おやつやお酒のお供として人気の「落花生」。秋が旬の生落花生は、ホクホクと甘い旬ならではのおいしさが魅力です。手軽に食べられる煎り落花生は、香ばしいかおりとカリッとした食感で手がとまらないおいしさですよね。それぞれ違った魅力を持つ落花生ですが、状態によって保存方法や保存できる期間も変わってきます。今回は、そんな落花生の正しい保存方法や活用レシピなどを紹介します。■落花生の正しい保存方法って?落花生は、状態によって適切な保存方法や保存期間が異なります。そもそも、落花生の状態の違いとは何なのでしょうか。こちらでは、落花生の状態の違いや保存に最適な落花生の状態について解説していきます。・状態によって保存期間が異なる落花生とピーナッツの違い落花生はピーナッツと呼ばれることもあります。落花生とピーナッツ、両者に何か違いはあるのでしょうか?ピーナッツは英語で落花生のことを指します。英語圏では、落花生がどのような状態であってもピーナッツと呼んでいます。一方で日本では、「落花生」と「ピーナッツ」を以下のように使い分けることが多いようです。「落花生」…殻付きの状態・薄皮付の状態「ピーナッツ」…殻の中にある身の部分とその加工品落花生には生・乾燥・煎りの違いがあるスーパーなどで販売されている落花生は、大きく「生落花生」「乾燥落花生」「煎り落花生」に分けられます。収穫されたばかりの新鮮なものが生落花生、生落花生をそのまま乾燥させたものが乾燥落花生です。乾燥落花生をさらに煎ったものが、煎り落花生と呼ばれています。・生落花生は日持ちしない落花生の収穫時期は9~10月。収穫されたばかりの落花生は、水分を多く含んでいるためあまり長持ちしません。冷蔵庫に入れたり茹でたりしても、2~3日ていどしか保存しておけません。・おすすめは乾燥保存生落花生が日持ちしないのは、水分が多いことが原因です。乾燥落花生は、1ヶ月ほどかけてカラカラになるまで乾燥されています。落花生の水分が抜けることで、保存性が格段にあがるのです。冷蔵庫で1年間保存できる乾燥落花生の保存期間は、冷暗所または冷蔵庫で6ヶ月から1年ほどです。乾燥落花生は、殻付きでも殻なしでも、しっかり密閉して冷蔵庫で保存しましょう。冷凍で鮮度を保てる冷凍した場合の保存期間も1年ほどですが、冷凍することによって鮮度を保つことができます。乾燥落花生は、水分が少ないため冷凍による変質が少なく、おいしさもそのまま保存できるのです。■生落花生の保存方法落花生を生のまま保存しておくと、うま味が落ちてしまいます。生の落花生が手に入ったら、その日のうちに茹でて、冷蔵または冷凍保存してしまうのがおすすめです。・生落花生の茹で方落花生の下処理泥が残っている場合は、よく洗って泥を落としてください。落花生の茹で方落花生は、しっかりと塩をきかせることでおいしく茹で上がります。茹でる水に対して3~4%の塩が目安です。(1Lのお湯に対して大さじ2)大き目の鍋にお湯を沸かし、塩と落花生を入れてください。落し蓋をして、様子を見ながら中火で30分ほど茹でます。ちょうどよい固さになったら、ザルにあげて水気をきりましょう。・茹で落花生の冷蔵保存タッパーや保存袋に入れて冷蔵庫で保存してください。ただし、生落花生は茹でても2~3日しか日持ちしません。大量に茹でたときなど、すぐに食べきれない場合は冷凍保存がおすすめです。・茹で落花生の冷凍保存茹でた生落花生は冷凍保存が可能です。ジッパー付きの保存袋に入れ、中の空気をしっかり抜いて冷凍庫に入れてください。おいしく食べられる保存期間は1ヶ月ほど。召し上がるときは、自然解凍もしくは電子レンジで解凍してくださいね。■乾燥落花生の保存方法もっとも長期保存に向いている乾燥落花生。しかし、保存する際は湿気と油脂の酸化に注意が必要です。常温でも保存は可能ですが、湿気の多い日本の気候だと冷蔵庫または冷凍庫で保存する方がよいでしょう。・乾燥落花生の冷蔵保存落花生は殻付きのままでも、殻をむいた状態でもどちらも保存可能です。落花生をジッパー付きの保存袋に入れ、乾燥剤も一緒に入れたら、空気をしっかり抜いてジッパーをしめてください。湿気が多い野菜室は避け、冷蔵室で保存しましょう。・乾燥落花生の冷凍保存乾燥落花生は、冷凍することでより長く新鮮な風味を保つことができます。冷凍保存の場合も、殻付き殻なしどちらでもOKです。冷凍用のジッパー付き保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍してください。調理の時は、事前に解凍せずそのまま使用します。乾燥落花生は加熱されていないので、必ず火を通してから召し上がってくださいね。■煎り落花生の保存方法煎り落花生とは、ローストされた落花生やおつまみやおやつ用に加工されたバターピーナッツなどを指します。煎り落花生は、早めに食べきれるときは常温で保存が可能ですが、食べきれない場合や梅雨から夏場の湿気の多い季節は冷蔵保存がおすすめです。乾燥落花生を自分で煎った場合も保存方法は同じです。・落花生の煎り方まずはシンプルな煎り落花生の作り方をご説明します。フライパンかレンジを使えば簡単に作ることができますよ。フライパンで作る煎り落花生フライパンは殻付き、殻なしどちらの状態でも煎り落花生を作ることができます。フライパンに落花生を入れ、弱火でかき混ぜながらじっくり煎りましょう。加熱時間は殻付きなら30分、殻なしなら20分ていどが目安です。電子レンジで作る煎り落花生電子レンジを使うと、短い加熱時間で手軽に煎り落花生を作ることができます。殻付きは加熱ムラができやすく、焦げやすいのであまりおすすめできません。耐熱皿に乾燥落花生をのせて、重ならないように広げてから加熱します。加熱時間の目安は、殻なし(50g)で600w3分ていどです。加熱ムラができないように、途中で何度かかき混ぜましょう。・煎り落花生の常温保存煎り落花生は常温で保存できます。煎り落花生も乾燥落花生と同様に、湿気と油脂の酸化に注意が必要です。密閉できる容器に煎り落花生と乾燥剤を入れ、しっかりと蓋をした状態で、湿気が少なく直射日光の当たらない場所に保管してください。空気に触れにくくするためジップ付きの保存袋を使うのもおすすめです。すぐに食べきれない場合や気温の高い季節は、常温ではなく冷蔵庫で保存しましょう。購入した開封前の煎り落花生は、常温保存で賞味期限まで食べられます。自分で煎ったものや開封後は、常温で2週間~1ヶ月ほどが保存期間の目安です。・煎り落花生の冷凍保存煎り落花生も冷凍保存が可能です。冷凍すると、油脂の酸化が抑えられるので長持ちします。冷凍用のジッパー付き保存袋に入れ、しっかり空気を抜いて冷凍庫で保存してください。煎り落花生は水分が少ないので、完全に凍ってしまうことはありません。すでに加熱してあるので、冷凍庫から取り出してすぐに食べることができてとっても便利ですよ。■落花生を使ったおすすめレシピ集・手作りピーナッツバター余った落花生でピーナッツバターを手作りしてみませんか?甘さを自分好みにできるのがうれしいですね。作りやすい量1回ピーナッツ120gハチミツ大さじ3塩少々下準備材料のピーナッツはローストタイプの方が風味よく仕上がります。生の場合はフライパンで煎るか、オーブンでローストしてください。作り方手順1:フードプロセッサーにピーナッツを入れて細かくなるまで4~5分かくはんする。手順2:ハチミツ、塩も加え、なめらかなペースト状になるまで、さらに約1分かくはんする。煮沸消毒した容器に入れて、冷蔵庫で2週間ほど保存可能です。・ピーナッツクッキーしっとりとした食感のやさしい味のクッキーです。材料(2人分)ピーナッツ60g薄力粉80gベーキングパウダー小さじ1/4バター50g三温糖40gピーナッツバター(加糖)大さじ2卵1個下準備ピーナッツはザックリ刻んでおく。薄力粉、ベーキングパウダーは合わせて振るっておくバターは常温にもどしておく。卵は溶いておくオーブンを170℃に予熱する。作り方手順1:バターを泡立て器でクリーム状に練り、三温糖、ピーナッツバターを加えてよく混ぜ合わせる。手順2:手順1のボウルに卵を2~3回に分けて加えながら混ぜる。ピーナッツを加え、泡立て器からゴムベラに変えてザッと混ぜ、さらに振るった粉類を加え、サックリ切るように混ぜ合わせる。手順3:オーブンシートを敷いた天板に(2)の生地をティースプーンで山盛り1杯すくい、間をあけながら並べる。170℃に予熱しておいたオーブンで18~20分焼き、ケーキクーラーにのせて冷ます。このレシピはガスオーブンを使用しています。オーブンにより温度や焼き時間に違いがあるので、様子を見ながら焼き時間を調節してください。・ホウレン草のピーナッツ和え少量でも栄養価が高い落花生を、手軽に食事に取り入れられるレシピです。材料(2人分)ホウレン草1束ピーナッツ大さじ3みりん大さじ1.5砂糖大さじ1/2しょうゆ大さじ1下準備ホウレン草は長さ3cmに切り、根元は十字に切る。熱湯でゆでて水に取り、粗熱が取れたら水気を絞る。作り方手順1:ピーナッツは抗菌袋などに入れ、めん棒で軽く砕いて、フライパンで焦がさないように香ばしく炒る。手順2:ボウルに<合わせタレ>の材料を混ぜて、ホウレン草を和え、器に盛る。ホウレン草は根が付いていたら、細い根をこそげ、サッと水洗いして根と葉を分け、根の部分は食べやすい大きさに切り、先に根からゆで始めてください。・鶏肉のピーナッツみそ炒めみそ炒めにピーナッツのコクをプラスした、ご飯がすすむ一品です。材料(4人分)鶏もも肉2枚 塩コショウ少々カボチャ1/8個玉ネギ1/2個赤パプリカ1/2個キャベツ1/8個サラダ油小さじ2酒大さじ2みりん小さじ1しょうゆ大さじ1みそ大さじ1.5~2ピーナッツバター大さじ2~2.5下準備鶏もも肉は食べやすい大きさの削ぎ切りにして、塩コショウをもみ込む。カボチャは幅3cmに切り、さらに厚さ5mmの薄切りにする。玉ネギは6~8つのくし切りにする。赤パプリカはヘタと種を取り除き、ひとくち大の乱切りにする。キャベツはザク切りにする。<ピーナッツみそ>のみそ、ピーナッツバターを練るように混ぜ合わせ、他の材料を加えながら混ぜ合わせる。作り方手順1:フライパンにサラダ油をひいて中火にかけ、鶏もも肉を焼く。鶏もも肉に火が通ったらカボチャ、玉ネギを加え炒め合わせる。手順2:カボチャに火が通ったら赤パプリカ、キャベツを加えて炒め合わせる。少ししんなりしたら<ピーナッツみそ>を加え、全体にからめるように炒め合わせて器に盛る。ピーナッツみそを加えた後は、焦げやすいので素早く炒め合わせましょう。・ピーナッツバターマフィンピーナッツバターを混ぜ込み、刻んだピーナッツをトッピング。落花生好きにはたまらないおやつです。材料(2人分)無塩バター20gピーナッツバター(無塩)50gブラウンシュガー60g卵1個分薄力粉120gベーキングパウダー小1.5牛乳60mlピーナッツ20g下準備薄力粉とベーキングパウダーは合わせて振るう。オーブンを170℃に予熱する。作り方手順1:常温に戻したバター、ピーナッツバターを泡立て器でクリーム状になるまでよく混ぜ合わせ、ブラウンシュガーを加えて、更によく混ぜ合わせる。手順2:割りほぐした卵を2~3回に分けながら加え、そのつどよく混ぜ合わせてなめらかにする。手順3:手順2で合わせた粉の1/3量を加えて軽く混ぜ、牛乳の半量を加えて軽く混ぜる。粉の1/3量を加え軽く混ぜ、残りの牛乳を加えて更に軽く混ぜあわせ、最後に残りの粉を加えて軽く混ぜ合わせる。手順4:紙のカップに8分目位まで流し入れ、粗く刻んだピーナッツを散らし、170℃に予熱したオーブンで15~20分焼く。・ピーナッツに焼き色がついてきたら、カップの中央に竹串を刺し、生地がついてこなければ焼き上がっています。・オーブンペーパーでざっくり包んでも可愛い。・ここはガスオーブンを使用しています。オーブンにより、温度や焼き時間には違いがあるので、ふだんからお家のオーブンの癖を知っておくことをおすすめします。目安として小型の電気オーブンの場合、レシピより10~20℃高い設定にしてください。■まとめ:落花生は冷凍保存でおいしさ長持ち茹でた落花生のホクホクとした食感も、煎り落花生の香ばしさも落花生の魅力ですよね。落花生は、その状態によって味わいだけでなく、保存期間も大きく変わってきます。ただ、どの状態でも長期保存するなら冷凍保存がおすすめです。冷凍することによって、おいしさを長持ちさせることができます。食べきれなかった落花生は、冷凍保存していろいろなお料理に活用してみてくださいね。
2021年09月28日みなさんは袋入りのピーナッツを一気に食べたことはありませんか?食べ始めると止まらないピーナッツは、安い値段で手軽に買えて、おやつでもおつまみでもおいしくいただけます。実は、最近はピーナッツのダイエット効果が見直され、健康食品としての評判もあるんです。今回は、そんなピーナッツに関する役に立つ情報を幅広くご紹介します!■ピーナッツの栄養と効能気が付いたときには何粒食べていたかわからなくなるピーナッツは、おいしいおやつになります。ピーナッツは非常にカロリーが高く、全国落花生協会のデータによれば、煎り莢(さや)のピーナッツで、可食部100gあたりのカロリーが585kcalもあります。そして、そのカロリーに見合うたくさんの栄養価がある食べ物です。・ピーナッツの栄養ピーナッツはカロリーが高いだけでなく、煎り莢のピーナッツ可食部100gには、タンパク質26.5g、脂質49.4g、炭水化物19.6gも含まれています。ビタミンもミネラルも豊富に含まれ、中でもビタミンEが大量に含まれています。さらに、ビタミンB3ともいわれるナイアシンの含有量は野菜の中では上位の値を示します。カリウム、マグネシウム、リンなどのミネラルもたくさん含まれているので、効能も期待できそうですね。・ピーナッツの効能ピーナッツに多く含まれているビタミンEは抗酸化力が強く、活性酸素を抑え、不飽和脂肪酸の酸化を防止するはたらきがあります。これは、現代人が悩む生活習慣病の動脈硬化や心筋梗塞などの予防に役立つといわれています。・二日酔いに効くナイアシンピーナッツに多く含まれるナイアシンは二日酔いの予防に効くといわれています。ナイアシンは、アルコールの成分を分解するはたらきがあり、二日酔い成分といわれるアセトアルデヒトの分解を助ける効果があるので、お酒のアテにぴったりなのですね。・注目の『酢ピーナッツ』最近注目されているピーナッツの食べ方が「酢ピーナッツ」です。素焼きされて薄皮が付いたままのピーナッツを、お酢に3日漬けた「酢ピーナッツ」は、多くの現代人が悩む高血圧を予防する効果が期待できます。そもそも、高血圧の原因の一つが血管の収縮です。その血管の収縮を引き起こす要因の一つに、塩分の取りすぎがあげられます。薄皮付きピーナッツは血管を拡張するポリフェノールを含み、余計な塩分を体外に排出するカリウムも含んでいるので、血管の健康にいい食品なのですね。そのうえ、お酢そのものにも、血糖値を下げるはたらきがあります。このふたつが合わさった「酢ピーナッツ」を食べると、健康増進の相乗効果が期待できると言えるでしょう。・ピーナッツと落花生に区分け一般的に「ピーナッツ」と呼ぶものを「落花生」と呼ぶ人もいますよね。しかし、品種などによって呼び方の違いがあるわけではありません。厳密な使い分けではありませんが、殻が付いた状態を落花生と呼び、豆の部分だけになると「ピーナッツ」と呼んでいるようです。■ピーナッツの栄養素『レスベラトロール』に注目!みなさんは「レスベラトロール」をご存じですか? 「レスベラトロール」は、健康にいい効果をもたらす成分といわれており、これがピーナッツにも含まれているのです。あまり聞きなじみのない栄養素かもしれませんが、これから注目される可能性が高い成分なので、詳しく知っておきましょう!・「レスベラトロール」はポリフェノールの一種植物は、子孫を残すために、種子や葉などを紫外線による酸化ダメージから守る必要があります。その際に生成される物質が、ポリフェノールです。つまり、ポリフェノールは植物内で作り出される抗酸化物質です。ポリフェノールは種類が多く、8,000種以上あるといわれており、「レスベラトロール」はその中の1種類です。・レスベラトロールの働きピーナッツの栄養素「レスベラトロール」は、がん予防に良いとされている成分だそうです。そのほか、ニキビ予防やメラニンの生成を抑える美肌効果や、肌の若々しさを保つアンチエイジングの効果も期待されていますよ。最近は健康食品や美容サプリメントとしてもますます関心が高まっています。・ピーナッツの薄皮に含まれる「レスベラトロール」は、ピーナッツの薄皮に含まれています。薄皮と言えば、少し苦みがあり、口の中に張り付いたりするので、避けられることも多いかもしれません。しかし、ピーナッツの薄皮に「レベラトロール」が含まれているとわかれば、これからは積極的に摂取したくなりませんか。■ピーナッツの栄養とダイエット効果「ピーナッツは太る」みなさんはそう考えていませんか?ピーナッツは高カロリーな食べ物だけに、食べると太る印象を持つ方もいるでしょう。当然、食べ過ぎれば太りますが、ピーナッツは食べ方次第で栄養が摂取できるうえに、ダイエット効果も期待できます。・ピーナッツは『低GI食品』人間は食べ物を食べて消化されると、体内の血糖値が上がります。そのとき、体内のインスリンは、余った糖質を脂肪に変換するはたらきをします。それが肥満につながるのです。ところが、食べた食品によって血糖値の上昇速度が異なります。この血糖値が上昇する度合を表す数値をGI値(グリセミックインデックス値)といい、食品ごとに数値が把握されているのです。ピーナッツのGI値:15ほかの食品のGI値を見てみましょう。70以上の高GI値の主な食物は、白米、パン、餅、煎餅、赤飯、お粥などがあります。対して、55以下の低GI値の主な食べ物は、こんにゃく(24)、プレーンヨーグルト(25)など、ダイエット中の味方になる食品です。それらの食品に比べてみても、ピーナッツのGI値、15はとびきり低い数値ですね。ピーナッツは糖質に代わる時間が遅いだけに、体内血糖値の上昇度合いが緩やかで太りにくい食品といえるようです。・ピーナッツの脂は良質な脂ピーナッツの脂質にはオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれています。この不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールを抑制する作用があり、動脈硬化などの生活習慣病を予防し、肥満防止にも役立つといわれていますよ。このように、ピーナッツに含まれる脂分は良質で、健康に良い効果が期待できる脂ですので、ただカロリーが高いだけではないのです。・腹持ちがよくおやつに最適ピーナッツは噛みごたえがあるので、満腹感を得やすいですよね。また、GI値が低いこともあって、吸収されるのに時間がかかり、腹持ちが良い食べ物ですので、おやつに向いているでしょう。■ピーナッツを食べるときの注意点おいしくて健康にも良いピーナッツでも、食べ過ぎは良くありません。食べ過ぎ以外にも、ピーナッツを食べるときに気を付けなければいけない重要なポイントがあります。・ナッツアレルギーに注意ピーナッツを食べるときに特に気を付けなければならないのが、ナッツアレルギーです。その一種が「ラッカセイアレルギー」で、重篤な症状になることもあります。もちろん、ご自身がアレルギーだと自覚している人は、食べようとも思わないはず。アレルギーかどうかまだわからない段階のお子さまにあげるときなど、十分に注意してくださいね。・ピーナッツのカビに注意食品の品質管理が厳しい日本ではあまり見ませんが、ピーナッツにもカビが生えます。ピーナッツに生えるカビのなかで、アフラトキシンB1は強力な発ガン物質と報告されています。国内に流通するピーナッツ食品は最大の注意が払われていて、まずカビは発生していないようです。それでも、万が一カビが生えたピーナッツやピーナッツバターがあったら絶対に食べるのはやめましょう。・ピーナッツの食べ過ぎに注意一つ一つが小さいピーナッツには、どんどん手が伸びてしまうこともあるでしょう。ピーナッツに限ったことではありませんが、やはり食べ過ぎはいけません。ピーナッツには脂質も多く、食物繊維も入っていますので、消化に時間がかかり胃腸へ負担もかかります。ある程度であればメリットとなり健康に良く作用してくれる成分も、摂りすぎてしまえばカロリーオーバーですよ。・一日の目安はピーナッツ20粒それでは、どのくらいが適量なのか気になりますよね。一般的にピーナッツは一日に「約20粒」多くても30粒までが適量といわれています。もちろん、高カロリーで脂分も多いピーナッツだけを食べるのではなく、野菜も食べ、適度の肉もとってバランスよい食事を心がけましょう。・ピーナッツの保存方法生ものの落花生は日持ちしません。早めに食べきることがおすすめですが、どうしても保存する場合は、ポリ袋や密閉容器等に入れて、空気をシャットアウトして冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。保存期間は2日から3日が目安です。ただ、落花生は殻が付いたまま乾燥させて売っていることが多いですよね。乾燥した落花生を買った場合は、密封式のビニール袋に入れて、冷蔵庫で保存することをおすすめします。また、スーパーなどのスナックコーナーにあるピーナッツは、殻付きのままでも、焙煎されたものでも湿気が大敵です。湿気を避けて空気にも触れないようにして保存しましょう。天候や保存する場所で異なってきますが、2週間から3週間は開封時とそれほど変わらない状態が保てるようです。■栄養豊富なピーナッツについてみなさんは日本でピーナッツ、つまり、落花生がいつごろから食べられていたか知っていますか?落花生の歴史や生産されている地域や有名な落花生の銘柄など、栄養豊富なピーナッツな落花生のうんちくをご紹介します。・日本に伝わったのは江戸時代落花生の原産地は南アメリカのアンデス山麓といわれています。紀元前1,000年頃には栽培されていたようで、15世紀の大航海時代に世界中に広まったそうです。日本には中国を経て、江戸時代初期に渡来したようで、南京=海外から来た豆で「南京豆」と呼ばれていたようです。ただし、花が落ち、地中に潜るのがあまり好まれず、江戸時代の日本ではほとんど栽培されなかったようです。唯一、沖縄だけで落花生が栽培されていたようですね。日本で本格的な落花生の栽培が始まったのは明治時代に入ってからです。明治7年(1874年)に明治政府がアメリカから種子を導入して栽培を推し進めました。現在は関東を中心に日本各地で栽培されています。・落花生は地中で育つ落花生は地中で育つ豆です。「種実類」と呼ばれ、木の実のナッツではありまありません。落花生は発芽して30cmほどの大きさに成長すると、夏期に黄色い花を咲かせます。そうすると、落花生は子房柄(しぼうへい)と呼ばれる一本の蔓が伸びて地面にもぐっていきます。その蔓の先に殻付きの落花生を実らせます。ちなみに落花生の名前は「花が地面に落ちるようにして実を生む(付ける)」ことから、「落花生」と名付けられたと言われていますよ。・落花生の主な品種世界中で栽培されている落花生にはたくさんの種類があります。そんな中で、日本の落花生の一大産地、千葉県で多く栽培されている落花生の品種が、千葉半立(ちばはんだち)、中生豊(なかてゆたか)、Qなっつ、郷の香(さとのか)と、おおまさりです。神奈川県で改良された品種もあり、立落花生一号、改良半立などが神奈川の西部で品種改良されました。この中で「Qなっつ」は平成30年(2018年)デビューの新しい品種です。Qなっつは従来の落花生に比べると「甘み」が増したことが特徴です。千葉県が十数年かけて品種改良を繰り返し誕生した、おすすめの落花生の新種ですよ。・ピーナッツは千葉県の特産千葉県が落花生王国であることをご存じな方は多いはずです。平成29年(2017年)の落花生の収穫量では、トップは千葉県の12,200t、2位が千葉のお隣、茨城県の1,670tです。落花生の国内生産量の79.2%が千葉県で栽培されています。落花生は千葉を代表する農産物になっていますね。・ピーナッツの約9割は輸入品実際に国内に流通している落花生の大部分は中国産ほか、海外からの輸入品です。スーパーのピーナッツ売り場の商品の多くは原産国中国となっています。国産の落花生は貴重品で、旬の時期も短く、お土産品や既定のルートのみで販売されているようで、千葉県産の落花生はブランド品といえます。・ピーナッツの旬はいつ?日本の落花生の収穫時期は9月下旬頃から10月にかけてが最盛期になります。収穫後、1週間くらい乾燥させてから出荷されるので、日本の落花生の旬の時期は10月。ただし、最近は保存技術も進歩して1年を通して流通しているようです。・日本の落花生発祥の地は?日本の落花生の収穫高は圧倒的に千葉県が突出していますが、日本の落花生の「発祥の地」はどこかという、興味ある論争が起きています。名物の相州落花生の産地、神奈川県の秦野市と二宮町、大磯町の3地域が落花生栽培の発祥地を主張しています。落花生の歴史といえば、明治初期に横浜で「異人豆」として販売していた落花生の種を、神奈川県西部に持ち帰り栽培したことが本格的な落花生栽培のルーツだそうです。3地域それぞれに、独自の落花生伝説があり、地域おこしもかねて落花生発祥の地の論争が起きているようですよ。・節分でまく豆は「落花生」?思い出してください、子供のころに節分でまいた豆を。意外と落花生を節分でまいた経験がある方も多いのではないでしょうか。節分に落花生がまかれるのは、東北地方、北海道、北陸、九州の鹿児島です。落花生も豆ですから、豆まきには変わりありません。では、なぜ落花生が節分でまかれているかですが、まず「見つけやすい」「殻のまま、まくと衛生的」という実利にかなった理由が大部分だそうです。コロナ禍の折、これまで大豆をまいていた方も、次回の豆まきは「落花生」を検討してみましょう。■栄養豊富なピーナッツは殻も有効利用できる!みなさんは殻付きのピーナッツを買ったときに、食べ終わった殻はどうしていますか?栄養満点のピーナッツはその殻も有効利用できます。意外に知られていませんが、日常生活に役立つ利用方法があります。・『ホルムアルデヒド』を吸収する落花生の殻には優れた空気清浄効果があります。家屋の壁紙や接着剤に含まれるホルムアルデヒドはシックハウス症候群を引き起こす原因に特定されています。落花生の殻を4時間置いておくだけで、ホルムアルデヒドを80%も吸着したという実験結果もありますよ。・消臭効果がある落花生の殻の表面には目に見えないほどの小さな穴がたくさん開いています。その殻を細かくして布袋に入れたり、動物小屋の下に敷くだけで高い消臭効果が期待できます。ピーナッツの殻は天然素材ですから安全性も高く、ペット用の小屋にも使用できます。落花生の殻は細かく砕けば砕くほど空気に触れる面が増え消臭効果がアップします。・枕としても利用されている枕といえば、最近は海外で開発された商品が人気のようですが、日本の天然素材を活かした枕も根強い人気があります。落花生の殻は「吸水性」や「通気性」が優れていて、さらに「消臭性」に「クッション性」もよく、枕に使う素材に適していますよ。・たい肥や土壌改良に落花生の殻昔から落花生の殻は堆肥として使われてきました。さらに、落花生の殻は吸水性が優れていて、土壌改良材としても使用され、保湿性にも優れ、地中の微生物のはたらきを助けます。落花生の殻が土壌に含まれると土壌に小さな空間ができ、地中の通気性もよくなり土壌改良効果がいっそう高まります。農家の方はよくご存知かもしれませんが、ガーデニングや野菜の自家栽培をしている人も覚えておきたいですね。■栄養豊富なピーナッツおすすめの食べ方みなさんはピーナッツをどのように食べていますか?おつまみにも最適なピーナッツですが、そのほかにもおいしい食べ方がたくさんあります。ここでは、人気のピーナッツの食べ方を紹介します。新しいピーナッツのおいしさが発見できる食べ方もありますので、ぜひ試してみてください。・ローストピーナッツローストピーナッツ(素煎り落花生)はシンプルな調理方法ですが、ピーナッツのストレートなおいしさが味わえます。塩分が気になる方にもおすすめですよ。昔から食べられていた食べ方で、落花生の王道の調理法のようです。・粉末ピーナッツ粉末のピーナッツはそれだけで食べるよりも、さまざまな使い方ができる使い勝手がよい食品といえます。いろいろな料理はもちろん、お菓子にも使えます。料理で何か足りないなと感じたときに、粉末ピーナッツを少し加えることで、料理の味を一工夫する手助けになります。・ナッツ和え落花生の料理といえば、ナッツ和えでしょう。和え物料理の代表格はほうれん草。和え料理に使われる「ごま」の代わりにピーナッツを使うのがナッツ和えです。ピーナッツの香ばしい風味がほうれん草とよく合います。もちろん、ごまを足してもおいしいです。ほかの葉野菜の和え物料理にも使えますよ。・ピーナッツバターアメリカ人が大好きなピーナッツバター、太りやすいと思われがちですが、栄養価が高く、朝のエネルギー補給には最適です。ピーナッツバターはパンに塗るだけではありません。セロリやリンゴにつけて食べることもできます。また、クッキーの練り込み、料理の隠し味にも使えます。一家に一個、ピーナッツバターがあると味の幅が広がりますね。 ・茹で落花生茹で落花生は、新鮮な落花生が出回る9月から1月におすすめの調理方法です。新鮮な落花生だけに、日ごろ食べるピーナッツとはかなり異なる旬の落花生ならではの味が味わえます。ぜひ試してみましょう。茹で落花生の調理方法は、水の量に対して3%~4%の塩を加え、30分を目安に殻のまま茹でます。30分経過したら落花生の硬さを確認して硬いようであればもう少し茹でましょう。丁度良い茹で加減になったら火を止め冷まします。茹で上がった落花生の味は新鮮な落花生を使うだけに、病みつきになるおいしさです。■栄養満点のピーナッツをおいしく楽しく食べましょう!江戸時代から南京豆と呼ばれていたピーナッツは、長く日本人に愛された食べ物です。そのピーナッツの新しい効用も認められ、ダイエットにもメリットがあり、健康食品として食べる方も増えています。世界で愛されているピーナッツですから、加工食品が多いのも魅力ですね。なんとなく味が好きでピーナッツを食べていた、という人も、これからはピーナッツの栄養を実感しながら食べてみてください。《参考》・ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)PDF ・ 一般財団法人全国落花生協会「落花生をもっと知る」 ・ KAWASHIMAYA「酢の健康効果とは?飲み過ぎのデメリットと注意点をご紹介」 ・ 健康長寿ネット「ポリフェノールの種類と効果と摂取量」 ・ ZAGZAG「レスベラストール」 ・ シーディ薬局「低インシュリンダイエット」 ・ 江崎グリコ株式会社「脂肪酸(飽和・n-6系多価不飽和・n-3系多価不飽和)」 ・ 鈴市商店「大量の落花生の殻はどこへ行く?」
2020年09月03日