『TAKAAKI YAMADA & BIGBANG ORCHESTRA with YUKA Summer Special Concert at JZ Brat in August山田壮晃 & ビッグバンオーケストラ with 有桂』が2022年8月6日(土)にJZ Brat SOUND OF TOKYO(東京都渋谷区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 毎年夏に開催するJZ Brat での Summer Special Concert !迫力あるビッグバンドの生音を肌で感じませんか? JZ Brat ならではの臨場感はライブの醍醐味です!6名の人気シンガーが繰り広げるゴージャスなステージを17名編成のジャズビッグバンドサウンドによる音空間の中でお楽しみ下さい。開催概要『TAKAAKI YAMADA & BIGBANG ORCHESTRA with YUKA Summer Special Concert at JZ Brat in August山田壮晃 & ビッグバンオーケストラ with 有桂』公演日:2022年8月6日(土)17:00開場/18:00開演会場:JZ Brat SOUND OF TOKYO(東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2階)■出演者Trumpe:田中哲也 浦田雄揮 高瀬龍一 三上貴大Trombone:花島英三郎 大畠宏暢 東條あづさ 渡辺亮Tenor sax:山田壮晃 皆川亨Alto sax:小林哲男 伴田裕 / Baritone sax:土田さとしPiano:続木徹 / Bass:小高正志 / Guitar:笈沼健司Drums:山下暢彦 Vo:有桂Vo:穂波 ランデル洋子 YOKO 小美濃眞弓 沢村まみ 有桂■スタッフ壮晃ミュージックスタッフ / JZ Bratスタッフ / 他■チケット料金前売:6,500円当日:7,000円(税込)■団体概要壮晃ミュージック壮晃ミュージックではジャズを通して世界を明るくすることを目標にしています。しっかりとした感染予防を行った上で現在も精力的にライブ活動を行っています。Jazzが初めての方も安心してぜひご来場ください。【ビッグバンミュージック(BBM)ご紹介】山田壮晃(Ts)率いる18人編成のオーケストラで、本年2022年で結成30周年を迎えます。 1992年結成当時はベテランビッグバンドが沢山存在していた中、若手プロジャズビッグバンドとして活動をスタート。その間現在まで7枚のCDアルバムを発表し、数えきれない本数のライブ・コンサート活動を継続中。バンマスの山田壮晃はサックス奏者ですが、同時に作曲、編曲も手掛け、バンドシンガーの有桂はジャズシンガーであり、バンドのマネージメント&音楽総合プロデュースを手掛けています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月25日2022年5月25日、お笑いコンビ『なすなかにし』の那須晃行(なす・あきゆき)さんが、情報番組『ラヴィット!』(TBS系)に出演。番組内で、同年1月に、タレントの濱田准(はまだ・じゅん)さんと結婚していたことを発表しました。那須さんは、結婚相手の濱田さんとの出会いについて、このように語っています。10年ほど前くらいに出会いまして、そこからですね。仕事の忘年会で知り合いまして。ラヴィット!ーより引用また、那須さんは、濱田さんのことを『おじゅん』と呼んでいると、照れながら告白しました。また、濱田さんも、自身のInstagramで、結婚を報告。私、濱田准は、お笑い芸人なすなかにし那須晃行さんと結婚しました事をご報告させて頂きます。お付き合い期間が長い為、新婚感はありませんが、これからも皆様に支えて頂きながら、猛獣(犬と私)と、猛獣の使い(晃行さん)日々の幸せを感じながら笑顔溢れる家庭を築いていきます。hamada_junーより引用自身と、愛犬のことを『猛獣』、那須さんのことを『猛獣使い』と表現した、濱田さん。2人の仲のよさが伝わってきますね!那須さんと、濱田さんの結婚報告に、祝福の声が上がっています。・おー!おめでとうございます!・嬉しいニュースだ!末永くお幸せに!・濱田さんのことをずっと応援していたので、なんだか嬉しいな。濱田さん、那須さん、ご結婚おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2022年05月25日パルコ・プロデュース2022『2020』に出演する高橋一生が、企画から携わる本作への想いを語った。芥川賞作家・上田岳弘が作を、白井晃が構成・演出を手がける本作は、「2020年」を起点に人類の歴史や世界の終わりを綴る、高橋の一人舞台。上田文学の魅力を「同じテーマを書き続ける小説家の方が好きな僕にとって“人類の個と全を、過去と未来にわたって描く”作風がドンピシャでした」と述べる高橋は、デビュー作『太陽』(2013年)から彼の小説を愛読している。「人間の行き着く先はどこか、行き止まりになってしまうとしたらどんな状況か、まるで予言するかのような作品を上田さんは書いているんです」──。自身が共鳴する上田文学のおもしろさを「日ごろ小説を読まない方にも知って欲しい」と感じた高橋は、『4 four』(2012年)、『マーキュリー・ファー』(2015 年)、『レディエント・バーミン』(2016年)などで一緒に作品を立ち上げた白井であれば「僕の気持ちをわかってくださりそう」と信頼を寄せ、二人を引き合わせた。「作品が現実とリンクしていくさまを目の当たりにして、予言めいたタイミングで上演された『マーキュリー・ファー』のようなことがまた起きるのかもしれません、今回のタイトルからして」と笑う。劇中で、高橋は「クロマニヨン人」「赤ちゃん工場の工場主」「最高製品を売る男」「最後の人間」といった登場人物に扮する。自身の役どころを「お客さんと、人類の過去と未来を繋ぐようなキャラクター」と紹介しつつ、「打ち合わせで僕が上田さんにお話しした言葉が台本に盛り込まれていたので“高橋一生そのまま”と思ってもらってよいかもしれません」「役と自分、どちらかわからなくなってしまう瞬間を皆さんの前でお見せすることになりそう」と言及した。さらに「劇場にお客さんを入れるところからお芝居が始まっていて、アトラクション的に“体感”できる作品」と続き、「そのアトラクションを楽しむように観てもらい、たとえ局所的であったとしても皆さんの中に少しでも残り続けるものになったら、つくり手として励みになります」「そのために、まずは自分たちがおもしろいと思える作品をつくれたら」とコメントした。公演は、7月7日(木)~31日(日)に東京・PARCO劇場にて。その後、8月6日(土)・7日(日)に福岡・キャナルシティ劇場、11日(木・祝)に京都・京都劇場、18日(木)〜21日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールと巡演する。東京公演のチケットは、5月14日(土)より一般発売。取材・文:岡山朋代
2022年04月22日この4月より白井晃を芸術監督に迎えた世田谷パブリックシアターの2022年度のラインアップ発表会見が4月19日に開催。白井をはじめ、同劇場で上演される『お勢、断行』に出演する倉科カナ、福本莉子、演出の倉持裕、同じく『毛皮のヴィーナス』の演出・五戸真理枝、『建築家とアッシリア皇帝』の演出・生田みゆき、『凪げ、いきのこりら』(仮)を上演する「安住の地」の中村彩乃(代表/出演)、 共同脚本・演出の岡本昌也、私道かぴらが出席した。白井は冒頭、コロナ禍によるここ2年ほどの間に演劇界が直面した厳しい状況について言及しつつ、同劇場の初代芸術監督を務めた佐藤信の「劇場は広場だ」という言葉を引用し「広場であるべき劇場になかなか人が集まれない状況になった中で、もう一度、この劇場が広場たるものであり続けるためにどうすればいいか考えていきたい。この2年間の間、若干、人々の心が委縮してしまった気がします。笑ったり、泣いたり、怒ったりという感情の起伏が狭まってしまった気がします。それを取り戻すために、劇場は心をもう一度、復活、躍動させる場でありたいと思っています」と思いを口にする。倉持裕演出による『お勢、断行』は2年前にゲネプロまで行ないながら、初日直前に中止となった作品であり、2年越しでついに上演が実現する。江戸川乱歩の短編「お勢登場」に出てくるお勢を主人公に据え、倉持がオリジナルで紡いだ物語であり、倉持は「稀代の悪女であるお勢を中心に、立場によって善悪が変わるということを描いています。まさにいま、コロナ禍にあって、それぞれがそれぞれの正しさを主張して様々な対立が生まれ、戦争も起きています。本来上演されるはずだった2年前よりも善悪を巡るテーマがより鮮烈に観客の目に映ると思います」と語る。ゲネプロまで行ない、一度は“完成”した作品ではあるが、2年の時間と社会の状況の変化に伴い、作品もまた変化を遂げているようで、倉持は「2年前は、悪人を悪人として描いていましたが、今回は、そこはちょっと変わったかなと思います。自己暗示にかけているというか、最初は(悪いことをしている)自覚があったかもしれないけど、『自分は悪いことはしていない』『自分は正しい』『正しい道に進むには多少の犠牲は仕方ない』という考え方になっていて、自分を正当化し、自分のウソに騙されてしまっている人間になったと思います」と明かした。『お勢、断行』チラシお勢を演じる主演の倉科は、2年前の上演中止の悔しさを口にしつつ「その時、『2年後にやりましょう』と言ってくださった世田谷パブリックシアターの心意気、尽力いただいたみなさんに感謝でいっぱいです。悔しさを糧に、さらにブラッシュアップしたものを見せたい」と意気込む。今回、新たに出演が決まった福本は「2年前に中止になったことを知っていたので、まさか参加させていただけることになるとは…」と驚きを口にしつつ、自身と同世代の「若い方に劇場に足を運んでほしいです」と力強く語った。高岡早紀×溝端淳平、岡本健一×成河の期待が高まる二人芝居に野村萬斎演出のハムレットも8月に上演される五戸演出による『毛皮のヴィーナス』は高岡早紀と溝端淳平による二人芝居。あるオーディションに遅れてやってきた女優と演出家の姿を描くが、五戸は「演出家・女優あるあるも多くて共感できるエピソードが満載です」と笑う。女優が色仕掛けで演出家をたぶらかそうとするなど、昨今のコンプライアンス的に「ギリギリ」(五戸)の描写もあるそうだが「ギリギリなところが知的でスリリングです」と魅力を語る。左から『毛皮のヴィーナス』演出の五戸真理枝、出演の高岡早紀と溝端淳平生田みゆき演出による『建築家とアッシリア皇帝』も二人芝居で、こちらは岡本健一と成河という日本の演劇界を引っ張る実力派俳優2人が出演。自称・アッシリア皇帝と彼によって“建築家”と命名された男のやりとりを描くが、生田は「岡本さんは、少年のような好奇心と挑戦心、とにかく演劇を楽しむ姿勢を持っているし、成河さんはディティールまで理解した上で、どんなことでも受け止め、自分をジャンプさせていける人。そんなふたりが組み合うことにワクワクしているし、ふたりがちゃんと遊べる“場”を作りたい」と語った。左から『建築家とアッシリア皇帝』演出の生田みゆき、出演の岡本健一と成河このほか、りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)と世田谷パブリックシアターの共同主催により、白井自身が演出でイタリアのルイージ・ルナーリの戯曲を上演する「住所まちがい」、田中圭、西田尚美、山田杏奈らを迎え、栗山民也が松田正隆の読売文学賞受賞作に挑む「夏の砂の上」、新たな才能を紹介するシアタートラム ネクスト・ジェネレーションの第14弾として、京都を拠点に活動する「安住の地」による『凪げ、いきのこりら』(仮)、ベルギーのダンス・カンパニー「ピーピング・トム」による『マザー』など、多彩なラインアップが実現した。また、前芸術監督である野村萬斎が演出を務め、息子の野村裕基が主演し、父と共演する「ハムレット」も2023年3月に上演される。ダンス・カンパニー「ピーピング・トム」からは日本上演に向けての映像も到着。世田谷パブリックシアター2022年度ラインアップ発表会見より撮影:田中亜紀白井は昨年まで、KAAT 神奈川芸術劇場で芸術監督を務めてきたが、KAATと世田谷パブリックシアターでの芸術監督としてめざすべきもの、スタンスの違いについて問われると「難しい問題ですが、立地も違うし、こちらは区の劇場であり、KAATは険の劇場で、行政の枠組みも異なり、そこでの使命も違ってきます。世田谷という区に根差した、“公共財”としての劇場を考えようとしています」と同じ公共劇場とはいえ、KAATとはまた違った、世田谷ならではの劇場の在り方を模索していく考えを口にした。取材・文:黒豆直樹世田谷パブリックシアター2022年度ラインアップ<主催事業:国内演劇創作事業・海外招聘>■『世田谷パブリックシアター新芸術監督就任イベントー公共劇場における芸術監督の役割を考える』登壇者:白井晃(世田谷パブリックシアター)、小川絵梨子(新国立劇場)、近藤良平(彩の国さいたま芸術劇場)、長塚圭史(KAAT神奈川芸術劇場)進行役:成河2022年4月19日(火)※終了■『フリーステージ2022』出演:世田谷区民団体44組2022年4月29日(金・祝)~5月5日(木・祝)・ダンス部門:世田谷パブリックシアター/音楽部門:シアタートラム『フリーステージ2022』チラシ■『お勢、断行』原案:江戸川乱歩作・演出:倉持裕音楽:斎藤ネコ出演:倉科カナ、福本莉子 / 江口のりこ、池谷のぶえ、堀井新太、粕谷吉洋、千葉雅子 / 大空ゆうひ、正名僕蔵、梶原善2022年5月11日(水)~5月24日(火)・世田谷パブリックシアターせたがやこどもプロジェクト 2022■子どもとおとなのための◎読み聞かせ『お話の森』出演:ROLLY(7/30)片桐仁・馬喰町バンド(演奏)(7/31)2022年7月30(土)・31日(日)・シアタートラム■『せたがや 夏いちらくご』出演:春風亭一之輔 ほか2022年7月30日(土)・世田谷パブリックシアター■夏の劇場・りんかん学校『流星スプーン』演出:白井晃2022年7月26日(火)~8月4日(木)・世田谷パブリックシアター■『毛皮のヴィーナス』脚本:デヴィッド・アイヴス翻訳:徐賀世子演出:五戸真理枝出演:高岡早紀、溝端淳平2022年8月~9月・シアタートラム■りゅーとぴあ×世田谷パブリックシアター『住所まちがい』原作:ルイージ・ルナーリ上演台本・演出:白井晃出演:仲村トオル、田中哲司、渡辺いっけい、朝海ひかる2022年9月26日(月)~10月9日(日)・世田谷パブリックシアター■世田谷アートタウン 2022『三茶 de 大道芸』出演:国内外のパフォーマー2022年10月15日(土)・16日(日)・東京・三軒茶屋キャロットタワー周辺■世田谷アートタウン 2022関連企画カンパニーXY with ラシッド・ウランダン『Möbius/メビウス』演出・振付・出演:カンパニーXY振付・コラボレーションアーティスト:ラシッド・ウランダン2022年10月21日(金)~23日(日)・世田谷パブリックシアター■『夏の砂の上』作:松田正隆演出:栗山民也出演:田中圭、西田尚美、山田杏奈 ほか2022年11月~12月・世田谷パブリックシアター■『夏の砂の上』作:松田正隆演出:栗山民也出演:田中圭、西田尚美、山田杏奈 ほか2022年11月~12月・世田谷パブリックシアター■『建築家とアッシリア皇帝』作:フェルナンド・アラバール翻訳:田ノ口誠悟演出:生田みゆき出演:岡本健一、成河2022年11月~12月・世田谷パブリックシアターシアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.14安住の地 第8回本公演『凪げ、いきのこりら』(仮)脚本・演出:岡本昌也、私道かぴ2022年12月・シアタートラム■ピーピング・トム『マザー』構成・演出:ガブリエラ・カリーソドラマトゥルク・演出補佐:フランク・シャルティエ2023年2月6日(月)~8日(水)・世田谷パブリックシアター■『ハムレット』作:W.シェイクスピア翻訳:河合祥一郎演出:野村萬斎出演:野村萬斎、野村裕基、村田雄浩、若村麻由美 ほか2023年3月・世田谷パブリックシアター■『地域の物語2023』2023年3月・シアタートラム【提携公演】[演劇]・shelf volume 30『バイオ・グラフィ:プレイ(1984)』(6月)・ハイバイ『ワレワレのモロモロ2022』(7月)・to R mansion『注文の多い料理店』(8月)・serial number『BUG』(11月)・シス・カンパニー『ショウ・マスト・ゴー・オン』(11~12月)・オペラシアターこんにゃく座 オペラ『賢い女狐の物語』(仮題)(2023年2月)・シス・カンパニー公演(2023年2月)[ダンス]・井手茂太新作ソロ『イデソロキャンプ』(6月)・SePT独舞 vol.23 スズキ拓朗『GHOST』(6月)・鈴木ユキオプロジェクト『刻の花』/『moments』(7月)・大駱駝艦・天賦典式 創立50周年公演(7月)・大駱駝艦 壺中天・田村一行 新作公演(10月)・lal banshees 新作公演(12月)・Noism Company Niigata 金森穣新作公演(2023年2月)・関かおりPUNCTUMUN 新作公演(2023年3月)※各公演の最新情報は、劇場公式サイト にてご確認ください。
2022年04月21日主人公の星野鉄郎を中川晃教が演じる舞台、『銀河鉄道999』。三度目となる今回は、『銀河鉄道999 THE MUSICAL』として、念願のミュージカル版での上演となる。そこで新たにキャプテン・ハーロック役を担う、三浦涼介に話を訊いた。名作『銀河鉄道999』への出演が決まった時の心境について問うと、三浦はパッと顔を輝かせ、こう切り出す。「まずは作品うんぬんというよりも、中川さんと共演出来るってことが僕にとっては大きな喜びでした。実は僕、舞台のオーディションを初めて10代で受けた時、中川さんの曲を持っていったくらい大ファンなんです!歌声があんなにハートフルで、胸に刺さる人って他にいないですし、子供ながらにすごい人を見つけてしまった!と思っていて。それがまさか、このお仕事を始めて20年の節目で共演させていただけるなんて、こんなに嬉しいことはありません」そんな憧れの中川演じる鉄郎にとっての憧れの男が、三浦演じるキャプテン・ハーロック。「男の中の男というイメージが強いハーロックですが、そこは人間が演じる面白さとして、僕なりの解釈が出来たらいいなと思っています。それこそ優しさ、しなやかさみたいなものがあってこそ、彼の男らしさが引き立ってくるのではないかと思うので。例えば殺陣稽古の時、『ハーロックはあまり動かなくていい』というお言葉をいただいたんですが、僕としてはいいとこ取りが出来たらいいなと。単に動かないのではなく、そこに俊敏さであったり、スピード感をプラスしていく。そういった見せ方にもトライしていきたいと思います」絶大な人気を誇るキャラクター・メーテル役には、三浦とも『エリザベート』(19年)で共演済みの花總まり。「普段の花總さんは、さっきまであんなに光を浴びてセンターに立っていた人とは思えないくらい、普通に素敵に生きられている方なんですよね。本当に大好きな俳優さんですし、マスクがあって良かったなと思うくらい、中川さん、花總さんのお稽古を見ているとニヤニヤしちゃって(笑)。せっかくなので多くのことを学びたいですし、何気ない会話をたくさんしたいなと。はい、ただのファンです!(笑)」そして連載開始から45年を経た今もなお、本作が輝き続ける理由を三浦はこう語る。「SFではありますが、すごく人間くさい作品だと思います。この舞台でも忘れかけていたなにかを思い返していただけるのではないかと思いますので、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいです」取材・文:野上瑠美子
2022年03月31日開場から25周年を迎える世田谷パブリックシアターの新芸術監督に白井晃が就任するのを記念し、日本の舞台芸術界を牽引する4人の芸術監督が集結する監督就任イベントが4月19日(火)に開催されることが決定した。演出家として独立後は、ストレートプレイから音楽劇、ミュージカル、オペラまで幅広く手掛けている白井晃。世田谷パブリックシアター開場時より『こわれた玩具』『アナザデイ』『ラ・ヴィータ~愛と死をみつめて~』『ピッチフォーク・ディズニー』『宇宙でいちばん速い時計』などを上演。世田谷パブリックシアター企画制作公演では、『偶然の音楽』、音楽劇『三文オペラ』、『ガラスの葉』、『マーキュリー・ファー Mercury Fur』、『レディエント・バーミン Radiant Vermin』ほか多数を演出している。昨年3月までKAAT神奈川芸術劇場にて芸術監督を務めており、今年4月1日、世田谷パブリックシアター芸術監督に就任する。この度、開催される監督就任イベントは日本の舞台芸術界を牽引する4人の芸術監督が一堂に会し、公共劇場における芸術監督の役割についてを語り合うトークイベント。参加者は、新監督に就任する白井と、新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子、彩の国さいたま芸術劇場新芸術監督の近藤良平、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督の長塚圭史。イベントの進行役をこの4名の演出作品に参加経験があり、また今後も参加予定がある俳優・成河が務める。白井はこの監督就任イベントに際して、「芸術監督の生の声を文化芸術に携わる皆さんのみならず、いつも劇場に足を運んでくださるお客様にも、是非お聞きいただければと思います。」とコメントを寄せている。世田谷パブリックシアター新芸術監督 白井晃 メッセージ全文公共劇場の芸術監督の役割が、今、改めて問われています。劇場法の施行から10年が経ち、その間、公共劇場の活動の強化が謳われてきました。しかしながら、いまだに芸術監督の仕事と意味合いが明確化されていないのが現状と言わざるを得ません。果たして、日本の公共劇場に芸術監督は必要なのか、必要であるならば、何をすべきなのか。そもそも、芸術監督とは何をするべき存在なのか。国、県、区と立場の異なる劇場の芸術監督が一堂に会し、自分達が抱えている課題や問題、成果と今後の展望を忌憚なく語り合い、意見交換できる場になればと思っています。これは、日本の公共劇場の未来を考えるミーティング。芸術監督の生の声を文化芸術に携わる皆さんのみならず、いつも劇場に足を運んでくださるお客様にも、是非お聞きいただければと思います。【公演概要】『世田谷パブリックシアター新芸術監督就任イベント―公共劇場における芸術監督の役割を考える―』登壇者:白井晃(世田谷パブリックシアター新芸術監督)小川絵梨子(新国立劇場演劇芸術監督)近藤良平(彩の国さいたま芸術劇場新芸術監督)長塚圭史(KAAT 神奈川芸術劇場芸術監督)進行役:成河日程:4月19日(火)18:30会場:世田谷パブリックシアターチケット:入場無料(全席指定・要事前予約)※車椅子スペース有※聞こえにくい方のための音声サポート有予約受付開始日:一般受付 4月3日(日)10:00~先行受付(友の会会員・せたがやアーツカード会員):4月2日(土)10:00~【チケット取扱い】世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00〜19:00)世田谷パブリックシアター オンラインチケット(要事前登録・24 時間受付) ※窓口での受付・発券はございません。
2022年03月16日世田谷パブリックシアターの芸術監督を20年にわたって務めてきた野村萬斎が3月いっぱいで退任となり、白井晃が4月より新たに芸術監督に就任することに伴い、3月14日に両者が出席しての記者会見が行われた。世田谷パブリックシアターは1997年に開場し、初代芸術監督を佐藤信が務めた。萬斎は2002年に佐藤の後を継いで、30代半ばで2代目の芸術監督に就任し、その後20年にわたって同職を務めあげてきた。萬斎は90年代半ばに約1年にわたり、文化庁芸術家在外研修制度を利用してイギリスに滞在しており、そのとき「芸術監督の仕事が確立されているイギリスの姿を見て、憧れを抱いていた」と明かし「日本から世界に向けた演劇の発信という大志」を抱いて芸術監督の就任を決意したという。芸術監督の就任にあたって、狂言の第一声で使われる「このあたりのものでござる」という言葉を根幹に「世田谷というコミュニティの地域性」「同時代性」「普遍性」を3原則とし、これらを同心円状に広げていくという方針を固めたという。目指したのは「私の出自である伝統芸能と、それまで世田谷にあった現代芸術が融合したトータルシアター。世田谷区から発信し、それが区民のためだけでなく東京都民、日本国民、アジアの人々…とグローバルな無形文化財となること」であり「それは、いま思うに狂言・能という出自を持つ自分が新たな場を得て、ユネスコ無形文化遺産である能楽に対抗したいという、狂言師というくくりではない“アーティスト・野村萬斎”の野心だった」とふり返る。改めてこの20年について「ラッキーな20年間でありました」と述懐。ジョナサン・ケント、三谷幸喜、蜷川幸雄、ケラリーノ・サンドロヴィッチら国内外の錚々たるクリエイターたちとのコラボレーションを果たしたが「大きな財産になりました」と語り、プロデュース企画として自ら創始した「MANSAI 解体新書」「現代能楽集」といったシリーズは「今までに見たことのない舞台表象の在り方を模索できたし、日本の文化の根幹を学ぶことができた」と手応えを口にする。そして「芸術監督になったことで、狂言師が演出家になりました。そう仕立ててくれたのはパブリックシアター」とこれまで苦楽を共にしてきた劇場スタッフ、関係者への感謝を述べた。今回の芸術監督交代について、萬斎は「急に辞めることになったわけではなく、ある程度前から、20年という節目を含めてそういう話をしていました。私の意思というか、全体の意向が働いたと理解しております」と説明。後任の白井に関しては、コロナ禍ということを踏まえ「大変な時期に受けていただいて感謝しております。公共劇場での経験、さまざまなキャリアがおありで、いまこの時期に交代となると『この方しかいない』という、みなの総意でした」と語る。白井は昨年3月までKAAT神奈川芸術劇場にて芸術監督を務めており「若い世代に芸術監督を担ってもらいたいと(KAATの芸術監督を)長塚圭史さんにバトンタッチしたのに、萬斎さんよりも年上の私が受けていいものか……?」と当初は逡巡があったと告白。それでも、熱心な誘いを受けて就任を決意し「私の役目は若い、未来の世代に向けての橋渡し。5年後、10年後にどうなっているかを思い浮かべてシアターについて考えていきたい」と意気込みを語る。芸術監督としての指針について「どういう方向に表現をする場であろうとするのか? どういったものを文化として発信していけるか? 旗頭にならないといけない。KAATと世田谷で、同じ公共劇場でも枠組みが違うということをいま、実感しています。区の劇場としての役割をもう一度見つめ直し、区民との対話であったり、区からの発信、区に劇場があるということを考えられるようなことをしていきたい」と決意を口にした。取材・文:黒豆直樹撮影:大野洋介
2022年03月14日白井晃が演出した『マーキュリー・ファー』の場面が進む。その半ば辺りから、それまで抱いていた現実感がさらに増していく体験は久しぶりだった。作者フィリップ・リドリーが描く物語は我が国が直面している、あるいはそう遠くない時に必ず到来するのではないか。そのように思わせる現実味があった。興味を持っていた俳優は吉沢亮だった。NHKの大河ドラマ『青天を衝け』で主人公の渋沢栄一を演じて間もない仕事にこの翻訳劇に出演したからだ。舞台俳優としての力量をみたかった。暗闇の中、上手の客席脇からトーチの明かりを頼りに舞台に入って来た。そこは廃墟となった団地の部屋。不自由な足をひきずっている。兄エリオットの役だ。弟ダレンの北村匠海と会話が始まる。ともにまだ10代。この場面が恐ろしく、長い。だが、吉沢の台詞は客席にまで良く通った。幻覚剤“バタフライ”を売買している兄と弟。「ものすごく愛してる」と、くどい位、ふたりに繰り返される対話が印象付けられる。貶し合い、バカにしたり、兄は弟を支配するがそれでも両親や昔の楽しかった頃を思い出しながらギュッと抱き締めもする。これは家族の深い愛の話なのだ、と息がピタリと合うふたりの芝居から分かる。ところが、登場人物の全てが愛に飢えている、と後半になるにつれて理解されるのである。吉沢の演技はケレン味がない。大声を出しても、弟と拳銃のまねごっこ遊びなどでの笑顔も自然さがある。顔立ち、声音から窺える優しさもあるのだろう。だが、仲間のスピンクスを演じた加治将樹と弟ダレンを加えた激しい格闘は皆、一切の手抜きがなかった。喧嘩ごしの演技だった。その加治だが、迫力ある体格、発声、運動力には驚いた。盲目のお姫さま役・大空ゆうひの美貌と狂気の世界で浮遊するような表情が面白い。ローラの宮崎秋人、パーティゲストの水橋研二、少年ナズの小日向星一ら脇役陣が個性を競い合い、厚みのある舞台になった。そしてそれら人物の演出、松井るみの美術が光る。戦争や不安が近づく荒廃した世界では人間は狂気に走るのか。コロナ禍、戦火のウクライナ情勢といった現在の状況を俯瞰すれば7年前の初演より一層、愛の深さに思いが及ぶのである。(1/28所見)プロフィール大島幸久(おおしま・ゆきひさ)東京都生まれ。団塊の世代。演劇ジャーナリスト。スポーツ報知で演劇を長く取材。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。何でも見ます。著書には「名優の食卓」(演劇出版社)など。鶴屋南北戯曲賞、芸術祭などの選考委員を歴任。「毎日が劇場通い」という。【『マーキュリー・ファーMercury Fur』動画配信情報】配信プラットフォーム:PIA LIVE STREAM配信期間:2022年4月3日(日)10:00~4月9日(土)23:59※上記期間中、視聴用URL引き取り後から5時間、視聴可能。(5時間を経過するとURLが無効になります。)チケット発売期間:3月13日(日)12:00~4月9日(土)19:00配信チケット価格:3,500円
2022年03月11日『貞子vs伽椰子』や『不能犯』を手掛けた白石晃士監督によるオリジナルPOV(ポイント・オブ・ビュー=主観視点)ホラー「オカルトの森へようこそ」の放送・配信が決定した。ホラー映画監督の黒石光司(白石晃士)は、助監督の市川美保を引き連れて、ある山奥の家を取材する。そこには、黒石の映画のファンだという精神混乱気味の美女・三好麻里亜がいた。彼女は必死に訴える、「私が体験した出来事は、監督の映画の内容そのものなの」と。そして不気味な麻里亜の家で、黒石のカメラが思いもよらぬ現象を捉え始める。次々と恐怖が迫りくる森中、“スーパーボランティア”の男性に助けられ、さらに霊媒師も加わり、カメラは絶えず恐ろしい出来事を記録していく。麻里亜を救うため、そして傑作映画を作るため、撮影隊の冒険が始まる――。これまでも、「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズ、『ある優しき殺人者の記録』、『オカルト』などで自身がカメラマンとなり、POVで展開する臨場感あふれる映像を届け、ファンから支持されている白石監督。今作は待望の新作となるが、連続ドラマ形式での放送は白石監督のPOVホラーシリーズでも初の試みだ。異界と繋がる祟りの森を舞台に、映画監督と助監督、悪しきものに取り憑かれた美女、“スーパーボランティア”の男性、霊媒師が次々と迫りくる恐怖から逃げ惑い、時に立ち向かうノンストップ・ジェットコースター・ホラー。各話訪れる衝撃的な展開と圧倒的な没入感で、視聴者をも巻き込み物語が進んでいく。白石監督は「お待たせしました皆々様。久々にホラーに舞い戻って参りました。とはいえちょいとコメディタッチの楽しいホラーです。あんなスーパーヒーローやこんなスーパー霊能者、美しき呪われ者や変人、バケモノやクセ者たちが登場する、殺人殺人また殺人、危機また危機、おバカにつぐおバカの連続活劇でございます」と自ら本作を説明し、プロデューサーも「私は保証します。この『オカルトの森』へ入りこんだことを絶対に後悔させない、と」と並ならぬ自信を覗かせている。なお、撮影は昨年夏に酷暑の森の中で行われ、現在鋭意制作中だという。WOWOWオリジナルドラマ「オカルトの森へようこそ」は今夏、WOWOWにて放送・配信予定。(cinemacafe.net)
2022年02月21日白井晃演出による、イタリアの現代演劇『住所まちがい』が9~10月、世田谷パブリックシアターにて翻訳上演されることが決定した。世田谷パブリックシアターでは海外の優れた戯曲を、その作品にふさわしい演出家に委嘱して上演してきた。りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)との共同主催企画として上演される本作は、ミラノ・ピッコロ座の座付作家ルイージ・ルナーリが1990年に発表した作品。現在までに世界20カ国以上で翻訳上演されているルナーリ自身の代表作ともいえるもので、今回が本邦初演となる。2022年4月より世田谷パブリックシアターの芸術監督に就任する白井晃。白井は、ルナーリ作品には世田谷パブリックシアター主催公演『パードレ・ノーストロ―我らが父よ』(2002年、演出:佐藤信)に出演しており、上演時に作家が来日した際には意気投合し、ルナーリ本人から自身の作品を演出することを勧められていたという。そこでルナーリ作品に興味を持った白井が、今回ルナーリの代表作ともいえる『住所まちがい』に満を持して挑んだ。『住所まちがい』には中年の男性3人と女性1人の4人が登場する。登場人物はイタリアの伝統演劇『コメディア・デラルテ』の代表的なキャラクターをベースに、現代的なアレンジを加えた、いわば“現代の中産階級に属している誰か”を彷彿とさせる人々。そして自分の生存すら不確かな極限状況で展開される4人の奇妙な会話。本作は、それぞれの人生観が凝縮した会話の妙を楽しめる上質な喜劇である。同じ場所で遭遇し、混乱に巻き込まれる男性3人を演じるのは仲村トオル、田中哲司、渡辺いっけい。異なる目的で、同じ場所に鉢合わせることで起こる喜劇を、技巧派の3者がどのように創り上げるのか期待したい。そして物語の鍵を握る謎の女性役は草笛光子と朝海ひかるがダブルキャストで演じる。持ち味も世代も異なる、ふたりの名女優が男性3人をいかに翻弄するかにも注目だ。■上演情報りゅーとぴあ×世田谷パブリックシアター『住所まちがい -Three on the seesaw-』9~10月上演会場:世田谷パブリックシアター(※国内4都市ツアー公演あり)
2022年02月15日イギリスの劇作家フィリップ・リドリー作、白井晃演出の舞台『マーキュリー・ファー』が1月28日、世田谷パブリックシアターにて開幕した。リドリーが2005年に発表した本作は、極限の世界を生き抜こうともがく兄弟の姿から、人間の究極の欲望や残虐性、生きること、愛することを求める強さや美しさを炙り出すダーク・ファンタジーだ。日本では2015年に白井の演出で初演され、凄まじい印象を残した衝撃作である。今回の再演は、兄弟役に吉沢亮と北村匠海という勢いあふれるまばゆいタッグが実現し、開幕前から相当な注目を浴びていた。人気と実力を誇るこのふたりにして然りだが、吉沢も北村も初演を劇場で体感し、圧倒され、ゆえに並々ならぬ意欲で本作に挑んでいたことも、さらに期待値を上げた。荒廃した街、廃墟の一室にやって来たエリオット(吉沢)とダレン(北村)の兄弟。騒々しく動き回り、怒鳴りあい、時に戯れあいながら、彼らは謎めいたパーティの準備に必死に取り掛かる。彼らを手伝う廃墟に住む少年ナズ(小日向星一)、持ち込まれるパーティプレゼント(山崎光)、エリオットの恋人ローラ(宮崎秋人)、パーティの首謀者スピンクス(加治将樹)と彼が連れてきた“お姫さま”(大空ゆうひ)、そしてパーティゲスト(水橋研二)。新たな人物が現れるたびに不穏さが増し、それぞれが語る惨たらしい過去の体験、その想像の情景が動悸を誘う。背徳の匂いただよう怪しげなパーティは強引に始められ、怒声や悲鳴の飛び交うなか、残忍な暴力が繰り返されていく。左から、小日向星一北村匠海撮影:細野晋司シアタートラムで上演された初演は、肌感覚で迫り来る恐怖、臨場感に震える体験だった。世田谷パブリックシアターへと空間が拡大された今回は、不気味さが広がる天井高、扉の奥の見えない別室、異世界への抜け道のような出入り口など、舞台上のさまざまな情報が殺伐とした冷気を生んで、深淵な闇の奥の幻想に引き摺り込まれる趣だ。手前:宮崎秋人、奥:吉沢亮撮影:細野晋司前評判こそ兄弟役の人気者ふたりに視線が集中したが、キャスト全体のバランスが非常に良く、巧者が揃った。各人の色鮮やかな個性と確かな技量が、どの人物も寓話の世界のリアルな住人であることを信じさせてくれる。とくにローラを演じた宮崎の、心の傷が見え隠れする繊細な立ち居振る舞い、寂寥ただよう存在感に惹きつけられた。本作が初舞台である北村の安定感は驚くばかりで、ハイトーンボイスが無邪気な少年のひたむきさを際立たせ、いじらしく、もの悲しい。吉沢も芯の太い立ち姿、意志ある瞳で、狂乱に翻弄されながらも愛を振り切れない、エリオットの血の温かみを伝えて来る。目を伏せ、耳を塞ぎたくなるようなことになぜ彼らは向かうのか。生きるために、愛するために。シンプルな答えから湧き起こる哀切と戦慄と高揚は、幕が下りるその時まで、緩むことなく頂点へと上り詰める。左から、北村匠海吉沢亮撮影:細野晋司この過激で悲惨なフィクションが現実社会と地続きであること、その危機感は初演時にも込み上げて来たものだった。世界中が見えない敵と戦い続けている今、何を守り、どう動くか。終演後の放心が解けた今も、答えを探り続けている。取材・文上野紀子※山崎光の崎は「たつさき」が正式表記。
2022年02月05日吉沢亮と北村匠海が兄弟役を演じる舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』が1月28日に東京・世田谷パブリックシアターで開幕した。本作は、イギリスの劇作家フィリップ・リドリーが2005年に書き下ろし、日本では2015年に白井晃の演出によりシアタートラムで初めて上演された作品。白井が演出を手がけてきたリドリー作品の中でもより過激な表現、より挑発的なセリフが次々と繰り出される作風で、極限状態に置かれた人間の残酷さが描かれている。出演者には吉沢亮、北村匠海のほか、加治将樹、宮崎秋人、小日向星一、山崎光、水橋研二、大空ゆうひが名を連ねた。ボロボロの部屋に兄弟エリオットとダレン(吉沢・北村)がやって来る。パーティの準備にかかるが、そこにひとりの男が突然顔を出し、「バタフライ」が欲しいので手伝うと言う。しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物が現れる。そしてもうひとり、このパーティの首謀者らしき男と謎の婦人がやって来る。彼らはパーティのためにそれぞれの役割を、異常なほどの饒舌な会話を交わしながら行う。やがて、パーティゲストがやってきて、パーティプレゼントが用意されるのだが、パーティプレゼントの異変により、パーティは思わぬ展開に向かう。初日を終え、演出を担当した白井、エリオット役の吉沢、ダレン役の北村からコメントが寄せられた。白井は、「劣悪な環境の中で必死に生きていこうとする兄弟の姿は、この時勢の中、見えない恐怖と戦いながら必死に役を生き、演じ続ける俳優たちの姿と重なり胸を打つものがあります。新たな俳優陣との作業は、まるで別の作品を作っている様な刺激に満ちたものでした。」と述べた。この舞台への出演を熱望していたという吉沢は「全身が疲れているはずなのに、アドレナリンが出過ぎて、目がバキバキです」と充実感をにじませ、北村は「この作品に宿っている"愛"を僕ら自身も噛み締めながら、一つ一つの言葉を大切に、皆様の心の中に届けて行けたらと思います」と、3月まで続く公演への決意を新たにしていた。『マーキュリー・ファー』は各公演で当日券を発売。また、公演動画の配信も行われる。当日券は公演日の前日にWEB受付が実施される。公演動画は、配信サイト・PIA LIVE STREAMで、視聴用URLを取得後、5時間は視聴可能となっている。【コメント全文】◆白井晃(演出)まず、この様な状況の中で本作が開幕できたことに安堵しています。そして、劇場に足を運んでくださった皆様にも心から感謝申し 上げたいです。7 年前にこの作品を上演した時に、現実の世界が地続きになっているような恐ろしい感覚がありました。そして、今もなおその感触は間違いなく続いています。劣悪な環境の中で必死に生きていこうとする兄弟の姿は、この時勢の中、見えない恐怖と戦いながら必死に役を生き、演じ続ける俳優たちの姿と重なり胸を打つものがあります。新たな俳優陣との作業は、まるで別の作品を作っている様な刺激に満ちたものでした。明日からも彼らが繰り広げる世界が劇場の中で光を放ち続けられることを心から願っています。◆吉沢亮(エリオット役)初日終わりました。全身が疲れているはずなのに、アドレナリンが出過ぎて、目がバキバキです。はじめてお客様の前でお芝居して、皆さんの空気を生で感じ、改めてとてつもない衝撃作だと実感しました。これから約1ヶ月半、全力でエリオットとして生き続けるので、お楽しみに。◆北村匠海(ダレン役)混沌とした世の中で、日々少しずつ初日まで歩んできました。僕にとって、初めての舞台がこのマーキュリー・ファーです。全てが新鮮で、改めて芝居について考えさせられることも沢山ありました。そしてなにより、この作品に宿っている"愛"を僕ら自身も噛み締めながら、一つ一つの言葉を大切に、皆様の心の中に届けて行けたらと思います。【公演概要】『マーキュリー・ファー Mercury Fur』【作】フィリップ・リドリー【演出】白井晃【翻訳】小宮山智津子【出演】吉沢亮北村匠海加治将樹宮崎秋人小日向星一山﨑光水橋研二大空ゆうひ[東京公演]1月28日(金)~2月16日(水) 世田谷パブリックシアター[長野公演]2月19日(土)・20日(日) まつもと市民芸術館 主ホール[新潟公演]2月23日(水・祝) りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場[兵庫(西宮)公演]2月26日(土)・27日(日)17:00 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール[兵庫(神戸)公演]3月2日(水) 神戸文化ホール 中ホール[愛知公演]3月5日(土)・6日(日)13:00 刈谷市総合文化センター 大ホール[福岡公演]3月10日(木)・11日(金) 福岡市民会館・大ホール【当日券情報】各公演日の前日に「当日券購入整理番号」の WEB 受付を実施。※1/30(日)13:00、2/4(金)14:00、2/8(火)18:30 の3公演は、貸切公演のため対象外■WEB 受付時間:各公演日前日 10:00~23:59(先着順)■枚数制限:1公演につきお1人様 1枚まで【チケット料金】S 席(注釈付) 8,500円 / 高校生以下 4,250円A 席(注釈付) 6,500円 / 高校生以下 3,250円※ほか各種割引あり【動画配信情報】■配信サイト:PIA LIVE STREAM■配信チケット発売期間:3/13(日)12:00~3/26(土)19:00■配信チケット価格:3,500 円■配信期間:3/20(日)10:00~3/26(土)23:59※上記期間内、Cloak*上で視聴用URLをお引き取り後から5時間、視聴可能。5時間を経過するとURLが無効になります。ご注意ください。
2022年01月31日2015年に白井晃の演出で日本初上演され、多くの観客の心を激しく揺さぶり話題を呼んだ舞台、『マーキュリー・ファーMercury Fur』。イギリスの劇作家フィリップ・リドリーによる衝撃作が、キャストを一新して7年ぶりに再登場する。荒廃した世界に生きる兄弟エリオットとダレン、そして次々に現れる怪しくスキャンダラスな人物たち。彼らの前で兄弟が開こうとしている、残虐な匂いを放つパーティは……。NHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演を担い、躍進した吉沢亮が、次なる高みへ向けて動き出した。エリオットとして過激な劇世界に生きる、新たな挑戦への思いを聞いた。生きることへの執着心が、僕にはすごくカッコよく見えた――吉沢さんは、2015年の初演をご覧になっていたそうですね。はい、以前から勉強も含めていろんな舞台を観ているんですが、『マーキュリー・ファー』もそのひとつでした。その時に何だかものすごい衝撃を受けたんです。役者さんたちのエネルギー、シーンの残酷さ、いろんなものがあまりにも衝撃的すぎて、すっげえものを観た!と感じて。観終わったあと立ち上がれないくらい、疲労感が半端じゃなかった。それからずっと「僕もいつか『マーキュリー・ファー』みたいな舞台をやりたい!」って言い続けていたんです。そうしたら今回やらせていただけることになって、まさか!とびっくりして。――運を引き寄せましたね。あの衝撃の舞台を観て「とても出来ない」じゃなく、「やりたい!」と思うところが素敵です。僕は逆に、羨ましくてしょうがないと思ったんです。こんな作品で生きてみたい!と。自分の中で、芝居って何だろうもっと役を掘り下げる作業を、じっくりと考えてやってみたいなと思っていた時期に、あの作品を観て、うわっ、こういう世界がいい!と、すごく羨ましさを感じたのを覚えています。――ご自身がエリオットという役を演じることを踏まえ、あらためて台本を読まれて感じたことは?作品全体を通して、絶望が半端じゃないなと。不幸な人たちしか出て来ないと感じて、胸が締めつけられるというか。ファンタジーに見えて、意外にこういう世界は存在するかもしれない、今を生きる僕らに当てはまる部分もあるなと思ったり。どんな手を使っても生きようとする、生き抜くために必死に動く彼らの感情がグチャグチャになっていくさまに、押し潰されそうな気持ちになる。でもその根本には兄弟愛といったものがあって。生きることへの執着心が、僕にはすごくカッコよく見えたし、素敵だなと。すごく残酷だけど、すごく美しい物語だなと思いました。全力で食らいついて、絶対にいいものを届けたい――エリオットの弟のダレンを演じる北村匠海さんは、今回が初舞台だとか。彼とは結構共演する機会が多くて、別の作品(編集部注:映画『さくら』)でも兄弟役を演じたことがあります。かなりのプレッシャーだと思うけど、すごく才能のある役者だし、人としても信用しているので楽しみです。僕のほうが年上ではあるんですけど、ふたりでいる時は彼のほうがしっかりしていて、僕はふざけているタイプなので(笑)。兄弟という関係性を考えるとイメージが逆かななんて思ったりしますけど、彼がダレンをどう演じるかは本当に楽しみにしています。――演出の白井晃さんとの作品作りにも、どんな期待がありますか?白井さんの演出は、楽しみでもあり、恐怖でもあり(笑)。いろんな人から「厳しいよ」と聞くんですが、その後に必ず「でもすごく愛があるから」って言葉が続くんですよね。これまで白井さんとお仕事されて来た人たちが、すごく白井さんのことを好きで、信頼していることが伝わります。相当追い込まれると思うけど、追い込まれて追い込まれて形にしていく、という作業は舞台ならではだと思うし。白井さんの演出は、すごく緻密に、何度も稽古を繰り返しながらやると聞いています。そういう経験は久しぶりなので、僕の中でお芝居に対する新たな意識が生まれるのか、これまでのものが全部崩れていくのか、何か変化は起こるだろうなと。そこはすごく期待しています。――今、ご自身が舞台に立つために必要なもの、課題についてどのように考えていますか?課題は山ほどありますけど、緊張感はなくしたくないと思います。舞台に出る前の、どうしよう!といった恐怖心とか、舞台に出た後にそういった思いは全部忘れて、集中していく感覚とか。あまり舞台慣れはしたくないと思っています。やっぱり舞台は僕の中で、特別なものとしてこれからもあってほしいなと思うので。――大河ドラマで大活躍した吉沢さんを劇場で生で観たい!という方がたくさんいらっしゃると思いますが、衝撃の変身に驚かれるでしょうね。確かに(笑)。僕がこの『マーキュリー・ファー』の初演を観た時の、圧倒的な臨場感、絶望感、あのとんでもない感動を、今回観に来てくださる人にもぜひ感じてほしいです。そうなるには、僕がどこまで白井さんについて行けるかに掛かっているなと。全力で食らいついて、絶対にいいものを届けたいと思っています。取材・文:上野紀子撮影:源賀津己『マーキュリー・ファー Mercury Fur』2022年1月28日(金)~2022年2月16日(水)会場:東京・世田谷パブリックシアターほか、3月11日までツアー公演あり
2022年01月15日2020年1月に演出家・白井晃が芸術監督就任中のプログラムとして創作され、再演を熱望されたドイツ演劇の巨匠ベルトルト・ブレヒトの大作『アルトゥロ・ウイの興隆』が、11月14日、KAAT神奈川芸術劇場にて開幕した。ヒトラーが独裁者として上り詰めていく過程を、シカゴのギャングの世界に置き換えて描き、ジェームス・ブラウンの楽曲を中心にファンク・ミュージックを散りばめた白井の意欲作。初演に続き、主演のアルトゥロ・ウイには草なぎ剛。共演には、神保悟志、渡部豪太、松尾諭、小林勝也などが続投し、新たに榎木孝明と七瀬なつみが座組に加わった。開幕前日には公開ゲネプロが開催され、「自分の積み上げてきた全てを出せる集大成となる舞台だと思っています」と語る草なぎは真っ赤なスーツに身を包み、ジェームス・ブラウンの『Get Up(I Feel Like Being A)Sex Machine』などを熱唱。オーサカ=モノレールの生演奏によるライブ会場さながらの舞台を駆け巡りながら、華麗なダンスも披露した。初演時には、齋藤茂男が手掛けた照明が読売演劇大賞最優秀スタッフ賞を受賞。ウイの欲望埋めく世界観を存分に引き立てるライティングも見どころの一つだ。本作では、シカゴギャング団のボスであるウイが自らの野心のために周囲の人々を次々と裏切り続ける。そんなウイに扇動されていく人々の姿は恐怖でもあり、不思議な高揚感すら覚えてしまうことも。『アルトゥロ・ウイの興隆』は2022年1月まで、横浜・京都・東京にて開催される。『アルトゥロ・ウイの興隆』横浜公演:2021年11月14日(日) 〜 12月3日(金) KAAT神奈川芸術劇場<ホール>京都公演:2021年12月18日(土) 〜 12月26日(日)ロームシアター京都 メインホール東京公演:2022年1月9日(日) 〜 1月16日(日)豊洲PIT
2021年11月18日広島ホームテレビで毎週水曜日深夜に放送中の『カープ道』、今回は今年ブレイクした林晃汰選手を深掘りします。番組内容今年ブレイクしたカープ選手と言えば林晃汰選手。今回は『林晃汰論』と題して林晃汰選手の素顔や魅力をお伝えします。講師は智辯和歌山高校野球部OBでコーチそして部長として林晃汰選手を指導した古宮克人さん。現在は「BASEBALIFE」代表としてプロ野球選手の育成などに携わっています。出演者中島尚樹古宮克人さん(「BASEBALIFE」代表)touzitu235pr15.mp4 : カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組【毎週水曜深夜放送中】番組ホームページはこちら▼ : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年11月16日京都で生まれ、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経歴をもつ建築家・白井晟一(しらいせいいち/1905~1983)。その多彩な活動を紹介する、いわば白井晟一の入門編ともいえる展覧会が晩年の代表作である渋谷区立松濤美術館にて10月23日(土)より開催される。ドイツ留学から帰国後、義兄の画家・近藤浩一路の自邸の設計を手掛け、独学で建築家への道に進んだ白井。その後「歓帰荘」「秋ノ宮村役場」といった初期の木造の個人住宅、公共建築から、後期の記念碑的建築である「親和銀行本店」「ノアビル」「渋谷区立松濤美術館」など、記憶に残る作品を残し、そのユニークなスタイルから哲学的な建築家と評されてきた。一方で、建築以外の分野でも才能を発揮。多くの装丁デザインを手がけ、そのなかには「中公新書」の書籍装丁など、現在も使用されているものもある。また著作や書家としても活動し、50歳を過ぎたあたりからは「書」を一日何十枚と書き、建築の枠組みを超え、形や空間に対する思索をしつづけた。同展では、白井の多彩な活動を第1部と第2部にわけ紹介。第1部「白井晟一クロニクル」(12月12日(日)まで)では、白井の設計した展示室にて、オリジナル図面、建築模型、装丁デザイン画、書などを、白井晟一研究所のアーカイヴを中心に展示し、その活動をたどる。第2部「Back to 1981 建物公開」(1月4日(火)から)では、晩年の代表作のひとつである松濤美術館そのものに焦点をあて、長年、展示向けに壁面等が設置されている展示室を、白井がイメージした当初の姿に近づけ公開。また、建築の最も重要な要素のひとつ、としていた白井が蒐集し愛用した調度品や美術品を会場に配置し、インスタレーションとして再構成する。《白井晟一 ポートレイト》 白井晟一研究所《河村邸(旧近藤浩一路邸)》1935-36年白井晟一研究所《中央公論社中公文庫装丁デザイン画》 白井晟一建築研究所(アトリエNo.5)《渋谷区立松濤美術館》外観写真:(C)村井修【開催概要】『渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門』会場:渋谷区立松濤美術館会期:2021年10月23日(土)~2022年1月30日(日)第1部/白井晟一クロニクル 2021年10月23日(土)~12月12日(日)第2部/Back to 1981 建物公開 2022年1月4日(火)~1月30日(日)時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日(1月10日は開館)、11月4日(木)、 12月13日(月)〜1月3日(月)、1月11日(火)料金:一般1,000円、大学生800円、 高校生・60 歳以上500円、小中学生100円※会期中展示替えあり※土日祝日・第1部、第2部の最終週は日時指定制
2021年10月15日アートと食文化の発信の場となるホテルとラウンジ農体験宿泊プラン第一弾は米澤文雄氏とコラボ白井屋農体験宿泊プラン&オプションプラン詳細アートと食文化の発信の場となるホテルとラウンジ外観にあるのは、コンセプチュアル・アートの旗手として活動してきたローレンス・ウィナーの作品2020年12月、群馬県前橋市に開業し、アートデスティネーションとして、前橋の地域創生を掲げ、多様な分野のクリエイターと共に具現化した「まちのリビング」をめざす【白井屋ホテル】。300年以上の歴史ある旅館のヘリテージを生かし、建築家・藤本壮介が新たな息吹を与えたとして話題です。国内外のアーティストによる作品の数々、デザイナーとの協演、地元の食材を活かしたミシュラン2つ星シェフ監修のこだわりの食、フィンランド式サウナ、茶室などのウェルネスの施設が、明確なビジョンをもとに地域に開かれたホテルになっています。吹き抜けに設置されたレアンドロ・エルリッヒの《Lighting Pipes(ライティングパイプ)》施設内にある【「白井屋ザ・ラウンジ/the LOUNGE」】は、ホテルのオールデイダイニング。モーニングからディナーにいたるまで、星直樹シェフが地元の食材をいかし、定番洋食の既成概念にとらわれず、自由な発想でつくる洋食を提供しています。4層を大胆な吹き抜けとした緑ゆたかな空間には、金沢21世紀美術館のスイミングプールで知られるアルゼンチンのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒのインスタレーションやインテリアの名品が設置。また、スタインウェイの最高峰の自動演奏ピアノを導入し、巨匠たちの音楽やピアニストによるライブ演奏が楽しめ、食、アート、デザイン、音楽、そして訪れる人の出会いを創出しています。農体験宿泊プラン第一弾は米澤文雄氏とコラボ※料理はイメージです今回スタートする「白井屋農体験宿泊プラン」は、榛名山の火山灰が堆積した良質な土と上州のからっ風に育まれた大根でつくられる「十文字たくあん」で知られる十文字ヴィレッジの農園で、土づくりを学び、種まきをし、収穫まで体験しながら大地にふれあうというもの。プランの第一弾として、味に深みのある経産牛のグリルやヴィーガン料理で知られ、レシピ本を出版し、東京青山のサステナブルグリル【The Burn】のエグゼクティブシェフ米澤文雄氏をお招きし、野菜本来の旨味を堪能できるお料理を提供します。米澤文雄氏はミシュラン三つ星店【Jean-Georges】にてインターンを経て、日本人初のスーシェフとなった方。帰国後、都内のレストランでシェフを歴任し、2014年【Jean-Georges Tokyo】オープンにあたり、シェフ・ド・キュイジーヌに就任。2018年9月【The Burn】をプロデュースし、エグゼクティブシェフに就任したあとは、ベジタリアン専門店【Salam】など手掛けています。白井屋農体験宿泊プラン&オプションプラン詳細農業体験は子どもの食育としてもうってつけ日程:2021年10月2日(土)宿泊プラン: 1泊2日2食(夕食&翌朝食)付き・初日農業体験42,990円~(1室2名様利用時、1名様料金)プログラム:10:00白井屋ホテル出発10:40十文字ヴィレッジ到着 。徒歩で畑へ移動11:00収穫体験開始・にんじん・ラディッシュ・ケール・昼食休憩※群馬県産のお米でつくったおにぎりと名産十文字たくあんのセット・カリフラワー・十文字大根の間引き作業14:30収穫体験終了。徒歩移動15:00十文字ヴィレッジ出発15:40白井屋ホテル到着。自由時間17:00希望者向け白井屋ホテルアートツアー18:00米澤シェフのディナーコース(白井屋ザ・ラウンジ)※当日は農作業ができる動きやすい服装をお持ちください。※アーリーチェックインで、客室にてお着替えができます。※雨天の場合は、つけもの体験など、屋内での体験プランに変更させていただきます。■お申し込み方法詳しくは、白井屋ホテルウェブサイトwww.shiroiya.com予約欄をご覧ください。料金はご宿泊タイプにより異なります。メール: info@shiroiya.com電話:027-231-4618※バスで移動しますので、定員になり次第締め切らせていただきます。■開催場所<農体験>十文字ヴィレッジ群馬県高崎市十文字町416-1<宿泊>白井屋ホテル群馬県前橋市本町2-2-15 027-231-4618■お食事だけのオプショナルプラン宿泊プランとは別に、採れたて野菜を米澤シェフが料理する、お食事だけのプランもご用意しました。<ディナー>2021年10月2日(土)18:00~(白井屋ザ・ラウンジ)米澤シェフのディナーコース10,000円/1名様(サービス料別)<ランチ> 2021年10月3日(日)11:30~(白井屋ザ・ラウンジ)米澤シェフのショートランチコース6,500円/1名様(サービス料別)「白井屋農体験宿泊プラン」で、群馬県の自然の恵みを肌で感じ、食する体験をしてみてはいかがでしょうか。「白井屋農体験宿泊プラン」に関するお問い合わせ電話:027-231-4618※今回の宿泊に関するお問い合わせはこちらになりますレストランに関する詳細はこちらSHIROIYA the LOUNGE【エリア】前橋【ジャンル】洋食【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】5000円【アクセス】前橋駅 徒歩10分
2021年09月01日ブルーボトルコーヒーは、群馬初となる「ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ」を、2021年9月17日(金)より前橋・白井屋ホテルの敷地内にオープンする。ブルーボトルコーヒーが群馬に初上陸、地方初出店東京や関西を中心に店舗を展開してきたブルーボトルコーヒーが、地方に初出店する。群馬初となる「ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ」では、バリスタが丁寧にハンドドリップした上質なスペシャリティコーヒーをメインに、エスプレッソドリンクなども提供する。「ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェ」が位置するのは、300年以上もの歴史を誇る白井屋旅館を大胆にリノベーションした「白井屋ホテル」。店内には、「白井屋ホテル」にも作品を展示する前橋市在住のアーティスト・白川昌生の新作アートを設置するなど、ホテルとリンクしたアーティスティックな空間を作り上げた。■「白井屋ホテル」とは国内外のアーティストによるアート作品の展示や地元の食材を活かしたこだわりの食の提供などを通して、“まちのリビング”になることを目指した群馬・前橋のホテル。300年以上の歴史を持つ「白井屋旅館」をリノベーションする形で2020年に開業した。レアンドロ・エルリッヒのインスタレーションを展開していたり、メインダイニングを「フロリレージュ」のオーナーシェフが監修していたりと、注目ポイントが目白押しとなっている。和菓子屋「和む菓子 なか又」コラボの限定ふわふわどら焼きまた、オープンを記念した限定メニューとして、群馬・前橋市の和菓子屋「和む菓子 なか又」とコラボレーションした「ブルーボトルコーヒー×なか又 ふわふわ わぬき コーヒークリームとあんこ 」を用意。ベースとなる、たっぷりのメレンゲを加えしっとりふわふわに仕上げたどら焼き「ふわふわ わぬき」は、「和む菓子 なか又」の看板商品として東京の催事などでも高い人気を得ている一品だ。「ブルーボトルコーヒー×なか又 ふわふわ わぬき コーヒークリームとあんこ 」は、一つひとつ丁寧に焼き上げたどら焼きの生地に、ブルーボトルコーヒーの定番ブレンド「スリー・アフリカズ」を使用した甘さ控えめのコーヒークリームと、「和む菓子 なか又」特製の自家製あんをサンド。ふわっとした口溶けと、コーヒークリームとあんこのハーモニーを楽しむことが出来る。ホテル内パティスリーとタッグを組んだ限定タルトもさらに、「白井屋ホテル」敷地内のパティスリー「the PÂTISSERIE」にてブルーボトルのコーヒーを材料に使用したタルト「グレープフルーツとコーヒーのタルト」を期間限定で発売。ブルーボトルコーヒーの定番ブレンド「ヘイズバレー・エスプレッソ」を使用したコーヒームースに、爽やかなグレープフルーツを合わせた、ジューシーでコクのある一品になっている。【詳細】ブルーボトルコーヒー 白井屋カフェオープン時期:2021年9月17日(金)営業時間:8:00~19:00(初日は10:00オープン)住所:群馬県前橋市本町2-2-15(白井屋ホテル敷地内 馬場川通り沿い)<ブルーボトルコーヒー×なか又 ふわふわ わぬき コーヒークリームとあんこ>販売期間:9月17日(金)~12月末価格:持ち帰り 540円、店内利用 550円<白井屋ザ・パティスリー×ブルーボトルコーヒー グレープフルーツとコーヒーのタルト>販売期間:9月17日(金)~10月31日(日)販売時間:10:00~18:00 月曜定休(祝日の場合は翌日休み)販売場所:白井屋ザ・パティスリー価格:1カット 900円、ホール(8カット) 7,000円
2021年06月26日俳優の稲垣吾郎が主演を務める舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』の公開ゲネプロが22日、東京建物Brillia HALLにて行われた。本作は、フランス革命期に実在した死刑執行人シャルル-アンリ・サンソンを稲垣が演じる新作舞台。マリー・アントワネット、ロベスピエール、ルイ16世らの首を刎ねたサンソンは、現役の医師であり、死刑廃止論者でもありながら、死刑執行人だった。激動のフランス革命期、運命に立ち向かった人物を稲垣が全身全霊で演じる。また、革命の中心とも言うべき国王ルイ16世を中村橋之助、シャルルの父親を榎木孝明が演じ、橋本淳、牧島輝、落合モトキ、藤原季節、清水葉月、田山涼成らも出演する。演出は白井晃氏、脚本は中島かずき氏(劇団☆新感線)、音楽は三宅純氏。この3人のクリエィティブチームは、舞台『ジャンヌ・ダルク』(2010年初演)、稲垣がベートーヴェンを演じた『No.9-不滅の旋律-』(2015年初演)に続き、3度目のタッグとなる。公開ゲネプロでは、群衆をかき分け登場し、マントを翻したサンソン(稲垣)。死刑執行人という生まれた時から決められた運命を受け入れ、悩みながらもその仕事に誇りを持って向き合う。罪や身分によって決められた刑を執行し、処刑台の上に立って大剣を振り下ろす場面も。「死刑制度はなくさなければならない」と自問自答しつつ自らの職務をまっとうするサンソンを稲垣が熱演した。開幕を前に、稲垣と白井氏がコメントを寄せた。■稲垣吾郎久しぶりの新作舞台になり、良い緊張感で稽古を続けることができました。フランス革命期に実在した死刑執行人“サンソン”は、僕がぜひ演じてみたいと思っていた人物でもあります。思い時代の中でも、社会を良くするために職務に忠実に生きた、サンソンという人物を精一杯演じたいと思います。■白井晃当初、このような時世の中で、これほどエネルギーを必要とする作品を作ることが本当にできるのか、大きな不安を持ちながら創作は始まりました。民主政治の源流となったフランス革命の熱と、その時期に実在したサンソンという死刑執行人の苦悩の物語を語るには、余りにも状況が不向きのような気がしたからです。ムッシュー・ド・パリと呼ばれたひとりの男がたどった人生は、今の私たちからはおよそ想像できないほど過酷なものだったはずです。しかし、その人生に迫ろうとキャスト、スタッフが懸命にリハーサルを積み重ねるうちに、人が集まり創造するという演劇の持つエネルギーが、私たちをどんどん前へと引っ張ってくれ、不安は少しずつ消えていきました。そして、今、死神のように恐れられたシャルル-アンリ・サンソンの、心の奥底に流れる優しさに触れることができた気がします。フィクションの中にあるリアルを作り出すために、献身的に惜しみなく力を発揮してくれた、キャスト、スタッフの結束力がもうすぐ実を結びます、きっと。舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』は、4月23日~5月9日に東京建物Brillia HALLにて東京公演、5月21日~24日にオリックス劇場にて大阪公演、6月11日~13日に久留米シティプラザにて福岡公演を上演。さらにこのたび、横浜公演が決定し、6月25日~27日にKAAT 神奈川芸術劇場にて上演される。※緊急事態宣言の発出により4月28日~5月9日の公演は中止
2021年04月22日フランス革命の時代に実在した死刑執行人、シャルルーアンリ・サンソンの実話をベースとした舞台『サンソンールイ16世の首を刎ねた男―』。主演・稲垣吾郎、演出・白井晃、脚本・中島かずき、音楽・三宅純の『N0.9―不滅の旋律―』を生み出した最強チームが手がける話題の新作には、人気と実力を兼ね備えた注目の若手俳優が多数、出演する。そのひとり、映像や舞台で放つ独特な個性が気になるこの人、藤原季節に稽古の様子や本作に懸ける思いを聞いた。『No.9~』を観た時、僕は足が震えました――今回のお話を受けて、参加を決めた時のお気持ちから教えていただけますか?僕はもともと演劇を観ることが好きで、小劇場の学生演劇から芝居を始めたんです。当時、いろんなアルバイトをして来た中には商業演劇の演出部のお仕事もあって、いつか大きい劇場に立って台詞を言いたい、そんな目標を持っていました。それ以降、アンサンブルとして出た経験はあるんですけど、今回のようにしっかり役をいただいて大劇場に立つのは初めてで。だから今、本当に毎日が幸せです。作品の内容やキャストの方々など、魅力はたくさんありますけど、まずは「大きな劇場に自分が立てるんだ!」ってことが嬉しかったです。――稲垣吾郎さん主演、白井晃さん演出、中島かずきさん脚本、三宅純さん音楽というと舞台『No.9―不滅の旋律―』という素晴らしい舞台が思い起こされます。はい、僕も拝見しまして、素晴らしかったです。先日も今回の共演者の牧島輝君と『No.9』について話して、牧島君は「すごすぎて手が震えた」と言ってましたけど、僕は足が震えました。――その鉄壁のチームで、また震えるような舞台を立ち上げてくれそうですね。責任感の強い役者さんが集まっていて、一人ひとりの情熱が稽古場に渦巻いているように感じています。皆でコミュニケーションを取り合う、素敵な現場です。――実在した人物を題材としたストーリーですが、脚本を読んで感じたことは?これまでフランスの歴史を深く調べたことがなかったので、知らないことばかりでした。今は寝る時間も惜しいくらい、フランス革命に関する資料を観たり、読んだりしています。歴史を知ることが面白くて、寝られないというか、うなされてますね(笑)。なので、最初に脚本を読んだ時は、歴史をよく知らなかったのでフィクションのように感じたんですよね。スペクタクルで、悲劇的で、なんて興味深い話なんだろうと。それから歴史を詳しく調べていくうちに、その興味がどんどん倍増していって……。パリで死刑執行人がひとりしかいなかったなんて、本当にこんなことがあったんだと。マリー=アントワネットやナポレオンが主役の物語はあるけど、死刑執行人を主役にするという視点がすごく面白いなと思いました。稽古を重ねて見えてきた、過激なだけじゃないサンージュストの一面――藤原さんが演じるのは、革命へとひた走る青年サンージュストです。どんな人物でしょうか。脚本を読んだ時に思ったのは、過激な思想を持っているということ。ルイ16世を処刑台に送ることが市民の平等につながる、その一直線な思いで突き進んで、少し浮き足立っていて……というふうに表面的な部分をとらえることは、ホンを読んだ段階で出来ていたんです。でも稽古をやっていくうちに、その過激さの理由というか、なぜ国王や反革命的な人間たちを次々に処刑台に送っていったのか、時代的背景やその心情を想像するようになりました。ただ過激なだけじゃないサンージュストの純粋すぎる一面が、稽古を重ねていくうちに見えてきて、そこも演じていて楽しいですね。――彼の中の“正義”が突っ走ってしまったと。そうですね。伝説的に有名と言われているサンージュストの演説(編集部注:1792年8月10日の革命後、最年少の25歳で国民公会議員となったサンージュストが国王裁判で行った「処女演説」)があるんですけど、その内容を読むと、すごく説得力があるんですよ。国王の存在自体が自然の摂理に反している、だから市民が平等になるには国王という存在をまず排除しないといけない……と。一度そういう考えに取り憑かれたら、もう進むしかなかったんだろうなと思います。稲垣吾郎さんはやっぱり異次元・・・目が合うと緊張します――先ほども「素敵な現場」とおっしゃっていましたが、演出の白井さん、共演の方々との稽古場の様子などを教えてください。こんなにクリエイティブな空間が生まれるなんて、こんな楽しい現場ってかつてあったかな? と感じるくらい、素敵な現場です。それは白井さんの采配によるものだと思いますね。稽古初日から全員の名前を覚えてくださっていて、一人ひとりに対して敬意を持って接してくださっているのがわかるんです。役も立場も関係なく、この場にいる全員が躍動感を持って、この物語を立ち上げていくんだ、っていう空間になっている。それが白井さんの演出なんだなと思います。――主演の稲垣吾郎さんの印象は?やっぱり異次元と言いますか、違う空間に立っている方といった緊張感がありますね。稲垣さんがいらっしゃる時といらっしゃらない時では、稽古場の空気がガラッと変わるので。しかも稲垣さんって、すごく周りの人のことを見ていらっしゃるんですよ。ホン読みの時とかでも「たまに目が合う」とほかのキャストも言っていました。僕も何度か……(笑)緊張しますね。これは、僕が子供の頃から見ていた方だから緊張するわけではなく、あの方が持っている“何か”だと思うんですよね。―――死刑執行人なんて、精神的にも肉体的にも、とんでもなく大変なキャラクターに感じます。そうですよね、サンソンは処刑だけじゃなく、拷問も担当するんですよ。市民に恐れられている存在なんです。サンソン家についてもいろいろ調べました。フランス革命について調べていくと、本当に面白いんですよ。議員たちは実際に自分の肉体でもって行動して国を変えようとしていたし、市民たちも自分のこととして国を考え、政治に関わっていた。今の日本とは全然違うなと思いますね。――観客もさまざまに思い巡らせ、揺さぶられる体験になりそうです。藤原さんが本作で、一番心に響いた部分は?今、稽古場で見ていて面白いなと感じるのは、ルイ16世とサンソンの悲劇的な関係性でしょうか。ルイ16世を演じる中村橋之助さんの芝居を見ているのも、すごく勉強になります。叙情的な声や仕草、そういうものの一つひとつに、橋之助さんご自身の「こういう俳優になりたい」という思いをひしひしと感じて。本当に、いろんな方から刺激を受ける毎日ですね。キャスト一人ひとりが必死に挑む舞台、お客さんも必死に楽しんで――小劇場での演劇経験とはまた別の、多くの新たな発見をされているように感じます。今までやってきたものとは全然違いますね。全身で舞台に立った時、その重心のかけ方にその人の精神力や意志、生活とか、いろんなものが立ち上がってくるように感じます。舞台って、何を考えているのかがバレてしまう空間なんだなと。これまでいろんな舞台作品を観て来て、どこかで“自分も通用するんじゃないか”と思っていたんですね。自分なりに、それを目標に突っ走って来たところがあって。でも実際にこうして大劇場の舞台に立てる時が来て、自分の考えが甘かったことを痛感しています。センスや感覚はもちろんのこと、しかるべき技術を持っていないと通用しない世界なんだなと。それがわかったうえで、本番までの残りの数週間でどこまで作品世界に近づけるか、僕自身の勝負だと感じています。――藤原さんの“勝負の時”を、観客の皆さんも楽しみにしていることと思います。お客さんには、ただ楽しんでもらいたいという一言に尽きますね。僕も『No.9』を観た時に、舞台芸術の力を実感しました。一人ひとりが躍動感を持ってベートーヴェンの物語を立ち上げている、そのことに深い感動を覚えて。観終わった後、自分の中に少しだけ変化があったというか、自分が信じている世界は間違ってなかった……といった、舞台芸術に対する自信のようなものを、あらためて感じました。『サンソン』は民衆の物語でもあって、キャスト一人ひとりがフランス革命の時代のうねりを体現しようと、必死に旗を振り回しています。その姿を見て、何かを感じ取っていただけたら。お客さんも必死に楽しんでいただきたいですね。取材・文:上野紀子公演情報舞台『サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー』演出:白井晃劇作・脚本:中島かずき音楽:三宅純原作:安達正勝『死刑執行人サンソン』(集英社新書刊)坂本眞一『イノサン』に謝意を表して出演:稲垣吾郎 /中村橋之助橋本 淳牧島 輝落合モトキ藤原季節清水葉月智順藤田秀世有川マコト松澤一之田山涼成 / 榎木孝明 他【東京公演】2021年4月23日(金)~2021年5月9日(日)会場:東京建物ブリリアホール※政府による緊急事態宣言発令により、4月28日(水)~5月9日(日)公演は中止となりました(4/25追記)【大阪公演】2021年5月21日(金)~2021年5月24日(月)会場:オリックス劇場※政府による緊急事態宣言延長により、大阪公演は中止となりました(5/12追記)【福岡公演】2021年6月11日(金)~2021年6月13日(日)会場:久留米シティプラザ【神奈川公演】2021年6月25日(金)~2021年6月27日(日)会場:KAAT 神奈川芸術劇場チケット情報
2021年04月16日シャネル(CHANEL)と、人気コミック『約束のネバーランド』を手がけた白井カイウ、出水ぽすかがコラボレーション。シャネルにインスパイアされたコミック『miroirs(ミロワール)』が2021年4月30日(金)に発売され、連動した展覧会を銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて2021年4月28日(水)から6月6日(日)まで開催する。尚、展覧会は「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」に巡回予定だ。“ミロワール=鏡”がテーマのマンガ&展覧会シャネルと、『約束のネバーランド』の原作者・白井カイウ、作画家・出水ぽすかによる新プロジェクトが始動する。テーマは“鏡”を意味する「ミロワール」。パリ・カンボン通りにあるガブリエル シャネルのアパルトマンの、鏡張りの螺旋階段や、ガブリエル シャネル自身が語ったとされる「鏡は厳しく私の厳しさを映し出す それは鏡と私の闘い 私という人間をあらわにする」という言葉から着想を得ている。白井カイウがガブリエル シャネルについて調べていく中で感じ取ったガブリエル シャネルの多面性を、アパルトマンに連なる鏡に見立てたという。ガブリエル シャネルの人生や哲学から着想のオリジナルストーリーシャネルとその創業者、ガブリエル・シャネルの人生と哲学から着想を得たコミック『miroirs』では、現代の東京を舞台にしたオリジナルストーリーを展開。ガブリエル シャネルのユニークなフィロソフィーや強いパッションを体現する3人のキャラクターを中心にしたエピソードが描かれる。「世界を塗り替えるココ」をテーマにしたメインビジュアルでは、新しいビジョンを提示し、女性たちのスタイルを新たに塗り替えてきたガブリエル シャネルと鏡面のようなイメージを表現。リトル ブラック ドレスを着た女性の足元には、油彩の道具を思わせるフレグランスボトルが無数に置かれている。シャネル×マンガの出会いを追体験できる展覧会そして、シャネル・ネクサス・ホールで開催される展覧会「MIROIRS – Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」ではマンガ作品『miroirs』をもとに、ストーリーに込められたメッセージやシャネルの貴重な資料を立体的に表現。日本ならではの文化として認知されている「マンガ/MANGA」を、シャネル・ネクサス・ホール独自の視点で展覧会として構築する。『miroirs』の3つの物語を表現、アイコニックなアイテムにまつわる資料も会場に足を踏み入れると、東京のナイトスケープの映像と、マンガ『miroirs』に登場する3人の主人公を描いたイラストのインスタレーションを展開する「鏡のコリドー」がお出迎え。その先に、マンガ『miroirs』の3つの章に合わせて構成される3つの空間が続く。それぞれの空間には、マンガ作品とともに、フレグランス「シャネル N°5」、リップスティック、リトル ブラック ドレスといったアイコニックなアイテムにまつわる資料が登場。白井カイウ&出水ぽすかのマンガとシャネルの時代を超えた出会いを追体験することができる。第1章 Sorcières –魔女–本や空想の世界が大好きな少女の物語が描かれる第1章「Sorcières –魔女–」を表現したスペースでは、見えないものに対して神秘的な探求を行っていたガブリエル・シャネルを彷彿させる幻想的な空間を演出。フランク ホーヴァット、カール ラガーフェルドらによる伝説的な鏡張りの螺旋階段の写真や、風刺画家セムが「シャネル N°5」の誕生を記念して制作したリトグラフなどが展示される。第2章 Menteuse –嘘つき–第2章「Menteuse –嘘つき–」では、「シャネル N°5」にフォーカス。“女性そのものを感じさせる、女性のための香り”を生み出したいというガブリエル・シャネルの思いから生み出された「シャネル N°5」を、『miroirs』の原作を担当した白井カイウは、自由気ままに生きる主人公の謎めいた人物像や深層心理の象徴、もしくはアイデンティティを形作る香りとして表現したという。第2章の部屋では、出水ぽすかが描き出したイラストとともに、「シャネル N°5」にまつわる貴重な資料や、ジャン ドゥ ゲヌロンによるガブリエル シャネルの肖像画などを展示する。第3章 Corneille noir –カラス–出水ぽすかが構想段階で描いた“少年とリップスティック”のイラストから着想を得て生み出されたのが、ステレオタイプな価値観のなかで息苦しさを抱える少年の物語を描いた第3章「Corneille noir –カラス–」。第3章の部屋では、自らの道を切り開こうとする少年たちのイラストとともに、シャネルの反骨精神やパラドックスを表現した空間が広がる。1950年代当時のリップスティックやその広告ビジュアル、ガブリエル シャネルの手書きメッセージが添えられたジャン・モラルによるガブリエル・シャネルの写真などが勢揃いしている。尚、会期中はシャネル銀座ブティックのマロニエ通り側ショーウィンドウに展覧会のスペシャル展示が登場。『MIROIRS』の世界観が銀座の街を彩る。【詳細】展覧会「MIROIRS – Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」会期:2021年4月28日(水)~6月6日(日)〈事前予約制〉会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F開館時間:11:00~19:30入場無料・要予約 ※詳細はウェブサイトに記載。URL: ※4月30日(金)~、会期後半となる5月17日(月)~6月6日(日)分のオンライン予約受付をスタート。※状況により開催日時等が変更となる場合あり。来館前に、ウェブサイトにて最新情報の確認を推奨。※会期終了後、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」に巡回予定。■書誌情報『miroirs(ミロワール)』発売日:2021年4月30日(金)レーベル:ジャンプコミックス定価:977円(税込)原作:白井カイウ作画:出水ぽすかISBN:978-4-08-882695-0発行:株式会社集英社【問い合わせ先】シャネル・ネクサス・ホール事務局TEL:03-3779-4001
2021年04月06日KAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督就任会見、ならびに2021年度ラインアップ発表会が行われ、現芸術監督の白井晃、芸術参与で次期芸術監督の長塚圭史が登壇した。3月末で任期を終える白井は、KAATに携わった7年の歳月を「身に余る重責に自問自答する日々でした」と振り返る。その中で、長塚の演出作である新ロイヤル大衆舎『王将』(2017年)を東京・下北沢で鑑賞した時に「小劇場からあふれ出るエネルギーや企画力をぜひKAATでも活かして欲しい」とオファーの経緯を明かした。続いて壇上に立ったのは、4月に白井からバトンを受け取る長塚。芸術監督としてのテーマに“劇場をより開いていく”を掲げ、実現に向けた3点の新方針を打ち出した。1.シーズン制の導入新国立劇場などですでに取り入れられているシーズン制だが、その狙いを「劇場に季節感やリズムをもたらしたい」と語った長塚。4〜6月にはプレシーズンとして、実験的なトライアル公演を多数投入する。その後、初夏に恒例のキッズプログラムを配置。8月からのメインシーズンには毎年タイトルを設け、今年は「冒(ぼう)」がアナウンスされた。「飛び出す・はみ出す・突き進むイメージで“冒険心”いっぱいにやっていきたいですね」2.ひらかれた劇場を目指してKAATは今年で開館10周年。長塚は「演劇界で存在感が増してきたKAAT自身を財産に、これまで芝居を観たことのない人にも届けたい」と意気込む。手始めに、新ロイヤル大衆舎『王将』の再演を開放的なエントランス(1階アトリウム)に特設劇場を設けて行う試みを発表。タニノクロウとは『虹む街』で神奈川県民とのクリエーションを企画中だ。自身が上演台本・演出を手がける最遊記モチーフの『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』では県内を西に向かって巡演し、「KAATを飛び出して多くの県民にお会いできれば」と笑顔を覗かせた。3.豊かな創作環境作り・劇場の未来を考える「上演がない期間もクリエーションが常に続いている劇場でありたい」という思いを込め、長塚は任期スタートとともに「カイハツ」と題したプロジェクトを始動させる。もともと“つくる劇場”を掲げていたKAATを「アーティスト同士の相互交流、国内外・新旧問わない戯曲との出会いや開発の場にできれば」として、さらなる創作環境の発展に努める構えだ。このあと、2021年度のKAATラインアップが発表された。「オリンピック前の上演がふさわしい」と長塚が懇願し、昨年度に公演中止となった『ポルノグラフィ』『未練の幽霊と怪物 ―「挫波」「敦賀」―』が持ち越されたほか、自身が演出する『近松心中物語』、2020年頭に草彅剛が主演し話題を集めた白井の演出作『アルトゥロ・ウイの興隆』再演も。心機一転したKAATの充実ぶりから、引き続き目が離せない。取材・文:岡山朋代
2021年03月05日彫刻家・名和晃平のインスタレーション『Metamorphosis Garden(変容の庭)』が、ギンザ シックスにて、2021年4月12日(月)から2022年4月までの期間で展示される。名和晃平は、京都芸術大学教授、創作プラットフォーム「サンドイッチ(Sandwich)」の主宰を務める彫刻家。彫刻の“表皮”に着目した作品を中心に創作しており、近年では建築やダンサーとの協業によるパフォーマンス作品も手掛けている。そんな名和晃平が新たに手掛けるインスタレーション作品『Metamorphosis Garden(変容の庭)』は、“生命と物質、その境界にある曖昧な存在が共存する世界”がテーマ。本作の展示場所となるギンザ シックスの中央吹き抜けには、不定形の島々と雫、生命の象徴としての“Ether”と“Trans-Deer”、アルミナとマイクロビーズの粒で覆われた彫刻群が登場。そこに振付家ダミアン・ジャレとの共作によるAR技術を用いたパフォーマンスを展開する。【詳細】名和晃平『Metamorphosis Garden(変容の庭)』展示期間:2021年4月12日(月)~2022年4月(予定)場所:ギンザ シックス 2階 中央吹き抜け住所:東京都中央区銀座6-10-1※ARは2021年4月末以降展開開始。
2021年03月04日2021年4月より、長塚圭史が白井晃の後を引き継ぎ、KAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任する。現芸術監督の白井晃は、2014年に同劇場の芸術参与に就任、2016年より芸術監督を務め7年間劇場と共に歩んできた。白井が「そのエネルギーをぜひ劇場に注いでほしい」と信頼を寄せる長塚の新芸術監督就任式と、2021年度の同劇場プログラムのラインアップ発表会がおこなわれた。白井晃長塚の芸術監督就任に際し、白井は「本当に嬉しく思っています」と喜びを表し、「(この7年間は)身に余る重責をいただいた、その重責との闘いだったと思います。就任時は開館3年の若い劇場で、“つくる劇場”を提唱してクリエーション力には定評がありましたが、より強い発信力が必要だと思いました。『劇場こそ広場である』という言葉がありますが、もっとたくさんの人に集まってもらいたいと思い、東京ではやらないようなより挑戦的で先鋭的なプログラムを企画し、おかげさまで19年度は過去最高のお客様に来場していただきました」と自身の就任期間をふりかえった。さらに「もっと面白く刺激的な作品をやらなければと思った時に、(長塚が所属する)新ロイヤル大衆舎の『王将』を下北沢の小劇場で観ました。そのエネルギーをぜひとも劇場にほしいと思い、それをきっかけにお願いしました」と長塚を任命した経緯を語り、「(予定していたプログラムの多くが中止になったため)バトンタッチをするときはここまでやっておきたいと思ったところに行けなかったのは残念」としつつ、「劇場を取り巻く環境も大きく変わらざるを得ない状況なので良いチャンスなのではと思います。この7年の間、関わってくださった全てのアーティスト・スタッフの皆さんに心から感謝します。長塚新芸術監督の船出を心よりお祝いします」と感謝と激励で締めくくった。長塚圭史続いて長塚新芸術監督より、2021年度に打ち出していきたい、という3つの方針についての説明があった。まずひとつめは、「シーズン制の導入」だ。「劇場に季節感やリズムをつくりたい、劇場がリズムをもっていると、周辺の方々により劇場という存在が浸透するのでは」と導入の理由を説明。4~6月を「プレシーズン」として実験的な公演を、夏には人気の「キッズ・プログラム」、そして秋から冬の半年間が「メインシーズン」。この「メインシーズン」は毎年テーマに沿ってプログラムを企画するとしており、2021年度のテーマは「冒」。ふたつめの方針は「ひらかれた劇場」。劇場の外からもみえる劇場1階のアトリウムに特設劇場を設置して新ロイヤル大衆舎『王将』を上演することが決定しているほか、劇場を飛び出して神奈川県内を巡演する公演も企画しているという。「まだ出会えていない方たちにもお会いできるように1階のアトリウムをもっと活用したい」と語る。3つ目は「カイハツ」プロジェクト。アイデアを練り上げたり、戯曲を研究したり「創造すること」に焦点をあて、アーティストがさまざまなアイデアをトライアルする場や機会を積極的に設けていくという。「上演をしていなくても、中ではぐつぐつと、アーティストたちが熱をもって創作をしている、そんな空間にできたら」と長塚。「大役を任せられて非常にがんばらなければと思っています。これまで10年間で築き上げられたものに大いにのっかって、動きのある劇場にしていきたいなと思います」と意気込みを語った。長塚圭史2021年度のラインアップは以下の通り<プレシーズン>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュースリーディング公演『ポルノグラフィ』2005年ロンドン市内で起きた地下鉄とバス同時爆破事件に想を得た意欲作をKAATプロデュース公演初登場となる桐山知也が演出。作:サイモン・スティーヴンス翻訳:小田島創志演出:桐山知也出演:上田桃子内田淳子小川ゲン奥村佳恵竪山隼太那須凜平原慎太郎堀部圭亮(五十音順)2021年4月16日(金)~2021年4月18日(日)<中スタジオ>■新ロイヤル大衆舎×KAAT『王将』-三部作-伝説の下北沢「楽園」公演から4年。アトリウム特設劇場にて『王将』待望の上演決定。作:北條秀司構成台本+演出:長塚圭史音楽:山内圭哉出演:福田転球大堀こういち長塚圭史山内圭哉(以上新ロイヤル大衆舎)常盤貴子江口のりこ森田涼花弘中麻紀櫻井章喜高木稟福本雄樹荒谷清水塚本幸男武谷公雄森田真和田中佑弥忠津勇樹原田志2021年5月15日(土)~2021年6月6日(日)<アトリウム特設劇場>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物』―「挫波(ザハ)」「敦賀(つるが)」―第72回読売文学賞受賞作。能のフォーマットを応用し、ついえた「夢」を幻視する、レクイエムとしての音楽劇。作・演出:岡田利規音楽監督・演奏:内橋和久出演:森山未來片桐はいり栗原類石橋静河太田信吾/七尾旅人(謡手)2021年6月上旬~下旬<大スタジオ>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『虹む街』演劇界の鬼才、タニノクロウが、“神奈川・横浜市のある地域、そこに暮らす人々の風景”を描く最新作。作・演出:タニノクロウ出演:安藤玉恵金子清文緒方晋タニノクロウ蘭妖子 +県民参加の皆様2021年6月上旬~下旬<中スタジオ>■KAAT DANCE SERIES 2021イスラエル・ガルバン「春の祭典』ストラヴィンスキーの作曲の根源に迫る傑作。振付・ダンス:イスラエル・ガルバン作曲・音楽監督:シルヴィー・クルボアジェピアノ:シルヴィー・クルボアジェ、 コリー・スマイス2021年6月18日(金)~2021年6月20日(日)予定<ホール>■KAATキッズ・プログラム2021『ククノチテクテクマナツノボウケン』振付家・北村明子と現代美術家・大小島真木がタッグを組み、「夏休み」をテーマに自然や生命をめぐる子ども向けダンス作品を上演。振付:北村明子舞台美術:大小島真木出演:柴一平清家悠圭岡村樹黒須育海井田亜彩実永井直也2021年7月<大スタジオ><メインシーズン『冒』>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『湊横濱荒狗挽歌(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび)』歌舞伎でおなじみの「三人吉三」をモチーフに、型破りでハードボイルドな現代劇が誕生。脚本:野木萌葱演出:シライケイタ2021年8月末~9月中旬<大スタジオ>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『近松心中物語』元禄時代の二つの恋の情景が、2021年の我々に問いかけることとは? 現代演劇の金字塔に、新芸術監督・長塚圭史が挑む。作:秋元松代演出:長塚圭史出演:田中哲司/ 松田龍平、笹本玲奈 / 石橋静河ほか2021年9月上旬~下旬<ホール>※北九州、豊橋、兵庫、松本公演もあり■KAAT EXHIBITION 2021 『志村信裕 展|游動』うつし/思い寄せる。その瑞々しさと、ゆらめき/語りかける。それらが交感する世界を志村の新作映像インスタレーションを通じて展覧。2021年9月9日(木)~10月8日(金)<中スタジオ>■KAAT DANCE SERIES 2021×Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021『エリア50代』出演:小林十市近藤良平ほか2021年9月23日(木・祝)~9月26日(日)<大スタジオ>■KAAT DANCE SERIES 2021×Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021『Noism Company Niigata × 小林十市』演出振付:金森穣出演:Noism0 / Noism1 / Noism 2、小林十市v2021年10月16日(土)~2021年10月17日(日)<ホール>■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『アルトゥロ・ウイの興隆』白井晃×草彅剛のタッグで注目集めた話題作が待望の再演。作:ベルトルト・ブレヒト翻訳:酒寄進一演出:白井晃音楽・演奏:オーサカ=モノレール振付:Ruu2021年11月<ホール>■KAAT DANCE SERIES2021『Le Tambour de soie綾の鼓』演出・振付・出演:伊藤郁女、笈田ヨシテキスト:ジャン・クラウド・カリエール原作:三島由紀夫音楽:矢吹誠2021年12月下旬<大スタジオ>■KAATカナガワ・ツアー・プロジェクト第一弾『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』誰もが親しむアジアの古典『西遊記』をベースに、長塚圭史が書き下ろし演出する、神奈川県内の伝説を巡る冒険譚。原作:呉承恩『西遊記』上演台本・演出:長塚圭史共同演出:大澤遊音楽:角銅真実2022年2月<中スタジオ>※相模原公演、大和公演、厚木公演、小田原公演、横須賀公演ほか、神奈川県内を巡演予定。■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ラビット・ホール』篠﨑絵里子×小山ゆうなの初タッグ。受け止めがたい現実を人はどのように受け入れていくことができるのか?作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー上演台本:篠﨑絵里子演出:小山ゆうな2022年2-3月<大スタジオ>■YPAM 2021‒ 横浜国際舞台芸術ミーティング開館以来開催してきたTPAMを受け継ぎ、国際的舞台芸術プラットフォームとして装いを新たに再出発。2021年12月中旬<ホール・大スタジオ・中スタジオ>予定【提携公演】仕立て屋のサーカス4月<大スタジオ>錬肉工房6月<中スタジオ>とりふね舞踏舎7~8月<大スタジオ>劇団た組10~11月<大スタジオ>OrganWorks12月<大スタジオ>地点1月<大スタジオ>Baobab1月<大スタジオ>Co.山田うん1月<大スタジオ>BATIK3月<大スタジオ>ほか※各公演の最新情報は、劇場公式サイト にてご確認ください。
2021年03月04日NHK大河ドラマ「青天を衝け」が早くも話題の吉沢亮が、2022年1月から舞台「マーキュリー・ファー Mercury Fur」に出演することが決定。北村匠海と共演する。「マーキュリー・ファー」は、イギリスの劇作家フィリップ・リドリーが2005年に書き下ろし、日本では2015年に白井晃の演出によりシアタートラムで初めて上演した作品。これまで、白井さんが世田谷パブリックシアターで演出を手掛けたリドリーの作品は5作に上り、いずれも斬新な劇場空間と衝撃的な演出で高い評価と話題を呼んだ。その中でも「マーキュリー・ファー」はほかの作品と比べ、より過激な表現、より挑発的なセリフが次々と繰り出される作風で、極限状態に置かれた人間の残酷さが描かれている。暴力と略奪がはびこる荒れ果てた世界であぶりだされる人間の本質を世の中に鋭く突きつけるとともに、生きること、愛することを渇望する人間の美しさが描かれ、初演時には観客に大きな衝撃を与えた。今回は劇場をシアタートラムから世田谷パブリックシアターへと移し、およそ7年ぶりに白井さんの演出で再演。大河ドラマ「青天を衝け」で主人公・渋沢栄一を好演している吉沢さんの新たなチャレンジとなり、映画『さくら』に続き、公開待機中の『東京リベンジャーズ』でも共演する北村さんと魅力的なタッグを組む。ストーリーボロボロの部屋にエリオット(吉沢亮)とダレン(北村匠海)の兄弟がやって来る。ふたりは急いでパーティの準備にとりかかる。そこに青年がひとり偶然顔を出し、「バタフライ」が欲しいので手伝うと言う。しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物と、パーティの首謀者らしき男が謎の婦人を連れてやって来る。彼らの関係は…?そして彼らの会話の中で語られる、バタフライの秘密とは…?やがて、きょうのパーティゲストが到着するが、用意した「パーティプレゼント」に異変が起きて、事態は思わぬ展開に…。「マーキュリー・ファー Mercury Fur」は2022年1~3月、世田谷パブリックシアターにて上演予定。*長野(松本)、新潟、兵庫(西宮)、兵庫(神戸)、愛知ほかツアー公演あり(text:cinemacafe.net)
2021年02月27日2015年に日本初演され、観客に大きな衝撃を与えたフィリップ・リドリー作×白井晃演出の舞台『マーキュリー・ファー』が、約7年の時を経て再演決定。キャストを一新し、吉沢亮と北村匠海の共演で2022年に上演される。ロンドン出身の劇作家フィリップ・リドリーは、演劇のみならず、映画、美術、小説の分野で活躍しているアーティスト。これまで白井は世田谷パブリックシアターで5作のリドリー作品の演出を手がけており、いずれも斬新な劇場空間と、衝撃的な演出で高い評価を集めた。白井は数多くの劇作家の作品を手がけているが、リドリーは彼が最も触発される劇作家のひとりと言っていいだろう。本作はリドリー作品のなかでも、より過激な表現、より挑発的なセリフが次々と繰り出される作風で、極限状態に置かれた人間の残酷さが描かれる。暴力と略奪がはびこる荒れ果てた世界であぶりだされる人間の本質を世の中に鋭く突きつけるとともに、生きること、愛することを渇望する人間の美しさが描かれた作品だ。今回は劇場をシアタートラムから、世田谷パブリックシアターに移しての再演となり、兄・エリオット役に吉沢亮、弟・ダレン役に北村匠海という新たなキャストを迎える。上演は2022年1~3月を予定。ストーリーボロボロの部屋にエリオット(吉沢亮)とダレン(北村匠海)の兄弟がやって来る。ふたりは急いでパーティの準備にとりかかる。そこに青年がひとり偶然顔を出し、「バタフライ」が欲しいので手伝うと言う。しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物と、パーティの首謀者らしき男が謎の婦人を連れてやって来る。彼らの関係は? そして彼らの会話の中で語られる、バタフライの秘密とは? やがて、きょうのパーティゲストが到着するが、用意した「パーティプレゼント」に異変が起き、事態は思わぬ展開に……【公演概要】『マーキュリー・ファー Mercury Fur』作:フィリップ・リドリー演出:白井晃翻訳:小宮山智津子出演:吉沢亮 北村匠海 ほか日程:2022年1~3月会場:世田谷パブリックシアター主催:公益財団法人せたがや文化財団企画制作:世田谷パブリックシアター後援:世田谷区
2021年02月27日俳優の稲垣吾郎が主演を務める舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』が、4月23日より東京建物Brillia HALLにて上演される。稲垣は、フランス革命期に実在した死刑執行人アンリ=シャルル・サンソンを演じる。ロベスピエール、マリー・アントワネット、ルイ16世……彼らの首をはねたのは、たった一人の男。シャルル=アンリ・サンソンは熱心なカトリック教徒であり「人間の生死を決められるのは神だけではないのか」、「死刑制度はなくさなければならない」と自問自答しつつ自らの職務をまっとうしていた。パリで4代目の死刑執行人として激動のフランス革命期を生きた実話をベースにその舞台化が決定。宿命と戦いながら生き抜いた孤高の物語を描く。稲垣はこの1月に『No.9-不滅の旋律-』で、3度目のベートーヴェン役を演じたが、今度は死刑執行人という新しい役柄を演じる。“死刑執行人”という運命を生きるシャルル=アンリ・サンソンの内面にうごめくのは筆舌に尽くしがたい葛藤。冷静沈着さの奥底で、人間の存在の生死にまつわる葛藤を稲垣吾郎が全身全霊で表現する。フランス革命の中心とも言うべきルイ16世は中村橋之助が演じ、橋本淳、牧島輝、落合モトキ、藤原季節、清水葉月、田山涼成らも出演。そして榎木孝明がシャルルの父親役としての大任を果たす。また、演出の白井晃氏、脚本の中島かずき氏(劇団☆新感線座付作家)、音楽の三宅純氏。この3人のクリエィティブチームは、舞台『ジャンヌ・ダルク』(2010年初演)、『No.9-不滅の旋律-』(2015年初演)に続き、3度目のタッグとなる。稲垣は「2015年から3度上演した舞台『No.9』に続き、白井晃さん、中島かずきさん、三宅純さんの手掛ける作品に出演できることをとても光栄に思います。『No.9』で演じたベートーヴェン同様、今回も歴史上に実在した人物、シャルル=アンリ・サンソンを演じます。フランス革命期という激動の時代に、“死刑執行人“という生まれた時から決められた決して抗うことのできない運命を受け入れ、悩みながらもその仕事にプライドを持って生きてきた人物です。どれだけの重圧を背負っていたのか、今はまだ計り知れませんが、これから稽古を通して創りあげていくことで新しい自分と出会えることが楽しみでもあります。歴史の中で苦悩したサンソンの気持ちに寄り添い、伝えていきたいと思っています。このような時代だからこそ、サンソンを通じて厳しい運命の中でも目を背けずに希望を見出す姿を皆様にお届けできれば嬉しいです」とコメントしている。舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』は、4月23日~5月9日に東京建物Brillia HALLにて東京公演、5月21日~24日にオリックス劇場にて大阪公演、6月11日~13日に久留米シティプラザにて福岡公演を上演。
2021年02月18日フルーツタルトの専門店「白井屋 ザ・パティスリー(SHIROIYA the PÂTISSERIE)」が、2021年2月12日(金)群馬・前橋の白井屋ホテル内にオープンする。フルーツタルト専門店「白井屋 ザ・パティスリー」「白井屋 ザ・パティスリー」は、ミシュランレストラン出身のパティシエ延命寺美也監修のもとオープンする、前橋初の本格的フルーツタルト専門店。延命寺美也は、フレデリック・カッセルなどで修業を積んだパティシエで、“皿盛りデザート”の人気店・青山「エンメ(EMME)」を手掛ける人物だ。「白井屋 ザ・パティスリー」は、白井屋ホテル内の小さなタルト工房で手作りした新鮮なフルーツタルトを提供。旬なフルーツと厳選素材を贅沢に使用して、こだわりのスイーツを展開する。看板商品の一つとなるのが、苺の味をストレートに堪能できる「苺のタルト」。バニラビーンズをたっぷり使用したカスタードクリームと、ほんのり塩味を感じる“ホロホロ食感”のタルト生地を組み合わせて、スライスカットしたストロベリーを花のように盛り付けた。他にも、隠し味にほうじ茶を使用した「栗の渋皮煮のモンブラン」や、ハーブの清涼感を味わえる「ピスタチオのチーズタルト」など、スイーツファンを虜にする華やかなメニューを取り揃える。できたてのタルトは、テイクアウトだけでなく、白井屋ホテル内のオールデイダイニング「the LOUNGE」でも楽しむことができるので、白井屋ホテルの宿泊の思い出に味わうのもおすすめだ。また、タルト・ケーキ以外にも、ひとつひとつ丁寧に手作りした焼き菓子を用意。マドレーヌ、フィナンシェ、フロランタンなど全6種の焼き菓子は、いずれもバターをたっぷり使ったリッチな味わいとなっている。【詳細】白井屋 ザ・パティスリーオープン日:2021年2月12日(金)住所:群馬県前橋市本町2-2-15白井屋ホテルTEL:027-231-2020営業時間:10:00~18:00月曜定休(月曜日が祭日の場合は翌火曜日が定休)<価格帯>タルト 1ピース 550円+税〜、1ホール4,000円+税〜フロランタン200円+税/個マドレーヌ200円+税/個フィナンシェ220円+税/個マドレーヌ・フィナンシェ・フロランタン3個入り 700円+税
2021年02月13日『アーリントン〔ラブ・ストーリー〕』が1月16日(土)からKAAT神奈川芸術劇場にて開幕する。2020年4月、開幕直前に公演中止となった作品。KAAT芸術監督でもあり、今作の演出を務める白井晃の尽力で、中止から9か月という異例の早さでの上演が決定した。白井と、主演の南沢奈央に話を聞いた。時間を置いたことで、作品を俯瞰して見られた「稽古中も途中から時間を短縮したりしていて、少しずつ不穏な空気が忍び寄っていたんです。それでも初日が延期になったときにはまだ『上演できる』という希望があったので頑張っていられたのですが、中止が決まった瞬間に心が折れたのか、体調を崩してしまって。表現をする場がなくなってしまうのはこんなにもつらいんだ、と思いました」(南沢)「通し稽古も終えて、明日にも舞台での稽古をスタートするという段階で緊急事態宣言が出て延期になり、さらに中止が決定しました。でもこの難しい作品を南沢(奈央)くんや平埜(生成)くん、入手(杏奈)くんと力を合わせて作ってきた、スタートラインまできていたものがここで終わることはどうしてもできないと思いました。それだけの思いで1月の上演にこぎつけました」(白井)「こんなにも早く、もう一度やると決断してくださって、生きる気力が湧いてきました」(南沢)『アーリントン〔ラブ・ストーリー〕』は、2018年に上演された『バリーターク』で注目を集めたエンダ・ウォルシュによる戯曲。『バリーターク』で彼の作品の魅力にはまったという白井が再び挑む今作では、どこかに閉じ込められている若い女・アイーラと、それを監視する若い男が直接顔を合わせないまま会話を交わし合う。「本人は明言していませんが、彼にこれを書かせた背景は、たとえばヨーロッパに入ってきた難民たちがひとつところに集められて出ることもできないような状況だとか、社会の格差、紛争から生まれた弱者の有りよう……。そのようなことがあったと思うんです。それが、コロナ禍以降僕らが置かれた状況に酷似してしまった。感染を予防するために自分たちで決めたガイドラインによって圧力をかけあい、規制しあっている。人々が管理しあっている。それは、まさにアイーラがカメラでずっと監視されている状況と変わらないと思うんです。よくぞこんな凄い作品を書いたな、と思います」(白井)「私は閉じ込められている設定なので、声だけを聞いてやりとりしていかなくてはいけない。稽古を通じて、ふだんどれだけ直接顔を合わせることで影響し合っていたのかを実感しました。登場人物も少ないし、一見静かな戯曲に見えますが、白井さんも翻訳の小宮山(智津子)さんもこれはエネルギッシュな作品だとおっしゃっていて。稽古を重ねていくうちにその感覚がわかってきたんですが、広い空間に自分ひとりでエネルギーを出していくのは大変で、それだけにすごく面白い作品だと思います」(南沢)「直接会うことのない、声だけで心を通わす男女の物語に〔ラブ・ストーリー〕というタイトルがついているのが切ないよね。いちど時間を置いたぶん、今はいい意味でこの作品を俯瞰して見られている気がします」(白井)今の状況で観てもらうことで響くものがある白井が語るように、「直接会うこともできず、離れた場所から声だけで交流する」という今作の設定は、コロナによって切り離された人々と重なる。「以前稽古していたときは物語の中でしかありえなかったできごとが、とても現実的になってしまった。むしろ、今この時期にやるべきものとしてチャンスを与えられたんじゃないかなと思えるようになりました」(白井)「自粛期間中、『アーリントン』のセリフをことあるごとに思い出しては『これはまさにいまの私の気持ちだ!』と思っていました。良くも悪くも『この戯曲はそういうことだったのか』と改めて捉え直す感覚がありました。今の状況の中で観ていただくことで、お客様にも響くものがあるんじゃないかなと思います」(南沢)一度は「幻の作品」になりかけた『アーリントン〔ラブ・ストーリー〕』が、驚くほどいまの世の中に寄り添った作品として再起動する。「つい先日、自粛明け初の舞台(『ハルシオン・デイズ2020』)に立ちましたが、今までに味わったことのない気持ちでした。お客様の前に立って、直接演じられるこの舞台という場所は絶対になくなってはいけないと思っています。思い入れのある『アーリントン』が再びお客様に届けられるチャンスを得られたのは本当に幸せです」(南沢)「とにかく、劇場を開き続けること、演劇を上演し続けることのために戦った1年でした。表現衝動は人間が生きている限り止められないと思うので、今できることを精一杯やって前に進んでいきたいと思います」(白井)今作は白井にとって、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督として演出を手がける最後の作品となる。最後に、2021年4月に芸術監督のバトンを渡すこととなる長塚圭史へのメッセージを語ってもらった。「まさかこんな事態でのバトンタッチになるとは思っていませんでした。僕自身、もっとKAATに文化的な財産を蓄積し、それを渡していかようにも変容させてほしかった。もう少し華々しく迎えられたらよかったんですが……。けれど、長塚くんはきっと彼なりの展望をもって、新しい公共劇場のあり方、新しいKAAT像を作ってくださると思っています」取材・文:釣木文恵撮影:源賀津己『アーリントン』〔ラブ・ストーリー〕作:エンダ・ウォルシュ翻訳:小宮山智津子演出:白井晃出演:南沢奈央 / 平埜生成 / 入手杏奈声の出演:川平慈英 / 霧矢大夢 / 那須佐代子 / 伊達暁2021年1月16日(土)~2021年1月31日(日)会場:KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>
2020年12月28日KAAT神奈川芸術劇場プロデュースによるダンス作品『星の王子さま –サン=テグジュペリからの手紙–』が、今秋幕を開ける。8月中旬のプレ稽古期間中、本作の演出・振付を手がけ、自身も出演する森山開次に構想を尋ねた。【チケット情報はこちら】フランスの作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる小説『星の王子さま』をベースに、彼の人生や『夜間飛行』といった他作品もモチーフに散りばめつつ展開される本作。キャストにはアオイヤマダ、小㞍健太、酒井はな、島地保武らダンサーが名を連ねるほか、歌手の坂本美雨もステージを彩る。音楽座ミュージカル在籍時の演目として、また白井晃の演出版(2005年)に出演したことから『星の王子さま』に親しみを覚えていた森山。「自分が手がけたらどうなるか、挑戦したい作品のひとつだった」と企画の始まりを紹介し、「その世界を分解・再構築した上で、身体表現で表してみたい」と意気込んだ。“大切なものは目に見えない”に代表される小説の有名なフレーズも「登場しないことは確実」「そもそも劇中で言葉を用いる可能性が少ない」とクリエーションの初期段階で述べるほど、森山は身体表現を追求する構えを見せる。観客によっては哲学的で難解と感じられるテーマを、ノンバーバルでどのように伝えるのか──。そう尋ねると、森山は『星の王子さま』の1章で綴られるエピソードを持ち出した。子どもが描いた、象を丸呑みして体がデコボコに膨れた“ウワバミ(大蛇)”の絵を、大人は“帽子(シルクハット)”としか捉えられない。この場面について「子どもの方が発想力豊かで、大人になるほどセンサーが衰えることは現代にも通じる」と感じた森山は、「コロナ禍で視野が狭くなりがちな今だからこそ、同じ物事をいろんな視点から見つめて解釈することが必要」として“想像力”の大切さを訴えた。この力を鍛えるには「言葉より身体表現の方が、想像の余白やグレーゾーンを残しておける」と森山。そういった意味で「一般的にイメージされる『星の王子さま』をなぞることはせず、ビジュアルからして別物になるでしょう」と予告し、「原作とのギャップを楽しんでください」「大切なものだからこそ、お目にかけたい」と笑ってみせた。日比野克彦の美術・ひびのこづえによる衣裳が、森山のビジョンをどのように支えるか──。こちらもぜひ劇場で確かめて欲しい。公演は、11月上旬~中旬に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。その後、11月21日(土)に長野・まつもと市民芸術館、12月5日(土)・6日(日)に京都・京都芸術劇場 春秋座、12日(土)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールと巡演する。10月3日(土)の一般発売に先駆け、9月27日(日)より先着先行受付開始。取材・文:岡山朋代
2020年09月25日