昨年12月16日に神戸山口組の山建組の本部に設置されている防犯カメラに記録された映像がインターネット上に出回り、一部で話題になっているそうです。出回った映像は暴力的なもので、山健組関係者曰く、警察が突然乗り込んできて、数分ドアを開けないでいると、防弾ガラスをバールで叩き割ろうとしたり、殴る蹴るの暴行を加えたりしたようです。ろっ骨が折れ入院した人もいるとのことで、特別公務員暴行陵虐罪で刑事告訴を予定しているようです。 ところで、特別公務員とは、どんな人たちを指すのでしょうか?いわゆる公務員とは違うのでしょうか?解説していきたいと思います。*画像はイメージです:■特別公務員とはそもそも、特別公務員という言葉を聞きなれない方もいらっしゃるかと思いますが、特別公務員は、裁判、検察、警察の職務を行う者とこれを補助する者を指します。 ■特別公務員にのみ適用される罪とは刑法195条に規定され、特別公務員が、その職務を行うにあたり、被告人、被疑者その他の者に対して、暴行又は陵辱もしくは加虐の行為をした場合に課される罪で、7年以下の懲役又は禁錮の刑に処せられます。他にも、特別公務員にのみ適用される罪として、特別公務員職権濫用罪があります(刑法194条)。これは、特別公務員がその職権を濫用して人を逮捕・監禁する行為をした場合に課される罪で、6月以上10年以下の懲役に処せられます。 ■特別公務員ではない民間人が同様の行為をしたらどうなるのか?民間人の場合には、これらの規定の適用はもちろんなく、通常の暴行罪、強要罪、強制猥褻罪などの刑法犯に当たるかどうかを個別に検討することになります。特別公務員の場合には、特に公務の公正さへの国民の信頼が課されており、単純に暴行や強要などの刑を科しただけでは、これらの信頼を回復することができなくなります。一種の見せしめような形で厳罰を課することで、国民の信頼を得ようとしているわけです。それが暴行陵虐の相手が暴力団員であっても同じことなのです。 *著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)【参考】NEWSポストセブン:神戸山口組に家宅捜索の大阪府警、組員殴る蹴るで刑事告訴も【画像】イメージです*柳生 鉄心斎 / PIXTA(ピクスタ)
2017年01月11日貯水池に車を沈める岡山県警交通指導課を始めとする合同捜査本部は、交通事故を偽装して保険金をだまし取ろうとした疑いで、10月5日に倉敷市消防局の消防士長「笠原敏史(31)」容疑者他数名を逮捕した。複数のメディアが報じた。笠原容疑者は山口組系暴力団組員の池上龍太郎(49)容疑者や、自動車販売修理業の高山秀夫(32)容疑者ら、合わせて6人で共謀。3月13日の22時過ぎ、井原市大江町の貯水池へ乗用車を転落させた。そして共済組合に「カーブを曲がりきれなかった」などとして共済金約780万円を請求。支払いを求められた共済組合が内容を不審に思い、警察に通報した。事故内容について矛盾があったという。※画像はイメージ真面目な好青年だったが…笠原容疑者が勤務していた倉敷市消防局の田中局長によると、容疑者は勤務態度もマジメなスポーツマンで、無遅刻無欠勤。職場の信頼も厚く、2008年から消防士長に昇進していた。ただ、消防局の規約では事故があった場合上司に報告をすることになっているが、今回の事故については報告がなかったという。県警によれば、笠原容疑者ら3名は容疑を認めているが、他3名は「知らない」などとしているという。
2010年10月09日