かし家の3人の子どもたちを紹介しますはじめまして!かしりりあと申します。 ASD(自閉スペクトラム症)の長男りー、発達ゆっくり次男かー、同じく発達ゆっくり三男おーと夫、5人家族で仲良く過ごしています。 ブログ、SNSで子どもたちとの暮らしの中で気づいたことを発信しています。そんな私たちの家族を紹介していきます。中度知的障害(知的発達症)を伴うASDの長男りーUpload By かし りりあ中度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の長男りー(6歳)です。 2024年4月から特別支援学校に入学し、放課後等デイサービスに通っています。長男りーは、1歳を過ぎても指差しや模倣、言葉が出ず、1歳半健診で様子見になりました。 その時は、インターネットで検索して出てきた自分が安心できる言葉だけを信じて、「この子には何もないんだ。もう少しで身振りをしたり、言葉を話したりするんだ」、そう思っていました。その後絵本を読み聞かせしたり、よく話しかけたりと自分なりにいろいろとはたらきかけてきましたが、これといった良い変化を感じることができませんでした。知り合いの児童発達支援管理責任者の方へ相談したところ「ぜひ来てください」と言っていただき、幼稚園入園と同時に、児童発達支援事業所へ通い始めました。あわせて、言語療法や作業療法などにも2年間通ってきましたが、事業所の先生から療育園へ通うことを勧められ、幼稚園を退園し、療育園へ通うようになりました。Upload By かし りりありーは小さい頃から、気持ちが高まるとその場で飛び跳ねます。特に、電車や車などの走るものや、流れるように動くもの(マニアックなものだと、テレビ番組のスタッフロール)が大好きで、テレビや動画でこのような場面を見ると必ず飛び跳ねています。飛び跳ねる癖は、6歳になった今も続いているので、トランポリンでジャンプするように教えています。また、感覚過敏なところがあり、マスクや帽子などが苦手です。マスクをつけていてもすぐに外してしまうので、コロナ禍の真っ只中では、周囲の目が怖かった記憶があります。最近は、家でズボンやパンツを履くのを嫌がるようになりました。履かせてもすぐに脱いでしまうため、できるだけ脱ぎにくい丈が長い服を着せるようにしています。6歳ではありますが、まだまだ幼いところもあり、気まぐれにだっこやおんぶなどのスキンシップを求めてきます。父(夫)が大好きで、以前は出勤すると泣いて怒ることもありました。発達ゆっくりさんの次男かーUpload By かし りりあ次男かーです。幼稚園年少(3歳)です。児童発達支援事業所に週2回通っています。長男同様言葉が話せないということが気になったため、保健師さんや長男の通う児童発達支援の先生へ相談し、幼稚園に入るタイミングで、長男と同じ児童発達支援に通うことになりました。そんなかーですが、身振り手振りで自分のやりたいことを伝えてくれるので、兄よりも気持ちが分かりやすいです。そして母(私)が大好きです。スキンシップも多めで誰かと触れ合っていると安心するようです。お友達や先生との関わりでいろいろなことを吸収してきて、 幼稚園で習った手遊びやダンスを披露してくれます。見通しが立たなくなると不安を感じるのか、幼稚園や児童発達支援では泣くことがあります。Upload By かし りりあかーは今、声のボリュームについて勉強中です。家では楽しくなると「わー」「きゃー」などの奇声のような大きな声をあげます。「小さい声でお話しようね」と伝えるとその時は気をつけていますが、少し時間を置くとまた「きゃー」と騒ぎ出してしまいます。今のところ、幼稚園や児童発達支援では大声は出していないようで、家の中だけなのですが、これは繰り返し伝えていきたいと思っています。発達に遅れはないと思っていた三男おーUpload By かし りりあ三男おー(1歳)です。兄たちの姿を見て活発に育っていますが、言葉や身振りがまだ出ておらず、1歳半健診で引っ掛かり、様子見ということになりました……。欲しいものへの主張はすさまじく、自分で高いところへのぼって取りに行ったり、泣いて「欲しい」アピールをしてきます。兄たちが大好きで、常に追いかけています。たくさんの人に支えてもらいながら毎日ドタバタな生活をする中で、いろいろなトラブルやハプニングもありました……。そんなわが家の日々を描いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。執筆/かしりりあ(監修:鈴木先生より)言葉の遅れがある知的発達症のお子さんは焦らずゆっくりと階段を上っていけばいいのです。そこにASD(自閉スペクトラム症)の併存があればなおさら大変になります。言語療法以外に感覚統合を行う作業療法も必要になるからです。さらに、感覚過敏やこだわりなどもあるため、育てにくさを感じる場面に多く遭遇することとなります。今回は3人とも言葉の遅れがありますが、小児科医がまず初めに疑うのは難聴の有無です。ABR(聴性脳幹反応)という検査で難聴の有無を客観的に判定できます。難聴が見つかった場合は補聴器などで補正して言葉を増やすことができるので、健診で様子見ではなく、できるだけ早く小児科医と相談する必要があります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月24日LITALICO発達特性検査の分類「話し方」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「話し方」の困りは、LITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。・話し方話す際に言葉がなめらかに出ないことがある……言葉の詰まりや音の繰り返しといった、話し方の困りごとについて測定する分類です。※言葉の詰まりや音の繰り返しといった、話し方は通常、医学的には「吃音」と呼ばれる場合がありますが、LITALICO発達特性検査では「話し方」の名称を用いています。また、この分類には発語や文法の獲得といった言語発達の遅れについては含みません。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」でご紹介しています。次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「話し方」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?発達性吃音(どもり)の研究プロジェクトによる『幼児吃音臨床ガイドライン』では専門家への相談の目安として以下を挙げています。・ 吃音の状態が1年以上続いて)いる。・その1年のうちに症状が悪化している・話し方が苦しそうである・子供が話し方を気にしている・小学校入学までの期間が1年以下である『幼児吃音臨床ガイドライン添付資料 2』(発達性吃音(どもり)の研究プロジェクト)より引用保護者の方に向けての資料もあり、詳しく紹介されていますので、参考にするといいでしょう。参考:『幼児吃音臨床ガイドライン添付資料 4 お子さんがどもっている( きつおん 吃音がある)と感じたら ―家族にできるお子さんへのサポートについてー』また、違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、相談機関での相談を検討しましょう。以下のような場合も、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合など相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの方法です。話し方についての悩みの専門家としては、聞こえやことばを専門とする耳鼻咽喉科医のほか、言語聴覚士がいます。まずは地域の発達支援センターや、「小児言語外来」や「吃音外来」などの専門外来のある医療機関に問い合わせるといいでしょう。言語聴覚士が在籍しているか、あるいは吃音に関して診療しているか確認するといいでしょう。言語聴覚士は、医療機関のほか、地域の発達支援センター、児童発達支援施設や放課後等デイサービスなどに在籍している場合もあります。また、小・中学生の場合は、「ことばの教室」(「言語障害通級指導教室」、「言語障害特別支援学級」)があります。診断がない場合でも利用できることもあるので、相談してみるといいでしょう。Q.特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「話し方」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、話すときに詰まるなどの特性があって、それが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、吃音症と診断される人もいます。吃音症については以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。吃音症を専門的に扱う医療機関は耳鼻咽喉科などが挙げられますが、専門の医療機関が見つからないなど、受診しにくい場合は、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無に関わらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?状況によって特性や困りごとの現れ方が変わったり、強さが変わることはあります。特に「話し方」の困りは、状況によって出ることや出ないことがある、時期によって波があるなど、変化が大きいことがあります。例えば、人前で緊張して話すなどの場面では、話し方の特性がある人にとってはより困難が強くなったり、特性が目立つかもしれません。逆に家族や友達と話す際など、話したいことがたくさんある場合に強く出ることもあります。コミュニケーション能力が発達することで次第に目立たなくなる、あるいは失敗体験によってより緊張が高まり出やすくなるなど、個人差が大きいことも知られています。環境が変わったり、年齢が上がることで、困難の強さや求められる適応的な行動も変化することがあります。本人に合った対応方法を見つけ、トラブルの起きにくい環境に整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。ミスや失敗が起きにくい状況や環境にすること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に特性による困りごとを減らすことにつながります。Q.話し方の特性について、特に気をつけることはありますか?話し方の特性があるお子さまについて、接し方のポイントになることが以下の3つです。伝えたいことが本人なりに伝えられるよう環境や仕組みを工夫することがポイントです。失敗やミスと捉えるとその経験から自己肯定感が下がることもあります。サポートの方向性から環境調整など、うまくいく工夫を探して試してみましょう。本人が頑張ってもコントロールできないということを周囲が理解することが重要です。言いなおしをさせたり、先取りすると、コミュニケーション自体への苦手さに繋がるので避けましょう。話し方の多様性を本人や周囲が理解することが重要です。保護者としては話し方が気になり注意したくなるところですが、特性について隠したり否定したり、言い直しをさせたりするなど、本人が「自分の話し方は良くない」と感じることのないようにすることが重要です。「うまく話す」ことだけにこだわらず、気にしすぎないようにして見守ることを心がけるといいでしょう。配慮は本人に確認してから行うようにします。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?お子さまの特性は同じでも、環境によって現れる様子や困りごとが変わります。特に話し方の特性がある場合、場面や状況によって困りが強く出ることもあれば、出ないこともあります。場合によっては、コミュニケーションを避け、人前で話さないようにしているなど別の問題に発展していることもあります。家庭と園・学校では違うなど、状況などの変化で特性の出方や困りごとが変わることはよくあることです。環境面の要素が影響することを認識し、お子さまが困っているかどうかにフォーカスして情報を共有したり、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。例えば、話し方の特性や困りごとが出ないようにコミュニケーションを避けているなど、さまざまな特性や背景要因が影響して、ほかの困りごとの様子が見られることもあります。また、保護者の視点で回答していただく検査のため、保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。家庭と学校で様子が違うため、回答に反映できなかった場合など、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。そのような場合には、困りごとがどこから生じているかを考えたり、その要因や困りごとに合わせた対応方法が必要になってくるかもしれません。複合的な要因を判断することや、対応方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には専門家に相談するといいでしょう。Q.困っていることが変わってきました。どうしたらいいでしょう?以前検査したときから困りごとの様子が変わったり、新しい困りごとが出てきたり、対応方法がうまくいかなくなることがあります。同じ特性があっても、状況や環境が変わったり、お子さまの発達や成長によって変化することによるものかもしれません。逆に、本人に合った対応方法をすることで、困りごと自体がなくなっていくこともあります。・入園や入学などの環境の変化・ストレスや体調の影響・発達や成長による変化・要求されるスキルの変化などその際には、変化した状況に応じて、対応方法も調整できることがないか試したり、新たに現れた困りごとに合わせたサポートをしたりすることも検討しましょう。検査結果では、困りごとや年齢に応じた検査結果が表示されるため、困りごとや状況を洗い出すために、検査を受け直すことも一案です。まとめ「話し方」の困りごとは、年齢や状況、周りの環境や対応の仕方によっても変化が大きいため、お子さまの特性を本人や保護者、周囲の人が理解することがとても重要です。特に、お子さまのコミュニケーションをとりたいという気持ちを大切に育てましょう。そのために、LITALICO発達特性検査を、周囲との連携のツールとし、お子さまの特性理解とサポートのための第一歩として、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「学習」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「学習」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。さらに特性の現れ方のタイプによって「読み」「書き」「算数」に分かれています。それらの特性は重複して現れる場合もあります。・読み文字を読むことに困りごとのあるタイプに関する分類です。文字を読む速度がゆっくりだったり、読み飛ばしや読み間違いが多いなどの特徴がみられる場合があります。読むときにたどたどしさがみられ、読んでいる文章の内容やあらすじを理解して読み取るのが難しいこともあります。本人は努力していても、授業についていくことが難しくなったり、人前での音読や発表などを嫌がったりする場合もあります。・書き文字を書くことに困りごとのあるタイプに関する分類です。文字を書くことが苦手であり、書き写しが極端に遅い、鏡文字になる、文字のバランスが悪い、書き順通りに書き進められない、筆圧のコントロールが難しいなどの特徴がみられます。日記や作文については、頭のなかで考えたことを書いて表現するのが難しくなることも多いです。本人は努力していても、学習全般に遅れが生じたり、苦手意識が芽生えたりする場合もあります。※基本的に読みと書きは就学後に必要になる分類ですが、未就学の場合でもお子さまによっては必要な場面があることを想定し、検査に含めています。・算数算数・数学の学習で計算や推論などが苦手なタイプに関する分類です。例えば、算数や数学の学習での九九の暗記、繰り上がりや繰り下がりの計算などのほか、文章題だけが苦手など、部分的に苦手なことが出ることもあります。算数は前に学んだことを一つひとつ積み重ねながら学習が進んでいくので、つまずいた単元があるとそこから先が分からなくなることが多いです。学年が進むにつれ、授業についていけなくなる場合もあります。学習意欲や自信をなくしたり、買い物など数を扱う日常の場面で困ったりすることもあります。※LITALICO発達特性検査では、小学校の学習範囲を用いて算数・数学に関する特性を測定しています。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」でご紹介しています。次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「学習」が表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばよいでしょうか?違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、専門家への相談を検討しましょう。特に以下のような場合、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合・困りごとが強く、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらさを抱えている場合・園や学校とうまく連携が取れない場合など相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうことによって、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの選択肢です。その際には検査結果を資料として提出することで特性を把握する参考になるかもしれません。Q.学習の困りごとや特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「学習」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、学習の困りがあり、特性や困りごとが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、発達障害の一つである学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)/発達性学習症などの診断をされる人もいます。学習障害については以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の発達障害についての専門の医療機関は発達障害専門医の在籍する児童精神科などが挙げられますが、受診までに時間を要することが多いので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのもひとつの選択肢です。また、診断の有無に関わらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.学習に関する困りごとや特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?特性は有無というよりも、「スペクトラム」(連続体であり境目がないという概念)で捉えられているため、「なくなる」ことは難しいかもしれません。ですが、状況によって困りごとの現れ方や強さが変わることはあります。例えば、手書きで文字を書くことが苦手な特性がある人にとっては、手書きでプリントや作文の提出を求められる場面では、より困難が強くなります。しかしながら、環境が変わったり、学年進行のなかで学習の単元が進むことなどで、困難の強さや求められる適応的な行動も変化することがあります。本人に合った対応方法を見つけ、トラブルの起きにくい環境に整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。例えば、手書きが苦手な場合、パソコン入力をしてプリントすることで代替できれば、困りごとは発生しません。つまり、特性をなくすことは難しいですが、対応方法によって困りごとがなくなることはあるでしょう。ミスや失敗が起きにくい本人に合った状況や環境にすること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に特性による困りごとを減らすことにつながります。Q.学習の困りごとがある場合、特に気をつけることはありますか?学習に困りごとのあるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の3つです。困りごとが起きにくいよう、環境や仕組みを工夫することがポイントです。失敗やミスが多くなりがちになると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。検査結果レポートで紹介する「サポートの方向性」から学習場面の環境調整など、うまくいく工夫を探して試してみましょう。本人が頑張ってもコントロールできないということを周囲が理解することが重要です。怠けている、努力不足などと捉えないように注意しましょう。ミスがあっても感情的に怒るよりは、まずはうまくいく方法を考え、うまくいったときに肯定的に捉えていくことが解決に近づく方法です。うまくいった方法を繰り返し実践していくことが大切です。うまくいかないときには、別の方法で代替できないか検討することもポイントです。・読むのが苦手な場合、タブレットの読み上げ機能を使う・手書きが苦手な場合、パソコン入力で作文を書く・筆算が苦手な場合、計算機を使用してもいいことにするなど、お子さまに合った方法を探してみましょう。学習場面でも、合理的配慮として代替手段が認められる場合もあるので、学校と相談してみましょう。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?お子さまの特性は同じでも、環境や状況によって現れる様子や困りごとが変わります。特に、学習の困りについては、集団での学習場面に強い苦手意識がある、ある特定の課題だけ極端に難しいなど、その現れ方もさまざまで、学年進行によって変化することもあります。また、学校での様子などは、家庭からは完全には把握できないこともあるかもしれません。その結果、家庭では問題なくできていることが、園や学校ではできない、などの様子が見られることもあります。逆に、保護者としては気になることが、ほかの人からみると気にならない、あるいは長所として捉えられることもあります。状況などの変化で様子が変わることはよくあることです。よって、環境面の要素が学習には大きく影響することを認識することが大切です。お子さまが困っているかどうかにフォーカスして園や学校の関係者と情報を共有したり、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?学習の困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性や対応方法に違和感があるなどと感じることがあるかもしれません。例えば、以下のようなほかの特性や要因が学習面の困りごとに関係している場合があります。・集中力を持続しにくい特性がある・視覚や聴覚などが過敏であるなど、感覚の捉え方に特性がある・筋力が弱く、いい姿勢を維持できない・学習内容が難しすぎる、簡単すぎるなどで本人に合わず、つまらなく感じているなど、さまざまな特性や背景要因が影響して、学習の困りとなって現れていることもあります。その場合、ほかの特性への支援と合わせて考えていくことが大切です。そのような場合には、困りごとがどこから生じているかを考えてみるといいでしょう。LITALICO発達特性検査の結果だけでは複合的な要因を判断することや、対応方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には専門家に相談するといいでしょう。Q.困っていることが変わってきました。どうしたらいいでしょう?以前検査したときから困りごとの様子が変わったり、新しい困りごとが出てくることによって、対応方法がうまくいかなくなることがあります。同じ特性があっても、状況や環境が変わることや、お子さまの発達や成長によっても、困りごとは日々変化します。よって、本人対応をすることで、困りごと自体がなくなっていくこともあります。・入園や入学などの環境の変化・クラス替えや学級担任の交代・ストレスや体調の影響・発達や成長による変化・要求されるスキルの変化などその際には、変化した状況に応じて、対応方法も調整できることがないか試すなど、新たに現れた困りごとに合わせたサポートをすることも検討しましょう。検査結果では、困りごとや年齢に応じた検査結果が表示されるため、困りごとや状況を整理しなおすために、LITALICO発達特性検査を受けなおすことも一案です。まとめ学習に関する困りごとがお子さまにとって取り組みやすく失敗しにくい方法や環境があり、それを繰り返すことで習慣化できれば、困りごとの軽減につながります。そのために、特性や本人に合った方法を本人や家族、園や学校などの周りの人と共有することが必要になってきます。そのために、検査結果は詳細な内容でたくさんの「サポートの方向性」が示されます。さまざまな方法が提示されることで、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか「ちょっと考えてみる」、「サポートの方向性」で「できそうなものから一つだけやってみる」でもいいのです。お子さまの特性を整理して、困りそうな状況を減らしていくことができれば、保護者や周りの人にとっても、子育てがちょっとスムーズになったり、つらい状況が減っていくことにつながります。もし、サポートが難しいと感じたら、専門機関に相談することも検討しましょう。その際にも、検査結果が参考資料として役立つかもしれません。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのためのツールとして、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「感覚」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「感覚」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。さらに特性の現れ方のタイプによって「感覚過敏」と「感覚の鈍さ」「感覚への興味」の小分類に分かれています。これらの特性は混じり合って現れる場合もあります。・感覚過敏感覚刺激に対して過敏に反応する特性について測定する分類です。例えば聴覚が敏感である場合、サイレンの音や赤ちゃんの泣き声などの特定の音に強い不快さを感じることがあります。味覚が敏感な場合は、特定の味やにおいが苦手で、偏食があるかもしれません。触覚が敏感であれば、衣服の縫い目がチクチクして気になり、特定の素材の服を好むといったことが考えられます。過反応と呼ばれることもあります。・感覚への興味感覚刺激を強く求める特性について測定する分類です。同じ動きを繰り返す、勢いよく布団やマットにぶつかることを好むなど、特定の刺激を求める行動が見られる場合があります。よく見られる例としては、ザラザラした物やフワフワした物といった特定の感触の物を触り続ける、くるくる回り続ける、力いっぱい動く、ぶつかるなどの行動を好むなどがあげられます。一般的に感覚探究と呼ばれることもあります。刺激を求めること自体は問題ありませんが、知らない人の髪を触ったり、走り回って人や物にぶつかりけがをしたり、刺激がない状態だと落ち着きがなくなったりするなど、困りごとにつながる場合もあります。・感覚の鈍さ感覚刺激に対して気づきにくい特性について測定する分類です。痛覚や触覚、温度など身の回りの感覚刺激に気づきにくい特性があり、けがをしても痛がらない、気づかないことがあるかもしれません。暑さや寒さに鈍感で、気温に合わせた服装選びが苦手な場合もあれば、ぐるぐる回るあそびをしても目が回りにくい場合もあります。一般的に感覚鈍麻や低反応と呼ばれることもあります。本人が自覚していないことも多く、不快感や痛みの感覚を感じにくい場合、体調不良や危険に気づきにくいこともあります。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」で解説しています。次に、発達特性検査の検査結果で分類「感覚」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方やサポート方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、専門家への相談を検討しましょう。特に以下のような場合、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れてしまったり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。また、感覚についての困りごとは、使用する道具や過ごす環境を調整することが必要になります。その場合は具体的な工夫について作業療法士などの専門家に相談し、サポートを受けるのもいいでしょう。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの選択肢です。その際には検査結果を提出することで特性を把握する資料として参考になるかもしれません。Q.感覚に関する特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「感覚」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。また、現在のところ、感覚の過敏や鈍さ自体に対して医学的な診断名はありません。例えばASD(自閉スペクトラム症)の診断基準には感覚に関連した項目が含まれていますが、感覚の困りがあるからといって必ずしもASD(自閉スペクトラム症)であると診断されるわけではありません。ただし、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、相談機関に問い合わせてみるといいでしょう。また、困りごとにほかの要因や疾患が関係しているかどうかを調べるためには、医療機関に相談するといいでしょう。例えば聴覚過敏はてんかんやメニエール病、頭部外傷など、複数の要因が原因となっている可能性があるため、専門家による判断を仰ぐことが重要になります。視覚の過敏や鈍麻がある場合は眼科、嗅覚の過敏や鈍麻がある場合は耳鼻咽喉科など、困りごとがある感覚の専門科や、発達障害専門医の在籍する児童精神科などに相談するといいでしょう。児童精神科などの場合、受診までに時間を要することが多いので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも選択肢の一つです。現在のところ、感覚の過敏や鈍さ自体に対して医学的な診断名がないため、感覚に関する困りごとだけでほかの症状がない場合、医療機関を受診しても診断されない場合も多いかもしれません。ですが、診断がない場合、サポートは不要である、ということではありません。むしろ、困りごとが生じたり、特性に合わせたサポートが必要になることは多いといえます。感覚過敏や感覚の鈍さ(鈍麻)のように、医学的な診断名がない困りごとの場合には、公的な支援や医療的なサポートにつながりにくい場合もあるかもしれません。そのような場合に、本人や周りの人が感じている困りごとについて、発達特性検査で得られた結果をもとに、サポートを試すことでうまくいく方法が得られる可能性があります。また、児童発達支援や放課後等デイサービスなど公的な支援の中には、診断がなくても支援の必要が認められれば利用できるケースもあります。診断の有無にかかわらず、本人や周りの困っていることにフォーカスし、本人の特性に合わせた対応方法を探すために、LITALICO発達特性検査の検査結果をぜひ活用してください。Q.感覚に関する困りや特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?感覚刺激に対する反応特性自体は生まれ持ったものであり、大きくは変わりにくいと考えられます。ですが、状況によって困りごとの現れ方が変わったり、強さが変わったりすることはあります。例えば、苦手な感覚の刺激が多い場面や避けられない場面では、感覚の特性がある人にとってはより困難が強くなったり、特性が目立つかもしれません。環境が変わったり、年齢があがることで、困難の強さや求められる適応的な行動も変化することがあります。苦手な感覚を減らす手段や環境を整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。苦手な刺激を避けるなど、困りごとが起きにくい状況や環境にすること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に特性による困りごとを減らすことにつながります。Q.感覚の特性について、特に気をつけることはありますか?感覚に関する特性があるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の2つです。周りから見ると「大げさ」「我慢できる範囲だ」と感じるかもしれません。ですが感覚の感じ方には個人差があり、我慢したり克服したりするのは難しいことを周囲が理解することが重要です。保護者や周りの人の感じ方とは違うということを前提に、刺激に過敏性があって本人がつらいと感じる場合、あるいは本人には感覚を感じにくい場合など、本人の感じ方を優先して対応することが重要です。まずは何が苦手なのか、何が理由で困っているのかなどを、観察したり話し合ったりするところから始めてみましょう。感じ方は本人にコントロールできないことを前提に、本人の苦手さや困る状況を減らせるようにしましょう。苦手な感覚を避けたり、感覚による困りごとが起きる状況を減らすなど、状況に合わせて、解決できる道具や環境の工夫を探してみるといいでしょう。もし、家庭での調整が難しい場合、作業療法士などの専門家に相談してみましょう。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?お子さまの特性は同じでも、環境によって現れる様子や困りごとが変わります。特に、感覚過敏の特性がある場合、外出時や集団生活の場で困りが強く出ることもあります。例えば、スーパーのBGMや店内放送、全校集会などでの大勢の話し声、給食のにおい、教室の明るさなどは、個別に調整するのが難しいかもしれません。このように、家庭では起きない問題が、園や学校、外出先では困りごととなって現れることもあります。あるいは「小さな音によく気づく」「味に敏感」など、保護者としては気になる感覚の鋭さが、特定の環境や場面では長所として捉えられることもあります。同じ感じ方であっても場所や場面で困りにも強みにもなり得るため、環境面の要素が強く影響することを認識することが大切です。お子さまが困っているかどうかにフォーカスして情報を共有したり、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?感覚の困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。また、・睡眠がよく取れていない、疲れているなどで感覚刺激が気になる・学習面で課題の難易度があっていなくて集中できず、感覚刺激が気になる・不安な状況になると、ちょっとした刺激が気になりやすくなるなど、同じ感覚の困りごとがあっても、さまざまな特性や背景要因が影響していることもあります。その場合、感覚への対応だけでは解決しないこともあります。そのような場合には、困りごとがどこから生じているかを考えたり、その要因や困りごとに合わせた対応が必要になってくるかもしれません。本検査の結果だけでは複合的な要因を判断することや、うまくいく方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には専門家に相談するといいでしょう。まとめ感覚の困りごとには個人差があります。保護者の方自身の感じ方とお子さまが感じている感覚に違いがある場合、ご自身の過ごし方の延長線上で対応方法を考えるのは難しいかもしれません。また、検査結果は詳細な内容でたくさんの情報が示されるため、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか、ちょっと考えてみる、検査結果レポートで紹介された方法のなかで、できそうなものを一つだけやってみる、それだけでもよいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りの人にとっても、子育てがちょっとスムーズになり、つらい状況が減っていくことにつながります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのためのツールとして、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「対人・社会性の困り」とはLITALICO発達特性検査は、お子さまについての質問に、保護者の方がスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その一般的な対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「対人・社会性」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。さらに特性の現れ方によって「こだわり」と「対人・社会性」に分かれています。それらの特性は混じり合って現れる場合もあります。・こだわり興味関心の幅が狭く、こだわりが強い……同じことへのこだわりや興味の狭さ、繰り返しの行動・パターンなどの特性を測定する分類です。・対人・社会性ほかの人とコミュニケーションをとることが苦手……コミュニケーションや社会的な情報への興味・理解など、対人関係や社会性に関する特性を測定する分類です。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」でご紹介しています。次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「対人・社会性」の困りがあると表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を工夫する際など、検査結果を参考にして実生活に活かしていくためのヒントとして、検査とあわせてお読みください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、専門家への相談を検討しましょう。特に以下のような場合、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合など相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや発達支援センター、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参することで、保護者の方や本人の困っていることや発達特性の共有ツールとして役立つ場合も多いと思われますので、ご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの方法です。その際には検査結果が参考資料の一つになるかもしれません。Q.特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「対人・社会性」)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。しかしながら、対人・社会性の困りは、それがあるかないかのどちらかに分類されるのではなく、身長が低い人から高い人までいるように、特性は連続しているものです。困難度が高く、加えて日常生活や心身の健康状態に影響するなどの場合には、発達障害の一つであるASD(自閉スペクトラム症)と診断される人もいます。ただし、ASD(自閉スペクトラム症)には国際的な診断基準があり、それを満たしているかどうかは医師のみが診断できます。ASD(自閉スペクトラム症)については以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって本人や周囲の人が日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の発達障害についての専門の医療機関はまだ数が少ないこともあるので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無に関わらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、お子さまの育ちのサポートを開始していくことができます。Q.対人・社会性に関する特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?特性自体は、生まれ持ったものであり、変わりにくいと考えられます。ですが、それによって本人がどれくらい困るのかどうかは、環境の選択や周囲の人々の対応、本人がスキルを学ぶことで変わりますし、本人の目線に立って過ごしやすくなるような工夫をしていくことが必要です。特性をなくすことを目指すのではなく、特性を周囲が理解して、本人の生活の質を高めることを目指していきましょう。例えば、対人・社会性の困りの特性がある人にとっては、いつもと違うことや、暗黙のルールが求められる場面などでは、より困難が強くなったり、特性が目立つかもしれません。環境が変わったり、年齢が上がることで、困難の強さや求められる適応的な行動も変化することがあります。安心できるようにいつもと同じ状況にする、暗黙のルールは本人が分かるような方法で伝えるなど、本人に合った環境や学び方を周囲が用意することで、困りごとや困りそうな状況自体を避けたり軽減することができます。ミスや失敗が起きにくい状況や環境にすること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に特性による困りごとを減らすことにつながります。Q.対人・社会性の特性について、特に気をつけることはありますか?対人・社会性の特性があるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の3つです。不安や失敗自体が起きにくいよう、環境や仕組みを工夫することがポイントです。見通しが持てないことやはじめてのことは、本人にとってとても不安でより困りごとが起きやすくなります。失敗が多くなると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。本人が安心して過ごせるように、環境調整など、うまくいく工夫を探して試してみましょう。言葉を口頭で聞くだけよりも絵や文字で書いて伝えると「分かる」、抽象的な表現を避けて具体的に言い換えると「分かる」、トラブルが起きた場面でその都度バラバラにいろいろなことを伝えるよりも落ち着いた場面でまとまった形で全体を伝えると「分かる」など、本人が「分かる」ための伝え方のコツがあります。サポートの例を参考にしながら、お子さまの「分かる」につながる伝え方を工夫していきましょう。思いや考えを伝えられるよう、絵カードで伝える、メールで伝えるなど、本人がコミュニケーションを取りやすい方法を探したり、どう会話をすればよいかをシミュレーションしたりしましょう。人と関わり、思いを伝え合えたという経験がコミュニケーションのスキルを高めます。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?対人・社会性の困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、保護者の視点で回答していただく検査のため、保護者の主観的な捉え方が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。例えば・不安が強く話せない・感覚の過敏さがあって活動に参加できない・感覚の鈍さがあって大きな音を出すなど、適切な行動を取れない・衝動的に話すことで、けんかになりやすいなど、同じ対人・社会性の困りごとがあっても、さまざまな特性や背景要因が影響して様子が見られることもあります。その場合、対人・社会性の対処法だけでは解決しないこともあります。そのような場合には、困りごとがどこから生じているかを考えたり、その要因や困りごとに合わせた対応が必要になってくるかもしれません。本検査の結果をもとに複合的な要因を判断することや、対処法を見つけることは家庭だけでは難しい場合もあるので、その際には専門家に相談するといいでしょう。Q.医療機関やほかの検査では指摘や診断をされませんでした。その場合でも子どもへのサポートをすべきでしょうか?診断の有無にかかわらず、本人や周りの人が困りを感じているときには、LITALICO発達特性検査で得られた結果をもとに、サポートを試すことをおすすめします。医療機関では、疾患や障害の有無を医学的な診断基準と照らし合わせて判断します。そのため、特性があっても基準を満たさない場合などには診断されない場合もあります。また、医療機関では確定診断までに何度か経過や様子を見るなど、すぐに診断されないケースもあります。発達検査や心理検査はさまざまな種類がありますが、それぞれの検査項目や目的があり、基準も検査ごとに異なります。ほかの検査や医療機関で、診断されなかった場合でも、困りごとがある場合には、特性に合わせたサポートが必要です。また、児童発達支援や放課後等デイサービスなど公的な支援の中には、診断がなくても支援の必要が認められれば利用できるケースもありますが、医療機関で診断されなかった場合には、公的な支援や医療的なサポートにつながりにくい場合もあるかもしれません。その場合、家庭でのサポートが必要になることもあります。LITALICO発達特性検査では、検査結果レポートで特性や困っていること、それに対するサポートをご紹介しています。診断の有無に関わらず、本人や周りの困っていることにフォーカスし、本人の特性に合わせた対応方法を探すことができます。まとめ検査結果は詳細な内容で、たくさんの「サポートの方向性」が示されるため、何から手をつけていいか迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないかちょっと考えてみる、「サポートの方向性」でできそうなものから一つだけやってみるのでもいいでしょう。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになったり、つらい状況が減っていくことにつながります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのための第一歩として、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「運動」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「運動」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。さらに特性の現れ方のタイプによって「全身の運動」「手先の操作」「姿勢保持」「くせ」の分類があります。それらの特性は混じり合って現れる場合もあります。・全身の運動全身を使った運動(粗大運動)に関する困りを測定する分類です。・手先の操作指先を細かく使う運動(微細運動)に関する困りを測定する分類です。・姿勢保持姿勢の崩れやすさや疲れやすさについて測定する分類です。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」でご紹介しています。この記事では、LITALICO発達特性検査の検査結果で「全身の運動」「手先の操作」「姿勢保持」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?具体的な基準はないのですが、家庭で抱え込まず、専門家に相談することが望ましいのは以下のような場合が考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合など相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。相談の際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの手です。その際には検査結果を見せると資料として参考になるかもしれません。Q.特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「運動」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、運動の困りがあり、特性や困りごとが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、発達障害の一つである発達性協調運動症などの診断をされる人もいます。発達性協調運動症については以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の発達障害についての専門の医療機関は発達障害専門医の在籍する児童精神科などが挙げられますが、まだ数が少ないこともあるので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無にかかわらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.運動の特性や困りごとは変わったり、なくなったりすることはありますか?状況によって特性や困りごとの現れ方が変わったり、強さが変わったりすることはあります。例えば、例えば、一人で運動遊びや活動をするうえでは本人のペースで動くことができますが、体育の授業でのダンスやチームスポーツなど、集団で同じ動きをしたり、協調的な動きが求められたりする場面だと、特性が目立ちやすくなる可能性があります。環境が変わったり、年齢が上がって学習の単元が進むことなどで、困難の強さや求められる適応的な行動も変化することがあります。本人に合った対応方法を見つけ、困りごとの起きにくい環境に整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。例えば、筋力が弱く、姿勢を保つのが苦手な場合、マットを使用するなど、補助的な用具を使うことで姿勢を保ちやすくすることができるかもしれません。困りごとや失敗が起きにくい本人に合った状況や環境にすること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に特性による困りごとを減らすことにつながります。Q.運動の困りごとがある場合、特に気をつけることはありますか?運動に困りごとのあるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の4つです。困りごとが起きにくいよう、環境や仕組みを工夫することがポイントです。失敗やミスが多くなると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。環境調整をしたり、本人が使いやすい道具を一緒に探したり、うまくいく工夫を探して試してみましょう。運動の苦手さは、本人は感じていても、周りにとっては大きな問題になりにくく気づかれないことがよくあります。そのため、お子さまの特性を運動面から理解することはとても重要です。運動の苦手さについては、本人にはコントロールできない特性や背景が関係している場合、本人自身もどうしていいか分からないことがあります。その点を周囲が理解することが重要です。怠けている、努力不足などと捉えないように注意しましょう。うまくいかないことがあっても感情的に怒るよりは、まずはうまくいく方法を考え、うまくいったときに肯定的に捉えていくことが解決に近づく方法です。うまくいかないときには、別の方法で代替できないか検討することもポイントです。・指先をうまく動かすのが難しく、手書きが苦手な場合、パソコンのタイピングや音声入力で作文を書く・姿勢を保つのが苦手な場合、休憩をとる・ボールを小さな的に当てるのが難しい場合、的を大きくするなどルールを柔軟に変えるなど、子どもに合った方法を探してみましょう。学校でも、合理的配慮として代替手段が認められる場合もあるので、学校側と相談してみましょう。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?お子さまの特性は同じでも、環境や状況によって現れる様子や困りごとが変わります。特に、運動の困りについては、集団で身体を動かす場面に強い苦手意識がある、ある特定の課題だけ極端に難しいなど、その現れ方もさまざまで、変化することもあります。また、園や学校での様子などは、家庭からは完全には把握できないこともあるかもしれません。その結果、家庭では問題なくできていることが、園や学校ではできない、などの様子が見られることもあります。逆に保護者としては気になることが、ほかの人からみると気にならない、あるいは長所として捉えられることもあります。状況などの変化で様子が変わることはよくあることです。環境面の要素が影響することを認識することが大切です。お子さまが困っているかどうかにフォーカスして園や学校の関係者と情報を共有したり、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?運動の困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。例えば、以下のようなほかの特性や要因が運動の困りごとに関係している場合があります。・注意がそれやすく、指示を聞き漏らして間違った動きになる・衝動性が高いために、勢いで動いて運動のコントロールが難しくなっている・取り組む内容が難しすぎる、簡単すぎるなどで本人に合わず、つまらなく感じているなど、さまざまな特性や背景要因が影響して、運動の困りとなって現れていることもあります。その場合、困りごとがどこから生じているかを考え、ほかの特性への支援と合わせて考えていくことが大切です。LITALICO発達特性検査の結果だけでは複合的な要因を判断することや、対応方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には専門家に相談するといいでしょう。まとめ運動に関する困りごとのあるお子さまにとって、分かりやすく失敗しにくい方法や環境があり、それを繰り返すことで習慣化できれば、困りごとの軽減につながります。そのために、特性や本人に合った方法を本人や家族、園や学校などの周りの人と共有することが必要になってきます。検査結果は詳細な内容でたくさんのサポートの方向性が示されるため、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか、ちょっと考えてみる、サポートの方向性で、できそうなものから一つだけやってみる、それだけでもよいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになったり、つらい状況が減っていくことにつながります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのためのツールとして、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「くせの困り」とはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから、回答することでお子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「くせの困り」はLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されるカテゴリーです。・動きのくせ意識していない行動のくせが出るタイプです。例えば、まばたきをしたり首を振ったりする動作のくせや、咳ばらいをしたり言葉が出たりする音声のくせなどです。※これらは通常、医学的には「チック」と呼ばれる場合がありますが、LITALICO発達特性検査では「くせ」の名称を用いています。くせの出方やくせが長く続くことのために、生活に困難が生じる場合もあります。周囲から見ると目立つため気になるかもしれませんが、無意識に出るもので、自分の意思でくせを止めることは難しいと言われています。大人になるまでに自然におさまることが大半です。具体的な困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」で解説しています。次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「くせの困り」が表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?具体的な基準はないのですが、家庭で抱え込まず、専門家に相談することが望ましいのは以下のような場合が考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合など相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。相談の際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、LITALICO発達特性検査の検査結果を見せると資料として参考になるかもしれません。くせについて、専門の医療機関としては、心療内科や精神科が挙げられますが、お子さまの年齢によっても変わってきますので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。Q.困りごとや特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査では、特定の分類で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することではありません。ただし、動きや言葉のくせの特性があって、それが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、チック症やトゥレット症などと診断される人もいます。チック症については以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。チックについての専門の医療機関はまだ数が少ないこともあるので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無にかかわらず、本検査にはいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?特性自体は生まれ持ったものであり、変わりにくいと考えられます。ですが、状況によって困りごとの現れ方が変わったり、強さが変わることはあります。例えば、くせの特性については、静かにしていなければいけない場面や、みんなで同じ行動をしなければいけない場面などでくせが出ると目立ち、より困難が強くなることがあるかもしれません。環境が変わったり、年齢が上がることで、困難の強さや求められる適応的な行動が変化することもあります。ストレスや心理的な要因が影響する場合、環境や状況によってくせが出やすくなることもあります。本人に合った対応方法を見つけ、トラブルの起きにくい環境に整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。Q.くせの特性で特に気をつけることはありますか?くせの特性があるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の2つです。「わざとしている」「悪ふざけ」などと誤解され、つらい経験をされる方も多くいらっしゃいます。そのため日常生活を円滑に行えるようになるためには、本人はもちろん周囲も特性について正しい理解を身につけ、なによりも周囲の協力を得ることが不可欠です。家族や周囲の人に症状を説明し、理解を求めましょう。また症状が長期化・悪化する場合には抱え込まず、専門家へ相談するとよいでしょう。自然にくせが出なくなったり、あるいは強くなったりすることもあります。保護者としては、やめさせたいと思うこともあるかもしれませんが、くせの特性は本人にはコントロールできません。より強くなったりすることもあるので、無理にやめさせようとするのは避けましょう。特定の場面で出やすくなるようであれば、その状況を避けるなどしつつ、見守るようにしましょう。まとめくせの特性や困りごとのあるお子さまにとって、周囲の理解がとても重要になってきます。周囲にとっての「困った行動」が、実は本人自身もどうしていいか分からない「困った結果の行動」の場合があります。特に動きのくせは、くせが出ているときに自分でコントロールができないことがほとんどです。そのことを本人や周囲が理解することがとても重要です。また、「やめてほしい行動」「意味がない行動」と思っていても、本人にとってはする必要や理由がある場合もあります。特性やその特性がなぜ現れるかを理解すると、解決法を一緒に考え、困っていることを減らしたり、適応的な方法に置き換えていくこともできます。検査結果は詳細な内容でたくさんのサポートの方向性が示されるため、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか、ちょっと考えてみる、サポートの方向性で、できそうなものから一つだけやってみる、それだけでもよいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになったり、つらい状況が減っていくことにつながります。LITALICO発達特性検査をお子さまの特性理解とサポートのヒントとして、また、周囲と連携するためのツールとして、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「情緒の問題」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「情緒の問題」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。・情緒の問題不安や気分の落ち込みを感じやすい特性があるなどによる、心理的、行動的な困りごとです。自己の内部に関連した問題・困りである「内在化問題(恐怖、身体的な訴え、不安、社会的ひきこもりなど)」について測定する分類です。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果レポート「お子さまの特性」で解説しています。次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「情緒の問題」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?具体的な基準はないのですが、家庭で抱え込まず、専門家に相談することが望ましいのは以下のような場合が考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。相談の際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの方法です。その際には検査結果を見せると資料として参考になるかもしれません。Q.「情緒の問題」の特性や困りごとと関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「情緒の問題」に関する困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、「情緒の問題」に関する困りがある人の中で、不安な気持ちが強く日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、症状によって不安症(場面緘黙症・分離不安症・パニック症など)やうつなどの診断をされる人もいます。詳しくは以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。子どもの情緒の問題についての専門の医療機関は児童精神科などが挙げられますが、まだ数が少ないこともあるので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無にかかわらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.「情緒の問題」の困りごとについて、特に気をつけることはありますか?「情緒の問題」の困りがあるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の3つです。不安や心理的なストレスを感じにくいよう環境や仕組みを工夫することがポイントです。不安が高い人の場合、感覚過敏性などの別の特性が影響していることもあります。そのような場合は気になる刺激を取り除いたり、調整したりする必要があります。また、失敗が多くなると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。サポートの方向性から環境調整など、うまくいく工夫を探して試してみましょう。不安な気持ちは本人が頑張ってもコントロールできないということを周囲が理解することが重要です。また、無理に自立させようとしたり、不安を克服させようとすると逆効果になります。無理に慣れさせようとするよりは、まずは不安な状況が起きにくいようにしていくことが解決に近づく方法です。不安を感じやすいことを前提に一緒に対策を考えることも重要です。「不安なときにはどうする」「誰が助けてくれそうか」など、誰かに助けを求めたり、不安なときの方法を一緒に考えていけるといいでしょう。特に思春期以降は、保護者に相談しにくい悩みが出てくることもあるので、本人が定期的に通える相談の場所や信頼できる人の存在が大事になってきます。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?「情緒の問題」に関する困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。例えば同じ「情緒の問題」の困りごとがあっても、以下のようなほかの領域の特性や要因が関係している場合があります。・睡眠がよく取れていない・感覚に過敏性がある・いつもと違う状況に対して苦手な特性がある・周りに自分の意思をスムーズに伝えられないなど、対人・社会性に関する特性があるなどこのように、さまざまな特性や背景要因が影響して、困りごとが現れていることもあります。その場合、困りごとがどこから生じているかを考え、ほかの特性への支援と合わせて考えていくことが大切です。この検査の結果だけでは複合的な要因を判断することや、対応方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には家庭で抱え込まず専門家に相談するといいでしょう。まとめ「情緒の問題」に含まれる困りごとはさまざまです。困りごとの現れ方によって対応方法も変わります。検査結果は詳細な内容でたくさんの情報が示されるため、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないかちょっと考えてみる、「サポートの方向性」で示されたものの中からできそうなものをまず一つだけやってみる、それでもよいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになり、つらい状況が減っていくことにつながります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのためのツールとして、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「行動の問題」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「行動の問題」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。・行動の問題癇癪や攻撃、非行といった、行動に関する困りを測定する分類です。自己の外部環境との葛藤や、それに関連した困りである、「外在化問題(非応諾性、攻撃、非行、癇癪など)」について測定しています。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」をお読みください。この記事では、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「行動の問題」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、専門家への相談を検討しましょう。特に以下のような場合、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れてしまったり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身が辛そうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。相談の際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの方法です。その際には検査結果を見せると資料として参考になるかもしれません。Q.特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「行動の問題」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、「行動の問題」に関する困りがある人の中で、それが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、ほかの領域と合わせて医療的な診断基準を満たす場合には、素行症や行為障害などの診断をされる人もいます。詳しくは以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の行動の問題についての専門の医療機関は児童精神科などが挙げられますが、まだ数が少ないこともあるので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無にかかわらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.「行動の問題」の困りごとについて、特に気をつけることはありますか?「行動の問題」の困りがあるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の4つです。癇癪や攻撃的な言動など、行動の問題が起きにくいよう、環境や仕組みを工夫することがポイントです。失敗やミスが多くなると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。検査結果と合わせて提示される「サポートの方向性」のなかから、環境調整などお子さまに合う工夫を探して試してみましょう。本人が頑張ってもコントロールできないということを周囲が理解することが重要です。ミスがあっても感情的に怒るよりは、まずは失敗が起きにくいようにしていくことが解決に近づく方法です。癇癪や攻撃的な行動によって事故やトラブルになることもあります。攻撃的な行動をすることで危険や事故、物を壊したり、けがをしたりといったトラブルには気を配る必要があります。まずは本人と周りの安全を第一に、事故が起こりにくい仕組みや環境を整えていくといいでしょう。失敗やミスが起きやすいことを前提にリカバリーできるようにすることも重要です。「攻撃的な言動をしてしまったらどうフォローするか」「イライラしたときにはどうする」など、誰かに助けを求めたり、失敗をしても、取り戻す方法を一緒に考えていけるといいでしょう。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?お子さまの特性は同じでも、環境によって現れる様子や困りごとが変わります。特に、「行動の問題」に関しての困りごとがある場合、状況やきっかけによって困りが強く出ることもあります。例えば、家庭では落ち着いて過ごせていても、集団の場で共通のルールがある場合に、うまく守れないことなどもあります。あるいは家庭では自分のしたいことが強く出て、家族に対して癇癪などが多く出ることもあります。家庭では問題にならないことが、園や学校では許容されにくい、などが見られることもあります。あるいは逆に保護者としては気になることが、ほかの人には気にならないこともあります。状況などの変化で様子が変わることはよくあることです。環境面の要素が影響することを認識することが大切です。お子さまが困っているかどうかにフォーカスして情報を共有したり、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?「行動の問題」に関する困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。例えば同じ行動の問題の困りごとがあっても、以下のようなほかの領域の特性や要因が関係している場合があります。・睡眠がよく取れていない・学習面で課題の難易度があっていなくて取り組めない・衝動的に動くといった特性がある・周りに自分の意思をスムーズに伝えられないなど、対人・社会性に関する特性がある・自分のしたいことへのこだわりが強い特性があるなどこのように、さまざまな特性や背景要因が影響して、癇癪や攻撃的な言動となって現れていることもあります。その場合、困りごとがどこから生じているかを考え、ほかの特性への支援と合わせて考えていくことが大切です。LITALICO発達特性検査の検査結果だけでは複合的な要因を判断することや、対応方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には家庭で抱え込まず専門家に相談するとよいでしょう。Q.ほかの検査や医療機関では指摘や診断されませんでした。その場合でも子どもへのサポートをすべきでしょうか?診断がない場合、サポートは不要であるということではありません。医療機関では、疾患や障害の有無を医学的な診断基準と照らし合わせて判断します。そのため、特性があっても基準を満たさない場合などには診断されない場合もあります。ほかの検査や医療機関で、指摘や診断をされなかった場合でも、困りごとが生じたり、特性に合わせたサポートが必要になることは多いと言えます。医療機関で診断されなかった場合には、公的な支援や医療的なサポートにつながりにくい場合もあるかもしれません。そのような場合に、本人や周りの人が困りを感じているときには、LITALICO発達特性検査で得られた結果をもとに、サポートを試すことでうまくいく対応方法が得られる可能性があります。また、児童発達支援や放課後等デイサービスなど公的な支援の中には、診断がなくても支援の必要が認められれば利用できるケースもあります。診断の有無に関わらず、本人や周りの困っていることにフォーカスし、本人の特性に合わせた対応方法を探すために、LITALICO発達特性検査の検査結果をぜひ活用し、サポートをしてください。また、医療機関では確定診断までに何度か経過や様子を見るなど、すぐに診断されないケースもあります。そのような場合にも、特性を理解し早期にサポートを開始することが重要です。まとめ「行動の問題」の分類に含まれる困りごとはさまざまです。どのような行動として現れるかによって、対応が異なることもあり、検査結果として詳細な内容でたくさんの「サポートの方向性」が示される場合があります。そうすると、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。お子さま自身がどうしていいか分からず、困ってその行動をしている場合も多いのですが、保護者や周りの人にとっても、対応するのが難しく、負担が大きくなる場合もあります。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか、ちょっと考えてみる、「サポートの方向性」で、できそうなものから一つだけやってみる、それだけでもよいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになり、つらい状況が減っていくことにつながります。そして、家庭だけで抱え込まず、専門機関などで相談することも重要なポイントとなります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのヒントとして、また、周囲や専門家と連携するための共有ツールとして、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「睡眠」の困りとはLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「睡眠」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。・睡眠睡眠不足や睡眠リズムのずれ、日中の眠気、夜尿、夜驚といった、睡眠に関する困りを測定する分類です。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」で解説しています。次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「睡眠」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。LITALICO発達特性検査を受け、結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.サポートを試したがうまくいかない場合はどうしたらいいでしょうか?検査結果レポートとして記載される「サポートの方向性」では、基本的にはお子さまの特性や年齢に合わせ、比較的うまくいきやすい対応方法が表示されています。ですが、お子さまの状況や環境、またほかの特性や要因が影響している場合などもあるため、例示が完全に当てはまらない場合や、表示された方法がそのまま全てうまくいくとは限りません。お子さまの場合はどう当てはめたらうまくいきそうか、カスタマイズしたり、試しながらお子さまに合わせて調整してみてください。本人が困っていることや状況に合わせて工夫や調整をしてみましょう。「サポートの方向性」の例示そのままではうまくいかない場合でも、以下のような工夫でうまくいくようになることもあります。・本人に合う寝具や環境を選ぶ、寝る前のルーティンを決める・取り組む時間を調節する、難易度を下げるなど、達成のハードルを下げる・好きなものや取り組みやすいもの、ご褒美でモチベーションを上げる・叱責ではなく、できたことを見つけて褒める・スモールステップで取り組む※上記は一例ですまた、タイミングがいいときや慣れることによってうまくできるようになったり、調子がいいときにうまくいく場合もあります。どんなきっかけや状況があると困りごとが現れるかや、どんな場合にうまくいくかなど、お子さまの様子を観察することもポイントです。カスタマイズできるところがないか、何度か試してみるといいでしょう。サポートは一つだけではなく、いくつか試して本人に合う方法を探していくといいでしょう。うまくいかない場合は別のサポートも試してみてください。睡眠の問題は一緒に生活する保護者や家族の健康にも影響することがあります。対応方法を試してもうまくいかないときや、何らかの理由で試すことができない場合、無理に取り組んでお子さまや保護者の方もつらくなる場合は、家庭で抱え込まず、専門家に相談するのも大切です。睡眠の困りごとの中には、過眠症をはじめ、本人の生活習慣に起因した問題でなく、本人ではどうすることもできない疾患や身体の特徴による問題も珍しくありません。自治体の子育て支援センターや保健センターで相談し、状況に応じた相談支援を紹介してもらう、医療機関を受診するなど、園・学校以外の機関も含めて相談していきましょう。また、保護者の方は、お子さまのことを考えて、一生懸命サポートしようと頑張っていることと思います。お子さまと向き合うのがしんどくなってしまったり、心身に不調が現れたりしたときには、保護者の方自身のサポートや負担を軽くする方法を検討してみてください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?家庭で抱え込まず、専門家に相談することが望ましいのは以下のような場合です。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れてしまったり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや保健センター、学校にスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの方法です。その際に検査結果を見せると資料として参考になるかもしれません。参考:日本睡眠学会睡眠医療認定一覧Q.特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「睡眠」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、睡眠に関する困りごとが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、その症状によって睡眠障害と診断される人もいます。睡眠障害については以下の記事をご覧ください。いずれにしても、日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の発達障害についての専門の医療機関は発達障害専門医の在籍する児童精神科などが挙げられますが、まだ数が少ないこともあるので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。また、診断の有無にかかわらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.睡眠に関する困りごとは変わったり、なくなったりすることはありますか?状況によって困りごとの現れ方が変わったり、強さが変わったりすることはあります。例えば、不安なことがあると寝つきにくくなる、生活リズムが睡眠習慣に影響するなどの要因で困難が強くなったり、特性が目立つかもしれません。また、環境が変わったり、年齢が上がることで、登校時間を守らねばならないなど、求められる適応的な行動も変化することがあります。本人に合った対応方法を見つけ、困りごとの起きにくい環境に整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。寝床に入る前にリラックスタイムを設けたり、眠りやすい環境を整えること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に睡眠の困りごとを減らすことにつながります。Q.睡眠の困りごとについて、特に気をつけることはありますか?睡眠に関する困りごとがあるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の4つです。子どもの睡眠の問題は、その子と長く一緒に過ごす周囲の人々の生活習慣に大きな影響をうけます。寝具や睡眠環境だけでなく、子どもと共に過ごす方の生活習慣を含め、睡眠を取り巻く環境を理解することが、子どもの睡眠の問題を考えるうえで重要です。一方で、お子さまの睡眠の問題によって一緒に生活する保護者や家族の健康に影響することもあります。すぐに生活習慣を変えることは難しい場合もありますが、理解を深めることで、どのように捉えて解決していけばいいか分かるかもしれません。困りごとが起きにくいよう、環境や仕組みを工夫することがポイントです。特に夜尿がある場合は失敗が多くなると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。サポートの方向性から環境調整など、うまくいく工夫を探して試してみましょう。「眠りたくても眠れない」「起きようとしても決めた時間に起きられない」「無意識におねしょをしてしまう」「いつも昼間眠そうにしている」など、睡眠に関する困りごとは、本人が頑張ってもコントロールできないことがあると周囲が理解することが重要です。感情的に怒るよりは、まずは困りごとが起きにくいようにしていくことが解決に近づく方法です。日中の眠気や寝不足でイライラしやすい場合など、事故やトラブルになることもあります。また、まずは本人と周りの安全を第一に、事故が起こりにくい仕組みや環境を整えていくといいでしょう。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?環境によってあらわれる様子や困りごとが変わることがあります。特に、睡眠に関する困りごとがある場合、慣れない場所で眠れない、寝具が変わると眠れないなど、環境の影響が大きいことは珍しくありません。また夏休みのような長期の休みの後は、生活リズムが乱れ、学校が始まったときなどに睡眠の問題が顕著にあらわれることがあります。また、授業中や活動中に眠そうにしているなど、園や学校などで過ごす日中に睡眠の影響や困りごとが現れる場合、保護者には把握できない可能性もあります。逆に睡眠が取れないことで日中の活動に影響している場合、家庭から園や学校への共有が必要な場合もあります。睡眠の困りごとは環境面が大きく影響することを認識することが大切です。お子さまの睡眠を取り巻く環境を把握しながら、眠りを促す方法を取り入れ、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.睡眠の困りごとや対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?睡眠の困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。例えば・感覚過敏があって睡眠がよく取れていない・不安やストレスがあって寝つきにくいなど、ほかの領域の特性や背景要因が影響していることもあります。一方で、睡眠がうまくとれていないことで、学習に集中できない、不注意の傾向がある、イライラしているなど、睡眠を背景とした困りが見られる場合もあります。そのような場合には、困りごとがどこから生じているかを考え、その要因や困りごとに合わせた対応が必要になってくるかもしれません。複合的な要因を判断することや、対応方法を見つけることが難しい場合もあるので、専門家に相談するといいでしょう。Q.医療機関やほかの検査では指摘や診断をされませんでした。その場合でも子どもへのサポートをすべきでしょうか?診断がない場合、サポートは必要である、ということではありません。医療機関では、疾患や障害の有無を医学的な診断基準と照らし合わせて判断します。そのため、特性があっても基準を満たさない場合などには診断されない場合もあります。ほかの検査や医療機関で、診断されなかった場合でも、困りごとが生じたり、特性に合わせたサポートが必要になることは多いと言えます。医療機関で診断されなかった場合には、公的な支援や医療的なサポートにつながりにくい場合もあるかもしれません。そのような場合に、本人や周りの人が困りを感じているときには、LITALICO発達特性検査で得られた結果をもとに、サポートを試すことでうまくいく対応方法が得られる可能性があります。診断の有無にかかわらず、本人や周りの困っていることにフォーカスし、本人の特性に合わせた対応方法を探すために、LITALICO発達特性検査の検査結果をぜひ活用し、サポートをしてください。また、医療機関では確定診断までに何度か経過や様子を見るなど、すぐに診断されないケースもあります。そのような場合にも、特性を理解し早期にサポートを開始することが重要です。まとめ睡眠の困りごとはお子さま本人はもちろん、周囲の家族の生活にも大きく関わります。また、LITALICO発達特性検査の結果は詳細な内容でたくさんのサポートの方向性が示されるため、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、・お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか、ちょっと考えてみる・サポートの方向性で、取り組みやすそうなものから一つだけやってみるなど、できそうなことから試すだけでもいいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになったり、つらい状況が減っていくことに繋がります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのためのツールとして、ぜひご活用ください。Upload By LITALICO発達特性検査 活用サポート(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査の分類「多動・不注意の困り」とはUpload By LITALICO発達特性検査 活用サポートLITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。分類「多動・不注意」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。さらに特性の現れ方のタイプによって「不注意」と「多動・衝動性」の小分類に分かれています。これらの特性は混じり合って現れる場合もあります。・不注意注意が散漫で、うっかりしたミスを繰り返すなど、外部の刺激に対して注意がそれやすいことや、長期的な視点で計画・行動することの苦手さを測定する分類です。・多動・衝動性じっとしていることが難しく、頻繁に動き回ったり、周りの状況を気にせず衝動的に動いてしまうといった、落ち着きのなさや、衝動的に行動したり反応しやすいという特性を測定する分類です。それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」で解説しています。次に、発達特性検査の検査結果で分類「多動・不注意」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方やサポート方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、専門家への相談を検討しましょう。特に以下のような場合、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合・保護者自身がお子さまと接することに疲れてしまったり、不安を感じる場合・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合・園や学校とうまく連携が取れない場合など相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校にスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの選択肢です。その際には検査結果を提出することで特性を把握する資料として参考になるかもしれません。Q.多動・不注意の特性と関連する疾患や障害はありますか?LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「多動・不注意」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。ただし、多動・衝動性の特性があって、それが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、発達障害の一つであるADHD(注意欠如多動症)と診断される人もいます。ADHDについては以下の記事をご覧ください。いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の発達障害についての専門の医療機関は発達障害専門医の在籍する児童精神科などが挙げられますが、受診までに時間を要することも多いので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも選択肢の一つです。また、診断の有無にかかわらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。Q.多動・不注意の特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?特性自体は生まれ持ったものであり、変わりにくいと考えられます。ですが、状況によって困りごとの現れ方が変わったり、強さが変わったりすることはあります。例えば、長い時間静かにしたり、同じことに集中したりする必要がある場面や、みんなで同じ行動をしなければいけない場面では、不注意や衝動性の特性がある人にとってはより困難が強くなったり、特性が目立つかもしれません。環境が変わったり、年齢があがることで、困難の強さや求められる適応的な行動も変化することがあります。本人に合った方法を見つけ、トラブルの起きにくい環境に整えることで、困ったことや状況自体を避けたり軽減することができます。ミスや失敗が起きにくい状況や環境にすること、うまくいった経験を増やすアプローチをすることが、結果的に特性による困りごとを減らすことにつながります。Q.不注意や衝動性の特性について、特に気をつけることはありますか?不注意や衝動性の特性があるお子さまについて、特に接し方のポイントになることが以下の4つです。ミスや失敗自体が起きにくいよう、環境や仕組みを工夫することがポイントです。失敗やミスが多くなると、その経験から自己肯定感が下がることもあります。サポートの方向性から環境調整など、うまくいく工夫を探して試してみましょう。本人が頑張ってもコントロールできないということを周囲が理解することが重要です。ミスがあっても感情的に怒るよりは、まずは失敗が起きにくいようにしていくことが解決に近づく方法です。衝動性や不注意によって事故やトラブルになることもあります。迷子や飛び出しといった危険や事故、物を壊したり、無くしものをしたりといったミス、衝動的に行動することでのトラブルには気を配る必要があります。まずは本人と周りの安全を第一に、事故が起こりにくい仕組みや環境を整えていくといいでしょう。失敗やミスが起きやすいことを前提にリカバリーできるようにすることも重要です。「忘れ物をしたら誰かに借りる」「予備の教材を貸してもらえる」など、誰かに助けを求めたり、失敗をしても、取り戻す方法を一緒に考えていけるといいでしょう。Q.家庭での様子とそのほかでの様子が違います。どちらが本当の姿でしょう?お子さまの特性は同じでも、環境によって現れる様子や困りごとが変わります。特に、不注意や衝動性の特性がある場合、周りに気の散りやすいものがあったりすると困りが強く出ることもあります。例えば、1対1で話を聞けても、集団の場で話されているときにはほかのことに気を取られてしまい、うまく集中して聞けないことなどもあります。このように、家庭では問題なくできていることが、園や学校ではできない、などの様子が見られることもあります。あるいは逆に保護者としては気になることが、ほかの人からみると長所として捉えられることもあります。状況などの変化で様子が変わることはよくあることです。環境面の要素が影響することを認識することが大切です。お子さまが困っているかどうかにフォーカスして情報を共有したり、うまくいく方法を一緒に探していきましょう。Q.特性と対応方法が当てはまらないように感じます。なぜでしょうか?多動や不注意の困りごとが、実は別の特性や背景要因と関連していることもあります。また、LITALICO発達特性検査は保護者の視点で回答していただく検査です。保護者の主観的な評価が反映されたり、部分的な場面での回答結果として、偏りが生じる可能性もあります。その結果、検査の質問回答によっては、検査結果で表示される特性と対応方法が当てはまらないと感じることがあるかもしれません。例えば・睡眠がよく取れていない・学習面で課題の難易度があっていなくて取り組めない・筋力が弱く、いい姿勢を維持できないなど、同じ多動や不注意の困りごとがあっても、さまざまな特性や背景要因が影響して、多動や不注意の様子が見られることもあります。その場合、多動や不注意への対応だけでは解決しないこともあります。そのような場合には、困りごとがどこから生じているかを考えたり、その要因や困りごとに合わせた対応が必要になってくるかもしれません。本検査の結果だけでは複合的な要因を判断することや、うまくいく方法を見つけることが難しい場合もあるので、その際には専門家に相談するといいでしょう。まとめ検査結果は詳細な内容でたくさんの情報が示されるため、何から手をつけていいか、迷うことがあるかもしれません。そんなときは、お子さまの様子で当てはまりそうな背景はないか、ちょっと考えてみる、「サポートの方向性」でできそうなものから一つだけやってみるのでもよいのです。お子さまの特性を理解し、困る状況を減らしていくことができれば、保護者や周りにとっても、子育てがちょっとスムーズになり、つらい状況が減っていくことにつながります。LITALICO発達特性検査を、お子さまの特性理解とサポートのための第一歩として、ぜひご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日LITALICO発達特性検査受検後の専門機関への相談についてUpload By LITALICO発達特性検査 活用サポートLITALICO発達特性検査は、保護者の方がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。LITALICO発達特性検査を受けたあと、場合によっては、子どもの特性や困りごとについて、より知りたいことや相談したいことが出てくるかもしれません。また、より手厚い支援が必要な場合、専門的な支援を検討することも大切です。・子どもの特性や困っていることについて、さらに調べたり、専門家の見立てを受けたい・子どもとの接し方や本人に合うサポート方法について、専門家にも相談したい・医療的な診断や治療が必要かどうか知りたい・公的な支援サービスを利用したい上記のような場合に、どのようなところに相談をすればいいのか、相談や支援を受けられる専門機関や、支援制度についてもご紹介します。相談はどこでできる?主な相談機関としては以下が挙げられます。保護者の方のニーズに合う専門機関を探しましょう。子どもの発達や育児の悩みについては、まずは無料で相談できる地域の専門機関を利用することをおすすめします。発達や子育てに関する相談を行っている自治体の機関としては、子育て支援センターや発達障害者センター、保健センター、児童相談所などがあります。どこに相談すればいいか分からない場合は、お住まいの自治体の子育て支援課などに教えてもらうといいでしょう。相談機関では、相談すると必要に応じて発達検査や児童発達支援などの支援、専門の医療機関などを紹介してくれる場合もあります。学校でのさまざまな困りごとについては、相談できる専門家としてスクールカウンセラーがいます。心理についての専門性のあるカウンセラーが、カウンセリングをもとに助言・指導を行います。利用方法などは自治体や学校によって異なる場合もあるので、お住まいの地域や学校に確認しましょう。特性による困りごとが強く、日常生活や学業などに支障が出る場合には、より専門的な支援とつながるために、診断が必要になる場合もあります。医学的な診断を行えるのは医師(医療機関)のみです。例えば、発達障害の診断を行うのは小児科・児童精神科や発達外来など、睡眠の悩みは小児睡眠障害外来など、それぞれ専門の医療機関があります。近くに専門科のある病院がない、どの専門科を受診すればいいか分からないなど、医療機関が見つけられない場合、また医療機関を受診するかどうか悩まれる場合、医療機関以外の専門機関でまずは相談をしてみるという方法もあります。まずは、児童発達センターなどの地域の相談機関やかかりつけの小児科に相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。公的な支援や制度にはどんなものがある?特性や困りごとが強く日常生活に支障が出ている場合など、障害がある子どもが受けられる可能性がある主な公的な福祉サービスをご紹介します。診断がなくても受けられる支援もあります。また、困りごとに応じた支援制度や専門機関についても、自治体の窓口や、専門機関で相談するなどして調べてみましょう。地域によっては支援を受けるために診断があることを条件にしている場合もあるので、利用を検討する際には、お住まいの自治体に確認するとスムーズです。小・中学校で支援が必要な児童に対して行われるのが特別支援教育です。通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校などがあり、必要なニーズや障害の種別によって分かれています。通級指導教室などは、必ずしも障害の診断がなくても利用できるケースもありますが、地域によってルールや基準が設けられている場合もあります。利用を検討する場合、小学校入学前の就学相談、自治体の教育委員会の就学支援相談窓口などで相談します。就学に向けた相談や就学先決定は、スケジュールが決められている場合があります。気になる方はお早めに自治体の窓口に相談することをおすすめします。※東京都など一部の自治体では通級による指導の場として「特別支援教室」が設置されています児童発達支援と放課後等デイサービスは、どちらも障害のある子どものための通所型の支援です。児童発達支援が小学校入学前の未就学児を対象としているのに対し、放課後等デイサービスは6歳から18歳までの就学児が対象で、必要と認められた場合は20歳まで利用できます。日常生活の自立支援や機能訓練、特性や障害に合わせたサポートを行うなど、障害児への支援を目的にしています。利用するためには受給者証の取得が必要です。支援が必要であることを証明する書類として医師による意見書を提出することで、診断がない場合でも利用できることがあります。障害者手帳は、障害のある人が取得できる手帳です。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けられます。一般に身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の総称を障害者手帳と言います。より手厚く専門的な支援が必要な場合、障害者手帳の取得について検討してもよいかもしれません。取得の条件や申請方法、具体的に受けられる支援などについては以下の記事をご覧ください。相談・支援を受ける際の検査結果活用について相談や支援を検討している場合に、まずLITALICO発達特性検査を受けてみるのも一つの方法です。すぐに利用できるところが近くに見つからない場合や、申し込んでから実際に相談できるまで、時間があいてしまう場合もあります。そんなときには、LITALICO発達特性検査に回答するプロセスや、検査結果レポートを読むことによって、子どもの特性や困っていることへの理解を深めることができます。また、検査結果レポートには相談の際の参考となる情報も含まれています。ぜひ、相談をスムーズに進めるための資料の一つとして、LITALICO発達特性検査をお役立てください。・検査の質問項目に回答することで、子どもの状況や困っていることを振り返っておく・検査結果から、特性の現れ方や、どのくらい困っているかを把握しておく・保護者主観での特性や困りごとに関する見立てを整理しておく・子どもに合いそうなサポートを事前に試してみるなど相談や支援を受ける際には、子どもの状況や困っていることなどを伝えることがあります。その際に、資料の一つとして検査結果を共有すると、相談や連携がしやすくなります。LITALICO発達特性検査の結果はPDFとしてダウンロードし、データを共有したり、印刷したものを相談時に持参して見せることもできます。その際には、すべてを共有しなくても問題ありません。最初の相談の際には、検査結果の特性や困りごと部分について印刷して共有する、具体的な支援法を相談する際には「サポートの方向性」の部分を共有するなど、目的に応じて活用してください。ただし、LITALICO発達特性検査の結果は保護者の方の回答に基づいているため、場合によっては専門家との見解や見立てが違う可能性もあります。違いは決してネガティブなものだけではなく、家庭と園・学校での様子の違いや、関係者ごとの見立てや理解を知ることにもつながります。相談の際には、実際の子どもの様子や園・学校からの情報なども含め、専門家がさまざまな観点で判断することになります。検査結果にとらわれすぎず、専門家の見立てや意見を聞くことが重要です。サポート方法についても、相談し、柔軟に調整するとよいでしょう。まとめ特性のある子どもをサポートするときは、家庭だけで抱え込まず、できるだけ頼り先や相談先を多くつくることをおすすめします。特に、専門家による相談や公的な支援の利用は、保護者の負担を軽減し、また専門家によるアドバイスを受けられる機会となります。診断の有無にかかわらず相談・支援を受けられるサービスもあります。また、診断によって、より手厚い支援制度が受けられることもあると知っておくと、子どもや状況にあったサポートの選択肢が増やせるかもしれません。ぜひ、さまざまな頼り先をつくり、スムーズに相談や支援を受けるための共有ツールとして、LITALICO発達特性検査をご活用ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年04月22日日本公認心理師ネットワークが、2024年4月18日(木)から2024年9月末までの期間限定で、「病気を持った子どもに対する認知行動療法〜小児科領域における心理職に必要なスキル〜」に関するオンラインセミナーをオンデマンド配信します。講師は、尾形明子先生(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)です。この配信は、2024年3月30日(土)に開催されたオンラインセミナーの見逃し配信です。モデレーターは、日本公認心理師ネットワーク主宰の安東大起(一般社団法人パーマネント・クリエイティブ・マインド代表理事・公認心理師・臨床心理士)が務めます。【内容】このセミナーでは、小児がん、糖尿病、喘息、肥満といった慢性疾患を持つ子どもを支えるための認知行動療法(CBT)の有効性と、家族に対する支援の重要性について深く掘り下げます。また、多職種の医療チーム内で心理師が果たすべき役割と、効果的なチームワークの構築について紹介します。例えば、医療者と患者家族の関係を強化するために、心理師ができることについて学びます。・病気を持った子どもに対しての認知行動療法(メインは小児がん、糖尿病・喘息・肥満など慢性疾患をもつ子どもの話も含む)・ご家族の支援・この領域で働こうとする心理師に求められること(チームの中で、どのように関与できるか)・医療者と患者さん家族の関係を調節する方法・医療者の患者さんご家族への行動変容を促す方法・さらに学びたい方向けのリソースの紹介などの内容を含む予定です。【受講対象者】公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士などの対人援助職の方また、それを志す大学院や大学生【講師】尾形明子先生(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)【配信の概要】公開期間:2024/4/18 (木)から2024/9/30 (月)23:55まで視聴方法:配信されたURLより視聴チケット料金:4,980円【資料】講演資料は、別売りです。希望者のみ1000円で購入することができます。こちらのサイトで販売しております。【参考】1.鈴木伸一 編著 (2016) 『からだの病気のこころのケア チーム医療に活かす心理職の専門性』北大路書房定価:3,300円(税込)*尾形先生は、「第14章小児がん患者へのケア」を執筆されました。2. 鈴木伸一 編著(2008)『医療心理学の新展開チーム医療に活かす心理学の最前線』北大路書房定価:2,750円(税込)*尾形先生は、「第7章 小児医療」を執筆されました。"pcmhimeji powered by BASE : お申込みはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年04月22日赤ちゃんの首がすわるのは何ヶ月?首すわりはどうやって分かる?首がすわる前にやってはいけないことなどについて解説首すわりとは、赤ちゃんを縦抱きした際に首がぐらつかない状態のことです。赤ちゃんの運動発達の一部と言われています。一般的には赤ちゃんの首がすわるのは生後3ヶ月頃からと言われていて、生後4ヶ月~5ヶ月で赤ちゃんの約90%は首がすわると言われています。ただ、赤ちゃんによって首がすわるのが3ヶ月よりも早い、5ヶ月よりも遅いということもあります。赤ちゃんの発達には個人差があり、早い子は生後2ヶ月程度で首がすわることもあります。実際に2ヶ月から3ヶ月の間で首がすわった赤ちゃんは11.7%いるという調査もあり、決して珍しくはありません。首がすわる直前には、赤ちゃんが自ら首を動かして保護者を目で追う、うつぶせのときに自ら首を持ち上げようとする、などの前兆が見られることがあります。参考:Ⅱ 調査結果の概要|厚生労働省赤ちゃんの首がすわっているか判断するには、以下の確認方法があります。・仰向けの状態から両腕を引いて起こした際に、身体が45度になっても首が遅れずについてくる・身体が90度になったときに軽くゆすっても首が安定している・うつぶせになったときに自ら頭を持ち上げられる確認方法はおおむね以上の通りですが、乳幼児健診などでは医師により細かい部分も見て判断されます。また、首がすわる前の赤ちゃんは首がとても不安定です。後頭部を支えない縦抱きやおんぶなど首がぐらぐらするような抱き方はしないようにしましょう。参考:乳幼児健康診査身体診査マニュアル|国立成育医療研究センター首すわりが遅い原因は?隠れた疾患はある?首すわりを促す方法など多くの自治体で実施している3、4ヶ月児健診の際に、首がすわっておらず、もしかして疾患があるのではと心配な方もいるかもしれません。子どもの発達は個人差が大きいため、首すわりが遅いからといって過度に心配する必要はありません。ただ、中には原因として背景に疾患がある場合もあります。以下にあげたような疾患がある場合、運動発達が遅れることがあるため、首すわりの遅さに影響している可能性があります。・染色体異常・脳性まひ(胎児期〜新生児期に受けた脳の損傷によるもの)・脳の疾患・脊髄の疾患・筋肉の疾患・先天性代謝異常症などただし、運動発達が遅れても、上記にあげたような疾患が診断されず、原因が明確とならないまま、後に運動発達が追いついてくることも多々あります。赤ちゃんの首すわりを促すには、首を支えた状態の縦抱きを増やしたり、前傾姿勢の抱っこを増やしたりして首すわりに必要な筋肉の発達を促すようにするといいでしょう。また、うつぶせのときに頭の上におもちゃを持っていくなど、赤ちゃんが顔を上げる練習を取り入れていく方法もあります。首すわりの練習をするときの注意点として、縦抱きをする際は赤ちゃんの頭の後ろに手を添えることや、うつぶせのときに赤ちゃんから目を離さないなどがあります。赤ちゃんの安全確保には充分気をつけるようにしましょう。参考:運動について|地方独立行政法人埼玉県立病院機構ホームページ参考:首のすわりが遅い [子育てQ&A]|京都府首すわりが遅いのは、知的障害(知的発達症)と関係がある?上記に挙げた赤ちゃんの運動発達が遅れる疾患のうち、染色体異常や、脳の疾患、先天性代謝異常症などでは、知的障害(知的発達症)を合併することもあります。知的障害(知的発達症)とは、知的機能と社会的な適応能力に遅れが見られる障害のことです。ですが、首すわりの時期だけで知的障害(知的発達症)と判断することはできません。言葉の遅れや非言語コミュニケーション(模倣や指差しなど)の遅れなど、気になる様子がある場合は、かかりつけの小児科などに相談してみるといいでしょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアルまとめ一般的には生後3ヶ月から5ヶ月頃には赤ちゃんの首がすわると言われています。しかし、発達には個人差が大きく、早い子どもだと生後2ヶ月から首がすわるなど時期には違いがあります。生後6ヶ月を過ぎても首がすわらなかったり、ほかにも発達で気になることがあったりする場合はかかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口、保健センターなどに相談してみるようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年04月21日私が新米ママのころ、息子が初めて熱を出し小児科に連れて行くと、先生に細かく症状を聞かれました。熱でぐったりしている息子に動揺して、逆に先生へ質問してしまった私。すると、その質問に対して先生に怒られてしまいました……。その日から先生に対し、「怖い」という印象を持ってしまったのですが、何度か小児科へ通ううちに、その印象が変わっていったお話です。 生後7カ月、初めての発熱長男は、呼吸障害で生まれてすぐNICU(新生児集中治療室)に入院。3,572gとやや大きめで生まれていたので育児用ミルクも飲め、回復も早く、10日ほどで退院することができました。ただ、その後遺症は成長してみないとわからないということで、夫とともに経過を見守ることに。 予防接種は近くの小児科でよいということで、家の近くの小児科に通っていましたが、息子が生後7カ月で初めて発熱。仕事復帰のことを考え、病児保育のある小児科に行くことにしました。 淡々としていて怖い先生初めて訪れた小児科で私もどうしたらよいかわからず、熱で体温が高い息子を抱いて待っていると、診察室へ通されました。先生は笑顔もなく淡々と症状を聞かれ、私は動揺しながらも答えました。 体温が何時に何度と細かくメモはしていなかったので、覚えている範囲で答えていたのですが、焦ってしまって思わず「風邪ですか?」と逆に聞いてしまったのです。すると、「風邪かどうかは私が診断します! ちゃんと症状をメモしておいてください!」と怒られてしまいました。 実はやさしかった先生「次は〇日後に来てください」と、薬と発熱が時系列に記入できるメモ帳をもらい、帰ることに。数日後熱は下がり、体中に発疹が出てきたので、突発性発疹と診断されました。先生は、熱が出たら頭や脇の下を冷やすことや、水分を十分にとらせることなど教えてくれました。 そのとき、ふと先生の机の上を見ると、かわいいおもちゃが置かれていたのです。初診のときは、初めての発熱と病院で余裕がなく気づきませんでしたが、診察の回数を重ねると先生のやさしさを見ることができました。 今では子どもの病気のときに焦らず対応できるようになりましたが、初めてのときにあの先生に教えていただいたことで、発熱した時間や症状をきちんと伝えることが大事なのだとわかりました。体調がもう問題ないとわかったときに、「もう大丈夫ですよー」と、息子にキャラクターのついたペンを見せてくれる先生にほっこりしました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:松田みさと長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2024年04月19日抜毛症(トリコチロマニア)とは抜毛症は、ストレスなどの理由から自らも毛髪を何度も引き抜くという精神疾患です。トリコチロマニアの名称で呼ばれることもあります。不安などの感情を和らげるためや、刺激を求めるためなどいくつか原因が考えられています。抜毛症の方は人口の約1~2%いるとされており、成人の場合は患者のうち約90%が女性だともいわれています。毛を抜く行為自体は珍しくありませんが、ほとんどは美容など目的がはっきりしていたり、一次的で治まることが多い傾向にあります。しかし、抜毛症は自らの意志でやめることは難しく、症状が生涯にわたって続く場合もあり、日常生活にも影響が出ているといわれてます。どこの毛を抜くかは人によって異なっていて、多いのは頭皮の毛、眉毛、まつげといわれています。ただ、最終的にはすべての体毛が対象になり得えます。また、時期によって抜く場所が変わっていく場合もあります。抜毛症は毛がなくなることや自らの行為に悩み、人前に出ることを嫌がるようになるなど、さまざまな面で影響が出る可能性があります。また、抜毛症の人は皮膚むしりや爪を噛むなど、自らの体に対して反復して刺激を与える行為を行う場合が多く、精神面では抑うつ症状が見られる方も少なくありません。抜毛症の治療には不安などを和らげる抗うつ薬などの薬物療法と、行為をコントロールするための認知行動療法が行われます。参考:抜毛症(抜毛癖)|MSDマニュアル家庭版抜毛症はストレスが原因?抜毛症の明確な原因ははっきりとは分かっていません。ただ、2つの可能性が考えられており、1つ目はストレスなどの感情から逃れるために毛を抜くのではないかという説です。抜毛症は醜形恐怖症などとは違い、自らの外見が気に入らないという理由で行為に及ぶのではなく、緊張感や不安などのネガティブな感情を和らげるために毛を抜いているということです。また、毛を抜くことである程度の満足感も得ているようです。2つ目は、毛を抜く行為自体の刺激を求めているのではないかという説です。何らかの原因で刺激が足りない状態になっている方が、手近な手段として毛を抜いて刺激を得ているという考え方です。刺激を求める方はなかなか抜毛行動をやめられず、重症化するリスクも高いといわれています。参考:抜毛症(トリコチロマニア)|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:後藤麻友、今井正司著「抜毛行動様式と抜毛症重症度との関連」日本健康心理学会大会発表論文集 31巻(2018) P.43抜毛症は治る?治療方法は?抜毛症は、自分ではなかなか抜毛行動をやめることができないといわれています。しかし、適切な治療を受けることで症状の改善が見込めることも知られています。ここでは、身近に抜毛症の方がいる際の声かけ方法から、病院の何科にいくといいか、実際の治療方法まで紹介します。まず大事なのは相手を責めないということです。相手も症状をコントロールできないで悩んでいるので、「何でそんなことしたの」「早くやめよう」など、善意からでも問い詰めたり急かしたりする言動をすると、相手にとって負担となってしまう可能性があります。なので、「自分を傷つけるほど、悩んでいるんだね」など相手のつらい気持ちに寄り添った声かけをするといいでしょう。そのうえで、無理に聞き出そうとはせずに「言いたくなったらいつでも話していいよ」と、話を聞く準備ができていることを伝えることが大切です。加えて、「自分は味方だよ」というメッセージを折に触れて口にしておくと、相手も安心して話してくれやすくなります。参考:自分を傷つける」というサイン|厚生労働省こころもメンテしよう抜毛症は精神疾患の一つに位置付けられるため、基本的には精神科や心療内科を受診するといいでしょう。子どもの場合は、かかりつけの小児科や小児発達外来などで相談することも可能です。また、皮膚がただれるなどの状態の場合は皮膚科にも行っておくといいでしょう。抜毛症の診断はいくつかの基準に基づいて医師が行います。基準としては以下のようなものがあります。・脱毛が生じるほど繰り返し毛を抜いている・何度も行為を減らそう、やめようと試みている・抜毛行動のために大きな苦痛が生じているか、日常生活に支障をきたしているまた、病院に行くべきか迷ったときはお近くの保健センター/精神保健福祉センターへの相談も検討してみてください。抜毛症の治療としては、主に薬物療法と認知行動療法があります。薬物療法では抜毛行為の原因となる不安や緊張を和らげるための、抗うつ薬などが用いられることがあります。認知行動療法では特に習慣逆転法という手法を使うことが多くあります。習慣逆転法の簡単な流れは以下のようになっています。・自らの行為を自覚する・行為の引き金を明確にする・毛を抜く行為を別の行為(こぶしを握りしめる、編み物をするなど)に置き換える抜毛行動は無意識に行われることもあるため、まずは行為を自覚するところから始めていきます。参考:抜毛症(抜毛癖)|MSDマニュアル家庭版参考:皮膚むしり症|MSDマニュアル家庭版抜毛症と発達障害の関係は?発達障害の特性の中に毛を抜く行為はありませんが、特性が影響した結果抜毛行為に至ることは考えられます。例えば発達障害の中のASD(自閉スペクトラム症)では、特性として「こだわりの強さ」「ストレスの感じやすさ」「自己刺激行動」があります。ストレスが一定以上の負荷になったために、毛を抜いてみたらすっきりした、毛を抜いてみたら刺激があったので繰り返すようになった、などの形で、抜毛症につながっていく可能性はあります。また、発達障害の中のADHD(注意欠如多動症)では、特性として多動性や衝動性があります。そのため、常に動いているうちに何となく毛を抜いてみた、何かストレスを感じたので衝動的に毛を抜いてみた、という形で抜毛症につながることも考えられます。ですが、抜毛症の症状があるからといって必ずしも発達障害がある訳ではありません。参考:ASD(自閉スペクトラム症)|e-ヘルスネット参考:ADHD(注意欠如・多動症)|e-ヘルスネット抜毛症と強迫性障害の関係は?強迫性障害(強迫症)とは、強迫観念(本人の意思に反して浮かんでくる思考や衝動など)により強い不安感や不快感をおぼえたり、それを打ち消すために強迫行為を繰り返す精神疾患のことです。例えば「菌がついていないか気になって、何十回も手を洗う」「家の鍵を閉めたか不安で、何回も家に戻って確かめる」などがよく見られます。抜毛症自体は強迫観念によって起こるわけではありません。つまり、抜毛症と強迫性障害には直接のつながりはないといえます。しかし、強迫性障害の方が強い不安を感じているときは強迫行動とは別に、感情を落ち着かせるために身体の一部を触ったり毛をいじったりすることがあるかもしれません。それがそのうち毛を抜くという行為につながっていくことも考えられます。参考:強迫症 / 強迫性障害|e-ヘルスネットまとめ抜毛症とは、ストレスなどの感情を和らげるためや刺激を求めるために、繰り返し自らの毛を引き抜く精神疾患の一つです。抜く場所は髪や眉などが多いといわれていますが、全身の毛が対象となることもあり、本人がやめようと思ってもなかなかコントロールできません。毛が抜けた容姿や自らの行為自体に悩んで外に出ることを避けるようになることもあり、多くの場合は抑うつ状態も経験しているといわれています。抜毛症は薬物療法と認知行動療法で軽減させることができるため、気になる症状があれば大人であれば精神科や心療内科、子どもの場合はかかりつけの小児科などに相談するようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月17日俳優のともさかりえが、吉沢亮が主演を務める、きょう13日放送のフジテレビ系スペシャルドラマ『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』(後9:00)に出演することが発表された。ともさかは、娘の回復を願う母親を演じる。今作は、2022年10月期の同局系月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』の続編。北海道のPICUを舞台に“しこちゃん先生”こと駆け出しの小児科医・武四郎(吉沢)が幼い命と向き合う中で、医師として、人間として成長していく姿を描くメディカル・ヒューマンドラマとなっている。PICUという名の戦場で命のリミットと闘う医師、患児、家族の物語が再び幕を開ける。ともさかは、10年間意識不明で寝たきりのみどりの母・野島美代子を演じる。青森の病院で延命措置を受けるみどりの元に20歳の誕生日を祝おうと植野元(安田顕)が訪れる。10歳で意識不明となって以来、みどりを見守り続ける美代子から延命措置に対する疑問を投げかけられ、植野は返す言葉を失う。プロデューサーの金城綾香氏は「監修をご担当してくださっていた先生方に『印象に残っている患者さんは』というお話を聞くと、ほぼすべての先生が、助けられなかった患者さんのお話をされます。救えなかったお子さんのお話をされる時の先生方は、みなさんまるできょう起きたことかのように、生々しい悲しみを抱えていらっしゃるような表情をされています。安田顕さん演じる植野先生にも、おそらくずっと心の中にいる患者さんがいるはずだと思い、今回の患者さんとお母さんのシーンを作りました」と明かした。そして「その中で、ずっと苦しみの中にいたお母さん役を演じていただくなら、絶対にともさかさんが良いと思い、オファーさせていただきました」と説明。「しこちゃん先生が学生であった日も、医師になった日も、小児科からPICUに移った日も、このお母さんは、変わらず病院に通っていたという時の流れを、すばらしく胸に迫る表情で演じてくださいました。物語が続くことが許されれば、このお母さんのお話を描きたいです」と願いを込めた。
2024年04月13日吉沢亮主演ドラマ「PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024」より、連続ドラマでは描けなかった、吉沢さん演じる志子田武四郎のドクタージェット搭乗シーンの場面写真が到着した。本作は、2022年10月期に放送された月9ドラマの続編。北海道の丘珠病院PICUを舞台に、しこちゃん先生こと駆け出しの小児科医・武四郎が、医師として、人間として成長していく姿を描いていく。先日行われた完成披露舞台挨拶では、医療監修を務める小児科医・植田育也より寄せられた手紙にて、今年4月より現実世界でもドクタージェットを運行できるようになったことが明らかになった。これとリンクするように、本作でもドクタージェットの運用が可能に。子どもたちの命をつなぐドクタージェットの搭乗シーンに注目だ。「PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024」は4月13日(土)21時~フジテレビにて放送。(シネマカフェ編集部)
2024年04月12日俳優の吉沢亮が主演するフジテレビのスペシャルドラマ『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』が、あす13日午後9時から放送される。本作は、2022年10月期に放送された月9ドラマの続編。北海道の丘珠(おかだま)病院PICUを舞台に、しこちゃん先生こと駆け出しの小児科医・志子田武四郎(吉沢)が、医師として、人間として成長していく姿を描いていく。放送を控えた本作から、1枚の場面写真が公開された。連続ドラマでは描くことができなかったドクタージェットにしこちゃん先生が搭乗するシーン。先日行われた本作の完成披露舞台あいさつで、医療監修を務める小児科医・植田育也先生から寄せられた手紙にて、今年4月より現実世界でもドクタージェットを運行できるようになったことが明らかになったが、リンクするように本作でもドクタージェットの運用が可能に。子どもたちの命をつなぐドクタージェットの搭乗シーンに注目だ。
2024年04月12日同書は、スポーツや勉強に励む小・中学生に向けた、体を作るためのスープとおにぎりのレシピ集。著者は数々のトップアスリートを指導している川端理香さん。経験豊富な著者だからこそ教えられる、体作りに最適なレシピ55品を紹介しています。体が未成熟な子ども時代だからこそ、必要な栄養素を積極的に摂ることが大切。簡単に作れるスープとおにぎりなら、忙しい親でも負担なく作れます。小児科医でジュニアアスリート外来を設立した師田 悠医師 (信州大学医学部附属病院小児科・日本スポーツ協会認定ドクター) による医学解説付きです。忙しい親でも簡単に作れる"スープとおにぎり"で体を強くする!同書のスープはひとつの鍋でさっと作れるのでとっても手軽。前日に作っておけば朝は温めるだけでOKです。また、いつものお弁当に体を強くするスープをプラス。スープジャーなら保温、保冷のどちらも持たせられます。経験豊富な著者の実績的アイディアが満載!スープやおにぎりならパパッと食べられるので、朝の弱い子どもにもおすすめ。栄養を摂るための補食としても優秀です。同書で紹介するレシピなら、食事のベースとなるスープとおにぎり、つまり汁物と主食だけでも子どもに基本的に必要な栄養素が摂れます。主食、主菜、副菜、汁物……と毎日の献立で悩んだり、調理に多くの時間を使わなくても、この基本をおさえておけば少しの工夫でしっかり栄養素を摂ることができます。著者プロフィール川端理香さん管理栄養士。元日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ。日本代表チームやJリーグ、プロ野球、バレーボール、ゴルフ、テニス、ラグビーなど多くのプロチームや選手をサポート。著書に『10代スポーツ選手の栄養と食事』(大泉書店)、『いますぐ使えるジュニアアスリートの栄養食事学』(ソーテック社)『筋肉の栄養学 強いからだを作る食事術』(朝日新聞出版)、『10代スポーツ選手の栄養と食事』(大泉書店)、『毎日使える!野菜の教科書』(宝島社)などがある。CONTENTS同書もくじ・スープとおにぎりなら 子どもの体作りが手軽にはじめられる!・発育に欠かせない栄養が摂れる「おにぎり」と「スープ」は個々の能力を伸ばしたい保護者と子どもたちの味方です ─ 信州大学医学部附属病院小児科 師田 悠 先生・「たんぱく質」はスープとおにぎりから摂れる!Part1●お米の力を生かす最強おにぎり体作りの基本「筋肉」「骨」「血液」を作る万能おにぎりかにかまとコーンのおにぎり/豚そぼろと青ねぎのおにぎり/枝豆と魚肉ソーセージのおにぎりほか・Column(1) 栄養素から考える かしこいお米選びお米の栄養素と相性のよい食材で腸の調子をととのえるツナと切干し大根のおにぎり/キムチとあたりめのおにぎりほか体に吸収されにくい「カルシウム」と「鉄」が積極的に摂れる干しえびとナッツのおにぎり/しらす、ごま、大葉のおにぎりほか・Column(2) ここいちばんに強くなる 勝負の日の食事Part2●体作りの基本「筋肉」「骨」「血液」を作るスープスープ作りに欠かせない「だし」と「調味料」のこと鶏肉とブロッコリーのコンソメスープ/高野豆腐とわかめのみそ汁/シーフード中華スープほか・Column(3) 足りないミネラルは硬水で補いましょうPart3●なりたい体をサポートする目的別最適スープ免疫力を上げたい!きのこ汁/なすのスープカレー/アボカドとベーコンのスープほか集中力をつけたい!鮭とにんじんのスープ/くるみ入り和風ビーフン汁持久力をつけたい!長いも汁/豆乳コーンスープ身長を伸ばしたい!卵とのりのスープ/鶏肉と青梗菜、しらすのスープ体を大きくしたい!ポークシチュー風スープ/もち入り鶏だんご汁肥満を解消したい! 体型を維持したい!たらとめかぶのちょっぴり辛いスープ/しらたきのスープ暑さに強くなりたい!オクラとトマトの冷たいスープ/にんにく入り豚汁・Column(4) 保護者が知っておきたい 熱中症予防と対処法冷え性を改善したい!かぼちゃの豆乳スープ/ツナとほうれん草の中華スープお腹のトラブルを解消したい!うどん入りはんぺんとほうれん草のスープ/バナナ入りオートミールスープ・Column(5) 夕食後や寝る前にお腹が空いてしまったら?大根のとろみスープ/オートミールの和風がゆ少量で満腹感を得られ、たんぱく質が摂れるホットミルクが最強!はちみつレモン牛乳Part4●体調不良別スープの処方箋風邪甘酒とさつまいものスープ/ぶりのみぞれ汁疲れ鶏手羽元のポトフ風スープ/りんごとブルーベリーのスープ胃腸の不調キャベツのスープ骨折してしまった鮭のミルクスープ貧血あさりと豆のスープ不調ぎみレタスとトマトのスープ扁桃痛根菜汁口内炎ヴィシソワーズ・Column(6) 子どもの体と食事のSOSに答える お悩み相談室夕飯の時間が遅くなってしまいます。/少食であまり食べられません。/たくさん食べたがります。/好き嫌いが多くて偏食です。/朝ご飯が食べられません。/ダイエットしたがります。/サプリメントをとりたがります。書誌概要スポーツや勉強をがんばる子どもの『強い体を作る!スープとおにぎり』■発売日:2024年3月28日 (木)■定価:1,760円■著者:川端理香■仕様:A5判/112ページ■発行:世界文化社世界文化ホールディング(マイナビ子育て編集部)
2024年03月29日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、発達期(おおむね18歳まで)に知的機能の遅れと、適応能力の低さによって、日常生活や社会生活に困難が生じる障害のことです。知的障害(知的発達症)のある方は自己管理やコミュニケーション、学校での学習、仕事などで困りごとが起こりやすく、何らかの支援が必要になると言われています。知的障害(知的発達症)は程度によって種類が分かれており、それぞれ軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と分類されています。知的障害(知的発達症)が生まれつき生じていたとしても程度によって気づかれる時期には違いがあり、重度の場合は発話の遅れなどにより乳幼児期に気づかれることがありますが、軽度の場合は小学校に入学して学習が本格化してから気づかれることもあります。知的障害(知的発達症)の診断は知能検査や保護者への問診、子どもの様子の観察のほか、原因となる疾患の検査などさまざまなことを通して行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。・厚生労働省の基準による知的障害(知的発達症)の程度区分厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。・DSM-5-TRの基準による知的障害(知的発達症)の程度区分医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉局参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)はさまざまな要因が重なった結果生じるもので、遺伝もその一つの要因と考えられています。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。知的障害(知的発達症)は遺伝のほかにも、妊娠中の母体の低栄養、感染症、薬の影響、脳の異常発達、出産後の子どもの低栄養、頭部の損傷、感染症などが要因として考えられています。ただ、多くの場合には原因は特定できないとも言われています。また、先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあるために知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版2歳頃の知的障害(知的発達症)の症状は?軽度知的障害も分かる?知能検査は受けられる?2歳の子どもは、「おはよう」「さようなら」などの日常の挨拶をするようになったり、積み木や簡単なブロックを組み合わせて遊んだり、スプーンを使ってごはんを食べるようになったりする頃です。ただ、知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、以下のような様子がみられる場合があります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている(またはない)・言葉の理解が遅れている・コミュニケーション能力の発達の遅れから、衝動を抑えることが難しく、癇癪を起こしやすい・意思の発達の遅れから癇癪をほとんど起こさない・積木やブロックなどが積めない・クレヨンでぐるぐるとした曲線が描けない・簡単なごっこ遊びが難しい・スプーンを使えないなどの不器用さがある・運動面・知的面含め全体的に発達の遅れがみられる※上記は一例です知的障害(知的発達症)のある子どもには以上のような様子がみられることが多いと言われていますが、軽度知的障害(軽度知的発達症)の場合は学齢期までは目立った兆候が表れないことも珍しくありません。また、子どもの発達は個人差が大きく、上記のような様子がみられたからと言って必ず知的障害とは限りません。子どもの発達について不安がある方は、自己判断せず専門機関に相談するようにしましょう。参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知能指数(IQ)を測るための検査として知能検査があります。検査の種類ごとに受けることができる年齢が異なっていますが、その中で2歳から受けることができるものもあります。代表的なものの一つは田中ビネー知能検査で、2歳から受けることが可能です。もう一つはWPPSI(ウイプシイ)知能検査で、2歳6ヶ月から受けることができます。知能検査の結果は知的障害(知的発達症)の診断や療育手帳の取得のために使用されるほか、得意や苦手な領域が分かるため子どもへの関わり方や支援の参考としても活用されます。知能検査が受けられない場合には、新版K式発達検査を受けることもあります。知能検査・発達検査は発達外来を行なっている小児科、児童精神科などの医療機関、自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることができます。参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社2歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?言葉をなかなか話さないなど、子どもの発達の遅れが気になる場合の相談先を紹介します。かかりつけ医子どもの発達や育児について気になる場合は、予防接種や診察で行っているかかりつけの小児科に相談してみましょう。普段から子どもの様子を見てくれているので相談もしやすいです。保健所/保健センター保健所や保健センターは自治体ごとに設置されており、保健衛生に関する業務を行っているほか、医師や保健師などの職員が子どもの発達を含めた健康相談なども行なっています。保健センターでは子どもの定期健診も行っているため、その際に相談してみてもいいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受け付けている機関です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などの専門的な職員がいて、子どもの発達の遅れについても相談が可能です。また、療育手帳取得のための判定も行っています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは家庭と子どもの問題に関する総合的な窓口として、地域に設置されている機関です。相談・支援を担当する職員と、心理的な援助を行う職員がいて、相談対応や児童相談所と連携しての対応を行っています。児童発達支援センター児童発達支援センターは未就学児に対して、日常生活や社会生活に適応するための児童発達支援を提供している機関です。そのほかにも子どもの発達に関する相談を受け付けています。発達の遅れを相談できる窓口は以上のようなものがあります。ほかにも自治体に地域の子育て相談窓口が設置されていることもあるので、身近な相談先を探してみるといいでしょう。まとめ2歳頃になると、子どもは簡単な挨拶や積み木遊びなどをし始めます。しかし、知的障害(知的発達症)の子どもの場合は、発話や言葉の理解、手を使った動作などに遅れがみられる場合があります。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、このような様子がみられたからといって知的障害(知的発達症)があるとは言えません。発達の遅れが気になる方は、かかりつけ医や保健センター、児童相談所などに相談してみるといいでしょう。知能検査や発達検査を受けたいと考える場合も、医師や保健センター、児童相談所などに相談をしてみましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月29日花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)の原因とは?子どもの花粉症が増えている!?花粉症の原因は、スギやヒノキなどの植物の花粉(抗原)が体内に入ることで起きる抗原抗体反応です。花粉を体内に取り込むと、それを排除するために抗体(IgE抗体)がつくられます。その抗体が蓄積されると、花粉と反応することによって「ヒスタミン」などの化学伝達物質が産生され、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などを発症します。代表的な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどですが、頭痛や肌荒れ、熱っぽさ、のどの痛みといった症状もみられます。近年、大人だけでなく子どもの花粉症も増えているといわれています。この原因として、花粉の飛散量の増加や食生活の変化、空気汚染の悪化などとの関連が指摘されていますが、明確にはなっていません。ハウスダストアレルギーなど、すでにほかのアレルギーがある子どもは、花粉症にもなりやすいということが分かっています。参考:「花粉症環境保健マニュアル2022」|環境省参考:アレルギーについて|国立成育医療研究センター子どもの花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)、検査や治療にはどんな方法がある?花粉症の症状は、風邪の症状との区別が難しいこともあります。診断は、問診(症状が始まった時期や持続期間、症状、ほかのアレルギー疾患の有無や家族歴の有無など)、血液検査・鼻汁検査(お子さんの負担を考えて行わない場合もあります)などを行い、総合的に判断されます。花粉症の治療には、大きく分けて対症療法、根治療法があります。対症療法は、点眼薬や点鼻薬、内服薬のほか、抗IgE抗体治療薬の注射やレーザー治療(重症例のみ)などがあります。根治療法は、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法、皮下免疫療法)などがあります。どのような治療が受けられるのかは病院によっても異なりますので、耳鼻咽喉科や小児科などに問い合わせてみましょう。参考:大久保公裕(日本医科大学耳鼻咽喉科)監修『的確な花粉症の治療のために(第2版)』平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業 公益財団法人日本アレルギー協会事業より|厚生労働省花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)と発達障害の関係は?花粉症(アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎など)と発達障害には直接的な関係はありませんが、感覚過敏などの特性により症状が悪化したり、逆に花粉症の症状の影響から精神的に不安定になったりすることも考えられます。・感覚過敏でマスクがつけられない、どうしても薬が飲めないなど・花粉症の症状でイライラしやすいなど・不器用さから鼻がうまくかめないなど病院で治療を受けるだけではなく、花粉の飛散量が多い日にはできるだけ外出しない、帰宅前に衣服や髪についた花粉をよく払う、洗顔やうがいをする、掃除をこまめに行うなどの工夫で、花粉との接触を減らし、花粉症の症状を軽減できる可能性があります。花粉症の薬を飲まない、マスクを嫌がる、かゆみでイライラ、鼻がかめない……発達障害や発達に特性のある子どもへの対処法【医師QA】ここからは、小児科医の室伏佑香先生に、発達障害や発達に特性がある子どもの花粉症についての質問にお答えいただきます。(質問)子どもにASD(自閉スペクトラム症)と花粉症があります。薬を処方してもらおうかと思ったのですが飲みたくないの一点張りです。服薬以外の対応方法はありますか?(回答)内服薬以外のお薬には、鼻水や鼻づまりの症状を緩和してくれる点鼻薬(鼻に噴霧して使用します)や、眼のかゆみの症状を和らげてくれる点眼薬などがあります。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんは、感覚過敏があることも多く、薬物治療を嫌がる原因の一つともなりえます。花粉症の治療に関わる感覚として、口腔内感覚(内服薬の味や風味、食感など)、嗅覚(薬のにおい)、鼻腔内の感覚(鼻腔内噴霧の刺激)、眼表面の感覚(点眼による刺激)、触覚(薬の投与のために介助者が体を押さえることによる刺激)などがあげられます。人それぞれに苦手な感覚が違いますので、お子さんが許容できるお薬を選べるとよいですね。内服薬を選択する場合も、内服回数の工夫(1日1回の内服でよいものもあります)、剤型の工夫(粉薬や一般的な錠剤以外に、OD錠と言ってラムネのように口の中で速やかに溶けて服用できる錠剤などもあります)、味や食感の工夫(薬によって味や食感も違いますので数種類試してみるのもよいでしょう)などを、お子さんと相談しながら行い、できるだけ苦痛を減らしてあげたいですね。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもにASD(自閉スペクトラム症)があり、感覚過敏の特性からマスクを嫌がります。無理につけなくていいとは思いますが花粉の季節は顔全体がかゆそうでイライラしています。どのように対応したらよいでしょうか。(回答)お子さんがマスクを嫌がってしまうというご相談はよくいただきます。花粉症の症状のせいでイライラしているのに、その上にマスクによる苦痛な感覚にさらされ、余計にイライラしてしまいますよね。かゆみを含めた花粉症の症状については、内服薬や点鼻薬、点眼薬による治療で軽減することもできます。お子さんにとって許容できる感覚、許容し難い感覚は異なりますので、お子さんと相談しながらより許容できる方法を選んでいくことができたらよいですね。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに不器用さがあり、小1になってもうまく鼻がかめません。鼻がうまくかめるようになるコツや声掛けなどあれば教えてほしいです。(回答)鼻をかむ動作、なかなかコツを掴めないということも少なくありません。大人が鼻をかむ動作を見せても、空気は目に見えないので分かりにくいですし、お子さんは鼻から空気を出すという動作自体を意識して行うことも難しいためです。まずは、鼻から空気を出す練習として、ティッシュなどの目に見えるものを鼻息で吹く練習をしてみましょう。その時には口をしっかり閉じて行うということがポイントです。これができるようになったら、ティッシュを鼻に詰めて鼻息で飛ばす練習をしてみましょう。片方の鼻の穴に、軽くこより状にしたティッシュを詰めます。この時、ティッシュをちぎって小さな丸い塊にするのではなく、一枚のティッシュの端をこより状にしていただくことで、鼻の中にティッシュが入ってしまって取れなくなってしまうことを防ぎます。次にティッシュを詰めていない方の鼻の穴を指でふさぎます。しっかり口から息を吸い込んで、勢いよく鼻から息を出してティッシュを吹き飛ばす練習をします。これらの練習は、お子さんと楽しくゲーム感覚で取り組める工夫ができるとよいですね。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月28日気象予報士の関口奈美が22日に自身のアメブロを更新。医師に感染症を疑われた娘の症状についてつづった。この日、関口は娘について「月曜日の夜に発熱し、火曜日には40度を超えました」と明かし「坊ちゃんと同じく、突発性発疹だと思って、病院に行かずに過ごしました」と説明。「しかし、好物のパンやジュースをあげても一切受け付けない」と娘の様子を報告し「そう、喉が痛いようです。唾さえ飲むのも痛いから、唾液で服がびしょ濡れになっていたわけです」とつづった。続けて「一切飲まないから、脱水も心配になり、小児科に行こうかと思って時計をみると18時5分」だったといい「今病院終わったところだ 夜間救急に電話したけど、20時以降の受付だと言われました」と説明。「当番医を調べると片道車で30から40分もかかる」と明かし「結局翌日にしようと思って、翌朝を迎えました」とつづった。また「熱はあるけど、少し水分とれたし、わざわざ強風のなか、当番医に行き、長時間待つのはやめようと思って自宅で過ごしました。木曜日も、風が強く、なんだかんだで自宅」と報告。一方で、金曜日に「なんか赤いニキビみたいなのがある?」と思ったそうで、小児科へ足を運び医師にこれまでの娘の症状を伝えると「溶連菌の可能性もあるから調べましょう」と言われたことを明かした。最後に、娘の検査の結果について「溶連菌じゃなかったです」と報告。しかし、医師から「とびひかもです」「オムツかぶれもこじらせてしまったようで、、、できれば毎回シャワー、ちょっとでもオシッコしたらすぐオムツ変えるようにしてください」と言われたそうで「ただでさえ双子でオムツ交換の回数2倍なのに、シャワーって、ハードル高いな」とコメントし「こんなに赤ちゃんを育てるって大変なのね」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お母さん大変ですね」「奈美さん凄いなぁ」「今が正念場かもしれませんね」などのコメントが寄せられている。
2024年03月24日この年末に、娘と夫と一緒に、3人で帰省しました。帰省中、夫に娘を連れて小児科を受診してもらったのですが……。3週間後にびっくりするようなことが起こりました。おなかの調子が悪い娘を連れて、夫が小児科を受診。しかし…年末に、生後7カ月の娘を連れて、家族で私の実家へ帰省しました。到着後、娘のおなかの調子がどうもよくない様子。「寒くておなかが冷えたのかな?」と思い、近くの小児科を受診することにました。ただその日、私の予定があったため、娘を連れて行くのは夫にお願いし、受診してもらいました。 帰宅後、「便検査したの?」と夫にたずねると、「診てもらったよ。大丈夫だって」というので、私はひと安心。しかし、娘は、帰省中ずっと下痢が続いていました。 そして3週間の帰省を終え、自宅へ戻った翌日、皮膚の相談をしていたため、私は娘を連れてかかりつけの小児科を受診しました。その際に、帰省中にずっと下痢をしていたこと、便のことを話すと、念のため検査をしようということに。すると、検査結果でノロウイルスであることが判明したのです! 私はビックリ! ただ、帰省中の病院でも便の検査してもらったと言っていたはずなのに……と思い、夫に再度聞いてみると、「便は見てもらった。おしりが赤くなってたから、皮膚の検査はした」とのことで、便の検査はしていなかったのです。私はてっきり、便の検査をして異常なかったと思っていたのに……。夫に娘の受診をまかせたときに、「何のために病院に行くのか」を伝えたつもりでしたが、うまく伝わっていなかったようです。 そして、娘がノロウイルスと診断された翌日、なんと夫もノロウイルスに感染。私は自分も感染しないかと怯えながら、私ひとりで2人の世話をすることになりました。こういうとき、近くに頼れる家族がいないのはツラいです…! しかし、3週間も感染しなかったのに、診断が出てから夫が感染するとは……。やはり病は気からでしょうかね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。※ノロウイルスに感染して発症するまでの期間平均で24~48時間で、通常1~3日程度で回復します。しかし、ウイルスは、感染後1週間、長いときは1カ月程度の期間、ふん便中に排出されるので、衛生管理には注意が必要です。 作画/加藤みちか著者:堀田 咲監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年03月23日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)は論理的思考力や計画、判断など勉強に必要となる知的能力と、社会的なコミュニケーションなどの適応機能の遅れが発達期(おおむね18歳まで)に見られる障害です。知的発達症などと呼ばれることもあります。継続した支援がない場合、知的障害(知的発達症)のある人は、家庭や学校、職場などさまざまな状況において、コミュニケーション面や行動面、学習面などで困り事が多く表れると言われています。参考:知的障害(精神遅滞)|厚生労働省 e-ヘルスネット参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知的障害の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。分類はIQで表される知能指数と、社会的な能力である生活能力(適応能力)の両方を考慮したうえで行われます。厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン参考:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省厚生労働省での知的障害(知的発達症)の程度ごとの状態の目安は以下のようになっています。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、aからdの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助要 /できる・用便(月経)の始末:一人でできる/介助要/できる・衣服の着脱:一人でできる/介助要/できる・簡単な買い物:一人でできる/介助要/できる・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。なお、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が親から子へ遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)の原因は一つだけでなく、さまざまな要因が重なっている事が多い傾向があります。遺伝も要因の一つですが、まれだと言われており、ほかの原因により知的障害(知的発達症)が生じる場合もあります。知的障害(知的発達症)の原因としては、遺伝以外にも妊娠中の感染症、母体の低栄養、アルコールや薬物の影響なども考えられています。また、出産時や出産後の低酸素症や脳感染症、頭部への負傷なども原因となり得るとされています。遺伝子疾患、染色体疾患など、先天性の疾患が原因で知的障害の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害があるというわけではありません。このように、知的障害(知的発達症)には遺伝的な要因もありますが、遺伝以外の要因によっても生じる可能性もあります。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版1歳ごろに知的障害の症状は表れる?発達の遅れ、違和感、1歳半健診などここでは、知的障害(知的発達症)のある1歳児に表れる症状について紹介します。1歳頃の赤ちゃんは簡単な言葉を発したり、一人でおもちゃ遊びをしたり、いないいないばあをして笑ったりといった様子が見られ、食事の面では離乳食から普通食へ変わり、スプーンも使えるようになってくる頃と言われています。知的障害(知的発達症)のある子どもは以下のような様子が見られることがあります。・おもちゃで遊ばない・あまり笑わない・あまり泣かない/いつも泣いている・つかまり立ちをしない・歩かない・喃語を話さない・保護者の言葉に反応しない・かむ力が弱く離乳食が進まない・全体的に発達の遅さが見られるただ、上記のような様子が見られるからといって、必ずしも知的障害(知的発達症)というわけではありません。赤ちゃんの発達は個人差があることや、ほかの病気や障害が背景にある可能性もあります。心配な様子がある場合は、後ほど紹介する相談窓口に問い合わせてみるといいでしょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都保健福祉局保健センターで行われる乳幼児健診に1歳半健診があります。1歳半健診では子どもの発達について詳細な質問項目が用意されていて、発達が年齢相応かどうかを測ることができるようになっています。1歳半健診における質問項目をいくつか抜粋して紹介します。・絵本を見て知っているものをさしますか。・周りの人の身振りや手振りをまねしますか。・自分の好きなおもちゃで遊びますか。・かんしゃくをよく起こしますか。・手をひかれて階段を上がることができますか。・手足の動きがぎこちなく突っ張った感じがありますか。・鉛筆を持ってなぐり書きをしますか。・スプーンを使って食事ができますか。・大人の言う簡単な言葉が分かりますか。(おいで・ねんね・ちょうだいなど)・何かに興味を持った時に、指さしで伝えようとしますか。などこういった項目にはい/いいえで回答していき、発話や人への興味、指さし、運動面などで発達の遅れが見られる場合は、医師からアドバイスなどがもらえることがあります。また、気になることがあれば保護者から医師や保健師などに相談することも可能です。参考:乳幼児健診における標準的な項目一覧|厚生労働省1歳ごろに表れる知的障害の症状をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?普段の様子や周りの赤ちゃんと比較して、うちの子は発達が遅れているのではと心配な保護者もいると思います。また、1歳半健診では「様子見」と言われたが、やはり気になるという場合もあるでしょう。そういったときに相談できる窓口がありますので紹介します。かかりつけの小児科予防接種や健診で定期的にみてもらっているかかりつけの小児科にまずは相談しましょう。定期的にお子さんの発達をみてもらいながら、必要だと思われる福祉的な支援などについても相談してみても良いでしょう。保健所/保健センター保健所も保健センターも、地域における保健衛生を担当する専門機関です。子どもの発達に関しても相談でき、医師や保健師など専門的なスタッフが相談に対応しています。児童相談所18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけている機関で、発達の遅れについても相談することが可能です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などのスタッフが対応しています。児童家庭支援センター身近な地域で子どもに関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れに関してもアドバイスがもらえるほか、児童相談所などと連携した対応も行っています。児童発達支援センター障害のある子どもが通いながら、日常生活や集団生活への適応を目指してさまざまなサポートを受けることができる場所です。児童指導員、保育士、医師など専門のスタッフもいて、発達の遅れなど気になることを相談することもできます。まとめ知的障害(知的発達症)は知的能力と適応能力に遅れがあり、支援を受けていないと身の回りのことや学習などで困り事が生じる場合があると言われています。知的障害(知的発達症)の子どもは、1歳頃から今回紹介したような様子が見られる場合があります。しかし、子どもの発達は個人差が大きいものです。子どもの発達が遅いなど気になることがある場合は、不安を抱え込まずに1歳半健診の際に相談したり、そのほか相談できる専門機関に問い合わせてみたりするといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月23日セリスタ株式会社(東京都千代田区 代表取締役 伊藤 承正)は、2024年3月31日(日)に、伊藤 明子先生(赤坂ファミリークリニック/院長)を講師にお迎えし、医師・歯科医師などの医療従事者向け無料Zoomオンラインセミナー『バイオフィードバック・ニューロフィードバックの臨床での活用/ASD・ADHDなど発達障害、PTSD、トラウマ、不安神経症、IBS、アスリートのピークパフォーマンスへの適用+デフォルトモードネットワーク研究の最新情報』を開催します。23-4伊藤先生_見どころ◇見どころ/主な学習のポイント◇■『バイオフィードバック・ニューロフィードバックの臨床での活用/ASD・ADHDなど発達障害、PTSD、トラウマ、不安神経症、IBS、アスリートのピークパフォーマンスへの適用+デフォルトモードネットワーク研究の最新情報』伊藤 明子 先生/Dr. Mitsuko Itoh赤坂ファミリークリニック/院長NPO法人Healthy Children, Healthy Lives/代表理事有限会社アクエリアス/代表取締役社長・会議通訳者東京大学医学部附属病院 小児科/医師MPH(公衆衛生専門職)東京大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 健康医療政策/客員研究員ズバリ解説!バイオフィードバック・ニューロフィードバックとは何か?!※キーワード:バイオフィードバック、ニューロフィードバック、発達障害、PTSD、DMN▼参加登録(無料)はこちらから▼ ◇講師紹介◇伊藤 明子 先生/Dr. Mitsuko Itoh赤坂ファミリークリニック/院長NPO法人Healthy Children, Healthy Lives/代表理事有限会社アクエリアス/代表取締役社長・会議通訳者東京大学医学部附属病院 小児科/医師MPH(公衆衛生専門職)東京大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 健康医療政策/客員研究員《ご経歴》東京外国語大学卒帝京大学医学部卒東京大学大学院医学系研究科卒・同時通訳者として医学系学会での会議通訳、米国大統領をはじ多々の国賓の通訳に従事して30余年。・近著に『医師が教える子どもの食事50の基本=脳と体に「最高の食べ方」「最悪の食べ方」=』ダイヤモンド社、「医師がすすめる抗酸化ごま生活」アスコム。・2児の母。・多数のテレビに出演、雑誌メディア掲載。▽赤坂ファミリークリニック▽ ▽NPO法人 Healthy Children, Healthy Lives▽ ◇無料LiveオンラインZoomセミナー概要◇■番組名 :『Sunday Wellness Breeze』Season 23 Stage 4■開催日時 :2024年3月31日(日) 10:00~12:00■開催形式 :Zoomオンラインセミナー■プログラム:10:00 オープニング・主催者挨拶10:20 『バイオフィードバック・ニューロフィードバックの臨床での活用/ASD・ADHDなど発達障害、PTSD、トラウマ、不安神経症、IBS、アスリートのピークパフォーマンスへの適用+デフォルトモードネットワーク研究の最新情報』伊藤 明子 先生/Dr. Mitsuko Itoh赤坂ファミリークリニック/院長NPO法人Healthy Children, Healthy Lives/代表理事有)アクエリアス/代表取締役社長・会議通訳者東京大学医学部附属病院 小児科/医師MPH(公衆衛生専門職)東京大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 健康医療政策/客員研究員11:20 質疑応答12:00 エンディング■参加費 :無料(配布用PDFテキストは1,500円税込)■対象 :医師・歯科医師・薬剤師・医療従事者限定 ※一般の方はご参加できません。■定員 :1,000人■お申込み方法:下記リンクよりご登録ください。 ■企画・主催:セリスタ株式会社Tel : 03-3863-1003E-mail: info@selista.jp ■Wellness Breeze site: 是非、多くの医療従事者のご参加をお待ちしております。【会社概要】社名 : セリスタ株式会社/Selista Inc.所在地 : 〒101-0032 東京都千代田区岩本町1-5-8 東京雄星ビル4FURL : 代表取締役: 伊藤 承正事業内容 : 医療機器、理化学機器、健康器具の輸入販売サプリメントの開発・販売経営コンサルティング 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月21日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、おおむね18歳までに思考力や計算力などの知的能力と、社会生活を営むための適応能力に遅れがみられる障害のことです。症状としては、言葉や文字の習得の遅れ、意思疎通の困難、ルールの把握の困難、食事や着替えなどの身の回りのことの困難、学校での学習の遅れなどがあります。行政や医療などによって知的障害(知的発達症)の基準には違いがあります。多くの場合、障害の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。分類はIQで表される知能指数と、社会的な能力である生活能力(適応能力)の両方を考慮したうえで行われます。医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:知的障害(精神遅滞)|厚生労働省 e-ヘルスネット参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が生じる要因の一つに遺伝があります。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。遺伝以外にも出生前の感染症や染色体異常、出生後の頭部損傷や感染症などさまざまなことが要因となり得ます。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版0歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状、発達の遅れ、違和感0歳の赤ちゃんには身体面、神経面で知的障害(知的発達症)の特徴が表れることがあります。身体面では頭の大きさや手や足の形などに異常がみられる場合があります。また、運動機能の発達が遅れることで、寝返り、座る、立つなどといった動作が0歳の間にみられないといった場合もあります。ほかにも、けいれんや嘔吐、尿の匂いの異常、哺乳不良などが兆候として表れることがあります。これらは、背景に遺伝的な疾患や感染症などがあるために生じる兆候だと言われています。なお、この上記のような症状がみられる場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。知的障害(知的発達症)がある場合、運動発達面での発達の遅れなどがみられることが多いとされています。例えば、下記のような症状があげられます。・あまり泣かない、またはいつも泣いている・首が座るのが遅い・寝返りをするのが遅い・座位をするのが遅い・ずりばいをしない・ミルクの飲みが悪い・低緊張がある・全体的に発達の遅れがみられるただ、ほとんどの子どもには幼稚園に入る3歳頃までは、周りが気づくような症状はみられないとも言われています。また、0歳の赤ちゃんの発達は個人差が大きいため、上記のような様子がみられて心配な場合は、専門機関に相談するようにしましょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:山田 和孝著「精神遅滞児の運動発達面でのスクリーニング検査」『 脳と発達』26巻(1994)6号 p. 498-5030歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?0歳の赤ちゃんに前の章で紹介した様子がみられたり、発達の遅れが気になる場合に相談できる窓口が複数あります。心配な気持ちは家庭だけで抱えるのではなく、専門機関に相談するといいでしょう。かかりつけの小児科予防接種や健診で定期的にみてもらっているかかりつけの小児科にまずは相談しましょう。定期的にお子さんの発達をみてもらいながら、必要な福祉的な支援などについても相談してみてもいいでしょう。保健所・保健センター保健所や保健センターは地域の保健サービスを担っている機関で、子どもの発達に関しての相談をすることもできます。また、保健センターでは0歳児だと1ヶ月健診、3~4ヶ月健診など複数回乳幼児健診の機会があるので、気になることがあればその際の相談してみるといいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談に対応している機関で、発達に関する相談も受けつけています。また、知的障害(知的発達症)の判定も行っています。児童家庭支援センター18歳未満の子どもに関する悩みについて、身近な地域で相談ができる場所です。発達に関する相談もでき、状況に応じて児童相談所などとも連携を取りながら支援を行っています。児童発達支援センター障害のある子どもが通いながら、日常生活や集団生活に適応するためのさまざまなプログラムに取り組んでいく場所です。発達に関する相談も受けつけています。まとめ知的障害(知的発達症)は知的能力と適応能力が低いことで、生活や学習などに困難が生じる障害のことです。0歳児から表れる兆候としては、ほとんど泣かない、またはよく泣く、ミルクの飲みが悪い、寝返りが遅い、首が座るのが遅い、ずりばいをしないなどがあげられます。ただ、知的障害(知的発達症)は多くの場合、3歳頃までは周りの人が気づくような目立った症状はみられないとも言われており、上記の症状がみられたからといって必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。気になる様子があって心配という方は、まずは乳幼児の発達について相談できる窓口に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月20日下の子どもが2歳になったばかりのころ、遊んでいるうちに耳を触り始めました。中耳炎か何かだろうか……と、ひとまず近くの小児科を受診しました。すると、思いもよらぬ大ごとが判明したのです――。 耳を触る子ども私が家事をしていて子どもがひとりでおもちゃで遊んでいたとき、少し離れた場所から見守っていた私は、途中から子どもが片方の耳をやたらさわっていることに気が付きました。まだ子どもはうまく話すことはできなかったので、中耳炎か何か、耳に何か異常があるのかしらと思い、近くの小児科へ連れて行くことにしました。 判明した衝撃の原因小児科を受診した結果、なんと小さなビーズが耳の奥にあるせいだと判明。中耳炎ではなく、バラバラになっていたビーズの1つを、耳の中に入れてしまっていたのです。小児科から耳鼻科を紹介されましたが、そこでも「これは取れない、医療センターに行ってください」と言われてしまい、あたふたする私。 痛みはなく、すぐに害が出るわけではないが、早く取ったほうがいいようでした。この時点で上の子の幼稚園のお迎え時間が来てしまったため、上の子を連れて3人で医療センターまで向かいました。 まさかの…!医療センターの外来でも「取れない、耳が小さすぎる」とのこと。そこでなんと、急きょ麻酔をして手術することに……! 待合室で、下の子は長い待ち時間と、ここまでの疲れで大泣き! リスクのある麻酔は不安でしたが、手術は無事成功。年齢が低いので入院措置になり、そのまま着替えもないままひと晩泊まりました。取れたビーズは本当に小さいものでした。 何でも口に入れる時期は過ぎていたので、小さなおもちゃに油断してしまっていました。まさか耳に入るとは思わなかったので、ショックを受けた出来事でした。麻酔から覚めた子どもは何事もなかったようにニコニコしていてホッとしましたが、申し訳なかったと今もきちんと見ていなかったことをとても後悔しています。今後は子どもから目を離さないようにするのはもちろん、危険なおもちゃを与えないようにしようと誓った出来事でした。 ◇◇◇ 子どもの耳におもちゃが入っていたらとても驚いてしまいますよね。日本小児科学会によると、子どもは好奇心旺盛なので、子ども自身が小さなものを自ら耳や鼻に入れてしまうことがあるそうです。さらに、偶然入ってしまうこともあるのだとか。小さな物を近くに置かない、近くで大人が見守るなど、日ごろから注意が必要ですね。 なお、もしも入ってしまった場合、入った物が何であっても奥へ押し込んでしまう可能性があるため、ピンセットなどで取り出そうとしてはいけないとのこと。BB弾・ビーズなどの小さなおもちゃや豆類が耳に入った場合は、耳たぶを後ろ上方に引っ張って下向きにし、反対側の頭の横を軽く叩くと出てくることがあるそうです。取れない場合や子どもが耳を触っているなど、いつもと違う仕草が見られるときは早めに病院で診てもらうと安心ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/海乃けだま著者:橘つばき監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年03月19日現在3歳のこっちゃんは、この3年間とにかく泣いてばかり。夜泣き、着替え、歯磨き、入浴、お出かけなど、日常のあらゆる場面で大泣きするため、ママは毎日泣きセンサーに怯える日々でした。育児を楽しいと思えず、同年齢の子どもと比較してしまう自分にも嫌気がさし、自信を喪失してしまいます。それでも、日々こっちゃんと向き合い、育児に奮闘し、その先にあったのは?後日、かかりつけの小児科でこっちゃんの夜泣きについて相談してみることに。 すると、先生はこっちゃんの肌荒れを指摘し、保湿剤と自律神経を落ちつかせる漢方を処方すると言い診察は終わりました。 苦い漢方を子供が飲むの? と疑問に思ったママは、薬局で服薬専用ゼリーに混ぜると飲みやすくなるとアドバイスをもらいます。自宅へ戻りさっそく試してみるもやはり苦くて飲めずに終了。 続けて、小児科で処方された肌荒れの薬を塗っても起きてしまいます。 結局、何を試してもこっちゃんの夜泣きは無くならないのでした。ある嬉しい出来事が 小児科で処方された漢方と塗り薬を試しても状況は変わらず、夜泣きは続きます。 しかし、良かったことが1つだけありました。それは、処方された塗り薬でこっちゃんの肌荒れが改善しスベスベになったのです。 肌が綺麗になりパパも感激! しかし、肝心の夜泣きとかんしゃくは続きママはゲッソリしてしまいます。 疲れ果てたママは「こっちゃんを生かす!!」それだけで十分なのでは? と思うようになるのでした。 ◇◇◇ 子ども生かすことは本当に大変なことです。ママは十分頑張っています。限界を感じる前に家族や自治体の育児相談窓口に相談して、少しでも肩の荷をおろしママ自身を大切にしてください。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター はちこ
2024年03月15日日本公認心理師ネットワークが、2024年3月30日10時00分から12時00分まで、「病気を持った子どもに対する認知行動療法〜小児科領域における心理職に必要なスキル〜」というテーマでオンラインセミナーを開催します。【内容】このセミナーでは、小児がん、糖尿病、喘息、肥満といった慢性疾患を持つ子どもを支えるための認知行動療法(CBT)の有効性と、家族に対する支援の重要性について深く掘り下げます。また、多職種の医療チーム内で心理師が果たすべき役割と、効果的なチームワークの構築について紹介します。例えば、医療者と患者家族の関係を強化するために、心理師ができることについて学びます。セミナー代が最大1,050円お得になる書籍付きチケット(※二冊セットの書籍付きチケットの場合)もございます。ぜひ書籍も併せてご検討ください!・病気を持った子どもに対しての認知行動療法(メインは小児がん、糖尿病・喘息・肥満など慢性疾患をもつ子どもの話も含む)・ご家族の支援・この領域で働こうとする心理師に求められること(チームの中で、どのように関与できるか)・医療者と患者さん家族の関係を調節する方法・医療者の患者さんご家族への行動変容を促す方法・さらに学びたい方向けのリソースの紹介など、以上の内容を含む予定です。【講師】尾形明子先生(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)【イベント概要】日時:2024/03/30 (土) 10:00 - 12:00(見逃し配信あり)方法:オンライン開催参加費:¥4,980~¥9,980【資料】当日の講演資料は、別売りです。希望者のみ1000円で購入することができます。準備ができ次第、こちらのサイトに掲載いたします。見逃し配信は一週間後に配信を開始いたします。2024年9月末まで視聴可能です。【参考】1.鈴木伸一 編著 (2016) 『からだの病気のこころのケア チーム医療に活かす心理職の専門性』北大路書房定価:3,300円(税込)*尾形先生は、「第14章小児がん患者へのケア」を執筆されました。2. 鈴木伸一 編著(2008)『医療心理学の新展開チーム医療に活かす心理学の最前線』北大路書房定価:2,750円(税込)*尾形先生は、「第7章 小児医療」を執筆されました。pcmhimeji powered by BASE : お申込みはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月14日