竹内結子が主演する来年1月期放送のドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」に、水川あさみ、中川大志、バカリズム、斉藤由貴とメインキャストが決定。竹内さんを含めた役衣装姿のビジュアルも到着した。ドラマは、法廷ではなくスキャンダルの裏側を舞台にしたノンストップ・エンターテインメント。危機管理を専門にする異色の弁護士で、知る人ぞ知る天才トラブルシューター・氷見江を竹内さんが演じ、パワハラ、セクハラ、名誉棄損、損害賠償をはじめとする多様なトラブルの渦中にいる人間たちを救い出すべく、声高に社会的制裁が求められているような逆境を覆す仰天の戦略のもと、氷見とその同僚たちが人心掌握、情報操作といった特殊なテクニックを駆使し大奔走する姿を描いていく。今回発表された俳優陣が演じるのは、氷見と共に社会的トラブルにある依頼人、そして女性を救うため奮闘する同僚たち。これまでにない、破天荒すぎるリーガル・チームが結成される!■水川あさみ、竹内結子の右腕にまず水川さんが演じるのは、氷見と同じく危機管理を専門にする弁護士で、氷見にとって右腕的な存在であり、女友達のような関係でもある与田知恵。水川さんは今回初の弁護士役挑戦に、髪をボブヘアにカット。これまでにない、新しい女性弁護士像を作り上げる。演じる役柄について“性格はブス”だと語る水川さん。ドラマについては「いわゆる弁護士ドラマの裁判シーンやお堅い台詞などは出てこない新しいタイプのドラマ」と説明し、「それぞれの人物像もユニークで、役者陣も個性的なので、本番はキャラがぶつかり合ったりしています(笑)。そんなやりとりを楽しんでもらいつつ、今までにない事件性にワクワクしたりしてください」と見どころを語っている。■中川大志、いじられキャラに!? どんくさい駆け出し弁護士役に挑戦近年では、『坂道のアポロン』『虹色デイズ』や「花のち晴れ~花男 Next Season~」への出演も話題となった中川さんが演じるのは、同じく危機管理を専門にする駆け出しの弁護士・藤枝修二。端麗な容姿とアメリカでも最難関のロースクール出身という華やかな経歴を持つ一方、どこか抜けており、鈍くさいミスをすることもしばしば。水川さんと同じく、弁護士役初挑戦となる中川さんは、「今まで学生役が多かった自分が、今回初めて連続ドラマでスーツを着た大人の役を演らせていただけるという事で、とてもうれしく新鮮な気持ちです。藤枝というキャラクターを作っていく上で、いろいろなアイデアが湧き出てきて、監督と相談しながら、1話からいろいろな面が出せたと思います」とワクワクしているとコメント。また、「毎話、法律事務所にやってくるクライアントの抱える悩みは、現代社会で生きる人たちが共感できるポイントが散りばめられていると思います」「同じような危機に直面したらどうするか、登場人物たちに自分を置き換えて見ていただけたら面白いと思います」と話している。■バカリズム&斉藤由貴も参加さらに、氷見たちが勤める大手法律事務所のとらえどころのない副所長・鈴木太郎役にはバカリズムさん。氷見たちの法律事務所に事務員として勤め、バツイチ子持ちだが高度なハッキング技術を持つ謎多き人物、真野聖子役を斉藤さんが演じる。今作ではキャラクター監修も務めるバカリズムさんは、「物語のおもしろさを邪魔しない程度に自分なりの味付けができれば」と語り、斉藤さんは「このチームのある種スパイス的、あるいは差し色的な表現を織り込んで行けたらと考えています」とコメントしている。「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」は2019年1月10日より毎週木曜日22時~フジテレビにて放送(初回15分拡大)。(cinemacafe.net)
2018年11月27日付き合った相手が「実はとんでもない奴だった」ということはよくありますよね。20代女性のAさんもその1人。Aさんの彼氏は嫉妬深く、何かにつけて干渉してくるモラハラ男でした。Aさんが撮影してSNSに投稿した写真が「変」と感じれば「消せ」と迫る、Aさんの服が気に入らなければ叱りつける…。Aさんは執拗な干渉に耐えきれず、遂に別れることになったのですが、鬱状態になってしまいました。人生を滅茶苦茶にされたと感じているAさんは、元彼に損害賠償を請求したいと考えています。医師から診断書を貰い、後は訴えるだけなのですが、主張が認められるかどうか不安に感じているそうです。実際のところどうなのでしょうか?秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解をお伺いしました。 Q.モラハラ元彼のせいで鬱に… 損害賠償を要求することはできる? A.認められない可能性が高い「損害賠償請求が認められるためには、民法709条の定める要件に該当することが必要です。具体的には、権利ないし法律上保護される利益を侵害するような加害行為があった相手に故意・過失があった損害が発生した侵害行為と損害との間に因果関係があったの4点です。ご質問のケースでまず問題となるのは、『①権利ないし法律上保護される利益を侵害する加害行為があった』に当てはまるかどうかでしょう。つまり、『元彼の言動が、他人を鬱病にさせることがある程度確実なほど悪質なものだったかどうか』という点です。元彼の言動が、写真を消すことを要求したり、衣服などのセンスについて小言を言う程度でしたら、残念ながら、権利ないし法律上保護される利益を侵害する加害行為があったとまでは言えないでしょう。全ての人には、憲法で「表現の自由」が保障されていますので、元彼にも、他人の権利を侵害しない範囲で好きな言葉を発する権利があるのです。今回の元彼の発言は、道徳的な問題はあるのかもしれませんが、法的に人の権利などを侵害するものとまでは言えないでしょう。元彼の言動が気に入らなかったのであれば、即別れを告げて今後会わないようにする、という選択肢もあったはずです。そのような選択をせず、敢えて交際を続けた結果として鬱病になってしまったとしても、元彼に対する損害賠償請求は認められないと考えられます」Aさんが不憫に感じられるかもしれませんが、元彼にも権利があります。損害賠償は、認められません。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)元彼のモラハラでうつ病になって…絶対許せない!損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。元彼のモラハラでうつ病になって…絶対許せない!損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月20日竹内結子が2019年1月スタートの木曜劇場「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」にて6年ぶりの連続ドラマ主演。星野源「恋」や「Perfume」の一連のミュージックビデオなどを手掛ける映像クリエイター・関和亮の演出のもと、“スピン・ドクター”といわれる異色の弁護士役に挑むことになった。■日本で初めて取り上げる“スピン・ドクター”って何?竹内さんが演じるのは、日本で初めて取り上げられる“スピン・ドクター”という存在。情報を自分の有利な方向へ仕向ける特別な技術を持ち、その技術を駆使して緻密な戦略のもと、印象を変え、正当化し、人々の心を動かす、まさに世論の振り付け師とも言うべき人間のこと。主人公・氷見江(ひみ・こう)は大手法律事務所に勤める弁護士ながら専門は危機管理で、その主戦場は法廷ではなく、パワハラ、セクハラ、名誉棄損、損害賠償をはじめとする多様なスキャンダルの裏側。これまで社会的窮地にいるクライアントを救い出すため、100歩先まで戦略を仕込み、99.9%の確率で救ってきた天才トラブルシューターであり、必要ならば、うそすら正義に変える凄腕のスピン・ドクター。特に氷見には「危機にある女性の最後の砦」という信念があり、女性を救うためであれば手段を選ばず、どれほどの逆境であろう覆すことを絶対に諦めない。しかし、人の心を読む驚異的な洞察力を持つ一方で、空気はまったく読まず、相手が誰であろうと言うべきことは歯に衣着せずに言う反面、コロコロ言うことすら変わる底抜けの気分屋という超ド級のクセ者。本ドラマでは、そんな氷見が様々なスキャンダルと対峙し、逃げ場を失い崖っぷちに立たされている女性たちの心に寄り添い、手を差し伸べ、危機から救うべく奔走する姿を、ドンデン返しに次ぐドンデン返しで描くノンストップ・エンターテインメントとなる。■フジ系連ドラ主演は「ストロベリーナイト」以来!竹内さんは「ダンダリン 労働基準監督官」(日本テレビ系)以来6年ぶりの地上波連続ドラマ主演。フジテレビ系連続ドラマとしては、全話平均視聴率15.4%(関東地区 ビデオリサーチ社調べ)をたたき出し、劇場版も大ヒットした「ストロベリーナイト」以来、実に7年ぶりの主演となる。「ストロベリーナイト」で演じた最高にハードな犯罪捜査のプロから一転、本作では最高にクセのある情報操作のプロに挑むことに。また、竹内さんは本作が「ムコ殿」(01年)以来18年ぶりの木曜劇場出演であり、初の同枠主演を飾る。■6年ぶりの連続ドラマに「テレビのお仕事だ(笑)」竹内さん自身も「地上波の連続ドラマに出演すること自体が久しぶりのような感覚があって、お話をいただいた時は“テレビのお仕事だ”って思いました(笑)」とコメント。自身の役柄について、「氷見は、あらゆる情報を操作し、イメージを操る、人をプロデュースしているような、特殊な役柄」と語り、「役作りと言うほどでもないのですが、プロデューサーさんやマネージャーさんを見て参考にしたりもしていますね。演じる側に気を遣ってくださる方々が、どうやって気を遣ってその気にさせているのかな、というのを見ています(笑)」と意外な(?)役作りについても明かした。そして、「氷見には“なんだ、この天才は”と思うほどの経歴があり、何かに長けている人は何かが欠けているという意味で言うと、人とのつながりも非常に潤滑にできるし、人とのやりとりもそつなくこなせる。でも、同時にものすごくおかしなところ、欠けたところが彼女の中にもあると思うので、そこを見つけながら楽しんで演じていきたいな、と思います」と語り、すでに愛着が深い様子だ。■演出は「恋」ダンスやPerfume、米津玄師などを手掛ける気鋭クリエイター演出を務めるのは、そのポップでスタイリッシュ、斬新な映像で日本を代表する映像クリエイターの関和亮。関さんがプライム帯(19時~23時)連続ドラマの演出を務めるのは本作が初めてとなる。関さんは「スピン・ドクターという聞きなれない職業の主人公たちが、聞きなれた問題に向かう痛快ドラマを竹内結子さんはじめ魅力的な俳優陣と作っていきます。1話完結、1話入魂で臨みます。お楽しみに」と期待を込めてコメント。また、竹内さんも「まずは、カメラワークが面白くて」と絶賛。「お芝居に関しては的確に演出してくださるので、とても安心して現場にいられます」と明かしている。■世界的ハイジュエリーブランド「ブシュロン」とタイアップ!日本ドラマでは初さらに、氷見というどんな逆境であろうと諦めず、しなやかでたくましい女性像と、全ての女性のために闘うというストーリーに共感し、さらに関さんが演出を務めることに対して、世界を代表するラグジュアリーファッショングループ「ケリング(KERING)」の「ブシュロン(BOUCHERON)」とのタイアップをはじめ、同グループの世界的なブランドが、日本のドラマでは初めて全面的に衣装協力をすることに。世界最高峰のジュエリーやファッションとともに、まったく新しく刺激的で魅惑的な映像を関さんが作り上げる!TV、新聞、ウェブ…これほどスキャンダルなニュースが立て続けに話題になり、スキャンダルの当事者に対する意見がSNSなどを通して顕在化する時代はかつてない。しかし、その裏側で当事者に本当は何が起こっているのかを私たちが知る機会はほとんどなく、多くのケースで当事者の背後には、氷見のような“砦”となる存在がいる。本作では政治、芸能、スポーツなどの各界に前代未聞の大胆さで切り込み、臨場感のあるスキャンダルを扱っていくというだけに各方面から物議を醸すことは必至!?木曜劇場史上最大の問題作となりそうだ。木曜劇場「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」は2019年1月10日より毎週木曜、フジテレビ系にて放送(※初回15分拡大)。(text:cinemacafe.net)
2018年11月08日9月30日、関東地方に台風24号が接近。これを受けたJR東日本は、同日午後20時から一部の路線で全面運転見合わせの措置を取りました。 経営者からは不満も…この件については「早く帰れた」「事前予告で対策が立てやすくなった」とおおむね好評でしたが、スーパーや飲食店の経営者からは「売上が減った」と不満が上がりました。駅前の商業施設は、電車が止まってしまえば当然人が来なくなってしまいます。小さな飲食店になると、「売上ゼロ」なんてことにもなりかねません。いくら台風だからとはいえ、勝手に運行を止めてしまうのは、納得がいかないもの。JR側に損害を請求することはできないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 JRに損害賠償を請求できる?齋藤弁護士:「実は運送契約を締結すると、約款といって、自動的に適用される規則があります。運送契約締結では、約款に記載された事項を事前に承諾していることを前提としています。JRの場合、この約款は旅客営業規則という名で定められています。旅客営業規則によると、各種乗車券を使った乗車に対する対価として運賃が必要であることが読み取れます。これを踏まえると、台風による運休の際には損害賠償請求できて然るべきとも思われるかもしれません。しかし、旅客営業規則には、運行不能・遅延に関する以下の規則も定められています。(列車の運行不能・遅延等の場合の取扱方)第282条旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、次の各号の1に該当する事由が発生した場合には、事故発生前に購入した乗車券類について、当該各号の1に定めるいずれかの取扱いを選択のうえ請求することができる。ただし、定期乗車券及び普通回数乗車券を使用する旅客は、第284条に規定する無賃送還(定期乗車券による無賃送還を除く。)、第285条に規定する他経路乗車又は第288条に規定する有効期間の延長若しくは旅客運賃の払いもどしの取扱いに限って請求することができる。(1)列車が運行不能となったときイ第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどしロ第283条に規定する有効期間の延長ハ第284条に規定する無賃送還並びに旅客運賃及び料金の払いもどしニ第285条に規定する他経路乗車並びに旅客運賃及び料金の払いもどしホ第287条に規定する不通区間の別途旅行並びに旅客運賃及び料金の払いもどしヘ第288条に規定する定期乗車券若しくは普通回数乗車券の有効期間の延長又は旅客運賃の払いもどし(2)列車が運行時刻より遅延し、そのため接続駅で接続予定の列車の出発時刻から1時間以上にわたって目的地に出発する列車に接続を欠いたとき(接続を欠くことが確実なときを含む。)又は着駅到着時刻に2時間以上遅延したとき(遅延することが確実なときを含む。)イ第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどしロ第283条に規定する有効期間の延長ハ第284条に規定する無賃送還並びに旅客運賃及び料金の払いもどし(3)車両の故障その他旅客の責任とならない事由によって、当該列車に乗車することができないときイ第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどしロ第283条に規定する有効期間の延長2旅客は、旅行開始前又は使用開始前に、前項各号に定める事由が発生したため、事故発生前に購入した乗車券類(定期乗車券及び普通回数乗車券を除く。)が不要となった場合は、これを駅に差し出して、すでに支払った旅客運賃及び料金の払いもどしを請求することができる。ただし、乗車券、自由席特急券、特定特急券、普通急行券及び自由席特別車両券にあっては、その乗車券類が、有効期間内(前売のものについは、有効期間の開始日前を含む。)のものであるときに限る。上記のとおりです。よって、一定の場合の払い戻しはできるとしても、因果関係や損害の立証などの観点から、損害賠償請求は難しいでしょう」不満に思う気持ちも理解はできますが、損害賠償を請求することは不可能なのですね。 まとめJRは今後も台風などによって運行に支障が出る場合は、「計画運休をする可能性ある」と話しています。そのことを踏まえた営業計画を練るほかありませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)不満の声も出たJR東日本の計画運休売上減の経営者が損害賠償を請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。不満の声も出たJR東日本の計画運休売上減の経営者が損害賠償を請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月29日飲食店に勤めるMさんは、最近ストーカーに苦しんでいます。ある日、Mさんがアルバイトをしていると、3年前に別れた男が店に来て、自分を見ていることに気付きました。「まじキモい!無理!」と感じていると、さらに悲劇が。その元彼のSNSを見ると、「彼女の写真♡」などという身の毛もよだつコメントとともに、自分の写真が上がっていたのです…!元彼の気持ちが悪すぎる行いに、命の危険を感じています。 困り果てる女性元彼がストーカーになってしまった原因は何だったのでしょうか。女性は「『他に好きな人ができた』と一方的にメールを送り付け、連絡を絶ち行方をくらませたからではないか」と分析しています。話を聞く限り、自業自得な感じもするのですが、ストーカー行為は重大犯罪の危険性をもあるため、このままでいいはずがありません。女性は今後どうすればいいのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 どうすればいいのか?齋藤弁護士:「ストーカー被害は深刻で、場合によっては被害者に命の危険を感じさせるなど、大きな不安を植えつけます。SNSに勝手に写真を上げる行為などは当然ながら、プライバシー権の侵害になります。差し止めや損害賠償請求の対象となりますが、まずは内容証明郵便などで相手に対して明確な警告を出してください。相手は自分の行為が権利侵害行為、不法行為であると自覚していないことがほとんどなので、法に則った制裁措置も考えていることを示してやる必要があるのです。ストーカー行為があまりにもひどい場合には、民事保全手続きや訴訟などの法的手段も考えられます。しかし私としては、そのような行為が他人の権利を侵害していることを、相手に明確に自覚させることが先決だと思っています。お互いに、ことを荒立てたくないという気持ちもあるでしょう。ただし、ある意味では毅然とした態度をとる必要もあります。そのため、上記手段はあり得ますね」しっかりとした手順を踏み、それでも改善しない場合は、法的手段に出ることもできるようです。 毅然とした態度をストーカー行為をしている人は、「無意識」であることも多いもの。まずは相手に「権利を侵害されて迷惑している」ということを明確にするなど、「毅然とした態度」をとることが被害を防ぐ第一歩になります。また、ご自身へ一方的に好意を寄せる人や交際相手をストーカー化させない努力も大事。別れを切り出す際には、相手を刺激しないよう注意したほうがいいかもしれませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)元彼がキモすぎるストーカーに変貌!女性はどう対処するべきなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。元彼がキモすぎるストーカーに変貌!女性はどう対処するべきなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月29日集合住宅で起こりやすい水漏れ関係のトラブル。そんなときに、火災保険が役に立つことをご存じでしたか?火災保険は火事だけでなく、水関係のトラブルにも手厚い補償をしてくれるのです。■ 1.火災保険の申請理由の上位は水に関するトラブルYsPhoto / PIXTA(ピクスタ)『平成24年度個人用火災保険金支払実績』(損害保険ジャパン日本興亜株式会社)によれば、火災保険支払い理由は、延焼は意外に少なく、水による事故によるものが上位となっているのが現状です。1位:水災・風災・雪災(21,025件)2位:漏水などによる水濡れ(4,057件)3位:不測かつ突発的な自己(2,864件)4位:落雷(2,810件)5位:建物外部からの物体の落下・飛来・衝突(1,719件)となっています。近年ゲリラ豪雨や大型の台風による被害が多く、水に関する事故は、増えているのです。■ 2.火災保険が使えるのはどんなとき?火災保険の補償範囲は、主に家財・修理・賠償契約の3つです。保険は延焼だけではなく、水漏れでも使えます。火災保険の内容とは?Blue flash / PIXTA(ピクスタ)まずは、自分の加入している火災保険の内容を確認しておきます。自分が加入している保険の補償対象の事項に「水濡れ」とあったら、支払が受けられます。メインとなる保証は「家財補償」です。日常生活に使用している動産が被害を受けたとき、補償をしてくれます。kou / PIXTA(ピクスタ)動産とは、テレビや布団、パソコンなどのこと。自動車、貯金通帳、切手などの有価証券、高価な美術品や宝石、ペット、パソコンデータなどは補償対象外です。支払われる金額は、購入価格ではないので注意しましょう。調査員が査定した残存価値に対して金額を確定させます。その金額が、加入者に支払われます。賃貸借契約に基づき、緊急的に迫られて、自費で修理した場合は、「修理」に対して補償金が支払われます。凍結による水道管の破裂、鍵の盗難などは緊急性がありますので、ここで言う「修理」にあたります。賠償契約とは?Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)賠償契約は、大きく分けて2種類あります。「借家人賠償責任補償」は、貸主や隣の部屋の人に対し、法律上の賠償責任が生じた場合の補償です。失火で壁を焦がした、不注意で窓ガラスを割った、などが起こったときに、賠償金相当の金額が補てんされます。「個人賠償責任補償」は、本人や生計を共にする親族が、他人を相手に損害賠償責任が生じたときの補償です。例えば、他人にケガをさせる、他人の財物に損害を与えるなどの理由が該当します。どちらも上限金額が設定されます。よく起こるのはこんなケース身近に起こった事例でこんなものがありました。室内にある洗濯機のホースが外れ、入居者が数日間留守にしてしまったため、防水パンからも水が溢れてしまいました。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)水が建物の躯体部分をじわじわと伝わったため、被害はすぐ下の脱衣場のところだけでなく、リビングのほうまで広範囲となってしまったのです。下の階の水漏れは、キッチンの天井からポタポタと水が垂れたのが始まりでした。入居者は、応急処置として、水濡れをすると壊れてしまいそうな家電類をすぐに移動させ、バケツなどを用意しましたが、水漏れは収まりません。賃貸住宅だったので、すぐに管理会社に電話をしましたが、リビングからも水は垂れてくるようになりました。下階の入居者は、上の階で異常が起こっていると察して上階を訪問しましたが、留守だったので管理会社に電話をしたそうです。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)管理会社はすぐに上階の水栓を止めましたが、躯体に水が行き渡っていたので、水漏れは止まらず、最終的に見えない押し入れの中やキッチン収納の中にも被害が及び、布団やキッチン用具などもびっしょり濡れてしまいました。この事例では、賃貸物件だったため、上階の人も下階の人も、家財を対象とした火災保険への加入義務があり、水濡れ事故の補償対象となる火災保険に入っていました。水漏れが保険適用の対象になっていたので、上階の人の借家人賠償責任保険(特約)、下階の人の家財保険からお金が支払われました。火災保険の被害を確定するため、調査員が訪問し、査定を行いました。査定対象には、ラップやホイルなどの細かいものもあり、少額ですが、これらに対する補償も支払われたそうです■ 3.まとめこのように、火災保険はトラブルが起こった時に頼れる制度です。持ち家の場合、家財保険は強制加入ではありませんが、実際起こったケースのように、自分が気を付けていてもどうにもならない場合にも対応してもらえるので加入をお勧めします。少額でもよいので加入して、安心した生活を送れるようにしましょう。
2018年10月23日10月11日にスタートした連続ドラマ『リーガルV』(テレビ朝日系)。好スタートを記録した初回視聴率15.0%(ビデオリサーチ調べ)に続き、18日に放送された第2話でも18.1%(ビデオりリサーチ)と今クールのドラマで最高の数字をたたき出した。毎回ゲストの出演者を弁護していく形式の『リーガルV』。第1話は弁護士資格をはく奪された小鳥遊翔子(米倉涼子)が、訳アリメンバーを集めて京極事務所を設立。痴漢冤罪事件を解決するというものだった。そして第2話は、パワハラ事件。大手企業「太陽製紙」の元取締役・永島美鈴(斉藤由貴)が、部下3名へのパワハラを理由に解雇される。損害賠償金の金額に目がくらみ、弁護を引き受けた小鳥遊。太陽製紙側の弁護士は、小鳥遊がクビになった大手弁護士事務所・「Felix&Temma法律事務所」。パワハラを裏付ける録音データやライバル弁護士・白鳥美奈子(菜々緒)の策略で窮地に追い込まれていく。パワハラを裏付ける物的証拠である音声データがあるため、当初は勝ち目がないと思われていた。テープの改ざんはなく、永島自身も内容について「覚えていない」という。唯一、永島と恋愛関係にあった部下・城野優(平山浩行)に証人を頼む小鳥遊。だが、永島が当日になって出廷しないというトラブルが起きる。それでも最終的には小鳥遊の手腕により、録音データが意図的に編集されたものだったことが判明。城野優の証言も得て見事、逆転勝利を果たした。だが実は、その録音データには続きがあり、“ある証言”が隠されていた。それは、“城野を奪った女性社員に対し永島は本当にパワハラしていた”というものだった……。城野が出廷しなかったのは、永島に個人的な恨みを持っていたから。城野の恋人(原田佳奈)を、永島は退職に追い込んでいたのだ。テープの内容に記憶がないといったのは、このことが公になることを恐れていたから。法廷で公開されなかったテープの続きを、小鳥遊は永島に聞かせる。そして事件解決後に永島とあかねを引き合わせることに。謝罪を求めるあかねに対し、永島は示談金で解決を望む。お節介ともいえるこの行為を、どう考えるべきか。法曹界の女神と言われるほど優秀な弁護士だったにもかかわらず、弁護士資格をはく奪され暴力団との黒い噂まで立った小鳥遊。今回の行動は、彼女が貫き通した信念だったのかもしれない。「感謝しなきゃね。過去を償うチャンスをもらえたんだから」というセリフに、胸が締めつけられる。少しずつ彼女の正体が明らかになっていくのだろう。何かと『ドクターX』の大門未知子と比べてしまった第1話に対して、『リーガルV』の小鳥遊翔子として見ることができた2話目。1匹狼の大門と比べ、小鳥遊はチームリーダー。些細な差であまり変わり映えはしないが、米倉涼子を見たい視聴者にとっては期待を裏切らないものになってきたといえる。小鳥遊は、事務所のメンバーを平気で叱り飛ばす。理にかなったことを言う小鳥遊に納得する人、自分の思うがままにふるまう態度に呆れる人。今後、このチームがどのように結束を固めていくのか楽しみだ。第3話のゲスト出演者は、桐山漣と岡本信人、原日出子。保険金殺人事件に対して、弱小弁護士事務所はどのように立ち向かうのだろうか。
2018年10月19日10月14日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)では愛媛県が活動拠点のアイドルグループ「愛の葉Girls」メンバー・大本萌景さん(享年16)の自殺と遺族の起こした裁判について特集。そのなかでの、パーソナリティ・松本人志(55)の発言が波紋を呼んでいる。3月に自ら命を絶った大本さんだが、遺族は所属事務所によるパワハラや苛酷な労働環境で精神的に追い詰められていたとして提訴。代表取締役を含めたスタッフらに総額9200万円の損害賠償を求めている。しかし松本は自殺について「正直言って理由なんて、ひとつじゃないと思うんですよ。いろんな複合的なことが重なって、許容範囲を超えちゃって、それこそ水がコップからあふれ出ていっちゃうんだと思うんです」と持論を展開。さらにこう発言した。「自殺者が出てこういうニュースを扱うときになかなか亡くなった人を責めづらい、責めれないよね。ついついかばってしまいがちなんだけど、やっぱり『死んだら負けや』っていうことをもっとみんなが言わないと」続けて「死んだら皆がかばってくれるっていうこの風潮がすごく嫌なんです」と明かし、「授業でも死んだら負けやぞっていうことをもっともっと教えていくべき」と訴えた。Twitterでは松本の意見について賛否が分かれている。賛成派はこう語っている。《「今、悩んでる君は死ぬなよ。死んだら終わりやぞ。負けるな」という意味だと思った》《そう言うことで「松ちゃんがそう言うなら」と自殺を思いとどまる人もいるし。それぞれ関わり方のスタンスがあるでしょうよ》《誰かに責任を取らせても生き返らない 責任の所在が明らかになっても》いっぽうで否定派は松本について「今回の件は話が違うのでは?」と指摘している。《生きたかったのに、心神耗弱で判断力を失って死を選んでしまったんだよ》《逃げてもいいから、死なないでって言うべきでしょ。自分の可愛い娘に置き換えてみたら?》《死にたいときに、本人が勝ちだとか負けだとか、考えられる状態じゃないと思う……。かばってほしいなんて本人は思ってないと思う》命が戻ることはない。
2018年10月16日2018年9月3日、日本体操協会の塚原光男副会長と妻の千恵子女子本部長が、『週刊文春』(文藝春秋社)に掲載された自身の記事が不適切として、東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」を行ったことが話題になりました。このような出版物の掲載禁止要求は極めて異例で、対応が注目されましたが、東京地裁は5日に「差し止めの要件を充足しない」として却下しています。犯罪行為や不貞など、掲載された内容が真実ならば致し方ない部分もありますが、事実と異なる場合はやはり掲載を差し止めたいもの。そのようなことは可能なのか。また、過去に事例はあるのか。パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。 ■差し止めは可能なのか?櫻町弁護士:「名誉毀損にあたる記事が公表されそうなときに、これを一般の目に触れないようにするための法的手段としては、今回のような「出版物(週刊誌等)への記事掲載差し止め」という形のほか、出版(製本)差し止め、頒布(販売、配布)差し止めといった形があります。このような「事前の」差し止めが認められるかについてのリーディングケースとしては、最高裁昭和61年6月11日判決(民集40巻4号872頁)があります。この最高裁昭和61年判決は、「人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価である名誉を違法に侵害された者は、損害賠償(民法七一〇条)又は名誉回復のための処分(同法七二三条)を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差し止めを求めることができるものと解するのが相当」として、「人格権としての名誉権に基づく差止請求」を肯定しました(なお、この裁判自体は、差し止めの可否が直接的に争われたものではなく、雑誌出版差止めを裁判所が認めたことは違法だとして、雑誌の発行会社が国などに対して損害賠償を求めたものです)。ただし、こうした事前差し止めは、表現が一般に伝わる前に制限してしまうものであり、「表現の自由」(憲法21条)に対する重大な制約であることから、差し止めが認められるべきかどうかについては、慎重に判断しなければならないとされています。 ■裁判所の判断は…櫻町弁護士:「この点について上記最高裁昭和61年判決は、「表現行為に対する事前抑制は、新聞、雑誌その他の出版物や放送等の表現物がその自由市場に出る前に抑止してその内容を読者ないし聴視者の側に到達させる途を閉ざし又はその到達を遅らせてその意義を失わせ、公の批判の機会を減少させるものであり、また、事前抑制たることの性質上、予測に基づくものとならざるをえないこと等から事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く、濫用の虞があるうえ、実際上の抑止的効果が事後制裁の場合より大きいと考えられるのであつて、表現行為に対する事前抑制は、表現の自由を保障し検閲を禁止する憲法二一条の趣旨に照らし、厳格かつ明確な要件のもとにおいてのみ許容されうる」として、「厳格かつ明確な要件」を満たす場合にのみ、差止請求が認められるとしました。そして、その「厳格かつ明確な要件」について、具体的には「表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときは、当該表現行為はその価値が被害者の名誉に劣後することが明らかであるうえ、有効適切な救済方法としての差し止めの必要性も肯定されるから、かかる実体的要件を具備するときに限つて、例外的に事前差し止めが許されるものというべき」としています。今回、文春オンラインの記事によれば、「塚原氏側の代理人弁護士から東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」、事実上の出版の事前差し止め請求がなされた。」とありますが、名誉権に基づく差止請求であったのかどうかは不明です(ただし、当該記事が、塚原氏らのパワーハラスメント等について取り上げたものであったとすれば、記事の内容が名誉毀損にあたるとして、名誉権に基づく差止請求として申し立てたものと推測されます)。東京地裁は、この仮処分申請を「差し止めの要件を充足しない」として却下したということですから、差止めが認められる要件を充足していなかったため、裁判所は塚原氏らの差止請求を認めなかったということになりますが、東京地裁が、最高裁昭和61年判決の示した厳格かつ明確な要件、すなわち、「表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるとき」という要件を用いたとすれば、この要件をクリアするハードルは非常に高いといえます。仮処分の申立てが認められるかどうかも重要ですが、申立てをすること(そして、それを公表すること)によって文春側を牽制するという意図もあったのかもしれませんね」 ■書いたもの勝ちにはならない「表現の自由」に配慮し慎重に判断する必要はあるものの、「厳格かつ明確な要件」を満たしている場合には、出版物の差し止めが認められることもあるようです。「書いたもの勝ち」にならない法律も、しっかりと用意されているのですね。*取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下認められたことはあるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下認められたことはあるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日1「性犯罪」被害に遭った場合にどうすればよいか女性が被害に遭う割合が高い犯罪類型として、「強制わいせつ」「強姦」などのいわゆる性犯罪が挙げられます。一方で、性犯罪は、被害に遭った方が警察に被害を届け出る割合が少ないというデータがあります(平成24年度「犯罪白書」犯罪被害についての実態調査)。その原因は大きく2つあります。1つ目は、誰に何を相談したらよいのかわからなかった、という点。2つ目は、相談すること自体が被害を思い出させることにつながり、被害の届出を断念する方が多い、という点です。1つ目の原因については、もしこの記事を読んでいる方で、ご自身が犯罪被害に遭ったという方や、周囲で被害に遭ったという方がいらっしゃれば、まずは弁護士に相談をしてみてください。全国には、犯罪被害者支援活動を行っている弁護士が大勢いますので、インターネットで、例えば「犯罪被害者支援弁護士」といったキーワードで検索してみると、支援弁護士や、支援弁護士が関与している支援団体のホームページにアクセスすることが可能です。「自分だけがつらい思いをしている現状はおかしい。」「被害に対する謝罪を受け、少しでも傷ついた気持ち回復したい。」「加害者にはきちんと責任を取ってほしい。」「自分の気持ちを整理して前向きになるために、何かできることはないだろうか。」…などの気持ちになったときは、まずは弁護士に相談をしてみてください。 2被害相談の不安を解消するために特に性犯罪の被害に遭われた女性は、被害を受けた事実そのものを思い出すことがつらく、誰かに話してみようという気持ちにすらなれず、被害以来、男性と顔を合わせることにも抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。もし、弁護士や支援団体などの各種相談窓口で、犯罪被害に遭った事実を話す際には、「異性には話しづらいので、女性の担当者がいいです」と申し出てみることをおすすめします。法律事務所や支援団体の体制によっては、女性の被害者に対する支援体制が必ずしも完璧とはいえない場合もあります(そもそも男性しか担当者が所属していないなど)。しかし、犯罪被害者支援に力を入れている弁護士は、せっかく勇気を持って相談に来られる方については、できる限り負担のないような環境でお話をしてもらいたいと考えていますから、相談時のご要望があれば遠慮なく伝えていただくべきと思います。 3犯罪被害を警察に届け出たらどうなるか警察に犯罪被害を相談した後は、どのような流れになるのでしょうか。________________________________________①警察署での被害に関する話の聞き取り↓②警察署に「被害届」や「告訴状」を提出↓「刑事事件」として、捜査開始↓〔この間に一通りの捜査を終える〕③警察署から、検察庁に事件の主担当が変わる(「送致」と言います)↓④担当の検察官(検事)が、犯人の処分(正式な裁判にするか、罰金を科すかどうか)を決定する 4「刑事事件」にする場合に考えるべきこともしあなたが、警察に犯罪被害を届け出て、捜査が進み、加害者について裁判が開始されることになったとします。その場合、裁判は誰でも傍聴自由となっていますから、「〇〇さんが、いつ、どこで、性犯罪の被害に遭った」ということが、裁判の中で読み上げられるということになれば、自分の名前や居住地が公になってしまいます。ただ、心配はいりません。刑事裁判では、特に性犯罪の被害者について、検察官に申し出ることによって、被害者の住所や名前をはじめとした、被害者を特定する情報が、裁判の場で公にならないよう、取扱ってもらえます。例えば、検察官が刑事裁判で何かしらの書面を読み上げるとき、本名に代えて「A子」などの仮名を使ったりします。また、あなたが刑事裁判中に、被害者として証人尋問を受けることになった場合も、傍聴人や被告人との間についたてを設けたり(これを「遮へい措置」といいます)、法廷とは別の部屋で尋問を受けたりする(これを「ビデオリンク方式」といいます)こともできる制度があります。なお、遮へい措置やビデオリンク方式は、民事裁判において加害者に対して損害賠償請求をする際にも、利用することができます。※ビデオリンク方式(裁判所HPより)5犯罪被害者として裁判の情報が知りたいとき被害申告の結果、加害者について裁判が開かれることになったとします。しかし、被害者は、原則として、加害者を裁く裁判に出席しなければいけないわけではありません。実際に犯人がいつ起訴され、判決が出て、いつから普通の暮らしを始めるのか、まったくわからないのでは、不安になってしまうでしょう。そうした場合は、被害者は警察や検察庁に対し、加害者の捜査・処分状況、裁判の日程や裁判結果について、通知を求めることができます。 6身近な人から犯罪被害を受けた場合の相談配偶者や、同居中の交際相手からDVを受けた場合、離れて身の安全を守るにはどうしたらよいのでしょうか。夫や同居中の交際相手から身体的暴力を受けた場合、加害男性との接触を避けるため、法律上の手続きとして、「保護命令」の申立が行えます。申立てから10日~12日程度で、裁判所から夫や交際相手に対し、6ヶ月間の接近禁止や、同居中だった住居からの退去、子や親族への接近禁止、などの命令が下されます。保護命令に違反した場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則が科されます。なお、保護命令の申立に至る可能性を考慮し、男性から身体的暴力を受けた際には、時間を置かずに医療機関を受診したり、警察や配偶者暴力相談支援センターなどへ相談したりして、被害を受けた状況を証拠として残しておくと後々役に立ちます。また、「加害者がいつ現れるか分からないので、同居していた自宅に戻るのが怖い」という方については、民間シェルターへの一時避難も必要に応じて検討した方がいいかもしれません。各地方自治体で、シェルターに関する相談窓口を置いている場合が多いので、事前に問い合わせをしてみましょう。 7加害者から身を隠す場合の注意点加害者に現在の居場所を知られたくない場合の方法・工夫として、以下のようなことが挙げられます。①実際の居場所を教えるのは、最低限の周囲の人間にとどめること②一時避難をする場合は、通常どおり学校や職場に出向くことは危険なため、避けること加害者があなたの学校や職場をすでに知っている場合には、あなたに会うために学校や職場にやって来る可能性があります。避難前後に、学校や職場に事情を話して連絡をするとともに、「加害者から問い合わせの連絡が来ても、居場所などを一切教えないように」と説明をしておくことが必要です。③自宅の電話やパソコンのメールの履歴を消去しておくこと自宅の固定電話やパソコンから知人などに連絡を取っていた方は、その履歴自体を消去しておかないと、加害者が後で通話履歴や送信履歴を調べてあなたの居場所を特定する可能性があるので、関係各所への連絡の痕跡をできるだけ消去しておくことが重要です。④住所録や手帳、子どもの学校の連絡網、病院の診察券など、あなたの行動範囲・交友関係がわかるものは、すべて持ち出して避難すること携帯電話のGPS機能をオンにしておくと、携帯電話の電波の発信場所から現在の居場所を加害者が特定する場合があります。細心の注意を払い、新しく携帯電話の契約をし直すことも検討しましょう。 8加害者との示談の意味・メリットについて犯罪被害に遭った際に、害者側の弁護士から、示談の話を持ち掛けられることがあります。被害者の方に代理人弁護士がついている場合であれば、示談の交渉自体を任せることができますが、そうでない場合は、示談の内容や意味合いについてよく理解しないまま、加害者側のペースで納得いかない示談をしてしまわないよう、注意する必要があります。示談というのは、被害者と加害者との間で、被害者が受けた損害(金銭的なものや精神的なものを含めて)についてのさまざまな約束事を決める、民事上の合意(契約)です。一般的には、「慰謝料」や「解決金」という名目で、加害者が被害者に対し、一定金額を支払う義務を負うことや、被害者が加害者を「許す」とか「加害者に対し処罰を望まない」といった言葉が合意に含まれることが多いです。刑事裁判では、こうした合意を記載した「示談書」が、加害者側にとって有利な証拠として裁判に提出されることになります。これにより、示談の成立を裁判官が認めると、最終的に加害者に下される処分(判決内容)も軽くなります。また、刑事裁判が終了しても示談の効力は生き続けるので、もし示談書に記載された約束事を加害者が反故にした場合、合意に反する行為をしたとして、加害者に対し、民事上の損害賠償請求を行うことも可能です。場合により、被害者の方は、加害者側が提示した条件をそのまま呑むのではなく、被害者の心情や生活状況などに配慮した内容を、合意に盛り込むこともできますので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。また、加害者側から提示された慰謝料などの金額が、相場として適切なのかどうかについても、弁護士に尋ねてみてください。 執筆/シティ総合法律事務所奧野舞(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知っておきたい知識8選はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知っておきたい知識8選はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日芸能界やテレビ局は、スタッフの働き方が極めて特殊な業界ですので、一般的な労務管理のマニュアルや契約書の雛型はほとんど通用しません。 例えば、ある1つのテレビ番組の制作チームは、複数の番組制作会社のスタッフで構成されるのが一般的です。それでは、制作会社Aのディレクターと、別の制作会社BのADが一緒にロケに行くことになった場合、誰がそのADの勤務時間を管理するのでしょうか?制作会社Aのディレクターの判断で、ロケの途中で勝手に帰らせたりできるのでしょうか?災害現場での取材なら、安全管理は誰が責任を持つのでしょうか?そもそも、指揮命令関係がないはずの別会社のディレクターからの指示に、ADは従う必要があるのでしょうか?どれも非常に難題です。 また、番組制作に関わる会社同士の権利義務関係も大変複雑です。番組制作には、テレビ局や制作会社、芸能プロダクションだけでなく、キャスティング会社やリサーチ会社も関わっています。各社は互いにどういった契約を交わしているのでしょうか?そもそも、契約を交わしているのでしょうか?交わしていても、その番組制作に必要な業務と照らし合わせて、適切な内容が反映された契約書なのでしょうか?リサーチ会社が手に入れた一般人(素人の出演者ら)の個人情報は、誰がどのように管理し、どの範囲で、どういった用途で公開できるのでしょうか?(企画会議に使うため?オンエアのため?) キャスティング会社は、番組の企画が中止になってしまった場合には、報酬は受け取れるのでしょうか? タレントと芸能プロダクション間の契約にも、難しい問題が多いです。最近は、給料が不当に安いことや、やりたくない仕事を半ば強制された、などということが問題になっています。確かにそれ自体は是正が必要です。しかし、タレントはタレントで、ほかの業界では想像もつかないような好待遇を受けている部分もあります(マネージャーがいたり、送迎があったり、仕事が少ないタレントは一般企業では考えられないほど休日があることも珍しくありません)。仮に、タレントと芸能プロダクションの契約に雇用契約とみなされるほどの指揮命令関係がある場合でも、このように一般的な雇用契約とはまったく異なる状況があります。 以下では、テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでよく起きる法律問題について、Q&A形式で紹介していきます。 業務委託スタッフの残業代や休日出勤手当てについて Q.当番組制作会社では、ディレクターはすべて雇用ではなく、業務委託として契約しているのですが、この場合には残業代や休日出勤の手当ては支払わなくてよいのでしょうか?との指摘が入りました。どうすればよいでしょうか? A.業務委託であれば、雇われているわけではなくフリーランスですので、原則、労働基準法は適用されません。したがって、残業代や休日出勤手当は支払わなくてよいと思われます。 しかし、本当にそのディレクターは単なる業務委託スタッフといえるのでしょうか?実際にはフリーで動いているのではなく、ほかのチーフディレクターやプロデューサーの指示に従って仕事をしているのではないでしょうか?ある程度決まった時間に会社に来て、決まった時間拘束されているのではないでしょうか?このような状況の場合、実質的には指揮命令関係があるとみなされ、雇用契約と同一視される可能性があります。そうなると、残業代などの支払い義務が生じる可能性もあるので注意する必要があります。重要なのは、「雇用」「業務委託」といった契約の名称ではなく、その実態です。 現場取材におけるADの労務管理について Q.当番組では、複数の制作会社からフリーのディレクターが来ており、ADは1つの制作会社の社員、というスタッフ構成になっています。報道番組の取材にフリーのディレクターと制作会社のADの2人で行ってもらっているのですが、何か問題はあるでしょうか? A.テレビ番組制作の現場では、複数の番組制作プロダクションからスタッフが来て、ディレクターやAD業務を行うのは当たり前であり、質問にあるような取材のシチュエーションも日常的にあります。 別会社に所属する2人で取材に行くこと自体に問題はありませんが、懸念されるのはADの労務管理です。まず、そのADが所属する制作会社の上司は、ADがいつどこにいるのか、時間はどのくらい拘束されているのか、必ず把握している必要があります。しかし、取材の内容によっては思わぬ時間がかかったりすることもあります。そのようなケースでは、フリーのディレクターは、直接指揮命令関係があるわけではないADに対し、帰ってよいとか、まだ業務を続けてほしい、などといった指示をすることができません(実際にはしているでしょうが、厳密にいえばその立場にはありません)。しかし、プロデューサーが帰宅している時間であれば、確認がとれません。かといって、そんな確認に気を取られて肝心の取材がおろそかになれば、他局、他メディアに遅れをとってしまいます。非常に難しい問題ですが、こういった場合には、突発的なものでない限り、プロデューサーやそのADが所属する制作会社のディレクターが、ADの労務管理上起き得る問題を事前に把握し、あらかじめ適切な指示をしておくしかないでしょう。そして、フリーや他社スタッフも含めた番組全体のグループLINEを作るなどして、誰もADの状況を把握していないような状態を作らないようにすることが重要です。また、災害現場の取材などでは、制作会社はADに対する安全配慮義務も負っているので、手柄ほしさに危険な取材を無理に行わないよう徹底させることも忘れてはいけません。 スタッフの職務専念義務についてQ.当番組制作会社では、スタッフの勤務態度の悪さが悩みの種です。音楽を聴きながら仕事をしたり、少し目を離すとほかの番組のスタッフと喫煙所で長話、といったことは当たり前になってしまっています。いくら緩い業界とはいえ、何とか改善できないでしょうか? A.通常の雇用契約では、就業規則などで、スタッフは勤務時間中は職務に専念しなければならない、という職務専念義務が定められています。 会社はスタッフに労働の対価として給料を支払うのですから、スタッフが勤務時間に職務に専念するのは、当然のことです。ところが、テレビ業界の場合は当然ではありません。ディレクターは食事に出かけるとなかなか帰ってこない、疲れ切ったADはトイレで寝ている(テレビ局には「トイレで寝ないでください」という貼紙がされていたりします)、ということが常態化してしまっています。こういう状況になりがちなのは、長時間勤務が自明のものとして体に染みついているので、勤務しながら休む、楽しむ、という感覚に慣れきっているからではないかと考えられます。スタッフを管理する側の上席者も、昔は同じような経験をしているはずなので、特に違和感を感じることもないのです。また、テレビ業界には、フリーのディレクターなど、雇われていない業務委託スタッフが多いということも、緩い雰囲気になりやすい要因の一つとして挙げられると思います。業務委託スタッフは誰かに労務管理される立場になく、職務専念義務も負っていないので、自分が任された仕事をこなしさえすれば、好きなときに好きなことをしてよいのですが、同じ現場にいる雇われスタッフがこれを真似したり、管理する側も誰がフリーで誰が雇われなのか把握していなかったりするので、このようなことが起きるのです。雇われスタッフとフリーが混在し、同じ仕事をしているため、雇われスタッフだけに職務専念義務を果たさせる、というのは簡単なことではありません。しかし、雇われスタッフには会社は高い残業代を支払うわけですから、その対価として、勤務時間には職務に専念しなければならない、ということを意識させるべきです。まずは雇われスタッフがどれだけ職務に専念しているのかをしっかり把握し、職務専念義務に違反している場合には、こまめに指導・注意を行うという体制作りから、始めてみてはいかがでしょうか。注意しても直らないようであれば、始末書を書かせるなど、軽い懲戒処分を行っていきましょう。長年染みついた感覚や、職場の慣習を変えるのは簡単なことではありませんが、スタッフの長時間労働の見直しが求められている昨今、職務専念義務の徹底についても、同じように厳しく見直しをしていく必要があるでしょう。 芸能プロダクションの法的紛争リスクについてQ.最近、芸能プロダクションとタレントのマネジメント契約をめぐっては、賃金が不当に低かったり、望まない芸能活動をさせられたりする、など色々と問題が起きていますが、当プロダクションも契約内容を見直すべきでしょうか? A.恐らく大多数の芸能プロダクションでは、タレントとのマネジメント契約は、雇用契約ではなく業務委託契約などの形とし、雇っているのではなく1人の個人事業者としてタレントを扱っているのではないかと思います(そうでなければ、散々働かせているのに月給数万円、ということでは最低賃金を下回り、違法となってしまいます)。 しかし、このような業務委託契約の場合でも、働き方の実態が一般的な労働者と変わらない場合には、そのタレントは「労働者」として扱われます(実際に平成28年に厚生労働省労働基準局がその旨の文書を各種芸能関係の団体に送付していますし、裁判例でも雇用契約類似の契約、と認定されたものもあります)。そうすると、仕事を選べない若手の芸人、モデル、アイドルなどは、事務所の指揮命令に従って仕事をしているのが実情と思いますので、多くのケースで「労働者」と判断される可能性が高いのではないでしょうか。仕事を選べないタレントの数は、選べるタレントよりも圧倒的に多いわけですから、結果として多くのプロダクションが労使トラブル、法的紛争の多発リスクを抱えているということです。ご質問があったプロダクションでは、タレントとの間の指揮命令関係がどうなっているかわかりませんが、芸能界は人気商売ですので、タレントとの法的トラブルはプロダクションにとって即、致命傷となってしまう可能性もあります。そうなる前に、今のうちにタレント(マネージャーらスタッフも)の働かせ方や待遇などを見直し、労務管理が適切に行える体制を整え、紛争リスクを小さくしましょう。 タレント養成スクールの講師契約についてQ.当芸能プロダクションでは、タレントをマネジメントするだけでなく、タレントの養成スクールも運営しています。養成スクールを運営するにあたっては、タレントに講師になってもらっていますが、講師として契約する際に注意すべき点はありますか? A.養成スクールの講師は、多くはタレントか、タレントを目指して裏方に回った方々だと思います。また、大半はプロダクションに雇われた講師ではなく、フリーランスで、タレント業などの合間を縫って講師をしています。この講師達とプロダクションの関係には、多くの問題があります。 まず、演技でも歌でもお笑いでも、芸能において基本的に重要なのはセンスであり、講師が何を指導するか、生徒に何を身につけてもらうかが、はっきりしない場合が多いということです。要するに、決まった正解がないのです。そうすると、講師が勝手な講義・指導をしていると生徒から苦情が入っても、プロダクションから注意することは難しくなります。講師の独りよがりではないか?と思われるような指導が、見方によっては正解といえるかもしれないからです。講師の指導に不満を持った生徒が大量にやめてしまい、数十万、数百万の受講料相当額の損害賠償請求する必要が出てくる、ということも考えられます。その場合でも、講師に何をどう指導してほしいのかが、事前に明確になっていなければ、講師の契約違反を問えず、損害賠償請求することもできない、という事態に陥りかねません。ほかにも例えば、講師が生徒に手を出してしまった場合などはどうなるでしょう。生徒たちにとって、講師は基本的に憧れの対象ですから、あり得ないケースとはいえません。関係がうまくいっているうちは問題にはなりませんが、講師と生徒の関係がこじれてしまったら、周囲を巻き込んだトラブルに発展することもあります。生徒や生徒の親から、講師だけでなくプロダクションが責任を追及される可能性があるのです。プロダクションは講師を雇用しているわけではないので、講師を指導するというのは立場的に難しいのですが、責任追及される場面では、「雇っていないフリーランスの講師なので…」という理屈は通用しない場合もあります。こうした問題が起こらないように、プロダクションと講師の契約では、指導の内容や禁止事項を明確に定め、特に生徒に対する責任を、契約段階で講師に自覚させておくことが重要です。また、そもそも講師を人選する段階で、上記のようなリスクを想定しながら進めていく必要があるでしょう。 タレントの移籍問題についてQ.私はアイドルとしてタレント活動をしていますが、今所属している芸能プロダクションの待遇が悪いので移籍を検討しています。しかし、今のプロダクションとの間のマネジメント契約を見ると、事務所を辞める場合には、一定期間タレント活動を禁止するという条項が設けられており、事実上移籍が難しくなっています。そもそも、このような条項を設けることは法律違反ではないのでしょうか? A.タレント、中でも特にアイドルは、アイドルとして活動できる期間はそれほど長くありません。一定期間、芸能活動を禁止するという条項は、実質的には移籍を禁止するような条項であるといえます。 このような条項の設定が、法律上、一律に許されないというわけではありません。もっとも、職業選択の自由という憲法上の権利を制約する内容にあたるため、裁判に至れば、このような条項は無効と解釈される可能性は高いでしょう(裁判例でもこのような条項を無効としたものがあります)。したがって、移籍を希望するタレントの方々は、上記のような条項を含む契約を交わしてしまっている場合でも、多くのケースでは、そのような条項には拘束されないはず、というのが法的な側面からの回答となります。しかし、ここからが問題です。法的な問題はクリアできても、退社をめぐって事務所と揉めてしまった場合、果たしてそのタレントの移籍はうまくいくのでしょうか。芸能界、テレビ業界は非常に狭い世界なので、大手プロダクションと揉めてしまった場合は、ほかのプロダクションも受け入れに二の足を踏むかもしれませんし、番組、テレビ局も使いづらい、というのが実情です。そうなると、契約条項の法的問題は解決できても、業界の暗黙のルールを乗り越えられずに移籍ができない、という状況になってしまう可能性があります。この問題は、テレビ業界、芸能界の体質によるものなので、完全な解決を望むのは難しいです。しかし、例えば退社時、弁護士に間に入ってもらうなどすれば、単純に移籍を認めさせるだけでなく、その後も不利益な扱いをされないというところまで含めて、プロダクションと綿密に協議し、円満な解決を目指すことが可能になります。その際は、単に抽象的に芸能活動を阻害しないという約束をするだけではなく、具体的な番組や、プロダクションなどを想定しながら話し合っていくことが大切です。 執筆/シティ総合法律事務所会田岳央(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日最近タレントのりゅうちぇるさんが両肩にタトゥーを入れた画像を公開し、一部から批判を受けることになりました。個人の自由のようにも思えるのですが、好ましくないと考えている人も多い様子。日本ではタトゥーに対して否定的に考える人も多く、それは企業でも同様でしょう。なかにはタトゥーを入れていることが後に発覚した場合、退職させるという措置をとる会社もあるようです。そのような場合、退職させられる側としては納得がいかないもの。不当性を訴えることできないのでしょうか? ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解を伺いました。 Q.会社がタトゥーの入った社員を解雇…これは許される? A.タトゥーが入っているというだけでは解雇できません森川弁護士:「社員を解雇するためには処分が相当とされる「合理的な解雇事由」が必要となります。「タトゥーが入っている」というだけで懲戒解雇とすることは、合理的な解雇事由になるとは考えられず、仮に解雇の処分を受けたとしても無効になるものと思われます。ただし雇用形態時に「タトゥーNG」と明記されており、そのことを知りながら秘して雇用されたり、入っていることによって仕事に重大な支障が出ることが具体的に明らかな場合には「正当な事由」として認められる可能性もあるかもしれません」 まとめタトゥーは世界的にはポピュラーですが、現在の日本では風当たりが強いのことも事実です。日本でタトゥーと共に生きていくためには、「就業規則に従う」、「公共のルールを守る」、「ビジネスシーンでの露出は控える」などに配慮し、あくまでプライベートでのオシャレを楽しむものとして割り切る必要があるのかもしれませんね。 *取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)話題のタトゥー問題企業が入れた社員を解雇することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。話題のタトゥー問題企業が入れた社員を解雇することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日5年前、当時未成年で17歳だった俳優のジミー・ベネットに性行為を強要し、今年1月に約4,200万円の和解金を支払っていたことがわかったアーシア・アルジェント。この事件が明るみになり、アーシアは「ジミーとはセクシャルな関係は結んでいない」、「和解金は経済的に困っている彼を助けるため。また、当時付き合っていた故アンソニー・ボーディンが自分と私に悪評が立つのを恐れて支払った」とメディアに訴えたが、この後、驚きの事実が明らかに…。「TMZ.com」は、アーシアと友人のメールのやりとりのスクリーンショットを入手。そこにはアーシアによって「彼とはセックスしたわ。変な感じがした。ゆすりの手紙が来るまで、あのとき彼が未成年だっただなんて知らなかったのよ」とジミーと性交渉を持ったことがはっきりと綴られていた。カリフォルニア州の性的同意年齢は18歳のため、アーシアの行為は違法となる。しかし、アーシアは「レイプじゃなかった。私は固まっちゃったけどね。彼が上になって。終わった後、彼に12歳の頃から私を性的な対象として見ていたって言われたわ」と性的暴行を否定している。その後、アーシアは損害賠償を要求された昨年11月まで、ジミーから執拗にヌード写真やラブレターが送られてきたことも友人に話していた。「TMZ.com」はジミーのそうしたラブレターや、アーシア&ジミーのベッド写真も掲載。アーシアが言い逃れ出来ない事態に発展している。(Hiromi Kaku)
2018年08月24日「#Me Too」運動を支え、セクハラ被害者の女性を励ます存在だったアーシア・アルジェントが、未成年に対する性的暴行で訴えられていたことが明らかになった。親子役で共演して以来、「息子」と呼んでかわいがってきた子役出身のジミー・ベネットから「5年前に性行為を強要された」として昨年11月に訴えられたアーシア。事件が明るみになった先日、今年1月に4,200万円の和解金を支払っていたことが伝えられたが、アーシアは性的暴行については完全否定。しかし、和解金については当時交際していた有名シェフのアンソニー・ボーディン(今年6月に死去)が支払ったことを認めた。アーシアがジャーナリストのヤシャール・アリに送った声明文によれば、10月にハーヴェイ・ワインスタインによるレイプ被害を公表したところ、翌月にジミーに「(性的暴行を受けたとして)法外な金銭を要求されたことから友情が終わった」という。ジミーは経済的に困窮しており、アーシアに賠償金を求める前にはなんと自身の家族にも損害賠償を請求していた。そういった状況にあったジミーに対し、アンソニーは同情するとともに、長引いて脅されたり自身とアーシアに悪評が立ったりすることを懸念し、まとまったお金でジミーを「助ける」ことにしたのだそうだ。それで全てが終わったと思っていたアーシアにとって、今回の件は「本当にショックで傷付いている。だって、記事は完全に間違っているから。ジミーとセクシャルな関係を持ったことは1度もない!」と報じられているセクハラ事件を否定した。(Hiromi Kaku)
2018年08月22日「#Me Too」運動をけん引してきた1人のアーシア・アルジェントが、未成年に対する性的暴行で訴えられていたことが明らかになった。「New York Times」紙が報じた。アーシアは、昨年10月に「過去レイプされた」とハーヴェイ・ワインスタインを告発し、多くの女性たちに「#Me Too」と声を上げる勇気を与えた。被害者側だったアーシアが、その勇気ある行動からわずか1か月後の11月、子役出身のジミー・ベネットに性的暴行の訴えを起こされていたのだった。現在22歳ジミーは、17歳のときにホテルでアーシアから性的暴行を受けたという。それがトラウマとなり、俳優のキャリアが台無しになったとして約3億8000万円の損害賠償を求めた。ジミーは性的暴行を受ける2013年までは、5年間で約3億円を稼いでいたが、事件以降は1年あたりの収入が約660万円に激減。それは、アーシアとの一件による精神的なダメージのせいだと主張した。アーシア側は今年1月に約4,200万円の支払いで合意したとのこと。ジミーは7歳のときにアーシア監督・出演作の『サラ、いつわりの祈り』でアーシア演じるサラの息子役を演じた。アーシアは性的暴行が起きたとされる2013年5月、ホテルでジミーと撮影した2ショットをSNSに数枚載せ、「私の息子、私のかわいい子」とキャプションを添えた。ジミーの表情は笑顔だった。(Hiromi Kaku)
2018年08月21日連日報道される「パワハラ」レスリングの監督による選手への言動や、大学のチアリーディング部の監督による選手への言動が、「パワハラ問題」として報じられています。報道されている内容が真実であるとすれば、もちろん良くないことだろう、ということはわかります。しかし、皆さんの中にも疑問を感じられた方もいるのではないでしょうか。「これってパワハラなの?」パワハラの定義とはパワハラとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間などの様々な優位性を背景に行われるものも含まれる)を背景に、業務の適正な範囲(個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワハラには当たらない。)を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう、されています。例えば、上司が部下に対して、「バカ」、「あほ」、「死ね」、「小学生以下か」、「給料泥棒」、「お荷物」、「目ざわり」、「いてもいなくても同じ」、「いつ辞めてもらったってかまわない」などの人格否定をする発言がパワハラに該当するのはイメージがわきやすいですね。では、監督・コーチと選手との間ではどうでしょうか。同じ職場で働いているわけでもないし、労働契約もないし、従業員でもないし、それでもパワハラに該当するのでしょうか?パワハラの定義は、もはや意味がないそもそもパワハラの定義に該当するか否かを考えてもあまり意味がありません。パワハラに該当しないからといって責任を免れることできるわけではないからです。やってはいけないことをやってしまえば当然、責任を取らなければならないのです。内容によっては、刑事上の暴行、傷害、名誉棄損等に該当し得ますし、民事上も不法行為の損害賠償の対象になるでしょう。もはや、「パワハラ」という言葉自体にあまり意味がないのです。パワハラという言葉は、今や、社会的に、職場環境的に、法的に、許されない行為という意味で広く用いられるようになったということです。政府が公表、パワハラ報告書なお、パワハラについては、働き方改革実行計画において、「職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」ことが示されました。このようにパワハラ防止は、働き方改革においても重要な課題として位置づけられ、それを踏まえて平成30年3月30日、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書が公表されました。職場における、どのような言動やどのような要素がある場合に職場のパワハラに該当するのかについて、具体例も記載されています。ぜひ、一度、ご覧になってみてください。 執筆/杜若経営法律事務所 岸田鑑彦(【使用者側専門40年の圧倒的な実績】【市ヶ谷駅徒歩3分】【弁護士9名在籍】【総合力とチームワーク】杜若経営法律事務所は使用者側労働問題の解決に圧倒的な自信がございます。)監督やコーチから、選手に対する言動はパワハラなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。監督やコーチから、選手に対する言動はパワハラなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月21日昨年4月13日に、『City of Lies』(原題)の撮影中スタッフに暴力を振るったとして損害賠償を求められているジョニー・デップが、訴えを真っ向から否定した。「The Wrap」などが報じた。原告で当時ロケーションマネージャーを務めていたグレッグ・ブルックスは、撮影現場でジョニデの過度な要求にも応えようと努力していた。しかし、グレッグはアルコールの臭いをさせたジョニデに身体を2回強く殴られ、「10万ドルやるから俺の顔を殴ってみろよ」と挑発までされたという。また、この事件について「訴えない」という放棄証書にサインをさせられそうになった。サインを拒否したところ、事件から3日で不当解雇に…。ジョニデの弁護士は「原告が訴えている事柄は、原告自身の感情的で悪意に満ちた行動によって起きたものです。被告のデップ氏は身の危険を感じ、(同作品の)ブラッド・ファーマン監督にも危険が及ぶと感じ、自分と周りの人たちを守っただけです」という旨の反論書を裁判所に提出した。また、「メディアで報じられていることは事実でなく、ジョニー・デップは訴えを起こしたあの人に触れたことすらないのです。十何人もの目撃者がいますし、彼らは証言もできますよ」と強気な姿勢も見せた。「すべての要求を退け、いんちきな訴えに全面的に闘うつもりです」とのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年08月21日会社員の場合、休みの日でも携帯に電話が掛かってくることがあります。このようなことを見越して法人契約した「会社用携帯電話」を支給されているという人も多いことでしょう。業務に使うのなら、料金を自分で支払う個人用携帯は使いたくないものですが、中小企業などでは個人の携帯に連絡し、場合によっては客先に電話するよう促されることもあると聞きます。このような場合、当然電話代を会社に請求したいもの。しかし、なかには支払いを拒否するケースもあるようです。個人携帯を業務でも使っている場合、会社に電話代を請求することはできないのでしょうか?ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。Q.個人携帯で業務電話…料金を会社に請求することはできる? A.業務用途であることが明確であれば可能です森川弁護士:「論理的には請求可能ですよ。ただ、立証が困難ではあると思います。まず、業務内容の電話を使用したということ、そしてその通話時間、その場合の電話料金。これが明確にすることができれば、料金の請求は可能になると思われます。現実的に見ると、『業務用に使った』ということが立証できるか否かがポイントとなると思われます」「業務に使った」ということが明確になっている場合は、料金請求が可能になるようです。立証はなかなか難しいものと思われますが、現在携帯電話については各キャリアが通話明細を発行しています。個人携帯を業務でも使用し、料金を自腹で支払っているという場合は、通話履歴を参考にしながら「業務用途」であることを明確にしたうえで、会社に相談してみてはいかがでしょうか。 ※au通話明細サービス・通話明細分計サービス※docomo料金明細サービス※softbank請求書・通話明細発行*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)個人携帯を業務用途で使用しているのに電話代は自腹!料金を会社に請求できないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。個人携帯を業務用途で使用しているのに電話代は自腹!料金を会社に請求できないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月19日真実に反した、労働者の主張昨今、残業代請求やパワハラ等の労働問題で、労働基準監督署に駆け込む新入社員を含む若手社員が急増したように思います。使用者側に非があるケースであれば良いのですが、真実に反した相談内容なのではないかと疑問に思わざるを得ない事例もよく見られます。今回は、社内で不正を働いた社員を懲戒解雇懲戒解雇をされた社員が、『不正を働いた覚えなどない。証拠もない。にもかかわらず不当に解雇された』として労働基準監督署に駆け込む会社側の落ち度(長時間労働やパワハラ等)により精神疾患を発症したとして労災認定を受けるさらに、会社に対し、多額の慰謝料や未払給与等の請求という事例について触れたいと思います。 近年ハードルが低くなった、労働問題の弁護士介入ひと昔前まで、使用者と労働者との紛争に弁護士が介入してくることが現在ほど多くありませんでした。社員に不正がある場合に限らず、能力不足等の事情により解雇をした場合においても弁護士が介入して裁判所で争われるといった事態を心配することはあまりなかったのでしょう。しかし、貸金業者の相次ぐ倒産により、いわゆる過払いバブル時代にこれをよりどころとしていた弁護士の業績が悪化し、残業代請求や不当解雇による損害賠償請求という労使問題に弁護士が積極的に介入するようになってきたことも要因の1つであることは否めません。弁護士によっては、法律相談料や最初にいただく着手金はいずれも無料とし、実際に会社から支払を受けることができた場合にその一部を報酬としていただくというような価格設定をしているところもあり、弁護士に相談しようという心理的ハードルがかなり下がっている実情もあろうかと思います。 不正をした社員を懲戒処分にした結果、会社が慰謝料を請求される恐れがある弁護士介入により労働審判や裁判に持ち込まれるケースでは、会社が行った解雇処分が有効と判断されるケースは極めて稀です。解雇、特に懲戒解雇処分に関して、法的には非常に厳しい要件が課されています。解雇処分よりも軽い戒告・減給・停職等の懲戒処分を段階的に踏んで指導の機会を経てもなお改善されない、かつそれが一目で分かる証拠を残しておかないと、懲戒解雇処分は無効とされてしまうケースがほとんどというのが実情。能力不足を理由に懲戒解雇をすることを裁判所が有効と認められることは、まずほとんどありません。 横領や詐欺、背任等の会社に直接損害を与えるような不正事例を行なった社員に対しては懲戒解雇も有効と認められることが多くあります。しかしそれには、「不正の事実」を証拠で証明することが必要です。証拠の確保ができないまま不当解雇をしてしまえば、証拠も十分でないのに見込みだけで安易に下した不当解雇と判断せざるを得なくなり、被害を受けたはずの会社が不正を働いた従業員に対して、多額の慰謝料や未払給与等を支払うこととなるケースが増加してきているのです。使用者からすると常軌を逸した事態です。しかし、このような事態が増えてきているのが現実です。それでは、不正などを働いた社員を懲戒としたい場合、会社としては、どのようなことに気をつけて懲戒解雇処分を下せば良いのでしょうか。 【社員の不正事実の調査方法】(およそ事実調査一般に共通します)下記は不正事実の発生から懲戒解雇処分に至るスキームと段階ごとの留意点です。概略についてのみ記しますが、参照ください。1.調査体制と調査方針・スケジュールの確立2.客観証拠の収集【どのような証拠が必要か?】請求書、注文書、納品書、契約書、見積書、稟議書、決算書、出金伝票、帳簿類、メール、その他連絡文書等金銭の流れが分かる預金通帳等リベートを取得したことが分かる証拠あるいはリベートの費消先の分かる証拠が必要。※会社の損害の穴埋め等、会社に還流している部分は横領や不法行為とはならない可能性あり。3.自宅待機命令のタイミング【調査期間中の自宅待機命令】原則として賃金支払い義務あり就労させないことにつき、不正行為の再発、証拠隠滅のおそれなどの緊急かつ合理的な理由が存する場合には支払い義務を免れる(日通名古屋製鉄作業株式会社事件名古屋地判平3・7・22)4.当事者及び関係者からの一斉同時聴取【事情聴取の手法】事実調査に熟練した弁護士に依頼、それができない場合には2名で聴取騙されない、性悪説に立つ。全く信じていないという演技も必要。なるべく録音する客観証拠をぶつけるタイミングは工夫が必要。手の内を見せない。自白の獲得は、極めて重要人は、利益誘導でしか自白をしない信頼関係の「舞台」を設定する工夫は重要聴取者、情報集約者、処分者等の役割分担の工夫も一案客観証拠の収集を視野に入れながら聴取する弁護士の同席を認める必要はない聴取内容は、なるべく一問一答式で、実際の話し言葉を忠実に再現した書面を作成の上、署名・押印を求める。本人が頑なに拒否する部分は、そのまま盛り込んであげることで、書面の信用性が高まる。録音していない場合には、自筆の書面も提出させる否認している場合にも、後で新たな弁解を出させないために、あるいは、主張の矛盾を浮き彫りにするために、その証拠化は重要5.事実認定と処分方針の確定6.弁明手続の実施処分の見込とその理由となる事実を本人に説明の上、十分に弁解を聞いた上で最終処分を下すべき。これを怠ると、処分が無効となる可能性がある。7.懲戒解雇解雇後の本人の調査協力は得られないので(逃げた者勝ちになる可能性が高い)、その前段階、社員の身分を有する間の早い段階での調査と証拠の確保が決定的に重要。任意の証拠提出依頼を繰り返し、ありとあらゆる証拠を早期に確保すべきである。調査協力及び拒否に関する規程類の整備も考慮に値する。【モデル就業規則】第○条従業員の調査協力義務1.会社は、コンプライアンス違反の疑いを察知したときは、当該事実の有無、その内容等について必要な調査を行う。2.従業員は、前項に基づき会社が必要性を認めて適宜の方法により実施する調査に協力する義務を負い、正当な理由なく調査への協力を拒んではならない。3.会社は、第1項に基づく調査に際し、必要に応じ、従業員に対し、自宅待機を命じることができる。8.刑事告訴、民事訴訟等の手続選択告訴して刑事手続を先行させられると楽。捜索は、刑事事件でしかできないし、100万円を超える場合には、弁償しないと実刑になる可能性が高く、否認せずに認めて、必死に弁済しようとする動機が一気に高まる。刑事記録の入手が可能になるし、警察・検察と弁護士が連携して、強制執行に必要な情報の入手も可能となる。告訴先は、所轄の刑事二課か、検察庁の特別刑事部。民事裁判官は、刑事手続以外での証拠収集の限界や、横領や背任等の経済事犯犯の認定方法を必ずしも正確に理解しているとは限らない。さいごに〜リスクを軽減するために〜前項で述べたような事実調査を実施し、不正等の事実を証明できる証拠をきちんと確保した上で懲戒処分を下したとしても、必ず有効になるという保証はありません。その処分の有効無効は裁判官の判断に委ねられているためです。つまり、使用者は常に抱えるリスクについて考えなければなりません。手を尽くしても払拭し切れないリスクに対しては保険が有効であり、唯一のリスク軽減の手段といえます。「保険でカバーできる部分は大胆かつ実務的に。保険でカバーできない部分は法的にプロテクトしつつ慎重に。」これがリスク管理の基本的な考え方であり、私たちが使用者にアドバイスする上でも常に心がけていることです。最後に、近時急増する労使問題で使用者側が裁判所で敗訴するリスク等に備える各種保険が売り出されていますので、その一部を紹介いたします。 ~雇用慣行賠償責任保険(EPLI)の活用の検討~ ・不当解雇を含む無効な懲戒処分、セクハラ・パワハラ、名誉毀損等での損害賠償金(不当解雇による未払給与含む)及び弁護士費用を含む裁判費用をカバー・東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険会社、チューリッヒ保険会社等で商品化している 執筆/シティ総合法律事務所(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月17日8月14日(現地時間)はテイラー・スウィフトにとって忘れられない日だった。今年はフロリダ州タンパのステージで「Reputation Tour」を行っていたテイラーだが、「People」誌によれば、ライブの途中、涙ながらに昨年の同日の出来事について語り出したのだという。「1年前、私はタンパのスタジアムでライブをしていたわけではなかった。コロラド州デンバーの法廷にいたの。陪審員たちが私を支持し、私のことを信じると言ってくれた日だったわ」。2013年、テイラーはショーのバックステージで写真撮影をしている時、元DJのデヴィッド・ミューラーにお尻をわしづかみにされるというセクハラ被害を受け、訴訟を起こした。結果、昨年8月14日にテイラーが勝訴し、デヴィッドは1ドルの損害賠償を払うことに。テイラーは金銭目的ではなく、女性のために立ち上がりたいという理由で1ドルを請求していた。テイラーは14日のライブでこの訴訟問題を思い出し、こういった被害に遭っても人々が声を上げられないのは、「信じてもらえないと思ってしまうからなんだと思う」とファンに向かって意見を述べた。「私に起きたことを信じてもらえていなかったら、人生がどんな風になっていたかわからないわ」。また、テイラーは浮き沈みの激しい人生を送る中、寄り添ってくれるファンが支えになっていると感謝。感動した多くのファンは、観客席でこのセクハラ訴訟の勝利のシンボルとなった1ドル札を掲げてテイラーに声援を送ったそうだ。(Hiromi Kaku)
2018年08月16日6月に発生した大阪北部地震や7月の西日本豪雨は、人々の生活に重大な影響を与えました。住居の倒壊や土砂災害などで、命を落とした人々も存在しています。そのような場合家族としては「そっとしておいてほしい」と思うものですが、メディアは大々的に被害者の実名を報道し、全国へと発信。視聴者からは「ほっといてやれ」「なぜ実名を流すんだ」と批判されている状況です。メディアは「報道の自由」を主張しているようですが、個人のプライバシーを侵害しているようにも思えます。法的に見て、問題ないのでしょうか?パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。■非常に難しい問題櫻町弁護士:「地震や津波、豪雨などの災害でお亡くなりになった方のご遺族、あるいは、行方が分からず安否不明とされた方のご家族の中には、自分の家族が死者・行方不明者として報道されることを望まない方もいらっしゃると思います。ただ、そうした「公表を望まない遺族・家族」が、死者・行方不明者の氏名等を報道した報道機関に対して損害賠償請求をした場合に、これが認められるかどうかはなかなか難しい問題です。こうした損害賠償請求が認められるためには、第三者の行為(この場合は「報道」)によって、「権利あるいは法律上保護される利益」(民法709条)が侵害された、といえなければなりません。そこで、「自分の家族が死者・行方不明者として報道されたこと」についてどのような権利あるいは利益が侵害されたかについて考えてみると、「プライバシー」や「静穏に故人を悼む利益」、「敬愛追慕の情」などがあげられるでしょう。しかし、「プライバシー」として保護されるためには、一般に、公表される事柄がア私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであることイ一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること、換言すれば一般人の感覚を基準として公開されることによつて心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められることがらであることウ一般の人々に未だ知られていないことがらであることという要件を満たす必要があるとされています(東京地方裁判所昭和39年9月28日判決・判タ 165号184頁)。「自分の家族が災害で亡くなった、行方不明になったこと」が報道された場合、上記のうちアとウについては満たすといえると思いますが、イについては、(当該家族がどう思ったか、感じたかではなく)一般人の感受性・感覚に照らしてみた場合に「公開を欲しない」あるいは「心理的な負担、不安」を覚えるということが言えるか、判断が分かれ得るように思われます」 ■損害賠償責任が生じないこともあるさらに、プライバシーにあたる場合であっても、それを公表されない法的利益よりも、公表する理由が優越するときには、公表は違法ではなく、プライバシー侵害による損害賠償責任は生じません。この点について、例えば東京高裁平成17年5月18日判決・判時1907号50頁は、「プライバシー権の侵害については、その事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較衡量し、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立するものである」と述べています。災害における死者・行方不明者の氏名等を報道する理由について考えてみた場合、消防等による捜索・救助体制の検討のために必要な情報である、あるいは、親族や知人友人などの「安否を確認したい」という要望に資するものである、といったことが考えられ、そうすると、公表されない利益よりも公表する理由が優越するという見方もできるでしょう(もっとも、前者については、報道機関による公表までは必要なく、関係機関のみで共有を図ればよいのではないか、という議論もあると思います)。また、「静穏に故人を悼む利益」や「敬愛追慕の情」については、死者あるいは行方不明者の名誉等を損なうような特段の事情がない限りは、その侵害が認められる可能性は低いとい思われます。例えば、大阪地方裁判所平成元年12月27日判決・判時1341号53頁は、遺族の「敬愛追慕の情」が侵害されたことを認めましたが、この事案では、エイズで死亡した患者の「肖像写真等を入手するため」に、写真週刊誌のカメラマンが「来訪の目的、身分等を秘して・・・虚偽の申出をし、・・・関係者以外の立入りが認められていなかった右教会の二階に無断で上がり込み、原告らが右のとおり亡春子を静かにしのんでいる最中にフラッシュを使用して祭壇に飾られてあった同女の遺影を盗み撮りし、そのまま戸外に逃走し、そのような経緯で撮影された写真とともに、患者の経歴等を「エイズ死『神戸の女性』の足どり」との見出しで写真週刊誌に掲載したという事実を認定した上で、「本件報道は、亡春子の名誉を著しく毀損し、かつ生存者の場合であればプライバシーの権利の侵害となるべき亡春子の私生活上他人に知られたくないきわめて重大な事実ないしそれらしく受け取られる事柄を暴露したものであるが、このような報道により亡春子の両親である原告らは、亡春子に対する敬愛追慕の情を著しく侵害されたものと認められる。」としたものです。 ■自治体の発表について櫻町弁護士:「報道機関が災害での死者・行方不明者の氏名等の情報を報道する前提として、そうした情報をどう入手するのかという点を考えてみると、被災者数が少なく、報道機関が自らの取材活動においてそうした情報を入手できる場合は別として、大規模災害においては通常、自治体からの発表によることが多いでしょう。この場合、報道機関による報道の是非とは別に、「自治体が死者・行方不明者の氏名を発表することの是非」という論点もでてきます。実際、先般の西日本豪雨の際には、自治体によって公表するかどうかの判断が分かれていたようです。「死者・不明者実名公表、3県で差情報、共有か保護か」()毎日新聞平成30年7月12日「11日に一転して不明者の氏名を公表した岡山県は、当初は市町村から寄せられた情報を基に基本的には人数や性別を公表し、氏名に関しては市町村の判断に委ねていた。このため、自治体で対応にばらつきがあり、非公表としたケースが目立ったものの、新見市のように「早期発見につながる」として氏名を公表する市や町もあった。」自治体がこうした情報を発表する場合の根拠ですが、例えば東京都の場合は、「東京都個人情報の保護に関する条例」において以下のような規定があり、多くの自治体では同種の条例を制定していると思われますので、「個人の生命、身体又は財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるとき。」が発表の根拠になるでしょう。第10条実施機関は、保有個人情報を取り扱う事務の目的を超えた保有個人情報の当該実施機関内における利用(以下「目的外利用」という。)をしてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。一本人の同意があるとき。二法令等に定めがあるとき。三出版、報道等により公にされているとき。四個人の生命、身体又は財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるとき。なお、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」では、以下のような規定があります。2項4号の「本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき」あるいは「保有個人情報を提供することについて特別の理由のあるとき」が根拠として考えられるでしょう。第8条行政機関の長は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。2前項の規定にかかわらず、行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。一本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。二行政機関が法令の定める所掌事務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。三他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。四前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由のあるとき。ちなみに、国が策定する「防災基本計画」(平成29年4月)()においては、「市町村は、人的被害の状況(行方不明者の数を含む。)、建築物の被害、火災、津波、土砂災害の発生状況等の情報を収集するとともに、被害規模に関する概括的情報を含め、把握できた範囲から直ちに都道府県へ報告するものとする。通信の途絶等により都道府県に報告できない場合は、直接国〔消防庁〕へ報告するものとする。特に、行方不明者の数については、捜索・救助体制の検討等に必要な情報であるため、市町村は、住民登録の有無にかかわらず、当該市町村の区域(海上を含む。)内で行方不明となった者について、都道府県警察等関係機関の協力に基づき、正確な情報の収集に努めるものとする。」、「都道府県は、市町村等から情報を収集するとともに、自らも必要な被害規模に関する概括的な情報を把握し、特に、市町村が報告を行うことができなくなったときは、被災地への職員派遣、ヘリコプター等の機材や各種通信手段の効果的活用等により、あらゆる手段を尽くして積極的に情報収集を行い、これらの情報を国〔消防庁〕に報告するものとする。また、必要に応じ、関係省庁及び関係地方公共団体に連絡するものとする。都道府県警察は、被害に関する情報を把握し、当該情報を国〔警察庁〕に連絡するものとする。」とされ、「人的被害の数(死者・行方不明者数をいう。)については、都道府県が一元的に集約、調整を行うものとする。その際、都道府県は、関係機関が把握している人的被害の数について積極的に収集し、一方、関係機関は都道府県に連絡するものとする。当該情報が得られた際は、都道府県は、関係機関との連携のもと、整理・突合・精査を行い、直ちに消防庁へ報告するものとする。また、都道府県は、人的被害の数について広報を行う際には、市町村等と密接に連携しながら適切に行うものとする。」とされています」この件についてはかなり難しい問題である様子。しかし、視聴者から災害時毎日のように悲惨な光景をテレビに映し出し、亡くなられた方の名前を報じられることは「気分が良くない」との声が上がっていることも事実。報道のあり方について、考え直す時期が来ているのかもしれません。 *取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)西日本豪雨や大阪地震で批判を浴びた被災者の実名報道違法ではないのか弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。西日本豪雨や大阪地震で批判を浴びた被災者の実名報道違法ではないのか弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月09日一般的に事故物件とは、何らかの事情でその物件内で人が亡くなったことによる心理的瑕疵(心理的に感じる何らかの抵抗、嫌悪感等)のある物件を指します。もし自分の所有する物件が事故物件になってしまったらどうしたらいいのでしょう!?■ もし事故が起きてしまったら:自殺などの場合Brunch / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです入居者が自殺によって亡くなった場合、もし未払い家賃や内装等の原状回復費用が発生しているならば、その費用は保証人や相続人に請求することができます。さらに、「自殺があった物件」になったことで入居希望者がなかなか見つからなかったり、賃料を減額せざるを得ない等の損害が出た場合、保証人や相続人に対して損害賠償請求をすることができます。入居者は借りている物件に対して注意義務(その物件を善良なる管理者として注意して管理・使用する義務:民法第400条)を負うことから、入居者がその物件内で自殺などで亡くなった場合にはその注意義務に違反したことになるのです。そして、その入居者が亡くなっている以上、損害賠償債務は保証人が負うことになります。また、入居者が死亡しても賃貸借契約は即座に消滅せず、亡くなった入居者の権利(借家権)や財産は相続人に引き継がれます。つまり、損害賠償債務も相続人に「相続財産として」引き継がれることになるのです。このように、万が一の事故が起こってしまった場合は、保証人や相続人に損害賠償を請求することができますが、そのケースごとに判断が分かれますので、実際に事故が起きてしまった場合は専門家にご相談ください。注意すべき点sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)2020年4月1日に改正民法が施行され、保証人に関する規定が変わるのですが、これは不動産の賃貸借に関する連帯保証人にも関係します。具体的にいうと、今後2020年4月1日以降の賃貸借契約には連帯保証人が保証する債務に「極度額」が明確に記載されるようになります。これまでの契約条文では、連帯保証人の債務に上限を設けることはほとんどありませんでしたが、民法改正後は契約条文に「極度額を○○万円を上限として……」という一文が加わることになります。そうなれば上記で示したような「損害賠償」までは請求できなくなる場合がありますので、2020年4月1日以降の賃貸借契約は「保証の極度額」に注意しましょう。もとくん / PIXTA(ピクスタ)また、相続人に損害賠償を請求する場合も注意が必要です。そもそも相続人が相続を放棄した場合は、亡くなった入居者の権利(借家権)は引き継がれません。その場合、損害賠償債務も引き継がれることが無いので損害賠償を請求できる相手がいなくなってしまいますのでここにも十分ご注意ください!■ もし事故が起こった場合:自然死などの場合TATSU / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです自然死(病死、孤独死など)の場合、未払い家賃などがあれば保証人や相続人に請求できますが、損害賠償請求はほとんどの場合でできません。損害賠償請求できるのは入居者に注意義務違反(過失)があった場合であり、自然死にはその「過失」があったとはいえないのです。とはいえ、急激な高齢化を迎えている日本では、高齢者の孤独死がますます増えていくことが予想されます。この様な状況を踏まえ、最近では賃貸経営のリスク軽減のために様々な保険会社が「孤独死保険」の販売を始めています。孤独死保険とは?タカス / PIXTA(ピクスタ)孤独死保険は、物件内で死亡事故(孤独死・自殺・犯罪死)が発生した場合に、そのお部屋の原状回復費用(遺品整理、清掃、消臭、汚損等)や事故後に借り手がなく、空室になった場合の家賃損失(家賃保証保険金)を保証してくれるものです。この保険には、孤独死保険として独立した商品や、火災保険の特約として孤独死に対応する商品など色々な種類があります。賃貸経営をしている、若しくは予定している人にとって、今後この孤独死保険は自分の物件を守る大きなセーフティネットになりそうです。ABC / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです2020年の民法改正、相続人の相続放棄、高齢化社会など、賃貸住宅を取りまく環境は厳しさをましていきますが、関係する法律を理解することや孤独死保険などを活用することで、万一の場合に備えておきましょう!
2018年08月03日普段、何気なく使っているものがときに大きな事故を生み出すことがある。私にとって “自転車” がまさにそれでした。普段から気をつけていても、ふとしたタイミングで事故は起こるもの。今日、自分が加害者・被害者になってしまう恐怖を目の当たりにして、今回学んだこと・実は知らなかった事故に関する知識をご紹介します。前を見てたのに事故って起こるんだ…。事故が起こったその日、私は早めに家を出てゆっくりカフェでくつろいでから用事へ向かう予定でいました。そのため、特段急いでいたワケではなく普通のスピードでいつも通り、駅までの道を自転車でせっせと漕いでいたところ…。突然目の前から、同じように自転車に乗っている女性が私の方に向かって現れました。お互いスピードを出していなかったものの、ちょうど曲がり角で死角になっていたのか、至近距離で相手の存在に気づいたので、避けきれず自転車もろとも転倒。曲がり角で死角になっていたといえど、そこまで道が狭い場所でもないし、何より前をまっすぐ見て走っていたのに、相手を気づかなかったうえに避けられなかったという事実に自分でもびっくりしました。気をつけているようで気をつけていないのか、気をつけていてもそうなってしまうのか……。こんなふうに事故って簡単に起こるものなんですね。「あ、ヤバい。やっちゃった。」うぅ…めちゃくちゃ痛い。と、重くなる体をムクリと起こして「大丈夫ですか?」と相手に声をかけると…、相手の女性はうなだれるように倒れながら顔をおさえていました。しかも女性の手もとは血だらけで、ポタポタと大きな血の塊がコンクリートに凄まじい勢いで落ちているではありませんか…!「あっ。ヤバいやつだコレ。どうしよ、ヤバいよヤバいよ、マジで」と、私の脳内はもはや出川哲郎状態に。トラブルが起こると人は、思考がシャットダウンされ「ヤバいよ」という単語しか出てこない状況になるようです。怪我をした女性も錯乱状態になっていて、話しかけても「…はい」という反応だけ。正直、「一応意識はあるようだし、このまま去ってしまおうか……」なんていう悪い考えもよぎりました。余裕を持って出かけていたとはいえこの後の用事のことを考えると早く脱出したいという気持ちが先行していました……。でも、血を流している人をこのままにしておくのはさすがにダメだわ。とりあえず消毒と絆創膏を……と近くのコンビニに駆け寄って何もできないなりの手当をして、相手の回復を待ってみました。血が止まる頃にはお相手の方の意識もはっきりしてきたので、連絡先を交換して一度その場を去ることになりました。一連の出来事が落ち着いて自分の状態を見返すと、スカートがビリビリに破れまくりの、服が乱れまくりで、当然髪の毛も乱れ髪。もはや全く別の事件が起こってしまったのではないかという状態で、とても電車には乗れないため一時帰宅をしました。保険に入っていないと、訴訟問題に発展する?家について、着替えると冷静になってきたせいか、怪我をした部分の痛みを強く感じるように。ここで今日の予定を断念し、病院へ行くことを決意。その間、自転車事故について調べるとこんな事案が出るわ、出るわ…。「自転車保険に入っていなかったので相手と訴訟問題でもめた」「事故現場で警察を呼ばないとひき逃げ扱いにされる」「慰謝料問題で示談が成立しない」今、まさに自分が起こした事故が後々に、民事裁判レベルのトラブルに発展している事実を、このとき初めて知りました。自転車事故は軽く見られがちですが自動車事故と同じ扱いになるとのことで、本来はその場で110番か最寄りの交番に行って現場確認を取らなくてはいけないそうです。さらに、自分もしくは相手の自転車が破損していた場合、修理代の負担はどちらがするのか、怪我をしていた場合の治療費はどこまで出すのか、事故の大きさによっては数百万以上の損害がかかってくる可能性があるので、保険に入っていないとその示談交渉は全て自分で執り行う必要があります。また、自分が入っていても相手が自転車保険に入っていない可能性もあります。そうなると慰謝料を請求しても払ってもらえない可能性があるので、自転車を使う方は必ず自転車保険に入っておくことをオススメします。私は当時、自転車保険はおろか、自転車保険の代わりになる保険(火災保険・個人賠償責任保険)も何ひとつ入っていませんでした。状況と相手が悪ければ、かなりの大事になったはずなので、もうしばらくは恐くて自転車に乗れません……。もし自分が加害者になったら?・相手も自転車を乗っていたこと。・お互い結果的に軽い怪我で済んだ。・自転車の破損もなかった。・お互いに大事にしたくない意志があった。幸いにもこの4点がお互いに合致していたため、今回の事故は警察に事故証明届を提出するだけで済みました。例えば、これが自転車と歩行者だった場合、過失割合は自転車側のほうが圧倒的に不利です。もちろん、事故の状況にもよって過失割合に変動はありますが、事故当時を検証する証拠もなければお互いの記憶に頼ることが多いので、どちらに非があるかということで揉めるケースがほとんどなのだとか。どんなに気をつけていても、自分に非がないと思っていても事故が起こって、相手に怪我をさせてしまった以上、自分が加害者になることがあります。そうなってしまった場合、絶対にやってはいけないのが「自分は悪くない」と横柄な態度をとったり、責任を負いたくないあまり逃げようとする行為。逃げずに真摯的な対応で被害にあった人の気持ちのケアを忘れないことが大切です。そのうえで自分の身を守るためにも、しっかり主張するべきところはする。全ての非が自分にあるわけではない場合は、それを裏づける材料をしっかり残しておくと良いでしょう。事故が起こった時の現場を写真に撮っておくなどできるだけ当時の状況が詳しく残る材料があるほうが後々揉めごとに繋がりません。事故は意外と身近に潜んでる私の場合、今回は本当にお相手の方が良い人で、軽い事故で話が済みました。でもそのほうが実は稀だという事実を知って、改めて自分の身の回りに起こる出来事の怖さに、そして自分の危機管理能力の低さに情けなさを感じています。もちろん、保険も加入しましたよ!最近では、出会う人、出会う人に「保険、入ったほうが良いよ…!」など、どこの保険会社の回し者かと思われるくらいのうっとうしさが板についてきました。ぜひ、みなさんも身近なトラブル・事故には気をつけてくださいね!
2018年07月08日たまにに、駅のホームなどで嘔吐物が放置されている様子を目にします。嘔吐物が放置されていたら、他の人間は大迷惑ですし、見たくもないものを見させられては、自分まで気分が悪くなってしまいます。それを片付ける駅の係員は、もっと迷惑。他人の嘔吐物を掃除するなどということは、気が進むものではありませんよね。また、当事者が放置したまま逃げてしまうこともあります。その場合、駅側から損害賠償請求などすることはできないのでしょうか?Q.駅で嘔吐したあと放置して立ち去った。駅側から損害賠償請求を請求できる? A.場合によっては請求できることもあります嘔吐物を処理せず立ち去った場合、鉄道会社はコストをかけてこれを清掃します。そのため、当該コストについて損害賠償請求を受ける可能性はあります。ただし実際に請求がされるケースは少ないのが現状です。仮に自分の嘔吐物を他人に掛けてしまった場合は衣服等のクリーニング費用について賠償を求められる可能性があります。 損害賠償請求されないとしても、他人に迷惑をかけることは確かです。体調管理や酒飲み過ぎなどに注意し、公共施設で嘔吐することのないよう努めましょう。*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*監修弁護士/梅澤 康二(プラム綜合法律事務所。労務全般の対応、M&A取引(対象会社に対するデューディリジェンス)、各種契約書の作成・レビュー、取締役会議事録の整備、その他企業法務全般のご相談一般民事・交通事件・債務整理・相続問題に係る法律相談、刑事事件に係る法律相談を中心に取り扱う。) 駅で嘔吐物を放置…損害賠償請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。駅で嘔吐物を放置…損害賠償請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月28日損害賠償請求など訴訟を起こす際には、弁護士の力が必要となります。それは誰もがわかっていると思いますが、実際費用がいくらかかるのかは、あまり知られていません。やはり、高いのではないかと思ってしまいますよね。仮に相手を訴えるとなった場合、その要因は相手方にあるわけですから、主張が認められた場合裁判を起こすことで発生した弁護士費用も負担してほしいと思うもの。そのようなことは可能なのでしょうか? Q.裁判を起こすことで発生した弁護士費用を相手に請求したい。そのようなことは可能?A.基本的にはできませんが、不法行為による損害賠償請求の場合は請求できることがあります。実は、基本的に裁判にかかった弁護士費用を相手に請求することはできません。しかし、相手の不法行為が原因の損害賠償請求については、弁護士費用も『損害』として相手方に請求することができることがあります。不法行為は、民法709条に定められるものですが、たとえば…・暴力による怪我・交通事故による損害・安全対策を怠ったことによる労働災害・不貞行為の慰謝料・DVの慰謝料などが挙げられます。このような場合は、相手方に弁護士費用を請求することが可能となります。なお、契約上の義務の不履行など、債務不履行による訴訟については、請求できないことが通例となっています。 裁判に勝訴するためには弁護士の力が必要ですが、費用が気になるのもまた事実。だからといって二の足を踏んでいては、何も始まらないとはいえますよね。たとえば、資力によっては法テラスという制度を利用するなど、弁護士費用に関しては工夫をすることが可能です。また、完全に成功報酬だけで対応してくださる先生もいます。費用についても親身になって相談に乗ってくれる弁護士がほとんどです。相手方に請求できるケースがあることを踏まえた上で、相談してみましょう。 *取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*監修弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*画像イメージです(pixta)弁護士費用を訴訟相手に支払ってもらうことはできる?→できるものとできないものがあるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。弁護士費用を訴訟相手に支払ってもらうことはできる?→できるものとできないものがあるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月20日世間を巻き込んだ大騒動へと発展した日本大学アメリカンフットボール部選手による悪質タックル問題。タックルはもちろんですが、背景にあるとされる内田正人前監督・井上奨コーチの圧迫的な指導が問題になっています。スポーツの世界で、今回のように相手を故意に怪我させるようなプレーを行うことはめったにありません。しかし、「故意に」怪我をさせようとするプレーヤーや、それを指示する指導者が絶対にいないとも言い切れません。仮に「故意に怪我」をさせた場合、被害を受けた側は損害賠償などを請求することはできるのでしょうか?笠原総合法律事務所の生田康介弁護士に見解を伺いました。 ■スポーツの試合で故意に相手を怪我させたら…?生田弁護士:「故意に他人に暴行したり、怪我を負わせたりすると刑法上の暴行罪、傷害罪に問われ、民法上は不法行為に基づく損害賠償責任が生じます。しかし、スポーツの最中に相手に暴行したり怪我を負わせたりしても、原則として刑事上、民事上の責任を問われることはありません。スポーツは身体や用具の接触を伴う以上、常に怪我などを負う危険性があり、それを最小限なものとするために厳格なルールが決まっています。したがって、ルールの範囲内での行為については、正当な行為として違法ではないと解されています。逆に、ルールの範囲外の反則行為で相手を怪我させた場合は、正当行為とは認められず、刑事上、民事上の責任が生ずる可能性があります。もっとも、故意に反則を犯したのか、勢い余って反則になってしまったのかの線引きは難しく、裁判上責任ありと判断されたケースはさほど多くはありません。あくまで、個々のスポーツの特性や事故が起こった際の具体的状況を全体的に考慮して、違法か否かの判断がなされるものと考えられます」 ■日大アメフト部員の悪質タックルは不法行為になる?次に今回の日本大学アメリカンフットボール部員による悪質タックルについて、不法行為になりうるのかなど、見解を伺いました。生田弁護士:「今回の悪質タックルケースは、プレーが終了してから4~5秒後にタックルに行っており、故意に反則を犯したことが明白であること、タックル自体が重大な怪我につながる可能性のある行為であることからすると、刑事上、民事上の責任を追及される可能性はあると考えられます。もちろん、それを監督やコーチが指示したのであれば、共同で責任を問われることになります。この先は私見になりますが、私は高校、大学とラグビーをしており、試合において、「あいつを潰せ」、「殺す気でタックルしろ」と声を掛けることは珍しいことではありませんでした。だからといって、反則をしてまで相手を傷つけるような人は誰もいません。そんなことをしたら自分自身が非難されるし、タックルという行為が危険な行為であるということがよく分かっているからです。本件の本質は、選手があそこまでの行為に及ぶことを決断するほどの根強い心理的圧迫が、監督やコーチから日常的になされていたのではないかという点にあるのだと思います。」アメリカンフットボールやラグビーといったコンタクトスポーツであっても、「明らかにルールを逸脱している」と判断される行為によって相手を怪我させた場合は、刑事・民事で責任を問われる可能性があるということを指導者・選手とも、認識しておく必要があるのではないでしょうか。*取材協力弁護士:生田康介(笠原総合法律事務所)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)*画像はイメージです(pixta)日大アメフト部員による悪質タックル…スポーツの試合で故意に相手を怪我させた場合不法行為になる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。日大アメフト部員による悪質タックル…スポーツの試合で故意に相手を怪我させた場合不法行為になる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月18日5月、福井県あわら市の前市長が、公務中既婚女性を市長室に呼び出し、体を触る、抱きつく、キスをするなどしていたとして、強制わいせつ容疑で書類送検されました。市長は「合意のもとだった」などと話していますが、「そもそも市長室でこのような行為に及ぶことがありえない」と批判の声が噴出しています。 ■女性も恐喝未遂で書類送検今回の事件では被害女性が夫と共同で市長に対し示談金として5,000万円を要求したことが発覚。なんとこちらについても、恐喝未遂容疑で書類送検されることになりました。市長という立場で公務中に女性といかがわしい行為をすることは言語道断ですが、女性の行動も疑問符がつくもので、「ハニートラップ」説も浮上しているようです。現在のところ最初から金銭目当てだったのかどうかはわかっていませんが、仮に強制的にわいせつを受けたのなら、示談金を要求されても致し方ないようにも思えます。なぜこの行為が恐喝未遂となったのか。笠原総合法律事務所の生田康介弁護士に見解を伺いました。 ■権利の範囲を超えると違法となる生田弁護士:「暴行やセクハラなどの不法行為の被害者が、加害者に対し損害賠償を請求するのは当然の権利です。お金を貸した人が借りた相手に対しその返済を求めるのも同様です。しかし、権利を行使するために何をしてもよいというわけではありません。あくまでその権利の範囲内で、かつ社会通念上許容される範囲内で権利行使すべきであり、これを超えると権利行使自体が違法となります。刑法上の恐喝罪に問われたケースもあります。たとえば、本来請求できる額よりも過大な額を請求したり、相手が身の危険を感じるほどの脅迫を行った場合などがこれにあたります」 ■過大な示談金が背景か生田弁護士:「あわら市前市長の件は、具体的内容は明らかではないですが、被害女性の側も捜査の対象となったということは、過大な示談金を要求したり、脅迫的な請求をしたという事情が背景にあるものと思われます。このように、権利行使が行きすぎると、民事上、刑事上の責任を問われることがあるので、トラブルになる前に弁護士に相談し、請求の方法や態様を確認しておくことをおすすめします。」不法行為を受けた被害者が損害賠償を請求することは当然の権利ですが、あくまでも「社会通念の範囲内」が前提となります。政治家などパワーを持っている人間の場合、それを超えたと主張し、問題をうやむやにしようと企むケースも考えられます。弁護士はそのようなとき、被害者を守ってくれますので、積極的に相談することをおすすめします。 *取材協力弁護士:生田康介(笠原総合法律事務所)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)市長からセクハラを受け示談金を要求したら恐喝未遂で書類送検…なぜ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。市長からセクハラを受け示談金を要求したら恐喝未遂で書類送検…なぜ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月18日*画像はイメージです:月4日、人気映画『君の名は。』などのコンテンツを、ファイル共有ソフトを使ってインターネット上にダウンロードできるようにしたとして、無職の男性(54)が逮捕されたとの報道がありました。また、少し前(平成24年)のことですが、違法ダウンロードに対して刑事罰が科される法改正がなされ、注目を集めました。法改正当時は“動画サイトを視聴するだけで逮捕されてしまう”などという懸念もされ、大きな話題を呼んだものです。刑事罰化の法改正から6年が過ぎたいま、違法ダウンロードの話題は少し落ち着いた感じがありますが、はじめに紹介した『君の名は。』の事例のように、違法コンテンツに関する法的トラブルがなくなったわけではありません。そこで今回は、“違法ダウンロード”で逮捕されないために、知っておいて損はない、違法コンテンツにまつわる法律問題についておさらいしてみたいと思います。 ■そもそも違法ダウンロードって?違法ダウンロードとは、簡単にいえば、「違法にアップロードされたコンテンツを、それと知りながらダウンロードすること」をいいます。つまり、違法ダウンロードとは違法アップロードが前提となっており、コンテンツを“利用する側”の法的責任に関する問題なのです。 ■違法ダウンロードで逮捕されるケースとは?違法ダウンロードで逮捕されうるケースは、次の2パターンがあります。(1)そもそも私的使用目的ではない私的使用目的でない違法ダウンロードは、法改正前から刑事罰の対象でした。例えば、ダウンロードしたものを転売するとか、大勢の前で上演してみせるとか、そういった目的でダウンロードすることは、もとから逮捕などの対象となる行為だったのです。(2)私的使用目的だが、有料の音楽や動画の違法ダウンロードである有料の音楽や動画の違法ダウンロードは、たとえ私的使用の目的であっても逮捕などの対象となります。(この内容を定めたのが平成24年の法改正です。)典型的な例は、違法にアップロードされたDVDやCDのダウンロードです。音楽や動画が対象ですから、画像の違法ダウンロードは刑事罰の対象にはなっていません。(ただ、画像の違法ダウンロードも損害賠償などの対象であり、法的責任を問われる行為です。許される行為ではありませんので、注意しましょう。)■動画サイトの視聴で逮捕される?YouTubeなどの動画サイトは今でも人気を集めていますが、違法アップロードされたと思われる動画もしばしば見受けられます。有料のはずの音楽や動画もアップロードされており、これを知らずに視聴してしまったユーザーも逮捕されてしまうのか、法改正のときに多くの議論を呼びました。結論的には、視聴しただけで逮捕などをされる可能性は低いといえます。文化庁も公式見解として、このようなケースは刑事罰の対象にならないと明言しています。Q違法に配信されている音楽や映像を視聴したら、違法ですか?A違法に配信されている音楽や映像を見たり聞いたりするだけでは、録音・録画が伴わないため違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。(政府広報オンラインより引用)しかし、法律の解釈は文化庁ではなく裁判所が行うものですから、刑事罰の対象になる可能性がゼロとまでは言えません。 ■違法ダウンロードで逮捕されないために違法アップロードされたコンテンツには近寄らないということに尽きます。怪しいコンテンツや怪しいサイトには近寄らないほか、ファイル共有ソフトも原則として利用するべきではありません。ファイル共有ソフトの中には、ダウンロードと同時にアップロードも行われるというものもあります。知らずにダウンロードした結果、違法アップロード者としての責任を問われるというケースも珍しくありません。違法ダウンロードという行為は、有料のコンテンツを無料で楽しむものです。しかし、違法な行為である以上、それなりのリスクは覚悟しなければなりません。気軽に行った行為で後悔しないためにも、インターネット上のコンテンツとの関わりには普段から注意を払っておきましょう。 *著者:弁護士 渡辺 泰央(四谷コモンズ法律事務所。インターネットトラブルやWEBに関する事案を多く取り扱う。)【参考】*政府広報オンライン【画像】イメージです*xiangtao / PIXTA(ピクスタ)【元記事】*違法ダウンロードで逮捕されないためには?
2018年06月16日5月29日、不動産賃貸業者のレオパレス21が施工を担当した物件について「建築基準法に違反している物件があった」と発表。利用する借主・貸主に衝撃が走りました。同社によると界壁と呼ばれる部材が未設置または基準を下回る長さの物件があったとのことで、発表時点で290棟のうち、38棟で界壁がないなどの不備があったと報じられています。 ■「界壁」は防音にも影響がこの「界壁」は、火災時の延焼防止などの観点から建築基準法で屋根裏まで設置するよう義務付けられているもの。また、防音性能にも影響を及ぼすと考えられています。物件の居住者にとって生活音の漏れは気になるもので、人によっては気を取られ、精神に異常をきたしてしまうことも。大抵不動産会社は「音に問題がある」とはいいませんので、そんな物件に入居するハメになれば、「騙された」と思ってしまうことでしょう。今回の界壁不正物件に居住し、騒音に悩まされていた場合、レオパレス側に損害賠償などを請求したくなるもの。そのようなことは可能なのか、星野・長塚・木川法律事務所の星野宏明弁護士にお話を伺いました。 ■損害賠償を請求することはできる?星野弁護士:「行政法規である建築基準法に違反しても、ただちに民法上の不法行為に基づく慰謝料が発生するとはいえません。建築基準法に違反したことと、壁が薄くなり騒音が発生したこと、さらに騒音が受忍限度を超える結果にまで至っている場合には慰謝料が発生する可能性はあります。ただし、生活騒音自体は基本的に建築基準法違反があってもなくてもある程度は発生するものであり、レオパレス物件の性質上ある程度の騒音は予想可能でその上で入居しているので、建築基準法違反と受忍限度を超える生活騒音を招いた結果の法的な因果関係が証拠上認められるか、がポイントとなると思います。建築基準法違反による慰謝料を請求できる可能性はありますが、実際の裁判では難しい立証が求められます。」 限度を超える騒音に悩まされていることが立証される場合は慰謝料請求は可能ですが、難しい立証を求められる可能性が高いとのこと。実際のところ請求するか否かは個人の判断ですが、訴えを起こしたい場合は「立証」できるような証拠集めから始めたほうが良さそうですね。*取材協力弁護士:星野宏明(星野・長塚・木川法律事務所(旧星野法律事務所)。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)レオパレス21の違法建築問題…不備物件での騒音に対して損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。レオパレス21の違法建築問題…不備物件での騒音に対して損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月14日今年3月、滋賀県長浜市の市長(68)が、40代人妻女性と不倫していると週刊誌が報道。女性が市長のマンションを訪れる画像などが掲載され、「早朝まで帰ってこなかった」などと報じられました。さらに愛人女性は特に実績がないにもかかわらず、市長のはからいで第3セクターが運営する飲食店の責任者に抜擢されていたという報道も。このほかにも別の女性に対するセクハラ疑惑などが浮上しており、市長の呆れた性癖に市民を中心に怒りの声が広がっています。 ■市民が市長に損害賠償請求市長はこの報道後、市議会で真偽を問われますが、「事実無根・事実誤認」と述べるにとどまり、事実関係について明確な説明をしていません。しびれを切らした長浜市民と市議会議員の一部は5月30日、「市長のスキャンダルにより精神的苦痛を受けた」として市長に損害賠償請求を起こしています。このような行動は異例ですが、可能ならば自分の市区町村でも行いたいと思うもの。法的に見て、このような請求は妥当なのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 ■全てが認容されることは難しい齋藤弁護士:「法的に妥当かどうかの問いに答えるには、解決しなければならない問題が多い訴訟になりますね。まず、説明義務違反と、慰謝料請求の根拠となりえる精神的損害との因果関係は大いに争われてしまうでしょう。また、集団提訴といっても、ひとりひとりの置かれた状態が異なりますから、全部が認容されることは考えにくいです。慰謝料請求でなくても、住民訴訟などの手段を適切に使うことで同じ問題を争点にすることはありえます。住民訴訟とは、地方自治法242条の2に定められている訴訟の分類になります。これは、客観訴訟のうちでも民衆訴訟に数えられるものです。要は、慰謝料などの個人の問題ではなく、公共財産を適切に利用していたのかどうかを判断するものになります。」 ■住民監査請求をする可能性も齋藤弁護士:「実は、住民訴訟を適法に提起するには、住民監査請求をした住民が、その監査結果、勧告、措置等に対して不服がある場合、裁判所に対する訴えをもって請求することができると規定しています。これは、監査請求前置主義といいます。ですから、いきなり訴訟とはいきませんが、住民監査請求を行うことで、どのような使途でお金が使われたものであるかを問題とすることができる余地があるでしょう。ちなみに、監査請求は、住民が、自らの居住する地方公共団体の違法若しくは不当な財務会計上の行為があると認められる場合、その地方公共団体の監査委員に対し監査を求め、その行為に対し必要な措置を講ずべきことを請求することができる制度です。本件のように、不貞交際を行政財産で継続しておこなった疑惑がある場合には、財務会計がどのようになされていたかを明らかにしていくことで、問題とすることはできるでしょう。」 昨今、県知事や市区町村長など、政治家による政治資金の流用やセクハラ・不倫・パワハラ問題は多々発生しています。そのような場合、税金を納付する県民・市区町村民が納得できないのは当然のこと。長浜市のような「損害賠償請求」が認められるの否か、注目されるところです。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)長浜市民が不倫疑惑の市長に損害賠償請求…市民の主張は認められる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。長浜市民が不倫疑惑の市長に損害賠償請求…市民の主張は認められる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月13日