このお話は作者人間まおさんに寄せられたエピソードです。一部脚色を加え漫画化しています。■前回のあらすじついにさとこのターンが!今まで溜めていた不満を思いのままに義母に伝えます。口を挟む余裕もない義母は顔を真っ青にして…。■義理の母はあくまで「他人」■私はあなたの下僕ではない!当たり前のように嫁が老後の面倒を見るものだと思っている義母にしっかりと自分の意見を伝えることができたさとこ。お互いをしっかり尊重すべきであるということを諭したつもりでしたが、果たしてさとこの想いは義母に伝わったのでしょうか…!?次回に続く「義母との戦いで得たもの」(全42話)は21時更新!
2023年01月11日2019年に物議をかもした老後2千万円不足問題は、総務省の家計調査から、高齢夫婦の毎月の赤字を約5万5千円と算出。老後を30年として単純計算したものだった。ただ2020年にはコロナ禍の自粛生活で支出が減り、一律10万円給付などもあって、統計上の赤字はいったん解消。2021年も支出の少ない傾向が続いた。しかし、コロナ禍3年目の2022年は全国旅行支援が実施されるなど、“自粛明け”が浸透し、再び消費を楽しむ生活が戻りつつある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんはこう語る。「そのうえ、2022年は2万品目以上の食品が平均14%、電気・ガス代は20~30%上がりました。物価高は2023年以降も続きます。もともと年金は物価が上がると、支給額も上がることになっていましたが、今は『マクロ経済スライド』という仕組みで上昇が抑制される。物価が上がっても、年金額は増えないのです。必要な老後資金を見定め、生活コストを見直さないと、老後破綻の危険性もあるのです」そこで本誌は最近の家計調査(2022年1~10月)から高齢者の収支を算出。共に暮らす人数や地域、住居の種類などのライフスタイルに注目して、現時点で公的年金だけだと不足する老後資金の額を試算した。■夫婦2人も、おひとりさまも老後の不足金額に大きな差はない夫婦2人暮らしのケースでは、年金額(公的年金給付)は月22万1131円、支出額は月26万2695円(消費支出22万2695円、非消費支出3万2852円)で、月4万1564円の赤字。生涯(老後30年)で1496万3040円不足することになる。丸山さんによると、気になるのは、教養娯楽費に月2万1053円、交際費に月2万2145円かけていることだ。「このケースはまだまだ節約できると思います。たとえば、楽しむための『教養娯楽費』や『交際費』が合わせて4万円超は使いすぎです」(丸山さん・以下同)意外にも、夫婦2人も、おひとりさまも老後の不足額はさほど変わらない。単身世帯の場合、支出は月14万8982円(消費支出13万6690円、非消費支出1万2292円)に減るが、年金額の平均も11万1890円に下がってしまう。「年金収入は1人分になるのですが、住居費や光熱費など2人世帯の半額には収まらない支出は多いんです」その結果、月々の不足額は3万7092円、生涯で1千335万3120円と、夫婦2人の不足額に近い金額になる。1人だからどうにかなると思わず、資産形成を怠らないことだ。■預貯金だと価値が目減りしていってしまう丸山さんは、円安やインフレが今後も長く続けば必要な老後資金はさらに増えていく可能性が高いという。あくまでも今回試算した金額はひとつの目安にしてほしい。十分な老後資金を作るために、何をしていけばいいのか。「日本は30年ぶりのインフレで、超低金利の預貯金では価値が目減りします。働いて収入のある方は、運用益が非課税で、節税にもなるiDeCoで運用しましょう」40歳から20年間、月2万円をiDeCo口座で利回り3%で運用した場合、元本の480万円が約660万円になる。同時に、年収400万円の人なら、20年で約72万円の税制効果がある。「年金財政は厳しく、受給開始が70歳になるのも時間の問題かと思います」年金頼みでは老後破綻にまっしぐら。節約と運用の両輪で、老後資金を自分で作ろう。
2023年01月10日2023年1・2月に上演される『喜劇 老後の資金がありません』の取材会が行われ、キャストの渡辺えりと室井滋が登壇した。垣谷美雨が2015年に刊行した小説『老後の資金がありません』を、マギーの脚色・演出で舞台化した本作は、2021年に渡辺と高畑淳子のW主演で上演された。再演となる今回は渡辺が主人公の主婦・後藤篤子役を続投し、篤子の友人である神田サツキ役として室井が新たにキャスティング。老後の資金問題が次々と降りかかる平凡な主婦たちの生活を軸に、笑いと涙と希望の物語が歌や踊りを交えながらハートフルに描かれる。「コロナ禍の上演だったにもかかわらずカーテンコールが5、6回続き、お客さまに勇気を与える作品として印象が残ったのか、すぐ再演の声がかかりました」と初演を振り返った渡辺。初参加の室井は、舞台への出演が8年ぶり。音楽劇ということもあって故郷・富山のオペラ歌手に歌を習っていることを明かすも「まだ(歌唱力は)さっぱり。がんばります!」と意気込んだ。互いの印象を尋ねられると、渡辺は室井について「感受性が鋭くセンスを感じるような、おもしろい変化球を投げる方。私はストレートに演技するタイプだから、漫才コンビのように楽しくやれるのでは」と期待を込める。室井は「えりさんは『私に任せて!』という一面もありますが、実際はかわいらしい方。演出家でもいらっしゃるから修行のつもりでご一緒できれば」と渡辺に信頼を寄せた。自身の演じる主人公・後藤篤子について、渡辺は「日本に生きる主婦の最大公約数みたいな人物。管理していたお金が冠婚葬祭で300万円まで減ってしまい、実は見栄っ張りでおっちょこちょいな性格だったことに気づきます」と紹介する。その篤子に節約術を授けるパン屋の神田サツキを、室井は「商売あがったりで貧しくても義母に大変なことがあっても、旦那さん命。ささやかな幸せを守るためなら、意外と悪に手を染めちゃう人物にも思えて」と分析。これを聞いた渡辺は「家族を愛するがゆえに悪になっちゃうのは新しい解釈だね。おもしろい!」と室井に向き直り、「初演をご覧になったお客さんも『肩を寄せ合って仲睦まじく暮らしているサツキ一家の方が幸せそう』『篤子の家はちゃんとしているけど冷え切っている』とおっしゃるの。各家庭の対比が出たらおもしろそうだね!」と目を輝かせながらアイディアを口にした。キャストは他に羽場裕一、長谷川稀世、原嘉孝、多岐川華子、一色采子、明星真由美、松本幸大(ジャニーズJr.)、宇梶剛士らが名を連ねる。公演は2023年1月14日(土)~28日(土)に、京都・南座にて。その後、2月1日(水)~19日(日)に、東京・新橋演舞場と巡演する。取材・文:岡山朋代
2022年11月30日「50代は老後資金の貯めどきですが、実は、罠にはまりやすい“カモ期”でもあります」そう話すのはファイナンシャルプランナーで『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)の著者、山中伸枝さんだ。山中さんによると、50代以降は退職金を手にするなど、老後資金の形成に重要な時期。その一方、過ごし方を間違えると“老後破綻”が一気に近づくという。「『退職金でお金持ちになれるかも』『定年後、逃げ切れるかも』などと気持ちが“カモ化”しやすくなるのも問題です。気が大きくなって判断を誤り、よかれと思って始めたことから老後破綻に一直線という方もたくさんいます」(山中さん・以下同)実際、自己破産する人の4人に1人は60歳以上というデータもある(’21年・日本弁護士連合会)。だが「老後2千万円不足問題」が騒がれ、老後資金の大切さは身に染みている人が多いのでは?「だからこそ、もっとお金が必要と焦り、投資の超初心者が専門家の言いなりになってハイリスク商品に手を出して大損するのです」さらに、定年が近づくと、資格を取って独立開業や、自宅カフェを開くなど夢をかなえる人も多い。「それ、本当に大丈夫ですか?士業の事務所や自宅カフェを開いただけではお客さまは来ません。自分で宣伝して顧客をつかむ覚悟と、設立にかかる費用を回収するための事業計画がないと、夢を追いかけて老後破綻、という無残な結果に陥りかねません」足りない生活費を開業してなんとかする、などは問題外だ。■年金の繰り上げ受給は老後破綻へまっしぐら老後の収入といえば“年金”だが、ここにも落とし穴が存在する。よくみられるのは「早死にしたら損」と年金の受給開始を繰り上げ、60歳から受け取る人。65歳より早くもらい始める分、毎月の受給額が減額されるが、その年金だけで生活費をまかなえない場合、生きている限り、貯金を延々と取り崩すことに。貯金が尽きた先には、老後破綻が待ち受けている。「私は働けるうちは働いて、受給時期を65歳より遅らせる“繰り下げ受給”をして、できるだけ受給額を増やすことをおすすめしています。年金の受給開始を1カ月遅らせるごとに受給額は0.7%増。10年繰り下げれば1・84倍に。75歳以降、増えた受給額を死ぬまでもらい続けられるのが年金のメリットです。まずはねんきん定期便などで年金額を確認し、老後の収入がいくらになるのか確認を。老後に必要な資金はそれぞれ違いますが、毎月の収支が黒字なら老後破綻にはなりません」75歳以降の生活費は60歳時点より少なく済む。そう考えると、繰り下げ受給で増えた年金で75歳以降の生活費をまかなえれば、それ以降は安泰だ。その場合75歳までは年金に頼らず、働きながら暮らしたい。「ただし年金は、それぞれお得なもらい方が違います。ぜひ50代のうちに、お近くの年金事務所に相談してください」黒字化には支出を減らすことも不可欠。定年後を見越して、せっせと節約に励む人もいるが……。「風呂の残り湯を使うなどの細かい節約では、家計のダウンサイジングはできません。マイカーや保険などもっと大きな出費や、毎月かかってくるような固定費に注目して削減していきましょう」大切な孫のためなら、と支出を惜しまない人もいるが、それも“赤字にならない範囲”で行おう。わかったつもりで、せっかちに判断するのがもっとも危険だ。法律や制度をきちんと理解しないと、行きつく先は老後破綻かも。次ページからの図鑑では、老後破綻しやすい人の“生態”を紹介する。ドキッとした人は要注意。いまのうちに軌道修正して、お金に困らない老後を手に入れよう。■老後破綻招く“退職金で物件を購入し大家になる”選択肢【1】資産運用は専門家に任せる<生態>資産運用はしたいが、知識はないのでとりあえず金融機関に相談。商品の内容がわからなくても専門家のおすすめならOKと退職金を投入。大損する商品に手を出す危険性大<老後破綻の回避法>一度冷静になり、そのおすすめが誰の利益になるのか考えて。たとえ専門家の意見でも、自分の希望どおりの資産運用か判断するのは自分。知識をつけよう【2】老後は大家になる予定<生態>座右の銘は、不労所得で悠々自適ライフ。あこがれは、投資用マンションでもうける大家さん。退職金は、物件購入に全額投入。老後の生活費はもちろん家賃収入でまかなう予定<老後破綻の回避法>大家には、物件の管理や入居者のケアなど雑務が多い。また入居者がなければ収入はないが、物件の老朽化は日々進む。必ず稼げる確証はないと心得て【3】住宅ローンを完済する<生態>コツコツ返済より、退職金をつぎ込んで一気にどーんとローン完済を選ぶ一発逆転タイプ。一時的に爽快感を味わうが、長い老後はずっと懐ろが寒いという新たな難問を抱えてしまう<老後破綻の回避法>老後資金を確保するため、退職金は手をつけないのが◎。60代の働けるうちは働いて返済を。契約者が他界したら団体信用生命保険で住宅ローンは完済となる【4】資格取得に向けて猛勉強中<生態>第二の人生は“先生”になって独立開業。資格のための勉強は惜しまないが、頭を下げるのは大の苦手で、営業力は赤ちゃんレベル。開業したものの、無収入どころか借金まみれに!<老後破綻の回避法>独立開業は、事務所の備品調達もクライアント探しもすべて一からで出費も多い。資格取得はスタートラインに立っただけ。現実はそう甘くない【5】夫婦で自宅カフェを開業予定<生態>夢だった自宅カフェをオープンした店主の常とう句は「こんなに素敵なカフェなのに、どうして客が来ないのだろう」。がらんとした店内に、お金の不安だけが満ちていく<老後破綻の回避法>素敵なカフェを開いても、それだけで客が来る保証はない。開業するのにもお金がかかるが「生活費を稼ぐため」という理由で老後資金を使うのは絶対NG【6】孫を待ち望んでいる<生態>全財産をあげても惜しくない孫びいき派閥。洋服やゲームを買い与え、習い事の月謝なんて朝飯前。老後資金を削っても「個室が欲しい」孫のためなら住宅購入支援も喜んで!<老後破綻の回避法>孫のためとはいえ、働いている子ども世帯への援助は不要。きょうだいがいれば“争族”の火種になりかねない。子どもや孫のためにも老後資金の確保が最優先■「損は嫌い」な人がハマりやすい落とし穴【7】節税上手<生態>懸命に働く大海を知らず、節税できる年収103万円の井の中がサイコー!と疑わない。年齢を重ね状況が変わっても「節税第一」を貫くがんこさから、収入が増えず資金難に……<老後破綻の回避法>年収103万円と年収240万円を比べると、所得税や社会保険料を払っても100万円近く収入が増える。節税には限度があるので、収入を増やすことも大事【8】損は徹底的に避ける<生態>「うちは早死に家系」「年金制度は破綻する」と信じ、年金は60歳から繰り上げ受給。75歳を過ぎたころ、年金額と少なくなった貯金を見て、長生きにおびえる日々が始まる<老後破綻の回避法>年金は死ぬまでもらえる終身保険。受給総額の多寡より、75歳以降安心できる年金額を考えて。受給額を減らす繰り上げ受給より、増やす繰り下げがおすすめ【9】夫に保険をかけている<生態>「夫が先に逝ったら、保険金がっぽり」と笑い、「遺族年金で私の老後は安泰」と豪語する“夫死に待ち族”。ただ根拠とする皮算用に自信が持てず、不安を隠すための高笑いかも<老後破綻の回避法>死亡保障3000万円の保険が、定期保険特約2500万円+終身保険500万円としたら、定期期間満了後の死亡保障は500万円に。甘い見立ては禁物【10】こまめに節約する<生態>「節約第一」が合言葉。風呂の残り湯で洗濯、日用品は底値買いなど節約ルールには絶対服従!半面、高額の保険に加入したり、通信費には月数万円もかかっている<老後破綻の回避法>家計のダウンサイジングは小さな節約では間に合わない。ライフステージに応じた保険の見直しや格安スマホの検討など、固定費からテコ入れを
2022年11月22日ひとり暮らしでつましい生活を送っていお義母さん。裕福ではありませんでしたが、まさか老後のお金に困るとは思っていませんでした。■お義母さんに貯金がないことが発覚離婚した義父から財産分与を受けていなかったお義母さん。夫の真から「お義母さんに貯金がない」と聞いた朋美は驚きを隠せませんでした。そのため、お義母さんの家で、夫の弟と妹に話をすることになったのですが、朋美の“面倒なことになる予感”が的中して…!?■自己主張ばかり繰り返すきょうだい夫の弟である淳さん、妹である紗世さんは、自己主張ばかりで話し合いが進みませんでした。3人の話し合いはもつれにもつれた結果、最終的にはきょうだい3人で毎月2万円ずつ貯金していくことに決まったのです。話し合いの最中も、身の置き場に困っている様子のお義母さんが気になっていた朋美。この後、母思いである夫の真がどうしてお義母さんにお金がないことを認知していなかったのか、お義母さんが打ち明けてくれました。その答えは、夫の子ども時代にあったのです。こちらは投稿されたエピソードを元に6月11日よりウーマンエキサイトで公開された漫画です。漫画に集まった読者からのコメントをご紹介します。■老後のお金に困っているお義母さんに読者は!?まずは老後のお金に困り、子どもたちから援助してもらわなければいけなくなったお義母さんに対する読者からのコメントです。・親を看る年齢になり 義母を送ったばかりで胸に迫るものがあり 深く考えさせられました!・老後資金がない親の支援をどうしていくか。今後身近になる問題だと思います。このきょだいのように役割分担をして、支援できれば理想ですが、中には特定の兄弟に押し付けてしまうケースもあり、難しい問題だなと感じました。・他人事ではないよね。子供などの立場と親の立場と両方で思うことがあった。この世はお金だと。なんだかんだ言ってお金なんだろうなぁと。これが10年間とか、少子化で子は一人とかってところも多いだろうし。また話も違ってくるし。自分はやれるだけがんばって、自分のことを自分でできなくなれば、自分で人に迷惑かけずに自決できる用意と決意は持たなきゃなぁと改めて思った次第。「少子高齢化」「5080問題」といった多くの社会問題を抱えた日本。両親や義両親はもちろん、自分の老後の生活にも不安を感じますよね。読者の「他人事ではない」はまさにその通りでしょう。誰もが直面する可能性がある問題だと言えます。続いて、読者から届いた老後の資金不足の問題解決に関するコメントです。・老後資金がない親の解決法として、兄弟姉妹の誰かと同居すれば…と思う方々はいるかもしれませんが、パートナーである嫁や婿は他人です。根本的な解決法にはならないような気がしました。 離婚や死別によって同居解消になったらまた振り出しですから。・子供がそれぞれ自立し家庭を持っているのであれば、自分の家庭を犠牲にしてまで支えるよりも、生活保護を受けた方がよいかもしれません。介護のことを考えると、今のままでは長男夫婦に重くのしかかります。生活保護を受ければ医療費や高齢者施設の入居費も、また施設の斡旋も受けられます。その方が中途半端にならず安心できます。最後は、実父母のお金の問題に直面したり、介護の経験がある読者のコメントをご紹介します。・我が家も父親が亡くなって、貯金がほぼない事がわかったので、興味ある内容でした。父の退職金や貯金は長女の滞納家賃、長男の足りない生活費、妹の生活費、父の治療費に消えていたことが亡き父のメモからわかりましたが、長女も長男も妹も知らん顔。父の足りないお葬式代とかも一切協力なしでした。・私は仕事を辞めて母を介護まではいかないまでも一緒に過ごしました。兄弟の定年の時に、生活が一変して、私は娘のところに行くことになりました。一時でも親といられて今では、良かったと思っています。老後にお金がなくなった場合、どうすればいいのか? 難しい問題ですよね。しかし、早めに両親や義両親、きょうだいで話し合った上で、解決策をいくつか用意しておけば、ある程度、心構えがある状態でそれぞれが老後を迎えることができるかもしれませんね。▼漫画「義父母がシンドイんです!/義母の老後資金がない」
2022年11月10日「老後の生活を支える『年金』に関する手続きを怠ってしまったがためにライフプランが狂ってしまった、という人が続出しています」そう話すのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝さんだ。大切な老後資金に異変が起きている背景には、“働き方の多様化”があるという。「新卒で入社した会社で定年を迎えるのではなく、転職を繰り返す人や、定年を待たずに退職してフリーランスになる人も増えてきました。会社を辞めた後、忙しさにかまけて年金の手続きを後回しにしてしまい、ほったらかしにした結果、60歳になって受け取れるはずの年金がもらえなくなってしまった、という事態が起きているのです」(井戸さん・以下同)日本の年金制度は1階部分を「国民年金」、2階を「厚生年金」、3階を「私的年金」とする“3階建て”で構成されている。このうち3階部分の私的年金には、国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)があり、加入者自身が資産を運用する確定拠出年金には、企業型と、最近注目の個人型(iDeCo)がある。なかでも注意が必要なのが、「企業型の確定拠出年金」だ。「給与明細を詳しく見たことがない、毎月の給料から何が天引きされているか知らない、という人が意外と多いのです。退職した後には厚生年金から国民年金に切り替えるために年金事務所で手続きをしますが、それで手続きが完了したと勘違いしている人もいます。しかし、企業型の確定拠出年金に加入していた人は、退職してから6カ月以内に、それまで積み立てたお金をiDeCoもしくは転職先の確定拠出年金などに移す必要があります。iDeCoの手続きは自分で行わなければなりません。手続きをせず6カ月が経過すると、その資産は自動的に『国民年金基金連合会』が現金で預かることになります。これを『自動移換』といい、100万人以上の人が該当する深刻な問題になっています」■該当する人は111万人、総額2千600億円にも…国民年金基金連合会によると、この「自動移換」に該当する人は今年7月末で約111万人。同会が現金で預かっている、いわば“置き去り年金”の総額は今年3月末で2千587億5千200万円。200万円を超える資産が自動移換された人は2万3千200人もいる。いったん自動移換されると、現金の状態で国民年金基金連合会に置き去りにされた状態になるので、運用はいっさいできなくなる。しかも自動移換の際に4千348円の手数料が引かれて、それ以降も毎月52円の手数料が発生する。年間で624円と少額だが、長期間運用しないで手数料が引かれるとなると、資産は目減りする一方だ。「最大の問題は、確定拠出年金の場合、原則として加入期間が10年以上ないと、60歳から受け取ることができない点です。10年を満たしていれば60歳から受け取れますが、この間手数料が引かれるため、当初受け取れるはずだった年金よりも総額は少なくなります。また、加入期間が10年未満の人は、自動移換されている間は加入期間とはみなされません。たとえば入社してから7年勤めている間、企業型の確定拠出年金に加入した人が会社を辞めてそのまま年金資産を放置してしまうと、60歳から受け取ることはできなくなります」実質“喪失”となってしまうことにもなりかねないというのだ。「資産が少額などの条件を満たしていれば、脱退一時金として受け取ることができます。ただし、受け取るためにはiDeCoに加入して、加入期間を10年にするしか方法はありません。そうなると年金をもらい始めることができる時期が先延ばしされてしまいます」年金資産が自動移換になると国民年金基金連合会から「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(自動移換通知)」という書類が送られてくる。それでも手続きをしなければ、年に一度お知らせが来るので、きちんと確認しよう。また、自分の年金記録は企業年金連合会のホームページで、年金手帳に記載されている基礎年金番号を入力すれば確認が可能だ。安心した老後を過ごすためにも、受け取れる年金をもらいそびれることのないよう気をつけたい。
2022年10月11日「老後資金が貯まる人、貯まらない人には共通点があるんです」そう話すのは約25年にわたりファイナンシャルプランナーとして家計の相談に乗り、『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)などの著書を持つ黒田尚子さんだ。黒田さんいわく、とくに家を訪れた瞬間にその人が貯蓄上手かどうかがわかるという。「これまで、家計相談のために数々のクライアントの自宅を訪問してきました。その中で気づいたのが、貯蓄がある人の部屋は、すっきり片付いているんです。突然、保険の資料などをお願いしても、そういう人はさっと出てきます」(黒田さん・以下同)いっぽう、資料がすぐに出てこない、片付けが下手な人は貯蓄も下手なことが多い。「100円ショップが大好きで、行くとつい大量買い。ぐちゃぐちゃの部屋を片付けたら『フライ返しが10個出てきた』という人もいました。そういう人は、無駄遣いが多く貯蓄下手な人が多いです」黒田さんによると、このような人には5つの共通点があるそう。「衝動買いが多い、買い置きがないと不安になる、無料やおまけが大好き、もったいないから捨てられない、使ったものを元に戻せない……これらに当てはまる人は要注意。ついものを買いすぎる人たちです。ものが増えると、部屋は散らかり、必要なときに目当てのものが見つからず、再度購入する……。このような無駄遣いを繰り返してしまうんです」そんな特徴は冷蔵庫にも表れる。「冷蔵庫からちょっと余ったご飯をラップに包んだものや、賞味期限切れのものがゴロゴロ出てくる。そんな家庭は、食材を必要以上に買って食費がかさみがちです」■ポイントアップデーは無駄遣いの罠大切なのは、新たにものを買うのを控えること。そのためには、整理整頓してすでにあるものを、活用できるようにしよう。「冷蔵庫なら、空きスペースになんでも押し込むのではなく、食材が見やすい置き場を決めましょう。週に1度は買い物をせず食材を使い切る“冷蔵庫リセット”も、食材や家計の管理には有効です。収納スペースに収めるには、ものを減らすしかありません。必要なものの量を決め、それ以外は処分。でも、もったいないでしょう。その気持ちを忘れずに、次からの買い物はくれぐれも慎重に」さらに、本人は節約のつもりだが、実は逆効果の“無意味な節約”行動をとっていることも貯まらない人の特徴だ。「まとめ買いしたお酒があるのは、そんな“無意味な節約”のサイン。お酒は安い店でまとめて購入する方が多いですが、それによってすぐ手が届くところにお酒が常備されることになります。安く買っても多く飲めば、その分高くつく。嗜好品は、つどコンビニで購入するなど、消費のハードルを上げるのがおすすめです」また、レシートやポイントカードでパンパンに膨らんだ“豚財布”も要注意アイテム。「ポイントカードを大量に持ち歩く人は、ポイントアップデーを見つけると“お得!”と買い物をする。しかし、わずかなポイントがたまるのみで、余計な買い物によりお金は減っています。惑わされず、買い物は必要なものだけに」無意識のうちに“浪費”につながる行動をとる人も貯まらない。「チェックのポイントは冷凍庫に保冷剤がたまっているかどうか。大量の保冷剤は、デパ地下スイーツや総菜を頻繁に買っている証しです。本人にとっては“プチ贅沢”でも、積み重なれば大きな出費に。月〇回までとリミットを決めるといいでしょう」■「もったいない」が口癖の人はお金が貯まらないそれでは、貯まらない人の特徴を見ていこう。もし自分に当てはまる生態があったら、〈対処法〉を実践して貯め体質に変身だーー!【その1】ビニール傘収集家〈生態〉:「雨が降ったらコンビニで買えばよい」と便利なコンビニに依存する無計画タイプ。目的以外の“ついで買い”も大好物で、“チリツモ消費”の罠に引っかかりやすい。〈対処法〉:折りたたみ傘を持とう。コンビニには「近づかない」&「必要なものしか見ない」決意を。【その2】冷蔵庫に詰め込み師〈生態〉:ごはんやお肉などちょっとした余りものを「とりあえず冷凍」し、亡き者とするのが得意技。冷蔵庫の奥から“化石”が発見されることも。食材の無駄にはうるさいが、食費の無駄には無頓着。〈対処法〉:冷蔵庫内で食材が見やすい置き場を決め、週1回は食材を使いきる“冷蔵庫リセット”を。【その3】黒パンコレクター〈生態〉:黒いパンツを3本以上保有するが、本当は何本あるか実態は不明。パンパンのクローゼットを前に「着る服がない」と嘆き、ついつい新しい服を買ってしまう習性あり。〈対処法〉:過去の愛着や「いつか着る」未来は考えず、クローゼットには「今、着る」服だけ並べて。今夏一度も着なかった服は処分するべし。【その4】まとめ買いのしもべ〈生態〉:お酒のつど買いを忌み嫌い「安い店でまとめ買い」をこよなく愛する。単価にはきびしいが、「たくさんあるからもう1本」と消費には甘い。〈対処法〉:お酒や嗜好品はあえて単価の高いコンビニで買い、飲みすぎを抑えて。経済的な大容量より「今必要な分だけ」が家計と健康管理に◎。【その5】もったいない妖怪〈生態〉:口癖は「もったいない」。何も捨てられず、ごみ屋敷化する過激種も。ありすぎるものの中から必要なものが見つからず、無駄遣いに発展しやすい。〈対処法〉:「いつか使う」ものは、3カ月~1年など保管期限を決めて隔離を。期限内に使わなかったものは潔く処分すべし。■犬好きは猫好きよりも貯まりにくい!?【その6】豚財布〈生態〉:レシートやポイントカードの収集癖があり「全部持っていると安心」とすべてを財布に詰め込む豚財布。財布の整理をしないため、家計管理もずさんになりがち。〈対処法〉:キャッシュカードは自宅で保管し、持ち歩くのはその日使うカードだけにしてポイントアップデーは無視すること。レシートを整理して、財布のスリム化を。【その7】割高バケーション〈生態〉:「早期割引」などの特典には目もくれず、レジャーを直前・急きょ決めるのが特徴。計画性の欠如から“行き当たりばったり”の散財を重ねてしまう。〈対処法〉:レジャー費は年間予算を立て、時間的にも経済的にも余裕をもって計画を。レジャーはリーズナブルに楽しむのが貯めるコツ。【その8】デパ地下国の民〈生態〉:デパ地下で“プチ贅沢”にいそしむ姿の目撃情報多数。“プチ”を盾に予算をスルー。保冷剤コレクションが増えるにつれ、家計へのダメージが大きくなる。〈対処法〉:誘惑を断ち切るため、デパ地下には立ち入らないこと。きびしい場合は「月〇回まで」などリミットを決めよう。【その9】「いいね!」モンスター〈生態〉:SNSでの「いいね!」のために、豪勢なモノ消費・派手なコト消費を繰り返す“見栄消費”マニア。承認要求がエスカレートすると、支出が膨らみ家計の圧迫につながる。〈対処法〉:リアルな人間関係が幸福度を高める一方で、SNSは接するほど幸福度が低下するという調査も。SNSとは適度な距離を保つのが肝心。投稿をやめるのも手。【その10】ペット貧乏〈生態〉:「ペットは家族」が信条。こだわりのフード、高級なトリミング、人間並みの病気治療など飼育費用を惜しまない。〈対処法〉:一般的な飼育費用は、猫が年約16万円に対し犬は年約34万円(2020年・アニコム損害保険)と、犬好きはお金がかかりやすい。ペットと一生を共にするためにも、費用の確認と予算立てを。心当たりのある人は、生活を見直して貯蓄上手に変身!老後資金をザクザク貯めよう。
2022年09月16日垣谷美雨のベストセラー小説を、『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』の前田哲監督が豪華キャスト共演で映画化した『老後の資金がありません!』が、9月3日(土)午後1時より、WOWOWプライムでWOWOW初放送される。本作は天海祐希演じる普通の主婦が、現代日本が抱えるお金の問題に困惑しながらも立ち向かうコメディ。“老後の資金が2000万円必要”と言われる中、天海が演じる主婦・篤子の日常に、さまざまなトラブルが襲い掛かる。その状況に四苦八苦する姿を、天海は持ち前のコメディセンスを発揮して笑いに転換。特に草笛光子が演じる姑(しゅうとめ)を相手にしたエピソードは、コミカルながら思わずぐっとくる展開が待っている。天海演じる後藤篤子の夫役には松重豊、娘役に新川優愛、息子役に瀬戸利樹、娘の恋人役に加藤諒、篤子の友人役に柴田理恵、義妹役に若村麻由美、義妹の夫役に石井正則など、脇を固める個性派ぞろいのキャスト陣にも注目だ。また、本作は、第45回日本アカデミー賞にて、天海祐希が優秀主演女優賞、草笛光子が優秀助演女優賞と会長功労賞、前田哲監督が第46回報知映画賞監督賞を受賞するなど、映画界的にも大注目作品となっている。さらに、放送と同日の9月3日(土)には、同作に出演した日本を代表する女優・草笛光子と監督を務めた前田哲監督が出演するWOWOWオリジナル配信番組『シネマセッション』が、WOWOWオンデマンドで配信スタートとなる。この番組は、テーマとなる作品に関わったクリエイターを迎えてトークをするWOWOWオリジナル配信番組。9月は『老後の資金がありません!』がテーマとなり、ふたりの作品への思いや舞台裏が語られる。今年のお正月は草笛宅に招かれるなど、公私共に仲の良い草笛と前田監督。そんなふたりの肩肘を張らないリラックスしたトークを、LiLiCoが小気味よく進行していった今回の『シネマセッション』。監督から「何もしないで(演じないで)。そのままでおかしいですから」と言われ困惑したという草笛に対し、前田監督は「おかしいの中には、素敵とかチャーミングの意味が込められているんですよ」と返すなど、時折お笑いコンビのような掛け合いを見せながら、当時の撮影秘話を語ったふたり。また、前田監督からは「2000万円問題が持ち上がった時期でもあったので、権力に対してコメディで立ち向かいたかった」と作品の肝になる話が。そして草笛からは「役者は見せようとしたらだめ」「役の小物や部屋のセットを見て(その役が)どんな性格かを考えている」など、女優ならではの演技に対する思いなど、監督、女優それぞれの観点からの貴重な話もたっぷり聞くことができる。《番組情報》『シネマセッション』女優・草笛光子×前田哲監督9月3日(土) 配信スタート【WOWOWオンデマンド】出演:草笛光子(女優)、前田哲(監督)、進行役:LiLiCo『老後の資金がありません!』・9月3日(土) 午後1:00~【WOWOWプライム】・9月3日(土) 午後8:00~【WOWOWシネマ】・9月9日(金) 午後4:30~【WOWOWシネマ】《関連番組》『連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-』※草笛光子がホテルのオーナー役で出演9月10日(土) 午後10:00スタート(全6話)【WOWOWプライム】【WOWOW4K】第1話無料放送
2022年08月26日■前回のあらすじ真奈美と義弟の妻である洋子が考えた作戦は、収入の低い義弟家族が義実家で同居し、浪費癖のある義両親の散財を防ぐというもの。最初は難色を示す義父だが、孫たちの可愛さに同居OKに。この計画は義実家にも義弟夫婦にもウィンウィンな計画に思えましたが…。 >>1話目を見る 老後資金は、義両親だけではなく私たち世代にとっても不安のひとつです。ただ今回の義両親を見ていて学んだのは、長年染みついてしまった習慣を変えるのはとても大変だということ、生活レベルを変えるのはすぐにはできないということでした。義両親と洋子さんは、お互い言いたいことを言いながらも、うまくやっているそうです。義両親の家だけを何とかしようとあがいた私と、自分の家含めて改善してしまった洋子さん。義両親の家のことは、家族全員で考えていくと良い方向性も見つかるんだとわかったことも今回の収穫だったかもしれません。そして私たちも家族が増え、今後の長い人生設計をもっと考えていかないといけません。でも贅沢にお金を使っていた義両親が、お金をかけない人生を楽しむことができるようになったように、私たちもお金に縛られるのではなく家族の幸せを噛みしめながら生活してきたいと思っています。 ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月15日■前回のあらすじローン滞納も競売も嘘で、貯金も残っていることを白状した義父。しかし浪費癖がなおらず、どんどん義父母の貯金が減っていくことに不安を感じる真奈美。そんなとき義妹に相談すると、みんな幸せになるアイディアを提案してくれてた…! >>1話目を見る 我が家より収入面では低く、贅沢好みの義実家とは距離を置いていた義弟夫婦。そんな義弟の妻である洋子さんに今回のドタバタ劇を報告すると、ある提案をしてくれました。その後私と洋子さんはまめに連絡を取り合い作戦決行の手順やスケジュールを調整しました。そしてついに決行の日がやってきたのです! 洋子さんは元々誰に対しても言いたいことが言える性格。さらに現在、双子の育児のかたわらパート勤めをしつつ、家計を切り盛りしている猛者です。義弟夫婦にとっては家賃がかからないというメリット、義両親にとってはどうしても止められない浪費を見守ってもらえるというメリットがあります。とはいえお義父さんの本音は、贅沢ざんまいな生活を続けることだとわかっていました。この考えをあらためるには、強力なカンフル剤が必要だと思ったのです。そして難色を示していたお義父さんもお義母さんも、最終的には同居を決めてくれました。しかし問題はまだまだ山積みで…。次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月14日■前回のあらすじ相変わらず散財をやめない義父母。あらためて家が競売にかけられるのは本当か聞いてみると、義父はあれは冗談だったと白状しました。そう言えば、お金を貸してもらえると思ったというのです。 >>1話目を見る 私と将司が詰め寄ると、お義父さんはようやく白状しました。住宅ローンを滞納しているというのは…真っ赤な嘘だということを。ここまで人を心配させて悩ませて、あげく冗談だと言うお義父さん。貯金が減るのが心配だったというお義母さん。それなのに浪費し続け、さらには私たちを騙してまでお金をせしめようとしたふたりのことを私は許すことができませんでした。義父母の散財を止めなければいけない…そう思っても私は、義父母の家を訪れることはできませんでした。私同様大きなショックを受けていた将司ですが、自分まで見放すことはできず何とか生活の立て直しのために通うことに…。洋子さんの話したアイデアは、上手くいけばみんなが幸せになれるというものでした。あんなひどい嘘をついたお義父さんたちだけど、この先ずっと放っておくわけにはいかない…そう思った私は、洋子さんの計画にのることにしたのです。 次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月13日■前回のあらすじお金がないという義父母。しかし、家を訪れると新しいテレビや家電を購入していました。借金のほかに良い手立てがないか真剣に考えていた真奈美と夫は、あきれ返ってしまい…。 >>1話目を見る 結局、今回も話しあいも平行線。これからどうするか結論は出ず、ただただ時間を浪費して家に帰ってきました。そしてあれ以来、将司はなんどもお義父さんたちと話しているようなのですが…。最初に「200万円を貸して欲しい」と言われたときに冗談だと思った私たち。でもその後、お義父さんの真剣なお願いに、本気なのだと心配してきました。それなのに…私たちの気持ちを裏切るような言葉にショックが隠せませんでした。次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月12日■前回のあらすじ退職後に生活水準を変えられなかったのか、貯金がないのに散財する義父。夫と相談し、まずは義実家の資産状況を詳しく確認しようと義実家に訪れた真奈美。しかしそこに新しいテレビがあるのを見て驚愕します。 >>1話目を見る 一体義実家ではどのくらい借入金があるのか、そして資産があるのか…その話をするために義実家を訪ねると、リビングに鎮座していたのはなんと巨大なテレビ!家計が厳しいはずなのに、また買い物をしたの? おかしいのはお義父さんだけではありませんでした。住宅ローンが払えずに困っているにも関わらず浪費をやめない…というよりも、困っているように見えない。その価値観のずれがどうしようもなく気持ち悪かったです。親の借金を子どもである夫に返済義務はないはず。でもお義父さんたちは、自分たちの借金を私たちが肩代わりすれば、それですべて問題は解決すると思っているのでしょうか?次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月11日■前回のあらすじ突然お金を貸してほしいと言ってきた義父。はじめは冗談かと思ったのですが…なんと、ローンが滞って家が競売にかけられるかもしれないと言われて…! >>1話目を見る 「この家が競売にかけられる」…こんなお義父さんの発言に、私たちはただただ混乱し言葉も出ませんでした。いきなりお金を貸してくれと言われた私たちは焦ってしまい、詳しいことを聞くことができないまま義実家を後にしました。でもよく考えたら義実家の資産状況はわからないことだらけ。義実家の預貯金、保険、保有している不動産、そして借入金など。これらを知らないことには、家をどうすればいいのか、私たちはどう動くことがいいのかを決めることができませんでした。まずはもっと実情を聞こう…そう思って訪ねた義実家にあったのは、新しい大型TV。お金を借りなければいけないほど切羽詰まった家で、なぜこんなものが?次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月10日■前回のあらすじいつも贅沢な遊びに誘ってくる義父母に対して、貯金したい真奈美は内心は断りたいと思っていました。そんなある日、義父にごちそうになったお礼をしようとすると、それより200万円貸してほしいと言い出したのです。 >>1話目を見る 衝撃の「200万貸してくれ」発言から半月…それ以来お義父さんから連絡はありませんでした。夫の将司にはお義父さんたちのイベントに参加すると余計お金がかかることを伝え、できるだけ断ってもらうようにしていました。すると、お義父さんたちは先に食材を買ってしまったり、予約を振り込んでしまったりといった方法で、できるだけ断れないように仕向けてしまい…。そして始まった今回のBBQ。お義父さんの冗談だと夫と結論付けていた「200万円の貸与」。でもお義父さんは本気だったのです。しかも「家」が競売にかけられるかもしれない事態にまで陥っているなんて…!次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月09日ご馳走していただいたときは、言葉のお礼だけではなく同程度のお返しも必須なので、私としてはあまりお義父さんに誘われるイベントには参加したくないというのが本音。しかもお返しをしないと、お義父さんからは「この前、ある人にご馳走したんだけど、言葉のお礼だけでさ…。マナーがなっていないんだよね。お礼ってきちんと形で表すものだろ」と、世間一般にかこつけて催促される始末…。しかしいつもならお返しには「〇〇が欲しい」とハッキリ欲しいものを伝えるお義父さんだったのですが、今回返ってきたのは「200万円」という大金。どうして200万円もの大金がお義父さんたちに必要なの…!?次回に続く(全8話)毎日21時更新! ※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ 徳永 /イラスト・ ニタヨメ
2022年07月08日止まらない物価の上昇。さらに老後の頼みの綱である年金は6月の支給分から減額になった。このことによって、すでに年金をもらっている人も、これからもらう人も大きく老後資金が“減った”のだーー。「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■1万品目超の値上げ…政府の対策は期待できず年金減額だけではなく、急激な物価の上昇も家計に大きな影響を与えている。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは言う。「2019年10月に消費税の増税、2020年の新型コロナによる景気の低迷で、企業の業績が悪化しました。一時期、コロナ禍で世界的に物流が滞りましたが、2021年に入り欧米諸国で輸出入が急激に再開されたことで、原油の需要と供給のバランスが崩れるなどして原油価格が高騰。大豆や小麦などの穀物の価格にも反映されました。昨年末からは、ロシアとウクライナの緊張が高まり、原油と小麦価格がさらに値上がっています。そして、この数カ月の急激な円安も家計に影響を与えています。麺類やパンなどの小麦粉商品をはじめ、輸入される牛肉や魚介類、さらにスーパーの総菜、ペットボトル飲料、お菓子など、1万品目以上が値上がりするのです」6月24日に発表された最新の「消費者物価指数(全国2022年5月分)」によると、総合的な物価は昨年と比べて2.5%上昇している。生魚や生野菜などの生鮮食品は12.3%、水道光熱費に至ってはなんと14.4%もの上昇だった。これを昨年5月の「家計調査」にあてはめてみると、この1年で月の支出額は214961円から220335円と、5374円も増えたことになる。年間だと64488円の上昇だ。「年金も減額されているので、年金世帯がこれまでと同じ生活をするだけで、年間75324円も負担が増えることになります。平均寿命の延びも加味し、老後を30年として計算したら2,259,720円の負担増になります。老後の計画が狂ってしまう人も多いはずです」(柏木さん)つまり、現在の状況は本来使えるはずだった老後資金が226万円も減ったのに等しい。政府はこの物価上昇をある程度容認すると、柏木さんはみている。「政府や日銀は長く続くデフレを脱却することを目標にしてきました。日本銀行のが『国民が値上げを受け入れている』と口走ったのも、そんな本音の表れでしょう。そもそも企業が、値上げした商品の価格を再び下げるとは、考えにくい。ウクライナ情勢も長引けば、さらなる値上げもありえます」岸田政権下で急激に目減りしていく老後資金。政治がそれに歯止めをかけない以上、生活を貧しくしていくしかないのかも……。【図解】昨年と今年の月の消費支出比較と物価上昇率
2022年06月30日■前回のあらすじ義母が、仕送りしたお金を義妹のために使っていたことがわかり、頭を抱える夫。義実家で行われた話し合いでは、義母から「もう援助はできない」と言われた義妹や、何も知らされていなかった義弟と言い争いに。そして義妹の紗世から朋美が貯金を使い込んでいると言われて…。 >>1話目を見る 完全に喧嘩別れしてしまった夫と義妹・義弟。自分の老後資金を巡る子どもたちの喧嘩にお義母さんの心中を考えるといたたまれませんでした。そして夫たちが出て行ってしまったとき、私はずっと気になっていたことをお義母さんに聞くことにしたのです。次回に続く(全9話)毎日21時更新!原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ タキノユキ
2022年06月18日「PGF生命の調査では、60歳の25%が『貯蓄が100万円未満』。4人に1人は老後資金がほぼない状態なのです。とくに私が心配しているのは女性の老後です」こう話すのは、最新著『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』が話題の“年金のプロ”長尾義弘さん。長尾さんが心配する「女性の老後に待ち受ける3大リスク」は次のとおりだ。【リスク1】受け取れる年金額が男性より少ない「共働きの女性の場合、老後に受け取れる厚生年金の平均額は月額約11万円。男性は約17万円なので6万円も少ない。理由は、出産や育児などのため就労期間が短く、さらに、そもそも男性に比べて平均賃金が低い場合が多いから。また今まで専業主婦だった人は基礎年金の月額約5万円だけ。老後、夫の年金と合わせてなんとか生活できたとしても、妻1人になった場合はかなり厳しい状況です」(長尾さん・以下同)【リスク2】男性より長生きする確率が高い「2020年の平均寿命を見ると、男性は81.64歳、女性は87.74歳。一般的に、最後は女性が一人暮らしの可能性が高い。遺族年金も夫の年金が丸ごと入ってくるわけではないので、1人になったら女性は自分の年金をメインに生活することを考えておく必要があります」【リスク3】平均寿命と健康寿命の差が12年もある「平均寿命とはべつに、人が元気に暮らせる期間を健康寿命といいます。平均寿命と健康寿命の間には当然差があり、男性は約9年、女性は約12年とされています。つまり女性は12年、もしくはそれ以上の年月、介護を必要として生きると考えておかなければなりません。介護にかかる費用は総額約800万円といわれていますが、この費用を女性は男性より大きく見積もっておく必要があります」もともともらえる年金が少ないのに、老後の年金を支える柱である夫より長生きし、介護費用も大きくなる可能性が高い。女性はこれだけ老後資金でリスクを背負っているのだ。「ただ、50代までに、自分の老後についてきちんと対策を考えておけば、女性も年金だけで“安心な老後”を送る方法はあります」■年金だけで“安心な老後”を過ごすために取れる対策は?「まずは公的年金の仕組みをよく理解することです」ひとくちに年金と言っても、その仕組みは複雑だ。専業主婦、共働きや自営業かによって、年金受給額は大きく異なってくる。「原則的な対策は次に挙げる3つになります」【1】働いている間に給料をできるだけ上げる!「厚生年金の受給額は給与の金額や加入期間に比例しています。専業主婦なら、とにかく夫にがんばってもらって1円でも多く稼いでもらってください。シングルや共働きの場合は自分の収入も上げるように努力する。もしパートで働くときは厚生年金に加入できる仕事を選ぶことが肝心です」【2】可能な限り長く働く!「年金は受給開始年齢を遅らせれば遅らせるほど受給額がアップします。夫には最低70歳まで、できれば75歳まで働いてもらうようあなたから働きかけてください。そしてあなた自身も最短でも65歳までは働く覚悟が必要です」【3】年金受給開始時期を遅らせる!「いまの年金制度は、年金受給開始を65歳から70歳まで遅らせる(繰下げ受給)ことにより、42%受給額が増える仕組みになっています。70歳まで働き、受給開始を遅らせて夫婦2人で節約をすれば、老齢厚生年金だけで生活することがほぼ可能です」貯金は使えば減るが、公的年金は確実に国から支払われる老後生活の“減らない財布”だ。「妻のほうが長生きすることを前提で考えれば、老後はなるべく夫の収入や年金を頼りに生活して妻の受給開始を遅らせる。それが、妻1人になったときの受給額を最大化させる最良の備え方でしょう」【PROFILE】長尾義弘ファイナンシャル・プランナー。新聞・雑誌・WEBなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』(河出書房新社)など著書多数
2022年06月01日“老後資金は2,000万円必要だ”。そんな金融庁の報告書が世間をにぎわしてから、もうすぐ3年。社会情勢の混乱で、事態はより悪化している。豊かな老後のために、やるべきこととは――。「急激な物価高は、原油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が主要因です。モノを作ったり、輸送するのにも燃料が必要ですから、穀物や資材などの価格も上がっているのです。さらに、急激な円安が、輸入価格も高騰させている。来年4月に日銀の総裁が代わる見込みですが、そのころには円安はある程度、解消されるでしょう。ただし、今後のエネルギー価格の動向については未知数です」そう語るのは、経済評論家で、楽天証券経済研究所・客員研究員の山崎元さんだ。小麦価格の高騰を受けて、今月2日にフジパンと敷島製パンが、7月1日出荷分から食パンなどを値上げすることを発表した。先月には製パン業界最大手の山崎製パンも値上げを発表していて、いずれも今年2回目の値上げとなる。ほかにも、麺類、飲料、食用油、冷凍食品や食肉、調味料まで、あらゆる身近な食品類が軒並み値上げ。電気・ガス代に加えて、電車運賃やティッシュなどまで値上げとなっているから、家計への影響は計り知れない。ファイナンシャル・プランナーで、社会保険労務士の井戸美枝さんはこう語る。「“ぜいたく品”ではなく、生きていくために必要なものの値段が上がっているのが問題です。今後、支出が2割増えると考えて、家計も、老後の資金についても考えていく必要があるでしょう」’19年、金融庁の報告書をきっかけに、老後資金が2,000万円不足するという問題が話題になった。仮に支出が2割増えた場合、不足金額はいくらになるのだろうか。コロナ禍前の’19年の消費支出をもとに、金融庁の計算式にあてはめてみると……。年金額が変わらない場合は毎月約8万1,000円不足し、65~95歳までの30年で約2,925万円足りなくなる計算に。まさに老後3,000万円不足なのだ。「しかし、これはあくまでも高齢夫婦無職世帯の一例で、支出も収入も何も見直さなかった場合です。老後を安心なものにするためには、しっかりとした準備をすれば、老後のお金の不安は解消できるのです」(井戸さん)井戸さんが老後の収入の増やし方を解説してくれた。■「収入を増やす」広がる年金の選択肢【60歳以降も働く】「手っ取り早く収入を増やす方法は働くことです。会社に勤めている人であれば、60歳以降も再雇用制度を使って、仕事を続けましょう。パートや自営業の人も、可能な限り働き続けること。働き続けることで、収入を得られ、人とつながり社会参加することで精神的な健康にもよいのです。できれば70歳までは働く人生のプランを立てましょう」おすすめは「教育訓練給付制度」を使って、資格を取得すること。「雇用保険の被保険者であれば、指定された教育訓練の受講費用の一部が補助されます。資格を取れば、仕事の選択肢が増えるばかりか、給与が増えることもあります」【年金受給額を増やす】「厚生年金の加入要件が広がります。パートで働くなら、厚生年金に加入できる職場がいいですね」現在、パートの厚生年金の加入要件は、〈従業員501人以上の企業で働いていること〉〈報酬が月8万8,000円以上〉〈雇用の期間が継続して1年以上の見込みであること〉などとなっている。「10月からは、〈従業員101人以上の企業〉〈2カ月超の見込み〉に加入要件が緩和されます。さらに、’24年10月には〈従業員51人以上〉に。パートも厚生年金に加入しやすくなっていくのです。夫が会社員の人は夫の扶養から外れ、社会保険料を払うことになりますが、将来的な年金の受給額が増えることになります」さらに、受給開始年齢を繰り下げることで、年金の受給額を増やすことができる。「現在、受給は原則65歳からですが、最大75歳まで月単位で受給開始年齢を繰り下げられます。1カ月繰り下げるごとに受給額は0.7%アップし、1年繰り下げると8.4%増。70歳から受給すれば42%増、75歳だと84%増です」仮に65歳で月10万円の年金を受給見込みの人が、受給を70歳に繰り下げると、受給額は月14万2,000円に増やすことができる。「夫と妻のどちらかだけが繰り下げたり、厚生年金の報酬比例部分と基礎年金部分のどちらかだけを繰り下げたりすることもできます」■「支出を減らす」家計と自宅を見直す支出を減らせれば、少ない収入で暮らしていくこともできるし、資産の“寿命”を延ばすことができる。井戸さんに聞いた。【消費を見直す】「まずは、〈1〉住宅ローン、〈2〉携帯電話など通信費、〈3〉食費の3つを見直してみましょう。住宅ローンは、少し金利が変わるだけで、支払額が大きく変わりますから、いま払っているのがもっとも安くできる方法なのか、定期的に点検することが必要です。また、格安スマホの選択肢が増えたいま、スマホ料金を月1万円払っているとしたら非常にもったいない。必ず見直しましょう」消費の約3割を占めるとされる食費も、2割まで削減したい。「調味料は『さしすせそ』(砂糖、塩、酢、醤油、味噌)で十分。食をシンプルにしてみましょう」【自宅をダウンサイジング】「広い家は光熱費がたくさんかかりますし、維持費もかかります。子どもが独立して、夫婦2人になったら、狭い家への引っ越しなども検討するべきです」持ち家であれば、売却することもできるし、人に貸して家賃収入を得ることもできる。豊かな老後を送るために、今から備えよう!【PROFILE】山崎元株式会社マイベンチマーク代表。コンサルタントとしても活躍。『ほったらかし投資術』(朝日新聞出版、水瀬ケンイチとの共著)など著書多数井戸美枝厚生労働省の社会保障審議会の委員や国民年金基金連合会の理事(非常勤)なども務める。近著に『「届け出」だけで、もらえるお金・戻ってくるお金』(宝島社)など
2022年05月12日※この物語は実話をベースにした創作ストーリーです。登場する人物はフィクションです。■前回のあらすじサトウさんとの電話を切った後、でもやっぱり退職したのが昨日だったことが気になった私。そこで会社に電話すると「昨日付で退社した」と言われ、サトウさんは嘘をついていないんだと安心するのでした。■1回目返金日の前日、それは起こった…!■持ち逃げってどういうこと?1回目返金予定日の前日、サトウさんから電話が…。それは、サトウさんが運用仲間に全資金を持ち逃げされたというショッキングなお知らせでした。しかし、相手の顔が見えないのでなんとも言えませんが、サトウさんの様子が切羽詰まっていなくて…、このとき初めて、サトウさんの悪意を感じたのです。そして「これは嘘だ」と一瞬確信したものの、私の頭に「もし本当だったら…?」という問いかけが浮かぶのでした。次回に続く「産前産後100万円詐欺られました」(全26話)は17時更新!
2022年05月09日映画制作を行う賀川企画合同会社(所在地:東京都青梅市、代表:賀川良)は、映画制作の資金調達を目的に『「こだわりラーメン本舗」撮影資金のお願い』のプロジェクトをクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて2022年4月18日(月)に開始しました。「こだわりラーメン本舗」クリップ1「こだわりラーメン本舗」クリップ2前作受賞表彰状1前作受賞表彰状2“「こだわりラーメン本舗」撮影資金のお願い”クラウドファンディングサイトCAMPFIREURL: ■プロジェクト開始の背景このクラウドファンディングは、統合失調症を克服して還暦過ぎから映画制作に入った、賀川監督の映画「こだわりラーメン本舗」の資金調達と支援者を募る目的でプロジェクトを開始しました。彼の前作「Michiko」「Paradise For The Heart」他、は海外映画祭で合計150のグランプリを獲得しました。■特徴*賀川監督は自らの体験を投影した、障害者の自立をテーマに今回の映画「こだわりラーメン本舗」を制作します。*賀川監督作品は彼の精神病の体験に基づいた作品が特徴です。*「Michiko」は精神障害になった妻のストーリー、「Paradise For The Heart」は友人のADHDの俳優とのインタビューからユニバーサルデザイン社会の構築についての監督自身の体験を通しての気づきと考察のドキュメンタリー映画です。■リターンについて特徴的なリターン1,500円 :ネット配信による「こだわりラーメン本舗」のプレミアムチケット販売(1か月間視聴)15,000円 :「こだわりラーメン本舗」映画関係者交流会チケット150,000円:「こだわりラーメン本舗」エキストラ参加※具体例一部記載■プロジェクト概要プロジェクト名: 「こだわりラーメン本舗」撮影資金のお願い期間 : 2022年4月18日(月)~5月29日(日)URL : ■会社概要商号 : 賀川企画合同会社法人番号: 9013103000634代表者 : 代表取締役 賀川良所在地 : 〒197-0171 東京都青梅市二俣尾1-96-1事業内容: 映画制作URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月22日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか? 大なり小なり義実家トラブルは皆さん経験があるみたいです…。 今回は実際に募集した義実家トラブルエピソードをご紹介します!「余計な心配をする義母」はじめての子どもができ、これからの教育資金・老後資金のため職場に早期復帰しようとしたところ、義母に「そんなに早く預けてしまうの?かわいそうじゃないの?」って言われたことがあります。私が「これからのお金の心配もありますので」と言うと、自分の息子の収入を貶されたと思ったのか「安月給でごめんね」と言われ…。今どき共働きは普通だし、謝ってもらう必要もなかったし、義母が子育てしたときとは社会情勢が違うっていうことを分かってもらいたかったです…。「無神経な義母」うちの娘はアトピーみたいでよく体をかきます。それでボロボロになっているときに、義母のところへ遊びに行きました。すると「肌着を着せた方がいい」と言われましたが「いつも着せようとしても痒がって嫌がるんだよ…」とモヤっとしてしまい…。いつも子育てはおろか、ほかのことでもあまり関心がないくせに、その後「今度は孫だけ遊びに来ていいよ」と言われて、私は必要ないのか…と悲しんだ記憶があります。(専業主婦)いかがでしたか?こんな義母と付き合うとなると骨が折れそうですね。子どもの為にも義実家とはいい関係でいたいものです…。以上、義実家トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年04月08日10月から医療費が2割負担に。年金支給年齢引き上げ、暦年贈与の廃止も検討……。7月に予定されている参議院選挙後は、高齢者のお財布に響く制度改正が予定されている。そこで、高齢者が注目すべき制度改正を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説。老後資金を守るためにも、一つ一つ確認しよう――。■年金支給年齢の引き上げも本格検討?【75歳以上の医療費10月から2割負担の導入】75歳以上の医療費は現在、現役並みの所得(単身世帯で年収383万円以上、2人以上の世帯で年収520万円以上)の方は3割負担、それ以外の方は1割負担です。’22年10月以降、新たに2割負担の枠組みが加わります。2割負担になるのは単身世帯で年収200万円以上、2人以上の世帯で年収320万円以上の方。対象者は75歳以上の約2割、約370万人です。施行後3年間は毎月の負担増が3,000円以内に収まるような措置がとられ、また、自己負担の上限を超えた医療費は申請すれば返金される「高額療養費制度」もあります。自己負担が1割から2割に上がっても医療費が2倍にはなりませんが、病院通いの多い高齢者には手痛い施策でしょう。【暦年贈与の廃止を検討】暦年贈与とは「年間110万円以下の贈与には贈与税がかからない」仕組みを利用して行う贈与のこと。110万円以下なら贈与税の申告も不要なので、よく利用されます。また相続税が必要な方は、暦年贈与で少しずつ財産を減らし、税負担を抑える手がよく使われます。ここ数年、相続税と贈与税の一体化が議論され、’21年末の税制改正大綱に「暦年課税制度を見直す」と記載されました。早ければ’24年から暦年贈与が廃止になるかもしれません。【年金の支給年齢引き上げ】年金財政の逼迫は皆さんご存じのとおり。国は〈A〉年金保険料を上げ、〈B〉年金支給額を抑え、〈C〉パートなどに社会保険加入を促して年金の支え手を増やしています。また、70歳まで働けるよう企業の努力義務を作り、年金の繰り下げを75歳まで可能にしました。年金の支給年齢が上がっても、高齢者が働いて暮らせる体制づくりが進んでいます。支給年齢の引き上げはいますぐではないものの、選挙後に議論が始まりそうです。私たちはその行方を見守るとともに、選挙後に待ち受けるきびしい施策も考慮して、参議院選挙に1票を投じたいものです。【PROFILE】荻原博子身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある
2022年04月01日何かと話題に上ることが多い年金や、何歳まで働くのかという問題など、高齢者にとって気になるテーマに関係する諸制度が、徐々に変わっていく。老後資金を守るため、今から知っておくべきことを経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。■参院選後は厳しい施策が続く新型コロナの感染拡大は少し落ち着いたものの、ロシアの軍事侵攻や宮城・福島の地震など憂慮すべきニュースが続き、気がつけばもう4月。’22年4月は高齢者に関わる制度改正が相次ぎます。どんなものか見ていきましょう。【在職老齢年金・停止基準額の引き上げ】在職老齢年金とは、厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金も受給する方が、毎月の給与と年金の合計が基準額を超えた場合、年金が減額される制度です。基準額は65歳未満が28万円で、65歳以上が47万円でした。たとえば63歳で毎月の給料が26万円、年金が10万円の場合、(合計36万円―基準額28万円)÷2=4万円の年金が減額されます。「年金を減らされたくない」と労働時間を減らす方もいました。ですが4月以降、この基準額が65歳未満も47万円に上がります。先の例の合計36万円は基準額47万円を超えないため、年金は減額されません。年金の減額を心配せず、働ける人が増えるでしょう。【厚生年金の在職定時改定制度】65歳以上でも厚生年金に加入して働き続けると、保険料を納めますから、厚生年金の受給額は増えていくはずです。年金を受給しながら厚生年金に加入して働く方も同様です。しかしこれまでは、65歳以上で働きながら年金を受給する方の年金額は、65歳時点で計算された額のまま。つまり、本来納めた保険料に応じて受給額は増えるはずが、厚生年金をやめるか70歳になるまで変わらない制度でした。4月以降は毎年、加入期間に応じて年金額を再計算し、年金額が改定されることになりました。長く働けば、在職中から毎年年金額がアップするので、生活費がうるおううえ、働くモチベーションも上がるでしょう。【年金の繰り下げ75歳まで可能に。繰り上げの減額率が0.4%に】年金は65歳からの受給が基本ですが、希望すれば60~70歳まで受給開始時期を選べます。ただし65歳より早く受け取る繰り上げは受給額がひと月ごとに0.5%減り、65歳より遅く受け取る繰り下げはひと月ごとに0.7%増えます。4月以降は年金の繰り下げが75歳まで選べるようになります。受給額がひと月ごとに0.7%増えるのは変わりませんから、75歳まで繰り下げた場合、0.7%×10年×12カ月=84%もアップします。ただ繰下げ期間は年金がありませんから、年金以外の収入や資産などで暮らさないといけません。また、繰り上げの減額率が0.5%から0.4%に緩和されます。早くもらい始める方には朗報でしょう。3つの制度改正は高齢者にプラスのものばかり。さらに先日、年金受給者に5,000円の臨時給付が、与党から提案されました。実現するかは不透明ですが……。こうした高齢者に手厚い対策がなぜいま集中するかというと、7月に参議院選挙が予定されているからです。選挙後には一転、厳しい施策が待ち受けています。そちらも要注意ですので、財布のひもは固く、ニュースには注目するようにしていきましょう。【PROFILE】荻原博子身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある
2022年04月01日~【高齢期のお金を考える会】メンバーによるリレーコラム~SBIいきいき少額短期保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:新村 光由、以下「当社」)は、老後や年金での暮らしを“いきいき”と豊かに、楽しく過ごしていくための様々な生活の知恵に関するコラム「いきいき生活の知恵」を当社ウェブサイトにて発信しています。本日、新コラムを公開しました。ぜひご覧ください。2022年2月1日公開!◆お役立ち情報『いきいき生活の知恵』第12回【高齢期のお金を考える会】ピンチになる前に!安心して老後を迎えるために押さえておきたい事例別ポイントファイナンシャル・プランナー(FP) 畠中雅子さんによる老後や年金生活に備えるアドバイスをご紹介している「いきいき生活の知恵」コラム。関心の高い高齢期のお金の使い方や考え方について、畠中FPが主宰する「高齢期のお金を考える会」メンバー5名のFPによるリレーコラムの第4回をお届けします。今回は、記事執筆や家計相談のほか、シニアや生活困窮者のライフプランにも力を入れて活動をされている小沢美奈子さんに「老後を迎えるために押さえておきたい事例別ポイント」について教えていただきました。コラム全編はこちら▶ : ※コラム内の記事、写真等の転載はご遠慮ください。ファイナンシャル・プランナー、マネーライター 小沢 美奈子氏【コラム執筆者】ファイナンシャル・プランナー、マネーライター 小沢 美奈子さん「高齢期のお金を考える会」メンバー。ウェブや雑誌などでのマネー記事執筆、セミナー講師、家計相談のほか、写真撮影も行う。シニアや生活困窮者のライフプランにも力を入れる。著著に『本物の節約 残念な節約』(河出書房新社)。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月01日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが次の3つ。【1】受給開始年齢を遅らせる受給開始を遅らせると最大84%もお得。【2】なるべく長く働き続ける健康なうちはリタイアなんかしない!【3】できるだけ収入を増やす納付金額が増えれば受給額もアップ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)「ねんきん定期便」は毎年、誕生日の月に届くが、夫と妻それぞれに届くので夫婦合わせていくらもらえるのか計算しよう。また、その際に覚えておきたいのが、加入実績に応じた年間額(年額)から、社会保険料、所得税、住民税などを支払わなくてはならないということ。実際には1割ぐらい差し引いた金額が手取りの額になるという。そこから、生活費を差し引いてみると、年金の範囲内で生活が成り立つかどうか判断できる。退職金や貯蓄を取り崩す生活を続けると、あっという間に資金が底をつく恐れがあるので、介護や医療費など“もしもの時”にも備えておきたい。「たとえば、夫の退職金が少なかった、住宅ローンの支払いが退職間際までかかってしまった、などの理由により、老後の貯蓄ができなかったという話もよく聞きます。老後の終身の収入は公的年金だけで、それだけでは生活費が足りない場合は『元気なうちはなるべく外に出て働く』という選択が現実的。その間、年金を繰り下げて受給額を増やすこともできます」年金の繰り下げは、今回の大改正で受給開始年齢が70歳から75歳まで広がる。受給額は最大で84%アップし、たとえば65歳で年間約78万円もらえる人は、70歳まで繰り下げると約110万円に増やすことができる。さらに75歳まで繰り下げれば約143万円にも!ただし、むやみに繰り下げると、受給額が目減りするケースもあるので注意しよう。■厚生年金に加入し、長く働けばメリットは大短時間のパートやアルバイトでも、厚生年金加入のチャンスが生まれたのも特筆すべき点だという。社会保険の加入要件のハードルが下がり、週20時間、月8.8万円の収入の人でも加入対象になったのだ。また、65歳以降も厚生年金に加入して働くと、毎年年金額が増える仕組みなのでやりがいもアップ。「改正前は、65歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働いていた人の年金受給額は、退職してからか、70歳を迎えるまでは再計算されませんでした。それが、毎年再計算されることになり、厚生年金の保険料を納めた分、すぐに翌年から受給額がアップしていきますので、働く意欲につながるでしょう」いずれにしても「働き続ける」ことが大切なのだ。さらに、個人が任意加入する私的年金を使って年金を増やす、という方法にも変化がある。個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、これまで加入できる年齢が60歳未満だったのが、65歳未満に引き上げられるのだ。「老後資金が足りない」という人は、仕事を続けながら、厚生年金に加入して、かつiDeCoにも加入すれば、もらえる年金の倍増も夢ではない。
2022年01月19日「老後2,000万円不足問題」「長生きリスク」など、老後資金への不安が一向に解消しない。50代は“老後資金の貯めどき”といわれるが、それどころではない日常に追われ、さらに不安が募る。「晩婚化の影響で結婚・出産が30代だと、住宅購入は40代になるでしょう。50代は役職定年などで収入が減るのに、子どもは大学生で住宅ローンはまだ半分。そんな状態で、老後資金まで手が回らない人が増えています」そう話すのはファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんだ。60歳の人に今の貯蓄額を聞くと、3人に1人が300万円未満というデータも(PGF生命「2021年の還暦人に関する調査」)。「貯蓄ゼロというのも珍しい話ではありません。でも『もう手遅れだ』と悲観しなくても大丈夫。老後資金づくりは60歳からでも間に合います」(長尾さん・以下同)心強い言葉だが、もしや運用を勧めるのでは?「初心者が運用に手を出し、大切な老後資金を減らしては元も子もありません。運用はいっさいせずに、老後資金を増やしましょう」どんな方法だろう。「実はとてもシンプルで、〈1〉長く働く、〈2〉公的年金の活用、〈3〉節約の3つを組み合わせるものです。『なんだ、年金か』と思うかもしれませんが、年金制度は複雑でうまく使いこなせない人が大半です。公的年金制度をフル活用して、年金額を最大化させましょう」年金額が多少増えても、老後の厳しさに変わりないのでは?「たとえば夫婦2人分の公的年金が月20万円で、2人の生活費が月25万円なら、毎月赤字で貯蓄を食いつぶすことになります」年金生活が65〜95歳の30年間続くとすると、月5万円の赤字×12カ月×30年分=1,800万円が老後資金として必要になる。「ですが、公的年金を月25万円に増やせれば生活費月25万円とトントン。貯蓄ゼロでも生活できます。また、生活費を1万円節約できれば、貯金もできますよ」公的年金の受給は65歳からが原則だが、今は60〜70歳までもらい始める時期を選べる。ただ、65歳より早くもらい始める「繰上げ」は受給額が減らされるが、遅くする「繰下げ」を選べば受給額が最大42%増えるのだ。「公的年金の受給は一生涯です。しかも使っても使ってもまた振り込まれる“減らない財布”です。これを生活費がまかなえるくらい大きくできれば、お金の心配がないバラ色の老後になりますよ」■長く働く、年金の繰下げ、節約で90歳で貯蓄1,000万円会社員のAさん(60)を例に年金の活用法を見ていこう。Aさんは同い年夫婦で、退職金で住宅ローンを完済し、貯蓄はゼロ。「貯蓄ゼロだと日々の生活に困りますから、まず働きましょう。また60歳以降も厚生年金に加入すれば、退職後の年金も増やせます」Aさんが70歳まで働く場合の貯蓄額の推移が、グラフ1(画像参照)だ。Aさんは年収360万円、妻は年収180万円で働き、支出が年400万円だと140万円の黒字だから、貯蓄が増えていく。65歳でAさんの勤務日が減り妻は退職するが、年金受給が始まり、さらに貯蓄は増える。だが、70歳でAさんが退職すると赤字生活に陥り、83歳で貯蓄が尽きてしまう。「長く働くだけでは無理があるので、年金を繰り下げましょう」年金の繰下げは先述のとおり年金受給を65歳より遅らせること。1カ月遅らせるごとに受給額が0.7%アップするので、最長70歳までの5年間で0.7%×12カ月×5年間=42%増額になる。「ただAさん夫婦は70歳まで繰り下げると貯蓄が底をつくので、夫婦とも69歳までにしました」こうした見直しで、貯蓄推移はグラフ2(画像参照)のように変わる。「年金は4年間の繰り下げで33.6%アップ。Aさんの年金は216万円→287万円に、妻は85万円→114万円に増えました。あわせて節約にも取り組みました。Aさんが70歳で退職したら、生活費を1割カット。年間支出を400万円→360万円にします」65〜69歳は収入も減り年金もないため赤字で貯蓄を減らすが、年金受給が始まる69歳以降は黒字が続く。70歳でAさんが退職しても、節約効果もあって年41万円の貯蓄ができるのだ。「この生活を続けると90歳で貯蓄が1,000万円を超えます。介護などがあっても心配ないでしょう」70歳以降も夫婦2人で月30万円なら、それほど厳しくないだろう。「少しずつでも貯蓄が増えていく暮らしは、とても安心ですよ」
2022年01月11日「老後2,000万円不足問題」といわれて久しいのに、貯蓄ゼロ世帯は珍しくない!人生100年時代、長く働き、節約を心得、特に“減らない財布” =年金を上手に使おう。長生きリスクも怖くないーー!「晩婚化の影響で結婚・出産が30代だと、住宅購入は40代になるでしょう。50代は役職定年などで収入が減るのに、子どもは大学生で住宅ローンはまだ半分。そんな状態で、老後資金まで手が回らない人が増えています」そう話すのはファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんだ。60歳の人に今の貯蓄額を聞くと、3人に1人が300万円未満というデータも(PGF生命「2021年の還暦人に関する調査」)。「貯蓄ゼロというのも珍しい話ではありません。でも『もう手遅れだ』と悲観しなくても大丈夫。老後資金づくりは60歳からでも間に合います」(長尾さん・以下同)心強い言葉だが、もしや運用を勧めるのでは?「初心者が運用に手を出し、大切な老後資金を減らしては元も子もありません。運用はいっさいせずに、老後資金を増やしましょう」どんな方法だろう。「実はとてもシンプルで、〈1〉長く働く、〈2〉公的年金の活用、〈3〉節約の3つを組み合わせるものです。『なんだ、年金か』と思うかもしれませんが、年金制度は複雑でうまく使いこなせない人が大半です。公的年金制度をフル活用して、年金額を最大化させましょう」年金額が多少増えても、老後の厳しさに変わりないのでは?「たとえば夫婦2人分の公的年金が月20万円で、2人の生活費が月25万円なら、毎月赤字で貯蓄を食いつぶすことになります」年金生活が65〜95歳の30年間続くとすると、月5万円の赤字×12カ月×30年分=1,800万円が老後資金として必要になる。「ですが、公的年金を月25万円に増やせれば生活費月25万円とトントン。貯蓄ゼロでも生活できます。また、生活費を1万円節約できれば、貯金もできますよ」公的年金の受給は65歳からが原則だが、今は60〜70歳までもらい始める時期を選べる。ただ、65歳より早くもらい始める「繰上げ」は受給額が減らされるが、遅くする「繰下げ」を選べば受給額が最大42%増えるのだ。「公的年金の受給は一生涯です。しかも使っても使ってもまた振り込まれる“減らない財布”です。これを生活費がまかなえるくらい大きくできれば、お金の心配がないバラ色の老後になりますよ」■90歳での貯蓄残高は1,000万円以上。100歳まで安心自営業のBさん(60)を例に年金の活用法を見ていこう。Bさんは同い年夫婦で、日々の暮らしに追われ貯蓄はゼロ。会社員には厚生年金があるが、自営業だと国民年金しかない。「国民年金は40年間保険料をかけ続けた満額受給でも年約78万円。老後資金としてはかなり厳しいです。とはいえ、自営業には定年がありませんから、60歳以降もこれまでと同じように70歳まで働く計画を立てました」その結果がグラフ3(画像参照)だ。教育費も終わったので年支出を372万円に抑え、しっかり働き貯蓄を重ねる。65歳からは年金も入るので、貯蓄は一時3,000万円を超えるが、70歳で廃業するとみるみる減少して83歳でゼロに。「60歳以降の貯蓄だけでは難しいので、年金を活用しましょう。実は国民年金の人によくあることですが、Bさんも年金保険料を払っていない時期があり、このままだと満額受給ではありません。60歳以降も国民年金の任意加入をして、満額受給できるまで年金保険料を支払いましょう。あわせて国民年金基金にも加入します」国民年金基金は、老後にもらう年金を上乗せするために、自ら加入する年金制度だ。20〜65歳まで加入でき、保険料は所得控除されるので節税にもなる。長尾さんは、年金が一生受け取れる終身タイプを基本に考えるのがおすすめだという。さまざまな手を尽くした結果が、グラフ4(画像参照)になる。「65歳までは国民年金の任意加入や国民年金基金の保険料を払うため支出が増え、貯蓄がペースダウン。でも、65歳から国民年金基金が受け取れ、貯蓄が進みます。さらに国民年金は任意加入のおかげで満額受給を達成。そのうえ、最長5年間の繰下げで、夫婦とも74万円→111万円に増えました」65歳から夫21万円、妻18万円、国民年金基金の受給が始まる。国民年金は70歳から夫婦それぞれ111万円。70歳以降は月1万円の節約をし、73歳まで少しのんびりと働いて貯蓄を増やす。73歳で廃業後は貯蓄を取り崩す生活だが、年99万円の赤字に抑えると、90歳での貯蓄残高は1,000万円超。100歳まで安心だ。「自営業やフリーランスの人は国民年金だけでは無理があります。国民年金基金などの対策を早めに考えることと、長く働ける健康な体を維持してください」公的年金のフル活用で、バラ色の老後生活を実現しよう。
2022年01月11日「老後をどうしたいのか方向性を決めていくと、蓄えておくべきお金がわかってきます」そう話すのは、『こんな時代でもラクラク貯金ができる!○×でわかるお金の正解』(KADOKAWA)の著者で、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。人生100年時代、想像以上に長い老後が待っている。その長い老後を乗り切るには、まずは年金生活に入った後、年金収入だけで生活が成り立つのかをシミュレーションしてみよう。受け取れる年金の額は「ねんきん定期便」で確認できる。住宅ローンを払い終わっていれば住居費はなくなり、現役時代と違い毎日通勤しなくてもいいのであれば、夫のスーツ代やワイシャツのクリーニング代などは少なく見積もれるだろう。ただし、月々の生活費に不足分が出るようであれば、「不足分は仕事を続けて収入を得る」という選択肢を視野に入れなくてはならない。「仕事を続けて収入を得るということは、年金や貯蓄を使い尽くさないという生活防衛策でもあり、健康をキープすることにもつながります。とりわけ夫にいつまで働いてもらうのかは、老後資金をいくら貯めるかを考えるうえでも大切なポイントになってきます」(横山さん・以下同)いずれにせよ退職金は病気や介護が必要になったときのために備えておくのがベター。そのほかにどれだけのお金が必要となるのかの「ライフプランニング(人生設計)」を立てておくことが必要だという。年金生活に入ってからの「ライフイベント」には具体的にどんなものが想定されるのだろう。たとえば、子どもたちがすでに独立していれば、教育費などの大きな支出はなくなるが、まだまだ動けるうちは新車の購入費や、旅行、親が健在なら帰省などの費用も見積もっておく必要がある。それらはすべて貯蓄でまかなわなくてはならない費用だ。具体的なライフイベントには表れてこないが、病気になったり介護が必要になったときのお金も想定しておきたい。「若くて健康なうちは気付かないのですが、老後生活の最大のリスクは病気です。『高額療養費制度』を使えば医療費はかなり抑えられますし、介護にかかる費用も、一定金額を超えた場合には『高額介護サービス費』を利用することで、払い戻しを受けられます。ですが、医療や介護でお金が戻ってくるこうした制度については、誰も教えてくれませんので、知らないと損をしてしまいます。お住まいの自治体に問い合わせるなどして確認しておきましょう」さらに、医療保険と介護保険のサービス両方を利用している世帯であれば、1年間(8月から翌年の7月まで)の負担額が一定額を超えた場合に、申請すると超過分が戻ってくる「高額医療合算介護サービス費」も受けられる。また、女性の場合、気をつけたいのは、夫に先立たれた後の生活のこと。たとえば、夫と妻の分を合わせて毎月約23万円の年金を受け取っていたとしたら、夫の死後、妻がそのままの金額を受け取れるわけではなく、約14万円(妻の老齢基礎年金6万5,000円+遺族厚生年金7万5,000円)までダウンしてしまう。夫の死後、受け取れる年金額は把握しておこう。【想定しておきたい老後のライフイベント例】〈60歳・夫の定年退職〉定期的な収入が大きく減ってしまうポイント。これを機に身の丈に合った支出に見直そう。〈65歳・夫が脳卒中〉日本人の死因の約52%を占める三大成人病。リハビリが必要になることも想定しておこう。〈75歳・夫と死別〉葬儀にかかる費用以外に、今後もらえる遺族年金の額も把握しておく必要がある。〈85歳・要介護状態で施設に〉終(つい)のすみかを確保するにもやっぱりお金が必要。入居する施設は元気なうちに探しておきたい。 男性よりも平均寿命が長い女性にとって、「長生きリスク」への備えは、より切実なのだ。
2021年12月24日