10月4日から歌舞伎座で開幕する「芸術祭十月大歌舞伎」の第二部『祇園恋づくし』(作・小幡欣治、演出・大場正昭)に出演する中村鴈治郎と松本幸四郎が取材に応じた。両名による再演は、7月の大阪松竹座以来、わずか3カ月ぶりという異例の早さ。「まさかこんなに早いとは。歌舞伎座は大きいので、雰囲気の違いに怖さもありますが、やるからには楽しんでもらいたい」(鴈治郎)、「うれしい限りですね。切羽詰まった話ですけど、それが笑えるのが魅力。面白く楽しいお芝居なので、喜んでいただければ」(幸四郎)と意気込みを語った。日本三大祭のひとつ「祇園祭」を背景に、京と江戸の意地と粋が絡み合う恋模様を描く本作。鴈治郎が大津屋次郎八と妻のおつぎ、幸四郎が指物師留五郎と芸妓染香をそれぞれ、二役早替わりで演じる様も見どころになっており、「やっぱり、二役やらないと面白くない。(幸四郎は)気心も知れているし」と鴈治郎。幸四郎は男役の留五郎を演じる際には、白粉を落とす“離れ業”を披露しており、「まさか、落とすとは思わなかった。うそだろって(笑)。あの早変わりはすごいよ」(鴈治郎)、「間に合っちゃったんですよね(笑)」(幸四郎)と丁々発止のやりとりを披露した。『祇園恋づくし』と言えば、次郎八と留五郎が、京と江戸のお国自慢を披露する巧みな台詞のやり取りも見逃せない。鴈治郎は「東男に京女という言葉もあって、このお芝居はその逆ですが、本音がつかみにくくて、裏で何を考えているか分からない京男の“あるある”な部分が描かれている」と語り、「今回はこっちがアウェイで、巨人阪神戦みたいなもの」と歌舞伎座公演に対し、ユーモアあふれる持論を展開。幸四郎も「いわば郷土自慢ですけど、お互いをけなし合う芝居になってしまうと、後味が悪くなってしまうので」と演じる上での意識を明かした。7月松竹座での共演で、すっかり意気投合した様子のふたり。鴈治郎が「僕から逃げようとするシーンがあるんですけど、逃げる前からリードが広いと、捕まえられなくなる。歌舞伎座は広いから」と“注文”を出すと、幸四郎は「僕に対して『何かするんだろ?』って警戒心を感じてらっしゃるみたいで(笑)。逆にこちらも何か思いついたら、躊躇なく投げかけたい。そういう緊張と勇気を与えてくださっている。責任は取らないですけど、上演時間だけは気をつけないと(笑)」と不敵な笑みを浮かべていた。取材・撮影・文=内田涼<公演情報>「芸術祭十月大歌舞伎」2022年10月4日(火)~27日(木) 歌舞伎座【休演】11日(火)、19日(水)第一部:11:00~第二部:14:30~第三部:18:15~
2022年10月01日前回までの我が家の 不登校体験 は親からの視点で、不登校に対する親の関わり方や考え方などを描かせていただきました。また、うちは娘が不登校だったのですが、男の子の場合は違うことも多いのでは?と思い、今回は会ってみたかったスペシャルゲストにお話を聞いてきました!「学校生活が合わない子」がいることを認めよう!10年の不登校を経験し 「学校は行かなくてもいい ―親子で読みたい「正しい不登校のやり方」」 「ゲームは人生の役に立つ~生かすも殺すもあなた次第」 という著書も出されている小幡和輝さん(24)。小幡さんは「#不登校は不幸じゃない」の発起人で、10年の不登校後なんと高校3年の時に企業し、現在は会社経営をされています!会社を経営しつつ「#不登校は不幸じゃない」をキーワードに、昨年は全国100箇所で不登校の子どもたちに向けたイベントを各地で開催したり、 ブログ や Twitter などでご自身の経験など、不登校に関する情報をいろいろ発信してくださっています。スラっと長身の優しそうな、でも話し出すとキレのあるトークが印象的でした。「不登校は不幸じゃない」と掲げて精力的に活動されていますが小幡さんは不登校を推奨してるわけではありません!我が家の体験談でもお伝えしましたが、不登校になるということは辛いことでもあります。小幡さんも学校自体にたくさんのストレスを感じていて小学2年生の時から本格的に不登校になったとのことですが、両親との「行きなさい! vs 行かない!」の攻防が3ヶ月ほど続き、この時期が一番辛かったそうです。「親が学校に行かせようとする」それは世の中がそういう価値観・常識だから必然なのかもしれません。しかし実際には学校生活が合わない子がいるわけで…そういう子にとって、学校へ行かないという選択肢がないということは苦しみが長引き、状態も悪化してしまうと思います。私の不登校体験談でも描きましたが、不登校の苦しみを乗り越えるためには親が変わることが最初のステップだと思っています。子どもの気持ちを知る…そして受け入れる。このステップなくしては次には進めないと思っています。小幡さんの場合はどうだったのでしょうか。親も子も精神的に明るくいられることが大事なるほど!大人は不登校もゲームも悪いものと思いがちですが、我が家の息子もゲームが好きで、ゲームを通して仲良くなる友達もいます。(※ゲームというのは家庭用ゲーム機やスマホゲームだけを指すのではなく、ボードゲームやカードゲームも含みます)科学的にもゲームは脳に悪いことなんて無いそうです。小幡さんは不登校中もゲームをしていたそうですが、一人籠ってではなく、いとこや友達と一緒にやっていたので楽しかったそう。とても明るい不登校だったというのがお話から伝わってきました(笑)また、小幡さんは不登校は選択肢としてあってもいいけれど、引きこもりにならないことが大事とおっしゃってました。引きこもりにしないためには、親が子どもの気持ちや状態を受け入れ、そして家以外にも所属できるコミュニティがあるといいですよね。学校の友達と疎遠になってしまったのなら、習い事や、ネットで趣味が合う人やコミュニティを探すという方法も今ならあります。(危険もあるので注意しないといけないですが)私も不登校中、親も子どもも精神的に明るくいられることがとても大事だと思っています。子どものことだけで頭がいっぱいになって「過度な心配」をするのは、子どもをさらに追い詰めてしまうことにもつながります。ですが、子どもが不登校になると将来が不安になってしまう親心はなかなか消えませんよね。それについて小幡さんの意見は…学校を出て良い企業に就職というコースだけではなく、これからはいろんなコースが増えていくのかもしれませんね。私たちの親の時代にはなかった価値観が新しく生まれてきています。親として知っておきたいのは学校に行かなくても、仕事をするスキルを身につけて自立できる方法はあるということです。そして、小幡さんは高校生のときに起業された…とのことで、どのように起業したのか聞いてみると…好きなことをとことんやった経験がある人は強いえっ…そんなに気軽に…?と驚きのお話でした(笑)10年間の不登校時期に30,000時間くらいゲームをして、歴史、社会へ興味が出て、夜間の定時制高校に進学し「地域活性のワークショップ」をやったのがキッカケだそうで、今はイベント企画の会社を経営されています。…とにかく迷いがない。我が娘の場合、ゲーム漬けの日々もあったのですが、そのうち飽きました。つまり、そこまで好きなことではなかったようです。その後、絵を描きまくって現在イラストレーターとして働いています。親がゲームをしている子どもをみると、なんの生産性もない暇つぶしにみえることもあるのですが、ゲームに勝つために、攻略するためには子どもはいろいろ考えてます。ゲーム自体が問題なのではなく、付き合い方が大事だと思いました。それを親が理解するためには、一緒にやってみるのもいいのかなと。そして、好きなことをとことんやった経験があるというのは人を強くする気がします。子どもが安心して日々を過ごすこと、そのために子どもの気持ちを受け入れること、そして子どもの力を信じて待つこと。親が安心して、長い目で子どもの将来を見守ることで、子どもの精神状態は良くなると思います。そして、待ちながら良さそうな場所を探して誘ってみる(情報提供する)ことが親の仕事かなと思ってます。子どもにどう働きかけたら関係が良くなり、何を提示したらやる気を育てられるのかな~と「育成ゲーム」をするような客観的視点も大切なのかもしれません。ただ育児はゲームではないのでリセットはなく常に愛を持って最善を尽くすしかないんですけどね。「#不登校は不幸じゃない」イベントについて…夏休み明けは学生の自殺報道が増えます。「本当の不幸は学校に行けないことではなく不登校になれなかった子に起こる」と小幡さん。そんな悲しい出来事を減らしたい!この記事の冒頭でも触れました、全国一斉イベント「#不登校は不幸じゃない」が今年も行われます。 イベント詳細はこちら>> 小幡さんの活動をもっともっと知りたい人はブログやSNSなどを見てくださいね!◆ 小幡和輝オフィシャルブログ | 不登校から高校生社長へ ◆Twitter: @nagomiobata ◆instagram: nagomiobata ◆著書: 「学校は行かなくてもいい ―親子で読みたい「正しい不登校のやり方」」 ◆著書: 「ゲームは人生の役に立つ~生かすも殺すもあなた次第」
2019年07月14日1961年に発表された有吉佐和子の同名小説を、1973年小幡欣治の脚色・演出で初舞台化された『三婆』。老人問題にいち早く目を向け、“老い”というテーマを、ユーモアたっぷりに描いた本作は、初演以降、各時代を彩るさまざまな大女優たちの配役で度々上演。そして、2016年11月、東京・新橋演舞場で、大竹しのぶ、渡辺えり、キムラ緑子という、現代を代表する3人の女優の競演が実現。より深化した現代的なテーマ性と、齋藤雅文演出によるスピーディな展開、さらに圧倒的なパワーで会場を笑いと涙の渦に巻き込んだ名喜劇が、20周年の節目を迎える福岡・博多座にやって来る。しかも、3人共に福岡・博多座での初舞台!3人がそろって来福し、公演への意気込みを語ってくれた。舞台は昭和30年代の終わり。金融業者・武市浩蔵の突然の死をきっかけに、ひとつ屋根の下で奇妙な同居生活をすることになってしまった浩蔵の妻・松子(大竹しのぶ)、浩蔵の妹(渡辺えり)、浩蔵の妾・駒代(キムラ緑子)の“三婆”が、浩蔵の元部下や、武市家の御用聞き、お手伝いまで巻き込みながら、熾烈なバトルを繰り広げる…という物語。【チケット情報はこちら】役との共通点について聞かれると「普段から役と自分を重ねて演じることはない」と前置きしながら「あえて言えば、3人のまとめ役なところ」と大竹。舞台でもプライベートでも、自由奔放な渡辺とキムラが脱線しないように、大竹がまとめているのだそう。また劇中では「顔を合わせれば喧嘩ばかり」という設定だが、実際に同居したら「3人とも芝居が大好きなので、ずっと芝居について話をしていそう」と大竹。「昔の歌を爆音で聴きながら、みんなで歌ったり踊ったりしたいね」という渡辺に「3日くらいならいいかもね」とキムラ。すると、間髪いれず「1日で十分です(笑)」と大竹が答えるなど、3人の息の合った様子がうかがえる一幕もあった。見どころについて、まずキムラが「3年前の舞台で演じた時、私自身が、お客さまの反応を見て、『三婆』という作品の力を実感しました。これまでも多くの女優が演じ、これからもいろんな女優が演じていくであろう作品。だからこそ、見どころはずばり“今の私たち”。今の私たちだから生まれる『三婆』をぜひ見に来てください」とコメント。続いて渡辺が「この作品には、古き良き昭和の人情が描かれています。日本人の心の根底にある、優しさや思いやりを、この舞台を通して、ぜひ老若男女に伝えられれば。そして、三度の飯より芝居が好きな私たち3人が、本気で見せるケンカシーンや、仲たがいも見モノです。ご期待ください!」。最後に大竹が「とにかく笑える舞台です。ただ笑えるだけでなく、その裏には人間の老いや、人生の悲哀がしっかりと描かれています。そんな作品が持つ本質を伝えられるように誠実に演じたいですね。スタッフ、キャストが力を合わせて、心から笑って泣ける芝居を作りますので、ぜひ劇場へお越しください」と語ってくれ、それぞれが笑顔で締めくくった。豪華女優の競演で魅せる『三婆』は5月31月(金)から6月27日(木)まで大阪松竹座、7月1日(月)から8日(月)まで博多座にて上演。
2019年05月30日