろう”と考える時期もあったので、当時の経験を思い出しつつ迅をやっていました」。さらには、「あまり周りに相談せず、自分ひとりで考えこむ」という宮沢さんの性格も、迅に重なるところがあり、寄り添いながら役を自分色にしていったという。けれど、「よほどのことがない限り、そういうことはないんですけど、結果、最後の最後まで役のことをあまりつかめなかったというか…。ずっと悩んでいたんです。撮影中もわからなくて、クランクアップしてからも“果たしてこれでよかったのかな”と残っているところがありました」。そうした宮沢さんの迷う気持ちは、ある種、今泉監督の「理想通り」だったようだ。「この間、取材で今泉監督とご一緒したときに“なるべく役者がその役のことをつかまないようにしていた”とおっしゃっていたんです。僕は“つかんだ”と思った瞬間はないんですけど、きっとあえてそうしていたのかな、と思いました。今泉さんが難題をどんどん与えてくれて、毎日悩んで、正解って何なんだろう、とずっと考えていました」。2020年は「自分の実力でどんどん仕事をしていきたいし、決めていきたい」宮沢さんと二人三脚でふんばり、10日間の共同生活をともにした藤原さんの存在なくして、本作はなしえなかったと、宮沢さんは感謝を忘れず口にする。「季節くんの存在は本当に大きかったです。とにかく傍にいてもらったことは、僕が季節くんにやってもらって一番うれしかったことでしたし、僕も同じことをしました。役もですけど、テーマもテーマで、自分ひとりで考え始めちゃうと、本当に孤立して孤独になっていくんです。僕も季節くんも、どちらかと言うと、自分の中にあるもので必死に答えを見つけ出そうとしてしまうので、どうしてもしんどくなってくる。そこで近くにいてくれて、僕がすごい悩んでるときにスッと一言かけてくれたりとかが救いでした。終わっていろいろ考えてみたら、ああいう瞬間ってすごく大事だったな、と思うんですよね」。全身全霊をかけた当然の結果か、撮影終了後はとてつもない疲労感に襲われたとも話す。「よかったなと思ったのは、終わった後、精神的にも体力的にも疲れた…ってグッタリしたこと。それだけ、エネルギーをこの作品に注ぎ込んでいた証拠だと感じられたので、やっぱり自分がやってきたことは間違っていなかったかな、と思っています」。そして、2020年に突入。『his』の公開後も様々な作品が宮沢さんを待ち受けている。先のことを尋ねると、「どうなりたいだろう~!」と口角をキュッと上げて、期待に満ちた微笑みをひとつ残した。「2018年の終わりから2019年いっぱいは、タイミング、作品、人にすごく恵まれた1年でした。役者を始めて間もないこともありますし、まだ謎が多いだろうから、“宮沢氷魚を使ってみたら面白いかな”“宮沢氷魚ってどんな人だろう”と、面白そうという興味本位(の起用)もゼロではないと思うんです。でも、これからは、それだけではダメだと感じるので、自分のスキルも気持ちももっと高めていき“役者としてどんどん使っていきたい”と思ってもらえる1年にしなきゃいけない。2020年以降、自分の実力でどんどん仕事をしていきたいし、決めていきたいというのがあります」。(text:赤山恭子/photo:You Ishii)■関連作品:his 2020年1月24日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2020映画「his」製作委員会
2020年01月20日ジャンルにとらわれずに多方面で活躍するゲストたちが自由気ままに語り合うトークドキュメンタリー「ボクらの時代」。1月19日(日)放送回は、俳優の成田凌、宮沢氷魚、清原翔、柳俊太郎の4人が登場。モデル仲間である彼らのプライベートや目標とは!?昨年は『カツベン!』で映画初主演を果たし「磯野家の人々」では国民的キャラに、「さんまが泣いた日」では明石家さんまを演じるなど怒涛の快進撃を繰り広げた成田さん。同じく昨年「僕の初恋をキミに捧ぐ」やドラマと映画で展開された『賭ケグルイ』シリーズに出演。夏クールの「偽装不倫」では脳腫瘍に侵されたカメラマンの青年・伴野丈を演じ多くの視聴者を虜にした宮沢さん。連続テレビ小説「なつぞら」や映画『PRINCE OF LEGEND』『うちの執事が言うことには』といった作品で昨年注目され、放送中の「アライブ がん専門医のカルテ」も話題の清原さん。『東京喰種トーキョーグール』シリーズに『ジョジョの奇妙な冒険』『勝手にふるえてろ』などの映画から「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」といったドラマまで多数の作品に出演する柳さん。「メンズノンノ」モデル仲間という共通項を持つ4人が今回集い、メンズノンノのモデルオーディションを受けたきっかけやモデルならではの悩み、憧れの存在に関するエピソードをはじめ、付き合いが長いながらもお互い知らないプライベートや幼少期の話からモデル、俳優としての今後の目標などを語り合う。成田さんが連続殺人鬼役で出演する『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』は2月21日(金)より全国東宝系にて公開。宮沢さんが藤原季節と同性カップルを演じる『his』は1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。清原さんが薬でガン治療を行う腫瘍内科の研修医役で出演する「アライブがん専門医のカルテ」は毎週木曜22時~フジテレビ系で放送中。「ボクらの時代」は1月19日(日)7時~フジテレビで放送。(笠緒)
2020年01月18日今泉力哉監督が、最新映画『his』でテーマにしたのは同性愛。田舎町に住む迅(宮沢氷魚)のもとへ子連れで現れたのは、8年前に別れた恋人・渚(藤原季節)。二人は再び愛し合う関係になるが、渚とその妻(松本若菜)は親権を争い裁判へ発展してゆく…。宮沢さんと藤原さんにお話を伺いました。宮沢:LTBTQをテーマにした作品だけに、今回は相手役が重要だと思った。それが(藤原)季節くんだと知り、これまで季節くんが演じた役柄とか写真を改めて見たときに、ちょっと怖いかも…って、それが第一印象(笑)。藤原:(笑)宮沢:でも実際に季節くんに会うとすごく正直でいい人で。僕が演じる迅が、季節くん演じる渚を愛せると思ったし、宮沢氷魚として藤原季節を好きになれると思った。藤原:ありがとう。僕は、まず、宮沢氷魚×今泉力哉監督という組み合わせが想像つかなかった。だって、今泉さんがこれまで描いてきたのは、ありふれた日常の恋愛模様であり、群像劇だったから。そこに氷魚くんみたいなスターが入ってくるんだ、って。宮沢:いやいや…。藤原:今泉さんが氷魚くんの相手役になぜ僕を選んだのかに、必ず意味があると思ったんだよね。だから、迅と渚はお互いにないものをきっと持っていて、それを与え合える関係が作れればな、って。宮沢:(岐阜県加茂郡)白川町の現場に入ってすぐに、同じ部屋に住み始めたのはよかったと思う。毎晩夜中まで、鍋をつつきながら、熱く語り合ったよね。藤原:僕がその前の作品で訪れていた、熊本の天草で手に入れた焼酎を飲みながらね。宮沢:あれ、うまかった!そういえば撮影初日に、天草の教会で買った貝殻ももらったね。藤原:いつもはいきなりそんなものあげたりしないんだけど、きっとスタートの時点から自分が氷魚くんにとって異物でありたかったのかな。ただの映画の相手役じゃないという、枠組みを超えた間柄になろうとしていたのかも。宮沢:お互いに知らない世界に飛び込んでいくことに不安しかなかったし、撮影中も苦しいことのほうがはるかに多くて…。センシティブな部分と向き合っていくうちに、どんどんしんどくなったよ。藤原:渚が子供を連れて迅の前に8年ぶりに突然現れて、しばらく3人で暮らすシーンはただただ幸せだった。でもそのあとに、陰で傷ついている人がいると気づいてからが、僕は辛くて。宮沢:親権争いの裁判シーンは、季節くんはとくに辛かったと思う。藤原:辛かったね…。ちなみに僕が印象的なシーンは、迅が自給自足の田舎生活をしている中で頼りにしている、(鈴木)慶一さん演じる緒方と、山に鹿を狩りに行くところ。鹿を撃ったあとの迅の表情が、すごいんだよね。僕はいつも映画を観るときに、一見すると“ちょっとしてる”ふうに見えるけどじつは“ちょっとしていない”、ふとした瞬間を見たいんだけど、一つの命を奪ったときのあの言葉にならない興奮や激情が込み上げる表情は感動的だった。迅という人間の価値観が崩れ落ち、そして立ち上がるのを感じて。あの芝居はすごかった。宮沢:う~ん、今考えると自然とああなってたかも。慶一さんのオーラと緊張に引き込まれたのもあって、独特な空気が流れていた。藤原:あの瞬間だけが、社会や日常と関係のない、裸の迅だなって。迅と慶一さん二人のシーンは、僕の知らないところで、迅の核が見えるから、気がついたらすっかり一人の人間として氷魚くんを好きになってた。これって僕にとってすごく大事なことだったかもしれない。だって、僕とか氷魚くん、監督たちが唯一忘れちゃいけないのは、「この映画はただ2人の同性愛者の恋愛を描いたもの」なんだってこと。観てくれた人たちにも、「2人の人間がただお互いに好きだってことを描いた映画」だと思ってもらいたくて。特別なことじゃないんだよ、当たり前に存在している人たちなんだよって。宮沢:そうそう。でも、それを作り上げるのは本当に難しかった。藤原:そこにたどり着くために僕ら二人も、そして監督も相当悩んでいたもんね。宮沢:監督に相談すると、監督が一番悩んじゃうからね(笑)。藤原:そうなの(笑)。撮影が終わったからといって、僕らの仕事はまだ終わらない。ここからだと思うんだよね。こんなふうにインタビューを受けることで、自分の認識をどんどん更新していかなければならないって思う。宮沢:話せば話すほど、僕らの認識も変わるから、毎回言ってることが違ってしまうのは本当に申し訳ない気持ちがある。でも、僕らも日に日に新しい発見があって認識を更新していくし、取材で問われる度に考え直してしまう。でもそれでいいんだよね。藤原:考えないこととか、捉え方を更新しないほうが危ないと思う。とはいえ、古かったものが猛烈に新しくなっていくわけじゃないけど、でも10年後には、今はまだ当たり前じゃないことがごく当たり前になっていると思うし、同性愛者のカップルが手を繋いで街を歩いているなんて普通だと思うの。だからこの作品が、その“当たり前”を作るきっかけになればいいなって。10年後にこの映画を観返したとき、本当にこんな裁判があったのかよ、ってなったら楽しいよね。きっとそうなっているよ。宮沢:アンアンが60周年のときにはね!そうそう今年、アンアンは創刊50周年らしいよ。藤原:そうなんだ、すごい!宮沢:100周年になるまで出たいね。でも、僕は75歳か…。藤原:僕らが頑張らないと…(笑)。宮沢:めっちゃ頑固な役者になってたりして!藤原:(笑)。また『his』の続きを作りたいよね。子供の空ちゃんも大きくなって、やべ、反抗期だ、ってなったり!宮沢:あははは(笑)、作りたい!“複雑な感情こそが人間らしい”ということ。物語で描かれる幸せは、迅と渚、その子供・空(外村紗玖良)との日常のシーン。主演の二人も、撮影期間中は役に入り込むのが辛かったが、この場面は幸せに感じたと語る。空を連れ戻しにきた渚の妻。ともすれば悪人になりがちだが、そうはさせないのが監督の手法。それぞれの弱さや言葉足らずな部分から生まれる衝突を、低い温度で描いている。頭を寄せることで相手を求め合う感情を表現。「一人の人間にいくつもの感情がある。派手にしないほど繊細になり、また好きを伝えるパターンは無数にある」と監督。©2020映画「his」製作委員会みやざわ・ひお1994年4月24日生まれ、アメリカ出身。MEN’S NON-NO専属モデル。‘19年はドラマ『偽装不倫』(日テレ系)に出演し、大きな話題に。‘20年は舞台『ピサロ』が上演。ニット¥30,000(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)カットソー¥14,000(カイコー/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)パンツ¥39,000(ワコ マリア/パラダイストウキョウ TEL:03・5708・5277)靴¥42,000(リーガル シュー&カンパニー TEL:03・5459・3135)ふじわら・きせつ1993年1月18日生まれ、北海道出身。‘19年はU-NEXT『すじぼり』で連続ドラマ初主演を務めた他、『監察医 朝顔』(CX系)に出演。‘20年は映画『のさりの島』で主演。ジャージートップス¥29,000中に着たカットソー¥22,000靴¥58,000(以上トーガ ビリリース/TOGA原宿店 TEL:03・6419・8136)パンツ¥35,638(オフィシン ジェネラル/マッチズファッション TEL:0800・919・1268)※『anan』2020年1月15日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) スタイリスト・秋山貴紀(宮沢さん)八木啓紀(藤原さん)ヘア&メイク・スガ タクマ(宮沢さん)中村兼也(藤原さん)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2020年01月12日宮沢氷魚と藤原季節が初共演となった映画『his』完成披露試写イベントが、1月8日(水)、都内にて行われ、袴姿の宮沢さん&藤原さんが餅つきに興じた。その後はお餅を試食し、ふたりはともに登壇した外村紗玖良、今泉力哉監督と「おいしい~~」と目じりを下げていた。『his』は、『愛がなんだ』、『アイネクライネナハトムジーク』などを手掛けた今泉監督の最新作。周囲にゲイと知られることを恐れ、東京からひとり田舎にやってきた井川迅(宮沢さん)のもとに、初恋の彼・日比野渚(藤原さん)が6歳の娘を連れてやってくる。実は離婚調停中という渚に戸惑う迅だったが、ふたりを受け入れ始め、3人の同居生活がスタートする。しかし、彼らは世間の理解の壁にぶつかることになる。ふたりの共同生活は「超濃密」人目を避けて田舎暮らしを送る主人公を演じ、映画としては初主演を飾った宮沢さん。演じての感想を聞かれると、「男子校で、周りに同性愛者やバイセクシャルがいたので、もともとLGBTQを題材の作品に出たかったんです。当たり前だと思っていたけど、いざ社会に出たらそんなに甘くなくて、差別・偏見の毎日だったので何らかの形で、救いになりたいとずっと思っていました」と強い決意を明かす。「迅を演じることをとても光栄に思っていたし、周りにそういう人間がいる僕だからこそできることがあるかな、と前向きに演じました」と充実の表情をのぞかせた。そんな宮沢さんと劇中パートナーとなった藤原さんだが、本作の撮影中は本当に田舎で10日間、ふたりで共同生活をしていたという。藤原さんが「超濃密な10日間!」と言うと、宮沢さんは「誤解を招くからさ(笑)」と笑顔。さらに、宮沢さんは「最初は嫌でした。朝から晩まで一緒にいたので、寝るときくらい自分の時間がほしいと思った。けど、ひとりになったら不安になるくらい大変だったので…ありがとね」と隣の藤原さんに向きなおり、お礼を伝える。「キス何人目?宮沢さん、藤原さんにジェラシー?宮沢さんが本作での初体験として、「役者としてのファーストキスが藤原季節なんです!」と告げ、2019年に放送されたドラマ「偽装不倫」より前に行われた本作での撮影が、ファーストキスだったと明かす。藤原さんは「まったく知らなかったんです」と言えば、宮沢さんは「(撮影でのキスは)ちなみに何人目?」と食い込む場面も。藤原さんは「結構(笑)」と経験豊富な様子を見せ、宮沢さんは「ちょっとショックですね…」と苦笑いを浮かべていた。『his』は1月24日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinamacafe.net)■関連作品:his 2020年1月24日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2020映画「his」製作委員会
2020年01月08日昨年『愛がなんだ』や『アイネクライネナハトムジーク』で注目を集めた今泉力哉監督最新作『his』。この度、本作で映画初主演を務めた宮沢氷魚と、主人公の忘れられない恋人を演じた藤原季節との撮影現場の様子を今泉監督が語った。群像劇に「当たり前に登場させてきた」同性カップルを“いま”描く今泉監督が、今夏放送された前日譚のドラマと映画をあわせて企画し、全ての脚本を手掛けたアサダアツシ氏からの依頼を受けて、実現に向けて動き出したのが2017年の秋のこと。その後「おっさんずラブ」が大ブームとなり、“まるで後ノリになってしまった”と苦笑まじりに語る今泉監督が、初めての題材として選んだ男性同士の恋愛について「今まで、あえて扱うのを避けていた」と語る。その理由として、「同性愛は主題として扱わなくても、群像劇の登場人物の中に当たり前に登場させてきた。その方が差別的にはならないのでは?という考えがあった」と明かした。しかし、本作はいままで撮らないと公言してきた監督が撮ろうと思うだけのオリジナリティがあったという。恋人同士を演じた2人のキャスティングに関し、初めて仕事をした宮沢さんについて監督は、「実年齢が若いので、ちゃんと迅に見えるのかなという不安が実はあった」と話す。しかし、宮沢さん自身が真摯に演じる姿とその大人びた声の魅力を目の当たりにして安心したという。逆に藤原さんとは『アイネクライネナハトムジーク』でも一緒に作品をつくりあげており、「氷魚と季節、この組み合わせでないと成立しなかったと思っています」と、2人の相性の良さに全幅の信頼を寄せていた。これまでの今泉作品とは異なる「温度の高い芝居」また、今回は監督に専念し、脚本家が別にいたためオリジナル脚本の時と比べて、撮影現場で驚くことが多かったと今泉監督は語る。「自分で脚本を書くときは、こんなに登場人物の感情の揺れ幅を大きくできない」と語る通り、本作の中盤には藤原さん演じる渚が感情を高ぶらせ、抑えきれない気持ちを表現するシーンが登場する。そのシーンの撮影中、監督が予期せぬ演技を藤原さんが披露し、それを目の当たりにした監督は驚愕したそう。「もう少し低い温度や異なるバリエーションも撮影したのですが、結果的に採用したのは、季節が最初に演じた温度の高い芝居でした」。ほかにも、父と娘が再会のうれしさから強く抱きしめ合う、といった感情的なシーンも、監督としては「こんなに簡単に人に触れてもいいのだろうか?」と現場で迷っていたらしく、いままでの今泉作品の中では珍しく高いテンションで、感情の高ぶりが表現されているシーンが数多く見られるのが本作の見どころのひとつ。「二人だけの空間で、ふらっとキスをする」といったシーンも自分ではまず書かないが、この映画の温度の高さゆえに生まれたと熱っぽく語る。「映画の脚本を書き、撮影現場に赴き、編集作業をして仕上げる、という“苦痛”と言ってはなんだがそういった膨大な時間を経て、映画が上映されてお客さんに届いた時にようやく映画が完成した実感を得れて“幸福”を感じる」と語る今泉監督。その最新作にある熱量を、劇場で体感してみてほしい。『his』は1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:his 2020年1月24日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2020映画「his」製作委員会
2020年01月07日西島秀俊と内野聖陽が主演する、3章立てで描く「きのう何食べた?正月スペシャル2020」に宮沢りえが出演することが決定。西島さん演じる“シロさん”の憧れの女優・三谷まみを演じる。TVドラマ出演はおよそ3年ぶりとなる宮沢さん。彼女が演じる三谷まみが登場するのは、3章立ての物語の第1章だ。シロさん(西島さん)、ケンジ(内野さん)、小日向(山本耕史)、航(磯村勇斗)の4人が食事をしているところへ颯爽と登場し、長年の憧れの存在を前に興奮を抑えきれないシロさん。それを見たケンジは…というストーリーだ。「すごく話題になっていたドラマですし、料理がすごく好きなので、原作を読んでぜひやりたいなと思いました」と出演を喜んだ宮沢さんは、実際に撮影してみて「笑いの絶えない現場でした。お芝居自体も皆さんアイディアが豊富で面白かったですけど、皆さん本番以外のフリートークのレベルが高いので(笑)。メイクさんが大変なくらい笑っていました」と楽しそうな現場の様子を明かし、「西島さんとはお芝居で本格的に共演するのは初めてだったんですけど、とても自然なお芝居で初めてのような感じはしませんでしたし、内野さんと山本さんとは舞台ですごく大変な時にご一緒したことが あったので、その時の昔話をしたりして、終始和やかな雰囲気でした」と共演者についても語った。また「お正月にふさわしい、心がとっても温まるドラマです」と今回のスペシャルについて説明した宮沢さん。「もう一度1話から見られるチャンスもあるみたいですので、ぜひそれをご覧になって振り返っていただいて、温まったところでスペシャルを見て頂けるとより楽しめると思います」とメッセージを寄せているように、4月期に放送されたレギュラードラマ全12話の一挙再放送も決定した。「きのう何食べた?正月スペシャル2020」は2020年1月1日(水・祝)22時~テレビ東京系にて放送。『「きのう何食べた?」新作前にイッキ見スペシャル』は2020年1月1日(水・祝)朝9時~テレビ東京系にて放送。(cinemacafe.net)
2019年12月22日実写じゃできないことを表現できるのがアニメの良さ撮影/奥田耕平宗田理のベストセラー作品であり、宮沢りえ主演で実写映画化もされた『ぼくらの七日間戦争』がアニメーションとなってリブートされる。本日から公開のアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』は、舞台を2020年の北海道へと移し、現代を生きる少年少女たちが大人との“戦い”を経て成長する姿を描いた珠玉の青春ムービーだ。「アニメーションの良さって、実写じゃなかなか表現できないものを表現できるところだと思うんです。今回の作品で言えば、やっぱり大人と戦うシーン。コミカルなところはコミカルに、芯をつくところはしっかり芯をついていて、こういうワクワクするような表現はアニメならではですよね」そう主人公・鈴原守のCVを務めた北村匠海は声を弾ませる。アニメの声優に挑戦するのは、映画『HELLO WORLD』に続いて2度目。だが、前作はプレスコ(台詞を先に収録すること)で、共演者ともほとんど別々に収録したのに対し、今回は2日にわたってみんなと一緒にアフレコを行った。おかげで、本職の声優陣からも貴重なアドバイスをたくさんもらえたのだそう。「たとえば近くの人と話しているシーンならマイクに近づいた方がいいし、声だけで広さや空気を表現しないといけないときはマイクから離れた方がいいとか。マイクとの距離のとり方だけで、リアリティが変わるんだということもみなさんから教えていただきました。普段歌のレコーディングをするときは、マイクとゼロ距離だから、こういうやり方もあるんだって新鮮で面白かったですね」10代の頃は、早く大人になりたいと思っていた撮影/奥田耕平北村は本作を「10代の頃に漠然と抱えていた大人への反抗心を代弁してくれる作品」だと語る。自身も10代だったときは、大人への疑問と戦う時期を過ごした。「大人って『こうしなさい』とか『こうあるべき』っていう自分たちの考えを言ってくるところがあると思うんですよ。それに対して疑問は抱いていたかもしれないですね。たとえば進路ひとつとっても、『大学へ行ったほうが良い』ってよく言うけれど、大学に行って何を得られるかはその人次第。大学に行くことがゴールじゃないだろうと思っていた部分はありました」当時の自分を「勝手に大人びていた」と北村は振り返る。「僕は8歳でこの世界に入って、大人の方と接することが多かったから、自然とそうなっちゃったところはあると思います。そう考えると、僕は僕で『こうあるべき』という枠にはまっていたんでしょうね。10代のときも、本当はカルチャー的なものが好きなのに、世間の目を気にして言えなかったりとか。そういう他の人から見た印象と本当の自分とのギャップにモヤモヤしていた時期もありました」だからこそ当時から強く願っていた、早く大人になりたいと。「自分の現状が嫌だったので、早く大人になって、周りの大人たちと社会的に対等になりたかった。10代の頃から早く20歳になりたかったし、20歳になったら今度は早く30歳になりたいって思っていました」撮影/奥田耕平現在22歳。未成年の枠から外れ、ひとりの成人として十分認められる年齢になった。今、自分のことを「大人になった」と感じることはあるのだろうか。「18で初めて投票に行ったときは、勝手に大人な気分になりましたね(笑)」そう照れ臭そうに笑ってから、そのミステリアスな眼差しに、すっとまっすぐな光が灯った。「僕が最近出会った素敵な方々は、年齢的にも大人だし、言うことも大人なんですけど、子供の頃の気持ちを忘れていなくて、いくつになっても若いなって感じがするんです。そう考えると、大人かどうかなんて世の中が勝手に決めることなのかもしれないなと。自分で自分のことを大人だと自覚する必要もない。だから、あんまり自分で大人とか子供とか決めつけるのはやめにしました」撮影/奥田耕平作中、「大人になるということは、目上の人間の命令に従うことだ」といった台詞が登場する。「この台詞は特にすごいエゴだなって思いました。でもきっとその人にとってはそれが正義というか、ずっとそうやって生きてきた。だから、それを否定する気もなくて。ルールや理性さえちゃんと守っていれば、あとは大人としてのあり方なんて人それぞれなんじゃないかなって」大人になるとは、どういうことか。その問いに対し、北村匠海は考えを整理するように真摯に言葉を編みながら、自分なりの解をたぐり寄せていく。「映画の中で、同級生の6人が自分の想いを吐き出すシーンがあるんですけど、あの瞬間、僕はみんながひとつ大人になったと感じたんです。人それぞれ思うことがあって、生きる人生があって。それぞれの想いは決して重ならないけど、つながり合うことはできる。相手を受け入れて、自分も受け入れてもらうことが、大人になるっていうことなんじゃないかと思いました」他者を否定するのではなく、受け入れる。考えを押しつけるのではなく、異なる価値観を認め合う。多様性の時代を生きる22歳の北村らしい“大人論”だ。17歳で夢を叶えて、17歳で夢を失った撮影/奥田耕平映画の中で、6人の高校生は“本当の自分”を模索する。SNSが発達し、誰もが自由に自分を編集・加工できる現代にふさわしいテーマだ。では、芸能界という華やかなステージに身を置く北村にとって、“本当の自分”を出せる場所は果たしてどこか。「表に出る仕事である以上、架空の自分をつくり上げてしまっているところは確かにあるかもしれないです。誰にでもいい顔をしてしまうというか“本当の自分”を出せずにいたり、自分でつくり上げた架空の自分から抜け出せていないのかもしれないと思う瞬間もあって。そんな中で何も考えずにいられるのは、やっぱり家族と、十数年一緒にやってきたDISH//の仲間たち。自分の世界が広がれば広がるほど、長年自分のことを見てくれる人たちといる時間は大切だし、その大切さを見失いたくないなって思います」守は、父親の仕事の都合で急遽引っ越しが決まった幼馴染みの千代野綾(声:芳根京子)の17歳の誕生日のためにバースデー・キャンプを計画する。北村にとっても17歳は特別な時間だった。「僕、17歳のときにDISH//で日本武道館に立っているんですよ。ずっと武道館に立つことが夢だったからうれしい反面、こんなにも早く立ってしまっていいのかっていう葛藤もあって。まだ子供だった僕らは、武道館という大きなステージを与えてもらっているのに、どこか不安みたいなものを抱えていました」撮影/奥田耕平撮影/奥田耕平夢の舞台に立てるだけの経験値がないことは、誰よりも自分たちがわかっていた。それでも、取り巻く大きな流れをせき止めることなどできるはずもない。17歳の北村は、夢と現実のはざまで戸惑っていた。「武道館に立ったら立ったで、そのあと、これからどうしていこうと……今振り返ると、グループとしては停滞期に入っていたのかなあと。17歳は、夢を叶えた頂点の想い出から苦い想い出まで全部味わった1年でした」北村匠海は、包み隠さない。自分の感じたこと、考えたことを、誤魔化さずに言葉にしていく。こうして17歳の頃の葛藤を明かせるのも、すべてを乗り越え、受け入れた今があるからだ。「初めて武道館に立ったとき、DISH//は楽器を持っているエアバンドだったんです。でもそこからより自分たちのしたいことをやっていこうと決めて。みんなで楽器を練習して、いろんな音楽フェスに出たりした。今はやっと自分たちのことをバンドだって声を大にして言えるようになった気がします」撮影/奥田耕平今年4月に発売したアルバム『Junkfood Junction』では、あいみょんやUNISON SQUARE GARDENの田淵智也など豪華クリエイター陣が楽曲を提供。さらに、11月に配信された新曲『PM 5:30』では北村自ら作詞を担当するなど、充実した音楽活動を行っている。「でももうDISH//のことを何と言われようが僕らには関係ないというか、DISH//はDISH//なんです」そう胸を張れるのは、歩んできた道のりに確かな手応えを感じているからだ。「今、自分たちは好きな音楽をやれている。そして、そこに対して探究心もある。それがすべてで。僕が今、DISH//を続けているのは、これからの自分たちに懸けているから。まだまだ僕らは年齢も若いし、技術もない。その中で、ちゃんとより良いものを目指して戦っていかなくちゃいけない。そういう自分たちに今、期待しているんです」大人への疑問や反発心が渦巻いていた10代。揺れる胸の内と戦うことで、彼はひとつ大人になった。20代の北村匠海もまたいくつもの戸惑いや葛藤と戦っていくことになるだろう。そうやって人は豊かになる。年齢が、人を大人にさせるんじゃない。戦うことで、人は大人になっていく。撮影/奥田耕平撮影/奥田耕平(撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明)
2019年12月13日北村匠海、芳根京子、鈴木達央、櫻井孝宏らが参加するアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』がもうすぐ公開を迎える。この度、公開に先駆けて本作と実写映画『ぼくらの七日間戦争』(’88)の名場面が合わさった特別映像が到着した。宗田理の「ぼくらの七日間戦争」は、1985年から絶え間なくシリーズ出版が続き、累計発行部数は2,000万部を突破する大人気シリーズ。1988年には、宮沢りえが女優デビュー&初主演を飾り実写映画化。今回のアニメ映画では、廃工場に立てこもり大人たちをやっつけた少年少女たちの“七日間戦争”から30年ほどの時が流れた2020年の北海道が舞台。原作のスピリットを受け継いだ新たなストーリーがアニメーション映像によって展開。宮沢さんも“2020年の中山ひとみ”役として実写映画と同じキャラクターを演じることも明らかとなっている。そんな実写映画とコラボした本映像では、「TM NETWORK」の「SEVEN DAYS WAR」に乗せて、子どもたちが戦車に乗り込み大人たちを撃退する実写の名場面から、アニメの映像へ。Sano ibukiの「決戦前夜」が流れ出し、子どもたちと大人たちの激しい攻防を繰り広げる姿などが実写とアニメ、交互に映し出される。そして終盤では、宮沢さん演じる中山ひとみが、現代の子どもたちに「大事なのは結果じゃなくてチャレンジすることよ」とエールを送るシーンも挿入され、実写とアニメ、両方の中山ひとみの姿が連続して登場している。『ぼくらの7日間戦争』は12月13日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ぼくらの7日間戦争(2019) 2019年12月13日より全国にて公開©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会
2019年12月10日宮沢氷魚と藤原季節が、『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』『mellow』の今泉力哉監督とタッグを組む映画『his』。本作で映画初主演をつとめる宮沢さんが、岐阜県白川町での撮影中、初恋の彼役の藤原さんと10日間にわたるロッジでの同棲生活のエピソードを披露した。同性の2人が子どもを持ち、家族として世間とどう向き合い、生きていくのか。彼らを待ち受ける社会との関わり方や偏見、差別、そして優しい眼差しも描かれていく本作。撮影中、宿泊施設の少ないエリアで、“相部屋にするにはこの二人の組み合わせだ!”と思った製作サイドの采配で始まったという同棲生活。後に柴原プロデューサーは「役をつかむうえで、二人だけの濃密な時間を過ごしたことは結果的に演技に役に立ったのでは」と語っている。とはいえ撮影当初、宮沢さんは相当戸惑ったそう。「最初は嫌だなと思いました(笑)。撮影後くらいは自分ひとりの時間が欲しいですし、割とひとりになりたいタイプなので」。しかし、毎晩お酒を藤原さんと2人で飲み交わし、翌日のシーンの相談、自分の演技プランの提案などをしていくうちに、徐々に、迅と渚の関係のように打ち解けていったと語る。藤原さんが「宿に帰ったら氷魚くんがいることが支えだったので、今となっては、氷魚くんの“季節くんお風呂沸かしたよー”みたいなのがないから寂しくなっちゃって…」と語るなど、2人の絆を感じさせるエピソードも。また、藤原さんが得意な卵料理をつくったり、宮沢さんがきのこやたけのこがたっぷり入った鍋をつくったりと仲睦まじく生活していたことも明かす。寸銅の鍋にいっぱいに作りすぎてしまった2人は、スタッフの部屋を回り、おすそわけをしていたという。ただ、唯一宮沢さんが解せなかったことが藤原さんの“軽装備”だったようで、「白川町で10日間ほどのロケだったのに、季節くんはほとんど荷物を持ってきていなかったんです。季節くんからバスタオルを貸してほしいと言われて、さすがにそれは断りました! かわりに自分の持ってきたハンドタオルを貸しました。バスタオルは共用できないです…」と、微笑ましくも譲れないポイントもあったよう。こうして2人の心を許しあった時間が、本編では見事に演技に反映されていることだろう。『his』は2020年1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:his 2020年1月24日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2020映画「his」製作委員会
2019年12月05日新生PARCO劇場のオープニング作品第1弾となる『ピサロ』。このスペインのインカ帝国征服の物語で、宮沢氷魚がインカの王アタワルパとして、スペイン将軍ピサロを演じる主演・渡辺謙と対峙することとなった。アタワルパは、渡辺が1985年の初演で演じて名を上げた役でもある。大きな役割を任せられた注目株の俳優に迫る。【チケット情報はこちら】今年秋、俳優デビューから2年が経ったばかり。しかし、この短い間に3本の舞台に立ち、ドラマでも主要な役に抜擢されている。そのうち、三島由紀夫の4部作を舞台化した『豊饒の海』では東出昌大と共演。ドラマ『偽装不倫』では杏の相手役を担った。「だから、今回初めて渡辺謙さんとお会いしたときには、遠い親戚の方と会ったような不思議な気分でした(笑)」と微笑む。その渡辺がかつて演じたアタワルパに挑むことについても、「謙さんがピサロを演じられると発表されてから、じゃあアタワルパは誰がやるんだろうとみんなが思っていたと思うので、そこに挑戦できるうれしさをすごく感じています」と素直に喜びを見せる。インカで神とも崇められていたアタワルパを演じるにあたっては、「まず王の貫禄が出るようにちょっと身体を大きくして」臨むつもりだ。「ただ、内から出てくるものが大きいから絶対的存在に見えるのだと思うので、自信とか包容力とか、気持ちも作っていかないとアタワルパにはなれないだろうなと思っています」。作っていくうえでは、英国演出家ウィル・タケットとの作業も楽しみのひとつ。「先日ウィルのワークショップがあったんですけど、まずは役者にやらせてくれて、そこからアイデアを広げていくというスタイルだったんです。『豊饒の海』のマックス(・ウェブスター)もそうでしたが、お芝居のなかでいろいろ挑戦できるチャンスをくれるのはやっぱりうれしいことですし。そこで、普段の自分だったらできないようなことを、間違ってもいいという覚悟で思い切ってできるのが、舞台の面白いところだなと思います」「今はまだ目の前の作品に一生懸命立ち向かうことしかできない」とは言うが、その一歩一歩が自信になっていることもうかがえる。ことに今回は「早く初日を迎えたいという気持ちが強い」そうだ。「文化の違う人間が出会ってどう歩み寄りどう反発するのかという、今の時代にも意味のある人間の物語が描かれているすばらしい脚本なので、これが早く世に出てほしいと思うんです」。「最初から最後までどのシーンも好き!」と熱弁する宮沢氷魚の何とも楽しげな表情。期待が募る。チケットは明日11月23日(土)10:00よりチケットぴあにて一般発売開始。取材・文:大内弓子
2019年11月22日アニメ映画『ぼくらの7日間戦争』(12月13日公開)の完成報告会見が20日に都内で行われ、北村匠海、芳根京子、鈴木達央、村野佑太監督が登場した。同作は宗田理によるヒット小説で、女優・宮沢りえのデビュー作として実写映画化もされた同名小説のアニメ化作品。宮沢が演じた中山ひとみが廃工場に立てこもり大人たちをやっつけた少年少女たちの“七日間戦争”から、30年ほどの時が流れた2020年の北海道が舞台となり、原作のスピリットを受け継いだ新たなストーリーがアニメーション映像によって展開される。W主演を務めた北村と芳根だが、北村は「監督に会った時に『もう、守の声を聞いているようだ』と言っていただいたのはずっと僕の中で支えでした」と感謝する。さらに「芳根さんは声が素敵で、芯がある感じがすごい。人柄もすごくそれこそ柔らかいですし、常に現場では支えあってた気がします。僕ら、プロの声優さんに囲まれながらやってたので。お互いに立ち向かうしかない感じで」と振り返ると、芳根も「折れそうな心を互いに支え合うみたいな……」と苦笑し、鈴木は「以外と自由にやってたじゃん!」とつっこむ。北村はそんな鈴木に対して「ノウハウ全て、何から何までずっと教えてくれたのは鈴木さんでした。本当に助かりましたし、『声優さんってすっげーな』って、本当に思いました」と感謝し、鈴木は「ようし、なんか株が上がりそうだぞ」とニヤリ。芳根は「場違いな空気があるんだろうなと思いながらも、それを優しく見守ってくださる鈴木さんたちに救われましたし、悩みをすぐ感じ取ってくださって、後ろからフォローしてくださった」と明かし、「2日間で録った、私の中では『2日間戦争』だと思ってやってた」と喩えた。オーディションで役を勝ち取ったという鈴木だが、「なかなかないんですよ。劇場版で、メインメンバーが集まってアフレコをするのが珍しい光景で。音響チームからも、彼らのいつものようなお芝居を引き出せるようなパイプ役になってほしいと言われていました。でも普段から1番大事なことではあるので、ブースの中でしかわからない空気感をすごく大事にしながら演じました」と語る。朝から晩まで一緒に過ごしていたというキャスト陣に、鈴木は「誰かが悩んでいたら、みんなで『こんな考え方もあるかもね』って、お互い、みんなで支え合いながらいろんな話をしながら」と雰囲気を説明し、「芳根さんからずっとおいしいお店の話を聞いてました。いまだにブックマークでとっておいてある」と告白。芳根は「ラーメンばっかりですけど」と照れていた。またアニメが好きな北村は、鈴木との共演に「感動してました、ずっと。『あの声なんですよね!』みたいな」としみじみ。鈴木が「休憩中に食堂にいたら、ちょうど別作品で、すっごい北村くんの好きな作品の主役が通りかかって挨拶してくれて、感激してたよね」と話を振ると、芳根も「1番テンションが上がった姿をそこで見れましたもんね」と同意する。北村は「びっくりしました。ずっと感激してました。『2日間感激』してました」とアニメのタイトルにかけて表した。
2019年11月20日『愛がなんだ』の今泉力哉監督が、恋愛のその先のゲイカップルを描く映画『his』。この度、宮沢氷魚が“初恋の彼”藤原季節を抱きしめ、「お前と生きていきたい」と告白する愛と決意溢れる予告編が解禁となった。解禁となった映像では、迅(宮沢さん)が、恋人・渚(藤原さん)から突然、別れを告げられるシーンから始まる。時は流れ、ゲイであることを隠して一人田舎で生活をする迅の元に、ある日、娘を連れた渚が目の前に現れる。戸惑いつつも、忘れられずにいた初恋の彼との再会を機に、渚への想いを募らせていく迅。3人での平穏な日々が過ぎていく中で、一緒に過ごせる幸せを噛みしめていた迅だったが、そんな日々は突如終わりを迎えることに。渚の妻である玲奈(松本若菜)が娘を強引に連れて帰ってしまう。悲しみに暮れる渚を見た迅は「3人で生きていきたい」と告げ、渚の娘の親権を獲得しようと決意する。しかし、裁判に臨む迅と渚は法廷で、「ゲイのカップルに育てられると、この先どんな苦労が待ち受けているか」と相手の弁護士から厳しく尋問され、社会の偏見を目の当たりにする。「好きだけではどうしようもない」現実を突き付けられた2人が選ぶ生き方とは…。恋愛の行く末だけではなく、同性の2人が子どもを持ち、家族として世間とどう向き合い、生きていくのか。“恋愛のその先”までを描いた今泉監督の新境地を垣間見ることができる予告編となっている。『his』は2020年1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:his 2020年1月24日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2020映画「his」製作委員会
2019年11月14日資生堂ジャパン株式会社は、期間限定ストア「NAVISION by Shiseido」を、2019年11月13日(水)より表参道ヒルズ 表参道Rスタジオ・東京ミッドタウン 日比谷アトリウムにて、2019年11月20日(水)より大阪ウエスト広場にて、2019年11月30日(土)より札幌駅西口広場にて、それぞれ開催。表参道ヒルズ 表参道Rスタジオの内覧会の様子を元に、期間限定ストア及び「NAVISION(ナビジョン)」についてをお伝えします。資生堂「NAVISION(ナビジョン)」マイクロニードル技術採用!針状ヒアルロン酸シート状美容液提供:資生堂ジャパン株式会社「NAVISION(ナビジョン)」は、先進のマイクロニードル技術で、針状のヒアルロン酸を並べたシート状の美容液。夜のお手入れの最後に貼って眠ることで、睡眠中にうるおいを角層の深くまで届け、ふっくらとした弾力のある目もとへと導く、最先端のスキンケアアイテムです。本日より日本各所にオープンする期間限定ストアでは、この大判薄型シート状美容液を体験可能。自分の目もとや口もとで、新感覚の使用感を実感できます。また、会場内のスクリーンで、イメージキャラクターを務める宮沢りえさんの新ビジュアルやブランドムービーを初公開。「マイクロニードル技術」とはヒアルロン酸などの成分を針状に固め、肌と密着させることで、その成分が溶け出し、より深いうるおいを届けることができる技術のこと。ただ塗るだけでなく、お肌に届けることを追求して開発されたスキンケアアイテムです。ナビジョン HAフィルパッチはこの技術を用いた業界初の大判化に成功した部分用シート状美容液です。名称:ナビジョン HAフィルパッチ商品価格:6,380円(税込)3回分購入可能場所:資生堂公式オンラインショップ(ワタシプラス)、美容クリニックなどの医療機関、他発売時期:発売中成分情報:ヒアルロン酸Na「NAVISION(ナビジョン)」の無料体験ができる!「NAVISION by Shiseido」コンテンツ「NAVISION(ナビジョン)」の無料体験撮影:GODMake.会場奥に設置されたスペースでは、自由に「ナビジョン HAフィルパッチ」のお試しができます。体験中に入力した感想がリアルタイムで映されるモニターやフォトジェニックな演出も。「NAVISION by Shiseido」限定キット発売&スペシャル特典も撮影:GODMake.本ストアだけのお得なキットを発売する他、ナビジョン HAフィルパッチを1箱購入した方にはフィルパッチ1回分をプレゼントするキャンペーンも実施。その他、LINEとワタシプラスを同時会員登録するとフィルパッチ1回分、SNS投稿で、ナビジョン化粧水・乳液のサンプル3日分(表参道Rスタジオ、ミッドタウン日比谷)をプレゼントなど、スペシャルな特典を多数ご用意。期間限定ストア「NAVISION by Shiseido」開催概要提供:資生堂ジャパン株式会社【イベント名】期間限定ストア「NAVISION by Shiseido」【主 催】資生堂ジャパン株式会社【実施日時】表参道ヒルズ 表参道Rスタジオ営業日時:2019年11月13日(水)~11月24日(日) 11:00~20:00※初日のみ13:00オープン東京ミッドタウン 日比谷アトリウム営業日時:2019年11月13日(水)~11月19日(火) 全日程11:00~20:00大阪ウエスト広場営業日時:2019年11月20日(水)~12月1日(日) 11:00~20:00(最終日のみ17時まで)札幌駅西口広場営業日時:2019年11月30日(土)~12月8日(日)※11:00~20:00(最終日のみ17時まで)「NAVISION」公式サイト
2019年11月13日ドラマ『偽装不倫』で見せた大胆な愛情表現、切ない表情、甘い笑顔。世の中の女性たちの心をわしづかみにした宮沢氷魚さん、25歳。彼が、その深く澄んだ瞳で見つめる色気のかたちとは。クールな佇まいや憂いを帯びた眼差しから醸し出される宮沢氷魚さんの色気。「自分の中にあるとはまったく思ってこなかった」と言いつつも、年上女性との恋愛を描いたドラマ『偽装不倫』出演を経て「色気というものがぼんやりと見えてきた気もします」と話す。「モテるキャラクターである伴野丈に説得力を出すには色っぽさが大切だと思い、大人っぽい色気を持っている、モデル仲間の成田(凌)くんや柳(俊太郎)くんと、撮影前、ごはんを食べに行ったんです。直接的な質問をしたわけではないので、二人は色気を研究したかった僕の意図には気づいていないはずですが(笑)。会話しながら思ったのは、二人は自分の行動や考えに確固たる自信と責任を持っているということ。そこから生まれる余裕が、色気に繋がっているのだとヒントをもらえました。あのドラマでは、人気原作のイケメンキャラクターを演じる責任をいい意味でのプレッシャーに変えることができ、それを色気に繋げられたかなと感じます」実際、ドラマの放送中、たびたび「伴野丈の色気がすごい」という嬉しい感想を耳にしたそう。「もちろん、キャラクターを褒めてくれた言葉なんだってわかってます。でも、僕自身にまったく色気がなかったら画面には映らないと思うし、伴野丈への褒め言葉のうち、3割くらいは僕に向けられているはず…と捉えています(笑)。それに、ドラマの撮影が終わって久しぶりに雑誌の撮影をしたら、デビュー時から撮ってもらっている男性カメラマンに『惚れちゃいそう』って言われたんです。男性からもカッコいいと思ってもらえる空気が僕から出てきているんだとしたら、すごく嬉しいですね」落ち着いた声、長い指先。宮沢さんには色気に繋がる要素が溢れている。自覚があるものは?と尋ねると、答えは「清潔感かな」。「小さなことですが、爪を切るとか、身だしなみは意識してます。部屋もきれいにしていたくて、2日に一回は掃除機をかけます。ゴミが溜まる透明な部分に埃や髪の毛が吸い込まれていくのを見るのが好き。そして、そこをいっぱいにして捨てるのが気持ちいい!」逆に、自分にはまだ足りないと思う、色気の必要条件は「経験」。「たくさんの経験を積み、自分の弱さやカッコ悪い部分もすべてさらけ出せる人に、不思議と吸い込まれそうになるんです。自分を知るって一番難しいこと。知れたとしても、自分のすべてを表現することに、僕はまだ怖さがあります。もっと経験を積まないと」俳優として、経験を積み上げている真っ最中。そのスタートとなったドラマ『コウノドリ』で主演を務めた綾野剛さんは、宮沢さん曰く、「色気の塊」。「“綾野剛”という生き方に対する自信と潔さを行動から感じます。買い物ひとつとっても、男気がすごいんですよ。ドラマ初出演のお祝いに、表参道に連れていってくれて『好きなサングラスを選んでいいよ』と。僕が、一緒に買い物できるだけで十分ですと言っても、『選ぶまで帰らないよ』とさらっと仰る。その潔さに惚れました」幼稚園から高校までインターナショナルスクールに通い、大学2年間はアメリカへ。アメリカと日本で、色気に違いはある?「あちらの男性は、肉体によって色気を表す人が多いように感じました。シックスパックの筋肉質な体がひとつのステイタスになっていて、ファッションにしても、タイトな白Tシャツにピチピチのデニムで、ボディを強調するスタイル。僕は見ての通り細いので、『中学生か』とか『男じゃない』とか、めっちゃイジられましたよ。まったく気にしませんでしたけどね。筋トレが大嫌いで、ジムに行くというオプションすら僕の中にはなかったので(笑)。女性にしても、アメリカではスタイルがいいことが、色気があってセクシーと捉えられていたような気がする。僕自身は、女性の透明感やピュアさに色気や美しさを感じます」女性に対して惹かれるそうした気持ちを、初主演映画『his』でゲイ役を演じたときには、恋人役の男性俳優・藤原季節さんにも向けることができたそう。「僕自身の恋愛対象は女性だけれど、ちゃんと季節くんを恋愛対象として見られなければ演じられない役で、すごく悩みました。でも結局、LGBTQについて知ろうと熱心に研究し、真っすぐ向き合う季節くんの姿が人として美しくて、好きだなって思えたんです」育ってきた環境の中で、さまざまな国籍、人種、バックグラウンドを持つ人たちと出会ってきた。「そのおかげで、人それぞれ違うことを自然と受け入れられるようになりました。もちろん、人間なので先入観で判断しそうになることもあります。でも、僕と違うからと突き放さず、その人を理解する努力はしているつもりです」宮沢さんの透明感のある色気は、こうした柔軟な心の在りようから生まれているのかもしれない。みやざわ・ひお1994年4月24日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ出身。2015年、『MEN’S NON-NO』専属モデルとしてデビュー。’17年、連続ドラマ『コウノドリ』で俳優デビュー。初主演映画『his』は’20年1月24日公開ジャケット¥319,000パンツ¥144,000レザーベルト¥60,000シューズ¥101,000*すべて予定価格(以上プラダ/プラダ クライアントサービス TEL:0120・45・1913)※『anan』2019年10月23日号より。写真・畑中孝弘(UM)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・スガ タクマ取材、文・小泉咲子撮影協力・AWABEES(by anan編集部)
2019年10月19日