展覧会「細見コレクションの漆芸 根来 NEGORO-朱と黒のかたち-」が、2022年2月10日(木)から4月10日(日)まで、京都の細見美術館にて開催される。実用から生まれた“根来”の美しさを紹介「細見コレクションの漆芸 根来 NEGORO-朱と黒のかたち-」は、漆器「根来」を一堂に集めて紹介する展覧会。「根来」は、中世に紀州・根来寺で作られた飲食器や什器に端を発するといわれており、実用的な器として生み出された。用途に適した簡潔なフォルム、長年の使用に耐えうる堅牢な造り、明快な朱と黒の色彩を特徴としている。経年変化する朱漆と黒漆のコントラスト漆を塗り重ねた器の表面は、経年とともに上塗の朱漆が擦れ、中塗の黒漆が現れる。しなやかで強い木と、鮮やかで渋みのある漆の特性を生かした「根来」ならではの、味わい深い塗肌の美しさに注目だ。会場では、細見コレクションの創始者である初代古香庵が情熱を傾けて蒐集した「根来」を紹介する。本来は神前に酒を供えるための器として用いられた「亀甲文瓶子」は、漆の朱と黒が強く引き合う、時の経過を感じさせる風合いに。加えて、寺院の食事を運ぶ際に用いられた器である「重要美術品 菜桶」や、平安時代に供物台や膳具として用いられていたとされる「高坏」、東大寺伝来とされている「湯桶」などが登場。実用に向けた造形の美しさや、長い年月を感じさせる重厚な質感を見て取ることができる。【詳細】「細見コレクションの漆芸 根来 NEGORO-朱と黒のかたち-」会期:2022年2月10日(木)~4月10日(日)会場:細見美術館住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)入館料:一般 1,300円、学生 1,000円※会期などは変更となる場合あり【問い合わせ先】細見美術館TEL:075-752-5555(代)
2022年02月04日前かがみがちで姿勢が悪く、1回の呼吸が浅い、という人が急増中!それを放置しておいたがために、体の隅々の細胞が酸素不足で苦しんでいる可能性が高いのですーー。「最近はスマホやパソコンの長時間使用が日常的になり、IT猫背とも言われる前傾姿勢の人が増えています。これでは呼吸が浅くなって、呼吸に関連する筋肉群である“呼吸筋”の柔軟性が失われ、体の隅々の細胞も元気がなくなってしまいます」そう話すのは、ハーバード大学医学部で内科学の最先端領域を研究している根来秀行先生。根来先生は正月に開催された箱根駅伝で見事優勝した青山学院大学の陸上部をはじめ、多くのトップアスリートのアドバイザーも務めている。「肺に取り込まれた空気は肺胞へ送り込まれ、毛細血管を通じて体の隅々の細胞に送り込まれます。そして、細胞が酸素と栄養素を受け取る“細胞呼吸”をした後、不要となった二酸化炭素は吐き出されます。このように、隅々の細胞がきちんと呼吸できていて、十分に酸素が行き届いていると、免疫力が高まります。さらに、呼吸筋の一部で、腹式呼吸で使われる横隔膜は、毛細血管が張り巡らされていて、自律神経も集まっているところです。横隔膜をゆっくり動かすと自律神経のうち副交感神経が優位になり、全身の毛細血管が緩み、細胞呼吸が行いやすい状態となります」(根来先生・以下同)ところが、猫背など姿勢が悪い状態がクセになると、胸で小さく呼吸する胸式呼吸になり、呼吸筋が硬くなり、呼吸の効率が悪くなる。すると、体の隅々の細胞で細胞呼吸が十分できなくなり“隠れ酸欠”の状態に陥ってしまうという。細胞の呼吸不足は自律神経の乱れにつながってしまう。根来先生が呼吸に注目するようになったのは、生活習慣病に悩む患者さんの診療にあたっているとき、その多くが睡眠不足に悩んでいたことに気づいたことがきっかけだという。「良質な睡眠を毎晩とれている人がとにかく少なかったのです。そして、その患者さんたちに共通していたのは、みなさん呼吸が浅かったという点。呼吸が浅いと、緊張状態が続くので熟睡しにくくなるのです。睡眠不足は免疫力の低下を招き、かぜをひきやすくなるだけでなく、高血圧や動脈硬化をはじめ、あらゆる体の不調にも関連します。そのためにも、しなやかな呼吸筋を維持することはとても大切です」そこで先生が推奨するのが、“呼吸筋ほぐし”。これは意識的に深い呼吸をすることで、呼吸筋を動かすものだ。まずは基本の「4・8呼吸法」から。4数えながら吸い、8数えながら吐く。呼吸筋の横隔膜を上下させるのがポイントだ。【4・8呼吸法】(1)姿勢を楽にしてイスに座り、鼻から軽く息を吐く。手を軽くおなかに添えるとおなかの動きを感じやすい。(2)おなかをふくらませながら4秒かけて鼻から息を吸う。おなかが数センチくらいふくらむようにしっかり吸い込む。(3)肛門→恥骨→へそ→横隔膜とチャックを閉めるイメージで、おなかをへこませつつ8秒かけて鼻から息を吐く。(2)、(3)を気分が落ち着くまで繰り返す。「さらに、『4・8呼吸法』の吸う-吐くの合間で4数えて呼吸を止める『4・4・8呼吸法』は、間で息をとめることで、より確実に酸素が細胞まで届くようになり、いっそう効果的です」睡眠前には「寝たまま腹式呼吸」がおすすめだ。「この呼吸法は入眠作用があるだけでなく、リンパを流す作用もあるので、翌朝起きたときに体がスッキリしていると感じられるはずです」【寝たまま腹式呼吸】(1)あおむけに寝て膝を立て、胸とおなかに手を置く。あごを軽く引き、鼻から息を吸い込む。無理におなかを膨らませようとせず、入ってくる息にまかせる。(2)おなかの力を緩め、鼻から息を吐き、おなかがへこむのを手でたしかめる。肛門→恥骨→へそ→横隔膜とチャックを閉めるイメージで、長くゆっくりと、同じペースで息を吐く。夜中、ふと目が覚めてしまったら、「10・20呼吸」を。「10数えながら下腹に息を入れるイメージで鼻から空気を吸い込み、20数えながら息を吐き出す方法です。行っているうちに自然に眠りに戻れますし、睡眠ホルモンのメラトニンの材料となるセロトニンが分泌され、質のよい睡眠にもつながります」これらの呼吸には、腹筋を鍛えられるという効果もあるそうだ。「深い呼吸は1分程度でも十分効果を得られますが、頻繁に行えば行うほど好ましいです」呼吸筋をしっかりほぐして、隠れ酸欠を防ぎ、かぜやウイルスを寄せ付けない体をつくろう。「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月14日「最近はスマホやパソコンの長時間使用が日常的になり、IT猫背とも言われる前傾姿勢の人が増えています。これでは呼吸が浅くなって、呼吸に関連する筋肉群である“呼吸筋”の柔軟性が失われ、体の隅々の細胞も元気がなくなってしまいます」そう話すのは、ハーバード大学医学部で内科学の最先端領域を研究している根来秀行先生。根来先生は正月に開催された箱根駅伝で見事優勝した青山学院大学の陸上部をはじめ、多くのトップアスリートのアドバイザーも務めている。私たちは24時間絶えず無意識に呼吸をしているが、通常の呼吸の1回の換気量は500ml程度。これが浅い呼吸になるとその半分の250ml程度、いっぽう深い呼吸だと1Lにもなる。また、呼吸によって吸い込んだ空気には死腔と呼ばれるガス交換に使われない部分がある。これはどんな呼吸をしようとも等しく毎回150ml程度。つまり、呼吸の深さによって、1回の呼吸で3~9倍近くの換気量の差が生じることになる。「肺に取り込まれた空気は肺胞へ送り込まれ、毛細血管を通じて体の隅々の細胞に送り込まれます。そして、細胞が酸素と栄養素を受け取る“細胞呼吸”をした後、不要となった二酸化炭素は吐き出されます。このように、隅々の細胞がきちんと呼吸できていて、十分に酸素が行き届いていると、免疫力が高まります。さらに、呼吸筋の一部で、腹式呼吸で使われる横隔膜は、毛細血管が張り巡らされていて、自律神経も集まっているところです。横隔膜をゆっくり動かすと自律神経のうち副交感神経が優位になり、全身の毛細血管が緩み、細胞呼吸が行いやすい状態となります」ところが、猫背など姿勢が悪い状態がクセになると、胸で小さく呼吸する胸式呼吸になり、呼吸筋が硬くなり、呼吸の効率が悪くなる。すると、体の隅々の細胞で細胞呼吸が十分できなくなり“隠れ酸欠”の状態に陥ってしまうという。細胞の呼吸不足は自律神経の乱れにつながってしまう。女性は更年期あたりからホルモンのバランスが崩れ、交感神経が優位になりがち。隠れ酸欠はその不調に拍車をかけることになる。さらには、毛細血管も60代では20代に比べて半減してしまうというのだから、隠れ酸欠を放置していると体にとってはよくないことばかりなのだ。「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月14日美しくて、しかも“健康的なオーラ”を放つ美人があなたの周りにもいるはずです。健康的で女性らしい美しさは、どのようにしたら身につけることができるのでしょうか?“女性らしい健康美”をつくるのは、女性の「リズム」を意識した習慣なのです。そしてそのカギを握るのが、私たちの身体の中で調整役を果たしている「ホルモン」の存在です。ハーバード大学の客員教授であり、内科学、抗加齢医学など多岐にわたる研究で国際的な活躍をする根来秀行先生にお話をうかがいました。ホルモン(1):女性らしさと健康的な美をつくる「女性ホルモン」――ホルモンは女性の身体にどのような影響を与えているのでしょうか。根来先生:女性の身体を女性らしくしているホルモンは、主に「エストロゲン」「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンの働きによります。この2つのホルモンは、一定の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変えながら、女性の身体に作用しています。根来先生:エストロゲンは生理の終わりから排卵日に向けて多く分泌され、女性らしい身体をつくります。エストロゲンの分泌が多い時期は、身体や心、お肌の状態も安定します。一方、プロゲステロンは排卵日以降に分泌され、妊娠を助けるホルモン役割を担う大切なホルモンです。プロゲステロンの分泌が多い時期は、身体が栄養や水分を蓄えようとし、むくみがちになります。この時期にはエストロゲンの分泌量は減っていくため、気分が落ち込んだり、肌荒れが起きやすくなったりします。体調がすぐれない時は、無理をせずリラックスして過ごすとよいでしょう。30代がホルモンの曲がり角――女性の「美」も「健康」もホルモンに守られているのですね。根来先生:そうですね。ただし、女性ホルモンの分泌は年齢とともに変化していくということをよく覚えておかなければなりません。一般的に、ホルモンの分泌量は20代がピークです。30代から徐々に低下し始め、40代では半分、40代後半から劇的に減少が始まり、60代では4分の1ほどになってしまいます。特に、40代後半以降は、エストロゲンの分泌量が減ってくるため、シミやシワが増えてしまったり、女性特有の病気にかかりやすくなったりと、身体が大きく変化します。ホルモン(2):女性ホルモンをサポートする「DHEA」――女性ホルモンの減少は防げないのでしょうか。根来先生:減少のペースを多少コントロールしたり、ほかのホルモンの働きで身体をカバーすることは可能です。例えばエストロゲンは、脂肪を原料とするため、痩せすぎにならないようなコントロールが大切です。また、さまざまな性ホルモンを司る「DHEA」というホルモンがあります。このホルモンはエストロゲンと同様、あるいは、それ以上にアンチエイジングの働きもあります。DHEA も年齢とともに減少していきますが、DHEAを無駄遣いしないようにすることで、エストロゲンが減ったときにカバーをしてもらえます。――ホルモンを無駄遣いしないためにはどうすればいいのでしょうか?根来先生:「DHEA」の例でお話ししましょう。まず、ストレスによって多く分泌されるコルチゾールというホルモンがあります。このホルモンは過剰分泌されると身体に有害となりますが、その場合に「DHEA」が分泌され、このコルチゾールを抑制して身体を守ります。つまり、ストレスの多い生活をしていると、この「DHEA」がコルチゾール抑制のために浪費されてしまうわけです。――ホルモン同士で複雑に関連しあっているのですね。根来先生:ホルモンは私たちの身体をコントロールする二大制御機構の一つで、身体を制御すると同時に、身体からの信号をもとに臨機応変に動きます。また、ホルモンはいくつかのホルモンの連携の中で働きます。あるホルモンの無駄使いを減らすには、身体をトータルで考えた、身体によい食事や運動、過剰なストレスの予防が大事です。また「DHEA」に関していえば、筋肉を鍛えることで分泌を増やすこともできます。ホルモン(3):美容とアンチエイジングの「睡眠ホルモン」――女性の身体に影響の大きいホルモンは他にもありますか。根来先生:アンチエイジング効果があり、女性の美容にも大きく貢献するのが「睡眠ホルモン」である「メラトニン」と「成長ホルモン」ですね。この2つのホルモンは、睡眠中に強力な力で免疫力アップと体の修復を行います。特に「メラトニン」には強い抗酸化作用があり、しみ、しわ等も防ぐ効果もあります。――「メラトニン」や「成長ホルモン」をきちんと分泌させるためには、どういったことに気をつければ良いのでしょうか。根来先生:深い睡眠をとることが重要です。だからといって、いつでもいいから眠ればよい、というわけではありません。「メラトニン」は体内時計と連動していて、朝が近づけば近づくほど分泌量が少なくなってしまいます。また、光にとても敏感で、光によって抑制されます。一方、「成長ホルモン」は、睡眠に入った直後の深いノンレム睡眠のときに大量分泌されます。一番深いノンレム睡眠が出現するような睡眠をとることが重要です。つまり、「メラトニン」と「成長ホルモン」の分泌がピークを迎える時間がそろうと効果は倍増します。こうしたことを考慮すると、毎朝6時ないし7時に起きて、夜11ないし12時に寝て、7時間睡眠を確保することが、これらのホルモンを有効活用するためには重要といえます。一方で、就寝時間が遅くなればなるほど、また、起床時間ぎバラつくと、この2大ホルモンの効果が薄くなってしまいます。――ここでも、リズムを意識した生活が重要になってくるのですね。根来先生:体内時計に連動しているホルモンは、「メラトニン」のほかにもありますし、またホルモンだけでなく、自律神経も体内時計と連動しています。この働きを無視した生活をしてしまっては、せっかく体に備わった機能が正常に働きません。私のところを訪れる患者さんには、まず生活のリズムをつくるようにアドバイスをしています。起きる時間を一定にして、食事をできるだけ決まった時間にとるというところを基点にし、「リズム」をどうやって自分の身につけるかが重要です。何歳からでも遅くないのでぜひ実践してほしいです。「リズム」を意識しホルモンを整えるのが、美の近道――ホルモン分泌の整っている女性は美しいということですね。根来先生:女性の中には、ダイエットをして美しくなるために食べない、運動しないという人がいますが、それでは身体のバランスをくずしてしまいます。ホルモン分泌を保つためには、身体のバランスが重要です。生活の「リズム」を整え、身体本来の力を引き出すことが健康美だと思います。
2015年07月21日今回紹介するのは、東京・渋谷にあるGMOインターネットグループのコミュニケーションスペース「シナジーカフェGMOYours」。2011年6月にオープンした約100坪150席の広々としたスペースは24時間営業で、ドリンクから、食事、バータイムのお酒まで、すべてが無料。ここに行けば飲食関係すべてまかなえてしまえるという、至れり尽くせりの施設である。シナジーカフェGMOYoursは、「お客様に世界一のサービスを提供するために、世界一の”人財”が集まる場」というコンセプトのもと、グループスタッフの中から立候補したプロジェクトメンバーにより、スタッフの要望を可能な限り取り込んで作られた。海外とのやり取りや、深夜のお客様サポート等を担当するスタッフのためにも、と24時間開放されている。安心して食事ができるように、使用食材の産地やカロリー表示を徹底し、栄養バランスにもこだわっている。ピークはやはり12時から14時のランチタイムで、毎日350~400人が利用する。スペース内に3台のウェブカメラを設置し、デスクから混雑状態を把握できるため、皆タイミングをみながらやってくるという。ランチはビュッフェスタイルで、主菜3品、副菜2品、サラダ、スープ、ごはんやパン系(ライスやパン、ナン等)、デザートが日替わりでずらりと並ぶ。また、アンチエイジング研究で知られる、ハーバード大学医学部教授・根来秀行先生監修による「アンチエイジングプレート」というオススメの組み合わせが紹介されており、その通りに選ぶと、必要な栄養素を確保した上、総カロリーを抑えられるという。ドリンクメニューでも健康を気遣っており、パイン酢やミックスベリー酢等、ビネガーを使ったヘルシーなドリンクが必ず用意されている。その他にも、8時から20時の間には、隣接するセルリアンタワーホテルから1日3回焼きたてのパンが届けられ、さらにはエスプレッソマシンで淹れるコーヒーも提供。金曜日の夜18時半から22時はバータイムとし、お酒も用意される。シャイな人が少なくないエンジニアの人たちも、バータイムには自然と集まってきて、チームやグループの垣根を越えた交流が生まれているという。その結果、開発スピードが上がったり、新たなイベントが生まれたりといった具体的な効果が次々に現れているそう。まさに食事やドリンクをコミュニケーションの媒介にして、スタッフのモチベーションアップに成功しているのである。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月01日お正月に増えた体重がなかなか減らない。年末年始のお休みで不摂生をしたせいで、肌の調子がいまだに悪い…という方はいませんか?「そのうち、そのうち」と対策を怠っているうちに、それが定着してしまうかも。そこで今回は、すぐに結果を出すために、ハリウッドセレブたちの美容事情をご紹介しましょう。ハリウッドのセレブリティといえば、役作りやここ一番の仕事のために身体を改造することでも知られ、その変わり身の速さは驚くほど。そして女優たちはといえば、40歳、50歳、60歳になっても、驚くほど若々しくて、実に羨ましい限り。でもそのためには、陰で並々ならぬ努力をしているというのが実情です。むしろ、それをやらなければ、役を降ろされたり、仕事が減ったりと、女優生命に関わってくるのだから、私たちより必死なのも当たり前。そんな彼女たちの素顔、そして影の努力をよく知っているのが、ハーバード大学医学部内科教授の根来秀行先生です。根来先生は、世界最先端のアンチエイジング研究に精通。「身体革命世界最先端のアンチエイジングの法則」の著者でもあります。そこで、気になるハリウッドのアンチエイジング事情についていろいろ伺ってきました。「僕のところには、多くのセレブたちが診療・相談に訪れます。アンチエイジングのためというだけではなく、健康のためという人も多いんです。ハリウッドの俳優たちは、無理のある生活を送っていたりするもの。不規則な生活、役作りで体重を増減するという“無理”、そして大きなストレスにより、不具合が出やすいんですね。彼らは、一般の人たちよりも、はるかに疲れています。無理や不規則な生活、睡眠不足、ストレスなどは、老化の促進につながってしまいますから、アンチエイジングのためにもセレブたちには健康には人一倍気を使っている人が多いんですよ」。ヨガやマクロビオティック、ローフードダイエットなど、多くの健康ブームがセレブリティ発だったのもそのせいだったのですね。「しかも、銀幕のスターは、オンとオフとの差に悩むこともしばしば。最近の映画はデジタルで処理されていて、映画の中で役を演じているときと本当の自分とに格差を感じ、その部分で悩みやストレスを抱えていたりするので、近年はよけい健康や美容に神経を使っているようです。美容外科的アプローチに頼る人もいますが、医師としてはできれば、自然の状態でベストに近づけるように気をつけてあげたい。できるだけ内側から綺麗になるようにしてあげたいんです。例えば、コアマッスルを鍛えて、内臓脂肪を減らし、代謝をアップさせて体型を維持しながら、健康を保つというように指導して。特にハリウッドセレブの場合、外見を美しく保つことも重要。そうでなければ、深刻な事態に陥りますからね。仕事にも影響しますし。ですから、一般の人に比べて、ものすごくストイックですよ。見られることがモチベーションにはつながっているようです。撮影が近づくと、アドバイスを求められることも多いですね」。そう話す根来先生が、セレブたちに実際に行っているアドバイスについて、具体的に伺ってみると。「まず、すぐに体型を変えたいからといって食事を抜く、その恐ろしさについて説明します。食事を抜けば、当然一時的に体重は落ちますが、身体機能を維持するために大切な筋肉も衰えてしまいます。筋肉は脂肪燃焼にも、より良い代謝率のためにも、必要なもの。適度に筋肉があると、痩せやすい身体になるんです。でも、運動をせずに食事だけのカロリー制限で痩せようとすると、本来体が必要としているビタミンやミネラルが大幅に不足し、次第に筋肉も萎縮。筋肉が減ると、安静にしているときの基礎代謝が大幅に減ってしまい、結局は痩せにくい体質になってしまうのです。これが、リバウンドの最も恐ろしいところ。まずは、それを理解してもらいます。そうでなくても、年齢を重ねると筋力が落ちていきます。そういった基礎的なことを理解してもらい、美容のためだけでなく、本当の意味での美しさにつながる健康維持の大切さ、良いサイクルを維持する必要性をまずは伝えていくんです」。これまで、食事を抜く、ダイエットサプリに頼る、整形をするなど、様々な選択肢の中で試行錯誤してきたセレブたちだからこそ、その分だけ健康に対する知識も関心も深い。もはや、不健康で短絡的な方向には見向きもしないということなのでしょう。「そんな彼らに支持されたのが、アメリカで1977年に発表されたマクガバン報告です。当時のアメリカでは、生活習慣病患者が増加し、看過できない状況になっていたんですが、それを防ぐのに重要なのが食生活であり、油を減らして穀類を増やし、野菜、魚なども組み合わせる日本人のような食生活を送るのが理想的だというのが伝えられたんです。それがいまも刷り込まれていますね」。よく、日本に来日したセレブリティたちが、「日本食大好き!」と言っているのは、そのせい。決してお世辞ではなかったわけです。健康に関する流行には人一倍敏感なセレブリティたち。では、いま彼らが注目しているものとは?「ここで登場するのが“カロリーリストリクション”というメソッドです。これは、ハーバード大学のアンチエイジング研究所の研究成果を応用したもの。身体に必要不可欠な栄養素はバランスよく摂り入れた上で、毎日の総摂取カロリーを一般的に標準とされている総摂取カロリーの7割程度に抑えるものです。これは、食事面から若さを保つ方法として、現在とても重要な位置を占めています」。では、なぜ総摂取カロリーを抑えることが、アンチエイジングにつながるのでしょう。「カロリーリストリクションを行うと、サーチュインという酵素が活性化することがわかっています。動物を使った実験によると、サーチュインが活性化すれば、遺伝子の保護や、細胞寿命の延命作用が起こり、大幅に寿命が延びることが判明。サーチュインをコードする遺伝子は長寿遺伝子と呼ばれているのですが、これがその理由です。さらに、最新の研究では、アンチエイジングホルモンをも増加させ、メタボリックシンドロームを抑えることもわかってきました。単に摂取カロリーを下げるだけではなく、質の良い食生活を送りながらカロリーリストリクションを行うことで、老化の原因とされるフリーラジカル(身体をさびさせるもので、肌のしみやしわの元凶でもある)を除去したり、フリーラジカルによる障害修復機能を高たりすることも分かってきていて、その結果、老化の速度が抑えられると考えられています。ホルモンバランスをはじめ、全身の状態が改善されるため、体型もスリムになり、見た目の若々しさも保つことができるのだと考えられますね」。うわさによると、マドンナやジョディ・フォスターらが年齢を重ねても若々しいのは、どうやらこのあたりに秘密があるようです。さらには、ワイン好きが喜びそうなこんなお話も。「そもそも、アンチエイジングのためには、お酒の飲みすぎはよくないのですが、最近のハーバードの研究で、赤ワインに含まれている“レスベラトロール”という物質が、長寿遺伝子を活性化することを立証しました。カロリーリストリクションを行っても、同じ長寿遺伝子が活性化され、寿命が延びるとされていますが、レスベラトロールを取り入れること(=少量の赤ワインを飲むこと)は、擬似的なカロリーリストリクション状態を作り出しているということなのです」。この“レスベラトロール”は、すでにサプリメントとしても販売されていて、ハリウッドセレブの間でも注目されているのだとか。先生ご自身も、無理をしたなと感じたときにカロリーリストリクションを実践し、レスベラトロールを摂り入れているそうで、その効果を実感していらっしゃるとか。だからこそ、患者たちにも勧められるんですね。1週間単位で行うだけでも、十分に効果は実感できるそう。季節の変わり目、ここ一番の時期などにうまく取り入れて、一度コツをつかめば、難しくないと根来先生。ただ、忘れてはいけないのは、質の良い食、十分な睡眠、適度な運動のすべてが、互いに関係しあって成り立っていることを理解し、バランスの良い生活を送ることなのだそうです。「ハリウッドセレブやスポーツ選手など、不規則な生活や時差を伴う移動が多い生活をしています。そこで、食生活、睡眠、運動についての指導も行い、若さを保つ秘訣であるアンチエイジングホルモンの分泌をたっぷり促す生活を指導しています。朝はすっきり目覚めて、日中は軽い体で活動し、夜は快適に眠りに落ちる。そんな当たり前の体調へと整えるよう心がけています」。運動の面ではいま、セレブの間で話題となっている最新メソッドがあるのだとか。「いま、『カロリーリストリクション』の発想がキーとなっている、“バレトン・メソッド”がニューヨークではやり始めています。バレエ、ピラティス、ヨガと組み合わせ、コアマッスルを鍛えるというメソッド。これから、日本にも入ってきて、流行するのではないでしょうか」。ほかにも、アンチエイジングに関係する様々なお話を伺いました。ここでご紹介できないのが、とにかく残念!もっと深く知りたい方は、先生の著書「身体革命世界最先端のアンチエイジングの法則」をぜひ手にとってみてください。アンチエイジング医学の最先端の話だけれど、分かりやすくて、実践しやすい。世界最先端の研究に基づいた若さを保つ健康術や、若さを保つ5つの法則、若さを保つ食生活の実践法、カロリーリストリクションについて、睡眠、運動、デトックス法、リラックスの大切さ、サプリメントの活用法などが具体的に書かれているので、すぐに活用できるので必読です。また、根来先生は今年も数冊、最先端の健康アンチエイジング本を出版予定です。今後もその活動から目が離せません!ハリウッドセレブの美しさは、努力の賜物。それならば、私たちにだって努力次第でセレブ級の美が手に入るかも。ぜひ、真似してみて!(text:June Makiguchi)上写真は『噂のモーガン夫妻』の一場面。こちらでもご紹介!verita「BEAUTY最先端!本物のエイジングケア」プロフィール:根来秀行1967年生まれ。東京都出身。医師、医学博士。専門は、内科学、腎臓病学、循環器病学、代謝内分泌学、抗加齢医学、遺伝子治療、美容内科ほか、多岐にわたる。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。東京大学医学部内科、同大学大学院の講師を経て、ハーバード大学医学部内科教授に。ブリュッセル自由大学、東京医科歯科大学での教授も兼任。日本抗加齢医学会評議員、米国抗加齢医学会顧問。世界最先端の研究に携わっている。■関連作品:噂のモーガン夫妻 2010年3月12日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国にて公開■関連記事:セレブカップルをあの2人が名演!『噂のモーガン夫妻』鑑賞券を5組10名様プレゼントサラ・ジェシカ・パーカー&ヒュー・グラントが最新作プレミア出席ヒューの元カノもラブコメ界、英米の横綱が初共演!ヒュー・グラント&サラ・ジェシカ最新作の画像解禁
2010年02月19日