日常風景をビデオカメラで撮影した後、実写をトレースしてアニメーション化する、「ロトスコープ」と呼ばれる技術によって映像作品を制作してきた佐藤雅晴(1973-2019)の過去最大規模の回顧展が11月13日(土)より水戸芸術館にて開催される。2009年に「第12回岡本太郎現代芸術賞」で特別賞を受賞。2016年に原美術館で個展「ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴-東京尾行」、2017年にはシドニーでも個展「TOKYO TRACE 2」を開催するなど、国内外で精力的に作品を発表。現代美術、映画、アニメ、メディア・アートの表現領域を越え、高い評価を得てきた。東京藝術大学大学院美術学科絵画専攻修了後、ドイツを拠点に活動。2010年の帰国直後に上顎癌が発覚し、以後、茨城を拠点に闘病生活を送りながら制作に励んでいたが、2019年3月、45歳の若さで他界した。生前、佐藤はトレースという行為について、描く対象を「自分の中に取り込む」ことだと語っていた。実写とのわずかな差異から生じる違和感、現実と非現実を行き来するような曖昧さ。さまざまな感情や感覚を呼び起こす佐藤の作品は、「見る」ということの奥深さと豊かさを与えてくれる。同展では、未発表の映像作品《SM》(2015年)を初公開するほか、1999年に渡独し初めて制作した映像作品《I touch Dream #1》など、現存する佐藤の映像作品を一堂に展示。余命宣告を受け映像作品の制作が困難となってから、死の直前まで取り組んだアクリル絵具による平面作品「死神先生」シリーズを含む、映像作品26 点、平面作品36 点の計62点を通じ、佐藤の活動の全貌を紹介する。《I touch Dream #1》1999年《SM》2015年「死神先生」シリーズより《ガイコツ》2018年《バインド・ドライブ》2010-2011年【開催概要】『佐藤雅晴尾行-存在の不在/不在の存在』会期:2021年 11 月13日(土)~ 2022年 1月 30 日(日)時間:10:00~18:00( 入場は 17:30 まで )会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー休館日 :月曜日(1月10日は開館)、2021年12 月27日(月)~2022年1月3日(月)、1 月 11 日(火)休館料金:一般900円公式サイト:
2021年09月29日2019年に45歳の若さで亡くなったアーティスト・佐藤雅晴の映像作品展「Hands-もうひとつの視点から」が、六本木蔦屋書店ギャラリースペース「BOOKGALLERY」にて、2021年6月21日(月)~8月29日(日)の期間、開催されることが分かった。本展では、佐藤が生前に残した数ある作品の中から、「人が世界と関係を結ぶために用いる様々な『手』の行為を撮影しトレースしてアーカイブした」『Hands』(2017年)を中心に、デジタルフォト・ペインティングなどを二期に渡って展示。「BOOKGALLERY」の空間を活かし、新たな視点から再構成されるという。佐藤は、パソコンソフトのペンツールを用いて実写をトレースしたアニメーション作品に長年取り組んできた。その中で『Hands』は、猫をなでる手、入れ歯を洗う手、恋人にふれる手、ページをめくる手、おもちゃで遊ぶ子供の手など、33もの「手」のシーンを描いた映像作品だ。■展覧会概要佐藤雅晴作品展「Hands—もうひとつの視点から」SATO Masaharu exhibition:Hands—from another perspective会期2021年6月21日(月)~8月29日(日)場所六本木蔦屋書店2FBOOKGALLERY主催六本木蔦屋書店共催・協力■企画:E state of Masaharu Sato■参加作家:佐藤雅晴■会場構成:imura artgallery,KEN NAKAHASHI■展示:imura artgallery、KEN NAKAHASHI、田島孝通、糟谷健三■協力:大垣美穂子、imura artgallery、KENNAKAHASHI、E state of Masaharu Sato■佐藤雅晴1973年大分県生まれ。1999年東京藝術大学大学院修士課程修了後、デュッセルドルフ・クンストアカデミーに在籍、10年間滞在し、2010年日本に帰国。茨城県を拠点に活動し、2019年に逝去。2009年には第12回岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞。主な展覧会に、「温情の地:震災から10年の東北」(コンポジット、メルボルン、2021)、「距離をめぐる11の物語:日本の現代美術」(オンライン展覧会、2021)、「佐藤雅晴尾行—存在の不在/不在の存在」(個展、大分県立美術館、大分、2021/水戸芸術館現代美術センター、茨城、2021-2022)、「Rabbit」(個展、imura artgallery、京都、2020)、「DOMANI・明日展2020傷ついた風景の向こうに」(国立新美術館、東京、2020)、「死神先生」(個展、KEN NAKAHASHI、東京、2019)、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館、東京、2019)、「霞はじめてたなびく」(トーキョーアーツアンドスペース、東京、2019)、「オオカミの眼—The Iris of a Wolf」(BLOCK HOUSE、東京、2017)、「ハラドキュメンツ10佐藤雅晴—東京尾行」(個展、原美術館、東京、2016)など。
2021年06月11日こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。“パパ料理”というと、“男の料理”と違って子どもの栄養バランスまでよく考えられたものをついつい期待してしまいがちです。もちろんそうであるに越したことはありませんが、 2人の子どもたちにパパ料理を作り続けてきた筆者としては、「子どもたちもママも笑顔になれるというだけでパパ料理の効用は大きい」と思っています。今回は筆者オリジナルの“笑顔になれる簡単パパ料理”を3つご紹介したいと思います。すべての料理に共通するポイントは、“タマネギ”を使っていることです。●(1)ハムチーズトースト・スライスオニオンのせ忙しい朝にもピッタリの簡単パパ料理で、しかもおいしい。最初にご紹介するのは一日の元気の源“ハムチーズトースト・スライスオニオンのせ”です。用意していただく材料はどこのご家庭にもあるものばかりで、・食パン(1枚)・トマトケチャップ(少々)・タマネギ(16分の1個)・ロースハム(1枚)・バターないしバター入りマーガリン(少々)・スライスチーズないしとろけるスライスチーズ(1枚)これだけあればじゅうぶんです。作り方もいたって簡単。まずは食パンに薄くバターかバター入りマーガリンを塗ります(マーガリン100%のものを塗るよりも、出来上がったときの味がおいしくなります)。そこにトマトケチャップ(少しで大丈夫)を塗り、その上にロースハムをのせます。そうしたら普通のスライスチーズかとろけるスライスチーズをかぶせ、その上に薄く切ったスライスオニオンをのせてオーブントースターで焼くだけです。このパパ料理のポイントは、食べやすいように極薄にスライスしたタマネギを使っていること です。ママが作るピザトーストではおそらくトマトが使われることが多いと思いますが、ここではパパらしくタマネギを用います。わが国は、庶民のあいだでタマネギが食されるようになってからの歴史が浅い(一般には明治期以降と言われています)こともあって、いわゆる「ネギ嫌い」という言葉も存在しますが、タマネギは栄養豊富な優れた野菜です。パパやママだけでなく子どもたちにとっても体にいい野菜なのです。パパとママは仕上げに少量のタバスコとコショウをふってもおいしいですよ。●(2)タマネギたっぷりチャーハン次にご紹介する簡単パパ料理は“タマネギたっぷりチャーハン”です。あくまでも“簡単”に作れることが重要ですので、スーパーで売っているごく一般的な“焼き豚チャーハンの素”を使用します(「五目チャーハンの素」や「かに玉チャーハンの素」は食物アレルギーがあるお子さんも多いので使わないことにします)。こういったチャーハンの素は多くのスーパーで1人前×3袋入で100円しない値段でPB商品が出ていますから、ご家庭に常にストックしておかれるといいでしょう。用意していただく材料は、・卵(1個)・ご飯250g(茶わん2杯分)・サラダ油(大さじ1杯)・タマネギ(8分の1個)・ポークウインナー(1本)ないしロースハム(1枚)・焼き豚チャーハンの素(1人前×1袋)こんなところで大丈夫です。作り方はざっと次の通り。まずフライパンにサラダ油を引いて熱し、ざっと溶いた卵を軽く炒めます。このときお好みで輪切りにしたポークウインナーかぶつ切りにしたロースハムを入れるとマッチ・ベターですが、外せないのがここでもタマネギです。ぶつ切りないしみじん切りにしたタマネギ を必ず加えてください。おいしさが格段に違ってきます。次にご飯を加え、中火で約1分炒めます。卵とご飯を切るように炒めていくのがコツです。最後にチャーハンの素を加えて中火で約1分30秒ほど炒めれば出来上がりです。ただしここで重要なポイントがひとつ。炒めあがったチャーハンはそのままお皿に盛らずに、パパのお茶わんを型枠にして半球形に固めてください。こうすることによって画像のような“ラーメン屋さんのチャーハン”の形になるわけですが、実は“パパ料理”としてはこのビジュアルがとても大事 。ママと違って“つまらないことにこだわるパパの性(さが)”といったようなものをお子さまに示してさしあげるよい機会だからです。●(3)醤油ラーメンにたっぷりのタマネギをのせるだけでできる“八王子風タマネギラーメン”さて、おしまいに。チャーハンとくればやっぱり食べたくなるのはラーメンですよね。パパ料理としてのラーメンということであれば、タマネギをたっぷりのせた“八王子風タマネギラーメン”です。作り方は超簡単。中細緬で醤油味の生ラーメンを硬めにゆでて、仕上げにみじん切りにしたタマネギを“これでもか”というほどたっぷりのせます。これだけでオーケー。体が芯から温まりお子さんたちの活力を引き出す逸品 の出来上がりです。----------いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した“簡単パパ料理”はいずれも“料理”と呼べるようなシロモノではないかもしれません。けれども、今はもう1児の母親になっている娘にしても、今まだ中2の息子にしても、わたしが作ったこれらの料理を食べているときの顔が笑顔だった記憶しかないのです。同様に妻もです。妻が仕事で忙しく、逆に筆者の仕事が少なかったような時期には、わが家の子どもたちはわたしが作ったパパ料理を食べて育ちました。もちろん今回ご紹介したような簡単なものばかりではなく、かなり凝ったものもありますが、料理そのものの手のかかり方に関係なく子どもたちは笑顔であった と思います。そして食べながらその日あったことを聞き、明日のことを話す。それこそがパパ料理の本当の効用です。なお、パパ料理研究の第一人者である大正大学客員教授の滝村雅晴先生の著書などをあたっていただければ、もっともっとバリエーションに富んだパパ料理のレシピに出会っていただくことができますので、おわりに付け加えさせていただきます。【参考文献】・『ママと子どもに作ってあげたいパパごはん』滝村雅晴・著●ライター/鈴木かつよし
2017年08月29日東京都・品川の「原美術館」にて、キュレーターの育成や若手作家の支援を目的に開催する不定期のプロジェクト「ハラドキュメンツ」の第10弾「佐藤雅晴―東京尾行」展が1月23日(土)より開催される。佐藤雅晴は、パソコンソフトのペンツールを用いて実写をトレースして作りだすアニメーション作品に取り組んでいる。 トレースとは、対象を「自分の中に取り込む」ことだと自ら語っている。ビデオカメラで撮影された身近な人々や身の回りの風景をただただ忠実にトレース(写し取る・なぞる)し、何百ものコマを作って仕上げられたアニメーションは、無意味のようにも思えるが、実写とのわずかな差異によって生まれる違和感が、作品を前にした者それぞれの感覚に訴えかけ、さまざまな感情を呼び起こすという。本展では、「Calling」(ドイツ編、2009~2010年)を始め、「トレースとは尾行である」という新たな発想の下、2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて変わり行く東京の今を描いた最新のアニメーション作品「東京尾行」(2015~2016年)、さらに平面作品数点を加え、作家の表現の変遷を展観する。佐藤氏が作家として日本で注目されるきっかけとなったアニメーション作品「Calling」のドイツ編(2009-2010 年)では、10年間過ごしたドイツのデュッセルドルフで、12の身近な光景を時間の移ろいも交えて精緻にトレースした作品。一方、ニューヨークで開催された「Duality of Existence - Post Fukushima」展(2014年、Friedman Benda Gallery)の出品作「Calling」の日本編(2014 年)は、ドイツから日本に帰国した直後に遭った東日本大震災、そして間もなく自身と家族を続けざまに襲った病魔との闘いなどを経て生まれた作品だ。今回、ドイツ編と日本編が同時展示されている。同じように周囲の風景をトレースして作り上げられたアニメーションでありながら、映像に浮かび上がってくる表現の違いを見比べることができそうだ。佐藤雅晴は、1973年、大分県生まれ。1999年、東京芸術大学大学院修士課程修了。2000~2002年、国立デュッセルドルフクンストアカデミーにガストシュラー(研究生)として在籍。2009年、「第12回岡本太郎現代芸術賞」にて特別賞を受賞。以後、川崎市市民ミュージアム(2013年、神奈川)やギャラリーαM(2014年、東京)等で個展開催している。ハラドキュメンツは、原美術館賛助会員のサポートの下、1992年の福田美蘭に始まり 2012年の安藤正子まで、過去9回開催されており、美術の範疇に留まらず、着せ替え人形作家の真鍋奈見江など、次代を担う若手の創作を紹介している。本展の開催は、5月8日(日)まで。(text:cinemacafe.net)
2016年01月20日観光地の代名詞的存在の京都ですが、なんといっても本番は“秋”。そこで、これから本番を迎えようとしている京都の好きなところを、各界の京都好きに聞いてみました。■JUJUさん(歌手)秋の京都はとにかく美しい。神社仏閣巡りにもいい季節だし、最近はちょっと遅いですが紅葉もはじまるし。一人で街を歩いているだけでもうっとりできる京都、最高です。■トラウデン直美さん(モデル)たくさんの人が訪れて活気があふれている秋の京都は本当に一番綺麗なのでみんなに来てほしい。会う人会う人に、「今、京都に来るべきだよ!」って言っちゃいます。■滝村雅晴さん(パパ料理研究家)秋の貴船はとてもひんやりしていて空気がおいしい。ライトアップで浮かび上がる紅葉のグラデーションは秀逸。秋の良さが分かるようになったのは、京都のおかげかもしれません。■花沢理恵さん(フードスタイリスト)どの季節も魅力的ですが、秋はおいしい料理も存分に楽しめる最高の季節。自分好みのバーや珈琲店、古いモノ、そして美しい風景と、お気に入りが揃い踏みの、私にとってのパワースポットです。■矢野未希子さん(モデル)紅葉がキレイ!■武智志穂さん(モデル)日本で一番綺麗な秋の風景が楽しめる。川や山で見る紅葉も綺麗だし、お寺で見る紅葉も風情があって素敵だし。夕暮れの街並みも大好き。■ユリコフ・カワヒロさん(イラストレーター)蒸し暑い夏が終わって、からっとした空気が気持ちよく、北から南に景色が色づいていくのを見るのも楽しいです。自転車で、鴨川沿いを走ったり、二条寺町あたりや丸太町河原町あたりの色んなお店を眺めながら走るのも気持ちがいいです。■甲斐みのりさん(文筆家)あちらこちら歩き回るにも、鴨川の川べりでゆっくり過ごすにも秋がもっとも適した季節。芸術の街で、学生も多くて文化的にも豊かな環境の京都は、本や雑貨も素敵な店揃い。本やCDを買ったり贈り物を選んだりして、芸術の秋を楽しんでいます。※『anan』2015年11月4日号より。写真・福森クニヒロ
2015年10月28日東京都は8月3日・4日に「仕事効率をUPして、わが家時間を楽しもう。」と題した、ワークライフバランス推進イベントを開催する。東京都によると、子育て世代の30代男性の約5人に1人が週60時間以上働いている現在、長時間労働の削減はワークライフバランス実現に向けた大きな課題のひとつだという。そこでこのほど、ワークライフバランス普及啓発イベントの開催を発表。8月3日は13時から東京都庁において、企業の人事労務担当者や経営者等を対象にした講演会「東京しごとの日 2012」を実施する。「ワークライフバランスの実現に向けた長時間労働削減の重要性」の講演、リレーセミナー、パネルディスカッションなどを予定している。入場無料。8月4日は家族連れなどの方々を対象に、有楽町駅前広場にて「あなたから!ワークライフバランス2012」を開催。フリーアナウンサーの木佐彩子さんと、イクメン俳優の金子貴俊さんの対談形式のトークショーや、パパ料理研究家の滝村雅晴さんによるステージ、それいけ!アンパンマンショー、親子で楽しめるものづくりワークショップコーナー (TOKYO PLAY)、ジャグリングのパフォーマンスなど、家族そろって楽しめるコンテンツとなっている。また、ワークショップブースとして「長時間労働削減!効率アップ仕事術」ブース(NPO法人Arrow Arrow)、「すぐできる!片付けのコツ!」ブース (NPO法人tadaima!)も設けられている。同イベントに事前申し込みの必要はないが、それいけ!アンパンマン ショーのみ事前に整理券の配布を行うとのこと。詳細については東京しごとの日で案内している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月04日