【発達障害×PTA(父母会)】アンケート結果発表新年度になり、PTA(父母会)の役員決めも行われる時期になりました。今回、発達ナビでは発達障害のあるお子さんの保護者の皆さまへ「PTA(父母会)に参加した?感じたメリット、デメリット」についてアンケートを行いました。そちらの結果と、寄せられたコメントをご紹介いたします。アンケートの結果はこちら!Upload By 発達ナビ編集部アンケートの結果、「メリット、デメリットは半々だった」(35%)という方が最も多い結果となりました。次点は「どちらかと言えばメリットを感じたことがある」(26%)です。参加することで、先生方や保護者とのつながりができるけれど、やはり作業が大変という方が多いようです。小学校は、PTAの役員、しかも代表をやらせていただきました。いろんなお母さま方との交流は楽しくもあり、難しいものだということを考えさせられた一年間でした。PTAグループの中で、小グループに分かれての活動をしたので、その時のメンバー6名とは、今でもLINEでつながっています。年代も違う、子供の性別や年も進路も違うところでのコミュニケーションは、他にはない、あたたかさがあります。障がい児二人を抱えながら、健常児を育てているお母さま方の中に飛び込むのは、とても勇気が入りました。でも、どなたも、ウチの子供達にも(もちろん、他のお子さんにもですが)同じように接してくれ、成長を喜んでくれる関係性を作れたことは、良かったと感じています。私は5年間、夫は4年間経験しました。周りができない理由合戦状態になり話が進まず、面倒臭くなって引き受けました。先生達と距離が近くなり、関わりのなかったママ達と仲良くなったり……情報を貰いやすくなったり、自分のいろいろなスキルも上がった(パソコン等)けれど、「そのやり方だと後から問題が出てくる」等の明らかな運営ミスを理解してもらえずPTA役員外から苦情を言われて尻拭いしたり……。PTA役員外から役員への無理難題や攻撃も多く、私が退任する時にPTAの組織自体を廃止させました。全くママ友もいなかったのに、沢山話のできるママ友ができてとてもうれしかった。また、学校とのつながりもよくわかるようになったし、先生たちと仲良くなれたのも良かった。ただ、時間の拘束が長く、仕事量も多くてお金をもらっているわけではないのになぜこんなにやるのかと負担を感じることもあった。広報部と本部役員をやりました。メリットは、広報部の仕事と思われる広報誌の作成や学校行事の写真撮影。特に運動会は、広報部として競技間近で写真が撮れました。校正等で学校に出向かなくては行けなかったのですが、ついでに子供の学校生活を抜き打ちで見られたりしたので、個人的にはメリットを感じました。ですが本部役員は、知りたくないことまで耳に入るのでデメリットでしかありませんでした。今も継続でしてます。デメリットもあったのかもしれませんが、メンバーに恵まれて楽しい方が上回ってます。子供の様子が身近で見られることや子供のクラスの子と話せたりしてプラスが多いです。確かに面倒なこと、大変なこともありますが、今見れる成長を感じられることや、学校でどんなふうに過ごしたり、子供の報告だけでは理解できないことが分かったりして、心の財産になりそうです。ちょうど役員中に放課後デイの閉所問題があり、学校・相談支援員とも密接に意見交換ができ、保護者として行政・施設に希望意見を出すことができたのでPTA組織の必要性を感じた。校長先生や教頭先生など、先生方と接する機会が多いので、親子の顔と名前を覚えてもらいやすいのと子供の事を理解してもらいやすい。支援学級在籍というだけで、通常学級の親御さんに「気遣い」という線引きができるのを実感しました。ある親御さんは、名乗ってご挨拶もせず、娘の同級生と遠目から私の事を確認しにきました。今は、娘は協力学級へ怖がり入れません……(一年不登校です)。※誤字等の表記の一部を修正しております。以上のように、さまざまなコメントをいただきました。以下ではPTAに参加された保護者の皆さまの体験談コラムをご紹介します。思い切って父母会役員に立候補!/小学校~高等特別支援学校でPTAをやった経験から/特別支援学校と特別支援学級で役員をやって感じたメリット等PTA体験談3選3歳児健診で多動症の疑いがあると指摘された息子さん。保健師さんから「まずは幼稚園に入ってしばらく様子を見ましょう」と言われたのですが、入園してみると脱走、癇癪、お友達トラブルで幼稚園から毎日電話!「退園してほしい」と言われるのではないかと心配していたところ、幼稚園は加配を付けてくれ、息子さんも楽しく園に通えるように。そんな幼稚園に恩返しをしたいと思い切って父母会役員へ立候補したのですが、参加してみると驚きの事実が判明したのです!お子さんが小学生の時に校外委員、学級委員と謝恩会委員を、そして高等特別支援学校では進路委員と広報委員を経験された中で感じた、PTA活動のメリットデメリットとは?PTAは「子どものために」親ができる身近なボランティア活動のひとつ、でも負担を強いるのはよくないですよね。特別支援学校と特別支援学級に在籍した6年間で、2年に1度ほどはPTAの役員や委員会の委員を経験し、積極的に役員の仕事をしてよかったと感じているという立石さん。学校のバザーに出店する焼きそばを「太麺にするか普通麺にするか」で30分も意見が交わされ、さすがに嫌になってしまったこともあったそうですが、それに勝ったメリットとはどのようなものだったのでしょうか。さいごにPTAは任意団体ですので、参加することもしないことも選ぶことができます。もちろん無理に引き受けることはありませんが、参加することで出会いや経験ができたという声もありました。アンケートに寄せられた声や、体験談コラムなどが参考になれば幸いです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月20日「発達障害かはっきりさせたい!」と思って臨んだ3歳児健診現在11歳、小学5年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。息子は言葉も遅く、小さい頃からこだわりがあり、室内の灯りは蛍光灯または昼白色でないとダメ、顔が濡れるのもダメで、ダメなものに対しては癇癪を起こしてしまうといった特性らしきものがありました。基本的に穏やかな性格なのですが、3歳頃にはそれらがさらに目立ってきたように感じています。私はそんな息子に「何か特性のようなものがあるのでは」と思っていたのですが、身内や周りに息子の困っていることを相談しても「何も気になる事はないけれど」と言われるばかりで、私が気にしすぎなのだと受け取られているようで、もやもやしていました。そのため、私は(特性があるのならハッキリさせたい!)という気持ちが強くありました。ですので、3歳児健診へは(何か指摘されるだろうな。これで発達障害か分かる!)と気合たっぷりでした。健診当日は不機嫌MAX!嘔吐にギャン泣きで大パニックに健診前日の夜、よりによって息子は全然寝ついてくれませんでした。やっと寝たと思ったらすぐに朝を迎えてしまい、起きたら出発予定時間ギリギリ!慌ててタクシーで向かったものの、息子はぐずり、さらにはガッツリ車酔いしてリバース……。万全の体制で向かいたかったのが、健診会場に着く前からボロボロでした。Upload By ユーザー体験談なんとか会場に着いたあとも、息子はリバースした事やら眠たいやらで不機嫌MAX!同じ保育園のお友達も何人かいたのですが、そのお友達家族の前でも少し嘔吐してしまい、それが息子の中でショックだったようで、ギャン泣き……。ですが、少しずつ落ち着いてきて、機嫌よく……とはいかないまでも、それなりに検査は済ますことができました。私はげっそり、疲れ切っておりました。「個別にお話があります」と言われ、別室へそして一通りの検査が終わったあと、「個別にお話があります」と声をかけられました。私の感想は「やっぱりな」でした。Upload By ユーザー体験談これで息子が何に困っているか分かる、どうすればいいか分かる、そして同時に身内などが言っていた「大丈夫、問題ない」の言葉にモヤっとしていた日々も終わるかもしれないとホッとしました。保健師さんから指摘されたことは、2語文がほとんど出ない、コミュニケーションがとれないといった言葉に関するものでした。また、英語に興味があって英語の動画をよく見ていた息子は、その中のセリフを完璧に覚えていて独り言のように発していました(恐らくエコラリアだと思います)。「英語はよく覚えているみたいだけど、日本語がね……」と言われ、親としてもそれには完全同意。私は藁をもすがる思いで「どうしたらいいのでしょう……?」と尋ねました。保健センターで新版K式発達検査を受けることに保健師さんから、その日は子どもの機嫌が良くなかったことから、再度検査をしましょうと提案され、その後は保健センターへ行き新版K式発達検査を受けました。保健センターでの検査は機嫌よく受けることができました。検査をされた方が言うには「カレンダーを見ながら数字を英語で言っていた」そうです。結果、実年齢より1年半程度発達が遅れていると言われました。私はショックなどはなく、療育の話もいただいたので「息子のためにできることをしよう!」と前向きに考えることができました。Upload By ユーザー体験談療育へつながることができて療育は月2回、保育園に行きつつ通うことになりました。新しい環境にもさほど戸惑うことなく、むしろ楽しくそうでテンションが上がってた息子ですが、通っていくうちにプログラムも落ち着いてこなすようになり、徐々に先生とのコミュニケーションも取れるようになってきました。年長になる頃には、民間の発達支援施設にも通うようになりました。最初息子は、取り組み始めたプログラムは最後まで終わらせないといけないというこだわりがあり、途中でお手洗いに行きたくなっても行けなくて泣き出す……といったこともありましたが、通園が終わる頃には本当に落ち着いてきました。私も息子が発達支援に通うようになってからはほんの些細なことでも、息子がやり遂げるとものすごく嬉しくなってたくさん褒めていました。息子が失敗しても「なんでできないの?」とはならず、当たり前のように「次頑張ろうね」と言えるようになっていました。やっとつながった療育は親子共にいい影響を与えてくれました。Upload By ユーザー体験談たくさんの人に愛されるように!現在小5になる息子は、特別支援学級で楽しく過ごしています。授業の内容もしっかり理解しており、交流学級での授業(理科、体育)も頑張っています。英語、野球、工作と、好きなこともバラバラですが、将来どのような道に進むのか、親としてどう導いていけばいいか、悩ましくも楽しみにしています。息子は私が少し体調を崩すと、頭やお腹(痛いといった箇所)を撫でてくれるような優しい子です。その優しさとユーモアを忘れることなく、たくさんの人に愛されるよう願っています!イラスト/星河ばよエピソード参考/あきっち(監修:森先生より)お子さんの興味がある事・得意な事を褒めて伸ばして応援することができていて素晴らしいですね。「大丈夫、問題ない」という言葉は、周囲の人としては励ましの意味で言っているのかもしれません。残念ながら、「発達障害」という言葉にネガティブなイメージを持つ人もまだまだいるのでしょうね。しかし、大切なのは「大丈夫かどうか」「問題があるかどうか」ではなく「どうしたらお子さんがもっとのびのびと自分らしく過ごせるか?興味や得意を伸ばせるか?」という視点ですよね。また、お子さんのように、思いやりの心を持つためには、共感力を育てることが重要です。相手の気持ちを想像する力や、思いやりを表現するスキルを身につけるのにも、療育のプログラムを上手に使っていけるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月12日株式会社医学書院(所在地:東京都文京区、代表取締役社長:金原 俊)は『発達障害Q&A――臨床の疑問に応える104問』(編集:金生 由紀子、編集協力:今村 明、辻井 農亜)を2024年3月31日(日)に刊行しました。本書は、近年注目を集める発達障害をテーマに、医療現場や学校、会社などさまざまな場面における疑問、もやもやに専門家が答える内容となっています。全編Q&A形式でまとめられており、実際の医療・生活場面で都度使えるのはもちろん、幅広い内容をカバーしているので発達障害に関する知識を深めたい方でもお役立ていただけます。「発達障害で何かあればまずはこの本を開いてみよう!」、そう思っていただける一冊になることを期待しています。■小中学生の8.8%に発達障害の可能性。大人の発達障害も。文部科学省の2022年の調査では、通常学級に通う小中学生の8.8%に発達障害の可能性があるという結果が明らかになりました。これは全国の公立小中学校に通う生徒約883万人(令和5年度学校基本調査より)のうち、実に77.7万人が発達障害に該当するということになります。また、大人の発達障害も会社の上司・同僚や家族間でのコミュニケーションの問題から近年大きな注目を集めています。しかしながら、話題性ばかりが先行し、当事者に対する理解が進んでいないことは多くの専門家が指摘するところです。実際、周囲の理解が得られず、学校に行けなくなったり、退職を余儀なくされるケースも少なくありません。このような問題の一助となるよう、新刊『発達障害Q&A――臨床の疑問に応える104問』は生まれました。本文サンプル1(本文Q8より一部抜粋)■当事者や家族、教育関係者など幅広い支持を受け専門誌としては異例の売れ行きに!この書籍は、精神科医向けの専門誌『精神医学』2023年5月増大号の内容を充実させたものです。元となった増大号は、主に精神科医が日々の臨床で直面する「困った」「わからない」にわが国のエキスパートが答える形式で構成されたものですが、発行後は医療者のみならず、当事者、当事者の家族、教育関係者まで幅広い層に支持され、雑誌としては異例の売れ行きとなりました。内容は、発達障害の定義、疫学、病態といった基本的な知識から、検査、診断、鑑別、薬物治療はもちろんのこと、発達障害に併存する疾患や、発達障害の人への支援・対処法、さらには告知の場面で注意すべきことまで臨床にまつわる問題を網羅しています。本文サンプル2(本文Q12より一部抜粋)■「本当に知りたいこと」だけ。かゆいところに手が届く一冊。本書で取り上げたQ(質問)は、発達障害を専門としない医師から挙げてもらった疑問をもとに作成され、読者のかゆいところに手が届くものとなっており、臨床の現場で「本当に知りたいこと」が選りすぐられています。質問の例「発達障害はなぜ増えているのですか?」「大人になって発達障害が発症することはありますか?」「発達障害の長所と言える点には何がありますか?」「グレーゾーンという言葉を聞きますが、どう考えたらよいのでしょうか?」質問に対しては200字ほどの「回答」と、「回答」の背景を丁寧に説明した「解説」がつきます。2段構えでわかりやすく、正しく深い知識を身につけることができます。本文サンプル3(本文Q32、61より一部抜粋)■医療者はもちろん、教育・心理関連職、当事者やその家族にも。『発達障害Q&A――臨床の疑問に応える104問』は、医療者だけでなく、教育・心理関連職の方々、当事者やその家族など、発達障害に関心のある方々が正しい理解を深める第一歩となる内容をお届けします。書影詳細は書籍ウェブページ をご覧ください。■書誌情報◆名称 :発達障害Q&A――臨床の疑問に応える104問◆編集 :金生 由紀子◆編集協力:今村 明・辻井 農亜◆刊行日 :2024年3月31日◆判型等 :B5 頁368◆定価 :6,600円(本体6,000円+税)[ISBN978-4-260-05436-2]◆内容:発売直後から圧倒的な支持を得た『精神医学』誌2023年5月号増大特集「いま,知っておきたい発達障害Q&A98」が待望の書籍化。発達障害に携わる医療者が日常診療で困っていること、わからないことをQ&A形式で解説。実臨床に沿った質問に、日本のエキスパートが勢ぞろいで応える!精神科領域の医療職(精神科医、心理職、OT)をはじめ、小児科医、産業医を務める内科医まで幅広い読者の知りたかったことがこの1冊に。【会社概要】社名 : 株式会社医学書院代表者 : 代表取締役社長 金原 俊所在地 : (本社)東京都文京区本郷1-28-23電話 : (代表)03-3817-5600事業内容 : 医学・看護および関連領域の 専門書籍・雑誌・電子媒体の出版URL : X(旧Twitter): @igs_pr( ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年04月03日小学校1年生の終わりに発達障害の診断を受けましたUpload By もっつん息子のタクは小学校1年生の終わりに発達障害の診断を受けました。精神障害者保健福祉手帳は2級です。タクは在胎30週で産まれてきた極低体重児で、赤ちゃんの頃はとても心配しましたが、元気すぎるほど元気いっぱいに育ってくれました。現在は中学3年生!義務教育も終わりに近づいてきて、これからの生き方を模索中です。人の話を最後まで聞くのが苦手で、後先考えずに衝動的に動いてしまう……などの特性はまだまだ色濃くありますが、とっても優しい息子です!今ハマっていることは、卓球と小説を読むこと。個性豊かな家族を紹介しますUpload By もっつん妹こっちゃん・定型発達です。いわゆるきょうだい児です。私はもっつん・大人になってから発達障害と診断されました。精神障害者保健福祉手帳は3級です。学生時代はずっと天然ちゃんと呼ばれていて、自分ではポンコツ人間だと思っていました。時間管理が特に苦手!!!旦那パパもつ・ハチャメチャな私と子どもたちを受け止めてくれる頼りになる夫。ポジティブなんだけど、考え方が固くて発達障害への理解はまだまだ……。常に走り回って騒がしい…激しすぎる幼少期で、母のメンタルは限界でしたUpload By もっつん初めての子育てで毎日疲労困憊でしたが、「あれ?この子って育てづらい?」と思ったのは2歳頃。2歳頃はイヤイヤ期と言われているので、ある程度覚悟はしていましたが、・5cm程の段差を怖がる・三輪車を後ろから押そうとするだけで泣きさけぶ・ごはんを食べる手伝いをしようとすると猛烈に怒る・後追いがなく、すぐ迷子になるなど、私は悩みに悩む日々でした。そんな時にインターネットで見た「発達障害・多動児」という言葉が気になり、もしかして……と思うようになりました。しかし周りに相談できる人がおらず、1人で悩む日々。3歳児健診で保健師さんに相談したところ「考えすぎですよ、本当の多動の子はもっと大変ですよ」とアドバイスが。そのタイミングでたまたまタクはイスに座って遊んでいたのです。それからは、どこかに相談しようと考えなくなりました。私生活では離婚や引越しなども重なり、息子の発達障害のことをじっくりと考える余裕がなくなっていきました。あの時、保健師さんがおっしゃった「もっと大変な人がいる」その言葉が心に引っかかったまま数年過ごしました。精密機械や鉱石が大好き!ガラクタは彼の宝物Upload By もっつん小学1年生で発達障害の診断を受けたあとも、特性ゆえの行動なのか、悪いことと知っていてわざとやってる行動なのか判断が難しいことが多々ありました。精密機械が好きだから、壊れた家電を分解用に与えると大喜び! しかし、だんだん壊れていない家電にも手を出すようになってしまい大変な目にあいました。しつけが足りないんだと周りから叱咤されたことも。私は、どうにかして息子をきちんと育ててあげたい! という思いが強くて感情が暴走したこともあります。思うように行動してくれない息子に対して、強烈な怒りが抑えられなくなったのです。それがキッカケになり、児童相談所のお世話になった時期もあります。あの頃は本当につらくて……思い出すだけでも涙が出てきます。それらのお話は今後、紹介させていただきますね。つらい日々もあったけど、過去があるから今があるUpload By もっつん子育ては大変なことも多く、発達障害があるとさらに何十倍も悩むことがあると思います。1人で抱え込まずに、たくさんの人に相談することや助けを求めることがとても大切だと私は思います。私自身の失敗談ですが、以前は実親には心配をかけたくないと思って相談をしていませんでした。「うまくやってるよ」「楽しくやってるよ心配しないで」と良い面ばかりを見せて自分にも言い聞かせていました。しかし強がっていても問題を解決することはなく、どんどん悩みは大きくなる一方でした。人に弱音を吐くのは、決して悪いことではありません。むしろ助けを求めることは、状況を改善する第一歩! 現在の私は、実親を始め、学校の支援の先生や県の家庭支援センターに定期的に面談に行っています。人の助けを借りながら、子育てを楽しいものにしていきたいですね。執筆/もっつん(監修:藤井先生より)初回のコラムありがとうございます。現在は中学3年生になるタクさんの育児を通して、さまざまな経験をされたと思います。一人で抱え込まず、相談すること、大切と分かっていてもなかなか行動しにくかったり、以前嫌な思いをすると行動に移すのを躊躇されることもあるかと思います。「もっと大変な人もいる」の言葉にひっかりながらも、再度相談され、発達障害と診断された経緯なども今後お伺いしたいなと思いながら読みました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月03日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、知的機能と適応能力に遅れがあり、生活や学習において困難が生じやすい障害のことです。知的障害(知的発達症)の特徴としては、言葉の遅れや着替えなど自己管理の困難、学校の勉強の遅れ、コミュニケーションの困難などがあります。知的障害(知的発達症)は程度によって軽度から最重度まで4つの種類に分けられており、それぞれ症状や困ることも変わってきます。保護者や周りが知的障害(知的発達症)に気づく年齢にも違いがあり、最重度の場合は生まれてすぐに気づかれることもありますが、軽度の場合は、乳幼児期には特徴が表面化せずに学齢期になってから気づかれることもあります。子どもが知的障害(知的発達症)の診断を受ける場合には、知能検査や保護者からの聞き取り、子どもの様子の観察などを行うとともに、原因となる疾患についての調査も行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の定義は一つだけではなく、行政や医療などさまざまな機関が定義を作成しています。多くの場合、症状の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つに区分されています。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。上記表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。また、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版)』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)の原因は遺伝要因や環境要因などさまざまな要因が絡んでいると考えられており、明確に特定できないこともあります。遺伝以外の要因としては、妊娠中の風疹などの感染症や低栄養、分娩時の低酸素症、出産後の感染症や低栄養、頭部への損傷などがあると言われています。子どもに先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあり、併存して知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります(上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません)。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版3歳頃に知的障害(知的発達症)は分かる?軽度知的障害(軽度知的発達症)の特徴や知能検査、診断について3歳児になる前後には、自分の姓と名を合わせて言える、手を使わずに階段を登れる、人形などを使ったごっこ遊びをするといった様子が見られると言われています。また、幼稚園に入るのも3歳頃が多く、友達や先生と一緒の活動をし始める時期でもあります。その頃に見られることの多い知的障害(知的発達症)の兆候は以下となります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている・自分でトイレを知らせることができない(おむつ外れが遅い)・先生の指示が分からず、集団行動などが難しい・癇癪の頻度が多く、激しい・おもちゃなどへのこだわりの強さ※上記は一例です3歳頃になると幼稚園などで集団生活をおくる場面が増えてきますが、指示理解の困難や癇癪などによって園でトラブルになる可能性もあります。ただ、子どもの発達は個人差があることや、3歳児ならほかの子とけんかするのも珍しいことではないため、ここで書いてあることに当てはまったからといって知的障害(知的発達症)とはかぎりません。一つの目安として、心配な方は専門機関や次で紹介する3歳児健診の際に相談してみるといいでしょう。参考:子どもの発達の目安|宇都宮市参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版3歳児健康診査とは3歳~4歳の間に受けることのできるもので、身長体重、視力などとともに子どもの発達のチェックも行います。3歳児健診の確認内容一例・言葉の遅れはありますか・同年齢の子どもと会話ができますか・ほぼこぼさないで一人で食べますか・何でも自分でしたがりますか・よくかんで食べる習慣はありますか・昼間のおしっこを前もって知らせますかなど参考:乳幼児健診における標準的な項目一覧|厚生労働省参考:3歳児健康診査|奈良県ほかにも検査が行われ、クレヨンで丸がかけない、片足立ちができない、姓名が言えないといった様子が見られる場合は発達の遅れとして指摘される可能性があります。ただ、それだけで知的障害(知的発達症)などの障害があるかは判断ができません。その後に医師や保健師と相談することができるため、知能検査を受けるかも含めて今後の対応を検討していくようにしましょう。知的機能を測る検査として、知能検査があります。知能検査は年齢によって受けることができるものが変わってきますが、3歳で受けることができる検査の代表的なものとして、田中ビネー知能検査とWPPSI(ウィプシ)知能検査があげられます。知能検査自体は医療機関や自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることが可能です。検査を受けるだけでも子どもの得意や苦手なことが客観的に把握でき、その後の関わり方や支援の計画作成にも役立ちます。ただ、知的障害(知的発達症)の診断を受けるには知能検査だけではなく適応能力検査も行われるとともに、子どもの様子の観察などさまざまな過程を経る必要があります。知能検査を受けることが難しい場合、新版K式発達検査にて発達指数を確認することもあります。参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社3歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?ほかの子どもと比べて発達の遅れが気になる、知的障害(知的発達症)の可能性を考えているという場合に相談できる窓口を紹介します。かかりつけ医まずは普段から受診をしているかかりつけの小児科に相談してみましょう。お子さんの発達の様子や、支援などについても相談できます。保健所/保健センター保健所と保健センターは地域に設置されていて、健康診査や健康相談の受付などを行っている機関です。子どもの発達の遅れについても、医師や保健師などの専門の職員が対応に当たっています。児童相談所児童福祉法に基づいて設置されている行政機関で、18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけています。児童福祉司や児童心理司などの職員がいて、言葉の遅れなどの発達に関する相談にも対応しています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは地域の子どもの福祉に関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れなどの相談に対して、自治体や児童相談所と連携して支援を行っています。児童発達支援センター障害のある子どもに対して、さまざまな支援を提供している機関です。日常生活や集団生活に適応するための支援を行うほか、発達に関する悩みの相談対応も行っています。参考:子育てに悩んだらご相談ください|府中市まとめ3歳頃は保護者以外の大人や同年代の子どもたちとの触れ合いが多くなる頃です。知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、発話の遅れや相手の言葉の理解の困難、癇癪などの特徴が見られ、幼稚園などでトラブルや困りごとが生じることもあります。ただ、言葉を含めた発達には個人差が大きく、そういった様子が見られたとして知的障害(知的発達症)とは言い切れません。発達の遅れがあると不安だと思いますが、家庭だけで抱え込んだり決めつけたりせずに専門機関に相談するようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月31日息子はお風呂好き!そしてこだわりもあって……息子は、3歳の時に重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。賑やかな場が苦手で、いつもマイペースを貫いている穏やかな性格です。そんな息子はお風呂が好きなのですが、いくつかのこだわりがあります。本人はとっても楽しそう!浴槽のふちを平均台のように歩く息子10歳になった頃のことです。息子がいつのまにか浴槽のふちを歩くようになりました。息子はどちらかというと臆病で失敗を恐れるタイプなのですが、身体が大きく腕も長くなったため、そんなに広くない浴室では、ふちから落ちそうになっても少し手を伸ばせばつかまる所があることをなんとなく察して、始めたような気がします。Upload By ユーザー体験談初めて見たときは「危ない!」と思ったのですが、慎重に歩き、少し体を傾けると浴室の壁に手が届くので、意外にも落ちないのです。意外と落ちないな……と見守っていると、なんとも本人は楽しそうで、満足気に歩いています。息子の心地いい行動なんだなと思い、今は落ちないようにしっかりと注意しながらも見守るようにしています。それはちょっとやめてほしい……!シャンプーボトルたちへのこだわり平均台よりちょっと困ったのがシャンプーボトル類へのこだわりです。息子はシャンプーだけでなくコンディショナー、入浴剤といったボトルの中身を全部浴槽に流してしまうのです。始まったのは8歳だったと記憶しています。突然始めたので、こちらが気づくのがやや遅くなり、何とも言えない混沌とした色になった湯舟の湯の色を前に呆然としてしまいました。なんだこれ……と驚きしかありません。Upload By ユーザー体験談お湯を入れかえるのが面倒だなという気持ち、そして(あー、また新しい変なイタズラが始まった!)という今後の対策を練らなければいけないことへの憂鬱さ、このイタズラが頻繁に起こって上手く防げない場合、しょっちゅうシャンプーなど買うことになるのでは⁉という金銭面への負担……こんな時はどっと疲れてしまいます。ほかにも、ボトルをいつも同じ位置、同じ順番に並べ替えることにもこだわっていました。浴室に限らず所定の位置に物がないと落ち着かない息子は、ボトルが所定の位置にあることを好み、そろっていないと急に整理整頓を始めます。その日その日で、気持ちの許容量が違うようで、楽しそうにそろえている時と、怒りながらそろえる時があり、今日は機嫌がよくなかったんだなというバロメーターにもなります。Upload By ユーザー体験談家族の中で一番几帳面な性格なので、誰かが置きっぱなしにした物を片付けることに関しては、正直助かってもいます。ただ、湯舟に流すのはいただけない……。そこで防止策を取ることにしました。息子にあわせた対策を!結果は大成功!息子は、湯舟に「ボトルに入っている液体を流し入れること」が楽しいようだったので、シャンプーボトルの代替品としてペットボトルを何本か用意しました。それにお湯を入れおき、シャンプーボトルなどの代わりにそれを流すよう促しました。息子は、このペットボトルで満足してくれたようで、楽しそうにお湯を湯舟に流し込むようになりました。大成功です!Upload By ユーザー体験談このように何か良くない癖がつきそうな時は、うちの子の場合は以下のステップで対応しています。1.短い言葉で注意する2.代わりにそれに似たやっていいことを提案する3.癖が定着しないよう早いうちに止めさせることを心掛けるこのシャンプーボトル事件については、1、2の対応で尾を引かず収まることができました。息子も少しずつコミュニケーション能力が上がり、人に頼む、頼ることを覚えてきました。シャンプーボトルも自分で並べ直さず、きちんとそろえるよう周りの人に要求することも増えています。ただ、日によっては所定の位置に物がないことを不安に思うようです。「直して」と要求してくることがあったときは、必ずいつもこちらがその要求を叶えてあげられるわけではないことも覚えてほしいので、「大丈夫だよ」と声をかけ、妥協を知ってもらってもらえるようにしています。これからも息子のこだわりは新しくでてきたり、姿を変えたりと続いていくのでしょう。その都度、息子にあったやり方でこちらも声がけしていけたらなと思っています。イラスト/ネコ山エピソード参考/あきこ(監修:藤井先生より)子どもの困った行動は程度がさまざまです。気になる行動があった時、危険で怪我につながることは禁止・静止させ、やめるように伝える必要はあります。しかし、困った行動の多くは、危険で怪我につながることではないけれど困るということが多くを占めていると思います。息子さんのシャンプーボトル事件も、ペットボトル作戦で代替えすることができ、効果がありましたね。全ての行動を禁止するのではなく、やめさせるべき行動と、減らすべき行動と分けて考えると対応の仕方が分かりやすいですね。素敵な体験談を読ませていただきありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月30日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、発達期(おおむね18歳まで)に知的機能の遅れと、適応能力の低さによって、日常生活や社会生活に困難が生じる障害のことです。知的障害(知的発達症)のある方は自己管理やコミュニケーション、学校での学習、仕事などで困りごとが起こりやすく、何らかの支援が必要になると言われています。知的障害(知的発達症)は程度によって種類が分かれており、それぞれ軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と分類されています。知的障害(知的発達症)が生まれつき生じていたとしても程度によって気づかれる時期には違いがあり、重度の場合は発話の遅れなどにより乳幼児期に気づかれることがありますが、軽度の場合は小学校に入学して学習が本格化してから気づかれることもあります。知的障害(知的発達症)の診断は知能検査や保護者への問診、子どもの様子の観察のほか、原因となる疾患の検査などさまざまなことを通して行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。・厚生労働省の基準による知的障害(知的発達症)の程度区分厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。・DSM-5-TRの基準による知的障害(知的発達症)の程度区分医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉局参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)はさまざまな要因が重なった結果生じるもので、遺伝もその一つの要因と考えられています。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。知的障害(知的発達症)は遺伝のほかにも、妊娠中の母体の低栄養、感染症、薬の影響、脳の異常発達、出産後の子どもの低栄養、頭部の損傷、感染症などが要因として考えられています。ただ、多くの場合には原因は特定できないとも言われています。また、先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあるために知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版2歳頃の知的障害(知的発達症)の症状は?軽度知的障害も分かる?知能検査は受けられる?2歳の子どもは、「おはよう」「さようなら」などの日常の挨拶をするようになったり、積み木や簡単なブロックを組み合わせて遊んだり、スプーンを使ってごはんを食べるようになったりする頃です。ただ、知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、以下のような様子がみられる場合があります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている(またはない)・言葉の理解が遅れている・コミュニケーション能力の発達の遅れから、衝動を抑えることが難しく、癇癪を起こしやすい・意思の発達の遅れから癇癪をほとんど起こさない・積木やブロックなどが積めない・クレヨンでぐるぐるとした曲線が描けない・簡単なごっこ遊びが難しい・スプーンを使えないなどの不器用さがある・運動面・知的面含め全体的に発達の遅れがみられる※上記は一例です知的障害(知的発達症)のある子どもには以上のような様子がみられることが多いと言われていますが、軽度知的障害(軽度知的発達症)の場合は学齢期までは目立った兆候が表れないことも珍しくありません。また、子どもの発達は個人差が大きく、上記のような様子がみられたからと言って必ず知的障害とは限りません。子どもの発達について不安がある方は、自己判断せず専門機関に相談するようにしましょう。参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知能指数(IQ)を測るための検査として知能検査があります。検査の種類ごとに受けることができる年齢が異なっていますが、その中で2歳から受けることができるものもあります。代表的なものの一つは田中ビネー知能検査で、2歳から受けることが可能です。もう一つはWPPSI(ウイプシイ)知能検査で、2歳6ヶ月から受けることができます。知能検査の結果は知的障害(知的発達症)の診断や療育手帳の取得のために使用されるほか、得意や苦手な領域が分かるため子どもへの関わり方や支援の参考としても活用されます。知能検査が受けられない場合には、新版K式発達検査を受けることもあります。知能検査・発達検査は発達外来を行なっている小児科、児童精神科などの医療機関、自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることができます。参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社2歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?言葉をなかなか話さないなど、子どもの発達の遅れが気になる場合の相談先を紹介します。かかりつけ医子どもの発達や育児について気になる場合は、予防接種や診察で行っているかかりつけの小児科に相談してみましょう。普段から子どもの様子を見てくれているので相談もしやすいです。保健所/保健センター保健所や保健センターは自治体ごとに設置されており、保健衛生に関する業務を行っているほか、医師や保健師などの職員が子どもの発達を含めた健康相談なども行なっています。保健センターでは子どもの定期健診も行っているため、その際に相談してみてもいいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受け付けている機関です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などの専門的な職員がいて、子どもの発達の遅れについても相談が可能です。また、療育手帳取得のための判定も行っています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは家庭と子どもの問題に関する総合的な窓口として、地域に設置されている機関です。相談・支援を担当する職員と、心理的な援助を行う職員がいて、相談対応や児童相談所と連携しての対応を行っています。児童発達支援センター児童発達支援センターは未就学児に対して、日常生活や社会生活に適応するための児童発達支援を提供している機関です。そのほかにも子どもの発達に関する相談を受け付けています。発達の遅れを相談できる窓口は以上のようなものがあります。ほかにも自治体に地域の子育て相談窓口が設置されていることもあるので、身近な相談先を探してみるといいでしょう。まとめ2歳頃になると、子どもは簡単な挨拶や積み木遊びなどをし始めます。しかし、知的障害(知的発達症)の子どもの場合は、発話や言葉の理解、手を使った動作などに遅れがみられる場合があります。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、このような様子がみられたからといって知的障害(知的発達症)があるとは言えません。発達の遅れが気になる方は、かかりつけ医や保健センター、児童相談所などに相談してみるといいでしょう。知能検査や発達検査を受けたいと考える場合も、医師や保健センター、児童相談所などに相談をしてみましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月29日いよいよ発達相談。悩める母の救いの手となるか!?保健師さんによる発達相談……相談したいことだらけ、分からないことだらけで毎日闇の中を手探りで進んでいた私たち親子にとって、唯一の救いの手のように思えました。この子の未来を、私たちの毎日を明るく照らせるような方法を、道を教えてほしい……。わらにもすがる思い、だったんです。その時は。Upload By よいこ「この子は普通の幼稚園で大丈夫なんでしょうか?」「家でできる療育はありますか?」 相談室に通されるなり矢継ぎ早に質問した私にも問題はあったのかもしれないし、今思えば無責任に答えられない側面はあったのでしょう。Upload By よいこけれど、対応してくれた保健師さんは戸惑いながら「それはちょっと分かりませんね」「あまり分かりませんね……」を繰り返すばかり……。のれんに腕押し感というか、発達相談に来た意味とは?と思わざるを得ませんでした。発達相談に来た意味はあったの?とりあえず児童精神科の予約を取ったけれど……思うような答えを得られないまま、発達相談の時間は終わりに近づいていました。保健師さんのすすめで、とりあえずその場で児童精神科の予約を取りました。半年後の……。いや、そこまで何もできず手をこまねいているのか!?こんなに不安を煽っておいて放置とかちょっと……。と軽い苛立ちと焦りを抱えつつ、結局ほとんど何も相談できずに発達相談を終えたわけです。この時の心境は……割と絶望寄り。あら、もしかして誰に聞いてもこの解像度?私の不安や苦しみってすくい上げてもらうことはできないの?言葉を尽くして説明しても伝わらない?響かない?……発達相談への期待が大きかった分、失望も大きかったんですよね。Upload By よいこ大きな失望の中、かかってきた一本の電話。そんなこんなで一週間ほどモヤモヤした気持ちのまま過ごしていたところ、一本の電話が鳴りました。それは前回とは異なる保健師さんからの電話でした。曰く、「あーくんの様子をお聞かせいただきたいので、一度お宅に伺ってもよろしいですか?」そう、保健師さんによるお宅訪問の予定伺いだったのです。「そんなのあるんだー」と承諾はしたものの、私の本当の気持ちは、めんどくさい、嫌だなあ……でした。そもそも前回の発達相談で、保健師さんに対して期待を裏切られたと感じていたので、何か解決策が得られるとも思えず、片付けるのも手間だし……と後ろ向きになっていたからです。でもまあ仕方ない。来るものは来るのだから。と半ばヤケクソ気味で迎えた保健師訪問。まさかこの時はこれが救いの一手になるとは1ミリも想像していなかったのでした……!Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:室伏先生より)よいこさん、発達相談にまつわるエピソードを共有いただき、ありがとうございます。親御さんとしては、発達の今後の見通しや通園に関すること、療育に通う必要があるのか、どんな療育が合うのか、ご自宅でお子さんに対してしてあげられることは何か、とっても知りたいですよね。よいこさんがされていたご質問は、発達外来でもよくご質問いただく内容です。そこで、分からないですね、お答えできません、ひとまず様子をみましょう、という返答ばかりでは不安になってしまいますよね。確かに、これらのご質問のお答えはお子さんによって異なりますので、発達外来の医師であってもお会いさせていただいたばかりでこれらの質問にお答えさせていただくことは難しいかもしれません。でも、その疑問の答えをどこで聞けるのか、今何かできることがないのか、そして今後のおおまかな方針だけでも聞くことができたら、安心できたかもしれませんよね。発達外来では、まずは親御さんのご質問内容をお伺いした上で、お子さんの評価を行い、それからご質問にお答えをさせていただくようにしています。とはいえ、この評価にはそれなりに時間がかかります。親御さんから困りごとや生活のご様子、これまでの発達のご様子をお伺いして、実際にお子さんのお話している様子や遊んでいる様子を観察し、診断、見立てをしていく必要があるからです。ですので、受診していただいた当日にはクリアな回答をお出しできずに、複数回の診察を重ねて少しずつお答えさせていただくことも多いです。保健師さんの訪問がどのようによいこさんを救ってくださったのか、よいこさんがまた別の機会に書いてくださるのを楽しみにしていますね。前の記事はこちら
2024年03月26日保育や児童発達支援など、11事業28施設を運営する株式会社SHUHARI(本社:埼玉県志木市本町5-8-5)では、児童発達支援センター 元気キッズ チルズ(埼玉県朝霞市)にて、継続的に実施しているグループ内児童発達支援施設の利用者を対象とした「ヘアカット体験会」の第6回を2024年4月に開催いたします。元気キッズ チルズ外観■生きるために必要なヘアカットを、楽しいものうれしいものと思ってほしい発達に課題を抱えるお子さんの中には、一般の理美容室でのヘアカットが難しい子がたくさんいます。慣れない場所で慣れない人がハサミやバリカンをもっているのでパニックになってしまう子も少なくありません。そんなお子さんたちにとって、生きるうえで必要なヘアカットを少しでも「楽しいもの」「うれしいもの」と感じてほしい。そんな思いから2023年に10月27日に第一回ヘアカット体験会が実施されました。■きっかけは現役の美容師さんからのお声がけ青野氏今回お力を貸してくださったのは現役美容師の青野 賢士氏。ヘアカットが難しい子どもたちへ、何か力になりたいという思いから今回ボランティアとしてご協力くださいました。元気キッズの職員とご友人で、何気ない話の中でご自身の想いが元気キッズなら実現できると、お声がけいただきました。■いつもの場所、いつもの人がいる環境で、ヘアカットに慣れていくヘアカット児童発達支援センター 元気キッズ チルズの一部屋を利用し始まった体験会。いつも通っている施設での開催ということもありすんなりヘアカットができる子、やっぱり慣れなくてヘアカットを拒否する子など様々な反応がありました。初回は「慣れること」を重視し、決して完璧なヘアカットとはいかない部分もありましたが前髪がさっぱりして「可愛い!」「かっこいいね」という声に笑顔で返してくれるお子さんも。青野氏も、体験会を行うたびに「今回はこうだった。ああした方がよかったかもしれない」など子どもたちへの関わりについて試行錯誤されながらカットをされています。完璧なカットではなく、子どもたちが安心した空間の中でのカットを心掛けてくださっています。■保護者からは予想を大きく上回る反響が初回の開催以来、保護者の皆様からはたくさんの反響をいただきました。人数にも限りがある中、「次はいつですか?」と言っていただくこと少なくありません。すでに5回の体験会を実施していますが、毎回希望者が殺到している状況です。元気キッズの児童発達支援を利用される保護者の皆様の中にも、お子様のヘアカットに対して大変な思いをされた方がこんなにも多くあることを再確認しました。継続して活動を行うことで、きれいに整った自分を褒められてうれしい!と感じられたり、ヘアカットに慣れ、いずれは外部の理美容室へ行けるようになったりできることを目指しています。今後も青野さんのお力をお借りしながら邁進してまいります。■この活動をもっと広げるためにこのヘアカット体験会は月に1~2回程度で実施しています。現在はグループの児童発達支援施設利用者の方を中心に行っていますが、ゆくゆくは地域の理美容室とも協力しながらこの活動を広めていきたいと考えています。第6回ヘアカット体験会は4月に開催予定です。詳しくは下記のコーポレイトサイトのお知らせにて詳細を公開予定です。■元気キッズグループについて元気キッズグループロゴ「どんなGENKIもうけとめる」をコンセプトに多様なGENKIを認め合う保育・療育を理念とした、保育園や児童発達支援事業所を含むグループ。保育園から始まり、地域課題に向き合い、認可保育園、小規模保育園、埼玉県初の居宅訪問型保育、学童保育、病児保育、保育型児童発達支援、ペア指導型児童発達支援、相談支援など11事業28施設を埼玉県朝霞市、志木市、新座市で運営。インクルーシブな地域社会を作る事業、活動を行う。2023年には朝霞市から障がい児等療育支援事業を委託され、地域における障がい児支援の質の向上、医療的ケア児支援連携強化事業にも尽力している。また、代表 中村 敏也著書には「保育・療育で地域オンリー1になる 保育園運営の教科書」(かざひの文庫)、「発達が気になる子どもへの関わり方を教えてください!~発達障がい、グレーゾーン…」(かざひの文庫)がある。【会社概要】会社名 : 株式会社SHUHARI所在地 : 〒353-0004 埼玉県志木市本町5-8-5 中村ビル2階代表者 : 代表取締役 中村 敏也設立 : 2009年2月26日元気キッズグループHP: 事業内容 : 認可保育、小規模保育、病児保育、居宅訪問型保育、学童保育、保育型児童発達支援、放課後等デイサービスペア指導型児童発達支援、居宅訪問型保育、保育所等訪問支援、相談支援 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月25日母子共に強迫性障害(強迫症)私は23歳の時、強迫性障害(強迫症)を発症して入院していました。現在23歳の息子も23歳、ASD(自閉スペクトラム症)、知的障害(知的発達症)のほかに強迫性障害(強迫症)があり通院中です。私が実際に行った強迫性障害(強迫症)の治療には、薬物療法だったり、認知行動療法だったり、認知行動療法の中の暴露法だったり、森田療法などがあります。私は患者の会である自助グループに参加しているのですが、良い意味でとても凄く理屈っぽい議論が交わされ、多くの学びを得ています。ます。ただ、知的障害(知的発達症)のある息子には理解しにくい内容なので一緒には連れて行っていません。不安という感情を抱えながらなすべきことをなす私はある自助グループに通うようになり、このようなことを学びました。不安があったとき、みなさんはどのように考えますか?例えば飛び込み台から飛び込まなくてはならない状況の時、A.飛び込むのを止めるB.「怖くない、怖くない」と不安をかき消す言葉をかけながら飛び込むC.「怖い」と思いながらも、行動する。飛び込こんでみる飛び込み台の例は極端ですけれども、A.飛び込むのを止めると、これ以降も飛び込むことができできなくなります。B.怖くないという感情に意識が行きすぎてしまうと、反対に「怖い」という感情が強化されてしまいます。不安をかき消そうと不安にスポットを当てれば当てるほど、不安が増大してしまうからです。C.のように自分の自然の感情に蓋をしないで、その思いを持ちつつもともかく行動してみます。すると飛び込めた事実によって自信がつきます。このことを他のケースに当てはめてみたいと思います。私は著者で講演依頼を受けることもあるのですが、依頼を受けた時、とても苦しく不安な気持ちになります。というのも、緊張しすぎてお腹が痛くなるからです。過敏性腸症候群です(身体的には病気ではないのに、腸がギュルギュルしてしまう)。これを先ほどの例に当てはめると3つの方法があります。人前でスピーチをしなくてはならない時、A.話をすることをやめて、依頼を断るB.「あがってはならない」「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせてスピーチに臨むC.不安、恐怖を抱えながらなすべきスピーチを行う人は自分の感情を自分の気合や努力で何とかできると思ってしまいますが、心臓や胃の動きを自分でコントロールできないように、自然に沸き起こる恐怖を自分の力でなくすことはできません。不安という感情はそのままにして、なすべきこと(飛び込む、スピーチをする)に意識を向け、それを行う。飛び込めた、スピーチできたという体験を通して自信になり、そのことによって不安という感情を抱えながらなすべきことをなせるようになるのです。このように考えながら、強迫性障害(強迫症)とつきあっています。定型発達の子とわが子を比べてしまう“比べる病”もコントロールできない感情。自分を責めてはいけないこの考え方は、発達障害のある子どもの育児でも参考になります。パートナーがいない時結婚式に招かれて、幸せな友人を見て素直に喜んであげられない自分を責める。妊活仲間が妊娠しても、自分の不妊治療がうまくいかないと「おめでとう」と素直に喜べない。これらも自然な感情です。「こんな風に思ってしまう私はなんて器が狭いんだろう。ダメな人間だ」と自分を責めてはならないと思うのです。同様に定型発達の子を見ては比べてしまい、「羨ましい」と思う。これも自然な感情、自分ではコントロールはできません。抑えつけてしまい「他の子をうらやむ自分はなんてダメな母親なんだ」と自分を責めないでほしいと思います。責めれば責めるほど、ますます、自分を追い込んでしまうからです。強迫性障害(強迫症)での体験を通して、自分の心から湧き上がる感情はコントロールできないことを私は学んでます。自分を責めない……まずそこを前提として、発達障害があるわが子と向き合うことが大切だと思っています。執筆/立石美津子(監修:森先生より)「自分の感情を否定しない」ということは大切ですね。人間誰しも、時にネガティブな考えが頭に浮かぶことはあります。そんな時に自分の感情に蓋をしてしまうと、後々になって感情が爆発したり、うつ病や心身症などの問題となってしまうことがあります。また、つらい状況であることが周囲からもわかりにくく、周囲から手を差し伸べることが難しくなってしまいます。不安、恐怖、嫉妬などなど……ネガティブな感情も、自分自身の心を構成する要素のひとつです。立石さんのように、ネガティブな感情も含めて受け入れて、感情とうまく付き合っていく方法を探していけるといいですね。前の記事はこちらUpload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月25日京都の保育園の挑戦ーー『保育園に心理士がやってきた 多職種連携が保育の質をあげる』Upload By 発達ナビBOOKガイド京都市にある認可保育所「みぎわ保育園」は、全国でも珍しい常勤心理士がいる保育園です。本書には、9年前まではごく一般的な保育園だったみぎわ園が、保育園に心理士を導入し、現在の「ユニバーサルデザイン保育」にまでたどり着いた道のりと共に、心理士や保育士など多職種の専門家たちが連携し、保育の質の向上をめざした同園の取り組みが紹介されています。「保育園で常勤の心理士を雇用する」、この理想を実現するにはたくさんの試行錯誤、汗と涙と、そして笑顔がありました。同園が発達支援分野に力をいれるようになった経緯から、保育現場に心理士の存在が受け入れられるまでのストーリー、保育園心理士の基本姿勢と専門性の活かし方や、みぎわ園における保育園心理の具体的な役割などが、数々のエピソードと共に記されています。そして、保育士と心理士だけではなく、保護者も地域の人々も、多くの目と手が関わり、連携することによって、障害があってもなくても、子どもをみんなで受け入れて育てていく社会を実現する。その方法の一つを、この本は提示してくれています。だれでも楽しく取り組めるーー『絵をみてまねっこ!いっしょにできたねおしゃべりカード』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、言語聴覚士の寺田奈々先生が相談室でおこなっている言葉の練習を、だれでもどこでも取り組めるように考案した言葉の発達支援教材です。「言葉を理解しているけれど、おしゃべりが苦手」「言える音が少ない」「おしゃべりが著しく不明瞭」「断片的・部分的なおしゃべりが多い」「身振りで伝えることが多い」など、このような悩みがあるお子さんに向けてつくられています。企画・監修の寺田奈々先生は、子どものことばの発達全般・吃音・発音指導・学習面のサポート・大人の発音矯正を専門とし、総合病院や区立障害者福祉センターなどに勤務。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わっています。臨床のかたわら、「おうち療育」を合言葉にこれまでも数々の教材を発表しています。子どもが絵を見てまねをすることで言葉の発達を促すことを目的とした本書は、言語聴覚士の視点で選んだ言葉の練習に用いりやすいフレーズが書かれた50枚の「おしゃべりカード」、動物のイラストが描かれた5枚の「お口のたいそうふだ」、ガイドブックで構成されています。ガイドブックには、カードの使い方や練習方法だけではなく、発音の仕組みなど言葉の発達に関する基礎知識もやさしく解説されています。かわいいイラストが子どもの興味を引き、おうちで楽しみながら取り組めるように工夫された本書。「いっしょにできたね」と、わが子の成長を感じられるひと時も与えてくれるのではないでしょうか。2つの障害はどう関連するのかーー『知的障害と発達障害の子どもたち』Upload By 発達ナビBOOKガイド令和4年度の文部科学省の調査では、小・中学校の通常学級では特別な配慮が必要だと思われる子どもは8.8%いるという報告がされました。発達障害の特性がある子どもが多く含まれると考えられますが、そのなかには軽度知的障害や境界知能に該当する子どもが見逃されている可能性もあります。さらに、知的障害(知的発達症)のある子どもが在籍している特別支援学級・特別支援学校を合わせると、義務教育期間中の全体の一割以上は特別な配慮が必要な子どもたちなのです。本書では、発達ナビにもご寄稿いただいている精神科医の本田秀夫先生により「知的障害とは何か」「知的障害と発達障害にはどのような関連があるのか」「知的障害がある子をどうやって育てていけばいいのか」が分かりやすく解説されています。さらに、気づかれにくい軽度から境界知能についても言及されています。知的障害がある子どもの支援において大切なことは「早く」と「ゆっくり」であると本書では記されています。「早く」早期発見・早期支援を指しますが、「ゆっくり」も支援において重要なキーワードとのこと。前半では、発達障害と知的障害の基本を、後半では「ゆっくり」の意味の解説と、「ゆっくりな子どもをどう育てていくのか」が丁寧に紹介されています。本田先生の豊富な臨床経験から紹介されたさまざまな事例と、医学的知見に基づいたよりよい接し方を盛り込んだ本書。保護者はもちろん、園や学校の教育現場、支援者や医療関係者など、日々子どもたちと接する方にとって、手元に置いておきたい一冊となるのではないでしょうか。この街で生活していいんだと思えるためにーー『地域で育ち、地域で暮らすを支える発達支援』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、「障害がある子どもたちが地域で育ち、地域でくらすことを支援するためにどうしたらよいか」ということを、編著者の社会福祉法人青い鳥川崎西部地域療育センターが、これまでの数々の実践とエビデンスに基づく支援の方法をまとめた一冊です。川崎西部地域療育センターの開所は平成22年ですが、運営している法人「青い鳥」は50年以上の歴史があります。法人の設立当時は発達について継続して相談するところもなく、障害がある子どもをどのように育ててよいものなのか保護者たちは途方に暮れた時代でした。そのような中、法人「青い鳥」は、長きにわたり、子ども・家族・地域と向き合い、試行錯誤を重ねてきました。本書の特徴は教科書的な内容ではなく、これまで職員たちが出会ってきた子どもや家族との実践が、その温度感や手ざわり感と共に届けられていること。また、子どもたちのために開発された教材や、支援の具体例などがたくさんの写真や図表を用いて紹介されています。子どもを一人の人間として尊重し、専門職が家族と協力して、地域でその子ならではの生き方を貫くためのヒントがぎっしりと詰まった本書。子どもの支援に関わるすべての人に習得してほしい知識や技術、そして感動までもが満載です。親も子どもも笑顔になれる子育てのヒントーー『育ててわかった 発達障害の子の就学・就労・自立の話』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は発達ナビでライターとしてコラムを執筆中の立石美津子さんが、ASD(自閉スペクトラム症)のある息子さんを出産し共に歩んだ23年間をまとめた一冊です。障害がある子どもを出産し、たくさんの壁を乗り越えてきた立石さんが伝える、親と子どもも笑顔になれる子育てのヒントがまとめられています。発達障害を理解し、親として子どもとの向き合い方を学べる一冊です。障害受容、療育選び、カミングアウト、学校選びなど、子どもの将来を左右する大切な分岐点で、親としてぶつかるさまざまな悩みと解決方法を、立石さんと息子さんのエピソードを交えながら具体的に記されています。第1章ではASD(自閉スペクトラム症)の息子さんの体験から綴られた「発達障害がある子の特徴」について、第2章では障害と向き合う心構えについて、第3章では子育てで気をつけたいことが、自身の体験をベースに記述。さらに第4章では学校選びのポイントや、第5章では大人になってからの向き合い方についてなど、成人した子どもをもつ保護者ならではのエピソードが共有されています。最後の第6章では、保育者や支援者との関わりの中で感じたことなど、発達障害の理解を深めるために保護者として今感じることが書かれています。発達に課題があるお子さんのことで悩んでいる保護者の役に立ちたいという想いを込めて執筆された本書。同じ立場だからこそ伝えることができる子育てのヒントや、発達障害がある子どもを育てる気持ちなど、共感しながら学べる一冊ではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月24日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)は論理的思考力や計画、判断など勉強に必要となる知的能力と、社会的なコミュニケーションなどの適応機能の遅れが発達期(おおむね18歳まで)に見られる障害です。知的発達症などと呼ばれることもあります。継続した支援がない場合、知的障害(知的発達症)のある人は、家庭や学校、職場などさまざまな状況において、コミュニケーション面や行動面、学習面などで困り事が多く表れると言われています。参考:知的障害(精神遅滞)|厚生労働省 e-ヘルスネット参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版知的障害の種類は?知的障害(知的発達症)の基準は、行政や医療などによって違いがありますが、多くの場合、障害の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。分類はIQで表される知能指数と、社会的な能力である生活能力(適応能力)の両方を考慮したうえで行われます。厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。以下の表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。例えば知的指数(IQ)が軽度相当の51だとしても生活能力(適応能力)が最も困難を示すaの場合は「中度知的障害」と判定されることもあります。Upload By 発達障害のキホン参考:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省厚生労働省での知的障害(知的発達症)の程度ごとの状態の目安は以下のようになっています。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、aからdの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助要 /できる・用便(月経)の始末:一人でできる/介助要/できる・衣服の着脱:一人でできる/介助要/できる・簡単な買い物:一人でできる/介助要/できる・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。なお、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が親から子へ遺伝するのか気になる方もいると思います。知的障害(知的発達症)の原因は一つだけでなく、さまざまな要因が重なっている事が多い傾向があります。遺伝も要因の一つですが、まれだと言われており、ほかの原因により知的障害(知的発達症)が生じる場合もあります。知的障害(知的発達症)の原因としては、遺伝以外にも妊娠中の感染症、母体の低栄養、アルコールや薬物の影響なども考えられています。また、出産時や出産後の低酸素症や脳感染症、頭部への負傷なども原因となり得るとされています。遺伝子疾患、染色体疾患など、先天性の疾患が原因で知的障害の症状が表れる場合もあります。なお、上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害があるというわけではありません。このように、知的障害(知的発達症)には遺伝的な要因もありますが、遺伝以外の要因によっても生じる可能性もあります。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版1歳ごろに知的障害の症状は表れる?発達の遅れ、違和感、1歳半健診などここでは、知的障害(知的発達症)のある1歳児に表れる症状について紹介します。1歳頃の赤ちゃんは簡単な言葉を発したり、一人でおもちゃ遊びをしたり、いないいないばあをして笑ったりといった様子が見られ、食事の面では離乳食から普通食へ変わり、スプーンも使えるようになってくる頃と言われています。知的障害(知的発達症)のある子どもは以下のような様子が見られることがあります。・おもちゃで遊ばない・あまり笑わない・あまり泣かない/いつも泣いている・つかまり立ちをしない・歩かない・喃語を話さない・保護者の言葉に反応しない・かむ力が弱く離乳食が進まない・全体的に発達の遅さが見られるただ、上記のような様子が見られるからといって、必ずしも知的障害(知的発達症)というわけではありません。赤ちゃんの発達は個人差があることや、ほかの病気や障害が背景にある可能性もあります。心配な様子がある場合は、後ほど紹介する相談窓口に問い合わせてみるといいでしょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考: 0歳児から2歳児の発達過程|東京都保健福祉局保健センターで行われる乳幼児健診に1歳半健診があります。1歳半健診では子どもの発達について詳細な質問項目が用意されていて、発達が年齢相応かどうかを測ることができるようになっています。1歳半健診における質問項目をいくつか抜粋して紹介します。・絵本を見て知っているものをさしますか。・周りの人の身振りや手振りをまねしますか。・自分の好きなおもちゃで遊びますか。・かんしゃくをよく起こしますか。・手をひかれて階段を上がることができますか。・手足の動きがぎこちなく突っ張った感じがありますか。・鉛筆を持ってなぐり書きをしますか。・スプーンを使って食事ができますか。・大人の言う簡単な言葉が分かりますか。(おいで・ねんね・ちょうだいなど)・何かに興味を持った時に、指さしで伝えようとしますか。などこういった項目にはい/いいえで回答していき、発話や人への興味、指さし、運動面などで発達の遅れが見られる場合は、医師からアドバイスなどがもらえることがあります。また、気になることがあれば保護者から医師や保健師などに相談することも可能です。参考:乳幼児健診における標準的な項目一覧|厚生労働省1歳ごろに表れる知的障害の症状をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?普段の様子や周りの赤ちゃんと比較して、うちの子は発達が遅れているのではと心配な保護者もいると思います。また、1歳半健診では「様子見」と言われたが、やはり気になるという場合もあるでしょう。そういったときに相談できる窓口がありますので紹介します。かかりつけの小児科予防接種や健診で定期的にみてもらっているかかりつけの小児科にまずは相談しましょう。定期的にお子さんの発達をみてもらいながら、必要だと思われる福祉的な支援などについても相談してみても良いでしょう。保健所/保健センター保健所も保健センターも、地域における保健衛生を担当する専門機関です。子どもの発達に関しても相談でき、医師や保健師など専門的なスタッフが相談に対応しています。児童相談所18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけている機関で、発達の遅れについても相談することが可能です。児童福祉司、児童心理司、医師、保健師などのスタッフが対応しています。児童家庭支援センター身近な地域で子どもに関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れに関してもアドバイスがもらえるほか、児童相談所などと連携した対応も行っています。児童発達支援センター障害のある子どもが通いながら、日常生活や集団生活への適応を目指してさまざまなサポートを受けることができる場所です。児童指導員、保育士、医師など専門のスタッフもいて、発達の遅れなど気になることを相談することもできます。まとめ知的障害(知的発達症)は知的能力と適応能力に遅れがあり、支援を受けていないと身の回りのことや学習などで困り事が生じる場合があると言われています。知的障害(知的発達症)の子どもは、1歳頃から今回紹介したような様子が見られる場合があります。しかし、子どもの発達は個人差が大きいものです。子どもの発達が遅いなど気になることがある場合は、不安を抱え込まずに1歳半健診の際に相談したり、そのほか相談できる専門機関に問い合わせてみたりするといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月23日発達障害のある大学生が受けられる「合理的配慮」って?合理的配慮とは、障害のある人が社会生活を送るにあたって、社会の中にあるバリアによって生活が送りづらかったり、困ったりしている際に周りの人や事業者などが負担が重くない範囲で対応することが求められるものです。令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化され、学校や事業者と障害のある人が対話を重ね、一緒に解決策を検討していくことがより重要になってきます。参考:リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」|内閣府発達障害(ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、SLD/LD(限局性学習症)など)のある大学生は以下のようなことに困りやすい傾向にあります。・朝起きられない(睡眠トラブル)・友達トラブル・突然の予定の変化が苦手・マルチタスクの作業が苦手・空気を読むのが苦手・課題を溜め込んでしまう・履修表の登録方法が分からない・大勢の前での発表ができない・不器用さ・整理整頓ができない・時間が守れない・字を書くのが苦手、読むのが苦手、簡単な計算ができないなど※上記は一例ですこのコラムでは、「支援の手厚い大学」の見分け方、大学の合理的配慮の具体例、大学への伝え方、よくある困りや対策など、発達障害のある大学生の困りについてのギモンを専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。発達障害のある子どもの大学生活が不安!大学選び、合理的配慮の具体例、よくある困りなど専門家が回答ここからは鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生に、発達障害のある子どもの大学生活についての質問にお答えいただきます。Q:子どもに発達障害があります。大学進学を目指していますが、大学によって支援の手厚さは異なりますか?異なる場合は、どのようにしたら手厚い支援が受けられる大学なのかを見分けられるでしょうか?A:大学の規模、学生の人数、学部によって受けられる合理的配慮の幅は異なります。オープンキャンパスなどで直接学部を見学し、必要であれば質問してみましょう。特に、実習が卒業の必須条件になっている場合、その内容や必要な配慮について予め調べておくことが大切だと思います。Upload By 発達障害のキホンQ:発達障害のある生徒は大学でどのような合理的配慮が受けられるのでしょうか?具体例が知りたいです。A:すべてのニーズに対して合理的配慮が得られるわけではありませんが、提出物の期限の延長とリマインドや授業中の配布物や板書の撮影、別教室での試験や試験時間の延長、パソコンの使用などがあります。これらは本人との話し合いの中で決定されます。Upload By 発達障害のキホンQ:子どもに発達障害があり、配慮してほしい項目がいくつかあるのですが、大学にどこまで伝えていいのか悩みます。過保護だと思われないでしょうか?A:過保護だと思われるかもとのご心配は不要です。修学に際しての保護者からの相談を受けることはありますが、合理的配慮の実施に関しては基本的に本人からの申し出が必要となります。できれば高校生の頃から、親御さん以外に自らのニーズを相談できる体験をしておくと良いと思います。Upload By 発達障害のキホンQ:一人暮らしで起きられない、提出物の期限が守れない、単位の計算ができず卒業できなかったらどうしよう……大学入学後に起こりそうな困りに不安を感じています。合理的配慮の範疇からは外れてしまう場合もあるかもしれませんが、発達障害のある大学生のこのような困りへの対策が知りたいです。A:合理的配慮で解決すべきか、個々の工夫や対応によって解決すべきことかの判断はケースバイケースで変わってきます。それらを整理していく意味でも学内の相談機関を利用していくことが大切です。本人が大学の学生相談室に行けることで単位履修や授業への出席、実習中の困り事などさまざまなことに対して相談が可能になります。入学前に学生相談室や相談センターについて情報を集めておくと良いと思います。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月21日大人になったときの状態から「逆算」する私は知的障害のあるお子さんの親御さんと話すときに、例えばこんなことをお伝えすることがあります。「お子さんは将来、スーパーマーケットに買い物のリストを持っていって、必要なものを購入してくることは十分にできそうです。ただし、金額の複雑な計算は難しいかもしれません」そして、その見通しから逆算する形で「いま教えたら身につきそうなことを一緒に考えていきましょう。例えば、買い物リストを見ながら必要な商品をカゴに入れることはできそうですから、練習してみましょう」といったことを具体的に提案するわけです。本人が着実に身につけていけることを考える本人が一人で買い物リストをつくることや、必要な金額を計算することは難しいかもしれません。そのようなことを教えても、適切な支援にならない可能性があります。それよりも本人が着実に身につけていけることを考える。そして家族にはサポートの仕方を知ってもらう。そのような形で、支援の枠組みを考えていくのです。家族が買い物のリストと代金を用意する。本人はそれを持って買い物に行く――そのような枠組みで、生活習慣を習得していける場合があります。仕事についても同じようなことが言えます。例えば、職場側にマニュアルを用意してもらえれば、それにそって作業を行うことはできるという人もいます。知的障害の子育てではそのような形で、本人に合った枠組みを整えていくことが大事です。親御さんがお子さんに対して「こういう支援があれば、こういうことができる」という見通しを持てれば、それをほかの人に伝えることができます。家族や園・学校の先生、療育機関の支援者、職場の関係者、ヘルパーさんなど、お子さんに関わる人たちに「こういうところを手伝ってください」と、具体的なお願いができるようになるのです。ピアジェの「認知発達理論」を参考に「逆算」を考えるときに、参考になる理論があります。スイスの心理学者ジャン・ピアジェが提唱した「認知発達理論」です。ピアジェは子どもの認知の発達を、次のように4段階に分けて説明しました。・感覚運動期(0〜2歳頃)赤ちゃんはおもちゃを手でさわったり、口にくわえたりして、ものとして認識します。ピアジェは、乳幼児期の子どもは感覚と運動によってものごとを理解していると考え、この時期を「感覚運動期」としました。・前操作期(2〜7歳頃)幼児期になると子どもは、言葉を使ってものごとを理解するようになります。しかしまだ理解があやふやで、情報をうまく扱うことはできません。ピアジェはこの時期を、ものごとを頭の中で「操作」する前の時期ということで「前操作期」としました。・具体的操作期(7〜11歳頃)小学校に入るくらいの年代になると、子どもはものごとを具体的に理解できるようになってきます。ピアジェは情報を「操作」すること、つまり論理的に考えることも、少しずつできるようになると考えました。一方で、この時期にはまだ抽象的な思考、例えば仮説を立てることなどは難しいとされています。・形式的操作期(11歳頃〜)ピアジェは11歳頃から認知の発達が次の段階に進むと考えました。この頃から、子どもは抽象的に考えることができるようになっていきます。頭の中で仮説を立てたり、一般論を考えたりするようになります。知識を使って、形式的に考えられるようになる時期ということで、「形式的操作期」とされています。ピアジェの認知発達理論を参照すると、知的機能がどのように発達していくのかがよく分かります。それによって、知的障害のあるお子さんへの支援を検討しやすくなります。大人になって「抽象的な思考が難しい」場合認知の発達には4つの段階があるわけですが、知的障害のあるお子さんの場合、将来的にも具体的操作期の段階にとどまる可能性があります。中等度よりも重い知的障害がある場合には、その可能性が高いでしょう。大人になったときに「抽象的な思考が難しい」状態だと想定される場合もあるわけです。その場合、成人期に「状況に合わせて臨機応変に立ち回る仕事」に就くのは難しいでしょう。各部署の思惑を察して社内調整をするような業務は、おそらくできません。そのような将来像を目標にしてしまうと、幼児期や学齢期に適切な支援ができなくなります。一方で、その子は将来「具体的なものを取り扱う定型的な仕事」であれば、問題なくこなせる可能性があります。そういった見通しから逆算して、今から取り組んでいけることを考えるのが「逆算の支援」です。例えば、まだ学齢期でも「一定の作業を何時から何時まで実行する」「作業が終わったら報告する」といった習慣を身につけることはできるかもしれません。将来像から逆算してそのような取り組みを考えていくと、子どもの成長をサポートできます。認知発達理論は算数・数学にも当てはまる発達の段階によって、学べることは違います。これは学校の勉強にも当てはまる話です。小学校では「算数」を学習します。中学になると「数学」になります。算数では、主に身近なものごとが扱われます。日常生活の中でも使うような、例えば人数や、ものの大きさなどを計算します。算数では、具体的なことを主に学ぶのです。それに対して数学では、抽象的なことも学んでいきます。xやyなどを使って関数の計算をしたり、「n」という記号を自然数とみなしたりします。この違いは、ピアジェの認知発達理論とおおむね一致しています。「数学は難しいが算数は分かる」状態でできる支援11歳ぐらいまでは具体的なものごとを扱い、その後少しずつ、抽象的な思考を広げていく。xやyのような抽象的な概念を扱うためには、一定の理解力が必要になるのです。これまでに何度か述べた「抽象的な思考が難しい」状態というのは、算数と数学の例で言えば、「数学を理解するのは難しいけど、算数は分かる」というようなものです。そのようなイメージを持って、逆算の支援を考えるのもいいかもしれません。大人になったときに「数学レベルの計算はできないけど、算数レベルの計算はできる」と考えると、例えば金銭管理でも、どの程度のことを教えればしっかりと身につくのかが、検討しやすくなるのではないでしょうか。Upload By 本田秀夫(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月21日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、おおむね18歳までに思考力や計算力などの知的能力と、社会生活を営むための適応能力に遅れがみられる障害のことです。症状としては、言葉や文字の習得の遅れ、意思疎通の困難、ルールの把握の困難、食事や着替えなどの身の回りのことの困難、学校での学習の遅れなどがあります。行政や医療などによって知的障害(知的発達症)の基準には違いがあります。多くの場合、障害の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。分類はIQで表される知能指数と、社会的な能力である生活能力(適応能力)の両方を考慮したうえで行われます。医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:知的障害(精神遅滞)|厚生労働省 e-ヘルスネット参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が生じる要因の一つに遺伝があります。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。遺伝以外にも出生前の感染症や染色体異常、出生後の頭部損傷や感染症などさまざまなことが要因となり得ます。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版0歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状、発達の遅れ、違和感0歳の赤ちゃんには身体面、神経面で知的障害(知的発達症)の特徴が表れることがあります。身体面では頭の大きさや手や足の形などに異常がみられる場合があります。また、運動機能の発達が遅れることで、寝返り、座る、立つなどといった動作が0歳の間にみられないといった場合もあります。ほかにも、けいれんや嘔吐、尿の匂いの異常、哺乳不良などが兆候として表れることがあります。これらは、背景に遺伝的な疾患や感染症などがあるために生じる兆候だと言われています。なお、この上記のような症状がみられる場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。知的障害(知的発達症)がある場合、運動発達面での発達の遅れなどがみられることが多いとされています。例えば、下記のような症状があげられます。・あまり泣かない、またはいつも泣いている・首が座るのが遅い・寝返りをするのが遅い・座位をするのが遅い・ずりばいをしない・ミルクの飲みが悪い・低緊張がある・全体的に発達の遅れがみられるただ、ほとんどの子どもには幼稚園に入る3歳頃までは、周りが気づくような症状はみられないとも言われています。また、0歳の赤ちゃんの発達は個人差が大きいため、上記のような様子がみられて心配な場合は、専門機関に相談するようにしましょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:山田 和孝著「精神遅滞児の運動発達面でのスクリーニング検査」『 脳と発達』26巻(1994)6号 p. 498-5030歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?0歳の赤ちゃんに前の章で紹介した様子がみられたり、発達の遅れが気になる場合に相談できる窓口が複数あります。心配な気持ちは家庭だけで抱えるのではなく、専門機関に相談するといいでしょう。かかりつけの小児科予防接種や健診で定期的にみてもらっているかかりつけの小児科にまずは相談しましょう。定期的にお子さんの発達をみてもらいながら、必要な福祉的な支援などについても相談してみてもいいでしょう。保健所・保健センター保健所や保健センターは地域の保健サービスを担っている機関で、子どもの発達に関しての相談をすることもできます。また、保健センターでは0歳児だと1ヶ月健診、3~4ヶ月健診など複数回乳幼児健診の機会があるので、気になることがあればその際の相談してみるといいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談に対応している機関で、発達に関する相談も受けつけています。また、知的障害(知的発達症)の判定も行っています。児童家庭支援センター18歳未満の子どもに関する悩みについて、身近な地域で相談ができる場所です。発達に関する相談もでき、状況に応じて児童相談所などとも連携を取りながら支援を行っています。児童発達支援センター障害のある子どもが通いながら、日常生活や集団生活に適応するためのさまざまなプログラムに取り組んでいく場所です。発達に関する相談も受けつけています。まとめ知的障害(知的発達症)は知的能力と適応能力が低いことで、生活や学習などに困難が生じる障害のことです。0歳児から表れる兆候としては、ほとんど泣かない、またはよく泣く、ミルクの飲みが悪い、寝返りが遅い、首が座るのが遅い、ずりばいをしないなどがあげられます。ただ、知的障害(知的発達症)は多くの場合、3歳頃までは周りの人が気づくような目立った症状はみられないとも言われており、上記の症状がみられたからといって必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。気になる様子があって心配という方は、まずは乳幼児の発達について相談できる窓口に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月20日発達障害グレーゾーン小学生、特別支援学級に在籍。思春期・反抗期を迎えた時に二次障害を起こさないか不安ですQ:発達障害グレーゾーンの子どもがいます。幼少期から多動や癇癪、こだわりが激しく、就学前のWISC検査で発達にかなりの凸凹があることが分かりました。小学校では特別支援学級に在籍し、放課後等デイサービスにも通っており、今のところ大きな困り事はありませんが、思春期・反抗期を迎えた時に二次障害を起こさないか不安です。トラブルが起きないよう今からできることはないのか知りたいです。A:学校では個に合わせた教育環境を整えることで、二次障害の原因になる心理的負担を減らしたり、対人関係スキルを学びトラブルを減らしたりできると思います。家庭では、本人が困ったことなどについて親子で気軽に話せる関係を築いていけるといいでしょう。Upload By 発達障害のキホンこのケースのお子さんの場合、特別支援学級に在籍しておられるということですが、個に合わせた教育環境を整えることで、失敗経験の積み重ねによる不安や抑うつなど、二次障害の原因になる心理的な負担感を和らげることができると思います。加えて、対人関係のスキルを学ぶことで、トラブルなどを減らすこともできると思います。※法的には特別支援学級入級に際して医学的診断は必須ではありませんが、求められる地域もありますので注意が必要です。ただし教育的評価は必要です。中学校段階では、引き続き特別支援学級に籍を置いて学習面を伸ばすことを重視する場合と、通常学級に籍を移して大勢のクラスメートの中での学習に慣れていくことを重視する場合があります。これらの方向性は一人ひとりのニーズや状態、クラスメイトや学級担任などの環境要因によって変わっていきます。家庭では過剰に心配する必要はありませんが、本人が困ったことやつまずいていることに対して、親御さんと気軽に話題に出せたり相談できたりする関係を築いていけるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年03月16日樹里さんには2歳年上の姉・海さんがいます。海さんには発達障害があり、樹里さんはいわゆる「きょうだい児」であり、「ヤングケアラー」でした。そんなある日、日ごろ我慢していた気持ちが爆発し、お母さんに不満をぶつけた樹里さん。そしてそれ以降、家にいるときは部屋からほとんど出なくなったのでした。家事の手伝いもする気になれず、引きこもりがちになった樹里さん。それでも学校へは通っていたのですが、今度はその学校でもある問題が……。「家にいるくらいなら…」妹が選んだのは…? ※話し→話 中学校での友人関係もうまくいかず、家でも海さんと喧嘩ばかり……。自分の居場所を見失った樹里さんはお母さんに「もう限界!」と訴えます。 そんな樹里さんの叫びを聞いたお母さんは、児童相談所の一時保護所の利用を提案。一時保護所がどんなところかわからない樹里さんでしたが、「お姉ちゃんと離れて暮らせるなら……」とお母さんの提案を受け入れるのでした。 ◇ ◇ ◇ 発達障害のお子さんが自傷行為をした場合、周りは過剰な反応をせず冷静に対応してください。自傷行為をよくしてしまう場合は、どんなときに起こっているのかを記録し、原因と思われるストレスを減らせるよう環境や接し方などを工夫すると良いでしょう。 しかし、家にいてもどんどん気持ちの余裕がなくなっていく樹里さんが、つい海さんにきつく当たってしまうのもしかたないと思う方は多いのではないでしょうか。 逃げ場のなかった樹里さんは、家族の状況がわかっていても自分の気持ちを吐き出す場所もなく、ただただ自分の中にため込んでいくしかなかったのかもしれませんね。 そんな中で、お母さんから提案された児童相談所の一時保護所の話。どんなところなのかは実際に見てみないとわかりませんが、樹里さんが少しでも落ち着けるような環境であればと願わずにはいられません。 >>次の話 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2024年03月14日「騒がしくてすみません……」謝ってばかりだった私が変わった3回の転機わが家には特別支援学級に通う小学校3年生の息子がいます。診断は重度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)ですが、ADHD(注意欠如多動症)とLD・SLD(限局性学習症)の傾向もあります。息子が2歳頃は、大きい声で迷惑をかけないようにしないと気を張り、「すみません……騒がしくして……」と周りにあやまってばかりでした。そんな中、息子が3歳、4~5歳、6~9歳の頃、育児の転機を経験しました。Upload By ユーザー体験談3歳の頃訪れた転機は「母」3歳の頃、1ヶ月ほど母、息子、私の3人で一緒に暮らしたことがありました。それまでも年に1、2回は帰省していましたが、長期間一緒に暮らすのは産まれてすぐの時以来でした。この頃の息子は、癇癪を起こすとジャンプしたり、壁を叩いて大きな音を出したり、大声を出したり。でも、注意すると逆効果でますます癇癪を起こしてしまうので、「おいで」と膝に座らせてお話をしたり、別の話題で気持ちを切り替えさせたり、物を投げそうな時は「こっちだったらいいよ」とタオルを渡したりしていました。お気に入りのラムネを準備しておいて、おやつ時間にして切り換えタイミングにしたりもしていました。母へは「息子に手がかかって大変だ」という話はよくしていたのですが、実際に目の当たりにしてびっくりしたのでしょう。「本当にこの生活は大変よ。全部一人でやってるんだもん」と分かってくれました。Upload By ユーザー体験談それからは、家族などで外出や外食の話題が出た際に、私が「いやぁ、食べるもの限られてるし、まだオムツだし、温泉一緒に入れないし、バス乗れないし……」などと話していると、母が「ほんとよ!この子連れていくのは大変だと思うわ。一緒に生活してみてよく分かった!」と味方をしてくれるようになりました。自分の口からいくら伝えても理解してもらえないときがあったのですが、第三者である母による、実際に経験したうえでの言葉は伝わりやすかったのだと思います。家族や親戚へ説明するのはなかなかの負担だったのですが、母が担ってくれるようになり、また一緒に面倒を見てくれるたことで、とても救われました。「彼はこのままでいい」という自由を与えてくれた海外生活2回目の転機は、年少の時から2年間海外赴任帯同で息子も連れて行ったことでした。それまで日本で通っていた幼稚園では、椅子に座らず歩きまわる息子をほぼ放置。歯磨きやお弁当箱の片づけについて、教えられた通りにこなす息子に笑顔はありませんでした。そんな環境のあと、海外で入った保育園に驚き!園中の先生が無理なく、しかし教えるべきことはしっかり教えながら息子に寄り添って下さいました。お迎えに行くと、園長先生のオフィスで先生の膝に座って一緒にパソコンでお絵描きしていたり、先生が仕事をする横に座って窓の外を眺めたりしていたこともあり、日本で通っていた幼稚園では考えられない「彼はこのままでいい」という自由を与えてくれました。個を大事にする、みんなと同じでなくてもいい、子どもらしさを大切にしようというおおらかさがあって救われました。Upload By ユーザー体験談この時、私自身が本当の意味で障害受容ができたと思います。周りの人に積極的に息子の障害のことを話して理解を求めたり、それでも息子のこんなところがすごいということを伝えるようになりました。放課後等デイサービスでどんどん成長した息子3回目は日本に帰国したあとに療育手帳を取得し、小学校の特別支援学級と放課後等デイサービスに通えるようになったことです。特に放課後等デイサービスはとても良い施設と出合え、明るい先生たちのご指導で困りごとが改善していき、いろいろなことができるようになりました。とても根気強く、スモールステップで対応してくださったので、息子は毎日学校と放課後等デイサービスを楽しみにし、どんどん成長していきました。スタート当初はおやつも1種類しか食べられなかったので持参していたのですが、好きなおやつの日を挟みながらいろいろな種類に挑戦させてくれ、息子が気に入る新しいおやつ(バウムクーヘン)を見つけてくれました。全員で取り組むダンスに参加したくない場合は、決まった場所に座って見るなどルールを作って許すなど、無理をさせ過ぎず、かといって自由にさせ過ぎない。ちょっと頑張る日もつくるという、ちょうどよいバランスをはかりながら、支援に取り組んでくれています。おかげで、最近ではお友達との交流もできるようになり、施設内や送迎の車内でも、声を掛け合いながら楽しそうに遊んでいる様子も見られるそうです。土曜日にはいろいろな公園や施設に連れて行ってくれるのですが、3年生になったくらいからは、放課後等デイサービスで行って楽しかった場所をママともいきたいと、日曜に私を連れて紹介してくれます。思い出や感情を分かち合いをしたいというところまで成長してくれたんだな~と日々感動しています。Upload By ユーザー体験談私だけで抱え込む必要はないこれらの3つの転機は、自分だけで子育ての悩みを抱え込む必要がないことを実感させてくれました。両手を広げて迎え入れてくれる存在は、息子にとっても、私にとっても、安心して息をつける時間を作ってくれています。息子が周りのたくさんの方に愛情を注いでくださっている分、息子の笑顔も増え、私も救われているということに、この文章を書きながら改めて気づきました。今後は、息子と一緒に新しい地へ旅行をして、一緒に新しい体験をしたいなと思っています。まだ将来のことは正直よく見えないところがありますが、楽しい思い出をたくさん作って、楽しい記憶でいっぱいの人生にしてあげたいです。イラスト/マミヤエピソード参考/おかんレベル9(監修:鈴木先生より)日本と海外では教育の仕方が全然違います。私自身も小学校の3年間は米国の地元の小学校へ通っていました。生活指導は厳しかったですが、宿題はなく、昼はランチボックス持参で外の芝生の上でみんなとランチしていました。帰国すると、毎日宿題があり、昼は給食当番まであり、みんなと同じ給食を黒板に向かって食べるという殺風景なランチになってしまいました。日本にいると普通だと思っていることが、もっと広い目で見たら当たり前ではないかもしれません。これからもどんどん新しい地へ旅をして新しい体験をするべきだと私も思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月14日樹里さんには2歳年上の姉・海さんがいます。海さんには発達障害があり、樹里さんはいわゆる「きょうだい児」であり、「ヤングケアラー」でした。小学校低学年のころから姉の面倒をみつつ、母の手助けもしていた樹里さん。その日常は想像以上に大変なものでした。「私の気持ちはどうでもいいの…?」 ※樹里のお姉さん→樹里とお姉さん 何気ない友人との会話から、自分の置かれている境遇に引け目を感じてしまった樹里さん。さらに、家で騒ぐ海さんの姿を目にしてしまい、思わずイライラが爆発。大きな声で海さんを怒鳴りつけてしまいます。 すかさずお母さんが仲裁に入りますが、お母さんは海さんのことをかばうばかり。これには樹里さんも自分の気持ちを抑えきれなくなり、胸の内に抱えていた思いをお母さんへと訴えかけるのでした。 ◇ ◇ ◇ 思わず大きな声で怒鳴ってしまった樹里さんですが、発達障害のお子さんを大声で叱るのはよくありません。急な大声にパニックを起こして指示がほとんど聞き取れなくなり、冷静に行動することが難しくなってしまうのです。何か伝えたいことがある場合は、穏やかな声で静かに話しかけると良いでしょう。 しかし、幼いころから家事や海さんのフォローにと、自分の時間を犠牲にして努力してきた樹里さんにとって、自分の味方をしてくれる人がいないというのはつらいこと……。お母さんにも、できるだけ樹里さんのことも気にかけてあげてほしいですね。とはいえ、お母さんだって海さんのお世話や家事でいっぱいいっぱいの状態で、樹里さんを気づかう余裕がないのが現状です。 どうか、樹里さんとお母さんのお互いが、無理なく心身ともに平穏に過ごしていける方法を見つけられますように。 >>次の話監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2024年03月13日年長になり、困りごとが減ってきたワケ。それは……しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。現在保育園の年長クラスで、4月からいよいよ小学生になります。最近は困りごとが少なくなったしのくんですが、それはしのくん自身の成長だけではなく、しのくんを支えて下さった先生たちのおかげだと思っています。しのくんは2歳を過ぎるまで意味のある発語がほとんどなく、2歳半を過ぎても2語文が出ていませんでした。3歳児クラスに上がった時、保育園から「読み聞かせの時間に一人で違う遊びをしていたり、教室から脱走したり、集団行動が苦手な様子がみられます。専門家の支援を受けてはどうですか?」と薦められたことがきっかけで、療育センターへ通うようになりました。Upload By keiko特性理解に加配対応、視覚支援まで!しのくんに変化が保育園でも、しのくんの特性を理解するために、さまざまな取り組みをしてくれました。例えば、ことばの発達を促すために「ことばの教室」へ通い出した時には、保育園の先生が一緒にことばの教室へついてきてくれました。また、療育センターの先生を保育園へ呼んで、どうやったらしのくんが集団行動に参加できるようになるのか、アドバイスを求めてくれたこともありました。Upload By keikoさらに、園での支援体制についても配慮していただきました。しのくんが年少クラスに上がるタイミングで、加配の先生がつくことになったのです。加配の先生が、しのくんの特性を理解して視覚支援などで環境を整えてくれたので、しのくんは活動に参加できることが増えてきました。Upload By keiko園長先生も協力してくれていた!?保育園の配慮に驚き実は、保育園の配慮はこれだけではありませんでした。加配の先生が来る以前のことですが、みんなとの活動が難しいときには、園長先生の部屋にしのくんのお部屋(スペース)をつくってくれて、しのくんはそこで園長先生と過ごしていたそうです。それを聞いたときは驚きを隠せませんでした。また最近になってから、「家でゲームをしたり動画を見たりしたい」と泣いて、登園渋りすることがたまにあったのですが……そのときも園長先生に泣き止むまで抱っこしてもらっていたそうで、申し訳ない気持ちと感謝でいっぱいです!!Upload By keiko先生方が保育園の環境を整え、きめ細やかな支援をしてくださったことで、しのくんも大きく成長することができました。しのくんとほかの子どもの成長の違いを比べては落ち込み、不安定だった私のメンタルが落ち着いたのも、保育園の先生方のおかげだと思っています!人にも環境にも恵まれた保育園で大きく成長したわが子。就学を控えた今4月から小学校の通常学級で学ぶしのくん。保育園時代のようなきめ細かい支援は受けられないだろうな……と不安な気持ちもあります。それでも、これまで保育園や療育で培ってきたしのくんの力を信じて、学校の先生や放課後等デイサービスの先生とも協力して、しのくんの学校生活をサポートしていきたいと思っています。執筆/keiko(監修:室伏先生より)keikoさん、しのくんの保育園での過ごし方や、ご配慮の様子を共有くださり、ありがとうございました。保育園の先生方、とても親身に協力してくださって、keikoさん、しのくん共に安心して生活できる園生活が送れて本当によかったですね。保育士さんに気持ちや情熱があっても、保育士さんの人数や仕事量、ほかの園児さんへの配慮の必要度などいろいろな環境が整わないときめ細やかな配慮が難しいこともありますが、困っているお子さんの全員がこのような支援が受けられる社会になるといいなと思います。子どもの苦手な部分の指摘を受けた時、ご家族は、抵抗や不安を強く感じてしまうこともあるかもしれません。とても自然な感情です。もしかしたらkeikoさんもそのようなお気持ちを感じられていたかもしれませんが、先生方の言葉に耳を傾け、療育センターへの通所を始められたことで、園の先生方とのコミュニケーションがより円滑になったり、園の先生方も支援の方法を相談できる場ができたりして、より丁寧な支援に繋がったのではないかと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年03月13日音楽家・秦万里子さんが10日に自身のアメブロを更新。発達障害の双子の娘達が学校で大変だったことを明かした。この日、秦さんは「すごく面白い特徴がある双子を育てている、、、という自覚しかなかった私が、発達障害の娘たちを育てているという意識を持ってから、約15年」と述べ「その間にはいろいろなことがありました」と回想。「学校を出てからの過ごし方が難しいところ」だといい「二人とも芸術の道を進んでいるので、いわゆる自由業。自分のスケジュールを誰も決めてはくれません」とつづった。続けて「仕事自体もプロジェクトによって始まり時間が昼だったり、夜だったり」するといい「その日に寄って、集合時間、場所、色々変化があります」と説明。「『予定が立っていることが安心』の彼女たちには、不安定になりやすい要素です」と述べ「学校はその点、ある意味形があって、それに自分を当てはめていけばいいのですが、これが自由となると、、なかなか」とコメントした。また「学校でも、ルーティンがそのまま現実のものになる時はいいのですが、、、休校、先生の突然の欠席、補講、など急に決まるものは大変」と説明。「自習になっても、ちゃんと『自習』をしていないクラスメイトに対しては????になるので、重ねて大変でした」とコメントし「休み時間も、好きな学科に入学した二人には、『雑談』の意味が分からなかった」と双子の娘達の学校生活での様子を振り返った。さらに「そしてやってきたのは、にっくきコロナです」と述べ「学校では時間で勉強を区切られるので」「ダンス、声楽、音楽の知識、どの授業にも終わりがある」と説明。一方で「自宅での勉強にはありません」「どこまでやったらいいのか、わからず、自分を追い込み、精神的に参ってしまいました」と娘達の様子を明かし「彼女たちは、『人間は怠けやすい動物である』という公式が当てはまりません」とつづった。また「自由になったら、倒れるまでやってしまう」といい「これは今まででも何回かありました」と告白し、娘達について「学校という社会でも『???』がいっぱい」と説明。「発達障害の人は、このルールで色々行われている社会に合わせて頑張りましょう、、という傾向があります」と述べ「社会に合わせて、やっとこさ、頑張ってやると、、彼女たちの『とても大変なこと』は『やればできること』と解釈されてしまうことがとても多いのですね」とコメントした。最後に「ASDの人たちにとって、『なんだ、やればできるんじゃない!』って言われてしまうこと、一見なんでもなく見えるものも、とっても頑張って頑張ってやっとできたものもあるんです」といい「だからこそ、社会に『理解しよう』としてくださる方が一人でも増えたらすごく嬉しいと思っています」と思いをつづり、ブログを締めくくった。
2024年03月11日学校生活での困りごと、保護者はどう対応すればいい?発達障害のあるお子さんは個性的な面も多いですが、それに対して学校はどちらかというと平均的なお子さんにあわせて作られています。ですので、発達障害のあるお子さんは学校生活の中でどうしても困りごとが多くなりがちです。学校での困りごとを解決するには、家庭と学校の連携が不可欠ですが、どうすればいいのか迷うことも多いのではないでしょうか。学校でのトラブル、今回はお友達を叩いてしまったケースを紹介します。次のような困りごとが起きたら、みなさんはどのような対応をしますか?ケース:子どもが学校で友達を叩いてしまったUpload By 専門家体験談同級生に他害をしてしまったケースです。子ども同士でもめているうちに、お子さんが相手の子に手をあげてしまいました。子どもに何があったか聞いたところ、「うまくできないことを何度もからかわれた」という背景があったことが分かりました。このような場合、どのように対応すればいいでしょうか。「からかわれたこと」と「叩いたこと」は分けて考えるUpload By 専門家体験談保護者としては、まず相手に謝罪することが第一です。それと同時に今後のトラブルを防ぐ予防策を講じることが大切です。そのためには「事実の確認」をする必要があります。子どもに確認してみると、「ちょっとした小競り合いの中で偶然手があたってしまった」ということもあります。その場合は相手に謝罪し、今後は気をつけるということでいいでしょう。しかし、今回の例のように「うまく字が書けないことを何度もからかわれた」といった理由がある場合は、「からかわれたこと」と「叩いたこと」は分けて考える必要があります。「叩いたこと」は当然悪いですが「言葉の暴力」が許されてよいわけではありません。からかってしまったお子さんにも適切な行動を教えていく必要があります。ただ、暴力を振るってしまった側が相手に対して「そちらにも原因がある」というのは簡単ではありませんので、こんなときは、担任の先生、校長、副校長などの管理職の先生も協力して、学校での出来事を確認するような形で話し合いを持つのがいいでしょう。話をしてみると、相手のお子さんも「自分はルールを守っているのにあの子だけは違うことをするのはずるい」と思っていたりする場合があります。そんなときは「学校のルール」を見直すことで、どちらのお子さんも活動しやすくなる場合もあります。私がこれまでに見聞きしたケースだと、叩いたことだけが問題視されて「とにかく暴力はいけない」で話し合いが終わってしまう例が多いです。学校の「標準」ができないことをからかわれていたお子さんは、追い詰められてしまいます。学校、相手方と話し合うのは大変なことだと思いますが、子どもを守るためには話し合うことが必要です。場合によっては、医師などの専門家に協力を求めることも一つの方法です。難しい問題に直面したときには、さまざまな人たちを頼りながら対応していきましょう。学校へどう伝える?保護者ができる3つのコツ今回のケース以外にも発達障害があるお子さんの学校でのトラブルはさまざまです。ですがどれも、保護者一人で対応するべきことではありません。学校と家庭が一緒に対応していく必要があります。学校へどう伝えるか迷われたら、以下の3つのヒントを参考にしてみてください。子どもの学校での環境を整えるためには、子どものことを一番知っている保護者が具体的な困りごとを学校へ伝えて、家庭と学校で情報共有することが大切です。しかし、保護者が困りごとに対して「こうしてほしい」という形で伝えると、学校へ対する「要求」のようになってしまうことがあります。また、こう伝えられると学校側は「はい」「いいえ」の二択を迫られる状態になり、学校側の考えと一致していない場合は、「いいえ」と断られてしまいます。学校の先生にも教育方針があり「こうしたい」という考えがあります。保護者の考えを通すのか、先生の考えを通すのかといった争いのようになってしまうと話し合いがうまくいかないので、「相談」になるよう心がけましょう。「相談」にするためには、「状況を認識して相手に伝えること」と「相手の意見を聞くこと」の両方が必要です。私が保護者の方、先生方と話すときは「お子さんにはこういう特徴があって、こういう条件だとこうなります」という伝え方をしています。「だから、こうしてください」とまでは言わないのがポイントです。そうすると「そうだとすると、こうすればいいでしょうか?」という提案が出てきます。そのような形でお互いが考えを出し合っていけるといいでしょう。先生に「こんなことが起きて困っています」と伝えたとき、一緒に対応を考えてくれる先生だといいのですが、そうならない場合は同じ話を繰り返しても対応が変わらない可能性が高いので、やり方を変えましょう。私のおすすめは、その先生と一対一で話すのは避け、ほかの先生にも話し合いに入ってもらうことです。学校には「特別支援教育コーディネーター」を担当している先生(特別支援学級の先生がなられている場合が多い)やスクールカウンセラーが必ずいます。担任の先生へ2~3回相談しても話が通じなかったら、ほかの人に入ってもらうことを検討しましょう。発達障害のある子どもはどうして学校で困っているのか私は、今の日本の学校には子どもが「標準的にやるべきこと」が多すぎると思っています。・持ち物を揃えて登校する・提出物を出す・登校の際に先生、友達に挨拶をする・授業中は席について、正しい姿勢で先生の話を聞く……など、まだまだたくさんこなさなければいけない行動があります。これが「学校の標準」になっていると、「学校の標準」をこなせない一部の子どもたちは追い詰められてしまいます。私は「学校で、みんなと同じようにできない」と学校へ行くことができなくなった子どもたちをたくさん見てきました。進学をエスカレーターにたとえると、今の学校生活は「みんなと同じ」でなければエスカレーターからはみ出し、その後の進学や進路選択がしづらくなるという面があります。ですので、「みんなと同じ」ではない標準的な道を歩くことが難しい子は、学校生活だけでなくその先もどうしても生きづらさを感じてしまい苦しむのです。そしてそれはお子さんだけでなく保護者のみなさんも同様で、学校で困っているわが子に対して、どう対応すればいいのか不安に思っている方も多いと思います。私は、この狭すぎる「学校の標準」からはみ出しても基本的に大丈夫だと思っています。フリースクール、ホームスクールなど別のルートを選んだほうが学びやすくなる場合もあります。子どもは何のために学校へ行くのか、それは、「社会に出ていくための土台をつくるため」です。学校へ登校すること、いい成績をとることなど、学校生活だけに目標をしぼると、学校を卒業することが人生のゴールのようになってしまいます。「学校の標準」という基準にあわせることを求めて、発達障害のある子どもに無理をさせない環境を保護者と先生がよくコミュニケーションをとって、そして困ったときは専門家にも相談して整えていけるといいですね。マンガ/吉田いらこ前の記事はこちらUpload By 専門家体験談(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月07日重度知的障害の息子にとって猫は得体の知れない存在で……私は猫が大好きです。出産前から飼っていた先代の猫が6年前に亡くなり、今の猫を飼い始めたのはコロナ禍真っ只中、4年前です。現在小学6年生の息子は、3歳の時に重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。息子は無発語なので自分の気持ちを言葉で伝えることはできませんが、わが家の猫を世界で一番得体の知れない、不思議な存在と思っているような様子がひしひしと伝わってきます。猫に追い詰められて部屋の隅で固まって助けてアピール先代の猫も含めたら、長らく猫と同居している息子ですが、いまだに猫を怖がり、手を繋がないと猫の近くを通れないこともあります。いつも恐る恐る、猫の様子をうかがっている……といった感じです。Upload By ユーザー体験談朝、猫が部屋や階段の中央にいると、息子が身動きとれず家を出るのに時間がかかることもあります。また、猫がいたため部屋の隅に追い詰められた息子が、壁際で固まり、言葉は話せないながらも必死で助けてアピールをしていることも時々あります。小学6年生で156㎝、66kgと身体の大きい息子が、自分よりはるかに小さな猫を怖がり、部屋の隅に追い詰められている姿は、申し訳ないですがなんだかかわいらしく、おかしくも思えます。Upload By ユーザー体験談それ意味あるの?猫に対する息子の謎すぎる反撃一方猫はというと、息子に懐いてはいません。息子を意識しつつ、つねにある程度の距離を保っている……といった感じです。ですが、時々双方ともにちょっかいを出し合います。ちょっかいの程度はそれぞれ違います。猫は本格的に息子を攻撃するときがあるのですが、それに対して息子の反撃はなんともかわいいもの。タオルやティッシュをふわっと相手に投げたり、なぜが小さなおもちゃを猫の背中に置いてみたりと、ほぼ効き目のない反撃をしています。なぜ背中におもちゃを置くのでしょうか……。理由は皆目見当がつきません。当然猫はノーダメージです。人間相手だととっさに手が出てしまうことも多い息子ですが、猫に対しては手がでないのも不思議。猫に対しては明らかに及び腰で、猫の優勢は揺らぎません。ただし、そんな猫でも息子の癇癪やパニック時の様子は怖いようで、やや離れたところから様子を見ています。Upload By ユーザー体験談二人(?)の関係に変化が。息子があみだした猫対策は?そんな二人(?)の関係ですが最近変化がありました。息子が新たな猫への対応方法を身につけたのです。それは、「リビングのドアを開けて、猫を退室させること」。息子は(あ、猫がいる)と気づいたら、さっとリビングのドアを開けます。すると、なぜか猫がドアの方へ吸い込まれるように進んでしまい、そのまま部屋を出ていくのです。猫が吸い込まれない場合は、息子が猫を誘導するような動きを見せて、猫にご退室いただいています。(無発語で喋ることはできないけれど、そんな風に猫に対して気持ちを伝えようとしているんだ!頑張っているな!)とほほえましく思います。猫を相手に学び少しずつ成長している息子。いつかもう少しだけでいいので仲良くなってくれたら嬉しいな、と思う日々です。Upload By ユーザー体験談イラスト/まるエピソード参考/あきこ(監修:森先生より)ペットは、親や先生、お友達とも違って予測不可能な動きをしますから、不思議な存在ですよね。猫ちゃんもお子さんも、きっとお互いに一生懸命に観察して、相手の習性を理解しようとしているのでしょう。お互いにちょっかいを出しながらも、お子さんは猫がイヤがることはしないようにしつつ、自分達なりの快適な距離感をはかっているのかもしれませんね。発達障害の傾向がある方には、他人の感じ方を理解するのが難しいという特性があります。人間相手では「なんで気持ちを理解してくれないんだ!」とイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、動物相手であれば「自分とは感じ方が違って当然」と思って、かえって自然に受け入れることができるのかもしれません。猫の習性を理解しようと頑張ることは、他人の感じ方を考えたり、良好な関係を築くために、きっと役に立ちますよ。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月05日「イヤイヤ期」はいつやってくる?2歳になって身構えていたけれど……Upload By プクティ世間一般で良く耳にするイヤイヤ期は、家でも外でも関係なく癇癪を起こし、本人の気持ちを落ち着かせるのにとても手こずるという印象でした。わが家の長男も、イヤイヤ期が始まる頃とされている2歳になり、いつイヤイヤが始まるのかと身構えていたのですが……。Upload By プクティ意外にも、長男のイヤイヤ期が始まる気配は全くありませんでした。確かに、洋服の素材にこだわったり、まぶしい光が苦手だったりと、感覚の過敏さからパニックを起こすことはありました。しかし、日常生活で癇癪を起こしてどうしようもないという場面にはなかなか出合いませんでした。比較的いつも落ち着いていて大人しく、いろいろなところに出かけても苦労しないので、2人きりで遠出することなどもできていました。そのため、長男はすごく育てやすい子だなと感じていたのです。育てやすかったはずの長男が、幼稚園入園で豹変!?Upload By プクティそんな長男が幼稚園に入園したとたん、「集団行動ができず、椅子に大人しく座れなかったり、教室を飛び出してしまったりして指示が聞けない」と先生から指摘され、家庭での様子と全く違うことに非常に驚きました。Upload By プクティ幼稚園で指摘されたことがきっかけで、知能検査や病院での診察を受けた結果、長男は軽度の知的障害(知的発達症)と診断されました。今思い返してみると、イヤイヤ期がなかったのは、感情表現の乏しさや自己主張の苦手さといった、発達の凸凹や遅れによるものだったのかも?と思うところもあります。現在の長男の様子と、イヤイヤ期真っ盛りの次男を見て思うことUpload By プクティその後、長男は療育を受けながら、より本人の特性に合った保育園への転園も経験しました。5歳になった今は、集団に合わせた行動がずいぶんとできるようになり、椅子に座って長時間集中するようにもなりました。感覚過敏も以前より落ち着いてきて、パニックを起こすことなく過ごせるようになってきました。ちなみに、長男と3歳差で生まれた次男は、今のところ保育園で発達の遅れを指摘されることもなく、むしろクラスで一番に先生の指示に従って行動できると聞いています。しかし、家では絶賛イヤイヤ期で、激しい自己主張に悩まされているところです。同じように育てていても、子どもの発達の仕方はそれぞれ違って、その子なりのペースで成長しているのだなあ……と感じるこの頃です。執筆/プクティ(監修:森先生より)イヤイヤ期の時期や、イヤイヤが出る場面、イヤイヤが分かりやすいかどうかなど、その子の性格によってさまざまです。一般に、自分の気持ちを自分で分かるようになったり、他人に伝えることができるようになるとイヤイヤ期は落ち着いてきます。イヤイヤ期は、子ども自身の意思や、「自分でやりたい」といった自立心のあらわれとして大切なものです。イヤイヤ期が激しいからといって心配する必要はありません。また、逆に、イヤイヤ期がない、分かりにくい、遅いからといって心配する必要もありません。イヤイヤ期が目立たないとしたら、「本人からしたら特にこだわりポイントではない」とか「伝えなくても家族はやりたいことを分かってくれている」など、イヤイヤを発動させる必要がないのかもしれません。イヤイヤ期がないからといって「自分の意思がない」ということではありませんし、遅いからといって発達が遅いという話でもないので、安心してくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月05日中学、高校、大学受験、不登校問題、子育ての転機など2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介!みなさんからお寄せいただいたエピソードを発達ナビの連載ライターさんなどのイラストをつけて、コミックマンガエッセイ化した『発達ナビ 読者体験談』。今回は、2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。2月に公開された体験談のテーマは・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動・特性がある子の中学、高校、大学受験など。みなさんのリアルな声をお届けします!2024年2月に公開した読者体験談中学受験をすることになったASD(自閉スペクトラム症)の男の子。面談では「ぜひうちに!」と言っていた志望校の先生ですが、お子さんの発達障害を知ったとたんに態度が一変して……。2024年4月から施行される「障害者差別解消法」改正によって、「合理的配慮」の提供義務が私立学校にも適用されます。監修の森先生のあたたかいコメントもぜひご覧ください。高校1年生のASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の息子さんの高校受験。全日制を目指していたのですが、勉強は自己流、しかもいじめっ子も同じ高校を志望していることを知って、志望校を通信制へ変更しました。すると、勉強をやめてしまって……。高校受験の様子や、通信制へ入学後の生活は?通信制を目指す方は必読です。ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の公立高校普通科へ通う2年生の娘さん。義務教育期間中は、スクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談など手厚い支援がありましたが、高校に入ると支援が不足してしまったそうです……。そんな娘さんの高校受験、そして大学選びにいたるエピソードです。居住地域に自閉症・情緒障害特別支援学級がなかったため、小学校は通常学級へ入学したAAAさんのお子さん。ですが学校から「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」と言われてしまい、このままではダメだと1年生の2学期から自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校通うため引っ越し、転校しました。転校先の様子は?息子さんの困った行動に先生は?AAAさん曰く「つらいことが多かった子育て」の中でついに転機が訪れたエピソードです。知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の小学6年生のお子さん。発語がなく言葉で伝えることができないので、息子さんが何をしたいのか、何が理由なのかわからないことがありますよね。そんなそんな息子さんがある「困ったこと」をしているのが発覚!お母さまはどうされたでしょうか?就学相談で特別支援学級入学することになった境界域の年長の息子さんが、児童発達支援へ通うことになりました。不器用で強い劣等感をおぼえていた息子さんが、どんな支援をうけてどう変わったか、具体的に教えていただきました!あなたのリアルな体験談を投稿してみませんか?体験談募集中!読者体験談では、発達ナビ読者のみなさんのエピソードを募集しています。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあると共感をよぶエピソードから、ハッとしたエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまな「困った」エピソードをぜひ教えてください。みなさんのリアルな体験談は、ほかのみなさんにとってとても参考になるものです。ご応募は以下の応募フォームよりお願いいたします!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月02日ユニバーサルデザインシャツを扱うThree Rivers(所在地:大阪市北区、代表:仲村 千絵)は、発達障害などの手先の細かい動きが苦手な児童向けに結びの基本が分かりやすいお弁当包み「包んで楽勝!」を考案し、2024年3月末頃に限定発売します。「包んで楽勝!」についての詳細は、3月末頃に下記のショップでご覧いただけます。※写真はサンプルにつき、実際の商品とは異なる場合があります。※販売前につき現在は商品ページがありません。新たな商品情報については、ホームページ、SNSなどでお知らせ致します。詳細ページ: 包んで楽勝!表側デザイン■お弁当包み ~結びの基本、視覚的に分かりやすくデザイン~発達障害など手先の細かい動きが苦手な児童にとって、布1枚で構成された正方形の布結びは困難であり、技術の習得は目標でもあります。そんな布結びの練習を日々の楽しい時間に取り入れたのが、「包んで楽勝!」です。お弁当を包めるサイズの正方形の布には、お弁当箱を置く位置が示されており、布を合わせる対角線が1対ずつ色分けされています。対角線を合わせて交差させた布は4色に色分けされている為見やすく、結びの基本が視覚的に分かりやすく示されています。■「包んで楽勝!」の使い方1. 正方形の1枚の布の中心に示された長方形部分にお弁当箱を置く2. 同色の直線で示された1対の対角線の布の両端を合わせる3. 合わせた両端を交差して結ぶ4. もう1対の対角線も同じようにして結ぶお弁当箱を黒色の四角部分に置いた状態動画の結び 完成写真 容器は約16cm×11cm×5cm■社会貢献Three Riversは、障がい者の方の工賃向上に賛同しています。障がい者の方の生活の向上のため、就労継続支援事業所への発注に力を入れています。■商品概要商品名 : 包んで楽勝!サイズ : 約 縦48cm×横48cm素材 : 生地 綿100% リボン ナイロン100%発売日 : 2024年3月末頃販売場所: 楽天市場「ユニバーサルデザインシャツ012-GO」URL : ■会社概要商号 : Three Rivers代表者 : 代表 仲村 千絵所在地 : 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2階5-6設立 : 2020年11月事業内容: ユニバーサルデザインシャツ等の企画販売URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Three Rivers お客様相談窓口TEL : 070-8329-3176MAIL: shop@rrrivers.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月29日Three Riversは、発達障害などで手先が不器用な児童向けに、名札の付け外しが容易な留め具を開発しました。この新しい留め具「名札も楽勝!」は、安全ピンを使用せずに名札を取り付けることができるため、児童が自分で名札を管理することが可能になります。これにより、自立と自信の向上に寄与します。「名札も楽勝!」で名札を付けたポロシャツ■製品特長●安全性安全ピンを使わずに名札を付け外しできるため、児童が自分で簡単に扱えます。●使いやすさ服に縫い付けた小さな布製留め具に、名札の安全ピン部分を留め具のボタンに引っ掛けるだけで使用が可能です。●サイズの多様性障がいのある児童の保護者の会でのアンケートを基に、最も人気のある2種類のサイズを採用しました。ボタン2個スタイル■製品情報(予定)商品名 :名札も楽勝!種類 :ボタン1個スタイル、ボタン2個スタイルサイズ :留め具の台部分 2cm×4cm、ボタン 1.5cm、1.8cmカラー :ホワイト、ピンク、ブルーなど素材 :綿、ポリエステル/天然ゴム/ボタン…プラスチックなど発売日 :2024年3月末頃販売場所:楽天市場「ユニバーサルデザインシャツ012-GO」等注意事項:洗濯時、タンブラー乾燥禁止、アイロン禁止※写真は全てサンプルにつき、実際の商品とはデザイン、素材などが異なります。ボタン1個ブルー■会社情報商号 :Three Rivers代表者 :代表 仲村 千絵所在地 :〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2階5-6設立 :2020年11月事業内容:ユニバーサルデザインシャツ等の企画販売URL :Three Rivers Website 「名札も楽勝!」についての詳細は、3月末頃に下記のショップでご覧いただけます。※販売前につき現在は商品ページがありません。新たな商品情報については、ホームページ、SNSなどでお知らせ致します楽天市場 : 楽勝ボタンシリーズ: ■社会貢献Three Riversは、障がい者の方の工賃向上に賛同しています。障がい者の方の生活の向上のため、就労継続支援事業所への発注に力を入れています。【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Three Rivers お客様相談窓口TEL : 070-8329-3176MAIL: shop@rrrivers.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月29日発達障害の診断の流れとは?発達障害の診断は以下のような流れで行われます。1.診察、問診子どもの場合は、保護者に子どもの普段の様子、症状、困り事や、生育歴についての問診を行います。また、遊びの空間などで子どもを遊ばせるなどの行動観察も行われます。2.検査等必要に応じて知能検査、発達検査などの検査を行います。質問紙を用いた評価を行うこともあります。発達障害と似たような症状を引き起こす身体疾患が疑われる場合には、血液検査、聴力検査、脳波検査、頭部画像検査を行うこともあります。3.診断診察、問診、検査の結果を踏まえ、診断基準に沿って総合的に判断されます。発達障害の検査方法にはさまざまなものがあります。知能検査知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査です。主な知能検査法として以下のようなものがあります。・田中ビネー知能検査V・WPPSI-III知能検査・WISC-V知能診断検査・WAIS-IV知能検査・KABC-II参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット発達検査発達検査とは、子どもの認知面・言語面・運動面などの発達の度合いを調べる検査です。主な発達検査法として以下のようなものがあります。・新版K式発達検査・遠城寺式乳幼児精神発達検査・津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法・日本版Bayley-III乳幼児発達検査・ASQ-3・KIDS乳幼児発達スケール・ブラゼルトン新生児行動評価法・日本版デンバー式発達スクリーニング検査質問紙等また、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・SDQ・CBCL・MSPA・Vineland-IIASD(自閉スペクトラム症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・M-CHAT・PARS-TR・自閉症スペクトラム指数(AQ)ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・ADHD-RS・QCD子どもの知能検査・発達検査には主に「WISC-V」 、「田中ビネー知能検査V」、「新版K式発達検査」がよく使われます。このコラムでは、・発達障害の診断を受けるメリット、デメリットは?・療育や合理的配慮は診断がないと受けられない?・発達障害は何歳くらいから診断される?など、発達障害の診断についてのギモンを専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【医師回答】発達障害の診断を受けるメリットは?デメリットはあるの?合理的配慮や療育、診断される年齢などここからはさくらキッズくりにっく院長・小児科専門医の藤井明子先生に、発達障害の診断についての質問にお答えいただきます。Q:年中の子どもがいます。3歳児健診のときに「要観察」と言われましたが、抵抗感がありお医者さんにはかかっていません。最近幼稚園でトラブルなども増えてきて、受診を悩んでいますが発達障害があるか診断を受けるには何科にかかったらいいのでしょうか?診断を受けることのメリットやデメリットなども知りたいです。A:年中の4、5歳頃になると、集団生活での様子で気になることがでてきます。まずは、かかりつけの小児科の先生に相談してみましょう。発達障害かどうかは、一般の小児科で診てもらえる場合もありますが、難しい場合には発達外来をおこなっている小児科、療育センターなどで相談するとよいでしょう。診断を受けることで、お子さんの気になる行動の背景が分かり、対応の仕方を親御さんと園の先生の間で共有しやすくなります。また、学年が変わったり、転園したりと環境が変わったときにも、相談がしやすくなります。発達障害の症状は、環境によって変わってくることもあります。デメリットというほどではないかもしれませんが、あるときには診断がついたが、あるときにはそこまで強くないと言われたなど、発達障害があるのか否かを困惑される場合があります。発達障害の診断の有無だけでなく、今現在お子さんが落ち着いて過ごせているかどうかを同時にみてあげていくことがとても大切です。Upload By 発達障害のキホンQ:年長の子どもがいます。小学校での合理的配慮をお願いしたいのですが、診断がないと配慮してもらえないのでしょうか?A:診断がなくても合理的配慮はお願いできます。令和3年に障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化されました。小学校での合理的配慮の提供にあたっては、お子さん、親御さん、小学校との間の「建設的対話」を通じて相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要になります。たとえば、音楽の授業の音が気になるので、イヤーマフの装着を可能とするなどです。対応の仕方などは、お子さん一人ひとりによって違ってくるため、学校の先生との連携がとても大切になっていきます。参考:障害を理由とする差別の解消の推進|内閣府Upload By 発達障害のキホンQ:2歳の子どもがいます。発達に遅れがあり療育に通いたいのですが診断がないと通えないのでしょうか。A:診断がなくても、発達の遅れに対して療育が必要という医師からの意見書があれば、児童発達支援施設に通うために必要な通所受給者証を取得でき、療育に通うことは可能です。発達の遅れについて、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:年少の子どもがいます。ADHD(注意欠如多動症)ではないかと思っているのですが、何歳くらいから診断されるのでしょうか?A:ADHD(注意欠如多動症)は、幼少期より寝つきがわるい、落ち着きがなく目が離せないなどの症状がありますが、診断されるのは年中以降であることが一般的です。多動、衝動性がなく、不注意のみの場合には、小学校での忘れ物・なくし物が目立つことで気づかれ、小学校入学以降に診断を受けます。ASD(自閉スペクトラム症)は、早いお子さんでは1歳半健診で言葉の遅れを指摘されることがあります。さらに、アイコンタクトがない、あやし笑いに反応しないなどコミュニケーションの遅れを認めた場合、1歳から診断されます。言葉の遅れは顕著ではないが、集団生活の苦手さ、興味の偏りが顕著といった症状から気づかれる場合には、園などの集団生活をおくる3歳から4歳以降より診断されます。SLD(限局性学習症)は、小学校入学後、一定の学習機会があるにもかかわらず、学習の定着が顕著に遅い場合に、検査などで診断されます。早い場合で小学1年の夏以降くらいで診断がされます。あくまで診断される年齢は一般的な目安ですので、お子さんの発達・知的能力によっても個人差があります。ご心配なことがあれば、この年齢に達してなくても、かかりつけ医に相談することをお勧めいたします。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月26日赤ちゃんの頃から少し変わった子タケルに発達障害の可能性があることは、以前から私にはぼんやりと分かっていました。なぜなら、私は学生の時に心理学を受講していたので、少しは知識があったからです。「妙に大人びた仕草をしたり、音にすごく敏感だったり、些細なことで激しく泣くところは高機能障害とか自閉症に似ているな。でも1歳前後で言葉も出ているし障害というほどではないのかな?」と思っていました。Upload By 寺島ヒロタケルは2000年生まれ。『発達障害者支援法』の公布は2004年です。「喋れる自閉症」、その後しばらく「アスペルガー症候群」と呼ばれる自閉症のことを、私はまだ知らなかったのです。(※アスペルガー症候群は当時の名称です。現在ではASDに統合されています)。参考:発達障害者支援法とは幼稚園で強くなった違和感3歳で幼稚園の年少組に入ると、タケルが周囲の子どもたちと異なる行動や反応を示すことが目につくようになりました。常にそわそわと体を動かし、一時もじっとしていません。ほかの子どもたちの近くにはいますが、一緒に遊ぶことはなく、砂場で山をつくる、ボールプールを必ず3回潜る、滑り台も必ず3回すべる……などの自分の決めたルーティンを黙々とこなしていました。Upload By 寺島ヒロ先生の指示も聞いていないことが多く、しばしば「おうちでちゃんと、しつけしていますか?」というような事を言われていました。しかし、タケルはおうちでは普通……いえ、むしろとても良い子なのです。タケル自身は幼稚園でもちゃんとやりたいし、やっているつもりなのに、なぜか周囲とずれてしまう、私からはそういう感じに見えました。「しつけとか指導とかそういうことではないのではないか?」という思いが、また頭をもたげてきました。しかし、行政や保健所の子育て相談などに相談しても、はっきりとした診断やサポートを受けるには至りませんでした。3歳児健診で心配なところを訴えるも……幼稚園に通い始めて数ヶ月しかたっていませんでしたが、明らかにほかの子どもたちと様子が違うと感じていた私は、生まれてからこれまでの事をできる限り振り返って、詳細なイラスト入りの育児日記を書いて持参し、3歳健健診に臨みました。しかし、「高機能障害か自閉症では?」と言う私の言葉を受けての検査は、簡単なIQテストと「クレーン現象」などの顕著な行動のチェックに留まり……結局「特に異常は見られない」ということになりました。担当の医師からも「自分のしつけがうまくいかないことを障害のせいにしてるのでは?親がちゃんと教えてあげれば大丈夫」と言われました。その言葉に少し安心もしましたが、同時に強い不安も感じました。タケルは記憶力が非常に良く、教えられたことは本当によく覚えているのです。私は、タケルが23歳になる今に至るまで、何かを二度教えたことはありません。幼稚園でも先生の言ったことを全部聞いていないのではなく、一対一で言われたことは覚えているし、内容も理解しているのです。親の私たちが教えていることが「十分ではない」と言われれば否定はできません。ですが、やはり「そういうことではないんではないか?」と思えました。そして「医師や子育ての専門家にも分からない事例だとしたら何なんだ?」と不安は深まるいっぽうでした。診断を受けるきっかけは2007年の発達相談その後、6歳で受けた就学時健康診断でも「問題なし」とされ、タケルは小学校では通常学級に通うことになりました。しかし、そわそわと動き回るのは相変わらずで、クラスメートとも一方的に自分の話したいことを話すばかりで親しくなれません。そのうえ、大きな音がしたり、教室移動で取り残されたりすると、どうしていいか分からなくなって学校を脱走して帰って来てしまうのです。学校の周りの道は車通りも多いので、私はとっても心配でした!Upload By 寺島ヒロ転機になったのは2007年の発達相談会です。2004年に公布された『発達障害者支援法』を根拠として、私たちの住んでいた地域でも新体制での発達相談会が始まりました。その発達相談会に参加した結果は、私が感じていた違和感を裏づけるものでした。タケルにはアスペルガー症候群(当時の名称。現在はASD(自閉スペクトラム障害)に統合)の傾向があることがその場で告げられ、療育センターにも繋いでもらうことができました。分かってもらえた!という喜びもしかしたら、子どもが発達障害だと言われると、つらい、悲しい、ショックだ……と感じられる親御さんも多いのかもしれません。しかし、私の場合は「やっと分かってもらえた!」「これで一歩解決に近づいた!」という喜びのほうが大きかったような気がします。当時は妹のいっちゃんも生まれたばかり。抱っこの嫌いないっちゃんをベビーカーに乗せて、いつ泣き叫び始めるかとヒヤヒヤしながら、学校から居なくなったタケルを探し回るのが日常だったのです。発達障害の診断を受けて、通級指導教室に通えるようになったタケルは、それ以降「脱走」しなくなりました。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)貴重な経験のコラムをありがとうございます。「親がちゃんと教えれば大丈夫」と言われ少しの安心と、強い不安を感じられ、その後発達相談に行かれたのですね。言葉の遅れはなく、個別では落ち着いてるように見え、集団生活が苦手、コミュニケーションが苦手である場合、3歳健診ではお子さんの困りごとが見えにくい場合があります。就学前健診も問題なしでも、学校に入学後、集団生活が苦手、こだわりが強い、友達関係がうまくいかないなどあれば、専門機関に相談することをおすすめいたします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月26日放課後等デイサービスって何?わが家の長男は現在小学6年生。発達障害グレーゾーンで特別支援学級に通っています。私が放課後等デイサービス(以下、放課後等デイ)について初めて知ったのは長男が年長の時、当時通っていた療育センターでした。ある日、長男の担当のソーシャルワーカーさんが「お母さんはお仕事されていますよね。長男くんが小学校に入学したら学童保育を利用される予定ですか。ところで、放課後等デイってご存知ですか?放課後等デイは障害のある子どもが利用できる福祉サービスなんですよ。放課後の居場所としても利用できますよ。利用を希望される場合は、まずは受給者証を取得してくださいね」と教えてくれました。当時私は会社員だったので、長男が小学生になったら放課後の過ごし方をどうしようかと悩んでいました。「そんな福祉サービスがあったなんて知らなかった……。放課後等デイ、いいかもしれない!」と思い、さっそく放課後等デイ探しと受給者証の手続きを進めました。(ちなみに長男は発達障害グレーゾーンですが、受給者証の取得はできました。お住まいの市区町村によって異なるかもしれません)。Upload By 星河ばよ発達グレー長男の放課後デイ探し、わが家が決めたポイントはわが家が決めたポイントは以下の5つでした。1.学校から近いか(長男が一人で歩いて行ける距離か。道中危なくないか)2.土曜日も開室しているか(土日も仕事のため、せめて土曜日は開いていてほしい)3.夜は7時ごろまで開室しているか(残業になっても多少は大丈夫か)4.先生は厳しすぎないか(先生が厳しいと長男が行きたがらないだろうと思い、先生が子ども達にどんなふうに接しているのかなどを確認しました)5.長男が活動を楽しんでできそうか(交通安全や電話の取り方など、週ごとにテーマに沿ったトレーニング時間があるので気に入りました)長男が楽しんで通えそうかということと、私の仕事の都合を考えて決めました。夫は帰宅が遅く、仕事が休みの日にしかお迎えを頼めなかったためです。ちなみに、放課後等デイによっては送迎ありのところも少なくないようです。送迎ありだと保護者も何かと助かりますよね。探した結果、長男の学校の近辺にたまたま希望どおりの放課後等デイが見つかったので、ホッと胸をなでおろしました。Upload By 星河ばよ放課後等デイに通って6年、現在の長男は低学年の頃の長男は放課後等デイで過ごしている時は、たいていちょっと不機嫌でした。おそらく学校の後に行くため、疲れからくるものなんだろうと思います。長男は私が会社員を辞める時まで毎日通い、私が家にいるようになってからは週1~2程度のペースで通っています。5、6年生になると学校では6時間授業が週4日あるので、平日は5時間授業の日だけ通っています。放課後等デイに親しい友だちがいるようで、行くと楽しそうです。長男が通っている施設の活動は、週ごとに決まったトレーニングのほかに、月に2~3回程度イベントがあります。遠足に行ったり、お菓子をつくったり、クリスマス会があったりと内容はバラエティ豊かだと思います。また、支援者の先生と親とで、年に1回ほど面談があります。そこで、1年間の子どもの発達について確認したり、悩んでいることや今後の進路などの相談に乗ってもらっています。長男にとっても親にとってもとても有難い存在の放課後等デイ。しかしそんな放課後等デイで長男は大きなトラブルを1度だけ起こしたことがありました。それはまた別の機会にお話しできたらと思います。Upload By 星河ばよ学校外にも頼れる先生がいる心強さ放課後等デイには以前まで小学校の先生だった人や、先生を目指している人など、いろんな先生がいらっしゃいます。私としても、長男のことで悩んだ時に相談できる先生が学校以外にもいて、とても心強いです。療育センターで教わらなかったらずっと知らなかったかもしれません。放課後等デイの先生方には、いつも感謝しています。執筆/星河ばよ(監修:初川先生より)放課後等デイを知ったきっかけ、選び方、長く利用してみての思いのシェアをありがとうございます。放課後等デイはさまざま特色ある活動をするところ、療育的な要素の強いところなど事業所によって違います。対象としているお子さんも障害の重いお子さんから通常学級で過ごす子が多く通うところまでさまざまあります。まずは受給者証を申請する際に地域の情報をうかがったり、先輩保護者さんから聞いてみたりなど情報収集から始まると思います。また、地域によってはどこも定員いっぱいであるところもあるのではと思います。ばよさんが書かれていた通り、放課後の時間帯は、お子さんたちは疲れているので学校とはまた違う様子を見せることも多いです。職員の方は地域の福祉や同じような障害種の方のその後の進路などについて経験知・実践知をお持ちの方もいらしたりします。学校とは別にお子さんについてよく見てくださり相談できる相手ができるという意味でも心強いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月25日