日本初上陸となる『ザ・ミュージカル9時から5時まで』の製作発表が、1月27日、帝国劇場で行われ、出演者の草刈民代、紫吹淳、友近らが登壇した。『ザ・ミュージカル9時から5時まで』チケット情報本作は、1980年に公開された同名映画が原作。2009年にブロードウェイで初演され、トニー賞4部門にノミネートされた抱腹絶倒のミュージカル・コメディ。男性優位の大企業を舞台に、パワハラとセクハラをしまくりの卑劣な上司フランクリン・ハート(石井一孝)へ、3人のOL(草刈、紫吹、友近)がドタバタの復讐劇を繰り広げる。上司のせいで正当な評価を受けていない、やり手のオフィス・マネージャーで子持ちの未亡人・バイオレットを演じる草刈は、「ミュージカルは初めてで、舞台で歌うのもこれが初めて。歌の稽古で毎日新しい発見があって、充実した日々を送っています。コメディですので、明るく、楽しく、表現できたらいいなと思います」と抱負を語った。夫の浮気で離婚し、初めて会社に勤めることになった世間知らずのジュディーを演じる紫吹は、「コピーの仕方がわからない役で。事実、私もコピーの仕方がわからないので、その辺はそのままできるのかなと(笑)。役とともに成長できたらいいなと思います」と話した。セクシーな容姿が災いし、上司の愛人という根も葉もない噂をされる秘書・ドラリー役の友近は、「今までは、おばちゃんとかおっちゃんの役が多かったんですけど、今回はキュートでセクシーな今までにやったことのない役です。というのも、この話をいただいたのがちょうどダイエットして今より8キロぐらい痩せてる時で。体形をまた戻さなあかんなと」と話し、会場を沸かせた。さらに、「パワハラ、セクハラを懲らしめるという役なんですが、私も普段、大阪の劇場では先輩のMr.オクレさんによくお尻を触られてるんですね。“なにしてんのっ!”って言うたら、“飯おごってくれ”みたいな。そんな訳のわからないことを言う先輩が周りにたくさんいます。そんな方たちにも観て欲しいです」と話し、またまた爆笑を呼んだ。『ザ・ミュージカル9時から5時まで』は、3月9日(金)から18日(日)まで天王洲・銀河劇場(東京)にて上演され、4月から大阪、名古屋、広島など、全国11都市を回る。チケットは一部を除き発売中。取材・文:門宏
2012年01月30日11周年、妥協しない美しさを株式会社アイムが発売する化粧品基幹ブランド「ライスフォース」。その新イメージキャラクターに、元バレリーナで女優の草刈民代氏が採用されたそうだ。12日からCMも公開し、全国へアピールしている。常にストイックに妥協せず、美しく輝いてきた、努力を重ねてきた姿を製品に重ね、またその生き方に共感する女性を応援したい想いから、彼女をイメージキャラクターに採用したのだとか。この彼女の起用と展開するキャンペーンにより、今年で誕生から11周年になるという「ライスフォース」の新たな歩みの一歩とし、常に美の追求に前進し続けるブランドでありたいそうだ。新CMは2種類公開される動画CMは2種類で、「上向きに行こう」篇では、草刈民代氏の前向きな生き方を“うるおいリフト肌”にかけて表現。常に上昇思考にあるブランドアピールをはかるという。「鍛えるべきは水分保持能」篇では、厚生労働省から承認された、100%天然、お米由来の「ライスパワーNo.11エキス」の皮膚水分保持能力の改善効果を全面にアピール。ボディの美しさを磨き上げてきた彼女に「鍛えるべきは水分保持能力」と表現してもらい、肌本来の美しさがこのアイテムで取り戻せることを強調したそうだ。本物の美しさを体現する草刈民代氏、それを支えるブランド「ライスフォース」、このコラボレーションがみられるCMは、商品アイテムとともに要チェックだ。元の記事を読む
2011年09月16日映画『少女たちの羅針盤』の完成披露試写会が4月13日(水)、都内で開催され、成海璃子、忽那汐里、森田彩華、草刈麻有、黒川智花ら女優陣と主題歌を手掛けた矢沢洋子、長崎俊一監督が勢揃いした。とあるネットシネマの撮影現場と、4年前の女子高生によって結成された劇団“羅針盤”の軌跡。現在と過去を交錯させながら、悩みを抱えつつも、前に進もうとする少女たちの姿と彼女たちに起こったある事件、その悲劇の真相が描き出される。“羅針盤”を結成する瑠美、蘭、梨里子、かなめを演じた成海さん、忽那さん、森田さん、草刈さんは春らしい衣裳で華やかに登場。撮影中も4人一緒のシーンが多かったそう。成海さんが「福山(広島県)で毎日一緒で、撮影が終わっても稽古したりして大変でしたが、4人で過ごしたことで“羅針盤”が画面に出ていると思います」と思い入れたっぷりに語れば、忽那さんも「都内でのリハから地方ロケまで、飽きないかってくらい仲良くずっといましたね」と楽しそうにふり返る。森田さんも「ホテルでも部屋に4人で集まってて、寝るとき以外は一緒にいて、くだらない話をずっとしてた」仲の良さをうかがわせた。草刈さんは、父親で俳優の草刈正雄は完成した映画を鑑賞したかと尋ねられ、「まだですが、家族で一緒に映画館に行こうと話してます」とニッコリ。また、かなめの姉のなつめを演じた黒川さんは、4人との一緒のシーンは少なかったが、草刈さんを見つつ「姉妹の仲の良さが伝わると思います。撮影後も遊びに行ったりしてました。本当にかわいくて、こんな妹がほしい」と語り、久々の再会を喜んでいた。また、主題歌「羅針盤」について矢沢さんは「2度(映画を)観て、時間をかけて作りました。少女の葛藤、未来に対する希望が前面に出ている、映画にピッタリの作品ができたと思います」と手応えを明かした。長崎監督は「こういう時期にお越しいただき、ありがとうございます」と観客への感謝を口にし、「若い女優たちの存在感、パワーを感じて元気になってもらえれば」と語りかけた。『少女たちの羅針盤』は5月14日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。■関連作品:少女たちの羅針盤 2011年5月14日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開© 映画「少女たちの羅針盤」製作委員会■関連記事:成海璃子、忽那汐里ら登壇『少女たちの羅針盤』完成披露試写会に15組30名様ご招待成海璃子、忽那汐里、草刈麻有らがミステリー初挑戦『少女たちの羅針盤』撮影快調
2011年04月13日『シコふんじゃった。』、『Shall we ダンス?』の周防正行監督の最新作で、妻の草刈民代が出演する『ダンシング・チャップリン』の完成披露試写会が3月2日(水)に都内で開催され、周防監督と草刈さんが夫婦揃って出席した。世界的な振付家のローラン・プティが手掛けた、チャップリンの名作を題材にしたバレエ作品「ダンシング・チャップリン」を映像化した本作。映画化に至るまでのバックステージをカメラが追ったドキュメンタリー部分の第一幕と、スタジオで撮影されたバレエの第二幕の二部構成となっており、2009年にバレリーナ引退を表明し女優に転身した草刈さんにとっては文字通り“ラストダンス”となる。プティの手によるオリジナルのバレエで主演を務めてきたルイジ・ボニーノが本作にも主演しているが、監督とボニーノは、監督が草刈さんと結婚して以来15年の付き合い。「彼の代表作であるこのバレエを記録として残したかった」と周防監督。同時に「(バレリーナとしての)妻を撮影する最後のチャンスだと思った」と本作を製作することに決めた理由を明かした。『Shall we ダンス?』で日本アカデミー賞の各賞を総なめにした周防監督と草刈さんコンビが15年ぶりに復活となったが、監督は「こうした完成披露の場に出席するのも『Shall we ダンス?』のとき以来。妻と並んで取材を受けるのも『Shall we ダンス?』のアメリカ公開のとき以来」と明かし、少し緊張気味のよう。完成した作品の感想を尋ねられた草刈さんは「まだ、踊り手の目線でダメなところばかりが目に付いてしまって、客観視できないです」と苦笑。バレリーナとして第一線を退いても、まだまだバレリーナとして自身のダンスを“審査”してしまうようだ。ちなみに、お2人の結婚記念日は3月9日(水)ということで、結婚15周年を記念して監督が桃の節句に合わせた桃の花の花束を草刈さんにサプライズでプレゼント。「次の15年に向けてよろしくお願いします」と照れくさそうに妻に声をかけていた。イベント後、報道陣の取材に応じた草刈さんは「いつも結婚記念日を忘れてしまうので、『もうすぐなのか!』という感じです」と笑顔で語っていたが、周防監督は「僕は覚えてますよ!」と“抗議”。おしどり夫婦の秘訣について草刈さんは「こうあってほしい、と相手に対して強く望まないこと」と答えた。一方の監督は「結婚して気づいたのは、家に帰って不機嫌な人がいるというのは困る、ということ」と語ったが、すかさず草刈さんが「いつも私が不機嫌でいるみたいじゃない?」と反撃され、「いや、不機嫌なときが少ないからうまくやってこれたという意味です」と慌てて付け加え、報道陣の笑いを誘った。仲睦まじい2人だが、監督はカメラのレンズを通じて自身の目に映った草刈さんを「キレイでした」と“映画監督”として大絶賛。草刈さんも「うちの主人…というか監督は、いつも映画を作る動機に関して『面白さを伝えたい』と言ってますが、この映画はその集大成」と共に自信のほどをうかがわせるコメントを残してくれた。『ダンシング・チャップリン』は4月16日(土)より銀座テアトルシネマほか全国にて公開。■関連作品:ダンシング・チャップリン 2011年4月16日より銀座テアトルシネマほか全国にて公開© フジテレビジョン/東宝/アルタミラピクチャーズ/電通/スオズ■関連記事:夫婦揃って登壇『ダンシング・チャップリン』完成披露試写会に10組20名様ご招待
2011年03月02日第1回「福山ミステリー文学新人賞」で優秀賞を受賞した水生大海(みずきひろみ)のよる小説を映画化した『少女たちの羅針盤』の広島県福山市での撮影の様子が、主演の成海璃子、忽那汐里、森田彩華、草刈麻有ら出演陣のコメントと共に伝わってきた。ミステリー界の巨匠・島田荘司と彼の出身地である福山市が協力し、日本のミステリー界に新風を吹き込むべく始まった「ばらのまち福山ミステリー新人文学賞」。本作は、その第1回優秀賞を受賞した水生大海の作品を映画化したもので、原作では“羅針盤”という名の演劇グループのメンバーの突然の死の真相を解き明かし、真犯人を追い詰めていくという物語が展開される。ロケは福山市で行われ、成海璃子、忽那汐里、森田彩華、草刈麻有が主要キャストとして参加。6月末より撮影が続いている。成海さんは「ミステリー作品への出演は初めてなので、これまでとは違った、いい緊張感の中で撮影しています。とにかくやるだけです。頑張ります」と意気込みを語る。成海さんと同様、話題作への出演が続く忽那さんは「ミステリ―という、初めて挑戦するテ―マ性の強い作品に携わらせていただくことに、胸が高鳴っています。現場では日々、学ぶ毎日です。“羅針盤”のメンバーとお互い良い刺激を受けながら、芯の強い作品に創り上げられたらと思います」と充実した撮影をうかがわせるコメントが到着。映画にドラマ、情報番組など幅広い活躍を見せる森田さんは「ミステリー映画っていうことは、今回特に意識して演じてはいないんです。でも初めてのことが多いので、どんなふうに出来上がるのか想像出来ないので、凄く楽しみにしています」と語る。そして、その美貌と演技力で“草刈正雄の娘”という説明がもはや不要な高い評価と注目を浴びる草刈さんは「ミステリーは初めてなので、どういう風に観ている人が釘付けになる作品を監督やキャストのみなさんと作っていくか。みなさんをいい意味で裏切るのが楽しみです」と頼もしいコメントを寄せてくれた。メガホンを握るのは『8月のクリスマス』、『西の魔女が死んだ』の長崎俊一。福山市を舞台に、どのようなミステリーが描き出されるのか?『少女たちの羅針盤』は2011年春、公開。■関連作品:少女たちの羅針盤 2011年春、公開© 映画「少女たちの羅針盤」製作委員会
2010年07月26日今回のファッション小噺は、映画における衣裳をクローズアップしてみました。衣裳というのは、物語の舞台となる場所、時代、そして人物そのものを映す鏡でもある重要アイテムのひとつ。そこで、そんな衣裳の“重要性”について、話題の日本映画『蘇りの血』を例に、考えてみることに。『蘇りの血』は、豊田利晃監督が『空中庭園』以来、4年ぶりに手がけたことで注目を集めている作品です。歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなっている説話“小栗判官”をモチーフにした時代もの。ドラマー・中村達也、草刈麻有、渋川清彦、板尾創路、新井浩文ら個性派の競演も見ものです。そんな話題作の中で、もうひとりの登場人物であるかのように、映画を、そして俳優たちを支える衣裳。担当は、スタイリストとしてファッション誌、広告、映画、舞台とジャンルを問わず活躍している伊賀大介さん。時代ものの衣裳としては、『さくらん』、『真夜中の弥次さん喜多さん』で、すでに腕をふるっています。今回は、監督からどのような希望があり、どうやって制作していったのでしょう。「あまり具体的に“こうして、こうして”とかはありませんでした。話自体もいつの時代か分かんなくていい、というようなことでしたね。鎌倉時代とか、江戸時代のとかそういうのじゃないからと。だから、好きにデザインしてくれと。基本としては着物であることだけ。あとは自由に考えてみてくれという感じだったので、そうしました(笑)。伝統という部分もあまり意識しなかったですね。一応フォルムとして着物であることが大事だという前提があって、それを破らなければ別にいいやみたいな感じですかね。いきなりジーパンとか出てこない限り、まぁいいだろうという(笑)」。ロケ地は、下北半島の大自然の中。衣裳制作の途中には、ロケハンに同行し、イメージを膨らませていったのだとか。「そのときに自然がすごかったんです。だから、それに対抗するようなものじゃないと、と思った。劇中にもありますが、大木ばっかりなんで、こういう有機的なものを上手く取り入れて入っていくのがいいなぁというのがありました」。時代ものはこれまでも手がけてきたものの、本作で特に気を配った部分は一体感だったのだとか。「今回は登場人物たち全員が一個というような感じというか…。みんなでいっしょくたみたいな。『真夜中の野次さん喜多さん』はもう完全に漫画として作ったし、『さくらん』はとにかく突き抜けたビジュアルをという想いから作ってた感じ。今回は生きてる感じというか、そういうものが視点の中にハマるといいなというのがあった」。今回楽しかったのは、やはり現場でのやりとりだったのだそう。「部屋の中でシコシコ縫ったりしてても別にあんま面白くない。まぁ“俺だけが知っている”というのはあるんですけど、やっぱり役者さんが全部支度して、メイクもして服も着けて、美術もあってカメラが回ってみたいなものが全部揃った瞬間はやっぱ面白いですね」。映画の中でのスタイリスト、衣裳の役割はあくまでも、役者と監督が“こういうものを撮りたい”という想いを実現させるための“サポート装置”だと思っているという伊賀さん。映画では、俳優さんが衣裳を着て演技をしたり、激しい動きをしたりするけれど、そういう意味では、ファッション誌の撮影などとは大いに違いを感じているとか。「雑誌の仕事から、舞台、映画をやるようになったんですが、全部違う“次元”のものなんですよね。ファッション誌は“二次元”じゃないですか。前から見て、見える部分がきれいだったら後ろは安全ピンだらけでもいいっていう世界。でも舞台だと、ステージの上の役者に、“ここがちょっとほつれちゃってるから見せないように芝居してくれ”と言うことはないじゃないですか。何かあったとしても、その時のお客さんしか見ないという前提ですよね。つまり、絶対に同じものが無い。そういう意味では俺の中では、一番リアルなんで、舞台は“三次元”なんですよね。映画になると“四次元”というか。これは50年後の人が観るかもしんないじゃない。作っているときは、それがどんな動きをするかもまだ分からないし、また編集でも変えられたりするんですけど、やっぱり映画というのは時間を超えないと面白くないというか。もちろん時代考証もある程度は必要なんでしょうけれど、結局、今の生地で着物を作ったとしても江戸時代のものと比べられないし、絶対にどこかでミシンで縫ったものとかも入るし。そういうことよりは形が見えるスピード感みたいなものを重視したいなっていうのはあります。だけど、全部楽しいんです。二次元も三次元も四次元も」。今回は、主人公たちが水に浸かるシーンも登場する。「まぁ、そういうものは苦労ではありますけど(笑)、まぁ楽しい苦労ですかね。最初に衣裳を決める時点で、これは洗うとどうなのか?みたいなそういう検証はしますね」。物語の中でのお題や、監督からのリクエスト、そういった制限がある中で、クリエイティビティを発揮していくコツはあるのでしょうか。「それがあるから他が面白いというか。僕が監督で映画撮るわけじゃないんで。逆にルールがあることによって美術がフォローしてくれたりとか、いろんな部署が絡み合うところが映画の面白いところだと思うんですよね。“俳優部”っていう言い方があるじゃないですか。役者は役者で作品の為にあって、僕たちは衣裳やって、音楽は音楽で、編集は――と。あと、この映画の色のトーンを決める人、カラーリストにも仕事があって、みんなそれぞれスペシャリティを持って臨むわけじゃないですか。そこがやっぱ面白い。だから任された一点を研ぎ澄ますということがコツですかね。まぁ武器ですよね、それが。だけどそれが予想外にものすごく良く見えたりすることもあるから、また面白い。だから、“決め過ぎない”っていうのがコツですかね。“僕の作った衣裳は、絶対に常にこう見えてほしいからこうであってほしいんだ!”となると、ほかのみんなは困っちゃうじゃないですか?だけど役者の演技によっては、俺が想像してたものより全然良く見えたとか、照明さんがやってくれたことで良く見えたとか、そういうことって往々にしてあると思うんですよね。それがやっぱり、楽しいですね。仕事ってそういう制限があるもの。雑誌は雑誌で時間ないし。今日来て、いま服選んで、30分後に撮影して、もうそれで終わりという世界。そのスピード感みたいなものも、それはそれで面白い。何回も衣裳合わせして、段々似合ったものを作り上げていく過程をたどる映画の衣裳というのも面白いですし。どっちも面白いです」。ちなみに、普段、道行く人を見て「こんな服着せてみたい」とか「この人はこういう服似が合うな」とか、そういう職業病的な部分はあるのでしょうか。「こんな服を着せてみたいというのはあまりないですけど、道行く人を見るのはすごく面白いですよ。服を着ない人なんていないじゃないですか。だから、“面白いものが転がってるなー”って思いますよね。“僕が決めた事が絶対にいい!”とか思っているわけじゃないですし、ファッション雑誌をやる上でも。“こういうのカッコいいと思うよ”って思ってやっているだけですけど、例えばそのコーディネートを3万人ぐらいがやってて、銀座にその格好の人しかいなかったら怖いじゃないですか(笑)。だから、おばさんとかでもすごいグッと来るときがありますよ。アシスタントには、“芝居とか映画とかやりたいんなら、とにかく山手線に乗れ!山手線に限らず電車に乗った方がいい”と言います。山手線ってよく考えてみると、すごい不思議なシステムじゃないですか。基本130円とか払うだけで、箱が環状型に動いて、どこで降りてもいいという。あれで一周するだけでものすごく、いろいろな人の流れがある。そうゆうの見てると面白いですよ。“これが主婦なんだ”とか、“これが女子高校生なんだ”とか。服だけじゃなくていろんなことが見えちゃうところも面白い。ふと気づくと、“すごいな、全員ケータイいじってるじゃん!”とか。あとは、目の前のサラリーマンとか女子高生とか、俺みたいな格好の奴とか、全員が携帯を出しているとき、みんなのケータイの色が一緒とか、すごい不思議なことって結構いっぱいある。だから道ゆくことは楽しいですよ」。そういうことを、面白いと感じられるのはやはり職業病なのでしょうか。「職業と言うより、僕、結構なんでも面白がっちゃうんですよ。それは別に、自然とかでもいいんですけど、“いまの風、すげえな”とか。ロマンティック過ぎることじゃないですけど。例えば、夕日がやばいねとか、今日の東京タワーはカッコいいねとか、そういうのも全部一緒。テレビで見たオバマが格好いいねとか。あらゆることに興味がある。作りものでも本物でもね。小学生の群れとかも面白いです(笑)。さっき、車で甲州街道を走ってたら、すごかったんですよ、落ち葉が。ものすごい量の落ち葉がブワっと来てて。“これすごいな”って。こういうの、なかなか撮ろうと思っても撮れないじゃないですか、ちゃんとセッティングしようとしても。ものすごい人数の美術さんがいて、落ち葉があって、カメラがあって、風を吹かせないといけないっていう。だから、それは面白いなぁって思いますね、偶然な感じがね」。自らの言葉で、映画のこと、衣裳のこと、そして、スタイリストとしての自由な精神や発想法について、楽しく語ってくれた伊賀大介さん。彼が腕を振るった衣装が見られる『蘇りの血』で、その伸び伸びとした才能をぜひチェックしてみて!(text:June Makiguchi)■関連作品:蘇りの血 2009年12月19日よりユーロスペースほか全国にて公開© 「蘇りの血」製作委員会■関連記事:草刈正雄の愛娘、危うくマムシに襲われる羽目に!?『蘇りの血』公開記念イベント豊田利晃監督“ナチュラルハイ”で撮った復帰作がフィルメックスで喝采!
2009年12月18日『青い春』や『空中庭園』など斬新な世界観で多くのファンを魅了する、豊田利晃監督4年ぶりの最新作『蘇りの血』がまもなく12月19日(土)より公開される。これを記念して、6日(日)、豊田監督はじめ、主演の中村達也に、草刈正雄の愛娘で、本作での熱演で注目を浴びる草刈麻有、渋川清彦がタワーレコード渋谷店にてトークイベントを行った。まずは監督による、それぞれのキャストの役どころについての紹介からスタート。按摩のオグリ役の中村さんについては「人間の野生のエネルギーの表現者は達也さんしか思いつかなかった。按摩の練習を五反田にあるマッサージ屋さんで練習してもらったんですが、すごく上手で褒められていました。あと、達也さんの筋肉が『オリンピックのアスリート並みに柔らかくて素晴らしい』とも言われてました」と意外な肉体美をアピール。一方、初々しさを感じさせる草刈さんに対しては、「本物の姫が来てくれて嬉しい」と手放しで喜んだ。その草刈さんはというと、「男性ばかりの現場で恐くなかったか?」との質問に「全然平気でした。優しい人ばかりだったので楽しかった」と年上の男性キャスト陣にすっかりなついた様子。本作は下北半島の大自然の中で撮影されたが、思い出を尋ねられた監督は「東京にいたら滅多に見れない“物の怪”のようなものを感じた」と告白。すると、中村さんは思い出したように「そういえば、湖のほとりで大きいアオダイショウが出た」と語ったが、監督によれば、実はこれ、アオダイショウではなくて本当はマムシだったのだとか…。「みんなを怖がらせないように毒がないアオダイショウって言ってたんです。後で本当のことは言いましたけど、達也さんはいままでアオダイショウだと信じていたみたいです」と弁解すれば、渋川さんは「草刈さんはそのマムシがいる湖にプカプカ浮いていたんですよ」と、何とも無用心な現場の状況を明かした。当の草刈さんは、最後に「テストが近いから頭が一杯で緊張してうまく話せずすみません。でも、この映画は多くの人に観てほしいと思っています!」とぎこちなくも一生懸命アピール。豊田監督は、「渋谷と真逆の世界観がこの映画の中にはあります。渋谷が嫌いな人には気に入ってもらえると思います」と、何とも豊田監督らしい至ってマイペースなメッセージでイベントを締めくくった。『蘇りの血』は12月19日(土)よりユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:蘇りの血 2009年12月19日よりユーロスペースほか全国にて公開© 「蘇りの血」製作委員会■関連記事:豊田利晃監督“ナチュラルハイ”で撮った復帰作がフィルメックスで喝采!
2009年12月07日直木賞作家・桐野夏生のベストセラー「東京島」(新潮社刊)が、木村多江を主演に迎えて映画化されることが分かった。無人島に漂着した22人の男とたった1人の女の織りなすドラマを描いた本作。谷崎潤一郎賞を受賞した原作の発行時には、極限状態であぶりだされる人間の本質を描いた物語が、30代の女性を中心に大いに話題を呼んだ。男たちがいつしか“東京島”と呼ぶようになるこの無人島で唯一の女性であり、この特殊な状況の中でどこにでもいる主婦から新たな自分へと変貌を遂げていく清子を、『ぐるりのこと。』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した木村多江が演じる。本能をむき出しにし、直感と行動力で困難に立ち向かっていく清子の姿は閉塞した現代社会に、これまでにないヒロイン像として映るに違いない。メガホンを握るのは『おかえり』でベルリン国際映画祭の最優秀新人監督賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し、その後も『0093 女王陛下の草刈正雄』など異色の作品を世に送り出している篠崎誠。共演には福士誠治、柄本佑、木村了、鶴見辰吾など実力派の俳優陣が顔を揃える。映画はつい先日クランクインしたばかり。鹿児島県沖永良部島、および徳之島にてスタッフ、キャスト総勢120名、40日間にわたる撮影が現在も進行中。人間の“生”を露わにした、これまでに類を見ないエンターテイメントがまもなく誕生する!『東京島』の公開は2010年、全国の劇場にて。■関連作品:東京島 2010年、全国にて公開
2009年10月14日