■前回のあらすじ丸1日家事育児を体験し、その大変さをようやく理解した夫。娘が生まれて以来初めて、夫婦として心を通わせられた瞬間でした。■夫婦は助け合いが大事!この連載を通して一番伝えたかったことは、育児中の無理は禁物だということです。育児って、孤独との戦いです。場合によっては、一番身近な存在の夫にすらも理解してもらえないこともあります。そんな時は、我慢せずに不安でも不満でも夫婦で徹底的に話し合うべきだと思います。育児に対する労いの言葉ひとつあるだけでも、孤独感はかなり薄れるものです。もちろん外で仕事をすることも肉体的にも精神的にも大変なこと。なので、お互い「自分が大変な時であっても相手のことを思いやる気持ち」が大切なんじゃないかなと思います。「育児ノイローゼになった話」はこれで完結です。お読みいただきありがとうございました! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月11日■前回のあらすじ夫に家事育児を任せて、なかば強引に家を出たうずら。公園の駐車場でひたすら時間をつぶし、家に戻ってみると…。■夫から思わぬ労いの言葉が…ついに伝わったと思った瞬間。当事者として家事育児を体験することで、ようやく夫もその大変さが理解できたようでした。■夫婦として心を通わせられた瞬間ただ労いの言葉をひと言だけでも聞きたかった…。娘を産んで以来初めて、夫婦として心を通わせられた瞬間でした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月10日■前回のあらすじ家事育児のストレスでパニック障害まで発症してしまったうずら。事態が悪化していくなかである秘策を思いつきます。■強硬手段に出ることに…!万が一断られたら作戦失敗…となるので、当日の朝に強硬手段に出ました。しかし、言い放って家を出たものの、1人で外出する勇気がなく夕方まで車の中で過ごすことに。なんとか暇をつぶし、家に戻ってみると…。■絶賛黄昏泣き中の娘黄昏泣き中の娘に困り果てる夫。夕飯の準備さえできていない様子です。想定通りの展開にお弁当を買っていたうずらは、「今日は1日ありがとう」と夫をねぎらうのでした。そして夫の反応は…!?次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月09日■前回のあらすじ外出時、呼吸困難で倒れてしまったうずら。救急搬送された病院で少し休んで自宅に戻るものの、今後どうするべきか先が見えない不安に襲われます。■夫に理解を促すための秘策を思いつく実際に体験してみないとわからないことって多いですよね。私自身も外で働くことの大変さも知っているからこそ「手伝って」が言いにくかったのですが…。だけどそうも言ってられなくなり、ようやく行動に移しました。■なかば強引に作戦を決行!ついに言えた!なかば強引ではあるものの、思い切って夫に1日家事育児をお願いすることに…。凶と出るか、吉と出るか。しかしこれ以外に、家事と育児の現実を理解してもらう方法を思いつきませんでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月08日■前回のあらすじ周りから「母親失格」と言われているように感じていたうずら。ついにリミットを超えてしまい、倒れてしまった…。■意識を失っている間に見た悪夢倒れている最中、私が見ていたものは、以前うなされたことのある悪夢でした。自分も母と同じように、娘に暴言を吐いたり困らせることをしまうのではないか…。育児中、そんな不安をずっと抱えていたため、ついに夢にまで反映されてしまったのかもしれません。■この先私はどうしたらいい?初めての救急搬送。さすがに限界を感じたので、この頃からどうにかしようと思い悩み始めました。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月07日■前回のあらすじ離乳食を食べない娘に対してついにイライラが爆発。どんどん余裕がなくなり、ついに幻聴が聞こえるまでになるのでした。■幻聴で外に出るのも辛い…当時は家から出る予定のない日は一日中寝巻きで過ごし、髪をブラッシングする余裕すらありませんでした。とにかく娘を死なせないことと、夫のちゃぼが帰宅する前に部屋を綺麗な状態にすることだけでいっぱいいっぱい。ますます1人で抱え込み、ついに体は悲鳴を上げるのです。■ついに倒れてしまった…!当時はちゃぼと一緒なら、なんとか外出できていたものの、人混みはどうしても苦手で…。過労も相まってパニック発作を起こしてしまいました。この時はまだ自分がパニック障害だと知らず、何が起きたのかわからずとても不安になりました。次回に続く!『パニック障害とは』理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、手足の震えといった発作が起こり、そして発作が繰り返されることで、発作に襲われることに対する不安を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまう症状です。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月06日■前回のあらすじ楽しいと思っていたものが何一つ楽しいと思えなくなる日々。心身ともに疲労困憊のなか夫に頼ることもできず、ますます事態は悪化の方向へ…。■ついにイライラが大爆発余裕をなくして、ついに娘に対してイライラを爆発させてしまうことに…。「絶対に感情だけで叱らないようにしよう」そう心に決めて育児に取り組んでいたため、初めて怒鳴ってしまったこの時のことは強く印象に残っています。■ついに身体にあらわれた異変娘が1歳を迎えようとしていた頃、あらわれた「幻聴」。今でこそ「幻聴だった」と言いきれますが、数年後心療内科に通院するまではずっと幻聴だと気付かずに本当に言われていると思い込んでいました。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月05日■前回のあらすじ地獄の引越し作業の後、待ち受けたいたのは新居での荷ほどき。育児のかたわら無事作業を終えるも、体力と精神力はゴリゴリと削られ…。■何一つ楽しいと思えない日々あまりにも夫に労ってもらえないため、「自分の頑張りが足りていないのではないか?」と、不安になってきたこの頃。「夫が労ってくれるようになるまでもっと完璧に家事も育児もやってやる!」と、よくわからない方向に頑張り始めることに…。 ■娘の離乳食にも悪戦苦闘今の食欲からは想像もできないくらい食の細かった娘のひよこ。どんなに頑張って離乳食を作っても、食器ごとひっくり返されたり吐き出されたりで、心が折れそうになる日々。ますます精神的に追い込まれていくことになるのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月04日■前回のあらすじアレが出る家に嫌気がさし戸建住宅を購入することに…。しかしこれらの出来事が産後うつの一つの要因にもなっていくのでした。■体力と精神力がゴリゴリ削られていく乳幼児の世話をしながら家事と引っ越し作業をすることほど、先の見えない作業はありませんでした。疲労は蓄積し、心の余裕をすっかり失っていました。■こんなに頑張っているのに…仕事は成果を上げればきちんと評価してもらえますが、家の中での仕事はいくら頑張っても誰からも評価してもらえないし、とにかく孤独でした。いつかの保健師訪問の時に「お母さん、頑張っているね」と言ってもらって大号泣したことを思い出します。とにかく頑張っていることを誰かに認めてもらいたかった。誰かというか、主に夫に…。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月03日■前回のあらすじ実家に身を寄せると実母の暴言が再び開始。その後ライフラインが復旧し家に戻るも、母の言葉がじわじわと心を蝕んでいくことに…。■まさかの夫からの提案!なんの前触れもなく「ちょっとコンビニ行ってくる!」みたいなノリで家を買うと言い出した夫。当時は思考回路がショート寸前になりました。■翌月にはマイホームを購入!ひよこが小学生に上がる頃までには…と思っていましたが、予想外の早さで購入することになりました。そんな大きな決断をしたきっかけがGとは…人生って何が起こるかわからない。しかし思いがけない引越しがその後の私を苦しめることになるのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月02日■前回のあらすじ震災の影響で数日車中泊をするも、不安とストレスで母乳が止まる事態に。そこで先に復旧していた実母の元に身を寄せることに…。■予想通りの実母の対応たったの2日間だけの滞在でしたが、この時の母の言葉が私の心をじわりじわりと蝕んでいくことになることは知る由もありませんでした。■思い出して憂鬱になる実母のひと言「赤ちゃんには母乳が一番いい」根強くある母乳神話に悩まされた当時の私。しかし、今の私なら過去の自分に「そんなことで悩むくらいならもっと赤ちゃんのためにも笑顔を増やせ~!」って言ってあげたいです。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月01日■前回のあらすじ娘が生まれて3ヶ月たった頃に起きた東日本大震災。ライフラインの途絶えた厳しい状況下での過酷な育児が始まるのでした。■避難生活のストレスでついに…真冬の車中生活。そしてライフラインの復旧がいつになるかわからず不安になる日々。そんなストレス状態のなかでついに母乳が止まる事態に…。■お湯の確保もままならない状況ベッドでゆっくり眠ることもできず、さらにお腹がすいて泣き続けるひよこ。地震から4日経ってもライフラインは復旧しない状況のなか、致し方なく私の実家に頼ることに決めたのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月31日■前回のあらすじ実母の暴言に耐えかね自宅へ帰ることにしたうずら。夫と協力して育児をこなしていたはずが、わずか1週間で夫の口から不満がこぼれることに…。■突然の大災害にみまわれ…ようやく育児と家事の両立に慣れてきた頃、大震災にみまわれたのでした。■これまでの生活が一変する事態に…ニュースを見ようも停電でテレビがつかない…。さらに水道もガスも止まっていました。人生初のライフラインが途絶えた生活の始まり。この大災害をきっかけにさらに事態は悪化していくのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月30日■前回のあらすじ産後すぐに実家で過ごすことになったうずら。しかし母の暴言に耐えかね娘とともに自宅に帰ることを決めるのでした。■夫のひと言に反論できない…しばらくすると旦那のちゃぼが…。今思い出してもイラっとするひと言です。当時はまだ本心をちゃぼに伝えられずにいたので、自分の責任でもありますが…。産後誰にも頼れない方も多いかと思いますが、産んだばかりの女性の身体がどれだけズタボロなのか旦那さんにはきちんと理解してもらうのがやはり大切なのだと思います。当時の私は言いたいことを全て飲み込み、たった一人で家事育児を背負っていくことになるのでした。■出すぎるくらいによく出る母乳が…喪服に母乳がしみてしまうほど、当時母乳の出がよかった私。しかしとある出来事をきっかけに母乳は止まり、最悪な事態に直面することになるのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月29日■前回のあらすじ無事娘を出産したけど、繰り返す会陰裂傷や多量出血…。激しめの産後を乗り越えなんとか退院し、床上げまで実家でお世話になることに…。■翌日に豹変した実母快く受け入れてくれたと思いきや、翌日には暴言を吐き始めた実母。実は、子どもの頃から母には暴言を吐かれていました。早速、夫のちゃぼに電話すると…。自分のことならともかく娘に対して暴言を吐かれるのは許せない…。心ない実母を見かねて自宅に帰ることに決めたのでした。■自宅での新生活がスタート!この時期はとにかく便秘と切れ痔のコンボと会陰裂傷した部分の激痛がしんどかったです。日中はどうしても動き回らなければならず、「会陰の傷、ふさがらないんじゃないのこれ!?」と不安でした。そのため夫ちゃぼが夜間の授乳を手伝ってくれたのには本当に感謝しかありませんでした。しかし、そんな平和な日々(?)はわずか1週間で幕を閉じます。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月28日はじめまして。うずらと申します。娘のひよこ、夫のちゃぼと3人暮らしの主婦です。この物語は、私が産後に経験した育児ノイローゼについて綴っています。■育児ノイローゼになる前の私娘は無事誕生したものの、母親の私は…■壮絶な出産を経て…出産の際に出血量がかなり多く、さらに会陰がとんでもない裂け方をしたせいで、縫った部分が数時間で解けてしまったのでした。しかし娘のひよこは若干黄疸の数値が高かったものの、元気に産まれてきてくれました。そして、退院後実家へ。なんとなく嫌な予感はしていましたが、それが現実のものとなってしまうのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月27日私は5歳と2歳の娘たちを育てています。5年間子育てをしていますが、イヤイヤ期に突入した下の子と上の子の対応が大変で、ここ数カ月ほどが一番育児がつらいと感じ、現在、うつ状態になってしまっています。どのような症状が出ているのか、症状を良くするために何をおこなっているのかをお話ししたいと思います。 つらくなった原因下の子が2歳になりイヤイヤ期に突入する前は、上の子のペースで物事を進められました。しかし下の子に自我が芽生えてきてからは、何をするにも姉妹で意見が衝突して、時間がかかるように。例えば、1人が階段で帰りたいと言えばもう1人はエレベーターが良いと言い、次はエレベーターのボタンをどちらが押すかでもめるなど⋯⋯その繰り返しなのです。 「なるべく2人の意思を尊重してあげないと」と思い、1回で済むことも順番にやらせたり、諭したり、なだめたりと頑張っていたのですが、争いが減ることはなく私の神経だけがすり減っていきました。 私の体の変化特につらかったのが幼稚園の夏休み期間中です。2カ月弱の間、姉妹が四六時中一緒にいることでいざこざは絶えず、私のストレスもマックス! 仲良く楽しく過ごしたいのに、怒ってばかり。そんな自分に嫌気がさし、母親としての自信も喪失。そして、夏休みが明けたころ体調に変化を感じるようになってしまいました。 とにかく体が重く、何もしたくないし、すぐ涙が出るのです。家族のためにも元気に普段通りにしなくては、と気持ちを奮い立たせても、何かがおかしく、子どもたちと一緒の空間にいることさえしんどかったです。 心療内科と育児相談へそんな状態が1カ月ほど続いたので私は心療内科に行く決心を……。初診では何がつらいのか、どのような症状かを10分ほど医師と話し、安定剤が2週間分処方されました。そして2回目の受診で、あまりよくなっていないことから抗不安剤が追加されることに。薬の力を借りるとともに、育児の悩みや不安も聞いてもらいたいと思い、地域の子育て相談にも行ってみました。相談にのってくださった子育て支援者さんは真摯に話を聞いてくださり、母として頑張りすぎないためのコツをいろいろと教えてくれました。普段人には言えないような深く、暗い話を支援者さんたちとすることで、私は自分の気持ちを整理することができ、ストレス発散ができました。 体調がおかしいなと感じてから2カ月ほど経ちました。まだ本調子ではありませんが、どん底のときに比べるとかなり良い状態です。もうしばらく医療と地域の子育て支援者さん、そして家族の力を借りて本来の自分を取り戻していきたいです。 監修/助産師REIKO作画/はたこ著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年01月24日2018年2月生まれの男の子を育児中のみーすけです。 そまちゃんが生後6カ月過ぎてから胃腸炎に2回かかり、2回ともバッチリ移りました。体調不良から復活……! かと思ったら……。 育児疲れが限界に達してしまったのか……。生後10カ月の子ひとりしかお世話してないのに、やっぱ育児向いてないんだ……。 なんて思ってたら、熱!!! それでか〜www 胃腸炎治ったと思ったらまた風邪、2日寝れば治るだろうと思っていたら、肺炎でした……。 みなさんもお気をつけて。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター 絵日記ブロガー みーすけ2018年生まれの男の子を育児中の絵日記ブロガー。日常をマンガにしてブログを更新中! ネットで子育て情報を検索するのが趣味。最近の悩みは赤ちゃんのおもちゃを買いすぎてしまうこと。
2021年01月02日親などからの子どもに対する虐待に関して児童相談所が対応した件数は、2020年1月からの半年間で過去最多のペースとなっています(厚生労働省調べ)。虐待は、子どもを愛せず、憎く思っている家庭にだけ起こるものではありません。なぜ、虐待は起こってしまうのでしょうか。 虐待をしてしまう原因虐待をしてしまう原因としては主に3つに分けられます。 ・自分のイライラや不満を子どもにぶつけてしまう・子どもに対してよかれと思ってやっている・子どもに対して、全くの無関心である もう少し詳しくみていきましょう 自分のイライラや不満をぶつけてしまう場合・親自身が過去に虐待を受けていた・親自身が夫からDVを受けている・親しい友人や親戚がおらず、孤立した生活を送っており、頼れる人がいない・子どもに心理的に依存している(兄弟の世話を任ているなど)・望まない妊娠や育てにくい子どものため、子どもに対して回避感情がある・生活に多くのストレスがあるといったことが考えられます。 子どもに対してよかれと思っている場合・しつけをするために厳しい体罰を与えることが当然であると考えている・親の考える方法が最適だと思っているため、子どもが思う通りに対応しないことに納得がいかない(教育虐待など)などが考えられます。 子どもに対して全くの無関心の理由・望まない子どもである・育てにくいため、子どもに対して回避感情があるなどが考えられます。 虐待はなぜ恐ろしいのか?このように、そもそも、虐待をしようと思って子どもに対し虐待をおこなう親はあまりいません。イライラした自分の気持ちを結果的に子どもにぶつけていたり、よかれと思ってやっているしまったりしていることさえあるのです。 虐待の難しさは、自身が「虐待をしている」という認識がないまま、虐待がエスカレートし、止められないところまでいってしまう可能性があるところです。子どもが虐待で疲弊してしまうだけでなく、親自身の心身もまた疲弊し、最悪親子どちらか、または親子一緒に「死」にいたってしまうこともあります。 虐待を止めるには2020年1月からの半年間で虐待が過去最多のペースとなっていますが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出されていた5月は、昨年より減少しているという結果がでています。「学校などからの情報提供が減り、潜在化した可能性がある」との専門家による指摘もあるようです。 つまり、虐待を止めるためには、なるべく早く第三者が気づくことが重要となります。虐待をしていることに自身で気づいたとしても、親が孤立していたり、親が隠そうとしたりすれば、第三者が気づくことはなかなか難しいのが虐待なのです。 虐待は誰にでも起こりうるという認識のもと、他人事ではなく、自分が子どもに虐待をしていないか?と自分自身に問いかけることが虐待を減らす一歩となるかもしれません。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年12月29日私は毒親に育てられた過去から、人間関係のもつれを慢性的に感じ、メンタルカウンセリングを受けています。しかしカウンセリングと聞くと「特別な人が受ける」というイメージが先行しているように思います。今回は「世の中の悩んでる人たちが、もっと気軽にプロに相談できるようになれればいいな」と感じるきっかけとなった体験談をお話しします。 慢性的な人間関係の悩みを抱えていた過去私は現在、3歳の長女と生後7カ月の次女を育てています。心の不調を自身で感じたきっかけは、長女を妊娠してからでした。それまで学生生活や仕事をおこなうなかで、「どうも人間関係がうまくいかない……」と悩む場面が多々ありましたが、それはすべて自分のせいだとずっと思い込んでいたのです。しかし、長女を妊娠してから自身の過去を振り返る機会が多くなり、だんだんと考えが変わっていきました。 アダルトチルドレンだったと気付いた私妊娠中から育児書を読むことが自然と多くなり、その中で「アダルトチルドレン」というワードが私の目に飛び込んできました。アダルトチルドレンとは、「親の過干渉や育児放棄、暴力などによって心に傷を抱えたまま大人になってしまった人」のことを指すそうです。私は幼少期から成人するまで、親から心身面で虐待を受けていました。その経験に関しても「私ができの悪い子だから暴力を受けていたんだ」と思っていましたが、アダルトチルドレン関連の本や、他の育児書を読み漁ることで「自分が悪かったのではなく、親の勝手な都合で暴力を受けていた」という事実にやっと気付いたのです。 負のスパイラルから抜け出したいそして長女を出産後、育児をこなしていく中でどうも長女に対して感情的に怒鳴ってしまうことがだんだんと増えてきたのです。「このままではまずい!」と決定的に感じたのは次女の出産後でした。次女が生まれたころ、長女は3歳にならないくらいで「親の言葉は理解できるけれど、まだまだ自分中心」な時期。出産後、余裕をなくしてしまった私は以前より感情的に長女に当たってしまいました。長女もどんどん情緒不安定になっていき、私も気持ちが滅入る……。まさに負のスパイラル状態です。「この状況から抜け出したい」と感じた私は、思い切ってメンタルカウンセリングを受けることにしました。 プロのカウンセラーに相談をした私私の場合は臨床心理士さんに話を聞いてもらえるようお願いしました。初回は自分の生い立ち、実親や祖父母のことなど3世代に渡って「どんな家庭環境だったか」ということを入念に聞かれました。 私の複雑な生い立ちや親から受けてきた暴力は恥ずかしくて友人などにとても話せなかったのですが、相手はプロだし、当然プライバシーも守られます。私は涙を交えながら自身の経験を語り、共感してもらえることで安心したのを覚えています。誰かが自分のつらかった過去をわかってくれたと思うだけで肩の荷がおりました。その後は定期的にカウンセリングをおこない、回を重ねるごとに私の情緒も安定を取り戻していきました。そして、不思議と娘に対して感情的になることが少なくなり、娘もだんだん笑顔が増えてきました。 プロのカウンセリングによって、ママ友や夫にも話せなかった心の内をやっと吐き出せました。カウンセラーはしっかりと私の気持ちを受け止め的確なアドバイスをしてくれます。現在、カウンセリングを受けて数カ月経ち、私の心は目に見えて回復しています。毒親に育てられた過去は消えなくとも、「人に話すことによって、気持ちの整理がつき前向きになれる」ことを体感しました。「本当に限界」となる前に、早めに対処することが大切だと痛感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラストレーター/ライコミ監修/助産師 REIKO著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年12月07日私たち家族はオーストラリア在住です。2人目出産時、頼れる身内は夫だけという状況のなか、夫婦で育児ノイローゼのようになってしまいました。ここでは、2人目で育児経験があってもうまくいかないと実感したことや、精神的に不安定な状態になってから復活までの体験をお伝えします。 オーストラリアでの出産を決意!2人目の妊娠判明後、オーストラリアでの出産を決意。理由は、長女のときは日本に戻って出産したため、夫が初めて長女に会ったのが生後3日目で、貴重な新生児期を一緒に過ごせたのはたったの1週間程でした。仕事があるので仕方のないことですが、私は夫と子どもを引き離してしまっていたことずっと後悔していたのです。日々変化する子どもの成長を夫にも見せたい!と思ってオーストラリアでの出産を決断しましたが、普段あまり娘のお世話をしていない夫と2歳イヤイヤ期真っ最中の娘を抱えての出産には正直なところ不安もありました。 ついに出産! そして…その後、妊娠38週3日の深夜に次女を出産しました。妊娠中の苦しさや、出産での疲労でくたくたでした。「これでやっと数日入院して休める」と思っていた矢先、看護師さんから「少し休んだら帰ってね」とひと言。これには驚愕しました。私は疲労困ぱいでしたし、長女と一緒に帰ったら絶対に休めないと思い、一泊だけでも入院したいと食い下がりましたが答えはNO。沐浴もまだで胎脂をつけたままの次女を連れ、出産から約8時間後に泣く泣く退院することになったのです。 空回る夫、疲れ果てた私。その結果…夫は張り切って家事・育児をしましたが、慣れない家事や2歳イヤイヤ期の娘のお世話は簡単ではなく、次第に夫の様子に異変が。表情には覇気がなく食事をしなくなり、靴を履かないだけで長女を怒鳴ったり、ぼーっとしたりしている時間も増えていき……。それを見た友人が冗談ぽく「育児ノイローゼじゃない?」とひと言。それだ!と心の中で叫びました。私のほうも夫のフォローにまわり、家事も育児も頑張った結果、心身を病み育児ノイローゼのような状態に……。めまい、食欲不振、倦怠感、突然出る涙、娘たちがかわいく思えないという事態にまでなってしまったのです。 一家の危機に救世主現れる!そして出産から2カ月後、わが家へ義母が手伝いにきてくれました。家の空気は一変! 明るくて子どもの面倒もよく見てくれる義母。バランスの良い食事を作ってくれて、家事もテキパキとおこなってくれて助かりました。私は十分に休息でき、仕事に復帰した夫も次第に育児ノイローゼのような症状が治ってよかったです。約3週間滞在してくれた義母と一緒に、私も娘たちを連れて日本に帰国しました。久しぶりの母国、実家、すぐに助けてくれる人たちがいる環境に安堵し、心から娘たちをかわいいと思える余裕が生まれました。 この経験で学んだことは、・誰でも育児ノイローゼのような状態になる・自分の力量を知り、対策する・育児や家事に完璧を求めない・産後は無理してでも休む以上4つです。まさか夫婦で精神的に不安定な状態になるとは思いませんでした。経験者でも育児を甘く見てはいけないと身をもって感じたのでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:藤原 にじ二児の姉妹の母。兵庫県出身、オーストラリア在住。自身の経験と感性をもとに執筆活動中。趣味はイラスト、漫画を描くこと。旅行も大好き!妄想の中でも旅行に行く。
2020年11月11日子育てに対し、未経験者の中には『キラキラしていて楽しいもの』というイメージを持っている人は少なくないかもしれません。しかし、現実の子育ては心身ともに大変なことばかり。ストレスが蓄積した結果、産後うつや育児ノイローゼになってしまう親が数多く存在します。親も1人の人間であり、誰もが最初は子育て初心者です。いくら愛しい我が子とはいえ、夜泣きやイヤイヤ期、ワンオペ育児などが原因で疲れてしまうでしょう。産後うつや育児ノイローゼになってしまうと、従来のうつ病のように何もやる気が起きなくなってしまったり、常にイライラしてしまったり、突然泣き出してしまったりと情緒不安定な状態になってしまいます。『育児ノイローゼ気味だった時に描いた漫画』が話題に漫画家であり、2児の母親である、すがたひかる(@hen8996)さんも育児ノイローゼを経験した1人。3歳の長男が生まれたばかりの頃、初めての子育てに追われ、すがたさんは忙しい日々を送っていました。その頃を思い出すように、すがたさんは当時描いた漫画を2020年10月16日にTwitterへ投稿。すがたさん自身も「カオス」と評する内容に反響が上がっています。続き pic.twitter.com/9q3F5PJjWl — すがたひかる (@hen8996) October 16, 2020 生後11か月だった頃の長男は、元気すぎるほどだったそうです。常に叫び声や泣き声が家の中に響き渡り、すがたさんは我が子の甲高い声を聞き続けなければなりませんでした。そんな中、すがたさんに声をかけてきたのは…両耳の鼓膜!「お願いします、耳栓をしてください…このままではつらいのです…」と助けを求めてきたのです。鼓膜たちのSOSは、すがたさんの心の声だったのかもしれません。ユーモアたっぷりに描かれていますが、育児ノイローゼの恐ろしさが伝わる作品です…。漫画は拡散され、多くの子育て経験者から共感する声が寄せられています。・私も耳栓を着けたら落ち着きました!心に余裕もできた気がします。・ミギノミミコマクヌシのセンスがありすぎて笑えない話なのに笑った。・自分も子育て中はよく脳内の自分と会話してたな…。まさに今、我が子の声でストレスを溜めている人は、左耳の鼓膜さんのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。あなたの左耳の鼓膜さんとミギノミミコマクヌシも、助けを求めているかもしれません…。[文・構成/grape編集部]
2020年10月18日育児中、赤ちゃんと2人でいるのに孤独を感じるなどママの孤独からママが疲弊しきってしまうと産後うつにつながってしまう可能性があります。そして、この産後うつは決してママだけの問題ではありません。パパもママと同じく3人に1人の割合で産後うつにかかってしまっているという現実があるのです。ママとパパの産後うつを回避するためにはどうすればいいのでしょうか。 産後うつとは?産後うつの主な兆候としてはうつの症状と非常に似通っており、気分が落ち込んだり、以前は楽しんでいたものが楽しめなくなったり、イライラしやすくなるということが起こります。赤ちゃんをかわいいと感じない、良いママではないと自分自身を責めるということもよく見られる症状です。 これらが進むと、自分自身だけでなく赤ちゃんを傷つけたり、自殺について思考を巡らせ、最悪の場合、ママが死を選んでしまう場合もあります。赤ちゃんが生まれて1~3週間後に症状が現れるのが一般的と言われていますが、育児を何カ月かした後に発症する場合もあります。 産後うつの原因は決して、ママの頑張りが不足していたりするからではありません。産後はホルモンバランスの急激な変化により精神の安定を崩しやすい状態であり、産後うつの症状が出やすい状況であるため決して自分のせいではないということ、だれでもなりうる特別なことではないという意識を持つことが大切です。 一方、パパの産後うつは、仕事が忙しい中、ママから育児や家事をもっと手伝ってほしいと言われ、自分ではやっているつもりでもなかなかうまくいかないことから発症してしまうと考えられています。 産後うつの要因とは? 産後うつの大きな要因として考えられることの一つに“孤独”があります。1人でつらい状況を抱え込んでしまい、だれにも相談できない状況がうつを引き起こしてしまうのです。 この孤独感を和らげることを、最も身近にいてできる人は、ママにとってはパパであり、パパにとってはママです。けれど、実際は忙しくて話し合う時間がなかったり、話し合える距離感をお互いにうまく取ることができず、結果、お互いに孤独を感じてしまうということが起きてしまいます。 お互いの“孤独感”を醸成しないためにしておきたいこと そもそも、産後うつは男女の思考の違いから起こってしまう部分が多々あります。そのため、まずはママとパパがお互いの思考について知っておくことが回避の一つのきっかけになり得ます。 ママが産後うつにならないためにパパが知っておいたほうがいいこと3・ママの言う「ゆっくり」について知る育児中のママには、おそらくパパが想像している以上に次から次へと課題が襲いかかってきています。食事の支度をしている横で赤ちゃんが泣き出した、洗濯物を片付けている横でおやつのお皿を子どもがひっくり返した……。 ママがパパに「ゆっくりしたい」と漏らすのは、決しておしゃれをしてお出かけをしたいということではありません。ただカップに入れたコーヒーを温かいうちに飲みたい、トイレにゆっくり入りたい、そこからなんです。 ・ママの脳内もいつでも大変食事の準備をしながら子どもの世話をしているだけではありません。脳内は次の仕事について考えを巡らせています。これをやったらミルクの準備をしなければ、ミルクの準備をしたらお風呂を沸かさなきゃ……。頭の中も爆発しそうなくらい忙しいのです。 ・パパに話を聞いてほしい一日中、体も頭もフル稼働しているママにとって、実は唯一の息抜きがパパだったりします。「大人と会話をできる」というこの普通のことが、ママにとっては非常にレアな時間なのです。しかし、多くの場合、仕事で疲れて帰ってきた男性は、面倒くさそうに聞いたり、スマホを見ながら聞いているのか聞いていないのかわからない状態。あげくの果てには「だからなんなの?」「○○したらいいんじゃない?」と一方的に会話を途切らせてしまうこともあります。 唯一の一日の息抜きのはずが、ママの心をポキっと折ってしまうことになることが多いのです。 パパが産後うつにならないためにママが知っておいたほうがいいこと3・パパが認められたいのはママ人間はだれしも承認欲求があります。人に認めてもらえることで自信がつき、さまざまなことに挑戦ができます。パパは仕事で評価を受けていますが、実は、パパが一番評価を受けたい人はママであることが多いのです。仕事で評価を受けても、それをママが喜んでくれなければ、パパの中での評価は半減、いやそれ以上減ってしまうでしょう。 育児や家事もそうです。パパがやってくれたことを褒めたら、パパのやる気は倍増するに違いありません。 ・仕事の頑張りを認めてもらいたいパパには「ママと子どもを養っている」という自負があります。それゆえ、家で子どもの世話をしているママよりも、少なくとも同じ、またはそれ以上は自分は大変であり、感謝されて当然だと思っているパパがほとんどでしょう。ママは、パパへの感謝の気持ちをぜひ頻繁に表わしてみてください。 ・リストがあっても行間が読めない例えば、「赤ちゃんを沐浴させてほしい」とパパに頼んだところ、沐浴はさせてくれたものの、使ってほしくないタオルを使われた、使ったタオルをそのまま放り出してある、なんてことはどこの家庭でもあることです。 ママにとっての沐浴は、赤ちゃんの洋服を脱がせることから、赤ちゃんに着替えを着せて寒くない状況にするまでの一連の流れを指しますが、パパにとっては沐浴させることだけが「沐浴」であることが多くあります。育児と家事に疲れきったママは、そこで大きなため息をついて、パパの不足していることについて文句を言ったり、ぼそっと嫌味を言ったりすることに……。 疲れ切ったママにはその気はなくても、パパはそれでどんどん萎縮してしまい、うつになってしまう状況に追い込まれてしまうのです。 ママも大変。パパも大変。お互いに大変であることを認め合って、お互いに孤独を感じないよう、接してみてください。それがお互いの産後うつを回避する一歩となるはずです。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年10月01日みなさん、子どもの寝かしつけはどのようにしていますか?わが家では、夜になると、私が子どもの寝かしつけを、夫は夕飯の片付けと洗濯を担当するようにしていました。しかし、2歳差の3人の子どもの寝かしつけは、短時間で終わることもあれば、1時間かかることも。それに比べて、夕飯の片付けは5分、洗濯物干しもテレビを見ながら5分でやっている夫になんだかイライラ。私がすごくソンをしている気がしてきたのです。寝かしつけ短縮方法いろいろそこで、まず何とか寝かしつけ時間を短くできないかと、いろいろチャレンジしてみることに。「眠くなるまでひたすら絵本読み聞かせ」「家じゅうのものにおやすみを言って回るおやすみツアー」「先に母が寝落ちのフリ作戦」などなど。いろいろやった中では、「ギュッと抱っこで抱きしめたまま寝る」というのが一番効果的だった気がします。でも子どもが3人いるわが家では、いつもその方法で寝かしつけるのは厳しく…。そこで3人同時に寝かしつけられる方法として、子どもたちが気に入ったのが、それぞれのおなかを軽くトントンする寝かしつけでした。助けて!トントンノイローゼ3人並べて順番におなかをトントン。最初のうちはスヤスヤと眠りについてくれることも多く、なかなかいい方法だと喜んでいた私。しかし、それも毎夜毎夜のこと。だんだんとトントンすることに、自分自身が飽きてくるのです。そして、「おおきいトントン、ちっちゃいトントン」と緩急つけてやってみたり、トントンのスピードを変えてみたりと、いろいろとバリエーションつけていたのですが…。ある時ふと、「私はいったいあと何百万回、何億回トントンすればいいんだろう」と思ってしまって。そんなことを、一度思ったらどんどんトントンすることが怖くなってしまったのです。トントンで寝てくれた時には、「あー、1日1人1000回トントンするとして、かける3倍、それをあと何100日、いや何1000日し続けないといけないんだろう…。千手観音みたいに手がいっぱいあればいいのに」と。トントンではなかなか寝てくれない時には、「(唯一の脱却方法を見つけたと思った)トントンでダメならどうしたらいいの?」。そう思うだけで、涙が出てくる、そんな気分です。結局、寝てくれても寝てくれなくても、「寝かしつけ」という行為そのものが恐怖に。まさに、出口の見えない「トントンノイローゼ」というトンネルの中で、もがき苦しんでいる状態になってしまいました。夫が寝かしつけ担当に!すると子どもたちはそのストレスは夫に向かいました。「夫だけラクをしている!私がこれから何億回もトントンしないといけないのに、この男は私の何百分の一しかトントンすることなんてないだろう」と思って。そんな気持ちを夫にぶつけ、話し合った結果、試しに役割を交代してみること。夫が寝かしつけをすることになりました。すると、なぜか夫との時には、早々に子どもたちが爆睡するではありませんか!それならばと夫と役割交代となりました。試して考えて、ベターを探して「なんでパパのときだけそんなにすんなり寝るのよ」という少しモヤモヤした気持ちをもちつつも、それからしばらく寝かしつけは夫に任せました。数週間ほどたったころ、寝かしつけから離れてみると気持ちに余裕が生まれたようで、「まぁ、こんなことできるのも今だけかな」と考えられるようになり、トントンノイローゼから脱却することができました。子どもの本音は「ママと寝たい」だったようで、最終的には元の通り、私が寝かしつけ担当、夫が片付けと洗濯担当というのが定着していきました。今では落ち着いてその当時を思い出せますが、本当にその時は、「これがいつまで続くのか」と先が見えないことが重く、この世の終わりのように感じて疲れ果てていました。でも、寝かしつけだけでなく、子育てに関することは、いろいろ試して、ベターな方法を見つける努力をしてみることが大切なのかなと思います。その試行錯誤をしている中で、また違った方法も見えてくるかもしれません。発想をガラリと変えて、ママとパパの役割をチェンジするというのもひとつの方法ですよ!一緒に絵本を読んで寝るという習慣にしんどかった「トントンノイローゼ」ですが、ひとつよかったことは、子どもたちが小学生以上になった今でも、一緒に絵本を読んで寝るという習慣ができたこと。忙しい毎日の中で、毎晩子どもたちと一緒にふとんに入ってからの時間を楽しめることを幸せに感じています。<文・写真:ライター鳥山由紀>
2020年10月01日助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、赤ちゃんの抱っこについてお話ししています。泣いていても少し様子を見ていい場合や、すぐに抱っこしてあげたほうがいい場合などを詳しく解説!家事の途中や上のお子さんのお世話をしてして、手が離せないときに赤ちゃんが泣いてしまうことってありますね。泣いている赤ちゃんは、すぐに抱っこしてあげるのが一番ですが、難しい場合もあるかと思います。今回は少し様子を見ていい場合と抱っこしてあげたほうがいい場合についてお話しします。 泣いていても少し様子を見ていい場合時々赤ちゃんの様子を見にいくか、目の届く場所に寝かせるようにしましょう。部屋の構造上難しい場合は、モニターなどを使って、キッチンなどで家事をしながらでも赤ちゃんの様子が確認できると安心です。 ・泣き声が大きくなく、指しゃぶりをして休んだり泣いたりを繰り返している。・目を閉じながら泣いているが、激しくないているわけではなく眠そうな様子がある。・おむつを変えたばかり、授乳後で空腹でないとき。・声をかけると、泣きが弱くなったり止まったりする場合。 すぐに抱っこしてあげたほうがいい場合激しく泣く、いつもと様子が違うときなどはすぐに抱っこしてあげましょう。 ・授乳直後で手足をバタつかせて激しく泣いている・泣いている途中で吐きそうになっている・発熱や体調が悪く、嘔吐があるとき・顔を真っ赤にして泣いている、泣きすぎて呼吸が不安定になっているとき・唇の色が悪いとき 抱っこができないときのお助けグッズ転倒などないようにソファーや高さのあるところに寝かさないこと、安全柵を使用するなど赤ちゃんの周りの安全を確認してから使用しましょう。 ・おもちゃ類(メリーや手で持てるもの)・お気に入りのタオル、ガーゼ類・おしゃぶり(一時的であれば影響は少ないです)・おくるみでくるむ・テレビやDVD、スマホの動画など(長時間の使用は注意しましょう)・モニター類(少し離れていても確認できます)・バウンサーやハイローチェア(電動で揺れるタイプのものなど) できるときはたくさん抱っこをしてあげようすぐに抱っこができなかったときも、ママの用事が済んだら、「待っていてくれてありがとうね」「待っていてくれて助かったよ」「いっぱい抱っこしてあげるね」とやさしく声かけをして、笑顔でギューっと抱きしめてあげてください。 ママはきちんと戻って抱っこしてくれるというのがわかれば、赤ちゃんも安心してくれると思います。 赤ちゃんの情緒の安定には、赤ちゃんの要求に合わせた抱っこが大切です。今は抱き癖がつくなどは気にせずにどんどん抱っこしてあげましょうと言われています。しかし、育児や家事に忙しい毎日の中では、いつでも泣いたらすぐに抱っこをするのは難しいかと思います。家事をするときにはスリングや抱っこひもなどを使用するのもおすすめです。赤ちゃんの様子をみながら試してみてくださいね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2020年09月22日■前回のあらすじ息子の発育状態が気になり検索しては落ち込む負のループ。夫や発達支援センターに相談するも解決に至らず、自分でできることを探すことにしました。※過激な描写が含まれます。苦手な方は閲覧をお控えください。■私は「普通のお母さん」にもなれない…?息子に何があろうとも育てていく覚悟はあるはずなのに、不安な気持ちが止まらない…息子が「普通の子」であって欲しいと願ってしまうのは、親として最低なのでは…私は「普通のお母さん」にすらなれていない…そう感じました。※筆者が当時の体験を元に表現しています。■自己嫌悪に陥り、自分を傷つけてしまう今まで自分が否定してきた無責任な親と自分は同じだ…、そう感じて自傷行為にまで及んでしまいました…。次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月19日■前回のあらすじ完母で育てていきたい一心からほぼ一日中授乳に費やし、食事にも気を遣い疲弊してしまった私を見て、夫が出張前にたくさんのスープを作り置きしてくれました。■完母を諦めることも、食事の手を抜くことも出来ない自分自分が口にしたもののせいで息子に何かあったら…そう思うだけで恐怖心が襲ってきました。完母にこだわる私は、とにかく頑張らなければと、自分に言い聞かせていました。■気が休まることがない日々…※電子音については筆者が当時インターネットで見た情報です。医学的な根拠が確認できている訳ではありません。息子が生きているか、毎晩不安でぐっすり眠れることはありませんでした。ネットの情報に惑わされ、とても静かな部屋の中で息子と二人で過ごしていました。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月12日■前回のあらすじついに義父母との同居生活が終わり、一時的に開放感でいっぱいになったものの、あまりの静けさに少し寂しくなるのでした。■相変わらず心配な母乳不足…なかなか増えない体重に、焦りは募る一方…。母乳育児を頑張りたい一心で、ほぼ一日中授乳に時間をかけていました。■食事に気を遣う私のために…夫の優しさに感謝!良質な母乳を作るために食事にも気を遣わなければならない…私を気遣ってたくさんスープを作り置きしてくれた夫には本当に感動しました!次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月11日育児は楽しいことばかりではなく、子どもに対して怒ってしまうことやつらいこともたくさんあります。毎日が充実していると感じる反面、子どもに接することすら苦痛を感じてしまう瞬間も。初めての子育てのなかで、私が子どもに申し訳ないと思っている体験談をご紹介します。 夜寝なくてストレスMAX!初めての出産は里帰り出産だったため、退院後は親が身の回りのことをしてくれて、私は赤ちゃんのことに集中できる環境でした。それにもかかわらず、赤ちゃんが夜眠れずに泣いてしまう日々が続き、徐々に私自身が疲弊していきました。 3日に1回は夜中ずっと起きている状態で、私もヘトヘト。心身ともに限界でした。眠れずに泣きわめく赤ちゃんに、「いい加減に寝てよ!」と怒鳴ってしまったことがありました。 後追いがひどくてイライラ!子どもが生後10カ月のときに、私は仕事復帰をしました。朝は洗濯やお弁当の用意、保育園の準備と慌ただしくて、子どもに構っている余裕がありません。そんななか、後追いがひどくなり、少し離れるだけでも大泣きするように! 「なぜ、忙しいときに限って甘えてくるんだろう……」とイライラしてしまい、子どもが泣き叫んでいても、それを無視して家事を続けてしまうこともありました。 目を離したすきに口から流血!子どもがハイハイからつかまり立ちができるようになり、いろいろな物に興味を持ち始めていた生後11カ月ころ。テーブルの上には、私たち夫婦の本や書類を常に出しっぱなしにしており、子どもが触っても大丈夫だろうと思っていました。 そんなある日、目を離したすきに子どもが口から流血。テーブルの上にうっかり鉛筆も出していて、口の中を切ってしまいました。幸い大ケガにはならずに済みましたが、親の気の緩みが子どものケガに繋がってしまいました。 怒鳴ったり、無視したり、ケガをさせたり……。ダメな母親だなあと、自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。「あのときはごめんね」と子どもに謝りたい気持ちでいっぱいです。今もまだ、イライラした態度を出してしまうこともありますが、時間があるときには子どもと遊ぶ、子どもの安全を確保することに努めています。これから子どもとの時間を楽しめるように、気持ちの切り替えが大切だと実感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/imasaku監修/助産師REIKO著者:山野楓男児の母。2018年4月に仕事復帰したばかりで育児との両立に悪戦苦闘中。不妊治療や妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年09月10日「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになる親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?小児科医で2人のお子さんのお母さんでもある森戸やすみ先生は、そういった子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるお母さん・お父さんに向けて、SNSやさまざまな医療メディア、そして著書 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社)などで子育てが楽になるヒントやアドバイスを発信してきました。そんな森戸先生に、お母さん・お父さんが日頃感じている子育ての悩みやつらさはどうして起こるのか、それを軽減するにはどうしたらいいかなどお話をうかがいました。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二児の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■自分の子育てを自分で責める、あなたの中の「インナー姑」――子育ての悩みにはいろいろありますが、お母さん自身が自分を責めてしまっている、先回りして自分を制してストレスがたまっているケースはないでしょうか。森戸やすみ先生(以下、森戸先生):そうですね。私はそれをインナー姑と呼んでいます。現実に姑から注意されたわけでもないのに、自分の子育てを責める自分がいるんですよね。例えば、お母さんは出産後に美容室へ行くのも申し訳ない、誰に子どもを頼もうかと悩むでしょう。でも、想像してみて欲しいのが、夫も同じ理由で悩むでしょうか? 「子どもが生まれたばかりなのに申し訳ない」と思いながら理容室へ行くでしょうか?お母さんは育児に一生懸命で責任を感じているから、自分ばっかり背負ってしまうところがあります。でも、子どもの親はお母さんだけではありません。1人ですべてを背負いこむことはないのです。――そうですよね。どうしてお母さんの中にはインナー姑が存在してしまうのでしょうか?森戸先生:「子どもの頃から子育てはお母さんがするもの」と刷り込まれているため、そういった社会的イメージにとらわれてしまうのかもしれません。この前、取材で会った方の『子どもができたら以前のように夫にいろいろやってあげられないのが申し訳ない』の言葉に私、ポカンとしちゃって(笑)。家族が1人増えたんだから、今まで通りにはいきません。親になるのはお母さんだけではなくお父さんもなんですから、夫にも自分のことは自分でしてもらうのは当然で、今までのように受け身で待つのはおかしいですよね。――先生のおっしゃる「社会的イメージ」というのは、小さい時から蓄積されてきた良妻賢母のイメージだと思います。それはお父さんとお母さん両方が持っていると思いますが、どうやって切り替えていけばいいのでしょうか。森戸先生:女性は、将来こういう風に子育てをしたい、こういう家庭にしたいと具体的に考えている方が多いように感じますが、男性でそこまで考えている方は少ない印象です。そのため、お父さんは子育てをしながら自分の育児観をつくっていくのでしょうが、その過程で前の世代の刷り込みが出てきてしまうのでしょう。私の場合、小児科医として時短で働いていましたが、夫の衣類をクリーニングに出そうとしたとき、『これって私がしなければいけないこと?』とふと気づいた瞬間がありました。私は子どものために時短勤務をしているわけで、夫のためではない。どうして私だけが仕事をセーブしなければいけないの? これはおかしいと気づいたのです。――でも、お母さんは気づいてもお父さんのほとんどは「それはおかしい」とは気づいてくれませんよね(笑)。森戸先生:それは、誰からも言われないからでしょう。ずっと妻が不機嫌で口をきいてくれないのはどうしてだろう? とは感じることはあっても、それがワンオペ育児で疲れているから、不満があるからとは想像できないのです。だから、『家族が1人増えたのだから物理的に私1人でこなすのは無理です』と伝えた方がいいです。そういう夫へのアドバイスや指導を子どもが生まれる前にできるといいのですが、医療機関にそのインセンティブ(意欲を引き出すための外部からの働きがけ)は残念ながらありません。医療行為ではないから診療報酬につながらないため、ほとんどの両親学級や父親学級でそういった指導は行われていませんね。――「まだ大丈夫」と無理をして体調を崩してしまうお母さんもいますよね。そうなる前に、自分で限界ラインが判断できるポイントはありますか?森戸先生:例えば、食べられない・眠れない場合はかなりつらいい状態だと思います。でも、妻がそんな状態になっていたら、夫に先に気づいてほしいですね。夫がそれに気づかないのは、コミュニケーション不足。育児に大変そうな妻に『大丈夫?』の一言も声もかけられないのだとしたら、それは家族とは言えませんよね。■仕事で子どもに「ちょっと待って」と言う罪悪感――今回のコロナ禍で、保育園から「なるべく登園させないようにご協力ください」と要請されたという話も聞きました。森戸先生:そう言われてしまうと、真面目な保護者ほど『先生たちが大変だから行かせないようにしよう』と頑張ってしまいますよね。そういったときのためにも、預け先の選択肢はなるべく多く持っておくといいです。『預けようと思えばいつでも預けられるけど、まだ大丈夫だからうちで見る』という状態で子どもを見るのと、『私しか子どもを見る人がいないから見るしかないんだ』というのとでは心の余裕が大きく違いますから。――家で子どもを見ながらテレワークをしていたお母さんは「仕事だからちょっと待ってて」と子どもに言わなければいけなかった状況も多かったと思います。そうやってプライベートと仕事が混同する生活は、子どもに負担をかけることになるのでしょうか?森戸先生:それは、『ちょっと待ってて』と言う理由が仕事だから、お母さんが罪悪感を持ってしまっているだけではないでしょうか。どんな場合でも、緊急度の高い順からお母さんは対応せざるを得ないので、それは仕事に限りませんよね。例えば、下の子のお世話をする場合でも上の子に『ちょっと待ってて』と言っていると思います。上の子がいろいろお母さんに話しかけていても、下の子がお椀をひっくり返した、うんちがおむつからはみ出したなどの一大事だったら『ちょっと待ってて』と、そちらにかかりきりになりますよね。それは仕方のないことで、仕事だから特別子どもが傷つくということはないと思います。――確かにそうですよね。それでも罪悪感を持ってしまうお母さんは、自分の気持ちをどうコントロールしていけばいいでしょうか。森戸先生:先ほども言いましたが、『夫も同じように罪悪感を持つだろうか? どうして私はそう感じるんだろう?』と冷静に想像して、子どもや子育てに対して距離を置いてみて欲しいのです。テレワーク中の夫は、ウェブ会議だからと子どもを部屋から締め出しても、おそらく罪悪感は抱かないと思うのです。男性はそれができるのに、どうして私は罪悪感を抱えるのだろうと客観的にとらえるとイライラしなくなるのではないでしょうか。生きていくためにはお母さんも仕事をしなければいけないし、子どもにも協力してもらわなければ共倒れになってしまいます。子どもと仕事、どちらも大切で責任感を持っているからこそ罪悪感が生まれるのであって、一時的にどちらかを優先してしまうことは仕方のないことです。子どもが理解できる年齢かにもよりますが、お母さんもお父さんと同じくらい一生懸命仕事をしていること、だから協力して欲しいことを子どもに伝えるのはいいですね。子どもに説明することで、お母さんが自分で自分を納得させるという効果も期待できます。――コロナ禍のテレワークで、子育てをお母さん1人ですることがどれほど大変か理解できたというお父さんの声も耳にします。お父さんは次にどういった行動に移ればいいと思いますか?森戸先生:今回のことをきっかけに、また保育園が預かってくれなくなった場合はどうするか、もし親のどちらかが病気をしたらどうするか、もし勤務先が倒産したらどうするかなど、もしものときへの備えについてこの機会に話し合ってはいかがでしょうか。■「夜が来るのが怖い…」寝かし方が間違っていたかも!?――なかなか子どもが寝てくれない、夜泣きがひどいなどで「夜が来るのが怖い」というお母さんが多いようです。森戸先生:アジア全域では、子どもに添い寝して家族みんなで寝るのが一般的ですね。日本もしかりで、赤ちゃんが寝るまで親は寝かしつけをし、夜泣きをしたら抱っこしてあやすなどをお母さんはしているでしょう。しかし、寝つくまでに何時間もかかる、夜泣きで度々起きなければいけないなどで、お母さんの多くは「夜が怖い」と感じてしまいます。そういった生活が続き寝不足になるお母さんが陥りやすいのが「産後うつ」や「育児ノイローゼ」です。実は、このお母さんの行動こそが赤ちゃんが寝つきにくく、夜も頻繁に起きる原因ではないかといわれています。子どもとしたら、起きている限りお母さんはずっとそばにいてくれるし、泣けばずっと相手をしてくれるわけですから。なかなか寝なくなるのは当然かもしれません。日本流の寝かしつけや夜泣き対応をしていると、子どもは1人で寝る学習がなかなかできないわけです。――夜泣きについて、先生は著書で「消去法」を推奨されていますね。森戸先生:消去法というのは、欧米で取り入れられている子どもの睡眠方法。生まれて数日したら親子は別々の部屋で夜を過ごし、子どもは1人で寝る練習をするというものです。この消去法では、赤ちゃんが泣いてもなるべく手を出さないようにして様子を見ることが大事。まるっきり一人にする必要はなく、赤ちゃんの様子を観察しつつ、なるべく抱っこしないようにします。そうすることで、一人では眠れない、泣いたらママが来てくれるといった入眠の誤学習を防ぐ方法です。眠りのトレーニングを生まれてすぐすることで、こうやって眠ればいいんだと子どもは生後3〜4カ月までには習得するようです。――泣いても相手をしてあげないと、愛情を感じずサイレント・ベビー(無表情で言葉も遅い赤ちゃん)になってしまうのではないかと心配するお母さんもいるようです。森戸先生:このサイレント・ベビー説は日本で長年信じられてきた育児神話の一つですが、医学的根拠が大変薄いのです。一小児科医が提唱した考えなので科学的根拠もありませんし、その説が正しいとしたら、消去法を取り入れている欧米の子どもはみんなサイレント・ベビーになってしまいます(笑)。赤ちゃんが夜、長時間ぐっすり寝られるように、海外には、夜用の腹持ちのいいミルクもありますよ。日本では、母親が子どものために尽くすことが美徳のようにいわれますが、お母さんも人間なので睡眠はとても大事です。生活リズムを子どもに合わせていたら寝られないし働けないというのなら、そこは大人に合わせてもらうのでいいと思います。子どもの安全を確認しつつ、一人で寝かせてもいいのではないかと考えます。例えば、夜8時に寝かしつけを始めたけれど、結局10時まで寝ないというお母さんが相談に来られるんですけど、その2時間があったらお母さんはいろいろなことができますよね。夜8時に寝かせようと頑張る母親と絶対に寝ないと頑張る子どもの戦いが毎日(笑)。それなら、9時半に寝かしつけるようにしてもいいと思うのです。育児が思い通りにならないと、イライラしてキーっとお母さんもなってしまいますよね。それでは、お母さんも子どももお互いがつらくなってしまいます。それより、多少理想とは違う子育てになっても、お母さんと子どもの両方が楽でうれしい方を選んでいいと思います。例えば『完璧なおやつを手作りしたいからキッチンへ来ないで』と子どもを追い出すよりも、2人でスナック菓子でも食べていた方がお母さんも子どもも幸せではないでしょうか。インナー姑に従って自己満足のためにやる育児ではなく、子どもと親の両方が笑顔で過ごせる方法は? という観点で優先順位を考えた方がいいですね。■「叱った後はやさしく抱きしめる」は本当に正しいの?――子どもへのしつけですが、よく育児書に「子どもを叱った後はやさしく抱きしめてあげましょう」と書いてありますが、その通りなのでしょうか? それは、DV夫が暴力・暴言の後に「ごめんね」と妻にやさしくなるのと一緒ではないかとモヤモヤするお母さんもいるようです。森戸先生:そうですね、叱られてすぐに抱きしめられたら、子どもは混乱しそうですよね。さっきまで叱っていたお母さんが急に抱っこするので「どうして?」と子どもは思います。それに、最終的にやさしく抱っこされるのなら、子どもは何をしたら叱られるかという基準がわからなくなるかもしれません。それに、大きな声やきつい言葉で叱るなどはエスカレートしやすいですし、人前で恥をかかせる行為にもなるので、子どもには逆効果となります。好ましくない言動をしたらお母さんがかまってくれると子どもが誤解しないように、叱るのではなく目を合わせない、話しかけても答えないなど、「無視」が効果的だといわれています。また、タイムアウト法といって、子どもを別部屋に連れていくなど1人にして考える時間を与えるというのも保育園などで取り入れられています。ただし、ほかの人や物、自分自身にも害が及ぶような危険な言動を子どもがした場合には、直ちに止める必要があります。――叱らず相手にしないのが効果的とのことですが、おでかけ先で子どもが泣いたり暴れたりしたとき、親が叱らないと「何だあの親は」と周囲は思いますよね。森戸先生:日本では、周囲へのパフォーマンスとして親の強く怒ってる姿を見せなければいけないというのがあるかもしれませんね。周囲に迷惑をかけるようなら、乳幼児の場合は外に出る、あやすなどの対応をし、言い聞かせることができる年齢の子なら、繰り返し穏やかな声で「静かにしなさい」と短くわかりやすく指令を伝えるブロークンレコードという手法をおすすめします。ただし、周囲へのパフォーマンスとして大声で強く叱ったりする必要はありません。でも、そういった子連れに対して文句を言う人たちは、手を貸してくれるわけではないですし、何か起こったときに責任を取ってくれるわけでもありません。だから、お母さんはあまり気にしなくていいと思います。実は、そういった文句だけの人は少数派だと思います。多くの人が『子どもが泣いてお母さん大変そうだな』『元気な子どもでかわいいな』って思ってる人の方が多いけれど、『うるさいな』というマイノリティーの言葉の方が目立つだけではないでしょうか。だから、そういうお母さんに対する周りの圧力みたいなものは気にしなくていいと思います。――家ではいろいろできそうですが、外では見逃してしまいそうです。森戸先生:それをしてしまうと、子どもは『外なら泣いたり暴れたりしても大丈夫』と覚えてしまうので、お母さんは外でも一貫性を示す必要があるでしょう。場所がどこであっても『やってはいけないことはやってはいけません。お母さんはもう知りません』という態度を示せるといいですね。なかなか難しいとは思いますが…。■イヤイヤ期の子育てがつらい、限界だというお母さんへ――2、3歳のイヤイヤ期の子を持つお母さんで、子育てが楽しく思えない、子どもをかわいく思えないというのは少なくありません。でも、そう感じてしまう自分をまた責めるという悪循環が生まれています。森戸先生:そう思うのは当然ではないでしょうか。例えば、自分もお父さんやお母さんから、いつも100%好かれていたと思いますか? 逆に、自分も親のことはすごく大好きだけど、すごく嫌いなときもありますよね。親から怒られたことがない、親が嫌で家出したいと思ったことがない人の方が少ないのではないでしょうか。子どもだから、家族だから100%好きでなければいけないことはありません。好きだけど嫌いという感情があるのは自然だと思います。――確かにそうですね。でも、頭では納得していてもイヤイヤ期の子どもにはイライラしてしまいます。それをやり過ごすコツや、自分をコントロールする方法はありますか?森戸先生:子どもに尽くそうと思わないこと。人間ですから睡眠も必要ですし、1日に1つは子どものこと以外の楽しみがあるといいですね。イヤイヤ期の子どもは暴言もはきますし、たたいてくることもあるでしょう。親であってもムカッとするのは当然です。そういった楽しみがなければ子育ては続きません。――ときにはお母さんが感情的になってしまうこともあると思います。森戸先生:いつも冷静に大きな声を出さずに子どもを育てるのは無理な話です。それでお母さんが罪悪感を持つことはありません。叱っても子どもに悪いことをやめさせる効果はないかもしれませんが、思わず大きな声が出てしまうのは仕方のないことです。うちもイヤイヤ期は大変でしたけど、当時はタイムアウト法など知りませんでした。でも、子どもが好ましくない行動をしたら無視する、応じられないものには毅然とした態度で受け入れないなど、今から考えるとタイムアウト法に近いことをやっていました。――そうなんですね。先生が子育てで一番悩まれていたのはどんなことでしたか?森戸先生:私は当直があったので『お泊まりで仕事行かないで』と娘が泣くんですよ。うちで子どもが泣いてるのに、病気の子を診なければいけない自分にすごく罪悪感を持っていました。でも、病院には私をすごく必要としてくれる子がいるのに、行ってあげられないというのも嫌だったんです。ですから、2人目が生まれた時には育休を長めにとったり、時短勤務に切り替えたりと働き方を考えました。――ということは、お子さんは0歳から預けられていたんですか?森戸先生:母に預かってもらうこともあったし、職場の保育室へ連れて行ったり、認可保育園に空きがでたら保育園へ。第一子のときは『預けて働くなんてごめんなさい』と思っていましたが、保育園の方が常に複数の先生がいらっしゃるし、相手は子育ての専門家。かわいそうなことは何にもなく、誤解だと気づきました。知らなかったからそんな不安があったんですね。3歳まではお母さん1人で子育てした方がいいといういわゆる『3歳児神話』は厚生労働省によってすでに否定されています(厚生労働省 『厚生白書(平成10年版)』 )。母親だけが育児をするものではないし、むしろ弊害があるケースがあるとはっきり提言を出しているのです。人は社会の中で生きていくのですから、小さい頃から社会に触れるのは大事だと思いますし、むしろ良い面の方がたくさんあると思います。今は、仕事を持つお母さんの方が専業主婦の倍以上いるのですから(厚生労働省 『厚生白書(平成30年版)』 )、子どもを保育園などに預けることは普通のことですよね。■自分の中の「インナー姑」を追い出すには?――自分の中の「インナー姑」を追い出すにはどうしたらいいと思いますか?森戸先生:日本の絶対は、世界の絶対ではないことに気づくことですね。外国人のお母さんに『赤ちゃんは毎日お風呂に入れてますよね?』と聞いたら『いいえ』と言われたことがありました。へその緒が取れるまでお風呂に入れてはいけないという国もあれば、北欧など寒い国では体を冷やさないように毎日お風呂には入れないそうです。子どもは毎日お風呂に入れるものと私にも先入観がありましたが、首も座らない赤ちゃんをベビーバスへ毎日入れるのは大変ですよね。目的は清潔を保つことだから、拭くだけの日があってもいいわけです。『これが絶対』と思わず、いろいろな価値観を知ると、日本古来の『インナー姑』はいなくなるのではないでしょうか。そういった意味でTwitterなどのSNSを利用したり、ネットを活用して情報を収集するのは良いと思います。例えば、母乳をよく出すと言われる食材は国によってバラバラで、決まった食材はないのです。日本ではごはんを食べるように言われますが、じゃがいもとかかぼちゃは食べるけどごはんは食べない国もあります。離乳食も、ヨーロッパはみんなじゃがいもですが、東南アジアはタロイモ、日本はおかゆ。それぞれでいいのだと気づきます。SNSやネットには嘘か本当かわからない情報も氾濫していますが、真偽が怪しいと感じたものは、コメントで質問したりするといいと思います。それで返事がない、リプライがもらえないようなら、そのまま信じずに保留で。そして、同じような意見を持っている人がほかにもいないかリサーチして、総合的に信用できるかできないかを自分で判断するようにしたらいいでしょう。「小児科医はもちろん、産科の先生や看護師、保育園や幼稚園、学校の先生など、子どもに直接関わる仕事をしている人でも、未だに医学的・科学的に根拠のない『育児神話』を唱える人が後を絶ちません。そういったママを追い詰める日本特有の『育児はこうであるべき』が早くなくなればいいと考えています」と森戸先生。その歯に衣着せぬ「子どもを100%好きでいなくてもいいのよ」「お母さんだけが育児を背負いこむことはありません」「できないことは仕方がないから無理しないで」という言葉の数々に救われたお母さんも多いでしょう。森戸先生の著書のタイトルの通り、「子育てはだいたいで大丈夫」。子どもとお母さん、そしてお父さんみんなが幸せなことが、その家族の育児の形なのではないでしょうか。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 内外出版社/森戸やすみ著/1540円(税込)朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。<参考サイト>厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」 厚生労働省: 「厚生白書(平成30年版)」
2020年07月20日