私が閉経したのは、50歳のとき。閉経する直前に実母ががんで倒れて入院するなど、私生活でゴタゴタが続きました。 生活が落ち着いたころ、やたらと暑いと感じるように。そして家族の反応を見て、暑いのは自分だけだと気が付き、更年期の症状が出ているのではないかと思うようになりました。時間や場所を問わずに急に暑くてたまらなくなるホットフラッシュ。少しの工夫でやり過ごすことができた方法を紹介します。★関連記事:ホットフラッシュが1日200回も!軽く考えていた更年期症状。苦しみから解放してくれたのは?【体験談】大したことじゃなかった!?悩んでいた汗の症状考えてみると、私は閉経する直前から精神的に不安定になるとやたらと暑くなり、汗をかくことがありました。特に顔に多く汗をかくので、人に変に思われたらどうしよう、恥ずかしいなどと悩み、パート先でも人と接するのが嫌になったこともありました。昔実家の母は、真冬の通勤電車で汗をかくのが恥ずかしいと言っていました。やはり周りの人に怪しまれていると感じていたようです。当時は考え過ぎだと思いましたが、自分が当事者になると恥ずかしさはよくわかります。暑くなって汗をかいたところで、誰かに迷惑をかけるわけではありませんが、私はたとえ真夏でも自分だけが大汗をかくのが恥ずかしかったのです。恥ずかしく思うほど体はほてり、余計に汗をかくようになりました。恥ずかしさのあまり、一時は人前で汗を拭けませんでした。でも、汗をかいたのを放っておくと体が冷えて、後からもっと不快な思いを経験しました。困った私は、思い切って自分から「急に汗が出るようになって困っているんだ」などと、周りの人たちに話してみました。皆に「そんなことは気にしないで」と温かい言葉をかけてもらい、それからはオープンにできるようになりました。結果的には汗も堂々と拭けるようになりました。原因不明の症状!実はホットフラッシュだった母を見ていた私は、体がほてり汗をかくのは更年期特有の症状だろうと予想していましたが、ホットフラッシュという言葉自体はネットで知りました。更年期ではポピュラーな症状で、決して自分だけではないとわかり、気持ちが軽くなるのを感じました。 他にも同じ思いをしている人がたくさんいるとわかったおかげで、それほど深刻にならずに済みました。急に暑くなって汗をかいても、周りの目を気にして余計に状態が悪くなることがとても少なくなりました。そして、私は閉経前に生理不順があり、いつ生理が来るのかわからない状態が続いていました。不安だった私は産婦人科を受診。医師には「順調に閉経に向かっていますよ。後1年か2年で閉経でしょう」と言われました。そのときに閉経の前後5年、計10年を更年期と呼ぶことも教えてもらいました。 自分はまさに更年期の真っただ中にいるのだとよく理解できました。ホットフラッシュについても、決して悪い病気ではないという裏付けができたので、とても安心できました。簡単にできるホットフラッシュの対処法私の場合、少し年上の友人や実家の母から、更年期に出てくる悩みについて体験談を聞くことはとても有意義でした。自分も更年期を乗り越えられるという前向きな気分になれたのです。私は話を聞いてもらうだけでも気分が軽くなったので、自分から更年期についての話をするようにしていました。このときに腹式呼吸が良いということも教えてもらいました。 これは実際にホットフラッシュの症状が出てしまったときにおこないました。腹式呼吸をすることで心が落ち着き、焦ってさらに体がほてり、汗をかいてしまうという悪循環が断ち切れました。息を吸ったときにおなかが膨らみ、吐き切ったときにおなかがへこめば腹式呼吸ができているそうです。腹式呼吸をおこなうことに意識が向かうと、ホットフラッシュを意識しなくなるという効果もありました。 私は母にすすめられて、市販の漢方薬も服用しました。自分は薬を服用しているという安心感につながって、ホットフラッシュの症状を気にしないように。体調も良くなるので、長い目で見ると更年期の悩みが気にならなくなりました。まとめ更年期に急に暑くなり、汗をかくことがあると知ってはいましたが、私はそれを特別なことのように思っていました。自分にその症状が出ても、最初は更年期と結び付けて考えませんでした。でも、年上の女性たちから体験談を聞くうちに、ホットフラッシュは特別なことではないとわかり、受け入れる心の準備ができました。そのとき教わった腹式呼吸も半信半疑で始めましたが、私には合っていました。だから5年以上も続いているのでしょう。医師の診察を受けたことで、自分は更年期に突入しているのだと認められたこともよかったと思います。 早いもので閉経から今年で5年目です。私を診察してくれた医師の言う通りなら、もうすぐ更年期が終わりになります。小さなことの積み重ねで、なんとか乗り切れるものだなと実感しています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。著者/ゆみこ(55歳)20年以上専業主婦をしており、成人した娘が2人。5年ほど前から、体のお悩みがいろいろと出て来るようになったが、自分なりにうまくやり過ごしている。
2023年05月12日私が閉経したのは50歳のとき、その数年前から睡眠がちゃんと取れていないと思う日が増えてきました。寝付きは良いのですが、早朝に目が覚めてしまうのです。私は夫の仕事の都合で朝5時には起床しますが、ひどいときには目覚まし時計が鳴る1時間以上前から目が覚めるようになってしまいました。私が睡眠の悩み解消のためにおこなった生活習慣の見直しとその結果を紹介します。★関連記事:「朝までぐっすり眠れるように」更年期の中途覚醒が改善した方法【体験談】50歳前からしっかり睡眠が取れないように年齢とともに睡眠の質が下がり、睡眠時間も徐々に短くなると思っていました。ですが、同年代の友人に尋ねても、皆「そんなことはない」と言うばかり。たしかに50歳前から、睡眠が取れなくなるというのは私にとっても考えにくく、どこか自分はおかしいのではないかとまで考えるようになりました。昼間は眠くてたまらず、昼寝をする回数も増えていきました。諦めて早朝から起き出すと、今度は疲労が激しくなり、困った毎日が続きました。更年期の悩みにはさまざまな種類があるため、自分の症状が当てはまるのかがわからず、睡眠の悩みが更年期と結び付きませんでした。私が相談したのは同年代の友人だけ。母親や周りの年上の女性たちにちゃんと話を聞いておけば、もっと早く悩みが軽くなったかもしれないと残念に思っています。更年期と睡眠の関係について知り…当時、自分が更年期に突入しているのかどうかわからなかったため、閉経の前に婦人科で診察を受けました。そのとき医師にすでに更年期に入っていること、もうすぐ閉経を迎えることを教えてもらいました。いろいろな不調は出て来るけれど、自分で我慢ができるならそれほど心配はしなくても良いと言ってもらいました。自分の体の状態をわかっていると、睡眠の悩みについても心配し過ぎずに済みました。更年期に起こることに対して、前向きに対処できるようになったようです。そして、睡眠の悩みが更年期と関係あるのではないかと考えるようになったのは、閉経してから5年目のこと。だんだんとその悩みが気にならなくなってきたからです。ネットで調べてみると、女性ホルモンは睡眠中枢と大きな関係があり、更年期で女性ホルモンが減ることで、睡眠に影響が出る人もいるということがわかりました。これがわかったことで自分は異常ではない、ちょっと更年期で睡眠のリズムが乱れただけなんだと前向きに考えることができるようになりました。3つの対処法で睡眠が改善私が睡眠の悩み解消のためにおこなったことは3つありました。1つ目は生活習慣の見直しです。まず、昼寝の習慣を見直しました。早朝から目が覚めてしまう私にとって昼寝は大切でしたが、寝付いたところに玄関でチャイムが鳴ったりして、昼寝ができないことがストレスになることもありました。だから昼寝は諦めて就寝時間を1時間早くして、起床時間もその分早めることにしました。結果として全体の睡眠時間は同じでも、夜早い時間に眠れていると、体の負担がかなり軽減されていると実感できました。 2つ目は、お酒を飲む日を減らしたことです。私はお酒を飲むと夜中にトイレに起きることもあったため、1週間の半分はお酒を飲まないようにしました。お酒を飲まないと眠れないと思っていましたが、実際は飲まないほうが翌朝にスッキリと起きられ、睡眠の質が良くなったように感じました。 3つ目は、寝る前の腹式呼吸です。寝る前におこなうとリラックスできると知人に勧められて始めましたが、本当にその通りでした。腹式呼吸をしていると呼吸することに集中するので、眠れるかどうかをあまり気にしなくなりました。結果的にそれが睡眠によかったのだと思います。まとめ私の周りでは年上の女性たちが集まると、更年期の悩みや睡眠の悩みについての話をしていました。よく聞いておけば、自分の更年期の悩みに対する知識がもっと早く得られたのにと今も残念です。 ただ私も生活習慣を見直すことや夜寝る前の腹式呼吸で、薬に頼ることもなく無事に生活ができています。地味で小さなことですが、毎日の生活は小さな積み重ねで良くできると実感しています。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。著者/ゆみこ(55歳)20年以上専業主婦をしており、成人した娘が2人。5年ほど前から、体のお悩みがいろいろと出て来るようになったが、自分なりにうまくやり過ごしている。
2022年10月15日起きてる時も寝ている時も食事中も24時間している呼吸。緊張していたり逆にリラックスしている時、同じ呼吸でも"呼吸の質"には大きな違いがあります。また、運動している方の多くは胸式で呼吸をしている方が多いのですが、実は美しいボディラインを作るのには胸式呼吸は向いていないんです。では、なぜ腹式呼吸で体が変わるのか、なぜ腹式呼吸で痩せるのか。詳しくご説明いたします!胸式呼吸と腹式呼吸呼吸の仕方には大きく分けて2つあります。肺を意識して行う胸式呼吸と、お腹を意識して行う腹式呼吸です。普段何も意識していない時は胸式呼吸と腹式呼吸どちらの呼吸も行なっています。胸式呼吸を意識して行うと、肺にしっかり酸素が入り肋骨が開いたり閉じたりしているのを感じることができ、腹式呼吸を意識して行なうと、横隔膜が働き胸より上の余分な力が抜け、お腹が膨らんだりへこんだりしているのを感じることができます。また、胸式呼吸では神経を昂らせる交感神経を優位に、腹式呼吸ではリラックス効果のある副交感神経が優位になります。腹式呼吸で痩せやすい体にでは、なぜ腹式呼吸で体が変わるのでしょうか。その理由をご説明します!まず、普段胸式呼吸を意識して過ごしていたり運動量の多いスポーツで胸式呼吸ばかり行っていると、徐々に肋骨が開いた状態になりウエストのくびれがなく寸胴な体型になってきてしまうことがあります。しかし腹式呼吸を意識して行うと、インナーマッスルである横隔膜や腹横筋が鍛えられるためお腹周りが引き締まり、体幹が正しく保たれるようになり姿勢が美しくなります。体幹が正しく保たれ姿勢が改善されると、連動して他の部位の働きがスムーズになるため自然と日常の運動量が上がり、痩せやすい体になります。また、腹式呼吸はリラックス効果が非常に高く、セロトニンという幸せホルモンの分泌も促してくれます。そのため過度な食べ過ぎを防いでくれたり、睡眠の質を上げることで成長ホルモンが分泌され、更に痩せやすい体になります。正しい腹式呼吸のやり方ただお腹で行うだけ、というイメージの腹式呼吸ですが、正しく腹式呼吸ができているか今一度確認してみましょう。<やり方>STEP1:お腹に両手をあてて、椅子などに浅く座ります。STEP2:ゆっくり鼻から息を吸い、お腹だけが膨らむのを感じます。STEP3:お腹がぺたんこになるまで鼻から細く長く、ゆっくり息を吐きます。STEP4:吸う息に5秒、吐く息に8秒かけるスピードで行うとちょうど良いです。STEP1〜4を数分、繰り返しましょう。腹式呼吸で体も温まる普段、意識をしない限りほとんど腹式呼吸をすることは無いと思いますが、腹式呼吸は体に熱を作る働きもあるため、冷え症の方にもおすすめの呼吸法です。しっかり腹式呼吸が行えていると、汗ばむくらい体が温まりますのて是非行ってみてください!Hikaruヨガインストラクター
2020年01月13日猫背のせいで身長が伸びず…「う~ん、背骨さえ曲がっていなければ、アナタあと5センチは身長が高かっただろうねぇ」とは、筆者がかつてかかったお医者さんの弁。筆者は中学生のころ、座高の高さを気にするあまり人よりも低く見えるようにいつも背をかがめて座っていました。そのせいなのか、お医者さんもびっくりするくらい背骨が曲がってしまい、先述のようなコメントをもらってしまったのです。もちろん後悔していますが、当時は姿勢の悪いことがどれほどの問題なのか、わからずにいました。”気”を整える禅の3つの教え身長の問題だけでなく、「姿勢が悪いために内蔵が正しい位置にいられなくなることで起こる弊害はたくさんあります」と教えてくれたのは、『ZEN呼吸法』の第一人者、椎名由紀さん。元ミス東京で、タレント活動を行うかたわら、禅の教えに基づく呼吸法で心身ともに健康になる方法をレクチャーしています。その椎名さんが時々開催しているのが、姿勢矯正と呼吸法のセッション。子ども向けのものもあると聞き、筆者も常々、わが娘の姿勢の悪さが気になっていたので、さっそくお邪魔してみました。自身の長年の不調を克服すべく禅を学び、『ZEN呼吸法』を編み出した椎名由紀さん。代謝があがり「とにかく健康です!」とにっこり椎名さんによると、「禅には“三調”という言葉があります。まず姿勢を調える調身、次に呼吸を調える調息。そしてこのふたつが調えば心も調うという調心です」。この3つがそろわなければ便秘や肩こり、頭痛などの慢性的な不調をもたらす原因にもなるほか、心の平穏も得ることができないということ。ヨガや太極拳などでも非常に呼吸を大切にしますが、呼吸は気のめぐりを正すことに役立ちます。今回の姿勢のセッションは、この姿勢を調える“調身”を中心にレッスンするもの。参加しているのはわが家を含めて5組の親子で、2歳くらいの小さな子もお姉ちゃんと一緒に参加していました。小さなグループだから、椎名さんがじっくりと語りかける余裕があり、キッズ一人ひとりに挨拶をしていくと、子どもたちは一様に笑顔に。緊張がとけたようです。セッションはまず、寝る姿勢から始まりました。普段は横向きやうつぶせ、あおむけといろいろですが、ではあおむけに寝てみると…手は、どのようになっているでしょうか。手のひらもあおむけになっていますか、それともうつぶせに?これ、あおむけ(手のひらが上向き)が正しいのだそうです。胎児は子宮の中でも手のひらが上を向いているのだといい、つまりこれがもっともリラックスできる自然な姿勢ということ。この状態でまずは息をゆっくり吐いて、呼吸を調えます。このとき、肺だけで呼吸をするのではなく、お腹で呼吸ができているか。椎名さんがひとりひとりチェックして、呼吸のコツを教えてくれます。しっかり肺の中の空気を吐き出したら、今度はお腹が膨らむくらいに息を吸い込んで~。呼吸のコツも教えてくれる呼吸ができたら、いよいよ姿勢を正していきます。イスに腰かけてみると、子どもたちって本当に姿勢が悪い!背中が丸くなっていて、今にもイスからずり落ちそう。そこで今度は骨の模型を使い、どの骨にどのように体重をかければきちんと座れるかを論理的に説明。「切り株の上にプリンがのっているというイメージで」なんて、子どもでもわかりやすいよう、感覚的な説明がすばらしく、ほんのちょっとのコツで誰もがきれいに座ることができました。保護者も一緒にトライしますが、背筋が自然にすっと伸びているにもかかわらず、どこかに力が入っているわけでもなく、これなら何時間でもきれいな姿勢で座っていられそう。ロジカルでありながら感覚にも訴える椎名さんの説明が“腑に落ちる”ことで、身体がはっきりと正しい姿勢を理解できたことがわかります。ぐにゃりとだらしがない、娘の姿勢。程度の差こそあれどの子もだいたいこんな感じで、改めて子どもの姿勢の悪さに驚かされる座骨の上に胴をのせる、というコツをつかんだら、誰でも即座に背がまっすぐに。しかも姿勢が崩れない!自分に意識を向けることが自分へのケアにつながる帰宅後、食事のときや本を読んでいるとき、やはりちょっと気を抜くとぐにゃりと背が曲がってしまっている娘。せっかくの教えが!とその都度「姿勢!」と声をかけますが、座り方を直すことですぐにすっと背筋を伸ばすことができています。「お♪」とうれしくなったのは言うまでもありませんが、なにより驚いたのは、就寝時。翌日に楽しい予定などがあるとなかなか眠れない娘ですが、椎名さんに教えてもらったように手のひらを上にしてあおむけに寝て、腹式呼吸をさせてみると、あっという間に眠ってしまいました!ああ、これが椎名さんの言っていた“三調”なのだな、とここでも納得。正しい姿勢で行う正しい呼吸は、心を調える。それを目の当たりにした瞬間でした。椎名さんによると覚えが早い分、忘れるのも早いそうで、せっかく覚えたものを忘れないためには、常に自分の体を意識することが大切だといいます。「自分に意識を向けるということは、自分をケアすること」だという椎名さんの言葉を、深く心に刻んでおきたいと思います。ZEN呼吸法親子講座~小学生と保護者のためのZEN呼吸法(不定期開催、リクエスト応相談)大人1人・子ども1人(合計2人):1万5000円大人1人・子ども2人(合計3人):2万円※約2時間写真:©岩佐史絵<文・写真:フリーランス記者岩佐 史絵>
2018年10月20日日々穏やかでありたいなと思いながらも、気づけば色々なことに追われ気持ちばかりが前へ前へ。そんなときポンと肩を叩いて「ほら、深呼吸!」なんて言ってもらえたら、ふと楽になりますよね。どうやら呼吸はわたしを整えるヒントになってくれそうです。 そんなわけで記念すべき第1回目は、いつも無意識でくり返している「呼吸」を習いに「呼吸ラボラトリー」を主宰するアマミヤアンナさんを訪ねました。 レッスンが開かれているのは表参道の小さなアトリエ。 「まずは吐くことを意識してくださいね」畳のうえに寝ころんで軽くストレッチをした後、障子越しに差し込む柔らかな光のなかで、静かにレッスンがはじまりました。 「ふだん無意識にしている呼吸を丁寧に感じていきます。吐くことってあまり意識しないですよね?」 たしかに呼吸と言われると、まず思い切り息を吸いますね。でも吸うときに体は緊張し、吐くときにゆるむのだそう。今日は体をゆるませることが目的なので、吐くことをしっかり意識します。 「鼻からゆっくり吐いてください。吐くときお腹をへこませます。そして吐き切ったらお腹の力を抜きます。力を抜けば必要な分、ちゃんと息が入ってくるから吸おうとしないで、ただゆっくり息を吐いていきますよ」 丁寧に指導してくれるアマミヤさん 鼻だけで息を吐いて、同時にお腹をへこませて、、、手順を頭でなぞりながら集中してくり返していると、「あ、がんばらないで下さいね」とアマミヤさん。「呼吸で体も心もゆるんでいく、というのが目的ですからね、がんばったら意味ないです。笑」 ドキッ!知らぬ間にがんばっていました。マジメな人が多いから、はじめはだいたいがんばっちゃうのだそう。慣れてくると一連の流れが自然にくり返せるようになります。 吐くことで副交感神経が優位に働き、自律神経を整えてくれるのだとか。 自律神経というのは、自分の意志と関係なく働いている神経で血管や内臓の動き、消化や呼吸なども司っているそう。そのなかで呼吸だけが自分の意志でコントロールできるため、呼吸を活用することで、乱れた自律神経を整えることができる、というわけ。 息を吐くと、心が静まり、感情から離れることができるといいます。感情から離れると、自分を客観的に見ることができるそう。 なんだか私とても疲れていたな、とか。私いまイライラしている!とか。そういうことに気がつくと、体はそれを手放していく準備に入るようです。 寝ころんでの呼吸が終わったら、今度は座って呼吸します。 用意された小さなブロック(代わりに座布団を半分に折ったものでも)に座ってあぐらをかきます。あぐらが難しい人は正座でも大丈夫。そして骨盤の真ん中にある仙骨という骨をグイッと立てます。これがスイッチオンの合図。その上へと連なる背骨(頚椎、胸椎、腰椎)全部で24個をひとつずつ積み重ねていくイメージで姿勢を整えていきます。 最後は頭頂部が天とつながるイメージ。そして仙骨からは地を突き抜けて地球のまん中と繋がるイメージ。だから天と地の真ん中に自分がいる感じですね。 イメージするということも大切なのだそう。あ、そうそう呼吸のあいだは目をつぶっていますよ。 まずは鼻で吐きながらお腹全体をへこませていきます。吐いたら力を抜きます。それをくり返すこと1分ほど。続いては丹田を意識します。 丹田とはおへそから9センチ下にあるエネルギーの出入口。体のなかで大切なポイントです。今度はそこを背中に引き寄せながら息を吐きます。吐いたら力を抜く。それをくり返していると、体がポカポカしてきました。 途中でアマミヤさんがそっと背中に触れてくれました。手を当ててしばし。すると、あ、そこ強ばっていたな、と気づきます。 気づいたら、手の温かさとともにそこが少しずつゆるんでいくのがわかりました。そして、その部分に呼吸が広がっていく感じがしたのです。私が息を出し入れしていた容器が、ふと1.5倍くらいに膨らんだ感じで、胸が楽になりました。 冷えとりをしているアマミヤさんの足元 呼吸の醍醐味は「気づくこと」なのだそう。いつも意識していなかったところにスポットが当たって、私けっこう緊張していたんだな、とか、私こんなことしてみたかったんだよな、とか。 小さな気づきが変化をもたらし、新しい自分に出会うきっかけになることも。忙しくて、文字通り心を亡くしている自分に気づくと、自分に少しやさしくしてあげられるかもしれません。呼吸をきっかけに心と体がバランスを取りもどすと、心がしっとりとして穏やかになれるのだとか。 「呼吸は何の道具もいらないから、いつでもどこでもやれる。そしてタダというのもいいですよね!」とアマミヤさん。 心がざわついた時など、まずは1分だけでもお試しを。目を開けたとき、ふと口角が上がって、パッと視界が明るくなっているかもしれませんよ。 「呼吸ラボラトリー」師匠 加藤俊朗先生の「呼吸のノート」はレッスンでも使用中。 アマミヤさんが制作に関わっている書籍やノートが教室の片隅に。こちらもオススメです!
2018年07月02日心理カウンセラーの小高千枝です。よく取材などでコメントを求められるときに、「先生はどんな風にストレス発散をしているのですか?」「どんな方法がセルフケアとしておススメですか?」と質問をされます。多忙な大人の女性ならば自分ケア(セルフケア)をきちんと見つけておいて、日常的にスマートに取り入れたいもの。自分に合ったセルフケアを見つけていただくために、私が実践している4つの方法をご紹介しましょう。その時の自分の “心と体のコンディション” にあったセルフケアを私の場合は、一言では言えないくらい沢山のセルフケアの方法を持っています。自分自身を世の中のしがらみや束縛から解放してあげたときの、「リラクゼーション」がメインのことであったり、自分を更に向上させるための「モチベーションアップ」のためであったり、ケースバイケースで様々です。私のセルフケア術について質問されると必ず、「これはあくまでも “私” にとって心地よいこと、楽しいこと、ストレス発散になることであって、専門家が “いい” と言ったからと言って、すべての皆さんが “いい” と思うとは限りません。判断材料のひとつとして捉えていただき、皆さんそれぞれにあったケアの方法をみつけてみてください」このようにお伝えしています。ただし、共通して言えることは「自分を許す」「自分に緩みをもたらす」こと。その中でその時の自分の心と体のコンディションにあったセルフケアを選ぶこと、です。それでは具体的にご紹介してまいりましょう。その1.「呼吸」ケアで、体のむくみや疲労を回復!私たち人間は、呼吸をして生きています。そして丁寧な呼吸を心がけるだけで、心と体に大きな影響を与えることをご存知ですか? 集中力を高めたり、リラックスをするためにおすすめしているのが「腹式呼吸」です。気分がリラックスしている時にでる脳波(α波)が、腹式呼吸をすることで大きくなり、集中力が高まることに繋がるのです。身近でできる、何の道具も要らないリラクゼーション法です。また、腹式呼吸をしながら頭や足から毒素が抜け出ていくというイメージトレーニングもおすすめです。床へ寝そべり、頭、右手、左手、右足、左足と順にマイナスの気を呼吸とともに吐き出す感覚です。抜け感を感じるとすっきりとした気持ちになり、むくみや疲れがすっと抜け落ちるのです。最近、カウンセリングのご依頼の中で、ファミリーカウンセラーとしてご家族の皆さんを見させていただく機会が増えてまいりました。受験を控えたお母さまのケア、お子さまのメンタルトレーニングとしても、「腹式呼吸」をおすすめしています。ついイライラしがちな受験を前に、親子で一緒にリラクゼーション。お母さまはむくみやイライラが消え、お子さまは集中力が増して勉強の効率があがります。親子のコミュニケーションとしても、とても効果的です。お金をかけず、特別な用意をしなくても「身近でできるセルフケア」のひとつとしてぜひ試してみてください。その2.自分にあった “ご真言” を見つけ、唱えてみる“ご真言” というと何となく怪しい? 古臭い? と感じる人も多いことでしょう。実際、私もそう感じておりましたし、今でも基本的には “いいとこどり” で自分にあったものしか、日常には取り入れていません。ただ、古くから伝わる言葉や慣わしに対する興味関心が深くなり、古都へ足を運ぶ機会があるときは、以前と比べて神社仏閣、仏像などの意味を捉え、ご真言を唱えながら拝むなど、だいぶ楽しみ方が変わってきました。そして、学ぼうとする意欲も出てきたことは、新しい自分に出会えたひとつのきっかけにもなりました。私には“観音さま”のご真言があっているかな、と思っております。それは、以前にとても不快な出来事が起こったとき、不動明王さまのご真言を唱えていると、わたしの師匠が「小高にはちょっとエネルギーが強すぎるかも。観音(観世音菩薩)さまのご真言があっている」とひとこと。以来、観音さまのご真言を唱えるようにしています。目を閉じ、瞑想をしながらご真言を唱えることもありますが、掃除をしてキレイになった部屋に、さらにいい気の流れをもたらすために唱えてみたり、移動中に外を眺めながら心の中でつぶやいてみたり。しっかりと「やるぞ!」と気合を入れるよりも、日常の中でスッキリしたい時に自分のペースでやっています。皆さんも興味がありましたら、ご自身にあったご真言を探してみてはいかがでしょう。その3.その時の気分にあったことを、“とことん” やり抜くストレスや疲れが溜まっていることを、鎧や武器にしていることってありませんか? 休息する時間が無い方が、たまには全面アピールをして「私は疲れていますから! 休みます! 」宣言をすることはOKです。ただし、常に疲労感を全面に出し、周囲にも腫れ物にさわるように気を遣わせてしまっていることは大人のマナーとしても見直したいところ。これは “セルフハンディキャッピング” といい、失敗した時でも言い訳ができるようについ自己防衛をしてしまうことでもあります。何故 “疲労” “ストレス” という名の鎧をつけているのか内観してみてくださいね。「自分に自信がない」「甘えたい」。そんな気持ちが見え隠れしているのではないでしょうか? この鎧に気がついたら、心の根底に意識を向け、セルフケアを。そして、リセット・リスタートを繰り返し、自分に素直に生きる選択肢があることを忘れないようにしましょう。まずは思いついたことを無理せず心から “本当の自由” を楽しむこと。それらを日常に取り入れるようになると、等身大の幸福感を受け止めることができるようになります。そして、些細なことでも心が満たされているからこそ、物事に対する “欲” やマイナス感情の “執着心” が少なくなった自分を喜ばしくも感じるようになるでしょう。例えば、完全に自己解放する時間を設け、その時の気分にあったことをとことんやり抜くように気持ちをシフトする。スマホや電話連絡、SNSなどに縛られず、気心知れた友人と食事に行ったり、エステやマッサージでプロに体を委ねたり、1人で篭って映画を見たり、など。一社会人として、大人として振舞ったあとの “完全OFF” としての緩みのもたらし方。それを習得できると、楽しい上にとても楽になりますよ。その4.“なんとなくの幸せ” を実感してみよう自分自身が心から望む “セルフケア” の中で、スペシャルなこともあれば、小さな幸せを積み重ねることもあります。ぜひ「なんとなく幸せ」…と感じることを実践してみてください。たとえば私の場合は、“5円”と“50円”をがま口のお財布にためることが、見た目にも実感できる「なんとなくの幸せ」のひとつです。実家でみつけた古いがま口のお財布。それを見るだけでもほっとしますが、神社仏閣巡りのために、そのお財布がパンパンになることが楽しみで…。日常の中で“5円”と“50円”の小銭が出てくると自宅へ戻り、そのがま口へ。「うふふ」と秘かに喜んでいるのです。小さすぎる幸せですよね。そして、完全なる休みができた途端に京都や奈良へ飛び立つ、そんな勢いのある自分が何となく好きだったりもします。お財布の中を毎日整理することで、お金の使い方を考えるきっかけにもなりますから一石二鳥です。スペシャルな「これは最高!」と大きな声で叫びたくなるような幸せと、なんとなく無意識に選択している自分なりの幸せ。どちらにも「心から笑っている自分」がいるはずです。そして、それらを繰り返すことで必然的にセルフケアができている、ということにも繋がるのです。いかがでしたか? 忙しい毎日だからこそ、セルフケアはとても大切です。ぜひトライしてみてくださいね。
2015年10月28日無意識のうちに呼吸が浅くなっていることってありますよね。深く呼吸する習慣をつけるには、腹式呼吸がいいと言われます。上手な腹式呼吸の方法を学び、快眠ライフを手に入れましょう!疲労回復に深呼吸深呼吸していますか? 深呼吸をすると、リラックスするだけでなく、さらに睡眠の質アップ&疲労回復にも効果的なのだそうです。深呼吸であればいつでも簡単にすることができるので、日常生活に積極的に取り入れていきたいですね!そもそも、人はなぜ緊張状態になったり、リラックスしたりと変化をするかご存知でしょうか。それには交感神経と副交感神経という2つの神経が関わっていると言われています。運動したり、頭を使うなどの興奮状態になっているときは交感神経が優位になっていて、睡眠時や休憩中は副交感神経が優位になると言われています。睡眠には副交感神経がポイント質の高い睡眠を得るためには、副交感神経が優位な状態をつくりだす必要があるというわけです。みなさんも猛勉強した直後や神経が高ぶったままだと眠りにつけなかったという経験があると思います。これは交感神経が優位な状態のまま、睡眠に入ろうとしたことが1つの原因だと考えられます。それでは、どうしたら副交感神経を優位にすることができるのでしょうか。そのためには深呼吸、いわゆる腹式呼吸が効果的だと考えられています。ヨガの映像などでお腹をへこませたりふくらませたりして深い呼吸をしているところを見たことはありませんか? あれが腹式呼吸です。腹式呼吸の方法腹式呼吸の方法をご紹介します。ポイントは「胸ではなくお腹を使って呼吸する」というイメージをもつことのようです。まずは空気を吐き出すことから。口から体の中にある空気を全て吐き出します。残らず吐き出すことが大切だそうです。次に鼻から息を吸います。お腹に空気を入れてふくらませるイメージです。最後に、吸ったときの2倍ぐらいの時間をかけて口から少しずつ息を吐き出していきます。これを繰り返すことで腹式呼吸ができるようになると言われています。さぁ、今日から早速、眠る前などに腹式呼吸を取り入れて、副交感神経を優位にして質の高い睡眠をとるようにしましょう!Photo by RelaxingMusic
2015年03月02日