アニメーション映画『劇場版ポケットモンスター ココ』(12月25日公開)の完成披露試写会が8日、都内で行われ、上白石萌歌、中村勘九郎、岡崎体育、松本梨香、矢嶋哲生監督が登壇。サトシ役の松本が「ゲットだぜ!」と決め台詞を響かせると、「ポケモン」の大ファンだという上白石が「生サトシを耳にできて、今すごく震えております!」と興奮の思いを明かした。本作は、1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から始まって今年で23作目を迎えるポケモン映画の最新作。森を舞台に、人間の少年・ココと、ココを育てたポケモン・ザルードの親子の愛と絆を描く。ポケモンに育てられた少年のココを上白石、森でココを見つけ育てた幻のポケモン・ザルードを勘九郎が演じる。上白石は「『ポケモン』のドンピシャ世代なので、ずっとサトシがヒーローだった。私は女ですけれど、目指すべき人物という感じがしている。サトシってすごくかっこいいですよね」と告白。勘九郎も「今回、サトシの魅力がまた改めてわかりました。諦めない姿勢、まっすぐな気持ちというのは、本当にかっこいい」とポケモン愛を炸裂させ、「もう一度、『ゲットだぜ!』を聞きたい」とおねだり。すると松本が「みんなも自分のキャラクターをやってほしい」と無茶振りをし、上白石と勘九郎が急遽ココとザルードを演じる一幕もあり、松本と会場を喜ばせていた。またこの日は、モンスターボールを掲げながら「今年のクリスマスになにをゲットしたいか」を発表することになった。松本は、本作がクリスマスに公開となることから「クリスマスに、みんなの笑顔ゲットだぜ!」と声を大にし、上白石と勘九郎は「かっこいい」と惚れ惚れ。上白石は「猫との生活、ゲットだぜ!」と照れ笑いで回答。「姉と2人暮らしをしているんですけれど、動物が大好きなので猫を飼ってみたい」と明かす。勘九郎は「クリスマスに、長年の夢ゲットだぜ!」と語り、「アニメが大好きで、声のお仕事をやってみたいという願いが『ポケモン』でかなったので感無量です。ザルード役をやらせていただいて、子どもたちからの尊敬もゲットだぜ!」と大満足の表情を浮かべていた。「代官山に豪邸、ゲットだぜ!」と生々しい答えを繰り出したのが、岡崎。周囲から「リアルだな。(会場には)子どもたちがいっぱいいるんですよ」と突っ込まれると「ごめんね!」と謝罪し、会場を笑わせていた。映画『劇場版ポケットモンスター ココ』は、12月25日より全国公開。
2020年12月08日今年で23作目を迎えるポケモン映画最新作『劇場版ポケットモンスター ココ』の新たな公開日が12月25日(金)に決定。岡崎体育がプロデュースし、トータス松本が歌うメインテーマ「ふしぎなふしぎな生きもの」入りの最新予告映像も解禁された。岡崎さんは本作のメインテーマをはじめとした劇中楽曲(テーマソングを含む全6曲)をプロデュース。大のポケモン好きとして知られ、TVアニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」(2016年11月~2019年11月まで放送)では、オープニングテーマとエンディングテーマの両方を担当。今回満を持して、自身としても“初”となる劇場版アニメのテーマソングをプロデュースすることになった。単独のアーティストによる複数楽曲が本編に使用されるのは、ポケモン映画として“初の試み”という。さらに、本作の監督である矢嶋哲生は『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』で、監督を20年務めた湯山邦彦からバトンを受け継いだ新たな才能であり、同じくポケモン世代でもある岡崎さんと共にポケモン映画に新たな風を巻き起こす!また、岡崎さんが書き下ろしたいくつかの楽曲には複数の有名アーティストをヴォーカリストとして迎えた曲もあり、今回は先行して、メインテーマ「ふしぎなふしぎな生きもの」をトータス松本(ウルフルズ)が歌うことが明らかに。かねてより親交のあった2人にとっても初のコラボ。歌詞には「親子ってなんだ? 育てるってなんだ?」といった父親目線のメッセージが散りばめられ、本作の世界観に優しく強く寄り添った楽曲に仕上がっている。そのメインテーマが流れる最新の予告映像では、ある日、よそ者が足を踏み入れることを許さないポケモンたちの楽園・オコヤの森で人間の赤ん坊を見つけたザルード(声:中村勘九郎)の姿が。見捨てられないザルードは、森の掟に反して赤ん坊をココと名付け、群れを離れてふたりで暮らすことを決意する。ポケモンが人間を育てる生活が始まって10年。オコヤの森にやってきたサトシとピカチュウに出会ったココ(声:上白石萌歌)は、「父ちゃん、オレはニンゲンなの?ポケモンなの?」と疑問が芽生え始めることに。悩むココと、本当の父親の様にココを想うザルードのいままでにない親子の絆を描いた内容と歌詞にも注目の映像となっている。「『ミュウツーの逆襲』をワクワクしながら観てたポケモン大好き少年」だったという岡崎さんは「20年以上の時が経ち、ポケモン大好き少年は気がつくと映画に携わる側になるというふしぎな体験をしています」と喜びをコメント、「将来、この映画を観た子どもたちの中に、僕みたいなふしぎな体験をする子がいてくれることを願っています」と希望を込めて語る。また、以前から岡崎さんに興味があったというトータスさんは「歌ってくれと頼まれてすぐ引き受けた。そしたらポケモンの、グッとくる歌だった」と明かし、「世のお父ちゃんはみんな、岡崎君に泣かされると思います」と絶賛のコメントを寄せている。『劇場版ポケットモンスター ココ』は12月25日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:劇場版ポケットモンスター ココ 2020年冬、全国東宝系にて公開予定©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon©2020 ピカチュウプロジェクト
2020年08月05日『劇場版ポケットモンスター ココ』が全国公開。当初、2020年12月25日(金)に公開される。23作目のポケモン映画!矢嶋哲生監督による完全オリジナルストーリー1998年公開『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から始まったポケモン映画。2019年には、その記念すべきシリーズ第1作目が、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』として、フル3DCGで上映されたことが記憶に新しい。そんな人気シリーズの23作目となる『劇場版ポケットモンスター ココ』は、2018年の『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』を手掛けた矢嶋哲生監督による完全オリジナルストーリーだ。“親子の関係”にフォーカス今までポケモン映画で描かれてきたのは、“トレーナーである人間とポケモン”との絆の物語。『劇場版ポケットモンスター ココ』では“ポケモンが人間を育てる”という新しいカタチの絆を描いた物語となっており、“親子の関係”がフォーカスされる。ポケモンに育てられた少年“ココ”と、父親ザルードの物語物語の舞台となるのは、よそ者が足を踏み入れることを許さない、厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園・オコヤの森。森の中を人間離れした動きで飛び回りながら、偶然冒険にやってきたサトシとピカチュウの目の前に姿を現し「コ…、コ」と名乗ったのは、ポケモンに育てられ、自らもポケモンだと信じる少年「ココ」だった。ポケモンたちに囲まれて木の実を食べたり、木の上で居眠りしつつも、見た目は人間のココに対して、サトシは次第に「本当にポケモンなのか?」と感じはじめる。そんな中、突然オコヤの森に危機が訪れ、ポケモンを助けて回るココだったが、彼自身も危ない目に。ココを間一髪のところで助け、彼が「父ちゃん」と呼んだのは幻のポケモン・ザルードだった。なぜココはポケモンとして育ったのか?そしてザルードはどうしてココを育てたのか?2人の“親子の関係”から目が離せない。上白石萌歌&中村勘九郎ら豪華声優陣そんなココの声を、映画『未来のミライ』で声優初挑戦ながら見事4歳の男の子を演じきった上白石萌歌が担当。ココを育てた幻のポケモン・ザルートは、映画『銀魂』に出演するなど、歌舞伎役者のみならず活動の幅を広げる中村勘九郎が声を充てる。また、中川翔子、山寺宏一といった劇場版ポケットモンスターシリーズの常連2人の出演も決定している。幻のポケモン・セレビィも登場メインビジュアルには、ザルードに頭を撫でられて照れくさそうにしているココと、そんな二人を温かく見守るサトシとピカチュウ、ホシガリスが描かれている。そして、頭上の葉の間には幻のポケモン・セレビィの姿も。セレビィが物語にどう関わってくるのかも注目だ。メインテーマは岡崎体育×トータス松本テーマソングを含む全6曲の劇中楽を岡崎体育がプロデュース。メインテーマ「ふしぎなふしぎな生きもの」はトータス松本が歌い上げる。岡崎体育とトータス松本は初のコラボとなる。ストーリー人里から遠く離れたジャングルの奥地。厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園、オコヤの森があった。そこで仲間たちと暮らしていた頑固者のザルードは、ある日、川辺で人間の赤ん坊を見つける。「ニンゲン、これが・・・」見捨てられないザルードは、森の掟に反して、赤ん坊をココと名付け、群れを離れてふたりで暮らすことを決意する。ポケモンが人間を育てる生活が始まって10年。ココは、オコヤの森にやってきたサトシとピカチュウに出会う。初めてできた「ニンゲンの友達」。自分のことをポケモンだと信じて疑わなかったココの胸の中に、少しずつ疑問が芽生え始める。「父ちゃん、オレはニンゲンなの?」自分はポケモンなのか?それとも人間なのか?悩むココだったが、ある日、招かざる人間の足音が森に近づいてきて、平穏な日々が一変する―。詳細『劇場版ポケットモンスター ココ』公開日:2020年12月25日(金)出演:松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、堀内賢雄、上白石萌歌、山寺宏一、中川翔子、中村勘九郎原案:田尻 智監督:矢嶋哲生脚本:冨岡淳広、矢嶋哲生アニメーション制作:OLM製作:ピカチュウプロジェクト配給:東宝©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku©Pokémon©2020 ピカチュウプロジェクト
2020年01月13日1998年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から始まり、今年で23作目を迎えるポケモン映画。この度、最新作の正式タイトルが『劇場版ポケットモンスター ココ』に決定。特報映像と共にポスタービジュアルがお披露目された。昨年は、記念すべきシリーズ第1作目が『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』として、フル3DCGとなって帰ってきたポケモン映画。初めて観た子どもたちはもちろん、かつてポケモン映画に夢中になっていた大人たちも懐かしさと共に、進化した映像美、そして変わらない勇気と感動のストーリーに興奮。かつて劇場で観ていた子どもたちが、いまや親世代となり、自分の子どもを連れ2世代で“ポケモンの夏”を一緒に体感している。そして、2020年に登場するのは『劇場版ポケットモンスター ココ』。「ココ」とは何を示すのか、現在はポケモンの名前なのかどうかも明かされておらず、ちなみにポケモン映画史上、最も短いタイトルとなっている。メガホンをとるのは、2018年に公開され、大ヒットを記録した『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』の矢嶋哲生監督。2年ぶりとなるポケモン映画で、完全オリジナルストーリー。同作では初の群像劇に挑戦し、勇気と感動のストーリーに仕上げたその手腕と才能を今作でも発揮させる。さらに併せて解禁となったポスタービジュアルで気になるのは、ジャングルに足を踏み込んだサトシとピカチュウを、木の上から物珍しそうに眺めている何者かの後ろ姿…。身体中に描かれた不思議な模様や、ツルのようなものが巻かれた手首などその容姿も注目だが、特報の中では、ジャングルの中を人間離れした動きで疾走する姿も。ジャングルを舞台にしたサトシとピカチュウの壮大な冒険にどう関わってくるのか、期待が高まる。『劇場版ポケットモンスター ココ』は7月10日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年01月10日ポケモン映画シリーズ第1作目をフル3DCGで描く映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』の公開を記念して、昨年公開された『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』が7月11日(木)に世界初放送されることが決定した。「『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』公開記念!みんなで『みんなの物語』ポケモン2時間スペシャル」と題し、『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』の世界初放送に加え、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』公開記念生放送の2時間スペシャル!生放送にはヒャダイン、あばれる君、サンシャイン池崎が登場し、後半には映画シリーズお馴染みの中川翔子も登場する。また『みんなの物語』放送中には、日本初の取り組みとして、TVのデータ放送とTwitterを連動させ、映画放送中の画面に視聴者のツイートを表示させ、みんなで語り合い“応援しながら”映画を観る応援放送を実施する(※Twitter連動データ放送はテレビ東京系列のみ※録画では表示されません)。昨年に引き続き、Twitter Periscopeで生コメンタリー番組の配信も決定。矢嶋哲生監督をゲストに招き、ここだけの裏話を語ったり、出演者自ら応援ツイートしたり、出演者が映画を観ながら大興奮する様子をTwitterで生配信する。「『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』公開記念!みんなで『みんなの物語』ポケモン2時間スペシャル」は7月11日(木)18時55分~テレビ東京6局ネットにて放送。『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』は7月12日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:劇場版ポケットモンスター みんなの物語 2018年7月13日より全国にて公開©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku©Pokémon ©2018 ピカチュウプロジェクトミュウツーの逆襲 EVOLUTION 2019年7月12日より全国東宝系にて公開©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon©2019 ピカチュウプロジェクト
2019年06月28日世界中で愛される「ポケットモンスター」の劇場版最新作が、7月13日(金)より公開されることが決定。あわせて第1弾ポスタービジュアルと、30秒の特報映像が到着した。今年の夏に公開された劇場版第20作『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』は、TVアニメ第1話の最後で空を飛ぶホウオウを見つけたサトシとピカチュウが、「いつか一緒にあいつに会いに行こうぜ」と誓い本当のパートナーとなるまでの成長を描き、かつて「ポケモン」に夢中になっていた大人たちも巻き込み、300万人を超える動員を記録。その後も世界の計36か国で上映された。前作のエンディングで、さらなる冒険に向けて旅立ったサトシとピカチュウ。今回到着したポスタービジュアルでは、ふたりが出会う新たな仲間とは…と、まだ見ぬ仲間たちの登場を予感させる仕上がりとなっている。また30秒の特報映像では、サトシとピカチュウが映し出されるほか、ポスターにもその姿が少しだけ写る、謎の少女の顔も確認することができる。本作の監督には、1作目から劇場版の監督を続けていた湯山邦彦からバトンを受け継ぎ、前作で副監督を務めた矢嶋哲生。一方、湯山氏はアニメーションスーパーバイザーとして引き続きポケモン映画に参加。さらに、キャラクターデザインを「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」の金子志津枝、アニメーション制作はWIT STUDIOとOLMのタッグで新しい風を吹き込む。『劇場版ポケットモンスター 2018』(仮)は2018年7月13日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年12月11日練馬区立区民・産業プラザにて「アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2016」が開催され、数多くのアニメ関係者が参加した。同フォーラムはペーパーレス作画をテーマにした初の大規模フォーラムとして1年前に発足したもの。今回のACTFでは作画のデジタル化とフローの改革に取り組んだ制作プロダクションから担当者が登壇し、実際の作品事例を通してデジタル作画に関する講演を行った。本稿では株式会社オー・エル・エムによる講演「Toon Boom Harmonyを使ったデジタル作画ワークフロー構築への道」をレポートする。オー・エル・エムはTVアニメ「ポケモン」「妖怪ウォッチ」を手がけてきたアニメ制作会社だ。デジタル化も推進しており、オー・エル・エム・デジタルというCG制作会社を傘下企業に持っている。もっとも、講演に登壇したオー・エル・エムの加藤氏によると、「今回の事例はオー・エル・エムだからできたものではない」という。「仕事としてワークフローに落としこむという面からは、(デジタル作画は)難しくないと考えている」。そんなオー・エル・エムですら、デジタル作画を導入した当初、現場の混乱は避けられなかった。空き机にテスト用のPCを設置したが、クリエイターからは不満が噴出する。曰く、「マニュアルが理解できない」「ワークフローへの不安、不審」「賃金は上がるのか、下がるのか」「技術を習得する間、賃金は出るのか」といった具合だ。2015年4月、そうした状況の中、オー・エル・エムはToon Boomによるデジタル化の本格導入に踏み切った。ただし、作品ごとに「やれること」や「取り組み方」が違うため、それぞれのプロジェクトチームで取り組み方が違うため、それぞれのプロジェクトチームで取り組み方を変えたという。5月末には、Toom Boom本社から講師を招き集中講座もを行った。言語はもちろん、海外とはワークフローも用語の使われ方も異なり、道のりは険しかった。その結晶として作られた「Toon Boom Harmony」日本語チュートリアルは、同ソフトの代理店で無料配布されている。各チームのプロデューサーはデジタル化における目標を設定。「Story Board Proを使って演出」「作画は2名くらいで数カットやってみる」「OP/EDをやってみたい」などが挙がったが、どれも「したい」レベルで止まってしまっていたという。原画マンと演出にもプロジェクトチームに入ってもらい、2ヶ月ほどかけて番組末尾のコーナー映像を制作。しかし、オンエアレベルには到達せず、厳しい状況が続いた。After Effectsのワークフローが洗練されていて、Toon Boomで代用するのは難しいという事情もあった。一方で、デジタル作画のメリットも見えてきた。デジタル作画によって、表現の幅が広がり、はアニメーターの作業領域を増やすことができる。現在の作業工程が変化すれば、アニメーターの賃金がアップする可能性もあるという。また、ペーパーレスでデータ管理ができたり、高解像度化できたり、遠隔地で作業できるなどの新しい可能性も生まれた。アナログ原画の上がりを待ったり、受取りに行ったりする作業もなくなる。ルーチンワークを減らすことで仕事の効率化を図れるのだ。ただし、ルーチンワークが減るということは、代わりにスタッフ全員にフローの熟知が要求されるようになる。また、IT知識もより必要になると加藤氏はみている。半年間、スタッフ全員で取り組み、映像を完成させた。1月最終週にはデジタル作画で制作した『ポケットモンスターXY&Z』(*)のミニコーナー「パフォーマー通信」のショートムービーが電波に乗った。ひとまずデジタル作画をやりきったが、課題は多い。アニメ制作会社である以上、アニメを作る必要があるから、いきなり全員の道具を鉛筆から液晶ペンタブレットにできるわけではない。今までアナログで描いていたアニメーターにデジタル化を要求するのは、2DアニメーターがフルCGアニメを作るくらい難しいのだ。新たな人材も必要になる。オー・エル・エム・デジタルの四倉氏によると、PCやネットワークといったインフラ整備と管理・運用やネットワークといったインフラ整備と管理・運用大きな作品を作るにはIT技術者が必要になるという。実際にToon Boomを使ってわかったことは他にもある。たとえば必要なPCスペックだ。ノートPCならCore-i5-5200U(2cores 2.2~2.7GHz)、RAMは8GBはほしい。デスクトップのCPUはXeon E3-1271v3(4cores 3.6~4.0GHz)を採用している。スペックは高めだが、Mayaを使用しているCG部門のマシンスペックと合わせて、マシンの管理コストを下げている。Toon Boomのライセンスに関しては、EssentialsとAdvanced、Premiumuの3種類が存在するが、オー・エル・エムでは現在(既存ユーザーは自動的に移行されたために)最上位版を使っている。今後は業種に応じてダウングレードすることも考えているという。加藤氏は、デジタル作画は業界全体で取り組んでいかないといけないと強調する。各社が同じソフトで統一することで効率化が図れるからだ。オー・エル・エムの新卒採用は、デジタル作画のみに切り替える予定だという。紙をすべてやめることはないが、新卒に関しては最初からデジタル作画に慣れてもらう想定だ。過渡期である現在は、アナログ派とデジタル派がお互いの知識をシェアしていくことが必要だと加藤氏。オー・エル・エムは今後、両者の垣根をなくしていくことで新たな表現にチャレンジしていくということだ。(*)『ポケットモンスターXY&Z』毎週木曜よる7時からテレビ東京系列にて放送中総監督:湯山邦彦 監督:矢嶋哲生アニメーション制作:OLM(c)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (c)Pokémon
2016年03月26日ドイツサッカーの父と称されるコンラート・コッホの姿を描いた映画『コッホ先生と僕らの革命』の公開を記念し、元プロサッカー選手で解説者の中西哲生と同じく元サッカー選手でドイツ・ブンデスリーガで日本人選手第1号として活躍した奥寺康彦が9月14日(金)、TOKYO FMでトークショーを行なった。『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブリュールを主演に迎えた本作。反英感情が高まる19世紀後半のドイツで、留学先のイギリスからドイツ初の英語教師として名門校に招かれたコッホが、子供たちに当時は反社会的スポーツとみなされていたサッカーを通じて自由や自律の精神を伝えていくさまを描く。映画では子供たちが厳しい規律の中で抑圧される姿が描かれる。日本でもドイツ人に対して真面目で規律正しいイメージを持っている人が多いように思えるが、奥寺さんは「全然そんなことなくて、ドイツ人はもっとオープンですよ」と否定。自身がドイツに渡った当時をふり返り「規律をしっかり守る人たちというのは間違いないですが、“自由”がありましたね」と明かす。映画は奥寺さんがドイツに渡る100年ほど前の時代を描いており「映画を見れば、なぜそう(自由に)なっていったのかが分かると思います」と語った。中西さんになぜドイツに渡ることを決断をしたのか?と問われると、奥寺さんは「向こうの監督が(奥寺さんの獲得を)決めてくれたから。自分では『まさかプロで』と思ってたし、25歳で最初は悩みました。当時も向こうに良い選手はいっぱいいたし、サッカー後進国から選手を獲るって大変なことだったと思う」と述懐。チームからは家族の同伴での渡独を命じられたそうだが、一緒に付いてきてくれた奥さんの存在に触れ「女性は強いですね。肝が据わっていて動じなかった。こっちはあくせくしてたのに(笑)」とユーモアたっぷりに家族の支えの大きさについても語った。日本は当時、プロ発足前のアマチュアの日本リーグの時代。奥寺さんは「サッカーに対する考え方や姿勢でプロとアマでは全然違った」と歴然とした差を感じたことを告白。日本人とドイツ人の気質はよく似ているとも言われるが、「向こうの選手は我が強い!常に『オレが!オレが!』だから」と語る。一方で「(ドイツに)行った年にリーガとカップの2冠を獲れたことは印象に残っている」、「これは自信を持って言えるけど、僕は練習でも(力を)抜いたことは1回もない」と現地の選手と渡り合い、信頼と称賛を勝ちとった誇りをうかがわせた。ハイレベルな争いの中に身を置くことでの成長を強く実感しているようで、中西さんが自身の現役時代を引き合いに「僕らもグランパス時代に毎日のように(スター選手の)ストイコビッチ(※現グランパス監督)のプレーを見てると、どんどんストイコビッチっぽくなっていった(笑)。上手い選手のプレーを見て成長するということはあると思う」と語ると、「お手本がいるというのは大事。見て、真似することで上手くなる」と同意。現在は2部リーグも含め40人近くの日本人選手が欧州でプレイしており、奥寺さんがドイツに渡った頃とは隔世の感があるが、若い選手が海外に出ていくことについて奥寺さんは「賛成です。やはり日本では得られないものがいっぱいある」と実感を込めて力説した。さらにブンデスリーガの現状について「香川(真司/マンチェスター・ユナイテッド)や乾(貴士/フランクフルト)のようなタイプの選手が求められている」と日本人選手の活躍する余地がまだまだあると説く。さらに世界最高峰のマンUでの今後の活躍が期待される香川選手について「まだ時間がかかるだろうとは思うけど、周りがボールを出そう、何とか(香川を)使おうとしてくれているのはすごいこと。敵を背負ってボールを受けることが多いけど、前を向いてもらえるようになれば。ファーガソン(監督)もそれを狙っていると思う」と語った。最後に中西さんから、ドイツでのプロ生活当時、大切にしていた思いや座右の銘を尋ねられると、奥寺さんは「1.FCケルン」に所属当時、満足に試合に出られなかった頃について言及し「干されてしんどかったけど、2部リーグで頑張って(名門の)『ブレーメン』に移籍することができた。(座右の銘は)『耐えてチャンスを待つ』。じっと待つという意味ではなく、準備をしなくてはいけない。チャンスは絶対に来るので、それを掴めるかどうかはそれまでの準備にかかっている」と熱く語った。この日のトークの模様は中西さんがパーソナリティを務めるラジオ番組「中西哲生のクロノス」の9月17日(月)の回にて8時よりオンエアされる予定。『コッホ先生と僕らの革命』は9月15日(土)より全国にて公開。■関連作品:コッホ先生と僕らの革命 2012年9月15日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2011 DEUTSCHFILM/CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT/SENATOR FILM PRODUKTION
2012年09月14日