お笑いタレントのだいたひかるが23日に自身のアメブロを更新。30代前半で帯状疱疹の症状が出て見舞われた顔面麻痺の現状についてつづった。この日、だいたは「顔面麻痺の後遺症」というタイトルでブログを更新。「30代前半の頃に、帯状疱疹が耳に出て…一時期、顔面麻痺になった」と明かし「言わなければ分からない程度になり、普段も忘れている感じに」と現状を報告した。続けて「でも寒いとこわばった感じが」と述べ「なので自分で触っていたら、夫がマッサージしてあげるよ!と…そうしたら息子も、見様見真似で揉んでくれました」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年02月23日2023年11月26日、お笑いタレントの柳原可奈子さんがInstagramを更新。2人の娘さんが誕生日を迎え、家族で祝った時のことを写真とともに振り返りました。柳原可奈子、脳性麻痺公表の長女がいった言葉に「じーんときた」柳原さんは、生まれつき脳性麻痺を患う長女が4歳、昨年生まれた次女が1歳の誕生日を迎えたことを報告。「じいじとばあばも来てくれて、賑やかにお祝いできました」と家族で誕生日パーティを楽しんだことを明かしました。1歳の次女には『一升餅』を背負わせたり、柳原さんの夫が作った絵本を読んだり、ケーキを食べたりして、盛りだくさんのパーティになったとのこと。写真には、幸せそうな笑顔を見せる柳原さんや、子供たちの姿が収められていました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 柳原可奈子(@yanagihara_kanako_)がシェアした投稿 誕生日パーティが終わり、眠りにつく時、柳原さんは2人の娘さんに「幸せだね~」と声をかけたといいます。すると、長女がこんなふうに答え、柳原さんを驚かせました。眠りにつく時布団の中で「幸せだね~」と2人に言ったら長女が「しゃーせ」と答えました私が目を丸くし、喜んだら長女は「しゃーせ、しゃーせ、しゃーせ、しゃーせ」とニコニコ笑い何度目かの「しゃーせ」ですーっと眠りましたとっても嬉しかったあなたたちがいてくれるからずっとずっとママはしゃーせよお誕生日おめでとうyanagihara_kanako_ーより引用柳原さんの想いが長女にも伝わったのか、何度も「しゃーせ(幸せ)」と繰り返したとか。愛する我が子からの嬉しい言葉に、柳原さんは胸がいっぱいになったのでしょう。「あなたたちがいてくれるから、ずっとずっとママは『しゃーせ』よ」とつづったのでした。柳原さんの投稿には、娘さんたちを祝うコメントなどが多数寄せられています。・お誕生日おめでとうございます!本当に「しゃーせ」な気持ちが伝わってきました。・娘さんの言葉に涙が出ました。「幸せ」っていって、ママが喜んでくれるのが嬉しかったんだね。・可奈子さんの笑顔が本当に素敵。これからも「しゃーせ」な毎日を過ごせますように。投稿の最後には、ファンに向けて「いつも娘たちを応援してくれて、どうもありがとう」と伝えていた、柳原さん。そんな柳原さんに対し「こちらこそ『しゃーせ』のおすそ分けをありがとう」と、多くの人が思ったはずです。[文・構成/grape編集部]
2023年11月28日子供の成長を祝う行事である、七五三。その名の通り、一般的に子供が3歳、5歳、7歳になったらお祝いをします。一説によると、寿命が短かった時代が発祥であり、「この歳まで生きることができた」という喜びをかみしめ、長寿を願っていたといいます。医療技術が発達し、子供の死亡率が下がった現代も、我が子の成長を喜ぶ親の気持ちは変わりません。柳原可奈子、脳性麻痺の長女の七五三に感動2023年11月1日、お笑いタレントの柳原可奈子さんがInstagramを更新しました。柳原さんは、私生活で2児の母親。Instagramを開設するにあたって、長女が脳の損傷が原因とされる、脳性麻痺を患っていることを明かしています。運動機能に障がいが生じることが多い、脳性麻痺。重症度にもよりますが、余命が短いケースもあるといわれています。長女が無事に初めての七五三を迎えられた喜びをかみしめ、柳原さんはこのように想いを明かしました。当日の朝は雨が降っていました皆が心配して見守るなかお昼にむけてぐんぐん晴れていく空はまるで私と長女のこれまで、のようでしたじいじばあばもお家に集まってくれて、大興奮の次女パパも出発前からカメラをかまえます古くからの友人にヘアメイクしてもらいにぎやかに支度しながらこの3年11ヶ月をそっと思い出していましたこの日を無事に迎えられたこと、本当に嬉しかった♥ここまで来られた!という大きな自信と安心感長女を応援してくれる周りのみなさんへの感謝胸いっぱいの特別な節目となりました七五三おめでとう‼️これからも元気に育ってね♥yanagihara_kanako_ーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 柳原可奈子(@yanagihara_kanako_)がシェアした投稿 写っているのは、1人の母親としての柳原さん。輝く笑顔からは、我が子への深い愛が伝わってきます。柳原さんによると、長女の着物は脇腹の部分のマジックテープで着脱する仕様なのだとか。これならば、長女が横になっていても簡単に着つけることができたのだそうです。大好きな母親と同じ、ピンク色の着物に身を包むことができ、きっと長女も心から喜んでいることでしょう。愛が詰まったメッセージと柳原さん親子の写真に、多くの人が心打たれた模様。長女の七五三を祝福する声が相次いでいます。・写真を見ただけで涙が出た。柳原さんの優しい笑顔に、たくさんの愛が詰まっている。・七五三おめでとうございます!自分も脳性麻痺ですが、これからも前向きに頑張りたいです!・なんていい写真…。幸せいっぱいなのが伝わってきて、泣けてきた。子育ては、誰もが大きな壁にぶつかります。いつも元気で前向きな柳原さんも、時には涙を流すことがあったでしょう。それでもひたむきに頑張ることができるのは、我が子への愛あってのもの。「元気で生きてほしい」という親の想いは、子供にも伝わっているはずです。[文・構成/grape編集部]
2023年11月02日脳性麻痺とは?原因や定義など。脳性麻痺とは、妊娠中から新生児期の間になんらかの原因で生じた脳の損傷のために、姿勢や体の動きなどに運動機能の障害が引き起こされる症候群です。厚生労働省脳性麻痺研究班により、次のように定義されています。脳性麻痺とは受胎から新生児期(生後4週間以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる運動及び姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する。(厚生労働省脳性麻痺研究班の定義(1968年))公益社団法人日本リハビリテーション医学会/監修『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン第2版』脳は、体を動かすときに筋肉へどのように動かしたらよいかなどの信号を送る役割を果たしています。そのため、脳が損傷すると、自分が思った通りに動いたり、姿勢を保ったりすることが難しくなります。脳が損傷している部位は一人ひとり異なりますので、動きや姿勢に現れる症状も一人ひとり違ってきます。脳性麻痺の原因には、さまざまな要因による脳形成不全や、胎児期における風疹やトキソプラズマ症などの感染、出産前後の低酸素状態、核黄疸(新生児期の重度の黄疸による脳の障害)などがありますが、はっきりしない場合もあります。脳性麻痺は、運動障害の性質により、「痙直型」「アテトーゼ型」「失調型」、痙直型とアテトーゼ型が組み合わさった「混合型」などいくつかのタイプに分けられています。このコラムでは「アテトーゼ型」について詳しく解説をします。アテトーゼ型脳性麻痺とは?アテトーゼ型は、痙直型に次いで多いタイプの脳性麻痺です。もっともよく見られる痙直型は、脳性麻痺全体の約70%を占めると言われています。主な症状は、筋肉が緊張し続けているために突っ張った状態となるこわばり(痙直)と筋力の低下です。筋肉のこわばりは、両方の手足に起こることもあれば、片側の手足、足のみに起こることもあります。次に多いアテトーゼ型は、約20%を占めると言われています。自分の意志とは関係なく体が動く不随意運動が見られるのが特徴です。この不随意運動のことをアテトーゼといいます。不随意運動は、不安に感じて緊張したときやうれしくて興奮したときなど、強い感情によって激しくなります。睡眠中には見られません。不随意運動は、自分の意志とは関係なく引き起こされますので、例えば、筋肉の緊張が高まって腕がピンと伸びるなどして姿勢を保てなかったり、全身の緊張が高まってうまくしゃべれなくなったりすることもあります。首がすわるのが遅い、寝返りをしない、おすわりができないなど、赤ちゃんが一般的にできるようになると言われている月齢を過ぎてもできないと心配になることもあると思います。しかし、発達の個人差は非常に大きいため、発達がゆっくりだからといって脳性麻痺であるとはかぎりません。赤ちゃんの段階で脳性麻痺かどうかを判断するのは、難しいのが現状です。同じような運動や姿勢の異常が見られても、必ずしも脳性麻痺ではなく、一過性の異常で、成長と共に見られなくなる場合もあります。脳性麻痺の症状として、知的障害を伴うことがあります。軽度〜重度と症例によって程度はさまざまです。アテトーゼ型脳性麻痺は言語療法を必要とすることがありますが、口の動きが思うようにできず、言葉をうまく発音できないために起こる構音障害に対して行われます。赤ちゃんの頃には、さまざまな反射と呼ばれる動きが見られます。赤ちゃんの成長のためには必要なもので、ビクッとして手を大きく広げる「モロー反射」などがよく知られています。アテトーゼ型脳性麻痺の赤ちゃんに残存しやすい反射には、「緊張性迷路反射」や「非対称性緊張性頸反射」などがあります。「緊張性迷路反射」とは、赤ちゃんの頭を前に傾けると体や手足が前に丸まり、頭を後ろに傾けると手足や体が伸びるという反応です。一方、「非対称性緊張性頸反射」とは、仰向けの姿勢で首を一方に向けると傾けたほうの手足が伸びて反対側の手足が曲がるという反応です。反射は、成長するとなくなりますが、それが残存することがアテトーゼ型の脳性麻痺のある赤ちゃんの特徴だと言えます。参考文献:飛松好子「中枢神経の障害(4)不随意運動:特に脳性麻痺アテトーゼ型について」日本義肢装具学会誌(2000年、日本義肢装具学会)脳性麻痺の原因は、妊娠中から新生児期の間に何らかの要因により引き起こされた脳の損傷です。病気ではありませんので、悪化することはありません。また、現在の医療技術では、脳の損傷した部分を直接治すことはできません。しかし、脳のほかの部分が補って、動かない体の部位の代わりに、ほかの部位が発達していくこともありますし、適切なリハビリテーションにより活動範囲を広げ、自立性を高めることはできます。リハビリテーションには、次のようなものがあります。・理学療法(PT)歩く、立つなどの運動や姿勢を改善するための運動療法や、マッサージや電気刺激で痛みを軽減する物理療法を行います。・作業療法(OT)食事や着替えなどの生活動作や仕事で使う動作などのスキルが高まるように、実際の作業を通じて訓練を行います。・言語療法(ST)話すことや聞くこと、ものを飲み込むことなどに困難がある場合、それらができるように訓練を行います。発声がうまくできるようになるために行う構音訓練も、言語療法のひとつです。このほか、関節を固定させたり歩くことを補助したりする装具を用いる装具療法があります。また、必要に応じて投薬や手術などの治療が行われることもあります。リハビリテーションは、通院だけでなく、入院でも行われます。また、病院のリハビリテーション室で行う訓練だけでなく、日常生活での環境調整が大切です。家庭や学校で日常の動作として立ったり歩いたりする機会を多く持つことが重要になってきます。参考文献:朝貝芳美「教育講座脳性麻痺時におけるリハビリテーションの実際―運動機能を中心に―」The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(2017年、日本リハビリテーション医学会)まとめここでは、アテトーゼ型の脳性麻痺についてご紹介してきました。アテトーゼ型の脳性麻痺は、自分の意志とは関係なく手足などの体の部位が動く「不随意運動」が見られるのが特徴です。赤ちゃんの頃から運動面の発達に遅れが見られますが、発達がゆっくりだからといって、必ずしも脳性麻痺とはかぎらず、成長とともに改善する一過性のものであることもあります。赤ちゃんの発達で気になったときは、医師に相談しながら、成長を見守っていくことが大切だと言えるでしょう。また、アテトーゼ型の脳性麻痺も、ほかの脳性麻痺同様、脳の損傷による障害ですので、現在の段階では、直接治療する方法はありません。しかし、理学療法や作業療法など、姿勢や運動機能の改善を目指すリハビリテーションが行われています。症状は一人ひとり異なりますので、それぞれに合ったリハビリテーションを受け、環境調整を行うことで、日常生活での困りごとを軽減し、主体的な生活がおくれるようになっていきます。
2023年08月25日脳性麻痺の原因とは?脳性麻痺は、妊娠中、分娩中、出生時、出生後のいずれかの時期に、脳が傷つくことで生じます。脳が傷つく原因として、以下が挙げられます。・ビリルビン脳症(核黄疸):新生児黄疸で起こる病気。ビリルビンという色素が脳に損傷をもたらす・低酸素性虚血性脳症:仮死状態で生まれてきたとき、脳に酸素が行き渡らずに脳が損傷する・脳室内出血、脳室周囲白質軟化症:未熟児や早産が原因で、脳出血を起こしたり、必要な部分に血液が行き渡らずに脳が損傷するそのほかにも、・感染症(風疹、トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症、ジカウイルス感染症など)・遺伝子異常による脳の形態異常・頭部外傷・髄膜炎・敗血症・重度の脱水なども原因として挙げられます。感染症はワクチンによって予防することが可能なものもあります。感染したからといって必ず脳性麻痺になる、というわけではありません。また、脳性麻痺は原因を特定することが難しい場合も多くあります。脳性麻痺の症状とは?脳性麻痺の発生率は、1000人に約2人の割合ということが明らかになっています。脳の損傷部分や程度は人によって異なるため、ひとことで「脳性麻痺」といっても、症状はさまざまです。動きにぎこちなさがみられるぐらいの人もいれば、四肢をまったく動かせないという人もいます。ここでは症状による分類を紹介します。大脳で運動神経を司る錐体路系という場所が傷つくことで生じるタイプで、脳性麻痺がある子どもの70%以上が痙直型です。おもな症状は筋肉のこわばり(痙直)です。体のさまざまな部分の筋肉が緊張しつづけ、突っ張った状態になっています。症状があらわれる部位は以下です。・両腕と両脚(四肢麻痺)・両脚(両麻痺)・片側の腕と脚(片麻痺)・両脚と下半身(対麻痺)症状が出ている部位は、筋力が低下したり、高い緊張状態が続くために、望ましくない姿勢に変形してしまうことがあります。また、こわばりが出ているために、脚を交差して歩くハサミ足歩行やつま先立ち歩行をすることもあります。四肢麻痺がある場合、けいれん発作や嚥下障害、知的障害もみられることがあります。両麻痺、片麻痺、対麻痺の場合は、知的障害はあまりみられません。大脳の奥深くにある大脳基底核という場所が傷つくことで生じるタイプで、脳性麻痺のある子どもの約20%がアテトーゼ型です。体の筋肉が自分の意思とは関係なく動いてしまうこと(不随意運動)が特徴で、筋肉の緊張が突然変わったり、左右の筋肉で緊張度が違ったりするため、姿勢を保つのが難しくなります。心理状態により、筋肉の緊張度合いが高くなります。知的障害はあまりみられませんが、言葉をはっきり話すのが難しいことがよくあります。筋肉が適度な緊張状態を保てないことを低緊張といいます。低緊張があると、首や腰の座りや立つ、歩くなど運動発達に遅れがみられます。筋肉の緊張度をコントロールする、脳の神経に関わる部分が、なんらかの原因で傷ついたことで起こると考えられています。肩や肘などの関節や、股関節まわりの筋肉の緊張も弱いため、腕を持って起こそうとしたり、無理に立たせたりしようすると、脱臼してしまうことがあるので、注意が必要です。小脳、または小脳に通じる神経の通り道が傷つくことで生じるタイプで、四肢麻痺や震えがあります。正常な筋緊張と低緊張をくり返すため体のバランスがとりにくく、歩けるようになっても転びやすいという特徴もあります。そのほか、これらのタイプのいくつかが組み合わさった混合型もあります。混合型でもっとも多いのは、アテトーゼ型と痙直型の組み合わせです。脳性麻痺の治療や合併症について傷ついた脳の部分を修復する薬や手術は、今のところありません。そのため、脳性麻痺を完治させることはできないといわれています。しかし、脳はさまざまな神経細胞が複雑に絡み合い、互いに影響しあって働いています。そのため脳の傷ついた部分は、傷ついていないほかの部分がカバーすることで、いろいろなことができるようになる可能性があります。そのために大切なのが、リハビリや療育です。専門機関と連携しながらリハビリを行うことで、運動や言語などの能力を高めることができます。リハビリには、PT、OT、STの3種類があります。・PT=理学療法生活するうえでの基本的な運動能力を回復、維持するために行います。前述しましたが、脳性麻痺は基本的に運動麻痺の障害なので、PTは必須です。脳性麻痺があると、手足をはじめとした体の部位をうまく動かすことができません。無理やり動かしたりすると、関節や筋肉が傷つくことがあるので注意が必要です。PTでは、正しい体の使い方を介助しながら実行し、粗大運動の改善、関節の動きの制限がこないように予防していきます。・OT=作業療法PTで体の動かし方を覚えたら、それを日常生活で必要な動作に活かしましょう。それを教えてくれるのがOTです。衣服を着る、脱ぐ、食事のときにカトラリーを持つ、入浴のときに体を洗う、などの具体的な動作を、子どもがどうやったらやりやすいか、環境を整えながら援助します。ときに子どもの能力にあった食器やおもちゃなど、道具の制作なども行います。・ST=言語聴覚療法コミュニケーション手段としてとても有効な言葉の理解、獲得を援助するのがSTです。ただし、脳性麻痺の子どもは口腔器官の運動麻痺のことがあるので、まずは食べ物をかんだり(咀嚼)、飲み込んだり(嚥下)するための機能を改善することから始めます。そのため、OTと連携して食事のときの姿勢保持や、食事の形態、種類、食器類の選択も指導します。脳性麻痺には運動障害が主な症状として認められますが、知的障害やてんかんなどの合併症を伴うこともあります。知的障害の程度は、軽度〜重度と症例によって程度はさまざまです。脳性麻痺が疑われた際には、合併症についても主治医に相談することをおすすめします。脳性麻痺の症状はさまざまです脳性麻痺は、妊娠中から出産後4週までの間に、脳が損傷したことによる後遺症です。おもに運動機能に影響があり、発達の遅れがみられます。運動だけでなく、知的障害やてんかんがあることもしばしばあります。現時点で傷ついた部分を完全に治す方法はありませんが、早いうちから医療機関やリハビリの専門家、教育機関などと連携していくことが大切になります。
2023年08月21日父から溺愛されている私は、父の影響で趣味も同じ私は、自閉スペクトラム症グレーゾーン、軽度の脳性麻痺があります。脳性麻痺は軽度なので、日常生活は介助なしで送っています。一人っ子の私には、母曰く「娘への溺愛ぶりがすごい」という父がいます。父とは昔は仲が良く、私の趣味であるモーターショーを見ること、野球観戦、風景写真の撮影などはすべて父の影響です。これらの趣味の話では父と話が弾み、楽しく盛り上がっていました。モーターショーに行きたいと言えば一緒に付き合ってくれますし、新型の車種が出たら行きつけの販売店に行き、父の運転で試乗もしていました。また当然ドライブも一緒です。父の影響とは言え、本当に同じ趣味を持っていたので、この頃は仲良く過ごしていました。Upload By ユーザー体験談「聞き役」ができない父親。聞き流すこともできず、私の話を止めるようにそんな父に違和感を持ち始めたのは、中学生になってからでした。音楽も好きな私は、中学校に入学すると吹奏楽部に入りました。すると、それまで私の趣味の話をニコニコ聞いて語り合っていた父が、180度変わってしまったのです。父は音楽に全く興味がありません。それは仕方ないとは思います。ただ、私が音楽の話をしていると相槌すらせず無視し、さらには話の途中で急にさえぎって私の話を止めてしまうのです。興味がないなら聞き流せばいいのに、私が音楽の話をし続けるのを許せないのでしょうか…?ちなみに父はバイクも趣味でよく話題にしていますが、私はバイクには興味ありません。でも、父の話には「ふーん」、「へぇー」と相槌では応じています。父が熱心に話す様子を見ながら「バイクが好きなんだなぁ」という思う程度です。父から見た私の音楽好きも、これと同じ対応でいいと思うのですが、そもそも話を遮ろうとするのはなんなのでしょうか?そのとき思ったのは、「父は自分が『聞き役』になることができないのでは?」ということでした。興味のあることしか聞けない、人の話をさえぎる…もしかしたら父にも自閉スペクトラム症に近い特性があるのかもしれない……と。この頃から、父との会話は減っていきました。Upload By ユーザー体験談大学へ通う私への嫉妬?根掘り葉掘りの質問にもううんざり!私が大学に入って以降は、父からの嫉妬を感じるようになるとともに、干渉がひどくなりました。専門学校卒業の父にとっては、大学に通う私は羨ましいようです。例えば、講義の話をしていると内容を根掘り葉掘り聞いてきます。ただの興味で聞いてくれればいいのに、言葉の端々に嫉妬を感じるような聞き方をするので、こちらはなんだか嫌な気持ちになります。父にどう思っているのか聞いたこともあるのですが、黙り込んでなにも答えてくれませんでした。その他にも母と雑談をしていると首を突っ込んできたり、聞いているのかと思えば、ただ自らの経験を自慢げに話してくるなど、娘としては父のことが大人げなく映る機会も増えました。もちろん帰宅時間、どこに行くのかについてもしつこく聞いてきます。Upload By ユーザー体験談脳性麻痺がある私は介助なしで歩けるとはいえ、普段の歩き方は「爪先歩き」です。そんな私を気遣ってか、父は自宅から最寄り駅まで車で送り迎えをしてくれます。脳性麻痺以外にも聴覚過敏があり、自閉スペクトラム症グレーゾーンの私のことを心配に思っている気持ちは充分に伝わりますし、送り迎えには感謝をしていますが、だからといって過干渉には困ってしまいます。Upload By ユーザー体験談そんなこともあり、家では母と2人のときにだけ大学の話をして、父がいる前では話さないというのが、母との暗黙の了解となってしまいました。大学入学以降は過干渉に拍車がかかっているので、この解決策としては物理的に離れる時間を作ることしかないのかなと思っています。そうしないと、父には分かってもらえないでしょう。この父のいる家への帰宅渋りが解消される日は、私が家を出る日なのかもしれません。そうならないように、昔のように父との関係が良くなることを願っています。イラスト/星河ばよエピソード参考/Zero(コメント:鈴木先生より)ASDの人は自分の好きなことはとことん話しますが、興味のないことには耳を傾けようとはしない方が多いです。これは学校の授業でも同じです。興味のある教科では真剣に授業を聞いてノートを書きますが、興味のない教科には上の空になることが多いようです。子どもがASDのグレーゾーンで、親御さんはASDの特性がつよくあらわれることはよくみられます。ASDの特性が強く出ている場合、親子でもそれぞれのこだわりによってぶつかり合うことがしばしばあります。ご本人も気づいている通り、父親との関係を良好に保つためには、大義名分上、物理的に父親から離れる方法を模索するしかありません。しょっちゅう会っていると溜息が多くなりますが、時々会うようにすれば父親とのいい関係が続けられるのではないでしょうか。父親との良い関係を願うのならば、「細く長く」というイメージがいいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年08月11日聴覚過敏、軽度の脳性麻痺の私。通常学級へ行くも困りごとは多く…私は14歳のときに、自閉スペクトラム症グレーゾーンの診断を受けました。就学前は聴覚過敏と、ごく軽度の脳性麻痺のみわかっていたという状態です。就学前健診では、・聴覚過敏の特性のため、通常学級よりも特別支援学級で授業を受ける方がリスクがあること(奇声や泣き叫ぶ声が苦手なために、むしろ授業理解が遅くなってしまうため)・目立つような知的な遅れがないこと・麻痺自体は軽度で、多少のふらつきはあっても装具なしで歩けていること・配慮を要する場面が非常にまれであることこれらの意見に両親も納得し、通常学級へ進学しました。ですが、入学後は多数の困りごとに苦しめられました。まず、聴覚過敏のため、クラスメイトの泣き叫ぶ声、奇声などが聞こえると過呼吸を起してしまいました。また、体育館など天井が高い屋内で先生がマイクを使うと、天井からの反響が耳元で残響として残ってしまい、気持ち悪くなってしまうことが何度もありました。そんなときは体育館から出ることしかできません。そして、共感性も強かったのか、周囲に理不尽な怒られ方をされている人がいると、怒られている方の心境に自らも引きずられて、過呼吸を起こすこともありました。中学3年生のとき、卒業式前の練習でやる気のない同級生が普段怒鳴ることのない先生から怒られたところ見て、先生のあまりの豹変ぶりと怒るさまをみてびっくりしてしまい、30~40分ほど過呼吸がおさまりませんでした。Upload By ユーザー体験談こうした症状にも困りましたが、一番困ったのは「見た目でわかる」特性です。私は一人で歩くことはできますが「爪先歩き」(専門用語では「尖足(せんそく)歩行」とも言います)のような特徴的な歩き方をします。特別な装具などを試した時期もありましたが、体への負担が大きかったこともあり、介助を必要とするような場面もまれだったことから、装具や杖、車椅子などは使わず、自力で歩いています。しかし、いくら「程度は軽い」と言っても、つま先歩きという見た目でわかる特性があったこともあり、クラスメイトから思ったことをストレートな物言いでぶつけられることが多くありました。「歩き方が変」、「足が不自由なのになんで同じクラスにいるの?」と聞かれることは、1年間で100回…いえ、それ以上数え切れないほど言われ、私はそのたび傷ついていました。Upload By ユーザー体験談「麻痺がどうのとか言い訳する奴…」中学校から始まったいじめそんな生活が続いて8年目、中学2年生の春のことです。「またコイツ(=私)と一緒かよ。麻痺がどうのとか言い訳する奴と…」同じ小学校だった男子のこの一言がきっかけで、別の学区で中学校から一緒になった子どもたちも巻き込んで、いじめが始まったのです。それは、言葉の暴力だけでなく、登校した私が教室に入れないようにドアをかたくなに開けないなど物理的なものもありました。私自身もいじめのストレスから聴覚過敏の症状が顕著になるとともに、周りに受け入れてもらえないことで人間不信にも陥ってしまいました。私は音楽が好きだったので、中学に入学したとき吹奏楽部に入部していました。ですが、部活動以外の学校生活でのストレスから心の余裕を失くし、部活にも行けなくなっていました。ただ、私は部活が好きでした。中学卒業後も吹奏楽を続ける条件で、親に無理を言って楽器を購入してもらったくらい、長く続けたいと思っていました。ですが、このままでは行くことができません。そこで顧問の先生に、学校に行けないときも部活には出させてほしいこと、部活に出たことをきっかけに学校にも慣れていきたいとお願いしたのです。ですが、その思いは届かず、先生からは「学校生活をこなした上での部活でしょ?」と返されてしまいました。私は、「無理を通してまで楽器を購入したにも関わらず、楽器と距離を置く罪悪感」と「学校を休むといじめっ子から『逃げ』ととらえられ、いじめがエスカレートするのではという恐怖心」、「それでも学校へ行くことがつらくてたまらない」という葛藤の中、ついに、秋から半年間不登校となってしまいました。Upload By ユーザー体験談なんとか中学3年生で復帰、その後全日制の高校に進むも、常にいじめのフラッシュバックと闘いながらの日々でした。つらい中も私は悩み抜いて進路を決め、それを目標に何とかギリギリで高校を卒業しました。「自分を知りたい!」自分を受け入れるために、発達心理学を学んでいます私は現在、「発達障害(心理)をもつ自分を理論的に知って受け入れたい」という願いのために心理学部へ進学、発達心理学を中心に勉強する大学生です。大学生のいまでも、ときどき連休明けや長期休暇明けの登校が怖く感じることがあります。また、講義の中ではいじめを取り扱うこともあり、フラッシュバックの可能性もゼロではありません。あらかじめ講義のテーマが分かっているときは、担当してくださる教授と直接お話をして、「○回目の授業で『いじめ』を取り扱うとのことですが,かくかくしかじか(中学時代のことが)あってフラッシュバックからつらくなって授業どころじゃなくなる可能性があります。そのときは途中退出させていただくこともありますがいいでしょうか?」と説明しています。どの先生からも快く理解を得られています。いじめは、人にとても暗い、大きな傷を残します。私はこの傷を自分を知ることによって癒し、受け入れ、いつか乗り越えていきたいと思っています。そして、いつかつらい思いをしている誰かを助けることができるように、勉強を頑張っていきたいです。Upload By ユーザー体験談イラスト/SAKURAエピソード参考/Zero(監修:鈴木先生より)脳性麻痺は運動障害であり、知的障害ではありません。ただ、一般的には知的障害とてんかんを伴っているケースが多くみられます。周産期に何らかの問題があって脳性麻痺となることが多く、脳の外側に障がいがあると手に、内側に障がいがあると足に症状が出ます。尖足歩行はASDの初期にも一過性に見られますが、それは重力不安からくるものであり、脳性麻痺とは異なります。ASDからくる聴覚過敏は目に見えませんが、脳性麻痺からくる尖足歩行は目に見えます。音の過敏で不登校になるASDのお子さんが多いことから、両方の障がいについて学年の初めに担任の先生から子どもたちや親たちへ分かりやすく説明してあげることが大切です。一番嫌な音は、怒鳴る声です。突発的な大きな音にASDの子は敏感に反応します。障がいを持っている子どもに嫌がらせをするのではなく、みんなで協力してサポートできる学校が理想なのです。これこそが文部科学省が提唱しているインクルーシブ教育の原点ではないのでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年07月25日2023年4月にInstagramのアカウントを開設した、お笑いタレントの柳原可奈子さん。開設と同時に、柳原さんは2人の我が子との家族写真を投稿し、長女に生まれつきの脳性麻痺があることを公表しました。脳の損傷が原因とされる、脳性麻痺。人によって症状は異なりますが、運動機能に障がいが生じることが多いといいます。柳原さんは、Instagramを通して長女のリハビリの様子を発信していく意図を明かしています。柳原可奈子、脳性麻痺の長女らと行った『水族館』2023年7月17日に投稿したのは、柳原さんと2人の娘さんのほほ笑ましい写真。この日、柳原さんは家族で水族館に遊びに行ったのだそうです。抜けるような青空の下、車いすに乗った長女と、1歳になったばかりの次女を連れて、水族館で楽しいひと時を満喫した、柳原さん。素敵な思い出になった1日について、このようにつづっています。長女はお歌が大好きなので、「サメさんサバさんこっかくホネホネ」だよ〜とか「おいっちにおいっちにペンギンだ」だよ〜と説明しながら館内を回りました次女もキョロキョロ楽しんでたよ写真の通り長女はいまボタン押しブームなので、次はバギーに乗りながらボタン押し放題の遊び場を探してみるわ(今日バギーから降ろして抱っこでタッチプールをのぞかせてみたら、興奮のあまりのけぞり、ママへなへなの腰で落とすまいと鬼の形相w)yanagihara_kanako_ーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 柳原可奈子(@yanagihara_kanako_)がシェアした投稿 この日の外出で、柳原さんはデジタル障がい者手帳のアプリである『ミライロID』を使ったといいます。各自治体もウェブサイトなどで紹介している、同アプリ。障がい者手帳の情報を登録すると、公共機関や商業施設でアプリの画面を提示することで、障がい者割引や必要なサポートを簡単に受けることができるのだとか。柳原さんは、障がいを持っている人や、家族に障がい者がいる人たちに向けて、「登録申請には数日かかるから、余裕を持っての登録をおすすめします」と助言しました。これまでも、賑やかな日常の投稿だけでなく、障がいを持つ当事者や、その家族に役立つ情報を発信してきた、柳原さん。楽しそうな様子が伝わる投稿に、多くの人からコメントが寄せられています。・障がい者手帳のアプリを初めて知った!子供が元気すぎて手帳を出すのに手間取っていたけど、これなら簡単に提示できそう!・柳原さんの笑顔は、いつも見ている人も笑顔にしてくれますね。みんな楽しんでいるのが伝わってきました。・子供が障がいを持っているので、いつも参考にしています!障がい者手帳のアプリ、もっと広まってほしい。子供が車いすユーザーだったり、多動の特性を持っていたりする場合、親は障がい者手帳を取り出すのもひと苦労。そのため、障がいを持つ子供の親は、柳原さんの情報発信を受け、「これは助かる!」と思ったようです。[文・構成/grape編集部]
2023年07月18日お笑いタレントで2児の母親でもある、柳原可奈子さん。2023年4月25日にInstagramのアカウントを開設し、3歳の長女が生まれつきの脳性麻痺であると公表したことが大きな反響を呼びました。柳原可奈子、3歳長女の脳性麻痺を公表「本当にえらい」「勇気付けられました」同年5月1日、柳原さんは座位を保持するのが難しい長女との飛行機の乗り方について、Instagramに投稿。具体的な情報発信に、称賛の声が相次いでいます。柳原可奈子『娘たちの飛行機デビュー』投稿に、感謝の声柳原さんは、この日がゴールデンウィーク期間ということもあり「我が家の娘たちも飛行機デビューすることになりました」と報告。脳性麻痺の長女については、座位を保持することが難しいため、どうすれば飛行機に乗ることができるのかを、作業療法士に相談したといいます。その結果、全日本空輸株式会社(通称:ANA)や日本航空株式会社(通称:JAL)などの航空会社では、座位保持補助具・チャイルドシートの貸し出しがあることを知ったそうです。柳原さんは早速航空会社に問い合わせをし、予約することができたのだとか。搭乗口までは自身のバギー(子ども用車いす)で移動し、バギーを預けた後、事前に予約したチャイルドシート付きの席まで抱っこで移動するという流れも、詳しく伝えています。取り付けできる席とできない席があるため、柳原さんは「事前に聞いてみてください」とつづっていました。また、旅先などで活躍しそうだという、ポータブルチェアも紹介。「バッグのように持ち運べる」とポータブルチェアを肩掛けする、自身の姿も投稿しています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 柳原可奈子(@yanagihara_kanako_)がシェアした投稿 具体的で的確な情報が書かれた柳原さんの投稿には、多くの人が感激!感謝や応援の声が、多数寄せられていました。・こんなにも具体的に教えてくださるなんて、感動します。発信してくださって感謝です。・ポータブルチェアを初めて知りました!有力な情報をありがとうございます。・可奈子さんの投稿にかなり励まされてます!息子を連れて、飛行機に挑戦してみようかなぁと勇気が出ました。・とても勉強になります。旅行、楽しんでくださいね!お笑いタレントとして活躍し、影響力のある柳原さんが発信することで「勇気をもらった」という人もいる様子。柳原さんの娘さんたちが無事に飛行機に乗り、素敵な旅行ができるよう、多くの人が願っていることでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年05月03日お笑いタレントの柳原可奈子さんが、Instagramを開設。2023年4月25日に初めて写真と文章を投稿しました。柳原可奈子「インスタはじめました!」2019年に一般男性と結婚し、2023年4月現在、2児の母親でもある柳原さん。今後Instagramで、仕事のことはもちろん、育児やファッション、メイクなど、さまざまなことを紹介していくといいます。初めての投稿に選んだのは、最近お気に入りだという、娘さんたちとの3ショット。 この投稿をInstagramで見る 柳原可奈子(@yanagihara_kanako_)がシェアした投稿 長女と手をつなぎ、次女を抱っこしている柳原さんの笑顔からは、幸せいっぱいな様子が受け取れますね。柳原さんは、2人の娘さんの近況もつづっていました。長女は3歳5ヶ月いつもゲラゲラ我が家のムードメーカー生まれつきの脳性麻痺で毎日リハビリを頑張ってますそんな様子ものせていくね!次女は0歳5ヶ月最近寝返りができるようになったよyanagihara_kanako_ーより引用3歳長女に生まれつきの脳性麻痺があることも公表し、今後はリハビリの様子なども載せていく予定だといいます。柳原さんのInstagram開設には、多くのファンが喜んでいる模様。「嬉しい!」といった声のほか、柳原さんの長女と同じく脳性麻痺の症状を持つ人や、その親たちから多数のコメントが寄せられていました。・SNSをやってほしかったから嬉しい!無理せず更新してくださいね。・私自身も脳性麻痺で車イスユーザーです。親近感が湧き、コメントを書かずにはいられませんでした。娘さん、リハビリを頑張っていて本当に偉いですね。・Instagramを通じて娘さんたちの成長も楽しみにしています。・うちの娘も脳性麻痺です。可奈子ちゃんの発信で勇気付けられました!私もまわりの友人や知人に胸を張って娘を紹介したくなりました。なお柳原さんは、今後Instagramでのライブ配信も「やってみたいな」と伝えています。同月28日時点で、すでにファッションやメイクに関する投稿もされており、Instagramを楽しんでいる様子の柳原さん。今後もSNSを通じてファンと交流しながら、持ち前の明るさで多くの人に元気を与えてくれることでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年04月28日トラくんは「小児顔面神経麻痺」の診断を受けるも原因は不明。引きつりが治らないまま退院し、自宅では顔のマッサージや目薬などをおこない様子を見ていました。しばらくしてトラくんの顔に変化が。回復の兆しが見え始め 11月に入り、トラくんの表情に変化が……! 11月下旬にはほぼ左右差がなくなって表情が戻ってきていることに感激するトマトさん。 そして12月。ついに医師から通院を終えてよい、と言われ、トラくんの顔面麻痺は約3カ月で回復したのでした。 治るまでに長く時間がかかると聞き、トマトさんにとって不安な日々が続きましたが、トラくんが無事に回復して本当によかったですね! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ようみん姉妹と夫と4人暮らし。アメブロ公式トップブロガー/イラストレーター。わが家のバタバタな日々やフォロワーさんの体験談マンガを描いています。
2022年11月15日病院でトラくんの「小児顔面神経麻痺」は原因不明だと医師から告げられたトマトさん。その後、約1週間後に退院。自宅に戻ってからの生活はというと……? 退院後のトラくんの生活は? その後、約1週間で退院したトラくん。自宅に戻ってからは、表情筋の血流を改善する1日2~3回のマッサージと目の乾きを防ぐため4時間起きの目薬。しばらく保育園もお休みすることになりました。トラくんが泣くと顔が引きつっている様子がよくわかり、トマトさんはまだまだ時間がかかりそうだと少し弱気にもなってしまうのでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ようみん姉妹と夫と4人暮らし。アメブロ公式トップブロガー/イラストレーター。わが家のバタバタな日々やフォロワーさんの体験談マンガを描いています。
2022年11月14日脳性まひとは?脳性まひは、妊娠中、出産前後もしくは生後4週間以内のあいだに、なんらかの原因で生じた脳の損傷が原因でおこる運動と姿勢の障害のことを指します。脳性まひの症状は、動きにくい様子がかろうじて分かる軽度から、身体の動きが制限され車椅子などの補助器具を必要とする状態、寝たきりで医療ケアが欠かせない最重度の状態など、人によってその症状はさまざまです。知的障害、行動障害、視覚障害、難聴、けいれん性疾患などがみられることもありますが、ない場合もあります。世界脳性まひの日〜Warm Green Day〜とは?Upload By 発達ナビニュース2012年に各国の支援団体らが10月6日を「世界脳性まひの日」としました。日本ではまだ、あまり知られていませんが、毎年この日、世界各国で脳性まひについての理解が進むように啓発のイベントなどが行われています。そして今年、東ちづるさんが代表を務める一般社団法人Get in touchが中心となり、日本でもさまざまな取り組みが行われます。緑をテーマカラーに「Warm Green Day(WGD)」(ウォーム・グリーン・デー/あたたかなみどりの日)と名付け、企業・行政・団体や個人の方々と一緒に緑色にちなんだ企画を開催します。「世界脳性まひの日〜Warm Green Day〜」の緑をテーマにランドマークのライトアップやデコレーションが行われます。・東京都庁(10月6日)・神奈川県庁(10月6日)・平塚市(平塚駅南口の広場噴水「海の讃歌」、10月6日)・小田原城(10月6日)・世田谷区庁舎(10月6日)・フジテレビ社屋イルミネーションAURORA∞(10月6日~8日)・セルリアンタワー東急ホテル(10月6日)・分身ロボットカフェDAWN(10月3日〜10月5日)・アルケア株式会社(9月30日~10月6日)・東急歌舞伎町タワー(10月6日)・東京ダイバーシティライオンズクラブ(10月2日 ※障害当事者のライオンズ会員が、新宿駅東口でWGD街頭募金実施予定)などUpload By 発達ナビニュース10月6日に向けてグリーンのアイテムやグリーンを身に着けたり、グリーンにデコレーションした施設などの写真をSNSに投稿してみませんか?以下のハッシュタグをつけてぜひ投稿してください!#WGD106#脳性まひ#世界脳性まひの日#worldcpday #getintouch #まぜこぜ2022年10月6日(木)に開催されるのは、参加型のイベント「生きづらさだヨ!全員集合」。脳性まひのある4名が登壇し、「生きづらさ」を発表します。観客のみなさんも一緒に考える、参加型のイベントです。司会は一般社団法人Get in touchの東ちづるさん、コメンテーターは、NHKEテレ「バリバラ」でおなじみの玉木幸則さんです。「生きづらさだヨ!全員集合」概要【日時】10月6日(木)14時〜16時終了予定(開場13時半)*手話通訳付き【場所】東京都港区西麻布3-5-5 dōTERRA Japanビル B1ホール*館内バリアフリー、障害者トイレあり*キッズスペースあり【登壇者】コメンテーター:玉木幸則(福祉番組ご意見番、社会福祉士)登壇者:川端舞(NEWSつくばライター)醍醐(ダイゴ)(タレント)千葉絵里菜(元NHKリポーター)寺田ユースケ(YouTuber、元車イス芸人・車イスホスト)司会:東ちづる【料金】大人1,000円、大学・大学院生500円(税込)高校生以下は無料※クリックすると発達ナビのサイトから「生きづらさだヨ!全員集合」申し込み用Googleフォームに遷移します脳性まひのアーティストやアスリート、パフォーマーが登場、音楽はROGUEの奥野敦士さんが作詞・作曲した、ROGUE『GET THE GLORY!』ぜひご視聴ください!「脳性まひ」と「世界脳性まひの日」をもっと知ってほしい世界ダウン症の日(3月21日)、世界自閉症啓発デー(4月2日)は国連制定された記念日ですが、「世界脳性まひの日」はまだ国連に制定されてはいません。しかし、脳性まひのある人は世界で1,700 万人以上いるといわれています。まだ理解されないことで困っている人がたくさんいるのです。脳性まひがある人だけでなく、どんな人もさまざまな個性をもっています。誰もが自分らしく日々を過ごせるように「脳性まひ」についてぜひ知ってください。「世界脳性まひの日」をきっかけに多様な社会について考えてみませんか。
2022年09月30日「国会で制度のことが取り上げられたので、4回目の意見交換会は、初めてメディアを入れて開催する予定でした。ところがその前々日の夜に、突然『準備ができていないので、今回は参加できません』と。前回が3月23日ですから、『2ヵ月も準備期間があったのに?』と思いました。脳性麻痺の子供を育てていると、通院やリハビリ、学校等への付き添い等で時間の都合を付けるのが容易ではありません。私含め、他の親御さんも忙しい合間を縫って、参加することになっていたのに……」こう語るのは、『産科医療補償制度を考える親の会』代表の中西美穂さん(41)だ。産科医療補償制度とは“分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児に3000万円を補償する”というもので、妊婦であれば誰でも加入する制度だ。そもそもこの制度は、分娩時の医療事故が多発し、訴訟が増加。それが産科医不足の理由だとし、施行された。日本医療機能評価機構の公式サイトには、制度の目的が3つ書かれている。・分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児とその家族の経済的負担を速やかに補償します。・脳性麻痺発症の原因分析を行い、同じような事例の再発防止に資する情報を提供します。・これらにより、紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図ります。この補償の審査基準が、今年1月から改定されることとなった。これまで補償するかどうかを判断する上で行われる“個別審査”について、「約50%が補償対象外になっている」といった指摘も上がっていた。そして今回“医学的に不合理”と認められたため、在胎週数が28~32週未満でも個別審査なしで補償を受けられることとなったのだ。これに対し、中西さんは異論を唱えた。中西さんは制度の改定前に出産しているため、医学的に不合理な審査だったにも関わらず、依然として補償の対象から外れたままだったからだ。そこで彼女は「誤った基準で審査されたのに補償を受けられないままなのは納得できない」という思いから、『産科医療補償制度を考える親の会』を結成した。■後藤大臣は「丁寧に考えたい」と……そして昨年12月24日、厚生労働省と日本医療機能評価機構に要望書を提出した。その要望書には、こう綴られている。【1】個別審査の基準には医学的合理性がないと判明したことを踏まえ、個別審査にて補償対象外とされた児484人(2021年6月4日時点。今後も約5年間該当者は出現する見込みです)について、補償対象とされた児と同様の補償を行うことを要望します。【2】個別審査にて補償対象外とされた児が脳性麻痺となった原因について、再発防止につなげるため、補償対象とされた児と同様の原因分析を行うことを要望します。【3】上記【1】【2】の要望をご検討いただくにあたり、補償対象外とされた児の生活実態や本要望を行った理由などについて耳を傾け、私たちと意見交換を行う場を設けることを要望します。そして今年1月から、一ヵ月に一回のペースで厚労省と機構の参加する意見交換会が開催されることとなった。意見交換会はこれまで3回開かれ、メディアで取り上げられる機会も増えた。そんななか、4月の国会で後藤茂之大臣(66)が「遡及して変更する是非を検討する必要がある。引き続き丁寧に考えたい」と答弁した。しかし、厚労省はドタキャンしたのだ。中西さんは、その経緯についてこう明かす。■「“ガス抜き”にしか過ぎなかったのでしょうか」「第3回の時、厚労省側が『異動があるから4月の開催は取りやめにしてほしい』と言いました。5月に開催しようという運びとなり、25日に開催することも決定しました。ただ、あちらが『正式に問題がないか、ほうぼうに確認するので時間が欲しい』と。それで待ち続けたのですが、返事が来ないんですね。ゴールデンウィークが明けても連絡がないので、流石にこちらが連絡すると『25日で問題ないです』と言われました。正直、『マナーとしてどうなんだろう』と思いました」さらに、中西さんには“ショックなこと”があったという。「日程が正式に決まったものの、『特段話すことはないんですけど……』と言われんです。『いやいや!』と思いました。話すことがたくさんあるから、意見交換会をしてきたのに」このやり取りがキッカケで、「第4回はメディアを入れて開催する」と中西さんは決意したという。「もともと『メディアを入れても問題ない』と厚労省に言われていたんです。『特段話すことはない』なんて誠実さが感じられない。ですから、このタイミングでメディアを入れようと。そう伝えたところ、延期のお願いです。厚労省がドタキャンって……。唖然としました。『直前の連絡で申し訳ないです。納得していただけないのは、承知しています』と言われました。また日程の再調整に合わせて、質問を書面であらかじめ用意してほしいとも言われました」中西さんは、厚労省と機構に対して不信感を強めている。「国会でも注目されるなか、今回はメディアも参加します。『今までと違って適当なことは言えない』と思い、いったん中止にしたかったのかもと考えてしまいます。でもね、私たちはこれまでも本気で取り組んできましたよ。忙しい合間を縫って、要望が伝わるよう意見交換会を開いてきたつもりでした。あちらからすると単なる“ガス抜き”にしか過ぎなかったのでしょうか。やりきれない思いです」■ドタキャンは“有意義な意見交換会にするため”5月25日当日。親の会は急きょ内容を変えて、オンライン記者会見を開くことに。中西さんは「当事者のことを考えていないんですよ、この制度って。産科医を守る制度だから。そして、今も考えられていない。今回のドタキャン騒動も含めて、そう思いました」と涙ながらに語り、怒りと悔しさを滲ませていた。また親の会のメンバー・永島祥子さんも会見で、こう語った。「なるべくメディアの方に話を聞いてもらうために、重心児(重症心身障害児)の子どもを抱えながら緊急対応に追われ、学校行事への参加を諦めざるを得ませんでした。電話をし続けて、リリースを流し続けていました。でも、ドタキャンすると簡単に言われて……。そのあとは、子供の授業参観にもいかず、延期のプレスリリースを流していたんですよ。『ほんとに軽く見られているんだな』と思いましたね。すごく残念な気持ちです」厚労省は、なぜドタキャンしたのだろうか?そこで本誌は中西さんにキャンセルの連絡を入れた、厚労省の医政局を取材した。すると、担当者はこう答えた。「意見交換会で考えを述べたときに、誤った形で伝わることは双方にとって良いことではありません。より良い議論を行うにあたり、書面で質問事項を出していただいて、それから意見交換の場を改めて設けたいとご提案しました」中西さんは「メディアが入るから、やっと本腰を入れるのか」と不信感を抱いている。そのことを伝えると、担当者はこう述べた。「『メディアが入るから』というのは、関係ありません。国会でも取り上げられておりますし、まず書面でやりとりすることで、しっかりした形で対応したいと考えております。そうすることで双方にとって、有意義な話し合いの場になると思います。また、『準備をしていないからキャンセルした』ということでもありません。直近で大臣の国会答弁もあり、当省の考え方を示している中で、より有意義な意見交換会にする方法を考えていました。直前でキャンセルという形になってしまい、中西さんたちに申し訳ないという気持ちです。ですから、連絡を入れた際も『しっかりとした形で開催したい』とお伝えしました」■機構は「より良い制度にしていきたい」とコメント中西さんは担当者の「特段話すことはない」という言葉にショックを受けていた。しかし、担当者は「私の記憶の限りでは『特段話すことはない』とは、お伝えしていないと思います。電話でしたし、メモを取るような状況でもなかったので、どこをそう捉えられたのか……。私にはわかりません」と答えた。そこで、「“きちんと話していきたい”という方針で問題ないでしょうか?」と尋ねると、担当者は「そうです」と返答。そして意見交換会の目的について、こう語った。「厚労省としましては、意見交換会を通して、産科医療補償制度の質を向上するという目的があります。それを担当する医政局として、親の会の皆さんから意見を聞く。それを受けて、我々はこの制度に携わるということです。私も含めて厚労省は、意見交換会を“ガス抜き”と思って対応しているわけではありません。今後もお互いにとって有意義なものとなるよう、対応すべきだと考えています」また、本誌は日本医療機能評価機構にも取材をした。担当者は、こう話した。「今回のキャンセルは、厚労省が判断したものです。そして、有意義な議論を目指すことに同意します。我々は意見交換会のことを“皆さんから意見を伺って、この制度をより良くしていく方法を考える場所”と位置付けています。制度を運営している立場として、今後もより良い制度にしていきたいという思いに変わりはありません」親の会と、厚労省と機構。思いが交錯するなか、その溝を埋めることはできるだろうか。次の意見交換会の日程は調整中だという。
2022年05月29日3兄弟の母親である、まりげ(marige333)さん。仕事や育児にあわただしい日々を過ごす中、ある日、突然『顔面神経麻痺』になり入院してしまいました。家族と離れて、さびしい入院生活を経て順調に回復。退院した日の子供たちとの再会エピソードを、Instagramに投稿したところ、たくさんのコメントが寄せられ、話題になっています。・お母さんを思う気持ちに、なんだか涙がこぼれそうになった。・『いいね』ボタン1つじゃ足りない!・めっちゃ泣いてしまった。そのエピソードを漫画化したものが、こちらです。次男である『ぽんちゃん』からのお花のプレゼント。ママのために本を見ながら一生懸命作る姿を想像すると、泣けてきますね。投稿を見た人からは「長男は一番我慢することも多く、内心はさびしい思いをしたかもしれないね」といったコメントも寄せられました。突然のトラブルなどをきっかけに「あたりまえに過ぎてゆく日々は、なんて幸せなんだ」と感じることがあるでしょう。幸せをかみしめる、まりげさんを見て、感動とともに大切なものに気付かされますね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2022年05月24日このお話は作者ようみんさんに寄せられたエピソードを漫画化しています。■前回のあらすじ顔のつっぱりが気になる息子を連れて病院へ。診察の結果、脳に異常はなくステロイド治療をすることに。それでも顔の麻痺は治るまでに半年から1年かかるらしく…。トラの小児顔面神経麻痺は、原因不明と診断されました。でも、先生曰く「早期発見だと麻痺が治る確率が高くなる」そう。ゆっくりだけど、きっと元に戻る、そう思えて安心しました。次回に続く「生後3ヶ月の息子が小児顔面麻痺に」(全11話)は17時更新!本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2022年01月24日このお話は作者ようみんさんに寄せられたエピソードを漫画化しています。■前回のあらすじ夕方になると、いつもより機嫌が悪い息子。「こども医療でんわ相談」に連絡した結果、息子が以前お世話になった病院に診てもらうことになって…。トラの体調や機嫌が心配でしたが、ニコニコしていたのでホッと一安心。それでも顔面麻痺は治るまでに半年から1年はかかると聞いて、「長いなぁ」と感じました…。次回に続く「生後3ヶ月の息子が小児顔面麻痺に」(全11話)は17時更新!本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2022年01月23日「審査を受けて補償の対象になると、補償金が介護費用として支払われます。『障害児家庭の経済的負担を軽減させるため』というのが制度の趣旨であるためです。私の子供は対象外になりましたが、そののち審査に医学的根拠がないと判明したのです。脳性麻痺の子供を育てるにはお金がかかります。新しい制度を作ってでも救済してほしいのですが……。補償を審査してきた機構は『当時の医学的知見や医療水準に応じた。だから、基準を遡って措置を行うことはできない』というのです」こう話すのは『産科医療補償制度を考える親の会』代表の中西美穂さん(41)だ。産科医療補償制度は“分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児を補償するもの”で、妊婦であれば誰でも加入する制度だ。2009年以降に出生した児童については「補償対象基準」「除外基準」「重症度基準」のすべてを満たす場合、総額3,000万円の補償金を支払ってきた。中西さんが問題視しているのは、このうちの「補償対象基準」だ。在胎週数が28週未満の場合は審査対象外に。そして、32週以上で出生体重が1,400g以上の場合は一般審査を経て補償対象になっていた。これまで個別審査については、「約50%が補償対象外になっている」といった指摘も上がっていた。しかし日本医療機能評価機構は「28~32週未満の早産児は医療の進歩によって脳性麻痺の発症率が減少している」「個別審査の対象となった約99%が、医学的には“分娩に関連して発症した脳性麻痺”と考えられる」として、これまでの個別審査が“医学的に不合理”と判断。制度は改められ、2022年1月1日からは在胎週数が28~32週未満でも個別審査なしで補償を受けられることとなった。■母親たちが明かす“経済的な厳しさ”制度の改正は喜ばしいことだが、いっぽう中西さんは異論を唱えた。冒頭のように、すでに対象外とされた子供への救済措置が行われないためだ。「『誤った基準で審査されたのは納得できない』と感じ、親の会を結成することにしました。2009年から今年の12月31日までに生まれた子供に対しては現行制度のまま。その間、“補償ゼロ”となった児童は500人を超える見込みです。機構に剰余金は約635億円残っています。剰余金は、出産時に支給される出産育児一時金から掛金が支払われており、税金ではありません。十分500人を救済することが可能であるにも関わらず、救済措置を取らないのは大きな問題だと考えています。また、補償対象外となった約500人は分析が行われておらず、脳性麻痺発症の原因を分析し、再発防止に努める制度の趣旨にも反しています」さらに今回、『産科医療補償制度を考える親の会』に参加する別の女性2人にも取材した。ともに重度の脳性麻痺児を育てているAさん(40代)とSさん(30代)だ。2人は「補償の対象になっていれば……」として、“経済的な厳しさ”についてこう明かす。「脳性麻痺児を育てるには何かとお金が必要です。子どもの体が大きくなってきて、住宅をバリアフリー化する必要が出てきています。しかし、夫の給料だけでは5人家族で生活するのに精いっぱい。吊り下げ式のお風呂50万円、玄関のスロープ40万円のリフォーム費用を捻出できず困っています。あと3ヵ月以上入院した場合、『病院に預けているから』との理由で障害児の手当をもらうことができません。入院中でも、私がつきっきりのこともあるのに……」(Aさん)「脳性麻痺児は住んでいる県外の病院で処置を受けることも多く、紹介状の費用や交通費も必要になります。福祉車両をお持ちの家庭もありますが、私は運転できないので介護用タクシーを利用することもしばしば。あと今年、子供が2回手術しました。療育費用も宿泊費用も、手術代も一気にかさんで苦しかったですね」(Sさん)■「自分たちがいなくなった後の子供のことが心配」いっぽう、彼女たちは「お金を作りたくても働けない」という現実に直面してきた。障害児育児は、そうでない子供を育てることの何倍もの時間と労力を消費するからだ。「今年から特別支援学校の1年生なんですが、医療的ケア児(生活のなかで人工呼吸器による呼吸管理などの医療行為を受けることが欠かせない児童)なので看護師のいないバスに乗ることができません。いまは片道1時間、往復2時間もの時間をかけて送り迎えしています。それに子供が入院すると私も病院を離れられないので、仕事に時間を割くことができません」(Aさん)「子供が0歳の時、保育園に受かりました。でも、障害を理由に預けることができなくなってしまって……。いまはデイサービスを利用しながら、可能な範囲で働いています。フルタイムで働くことはまず無理ですね。生活保護を受けている家庭もあるくらいです」(Sさん)「子供の障害が重ければ重いほどお金が必要なのに、仕事を諦めざるを得ない。一番の経済的な負担は、『仕事に就けないという状態』なんです」(中西さん)中西さんたちは「対象外になった脳性麻痺児家庭に救済を」と訴える。その要望について、多くの医療過誤訴訟を担当してきた弁護士・堀康司氏はこう語る。「これまで私はこの制度に対して、訴訟を減らすための制度ではなく、脳性麻痺のお子さんやそのご家庭を支える制度であるべきだと指摘してきました。同様の麻痺があっても出生週数などで扱いが区別されるため、脳性麻痺児を抱える家庭を分断する結果を生んでいます。少なくとも、28週から32週で出生した子を区別してきた基準が医学的に不合理だったのですから、過去に行った区別の是正策も新たに検討されるべきです。この制度の財政には余裕があるといいます。不合理な排除を受けた子と家族の境遇に対する十分な想像力をもって、制度の運営にあたっていただきたいと思います」中西さんたちは来週12月24日、厚生労働省の副大臣に要望書を提出する予定だ。「親としては自分たちがいなくなった後の子供のことを心配しています。重度の障害を持っている子でも、蓄えがあれば将来の選択肢を増やしてあげることができるかもしれない。そのために行動するのは、自然なことではないでしょうか」(中西さん)
2021年12月18日トラくんは「小児顔面神経麻痺」の診断を受けるも原因は不明。引きつりが治らないまま退院し、自宅では顔のマッサージや目薬などをおこない様子を見ていました。しばらくしてトラくんの顔に変化が。回復の兆しが見え始め 11月に入り、トラくんの表情に変化が……! 11月下旬にはほぼ左右差がなくなって表情が戻ってきていることに感激するトマトさん。 そして12月。ついに医師から通院を終えてよい、と言われ、トラくんの顔面麻痺は約3カ月で回復したのでした。 治るまでに長く時間がかかると聞き、トマトさんにとって不安な日々が続きましたが、トラくんが無事に回復して本当によかったですね! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ようみん姉妹と夫と4人暮らし。アメブロ公式トップブロガー/イラストレーター。わが家のバタバタな日々やフォロワーさんの体験談マンガを描いています。
2021年11月09日病院でトラくんの「小児顔面神経麻痺」は原因不明だと医師から告げられたトマトさん。その後、約1週間後に退院。自宅に戻ってからの生活はというと……?退院後のトラくんの生活は? その後、約1週間で退院したトラくん。自宅に戻ってからは、表情筋の血流を改善する1日2~3回のマッサージと目の乾きを防ぐため4時間起きの目薬。しばらく保育園もお休みすることになりました。トラくんが泣くと顔が引きつっている様子がよくわかり、トマトさんはまだまだ時間がかかりそうだと少し弱気にもなってしまうのでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ようみん姉妹と夫と4人暮らし。アメブロ公式トップブロガー/イラストレーター。わが家のバタバタな日々やフォロワーさんの体験談マンガを描いています。
2021年11月08日事故により左半身麻痺や構音障害を抱えるtiktokerのえま@左半身麻痺が歌手デビュー。楽曲提供は、俳優の脇 知弘などにも楽曲提供を行っているコロちむfromコロTEAMが担当。100日間の物語ジャケット写真【えま@左半身麻痺 歌手デビューの背景】えま@左半身麻痺は2020年3月に事故により左半身麻痺となり、7か月間入院。「100日後に活舌がよくなる人」と題されてリハビリの様子を載せたTikTok動画がバズり、100日で10万フォロワーを獲得し、見ている人を勇気づけてきました。今回の歌手デビューは、更に多くの人に歌を通じて奇跡は起こせるというメッセージを伝えるべく、構音障害を抱えながらも懸命に歌唱しています。体験談をえま@左半身麻痺自らが作詞し、コロちむが作曲した等身大のデビュー曲「100日間の物語」は、こちらの各配信サイトにてデジタル配信されています。 【えま@左半身麻痺プロフィール】インフルエンサー。2020年3月に事故により左半身麻痺になり、リハビリの様子などを載せたTikTok動画がバズり、100日間でフォロワー10万人達成(現在は14万人越え)。「100日間の物語」にて歌手デビュー。URL: 【コロちむについて】音楽グループ、コロTEAMのリーダー。俳優の脇知弘など芸能人への楽曲提供も行っている。FMラジオのパーソナリティーも行っている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月22日■前回のあらすじ息子と同じ塾の友だちが、高額な塾代に憤慨した自分の父の姿を見てしまい、悩んでいると知った遥。同じようにお金のやりくりに不安を感じている遥には共感できる部分もあり…。 >>1話目を見る 輝と同じ塾に通う子のトラブルを聞いて、夫の和也は「聡くんの家は、何を大事にしたいのか夫婦で話し合えるといいけどな…」と言っていました。そして私は…聡くんの家の問題は「私自身にも問いかけられたような気持ち」に。しかし翌日の会社帰りに、今年中学受験を終えたばかりの同じ会社の美咲さんから中学受験にかかるさらなる実態を聞かされることに…。「我が子を志望校に合格させてあげたい」中学受験する親のみんなの願いです。でも親がしてあげられることなんて本当に少なくて、そのひとつがお金に関すること。だから美咲さんから話が出た個別指導や家庭教師も気にならないといえばウソでした。親が子を追い詰めないためにもクッションとしての役割で家庭教師を頼むこともいい気がすると話す美咲さん。でもその金額は驚きのもので…。次回に続く(全8話)毎日8時更新!原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2021年09月17日yamaの新曲『麻痺』が、2021年1月7日(日)よりフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」(毎週木曜24:55〜)ほかにて放送されるTVアニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』のオープニングテーマに決定した。今年4月にリリースした『春を告げる』がYoutube再生回数4000万回を突破し、ネット発の新世代シンガーとして注目されているyama。今回の新曲は10月21日にリリースされたyama『真っ白』も手がけた作家TOOBOEが、『2.43 清陰高校男子バレー部』のために書き下ろしたもので、yamaの力強い歌声とアップテンポなビートが特徴的な楽曲となっている。なお、『2.43 清陰高校男子バレー部』は山と青空に囲まれた福井を舞台に、弱小男子バレー部が全国を目指す熱い青春ストーリー。榎木淳弥、小野賢章、梅原裕一郎、蒼井翔太ら人気声優たちが演じる男子バレー部の生徒たちが、青春時代をスポーツに捧げる姿をyamaの新曲を彩る。オープニングテーマ決定と併せて、『麻痺』の一部が本日11月5日(木)に公開されたアニメの本PVにて視聴できるのでチェックしてほしい。◆TVアニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』本PVyamaコメント背中を押してくれる仲間に支えられながらひとつのことにまっすぐに打ち込む姿には青春を感じます。主題歌「麻痺」の自分の弱さと戦いながらも懸命に困難に立ち向かう歌詞は本編と重なる部分もあるかと思います。曲を聴いて不屈の闘志を感じていただけたら幸いです。◆TVアニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』作品情報2021年1月より毎週木曜日24:55から、フジテレビ「ノイタミナ」ほかにて放送予定
2020年11月05日俳優のいしだ壱成(42)が21日、自身のブログを更新し、顔面麻痺を患っていたことを明かした。いしだは、18日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『良かれと思って!』で、2014年に再婚した一般女性との離婚したことを発表。その際に、視聴者たちから「左側の表情が動かない」などと顔面麻痺を心配する声が上がっていた。この日のブログでは、「顔面麻痺につきまして」というタイトルで更新。「連日ネットなどでご心配いただいておりました、顔面の左側麻痺につきましてご報告させて下さい」と書き出し、「帯状疱疹から来る顔面麻痺、という医師の診断でした」と明かした。そして、「二週間ほど前に発症をしました。その後一週間通院しまして、今は完治をしました」と説明。「予定どおり舞台に立たせていただいております」と伝え、「お騒がせ致しまして、申し訳ありませんでした」と締めくくった。
2017年10月21日脳性麻痺を抱えながら障害者の性への理解を訴える活動を続けている熊篠慶彦氏が企画・原案を務めた映画『パーフェクト・レボリューション』。リリー・フランキー演じる重度の身体障害があり、車椅子生活を送るクマに熱烈に恋し、幸せを掴もうとする人格障害の風俗嬢ミツを女優の清野菜名が好演する。デビューから今年で10年。2014年公開の映画『TOKYO TRIBE』で見いだされ、10月からは黒柳徹子を演じる主演ドラマ「トットちゃん!」がスタートする。まさにいまが旬の女優。順風満帆の現在がうそのように、下積みの苦労は長い。しかしその苦労があったからこそ、いまがあると清野さんは胸を張る。「この10年をふり返って思うのは、『大変だった!』ということ。挫折の連続で、それを毎回乗り越えなければいけなかった。いま考えると、よく乗り越えたなぁと思う」と感慨深げ。愛知県から上京してから間もないころに観た映画『バイオハザード』に感化され、アクション養成所でスキルを磨いた。しかし思うように仕事がこない。スケジュールを埋めるのは、アルバイトばかり。女優としての仕事が入ってきたとしても、別の女優のボディーダブル要因。“私は何をしているんだろう”。何度自問自答したかわからない。「最近お母さんと当時のことを話す機会があって、お母さんは“若いうちに後悔のないようにやらせよう。それでダメならダメでいい”と思っていたそうです。だから『ここまであなたがやれるとは思っていなかった』とよく言われる。私もここまでできるとは思っていなかったし、当時は週5で早朝までアルバイトという日々でした。自分が置かれているいまの環境は嬉しいという思いしかないです」と実感を込める。挫折を経験した人間は強い。「当時の悔しかった気持ちを忘れることはないし、絶対に戻りたくないという思いがあります。売れないつらい時期を経験したからこそ、いまの仕事でどんなに苦しいことがあっても踏ん張って耐え抜く自信はある」と苦節が糧に。成功への足掛かりとなったのは努力や運も大きいが、ぶれない信念も大きい。夢はハリウッドのアクション映画に主演すること。「高校時代から寝る前の日課にしているのは、ハリウッドのレッドカーペットを歩いている自分の姿を想像すること。想像ができないことは実現しないと思うので、妄想力を駆使していまだに思い描いています。30歳になるまでには現実させたい」。10月で23歳を迎える清野さんのビジョンは明確だ。『パーフェクト・レボリューション』では、“I Have a Dream”を座右の銘とする感情の起伏が激しいエキセントリックなヒロインを熱演。「普段から小説も頭に文字が入ってこなくて熱中して読めないタイプ。でもこの台本は開いた瞬間から時間を忘れるくらいに一気に読めました。演じたミツも台本を読んでいるときから頭の中で勝手に動き回ってくれて、役作りを悩むこともなかった。そんな経験は初めて」と思い入れたっぷり。相手役のリリーさんとは初顔合わせとなるが「イメージそのままの裏表のない、居心地のいい方でした。恋人という設定なので仲良くなりたいと思っていたけれど、勝手に仲良くなれた印象。すぐに友達以上恋人未満の雰囲気になることができて、撮影中は一緒にお酒を飲んだりしました」とリリーさんの人たらしぶりに感謝。リリーさんとはラブシーンにも挑戦したが「キスシーンはお互い気にしていた部分でもあったので、『2人で同じ種類のガムを食べる』と約束しました。緊張は全くありませんでした。お互いミツとクマピーに成り切って。その瞬間は友達以上恋人未満を超えていたかもしれません」とはにかんだ。(text/photo:Hayato Ishii)
2017年09月26日脳性麻痺とは出典 : 脳性麻痺(のうせいまひ)は、妊娠中、出産前後もしくは生後4週間以内のあいだに、なんらかの原因で生じた脳の損傷が原因でおこる運動と姿勢の障害のことを指します。たとえば、脳性麻痺の赤ちゃんは、おすわりなどの姿勢、ハイハイ、もしくは立って歩くといった運動の発達への遅れや、これらのスキルを獲得できないことが起きてしまうことがあります。それではなぜ、脳が損傷すると姿勢や運動に問題が起きてしまうのでしょうか。人が体を動かすときには「筋肉をこんな風に使って、腕をあげなさい」など、脳の神経が筋肉に向かって常に信号を出しています。ところが、脳の損傷によって神経システムが損傷してしまうと、送るべき信号がうまく筋肉に伝わらず、考えたとおりに動けなかったり正しい姿勢をしたりすることが難しくなってしまうのです。脳の損傷部分や範囲は、一人ひとりまったく違います。したがって、子どもの発達過程にどの程度の影響があるのか、もしくはどんな症状が現れるのかも子どもによって異なります。参考書籍: 公益社団法人日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会、公益社団法人日本リハビリテーション医学会脳性麻痺リハビリテーションガイドライン策定委員会/編、公益社団法人日本リハビリテーション医学会/監修『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン第2版』 (金原出版株式会社、2014年)脳性麻痺の原因出典 : 沖縄小児発達センター小児科の當山医師が、2008年に沖縄県での脳性麻痺の発生率を調査したところ、1,000人に約2人の割合で脳性麻痺が発生することが明らかとなりました。発生原因はさまざまであるものの、現在では3つの症状が脳性麻痺の大きな原因であると分かってきました。1. 核黄疸・ビリルビン脳症・・・新生児にみられる黄疸が原因で起きる症状です。黄疸の原因となる物質「ビリルビン」が脳に損傷をもたらします。2. 低酸素性虚血性脳症・・・出産時に仮死状態でうまれてきた場合など、脳へ酸素が行き渡らないことで脳が傷いてしまうものです。3. 脳室内出血・脳室周囲白質軟化症・・・どちらも未熟児や早産が原因で起こることがあります。脳室内出血では新生児の脳内に出血がみられます。また、脳室周囲白質軟化症では脳の部屋の周りを囲む白質(はくしつ)とよばれる部分に血液が行き届かずに損傷してしまいます。参考文献:當山 真弓、當山 潤/著『沖縄県における脳性麻痺の発生率について』(脳と発達 (40巻5号)、2008年)387-392ページ参考書籍:梶浦一郎、鈴木恒彦/編集『脳性麻痺のリハビリテーション実践ハンドブック』(市村出版、2014年)上記3つ以外にも脳性麻痺を引き起こす原因があるので、その原因をみてみましょう。妊娠中の脳性麻痺になる原因には、脳の中枢神経系の奇形、遺伝子や染色体の異常、そして感染症です。感染症には風疹、サイトメガロウィルス、トキソプラズマなどが考えられています。遺伝子や染色体異常などは、妊娠中の女性がいくら頑張っても防げるものではありません。しかし、ワクチンなどで予防できる感染症もあるので、できる範囲で感染症などに気をつけることが大切です。ただし、これらの感染症にかかってしまったからといって、子どもが必ず脳性麻痺になってしまうということではありません。次に、出産時の脳性麻痺の原因としては、新生児の呼吸障害やけいれんでも引き起こされることが分かっています。また出産後にも、中枢神経感染症・頭蓋内出血・頭部外傷・呼吸障害・心停止・てんかんなどが原因で脳が損傷され、脳性麻痺を発症することがあります。おもに周産期と妊娠期間中に脳性麻痺が起きやすいことも分かっており、周産期に発生する場合が40~66%、出生前の妊娠中に起きてしまう割合が13~35%です。ただ、原因を特定することが難しい場合も多いため、脳性麻痺を完全に予防することは今のところできません。参考書籍: 穐山富太郎、川口幸義、大城昌平/編著『脳性麻痺ハンドブック療育にたずさわる人のために第2版』(医歯薬出版、2015年)脳性麻痺が起こる場所による分類出典 : 先ほどご紹介したとおり、脳性麻痺の症状は脳の損傷部位や範囲によってさまざまではあるものの、麻痺の起きる場所で5つに分類されています。1. 片麻痺:片側半身にだけ麻痺がみられます2. 四肢麻痺:左右の上肢と左右の下肢に麻痺がみられます3. 両麻痺:左右の上肢と左右の下肢に麻痺がみられます。上肢より下肢の麻痺が重度です4. 対麻痺:左右の下肢に麻痺がみられます5. 重複片麻痺:左右の上肢と左右の下肢に麻痺がみられますが、下肢より上肢の麻痺が重度です脳性麻痺の症状による分類とその具体的症状出典 : 脳は、大脳・脳幹(中脳・橋・延髄)・小脳からできており、働きはとても複雑です。したがって、損傷部分によって麻痺の症状はさまざまであるため、どのように分類するかについてはいろいろな考え方があります。Upload By 発達障害のキホン1. 痙直型(けいちょくがた):脳の大脳部分には、錐体路系と呼ばれる運動指令を伝達する神経の道があり、この部分を損傷すると痙直型の脳性麻痺を発生するといわれています。脳性麻痺に最も多くみられるタイプで、脳性麻痺児の約80%が痙直型だといわれています。筋肉がずっと緊張しつづけているために、突っ張った状態となっていることが多いようです。参考書籍: Sieglinde Martin, M.S., P.T/原著、山川友康、上杉雅之/監訳『親と専門家のための脳性まひ児の運動スキルガイドブック』(医歯薬出版株式会社、2015年)痙直型の脳性麻痺では、自分の意思とは関係なく筋肉が高い状態がつづき、姿勢が固定されてしまいます。固定されたままの姿勢でいると、体が好ましくない形に変わってしまうことがあり、背骨がS字にのように曲がってしまう症状は側弯症(そくわんしょう)と呼ばれています。さらに、動かしていない関節は使われないために動かしづらくなってしまいます。関節が動かしづらくなると、さらに体を動かしづらく姿勢の固定させる状態につながり、体の変形がすすんでしまうという悪循環が生まれてしまいます。ただ、痙直型であっても筋肉の緊張が低い子どもも珍しくないようです。2. アテトーゼ型:大脳の奥深くには大脳基底核と呼ばれる場所があります。不随運動に関わっているといわれており、この部分を損傷してしまうとアテトーゼ型の脳性麻痺となります。筋肉の緊張度合いが突然変わってしまうため、姿勢を保つことが難しいのがアテトーゼ型の脳性麻痺の特徴です。また、自分の意志とは無関係に体が動いてしまう不随意運動もともないます。筋肉の緊張度合いが突然変わるとどのようなことが起こるのでしょうか。たとえば、きちんと座っていても、急におなかの筋肉の緊張がゆるんでしまって前に倒れてしまうことがあげられます。また、精神的な緊張の影響を受けやすく、人前で話そうとして緊張すると、全身の姿勢緊張が高まってしまってうまくしゃべれなくなったり、普段できることもできなくなってしまったりすることも多いようです。そのほか、嬉しいことなどで脳への刺激が高まり興奮すると、逆に筋肉の緊張が高まりすぎてしまって、自分の思いとは関係なく腕がピーンと伸びてしまうといったこともあります。アテトーゼ型は早産や未熟児が原因の脳性麻痺に多いことでも知られています。周産期医療の発達のおかげで、早産で未熟児であっても助かる赤ちゃんが増えました。そのため、脳性麻痺の発症が横ばいか減少傾向であるものの、アテトーゼ型は増加傾向にあります。参考書籍: 梶浦一郎、鈴木恒彦/編集『脳性麻痺のリハビリテーション実践ハンドブック』(市村出版、2014年)3. 失調型:小脳にも錐体路外系の神経伝達路があり、この部分を損傷すると失調型の脳性麻痺になります。脳性麻痺の分類で最も少ないタイプが失調型です。失調型は、筋肉の緊張が低く、正常と低緊張をいったりきたりするので、バランスを保つことが難しく姿勢が不安定となってしまいます。また、歩けるようになっても転びやすいことも、失調型の特徴にあげられます。4. その他:そのほかの分類には、痙直型とアテトーゼ型が組み合わさった混合型などがあります。参考書籍: 木舩憲幸/著『脳性まひ児の発達支援調和的発達を目指して』(北大路書房、2011年)脳性麻痺の合併症出典 : 脳が損傷をうけたときに、運動に関係した部位だけが損傷するということはまれで、他の部位も損傷している可能性が高いことが知られています。たとえば、知覚や認知、視覚や聴覚の部位にも損傷している場合は、脳性麻痺に付随した障害がみられます。具体的な障害には、聴力障害・視力障害・てんかん発作・知的障害・発達障害などがあります。トルコにあるイスタンブール大学のKILINCASLAN医師は、脳性麻痺の子どもが自閉症や発達障害を伴うケースは、決してまれではないことを2009年に発表しました。126人の脳性麻痺の子どもを調査したところ、自閉症などの広汎性発達障害(PDD)を合併している子どもが15%いたことを明らかにしています。参考論文:Ayse Kilincaslan and Nahit Motavalli Mukaddes,Pervasive developmental disorders in individuals with cerebralpalsy, Developmental Medicine & Child Neurology 2009, 51: 289–294脳性麻痺の治療・療育法は?出典 : 脳性麻痺は、脳が傷ついてしまったことが原因でおこるものなので、損傷した部分が直接治ることはありません。一方、てんかんなどが合併している場合を除いて、脳の損傷部分が悪化するということもありません。脳の損傷は治らないものの、治療・療育を通して運動機能の発達を促して、運動や姿勢の障害の改善が目指されます。筋肉を緊張したままにしておくと、筋肉が硬直してしまって改善しづらくなってしまいます。この状態は、さらなる筋肉や関節の硬直をもたらすので、早期からの治療・療育がとても大切になってきます。また、単にリハビリ等の療育を通して運動機能の発達・改善を促すばかりでなく、脳性麻痺のある人やその周囲の支援者が、自分自身の身体に合わせた運動方法や生活環境を模索しつくりあげていくというアプローチも大切です。脳性麻痺はいつ、どうやってわかる?出典 : 明らかに麻痺があるなど重度の脳性麻痺をのぞき、特に早期に脳性麻痺を診断することは、一般的にとても難しいと考えられています。おもな理由としては、発達は非常に複雑なものであることにくわえ、脳性麻痺ではない子どもでも、発達には個人差が大きいことが知られているからです。また、おすわりや立つなどの発達過程は、生後すぐにできるものではないことも早期診断を難しくする要因のひとつです。さらに、脳性麻痺の症状である痙性(筋肉の硬さ)は、通常生後数週間でみられるものではなく、7~9ヶ月たって気づくことも多いことで知られています。このように、脳性麻痺の診断は非常に難しいものであるものの、診断には以下の3項目から総合的に判断されます。〇出生歴:未熟児だったかどうか、分娩時に異常はなかったかなど〇子どもの観察:年齢相応の発達をしているかなど〇筋肉の緊張や反射異常をみる検査また、MRIやCTなど脳神経の画像検査は、脳性麻痺の原因を確定するための有効な手段としてよく使われています。参考書籍: 木舩憲幸/著『脳性まひ児の発達支援調和的発達を目指して』(北大路書房、2011年)保護者からの発達相談で脳性まひの診断を診断を行うことも多いようですが、発達には個人差が非常に大きいことから、発達がゆっくりだからといって脳性麻痺とは限りません。そのため、過度に心配しすぎる必要はありませんが、一般的には以下の状態の場合で脳性麻痺の可能性を考慮します。1.未熟児、または新生児脳症などの成育歴のある「リスク児」のフォローアップ.2.運動の発達指標の遅れ.とくに座る,立つ,歩くことの遅れ.3.左右両側のつり合いの取れない運動パターンの発達.たとえば,生後数ヶ月みられる,片方の手の顕著な優位性.4.異常な筋緊張,とくに痙縮(筋肉の硬さ)または弛緩性(フロッピー).出典:Eva Bower/原著編著、上杉雅之/監訳『脳性まひ児の家庭療育原著第4版』(医歯薬出版、2014年)20ページたとえば、抱っこすると手足がピーンとなって筋肉の緊張がみられる、「首が座らない」「おすわりできない」「寝返りしない」などの運動スキルが一般的な発達過程にくらべてとてもゆっくりしているなど、心配なことがあれば医療機関などで相談しましょう。赤ちゃんは1歳半まで3月健診・6ヶ月健診・1歳半健診と健診回数が多いので、健診時を利用して相談することも可能です。参考書籍:Alfred L. Scherzer/原著編著、今川忠男/監訳『脳性まひ児の早期治療第2版[原著第3版]』(株式会社医学書院、2004年)52ページ脳性麻痺の治療・療育にはどんなものがあるの?出典 : 脳性麻痺は、すでに生じてしまった脳の損傷が原因でさまざまな症状があらわれます。残念ながら現時点の医療技術では脳の損傷そのものを治すことを望めません。そこで、あらわれている症状を緩和もしくは改善することや、運動機能を獲得するための治療が行われます。具体的な治療方法をみていきましょう。脳性麻痺の治療としては、リハビリテーションセンター病院や、リハビリ科のある病院で治療が行われることが多いです。ご紹介するサイトでは、リハビリ科の専門医やリハビリ科医師のいる施設を探せるようですので参考にしてください。参考リンク:公益社団法人日本リハビリテーション医学会ここでは、脳性麻痺に実施される代表的なリハビリテーションをいくつかご紹介します。ご紹介しているように、脳性麻痺の症状や程度は個人で大きく異なりますので、治療も一人ひとりに合わせて進めていきます。〇理学療法:理学療法は運動療法と物理療法をあわせて行います。運動療法では、運動や姿勢の障害を改善させるために、さまざまな種類の運動をします。物理療法では、電気刺激やマッサージ、温めたりすることで痛みを軽くします。〇作業療法:理学療法で改善されてすでに獲得しているスキルを、日常活動や仕事で生かせるように作業活動を通じて訓練します。たとえば、理学療法で肩関節の可動域を改善させたとします。作業療法では、獲得した可動域を最大限に有効に使えるように、実際の作業を通じて実用性を高めるようにします。〇言語聴覚療法:脳性麻痺で話すことが難しかったり、聞くことに障害があったり、ものをうまく飲み込めないなどの場合に、発声訓練や、飲み込む訓練などが行われます。具体的な方法などは関連記事を参考にしてください。〇装具療法:関節を固定させて保持することで、歩くことを手助けすることや、運動機能を向上させるために行われる療法です。姿勢を維持する、もしくは姿勢を矯正するために側弯症の治療にも使われています。参考書籍:椿原彰夫/編著『PT・OT・ST・ナースを目指す人のためのリハビリテーション総論-要点整理と用語解説改定第2版』(株式会社診断と治療社、2011年 )そのほか、リハビリテーション以外の治療には、筋肉の緊張部位にボツリヌス菌を注射するボツリヌス療法などがあります。ボツリヌス療法では、筋肉の痙縮が改善されている間に、運動療法を積極的に行います。このほか、変形してしまった腕などを手術して、日常生活の動作を改善させる手術療法もあります。参考書籍: 穐山富太郎、川口幸義、大城昌平/編著『脳性麻痺ハンドブック療育にたずさわる人のために第2版』(医歯薬出版株式会社、2015年)家庭で療育をするときに大切なことって?出典 : 前の章でご紹介した以外にも、遊びを通じていろいろな姿勢をさせてあげるなど、家庭でも療育的支援を行うことができます。この家庭での療育を成功に導くためにはいくつかの原則があるようです。「座ることはできても、座った状態からうつぶせになれない」脳性麻痺の子どもへの家庭療育を例にとって、この原則を考えてみましょう。この場合、どのようにしたら転ばないでスムースにうつぶせになれるかどうかを念頭において療育をすることになります。最適な遊びや介助については、理学療法士などの専門家と相談して決定するとよいでしょう。練習の頻度や時間は、運動や遊びの種類ごとに異なります。もちろん、脳性麻痺の程度によっても練習内容などさまざまです。したがって、理学療法士と相談してすすめることが非常に重要です。〇新しい運動スキルの学習は能動的であることが大前提です介助の方法については、理学療法士から学べますが、子ども本人が自分から行動しようとしたときに、その運動スキルを身につけようとする学習が生まれます。今回の例では、おすわりからうつぶせをなるためのスキルを学習することが目的です。子どもが床にあるおもちゃで遊びたくて、お座りの姿勢から介助を受けながらでも自分から動こうとしたときに、学習がはじまります。〇子どもが「●●したい」という動機づけをおこなう子どもが自分から動こうとするような動機づけが重要です。たとえば、子どもが楽しく座って遊んでいるときなどに、無理矢理うつぶせになるような運動を練習させることはやめましょう。その代わり、子どもの大好きなおもちゃを床において、興味を示すのを待つのです。子どもがおもちゃに興味を示せば、自分からうつぶせになって取ろうとするはずです。このとき、おすわりからうつぶせへのスキル学習への動機づけが生まれます。〇子ども自身で取り組める環境をつくるスキル学習の促進には、子どもが自分自身で取り組み試行錯誤できる環境づくりが大切です。お座りからうつぶせになる動きを大人が全て手助けするのではなく、たとえば床にクッションなどを敷いて、転んでも痛くないような仕組みをつくるなど、ことがスキル学習をすすめる秘訣です。子どもは失敗から学んでいくからです。〇人形を使うなどして、動き方のイメージを促す人形を使うなどして、実際の体の動かし方を見せる方法は、子どもにも理解しやすいと言われています。この例では、人形を床に座らせ、そのままうつぶせにさせる動作をゆっくりと見せながら、床のおもちゃに手を伸ばさせます。〇さまざまなやり方を試してみる同じ方法だけでずっと遊ばせたり、介助したりすることは避けます。スキルを学習するためには、多様な方法を経験することが重要だからです。遊びがマンネリにならないように、いつも決まった場所におもちゃをおかないようにしたりすることも考えましょう。〇反復してもスキル獲得を促す何度も練習することを通じて、子どもはいつでも好きなときに動けるようになります。そこで、成功した動きを獲得できるまで、子どもの様子を見ながら反復練習をすると良いでしょう。〇肯定的な働きかけをする保護者や周りの笑顔や肯定的なうなずきは、脳性麻痺の子どもがスキル学習を行う時の一番の励ましとなることがわかっています。おもちゃに手を伸ばそうとして頑張っている姿に、笑顔や拍手をするなど励ましの対応をするようにしましょう具体的にどのような遊びがあるのか、またやり方については、理学療法士などの専門家に相談したり、詳細を紹介している書籍もありますので参考になさってください。参考書籍: Eva Bower/原著編著、上杉雅之/監訳『脳性まひ児の家庭療育原著第4版』(医歯薬出版株式会社、2014年)参考書籍: Sieglinde Martin, M.S., P.T/原著、山川友康、上杉雅之/監訳『親と専門家のための脳性まひ児の運動スキルガイドブック』(医歯薬出版株式会社、2015年)脳性麻痺の人が受けられる支援にはどんなものがあるの?出典 : 脳性麻痺のある人には、たくさんの支援制度が整備されていますのでご紹介します。ぜひ活用してください。先天性の脳性麻痺ではなく、分娩時が原因でおきてしまった脳性麻痺は、産科医療保障制度が活用できます。医療ミスなど、脳性麻痺になった理由を問わず3,000万円が支給され、原因の究明と情報提供をおこなってくれます。申請期間が定められており、満1歳から満5歳の誕生日までに申請します。なお、産科医療保障制度に加入している医療機関で出産しなければならないことに注意が必要です。加入医療機関は以下のサイトで検索が可能です。加入分娩機関検索|公益財団法人日本医療機能評価機構また、脳性麻痺の症状によっては、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳などの取得も可能です。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じて様々な福祉サービスを受けることができます。さらに、障害のある子ども本人への支援制度だけでなく、家庭への支援制度「特別児童扶養手当」の活用も可能です。精神、または身体に障害がある児童について特別児童扶養手当を支給することで、生活の豊かさの増進を支援することを目的とした制度で、児童が20歳になるまで、障害の等級に応じて一定の金額が保護者もしくは養育者に支払われます。詳細は下記の記事を参考になさってください。このほか、脳性麻痺では障害年金の申請も可能です。障害の程度に応じて、一定の金額が毎月支給される年金制度ですが、受給要件や金額などは、個人で異なりますので、以下のリンクを参考にしてみてください。参考リンク:障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構また、障害のある人の税は優遇されていますので、こちらも参照してみましょう。なお、金銭面の支援だけでなく移動支援も整備されています。移動支援とは、移動が困難な人に対してガイドヘルパーによって行われる地域生活支援事業です。自治体によっては、重度脳性麻痺者介護助成が行われているところもあるので、お住まいの地域の自治体に問い合わせてみましょう。他にも脳性麻痺の障害支援についての関連記事があるので、参照してみてください。一人で頑張りすぎないで、困ったときは支援してもらいましょう出典 : 脳性麻痺のある子の保護者は、「子どもの世話は私にしかできない」とすべてを抱え込んでしまう人が多いようです。しかし、まわりの人の中には、何か支援できることがあれば、お手伝いしたいと考えている人も少なくありません。もしかしたら、支援の必要があるか分からないために声をかけられないでいるだけかもしれません。脳性麻痺のあるなしにかかわらず、社会では一人ひとりが関わり合い、支え合って生きています。自分ひとりで抱え込まず、活用できる支援は積極的に受け入れるようにしましょう。「こんなことで相談して良いのかな」と支援を頼むか迷ったときには、「困っているか」どうかで判断してみましょう。もし、本人や家族が何か「困っている」ことがあれば、まずは医療機関や保健センターなどで、自分の困りごとを相談してみてください。治療やリハビリテーションなど、専門家との関わりにはコミュニケーションをうまくとることで成功しやすいことも多いものです。良好なコミュニケーションをとるためには、自分も療育をする当事者の一人として、専門家とともに参加することが重要です。もしかしたら、専門家は難しい専門用語をつかって説明をするかもしれません。そのような場合には遠慮せずに質問して言葉の意味を教えてもらい、専門家の使う言葉を共有するようにしましょう。また、受診やリハビリの際には事前に質問事項をメモしていくことで、聞き忘れることも防げます。参考書籍: Eva Bower/原著編著、上杉雅之/監訳『脳性まひ児の家庭療育原著第4版』(医歯薬出版株式会社、2014年)学校はどうしたら良いの?出典 : 学校に通う場合にはいくつかの選択肢があります。普通学級のほかに、障害のある子どもは特別支援教育を受けることができます。特別支援教育には、特別支援学校のほか、特別支援学級や通級指導教室があります。○特別支援学校脳性麻痺の症状や程度で異なるものの、特別支援学校であれば肢体不自由児の指導を受けることができます。また、知的障害を伴う場合には、重複障害学級に在籍して教育を受けることができます。参考リンク:(1) 重複障害児の概念(重度・重複障害を含む)|独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所○普通学級に在籍する子どもも多数また、2014年に福島県で行われた調査では、肢体不自由の特別支援学級が設置された小学校に通う肢体不自由児のうち、70.6%が普通学級に在籍し、29.4%が特別支援学級に在籍していることが明らかになっています。なお、肢体不自由の小学生児童のうち、脳性麻痺を含めた脳性疾患の児童は45.3%であったことから、数多くの脳性麻痺の子どもが普通学級に通っていることが分かります。参考リンク:肢体不自由特別支援学級を対象とした悉皆調査 調査内容の概要|独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所特別支援学校については特別支援学級との違いも含めて、発達ナビで解説していますので是非読んでみてください。それ以外にも、児童発達支援や放課後等デイサービスなど、施設に通って受けられる支援制度もあるので、参考にしてください。l障害あるなしにかかわらず、必要な配慮を受けながらすべての子どもたちが同じ場所で教育を受ける「インクルーシブ教育」の実現にむけて、日本の教育も日々変化を続けています。上記のような多様な学びの選択肢を提供していくことも、その流れの一環です。脳性麻痺の人の将来の生活は?出典 : 「子どもは将来自立して生活できるのでしょうか」―これは、脳性麻痺の子どもを育てる多くの保護者が医師などの専門家に投げかける共通の質問だそうです。これまで、脳性麻痺は脳の損傷が原因で起こるもので、その症状は一人ひとりさまざまであることをお伝えしました。したがって、自立して生活できるかという問いにも、その道筋は一人ひとりさまざまであると答えなくてはなりません。ただし、脳性麻痺がどの程度であったとしても、共通している保護者の役割があります。それは、「できるだけ多くのことを子どもが自分でできるように励ましサポートすること」です。また、脳性麻痺の子どもに理学療法や作業療法など専門家が連携する目的も同様です。したがって、脳性麻痺の程度にかかわらず、家族だけでなく周りの人たちとともに自立に向けての支援をしていくことがとても大切です。脳性麻痺の方と家族の手記のなかに「自立」について当事者の目線で書かれた部分があったのでご紹介します。私は身障者手帳の1種の1級を持っています.アテトーゼ型の脳性麻痺で四肢と言語に比較的重度の障害があります.移動は車いすを利用しています.食事も完全には自分一人ではできず,一部介助が必要です.2002年に結婚をし、2005年には子どももできて,現在は両親を含め家族5人で自宅で生活をしています.普段は1988年からつとめている佐世保市にある臨床検査会社でプログラミングの仕事をしています.中略私は今までの経験から「自立」とは,自分の意思を決定づけられることだと思っています。自分がやりたいことややるべきことを,いろいろな方法や手段を使って実現できるなら,それは立派に自立していることになると思います.そして自立というのは最終目標ではなく,自分の夢ややりたいことを実現するための1つの手段に過ぎないと思うのです.そして最も大切なことは,たった1度の人生をいかに幸せに過ごすかということだと思います.出典:穐山富太郎、川口幸義、大城昌平/編著『脳性麻痺ハンドブック療育にたずさわる人のために第2版』(医歯薬出版株式会社、2015年)351ページ脳性麻痺のある小児科医・研究者の熊谷晋一郎氏は、あるインタビューの中で「自立は、依存先を増やすこと」であると述べています。リハビリ等を通して自分自身の身体で出来ることを増やすことばかりが自立への道ではありません。それだけではなく、支援をしてくれる人との繋がり・関係を育んでいくこと、車椅子をはじめ、自分の身体の延長として日常生活・社会生活を営むための手段を増やしていくことなど、自分自身が頼り依存できる先を増やしていくことも、自立した生活に向けて大切な視点です。インタビュー「自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと」TOKYO人権第56号(平成24年11月27日発行)まとめ出典 : 脳性麻痺について、原因や治療方法などをご紹介しました。脳の損傷部位や範囲によって、症状のあらわれ方や程度、さらには治療の進め方も一人ひとりさまざまです。医師や実際にリハビリを進めていく専門家などと、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。また、支援制度も十分に活用することで、保護者だけでなく周りの人たちとともに治療を進めていきましょう。参考書籍: Eva Bower/原著編著、上杉雅之/監訳『脳性まひ児の家庭療育原著第4版』(医歯薬出版、2014年)参考書籍: 木舩憲幸/著『脳性まひ児の発達支援調和的発達を目指して』(北大路書房、2011年)参考書籍: 穐山富太郎、川口幸義、大城昌平/編著『脳性麻痺ハンドブック療育にたずさわる人のために第2版』(医歯薬出版、2015年)参考書籍: 梶浦一郎、鈴木恒彦/編集『脳性麻痺のリハビリテーション実践ハンドブック』(市村出版、2014年)参考書籍: 公益社団法人日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会、公益社団法人日本リハビリテーション医学会脳性麻痺リハビリテーションガイドライン策定委員会/編、公益社団法人日本リハビリテーション医学会/監修『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン第2版』 (金原出版、2014年)
2017年01月31日神戸大学は9月23日、脳性まひや難聴の原因となる未熟児の黄疸を、経皮黄疸計を用いることで採血せずにモニタリングすることができると発表した。同成果は同大学大学院医学研究科の森岡一朗 特命教授、飯島一誠 教授(小児科学分野)らの研究グループによるもので、9月23日に米国小児医学雑誌「The Journal of Pediatrics」電子版に掲載された。黄疸は在胎30週未満の未熟児1000人あたり2人以上の割合で発生しているとされる。また、生後2週間以上経っても黄疸が増強するため、新生児集中治療室(NICU)で長期間にわたってモニタリングする必要がある。しかし、未熟児の黄疸は目視ではわかりにくく、毎日採血してモニタリングすることは現時的ではなかった。今回の研究では、成熟児の日常診療に使われている経皮黄疸計を使って、NICUに入院した体重1500g未満で出生した85人に対して肝機能の指標であるビリルビン値を測定。その結果、未熟児の胸部または背部が最も感度が高く、血中ビリルビンとの誤差が少ないことがわかった。同研究グループは、これにより、黄疸のモニタリングの確実性が増し、未熟児の脳性まひや難聴の減少につながることが期待されるとしている。
2015年09月24日