次こそ勝利を届ける。森保一日本代表監督が誓った。第2次森保ジャパンの新たな船出となった3月シリーズはウルグアイ、コロンビアという南米の強豪を相手に収穫はあったものの結果は残せず1分1敗。5月25日、森保監督はSAMURAI BLUE(日本代表)のメンバーを発表した席で『キリンカップチャレンジサッカー2023』での結果の重要性を説いた。「『カタールW杯』後から2度目の活動、ホームで戦う以上どこが相手でも勝利することを目指す。3月はサポーターに勝利を届けられなかったので、今回はしっかり勝って喜んでもらえるようチーム一丸となって戦っていきたい。選手層、戦術の幅を広げていけるようチャレンジポイントを持って活動に臨みたい。選手には思い切ってプレーしてもらえるようコミュニケーションを取って試合に臨みたい」SAMURAI BLUE(日本代表)のメンバーは以下の通り。【GK】シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV/ベルギー)13試合11失点中村航輔(ポルティモネンセ/ポルトガル)6試合8失点大迫敬介(サンフレッチェ広島)3試合4失点【DF】谷口彰悟(アルラヤンSC/カタール)16試合0得点板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)18試合1得点※森下龍矢(名古屋グランパス)伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)9試合0得点瀬古歩夢(グラスホッパーCZ/スイス)2試合0得点菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)3試合0得点【MF/FW】遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)49試合2得点伊東純也(スタッド・ランス/フランス)44試合9得点浅野拓磨(VfLボーフム/ドイツ)43試合8得点古橋亨梧(セルティック/スコットランド)16試合3得点守田英正(スポルティングCP/ポルトガル) 22試合2得点川辺駿(グラスホッパーCZ/スイス)4試合1得点鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)28試合6得点相馬勇紀(カーザ・ピアAC/ポルトガル)9試合4得点三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)15試合6得点前田大然(セルティック/スコットランド)11試合2得点旗手怜央(セルティック/スコットランド) 1試合0得点堂安律(SCフライブルク/ドイツ)35試合5得点上田綺世(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)14試合0得点※川村拓夢(サンフレッチェ広島)中村敬斗(LASK/オーストリア)1試合0得点久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン) 23試合1得点※川崎颯太 (京都サンガF.C.)※=初選出。各選手の試合数・得点数(失点数)は国際Aマッチでの数字。遠藤航(C)スエイシナオヨシ森保監督は6月シリーズでトライしたいポイントをこのように語った。「継続してポゼッションのところはトライしていかないといけない。セットプレーを含めていい形を作れるようトライしたい。カウンター、相手の背後を狙ったり、シュートチャンスにつなげる部分はさらに出していけるよう今回の活動で準備していきたい、素早くゴールに向かっていくのは優先順位が一番高いが、ゲームをコントロールしてポゼッションを高めることもやらなくてはいけない。3月にチャレンジしたが、勝つためにゴールに向かっていくベースの部分をチームとして共有できればと思っている。今ベースと言ったが、攻撃に移るにしろ守備にしろ、球際、ボールの奪い合いのところでウルグアイ戦、コロンビア戦ともデュエルで差があった。戦術や個の能力を生かすためにも、球際のところでしっかり競り勝っていきたい」昨年9月以来の代表復帰となる古橋についてコメントを求められると、指揮官はこう答えた。「継続してチームの勝利に貢献する結果と存在感を発揮しているので、招集させてもらった。結果の部分、彼には得点を期待している。ゴールを狙える、ゴールチャンスを作ることに期待したい」初選出の3人の評価はこうである。「森下はグランパスで両サイドどちらでもハードワークしながら、チームの勝利に貢献している。かなり上下動できている。攻撃ではチャンスをかなり作り、戻って守備にも貢献している。初招集だが、五輪代表でも見ていたし、試合のパフォーマンスを見て、成長を感じられたので招集した。川村はチームのダイナモとして攻守ともに幅広く存在感を発揮している。守から攻でダイナミックな動きで自らペナルティへ入っていったり、ミドルシュートを放ったり、アグレッシブなプレーを見せている。川崎はチームで継続して試合に出ている。順位としては苦しい戦いを強いられる中、メンタル的に安定してハードワークできている。五輪代表ではレギュラークラスで活躍し、A代表でも可能性がある選手。今回の経験を生かして、本人の成長につなげてほしいと思っている」谷口彰悟(C)スエイシナオヨシDFが6人と少ない点を問われると、森保監督は次のように返答した。「DFを専門としている枚数は少ないかもしれないが、2試合を戦う中で試すには十分かと思っている。今までも今回選んだメンバーもこのポジションだけしかできないという選手は少ない。自分の良さを発揮するスペシャルなポジションだけではなく、ポリバレントに複数のポジションをこなす部分。選手にはスペシャルな部分とポリバレントの部分の両方を見せてほしい。谷口は『カタールW杯』へのチーム作りでも実力を発揮してくれたし、今回色々試す上再招集させてもらった。本人も初の海外移籍、また『カタールW杯』で経験したことを今回の代表チームで発揮してほしい」3月シリーズでは未定だった主将についても質問が飛ぶと。「活動が始まって選手が集まってから、みなさんにお伝えしたい。代表のキャプテンは難しい。『カタールW杯』まで吉田麻也が主将としてコンディションを保ち、力を示してくれた。これまで継続した活動の中、選手たちの様子を見て、できるだけ早い段階でみなさんにお伝えしたいと思っている。ひとつのチームで1シーズン戦うなら決めやすいが、約束された場所ではないので難しい。選手たちの状態、序列も変わってくると思うので、臨機応変に対応したい」エルサルバドル戦、ペルー戦の2試合での選手起用は?「正直まだ結論は出していない。多くの選手に試合の経験をしてほしい、積み上げをしてほしいと考えている。でも実際招集して練習を見て、考えは変わってくるかもしれない。今回もいい選手が揃っている中、どのように選手を招集し、今後将来的に最高で最強の日本代表を作るためにより多くの選手に経験してもらい、戦術理解を高めてもらい、幅広い選手層の中で一番いい選手を選んでいくことが大事だと思うので、悩みながら考えながらメンバーを決めていきたい」(写真左より)山本昌邦チームダイレクター、森保一日本代表監督世界の強豪と比べて、10代からA代表で活躍する若手が少ないことを指摘されると、森保監督も課題としてとらえていた。「今の質問は日本が世界に勝っていくために、変わっていかないといけない、変えていかないといけないところだと思う。前回の『カタールW杯』は『東京五輪』から(オーバーエイジ3名を含め)13名という最多の人数がスライドしたが、そこは1チーム2カテゴリーの結果だと思う。私自身はもうひとサイクル若い世代の選手がアンダーカテゴリーの大会ではなく、『W杯』の舞台で戦うようなサイクルに変えていかないといけないと考えている。日本のサッカーが急速に発展しているが、世界で勝っていくために育成の部分はまだまだやっていかないといけない。日本のサッカーの変革が必要だと、今日の『U-20 W杯』の日本×コロンビアの結果を見ても感じている。『カタールW杯』でラージグループを作った時、U-20世代の選手があまり入ってこなかったので、もっともっと入った方がいいのではと感じていた。今結論を出せるわけではないが、世界で勝つためにもうひとサイクル早くということと、世界トップトップの経験値を上げることはやっていかないといけないと思っている」山本昌邦チームダイレクターも監督の意見に同意した。「今のご質問は日本サッカーが2050年に世界チャンピオンというロードマップを実現するためにも重要なご指摘。本当に真剣に各カテゴリーで連携してやっていくことが重要。2050年から考えると2030年はベスト4。今監督が言ったようにワンサイクル若い選手をどう育てていくか、真剣に模索したい。今回の川崎の例もそうだが、そこを早められるようにすることが僕の仕事だと思う。(若手育成は)日本サッカーが頂点に立つために非常に重要な点なので、チャレンジしていきたい」『キリンチャレンジカップ2023』日本代表×エルサルバドル代表は6月15日(木)・豊田スタジアム、日本代表×ペルー代表は6月20日(火)・パナソニック スタジアム 吹田にてキックオフ。チケットは5月31日(土)まで一次販売。エルサルバドル戦の二次販売は6月3日(土)午前10時より、ペルー戦の二次販売は6月4日(日)午前10時より開始。一・二次販売ともにチケットJFAにて先着制・ダイナミックプライシングでの販売。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2023年05月26日なぜ日本のために戦うのか。それは恩返しだと断言する森保一監督。今夜のウルグアイ戦前に一読すべき、監督が掲げる“森保ジャパンが戦う意義”と現在の心境とは。【森保一監督が語る“つながるチカラ”3】カタールW杯から約3か月。森保 一日本代表監督は、「日本代表の勝利のために。日本サッカーの発展のために。社会に貢献できるように」という原理原則を起点として、問題の対処法を考えるようにしていたと語る。ここではその3つ目である、“社会貢献”の観点からお話を伺った。社会のために~応援してくれるからプレーできる。“3つの気”を届けることが恩返し。©JFA「批判されるというのは注目されている、試合を観ていただいている証しと、ポジティブにも受け取っています」批判に対してもポジティブに受け止めている、という森保監督。「大事なのは国内でサッカーがより認知されること。日常にサッカーを感じてほしいんです。そして、観ていただいている時間は、喜怒哀楽を出してほしい。一喜一憂したり、予期できない展開に興奮したり、そこで日々のストレスを発散してもらえたら。サッカー観戦をそういう時間にしてもらいたいと思っています」森保監督の原理原則のうち、3つ目は社会貢献のために。その心を聞いて、なぜ森保監督の根幹となる部分にこの考え方があるのか、腑に落ちる人は多いかもしれない。「日本のため、国民の方々のために我々は戦っていますが、代表活動は多くの方々の支援や応援があるからこそできることです」このことは、日本代表というチームだけでなく、選手一人ひとりにも言えるという。「試合で活躍した選手は、ある意味スーパースターで特別な存在として見てもらえます。それはやりがいとなり、大舞台に立つことを目標にし、叶えるべく自分を奮い立たせることができる。加えて、彼らのプレーを観にお金を払って来てくれる方々がいるから、好きなサッカーを続けられるんです。実際は、特別な存在ではなく一人の人間であることを忘れずに、活動していくべきと考えています。私たちはみなさんにしてもらうだけではいけない。お互いが支え合うべきであり、プレーを通して恩返しをしたいと思っています」具体的なこととして、森保監督が掲げたモットーとは?「日常にエールを送りたいんです。チームとして“元気、勇気、根気”の3つの気を届けたいと思っています。一番は元気。日常の活力になってほしい。勝敗の枠を超えたパワーを感じて、日ごろのエネルギーの糧にしてほしいですね」元気と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが、W杯4大会連続出場となった長友佑都選手。試合前後のインタビューで事あるごとに「ブラボー!」と絶叫し、私たち視聴者のテンションを上げ、勝利の喜びも増大させてくれた。「次は勇気。選手は毎試合、最善の準備をして、果敢にチャレンジをしています。みなさんにも日常の一歩を踏み出すためのチャレンジをしてもらいたいんですね」ドイツ戦で見せた浅野拓磨選手の執念ともいえる逆転ゴールは、勇気そのものと言ってもいいだろう。前回のロシア大会では招集外で帯同メンバーとしての参加となり、苦杯をなめた。《その日から今日(ドイツ戦)のために全力で準備してきた》という言葉が、森保監督の思いと重なる。「そして、根気。日々の暮らしは楽しいだけではなく、続けなければいけないこともありますよね。選手のアグレッシブなプレーを観てもらい、諦めずに頑張ろうという継続力を持っていただけたら」“三笘の1ミリ”でピンとくる人も少なくないだろう。スペイン戦、ゴールラインギリギリで三笘選手が折り返したボールが好アシストとなり、田中碧選手が逆転決勝弾を決めた伝説級のシーンだ。諦めない姿勢が最高の結果をもたらすことを見事に体現してくれた。2026年のW杯では、新しい景色を見せたいです。今大会の森保ジャパンの躍動は、日本に限らず、世界各国が興奮のるつぼと化した。彼らが与えた衝撃は、ポジティブな影響を多くの人に与えただろう。社会貢献という面では目標を達成できたといえるが、森保監督にはどうしても拭い切れない思いがある。「カタールW杯では、喜びもありチームで成長も感じられました。ですが、最終的にはベスト8以上という目標はクリアできなかった。日を追うごとに、悔しさはどんどん募っています。次回、2026年のアメリカ合衆国、メキシコ、カナダの北中米3か国共催のW杯では、みなさんに新しい景色を見せることができるよう、時代の進化に対応しながら、個の力をもっと伸ばして成長したいです。そのなかで、勝利をより大きく積み上げていきたいと思っています」スタンドに向かってハートマークを作ったり、深々とお辞儀をしたり。試合終了後のサポーターに対する真摯な対応も、森保監督の温かい人柄をよく表している。©JFA森保監督は愛に満ち溢れた人だと思う。そう伝えると、「愛と表現するのは恥ずかしいですが、愛情と相手を尊重する気持ちは常に持っています」と照れた表情を見せた。多忙な合間をぬって取材に応じ、一つ一つの質問に丁寧に答えてくれた姿勢からも、森保監督の愛情が伝わってきた。勝利や利益を目標に掲げるのは当然だが、チーム作りに必要な信頼関係や求心力といった“つながるチカラ”の源は、突き詰めれば“愛”だ。それなしでは一体感は生まれない。もりやす・はじめ1968年8月23日、長崎県生まれ。現役時代はサンフレッチェ広島、ベガルタ仙台などでプレー。元日本代表。1993年の“ドーハの悲劇”を経験。現役引退後は広島の監督、東京五輪代表監督、ロシアW杯日本代表コーチなどを経て、2018年7月より日本代表監督。※『anan』2023年3月8日号より。写真・日本サッカー協会Getty Images取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2023年03月24日新生森保ジャパンが今夜初陣!そこで森保一監督が丁寧に答えてくれた、選手への思いをご紹介します。感謝とリスペクト、2つのキーワードから見えてきたものとは…。【森保一監督が語る“つながるチカラ”2】選手のために~結果に至るまでの過程を評価し、感謝と敬意を込めて接する。クロアチア戦終了直後に撮影された、三笘選手とのツーショット。森保監督と選手一人ひとりとの信頼関係の強さも、森保ジャパンの特徴の一つ。©JFA選手は一人の人間で、そこには心があることを忘れてはならない。そう語る森保監督の、選手への思いを象徴する印象的な写真がある。号泣する三笘薫選手を、監督が優しくハグしている姿だ。1‐1の同点からPKにもつれこみ惜しくも敗れた、カタールW杯決勝ラウンドのクロアチア戦。終了直後のバックヤードで撮られたその一枚は、瞬く間に日本はおろか世界中に拡散された。「『みんなすごいよ!』って、日本代表の活動がある度に思っています。彼らはピッチ内外で想像以上の努力をしていますからね。それは、自分が成功するためにという冷めた表現もできますが、うまくなりたい、自分をより高めたいという強い向上心を見せてくれているのだと思っています。そして勝利のため、仲間のためにという気持ちを持ち、試合ではチームの要求に対して、どの選手も真摯にベストを尽くして頑張ってくれる。私は、勝つことに至るまでのそのプロセスを評価してあげたい」同じくクロアチア戦当日、体調不良のため欠場を余儀なくされた久保建英選手を見舞い、言葉かけやグータッチをしたというのも森保監督の人柄がわかるエピソードだ。選手へのリスペクトは、日本代表が解散し選手が所属チームに戻る時も。監督は宿舎を出発する選手一人ひとりを見送るという。「彼らが代表の活動に参加するということは、各所属先でそのポジションが空くということ。不在の間に他の選手に奪われる可能性があり、戻った時に居場所があるという保証はないんですよ。そうしたリスクがあることを覚悟して代表の活動に参加してくれているんですね。それに、代表チームの活動期間になるとクラブやリーグはオフになる。クラブに残る選手はリフレッシュできる状態を作れますが、代表に招集された選手たちは、より高いレベルのなか、キツいプレッシャーを感じながら戦うわけです。そして休息を終えた所属クラブのもとへ、疲弊したカラダで戻り、そこでまた新たな戦いをしていくことになります」代表選手ともなれば何万人もの観衆のなかでプレーをし、チームを勝利に導けばヒーローになれる。「確かに華やかな世界ではあります。でも実はすごく大変なんです。それがわかるので“ありがとう”という感謝とリスペクトの気持ちを持って見送っています。所属先でも充実した時間が過ごせるようにという思いも込めていますね」森保ジャパンのキャプテンを4年間務めてきた吉田麻也選手が、W杯を振り返って涙ながらに吐露した《いろいろな監督のもとでやってきたなかで、間違いなく一番尊敬できる監督。もう1個上に連れていってあげたかった…》。この言葉からも、選手と監督の強い絆が見て取れる。また、森保監督の人間性と求心力、それはミスをした選手や、今大会で一度も出場機会のなかった選手への接し方からも垣間見えるかもしれない。「基本的には、その選手の良いところ、武器を伸ばすようにアドバイスしますが、最低限のレベルアップをしてもらいたい場合は、成果(今できていること)と課題(足りないところ)の両方をできるだけはっきりと伝えています」試合の前後やトレーニング中、積極的にコミュニケーションをとる森保監督。“褒めて伸ばす”が基本姿勢ではあるが、敗戦などで改善点が見つかれば、成果と課題をセットでわかりやすく伝えることを心がけているという。 ©JFA心身を鍛錬してきた一流選手でも、思うようなプレーができない時は自信を喪失したりクサることもある。監督の言い方によっては信頼関係が揺らぐ可能性も出てくる。だが、ドイツ戦やスペイン戦で勝利が決まった瞬間、全身で喜びを表現しながらピッチに駆け出すベンチメンバーの姿を思い出せば、森保監督のもと全員が同じ方向を向いていたと多くの人が確信するだろう。ただその一方で、見方によっては、そもそも監督のやり方を理解した、信頼できる選手を集めたからともいえるのでは…。「(少し考えてから)合っているようで、合っていないような(笑)。選手の選考にあたっては、できるだけニュートラルに、何をしているかを見ています。もちろん、力のない選手は呼びませんが、この4年間、信頼できる選手を見極めてはきました。川島(永嗣)や柴崎(岳)は、出場はなかったですが、力があったうえでチームを支えることもできると思い声をかけました。世界と戦えるレベルであることはもちろん、上田(綺世)がいい例ですが、所属先で結果を出しているかも判断材料です。コーチと共に総合的に見て決めています。例えば、一人の選手に対して賛成が私だけで反対が10人なら、私は10人の意見を採ります」選手たちはみな、我が強いとも話してくれた森保監督。それでもあの一体感が生まれたのは、監督の“心”あるコミュニケーションとマネージメントの賜物だろう。“つながるチカラ”は、言い換えれば心が通うことでもあるのだ。もりやす・はじめ1968年8月23日、長崎県生まれ。現役時代はサンフレッチェ広島、ベガルタ仙台などでプレー。元日本代表。1993年の“ドーハの悲劇”を経験。現役引退後は広島の監督、東京五輪代表監督、ロシアW杯日本代表コーチなどを経て、2018年7月より日本代表監督。※『anan』2023年3月8日号より。写真・日本サッカー協会Getty Images取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2023年03月24日勝利を信じ続けた先にはまだ見ぬ景色が広がっていた…。格上相手に快進撃を遂げたカタールW杯から約3か月。次開催の2026年まで指揮官続投が決まった森保 一監督が語る、一体感を生む“つながるチカラ”の作り方とは。【森保一監督が語る“つながるチカラ”1】“ジャイアントキリング”という言葉が世界中をかけ巡ったカタールW杯。その主役を担った国の一つが日本だ。本大会での予選(グループステージ)で、ドイツ、スペインというW杯優勝経験のある格上の強豪国にどちらも逆転勝利を収め、グループ首位で決勝ラウンド進出を決めたのだ。とはいえ快進撃はここまでで、結果はベスト16。目標だったベスト8に届かなかったことに目を背けてはいけないが、日本中に勇気と感動を与えてくれたのも事実。多くの人々の記憶にあるのは下馬評をものともせず、一致団結して勝利と仲間、自分を信じて前進した森保ジャパンの勇姿ではないだろうか。2018年に監督に就任してからの4年半、サッカー人気の低迷、結果や采配への批判に加えて、グループステージの組み合わせ抽選で“死の組”に入るという不安要素もあり、本大会直前まで逆風は吹き荒れた。それでも揺らがなかった一体感はいかにして築かれたのか。森保 一監督が教えてくれたのは、どんな組織にも通じる対人関係の作り方だ。森保流“つながるチカラ”。それはシンプルだけれど、仕事をするうえで実は多くの人が忘れがちなことかもしれない。チームのために~コンセプトを共有することで、進むべき方向性が明確になる。©JFAチーム一丸となって動くためには、ゴールとなる大きな目標設定が不可欠だ。そして、そこに到達するために、小さな目標を細かく決めて着実にクリアしていく。このことは、目標達成のための王道、かつ効率的な方法だろう。日本サッカー協会が掲げる最終目標は「2050年までにW杯優勝」。そのためのステップとして、カタールW杯ではこれまでに到達したことのない“ベスト8以上”を目指した。だが、本当にそれだけでチームは一つにまとまれるのだろうか。強固な“つながるチカラ”を生み出すため、ほかに重要視していたこととは。「小学生でもわかることですが」と前置きしたうえで、森保監督は話し出した。「チームコンセプトとして“みんなのために頑張る”ということを大切にしてきました。ミーティングなどで選手やスタッフにも伝えていたことです。ただし、気をつけてほしいのが、組織が先にならないようにという点。チームのために一体何を頑張ればいいのか、相反するようですがそれは自分磨きです。それぞれの個の良さや特長を最大限に活かすこと。すなわち、個の力をより大きくし、そして個と個が融合できれば、団結力は必ず上がっていくと思います」“つながるチカラ”を生み出すためには、まずは個の能力を高めること。では、ひたすらトレーニングや練習を積めばいいのか?といえば、それだけでもないよう。森保監督は、個の力の高め方について指針があるという。「心・技・体という言葉があります。これらがすべて揃った時に最大限の力が発揮されるという意味ですが、優先順位をつけるなら、私は“体・技・心”だと考えているんですね。まずはフィジカルを強くすること。次に技術力を高めること。そして最後は一人ひとりがプレッシャー下でも、自分の力(体と技)を出せるようにメンタルを強くすること」次なる段階は個の融合。他者と自分が“つながる”とは、具体的にどういうことなのか。森保監督が例に挙げたのがある言葉だ。「“和して同ぜず”という論語にある文言が好きなんです。それは、協調するが主体性は失わないという意味です。選手それぞれに特長やリズムがありますから、縛りつけることはしたくないし、馴れ合いにもなってほしくない。チームにいることが苦しくならないような関係を作ってほしいんです」そこから、そのためには最低限のルールは必要と続けたのが…。「(1)集合時間を守る。(2)チームで起きた問題はチーム内で解決する。(3)SNSの発信に注意する、の3つの決まりごとを設けています。(1)は集団生活における基本のきですね。(2)は、選手間で競争はしながらも、一方で家族として、戦う仲間として、自分をさらけ出し、ぶつけ合ってほしい。話すことで建設的に問題解決を図れるし、相手のことも理解できます。(3)は、今はメディアを通さずに個々が発信できる時代。内部のことをどう公にするのか、それを出したことでチームメイトがどう思うか。お互いを尊重し、快適な空間作りのために必要なことですね」拍子抜けするほどのシンプルな内容であるが、森保監督の真意は、あえてそこにあるようだ。「日本代表だからと、特別なことは何もありません。Jリーグのクラブでも会社でも、組織として何か行う場合のルールはどこも同じだと思います。大切なのは人と人との関わりのなかで、尊重し合い過ごせるような環境作りです」各自が個の能力を高め、お互いがそれらを尊重し認め合うことで“つながるチカラ”が生まれる。そうした森保ジャパンが築き上げた関係性のなかで、“監督”はどのような存在で、どんな役割を果たしているのだろうか。「選手が思い切りプレーできるよう、成長できるよう、黒子としてチームを支えるのが基本的な私の考えです。監督って特別な存在と思われますが、様々な役割があるなかの“監督係”だと思っているんですよ。よく組織の形をピラミッドに例えますが、私は砂時計と表現しています。時によっては、リーダーの位置がくるっと変わるんですね。私が牽引する立場の時もあれば、みんなから教えてもらう側に立つこともあるんです」森保監督が教えてもらうというのは、コーチや選手からの意見。森保ジャパンが分業制で成り立っていることは、あまり知られていない事実かもしれない。監督と選手の間には専門分野に長けたコーチ陣がいて、フィジカルや分析などの各担当に分かれているという。私は決定するだけです。信頼してるから任せられる。「私と彼らで受け持つ仕事の比率を徐々に変えていき、今では9割くらいを各コーチに任せています。プレゼンもしてもらいますし、私とは異なる意見も積極的に出してもらい、最後の最後は私が決定を下していますが、いろいろな価値観を見出すことで、より確かな結論を出せると思っています。彼らに頼り切っていますね(笑)」海外クラブの監督に多いワンマンという手法は、森保監督の選択肢にはなかったよう。「私にはできません(笑)。日本代表の活動期間って2週間くらいしかないんです。そのなかで中途半端に現場のことを私がやっていたら、選手に伝えるべきことが薄く浅くなってしまう。そうであるなら、戦術を熟知している各コーチに任せたほうが合理的ですよね。私も含めて、みんながいろいろなことにチャレンジして成功につながったらいいなと思っています。選手、コーチなど、チームに関わるすべての人が、やりがいを持てる組織でありたいですね」完璧ともいえるチームビルディング。だが、森保ジャパンが一般的な組織と異なるのは、そこに激しいバッシングがあったことだ。「結果で評価されるスポーツですから覚悟のうえであり、勝ったとしても批判はあるものと思っています。とはいえ、批判は少ないほうがいいですね(笑)。指摘を受けた時にしていたのが、原理原則に立ち返ること。それは、『日本代表の勝利のために。日本サッカーの発展のために。社会に貢献できるように』というもの。改めてそこを起点として、問題の対処法を考えるようにしていました。立ち返らなかったら、糸の切れた凧のように修正がきかなくなっていたでしょう。その一方で、批判されるというのは注目されている、試合を観ていただいている証しと、ポジティブにも受け取っています」私たちは、肩書や一時の感情で放たれた言葉に囚われすぎていて、その大本となる人間をしっかり見られているだろうか。対人関係とは文字通り、人と人が向き合うこと。森保監督はこう言う。「私も含めて選手は、チームがうまく機能するための駒ですが、そこには心がある。それを忘れずチームのためにやってきました」試合後に選手の輪の中心に立ち、話をする森保監督。W杯で逆転勝利を果たしたスペイン戦後では死力を尽くした選手たちをねぎらい、決勝ラウンドに向けて士気を鼓舞した。©JFA試合中にメモする姿はおなじみの光景。「良かった点や改善点、心情を記して選手に伝えます」(森保監督)©JFAもりやす・はじめ1968年8月23日、長崎県生まれ。現役時代はサンフレッチェ広島、ベガルタ仙台などでプレー。元日本代表。1993年の“ドーハの悲劇”を経験。現役引退後は広島の監督、東京五輪代表監督、ロシアW杯日本代表コーチなどを経て、2018年7月より日本代表監督。※『anan』2023年3月8日号より。写真・日本サッカー協会Getty Images取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2023年03月24日いよいよ第2次森保ジャパンの新たなる船出となる。SAMURAI BLUEが『FIFAワールドカップカタール2022』でのベスト16からさらなる高みを目指し、『キリンカップチャレンジサッカー2023』2連戦に臨む。『ワールドカップ2026』へ向けた第一歩を今夜、国立競技場で踏み出すのだ。3月23日の前日会見でリスタートとなるウルグアイ戦について問われた森保一監督はこうコメントした。「まずはホームということで、勝利を目指して戦い、選手たちにはチームとしての戦いの中でベストを尽くしながら、今持っている最高の個のパフォーマンス、チームのパフォーマンスができるよう思い切ってやってほしい。これまでカタールまでの積み上げを生かしながら、これから2026年に向けて何を作っていけるか。新しい大会へ向かって、選手たちには思い切って表現してほしい」森保一日本代表監督指揮官は新チームのフォーメーションについても言及した。「現時点の構想もあるが、最終的には今日の練習を見て決めたい。形としては4-2-3-1からスタートしていきたい。これまでのオプション、試合の状況によって、オプションの積み上げはしっかり持ちながら、こちらのことを作っていきたいと思う。明日の形については、4-2-3-1がこれからベースになっていくか、チャレンジして決めていきたい。多くの選手が初招集、『W杯』後に所属チームに帰って活動しているので、これまで通りという言葉でなんとなく戦うことは新しいことを作る上で難しいと思う。これまで通りのオプションは持っていなくてはいけないが、新しいものを作るという確認作業、選手とコーチ陣の共有、選手間の共有は何となくではなく、しっかり絵を合わせていかないといけない」森保監督は『W杯』で出た課題を突き詰めるつもりだ。「選手も私も『W杯』の経験を踏まえて、悔しさであったり、次の夢や経験につなげていくことになったり、すべて一緒ではないかもしれないが、同じ方向で感じられていると思う。世界基準を持って成長しなければならない。『W杯』を経験した選手が各国のリーグで存在感を持って戦ってくれているので、より高い基準、高い目標を持って戦えると思う。同じ思いを持って2026年へ向かってさらなる成長とさらなる結果を求めてやっているのは同じだと思う」新しいコーチも加入し、森保監督は今回の代表活動での手応えを口にした。「2026年に向かって新たなスタッフも加わって、新しい血が入って、また新鮮な気持ちでいる。名波(浩)コーチ、前田(遼一)コーチに入ってもらって、トレーニングメニューを考えてもらい、非常にフレッシュな気持ちでウルグアイ戦に向かっていけると思う。これまで外から見てくれた成果と課題を名波コーチと前田コーチには伝えてもらった。ただそれは大きく違ったことはあまりなく、次の『W杯』に向けてやるべきことにもズレはなかった。『W杯』では粘り強い守備をしなくていけないが、さらにボールを奪っていかないといけない。スペイン、ドイツ戦では守から攻ではいい形でできたが、ボールを握りながら攻める形、速攻ができなかった時の攻撃の仕方は考えないといけない。ただスペインやドイツとの力関係は簡単にひっくり返らないので、地に足を付けてやっていかないといけない。大きく変わったところはあったかもしれないが、私の感覚としてはそんなに変わった印象はない」森保監督はゲームキャプテンに遠藤航を指名した。「航はチームキャプテンになるだけの経験もあるし、キャラクター的にもできると思うし、プレーも背中で見せられる素晴らしいプレーを見せているが、ただチーム作りの中でいろんな選手を見ている中、今回のメンバーがベースと決まったわけではないし、選手層の幅、戦術の幅を広げながら最高最強のチームを作っていく中で、キャプテンを決めてもいいが、オンザピッチ、オフザピッチで各選手に責任感を持って活動してくれるのを見ていきながら決めてもいいかなと思っている」また、『W杯』ではジョーカーとして活躍した三笘薫を先発で起用すると明かした。「基本的には今日の練習を見て決めるが、先発で考えている。ただ『W杯』では彼が力がないからサブだったのではなくて、彼のコンディションが100%ではなかったり、今後どうしていくかわからないが、チームで勝っていくのは大切。本人の力は認めながら、チームとしてどう勝っていくかやっていければと思っている」監督は『WBC』を制した侍ジャパンから刺激を受けていた。「改めて侍ジャパンの監督、選手、関係者のみなさんに『優勝おめでとうございます』『日本中に感動をありがとうございます』とお伝えしたい。『WBC』で侍ジャパンは素晴らしい戦い方を見せてくれた。まず世界トップ基準の個の力を持っていること、スーパーな個の力を持っている選手が勝つために犠牲心を持って、チームを第一に戦っていること。個の力、チームで戦うことの大切さを教えてくれた。野球とサッカーは違うが、世界トップトップの戦いでチームのために戦う大切さを教えてもらった。我々も同じような考え方を持っていたが、改めて参考にさせてもらっている」堂安律 (C)スエイシナオヨシ3月20日~23日には日本代表選手たちがメディア対応を行った。選手たちは次のように意気込みを語った。堂安律「新鮮な気持ちで来た。飛行機の中では20歳の時に初めて選ばれた気持ち、初心に戻ってと意識してきました。ゼロからの気持ちで臨みたい。スタートラインだと思っている。『W杯』を経験した選手は全員が『自分が引っ張る』という気持ちで来ていると思う。ギラギラしてプレーしたい」鎌田大地「新しいチームに変わるのでイチから自分の価値を高めないとだめ。それと次の『W杯』に継続して参加できる世代だと思うが、新しい競争がある。そういうものに負けないようにやっていきたい」三笘薫「毎試合結果を出して、チームの勝利に貢献することが第一。その上で、チームとして今後のやりたいサッカーや意図が見えるような試合にしたい。自分がその役割を担って、チームの中心と思われるような活躍がしたい」シュミット・ダニエル「まずはシュートを止めること。それに尽きる。その上で危ない場面を減らすために、クロスボールに飛び出すとか、簡単にクリアして相手にボールを渡さないとかも重要な要素。ボール保持の時間を長くするためにはGKの関わりも必要なので、意識してやっていきたい」遠藤航「『W杯』が終わってから初めての代表活動ということでフレッシュな気持ちだし、2026年に向けて『始まるな』という思い。また新たな競争が始まるので、1回1回の代表活動が大事になってくるし、次の3年半でどう成長できるかトライしていきたい。主将であろうがなかろうが、自分の役割は変わりないので。いつも通り自分の良さを出して、チームに貢献することを意識してやるだけ」遠藤航 (C)スエイシナオヨシSAMURAI BLUE(日本代表)のメンバーは次の通り。【GK】23シュミット・ダニエル(シントトロイデン/ベルギー)11試合8失点1大迫敬介(広島)3試合4失点12谷晃生(G大阪)1試合0失点【DF】4板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)16試合1得点16町田浩樹(サンジロワーズ/ベルギー)※26伊藤洋輝(シュツットガルト/ドイツ)7試合0得点3橋岡大樹(シントトロイデン/ベルギー)2試合0得点22瀬古歩夢(グラスホッパー/スイス)0試合0得点2菅原由勢(AZ/オランダ)1試合0得点24藤井陽也(名古屋)※5バングーナガンデ佳史扶(FC東京)※27半田陸(G大阪)※【MF/FW】6遠藤航(シュツットガルト/ドイツ)47試合2得点14伊東純也(スタッド・ランス/フランス)42試合9得点18浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)41試合8得点13守田英正(スポルティング/ポルトガル)20試合2得点15鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)26試合6得点19西村拓真(横浜FM)3試合2得点9三笘薫(ブライトン/イングランド)13試合5得点25前田大然(セルティック/スコットランド)11試合2得点8堂安律(フライブルク/ドイツ)33試合5得点21上田綺世(セルクル・ブルージュ/ベルギー)12試合0得点17田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)18試合3得点20町野修斗(湘南)5試合3得点7中村敬斗(LASK/オーストリア)※11久保建英(ソシエダ/スペイン)22試合1得点※=初選出。『キリンチャレンジカップ2023』日本代表×ウルグアイ代表は3月24日・国立競技場、日本代表×コロンビア代表は28日(火)・ヨドコウ桜スタジアムにてキックオフ。チケットは予定枚数終了。ウルグアイ戦はテレビ朝日系列、コロンビア戦は日本テレビ系にて全国生中継。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2023年03月24日サッカー日本代表を率いる森保一監督の著書『プロサッカー監督の仕事非カリスマ型マネジメントの極意』(2014年12月発売)が 皆様にご支持いただき、12/13に4刷重版出来となりました。「プロサッカー監督の仕事非カリスマ型マネジメントの極意」詳細URL: 「プロサッカー監督の仕事非カリスマ型マネジメントの極意」■監督が明かす現場のリアルと指導哲学。 脱トップダウンの指導法が芯の強いチームを作る!J1リーグ連覇を達成した指揮官が日々考え、取り組んでいること2012年、2013年とサンフレッチェ広島をJ1リーグ連覇に導いた森保一監督。育成型クラブとして着実に成長を続ける広島で指揮官はどういった考えで指導を行っているのか?シーズンを通したチーム作りからコーチや選手との関係、試合に向けての準備や采配など、本書ではプロサッカー監督として日々、現場で情熱を注ぐ現役監督のチームマネジメントと指導哲学を実例まじえながらその極意を丹念に綴っています。トップダウン型ではないその指導法は時代の潮流にも合い、サッカーの指導者のみならず、ビジネスマンにとっても興味を持っていただける内容になっています。■もくじ●第1章 サッカー監督の仕事 監督としての哲学/監督とコーチの関係●第2章 チームマネジメントの極意 コンセプトメイク/監督とチームの1週間/選手補強●第3章 選手の見方 モチベーション/チームトーク/試合に出る選手、出られない選手/選手の武器/選手の起用法●第4章 私のサッカー観 戦術と戦略/世界と日本●第5章 連覇 連覇への道程●第6章 サンフレッチェ広島の未来 育成型の常勝クラブ/クラブのアイデンティティ■著者プロフィール森保 一(もりやす・はじめ)1968年8月23日生まれ、長崎県出身。長崎日大高校から1987年にマツダサッカークラブに加入し、92年からはサンフレッチェ広島の中心選手として活躍。94年のサントリーシリーズ優勝に貢献した。その後98年に京都パープルサンガ(現・京都サンガ)、99年~01年にサンフレッチェ広島、02年~03年にベガルタ仙台でプレーして引退。日本代表では35試合に出場し、93年には「ドーハの悲劇」も経験した。指導者としては、04年からサンフレッチェ広島の育成コーチを務め、05年からU-18、19、20日本代表コーチ(兼務)を歴任し、07年~09年はサンフレッチェ広島のトップチームコーチを務める。10年~11年のアルビレックス新潟のヘッドコーチを経て、12年にサンフレッチェ広島の監督に就任。監督1年目にしてリーグ優勝を達成すると翌13年には史上4人目となるJ1リーグ連覇を果たす。12年、13年と2年連続でJリーグ最優秀監督賞を受賞。2017年に五輪代表監督に就任、2018年には日本代表監督に就任し、日本人監督としては初めて兼任となった。■商品詳細書名:プロサッカー監督の仕事非カリスマ型マネジメントの極意著者:森保一ISBN:9784862552778仕様:46判/254ページ/モノクロ定価:1,760円(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年12月13日森保まどかが主演を務める舞台「くちびるに歌を」が12月10日(土)に東京・かめありリリオホールで初日を迎えた。本作は、NHK全国学校音楽コンクールの課題曲になった「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」にインスパイアされた中田永一の小説「くちびるに歌を」(小学館文庫)を原作に、脚本・演出を長門勝彦が手掛けて、初舞台化されたもの。長崎県五島列島にある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の音楽教師・松山ハルコ(神志那結衣)が産休に入るため、松山の中学時代の同級生で東京の音大に進学した柏木ユリ(森保まどか)が1年間の期限付きで合唱部の指導を行うことになった。美人の柏木に魅せられ、それまでは女子部員しかいなかった合唱部に男子生徒が多数入部。男女混声で合唱コンクールに出場することとなったが、女子部員と真面目に練習しない男子部員が対立し始める…。本番に先駆け、ゲネプロをマスコミに公開。ゲネプロ後には囲み取材を行い、森保まどか、神志那結衣、仲村ナズナ役の夏目愛海、向井ケイスケ役の平松來馬、長谷川コトミ役のHinano、桑原サトル役の西川岬希、三田村リク役の大原由暉、辻エリ役の德岡明が登壇した。主演の森保は、「稽古期間はあっという間で、私は舞台の経験は浅いですが、スタッフの皆さん、共演者の皆さんに支えていただきながら稽古に臨むことができました。合唱がもちろん見どころですが、他にもたくさんの人間ドラマがあったり、観ていただく皆さんにどこか共感していただけるポイントがあるんじゃないかと思いながら作品づくりを行ってまいりましたので、たくさんの方にご覧いただきたい舞台になっています」と稽古時を振り返りながら、初日に向けての意気込みを語った。主人公ユリの中学時代の同級生・松山ハルコを演じるのは、森保と同じくHKT48のメンバーとして活躍していた神志那結衣。「私は先生で妊婦の役なんですけど、しっかりと生徒のみんなと一緒にユリを引っ張っていけるように努めて参ります」と役柄を説明しつつ意気込みを伝え、「しばらく会っていなかったので、最初はちょっと壁があったような気がするんですけど、稽古を重ねていくうちに思い出してきて、最終稽古に近づいた頃には親友という関係が出来上がっていました」と森保との共演についての思いを語った。合唱部の女子部員・仲村ナズナ役の夏目愛海は、「ここ3人(森保、神志那、夏目)は同い年何です。25歳になって中学生を演じるというのはめちゃくちゃ体力が要りますし、思っているよりもパワーが必要だと感じました(笑)。合唱にも舞台にも言えることですが、みんなで一つのものを作るのは楽しいことだなと思いました」と作品づくりの楽しさを伝えた。同じく合唱部女子部員の長谷川コトミ役のHinanoは、「私は高校2年生なので、2年前、コトミちゃんと同じ歳だったんですけど、中学2年の時にコロナウイルスの影響を受け始めて、中学3年生の時はほとんど学校での授業がなくて、仲間とケンカしたり、合唱コンクールに出場したり、体育祭があったりとか、そういうことが全くありませんでした。でも、実際にはできなかったことを舞台でやらせてもらえたことで、失くした青春が戻ってきたような気がしましたし、間違いなく皆さんの青春の1ページに刺さる作品になったと思います」と中学時代の欠けていた部分を補完できる喜びを語った。合唱部女子部員で指揮を担当する辻エリを演じるのは德岡明。「実際に中学3年生だったのは12年ぐらい前なんですけど(笑)、役を研究したり、昔のことを思い出したりしながら演じています。指揮はやったことがなかったんですけど、歌唱指導の方にすごく教えてもらって、皆さんの歌がどんどん変わっていくのも感じたので、調子に乗ってやらせていただきました」と新しいチャレンジに手応えを感じている様子。合唱部男子部員・向井ケイスケ役の平松來馬は「初日をこれから迎えることになりますが、ここまで来るまでに積み重ねてきたもの、スタッフの皆さんやキャストの皆さんと一緒に作り上げてきたものは確かなんじゃないかと感じられるゲネプロになりました」とゲネプロでより自信が持てたことを明かした。合唱部男子部員の桑原サトル役の西川岬希は“合唱”経験者。「合唱がいいものだということは知ってましたが、歳を重ねてまた歌うことになって。より一層心に残る合唱ができました」と合唱の魅力を再確認。同じく男子部員・三田村リク役の大原由暉は「激しくて、バカな役なんですけど(笑)、それを受け入れてくれる皆さんだったので、稽古場でもたくさん助けてもらいました。“こうした方がいいよ”と教えてもらったことも多いので、そういうのを初日から出し切れるように頑張ります!」と気合を見せた。HKT48卒業後初の舞台で、主演を務めることになった森保は、「私自身は役柄とは異なっていて、頼りないというか(笑)。指導していただいたり、共演者の皆さんにセリフの覚え方を教えてもらったりして稽古を進めてきたので、本当に助けられました。でも、本番が始まったらみんなのことを引っ張っていけるように頑張りたいです」と座長としてリードしていくことを宣言。長い付き合いの神志那が「まどちゃん(森保)は普段、もうちょっとおちゃらけてるんですけど、座長ということで気を張っていたのかな?」と話すと、夏目が「え? そうなの!? かっこよくて真面目なまどかちゃんというイメージだったので」と、平松も「僕らからしたら、本当に素敵な柏木先生ですし、舞台の真ん中に立っている時にはオーラと存在感を感じていました」と普段の森保のイメージとのギャップに驚いていた。共演者に助けられていることが多いと話した森保だが、「稽古中、半分は方言指導をしていました(笑)。イントネーションやアクセントの付け方に戸惑っている方も多かったので、役に立てて良かったです。特にナズナが多く聴きにきてくれて、それも嬉しかったです」と、長崎出身の利点を活かして共演者の役に立てたと笑顔で語った。最後は、森保が「皆さん、日々生活していたら、辛いこととか悲しいこととか忘れたいこととかがたくさん起こると思うんですけど、そういう苦しい時間の中のひとときの光や癒し、励ましになったりとか、プラスのポジティブなパワーをもらえるような作品になってるんじゃないかと思います。皆さんの青春に当てはめて見て欲しいでのもありますけど、実際の学生時代じゃなくても、自分の頑張った時間とか、もしくは今青春してるって思っている大人の方たちも多いと思いますので、そういう方たちに共感していただきたいと思います。素晴らしい作品になったと自信をもって言えますので、ぜひたくさんの方の目と耳とハート、心に届くといいなと思っています」というメッセージを送り、囲み取材を締めくくった。「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」、そして本作のためのオリジナル楽曲「雲を抜けて」の合唱シーンが見どころの舞台「くちびるに歌を」は、12月10日(土)から16日(金)までの期間、東京・かめありリリオホールで上演。12月10日と11日は、シンフォニーヒルズ少年少女合唱団が、13日から16日はオーディションで参加していただいたメンバーが他校の生徒役として出演する。<公演概要>タイトル:舞台「くちびるに歌を」原作/中田永一 「くちびるに歌を」(小学館文庫)脚本・演出:長戸勝彦作曲・合唱指導:和田一樹出演者:森保まどか(柏木ユリ)神志那結衣(松山ハルコ)夏目愛海(仲村ナズナ)平松來馬(向井ケイスケ)Hinano(長谷川コトミ)西川岬希(桑原サトル)大原由暉(三田村リク)德岡明(辻エリ)冨永さくら(横峰カオル)花澤美紅(福永ヨウコ)森山真衣(アイコ)芦澤木寧(シズカ)晴野なち(マナミ)二瓶愛琉(篠崎)角井楓真(関谷)湯本柚子(ナズナの子供時代)/本屋碧美(ナズナの子供時代):W キャスト西山蓮都(アキオの子供時代)大鳥れい(桑原サトルの母)鈴木健介(桑原サトルの父)遊歩(桑原アキオ)伊藤あいみ(仲村ナズナの母)香音有希(野口先生)幸村吉也(塚本先生)ほか会場:かめありリリオホール日程:2022 年12月10日~16日12/10 17:30~ ☆12/11 12:30~ ★/16:30~ ☆12/12 休演日12/13 17:30~ ☆12/14 17:30~ ★12/15 17:30~ ☆12/16 17:30~ ★W キャスト:☆湯本/★本屋チケット取り扱い:チケットぴあ (P コード: 515-945)料金:SS 席7,700 円/S 席5,500 円/A 席3,300 円公式サイト: 公式Twitter:@kuchibirustage主催: キョードーファクトリー企画制作: 舞台「くちびるに歌を」製作委員会制作: キョードーファクトリー制作協力: SANETTY Produce協力:オールウェーブ・アソシエツ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年12月11日《森保一監督と田嶋幸三JFA会長に、直接電話をしました。日本国民に勇気と元気をもらいましたと感謝と祝意を伝えました。改めてW杯リーグ突破おめでとうございます。決勝リーグも期待しています。がんばれ日本!》12月2日、Twitterにこう綴ったのは岸田文雄首相(65)だ。この日、「FIFAワールドカップ カタール大会」1次リーグの第3戦で強豪スペインと対戦した日本代表。前半は0-1で苦しい展開となったが後半3分、堂安律選手(24)がペナルティーエリアの外から左足を振り抜いてミドルシュートを決めた。そして6分にも三笘薫選手(25)のゴールラインぎりぎりからの折り返しに、田中碧選手(24)が身体ごと押し込んでゴール。その結果、逆転勝利を収め、その劇的な試合運びは“ドーハの奇跡”とも評されている。サッカーファンが勝利の歓喜に沸くなか、森保監督と田嶋会長に祝福の電話を入れた岸田首相。さらに、ツイートにはその様子を収めた動画もアップされており、Twitterでは《私達の感謝と祝意も伝えていただきありがとうございます!》《岸田さんありがとう》《親しみ湧くな絶対この人いい人だよね》との声が上がっている。いっぽうで、こんな批判の声も後を絶たない。《サッカー日本代表は健闘しましたね。日本の代表は検討し続けてますが》《そんなアピールするなら、まずは自身の疑惑の説明や消費税減税をしなさいよ》《スポーツを政治利用しないで下さい》■辞任ドミノに続いて、自身の公選法違反疑惑…支持率は30%にこれも、支持率の低さゆえかもしれない。11月21日、ANNの世論調査によって支持率が政権発足以来、最も低い30.5%であると発表された。「7月に起こった安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件を機に、“統一教会と自民党議員の関係”取りざたされていますが、岸田総理は党や教団に対して踏み込んだ対応をしているとは言い難い。また9月には『開催について説明が不十分だ』との声が多数上がるなか、安倍元首相の国葬が行われました」(全国紙記者)さらに現在、辞任ドミノが続いている。10月24日、旧統一教会との関係が次々と報じられた山際大志郎議員(54)が経済再生担当大臣を辞任。続いて11月11日、自民党議員のパーティで「法務大臣は死刑のはんこを押す地味な役職」と発言した葉梨康弘議員(63)が法務大臣を降り、同月20日には不適切な政治資金収支報告書を提出するなど、いくつもの“政治とカネ問題”が指摘されていた寺田稔議員(64)も総務大臣職の辞表を提出した。そして同月22日には、岸田首相の“公選法違反疑惑”も報じられた。「文春オンライン」によると、岸田首相は昨年10月の衆院選に関する選挙運動費用収支報告書に、宛名も但し書きも空白の領収書を94枚添付していたという。24日、記者団の取材に応じた岸田首相は「添付書類の記載に一部不十分な点があったことについて、今後このようなことがないように事務所に指示を出したところであります」と説明。選挙運動に関する支出は「適正だった」とした上で、「出納管理者の確認漏れ」だと回答した。ところが、この説明にネットでは「まるで他人事だ」との批判が相次いでいた。■杉田水脈政務官という火種 岸田首相は「適材適所」と擁護日本が円安や物価高に喘いでいることも支持率低下の要因だ。「岸田総理は昨年9月の自民党総裁選にあたって、政策集に『成長と分配の好循環に向けた政策を総動員』と記し、その一つとして枠外に『金融所得課税の見直しなど1億円の壁の打破』と記載していました。現在、所得が増えるにつれて所得税の負担が増えるにもかかわらず、所得が1億円を超えるあたりから、逆に負担の割合が軽減されています。『金持ち優遇だ』との指摘もあり、“1億円の壁”が問題視されています。そこで総理は『打破する』と銘打ちましたが、就任後の10月に一転。『金融所得課税の見直しは当面考えていない』と話しました。また10月26日には『政府税制調査会』が開いた総会で、自動車の走行距離に応じた課税、いわゆる“走行距離課税”などの検討がスタート。来年10月からはインボイス制度も始まる予定で『どれだけ税金をとるんだ』と世論では怒りの声が相次いでいます」(金融担当記者)そんななか、杉田水脈総務政務官(55)も岸田政権の“火種”となっている。これまで雑誌「新潮45」’18年8月号で「LGBTのカップルは生産性がない」と寄稿し、11月30日の参院予算委員会では、過去にブログでアイヌ民族などを侮辱していたことも取り上げられた杉田政務官。杉田政務官は12月2日にこれらの発言について謝罪したものの、続投させる意向を示している岸田首相の姿勢を問う声も少なくない。日本代表を祝福しただけでも、火だるま状態の岸田首相。支持率を取り戻すために、これからどう挽回するのだろうか?
2022年12月03日2022年11月23日に日本代表がドイツ代表を制し、初戦から盛り上がりを見せるサッカーの世界大会『FIFAワールドカップカタール2022』。ドイツは優勝候補の1つとして知られる国であり、日本が2対1で勝利を収めたことに世界中から驚く声が上がりました。同月27日に行われるコスタリカ戦を前に、開催地である中東のカタールでは、同月26日に日本代表の公式会見を実施。会見では、日本代表の森保一(もりやす・はじめ)監督が出席し、各国から集まった記者の前でインタビューを受けました。森保一監督、外国人記者からの『日本人のゴミ拾い』にコメント試合についての質問が飛び交う中、アメリカ人記者から飛び出たのは、日本人サポーターによる清掃行為についての質問。第1戦後、日本人サポーターがスタジアムのゴミを掃除する姿や、選手によるロッカーの清掃は世界で話題を呼び、称賛の声が上がりました。You dont to be a #Muslim to clean your trash behind youLook a at this amazing behavior from #Japanese fans they are cleaning the studiom behind them even it’s not there match, not the country and not even their own trashWow Salute #Japan #qatar #qat #QatarWorldCup pic.twitter.com/sUd1Tmj1Yf — محمد الجفيري (@maljefairi) November 21, 2022 After an historic victory against Germany at the #FIFAWorldCup on Match Day 4, Japan fans cleaned up their rubbish in the stadium, whilst the @jfa_samuraiblue left their changing room at Khalifa International Stadium like this. Spotless. Domo Arigato. pic.twitter.com/NuAQ2xrwSI — FIFA.com (@FIFAcom) November 23, 2022 日本人による試合後の清掃は決して珍しいことではなく、これまでもワールドカップなどの試合後は同様の話題が上がっていました。「なぜ、日本人はこういった行動をとるのですか?」というアメリカ人記者の質問に対し、森保監督は「日本人にとっては当たり前のことです」と返すと、このようにコメントをしました。指揮官は「私自身も育成年代から、『帰るときは来た時よりも美しく』と教えられてきた。日本の文化としては、使ったところは綺麗にして帰るというのは、当たり前で常識的なことだと思っています」と答えた。サンケイスポーツーより引用日本代表に限らず、多くの日本人が「場所を使わせてもらったら、帰る時に掃除をしよう」と教わってきたことでしょう。森保監督は、世界から称賛されている日本人の行動を「いたって当たり前の行動」とし、アメリカ人記者からの質問に笑顔で返答を行いました。日本人の気持ちを代弁してくれたであろう森保監督の発言は拡散され、共感や称賛をする声が上がっています。・森保監督の返しが素晴らしい!クールですね。・この人が日本代表の監督なことを誇りに思います。まさに模範解答。・確かに、子供の頃からそう教育されてきたな。日本人のこの考えは海外に誇るに値すると思う。きっと多くの日本人は、使った場所を掃除するのが当たり前という意識を持っているため、むしろ称賛されることに驚いたのではないでしょうか。今後も、この行為が日本人にとって『当たり前』であり続けたいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年11月27日9月のコスタリカ戦、先日12日のパナマ戦と、好調に白星を重ねているサッカー日本代表、森保ジャパン。次なる相手は、ロシアW杯ベスト8の成績を残した、FIFAランク5位の強豪ウルグアイです! そこで、みなさんどの選手に注目しているのか、世間の声をリサーチしました!文・伊藤順子森保ジャパンのキーマンは…?「全員攻撃、全員守備」、ロシアW杯組と次世代若手組との「融合」を掲げる森保ジャパン。これまで2戦、「お試し」といった形ながらも勝利をものにしてきました。明日に迫るウルグアイ戦は、先の2か国とは比べものにならないといっていいほど格上の相手です。積極的に若手を用いた初戦、初戦よりもロシアW杯色を加えた第2戦を経て、森保一監督は何をどう感じ、明日につなげるのでしょうか。そして、世間の人々はどの選手に注目をしているのでしょうか。ananwebは緊急調査を実施、票を集めた戦士トップ3を発表します!日本代表メンバーで注目選手は誰ですか?1位 大迫勇也2位 柴崎岳3位 長友佑都なんとロシアW杯主力組が独占する結果となりました。いくつか理由をご紹介します!1位 大迫勇也選手「W杯で活躍した勢いに期待」(33歳・公務員)「高校時代から衰えぬ輝きと決定力、技術で、年々その実力が進化していっているので」(30歳・公務員)「『半端ない』というイメージから挙げました」(32歳・自由業)3つ目のご意見は世間一般の声を代表しているのかもしれません(笑)。ドイツ・ブンデスリーガで培ったフィジカルと、安定感のある決定力を武器に、SNSや動画サイトで広まった「大迫、半端ないって」が見事マッチし、もはや日本で知らない人はいないといっても過言ではないほどその名が知れ渡りました。森保ジャパンでは前回のパナマ戦で初召集され、明日のウルグアイ戦も出場濃厚といわれています。若手との融合でW杯同様、半端ないプレーを期待しましょう!2位 柴崎岳選手「ゲームメイクに期待。彼がどんなボールを前線に送り込むのか楽しみで仕方がない」(31歳・会社員)「最近、ヘタフェでは活躍できておらず、そのうっぷんを晴らしてほしい」(36歳・事務)「結婚してプレーにどう変化が出るか楽しみ」(32歳・自由業)ロシアW杯では、日本をベスト16に導いた立役者のひとり、柴崎選手ですが、W杯以降、残念ながらヘタフェではほぼ召集外となっているんですね。類まれなるセンスと実力の持ち主ですから、自身もフラストレーションは相当溜まっているかもしれません。前回のパナマ戦もほんの数分かしか出場の機会を得られなかったですし、明日はその悔しさをバネに爆発してほしいものです。3位 長友佑都選手「ここぞというときナイスプレーをしてくれる」(32歳・公務員)「安定感がすごくて気遣いもできる人。プレーが楽しみ」(24歳・公務員)「まだまだ現役で頑張ってほしい」(30歳・自由業)「スーパーサイヤ人になりたかったスーパーゴリラ」と自ら称した金髪で、逆境に負けず前向きに日本代表を盛り上げてくれた長友選手。海外で培ったタフな精神力と、30歳を超えても劣え知らずの豊富な運動量、巧なテクニックは、所属するガラタサライでも健在。その活躍はクラブに大きく貢献しています。それは、森保ジャパンでも然りでしょう。スタメン出場したパナマ戦に引き続き、明日も安定感抜群なプレーをしてくれるはず!もちろん、他選手の名を挙げた人も多くいました。おもな声をご紹介しましょう。「中島翔哉選手。彼なら何かをしてくれそう」(35歳・IT関連)「伊東純也選手。今、Jリーグで1、2を争うくらいのストライカーだと思う。スピードだけでなく足もとの技術も高く、芸術的なゴールを度々放つことがあるので注目している」(30歳・公務員)「堂安律選手。若いのに物怖じしないメンタルが良いと注目しています」(30歳・自由業)「南野拓実選手。彼がもっと若いときにプレーを見て、すごくいい動きをすると思った。あれから、日本代表に入ってくれたのが嬉しい」(33歳・自由業)「東口順昭選手。Jリーグでシュートをたくさん止めていてすごい!」(29歳・会社員)以上、いかがでしたか。森保ジャパンが目指すのは来年2019年1月開催のアジアカップでの優勝です。相手ゴールを果敢に攻め、危険をかえりみず自ゴールを必死に守る。彼らの常に前を向く姿は、心を打たれるだけでなく、「何事も決して諦めない」大切さも教えてくれます。明日もまたきっと彼らに勇気づけられるはず。みなさん、精一杯応援しましょうね!©efks/Gettyimages©Pgiam/Gettyimages©NiseriN/Gettyimages
2018年10月15日決戦を2日後に控えた2月18日、『FUJI XEROX SUPER CUP 2016(FXSC)』公式記者会見が行われた。『明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ(CS)』王者・サンフレッチェ広島からは森保一監督、MF青山敏弘、『天皇杯』覇者・ガンバ大阪からは長谷川健太監督、DF岩下敬輔が登壇した。【チケット情報はこちら】意気込みを問われた4名は次のようにコメントした。「2016年のシーズンの始まりを告げる大会に出る2チームのうちの1チームである喜びを持って戦いたい。大きなタイトルだと認識し戦いたい」(森保監督)「素晴らしい相手と素晴らしい試合をして、『FXSC』を盛り上げたい」(長谷川監督)「G大阪とは去年からいい試合ができているので、皆さんが盛り上がるような試合がしたい」(青山)「去年と同様にひとつ目のタイトルを取れるようがんばる」(岩下)昨季、『CS』ファイナルでは1勝1分で広島に軍配が上がり、『天皇杯』準決勝ではG大阪が3-0と完勝した。リーグ戦では1勝1敗。好敵手との対決に、自然とコメントに熱が帯びる。「これまでやってきた練習の成果をぶつけたい」(森保監督)「『CS』で非常に悔しい思いをした。今季も広島とは大事な舞台で何度も戦うだろう。まず第1戦、勝って弾みをつけたい」(長谷川監督)「いい試合になるのは間違いない。お互いのスタイルをぶつける試合になる」(青山)「たくさんいい選手が入ったので、ガンバらしい攻撃、バリエーション豊富な攻撃を見てほしい」(岩下)さらに両指揮官はこう続けた。「G大阪は非常に強い。今季を占う意味でも重要な試合になる。G大阪の情報を考えながらも、我々のサッカーをして、今季につなげたい」(森保監督)「『FXSC』を取りにいく。王者の広島を今季1試合目の公式戦で倒して、弾みをつけたい」(長谷川監督)両指揮官とも、『FXSC』の先に今季を見据える。「まず去年できたことをやるためにもレベルアップが必要。対戦相手に分析され、相手は高いモチベーションで来る。まず去年のベースを発揮する。ベースが安定し、少しずつマイナーチェンジしていけばやれる。さらに成長していければと思う」(森保監督)「去年をいかに上回れるか、勝点70以上をどうクリアするか。そのために前線を補強した。個人、チームがいかに進化していくか。『ACL』も戦う。広島も組織力があるが、我々もある。アジアでJリーグの代表としての力を見せたい。あと一歩届かなかったタイトルを取りたい」(長谷川監督)リーグ戦で過去4年間のうち3度栄冠に輝いた広島と、『CS』準優勝、『ヤマザキナビスコカップ』準優勝、『天皇杯』優勝、『ACL』ベスト4と抜群の安定感を誇ったG大阪の一戦に、ハズレはない。『FUJI XEROX SUPER CUP 2016』サンフレッチェ広島×ガンバ大阪は2月20日(土)・日産スタジアムでキックオフ。チケット発売中。
2016年02月18日1月15日、『FUJI XEROX SUPER CUP 2016(FXSC)』の開催発表記者会見が行われた。Jリーグ王者・サンフレッチェ広島×『第95回天皇杯』覇者・ガンバ大阪という『明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ(CS)』の再現に、村井満チェアマンは「Jリーグ開幕を告げると同時に、『ACL』開幕前の真剣勝負の場になる。因縁の対決が楽しみ」と語った。また、両クラブには「今年は開催国枠としてではなく、アジア王者として『クラブワールドカップ』に出てほしい」と期待を込めた。【チケット情報はこちら】記者会見に登壇した水本裕貴(サンフレッチェ広島)と丹羽大輝(ガンバ大阪)は、次のように意気込みを語った。「『FXSC』はシーズンの幕開けとなる大会。素晴らしいシーズンになるように、いい結果を残したい。丹羽選手は明日30歳の誕生日なので、今日はおめでとうと言いたい。そして試合当日は(広島が勝って)おめでとうと言わせたい(笑)」(水本)「明日30歳になるが、気持ちはハタチ(笑)。フレッシュな気持ちで『FXSC』に向かいたい。『FXSC』でいい結果を出したチームが『ACL』にいい入りができると思うので、しっかりカップを掲げたい」(丹羽)相手に負けない、自軍の強みについて質問が飛ぶと、こう答えた。「チーム全員で戦う強さがある。誰が出ても一定以上のクオリティを出せる。そこはG大阪とは違うと思う。ひたむきさで勝ちたい」(水本)「新しいチームになっているので、やってみないとわからない。ただG大阪は先制されても慌てない、先制しても攻め急がない。サッカーを知っている選手が多いので、バタバタしないのが強み」(丹羽)相手の嫌なところや警戒する選手については、以下のように答えた。「(横浜F・マリノスから)アデミウソンも加入し、攻撃陣が強力。G大阪は守備も固い。本当にやり辛い相手だが、うちが勝る点もある」(水本)「広島戦は先制点がより大事になる。注意する選手は(浅野)拓磨選手。『CS』でも得点を取られているので、抑えたい」(丹羽)『CS』ではアディショナルタイムに同点弾、逆転ゴールを決めた広島が先勝し、第2戦を引き分けで終えて頂点に立った。『天皇杯』準決勝ではエース・ドウグラスを欠いた広島に、G大阪が宇佐美貴史の2ゴールなどで3-0と快勝した。広島は得点ランキング2位・ドウグラスがチームを去り、FWの補強が急務である。G大阪はブラジル人アタッカー・アデミウソンの獲得でJリーグ随一の攻撃陣を揃える。決戦まで約1か月、広島・森保一監督、G大阪・長谷川健太監督がどのようにチームを仕上げてくるのか。『FUJI XEROX SUPER CUP 2016』サンフレッチェ広島×ガンバ大阪は2月20日(土)・日産スタジアムでキックオフ。チケットは1月17日(日)午前10時より一般発売。
2016年01月15日2015年Jリーグチャンピオンを決した戦いで、2016年シーズンの幕開けを飾る。そう、Jリーグ王者・サンフレッチェ広島と『天皇杯』覇者・ガンバ大阪が『FUJI XEROX SUPER CUP 2016(FXSC)』で激突するのだ。FUJI XEROX SUPER CUP 2016 チケット情報『明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ(CS)』決勝はフットボールの魅力を再確認する2試合となった。第1戦はアディショナルタイムに広島が同点、さらに逆転弾を決める劇的な展開となった。第2戦はG大阪が今野泰幸の『明治安田CS』3試合連続ゴールで先制したが、広島の若きジョーカー・浅野拓磨が柏好文の鋭いクロスを頭で合わせ、優勝を手繰り寄せた。広島の快進撃は『明治安田CS』制覇後も止まらなかった。『FIFA クラブワールドカップ』準決勝で、南米代表・リバープレートに惜敗したものの、アジア覇者・広州恒大を撃破し、3位に輝いた。ケガ人やコンディション不良な選手が続出し、19日間で6試合を戦う超過密日程の中、栄冠を手にした。G大阪も巻き返した。『天皇杯』準決勝で『明治安田CS』で沈黙した宇佐美貴史の2ゴールなど、3-0で広島を粉砕した。元日決勝でもパトリックの2得点、GK東口順昭のスーパーセーブで『明治安田CS』準決勝と同様に、浦和レッズを返り討ちにした。両軍とも、今季の戦力は不確定要素がある。得点ランキング2位となったドウグラス(広島)に狙いを定めた中国や中東、他のJ1クラブが獲得に乗り出している。『リオ五輪』最終予選を1月末まで戦う浅野の疲労の蓄積も気になる。G大阪も得点ランク3位の宇佐美が残留濃厚とされるが、欧州再挑戦が一気に決まるか予断を許さない。宇佐美の残留とともに横浜F・マリノスのアデミウソン加入が決まれば、J随一の攻撃陣となるが、果たして。広島もG大阪もシーズンへ向けて、チーム構成は変化するだろう。だが、年間最多勝ち点をマークするとともにリーグ最多得点・最少失点を記録した広島と、2014年に三冠を独占し、昨年もJ1リーグ2位、『ナビスコカップ』準優勝、『ACL』ベスト4、『天皇杯』2年連続優勝とコンスタントに上位に顔を出したG大阪は、今季も優勝争いの中心になるだろう。MVPを初受賞した青山敏弘(広島)と最多12度目のベストイレブンに選出された遠藤保仁(G大阪)が、中盤でタクトを振るう。広島の3バックとG大阪の4バックは堅守を支え、林卓人(広島)と東口という最後の砦がゴールに鍵をかける。そして、何よりも森保一(広島)と長谷川健太(G大阪)の両監督が明確な戦術のもと、適材適所に選手を配し、勝利を手繰り寄せる。どちらが勝っても3度目の『FXSC』優勝となる。広島の2年ぶりの奪還か、G大阪の2年連続の戴冠か。『FUJI XEROX SUPER CUP 2016』広島×G大阪は2月20日(土)・日産スタジアムでキックオフ。チケットは1月12日(火)午前11時まで先行抽選「プレリザーブ」受付中。1月17日(日)10時より一般発売。
2016年01月08日かつて指揮していたリーガ・エスパニョーラのサラゴサで、八百長試合に関与したとして告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督。疑惑を全面否定するメキシコ人指揮官を日本サッカー協会(JFA)も信頼する中で、それでも浮かび上がる3つの疑問に迫る。○手詰まりで身動きが取れないJFA■疑問(1) 日本協会の対応はなぜ鈍く映るのかスペインの司法制度は日本と異なり、告発された段階ではまだ"シロ"である。スペイン検察庁の反汚職課からの告発を、バレンシア裁判所が受理してから本格的な捜査がスタート。証人喚問などを経て嫌疑が十分と見なされればアギーレ監督は起訴され、「容疑者」として裁判に臨む。しかし、告発後のJFAの対応は遅きに失した感が否めない。大仁邦彌会長が公の場で初めてメディアの取材に応じたのが、スペインの検察当局の告発より3日後の12月18日。前代未聞の事態に揺れる中で、JFAの副会長も兼ねるJリーグの村井満チェアマンは、起訴に至れば「重大な問題になると思う」と危機感を募らせている。「Jリーグは興行として夢を売る役割があり、そこは敏感になる。日本サッカー協会も問題が明確になれば、毅然(きぜん)とした態度を取るでしょう」。村井チェアマンの言う「そこ」とは「八百長」であり、「毅然(きぜん)とした態度」とは「契約解除」となる。しかし、裁判の判決が下される前に解任されれば、アギーレ氏が名誉毀損(きそん)でJFAを訴える可能性も出てくる。「イメージが悪いから」という理由で"シロ"の指揮官を更迭したとなれば、海外のサッカー界から日本へ批判的な視線が向けられることになる。自ら八百長を認める形になるため、アギーレ監督もJFAからの辞任勧告などを受け入れないはずだ。JFAの対応が鈍く映る理由は、小倉純二名誉会長が発したこの言葉に集約されている。「手の打ちようがない」。○腑に落ちない原専務理事の反論■疑問(2) 契約前に十分に素性を洗ったかアギーレ監督招聘(しょうへい)の中心的な役割を担ったJFAの原博実専務理事が、告発後で初めて記者会見に応じた18日にはこんな質問が飛んでいる。「アギーレ監督の身体検査が疎(おろそ)かだったのではないか。世界中に恥をさらしている」。4年越しのラブコールを実らせてアギーレ監督との契約を結んだ原専務理事は、やや色をなして反論している。「この疑惑がスペインの新聞で報じられたのが(アギーレ監督就任後の)今年の9月。八百長の告発自体がスペインでは初めてのケース。本人が『わからない』と言っているのに、(クロと)決めつけていいのでしょうか」。要するに「事前にわかりようがない」ということか。ただ、自身に任命責任が及ぶ事態を避けるかのような対応にも見えた。しかし、すでに2013年6月の段階で、スペインプロリーグ機構のハビエル・テバス会長が八百長疑惑を警察へ報告。検察当局が2011年5月に行われたシーズン最終戦でサラゴサが勝利し、1部残留を決めた試合の調査に乗り出した結果、今回の大量告発に至った。この事実を見落としていた、あるいは意中の人物だからと盲信していたとすれば、アギーレ監督との契約は拙速だったと言わざるを得ない。○待望の日本人監督へ、機は熟した■疑問(3) 後任監督候補になぜ日本人がいないのか続投が発表されているアギーレ監督だが、すでにメディアの間では後任人事を巡る報道がかまびすしい。待望論が強いのは、現役と監督を含めて14年という時間を日本に刻んだドラガン・ストイコビッチ氏。現在は自宅のあるフランス・パリで英気を養っているものの、日本代表監督就任への意欲は強い。名古屋グランパスの監督を退任してからまだ1年あまりで、日本のサッカー事情に対するブランクもほとんどないだろう。2015年6月からは、ワールドカップ・ロシア大会出場をかけたアジア予選が始まる。活動時間が限られる代表チームの宿命を考えれば、日本人選手の特徴を熟知し、日本サッカー界にも精通している点が大きな条件になってくる。1998年のワールドカップ・フランス大会出場をかけたアジア最終予選中に加茂周監督が更迭されて以来、スクランブル就任の岡田武史監督を除くと、すべてが外国人の指揮官だった。こうした現状において、選定・交渉に当たるJFAの技術委員会内には、「いつかは日本人監督で」という悲願がある。ただ、プロ化以降の歴史がまだ浅く、ヨーロッパのクラブに所属する選手が年々増えてきているのが日本サッカー界の現状。ワールドカップやUEFAチャンピオンズリーグをはじめとする大舞台での経験や実績を代表監督に求めてきたのは、指導にカリスマ性や説得力を持たせるためだ。しかし、アギーレ監督に最悪の事態が生じた場合、代表監督を探す過程でこうした経験や実績を度外視する決断も求められてくるかもしれない。サンフレッチェ広島を連覇させた森保一、ガンバ大阪を史上2チーム目の三冠獲得に導いた長谷川健太両監督を筆頭として、数多くの優秀な日本人指導者がすでに育っている。機は熟しつつあるのだ。○サポーターが失望する「疑惑が悪いのでしょうか」舞台が法廷闘争に移れば、結審まで数年かかるとされる。日本とスペインとを頻繁に行き来すれば代表監督の仕事に支障をきたすおそれもあるし、「ダーティーなイメージがあるから」と、日本代表のマッチメークでも断られるケースも生じるかもしれない。不安材料はいくつもある。何よりも残念なのは、日本代表を中心とするコミュニティーが大きく揺らいでしまったことだ。コミュニティーにはサポーターやファン、テレビや新聞をはじめとするメディア、キリングループやアディダスジャパンをはじめとするスポンサー企業、そしてもちろんJFAも含まれる。全員の思いが長い時間をかけて巨大なベクトルと化し、同じ夢を描きながら日の丸を背負って戦う選手たちを後押ししてきた。しかし、こうした状況が続く中で、いままでと変わらずに一体となって、心の底から日本代表を応援できるだろうか。選手たちも集中して戦いに臨めるだろうか。原専務理事は記者会見でこんな言葉も発している。「疑惑をかけられたことがすべて悪いのでしょうか」。開き直ったかのような印象を与えるし、JFAの最高議決機関である理事会でもアギーレ監督の問題に関して批判すら起こらなかった。「組織として機能しているのか」という疑問すらもわいてくる。裁判の原則である「疑わしきは罰せず」の精神は、もちろん尊重されなければならない。一方では「火のないところに煙は立たない」とも言われるように、代表監督が八百長疑惑の対象となった事実もまた重く受け止める必要がある。もやもやした思いが晴れない理由がここにある。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2014年12月25日『2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』ファイナルを翌日に控えた11月7日、公式会見が行われた。サンフレッチェ広島からは森保一監督・青山敏弘、ガンバ大阪からは、長谷川健太監督・遠藤保仁が登壇し、決戦を目前に意気込みを語った。森保監督は「これまで我々はいい準備ができてきた。選手には思い切って、決勝戦の舞台で戦えることを幸せに思って、楽しんでプレーしてほしい。そして、試合が終わったときには我々が勝って喜んでいるというイメージを持って、力を出し切る気持ちで明日に臨む」と自信満々。対する長谷川監督も「『ナビスコカップ』は選手時代から含めて5回目になる。勝たないと悔しさだけが残る大会。(前日練習を経て)勝ってカップを選手がスタジアムの中央で掲げている良いイメージができた。選手を信じて、勝利を信じて、チーム一丸となって明日のゲームに臨む」と、こちらも自負を隠そうとはしなかった。青山が「今年一年非常にチームが苦しんできた。その苦しい想いというのが、『ナビスコカップ』決勝の舞台につながっていると感じるほど、チームが良い状況にある。平常心でプレーしたいと思っていたが、(目の前に飾られた)ナビスコカップを見ると、気持ちが高ぶらないというのは無理な話。明日はこのカップを広島に持って帰れるように自分たちの持っている力を100%出したい」と気を吐くと、遠藤は「勝つために全力でハードワークします。以上です」とキッパリ。現在、J1リーグ2位・ガンバ大阪が2007年以来、2度目の『ナビスコカップ』覇者となるか。はたまた、サンフレッチェ広島がリーグ戦連覇に続き、悲願のカップ戦初戴冠となるか。『ナビスコカップ』決勝・サンフレッチェ広島×ガンバ大阪は11月8日(土)・埼玉スタジアム2002でキックオフ。チケット一般発売中。なお、予定枚数終了している席種もあるのでお早めに。
2014年11月07日いよいよ決勝まで10日を切った。サンフレッチェ広島もガンバ大阪も『2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』決勝に向けて、モチベーションも高まっていることだろう。サンフレッチェ広島対ガンバ大阪 ナビスコカップ 決勝 チケット情報だが、ファイナルを前に大事な一戦が待っている。J1リーグ第31節が11月2日(日)に開催される。広島は大宮アルディージャを、G大阪はベガルタ仙台をそれぞれホームで迎え撃つのだ。残留争いを強いられたクラブとの対戦は容易ではない。広島・森保一監督も、G大阪・長谷川健太監督もまずは目の前の第31節に全力を傾けるだろう。3連覇の可能性を断たれたが、広島は『ACL』出場を諦めてはいない。昨季、残り2試合で首位・横浜F・マリノスに勝点5差をつけられながらも、連勝で奇跡の連覇を果たしたことを指揮官も選手も忘れてはいない。前回の直接対決も、忘れられない試合となった。NACK5スタジアム大宮に乗り込んだ第15節は25分までに佐藤寿人の2得点、石原直樹のゴールで3-0とした。前半で勝負ありと思われたが、52分にズラタンに1点を返されると、54・71分とムルジャにゴールを許し、まさかのドローに終わった。「カップ戦とリーグ戦は別物」とはサッカー界の定言だが、『ナビスコ杯』決勝1週間前に下手なゲームはできない。幸い、ここ3試合で佐藤は3得点、石原は4得点とアタッカー陣は好調である。きっちり勝点3を積み上げ、G大阪との決戦に臨みたい。首位・浦和レッズに勝点3差と猛追するG大阪にとって、仙台戦が重要なのは言うまでもない。今季の直接対決は0-0、通算成績では5勝3分3敗と圧倒するまでは至ってはいない。『ナビスコ杯』予選リーグでは赤嶺真吾に決勝点を決められ、1-0で仙台に敗れている。ただ、G大阪は『W杯』前と後では別チームになっている。リーグ戦再開後は13勝1分2敗と群を抜いた好成績を残す。第29節・柏レイソル戦で連勝は7でストップしたが、第30節・FC東京戦では遠藤保仁の技ありフリーキックもあり、2-1で勝点3を獲得するなどショックを引きずらなかった。8得点をマークする宇佐美貴史&パトリックの2トップだけではなく、阿部浩之(7得点)、リンス(5得点)、倉田秋(5得点)、大森晃太郎(4得点)と誰が2列目に入っても、得点力は変わらない。さらに今季は最少失点数リーグ4位と固い守備も兼ね備える。G大阪も勝点3を上積みして、『ナビスコ杯』決勝、浦和とのリーグ戦第32節という天王山2連戦を迎えたいことだろう。11月2日(日)・広島×大宮・エディオンスタジアム広島、11月2日(日)・G大阪×仙台・万博記念競技場、11月8日(土)・『ナビスコ杯』決勝・広島×G大阪・埼玉スタジアム2002は、いずれもチケット発売中。
2014年10月30日サンフレッチェ広島とガンバ大阪が雌雄を決する『2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』決勝。10月25日(土)のチケット発売を前に、過去のデータを振り返ってみたい。J1リーグ戦で首位・浦和レッズを勝点5差で追うG大阪と、勝点15差の9位とリーグ戦3連覇は絶望的な広島の現状を見て、G大阪有利とは決して言い切れない。過去10年間の『ナビスコ杯』決勝進出を果たしたクラブのJ1リーグ最終順位を見ると、10回のうち8回がリーグ戦の順位の下のチームが栄冠に輝いている。「リーグ戦とカップ戦は別物」というサッカー界の常套句を証明した結果となっている。フットボール界には「ファイナルはカタイゲームになる」という定説もある。過去10年間のスコアを見ると、1-0と2-0が各3回、0-0が2回となっている。2010年のジュビロ磐田5-3広島という乱打戦もあるにはあるが、先制点が持つ意味は通常の戦いよりも重い。だからこそ、まず守備ありきの戦い方がスタンダードになっている。果たして、11月8日(土)・埼玉スタジアムで両クラブはどう出るか?両クラブはTPOに合わせた戦い方ができる。広島は強固な守備ブロックから佐藤寿人を走らせるカウンターだけではなく、小気味いいパスワークからゴールを陥れるパターンも有す。それでいて、第20節・浦和レッズ戦で見せた相手ボールの時は自陣から出ない超守備的な5-4-1もある。G大阪もかつてのポゼッションサッカー至上主義ではない。3ボランチ気味の守備ラインを作り、堅守をベースにパトリックへのカウンターから活路を見出すことも多々ある。もちろん、長短織り交ぜたパス交換から宇佐美貴史や阿部浩之が仕掛けるのが鉄板だ。守備的か、攻撃的か。カウンターか、ポゼッションか。局面、時間帯、流れによって、両クラブとも器用に戦術を変えてくるだろう。そのタクトを振るうのが、広島の青山敏弘とG大阪の遠藤保仁である。日本を代表するゲームメイカーは、ピッチを俯瞰で見渡し、いるべき場所にいる。森保一監督、長谷川健太監督の命を受け、青山と遠藤がチームを動かす。『ナビスコカップ』決勝・サンフレッチェ広島×ガンバ大阪は11月8日(土)・埼玉スタジアム2002でキックオフ。一般発売は10月25日(土)10:00より。
2014年10月24日サンフレッチェ広島の初優勝か、ガンバ大阪の7年ぶりの優勝か。『2014Jリーグヤマザキナビスコカップ』決勝のカードが決まった。ともに、ホームでの複数ゴールとアウェイゴールが勝ち上がりの要因となった。広島もG大阪も10月9日・準決勝第1戦をホームで迎えた。広島は佐藤寿人-高萩洋次郎のホットラインで2ゴールを挙げ、前年覇者・柏レイソルを2-0で下した。G大阪は川崎フロンターレに試合終了間際にゴールを許したものの、3-1と完勝を収めた。10月12日、アウェイに乗り込んでの第2戦、両軍とも猛攻を浴びた。広島は柏にシュート数でダブルスコアとなる12本打たれ、レアンドロに2得点挙げられるも、74分の石原直樹のゴールで1-2とした。G大阪はシュート5本に対し川崎Fは17本と圧倒されるも、阿部浩之の2ゴールで2-3とした。準決勝を終えた指揮官は、最後の敗者になるつもりはさらさらない。「タイトルを取る力は我々にはあると常に言ってきた。決勝戦に出られるということは、これまでのがんばりが素晴らしかったということ。ただ、まだ道半ば。決勝の舞台で我々が必ず勝ってタイトルをものにしようと選手に伝えた」(広島・森保一監督)「決勝の自信はないが、広島はJリーグ王者ですし挑戦者の気持ちでしっかりと勝てるように準備をしていきたい。本当に素晴らしい選手に恵まれているので、選手を信じてタイトルを取れるように全員でしっかり準備していきたい」(G大阪・長谷川健太監督)ここまでの戦いぶりは、対照的だ。リーグ戦V2の広島はリーグ戦で首位・浦和レッズに勝点17差をつけられ、8位に甘んじている。『ACL』出場のため、『ナビスコ杯』は決勝トーナメントから参戦し、準々決勝では浦和に2試合連続ドローを演じ、アウェイゴールのアドバンテージで勝ち残った。J1昇格を果たしたG大阪はシーズン序盤こそ苦しんだが、『W杯』を経て、リーグ戦が再開されると11勝1分1敗と2位につけている。『天皇杯』でも4強入りし、唯一、3冠達成の可能性を残している。ただ、今季の調子を見て、G大阪が有利とは言い切れない。G大阪は3大大会のタイトルに手が届くがゆえ過密日程を強いられる。一方の広島は『ナビスコ杯』一本に集中できる環境にある。直接対決を振り返ると、リーグ戦ではG大阪の19勝7分18敗、『ナビスコ杯』では5勝1分5敗と互角の展開だ。今季の対戦成績を見れば、『天皇杯』4回戦を含め、G大阪が2勝1分とリードする。果たして、11月8日(土)・埼玉スタジアム2002で勝ち鬨をあげるのはサンフレッチェ広島か、ガンバ大阪か。先行抽選「プレリザーブ」は10月23日(木)11:00まで受付中。一般発売は10月25日(土)10:00より。
2014年10月17日『2014Jリーグヤマザキナビスコカップ』決勝にガンバ大阪とサンフレッチェ広島が王手をかけた。10月9日、準決勝第1戦でG大阪が川崎フロンターレを3-1、広島が柏レイソルを2-0で下した。10月12日(日)・アウェイでの第2戦を前に、圧倒的なアドバンテージを得たのだ。2014Jリーグヤマザキナビスコカップ チケット情報G大阪と広島が絶対有利だが、川崎Fと柏にとって決勝進出は絶望的ではない。事実、初戦を終えた指揮官たちは次のように語った。「ホームで勝ったのはいい結果だと思うが、最後の1点取られたので、まだセカンドレグは予断を許さない状況だと思う」(G大阪・長谷川健太監督)、「後半、追加点のチャンスで決められず、サッカーの神様が『次の試合は相当に厳しくなる。覚悟しておけ』と教えてくれたような気がする」(広島・森保一監督)という言葉は、決してリップサービスではないだろう。「点差が開きなかなかうまくいかなかったが、選手は最後まで諦めずに1点を取るためによくやってくれた。次に繋がる最低限の試合はできた」(川崎F・風間八宏監督)、「2点以上取るために、FWを5人並べる必要はない。大切なのは、明確な戦術でチームをオーガナイズすること。戦い方を変える必要はない」(柏・ネルシーニョ監督)というセリフも、決して強がりではないはずだ。川崎Fは日本代表のため不在のFW・小林悠とともに、MF・中村憲剛をケガで欠いたのが響いた。それでも川崎Fは序盤から攻勢に出た。一方のG大阪は慌てず騒がず、川崎Fの攻撃をしのぐと遠藤保仁のパスをDF・米倉恒貴が決め、宇佐美貴志も3試合連続ゴールをマーク。後半に宇佐美と2トップを組むパトリックがハーフウェイからペナルティエリアまでドリブルで持ち込みそのままゴールし、勝負あり。ただ、川崎FもアディショナルタイムにコーナーキックからのヘディングをDF・田中裕介が決め、意地のアウェイゴールを獲得した。前回大会覇者・柏は、FW・佐藤寿人-MF・高萩洋次郎の広島ホットラインにやられた。41分にGKとDFの間に高萩がピンポイントパスを送り、走り込んだ佐藤が左足でダイレクトで決めた。50分にはCBとCBの間に落とす高萩のパスに佐藤がジャンプしながらループシュートをふわり。エースと背番号10の絶妙なコンビネーションを見せ付けた。佐藤はこれで『ナビスコ杯』通算26ゴール。中山雅史、ジュニーニョに並ぶ最多タイ記録となった。柏は48分にMF・エドゥアルドが退場となり、広島の猛攻を浴びたが、追加点は許さず第2戦に望みをつなげた。10月12日(日)・川崎F×G大阪・等々力記念陸上競技場はチケットぴあにて発売中、10月12日(日)・柏×広島・日立柏サッカー場はJリーグチケットにて発売中。
2014年10月10日ネルシーニョ監督、森保一監督ともに頭を悩ます一戦となりそうだ。10月5日(日)・日立柏サッカー場で柏レイソルとサンフレッチェ広島が激突する。さらに10月9日(木)・12日(日)には『2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』準決勝が控える。ただでさえ同一カード3連戦は非常に難しい戦いとなるが、両軍はリーグ戦でもともに勝点38と拮抗する。直接対決の成績はリーグ戦で15勝7分11敗、『ナビスコ杯』で5勝2敗といずれも柏がリードするが、お得意さんという認識はないだろう。7月23日のJ1リーグでは、広島に2-5と粉砕された。前節の結果も重くのしかかる。柏はFC東京・武藤嘉紀のスピードに翻弄され、0-4の大敗を喫した。第25節こそサガン鳥栖に2-0と勝利したが、9月に入ってセレッソ大阪に0-2、浦和レッズに1-3と4試合で9失点を奪われるなど、らしくない試合が続く。一方の広島はヴィッセル神戸と1-1のドローに終わったが、労を厭わない運動量で次を期待させる内容だった。ここ6試合で3失点と強固な守備も取り戻しつつある。柏も広島もJ1リーグ第27節を『ナビスコカップ』準決勝の前哨戦という位置付けはしないだろう。それでも、タイトルを獲得し続けた両指揮官のこと、何らかの布石を打ってくるはずだ。ネルシーニョ監督は2010年のJ2リーグ制覇に始まり、2011年J1、2012年『天皇杯』、2013年『ナビスコ杯』と毎年タイトルを獲得してきた。昨年の『ナビスコ杯』決勝が忘れられない。リーグ戦第30節で浦和レッズに1-2と敗北を喫した6日後、浦和を1-0で下し、タイトルを手繰り寄せたのだった。しかも、『ナビスコ杯』決勝は大谷秀和や橋本和ら主力5人を欠いたにもかかわらず。キャリアでネルシーニョ監督に及ばなくても、森保監督も実績では負けてはいない。ペトロヴィッチ前監督からチームを引き継いだ森保監督は就任1年目に広島をJ1制覇に導いた。昨季は残り2試合で勝点5差という絶望的なビハインドを跳ね返し、大逆転で連覇を達成した。2012年に1.FCケルンを経由したDF・槙野智章、昨季はDF・森脇良太、今季GK・西川周作と毎年のように主力が浦和へ移籍する中、しっかりとチームを立て直しているのだ。柏は次節、DF・近藤直也が出場停止、広島は『ナビスコ杯』で水本裕貴、塩谷司の両DFを日本代表で欠く。果たして、両監督はどんな策を施すのか? 3連戦の初戦となるJ1リーグ戦第27節は、ネルシーニョ監督、森保監督の手綱さばきに注視したい。10月5日(日)・J1リーグ戦第27節・柏×広島・日立柏サッカー場、10月12日(日)・『ナビスコカップ』準決勝第2戦・柏×広島・日立柏サッカー場はJリーグチケットにて発売中。10月9日(木)・『ナビスコカップ』準決勝第1戦・広島×柏・エディオンスタジアム広島はチケットぴあにて発売中。
2014年10月02日