人気クリエーター、森本千絵さんと中島信也さんによる展覧会『森の中展』が7月13日より霧島アートの森ではじまりました。広告・デザインの世界で活躍中のお二人による同展では、「広告づくりの現場」を見て感じて体験できる楽しい演出がいっぱい!雄大な自然の中で体感できるこの夏イチオシのアート展をご紹介します!霧島アートの森で開催!【女子的アートナビ】vol. 76『森の中展』が開かれる会場は、鹿児島県霧島アートの森。鹿児島空港から車で40分ほどの場所に位置する自然に囲まれた美術館です。同展では、アートディレクターの森本千絵さんとCMディレクターの中島信也さんによるアートワークなどを多数展示。おなじみのテレビCMやポスター、ミュージシャンのCDジャケットなどの制作過程を、企画書や原画、さらには巨大な美術セットなどにより再現されています。ふだん目にする広告がどんなふうに生み出され、つくられてきたのか。さまざまな演出により楽しみながら「広告づくりの現場」を体験できます。森本千絵さん&中島信也さん森本千絵さんは、株式会社goen°(ゴエン)を主宰するアートディレクター。組曲やRight-on、AZULのCM演出をはじめ、Mr.ChildrenのPVやCDジャケット、さらには映画やドラマの宣伝美術や舞台美術など幅広い分野で活躍されています。中島信也さんは、広告界の第一線で活躍されているCMディレクター。日清食品カップヌードルの「hungry?」やTOTO NEOREST「菌の親子」など、誰もが知っているテレビコマーシャルを多数制作。カンヌ国際広告祭グランプリも受賞しています。今展の見どころは、中島さんが手がけたCMの絵コンテ。なんと100点以上も展示されるそうです。人気のコマーシャルがどんなふうにつくられたのか、見て知ることができる貴重な機会ですね!高さ6メートルの巨大な広告アートも展覧会のもうひとつの見どころは、巨大な広告アート。例えば、松任谷由実さんのアルバム『宇宙図書館』のためにつくられた広告美術は、なんと幅が約4メートル!中心部がぐにゃりとゆがんだ印象的な本棚をリアルに体感できます。また、絢香さんのベストアルバム『This is me』のために制作された美術セットの「楽樹」も巨大。この作品は、ギターやバイオリン、アコーディオンやホルンなどさまざまな楽器でつくられた大きな樹で、高さが約6メートルもあります。これらの作品を含め、今展ではすべて写真撮影がOK。しかも、「ここで撮ればおもしろい」という撮影ポイントまで設置されているので、おしゃれな写真がたくさん撮れそうです。さらに、会場では「森の中Tシャツ」や「森の中缶バッジ」などオリジナルグッズも登場。限定販売なので、できれば早めに出かけて手に入れたいですね!広告づくりのプロフェッショナルお二人の「頭の中」をたっぷり見られる「森の中展」、この夏の予定に入れてみてはいかが?Information会期:7月13日(木)~9月18日(月)※月曜日休園(祝日の場合は翌日休園,8月14日は開園)時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)7月20日〜8月31日の土・日・祝は19:00まで開園(入園は18:30まで)会場:鹿児島県霧島アートの森アートホール料金:一般 800円/大学生・高校生 600円/中学生・小学生 400円
2017年07月13日2017年7月8日・9日に東京で開催されるイベントをご紹介!フォトジェニックなルックスがたまらない「ピノフォンデュカフェ」や夏にピッタリのドリンクが味わえる「氷結®ICEBOXスタンド」など、気になるコンテンツが目白押し。さっそく詳細をチェックしてみましょう!ピノフォンデュカフェ(東急プラザ表参道原宿)「ピノフォンデュカフェ」が今年も東急プラザ表参道原宿にやってきました!2017年のテーマは「#ピノジェニック」。デコレーションのパーツがさらに可愛くなって登場です。思わず写真に撮りたくなっちゃうような、キュートなピノをつくりましょう。信州ジビエ(駅ナカ)脂質が少なく低カロリー、高タンパクでミネラルたっぷりと、いいことずくめの信州ジビエ。そんな信州ジビエを、エキナカや駅近で楽しむチャンスです。全国あわせると260店舗で開催されているので、あなたの最寄り駅でも味わえるかも!ぜひチェックしてみてくださいね。氷結®ICEBOXスタンド(渋谷MODI)ICEBOXに「氷結®」を注いで飲む、キーンと冷たい夏チューハイが最高に美味しい!期間限定でコラボレーションバーがオープンしています。「氷結®」のフレーバーは全部で7種類。お好みの組み合わせを見つけてくださいね。カラフル・アリスフェス(アリスのファンタジーレストラン)可愛らしいメニューや内装が人気のアリスのファンタジーレストランの都内5店舗で「カラフル・アリスフェス」が実施されています。キャラクターにちなんだカラフルなフードやドリンクで、アリスの世界観を楽しみましょう。あまりのキュートさに全店舗のメニューを制覇したくなっちゃうかも!?太陽のマルシェ(月島第二児童公園)「太陽のマルシェ」の7月のテーマは“BBQ&クラフトビール”!ローストチキンやジャークチキンなど、ビールにピッタリのメニューが目白押しです。ちょっと変わったクラフトビールも販売されるので、こちらも気になります。カワウソほんと展(TODAYS GALLERY STUDIO)「カワウソほんと展」が、東京都浅草橋にあるギャラリー「TODAYS GALLERY STUDIO」で開催されます。会場には約200点以上の作品がずらりと展示。かわいいカワウソの写真で癒されること間違いありません。
2017年07月07日展覧会「竹久夢二 モチーフ図鑑 ― 夢二さんの好きなもの ―」が、2017年7月1日(土)から9月24日(日)まで、東京都文京区の竹久夢二美術館で開催される。竹久夢二が作品の中で繰り返しとりあげたモチーフに着目して、その世界観を紐解く本展。個人的に手掛けた作品からポスターなどの商業作品まで、日本画、挿絵原画、書籍、書簡など約200点の作品が展示される。竹久夢二といえば美人画だが、本展では夢二が好んで描いた姿勢や題材ごとに展示。晩年の傑作で、夢二の美人画の特徴をよく示した作品「水竹居」や恋人の彦乃をモデルに描いた作品などを通して、その特徴に迫る。そのほか、子供や山、椿をはじめとする草花、猫や鳥といった動物、果物まで、夢二が好んだ様々なモチーフを紹介。夢二のことをあまり知らない人にも、入門編として最適な展示構成となっている。【開催概要】展覧会「竹久夢二 モチーフ図鑑 ― 夢二さんの好きなもの ―」開催期間:2017年7月1日(土)〜9月24日(日)開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)会場:竹久夢二美術館住所:東京都文京区弥生2-4-2TEL:03-5689-0462休館日:月曜日※ただし7月17日(月・祝)開館、翌18日(火)休館。8月14日(月)開館。9月18日(月・祝)開館、翌19日(火)休館。入館料:一般 900円、大・高生 800円、中・小生 400円※弥生美術館と二館併せて観覧可能。※20名以上の団体は100円割引となる。
2017年07月06日2017年は、南極昭和基地開設60周年にあたります。これを記念して、観測隊の奮闘の軌跡、極地の大自然やそこに生きる人々の営みを学ぶ『南極・北極展~真夏の二子玉川に氷と雪の世界が、やってきた!~』が、2017年7月22日(土)~8月16日(水)の期間、二子玉川の玉川髙島屋で開催されます。昭和基地とは昭和基地は南極にある日本の観測基地で、気象・オーロラ・大気・地球科学・生物学などの観測を行う施設です。昭和基地が開設されて、今年で60年。これを記念したイベントが各地で開催されたり、南極を舞台にした映画が公開されたりと、極地への関心が高まっています。本展では、極地の厳しい自然環境、そこに生きる動物の生態や人々の暮らしを、国立極地研究所の特別協力を受けて再現。実物大の再現展示、はく製やロボットなど、見どころ満載です。さらに、第2次南極地域観測隊(1957年)が実際に使用したNIKON製カメラやOMEGA製の三針時計など、貴重な歴史史料も公開します。●主な見どころ●南極・北極入門ゾーン「北極と南極ではどちらが寒いの?」、「北極にペンギンはいないの?」など、子どもがよく抱く疑問に分かりやすく答えてくれるパネル展示です。●極地の生き物がロボットに!およぐアデリーペンギンロボット“ロボットいきもの工房”「TRYBOTS(トライボッツ)」が開発した「およぐアデリーペンギンロボット」が初公開されるほか、タテゴトアザラシをモデルにした可愛らしい姿のメンタルコミットロボット「パロ」が登場します。●日本の南極観測~貴重な歴史史料を初公開~日本の南極観測の軌跡を、実物史料やジオラマ模型、映像、写真などで紹介します。第2次南極地域観測隊(1957年)が実際に使用したカメラや時計をはじめ、防寒具やテントなどのアイテムも展示されます。●迫力ある極地生物のはく製展示地上最大の肉食動物「ホッキョクグマ」や、南極の海獣「ウェッデルアザラシ」、大型魚「ライギョダマシ」など、迫力ある極地生物のはく製を展示します。●実物大のイヌイットの雪の家で北極圏のカナダ、グリーランドの先住民・イヌイットの雪と氷で作られた住居「イグルー」を実物大で再現展示。生活や文化を紹介する映像も上映します。●ワークショップ マイナス50℃の世界「南極ブリザード体験」メディアやSNSで話題の理科実験教室「アインシュタインラボ」による体験型サイエンスショーです。極地の自然現象「ブリザード(暴風雪)」を液体窒素と送風マシンを用いて再現! ブリザードに遭遇した状態を疑似体験できます。実施日:8月1日(火)~13日(日)時間:1)11:30~ / 2)14:00~ 各日2回実施予定場所:イベント会場内(参加費無料、先着順)●ひんやりスイーツが夏限定で登場!玉川髙島屋のレストランでは、期間中、夏にぴったりのひんやりメニューを展開します。なお、価格はいずれも税込みです。●billsキャラメルアイスサンデーW大人向けのほろ苦い塩キャラメルアイスと、香ばしいキャラメルポップコーンの組み合わせは、クセになる味わいです。価格:1,188円期間:9月30日まで※ディナータイム限定(17:00~21:00)●The Verandaブルーハワイ夏の海を思わせる爽やかなカクテルです。価格:1,382円ワイキキサンライズワイキキビーチで眺めた感動的な景色を再現したカクテルです。価格:1,026円●RHカフェフルーツパフェ ハマーNo.1アサイーシャーベットやチアシードヨーグルト、グラノーラなどと、ドラゴンフルーツなどの夏のフルーツを盛り付けたパフェ。価格:1,000円期間:~8月31日※10:00~17:00限定●HUGO & VICTORGlace Pilée(グラスピレ)甘味を抑えたミルク味のふわふわの氷に、濃厚なベリーソースがよく合います。価格:1,512円期間:~9月15日イベント詳細イベント名:「南極・北極展~真夏の二子玉川に氷と雪の世界がやってきた!~」会期:2017年7月22日(土)~8月16日(水)時間:10:00~19:00 ※最終日は18:00まで(最終入場は閉場の30分前まで)会場:玉川髙島屋 S・C 西館 1F アレーナホール入場料:大人(中学生以上)600円 小人 400 円(3歳~小学生) ※3歳未満無料
2017年07月05日東京・池袋の古代オリエント博物館で7月29日(土)~9月10日(日)の期間中、夏の特別展「魅惑のランプ―古代地中海からヨーロッパ、アジアまで―」が開催されます。貴重なランプ展示のほか、ナイトミュージアムやワークショップも実施予定。子どもから大人まで楽しめる展示内容、イベントをご紹介します。「魅惑のランプ―古代地中海からヨーロッパ、アジアまで―」の見どころ特別展では、世界各地のさまざまな種類のランプが紹介されます。火を使用していた古代からランプに至る変遷、古代ギリシアやエジプト、近現代の南アジアとヨーロッパのランプも展示。ランプの歴史をたどります。もちろん日本のランプ、明かりも見られますよ。目玉は、ローマ時代のシリア、パルミラ遺跡の墓の復元した展示「古代の墓室をのぞいてみよう」です。光を遮断した墓の中で灯す炎の明るさを再現、体感しましょう。イベントに参加してもっとランプに詳しくなろう●夏休み製作教室「自分のランプをつくってみよう!」粘土を使い、LEDライトを灯すランプを作りましょう。陶芸教室の講師が教えてくれるから、だれでも楽しく作れます。先着50名、事前申込をお忘れなく。開催日時:8月 5日(土)13:30~15:00会場:サンシャインシティ 文化会館ビル7階会議室 710室料金:1,000円(材料費・焼成燃料費込、送料別)※古代オリエント博物館とは別会場のため入館料は不要。※事前申込(先着50名):●夏休み製作教室「エジプトの護符つくり」エジプトの護符をオーブン粘土で再現!技法は古代と同じ「型作り」です。事前申込不要なので、気軽に参加しましょう。開催日時:8月1日(火)〜9月3日(日)13:30~ ※16:00受付終了会場:古代オリエント博物館料金:100円※別途入館料が必要。●子ども向けワークショップ「ワークブック制作」ワークショップ「夏休みの宿題はおまかせ!古代オリエントをたのしむワークブックを完成させよう!」は、展示内容を見ながらワークブックを制作します。参加すると24ページオールカラーのワークブックがもらえますよ。夏休みの自由研究にピッタリです。事前申込制、先着30名なので早めのお申込をおすすめします。開催日時:8月19日(土)14:00〜16:00会場:古代オリエント博物館参加費:無料※別途入館料が必要。※事前申込(先着30名)●講演会「魅惑のランプ(1):死者を送った古代のランプ」シリアの古代の墓から出土したランプを例に、津村 眞輝子氏(古代オリエント博物館研究員)が「シリア、ユーフラテス川流域の墓におさめられたランプ」、西藤 清秀氏が(奈良県立橿原考古学研究所技術アドバイザー)「パルミラの墓にみるランプと死者について」の講演をおこないます。開催日時:8月11日(金)13:30~15:30会場:サンシャインシティ 文化会館ビル5階会議室 502室料金:500円※友の会の方及び博物館入館チケットの半券を提示すれば無料。※古代オリエント博物館とは別会場のため入館料は不要。●講演会「魅惑のランプ(2):会期終了間近!見どころトーク」特別展の会期終盤に、3人の講師が改めて見どころを解説。すでに観賞した人も、これから観賞する人も要チェックです。開催日時:8月26日(土)13:30~15:30講師:下釜和也氏、津村眞輝子氏(古代オリエント博物館)、竹田麻衣子氏(横浜ユーラシア文化館)会場:サンシャインシティ文化会館ビル5階会議室 710室料金:500円※友の会の方及び博物館入館チケットの半券を提示すれば無料。※古代オリエント博物館とは別会場のため入館料は不要。●ナイトミュージアム通常17:00の閉館を20:00まで延長(入館は19:30まで)。19:00から約40分のギャラリーツアーをおこないます。夜の博物館で、いつもとは違う雰囲気を味わいましょう。日時:8月9日(水)、8月24日(木)19:00~20:00ランプの温かな光、幻想的な明かりに癒されること間違いなし。ぜひお出かけください。開催概要「魅惑のランプ―古代地中海からヨーロッパ、アジアまで―」開催期間:2017年7月29日(土)~9月10日(日)時間:10:00~17:00 ※最終入場は終了30分前会場:古代オリエント博物館(東京都豊島区東池袋3-1サンシャインシティ文化会館ビル7階)入館料:一般 900円、大学・高校生 600円、中・小学生 400円TEL:03-3989-3491URL:
2017年07月05日世界的プロダクトデザイナー、深澤直人の国内初となる個展が、7月8日(土)より開催されます。家具や電化製品から腕時計や筆記具まで、選りすぐりの作品を集めた本展。「生活の周囲」というテーマにふさわしく、展示室を居住空間に見立てることで、深澤の思考を視覚化する試みに注目です。深澤直人とは1956年山梨県生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを修めた深澤は、ALESSI、ARTEMIDE、B&B ITALIA、BOFFI、DANSE、MAGIS、BELUX、LAMY、THONET、HARMAN MILLERなど、世界を代表するブランドのデザインを手がけています。国内においてはパナソニックや無印良品、マルニ木工などのデザインやコンサルティングを数多く手がける深澤。電子精密機器から、家具、インテリアにいたるまで、その分野は多岐にわたります。●Ambient本展のタイトルでもある「Ambient」。直訳すると「環境」ですが、深澤はこの言葉を「周囲」や「雰囲気」と捉えています。環境からものの輪郭を導きだすのが、深澤のデザイン手法。それはつまり、その環境が求めるもの、そこにあるべきものを生み出す作業です。そのようにして生み出されたものがその場に投じられることによって、ものと空間が相互に作用して、「いい雰囲気が」が醸し出される。本展では、そんな「いい雰囲気」を醸し出すことを実践しています。実際の居住空間に見立てた展示室で深澤の思考を立体的に感じ、生活の空気、すなわちAmbientを体感できる展覧会なんですね。●モディファイ スフィア2009年、パナソニック 汐留ミュージアム 蔵シンプルで美しい完全な「光の球」を目指した照明器具。それまでも球体の照明器具は存在していましたが、全体が均一に光るものはありませんでした。●加湿器±0、2004年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵使用していないときでも「潤い」を感じさせる置物としてデザインされた加湿器。●HIROSHIMA アームチェアマルニ木工、2008年、株式会社マルニ木工 蔵世代を越えて使い続けることができ、世界に誇れるようにと考え抜かれたアームチェア。フォルムの美しさとすわり心地の良さを追求し、シンプルでありながら細部まで突き詰めたデザインです。●Without Thought人間の無意識下の行動の中に、デザインのきっかけがあることを見いだした深澤。「Without Thought(思わず)」という言葉を冠したデザインワークショップを毎年開催し、発表を続けています。●Cha クリーマーALESSI、2015年、アレッシィショップ青山 蔵流線型が美しいクリーマー。ステンレス製のミラー仕上げでありながら有機的な形状は人の営みにしっくりと馴染み、憩いの空間と時間を提供してくれます。●AWAB&B ITALIA、2009年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵クリスタルプラントという人造大理石製のテーブル。成型しやすく、ふんわりと柔らかな陰影を作ることが得意なこの素材で、深澤は曲面を持ち有機的な彫刻のようなテーブルをデザインしました。●行為に相即するデザイン「知っているのに気づかずにいること」、すなわち行為に溶けこんだデザインを探し、心がけてきた深澤。そのデザイン哲学を「行為に相即するデザイン」、「意識の中心」、「ふつう」、「輪郭」、「典型」などといった言葉で表わすとともに、デザインを具体化しつづけています。●NOTOLAMY、2008年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵角が丸い三角の軸は、持ちやすく自然と手になじみます。そして、手帳などに挿しやすい、軸に切り込みを入れたようなクリップ。三角おにぎりのようなやさしい三角形が頭にあり、それを実現しようとしたのだとか。●アウトラインアウトラインとは「もの」の輪郭。「もの」はそれを囲んでいる空気のなかに存在しているので、空気のなかで穴を形づくるものがアウトラインである、とも考えられます。穴の周囲にある空気は、人の経験や習慣、技術や歴史といった多くの要素で構成されているわけですね。人々が共有するアウトラインを見つけだし、ぴったりとはまる輪郭を持つものをデザインすること。それが、自分の役割だと深澤は考えています。●ISSEY MIYAKE TWELVE NYOP001セイコーウォッチ株式会社、2015年、セイコーウォッチ株式会社 蔵《ISSEY MIYAKE TWELVE NY0P001》セイコーウオッチ株式会社、2015年、セイコーウオッチ株式会社 蔵文字盤の目盛りをなくし、12角形のガラスをはめこんだシンプルな時計。人が物体の辺や角を無意識に計測の基準することを応用したデザインといえるでしょう。展覧会詳細名称:AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展会場:パナソニック 汐留ミュージアム会期:2017年7月8日(土)~10月1日(日)休館日:水曜日、8月14日(月)~16日(水)入館料:一般:1000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円小学生以下無料所在地:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階電話:03-5777-8600(NTTハローダイヤル)公式サイト:
2017年07月05日すみだ水族館では、2017年7月10日(月)よりお江戸の金魚の夏まつり「東京金魚ワンダーランド」が開催されます。全長100メートルという日本最大級の金魚展示エリア「江戸リウム」に集められる金魚は、なんと20種1000匹。そのほかにも、和の風情が漂う金魚ちょうちん、伝統飴細工師による金魚の飴細工などで、江戸情緒をたっぷり味いましょう!お江戸の金魚夏まつり「東京金魚ワンダーランド」すみだ水族館で開催される、お江戸の金魚の夏まつり「東京金魚ワンダーランド」。江戸時代に盛んに養殖されて浮世絵にもしばしば登場した金魚は、夏の風物詩として庶民に親しまれていました。今回、江戸をテーマにした金魚展示エリア「江戸リウム」に集められる金魚は、およそ20品種1000匹。さらに、ホテル雅叙園東京で開催される「和のあかり×百段階段2017」の協力により、金魚ちょうちん発祥の地山口県柳井市の職人が一つ一つ手作業で制作した150個の金魚ちょうちんが登場。まさに金魚づくしの展示ですね。●精巧に作られた10種の金魚 「金魚の飴細工」日本随一の技術を誇る伝統飴細工専門店、浅草・飴細工『アメシン』が、今回のイベントのために金魚の飴細工10種を制作します。精巧に作りこまれた飴細工は、色やひれの形など、それぞれの品種の特徴を忠実に再現。金魚の美しさはもちろん、日本の伝統技術にふれましょう。展示場所:すみだステージ付近●体験プログラム「きんぎょ色あわせ」金魚の形をした台紙に5色のチップを貼って、金魚の模様を作る体験プログラムです。 好きな金魚をじっくり観察して、うろこが重なり合って生まれる美しい金魚の色合いを再現してみましょう。開催時間:各日11:00~16:00(最終受付15:30)参加定員:各日200名 ※定員になり次第終了開催場所:すみだステージ※7月30 日(日)はイベントのため非開催●金魚ソーダに金魚ソフトクリームも!●金魚ソーダ ~金魚鉢付き~金魚をイメージしたフルーツカクテルとベリーを入れた、爽やかな甘さの期間限定ドリンク。金魚鉢型の容器は、持ち帰れます。販売場所:ペンギンカフェ販売価格:750 円(税込)●金魚ソフトクリーム金魚の赤をイメージしたラズベリー味のソフトクリームです。販売場所:ペンギンカフェ販売価格:360 円(税込)●浴衣で来館すると特典あり!期間中は「ゆかたde 水族館 supported by 東京スパフェス」として、浴衣で来館した方には金魚をイメージした赤いスパークリングワインが特別価格で提供されます。1日限定700杯ですので、お早めにどうぞ。実施場所:ペンギンカフェ販売価格:300円(税込) ※通常600円(税込)●サマーナイトプロジェクションマッピング「ペンギン花火」すみだ水族館のペンギンのプール型水槽は、屋内開放型として日本最大級。期間中、この水槽の底面に花火の映像を投影して音楽とともに楽しむ約8分間のプログラムが楽しめます。※いきものの体調等により開催しない場合があります。※イベントなどのため、時間を変更する可能性があります。開催時間:18:30~、20:30~(各回約8分)金魚と並ぶ夏の風物詩、花火が楽しめるプロジェクションマッピング、お江戸の夕涼みにぴったりの企画ですね。イベント詳細企画名:お江戸の金魚の夏まつり「東京金魚ワンダーランド」会期:2017年7月10日(月)~8月31日(木)会場:すみだ水族館所在地:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ5F、6F開館時間:9:00~21:00休館日:なし公式サイト:
2017年07月04日世界中で親しまれているおさるのジョージ。幼いころ、「ひとまねこざる」の絵本を読んでもらったという人も多いのではないでしょうか。そんな絵本の原画やスケッチなど約200点を集めた「おさるのジョージ展」が、8月9日(水)より松屋銀座で開催されます。絵本「ひとまねこざる」シリーズとは絵本「ひとまねこざる」シリーズは、アメリカの絵本作家マーガレット・レイとハンス・レイの夫妻によって生みだされました。本国アメリカでは1941年に「CuriousGeorge」というタイトルで発刊。日本では1954年の発刊以来、およそ550万部を売り上げました。身の周りのあらゆることに対し好奇心をもち、愛らしい騒動や冒険を巻き起こすおさるのジョージは、多くの人々に愛されてきました。2008年には、NHK EテレでTVアニメーションシリーズがスタート。アニメ版のジョージは、さらに多くの子どもたちから支持を得るようになります。●日本初公開の絵本原画も『ひとまねこざるときいろいぼうし』のカラー原画©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざるときいろいぼうし』のカラー原画©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざる』の表紙4色版©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざる』の2色原画©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざる』の見返しカラー原画(絵本は逆版)©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ろけっとこざる』の表紙ラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『たこをあげるひとまねこざる』の表紙ラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『たこをあげるひとまねこざる』のラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざるびょういんへいく』のラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>『ひとまねこざるのABC』の表紙ラフ・スケッチ©&®Universal Studios and/or HMH <南ミシシッピ大学所蔵>今回の展覧会では、日本初公開を含む約200点の絵本原画や制作のためのスケッチを中心に、おさるのジョージの作家であるレイ夫妻の、制作にまつわる様々な資料が公開されます。原画ならではの美しい色彩や、色鉛筆や水彩の筆致を間近で見ることができる、またとない機会ですね。《展覧会詳細》名称:おさるのジョージ展「ひとまねこざる」からアニメーションまで会場:松屋銀座8階イベントスクエア会期:2017年8月9日(水)~8月21日(月) 会期中無休時間:10:00~20:00(入場は閉場の30分前まで。最終日は17時閉場)入場料金:一般1,000円(700円)、高校生700円(500円)、中学生500円(400円)、小学生300円( )内は前売り料金問合せ:松屋銀座03-3567-1211(大代表)
2017年07月03日浮世絵師・葛飾北斎の展覧会「世界が絶賛した浮世絵師北斎展 ~冨嶽三十六景・エッフェル塔三十六景の共演~」が、2017年6月30日(金)から7月17日(月・祝)まで、池袋パルコ・パルコミュージアムにて開催される。広重、歌麿、写楽などと並び、江戸時代後期に活躍した浮世絵の巨匠・北斎。北斎はその波乱万丈な約90年の生涯で、30数回の改号、93回もの引っ越しに加え、常に借金に追われる生活の中で、膨大な数の作品を世に遺した。彼の代表作である赤冨士、浪冨士は、日本人なら誰もがきっと目にしたことがあるだろう。巧みな線と北斎色ともいえる象徴的な色使いは、多くの絵師たちに大いなる影響を与えた。「世界が絶賛した浮世絵師北斎展 ~冨嶽三十六景・エッフェル塔三十六景の共演~」では、北斎の代表作「冨嶽三十六景」をはじめ、「東海道五十三次」などのシリーズもの、妖怪絵、戯画などの50作品を通して、葛飾北斎芸術の全貌を紹介。特に、海外から北斎が注目を集めるきっかけになった「北斎漫画」とともに、北斎の影響を強く受けたといわれるフランス人画家アンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」を紹介する。なぜ北斎が高く評価されたのか、様々な角度からその人気の秘密に迫る。【イベント詳細】「世界が絶賛した浮世絵師北斎展 ~冨嶽三十六景・エッフェル塔三十六景の共演~」開催期間:2017年6月30日(金)~7月17日(月・祝)会場:パルコミュージアム住所:東京都豊島区南池袋1-28-2池袋パルコ 本館 7F時間:10:00〜21:00※入場は閉場の30分前まで、最終日18:00閉場。入場料 :一般700円、学生500円、小学生以下無料
2017年07月01日独創的なユニークな世界 アルチンボルド展へようこそ色とりどりな花や果物、動物、身の回りの道具で構成された人の顔や、上から下から見るアングルで姿を変える絵画の数々。16世紀後半に活躍したイタリアの奇才な画家、アルチンボルドが今夏上野にやってきました。6月20日(火)〜9月24日(日)上野・国立西洋美術館で開催されている「アルチンボルド展」は、奇抜な発想で今日も人々を驚かせるアルチンボルドの油彩・素描(帰属作品等を含む)計30点を中心に、約100点の出品作品が一堂に会する貴重な機会です。近くで見たり、遠くで見たり、横から上から下から…見方によって新たな発見ができるアルチンボルドの世界が今ここに広がります。代表作シリーズ『四季』『四大元素』が堂々集結!神聖ローマ帝国皇帝に寵愛されたアルチンボルドは、皇帝に捧げるべく絵画を制作しました。それが代表的な作品シリーズ『四季』『四大元素』です。本展では日本初公開の作品も含むすべての作品が公開されています。四季シリーズの《春》は色めき立つ春の草花をふんだんに使用し、思わず「かわいい!」と駆け寄りたくなる作品。近くから見れば想像を絶するほどの緻密な描き込みに引き込まれます。アルチンボルドの発想力と鋭い観察眼に脱帽です。とことんアルチンボルド! 隅々まで味わい尽くしてまだまだアルチンボルドの世界は続きます。《庭師/野菜》という作品は、パッと見ると野菜を組み合わせて作られた人の顔。しかしひっくり返して見てみると、ボウルに盛られた野菜の絵に変化します。このように工夫を凝らした、遊び心溢れる作品もお見逃しなく!さらにデジタル技術を用いた記念撮影コーナーが登場。「アルチンボルドが私の顔を描いてくれたら…」そんな願いを叶えてくれるのが「アルチンボルドメーカー」です。鏡のようなモニターの前に立つこと数秒、あっという間に自身の顔がフルーツで構成された“アルチンボルド風”に!アルチンボルドのユニークな世界が広がる今年の上野・国立西洋美術館は見逃せません。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:アルチンボルド展催行期間:2017年06月20日 〜 2017年09月24日住所:東京都台東区上野公園7-7電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年07月01日時間にして15,000年、距離は南北4,000キロ、標高差は4,500メートルに及ぶアンデス文明。この巨大で複雑な文明の全体像は、ほとんど知られていません。この地域の文化の魅力と個性を紹介してきた「TBSアンデス・プロジェクト」の集大成ともいえる展覧会が、10月21日(土)より国立科学博物館にて開催されます。アンデス・プロジェクトの集大成アンデス文明は、南米大陸太平洋岸の南北4000キロ、標高差4500メートルに及ぶ広大な地域に展開し、16世紀のインカ帝国滅亡によって終わりを告げた巨大文明です。この地域では15000年のあいだ、ナスカやモチェ、ティワナクなど多種多様な文化が盛衰を繰りかえしてきました。これらの文化の魅力と個性を紹介してきたのが、「TBSアンデス・プロジェクト」。1994年に開催された「黄金の都シカン発掘展」を皮切りに、2012年の「インカ帝国展―マチュピチュ『発見』100年」まで、開催された展覧会は5回、動員数は実に400万人以上という一大プロジェクトです。その集大成ともいえるのが、今回の「古代アンデス文明展」です。いくつもの文化が連なり、影響を与えあうなかで育まれた神話や儀礼、神殿やピラミッドを作りあげた技術、厳しくも多彩な自然環境に適応した生活様式などが、およそ200点の貴重な資料によって明らかにされます。●7つの展示構成今回の展覧会は、アンデス文明の全容を時系列的に俯瞰するように構成されています。順にご紹介しましょう。●序章 アンデスへの人類到達(紀元前13000年~前3000年頃)アンデス特有の環境に、いつ、どのようにして人類は到達したのか?アンデスに人が定住するまでの長く複雑な過程をたどりつつ、アンデス地域のさまざまな環境を紹介するコーナーです。●第1章 アンデスの神殿と宗教の始まりカラル文化(紀元前3000年頃~前2000年頃)ペルーの首都リマの北200キロほどの、砂漠地帯にあるカラル遺跡。定住生活が始まった痕跡が発見されたカラル遺跡は、本当にアンデス文明の起源なのでしょうか?アンデスでいつ、どのような神殿が建造されたのか、どのような宗教だったのかを紹介します。●第2章 複雑な社会の始まりチャビン文化(紀元前1300年~前500年頃)《差し込み用の突起付きの石の頭》 チャビン文化(紀元前1300年頃から前500年頃)ペルー文化省・国立チャビン博物館所蔵《首の切断をした人身御供を描いた鐙型注口土器》 チャビン文化(紀元前1300年頃から前500年頃)ペルー文化省・国立チャビン博物館所蔵石造りの壮大な建造物で知られる古代アンデス文明の片鱗が垣間見えるチャビン文化。この頃、地域ごとに独特の宗教観が芽生え、社会の統一が始まりました。このコーナーでは、広範囲に影響を及ぼしたチャビン文化の宗教観や社会構造を紹介します。●第3章 さまざまな地方文化の始まりナスカ文化(紀元前200年頃~紀元650年頃)モチェ文化(紀元200年頃~750/800年頃)《リャマが描かれた土器》 ナスカ文化(紀元前200年頃から紀元650年頃)ディダクティコアントニーニ博物館所蔵《黄金製の神像》 モチェ文化(紀元200年頃から750/800年頃)ペルー文化省・国立博物館所蔵同時代に異なる地域で花開いたふたつの文化を紹介します。文字が発明されなかったアンデス文明では、土器の意匠が意思疎通のツールとなったと言われています。モチェ文化では、人々は土器を通して「神々、「死者」、「自然」、「人間」の4つの世界観を共有していました。また地上絵で知られるナスカ文化では、社会構造が変化するほどの急激な環境変化が起こったことがわかっています。●第4章 地域を超えた政治システムの始まり ティワナク文化(紀元500年頃~1100年頃)ワリ文化(紀元650年頃~1000年頃)シカン文化(紀元800年頃~1375年頃)《リャマをかたどった土器》 ワリ文化(紀元650年頃から1000年頃)ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館所蔵《複雑な意匠の上衣(チュニック)》 ワリ文化(紀元650年頃から1000年頃)ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館所蔵《金の合金製のシカン神の仮面》 シカン文化(紀元800年頃から1375年頃)ペルー文化省・国立シカン博物館所蔵《金の胸飾り(一部)》 シカン文化(紀元800年頃から1375年頃)ペルー文化省・国立ブリューニング考古学博物館所蔵高度な石造建築技術を持つティワナク文化、インカ道を築きはじめたワリ文化、高い金属加工技術を持ち黄金の装飾品を生みだしたシカン文化という、インカ帝国の礎となった重要な文化を紹介します。●第5章 最後の帝国-チム-王国とインカ帝国チムー王国(紀元1100年頃~1470年頃)インカ帝国(紀元15世紀早期~1572年頃)アンデス文明の最後を飾った二大勢力、チムー王国とインカ帝国の覇権争いと、アンデス地域に南北4000キロに及ぶ大帝国を築きながら、わずか168名のスペイン人に滅ぼされたインカ帝国の実像を紹介します。●第6章 身体から見たアンデス文明《チリバヤ文化のミイラとその副葬品(男性幼児)》 チリバヤ文化(紀元900年頃から1440年頃)ペルー文化省・ミイラ研究所・チリバヤ博物館所蔵古代アンデス文明には、旧大陸には見られないミイラの文化が育ちました。インカの王は死後ミイラとなり、家臣にかしずかれながら生活したのです。にわかには理解できない風習ですが、その起源や発展の様子を眺めると、人間の本質が見えてきます。ここでは、身体にほどこされた様々な加工を概観し、アンデスの死生観を考えます。●アンデス文明をめぐる10の謎砂漠が広がる海岸地帯から人が住める限界の高地までという多様な環境下で、アンデスの人々は独自の文化を築いていきました。この展覧会では、アンデスに人類が到達した先史時代からスペイン人によるインカ帝国制服までの15000年間に生まれた9の文化の盛衰を一望し、アンデス文明に共通する普遍的な性格、そして各文化に固有の特徴を考察、その本質を描きだします。●謎1 中南米原産の野菜が世界の料理を変えた?16世紀以前、朝鮮料理は辛くなく、イタリア料理にトマトは使われていませんでした。ジャガイモは荒れた土地、寒冷な土地でも容易に育つため、ドイツをはじめ北ヨーロッパでは準主食のような扱いになりました。●謎2 アンデス文明はなぜ「石の文明」と言われるのか?アンデス文明は、山と海の文化に大別されます。海岸地帯では日干しレンガが使われますが、山の文化では石造りの巨大建造物が目立ちます。チャピン、ティワナク、ワリなど、インカ以前の山の文化から「石の文明」の本質を探ります。●謎3 地上絵は何のために描かれたのか?地上絵が描かれた目的は、解けない謎とされてきました。しかし近年、「地上絵=水の儀礼の祭祀場」が、有力な仮説となっています。降水量が極端に少ないペルー南海岸。水を得ることは人々にとって死活問題でした。●謎4 車輪の謎 土器の謎アンデス文明には、運搬用の車輪も陶芸の「ろくろ」のような仕組みも存在しませんでした。ろくろのないアンデスでは手びねり型を使って土器を制作したため、独創的な象形壺が生まれました。リアルな人物の顔を象った壺は、ポートレイトの一種として使用された例かもしれません。●謎5 インカ帝国を準備したワリ文化?日本ではあまり知られてこなかったワリ文化。アンデネスと呼ばれる巨大段々畑、カパックニャンと呼ばれる道路網などを使い、インカ帝国のモデルになっただろうワリ文化の特徴を、詳しく紹介します。●謎6 黄金文化を生みだしたアンデス文明《金の胸飾り(一部)》 シカン文化(紀元800年頃から1375年頃)ペルー文化省・国立ブリューニング考古学博物館所蔵永遠の生命の象徴として重んじられた黄金。アンデスの黄金加工技術には、目を見張るものがあります。スペイン人はそんなアンデスの黄金の美術品を略奪し、鋳つぶして本国に持ち帰ったのでした。●謎7 貨幣も市場もない文明?スペインの植民地になるまで、アンデスには貨幣や市場がありませんでした。そんな市場がない社会で、人々は必要なものを得るために工夫を凝らし、大規模な自給自足経済を営んでいました。●謎8 文字のない文化のなか、人々はどのように情報を記録したのか?《キープ》 インカ帝国(起源15世紀早期から1572年)ペルー文化省・ミイラ研究所・レイメバンバ博物館所蔵インカの記録技術でもっとも洗練されているのは、紐に結び目をつくるキープという方法でした。インカ王室の書記官は、キープの記録と読み取りを覚えるためにクスコの学校で3年間の訓練を受けたのだとか。キープは現在でも完全に解読されておらず、謎を残したままです。●謎9 アンデスの人々は「世界」をどのようにとらえていたのか?多彩な芸術作品を遺したモチェ文化の土器を見ると、人々は「人間」、「自然」、「死者」、「神々」という4つの世界を認識していたと考えられます。モチェの人々は死者と密接な交流を持っていたようで、死生観が垣間見える多数の土器を遺しています。●謎10 ミイラはなぜ作られたのか?《チリバヤ文化のミイラとその副葬品(女性幼児)》 チリバヤ文化(紀元900年頃から1440年頃)ペルー文化省・ミイラ研究所・チリバヤ博物館所蔵アンデスの海岸地帯では、エジプトより早い時期からミイラの加工がおこなわれていました。ミイラとなった人々は、ある文化ではコミュニティの一員として扱われ、別の文化では先祖崇拝の対象となりました。加工の方法にもバリエーションがあり、ミイラづくりの伝統にさまざまな要素が加わって発展したことがわかっています。●TBSアンデス・プロジェクト最終章1994年開催の「黄金の都シカン発掘展」から23年。集大成となる今回の展示会では、アンデス文明を代表する9の文化を一望することができます。未だ解明されていない謎も多い巨大な文明をめぐる、遙かなる時空の旅に出発しましょう!展覧会概要展覧会名:古代アンデス文明展会期:2017年10月21日(土)~2018年2月18日(日)会場;国立科学博物館所在地:東京都台東区上野公園7-20観覧料:一般・大学生 1,600円(1,400円)、小・中・高校生 600円(500円)、金曜土曜限定ペア得ナイト券(17時~20時) 2,000円※お得な早割ペア得チケット2,500円7月31日(月)まで発売中公式サイト:
2017年06月28日平安から鎌倉時代に活躍した日本でもっとも著名な仏師、運慶。その運慶と縁の深い興福寺の中金堂が、およそ300年ぶりに再建されるのを記念した展覧会が、東京国立博物館で開催されます。卓越した造形力が生んだ写実性にあふれる傑作の数々が一堂に会する特別展は、運慶芸術を堪能するまたとない機会です。天才仏師・運慶の傑作が集結する、史上最大の展覧会今回の展覧会は、運慶と縁の深い奈良・興福寺の中金堂再建の記念事業として企画されました。これまで門外不出とされてきた仏像も出品される、史上最大の運慶展となります。主な見どころをご紹介します!●重要文化財・聖観音菩薩立像この聖観音像が寺から出るのは、今回がはじめて。肉付きのよい体躯と写実的な着衣の表現に、運慶の特徴が見られます。重要文化財 聖観音菩薩立像 運慶・湛慶作 鎌倉時代・正治3年(1201)頃愛知・瀧山寺蔵 写真:六田知弘●父・康慶から息子・湛慶、康弁へ 運慶の作風の誕生と継承平安時代から鎌倉時代へと時代が変革する中で、運慶はそれまで主流だった仏師・定朝の様式とは異なる新しい表現を生み出しました。その特徴は、「八大童子立像」に代表される感情まで表現する迫真性。写実性に富み、精神の深みまで感じられる「無著菩薩立像・世親菩薩立像」は、肖像彫刻の最高傑作といわれています。●国宝・八大童子立像のうち 恵喜童子・清浄比丘童子・烏倶婆童子・恵光童子・制多伽童子・矜羯羅童子不動明王像に随う八大童子として造られたもので、8体中6体が運慶の手によるもの。画像の制多伽童子は、造像時の彩色もよく残っており、完成度の高さにおいて屈指の作といわれています。今回の特別展では、この像をあらゆる角度から見ることができます。国宝 八大童子立像のうち制多伽童子 運慶作 鎌倉時代・建久8年(1197)頃和歌山・金剛峯寺蔵 写真:高野山霊宝館●国宝・無著菩薩立像・世親菩薩立像無著・世親は5世紀の北インドに実在した学僧の兄弟。無著の静に対して世親の動と、対照的な容貌が印象的です。国宝 無著菩薩立像 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘 国宝 世親菩薩立像 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘●博物館でたっぷり味わう運慶 お寺では見られない表情も国立博物館・平成館というお寺とは異なる大空間での展示によって、いつもとは違う距離感、違う角度でじっくりと鑑賞できるのも、今回の特別展示の魅力のひとつ。間近で見あげる四天王立像は、圧巻のひとことです。●国宝・四天王立像豊かな装飾がほどこされた甲や着衣の表現もみごとな、躍動感あふれる四天王立像。国宝 四天王立像のうち多聞天 鎌倉時代・13世紀奈良・興福寺蔵(南円堂安置) 写真:飛鳥園 ●未来に引き継ぐ運慶 調査研究の最先端を紹介運慶の研究は今なお続けられており、この15年間でも新たに3件の運慶作品、あるいはその可能性が高い作品が見つかっています。X線CT撮影によって得られた像内納入作品の映像など、最新の知見もこの展覧会で紹介されています。●運慶を生んだ系譜――康慶から運慶へ平等院鳳凰堂の阿弥陀如来座像の作者・定朝ののち、仏師集団は3つの系統に分れていきます。運慶の父・康慶が属していた奈良仏師は、保守的なほかの2派とは異なり、新たな造形を開発する気概を持っていました。運慶の父、その師が手がけた像と、若き運慶の作品を展示することによって、運慶独自の造形が培われた過程に光が当てられています。●阿弥陀如来立像および両脇侍立像定朝が完成させた和様彫刻(定朝様)は胸腹部が薄く、衣の襞が浅い穏やかな作風が特徴です。しかし、奈良仏師の作と考えられているこの像にはしっかりと張りのある肉がつき、衣も写実的に表現されています。運慶が生まれたのは、この像が造られたころでした。重要文化財 阿弥陀如来坐像および両脇侍立像 運慶作 鎌倉時代・文治5年(1189)神奈川・浄楽寺蔵 写真:鎌倉国宝館(井上久美子)※10月21日から展示●国宝・大日如来座像現存する運慶の作品で、もっとも早い時期に制作されたもの。きれいに梳かれた髪のふくらみなどに、たぐいまれな才能の片鱗が感じられます。国宝 大日如来坐像 運慶作 平安時代・安元2年(1176)奈良・円成寺蔵 写真:飛鳥園●運慶の彫刻――その独創性大日如来像の造像から10年間で、運慶は独自の作風をつくりあげていきます。写実性に富み、圧倒的な存在感を放ち、精神の深みまで感じさせる運慶の仏像は、「仏が存在するという実感を得たい」という当時の人々の思いに応えたものでした。●国宝・毘沙門天立像いまにも動き出しそうな毘沙門天は、北条時政の発願によって造られたもので、このころまでに運慶の作風が確立されたことがわかります。国宝 毘沙門天立像 運慶作 鎌倉時代・文治2年(1186)静岡・願成就院蔵 写真:六田知弘●運慶風の展開――運慶の息子と周辺の仏師運慶の6人の息子は、いずれも仏師になりました。特別展では、運慶の作風を色濃く感じさせる康弁と、洗練された作風を持つ快慶の影響を受けた湛慶の像が展示されています。●重要文化財・十二神将立像明治時代初頭、それまで安置されていた寺を離れて民間に流出した十二神将は、現在、静嘉堂文庫美術館と東京国立博物館にわかれて収蔵されています。今回の特別展では、42年ぶりに十二神将すべてが揃います。重要文化財 十二神将立像のうち戌神鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館蔵●国宝・天燈鬼立像・龍燈鬼立像運慶の作風を受け継いだ康弁の像は、隆々とした写実的な体躯を持ちながらもユーモラスな雰囲気を漂わせています。国宝 天燈鬼立像 鎌倉時代・建保3年(1215)奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘国宝 龍燈鬼立像 康弁作 鎌倉時代・建保3年(1215)奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘●興福寺中金堂について和銅3年(710)に創建された奈良の興福寺の歴史は、焼失と再建の繰りかえしでした。治承4年(1180)の南都焼討ち後の復興は、仏教美術のルネサンスともいわれ、清新な造仏活動がおこなわれました。その代表が、運慶の父・康慶が率いた慶派、いわゆる奈良仏師です。今回の特別展は、享保2年(1717)に焼失したままの中金堂の再建を記念して開かれるものです。これまで門外不出とされてきた作品も出品される、貴重な機会になりました。中金堂の再建は2018年夏に完了し、10月には落慶法要が営まれることになっています。《展覧会詳細》名称 興福寺中金堂再建記念特別展 運慶会場 東京国立博物館 平成館会期 2017年9月26日(火)~11月26日(日)休館日 月曜日※ただし10月9日(月・祝)は開館開館時間 午前9時30分~午後5時※金曜・土曜および11月2日(木)は午後9 時まで開館※入館は閉館の30 分前まで公式サイト 電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)観覧料金 一般 1,600円(1,400円)大学生 1,200円(1,000円)高校生 900円(700円)※税込。()内は前売り料金
2017年06月25日裸婦や風景、花や鳥、そして虫。97年の人生をひたすらに生き、そして描いた画家、熊谷 守一(くまがい もりかず)の全貌を紹介する待望の回顧展が、2017年12月1日(金)より開催されることになりました。没後40年、熊谷とはどんな人物だったのか、ご紹介します。熊谷守一について熊谷守一(1880(明治13)年-1977(昭和52)年)は、簡潔な線と鮮やかな色を用いて、花や虫や動物、庭の何気ない一隅を描いた作品で知られる画家です。質素な暮らしぶりや欲のない態度から、画壇では「仙人」とあだ名された熊谷。しかし、一見穏やかな作品の背後には、科学者のような鋭い観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠されています。●没後40年、待望の回顧展今回の展覧会は、熊谷守一の作品200点以上を集めた大回顧展です。高感度カメラで水滴を捉えたかのような《雨滴》、体温まで感じられるような《猫》をはじめとした代表作が、一堂に会します。さらに、作品の制作過程がうかがえるスケッチ、日記なども多数紹介されることになっています。97年間を生き抜いて賢明に描くとは、どういうことなのか。熊谷守一を知る人も知らない人も、この展覧会を通してきっと感じ取れるものがあること間違いなしです。展覧会詳細展覧会名称:没後40年 熊谷守一展(仮称)会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
2017年06月24日6月24日・25日の週末に行きたい、オススメのイベントとスポットを7つピックアップ!アルチンボルトの展覧会や、3組限定の屋上ビアガーデンなど、気になるものが目白押し。ぜひ、お出かけの参考にしてくださいね。アルチンボルト展(国立西洋美術館)上野の国立西洋美術館で「アルチンボルト展」が始まりました。アルチンボルトといえば、野菜や果物、魚、花、道具といったモティーフを組み合わせた肖像画が有名です。代表作「四季」「四大元素」が全点集結する展覧会は一見の価値ありです。『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』スペシャルプログラム(東京ディズニーランド)映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』の公開に合わせ、ディズニーランドでスペシャルプログラムがスタートしました。謎解きにスペシャルメニューにスーベニアなど、映画の世界観が忠実に再現されたコンテンツを楽しみましょう!フラワーガーデンbyカフェプランツ(小田急百貨店新宿店)パンケーキとお酒が楽しめる、新感覚のビアガーデンが登場!自分で焼いたパンケーキにフルーツやクリームをトッピングして、フォトジェニックな一品を作りましょう。食事系のトッピングも充実しているので、甘いものが苦手な人でも安心です。まるまるメロンあずきソルビン(ソルビン原宿)メロン好きにはたまらない!大人気のコリアンデザートカフェ・ソルビンでは、メロン半分を贅沢に使ったかき氷が味わえます。メロンフェスティバルも開催されているので、合わせて楽しみたいですね。ルーフトップテラス ビアガーデン(吉祥寺・CRAFT & Romance)吉祥寺のビア・ビストロ「CRAFT & Romance」の屋上テラスが、期間限定で大変身。1日3組限定の隠れ家ビアガーデンで、クラフトビールと焼きたてピザを堪能しましょう。コース料理は野菜がメインでとってもヘルシー。女子会にも良さそうです。フラッペ ショコラ(ラ・メゾン・デュ・ショコラ)濃厚なショコラグラッセにアイスクリームやソルベを合わせた、夏にぴったりのドリンクも気になります。フレーバーは全部で5種。店舗によって販売される種類が異なるので、お出かけ前にチェックしてくださいね。カラダにいいコトフェア collaboration with 信州(東京駅)美味しくヘルシーなメニューを食べれば、暑い夏も乗り切れそうですよね。そんな気分にぴったりの「カラダにいいコトフェア collaboration with 信州」が、東京駅で開催されています。メニューの種類はなんと全65種類。どれにしようか迷ってしまいそうです。
2017年06月23日東京・上野の国立西洋美術館で、2017年6月20日(火)から9月24日(日)まで「アルチンボルト展」が開催されています。アルチンボルトの代表作「四季」の《春》《夏》《秋》《冬》や「四大元素」の《水》《大気》《火》《大地》を含む作品、10数点が日本初上陸。開催前から大きな話題を集めている展覧会の見どころを、asoview!編集部員の取材を元に一挙大公開します!ジュゼッペ・アルチンボルトとは16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、寓意的な肖像画が印象的な画家ジュゼッペ・アルチンボルト。1527年にイタリア・ミラノに画家の息子として生まれ、ウィーンやプラハで生活した後に、ハプスブルク宮廷のアートディレクターになります。宮廷の装飾や衣装のデザインを手掛け、伝統的な宗教画作家としても活躍しました。1560年代頃から描かれはじめた、野菜や果物、魚、花、道具といったモティーフを組み合わせた独特な肖像画が彼の代表的な作風として親しまれ、現在もなお世界中の人々を魅了し続けています。奇想と知、驚異と論理が交差する彼の絵画は、まるで暗号のよう。見ている人を絵解きの世界へと導きます。アルチンボルトの代表作「四季」「四大元素」が全点集結!今回の「アルチンボルト展」の最大の見どころは、やはり彼を代表する表現技法「寄せ絵」で描かれた作品の数々です。世界各地の主要美術館に所蔵された作品がこの度、西洋美術館に大集合します!アルチンボルトについてここまで詳しく紹介する展覧会はもちろん日本初の試み。ぜひ、この機会にユーモアあふれる知略の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。自分の顔がアルチンボルト風肖像画に!「アルチンボルトメーカー」展覧会会場入り口にある「アルチンボルトメーカー」です。カメラの前に立つと、自分の顔がフルーツや野菜によって描かれ「アルチンボルト風肖像画」が完成します!似ているような似ていないような肖像画は、アルチンボルトが描いた作品をベースに、約200種の食べ物が組み合わされ「髪型」「目」「鼻」「口」「顔の輪郭」など様々な角度から分類・抽象化し、なんと人の顔を数百万パターンを描けるのだとか。「アルチンボルトメーカー」は、「アルチンボルトが、私の顔を描いてくれたら…」そんな夢が叶う開催期間中しか体験できない貴重な企画になっています。来場の記念にぜひ体感してみてください!Ⅰ アルチンボルトとミラノアルチンボルトの画家としての生涯は、大きく3つの期に分けられます。第一期(~1562年)はミラノでの修行時代・第二期(1562~87年)はウィーンやプラハに滞在し、ハプスブルク家の3代の皇帝に仕えた宮廷時代・第三期(1587~93年)は、成功をおさめた後にミラノへ帰郷し、後世への伝達に努めた6年間です。アルチンボルト展は、アルチンボルトがどのような経緯で「四季」や「四大元素」などの彼ならではの作品を書くに至ったかを辿ります。展覧会は、第一期に描かれた作品の展示からはじまります。アルチンボルトだけでなく、彼が影響を受けたレオナルド・ダ・ヴィンチなどの作品も多数展示されています。ステンドグラスの図案制作をしていた師であり父のビアージョと共に1540~50年代にかけてミラノで活躍し始めたアルチンボルト。彼の作風には、イタリア・北西部に位置するロンバルディア地方の自然主義(自然のありのままを観察し、「真実」を描く作風のこと)やレオナルド・ダ・ヴィンチ以来の科学的な観察をもとに描く精巧な作風が大きく影響しているのだとか。この時期に描き留められたイメージの数々が組み合わされ、のちに彼の代名詞である「寄せ絵」が誕生したと言われています。アルチンボルトが自ら描いた「自画像」です。油彩の作品が多い彼のイメージとは異なり、ペン一本で描かれるこの作品は画家の技が光ります。死後500年経った今でも注目され続ける画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品も。アルチンボルトの絵画にしばしば見られるグロテスクな表現やイメージは、自然観察を重視するレオナルド・ダ・ヴィンチの作品との関連が指摘されています。アルチンボルトの画家人生初期の作品も必見です。Ⅱ ハプスブルク宮廷アルチンボルトは、1562年にハプスブルク家の宮廷にやってきて以来、ウィーン・プラハにおいてフェルディナント1世・マクシミリアン2世・ルドルフ2世の三代の神聖ローマ帝国に仕えました。皇帝一家の肖像画を数多く手がける一方で、ハプスブルク宮廷の祝祭を取り仕切る演出家や美術品のバイヤーも務めていました。また、当時彼が住み込んでいた宮廷には付属の植物園や動物園があり、それら世界中から集められた数々の生き物が彼にさらなる想像・発想力を与えたと言われています。フェルディナント1世の娘、マルガリーテの肖像画です。絵画の他にも、当時宮廷で使われていた鉢や皿などの展示もあります。豪華な装飾品の数々は、宮廷の華やかな暮らしを物語ります。代表作の「四季」「四大元素」ハプスブルク宮廷の展示に続いて、いよいよ代表作「四季」「四大元素」などの「寄せ絵」の展示が始まります。16世紀中頃のルネサンス期が終わりを迎え、ルネサンスという「究極の芸術」を乗り越えるべく、試行錯誤した後に生まれたのがアルチンボルトの「寄せ絵」という傑作です。トリックアートのような、パズルのような彼の作品は、見る人を夢中にさせます。●「四季」これは、1563年に最初に描かれた連作「四季」の《春》です。アルチンボルトの作品でもっとも有名と言っても過言ではないこの作品は、四季の植物によって肖像画が構成され、若者の《春》から老人の《冬》まで、それぞれの季節が世代に対応するように構成されています。ちなみに、《春》《夏》は女性、《秋》《冬》は男性が描かれていると一説では囁かれています。ラテン語やイタリア語で「春」「夏」は女性名詞、「秋」「冬」は男性名詞と言うことから捩られているそうです。あまりにも最初の連作「四季」が好評だった為、その後数回にわたって「四大元素」など異なるテーマを題材としてた別ヴァージョンの絵が制作されます。●「四大元素」世界を構成する4つの要素《空気》《火》《土》《水》をテーマに構成され、「四季」よりもさらにモティーフが複雑に絡み合う連作「四大元素」。こちらの《水》は、62種の魚や海獣など水に関連する生き物によって描かれているのだとか!「四大元素」は、海の生き物や動物、鳥によって皇帝が描かれており、《水》もよく見るとウニのような生物のトゲによって王冠が表現されていることがわかります。顔はもちろん、身に着けている服や装飾まで動物で描かれています。0アルチンボルトの計算し尽くされた作品たちには、まだまだからくりが仕掛けられています。なんと、「四季」と「四大元素」も組み合わせて楽しめるように構想されているのです。例えば、《水》は冷たく湿っているので《冬》、《火》は燃えるように熱いので《夏》と対になっており、実際に展示も向かい合うように並べられています。Ⅲ 自然描写16世紀に印刷技術の発展と共に確立した「博物図鑑」という絵画ジャンル。ここでは、自然をいかにリアルに描くか、を追及した作家たちの作品が展示されています。1現在のように写真がない当時、生き物の生体を描写した絵画は知識の拡散に大きな役割を果たし、科学も著しく進歩しました。描かれ始めたときは、生物研究者や科学者の間で需要が高まっていましたが、やがて君主や貴族たちからも娯楽の一環として求められるようになります。アルチンボルトの連作も、彼が皇帝に仕えていた時代に宮廷の敷地内にあった動物園、植物園で描いた自然素描が応用されて構成されています。Ⅳ 自然の奇跡2これは、1547年のパリに一人連れてこられたカナリア諸島出身の少年、ペドロ・ゴンザレスの絵です。この少年は、胸や背中、さらには顔までもびっしりと長い毛が生えていました。現代では遺伝性の多毛症として知られていますが、当時は研究もされていなかったため、このあまりにも珍しい少年を好奇な存在として崇めました。アルチンボルトは寄せ絵の画家として「絵画の驚異」を生み出しましたが、多毛のペドロは事前が生み出した「生きる驚異」として受け止められていたことから、「驚異」という親和性のもとアルチンボルト展に展示されることになりました。Ⅴ 寄せ絵3アルチンボルトと同じ時代に、彼と同じような「寄せ絵」の手法を使った絵画がインドやイスラム、さらには江戸時代の日本でも見られるようになりました。ここでは、アルチンボルト以外の作家が描いた「寄せ絵」を見ることができます。Ⅵ 職業絵とカリカチュアの誕生アルチンボルトは、植物や野菜、動物だけでなく、本や樽などそれぞれの職業に関連したモティーフが組み込まれた、職人の肖像画も描いています。4ワイン樽やボトルで構成されていてる「ソムリエ」という職業絵。日本にある唯一のアルチンボルトの作品です。5宮廷に仕えていた学者が描かれたと言われている「司書」という作品です。どこか戯画的に表現された作風が職業絵の特徴で、「司書」では頭に本を乗せた“頭の固い学者”が描かれています。Ⅶ 上下絵から静物画へ上下どちらからも鑑賞できる作品は、以前から沢山ありましたが、アルチンボルトの描く「上下絵」のようにさかさまにするとまったく異なるイメージが現れるものはこれまでにありませんでした。「上下絵」は主に、アルチンボルトが故郷のミラノに戻った後に描かれました。67人にも見え、逆さまにすると食べ物の絵画にも見えるアルチンボルトの「上下絵」。これらの絵を、肉や野菜の静物画として見た場合、これらはイタリアにおける最初の静物画となります。イタリアで最初に独立した静物画を描いたのはカラヴァッジョやアンブロージョ・フィジーノと言われていますが、彼らは共にアルチンボルトと同郷のミラノ出身で、ほぼ確実に彼の作品を知っていたと考えられます。よって、彼の描いた「上下絵」はイタリアの静物画の発展にも画期的な役割を担った作品と言っても過言ではありません。オリジナルグッズもチェック!アルチンボルト展オリジナルの限定グッズも多数あります!お気に入りの作品が描かれたグッズは思わず欲しくなってしまいます。奇想と知、驚異と論理が交差するアルチンボルトワールド「アルチンボルト展」に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。イベント概要名称:アルチンボルト展開催期間:2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)時間:午前9時30分~午後5時30分、毎週金・土曜日:午前9時30分~午後9時(ただし6月23日、24日は午前9時30分~午後8時)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)、7月18日(火)会場:国立西洋美術館 企画展示室所在地:東京都台東区上野公園7−7料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円※中学生以下は無料公式サイト:
2017年06月21日東京・上野にある東京都美術館で、「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催。ゴッホの傑作・ルーラン夫妻の肖像画2点を筆頭に、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、選りすぐりの作品80点が来日します。アートファンは必見ですよ。ボストン美術館とは?ボストン美術館は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館です。地元市民の熱意と、さまざまなコレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年にあたる1876年に開館し、国や州の財政的援助を受けずにコレクションの拡充や施設の拡張を続け、2020年に設立150周年を迎えようとしている現在は、世界有数となる約50万点の作品を所蔵しており、世界有数の規模を誇っています。展覧会の見どころ「ボストン美術館の至宝展」では、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など同館の幅広いコレクションから厳選された珠玉の80点が紹介されます。ボストン美術館のコレクションによる展覧会は、これまでも繰り返し開催されてきましたが、幅広い内容を総合的に楽しめる展覧会は、日本で実に約40年ぶり。さらに今回は、世界有数となる約50万点のコレクションの形成に寄与したコレクターやスポンサーの活動にも光を当てていきます。●ボストン美術館が誇る傑作80点が集結。本展では、ボストン美術館が誇る傑作80点が大集結。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、古今東西の名品が一堂に集う、またとない機会です。●日本初!ファン・ゴッホの傑作、ルーラン夫妻の肖像画を2点同時に展示!注目は、ファン・ゴッホの傑作と名高い「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」 と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。パリを離れ南仏アルルに移り住んだゴッホにとって、ジョゼフ・ルーランはモデルとなってくれる数少ない相手でした。2点同時に展示されるのは日本で初めての試みなので、見逃せませんね。●英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大涅槃図、約170年ぶりの修理を経て初の里帰り!ボストン美術館で約170年ぶりに修理が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作「涅槃図」が、本展で初めての里帰りを果たします。海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は必見です。●世界屈指のコレクションに隠れたコレクターたちの物語をたどる!ボストン美術館は、世界有数の規模と知名度を誇る美術館ですが、世界中の多くの美術館とは異なり、公的な財政的援助を受けていません。ボストン美術館のコレクションは、ボストンとニューイングランド地方の市民の慈善活動によって支えられてきました。今回の展覧会では、美術品だけでなく、コレクションの形成に関わった人々にも焦点が当てられます。いつ、どのように、何が収集家たちを駆り立てたのか、そのストーリーを辿りましょう。各セクションの見どころと注目作品を紹介!●1章 古代エジプト美術三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されます。●ツタンカーメン王頭部《ツタンカーメン王頭部》エジプト、新王国時代、第18王朝、ツタンカーメン王治世時、紀元前1336-1327年Museum purchase with funds donated by Miss Mary S. Ames,11.1533Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonこの名前のない王頭部は、第18王朝の若き王として知られるツタンカーメンと考えられています。王はネメス頭巾をかぶり、額にある縦の溝にはウラエウス(蛇形記章)あったとのではないかと推測されており、頭巾の上には、上下エジプト統一の象徴である二重冠の赤冠の一部が残っています。加えて、アーモンド型の眼、官能的な唇と、その魅力的な顔立ちは、1922年に「王家の谷」で発見された黄金のマスクと酷似していることが指摘されています。●2章 中国美術約9千点からなるボストン美術館の中国美術コレクション。その内容は、絵画、陶磁器、彫像、装飾品など多岐にわたります。今回は、その中から、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品を厳選して紹介します。●九龍図巻(作者:陳容)陳容《九龍図巻》(部分)南宋、1244年(淳祐4年)Francis Gardner Curtis Fund, 17.1697Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston約10mに及ぶ長大な画面に描かれた九匹の龍。沸き立つ雲と荒れ狂う波の中、あるいは悠然と飛翔し、あるいは佇むさまが粗放な筆墨で描き出されています。作者の陳容は南宋末期に活躍した画家で、龍図を得意としたことで知られており、特に、本図は、かつて清朝の乾隆帝も旧蔵した龍図の名品です。●3章 日本美術ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。●風仙図屏風(曾我蕭白)曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4510Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。●三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4642Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston繊細で優麗な描線を特徴とし、様々な姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家・喜多川歌麿。本作は、晩年に手掛けられた作品で、集大成とも言える傑作です。横長の軸にモデルは上半身のみという珍しい構図になっています。●涅槃図(英一蝶)英一蝶《涅槃図》(写真は修理前)江戸時代、1713年(正徳3年)Fenollosa-Weld Collection, 11.4221Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston英一蝶(はなぶさいっちょう)は、江戸に生きる人々の風俗画を得意とした一方で、仏画も多く手がけたことで知られる画家です。同展で公開される「涅槃図」は、一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。画面いっぱいに、涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で描いており、一蝶の力の入りようが伝わる傑作です。本図は、1886年以前にフェノロサが購入して以来、ボストン美術館で収蔵されてきましたが、作品の大きさと経年による劣化ゆえ、同館でも25年以上にわたり公開が実現できませんでした。そのため、本展での公開に際して、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するため、約170年ぶりに本格的な解体修理を実施。初めて里帰りを果たします。●4章 フランス美術所蔵するヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に名高い19世紀フランス絵画のコレクションを紹介。バルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画には、ボストン市民の好みを色濃く反映されています。●睡蓮(クロード・モネ)印象派を代表する画家モネは、1890年代から「積みわら」や「ルーアン大聖堂」、そして代表作でもある「睡蓮」などの連作を開始し、同じ主題を繰り返し描きながら、天候や時間帯によって様々な表情をみせる対象を捉えていきました。本展で展示される「睡蓮」では、水平線はなく、モネの視線は水面に集中しています。それにもかかわらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の木々が、絵画の外に広がる無限の空間が想像させてくれます。なお、こちらの作品は、1909年にパリで開催された48点の「睡蓮」による「睡蓮――水の風景」展で発表されたもので、ただちにボストンのコレクターに購入されました。●卓上の果物と水差し(ポール・セザンヌ )ポール・セザンヌ《卓上の果物と水差し》1890–94年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.524Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonキュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた「近代絵画の父」、ポール・セザンヌ。セザンヌは「静物画のモチーフは果物が良い」として、リンゴを好んで描いたという逸話が残っています。卓上の皿に盛られたリンゴなどの果物はもちろん、水差し、テーブルクロスの柄までもが計算しつくされ、絶妙なバランスを保っています。●腕を組んだバレエの踊り子(エドガー・ドガ )エドガー・ドガ《腕を組んだバレエの踊り子》1872年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.534Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonフランスの印象派画家・ドガは、踊り子を扱った作品を数多く残していることで知られる「踊り子の画家」。踊り子とは、パリオペラ座のバレリーナを指す言葉で、オペラ座の定期会員になると舞台裏に入ることが許されました。裕福な銀行家の息子だったドガは、定期会員となり舞台裏にも出入りしており、目撃した踊り子の自然のしぐさ、表情を丹念に描きました。本作は、目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。何か物思いに耽っているような踊り子の憂いの帯びた表情にも注目してください。●郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年Gift of Robert Treat Paine, 2nd, 35.1982Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた、ジョゼフ・ルーランをモデルにした油彩画は全部で6点です。本作は、最初に描かれたもので、ほぼ全身を描いた唯一の作品して知られています。ファン・ゴッホがソクラテスにたとえた立派なあごひげをもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表現されています。また、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効果的に配されているのも特徴です。●子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュスティーヌ・ルーラン夫人(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年Bequest of John T. Spaulding, 48.548Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston組み合わせた手にゆりかごの紐を持つジョゼフの妻。「子守唄」という副題が付けられることや、「ルーラン夫人の肖像」もしくは「子守するルーラン夫人」とも表記されることがあります。ゴッホの入院により一時中断したこちらの作品。制作の再開を伝えるファン・ゴッホの手紙には、「絵画を制作することは、傷ついた心を慰めるものだ」と綴られています。どことなく母性を感じさせる作品で、「人の慰めとなる芸術」を目指した画家の意が反映されているとも言われています。なお、画家自身によって4点の同じ構図の油彩画が制作されています。●5章 アメリカ絵画ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品によって、アメリカ絵画コレクションの一端を紹介します。●ロベール・ド・セヴリュー(ジョン・シンガー・サージェント)ジョン・シンガー・サージェント《ロベール・ド・セヴリュー》1879年The Hayden Collection - Charles Henry Hayden Fund, 22.372Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけてイギリスで活躍したアメリカ人の画家です。イタリアに生まれフランスで美術教育を受けており、様々な国の絵画の影響を受け、独自の優美な画風を生み出しました。また、伝統的な古典技法によって多数の肖像画を手掛け、「最後の肖像画家」とも言われています。「ロベール・ド・セヴリュー」は、上流階級の子供と小型犬を描いたサージェントの代表作です。その洗練された技巧に圧倒されますよ。●6章 版画19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた充実した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家・ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人を紹介。人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が並びます。●機関車(エドワード・ホッパー)1920年代以降のアメリカン・シーンを描いたホッパーは、油彩画が広く知られていますが、秀でた版画家でもありました。特にアーティストとしての活動の初期に多くの版画を手掛けており、「機関車」も、その時期の作品です。機関車の存在感が際立つ構図、その先に広がるトンネルの闇と周囲との明暗のコントラストに、その後の作品に共通する特徴を見ることができます。●7章 現代美術同時代のアーティストの作品に常に着目してきた美術館において、成長著しい現代美術コレクションからウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などを紹介します。●ジャッキー(アンディ・ウォーホル)ウォーホルは、1960年代にスープの缶詰や著名人の写真を素材にした作品を発表し、その後のポップ・アートの隆盛を牽引したアーティスト。1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作。また、それらを組み合わせ作品として発表しました。そこには事件前の笑顔のジャクリーンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。さらに、期間中は、タイアップイベントやスペシャルコンテンツが登場予定です。詳細は公式サイトにて随時発表となりますので、ぜひチェックしてくださいね。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年06月21日作家・ドイツ文学者の中野京子によるベストセラー「怖い絵」の刊行10周年を記念した特別展「怖い絵」展が、兵庫県立美術館で2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝)まで、上野の森美術館で2017年10月7日(土)~12月17日(日)まで開催されます。視覚的な怖さだけでなく、「この絵がなぜ怖いのか」という隠された背景を知ることで分かる恐怖を紐解いていく、今までになかった斬新な展覧会となっています。ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー 《オデュッセウスとセイレーン》1909年 油彩・カンヴァス リーズ美術館蔵©Leeds Museums and Galleries (Leeds Art Gallery)テーマは「恐怖」!兵庫&東京で、「怖い絵」展が開催「怖い絵」展は、作家・ドイツ文学者の中野京子によるベストセラー「怖い絵」の第1巻刊行10周年を記念した特別展です。2007年にシリーズ1作目が刊行された同書は、「恐怖」をキーワードに据えて西洋美術史に登場する名画の魅力を紹介しており、その絵の時代背景や隠された物語という知識をもとに読み解く美術書としてベストセラーを記録し、シリーズ化されて多方面で大きな反響を呼びました。本展では、書籍で取り上げた作品をはじめ、ターナー、モロー、セザンヌなど、ヨーロッパ近代絵画の巨匠の“怖い”作品など、近世から近代にかけて、ヨーロッパ各国で描かれた油彩画や版画、約80点をテーマごとに展示。これまでとは違う視点で、名画に隠された「恐怖」を読み解きます。また、著書でも紹介された、ロンドン・ナショナル・ギャラリーを代表する名画、ポール・ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」も日本初公開。縦2.5m、横3mにもおよぶ大作を間近で鑑賞できる絶好の機会となっています。注目作品をピックアップ!●ポール・ドラローシュ「レディ・ジェーン・グレイの処刑」ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》 1833年 油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵 Paul Delaroche, The Execution of Lady Jane Grey, ©The National Gallery, London. Bequeathed by the Second Lord Cheylesmore, 1902ロンドン・ナショナル・ギャラリーの代表作品「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が、本展のために初来日します。ヘンリー8世の姪の娘として生まれたばかりに政争に巻き込まれ、望みもしない王冠を被せられたあげく、わずか16歳で死なねばならなかった、悲運の女王・ジェーン・グレイ。「9日間の女王」とも呼ばれる彼女が、今まさに処刑されようとしている風景が、この絵に描かれています。手探りしている首置台に触れれば、彼女は司祭の助けをかりてそばに身を横たえ、処刑人の大きな斧の一撃を受けるのです。下に敷かれた藁は、夥しい血を吸いとるためのもので、首がころがる様をも想像させます。残酷な運命を前に、怯えるでなく怒るでなく、周りの悲嘆にも動揺するでなく、覚悟を決めて従容と死につこうとしている少女。その儚い一輪の白い花のごとき姿、散る寸前の匂いたつ美しさ、清楚な魅力が光る1枚です。●ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「オデュッセウスに杯を差し出すキルケー」ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》1891年 油彩・カンヴァス オールダム美術館蔵©Image courtesy of Gallery Oldham本作で取り上げられているのは、「オデュッセイア」第10歌、アイアイエー島の主であるキルケーと運悪くこの島に漂着した英雄オデュッセウスが対面する場面です。キルケーは、近づく男たちを歓待すると見せかけて、魔術で動物に変えてしまう恐るべき魔女。ここでは、薄衣をまとって玉座に座り、右手の杯を高々と掲げる傲岸な姿で描かれています。そして、魔女キルケーの背後の大きな鏡に描かれているのは、部下たちを探しに来たオデュッセウス。部下は、キルケーの美貌に惑わされ、勧められるまま薬草を煎じた魔酒を飲んで豚に変えられ、周囲に転がっています。面白いことに、オデュッセウスとキルケーはこの出会い後たちまち恋に落ち、1年以上も共に暮らし、別れに際してキルケーは、この先の航海で待ち受けるセイレーンから身を守るためには、彼女たちの歌声を聞かないよう蜜蝋で耳栓をすべし、と忠告したと言われています。●ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー「オデュッセウスとセイレーン」ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー 《オデュッセウスとセイレーン》1909年 油彩・カンヴァス リーズ美術館蔵©Leeds Museums and Galleries (Leeds Art Gallery)キルケーの島を離れたオデュッセウスらを待ち受ける次なる試練は、セイレーンの棲む海を無事に航行することでした。半人半鳥または半人半魚の姿で、美声によって船乗りたちを惑乱させ、船を沈めたと言われる海の魔女セイレーン。マストに縛りつけられた古代ギリシャの英雄オデュッセウスは、彼だけ蜜蝋の耳栓をしていなかったため、セイレーンの歌声を聞いて狂乱し、海へ飛びこもうと身をよじっています。ドレイパーが描くセイレーンは、当時のイギリス人が理想とする若い美女そのもの。彼女らの下半身は海中では魚なのに、船べりによじのぼる時には白いエロティックな脚となり、腰には海藻が巻きついています。さらに船内へ入ると藻は布へと変わり、あたかもファム・ファタール(男を破滅させる運命の女)の正体は、人間ならざる異界のものだと言っているかのようです。●ジャック=エドゥアール・ジャビオ「メデューズ号の筏(テオドール・ジェリコー作品の模写)」ジャック=エドゥアール・ジャビオ 《メデューズ号の筏(テオドール・ジェリコー作品の模写)》 1854年 油彩・カンヴァス ボルドー美術館蔵©Musée des Beaux-Arts, Ville de Bordeaux. Photo L. Gauthierこちらの作品は、ジェリコーによるフランス・ロマン主義絵画の記念碑的作品(ルーヴル美術館蔵)の模写にあたります。メデューズ号事件は、フランス王政復古期に起こった、無能な貴族艦長による弱者切り捨ての大スキャンダル。ナポレオン戦争が終結し、西アフリカの植民地セネガルがイギリスからフランスへと返還されることが決まり、海軍のフリゲート艦メデューズ号は3隻の船舶とともに同地に派遣されました。しかし、メデューズ号は早々に、ほかの船舶とはぐれ座礁。400人の乗員に対して救命ボートは250人分しかなく、残りの150人は急ごしらえの筏に乗せられてしまいます。始めは、ボートにひかれていましたが、反乱の恐れありとロープを切り離され大西洋へと放り出されます。わずかの水と食料だけで筏に放置された約150人の乗員たちは、炎天下のアフリカ海域を13日間も漂流し、最終的にサバイバルできたのは、10人弱と言われています。政府は事件を揉み消そうとしましたが、ジェリコーの傑作がそれを許しませんでした。作品は模写され、版画になり、ヨーロッパ中に衝撃を与えたのです。そのダイナミックな構図とドラマティックな表現法は、現代のハリウッド映画にまで影響を与え続けています。●ウィリアム・ホガース『ビール街とジン横丁』より「ジン横丁」ウィリアム・ホガース 『ビール街とジン横丁』より《ジン横丁》 1750-51年 エッチング、エングレーヴィング・紙 郡山市立美術館蔵©Koriyama City Museum of Artジンは、オランダ総督で名誉革命後にイングランド王に即位したウィリアム3世によってイギリスにもたらされてもの。今ではカクテルベースとしてのジンが身近ですが、絵の中の人々はストレートで飲んでいます。イギリス国内では、ジンは原料も安く、税もかからず安く手に入れられましたが、牛乳やお茶、そしてビールは高く、貧民街に住む人々はジンを飲むしかありませんでした。いつしか街の中では、子どもまでもが安酒のジンを飲み、地獄さながらの様相が繰り広げられていたのです。その模様がこの作品の中から読み取れます。しかしながら、当時のジンは安かろう悪かろうの粗悪品で大勢の健康をそこね、廃人を産み、犯罪も激増。作者のホガースは、反ジン・キャンペーンとしてこの作品を制作しました。対になったもう1枚では豊かなビール街が称えられています。●ゲルマン・フォン・ボーン「クレオパトラの死」ゲルマン・フォン・ボーン 《クレオパトラの死》 1841年 油彩・カンヴァス ナント美術館蔵©RMN-Grand Palais / Gérard Blot / distributed by AMF女性ヌードを描くには、近代になるまで、聖書ならイヴ、神話なら女神やニンフ、歴史なら古代女性と、エクスキューズが必要でした。そのため、絶世の美女クレオパトラも、歴史画としてこぞって取り上げられました。紀元前1世紀のエジプト女王クレオパトラは、弟から王位を追われた後、ローマのシーザー(カエサル)を籠絡し、その愛人となり、王位を奪還。シーザーが暗殺されると今度は次の権力者アントニウスと結婚しましたが、彼の失脚とともに命運尽きて自殺してしまいます。自殺の手段は、アスプコブラ(別名エジプトコブラ)に噛ませてのものだったと伝えられています。本作でも、その伝承にのっとり、ベッドのシーツに茶色い蛇がのたくるように這っています。神経性の猛毒なので、クレオパトラの身体はぐったり弛緩し、眠るかのようです。そして、それこそが、彼女がアスプコブラを選んだ理由でした。激しい政争の時代、幾度も命の危機にさらされてきたクレオパトラは、生きたまま敵の手に落ちることだけは避けたい、見苦しくなく美しいまま死にたいと、早い段階から毒蛇を飼っていました。エキゾチックなエジプト風の舞台背景の中、敵から辱めを受ける恥辱を避けるために誇り高く自害する姿としてではなく、妖艶な美女としての官能的な姿が描かれています。各章の内容をご紹介!●1.神話と聖書神話や宗教は、本質的に人間には抗うことのできない超越的な力や摂理を抽出するもの。ギリシャ・ローマ神話や聖書で語られる物語は、必ずしも幸福なものばかりではなく、人間に苦難を強いたり、悲劇的な結末を迎えるものも少なくありません。この章では、神の意志や気まぐれに翻弄される人間の悲喜劇を描いた絵画を紹介します。●2.悪魔、地獄、怪物ヨーロッパのキリスト教世界では、人間を堕落させ悪の道へと誘う者として悪魔という存在が長きに亘って想像されており、人間が生前犯した罪の報いを受ける死後の世界として、地獄のイメージが伝統的に培われてきました。「悪魔、地獄、怪物」の章では、近代にまで命脈を保った悪魔や地獄のイメージや、それに近接する怪物の主題を描いた作品を取り上げます。●3.異界と幻視人は、自らの日常生活の外にそれとは違う論理に支配された異界というべき空間を想像してきました。また、とりわけロマン主義以降の美術では、異界が時として日常生活の狭間や我々自身の内面に発生する様子を幻視するかのような作品が数多く生み出されました。本章では、私たちの住む世界の自明性を脅かす様々な異界の表現を紹介します。●4.現実様々な恐怖と苦悩に満ち満ちている現実世界。なかでも最大にして最も普遍的な恐怖は死と言えるでしょう。死は、それに近接する老いや病気、あるいは犯罪や戦争などの死を発生させる事象とともに、画家たちにとって重要な主題でした。また現実の世界には、一見無害に見える社会的な習俗にも様々な悪弊や不条理が潜んでいます。この章では、死の場面を中心に、現実の中に存在するいくつもの闇を描いた絵画に焦点を当てます。●5.崇高の風景18世紀から19世紀にかけてのロマン主義時代、風景画は新たな発展を遂げていきました。歴史画の背景として発達した理想的風景や特定の場所のありのままの姿を描写する地誌的風景に加え、なんらかの感情や気分を暗示的に表現する主情的・主観的な風景画が生み出されました。本章では、「崇高」の美学を反映した作例を取り上げ、その背後に隠された不安や恐怖の感情を読み解きます。●6.歴史人間の歴史は、激しい権力闘争の歴史でもあります。ヨーロッパにおいてもそれは例外ではなく、一度は栄華を誇った者であっても、ひとたび争いに敗れてしまえば無慈悲な運命が待ち受けていました。本章では、歴史を彩る悲劇的なエピソードや運命に翻弄された人々の姿を描いた作品を特集します。展覧会の注目ポイント!●テーマは「恐怖」!これまでにない切り口で楽しめる「恐怖」をテーマに、視覚的な怖さだけでなく、隠された背景を知ることで判明する恐怖まで、約80点の西洋絵画・版画が登場。その怖さを読み解くヒントとともに絵画をじっくりと鑑賞できます。さらに、ターナー、モロー、セザンヌなど、ヨーロッパ近代絵画の巨匠による"怖い"作品も楽しめます。●ロンドン・ナショナル・ギャラリーの至宝「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が奇跡の初来日!本展最大の注目作は、縦2.5m、横3mにもおよぶ、ポール・ドラローシュの大作「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。「9日間の女王」として知られ、16歳にて散った、イングランド史上初の女王の最期を、繊細な筆致と緻密な構成で描いた本作は、まさに圧巻の一言ですよ。1928年のテムズ川の大洪水により失われたと考えられていましたが、1973年の調査で奇跡的に発見された本作は、1975年の一般公開再開以来、瞬く間にナショナル・ギャラリーの代表作品となった、奇跡の作品。アートファンの方は必見です。●ベストセラー「怖い絵」シリーズ著者・中野京子氏が特別監修!本展の特別監修は、「怖い絵」シリーズの著者・中野京子氏。この展覧会のため、新たに選び抜いた“怖い絵”が続々登場します。また、ポール・ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」のほか、ハーバート・ジェイムズ・ドレイパーの「オデュッセウスとセイレーン」や、ウィリアム・ホガースの『ビール街とジン横丁』より「ジン横丁」など、「怖い絵」シリーズで紹介された作品も展示します。「怖い絵」展 開催概要<兵庫会場>会場:兵庫県立美術館住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1会期:2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝)※金・土曜日は夜間開館20:00まで時間:10:00~18:00()休館日:※月曜休館(9月18日は開館)※入場は閉館の30分前まで。料金:一般 1,400(1,200)円、大学生 1,000(800)円、70歳以上 700(600)円、高校生以下無料※( )内は前売料金(一般・大学生のみ)および20名以上の団体割引料金。※障がいのある方は各当日料金の半額(ただし70歳以上料金からの割引はなし)。その介護者1名は無料。※割引を受ける場合は証明できるものを持参。※県美プレミアム展の観覧には別途観覧料金が必要(本展とあわせて観覧する場合は割引あり)。問い合わせ:078-262-0901(兵庫県立美術館)公式サイト:東京会場>会期:2017年10月7日(土)~12月17日(日) ※会期中無休会場:上野の森美術館住所:東京都台東区上野公園1-2時間:10:00~17:00※入場は閉館の30分前まで。料金:一般 1,600(1,400)円、大学生・高校生 1,200(1,000)円、中学生・小学生 600(500)円※( )内は前売料金、および20名以上の団体料金。※小学生未満は無料。※障がい者手帳の提示、およびその介護者1名は無料。問い合わせ:03-3833-4191(上野の森美術館全日10:00~17:00)公式サイト:「怖い絵」展 特別サイト:
2017年06月14日展覧会「バイトル presents チームラボジャングルと学ぶ!未来の遊園地」が、2017年7月28日(金)から9月10日(日)までの期間、渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホールで開催される。本展は、光のアートに体ごと没入し光に触れて音楽を奏でる参加没入型ミュージックフェスティバル「チームラボジャングル」と、世界中で累計500万人以上を動員している「学ぶ!未来の遊園地」による大規模な展覧会。昼の部と夜の部があり、親子で楽しむ「キッズヌーン(Kids Noon)」と、大人のための「アートナイト(Art Night)」で異なる演出が行われる。「キッズヌーン」では光の中でトランポリンや滑り台で遊んだり、子供が楽しめるコンテンツが充実している。「アートナイト」では光の線の集合によって空間が幻想的な雰囲気に包まれる。複数人による参加型インタラクティブミュージックなども開催する。「学ぶ!未来の遊園地」では、海外の展覧会で好評だった「Graffiti Nature – 山と谷」や「すべって育てる! フルーツ畑」など新作が登場。昼と夜、どちらの時間帯でも楽しむことができる。【詳細】「バイトル presents チームラボジャングルと学ぶ!未来の遊園地」開催日時:2017年7月28日(金)〜9月10日(日) 9:30〜22:00場所:渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホール ホールA・B上演スケジュール;■平日キッズヌーン(昼)10:00〜10:50、11:20〜12:10、12:40〜13:30、14:00〜14:50、15:20〜16:10、16:40〜17:30■平日アートナイト(夜)19:00〜20:00、20:30〜21:30■土日祝日キッズヌーン(昼)10:00〜10:50、11:20〜12:10、12:40〜13:30、14:00〜14:50、15:20〜16:10■土日祝日アートナイト(夜)17:30〜18:30、19:00〜20:00、20:30〜21:30休演日:終日休演 8月7日(月)・21日(月)・9月4日(月)、キッズヌーン(昼)休演 7月28日(金)・9月1日(金)・5日(火)〜8日(金)、アートナイト(夜)休演 8月10日(金)チケット料金:■キッズヌーン(昼公演)大人 2,200(2,000)円、小人1,200(1,000)円、バイトル学割 1,800(1,600)円■アートナイト(夜公演)大人 3,400(3,200)円、バイトル学割 2,400(2,200)円※カッコ内は前売り価格。※大人は15歳以上、小人は3歳以上〜中学生以下、バイトル学割は高校生、専門学生、短大生、大学生、大学院生※2歳以下無料。未就学児は保護者の同伴が必要。※夜フェスは、中学生以下入場不可。※「バイトル学割」学生証及びバイトルアプリの提示が必要。前売り券取り扱い:2017年6月1日(土)10:00より、 ローソンチケット、日テレゼロチケ、チケットぴあ、イープラス、セブンチケット、Yahoo!チケットにてチケット一般発売開始。
2017年06月13日展覧会「魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム」が神戸ファッション美術館にて開催される。会期は、2018年7月14日(土)から9月2日(日)まで。体感型の光のアートを楽しむ「魔法の美術館」「魔法の美術館」は、見て、参加して、楽しむ、体感型の展覧会。来館者の動きに合わせて、色とりどりの光や影のモチーフ、映像、音が変化する作品などが、美しくも不思議な空間を演出する。日本を代表する気鋭のアーティストが作り出した魔法のような空間に入り込み、心ゆくまで遊びつくすことが可能だ。登場する全21点の作品すべて写真撮影も自由となっており、SNSに投稿して楽しむこともできる。動く影が幻想的な「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」小松宏誠の「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」は、天井から吊り下げられた繊細な造形のシャンデリアや、展示されたモビールが回転。壁に映し出された影の動きを楽しめる幻想的な作品だ。自分がキュビスムの世界に「.hito」自分のキュビスム的な姿を楽しめる「.hito」。イスに座ると自分がキュビスム的な姿になり、動きに合わせて変化する。ポリゴンチックになった自分の動きを楽しんで。自分の歩いた道から波紋のように光が広がる「七色小道」「七色小道」は、一見ただの通路に見える道。歩き出すと、自分の跡から様々な色や光が広がっていき、他の人が出す色と混ざりあう。ただ歩いているだけで無意識のうちにお互いに影響を与え合っている様子を参加型アートという形で表現した。時間の経過によって広がった光は形を変えながら消えてしまうので、常に違う姿の「七色小道」を楽しむことができる。【詳細】魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム会期:2018年7月14日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、2018年7月17日(火) ※7月16日(月・祝)は開館場所:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1入館料:一般 1,000(800)円、大学生・65歳以上 500(400)円、高校生以下 無料※()内は前売り(館内のみ)、または30人以上の団体料金。※小学生以下は保護者(高校生以上)の同伴が必要。出品アーティスト:田中陽、坪倉輝明、藤本直明、小松宏誠、徳井太郎/清水雄大、藤元翔平、重田佑介+Zennyan、岡田憲一、宮本昌典/小岩原直志
2017年06月11日6月10日・11日に東京で行われる、おすすめのイベント4選をご紹介します。ちょっとゾクゾクしそうな「キモイ展」や、ラグビーファン必見の「秩父宮みなとラグビーまつり2017 」など、バリエーション豊かなイベントが勢揃い。早速詳細をチェックしてみましょう。キモい展(東京スカイツリー(R))世の中の気持ち悪い生き物が大集合。「キモい展」が、東京スカイツリー(R)内の東京ソラマチ スペース634で開催されています。イメージキャラクターは、アンガールズの田中さん。展覧会でしか買えない、コラボグッズも見逃せません。「カエルの日」記念イベント(サンシャイン水族館)サンシャイン水族館で開催中の、カエルの日を記念したイベントも気になります。期間中は、普段見られないカエルたちの給餌シーンが、飼育スタッフの解説つきで見られますよ。カエルグッズや、カエルをモチーフにした限定メニューなど、カエル好きにはたまらないコンテンツがいっぱいです。秩父宮みなとラグビーまつり2017(秩父宮ラグビー場)日曜日に行くなら「秩父宮みなとラグビーまつり2017」がおすすめ!地域食材を使ったフードコーナーや国際文化を紹介する国際ゾーン、ラグビーを体験できるエリア、そして大型モニターを用意し試合映像の投影したパブリックビューイングなど、ラグビーを知らない人でも楽しめる企画が用意されています。TOKYO BAY GOLF CHALLENGE.(BMW GROUP Tokyo Bay)お台場で、ホールインワンに挑戦!あの高級車「BMW」や石川遼プロも愛用するブランド「キャロウェイ」のクラブなど、豪華賞品をゲットするチャンスです。週末には子供でも参加できるパター・コースも設置されるので、家族みんなで楽しめそうですね。
2017年06月09日「ベルギー 奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されます。会期は2017年7月15日(土)~9月24日(日)まで。ボス派や、ブリューゲル、マグリットやヤンファーブルなど、ベルギー・フランドルとその周辺地域で発展した「幻想絵画」とその伝統を受け継いだ現代までの秀作が一堂に会します。アートファンの方はお見逃しのないようにしてくださいね。「ベルギー 奇想の系譜ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展が渋谷で開催ピーテル・ブリューゲル(父)[原画]、ピーテル・ファン・デル・ヘイデン[彫版] 《大食》1558年 エングレーヴィング・紙 神奈川県立近代美術館現在のベルギーとその周辺地域では、中世末期に発達した写実的描写のもと、独自の幻想的な絵画が発達していきました。しかし、18世紀、自然科学の発達と啓蒙思想がヨーロッパを席巻する中、不可解なものは解明されてゆき、次第に心の闇に光が当てられるようになります。かつての幻想美術の伝統が引き継がれるのは、産業革命後の19世紀。人間疎外、逃避願望を背景とした象徴主義ににおいてでした。画家たちは夢や無意識の世界にも価値を見出し、今日もこの地域の芸術に強い個性と独自性を与えつづけています。ジェームズ・アンソール 《オルガンに向かうアンソール》 1933年 油彩・キャンヴァス メナード美術館「ベルギー 奇想の系譜」は、ベルギーとその周辺地域において、幻想的な世界を作り出したこの一連の流れを、約500年にわたる「奇想の系譜」ととらえ、紹介するもの。15、16世紀を代表するボスやブリューゲルの流れをくむ作品から、19世紀のベルギー象徴派のクノップフ、アンソール、さらには、シュルレアリストのマグリット、デルヴォーなどや、現代のヤン・ファーブルまで、約120点の作品を通して、ベルギー美術の歴史を辿っていきます。注目ポイントはココ!●中世から現代まで、ベルギー美術の500年を辿る!15、16世紀のフランドル絵画から、19世紀のベルギー象徴派、そしてコンテンポラリー・アートの作品まで、約120点の作品が登場。ベルギー美術の500年の旅へと鑑賞者を誘います。●古今のスター作家が勢揃い!ボス派やブリューゲル、ルーベンス、クノップフ、アンソール、さらに、マグリットやデルヴォー、ヤン・ファーブルなど、ベルギーとその周辺地域を代表する総勢30名の作家の作品が一堂に集合します。●様々な表現で、ベルギー美術の魅力を堪能!絵画や版画はもちろんのこと、彫刻、音、インスタレーションなどの様々な表現で、幻想と耽美、皮肉とユーモアなど、ベルギー美術の魅力である自由で独創性あふれる世界を楽しめます。各章の見どころと注目作品をご紹介!●第1章 15~17世紀のフランドル美術ぺーテル・パウル・ルーベンス[原画]、リュカス・フォルステルマン(父)[彫版] 《反逆天使と戦う大天使聖ミカエル》1621年 エングレーヴィング・紙 ベルギー王立図書館本章ではボス派の画家やブリューゲル、ルーベンスらの作品をご紹介します。ベルギー絵画の「奇想」のルーツは、現在のベルギーとの国境に近いオランダ南部の都市・セルトーヘンボスに生まれた奇才・ヒエロニムス・ボスとされます。ボスは「地獄」を鮮烈なイメージで描き、闇をうごめく異形で埋め尽くしました。ボスの死後も、ボス派の画家たちは、豊かなバリエーションで高まる需要に応え、中でも、「第二のボス」と呼ばれたピーテル・ブリューゲル(父)が描いた、ボス風の悪魔や怪物は、ブリューゲルの鋭い観察眼によって、親しみやすさや日常性が増し、次世代にも継承されていきます。そして、17世紀バロック美術の巨匠・ルーベンスは、リアリティと深い感情表現を追及。恐れや怒りなど激しい感情表現の表出としての「奇想」の表現を生み出しました。●日本初公開!異界めぐりの逸話を描いたボス工房の作品が登場ヒエロニムス・ボス工房 《トゥヌグダルスの幻視》 1490-1500年頃 油彩・板 ラサロ・ガルディアーノ財団© Fundación Lázaro Galdiano異界めぐりの逸話を描いたボス工房の作品《トゥヌグダルスの幻視》が初来日。《トゥヌグダルスの幻視》とは、アイルランドの修道士が語ったとされる逸話です。主人公の騎士トゥヌグダルスは、3日間の仮死状態に陥っている間に天使によって天国と地獄に導かれ、そこで恐ろしい懲罰を目にし、目覚めた後に悔悛します。本作は、左下に主人公と天使、さらには大罪とそれに関連づけられた懲罰が各所に散りばめられています。●ヤン・マンデイン《パノラマ風景の中の聖アントニウスの誘惑》聖アントニウスとは砂漠での修行で知られるキリスト教の聖人です。当時、「聖アントニウスの火」と呼ばれた奇病の治癒の奇跡をもたらす聖人と考えられていました。画面中央の黒いマントを着て、跪く人物が聖アントニウス。そして、彼の後ろには様々な怪物たちが列をなしています。また、画面手前にみられる卵の殻やムール貝、水に浮かぶイチゴのような果物はボスの作品から引用されているものです。●ピーテル・ブリューゲル(父)「大きな魚は小さな魚を食う」 ブリューゲルの作品は、鋭い観察眼でとらえられた自然や民衆の暮らしが描かれるとともに、ボス的な趣向ともいえる「異界・非日常」的な要素が日常的な枠組の中で描き出されています。なお、会場ではブリューゲル作品のアニメーション映像も展示。動き出す空飛ぶ魚や歩く魚、大きな魚のお腹の中から小さな魚が飛び出てくる臨場感も楽しめますよ。●19世紀~20世紀のベルギー象徴派・表現主義ジャン・デルヴィル 《レテ河の水を飲むダンテ》1919年 油彩・キャンヴァス 姫路市立美術館1830年、ベルギーは国家として独立を果たします。工業化と都市化が進む1880年代後半、科学の世紀に背を向けて、言葉で言いがたいもの、目には見えないものを追求し、想像力と夢の世界に沈潜する象徴派と呼ばれる芸術家が現れます。ボードレールの敬愛された画家・ロップスは、中世からルネッサンスにかけて北方美術が好んで取り上げてきた骸骨たちの舞台を近年に蘇らせました。一方、クノップフの暗示に満ちた静寂な世界は、溶けない謎へと鑑賞者を引き込んでいきます。そして、画家が抱えていた孤独や怯えが不穏なうねりとなって、ついに叫びだす自我を描いたのがアンソールでした。アンソールが描いた骸骨と仮面は、隠されるもの、隠すもの、暴かれるものの性質を内包しています。この関心は、次世代のマグリットから現代に続く、「言葉とイメージ」の問題へと展開していきます。●フェリシアン・ロップス《舞踏会の死神》死神として骸骨となった女が、カトリックの司祭がミサで着るガウンを身にまとい、恍惚のダンスを舞っています。教会を風刺する本作は大型の画面に描かれており、作者の深い思い入れが感じられます。作者は、反カトリック的、反ブルジョワ的強迫観念を持ったフェリシアン・ロップス。版画、挿絵を中心に、油彩画、水彩画、著述など様々な分野で才能を発揮しました。●フェリシアン・ロップス「娼婦政治家」 フェリシアン・ロップス[原画]、アルベール・ベルトラン[彫版] 《娼婦政治家》1896年 多色刷銅版画・紙 フェリシアン・ロップス美術館娼婦の女性と豚の足元には、彫刻、音楽、詩、絵画と書かれた擬人像があり、女性と豚はこれらの芸術を理解せずに踏みにじっています。作者は現代の政治家には私利私欲に目がくらみ、盲目となった者がいることをこの娼婦で表しており、メッセージ性の強い作品となっています。●ジェームズ・アンソール《ゴルゴダの丘》本作の図像は、ゴルゴダの丘で2人の罪人とともに十字架につけられたキリストを描く、宗教画の伝統的な約束事に基づいたものです。しかし、よく見てみると十字架上部の罪標には「ENSOR(アンソール)」と記され、キリストの脇腹を刺す人物の槍には「FÉTIS(フェティス)」という美術批評家の名前の旗がついています。●20世紀のシュルレアリスムから現代まで現代に受け継がれた「奇想」の表現はオブジェ、音、インスタレーションへと領域を広げ、今もなお創造活動の豊かな源泉であり続けています。この章では、マグリットやデルヴォーらシュルレアリスムの芸術家たち、またヤン・ファーブルをはじめとする現代作家らの作品をご紹介します。●レオ・コーペルス「ティンパニー」筆を咥えた骸骨が、ドラムにリズミカルに打ち付けられています。数多くの戦地となってきたベルギー芸術には死の表象が絶えず見え隠れするのが特徴の1つですが、この根深く厳粛な難題にユーモアで答えるコーペルスの表現は、ベルギーの芸術家が培ったアイデンティティの1つといえるでしょう。●パトリック・ファン・カーケンベルグ「2007-2014年、冬の日の古木」一見すると変哲のない老木のデッサンのように見えますが、作家が想像を自由にめぐらせて描いたものであり、この世のどこにも存在しない木になっています。作家・パトリック・ファン・カーケンベルグは、このような古木を数多く描き、その幹にはしばしば扉や窓をとりつけています。●トマス・ルルイ「生き残るには脳が足らない」トマス・ルルイ 《生き残るには脳が足らない》 2009年 ブロンズ ロドルフ・ヤンセン画廊© Studio Thomas Lerooy, Brussels, courtesy rodolphe janssen, Brussels /Photo: Philippe D. Hoeilaart古代ギリシア時代から続けられてきた、理想の人体への飽くなき探求。それは、現代の過剰なモデル崇拝やダイエットの日常化にも現れています。本作では、傍目から見れば十分なほど持っているはずのものでもまだ飽き足らない姿、大きすぎる頭で自滅している現代の人間像が物語られています。イベント詳細名称:ベルギー 奇想の系譜ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1会期:2017年7月15日(土)~9月24日(日)開館時間:10:00〜18:00 (入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)休館日:7月18日(火)、8月22日(火)Bunkamura ザ・ミュージアム 公式サイト:展覧会特設サイト:
2017年06月09日6月17日(土)~9月24日(日)の期間中、三菱一号館美術館内のカフェ・バー「Café 1894」に「レオナルド×ミケランジェロ」展タイアップメニューが登場します!展覧会鑑賞後は、タイアップメニューで余韻に浸りませんか?メニューの詳細をご紹介します。宿命の対決!「レオナルド×ミケランジェロ」展タイアップメニューは、6月17日(土)~9月24日(日)の期間中に三菱一号館美術館で開催される「レオナルド×ミケランジェロ」展にちなんだもの。展覧会では“ルネサンスの2大巨匠”と称される2人の希少な素描、油彩画、彫刻、手稿、書簡など約65点が紹介されます。日本初公開作品も含まれ、注目を集めています。展覧会を目で、タイアップメニューを舌で鑑賞しましょう。●ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」の空間も楽しんで三菱一号館美術館内のミュージアムカフェ・バー「Café 1894」は、かつて銀行営業室として利用されていた場所です。1894年(明治27年)の三菱一号館竣工当時に撮影されたといわれる写真、図面、保存部材を参考に忠実に復元。ミュージアムカフェ・バーとして現在によみがえりました。クラシックな内装と高い天井が印象的。優雅な気分でタイアップメニューを堪能してください。タイアップメニューはランチとデザート●ランチ「Pranzo Fiorentino プランツォ・フィオレンティーノ」:1,850円(税抜)メニューに“フィレンツェのランチ”と冠したのは、レオナルドとミケランジェロの故郷がフィレンツェであることにちなんでいます。歴史ある美しい街をイメージした、華やかな内容です。前菜は「スモークサーモンのテリーヌ」。まずはそのまま食べ、次に添えてあるオレンジヨーグルトソースを添えていただきましょう。爽やかな酸味がサーモンとマッチします。メインには「牛のタリアータ」を召し上がれ。“薄く切った”という意味のタリアータは、イタリア定番の肉料理です。絶妙な焼き加減の薄切り牛肉にイタリア野菜、そしてレオナルドとミケランジェロも好物だったというチーズのハーモニーを楽しんで。●デザート「パラゴーネ」:850円(税抜)イタリア語で“対比”という意味の「パラゴーネ」は、ティラミスで右から左に流れる線を表現。鏡文字を使うレオナルドにちなんだデザートです。赤モモのズコットでは、ミケランジェロの彫刻をイメージしています。ズコットは丸いドーム型のケーキで、ルネサンス期にイタリアのトスカーナ地方・フィレンツェで誕生しました。ミケランジェロの彫刻のような立体的なプラムコンポートの盛り付けがおしゃれです。ヨーグルトのソルベで夏らしい爽快感もプラス。1皿にレオナルドとミケランジェロの“対比”が盛り込まれたデザートです。ランチメニューとデザート、ぜひどちらも味わってください。タイアップメニューを楽しみ、2人の巨匠が生きた時代に想いを馳せましょう。メニュー詳細「レオナルド×ミケランジェロ」展タイアップメニュー提供期間:6月17日(土)~9月24日(日)提供店舗:三菱一号館美術館1階ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」(東京都千代田区丸の内2-6-2)料金:ランチ「Pranzo Fiorentino プランツォ・フィオレンティーノ」(1,850円・税抜)デザート「パラゴーネ」:(850円・税抜)営業時間:11:00~23:00(L.O.22:00)TEL:03-3212-7156URL:(カフェ公式)(レオナルド×ミケランジェロ展)
2017年06月08日東京スカイツリー(R)内の東京ソラマチ スペース634で、世の中の気持ち悪い生き物を集めた「キモい展」が開催されます。期間は、2017年6月8日(木)~7月9日(日)まで。普段「キモい」と避けてしまう生き物たちを、どんな存在なのか改めて観察する絶好のチャンスですよ。さらに、開催日初日には、「キモい展」イメージキャラクター・アンガールズ田中さんが来場します。世の中の気持ち悪い生き物が大集合!「キモい展」が今年も開催2017年6月8日(木)~7月9日(日)の間、東京スカイツリー内の東京ソラマチ スペース634にて「キモい展」が開催。今回も、山口県周南市にある「周南市徳山動物園」の制作協力のもと、ウデムシやオオムカデ、サソリ、マルメタピオカガエル、ゴキブリ、ミルアームなど、約30種類以上の気持ち悪いアニマル、通称「キモアニ」が展示されます。「キモい展」では、世界から集めた、これまで見たことのないような奇妙な姿をした生き物や、普段の生活の中では出会いたくないような姿をした生き物にスポットをあてて紹介。多くの人が「気持ち悪い」と感じる姿形や色、生態は、生き物たちが生きていくための創意が詰まった、とっておきのフォルムであり、他には変えられない生き方なのです。貴重な生き物たちの、「気持ち悪い」から一歩踏み込んでじっくりと観察してみてはいかがでしょうか。スペシャルイベント!アンガールズ田中さん展示中~え!俺が展示されるの!?キモい展初日の2017年6月8日(木)、午前中限定で、10:30からイメージキャラクターであるアンガールズ田中さんが来場します。ふれあいコーナーで、ふれあい?握手ができるチャンスですよ。キモい展×アンガールズ田中コラボレーション!オリジナルグッズが限定販売!会場では、「キモい展」とアンガールズ田中さんがコラボレーションしたオリジナルグッズも登場。「クリアファイル」「缶バッジ」「くるみメモ帳」「うちわ」「フェイスタオル」など、数量限定で販売されます。ぜひチェックしてくださいね。イベント詳細名称:キモい展会場:東京ソラマチ(R)スペース634住所:東京都墨田区押上1-1-2会期:2017年6月8日(木)~7月9日(日)時間:10:00~20:00※入場は閉場30分前まで入場料:800円(前売700円)チケット: チケットぴあ・サークルK・サンクス・セブンイレブン (Pコード990-981)前売券特典:キモい展オリジナルクリアファイルを先着限定5,000名様にプレゼント※開催期間中、会場限定でプレゼントします。※会場以外では、お渡しできません。※会期中は前売券の販売はありません。当日券のみとなります。公式サイト:
2017年06月05日展覧会「アートアクアリウム」が2017年も開催決定。「ECO EDO 日本橋アートアクアリウム 2017 〜江戸・金魚の涼〜 & ナイトアクアリウム」が、2017年7月7日(金)から9月24日(日)までの間、日本橋三井ホールにて開催される。アートアクアリウムとは「アートアクアリウム」とは、数千匹の金魚を使った水中アートの展覧会だ。今年で開催11周年を迎え、これまで累計730万人が来場した人気イベントとなっている。今年は「龍宮城」がコンセプト今年のコンセプトは「龍宮城」。金魚を観賞して涼をとっていた江戸の文化を現代に蘇らせた作品が登場し、まるで江戸時代の花街に迷い込んだかのような、非日常的な世界が広がる。本記事では見所のエリアを紹介。“玉手箱”の中を金魚たちが泳ぐ「タマテリウム」今年のコンセプトである「龍宮城」から導かれた、“玉手箱”をモチーフにした新作「タマテリウム」はぜひチェックしておきたい作品。重厚なアクリルで制作された玉手箱型の水槽には、金沢の金箔で金魚の絵柄が施されている。中を覗くと、優雅に泳ぎ回る様々な種類の金魚たちの姿が。その背景には、竜宮城の宝の山を彷彿させるオブジェが置かれており、ドリーミーな空間となっている。金魚を花魁に見立てた「超・花魁」アートアクアリウムの誕生以来、その象徴として存在感を放ってきた名作「花魁」。その水量を3倍にして作り上げたのが、進化版の「超・花魁」だ。この作品は「金魚」を江戸の花街に生きた「花魁」に見立て、「金魚鉢」はその中でしか生きられない世界を意味している。巨大金魚鉢とその周囲を囲む17もの水槽で構成されており、7色に変化するきらびやかな照明が彩っている。3,000匹もの金魚が舞い泳ぐ姿は見るものを圧倒させる。雪洞をイメージした「ボンボリウム」「ボンボリウム」は、江戸時代から親しまれている照明「雪洞」をイメージした作品。1つの水槽に金魚が1匹だけ泳いでおり、その姿はまるで影絵のよう。ゆっくりと変化する光の中で、ぼんやりと照らし出される金魚を楽しみたい。このほか、龍宮城の世界を表現した映像と水槽に泳ぐ鯉がコラボレーションした新作「龍宮四季絵巻」や、ひな壇に川のような横長の水槽を複数並べた「パラダイス・ウォール」、「行燈」をモチーフに側面をレースで覆った「アンドリウム」など全18個もの作品が楽しめる。ここでしか買えない金魚グッズも会場内を楽しんだあとは、記念に金魚グッズはいかがだろう。ここでしか買えない金魚のぬいぐるみストラップは、地金・丹頂・出目金・土佐金・水泡頭など、全8種類が展開される。お気に入りの金魚を持ち帰ってみては。他にも、夏に活躍しそうな豆うちわや髪飾りなどが揃う。さらに奥のカフェでは、金魚をモチーフにしたソーダやセリーなども販売されるのでチェックしてみて。【イベント詳細】「ECO EDO 日本橋アートアクアリウム 2017 ~江戸・金魚の涼~ & ナイトアクアリウム」開催期間:2017年7月7日(金)~9月24日(日)時間:11:00~23:30(最終入場:23:00)会場:日本橋三井ホール住所:東京都中央区日本橋室町2-2-1 コレド室町1 5階・エントランス4階入場料:当日:一般(中学生以上) 1,000円/子ども(4歳以上 小学生以下) 600円/3歳以下 無料※価格は税込み。
2017年05月28日東京・世田谷の玉川高島屋S・Cで、南極昭和基地の設置60周年を記念したイベント「南極&北極展〜真夏の玉川に氷と雪の世界がやってきた!〜」が開催されます。期間は、2017年7月22日(土)~8月16日(水)まで。泳ぐペンギンロボットや、2mを超すホッキョクグマをはじめとした極地動物のはく製、南極観測隊の活動を紹介する貴重な資料など、子どもも大人も楽しみながら学べるイベントとなっています。南極昭和基地の設置60周年を記念したイベントが、東京・玉川髙島屋S・Cで開催2017年は、南極昭和基地設置60周年となる節目の年。南極を舞台とした映画や関連イベントの開催など、日本各地で盛り上がりを見せています。そこで、この記念すべき年に合わせ、東京・玉川髙島屋S・Cで、「南極&北極展〜真夏の玉川に氷と雪の世界がやってきた!〜」が開催決定。国立極地研究所の特別協力のもと、お子様が楽しめる体験型コンテンツをはじめ、北極・南極の厳しい自然環境や生き物の映像や剥製展示で分かりやすく紹介します。また、日本の南極観測隊の活動を紹介する貴重な資料の展示など、大人の方にも楽しんでいただけるアカデミックな内容にもなっており、南極昭和基地への知識を深めるとともに、地球温暖化といった環境問題に関心を持つきっかけを提供します。泳ぐ新型ペンギンロボットから記録映像まで展示!幅広い世代で楽しめるイベントでは、初公開となる泳ぐアデリーペンギン型ロボットや2メートルを超えるホッキョクグマなど、南極・北極の希少な生き物の剥製を展示。さらに、公式初となる極地の大自然や野生生物の記録映像も鑑賞できます。また、期間中は、オリジナルグッズの販売やワークショップも企画されています。なお、各コンテンツの詳細は、7月以降に発表予定です。公式サイトでチェックしてください。イベント詳細名称:「南極&北極展〜真夏の玉川に氷と雪の世界がやってきた!〜」会場:玉川髙島屋S・C 西館1Fアレーナホール住所:東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋ショッピングセンター西館1F期間:2017年7月22日(土)〜8月16日(水)時間:10:00〜20:00(仮)※最終日は〜18:00(最終入場は閉場の30分前まで)料金:大人(中学生以上)600円(税込)、小人(3歳〜小学生)400円※税込 ※3歳未満無料玉川髙島屋S・C 公式サイト:玉川髙島屋S・C アレーナホール 公式サイト:
2017年05月24日東京・世田谷区の玉川高島屋で5月25日(木)~5月30日(火)の期間中、「ねこ展~ねこ・猫・ネコアート&グッズフェア~」が開催されます!ネコをモチーフにしたアートやグッズが一堂に会する、ネコ好きにはたまらないイベントですよ。期間中には、人気イラストレーター・いのまたむつみさんも来場サイン会も実施されます。グッズの詳細やイベントの見どころをチェックしましょう。いのまたむつみさんやアノ人気キャラクターに会える!●いのまたむつみさん来場サイン会小説の挿画、ゲーム「テイルズ オブ」シリーズやアニメキャラクターデザインで知られるイラストレーター・いのまたむつみさんの来場サイン会が実施されます。サイン会までにいのまたむつみさんの描き下ろしイラストをもとにした限定商品を購入すると、サイン会に参加できるチケットをもらえます。先着順なので早めにチケットを手に入れましょう。サイン会でもらえる特製のオリジナル色紙には自分の名前、いのまたむつみさんのサインが入ります。ファンにはたまらない企画です。※開催日時:5月27日(土)14:00~、定員:50名●「ねこフォト投稿キャンペーン」でもサイン色紙をもらえる!イベントに合わせ、5月10日(水)~5月30日(火)の期間中、「ねこフォト投稿キャンペーン」も実施されます。飼っている愛猫、自作のネコアートやグッズ、ネコのイラストなどの画像を投稿しましょう。ネコにまつわる画像なら何でもOK!キャンペーン期間終了後、抽選で10名にいのまたむつみさんのサイン色紙が当たります。※応募方法、応募資格、プレゼント内容など、詳しくは「玉川タカシマヤホームページ」でご確認ください。●トムとジェリーショップ世界的な人気を誇るキャラクター、トムとジェリーがそろって来場!おなじみのコンビをぜひ写真に収めてください。「マグカップ」(1,620円)や「カンバッジ」(324円)など、キュートなグッズも要チェック。※来場日時:5月26日(金)・5月27日(土)13:00~、15:00~、17:00●こねこのチー ポンポンらー大冒険アニメ『こねこのチーポンポンらー大冒険』のキャラクターショップに「チー」がやってきます。1日限定の来場イベントなので、お見逃しなく。※開催日時:5月28日(日)12:00~、14:00~、16:00~ネコグッズ&アートを集めよう会場にはネコをモチーフにしたグッズやアートが勢ぞろいします。アクセサリーならアップルココの「ピンクローズのピアス」(2,160円)、「ローズリースのブローチ」がおすすめです。ピンク色のバラと黒ネコの組み合せが可愛らしくて上品。cut-art さとうみよの「長傘」(21,600円)は、ネコが遊ぶカラフルなデザインで、梅雨時期も楽しく過ごせそうです。木工房さかいの「卓上時計 とら神代」(10,800円)も木のあたたかみが感じられる優しいデザインがたまりません。琴坂映理さんの水彩画「四季めぐりの樹」(43,200円)を部屋に飾るのもいいですね。お気に入りの1品がきっと見つかるはず。ネコづくしのイベントへ遊びに行きませんか?イベント期間中は、化粧品売り場や食料品売り場でも「ねこ展」とのコラボ商品やサービスが登場。玉川高島屋の随所で可愛いネコと会えますよ。開催概要玉川高島屋「ねこ展~ねこ・猫・ネコアート&グッズフェア~」開催期間:2017年5月25日(木)~5月30日(火)会場:玉川高島屋6階催会場(東京都世田谷区玉川3丁目17番1号)時間:10:00~22:00 ※最終日は18:00閉場TEL:03-3709-3111URL:
2017年05月22日展覧会「没後70年 北野恒富展 なにわの美人図鑑」が大阪・あべのハルカス美術館にて開催される。会期は2017年6月6日(火)から7月17日(月・祝)まで。北野恒富は大阪の女性たちを描き続けた画家。「画壇の悪魔派」と呼ばれた妖艶美漂う初期の作品から、次第に内面表現を深化させた作品を生み出すようになる。そして、モダンな感覚を秘め上品な華やかさを表す「はんなり」に到達。大阪で初の本格的な大回顧展となる本展では、その生涯で生み出した作品約190点を一挙に公開。見ているだけで迫力が伝わってくる《淀君》や大阪の良家の姉妹を描いた《いとさんこいさん》など、大阪にゆかりのある女性たちがバリエーション豊かに描かれている。また、代表作の素描を収めたスケッチブックを多数展示。そこから作品が実際に描かれるまでの過程を覗き見ることが出来る。当時新しい時代を感じさせるとして人気を博したアールヌーヴォー調の妖艶な美人のポスターなども多数展示、商業デザイナーとしての側面も紹介していく。さらに、恒富が設立した画塾「白耀社」の島成園や中村貞以らの名作もあわせて展示する。近代大阪画壇の巨匠の豊かな芸術観をじっくり感じ取ることができる。【詳細】没後70年 北野恒富展 なにわの美人図鑑会期:2017年6月6日(火)~7月17日(月・祝)会場:あべのハルカス美術館住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F開館時間:火~金 10:00~20:00月・土・日・祝 10:00~18:00※入館は閉館30分前まで。休館日:6月12日(月)、26日(月)観覧料:一般 1,300(1,100)円、大学・高校生 900(700)円、中学・小学生 500(300)円、前売りペアチケット 2,000円 (2枚組、一般のみ)、未就学児 入場無料※()内は前売り券と15名以上の団体。※障がい者手帳持参者は、付き添い1名まで当日料金の半額。※前売券、前売りペアチケットは6月5日(月)まで販売。
2017年05月20日展覧会「【特別展】 没後50年記念 川端龍子 ―超ド級の日本画―」が山種美術館にて開催される。会期は2017年6月24日(土)から8月20日(日)まで。大衆に訴える作品を描き続けた日本画家・川端龍子。洋画から日本画への転向、絵画団体「青龍社」の樹立、規格外の大画面制作など、従来の枠組みを破るため常に挑戦を続けた。山種美術館では、龍子の没後50年を記念し、初期から晩年にかけての代表作を紹介、その画業を振り返る特別展を開催する。会場では自らが主宰した「青龍社」の青龍展第1回展に出品された記念碑的な《鳴門》、横幅7.2メートル超の大作《香炉峰》、新聞や雑誌の挿絵画家として同時代の世相を俯瞰的に見るジャーナリズム精神の発露といえる《爆弾散華》などの代表作を中心に約60点出品する。中でも、当時は会場芸術と批判された、大胆な発想と筆致で構成された大画面の大作は圧巻だ。また、1日1句の制作を晩年まで貫き、『ホトトギス』同人でもあった龍子が俳句を絵入りで記した短冊や、小さな子どもを慈しむような作品もあわせて展示。真摯で柔和な龍子の内面性が表れた初公開の作品で振り返る。【詳細】【特別展】 没後50年記念 川端龍子 ―超ド級の日本画―会期:2017年6月24日(土)〜8月20日(日)※会期中一部展示替えあり(前期 6月24日〜7月23日、後期 7月25日〜8月20日)会場:山種美術館住所:東京都渋谷区広尾3-12-36開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日 ※7月17日(月)は開館、7月18日(火)は休館入館料:一般 1,200円(1,000円)、大高生 900円(800円)、中学生以下無料※()内は20名以上の団体料金、および前売り料金。※障がい者手帳、被爆者健康手帳を提示の方、およびその介助者(1名)は無料。※本展使用済入場券(有料)の提出で、会期中入館料が団体割引料金に。(1人1枚につき1回限り有効)※会期中、きもの・ゆかたでの来館者は団体割引料金に。※複数の割引の併用は不可。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル 電話受付時間:8:00〜22:00)
2017年05月18日千葉県千葉市にある幕張メッセで「ギガ恐竜展2017-地球の絶対王者のなぞ-」が開催されます。会期は、2017年7月15日(土)~9月3日(日)まで。会場には、巨大竜脚類ルヤンゴサウルス、ティラノサウルスなど、30点を超える日本初公開の恐竜たちが集合します。ファミリーでのお出かけにもぴったりですよ。この夏、「ギガ恐竜展2017」幕張メッセで開催!幕張メッセ国際展示場11ホールで、2017年7月15日(土)~9月3日(日)までの51日間にわたって、「ギガ恐竜展2017-地球の絶対王者のなぞ-」が開催されます。およそ2億3000万年前~6600万年前までの中生代と呼ばれる時代、地球は「恐竜が大繁栄する惑星」でした。しかしながら三畳紀後半に誕生した当初は、まだ他の大型生物に追われる存在だった恐竜が、なぜ約1億6000万年もの長きにわたり、この地球上で絶対王者として君臨することができたのでしょうか。その生物の進化史における重要な謎に、様々な角度から迫ります。本展の見どころをご紹介会場には、30点を超える日本初公開の恐竜たちが登場。中でも、日本恐竜展史上最大となる恐竜「ルヤンゴサウルス」と「ティラノサウルス(愛称:ワイレックス)」の全身骨格は必見です。その大きさに圧倒されること間違いありません。さらに、世界各地から発掘された多数の貴重な実物化石、全身骨格標本、ロボットを通して、「恐竜の大繁栄」を構成した様々な要因を探り、その謎を解き明かします。主な展示とテーマの一部をピックアップ!●変わる地球恐竜が生きていた中生代、地球の姿は現在とは大きく異なるものでした。大陸は分裂と移動を繰り返し、大気の組成や気温なども大きく変化した時代だったことが知られています。こうした大陸移動とそれに伴う環境の変化に大きく左右されながらも、恐竜は世界の各地で大きな繁栄を遂げていくのです。例えば、北アメリカで目覚しい進化を遂げたティラノサウルス類は、地球環境の変化にともない、陸続きとなったアジアと北アメリカの大陸間で「大移動」しながら進化を果たしたと考えられています。●さまざまな形、大きさ1メートルにも満たない鳥ほどの大きさの恐竜から、38メートルを超える地球史上最大の陸上動物とされる竜脚類まで、恐竜の大きさは非常に多彩でした。また、よろいや角で着飾った恐竜、長い首や羽毛を持つ恐竜など、その形についても様々だったことが明らかになっています。そんな多種多様な「姿」が、大繁栄にどのように関係したか、日本初登場の全身骨格や貴重な実物化石を通して紐解いていきます。●ルヤンゴサウルスルヤンゴサウルスは中国・河南省で発見された全長が38メートル、高さは14メートル、重さ130トンにも及ぶ世界最大級の竜脚類です。本展では、組みあがった全身骨格を日本初公開します。また、胴椎や大腿骨などの貴重な実物化石も紹介します。●コンカベナートルコンカベナートルは、スペインで発見された肉食恐竜。胴椎と尾椎にあるこぶ状の極端に長い神経棘が特徴です。さらに尺骨に残る小さな隆起は羽毛の跡と考えられています。●アンキロサウルス類中国で発見された植物食恐竜・アンキロサウルスの全身骨格が日本初上陸。背中が鎧のような装甲で覆われ、尻尾の先にはハンマーのような大きな骨の塊を持っていたということが知られています。●ペレカニミムスペレカニミムスは、ヨーロッパで初めて発見されたオルニトミモサウルス類です。非常に小さな歯や、頭部のトサカ、ペリカンのようなのど袋などの軟組織が奇跡的に発見されました。さらに、近年の発見により、ペレカニミムスは羽毛を持つことも明らかになりました。●ライフスタイル二足歩行の獲得や、肉食・植物食などの食性、早い成長スピード、卵を数多く産む出産方式など、恐竜は実に多様なライフスタイルを持つ動物であることがわかってきました。そんな恐竜の大繁栄に欠かせない要素のひとつ・ライフスタイルについて様々な資料から検証していきます。●ティラノサウルス(愛称:ワイレックス)「ワイレックス」という愛称のティラノサウルスの全身骨格が日本初上陸。「ワイレックス」は保存状態がたいへん素晴らしく、今まで発見されたティラノサウルスの中で唯一、皮膚印象化石を持つ貴重な標本として知られています。尻尾はほとんど残っておらず、その傷跡から別のティラノサウルスに食いちぎられたと考えられています。●フクイベナートルフクイベナートルは、2016年に発表されたばかりの、国内7例目の新種恐竜。CTスキャナを使った脳の復元により、音を聞き分ける能力が非常に高かったと考えられています。本展では、学名がついた7種のうち、福井県勝山市で発見された5種の恐竜を紹介します。●オヴィラプトロサウルス類の卵中国で発見されたオヴィラプトロサウルス類の卵も登場。恐竜の「繁殖」、「子育て」について知る上で、貴重な化石となっています。●数量限定!オリジナルマスコット付き前売券も販売前売券は、2017年5月3日(水・祝)に販売がスタート。公式ホームページ、チケットぴあ、ローソン、e+(イープラス)、セブンチケット、CN プレイガイドなどで購入できます。また、ルヤゴンサウルスをモチーフにしたオリジナルマスコット付きの前売券(1,800円)も登場します。なお、こちらは、チケットぴあ、ローソンチケット、e+(イープラス)のみでの販売となっています。イベント詳細名称:ギガ恐竜展2017-地球の絶対王者のなぞ-会場:幕張メッセ国際展示場11ホール住所:千葉県千葉市美浜区中瀬2−1会期:2017年7月15日(土)~9月3日(日)※会期中は休館日なし(51日間)開催時間:9:30-17:00(入場は閉場30分前まで)入場料:大人(高校生以上)2,200(1,800)円、子ども(4歳~中学生)1,000(800)円※( )内は前売料金。※3歳以下は無料。障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料公式サイト:
2017年04月30日特別展「北斎-富士を超えて-」が、大阪市阿倍野区のあべのハルカス美術館で、2017年10月6日(金)~11月19日(日)まで開催されます。葛飾北斎の晩年30年間に描いた作品と人生に焦点を当て、北斎が追い求めた美の世界に迫る展覧会です。また、近年注目度の高まっている北斎の娘・応為(おうい)の作品も登場するので、こちらも見逃せません。北斎の晩年にフォーカス!特別展「北斎-富士を超えて-」が大阪で開催!《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 天保元~4年(1830~33)頃 大英博物館© The Trustees of the British Museum. Acquired with the assistance of the Art Fund.あべのハルカス16階にある美術館・あべのハルカス美術館で、江戸時代後期の浮世絵師として世界にその名が知られる葛飾北斎の展覧会「北斎―富士を超えて-」が開催されます。会期は、2017年10月6日(金)~11月19日(日)まで。本展はイギリス・大英博物館との国際共同プロジェクトによるもので、北斎研究の第一人者である、あべのハルカス美術館館長・浅野秀剛氏と、大英博物館の北斎研究者とが協力して実現した企画です。《雲龍図》 嘉永2年(1849) ギメ美術館 Photo ©Musée Guimet, Paris, Dist. RMN-Grand Palais / Thierry Ollivier / distributed by AMF稀代の浮世絵師・葛飾北斎。彼の作品「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、英名「Great Wave」として海外でも広く知られ、世界でもっとも有名な絵の1つに数えられています。このような作品を描いた北斎は、いったいどのような人物だったのか。今回は、これまで行われてきた画業全般を辿る北斎展とは異なり、晩年30年に焦点を当てているのが最大の特徴です。肉筆画を中心とした約200点を紹介すると共に、北斎の精神性や人物像に迫ります。本展の特徴《雨中の虎図》 嘉永2年(1849) 太田記念美術館●大英博物館国際共同プロジェクト大英博物館では、2017年5月25日(木)~8月13日(日)まで、70年ぶりとなる「Hokusai-beyond the Great Wave」が開催されます。世界各国で所蔵されている北斎の作品が、大英博物館とあべのハルカス美術館に集結。2020年に東京オリンピック、パラリンピックを控えた今、世界が日本の北斎に再び注目しています。●晩年の30年にフォーカス!北斎の人となりに迫る「70歳までに描いたものは取るに足らない」など、北斎が晩年に掛けた信念を伝える言葉は少なくありません。70歳を過ぎて「富嶽三十六景」を完成させた後、さらに精力的に作品を生み出しました。今回は、そんな北斎晩年の30年間に焦点を当て、神の領域に至るべく描き続けた、画狂老人・北斎の人となりに迫ります。●肉筆画約60点を中心に約200点が展示!北斎の妥協のない筆遣いがそのまま伝わるのは、やはり肉筆画です。版画とは異なり肉筆画は1点もの。北斎の技量や色彩感覚をそのまま感得できます。森羅万象を描き続けた北斎の1点1点をじっくりと鑑賞してください。見どころをご紹介!●代表作「富嶽三十六景」の展示《富嶽三十六景 凱風快晴》 天保元~4年(1830~33)頃 大英博物館 © The Trustees of the British Museum. 新たに日本のパスポートの顔となる北斎の代表作「富嶽三十六景」。北斎にとって富士山とは大自然の象徴でもあり、超絶なるのものの象徴でした。すなわち、崇高なる神であり、超えるべき目標でもあったのです。そして、いつしか北斎は、富士山に自分自身の人生を重ねていたように思われます。1820年後半、妻の死や、自身の病気、孫の逸脱行為による経済的困窮など、様々な苦境を乗り越えてきた北斎にとって、「富嶽三十六景」シリーズは、画家としてのキャリアを復活させるきっかけとなった大切な作品。その連作の中から、「Great Wave」として海外でも人気が高い「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や、赤富士を描いた「富嶽三十六景 凱風快晴」、「凱風快晴」とペアになる「富嶽三十六景 山下白雨」などが展示されます。●神の領域への軌跡を辿る!《花見》 文政7~9年(1824~26)頃 ライデン国立民族学博物館 © Collection National Museum van Wereldculturen. RV-1-4482-m19歳で浮世絵師・勝川春章の門下となった北斎は、「春朗(しゅんろう)」という名を貰い、翌年、 役者絵「瀬川菊之丞 正宗娘おれん」でデビューしました。それから70年、神の領域を目指し、邁進する北斎の苦難の道を作品と共に辿ります。美人画、浮絵、黄表紙や洒落本などを発表して、一流絵師になろうと努力を重ねますが、春章の没後、俵屋宗理と改名し、勝川派を離脱。その後は、狩野派、琳派などの流派にはとどまらず、中国画や銅板、油彩、西洋画を積極的に取り入れていきました。その後、肉筆画にも力を入れるようになり、70歳になってからは、「富嶽三十六景」や「諸国滝廻り」に代表される風景版画シリーズを発表。そして、75歳で、画狂老人(がきょうろうじん)と改名。以降、90歳で没すまで、肉筆画、絵画、手絵本を中心に画業を展開しました。●北斎の波の集大成!「濤図」小布施北斎館から小布施の祭屋台の天井絵として描かれた「濤図」も展示されます。小布施の豪商・高井鴻山の招きで、娘・応為と共に小布施に旅行し、小布施の祭屋台の天井絵として一対の「濤図」を描きました。この時、北斎は実に86歳。北斎は「富嶽三十六景」を完成させる前から、波の描き方を研究しており、「濤図」は北斎の波の集大成とも言える作品です。この2枚を並べると、道教の陰陽を対比させた「太極図」が浮かび上がって見えます。道教の教えで、全ての根源を意味する「太極」。北斎は、波だけでなく、宇宙の成り立ちも描こうとしていたのではないでしょうか。●88歳から90歳までに描かれた数々の肉筆画が登場!北斎晩年の作品では、龍や獅子、鷹などの生き物、さらに、力強いエネルギーに溢れた伝説上の人物や聖人が生き生きと描き出されており、北斎が信仰と芸術の崇高な領域に達したことが今に伝えられています。また、北斎は亡くなる直前に、「天があと5年命をくれたなら、真正の絵師になれただろうに」という言葉を残したと言われています。死を目の前にしながらも、画家としての道を邁進し、理想を追求し続けた北斎。彼が目指した神の領域とは何だったのか、富士を越えて天へ昇っていく龍を描いた「富士越龍図」や「雪中虎図」など、晩年に手掛けられた肉筆画を通して、北斎の心象風景をじっくりと読み解いていきましょう。●北斎の娘・応為の作品にも注目!北斎に「美人画にかけては応為には敵わない」と言わせたほどの力量を持っていた伝えられる、北斎の三女・応為。応為の肉筆画は少なく、推定作を含めても10点も現存しない貴重な作品です。今回、この特別展のため、東京国立博物館の「月下砧打ち美人図」、クリーブランド美術館の「関羽割臂図」、太田記念美術館の「吉原格子先図」が展示されます。色彩の豊かさや鮮やかさ、女性ならではの細やかさを楽しんでみてください。北斎が追い求めた美の世界に迫る展覧会に、お出かけしてみてはいかがでしょうか。イベント詳細名称:大英博物館国際共同プロジェクト「北斎-富士を超えて-」会場:あべのハルカス美術館住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階会期:2017年10月6日(金)~11月19日(日)休館日:10月10日(火)、16日(月)、23日(月)、30日(月)、31日(火)開館時間:火~金 10:00~20:00、月・土・日・祝 10:00~18:00※いずれも入館は閉館の30分前まで。料金:一般 1,500(1,300)円、大学・高校生 1,000(800)円、中学・小学生 500(300)円※()内は前売りと15名以上の団体料金。※障がい者手帳を持つ方は、本人と付き添い1名まで当日料金の半額。※前売券は7月29日(土)~10月5日(木)まで販売予定。公式サイト:
2017年04月30日