助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、赤ちゃんと過ごす部屋の注意点について教えてくれました。おしゃれなインテリアや雑貨はたくさんありますが、赤ちゃんと一緒に過ごす部屋で使用する場合には、おしゃれ面だけでなく安全面も気をつけることがとても大切。知らなかったでは済まされない…事故が起きてしまう前に今一度確認しておきましょう! 赤ちゃんがいる生活になると、今まで大人だけで生活してた環境では危険なことがあります。そこで今回は、乳幼児がいる家庭での見逃しがちなお部屋環境の注意点についてお話していきます。 おしゃれなテーブル、実は危険なことも?!部屋のインテリアとして、テーブルは色々なデザインのものがあります。以下のものは、乳幼児がケガをする可能性があるので注意しましょう。 ●角がある形のテーブルは、角に頭をぶつけてケガをすることがあります。角にぶつかっても、ケガをしないように衝撃を吸収してくれるコーナーガードなどのクッション材をつけるようにしても良いでしょう。 ●ガラステーブルは、体重をかけて浮いてしまったり、角にぶつかる、おもちゃなどをぶつけて割れてしまうことがあります。子どもが成長するまで一時的にしまっておいたり、買い替えも検討してみましょう。 ●折りたたみ式のものは、折りたたみ部などの金具に指を挟むことがあるので、カバーをするか一時的にしまっておきましょう。 ●テーブルクロスは、引っ張ったり転んでしまったり、クロスの上にあるものが赤ちゃんに落ちてくるなどの危険があります。テーブルクロスは避けて、ものもあまり置かないようにしましょう。 マット類は滑って転ぶ原因にもフローリングに敷いてあるマット類は、ハイハイ時期やよちよち歩きの時期の赤ちゃんは引っかかったり、すべって転んでしまうことがあります。ハイハイ時期や歩き始めた時期は、裏に滑り止めがついたものにしたり、毛足の短いものにするなど工夫していきましょう。マット類は敷かない方がベストですが、フローリングの場合、転んで頭を強く打つことがあります。赤ちゃん用のプレイマットやクッションマットなどを敷いておくと安心です。 ディスプレイの小物や写真たても注意が必要!棚の上にあるディスプレイ、花瓶や置き物などは、地震などの災害がなくても落ちてくることがあります。土台がしっかりとしていて倒れにくいものなどを選ぶようにするのがおすすめです。画びょうで留めているポスター類は壁に貼る用の両面テープに変えたり、写真や絵などの壁掛けのフックは固定がしっかりしてあるか確認してみましょう。特に赤ちゃんの寝る周りには、落ちてきそうなものは置かないようにしましょう。また、植物の植木や花瓶も倒してしまったり、鉢植えの土や石・肥料など口に入れてしまうことがあります。観葉植物を室内に飾る場合には、赤ちゃんの手が届かない場所に飾るなどの工夫をしながら取り入れるようにしましょう。空間をおしゃれにしてくれるインテリア雑貨やディスプレイ類は、赤ちゃんがいる家庭の場合には、飾る前に危険がないかをチェックするようにしましょう。 命の危険にもつながる!?コンセント類にはカバーを室内のあちこちに設置されているコンセント。コンセントはちょうど赤ちゃんの目線に入り、さらに「穴」も空いていたりと、どうしても気になって触ってしまうというお子さんが多いです。しかし、指しゃぶりをして濡れた手でコンセント部分を触ったり、コンセントの穴に何かを入れてしまうと感電事故にもつながってしまうため非常に危険です。コンセントが設置されている場所は、家具などで見えないようにするか、コンセントカバーをかけるようにするなど、赤ちゃんが気軽に触ることができないような工夫をすることが重要です。使っていないコンセントは、100円ショップやホームセンターなどで販売されている専用のカバーで塞ぐようにしましょう。 まとめ 部屋の中の危険なものは、月齢によっても変化していきます。成長の過程をみながら、家族でチェックしていけると良いですね。 参考記事:赤ちゃんを迎えるお部屋の準備、何をすればいい?寝る場所の安全対策は?いつ始める?おさえておきたいポイントとは|ベビーカレンダー参考記事:コンセントによる感電事故から子どもの命を守る!~原因と防止策~|防災新聞 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2023年01月26日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、赤ちゃんへの薬の与え方について教えてくれました。赤ちゃんが薬を嫌がってしまう…とお悩みのママやパパも多いですよね。なかなか薬を飲んでくれないから…と実はNGな対応をしているかも!? 赤ちゃんに薬を飲ませる時、嫌がって飲んでくれなかったり…と悩むことは多いですよね。そんな時に、薬を搾乳やミルクに溶かして哺乳瓶であげる方がいます。実はこれはNGなんです。今回は、赤ちゃんへの薬の飲ませ方についてのお話です。 薬をミルクや搾乳に溶かして赤ちゃんにあげるのはNG?粉薬やシロップの薬を母乳(搾乳)やミルクと混ぜることによって、本来の味を変えてしまうと、大切な栄養源のミルクや母乳を嫌がって飲まなくなってしまうリスクがあります。もちろん大丈夫な赤ちゃんもいますが、リスクを避けるために基本的には粉薬やシロップは、水や白湯で溶かすようにしてください。また、溶かした薬を哺乳瓶であげると、後々に哺乳びんを嫌がるお子さんもいるので基本的にはスポイトやスプーン、薬杯であげるようにしましょう。 赤ちゃんへの飲み薬の正しい与え方とは?粉薬は通常、服用直前に少量の水や湯ざましを加えて混ぜ、スプーンやスポイトで口の中に入れ、その後、水や白湯などを飲ませます。赤ちゃんに話しかけながら飲ませ、じょうずに飲めたらほめてあげましょう。シロップなどの場合も、スプーンやスポイトで同様に飲ませます。粉薬をどうしても飲んでくれない場合には、小皿などに粉薬と少量の水を加え、練ってペースト状にします。水が多いとまとまり辛いので少量にしてみましょう。ペースト状にしたものを口の中の頬の内側や上あごに塗りつけ、水、湯ざましなどを飲ませて流し入れます。舌先は苦味を強く感じるので避けましょう。白湯を嫌がる場合は、母乳やミルクを飲ませてみましょう。 離乳食や食べ物に混ぜるのは大丈夫?搾乳やミルクと同様に、ご飯を食べるのを嫌がるようにならないよう、おかゆなどの主食には薬を混ぜないようにしてください。主食以外のものであれば、赤ちゃんが好む飲食物に少量混ぜて一緒に飲ませてもよいでしょう。食べ物に混ぜて薬を与える際には、以下の①〜③に注意しましょう。なかなか飲んでくれない時には、④や⑤の方法もおすすめなので参考にしてくださいね。 ①熱いスープや食べ物に混ぜると、薬の品質が損なわれることがあるので避ける。 ②酸味がある飲食物(オレンジジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ヨーグルト等)に混ぜるのは避ける。薬のコーティングがはがれ、余計に苦味が出たり、効果が弱くなる薬もあります。 ③粉薬を飲食物に混ぜたまま長時間放置すると苦味が増したり、変質したりすることがあるので、飲ませる直前に混ぜるようにする。 ④ 冷たいと味覚が鈍るため、アイスクリームやシャーベットなどに包み込むようにして飲ませることもできます。 ⑤服用を補助するゼリー状の商品に薬を包んで飲ませる方法もあります。 まとめ お薬の種類によっても注意点が変わることがあるので、お薬の飲ませ方について困っている場合は、薬剤師に相談するようにしましょう。 引用参考文献:五十嵐隆監修一般社団法人日本小児総合医療施設協議会編集乳幼児・小児服薬介助ハンドブック参考記事:逆効果の恐れも…!?実はNG!ついやりがちな「赤ちゃんへのお薬の与え方」【専門家が解説】| ベビーカレンダー 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2023年01月20日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、冬の赤ちゃんの服装でついついやりがちなNG行動について教えてくれました。赤ちゃんのためにと思ってやっていやことが実はNGだった……!?冬の赤ちゃんとのお出かけ、何を着せるか迷うママも多いかと思います。寒いかも、風邪をひかせないように……とついついやってしまいがちなことが色々。今回は、赤ちゃんの冬のお出かけの時の服装のポイントについてお話しします。 NGポイント①出かけ先が室内でも外でも同じ格好にしてしまう外出先によっても、服装を選ぶポイントが変わってきます。野外への外出で、外で過ごす時間が長い場合などは重ね着をして暖かい服装を心がけます。下着は綿肌着のものとして、アウターは風を通し辛いナイロンやフリース素材や中綿の入ったものなどを選びます。ここで気をつけたいのが、歩き出したりはいはいやつかまり立ちなど動きが出てきた赤ちゃん。着させすぎて歩き辛いなど活動の邪魔にならないように気をつけましょう。 服を着せすぎて赤ちゃんが暑くないかどうかは頬が赤くなっていたり、背中に汗をかいていないかで確認します。汗をかいてしまうと、身体を冷やす原因となりますので気をつけましょう。 また、赤ちゃんは頭の面積が広いので頭から冷えやすい傾向があります。毛糸やフリース素材の帽子も防寒には効果的です。室内の場合は、暖房で暑くなることがあるので脱ぎ着のしやすいものや、低月齢の赤ちゃんの場合はおくるみや掛け物で調整しましょう。 NGポイント②抱っこ紐でのお出かけでもアウターを着せてしまうベビーカー移動の場合は、足元が寒くなりやすいのでブランケットやおくるみなど掛け物で調整しましょう。毛糸やフリース素材の帽子、ベビーカーの頭側のカバーを下ろして風を防ぐだけでも寒さを防げます。 抱っこひもの場合は、キルト素材の厚手の洋服や中綿入りのロンパース・アウターなどは抱っこひもでママと密着すると暑くなりやすいです。赤ちゃんに重ね着させる代わりに、ママのコートやケープなどで一緒に包まって防寒しましょう。ブランケットなどを抱っこひもにクリップなどで留めるのもおすすめですよ。足元は靴下やレッグウォーマーなどで肌が出ないようにしましょう。 電車移動などは、荷物もあまり増やしたくないし最低限にしたいところかと思います。基本は脱ぎ着させやすいものを選ぶことが大切です。 今日の天気は?気温は?天気予報をチェックして!冬や春先は、時間帯によって寒暖差があります。朝寒くて厚着にしたら日中汗ばむような暖かさになったり、反対に日中暖かいので少し薄着にして出かけた夕方に気温が下がって寒くなってしまうことがあります。出かける時間帯や帰る時間帯も考慮して、洋服選びをしましょう。 また、お出かけの際には天気予報をチェックして天気だけでなく予想気温などもチェックしてみましょう。 まとめ赤ちゃんがどの服装が良いかは、赤ちゃんの普段の体温や汗っかきな赤ちゃんなど体質なども影響してきます。今回ご紹介したポイントを参考にしていただいて、お子さんにあった冬の服装で外出を楽しめると良いですね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2023年01月11日低出生体重児だった娘の母乳育児はうまくいかず、悩みながらも生後5カ月で断乳を決意。実母からの厳しい言葉や、周りのママの何気ない行動にすら悲しく悔しい思いをした体験談をお伝えします。 低出生体重児で難航する母乳育児在胎36週6日、緊急帝王切開で生まれた娘は、2,100g台の低出生体重児でした。娘の口が小さくおっぱいを吸う力も弱いことに加え、低血糖症の治療のために通常よりも頻回の授乳を必要としていました。 私も初産かつ正期産直前の緊急帝王切開による出産だったため、産前の乳頭マッサージなどもできないまま出産を迎えた状態。そのせいもあってか母乳がうまく出ず、母乳育児ははじめからかなり難航していました。 私の気持ちをわかってくれない実母娘の退院後も、「低月齢のうちは血糖値が基準値以下になればすぐに病院へ」と言われたため、血糖値が下がらないよう母乳のあともこまめに育児用ミルクを飲ませました。 そのころ、実母が娘がどのくらい母乳を飲んでいるかを確認するLINEを毎日送ってきたのです。 きっと母は母乳育児は赤ちゃんに良いことだから、当然私もそうするものだと思って悪気は一切なかったと思うのですが、母乳があまり出ない私にとってはプレッシャー以外の何物でもありません。それどころか母乳育児がうまくいかないと相談しても、食事や生活習慣を容赦なく指摘され、気持ちが削がれるばかりでした。 助産師さんのやさしい言葉に涙…産後5カ月ころ、心身ともに限界だった私を心配して「離乳食始まるし断乳したら?」と夫が言ってくれました。断乳のことを実母に話すと、「まだ生後5カ月なのに断乳なんて娘ちゃんがかわいそう!」と猛反対! 理解してほしかった実母に今まで以上に責められ悲しくなった私は、助産師さんに思いを打ち明けることに。 すると助産師さんは「お母さんが笑顔でいられることが娘ちゃんにとっても一番。だからその決断に誇りを持って」とやさしい言葉をかけてくださり、私の中でいろいろな思いが溢れて涙が止まらなくなってしまいました。 他のママの授乳になぜか心が痛む順調に断乳を終え、大好きなお酒も飲めるようになって心に平穏を取り戻せたはずでしたが、実は心の奥深くに爪痕が残されていました。母乳育児が順調な周囲のママたちの授乳の場面に遭遇すると、なぜか心がキリキリと痛むのです。 特に義実家で義妹が授乳し始めたときには、「兄嫁さんと違って私は母乳育児うまくいっていますよ」と見せつけられている感じすらして、悔しすぎて逃げ出したくなるほどでした。 母乳育児に関してはそれぞれ事情があるのだから、あれこれ口を出さずそっとしておいてほしいというのが本音です。いつか娘が母となる日がきて、もし母乳育児がうまくいかなくても、娘の判断を尊重し、そっと見守れる母でありたいなと思います。 作画/はたこ著者:金岡莉緒1女の母。独身時代から住宅関連企業に勤務し、産休育休を経て時短勤務中。妊娠・出産・子育てに関する自らの経験を中心に執筆している。
2023年01月03日助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、お部屋のタイプに合わせた赤ちゃんの寝具についてお話ししています。ベビーベッドがあると便利なタイプとあまり必要ではないタイプなどを詳しく解説!ママの相談で多いのが、赤ちゃんを寝かせる場所や寝具についてです。ベビーベッドや布団、添い寝など、何が良いかはさまざまな要因で変わってきます。今回は、お部屋のタイプや家族構成などでどのように寝具を選んだらいいのか、ポイントをお話しします。 ベビーベッドは必要?ベビーベッドが必要かどうかは、家族構成や生活パターン、お部屋の構造などによっても変わってきます。ベビーベッドの下のスペースは、おむつの買い置きなど散らかりがちな荷物を置くこともできます。また、小さめの移動式のベビーベッドであれば、日中はリビングへ、夜は寝室へと移動させている方もいます。 ベビーベッドが必要な(あると便利な)場合・上にお子さんがいる・犬や猫を飼っている・ママがベッドで寝ている(ママのベッドと同じ高さになるようにベビーベッドをつけてセッティングすると安心)・添い寝をするのが心配、もしくはママのマットレスに赤ちゃんを寝かせるスペースがない・ママに腰痛がある(ベビーベッドの場合、おむつ交換時のママの腰への負担が少なくなる) ベビーベッドがあまり必要でない場合・部屋にベビーベッドを置くスペースがない・ママが布団で寝ている(床で寝ているとベビーベッドの赤ちゃんの様子が見えずらく、夜起きたときに毎回起き上がって抱っこするのが大変)・床に敷くマットや布団、日中であればハイローチェアやバウンサーなど、他に寝かせておける場所がある・布団に置いて寝かせようとするとすぐに起きてしまい、抱っこの時間が長いタイプの赤ちゃん・添い乳や添い寝をしないとなかなか寝ないタイプの赤ちゃん 赤ちゃんの布団はどんなものがいい?大人用のマットは柔らかすぎて赤ちゃんの口や鼻が塞がれてしまい、窒息の恐れがあるため、ママの隣で添い寝をする場合は大人用マットの上に赤ちゃん用の硬いマットを敷くようにしましょう。 赤ちゃん用の布団は重かったり、洗濯しにくかったりする場合も。布団は軽くなるべく薄手の物を選び、こまめに交換したり洗濯しやすいバスタオルやブランケットで代用するのも良いでしょう。 赤ちゃんが寝るところの環境で気を付けることは?日中などは目が届く場所に寝かせるようにしましょう。ベビーベッドの場合、おむつ替えや抱っこをするときなど以外はベッドの柵は必ず上げておきましょう。赤ちゃんを高さのあるソファなどに置いて離れない、赤ちゃんの頭の上や顔の周りには何も置かない(顔や口元を塞ぐ危険性のあるタオル類やおもちゃなど)ことも大切です。 赤ちゃんに枕は不要です。マットは硬めのものを選ぶようにしましょう。冬の掛け布団は重過ぎないように注意します。エアコンの風が直接当たらない場所を選び、冬は寒くなりやすく、夏は暑くなりやすい窓側は避けるようにしましょう。直接日光が当たる場合は、ブラインドやカーテンなどで調整しましょう。 出産前に用意したり、寝る場所を考えておくことも必要ですが、出産後に赤ちゃんの様子やママの体調に合わせて変更していくことも大切です。今回のお話を参考にしながら、ご家庭に合わせて試してみてくださいね。 作画/はたこ監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年11月28日初めての出産をした当時の私は、おっぱいケアや母乳育児についてほとんど無知の状態でした。授乳とは、赤ちゃんがおっぱいを好きなだけ吸うものと勝手に考えていたのですが、いざ授乳をしてみるとうまくいかない。そこで初めて、赤ちゃんはおっぱいを吸うのがヘタな子もいるし、搾っても母乳がピューピュー出るわけではないと知ったのです。これから始まる授乳生活に対して呆然としてしまった私を助けてくれたのは、助産院のおっぱいマッサージでした。滞在型産後ケアの助産院を利用当時私が住んでいた自治体では、産後ケア事業として滞在型のプログラムを実施していました。私はそのプログラムを出産1週間後から5泊利用。民家を改築した一戸建の助産院にお世話になりました。滞在中は個室があてがわれ、ただただのんびりと赤ちゃんと過ごすだけ。何かあったときや食事のときに助産師さんが様子をうかがってくれるので、不安になることもありませんでした。幸い滞在した助産院は家の近くだったので、朝晩に夫が来てくれて、そのタイミングで食事をとることもありました。 初めてのおっぱいマッサージ滞在中、1日1回は助産師さんと私と赤ちゃんの都合の良いタイミングを見計らっておっぱいマッサージの時間がありました。私の片方の乳首がやや陥没気味で、おっぱいが張ってしまうと赤ちゃんがうまくくわえることができずに困ることが多々ありました。 しかし、おっぱいマッサージを受けると適度に張りが緩み、授乳がスムーズになるのです。他にも赤ちゃんの吸い方にムラがあるとできるおっぱいのしこりのようなものも流してもらったり、しこりができないようにするためには授乳のたびに抱き方を変えたほうがいいとアドバイスをもらったりしました。 終了後も「おっぱい」の相談ができる滞在6日目。私と赤ちゃんはずいぶんとスムーズに授乳ができるようになっていました。私は「これならやっていけるかもしれない」と少し自信を持って助産院をあとに。その後も私は1〜2週間に1回はその助産院に行き、おっぱいマッサージを受け、相談をしたりアドバイスを受けたりしました。 私は初めての子育てで、授乳やおっぱいのことは実母にも話づらいと感じていました。助産院でおっぱいマッサージを受けていたことで、抵抗なく相談できる場があってよかったと感じています。 はじめは授乳がうまくいかなくて大変だったという話は、あとからいくつも聞きました。私は意図していなかったとはいえ、自治体の産後ケア事業プログラムを利用しておっぱいマッサージを受けられたことは幸いだったと思っています。大変なことも多い子育て。利用できるものはどんどん使うべきだと思いました。監修/助産師REIKO著者:小原水月1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。
2022年11月27日私は第2子を出産した際、持病で服薬していたため、子どもに母乳をあげられませんでした。病院の方針など身近なところで完全母乳を推奨する声を耳にするたび、母乳を飲めない子どもがふびんで仕方ありませんでした。1人目の子育て中にパニック障害を発症私は1人目の子どもが2歳のときに、仕事などのストレスからパニック障害を発症しました。服薬治療をおこなっていたのですが、2人目を考えたときに薬を中止することができず、減薬という方法で妊娠に臨みました。 そして、パニック障害の治療を続けながら不妊治療も並行しておこない、第2子を妊娠することができました。 薬の効果が切れる時間を狙って母乳をあげる産後の母乳については、心療内科の先生と産婦人科の先生の双方に相談をしました。赤ちゃんへの薬の影響を考え、薬の効果が切れる時間帯にだけ母乳をあげるという方針に決めました。 その薬の効果が切れる時間帯は、1日のうちでたった一度のみ。あとの時間はすべて育児用ミルクを与え、母乳は搾って捨てていました。1日に一度きりでしたが、母乳を飲んでいる赤ちゃんの姿が愛おしく、母乳をあげている時間は至福の時でした。 体調が悪化して母乳は完全中止に…産婦人科を退院後、パニック障害の症状が悪化してしまい、薬の量と回数を増やすことになりました。その結果、母乳をあげられる時間帯はなくなり、赤ちゃんが生後1カ月のうちに母乳をやめることになったのです。 当時は母乳をあげられない自分が悔しく、また赤ちゃんに申し訳ない気持ちから、毎日のように泣いていました。母乳をあげられない自分を“ダメな母親”だと責め、産後うつにまで陥りました。一方で、育児用ミルクでの子育ては何の問題もなく、むしろ飲んだ量がわかったり、腹持ちがよかったりといったメリットも多かったです。 育児用ミルクで育てたことに後悔はありませんが、第2子が小学生になった今でも、もっと母乳をあげたかったなぁと、ふと思うことがあります。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO 著者:ライター 木村なち三児の母。現在4人目を妊娠中。パニック障害を抱えながらの妊娠・出産・育児の経験に基づき、体験談を中心に執筆している。
2022年11月22日母乳育児をしていた私は、卒乳は自然に任せようと考えていました。しかしなかなか1日の授乳の回数が減らないのを知った義母は、「長くても産後1年で断乳すべし」のポリシーで、断乳を強要をしてきたのですが……。 母乳育児をやめるタイミングわが家では生後5カ月ごろから離乳食を始めましたが、なかなか進まず子どもは母乳ばかり欲しがりました。昔は1歳までに断乳をしていることは知っていましたが、自然に子どもがおっぱいを欲しがらなくなるのを待つという卒乳という形があるのを知り、母乳をやめる時期は長い目で見ようと決めていました。 しかし、ある日、離乳食が始まっても母乳ばかり飲んでいる孫を見た義母は「なぜおっぱいばかり飲んでいるの!?」「離乳食をどんどん進めなさい!」と怒り始めるようになったのです。 エスカレートする断乳コールさらに義母は「1歳を過ぎたらおっぱいはただの水。栄養なんてない」「おっぱいなんて飲ませるくらいならジュースでも与えなさい」と言ってきたのです。昔は、1歳を過ぎたらおっぱいは水だと言う人もいたようですが、母乳を与えている私としては大変ショックでした。 私は子どもの精神的安定や親子のスキンシップのためにも、まだ断乳はしたくありません。それなのに、「1歳で母乳を飲ませているなんて孫がかわいそう」「まだ、おっぱいを飲んでいるなんて恥ずかしいわ」「おっぱいなんておいしくないでしょう」と言われ、私は涙が出ました。 その子に合った卒乳の時期で…1歳半を過ぎたころ、食べる量は少ないものの母乳以外の食べ物に興味が出てきたのか、自然と母乳の回数が減り、2歳を過ぎるころには自然に卒乳をすることができました。 義母にいろいろなことを言われ、無理にでも断乳をするべきなのかと悩んだ時期もありましたが、保健師さんにも相談をし、このまま子どものペースで卒乳を待つ形にしてよかったと心から思っています。卒乳の時期は、子どもの個人差がかなりあるということを身をもって知りました。 義母とは卒乳の件でギクシャクしていた時期もありましたが、子どもが卒乳をしたことで安心したようで、後日私に言い過ぎてしまったと謝罪がありました。なかなか母乳をやめない私と孫を見て焦ってしまったようです。「昔と今では断乳の考え方が違うのね~」と言って、2人目の母乳育児に関しては温かく見守ってくれました。今では笑い話になっています。 著者:神崎 ハナ2児の母。発達障がい児の育児に奮闘中。育児や健康に関する記事を執筆中のライター。教職員や福祉の資格を持つ。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター こちょれーと
2022年11月18日メデラ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:Jarrod Percy)は公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(DMHC)を通じて、NICUの赤ちゃんに母乳を届けているご家族のサポートを目的にした新たな支援を始めました。この支援は妊産婦と乳児の健康を増進するためのCSRプログラム「Medela Cares」の一環として、日本だけではなくオーストラリア、中国、英国、米国など全世界各地で実施されています。これまでにメデラは全世界にあるドナルド・マクドナルド・ハウスに260台以上のさく乳器を寄付してきました。日本では、11月17日の世界早産児デー(World Prematurity Day)に合わせて、その前日からメデラ公式オンラインショップで販売中の対象製品の売り上げの一部をドナルド・マクドナルド・ハウスに寄付します。また、NICU・GCUに赤ちゃんが入院中で「せたがやハウス」に宿泊中に搾乳が必要なご家族を対象として、病院グレードの電動さく乳器「シンフォニー(R)」など母乳育児製品の寄付を行っています。支援概要及び寄付付き製品のご案内・ご購入先についてはこちら 支援企画 イメージ【支援の意義と背景について】●低出生体重児とご家族への支援の必要性日本においては医療の進歩により分娩でママが命を落とすことが少なくなりました。一方で、出生数は低下傾向であるにもかかわらず、出生数に占める低出生体重児の割合は1980年代から増加傾向にあり、2005年頃からは9%台中盤で横ばいが続いています(1)。低出生体重児のご家族は、通常の出産と比べて医療的なケアや育児上・生活上の問題を抱える場合が決して少なくありません。生まれた直後から母乳育児支援を含め、母子や家族に対する支援の必要性は非常に高く、また、長期的な医療的ケアを要するお子さんの場合は、お子さんの療養や成育環境、学習環境の整備のみならず、ご家族に対する長期的な支援も欠かせません(1)。●NICUママに対する搾乳支援の重要性予定より早く赤ちゃんを産んだママの母乳は貴重なものであり、粉ミルクやドナーミルクと異なるところが多いため、NICU・GCUママは産後早期から母乳がたくさん出るように、医療者の方やご家族から早期かつ切れ目のない搾乳支援が必要です(2)。例えば、粉ミルクは母乳と比べ早産の赤ちゃんの腸への負担が大きくなることがあります(4-6)。また、早産のママの母乳には、正期産のママの母乳と比べて、子宮内で赤ちゃんが過ごした期間が短かったことを補うのに役立つ物質がより豊富に含まれます(3,7,13,16-25)。ドナーミルクと比べて低温殺菌などの処理を受けていないため、免疫などをはじめ様々な成分が多いと研究で証明されています(2,10-14)。搾乳でママの母乳分泌を維持することで早産児でも将来的に直接授乳への移行がしやすくなることもあります(3)。赤ちゃんの側で搾乳しているNICUのお母さん【支援の詳細について】●寄付付き製品を販売メデラ公式オンラインショップで「DMHC寄付対象製品」をご購入いただくと、売り上げの一部を、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンに寄付します。寄付金は「せたがやハウス」に宿泊している、NICUの赤ちゃんのために母乳を届けているご家族の支援に使われる予定です。ドナルド・マクドナルド・ハウス 「せたがやハウス」<寄付付き製品>・【レンタル】シンフォニー(R)電動さく乳器 全品対象(「2週間プラン」及び「延長」を除く)・ピュアレーン7g、37g 単品のみDMHC寄付対象製品および専用アイコン<販売開始時期>メデラ公式オンラインショップにて2022年11月16日(水)12時から<寄付について>お客さまがレンタルをご利用いただくと1回につき200円、ピュアレーンをご購入いただくと1製品につき10円が公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンに寄付されます。寄付付き製品のご案内及び購入先はこちらから ●ご宿泊中に搾乳が必要なご家族に母乳育児製品を提供寄付金の他、NICU・GCUに赤ちゃんが入院中で「せたがやハウス」にご宿泊中に搾乳が必要なご家族を対象として、メデラの病院グレードの電動さく乳器「シンフォニー(R)」及び母乳採取に必要なポンプセット、ボトル、母乳バッグなどの製品を提供しています。病院グレードの電動さく乳器「シンフォニー(R)」【世界早産児デーと早産啓発月間】世界早産児デーは、世界の早産における課題や負担に対する意識を高めるために、2008年にヨーロッパNICU家族会(EFCNI)および提携している家族会によって制定されました。また11月は早産啓発月間として知られており、その月の間、様々な国々で多くの個人、企業や団体が特別な取り組みを実施しており、早産児やその家族の状況を改善させるために援助しています。【ドナルド・マクドナルド・ハウスの概要】自宅から遠く離れた病院に入院する子供に付き添う家族のための滞在施設です。重い病気や治療が難しい病気に苦しむ子供たちが専門的な最善の医療を受けるためには、自宅から遠く離れた病院に入院するケースも多くあります。子供の入院には家族の付き添いが必須になるため、家族を地元に残して病院に通う生活を続けなければならない親御さんは、心身ともに疲弊してしまいます。家族の経済的、精神的負担を少しでも軽減し、入院している子供に笑顔で付き添えるように、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は病院のすぐそばに建てられており、1人1日1,000円という安価で利用できます。建設から運営まで、ハウスは100%寄付や募金、地域ボランティアの力に支えられており、「公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」が運営しています。現在、世界45か国に380か所のハウスが設けられており(※1)、ハウスに滞在しているご家族の4割はNICUに入院している赤ちゃんのご家族です(※2)。詳細はこちら ※1 2022年9月現在 ※2 MedelaAG調べ【メデラ株式会社について】メデラ株式会社は、1993年にMedela Holding AG(本社:スイス)の100%子会社として東京に設立されました。赤ちゃんとお母さまの健康、母乳育児をサポートすることを使命とし、研究に基づいた乳房に負担の少ない電動さく乳器、特殊授乳製品を含む母乳育児サポート製品を開発・展開しています。メデラの病院グレードの電動さく乳器「シンフォニー(R)」は、国内の病院・産院で最も多く採用されているさく乳器です*。また、製品販売の他、最新臨床根拠に基づいて早産児や低出生体重児のお母さまを対象にした、搾乳や直接授乳支援の強化につながる、医療従事者向けクリニカル・サポートの一環である「QI with Medela」のプログラムを運用しております。*病院グレードのさく乳器において。2022年1月時点。所在地 :東京都渋谷区笹塚2-26-2 13F代表取締役:Jarrod Percy【参考文献】1.日本厚生労働省 小さく産まれた赤ちゃんへの保健指導のあり方に関する調査研究会、みずほ情報総研株式会社、平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 小さく産まれた赤ちゃんへの保健指導のあり方に関する調査研究 「低出生体重児保健指導マニュアル」、平成31年3月(online) 、アクセス日:2022年10月3日 2.Meier P et al. J Pediatr. 2017; 180:15-21. 3.Meier PP et al.. Clin Perinatol. 2010; 37(1):217-245. 4.Taylor SN, Basile LA, Ebeling M, et al. Breastfeed Med. 2009; 4 (1): 11-15 5.Penn AH. Pediatr Res. 2012; 72(6): 560-567 6.Quigley MA et al. Cochrane Database Syst Rev. 2014; (4):CD002971. 7.Underwood MA, Scoble JA. Human Milk and the Premature Infant: Focus on the Use of Pasteurized Donor Human Milk in the NICU. In: Rajendram R, Preedy VR, Patel VB, eds. Diet and Nutrition in Critical Care.New York: Springer-Verlag. 2015 8.Moro,G.E. et al. J Pediatr Gastroenterol Nutr 61 S16-S19 (2015). 9.Jegier BJ, Johnson TJ, Engstrom JL, et al. J Hum Lact. 2013; 29(3): 390-399 10.Collado MC et al. Nutrients. 2015;7:8577-8591. 11.Rai D. Crit Rev Food Sci Nutr. 2014;54:1539-1547. 12.Marx,C. et al. J Hum Lact 30, 54-61 (2014). 13.Dvorak,B. et al. Adv Exp Med Biol 554, 407-409 (2004). 14.Ronayne de Ferrer,P.A. et al. J Am Coll Nutr 19, 370-373 (2000).15.Ballard,O. & Morrow,A.L. Pediatr Clin North Am 60, 49-74 (2013). 16.Montagne P et al. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 1999;29:75-80. 17.Khodayar-Pardo P et al. J Perinatol. 2014;34:599-605. 18.Ronayne de Ferrer PA et al. J Am Coll Nutr. 2000;19:370-373. 19.Dvorak B et al. Pediatr Res. 2003;54:15-19. 20.Tregoat V et al. Clin Chem Lab Med. 2000;38:609-613. 21.Lemay DG et al. PLoS One. 2013;8:e67531. 22.Ballabio C et al. Int J Immunopathol Pharmacol. 2007;20:119-128. 23.Pereira GR et al. Am J Clin Nutr.1990;51:589-593. 24.de Segura AG et al. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2012;54:197-203. 25.水野克己.エビデンスにもとづく早産児母乳育児マニュアル : NICUでのHuman Milk安全安心取り扱い指針 : 早期授乳から母乳バンクまで.メディカ出版、2015年11月.p.24-27、9784840454698【本件に関するお問い合わせ先】担当者: マーケティング部 佐竹(サタケ)TEL : 03-3373-3453(月・水・金)FAX : 03-3373-3457E-mail: marketing@medela.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月16日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、秋冬に流行するインフルエンザについて教えてくれました。子どもがかかった時の受診のタイミングや、市販のお薬を飲ませてもよいの?など、対処法にお悩みのママやパパはぜひ参考にしてくださいね。インフルエンザが流行する時期になりました。インフルエンザにかかった乳幼児は、重症化することもあり受診のタイミングやおうちでの看病は悩むことが多いかと思います。そこで今回は、受診のタイミングや家で看るポイントなどについてお話ししていきます。 インフルエンザ感染時の受診のタイミングは?一般的に、風邪は様々なウイルスによって起こりますが、普通の風邪の多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳等の症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。一方、インフルエンザの主な症状には発熱があります。特徴としては、40度近い高熱が出ることがあります。その他にも頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。 インフルエンザは発熱してから、12時間以上経過した後の検査が望ましいとされています。あまり早すぎると、ウイルス数が少ないために、陰性にでてしまうことがあります。ただし、発症後48時間以上経過すると、抗インフルエンザ薬の効能が下がるといわれています。できるだけ12時間以上48時間以内に検査を受けるようにしてください。 また、家族内にすでにインフルエンザ感染者がいる場合には、感染している可能性が高いため早めの受診でも良いかもしれません。受診前に一度かかりつけ医に相談してみましょう。インフルエンザにかかった時の子どもの治療法は?インフルエンザはワクチンがあり、日本小児科学会では生後6ヶ月から接種可能とし、13歳未満については2〜4週間をあけての2回接種を推奨しています。ワクチン接種をしても必ずしもかからないわけではないのですが、重症化を予防できるとされています。子どものインフルエンザは、小児科医によっては自然治癒を待つこともあります。 インフルエンザの薬には、タミフル(粉薬、カプセル)、リレンザ、イナビル等がありますが、リレンザやイナビルは吸引タイプのため、小さい子どもには服用が難しいケースが多いので、タミフルの粉薬が処方されるケースが多いようです。薬の効能は、インフルエンザ発症後からの時間や症状によって異なるため、使用するかしないかは医療機関の判断で決まります。 解熱剤に関しては、市販薬などで自己判断せずに処方された薬を指示通りのタイミングで使用するようにしてください。 再度受診するべき?家で看る時のポイントは?時間外でもすぐに受診を!①痙攣②呼びかけても反応しない、ぐったりしている(意識障害)③呼吸が苦しそう④顔色が青白い、土色、唇が紫色⑤水分を摂れずに脱水症状がみられる(半日以上排尿がない)⑥(幼児であれば)暴れる、意味不明な言動がみられる ※これ以外でも様子がおかしいと思ったら受診を! 一度、受診した方がいい症状①元気はあるが熱が3日間下がらない②唇や肌が乾燥している③排尿量が少ない 家で様子をみて良い場合①元気がある②熱が下がってきた③食欲がある④水分をしっかり摂れている まとめ乳幼児は発熱があっても、元気に動き回っていることが多いです。自分で不調を訴えられない為に、気づかないうちに急に悪化することもあります。いつもと違うなという様子があれば、注意深くみていくことが大切です。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年11月10日助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、離乳食についてお話しています。食べるタイミングと時間や座る姿勢など、今まで知らなかったコツを詳しく解説! 離乳食について悩んでいるママも多く、さまざまな工夫をされているかと思います。なかなか食べてくれないお子さんに対して、長い時間をかけて食べさせて、離乳食の時間がお互いにストレスになっていることがあります。今回は、離乳食をあまり食べない子どもを持つママへのメッセージです。 食べるタイミングと時間を調整しよう離乳食を食べるタイミングははじめのうちは授乳の前でも、途中でも、後でも大丈夫です。大切なのは落ち着いて食べられる状態であること。「食べること=とても楽しいこと」を伝えられるように、作っている様子や準備しているときも可能であれば見せながらやおこなってみましょう。また、楽しい時間になるように、笑顔で会話をしながら食べるようにします。 おいしく食べるためには、「ほどよい空腹」を作ることも大切です。食事の間隔を2.5〜3時間あけることを目標にしましょう。母乳・育児用ミルクをあげた場合は1時間経てば食事にできます。 長い時間をかける、強引に食べさせるのはNGたくさん食べてほしくて、長い時間をかけて頑張って食べさせていることがありませんか? 実は、一食にかける時間が45分を越えると、食べることについやすエネルギーのほうが食事エネルギーより増えてしまうと言われています。 子どもの食事時間を調べた研究によると1回の平均食事時間は20分で、ゆっくり食べる子どもでも25分でした。食事時間は15〜30分で、長くても40分までになるように心がけましょう。食べることを強制することは、子どもにストレスを増加させたり、食欲を減少させます。強引に食べさせないようにして、ママは食べることを応援してあげましょう。 たくさん食べるためには姿勢や環境が大切きれいに食べることよりも、楽しく食べることを優先させて食べやすい環境をつくることが大事です。小さな子どもは体のバランスをとりながら座ることと、食べることを一緒にするのは難しいと言われています。また、6歳までは同時に2つ以上のことができず、気が散りやすいことが特徴です。 食事のときの座る姿勢は、お子さんの足首、膝、股関節の部分が90度になるように、足の裏が床に全部ついていることが大事です。食器はキャラクター付きなどではなくシンプルなものにし、テレビなどを見ないようにして視覚や聴覚からの刺激を減らすように心がけましょう。 きれいに食べさせようとして、口周りや手をこまめに拭くことは食事の妨げになることがあります。スプーンなど道具をじょうずに使うことに集中過ぎずに楽しく食べることを優先しましょう。手づかみ食べも本人が好むようであればどんどんさせてあげましょう。 離乳食を食べてくれないと、ママは心配でイライラしてしまったり、食事のときに笑顔や会話が少なくなってしまうことがあります。離乳食は、母乳や育児用ミルクで足りなくなってくる栄養を補足するものです。最初は、母乳や育児用ミルクの液体栄養がメインなので、食事が進まなくても焦らず、食べる楽しみを徐々に感じ、将来的に食べる量が増えてくるように気長に見守っていきましょう。 <参考>・神奈川県立子ども医療センター/偏食外来パンフレット ステップアップ編「いつどこでたべる?」・ラクテーションコンサルタント東京/第1回ラクテーション・コンサルタント東京セミナー「〜母と子の困った!によりそおう〜これで安心!赤ちゃんのごはん」・滝元宏著/『母乳で育つ子どもの発育、特に補完食を要する生後半年以降の、子どもの成長・発達』 作画/はたこ 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年10月24日私には3人の子どもがいて、第3子は初めて母乳と育児用ミルクの混合育児をしています。直接母乳をするたびにやってくる、虚無感や焦燥感とおなかの痛み。「みんな我慢しながら母乳あげているんだから、自分も我慢しなきゃ……」。そう思っていました。どうしても授乳の時間がつらい…私には、13歳、4歳、生後1カ月の子どもがいます。上の子たちのときからそうだったのですが、私は子どもに母乳をあげるたびに気持ちがずーんと沈んだり、悲しくなったり、切なくなったり、焦燥感や虚無感があったり、おなかが痛くなったりして、泣きながら授乳していたこともしょっちゅうでした。 ホルモンの関係でみんなそうなるものだと思っていたので、授乳の時間がくるのは憂うつでしたが、我慢して母乳を与えていました。ですが、先日母乳外来に行った際に、私のように母乳をあげるときに症状が出るものを「ディーマー(不快性射乳反射)」と言うことを知ったのです。 NICUの看護師さんでも知らないディーマーとは?ディーマーとは、授乳が引き金になって起こる生理的な反射現象で、不快感や絶望感、切なさを感じたり気持ちが悪くなったりすることだそうです。私は今回3人目の育児中ですが、ディーマーという言葉は初めて知りましたし、3人目の子が入院していたNICUの看護師さんにも「初めて聞きました」と言われました。 一般的には90秒から数分で症状が落ち着くことが多く、子どもが生後3カ月になるころには症状が消失する方もいれば、授乳期間中ずっと続く方もいるそうです。 我慢しなくていいんだ!母乳外来の助産師さんには「ディーマーがあったら授乳がつらいでしょう。上の子たちのときは、頑張ったんだね。無理しなくていいんだよ」と言われました。直接母乳を与えるたびに起きる不快な症状は、みんなが経験するものだと思っていたのですが、そうでないとわかり、「無理して我慢しなくていいんだ」と思えるように。 そこから直接母乳をあげることはやめました。私の場合、搾乳だと症状は出現しないので、今は搾乳器で搾った母乳と育児用ミルクを交互にあげています。手間はかかりますが、授乳の時間が苦痛ではなくなり、穏やかな気持ちで授乳することができています。 今まで、授乳のたびに起きる苦痛な症状を我慢しながら直接母乳をあげていました。しかし、今回ディーマーという言葉を初めて知り、直接母乳をあげることはやめ、搾乳と育児用ミルクの混合育児をしています。直接母乳をあげていたときには、授乳時間が近づくたびに憂うつで仕方なかったのですが、今は穏やかな気持ちで授乳時間を迎えられるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 REIKO著者:吉川 みきな14歳女の子と4歳男の子、0歳の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。
2022年10月19日フランスで出産し、母乳で育てたいと思っていた私。2年前に長男を完全母乳で育てていたので、2人目も母乳に関してはまったく心配していませんでした。しかし、産後予想以上に母乳分泌が悪く、次男の体重減少が著しいため、通常自然分娩は3日で退院できるはずが退院延期に。まさかの出来事に慌てた私は、その日から次男の体重を増やすため母乳分泌促進のため奮闘しました。そんな私の体験談です。 あれ? 次男の体重が…私は妊娠40週で3,410gの第2子となる元気な男の子を出産。母子同室だったので、次男が泣いたときや3時間間隔で授乳していました。しかし、次男はあまり母乳を欲しがらず、羊水をたくさん飲みこんでいたのか吐くことが多かったのです。助産師さんに聞くと、「生後数日間は羊水を吐くのは普通。吐ききったほうがいいのよ」と助言をもらいました。 私は「授乳しても吐くなら頻回に授乳しないほうがいいのかな」と勝手に解釈し、次男が5~6時間寝ている間も授乳しないで様子をみていました。すると、産後2日目、次男の体重が300gも減っていたのです! ついに退院延期その日から私は助産師さんの指導のもと、昼夜関わらず頻回授乳し、授乳後に搾乳をして、助産師さんによる母乳マッサージも受けました。しかし、次男は空腹で泣き叫び、出ないおっぱいを必死で吸い続けた結果、体力がなくなりおっぱいをくわえても眠ってしまうようになったのです。 体重の増えも悪く、退院延期に。育児用ミルクを使って次男の体力を回復しながら母乳育児を進める方向になりました。私は激しく落ち込み、悲しくなって泣いてしまいました。 救われた助産師さんの言葉そんな私に助産師さんが「出ないのは当然。赤ちゃんが満足に飲めるくらい出始めるまでに約1週間はかかるものよ」と声をかけてくれ、救われたような気持ちに。 「息子の体重を増やせるのは私しかいない!」と思い、育児用ミルクを併用しながら授乳を続けました。その結果、翌日次男の体重は200gも増えて無事に退院することができました。退院後は母乳が出始め、今は母乳分泌もよく安定して次男の体重も増えています。 母乳育児に関して何も心配していなかった私は、予想外の出来事に驚きました。しかし、私の場合は助産師さんに助けてもらいながら母乳分泌促進の努力をしたためか、次男が生後2カ月目になる今でもトラブルなく母乳育児を続けられています。出産・育児は毎回同じではないこと、母乳が出ることが当たり前ではないことを改めて学ぶ機会となりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 REIKOイラストレーター/まっふ著者:岩見 エリ2男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。
2022年10月10日メデラ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:Jarrod Percy)は、公式オンラインショップ( )を2022年9月にリニューアルしました。リニューアルオープンを記念してキャンペーンを実施いたします。オンラインショップイメージより見やすく快適にご利用いただけるよう、デザインおよびシステムを一新、赤ちゃんを運んでくるという言い伝えのあるコウノトリをイメージした、ショップキャラクターマスコットも登場しました。ショップキャラクターマスコットリニューアルしたメデラ公式オンラインショップでは、さく乳器、おっぱいケア用品、授乳関連用品、パーツなどメデラの母乳育児に関する製品を販売、またさく乳器のレンタルもオンラインショップ特典付きでご利用いただけます。また、リニューアルを記念してオンラインショップでのプレゼントも実施します。今回のリニューアルを通し当社は、よりよいショップづくりに努め、母乳育児の専門家として授乳期間を通じてママをサポートできる製品と情報を提供していきます。【キャンペーン内容】(1)送料無料(2)オリジナルおしりふきカバープレゼントオリジナルおしりふきカバーオリジナルおしりふきカバー(2)【キャンペーン期間】2022年9月27日(火) 12:00pm~2022年11月30日(水) のご注文分【対象】(1)送料無料:メデラ公式オンラインショップをご利用いただいた全てのご注文(2)プレゼント:メデラ公式オンラインショップにて1回のお買い物で5,000円以上(税込み5,500円)ご利用いただいたお客さま【ご注意】・プレゼントはご購入商品と一緒に発送いたします。・プレゼントの交換は受け付けません。・本キャンペーンは予告なく変更やキャンペーンを終了させていただく場合があります。あらかじめご了承ください。■メデラ株式会社についてメデラ株式会社は、1993年にMedela Holding AG(本社:スイス)の100%子会社として東京に設立されました。赤ちゃんとお母さまの健康、母乳育児をサポートすることを使命とし、研究に基づいた乳房に負担の少ない電動さく乳器、特殊授乳製品を含む母乳育児サポート製品を開発・展開しています。メデラの病院グレードの電動さく乳器「シンフォニー」は、国内の病院・産院で最も多く採用されているさく乳器です*。また、個人向けのさく乳器として「スイング・マキシ」、「ソロ」、「ハーモニー」を展開しています。*病院グレードのさく乳器において。2022年1月時点。所在地 :東京都渋谷区笹塚2-26-2 13F代表取締役:Jarrod Percy 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月29日この記事では、仕事復帰すべきか悩みながら、生後4カ月で保育園へ入所し、母乳育児のため、育児用ミルクが一切飲めない赤ちゃんを預けることに罪悪感を感じた体験談をご紹介します。 私の娘は生後4カ月のとき、保育園へ入所しました。仕事復帰することへの苦悩、娘への罪悪感、育児用ミルクが飲めない娘との葛藤……私の仕事復帰は、こうでした。 どうしよう…生後4カ月、保育園入所が決定1月末に娘を出産。「ここは保育園の激戦区だから、早めに保育園の申し込みをしたほうがいいよ」という同地区在住の先輩ママからのアドバイスを受け、4月になんとなく保育園の入所希望を出したところ、なんと即月入所が決定してしまいました……! せめて半年以上は赤ちゃんとゆっくり過ごしたいと思っていたので、予想外。 「こんなに小さくてかわいくて、まだ首もすわっていない赤ちゃんを預けてまで働く意味って何だろう……」。何も知らず、私に笑いかける娘を見て、罪悪感と後ろめたさでいっぱいになりました。 待機児童が確定し、預けたくても預けられないママたちが世の中にはたくさんいることも知っています。入所できるのにも関わらず、入所させようか悩んでいること自体が、すごくぜいたくにも思えてきます。しかし、ここで入所の決定を蹴ってしまうと、あと1年は仕事ができないことも正直不安でした。夫と何度も話し合い、生後4カ月で保育園へ入所することを決めました。 育児用ミルクも哺乳瓶も嫌! 泣く娘に「ごめんね…」こんなに早く保育園へ預ける予定ではなかったので、完全母乳育児。そう、おっぱいしか飲めません。 「育児用ミルクを飲めるようにしてあげなくては!」と、慌てて哺乳瓶や育児用ミルクなどを買い揃えて飲ませようと試みましたが、時すでに遅し。顔を真っ赤にしてのけぞり、小さな体を目一杯使って「おっぱいがいいよー!」と大泣きしながら訴えてきます。 飲ませたくても飲ませられず、ガチガチに張っていくおっぱい。母乳パッドはすぐにびしょびしょ。育児用ミルクのメーカーや乳首の種類を変えても、断固として育児用ミルクを飲まない娘。くちびるをプルプル震わせて全力で拒否。 「おっぱい、飲みたいよね。ママのせいで泣かせてごめんね……」。申し訳ない気持ちでいっぱいになり、根負けしておっぱいをあげてしまいます。結局、1滴も育児用ミルクが飲めないまま保育園入園初日を迎えました。 育児用ミルクが飲めないまま仕事復帰することに 慣らし保育中、保育士さんがさまざまな方法で育児用ミルクを飲ませようと試してくれたようですが、飲めませんでした。結局育児用ミルクを1滴も飲めないまま、仕事復帰初日。娘と初めて8時間も離れるうえに、今日も飲めなかったら……という不安もありましたが、「本当におなかが空けば、飲むはずですから安心してくださいね」という保育士さんの言葉に安堵し、会社へ出勤しました。 ガチガチに張ったおっぱいをトイレでしぼりながら、「ミルク、ちゃんと飲めたかな。この捨ててしまうおっぱいが飲みたくて、今ごろ泣いているかもしれないな……」と娘のことを思うと、胸がキューッと締め付けられました。 走ってお迎えに行き、保育園へ到着すると、なんと娘は1滴も育児用ミルクを飲まずに私を待っていました。「おなかが空いたでしょう……ごめんね、ごめんね……」パンパンに張ったおっぱいをゴグゴクと食らいつくように飲む娘を見て、涙が止まりませんでした。 家ではいろいろなメーカーの育児用ミルクや乳首の種類、形、サイズを変えて試すものの、乳首が口に触れるだけで大泣きです。保育士さんも毎日あきらめずに試してくれましたが、受け付けません。お迎えに行き、泣き疲れて眠る娘の顔を見て、申し訳なくて胸が苦しくくなり、涙をこらえながら家に帰る毎日でした。 育児用ミルクが飲めた! それはある日、突然に!慣らし保育開始から2週間ほど経ったある日、お迎えに行くと「今日、ミルク飲めました! 一気に100ccも飲んだんです!」と保育士さんがうれしそうに教えてくれました。このとき以降、今までの格闘が嘘のように育児用ミルクをおいしそうに飲んでくれるようになったのです。 苦しかった育児用ミルクとの闘いが、ようやく幕を閉じました。その後、保育園では育児用ミルク、家では母乳を続け、離乳食開始とほぼ同時に卒乳し、ミルク育児に移行しました。 授乳期に保育園へ預ける可能性があるならば、哺乳瓶に慣らしておくために、母乳を哺乳瓶であげるなどしておけばよかった、と後悔しています。 あのとき、あきらめなくてよかった!まだ首もすわらない赤ちゃんを保育園に預けてまで働くことへの葛藤、泣いて嫌がる娘に育児用ミルクを飲ませようとする罪悪感……私の仕事復帰には、思っていた以上に高い壁がいくつも待ち受けていました。 娘がかわいそうで、何度も仕事を辞めようと思いました。でも、私は「あのとき、仕事をあきらめなくてよかった……!」と思えるほど、ママになった今のほうが何倍も仕事を楽しめています。 イラストレーター/Michika著者:大脇香織WEBメディア編集者。ママ系雑誌、WEBに携わり約10年。チャイルドマインダー、食育アドバイザー、幼児食インストラクター取得。三姉妹の母。
2022年09月25日私が出産した産院は、母乳育児を推進しているところ。そこでは、赤ちゃんに湯冷ましを飲ませる必要はないと教わりました。ところが同居する義母は真逆のことを言います。今回は、この体験を通じて感じた、湯冷ましの必要性についてお伝えします。 世代で育児方針が異なることをわかって!入浴後や汗ばむ季節など、離乳食が始まるまではおっぱいだけでいい。そう産院で教わり、自宅へ帰った私に、同居する義母は「のどが渇いているんじゃない? 湯冷ましをあげたら?」と言います。 私はおっぱいしかあげたことがないことを伝えたのですが、「飲ませてみたらいいのよ」と義母。育児に口出しをしてくる義母に正直イライラしてしまったことを覚えています。(世代で育児方針が異なることをわかってほしい……)そういった気持ちでした。 義母が湯冷ましをあげていた!ある日、わが子を義母に預けて外出していた日がありました。お風呂の時間には帰宅する予定だったのですが、帰ってみると入浴を済ませてくれていたのです。とても助かったのですが、私の目に飛び込んできたのが「哺乳瓶に入った湯冷まし」です。 「えっ……勝手に飲ませてるの?」とびっくりしすぎて声になりませんでした。 義母からしたら、入浴後の湯冷ましは当たり前のことなのでしょう。しかし、おっぱいしか口にしたことのないわが子は嫌がって飲まなかったようでした。 母乳外来で聞いた水分補給の話そんな義母とのやりとりもあって、私は改めて母乳外来で湯冷ましの必要性について相談してみました。すると、離乳食が始まる前の赤ちゃんの水分補給は、基本的に母乳やミルクを飲めていれば飲ませる必要はなく、母乳やミルクを飲む量に影響が出ない程度であればOKだと聞きました。 義母の言うことが100%間違っているとは言えません。でも、自分の育児方針を否定されると嫌な気持ちになってしまいます。今は一旦義母の話を聞いておいて、取り入れるかどうかは自分で決めるなど、ある程度割り切って義母と付き合うようにしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラストレーター/ムチコ著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2022年09月18日実母がいる実家で産前産後を過ごすのが一番安心だと思った私は、初めての出産は地元の産院を選びました。里帰り出産については、義母から義実家で過ごしてほしいと話がありました。産後の私の世話をしたいと言う義母には感謝の言葉しかありませんでしたが、気兼ねなく過ごせる実家で過ごしたかったので、義母には丁寧にお断りをしたのです。しかし、義母は納得してくれず、夫や実母に何度も連絡をし、義実家で里帰り出産をするよう私を説得してほしいと話をしていました。それが私には重荷で、やはり実家での里帰りを決めたのです。退院後、毎日義母から電話が……義実家から産院まで車で3時間の距離でしたが、無事に娘の出産を終えたあと、義母はすぐに産院までお見舞いに来てくれました。初孫の誕生を大変喜んでくれ、出産後の私をねぎらってくれました。退院後、私は予定通り実家で過ごしていたのですが、毎日義母から電話がかかってくるようになったのです。 出産前、義母は穏やかでやさしく、私は良好な関係を築けていると思っていました。しかし、里帰り出産をどこでするかという話から、義母との関係が少しずつ崩れてきたのです。 母乳の出をチェックしてくる!義母からの電話は、私の母乳の出のチェックから始まります。何時間おきに母乳をあげているのか、乳房の張り具合、娘がしっかりと母乳を飲めているのか……。初めての母乳育児のため不安なことがあり、最初は義母に母乳の悩みの相談をしました。 しかし、昔、母乳育児をしていた義母ですが、母乳の出がよかったそうで悩みなんてなかったとのこと。「母乳がたくさん出て大変だったのよ」と、私からすると自慢のようにも感じられる発言ばかりで、私の母乳の悩みの相談には乗ってくれませんでした。 義母からの電話に出るのをやめたら……母乳の他に、沐浴、おむつ交換、赤ちゃんのあやし方などの育児について、どうやっているのか毎日のように義母に聞かれ、次第に私は義母からの電話がおっくうになり、静かに過ごしたいと思うようになっていきました。それでも、義母からの電話は毎日続き、私は電話に出ることをやめてしまったのです。 義母には産後のため疲れており、毎日電話には出られないことを伝えたのですが、それがしゃくに障ってしまったようで、夫に「とても失礼な嫁だ!」と話していたようです。夫は私をかばってくれたようですが、義母の怒りは、しばらくの間、静まりませんでした……。 出産前は義母とトラブルもなく過ごしていたのですが、出産をきっかけに関係が変化しました。義母からすると、私の育児が頼りなく心配だったのでしょう。現在は離乳食の進め方が心配なようで、3日に1度は連絡が来ます。義母も私との距離の取り方を模索しているような気がします。嫁姑の関係は長いからこそ、ゆっくりお互いの心地良い距離を見極めていこうと思います。 著者:神崎 ハナ2児の母。発達障がい児の育児に奮闘中。育児や健康に関する記事を執筆中のライター。教職員や福祉の資格を持つ。
2022年09月18日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、ちょっと困った授乳中のママの行動について教えてくれました。授乳中だから薬を飲めない、薬を飲むから母乳をやめなきゃいけないなど自己判断でしていませんか?授乳中のママより、「今は授乳中だから薬は飲めない」、「薬を飲んでいる間は母乳をあげられない」などとお話しされていることがあります。無理をして体調不良が長引いたり、授乳を無理にやめることによって乳房トラブルになったりすることもあります。実は、授乳中に飲めないお薬というのは、とても少ないのです。今回は授乳中の内服のお話です。 薬の成分は母乳中には出てこないの?授乳中にお薬を使用する場合、赤ちゃんへの影響が気になると思います。母乳はママの血液から作られます。ママが飲んだお薬は母乳中に分泌されますが、多くのお薬では母乳中に含まれるのはとても少ない量になります。さらにお薬が含まれる母乳を飲んでも、赤ちゃんの血液に届くまでにその量はどんどん少なくなっていくので、赤ちゃん自身にお薬の影響がでる可能性はとても低いといわれています。 月齢が大きくなって離乳食がすすんだり、ミルクとの混合栄養の場合はお薬の影響はより少なくなります。 お薬を飲む場合、必ずしも母乳をあげられないということもないですし、母乳をあげるために薬を飲まないようにする必要はありません。正しい情報をもとに、医師や薬剤師と相談しながら決めていくことが大切です。 授乳中の薬について、どうやって相談すれば良い?診察時に医師へ授乳していることを必ず伝えましょう。授乳が可能であったり、授乳に影響の少ない内服薬を処方してもらうようにしましょう。処方が院外処方の場合など、薬剤師と話ができる場合は、医師から処方された薬が授乳に影響するかどうか相談してみるのもいいでしょう。他の薬の方が適していると判断した場合は、薬剤師より医師へ薬剤の変更依頼などをしてくれることもあります。 また、影響が少ないと聞いても心配な場合、薬剤成分の血中濃度が高い時期を避けて授乳する方法もあります。授乳直後に内服する、血中濃度が高い時間帯を薬剤師に確認しその時間を避けるなどでもいいでしょう。 調べる方法は?国立研究開発法人国立成育医療研究センターのサイトで検索する方法があります。商品名ではなく成分名で検索するので、注意してください。薬の添付文章はネット検索もできます。しかし、医師や薬剤師からは授乳中も大丈夫と説明をうけたのに、説明書やネットで調べると授乳を避けるようにと書かれていることもあり、不安になることもあるかもしれません。科学的な裏付けが乏しい場合には、無難に「授乳を中止」と記載されてることもあるのです。知識を持つために自分で調べてみるのはいいですが、実際に服用するときは医師に相談しましょう。 授乳を一時的に中止する場合医師や薬剤師から説明を受けて、理解した上でママ自身が一時的に授乳を中止することを選択した場合は、乳腺炎など乳房トラブルにならないようにケアが必要です。通常の授乳回数に合わせて搾乳する様にしましょう。授乳を中止にする期間によっては、授乳を再開した時に分泌量が落ちてしまうこともあります。セルフケアに心配がある場合は、母乳外来や地域の助産院、助産師に相談してみてください。授乳中の内服については、医師・薬剤師と相談しながらママや家族が納得して選択できるようにすることが大切です。無理せずに、ママが1日でも早く体調を回復して元気に過ごせることが、赤ちゃんと家族にとっても大切だと思います。監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年09月12日私は小さいころから、体が丈夫でした。実母にとってはそれが誇らしかったようで、私が1年前に出産し育児を始めたころ、「あなたは風邪をひかなかったから、看病をしたことなんてない。手がかからず本当にいい子だった」とよく言うようになりました。私は、「子どもはよく風邪をひく」というイメージを持っていましたが、母の言葉で、思っているほど風邪をひかないのかもしれないと思い始めていたのですが……。 生後2カ月で風邪をひくなんて!娘が生後2カ月を過ぎたころ、鼻水をすするようになり咳もするようになりました。私には初めての育児だったので、とても焦りました。赤ちゃんは生後6カ月ごろまで母親の抗体を持っていると育児書で読んだことがあったので、生後2カ月で風邪をひかせてしまったことに罪悪感でいっぱいに。 娘が初めて風邪をひいて不安になり、最初に実母に相談をすることに。やはり実母も生後2カ月で風邪をひいたことに大変驚いた様子でした。 実母と義母からの心ない言葉たち実母から小児科に連れて行くようにアドバイスを受け受診したところ、風邪との診断を受けました。実母からは、「生後2カ月カなのに風邪なんてひくの?」と言われ悲しくなった私。 さらに翌日、孫が風邪をひいたことを義母に電話で伝えたと実母から聞かされました。実母と義母は、生後2カ月で風邪をひくのはおかしいと思ったようで、母乳育児をしていた私に対し「母乳が良くないから風邪を引いたのではないか」と言うのです。 風邪を引いたのは私の母乳のせい?後日、実母と義母から「母乳育児からミルク育児に変えたほうが良い」と言われ、すっかり母乳育児に自信をなくしてしまった私。市の育児相談を利用したところ「風邪をひいたのは母乳育児のせいではないですよ。おっぱいも出ているし赤ちゃんの体重も順調に増えています。自信を持って!」「また心配事があったら、いつでも相談してくださいね」という言葉をかけられ、私はとても勇気づけられました。 もともと母乳育児希望だった私。実母・義母という育児の大先輩2人に「母乳から育児用ミルクに変えたほうが良い」と言われたことで、母乳育児を続けて良いのだろうかと不安になっていましたが、頑張って続けることにしたのです。 その後、娘が風邪をひくことは多々ありましたが、現在2歳になった娘は元気に過ごしています。あのとき、実母たちからの圧に負けず母乳で育児をしたことに後悔はしていません。あの一件から、市の育児相談の職員さんには何度も相談にのってもらい、心強い存在でした。実母には母乳と風邪は関係がないと市の育児相談で言われたことを伝えると「そうなのね! よかったわ!」と言い、安心したようです。私は、自分で納得のいく育児をすることが一番だと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:神崎 ハナ2児の母。発達障がい児の育児に奮闘中。育児や健康に関する記事を執筆中のライター。教職員や福祉の資格を持つ。
2022年09月11日助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、夜間授乳を「する」「しない」のラインについてお話ししています。夜間授乳することのメリット・デメリット、夜間授乳をしたほうがいい場合などを詳しく解説!夜間ぐっすり眠っている赤ちゃんを、起こして授乳するべきか悩んでいるママは多いかと思います。赤ちゃんやママのおっぱいの状況によっては、必ずしも夜間に赤ちゃんを起こさなくてもいい場合があります。 うちの子は起こしたほうがいいの? 夜間起こして授乳しなくてもいいケースとは?赤ちゃんの授乳間隔は3〜4時間毎と言われますが、赤ちゃんが成長と共に、母乳を1回に飲める量が増えてきたり、離乳食が進んでくると夜間の授乳間隔が空いてくることがあります。 夜間に、赤ちゃんが長く眠ってしまった場合に、無理に起こして授乳しなくてもいい場合は、以下になります。 ・正期産で2,500g以上で生まれた、病気などがない元気な生後1カ月以降の赤ちゃん・発熱などがなく元気な状態・体重増加が良好(1日18〜30gの体重増加が認められる)。体重が成長曲線内にあり、上昇がみられる・日中の排尿が1日6〜8回みられる(1回量は50g以上、紙おむつのチェックラインの色が変化する程度)・生後10カ月以降で、離乳食も3回食に進んでいる・赤ちゃんを起こして授乳してもあまり飲まない、起こしたあとに機嫌が悪くなり再度の寝かしつけが大変 夜間授乳することのメリット・デメリットは?【赤ちゃん側のメリット】・授乳回数が増えることで、母乳を飲む量が増えて多くの栄養を得ることができる。・夜間覚醒して、授乳することで再度深い眠りにつくことができる。安心する。【赤ちゃん側のデメリット】・眠りが中断される。授乳後に、再度寝入ることに時間がかかる場合もある。 【ママ側のメリット】・授乳回数が増えることで、母乳を作るのに必要なホルモンが分泌されて、母乳分泌が増えやすい。・定期的におっぱいから母乳が飲み取られるので張りすぎによる痛みや苦痛が軽減されたり、乳腺炎の予防になる。【ママ側のデメリット】・眠りを中断することにより、睡眠不足になることがある。・起こしても赤ちゃんがあまり飲まないことがあり、授乳により刺激されたことにより余計に乳房が張りやすくなることがある。 こんな場合は起こして授乳がおすすめ新生児のうちは、1回の哺乳量が少ないため、授乳回数が少ないと1日の飲むトータル量が減ってしまうことがあります。そのために、生後1カ月までは4時間以上眠ってしまうようでしたら起こして授乳することが必要です。また、生後6カ月未満であれば、6時間以上授乳間隔が空く場合には、起こして授乳するようにしましょう。その他に起こして授乳したほうがいい場合としては、 ・体重増加が1日18g未満。成長曲線を下回っている・出生時の体重が2,500g未満で、早産、または心疾患や内分泌疾患などの何か病気がある・離乳食を1回食で始めたばかり、またはあまり食べない・ママが母乳量を増やしたい、今の量を維持したい・ママが乳腺炎などの乳房トラブルを繰り返している・授乳間隔が空くと張ってつらい。授乳の代わりに搾乳をする場合、搾乳ができない、または搾乳を大変に感じて起こして授乳させるほうがラク赤ちゃんがぐっすり眠っていると、せっかく眠っているのに起こすのがかわいそうに感じたり、もっとママも眠りたいという気持ちがありますよね。ママと赤ちゃんの状況に合わせて、夜間の授乳の負担が減るといいですね。 <参考>メディカ出版母乳育児支援ブック篠原和子「授乳の頻度と長さ」 作画/はたこ 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年08月22日助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、赤ちゃんの髪と頭皮のケアについてお話ししています。大人と同じシャンプーはいつから使えるのか、赤ちゃんのシャンプーの仕方などを詳しく解説!赤ちゃんの髪や頭皮のケアについては、わからないことが多く、悩んでいるママも多いかと思います。今回は、髪や頭皮ケアについてお話ししていきます。シャンプーは必要? 赤ちゃんの髪・頭皮について赤ちゃんの髪は、細いため傷んだり切れやすく、布団などとの摩擦などにより抜けたりしやすくなります。髪の量は個人差も大きく、ケアの方法も月齢だけではなく毛量や髪質などによっても変わってきます。生まれたばかりの赤ちゃんの頭皮はとても敏感で、皮脂量が少なく、皮膚も薄いので外からの刺激に弱いものです。徐々に月齢が進んでくると、皮脂が多くなって黄色い塊が頭皮にこびりつく、ベタつきや匂いがするなど皮脂が多くなってくる症状が出る場合もあります。生後1カ月過ぎになると、乳児湿疹が顔から頭皮にまで広がることがあります。また、反対に乾燥が強くなってくる場合もあります。頭は汗もかきやすく、皮脂の汚れもたまりやすくなります。皮脂を落とし過ぎないようにしながら、汚れを落として清潔を保つことが重要です。 大人と同じシャンプーはいつから?新生児や月齢の低い赤ちゃんは、頭皮の皮脂量はとても少ないので、香料やアルコール成分、着色料が入っているような刺激の強いシャンプーの使用は控えましょう。低刺激を重視したベビーシャンプーや、全身を洗えるベビーソープがおすすめです。できるだけ摩擦が生じないように、しっかり泡立てたほうがいいので泡で出るタイプもおすすめです。 髪が少なく乾燥が強い場合は、頭皮専用の保湿剤を使用したり、毎日シャンプーせずにお湯だけで流す日もつくるといいかと思います。子ども用のシャンプーを使う時期は、個人差によりますが、皮脂量が少し増える1歳を過ぎたころに使用するといいかと思います。子ども用のシャンプーは、大人用のシャンプーよりアミノ酸や弱酸性などの低刺激なものが多いです。汗や皮脂をしっかり落としてあげるようにしましょう。 髪が伸び、毛がしっかりとコシのある状態になってきたら、大人用シャンプーへ切り替えてもいいでしょう。個人差があるため、あくまで目安にはなりますが2〜4歳ごろがいいかと思います。頭皮が敏感であれば無理に切り替える必要はありません。子どもの頭皮の状態に合わせて切り替えるようにしましょう。 頭皮・髪ケアはどうしたらいい?赤ちゃんのシャンプーの仕方について3ステップでお伝えします。 【1】最初に髪や頭皮をお湯で流して、しっかり濡らしておきます。 【2】熱過ぎないお湯(38〜39度)で、洗うときは泡を作り、頭全体を包み込むようにやさしく洗うようにして、爪をたててゴシゴシこすったり洗いすぎには気を付けましょう。できるだけ摩擦が生じないことを意識するといいでしょう。【3】シャンプー後には、しっかりとすすぐことが大切です。すすぎ残しはかゆみや皮脂づまりといった頭皮トラブルのもとになります。爪をたてたりして刺激を与えないように注意して、しっかりと洗い落としましょう。 皮脂が多く黄色くかさぶたのようにこびり付いている場合は、お風呂に入る30分程度前にベビーオイルなどをつけてふやかして、シャンプー時に爪などでひっかけないように優しくはがすようにします。 赤ちゃんにはリンスやトリートメントは不要です。しかし、赤ちゃん用や子ども用のシャンプーは髪がパサつきやすいので、髪が長くなったり、パサつきや傷みが多くなってくるようであれば、頭皮部分の根元を避けた毛先の部分にだけトリートメントをつけて髪に栄養を与えるようにしてあげます。 ドライヤーについては、熱は薄い頭皮に刺激が強いので、赤ちゃんのころは避けるようにしましょう。タオルドライ後に自然乾燥が基本です。年齢というより、髪の量などによりますが、乾くのに時間がかかってしまうようになってきたら、ドライヤーを弱い温風や冷風で遠くから短時間当てるようにしましょう。 赤ちゃんや小さいお子さんは、よく頭に汗をびっしょりかいていることがあります。清潔に髪や頭皮ケアをして、暑い夏の時期でもトラブルなく過ごせるといいですね。 <参考>MSDマニュアル プロフェッショナル版 / 14. 皮膚疾患 / 皮膚炎 / 脂漏性皮膚炎 作画/はたこ 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年08月20日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、夏の時期の乳幼児の発熱について教えてくれました。小さな子どもの発熱は受診のタイミングも難しいもの。コロナも流行しているので不安になってしまうママも多いですよね。発熱時の受診のポイントについても教えてくれているので、ぜひ参考にしてくださいね。子どもが発熱すると、ママ達は慌ててしまいますよね。自宅で様子をみるべきか、病院に受診するべきかなど悩むこともあるでしょう。夏は、感染症だけではなく熱中症など発熱の原因は様々あります。今回は、乳幼児が発熱した時の対応についてお話しします。 乳幼児の発熱はどのくらい?乳児の体温は、36.5〜37.5℃と大人に比べて高くなっています。しかし、個人差があるため、普段から体温測定を行い、平熱の状態を把握しておく必要があります。 具体的には、37.5℃は微熱、38℃以上あれば発熱を疑い、38.5℃〜39℃以上あれば、高熱といえます。3カ月未満であれば、38℃以上が続くようでしたら、受診が必要です。また、3カ月以上であっても、39℃以上熱があれば、受診する様にしましょう。乳幼児は、熱の調整機能が未熟で発熱しやすいといえます。 発熱時の受診のポイントは?子どもが発熱した際に、どのタイミングで受診すべきか悩んでしまうというママの声をよく聞きます。下記を目安にして受診するかの判断をしてみてください。 家で様子を見てもよい場合 ・少量ずつでも、水分・食事がとれている。・夜は眠れている。・あやせば笑ったり、遊ぼうとする。・それほど機嫌は悪くない。・高熱でぶるぶる震えることはあるが、意識はしっかりしている。 かかりつけ医に受診したほうが場合・水分・食事を全く受けつけない。・何度も嘔吐する・おしっこが半日くらい出ない。または色がいつもよりも濃い。・生後3か月未満の赤ちゃんで、38℃以上の熱がある。・生後3ヶ月以降でも、体温が39℃以上が続く場合・何日も熱が下がらず、ぐったりしている。 日中であればかかりつけ医に受診しましょう。夜間や休日であれば、翌日以降にかかりつけ医が診療している時間に受診してくださいね。 ※咳があり、濃厚接触者などでコロナウイルス感染の可能性がある場合には、かかりつけ医や地域の発熱外来などに電話相談してから受診するようにしましょう。医療機関ごとに受診時間や受付場所をかえるなどの感染対策を工夫している場合があるため、受診前に医療機関への確認するのが良いでしょう。 ・意識が朦朧としている・熱性痙攣を起こしている ※救急外来受診の場合も、咳があり濃厚接触者などでコロナウィルス感染の可能性がある場合は、かかりつけ医などに電話相談してから受診するようにしましょう。発熱時の対応は?発熱時にできるホームケアとしては、クーリングや水分補給などがあります。下記のポイントを意識しながら、子どものケアをしてくださいね。 ①クーリングクーリング(冷やすこと)は、首と脇の下、鼠蹊部(足の付け根)の3点が基本です。おでこや頭を冷やすと熱が出ている時は気持ちが良いですが、頭だけのクーリングは熱を下げる効果は十分ではありません。熱が上がっている時は、寒気を感じブルブルすることが多いので温め、上がりきってからクーリングをすると良いでしょう。 おでこに冷却シートを貼る場合には、寝ている際に鼻や口元にずれてしまい窒息につながる恐れがあるので、就寝の際には外すようにするのが良いでしょう。また、こまめに子どもの様子を確認し目を離さないようにしてくださいね。 ②水分補給生後6カ月未満の赤ちゃんの最適な水分補給は、母乳や育児用ミルクです。母乳や育児用ミルクには、赤ちゃんに必要な栄養分や電解質などが含まれています。母乳や育児用ミルク以外の水分をあげる場合には、いっぺんに飲ませるよりもこまめに1口ずつあげるのがポイントです。 ③熱中症対策風邪症状などなく、炎天下の外からの帰宅後に、身体も熱く顔が真っ赤になっていて、発熱している場合があります。 洋服を薄着にして下着だけにしたり、ズボンや洋服を緩めて涼しい部屋で過ごして、時間をおいて再度熱をはかるようにしましょう。熱が下がってこない、ぐったりしている、水分がとれないなどあれば、受診するようにしましょう。 まとめ乳幼児の発熱は、突然に起こることも多く夜間や休日などは、受診のタイミングも難しいですよね。 熱以外の症状にも注意して、落ち着いて対応できると良いですね 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年08月18日産後初めて息子を預けて長時間外出をすることになりました。最近は母乳パッドが濡れることも少なかったので、私はすっかり油断していたのです。外出先でおっぱいがパンパンに張って痛く、母乳で服がびしょびしょになるという恥ずかしい思いをしました。そんな私の体験談をお話しします。 初めて息子を長時間預けて外出息子は生後6カ月。普段母乳のみで育てていましたが、近ごろはおっぱいが張ることもなくなり、息子に授乳するときにだけ母乳が出る、いわゆる「差し乳」の状態でした。息子は哺乳瓶でミルクも嫌がらず飲むので、今回の外出前に搾乳も必要なかったのです。 久しぶりに荷物も少ないなぁ、なんていつもと違う身軽な様子に不思議な気分になりながら、息子を預けていざ出発! 久しぶりの“ひとり”という環境に少しわくわくしていました。 3時間後⋯おっぱいが張ってきた外出してから3時間ほど経ったころ、私のおっぱいは張って痛みを感じ始めていました。普段4時間弱間隔の息子の授乳。「そろそろだよ」と言わんばかりに、私の体は授乳の準備を始めていたのです。 私はセミナーに参加していたので途中で退席するわけにもいかず、お昼休憩にちょっとしぼらないといけないかな? なんて考えながら過ごしていました。しかし、授乳モードに入った私のおっぱいはどんどん硬さを増して、ついには服の胸のあたりが濡れてきてしまったのです。 おっぱいがカチカチ! 服はびしょびしょやっと来たお昼休憩の時間。私は急いで授乳ルームに駆け込み上着を脱ぐと、下着とTシャツの胸の部分がすでにびしょびしょ⋯⋯。下着を外すとカチカチになったおっぱいからぽたぽたと母乳が勝手に出てしまっている状態。冷たいペットボトルを当てながら冷やし、軽くしぼって落ち着くのを待ちました。 こんなことになると予測できていなかった私は、母乳パットをあと1セットしか持っておらず激しく後悔。とりあえず落ち着いたおっぱいに母乳パットを当ててコンビニで急きょ買ったTシャツに着替えてセミナーに戻ったものの、とても大変な思いをしました。 生まれて今まで、息子がおっぱいを長時間飲まないという機会がなかった私。もし飲まなかったらこんなことになるんだと、今回の体験でとても驚きました。私の予想をはるかに超え、自分ではどうすることもできないあふれ出す母乳に四苦八苦し、結果服までびしょびしょになってしまったのです。次に外出するときには、きちんと対策をしていこうと思いました。 イラストレーター/さくら監修/助産師REIKO 著者:山下 ひいこ一児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。
2022年08月13日初めての出産で何を準備したらよいかまったくわからず、インターネットなどで調べると哺乳びんも準備する物の中に入っていました。出産したら母乳が出るからいらないだろうと思って準備せずにいたら、退院直前に混合育児になってしまったのです。哺乳びんを準備せずに退院し、大失敗してしまった体験談です。眠り続けてうまく母乳を飲めないわが子娘は生まれてから昼夜問わず眠り続ける子でした。3時間ごとの授乳のときも眠り続け、助産師さんたちがあの手この手で起こそうとしますが、まったく起きてくれません。授乳しようとしても1回口をあけるかどうか。おっぱいをくわえても寝てしまい、なかなか吸ってくれません。 なぜか哺乳びんをくわえさせるとよく飲むので、毎回哺乳びんに搾乳し、足りない分は育児用ミルクを足すことに。搾乳する量が少しずつ増えていたのですが、おっぱいは全然吸わないのです。 混合育児に決まって退院! でも哺乳びんがない!退院が間近になっても、娘はたまにしか起きません。3時間ごとに直接授乳、搾乳、育児用ミルクを飲ませることを繰り返し、へとへとに。退院後の生活に頭が回らず、哺乳びんを購入しなければいけないことにまったく気づきませんでした。助産師さんから「退院後も1カ月健診まで混合でいきましょう」と言われたとき、哺乳びんが必要なことにやっと気づいたのでした。 慌てて調べると、哺乳びんだけではなく育児用ミルクや消毒グッズなどたくさん準備が必要です。なにより哺乳びんの種類の多いこと! 夫にも任せられず、いつ買いに行こうか悩みました。 慌てて哺乳びん購入。大泣きの娘にごめんね結局哺乳びんは退院日にしか買いに行けず、家に着いてすぐ娘を私の両親に預けて買いに行きました。あらかじめ決めておいた哺乳びんや必要な物を猛ダッシュで購入。家に帰ると、部屋の中から聞いたことのないほど泣きわめく娘の声が。おなかをすかせて泣いていたようです。 すぐに授乳してもうまく飲めず、大急ぎで慣れない物品でミルクを作ってあげると、ようやく泣き止んで眠りにつきました。そのときは本当に申し訳ない気持ちになりました。 出産したら自然と母乳が出て、哺乳びんはいらないものだと思い込んでいました。まさか娘が1日のほとんどを眠っていて授乳できないなんて。産後にふらふらの体で大慌てで買い物に行くのもつらかったですし、何よりも私の準備不足で娘を大泣きさせてしまったことが大きな後悔です。入院中、誰かに買っておいてもらえばよかったという大失敗でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO作画/おもち著者:佐藤りさ4歳の女の子の母。病院看護師として働きながら隙間時間に自身の体験をもとにライターとしても活動中。主に育児、健康について執筆している。
2022年08月04日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、じぃじ・ばぁばの良かれと思ってやっているけど、ちょっと困った孫のお世話について教えてくれました。じぃじ・ばぁばのサポートはとてもありがたいものだけど…実は困っているママやパパもいるのかも!?育児をサポートしてくれる祖父母はとてもありがたい存在ですが、時には祖父母との育児の方法などの違いに悩んでしまうこともあるかと思います。今回は、やりがちだけど今では推奨されていない育児についてのお話です。 お風呂上がりは白湯をあげて水分補給しないといけない!?祖父母世代では、お風呂あがりに水分補給が必要なために、白湯を飲ませるという指導がありました。今はお風呂上がりは白湯ではなく、母乳かミルクをあげてくださいと説明しています。今は生後6カ月未満の赤ちゃんには、母乳やミルク以外の水分補給は推奨されていません。それ以降であっても、白湯よりも母乳やミルクの水分補給の方が身体にとりこみやすいといわれています。また、栄養のない白湯を飲んでしまうことで、必要な母乳やミルクが飲めなくなってしまうというリスクもあります。 昭和55年ごろの離乳食の基本は、離乳食開始5カ月ごろではあるが、生後4カ月ごろから果汁をあげると良いとされており、早期から母乳やミルク以外の水分(お茶や果汁など)を与える習慣もあったと考えられます。このことから、現代でも「お風呂上がりに白湯を飲ませなくていいの?」という祖父母もいて、困っているママもいるかもしれませんが、そんな時には「今はミルクや母乳が推奨されている」ことをしっかりと伝えてみましょう。 抱っこしすぎると、抱き癖がつく!?新生児から月齢が浅い時期は、布団に寝かせようとすると泣いてしまうので、長時間抱っこで過ごすことも多くあります。抱っこをしていると、祖父母より「抱き癖がつくから少し泣かせておいたら?」と言われることもあるようです。祖父母世代では、抱き癖がつかないように泣いてもすぐに抱っこしないようにしている場合もありました。 今は抱き癖がつくというのは考えず、泣いたら赤ちゃんの欲求に合わせて抱っこしてあげることも必要といわれています。赤ちゃんは、泣くことで不快や寂しさ、欲求を周りに伝えて、それに適時対応してもらえることを通して、安心感や基本的な信頼関係を築いていくといわれています。そのため、抱き癖は気にせずに抱っこしてあげてください。 おっぱいは1歳ごろは栄養がなくなるので断乳した方がよい!?平成7年の厚生省が出した「改訂・離乳の基本」では、母乳育児については、「一歳以降は断乳するとよい」という記載があり、母子手帳にも1歳健診で卒乳できているか確認する項目があったくらいでした。 平成19年「授乳・離乳の支援ガイド」より、断乳の時期については記載されなくなりました。今は、卒乳の時期はママと赤ちゃんに合わせてすすめていくものであって他の人に決められるものではありません。WHOとUNICEFにおいても2歳までの母乳育児をすすめています。母乳の成分は、産まれてすぐの免疫が豊富な黄色っぽい初乳から、乳糖が増える白っぽい成乳に移行していきます。移行後は、母乳の栄養成分は変わらずに分泌していきます。 補完食(離乳食)を進めながらも栄養のベースとなる母乳もしくはミルクを続けていくことで、栄養のバランスがとれていくとされています。卒乳の時期は、それぞれの親子で決めていくことが大切です。 まとめ娘達の育児を先輩として支えていきたい祖父母達は、その他にも様々なアドバイスがあるかもしれません。 変化していく育児情報もお互いに共有しながら、育児を一緒に行えるように過ごせると良いですね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年07月28日保育士の中田馨さんが、赤ちゃんのうつぶせ寝についてお話ししてくれました。うつぶせ寝がよくない理由や対策などをまとめてマンガで解説!こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが寝ていると、いつの間にかうつぶせで寝ていた、なんてことがあります。「うつぶせ寝はダメ」となんとなく聞いたことがあるけれど、赤ちゃんが自分でうつぶせになったときはどうすればいいのでしょうか。 寝ているときに気を付けることなど、赤ちゃんのうつぶせ寝についてお話しします。 うつぶせ寝は大丈夫?赤ちゃんが寝返りを始めるころには、仰向けで寝ていたのにいつのまにかうつぶせになっていた、ということはよくあることです。実は、とてもとても昔は「うつぶせ寝」を推奨していた時代もありました。ですので、おばあちゃん世代はそのままの知識の方もいることでしょう。しかし、今は乳幼児突然死症候群を防ぐためにも、生後1年の間は、仰向けに寝かせるよう厚生労働省からも発表されています。 仰向けに寝かせることによって、乳幼児突然死だけでなく、窒息死の予防にもなります。安心して赤ちゃんを寝かせるためにも、できる限り仰向けで寝かせましょう。 乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?乳幼児突然死症候群(SIDS)は、どのような病気でしょう。乳幼児突然死症候群は、何の予兆がないまま乳幼児が亡くなってしまう病気で、その原因は現在のところ分かっていません。生後2〜6カ月ごろの赤ちゃんに多く発症します。厚生労働省によると、平成30年には60名(概数)の乳幼児が乳幼児突然死症候群で亡くなっています。以下の3つの予防をすると発生率が低くなるといいます。 ■仰向けに寝かせる 乳幼児突然死症候群は、仰向け寝、うつぶせ寝どちらの時でも発症することがありますが、うつぶせ寝のときのほうが、発生率が高いと言います。医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、仰向けに寝かせましょう。 保育所のお昼寝では、赤ちゃんの背中が床に付いていることが仰向け寝の基準になるため、横向きになっても仰向けに寝かせます。 ■できるだけ母乳で育てる 母乳育児は、乳幼児突然死症候群の発生率が低いことが研究で分かっています。できる範囲で大丈夫ですので、母乳育児にチャレンジしてみましょう。 ■タバコをやめる タバコは乳幼児突然死症候群の発生の大きな危険因子。妊娠中は赤ちゃんの体重が増えにくく、呼吸中枢にもよくない影響があります。ママ自身だけでなく、赤ちゃんの周りにいる大人にも協力してもらいましょう。 私の保育所では0〜2歳児の乳幼児全て対象に、昼寝時には5分に1回の呼吸の変化、顔色、汗などのチェック、うつぶせになったら仰向けにするという対策を取っています。 赤ちゃんを寝かせる環境 うつぶせ寝をさせないほうが安全と分かったとしても、うつぶせ寝のほうが落ち着く子はかなり多いものです。保育所では、ほとんどの子どもがゴロゴロとうつぶせをしながら寝ています。しかし、保育所のように5分ごとにタイマーをかけてチェックしていたら、ママがストレスになってしまいます。そこで赤ちゃんを寝かせる環境を安全に整えましょう。 ■赤ちゃんの周りに布やタオルなどを置かない例えば、タオルなどは赤ちゃんが手でつかんで顔にかけてしまうと窒息することもあります。 ■寝返りしたときにタオルやシーツを顔に巻き込まないようにする 敷き布団の上にバスタオルを敷き、その上に赤ちゃんが寝ている場合。ゴロンと寝返りをしたときにバスタオルを体に巻き付けてしまうことがあります。バスタオルやシーツなどは、敷き布団の下に入れ込み、少々の寝返りでは動かないようにしておきます。 ■赤ちゃんが沈み込まないように、敷き布団はある程度の硬さがあるものにする沈み込むような敷き布団だと、赤ちゃんが窒息する恐れがあります。■赤ちゃんが寝る場所は大人がすぐ見える場所にするお昼寝時も夜も、赤ちゃんの様子がすぐに見れる場所で寝かせることで、寝返りをしたり、咳をしたりといった赤ちゃんの変化に気付くことができます。 ■お昼寝時は赤ちゃんの顔色が分かるように明るい環境で寝かせる 保育所では、お昼寝のときは赤ちゃんの顔色を観察できるように、薄いレースのカーテンをするだけの明るい部屋で寝かせます。雨や曇りのときは、レースのカーテンもしません。 うつぶせ寝になったときの対応は?うつぶせになったら仰向けにするのですが、仰向けにしたすぐそばからうつぶせになるのはよくあることです。何度も動かすことで目を覚ますこともあります。ですのでなるべく仰向けで寝る時間を長くしたいですよね。毎日、乳幼児の睡眠に対応している私が実践している、うつぶせから仰向けにするときのコツを教えます。 ■頭から足先まで完全に表に向ける 例えば脚だけでも交差したままだと、うつぶせになってしまう可能性が高くなります。 ■仰向けにしたらしばらくトントン 赤ちゃんを仰向けにしたら、しばらくの間、優しくトントンして寝入るまで待ちましょう。 ■何度チャレンジしてもダメな場合 何度仰向けにしてもすぐにうつぶせ寝になる場合は、そばでしばらく様子をみましょう。赤ちゃんが寝入ったら、仰向けにするチャンスです。この時、うつぶせのときの顔の位置は要注意。息ができるように体勢を整えてあげましょう。 毎日繰り返される睡眠時間。気付いたときに仰向けにしてあげることを基本にしながら、安心できる環境で赤ちゃんを寝かせてあげましょう。 作画/はたこ関連記事:赤ちゃんを迎えるお部屋の準備、何をすればいい?寝る場所の安全対策は?いつ始める?おさえておきたいポイントとは著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年07月28日私の家系は、みんな母乳がよく出たと聞かされていました。妊娠中は、「きっと私もすんなり母乳が出るだろう」と根拠のない自信がありました。しかし、出産していざ授乳しようとしたとき、母乳がまったく出ず、赤ちゃんへの授乳が苦痛に感じるようになってしまったのです……。母乳がよく出る家系祖母、実母、姉は全員、子どもを完全母乳で育てていました。赤ちゃんの泣き声を聞いただけで母乳が出てしまったり、母乳分泌過多で乳腺炎になってしまったり、大変だったとよく聞かされていたものです。 「きっと私も出産したら母乳が自然に出てくる」と思い込み、母乳が出ないという未来はまったく想像していませんでした。むしろ、母乳が出すぎて乳腺炎になるかもしれない、と心配していたのです……。 まさか…母乳がほとんど出ない私はコロナ禍で第1子となる男の子を出産。愛するわが子への初めての授乳は、つらいものでした。出ると信じて疑わなかった母乳が、ほとんど出なかったのです。授乳後に息子の体重をスケールで量るたび、1gも増えていないことに落胆しました。 産後2週間健診のとき、搾乳器を使って胸が痛くなるまで母乳を搾り取っても、多くて40ccが限界。息子の体重が平均より少ないと判断され、育児用ミルクの量を増やすように保健師さんから言われてしまいました。 母から「母乳は出てる?」と聞かれたとき、いたたまれない気持ちになり「たくさん出ている」と嘘を付いてしまったことも……。また、乳首が短いため乳頭保護器を使いながらの授乳にも苦戦。息子がせっかくうまく吸ってくれても、乳頭保護器が邪魔をして、せっかく出た貴重な母乳が流れてしまうことが何度もありました。産前にイメージしていた授乳と現実のギャップで、次第に私は授乳が苦痛になっていました。 息子が生後2カ月になって母乳が安定息子の夜泣き対応で毎日寝不足でしたが、母乳が出る方法をいつも検索してさらに眠れなくなっていました。母乳を諦めて完ミにしようか悩んだときもありましたが、半分意地になって授乳を続けた結果、息子が生後2カ月のころに安定して完母になりました。 しかし、生後5カ月から離乳食を始め、だんだんと授乳の回数や時間も減ったことで徐々に母乳が出なくなり、最後は息子のおしゃぶり代わりのように……。そのため、息子が1歳のときにおっぱいを卒業しました。 母乳分泌過多の人、私のように母乳がなかなか出ないなど、いろいろな理由で授乳に悩む人が、私の周りでは多かったです。今思うと、初めから母乳がすぐに出る人は少ないと思います。妊娠中、授乳についてもっと知識を付けていたら、あそこまで自分を追い込まずに子育てができたかもしれないと感じた体験でした。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:米久 熊代1歳児男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。
2022年07月24日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、乳幼児の虫刺されの対処法について教えてくれました。蚊に刺されただけだから……と処置を怠ると悪化につながる可能性も……子どものお肌は敏感です。しっかり確認しておきましょう!赤ちゃんの夏の皮膚トラブルのひとつに、虫刺されがあります。子どもの虫刺されは、大人より症状が強く、長引きやすいのが特徴です。虫刺されに多いのは蚊によるものです。今回は意外と知らない蚊に刺されたときの正しい対処法についてお話ししていきます。 赤ちゃんの蚊に刺された時の特徴は?赤ちゃんの場合、最初に蚊に刺された時は腫れないこともあります。また、2回目以降でも刺されてすぐには症状が出ないことがあり、1〜2日後に遅れて大きく腫れてくることがあります。特に1〜3歳は大人よりも強く腫れて、5〜7日程度続くことがあります。その間に掻き壊してとびひの原因になることもあります。また、アトピーや皮膚の弱いお子さんは、特に強い症状が出てきます。 蚊に刺された時に38℃以上の熱や、リンパ節の腫れ、刺された場所に潰瘍(腫れ物)ができた場合には、蚊アレルギー(蚊刺過敏症)の可能性もありますので、病院で詳しい検査をするようにしましょう。 蚊に刺された時におうちでできる最初の対処法は?ポイント1: 痒みを抑える①刺された場所を石鹸で良く洗ったり、流水で洗い流して清潔にします。洗う場所がない場合は、ウェットティッシュなどで拭き取ります。 ②刺されたところを冷やします。 ③痒み止めの軟膏を塗る。(市販のものを使用する場合は、対象年齢を確認したり、薬剤師に相談しましょう。 ポイント2:掻き壊さないなように注意痒くて掻き壊してしまうこともあり、腫れが強くなったり化膿してしまうことで悪化してしまうこともあります。虫さされ用パッチなどを貼って保護するのも良いでしょう。爪が伸びていれば切るようにしましょう。 ポイント3:腫れが強い時には病院へ痒みが強かったり、腫れが強い場合には自己判断せずに皮膚科または小児科を受診するようにしましょう。痒みや炎症を抑える軟膏や飲み薬を処方されることもあります。また、蕁麻疹や嘔吐、息苦しさなど全身の症状がある場合は、急いで受診するようにしてくださいね。蚊に刺されないようにするために①虫よけを使う虫除けの主な成分には、ディートやイカリジンなどが使われています。ディートには神経毒性があるため、使用法をしっかりと確認し安全を守って使用するようにしましょう。ただし、主成分がディート虫よけは、6ヶ月未満の赤ちゃんには使用不可となります。生後6ヶ月以降赤ちゃんの場合でも1日1回程度の使用に抑えるようにしましょう。イカリジンは効果があるとされる虫の種類がディートよりも少なくなります。しかし、イカリジンが主成分の虫よけは、年齢や使用頻度には制限ないので赤ちゃんには使いやすいでしょう。②汗を拭いて皮膚を清潔にする汗は虫刺されを悪化させます。汗はこまめに拭き取り、シャワーを浴びるのもよいでしょう。 ③服装の工夫服装は、手足の露出を少なくする工夫をしましょう。繊維に虫除け加工がされている子供用のメッシュパーカーなども販売されているので、外遊びの際には活用するのもおすすめです。 まとめこどもの虫刺されは悪化しやすいので、予防に努めながらも初期の対応をしっかりしていきましょう。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年07月21日多くのママが「育児が大変! つらい!」と思うことについて、3児の母である小児科医がラクになる方法をアドバイス! ママ目線で「ここまでならラクしてOK」というポイントをお伝えします。授乳、おむつ替え、抱っこに寝かしつけ……赤ちゃんのお世話はやることがたくさん! 「育児を楽しむ余裕なんてない」「いつもお世話や家事に追われている」と感じたら、頑張りすぎているのかもしれません。毎日の育児を笑顔で楽しく続けられるように、ほんの少し肩の力を抜いて、ラクをしてみませんか? 多くのママたちが大変と感じているお世話のなかで「この育児はしなくて大丈夫」「ここまでならラクをしてOK」というポイントを、小児科医であり、3児の母でもあるさくらんぼこどもクリニックの三日市薫先生が紹介します。今回は母乳育児編です! 育児を完璧にこなすことよりママが笑顔でいられることが大事 こんにちは。さくらんぼこどもクリニックの三日市です。「育児でラクをする」というと、抵抗を持たれるお母さんもいるかもしれません。しかし、ママたちに余裕がなくなってイライラすると、赤ちゃんも不安になって泣いたりグズったりと、悪循環になってしまいます。家事や育児を完璧にこなすことよりも、お母さんが常に笑顔でいられるためにはどうすれば良いかを大事にしてください。 とはいえ、赤ちゃんのお世話をする以上、守るべきボーダーラインはあります。 第一は衛生面です。決して神経質になる必要はありませんが、やはり清潔を保つことは大事です。 もう1つは安全面です。赤ちゃんの手の届く範囲に危険な物を置いていないか、足がかりになるようなものを置いていないか、などです。衛生面や安全面に気を配るためにも、適度に息抜きをして疲れすぎないことが大切なのです。 ここが大変①:授乳の回数が多くてつらい! 3カ月以降なら「泣いたら授乳」は見直してみて生後3カ月を過ぎると、一度に飲む量も増えて授乳回数が減ってきます。もし生後3カ月以降で「泣いたらすぐ授乳」を続けているのであれば、そろそろ見直してみましょう。おっぱいを吸って泣き止むのは、おなかが空いている場合のほかに、赤ちゃんの原始反射の1つであり、物が口に入ると吸う「吸啜(きゅうてつ)反射」による場合もあります。 吸っている間は泣き止むので、「おっぱいが欲しかったから泣いていたんだ」とママが錯覚しているのかもしれません。おむつの濡れ具合やお部屋の温度を確認したり、抱っこやおもちゃであやすなどほかの方法を試してみましょう。 5カ月になると間隔が空くから自然とラクに!また、ちょこちょこ飲むというのは、大人にしてみると常に食べているのと同じこと。そうすると空腹感がなくなり、まとまった量を飲めなくなってしまいます。次に飲むまでの時間をきちんと空けてあげることが、赤ちゃんの生活リズムを整えるためにも大切です。生後5カ月以降になり離乳食が始まると間隔も空いてくるはずなので、焦らずに取り組みましょう。 夜は起こしてまで授乳しなくてOK夜の授乳は、赤ちゃんが寝ていたら起こしてまでおこなう必要はありません。寝ている間は、赤ちゃんにとって成長するホルモンが分泌されている大切な時間。体重の増えが悪くてしっかり飲ませてくださいとお医者さんに言われない限りは、ゆっくり寝かせてあげましょう。 ここが大変②:授乳をすると体のあちこちが痛い…たくさん密着すると授乳体勢がラクに授乳の際の抱き方を工夫してみましょう。横抱きやフットボール抱き、添い乳などさまざまな授乳の体勢がありますが、いずれもポイントは、赤ちゃんと体を密着させるように意識することです。授乳の時間は赤ちゃんの様子が気になって体が離れがちになります。皮膚と皮膚が触れ合う面積が増えるほど、赤ちゃんは温もりを感じて安心するし、お母さん自身の体勢も安定してラクになります。 神経質にならず腕全体で赤ちゃんを包み込んでみてまた、特に赤ちゃんの首がすわっていない間は、首を守ろうとしてご自身の腕や手首を痛める方が多いですが、基本的にそこまで神経質になる必要はありません。手首や腕の一部でなんとかしようとせず、腕全体で包み込むようにしましょう。 ここが大変③:母乳のために毎日栄養バランスの良い食事は無理!総菜パンやレトルト食品などに頼って自炊にこだわらず、大変なときは惣菜パンやお弁当、レトルト食品に頼りましょう。極端に偏食をする人でなければ、そこまで過敏にならなくても大丈夫です。タンパク質がとれる冷奴や納豆、野菜がとれる具だくさんのスープなど、不足している栄養分を手軽に補える一品を常備・作り置きしておけば献立がラクになります。サプリは過剰摂取による健康被害が出ているケースもあり、医師としては基本的におすすめしません。栄養は食事から補給するようにしましょう。 また、栄養のほかに大切なのは水分です。母乳の約90%は水分でできており、水分が不足すると母乳の量などにも影響します。1日に2L以上を目安に、しっかり飲むように心がけてくださいね。 まとめ月齢が低いころは頻回授乳で大変な日が続きますが、生後5カ月ごろから離乳食が始まるとだんだんと授乳の回数も減り、1歳を過ぎれば卒乳へと向けて負担も減ってきます。特に母乳育児の場合はお母さんの負担が多くなりますが、ほかの家事をお父さんや家族に協力してもらうなど、少しでもラクになる方法を探してみてくださいね。 監修者:医師 さくらんぼこどもクリニック院長 三日市 薫 先生東京女子医科大学卒業、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、川崎市の保健所勤務などを経て、東京・府中市にさくらんぼこどもクリニックを開院。3人のお子さんをもつ母親でもあり、地域の方々と一緒に病気を考え、子育てができる環境づくりに励んでいる。著者:ライター 大浦綾子2015年8月生まれの男児の母。出版社勤務を経てフリーの編集・ライターに。「夜の寝かしつけ後に仕事を残さない!」を目標に日々奮闘中。
2022年07月20日わが家では、離乳食を生後5カ月中ごろからスタートさせました。母乳と育児用ミルクの混合でしたが、離乳食が進むにつれてだんだんと母乳を嫌がるように……。母乳を続けたい私はあきらめきれず母乳を与えていましたが、義母のある言葉に卒乳を決意しました。 義母の言葉で決めた、娘の卒乳生後7カ月を目前に控えたころ、義母に母乳の話をしました。すると、「飲まないなら無理に飲ませることはないんじゃない? いずれは卒業するもの。これから歯が生えてきて乳首を噛まれると、すごく痛いのよ~。その前に卒乳できてよかったじゃない!」。そんな義母の言葉で卒乳することに決めました。 母乳をあげていたときの幸せな気持ちを考えると、さみしくてしかたなかったのですが、「痛くて大変な思いをする前に、娘から卒乳を決めてくれた」と思うようになりました。 ショックを受けた出来事ではありましたが、親が思うよりも子どもの成長は早いと実感させられる出来事でもありました。卒乳はしたけれど、娘と過ごせる時間を大切に過ごしていきたい、改めてそう思いました。 監修/助産師REIKOイラストレーター/まっふ著者:永山たまこ1歳女児の母。3回の流産後、不育症の治療をえて高齢で娘を出産。現在は仕事と育児に奮闘中。愛犬と娘を連れて散歩に行くことが日課。
2022年06月25日