中央がオスカー(写真:Album/アフロ) 『ゴーストバスターズ2』(1989)で、シガニー・ウィーバー演じるデイナの息子オスカー役を務めたヘンリー・“ハンク”・デュッセンドルフが6月14日に自殺していたことがわかった。 「オスカー」にピンと来なくとも、大魔王ヴィーゴを復活させるための依り代として誘拐されてしまう赤ちゃん、と聞けば思い出す人も多いのではないだろうか。劇中では幼児の長時間撮影を避けるため、ヘンリーとウィリアムの双子が交互に登場していた。 28歳で兄弟を失ったウィリアムによると、ヘンリーは2008年から双極性障害と統合失調症を併発した統合失調感情障害を患っていたという。幻覚、抑うつ、躁状態に日々苦しみながらも、双子で格闘技スクールを経営していた。当局は死因を自殺と断定している。
2017年06月22日17日に52歳で死去したクリス・コーネルの死因が自殺であることが明らかになった。ロックバンド・サウンドガーデンやオーディオスレイヴのボーカルとして活躍したクリスが、ミシガン州デトロイトのMGMグランド・ホテルの一室で首を吊って死に至ったと検視局が発表した。ウェイン郡検視局は18日に声明を出し、「死因は縊死自殺であることが判明しました。検視報告はまだ完成していない状況です。現在のところ、これ以上の情報はございません」と発表した。死の数時間前には、クリスはサウンドガーデンのツアーの一環でフォックス・シアターでの満員御礼のコンサートでパフォーマンスを行っており、クリスの死は「突然で予期せぬ」死だったようだ。さらに、クリスはニューアルバムにも取り掛かっていたところだったと、ギターのキム・セイルがクリスの死の直前にビルボードに明かしていたばかりだった。「ここ数年、ちょこちょこ曲作りのセッションをしてたんだ。4人全員がみんな都合のついて集まる時期を調整してさ。お互いそれぞれがやってきたこと、自分で書いたものを見せ合って、このプロセスから何かできるかっていうのをみるためにね」(C)BANG Media International
2017年05月20日《担任によって学力、存在価値、生きがい、性格etc.私の人生全てを壊された》 2月6日、愛知県一宮市の中3男子が大阪市内の商業ビルから飛び降り自殺した。生徒が友人に託した携帯ゲーム内のメモ機能には「遺言」と題して冒頭の言葉が。学校側は12日に会合を開き、自殺の原因を「担任によるいじめ」と説明。だが翌13日に一転し「担任によるいじめの有無は不明。遺族の気持ちをくみ取っていじめという言葉を使った」と翻した。 今回、Aくんの母親は女性自身で90分にわたりその胸中を語ってくれた。発端はAくんが中学3年生に進級した昨年春。問題の教師が担任を受け持つことになったという。 「最初に担任から電話があった際、応対した主人に何も名乗らずいきなり『本人(Aくん)かお母さんいますか』と言ったそうです。息子も『先生は生徒を叱るときもすごくヒステリックで。その声が教室中に響き渡るほどだった』と言っていました。先生の癖なのか生徒の背中をすぐ触ってくるそうで、『すごくイヤだ』とも言っていましたね。教科書をうつむいて読んでいて、顔を上げたら間近に先生の顔があったという話も聞きました」 そんななか、Aくんの運命を左右する事件が起きる。昨年9月24日の体育祭で組体操をしていたAくんは激しく転倒。その際、両手親指を骨折してしまったのだ。 「息子は学年主任の先生に指の状態を見せたそうですが、スルーされたそうです。息子が帰ってきた後、私は担任に電話で『指を骨折したようなので、病院に連れて行きます。後ほど診断結果をお電話しましょうか』と伝えました。すると『今日は用事があるので』と断られたんです。耳を疑いました。当然、『連絡ください』と言ってくれると思ったのに」 実はその夜に体育祭の打ち上げがあり、担任は飲み会に参加していたというのだ。骨折の診断がされた後、母親は不信感を抱えて学校へ赴いた。体育祭から2日後のことだった。 「教頭先生がいたので『うちの子が体育祭で指を骨折したのを知っていますか?』と尋ねたところ、『えっ、何のことですか?』という返答が返ってきました。担任は、学校内の誰にも事故を報告していなかったんです。もう、信じられませんでした」 治療を続けていたAくんだが、親指は変形してしまう。その間はペンを持つこともままならず、成績も急降下。工業高等専門学校への進学を望んでいたが、厳しい状況に陥った。しかし母親が問題にしているのは、ケガやその影響による成績不振ではない。 「私たちが何に憤りを感じているか、間違わないでほしい。骨折やペンが持てずに勉強できなかったのは、後から言っても仕方のないこと。担任が打ち上げで飲み会に行ったことも、怒ってはいません。でもケガをした生徒を前に、担任としてすることはいくらでもあったはず。応急処置をするとか、対応した後で飲み会に遅れて参加するとか。でも彼らは何もしてくれなかった。この学校はすべて生徒のことを後回し。それが許せないんです」 今回、本誌は担任の自宅を訪ねた。Aくんの自殺についてどう考えているのかと尋ねたが、彼は玄関越しに「それは第三者委員会で話しますので」と一言。その後も声をかけたが「生活があるので」と言葉を濁すばかりだった。Aくんの母親は、断腸の思いでこう語る。 「今、私は後悔でいっぱいです。息子の命が守られるなら、学校なんか行かせなくてもよかった。むしろ不登校のほうがよかった。そう心から悔やんでいます」
2017年02月23日タレントのウエンツ瑛士(31)が、23日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)で、自殺した女子中学生が写った写真のコンテスト最高賞が一旦は取り消されながら一転して授与された問題についてコメントした。自殺した女子中学生の写真は、遺族の了承を得た上で最高賞となる市長賞に内定していたが、青森県黒石市の高樋憲市長と実行委員会の意向により取り消しに。それを受けて遺族が氏名と写真を公表、批判の声が高まったことで市は取り消しを撤回した。この問題が番組内で取り上げられると、ウエンツは「こんなにも人の気持ちを考えられないのかなと思いました」「素直に衝撃です」と驚きをあらわ。遺族感情を思いやりながら、「なぜ取りやめたのか。保身ばっかりじゃないですか?」と市の対応に疑問を投げかけ、「自分たちが割りを食わないように。それの連続。連続すぎてわけわからない」と不快な思いを表現した。また、「いじめた側も組織も、みんながYESの方に行ったらYESに」と指摘。「いじめた側も主犯に逆らうといじめられるからそちら側にいく」とした上で、「実行委員会で『おかしいよ』という人は出てこないのかな。そこから外れることが自分が被害になっちゃうから」と集団心理の観点からも批判した。
2016年10月24日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(53)が、11日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、過去に自殺を考えたことがあると告白した。「4人に1人が自殺を考え、1年以内の自殺未遂経験者は推計53万人」という日本財団の調査結果が番組内で取り上げられ、司会の東野幸治(49)が「皆さんは自殺考えたことないでしょ?」と振ると、松本は「いや、そんなことないよ。何度かはあるよ」と即答した。東野が「本気でですか?」と驚くと、松本は「どこまでが本気?」と笑い、手首にカミソリを向けるようなことまではしたことないらしいが、「もうええかみたいに思った瞬間は生まれて1回、2回はない?」と周囲に問いかけた。松本にとって、今回の調査結果は「ポジティブ」で、「死のうと思ったけど、今は頑張って生きている人が53万人いるということやからね。現に死んでないわけやから」と説明。「20代の頃とか。30代ぐらいもあったかなぁ」と自身が自殺を考えた頃を思い返し、「すごい悩みがあってというわけではないけど」「ええかなぁって思ったことはあるけどね」と語っていた。
2016年09月12日女優の杉本彩(48)が、28日に放送されたテレビ東京系トーク番組『じっくり聞いタロウ』(毎週木曜24:12~)にゲスト出演し、過去に自殺未遂をしていたことを告白した。「芸能界に入るつもりは全然なかった」という杉本。「子どものころ、家が結構複雑になりまして……」と思い返し、「自立して仕事して生きていかないとあかん」と心に決めて15歳のころにモデルの仕事をはじめたという。年齢的にどこも雇ってくれなかったことから、モデルという選択肢しかなかった。杉本の運命を変えた"複雑"な事情とは、「父が友人の借金の保証人になった」こと。結局、父がすべての借金を背負うことになり、自宅まで手放すことに。両親は夫婦喧嘩を毎日繰り返し、金銭的にも苦しい生活が続いた。母は毎晩酒を飲み、悲しみや怒り、愚痴を長女である杉本に吐き続けた。必死に受けとめようとしていたがある日、精神的に追いつめられて限界に。遺書を書き、ついには手首を切ってしまう。かなり深い傷だったが、ちょうど帰宅した母がすぐに病院に連れて行き、なんとか一命を取り留めた。「本当に耐えられなくなっちゃってたんだと思うんです。『死んでしまいたい』となっちゃって」と当時を振り返る杉本。「本当に」と言いながらうつむき、「本当に生きていて良かったと今は思います」と晴れやかな表情を見せる。杉本の"自立"には、そんな背景があった。
2016年07月29日みなさんご存知の通り、日本は自殺大国。平成26年の調査では1年間の自殺者が2万5千人以上にのぼることがわかっており、若年層の自殺は先進国の中でトップクラスです。こんなにも自殺報道が多いと、どうにか自殺者が減らないものかと考えてしまいますよね。しかし、その人がなぜ自殺をしてしまったのかという理由は、潜在的なものも含め、多くの原因が混在しているのでなかなか特定はできません。ただ、自殺する人の多い職業には特徴があるということがわかっています。そこで今回は、アメリカの公衆衛生研究所が発表した「自殺者の割合の多い職業ランキング」をご紹介したいと思います。これは2012年のデータで10万人あたりの自殺率を調査したもので、カッコ内の人数は10万人のうち自殺者が何人いるかを表した数字です。■1位:農場労働者、漁師、および林業や農業従事者(85人)自然を相手にした職業は労働条件が過酷な上、予期せぬ天候不良で育てた作物に被害がでると収入が激減してしまいます。日本でも平成26年の調査によると、自殺者の1.87%が農業・漁業・林業の従事者となっており、最も自殺者の多い職業のひとつといえます。■2位:大工、鉱山労働者、電気技師、建設トレーダー(53人)屋外で働き、危険を伴う作業も多いため心身ともに疲労が蓄積しやすい職業です。日本でも平成26年には土木建設関連の仕事をしていた340人が自殺しています。■3位:機械工および機器の設置、メンテナンス、修繕に携わる仕事(48人)重労働であり、取引先などとのコミュニケーションも必要。トラブルが発生すると駆けつけなくてはいけないので長時間勤務になりがちです。■4位:工場および製造業における労働者(35人)夏場は暑く、冬場は寒い中での作業になりがちです。また夜勤なども多く生活が不規則になるので、うつ病の発症率も上がります。■5位:建築家、技術者(32人)建築家や建築士の仕事は図面の締め切りとの戦いです。特に個人事務所を開業している人にとっては仕事をひとつ失うと大きく収入が減ってしまいます。■6位:警官、消防士、刑務官、その他保安職業に携わる者(31人)子どもにとっては憧れの職業ですが、常に危険と隣り合わせです。事故や事件などショッキングな場面に立ち会うことも多く、厳しい環境の中で働かなくてはいけません。■7位:芸術家、デザイナー、芸人、スポーツ選手、メディア関係者(24人)華々しく活躍しても急に仕事がゼロになることもあるなど、浮き沈みの激しい業界です。また最近ではネットでの中傷なども多く、精神的に追い詰められてしまう場合もあります。■8位:コンピュータープログラマー、数学者、統計学者(23人)常にコンピューターと向き合う仕事のため、心身ともに疲労がたまりやすく、うつ病を発症する人も多くいます。■9位:運輸業従事者(22人)長距離の運転や、深夜の運転などが多いため、家族との過ごす時間があまり取れず、家庭内の不和も起こりやすくなります。日本でも平成26年に運輸従事者の318人が自殺しており、全自殺者の1.25%となっています。■10位:企業の役員や管理職、広告や広報関係者(20人)常に大きな責任を追及される仕事です。日本の調査結果でも部長・課長クラスの自殺者が117人なのに対して、役員は248人と2倍以上の数字になっています。■11位:弁護士と法律制度の労働者(19人)アメリカではロースクールに通っている生徒の4割がうつ病だといわれています。弁護士は紛争の間に入るのが仕事のため、常にピリピリした環境で働かなくてはいけません。■12位:医師、歯科医師および他のヘルスケアの専門家(19人)長時間労働や夜勤など厳しい労働条件で働かなくてはいけないうえに、常に死と向き合う環境のため、うつ病を発症する人が多い職業です。しかし、自分のキャリアに傷がつくことを恐れ、なかなか治療に踏み切れず、手遅れになってしまうこともあります。■13位:科学者や研究室の技術者(17人)新しい論文へのプレッシャーが大きくストレスの原因に。企業で働く研究者も成果を出さなければいけないため、長時間労働になりがちです。■14位:会計士、金融業務(16人)金融関係者の自殺は経済の状況によっても変わるといわれています。他人のお金を預かって運用するなど責任も重く、一夜にして大損害を出すこともあるため常にプレッシャーのかかる職業です。■15位:看護、医療助手、医療支援(15人)医師と同様に労働条件の厳しい職業です。また女性の多い職場のため、人間関係のトラブルが起きることもあります。■16位:聖職者、ソーシャルワーカー、その他の社会サービス従事者(14人)福祉関連の仕事もうつ病を発症する人が多くいます。高齢者のお世話などは肉体的にも精神的にもストレスが溜まりがちですが、真面目な人が多く一人で抱え込んでしまうケースもあります。■17位:不動産エージェント、テレマーケティング、販売(13人)金融業界と同様、不動産はハイリスク・ハイリターンの業界のためストレスが溜まりやすい職業です。また厳しいノルマを課される場合もあります。■18位:ビルの清掃、メンテナンス業(13人)大きなビルの清掃やメンテナンスを任される場合はとても体力のいる仕事です。給与が安い会社も多く、他の仕事と掛け持ちしなくてはならないケースもあります。■19位:シェフ、食品サービス従事者(13人)オーナーシェフになると、料理のことだけではなく店のマネジメントを考えなくてはいけません。評判が下がれば店の存続が難しくなってしまうため、常にライバル店との競争が必要になります。■20位:チャイルドケア・ワーカー、理髪店、動物のトレーナー、パーソナルケアおよびサービス(8人)毎日様々な人と関わる仕事は、人付き合いが苦手な人にとっては大きなストレスに。クレームなどを受けることも多く、精神的なダメージとなる場合もあります。*どんな仕事もストレスを避けるのは難しいことですが、身近に特に厳しい環境で働いている人がいる場合は、ちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。(文/平野鞠) 【参考】※These jobs have the highest rate of suicide- CBSNews.com
2016年07月07日いじめによるものから芸能人関連まで、自殺に関する報道は少なくありません。最近では中学生の自殺が話題になったほか、ライターの北条かやさんが自殺騒ぎを起こしてネット上で大きな騒ぎになったりもしました。自殺に関する報道は、私たちにいじめ等の社会問題を提示してくれますが、その半面で「メディアが報道することで自殺が増えるのでは?」という疑問の声が上がっているのも事実です。かといって、それらの報道を一切しないというのも問題でしょう。では、自殺に関する報道はどうあるべきなのでしょうか?■メディアの伝え方で自殺数は激減する報道と自殺の関係を示す例として、オーストリアの地下鉄自殺の話がよく上がります。オーストリアのウィーンでは、マスコミが地下鉄での自殺をセンセーショナルに報道しており、「メディアが自殺を煽っているのでは?」と考えられていました。それを問題視したオーストリア自殺予防学会の訴えによって、報道の仕方が変わることになります。ウィーンのメディアが、自殺者を英雄的に扱うことや、自殺の方法を報道することを止めた結果、地下鉄での自殺や類似の自殺は80%以上減少したのです。また、フィンランドでもマスメディアが「自殺」という単語を使用しない・自殺の経緯を報道しない等の原則を立てたことで、自殺数が減少しているようです。実際、メディアの報道の仕方ひとつで自殺数が変ることがわかりました。ではなぜ、メディアは自殺に関してセンセーショナルな報道をしてはいけないのでしょうか?■気を付けるべきなのはウェルテル効果オーストリアで地下鉄自殺が増加した原因として「ウェルテル効果」という現象が上げられます。自殺に関する報道がされた後、同じような自殺が連鎖的に発生するという現象です。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』がベストセラーになった後、若者が主人公の真似をして自殺を図る事件が相次いだことから命名されました。「ウェルテル効果」を発見した社会学者、フィリップスは「自殺率は報道前ではなく、報道前に上がる」「自殺が大きく報道されるほど自殺率が上がる」「自殺の記事が入手しやすい地域ほど自殺率が上がる」ことを実証的に明らかにしました。日本でも、X JAPANのhideさんが急死した際、メディアが自殺だと報道した後、ファンの後追い自殺が急増しました。これもウェルテル効果によるものだと考えられています。オーストリアの鉄道自殺もセンセーショナルに報道した結果、ウェルテル効果を引き起こしてしまいました。では、日本のメディアは自殺件数を減らすためにどのような報道をすればいいのでしょうか?■WHOによる勧告から何を学ぶべきか上記のことを踏まえて、WHOは「自殺予防 メディア関係者のための手引き」を発表しました。2000年に発表されたこの勧告では、メディアが自殺をどう報道する際の注意点がまとめられています。日本のメディアもでもこれを基に報道をしていますが、徹底できているか疑問が残ります。「自殺を問題解決法として扱わない」ことは、いじめ問題の報道の際に気をつけたいことのひとつでしょう。いじめを受けている学生が、「自殺すれば救われる」と考えないようにするのもメディアの役目です。数年前から学生が自殺するニュースが後を絶たないのは、報道の仕方に問題があるからかもしれません。また、日本の報道は遺族に関する配慮も欠けている可能性があります。事実、遺族へのインタビューや、自殺した方の卒業文集を報道することに対する批判をよく耳にします。特に著名人やいじめによる自殺を報道する際には、遺族への配慮はもちろん、見出しのつけ方やセンセーショナルに報道しないことを徹底すべきでしょう。*メディアがどこまで報道していいのかというのは、非常に難しい問題です。しかし、メディアが自殺の背景にあるものを決めつけたり、誇張して報道したりしてはいけないということは間違いありません。(文/堀江くらは) 【参考】※自殺予防 メディア関係者のための手引き-内閣府※報道各社へのお願い-日本小児精神神経学会
2016年04月21日エマーソン・レイク・アンド・パーマーの結成メンバーでキーボードのキース・エマーソンの死が、自殺によるものだとロサンゼルスの検死機関が判断した。10日にサンタモニカの自宅で亡くなっているところを発見されていたが、38口径の銃で頭部を撃って自らの命を絶ったと検案書が出された。さらに、同市の福祉保険局の広報担当は、死亡時にキースは心臓病やお酒による気分の落ち込みも患っていたと明かした。長年のパートナーであるカワグチ・マリは以前インタビューの中で、キースは右手の神経にダメージを受けたことでキーボードの演奏に影響が出ており、予定されていたツアーを前に精神的に苦しめられ続けていると話していた。「キースは悪い部分の筋肉を摘出する手術を数年前に受けました。ですが、右手の痛みと神経の問題は悪くなる一方でした。彼はファンをがっかりさせたくなかったのです。完璧主義者でしたし、その完璧に演奏しようとする考えが、彼の気分を落ち込ませ、ナーバスにさせ、不安にさせたのです」カワグチがサンタモニカの自宅マンションに帰宅した際に、キースが死亡しているところを発見。バンドで長きに渡り時を共に過ごしたカール・パーマーがキースの死を公にし、友のために追悼コンサートを開催するつもりだとも発表していた。「キースは今後も唯一無二の存在として君臨するキーボードプレイヤーとして音楽への愛、パフォーマンスへの情熱をもった優しい魂の持ち主です。パイオニアであり革新者であった彼の音楽はロック、クラシック、ジャズの世界で全ての人の心をつかみました」とカールのウェブサイトに声明が出されていた。1970年に結成されたエマーソン・レイク・アンド・パーマーは『カルカス』『恐怖の頭脳改革』などを含むアルバム9枚、ライブアルバム17枚を世に送り出している。2010年にハイ・ボルテージ・フェスティバルでバンド結成40周年を記念してバンドとして最後となるライブを行った。バンド活動をしつつも、キースはソロでも音楽を発表しており、ソロアルバムを出したり、1980年ダリオ・アルジェント監督作『インフェルノ』や1981年シルヴェスター・スタローン主演作『ナイトホークス』で映画音楽も手掛けたりしていた。生涯の伴侶となったカワグチとは、2人の息子をもうけている。(C)BANG Media International
2016年03月17日18年ぶりに、日本の自殺率が25,000人を下回りました。この問題は、海外でも報道されています。では、海外はどのような目で日本の自殺率低下を見ているのでしょうか?■日本の自殺率が高いのは労働時間のせい?海外の掲示板『reddit』では、喜ぶ声がもっとも多く見られました。「安倍総理とオバマ大統領のおかげだ。感謝したほうがいい」「日本の自殺率の高さは世界的に問題になっていたので、これはよいニュースだ」ただ、これまで日本の自殺率の高さは世界的に問題になっていたため、なかには疑問視する声も……。「人数が減ったのは人口が減っているからでは?人口の割合を見なければ意味がない」また、日本の自殺率が高い原因は長時間労働や精神科の治療に問題があるのではないか、と指摘するコメントも複数見られました。「日本の男性は長時間労働を余儀なくされていて、狂気に近い」「日本でも、男性は女性よりも遥かに自殺率が高い」「心理療法が普及しておらず、仮に国民健康保険に加入していたとしても、まだまだ心理療法は恥ずかしいと考えられている」「日本の精神科は10分診察するだけだからなぁ」「日本はさらに、精神科のケアを必要としている人たちを救う必要がある」「日本の精神科は、男性ホルモン療法で男性更年期の治療をしたほうがよい」■自殺率が高いことに対する意外な見方も!他には、高齢化にからめて考える文脈も少なくありませんでした。「高齢者は自殺しやすいので、これも大きな問題だ」年を取ると自分の存在意義を感じられなくなりやすいので、若いときより落ち込みやすい、といわれています。高齢者に対して、さらなるケアが必要でしょう。そして、日本と海外の文化の違いについて触れている意見も……。「日本では銃で撃たれる心配はないんだよな。そのかわり、自殺の心配がある」「日本では女性の一人旅は自殺だと思われるんだってさ。ホテルで止められたことがある」日本は海外にくらべたら、ずっと犯罪が少ないことで有名です。しかし、そのかわり自殺率が高いので、その点を疑問に感じる外国人が大勢いるようです。*自殺をゼロにすることは難しいでしょう。ですが、将来に希望を持ったり、孤独のなかで生きている人に声をかけたりすることで、救われる命があるかもしれません。行政や病院に任せるのではなく、私たちひとりひとりがこの問題と向き合い、命の大切さを再確認することが大切なのではないでしょうか。今年も自殺者がさらに減るように、みんなで考えていきましょう。(文/渡邉ハム太郎)【参考】※No. of suicides in Japan drops below 25,000 for first time in 18 years-reddit
2016年01月29日毎年、花粉症に悩まされているみなさんに驚きの新事実です。最近の研究で、花粉症患者が極度のうつ病になる割合が、ふつうの人の4倍、自殺率は30%も高いということがわかったのです。辛くて嫌な花粉症が、うつ病や自殺のリスクにまで関係しているとは驚きです。「たかが花粉症……」と侮らずに、きちんと治療をしたほうがいいかもしれませんよ。■くしゃみも長期に渡れば精神病に発展する可能性が花粉に対するアレルギー反応は、体じゅうの血管や組織に炎症反応を引き起こします。これが長い期間続くと、脳にまで悪影響を及ぼすと考えられています。たとえば、よくある「炎症」のひとつである「くしゃみ」は。花粉のようなアレルギーの原因を、体が追い出そうとして起こるものです。たかがくしゃみ、と思われるかもしれませんが、このような低レベルの炎症でも、花粉症のように数ヶ月単位の長期間続く場合は、中年以降に深刻な精神病になる可能性が高まるというデータがあるのです。■花粉症患者はふつうの人の4倍も躁鬱病になりやすい台湾の国立陽明大学の科学者たちは、花粉症を患う約1万人のティーンエイジャーと、花粉症を発症していない約3万人のティーンエイジャーを比較しました。2つのグループを10年近く観察し、躁病期(興奮しすぎて集中力を欠き、不眠に陥っているような時期)を特徴とする躁鬱病と診断された人が何人いるかを記録したのです。「心身症研究誌」に掲載された結果によると、花粉症を患っている青年期の人々は、そうでない人の4倍も躁鬱病と診断されることが多いことがわかったのです。花粉の時期に気分が落ち込むのは、気のせいではなかったのかもしれません。■自殺のリスクもうつ病じゃない人より30%高くなるまた、2010年のデンマークの研究によると、花粉症患者は自殺率も高くなるのだとか。オーフス大学の研究者たちが、自殺した人たちの中で、アレルギー患者とアレルギーの無い人の割合を比べたところ、花粉症のようなアレルギーを持った人は、アレルギーの無い人より、30パーセントも自殺のリスクがあることがわかりました。花粉症の影響、侮れませんね。■長期の炎症による幸せホルモンの低下がうつ病に関連くしゃみや鼻水のような「炎症」が、なぜ精神病と結びつくのでしょうか。明確な答えはまだ出ていませんが、アレルギー反応が出ている間につくられる「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質が関係していると考えられています。サイトカインは、花粉のような外部からの侵入者を追い出す役割をしていますが、脳の中にある幸せホルモン、セロトニンのレベルを下げる可能性もあるというのです。花粉症のように炎症が長期にわたると、どんどんサイトカインが分泌され、セロトニンは減り続けてしまいます。このことが、アレルギーによってうつ状態が引き起こされる原因なのではないか、というのが、いまのところもっとも有力な説だといわれています。現在、研究者たちはイブプロフェンのような炎症を抑える薬が、うつ病の治療に役立つ可能性について調査中。抗うつ薬が効かなかったうつ病の患者たちに、抗炎症薬を投与することでセロトニンのレベルを上げ、病状を改善できるのではないかと考えているのです。つまり、アレルギー症状を抑えたら、うつ病が改善するかもしれないということ。イブプロフェン配合の薬は薬局でも購入できるので、花粉症で気が滅入ってしまう人は試してみてもよいかもしれません。*花粉症や慢性鼻炎で精神病になるなんて、これまでまったく考えられてこなかったことですね。たとえ精神病に結びつかなかったとしても、花粉症や鼻炎で幸せホルモンが減ってしまうことは大問題。「この時期だけだから……」と我慢せずにきちんと花粉症治療をして、快適に過ごせるようにしたいですね。(文/スケルトンワークス)【参考】※Could a runny nose make you depressed? Hay fever sufferers may be four times more likely to develop the mental illness-Daily Mail Online
2015年11月30日日本の自殺率の高さについては、メディアでたびたび話題に上がります。WHOの調査によれば、世界的にも40秒に1人が自殺している計算になるそうです。今回は『The Richest』の記事を参考に、世界で最も自殺率の高い国トップ10をまとめました。表面的にはわからない、各国の影の部分が見えてくるかもしれません。■10位:ベラルーシ(10万人あたり20.5人)ベラルーシ国内では、自殺が死亡原因の第2位となるほどの社会問題となっています。ソ連末期の1930年代から上昇し、崩壊後のいまは特に45~64歳の男性の割合が増加しています。過去35年間で自殺率の改善が見られた唯一の時期がノンアルコールキャペーン中だったことをふまえても、労働者層における飲酒と自殺に強い相関関係があることは否めません。■9位:ラトビア(10万人あたり20.8人)1990年代半ばから減少してはいますが、いまだに自殺率は高い状況です。交通事故や殺人よりも割合は高く、主に40~49歳の男性の自殺者が多いそうです。自殺の原因となる要因としては、アルコール、失業や精神的病気など、女性よりも男性の方が影響を受けそうな事項ばかり。失業率とアルコール依存症の割合が高い限り、高い自殺率は維持されることになるでしょう。■8位:スリランカ(10万人あたり21.3人)計算上では1年間に4000人が自殺しており、1日あたり11人にものぼります。貧困や失業、借金などの生活苦が多く、特に割合が高いのは15~44歳の男性。1970年代は10万人に19人、1980年代は33人と上昇していましたが、2000年代に入ると少し落ち着きを見せはじめました。政府としては未だ主要な社会問題として、解決へ尽力しています。■7位:日本(10万人あたり21.4人)日本は、先進国のなかでは稀な自殺率の高い国。約70%の男性に自殺衝動があるといわれているため、潜在的に自殺する可能性がある人はさらに数多くいると考えられています。おもな要因は経済的困窮、社会的圧力やうつ病などの精神疾患です。政府も対策を行ってきましたが、いまだ抜本的な解決には至っていません。■6位:ハンガリー(10万人あたり21.7人)他の国とくらべ、女性の割合が高いのが特徴。ただ、上昇率だけを見ると男性の方が問題を抱えているといえるでしょう。特に、30~60歳で離婚や死別で独りきりになった男性の割合が多くなっています。要因としてはアルコールの過剰摂取や失業、タバコの消費量も関連があると考えられています。現在の政府は対策として、抗うつ病薬の処方など抑止力を強めていますが、今後はより深いメンタルサポートが鍵となりそうです。■5位:スロベニア(10万人あたり21.8人)旧ユーゴスラビアのこの小国は、200万人以上の人口のうち年間400人以上が自殺します。今世紀に入る前は年間600人でしたので、少しは低下が認められます。自殺原因の3分の1はアルコール摂取と関係しており、最大の危険因子です。2003年以降、新アルコール規制法により飲酒開始年齢は18歳と制定され、アルコール消費量は12%減少し、自殺率も30%から今日の数字にまで低下しました。■4位:カザフスタン(10万人あたり25.6人)世界で起こる自殺のうち3%はカザフスタンで発生しています。若者の割合が高いのが問題で、特に14~19歳の若い女性は世界で2番目に高くなっています。今世紀に入り、若者の自殺率は23%も増加しました。インターネットなど新技術の普及によって生活は便利になりましたが、格差は顕著になり、いじめも頻発したからです。■3位:ガイアナ(10万人あたり26.4人)南アメリカに位置するガイアナでは、経済的困窮が原因で、除草剤などの農薬を飲んで中毒自殺をする男性が数多くいます。アルコールに溺れるお金もなく、日々の鬱憤はDVなどで発散してしまっているようです。NPO組織などが問題解決にあたっています。■2位:韓国(10万人あたり28.1人)2012年に10万人あたり28.1%という不名誉な記録を打ち立てましたが、前年比11%は減少しました。主要な要因は、精神的・肉体的苦痛、経済的困難や家族の問題などで、多くが首吊りや中毒死を選んでいます。高齢化社会となっても、伝統的に両親の介護は子どもが自分ですることが多く負担となっています。親世代が子供世代の負担を軽減できるように、対策を考えていかねばなりません。■1位:リトアニア(10万人あたり31人)ソ連崩壊後、大規模な社会の激変もあり、いまだに大きな経済問題を抱えています。1998年のロシア金融危機と世界的な金融危機は、リトアニアの経済に大打撃を与え、特に男性の自殺率に影響しました。35~54歳の貧困男性で家族を扶養しているにも関わらず仕事のない男性もおり、アルコール依存に逃げ、自殺を選ぶ人も多いのです。✳︎悲劇的な10カ国。表面だけを見ていてはわからない問題が、自殺率という1つの数字を取り上げるだけで見えてきます。幸せに生きるために大切なことはなにか、もう1度考えてみませんか?(文(スケルトンワークス)【参考】※10 Countries With the Highest Suicide Rates in the World-The Richest
2015年10月22日近年、日本では学校でのいじめ問題が取り上げられることが多くなりました。子どもがいじめを苦に自殺するケースもあり、学校の対応が問題になることも。しかし、いじめが問題になっているのは日本だけではありません。イギリスの調査では、45%の子どもがいじめ被害にあい、70%はいじめられたあとに自分の見た目を変えようとし、24%は自殺を考えたといいます。『Daily Mail Online』で紹介されている、イギリスのいじめ事情を見てみましょう。■9~17歳の子どもの45%がいじめの被害者今回は「ダイアナ・アワード・チャリティー」が、いじめ対策に取り組んでいる1000以上の学校で、9歳から17歳の子ども、合わせて1,865人に調査を行いました。その結果として判明したのは、45%の子どもたちが日常的ないじめにあっているという事実。しかも24%は、いじめの標的になって自殺を考えたといいます。半数以上の児童がいじめのせいで憂鬱な気持ちになっているようです。■子どもが幸せではない、学校に集まる批判専門家たちは今回の結果を非常に心配し、学校はこの問題に対して十分な対策をしていないと述べています。ダイアナ・アワードのいじめ対策キャンペーンの代表であるアレックス・ホルムズ氏は、幼い子どもたちが11,000時間を教育に費やしていることに触れながら、「今回の調査は学校が子どもたちを安全で幸せな状態にすることができていないことを示しており、子どもが自殺を考えているということは受け入れがたい状況だ」と語っています。■インターネットの匿名性でいじめが深刻化現代のいじめは、自宅すらも安らげる場所でなくしてしまいます。いじめ被害者たちは匿名のソーシャルメディアを通じ、自宅にいながら追い詰められてしまう可能性があるからです。インターネットのせいで、学校の終わりがいじめの終わりではなくなっています。学校が終わっても続くいじめは、インターネット上での匿名性によって深刻化することがわかっています。ホルムズ氏は、「いじめはオンラインで続いていることがわかっています。インターネットは多くの目に触れ、しばしば匿名なので、いじめは増幅していきます」と語っています。学校では直接いじめられ、家に帰ってからはFacebookやTwitterなどのソーシャルメディア上にまで広がったいじめに悩まされている状況に対して、ホルムズ氏は警告を発しているのです。■いじめで自分の見た目を変える子どもたちさらに、いじめの影響は続きます。70%の子どもたちは、いじめられる恐怖から、自分の見た目を変えようと試みているというのです。10代の子どもたちは同級生たちに合わせなければというプレッシャーを感じています。髪を切ったり、ダイエットをしたり、メイクをしたりという涙ぐましい努力をしています。■大人になってからも続く、いじめの悪影響今回の調査では生徒の半数以上が、いじめのせいで落ち込んだ気持ちになったと報告しています。このいじめられたという経験は、被害者の人生につきまといます。いじめられた子どもは自尊心が傷つけられ、人と関係性を築くのが難しくなったり、就職に問題が起きたりすることが報告されています。事実、調査に協力してくれた578人の大人のうち、半数は若いころに悩まされたいじめは、まだ自分の人生に影響を与えていると言っています。*イギリスのいじめ調査では、衝撃的な数字が浮き彫りになりました。オンラインでのいじめが出現したことや、見た目を変えようとする点には日本と共通する点がありますね。子どもたちが学校でも家でも幸せに安心して過ごすためにはどうしたらよいのか、真剣に考える必要がありそうです。(文/スケルトンワークス)【参考】※Nearly half of all school pupils say they get bullied every day and a quarter have felt suicidal because of the way they are treated-Daily Mail Online
2015年09月18日みなさんは、先進7ヶ国のなかで15歳から34歳の死因の1位が自殺なのは日本だけ、という事実をご存知でしょうか。死亡率はアメリカやフランス、カナダの約2倍、ドイツやイギリスの約3倍、イタリアの約4倍となっているのです。ただし日本だけの問題ではなく、10代の自殺については、アメリカでも問題になっています。■自殺の平均年齢が14歳に低下している『Connecticut Post』が、「アメリカのコネチカット州では2007年以降、若者の自殺による死者数は減少傾向にあるもの、その年齢が若年化している」という調査結果を発表しました。なんと自殺した若者の平均年齢が17歳から14歳に下がり、自傷行為をした、もしくは「絶望を感じたことがある」と答えた数が上昇しているそうです。このコネチカット州の調査を実施した児童保護団体の代表者は、「現代の子どもは、人知れず心のなかで苦悩や失望感を増大させています。周囲には必ず救いの手があることに気づかせ、家族や子どもが抱え込んで沈黙のなかで苦しまないようにしなければならない」と解説しています。さらにこの団体の識者グループは、「公的な機関や教育現場にいる専門スタッフによるサポートと現場調査、医師による診察の機会を増やすことで、よりタイムリーで効果的な医療体制が子どもの自殺を防ぎ、予防策を講じることができる」と意見をまとめています。日本でもこういった取り組みが増えるといいですよね。■女子より男子が自殺行動を起こす傾向がコネチカット州では、2013年と2014年の最新の子どもの自殺数は、合計16名(女子11名・男子5名)でした。しかしアンケートにおいては、女子は気分が滅入ったり、鬱になったり、という段階を経ているのに対し、「男子は自殺という行動に直接結びつきやすい」という面が浮き彫りになっています。2年に1回コネチカット州が行なっている調査では、1年あたりの若者の平均自殺者数は8名とのこと。2013年実施分では、27.2%が悲しみや失望感を2週間以上にわたり「経験している」と回答、これは前回の24.4%よりわずかに上昇、男女別にくらべると女子の方が34.9%を占めて19.7パーセントの男子に比べてはるかに高くなっています。日本での子どもの自殺が、G7と比べると圧倒的に多いとはいえ、それは決して日本だけの問題ではないのです。コネチカット州のような自殺対策を、私たちも考えてみませんか?(文/Zoe)【参考】※Age of average teen suicide decreases-ctpost.com
2015年07月05日毎日、いろいろな種類のイヤなニュースが飛び込んでくる現代。もしかしたら、良い人ほど心を病んだり、健康を患ったりしているのかもしれません。今回は睡眠不足と自殺の関係に迫ります。睡眠不足に要注意!家族や恋人、友人などに「睡眠不足で悩んでいる人」がいる読者の方は、注意を払ってあげたほうがよいかもしれません。というのは、睡眠不足と自殺には関連があると言われているからです。ここにあるデータがあります。84%と72%――非常に高い数値ですが、自殺を初めて試みた人のなかで睡眠不足を自覚していた人の割合と、一度ならず複数回自殺を試みた人における割合です。実際に、睡眠時間を調査したところ短いことがわかっていて、前者は4.6時間、後者は5.7時間でした。日本人の平均睡眠時間は7~8時間ほどなので明らかに短いですよね。判断能力の低下が原因だから、親愛なる人が睡眠不足で悩んでいたら、「ふ~ん、そう」などとあしらってはいけません! 上のデータを見れば、たかが睡眠不足とは言えないことがわかりますよね?でも、どうして自殺と睡眠不足にはこのような関わりがあるのでしょうか。その1つには、「睡眠不足による判断能力の低下」があると考えられています。頭がボーッとなって、冷静な判断ができなくなってしまって自殺を試みたという人も少なくないのかもしれません。睡眠不足の人は判断能力が低下している恐れがあるので、まわりの人がしっかり支えてあげるようにしたいですね。バッドスパイラルに入る前に行動!さらに睡眠不足で寝酒を飲んでいる人にもケアするようにしたほうがよいかもしれません。寝付けないと、ついつい寝酒を飲みがちですが、自殺をしようとした人の約2割がお酒を飲んでいました。眠れない、お酒を飲む、判断能力が低下するという、まさにバッドスパイラルに入ってしまう前に、お医者さんに相談するなど対策をとるようにしたいですね。何かが起こってしまってからでは後悔してもしきれません。睡眠不足で悩んでいる人は言葉では言えないサポートを望んでいるのかもしれませんね。Photo by Shandi-lee Cox
2015年03月20日東京司法書士会は1月~3月、自殺防止を目的とした「いのちを守る何でも相談会」(無料)を開催する。同相談会は、面談相談会と電話相談会で構成される。面談相談会では、のべ60名の司法書士が相談員として対応。自殺問題に精通したアドバイザー(精神保健福祉士または臨床心理士)とともに、悩み解決のためのアドバイスをするという。なお、面談相談に来場することが困難な相談者のために、フリーダイヤルによる電話相談会も実施する。面談相談会同様、司法書士が相談員として対応するとともに、アドバイザーにも協力してもらうとのこと。面談相談会の開催日程は、2月2日~28日(日曜・祝日は除く)、3月2日、3月9日、3月16日、3月23日、3月30日。開催場所は、東京都・新宿駅西口の「メディアボックス(永和ビル)」地下2階EまたはF会議室。開催時間は18時~21時(受付は20時まで)。事前予約不要。電話相談会の開催日程は、1月31日、2月1日。開催時間は10時~16時。フリーダイヤル番号など詳細は公式サイトにて確認できる。
2015年01月29日年末に自殺者が増えると言われていますよね。ぶっちゃけ、死ぬ前に宮古島に行くと、なんかじわっと「生きたい!」と思えるかもしれません。その魅力たっぷりの小さな島に行くと、不思議と元気をもらい癒されパワーアップすることができるかもしれないのです!実際に宮古島へ旅に出た著者が「宮古島」をレポートしちゃいます。ではさっそく宮古島勝手にベスト3をご紹介しましょう。[第3位]とにかくすごい自然(とくにエメラルドグリーンの海!)なんと言っても宮古島は「海」が美しい。グアムやハワイにも負けていないあのエメラルドグリーンは、1度見たら忘れられずまた宮古島に行きたいと思うはずです。海を眺めているだけでも、心が癒され洗われます。いつまでも見ていたいと思い、日々のストレスも忘れ、気持ちもスッキリします。島全体がキレイな海に囲まれているので、どこにいてもパワースポットのようなオーラに包まれているイメージです。[第2位]みんなの安全を守る「まもる君」宮古島へ行ったことがある人は、絶対に1度は会っている青年がいるはずです。そう島の安全を毎日まもり続けている、宮古島の「ゆるキャラ(?)」まもる君。最初見たときは、正直怖かったですが、見慣れると可愛くも感じ、時には勇ましくも見えます。どこのお土産屋さんに行っても、「まもる君グッズ」が置いてあります。ただし、夜見ると正直こわいです(笑)。でも、島の安全のためにはなくてはならない存在なのです。唇の色はピンクの方がいいと思うのは、わたしだけでしょうか?[第1位]ゴルフ場がとにかくすごい!宮古島はゴルファーにとって楽園です。島が小さいので空港からもゴルフ場が近く、すべてのコースが素晴らしい!わたしが宮古島を訪れた12月初旬でも、気温は20℃を超えます。関東の気温は3~10℃。まさにゴルファーにとって宮古島は、ゴルフ天国。そんな素晴らしい気候でも、この時期はシーズンオフでゴルフ場のプレー代金も安く、観光客が少ない時期のためホテルの宿泊料金も格安です。さらにグルーポンやポンパレといったクーポンサイトを利用することによって5,000円~6,000円で宿泊が可能。コースは本格的なリンクスコースから、リゾートコース、戦略的なコースまでさまざまです!ここは海外なのでは?と錯覚を起こすほど絶景のコース。島が小さいため、どこのゴルフ場からも大海原が見渡せる素晴らしいコースばかりで、この素晴らしさはプレーした人を「宮古島」の虜にします。ゴルフをしない方でも、素晴らしい自然や、美味しいものがあり、人が優しく、すべてに癒されます。いかがでしたか?年末、仕事に追われまくって欝っぽくなったり、あるいは自営業の方であれば資金繰りに悩んだり……いろんな「濃い」気持ちを抱く年末だからこそ、「こんな楽園があるんだ!」と思うことで、「あたしの悩みってちっちゃいかもね」と思って、元気に年を越していただければと思います。宮古島。行けばわかります。生きたいなと思います。生きるって素晴らしいなと思います。地球っていいやつだなあと思います。みんなで素敵に年を越しましょ!photo by 著者
2013年12月22日失敗から将来を悲観し自殺美容整形も盛んな韓国は一大美容大国として知られるが、その美容整形の失敗から女子大生が自ら命を絶つという悲しい事件が起きた。朝鮮日報が伝えている。25日12時40分ごろ、全羅北道全州市完山区に住む女子大生のAさんが、自宅で首をつり亡くなっていたのが発見されたという。Aさんはこの1年半前に上顎と下顎の骨を切り、顎の位置を整える美容整形手術を受けたが、その後、顎の陥没など後遺症と副作用に悩まされ続けていたそうだ。(画像はイメージ)十分な説明を聞くこと、安易な手術には注意Aさんは、遺書を残していることや、家族の証言などから、警察も自殺とみて間違いないと判断したという。このAさんが利用した両顎手術だが、本来は、上下の顎の位置が合わず痛みを感じるなど、かみ合わせに障害がある患者を対象に行われていたものだという。しかし、2年ほど前から、この本来の目的とは異なり、美容目的の整形手術として、一般にも利用されるようになっているという。そのきっかけは芸能人がこの手術を利用し、ほっそりとした顔になって注目されたことにあるといわれている。保険適用外の施術であるため、公式の統計はないが、医療業界では100か所以上のクリニックで、年間5000人程度はこの両顎手術を受けていると推察しているという。こうした利用の拡大に伴い、副作用の相談報告も増えているという。痛みや陥没、顎関節の障害、顔の非対称化、炎症、傷、聴力の異常などがその内容だ。深刻なケースでは、血液循環が悪化し、人体組織に腐敗が起きたケースや、手術中に出血方で死亡したケースも報告されている。小顔になりたい、美しくなりたいと願うのは、ひろく共有される思いだが、取り返しのつかないことにならないよう、安易な手術には注意が必要だ。韓国国内の専門家も、担当する専門医から手術過程や副作用について十分な説明を聞くよう、注意喚起を行っている。元の記事を読む
2012年10月28日ロサンゼルス郡検視局は24日(現地時間)、ロサンゼルス市のヴィンセント・トーマス橋から19日(現地時間)に投身自殺を遂げたトニー・スコット監督の遺書の内容について、自殺の理由を示す記述はなかったと発表した。スコット監督の訃報が流れた直後、監督が手術不可能な悪性脳腫瘍と診断されたという一部報道があったが、遺族は直ちにこの説を否定した。郡検視局のスポークスマンによると、現場近くに停めてあった監督の愛車・トヨタのプリウス車内に遺されたメモの内容は緊急連絡先のリストで、オフィスには家族や友人に宛てたメッセージが遺されていた。いずれにも健康問題についての記述はなかったという。スコット監督の葬儀は24日、ロサンゼル市内で近親者のみで行われた。映画関係者などによる偲ぶ会は後日開催を予定しており、詳細はレイバー・デイ(9月3日)後に発表するという。-(C) ZUMAPRES/AFLO(text:Yuki Tominaga)■関連作品:プロメテウス 2012年8月24日より全国にて公開(C) 2012 TWENTIETH CENTURY FOX
2012年08月27日現地時間(アメリカ)19日午後、橋から飛び降り自殺をしたトニー・スコット監督。近しい関係の人が匿名でABCニュースに語ったことから、スコット監督が手術が不可能な脳腫瘍をわずらっていたことがわかった。『トップガン』『クリムゾン・タイド』『アンストッパブル』など大ヒット映画で知られるスコット監督(68)は、現地時間19日午後、ロサンゼルス近郊サンペドロで橋から飛び降り、自殺をした。近くに停められていた黒のトヨタプリウスの中には連絡先のリストがあり、後に彼のオフィスで遺書が発見された。遺書は妻と双子の息子たちに宛てられていたという。目撃者の話によると、スコットは、プリウスを橋の上に停めた後、2~3メートルあるフェンスを乗りこえて、ためらいもなく飛び込んだということだ。有名映画監督の突然の自殺に、ハリウッドは大きな衝撃を受けている。先週彼と話したという関係者によると、彼は『トップガン』続編の製作準備に意欲的に取り組んでいたらしい。続編も、1作目同様スコットが監督、トム・クルーズが出演することになっており、クルーズは17日にも役作りのためネバダ州の空軍基地を訪れていたそうだ。また、スコット監督は『トップガン』続編より先に『Narco Sub』というアクション・スリラーを監督する予定で、つい最近は兄リドリー・スコットと共にプロデュースを手がけるクリスチャン・ベール主演作『Out of the Furnace』の撮影を終えたところだった。リドリーと共にプロデュースをするテレビドラマ『グッド・ワイフ』は、今年のエミー賞にも複数部門でノミネートされている。スコット監督はイギリス生まれ。3人兄弟の末っ子で、画家、CM監督を経て映画監督に。2度の離婚歴を持ち、3度目の妻ドナ・ウィルソンとの間に双子の息子をさずかり、ビバリーヒルズに在住していた。文:猿渡由紀
2012年08月21日『トップガン』や昨年公開の『アンストッパブル』などで知られるトニー・スコット監督が19日(現地時間)、ロサンゼルスの橋から投身自殺を図った。享年68。当局によると、19日午後12時35分頃、ロサンゼルス市内のサン・ペドロとロサンゼルス港に架かるヴィンセント・トーマス・ブリッジから人が飛び降りたという複数の通報がロサンゼルス市警に寄せられた。目撃者によると、スコット監督はフェンスをよじ上り、飛び降りたという。ロサンゼルス港湾警察の潜水チームが捜索にあたり、遺体は午後3時前に警察当局によって収容された。スコット監督の代理人は「トニー・スコットの死去を確認しました。遺族はプライバシーの尊重を願っています」と声明を発表した。橋に駐車してあったスコット監督所有のトヨタ・プリウスの車内には連絡先を記したメモがあり、監督のオフィスに遺書があったことから、当局は自殺と断定。アメリカ「ABC」のニュースでは匿名の関係者が、監督は手術が不可能な悪性の脳腫瘍と診断されていたと話している。『プロメテウス』のリドリー・スコット監督の弟で、兄と2人でスコット・フリー・プロダクションという製作会社を創設し、プロデューサーとしても精力的に活躍してきたトニー・スコット。出世作となった1986年の『トップガン』は続編の企画があり、トム・クルーズを再び主演に迎え、スコット監督がメガホンをとる予定だと4月に報じられていた。映画サイト「IMDb.pro」によると、東日本大震災から1年後の3月11日の映像を集めた『Japan in a Dayジャパン イン ア デイ』(原題/11月3日公開予定)を始め、ほかにも30本あまりの企画を抱えていたという。突然の訃報にハリウッドは衝撃に包まれ、多くの映画人がTwitterで追悼の意を表している。ロン・ハワード監督は「トニー・スコットの映画はもう作られない。悲劇的な日(No more Tony Scott Movies. Tragic day)」とつぶやいた。ご冥福をお祈りいたします。-(C) BENHAMOU SERGE/Gamma/AFLO(text:Yuki Tominaga)■関連作品:プロメテウス 2012年8月24日より全国にて公開(C) 2012 TWENTIETH CENTURY FOX
2012年08月21日内閣府はこのほど、2012年版(平成24年版)自殺対策白書をWebサイトにて公表した。それによると、2011年の学生・生徒などの自殺者数は1,029人と、調査を開始した1978年以来初めて1千人を超えたことが分かった。2011年の自殺者総数は前年から1,039人(3.3%)減少した3万651人で、1998年に自殺者数が急増して以降初めて3万1,000人を下回った。男女別で見ると、男性は2万955人、女性は9,696人となり、男性の自殺者は女性の2倍以上の数字を記録している。自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は24.0で、前年の23.4から若干減少。内訳は、男性が33.7、女性が14.8となっている。職業別の自殺者数を見た場合、最も多かったのは「無職者」で1万8,074人。以下、「被雇用者・勤め人」が8,207人、「自営業・家族従業者」が2,689人、「学生・生徒など」が1,029人、「不詳」が852人と続いた。2007年以降の推移に限って見ると、総数が減少傾向にある中で「学生・生徒など」の自殺者は微増を続けており、1,000人を突破したのは1978年の調査開始以来初となるという。原因・動機別の自殺の状況については、「健康問題」が最多で1万4,621人。次いで、「不詳」が8,070人、「経済・生活問題」が6,406人、「家庭問題」が4,547人、「勤務問題」が2,689人、「その他」が1,621人、男女問題」が1,138人、「学校問題」が429人となった。また、白書によると、経済状況の相対的な改善につれ、中年男性の自殺死亡率が減少傾向にある一方、20代以下の若年層の自殺死亡率が上昇しつつある事が判明。これは、20~29歳の自殺死亡率の推移と若年失業率を比較すると、両者は近い動きを示していることから、派遣社員やアルバイトといった非正規雇用の割合の増加など、若年層の雇用情勢の悪化が自殺死亡率の上昇に影響している可能性があると分析している。さらに、2009年を境に「就職失敗」による自殺者が急増していることについても、注意が必要だと指摘している。このほか、2011年における月別の自殺者数の動向を見てみると、年初から前年同月をおおむね下回って推移した後、4月から6月にかけて増加。4月は前年同月比126人増の2,711人となった後、5月には同593人増の3,375人に急上昇、6月も5月よりは減少したものの同257人増の3,037人を記録した。このうち5月の急増に関しては、自殺した著名人についての報道が影響しているとの見方もあるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月11日失明を苦にした自殺にまぎれて東京都奥多摩市で自殺した男性を事故死と偽り、保険金約3,000万円をだまし取ったとされる事件で、警視庁捜査1課は10月7日、元暴力団幹部の阿久津好男容疑者(68)を再逮捕した。読売新聞をはじめ多くのメディアが報じた。容疑は自殺ほう助。※画像はイメージがけへの飛び降り、報告書と矛盾も?事件は2007年2月に起きたもので、当時阿久津容疑者と同居していた大沢菊夫さん(61)は、視覚に重大な障がいを負って目が殆ど見えなくなり、周囲に自殺をほのめかすようになっていた。読売新聞によれば、阿久津容疑者は大沢さんに「死んで孝行しろ」などと発言。大沢さんが自殺する3日前には、妻である阿久津タツ子容疑者と一緒に現場を下見に行ったとしている。タツ子容疑者は5年間保険外交員を行っていた。そして2月21日、大沢さんが奥多摩町の林道からがけ下に飛び降り自殺するのを、阿久津容疑者らが助けたという疑い。これに対し東京地裁立川支部で行われた初公判で、弁護側は大沢さんが死亡した直後、青梅署が作成した報告書には「事件性がない」と記載されていたことを指摘。検察の主張は自首をした別の元暴力団組員の筋書きに沿っているだけであるとしている。
2010年10月10日自殺の名所として世界でも有名なゴールデンゲート・ブリッジ。アメリカ、サンフランシスコの象徴でもあるこの橋では1937年の開通以来、実に1,300人以上もの人が命を落としている。こうした問題についてニューヨーカー誌に掲載された「ジャンパーズ(飛び降りる人)」という記事を読んだ『救命士』や『アンジェラの灰』などを手がけたプロデューサー、エリック・スティールが「この問題を黙殺することは何の解決にもならない」と製作したのがドキュメンタリー作品『ブリッジ』である。映画プロデューサーであったエリック・スティールが、本作の製作を決めた理由は「ジャンパーズ」の記事だけではなかった。「弟を癌で亡くして、その直後に妹も亡くなったんです。それがきっかけで、一時期大きな絶望に襲われました。そのときに一瞬、自殺を考えたりもしたんです。今は、その(自殺という)考えが頭の中に残らなくて良かったと思っています。でも同時に、それが常に頭のどこかにあり、死にたい、自殺したいという方がいることも知っています。自殺したいと思う人々というのは自分からそう遠くない、彼らのいる世界は私自身の世界と異質なものではないという感覚が自分の中にあったんです。非常に扱いにくく難しい問題ですよね。こうしたものを題材にすることを不可能だと思うか、反対にエキサイティングなチャレンジとしてとらえるか…。多分、僕にとっては、大いに受けて立つ価値のあるチャレンジだったからじゃないでしょうか。自殺に関して、今まで人が見たことがない側面を描く良いきっかけ、機会になるんじゃないか、そういう思いに駆られて全てが始まったんです」。2004年から2005年にかけての1年間。橋から飛び降りようとする人、それを止める人、思い直した人、そして、実際に飛び降りてしまった人などの様子を定点撮影でカメラに収めた。「でも、僕たちが橋の映像を撮っている、実際に飛び降り自殺を図る方の映像を持っているということを知られてはいけなかった。サンフランシスコのある機関が自殺者の統計をとっていて、野球のスコアじゃないけれど、999人目まできて、次が1,000人目となったときに、たくさんの人が1,000人目になりたいと大挙して自殺しようとしたということがあったらしくて。そうはなりたくなかった。だからどんな機関にもご家族にも、撮影していることは言いませんでした。僕にとって最も心配だったのは、例えば精神的に不安定な方、あるいは世間の注目を浴びたいとか、そういう精神状態でいる方が僕らのことを聞きつけて自殺を図る、それによって自分を不滅なものにする、といったようなことには絶対になってほしくなかった。これは今回の企画の中で一番倫理的に懸念していたことなんです。おかげでご家族との関係の中で自分がとても難しい立場に置かれることにはなりましたけどね」。そう。この作品には橋の映像とともに、亡くなった人の遺族や友人たちのインタビューが織り交ぜられているのだ。最終的にインタビューにかけた時間は実に120時間に及んだそうだが、大切な家族や友人を失った人たちへインタビューすることに問題はなかったのだろうか?「(橋のある)マリン郡の検死官の方に何人か遺族の方を紹介していただいたんです。僕に話すことで浄化作用が働いたような経験だったとおっしゃってくださった方もいました。話してくれると言ってくださった方には全員お会いしました。一切関わりたくないという方もいらっしゃったし、最初は絶対イヤだと言っていたけれど、最後になって話してくださった方とか、最初は了解してくださったけれど、なんとなく躊躇してしまわれる方とか…本当にそれぞれの家族、それぞれの反応でした」。しかし最終的に、本作に関わった遺族や友人はみな本作を観たそうだ。中には何度も繰り返し観た人もいるという。「この映画に参加することによって、同じように大切な人を失ってしまった家族の痛みや嘆きを少しでも和らげることができるかもしれない。そして、それが自殺を思いとどまらせるきっかけになるかもしれない。そういう気持ちを、映画を観た後に持っていただくことができたんです」。「“誰かが柵に足をかけたらすぐに管理局に電話をする”というルールを決めて撮影をしていました。それで撮影中、6人の命を救うことができたんです」という監督。“自殺”というテーマにどこまでも真摯な態度で挑んだ監督の渾身作は全米同様、日本にとっても大きな衝撃となるに違いない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブリッジ 2007年6月16日より恵比寿ガーデンシネマにて公開(C) 2005 EASY THERE TIGER All rights reserved
2007年06月05日