グッチ(GUCCI)から、京都・西陣織の老舗「細尾(HOSOO)」とのコラボレーションバッグ第2弾が登場。一部のグッチショップほかにて発売される。グッチ×細尾のコラボレーション再び!2022年に続き、グッチと細尾によるコラボレーションが実現。第2弾となる今回も、グッチの歴史を象徴するエレメントやデザインと、京都の伝統工芸・西陣織を融合させた美しいバッグを揃える。新たなテキスタイルは、グッチのアイコン・GGパターンとフローラ モチーフを、西陣織で斬新に表現した全2種類。西陣織ならではの鮮やかな絹糸や金箔・銀箔を贅沢に使用しただけでなく、太さや色も異なる様々な糸も織り交ぜたことで、和の空気を内包した華やかな表情へと昇華させている。ラインナップは、バンブー製のトップハンドルを持つ人気バッグ「グッチ バンブー 1947」と「グッチ ダイアナ」。いずれもショルダーストラップも付属するので、シーンに合わせた使い分けを楽しむことが出来る。【詳細】グッチ×細尾<数量限定>発売日:2023年6月6日(火)展開:一部グッチショップ、グッチ クライアントサービス展開アイテム:グッチ バンブー 1947、グッチ ダイアナ【問い合わせ先】グッチ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-99-2177Courtesy of Gucci
2023年06月10日グッチ(GUCCI)と京都・西陣織の老舗「細尾(HOSOO)」のコラボレーションによるハンドバッグが、2022年12月1日(木)、一部のグッチショップにて発売される。立体感ある西陣織を用いたハンドバッグ京都の伝統工芸である西陣織は、その歴史を平安時代にまで遡る艶やかな織物であり、貴族や武士、そして裕福な町人たちに愛好されつつ、現在に至るまで発展してきた。その特徴は、複雑で立体的な織りによって実現される独特の柄と質感。完成されるまで20以上もの工程を経ており、それぞれに専門の職人が携わっている。グッチは、西陣織においてもっとも歴史ある老舗のひとつ、細尾とコラボレーション。伝統の技を受け継ぐ職人によって織りあげられたテキスタイルを使用し、バンブーハンドルを組み合わせたハンドバッグ「グッチ バンブー 1947(Gucci Bamboo 1947)」と「グッチ ダイアナ(Gucci Diana)」に仕上げた。テキスタイルは、3種類を展開。西陣織を特徴付けるきらびやかな絹糸や金箔・銀箔を用い、フローラル柄やGGパターンといったグッチを象徴するモチーフを立体的に表現している。詳細グッチ×細尾〈数量限定〉発売日:2022年12月1日(木)取扱店舗:一部のグッチショップ展開アイテム:グッチ バンブー 1947、グッチ ダイアナ【問い合わせ先】グッチ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-99-2177
2022年12月02日東京・表参道のファッション複合施設GYRE内にあるアートギャラリー「EYE OF GYRE」にて、DAVID LYNCH meets HOSOO「螺旋状の夢_ 夢見るように目覚める」展が10月7日(金)からスタート。デヴィッド・リンチといえば、奇才映画監督であり画家としても評価の高いことでも知られているが、新 「ツイン・ピークス」が2017年公開予定であることから、いま最も話題の映画監督のひとり。本展では、デヴィッド・リンチと禄元年(1688年)創業の西陣織十二代目の細尾真孝の二人がコラボレーションして、創出された未だかつて見たこともない新たなクリエーションが見もの。デヴィッド・リンチの描写する心理的重層世界_The Multistory Worldが、細尾真孝の9,000本の糸によって紡ぎ出す重層的 世界_The Multilayered Worldと出会う。奇才映画監督のクリエイションと日本の伝統が融合したまったく新しい世界観が披露される。展覧会構成は、デヴィッド・リンチの一点の絵画作品「SPIRAL」がインスピレーションの核となっており、これは[GYRE=渦巻き]の建築構造と重ね合わせられ、新たな[渦巻き=環流]として創り出される。リンチの絵画作品のイメージと世界観を細尾真孝がデジタルテクノロジーを介在させた西陣織の技術を駆使することによって解析し、重層的世界と多層的世界が融合した[渦巻き=環流]へと昇華してみせる。デヴィッド・リンチは、EYE OF GYREへ次のようにメッセージを寄せている。「螺旋は上昇・下降を繰り返す円環である。この螺旋は、私にとって進化を表象する円環なのである」 デヴィッド・リンチ会期は、11月13日(日)まで。(text:cinemacafe.net)
2016年10月08日DAVID LYNCH meets HOSOO「螺旋状の夢_ 夢見るように目覚める」展が東京・表参道のGYREで開催される。会期は2016年10月7日(金)から11月13日(日)まで。2017年公開予定の新シリーズ「ツイン・ピークス」を監督することで、さらに話題を集めるデヴィッド・リンチ。映画監督としてはもちろん、画家としても高い評価を受けている。そんなリンチの心理的重層世界_The Multistory Worldが、禄元年(1688年)創業の西陣織十二代目・細尾真孝の9,000本の糸によって紡ぎ出す重層的世界_The Multilayered Worldと出会ったら?展示構成は、デヴィッド・リンチの一点の絵画作品「SPIRAL」がインスピレーションの核。螺旋、渦を巻くように描かれる作品「SPIRAL」は、渦巻きを意味する”GYRE”の建築構造と重ね合わせられ、新たな[渦巻き=環流]が創り出される。実験的クリエイティビティとデジタル技術によって再生した日本の伝統「西陣織」が融合し、そこには、未だ見た事もなかった新たな世界観が現出するかもしれない。【概要】DAVID LYNCH meets HOSOO「螺旋状の夢_ 夢見るように目覚める」展会場:EYE OF GYRE/GYRE 3F住所:東京都渋谷区神宮前5−10−1TEL:03-3498-6990会期:2016年10月7日(金)~11月13日(日) 11時~20時株式会社細尾 / 西陣織とは京都の先染め織物のことで、1200年前より貴族をはじめ、武士階級、さらには裕福な町人達の圧倒的な支持を受けて育まれてきた。その流れの中、「細尾」は元禄年間(1688年)、京都西陣において大寺院御用達の織屋として創業。「細尾」は今、「帯」や「きもの」をはじめ、世界のラグジュアリーマーケットに向けた、西陣織による革新的なファブリックの開発に積極的に取り組んでいる。
2016年09月30日1688年創業の西陣織の老舗細尾と、カルト的人気誇る映画監督デヴィット・リンチのコラボレーション展「DAVID LYNCH meets HOSOO」が、10月7日から11月13日まで東京・表参道のEYE OF GYREにて開催される。世界で一番複雑な構造をもつテキスタイルとされる西陣織の中でも、非常に多層的なレイヤーを織りなし、今なお進化を続ける細尾の西陣織。ヴェネツィア国際映画祭で栄誉金獅子賞を受賞するなど、映画監督として国際的な評価受ける他、画家としても活躍するデヴィット・リンチ。この両者のコラボレーションによる同エキシビションでは、今なお進化を遂げる日本の伝統と最先端のクリエイティビティが融合し、人間の深層心理がテキスタイルで描き出される。同プロジェクトは、螺旋模様を描いたデヴィット・リンチの絵画作品「SPIRAL」からインスピレーションを得て始動した。リンチは同作品に関して、「螺旋は上昇・下降を繰り返す円環である。この螺旋は、私にとって進化を表象する円環なのである」と語っている。リンチの絵画作品のイメージと世界観を、細尾が独自の西陣織の技術によって解析し、空間インスタレーションを構築することで、「重層的世界と多層的世界が融合したSPIRAL」へと立体的に進化させた。【イベント情報】「DAVID LYNCH meets HOSOO」会場:EYE OF GYRE住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3階会期:10月7日から11月13日時間:11:00~20:00 入場無料
2016年09月10日京都岡崎音楽祭「OKAZAKI LOOPS」が9月3日、4日(2日は前夜祭)に、京都・岡崎内の施設と周辺エリアにて開催される。「OKAZAKI LOOPS」は、今年1月にリニューアルオープンしたロームシアター京都を中心にした岡崎エリアを舞台に開催される新しい形の音楽祭。バレエダンサーの首藤康之、音楽家の高木正勝、現代美術家の名和晃平、京都市交響楽団常任指揮者の広上淳一、西陣織の老舗・細尾の細尾真孝という5名のディレクターを中心に、音楽ライブやダンス公演、トークショー、ワークショップ、作品展示、フードコートなどの多彩なプログラムが展開される。今回は、プログラムのひとつである特別展示「『音』をとらえる」の詳細内容が発表された。同展ではロームシアター京都のプロムナードにて、“音”という形のないものを様々なマテリアルや現象としてとらえる7組のアーティストたちによる作品が展示される。ラインアップは、闇の中で音の粒と粒が飛び跳ねたりうねったりし、音の現象がまるで生き物のように感じられる新しい聴覚体験ができるサウンドインスタレーションの他、レコードのシリコン型に水を入れて凍らせた氷のレコード、楽譜の印刷された紙を用いたミュージックインタフェース、音楽と同期して歌詞が表示される次世代型スピーカーなど。その他、9月4日に公演される「OKAZAKI ANBIENT」には、みやこめっせで公演が決定した「『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』コンサートwith京都市交響楽団」に出演する蓮沼執太、澤井妙治、クリスチャン・フェネスらがスペシャルゲストとして参加する予定だ。また、2日には前夜祭が行われる。ロームシアター京都 メインホールを会場に、一夜限りで「―SYMPHONIC EVOLUTION SPECIAL―YEN TOWN BAND ORCHESTRA」が結成。京都市交響楽団と小林武史プロデュースのバンド、YEN TOWN BANDや、Salyu、藤巻亮太らがコラボレーションした贅沢なステージが堪能できる。
2016年08月12日京都西陣で300年を越える織物業の歴史を持つ「細尾」のジャガード織にフォーカスしたポップアップショップ「Japanese Mode Designers by HOSOO Textile」が、16年1月5日まで伊勢丹新宿店本館3階で開催中だ。同ショップでは、細尾のテキスタイルを使ったミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)、クリスチャン・ダダ(CHRISTIAN DADA)、ノワール・ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)らのアイテムを紹介する。細尾は近年、帯幅よりも広い幅のジャガード織機を持つ強みを活かし、ディオールやミキモトなどのラグジュアリーブランドのショップの壁紙にも自社のテキスタイルが採用されるなど、国内外問わず注目を集めている。同ショップの担当バイヤーは「洋服と着物の中間ともいえる和の要素をモダンに取り入れられるファッションを新年を迎えるタイミングで表現したい」と意気込む。クリスチャン・ダダ15-16FWコレクションの中でも、細尾ジャガードをたっぷりと採用したロング丈のドレスやスカジャンが圧倒的な存在感を漂わせた。和の要素だけが前に出るのではなく、現代のファッションとして見事に和と洋が融合したアイテムも展示する。また、ミハラヤスヒロは13-14FWコレクションから、細尾ジャガードを大胆に使ったメンズスーツやドレスなどを披露している。今回も、シャツのラペルや襟に細尾ジャガードをあしらったアイテムやアウターをラインアップ。ノワール・ケイ ニノミヤも、黒をベースにしたテキスタイルの中に、赤や金の織が多様な表情をみせるトップスとスカートを披露。裏地にも絢爛な色彩が出る細尾ジャガードの特色を堪能できるよう、ジャケットの裏地はシースルー素材になっている。前述のバイヤーは「絹だけでなく、金糸や銀糸なども加わり、複雑な構造が織り重なった細尾の生地には何人もの職人が関わっています。通常の生地よりも多くの工程を経て作られる生地は、その技術と手間暇ゆえに高価なものです。是非、この機会に実際に袖を通してみて欲しい」とコメントする。歴史ある技術であり、日本のアイデンティティをストレートに表現できる技術と、日本の伝統的な素材を臆さずにデザインに採用し評価を得ている3人のデザイナーたちの競演をこの機会に触れてみてはいかがだろうか。
2015年12月30日思いがけない人との出会い、遭遇といった意味を持つ“encounter”。FASHION HEADLINEのENcounterプロジェクト2回目は、宮城県栗原市で日本最古の藍染め「正藍冷染(しょうあいひやしぞめ)」を継承する千葉まつ江さんを訪ねてきました。申し遅れましたが、わたくし編集部の重松です。子供のころから「色」や「染め」に興味があって、高校の修学旅行で訪れた沖縄では、紅型の図録を買い集めるような女子高生でした…。(ちなみに、成人式も紅型風の着物で写真を撮りました)染織が継承され、生み出されていく様を間近に見させて頂く。さらには、作り手の方々の暮らしや言葉に刻まれた思いを伝える機会を頂き、昔の自分に会えたなら教えてあげたいような、幸せ者です。さてさて、今回も夏に訪れた八丈島で「黄八丈めゆ工房」を営む山下芙美子さん、誉さんへの取材と同様、元禄元年創業の京都の西陣織の老舗「細尾」のみなさんとご一緒させて頂きました。では、ここからは細尾の細尾真孝さん(以下、H)と編集部重松(以下、S)のダブルトークでお届けします!S:いやぁ、前回の八丈島で訪ねた山下さんご夫妻の黄八丈に続いて、今回お伺いした宮城県栗原市で千葉まつ江さんが作り出す「正藍冷染」も素敵でしたね。H:なんだか、どちらも通じるものがありましたよね。S:なんていうんでしょう、包容力というか…。自然の恵みも、厳しさもそのまま受け止めながら暮らしていく潔さを感じました。H:最近、フランス出張でカルティエの工房を見学する機会がありました。カルティエの工房では、職人がとても大切にされていて、職人たちも誇りを持って働いているんです。それは、バカラやエルメスにも共通する姿で、印象に残っています。S:そうですね。日本でも、世界でも、職人たちが“誇り”を持って働くためには、どんな環境が必要なんでしょうか?H:まず稼げるマーケットであることが重要ですね。そして、職人というのはとてもクリエイティブな仕事なので、クリエイティビティを発揮できる環境というのも大切です。S:確かに、職人たちの技と感覚を目の当たりにすると、本当に繊細で創造性に満ちていますね。H:例えば、カルティエでは職人たちの部屋が、工程ごとに用意されています。石留めの職人の部屋は、完全防音の部屋で手先に集中した状態で石留めをする環境が用意されています。S:本当に職人が大切にされているんですね。だからこそ、そんな職人になりたいという後継者が現れて、技術を継承できる。H:実際、カルティエでも3世代に渡って職人だという家族にも出会いました。S:それは、すてきですね。せっかく職人が試行錯誤しながら継承してきた技が、いまの暮らしの中でも、未来の暮らしの中でも、様々なカタチで活用できたらすてきだなと妄想してしまいます。H:日本各地の素晴らしい染織の技を継承し、新たな作品を創造する人たちにこれからも会いに行きたいですね。という訳で、FASHION HEADLINE「ENcounter」では、素敵な出会いを求めて、日本全国津々浦々旅をしながら、そこで出会った物語を伝えていきたいと思います。次回は、鳥取県米子市で弓浜絣を継承する田中博文さんの工房と、弓浜絣の素材となる和綿「伯州綿」の栽培に挑戦する境港市の取組みを紹介します!
2015年11月21日京都の伝統工芸をリードする若手後継者ユニット「GO ON(ゴオン)」によるトークイベント「伝統の未来を語らう、食と工芸の饗宴。」が10月27日に開催された。会場となったのは、京都市左京区にある下鴨神社境内の直会殿(なおらいでん)。安政三年(1856年)創業の老舗、下鴨茶寮の料理がイベント後半に登場し、京都の伝統を一層色濃く演出した。当イベントは、架空の人物“チャーリー・ヴァイス”により招待された粋な大人の男性のための企画。音楽、料理、写真などの多彩な趣味を持つチャーリー・ヴァイスは、各国を旅しながら交友関係を広げる遊びの達人だ。伊勢丹新宿店メンズ館8階には、彼が各地を回りセレクトした商品を販売するショップとギャラリーがあり、これまでも書道家や料理家など、旅の道中で出合った友人らと様々なイベントを開催してきた。そのチャーリーが、今回ゲストに選んだのが「GO ON」の6名。メンバーは、元禄元年創業のる西陣織「細尾」の細尾真孝氏、竹工芸をファッションやインテリアにまで発展させた「公長齋小菅」の小菅達之氏、「ドン・ペリニヨン」公認の高野槙シャンパンクーラーで世界に名を馳せる木工芸「中川木工芸 比良工房」の中川周士氏、茶筒作りの上で日本一の歴史を持つ「開化堂」の八木隆裕氏(当日は石場亮輔氏が代理で出席)、平安時代からの伝統を受け継ぐ金網細工「金網つじ」の辻徹氏、およそ400年もの歴史を誇る「朝日焼」の16代目・松林佑典氏。いずれも明日の京都の伝統工芸を担う、若き才能ばかりだ。トークセッションでは、チャーリー・ヴァイスの生みの親で下鴨茶寮の店主でもある小山薫堂氏と、ザ・リッツカールトン京都のコンシェルジュ・小山明美氏がファシリテーターを務め、京都の伝統の未来について「GO ON」メンバーがそれぞれの立場から意見を交わした。その中で特に大きなキーワードとなったのが、「センスが良く目利き力のあるお客の存在」だ。これまでの京都の伝統工芸の発展を振り返ると、深い愛情を持って無理難題を求めるお客によって、作り手の技術が磨かれたてきたという経緯がある。今後伝統を守る上で、こうした文化をけん引するお客の存在は必要不可欠。小山氏も「センスの良いお客をいかに育てるかが一番の課題」と感想を述べた。その後は、参加者らのテーブルに「GO ON」のメンバーが別れて座り、食事を楽しみながら互いに意見を交わし親交を深めた。参加者の一人、60代の経営者の男性は「若い伝統工芸士の活動や思い、物事のとらえ方を直接聞けたことが一番の収穫。若い世代の台頭に刺激を受けました」と喜びの声を寄せている。また、イベント終了後も「GO ON」のメンバーと参加者らが名残惜し気に談笑する風景からも、イベントの充実度が伺える。この日の参加者は、いずれもチャーリー・ヴァイス同様、粋で遊び心ある男性30名。イベントを機に交友を深めた彼らは、今後も“センスと目利き力を備えたお客”として京都の伝統を守る担い手になることだろう。
2015年11月12日京都で脈々と受け継がれてきた6つの伝統工芸の後継者によるユニット「GO ON」。国内外トップデザイナーやアーティスト、また名だたるラグジュアリーメゾンやセレブリティ御用達ホテルにおける数々なコラボレーションを成功させてきた彼らが、次に取り組むのは積水ハウス株式会社が手掛ける地元・京都の分譲型マンションプロジェクトだ。GO ONがコラボレーションするのは、「次の100年の豊かな暮らし」をテーマにしたハイクラスなマンション『グランメゾン京都御池通』(京都市中京区麩屋町通御池上ル上白山町)。豊かな生活を提案するというコンセプトにたがわず、単にGO ONのクリエイションを空間の設えに取り入れるだけでなく、京都という街に愛着を感じてもらおうと全4回のワークショップ(成約者・検討者対象)に彼らが深く関わると言う。「伝統を継承しながら新しいモノを発信する我々GO ONの活動と、街の魅力と調和した豊かな暮らしを提案するグランメゾンのブランドポリシーが合致。短期間で住み替えるのではなく、この街に長く暮らすための住まいづくりという考え方にも共感しました。この街で暮らすことを決めた方に価値のある豊かな生活を提案したい」と西陣織「細尾」12代目・細尾真孝氏。6月27日には、京都西陣の細尾ショールームにて “ものづくりの現場から「心地よい空間」を考える”と題した第1回目のワークショップが開催された。細尾氏と「金網つじ」2代目・辻徹氏が、京都の暮らしやものづくりへの思いを、『グランメゾン京都御池通』に入居する家族たちと語りあった。参加者からは、伝統工芸や京のしきたりなど様々な質問が飛び交い、時に真剣に時に笑いに包まれた和やかな時間に。さらにGO ONの新作品が並ぶショールームや織り機が稼働する工房など、一般には公開していない伝統工芸の場を興味深く見学していた。終了後、辻氏と細尾氏に感想を聞いてみると「僕たちの商いは、モノを買っていただいてお終いではなく、そこからメンテナンスなども含めて10年、20年にわたるお客さまとの関係がはじまっていく。だからこそ、ものづくりの思いなどを新たに京都で生活する方へお伝えすることができて本当にうれしいです」と辻氏。また細尾氏も「入居前から参加者同士、また僕たちと縁を結んでもらえることで、京都での暮らしが少しでも楽しいものになれば」と話す。2回目以降のワークショップ詳細は未定だが、GO ONの他メンバーが京都における豊かな暮らしを説く予定だ。さて日々多忙を極めるGO ONのお二人にとって豊かな時間、豊かな暮らしとは?細尾氏は「コーヒーが好きなんですが、開化堂さんの茶筒からコーヒー豆を出して淹れる。経年変化で我が家の茶筒になってきたなと思いつつ、コーヒーを飲む時に豊かな日常を感じたりします。開化堂さんの茶筒はいいですよ」と笑う。また自他ともに認める車好きの辻氏は「愛車ゲレンデヴァーゲンを運転している時は幸せだなぁと。細かい仕様は別ですが、1979年登場後にわずか2回しかモデルチェンジをしていない。不変のステータスは、ものづくりを考える参考になります。また経年変化が楽しめる車であるのも魅力のひとつ」と話は尽きない。ふたりとも対象は異なるけれど、使い手の個性や想いをまとうモノに惹かれ、それを愛しみ、変化も楽しむ、そんな京の暮らしが見えてくる。年月が経つごとに愛着や風格が増し、価値が高まっていく“ものづくり”。そんな共通のポリシーを持つGO ONと積水ハウスが挑むプロジェクトは2016年の初夏に完成予定。京都に暮らすことの価値を、実感できる住まいに期待が高まる。■積水ハウス『グランメゾン京都御池通』構造規模:鉄筋コンクリート造り・地上10階建て間取り:1LDK+N~3LDK+N販売価格:3,920万~1億2,250万円(第1期販売)総戸数:97戸、店舗1店舗
2015年07月01日サイエンスなのか、アートなのか、フィクションなのか、リアルなのか…。「バイオテクノロジーの力で、現代版のアフロディーテを作ちゃおう!というのが今回のプロジェクト」と話すのは、グッチ(GUCCI)新宿で開催中の「Tranceflora - エイミの光るシルク」展を企画・主導したスプツニ子!。同展はスプツニ子!が勤めるMITメディアラボでの研究発表の場で、彼女の斬新なアイデアがグッチの目に留まったことがきっかけで始まったのだという。アフロディーテはギリシャ神話に登場する、愛と美と創造の女神。“海から生まれ、薔薇の香りに包まれ、オリンポスの神々を魅了した”というエピソードは今回の展示テーマに通ずるものがある。彼女のインスピレーション源となったのは「1966年からあるグッチの『フローラ』。植物や花や昆虫をモチーフにしているが、環境やバイオテクノロジーによって自然そのものが変様している。フローラの未来を考えたときに、『トランスフローラ』をプロジェクトのテーマにしようと思った」と話す。2008年に光るシルクの開発の成功した、筑波の農業生物資源研究所(以下、生物研)とのコラボレーションによって、同プロジェクトは始動。「最先端のシルクをあえて400年以上の歴史がある西陣織に織り込む事で、伝統と革新がドッキングしたものにしたかった」とスプツニ子!。この光るシルクの西陣織を作る為、プロジェクトユニット「ゴオン(GO ON)」のメンバーでもある細尾真孝に製作を依頼した。この生地を使ってエイミの“勝負ドレス”に仕上げたのは串野真也だ。生物研は、現在、スプツニ子!と共同で薔薇の香りがするシルクや、オキシトシンという恋愛ホルモンが組み込まれたシルクも開発も始めており、既に“恋に落ちるかもしれないシルク”の開発に着手。完成までに半年から1年を見込んでいるそうだ。つまり光るシルクでドレスを作る構想は、海から誕生したアフロディーテを神話からリアルにする為のファーストステップ。海の生物であるクラゲや珊瑚から発光する遺伝子を取り出し、その遺伝子を注入した蚕からできた糸を使っている。今後、薔薇の香りのシルク、恋するかもしれないシルクが完成すれば、近い将来、現代版アフロディーテは現実のものになるだろう。ベルベッタ・デザイン、長谷川喜美の手がける幻想的な空間に、光るシルクのドレスや、光る遺伝子を注入された蚕の成虫の標本、紡がれる前の糸や生地が展示されている。来場者にはLEDライトの光をカットするフィルム眼鏡が配られる。会場内は光るシルクを効果的に演出するため、LED照明でライトアップしているが、この眼鏡を通して見る事で自然な状態の色も観察することができる。メインビジュアル・ショートフィルム・ロゴデザインを手がけた泉谷和範と、フォトグラファーの亀井隆司のふたりによって、フューチャリスティックなエイミの世界観がビジュアルと映像作品に落とし込まれた。進化するバイオテクノロジーと伝統技術によって紡ぎ上げられたフローラの未来像を目の当たりにすることで、ファンタジーとリアルの境界線が曖昧になったような感覚を味わえるだろう。【イベント情報】「Tranceflora - エイミの光るシルク」展会場:グッチ新宿3階 イベントスペース住所:東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル期間:4月23日~5月17日時間:11:00~20:00入場無料・会期中無休
2015年05月13日GUCCI(グッチ)は、ニューヨーク・ボストン在住の現代美術家・スプツニ子!(SPUTNIKO!)氏による「Tranceflora - エイミの光るシルク」展を開催している。会期は5月17日まで(会期中無休)。開場時間は11:00~20:00。会場は東京都・新宿のグッチ新宿3階イベントスペース。入場無料。同展では、数々の映像、音楽、写真、パフォーマンス作品を発表してきた現代美術家・スプツニ子!氏と農業生物資源研究所(生物研)がコラボして立ち上げたプロジェクト「Tranceflora(トランスフローラ)」で共同開発構想中の「バラの香りのするシルク」と「恋に落ちる(かもしれない)シルク」や、「光るシルク」を扱ったファッション、ショートフィルム、写真のインスタレーションを展示する。会場全体はブラックライトで演出され、視覚、聴覚、嗅覚を通じて、未来の"フローラ"(グッチの伝統的な花々のモチーフ)の可能性を描き出しているということだ。また、テクニカルアドバイザーとして農業生物資源研究所 遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット長の瀬筒秀樹氏が担当しているほか、キャラクターファッション&シューズ デザインをデザイナーの串野真也氏、メインビジュアル・ショートフィルム・ロゴデザインをアートディレクターの泉谷和範氏(SIGNO)、写真と映像の撮影をフォトグラファー亀井隆司氏、西陣織を細尾真孝氏、空間デザインを長谷川喜美氏が手がけている。なお、スプツニ子!は、1985年東京生まれ、ニューヨーク・ボストン在住の現代アーティスト。主な展覧会に「東京アートミーティング うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法(デザイン)」(東京都現代美術館、2013)、「Talk to Me」(ニューヨーク近代美術館(MoMA)、2011)などがある。2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教に就任し、Design Fiction Groupをスタート。「VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞したほか、2014年 Forbes JAPAN「未来を創る日本の女性10人」や2011年 伊Rolling Stone誌「今後10年に最も影響を与えるデザイナー20人」に選出されている。
2015年05月07日この30年で着物産業が約10分の1に縮小する中、「シャネル(CHANEL)」「ディオール(Dior)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」など、名だたるラグジュアリーメゾンの店舗インテリアに採用されているのが西陣織の老舗「細尾」の織物だ。京都で育まれた西陣織には約20の工程があり、それぞれの工程がその専門家に分業されている。ある職人は西陣織の特色の一つである箔を張った和紙を髪の毛より細い繊維に切る部分を担当し、ある人は織機の数千本の経糸を張り替えることを生業とする。これらの西陣織の匠達は上京区を中心に半径7km圏内に集まっているという。細尾真孝は海外ブランドからのオーダーが絶えない今の状況にいたるまでをこう振り返る。「二つの転機がありました。一つは帯に特化した従来の32cm幅の織り機を応用し、150cm幅で織れる織機を自社で開発した時です」。これによって西陣織の使われるアイテムがインテリアや洋服にと格段に広がった。2010年から毎年1台ずつ幅広の織機を増やし、現在は5台の織機がリズミカルな音を響かせる。織り幅を変えるという大胆な挑戦により、西陣織がパリコレクションのランウエイや世界各国のラグジュアリーブランドのショップインテリアとして、新たな活躍の場を得ることとなった。もう一つは「クリエーションをデザイナーやクリエーターに委ねる点」という。8年程前、海外展示会に初めて出展した際は、和柄のクッションを展示したという細尾氏。海外百貨店からもオーダーが入ったものの、クッションのバジェットは少額に留まる。なかなか事業化出来ず悩んでいた時、ルーブル装飾美術館に本業である帯を展示する機会を得た。その企画展がニューヨークに巡回展をした際、西陣織の帯に1人のクリエーターが目を留めた。その雅な帯に惚れ込んだのは建築家ピーター・マリノ(Peter Marino)。2009年5月、彼から1通のメールが彼に届いたという。その後、次々にピーター・マリノがデザインを手掛ける世界各国のラグジュアリーブランドストアの壁面やインテリアを、細尾の西陣織が彩るようになる。「西陣織固有の技法で、和紙に金箔や銀箔を漆で貼る技法があります。その和紙を髪の毛よりも細く裁断したものを織り込んでいるのです。幾重ものストラクチャーの中に金糸や銀糸を織り込んでいくことで、ブランドの商品を引立てながらも、その存在感に負けない役割を西陣織が果たしているのでは」と細尾氏。今後の展開を訪ねると、「1200年間、日本国内だけで勝負していきた西陣織だからこそ、こうしてグローバルに展開した時、新しい発見を与えることができるのではないか。同じように、西陣織以外の伝統工芸にも逆にチャンスが広がっているのではないでしょうか。そして、西陣からこの織機の奏でる音色を絶やさないようにしたいと思っています」と返ってきた。1/5に戻る。3/5に続く。
2015年01月02日2012年、伝統工芸を受け継ぐ後継者達が集い、プロジェクト「ゴーオン(GO ON)」が始まった。それは六つの伝統工芸の未来を背負う後継者らによるプロジェクトチーム。先代からの技と思いを受け継ぐ彼らを訪ねた。メンバーは、元禄時代から織物業を営む西陣織「細尾」の細尾真孝、明治8年創業の手作り茶筒の老舗「開化堂」6代目八木隆裕、明治31年創業の竹工芸「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」小菅達之、起源は平安時代にまで遡るという京金網「金網つじ」の辻徹、木工芸「中川木工芸比良工房」中川周士、400年の歴史を持つ「朝日焼」16代目の松林佑典。個性の異なる若い伝統工芸の後継者6人が集い、志を掲げクリエーティブユニットGO ONは生まれた。ユニット名GO ONには、長く引き継がれてきた伝統と先代達への「御恩」の意も込められている。■GO ON設立のきっかけ数年前、それぞれの屋号で出展していたミラノサローネなどの海外展示会で、度々顔を合わせる内に「伝統工芸が子供の憧れの職業になったら」という共通の思いで、意気投合した細尾、八木、辻。2012年、GO ONで上海のラグジュアリーホテルに進出するプロジェクトが経済産業省の推進するクールジャパン戦略推進事業に採択される。それもユニット結成のきっかけの一つとなり、日本の伝統工芸の技を国内外の企業やクリエーターに提供し、これまでにない物を作り続けていくことを目的にGO ONは誕生した。細尾氏は「10回のうち9回失敗しても、挑戦を続けていく気概で進んでいきたい。世の中が早いスピードで変わっていく時代において、まだ誰も踏み込んだことのないところにみんなで挑戦したい。そのためには稼げるマーケットであること。そしてかっこ良いスタイルでいること。結果、伝統産業をクリエーティブ産業にしていきたい」と意気込む。その言葉を体現するバー空間が14年12月シンガポールに誕生した。シンガポールにオープンしたバー「ディ・ピスポーク(D.Bispoke)」では、金網つじの照明、など、メンバーそれぞれの卓越した技が集結されたインテリアに加え、彼らのビスポークアイテムを販売するショップも併設されている。細尾氏の言葉にあるように、続けていくためのビジネススキームがここで実現されている。GO ONのメンバーは、新たなプロジェクトに挑戦するか否かを“その試みが新しいか”“これまでの枠に留まっていないか”を自らに問うて決めるという。シンガポールにオープンしたバーは、彼らにとって新しいステージを作るようなプロジェクトだったのだ。2/5に続く。
2015年01月02日