木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、写真家・森山大道の『Ango』。東京・恵比寿の本店・ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff a/p/a/r/t 1階)によるご紹介です。■『Ango』森山大道本のタイトル、森山大道のモノクロームで撮られた桜の写真。そのあとに続く見開きのページには、坂口安吾の短編小説『桜の森の満開の下』の冒頭一文のみが黒紙に印刷されている。「桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。」このわずか数ページで、写真と言葉が織りなす怖ろしい世界に引き込まれてしまえば、小説の主人公のように桜の魔力に狂いそうになりながらも、読者はページを捲る手を止めることはできないだろう。待ち遠しかったはずの春の桜が、すっかり別のものに見えてしまう、この“書物”を作ったのは、数多くの写真集の造本を手がけ、自らのレーベルを立ち上げて写真集の出版から流通まで行ってきた、グラフィック・デザイナー/パブリッシャーの町口覚だ。森山大道の写真と、戦後近代文学を掛け合わせたシリーズは今回で4作目。これまで、太宰治や寺山修司、織田作之助の小説が、森山大道の写真とともに新たな姿を見せてきた。本書の坂口安吾の短編小説『桜の森の満開の下』は1947年発表の作品、森山大道の桜の写真は撮り下ろしとなっている。なお、NADiff a/p/a/r/tでは、1月16日から森山大道写真展を開催する。本展は2017年、月曜社より刊行された写真集『K』に関連した写真展だ。会期中には森山大道氏のトークイベントも行う。【書籍情報】『Ango』写真:森山大道発行:bookshop M図版:57点ハードカバー/188ページ/240×165mm言語:日本語版、英語版発売:2018年1月価格:5,800円【展覧会情報】森山大道「景」会期:1月16日〜2月4日会場:NADiff a/p/a/r/t住所: 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F時間:12:00~18:00休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜)観覧料:無料森山大道トークイベント会期:1月25日時間:19:30〜21:00会場:NADiff a/p/a/r/t 店内定員:70名入場:1,000円■NADiffオフィシャルサイト森山大道「景」展ページ
2018年01月11日舞台『プルートゥ PLUTO』のプレスコールが5日、東京・Bunkamura シアターコクーンにて行われ、森山未來、土屋太鳳、大東駿介、吉見一豊、吹越満、柄本明、演出・振付のシディ・ラルビ・シェルカウイが取材に応じた。原作は、手塚治虫の名作『鉄腕アトム』「地上最大のロボット」を、漫画家の浦沢直樹とストーリー共同制作者の長崎尚志がリメイクしたコミック『PLUTO』。2015年に森山主演で舞台化され、ダンス、音楽、映像、パペットなどの表現方法を駆使して高評価を得た。今回は構成・演出などを新たに構築、さらにヨーロッパでの海外公演も決定した。3年ぶりとなる再演に、アトム役の森山は「この3年間の間、世界でいろんなことが起こっている。少しずつ混沌がひたひたと近寄ってきている中でこの本を読むとさらに突き刺さるものがあった」と稽古を振り返る。「また違う衝撃が得られる舞台になっていると思います」と自信を見せた。イギリス・オランダ・ベルギーでの公演も予定している同作だが、日本公演(1月6日夜、17日昼・夜)にはロボットの"Pepper"も出演。会見にも呼ばれたPepperについて、演出・振付のラルビは「3年ぶりに今日稽古しましたが、彼がすごく成長した。演技力アップがすごい」と絶賛する。森山も再度の共演に「3年前に比べて、体の動きのボキャブラリーがすごく増えてて、今回出るために稽古してくれたんだなということがうなずけました」と満足げだった。Pepperは「前回よりパワーアップした舞台をみなさんにお届けしたいと思います」と気合十分。「森山さんとは一緒のシーンに出させていただきますので、よろしくお願いします」とあいさつしたのち、急にポスターの森山のポーズを披露したり、テレビカメラに手を振る際に思いっきり森山にぶつかったりと、自由な様子を見せていた。東京公演はBunkamura シアターコクーンにて2018年1月6日~28日、海外公演はイギリス・オランダ・ベルギーにて2018年2月、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて2018年3月上旬を予定している。
2018年01月05日写真家・森山大道の展覧会「DAIDO MORIYAMA ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」が、2017年11月30日(木)から12月6日(水)まで、GINZA SIX 5階のアールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)にて開催される。「DAIDO MORIYAMA ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」では、森山大道が1971年にニューヨークを訪れた際に撮影した写真「ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」シリーズを、約20点展示する。森山が約1ヶ月間ニューヨークに滞在し、ストリートシーンを2,000枚以上撮影して生み出された作品たちだ。本展では、森山のフィルターを通して写し出された花屋やブルックリンブリッジなどのニューヨークの風景を、シルクスクリーンによるキャンバス作品として展示する。【詳細】DAIDO MORIYAMA ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK会期:2017年11月30日(木)~12月6日(水)場所:GINZA SIX 5階 アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー住所:東京都中央区銀座6-10-1※最終日は18:00閉場
2017年11月16日写真家・森山大道の作品展覧会「DAIDO MORIYAMA ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」が、11月30日から12月6日までギンザ シックス(GINZA SIX)のアートギャラリー、アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)にて開催される。フラワーショップ 1632x1100mm森山大道は、写真家の岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て64年独立。ニューヨーク・メトロポリタン美術館やパリ・カルティエ現代美術財団で個展を開催など世界的評価も高く、12年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催する第28回インフィニティ賞生涯功績部門を日本人として初受賞。2012年-13年にはウィリアム・クラインとの二人展『William Klein + Daido Moriyama』がロンドンのテート・モダンで開催され、絶大な人気を誇る二人の競演は世界を席巻した。1971年、森山大道は初めての海外旅行としてニューヨークを訪れ、約1ヶ月そこに滞在。混沌の中に身を置き、一心不乱、狩りの如くにニューヨークのストリートシーンを2000枚以上撮影した。この作品は「ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」シリーズとして結実。2002年に「’71-NY」(PPP)がニューヨークにて出版されている。本展は「ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」シリーズを新たな解釈として、通常の写真作品としてではなく、シルクスクリーンによるキャンバス作品として展示する。【展覧会情報】「DAIDO MORIYAMA ANOTHER COUNTRY IN NEW YORK」会期:11月30日~12月6日場所:GINZA SIX 5階 アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)住所:東京都中央区銀座6−10−1 GINZA SIX 5F最終日は午後6時閉場
2017年11月14日世の女性にぜひ読んでおいてほしい…と思わずにいられない畑野智美さんの『消えない月』。ストーカー事件を加害者と被害者の視点から緊張感たっぷりに書き切った力作だ。畑野さんにお話を聞いた。「『罪のあとさき』で犯罪事件を書き終えた後、もう一回違う事件で加害者の話を書きたいと思ったんです。直後にNHKのドキュメンタリーでストーカー加害者へのインタビューを見て、これは書けるかも、と」マッサージ店に勤務するさくらは、客の松原と親しくなり、交際を開始。だが、彼の支配欲の強さに気づき、別れを切り出す。彼のしつこい連絡にも応じずにいるのだが…。「番組を見て思ったのが、ストーカーの言うことも分からなくはない、ということ。もしも仕事だったら、トラブルの後のメールに応じないのは失礼ですよね。だから、松原が会って話し合いたいというのは分かります。でもストーカーになる人って、どこかで論理が捻じ曲がるんですよ。会って話し合ってからお別れしたい、なら分かる。会って話し合ったうえで、彼女を幸せにしたいと言い出す。自分たちはうまくいくと頑なに信じているんです」それは、純粋な愛情といえるのか。「ちょっと違うと感じます。好きというより、自分が振られるのが納得いかない。だからストーカーって、高学歴で外見も悪くない人が多いと聞きます。それに、何か自分が腹を立てていたり分かってほしいところが他にあるんじゃないかとも思う」周囲に相談するさくらだが、「この小説の中で、彼女は間違ったことばかりします。一番まずいのは、素人だけで解決しようとすること。騒ぐのは大袈裟だと言う人もいて、さくらも躊躇してしまう。でも警察はもちろん、法律の専門家にも相談したほうがいいですよ」ただ、絶対的な対策はない。書きながら畑野さんが感じたのは、「加害者側の周囲に理解者や味方がいたら違ったかもしれない。こういう人も突然犯罪者になるわけではなく、周囲の影響や家族関係などが積み重なった結果なんです。加害者の心理を誤解している人は多いので、こうして小説にすることで“ああ、こういう心理なのか”と考えてもらえるきっかけになれば」ラストは呆然。今後も犯罪加害者について書いていくつもりだという。はたの・ともみ1979年生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。著書に『海の見える街』『感情8号線』『罪のあとさき』『家と庭』など。『消えない月』マッサージ師のさくらは、感じのよい客・松原から誕生日プレゼントを渡されたのを機に親しくなる。しかし、それが悪夢の始まりだった…。新潮社1800円※『anan』2017年11月15日号より。写真・森山祐子(畑野さん)水野昭子(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2017年11月11日森山直太朗が主演を務め、森山の楽曲共作者である御徒町凧が脚本と演出、そしてそのふたりが音楽を手がける劇場公演『あの城』が、9月14日に初日を迎えた。【チケット情報はこちら】『森の人』(2005年)、『とある物語』(2012年)に続いて3度目の公演となる今回の会場は、演劇の聖地と言われる本多劇場だ。敵国に侵略されて城から逃げ出し、森の奥で野営を続ける幼い王子と取り巻きたちの、その先の物語が展開される『あの城』。食料も底をつき、日に日に追いつめられる一行は、このまま逃亡を続けるべきなのか、あるいは命を賭けて城を奪還しに行くべきなのか――。そんな状況下で入り混じった登場人物たちの価値観、人生観が、やはり入り混じった演劇とライヴで描かれていくのだが、これが笑いもあれば、泣きも、シュールもシリアスもあって、理屈抜きに面白い。そして驚かされるのが、森山直太朗の15周年記念ツアーにも同行していたバンド・メンバーも、役を演じているという事実。ステージでどれだけすごいことが行われているのかは、観ていただければまさに一目瞭然だろう。確かに、演劇とライヴがシンクロするステージには、少なからず違和感がある。しかしその違和感が、いつの間にか快感へと変わり、摩訶不思議な、それでいて心の琴線を揺さぶる魅惑の異次元空間に引き込まれてしまうのだ。これが演劇なのかライヴなのかという答えは、自身の目で確かめていただきたいところだが、答えなど出ないかもしれないし、出す必要もないのかもしれない。最後に、まどろっこしい言い方しかできなくて恐縮ながら、お伝えしておきたい。開演を告げるベルが鳴る瞬間、いやベルが鳴る直前から、もう『あの城』は始まっている。くれぐれも、ご油断なきよう。森山直太朗劇場公演『あの城』は東京・本多劇場にて10月1日(日)まで上演。取材・文:鈴木宏和
2017年09月15日SNS映えもする華やかなビジュアルのカギを握るのは、ちょっと珍しい品種の野菜の数々。その食感や味を楽しむべく、味付けはシンプルに、が今のトレンド!そんなオススメ「ビジュアルサラダ」をご紹介します。lumielune(ルミエルネ)の『30種の季節の温野菜』リムの装飾もすべてサラダ。食感の違いを楽しんで。まるでアートのような一皿は、思わず見とれてしまう美しさ。味や食感のバリエーションも豊かで、中央に盛りつけられた紅芯ダイコンやロマネスコ、白ニンジンといった野菜は、軽くボイルして野菜の出汁と絡めたもの。ほんのりとしたコクが食欲をそそる。リムにはヒヨコ豆のペーストや紫キャベツのマリネなどが鮮やかに。¥1,000【SHOP DATA】住宅街に佇むビストロ。野菜は有機無農薬。東京都世田谷区北沢3‐18‐5‐1FTEL:03・3465・057318:00~翌1:00LO不定休Offf(オフ)の『サラダランチ』色とりどりの野菜やハーブに、可憐な花々がアクセント。季節の有機野菜やハーブが20種以上。生はもちろん、ボイルやグリル、フライにしたりと、素材の持ち味を生かして調理。ヨーグルトのソースやなす味噌のディップなどで、さらに味の変化が楽しめる。そして、なんといっても目を引くのが、バラやマリーゴールドなどのエディブルフラワー。ランチのみで提供の贅沢なサラダ。¥2,200【SHOP DATA】もちろん花も有機栽培で食べてOK。東京都渋谷区西原3‐25‐4TEL:03・6407・903611:30~15:00、18:00~23:00水曜休STAND BY FARM(スタンド バイ ファーム)の『生のマッシュルーム』一面のマッシュルームは、塩とコショウでシンプルに。とにかく野菜がおいしいと評判のこのバルでは、自家農園で有機栽培した朝採れの野菜を使用。新鮮さを生かして、シンプルな味つけのメニューがずらり。これもその一つで、材料はスライスした生のマッシュルームに塩、ブラックペッパーのみ。サッパリとしていながらも味わうほどに滋味深く、いくらでも食べられそう。¥980【SHOP DATA】東京都中央区銀座3‐12‐7‐1FTEL:03・6264・746011:30~14:00LO、17:00~23:00LO(土・日曜17:00~23:00LO)無休bills(ビルズ)表参道の『レンズ豆とブッラータチーズのサラダ』キャラメリゼしたレモンなどで、ビタミンも摂れる美容系。billsといえばパンケーキでおなじみだけど、最近ヘルシー女子がこぞってオーダーしているのがサラダメニュー。今春登場したこちらも、早くも好評とのこと。たっぷりの葉野菜に、ミルク感の強いブッラータチーズを大胆にトッピングした一皿は、見た目のインパクト大。シトラスドレッシングの酸味でパワーチャージも完了!¥1,520【SHOP DATA】11月には大阪に初出店。東京都渋谷区神宮前4‐30‐3東急プラザ表参道原宿7FTEL:03・5772・11338:30~23:00不定休CITYSHOP(シティショップ)の『CUSTOM GREEN&2 DELI PLATE』行列必至の人気サラダは、デリもついて目もお腹も大満足。カスタムグリーンサラダとして、ナッツやビーンズといったトッピング3種類とドレッシングを選ぶことができる。さらに約13種類のデリから好きなものを2つセレクトしたら完成。スパイスやハーブを使ったデリはビジュアルも華やかで、SNSにアップする人続出。センスを発揮して自分だけのカスタムを楽しんで。¥1,400~【SHOP DATA】肉や魚のデリもあって腹持ち◎。東京都港区南青山5‐4‐41‐1FTEL:03・5778・391211:30~22:00(21:30LO)不定休※『anan』2017年8月30日号より。写真・森山祐子文・保手濱奈美(by anan編集部)
2017年08月23日俳優の森山未來主演の舞台『プルートゥ PLUTO』が上演されることが23日、わかった。森山に加え、土屋太鳳、大東駿介、吉見一豊、吹越満、柄本明がメインキャストを務める。原作は、手塚治虫の名作『鉄腕アトム』「地上最大のロボット」を、漫画家の浦沢直樹とストーリー共同制作者の長崎尚志がリメイクしたコミック『PLUTO』。2015年に森山主演で舞台化され、ダンス、音楽、映像、パペットなどの表現方法を駆使して高評価を得た。今回は構成・演出などを新たに構築、さらにヨーロッパでの海外公演も決定した。現代舞台芸術を牽引する世界的天才振付家シディ・ラルビ・シェルカウイが、 2015年に引き続き演出・振付を行う。ダンサーとしても高い評価を得る森山と、幼い頃からダンスを習い、大学で舞踏学を専攻する土屋のタッグだけに、パフォーマンス競演にも注目。アトムを演じる森山は「土屋太鳳さんとはいつか関わることができればと思っていたので、一緒に作品作りができるのを今から楽しみにしています。アトムとウランのデュオができたりしたら面白いですよね」と土屋に語りかけた。舞台初出演となる土屋は、不思議な能力を持つアトムの妹・ウランと、ゲジヒトの妻・ヘレナの二役を演じる。「演技に心を奪われてから12年、『舞台』という場所に憧れ続けてきました」と明かすほど、満を持しての出演。「役を生きる役者さんがたは、動く太陽のように輝いたり、全てが消えてしまいそうなほど胸に迫ったり……素晴らしい演技をたくさん拝見してきました。だからこそ、舞台という場所を目の前にした今、畏れを強く感じています」と語り、「舞台の上で、ウランとヘレナとして生きたいと思います」と意気込んだ。高性能ロボットでありながら自身のアイデンティティを追い求めるというゲジヒトを演じる大東は、原作ファン&前回の公演も観劇済で、同作に思いれたっぷり。「勝手に思い入れのある作品にまさか参加できるなんて……。とても楽しみです」と喜んだ。また吉見はお茶の水博士、吹越は物語のキーパーソン・天才科学者のアブラー、柄本はアトムの生みの親・天馬博士を演じる。他、上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史が出演。東京公演はBunkamura シアターコクーンにて2018年1月7~28、海外公演はイギリス・オランダ・ベルギーにて2018年2月、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて2018年3月上旬を予定している。
2017年06月23日2002年のメジャーデビューから今年で15周年となる森山直太朗。1月27日より、半年間に及ぶ「15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』」をスタートさせた。【チケット情報はこちら】15周年を記念した今回のツアーは埼玉・川口総合文化センターリリアを皮切りに、7月29日(土)東京・NHKホール公演まで、約半年間に渡り全国43会場で47公演開催。自己最多となる84,000人を動員予定。ライブでは昨年リリースされロングヒットを記録したオールタイムベストアルバム『大傑作撰』や、最新アルバム『嗚呼』収録曲など、この15年の歩みの中で生まれた名曲の数々を披露。森山直太朗の「これまで」、そして「これから」も垣間見える大充実の内容となっている。また、会場では15周年記念ブック「森山直太朗大百科」も販売された。こちらは、音楽シーンでも独自のポジションを獲得するに至った森山直太朗の魅力をさまざまなアングルから検証した読み応えたっぷりの一冊。ツアー各会場で購入すると通常の表紙とは別絵柄のアザーカバーが特典として付く。同ツアーの1月から4月までの前半分のチケットはすでに全会場完売。5月から7月までの後半分のチケットは発売中。■15周年記念ブック「森山直太朗大百科」出版:ぴあ株式会社価格:1,574円(消費税別)■森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』※ツアー後半分日程5月12日(金)神戸国際会館 こくさいホール(兵庫県)5月14日(日)広島上野学園ホール(広島県)5月20日(土)サンポートホール高松大ホール (香川県)5月21日(日)西予市宇和文化会館 (愛媛県)5月26日(金)熊本県立劇場演劇ホール (熊本県)5月28日(日)宝山ホール (鹿児島県)6月3日(土)長野市芸術館メインホール (長野県)6月4日(日)新潟県民会館大ホール (新潟県)6月10日(土)名古屋国際会議場センチュリーホール(愛知県)6月11日(日)ひこね市文化プラザグランドホール(滋賀県)6月17日(土)相模女子大学グリーンホール大ホール(神奈川県)6月18日(日)茨城県立県民文化センター大ホール(茨城県)6月25日(日)ロームシアター京都メインホール(京都府)7月1日(土)東京エレクトロンホール宮城 大ホール(宮城県)7月2日(日)いわき芸術文化交流館アリオス大ホール (福島県)7月9日(日)沖縄コンベンションセンター劇場(沖縄県)7月15日(土)沼津市民文化センター大ホール(静岡県)7月17日(月・祝)高山市民文化会館大ホール(岐阜県)7月21日(金)なら100年会館大ホール (奈良県)7月28日(金)NHKホール(東京都)7月29日(土)NHKホール(東京都)
2017年01月30日写真家の森山大道とブックデザイナーの鈴木一誌の共著『絶対平面都市』と、森山の最新写真集『Osaka』の刊行を記念したイベント「写真家 森山大道 1996 路上の犬は何を見た?」が、11月25日の19時から21時まで東京・恵比寿のNADiff a/p/a/r/tにて開催される。森山大道は、『NORTHERN』や『犬と網タイツ』などを出版している写真家。一方、鈴木一誌は、杉浦康平のアシスタントを12年間務めた後1985年に独立したブックデザイナー。映画や写真の批評も手掛けており、著書には『画面の誕生』『ページと力』『重力のデザイン』『「三里塚の夏」を観る』などがある。今回のイベントはトークと上映会の二部構成となっており、前半では1996年に放送された、大阪で森山大道の撮影の様子を取材したドキュメンタリー番組「写真家 森山大道 1996 路上の犬は何を見た?」を上映。ブレイク直前であった58歳の森山大道が、撮影や暗室作業などに勤しむ様を目にすることができる貴重な機会となっている。後半では、森山と鈴木に加えて同番組のプロデューサーでもあり、日本テレビでルーヴル美の迷宮へシリーズ」などの美術系の番組制作を担当するプロデューサーの岩間玄を迎えたトークショーを開催。森山の写真家としての原点や、大阪の街を、『絶対平面都市』へと向かう森山の歩みなどについて聞くことができる。トーク終了後にはサイン会も行われる予定だ。【イベント情報】「写真家 森山大道 1996 路上の犬は何を見た?」会場:NADiff a/p/a/r/t住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4会期:11月25日時間:19:00~21:00
2016年11月22日〈東京二十三区の成り立ちは、明治元年に遡る〉らしい。東京府と改称されたのちに少しずつ領域を拡げ、整理統合されてきた。現在と同じ23区となったのは、昭和22年8月だ。江戸から続く歴史と、戦後スクラップ&ビルドを繰り返してきた大都会には、埋もれてきた“影”の伝説も多く存在する。そんな東京の、よく知られた場所の知られざる貌(かお)を掘り起こし、ぞくぞくする読み心地に浸らせてくれるのが、長江俊和さんの『東京二十三区女』だ。「東京には至る所に怪異な話が残っていて面白いと感じていました」たとえば、板橋区にある縁切榎ともらい子殺しの伝説、渋谷区の暗渠と童謡「春の小川」との関わり、江東区の埋め立て地「夢の島」と負の史実など。映像でも小説でもリアルとフィクションを融合し、現在と過去に因縁めいたものを感じさせてしまう長江さんらしい作風の一冊。「自分で“これを使おう”と決めたモチーフをいくつも掛け合わせて、どんな物語に仕立てていくかが、苦しくも楽しい体験でした。伝承をぶつ切りで書くより、狂言回しのような視点人物が昔あった出来事をひもといていく構造の方がスリリングな物語にできるのではと思いました」そこで、霊感のあるフリーライターの原田璃々子と、彼女の大学時代の先輩で民俗学の元講師である島野仁が、ルポ企画の下取材のためにいわくつきの街を歩くという連作スタイルに。オカルト肯定派と否定派という対立も含めて、名コンビになっているのが面白い。「古い地図を片手に僕自身が歩き回り、取材時に頭に浮かんだことや目に留まったものを、そのルートをたどる璃々子たちの会話などに織り込むようにしました」街だけでなく、映画からモチーフをとったものもある。「フランスの短編映画『ふくろうの河』(原作アンブローズ・ビアス)の逆バージョンをやってみたくて書いたのが『港区の女』です」ちなみに、本書にはそうした“東京をめぐる謎”だけでなく、物語全体を揺るがす大きな秘密がある。それがラストで明かされるのだが…。「果たしてこれが答えなのかどうか。僕もまだ真相はわかっていない。残りの区の物語も書く予定ですが、その中で見えてくるかもしれません」◇多くの文献を参考に、リアリティあふれる物語が誕生。また、カバー絵に仕掛けられたある秘密には、仰天する人もいるはず。目を凝らして。幻冬舎1500円◇ながえ・としかず映像作家、小説家。1966年、大阪府生まれ。著者が手がけたフェイク・ドキュメンタリーのTV番組「放送禁止」シリーズで人気を博す。小説『出版禁止』(新潮社)も話題に。※『anan』2016年11月23日号より。写真・土佐麻理子、森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年11月21日出だしを聞いただけで、面白さを確信してしまう物語がときどきあるが、えすとえむさんの『いいね!光源氏くん』はまさにそれ。何しろ、あの平安のプレイボーイが現代に迷い込んでしまうのだから。「中学のときに『あさきゆめみし』というマンガを読んで、その影響で『源氏物語』の現代語訳や原文も手に取ってみたのですが、当時はわりと女の人にスポットを当てて読んでいたんです。大人になって光源氏を冷静に見てみると、いくらイケメンだからといってあんなにたくさんの女性を悲しませるなんて、ちょっとないわと思って(笑)。その感覚のままで現代に来ちゃったら面白いかもしれないと思ったんですよね」光源氏がタイムスリップする先は、都内でひとり暮らしをしている27歳のOL・藤原沙織の部屋。彼女は“光源氏を名乗るコスプレ男”を半信半疑で居候させるのだが、スマホやら抹茶フラペチーノやらネイルやら、現代カルチャーと遭遇する彼の反応が、「まあこうなるよね」とある程度予測できるのにいちいち笑えてしまう。しかも彼は、何かに感動するたびに和歌を詠み、ツイッターに投稿までしてしまうのだ。「この時代の貴族は嬉しかったり悲しかったりしたときに、日常的に歌を詠んでいたと思うのですが、その感覚がツイッターやインスタグラムなどのSNSとフィットする気がしたんです。ツイッターは特に、文字数の制限もありますしね」女好きオーラがダダ漏れなのに、一緒に暮らしている沙織には興味を示さなかったり、昼間は家でゴロゴロしていて生活能力がまったくなさそうだったり。時代が変わるとイラッとすることも少なくないのだが、イケメンが家にいるのは悪い気がしないし、どこか憎めない光くん。「このマンガを描いてみて、ギャグやコメディを描き続けている方の体力を尊敬しました。ネームを描きながら結構悩んだり苦労したはずなのですが、作画に入るとバカバカしくて、何が大変だったのか実はよく覚えていないんですけどね(笑)」読み終わって、光くんともう会えないのかと寂しく思わせるところも、天性の人たらしのなせるワザだ。◇独身OLの部屋になぜかタイムスリップしてしまった光源氏が、スマホを手に東京の街を歩き、ツイッターを始め、女の家から朝帰りする日々を描いたコメディ。祥伝社700円 (C)えすとえむ/祥伝社フィールコミックス◇えすとえむマンガ家。2006年、BL作品でデビュー。現在はBL誌、女性誌、青年誌などで幅広く活躍。若き靴職人が主人公の「IPPO」を『グランドジャンプPREMIUM』で連載中。※『anan』2016年11月23日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年11月21日奥沢家の三姉妹の等身大の悩みを、京都の春夏秋冬を追いつつ描いた綿矢りささんの『手のひらの京(みやこ)』。物語の柱の一つは、恋愛だ。「ひとりの男性と出会う、複数の人と付き合う、恋愛しない。方向だけざっくり決めて、書き始めました」おっとりしている図書館司書の長女・綾香は、嫁き遅れることに焦りを感じている。新入社員として働き始めたばかりの次女・羽依は恋愛体質ゆえ、社内恋愛や社内の人間関係でなにかと身辺騒がしい。リケジョの大学院生で三女の凜は、恋愛にまるで興味がなく、思うのは、京都を出たいということばかり。「お相手に難ありの男性を登場させてしまうのは、やっぱりクセのある人が書いていて楽しいからですね。そういう人は、こちらが仕組まなくても事件を連れてきてくれるので」実は本書は、京都出身の綿矢さんが、初めて小説舞台に京都を選んだ作品でもある。「あまり頻繁に帰ったりできなくなって、京都が遠くなってみると、懐かしさの濃度が強くなったんですね。京都はこぢんまりした街なので、見過ごされているところがないというか、路地を曲がったら急に殺風景とかもないし、街自体がひとつの空気を作り出している。独特の力がある土地だなと思います」京都を全肯定する京都人を、テレビなどでは見かけるが、「どこに生まれても人によって郷土愛の深さが違うように、実際は京都でも、住んでいる人たちの京都への本音はいろいろかなあと」たとえば、文中で<京都の伝統芸能>とユーモラスに紹介されている<いけず>。「京都的ないけずができるかどうかは、家族にその使い手がいるかどうか次第。名人がいないと、なかなか見事な技は発揮できません(笑)」京都への思いの温度差も、同じ家庭に育ちながら、三姉妹で少しずつ違う。それぞれの京都を描くことで、京都らしさが立体的に見えてくる。◇わたや・りさ作家。1984年、京都府生まれ。2004年、19 歳のとき『蹴りたい背中』で史上最年少の芥川賞作家となる。『ウォーク・イン・クローゼット』(講談社)など、著書多数。◇四季折々に味わい深い、京都の自然や街の雰囲気、行事、風物など。繊細な描写を通して、京暮らしの一年を体感しているような気分になれる楽しさも。新潮社1400円※『anan』2016年11月9日号より。写真・土佐麻理子(綿矢さん)森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年11月02日SF映画の原点にして頂点と言われる作品を原作として作られる舞台『メトロポリス』。佳境に入った稽古場を訪ね、キャストの松たか子、森山未來、演出・美術を手がける串田和美に話を聞いた。90年前の映画が描いた100年後は、今どう表現されるのか。稽古場からは、想像し創造する演劇の豊かさが感じられた。舞台『メトロポリス』チケット情報描かれるのは未来都市メトロポリス。支配者階級と労働者階級に二極化した世界で、支配者の息子フレーダー(森山)と労働者階級の娘マリア(松)が出会い惹かれ合う。やがて、ふたりの交流に危機感を抱いた支配者が、マリアに似せたアンドロイドを作り、労働者たちのもとへ送り込むのだが──というのがとりあえずのあらすじである。が、この舞台で見せようとしているのは話ではないようだ。何しろ冒頭のシーンから、キャスト全員でダンスとは言い切れない不思議なパフォーマンスを見せていく。山田うんの振付で、それぞれが、歩いたり、転がったり、つながったり、人に登ったり。全員で作り出す複雑で意味ありげな動きにただただ見入るばかりである。その舞台ならではの表現について森山は言う。「映画の摩天楼の壮観さとか労働者の数とかをそのまま舞台で見せるのは不可能。じゃあ、ひとりでも群衆を感じさせるとか、舞台上と客席がお互いに想像力を広げられる描写はどうしたらできるのか。それを模索をしている状態なんです」。松もその模索を楽しんでいる。「(森山)未來をはじめ、身体能力という具体的に優れたものを見せてくれる人たちもいれば、どんなことでも何とかするぞっていう頼もしい先輩たちもいて、それぞれがとことん掘っていくのを見ているだけでも面白いんです。そしていつか“これだ”っていう瞬間がくるのを楽しみにしています」。演出の串田自身、どこに辿り着くかまだ見えていない。いや、あえて決めていないのだ。「自分も含めてですけど、演劇ってもっと可能性があるのにここまでしかやれていないっていつも思うんです。だから今回も、限りない表現を探してます。たとえば、言葉と歌の間にあるものとか、もっと突き抜けた先にあるものを。そうして、“これって何だろう”と楽しんでもらえるものを表現できたらというのが、僕の望みなんです」。まさに見たことのないものが、舞台の上で繰り広げられることだろう。最後に「そこで人が何かやってるのを目撃するっていう面白さが舞台にはあると思うので、別にお芝居が大好きじゃなくても、観に来てもらえたらなと思います」と松。本来の観る楽しさが堪能できるに違いない。公演は11月7日(月)より東京・シアターコクーンにて開幕。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2016年10月27日マスラオとは「立派な男。勇気のある強い男」という意味だが、『マスラオ礼賛』の目次に並ぶのは、ハドリアヌス帝、アニメ『トムとジェリー』のトム、子ども向け番組の人気キャラクター・ノッポさん、水木しげる、スティーブ・ジョブズなどなど。一見「?」な人もいないではないが、読んでみると「男の中の男」ってむしろこういう人なのかも、といつの間にかヤマザキマリさんの冷静かつ熱い分析に大いに納得していたりする。「面白い人を選んでみたら男性ばかりだったというのが、正直なところなんです。女性は要領がよくて、自分を客観的に見ることができるけれども、男性は変なところをあるがままに露見させてしまう。そこがおかしくもあり、羨ましいんですよね」ステキなお友達を紹介する感覚で書いたという文章は、彼らの偉業とともに、その普通じゃなさにも容赦なく光を当てる。たとえば社会性の欠如だったり、執拗なこだわり方だったり、バランスの悪さだったり、情けなさだったり……。世間的にはマイナスとみなされるような部分を隠さず(隠せず)に、好きなことに没頭して、才能を開花できるのが男性の素晴らしさなのだと力説する。「男の人って強そうに見えても、基本的に打たれ弱いじゃないですか。私たち女性はミドリガメや金魚みたいに、多少濁った水でも生きていけるけど、彼らは熱帯魚並みに弱い生き物なんです。それなのに泥水でも平気なふりをして、実際はダメージを受けていたりする。そういうときは、『無理しなくてもいいから自分の水槽に戻りなさい』って女性が言ってあげるべき。たとえばイタリアでは、女性のほうが強いことを認めているから、男性は自由だし魅力的でいられるのだと思うんです。反対に、男性の弱さを認めてくれる女性も魅力的だと思われている。これって日本と反対ですよね?」マッチョで経済力があるような、女性にとって“便利な”男性像を押し付けることはもうやめて、イケメンの定義にもっと寛容になったほうが、女性は幸せになれるかも。◇やまざき・まりマンガ家、エッセイスト。17歳でイタリアに渡り、フィレンツェで油絵を学ぶ。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞、第14 回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。◇『マスラオ礼賛』ローマ皇帝から猫まで、偏愛する「男の中の男」の魅力を綴ったエッセイ。画期的なジェンダー論としても楽しめる。写真のぬいぐるみは、小3のときに『トムとジェリー』のトムが好きすぎて手作りしたもの。幻冬舎1500円※『anan』2016年10月26日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年10月23日アーティスト・森高千里をイメージして本をめくると、あまりの違いに驚くかもしれない。ページに溢れているのは、森高さんの等身大の姿、そしてリアルな本人の声。日々の料理や、家を飾ること、手作りをすることなど、雑誌『クロワッサン』の連載をまとめた一冊『森高千里の暮らしのレッスン』には、読んですぐに活かせる、毎日の暮らしを楽しくするヒントがいっぱいだ。「子育てが一段落して、やりたいことに挑戦できる時間が増えたのと同時に連載が始まって、とてもラッキーでした。この本では、私が興味を抱いたこと、学びたいことをその道のプロの先生に伺い、簡単に取り入れられる、暮らしを彩るアイデアとしてご紹介しているんです。でも、こんなふうに自分の暮らしや生き方をそのままお伝えするなんて、歌手の仕事をしてきた中では、お見せしたことはありませんでしたね」本の中での森高さんは、実に楽しそうにレッスンを受けている。「毎回の取材が本当に楽しいんですよ。時短でも手の込んだ料理に見える作り方だったり、大人のセンスが光るギフトラッピングの仕方だったり、撮影されていることを忘れるくらい集中してしまいます(笑)」なんでも面白がって挑戦するのが森高さんのスタイル。自分の好きなことがわからない、やりたいことが見つからない、なんて悩んでいる人にとったら羨ましい限りだ。「考えも行動も、すごくシンプルな願望から生まれています。あれが食べたい、これやってみたいと、何かアンテナにひっかかることがあったらチェックしておいて、時間がある時にやってみる。雑誌の記事を切り抜いたり、テレビの情報をメモしたり…。誰かに与えてもらうのを待つのではなく、自分で楽しみを見つけるようにしています。そんな考え方は、ツアーやレコーディングに追われ、多忙だった20代の時と変わっていないかも。今度のツアーはここに行くから、だったら絶対この店のこれが食べたい!ってメモや切り抜きを必ず持参していました(笑)」本に登場する先生やテーマには、森高さんが日頃からチェックしていたことが反映されている。「趣味や習い事ってそんな気楽なノリで始めてもいいんだ、と思っていただければいいかも(笑)。アンアンの読者の方にも“あ~これは面白そう”“こういうやり方もあるんだ”とか、自分の生活に活かせるヒントを見つけていただければ嬉しいです」毎日同じように、そして忙しく過ぎていってしまう日々の中で、些細なことでも楽しみを見つけるのは、生きる知恵かもしれない。「そうかもしれませんね。私、とても欲が強いんですよ(笑)。やりたいこと、食べたいもの、欲しいもの…。それが生きるエネルギーにつながっています。欲がなくなるのは寂しいから、自分の欲には忠実に生きていきたいなって思っているんです」◇もりたか・ちさと歌手。1969年生まれ。1987年にデビュー。結婚、出産、子育てを経て、2012年に本格的にライブ活動などを再開。現在は様々な媒体で活躍中。カーディガン¥34,000(ジョン スメドレー/リーミルズ エージェンシー TEL:03・3473・7007)スカート¥24,000(モロコバー/モロコバー六本木ヒルズ店 TEL:03・3470・1065)ピアス¥1,500バングル¥1,600(共にアネモネ/サンポークリエイト TEL:082・243・4070)◇森高さんが生徒になり、各ジャンルのプロから、誰にでも役立つ知恵を吸収しながら実践。料理やインテリアにまつわる、日々の暮らしを豊かに彩るアイデアが満載。レシピやハウツーも多数で、すぐ試したくなる。マガジンハウス1400円※『anan』2016年10月19日号より。写真・玉置順子(t.cube/森高さん)森山祐子(本)スタイリスト・程野祐子ヘア&メイク・渡辺真由美(GON.)インタビュー、文・板倉ミキコ
2016年10月15日ちひろさんは、不思議な人だ。ナンバーワン風俗嬢だった過去を一切隠さず、町の弁当屋で看板娘として働いている。周りのオバサン連中からは早く落ち着けと嫌みを言われ、オジサン連中とは飲み仲間、家庭環境が複雑な子どもたちに妙に懐かれているものの、本人はいたってニュートラル。何事も気負わず、色恋沙汰にプライオリティを置かない生き方が、とても楽しそうなのだ。「恋愛や結婚には向き不向きがあるから、やりたい人がすればいいんです。よく『一度山に登ったら、絶対に好きになるから!』と説得する人がいますよね。登ったことのない人は、つらさや面倒くささを避けてる自分ってどうなんだろうと考えちゃうけど、実際に登った人全員が夢中になるかというと、そうじゃない。恋愛や結婚、出産するかどうかなど生き方を責められるのは、『なんで山に登らないの?』って言われてるのと同じようなことだと思います。『これをやらないと不幸だよ』っていう周りから植え付けられた先入観を外せるかどうかで、自分の幸せが決まってくる気がするんですよね」その点、ちひろさんは誰からも縛られず、誰のことも縛らない。だから見ていて気持ちがいい。「人は誰かに思い入れを持つようになると、嫌いなことや許せないことが出てきてしまうもの。ちひろは人に対して親身にはなるけれども、結構いい加減でもある。これって実は大事なスキルだと思うんです」ちひろさんと、彼女を取り巻く愉快な人たちとの日常は、日々事件が起きているといえば起きているし、取るに足りないといってしまえばそれまで。そのすき間に見え隠れするメッセージは思いのほかディープで、幸せを感じる能力を試されているような、怖いマンガともいえる。「飲みやすいけど腹にもたれるようなマンガを作りたいんです(笑)。幸せになれるかどうかは、その人のさじ加減ひとつ。一般的に人がうらやましがるものを何も持っていないちひろが、のうのうと楽しそうに暮らしている姿だけでも、十分伝わるんじゃないかな」◇ちひろさんの自由な生き方&価値観に、多くの女性が共感。本作の前段にあたる風俗嬢時代を描いた『ちひろ』もオススメ。どちらから読んでも楽しめます!秋田書店619円◇やすだ・ひろゆきマンガ家。主な著作に『ショムニ』『ちひろ』『紺野さんと遊ぼう』『ラビパパ』『寿司ガール』など。「ちひろさん」は『エレガンスイブ』で連載中。(C)安田弘之/秋田書店※『anan』2016年10月5日号より。写真・森山祐子(本)インタビュー、文・兵藤育子
2016年10月04日訪れる人の視点や時間の過ごし方によって、同じ土地でも印象が変わるのが旅の面白さ。イラストレーターであるオガワナホさんのフィルターを通した本書の副題は、「食、アート、カルチャー、癒し台湾の新たな発見をつめこんだイラストガイド」。まさに、街歩きのわくわくを堪能できる一冊に仕上がっている。「テーマは、インスピレーションを探す旅。私みたいな外国人イラストレーターが、台北ではどんなところへ行って、どんなものが目に留まるのかを伝えられたら面白いのでは、という思いからスタートしました」お寺や市場、グルメ、マッサージなど観光の定番も取り上げているけれども、台北はライフスタイルブームのまっただ中。最先端のカルチャーに出合える書店やギャラリー、雑貨屋、カフェなどに多くのページを割いているのが特徴といえる。「FacebookやInstagramで探してよさそうなところへ実際に行ってみたり、現地のクリエイティブな人に取材をしていくなかでオススメの場所を教えてもらったりすることの積み重ねでした。もともと旅行が好きなのですが、出発前に徹底的にリサーチをするタイプなんです。それが役に立ちましたね」通常のガイドブックにはなかなか載らないような、新進気鋭のお店の雰囲気や注目アイテムなどのイラストは見ているだけで心が躍るし、親近感のある文章は、台北通の友だちからいろんな情報を直接教えてもらっているような気分になれる。「歩きながら建物や人間観察などするだけで、いろんな発見があると思います。ステキな本屋さんが増えているので、言葉を理解できなくても装丁などのデザインを見るのも楽しいですよ。つい、あれも行きたい、これも行きたい!となりがちですが、インスピレーショントリップを楽しむならば、何かを見たらちょっと立ち止まり、考える時間を持つくらいがちょうどいい気がします。私自身も目標なんですけどね(笑)」◇おがわ・なほ国内外で活躍するイラストレーター。著書にナナとミミの絵本シリーズ。アロマライフコーディネーター川野菜穂さんとのコラボ商品“Aromatic Brooch by nn”が販売中。◇インスピレーションが得られる場所、モノ、人を、写真を使わずイラストと文章のみで紹介する台北ガイドブック。読んだら絶対に行きたくなります!誠文堂新光社1300円※『anan』2016年10月5日号より。写真・森山祐子(本)土佐麻理子(オガワさん)インタビュー、文・兵藤育子
2016年09月29日あえてジャンル分けするなら、グルメ漫画になるのだろうが、すご~くおいしそうな食べ物が出てくるわけでも、料理シーンが多いわけでもない。「お品書き」と題された目次に並ぶのは、ちくわぶ、甘食、かんぴょう、すあま、そば湯……。はっきり言ってしまうと地味だし、「その食べ物、何?」と思う人もなかにはいるだろう。『局地的王道食』というタイトルの定義は、松本英子さんいわく、「地域的な意味での局地的ではなく、心の片隅に巣食っているような食べ物」とのこと。「あまり注目されない食べ物ばかりですが、どぶろくは別として私が子どもの頃から好きなものばかりで、情が移っている感じなんです。おいしい、おいしくないでは括れない、大事な食べ物にスポットライトを当てて、知らない人に伝えたいという気持ちと、数少ないだろうけどきっといるはずの同志と愛を分かち合いたい気持ちがありました」関東圏以外の出身者は魅力を理解しにくいうえに、おでん以外ではなかなかお目にかからないちくわぶを称えてやりたい一心で、新しい食べ方を研究してみたり。アメリカンドッグを求めて、真夏の上野動物園をさまよったり。そう簡単には報われない涙ぐましい努力が、松本さんの分身だという謎の生物“モグさん”を相棒に繰り広げられる。「細胞に浸透させるように日々食べながら描いたものもありましたが、爆発的においしいわけじゃないのだとしみじみ感じました(笑)」それでも描かずにいられないのは、やはり愛情があるからこそ。「なぜかトントン拍子で出世しちゃう人っているじゃないですか。ハムカツとかがそうなんでしょうけど、ちくわの磯辺揚げは要領が悪くて波に乗れないタイプ。そういうヤツを擁護したかったんです」◇ちくわぶ、冷凍みかん、ぎゅうひなど、大好物ではないけど、心の局地にいつもいる食べ物を幼い頃の記憶や切ないエピソードとともに綴ったエッセイマンガ。講談社740円◇まつもと・えいこイラストレーター、マンガ家。『謎のあの店』1~2巻発売中。『プロジェクト松 ステキな東京魔窟』、日常を描いたエッセイマンガ『荒呼吸』全5巻の電子版配信中。※『anan』2016年9月14日号より。写真・森山祐子(本)インタビュー、文・兵藤育子
2016年09月10日森山直太朗が2017年1月27日(金)埼玉・川口総合文化センター リリア メインホールより「森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』」を開催する事が決定した。【チケット情報はこちら】ツアーは7月末まで半年にわたって開催。現在、4月28日(金) 中野サンプラザ公演までの日程が発表されている。森山直太朗は今年、デビュー15周年。9月21日(水)にはオールタイムベストアルバム『大傑作撰』をリリースする。チケットの一般発売に先駆けて、オフィシャルHP先行を実施中。受付は9月8日(木)午後11時59分まで。■森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』~前半公演~1月27日(金) 川口総合文化センター リリア メインホール(埼玉県)1月28日(土) 川口総合文化センター リリア メインホール(埼玉県)2月4日(土) コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)(山梨県)2月5日(日) ベイシア文化ホール 大ホール(群馬県)2月15日(水) 酒田市民会館 希望ホール(山形県)2月19日(日) 和歌山市民会館 大ホール(和歌山県)2月25日(土) 市原市市民会館(千葉県)2月26日(日) 佐野市文化会館 大ホール(栃木県)3月4日(土) 神奈川県民ホール大ホール(神奈川県)3月10日(金) 名古屋国際会議場(愛知県)3月12日(日) 防府市公会堂 大ホール(山口県)3月19日(日) フェスティバルホール(大阪府)3月20日(月・祝) フェスティバルホール(大阪府)3月25日(土) 福岡サンパレス(福岡県)3月26日(日) 日田市民文化会館 パトリア日田(大分県)4月1日(土) 高知県立県民文化ホール オレンジホール(高知県)4月2日(日) 倉敷市民会館(岡山県)4月8日(土) 北陸電力会館 本多の森ホール(石川県)4月9日(日) 越前市文化センター(福井県)4月15日(土) 秋田市文化会館(秋田県)4月16日(日) 盛岡市民文化ホール(岩手県)4月20日(木) だて歴史の杜カルチャーセンター 大ホール(北海道)4月21日(金) 札幌市教育文化会館 大ホール(北海道)4月23日(日) 函館市民会館(北海道)4月27日(木) 中野サンプラザ(東京都)4月28日(金) 中野サンプラザ(東京都)
2016年09月05日ランスルーとは、本番と同じように通しで行うリハーサルのこと。『西荻窪ランスルー』は、上京して西荻窪のアニメスタジオでアニメーターとして奮闘する女子の物語だ。作者のゆき林檎さんはマンガ家になる前に、アニメ業界で働いていた。「個性的な人がたくさんいて面白かったのが印象に残っていて、いつかアニメ業界を舞台にしたマンガを描けたらいいなと思っていたんです」主人公の江田島咲は、一人前に仕事ができるようになるためには少しでも早く始めるべきだと思い、合格していた大学を辞退してしまう。「その辺りの考え方は、自分が10代だった頃の引き出しを開けるみたいな感覚で描きました。生き急いでいるって言われていたので(笑)」スキルはゼロだけど、やる気だけはある主人公や同僚たちの姿に、働き始めた頃を思い出して、くすぐったくなる人も多いはず。彼女たちが憧れる先輩も決して万能なわけではなく、キャリアを積んだなりの悩みや壁もリアルに描かれている。「自分が先輩と同じ年齢になって、あのとき言っていたのはこういう意味だったんだ、と気づいたりすることも結構あるんですよね」アニメの現場に限らず、仕事に苦労はつきものだけど、つらさ以上に楽しさが伝わってくるのがいい。「共感していただけるようなマンガを描きたいというのは、最初から思っていることです。どこかしら『この気持ちはわかる』と思っていただけたら嬉しいですね」ちなみに、著者が仕事をするうえで一番大事にしているのは、誠意。「人と人とのつながりでお仕事をさせていただいていると思っています。アニメ制作は大勢の人が関わるチームワークなので、この作品でもそこを上手く描けたらいいですね」◇ゆき・りんごマンガ家。主な作品に『玉響』『マジックメールチョコレート』『初恋は群青に溶ける』『グッドバイライラック』。「西荻窪ランスルー」は『月刊コミックゼノン』で連載中。(C)ゆき林檎/NSP 2015◇絵を描くことが得意だった江田島咲は、高校卒業後、周囲の反対を押し切ってアニメ会社に就職。個性的な大人たち(上司)の下で一喜一憂しながら夢を模索していく。徳間書店580円※『anan』2016年9月7日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年09月03日東京・丸の内にある東京會舘。辻村深月さんの『東京會舘とわたし』は、この建物を主人公に、大正・昭和・平成の人間ドラマを描き出す一大群像劇だ。「実は私は7年ほど前、ここで結婚式も挙げているんです。下見で館内を案内された時、“ここは芥川賞や直木賞の会見の部屋ですよ”と言われ、文学賞にゆかりのある式場って縁起がいい気もして(笑)。式を終えた後、ウェディングプランナーの方に冗談で“直木賞を受賞して戻ってきます”と言ったら“お待ちしていますね”と言ってくださって」その後、2012年7月17日に直木賞を受賞、ここで会見に臨んだ。「支配人の方に“結婚式もここだったんです”と言ったら“もちろん憶えていますよ。おかえりなさいませ”と言ってくださったんです」ほどなくして東京會舘は長期の改装工事に入ることになった。つまり、その時期に受賞したのはギリギリのタイミングだった。「そのことを新聞のエッセイに書いたら、社長さんがお礼のお手紙をくださったんです。これは今しかないと思い、東京會舘の小説を書かせてほしいとお願いに行きました。會舘は大政翼賛会の本部になったりGHQに接収された時期があったりと、歴史があって、小説になると思ったんです。改装前のタイミングで取材できてよかったです」バーテンダーや菓子職人、シェフなど館内で実際に働いていた人々が多数登場。どのエピソードも、仕事と真摯に向き合う姿勢に胸打たれる。また、たとえば第3章は灯火管制下での結婚式の話だが、「東京會舘には利用した方からのお手紙もたくさん寄せられていて、戦時に結婚式をした女性からのお手紙を見つけ、ご本人に取材させていただいたんです。ご高齢なのに式に付き添った美容師の名前も憶えていらして、あの話が生まれました」取材すると、事実と事実が結びつく瞬間があり、ミステリー小説をひもとくような楽しさがあったという。「小説だからこんな都合のいい話があるんでしょ、と思われないためにどうするかで苦労しました(笑)」実話がベースと思えないほど味わい深い話が並ぶ。もちろん直木賞を絡めた話もあり、ぐっとくる。「新装オープンしたら、今度は私が“おかえりなさい”と言いたいです」◇つじむら・みづき作家。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。‘11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、‘12年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。◇大正11年に丸の内に落成した東京會舘を舞台にした、一大群像劇。関東大震災から大戦、東日本大震災なども盛り込まれ、時代のうつろいが浮かび上がってくるところも読ませる。毎日新聞出版上下巻各1500円※『anan』2016年9月7日号より。写真・土佐麻理子(辻村さん)森山祐子(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2016年09月02日少年に膝枕しながら、大人の女性が<わたしはあれから息をしているあいだずっとこの子ばかりを思ってしまう>と秘めた思いを持て余している場面から幕を開ける。高野ひと深さんの『私の少年』が話題だ。「美しい存在をずっと見つめて愛でていたいという願望があり、そういう構図やシチュエーションを存分に描いてみたいなと。『美しいものが描けるのが高野さんの強みです』という編集さんの言葉に励まされ、今回の企画につながっていきました」スポーツメーカー勤務の30歳・多和田聡子は、夜の公園で12歳の美少年・真修(ましゅう)と知り合う。サッカーを教えたり、交流が深まる中で聡子は名状しがたい感情を抱いていく。年の差こそあれど、どちらもとらえどころのない寂しさを抱えた者同士。いつの間にか心は共鳴していく。「なので、ふたりの距離感をどれくらい近づけるかには悩みました。一般の女性の感覚では、恋愛感情をあんな年ごろの少年に抱くのは違和感がありますよね。少年の方は、成長していけば起こりうるかもしれないけれど、まだ先のことですし…」波乱の予感はすでにある。聡子の現在の上司で元カレの椎川はなぜか聡子に絡むし、真修のクラスメイトの菜緒は、クラスで浮いていた真修の本当の優しさに気づく。これは、ねじれた四角関係?「少年少女の成長によって、関係性にどんな変化があるのかを見つめていくのは最初からの狙いです。でもまだしばらくは、聡子と真修とが互いに必要な存在として求め合う、その部分を大切に描いていこうと思っています」ちなみに、聡子のふとした言葉に共感スイッチを押されている読者も多いそう。「私とへその緒がつながっているような感情を、聡子に託している部分もあります。読者に『この気持ち、わかる』と言ってもらうと、恥ずかしいけれどすごくうれしいですね」まだ第1巻ゆえ、謎に包まれたままの部分も多い。聡子がなぜか気にする基礎体温や8年という歳月。真修の複雑そうな家庭事情。どんな秘密が明かされ、物語はどうドリフトしていくのか。続きが待ち遠しい。◇ショタコンでなくてものめり込める、新たな絆を描く作品。高野さんの秀逸な画力により、いたいけな真修の繊細な喜怒哀楽をご堪能あれ。双葉社620円◇たかの・ひとみ本作品は月刊アクションで連載中。他の著作に、『「す」のつく言葉で言ってくれ』(リブレ出版)がある。(C)高野ひと深/双葉社※『anan』2016年8月31日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・三浦天紗子
2016年08月28日群像新人文学賞を受賞して雑誌に掲載された時からすでに話題を集め、いきなり芥川賞候補にもなった『ジニのパズル』。これがデビュー作となる崔実(チェシル)さんは1985年生まれ。「はじめて小説を書いたのは22~23歳の時。それまでは映画の脚本を書いていましたが、脚本ではその人が頭で考えていることが書けない。小説なら表現できると思ったんです」翌年もう一作書き、その後、絵本なども書いたものの小説作品は『ジニのパズル』が3作目。「29歳になった時、映画学校の仲間たちと“村上春樹は30歳でデビューした”と話していたのを思い出し、自分も何かやらなきゃと思いました。それまでは自分が在日であることをテーマにするのは簡単すぎるからと避けてきましたが、30歳になる時に自分の過去をおさらいしておこうと思い、はじめて小説に書きました」主人公はオレゴン州の高校を退学になりそうなジニ。日本の小学校から朝鮮学校の中学に進み、その後ハワイへ移り、今はオレゴンにいる彼女に、これまで何があったのか―。「朝鮮学校やハワイ、オレゴンという流れは私の体験と同じですが、私の場合は親任せでした。ジニは自分の意思で行動していますね。この話が誰かの力になればいいなと思いながら書いたので、そういう子になったんだと思います。エンディングは決めずに、ただただジニを追いかけていく気持ちで書きました」パワフルで大胆、世の中への違和感を表明しながらも実は心細さを抱いているジニの姿に、自分の10代の頃を重ねる読者も多いのでは。「自分も学校のグループ行動や組織的なものが苦手で一人でウロウロしていたので、その時に考えていたことは作品に入っていると思います」また、ステイ先の絵本作家・ステファニーの懐の深さが印象的だ。「10代の頃にこんな人にいてほしかった、こんな言葉をかけてほしかった、という願いがありますね」構成や文体にも工夫がみられるが、「最初は400枚くらい書いたんですが、締め切りの2週間前に規定枚数が250枚だと知り、最初から全部書き直して今の形になりました」というからその力量に驚いてしまう。次回作は現在、最初の2行だけが頭の中にあり、今はまだ「溜めている状態」なのだそう。◇オレゴン州の高校を退学になりそうなジニ。過去、日本で彼女に一体何があったのか、そして今後どうするのか。鮮烈な群像新人文学賞受賞作。講談社1300円◇チェ・シル作家。1985年生まれ。今年、本作で第59回群像新人文学賞を受賞しデビュー。作中の印象的なフレーズ「空が落ちてくる。何処に逃げる?」は以前日記に書きとめていた言葉だとか。※『anan』2016年8月31日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・瀧井朝世
2016年08月26日2005年「夏が終わる」で「R‐18文学賞」を受賞した南綾子さんの、婚活を題材にした最新小説をご紹介。「婚活のアドバイスといえば、『女子会はぬるま湯。彼氏を見つけたいなら単独行動しろ』とかなので、金曜日の夜に、予定なしの女子たちで集まるのはちょっとうしろめたい。でも、24時間べったり一緒にいるわけではないし、『男との予定優先』と暗黙の了解もあるわけです。1週間のうちのほんの数時間くらい、女同士で羽を休める場があってもいいじゃないかと思ったんですよね」そう語る南さんの『ぬるま湯女子会、38度(ときどきちょっと熱い)』は、婚活に疲れ気味の女性たちにとって元気になる言葉がたくさん。栄養ドリンクのような一冊だ。男を信用できず恋に優柔不断なメーコ。すぐ体の関係になるのに結婚相手の条件にうるさいカワイ。恋愛経験がなさすぎる妄想女子のサモさん。隙がなくて男から敬遠される成田屋。彼女たちの女子会やデートの様子を見ていると、自分と似たところが見つかって激しく感情移入するやら、イタタと思わせられるやら。「30にもなれば、なぜ結婚できていないかの理由はうっすらわかっている。けれど、人に指摘されて、はっとすることもありますよね。身にならないお世辞は言わない、というのが30代のリアルかなとは思っていましたが、実際書いてみたらかなり遠慮なく言い合ってました(笑)」だが、そのうそのなさがいい。「学生時代からの友だちって、人間性が未熟な時代に友だちになっているから案外難しい。昔からの関係性を引きずって、マウンティングし合ったり。むしろ働きだしてから友だちになった人とは、適度な距離感でつき合えて、共通の話題も多くて、『大人になってからの友だちもいいよ』と言いたいですね」◇4人の悪戦苦闘に、共感も同情も湧き上がるし、彼女たちの男への悪口は名人の域!婚活の泣き笑い+Over30の温かい友情小説。双葉社1400円◇みなみ・あやこ作家。1981年、愛知県生まれ。2005年「夏が終わる」で「R‐18文学賞」を受賞。『すべてわたしがやりました』『婚活1000本ノック』ほか著書多数。※『anan』2016年8月10日号より。写真・森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年08月08日新人離れした世界観で読ませる嶽まいこさんのデビュー短編集が発売。作品が生み出されたきっかけなどを嶽さんが教えてくれた。『なんてことないふつうの夜に』というタイトルにちなみ、ふつうの夜を過ごす人々の身辺で起きる出来事がモチーフ。〈第1夜〉の「ビジネス・ロマンス・ホテル」は、憧れの先輩とふたりで地方出張に来たOLが、思い切って先輩を部屋飲みに誘い、意外な秘密を知る話。だが、この微笑ましいオチは、ほんのジャブ。〈第2夜〉〈第3夜〉と続くうち、ふつうにしてへんてこな濃度は増していく。「ウェブの連載を始めるにあたって、更新は夜にされて、それを読む時間帯も夜が多いのでは…という流れでテーマを“夜”にしました。もう少し内容を詰める用にマインドマップを作り、自分が描きたいシーンや人物を練っていきました。さらに、各話で、おどろきやどんでん返しを必ず入れたいなと思っていました」〈第5夜〉「手のひらに地上の星」や〈第9夜〉「2.5次元胃袋」では、その発想力に脱帽するし、〈第7夜〉「ハングリーガールの憂鬱」や〈第11夜〉「わたしの睡魔」は、フィクションなのに強く共感する。「私自身、ふつうでありつつ不思議が一緒くたになっているテイストが好きなんですね。イラストの仕事でも、日常と非日常が同じ地平にあるものをよく描きます」また、各話のメインキャラが集結するスペシャル描き下ろし〈打ち上げ編〉や、各話の終わりについている1コマなど、おまけ部分も充実。「打ち上げ編では、旅館の宴会場にキャラクターたちに集まってもらって、わいわい交流をさせたいなと。『このキャラクターなら、きっとこんなこと言うだろうな』と“らしさ”を意識しました。それを4コママンガに落とし込んでいくのは、とても楽しい作業でしたね」ちなみに、嶽さんの絵の繊細なタッチにも見入ってしまうが、「ペン入れに関しては、ほとんど手描きのアナログ作業です。2回出てくる爆発のシーンはそれぞれ描いているので、細かいところが違っていたり、夜の象徴である星空は、スパッタリング(霧吹き)したものをスキャンして取り込み、使っています」ストーリーも絵も12話それぞれに味わいや着地点が変わっていて、つい何度も読んでしまう作品集だ。◇『なんてことないふつうの夜に』眠りへの誘惑が仕事の睡魔、夜間に世界を救っている魔法少女など、すぐ横でふつうに起きていそうな、異常な出来事がいろいろ。食べ物の絵のうまさにも注目。祥伝社840円◇だけ・まいこイラストレーター、マンガ家。個人やグループで「コミティア」に参加したのちに祥伝社Webコミックサイト「FEEL FREE」でデビュー。HPは※『anan』2016年8月10日号より。写真・森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年08月08日デビュー作、2作めと、生きにくさを抱えた女性のこじれた片思いを描いた奥田亜希子さん。3作めとなる本書『ファミリー・レス』では、家族を軸にした連作短編に挑んだ。「2年弱くらいの連載をまとめたもので、出発点になったのは2014年秋に書いた『指と筆が結ぶもの』。売れない画家の夫と大手広告代理店で働く妻が、親戚の結婚式の後に妻の祖父母の家に寄る。そのときに起きた、小さな変化の物語です。私自身にも結婚を機に『この間柄って家・族・なのかなあ』と思うような曖昧な人間関係が増え、私の中で“家族”という言葉が持つ意味が変わってきていたんですね。生まれ育った家とは違う、後天的家族の不思議さを書いてみたいと思ったんです」仲のよかった姉と絶縁中のOLと、ルームシェアメイトの毒舌女子が特別の秘密を打ち明け合う「プレパラートの瞬き」、大人になりきれないダメ父が、離婚した妻とその再婚相手の元で育てられている娘とぎくしゃくし始めたことでプチ成長する「ウーパールーパーは笑わない」など。家族なのに遠くて、他人なのに近い、何ともわずらわしい関係がさまざまな形で描かれる。「家族も恋愛のように思いの深さや温度が違ったりします。家族だから言えること言えないこと、他人だから言えること言えないことがそれぞれあるから難しいんですよね」なかでも、最終話に置かれた「アオシは世界を選べない」は珠玉の一編。婚約破棄と失業でどんよりした毎日を送っているヒロイン亜砂の飼い犬アオ(シ)が語り手を務める意外性。加えて、アオが犬なりに、人間の事情をそこそこ理解しているために見えてくる、亜砂、亜砂の父親、その教え子とアオ自身のつながり。思いがけない絆にぐっとくる。「タイトル付けは毎回悩みます。今回も、担当の編集さんたちと150案くらい考えた中から選びました」プライスレスという言葉は、“プライス(価値)+レス(無い)”が転じて、値が付けられないほど価値があることを意味する。だが、家族未満の間柄を思わせる〈ファミリー・レス〉という言葉もまた、血のつながりだけでは量れない関係性があり、家族を超えた価値があるかもしれないと思わせてくれる。そんな粒ぞろいの6編だ。◇おくだ・あきこ作家。1983年、愛知県生まれ。2013年に『左目に映る星(「アナザープラネット」を改題)』で、すばる文学賞を受賞。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』がある。◇中学生のほろにがい初恋「さよなら、エバーグリーン」、姉夫婦の娘と彼女を引き取った妹夫婦の絆「いちでもなく、さんでもなくて」など6編。角川書店1600円。※『anan』2016年7月13日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・三浦天紗子
2016年07月12日『溺れるナイフ』『ピース オブ ケイク』などでおなじみのジョージ朝倉さんが、青年週刊誌で連載している『ダンス・ダンス・ダンスール』2は、クラシックバレエに情熱を傾ける男子中学生が主人公。バレエがテーマの現代版スポ根物語とは、ちょっと意外な気もするが…。「私も意外です(笑)。好きな作家さんでも、バレエマンガは読み飛ばしてしまうくらい興味がなかったので。だけど娘が習っているバレエ教室に男の子が入ってきて、この子はどういうメンタリティでバレエを始めて、この先、思春期をどう乗り越えていくんだろうってところから興味を持つようになったんです」幼い頃バレエにひかれながらも、父を亡くした潤平は、男らしくあろうとあきらめた。そんな彼がバレエと再び出合い、ピタピタのタイツ姿で舞う独特の美意識や、「女の子の習いごと」というイメージに反発しながらも、取り込まれていく。「やりたいことを見つけた人は羨ましいなって、自分の青春時代を走馬灯のように振り返って気づいたんです。オレの分まで羽ばたけ、潤平!と思いながら描いてます(笑)」本作のためにバレエを習い始めた朝倉さんは、うまく踊れないストレスで一時的に激ヤセ(!)してしまったほど。迫力あるダンスシーンも、そんな努力の賜物といえる。『溺れるナイフ』で実証済みだが、思春期の危なっかしい心のうちを描く手腕は本作でも際立っているし、男性目線なところも新鮮だ。「私のなかの中2男子を出しているだけ。潤平はお調子者だからフワッと生きてこられたけど、自分で人生を選ばなければいけない時期に差し掛かった感じを表現したいんです」いじめやスクールカーストなど、バレエ以外の部分も読み応えあり。人生をかけるべきものと出合った愛すべきおバカ中学生がどう成長していくのか、先物買いのファンのような気持ちで応援したくなるはず。◇幼い頃に出合ったバレエへの未練を隠しながら、男らしく振る舞う村尾潤平の前に、転校生の美少女と、孤高の天才少年が現れる。著者初の青年週刊誌連載。小学館各552円。◇(C)ジョージ朝倉/小学館「ビッグコミックスピリッツ」連載中。◇じょーじ・あさくらマンガ家。代表作に『恋文日和』『ピースオブ ケイク』『溺れるナイフ』『テケテケ★ランデブー』など。『溺れるナイフ』の実写映画版が11月公開予定。※『anan』2016年7月13日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年07月12日アクセサリー作家をしている30歳の初美と5歳年上の編集者・啓介は、ラブラブ夫婦。日常に何の不満もない初美だが、たったひとつの悩みは、結婚して3年ですでにセックスレスに陥っていることだ。昨年、NHKまでもが取り上げ、反響を呼んだ、セックスレスの問題。「仲良しだから、セックスがなくても幸せ」は本当なのか。注目が集まってきたテーマを、柚木麻子さんは、『奥様はクレイジーフルーツ』でユーモラスにほのぼの描き出す。「よくドラマなんかで描かれてきたセックスレスの夫婦は、会話もあんまりなくて夫はマザコンで…、『なんで離婚しないの?』と言いたくなるような重くて暗い話が多いんですよね。だけど、セックスレス=砂みたいな人生というのもなんだか違うような…。セックスレスの本当の苦しさを誠実に書いた作品もすごいと思うんですが、私は、もっとからっとした艶笑譚のように書きたかったんです」セックスしようよと初美が素直に誘っても、啓介から〈うん。今度ね。今はね、くたくたなんだ〉とかわされる。啓介がその気になった千載一遇のチャンスと思えた一夜には、行為の初手で啓介が初美の胸のしこりを発見し、気分がしぼむ。浮気願望に負けそうになることもある初美だが、いざとなればそそくさと退散する。愛があるのに噛み合わないさまは、可愛らしくて滑稽でもある。「私もそうなんですが、周りを見ても、夫以外の男性と全然しゃべれない既婚者って多いんですよ。『男の人と話が通じないなー』と思っている女性は案外多くて、初美も話が通じる唯一の相手と結婚し、すごく幸せだと思っている。そもそも、好きじゃなければどうでもいいわけで」そう、好きだからこそ悩むのだ。「初美は、友だち関係も仕事も良好で、生活そのものをエンジョイしまくっています。誰かに満たしてもらおうと思っていないところが、イマドキの女性らしくて好きですね。深刻になりがちな話ですが、性的なことがうまくいかないちょっとしたシーズンにすぎないかもしれない。自分が問題なのではと思っていた初美は、ふたりの問題だと捉え直すことで変わります。実際、気持ちが通じ合っていれば焦る必要もないし、いろいろ模索すればいいんですよね」◇約3年に及ぶ初美と啓介のセックスレスの行方は。各話に季節感を表すフルーツが登場。色とりどりの果実のように目を引く装丁にも注目。文藝春秋1300円◇ゆずき・あさこ作家。1981年、東京都生まれ。2008年にオール讀物新人賞を受賞。'15年には『ナイルパーチの女子会』で、第28回山本周五郎賞と第3回高校生直木賞の2冠に輝く。※『anan』2016年7月6日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・三浦天紗子
2016年07月01日anan読者200人超で作る「anan総研」、今回のテーマは「サプリ/美容ドリンク」。アンケートによると、総研メンバーの約80%の読者がサプリや美容ドリンクを愛用していることが明らかに。今回は総研メンバーの木下紗安佳さん(31歳・広報、カラーコーディネーター)、浅香ユウさん(33歳・ネイリスト、栄養士)、立川瑞妃さん(30歳・営業事務)が、そんなサプリ・美容ドリンク事情について語り合いました。***浅香:いつもお世話になっています、サプリ&美容ドリンク!立川:美容オタクもたくさんいる総研メンバーは、一般に比べて摂取率も頻度も、かける金額も若干高めなのかな?木下:みんなのおすすめアイテム、聞いたことないものもたくさん!注目の“ノニ”も何人かおすすめしているね。浅香:定番の「チョコラBB」も人気だねー。二人は常備サプリってある?木下:私は「アスタリフト ドリンク ピュアコラーゲン10000」っていうサプリ。肌のハリ感がUPしたような♪立川:コラーゲンサプリいいんだね!私は「BELTA酵素」っていう酵素ドリンク。飲むと飲まないとでは便通が違う!浅香:私も酵素飲んでいるよ!ダイエットを本格的に始めたいと思った時に勧められて。酵素と一緒に白湯を飲んでいることもあって、冷え症が少しずつ改善されているような。立川:酵素を摂ると、いいことだらけだよね。おすすめ。浅香:満腹感もあるから、ダイエット中にもぴったり。ファスティングの時にも使えるし。木下:そうなんだ。酵素、トライしてみよっかなぁ。サプリや美容ドリンクってたくさんありすぎて、どれがいいのかわからないよね。物によっては体に合わないものもあるだろうし。立川:自分に合うものを探すのって本当難しい。浅香:友達から効くと言われたサプリを飲んでみたら、激しい腹痛に襲われて、朝までずっと苦しんだことがあったな。立川:それは本当に体に合わなかったんだね…。木下:私は仕事で疲れ果てて、寝る前に強力な栄養ドリンクを飲んだら、その晩眠れなくなってしまったことが(笑)。立川:滋養強壮効果が強く出ちゃったんだね(笑)。木下:二人は、これからトライしてみたいサプリや美容ドリンクって具体的にあるの?浅香:「エステ キュイジーヌ」というインナービューティドリンク!大豆ペプチド配合で、ダイエット中のタンパク質補給にも、美肌にもよさそうだなと。立川:へー!木下:私は『ELLE café』のコールドプレスジュースの1Dayジュースプログラムで、体内をクレンズしたい!浅香:女は30歳過ぎたら、外見をどう盛るかよりも、体内をどうキレイにするか!立川:そのためにはサプリや美容ドリンクは欠かせないね!※『anan』2016年6月29日号より。写真・森山祐子文・薮内加奈 (C)Photobuay
2016年06月27日