金沢三文豪の一人である室生犀星が、晩年に発表した小説「蜜のあわれ」を原作に、<a href="">『シャニダールの花』</a>などを手掛ける石井岳龍が監督を務めた<a href="">『蜜のあわれ』</a>。この度主演の二階堂ふみが演じる金魚・赤子と幽霊役の真木よう子が“金魚ダンス”を初披露するメイキング映像が到着した。赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか」と奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて――。映像化は難しいと言われてきた本作に挑むのは、『狂い咲サンダーロード』『逆噴射家族』 『シャニダールの花』などの映画だけにとどまらず、PVなど様々なメディアで活躍する石井監督。キャストには、自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子役の二階堂さんをはじめ、赤子とともに暮らす老作家役に大杉漣、怪しげな幽霊役に真木さん、金魚売り・辰夫役に永瀬正敏、そのほか高良健吾、渋川清彦らが脇を固めている。そして今回解禁されたのは、映画の中で少女の姿に変貌する金魚の赤子が、尾びれをヒラヒラさせながら、幽霊役の真木さんと共に、キュートなダンスを披露するシーン。真木さんに、二階堂さんがダンスを教えるところから始まる本メイキング映像は、二階堂さんの意見も交え、和気あいあいの雰囲気で行われている様子も映されるなど秘蔵映像となっている。時には妖艶に、そして子どもにように無邪気に飛び跳ねる赤子。ヒョンヒョンと水の中でジャンプしているような真木さんとも息のあったフリフリの“金魚ダンス”をこちらから覗いてみて。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月30日昨年10月に福山雅治がMCを務めるスペシャル番組として大反響を呼んだ「ウタフクヤマ」。この度、3月27日(日)に、蒼井優、小室哲哉、奥田民生らを迎え、再び放送されることが分かった。本番組は、リリー・フランキーが店主の「スナック泣かせて」を舞台に展開され、福山さんと豪華常連客たちによる夢のセッションや、福山さん、リリーさんとお客たちによる歌とお酒を交えた大人のトークが繰り広げられ、話題を集めた。そして半年ぶりに3度目の放送となる今回は、“スナックのママ”として蒼井さんを迎えている。「お芝居の現場だけでなく酒場でも信頼がおける」と福山さんからのラブコールを受けて実現した。そんな蒼井さんは、「最初は緊張しました。こんな酔い方をしたのは初めてです」と本番組ならではの世界観を楽しんだ様子。さらにそのスナックを訪れたのは音楽の多方面で活躍する奥田さん、「JUN SKY WALKER(S)」の宮田和弥ら豪華メンバー。前回の放送に引き続き、小室さん、三沢またろうらも集結し、そこに「NMB48」「AKB48」の山本彩も加わり、豪華かつ賑やかな顔ぶれによりさらにパワーアップした形となっている。またMCである福山さんは、今回の一番の見どころについて、「オリジナルソングです」と即答。前回に続き「小室先輩からの激しいフリが来て」と語るように今回も小室さんが収録中に歌詞を書き下ろしその場で福山さんに曲をつけるよう要求。「ドラマ収録中でセリフも覚えなきゃいけないんですけど(笑)」と福山さんが言いながらも数分の間に歌詞に曲をつけるという奇跡のような瞬間を視聴者は目撃することになる。まさにこの瞬間こそが本番組の醍醐味である。さらに今回は二軒目・ライブハウス「S」にも訪れる。ここは4月から福山さんが主演する月9ドラマ「ラヴソング」に登場するライブハウスということで、共演者でありこのライブハウスのオーナーという役どころの宇崎竜童をはじめ田中哲司、渋川清彦、夏帆が待ち受けている。“自分がよく聞くラブソングとは?”という話題から、田中さんが好きなラブソングを演奏。福山さんをはじめ、奥田さん、宮田さん、小室さん、三沢さんといったスナック常連客たちに「ラヴソング」出演者陣も加わったセッションが実現している。さらにほぼ初共演となる宇崎さんと福山さんによる夢のセッションも実現! 「男のギターと男の歌というセッションがとてもセクシーでした」と蒼井さんもうっとりした様子だった。ほかにも名曲の数々を福山さんとゲストたちが奏で、盛り沢山な内容となっている。収録後、リリーさんは「音楽とお酒と人の関わりを用意されたものではなくやってみたらどうなるかというところを楽しんでいただきたい。エモーションを感じていただけたら」と語り、蒼井さんは「仕事にかこつけたプライベートです。お酒を飲みながらぜひ見ていただきたいです」とメッセージを寄せた。また福山さんも「会いたい人、お酒を飲みたい人が皆さん来てくださって。会いたい人、飲みたい人とは仕事をする。そうすれば飲めるんだ! そう思いました(笑)」とコメントを寄せている。豪華共演者との夢のセッション、そしてもちろんここでしか聞けないお酒を交えたトークは必見だ。「ウタフクヤマ」は3月27日(日)23時15分~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年03月18日WOWOWのドラマW初主演となる加瀬亮が、「SPEC」シリーズ以来の共演となる戸田恵梨香、さらにNHK朝の連続テレビ小説「まれ」の田中裕子と贈る「この街の命に」。このほど本作のポスタービジュアルとともに、実際の動物愛護センターが舞台となった60秒予告編が解禁となった。動物愛護センターに行政獣医として配属された牧田洋(加瀬亮)は、国の法律に従い、淡々と“業務”を遂行する。彼は“誰かがやらなければならない仕事”と自分に言い聞かせながらも、悩み苦しんでいた。同僚の行政獣医・幡枝亜紀(戸田恵梨香)は病院に通い精神安定剤が手放せず、作業班の志賀悟(渋川清彦)は「犬がしゃべる」と言いだし、悪夢にうなされる。職員の誰もが心にふたをして、処分を続けていた。そんなある日、獣医・高野綾子(田中裕子)がセンターの新所長として配属される。高野は着任早々「犬と猫には全部名前を付けて」と言い、トリマーを呼び寄せ、動物たちをきれいにする。現状を変えるという高野の想いに、背中を押された牧田たちは、殺処分を減らそうと動き始めるが…。ペットブームといわれて久しい中、1年間に殺処分される犬猫は10万頭を超えるという現在の日本(環境省・平成26年度発表)。なぜ、これほど多くの犬や猫が殺処分されるのか。また、その現場に直面する人間はいったい何を思うのか。このドラマは、ある街の行政組織「動物愛護センター」を舞台に、罪のない動物たちの命を救おうと踏み出した獣医たち職員の葛藤と再生を描き出す。脚本と監督は、『独立少年合唱団』で第50回ベルリン国際映画祭「アルフレード・バウアー賞」、『いつか読書する日』で第29回モントリオール世界映画祭「審査員特別賞」を受賞した青木研次と緒方明の名コンビが担当する。今回解禁となった予告編では、実在する山梨県の動物愛護センターで撮影された、まさに命と向き合う現場が、アコーディオニスト・cobaの音楽とともに映し出されている。また、主人公・牧田役を演じる加瀬さんが中央に佇むポスタービジュアルは、まさにそのセンターの犬舎で撮られたもの。中にいる犬たちに視線を送る牧田の姿は、本作が描く“犬猫殺処分”の現実をこちらに投げかけているかのよう。脇を固める戸田さんや田中さん、渋川清彦、熊谷真実の表情からも、厳しい現実に向き合う彼らの葛藤を感じさせている。さらに、キャッチコピーの「僕らは、何を知っているのだろう」は、劇中で加瀬さん自身が語るナレーションの一つとなっている。その言葉の真意は、本作からの知らなくてはならないメッセージといえそうだ。ドラマW「この街の命に」は 4月2日(土)21時よりWOWOWプライムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2016年03月11日俳優の加瀬亮が、WOWOWで4月2日に放送されるスペシャルドラマ『この待の命に』に主演することが18日、明らかになった。舞台はある街の行政組織「動物愛護センター」。センターに配属され、殺処分される犬や猫たちの運命に直面し苦悩する行政獣医・牧田(加瀬)とその同僚・亜紀(戸田恵梨香)の姿を通じ、人間と動物とのあり方をリアルに描いていく。加瀬は「丁寧に書かれていて、淡々とした静かな話だと思いました。 結論を急がずに、声高に何かを叫んでいないところも好きでした。人と動物などの問題は、業を含む難しい題材ですが、今回、このような機会をいただいて、自分にとってさまざまな角度からそれらについて考える良い時間となりました」とコメント。『SPEC』シリーズ以来となる戸田との共演については「『SPEC』のときとはまったく違う関係の役でしたが、自分自身は戸惑いはまったくありませんでした。 戸田さんはとても信頼している役者さんで、いつでも刺激と安心を撮影に与えてくれる人だと思います。 今回は現場で戸田さん一人がズバ抜けて犬との接し方に長けていることにびっくりしました」と、現場での彼女の素顔を披露した。戸田は「私自身、子供の頃から犬と生活をしてきて、たくさんの思いをそれらに抱いていました。この台本を読んだ時には戸惑いましたが、一人でも多くの人に事実を知ってもらうべき題材だと思いましたし、やらせていただけて良かったと思っています。ドラマでは描ききれない事実があります。この作品をきっかけに犬猫に興味がない方たちにも今、日本では何が起こっているのか、そんなことに興味を持ってもらえたら幸いです」と視聴者にメッセージを送っている。監督は緒方明、脚本は青木研次。出演はほかに田中裕子、渋川清彦、黒田大輔、岡山天音、諏訪太朗、篠原篤、柳英里紗、高橋長英、島かおり、きたろう、熊谷真実。ドラマ『この街の命に』はWOWOWプライムにて4月2日(土曜 21:00~)放送。
2016年02月19日加瀬亮が犬猫の殺処分問題に直面する獣医を演じる、WOWOWドラマW「この街の命に」が、4月2日(土)に放送されることが決定。加瀬さんとは「SPEC」シリーズ以来初の共演となる戸田恵梨香が、その同僚の獣医役で競演を果たすことが分かった。動物愛護センターに行政獣医として配属された牧田洋(加瀬亮)は、国の法律に従い業務を遂行する。「事情があって飼えなくなった」「鳴き声がうるさい」「噛まれた」など、さまざまな理由で捨てられた犬や猫を殺処分する業務だ。彼は、“誰かがやらなければならない仕事”と自分に言い聞かせながらも悩み苦しんでいる。同僚の行政獣医・幡枝亜紀(戸田恵梨香)は病院に通いながら精神安定剤が手放せず、作業班の志賀悟(渋川清彦)は「犬がしゃべる」と言い出し悪夢にうなされる。職員の誰もが心にふたをして、処分を続けていた。そんなある日、獣医・高野綾子(田中裕子)がセンターの新所長として配属される。高野は着任早々「犬と猫には全部名前を付けて」と言い、トリマーを呼び寄せ動物たちをきれいにする。“現状を変える”という高野の想いに背中を押された牧田たちは、殺処分を減らそうと動き始めるが、無責任な飼い主はいなくならず、職員たちは大きな選択を迫られることに…。本作は、第29回モントリオール世界映画祭「審査員特別賞」を受賞した『いつか読書する日』の脚本・青木研次と監督・緒方明がタッグを組み、“犬猫の殺処分”に直面する行政獣医たちの葛藤と再生を描いた人間ドラマ。日本国内で1年間に殺処分される犬猫は、実に10万頭超(環境省・平成26年度発表)。空前のペットブームや猫人気の高まりがいわれる中、なぜ、これほど多くの犬や猫が殺処分されるのか。また、その現場に直面する人間は何をその心と体で感じているのか。本作は、ある街の行政組織「動物愛護センター」を舞台に、罪のない動物たちの命を救おうと新しい1歩を踏み出した獣医たちを映し出す。動物愛護センターで殺処分の現実に困惑する行政獣医の主人公・牧田を演じるのは、ドラマWには初主演となる加瀬さん。その同僚で、ともに苦悩する行政獣医・幡枝役には、加瀬さんとは2013年の『劇場版SPEC~結~』以来の顔合わせとなった戸田さん。また、センターの改善に向けて先頭に立つ新任所長・高野役には、青木さん脚本の『いつか読書する日』で主演を務め、NHK朝ドラ「まれ」での好演が記憶に新しい田中裕子が、ドラマW初出演を果たす。さらに、音楽を第24回日本アカデミー賞「優秀音楽賞」を受賞したアコーディオニスト・作曲家のcobaが担当する。今回、WOWOWドラマ初主演作となった加瀬さんは、青木さんによる脚本を読んだときのことを、「丁寧に書かれていて、淡々とした静かな話だと思いました。 結論をいそがずに、声高に何かを叫んでいないところも好きでした」とふり返る。また、「SPEC」シリーズ以来となる戸田さんとの共演については、それぞれのマネージャー同士が「現場でモニターをみながら『敬語で戸田と加瀬が話してること自体もの凄い違和感だね』などと、『SPEC』の時との違いを笑っているのを目撃しました(笑)」とコメント、「戸田さんは、とても信頼している役者さんで、いつでも刺激と安心を撮影に与えてくれる人だと思います。 今回は現場で戸田さん1人がズバ抜けて犬との接し方に長けていることにびっくりしました」と裏話も明かしてくれた。一方、戸田さんは子どものころから犬との生活が当たり前だったそうで、「この台本を読んだときには戸惑いましたが、1人でも多くの人に事実を知ってもらうべき題材だと思いましたし、やらせていただけて良かったと思っています」と、思いを込めて語る。加瀬さんとの久々の共演は「殴り合いがないのが淋しかったです(笑)」と言いながらも、「髪の毛も伸びていますし、スーツじゃないし、表情も柔らかですし、なんだか妙に恥ずかしかったのを覚えています」とふり返っている。本作のメガホンをとった緒方監督は、資料を読んだり取材を進めていくうち、「殺処分ゼロを目指すことがそんなにたやすいことではないこと、日本のペット産業の問題点、犬や猫たちの生態系。さらに調べていくうちに“人間とペットとの関係”を飛び越えて“人と動物の命とは”というもはや解答を出すことの難しい命題にまでたどりつきました」と明かす。「今日もどこかで悩みながら苦しみながら処分を続けている愛護センターの方たちの存在。青木研次さんの脚本は心に矛盾を抱えた人間たちがウロウロ、オロオロする群像劇でした。そこにはヒーローもヒロインもいません。安易なヒューマニズムもカタルシスもありません。教条的になることなく“犬と人間の関係”を探っていくちょっと不思議なドラマが作れたと思っています」とも語り、難しい題材の“着地点”に言及した。さらに、「もともと動物が好きでこの仕事についたはずなのに、動物を処分しなければならないという矛盾。悲しみ、怒り、あきらめ、切なさ、やりきれなさ、開き直り、などなど複雑な感情を体にしまいこんで日々を営む人々の物語です。ですので、俳優に演出するにあたっては単純な喜怒哀楽を演技で表現することを避け、複雑な感情の機微をそれぞれの俳優に要求しました。すばらしい俳優たちはこの難しい注文に見事に答えてくれました。監督冥利に尽きます」と語る緒方監督。動物を救うべく獣医になった者たちが、大きな葛藤の中で一歩ずつ再生への道を見いだしていく姿は、“人間と動物とのあり方”について改めて考えるきっかけを与えてくれそうだ。ドラマW「この街の命に」は 4月2日(土)21時よりWOWOWプライムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2016年02月19日現在公開中の『新宿スワン』やNHK大河ドラマ「花燃ゆ」に出演、11月には『劇場版 MOZU』の公開を控える俳優・伊勢谷友介がこの度、アプリゲーム「ゲーム・オブ・ウォー - Fire Age」の新CMで歌声を披露。さらに勇ましく戦いに挑む迫真の演技をみせていることが分かった。今回、伊勢谷さんが起用されたCMは、世界中のオンラインプレイヤーと共に、同盟を組んでメンバーを支援したり、協力して敵を倒したりすることで、王国支配を目指していく無料アプリゲーム「ゲーム・オブ・ウォー - Fire Age」。7,000万ダウンロードを突破し、世界95か国でApp Storeの売上ランキング1位を獲得するなど人気のアプリゲームだ。気温27度、太陽が照りつける夏日に茨城県の採石場にて行われた新CM撮影。6月8日(月)から放送される「WAR ANTHEM」編では、伊勢谷さんが名曲 「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」を歌いながら、ゲームと同様に仲間を引き連れ、敵に立ち向かう男気あふれる姿が映し出される。また、同CMには園子温監督の『ラブ&ピース』、三池崇史監督の『極道大戦争』、石井岳龍監督の『ソレダケ/that’s it』に出演する個性派俳優・渋川清彦も登場する。休憩時間には外国人の出演者と英語でコミュニケーションをとるなどなど、フランクでリラックスした様子で挑んだ伊勢谷さん。CMソングである 「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」をリアルタイムで聴いていた世代ともあって、同世代の制作スタッフと「懐かしい!」と盛り上がる一幕も。そんな和やかな雰囲気の中でも撮影が始まると表情は一変。戦闘シーンを想起させる「猛ダッシュ」と「雄叫び」のカットは、監督と何度も話し合いながら叫び方の練習をされるなど、演技への徹底したこだわりがみられる。戦士たちを戦いに駆り立てる「WAR ANTHEM」が流れる中、ギラついた鋭い眼光で敵を睨み走り出し、力強く雄叫びをあげる伊勢谷さんの迫真の演技に注目してみて。「ゲーム・オブ・ウォー - Fire Age」「WAR ANTHEM」編は6月8日(月)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年06月05日2013年5月27日に急逝した吉村秀樹率いるロックバンド「ブラッドサースティー・ブッチャーズ」とのコラボレーションに端を発した企画を映画化した『ソレダケ/that’s it』。本作の初日舞台挨拶が吉村秀樹の三回忌にあたる5月27日(水)都内にて行われ、主演の染谷将太を始め、水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳、石井岳龍監督が登壇した。そもそもの映画企画を石井監督にオファーした吉村さんが制作途中に急逝するなど、幾多の困難を乗り越えて公開初日を迎えたことを受け、石井監督は「スタッフもキャストも大変頑張ってくれて、とてもいい仕事ができた。いまの気持ちはとても一言では言い表せられない。ようやく皆さんに観てもらえて嬉しい」と感慨深げに語った。また、社会の底辺で生きる若いホームレス、主人公を演じた染谷さんは「3年前に監督から持ちかけられた企画は全然違ったが、吉村さんが亡くなったことで中断した企画を石井監督が練り直し、とても力強い形として昇華させた。本当に凄い映画」と石井監督の力量を絶賛した。染谷さんは撮影前に石井監督から「とにかく体力をつけてほしい。酷暑の時期に全力疾走するから」と宣告されたそう。染谷さんと同じく本作の冒頭で全力疾走する裏社会の調達屋を演じた渋川さんは、体力作りに関して特に何もしなかったと言うが、「その代わり、普段エスカレーターを使わずに二段上がりで階段を使った」と話した。一方、村上さんは「役的に低カロリーな男なので体力作りはしなかった」と語る。石井監督は村上さんの役を「究極の省エネ男」と一言。染谷さんと同じくアンダーグラウンドで生きる風俗嬢役に体当たりで挑んだ水野さんは、いろいろと重いものを担ぎながら地上40mくらいの螺旋階段を駆け下りるシーンについて「高所恐怖症なので、なかなかカットがかからずに凄く怖かった」と告白した。また、本作には、拷問や銃撃の大乱闘といった殺伐としたシーンが登場するが、現場はそれに反して和気あいあいとしていたそうで、村上さんは、「監督は非常にジェントルな方で、理不尽なことで怒ることもない。今日はこの場にいない綾野剛も非常に和やかな雰囲気のなか演じていた」と意外なエピソードも。最後に石井監督にとって『ELECTRIC DRAGON 80000V』以来実に14年ぶりのロック映画ということもあり、映画の公開を記念して“ロック鏡開き”を敢行!石井監督の「ロックンロール!」という掛け声と共に、木槌に見立てたエレキギターをキャスト陣が一斉に振り下ろし、樽酒の蓋を勢いよく割った。『ソレダケ/that’s it』はシネマート新宿にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年05月28日俳優の市原隼人が主演を務める、三池崇史監督映画『極道大戦争』(6月20日公開)の予告動画とポスタービジュアルが、このほど公開された。予告編は、街の人々からの信頼が厚い人情派のヤクザ親分・神浦(リリー・フランキー)が牛耳る平和な商店街からスタート。しかし、神浦の血を受け継ぎヤクザヴァンパイアに生まれ変わった影山(市原)が本能のままカタギをかんでしまったことで、街中の人がヤクザ感染してしまう。夫婦ヤクザ、女子高生ヤクザ、看護師ヤクザ…圧倒的多数となったカタギ・ヤクザが、影山を筆頭に、リアル・ヤクザと壮絶な死闘が繰り広げられる様子が捉えられている。劇中で市原は鍛え抜かれた肉体でキレのあるアクションを披露。「今回アクションシーンが多かったので、現場ですぐに対応できるよう、常に体を動かしていました。現場をフルで楽しめるように、心と体の準備を万全にして挑みました」と気合十分の市原。予告編にも登場する、インドネシアの格闘技アクション映画『ザ・レイド』シリーズでおなじみヤヤン・ルヒアンと圧巻の対決シーンを繰り広げており、2人はクランクイン前からトレーニングを行い、撮影前にも数回手合わせをする念の入れようだったという。本作は、三池監督の「この辺で一度原点に戻りたい」という思いのもと、原作なしのオリジナル企画で制作。三池監督は「映画って知らないから見に行くものだったのに、いつのまにか安心できて裏切られないものを見に行くものになっていると思うんです。『極道大戦争』を見て『えっ、なんだこれ!』『こんな映画作って怒られないんだ!』って思ってもらえると、この映画も役に立ったと言えるかな」と、ぶっ飛んだ内容の作品に自信を見せた。共演にはほかにも、若頭に女優の高島礼子、さらに、青柳翔(劇団EXILE)、渋川清彦、優希美青、でんでんらベテランから若手までが顔をそろえ、それぞれが個性を生かしたヤクザ演技を披露している。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年04月20日『悪の教典』『藁の楯』『風に立つライオン』で知られる三池崇史監督が市原隼人を主演に迎えて贈る、6月20日(土)公開の劇場最新作『極道大戦争』。このたび本作の予告編とポスタービジュアルが解禁となると共に、本作のために書き下ろされた「KNOCK OUT MONKEY」の新曲「Bite」が公開された。史上最強といわれるヤクザの組長・神浦玄洋。異彩を放つ数々の不死伝説が広まり、彼のことをヴァンパイアと呼ぶものさえいた――。海が近くうら寂れた毘沙門仲通商店街は、街の人々からの信頼が厚い神浦玄洋を組長とする。神浦組が牛耳っていた。神浦の舎弟である影山亜喜良は、敏感肌ゆえ刺青も入れられない若衆止まりの半端者。神浦に憧れて極道の世界に入ったものの、映画のような誇り高い仁義や任侠心に満ち溢れた理想の世界からほど遠い現在のヤクザ社会にうんざりしていた。退屈な毎日を送っていたある日、神浦の命を狙う刺客たちが次々と毘沙門仲通商店街に現れる。死闘の果て、影山の前に八つ裂きにされた神浦が横たわっていた。駆け寄った影山の首筋に、瀕死の神浦が突然噛みついた瞬間、影山に神浦の血が逆流する…「ヤクザヴァンパイアとして生きろ!」神浦はそういい残し絶命する。かくして“血の儀式”が行われ、街中を巻き込んだ刺客たちとの新たな闘いがはじまろうとしていた――予告編では、街の人々から信頼が厚い人情派のヤクザ親分・神浦(リリー・フランキー)が牛耳る平和な商店街の暮らしが映し出される。が、イレズミに憧れる敏感肌ヤクザ・影山(市原さん)が神浦の血を受け継ぎヤクザヴァンパイアに生まれ変わると一変!影山は本能のままカタギを噛んでしまったことで、街中の人がヤクザ感染し、「看護婦ヤクザ」、「夫婦ヤクザ」、「女子高生ヤクザ」と、圧倒的多数となったカタギ・ヤクザが、影山を筆頭に、街を練り歩く姿が映し出されている。さらにこれまでビジュアルしか出ていなかった気ぐるみ姿の謎の刺客、KAERUくんの姿も確認することができる。市原さん、成海璃子をはじめ、組長役にリリー・フランキー、若頭に高島礼子、さらに、青柳翔(劇団EXILE)、渋川清彦、優希美青、でんでんらベテランから若手までが顔を揃えた本作。「現場ですぐに対応できるよう、常に体を動かしていました。現場をフルで楽しめるように、心と体の準備を万全にして挑みました」と気合十分で撮影に挑んだ市原さんのアクションシーンももちろん迫力十分だが、『ザ・レイド』シリーズでおなじみヤヤン・ルヒアンとの対決シーンは必見!さらに、本作の主題歌のために書き下ろされた「KNOCK OUT MONKEY」の新曲「Bite」が同予告にて初解禁!激しくもキャッチーであり、疾走感あるサウンドが、本作を一層盛り上げている。登場人物のほぼ全員がヤクザ化するという前人未到のストーリーは果たしてどんな結末を迎えるのか?まずは本日解禁となった予告編にて、ブラックユーモアが散りばめられた三池ワールドを体験してみては。『極道大戦争』は6月20日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月16日染谷将太、綾野剛ら個性派俳優陣が集結したロック映画『ソレダケ/that’s it』。2013年5月27日に急逝した吉村秀樹率いるロックバンド「ブラッドサースティー・ブッチャーズ」とのコラボレーションに端を発した企画を映画化した本作からこのほど、疾走感と激しさを凝縮した予告編が公開された。戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真男(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉(渋川清彦)のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち…地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥(水野絵梨奈)が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦(村上淳)に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボス千手完(綾野剛)による拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる…。本作は、『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』など独特の世界観を持つ鬼才・石井岳龍監督が14年ぶりに手掛けるロック映画。全篇に「ブラッドサースティ・ブッチャーズ」(以下、ブッチャーズ)の楽曲が使われ、現代の日本映画界を牽引する染谷さん、綾野さんを始め、本格女優としての確実な一歩を踏み出した元「E-girls」の水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳が集結。豪華キャスト陣が石井監督のロック映画ならではの濃く、危なく、そして激しい熱演を繰り広げる。今回公開されたと予告編は、アンダーグラウンドでもがきながらも這い上がろうとする染谷さん演じる大黒と水野さん演じる阿弥の台詞を軸に、「ブッチャーズ」の楽曲「10月/october」と「アンニュイ」で構成。特に「アンニュイ」は本映画制作のきっかけとなった「ブッチャーズ」のアルバム「youth(青春)」に収録の曲で、原作の無い、石井監督による完全オリジナルなストーリーにおいて、重要なインスピレーションにもなった曲である。また、この予告編を手掛けたのは、長年「ブッチャーズ」のライブを撮り続け、2011年にその「ブッチャーズ」のドキュメンタリー映画『kocorono』を発表した川口潤監督。この予告編制作に際し「その姿をくらませてもなお、人を動かす吉村秀樹の影響力(ルビ:パワー)、恐るべし」と語っている。『ソレダケ/that’s it』は5月27日(水)よりシネマート新宿にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月11日俳優・染谷将太が『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』を手がける石井岳龍監督と3度目のタッグを組む『ソレダケ/that’s it』。2013年5月27日に急逝した吉村秀樹率いるロックバンド「ブラッドサースティー・ブッチャーズ」とのコラボレーションに端を発した企画を映画化した本作をこの度、公開初日の5月27日(水)、ライブハウスにて音楽ライヴ用の音響セッティングを使い、大音響の中で映画を視聴することができる“爆音上映”が決定した。戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真男(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉(渋川清彦)のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち、地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁される。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥(水野絵梨奈)が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦(村上淳)に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボス千手完(綾野剛)による拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる…。本作の公開日は「ブラッドサースティー・ブッチャーズ」のリーダーであり本作の原点である吉村秀樹の3回忌。その命日にあたる5月27日に、「ブッチャーズ」の主戦場であったライヴハウスで公開初日を迎えたいということで、このイベントが開催されることになった。徹底的にこだわった音は、5.1chを遥かに凌ぐ、爆音3chバズーカ音響と呼ばれたサウンドシステムを起用。その覚醒的サウンドシステムを駆使した本作の上映をライブハウスで体験できるのはこの日が最初で最後となる。さらに、上映を盛り上げるべく主演の染谷さんを始め、水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳のキャスト4人と石井監督が登壇するとのこと。吉村氏を含めキャスト、監督の“映画に対する情熱”が一堂に会する超レアなイベントとなりそうだ。「吉村秀樹トリビュート 映画『ソレダケ/that’sit』05.27爆音上映@TSUTAYA O-EAST Supported by boid 」は5月27日(水)17:00より開演。映画『ソレダケ/that’s it』は5月27日よりシネマート新宿にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月09日『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』を手がける石井岳龍監督が、染谷将太を主演に迎えて贈る『ソレダケ/that’s it』。この度、本作に出演するキャストが揃ったポスタービジュアルが公開された。戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真男(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉(渋川清彦)のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する…。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち、地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁される。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥(水野絵梨奈)が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦(村上淳)に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボス千手完(綾野剛)による拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる…。2013年5月27日に急逝した吉村秀樹率いるロックバンド「bloodthirsty butchers」とのコラボレーションに端を発した企画を映画化した本作。主演に染谷さん、適役に綾野剛が出演するほか、元「E-girls」の水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳ら個性派俳優陣が集結している。今回公開されたビジュアルは、染谷さんの何かを叫ぶ表情が印象的な荒削りでパンチの効いたもの。「はじめて逃げない俺が生まれるんだ。行くんだよ、その先に。」のキャッチコピーは本編の染谷さん演じる大黒砂真男のセリフから、そしてキャスト陣の下にあるボディコピー「何度でも食らってやる よけかた知らないから」は、「ブッチャーズ」の「12月/december」の歌詞から引用されている。本作のプロデューサーは、「『狂い咲きサンダーロード』や『爆裂都市』のモノトーンでインパクトある雰囲気をちょっとだけ意識しつつ、シンプルなんだけど歪で違和感が伝わるものにしたいと思いました。コラージュでなく、場面写真1点で映画の熱量、激しさ、疾走感が伝わる感じです」とコメントを寄せている。『ソレダケ/that’s it』は5月27日(水)よりシネマート新宿にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月02日俳優の長谷川博己が主演を務める園子温監督作『ラブ&ピース』(6月27日公開)が、16~23日に開催される第5回北京国際映画祭の「天壇奨(Tiantan)」コンペティション部門に選出されたことが、このほど明らかになった。同映画祭で日本映画がコンペティション部門に正式出品されるのは本作が初となる。コンペティション作品部門「天壇奨(Tiantan)」は、第3回から正式に設立されたもので、最優秀作品賞、最優秀監督賞など計10項目の賞が選出される。審査委員長にフランスのリュック・ベッソン監督、審査員に香港のピーター・チェン監督、韓国のキム・ギドク監督らが名を連ねる。今年は90か国以上から930本の映画がエントリー。その中から『ラブ&ピース』のほかに、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』のツイ・ハーク監督による『THE TAKING OF TIGER MOUNTAIN』、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のジャン=ジャック・アノーが手がけた『WOLF TOTEM』など計15本が選出されている。本作の公式上映は19~21日の間に行われ、映画祭には園子温監督と大月俊倫プロデューサーが参加予定。上映前のレッドカーペットイベントや、舞台あいさつに出席を予定しているほか、記者会見も実施するという。なお、授賞式は23日に行われる。映画は、一人の冴えないサラリーマン・鈴木良一(長谷川)を主人公に、崩壊する東京の街に巨大化した"LOVE"=愛の怪獣が東京の街に現れるという驚愕の超展開ストーリー。「血が出ない」「誰も死なない」「エロくない」とこれまでの"園子温ワールド"のイメージと一線を画しながらも、愛と希望と夢でつづられた極上エンターテインメントに仕上がっている。共演には、麻生久美子、渋川清彦、奥野瑛太、マキタスポーツ、深水元基、手塚とおるら個性派が顔をそろえる。(C)「ラブ&ピース」製作委員会
2015年04月01日2013年5月27日に急逝した吉村秀樹率いるロックバンド「bloodthirsty butchers」とのコラボレーションに端を発した企画を、『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』を手がける奇才・石井岳龍監督が映画化した『ソレダケ/that’s it』が、吉村さんの命日となる5月27日(水)に公開することが決定。この度、石井監督とは3度目のタッグになる染谷将太が主演を務め、敵役にドラマや映画に引っ張りだこの綾野剛が演じることが明らかになった。戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち、地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁される。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボスによる拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる。もがき苦しんでも決して抜け出すことができなかった負のループが導いた先で、大黒は、彼を束縛する宿命との対決を決意する…。吉村亡き後監督が仕上げた作品で、その後、吉村さんの存在と「bloodthirsty butchers」(以下、ブッチャーズ)の音楽から着想を得た石井監督は、その遺志を受け継ぎ、まったく新たな物語に取り組んだ本作。「ブッチャーズ」の持つ激しさ=他者を攻撃するような表層的な激しさとは異なる「攻撃的な諦念/無常」から導き出される、人間の意地が爆発する「底辺の叛逆」の物語だ。主演に若き日本映画界の扇動者・染谷さん、『シャニダールの花』以来2度目の石井組となる綾野さんを始め、本格女優としての確実な一歩を踏み出した元「E-girls」の水野絵梨奈、映画とロックのアウトサイダー渋川清彦、インディペンデント映画の番人・村上淳ら個性派俳優陣が集結。濃くて、危なくて、激しい、情熱とアクションが交差する青春ドラマに仕上がった。以下、キャスト&スタッフのコメント●染谷将太ひたすら叫び、嘆き、走り、殴られ、撃ち合い、血塗れになり、また走りました。俺の知ってる石井さん、そして俺の知らない石井さんの現場を体感、体現してきました。様々な想いを含み、この映画の中にそれは確かに鼓動を打っています。この映画でロックして、久々に爆裂してください。●水野絵梨奈それぞれがそれぞれのやり方で生きているその生き様を見て頂けると嬉しいです。とても切なく苦しい中で、強さがとても悲しいほど美しく見えてくると思います。染谷さん演じる大黒の心の叫びが痛いほど突き刺さってきます。石井監督の世界感そして思いの詰まった音楽とともに楽しんでいただけたら嬉しいです。●渋川清彦炎天下、全力疾走、長台詞。なかなかハードでしたが、これぞ石井監督の世界と思い、自分を預けワクワクドキドキしてました。この作品に参加出来て幸せです。石井岳龍全開をくらえ!!●村上淳映画を問い続ける、監督。それは真摯に。PUNKS NOT DEAD。カタチを変え不死鳥のごとく。石井監督の作品に関われることは、最高に光栄です。●綾野剛石井岳龍監督にしか表現できないファンタジックかつエキセントリックな世界へようこそ。さあ、皆様、どうぞ遠慮なく狂い咲いてください。●石井岳龍監督吉村秀樹と素晴らし過ぎる俳優たちの熱さが、くすぶり続けていたアッシのロック魂に火をつけた。映画館にふさわしく、ノスタルジーではない「今、この瞬間」のロック映画を創りたかった。負け犬が反撃し、愛は暴走する。まだ何も終わってはいないし、何も始まっていない。死ぬにはまだ早い、勝手にしやがれ!!『ソレダケ/that’s it』は5月27日(水)よりシネマート新宿にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月05日多数の話題作を世に送り出し続ける鬼才・三池崇史の最新作『極道大戦争』。この度、主演の市原隼人を始めとした、オールキャストが“ガン飛ばす”迫力のあるビジュアルが到着した。「ヤクザVSヤクザヴァンパイアオールヤクザで贈る、極道エンターテイメント」と銘打たれた本作は、あの三池監督が自身の原点回帰と位置づけ、初心に戻って挑んだという期待の一作。神浦玄洋(リリー・フランキー)はヤクザの組長だが、街の人々からの信頼も厚い大人物。影山亜喜良(市原隼人)は神浦に憧れて極道の世界に入り舎弟となったものの、自分の半端さと理想とはかけ離れたヤクザ社会にうんざりしていた。ある日神浦は刺客に命を狙われ、瀕死の状態となってしまう。駆け寄った影山の首筋に、瀕死の神浦が突然噛みついた瞬間、影山に神浦の血が逆流する…「ヤクザヴァンパイアとして生きろ!」と言い残し絶命する神浦。かくして“血の儀式”が行われ、街中を巻き込んだ刺客たちとの新たな闘いがはじまろうとしていた…。今回解禁となったティザービジュアルでは、鍛え上げられた美しい体を披露している市原さんを中心に、ヤクザヴァンパイアの宿命を背負った恋人の行く末を心配する杏子を演じた成海璃子、鬼の形相をしたヤクザの組長役のリリー・フランキー、姉御改めアニキ肌の若頭・高島礼子ほか、青柳翔、渋川清彦、ピエール瀧、でんでんらがこちらを睨んでいる。“みんなヤクザ”にふさわしく、全キャラクターがガンを飛ばしているというビジュアル…のはずなのだが、そこにはなぜか不似合いなカエルのキャラクターの姿が!同時に解禁されたもう一面のビジュアルに至っては、まさかの全面占有という前代未聞の状況なのだ。主役の市原さんを差し置いて目立っているこのカエル、実はキャスト発表の時点ですらまったく触れられていなかった謎の存在なのだが、ビジュアルには「ヤクザなんてだいきらいだ」と書かれており、よく見てみると「ヤクザの天敵KAERUくんです」という一言が添えられている。果たして、彼(彼女?)は主人公・影山の敵なのか?味方なのか?ヤクザヴァンパイアの宿命を背負い、覚醒していく影山の行く末とともに、その正体を見守りたい。『極道大戦争』は6月20日(土)TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月19日6月公開の映画『極道大戦争』の最新画像が公開になった。本作は“ヤクザヴァンパイアに噛みつかれるとヤクザ化してしまう”という設定を盛り込んだエンターテインメント大作で、市原隼人が主演を、三池崇史が監督を務める。その他の画像本作は、伝説のヤクザ・神浦に噛みつかれ、ヤクザヴァンパイアになった舎弟の影山亜喜良(市原)が壮絶な抗争に身を投じる姿を描いたアクション大作。成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔、渋川清彦、優希美青、ピエール瀧、でんでんらが出演する。このほど公開された画像は、主人公の影山亜喜良ら登場人物たちがズラリと並び、鋭い視線をこちらに投げかけている姿をとらえたもの。画像の隅にはなぜかカエルの姿があり、右下には牛乳瓶がデザインされている。三池監督はこれまでの作品でも、任侠もの、アクション、ラブストーリー、人間ドラマ、コメディなど様々なジャンルの“定番”をおさえつつ、観客が油断したところで“アッと驚く仕掛けや展開”を盛り込み、観客を楽しませてきた。本作は“噛みつかれるとヤクザになる”という飛び道具的な設定が用意されているが、このほど公開された画像から推測すると、観客をさらに驚かせ、熱くさせる展開が待ち構えているようだ。『極道大戦争』6月20日(土) TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
2015年02月19日市原隼人が主演を、三池崇史が監督を務める映画『極道大戦争』に、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔、渋川清彦、優希美青、ピエール瀧、でんでんらが出演することが発表された。本作は“ヤクザヴァンパイアに噛みつかれるとヤクザ化してしまう”という設定を盛り込んだエンターテインメント大作で、特報映像も公開になった。特報映像本作は、伝説のヤクザ・神浦(リリー・フランキー)に噛みつかれ、ヤクザヴァンパイアになった舎弟の影山亜喜良(市原)が壮絶な抗争に身を投じる姿を描いたアクション大作。成海は影山を支えるヒロインの杏子を、高島は神浦組の若頭を、青柳、渋川、瀧は極道ものを、優希はヤクザヴァンパイアに変身する高校生を演じる。本作はヤクザ映画、アクション映画など様々な要素を凝縮した作品で、かつてVシネマ、低予算映画で観客の度肝を抜く作品を連発してきた三池監督が“原点回帰”を掲げて挑む大作だ。三池監督は「観客の皆さんには、自分の物差しで計算できるものだけでなく、こういう映画もあっていいんだと、おもいっきりこの作品を楽しんでもらいたいなと思います」と語っており、観客の“予想”を遥かに超える作品になりそうだ。『極道大戦争』6月20日(土) TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
2015年02月03日鬼才・三池崇史監督が市原隼人を主演に迎えて贈る『極道大戦争』。この度、本作の公開日が6月20日(土)に決定。先日発表された出演者・市原さん、ヤヤン・ルヒアンのほかに成海璃子、リリー・フランキーら豪華キャスト陣が集結していることが明らかになった。史上最強といわれるヤクザの組長・神浦玄洋。異彩を放つ数々の不死伝説が広まり、彼のことをヴァンパイアと呼ぶものさえいた――。海が近くうら寂れた毘沙門仲通商店街は、街の人々からの信頼が厚い神浦玄洋を組長とする。神浦組が牛耳っていた。神浦の舎弟である影山亜喜良(市原隼人)は、敏感肌ゆえ刺青も入れられない若衆止まりの半端者。神浦に憧れて極道の世界に入ったものの、映画のような誇り高い仁義や任侠心に満ち溢れた理想の世界からほど遠い現在のヤクザ社会にうんざりしていた。そんな退屈な毎日を送っていたある日、神浦の命を狙う刺客たちが次々と毘沙門仲通商店街に現れる。死闘の果て、影山の前に八つ裂きにされた神浦が横たわっていたが、駆け寄った影山の首筋に、瀕死の神浦が。突然噛みついた瞬間、影山に神浦の血が逆流する…。「ヤクザヴァンパイアとして生きろ!」神浦はそういい残し絶命する。かくして“血の儀式”が行われ、街中を巻き込んだ刺客たちとの新たな闘いがはじまろうとしていた――。本作は、三池監督が自身の原点回帰と位置づけ、初心に戻って挑んだ最新作。ヤクザヴァンパイアに噛みつかれた人間は、次々とヤクザ化してしまうという奇想天外、予測不可能な完全オリジナルストーリーだ。主演の市原さんは、伝説のヤクザに憧れて極道の世界に入ったものの、敏感肌で刺青が入れられない悩みをかかえながら、闘いの運命に翻弄される主人公・影山亜喜良を好演する。今回発表されたのは、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔、渋川清彦、優希美青、ピエール瀧、でんでんといった個性的な俳優陣。市原さん演じる主人公・影山の覚醒を支えるヒロイン・杏子には『妖怪大戦争』(’05)以来、10年ぶりの三池組参加となり大戦争モノ(!?)に縁がある成海さん。「10年ぶりに三池組へ参加できて嬉しいです。私はヤクザ化しなかったので、すこし寂しかったです」と漏らしながらも三池作品を存分満喫した様子。また、史上最強伝説をもつヤクザの組長・神浦玄洋には、リリー・フランキー。『神さまの言うとおり』と公開が前後したものの、三池組の現場への参加は、本作が初。「監督の演出はもの凄く独特で興味深く、「明日もまた行きたい」と思わせてくれる現場でした」とコメントを寄せている。リリーさんは組長で、ヴァンパイアで、史上最強という3拍子全てが初めての役柄に挑む。そして神浦組の若頭役には、高島礼子が性別度外視の大抜擢にして、三池組初参加。高島さんが主演を務めた極妻シリーズ以来、極道映画への参加は10年ぶりに。「もともと三池監督の作品が大好きだったので、オファーをいただいた時は不安よりも嬉しい気持ちが勝ってました。現場に入ってしまったら、このキャラクターを男が演じるか、女が演じるかはたいした問題ではないんだと気づきました。今回、全てが初体験でとても楽しませていただきました」と語った。そのほか今回、初めての三池組で極道役に挑戦する劇団EXILEの青柳翔、三池監督が絶大な信頼を寄せる渋川清彦、弱冠15歳にして圧倒的な存在感でヤクザヴァンパイアに変身する女子高生を演じる優希美青。『凶悪』以来の極道役で、リリーさんとの対決シーンも期待されるピエール瀧。意外にも映画としては三池組初参加となるでんでんが、親分を殺され苦悩する影山を導くキャラクターとして、脇を固める。『極道大戦争』は6月20日(土)TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月03日俳優・斎藤工が、1月28日(水)に発売される大橋トリオの最新アルバム「PARODY」収録曲のミュージック・ビデオを初監督した映像がYouTubeにて解禁。村上淳、金子ノブアキ、渡辺真起子、村上虹郎ら実力派俳優・女優陣と、斎藤さん自らも参加していることが明らかとなった。ドラマ、映画、CMに幅広く出演し、またシンガーとしても、ショートムービー『サクライロ』などの監督しても活躍する斎藤さんが、ミュージック・ビデオを手がけるのは、これが初めて。かねてより大橋トリオの音楽を好んで聴いていたという斎藤さんと、情景が浮かぶ珠玉な楽曲制作でも定評のあるミュージシャン・大橋トリオが、互いへのリスペクトから今回のコラボレーションが実現することになった。ミュージック・ビデオは、アルバム「PARODY」収録の3曲から、楽曲「CherryPie」による「episode1(男たち編)」、「Parody」による「episode2(親子編)」、「サリー」による「episode3(少女編)」の3部構成からなるオムニバス・ストーリー。過去と現在が交錯するダイナーを舞台に、村上さんがシェフ、虹郎さんがその息子役となり、監督である斎藤さん自身も出演するほか、渋川清彦、山本浩司、大西信満と怪しげな男が集結。仲間の素晴らしさ=“友情”、父が子を思う気持ち=“愛情”、それを理解できるようになる子どもの“成長”といった人間模様を豪華キャスト陣が熱演しており、さらに、大橋トリオとはルックスの上でまるで双子のような金子さんが友情出演。これら3本には、さまざまな伏線も張られているという。メガホンをとった斎藤さんは、「またとないチャンスをいただいたので、素晴らしい役者さん、クリエイター、自分の周りの大橋トリオファンのスタッフを総動員して演出させていただきました。3曲が1つになった映像、様々な伏線がちりばめられた見応えある映像になっておりますので、ぜひご覧いただければと思います」と語っている。「PARODY」は約2年振りのオリジナルアルバムとなる大橋トリオ。気鋭のトラックメーカーmabanuaとの共同制作曲も多数収録し、これまでのJAZZやROCKのテイストを出しながらも、ロカビリー、FUNK、カントリー、ネオアコースティック、シティーPOPSなどバラエティーに富んだ、さながら“トリオ流ジュークボックス”のような作品に仕上がっている。大橋トリオのCDアルバム「PARODY」は1月28日(水)に発売。(text:cinemacafe.net)
2015年01月22日若手映画監督の登竜門として、世界に誇る名匠を多数輩出してきた自主制作映画のコンペティション「PFFぴあフィルムフェスティバル」。1977年のスタートから今年で34回目を迎える同映画祭が、9月18日(火)より11日間にわたり開催される。未来の匠を生み出す、目玉のコンペティション部門「PFFアワード」では今年、522もの作品が集まり、その中から16作品が入選。平均年齢も23.6歳と、新世代監督たちの熱戦が繰り広げられるが、それに加えてここでしか観られない作品も数々登場する。既に入選作品のうち4作品がカナダ・バンクーバー国際映画祭や韓国の釜山国際映画祭での上映が決定しており、その信頼度が世界からも注目されている「PFFアワード」。今年のトロント国際映画祭を沸かせた内田けんじ監督らも、ここから巣立ったひとりであることは有名である。毎年、多種多様の作品が寄せられる本アワードだが、今年は震災や原発を扱った作品やいじめ問題など、入選作では時事的なテーマを扱う作品が多く見られるが、さらに過去最多となる5名の女性監督が入選しているのも特筆すべき点。女性ならではの視点で描く、思春期の悩みやジェンダーを題材にした作品に注目が集まる。この目玉となるコンペに加えて、今年注目すべきなのが招待作品部門の作品の数々。「テレビドラマに挑戦!WOWOWドラマをみる」と題した企画では、今年話題となったWOWOW製作のドラマが一挙上映され、先日ヴェネチア国際映画祭でも上映された黒沢清監督×小泉今日子主演のドラマ「贖罪」の国際映画祭バージョンが上映される。世界各国の映画関係者らの強い希望のもと、4時間半にも及ぶ長尺の映画として蘇った本作はヴェネチアでスタンディング・オベーションを起こしたが、この映画祭バージョンが国内で観られるのはPFFだけ。ぜひチェックを!また、名作を通してタイムワープのひとときを過ごしてみたいという方には、イギリスを代表する監督&脚本コンビ、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガー、撮影のジャック・カーディフによる名作を集めた「映画の“ルック”を浴びてみる!」コーナーがオススメ。『老兵は死なず』(’43)や『天国への階段』(’46)、『赤い靴』(’48)など、技術が進化した今日から遡ること半世紀以上前のこだわりの映画が観る者のクリエイティブ精神を刺激する。さらに、2010年のPFFアワード審査員特別賞を受賞した『世界グッドモーニング!!』がフランスで公開を控えるなど、世界から注目を集める新鋭・廣原暁監督の新作であり、自身の転換点だという『HOMESICK』が初披露されたり、村上淳、渋川清彦らが集結した『Playback』など公開予定の日本映画最新作の上映、昨年逝去した名匠・森田芳光監督が生んだ幻の8ミリ作品のデジタルバージョンでの上映など、ここだけでしか楽しめない企画が目白押し!各国の映画祭も最高潮の盛り上がりを見せる“芸術の秋”、ぜひあなたも日本が誇る新たな才能を先取りしながらこの季節を堪能してみては?「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」は9月18日(火)から28日(金)まで東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催。「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」会期:9月18日(火)~28日(金) ※月曜休館場所:東京国立近代美術館フィルムセンター公式サイト:■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月13日現在公開中の『外事警察 その男に騙されるな』の公開を記念し、9日(土)、王子シネマにて監督をはじめスタッフ、キャストを交えてのトークショーイベントが行なわれた。その他の写真『外事警察 その男に騙されるな』は実在する対国際テロ捜査専門の諜報部隊“外事警察”の活躍を描いた同名ドラマの劇場版。このイベントを観ようと21時すぎという時間帯にも関わらず、会場は満員。鑑賞後の熱気に包まれる中、まずは堀切園健太郎監督と脚本を担当した古沢良太氏、岩倉達哉プロデューサーが登壇し、製作の裏側について語った。ドラマ放映直後から映画化の話が出ていたという本作だが、脚本を担当していた古沢氏は、「大変すぎて2009年の記憶があまりない(笑)」としながらも、「TV版はすごくいいものが作れていたのに、評価的に悔しい思いをしたので、どこかでリベンジしたいと思っていた」と、執筆中の思いを明かした。また、脚本が上がった日がまさに震災当日だったというエピソードも。「映画なんか作ってる場合なのかという思いもあったが、こういった有事のときこそ水際で戦う外事警察のような人々がいることを知り、前に進もうと決意した」と堀切園監督。核問題や工作員の暗躍といったハードなテーマを扱う覚悟を感じさせる秘話の数々には、観客も深く聞き入っていた。第2部では、渡部篤郎演じる住本健司と行動を共にする外事警察のメンバーたちが登場。金沢涼雅役の北見敏之、久野秀真役の滝藤賢一、大友遥人役の山本浩司、森永卓也役の渋川清彦らキャスト陣が揃って賑やかなトークが繰り広げられた。撮影中は、専門用語の多いセリフに一様に苦労したようで、ベテランの北見ですら「20回ほどNGを出した」シーンもあったとか。さらに、実際に追尾をしたことがあるかという質問では、「役作りのためにおじさんを追尾した」と滝藤が告白。通常の刑事ドラマとは違った本作の演技は、実力派と謳われる俳優たちにとっても大きな刺激になったようだ。このほか監督の直筆サイン入りポスターの抽選会なども行われ、約1時間に渡ったイベントは終了。作品のダークなムードとは裏腹に、会場は終始和やかな笑いに満ちていた。『外事警察 その男に騙されるな』公開中取材・文・写真:渡部あきこ
2012年06月11日太宰治賞を受賞した辻内智貫の小説を、俳優としても活躍している伊勢谷友介が映画化した『セイジ-陸の魚-』のトークイベントが17日にテアトル新宿で行なわれ、森山未來、渋川清彦、滝藤賢一、伊勢谷監督が登壇。韓国公開の決定と台北で行われる第14回台北映画祭、ドイツで行われる第12回ニッポン・コネクションへの正式招待の決定が発表された。トークイベントの模様本作は、学生最後の夏休みを迎えた主人公(森山)が、一人自転車旅行に出かけた先で出会ったセイジ(西島秀俊)と、その個性的な仲間たちとの交流を通して成長していく姿を描く。映画の公開から、毎週末に伊勢谷監督のティーチ・インを実施したテアトル新宿では、リピーターが続出するほどのヒット記録をたたき出し、動員1万人を突破。最終回となるこの日のトークショーには森山と渋川が登壇し、伊勢谷監督とのトークショーを繰り広げた。森山は、今回監督としてメガホンを執った伊勢谷監督について「モノづくりでは、常にイメージを持って行動している人。何かあった時の対応もフレキシブル。受け皿が広い人ですね」と振り返り、渋川は「格好いい監督。瞬発力があるし、トラブルを結果うまく持っていく人」と、終始絶賛していた。また、この日発表された、韓国での上映決定、台北とドイツで行われる映画祭の正式招待について伊勢谷監督は、「海外で評価されて映画館に行くのではなく、みなさんがこの映画を支えてくれたから、他の方にも観なきゃいかんと伝わっていく映画になった。僕にとって一番嬉しい形になった」と、映画ファンへの感謝の気持ちを述べた。本作は29日(木)より、日本やヨーロッパの単館アート映画を韓国で多く配給する「SPONGE ENT」直営の映画館「SPONGE HOUSE」で公開。台北で行われる第14回台北映画祭は、6月29日(金)から7月21日(土)まで、ドイツで行われる第12回ニッポン・コネクションは、5月2日(水)から5月6日(日)まで開催される。『セイジ-陸の魚-』公開中
2012年03月19日映画『生きてるものはいないのか』が2月18日(土)に公開され、石井岳龍監督を始め、染谷将太、白石廿日、飯田あさと、高橋真唯、池永亜美、札内幸太、羽染達也、青木英李、田中こなつ、渋川清彦、津田翔志朗、芹沢興人、杉浦千鶴子、村上淳の総勢15名による舞台挨拶が行われた。石井監督の『五条霊戦記 GOJOE』(’00)以来となる長編映画で、前田司郎の戯曲を映画化。怪しい都市伝説がささやかれる大学を舞台に、次々と謎の最期を迎える登場人物たちの姿を描いていく。石井聰互から石井岳龍へと改名した監督は「心機一転、デビュー作のつもり」と語る。キャスト陣14人には、制限時間30秒の中での自己紹介と、監督の改名にちなんで「自分自身の変えたい部分」というお題が与えられた。それぞれ「性別を変えたい」(津田さん)、「性格を変えたい」(飯田さん)、「肩こりがひどいので肩から首筋を替えたい」(杉浦さん)などなど、個性豊かな回答がなされた。渋川さんの口からは「浮気性なところを変えたい!」と意味深発言が飛び出したが、これには村上さんがなぜか壇上で大爆笑。最後の最後に順番が回ってきた染谷さんは「こんなに考える時間があったのに、何も思いつけないダメな自分を変えたい…」と嘆息まじりに語り、会場は笑いに包まれた。さらに「爆発してしまうときは?」という奇妙なお題が出されたが、渋川さんは「彼女とケンカしたとき…あのときは爆発してますね」とプライベートネタで堂々と勝負!村上さんは「日々、映画館で爆発してます」と飄々とした表情で謎の回答を寄せた。そんな2人を見ながら染谷さんは「僕も先輩方くらい爆発したいです…。石井監督が長編を撮られると聞いて役者として以前に、個人的に興奮しました。まさか自分が参加できるとは思ってなかったので、現場では爆発しっぱなしでした」とキレイにまとめた。『生きてるものはいないのか』はユーロスペースほか全国にて公開中。■関連作品:生きてるものはいないのか 2012年2月18日よりユーロスペースほか全国にて公開© DRAGON MOUNTAIN LLC.■関連記事:染谷将太、「周りでどんどん人が死んでいく」現場に困惑ヴェネチア映画祭新人賞の染谷将太主演『生きてるものはいないのか』試写会に5組10名様ご招待染谷将太、「トイレでふと思い立って」役作りで喫茶店のバイトを経験
2012年02月20日2009年にNHKで放送され高い支持を集めたドラマ「外事警察」が映画化されることが決定!日本と韓国を舞台に、渡部篤郎、尾野真千子らおなじみのメンバーに加え、新たに真木よう子、さらに実力派の韓国人俳優キム・ガンウらが出演していることも明らかになった。通常の刑事警察とは異なり、対国際テロ捜査を専門とした“日本のCIA”とも呼ばれる警視庁公安部外事課。表立って行動することはなく、家族にさえも身分を明かさず、任務のためには民間人までも“協力者”として巻き込んでいく彼らの姿を描く。ドラマではジャーナリストとしても活躍する麻生幾による同名小説を原案に、渡部さん演じる住本が率いる外事4課の面々が、テロ対策国際会議を前に日本に潜入したテロリストを追いかけるさまが描かれたが、今回、1年半の歳月をかけてオリジナル脚本を完成させた。ドラマの最後で、事件の責任を取る形で表向きは外事課から外された住本が復職。震災の影響もあって社会不安が続く中で、大学施設から原子力関連の部品のデータが盗まれる。外事4課は怪しい動きを見せる「奥田交易」の捜査を開始し、社長の妻・果織を“協力者=スパイ”に仕立てようとする。その矢先、住本が日本に潜伏する韓国の諜報員に刺されるという事件が発生。それは彼らからの“警告”だった…。“公安の魔物”の異名を取る冷徹な主人公・住本を演じる渡部さんは「ドラマからスタッフ、キャスト一丸となって作ってきた作品ですので、 さらに作品が続いていくことをとても嬉しく感じております」と映画化の喜びを語る。さらに「日韓のコラボレーションによる、映像美や重厚感が随所に散りばめられた作品となっています。緻密なストーリーはドラマと変わらず素晴らしく、舞台が韓国にまで広がっていることでスケール感がさらにアップしています」と見どころを明かしてくれた。ほかにも尾野さんが演じた、所轄から外事課へと大抜擢されるも手段を選ばぬ住本のやり方に反発し衝突していた女性捜査官・松沢を始め、北見敏之、滝藤賢一、渋川清彦、山本浩司が演じる4課の面々もドラマに続き、映画版に登場。警視庁警備局長・倉田役の遠藤憲一、内閣官房長官・松村を演じる余貴美子、元警備局長で現在は内閣情報調査室長の有賀を演じる石橋凌もドラマに続いて劇場版に出演を果たしている。韓国の工作員・安民鉄を演じるキム・ガンウに、奥田交易の社長夫人である秘密を抱える果織を真木よう子、原子力研究のエリートであり、事件のカギを握る在日2世の徐昌義を田中泯が演じるなど、劇場版から出演となるキャスト陣にも実力派が多数!渡部さんにとって韓国語での芝居は初体験となったが、わずか1か月ほどの勉強で、現場でキム・ガンウらと通訳を介さずに話ができるほどマスターしていたとか。ソウルと釜山で3週間におよぶ撮影が行われ、特にSWATによる銃撃シーンは韓国屈指のアクション監督の指揮の下、2日で40時間を費やして撮影を敢行した。過去に渡部さんが出演したドラマ「ケイゾク」(TBS)などは韓国でも放送されており、街を歩いているときに観衆に囲まれてちょっとした騒動になったことも。中国のチャン・イーモウ監督による『Flowers of War』への参加も発表されているが、渡部さんにとってまた一歩、新たな世界へと踏み出す作品となった。渡部さん自身は韓国ロケを「非常に優秀なスタッフが加わり、素晴らしい環境の中で撮影をさせていただくことができ、とても貴重な体験となりました」とふり返っている。“スパイ天国”と揶揄される日本だが、多くの国民があずかり知らぬところで陰謀がうごめき、精鋭の捜査官たちが戦いを繰り広げている。“公安の魔物”が生み出すのは日本社会の平穏か?それとも――。『外事警察』は2012年6月2日(土)より全国にて公開。■関連作品:外事警察 2012年6月2日より全国にて公開© 2012「外事警察」製作委員会
2011年10月28日伊勢谷友介が、辻内智孝氏のベストセラー小説「セイジ」を5年の月日をかけて映画化した『セイジ-陸の魚-』の公開日が来年2月18日(土)に決定した。その他の情報本作は、太宰治賞を受賞した辻内氏の人気小説を、俳優の伊勢谷友介が『カクト』に続く監督第2作目として映画化。美しい自然を舞台に、若さゆえの自分探しの旅とその記憶を描写。大学最後の夏休みに自転車でひとり旅をしていた“僕”(森山未來)と、国道沿いのドライブインで純粋に生きる男セイジ(西島秀俊)とのひと夏の日々を描いた作品だ。セイジ役の西島と、物語の視点となる“僕”を演じる森山がダブル主演を務めるほか、新井浩文、渋川清彦、滝藤賢一ら、一癖ある顔ぶれが揃う。久しぶりの邦画復帰となる裕木奈江がヒロインを務めるのも注目したいところ。強烈な印象を残す盲目の老人役は、映画界屈指の名優・津川雅彦が演じる。今月22日(土)~30日(日)まで開催される東京国際映画祭では、特別招待作品として27日(木)に上映されるが、前売鑑賞券が1分で完売したということもあり、公開前からかなりの期待が寄せられていると言えるだろう。『セイジ-陸の魚-』2012年2月18日(土)、テアトル新宿他ロードショー(c)2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd
2011年10月14日2008年の本屋大賞に輝いた、伊坂幸太郎の人気小説を映画化した『ゴールデンスランバー』の完成披露試写会が1月18日(月)に開催され、主演の堺雅人を始め、共演の竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、貫地谷しほり、濱田岳、渋川清彦、そして監督の中村義洋という豪華メンバーが集結した。舞台挨拶では、逃亡劇である映画の内容や、タイトルが意味する“黄金のまどろみ”に引っ掛けて「逃げ出したくなる状況」「思わずまどろむ瞬間とそのときのイメージカラーは?」といった質問が投げかけられ、個性的な俳優陣からユニークな答えが返ってきて会場は盛り上がりを見せた。イベント開始直後、“仙台運送”と書かれたトラックが会場に横付けされた。運転しているのは、劇中でも宅配ドライバーの役を演じている渋川さん。制服姿の渋川さんが運転席から降り立ち、荷台を開けると“ゴールデンスランバー”と書かれたダンボールが。次の瞬間、このダンボールの壁を突き破ってスモークと共に堺さんらが登場し、会場は歓声に包まれた。壇上に上がった堺さんはオール仙台ロケで撮影された本作を「仙台の人々と一緒に作り上げた映画です」とアピール。ちなみに、堺さんの“まどろみの瞬間と色”はと言うと「冬になるたびに悩んでいたのですが、今年ついにコタツを買ってしまいました。心地良くまどろんでます(笑)。だからコタツの遠赤外線の赤ですね」とのこと。貫地谷さんもこれに「私も今年、コタツを買いました!オレンジ色ですね」と同調。これにさらに横から口を挟んだのは香川さん。「床暖房ヤバイよ!これ点けたらおれは5分でまどろむね。色は赤やオレンジを超えてピンク」と寒い夕刻のイベントとあって“暖房トーク”で盛り上がった。厚着の登壇陣の中で、竹内さんは一人だけ薄着で寒そう!「一人だけスカスカの格好で…。堺さんは手袋して、香川さんは毛皮巻いて、吉岡さんはフリース着てるのに…」と周りを見渡して苦笑していた。そんな竹内さんのまどろみの瞬間は「美容院でシャンプーしてもらってるとき」だそう。もうひとつのお題「逃げ出したくなること」について、携帯電話のメールにまつわる恥ずかしい過去の体験を披露してくれたのは、吉岡さんと中村監督。吉岡さんは「当時、好きだった女性に愛のメールを送ろうとして、男友達に送ってしまいまして…。その後、一週間ほど口をきいてもらえませんでしたね。逃げ出したいと言うより、消えてしまいたくなりました」と告白。すると中村監督も「全く同じ!(幼い口調で)『ちょっと遅くなります。でもちゃんと帰りますよ〜』みたいなラブラブなメールを間違って、竹内さんのマネージャーさんに送ってしまいました。すぐに『このことは忘れてください』とメールしたら、次にお会いしたとき、一言もそのことに触れずにいてくださいました」と感謝(?)していたが、竹内さんは初めて知る事実にびっくりした様子だった。自身の役柄について「ロックな男を演じました」とビシッと決めた渋川さんだが、逃げ出したくなることについては「僕はお腹が弱いので、大事な場面でお腹痛くなったら逃げ出したくなります」とやや弱気なコメント。これに香川さんが「いまは大丈夫なの?」と繰り返し、会場の笑いを誘った。劇団ひとりさんは映画の出来映えについて「最近は何でも3Dにすればいいだろうという風潮がありますが、本当に面白い作品は2Dでも飛び出すんです!」と熱弁。さらに舞台挨拶では「僕は自分の評判を気にして、時々、自分の名前をインターネットで検索するんです。今日も検索してきたんですが、あるブログで、この舞台挨拶に来るという人が『堺さんや竹内さん来るかな?劇団ひとりだけだったらサイアク〜』って書いてました!この中に犯人がいるはずです!!」と怒りを露わにし、これには客席のみならず共演者も笑い転げていた。濱田さんは、“まどろみ”の質問に悩んだ挙句、「僕はトイレに行きたいとなかなか言い出せなくて…。我慢してオシッコした瞬間はまどろみますね」と少し恥ずかしそうにコメント。すかさず周囲、というか香川さんが「色は?」と畳み掛けると濱田さんは「その前に飲んだ飲み物によりますね」と珍妙なコメント。堺さんや香川さんから「飲んだものがそのまま出るのか!」とツッコミが入り、会場は笑いに包まれた。貫地谷さんは撮影について聞かれ「私は1日だけだったんですが楽しかったです。みなさんと“ウニ祭り”をして、すごくおいしかったです!」と笑顔を見せたが、ここでも香川さんが横から滑り込み、「おれ知らないよ…」とブツブツ。堺さん曰く「愉快な仲間たちとワイワイ作りました」という撮影現場そのままのにぎやかな舞台挨拶となった。『ゴールデンスランバー』は1月30日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ゴールデンスランバー 2010年1月30日より全国東宝系にて公開© 2010「ゴールデンスランバー」製作委員会■関連記事:2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!誰と一緒にこたつでみかん食べたい?「MTV」オリジナルステッカー&「ウサビッチ」グッズを10名様プレゼント堺雅人が語る太宰、そして『人間失格』――。「近代文学と“再会”できました」堺雅人主演『ゴールデンスランバー』試写会(東京)に25組50名様をご招待堺雅人主演『ゴールデンスランバー』試写会(北海道)に10組20名様をご招待
2010年01月19日今回のファッション小噺は、映画における衣裳をクローズアップしてみました。衣裳というのは、物語の舞台となる場所、時代、そして人物そのものを映す鏡でもある重要アイテムのひとつ。そこで、そんな衣裳の“重要性”について、話題の日本映画『蘇りの血』を例に、考えてみることに。『蘇りの血』は、豊田利晃監督が『空中庭園』以来、4年ぶりに手がけたことで注目を集めている作品です。歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなっている説話“小栗判官”をモチーフにした時代もの。ドラマー・中村達也、草刈麻有、渋川清彦、板尾創路、新井浩文ら個性派の競演も見ものです。そんな話題作の中で、もうひとりの登場人物であるかのように、映画を、そして俳優たちを支える衣裳。担当は、スタイリストとしてファッション誌、広告、映画、舞台とジャンルを問わず活躍している伊賀大介さん。時代ものの衣裳としては、『さくらん』、『真夜中の弥次さん喜多さん』で、すでに腕をふるっています。今回は、監督からどのような希望があり、どうやって制作していったのでしょう。「あまり具体的に“こうして、こうして”とかはありませんでした。話自体もいつの時代か分かんなくていい、というようなことでしたね。鎌倉時代とか、江戸時代のとかそういうのじゃないからと。だから、好きにデザインしてくれと。基本としては着物であることだけ。あとは自由に考えてみてくれという感じだったので、そうしました(笑)。伝統という部分もあまり意識しなかったですね。一応フォルムとして着物であることが大事だという前提があって、それを破らなければ別にいいやみたいな感じですかね。いきなりジーパンとか出てこない限り、まぁいいだろうという(笑)」。ロケ地は、下北半島の大自然の中。衣裳制作の途中には、ロケハンに同行し、イメージを膨らませていったのだとか。「そのときに自然がすごかったんです。だから、それに対抗するようなものじゃないと、と思った。劇中にもありますが、大木ばっかりなんで、こういう有機的なものを上手く取り入れて入っていくのがいいなぁというのがありました」。時代ものはこれまでも手がけてきたものの、本作で特に気を配った部分は一体感だったのだとか。「今回は登場人物たち全員が一個というような感じというか…。みんなでいっしょくたみたいな。『真夜中の野次さん喜多さん』はもう完全に漫画として作ったし、『さくらん』はとにかく突き抜けたビジュアルをという想いから作ってた感じ。今回は生きてる感じというか、そういうものが視点の中にハマるといいなというのがあった」。今回楽しかったのは、やはり現場でのやりとりだったのだそう。「部屋の中でシコシコ縫ったりしてても別にあんま面白くない。まぁ“俺だけが知っている”というのはあるんですけど、やっぱり役者さんが全部支度して、メイクもして服も着けて、美術もあってカメラが回ってみたいなものが全部揃った瞬間はやっぱ面白いですね」。映画の中でのスタイリスト、衣裳の役割はあくまでも、役者と監督が“こういうものを撮りたい”という想いを実現させるための“サポート装置”だと思っているという伊賀さん。映画では、俳優さんが衣裳を着て演技をしたり、激しい動きをしたりするけれど、そういう意味では、ファッション誌の撮影などとは大いに違いを感じているとか。「雑誌の仕事から、舞台、映画をやるようになったんですが、全部違う“次元”のものなんですよね。ファッション誌は“二次元”じゃないですか。前から見て、見える部分がきれいだったら後ろは安全ピンだらけでもいいっていう世界。でも舞台だと、ステージの上の役者に、“ここがちょっとほつれちゃってるから見せないように芝居してくれ”と言うことはないじゃないですか。何かあったとしても、その時のお客さんしか見ないという前提ですよね。つまり、絶対に同じものが無い。そういう意味では俺の中では、一番リアルなんで、舞台は“三次元”なんですよね。映画になると“四次元”というか。これは50年後の人が観るかもしんないじゃない。作っているときは、それがどんな動きをするかもまだ分からないし、また編集でも変えられたりするんですけど、やっぱり映画というのは時間を超えないと面白くないというか。もちろん時代考証もある程度は必要なんでしょうけれど、結局、今の生地で着物を作ったとしても江戸時代のものと比べられないし、絶対にどこかでミシンで縫ったものとかも入るし。そういうことよりは形が見えるスピード感みたいなものを重視したいなっていうのはあります。だけど、全部楽しいんです。二次元も三次元も四次元も」。今回は、主人公たちが水に浸かるシーンも登場する。「まぁ、そういうものは苦労ではありますけど(笑)、まぁ楽しい苦労ですかね。最初に衣裳を決める時点で、これは洗うとどうなのか?みたいなそういう検証はしますね」。物語の中でのお題や、監督からのリクエスト、そういった制限がある中で、クリエイティビティを発揮していくコツはあるのでしょうか。「それがあるから他が面白いというか。僕が監督で映画撮るわけじゃないんで。逆にルールがあることによって美術がフォローしてくれたりとか、いろんな部署が絡み合うところが映画の面白いところだと思うんですよね。“俳優部”っていう言い方があるじゃないですか。役者は役者で作品の為にあって、僕たちは衣裳やって、音楽は音楽で、編集は――と。あと、この映画の色のトーンを決める人、カラーリストにも仕事があって、みんなそれぞれスペシャリティを持って臨むわけじゃないですか。そこがやっぱ面白い。だから任された一点を研ぎ澄ますということがコツですかね。まぁ武器ですよね、それが。だけどそれが予想外にものすごく良く見えたりすることもあるから、また面白い。だから、“決め過ぎない”っていうのがコツですかね。“僕の作った衣裳は、絶対に常にこう見えてほしいからこうであってほしいんだ!”となると、ほかのみんなは困っちゃうじゃないですか?だけど役者の演技によっては、俺が想像してたものより全然良く見えたとか、照明さんがやってくれたことで良く見えたとか、そういうことって往々にしてあると思うんですよね。それがやっぱり、楽しいですね。仕事ってそういう制限があるもの。雑誌は雑誌で時間ないし。今日来て、いま服選んで、30分後に撮影して、もうそれで終わりという世界。そのスピード感みたいなものも、それはそれで面白い。何回も衣裳合わせして、段々似合ったものを作り上げていく過程をたどる映画の衣裳というのも面白いですし。どっちも面白いです」。ちなみに、普段、道行く人を見て「こんな服着せてみたい」とか「この人はこういう服似が合うな」とか、そういう職業病的な部分はあるのでしょうか。「こんな服を着せてみたいというのはあまりないですけど、道行く人を見るのはすごく面白いですよ。服を着ない人なんていないじゃないですか。だから、“面白いものが転がってるなー”って思いますよね。“僕が決めた事が絶対にいい!”とか思っているわけじゃないですし、ファッション雑誌をやる上でも。“こういうのカッコいいと思うよ”って思ってやっているだけですけど、例えばそのコーディネートを3万人ぐらいがやってて、銀座にその格好の人しかいなかったら怖いじゃないですか(笑)。だから、おばさんとかでもすごいグッと来るときがありますよ。アシスタントには、“芝居とか映画とかやりたいんなら、とにかく山手線に乗れ!山手線に限らず電車に乗った方がいい”と言います。山手線ってよく考えてみると、すごい不思議なシステムじゃないですか。基本130円とか払うだけで、箱が環状型に動いて、どこで降りてもいいという。あれで一周するだけでものすごく、いろいろな人の流れがある。そうゆうの見てると面白いですよ。“これが主婦なんだ”とか、“これが女子高校生なんだ”とか。服だけじゃなくていろんなことが見えちゃうところも面白い。ふと気づくと、“すごいな、全員ケータイいじってるじゃん!”とか。あとは、目の前のサラリーマンとか女子高生とか、俺みたいな格好の奴とか、全員が携帯を出しているとき、みんなのケータイの色が一緒とか、すごい不思議なことって結構いっぱいある。だから道ゆくことは楽しいですよ」。そういうことを、面白いと感じられるのはやはり職業病なのでしょうか。「職業と言うより、僕、結構なんでも面白がっちゃうんですよ。それは別に、自然とかでもいいんですけど、“いまの風、すげえな”とか。ロマンティック過ぎることじゃないですけど。例えば、夕日がやばいねとか、今日の東京タワーはカッコいいねとか、そういうのも全部一緒。テレビで見たオバマが格好いいねとか。あらゆることに興味がある。作りものでも本物でもね。小学生の群れとかも面白いです(笑)。さっき、車で甲州街道を走ってたら、すごかったんですよ、落ち葉が。ものすごい量の落ち葉がブワっと来てて。“これすごいな”って。こういうの、なかなか撮ろうと思っても撮れないじゃないですか、ちゃんとセッティングしようとしても。ものすごい人数の美術さんがいて、落ち葉があって、カメラがあって、風を吹かせないといけないっていう。だから、それは面白いなぁって思いますね、偶然な感じがね」。自らの言葉で、映画のこと、衣裳のこと、そして、スタイリストとしての自由な精神や発想法について、楽しく語ってくれた伊賀大介さん。彼が腕を振るった衣装が見られる『蘇りの血』で、その伸び伸びとした才能をぜひチェックしてみて!(text:June Makiguchi)■関連作品:蘇りの血 2009年12月19日よりユーロスペースほか全国にて公開© 「蘇りの血」製作委員会■関連記事:草刈正雄の愛娘、危うくマムシに襲われる羽目に!?『蘇りの血』公開記念イベント豊田利晃監督“ナチュラルハイ”で撮った復帰作がフィルメックスで喝采!
2009年12月18日『青い春』や『空中庭園』など斬新な世界観で多くのファンを魅了する、豊田利晃監督4年ぶりの最新作『蘇りの血』がまもなく12月19日(土)より公開される。これを記念して、6日(日)、豊田監督はじめ、主演の中村達也に、草刈正雄の愛娘で、本作での熱演で注目を浴びる草刈麻有、渋川清彦がタワーレコード渋谷店にてトークイベントを行った。まずは監督による、それぞれのキャストの役どころについての紹介からスタート。按摩のオグリ役の中村さんについては「人間の野生のエネルギーの表現者は達也さんしか思いつかなかった。按摩の練習を五反田にあるマッサージ屋さんで練習してもらったんですが、すごく上手で褒められていました。あと、達也さんの筋肉が『オリンピックのアスリート並みに柔らかくて素晴らしい』とも言われてました」と意外な肉体美をアピール。一方、初々しさを感じさせる草刈さんに対しては、「本物の姫が来てくれて嬉しい」と手放しで喜んだ。その草刈さんはというと、「男性ばかりの現場で恐くなかったか?」との質問に「全然平気でした。優しい人ばかりだったので楽しかった」と年上の男性キャスト陣にすっかりなついた様子。本作は下北半島の大自然の中で撮影されたが、思い出を尋ねられた監督は「東京にいたら滅多に見れない“物の怪”のようなものを感じた」と告白。すると、中村さんは思い出したように「そういえば、湖のほとりで大きいアオダイショウが出た」と語ったが、監督によれば、実はこれ、アオダイショウではなくて本当はマムシだったのだとか…。「みんなを怖がらせないように毒がないアオダイショウって言ってたんです。後で本当のことは言いましたけど、達也さんはいままでアオダイショウだと信じていたみたいです」と弁解すれば、渋川さんは「草刈さんはそのマムシがいる湖にプカプカ浮いていたんですよ」と、何とも無用心な現場の状況を明かした。当の草刈さんは、最後に「テストが近いから頭が一杯で緊張してうまく話せずすみません。でも、この映画は多くの人に観てほしいと思っています!」とぎこちなくも一生懸命アピール。豊田監督は、「渋谷と真逆の世界観がこの映画の中にはあります。渋谷が嫌いな人には気に入ってもらえると思います」と、何とも豊田監督らしい至ってマイペースなメッセージでイベントを締めくくった。『蘇りの血』は12月19日(土)よりユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:蘇りの血 2009年12月19日よりユーロスペースほか全国にて公開© 「蘇りの血」製作委員会■関連記事:豊田利晃監督“ナチュラルハイ”で撮った復帰作がフィルメックスで喝采!
2009年12月07日