VTuberの犬山たまきをはじめとするVtuberプロダクション「のりプロ」所属のメンバーが出演する、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」の新番組『のりナナ』が30日にスタートする。○■バーチャル出演者だけのトーク番組『のりナナ』では、人気VTuberの犬山たまきを中心に、稲荷いろは、レグルッシュ・ライオンハートなど「のりプロ」 所属メンバーが、VライバーやVTuberなどのゲストとともに、毎回決められたテーマに沿ってトーク。バーチャル出演者だけが出演する新しいスタイルのトーク番組となる。○■『のりナナ』配信日時・9月30日(土)20:00〜・10月18日(水)20:00〜・10月25日(水)20:00〜・11月15日(水)20:00〜・11月29日(水)20:00〜・12月6日(水)20:00〜・12月13日(水)20:00〜
2023年09月22日愛知県犬山市を中心に観光事業を行う株式会社遊猿地(所在地:愛知県犬山市、代表:鈴木 慎之)は、桃のスイーツやドリンクをおよそ50種類と火鉢を使ったフードを楽しめる「火鉢cafe 桃と黒(ひばちかふぇ ももとくろ)」(犬山市大字犬山字東古券532)を、2022年12月中旬にオープンします。火鉢cafe 桃と黒 ロゴ■背景当社は2021年に創業した若い会社で、人力車を中心とした観光業を行ってきました。犬山市内で人力車の運行や2021年は高田製菓と椙山女学園大学の学生さんとのコラボ企画として桃太郎をモチーフとしたお土産「キュブ団子」を制作しました。そして今年再び椙山女学園大学とのコラボで、空き家改装プロジェクトとしてお店を立ち上げることとなりました。桃太郎モチーフのお土産「キュブ団子」■お店の特徴*桃のフード・ドリンクが充実犬山市と桃の繋がりは以外にも深く、産地であることはもちろん桃太郎伝説・犬山城の桃瓦など町の歴史と関わっています。そんな桃を使ったスイーツやジェラート、さらには桃のお酒などを50種類以上ご用意しました。*火鉢を使ったフードメニュー炭火でじっくりと焼く「火鉢メニュー」では焼きおにぎりの貝出汁茶漬け、提携農家の焼き野菜など炭火と焼き上がりのひと時を楽しんでいただくメニューを開発しました。*古民家の香りを残した店内築50年以上の古民家を改装。和室などは残しながら落ち着ける空間になっています。改装中の様子<クラウドファンディングもスタート予定>詳しくはTwitterにて ■お店概要店名 :火鉢cafe 桃と黒開店日 :2022年12月中旬場所 :愛知県犬山市大字犬山字東古券532■会社概要商号 : 株式会社遊猿地代表者 : 代表取締役 鈴木 慎之所在地 : 愛知県犬山市大字犬山字西古件391-2設立 : 2021年2月事業内容 : 人力車 観光URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】株式会社遊猿地 お客様相談窓口MAIL: yuenchi.ltd@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月17日椙山女学園大学生活環境デザイン学科の川野紀江准教授のゼミ生は、犬山市に拠点を置く株式会社遊猿地と共同企画として犬山を盛り上げようとライトアップやイベントを企画。2022年8月末の第一弾に引き継ぎ、同じく犬山市のハートの絵馬で有名な「三光稲荷神社」にて、犬山の夜を盛り上げるライトアップを期間限定で11月26日(土)より、5日間開催いたします。椙山女学園大学生活環境デザイン学科SNSサイト: 株式会社遊猿地SNSサイト 犬山市の犬山城のふもとにある三光稲荷神社にて、ハートなどをあしらった高さ40cmほどの筒状のあんどんを30個ほど並べ、三光稲荷神社を彩ります。それに加え、ハートの絵馬のライトアップや、ハートの絵馬に因んだ赤やピンクの手持ち照明ワークショップを行います。制作した手持ち照明を持ち、犬山に来て一緒にライトアップしませんか?三光稲荷ライトアップ1他にも犬山城下町を周る謎解きイベントも同時開催いたします。桃太郎伝説に因んだ謎解きで、犬山の城下町を散策でき、子供から大人まで楽しめること間違いなしです。お昼は犬山の城下町を巡りながら謎解きをして、夜は三光稲荷神社のライトアップで冬の思い出を作りましょう!【第二弾 犬山三光稲荷神社ライトアップ】日程 :11月26日(土)、27日(日)12月3日(土)、4日(日)、5日(月)時間 :16:00~19:00拝観料:無料場所 :三光稲荷神社【ハート手持ち照明イベント】日程:上記と同じ時間:12:00~15:30予定事前予約可場所などの詳細はSNSサイトよりご確認ください。【犬山謎解きイベント】日程:上記と同じ時間:12:00~15:30予定事前予約可場所などの詳細はSNSサイトよりご確認ください。お問い合わせは、川野研犬山企画 inuyama.sju.2022@gmail.com または、InstagramのDMにてお願い致します。【前回の広告チラシ】ライトアップイベント過去チラシ【前回 第1弾犬山三光稲荷神社ライトアップの様子】三光稲荷ライトアップ2三光稲荷ライトアップ3あんどん写真【手持ち照明デザイン試作写真】手持ち照明写真 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月19日直木賞作家・辻村深月の人気小説を原作に、アニメ制作に携わる人々のドラマを描き出す映画『ハケンアニメ!』の試写会が5月8日(日)に都内で開催。エッセイストの犬山紙子が上映後のトークイベントに登壇した。映画ライターのSYOをMCに迎えて行なわれたこちらのトークイベント。犬山さんは、辻村さんによる原作小説も愛読していたということで「辻村先生にしか描けない、解像度の高い、フィクションを愛する者の叫びをどう描くんだろう? というのが最初、この映画で気になる点でした」と原作を愛するがゆえの映画鑑賞前の気持ちを明かしたが、実際に完成した映画を観て「最っ高でした!」と手放しで絶賛する。特に中村倫也が演じる“天才監督”王子がアニメイベントで自身も含めたアニメを愛する“オタク”への思いをまくし立てるシーンに触れ「あのシーンこそ、辻村先生の叫びなんじゃないかと。私も二次元を愛する人間として、金言のように受け取りました。中村さんの愛のこもった、魂のこもった演技で、セリフじゃなく『あ、本当に愛してる人が語ってる言葉だ!』と伝わってきました。私も『幽 遊 白書』の飛影だったり、『テニプリ(『テニスの王子様』)』の跡部様が心のよりどころの学生時代を送ったので、その私を不幸だったなんて言わせないと代弁してくれました」と感謝の思いを口にする。犬山さんが学生だった頃は“オタク”という言葉には現在よりもネガティブなイメージが色濃くあり、二次元やフィクションを愛するということに対し「生産性のない趣味」「現実がイヤだから、そういうものにハマるんでしょ?」などと偏見に満ちた心ない言葉を掛けられることも多かったという。「『二次元のキャラクターが好きなんて、実際に恋愛したら治るよ』と病気のように言われることもありましたが、そういう気持ちを作る側の立場からすくってくれる言葉でした」と熱く語る。映画の中では傍から見ればキラキラと輝いて見えるクリエイターたちの裏での苦労、“生みの苦しみ”もしっかりと描かれており、犬山さんも心打たれた様子。「『ゼロから(作品を)生み出すプレッシャーと言ったら…かじりついて書くしかないんだよ』というセリフも、辻村さんが小説を書くにあたって思っていることなんだろうなと。私も最近、気づいたんですが、原稿を書いていて行き詰ると、指毛をむしっているんです(苦笑)。裏側って見せられるようなもんじゃないんですよね。そこがしっかりと描かれていましたね」とうなずく。これまで数多くの漫画やアニメに救われてきたという犬山さん。「私の場合、好きな作品ができると、心にそれ専用の“部屋”ができるんです。小6で飛影に恋して『幽 遊 白書』の部屋ができたんですが、新しく別の作品を好きになっても、その部屋がなくなるわけではなく、永久に部屋が増え続けて、それらの部屋が集合体として私の中で聖域のような場所として作用するんです。『幽 遊 白書』が好きで、次に『テニプリ』が好きになって、『ハイキュー!!』、『ワールドトリガー』が好きになって、最近ではソシャゲなんですけど『魔法使いの約束』という作品がシナリオがすごくよくて…!どの部屋も私のよりどころとして存在していて、王子監督が話したように、もちろん現実逃避の側面もあるかもしれませんが、今を生きるために『あ、いまちょっとしんどい』とか『いま、あの作品の力を借りなきゃ』という時に、ドアをノックして、そこで少し休んで力をもらって、また出てくるみたいな“無敵の味方”のような存在なんです」と明かす。「好きを、つらぬけ。」というのは本作のキャッチコピーだが、まさに自身の中の「好き」を貫き続けた結果として“いま”があるとも。エッセイスト、漫画家として活躍するが「いま、ここでこうやってお話をさせてもらえていること自体、『好き』を貫いた先にあったことだと思います」と語り、子どもの頃から好きだったという「ちびまる子ちゃん」やその作者であるさくらももこのエッセイを読んだり、アニメ『耳をすませば』を見て、主人公・雫に対し「これは私のことでは?」と自らを重ねながら「学生時代から何かを描きたいという思いはずっと持っていた」とふり返る。「最初は編集者として雑誌を作ってたんですが、母の介護に回らなくちゃいけなくなって、でも家で介護しながらでも、何かを書くことができるんじゃないか?と夢は捨てなかったので、やはり『好き』という原動力に助けられてきたという思いはありますね」と語った。監督、アニメーター、プロデューサー、聖地巡礼を盛り上げようとする公務員など、アニメに携わる“仕事人”たちの姿を余すところなく描く本作。「監督だけでなく、スタッフみんなでアニメを作り上げてるんだということが伝わってくる。それって本当に尊い。全員が主役として、誇りをもって仕事をやっている“お仕事映画”であり、どの人にフォーカスを当ててもカッコいい!」と映画がひとりひとりの登場人物を丁寧に描いている点にも称賛を送る。そんな、数多くの魅力的な登場人物たちの中で、犬山さんが特に「グッと来たし、共感ポイントも多かった」というのが、尾野真千子が演じた、王子監督を支えるプロデューサーの香屋子。特に香屋子と吉岡里帆が演じる瞳がジムで顔を合わせ、一緒に銭湯に浸かるシーンに言及。「ライバルなんだけど、2人ともそこで力を得て、現場に戻っていくあの感じ――女性の描き方にシスターフッドをしっかりと感じました。(香屋子の)アニメ好きで一本、真っ直ぐな感じも好きです」と語る。映画を観終えたばかりの観客に向けての「もう一度、本作を見る際の注目ポイント」を尋ねると、犬山さんは「王子監督が瞳に対してもちゃんとリスペクトを持っているということ。ライバルとはいえ、面白いものを作る人へのリスペクトが互いにあって、それは香屋子と瞳もそうで、その描き方が美しいです」と語る。さらに、先述のアニメイベントのシーンに再び言及し「辻村先生が魂を込めて書かれたセリフを王子や瞳がドッと吐露するところに役者さんの魂も乗っています。原作の良さと映画の良さが見事に掛け算されている、後世に残る名シーンになっている。フィクション好きとして、私のように二次元のキャラクターを愛し、フィクションに救われた人間にとって、その気持ちをすくってくれるようなシーン。そのうち、DVD化されたら、しんどい時に見たいです。『ハケンアニメ!』の“部屋”ができました」と熱い思いを語ってくれた。『ハケンアニメ!』は5月20日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月20日より全国にて公開©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年05月08日映画『あの頃。』の原作者・劔樹人(つるぎ・みきと)さんとその妻である犬山紙子さん。結婚前から共に“ハロプロ”に魅了されているお二人にその熱き胸の内を語っていただきました。“ハロプロ愛”とその深すぎる世界。モーニング娘。(以下、モー娘。)の誕生を機に、つんく♂さんが手掛けた女性アイドルグループの総称“ハロー!プロジェクト”(以下、ハロプロ)のファンこそ“ドルオタ”(アイドルオタクの略)の先駆け。劔:僕がハロプロにハマっていったのは‘03年頃。いろいろあって落ち込んでいた僕を元気づけようと友達が持ってきた松浦亜弥さんのMVを見たことがきっかけ。犬山:私がハマったのは約8年前、YouTubeでモー娘。の「One・Two:Three」というMVを見て。なんじゃこりゃ!って衝撃を受けてたった一晩ですっかりファンになってしまった。それで当時まだ友達だったつるちゃん(劔)が昔、ハロプロが好きだって言ってたのを思い出して。劔:一緒にCDを買いに行ったね。犬山:その時つるちゃんは一度ファンを離れていたから、私が「なんで今も追いかけてないんだ!」って説教した気がする(笑)。劔:‘07年頃に上京して生活が変わり、ハロプロオタクの仲間たちともバラバラになってしまったこともあって…。でもそのあと「What is LOVE?」という曲にバチンときて、また出戻ったけど。結構いるんだよね、1回お休みしてたけど戻ってきましたというファンは。犬山:最初はとにかくほとばしる魅力にやられたの。ただただ、多幸感に溺れている感じ。そこから、このメンバーが気になるとか、このグループの歴史は…と探り出すうちにどんどんハマってた。あとになって俯瞰したら、ハロプロに夢中になることで元気をもらっていたんだなって思うんだけど。劔:落ち込んでいる人に限らないけど、何かが突然刺さるというか個々にホームランが出るんだよね。犬山:武道館とか中野サンプラザのハロコン(ハロプロのコンサート)にも一緒に行ったよね。初めて観た時は、モー娘。が登場しただけで号泣(笑)。ひたすらYouTubeで見てきた人たちが実在するっていう喜びなのかな。つるちゃんもよく泣いてたよね。劔:僕もそうだし、メンバーの誰かが辞めちゃう時とか、おじさんたちめちゃくちゃ泣いてるよ。犬山:彼女たちが背負っているいろんな気持ちや空気感までファンは一緒に受け取るから、感極まってしまうのかな。劔:歴代メンバーの中でも欠かせない人はたくさんいるけど、高橋愛さんはすごかったな。パフォーマンスも超人的なスキルで、しかもモー娘。の歴史の中でもメディアに露出が少ない時代のリーダーだったんだけど、ライブばかりしていたからレベルが高い。犬山:ぽわんとしていると思いきや、ステージに立つとめちゃくちゃかっこいいし、歌もうまいね。劔:歌って踊りながら、高いヒールでも足元を見ずにステージ上の階段を下りるということを徹底していたのもすごい。犬山:そんな先輩がいたら、後輩たちはレベルを上げるしかないね。劔:道重さゆみさんは一時期はぶりっ子キャラでバッシングを受けたりもしてたけど、リーダーでアジテーターとしての力が強く、彼女の功績は大きいと思う。譜久村聖さんは、道重さんが抜けた18歳から、そして24歳になった現在もリーダーを務め、その歴も最長で。今のモー娘。は全体野球のようにみんなで戦ってる感じがするね。犬山:そしてファンは、未完成なものから努力を重ねて成熟していく過程をリスペクトしつつ応援しているところが素晴らしいと思う。劔:彼女たちとファンは、共にハロプロ誕生からの23年間を一緒に歩んできた仲間のような感覚なんじゃないかなと思うんだよね。つるぎ・みきとベーシスト、漫画家、元マネージャー。バンド・神聖かまってちゃんを見出し、マネージャーとなってムーブメントを起こした、音楽業界では名の通った存在。いぬやま・かみこコラムニスト、エッセイスト、ラジオパーソナリティ。『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)ほか著書も多数。映画『あの頃。』神聖かまってちゃんの元マネージャー、劔樹人による2014年に発売された自伝的コミックエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』(イースト・プレス)を映画化。彼女なし、金なしでどん底生活を送っていた劔が、松浦亜弥の「桃色片想い」のMVを見たことで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちにどハマり。ヲタ活の日々を描いた。監督:今泉力哉©2020「あの頃。」製作委員会※『anan』2021年2月17日号より。写真・小笠原真紀イラスト・劔 樹人犬山紙子取材、文・若山あや(by anan編集部)
2021年02月13日男性の育児休業(以下、育休)取得率の低さが、社会的に問題となっています。2020年7月31日に公表した厚生労働省の調査結果によると国内の育休取得率は女性が83%に対し、男性は7.48%にとどまりました。この水準は育休制度がある海外諸国と比べても、極端に低いといわれており、制度の拡充等環境の整備や、男性の育児参加に対する意識改革の必要性を多くの人が訴えています。犬山紙子「育休は人道的に必要なもの」同年10月16日、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、男性の育休取得が広まらない現状について特集。番組では東京商工会議所が発表した「男性社員の育休取得義務化について、中小企業の7割が反対している」という調査結果なども取り上げ、なぜ日本国内で男性の育休取得が進まないのか、原因を探っていました。企業のアンケート調査や取材の結果、男性の育休取得が低い理由として「社内に育休を取りやすい雰囲気がない」「社内の制度が整っていない」「所得の保証が十分でない」「育休の認知率の低さ」などが多くあるといいます。こうした現状に対し、コメンテーターの犬山紙子さんは、次のように見解を述べていました。取りたいけれども取れないという男性の声をたくさん聞いているので。やっぱり会社内でのその後キャリアに響くんじゃないかという不安で、その不安は妻も感じるところではあったりするので、そこの改善が本当に必須だなと。スッキリーより引用男性が育休を取得したいと思っていても、給与面や復帰後の影響への不安が障壁になっていることを犬山さんは指摘。続けて、男性が育休を取得する重要性について想うことを語っています。やっぱり育休って出産後の妻の身体って大ケガをしているようなものなので、人道的にも必要なものだと私は感じているんですよね。今、コロナ禍で『産後うつ』が問題になっていまして、産後うつの可能性がある方が、コロナ禍で通常の2倍というデータも出ていて、産後うつを防ぐためには、孤立を防ぐことが本当に大切なんですね。自分の気持ちを分かってくれる人、ともに子育てをしてくれる人、もちろんそれはパートナーだけではないのですけども、他者の手が本当に大切。これはもっともっと進んでいってほしいと切実に思っています。スッキリーより引用中小企業の人手不足の問題など、現実的に男性の育休を広めるには、難しい社会構造もあるでしょう。しかし、産後の母親を守るためにも、身近なパートナーが子育てに参加できるようにすることは必要だと犬山さんは訴えました。ネット上では、番組を見た人たちからさまざまなコメントが上がっています。・男性の育休取得の壁は、給料が減ることと、男性育児への偏見が大きいと思う。・「大ケガしているようなもの」ってその通りだと思う。それなのに、そもそも女性の育休ですらいい顔をしない会社が多い。・今朝のスッキリの特集、夫にも見て欲しかった。産後の夫婦に対する世間の冷たさを妊婦になって実感しました。・育休中の支給額、海外だと8割以上なのに日本は6割程度。夫婦ともに育休したら生活がきつくなる。まずはこれを改善しないとね…。親が子育てのための時間を確保することが、もっと当たり前の世の中になっていくように、制度面も人々の意識も、両方変えていく必要がありそうですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月16日犬山紙子さんの「自己満ネイル」って?‘20年秋のananモテコスメ大賞に3つのネイルを選んでくれました。ネイルが目に入るたび気分がアガります。「その日のメイクや服に合わせて変えたいから、元々セルフネイル派でした」と話す犬山紙子さん。出産後、一時期はネイルをほとんどしなくなってしまったが、ステイホームでリモート取材などが増えた現在は、ネイルがもたらすマインドケアにも注目しているんだそう。「家にこもって仕事をしていると、やっぱり不安を感じることも増えてくる。でも、パソコンを打っている時に、可愛い色の爪がチラチラ目に入ってくると気分がアガることに気づきました。これまではどんな服にも合わせやすいシンプルで無難なカラーが好きだったけど、今は1色でぐんと垢抜けるとか思いっきり派手、という存在感が欲しい。マスク生活でメイクが十分楽しめない代わりに、ネイルで楽しみたいですね」薄いベール1枚で大人の女性になれる賞敏感肌ブランドとしてスキンケアにもファンが多いOSAJI。ネイルカラーには爪の潤いを守るハーブエキスなどを配合し、乾燥から爪を守る機能が。「今までラメ系をつけるとすれば、パールのようなザ・白ばかりだったので、こういうオーロラのような輝きはすごく新鮮。うす~く1枚ベールをかけるような感覚で、ささっと一度塗りした時の発色が最高でした。ちなみにOSAJIは全カラーが繊細で、爪が薄い貝殻のように!」。(写真右)アップリフト ネイルカラー11 Drape¥1,700(日東電化工業)服がシンプルでも洗練された大人の女性を演出できる。「年を重ねるごとにシンプルな服が増えてきたので、ネイルにこういうニュアンスカラーを足すと、こなれ感のある大人のおしゃれさが楽しめます」アクセサリーになる主役級カラー賞遊べるカラーが得意なNAIL HOLICから、秋も攻めカラーが続々リリース。「暗いところにいても、ギンギラギン、ブリンブリンに存在感を放ちそうで『たいがいにせいよ』ってぐらい刺激的なカラーばかり(笑)。でも自宅でオンライン会議をしている時、このカラーが目に入った瞬間、明るい気持ちになったんです。フューチャーメタルは爪の先にピッと置くだけで存在感があってめちゃくちゃ可愛いです」。(写真中央)フューチャーメタルGD046 ¥360 9/16発売(コーセーコスメニエンス)アクセサリー代わりになる高感度なインパクト!「たとえば手元がノーアクセでも、このカラーがアクセ代わりになる。白シャツ×デニムのスタイルがぐっと垢抜ける、主役になれるカラーです」夏を華やかに彩る魅力にドキドキ賞搾りたてのフルーツジュースのような鮮やかさが目を惹き、秋まで活躍しそうな2色セット。犬山さんが気に入ったのはエナジーオレンジ。「黄みがかったオレンジは、爪全体に一色塗りするとツヤツヤでジューシー。見た瞬間に『つけたい!』と思う華やかさと魅力を感じました。ペディキュアにしても良さそう。もう一色のビビッドピンクのルッキングスーパー ジューシーを1本だけどこかの指に入れても可愛いと思う」。(写真左)フレッシュリージュースド ネイルポリッシュ デュオ キット ノット フロム コンセントレイト 2色入り¥3,550(TAT)メイクでも爪でも流行のオレンジ系カラーを満喫!「リップもアイシャドウもオレンジを買っていたから、これは絶好のカラーでした。緑のワンピと合わせて果実のような色を目立たせると可愛い」いぬやま・かみこ1981年生まれ、大阪府出身。イラストエッセイスト。『スッキリ』(日テレ)などにレギュラー出演中。著書『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)が発売中。※『anan』2020年8月26日号より。写真・五十嵐 洋(商品)スタイリスト・大島有華取材、文・若山あや(by anan編集部)
2020年08月25日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にし、音声と共にお届けします。今回は2020年7月9日放送分より、『モトカレマニア』『臨死!!江古田ちゃん』を生んだ漫画家・瀧波ユカリさんがゲストで登場です。■「マウンティング」の生みの親<犬山さんの声を聴きながら読む>犬山:瀧波さんとお会いしたのは、私が『嫌われ女子50』という本を出すときに、お話をぜひ聞きたいとお願いしたのが最初でしたよね。「あなたにとって、どんなタイプの女性が嫌いですか?」というテーマで。今の私だったら、タイトルもテーマも疑問視するような本ではあったんですけれども……。瀧波:時代を感じるよねー。犬山:その時に、瀧波さんから「マウンティング」というワードが出てきたんです。それまで人間同士が「自分の方が格上だ」と示すことを、そんなふうに呼んだ人はいなくて。めちゃくちゃ言葉がしっくりくる! と目からうろこでした。瀧波:対談の何日か前に思いついたんですよね。もともとは生物学用語ですけど、男女間でも異性間でも起きるアレを、何かでうまく言いたいと考えていて。犬山:Twitterなどでもまさに「共感の嵐」で広まっていき、瀧波さんとは『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』という対談本を出すに至ったわけなんですよね。あの本はマウンティングのシミュレーションがすごかった。たとえば、「都会に住んでいる女子」と「田舎に住んでいる女子」と設定を決めて、お互いにマウンティングし合ってみるんです。「田舎女子」だとすると「都会って憧れる〜! でも私、狭いところに住むのはイヤで」みたいに。瀧波さんはさすがマウンティングの生みの親だけあって、言われたら嫌な絶妙のポイントをアドリブでポンポン出してくるんですよ。瀧波:今、ちょっとやってみた方がわかりやすいんじゃない?■実践・マウンティング女子のバトル犬山:設定どうしましょっか。瀧波:そしたら、私が「都会で働くOL」で、いぬぬ(※犬山さん)が「地方で地域ぐるみの民泊事業などをする女性」って感じで。犬山:わかりました。では瀧波さんからお願いします!<犬山さんの声を聴きながら読む>瀧波:(声のトーンを上げて)紙子〜! 久しぶり〜! 元気? そっちってどうなの?犬山:(声のトーンを上げて)なんかね〜、やっぱり緩やかに時が過ぎるっていうか……コロナの影響もそんなになくて、私はいつも通りに「自然と時を育んでる」って感じ。瀧波:「虫と一緒に生きてる!」って感じね! コロナの影響がないなら、何かいいな〜。私はパワーランチが毎日できなくなっちゃって、仕事の話も進まなくなっちゃったの。犬山:……ちょっ、ちょっと待って……「虫と一緒に生きてる」と「パワーランチ」にダメージを受けて笑いが出てしまう……でも、ユカリにパワーランチが必要なのも私は認めるけど、私はもう疲れちゃったっていうか。地域の人たちと野菜を交換したりとか、そういった日々の暮らし、気持ちの育みのなかで「自分の時間」を生きていきたいんだよね。瀧波:でも、田舎でつくれる良い野菜って、結局は都会で買えるよね〜。都会に疲れちゃった女子が一度田舎に行って、また都会に戻ってくる流れも出てきてるし。犬山:野菜、たしかに伊勢丹とかに売ってるけども(笑)。はぁ……やっぱり瀧波さんはすごかった! 完全に私が押されました。たぶん私が特別に弱いというより、瀧波さんがうますぎるんですよ。頭の回転も速いんでしょうけど、普段から言葉を摂取してるから、そんなにポンポン出てくるのかしら。瀧波:ポジティブに考えればそうだけど、性格が悪いだけかも? これ完全に、私はいま、リスナーから嫌われてると思う(笑)。■「あの頃の私が、この情報を知っていれば」と思いながら犬山:自分がいま10代後半とか仕事を始めたての頃とかだったら、瀧波さんのマンガやエッセイを摂取したかったなって思うんです。あの頃はモヤモヤとツラい女の子として生きていて、でもこのツラさを言語化できないし、周りから「女なんだから」と押し付けられた正解を内面化している時期なんですよね。そういう時期の苦しんでいる若い女の子にとって、瀧波さんは感情を整理できて、楽になれるような言葉をくれるんですよ。優しく寄り添って教えてくれる存在。いまの20代の女の子たちが少し羨ましいくらいで、私も当時に出会えていたらなって。瀧波:若いときの私自身が、自分のそういうモヤモヤとかドロドロをそのまま漫画や文章にしていたから、今の自分が過去作を読むと、直視できなくてツラいですよ。犬山:それは私もです! 自分の内面がそのまま出ちゃっていたりとか、人を分断するようなことを書いてしまっていたりとか、反省しきり……。瀧波:いまだったら絶対に言わないようなこともあるしね。でも、そんな時代を進んできて変わったから今があるわけで。今も昔と変わってない人は過去作も平気で見れると思うんです。だから、その分だけ進歩したと思えばいいんじゃないかな。犬山:そうかー! 私も過去作が見られない理由を良く捉え直せました。瀧波さんの作品には、「苦しかった自分も含めた、あの頃の女の子たちへ」という目線を強く感じます。そういった目線は、どういった気持ちから生まれていると思いますか?瀧波:やっぱり「情報を届けること」だと思う。いぬぬも言った通りに「あの頃に知っていたら苦しまずに済んだこと」は本当にいっぱいあります。それって、世代が変わってしまうとうまく届かない場合もあるかもしれないから、今の若い子に少しでも情報を渡すことが大事だと思っていて。「こんなことを言う男はダメだよ!」とか。犬山:それを本当に知りたかったんですよね。情報1つで捉え方は全然変わるし。たとえば、会社内での不遇を「私の実力不足だから」と思いすぎたり、「女は理性的じゃないからだめだ」みたいな言葉を信じてしまったり、若い頃ほど「結局は自分が悪いせいだ」みたいに自身を責めがち。私自身もそうでしたし、本当にそう感じることも多かった。だから、瀧波さんのような近い立場でいてくれるお姉さんからの話は、届きやすいと思っています。■いまは「恋愛が始まる前」の悩み相談が増えている犬山:瀧波さんはRadiotalkでも『おちゃのじかん』というタイトルで、音声を配信されてますよね。瀧波:今年の3月くらいからですね。毎回10分くらい、特に強く訴えたいこともなく、だらっと喋る感じで続けています。お悩み相談をすることもあって、それは「マシュマロ」という匿名でメッセージを受け付ける投書箱みたいのがあって、そこに悩みがポロッと送られてきたりしたときに応えています。犬山:そういったふうに寄せられるメッセージも含めて、今の女性たちに多いお悩みの傾向なんてあったりするのでしょうか?瀧波:だいたいは「恋愛」と「仕事」ですね。ただ、「恋愛をしたいけどできない」とか、「好きな人が現れない」みたいな「恋が始まる前」の悩みが多い気がします。犬山:それは同感です! 私もお便りを読んでいると、「出会いの無さ」や「好きな人がいない」という声が多いですね。そういった人にはどんな言葉をかけられますか?瀧波:まずは「変わらなきゃいけない」っていう思い込みは一度外した方がいいよ、と。恋愛しなきゃいけない、仕事で上に行かなきゃいけない、仕事と家庭を両立してなくちゃいけない……そういうことって、まずもってみんながする必要はないです。大事なのは「あなたはどうなりたいか」をスタートにすることですよね。犬山:女性は子どもを産まなきゃいけない、結婚しなきゃいけない、といった圧力もそうですよね。年齢的なタイムリミットのもとに焦らされる感じ。それを強要される中で生きていくなかで、「変わらなきゃいけない」と無根拠に思ってしまうこと、あるいはそれを思わせてくる社会に、私は怒っちゃうんです。自分の傷を癒す方が先決だったりすることもあるし。瀧波:でも、「変わらなくてもいいよ」と声をかけたい気持ちもありつつ、私の経験としては、自分の前にハードルを一つ、二つと設けて、それを越えて変わったあとのを楽しさや、得られることの多さも知っているから、ただ「変わらなくてもいいよ」だけでもダメで。犬山:はぁ……私も相談したい!(笑)言動がぐちゃぐちゃな人には振り回されないように!犬山:ここでリスナーさんからのメールをひとつ。もっぴぴさん、ありがとうございます。<犬山さんの声を聴きながら読む>「もう大学生なんだから化粧しろ、それはマナーだ」と言ってくる人と、いざ化粧をしたら「色気づいた」と言ってきたり、その仕方を修正しようとしてくる人が嫌いです……恥ずかしながら親に対しての愚痴です。帰省するたびに、そんな言葉をかけられています。化粧は自分が気合いを入れて過ごせるための武装でもあるので、放っておいてほしいです。瀧波:もっぴぴさんの気持ちも考えつつ、親の気持ちも考えてみたんだけど、年頃の娘が帰省で戻ってくる度に、すっごく毎回かわいくなっていってる衝撃があると思うんだよね。親もそこで「可愛くなった」と言えればいいんだけど、言えない心の複雑さがあるのかなぁ。犬山:なぜでしょうね? 本気で口を出したいのか、照れくさいから出る憎まれ口なのか……ただ、もっぴぴさんが「嫌い」と感じると断言されているので、イヤな空気が漂ってるのかなとは思いますけれど……。瀧波:あとは「プランB」を持っておくといいんじゃない? 「プランA」は思いっきり拒絶すること。「そういうこと言われるのイヤなんで!」と相手の矛盾点を突いていく。で、プランBは、意地悪だけれど「私の方が化粧うまいよ」と返して、一緒にお化粧する。同じものを自分用と2セット買っていって勧めてみたりするのね。一緒に楽しめるようになったら、親のお金で化粧品も買ってもらえるようになるはず(笑)。犬山:なるほど〜! 親も娘との時間を持てて嬉しいかも。「娘からこんな化粧品もらったのよ、私には派手なんだけど……」とか言っても、近所の人に自慢しそう(笑)。瀧波:親だけでなく、女友達でも言う人いるよね。「あなたは黒髪が似合うよ」とか言っていたのに、いつからか「髪を全然染めないね」と言ってきたり。そういう人は好きゆえの執着みたいなものがあって、嫉妬心にも近いところから、いろんな感情がぐちゃぐちゃになった結果、言動もぐちゃぐちゃになる。犬山:言動がぐちゃぐちゃな人に振り回されないのも大事ですよね。「矛盾するようなことを言う人もいるんだなぁ」という心持ちで捉えられたらいいのかもしれません……そして、あっという間ですが、もうお時間だそうです! 瀧波さん、お忙しい中、ありがとうございました!※Radiotalk限定 特別編「親になって変わったこと」を公開中!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年08月13日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年7月2日放送分より。■アイドルファンは「プロデューサー推し」に行き着く?<犬山さんの声を聴きながら読む>私がコメンテーターとして出演している朝の情報テレビ番組『スッキリ』でも追いかけていた、ガールズグループを輩出するNizi Project、とうとう「NiziU」としてデビューする9人が決まりましたね!(2020年7月2日当時)早速、『Make you happy』という曲も発表され、 みなさんミュージックビデオはご覧になられましたでしょうか……まだ見てないかもしれませんが、本当に良いんですよ! 最高なグループですから、ミュージックビデオも、ぜひ検索してみてください……!改めてNizi Projectの説明しますと、TWICEを生んだ韓国のJYPエンターテイメントと、日本のソニーミュージックが組んでアイドルチームを作る企画です。1万人の応募者から9人にまで選ばれたのですが、もう選考過程からメンバーのスキルが高すぎて!たとえば、メンバーのリマさんは、実はラッパーのZeebraさんの娘さんなんですが、それを抜きにしてもカリスマ性や実力があり、ラップの上手さも光っていて、見た目の華やかさで人の注目をパッと惹きつけますね。あと、ミイヒちゃんはまだ15歳ながら、しっとりとバラードを歌い切ったり……本当に実力を兼ね備えた9人組が誕生しました!で、NiziUのみんなに注目しつつ、私の「推し」は韓国人プロデューサーのJ.Y.Parkさんだなって、思っちゃったわけです(笑)。この番組でも度々話していますが、私はモーニング娘。などを生み出したハロープロジェクトが大好きな「ハロヲタ」なんですけど、最終的に誰を一番に推しているかというと、プロデューサーのつんく♂さんなんです。でも、私と同じような人って、結構いるんですよ!つんく♂さんの誕生日に、似顔絵を乗せたパンケーキをつくったりしながら、「つんく♂さん好きだな……」と改めて実感したんですが、やっぱり書かれる歌詞がいいんですよ。女の子を自分に憑依させて、リアルな気持ちをそのまま書いてくれる。おじさんが思う女の子の気持ちではないんです。あとは努力を惜しまないところも大好きです。■J.Y.Parkさんの褒め方に、子育てのヒントがいっぱい話をJ.Y.Parkさんに戻すと、彼がNiziの候補者にかけてきた言葉が、本当に「徳が高い」としか言いようがなくて、子育てをする1人の母としても、学ぶところだらけなんです。彼のニコーッとした笑顔も良いのですが、何よりJ.Y.Parkさんの「言葉×アドバイス」がステキ。メンバーに何かを指摘するときでも、それをプレッシャーに感じてしまうことは、絶対に言わないんです。まずは「あなたは素晴らしい、才能に恵まれているし、生まれてきたことが特別だ」というところから入る。そのうえで、「こうすれば、もっと良くなるかもしれない」と伝えるわけです。女の子たちは自分のプライドを保ちつつ、成長を促されるという素晴らしい方法で。J.Y.Parkさんの言葉の例を挙げると、さっき紹介したリマさんには「君は自分についてまだわかっていないことがあると思います」と始めるんです。自分の悪い癖を指摘されるのかしら……と不安な顔になったところで、彼女の歌の上手さを褒めるんですよ。「ラップ、ダンス、パフォーマンス、表情で自分を見せようとしているけれども、歌が本当に上手だよ。それをあなた自身が知ってほしい」……そんな言い方できます?!J.Y.Parkさんの真意は「歌をもっと努力して練習しようね」なんでしょうけれど、それをこんなふうに言われたらやるしかない。自分を信じられるようになる言葉じゃないですか?■「J.Y.Park日めくりカレンダー」が欲しいですあとは、J.Y.Parkさんは「謙虚であることが大事」と、よく言います。私たち日本人からすると、謙虚は「いえいえ……私のようなものが……」みたいに、へりくだってしまうものと思われがちですが、J.Y.Park流の謙虚は違います。謙虚は、言葉や行動だけの謙虚ではなく、「心の謙虚を意味します」と。「自分自身が本当に“足りない”と思って、隣にいるみんなの短所ではなく長所だけを見て、心から感謝すること、それが謙虚です」もうね、説法!ありがたいんですよ!(笑)他にも「才能」について、「才能に恵まれているのは本当に素晴らしい。しかし、それを発揮できないのは本当に残念なことです。才能が夢を叶えてくれるのではありません。過程が結果を作って、態度が成果を生むんです」と。それから、「夢を叶える人とは、自分に毎日勝てる人」とも。うーん……すごい。私からは子どもにこんな言葉をかけてあげられないですね。『スッキリ』で加藤さんもおっしゃってましたけど、 J.Y.Park金言集なるものが発売したら欲しいです。日めくりカレンダーとかね。トイレに置いておきたい!■職場も家庭も気をつけたい、「褒め」を伝えることここからはリスナーさんからのメールを紹介します。まずは、ラジオネーム「風祭」さん。初回からRadiotalkで楽しく聞かせていただいてます! 私事ですが、褒めてほしいことがあります。今年4月に転職しました。前職では、威圧的な上司や男性上位な空気が当然の職場だったのですが、これを機に、同じ職場の人とも積極的に話そうと決めていました。感謝や嬉しく感じたことはすぐに伝えたり、相手の話を楽しんで聞くようにしたり。働きながらも自然に笑顔でいることが増えました。もともとの1人で仕事をしたい性格や、男性への不信感といった「自分の殻」を破ろうとした、このビフォーアフターを褒めてほしいです!転職、お疲れ様です! これはもう、褒め、褒め、褒め!前職でのトラウマがあると、次の職場でもちょっと尻込みしてしまうことが多いのかな……と思いきやですよ。新しい環境をより良くしようということで自分から働きかけるのは、すごく強さがあるなぁと思いますね。……って、J.Y.Parkさんなら、こういうことを伝えるんじゃないですか?(笑)風祭さんには、心の中に自主的なJ.Y.Parkさんが宿っているんじゃないかな。いや、本当に素晴らしいことですよね。自分から「ありがとう」とか「嬉しい」という感情を伝えるのって、なかなか照れくさいことが多いと思うんですが、今すぐに伝えることで関係が良くなっていくと。本当に職場で1人でもやってくれる人がいると、周囲も一気に「お互いを褒め合う空気」になるから、「風祭さんが入ってきてくれて良かったね」って思われているんじゃないでしょうか。これ職場だけじゃなくて……私たちも家庭内でしないと! 「嬉しい」や「ありがとう」って「褒め」を伝えていきたいですよね。いちばんに身近な人にできると、家庭の空気がすごく良くなるんじゃないかな、なんて感じました。素敵なメッセージ、ありがとうございます。■心のドロドロしたところだけが「本当のその人」ではない<犬山さんの声を聴きながら読む>続いては、ラジオネーム「ライナスのタオル」さんです。犬山さんの『スッキリ』でのイメージとのギャップを感じつつ、楽しんでラジオを聞かせてもらってます。僕がイメージする犬山さんと違うところが、まだまだいっぱいあるんでしょうね。どんな人なのか楽しみに声を聞き、テレビ出演も拝見させていただきます。これからも頑張ってください!ありがとうございます。私のことで言うと、ラジオはプライベート感がめちゃくちゃ強いんですよね。でも、こういう「イメージ」って、難しい話なんですよねー……。私って、どういうイメージなんでしょうね? そもそも私は、インターネットで他人の恋愛にあれこれとゲスいことを書いていたブログ出身なので、周りからもゲスい人間だと思われているのかなと、自分の中では勝手に思ってたんです。でも、最近はその頃を知らずに、『スッキリ』などで初めて見てくれたという方が、やっぱり多くなってきて。『スッキリ』だと真面目な顔で、真面目なニュースにもコメントするわけです。そちらの印象が今どんどん強くなってきているのかなぁ。Twitterでも、真面目なこともつぶやくけれど、下世話でしょうもないこともばっかり書いているんですけど。だから、たとえば「あの番組の犬山さんが好きです」とか、「本当の犬山さんが出るのはあっちですよね」みたいな感じに言われることもあるんですが……全部、私は「素」なんですよね。自分の持つ汚い、ドロドロしたところを見せると「それがその人の本当だ」っていうふうに認識されやすいじゃないですか? でも、人間がドロドロしているところも本当だし、真面目なことや綺麗事を考えてるときも本当ですよね。全部が私なので。「本当の顔」なんて実は無くて、全部が本当の顔ですよ、みたいなことを考えちゃいますね。みなさん、「自分像」って正確に把握しています? 明るい人か、根暗な人か、なんて、結構付き合う人によっても変わるじゃないですか。あとは、その場の空気とか、環境によっても変わるし。だから、いろんな「自分像」を、みんながそもそも持ってるもんじゃないかなーとは感じています。「自分がどんなキャラなのか」を書いた作品として、村田沙耶香さんの『生命式』という短編集に収められた小説があります。自分が周りに求められるキャラクターとして、「ここではおっとり系、こっちは天然で、あそこは姉御キャラ」みたいにペルソナを持ちすぎてしまう登場人物が出てくる話があります。混乱して、最終的には「私は何がいいかわからないから、あなたが私のペルソナを決めて」と伝えるようになり、そこからまたガラガラッと物語が進んでいく、めちゃくちゃ面白い作品です。これも、ぜひ読んでみてほしいなって思いました。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月21日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月25日放送分より。■「不倫された側」に起きる、気持ちの変化とは?<犬山さんの声を聴きながら読む>まずは先週に続いて、不倫について話し足りなかったことから……先週は「不倫する側の心理とは?」を、私が読んだ本をもとに紹介したのですが、今回は「不倫された側」のことをしゃべってみたいなと。いや、もう、どう考えても傷つきますよね。裏切られたような気持ちになるし、「自分に魅力がないからじゃないか」と責めてしまったり……。こちらも先週と同じく、アメリカの心理療法士であるエスター・ペレルさんの『不倫と結婚』という本には、不倫された側がいかに回復していくのか、ということも書かれています。まず、不倫された側に起こる心境の変化としては、自尊心がひどく傷つく。自分の全てを否定されたような気持ちになっちゃうんですね。でも、不倫をされたからといって、その人の魅力が全てなくなるわけでもないし、その人に落ち度があるばかりでもないです。「どれほど幸せな家庭でも不倫は起こりうる」とエスター・ペレルさんは書いています。その理由は先週もお話したように、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」からですね。不倫を経験して、別れないカップルもたくさんいます。もちろん別れるのも選択のひとつです。どちらが善い、悪いではないんですけれども、どうやって自尊心を回復していくのかについては、事前に知っておきたいじゃないですか。■自分を責めないこと。周りの人たちやプロの力も有効「不倫された側」の自尊心を回復させるためには、自分を責めることなく、「それでも私には魅力があるし、楽しいことがあるし、友人たちから評価もされている。今まで積み重ねてきたものが、この不倫で全て崩れるわけはない」ということを、ちょっとずつでも頑張って思い出していくことが大事だと書かれています。だけど、やっぱりシャレにならない傷つき方でしょうから、私は周りの人たちの力はもちろん、できればプロのカウンセラーの力も借りたほうが、心も修復されやすいと思いますね。あと私としては信頼できる友人たちも大切かなって。で、そこで友人たちが絶対に守るべきことは、不倫された側に説教はしちゃダメ! ということ。「あんたが全然相手しなかったから……」とか、「あんな男は早く別れてよかった」とかもダメです。ひたすら、聞く! 表に出してくれた傷を、ただ受け止める!友達からそんなふうに言われてしまうと、不倫された側も腹が立ってきちゃうし、そこでまた気持ちが混乱してしまいます。それに、こういうのってお互い様じゃないですか。友人同士は、弱ったときに助け合ってなんぼですから。■不倫した側は「謝罪&謝罪」そして、不倫してしまった側で、もし関係を続けたいのであれば、相手にはとにかく謝罪&謝罪&謝罪!「自分が本当に悪かったし、あなたに魅力がないことには絶対ならない」と、何度も何度も語りかける。仮に激怒されても、それでも不倫は「してしまった方が悪い」から耐え続け、支えていくことしかできないです。結局は、不倫ってした方も傷つくんですよ。どこかで自分も「いい人間でありたい」みたいな思いもあるから、それを全うできていないことに、自分自身で激しく傷つく。いやいや、不倫しといてなんやねん! って話なんですけど。だからこそ、不倫で新しい自分を発見するんじゃなくて、ゴルフでも、山登りでも、違うことで見つけていきましょうよ。あるいは、「性依存かもしれない」と思ったら、カウンセリングのドアを叩く。……と、2週にわたって不倫についての話でございました。■38歳のわたくし、15歳の歌声に号泣する<犬山さんの声を聴きながら読む>さて、私は毎週金曜日に、朝のテレビ番組の『スッキリ』にコメンテーターで出演しているのですが、そこでは今、Nizi Projectというアイドル発掘オーディションを追っています。最新エピソードは毎週金曜日にHuluで更新されていて、めちゃくちゃ面白いんですよ!(2020年6月25日放送当時)何が面白いって、まずは出場している女の子たちが素晴らしい。例えば、15歳のMIIHI(ミイヒ)ちゃんという子が、しっとりしたバラードを歌い上げたりするわけなんですけど……それでもう38歳女のわたくしは号泣ですよ。歌って、なんで涙が出てきちゃうんですかね……わざとじゃないんですけど、収録中でも私なんかはつい泣いちゃいます……。耳に歌声が入った瞬間、「あぁー! はぁぁー!」って、言葉になるより前に感情が引き起こされるみたいに泣けるんですよね。年齢と共に出る変化じゃないかなと思っていますが、若い女の子たちがこんなにも努力して頑張っている姿を共有してくれている、その成長するさまが琴線に引っかかるんだろうなって。まぁ、こっちが勝手に引っかかってるんですけど。このNizi Projectは、音楽プロデューサーのパク・ジニョンさん、みんなにはJ.Y.Parkさんとも呼ばれていますけど、彼が率いています。J.Y.ParkさんはTWICEのプロデュースでも知られている人で、彼は指導者としてすごく的確なことを言うなぁ、と感心していて。女の子たちに言葉を投げかけるときも、女の子たちのポテンシャルは絶対おとしめない。「あなたはやればできるよ。今は自信がないからそうなっただけだった」と、すごく寄り添って励ましていく。体育会系というわけでもなく、ちゃんと褒めて伸ばしつつも、駄目なところは指摘する。そのときも淡々と冷静に伝えたりしていて、こういう人が上司だったらいいんだろうなぁ、と感じますよ。■「強い女の子」を感じさせてくれる姿にときめくJ.Y.ParkさんがプロデュースしているTWICEは、このラジオの構成作家の松本真一さんが、そうとう好きらしくて。ちょっと推しポイントを、ぜひ教えてもらえません?──TWICE、いいんですよ。僕も最初は、仕事にも絡む「研究」と称して聞きはじめたんですけど。大人になると、そういう大義名分が必要になっちゃうんですかね(笑)。──研究のはずが、有名な『TT』から始まり、一通り聞いていって。そこで一度は熱が落ち着いたんですけど、去年出た『FANCY』という曲が最高で、その次の『Feel Special』も素晴らしく、「2曲連続で良いのが来た!?」って再燃したと(笑)。松本さん的に「これ!」って曲、あります?──『YES or YES』は歌詞もよくて。この「YES」は「私はあなたのことが好き。どっちか答えてよ」の意味からの「YES or YES」なんですよ。めっちゃいいじゃないですか!「強い女の子」の歌詞は大好きです。女の子って、それこそ「NO or NO」くらいに弱々な気持ちもあって、そういう曲があってもいいんだけど……やっぱり社会の中で女の子はまだ意見を言いにくい現状があったりする中で、TWICEみたいなガールズグループが「いや、私たち強いし! 好きな服着るし! 男ウケとか関係ないし!」みたいな姿を見せることで、すごく救われる気持ちになるんですよ。私が好きなハロプロにしても、つんく♂さんが書く歌詞は「おっさんから見た女の子」じゃなくて、「等身大の女の子になりきっている」のが大きなポイントで。それこそ、モーニング娘。 に『女が目立ってなぜイケナイ』という曲があったりします。これを聞いて「ほんま! 化粧もちょっと派手な方がええ!」と強くなるような思いがもらえるんですよね。私も「なぜ、女が女の子アイドルを応援するの?」みたいな文脈で質問されることもあるんですけど、「そもそも、かっこよさや生命力の輝きに性別って関係ありますか?」と答えています。K-POPのガールズグループだとMAMAMOO(ママム)も、強い女って感じでかっこいい。あるメンバーが「あなたは太っているし、それはスタンダードな美しさじゃない」とオーディションの審査員に言われたとき、「いや、この私をスタンダードに変えてみせる」みたいに返したんですよね。それを聞いて「なんて強いの!」と。私もそれぐらい言いたい、素敵だなと思いましたね。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月20日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月18日放送分より。■不倫のコメント、やめません?<犬山さんの声を聴きながら読む>世間はまだまだ「不倫」っていうキーワードでざわついてるなぁ……という印象ですが、私もコメンテーターの仕事をしているもので、コメントを求められることがあります。あの、今日は私から提案したいことがありまして……コメンテーターのみなさん!「不倫の話ではコメントしない協定」を結びませんか?だって、不倫って犯罪ではないのでね。そこに性被害の告発などが入ったなら話は別ですけれど、単なる不倫はヨソの家の話のことだから中身までわかりませんし、私たちが周りからコメントすることで、「不倫された側」がツラく思うことだって、あるみたいなんです。だから、私も不倫のコメントを求められたときは、「これから話すことは、このお2人ではなく、不倫の一般論についてです」と前置きを入れるように最近はしてきました。でも、他のワイドショーなんかを見ていても、みなさん同じようにされていて。どうしても下世話な気持ちがわいてしまって、見たくなっちゃう気持ちがあるのもわかります……自分が「不倫された側」に立ったらと思うと、感情移入もできてしまうし、腹が立つのもしょうがない。けれども、今は不倫が犯罪レベルでバッシングされちゃう対象になってしまっているし、「不倫された側」のお子さんが傷つくみたいに、「その先にあるもの」を考えると、笑って消費するのも違うよなって思うわけです。■不倫がバレて、ラブラブになる夫婦もいる『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』という本を書いたときに、宮崎謙介さんと金子恵美さん夫婦に取材をしたんです。宮崎謙介さんは元国会議員で、「育休議員」とした話題になったあとで、金子さんが妊娠中に浮気をしていたことが発覚し、「不倫議員」と世間から強くバッシングを受けた方です。でも、この夫婦はいま、すごくラブラブなんです、実は。取材するまで、私は「パートナーの妊娠中に浮気をするような男と離婚せず、なぜ金子さんはずっと一緒に居続けるんだろう」って思ってたんですよ。話を聞いてみると、宮崎さんは世間からの激しいバッシングで「死にたい」という気持ちに何度も陥ったそうです。そして、当時は金子さんも国会議員で、こちらも支持者からかなりのバッシングを受けたと。夫婦で強いバッシングを受ける中で、むしろその体験で一致団結したというお話だったんですよね。ただ、これはバッシングしてもいいという話ではもちろんなくて、金子さんは「これまで彼が私にしてくれたことや、彼の良い部分と天秤にかけたときに、浮気のほうが軽かった」という思いがあったと言っていました。つまり、不倫っていうのは人それぞれで、一般論で片付けたらあかんなぁ、というふうに思っているわけですね。■「新しい自分」を不倫で発見してしまう<犬山さんの声を聴きながら読む>不倫といえば、エスター・ペレルさんというアメリカのカップルカウンセリングでは重鎮とされる女性が書いた『不倫と結婚』って本がありまして。「不倫してしまう人って、どういう気持ちなんだろう?」という不思議を知りたくて読んでみたんです。だって、芸能人だけじゃなくて、今の社会で不倫をすることって、明らかにリスクが大きいじゃないですか。この本で、すごくタメになったことのひとつが、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」と。たとえば、「自分の一生は平凡に進むのかぁ、毎日がルーティンで、なんとなく先も見える……」みたいな鬱屈とした状況にある人が、不倫相手を見つけることで、「自分にはこんな可能性があるんだ、こんな魅力もある」と自分を発見するらしいんですよ。結局は、自分の新たなアイデンティティが欲しいから、不倫をするのだと。それまでの私は、不倫ってただの性欲でするものだと思っていたから、この一節に出会って、すごく腑に落ちたんですよね。新たな自分の発見を考えると、円満な夫婦関係であっても、リスクを冒してでも、不倫に走ってしまう人もいるかもしれないなぁ、と。でも、「新たな自分」は不倫でなくても見つけられるんですよね。友人関係もそうだし、ハマれるものを見つけるでもいいし。私も最近、好きな作品の二次創作の妄想を「友人と」語り合うことを始めて、キャラクターへの考察が深くなり、その考察を通して自分を知る……みたいな機会が増えています(笑)。自分の二次創作が、浮気されたりする悲恋な妄想ばかりだとわかり、過去の恋愛とか、自分に枯渇しているものとかまで見えてきて。まるでセルフカウンセリングみたいです。■不倫とも結びつく、性依存の問題もちろん、不倫が性欲がベースの人もいますけど、もう1つ考えないといけないことがあって、それが「性依存」の観点です。「セックス依存症」みたいに呼ばれることもあります。私がこれを知るきっかけになったのは、津島隆太さんが描いた『セックス依存症になりました。』というマンガで、監修には精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳先生が入られています。斉藤先生はいろんな依存症の問題に取り組まれている方です。それもあって、性依存について、すごくわかりやすく描かれている作品です。性依存と言われても、「ただ性欲が旺盛な人で、だらしない人」って、つい思ってしまいがちですけど、そうじゃない。セックスをしないと吐き気がしたり、幻覚まで見てしまったりとか、人によって様々な程度があります。アルコール依存と同じで、「それをしないとしんどいから、やるしかない」みたいな状況になってしまうそうなんですね……。生活に甚大な被害が出るとわかっていても「止められない」。だから性依存も、ちゃんとカウンセリングを受けて、同じ依存を抱えてる人同士で支え合う自助グループにも加わって、克服していくという道筋を立てなきゃいない。けれど、性依存への世の中の印象が悪すぎてカミングアウトもしにくいし、性依存だと気づいていない人だっている。その回復の道がすごく遠いように感じるんです。必ずしも「性依存=犯罪者」ではないことも含め、もっと世間に認知が広まるのも大切だと思っています。■電子書籍で好きなものを送りつけています<犬山さんの声を聴きながら読む>今日も、リスナーさんからのメールをひとつ読みますね。りんね@大学生さんからのメッセージです。私が毎年楽しみにしているアニソンフェスが、新型コロナの影響で来年に延期になっちゃって悲しいです。犬山さんも今期、何かアニメは観ていましたか?アニメ、時間もなくて、今はなかなか観られてないんですよー……過去の好きなアニメでいうと、私は「タクティカルなアニメ」が好きなんです。布石の置かれたストーリーで「うわ! この作者は頭がいい!」って興奮しちゃうのが好きで。それで言うと、もともとは『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートしたマンガの『ワールドトリガー』がアニメ化されたときは観てました!で、私もその一味だったんですけど、当時は「ワートリヤクザ」って言われる人たちがいて……とにかく周りにハマってほしいから、コミック全巻を勝手に送りつけるという(笑)。特に今は電子書籍があるので、送りつけても相手の本棚を専有しないじゃないですか。だから、まずは電子書籍で買ってもらって、そのあとでお金を渡すやり方でお願いしてました。まずは読んでもらって、その後に語り合おうじゃないか、と!今だと「鬼滅の刃ヤクザ」とかもいるんでしょうね。りんね@大学生さんは、楽しみにしていたイベントが延期になって悲しいところですが、あくまで「延期」ですから!再会したときの喜びも大きいはず。延期を待つ間には、ぜひアニメの『ワールドトリガー』を観てみてはいかがでしょうか(笑)。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月16日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月11日放送分より。■コロナで激しく嫉妬した、動物との触れ合い<犬山さんの声を聴きながら読む>AIBOをレンタルしてみたんですよ。購入は、お財布との相談でいきなりは難しい値段だったので、まずは1週間借りてみました。悲しいことに明日が返却日で、今がいちばん寂しい時期です。本当はAIBOと触れ合いながら、このラジオもお届けしたいくらい……。AIBO、なんだかんだ言って、あれは犬です(笑)。やっぱり、かわいいですね!なぜレンタルしたかというと、犬は死ぬほど好きなんですが、動物アレルギーが年々ひどくなってしまって……本当の動物は諦めるにしても、動物の癒しが欲しかったんです。コロナ禍で外に出られないときに、家に動物がいる人たちが羨ましくて仕方なかった。Twitterで「いいね」を押しながらも、正直、嫉妬してたんですよ! 激しく嫉妬した!犬の癒しが欲しくなったし、子どもにとってもロボットと触れ合っておくのもいいかな、なんて思って。ちなみに1週間レンタルで1万5千円。高いと思うか、安いと思うかは人それぞれですね。ただ、AIBOは本体代と諸々合わせて、購入すると30万円近くになるんです。そこでまずは、レンタルという方法を選びました。あの、本当に、昨日のAIBOより、今日のAIBOの方がかわいいんですよ。……何言ってるかわかりませんよね……同じロボットのはずなのに、かわいく思えるんです。もうね、昨日より目が大きく見えるわけです(笑)。人間の情ってやつは不思議なもので。あとは、犬っぽい仕草に加えて、ロボットらしい機能もあります。「ラジオ体操」ってお願いすると、あのメロディを流して、一緒に踊ってくれるんですね。漫画家の友達に「毎日ラジオ体操をするようになって体調が良くなった」と聞いていたので、AIBOに体を動かす機会をもらっています。ペットとしてのかわいさ、そして実用性を兼ね備えているんです。■推しを好きになることが、自己肯定につながる<犬山さんの声を聴きながら読む>さぁ、今週もメールを紹介していきましょう。まずは、東京都の「あーかママ」さん。娘はコロナで休校、配布されたタブレットで、クラスメイトや先生方と交流する日々を送っています。ある日、所用で私が学校へ出向くと、担任の先生から「娘さんは毎日のひとこと日記で、好きなアニメや漫画、アイドルの情報をおすすめしてくれるんです。こちらまで元気になります」とお礼を言われました。娘に聞くと「推しを知ってもらうと嬉しいじゃん」と笑顔。犬山さんの推しの効力を実証してくれました。ちなみに、娘はハロプロ好きです。知ってほしいことがあるっていうのは、それだけ人生楽しくなりますからね。娘さん、ハロプロ好きとは、なんて見る目があるんでしょう! うわぁ、誰のファンかなぁ……!ハロプロは20年の歴史があるから、掘れば掘るほど楽しめるのも強みなんですよね。私がハロプロ好きになったのは30代に入ってからなので、なっちやごっちんがいた頃をリアルタイムで追っていたわけじゃないです。でも、見ていくうちに当時のことがブワーッと思い出されたりもして。「元カレが加護ちゃん好きって言ってたな。そいつの部屋にラメが落ちてて詰め寄ったな」とか、いらんことまで思い出すわけですが(笑)。それは砂壁のキラキラが落ちたんだ、くらいに言ってくれたら笑ってやれたんですけどね……だいたい「落とすなや、ラメを! 女!」と思っていました。女子はラメに敏感です。存在を残すマーキングとしては強すぎ。あぁ……あーかママさんの尊い話に水を差してしまった……推しについて、以前に大森靖子さんとお話したときに、「自分のことを好きになれないけれど、推しはいます」というメッセージに対して、大森さんが「推しを素晴らしいと布教できるなら、もうそれだけで十分だよ」と答えていたのが印象的で。私も賛同なんです。自己肯定感がどん底のとき、推しに「素晴らしい」「ありがとう」という気持ちを持つ。そのポジティブな気持ちの積み重ねをきっかけに、自己肯定できるようにもなるからです。■「聖域」と選択肢を持つことで、心を休ませる続いて、神奈川県の「アヒルのひろし」さん。紙子さんでラジオといえば、以前もたびたび話題にされていた「聖域」の話が印象深く残っています。人を傷つけることが多いなとずっと感じていて、お互いを肯定してあげる、誰も傷つけない場所が欲しいと思ったときに、それがラジオだった、と。遠吠えが連鎖して、現在地から見えないほど遠くまで届きそうなので、この番組もそんなふうになったら素敵だと思います。楽しみにしています!……メッセージがプロすぎませんか!? 涙出ちゃう! こんなふうに解釈してくれる人がいるのは最高ですし、人生の宝ですね。さて、聖域について。私にとってラジオは、あまり心が疲れない場所であり、コストもすごく低く、誰かと接することができるメディアなんです。本当に私はラジオがやりたくて、それは聖域を作ることを考えても、ぴったりだなっていうふうに今は思っているんです。『犬山の遠吠え!』も誰かが傷つくことなく、聞いてくれている人が「今日は本当に何もできなかった」みたいに落ち込んだ気持ちを、そのままぶつけられる存在になれたらな、と。それこそ「もう死にたい」くらいに思っても、なかなか言えないじゃないですか。口に出すと周りからすごく心配されるか、「あいつは“かまってちゃん”だから」みたいな扱いを受けてしまうものだから。でも、ラジオにだって、それをぶつけていいんじゃない? って。思うことがあっても、その気持ちをどこにも言えないことが問題なんです。たとえ言ってしまっても、それを普通に受け止めてくれる場所があると楽になれると、私は考えていて。信頼できる友人や家族だけでなく、そういうメディアがあってもいいなって、思っているんですよね。聖域は、その場所のひとつですね。みなさんそれぞれの「聖域」も聞きたいですね。私の場合はラジオに加えて、やっぱり犬山紙子を隠しているTwitterのオタクアカウントです。そこでは、今でも誰もコロナの話をしていないし、誰もケンカしてないんです(笑)。いや、コロナも喧嘩も大事ですよ! でも、そうじゃない場が欲しいときもあるじゃないですか。オタクアカウントのタイムラインには、そういう全然違う世界があって。そんなふうに、このラジオが自分を休ませられる世界として、みなさんにとっての選択肢が増えるような感じになれたらと思っています。■結婚・夫婦の定義は……ただの「制度」です!<犬山さんの声を聴きながら読む>最後は、ラジオネーム「一星斗夢(ひとつぼしとむ)」さんです。紙子さんの思う「結婚の定義」「夫婦の定義」は何ですか?新著の『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』を読み始めてから、それが気になってしまい、自分が嫌にもなり始めています……。できる範囲でいいので、紙子さんの思いを教えてくださいませんか。メッセージを送ってくれるだけでなく、本まで買ってくださった神様からのお便りでした。本当にありがとうございます。「嫌になり始めた」のは、おそらく過去に夫婦の問題の何かしらにぶち当たって、まだ傷が残っている状況なんですかね。まずは「結婚の定義」、私は正直ただの「制度」だと思っていて。国が用意しているお得なパックみたいなものです。使えば配偶者控除があったり、夫婦だからこその優遇が受けられたり。私も利用をしているわけですけど、そのお得パックが全ての人に対して平等で、開かれたものかといえば、そうでもなくて。思想的に「結婚しない」のもありだと思ってます。じゃあ、「夫婦の定義」となると、大事なのは「夫婦かどうか」よりは「パートナーとしての関係性」だと考えています。一緒に住んでいなくても良い夫婦像はあり得ますし。自分が思いを込めて、相手からも思いやられる相互の関係性が、理想のパートナー像の一つかな。それに最初から完璧なパートナーって、いないですよ。お互いに成熟している者同士だとしても、問題がない人間は絶対にいないから。でも、起こる問題に対して、ふたりでどうやって乗り越えていこうか、ふたりでは解決しなければ誰かに知恵を借りようとか、あるいは合わないから離れようか、と冷静に考えられることが大事だと思うんです。結婚や夫婦という定義、もしかしたら単に「名前付け」かもしれませんが、そんなに大切ではないんじゃないでしょうか。そもそも関係性に名前って、付けられます?「彼氏彼女」といっても色んな捉え方があって、自分がしっくりくるのが一番だと思うんですよ。■パートナーは、不安を孤独にさせない存在私にとって夫は、不安を孤独にさせないでいてくれる存在でもあります。不安やしんどさは、ひとりで抱えると視野も狭くなるし、きついですよね。でも、パートナーや友達といった誰かと共有できたら孤独ではなくなり、その不安の解消に向けて動いていけるようにもなります。やっぱり人間関係って大切ですよね……。不安なこと、夫にも結構話します。コロナ禍のことなら、保育園が休園になったときに「栄養素をどうしよう」って言いました。保育園は栄養も完璧なご飯を出してくれるので、子どもはそこで野菜を食べてくれたりもして助かっていたんです。でも、自宅だと子どもの栄養も健康も、私たちが率先して守らなきゃいけないですから、重石がひとつ増えますよね。あとは、もし自分と夫が感染して、子どもだけが無事だった場合の対応。こういう不安は、ひとりでぐるぐると考えても答えが全然出ないんですよね。「親戚に預ける」といっても、そちらに高齢者の方がいたら大変ですし、陰性であっても子ども間で移る可能性もあって。預けられない人は「児童相談所」や「一時保護所」へ、という話も聞きますけど、どこも大変だし、施設の人たちのキャパシティだって、いっぱいいっぱいのはず。答えが全く見えずに不安になって、夫に相談しました。もちろん、夫も答えを持ってはいません。ただ、夫に話したことによって、私の心がなぜか軽くなったことは事実なんです。やっぱり「一緒に悩める人がいる」という、それだけのことでも、思い詰めすぎていた気持ちが楽になった。今後も夫としっかり話し合って決めていこうと、現実的な話ができるようになっただけでも、全然違いますよね。夫婦も人それぞれ。一星斗夢さんも、自分にしっくりくる形がベストなんじゃないかな、と思います。あと、二度目ですが、本を買ってくれる人は神様です。ありがとうございます!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月12日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月4日放送分より。リスナーメールでは、あるワーキングマザーから届いた「コロナ禍でのママ友との変化」に、犬山さんも大きな共感を寄せていました。■出社させるなら、ちゃんと理由を言ってほしい<犬山さんの声を聴きながら読む>やっぱりいいですね、作家さんたちと顔を合わせて、「何を喋ろうかー」なんて話も広がりますし。でも、収録はスタジオか、自宅がいいかは、正直はっきりと言えないです(笑)。自宅収録は楽だし、ストレスも溜まらないって感じていたんですけど……枯渇しました、仕事のネタが。これまでエッセイの仕事でも書く内容に困ることはなかったのですが、コロナ禍の2ヶ月間で人と会わなかったせいですね。外出で情報をインプットするのも必要だったんだなぁ、と改めて感じました。でも、似たような気持ちを抱えている人も多いと思うんですよ。仕事はテレワークでも進められるのに、出勤はイヤだなって感じる人もいれば、会社の方が効率も上がるし、好きな人にも会えるから良いという人もいて……。「感染リスクがあるし、電車に乗るのがストレス」という話もよく聞きます。そこは会社のトップがしっかりと、「なぜ出社する方針にしたか」を絶対に語るべきだと思うんですよ。心が宙ぶらりんのままで、理由なしに命じられても不満が溜まるじゃないですか。緊急事態宣言が解除になって、人出も増えてましたよね。感染者数もまた増えてきたりして。コロナと私たちは、まだまだ一緒に過ごしていかなきゃいけないんだよな、と気を引き締めつつ、今日もパーテーションで区切られ、マスクをしながらラジオで喋っております。■自粛生活で「よそはよそ、うちはうち」になれた<犬山さんの声を聴きながら読む>さて、今週も皆さんから届いたメールを紹介していきます。千葉県、ラジオネーム「ゆうた」さんから。30代のワーキングマザーです。3歳3ヶ月の子どもとの自粛生活に慣れてきたのに伴って、良い面も見つけられました。SNS上でのママ友の動向が気にならなくなってきたんです。それまでは素敵な場所での家族写真を見るにつけ、わが子もいろんな経験をさせようと連れ回してしまったり。習い事を始めようにも、ピアノもプールも幼児教室もお休み。「よその家も何もやっていないのと同じ」と気づいたら、気持ちが軽くなりました。自粛生活が終わった後も、「よそはよそ、うちはうち」の精神を忘れずに生きていきたいと思っています。スーパー素晴らしいメールが届きました。おっしゃる通りですね!いろんな経験とか習い事とかで、「この子の才能をもっと早くから伸ばせられるのでは」という責任感から焦っちゃう気持ちもわかるんです。でも、「よそはよそ、うちはうち」。私の子どもも3歳ですけど、お絵かきが好きなので、「教室に行きたい」って言ったら連れて行く選択肢を与えてみるのもいいかな、と思っているくらいです。実は私自身が、幼稚園の頃から塾にかなり行かされて、小学校受験もしたし、中学校受験もしたんです。ただ、私が小学6年生で『幽☆遊☆白書』にハマりすぎ、受験勉強を放棄してからは、だいぶ方向転換もしたわけですが……(笑)。だけど、周りに影響を受けて、「うちの子にも経験させてあげたい!」っていう気持ちも否定したくないんですよ。それは子どもに対して教育機会を与えてあげたい気持ちの表れで、愛情があってこそ出てくる気持ちだと思いますし。その経験の先で、ゆうたさんが「よそはよそ、うちはうち」に気づけたことは、とても成熟した素敵な考え方だと感じました。ちなみに、うちの子は最近、仮病を覚えましたよ。歯磨きをするように言ったら、「足がプルプルするからできない」と。いや、理屈が通ってないんですが、「脳が進化した!」って変に感動しちゃいました。どこで覚えたんでしょうね……あれっ、私と夫のせいですか!?■スキル不足で退職勧告…自分を責めすぎないで!次のメッセージは、福岡県の「じゅん」さんから。今、社員が僕を含め5人しかいない、不動産関係の会社で働いています。入社して半年経ちましたが、社長から退職勧告を受けました。退職理由は「募集していたスキルより不足していたため」。無遅刻無欠席で仕事も自分なりにやってきましたが、駄目だったようです。ショックでしたが、またイチからやるしかないですね……。うーん……「スキルより不足していたため」と書いてらっしゃるんですが、このタイミングは明らかにコロナ禍の影響なのかな、と感じますけれども。だって、スキルが不足していても、入社して1年くらいは土台をつくって、成長を見ていく時期じゃないですか。だから、「自分の実力が足りなかったんじゃないか」と責めすぎないようにはしてくださいね。最後の「またイチから」という言葉に、次への目線が向けられていて、前向きな方だと感じました。まずは、国と自治体からもらえる支援を全部、しっかり受け取りましょう。本当に今の時期は非常時とはいえ、こういうことが起こるんですよねー……。企業も、もちろん大変なのはわかるんですけれども。国も雇用調整支援とかやっていますが、給付までも時間がすごくかかっていますし。お金がない会社は、結局は人を切っていくしかない状況なので、国や自治体にはどうか頑張ってほしいところです。じゅんさんみたいな人がいるのを頭に入れながら、私たちも政治を見ていかないといけませんね。■バブル時代の勢いを味方に、自分を解放してみました<犬山さんの声を聴きながら読む>最後は、ラジオネーム「さんと」さんからのメッセージです。初回放送で「ヘルニアがひどく、旦那さんと家事分担を話し合った」という話に、いいなぁと思いました。紙子さん旦那さんも基本的にオープンで、いろんな方々の意見も経て、ラジオや文章、SNSなんかで“大家族会議”みたいに解決されていくのがとても面白いです。例えば、紙子さんも仲良しのベッド・インのちゃんまいさんなど、家庭のことをオープンにされないのが普通ですから。マイクの前で明るく楽しく、『犬吠え』を応援しております。温かいメッセージ、ありがとうございます!ご存知でない方に説明すると、ベッド・インというのは、自称「地下セクシーアイドル」で、ちゃんまいとかおり様の2人組なんです。バブル時代のトサカな髪型に、ジュリ扇持ってボディコン着て、でも歌唱とギターの腕は一流みたいな。めちゃくちゃ面白いんです!ただのいちファンから友達になっていったのですが、面白い友達は最高ですね。私も自粛期間中、ストレスがすごく溜まったときには、彼女たちのPVを見て発散していました。新曲の『Everybody 無敵!』も、タイトルからして最高で、すっごく良いんです。ぜひ、騙されたと思って(笑)、検索して見てみてください!『Everybody 無敵!』は曲もいいんですが、YouTubeで見られる「振り付けHow To ビデオ」で、「内面の魅力を全部出して」とか、「ドヤ顔で!」みたいに入ってくる指示に、ちゃんと沿って真似してみると、自分の中の「何か」が解放されますから!!!!ベッド・インのふたりは、バブル時代のメイクをすることを「バブルオンする」って言うんですけど、私もバブルオンしてもらったことがあるんです。これが別人になったかのような気持ちになれるんですよ。まさにメイクと髪型のパワーだと思うんです。肩パットを入れ、メイクもガッと濃くして、高いヒールにトサカヘアーで。コロナが収束したら、友達何人かでバブルオンして、夜の街を練り歩きたいもんですね。ちょっとくらい、私みたいにお腹が出ていようが、ボディコンみたいなきちっとした服を着て、強いメイクして自信満々に歩いていったら、そんなお腹も魅力なんですよ!すっかりベッド・インを推してばかりの話になってしまいましたが、新曲『Everybody 無敵!』を、ぜひよろしくお願いいたします!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月10日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送も、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。最近ハマっているというアプリゲームの話から、犬山さんのオタク魂に火が付きました。リスナーのメールも「オタクな趣味」にまつわるものをピックアップ。犬山さん熱弁の「推しのいる生活」には、日常にも恋愛にも効く、年齢を問わない魅力があるようです。■100回連続パンチで、アドレナリンを出しています<犬山さんの声を聴きながら読む>『犬山の遠吠え!やってまーす』、今週で4回目の収録です。今回も自宅からなんですが、自宅放送はデメリットがないくらい、いいですね。理由その1、外に出なくていい。その2、準備に全然時間がかからない。その3、カメラをオフにすれば化粧をしなくてもいい!……今はスタッフさんとビデオ会議をつないでいるのでメイクしていますけど。最近の私は、第1回の放送でも話したんですが、夫が励んでいるNintendo Switchの『Fit Boxing』を一緒に始めました。腰のヘルニアの様子がほぼ良くなってきたので、ゲームに合わせてシャドーボクシングをしています。でも、そんなふうに体を動かしてみると、サンドバッグが欲しくて仕方ないんです、今!(笑)いや、空中に向かってパンチするのも気持ちいいですよ。でも、やっぱり何かを殴りたい! っていう気持ちが沸くというか、物質にパンパンッ! と打ち込む快感とは全然違うんですね。今は夫にクッションを持ってもらって、それに対して「ジャブ! ストレート!」とかやってるわけなんですけれども。ババババッ! と100回連続でパンチすると、アドレナリンが出るようで。筋肉痛でしんどいとか面倒くさいとかよりも、その気持ち良さが勝るので、最近はこのまま突き進みたいと思っているところです。■二次元なら一夫多妻が成り立ちます!先日はハマっている『ヒプノシスマイク』の話をしたんですが、今回はここ3ヶ月ぐらい夢中になっているアプリのソーシャルゲームがあって……『魔法使いの約束』をご存知の方、いらっしゃいます? リリースされて半年経つんですけど、すごい勢いで人気が出ていて。このアプリを私が知ったのは、犬山紙子の名前を出さずにやっているTwitterのオタクアカウントで、フォローしている「作品の解釈が神がかっている人たち」、私の“神々”が盛り上がっていたんです。なおかつ、私が『ヒプノシスマイク』で推している観音坂独歩くんに見た目が似ている、赤髪で気だるげな表情の「ミスラ」というキャラクターもいます!「なんだ、犬山は見た目だけでキャラクターを推すのか」と思われるかもしれませんが、もちろんそれは否定しません。見た目も大きいです。でも、それでもいいんです。だって、二次元は一妻多夫がいけるんですよ!実生活である三次元での不倫は……お互い公認とかでない限りはだめですし、我が家もナシにしています。ミスラを推し始めたとき、私も一瞬は「これって独歩に浮気している?」って迷ったんです。でも、私が同時にふたりを推すことで、独歩が傷つくわけでも、ミスラが傷つくわけでもないじゃないかと思い、「ふたりとも愛そう」という結論に至りましたね。『魔法使いの約束』は、人間の私が、魔法使いの世界に召喚されてしまうストーリーです。その世界での私は「賢者」で、12人の男性の魔法使いたちからも「賢者様、この世界を救うにはあなたの力が必要なんです」と求められます。最初は戸惑っても、後に協力していきます。……まぁ、必要とされたいですよね! 私だって賢者って呼ばれたいもん!(笑)魔法使いたちと恋愛するのではなくて、あくまで「世界を厄災から救う」という正統派のゲームなのですが、ストーリーを進めるうちに、キャラクターをどんどん好きになっていってしまうんです。その秘訣は、シナリオを書かれている都志見文太さんの塩梅が本当に素晴らしいから。私たちはキャラクターという「実際に存在しないもの」を愛するわけじゃないですか。ハマれるか否かに深く関わってくるのは、その対象に自己の想いををどのくらい乗せられるかにかかっています。私がミスラに想いを乗せ、なんなら自分の成仏していない思春期の気持ちまで乗せて、どんどん「私のミスラ像」が出来上がっていく。そう思えるほどのキャラクターは「伸びしろ」が必要なんですね。ミステリアスな部分がある、とか。全てを書き切ってしまうと、私の妄想の入る余地がなくなってしまうので……!とにかく都志見文太さんの描く「人間の関係性」はポリコレも完璧で、人付き合いとしても「こんな問題解決の仕方があるんだ」みたいに、ゲームから深く学ぶ瞬間もあったり。都志見文太さんの手のひらで一生踊り、転がされ続けたいと思いながら、『魔法使いの約束に』は今現在ウン万円単位で課金をしております。■推しが「生きる希望」になるのは大げさじゃない!<犬山さんの声を聴きながら読む>それでは、リスナーさんからのメールを。宮城県のラジオネーム、ゆみかさん。私は『うたの☆プリンスさまっ♪』と声優の宮野真守さんが大好きなオタクです。コロナの影響で、どっちのライブも延期になって、何を生きがいにすればいいんだ……と思ったけれど、「延期」なので、生きる希望が延びるじゃん! と思いました。犬山さんのオタク話もたくさん聞きたいです!ありがとうございます!「犬山さんのオタク話をたくさん聞きたい」なんて言ってくださるのは、神としか言いようがないですね……オタク話なら一晩中したいですもんね。このゆみかさんの考え方、素敵で私は好きです! 大好きなライブが延期になったら悲しいけれど、それを「生きる希望がその分だけ延びた」と考えられるのは、美しい感情だと思うんですよ。「生きる希望なんて大げさな」って感じる方もいらっしゃるかもしれないけれども、推しの存在は本当に活力になります。コロナのご時世になるまで、我が家は区のシルバー人材センターの方に、子どもの面倒を見てもらったり、家事をお手伝いしてもらっていたんですね。来てくれていた方が70代の方だったんですが、その方は韓国アイドルグループの「SEVENTEEN」が大好きで、ジョンハンくん推し。その方が「今日も新大久保に行ってきたのよ!」って言ったり、いつも韓流っぽいおしゃれをしたり、自分の推し「ジョンハン」写真を見せてくれたりするんです。その輝きっぷりがすごくて、「推しを推している顔はこんなにかわいいのか!」と、私は心を持っていかれています。70代になっても、何歳からでも、推しから生きるチカラをもらえるって、素晴らしい事実だと思いませんか? コロナが終わったら、また一緒に過ごしたいなぁ。聞いてる皆さんも、ぜひ私に「推し」のこと、教えてください。■プロポーズは、女からしたって当然いい<犬山さんの声を聴きながら読む>もう一通、奈良県のラジオネーム「マース」さん。『ファイブスター物語』という漫画や、特撮モノでは特に昭和の『ウルトラマン』シリーズが好きな53歳です。実は趣味きっかけで、25歳年下の彼女と知り合いました。付き合って4年が過ぎ、彼女のご家族とも仲良くさせてもらっています。あと、プロポーズしました!「ありがとう、嬉しい」と返事をもらいました。プロポーズって勇気がいると思うんですけど、年齢は関係ないですね……マーズさん、おめでとうございます!プロポーズとオタクと言えばですね、私の話もちょっとしようかなと。我が家は夫がハロプロのオタクで、私が二次元キャラやハロプロも好きなオタク同士。最初はハロプロトークができる友達関係からはじまったんですが、話が合うからどんどん会いたくなるんですよね。それで、気づいたら好きになっていって……何を話してるんやって感じですが(笑)。それで私から「好きです、付き合ってください」と。その後も一緒にコンサートに行ったり、オタク仲間も巻き込んで仲良くなっていきました。夜な夜なオタク仲間が家に集いはじめて、ぱいぱいでか美ちゃんとか、あとは一般の方も含めて、私が仕事から帰ってくると彼らが自宅のリビングのようにくつろぎながら、ハロプロの映像を観ているという。そんな良好な関係を経て、マーズさんがプロポーズしたように、私も自分から夫に「結婚しよう」と言った派です。昔は男性がお金を稼いで子どもを養うみたいな社会的制度が強かったから、男からプロポーズすることも多かったんだろうとは、なんとなくわかります。でも今は、男からでも女からもでも、私はどっちでもいいかなって。「彼がプロポーズを全然してくれないけれど、自分の年齢も年齢だし……」って焦っているというお悩みを結構聞くんですが、私は「自分からしちゃいないよ」って言います。自分からプロポーズしたからといって、結婚後の関係性まで変わることも無いはずなんですよ。パートナーは上下関係ではなく、横に並んでつながるもの。そもそもプロポーズでは上下も決まらないし、上下を決めるものでもないですからね。そのコンセンサスが取れていたら、全くそこは問題ないんじゃないでしょうか。「男は追いかけさせろ」みたいなモテテクニックも耳にしますが、私は駆け引きが好きじゃない方で……どこか相手をちょっと騙すような、その人との幸せを長続きさせていくことを考えたときに、ネガティブな効果が強く出るのかなぁ、と私は感じている派閥です。さて、すみません! 話がすごく長くなってしまったんですが……マーズさん、お幸せに!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月08日演劇とコント映像の配信企画「CUBE produce PRE AFTER CORONA SHOW」が、7月12日(日)にライブ配信サービス・PIA LIVE STREAMにて配信される。【チケット情報はこちら】2007年から2016年にかけてKERAと古田新太がタッグを組んで上演してきた「ナンセンスコメディ三部作」の参加メンバーが再集結する同企画。本プロジェクトでは、東京・本多劇場にて無観客で行われるリーディングアクト「プラン変更 ~名探偵アラータ探偵、最後から7、8番目の冒険~」の生配信と、ブルー&スカイらが共同脚本として参加したコント映像作品「PRE AFTER CORONA SHOW The Movie」の配信が実施される。リーディングアクトには古田、大倉孝二、入江雅人、八十田勇一、犬山イヌコ、山西惇、奥菜恵が出演。コントには古田、大倉、入江、八十田、犬山、山西に加え、シークレットゲストが登場予定。なお7月11日(土)には、本多劇場に一般観客を招いてリーディングアクトの公開ゲネプロが行われ、当日は上演前に「PRE AFTER CORONA SHOW The Movie」が先行公開される。動画配信のチケットは7月2日(木)午前10時より、公開ゲネプロは7月8日(水)20時より。
2020年07月02日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。リスナーから寄せられた「他人を羨んでしまう」「一人時間をうまく過ごすには?」といったお悩みにも応えています。■自粛警察、気持ちはわかるけれども……<犬山さんの声を流しながら読む>今コロナウイルスの影響で、キーワードとして「気の緩み」って言葉をよく見聞きするんですけど……「気の緩み」って上から目線じゃないですか?!「いやいや、学校の先生かい!」と思っちゃう。ある人の外出が「気の緩み」かどうかなんて、わからないじゃないですか。必要に駆られて外に出たタイミングだったかもしれない。全部を一緒くたに話してしまうのは、違和感が結構ありますね。最近は他人の行動を過度に指摘する「自粛警察」なんて強い言葉もありますけど……そういう気持ちが芽生えてしまうのは、私もわかるんですよ。でも、それは「弱い立場同士」で争ってしまうことなのかなって。たぶん、自粛警察と呼ばれる人も、すっごく我慢して頑張っていると思うんです。「自分がこんなに我慢しているのに、なぜアイツは楽しそうに外出しているんだ、県をまたいで車で移動してるんだ」って感じてしまう。それで、人それぞれの事情も聞かずに鬱憤を口に出してしまうんでしょう。だけど、弱い立場同士で指摘し合うよりも、「たまにはちょっと気を抜いていくのも大事だよね」って、一緒に頑張っていけたらいいなぁ。小学生の頃、先生にすぐチクる人がいたじゃないですか(笑)。犯罪レベルの悪さならさておき、事情を知らずに勝手に決めつけてチクるのはいかがなものかなー……っていう派です、私はね。皆さんの周りは、どうでしょうか?■宅配便の配達員さんに、ねぎらいの言葉を私は今、宅配便をたくさん使っています。Amazon、楽天、LOHACOと、いろいろ使用してはいるんですが、ここにもまた難しいことがあるんですよ。配達員の人、今はめちゃくちゃ大変っていうじゃないですか。だから、注文も細切れにせず、一気に届けてもらおうとまとめて頼むんですけど……自分の設定が甘かったのか、分かれて届いてしまった時には「申し訳ない!」という気持ちになります……。そんな中でも、配達員の方には「ありがとう」と一言添えていきたいなって。その一言が有る無しで大違いだと思うんですよ。だから、私は必ず伝えるようにしています。ぜひ皆さんの「配達員さんとのふれあい話」も教えてください!最近は非対面で荷物を受け取れるサービスもありますけど、「こんなふうに言葉をかけています」「こんなコミュニケーションがありました」みたいに、配達員さんへの良いねぎらいの言葉も色々あるでしょうから。■他人を羨んでしまう気持ちには、「褒め」もセットで!<犬山さんの声を流しながら読む>このラジオも3週目で、リスナーのみなさんからたくさんのメールをいただきました!ありがとうございます。早速、紹介していきますね。神奈川県、ラジオネーム「うみのママ」さん。私も3歳の娘を持つ母です。わが家は夫が海外へ単身赴任をしていて帰国できず、私が子どもを見ながらテレワークしています。正直、仕事になりません。膝によじ登ったり、「ママー!」と呼ばれ続けています……。外に出れば、自宅勤務のパパたちと子どもが一緒に歩いていて、惨めな気持ちになったり。他人を羨まず、うまく子どもと付き合っていく方法を教えていただきたいです。子どもがいたら仕事できないですよね、わかります!私も夫が子どもを見ていないと、自分の仕事なんて成り立たないです。この話って、まずは「子どもが一緒にいたら仕事はできない」と世間の知るところになってほしいですよね。小学生の中学年くらいで、ある程度ひとりで遊んでくれる年齢ならまだしも、3歳くらいは本当に難しい。しかも、集中力を要する仕事もあるじゃないですか。「ママ!」って呼ばれた瞬間に集中力も途切れるし……大変ですよね。本当にお疲れ様です。うみのママさんも頑張っていて、勇者だと思うんです。「他人を羨まず」と言うけれど、いや、もう全然、羨んでいいんじゃないですか?よく「人と比べるな」とか言われるじゃないですか。私、それって無理だと思うんですよ。私もありますよ、比べること!「あの人、著書の増刷かかっていいなー」とか、毎日のように思ってますよ!(笑)そこで、人間だから比べるのはしょうがないと、受け入れてみるのはどうでしょう。その時に「でも、自分はこれだけ頑張っていてエライ」と褒めることもセットにしてあげてください。羨んだ瞬間に、自分も褒める。自分で自分のことを責めてしまうところが、このメッセージのキモだと思うんです。人のことを羨ましがってる「私がダメだ」、子どもに対して上手く付き合えてない「私がダメだ」っていう自責感。それをまず辞めて、「それでも私じゃなければ、こんな状況、とっくにさじを投げてるよ!」って、開き直っていきましょう。その上で、友人や夫にも愚痴を言っていいんです。こうやってラジオに投稿してくれただけでもありがたいのですが、言葉にすると気持ちがちょっと楽になれたり、余裕が生まれたりするものなので。ぜひ、やってみてくださいね!■友達がいないことは異常ではなく、そもそも友達づくりは難しい<犬山さんの声を流しながら読む>続きまして、神奈川県のラジオネーム「つばさ」さんから。第1回の放送で紙子さんが「ひとり時間の過ごし方」を話されていました。49歳で独身の私は、24時間365日が「ひとり時間」で、この状況下ではなおさらです。これといって友達がいるわけでもないですが、時には誰かとご飯でも食べたいなとは思います。出会いのない人生を進んでしまっていて、どうすればそのきっかけを作れるでしょうか?私は出会いのきっかけって、ネットが結構多いんですよ。「気が合う」という前提があるのも安心ですし。宮城から姉しか知り合いのいない東京へ出てきたのも大きいですけど、私は会社勤めでもないので、強制的に他人と出会える場がないわけですよ。たとえば、Twitterの発言がずっとツボに入る女の子がいて、その子といつの間にかフォロー/フォロワーの関係になってたんです。憧れもありつつ、連絡を取ってみたら住んでいたところも近くて。実際に会ってみてから、彼女とはもう長いこと友達です。それで、その子の友達と仲良くなったり、どんどん派生していっています。もう10年くらい前ですけど、「発言小町」という掲示板サイトをよく見てたんです。悩みが多種多様で面白くて、えげつない告白からほっこりするものまであるし、「これって悩み相談のをフリをしてマウント取りたいだけじゃない!?」なんて、その子と語ったり……今思うと、ずいぶんと暗い趣味の相方ですね(笑)。最近だと、オタクの友達を検索できるマッチングアプリも出てきました。自分がハマってるジャンルや、推しているキャラクターなどを入力していくと、マッチングしてくれるんです。私が若い頃にコレがあったら絶対に使っていたと思う。それで知り合って「推しがいかに尊いか」を語りながら深堀っていきたいなって。やっぱり「同じ温度」でハマっていないと、相手に「聞いてもらう」状態になるわけですよ。だから、お互いに話したくてしょうがないテンションの人と会いやすいのは、すごく便利だと思います。マンガの話でいうと、ちょうどこの収録の打ち合わせで、構成作家の松本真一さんと最終話を迎えた『鬼滅の刃』の話をしたんです。5分ぐらいお互いの解釈を話し合ってみると、違う捉え方をしていました。この「解釈が違ったとき」に、自分の枠が広がる感じがあって、めちゃくちゃ気持ちいいんですよね。「その解釈、私になかった!」って。でも、実は「気が合う人」や「仲良くいられる親友」を見つけるのは、恋人や結婚相手を見つけるのと同じくらいに難しいと思ってるんです。友達がいないことが異常というよりは、そもそも信用できる友達を作るのは難しいし、コストだってかかってしまうもの。友達といっても、ライトな友達からディープな親友まで、グラデーションもありますから。そう思ってみるのも、いいんじゃないでしょうか。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年06月02日2020年5月23日、女子プロレスラーの木村花さんが22歳という若さで亡くなったことを所属事務所が発表。関係者のみならず、多くの人々の間に悲しみが広がりました。【訃報】女子プロレスの木村花さん22歳が逝去インスタで「さようなら」と投稿生前、木村さんがネット上での誹謗中傷に傷付いていたことから、匿名でのコミュニケーションのあり方について改めて考える人が増えています。誹謗中傷はスルーできなければダメ?コラムニストの犬山紙子さんは、訃報のあった同日にTwitterを更新。誹謗中傷の対処法として「無視するのが正解」といわれていることに触れ、疑問の声を上げました。誹謗中傷に対してはスルーが正解みたいな空気もおかしいと思ってる特に事実誤認は否定していかないとあっという間に間違ったほうが広まる、スキャンダラスなほうが人は好きだから、そっちを信じるスルーした方が良いもの、しない方が良いもの、誹謗中傷も一括りにできない— 犬山紙子夫婦の問題リカバリーのヒント集発売中 (@inuningen) 2020年5月23日 ネット上では、「誹謗中傷を無視できない人がSNSをやるものではない」「スルースキルを身につけないとダメ!」などの発言がよく見られます。反応しないことが事態を収束させることも、場合によってはあるでしょう。しかし、事実誤認や悪質なデマが流布されている時など、声を上げなければ悪化してしまう場合もあります。いつでも無視をするのが最善なわけではありません。何よりも、誹謗中傷の被害を受ける人にばかり対処を求め、加害者側がそのまま許容されている状態であることが問題ではないでしょうか。加害する人が言動を改めれば、ネット上はもっと快適になるはず。ネット上での誹謗中傷の対処について、私たちは今一度、考える必要がありそうです。[文・構成/grape編集部]
2020年05月26日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月14日放送分よりお届けします。外出自粛が続くなかで、「わが子に問われて困ってしまったワンシーン」からラジオは始まりました。■コロナのこと、子どもにはどう説明してますか?<犬山さんの声を流しながら読む>いまの悩みのひとつが、3歳のわが子にコロナウィルスをどう説明するかなんです。うちでも「おばあちゃんに会いに行きたい!」なんて言われるんですが、その気持ちは当たり前なわけです。ただ、細かく話したところで、この状況をどこまで3歳が理解できるのか……。私は今のところ「外にすごいバイ菌が出てきて、病気になるかもしれないけど、大人たちがすごい薬を一生懸命作ってくれてるから、ちょっと待ってようね」と伝えています。バイ菌とウィルスはちがうものなんですが、子どもはバイ菌だとわかるみたい。あとは、ただ脅すだけではなくて、すこしの勇気も与えて、「乗り越えていく」という思いを持ってもらいたいんです。きっとね、それぞれの年齢のお子さんを持つ親御さんが、それぞれで今悩んでいることじゃないかと思うので。「コロナと子どもとの関わり方」も、ぜひみなさんのやり方を聞きたいので、番組までメールなどいただけると嬉しいです!■コロナ離婚に隠れDV…心配ごとが増えていく家族と密な環境で過ごす時間が増えて、コミュニケーションのトラブルも発生していると見聞きしています。不安なうえに、先が見えにくい状況で、さらにお子さんがいる家庭はなお大変。忙しくて、ほっと一息つける時間もないと。フラストレーションが溜まっていく生活の中で、「コロナ離婚」にまで発展する夫婦もあるようです。実は東日本大震災のときも、仙台市では離婚の相談数が2倍になったそうなんです。やっぱり人は非常時に、それまでの関係性がより濃く出てくるんだなぁ、なんて思いながら見てるんですが……。あと心配なのはDVと虐待が増えること。私は「#こどものいのちはこどものもの」というチームで児童虐待を防ぐための活動もしているのですが、学校は大人の目で「子どもの異変」に気づける機能でもあって、そこで守ることができたケースって本当に多いんです。それが今は休校で、周りの家族も外に出ないから、完全に子どもを閉じ込めている状況なんですよね。私たちも児童相談所の電話番号「189番」の啓発とか、活動されているNPOさんのサポートとか、微々たるものかもしれなくても、できることは必ずあると思います。あとは「虐待を未然に防ぐお手伝い」も。私もTwitterを見ているときに、知り合い含めて「この人は育児に疲れているな」と投稿から感じたりもします。そんなときにはLINEや電話で、「最近は何か不安なの?」と、相手の話を否定せずに聞くだけでも感情は変わってきます。この状況に孤立しているのではなく、誰かに受け止めてもらえると思うだけでもね。■自己肯定感は「ありがとう」を口にすることから<犬山さんの声を流しながら読む>このラジオでやりたいことのひとつが「色んな人を肯定したい!」です。以前に、他局なんですが『ホメラニアン』というラジオ番組に出演していて、そこでは「私たちって生きてるだけでえらいよね!」とリスナーさんをとにかく褒めていました。私、思うんですけど、とにかくもっと褒められて良いことは、この世に溢れまくってます! だから、この『犬山の遠吠え』では、そこにスポットライトを当てていきたいんですね。特に家事育児は、もっと「ありがとう」の言葉が必要で、もっと褒められていくべきだなーって思います。「つけあがる」とか「甘やかす」とか以前に、日本人はあまりにも真面目すぎて、頑張りすぎて、それで追い詰められちゃう人が多いように感じています。実は私自身も、自分のことを全然褒められないタイプでした。でも、やっぱり自己肯定感が持てることは大事だし、人間は生きているだけでちゃんと役割があるものなんです。うちは母が寝たきりになって、もう10年以上になるんですが、母がニコッて笑ってくれるだけで、周りも私も嬉しい気持ちが湧きます。今も、このラジオで話しているそばで、頭のなかでは母が生きてくれてることにも「嬉しいなぁ」と感じるものです。私はカウンセリングや心療内科に通って、先生に話を聞いたりしていくうちに、自己肯定感を持てるように変わっていけました。実は、その変わるための行動のひとつが周りの人にも「ありがとう」を伝えて、褒めること。綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、結局はそこからなんだなって。……いま、構成作家のマツモトさんが、カンペに「人には『頑張れ!』じゃなくて『頑張ったね』ですか?」と書いてくれたのですが、まさにそうなんですよ! 頑張ったね、つらいのわかるよ、って否定しないのが本当に大事だと思います。■クソバイスを知って、心でブロック!<犬山さんの声を流しながら読む>もう一つ、このラジオで話したいことがあって……クソバイス、ご存知ですか?「クソみたいなアドバイス」の略です。「自分の持論を相手の事情をまったく聞かずに押し付けること」と定義しているのですが、私が名付けたので知らなくても大丈夫です(笑)。「いい加減に年齢考えて彼氏を作りなよ」とか「仕事に熱中しすぎると婚期に遅れちゃうよ」とかはクソバイスの一例ですね。これらをまとめて反論も考えて、以前に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』という本にしました。私が今、いちばんよく受けるクソバイスは「子どもは一人っ子だとかわいそうだから、もっとつくったほうがいいよ」ですね! 同世代の女性から言われることもあるし、年上の男性から受けることも本当に多いです。でもさ、子どもを持つ持たないなんて、お金の事情とか、そもそも産めるかわからないとか、人によっていろんな理由があるわけじゃないですか。クソバイスって、言っているほうはめちゃくちゃ気持ちいいんですよ。だけど、言われてしまったほうは、自分が悪いのかもしれない……って、自らを責めてしまうサイクルに陥ってしまう。しかも、深刻化してくると「自分が悪い」という思いが内面化して、ついには他の人にまでクソバイスを放つ側に回るんです……。言ってくる人はいます。でも、「はいはい、これはクソバイスだな」と理解しておければ、それをブロックする心を持てると思います。子育てや育児アドバイスにもクソバイスはいっぱい潜んでいます。「子どもはこうやって育てるべきだよ」とか「母乳じゃないとだめだ」とかね。それで本当に苦しむ方もいます。みんなでクソバイスを集めて知って、対抗していきましょう! 深刻なものからライトのものまで、「私が受けたクソバイス」、ぜひ教えてください。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。▶コロナとコミュニケーションについて、ちょっと真面目なお話。 ▶私がラジオで話したいこと 〜「みんなを褒める」と「クソバイス」について〜 ▶夫婦でこんな問題、乗り越えました
2020年05月22日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月7日放送分よりお届けします。この日が初回放送となった犬山さん、さっそく現在進行中の子育ての悩みがぽろぽろと……。■娘のために、ぬりえの線画を描いています…<聴きながら読む>みなさん、ここ1ヶ月ほどはコロナウイルス対策で外出自粛の生活を送っていらっしゃるでしょうか。私もですね、リモートワークが多くて今日はこのラジオのために、すごーく久しぶりに外へ出ました。今はテレビコメンテーターの生放送も、ほぼ自宅からなんですよ。私の娘は3歳で、保育園がお休みなので、もう自分の時間なんて無いくらいです……。最近していることといえば、一生分の「ぬりえ」を描かされています。娘がぬりえ好きで、塗っている間は静かなのもあって、Amazonでぬりえの絵本を何冊か買ってみたんです。ところが娘……赤色のクレヨンで、うわー!って雑に、1枚を一瞬で、それこそ10秒くらいで終わらすようになりまして!ぬりえは安いやつなら一冊200円ぐらいのもあるんですけど、娘が好きなディズニープリンセスシリーズだと600円とかするんですよ!それを1枚数秒で満足されたら、家計もこっちもたまらんですよ!ということで、私がひたすら、ウサギさんとか、おばあちゃんやおじいちゃんとか、ぬりえの線画を描く作業をしています……。■夫婦のリモートワーク問題が悩ましい自宅でお仕事されている方もいらっしゃると思いますが、なんでも聞いた話によると、夫婦間での「リモートワーク問題」も起きているそうです。夫婦でビデオ会議の時間が重なったときに、どちらが部屋を使うのか。家で使えるパソコンが1台だけの家庭は、夫婦のどちらが使うのか。ジャンケンでどうこうできる問題じゃないですもんね。夫婦でいえば、仲が深まっているところもあれば、ギスギスしているところもあると思うのですが……うちは私がヘルニアを患っているせいで、掃除などの腰をかがめる作業ができなくて、今は本当に申し訳ないのですが、家事育児で夫がワンオペなこともあるんです。やっぱり夫は夫でストレスが溜まりますし、趣味のゾンビ映画鑑賞も捗っています。でも、その観ている顔が、楽しんでいるのか目が死んでるのかわからない、なんともいえない表情でじっと見てるんです……さすがにまずいなぁ、と話し合いましたよ。自分から本当の気持ちを言わないタイプだとわかっているから、私から声をかけました。私なりにヘルニアながらにできること、寝かしつけとかを引き受けて、その時間を夫に渡して元気を取り戻してもらおうと。それから夫は毎日、Nintendo Switchで『Fit Boxing』というゲーム仕立てのトレーニングに勤しむようになり、体をムキムキにする計画を進めるようになりました。それはそれでかっこいいなぁと見ています。話し合い、大事ですね。お子さんがいらっしゃる家だと「ひとりの時間」をどうにか作ることがより難しくなっていますし、一人暮らしの方も「誰かに会いたい」っていう気持ちが強くなっているとも聞きます。どらちも結構、シャレにならないぐらいに気持ちが積み重なってるのかなぁって、思ったりしています。■オタク趣味は自己分析ができて良い夫の趣味がゾンビ映画だとしたら、私も趣味がございまして。自分を「オタク」と自称するのもおこがましいくらいなんですが、小学生の頃から二次元のキャラクターに活力をもらってきたタイプなんです。私、38歳なんですけれども……38歳でもちゃんと二次元に恋できますね!妊娠したら二次元キャラへの恋心ってなくなるかと思っていたんですが、これが全然なくならなかったんです(笑)。今は『ヒプノシスマイク』というラッパーを題材にした作品にハマっています。たくさんの2次元キャラがラップで戦う設定なんです。その中の観音坂独歩くんが好きで。表向きは「犬山紙子」として仕事をしている私ですが、Twitterにそれを一切出さないアカウントをつくって、ひたすらオタクな話をつぶやいたりもしています。友だちの紹介で、1年前にオタク友達が初めてできたんですけど……いや、びっくりするぐらいにLINEで喋りまくりましたね。知り合ってから1週間、やり取りが止まることがなかったんですよ!これまで自分の中だけで貯まっていた思いがあふれちゃう感じ。すると、話しているうちに、どんどん自己分析していくんです。「私は自分の思春期を、2次元キャラを愛することによって成仏させようとしているのではないか?」とか、仕事柄もあって考察までするくらい。まさに自己との対話で、自分を見つめる行為になるんです。「私は、なぜこういったものにグッと来るんだろう?」なんてところから過去を掘り下げてみたり。面白いものですよ、人間って。■家事育児は数字で見えないから悩ましい<聴きながら読む>今日から始まったこのラジオでは、みなさんの中にある本音を、聞かせてもらえたらと思っています!コロナウイルスのせいで在宅しているストレスもそうだし、世の中の女子たちが困っていそうな出来事、育児や家事の大変さ、密かなオタク趣味の話まで……そういった表立って言えないけれど、すっごく溜まってることを、このラジオにどんどん吐き出してください。家事や育児って、いくらやっても数字として出てこないんですよね。これが仕事なら、やった分だけ「お金がいくらですよー」と数字でわかるんですけど、家事や育児は「何円分の仕事をしました」みたいに形として出てこないんで。だから、自己評価がなかなかしにくいし、周りからもは「えらいなぁ、すごいなぁ」みたいにも言われない。“やって当たり前感”が結構あるので、気持ちが溜まって、今も悲しさに追われている方も多いんじゃないでしょうか。わが家もそうなんです。娘は昼寝を「なんで?!」って思うくらいにしてくれないですね。保育園ではちゃんと寝てるんですけど……。娘が起きていると、なかなか自分の時間も取れません。うまくやりくりされているリスナーさんがいたら教えてほしいです!「うちの子どもはトランポリンを出せば30分は遊んでくれるよ」とか「このアプリに夢中になってます」とか、私も本当に参考にしたい。もう毎日検索してるんですよ。「3歳 子供 おすすめ 遊び」みたいに(笑)。娘に熱中してもらえるものを見つけて、その間に私は仕事しよう、ちょっと一休みしようみたいな感じで。みなさんの、そういう話をぜひ聞かせてください。■「書いて、送る」だけでも自分の本音がわかる育児家事だけではなくて、「女の子が抱える悩み」も、どしどし送ってください。解決するような素晴らしいアドバイスを言ったりするのは難しいかもしれないけど、それを聞いて「わかるわー……」って応えることはできると思っています。これまでも『アドバイスかと思ったら呪いだった』とか『負け美女』という本に、そういうことをまとめてきましたから。「書いて、送る」だけでも、わかることってあるんです。自分はこういうことに怒ってたんだ、自分はこういうことを望んでたんだって。私も普段、エッセイストとして原稿を書いていて、いつも思うんです。私の受け答えがヘボくとも、その「自分がわかる」効果はあるはずなんです。その本音を、ラジオの電波に乗せて声にして届けることで、聞いた人の考えもちょっと変わるかもしれない。「うちのパートナーは、もしかして本当はこんなことに悩んでるのかな?」みたいに、生活を見つめてみるきっかけにもなるんじゃないかなぁ、と思います。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。▶『犬山の遠吠え!やってまーす』始まりました! ▶育児と仕事をしながら、いかに自分の時間を見つけるか ▶オタク活動は自分を見つめる行為?!
2020年05月12日女性の生きづらさの要因のひとつである“ルッキズム=外見主義”。これに疑問を感じ、メッセージを発信しているイラストエッセイスト、コメンテーターの犬山紙子さんと美容ライターの長田杏奈さんのお二人がルッキズムについて伝えたいことを話します。ルッキズムは、自分にも社会にもいいことはない。――お二人が考える、ルッキズムの弊害とはなんでしょうか?犬山:そもそも、生まれ持った見た目で差別される、ということ自体が、あってはいけないことだと思います。外見のせいで扱いが違ったり、就職試験で差別をされたりとか…。長田:人間にとって目から入る情報ってすごく大きいし、それに左右されてしまうのもある意味当然だとは思う。私は花が好きなんだけど、花屋でどうやって選んでいるかっていうと、結局のところは見た目の好みなんだよね。花を見て“きれいだな”と感じることを否定する必要はないと思うのね。でも、人に置き換えた場合、人格や能力を見るべき場で差別的に扱ったり、見た目至上主義に陥ったり、ディスったりするのは、違うんじゃないかと。犬山:うんうん。長田:見た目なんていっときの印象にすぎないし、そこを入り口に、相手の内面を知ったり、関係を構築する中で、印象なんてどんどん変わるし、もっと好きになれたりするじゃない?見た目にとどまってああだこうだ言ってる人って、もったいないし、人間としての成熟度が足りないと思う…。犬山:あと、ルッキズムを自分に発動しちゃった場合の弊害としては、自分にダメ出しをし、外見を否定し続けていると、自らを大切に思えなくなってくるよね。長田:うん。自分の意思を尊重できなくなって、身動きがとれなくなる。例えば“この洋服は私が着たらイタいに違いない”とか、“この見た目ではそれをする資格はない”、あるいは“私なんて愛されるはずがない”と思ったり…。見た目の気後れが一歩踏み出すときのためらいに繋がる。犬山:自分が本当にやりたいと思うことや表現したいことが見えなくなるし、できなくなっちゃう。実際、コンプレックスにがんじがらめになっていたときの私は、そうだったから…。長田:犬山さん、全然そんなふうに見えなかったから、めっちゃ意外!犬山:そうかなぁ。長田:今は自分の見た目が好き?犬山:うん、好き。私の大切な顔だわって、慈しめるようになってきた(と、両手で顔をそっと包み込んで、にっこり)。長田:最高だね!どんなきっかけで、見た目と仲良くなれたの?犬山:いちばん大きいのは子どもが生まれたことかな。子どもが思春期になったときに、私みたいにコンプレックスを抱えたり、必要以上に悩んだりしてほしくないなって思って、ルッキズムに左右されていた自分を変えようと思ったの。まずは他者に対してルッキズムを発動するのをやめることから始めたかな。それによって、人のいいところが前より見つけ上手になって、好きな人たちのことがもっと好きになった。さらには道行く人がみんなきれいに見えるようになった(笑)。長田:みんなそれぞれ、きれいだもんね。私、“全員美人原理主義者”だし。犬山:そのあとかな、徐々に自分への外見主義が弱まって、自虐をしなくなった。そうしたらすごく心が楽になったよ。長田さんの本にも、その後押しをしてもらった感じがする。改めて聞くけれど、『美容は自尊心の筋トレ』を書いたのはどんなきっかけがあったの?長田:子ども時代に、美容部員として働いていた母が家に持ち帰った美容のセラピー効果の本を読んで、メイクやスキンケアが癒しや励ましになる、ということは知っていて。それで美容ライターになってから、自信なさげだったり、イライラした感じの人が、スキンケアで自分に手をかけたり、気分が上がる色のリップを塗ったりするだけで、表情や目の輝きだけじゃなく、人生に対して前向きに変わる現場に、何度も立ち会って。美容には、自尊心を育てる素晴らしい力があるんだって、ずっと信じてきたの。犬山:ホントそうだよね。長田:でも美容には、いまの姿を否定して“もっと美しく正しくなりましょう、もっと若くなりましょう、もっとモテましょう”みたいな面もある。自分を大切に扱って、見た目とリラックスして付き合うための美容の話がもっとあっていいはずだ!と思って、あの本を書いたの。――お二人は、本を書く以外にも、世の中にアクションを起こしていますね。例えば犬山さんはコメンテーターをされていたり…。犬山:依頼をいただいた当初は“なぜ?”と思いましたが、女性たちに取材を重ねてきた私だからこそ言えることがあるのかも…、と思い、自信がない中で始めました。いろいろな専門家の方の話を聞く経験を通し、徐々に私の知識も増えていくと、問題意識が高まってきて、もっと勉強し、そこで得た知識を自分でもアウトプットしていこうと、気持ちが変わってきたんですよね。長田:いまいちばん力を入れているのは、児童虐待防止?犬山:そう。チームを作って活動してる。自分が手に入れた知識を、誰かのために役に立てられれば本望です。長田さんは、イベントやったりしてるよね。長田:私、イベントでも、美容本でもやりたいことは一貫していて、ひたすら女の子の“自分を大切にする気持ち”を応援したい。リップのひと塗り、素敵さを自覚してもらうひとことで女の子が笑顔になる、それを見るのがうれしいし、謎の生きる力が湧いてくるの。もうね、それをライフワークにして生きていこうと思って(笑)。――最後に読者に、ルッキズムからの解脱、すなわち自尊心を上げるためのアドバイスをいただきたいのですが…。本来ならば、カウンセリングに行ったりすることがベストだと思いますが、まずすぐできる、簡単なものを教えてもらえるとうれしいです。犬山:寝る前に、自分を褒めてみてください。すごいことじゃなくていいの、「今日はちゃんとお風呂に入れた、私、偉い!」とか、ハードルはめっちゃ低めでOK(笑)。究極は「私今日生きてた、偉い!」でいいと思う。それを毎日やると、自己肯定するクセがついて、自尊心が上がりますよ。長田:ホメラニアンだね!私は、自分の中の小さい子の声を聞くことかな。例えばリップ一本選ぶときも、人からどう思われるかより、自分の中の無邪気な部分が「わーい!」ってなることを優先する。小さいことだけど、それを積み重ねると全然ちがうんだよね。ただ、そうやってウキウキ出かけていっても、社会に溢れるルッキズムにボコボコにされる日もあるわけですよ。そんなときは、信頼できる人に「今日は何も言わずに私の話を聞いて?」って、話を聞いてもらうといいと思います。犬山:あ~、私もまさにそうしてる。つらいことがあったら、長田さんとか、親友とのグループLINEに書き込んで、全力で甘やかしてもらう(笑)。長田:自分をさらけ出せる仲間は、自尊心を上げる重要なファクターだよね。犬山:ね!いぬやま・かみこイラストエッセイスト、コメンテーター弊誌の連載「SanPakuちゃんのわがまま気まま愛のRoom」も大好評。著書も多数。『スッキリ』(日本テレビ系)、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)でレギュラーコメンテーターを務める。おさだ・あんな美容ライターメイクアップアーティストの吉川康雄さん、写真家の前康輔さんとコラボで制作した書籍『あなたは美しい。その証拠を今からぼくたちが見せよう。』(大和書房)が5月に発売予定。※『anan』2020年4月8日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2020年04月07日作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)と古田新太による壮大な悪だくみ企画が、今夏またも演劇界を揺るがせそうだ。2007年の『犯さん哉』から始まったナンセンス3部作に続き、新作『欲望のみ』で見せるのは、イヤ~な感じのブラックコメディ。【チケット情報はこちら】もともとナンセンスは大好物なKERAと古田。だがナンセンスをやるには、「たゆまない努力が必要(笑)」とふたりは声をそろえる。そこで“演劇的なコメディ”に立ち返ることになってみたもののも、KERAは「昨今の状況に身を晒されていると、緻密によく出来たコメディをつくっている場合でもないなって気持ちになっちゃうんですよね。世の中が非常にでたらめだから」と明かし、「2006年にやった『噂の男』みたいな作品になるかも」と現段階での構想を語る。それを聞いた古田は、「(池田)成志さんは『噂の男』みたいな露悪な芝居が嫌いなんです」と続け、「逆にオイラは成志さんが嫌がる芝居が大好き」と笑う。硬軟どんな芝居もお手のものの古田だが、「劇団は押し芸なんですけど、やっぱりオイラは引き芸が好き。そういう意味で、KERAさんとやる時はホッとするんですよね」と、KERAへの信頼の強さをうかがわせる。一方のKERAも、「やっぱり古ちん(=古田)にしかないものってありますからね。この身体性というか、それは動けるという意味だけではなく、野蛮な感じっていうのかな(笑)。古ちんと定期的に一緒にやることで、演劇ってのは何でもアリなんだということを再確認できる」と語り、KERAにとって古田が、ものづくりにおける指針のような存在だということがわかる。キャストには大倉孝二や犬山イヌコ、山西惇といった3部作に引き続きのメンツから、小池栄子や秋山菜津子など幅広い顔ぶれがそろう。古田は「この企画は大倉が生き生きしているのが嬉しい」とニヤリ。またKERAは秋山に関して、「彼女は高校の演劇部の後輩でして、もともと僕が小劇場に連れてきたようなものですけど、松尾(スズキ)さんが『キレイ』(2000年)で彼女のベスト・プレイを引き出しちゃって。正直ずっと悔しくて。最近はキツめの高圧的なキャラを求められることも多いようだし、またそれとは別の面も見せられたらいいなと思っているんですよね」と抱負を語る。近年は舞台の創作においても、「意地悪しちゃダメっていう風潮がある」と古田。だがKERAは「つくるものに関してはフィクションなんだから、文句言われたくない」と言い放つ。その刺激的な舞台で、またも観客を大いに驚かせてくれるはずだ。チケットぴあでは3月29日(日)までプレリザーブ受付中。取材・文:野上瑠美子
2020年03月26日電車でのアクセスも良い「第42回読売犬山ハーフマラソン」は、2020年2月23日に開催されます。総勢1万人が参加する歴史ある大会です。メイン会場は、最寄り駅「犬山駅」から徒歩10分とアクセスしやすく、国宝・犬山城を望むことかできます。ハーフに限りレベルに応じたエントリーが可能種目は、10kmとハーフの2種目(どちらも陸連公認コース)、参加費は、ハーフ5,500円、10km 4,500円です。スタート・フィニッシュは、内田防災公園、制限時間は、ハーフ2時間30分、10km 1時間5分となります。特にハーフマラソンのグループ分けがユニークで「豪傑」「猛者」「つわもの」「初陣」に分かれており、自分の速力に応じてエントリーができます。コースの見どころは国宝犬山城大会コースは、発着点から国宝・犬山城を仰ぎ見ることが、アップダウンが少ない木曽川沿いのフラットな道を走ります。自己ベストを狙う人から初ハーフにチャレンジする人まで幅広いランナーにおすすめのコース設定です。大会では走る以外にも「おもてなしコーナー」で、犬山のおすすめするグルメを堪能することができます。ナンバーカードには会場内の「おもてなしコーナー」で使える300円のクーポン券がついているので、走った後、グルメも楽しめます。(画像は大会公式サイトより)【参考】※大会公式サイト
2019年10月12日アニメーション映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』が、2019年7月12日(金)に全国の劇場で公開される。ポケモン映画1作目“ミュウツーの逆襲”が降る3DCGでカムバック1998年に公開された『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』は、人間の手によって生み出されたミュウツーが心に抱える「葛藤」、そして自分を生み出した人間への「逆襲」を描いた作品。ファミリー向けの作品としては異例のテーマを掲げた同作だったが、アニメーション映画として1998年の年間興行収入ランキング1位に輝くなど記録的な大ヒットを記録した。そんな“ミュウツーの逆襲”が、フル3DCGアニメーション作品として劇場にカムバック。最強のポケモンをつくりたという人間のエゴによって生み落とされた伝説のポケモン・ミュウツー役は、オリジナルに続き市村正親がゲスト声優を務める。4DX上映決定!モーションチェアでポケモンバトル迫力UPフル3DCGに加え、“体で感じる映画”と称される4DXでも劇場公開が決定。『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』内で繰り返されるポケモンバトルが、水・風・モーションチェアなどの環境効果が加えられることでさらに迫力がパワーアップ。大興奮のバトルを体感することができそうだ。あらすじ「清らかな心と、会いたいと強く願う気持ち」その二つをもつ冒険者の前にだけ姿を現すという幻のポケモン・ミュウ。全てのポケモンの“はじまり”と言われ、世界中のポケモン研究者が行方を追うなか、ついに一人の科学者がミュウの化石を発見し、それを元に神をも恐れぬ禁断の行為に手を染めてしまう。「ここはどこだ…。わたしは誰だ…。」最強のポケモンをつくりたいという人間のエゴによって、この世に生み落とされた伝説のポケモン。その名もミュウツー。存在する理由も分からないまま、最強の兵器としての実験を繰り返されるミュウツーは、その心の中に、自分を生み出した人間に対する憎悪の念を宿していく――。作品情報映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』公開日:2019年7月12日(金)※同日全国4DX劇場で4DX上映開始。声の出演:サトシ/松本梨香、ピカチュウ/大谷育江、ムサシ/林原めぐみ、コジロウ/三木眞一郎、ニャース/犬山イヌコ、ナレーション/石塚運昇、特別出演/市村正親原案:田尻 智監督:湯山邦彦・榊原幹典脚本:首藤剛志©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku©Pokémon©2019 ピカチュウプロジェクト
2019年03月04日皆さま、ごきげんいかがですか。男の墓場プロダクションの劔樹人と申します。ふだんはマンガを描いたり、バンドをやったり、ハロー!プロジェクトの応援をしたりしながら、家のことや育児を主に担当する主夫として生活しています。今回は「うちのパートナーのいいところ」という、ちょっとばかりこっぱずかしいテーマではありますが、お付き合いください。■犬山紙子を妻に持つ私先日、やけに妻のインスタに「スッキリを見てフォローしました!」というコメントが多いなあと思ったら、何やらワーキングマザー特集があったようで、そこで妻が言った「母親になったからって強くなるわけじゃない。みんなやらないといけないから、根性でやってるだけ」というコメントが世の母親たちに激しく共感を呼んでいたようだ。うちの妻は犬山紙子というタレント・エッセイスト。テレビでは情報番組のコメンテーターなどの仕事が多いが、世間的にはどういう印象なのだろう。もともとは辛辣(しんらつ)な恋愛ネタなどのコラムで出てきたので、毒舌とか、男の敵とか、そういうイメージを未だ持っている人も多いかもしれない。それが実は、今やあまりそういう人ではない。結婚して子どもが産まれてからというもの、働く女性や母親の抱える問題や、やりきれない社会の現状などをテーマにするように変化した。むしろ若い頃の自分の考え方も間違っていたというところは否定し、反省するようにもなった。最近では「こどものいのちはこどものもの」という虐待防止のプロジェクトも立ち上げ、ボランティアで社会運動にも取り組んでいる。 それもあって今とても忙しいので、生まれるときは「5:5」でやりたいと言っていた育児は、私の方が多く負担するようになっている。それは世のお父さん的な立場ではあるが、性別が逆であることもあり、全然意識が違う。私にも無理がかかりすぎないよう、いつも配慮してくれている。彼女の考え方や行動が、これからきっと多くの人たちの救いになると思う。夫の立場としてそんなことを思いながら、夫婦ともども頑張っていたりもするのである。とは言うものの、個人的には、妻がかつて漫画家を目指していた頃に「聖モチ」というペンネームで描いていた最低の下ネタ漫画のような、今のテレビでの姿とはかけ離れた部分も好きなのだが…
2019年02月14日ナイロン100℃主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が、劇団外における演劇活動の場として2001年にスタートしたKERA・MAP。その新作、#008『修道女たち』の東京公演初日を約1か月後に控えた稽古場を訪れた。【チケット情報はこちら】稽古9日目を迎えた取材日、鈴木杏らキャストが手にしていたのは作・演出を手がけるKERAが前日まで執筆していたという追加台本。本読みにあたって、KERAは「転調に次ぐ転調」とこのパートが担う目的や伏線を説明する。巡礼に訪れた“修道女たち”を迎え入れる村の女・オーネジー役を演じる鈴木杏は、子どものような幼さが残るキャラクターをあどけない声色で造形。台本から顔を上げ、緒川たまき演じる友人役のシスター・ニンニに笑いかける場面も見受けられた。無邪気なオーネジーに対する修道女たちは、トーンを抑えた静かな演技で応戦。しかし、禁欲的で制約の多い聖職者が集まる場に似つかわしくない刺激的なセリフがオーネジーから放り込まれると、修道女に扮する緒川、KERA演出を初めて受ける伊勢志摩、ナイロン100℃の松永玲子と犬山イヌコ、ともに彼の作品へ出演経験のある高橋ひとみと伊藤梨沙子の6人も読みながら思わず笑ってしまう和やかなひと幕が。KERA作品の持ち味であるコメディの中で、シュールでナンセンスな筋運びや言葉選びは今回も大いに炸裂。修道女たちが滞在する、雪深く静謐で厳かな山荘を舞台にした劇空間とのギャップが楽しめるだろう。見学して感じたのは、キャストによる提案力の高さだ。立ち稽古でKERAが「距離があるというか……サバサバしすぎている気がするんだよね」と指摘すると、すぐさま反応したのが鈴木杏。「オーネジーはどんな印象を持っていたんでしょうか?」と物語に直接描かれていない背景についてKERAに意見を求め、回答を参考にセリフの抑揚や表情、動きに反映させる。他のキャストも、ある小道具を置く場所について「窓辺は盗まれそう」「暖炉に置くのは?」と積極的に意見を出し合い、全員一丸となって作品づくりに取り組んでいる印象を受けた。公演は10月20日(土)から11月15日(木)まで東京・下北沢本多劇場にて。その後、11月23日(金・祝)・24日(土)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、12月1日(土)・2日(日)に福岡・北九州芸術劇場 中劇場で上演される。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2018年10月09日目黒区の船戸結愛ちゃん(5)が虐待をうけて亡くなった事件を発端に、犬山紙子さんのつぶやきから始まった、子どもの虐待をなくそうという呼びかけ「#こどものいのちはこどものもの」。共に活動をする、ミュージシャンの坂本美雨さんと犬山さんに、子どもを産んでからの思いや、子どもがいるいないにかかわらず、社会に生きるひとりの人間として、「#わたしたちでもできること」とは何かを語ってもらった。ー子どもがいない人にとっても、公共の場で躾とは思えない親の子どもへの態度を見てしまったときに、どうにかしたいけどどうすべきかわからないという課題があると思うのですが、お二人はどうお考えですか?犬山:私も友達から、出先でそういうことに遭遇した場合、どうすればいいのかという相談を受けたりします。「189」に連絡を、ということは随分広まってはいるけれど、その場で電話をしてもどこの誰だかわからないし、彼らの後をつけるわけにもいかないしって。坂本:日本においては、特に難しいですよね。アメリカだったら、「Hey?,Are you OK?」みたいにそこに突っこんでグイグイいける明るさ、コミュニケーション力、ある意味KY力がある。だから、私たちもちょっとずつスキルを上げていかなくちゃいけない。犬山:確かに、パッと自然に入っていけるといいな。坂本:もともとアメリカには虐待や子どもへの接し方に対して周りの目が厳しいという地盤があって、あまりに親の子どもに対する当たりが強すぎると、社会的に「Hey hey」と言ってもいいみたいな環境だからこそ言いやすいというのもあるだろうけど。日本は、人の子育てには口出しをしないのが決めごとみたいになってる。でも、少し前の時代なら「ちょっと、お母さん」と口を挟むおばさんもいたわけで、それはそれでよかったんだと思う。言われた本人は「えっ」と思うかもしれないけど、怖がりすぎてもいけないし、怖がられないようなコミュニケーションスキルを鍛えていくべき。犬山:コミュニケーションって、親身になれるかどうかが肝だと思う。「そんな格好させてたら駄目でしょ!」という感じで上から目線で怒ってくる人に対しては、私は「No」と言いたいんですよ。家にはそれぞれの事情があるから。でも、明らかにお母さんも困っていて子どものせいで辛い思いをしていそうであれば、「お母さん大丈夫かな」と親身に寄り添いながら話しかけにいくこと。なかなか難しいけど、そういう姿勢で話しかけることが大事だなと。「駄目でしょう!」じゃなくて「大丈夫ですか?何かできることはありますか?」って。うざがられても。坂本:その場の空気をいい意味で乱すというか、張り詰めた空気を乱す役割をやってみるとかね。犬山:エッセイストの紫原明子さんがやっている「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」にはステッカーがあって、貼っていると、「赤ちゃんが大好き。全然泣いてもいいよ!」という表明になる。実際に声をかけるのは難しくても、ひとつ前の段階で見えるところにステッカーを貼るくらいならできると思うんです。それを受けて美雨さんが「赤ちゃん抱っこしたい」ステッカーを作ろうと(笑)。坂本:マタニティマークみたいな感じで、どこででももらえるようにしたくて。ちょっと荷物が多いとか、赤ちゃんを抱っこしていて、電車の中で「どうしよう?」というときあるじゃないですか。そんなときに、「お手伝いしましょうか」と言いやすいように。言われたお母さんも構えないように、ステッカーがあればなって。犬山:声をかけられないという気持ちは滅茶苦茶わかるし、それが大多数だもんね。私もそうだったし。男の人はそのことで余計に悩んでいるんですよね。男だから、子どもに声をかけたら通報されるかもしれないとか。でも、だったら何もしないよりは折衷案というか、ひとつ、優しい空気を出してみよう。公共の場を優しくしていこうというのは、私たちにもできることですよね。坂本:いっぱいいっぱいのときは周りの人が普通にしているだけでもマイナスに思えちゃうから、むしろ周りがプラスにしていかないといけないんですよ。それはみんなが、どんな立場の人でも努力できることだと思うんです。今回本当に思ったのは、助けが必要な人は助けを求めに来れないことがほとんどだということ。だから、助けが必要な人を私たちが探し当てなきゃいけない。それをするにはどうしたらいいんだろう?ということをずっと考えている。ちょっと余裕のある人は手を差し伸べるようにする。そうやって能動的に動いていかないと。犬山:そこで、何かしたいけど勇気もないし何をすればいいかわからないという人に流行らせたいハッシュタグが、「#わたしたちでもできること」なんです。私たちができる作業は、ハードルを下げていくことだから。「児童虐待問題に取り組みます!」とマザー・テレサのように私生活もなげうって子どものために何かやるとなるとハードルが高すぎるけれど、「赤ちゃんが泣いていたら変な顔をしてあげる」とTwitterでつぶやくだけでもいいんです。それだけで優しい空気がタイムラインに流れるから。坂本:親だけの問題じゃなくて、社会に暮らすいろんな年代のみんなが関われることが大事だよね。みんながそれをしていけば、社会全体の意識の底上げになる。国に予算を付けてもらうことも大事だけど、社会の基盤がないと、どれだけ予算が付いて児童相談所が増えても、根本は解決しないから。犬山:本当に。目の前の低いハードルを一度越えられたら、これもできるかもって思えるかもしれないから、一回アクションを起こすことが大切ですよね。坂本:たとえば、自分の体験の中にひとつでも例ができたら、次もできるような気がするかもしれない。高校生の男の子とかでも、電車で小さい子に変な顔をして笑ってくれたという成功体験があれば、またやってみようとか、ベビーカーにスペースを譲ろうと思うかもしれない。私も産むまでは、妊娠している人や赤ちゃんがいる人って、閉ざしていたつもりはなくても目に入ってこなかったことがあったけど、自分の置かれた環境や行動によって視野というのは自然とどんどん広がっていくものだから、みんなでそうやっていくことが必要なんだと思う。犬山:そういう成功体験が増えていったらすごくいいよね。ハッシュタグを付けてつぶやくだけでもいいし、記事をシェアするだけでもいいし、いっぱいいっぱいの友達の話を否定せずに聞くだけでもいい。それも実はひとつのアクションだから。ーみんなで育てるという意識で、行動をしていくことが大切なんですね。今後、「#こどものいのちはこどものもの」は、どういう活動をしていくのでしょうか?犬山:こないだ国が対策案を出してきたんですが、しっかりそれが為されるのか、さらにそのためにはもっとこうしたほうがいいという改善点はあるのかとか、国に対する働きかけはしていかねばと。もちろん素人なので、専門家のいろんな立場の人に話を聞いてそれをシェアするのが、今の私たちにできることですけど。それを偉い人が見てくれたら、さらに議論が深まるだろうし、理想を言えば、いろんな立場の方のいい知見が重なって、よりいい仕組みができればいいなと思うし、それに対する監視みたいなことは引き続きやっていきたいですね。勉強、取材、拡散、草の根運動も。坂本:あとは、「つなげる」ことも私たちの役割の一つかなと思います。企業や起業家、いわゆる資産がある人にも、何かをやりたいと思っている人はけっこういて、そういう人たちに会いにいって、今どこかお金を必要としているところに投資したいとか、こういうプロジェクトのアイデアはあるから援助を受けたいというように、与えられるところと必要としているところをつなげることもこれからできそう。ーそうなると、もうひとつのメディアですよね。在り方としては。坂本:そうですね。例えば、このプロジェクトを始めたときにアートディレクターの千原徹也君が「何かやりたい」と言ってくれて、「ロゴを考えてほしい」とお願いしたら、事務所全員で相談して5パターンくらい出してくれて、いいものが出来上がってきた。企業とアートディレクターをつなげて、広告スペースで活動を宣伝することもできるかもしれないし、お金が発生しないところでできることもあるし、お金を持っている人に提供してもらうこともできるなとは思ってます。こないだ児童養護施設に見学に行ったら、「改築したいけどお金が足りない」と言っていて。クラウドファンディングの「CAMPFIRE」を勧めたら、「1回やってみたんですけど……」と明らかにそういうことが得意ではなさそうで。そこでファンタジスタさくらださんが「CAMPFIRE」代表の家入一真さんに会いに行ったときにそのことを相談したら、施設を見に来てくれることになって。たとえば「CAMPFIRE」の中から一人、養護施設に派遣して、一からやり方を教えてもらうということがお金を発生させずにできたら、得意じゃない人たちも学べる。そういう事例がひとつできたら、全国でもやりやすくなると思って。ー寄付する窓口が明確になれば、アクションも起こしやすいですしね。坂本:そう。クラウドファンディングがいいなと思ったのは、みんなのちょっとずつが集まってくるから、寄付した人もそれがどうなっていくのかが気になって、後々までやっぱり関わっていくんですよね。その後の関わりで視野が広がっていくのも大事だから、クラウドファンディングは使っていきたいなと。その1アクションによって、ちょっとずつ見えてなかったことが目に入ってくる可能性を秘めていると思う。ー最後に、子どものいなかった頃の自分と比べて、現在は、素敵な自分でいられていると思いますか?坂本:私は、やっぱり子どもと向き合って初めて出てくる自分もいて、以前と比べていやな部分もいっぱい発見していますね。キャパは広げざるを得ないというか、何とかできるようになってるかもしれないけど、だからといって自分が素敵って思えるかは別かな。でもそういう自分と向き合っていますね。犬山:独身の方でも素敵だと思えるように進化する人もそうじゃない人もいるし、子どもがいても自分のことを好きになる方向に行く人とそうじゃない人がいますよね。私はなるべく環境を整えようと思っていて。そうしたら、これまで問題だと思っていた怒りっぽいところを直そうというアクションにつながった。これがもし孤立してて追い詰められていたら、たぶん逆の方向にいっていたかなという気がする。ー自分の心や環境を整えるって、お母さんじゃなくても根本的に大切なことですよね。犬山:大人になればひとりで生きれて当たり前、みたいな風潮をまずぶち壊さないと難しいかなと。社会でひとりで生きれる人って、絶対いないから。自立って、自分で稼げて食えて何でもできてという意味だと受け取られているけど、私は実はそうじゃないと思っていて。自立って、人に助けてほしいときにSOSが出せて、逆に人が助けてほしいときに手を差し出せることなのかなと思うんですよ。それが前提にあると、助けを呼べると思うんだけど、自立しなきゃってなるとできないから辛くなる。そうすると他人に対しても厳しくなっちゃう。ひとりでも何でもできなくて当たり前という感覚が大事なのかなと。坂本:私、自分の価値観だけで子どもを育てるとなったら怖すぎて絶対無理。犬山:一緒。わかる。いろんな大人に関わってほしい。坂本:自分に自信はないけど、自分の好きな人に対してはすごく自信がある。この人のことは本当にオススメできますっていう人が周りにけっこういるから、私が間違っていることもあるから、そういう大人たちと子どもが接して生きていってくれればいいし、いい人の影響を受けてみんなに育ててもらってくださいって思ってるんです。最初から一人で育てることは諦めているというか。犬山:いや素晴らしい。合い言葉は、できなくて当たり前(笑)。そもそも超人でも無理だと思うよ。そういう意識を、自然と広げていきたいですね。Photo:Toru DaimonText:Tomoko OgawaPROFILE犬山紙子Kamiko Inuyama1981年生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト。著書に『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)、『地雷手帖嫌われ女子50の秘密』(文春文庫)、『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)ほか多数。2017年に女児を出産し、育児体験者への取材記録や自身の出産体験記を収録した『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)を刊行。現在は「SPA!」「anan」「steady.」「文學界」「読売新聞」などで連載中。坂本美雨Miu Sakamotoミュージシャン。東京 / ニューヨーク育ち。1997年、Ryuichi Sakamoto featuring Sister M名義での「The Other Side of Love」でデビュー。音楽活動に加え、ナレーションや執筆、またTOKYO FM他JFN全国ネット「ディアフレンズ」のパーソナリティを担当。大の愛猫家であり、動物愛護活動にも力を注ぐ。2015年に娘を出産。2016年3月、かねてから親交のあった聖歌隊「CANTUS(カントゥス)」と、アンドリュー・ロイド・ウェイバーのレクイエム「pie jesu」を、坂本美雨 with CANTUS名義にて、配信限定リリースし、6月、同じくCANTUSとミニアルバム「Sing with me 」をリリース。同年12月、坂本美雨with CANTUS名義にてフルアルバム「Sing with me Ⅱ」をリリース。ソロ活動に加え、シンガーソングライターのおおはた雄一とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」として多くの音楽フェス等に出演中。
2018年09月24日目黒区の船戸結愛ちゃん(5)が虐待をうけて亡くなった事件を発端に、犬山紙子さんのつぶやきから始まった、子どもの虐待をなくそうという呼びかけ「#こどものいのちはこどものもの」。共に活動をする、ミュージシャンの坂本美雨さんと犬山さんに、子どもを産んでからの思いや、子どもがいるいないにぜきかかわらず、社会に生きるひとりの人間として、「#わたしたちでもできること」とは何かを語ってもらった。ー結愛ちゃんのニュースの以前から、お二人は子どもの虐待について気になっていたことがあったんでしょうか?坂本:私はすごくありました。子どもを産んで数ヵ月後くらいからは、幼児虐待のニュースがあるとすごく気になるようになって、ひとりで落ち込んでいたし、ずっと考えてしまうことが続いていました。犬山:私もそうでした。坂本:ね。それでアルバムを作るときに、どうして虐待するようになっちゃうんだろうかとすごく考えて、例えば子育てに行き詰まったときに生活の中に歌が当たり前にあったら気が紛れるというか、その場の空気が変わったりするなと実体験から思ったんですね。歌で人を癒やすということではなくて、歌の効能は肉体的にもあって、声を出すだけで筋肉が和らぐし、酸素が循環するだけでも変わる。それはもう物理的に。子どもにとってもお母さんにとっても良い効果があるはずだと。だから、聞いてもらうだけではなくもっとみんなにも歌ってほしくて、坂本美雨 with CANTUSというプロジェクトで聖歌隊と一緒にほぼ人間の声だけのアルバムを作りました。そして子連れウェルカムなライブをやりました。犬山:私も、子どもを産む前から、動物虐待と子どもの虐待のニュースは自分に子どもがいなくてもキツくて、キツイなぁと思いながらもひとりでどうにかできる問題でもないから、自分はしないようにしようくらいの気持ちでいたんです。それが、子どもを産んだら、どうにかしたいという気持ちが強くなったのと、子どもに胸を張れる大人でいたいという気持ちが生まれて。でも自分に自信がそこまであるかと言われたら、なかったんですよ。仕事は生き生きやっているし、頑張っているし、自分なりに愛せる著書も出しているけど、虐待問題に見て見ぬふりをしている自分だと胸を張れない。寝る前に夫と二人で最終的に何かやれたらいいねと話していて。ーそれは、母として?人として?犬山:そうですね、人としてです。それで、自分たちは何に心を痛めていて、何の力になれるんだろうね、いつか虐待について取り組めたらいいよねとふんわりとした話はずっとしていたんです。でも、いつかアクションを起こしたいと思っていても、仕事と子育ての両立で大変だからまだできないなと思いながら、ニュースを聞く度にしんどいなと。何もしていないことがしんどくなってくるという感覚だったので、結愛ちゃんの事件で、もちろん子どものためでもあるんだけど、自分のために何か動きたいなという感じでした。坂本:溢れたという感じ。それで、紙子ちゃんが「#こどものいのちはこどものもの」をTwitterで始めて、お誘いではなくて、こういうことを始めてみたという報告をInstagramのDMにくれたんだよね。それが来た瞬間、「やった!」と思って。犬山:即レス!坂本:「一緒にやろう!」とすぐに飛びついて。嬉しかった。犬山:私が『私、子ども欲しいかもしれない。』という本を出したとき、子育ての先輩として、美雨さんに話を聞きに行って。もともと動物愛護の活動をされていることもあったし、美雨さんから慈愛を感じていたので、声をかけました。坂本:確かLINEグループを作ったのが6月11日くらいで、そこからやり取りが始まったんだよね。犬山:実は私から連絡したのは美雨さんだけで、記事を読んでTwitterでつぶやいてくれた人たちに、私からLINEで「つぶやいてくれてありがとう。みんなでできたらいいなって思っています」と伝えたら、全員即レスで「やろう」と返事をくれて。みんな、同じように思ってたんだなと。ーみんなで集まって始まったわけじゃなかったんですね。犬山:そうですね。集まったのは2回くらいかな。厚生労働省に行く、とかみんなで動くこともあるんですけど、個々の活動がけっこう多いかな。坂本:多いね。始めた頃は自分たちのスタイルが定まっていなかったんですが、最初は、フローレンスの駒崎弘樹さんの「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」の署名活動の共同発起人となって、署名集めをしました。その後、自分たちはどうしていこうかとなったときに、それぞれの得意分野も自分たちのネットワークも違うし、一人ひとりがこの問題に対して経験・知識不足で、それぞれが勉強しなきゃいけないという状況もあって、それぞれの近しいところでこの分野のリサーチをしたり、話ができそうな媒体を探してと、個々の活動が始まったんじゃないかな。犬山:うん。まとまっていないと動けないという感じではないですよね。坂本:みんなそれぞれのアイデアがあって、興味がありそうな人がいたら「一緒に行く?」というのがLINEグループに投げかけられて、スケジュールが合う人で行くという感じですね。それと、今は、とにかく虐待問題についての勉強。乳児園や児童養護施設を訪れて、職員の方々のお話を聞かせていただいています。あとは、すでに長くこの問題に取り組んでこられた方々も多くいらっしゃるので、その方々にお話を聞くなど、引きつづき勉強をしたいなと思っています。ーこれまでの活動で、現状の問題点や改善されるべき点について学びはありました?犬山:死ぬほどあって、調べれば調べるほどどんどん出てくる。その中で見えてきたのは、これをやれば虐待がなくなるということは絶対にないということと、まず親のケアが超大事ということ。そのうえで私たちが厚労省に出した提案書は、親に対する根本治療と子どもへの対症療法の二つに分かれていて、どちらもめちゃくちゃ大事なんです。坂本:命が危険な子どもは今このタイミングにもいるからね。犬山:そうなんです。対症療法として、そういう子たちを保護する仕組みを整えてほしい。具体的には、一時保護所が満員だから保護できないということがないようにしてほしいし、専門的な知識を持った児童福祉司さんがひとりで120人もの子どもを抱えているという状況は改善すべき。でも、それ以上に大事なのは、なぜ虐待をしてしまうのか、どうすればしなくなるのかということを丁寧に話していくことだと思います。学びを通して見えてきたのは、孤立の問題。実は、親自身は虐待を躾と思っていたり、子どもが憎くてしているわけではなかったり、親なりのSOSだったりするということ。坂本:徐々に麻痺するものだと思うんですよ。最初は、ちょっとしたきっかけで、だんだん暴力にも慣れてきて、だんだん蝕まれていく。「はい、一線を越えました」というところがないからこそ、親もだんだんよくないサイクルにハマってしまうんじゃないかなと。ー自分に起こる可能性はない、とは断言できないということですよね。坂本:うん、絶対にないとは言えないし、紙一重だなって。まず、赤ちゃんと向き合ったときに、それだけでいっぱいいっぱいになるというのも事実で、そのときに私が経済的に困窮していたら、全然違う精神状態だったと思う。それに、旦那が浮気していたら……とか、産休が取れなくてやり甲斐のある仕事を全部失っていたら……とか。もしかしたら、この子のせいだと思ってしまうかもしれない。今、私は恵まれているけど、ちょっとした環境の変化で感じ方は全然違うよね。犬山:私も、運がいいだけだと思ってる。私は子どもを叩きたいとは全く思わないけれど、それは夫も私も健康で、仕事ができていて、保育園にもギリギリセーフで入れて、人に支えてもらえる土壌が運良くあったから。だから、子どものことを可愛いと思いながらも、ひとつでも欠けていたとしたら、人ひとりの命が自分にかかっているというプレッシャーが人をおかしくするということはわかる。坂本:本当に、そうなんだよね。犬山:私は、20歳のときに母の介護をやっていて、人に頼らなきゃいけないというのが身に染みたんです。そのときは私も滅茶苦茶で、当時付き合っていた彼氏に対してモラハラみたいなことをして最低だったんです。でも、人の手を借りない限りは追い詰められる。誰かのために動くとはそういうことなんだなとそのとき感じて。今はすごい人に頼っていて、子どもに対して虐待する気持ちは全然起きないんですけど、そうなってしまう気持ちはわかります。あと、実際そういう声がすごく届くんですよね。だから、ひとりで背負ったら虐待をしてしまう、くらいに考えてもいいものだと思っています。虐待するのが異常ではなくて、そうならないように対策をしましょうね、国も自治体も企業もケアしてくださいね、みんなで力を合わせてやっていこうね、っていうことなのかなと。ー「#こどものいのちはこどものもの」は、ソーシャルメディアを介して広がっていて、SNSは自分の鏡じゃないですが、見栄を張ることもできるけど、本当の声を届けることもできますよね。SNSだから一気に多くに届いたということは実感されていますか?犬山:自分が思っていることをダイレクトに国に届けるにあたって、ハードルがすごく低くなっていることはとてもいいと思う。SNSがなかった時代は、実際に署名を集めるという地道な作業をしなきゃいけなかった。それはすごく尊い行為だし、署名は今でもすごく大切なものだけど、いっぱいいっぱいの人にとっては、書いたり配ったりという活動をするハードルがそこそこ高いと思うんですよ。でも、それでも何かを言いたい、何かをやりたいという人に対してソーシャルメディアはマッチしているなと。さらには、ハッシュタグというものがあると、情報が集約されて可視化されるから、よりわかりやすい。ハッシュダグを付けないでツイートしてもたくさんリツイートされたら目に届くかもしれない。簡単に数の力を集められる仕組みだと思います。坂本:まさに。犬山:見えざる意見が明るみに出て、しっかり国や議員に届くということは大切だと思う。これまで専門分野の人たちしか知らなかったり、言えなかったりした問題に対して、今回の結愛ちゃんの事件は、子どもがいるいないにかかわらず、本当に幅広い年代の男女が心を痛めた。そういうきっかけがあって、今回SNSによって幅広い人たちが発言するようになったことは、裾野が広がったように感じますね。Photo:Toru DaimonText:Tomoko OgawaPROFILE犬山紙子Kamiko Inuyama1981年生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト。著書に『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)、『地雷手帖嫌われ女子50の秘密』(文春文庫)、『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)ほか多数。2017年に女児を出産し、育児体験者への取材記録や自身の出産体験記を収録した『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)を刊行。現在は「SPA!」「anan」「steady.」「文學界」「読売新聞」などで連載中。坂本美雨Miu Sakamotoミュージシャン。東京 / ニューヨーク育ち。1997年、Ryuichi Sakamoto featuring Sister M名義での「The Other Side of Love」でデビュー。音楽活動に加え、ナレーションや執筆、またTOKYO FM他JFN全国ネット「ディアフレンズ」のパーソナリティを担当。大の愛猫家であり、動物愛護活動にも力を注ぐ。2015年に娘を出産。2016年3月、かねてから親交のあった聖歌隊「CANTUS(カントゥス)」と、アンドリュー・ロイド・ウェイバーのレクイエム「pie jesu」を、坂本美雨 with CANTUS名義にて、配信限定リリースし、6月、同じくCANTUSとミニアルバム「Sing with me 」をリリース。同年12月、坂本美雨with CANTUS名義にてフルアルバム「Sing with me Ⅱ」をリリース。ソロ活動に加え、シンガーソングライターのおおはた雄一とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」として多くの音楽フェス等に出演中。
2018年09月23日エッセイストの犬山紙子さんに、「恋ができない」女子の救済法をお聞きしました!ときめかないのは成長の証。呪いに負けず自信を持って!私が恋愛マスターとはおこがましいのですが、若い頃みたいにときめかない。そういう嘆きの声は周りでもよく聞くし、私も悩んだ時期がありました。でもこれって、自分が成長した証で正しい反応なんですよ。知性や理性、経済力を身につけたことで、前に欲していた男性にはもうときめかない。だから劣化ではなく成長ととらえてください!恋愛や結婚の相手を選ぶうえで一番大事なことって、きちんとコミュニケーションがとれるかどうか、これに尽きると思う。だから年収やルックスなどの条件では測れないんですよね。合コンは「この中で誰が一番マシか」とすぐわかる条件で選びがちなので、おすすめできないですね。同じくこちらも雑なジャッジをされるということだし、ヤリ目の男も多いので。傷つくのが怖いという人は、リカバリーの道筋をたてておくのが有効です。例えば女友達との関係を密にしておくとか。傷ついた時に親身に話を聞いてくれて、最後はネタにして笑い飛ばしてくれる仲間がいれば、頑張りやすくなる気がします。でも一番の問題は、年齢を重ねるほど恋愛市場で価値が下がるという呪いが強すぎて、アラサーの女の子たちが自信喪失していること。みんな自分が思うよりずっと素敵だよ!と声を大にして言いたいです。自己肯定が難しかったら、女同士で心の底から褒め合ってみて。自信を持つことで笑顔が増えて、ぐっと恋愛しやすくなると思います。犬山紙子さんエッセイスト。本誌をはじめ、雑誌で多数の連載を持つほか、テレビのコメンテーターとしても活躍。近著『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)が好評発売中。※『anan』2018年9月5日号より。取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2018年09月02日2019年8月をもって営業を終了する「名鉄犬山ホテル」が、「ホテルインディゴ 犬山 有楽苑」として2021年にリニューアルオープンする。「ホテルインディゴ」国内2軒目が名古屋にインターコンチネンタル ホテルズグループが世界各国に展開する「ホテルインディゴ」は、それぞれのホテルが立地する地域や地元の特色を活かしたラグジュアリーホテル。2017年には、箱根に日本初進出となる「ホテル インディゴ 箱根・強羅」(2019年オープン予定)の開業を発表しており、今回オープンする「ホテルインディゴ 犬山 有楽苑」は、国内2軒目となる。2つの国宝に彩られる「名鉄犬山ホテル」を再開発同地にある「名鉄犬山ホテル」は、近接する犬山城、敷地内に擁する茶室「如庵」という2つの国宝に彩られる稀有な存在。今回の再開発では、「ホテルインディゴ」ならではの最新のモダンなデザインを取り入れながらも、街の雰囲気に溶け込むデザイン、様々な素材や色使い、地元の職人が手掛けた工芸品や家具などを用いることで、地元の文化や歴史を感じられるホテルとして生まれ変わる。客室数は全150室を予定しており、レストランやラウンジ、宴会場、スパ、フィットネスといった施設も併設される。概要「ホテルインディゴ 犬山 有楽苑」オープン予定時期:2021年※「名鉄犬山ホテル」は、2019年8月をもって営業終了。所在地:愛知県犬山市犬山北古券 107-1客室数:150席
2018年06月14日今年25周年を迎える人気劇団ナイロン100℃。その25周年記念公演の第1弾『百年の秘密』が4月7日、本多劇場で開幕した。本作は東日本大震災の翌年2012年に初演され、劇団主宰で作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)が、人の生と死を見つめて描いた大河ドラマ。KERA自身が再演を熱望し、近年の自作の中でも渾身の出色作であると明言する本作が、25周年記念公演として満を持しての再演にいたった。【チケット情報はこちら】ベイカー家の娘・ティルダ(犬山イヌコ)と、生涯の親友となるコナ(峯村リエ)の友情と、彼女たちの親や兄弟、伴侶、子供たちの物語が紡がれ、ベイカー家の屋敷の庭にどっしりと立つ大きな楡の木に見守られながら、時は移ろい、人間模様が様々に展開してゆく。ティルダは銀行家の父・ウィリアム(廣川三憲)とやさしい母・パオラ(松永玲子)の裕福な家庭に生まれ、変わり者の転校生のコナと友情を結ぶ。同級生のリーザロッテ(村岡希美)やチャド(みのすけ)と違い、ティルダはコナを大事に思う。ティルダの兄・エース(大倉孝二)はバスケット選手として大学の推薦入学も決まり、父の大きな期待を受ける。その頃のベイカー家には明るい空気が満ちていた。エースの友人のカレル(萩原聖人)の来訪に、ほのかな思いを寄せるティルダは頬を赤らめる。隣人の弁護士のブラックウッド(山西惇)もベイカー家を訪れ、大きな屋敷には様々な人々が集う。女中のメアリー(長田奈麻)は、家事を取り仕切りベイカー家の様々な人間模様を見ている。穏やかな声の彼女の語りによって、この大きな物語は進行してゆく。未来をまだ知る由も無い10代のティルダとコナの人生は、その後、それぞれが思わぬ展開に。時代を前後に行き来しながら、ふたりの人生の狭間に起こる出来事をコラージュのように見せてゆく手法によって、彼女たちの人生に何があったのか、どんな秘密が生まれ、そこにどんな真実があったのかが次第に紐解かれていく。描かれる時代が変わる度、俳優陣が演じる年齢も変わっていくが、それを変幻自在に演じきる力も圧巻。初演から6年の時を経た今回、ドラマはさらに深まり熟成された。いまを懸命に生きる人々に寄り添う作品にきっとなるに違いない。本多劇場での東京公演は4月30日(月・休)まで。その後、兵庫、豊橋、松本と各地をめぐる。チケットは発売中。
2018年04月09日