歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が17日に自身のアメブロを更新。病院を訪れ点滴を受けたことを報告した。この日、團十郎は「今日は病院」というタイトルでブログを更新し「今日は、幹細胞です」と説明。「効くのか効かないのか、と思ってましたが、なんか効く」と述べ「実感を感じながら点滴してもらいます」とつづった。続けて「ジュースはのも」と題したブログを更新。「さ!作業」と述べ、堪能したジュースの写真を公開し、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お疲れ様です」「良いですね」「ゆっくりしてね」などのコメントが寄せられている。
2024年04月17日歌舞伎俳優の市川團十郎が4月4日(木)、都内で行われた歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」の取材会に出席した。歌舞伎座の5月公演として開催される「團菊祭五月大歌舞伎」(5月2日初日~26日千穐楽)は、“明治の劇聖”とうたわれた九世市川團十郎と五世尾上菊五郎の偉業を顕彰するために始まった、長年ファンに愛される五月興行恒例の祭典。今回は昼夜二部制で行われ、昼の部では、九世團十郎に当てて河竹黙阿弥が書いた傑作『極付幡随長兵衛』を上演。江戸時代初期の浅草花川戸に実在し、日本の侠客の元祖と言われた幡随院長兵衛を主人公にした物語で、團十郎は襲名以降、初めて長兵衛役を勤める。『極付幡随長兵衛』幡随院長兵衛=市川團十郎(当時 十一代目市川海老蔵)2014(平成26)年5月歌舞伎座写真提供:松竹(株)長兵衛役は、2013年2月に死去した父・十二世團十郎から最後に教わった役。亡くなる前の2012年12月、稽古の様子を撮影したDVDを入院中の父に見てもらったといい、「私の本名の『堀越寶世へ』と手紙をつづってくれた。私がやっている幡随長兵衛への思いですとか、周りの部分はこういう風にしてもらったらいいと丁寧に書いてくれた。あまり褒めることはしない父でしたが、その時はめずらしく『悪くないんじゃないか』と」と回想。「その時のように、今回も頑張りたい」と決意を語った。『幡随長兵衛』では、水野十郎左右衛門役の尾上菊之助と共演することが決定。取材会では、かつて“平成の三之助”として注目を浴びた尾上松緑の名前も挙げ、「今回も3人で何かやりたいという思いが強かったのですが、叶いませんでした」と少々、残念そうな表情。それでも、「菊之助さんとは先日も『勧進帳』で共演しましたし、松緑さんとは誕生日プレゼントを贈り合う仲で、皆さんが思うほど、仲は悪くないです(笑)。歌舞伎のために、何ができるのか、考え合える仲間でありたい」と絆を語った。同じく昼の部では、四代目市川左團次さんの一年祭追善狂言として上演する歌舞伎十八番の内『毛抜』を上演し。團十郎は後見として、左團次さんの長男で、粂寺弾正役を勤める市川男女蔵を支えることに。「左團次さんには大変お世話になりました。市川宗家のためにどうあるべきか、考えてくださる方でしたし、左團次さんへのご恩を返さないといけないと思いまして、後見として見守らせていただきます。今回が限りではなく、これからもやれることをやりたい」(團十郎)。夜の部『伽羅先代萩』では、悪の魅力あふれる仁木弾正を演じることになっている。『伽羅先代萩』仁木弾正=市川團十郎(当時 十一代目市川海老蔵)2017(平成29)年5月歌舞伎座写真提供:松竹(株)取材・文・撮影:内田涼<公演情報>歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」2024年5月2日(木)~5月26日(日)昼の部:11:00~夜の部:16:30~【休演】8日(水)、16日(木)会場:東京・歌舞伎座<昼の部>一、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)おしどり河津三郎/雄鴛鴦の精:松也遊女喜瀬川/雌鴛鴦の精:尾上右近股野五郎:萬太郎二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)四世市川左團次一年祭追善狂言粂寺弾正:男女蔵腰元巻絹:時蔵小野春風:鴈治郎小原万兵衛:松緑八剣数馬:松也秦秀太郎:梅枝錦の前:男寅若菜:萬次郎秦民部:権十郎八剣玄蕃:又五郎小野春道:菊五郎後見:團十郎三、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)河竹黙阿弥 作「公平法問諍」幡随院長兵衛:團十郎水野十郎左衛門:菊之助女房お時:児太郎出尻清兵衛:男女蔵唐犬権兵衛:右團次近藤登之助:錦之助<夜の部>一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)御殿床下〈御殿〉乳人政岡:菊之助栄御前:雀右衛門沖の井:米吉八汐:歌六〈床下〉仁木弾正:團十郎荒獅子男之助:右團次二、四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)河竹黙阿弥 作「四谷見附より牢内言渡しまで」野州無宿富蔵:松緑数見役:彦三郎頭:坂東亀蔵女房おさよ:梅枝浅草無宿才次郎:萬太郎伊丹屋徳太郎:巳之助浜田左内:権十郎うどん屋六兵衛:彌十郎隅の隠居:團蔵牢名主松島奥五郎:歌六藤岡藤十郎:梅玉チケット情報:()公式サイト:(無断転載禁止)
2024年04月06日歌舞伎俳優・市川團十郎白猿(46)が4日、都内で行われた歌舞伎座『團菊祭五月大歌舞伎』取材会に登場した。父である十二代目市川團十郎が亡くなる直前に自らへ送った手紙について明かした。歌舞伎座の5月公演として開催される『團菊祭五月大歌舞伎』(5月2日初日~26日千穐楽)は、明治の劇聖と謳われた九世市川團十郎と五世尾上菊五郎の偉業を顕彰するべくはじまり、五月興行恒例の祭典として長年愛されてきた。今回は昼夜二部制で行われ、昼の部では『極付幡随長兵衛』を上演する。本作は九世團十郎に当てて河竹黙阿弥が書いた傑作。この度の上演では、襲名以降初めて團十郎が長兵衛を務める。さらに、四世市川左團次一年祭追善狂言として上演する歌舞伎十八番の内『毛抜』では後見を、夜の部『伽羅先代萩』では、悪の魅力あふれる仁木弾正を務める。2013年に亡くなった父から最後に教わった長兵衛を務めるにあたり、その思いについて聞かれた團十郎。2012年12月に稽古のDVDを病室に送って父に見てもらったことを明かし、「私の本名宛てに手紙をつづってくれて。その手紙の中で、私がやっている幡随長兵衛への思いとか、もっと周りもこういう風にしてもらったらいいというようなことを、丁寧に書いてくれた。あまり褒めることはしない父でしたけど、その時は珍しく『悪くないんじゃないのか』と。その時に父が見て悪くないと思ってくれたように、今回も頑張りたいと思います」と決意を語った。また、そのときのことを思い返した團十郎は「悟ってたよね、だめかもしれないと。弱気なところがない父だったんですけど…」といい、「父は12ヶ月の歌舞伎興行の中で11ヶ月に歌舞伎に出ていて、それが重要なことだったらしいんです。しかし、2012年の12月に病室に行ったときに父は『私は休むことを学ばなければいけなかった。もっと自分の体と向き合うことをやらなければならなかった』とぼそっと僕に言っていた。その延長線上のようなことが手紙でもつづられていた」と、先代としての“教え”も明かした。
2024年04月04日令和6年7月歌舞伎座公演『七月大歌舞伎』において、市川團十郎主演による通し狂言『星合世十三團』(読み:ほしあわせじゅうさんだん)の上演が発表された。『星合世十三團』は、3大名作のひとつ『義経千本桜』のドラマ性に焦点をあて、娯楽性に富んだ演出や新たな趣向、宙乗り、大立廻りを取り入れ、源平の時代に生きた人間たちの運命と修羅を描いた壮大な物語。2019年7月の初演時には、市川海老蔵(現:團十郎)が碇知盛やいがみの権太、狐忠信をはじめ、主要な十三役を鮮やかな早替りで魅せるというこれまでにない試みも好評を博した。團十郎襲名後初めて上演される今回は、左大臣藤原朝方、卿の君、川越太郎、武蔵坊弁慶、渡海屋銀平実は新中納言知盛、入江丹蔵、主馬小金吾、いがみの権太、鮨屋弥左衛門、弥助実は三位中将維盛、佐藤忠信、佐藤忠信実は源九郎狐、横川覚範実は能登守教経という『義経千本桜』でお馴染みの13人の登場人物たちを團十郎がひとりで演じる。<公演情報>歌舞伎座『七月大歌舞伎』公演日程:2024年7月1日(月)~24日(水)※休演:10日(水)・16日(火)会場:東京・歌舞伎座上演演目:『星合世十三團』ほか
2024年03月28日歌舞伎俳優の市川團子(20)、中村壱太郎(33)が25日、大阪市内で行われたスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の取材会に出席した。1986年に二世市川猿翁(当時・三代目市川猿之助)さんが生み出した、スーパー歌舞伎第1弾。日本神話の英雄ヤマトタケルの伝説を、大胆な構想のもと、独創的なドラマとして築き上げ、演劇界に新たなジャンルに打ち立てた。今回は、東京・新橋演舞場での上演を終え、5月6日~19日に名古屋・御園座、6月8日~23日に大阪松竹座とめぐり、二都市での上演は16年ぶり。また、御園座では初上演となる。上方の女形ホープ・壱太郎は「いつか出演したい」と希望していたスーパー歌舞伎に初出演がかない、兄橘姫/弟橘姫の二役に挑む。小碓命後にヤマトタケル/大碓命の二役で単独主演する團子との役衣装2ショットも話題で、壱太郎は「團子くんと年の差14ありますから、どんだけ(写真を)修正してもらったんだ(笑)」と冗談めかせた。フレッシュなタッグで、『ヤマトタケル』を継承する。壱太郎は「もちろんいろんな人に観てほしい」としながら、特に「中・高・大の学生に『これから君たちはどうやって生きていくのか?』と。偉そうな言い方ではなくて、学ぶ人に観てほしい。私たちも学びたい」と問いかけた。
2024年03月25日歌舞伎俳優の市川團子(20)、中村壱太郎(33)が25日、大阪市内で行われたスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の取材会に出席した。1986年に二世市川猿翁(当時・三代目市川猿之助)さんが生み出した、スーパー歌舞伎第1弾。日本神話の英雄ヤマトタケルの伝説を、大胆な構想のもと、独創的なドラマとして築き上げ、演劇界に新たなジャンルに打ち立てた。今回は、東京・新橋演舞場での上演を終え、5月6日~19日に名古屋・御園座、6月8日~23日に大阪松竹座とめぐり、二都市での上演は16年ぶり。また、御園座では初上演となる。壱太郎から「2月、3月と(ヤマトタケルとして)“翔けていた”團子くんを見ていた」と感心された團子は、東京での手応えを聞かれ「演じれば演じるほどに深い」と謙虚。一方、祖父・猿翁さんが書いた会報などを読み、「随所に(自分と)似た考えが書かれてあって、それがすごくうれしい」と笑顔を見せた。体力や健康の大切さも実感したという。初演時の猿翁さんが当時46歳で「水曜日以外毎日2回公演で休演日なし」だったことに対し、團子はダブルキャストだったことなどに触れ、「これを毎日2回やってたのか…。体力でも負けたかと、悔しかった」と脱帽。「追いつけないというのはもちろんいつも感じている」といいながら、祖父がそうだったように「明るく前向きで取り組んでいます」と前を見すえていた。名古屋と大阪では、團子が小碓命後にヤマトタケル/大碓命の二役で単独主演を務め、御園座・大阪松竹座とも初出演を果たす。壱太郎は、スーパー歌舞伎初出演で兄橘姫/弟橘姫の二役に挑む。
2024年03月25日歌舞伎俳優の市川團子(20)、中村壱太郎(33)が25日、大阪市内で行われたスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の取材会に出席した。1986年に二世市川猿翁(当時・三代目市川猿之助)さんが生み出した、スーパー歌舞伎第1弾。日本神話の英雄ヤマトタケルの伝説を、大胆な構想のもと、独創的なドラマとして築き上げ、演劇界に新たなジャンルに打ち立てた。今年は東京・新橋演舞場に続き、5月6日~19日に名古屋・御園座、6月8日~23日に大阪松竹座とめぐり、二都市での上演は16年ぶり。また、御園座では初上演となる。名古屋と大阪では、團子が小碓命後にヤマトタケル/大碓命の二役で単独主演を務め、御園座・大阪松竹座とも初出演を果たす。壱太郎は、スーパー歌舞伎初出演で兄橘姫/弟橘姫の二役に挑む。團子は「演じれば演じるほど深い」と実感をにじませ、「自分もいつか、本当にいつかですけど、しっかり『天翔(あまが)ける心』こころというセリフを、最後の最後までしっかりと言える役者になりたい」と、祖父・猿翁さんに誓った。大阪松竹座は猿翁さんにとっても思い入れの深かった劇場で、團子は当時の会報誌を読んで、「音響が素晴らしいと祖父は書いていた。自分も初めて今回ありがたいことに立たせていただく。楽しみです」と気合をにじませた。そして、壱太郎が「学ぶ人に観てほしい。團子も学生ですけど(笑)」と向けると、團子は柔和な笑み。壱太郎と思いは同じで、團子は「人間の普遍性がすべてつまっている作品。自分はいま大学生だけど、思うことがある」とし、「同じ世代の方なら、自分の人生にあったような出来事が必ずある作品。どんな世代でもわかりやすく観られるので、身構えず、自分のありのままで観てほしい」と呼びかけた。
2024年03月25日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が2日と3日に自身のアメブロを更新。2017年6月に乳がんで亡くなった妻・小林麻央さんに似てきたと思う娘・麗禾ちゃんの様子を明かした。2日のブログで、團十郎は「2人の寝顔、くっついて寝てる」と寝ている子ども達の姿を公開しつつ「こんな関係でいられるの、そう長くない気もしてきて、ます」とコメント。「麗禾も今年から中学生」と説明し「私も、中学2年くらいから親とのバランス変わりました」と振り返り「突然と来るかもしれない子供の変化にぼちぼち父として備えないとならない」とつづった。続けて「いつまでもこうではない、と真剣に考え出さないと」と述べ「舞台に立ち続けるとそういった細かい事見落とすので出過ぎるのも反省です」とコメント。「全く考えてなかったけど、私の人生もぼちぼち考え始める時期なのかもしれない」と自身の思いを明かし「そう感じる温泉の朝」とつづった。3日に更新したブログでは「今日もピッタンコで寝ています」と子ども達の様子を報告し「本当にわたしの子なのか?と思うほどにちゃんとしています」とコメント。「おそらく2人ともお母さんの血を受け継いでくれているのでしょう。そんな事も感じてます」と述べ「あれから6年と8ヶ月、真っ直ぐ育っててくれて2人に感謝です」とつづった。その後に更新した「かえろか、」と題したブログでは、麗禾ちゃんの後ろ姿を公開し「ママに似てきたね」とコメント。最後に「帰ろか」と述べ、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「後ろ姿、麻央さんそっくりです」「大人っぽくなってきましたね」「素敵な女性に成長すること間違いなしですね」などのコメントが寄せられている。
2024年03月04日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が22日に自身のアメブロを更新。正月に大怪我をしていたことを告白した。この日、團十郎は「到着!」というタイトルでブログを更新し「これから点滴なり」と報告。「時間かかりそうです」と述べ「終わったら帰宅なり」とつづった。続けて更新した「点滴」と題したブログでは「回復 これでだいぶ元気になると思う」と写真とともにコメント。「温泉ではずっと寝てたのでぼちぼち回復してくれるだろうと」とつづった。また「ぼちぼち時効ですかね」と述べ「正月にけっこう大きな怪我してて実は大変でした」と正月に大怪我をしていたことを告白。「それもあってけっこう休んでますね」と明かし、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「大変な状況だったのですね」「ゆっくり休んでください」「ご自愛ください」などのコメントが寄せられている。
2024年02月23日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が14日に自身のアメブロを更新。治療のために病院を受診したことを明かした。この日、團十郎は「一日休み」というタイトルでブログを更新し「リズム変わったので今日はとても疲れました」とコメント。「でも勸玄が元気で良かった」と述べ「私は病院の後名古屋で全然遊んでなかったので今日は出かけます」と明かし「たまにはストレス発散」とつづった。続けて更新したブログでは「よろしくお願いします!!」と自身の足元の写真を公開。「まずは治療」と治療を受ける事を明かし「本当今日は疲れた」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お疲れになられたのですね」「お大事になさってください」「回復を祈ります」などのコメントが寄せられている。
2024年02月15日「スーパー歌舞伎」という新しいジャンルを打ち立て、歌舞伎界に大きな影響を与えた『ヤマトタケル』。37年前、哲学者の梅原猛が書き下ろし、主演を勤める二世市川猿翁(当時三代目市川猿之助)が3S(スペクタクル、ストーリー、スピーディー)の要素をふんだんに取り入れて脚本・演出を手掛け、歌舞伎ファンの度肝を抜いた。この2月、新世代の歌舞伎俳優たちによるスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』が新橋演舞場にお目見えする。小碓命(オウスノミコト) 後にヤマトタケルと大碓命(オオウスノミコト)の二役をWキャストで勤めるのは中村隼人と市川團子、そして兄橘姫(エタチバナヒメ)と弟橘姫(オトタチバナヒメ)の二役を早替りで勤める中村米吉。この3人がそれぞれの役どころの魅力を語り合った。英雄だけれど、ピュアで隙があるところが魅力――小碓命後にヤマトタケル、兄橘姫と弟橘姫、それぞれどんな人物だと捉えていますか。隼人伊吹山の場面で「人間は傲慢の病にかかる」というセリフがあるのですが、それがこの作品のキーになってくるのかなと。伊吹山に草薙の剣を持たずに行ってしまい足元をすくわれるんだよね。成功体験を重ねていくと自信はつくけれど傲慢にもなっていく。團子ヤマトタケルは祖父(二世市川猿翁)の人生そのもののようでもあり、どこを切り取っても祖父が浮かんでくるようなセリフが多いんです。「何か途方もないものを追い求めている。それが何かよくわからない」というところに、とても魅力を感じています。米吉弟橘姫が入水する場面で「現世ではタケルの妃になれないけれど海に飛び込めば海の王の妃になれる、出世できる」というセリフが原作にはあるんです。また兄橘姫には、息子ワカタケルを連れて狂乱して死して白鳥になったタケルを追いかける場面があるんですね。美しく優しいだけにとどまらない、人間の業、人間臭さをどちらの役にも感じます。――お互いの役についてはいかがですか。米吉ヤマトタケルって主役で英雄だけど、実はあまり自分というものがないような気がする。例えば兄に対して諫言するけれど、それも自発的ではなくて。熊襲や蝦夷を討伐するけれど、運命に流されたどり着いたその先で力を発揮しているんだよね。そこに貴種流離譚らしさがあるのかなとも思う。隼人おっしゃる通りかもしれない。やっと自ら初めて事を起こそうとしたら、伊吹山でやられてしまうしね。非常にピュアな人でもある。――かと思うと目の前にいる人の本心、本音、特に女性の気持ちはわかっていなかったり。隼人そういうところがまた周りが放っておけない魅力なのかな。隙があるんだよ。人って隙が愛嬌になり色気にもなるじゃない?米吉若さゆえ、かもしれないね。最初に猿翁のおじさまがなさった時、うちの父(中村歌六)が36歳で、たしかおじさまは十は上でいらっしゃるから46歳位だったはず。そういう意味では今回の配役はグッと若返っていますね。隼人僕らが演じることでヤマトタケルの若さがさらにくっきりするのかな。これが古典歌舞伎だったら話は別ですが、38年の歴史があるとはいえ新作の場合は若さがダイレクトに伝わりやすいから。僕に勝算があるとすればそこ。といっても團子君と僕とでも十は離れているけどね。米吉團子君、こんなに小顔で、ラストの白鳥になって跳んでいくところの頭(鬘)をかけると顔が埋もれちゃうんじゃないか心配だよ(笑)。隼人團子君はどうとらえてる?團子ヤマトタケルってかなり極端な人間なのかなと思っています。テンションが上がるときはどこまでも上がるけれど、落ち込むときもとことん落ちる。これって祖父の性格に似ていて。そこがまた人を惹きつけるのかなと。どう考えてもこの先は無理だ という状況でも、そこに気づかずに前に進もうとするところがあるような気がします。米吉猿翁のおじさまは「この作品は女性がとてもよく描けている」とおっしゃっているけれど、結局ヤマトタケルは誰が一番好きなの?(笑)。みやず姫?團子みやず姫には「嘘でもいいから私が一番好きとおっしゃってください」というセリフがありますよね。隼人難しいよね。弟橘姫を失ったことによってはじめて愛する人を失う経験をして、またひとつ大人になったのかな。米吉自ら死のうとしている弟橘姫にすら「おとなしいと思ったのに」と言うけど、おとなしいのが好きなの?(笑)。とにかく兄橘姫、弟橘姫、みやず姫、3人とも古典歌舞伎のお姫様とはまた違う強さを持っているのは間違いないけどね。お互いの「ココが好き!」ポイントは?――皆さんの「ここは見どころ」ポイントを教えてください。隼人陸海空、それぞれの見どころがあるんですよ。陸は炎燃え盛る草原での戦の場面、そして水の中で『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』のように泳ぎ、スーパー歌舞伎の醍醐味・宙乗りもある。特に僕が好きなのは熊襲との戦の場面だな。なにしろ豪華絢爛です。古典歌舞伎では舞台の奥行や上下の高さをあまり使わないけれど、新橋演舞場の舞台ではそれらを駆使した場面がどんどん出てくるから。米吉やはり兄橘姫と弟橘姫を早替りで勤めるのは観ていただきたいポイントですね。初演以来使われてきた兄橘姫の衣裳があまりにもシンプル過ぎて、着るのが楽ちんだったことが衣裳さんたちも不思議だったそうなんですが、早替りすることが前提だったからなんだと今回わかりました。上に羽織ればすぐ兄橘姫から弟橘姫になれるように出来ているんです。團子タケルの見得の種類ですね。すごく多いんです。首の振り方も多種多様。その時の感情によって結構違うんですよ。熊襲のところはバーッタリではなくてタンタンッ速い感じだったり、山神との戦いでは大味だったり、燃え盛る炎のような雰囲気の見得だったり。――それぞれのお役の魅力を語っていただきましたが、おしまいに役者としてお互いの「ここが好き」ポイントも教えてください。米吉團子ちゃんはね、とにかくまっすぐで研究熱心で一生懸命な人。この純粋なひたむきさ、僕が失って久しいものだなと(笑)。隼人さんはもう素敵な人だから何も言うことはございません。ハトコだし(笑)。役者として持って生まれた華やかさ、これはもう努力ではどうにもならない。立役として着実にステップアップしている姿も同世代、女方として心強いです。隼人團子君は座頭として必要な資質を持っていると思います。僕ら19の頃といえば四天王とか近習とかでしたよ。それがこうやって抜擢されるのはすごいことであり、逆に大変なことかもしれない。僕は今回刺激ももらいつつ、できるだけ彼を支えたいと思っています。そして米吉君は僕らの世代で最初に大役に抜擢された人。その時どれほど大変だったろうかと今になって思うんです。なのにこの柔らかい雰囲気を持っているところが好き。ハトコだし(笑)。團子隼人さんは『新水滸伝』のときなど特に、僕が殻にこもってしまわないようによく話しかけてくださって本当に優しかったです。米吉さんは僕が昔から悪ガキだったのをご存知で、それを許してくださったお姉さんという感じです。いや実のお姉さんということではなくて。米吉そりゃそうだよ!(笑)。團子倭姫(ヤマトヒメ、タケルの理解者)のように優しく包み込んでくださるので、ついつい何でも思いついたことをバーッとしゃべってしまって。すみません!(笑)取材・文:五十川晶子撮影:杉映貴子ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★中村隼人さん×市川團子さん×中村米吉さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら(OnelinkのURLを貼り付け) からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>スーパー歌舞伎三代猿之助四十八撰の内『ヤマトタケル』作:梅原猛監修:石川耕士脚本・演出:二世市川猿翁出演:小碓命後にヤマトタケル / 大碓命:中村隼人、市川團子(交互出演)兄橘姫 / 弟橘姫:中村米吉帝:市川中車皇后 / 姥神:市川門之助タケヒコ:中村福之助ヘタルベ:中村歌之助犬神の使者 / 琉球の踊り子 / 新朝臣:嘉島典俊ヤイラム:市川青虎老大臣:市川寿猿倭姫:市川笑三郎国造の妻:市川笑也熊襲兄タケル / 山神:市川猿弥帝の使者:中村隼人・市川團子・市川青虎(交互出演)尾張の国造:中村錦之助熊襲弟タケル:中村錦之助・中村歌之助(交互出演)2024年2月4日(日)~3月20日(水・祝)会場:東京・新橋演舞場チケット情報:【2月分】()【3月分】1月25日(木)10:00より販売開始!()公式サイト:
2024年01月22日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が17日に自身のアメブロを更新。理由が分からない“悲しいお知らせ”についてつづった。この日、團十郎は「日の当たるところ、幸せ感じる」と述べ、影の写真を公開。続けて更新したブログでは「さぁ出かけます!!行ってきます!!」と外出することを明かした。その後に「悲しいお知らせ」と題したブログを更新し「このジュース屋さん閉店するそうです」とジュースを販売する店が閉店することを報告。「悲しすぎる、、」と述べ「なんで?かはわかりませんが悲しい」と残念そうにつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「びっくりしました」「残念ですね」「お気に入りが近くに見つかると良いですね」などのコメントが寄せられている。
2024年01月17日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が13日と14日に自身のアメブロを更新。息子・勸玄(かんげん)くんに指摘されて悲しかったことをつづった。13日のブログで、團十郎はヘッドホンを着用しパソコンに向かう勸玄くんの姿を公開。「おえて、寝ましょ」と勸玄くんに呼びかけた。続けて、14日に更新したブログでは「昨晩はゲームを遅くまでしてました」と明かし、ゲームについて「カンカンに結構指摘され悲しんでました」と勸玄くんから指摘されたことを報告。「しばらくやめようかな、ゲーム、笑」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「珍しい風景」「勸玄くんには敵わないですね」「今のゲームはなかなかついていけないですよね」などのコメントが寄せられている。
2024年01月14日2024年1月12日、モデルで俳優の團遥香(だん・はるか)さんが結婚を報告しました。お相手は、プロバスケットボールチーム『千葉ジェッツふなばし』所属の原修太選手です。團さんは、海岸で撮影されたウェディングショットとともに、原選手と連名でこのようにつづっています。応援して下さっている皆様へいつも応援して頂き心から感謝しております。この度、原修太と團遥香は結婚致しました事をご報告させて頂きます。今後もお互い支え合いながら頑張っていきますので、これからも応援の程よろしくお願い致します。皆様の生活が一日も早く平穏に復することを心からお祈り申し上げます。原修太團遥香haruka_dan_officialーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 團遥香(DAN HARUKA)(@haruka_dan_official)がシェアした投稿 また、原選手もInstagramで同様のコメントを投稿しています。團さんは、朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)で2020年までの7年間、レポーターを務めたほか、ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)や映画『劇場版 ルパンの娘』などに出演し、俳優としても活躍。原選手は、2015年から『千葉ジェッツふなばし』に所属しており、2023年に開催されたバスケットボールの世界大会『FIBA バスケットボール ワールドカップ 2023』では、日本代表に選出されました。異なる業界で活躍する2人の結婚に、ネット上では「原ちゃん!結婚おめでとう」「團ちゃんは『ZIP!』でよく見ていたなー」「素敵なカップル!末永くお幸せに」など、祝福の声が数多く寄せられています。2人は互いに支え合いながら、幸せな家庭を築いていくことでしょう![文・構成/grape編集部]
2024年01月12日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が7日に自身のアメブロを更新。大分やつれた姿を公開した。この日、團十郎は「今月の芝居は」というタイトルでブログを更新。「始まるとなかなか、時間がないです」と述べ「10秒くらいかなそんなないかも、空いてる時間」と説明し「皆と懸命にやっとります」とつづった。その後に更新したブログでは「20分。泳いで」と明かし「俊寛おわると、こんな感じに」と舞台後の自撮りショットを公開。「なんかだいぶ本当にやつれます」と述べ「不思議なお芝居です。やらないとわからない事が歌舞伎は多いです」とつづった。最後に「そこにしかない世界があり、それはやらないと分からない見えない世界があります。あるんです」とコメントし、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「大変ですね」「お疲れさま」「ゆっくり休んでください」「無理しないでね」などのコメントが寄せられている。
2024年01月09日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿、長男の市川新之助が25日、都内で行われた『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台 二月御園座大歌舞伎』(来年2月1日~17日)の合同取材会に出席した。同公演で、團十郎は「吉野山」の佐藤忠信実は源九郎狐と「勧進帳」の武蔵坊弁慶を演じ、新之助は「外郎売」の外郎売実は曽我五郎を演じる。團十郎は「見やすい演目を並べさせていただいて、歌舞伎を初めて見る方でも、歌舞伎をよくご存じの方でも楽しめるような構成に、昼の部も夜の部もしています」と紹介した。襲名から約1年。新之助は「新之助と呼ばれることがあまりなくて、まだあまり実感がないのかなと思います。サインをたまに練習するんですけど、そういう時は『新之助だな』と思う時があります」と述べ、團十郎も「私もあまり実感ないんですけど、同じで、サインを書く時に『團十郎なんだな』と思ったりします」と話して笑いを誘った。團十郎はまた、「1年前の自分と今の自分を比較すると、團十郎という名前に慣れてきたのかなと思います。少しずつ、まだ海老の殻のついている團十郎ですが、團十郎なのかもしれないなと自分でも思うところがちょっと出てきた。周りも『團十郎』と呼ぶようになってきたので、ちょっとずつ團十郎になっている実感はあります。ですから荷が重いです」と話していた。
2023年12月25日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿、長男の市川新之助が25日、都内で行われた『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台 二月御園座大歌舞伎』(来年2月1日~17日)の合同取材会に出席した。同公演で、團十郎は「吉野山」の佐藤忠信実は源九郎狐と「勧進帳」の武蔵坊弁慶を演じ、新之助は「外郎売」の外郎売実は曽我五郎を演じる。團十郎は「見やすい演目を並べさせていただいて、歌舞伎を初めて見る方でも、歌舞伎をよくご存じの方でも楽しめるような構成に、昼の部も夜の部もしています」と紹介。新之助は「『外郎売』は新之助の襲名でもやらせていただいて、すごく好きなんですけど、その『外郎売』をまたやれる。名古屋で舞台をやるのは初めてなので、すごく緊張するんですけど、名古屋の方々にもいろんな演目を楽しんでほしいと思っています」と語った。新之助は、初舞台から約1年が経ったが、「新之助と呼ばれることがあまりなくて、まだあまり実感がないのかなと思います。サインをたまに練習するんですけど、そういう時は『新之助だな』と思う時があります」と心境を語った。團十郎は、新之助の成長について「めざましく進歩したなと。『外郎売』を1年間引っ提げて各地で披露してきた結果、積み重ねてきた日々がちゃんと実となってお客様にも通ずるような芸風に少しずつなってきている」と評価。「本人もやる気がある。だからといって私はあーだこーだ言わないタイプなので、環境を作って見守って。あまりプレッシャーをかけすぎると感じちゃうので、伸びやかに修正点を注文しながら、また一歩階段を上ってもらいたいと思っています」と話していた。
2023年12月25日2023年12月8日、以前は市川海老蔵の名で知られていた、歌舞伎俳優の市川團十郎さんがInstagramを更新。舞踊家の市川ぼたんとして芸能事務所に所属する、長女の写真を公開しました。京都府京都市にある劇場『南座』にて、ぼたんさんと、同じく歌舞伎俳優の市川新之助を襲名した、長男の堀越勸玄さんとともに出演している、團十郎さん。同日、團十郎さんは「お散歩。勸玄はお部屋なり」というひと言とともに、ぼたんさんの写真を公開しました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Ichikawa Ebizo 十一代目市川海老蔵(@ebizoichikawa.ebizoichikawa)がシェアした投稿 満面の笑みで楽しそうに走る、ぼたんさん。スラリと伸びた足や整った顔立ちは、2017年に亡くなった團十郎さんの妻でタレントの、小林麻央さんを彷彿とさせます。團十郎さんが公開した、ぼたんさんの写真に、麻央さんの姿を重ねた人は多い様子。「麻央さんが走っているように見えて、涙が出ました」「麻央さんの生き写しですね」「立派に成長していて、胸がジーンとした」などの声が相次いで寄せられました。ぼたんさんは、同日現在まだ12歳。これからいろいろな経験を経て成長する姿を、團十郎さんはもちろん、麻央さんも天国で見守っていることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年12月09日2023年11月23日、歌舞伎俳優の市川團十郎さんがInstagramを更新。長男で同じく歌舞伎俳優である、市川新之助さんの写真をアップしたところ、大きな反響が寄せられました。新之助さんは、同日、東京都内で行われた新潟のブランド米『新之助』の新米お手渡しイベントに出席。来場者100名一人ひとりに、新米を手渡したといいます。※写真は複数枚あります。左右にスライドしてご覧ください。 この投稿をInstagramで見る Ichikawa Ebizo 十一代目市川海老蔵(@ebizoichikawa.ebizoichikawa)がシェアした投稿 10歳でありながら、1人でイベントに出席し、立派に務めを果たしていた新之助さん。幼い頃のあどけなさが抜け、その凛とした美しい佇まいと表情は、2017年に亡くなった母親の小林麻央さんを彷彿とさせます。投稿には新之助さんの成長に、驚きの声などが多数寄せられていました。・かわいかったカンカンがこんなに大きくなったなんて!すごくかっこよくなりましたね。・しっかり目を見て渡していてえらい。3枚目は麻央さんにそっくりです。・麻央さんに似ていると思ってたけど、團十郎さんにも似てきた。パパとママのいいと取り!團十郎さんは、投稿に「どんな気持ちだったのかを、聞くのが楽しみです」とコメントをつづっており、きっと後で新之助さんからイベントの感想を聞いて親子で会話をしたのでしょう。未来の歌舞伎界を背負う存在として、注目が高まっている、新之助さん。今後の活躍を応援したいですね![文・構成/grape編集部]
2023年11月24日市川團十郎と市川ぼたん、市川新之助の親子が11月18日、新初春歌舞伎公演として新橋演舞場で1月に上演される『平家女護嶋 恩愛麻絲央源平 -SANEMORI PARTII-』の取材会に出席した。「俊寛」として知られる近松門左衛門による古典「平家女護島」に新たな解釈を加え、團十郎が俊寛、常盤御前、実盛の3役を、ぼたんは実盛の娘・ひな鶴、新之助は常盤御前の息子・牛若丸(のちの源義経)を演じる。副題「恩愛麻絲央源平(おやこのきずななかもげんぺい)」には、團十郎の亡き妻でぼたんと新之助の母である「麻央」の名前が入っているが、これは演出・補綴を務める石川耕士のアイディアによるもの。團十郎は「ひな鶴の父・実盛、牛若丸の母・常盤御前という、別々の“親”を演じ分けるということで、(テーマが)親子の絆という中で、石川さんが麻央のことを意識して脚本を書いてくださって、その文字(=麻央)を入れたいというお話をいただいて、いくつかの案をくださった中から選んで、妻の名前が入った副題にさせていただきました」と説明。物語自体は「あくまでも源氏と平家の中での親子の情愛の話」と断りつつ「ご覧になった方が、堀越家のことを想像されるかどうかはまた別の話」と語った。石川耕士(演出・補綴)今回、親子3人が同じ舞台に立ち、セリフを交わすことになるが、父親である團十郎が、壇上では“母親”となることに新之助は「少し違和感あるかも(笑)」と語りつつ「3人で踊りをすることあったけど、お芝居での3人での共演は初めてなのですごく楽しみです」と語る。ぼたんも「父が実盛、私がひな鶴で、一緒に話をすることが多いんですが、緊張、ドキドキがあります。でも、3人で一緒に舞台に立ち、父とセリフを言い合える古典に出演できるのは貴重な経験だと思います」と笑顔を見せた。團十郎は「(ぼたん、新之助と)丁々発止のやりとりがありますし、いままでやってきたことと違うハードルの高さがありますが、いままでも年齢にそぐわない高いハードルをちゃんと乗り越えてきているので、あえてプレッシャーをかけますが、きっちり乗り越えられると思って、ある程度、見放して取り掛かりたいと思います」と2人への期待を口にしていた。演目にちなんで、「家族の愛を感じる瞬間」を問われると、新之助は「何気なく、朝起きて、みんなとご飯を食べたり、何気ないひと言が愛を感じるひとときだなと思います」と語り、ぼたんは「みんなで外に遊びに行って、自転車を父が先にこいでいて、一緒に話していると『これって幸せだな』と思ったり、絆というか愛を感じます」と語る。團十郎は、今年の9月の博多公演のため、新之助を連れて約1か月、家を空けていた時のことを思い返し「ぼたんに会えない時間は寂しいけど、戻った時に笑顔で待っていてくれるし、せがれは1か月間、ずっと一緒にくっついて、一生懸命舞台に向かう姿、後ろ姿を見ている時が幸せですね」と“父”の顔を見せる。年の瀬も迫ってきたが、團十郎はこの1年をふり返り「時代というものの流れ、世の中の流れと、既存していたものの“時差”というものが、いろいろ目に見えて動くようになり、歌舞伎界のみならず世の中全体がそういう流れになってきているのは、みなさま、同じように感じてらっしゃるのではないかと思います。エンタテインメント業界のみならず、そちら側に座っているみなさん(=報道陣)の価値観も問われる時代に差し掛かってきている」と語り、そうした世の流れの中でも、伝統文化を背負う者として「あまり動ずることなく、演劇・歌舞伎を楽しんでくださる方々を大事に公演をしていきたいという気持ちです」と来年に向けた意気込みを語った。取材・文・撮影:黒豆直樹<公演情報>『平家女護嶋 恩愛真絲央源平-SANEMORI PART II-』近松門左衛門 歿後三百年近松門左衛門 作石川耕士 補綴・演出藤間勘十郎 演出・振付■出演市川團十郎市川ぼたん市川新之助※昼夜同一狂言2024年1月6日(土)~1月25日(木) ※11日(木)・18日(木) 休演会場:新橋演舞場チケット情報:公式サイト:
2023年11月20日2023年5月18日、自宅で倒れていたところを発見され、歌舞伎俳優の四代目市川猿之助(本名:喜熨斗孝彦)氏ら3人が救急搬送される事件が発生。後に、搬送された猿之助氏の両親は死亡が確認され、猿之助氏は自殺ほう助の容疑で逮捕されています。同年11月17日、猿之助氏の判決公判が東京都千代田区の東京地裁で開かれ、懲役3年、執行猶予5年の判決がいい渡されました。市川猿之助氏、判決を受けコメント同日、猿之助氏の判決を受け、松竹株式会社はウェブサイトを更新。亡くなった猿之助氏の両親へ哀悼の念を表し、「いかなる事情があったとしても、市川猿之助が行った判断は決して許されるものではなく、大きな過ちであった」と、会社としての考えを述べました。続いて猿之助氏の今後については、「まずは1人の人間として、両親のぶんまでしっかりとこの後の人生を歩んでほしい」と述べ、歌舞伎俳優としての予定が白紙であることを明かしています。また、同社はウェブサイトに猿之助氏のコメントも掲載しました。本日、裁判所から、懲役3年執行猶予5年の判決の言い渡しを受けました。失意のどん底で決意したこととはいえ、常に自分を見守ってくれた父と母を巻き込んでしまったこと、そして、歌舞伎界を含め、多くの皆様に治癒し難い傷を負わせてしまったことに対し、言い表せない罪を感じています。自分の記事が世に出るとき、そのこと自体により、四代目猿之助を継承した自分が「猿之助」という名前のみならず歌舞伎界という大きな伝統と文化に対し深い傷を与えてしまうこと、また成長を歩み続けている猿之助一門のみんなを暗闇の中に放り出すこと、その現実の大きさから自死を選んでしまいました。どん底の中で生き長らえることを選ばなかった自分の弱さを責めるしかありません。たとえ生活の場を失ったとしても、次の日を信じて静かに待つべきでした。生きることを諦める気持ちになったとき、自死を成し遂げることだけを考えていました。自分の精神状態の異常性すら理解できない状況に陥っていました。「あなただけ行かせるわけにはいかない。」という両親の言葉も自然に受け止めてしまっていました。来世に向かう両親の身支度をし、そして、自分の終止符へと向かいました。自分一人で抱え込まず、周囲の人に自分の不安や絶望を相談するべきでした。ただ、当時の自分は、自分の立場もあり、他の人には自分の気持ちは理解できないだろうと考え、また、周囲に弱みを見せることもできませんでした。事件の日から今日まで生きてきました。毎日、あの日のことを思い返してきました。私だけが生き延びてしまった、父と母に申し訳ない、そういったことを考えていました。事件後も、死んでしまいたい、明日命が終わっていないか、と思うこともありました。しかし、周囲や病院関係者の助けのおかげで、事件のときほど真に迫った自死の思いが生じることはありませんでした。「最後に何か言いたいことはありますか。」という裁判官の言葉に対し、「自分にできることがあればやらせていただきたい。」と答えました。今後は、生かされた自分に、これから何ができるか考えていきます。これからは、一人で抱え込まずに、自分の弱さも自覚し、周囲の方々に相談し、助けていただきながら、一日一日一生懸命に生きていこうと考えています。本当にご迷惑をおかけしました。松竹株式会社は、猿之助氏と時間をかけて話し合い、責任をしっかりと受け止めた上で、今後について模索していくとのこと。また、事件の発端とされているハラスメント行為の報道については、現時点で事実確認はないものの、通報窓口の利用者を拡大するなど、会社として改善を進めていくといいます。[文・構成/grape編集部]
2023年11月17日昔、学校で同じクラスだった人や、親しかったものの気付けば連絡を取らなくなってしまった旧友は、あなたにもいるのではないでしょうか。世間は意外と狭いもの。年月が経ってから偶然にも再会し、お互いに驚く…という展開は、時々起こりますよね。以前は市川海老蔵の名で知られていた、歌舞伎俳優の十三代目・市川團十郎白猿(いちかわ・だんじゅうろう・はくえん)さんも、そういった経験をしたようです。市川團十郎白猿、ホテルで手渡された手紙に感動2023年11月14日、市川さんはブログに「ホテルに!?え!?」という、動揺が伝わってくるタイトルの記事を投稿しました。この日、市川さんは京都府京都市の南座に出演。襲名披露公演で使用される、祝幕のお披露目イベントを行いました。イベント後、市川さんはホテルに移動し、おいしい食事を堪能したのですが…そこで、驚くべき出来事が起こったのだとか。豪華なフルーツの盛り合わせとともに、市川さんが受け取ったのは、1通の手紙でした。なんと手紙の送り主は、このホテルの料理長であり、市川さんの元同級生!意外な場所での同級生との再会を受け、市川さんは「泣ける…ありがとう。フルーツ、おいしく頂きます」というコメントとともに、この写真を投稿しました。翌朝、市川さんは料理長とのツーショット写真も公開。きっと昨晩の手紙を受け、市川さんから声をかけたのでしょう。同級生が、料理長としておいしい食事を振る舞っていることを知り、市川さんも嬉しそうな表情を浮かべています。ほほ笑ましいエピソードに、ファンからは「そんなことがあるだなんて…!」「すごい、まさに奇跡の再会!」といった声が続出。きっとこのホテルで口にした料理は、市川さんにとって最高のものであったことでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年11月16日●ハリウッド映画で吹替声優初挑戦歌舞伎俳優・市川團十郎の長女で舞踊家・女優の堀越麗禾(ほりこし れいか)。2019年に日本舞踊市川流の名跡・四代目市川ぼたんを襲名し数々の舞台を踏む一方で、ドラマなどにも出演し、映画『ザ・クリエイター/創造者』(10月20日公開)では吹替声優に初挑戦した。堀越にインタビューし、声優業や女優業のやりがい、父・團十郎への思い、今後の抱負など話を聞いた。ギャレス・エドワーズ監督の最新作となる本作は、人類とAIの戦争が激化した近未来の物語。ジョン・デヴィッド・ワシントンが主演と務め、渡辺謙も参加している。堀越が吹替を担当したのは、物語の重要なカギを握る超進化型AIの少女・アルフィー(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)。主人公ジョシュアは、人類を滅ぼす兵器を創り出した“クリエイター”の潜伏先でアルフィーと出会い、“ある理由”から彼女を守りぬくと誓い共に行動をすることとなる。ハリウッド映画で重要な役どころの吹替を任された堀越。オファーを受けたときの心境を「とても驚きましたし、うれしかったです」と明かす。そして、演じたAIの少女・アルフィーについて「最初のほうは人間の言葉があまりわからなくてしゃべることができなかったのですが、徐々に主人公と話せるようになっていきます」と説明。セリフは少ないながらも一つ一つとても重要で、アルフィーの気持ちを想像しながら演じたという。「あまり言葉を発さず顔の表情で演技している部分が多いのですが、一つ一つのセリフが心に刺さるというか、感情を引っ張り出されるような大事なセリフが多いので、どういう風に言えばいいんだろうと、たくさんたくさん考えました。とても難しかったですが、監督さんにアドバイスをいただいきながら頑張りました」○■スクリーンから流れてくる自分の声に感激「すごくうれしかった」完成した吹替版を鑑賞したときは、流れてくる自分の声に感激したとうれしそうに話す。「自分の声が大きなスクリーンから聞こえてくるというのは、ものすごくうれしかったですし、驚くべきことだなと思いました。自分の声が入っていると思って、緊張してドキドキしながら見ましたが、素敵な作品だなと改めて思いました」また、本作から「刺激をもらうことばかりだった」と語る堀越。「未来のお話なので、未来ってこんな風になるのかなという感覚になりましたし、こういう未来になる可能性があるんだなと、いろいろと学ばせていただきました。AIと人間が戦うなんてすごすぎるなと。ロボットがどんどん進化して、こんな戦いができるようになるかもしれないという驚きがありました」堀越は、アニメーション映画『DC がんばれ!スーパーペット』(2022)で声優に初挑戦し、今回で2回目となったが、とてもやりがいを感じているようだ。「自分の声が映画に入るというのがまずうれしいことですし、驚くべきことなので、それが一つのやりがいというか楽しみというか、『やるぞ!』というやる気を湧かせてくれます」○■アルフィー役の子役から刺激「すべてがすごいなって思いました」実写映画の吹替声優は今回が初挑戦となり、アニメーション声優との違いを感じたという。「人が演じているものに違う人の声が入るので、とても大変でしたが、アルフィー役の役者さんはどのように一つ一つの場面で演技をしたんだろうと、たくさん考えて一生懸命頑張りました」そして、アルフィーを演じた子役のマデリン・ユナ・ヴォイルズから大いに刺激を受けたと語る。「アルフィーの子が本当にすごくて、声が聞こえなくても表情を見ているだけで感情が伝わるし、表情が見えてなくても言葉だけで感情が伝わるし、すべてがすごいなって思いました」●女優業や声優業の楽しさ実感堀越は、四代目市川ぼたんとして数々の舞台を踏む一方で、ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(21/日本テレビ)などにも出演。女優業について、監督をはじめとする現場の人たちと一緒に作り上げていくことに楽しさを感じているという。「演じるときに周りの方々がいろんなアドバイスをくださり、皆さんに支えられている感じがすごくあって、とても感謝しています。そのおかげで頑張れますし、演じることが楽しくなるなと感じています」一視聴者として作品を見ていたときとは、見方も変わってきたと明かす。「こういうお仕事をさせていただく前は、作品を見ていて面白かったら笑うし、感動したら泣くし、という感じでしたが、お芝居に挑戦させていただくようになって、『これは全部演じていたんだ。それなのに人の感情を揺さぶることができてすごい!』と見方がちょっと変わりました」最近の活動で特に楽しかったものを尋ねると、『ザ・クリエイター/創造者』を挙げた。「今回このような大きな声優のお仕事をさせていただいて、自分の声だけで演じるという楽しさが見えたので、とても楽しかったです」と話し、また声優に挑戦してみたいと意欲を見せた。○■「頑張っている父の姿を見て学ばせてもらっています」芸能界で憧れている存在は父・團十郎。「歌舞伎の舞台が大好き」と目を輝かせ、父のように感動を与えられるような人になりたいという。そして、父・團十郎について「憧れでもあり、お父さんでもある」と表現。父の姿を見て日々学んでいると語る。「お父さんは台本を覚えるだけではなく、こういう風に演じようと自分なりにいろいろと考えているような気がして、頑張っている父の姿を見て学ばせてもらっています。家族でありながら憧れの存在で、こういうときはこうすべきなんだとか、後ろ姿から学んでいます」最後に今後の抱負を尋ねると、「まだ目標は見つかっていなくて、いろんなことに挑戦する中で自分が求めているものは何なんだろうと、自分の目標を探していきたいと思っています」と回答。「個性のある人」に憧れているとも言い、自身も魅力的な個性を持った人になっていきたいと話していた。■堀越麗禾(ほりこし・れいか)2011年7月25日生まれ、東京都出身。十三代目市川團十郎白猿の長女。2014年3月、「古典への誘い」八千代座公演の『芝居前三升麗賑』で初御目見得。2019年8月、シアターコクーン「市川會」にて四代目市川ぼたんを襲名。舞台のほか、ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(21)などにも出演。また、映画『DC がんばれ! スーパーペット』(22)で声優に初挑戦した。
2023年10月19日2023年10月・11月に、「十三代目 市川團十郎白猿 襲名披露巡業」公演が全国20ヶ所にて開催となる。それに先駆け出演の市川團十郎による取材会が都内某所にて実施された。演目として『毛抜』を選んだ理由について「市川團十郎家の襲名公演ですので、歌舞伎十八番もしくは新歌舞伎十八番をご披露するというのが一般的。秋巡業の演目の候補としては『鳴神』、『毛抜』があがるなか、決め手となったのは一人で芝居をするところが多い点です。『鳴神』は荒事の要素は多いですが、女方と二人で芝居を進めていくことが多く、市川團十郎が中心の『毛抜』の方が襲名披露巡業としては面白いのではないかと思いました。『毛抜』には紋切り型という幕外の型があり、ご当地によって幕外の景色を変えたいという思いもあり、『毛抜』に決めさせていただきました。『毛抜』はもともと二代目市川團十郎が行った「雷神不動北山櫻」という作品。そこから七代目市川團十郎によって『鳴神』、『毛抜』、『不動』が歌舞伎十八番に選定されますがその形は途絶え、二代目市川左團次が色気ある作品に作り替えたのが今日伝わっている『毛抜』であり、『鳴神』。今やっている『毛抜』は派生して出来ている部分も大きくあり、二代目市川團十郎が演じていたものをそのまま演じている『助六』と違い、『毛抜』は原型がどうだったかは正直分からない。その中で『毛抜』の粂寺弾正は愛嬌とおおらかさ、その中にひけらかさない知的の強さ、歌舞伎十八番の「剛の者」というすべてのエッセンスがないと出来ない、歌舞伎十八番の中でもハードルの高い役のひとつ。」と語る。また、「歌舞伎十八番は荒事の印象があるかもしれませんが、お家騒動を解決していくLGBTQの壁をも超えた主人公が奮闘していくところに、新しい視点でも見ていただける作品なのではないかと思います。」と見どころについても触れ、「自分自身、襲名披露巡業のみならず他の興行を含めても各地に一番足を運んでいる役者だと思います。首都圏の近郊や遠方にいらっしゃる方々に届けられるよう巡業に力を注いで生きてきました。今回各地の方々にお目にかかれるということで、團十郎として今後ともよろしくお願いいたします、というご挨拶と、今まで海老蔵としてありがとうございました、という感謝を伝えられる興行になれば良いなと思う。」と締めた。チケットは好評発売中。
2023年10月10日猛暑が続くなか、「八月納涼歌舞伎」が今年も好評上演中だ。通常の二部制(昼の部・夜の部)ではなく、八月恒例の三部制は今年も健在。第一部(11時開演)は、人情物語の『次郎長外伝 裸道中』と、舞踊劇『大江山酒呑童子』。続く第二部(14時15分開演)は、群像劇『新門辰五郎』と、舞踊の『団子売』。最後の第三部(18時開演)は、スペクタクルな展開に心躍る『新・水滸伝』という多彩なラインナップだ。今回は、第三部の『新・水滸伝』をピックアップ。中国の“四大奇書”のひとつ「水滸伝」をベースに、横内謙介(劇団扉座主宰)の脚本・演出、三代目市川猿之助(現・猿翁)の演出・美術・原案で2008年に初演。以降、たびたび上演を重ねている人気作だ。12世紀の中国・北宋を舞台に、兵学校の教官を務めた身ながら、今は天下一の悪党となった林冲(中村隼人)の波乱の運命を描く。朝廷の重臣・高きゅう(浅野和之)に向かって、盗賊の晁蓋(市川中車)ら梁山泊の仲間たちと戦いを挑むスケールの大きさが見どころ。歌舞伎にミュージカルの要素を加えたような趣きも魅力だ。中村隼人が演じる林冲は、酒におぼれる前半から一転、かつて掲げた「替天行道」(天に替わって道を行う志を抱け、の意)を思い出し立ち上がる後半まで、堂々のヒーローぶり。中国風の衣裳やマントもピタリとハマり、高きゅうらとのスピード感ある立廻りや、“飛龍”に乗っての宙乗りで魅せる。そんな彼の教え子で、今は朝廷軍の兵士となっている彭き(市川團子)は、まっすぐな瞳で師を慕う姿が印象的。ある行動を起こす彭きと、その想いを受け止める林冲のシーンでは、客席からすすり泣きが漏れていた。他にも、梁山泊の盗賊仲間であるお夜叉(中村壱太郎)や、李逵(中村福之助)の、粗暴だが温かさがにじむ佇まい。王英(市川猿弥)と女戦士の青華(市川笑也)の微笑ましい恋の行方や、朝廷側ながら葛藤を垣間見せる高きゅうの側近・張進(中村歌之助)など、演者たちの見逃せないシーンが満載。最後までその世界観に引き込まれた。第一部の『裸道中』では、博徒・勝五郎(中村獅童)と女房みき(中村七之助)の、貧しくも仲の良い夫婦ぶりに笑い、清水の次郎長(坂東彌十郎)と女房お蝶(市川高麗蔵)の情け深さに胸が迫る。第二部『新門辰五郎』での辰五郎(松本幸四郎)と会津の小鉄(中村勘九郎)の矜持と男同士の絆など、歌舞伎ならではの人情をじっくり味わえる八月となった。取材・文:藤野さくら
2023年08月18日かつてない正念場を迎えている歌舞伎界。昨年、市川中車こと香川照之(57)のホステスへの性加害が報じられ、今年に入っては大スターであった市川猿之助(47)が一家心中を図り自殺ほう助の容疑で逮捕・起訴されてしまった。さらに、7月には尾上菊之助(46)にも不倫疑惑が飛び出すありさま。スキャンダルまみれの歌舞伎界だが、「女遊びは芸の肥やし」といわれるなど、これまでは芸がよければお咎めなしという風潮も存在してきた。そこで、混沌とする歌舞伎界で、今誰が評価され、嫌われているのかを400人へのアンケートで調査した。今回は「嫌いな歌舞伎役者」について、公表する。嫌いな歌舞伎役者ランキング、3位に選ばれたのは市川團十郎(45)。歌舞伎界を背負って立つ大名跡を昨年襲名し、期待される存在だが、世間の評判は芳しくない。妻の小林麻央さん(享年34)を’17年に亡くして以降は、歌舞伎の傍らSNSで子育て風景を積極的に発信してきた團十郎。しかし、‘22年には義理の姉・小林麻耶(44)からの暴露騒動、「SNSナンパ」による複数女性との交際や、妻の麻央さんとの思い出の家で女性と密会するなど、良きパパの”裏の顔”がたびたび報じられてしまった。父親としての未熟さも指摘されている。今年6月、本誌は團十郎が金色の高級車で子供たちを学校から送り迎えする様子を目撃したが、なんとその学校では車送迎が禁止されていることも明らかになった。ふだんの振る舞いが好感度の低迷に大きく影響しているようだ。《イメージが悪すぎる。素行や女性関係。》《SNSよりも本業でがんばってほしい》《いろいろお騒がせな人物》2位に選ばれたのは、市川猿之助。今年5月、東京目黒区の自宅で、父親の市川段四郎さん(享年76)と母の喜熨斗延子さん(享年75)とともに倒れているのが見つかった。両親は死亡が確認され、猿之助はその後7月28日に両親に睡眠導入剤を服用させたとして、自殺ほう助の罪で起訴されている。猿之助については、自殺を図った日の朝に歌舞伎界での弟子に対するパワハラ・セクハラに関する報道がなされていた。猿之助本人は、この報道が自殺のきっかけになったと供述しているという。歌舞伎界きってのスター俳優だった猿之助。歌舞伎の世界だけでなく、’20年の『半沢直樹』(TBS系)、’22年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)などドラマの世界でも活躍し、人気を博していた。それだけに、スキャンダルによって両親ともども悲しい選択をした事実が、”反省して出直すこともできたはず”と落胆を産んでしまったようだ。《今回の問題が残念です》《1度のスキャンダルで家族会議を開き、一家心中を試みたメンタルの弱さがあまり好きでない》《流石にこの被告はありえない歌舞伎の伝統とか血筋とかに理由をつけて、これで数年後に復帰となると世間との感覚がズレているとしか思えない》そして、1位に選ばれてしまったのは香川照之。8月7日に、所属事務所によって昨年再婚し、子どもが誕生していたことが発表されたのだが、その“昨年”8月に、ホステスへの性加害や“鬼の形相”で女性の髪をつかむ写真が報じられている。それまで『半沢直樹』(TBS系)など人気ドラマや朝の情報番組、子供向け昆虫番組などに出演し、世間にとってはなじみ深い歌舞伎俳優だった香川。“カマキリ先生”との落差に、ファンのショックは大きかった。スキャンダルからしばらくして、出演していた番組は全て降板となった香川。しかし、歌舞伎の世界では、昨年12月の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」で舞台復帰。さらに、この7月には猿之助の代役として「七月大歌舞伎」に出演し、昼の部「菊宴月白浪」で主演を務め、舞台のクライマックスでは、澤瀉屋のお家芸である「両宙乗り」にも挑戦していた。歌舞伎界では、今後の澤瀉屋を支える存在として期待されているよう。しかし、世間では”性加害報道”が、未だ強烈な印象として残っているようだ。《やはり、いろんな不祥事でクリーンなイメージがないから》《絶叫してワンパターンの芝居ばかり。もう見飽きた》《スクープされた内容が酷すぎるし、スクープされてもすぐに降板せず世間の批判が高まるまで朝の番組に出続けるくらい図々しい性格しているから》《クラブのホステスさんに性的な嫌がらせやセクハラをしたから》【嫌いな歌舞伎役者ランキング】1位:香川照之(市川中車)2位:四代目市川猿之助3位:十三代目 市川團十郎4位:二代目中村獅童5位:七代目尾上菊五郎5位:八代目中村芝翫7位:六代目片岡愛之助8位:十代目松本幸四郎9位:尾上松也10位:五代目尾上菊之助調査対象:20代以上の男女400人調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)
2023年08月12日市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台『九月博多座大歌舞伎』。約3年ぶりの博多座登場となる團十郎に、襲名後の心境や公演の見どころなどを聞いた。昼の部は、歌舞伎十八番の内『矢の根(やのね)』、『外郎売(ういろううり)』、『景清(かげきよ)』、夜の部は『鞘當(さやあて)』、『口上(こうじょう) 』、歌舞伎十八番の内『暫(しばらく)』と、昼夜ともに豪華な演目が揃う。團十郎は『景清』の悪七兵衛景清、そして『暫』の鎌倉権五郎を務める。昼の部の『景清』は團十郎が海老蔵時代に景清を主人公として再構成した『壽三升景清』の中の作品。津軽三味線奏者・上妻宏光が参加することも話題だ。「技術・世界観ともにずば抜けた音楽家である上妻さんの参加で、より広がる『景清』の世界観を楽しんで頂きたい」と自信を覗かせる。一方、夜の部『暫』は、1999年の博多座開場以来、上演が待たれていた演目。今回、團十郎襲名披露興行というまたとない機会で博多座初上演が実現する。「市川團十郎は、江戸時代から続く大きな名跡(みょうせき)。その襲名披露の舞台で、『暫』を演じられることを非常に嬉しく思います。荒事の精神の元となっている“わらべの心で演ずる” ということが追求される演目で、幕外の引込み(まくそとのひっこみ)も見どころです」。父親である十二代目團十郎からは、2m以上ある太刀の扱い方などを細かく教え込まれたそう。「團十郎の名跡を相続することがどのようなものかは、とても言葉で表現できません。言葉で言い表せない部分を舞台の上でいかに形にしていくかが大事。また、長い歴史のなかで歌舞伎が時代とともに変化してきたように、古典を継承するだけでなく、現代に対する歌舞伎ということも考えないといけないと思います」と襲名への思いを真摯に語った。また、八代目市川新之助の初舞台については「東京以外でこんなに大きな役を長くやるのは初めてなので本人も大変だと思うが、技術的なことを細かく言うよりものびのびと楽しく演じてほしい」と師匠、そして親として優しい笑顔で語り、「團十郎の襲名、新之助の初舞台は、次いつあるかわかりません。この機会をお見逃しなく、ぜひ博多座に足をお運びください」と締めくくった。『九月博多座大歌舞伎』は9月1日(金)~17日(日) 福岡・博多座にて上演。チケットは発売中。
2023年08月10日市川猿之助被告(47)の一家心中騒動、逮捕・起訴でかつてない危機に瀕する歌舞伎界の名門・澤瀉屋。その再建に“一筋の光明”が――。香川照之(57)が昨年に再婚し、“次男”が誕生していたことが判明したのだ。8月7日の「デイリー新潮」の記事では、香川が20代後半の一般女性と入籍し、昨年に男児が誕生したと報じた。香川の所属事務所も同日中に、《弊社所属の俳優、香川照之が昨年再婚し、一子をもうけましたことをご報告させていただきます》と報道を認めるコメントを発表。「香川さんは’16年12月に、21年間連れ添った元CAの妻と離婚。再婚した女性との間に誕生したお子さんは、長男の團子くん(19)にとって弟にあたります」(梨園関係者)新たな伴侶だけでなく、愛しい第3子も誕生した香川。これは澤瀉屋の再建にとっても大きいという。「騒動が起こるまでの澤瀉屋は、圧倒的な知名度を誇る猿之助さんのワントップ体制で支えられてきました。香川さんの父・猿翁さん(83)は長らく舞台に立っておらず、猿之助さんの父・段四郎さん(享年76)も病気で引退状態でした。そんななか、猿之助さんが事件を起こし、段四郎さんは帰らぬ人に。逮捕・起訴された猿之助さんも、7月末に保釈された後は都内の病院で入院中だといいます。遺された人の中で年齢的なトップは香川さんですが、香川さんは昨夏に銀座のクラブホステスへの性加害が報じられ、イメージは失墜。40代で歌舞伎役者デビューしていることもあり、梨園での影響力はほとんどなく、澤瀉屋の次期トップとしては不適切と言われていました」(歌舞伎関係者)しかし明らかになった香川の“次男誕生”で、風向きが変わろうとしているようだ。前出の歌舞伎関係者は、考えられる“将来設計”をこう語る。「團子くんが5代目猿之助になると目されていますが、それはかなり先の話。さらにもう一つの名跡である段四郎さんも亡くなってしまい、澤瀉屋のメンバーそのものが激減。しかし香川さんに次男が誕生したことで、澤瀉屋に“跡取り”が増えたとの見方もできます。團子くんが猿之助を襲名するのは規定通りとして、将来的に次男が段四郎を継ぐ可能性が出てきました。もっとも順番としては、先に香川さんが段四郎を襲名。その後に次男が襲名するという流れが順当でしょう。團子くんが猿之助を襲名する際に、香川さんが段四郎を同時に襲名する可能性も考えられます」事件以降、猿之助被告の代役を務めるなど座頭不在の澤瀉屋を守るべく奮闘している香川。東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」では昼の部「菊宴月白浪」で、猿之助被告に代わって主役・斧定九郎を好演。初の宙乗りにも挑戦したという。「激しい立ち回りもあるなか、約1カ月間にわたって代役を完走。奇しくも猿之助さんが起訴された日は、千秋楽でした。辛そうな素振りを見せることなく最後まで立派に務め上げた香川さんに、客席からはしばらく拍手が鳴り止みませんでした。事件直後、香川さんは楽屋で“今後は私が澤瀉屋を背負っていかなければ”と決意表明していたといいます。今の猿之助さんが座頭になってからは、端役に追いやられるなどして去っていった猿翁さんの弟子たちもいました。そんな彼らに香川さんは、“父がまだ生きているうちに戻ってきてくれないか”と声をかけているそうです。スキャンダルによって芸能界を追われてしまった形ですが、歌舞伎界では香川さんの活躍ぶりに評価も上がってきています。将来の歌舞伎界を担う息子2人のためにも、これからが正念場かもしれません」(後援会関係者)香川が澤瀉屋を“掌握”する日は果たして――。
2023年08月09日《直感ですが、何かが起こりそうな気がする、なんだろう、地震でなければ良いのですが、》7月4日午前に更新したブログで、こう綴ったのは歌舞伎俳優の市川團十郎(45)。突然の“不吉な予感”に、コメント欄では《教えてくれてありがとうございます》《何か起こりそうなんて、、團十郎さんのは当たるからな~》との声が上がっている。團十郎といえば、これまでも地震を“予言”してきたことで知られてきた。さかのぼること’16年2月3日に、《帰り道…なんか今日雲が気になるのです。地震とかないといいな…と思ってます》とブログに投稿。その2日後の5日に神奈川県で震度4の地震が発生し、同日にブログを更新した團十郎は《朝の地震、やはりあたった…3日のブログ、》と驚いていた。’19年12月19日に青森県で震度5弱の地震が発生した際は、同日朝に《なんとなく昨日から胸騒ぎしてるところにそれらしい雲、地震雲でなければ良いな》と空の写真を添えてブログに投稿していた。さらに’21年2月13日にも、《なんとなくだけど、地震きて欲しくないなーとふと思う、》とツイート。すると、約10時間後に福島県沖で震度6強の地震が発生し、《的中しましたね》《予言者だったのか》と驚きの声が相次いだのだった。「この地震が発生した翌日、團十郎さんはTwitterで《昨日のツイートはたまたまですから、あんまり信じないでね、》と冷静に呼びかけていました。とはいえ、自らの“先見の明”に確信もあったのか、自身のYouTubeチャンネルで『その日、すごい調子が悪くて。運転手が道を間違えた際に渋滞に巻き込まれて、あそこでツイートしたの』と“予言”した経緯を説明。さらに『ピンポイントで気になる日がある、5月。前後するかもしれないけど、具体的に何かもわかってる』と、新たな災害の可能性も指摘していました」(WEBメディア記者)■祈祷師、パワーストーン…息子・新之助も感化された“スピリチュアル生活”團十郎といえば、これまでも“スピリチュアル”に傾倒してきたという。義姉・國光真耶(43)の“告発騒動”が世間を騒がせていた昨年4月、一部週刊誌で團十郎(当時は海老蔵)と常に帯同する祈祷師・X氏の存在が報じられたこともあった。「團十郎さんは近年、スピリチュアルな能力を持つとされる人を身近に呼び寄せることが多いそうです。占術に詳しいバーのマスターや、気功を行う整体師に相談していたこともありましたが、ここ数年はX氏に傾倒しているといいます。團十郎さんは劇場の客席などで、呪文のような文言を唱えながら上下左右に手を動かし“気を整える”姿も見られています。X氏は仕事場だけでなく、美容室、サウナなどプライベートにも付き添っているとか。團十郎さんからはコンサルタント料として総額数千万円は受け取っていると言われています」(スポーツ紙記者)本誌も昨年4月、海老蔵時代に行った地方公演の際に、晴れ乞い料として祈祷師へ100万円包んだことを報じている。そうした熱心ぶりは、ともに来年まで続く襲名興行に臨んでいる最愛の息子・市川新之助(10)にも及んでいるようだ。「團十郎さんは自宅にアメジストの原石を置き、パワーストーンを肌身離さず着用しています。それが、新之助くんにも影響を与えているのです」(歌舞伎関係者)4月11日に團十郎が自身のInstagramに投稿した写真には、勉強に励む新之助の姿が。左手首にパワーストーンのブレスレットを2つ着け、机の上にはピンク色の水晶玉や開運の御利益があるという“金色のうんこ”の置物まであった。5月28日の投稿でも、Tシャツ姿の新之助は左手首に同じブレスレットを着けていた。前出の歌舞伎関係者は、新之助の“ある日課”について本誌にこう証言していた。「まだ小学5年生ですが、不動明王のご真言をそらんじて言えるといいます。朝晩、正座をして目を閉じ、手を合わせて、『ノウマク・サンマンダバザラダン~』と、マントラをきっちり7回唱えているそうです。最近は小さな阿修羅像や仏像のガチャガチャを好んで買っているみたいですよ」何はともあれ、地震の予言が的中しないことを願うばかりだ。
2023年07月04日6月27日、母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕された歌舞伎役者の市川猿之助こと喜熨斗(きのし)孝彦容疑者(47)。5月18日に都内の自宅で両親とともに倒れているのが発見され、猿之助容疑者だけが一命を取り留めた。母親の延子さん(享年75)はその場で死亡が確認され、父親の市川段四郎さん(享年76)は搬送先の病院で死亡が確認された。猿之助容疑者は自らに処方された睡眠薬を用意するなどしたといい、「両親が自殺する手助けをしたことは間違いありません。私も両親の後を追って自殺するつもりでした」と容疑を認めているという。名門・澤瀉屋の“一家心中騒動”の余波は、市川中車こと香川照之(57)の長男・市川團子(19)にも及んでいる。事件発生直後、猿之助容疑者の代役として白羽の矢が立った團子。5月20日から東京・明治座の歌舞伎公演の昼の部で舞台に立ち、27日の千秋楽まで代演を務めたことは多くの歌舞伎ファンの感動を呼んだ。「團子さんはたった1日の稽古時間しかなかったにもかかわらず、座頭の役を見事に演じ切りました。リハーサルでは宙乗りなど技術的な部分の確認はしたものの、実際にセリフを言う時間は取れないままでした。それでもミスをすることなく、乗り切ったのです。團子さんの熱演ぶりに客席からはすすり泣く声が聞こえ、幕が下りても拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションが起こったほどでした」(歌舞伎関係者)一門のピンチに際して大活躍が讃えられた團子だが、叔父であり師匠の猿之助容疑者が逮捕されたことでさらなるプレッシャーを抱えることに……。「團子さんは以前から『5代目猿之助』の名跡を継ぐと期待されており、香川さんも息子をバックアップするべく46歳で歌舞伎の世界に入りました。猿之助さん自身にも子供がいないことから、團子さんの歌舞伎界入りを後押ししたそうです。猿之助さんの事件発生後、梨園では團子さんがいつ“5代目”を継ぐことになってもいいように、サポートしようという動きが広がっていたそうです。團子さんは4年前のインタビューで香川さんを『努力の人』、猿之助さんを『憧れの人』と尊敬の気持ちを表していました。しかし、昨年8月に香川さんに性加害疑惑が報じられ、猿之助さんが逮捕されてしまいました。團子さんは事態を冷静に受け止めていたそうですが、『大好き』と語っていた澤瀉屋の行方に心中は穏やかではないはず。仮に團子さんが5代目を襲名したとしても、猿之助さんが引き起こした“一家心中騒動”のレッテルはこの先もついて回るでしょう」(歌舞伎関係者)“次期後継者”の團子を見舞う不運に、ネット上では同情の声が相次いでいる。《縁起が悪いから次の人は嫌でしょう》《誰が後継であろうともう猿之助を名乗れないよね。死者が出ている事件の犯罪者の名前だからね》《團子さんはもう猿之助を継がないほうがいいと思う。未来ある若者に犯罪歴付きの名前を継がせるのはあまりに酷。猿之助はもう終わりにして、團子という名を育てれば》5月22日の集英社オンラインによると、猿之助容疑者は‘12年3月に開かれたファンとの食事会で「後継を決めるのは僕の意志。彼(團子)がだめだったら別の人に継がせますし、4代目で抹殺するとしたら、止め名にしちゃう」と語っていたという。“一家心中騒動”によって「止め名」となってしまうのか、果たしてーー。
2023年06月28日