10月17日、秋篠宮ご夫妻と眞子さま、佳子さまが、中曽根康弘元総理の内閣・自民党合同葬儀にそろってお出ましになった。この合同葬儀には、さらに常陸宮さま、三笠宮家の信子さま、高円宮家の久子さま、承子さまも参列されたのだが、宮内庁関係者は次のように語る。「これほど多くの皇族方が参列されたことには、いささか驚いています。たしかに過去の首相経験者の合同葬儀にも皇族方が出席されてきました。今回も主催者から各皇族方に案内があり、個別に判断されたようです。しかし、これまで新型コロナの感染拡大を防ぐために皇族方は外出を伴う公務を控えてこられましたし、美智子さまは宮内庁病院以外にはいっさい外出されていないほどです。政治色の拭えない合同葬儀が優先して出席すべき催しとは思えません。とくに秋篠宮家は、未成年の悠仁さま以外の“家族総出”で参列されなくてもよかったのではないでしょうか」この合同葬儀自体も、招待客が当初の4,000人から1,400人まで6割以上も削減されている。また、開催費に9,600万円もの国費が使われたこと、文科省が国立大学に弔意の表明を求めたことなどが物議を醸していた。葬儀委員長は菅義偉首相だ。「秋篠宮ご夫妻としては、菅政権との関係構築を図りたい思惑もあるのではないでしょうか。政府は年内にも、安定的な皇位継承についての議論に着手する予定です。そこでは女性天皇の是非についても議題に上ります。悠仁さまが天皇に即位できるかどうかは、菅首相にかかっているともいえる状況です」(前出・皇室担当記者)菅首相は最近、皇位継承問題について注目すべき発言をしている。10月13日に自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」と会談し、「男系による継承が古来、絶えることなく続いてきた重みを踏まえる」との考えは「いささかも変わっていない」と述べたのだ。ただ、菅首相は’05年には新聞のアンケートに女性天皇賛成との回答を寄せている。また’19年10月には皇族数の減少について「先延ばしにできない重要な課題」と述べていた。現在の“男系継承”の限界を認識していたはずだが……。歴史学者で静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、菅首相の発言について、次のように分析する。「11月8日の立皇嗣の礼を前にこうした男系優先の発言をしたのは、安倍政権の路線を継承することで、総理としての自己保身を図るためにも見えます。自民党内には二階氏、河野氏、石破氏など、女性天皇や女系天皇容認の容認論を唱えている人物もいます。一方で男系維持を求める勢力は危機感を持っており、首相は彼らにも配慮する姿勢を見せる必要があったのでしょう」「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月23日5月26日~30日は七十二候「紅花栄く(べにばなさく)」。紅花はその昔、「紅花一貫は黄金一貫」と言われたほど高価な植物だったそうです。紅花から抽出した天然色素は女性の口紅や、紅色の染料に。紅花染めが流行した奈良時代や平安時代には、上流階級、いわゆるセレブの皆さんがこぞって、紅花で染めた衣装を身にまとっていたそうですよ。「紅花って、あまりなじみのない花だな」とつぶやいている方もいらっしゃるでしょう。今日は、女性なら誰もが気になる「美人になる方法」を探るべく、平安時代に生まれた王朝ロマン「源氏物語」に登場する、美人を超える異色の不美人!紅花色のお鼻をもった「末摘花」をご紹介します。これを読んだら、あなたの中の美人の基準が変わるかもしれませんよ。七十二候とは?時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか?流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。末摘花ってどんな女性?「源氏物語」に登場する中で、最も美しくない女性として描かれる「末摘花(すえつむはな)」。紅花はいにしえの時代、「末摘花」と呼ばれていました。光源氏が愛する、美しく魅力的な女性たちが花のように咲き競う「源氏物語」において、不美人ナンバー1。高級ではあるけれど、白茶けた時代遅れのファッションに身を包み、気の利いた和歌ひとつ詠めない姫君は、美男美女揃いの物語の中である意味、圧倒的な存在感を放っています。しかし、悲恋のお話が多い源氏物語の中で、末摘花は源氏の妻のひとりとして晩年を幸せに過ごしました。「恋多き光の君」源氏のハートをつかんだ姫君の魅力は、いったい何だったのでしょう?愛されるにはもちろん、理由があるのです!イケメン光源氏とブス末摘花の出会い夕顔をうしなって傷心の光源氏に、今は亡き常陸宮(ひたちのみや)にひとり娘がいるという話が届きます。没落してしまったものの高貴な血筋であるがゆえ、誰とも会わず、琴をひとりつま弾く悲劇の姫君。心ひかれた源氏は、月夜の晩、物陰から琴の音に耳を澄ませました。ところが、特に心にしみいるほどの腕前でもない。あまり胸もときめかない。そこで顔を合わせたのが、同じ夕顔を愛した恋のライバル、頭中将(とうのちゅうじょう)でした。光源氏も頭中将も、どちらも姿の見えない姫君に興味津々。中将がしきりに姫君に言い寄っていることを知り、源氏のライバル心に火がつきます。そこで光源氏も手紙を書きますが、返信は来ず。待てども待てども変わらぬ状況にしびれを切らした源氏は、強引に障子をあけて屋敷へ忍び込み、一夜をともにします。その後、和歌を送りますが、ロマンティックな返歌もできない姫君に、ため息をつく源氏。そうしてある冬の日、明るい場所で、源氏は姫君の顔をまじまじと見ることになるのです。源氏はその姿に心底驚きました……。はじめての顔合わせ。光源氏が驚いた理由とは?その理由をご紹介しますと、1:長く赤い鼻2:青白くやたらと広いおでこ3:座高が高い4:着ている物が古臭く時代遅れ5:ぽっちゃりが美人の条件だった平安時代において、がりがりに痩せていたとまぁ、徹底的に可愛くない姫君を見て愕然とする源氏ですが、ここまで可愛らしくない女性を、自分以外のいったい誰が面倒を見るというのだろうと思い直すところが、源氏の器の大きいところ。鼻が赤いから「末摘花の君」。その後、源氏は須磨へ流され、末摘花とは一度も会うことなく、長い長い月日が流れたのでした。ブスが美人を超えるとき須磨から戻った源氏は偶然、末摘花と再会します。末摘花のことなどすっかり忘れ、ほかの女性に会いに行こうとしていた源氏。そこで、末摘花がいまだ自分を待ち続けていることを知るのです。没落しようとも、皇族である父の代から受け継がれてきた家や家財道具を、お金に換えることはせず守り続けてきた末摘花。しかし家人の裏切りによって家財を持ち出され、生活は困窮していました。それでも人をうらまず、愛した源氏を信じ続け、誇り高くつつましやかに生きる女性。その姿に心打たれた源氏はその後、末摘花を二条院へ招き入れ、妻の一人として生涯にわたり面倒を見ました。源氏は見た目ではなく、その心根に感動したのでしょう。美しい女性に次々と心奪われる源氏に、嫉妬の炎をメラメラと燃やし疲れ切ってしまう女性もいれば、末摘花のようにありのままの自分で、疑うことなくまっすぐに愛する人を信じ、おだやかな幸せを手にいれる女性も。しわくちゃのおばあさんになっても、心の美しさは決して衰えることがありませんね。源氏物語に異色の不美人「末摘花」を登場させた紫式部。「女性の美しさは見た目や教養だけではありませんよ。心ですよ、心!」という紫式部の声が聴こえてくるような気がしませんか?心を磨いてハッピーエンドを迎えよう!山形の県花にも指定されている「紅花」。山形の見頃は7月ですが、千葉県の長福寿寺(ちょうふくじゅじ)では6月中旬、10万本の紅花が可憐な花を咲かせます。ちなみに長福寿寺は願いが叶う!幸せを呼ぶ!吉ゾウくんのお寺として有名です。平安時代、貴族のあこがれだった紅花。その紅花の古名である「末摘花」と呼ばれた姫君は、悲恋が多い物語の中で、ハッピーエンドを手に入れました。本当の美人、不美人は「心」で決まるのです。今年は紅花を眺め、末摘花を見習って心を磨きましょう。大切な恋もハッピーエンドを迎えられるように。
2016年05月25日