■前回のあらすじ主任先生から療育の話を聞くと、園で長男が感じているストレスを取り除いたり、楽しく過ごせるように療育を勧められたのだと知る。私たちは前向きになり、早速支援センターへ連絡し、3ヶ月後に予約が取れるのでした。■とうとう相談の日に!■臨床心理士に遊んでもらう長男ここからは、これから実際療育に通うまでの道のりを描いていきます。自治体によってやり方などいろいろ違うところがあるので、参考程度にご覧ください。※基本マスク割愛、会話は実際の会話よりも短くまとめて描かせていただいています。臨床心理士さんいわく、発達の遅れはあまり感じないが、間違えることを恐れたり、自分の思い描いていた理想に実力が伴わないとやっていることをやめてしまうなどの傾向があるとのこと。「失敗しても大丈夫なんだよ」と伝えてみるのも良いかも、などアドバイスをいただきました。次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月17日■前回のあらすじ前回から約1ヶ月後、再び幼稚園の面談へ。担任から、長男の様子に変化がないことや発達専門の先生からのアドバイスもあり、「療育に通ってほしい」と言われる。療育の知識がなかった私は頭が真っ白になってしまう。■主任の先生の話で前向きに…■早速支援センターに連絡!そんなこんなで発達支援センター通いを始めることになりました! 実際の会話はとても描き切れないので、かなり省略させていただいております。あまり上手に描けず、ちゃんとお伝えできていないかもしれませんが、私自身療育について全然知識がなく、先生の話を聞いていろいろ知ることができ、今はとてもポジティブに捉えています!息子のために何が1番良いのか、今回のことをきっかけに見つけてあげられたらいいなと思っています。次回は、ついに発達支援センターへ相談に行きます。次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月16日■前回のあらすじ次の面談では同席した主任先生からも長男のできないことを指摘され、逆に長男の良いところを聞くと担任は頭を抱えてしまう。そして今度、園に発達専門の先生が来るので長男の様子を見てもらうことになるが…。■3回目の保護者面談■長男は発達障がいなの?このときはまだ療育についての詳しい知識がなく「療育=発達障がい」としか結びついていませんでした。もし気分を悪くされた方がいたらごめんなさい。私の描き方もあまりうまく伝えられないかもしれませんが、なるべくリアルに自分が体験した出来事をそのまま描いていけたらと思います。担任の先生の直球にたじろぎましたが、次回、主任の先生が現れたことによりポジティブな方向に…!次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月15日■前回のあらすじ運動会で長男の参加する姿が見られて安心したが、その数日後面談に行くと、長男が運動会の練習に一度も参加しなかったことを聞かされる。さらに普段できていないことを報告され、先生と夫婦で困り果てるのでした。■次の面談では主任先生も同席■長男の良いところは…?後期の保護者面談2回目のお話です!今回は主任の先生も一緒に面談してくださり、すごく長男のことをよく見てくださってるんだなという印象でした!そして保護者面談は3回目に突入することに。次回、とうとう…。次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月14日■前回のあらすじ入園から半年、長男が園生活に慣れ安定してきたことを肌で感じるように。そんな中行われた初めての運動会では行進にマット運動、ダンスと立派な姿が…! 参観日と比べ大きな成長を見ることができ、安心するのだが…。■面談は予想外の展開に…■どうしたらいいの?後期の保護者面談1回目のお話です! 先生との会話はかなり省略して描かせていただいてます。長男の家の様子や、どういったことに興味があったり楽しんでいるのかという話を詳しくさせてもらった上で、先生もまたいろいろと試してくださると言うことで…、今回は時間がなくてまた後日保護者面談を行うことになりました。本当に先生が困っている様子で解決策が見つからず、3人でシュンとなった保護者面談1回目でした。次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月13日■前回のあらすじ入園を機に、長男とほかの子の差を感じるように…。参観日ではみんなが楽しそうに歌う中、長男はひとりで座っていたり、教室を脱走したり。先生や家族にも相談するが、だんだん成長するだろうと、そこまで心配していなかったのですが…。■初めての運動会の様子は?■長男の成長に感激!参観日のことがあったので覚悟はしていたものの、いざ始まってみるとビックリ! ちゃんとできてるじゃないか!後半は疲れて集中力も切れたのかまた参観日のときのような感じになってしまいましたが、そうかそうか、幼稚園でしっかり成長しているのだなと実感。安心していたのですが…、この後の保護者会で衝撃的な事実を聞かされることに…!次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月12日こんにちは、PUKUTY(プクティ)です。一昨年、長男が幼稚園に入園。それから紆余曲折を経て園に療育を勧められ、長男が実際に療育に通うことになるまでのお話です。■入園でほかの子と比べるように…■参観日で目にした長男の姿は…!?これまで特に発達に問題があるように感じたことはなかったのですが、幼稚園入園に向けての説明会や体験会に行くようになってほかのお子さんとの差を感じるようになっていきました。入園後しばらくして「幼稚園楽しい」と言うようになった長男に安心していたのですが、参観日で見た長男の姿は衝撃的で…。しかし、家族や保護者面談で先生にも相談し、長男のペースでゆっくり成長するだろうとそこまで気にしていなかったのです…。これを読んで不安になってしまった方がいたらごめんなさい! あくまで我が家の長男の場合の話なので、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。次回に続く「息子が療育に通うまで」(全11話)は12時更新!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。
2023年02月11日療育園では保育中どんなことをする?療育園へ入園する前は、週2回の母子登園の療育に通っていたため、私は自家用車で送迎し、ずっとPのそばで一緒に過ごしていました。それが療育園に入園すると毎日登園になり、Pはバスに乗って1人で登園し、クラスで過ごして、またバスで帰ってくるという生活になりました。最初の方は園での生活に慣れるまで本当に大変で、集団でのルールにも従えなかったし、お友達とのトラブルもあったし、給食もほとんど食べられないなど、多くの困りごとがありました。でも療育園での生活は、障害のある子一人ひとりに合わせた保育をしてくれながらも、それだけにとどまらず、園での生活の中にABA、感覚統合療法、視覚支援などの療育をたくさん取り入れて実践してくれます。そして保育士だけではなく、週に1度は専門の療法士や心理士もクラスに入って関わってくれます。そのような手厚い環境で毎日過ごすうちに、Pもだんだん療育園に慣れ、生活も落ち着いてきたので、私も安心して通わせることができるようになってきました。Upload By みん療育園へ通わせると親も忙しい?そのように言うと、急に手が離れたかのようにも聞こえますが、Pの通った療育園は長男が通っていた幼稚園と比べると、保護者が園へ出向く機会がとても多かったです。クラス懇談、個別懇談、個別療育、勉強会、行事など、保護者が参加するような場面がたくさんあったし、普段の日でもいつでも自由にクラスを見学できたので、子どもの様子が気になったときや療育を見たいときには見学しに行っていました。でもそうやって何度も園へ行くからこそ、先生と親密になれるし、ママ友もできやすいので、私自身も相談できる人と場所が一気に広がり、知識も増えたように思いました。Upload By みん療育園は子どもだけではなく親にとっても成長できる場所そして何より、個別療育を受ける時間は子どもにとっての療育だけではなく、親にとっても子どもへの関わり方を学ぶ時間となります。私は障害のあるわが子にどうやって関われば良いのか?今こんな困りごとがあるんだけどどうすれば良いのか?などを先生に相談し、一緒に考えてもらい、対処法などを教えてもらったり、アドバイスをもらったりしていました。また、こんなことができるようになった、こんな言葉が出るようになったなど、Pの成長を先生と報告しあえるのもうれしくて良い時間となっていました。療育園へ通うことで、Pの成長はもちろん、私自身にとっても成長と学びの場になり、母子ともに本当に救われたと思っています。Upload By みん私にとって療育園は今まで足を踏み入れることのなかった知らない世界でしたが、実際に通ってみるとこんな暖かく素晴らしい園があるんだな…と実感し、とても充実した3年間になりました。今、子どもを療育園へ通わせるか?行く必要があるのか?と悩んでいる人も中にはいるかもしれません。でも、1度見学へ行ってみてください。療育園へのイメージが変わるきっかけになるかも?しれません。そして、母子ともに安心できる居場所となるような場所を見つけることができますように。執筆/みん(監修:鈴木先生より)以前学会で「療育」とは何ですかと聞かれたことがありました。単純に考えると医療と教育の造語かと思われますが、私は「科学と心」と答えました。最新の知識をもって優しい心で接することではないかと。そしてこれは療育園に限らず保・幼・小・中・高・大とその子の人生においてすべての場所で通じなければいけないことだと思っています。しかし、残念なことに現実は必ずしもそうではありません。保・幼と小学校の間には溝があり、切れ目のない療育が行われているとは言い難い現状があります。小学校からは各市町村の教育委員会が管轄になるからです。特別支援学校に進学した場合にはその限りではありませんが、一人ひとりに合わせて手厚い保育を受けていた療育園とは違い、地域の小学校ではカリキュラムと集団の中に埋もれてしまうお子さんが多いのです。理解してくれる先生にもばらつきが出てきます。そのため、未就学の時期から療育へ通っていたお子さんたちが地域の小学校へ進学する場合には、特別支援学級を利用するケースが多く見受けられますが、そこも担任次第となりがちです。校内連携がうまくいっていて、「科学と心」を持った担任に出会えれば、スムーズにいくのです。
2023年01月23日今回はさやこさんが娘さんの療育に夫を誘ったときのお話です。以前に比べると、娘さんのことに対して、かなり積極的になってきた夫でしたが、さやこさんが「次の療育ついてくる?」と尋ねてみると……?夫を療育に誘ってみると…? 「次の療育ついてくる? 先生と話す機会あるし……」 さやこさんが夫を誘うと、「いや、ちょっと忙しいんでっ」と断られてしまいました。 「とりあえず聞いといて」 夫の言葉を聞いて、"こういう所はまだまだかぁ~"と、モヤッとするさやこさん。 (本を読んだり、話を聞いてわかったつもりになられても……) 心の中でそう思ってしまうのでした。 休みの日が療育に行くことでつぶれてしまうのが嫌だったのでしょうか? 娘さんのことに対して、積極的になってきたなと思っていただけに、少し残念な言動ではありましたが、夫も少しずつ変わってきているようなので、少しずつ一緒に参加してくれるようになるといいですね。著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心にいろいろと過去の出来事などエッセイマンガを描いてます。
2023年01月03日発達グレー長男が年少から通い始めた「療育センター」での流れについて長男が療育センターに通い始めたのは、年少の終わりごろ。きっかけは保育園で受けた面談で発達の遅れを指摘されたことでした。療育センターの存在は以前からなんとなく知っていましたが、何をするのか、どんな先生たちがいるのか、何も分からなくてとにかく不安でした。けれどもそこに通えば、長男のゆっくりな発達を促してくれるのではないか、というひとすじの希望を感じていました。【療育センターでの流れ(一例)】1.心理士による発達検査2.専門医による発達診断、療育指導、相談3.理学療法士・言語聴覚士・作業療法士による各種検査4.医師による今後の療育プログラムの提案5.子どもに合った療育プログラムの開始(自治体や施設により異なるかもしれません。ご参考まで)最初の1年目(年中のころ)は療育センターへ毎月1度通い、担当のソーシャルワーカーや臨床心理士の方のお世話になりながら療育プログラム(※)を受けました。※長男の場合は、つみき遊び、間違い探し、迷路、すごろく、かるた、トランプの神経衰弱など遊びながらできるトレーニングを行いました。ちなみに保護者は隣の部屋から、トレーニングの様子をマジックミラー越しに見学ができました。そこでは臨床心理士の方と長男のやりとりもスピーカー越しに聞こえて来ます。いつもちょっとわくわくしながら見学していました。2年目(年長のころ)になると、これまでの毎月1度の療育プログラムに加えて、隔週での集団療育が始まりました。長男が通っていた療育センターは平日のみだったため、当時私は会社に頼んで月曜と火曜を週休にしてもらって通いました。私が仕事の都合で連れていけないときは、夫や実母に頼んでやりくりしました。Upload By 星河ばよ集団療育で、母の膝の上に丸くなって座る長男長男が年長になった4月から始まったのが集団療育でした。集団療育では「小学校入学を見すえた活動を行う」というコンセプトのもと、長男を含め8〜10人くらいの子どもたち(長男と同程度の発達特性がある)が毎月2回集まって、お絵かきや工作、ちょっとした運動などを1時間半程度行いました。またその合間にはあいさつやちょっとした休憩もあり、毎回子どもたちの中から号令係や配布係を決めます。つきそいの保護者は同じ部屋のうしろのほうで見学しました。長男は臨床心理士の方との個別トレーニングはなんとかこなしていましたが、この集団療育では毎回気乗りしない様子で、いつも興味なさそうな顔をしていました。今でも忘れられないのが、ほかの子どもたちが活動に熱心に取り組んでいる中、いすに座って見学していた私のところに長男がたびたびやって来て、膝の上で丸くなるように座っていたことです。Upload By 星河ばよ今ではもう笑い話ですが、当時の私はとにかく周りの保護者の目が気になってしまい「もう帰りたい…」という気持ちでいっぱいになってしまいました。そんな私たちに集団療育の先生はいつも優しい声かけで、長男の気持ちを上手に切り替えてくれて…。長男が私の膝の上に座りにくるのはほぼ毎回でしたが、私も数ヶ月経過してようやく慣れました(笑)。Upload By 星河ばよちなみに、そのときのことを最近になって長男に聞いたところ、「(みんなの前で自己紹介したり、活動したりするのが)恥ずかしかったんだよね〜」と照れくさそうに言っていて。なんだか謝りたくなったと同時に、「いやむしろそっちの方が目立ってるような…」と笑ってしまいました。ほかの保護者の方々とは仲良くなれなかったけれど隔週の集団療育で毎回顔をあわせる中で、何人かのほかの保護者同士は親しくなっていた様子でした。私は少し「いいなあ」とは思いましたが、相変わらず心が閉じたままで、もともとの性格もあって自分からほかの保護者の方に声をかけることはしませんでした。集団療育では長男以外の子どもはみんな先生の指示を聞いて活動したり発言したりしているように見えました。(一体ほかのお子さんはどこに困りを抱えているんだろう…)と疑問に思うばかりで、私は正直わが子のできないところばかりが気になっていました。あるとき保護者だけの懇談会がありました。隣の部屋では子どもたちが集団療育の真っ最中で、賑やかな声が聞こえています。懇談会のテーマは「今悩んでいることについて」。保護者が順々に、わが子の悩みを語っていきました。ほかの保護者の方々の悩みは、普段の集団療育で見ている様子から私はまったく気づいていませんでしたが、思わず「分かるー!」と共感せずにはいられないものばかりでした。Upload By 星河ばよ私は今まで自分ばかりがつらさを抱えているようで、なんとなく孤独だと感じていたけど、この日はほかの保護者の方たちと見えない絆で結ばれたような、あらためて同志になったような、自分は一人じゃないんだという心強い気持ちになりました。療育センターでの2年間を振り返って思うこと長男に発達障害があるかもしれないと知った当時、私はその事実を受け入れることができていませんでした。そのため療育センターに通っていても、いつもどこか心ここにあらずでした。でももっと心を開いて臨床心理士の方に自分の気持ちや悩みを打ち明けていれば良かったのかなと思っています。療育センターに通う2年間の中でなかなか前向きになることはできませんでしたが、もっと心を開いていれば、もしかしたら少しずつでも心が軽くなれたかもしれないし、臨床心理士の方ともっと濃い連携が取れたかもしれない。子どもの発達について悩む日々の中で、振り返るとこれ以上の心強い存在はいなかったのではと、2年間の中でなかなか心を開けなかったことを今になって後悔しています。療育センターに通っていた当時は、先が見えなくて前に進んでいるのかも分からないような不安な気持ちでしたが、当時の臨床心理士の方やソーシャルワーカーの方、集団療育の先生方の温かさが、長男だけでなく私までも成長させてくれたのではと感謝の気持ちでいっぱいです。Upload By 星河ばよ執筆/星河ばよ(監修:初川先生より)2年間の療育センターへの通所の思いをシェアしてくださりありがとうございます。3歳児健診や保育園や幼稚園などの集団生活の場を通して、療育センターへ行ってみることをすすめられることが多いので、その当初のばよさんのお気持ち、「分かる、分かる」と思いながら読まれた読者の方も多いのではと思います。そして、療育センターって何をするんだろう?と思っている方にもとても情報量の多いお話でしたね。最後にばよさんが語られていたように、療育機関や相談機関での支援職へ、子育てで困っていることや保護者の方ご自身の気持ちなどを語れる場合にはぜひ語っていただきたいなぁと支援職の立場からすると思います。療育の場面は毎日の生活に比べたらわずかな限定的な時間です。それ以外の時間でどのようにお子さんが過ごしているのか、保護者の方がどう心配されているのか、困っているのか、そのあたりをうかがうことで逆に支援場面に活かせることもあります。話せる場合には(短い時間だとは思いますが)いろいろと話したり聞いたりしていただければと思います。集団での療育場面や、幼稚園や保育園の参観日などで、集団の中でお子さんの様子を見ていると、お子さんの様子が気になり、ほかの保護者の方の目が気になったりすることもあると思います。療育場面は特にそうですが、保護者の方は基本的に「自分の子」を見るのに集中されていることが多いので、意外と周りはそんなに気にしていないこともあります。とはいえ、自分の子が逸脱行動をしていたり、集団に乗り切れなかったりするといたたまれない気持ちになることはありますね。今回のエピソードでは保護者の懇談会があり、みなさんが何を心配されているのか語ってシェアする時間があったとのこと、何よりです。話してみると(聞いてみると)、自分と同じようなことで心配していたということが分かると、まさに「見えない絆」で結ばれた「同志」のように心強く感じますね。そういった横のつながりをもたらしてくれる可能性も、療育センターのような支援機関の持つ良さの1つである場合もあります。
2022年12月04日療育での進路面談Upload By まる息子は現在、週に1回集団療育に通っている。年度末も近づいてきた3月、進路面談を行うこととなった。息子の成長したところなどの話をしつつ、最近個別療育も気になっていることを先生に相談したところ、「リュウちゃんできることも増えてきたし、うちとは違うタイプの施設に通ってみてもいいかも…」と先生に言われた。今通っている集団療育は毎回動きが決まっていて、登園→朝の支度→自由遊びと設定遊び(その日によって平均台が出ていたり、鉄棒が出ていたりと変わる)→リトミック→椅子に座っての作業(お絵描きや工作)→園庭遊び→お弁当→帰宅といった感じだ。1年以上通っている息子はこの流れを熟知し動けるようになっている。リトミックが嫌いだとか、椅子に座っていられない、集中力が続かないなど問題もあるが、去年より息子本人の理解能力も上がっているため、そのあたりを個別療育で強化したほうがいいのではないかとのことだった。漠然と未就学のうちはここに通うものだと思っていたので私はハッとさせられた。確かに成長に合わせて施設を変えた方がいいかもしれない、集団での動きは保育園に通っているのでそこで学ぶこともできる。今の息子なら先生と一対一でやりとりをする環境の方が伸びるのではないか?ただ、ちょうど今まで通っていた保育園が2歳児までの園だったため、翌月から転園することが決まっていた。保育園も療育も一気に変更となると息子が疲れてしまうので、とりあえず療育はこのまま通わせてもらい、夏ごろに個別療育に移ることを先生と話した。個別療育の見学へUpload By まる新しい保育園に慣れてきた6月ごろから、個別療育を行っている施設の見学に行くことにした。1件目は、息子の友人も通っている施設。見学に行きたいと思い、予約の電話をかけた。すると、現状教室の空きがなく、このまま予約して順番が回って来たら見学に行ける、しかしいつになるかは分からないとのこと。ちなみに放課後等デイもやっているが、そちらは今5年待ちと言われて衝撃を受けた。ここで嫌な予感がし始める。…もしかして…動くの遅すぎた…?現在通っている集団療育の見学へ行ったのは、夏~秋くらいだった。4ヶ所ほど見学に行ったが、どの施設も曜日さえ選ばなければ入ることはできそうだったから油断していた。集団と個別はこんなに違うのか。2件目は、施設の見学予約が取れたので訪問し、息子を交えていろいろお話を聞けた。とてもいい雰囲気だったのでぜひ入れたら…!と思ったのだが、体験授業を受けてからの申し込みとなり、その体験授業が今予約待ちでいっぱいらしく、順番が来たら連絡を入れますと言われ帰ってきた。ちなみにいまだに連絡は来ないので、常に満員の状態のようだ。3件目は、見学予約も体験授業もすんなりいけ、どの曜日でも空きがあり、通わせることが可能だった。しかし気になったのがそちらの療育、個室での授業ではなく一室をパーテーションで区切って4組くらい同時に授業を受けている。話を聞くと未就学児から高校生まで幅広い層が通う場所のようだ。集中が途切れやすい息子にとってこの空間はあまり良くない気がする…。そして体験授業を見ていると、今行っている集団療育とあまり変わらないことをしている気がして、せっかくだがやめておくことにした。個別療育の体験授業Upload By まる普段仕事もしつつの毎日なので、家から通いやすい施設…となると数も限られてくる。ここがダメなら4月まで待つしかないな…と思い電話をかけた4件目の施設は、いきなり体験授業を受けさせてもらえた。個室で先生と一対一、その様子を親はマジックミラー越しに外から見る。すぐに飽きる息子に先生も次々と教材を変えて対応してくれ、約30分間ほぼ座ってやりとりをしている姿が見れて、環境によってこんなに違うんだと驚いた。普段の集団療育では30秒座っているのが限界なのに…!ぜひ通わせてもらいたいと思い話を聞くと、ある曜日の1時間1枠しか現在空きがないとのこと。ちょうど今通っている集団療育と同じ曜日と同じ時間だった。同じ時間なため、仕事には支障はない。今乗り換えるでもいいかな…と思ったのだが、息子が現在通っている集団療育へ行くのをとても楽しんでいるのでためらってしまった。空きが出るのを待つことにUpload By まる新しく通い出した保育園へは行きしぶりをするのに、今通っている集団療育へはウキウキで行くのだ。息子が毎週楽しそうに通うので、私の仕事との兼ね合いが大変だが、今年度は週一集団療育、週一個別療育へ通えたらいいなと思っていたところだったのだ。私も慣れた先生、お友達がいて悩み相談ができる環境を急に手放したくなくて、「他の曜日に空きが出たら連絡をください。」と苦渋の決断をしてきた。療育は一度入ったら卒園まで辞める人はほぼいないだろう。実際に個別療育に入れるのは次の4月かなと思っている。個別療育でこんなに入れないなら、小学生になったときにひとり親でできればフルタイムで働きたい私は、放課後等デイなんてどうなってしまうんだ!? 今から見学予約をした方がいいのか!? と頭を抱えている。執筆/まる(監修:鈴木先生より)療育先を変えることでお子さんの環境が変わります。本来は療育先を変えるのではなく、それぞれのお子さんの成長に合わせて療育の仕方を変えてあげるのが理想です。療育の中にも特別支援学級があればいいのです。療育とは少し違いますが、学校の特別支援学級も同じです。初めはサポートするために特別支援学級を利用していたお子さんも、学年が進むにつれてADHDの治療などで落ち着きを取り戻して通常学級でも可能になった場合には特別支援学級をやめてもいいのです。逆に、通常学級で途中から授業についていけなくなったり、感覚過敏などで集中できなかったりする場合には、特別支援学級の利用もありなのです。小学校からは各市町村の教育委員会が主導となるので就学前とは状況が異なります。そのギャップで小1問題が浮上するわけです。お子さんの成長に合わせて学校を変えることはほとんどありません。療育の規模や内容と先生との相性(知識と経験)の問題もありますが、まるさんが検討されているように、集団と個別と併用するのもありかと思います。事務手続きの煩雑さや分かりにくさ、施設側のキャパシティの問題などさまざまな要因により、子どもに必要な療育や教育がなかなか受けづらいことも多くありますが、こどもファーストの考えで、その子に合った療育や教育ができるようにしていかなくてはいけないと思っています。
2022年10月25日取得する?しない?夫婦でもめた日わが家が手帳取得したのは、ほぼ私の意思です。夫は「そんな大げさな」「別に急がなくても」と渋っていたので、いかに手帳を取るメリットがあるか力説して押し切りました。私は手帳取得のデメリットはないと考えています。手帳を持っていることはわざわざ他人に言わなくてもいいし、不要と感じればいつでも返還OKだし、障害があるとハッキリした証明になるのが日常生活において大きいなと感じています。Upload By 吉田いらこどんなメリットがある?ゆいが療育手帳を役所で取得した時、手帳と一緒に分厚い冊子を渡されました。これには手帳を持つ人が使えるサービスが載っています。娘の手帳の等級はB2で、三段階あるうちの一番軽いものとなりますが、一番等級の低い娘の場合でも受けられるサービスはありました(等級も地域によってそれぞれ形式が違います)。例えば文化施設や映画、テーマパークなどの利用料の割引サービスがあります。私は関西圏在住なので関西の大型テーマパークのパスポートが割引になるのはありがたいです。そのテーマパークに家族で遊びに行ったときに、窓口で療育手帳を提示するとチケットと一緒に「サポートブック」という冊子が貰えました。なんとそれが大活躍!これにはすべての乗り物の写真や演出効果が掲載されていて、何が起きるのか見通しが立てられるのです。私にとってはネタバレ冊子ですが、見通し不安のある娘にとってはかなりのお助けアイテムになりました。Upload By 吉田いらこさらに子ども向けですと就学支援のサービスもありました (自治体によって違います) 。娘はすでに小学校に入学していたので使えませんでしたが、ランドセルや学用品の購入に関して補助が出るそうです。障害についてネット検索しているとよく見かける「未就学児の保護者の方へ、入学用品の領収書を保管しておいてください」というメッセージもこのことを言っていたのだと分かりました。また、手帳の等級によっては年金受給や税金の減免など経済的なサービスを受けることもできます。少し先になりますが、中学卒業後の進路にも手帳の有無が影響する場合があります。Upload By 吉田いらこ冊子をパラパラとめくっていると行政サービスの多さに驚きました。特に手帳の等級が高い方に限りますが、多くの生活支援や自立支援が受けられます。障害がある子どもの保護者として一番不安なのは自分がいなくなったあとのことですが、行政の手を借りてなんとかやっていけるのでは?と心強さを感じました。ただ、これも自分から調べて問い合わせない限りどんな支援があるか分からないので、情報収集の大切さを感じます。Upload By 吉田いらこ迷っているなら手帳を取った方がいい?障害があると診断されても、障害者手帳を取得するかしないかは自由です。手帳を取得することでわが子が定型発達ではないと認めることになるのも事実です。けれども手帳の取得によって行政とつながり支援を受けられることは、私たち保護者に何かあったときに強力なサポートになってくれると感じています。Upload By 吉田いらこ執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)見通しの立てられる冊子、素晴らしいですね!テーマパークのサポートも素晴らしいですが、自治体のサポートにも目を見張るものがあります。文中にもあるように自治体ごとに詳細が違ってはいるのですが、どの自治体も基本的には障害のある方の暮らしが楽になるようなメニューを用意しています。手帳を取ることで「自分は/うちの子は障害なんだ」とより実感するという面があるのは確かですが、得られるメリットに目を向けてみるのも良いと思います。
2022年10月04日■前回のあらすじ発達の検診の結果、実年齢より半年から1年ほど遅れていることを指摘された娘。心理士からは市の集団療育を勧められて…!?■その場で集団療育の申込書を書いたワケは「どんちゃんのためになるのならば!」と、私はその場で利用希望の申込書を書きました。というのも…以前、ママ友との雑談の中で「療育に行けるなら早いほうが良いらしいよ」と聞いていたからです。 ■初めて療育園って何?じつを言うと、私は療育園の存在を知りませんでいた。療育園とは、知的などの障害がある子向けの幼稚園・保育園のような場所です。そして今回は、療育園の建物の一室を借りて行われている市の親子通園事業「おちびさん教室」を見学することに。「一体どんなところなのだろう?」と期待する反面、どんちゃんがなじむことができるのだろうか? といった不安でいっぱいでした。次回に続く(全21話)毎日10時更新!※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2022年09月03日息子が通った地方の療育、どんな所だった?Upload By べっこうあめアマミ私は、知的障害を伴う自閉スペクトラム症がある現在7歳の息子と、きょうだい児の3歳の娘の母です。娘を出産するとき、私は里帰り出産のため、少し長めに5ヶ月ほど実家で過ごしました。その間、息子は療育のため、私の実家がある地方自治体の発達支援施設に、里帰り期間限定で通いました。私の実家があるのは比較的田舎で、交通の便はよくないけれど、車で少し走れば山や川があり、自然といっぱい触れ合える場所です。息子が通った施設も、敷地がとても広く、施設の中でも園庭でも、子どもたちが思いっきり走り回れるスペースがありました。周りはのどかな景観で、広い田んぼや畑、山などに囲まれています。そして、東京などの都市部ではなかなかありえないことですが、広い駐車場もありました。保護者も職員も、みんなが車で来ていても埋まらないほどの広さの駐車場には驚きました。5ヶ月の療育期間で息子に変化が!たくましく成長した息子Upload By べっこうあめアマミ息子が通っていたのは親子分離の療育だったので、主に私の母が実家から息子を送迎してくれました。こうして息子は、週4日から5日、朝から夕方くらいまでの時間を、発達支援施設で先生やお友だちと一緒に過ごしたのです。息子はもともと内向的な性格で、外に出るのもそれほど好きな子ではありませんでした。里帰りする前はなかなかベビーカー移動をやめられず、歩くこともよく嫌がりました。公園に行ってもどの遊具にもあまり興味を示さず、ただ座っているか、階段を上り下りするだけで帰ってくることがほとんどだったのです。それが、こちらの療育に通い出してからは変化が見られるようになりました。息子は毎日砂遊びをして、泥だらけ砂だらけで帰ってくるようになったのです。滑り台や大型の室内遊具も豊富にある施設だったので、そういったものを日常的に見慣れていくうちに、大型遊具にも取り組めるようになりました。里帰り中の夏の期間は、毎日プールの時間がありました。施設には2種類くらいのプールがあり、とても恵まれた環境でしたが、息子はしばらくの間、たらいにしか入れませんでした。息子はとても慎重な性格なので、海やプールに極端な苦手意識があるようです。しかし、そんな息子も毎日プールに誘われていくうちに、プールに入れるようになりました。このように、こちらの療育に通ってから、内向的でインドアな性格だった息子の世界が、大きく広がったように思います。良いことばかりではない、地方の発達支援の現実Upload By べっこうあめアマミ息子を大きく成長させてくれた里帰り先の発達支援施設は、施設の環境としては、非常に恵まれていたと思います。先生方も気さくで話しやすく、私も息子も母も、気持ちよく通うことができました。ただ、もともと東京で療育に通わせていた私は、地方の発達支援施設を利用してみたことで、都市部と地方の発達支援をとりまく状況の違いをまざまざと感じることにもなりました。その一つが、療育やリハビリに関する専門職スタッフの人数の、圧倒的な差です。息子が通っていた施設で働く先生方は、ほとんどが保育士の先生でした。看護師資格のある先生は常駐していましたが、リハビリの専門職の先生は、数ヶ月に一度訪問がある程度だと聞きました。そのためか、療育というよりは「手厚い保育園」という印象が強かったです。それでも、クラスの人数は少なく、先生も十分な配置でついて下さるので、安心して息子をお願いすることができました。必ずしも、専門的な療育スケジュールが組まれた施設が良い施設、とも言い切れないと思うので、この辺りは子どもによって適性が分かれるのかなと思います。ただ、東京の療育では、何人もの臨床心理士、作業療法士、理学療法士などの資格を持っている先生が常駐している発達支援施設も数多くあります。個別にリハビリや言語療法の指導を受けられる場合もあり、このような専門職の先生からの指導の受けやすさという意味では、地域差は大きいと感じました。また、都内に比べて療育を受けられる施設が圧倒的に少ないのも衝撃でした。もちろん地方でも施設が充実しているところもあり、その逆で都市部でも施設が少ない地域もあるとは思います。しかし私が過ごした地域では、市内に発達支援施設は1ヶ所しかなかったため、「選択肢が少ない」という地方の実情を知ることにもなりました。かけがえのない思い出をくれた先生たちに感謝、そして次の療育へUpload By べっこうあめアマミ息子が里帰り先の発達支援施設で過ごしたのは短い期間でしたが、私と息子にとってはかけがえのない大切な思い出となりました。東京ではなかなかできなかった経験をさせていただき、息子の発達過程において貴重な時間だったと思います。私たち家族の状況を理解し、限られた期間でも快く受け入れてくれた先生方にはとても感謝していますし、お別れの日にみんなで門の前まで来て見送ってくれたことも忘れません。そして、息子の成育歴をまとめるファイルを用意してくださったことにも感謝しています。入園した時に、「関わる支援者や施設が変わっても、情報を共有できるように」と、園長先生から手渡されたのです。Upload By べっこうあめアマミそのファイルには、息子が生まれてから、どのタイミングでどんな施設や病院に関わったかという記録、それぞれの施設での個別支援計画や、その後受けた発達検査や診断書などをまとめています。療育を受け始める際に、まずはそれまでの情報をファイルにまとめて息子の状況を共有しました。そしてそのファイルは、その後東京に戻ってからも、新たに利用することになった施設や幼稚園に持っていき、重宝されました。こうして、息子が積み上げていった一つひとつの経験は、次の場所に引き継がれていったのです。療育や発達支援をとりまく環境は、過ごす場所によって大きく異なるけれど、どの経験も息子にとって必要不可欠なものだったと思います。自分の言葉で思い出を語ることはできない息子ですが、きっと当時の先生たちとの思い出も、今の息子の心に残っていると信じています。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)都会と里帰り先の地方、両方の支援機関を利用された貴重な経験談だと思います。地方と言ってもかなり差があるとは思いますが、施設や事業所の選択肢の多さは都会の有利な点かもしれません。専門家の数は地方でも都会でも各々の施設の特性によって違います。べっこうあめさんが通われたような施設は、さまざまな障害のある子どもたちを保育し比較的長時間見て頂けるところだったのではないかと思います。選択肢があれば、療育に特化したところと、預かり重視のところと、その時々のニーズに応じて選べるとよいですね。
2022年08月23日コウと療育園の思い出あれこれUpload By 丸山さとこコウは3歳のときに1年間療育園へ通っていました。きっかけは3歳児健診で「※発達障害がある可能性が高い」と告げられ、療育園へ通うようすすめられたことでした。当時住んでいた市の療育園は1ヶ所だったため、入園を希望しても空くのを待っている間に利用年齢を越えてしまうこともあると聞いていました。幸いそのときは、週1回であればすぐに春から入園できるとのことだったので、1ヶ月後に入園予定だった保育園とあわせて通うことになりました。あとから振り返ると、コウにとっても結果的に丁度よかったのではないかな?と思います。というのも、コウにとっては「のびのびできる保育園」と「少々スパルタな療育園」だったので、週5で療育園に通っていると親子で参ってしまっていたかもしれなかったのです。※現在では神経発達症と呼ばれることも増えていますが、当時の発言に沿って発達障害と表現しております。療育園でのアスレチックの時間は涙と共に…当時のコウはコミュニケーションの必要性をあまり感じていなさそうな『他者への無関心さ』があり、会話は少々できるがオウム返しも多い状態でした。運動面でも凹が目立ち、滑り台や梯子のある大型遊具はほぼ完全拒否な状態でした。「怖がりなんだな」と微笑ましく見たり勇気づけたりできるようなレベルではない全力の拒否に「これでは保育園入園後も苦労するかもしれないな」と考えていました。自宅に室内遊具を置いて少し練習したりしていたのですが、そんな状況のコウにも容赦なく降りかかるのが療育園でのアスレチックの時間!Upload By 丸山さとこ泣いても叫んでも脇を抱えられお尻を支えられてのサポートありで進んでいくアスレチックのループに、「これは…中々手ごわそうだぜ…(療育園もコウも)」と思った覚えがあります。ときには「ギャン泣きを越えてパニック入っているのでは…?」と思うほどのコウの反応にハラハラしながらも、繰り返している内に慣れるのだろうかと考え見守っていた私でしたが、さにあらず。全く慣れる気配のないコウの毎回の大騒ぎに、「このままでは大型遊具で遊ぶことができなくなるどころか、公園に入れなくなる可能性が高い」と思った私は、いろいろな公園を利用してスモールステップで遊具に慣れさせることにしました。Upload By 丸山さとこ大変だけどメリットもあり?療育園での実りある活動たち『遊具を見て固まったりギャン泣きしたりするコウを小脇に抱える日々。しまいには、パニックを避けるために公園が目に入らないよう遠回りで迂回したり、遊具施設のあるスーパーや児童館を避けたりするようにもなるのであった…』という未来予想図が見えてきた私の必死な(しかしコウにはそれを隠してジワジワ進めた)”遊具で遊ぼうトレーニング”の甲斐あってか、それとも療育園でのスパルタ修行のおかげか、あるいはその両方が効いたのか…コウは次第に遊具で遊べるようになり、卒園するころには笑顔で楽しめるまでになりました。と、ここまでのエピソードを聞くと「療育園に行くメリットはあまりなかったのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はメリットもたくさんあった1年間だったと思います。まず、コウと一緒に遊びに参加したり、集団の中で過ごす彼を見たりしたことで、保育園での参観日や発表会では見られない、よりリアルなコウの課題や変化が見られました。それにより、「目を合わせる」「人とのコミュニケーションを介して要求を叶える」「集団と同じ行動をする」「スケジュール通りに活動する(切り替えする)」などの、「コウが自然には行わず興味を示さない行動の数々」に対して促していく必要性を知りました。予告されたスケジュールに従い進行していく集団行動や、指先を使った微細運動、全身を使った粗大運動など、療育園で行われるさまざまな活動は当時のコウにとって必要なものだったと思います。Upload By 丸山さとこまた、療育園で取り組んだことは、保育園での活動の予行演習にもなっていました。初めてのことが苦手なコウにとって、保護者や支援者のサポートを受けながら時間をかけて工作やお遊戯に取り組めたことは助けになっただろうと思います。「コウ君、すごく上手にできてましたよ!」と先生が伝えてくださった工作やお遊戯のエピソードは、先に療育園で体験したことのあるものがほとんどでした。きっと、コウにとって安心や自信につながっただろうと思います。あのとき「こうだったらな」と思うことがあるとすれば…今振り返ると、コウが通っていた療育園の先生(支援者)の方々は、コウにとっては強引さが目立つ指導も多かった気がします。そのように接し方については一部疑問が残る一方、取り組んでいる内容自体は理にかなっており、コウにとって必要なものがたくさんあったと思います。熱心で根気強い接し方などから「本当に子どもたちのことを思って頑張ってくださっているのだな」と感じることもたくさんありました。コウのことを『変わった子ども』として扱わない支援者や保護者の中で過ごす時間によって癒されたこともありました。そんな先生方だったのだから、私が『コウへの支援方法や接し方』についてお願いしていたら、先生方も耳を傾けてくださったのではないかと思います。Upload By 丸山さとこ少なくとも、『なぜ強引にでも進める必要があるのか』を説明したり話し合いに応じたりはしてくださったのではないかと思うと、私にも、先生方とコミュニケーションをとる気持ち・主体的に動く姿勢があったらよかったのかもしれないな…と思います。「療育園で働く支援者の方々で、相手はプロなのだから。私は知識もなく、コウが3歳になるまで療育の必要にも気付かなかった保護者なのだから」という、どこか一歩引いた受け身な姿勢が私の中にあったのだろうな…と思えるのは、コウが中学生になった今だからなのだろうな~!とも思います。Upload By 丸山さとこそんな「プロである支援者の方々に敬意を払いつつ、もっと疑問や要望を丁寧に伝えようとすればよかったな」という思いが、コミュニケーションが苦手な私に『学校の先生と面談する勇気』を与えてくれたのかも…?と思うと、それこそが療育園に通ったことの1番のメリットだったのかもしれないな~と感じたりもする、療育園での活動の振り返りでした。執筆/丸山さとこ(監修:藤井先生より)療育園に通い続けたことで、保育園での活動の予行演習になり、できたという経験につながりましたね。地域に通園タイプの療育園がないところもありますが、通園タイプですと身辺自立の相談もしやすいと思います。支援者の方とは、互いにお子さんのサポーターとして協力していくと、家や保育園、学校での環境の整え方、接し方などを考えることができます。『先生と面談する勇気』をこれからも大切にしていってくださいね。
2022年07月21日言葉がとてもゆっくりな娘。3歳5ヶ月で療育へ娘は2歳3ヶ月ごろにようやく単語が出始め、2語文を話し始めたのは3歳2ヶ月。とは言っても2語文は稀にしか話さず言えない単語もまだたくさんありました。例えば飴は「め」、おせんべいは「ベー」など。この時期幼稚園のプレに通っていたのですが娘の様子を先生からはこう言われました。Upload By とまぱんそんな娘を連れて発達支援センターへ相談しに行ったのは2歳10ヶ月のとき。発達検査をした上、やっと3歳5ヶ月で療育に通うことができました。療育初日は突然知らないところに連れて行かれ娘がパニックを起こしたらどうしようと不安でしたが、すんなりと教室に入り無事に終わったようでした。スタッフに「男の子たちがとまちゃんを気にしてソワソワしてましたよ!とまちゃんアイドル的存在になりそうです」なんて言ってくれました。ちなみに通っていた療育は子どもよりも先生の数が多いところでした。大人が大好きな娘にとってはあまり抵抗がなかったのかもしれません。療育が始まって1ヶ月。娘の様子は?療育が始まってから1ヶ月後、言葉は何となく増えたように感じました。でも癇癪はまだまだ健在。近所のお友達と遊んでも終始癇癪で近所の子と遊ぶのを暫くやめていました。そんな現状だったので療育終わりにスタッフに伺ってみました。Upload By とまぱん癇癪がなかったのは意外でしたがお昼の件については、想像ができるーと思いました。家でも一口食べては出歩き、一口食べては出歩き....といった感じでした。4歳の今は座って食べれるようになったのですが、このときはどんなに言っても聞かなかったので注意することも諦めていました(外食のときは注意していましたが)。完璧な躾を目指していたら3日でダウンしそうなので私の躾はゆるゆるだったと思います。時間と共に成長が解決してくれることを期待して…。療育先でも癇癪が始まり…。この先ひらがなの取得につまずくかもと言われ。療育に通って2ヶ月。スタッフの人から「うまくいかないときは時折パニックを起こしてしまいます」と伝えられました。お友達と遊んだりしてる中で自分の思い通りにいかないときなど癇癪を起こしてしまうみたいです。娘も場所に慣れて素が出てきたのでしょう。幼児だとこういうことはよくあることですが、娘はほかの子と比べても我慢や気持ちの切り替えがとても苦手なように感じていました。また、続いてこう話されました。「言葉は増えたもののやっぱり表に出る言葉はゆっくりです。もしかすると年中年長さんになったときひらがなの取得につまずくかもしれません」こう言われたことをきっかけに少しずつひらがなに触れさせてみることにしました。とはいっても年中年長さんあたりからそれぞれ家庭でひらがなを覚えさせることもあるかもしれませんが、本格的にひらがなを習うのは恐らく小学校入ってから。焦る必要はないのかもしれませんが元々発達ゆっくりな娘なのでゆるーくひらがなを見せてみることにしました。問題集を手作り。私なりのお家療育をはじめてみるひらがなが書いてあるカードを使ってこれは「ありのあ」、これは「いぬのい」だよ、と目に触れさせてみました。意外に興味津々の娘。そんなことを暫く続け…。次はカードを2枚並べて私が言ったひらがなを取ってもらうようにしました。慣れると3枚、4枚とカードの選択肢を増やしてみました。Upload By とまぱん娘は最初ひらがなを読むのを嫌ったので、カードを選んでもらうという方法をとりました。読むことに抵抗がなくなったころ徐々にひらがなを読んでもらったり。かなり自己流ですがこのように遊び感覚で少しずつひらがなを覚えていきました。ちなみに娘は筆圧がとても弱く書く意欲が全くなかったので、ひらがなを書く練習はこの時期全くさせませんでした。ひらがな以外に数字にも触れさせてみました。書店で売ってる問題集は気まぐれでやらないことが多いので娘の好きなキャラクターを描いて問題集を手作りしました。Upload By とまぱんこんな感じでキャラクターが言ってる数字の数だけ娘にシールを貼ってもらいました。自分の好きなキャラクターに娘はニコニコ。その上娘はシールが大好きなので進んでやってくれました。私は子どものころの夢が学校の先生だったのですが子どものときよく問題集を自分で作り、妹を生徒役にして解かせていました(笑)それを思い出し私自身も楽しくやっていましたが、娘がハマりすぎて私が疲れてしまい…。以前、療育の先生からは「とまさんの集中力は年相応以上です」と言われたことがありました。娘は何かに集中してるとどんなに話しかけても反応しないし、こういう学習もハマったら永遠とやるところがあります。言葉はゆっくりで癇癪も激しい娘ですが集中力の高さはこれから娘の長所になればいいなと思いました。紙芝居で入園式をシミレーション冒頭でもお話ししたようにプレの先生から「とまちゃんは目的がはっきりしない時間は待つのが苦手」と言われていました。まさに入園式も目的がはっきりしない時間。娘はずっと席に座ってられるのだろうか…と入園式が近づくにつれて憂鬱になってきました。そのため入園式とはこういうものというのを予め知ってもらうため、入園式の様子を描いた紙芝居を作りました。1週間前から毎日読み聞かせ、娘は「これとまちゃん?もう一回読んで!」と嬉しそうにしていました。Upload By とまぱん入園式当日。初めは状況に困惑し、椅子を叩いてしまうこともありましたが、紙芝居効果なのか落ち着いて席から離れず無事に終わりました。娘はほかの子よりも工夫が必要だったり苦労することも多いですが、この4年間違いなく成長はしました。幼稚園に通っている今は先生やお友達の影響でありがたいことに勝手に成長している部分はありますが、これからも何か手助けが必要であれば一緒に考えて私なりに向き合っていけたらと思います。執筆/とまぱん(監修:藤井先生より)お子さんの負担にならないように、お子さんの反応を見ながら、遊び感覚で取り組まれたのはとても良いと思います。同年齢のお子さんと比べ焦ることもあるかもしれませんが、お子さんのペース、好みに合わせて、スモールステップで過ごした時間は、お子さんにとっても、とまぱんさんにとっても、充実した時間になったと思います。新しい場面での見通しがないと不安になるお子さんへ、今回のような紙芝居や、写真などの目に見える形を用いて伝えておくことは、不安軽減に効果的です。
2022年07月14日療育って何?みんなどんな療育をしてきたの?療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みです。療育という言葉はもともと、東京大学名誉教授の高木憲次氏(1888-1963)が提唱した概念です。肢体不自由児の社会的な自立を目標に、医療と教育を並行してすすめることを指しました。療育という言葉や概念は時代の変遷とともに意味合いを変えており、現在定まった明確な定義は示されていません。また必ずしも医療行為を含むものではない場合もあります。定義や実践内容の移り変わりはあるものの、概ねの理解としては、療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みを指すと考えると分かりやすいでしょう。1歳半健診や3歳児健診で、また周りの子どもたちと比べて…わが子の発達の遅れに気づいて専門機関に相談し言われた「療育を受けてみませんか?」の言葉。でも実際に療育ってどんなことをやるの?そんな療育についてのエピソードを発達ナビ連載ライターさんたちに描いていただきました!療育の種類や療育先選び、早期療育問題や家庭内でできることなど…気になるコラムはぜひリンクをクリックして読んでみてください。「療育に通って」と言われてから9年。当時の私が感じたことや、知らず知らずに行っていたこととは。丸山さとこさんが、療育を初めて知ったのは3歳児健診のときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていったさとこさんは『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげてしまいます。2歳で始めた療育、全力拒否!「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てきて…3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出たまるさんの息子・リュウくん。療育には2歳9ヶ月のときに通いだしましたが、教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…一筋縄ではいかなくて…。理科と社会のプリントをやりたがらない息子のやる気を引き出したアイデアとは?ADHDとLDのあるかなしろにゃんこ。さんの息子リュウ太くん。”気がのらないことは意地でもやりたくない”というところがあり、小3になると「理科」「社会」の教科には興味ナシ!そんなリュウ太くんにかなしろさんが作ったあるものとは…?「療育」とは?3タイプの発達支援施設があるの?1歳半健診で指摘を受けて、長男けんとくん発達の遅れを知ったゆきみさん。市の親子教室で初めて聞いた「療育」という言葉に「これだ!」と衝撃を受け…。タイプ別発達支援施設の紹介も!「子どものため」だけでは続かない?「療育を受けさせたい」と考えている親御さんに伝えたいこと。知的障害を伴う自閉スペクトラム症があるべっこうあめアマミさんの長男くんは、2歳から療育に通いはじめました。引越しなどもあり、息子と3つの地域で6ヶ所の児童発達支援(療育)に通ってきたべっこうあめアマミさんの感じた療育先選びのポイントとは?療育は一筋の希望?ダウン症の「早期療育問題」って?ダウン症のある小学1年生のきいちゃんを育てている星きのこさん。出産後すぐにダウン症の告知と同時に医師から言われた「子どもに療育をしてください」のアドバイス。その言葉を聞いた星さんは…。次男のふーくん、初めての発達検査!ASDの特性がある長男ミミくん。次男のふーくんは定型発達だと思っていたけれど、通っている保育園からの勧めもあって、発達検査を受けることにしました。発達検査の結果を聞いてtaekoさんの感じたこととは。そのほか人気コラムはこちらから!
2022年07月11日「療育って何?」からスタートした9年前Upload By 丸山さとこ今思えば、息子コウの発達の凸凹は2歳ごろから現れていたのだろうと思います。たまに「あれ?」とひっかかることもありました。ですが、「男の子は言葉が遅いから大丈夫」「気にしすぎないで。お母さんはおおらかでないと!」などと人から言われていたこともあり、「ちょっと変わった子だな」程度に思って過ごしていました。そんな私が療育というものを知ったのは、3歳児健診で療育園をすすめられたときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていった私は、『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげました。家庭内で意識せずに行われていた『療育的な関わり』のこと当時読んだ本が「これから発達障害や療育について知っていきたい親」のための入門書だったのもあるかもしれませんが、「子どもの反応を見る → 予測を立てて関わる → 子どもの反応をフィードバックする」という関わり方は、私にとって拍子抜けするほど普通のことに思えました。Upload By 丸山さとここれは、私自身にASDとADHDがあり普段の生活の中である程度工夫をしていため、療育の入門本に書いてあった関わり方を感覚的に理解しやすかったのもあるかもしれません。また、それに加えて『産まれたばかりの乳児の世話を手探りで行った経験』も関係あったのではないかと思います。まだ首も座らないフニャフニャのコウを世話しながら、泣く・寝ない・上手く飲めない・何をしたいのか何を考えているのか全く分からない乳児という存在を前におののいた覚えがあります。Upload By 丸山さとこ「赤ちゃん(コウ)自身も何をしたら自分が快適になるのか、まだ分からないんだろうな」と考え、「一緒に頑張ろうな~」と声をかけながら関わっていきました。そうするにつれて、コウが『今どんな感じか・何を要求しているか・何に興味を持っているか』が少しずつ分かるようになってきました。そのような観察や試行錯誤の繰り返しが、結果的に”療育的な関わり”となっていたかもしれません。今振り返ると、コウとの付き合いが始まった乳幼児期に「意識的に行った療育的な関わり」として一番にあげられるものは、ハイタッチだったのではないかと思います。乳幼児のころから目線が合いにくいコウでしたが、彼の視線に割り込むと(多分、邪魔だという理由で)機嫌が悪くなり怒っているような様子になるので、彼が見ているものの近くや後ろでさりげなく存在をアピールしたり、ハイタッチして目線を合わせたりしました。Upload By 丸山さとこ手を挙げることやハイタッチはコミュニケーションにも有効でした。子どもの絵本や手遊びには手をあげるポーズが多く、コウが「手を挙げる」行動を模倣するようになったことで、それらの遊びが行いやすくなりました。たまたまバンザイしたときに手のひらへのタッチをすることで「親の手の動きに反応して手のひらにタッチする」を覚えてハイタッチができるようになったコウは、「タッチする度に位置が変わる手のひらにタッチする」という単純な手遊びも喜んで行うようになりました。Upload By 丸山さとこ最初は「動く手のひら」を目で追うのが難しかったり、手のひらの向きが変わると混乱したり、タッチすることばかりに夢中になりよろけそうになったりしていました。そのときどきのコウに合わせて難易度を調節することで、楽しく遊びながら、『今日の調子はちょっと不安定だな』『こんなこともできるようになったんだな』『判断が早くなったな』『難しいことを面白がるようになったな』などとコウのコンディションや変化を感じることができました。コウだけでなく私自身も遊びを通して気持ちの切り替えができ、親子ともども楽しめる良い遊びになりました。また、当時のコウは物への興味が強くあまり人間には興味を示していませんでしたが、ハイタッチは「手のひらという遊び道具」を通して少しずつ「手のひらの持ち主」にも目を向けるきっかけになったのではないかな?と感じます。今でも続く「療育的な関わり」の、変わることと変わらないことその後も、「いくつ?」と聞かれたら「3歳」と答えるような、質問に対して答えるというやりとりを『セリフを言う人の肩に触れる』ことで教えたり、遊具で遊ぶ練習など、いろいろ療育的な関わりをしていきましたが、そんなコウももう中学生。これからは直接サポートすることは段々と減っていくだろう…と思っていました。そんな矢先、先日行われたスクールカウンセリングにて「コウ君のようなお子さんは、中学生や高校生になってからもほかの多くのお子さんよりサポートは必要であり続けることが多く、今のところコウ君もそうである可能性は高いです」とハッキリ告げられ、心の中で泡を吹きました。とはいえ、次第に「療育的な関わり」というよりも、成人の神経発達症(発達障害)がある人に対するような配慮をしていく形になっていくのかなと思っています。Upload By 丸山さとこコウに対する療育的な関わりが当たり前のこととなった今振り返ると、具体的な手法やノウハウや例など、書籍やWebから得られる情報は10年前より各段に増えたなと感じます。それらの情報を取り入れて何とか回している日々の中、「今日はもう何をやってもダメだ…!」となることもあります。そんなとき、生まれたての赤ちゃんだったコウに振り回されたあの疲労困憊の日々を思い出すと、少しだけ初心に戻れそうな気がするこのごろです。コウが中学生になったことで、乳幼児期が遠い思い出になったのかもしれません。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)丸山さんもおっしゃっているように小さいころの支援と思春期になった今必要とされる支援とは質的にもかなり違ってきていると思います。本人なりに考えて行っていることに対して、すぐに否定しないでいったん受け入れてから一緒に考えていくことなど、本人が自分で問題解決し自立していくのに必要なステップが親御さんとの関わりの中に含まれていると思います。苦手なことに出合ったときにこうやればうまくいくというような方法や環境を、一緒に探していくことで、「困ったときは人に聞いてみてもいいかな」という援助希求や「まあなんとかなるさ」という自信につながっていくとよいですね。
2022年06月30日2歳9ヶ月で通い始めた療育Upload By まる3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出た息子リュウ。2歳9ヶ月のときに療育に通い出した。そこは集団療育、親子通園(年齢や日数に応じて)を行っている施設で、先生の人数も多くいろいろと相談しやすそうな雰囲気があり通うことに決めた。昨年度は週に2回通っていたが、現在息子は4歳になり保育園もあるので週に1回通うことにしている。療育に通い出したころは教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…。リトミックや親子体操などをやるのだが息子は一切参加しない状態で、「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てくるほどだった。親子体操とリトミックUpload By まる療育に通い出してもうすぐ1年半になる。療育に行くのが楽しいようで「今日はバスに乗って療育に行くよ」と声かけをすると「バスーバスー」と嬉しそうに自らリュックを背負ってバス停まで向かう。教室に到着するとわが物顔でおもちゃを取り出しのびのびと遊んでいるが、いまだに親子体操は逃げるしリトミックは参加したがらない。しかし変化はある。以前は泣いて嫌がることも多かった親子体操だったが、今は笑いながら逃げ回っている。先生いわく「どんなことをするのか分かっていてやりたくない」のではないかな、とのこと。先生もそんな息子を無理に参加させようとすることはなく、「いいよ~じゃあそこで見ててね!」などの声かけをしてくれたりと、息子の気持ちを優先してくれている。たまに様子を見て誘ってくれたり、息子の手を取って私の代わりに参加させてくれたりしてくれる。捕まえて参加させると楽しそうにニコニコはしているので嫌ではなさそうだがすぐにまた逃げてしまう。リトミックはというと、音楽が流れ出すと耳を塞ぐようになってしまった。耳を塞いでママの足の間にうずくまったり、別の部屋に逃げたりするのだ。ただこれも嫌な表情はせずにニコニコしている。まだ言葉で伝えることができない息子なのでこれの真意はまだ分からないが、無理に参加させることはせずに見守っている。椅子に座ることも長時間はできないが、興味のある絵本の読み聞かせなどにはきちんと座って聴くことができるようになった。家ではというとUpload By まる家に帰ってから療育でのことを生かして何かに取り組んだりなどは特にしていない。たまに気が向いたときにだけ療育でやっていた親子体操をやってみたりするが、息子は興味なくやめてほしそうなそぶりを見せる。療育に通い出したころは、親子体操やリトミックは大体同じ内容を繰り返すから家でもやると早く慣れていいかも!と思ったのだが、家でも嫌がって逃げたので諦めたのだ。1番嬉しい成長Upload By まる1番私が嬉しかったのはお返事ができるようになったことだ。療育で椅子に座った際に名前を呼ばれてお返事をするのだが、通い出したころは「この子はこの先、椅子に座って返事ができるようになるのかな…」と不安になるほどだった。座らせてもすぐに立ち歩き静止すると泣いて怒ったり、呼びかけに対して無反応だったり、目線が別の方に向いていたりなどとにかく反応が返ってこなかった。先生は反応がなくても毎回呼びかけてくれ、たまにハイタッチのみでの返事ができるようになっていった。今は機嫌が良ければ「ここに座って」の指示がきちんと伝わり椅子に座り、名前を呼ばれると手を挙げながら「はーい」とお返事してくれる。これは、療育のほかにも保育園でも毎日の習慣として実践してくれていたからだろうと思う。このように少しずつだけど確実にできることが増えているし、親子登園を通してそれらの成長を確認することができる。実際に息子の成長を見て、こんなことができるようになったんだ!と育てていくことのモチベーションにも繋がっている。執筆/まる(監修:鈴木先生より)やらなくても無理やりやらせず、まず参加できるようにすることが大事です。返事ができるなど何か一つ成果があれば参加したメリットがあったと考えましょう。コミュニケーションの基本は挨拶です。返事ができるようになったら、次は視線は合わなくても相手の方を向いて「こんにちは」「おはようございます」などが言えればいいですね。私のクリニックでやっている音楽療法でも、無理やり参加させず、お子さんがやりたくなったら参加してもらっています。さらに始まりと終わりの挨拶を毎回ルーティーンでやるので、いつの間にか家でも習慣になっているようです。
2022年06月29日息子2歳、初めて足を踏み入れた療育の世界私の息子には、知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。息子に障害の診断がついたのは4歳のときでしたが、1歳半で発達の遅れに気づいたことをきっかけに、2歳から療育に通いはじめました。息子が最初に通った療育は、地域の児童発達支援センターに月に1回程度の頻度で通う、親子通園の集団療育でした。Upload By べっこうあめアマミ児童発達支援センターは、発達に不安がある子どもと家族のための総合的な支援をしている、地域の中核的な発達支援施設です。そこで受ける初めての療育は、親子ともに学びが多い内容でした。療育では、大きな遊具で身体をいっぱい動かしたり、名前呼びをしたり、手遊びや体操をしたり、紙芝居をしたりと、遊びながら発達を促していきました。息子はあまり活動に興味を示さなかったり、身体を動かすのを嫌がったりもしましたが、そういったときの先生からの声掛けの仕方なども、参考になりました。Upload By べっこうあめアマミただ、親子通園なので、私は療育の時間中ずっと息子にぴったりくっついていなければなりません。息子のあとを追い、怒ったらなだめ、精神的にも体力的にもすごく疲れました。そして、児童発達支援センターが家から非常に遠かったことも大変でした。息子を連れて15分歩いて駅まで行き、電車に乗り、電車を乗り換えて、センターの最寄駅からまた15分くらい歩くという道のり……。バスで行くこともできましたが、時間がかかり、通うだけでへとへとでした。きょうだいがいると療育に通えない⁈まさかのルールに愕然Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、週3日で通える高頻度で時間も長い療育のクラスに、次年度からの空きが出たという連絡をもらいました。しかし、そのクラスに通うためにはいくつかの条件があることを知らされたのです。・幼稚園と並行して通うことはできない・ひき続き親子通園・子どもの給食はあるが、親は療育中は飲食できない・きょうだいを連れてきてはいけない当時、私は2人目の妊娠が分かったばかりでした。そのため、週3日の頻度で親子通園ということも大変でしたが、幼稚園に通えないということや、きょうだいを連れてきてはいけないという条件に愕然としました。交渉したところ、抱っこは不可だけれどおんぶなら許可すると言われましたが、両実家ともに県外だった私にとっては、それも難しい条件でした。まだ首が座らない赤ちゃんをどこかに預けて息子と療育に通い、おんぶができる月齢になったら赤ちゃんをおんぶしながら長い道のりを通って3人で一緒に療育を受ける…。息子の発達のために頑張ろうと思いましたが、自信がありませんでした。そして、そのことを夫に相談すると、こんな答えが返ってきました。Upload By べっこうあめアマミ私は、2人目が生まれてから通うことはかなり不安でした。でも妊娠中はギリギリまで通おうと思っていたのです。しかし…Upload By べっこうあめアマミUpload By べっこうあめアマミいつも温厚な夫から諭されて、私は改めて、妊娠中の自分の身体についてすごく甘い認識でいたことに気がつきました。そして、「息子の発達の遅れへの心配で頭がいっぱいで、お腹の子や自分の体調、家族の生活についてまるで考えていなかった」ということを反省しました。こうして、空きは出たとはいえ、あまりに家族にかかる負担が大きかったことから、この療育は辞めることになったのです。代わりに、息子は親子分離で通える別の療育に、週5日で通うことになりました。子どもの療育先を選ぶとき、無視できない「大切なこと」とは療育は確かに、子どものために行うことです。ですが、1人で通園できない子どもの場合、親の負担から目を背けることはできません。子どもを思うからこそ、多少無理をしてでも頑張って療育に通わせたいというのが親心。特に、未就学や未就園の小さいお子さんの親御さんほど、「子どものためにできる限りのことを」という思いから無理してしまいがちな気がします。ですが、療育の内容だけでなく、ぜひ次のような条件にも目を向けてみてください。Upload By べっこうあめアマミこれらの条件は、通う前は「なんとかなる」と思っても、実際に通ってみると予想以上の負担だった、ということにもなりかねません。見過ごされてしまいがちだけど、実は無視できない、非常に重要なポイントだと感じています。親子で無理なく療育に通い続けるために親も人間です。親にとっての負担があまりに大きいと、せっかく療育で良いことを教わっても、それを実践する体力が残っていない、という状況に陥ってしまうかもしれません。ストレスからイライラが募り、子どもに笑顔を向けられなくなってしまうかもしれません。最悪の場合、親が体調を崩して療育どころではなくなってしまうかもしれません。そうなってしまったら、せっかく良いと思って選んだ療育に、通い続けられなくなってしまいます。療育の結果は劇的に現れるとは限りませんし、継続して通うことで、少しずつ積み上げていくものだと思います。だからこそ、親子で無理なく続けていけるように、療育の内容だけでなく、「通わせやすさ」にも目を向けて選んでいくことをおすすめします。「子どものため」に自分や他の家族の生活全てを犠牲にする必要はないと思います。あなたはすでに、十分頑張っています。自分の都合を理由にすることに罪悪感を感じず、無理せず歩んでいきましょう。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)地域によって 、主に公的な機関によって療育がなされているところと、多くの民間の事業所が療育を提供しているところなどかなりの違いがあると思います。特に公的な機関の場合、制約が多いところがまだあるようですね。地元の情報を探し、民間も含めて親に負担のない通いやすいところ、お子さんに合った療育施設を探すのが良いと思います。情報源としては発達障害者支援センターなど以外に、地域の親の会などに聞いてみると親視点からのいろいろな情報を得ることができると思います。
2022年06月23日療育支援、就労支援事業を行う株式会社サカセル(所在地:福岡県福岡市早良区、代表:古賀 美和)は、すでに福岡市内に療育支援、就労支援合わせて4事業所構えておりますが、2022年5月より福岡市城南区別府に新しく別府事業所「ペンタス」を立ち上げました事をお知らせします。ペンタス 外観◆サカセル ペンタスの特色◆(1) 療育+食育をコンセプトにした教室食育分野では、街づくり協会のコーディネーター様にご指導いただきながら食物を栽培し、食物が成長していく過程を子どもたちにみてもらいます。育てた食物を収穫したり、調理したりすることで食物が育つプロセスを知り、食物を身近に感じることで、食物に対する苦手意識を減らしていけるように支援します。(2) SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を中心とした独自カリキュラムを作成カリキュラムだけでなく、ロールプレイング・演劇の要素を取り入れたSSTなどを仲間と共に取り組むことで考える機会を設け、楽しく、社会性を学んでいきます。これらの活動を通し、学校生活等の日常生活での困りごとや悩みごとに対して少しずつ学習して成功体験を積み重ね、自尊感情を高めます。(3) 土、日曜日は調理活動や野外活動を実施集団活動を行うことでルールや行動について考え、その中で地域の方との交流を定期的に行い、様々な知識・経験に触れ、視野を広げられるように支援します。また、地域の方だけでなく保護者様もご一緒に参加できるような活動も検討しております。食育教室の様子プランター栽培▼放課後等デイサービス施設概要▼施設名 : ペンタス所在地 : 福岡県福岡市城南区別府2丁目4-16TEL : 092-834-5420営業時間: 10:00~19:00 月曜日~金曜日URL : ■会社概要商号 : 株式会社サカセル代表者 : 代表取締役 古賀 美和所在地 : 〒814-0001 福岡県福岡市早良区百道浜1-3-70ザ・レジデンシャルスイート福岡3301設立 : 2013年3月事業内容: 放課後等デイサービス・就労継続支援A型資本金 : 300万円URL : 【お問い合わせ先】株式会社サカセルTEL : 092-833-8445お問い合せフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月22日ダウン症と療育は切っても切れない関係なぜダウン症のある子どもが療育と切っても切れない関係なのかというと、それはダウン症という障害が「生まれてすぐに」分かる障害だからです。ダウン症のある子どものママパパさんは、子どもがダウン症という障害があるというのを告知されるのとほぼ同時期に、「子どもに療育をして下さい」と医師からアドバイスをされることが多いと思います。「療育をすれば子どもの成長や発達を伸ばすことができる」と…。私の場合は遺伝子検査をし、はっきりと「ダウン症」という障害があるとわかったとき、医師から告知されるとともに、「療育をして下さい」と言われました。Upload By 星きのこ療育は一筋の希望?恥ずかしながら私、この「療育」という言葉をそのとき初めて知りました。療育とは何かというと、心身に障害のある子どもに対して社会的に自立した生活を送れるように行う治療・教育のことです。公的や民間の療育施設で専門の先生に指導を受けたり、家庭で親が子におこなったりします。「子どもに障害がある」と告知を受けた親御さんの多くは突然の告知に戸惑うと思います。(もちろん私もその一人でした。)でも、そこに「療育をすることで子どもの成長や発達を促すことができる」と医師から聞いたら…多くの親は、必死に子どもに療育を受けさせようと思うはずです。療育をすることで子どもが少しでも良くなるなら…と、親にとっての一筋の希望にもなるからです。Upload By 星きのこ医師から「療育をしてください」と言われ…一般的にダウン症のある子どもの成長は、定型発達の子どもの約2倍の時間がかかると言われています。定型発達の子どもは約1歳前後で歩けるようになりますが、ダウン症のある子どもはその2倍、約2歳前後で歩けるようになると言われています。(あくまでもそれは平均値で、きいちゃんは2歳3ヶ月で歩けるようになりましたが、ダウン症があっても1才で歩けるようになる子どももいれば、もっと時間のかかる子どももいます。その子その子でそれぞれです。)医師から「療育をして下さい」と聞いた私は…少しでも早くきいちゃんに療育をしてあげなければと焦りました。でも、地域の療育施設はいっぱいで、入れるのは半年後…焦りは募ります。療育に行けない間、きいちゃんの発達が遅れてしまうんじゃないかと思ったからです。せめて家で療育をしなければ!と思い、療育関係の本をたくさん買い漁って実践したり、民間療法のマッサージに行ったり、とにかく「少しでもダウン症のある子どもにいい」ということを聞けば、少々遠くても飛んでいったりしていました。慣れない子育てで大変だったにも関わらず、そんな中でも少しでも時間ができると「きいちゃんへの療育」に全て費やしていました。ダウン症のある赤ちゃんの成長|NIPT JapanUpload By 星きのこ今ではなんであのとき、あんなに必死だったのか、そんなに自分自身がへとへとになるまで頑張る必要もなかったんじゃないかとも思いますが、あのときほどきいちゃんのことを思い、行動していた日はなかったなあと懐かしくも思います。(目頭が熱く…(笑))これが私ときいちゃんの「療育」との出合いでした。そしてここから長~い療育の日々が始まったのでした…。Upload By 星きのこ執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)療育とは、「科学&こころ」です。最新の知識をもって子にも親にも優しく接していくことが療育だと常々思っています。心の「heart」の中に 「art」 があり、「hear」もあります。音楽や美術などの「芸術」に触れながら子どもの話を「聞いて」あげることも重要なのです。いろいろな療育をはしごしている親御さんを見かけますが、決して「療育ママ」になりすぎることなくお子さんといろいろなところへ行き、みんなと楽しい思い出を作ってあげてください。きょうだいがいる家庭ではほかのきょうだいが親御さんに甘えられなくて心身症として受診されるケースも見受けられます。これは神経発達症に限らず血液や心臓など、病気のある子どものいるご家庭にすべて言えることです。ダウン症にはさまざまな合併症があります。療育に加えて小児科や整形外科など病院通いも多いと思います。つまり、親御さんが自由な時間をとることが難しいと言うことです。そういう親御さんの強い味方として専門の看護師が預かってくれる訪問看護という手法も最近は増えてきました。自分の時間ができるだけでなく、ほかのきょうだいとも触れ合う時間が作れますので、是非使ってもらいたいサービスです。
2022年06月15日30分に及ぶ発達検査、果たしてふーは乗り越えられるでしょうか?Upload By taekoわが家の長男ミミは、ASDの特性があります。次男のふーは定型発達だと思っていたけれど、通っている保育園からの勧めもあって、発達検査を受けることにしました。福祉保健センターへ電話で療育を受けたいと伝え、2ヶ月後に発達検査の予約ができました。ふーにとって初めて行く場所でしたが、すんなり行くことができて、ひとまずほっとひと安心。面接では、初めて会う専門員の先生から、発達の検査を受けていきます。上手くコミュニケーションできるでしょうか…?Upload By taeko発達検査では、先生からの質問に答えたり、道具を操作したりしながら、回答するものがありました。初めての空間で初めての先生との検査だったのでどうなることやらと不安でしたが、30分以上の間ふーはとっても頑張っていました!発達検査の結果を聞きながら思いました、「あれ、どこかで聞いたことあるような…」検査のあとは、専門員さんと私の面談の時間がありました。その間、ふーは好きなおもちゃを選んで遊んで待っていてもらいます。先生から発達検査のメモ用紙を受け取り、口頭で伝えてくれる検査結果を、私が一つずつ記入していきます。その結果は、総合的に平均の範囲内ではありますが、ふーは月齢と比較して8ヶ月ほど遅れているそうでした。検査を通して、道具の操作や言葉での応答などに、苦手さがあることがわかりました。検査の結果からのアドバイスとして、人に求められていることよりも、自分の興味が優先されて指示されたことが頭に入りにくく、また見えない部分を推測することが苦手なため、周囲の人たちが個別の声がけや見本を見せることが必要だということでした。そんな話を聞きながら私の中に浮かび上がってきたものは、不安などのネガティブなものが少しも無かったと言ったら嘘になってしまいますが、それよりも「ふーも私も一緒なんだ!」という共感の気持ちでした。Upload By taeko先生から告げられる傾向の一つひとつが、「これ、私のことだ!」と思えてしかたなかったんです。本筋とは別のことばかりが気になって頭に入ってこなかったり、デジタル社会の情報の洪水の中で「結局なにもわからない…」という状況になってしまったり。私もそんなことが日常茶飯事なんです。あぁ、やっぱり、親子なんだなと感じました。でも、こんな私でもなんとかなっているんだから、ふーもきっと大丈夫!とポジティブに思うようにすることにしたんです。全ての結果を聞き終わり、先生からあらためて療育を受けるかどうかの意思確認をされました。そして、次男の療育を受けることを希望しました。Upload By taekoそして始まった、次男ふーの療育最後は必要書類に記入し、翌日区役所へ郵送。その後は、3月末ごろに通所する施設から連絡が来て、4月から月に1回・通所できることになりました。兄のミミが現在通っている民間の放課後等デイサービスの未就学児(個別クラス)も、自治体の療育とは別の日に、4月から週1回通うことが決まりました。自治体の療育はミミの療育で2年半通った懐かしい場所ですが、ふーが実際に通うのはさらに1駅離れた場所になるようでした。少し大変だな…と思いつつも、ふーは電車が好きだから通うことが楽しくなるかも、とプラスになることを考えるようにしました。療育にはどうしても不安はつきものですが、その中でもいつでもポジティブな要素を見つけて、前向きにがんばっていこう!それが、私たち親子の療育の形です。執筆/taekoUpload By taeko(監修:井上先生より)療育開始前に発達検査や知能検査などのアセスメントを受けることがあります。これは、本人の学習に関しての強みや弱みを把握し、適切な対処方法や学習の仕方を見つけるのに役立ちます。初めての場所で初めての支援者と発達検査を行うことは、お子さんもお母さんもとても不安だったと思います。子どもの検査の解説を聞きながら、ご自分のことにも当てはめて考えた、という方は意外に多いようです。taekoさんがされてきた工夫とかコツがあれば、お子さんに伝えてあげられると良いですね。
2022年06月02日ただ抱きしめてあげたいだけなのに、抱っこどころか触ることさえ拒絶され続ける毎日…。「娘の発達には、何か問題があるのでは…」と迷い苦しみ、その葛藤の日々を綴った人気コミックライターのkotoさん。同じような経験がある読者からの多くの共感の声が寄せられました。■出産後すぐに感じた違和感…こんにちは!オシャレに夢中な多動っ子の娘をもつ母、kotoです!現在、未就学児の娘は、得意なことと苦手なことの高低差が激しい自閉症スペクトラムです。注意欠如多動性障害でもあり、破天荒な毎日を過ごしています。産まれてからの娘のkoto子の様子はというと…、発育に遅れはありませんでしたが、私は生後半年ほど経った頃から何かあるのでは…と思っていました。今思えば母親の勘ってやつでしょうか…。その確信に至るまで、そして療育に通って成長していく私たち親子の記録を綴っていこうと思います!これが産後すぐに感じた違和感…。当時まだ0歳だったので、周りからは「普通だよ」「大丈夫だよ」と言われ続けましたが、そうは思えない出来事の連続だったのです。それに当時は「発達障害」「感覚過敏」なんて言葉すら知らない時期…。母親を拒否する赤ちゃんなんて聞いたことがなかったので私の接し方がダメなんだと自分を責め続ける日々が続いたのです。■今まで感じていた違和感、その正体は…その後、koto子が泣き止む唯一の方法を発見!それは何かというと…この何気ない光景で、点と線が繋がりました。「koto子には何かある!」その「何か」がハッキリした瞬間でした…。その最後のピース、それは一体…。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。こちらは1月5日よりウーマンエキサイトで公開されたkotoさんの体験漫画です。漫画に集まった読者からのコメントをご紹介します。■母親が1人で悩み自分を責める…というケースが多い! kotoさんのように、母親が子どもの違和感に気づき、1人で抱え込む…というケースは多いようで…。同様の経験をした読者から多数の投稿が寄せられました。・やっぱり、母親が先に気づき、父親が否定するんだな、と思いました。 自分の周りの家庭は、すべてその形でした。 母親だけが悩み、父親が否定し、大変なのは面倒を直接見ている母親でした。この記事を見て、ちょっとした違和感に気づいた母親を否定せず、一緒に悩んでくれる父親が増えてくれる事があればな、と思います。・同じような過去をもっていたので、大変共感しました。その違和感を感じつつ、必死で育児をしながら、体調を崩していた自分のほうが育児ノイローゼなのかな? と思っていたことも。・初めての子育てだと特に何が違うのか、もしかして何か障害があるのかがわかりにくく、自分を責めて悩んでいる方もたくさんいらっしゃると思います。この記事を読んでうちの子ももしかしてと診断を受けるきっかけになるのではないでしょうか。たとえ障害があるよと診断されたとしてもわからないままよりわかったほうが絶対に子どものためにも親のためにもいいと思うしそれは早ければ早いほうがいいとも思います。・我が家の長男は自閉症です。3歳まで発語はありませんでした。1歳から職場復帰をしていたため、愛情不足、仕事が原因だと何度も言われ、かなり苦しみました。・受給者証が郵送されたのを義母が受け取り大騒ぎ。義母は役所に「嫁が育児ノイローゼを孫のせいにしている」と電話したり。セカンドオピニオンを受けたくても、義母に怒鳴り飛ばされたり。初めの検査も旦那と強行したありさま。ほとほと疲れはてたけど、やはり発達支援センターでは、義母なんかのアドバイスより、役に立つアドバイスをもらえ、家では揉めたけど、結果よかったと思ってる。所詮、特性のある子を育てたことがない人には、一生理解できないから、専門家や第三者の支援が絶対に必要。同様の経験を乗り終えた経験談や、意見も数多くいただきました。・療育と園に子どもの様子など、とにかく話しました。ウザがられていたとは思いますが、心配や不安は周りにも共有して話すことで、気が楽になりました。 一人で抱え込まないこと。・発達障害と診断された事で、自分の育て方のせいではなかったんだと少し楽になりました。だからといって急に子どもと上手く向き合えるわけではなく、叱ってはいけないと言われても、つい叱ってしまうし…。・どうして?なんでこの子はと悩み全て自分の育て方が悪いのだと自分を責め、周りのお子さんそのお母さんに劣等感のようなものを抱えていました。小学2年の時、専門の先生にADHDであると言われまた。現在は無事大学生になり親子間のバトルもだいぶ小さくなって来ています。・診察して下さった専門医の先生からは、「今後生きていく上でこの子がどういう子かという証明にもなりますし、診断名をつけた方がいいと思います」と言われた。障害があると分かって傷付く人もいらっしゃるんだろうなぁと思った。私は、早く診断してほしかったからハッキリ言って欲しかった。結局、軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症でした。それからは学校にも堂々と自閉症だと言えたし、本当に心が楽になった。それからは他の人に相談してモヤモヤする事もないし、障害があるならあるなりに成長できるよう、専門家の力を借りたり私達も手助けしたりして、ゆっくりですが成長し、子供のペースでのびのび成長できてます。経験者の誰もがおっしゃるように、1人で抱え込まないことが大切のようです。違和感を感じたら、ご自分のためにも、子どものためにも、明日の笑顔に一歩近づくために、専門家に相談をしてみてください!▼漫画「我が子を触れない母の話」
2022年05月18日今までの健診では「問題なし」Upload By taekoミミの弟、ふーは4歳。1歳半健診のときは、発達に関してなど特に何も言われませんでした。しかし兄のミミにASDがあるので、ふーも同じ可能性があるかも知れないと思い私は保健所の方に「少しでも息子に気になる所があったら教えて欲しい」と伝えました。すると半年後にフォロー健診をしてもらえることに。そのフォロー健診でも特に問題はない、とのことでした。ふーは保育園では帽子をかぶることを嫌がったり、冬の散歩時に上着を嫌がるというところがありましたが、ひとまず安心しました。ほかのふーの様子というと……、コロナ禍では3歳以上はマスクの着用を求められることが多いですが、頑なに嫌がるところがあります。電車内ではしぶしぶつけるけど、マスクから鼻が出ています。4歳になった今もオムツ。指しゃぶりとタオルは乳児のときから手離せません。でも、小学生になるまでには落ち着けばいいかなと思い、私自身はそれほど深刻に考えてはいませんでした。ある日、保育園の先生にUpload By taekoそんなある日、保育園の先生から療育をすすめられました。ふーの発達に関して、あまり悩んだり困ったりはしていなかったので、療育をすすめられたときは正直ショックでした。この子のどこが気になるの?? 兄のミミが保育園のころと比べたら、ふーは神さまにしか見えないほどに手のかからない子! お迎えに行くと笑顔で駆け寄って来てくれる!! ミミはお迎えに行っても帰るまでに30分かかることがしょっちゅうだったから、すぐ保育園から帰れるふーのことが信じられない! こんな仏さまのような子! いつも笑ってミミと遊び、ミミもふーの反応がうれしくて喜ぶ、とても良いきょうだい関係!こんなに手のかからないおだやかな子どもがいるのかと、私は毎日感動しているほどです。それなのにどこが気になるの? ほかの子どもはもっともっと育てやすいの?!(でも……、ふーはミミと比べて大人しくおだやかだけど、本人は帽子やマスク、上着と戦っているのかも…)と、私自身を落ち着かせ、善は急げと、1ヶ月半後に療育の面談を予約しました。面談の結果、療育が必要になったら仕事を休む口実ができたと喜ぼうと思っています。Upload By taeko私は子どものことについては、わが子の二人のことしかよく知りません。保育園の先生は何年もたくさんの子どもを見ているから、先生の指摘は適切なのだと思います。ふーに何が必要なのか、できるだけ早く見つけてあげたいと思っています。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)私の外来に初診する患者さんには二通りのケースあります。自分自身や保護者が困っていて受診するケース、もう一方は自分自身や保護者は困っていないが園や担任など周りが困っていて受診をすすめられ受診するケースです。前者は、お子さんや保護者の困難を改善・対処したいという意思があるので通院を継続し治療にも同意されるケースが多いのですが、後者の場合は神経発達症(発達障害)がある可能性を否定されたいという思いで受診する保護者もおり、診断をしたあと、通院が途切れてしまうというケースもあります。今回、taekoさんが保育園の先生からの指摘を受け入れ、早期療育につながったというのはとてもよかったと思います。1歳半児健診や3歳児健診で異常がないからと言っても神経発達症(発達障害)の可能性がないとは言い切れません。また、母子手帳の「子育てに困っていますか?」という質問項目で「いいえ」以外に〇をつけても適切にフォローされているケースはまだまだ少ないという現状があります。担当の医師や保健師が少しでも保護者の話に耳を傾けてくれれば、早期介入が可能となるケースも後を絶ちません。今回は保育園の先生の知識と経験により早期に指摘されたことで療育につながったラッキーなケースだと思います。今の日本の健診システムにおいて、診察では主に身体における発達を診ることが多く、心における発達まで診られることが少ない現状なのです。保育園の先生もtaekoさんに言うまでは、言っていいのかどうか悩んでいたのではないかと思います。しかし、今回お子さんの発達に関する現状を適切に伝えられたという背景には、園長先生の理解や園の環境のよさもあるのではないかと思いました。
2022年02月12日おうちで手軽にできる方法が、療育あそびを気長に続けられるコツこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、おうちでできる親子あそび・療育あそびのうち、特に、指先などの感覚を育てるのに役立つ、寒い冬にオススメの手軽で楽しい手探りあそびをご紹介しますね。うちの子たちが幼かったころは、身近に頻繁に通いやすい療育施設などがなかったこともあり、私は独学で「感覚統合」に関する書籍等を参考に(※)、子どもの興味・関心や、親の都合やライフスタイル、住宅事情などに合わせて、家庭でできる療育あそびを無理なくできる範囲で取り組みやすいようにアレンジし、手軽に楽しみながらできる工夫を試行錯誤して気長に続けてきました。おかげで、「発達障害」の診断のある子もない子も、いつの間にかできることが増えたり、落ち着きやすくなったり、学校で得意分野での実力が発揮しやすくなったりして、総合的な適応力が次第に高まっていったように思います。ただし、うちの経験上、「療育」というのは、そんなにすぐに結果がでるようなものではないように思います。そして、親のほうも毎日慌ただしい中で、まとまった時間を療育のために確保するのは負担やプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。ですから、療育は日常生活の延長線上に、自然な形で「あそび」として組み込んでしまうのが、親子で負担なく、長期間根気よく、楽しみながら続けられるコツだと思っています。ちなみに、うちの「療育あそび」の実践モットーは、「さり気なく」「ついでに」「いつの間にか」なので、3人の子どもたちは「療育されている」ということに、全く気づいていませんでした。……とはいえ、実は「療育」は、そんなに特別なことではありません。私自身は、「世の中の大半のあそびは、何かしらの療育になっている」と考えているほどですが、家庭で実践する際の2大ポイントは、・興味の幅の狭い子に「楽しみながらいろんな動きを継続的に経験させていくこと」・子どもがあそびに興味を持ったら「できるだけ気長につき合って(または見守って)あげること」でした。(※参考書籍:『感覚統合をいかし適応力を育てよう1.発達障害の子の感覚遊び・運動遊び』監修・木村順/講談社、『発達障害のある子どもの運動と感覚遊びを根気よくサポートする!』監修・木村順/日東書院、ほか多数)触覚過敏のある子や不器用な子には、手探りあそびがオススメ!では、うちで実際にやってきたたくさんの療育あそびのアイデアのうち、今回は「手探りあそび」をピックアップ。手探りあそびは、どんな子にとっても楽しいあそびだと思いますが、特に、肌が敏感で触るのが苦手な素材がある子や、手先が不器用でおはしやコンパスがうまく使えない子などにオススメです。うちの次男も、小さなころは、本当は工作が大好きなのにのりや絵の具が触れませんでしたが、(このあそびだけで全てが緩和・改善したわけではないものの)いつの間にか、触れても大丈夫になったものが増えたように思います。では、毎日の日常生活の延長線上で手軽にできる、寒い冬にオススメな楽しい手探りあそびを紹介します。Upload By 楽々かあさんおやつタイムを「お菓子くじ」形式にするだけで、毎日楽しく手探りあそびができます。もし、おうちにケーキやお歳暮の空き箱などがあれば、簡易的な「くじ引きBOX」にリメイクするのはどうでしょう。【作り方】箱の上面を丸くくり抜いて、不透明クリアファイルなどを三角形に切って、裏側から両面テープで貼り付けるそして、個包装のアメやクッキー、おせんべいなどの小さなお菓子などを沢山入れて、「1人3個まで、取っていいよ」などとすると、自分の好きなお菓子をなんとか探り当てようと、真剣に指先の感覚を研ぎ澄ませて手探りしてくれます(欲しいものを間違って取ると泣いちゃう場合は、あとからきょうだいや親のお菓子とトレードOKにすると、ついでに交渉力もUPするのでGood!)。この「お菓子くじ」は、うちにあそびに来た子どものお友達にも大人気で、みんなで盛り上がっていました。ほかにも、ガチャガチャで集めたモンスターのミニフィギュアなど、その子が大好きなものを入れて、どのキャラクターか手探り当てっこゲームをしたり、スーパーボールなどを詰めて、その中から小さな人形をレスキューごっこしたりと、「くじ引きBOX」を1回作っておくと、子ども自身のアイデアで勝手にいろんなあそびに発展していくことも。また、「工作は苦手」「作るのが面倒」という方は、巾着袋やナップザックなどでも同様のことができます。それから、たとえば荷物で両手がふさがっているときなどに、「ママのポケットから、カギを取ってくれない?」など、日常生活の中で、ちょっとした手探りを促す声かけを意識してみるだけでも、いつかはチリも積もれば山となるかもしれません。小さなお子さんとのお風呂タイムも、不透明の入浴剤などを入れるだけで、手探りあそびがついでにできてしまいます。ただし、感覚が敏感な場合には、ニオイや色、素材などに抵抗感がないものを選んでいただければと思います。水の中が見えないとお子さんが不安になる場合は、最初は半透明の入浴剤から始めて、ゆっくり慣らしていくといいでしょう。そして例えば、うちでは……・お風呂の中に沈んでいったおもちゃや石鹸などを、手探りでつかまえる・指などを動かして、水中かくれんぼ(ときどき、水面からチラッと見せると盛り上がるかも)……などを、親・きょうだい同士でときどきやっていました。最近は、いろんな種類のバスボム・バスボールも市販されていて、中に小さなおもちゃやマスコットの入ったものや、カラフルなもの、泡がいっぱいでるものなどもありますし、簡単にできる手作りキットなどもあるので、お風呂があんまり好きじゃないお子さんも、あそんでいるうちに、ゆっくり湯船で体の芯まで温まることができるかもしれませんね。また、お風呂ついでにできる、「なーんて書いた?」と、背中に文字を書いて当てるクイズや、いろんな素材で身体を洗ってみることなども、触覚の過敏さを緩和し、ボディイメージを育ててくれるようです。ただし、もし、お子さんが、こういった触れ合いあそびに抵抗感があったり、刺激が強過ぎてしまう場合には、無理のないところからで構いません。最初は「パパの背中に落書きしていいよ」などと、お子さんのほうから自分のタイミングで触ってもらい、あそび自体に慣れてから、目で確認できる手のひらなど、大丈夫な場所からゆっくり始めたり、服を着ているときにちょっとだけトライしてみるのもテだと思います。日本の冬といえば、コタツとお茶とみかん、ですよね。コタツの中は、闇鍋のようなブラックボックスの空間となっているので、ぬくぬくタイムのついでのついでに、指先だけでなく、全身でちょっとした感覚あそびをするのにうってつけではないでしょうか。例えば、うちでは……・足の指先で、子どもにちょんと触れて「だれの足かな〜?」「これは、〇〇ちゃんのどこだろね?」と当てっこ・「はい、みかん、受け取って」などと、コタツの下をくぐらせて、手探りでものを渡す・足の裏などをこちょこちょする、くすぐり遊び(刺激を強く感じる場合は、くつ下をはいてる時から慣らすとGood!)……などと、ちょっとしたあそびのヒントやきっかけを与えると、今度は子どものほうから、いろんな方法でタッチングクイズのアイデアを次々と考えてくれました。とはいえ、昨今コタツのないご家庭も多いでしょうし、見えないことへの不安感が強いお子さんなどは「コタツに入るのが怖い」という場合もあるでしょう。そんなときは、使い慣れた毛布やひざ掛けなどを使っても同様のことができるので、無理のない範囲で、ちょっとしたスキマ時間に「ついでに」「楽しく」、タッチングクイズのチャンスを見つけていくといいと思います。現在は、子ども達もすっかり大きくなって、家族みんなでコタツに入ると足を伸ばすスキマもなくなってしまいましたが、今でも毎年コタツを出すと「ワクワク感」があるようなので、小さなころの楽しいコタツあそびの思い出が記憶に根づいているのかもしれません。おうちでの療育あそびは、子どもが笑えばOK!感覚過敏の中でも、特に触覚過敏の問題は、親子の愛着関係や周りへの興味などの発達にも影響があるようなので、私はうちの子たちの発達面の課題の中でも優先順位を高くして、家庭でできるときにできる範囲で、手軽な感覚あそびを続けてきました。また、療育あそび以外にも、日頃から日常生活の中で、自然な流れでちょっとしたタッチやスキンシップをキモチ多めに取るようにも意識してきました。触覚の過敏さが少しでも緩和されると、子どもが落ち着きやすくなり、お世話もラクになるので、子育ての上でもメリットが多かったように思います。ただし、療育はなかなか結果が出ないと不安や焦りが強くなりますし、子どももプレッシャーを感じ取ってしまうと、どんなに良い方法でも、主体的に気長に続けられなくなってしまうかもしれません。ですから、親のほうも「トレーニングしなくては!」「改善しなくては!」などと気負わずに、家庭での療育は、あそびの延長として、「子どもが笑ったら効果あり!」くらいの気持ちでいると、たとえお子さんが期待通りに取り組めなかった場合でも、気長に続けられるのではないでしょうか。そして、温かいイメージと一緒に刻んだ、毎日の生活の中での親子のちょっとしたふれあいの思い出は、子どもが成長して少々取り扱いが難しい時期になってからも、その子の心や親子関係の根っこを支えてくれるのだと、私は最近よく実感するようになりました。たとえスグに結果がでなくても、あれこれと親がやってみたことは、ちゃんとお子さんの成長の栄養になっていますからね。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修・井上先生より)大場さんの書いておられるように、触覚あそびの中でのアタッチメントは親子の関係性を深めるのに有効なやり方だと思います。 療育やトレーニングは、自然なあそびのなかに入れ込んで行えることもたくさんあります。ソーシャルスキルトレーニングなどで行うロールプレイなども、日常生活の中で自然な形で機会をつくることができます。日常生活の中での機会設定は、般化しやすいというメリットもあります。わが家では、子どもが小さいころは「宝探しゲーム」をよく行っていました。絵や文章を手掛かりにおもちゃを探すゲームです。ヒントの出し方によっては概念理解も進む(例えば、「れいぞうこの下」という空間概念など)あそびです。子どももわくわくしながら一緒にあそんでいましたよ。(新型コロナ等の影響で)家から出られないときの遊びとしてもお勧めです。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年01月24日集団生活で自分のペースを保つことが難しいPは…Upload By みん自閉スペクトラム症のあるPが療育園に入園したのは、年少のときです。療育園に入園してからは、毎日長時間クラスの集団の中で過ごすことになりました。クラスが騒がしかったとき、お友だちとおもちゃの貸し借りが上手くいかなかったとき、自分のペースを保てなかったときなどに、癇癪とパニックを起こすようになってしまったP。長時間泣き喚き、自傷や他害の様子も見られるようになってしまいました。私は先生からその話を聞き、母子通園が終わって園で離れて過ごすPに対して、どのように対応してあげたら良いのかと悩んでいました。集団の中で過ごすことがパニックにつながっているのは分かっていましたが、療育園自体は毎日行きしぶりもなく、楽しく通っていたので園を休んでしまうのは根本的な解決策にはならないと思っていました。その後、私はクラスでのPの様子が心配で療育園へ見学に行きました。すると教室の隅に子ども1人が座って入れるくらいのサイズの段ボール箱がちょこんと置かれていました。数日前に先生から「P君がクールダウンできるように、P君専用の箱を作って置かせてもらっています」と電話で聞いていたので、私はそれがPのための箱だと一目で分かりました。安全地帯を作ってもらい、どのような場面でどのように活用していたのか?そして自由遊びの時間、クラス全体が笑い声や泣き声で騒がしくなり、自分のペースを保つことが難しそうだったPは、何かに怒った様子で突然走り出してしまいました。「あぁ…こんな風に気持ちが乱れて不安定になってしまうのか」と思って見ていると、Pの走った先にはあの段ボール箱がありました。Pはその箱の中に一直線。すっぽり入って、自分の服をかみながら落ち着こうとしている様子でした。先生が用意してくれた段ボール箱の中は、Pが好きな色で塗ってあり、好きなキャラクターの絵やシールなども四方に貼られていました。そしておもちゃやぬいぐるみなどもたくさん入っていました。そのような空間で1人で過ごしていたPは、徐々に落ち着き始め、自分だけの力でクールダウンすることができていました。箱の外側にはPのマークも貼ってあったので、「Pの箱」であることをクラスのお友達も理解してくれているようでした。Upload By みん一時的に避難することで、自分でクールダウンができるようになってからは…教室に置かれた一時的な避難場所となる段ボール。ここに入ることで、クラスのみんなと過ごす空間を完全に別にすることなく、同じ空間にいながらも自分のペースを保ち、安心することができていたようです。そんなPでしたが、少しずつクラスの雰囲気にも慣れ、段ボールに入る回数も減って集団で過ごせるようになり、段ボールは徐々に必要なくなりました。そして新年度、新しいクラスになったときには慣れるまでの間段ボールを教室に置いてくれたりもしましたが、何回か箱の中に入ったくらいでした。そのうちほかのお友達と一緒に箱に入って遊ぶようになり、いつの間にかそれは「みんなのスペース」となっていき、P専用の避難所としての箱はもう必要なくなっていました。このような一時避難所的な安全地帯がなぜPに必要で有効だったのか?を私なりに考えてみました。音や視覚の刺激が強い自閉スペクトラム症のPは、集団生活に慣れるまでに時間がかかります。予測できないお友達の声や行動に想像以上にストレスを感じてしまうので、そのような刺激を少しでも遮断し、自分の安心できる場所を確保することで、不安や混乱を減らし、少しずつクラスの雰囲気にも慣れることができたのかな?と思いました。ですが、いつでも避難できるようにするのではなく、先生たちはみんなで一緒に決まった活動をするときや給食のときなどは教室に箱を置きませんでした。クラスで活動するときはちゃんと活動させ、箱に入れるのはあくまでも自由遊びの時間限定というルールでメリハリをつけて使うようにしてくれていました。Upload By みん自閉スペクトラム症のある子にとっての環境配慮の大切さを実感もしそれらの知識のない人が、1人で箱に入っているPを見たら、「閉じ込められてる」「特別扱い」 などと誤解されてしまう場合もあるかもしれません。でも決して誰かに無理やり入らされているわけではなく、本人が必要だと思ったときに自分の意思で入っていました。個々の性格や特性にもよるとは思いますが、自閉スペクトラム症のある子にとって「クールダウンできる環境」をつくってあげるのは、とても大切な配慮であることを理解してもらえたら嬉しいなと思います。執筆/みん(監修:三木先生より)クールダウンできる場所や方法があると思えるだけで、その場にいる安心感がかなり違ってきますよね。箱の準備も素敵ですが、運用にメリハリをつけてくれたのは先生の素晴らしい工夫ですね。
2021年12月06日学習障害(LD)/ 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))の治療法・療育法Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン学習障害って治療できるの?治療と聞くと薬物治療を思い浮かべる方もいますが、今のところ手術や薬物などで医学的な方法による根本的な治療法はありません。学習障害における治療とは子どもの将来を広げるための手助けのようなものです。学習障害のある人は多くの場合、教育面・生活面での環境調整や療育といった支援で困難さが軽減されます。学習障害のある人は脳機能の偏りのため特有の見え方・感じ方をしており、生活上や学習上、努力だけで乗り越えづらい困難があります。そのため日々過ごしていく上で、周りからのサポートが必要になってきます。まずは学校や地域の専門機関などの力を借りて専門家チームの検査・評価のもと、子どもの特性を理解しましょう。※現在は「限局性学習症」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。学習障害なのではと感じたらどこへ相談すればいい?専門機関とは子どもの場合、発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などを指します。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所へ行ってみましょう。まずは身近な相談できる専門機関に行ってみて、障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらうこともできます。また、家庭での対応も重要となります。子どもへの接し方は、子どものやる気や達成感を養い、うつ病や引きこもりなどのいわゆる二次障害を防ぐ上で大切な役割を担います。学習障害の発見が遅くなったり、誤った障害の理解により「自分は何をやってもできない」と子どもが思い込んでしまうことが原因となり、勉強意欲の低下、不登校などの二次障害と総称される症状や状態を引き起こしてしまう可能性も少なくありません。やる気、達成感を育てることは学習障害の子どもにとって最良の対応法といえるでしょう。学習障害の治療の判断基準は?いつから始めるべきなの?学習障害は知的発達に遅れがみられないことから、発見が難しくなります。そのため、実際に読み書きや算数などの学習が開始される小学校入学後に気づくケースが多くなっています。また英語だけに現れる学習障害の場合もあり、中学進学後に分かることもあります。このように特性のタイプや障害の程度によって症状に気づく時期が異なります。どのような症状があれば治療を行うべきなの?文部科学省の定義によると、学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、診断名が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD)」になっています。限局性学習障害の定義では障害内容は「読み」「書き」「計算」の3つに限定されます。このように読みに困難さがある人もいれば、読むことはできても、書くことに困難さがある人もいます。「学習障害」の状態や特性の現れ方は人によって異なります。子ども本人が学習に困難を感じていたり、同年齢の子どもと比べて著しく習得に遅れが見られるなど、子どもの様子から学習障害があるかもしれないと感じた場合は、まず学校や発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などで相談してみましょう。その後、専門家の検査により学習障害と判断されてから治療を行うのが一般的ではありますが、医師による診断がつかなかった場合や検査を受ける前であっても、その子に合った環境を整え、学習方法を見つけてあげることが大切です。治療を始める年齢は何歳?治療を終える判断基準は?学習障害があることに気づいたら、すぐにその子にあったサポートを進めることが望ましいです。学習障害にはいくつかタイプがあり、さらに一人ひとり、学習に得意不得意の偏りがあります。また、その人の現在の年齢によっても学ぶ内容は変わってきます。そのため、一人ひとりに適している治療や支援方法は異なると考えることができます。同様に、治療を終える判断もそれぞれです。通常学級で勉強をしながら、理解できなかった部分だけ通級指導教室で個別に指導を受ける方法もあります。学習障害の治療法・療育法早期発見・早期療育が望ましいとされる学習障害ですが、一体どのような治療法、療育法があるのでしょうか。今回はその方法についてご紹介していきます。◆学習障害の療育方法療育とは、社会的な自立をめざしてスキルを習得したり、環境を整えるアプローチのことです。このような療育は、発達障害を専門とする病院や公立・民間の児童発達支援事業所などで行われています。学習障害はその子の認知特性や苦手な部分によって、それぞれ直面する困難や課題が変わってきます。そのため、その子の特性に合わせた学習方法を獲得することが目的となります。療育法にはさまざまなものがありますが、学習障害の療育で最も大切なのは、その人に合った学び方や環境をつくることで、その人が困難を感じている分野に対する苦手意識を解消することです。苦手意識を持ってしまうと、その分野の学習に対して取り組む意欲がなくなり、困難は改善されないまま育ってしまいます。そのため、一人ひとりの子どもの成長速度や学び方に合わせて、できるだけ成功体験を増やしてあげることが大切です。つまり、子ども自身が「これなら学びやすい・学ぶことができる」という方法を探すということです。学校や療育施設などと連携し、学習方法を変えたり、環境を整えたりといった工夫を組み合わせ、さまざまな方法を試しながら、その子に合った学習方法を探していきます。・その子にあった覚え方や学び方を工夫する…クイズにして覚える、漢字のパーツを分けてパズルを作るなど・環境的な配慮をする…プリントはゴシック文字を使う、文字の色を変えるなど・代替手段を使用する…タブレットの音声読み上げ機能を使う、計算機を使うなど言葉や社会性など、それぞれの能力を習得する時期に近い段階で早期に療育を開始することで、障害による困難さが軽減されやすくなると考えられています。一般的に年齢が低い段階で、その子にあった療育を始めると、その後の社会適応力も高くなるといわれています。イラスト/かなしろにゃんこ。
2021年11月06日福祉施設にて療育施設の相談Upload By まる保育園の先生から発達が気になると聞いてから、保健師さんと面談し、福祉センターでの面談をすすめられた。このとき、息子は2歳5ヶ月。療育に通わせるぞ!と気合いは人一倍あるものの、私はまったくの素人。そもそも療育てどんなところなの?どこにあるの?この地域に何ヶ所くらいあるの?何をするの?時間帯は?などあげだしたらキリがない。何から何まで分からない状態だった。福祉センターで担当になってくれた心理士の先生との面談で息子の動きや反応を見てもらい、家から通えそうな範囲でおすすめの療育施設を4ヶ所ほど教えてもらった。施設によって運営時間、設備、内容がさまざま。どこに通っても同じなんだろうと思っていた私には衝撃だった。各療育には「福祉センターからの紹介で~」と自分で見学予約を取る。本当は短い期間で一気に見学予約をとりたかったが、療育先の都合と自身の仕事もあるため週に1ヶ所ずつ、1ヶ月かけて吟味することにした。見学に行ったところで実際通わないと分からないし…と保育園は1ヶ所も見学しなかったくせに、今回は気合いが違う。これからの息子の未来を託す重要な選択だと大いに意気込んでいた。早く通わせたいけど、息子にも自分にも納得できるところに通いたいからしっかりと見学はしよう、焦る気持ちを抑えつつ予定を組んだ。1つ目の療育施設Upload By まる1つ目の療育施設は家から電車で数駅先、駅から少し遠い場所にあり駐車場はない。親子通園で、1回1時間の個人授業だった。施設長と息子を含め面談。息子の普段の様子や気になることを話す面談の途中途中で動き回る息子の相手をしてくれたり、息子がした行動に対してどのように対応するのがいいかなどじっくり話してくれた。面談のみで実際の授業の様子などは見ることはなく、場所の通いづらさもあり保留にした。2つ目の療育施設Upload By まる2つ目の療育施設は、運動に力を入れていると説明を受けていた。いつも車通勤しているパート先に近く距離的にもいい。なんといっても送迎バスがついていることがいい。親子通園で集団での授業、時間も午前中みっちりでお昼ご飯を食べて帰る。見学の日は授業を体験させてもらい、とてもイメージが掴みやすかった。玩具で自由に遊んだり先生と遊んだりの自由時間のあと、親も含めたリトミックや体操をする。隣の人と手を叩いて~みんなで円になって座って隣の人の背中をゴシゴシ~など「触れ合い」が多いイメージ。超絶人見知りな私は少し戸惑った。親だから頑張れたが、親じゃなかったら頑張れなかったかもしれない。園で過ごす時間が長い点が良かったのだが、利用者が多くそのときは水曜日のみしか空いておらず、ちょうど仕事が休みづらい曜日だったため保留。3つ目の療育施設Upload By まる3つ目の療育施設は、親子分離型だった。利用時間は1時間、登園したら親は別室で子どもの授業風景をモニター越しに見る。家から1番近い場所にあったのでとても気になっていた。見学時に授業体験をさせてもらった。その日は利用者が少なく、息子のほかに1人だけだった(たまたまその日が少なかっただけかも)。体験なので、親子一緒の教室で子どもの隣で授業を見学させてもらった。机に向かっての作業が多いイメージ(ぽっとん落としや絵合わせなど)だったが、先生の誘導が上手くとても印象は良かった。平均台などの体を動かす場面も多少あった。こちらは年齢で曜日を分けているらしく、息子は水、金曜日のみ利用可能とのことだった。通える曜日の選択肢が少ないことと、まだ息子が幼いため親子分離は早いかなと保留。4つ目の施設Upload By まる4つ目の療育施設が現在通っているところ。相談していた福祉センターでもおすすめされていた。歴史もありそうで、親子登園で集団での授業。1番遠い施設だったのだが送迎バスがある。午前中みっちり利用でき、4ヶ所見学に行った中で1番広く利用者も先生も人数が多い。年齢や障害の状況によって教室が5つに分かれていた。見学の日は授業体験はなく別室で面談と施設の案内、各教室へ周り授業の風景を見せてもらった。新しくはないが、施設が広いため職員数も多い。お祭りなどのイベントがあること(現在はコロナ禍で中止)、たまに来るSTやOTの先生に相談できる機会や進路相談会などがあること、利用したい曜日が選べることが分かった。後日すぐにこちらを利用したいことを連絡した。施設見学を終えて…Upload By まる私は影響を受けやすい、何も分かっていないからなおさらだった。どこの施設もいいところがあり、各施設に見学に行く度に「ここいいなぁ!ここにしようかな!」と毎回本気で考えていた。どこの施設にも共通していたのは「利用は午前中の時間帯」ということ。私はあわよくば夕方に療育を設定して、それまでは保育園に預けて働こうとしていたのだ。発達障害のある子を育てる、療育に通うということはそんなに甘くないんだなぁとこのときに初めて実感したかもしれない。最後の所に決めた理由は、「ここが1番いろいろな繋がりがもてそうな気がする」と思ったから。先生が多く、発達に関する知識や進路に関する情報などを得やすそうだし、滞在時間が長いので相談する時間をもらいやすい気がした。また、利用者が1番多く、いろいろなタイプの子どもを日々見ている点にも惹かれた。あとは親の勘。結果、とてもいい先生やお友達に出会い、毎回楽しく通うことができている。執筆/まる(監修:初川先生より)療育機関を決めるまでの臨場感あふれるプロセスを共有いただき、ありがとうございます。一口に療育といっても、狙いやアプローチ、そして理想としていることと実際のありようがさまざまですね。「ここ!」とピンと来て決められたのは、理屈より先に決断できるほど良さを感じ取られたということかもしれませんね。療育時間が午前中であることについて言えば、低年齢の子どもにとって午前中のコンディションの良さはなかなかです。学び・活動に適したコンディションで療育に取り組めるには良い時間帯ではあると思います(とはいえ、お仕事との兼ね合いは難しくなってしまうのですが…)。良いコンディションのときに、よき介入によって、褒められ認められ、達成感・楽しいという良い循環が回っていることと思います。
2021年10月29日1歳から親子通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)最初に入ったのは、親子通園の集団療育園でした。当時まだ1歳に満たなかった娘は診断前で、周りに娘と同じような特性のある子もいなかったため情報も少なく、自分でネットで検索して唯一通えそうだと分かった園でした。直接園に電話をして見学に行き、手続きについても自治体に問い合わせして、自分で動きました。その園は、当時定員が一杯で少し待つことになりましたが、結果的に私たち親子に合っていると思えたので、空き待ちをしてでも行ってよかったです。親子通園で感じたメリットは、親も一緒に通うことで子どもの安心感につながること。集団の中での子どもの様子がよく分かること。保護者も、同じような気持ちで通っている人たちと繋がりができるため、心強く感じられたこと。そして、先生たちの子どもへの関わり方を毎回目にすることで、さまざまな特性を持っている子への対応の仕方を学べるため、家でも応用できるようになることです。園での活動中に先生に相談ができ、情報交換の場にもなるので、右も左も分からなかった当時の私にとっては一つ目の園が親子通園の集団療育園でよかったと思います。3歳から単独通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)2年後に、違う集団療育に入りました。今度は、親子通園ではなく、娘一人で通う単独通園のところにしました。園選びについては、まず、曜日・時間、場所、送迎の有無など希望する条件でいくつかに絞りました。その中で見学に行ったときの園の雰囲気や、在園児たちの様子で決めました。このころには娘は3歳になっていたので、かなり選択肢が広がり、複数の園の中から選ぶことができました。在園児たちの様子を見ることは、個人的にとても大事にしました。ポイントは、娘は同年代の子どもにも興味を示すようになっていたため、その集団に入っても楽しめそうかどうか。そして、療育園ならではの自由な雰囲気も重要視しました。療育園といっても本当にさまざまなので、幼稚園や保育園を選ぶように、慎重に選ぶ必要があると思います。幸い、私が住んでいる自治体には、複数の集団療育園があったので恵まれていたと思いますが、それでも空きがなくなるところもあるので、早めに動くことが大事です。実際に娘が通った二つの集団療育園は、どちらも空き待ちをしたので、動くのが遅れると希望の園に入れる可能性がとても低くなってしまうのではないかと思います。集団療育園に通わせて感じたメリットUpload By koto(コトコト子)単独通園の集団療育園でも、さまざまなメリットを感じています。まず親子通園と違って親子で離れる時間ができるため、親は気力体力を蓄えたり、多動や長時間に及ぶ癇癪、睡眠障害などがある子どもと一緒にいるときにはできないさまざまなことをする時間がつくれます。また、子どもだけで遊ぶ時間は、コミュニケーションの取り方や困りごとが起きたときの対処法を、子ども自身が身につけて行く練習にもなります。特性のある子たちと過ごすことで、娘もさまざまなタイプの子と触れ合うことができて、刺激にもなったと思います。そして、何かできないことや不得意なことがあっても、そういった課題を少しでも改善するように先生たちが取り組んでくださるので、幼稚園や保育園では受けられない発達支援を受けることができます。集団療育園は、子どもの特性に合わせて無理なく集団生活を送れる場所。特性のある子たちへの対応を学ばれている先生たちと過ごすことで、子どもたちは安心して集団でのルールや過ごし方を学ぶ機会を持つことができます。振り返ってみると親子通園・単独通園ともに、親子で自分たちに合った園を選ぶことを大切にして、早いうちから通わせることができてよかったと思っています。執筆/koto(監修:井上先生より)子どもさんの発達が気になったときに、療育に通うかどうか、通うとしたらどんな所がよいかは、親としてとても悩ましいことだと思います。診断がない状態で集団療育に通える地域とそうではない地域があったり、待ちがある・ない地域があったりします。自治体によって条件はさまざまです。kotoさんが書いておられるように、親子通園型の集団療育の良いところは、ほかのお子さんの様子やほかのお子さんとの関わりの様子を親御さんが見られることです。しかし、親御さんが時間的に難しい場合などは、単独通園を選択される方も多いです。子どもさんだけでなく、親御さんにとっても通わせやすいところを見学に行くなどして、情報や口コミだけでなく実際に目で見て選ぶことが大切ですね。
2021年10月19日