「私たちはどうかしている」「あなたの番です」の前原滉が映画初主演、第21回東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞した池田暁監督の最新作『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』が3月26日(金)より公開決定。ポスタービジュアルと予告編が完成した。町境である1本の川を挟み、「朝9時から夕方5時まで」規則正しく戦争をしている2つの町。川の向こうの太原町をよく知るひとはいない。だけど、とてもコワイらしい。そんな津平町に暮らす真面目な兵隊・露木がある日突然言い渡されたのは、音楽隊への人事異動!?明日からどこへ出勤すればいいのやら…。そんな中、偶然出会った向こう岸の音楽に、露木は少しずつ心を惹かれていく。一方、町では「新部隊と新兵器がやってくる」うわさが広がっていて――。予告編では、毎日朝9時から夕方5時まで川の向こう岸にある町と戦争をしている小さな町を舞台に、兵隊・露木の生活が変化していく様子が映し出される。誰となぜ戦っているのかさえ忘れてしまった町で飛び交う“ぼんやり”した台詞が耳に残る中、「一風変わったこの町は、私たちの町かもしれない」というひと言にハッとさせられる予告編となった。主人公・露木には、これが映画初主演となる前原滉。池田監督の演出ならではの、感情の読めない表情や口調から浮かび上がる、からくり人形のようなキャラクターを見事に演じ切った。さらに、今野浩喜、石橋蓮司や竹中直人のほか、橋本マナミ、矢部太郎、片桐はいり、嶋田久作、きたろうなど豪華キャストが集結している。また、豪華俳優陣がずらりと並び、真っすぐな視線と感情を排したかのような表情が印象的なポスタービジュアルも解禁。軍服から割烹着まで、それぞれがどのような登場を見せるのか衣装の違いにも注目。ほかにも、煮物や年季の入ったトランペットなど物語のポイントともなる小道具が散りばめられ、首から大きな時計をぶら下げた兵隊と「9時から5時まで、今日もきちんと戦いましょう!」と添えられた文字が、池田監督ならではのオリジナリティー溢れる作品世界を期待させる、新たな映画体験を予感させるビジュアルが完成。ロッテルダム、バンクーバーなど多くの国際映画祭で受賞を重ねてきた池田監督は、初の劇場公開である本作でも、アキ・カウリスマキ、ロイ・アンダーソンを彷彿とさせるオフビートな笑いや、テリー・ギリアムを思わせる独自の世界観が混ざり合う、異色の才能が全開。映画評論家のトニー・レインズも「ユニークで、スペシャルだ!」と本作を絶賛。池田監督が以前『山守クリップ工場の辺り』でグランプリを受賞したロッテルダム国際映画祭のプログラマー、ジュリアン・ロスは、本作が持ち合わせる現代性を、そして根岸吉太郎監督はカウリスマキやギリアムといった各国の名匠を挙げながら称賛している。『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』は3月26日(金)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年12月24日元SMAPで俳優の稲垣吾郎(44)が10月30日、「第31回東京国際映画祭」コンペティション部門に出品された主演映画「半世界」(阪本順治監督、来年2月公開)の会見に出席。ワールドプレミアで舞台あいさつを行った。40歳を目前に、人生の折り返し地点を迎えた男たちの葛藤と友情を描いたヒューマンドラマ。各スポーツ紙などによると、会見で稲垣は「国際映画祭は憧れだった。夢のよう」と喜びだったという。また昨年9月に独立した稲垣は「男の友情や絆」について聞かれ、草なぎ剛(44)と香取慎吾(41)の名前をあげた。「そういう絆は僕らにもある。2人にも早く(映画を)見てほしい」と笑顔で話したという。「稲垣さんは劇中で、山中で備長炭を作る主人公を演じています。チェーンソーで木を伐採したり、頭にタオルを巻きながらみかんを食べたり。これまで都会的でスタイリッシュな役柄が多かった稲垣さんが、新境地を開拓しているのです。それもあってか、彼は『自分でも見たことがない自分がスクリーンに現れる。この作品に巡り合えたことは幸せ』と感慨深げでした」(取材記者)稲垣の脇を固めるのは長谷川博己(41)、渋川清彦(44)、池脇千鶴(36)ら演技派の役者陣。阪本監督独特の世界観で、重厚な人間ドラマが描かれている。そのため、快挙にも期待が高まっているようだ。「東京国際映画祭で日本映画がグランプリを受賞したのは、05年の『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)。ただ今回は上映した際の反応がかなり良かったみたいで、期待が高まっています。快挙もありえるのではないでしょうか」(映画業界関係者)グランプリ発表の11月2日、戴冠して満面の笑みを浮かべる稲垣が見られるかもしれない。
2018年10月31日第28回東京国際映画祭が開催中の東京・六本木ヒルズで10月25日(日)、コンペティション部門に選出されている日本映画『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』の公式会見が行われ、主演を務める竹内結子と橋本愛、メガホンをとる中村義洋監督が出席した。第26回山本周五郎賞」を受賞した小野不由美のホラー小説「残穢」を映画化。小説家である「私」(竹内さん)と、女子大生の「久保さん」(橋本さん)が、久保さんの暮らす部屋で聞こえる奇妙な“音”の真相を探り、恐るべき事件に巻き込まれる。大の怖がりだと言う竹内さんは、「大好きな中村監督のお仕事で、断る理由がなかったが、あとから怖い話だと聞いて…」と複雑な表情。撮影中は「別の思考回路を開いて、『怖くない、何も信じない』と唱えながら演じた」と気丈に振る舞ったのだとか。海外プレスを前に「家に帰ると、電気を消しては眠れず…。きっと(映画を)見た人は後悔する…」と主演女優としてあるまじき(?)珍アピールを披露した。一方、「逆にホラーはまったく平気。夜も真っ暗にしないと眠れない」という橋本さん。以前から中村監督のファンだったそうで、「いつかご一緒したいと思っていたし、そのチャンスが監督には珍しいホラーとあって、とてもうれしい」と初タッグの喜びを語った。海外進出については、「常に新しいことに挑戦したいので、興味はあります。そのためには、苦手な英語を頑張らないと」(竹内さん)、「直感でやってみたいと思えれば。ぜひ英語がヘタな日本人役でお願いします」(橋本さん)と抱負のコメント。そんなふたりに、中村監督は「ずっとキレイだな、たまらないなと思いながらカメラをのぞいていた」と明かし、海外プレスの笑いを誘っていた。過去に、東京国際映画祭で日本映画がコンペ部門のグランプリに輝いたのは、『台風クラブ』(相米慎二監督/第1回)と『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督/第18回)の2回のみ。今年は本作に加えて、『FOUJITA』、『さようなら』と3本の日本映画がノミネートされている。第28回東京国際映画祭は10月31日(土)まで、メイン会場となる六本木ヒルズをはじめ、TOHOシネマズ新宿などで開催。『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』は、2016年1月30日(土)より全国にて公開される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋― 2016年1月30日より全国にて公開(C) 2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
2015年10月25日第28回東京国際映画祭のラインナップ発表会見が9月29日(火)に開催され、『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』の竹内結子に中村義洋監督をはじめ、コンペティション部門に選出されている日本映画3作品の監督やキャストらが出席した。コンペティション部門には86の国と地域から計1,904本の応募があり、その中から選りすぐりの16本がラインナップされた。そのうち、邦画では『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』、『FOUJITA』、『さようなら』という3本が選出されているが、同映画祭のコンペティション部門に萌芽が3本入るには実に11年ぶりとなる。この日は『残穢』から中村監督と竹内さん、『FOUJITA』の小栗康平監督、『さようなら』の深田晃司監督と主演のブライアリー・ロングが出席。映画祭プログラミングディレクターの矢田部吉彦氏からは小栗監督、中村監督、深田監督という3氏のノミネートに「日本映画の巨匠、ヒットメーカー、若手のホープの3作品が揃った」との評も飛び出した。『残穢』は小野不由美の小説の初実写化作品であり、その内容の“怖さ”が大いに話題となっているが、中村監督は「読んでいても本当に怖い小説で読むのをやめたくなるくらいだった」と語る。とはいえ自身が撮影するとなると怖さは「克服できる」と語るが、隣の竹内さんは首を振ってこれを即座に否定!中村監督曰く「全然、(克服)しなくて、脚本を読んでくれなかった(苦笑)」とのこと。竹内さんは原作の帯にあった「手元に置いておきたくない」という言葉に触れ「ヤバいとアラームが鳴った。明るい時間を待って、監督に弱音を吐きつつ、撮影がいよいよ始まる時に事務所で読みました」と苦笑交じりにふり返った。この日、竹内さんは劇中と同じメガネルックで出席となったが、撮影時もやはり、恐怖をぬぐうことはできなかったようで「一刻も早くうちに帰りたかった」と述懐。まだ竹内さん自身も完成した映画をけな賞で来ていないそうで「心して掛からないと…」と語っていた。小栗監督は10年ぶりの新作の題材に数奇な運命を歩んだ画家・藤田嗣治を選びオダギリジョーに主演を託したが、オダギリさんのフジタについて「とてもよかったです。猫か犬かで例えると猫で、ナヨッとした新体制はオダギリさんにも藤田にもあり、独特の身体感覚見られます」と語る。さらに「俳優は『おれがおれが』となりがちだけど、オダギリさんは『監督が良ければ結構です』と任せてくれる人。それはすごく大事なことで、天候、自然にも任せていく人」と独特の表現でオダギリさんのスタンスを称えた。矢田部ディレクターから「日本映画にはなかなかない作品」と評された『さようなら』は平田オリザの20分ほどの戯曲を元にした作品。深田監督は「余白を埋めていくのが楽しかった」と手応えを口にする。ブライアリーは「撮影前に監督と福島の南相馬や浪江町を訪れて、原発事故で避難を余儀なくされた人々に会ったのが印象的で心を動かされました」と語る。原発という社会性の高いテーマを題材にした映画とあって「大きな責任を感じています」とも。一方で、アンドロイドを相手とする珍しいシチュエーションについては「2010年に芝居を初演していて、ロボットと共演する機会が多くて慣れてます」と語り笑いを誘っていた。日本映画のコンペ部門でのグランプリ受賞は過去に『台風クラブ』(相米慎二監督/第1回)と『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督/第18回)の2回のみ。邦画3作がノミネートとあって期待が高まる。コンペ以外では、昨年新設された、新時代を切り開いた映画人に贈られる「サムライ賞」が山田洋二監督とジョン・ウー監督に送られることが発表された。授賞式は10月26日、映画祭にプログラムである「歌舞伎座スペシャルナイト」内で歌舞伎座にて開催される。また映画祭のdフェスティバルナビゲーターを「午後の紅茶」のCMなどで話題の季葉(きわ)と野村雅夫が務めることも明らかになった。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)より31日(土)まで六本木ヒルズ、新宿の劇場ほかで開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:FOUJITA 2015年11月14日より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋― 2016年1月30日より全国にて公開(C) 2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
2015年09月29日第28回東京国際映画祭の概要説明会見が7月28日(火)、都内で行われ、コンペティション部門の審査委員長を『X-MEN』シリーズで知られるブライアン・シンガー監督が務めることが発表された。通算8度目となる10月の来日を前に、シンガー監督は「映画を愛する者として、フレッシュで新しい作品を観られるということが一番の栄誉だと感じています」と今回の決定に喜びを語り、「審査委員のひとり、さらには審査委員長の立場から、映画監督たちの成長を手助けできることは、なお一層の栄誉です。私は商業映画も手がけてきましたが、キャリアの出発点は映画祭です。映画祭の重要性を心から理解していますし、映画祭にまた参加できることをとても楽しみにしています。審査委員として、そしてほかでもないひとりの観客として」と意気込みのコメントを寄せた。また、同日、オープニング作品にロバート・ゼメキス監督の最新作『ザ・ウォーク』、クロージング作品に佐藤浩市と本田翼が共演する『起終点駅 ターミナル』が決定したことも明らかになり、会見では佐藤さん&本田さんからもビデオメッセージも上映された。10年前に『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)で主演男優賞を受賞している佐藤さんは、「今回も初日に現場に入ったときに、『雪に願うこと』の初日に感じた、現場の意識の高さを感じました。それが東京国際映画祭のクロージング作品になったということが、僕にとっては本当に嬉しい驚きでいっぱいです」。本田さんは「本当に光栄です。この作品は、見終わった後に、少し幸せになれるようなあたたかい作品です。この秋お会いできることを楽しみにしています」と映画祭の開幕を心待ちにしていた。会見には日本を含むアジアの監督3名が、ひとつのテーマでオムニバス映画を共同製作するプロジェクト「アジア三面鏡」に参加する行定勲監督(日本)、ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)、ソト・クォーリーカー監督(カンボジア)が出席。来年の完成を目指し、3名によるディスカッションが進んでいると言い、行定監督は「映画祭がアジアの作品にスポットを当てることは非常に大切。自分自身もアジア映画に影響を受けてきたし、今回の試みは刺激的。体当たりで挑戦したい」と意気込んでいた。【第28回東京国際映画祭】概要主催:公益財団法人ユニジャパン(第28回東京国際映画祭実行委員会)共催:国際交流基金アジアセンター(アジア映画交流事業)東京都(コンペティション部門)期間:2015年10月22日(木)~10月31日(土)[10日間]開催会場:六本木ヒルズ(港区)、新宿バルト 9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ 新宿ほか、 都内の各劇場及び施設・ホールを使用(text:cinemacafe.net)
2015年07月28日直木賞作家・桜木紫乃原作を基に、俳優・佐藤浩市と現在月9「恋仲」(フジテレビ)に出演する本田翼が初共演を果たす映画『起終点駅 ターミナル』。この度、本作が10月22日(木)より開催される、第28回東京国際映画祭のクロージング作品に決定。主演の2人から喜びのコメントが到着した。北海道・釧路の地で、ひっそりと孤独に生きる弁護士・鷲田完治(佐藤浩市)と、とある事件の被告人として完治の前に現れた敦子(本田翼)。過去に複雑な事情を抱えている2人が出逢ったことで、それぞれの止まっていた時間が動き出し始める…。2013年「ホテルローヤル」で第149回直木賞を受賞した桜木紫乃の最高傑作との呼び声も高い小説が初映画化された本作。主人公・鷲田完治を務めるのは、『愛を積むひと』や『HERO』『アンフェア the end』など数々の話題作に出演する佐藤浩市。完治と出会い、救われ、新たな人生に希望を見出していくヒロイン・椎名敦子を本田翼が好演する。今回クロージング作品に選ばれたことについて佐藤さんは「僕は10年前の2005年、東京国際映画祭で根岸吉太郎監督『雪に願うこと』という映画で主演男優賞を頂きました。ちょっと自分で言うのも口幅ったいですけれども(笑)。不思議なことに今回も『起終点駅 ターミナル』という映画の初日に現場に入ったときに、本当に偶然なんですけれども、『雪に願うこと』の初日に現場で感じた、監督・スタッフ共に、この映画が何に向かっていくのか、というみんなの意識の高さを感じました。それと同じ匂い、空気感を今回の『起終点駅 ターミナル』で感じたんです。それが今回こういう形で東京国際映画祭のクロージング作品になったということが、僕にとっては本当に嬉しい驚きでいっぱいです」と喜びを語った。ヒロインの本田さんは「『起終点駅 ターミナル』を、第28回東京国際映画祭のラストを飾るクロージング作品に選んでいただき、本当に光栄です。この作品は、見終わった後に、少し幸せになれるようなあたたかい作品です。この秋お会いできることを楽しみにしています」とコメントを寄せた。『起終点駅 ターミナル』は11月7日(土)より全国にて公開。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)~10月31日(土)にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年07月28日前回はJR山手線の列車ダイヤを観察してみた。単調でつまらないと思ったら意外と発見が多く、興味深かった。この調子で山手線のお隣、京浜東北・根岸線のダイヤも観察してみよう。大宮駅と大船駅を結ぶ路線だけど、実際に乗ろうとすると、大宮・大船以外の行先も多い。蒲田、南浦和、赤羽、磯子など、途中駅までの列車がいくつも設定されている。さて、どんな模様を描くだろうか?今回も「MyLINE東京時刻表」から列車の時刻を列車ダイヤ描画ソフト「Oudia」に入力した。でも正直なところ、これだけの列車本数をすべての駅に対して入力するなんてたいへんだ。そこでちょっと手抜き。この路線は複線で、途中駅の列車交換や追越しもないから、始発駅と終着駅のみ入力。微調整として東京駅や横浜駅など主要駅を必要に応じて設定してみた。これでもダイヤの全体像はわかるはず。それでは、京浜東北・根岸線の平日ダイヤを表示してみよう。美しい! 日中の快速運転を青い線で表示した効果もあって、まるで洞窟から空を仰ぎ見るような、カーテンを開けて光を浴びるような、美しい幾何学模様が描き出されたではないか。列車ダイヤってアートになるかもしれない!?落ち着いて観察してみると、まず色の濃い部分は朝と夕方のラッシュアワーだ。そして上下の中央の部分が最も濃くなっている。南浦和駅や蒲田駅などで折り返して、東京都心の列車本数を増やしているからだろう。朝のラッシュは午前10時まで及んでいて、山手線より終わりが遅め……というより、品川~田端間は山手線と京浜東北線が並んでいるから、ラッシュアワーの後半は京浜東北線が役割を分担しているといえそうだ。逆に夕方のラッシュアワーは山手線と違って18~19時台の密度が濃い。拡大してみよう。東京駅付近が最も列車の密度が高く、上下の端に行くほど密度が薄くなっている。京浜東北・根岸線の行先が多い理由も、やはり都心と郊外の輸送量の違いを物語っている。ただし、下のほうにも色が濃くなっている部分がある。これは東神奈川~桜木町間だ。この区間には横浜線の電車が乗り入れている。横浜線はラッシュ時間帯だけではなく、日中も乗り入れているから、朝夕のラッシュアワーの間も帯状に濃くなっている。日中の快速運転は青い線で示している。実際に通過運転する区間は田端~浜松町間。各駅に停まる列車よりも速いから、列車の線の角度が立っている。鉄道業界では、「スジが立っている」というそうだ。拡大してみると傾きの違いがわかりやすい。大宮駅付近と大船駅付近はダイヤの隙間が多いけれど、事情はちょっと違う。根岸駅には石油ターミナルがあるため、根岸~大船間は貨物列車も多いのだ。そのダイヤはここには反映されていない。ところで、2015年3月に上野東京ラインが開業すると、並行する京浜東北線のダイヤにも変化が現れそうだ。日中の快速運転は上野東京ラインに譲るかもしれないし、朝夕のラッシュアワーの運行本数が減るかもしれない。あるいは運行本数を維持して混雑率低下を計るかも!? このダイヤと来年3月以降のダイヤを比較しても面白そうだ。
2014年12月07日第35回モントリオール世界映画祭の「ワールド・コンペティション」部門に正式出品されることが決定した『アントキノイノチ』の完成報告会見が8月10日(水)、都内ホテルで開かれ、主演を務める岡田将生、榮倉奈々をはじめ、原田泰造、松坂桃李、メガホンを取った瀬々敬久監督が出席した。原作はさだまさしの同名小説。ある事件を機に、心を閉ざしながら生きる2人の男女(岡田さん、榮倉さん)が、遺品整理業の現場で、死者が人知れず遺したもの、そこに込められた思いに触れることで“イノチ”の尊さを取り戻していく姿を描く。今回が初共演となる岡田さんと榮倉さん。岡田さんは「積極的に話しかけてくれて、とてもしゃべりやすい人。僕の心も和らいだ」と榮倉さんの印象をコメント。一方の榮倉さんは「目が純粋で、まるで小学生と喋ってるみたい(笑)。かわいらしい人」。これには岡田さんも「もう22歳なんですけど…」と苦笑しきりだった。撮影中に東日本大震災が発生。瀬々監督は「当初は人々の絆が失われた“無縁社会”がテーマだったが、震災後、人々の心の中に絆を求める気持ちがあるんだとハッキリした。作品に対する決意を新たにする部分も大きかった」と神妙な面持ち。そんな監督についてキャスト陣は「私のことをずっと“岡田さん”って呼んでいた。名前を覚えてもらったのは、撮影が終わる1週間前」(榮倉さん)、「現場で“松岡くん”って呼ばれて、僕も岡田くんも一瞬『誰?』って振り向いてしまった」(松坂さん)と瀬々監督の天然ボケな素顔を暴露した。また、原田さんは「オファーをいただいたときは、プロレス映画かと思った。主演2人の演技がとにかくすごくて、抱きしめてあげたくなるほど。それと2人を見守る自分も自分で抱きしめてあげたい」と面白おかしく語っていた。モントリオール世界映画祭は8月18日(現地)に開幕。翌19日に本作をプレミア上映し、主演の2人と瀬々監督が現地入りする。「とてもびっくり。世界のみなさんと楽しみながら、作品を共有できれば」(岡田さん)、「ずっと海外の映画祭に行ってみたいと思っていた。国境を越えてこの作品を観てもらえるのが、いまから楽しみ」(榮倉さん)と期待を寄せていた。同映画祭は、トロント国際映画祭と並ぶ北米最大規模の国際映画祭。2006年に奥田瑛二監督の『長い散歩』、2008年には『おくりびと』がグランプリを受賞したほか、2009年の監督賞を『ヴィヨンの妻』の根岸吉太郎監督が、そして昨年は『悪人』で深津絵里が主演女優賞を受賞。近年、日本映画を高く評価する映画祭として、その動向が注目を集めている。『アントキノイノチ』は11月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会■関連記事:岡田将生×榮倉奈々を絶賛!『アントキノイノチ』がモントリオールへ岡田将生は心の叫び、榮倉奈々は泣きながら願う――『アントキノイノチ』特報到着「女神のイタズラ」松坂桃李動画インタビュー!共演の杏を大絶賛の理由とは…?作業着姿の岡田将生&榮倉奈々の画像が解禁!『アントキノイノチ』豪華共演陣も発表!“ブラック・ジャック”岡田将生、脚フェチ告白の仲里依紗に振り回されっぱなし?
2011年08月10日岡田将生、榮倉奈々主演の『アントキノイノチ』が、8月18日(木)より開幕する第35回モントリオール世界映画祭の「ワールド・コンペティション」部門に正式出品されることが決定した。歌手のさだまさしが2009年に発表した同名小説を映画化。ある事件から他人に心を開くことなく生活を送る2人の男女が、“遺品整理業”という仕事を通じて、失われた命や遺されたもの、そこに込められた思いに触れることで生とのつながりを取り戻していくさまを描く。モントリオール世界映画祭は、トロント国際映画祭と並ぶ北米最大規模の国際映画祭。近年、日本映画が毎年のように受賞しており2006年には奥田瑛二監督の『長い散歩』、2008年には『おくりびと』がグランプリを獲得。同じく2008年の脚本賞を君塚良一の『誰も守ってくれない』、2009年の監督賞を『ヴィヨンの妻』の根岸吉太郎監督が、そして昨年は『悪人』で深津絵里が主演女優賞を受賞している。特に『おくりびと』はこのモントリオールでの受賞を皮切りに国内外で絶賛を浴び、オスカーの最優秀外国語映画賞にまでのぼりつめたこともあり、今後の賞レースを予測する上でも注目を集める。同映画祭のセルジュ・ロジーク代表からは「心を失ってしまった2人が、死に接することによって生きることの幸せと儚さに気付く物語です。主演2人の演技は完璧の一言につきます」と作品、主演の2人の演技を絶賛するコメントが寄せられている。瀬々敬久監督にとっては、今年のベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞と最優秀アジア映画賞の2冠に輝いた『ヘブンズ ストーリー』に続く最新作として期待を集める本作。今回のノミネートに際し、監督からは「いまの日本の現実の中で“生きること”とは何なのかと考えながら作った映画なので、まず最初は日本の観客のみなさんに観ていただくことが一番だと思っていましたが、こういう機会をいただいたからには、この映画を通して世界の人たちと想いを共有できることを願っています」とのコメントが到着。岡田さんは「素直に『嬉しい』の一言につきます。嬉しいです!」、榮倉さんも「海外の映画祭に出品されるなんて、夢を見ているようです。携わったみんなの愛が吹き込まれたこの映画をよりたくさんの方に観てもらえること、嬉しく思います」と喜びを語り、日本以外の国の多くの人々の反応に期待を寄せる。なお、本作のほかに今年のモントリオールには、板尾創路監督、主演に浅野忠信、石原さとみも出演している『月光ノ仮面』、窪田将治監督作『クレイジズム』が「フォーカスオンワールドシネマ長編」部門に、齊藤潤一監督によるドキュメンタリー作品『平成ジレンマ』が「世界のドキュメンタリー」部門に出品される。第35回モントリオール世界映画祭は8月18日(木)より8月28日(日)まで開催。『アントキノイノチ』は開幕直後にプレミア上映が予定されている。現在、監督およびキャスト陣の出席については調整が進められているという。『アントキノイノチ』は11月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会■関連記事:岡田将生は心の叫び、榮倉奈々は泣きながら願う――『アントキノイノチ』特報到着「女神のイタズラ」松坂桃李動画インタビュー!共演の杏を大絶賛の理由とは…?作業着姿の岡田将生&榮倉奈々の画像が解禁!『アントキノイノチ』豪華共演陣も発表!“ブラック・ジャック”岡田将生、脚フェチ告白の仲里依紗に振り回されっぱなし?岡田将生が若き日のブラック・ジャックに!手塚治虫の名作ドラマ化共演に仲里依紗
2011年08月02日第23回東京国際映画祭のクロ―ジングセレモニーが10月31日(日)、東京・六本木ヒルズ内で行われ、最高賞の東京サクラグランプリにイスラエルのニル・ベルグマン監督作『僕の心の奥の文法』、審査員特別賞に新藤兼人監督の『一枚のハガキ』を選出し、閉幕した。ベルグマン監督は、2002年の第15回に続く2度目のグランプリ獲得で「8年前にサクラグランプリをもらい、その映画(『ブロークン・ウィング』)は成功した。いつも映画作りで大切なのはプロセスだと言ってきて、いまもそう思っていますが、賞も大事」と話し、一緒に登壇した出演女優のオルリ・ジルベルシャッツをかたく抱擁。映画祭大使の木村佳乃からトロフィーを手渡され、またオルリと手を握り合って喜んだ。審査員特別賞は、日本の現役最高齢映画監督、新藤兼人の『一枚のハガキ』。車イスで登壇すると「スタッフ、キャスト、観てくださった方々に感謝したい、選んでくださった審査員の方々に厚く御礼申し上げます。長く映画をやってきましたけれど、これが私の最後の作品でございます。98歳になりました。これ以上は無理だと思います。この辺でお別れをすることになります。みなさんもどうか元気でいい映画を作ってください」とゆっくりだが、しっかりした口調で映画ファン、そして“後輩たち”へメッセージを送った。コンペティション部門の審査委員長ニール・ジョーダン監督は「日本の巨匠、新藤監督の作品を含む審査をできたことは光栄」、審査員特別賞のプレゼンターを務めた同部門審査員のひとり、根岸吉太郎監督も「この方の反戦に対する強い執念に、我々は心を打たれました」とそれぞれ敬意、称賛の意を表した。最優秀男優賞は『鋼のピアノ』のワン・チエンユエンが受賞。「初めて参加した映画祭で初めての賞。十数年来、俳優の仕事をしてきた中で大きな励み。幸せな午後です」と大柄な体を揺らして喜んだ。最優秀監督賞は『サラの鍵』のジル・パケ=ブレネール監督で、観客賞受賞に続いて登壇し「コンニチワ、アゲイン。自分はベストディレクターだとは思っていない。ここに来て素晴らしい監督たちとご一緒できました」と謙虚な姿勢で語った。第23回東京国際映画祭受賞一覧<コンペティション部門>東京 サクラ グランプリ:『僕の心の奥の文法』審査員特別賞:『一枚のハガキ』最優秀監督賞:ジル・パケ=ブレネール(『サラの鍵』)最優秀女優賞:ファン・ビンビン(『ブッダ・マウンテン』)最優秀男優賞:ワン・チエンユエン(『鋼のピアノ』)最優秀芸術貢献賞:『ブッダ・マウンテン』観客賞:『サラの鍵』<アジアの風(出品23本)>最優秀アジア映画賞:『虹』シン・スウォン監督コメント「低予算で作り、小さな映画館でしか上映されていない作品が、このような大きな場で上映されて光栄という思いで、この間の木曜日に一度韓国に帰りました。そうしたら一昨日の夜、もう一度日本に来てほしいと連絡をいただき、とても驚きました。もっともっと頑張れという意味でいただいた賞だと思っています」アジア映画賞 スペシャル・メンション:『タイガー・ファクトリー』<日本映画・ある視点部門(出品8本)>作品賞:『歓待』深田晃司監督コメント「規模の小さい作品で今年撮りました。暑い中、倒れるスタッフが出るようなこともありましたが、それがこのような賞をいただけてとても嬉しいです」。<TOYOTA Earth Grand Prix>グランプリ:『水の惑星ウォーターライフ』審査員特別賞:『断崖のふたり』(photo/text:Yoko Saito)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:【TIFFレポート】新藤兼人映画製作打ち止めを撤回?「また作ってもいいかな」【TIFFレポート】新妻・木村佳乃笑顔と華やかドレスでTIFF閉幕に華TIFFインタビュー『海炭市叙景』南果歩×谷村美月×竹原ピストル×熊切和嘉【TIFFレポート】加瀬亮映画初主演作と同じ脚本家作品に「光栄でプレッシャー」TIFFクロージングにハズレなし?『ザ・タウン』“監督”ベン・アフレックに称賛の声
2010年10月31日モントリオール世界映画祭で『悪人』(李相日監督)に出演している深津絵里が最優秀女優賞を受賞した。本作は吉田修一の同名小説の映画化作品で、ある殺人事件を巡る被疑者、被害者、その遺族、被疑者の家族などの姿を通して、真の“悪人”とは何者かを問いかけるドラマ。深津さんは、妻夫木聡演じる殺人犯・祐一に付き添い、逃避行を繰り広げる女性・光代を演じており、全編にわたって九州の方言での演技で、官能シーンにも果敢に挑戦している。妹と二人暮らしで紳士服量販店に勤め、ほとんど地元の街から出たことのない、どこか垢抜けない女。そんな彼女が出会い系サイトを通じて祐一と出会い胸を躍らせるも、突如、彼から殺人を犯したという告白を受け、彼の逃避行に付き従う。登場からラストまで、揺れ動く心情を繊細に表現。北米の地でも高い評価を受け、見事、最優秀女優賞に輝いた。日本映画の同映画祭における受賞は2008年の『おくりびと』の最優秀作品賞と『誰も守ってくれない』の脚本賞(君塚良一)、2009年の『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』の監督賞(根岸吉太郎監督)に続き3年連続。また同最優秀女優賞の日本人受賞は1983年の『天城越え』における田中裕子の受賞以来の快挙となる。授賞式で壇上に上がった深津さんは「ありがとう、メルシーボク。私がここで手にしている賞は『悪人』という作品を作った全てのスタッフにいただいた賞だと思っています。本当に嬉しいです。日本にいるキャスト、スタッフのみんなにこの喜びを伝えたいです。ありがとうございました」と挨拶。授賞式後にコメントを求められた際も「監督の演出がなければあの演技はできなかったと思うし、(相手が)妻夫木さんでなかったら獲れなかった賞だと思います」と謙虚に監督と共演の妻夫木さんへの感謝を口にした。李相日監督は「役者の力を見せつけられた。全員で勝ちとったと思います」と語り、妻夫木さんも「夢のような感じがします。僕らの熱が伝わったと思います。深津さんがいたからこそ、高め合って、支え合って撮影できた。なにか家族が賞を獲ったような気がします」と喜びを語った。『悪人』は9月11日(土)より全国東宝系にて公開。今後、国内の賞レースでも注目を集めそうだ。■関連作品:悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:『悪人』にモントリオール喝采!妻夫木聡&深津絵里も現地の反応に感激『悪人』の李相日監督がハンディカムCMを演出!真夏の大騎馬戦を珠玉のドラマに妻夫木聡は自称“仕事人”「仕事ください」妻夫木聡らが日本代表に声援!…も、樹木希林は「サッカーは頭の細胞に悪そう!」
2010年09月07日8月下旬より開催中のモントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門に出品されている映画『悪人』の公式記者会見ならびにプレミア上映が9月5日(現地時間)に開催され、妻夫木聡、深津絵里、李相日監督が出席した。トロント国際映画祭と並び、北米最大規模を誇る同映画祭。近年、ここで最高賞を獲得した『おくりびと』がアカデミー賞外国語映画賞を獲得したこともあり、高い注目を集めている。昨年は『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』で根岸吉太郎監督が監督賞を受賞しており、日本映画への期待度も高い。本作は吉田修一の同名長編小説を原作に、ある殺人事件とそこに関わる人々を通じて“悪”という存在の本質をあぶりだしていく。朝9時から行われたプレス用の試写会は800を超える席全てが埋まる盛況ぶりで、会見でも脚本や演出面にまつわる質問が次々と飛び出した。また、同日の夜のプレミア上映では、上映後にスタンディング・オベーションがわき起こり、ロビーに残った観客が監督に質問をぶつけるなど大盛況だった。監督は「モントリオールの人々は映画を愛し、映画がないと生きていけない人たちと聞いています。『悪人』が素晴らしい薬になることを祈っています」とコメント。妻夫木さんはモントリオールに来るのは初めてです。こういった機会に恵まれて感謝しています。この『悪人』というのは僕自身、原作を読んで自らやりたいなと思って志願してきた作品で、僕の役者人生の中では特別な作品だと思っています。僕自身、俳優をやり始めて13年目ですが、いま自分にできる全てを出し尽くしたと思います。その想いというのが、日本の方だけでなく、こうやってモントリオールの方々にも触れていただけるということがまたさらに嬉しいことです。この作品は、人としてどうあるべきかということを問いただしている作品だと思います。日本の人たちだけでなく世界の人に対しても同じことだと思うし、僕らが普遍的に考えていかなければいけないことだと思っています。少しでもそういったことを感じてもらい、自分自身自問自答していただければ嬉しいなと思います」と現地の人々の反応に触れた喜び、そして作品への思いを語ってくれた。深津さんも「まさか去年の冬に撮影しているときに、この作品が海を越えると思っていなかったので、いまここでご挨拶していることが夢のような瞬間です。このお話は九州に住む、ごくごく普通の人間たちに起こる物語です。それが、ここ海を渡ったみなさまの胸にどのように届くのか、いまとても不安ですが、少しでも多くの方に観ていただきたいと思える、そんな作品に私自身出会えたので、世界の方々に観ていただける機会ができてとても嬉しいです」と胸の内を明かした。なお、授賞式はまもなく、日本時間7日(火)午前10時から開催される。『悪人』は9月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:深津絵里、モントリオール映画祭で最優秀女優賞!「全てのスタッフにいただいた賞」『悪人』の李相日監督がハンディカムCMを演出!真夏の大騎馬戦を珠玉のドラマに妻夫木聡は自称“仕事人”「仕事ください」妻夫木聡らが日本代表に声援!…も、樹木希林は「サッカーは頭の細胞に悪そう!」
2010年09月07日映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の初日舞台あいさつが10月10日(土)、東京・TOHOシネマズ シャンテで行われ、主演の松たか子、浅野忠信が夫婦愛について語った。今年生誕100年を迎えた文豪・太宰治の同名短編小説をベースに太宰の他作品の要素も盛り込んだオリジナルストーリーで、借金を重ね、愛人と心中未遂を起こすなど破滅志向のある小説家・大谷(浅野さん)と、彼を逞しく支え続ける妻・佐知(松さん)の夫婦愛を描く。第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞している本作。夫の浮気に耐える佐知の生き方について、司会のフジテレビ軽部真一アナウンサーから感想を求められた松さんは「特にお薦めはしません。人それぞれの人生があり幸せがあると思いますし、みなさんが嫌な思いをしなくてもいい。無理に押し付ける気はさらさらないです」と苦笑い。観客の笑いを誘いつつ「当たり前のことですが、自分なりの幸せを考えるきっかけになれば」と上手にまとめた。隣で肩を揺らして笑っていた浅野さんは、大谷の生き方について「さらさらお薦めできないです」と観客を盛り上げながら、「男としてこういうことをしてみたくなることはある、と共感できましたが、こんなに大っぴらにできるのかな?と思うことが多々ありました。こっちかこっちと、どちらか選ばないといけない状況に立たされたとき、大谷は大体危ない方を選ぶんです。それをあるときはやってみるべきなのかな?と思いました」と浮気願望(?)を口にした。一方、大谷の愛人・秋子を演じた広末涼子は劇中で見せる自身の丸メガネ姿に「丸メガネが色っぽいと言われたんですけど全然理解できなくて…。堤(真一)さんがそう言ったんですが…」と首を傾げ、堤さんに問いかけ。観客、共演陣らが爆笑する中で堤さんは「深い意味はなかったんですよ、役の雰囲気がよく出ていて素敵だなーって」と釈明し、「日常から女性に丸メガネをかけさせているということではない?」という軽部アナのツッコミに「そういう趣味ではないです」と汗を拭う一幕も。ほかに、佐知に好意を寄せる青年・岡田役の妻夫木聡は「本当にピュアな青年で、そこをどう出したらいいかと考えて、子犬のようなイメージで演じました。キャンキャン鳴く感じですね」。佐知が働く飲み屋の女将・巳代役の室井滋は「根岸(吉太郎)監督から『東北の出身という設定なのでなまってもらいたい』と言われ、なまったら『なまり過ぎです』と言われました」。巳代の夫・吉蔵役の伊武雅刀は「根岸監督と二十何年ぶりに2本目の仕事をしましたが、この監督は粘る!」と、それぞれに撮影をふり返った。最近、太宰の墓参りをしたという根岸監督は「墓の中から、おれをダシに賞が獲れてよかったなという声が聞こえたので、すみませんと謝ってきました」と朗らかに語っていた。『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:【どちらを観る?】太宰のイメージを裏切る二作『ヴィヨンの妻』&『パンドラの匣』変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着根岸吉太郎監督『ヴィヨンの妻』がモントリオール映画祭で監督賞受賞!
2009年10月10日2009年は太宰治の生誕100年。この節目にちなんで今年から来年にかけて太宰作品を原作とした映画が4本立て続けに公開となる。5月に公開された『斜陽』に続き、10月10日(土)には『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』と『パンドラの匣』が、『人間失格』は来年公開予定だ。そこで、今回は同日に初日を迎える2本を紹介したい。世間一般的に知られている“太宰治”像は、自殺癖があって、暗い性格で、けれど男前…といった感じだろうか。もちろんその背景には「人間失格」が与えるイメージが大きい。しかし、主演・松たか子、共演・浅野忠信、『雪に願うこと』の根岸吉太郎監督という実力派のコラボレーションによって生まれた『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』は、ある1組の夫婦の生きざまを丁寧に描いた愛の物語。そこにあるのは前述したダークな印象ではなく、清々しさと切ない愛。見ごたえある文芸ドラマである。もちろん、そう言い切れるのは──愛人は作る、借金は作る、おまけに常に死を考えている小説家・大谷という、どうしようもないダメ男を魅力的に演じた浅野忠信、そんな大谷を大きな愛で包み込むしっかり者の妻・佐知を凛とした美しさで演じた松たか子、実力がなければ演じられない役どころを2人の俳優が見事に演じているからこそ。さらに、日本を代表する美術監督の種田陽平の率いる美術チームが創り上げた昭和20年代のセットの素晴らしいこと!原作、キャスト、スタッフ…すべて一流という贅沢な1作はファンならずとも見逃せない。そして、大人の愛を描いた『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』に対抗するのは、1945年、太平洋戦争中の日本を舞台に、結核にかかった青年・ひばりが人里離れた健康道場で病気の治療をしながら“新しい男”に生まれ変わろうとする姿を描いた青春モノ『パンドラの匣』だ。こちらのキャストはフレッシュさで勝負!オーディションで主役を勝ち取った16歳の染谷将太が主人公のひばりを演じるほか、看護師・竹さん役を2008年に著書「乳と卵」で第138回芥川龍之介賞を受賞した作家でありミュージシャンである川上未映子。意表を突いたキャスティングが見どころとなっている。演技初心者のキャストでは不安を感じるかもしれないが、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よしきた」──という小説そのままのセリフや雰囲気ある健康道場など、ファンタジックとも言える世界観を強く意識できるのは、無名の俳優だからこそ。役者に対する先入観がない分、その世界観が浮き立ってみえる。また、『パリビリオン山椒魚』で衝撃デビューを飾った冨永昌敬監督と菊地成孔(音楽)が再びタッグを組んでいる点も注目したい。複雑な大人の愛なら『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、甘酸っぱい青春の恋なら『パンドラの匣』という、恋愛をキーワードに選ぶのもありだが、どちらを観ても太宰治がこんなにもドラマティックでポジティブな作品を残していたことに驚かされるはず。(text:Rie Shintani)■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着
2009年10月09日変わりやすいものの代表格といえば、女心と秋の空。予測がつかず、一寸先もどうなるかわからない。9月はそんな女心を見事にとらえた作品をご紹介したいと思います。初回は、第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』。太宰治原作の「ヴィヨンの妻」をベースに、いくつかの太宰作品の要素を取り入れた作品です。主人公は小説家の妻、佐知。そして、この小説家というのが、借金を抱え、女グセ、酒グセがとことん悪いダメ男。そんな夫を健気に、明るく支える妻の姿を通して、男と女の本質の違い、他人にはわからない夫婦の絆について描いています。正直なことを言ってしまえば、この妻の気持ちは、女性の私にも分からないところが多々あります。太宰自身をモデルにしている放蕩夫は、ほかの女性との心中を繰り返し、問題を起こすたびに自分勝手な理論を展開し、悪びれもしません。浮気なら許せる人でも、愛人と心中までされたのではあまりにやるせないのではないのでしょうか。自分を置いて、ほかの人と消えてしまおうとするなんて、そんなのまさに、“存在の耐えられない軽さ”というものです。「こんな夫婦関係は、実は男性の理想なんじゃないの?」と一緒に試写を観た男性陣に訊ねてみましたが、さすがに「うーん、この夫婦の関係、わからん」と首をひねっていました。男性はもちろん、女性をも悩ます佐知の行動、そして夫への想い。唯一理解できたのは、夫婦(=男女の関係)なんて、他人にはわからないものなのだということ。確かに、現実世界では、傍からは決して理解できないような関係があふれています。友人同士ですら「どうしてあんな男といつまでも一緒にいるの」「だって好きなんだもん」「ひどい男じゃない」「私がいないとダメな人なの」「自分の幸せを考えなさいよ」…といった話が展開することなど珍しくもありません。悪い男とつきあっているとか、不倫をしている友達を説き伏せようとしても、無駄だったという経験、かなり多くの女性が持ち合わせているのではないでしょうか。結局は、自分が納得しなければ男と女は別れないし、他人が理解できようと出来まいと、自分がその関係に納得している以上、男女は別れたりしないもの。部外者はただただ、その関係を見守るしかない。まさに、この映画を観ている自分は、そんなスタンスをとっているというわけだったのです。そして、自分だったらどうするかな、自分のパートナーだったらどうするかな、などと考えつつ、自分たちの関係をふり返ったり、自分の恋愛観、夫婦観を見直したりして。そんな心の動きを誘発させる、佐知の人物描写はやっぱり、“第33回モントリオール世界映画祭最優秀監督賞”級。某誌でインタビューをした際、主演の松たかこさんは、「何でもいいから、何か感じてもらえたら嬉しいです。この二人より、自分はましかなと思ってもらってもいい」と笑っていました。なるほど。余談ではありますが、こんな話も付け加えておきましょう。ある夜、女性5人が集まっての食事会でのこと。そこには、既婚者、独身者、離婚経験者がいました。離婚経験のある一人が、「私の周りでうまく結婚生活を送っている人の多くが、男性(夫)の人生を一緒に生きている人なのよね」とぽつり。「夫の才能に惚れ込んで、この人のためなら自分の人生を捧げてもいいと思える人がいたら幸せになれるかも」。その女性は、とある業界の第一線でばりばり活躍する美人。何事もうまく行っているはずなのに、そう考えちゃうときがあるのだなとふと思ったのでした。そんな彼女は、きっと佐知に少しだけ嫉妬してしまうのかもしれません。もしかすると、そう思ってしまうキャリア女性は結構多いのかも。『ヴィヨンの妻』を観ると、自分では気づかなかった願望が目覚めてしまうかも。さて、あなたはどうでしょう。もしかして、この映画は女の踏み絵なのでしょうか…。(text:June Makiguchi)■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着根岸吉太郎監督『ヴィヨンの妻』がモントリオール映画祭で監督賞受賞!ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月18日まもなく開幕するトロント国際映画祭の「マスターズ」部門にて最新作『空気人形』が上映される是枝裕和監督が、トロントへの出発を前に報道陣の取材に応じてくれた。『ヴィヨンの妻』の根岸吉太郎監督がモントリオール世界映画祭で最優秀監督賞受賞という快挙を成し遂げた直後の取材となったが、是枝監督には一切気負いなどない様子で、淡々とした口調で抱負を語った。5月のカンヌ国際映画祭に続いての海外映画祭への出品となるが、是枝監督はこのトロント国際映画祭がことのほか気に入っているとのこと。「(デビュー作の)『幻の光』以来、これまで全ての作品を上映してもらってるんです。9.11の事件があった年は行けなかったけど、それ以外は全て現地に行っているし、『幻の光』のときは初めて海外で売れたりと自分にとって出発点になった映画祭なんです」。ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐ来場者数を誇り、世界でも有数の国際映画祭となっているが、その特徴はノン・コンペティションであり、観客賞(ピープルズ・チョイス・アウォード)が最高賞にあたるという点。「“市民”の映画祭なんですよね。僕自身、顔が思い浮かぶなじみの観客の方がいっぱいいますよ。“競いに行く”という感じじゃないんですね。(トロントは)食事がおいしくて、チャイナタウンで中華料理を食べるのが楽しみです」と、出発前からかなりリラックスしている。根岸監督がモントリオールで監督賞を受賞した点に話題を向けても「良かったと思います」と意識するでもなくニッコリ。加えて「奥田瑛ニさんが海外の映画祭で審査委員を務めている、という点も映画界にとって非常に大切なことだと思います」と真摯な表情で語った。意気込むという雰囲気を全く感じさせず、「楽しむ」という言葉が何度も口をついて出た。巨匠たちの作品が並ぶ「マスターズ」部門で、是枝作品はトロントの観客にどのように受け止められるのか?朗報を待ちたい。『空気人形』は現地時間で9月13日に上映される予定。日本では9月26日(土)よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開。■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:是枝裕和監督ティーチイン付き『空気人形』試写会に25組50名様をご招待是枝裕和監督『空気人形』、カンヌに続きトロント映画祭に“マスターズ”出品決定ペ・ドゥナ、駆け込みセーフに日本語で「遅れて申し訳…」ARATAも板尾もホッ…【カンヌ現地レポ 02】是枝監督、観客の反応に「安心した」『空気人形』初披露【カンヌ国際映画祭】日本から唯一、是枝裕和監督『空気人形』「ある視点」に正式出品
2009年09月10日第33回モントリオール世界映画祭において、日本から出品されていた『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の根岸吉太郎監督が最優秀監督賞受賞という嬉しいニュースが飛び込んできたが、この快挙について、監督と共に現地入りしていた主演の浅野忠信、および日本国内で、浅野さんから受賞のニュースをメールで知らされたという松たか子の両名のコメントが到着した。並外れた文才を持ちつつも、大酒飲みで借金持ち、おまけに浮気を繰り返すという、放蕩の限りを尽くす大谷役の浅野さんは「この映画の撮影中に監督と一緒に過ごした時間は、うそのない時間だった。そういう時間も全てひっくるめて演出していただいたことで、自分でも完璧と思える芝居を引き出していただいた。この賞をいただいたことで、その“答え”が出たと思う。監督には『おめでとうございます』だけじゃ言い尽くせない。僕は、勝手に自分のことのように思って嬉しいので『ありがとうございました』という気持ちです」とストレートに喜びを口にした。大谷に翻弄されながらも明るくしなやかに、力強く生きていく妻・佐知を演じた松さんは「監督、おめでとうございます」とまずは祝福。さらに「本当にこだわって、徹底して、この『ヴィヨンの妻』の世界を、太宰の世界を突き詰めていった監督の努力の結果であり、素晴らしい栄誉だと思います。(現地の浅野さんから)今朝、本当に『やりました』っていうメールをいただきまして、本当に何か分かち合いたいという気持ちが一番ではありますが、(浅野さんと)一緒に初めて向き合ってやった作品で、こんなプレゼントをもらえて、すごく嬉しいですし『やったね』っていう感じです」と喜びを語った。すでに海外作品に数多く出演している浅野さんはもちろん、松さんにとっても本作が海外進出のきっかけとなる可能性も!『ヴィヨンの妻』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:根岸吉太郎監督『ヴィヨンの妻』がモントリオール映画祭で監督賞受賞!ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日背中を丸めて裁縫仕事にいそしむこの男は…アントニオ猪木!こちらの写真はミュージシャンにして作家、そして映画監督としても活躍する辻仁成の6年ぶりの最新作『ACACIA』の一場面。猪木さんが、70歳を過ぎた心優しき元プロレスラーを演じる本作が、10月17日(土)より開幕する第22回東京国際映画祭でコンペティション部門に出品されることが発表された。昨年の初夏に製作が発表されて以来、“辻仁成×アントニオ猪木”という異色のコラボレーションが注目を集めていた本作。狭き門をくぐり抜け、世界中から厳選されたコンペティション部門15本の中の1作に名を連ねることとなった。物語は美しい港町を舞台に、寂れた団地の用心棒を務める心優しい元プロレスラー“大魔神”と孤独な少年の交流を中心に、高齢化が進む現代社会の一面を描き出す。猪木さんに加え、石田えり、北村一輝、坂井真紀ら実力派の俳優陣が出演する。毎年、高い注目を集める東京国際映画祭。過去に日本映画が最高賞(東京 サクラ グランプリ)を受賞したのは第1回の『台風クラブ』(相米慎二監督)と第18回の『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)の2作品のみ。3度目の快挙なるか?東京国際映画祭は10月17日(土)から25日(日)の日程で開催。『ACACIA』の前売り鑑賞券は10月3日(土)より発売開始。第22回東京国際映画祭■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催ACACIA© 2008 "ACACIA" Film Partners■関連記事:東京国際映画祭、今年の審査委員長に『バベル』イニャリトゥ監督が就任!辻仁成の最新作にアントニオ猪木主演!高齢化社会に闘魂注入!
2009年09月08日昨年『おくりびと』がグランプリを制し、アカデミー賞に向けた前哨戦としても注目を浴びるようになった、国際映画祭の最高峰のひとつ、モントリオール世界映画祭。8月27日(現地時間)より開催されていた、今年で第33回目を迎える本映画祭にて、ワールド・コンペティション部門に出品されていた、根岸吉太郎監督作『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が最優秀監督賞を獲得した。日本文学史の代表的作家・太宰治の遺した数々の作品の中でも、異彩を放つ恋愛小説を原作に、松たか子と浅野忠信を主演に迎えて夫婦の愛を綴った本作。ほかにも広末涼子、妻夫木聡、堤真一といった豪華俳優陣が根岸監督の下、華麗な競演を遂げている。授賞式の壇上に立った根岸監督は、フランス語で「メルシー・ボク(=ありがとうございます)、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク。何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールと言う映画が大好きな人々の映画祭でこの映画の第一歩を歩むことができました。本当にありがとうございます」と興奮を隠しきれない様子で感謝のコメント。さらに、「個人で撮った賞ですが、日本映画全体の名誉だと思っています。自分の名前が呼ばれたときは、自分の名前ってフランス語っぽいなぁ(笑)と感じていました。地味な演出の作品なので、賞を獲れるなんて思っていませんでした。この映画の東洋的なニュアンスをきちんと読みとってもらえて大変嬉しく思います」と並々ならぬ喜びを表した。今後の賞レース、さらに日本への凱旋も楽しみな『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日39年の短い生涯の中で、数々の傑作を生み出し、昭和の文学界の担い手の一人としていまなお愛される、太宰治。生誕100周年を迎え、まさに“太宰イヤー”と言うにふさわしく『斜陽』、『パンドラの匣』、『人間失格』と続々と著書が映画化される中、浅野忠信、松たか子ほか豪華キャストで贈る傑作ラブストーリー『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が、このたびモントリオール世界映画祭のコンペティション部門に正式出品することが決定した。どちらかと言えば、自虐的で暗いというイメージで捉えられがちな太宰だが、実は細やかな心理描写とユーモアあふれる表現で男女の様々な「愛」の形を小説に残している。そのうちの一つである本作は、文才を持ちながらも放蕩を繰り返す夫と、そんな夫を受け止め、しなやかに逞しく生きる妻の愛を綴った物語。妻・佐知役には松たか子、夫・大谷役に浅野忠信、さらに大谷の愛人に広末涼子、佐知に想いを寄せる青年に妻夫木聡、再会した佐知に惹かれてしまう弁護士に堤真一と豪華俳優陣が、国内外で高い評価を得る根岸吉太郎監督(『雪に願うこと』)のもとに集結した。本作を鑑賞した同映画祭の創設者兼ディレクターのセルジュ・ロジーク氏は、松さんの演技を「彼女はスクリーン上で“別の生き物”に豹変した」と手放しで称賛、共演キャストたちとのハーモニーを称えた。さらに、「一見、日本特有の男女関係を描いたように見えるが、実際は普遍的なもの、どの国の人が見ても理解できる内容。監督が美しい作品に仕上げた」とコメント。映画祭コンペ部門への招待を即決した。この快挙について、松さんは「『ヴィヨンの妻』が海を渡ることにとても大きな喜びを感じております。この光栄な出来事を、関わった全ての人と共に誇りにしたいと思います。この作品が観て下さった方に愛されることを祈っています」、浅野さんも「海外の方にも受け入れられたことがとても嬉しいです!」と喜びの声を寄せている。モントリオール世界映画祭といえば、昨年は『おくりびと』がグランプリを受賞した、日本の作品とも縁深い、名誉ある映画祭。今年は本作のほかに西川美和監督作『ディア・ドクター』も同部門に出品されるが、果たして日本映画に2年連続で栄冠がもたらされるという快挙なるか、注目が集まる。なお、本作の公式上映は、現地時間の9月6日を予定、浅野さんと根岸監督が揃って現地入りする予定だ。『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送ディア・ドクター 2009年6月27日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 2009『Dear Doctor』製作委員会パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会人間失格 2010年初春、角川シネマ新宿ほか全国にて公開斜陽 2009年5月9日より全国にて順次公開© KAERUCAFE DIGITAL CINEMA CIRCUS.■関連記事:「本物の方が怖いかも(笑)」『ディア・ドクター』西川美和が描く、愛すべきニセモノ瑛太、鶴瓶と過ごしたひと夏の思い出にニンマリ「本当にずーっと一緒にいました」鶴瓶&瑛太が深酒で倒れた?余貴美子も病院送りの恐るべき『ディア・ドクター』誰しもが抱える“嘘”から見る人間の“揺れ”西川美和最新作『ディア・ドクター』初主演・笑福亭鶴瓶×瑛太!『ディア・ドクター』試写会に10組20名様ご招待
2009年08月11日