こんにちは、伶奈です。今日から連載を始めることになりました。月に一回読者から、最近悩んでいることや、社会に対して疑問に思っていることを募り、わたしなりに哲学的に考えたことを書き綴ります。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、時に突っ込みながら読んでくれると嬉しいです。伶奈だれ?っていう人は、是非セルフインタビュー記事をお読みください。▶︎「当たり前」を疑わない人へ。「哲学」という“自由になる方法”を知った彼女が「答えも勝敗もない対話」が重要だと考える理由。ひとを愛するってなんだろう話が逸れたので、ポリアモリーの話に戻しますね。恋愛はひとそれぞれなのでNさんが幸せなら問題ないのですが、個人的に疑問があります。「本当に一度に複数のひとを愛せるのか?」ということです。世界には様々な婚姻制度があります。だから、いっときの日本の社会制度なんてどうでもいい。「ポリアモリーは人間の本能に逆らっている」とか「一人の人を愛することだけが尊い」とかいった安直な観点から、モノガミー的な制度を擁護するつもりではなく、「愛するとはどういうことなのか?」という観点で、少し考えてみます。開放的で包括的なイメージがある愛ですが、恋愛は極めて排他的で独占的な性格をもっています。「あなたを愛する」ということは、その瞬間「他のあなたを愛さない」ことです。人間は、時間と空間に制約された有限的存在なので、「愛している」という経験は、「いまという時間」と「目の前にいる人」に必ず制限される。だから文字通り「同時に」複数を愛することはできないと、わたしは思います。寂しいとき、悲しいとき、嬉しいとき、心の内奥をだれかに打ち明けたくてたまらないとき、すでにどこかで誰かを選択しているのではないでしょうか。その人が、愛する人、なのではないでしょうか。明日それが変わるとしても。トルストイは「愛は惜しみなく与う」と語りましたが、大正期の小説家、有島武郎は『惜しみなく愛は奪う』という書物の中で「通常愛といえば、優しい、女性的な感情というセンチメンタリストを考えるが、本当の愛はそういうものであろうか」という問いを投げかけました。愛の表現は惜しみなく与えるだろう。しかし、愛の本体は惜しみなく奪うものだはあ、かっこいい。有島からすれば、愛は、キラキラではない。苦しくて、つらい。愛は、わたしの命すら奪うもの。相手のすべてを奪って自己のものにしようとし、主体性や自由、地位や名誉を投げうってまで相手と生きんとする力でもあります。そんな深いエネルギー、複数に与えられるのかなあ。他の誰かを蹴落としてもこの人だけはなにがあっても守りたい。一人だけ救ってやるって神様に言われたら、まじお願いだからこいつにしてくれ! と言わざるをえない。極端だけど、セックスできるとか相手に尽くしたいとかではなく、この願望を基準に考えるとどうでしょうか。選べなかったら、誰のこともたいして愛していない気さえします。誰と生きたいのか? 死にたいのか? 誰を助けたいのか? 思考実験みたいでなんか申し訳ないけれど、究極の選択を迫られたときに「この人だ!」と決断できる、その絶対的な自信が愛の本質である気がしています。田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。10月から自由大学で「過去に向き合うための哲学」を開講。Be inspired!ライター。哲学メディアnebulaを運営。Twitter: photos by Noemi MinamiText by Reina TashiroーBe inspired!
2017年09月05日「命短し恋せよ乙女」展~マツオヒロミ×大正恋愛事件簿〜が、東京・弥生美術館で開催される。会期は、2017年7月1日(土)から9月24日(日)まで。明治末から大正時代は、様々な恋愛事件が頻発した時代であった。日本という国自体がめまぐるしく変化していた時代。当時のスキャンダルは、女性としての生き方や結婚観をも揺るがすものであり、1人の女性の人生をかけたものだった。そんな恋愛事件には、現代のゴシップには無い独特のロマンを孕んでいる。「命短し恋せよ乙女」展は、明治末から大正時代にかけての”恋愛事件”にフォーカスを当てた。当時世間を賑わせた事件を取り上げ、その事件にまつわる当時の写真や手紙、新聞記事など約200点を紹介する。また、数々の恋愛遍歴を持つ竹久夢二の恋人の1人である小説家・山田順子のマツオヒロミによるイメージ画を展示。当時の女性風俗特有の情緒を残しながらも、現代の鮮やかなイメージに蘇らせた画風は多くの人から人気を得ている。さらに、思想家・平塚らいてうが夫に宛てて送った手紙も初公開。フェミニストの闘士としての姿とは裏腹に、彼女の穏やかな愛情が垣間見える。本展に関連した書籍『命みじかし恋せよ乙女大正恋愛事件簿』の刊行された。大正の文豪たちのスキャンダラスな恋を資料から読み解いていく。姦通罪で投獄された「北原白秋」、 姪と禁じられた恋をした「島崎藤村」、 人妻と心中した「有島武郎」等々強烈な個性をもった文豪たちの恋について知ることができる。また、マツオヒロミの描き下ろしイラストも3点収録される。【詳細】「命短し恋せよ乙女」展~マツオヒロミ×大正恋愛事件簿〜会期:2017年7月1日(土)〜9月24日(日)会場:弥生美術館住所:東京都文京区弥生2-4-3開館時間:10:00〜17:00 (最終入館:16:30)休館日:月曜日(ただし 7月17日(月・祝)開、翌18日(火)休、8月14日(月)臨時開館、9月18日(月・祝)開、翌19日(火)休料金:一般900円/大高生800円/中小生400円※隣接する竹久夢二美術館と二館併せての料金。※畠華宵の常設ルーム見学料金も含む。■書籍詳細『命みじかし恋せよ乙女大正恋愛事件簿』発売日:2017年6月26日(月)編著:中村 圭子価格:1,800円+税
2017年07月06日だんだんW不倫のドロドロ度がいい感じにエスカレートしてきた波瑠主演の連続ドラマ「あなたのことはそれほど」(TBS系 毎週火曜22時~)の第4話が5月9日(火)に放送。いくえみ綾の原作コミックでは、主人公の美都(波瑠)、夫の涼太(東出昌大)、イケメン有島(鈴木伸之)、有島の地味すぎる妻・麗華(仲里依紗)のキャラクターが最初からかなり掘り下げられていますが、回を追うごとにドラマの方もディープさを増してきました。いまや一児のパパとなった有島は、奥さんが里帰り出産をしている間、パタパタ羽を伸ばしまくっておりましたが、どうやらそろそろ妻が戻ってくるようです。有島との逢瀬にあたり、美都は毎回女友だちとの飲み会だと、下手くそなウソを重ねてきましたが、涼太は毎晩盗み見ていた美都のケイタイでとうとう決定的な証拠をつかんでしまいました。涼太はいよいよ報復に出るのでしょうか!?壁に耳あり障子に目あり、涼太の“妻レーダー”の感度はハンパなくいい。今回も帰宅途中で有島と電話をしているところをこっそりチェックしております。メガネの奥の目つきは氷のように冷たい!ちょっと「家政婦は見た」が入っておりますね。まあ、毎回思うことですが、美都はウソが下手なのではなく、“つけない”人なんじゃないかと確信してきました。一方、有島にも知らぬ内にスパイが迫っております!こちらは最近引っ越してきた隣人・皆美(中川翔子)です。有島はもちろん彼女のことはノーマーク。まさに壁に耳ありで、麗華の留守中に美都と電話をする有島を彼女がチェックしています。中川翔子しかり、すでに美都の不倫を感知しているらしい美都の母・悦子役の麻生祐未しかり、脇のキャラクターたちもどんどんW不倫のサスペンスを盛り上げていきます。今回の展開の目玉といえば、基本はこれまでディフェンダーだった美都が、フォワードにチェンジしてきた点でしょうか。ひょんなことから、美都は有島とのベイビーを連れた麗華と遭遇してしまうわけです。なんという運命のいたずら!麗華と有島とのベイビーを見て、美都の中にこれまで感じたことのないドス黒い嫉妬心が芽生えます。波瑠の大きな黒目の奥の底知れぬ闇にご注目!美都は思わず「お父さん似ですか?可愛いですね」と毒を吐く。それってストレートに言えば「お母さんとは違って可愛いですね」という意味なわけです……。今後、フォワードにシフトした美都が、麗華のどっしりと構えたゴールキーパーをどう打ち崩していくかが見もの。さて、なんだかんだ言いつつも、結婚1周年記念日を迎える美都と涼太。美都は陶芸教室で作った作品を涼太に贈る予定だが、どうやら涼太は特別なプレゼントを考えていたようです。果たしてその中身とは!? 極めて“鈍感力”の高かった美都が今回ようやく気づきます。「私の夫は全然普通なんかじゃなかった」ということを!? 遅い!遅すぎる!ということで、今後もずぶずぶ行くであろうW不倫の泥沼劇を見守っていきたい。 あなたのことはそれほど /いくえみ綾 (著)/祥伝社文/山崎伸子 あなそれ3話「子ども欲しくない?」夫の発言に不倫妻は…東出昌大の怪演スイッチオン! 「あなたのことはそれほど」ついにW不倫が発覚!浮かれる妻に、夫がとったヤバい行動とは? 「あなたのことはそれほど」2番目に好きな男と結婚した女の衝撃トーク!
2017年05月10日春は公園めぐりに最適の季節。そして、北国・北海道にもやはり春はやってくる。北海道の公園は規模が大きく、広大な大地に根をしっかり張れるからなのか、緑もなんだか生き生きと力強く見える。そこで今回、北海道にあまたある公園の中で厳選し、札幌旅行の折に行けるとっておきの公園を5つ紹介しよう。また、散歩にはグルメ巡りも欠かせない。『さっぽろおさんぼ日和』(北海道新聞社刊)などの著書もあるすずきももさんに、合わせて訪れたいカフェ&レストランを紹介していただいた。○北海道神宮の帰りはここで森林浴札幌市内の移動には地下鉄が便利。路線も東西線、南北線、東豊線の3つというシンプルさもいい。まず紹介する「円山公園」も、地下鉄からアクセスしやすいところにある。最寄駅は東西線「円山公園駅」。3路線がつながる「大通駅」から3駅目の駅なので、札幌市内観光の片手間にも楽しめる。駅から徒歩約5分のところにある公園は、広大な敷地を誇る「北海道神宮」に隣接している。神宮でお参りを済ませたら、「円山動物園」に続く公園内の遊歩道を歩いてみよう。ちょっとした森林浴気分が味わえるはず。円山というエリアは、東京でいえば青山あたり。札幌の高級住宅街かつオシャレなエリアなので、個性的なお店もたくさん。公園散策の後は、公園から徒歩1~2分のところにある喫茶店「森彦」で一休みしてみては? 同店は札幌に次々と店舗を展開しているが、円山にあるこの店は1号店となっている。ここのスイーツはどれも絶品! それもそのはず、自信作のレシピだけを集めて、別店舗でお菓子の専門店を作ったほどの実力派なのだ。○都会のオアシス的な存在次に紹介する「中島公園」も地下鉄を使って気軽に行ける。公園は南北線「中島公園駅」もしくは南北線「幌平橋駅」そばに位置しており、札幌の中心にあるいわば「都会のオアシス」的存在だ。なお、この駅も「大通駅」から2,3駅目に位置している。公園の中にはたくさんの彫刻があり、一つひとつ見て歩くだけでも興味深い。4月下旬からは、公園の真ん中にある大きな池(菖蒲池)でボートに乗ることもできる(一艘40分600円)。札幌のコンサートホールの草分け「Kitara」や、北海道にゆかりのある作家や歴史資料が展示されている「北海道立文学館」も園内にあるので、合わせて楽しんでみるのもいいだろう。散歩の後の小休止には「倉式珈琲」へ。窓から新緑が見える店内で、サイフォンで入れたコーヒーを飲むと、すごくホッとした気分になる。倉式珈琲へは「幌平橋駅」から徒歩約3分。●information「倉式珈琲店 札幌中島公園店」住所: 北海道札幌市中央区南16条西5丁目1-13営業: 8:00~23:00定休日: なしここからは、札幌の郊外にある公園。少なくとも半日くらいは時間を見て訪れるのがいいだろう。○公園がすでにイサム・ノグチの世界公園そのものが彫刻家イサム・ノグチの「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもとに造成された「モエレ沼公園」は、北海道観光で見逃せないスポットの常連だ。モエレ沼公園へのアクセスは地下鉄東豊線「環状通り東駅」からバスで約20分となる。スコーンと抜けるような青空に目の前を何も遮るものがない広い緑は、まさに「ザ・北海道」という風景。遊具広場の遊具も全てイサム・ノグチがデザインしている。ガラスのピラミッドの中にはイサム・ノグチに関するギャラリーとショップの他、1階にはフレンチレストランの「ランファン・キ・レーヴ」がある。フランス語で"夢見る子供"という意味の店名通り、地元食材を使った伸びやかな料理を提供。ディナー(税込3,680円~)なら、モエレ沼に沈む夕日を眺めながらの時間帯が最高だ。○ポプラが立ち並ぶ壮大な運河水と緑の調和を楽しみたければ「前田森林公園」へ。公園までは地下鉄南北線「北24条駅」からバスで約20分となる。展望ラウンジから手稲山に向かって約600mのカナール(運河)がまっすぐに伸び、両側の240本程のポプラが空を仰ぐ景色は、日本にいながらにして外国気分が味わえる。「ふるさとの森」「つどいの森」「野鳥の森」など公園の半分が森なので、森に包まれたような安心感も覚える。前田森林公園からはやや離れてはいるものの、ここに来たなら合わせて味わっていただきたいのが「徳光珈琲 石狩店」の「ドリップコーヒー」(税込400円)だ。どれもオリジナルブレンドで、ローストを自由に選べるのがうれしい。特にオススメのなのは「チョコ深」ブレンド。ビターなのにチョコのような香りと甘さを感じる個性的な味わいが楽しめる。○公園内に芸術があっちにもこっちにも最後に紹介する公園は「札幌芸術の森」。約40haと北海道ならではの広さを有した公園は、まさに名前の通り芸術的な造りになっている。アクセスは地下鉄南北線「真駒内駅」からバスで約15分となる。公園内には「野外美術館」があり、国内外の64作家・73作品が野外展示されている。作家たちは実際にこの地を訪れ、地形や札幌の気候などからイメージをふくらませ、新たに制作した作品を展示している。それらをめぐってのんびり散歩するだけでも楽しい。なお、野外美術館へは公園内の「佐藤忠良記念子どもアトリエ」と共通年間パス(1,000円)が必要になる。そのほか、野外コンサートが開かれる「野外ステージ」や「有島武郎の旧邸」などもあり、芸術と自然が一体となっていることを実感できる。芸術の森を支笏湖方面に徒歩2,3分のところにあるのが、オリジナルの麺が人気の創作料理「本日は、ぷくぷく商店」。ほうれん草パウダーを練りこんだ「ぷくぷく麺」(税込850円)の他、ヨモギやレモンバームなどを練り込んだ「野草麺」(税込850円)がある。ダシは天然素材のみでとり、健康的にサラっと食べられるのが魅力のお店だ。●information「本日は、ぷくぷく商店」住所: 札幌市南区常盤5-2-97-22営業: 11:30~22:00(別曜日のみ~15:00)定休日: 不定休今回、札幌観光の隙間時間に楽しめる公園から、1日たっぷり味わえる公園までを紹介した。公園の魅力はその季節によっても変わってくる。今回は特に春シーズンを意識してチョイスしてみたので、ぜひお早目の訪園を!※記事中の価格・情報は2015年4月取材時のもの○筆者プロフィール: 楢戸 ひかる(ならと ひかる)1969年生まれ大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。生活に役立つ情報を「主婦er」にて更新中。また、長期投資を始めた日々の記録をメルマガ「主婦が始める長期投資」で配信中。メルマガ申込みは「主婦er」より。
2015年05月02日