プランピット(代表:樋口義高)主催、『崎元讓・西森記子・小川和隆ファンタスティック・トリオ』が2024年3月29日 (金)にすみだトリフォニーホール小ホール(東京都墨田区錦糸1-2-3)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 プランピットホームページ 本コンサートのポイントプランピットでは、「時ノ空間」というテーマで過去10回にわたり楽器のもつ素晴らしい響きをデュオ・トリオといった編成で企画してまいりました。今回は、「ハーモニカ」と「ヴァイオリン」そして「ギター」というトリオで演奏いたします。クラッシックをハーモニカで演奏?と思われている方に是非一度は、聴いていただきたいコンサートです。ハーモニカを他の楽器と肩を並べることができる表現を持った演奏することを掲げられ音楽家生活55年以上活躍されている日本を代表するアーティスト崎元讓さんを中心に今回はハーモニカの他にヴァイオリンそしてギターを加えたトリオの演奏です。名曲を3人の息のあった演奏で披露するほか、ハーモニカとヴァイオリン、ハーモニカとギター、また各楽器のソロなど、魅力満載の演奏会です。当日はコンサートホールとしての機能をコロナ前の状態に戻した大人向けの趣向を加えた夜の音楽会にふさわしいBARコーナーをOPENしてワンドリンクサービスをさせて頂きますので、ごゆっくり金曜日の夜を是非お楽しみください。メンバー崎元 讓|さきもとじょう(クロマティックハーモニカ)1967年リサイタルデヴュー。1970年に渡欧。オランダで開催された第13回世界ハーモニカコンクールソリスト部門第2位入賞。ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア各地で演奏。日本国内では各地でリサイタルを開催。岩城宏之指揮N響、小澤征爾指揮新日本フィル他、各地のオーケストラと共演、TV、ラジオにも出演している。崎元のために作曲された曲は、200曲以上に及ぶ、また映画、TV、CMの音楽の演奏、の他、後進の指導にも当たっている。2022年10月21日に上野の東京文化会館小ホールで「音楽家生活55周年記念」のコンサートを開催した。現在、(公社)日本芸能実演家家団体協議会理事、実演家著作隣接権センターCPRA運営委員長、(一社)演奏家権利処理合同機構MPN副理事長を務めている。西森記子|にしもりのりこ(ヴァイオリン)東京藝術大学附属音楽高等学校、同大学音楽学部器楽科卒業。2000年 音楽の友ホールにて外山準氏の伴奏で初リサイタルを行う。2005年 無伴奏ヴァイオリンによるSOLOライブ活動を始める。2016年 松尾ホールにて外山準氏と「ソナタの夕べ」を行う。2017年 アンビエンテにて第10回ソロコンサート・ライブを行う。2019年 下北グレースガーデンチャーチでバッハ無伴奏Ⅴn全曲演奏会を行う。両国門天ホールにて崎元讓氏とデュオコンサートを行う。2022年すみだトリフォニーホールにて崎元氏とデュオコンサートを行う。現在 スタジオミュージシャンとしてCMをはじめ、J-POPやドラマ、映画などのレコーディングに携わるかたわら、さまざまなアーティストのライブやコンサートのサポートミュージシャンとして演奏活動の幅を広げている。無伴奏Violinの作曲・編曲も手がけている。これまでに大谷康子、故 山岡耕筰、徳永二男の各氏に師事。小川和隆|おがわかずたか(十弦ギター)東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。第22回東京国際ギターコンクール第1位。ギターを小原聖子に師事。スペインにてナルシソ・イエペスに十弦ギターを学ぶ。ソロのほか、歌や他のアンサンブルで活動の場を広げている。6枚のソロCDと、曲集「決定版ギターエチュード集」CD付曲集「ギターは素」「斬新的ギター二重奏曲集/F.カルッリ」を発表、好評を得ている。2017年9月発表のハーモニカの崎元讓とのデュオによるCD「優しき玩具」はレコード芸術誌の特設版となる。また「野口体操」を基に、身体の自然な動きと重力にのっとった奏法の研究を続け、演奏・教授に活かしている。公益社団法人日本ギター連盟正会員。スエルトン・ギタースクール(八王子)主宰。西方音楽院(栃木)、NHK文化センター町田教室などの講師を務める。団体概要日本語を大切に、日本語のもつ美しさをジャンルにとらわれず、日本中に広めたいと考えて、活動を開始。そして言葉だけではなく空間に響く音やリズムによって日本が係ってきた文化と音色の素晴らしさをシリーズ「時ノ空間」と題して、様々な楽器にスポットをあて、楽器の可能性をコラボなどにより伝えていくコンサートを開催している。開催概要プランピット~3つの楽器が名曲を奏でる大人のための贅沢な夜のひととき~『崎元讓・西森記子・小川和隆ファンタスティック・トリオ』開催期間:2024年3月29日 (金)会場:すみだトリフォニーホール小ホール(東京都墨田区錦糸1-2-3)■出演者崎元讓(クロマティックハーモニカ)西森記子(ヴァイオリン)小川和隆(十弦ギター)■スタッフプランピット■開催スケジュール2024年3月29日 (金)開場18:00開演18:30休憩20分■チケット料金前売:4,500円当日:5,000円(全席指定・税込)※ワンドリンクサービス付き 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年11月22日音楽劇『刻(きざむ)』が8月4日、東京・浅草九劇で開幕した。西森英行が2015年に自身の劇団InnocentSphereで上演した2本立て作品『刻印』のうち『刻』をベースに、新たに音楽劇として再構成。音楽は『SMOKE』や『BLUE RAIN』で知られる韓国ミュージカル界のメロディメイカー、ホ・スヒョンが担当している。秋には『ルードヴィヒ~Beethoven The Piano~』の日本初演も控えている人気作曲家であるホ氏だが、日本の制作会社と新作を共同創作するのはこれが初めて。小劇場ながら、非常に意欲的な作品だ。出演は伊藤裕一、大沢健、大山真志、橘未佐子、東山光明。男性陣は公演回ごとに役替わりで出演する。左から)大山真志、東山光明、橘未佐子、伊藤裕一少女が行方不明になり、その後殺害されて発見される事件が続いているとある町。生活感のない家に、娘の行方がわからなくなって2日たった高峰雅司と美沙の夫婦が訪ねてくる。その部屋の住人・横山は今は山本と名前を変えて暮らしているが、かつて“アスモデウス”と名乗り猟奇殺人を犯して世間を騒がせた人物。高峰夫妻は藁をもつかむ思いで、横山に娘の居場所を推理してくれるよう頼みにきたのだ。そこへ、かつて横山に娘を殺された北野という男がやってくる。横山に復讐したい北野、横山から情報を引き出したい高峰夫妻、突如「自分はアスモデウスではない」と告白する横山。緊迫の心理戦が続く中、事態は衝撃の展開へ……。冒頭から終幕に至るまでずっとスリリング。登場人物それぞれが切実な思いを抱き、必死に場の主導権を握ろうと綱を引っ張り合っているような物語だ。張り詰めた状態での心理戦を、リアリティと緊迫感を持って演じていく俳優陣の“芝居バトル”に圧倒される。初日公演は高峰=東山、北野=伊藤、横山=大山。「娘を見つけること」で視野がいっぱいになり焦りを全身から立ち上らせている東山、憎しみが熟成されてしまったかのようなドロッとした重い激情をみせた伊藤、奥底がまったく読めない横山の不気味さを謎のピュアさを滲ませて演じた大山。いずれも渾身の演技だ。美沙役の橘も深みのある歌声とともに、極限状態に置かれた母親の心情を的確に演じていて、見ごたえがある。左から)伊藤裕一、東山光明、橘未佐子、大沢健/撮影:岩田えりなお高峰役は伊藤と東山が、北野役は伊藤と大沢が演じ、北野役は4人の男性陣全員での役替わり。2日目のキャストは高峰=伊藤、北野=大沢、横山=東山という配役。普段の高峰の社会的地位も透けて見えるような伊藤の役作りは初日の東山とはまったく違っていたし、憎しみの奥の悲しみの深さが伝わる大沢の北野、底知れぬ怖さがある東山扮する横山もまた、面白い。ギリギリの精神状態でお互いを切りつけ合っていたような初日に比べると、相手を出し抜こうとする計算高さのようなものも感じ、また物語が違った顔を見せた。チェロの生演奏で奏でられるホ氏の抒情性豊かな音楽も、期待にたがわず美しく激しく、物語に深みを与えている。特に男性キャスト4人はこれまでにもホ作品への出演経験があることもあり、歌唱の面でも非常に充実している。ここまで台詞の応酬に緊迫感があると、歌に移るのもずいぶん難易度が高そうだが、しかし俳優たちはそれを武器に換えられる実力者揃い。音楽の力で物語をいっそう加速させている。西森は、実際に起きたいくつかの未成年犯罪事件に影響を受けてこの物語を作り上げたのだという。衝撃的ではあるが、けっして絵空事ではない、ということが怖い。物語のラストは、おそらく観る人によって受け止め方が違ってくるのだろう。西森自身がコメントしているように「極限の愛」を感じる人もいるだろう。だが筆者は、人が生きていくということの厳しさに戦慄した。この世の終わりのような事件が我が身に降りかかっても、人は生きていかねばならない。人生とはなんと厳しいことか――。いずれにしても、物語の余韻が、現実の自分の人生に浸食してくるような演劇体験ができるはず。このコロナ禍において海外のクリエイターと小劇場作品を共同創作する意欲、物語の衝撃度、俳優の熱演、すべての面から見逃してほしくない一作だ。公演は9月11日(日) まで同劇場にて。なお、チケットは日本演劇界では珍しい価格変動制(ダイナミックプライシング)を採用し販売中。取材・文=平野祥恵撮影:岩田えり<公演情報>音楽劇『刻』2022年8月4日(木)〜9月11日(日) 浅草九劇脚本・演出:西森英行音楽:HUH SOOHYUN出演:伊藤裕一 / 大沢健 / 大山真志 / 橘未佐子 / 東山光明(五十音順)【チケット料金】先行定価:7,800円※本公演は一般発売より本公演規準の価格変動制を適応します。チケットはこちら:公式サイト:
2022年08月08日プランピット(東京都江東区、代表:樋口義高)主催による『崎元讓&西森記子ファンタスティック・デュオ』が2022年5月21日 (土)にすみだトリフォニーホール・小ホール(東京都墨田区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて1月21日(金)より発売開始です。カンフェティにて1月21日(金)10:00よりチケット発売開始予定 公式ホームページ ハーモニカとヴァイオリンによる魅力溢れる音色と新たなる音楽の扉プランピットは、「時ノ空間」というテーマで、音楽を通じて日本の生活・歴史・文化に目を向けて、魅力ある響きと新しいサウンドを企画しお届けしています。今回は「ハーモニカ」と「ヴァイオリン」のデュオとソロの演奏です。ハーモニカの演奏は、ハーモニカという楽器を他の楽器と十分に肩を並べることのできる表現を持った演奏をすることを掲げられ、2022年には音楽生活55周年を迎えられる、日本を代表する音楽家、崎元讓さんです。ヴァイオリンは、東京芸術大学音楽学部を卒業後大谷康子氏、山岡耕筰氏に師事。卒業後JAZZとの出会いにより、「東京ホット倶楽部バンド」に参加。多彩なる音楽ジャンルにヴァイオリンの華麗なる音色を奏でられ演奏活動中の、ヴァイオリニストの西森記子さんです。お二方の魅力溢れる音色と新たなる音楽の扉を開くサウンドを是非お楽しみください。プランピット日本語を大切に、日本語のもつ美しさをジャンルにとらわれず、日本中に広めたいと考えて、活動を開始。そして言葉だけではなく空間に響く音やリズムによって日本が係ってきた文化と音色の素晴らしさをシリーズ「時ノ空間」と題して、様々な楽器にスポットをあて、楽器の可能性をコラボなどにより伝えていくコンサートを開催している。公演概要『崎元讓&西森記子ファンタスティック・デュオ』開催日時:2022年5月21日(土)13:00開場/13:30開演会場:すみだトリフォニーホール・小ホール(東京都墨田区錦糸1-2-3)■出演者崎元讓(ハーモニカ) / 西森記子(ヴァイオリン)■チケット料金前売:4,000円→ カンフェティ席3,000円!(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年01月12日エンゲキノマド「フェイス FACE / FAITH」が、ライブ動画配信サービス・PIA LIVE STREAMで6月9日(火)から29日(月)まで配信される。【チケット情報はこちら】2017年9月に浅草九劇で上演された「フェイス」。美しい日本語表現と緻密な心理描写に定評のある西森英行が書き下ろし、伊藤裕一・坂元健児という実力派二人で上演され、浅草九劇の緊密的空間とも相まって、大きな反響を呼んだ。この作品をコロナ禍にある現在、新しい表現で取り組むことができないか、と西森氏と話し合い、急遽立ち上げた「エンゲキノマド」という企画内にて、上演・オンラインでの配信することが決定。伊藤裕一・坂元健児というオリジナルキャストが改めて本作品に取り組み、また若手実力派である谷佳樹・平野良、安西慎太郎・林田航平という新たな2組を迎え、「オンラインでの稽古」「ソーシャルディスタンスを保った収録」で、新たに「朗読手法」にて「フェイス」に取り組みます。西森氏が編み出した表現方法にも注目。チケットは発売中。■エンゲキノマド「フェイス」脚本・演出:西森英行視聴料金:3000円出演 伊藤裕一×坂元健児:配信期間 6/9(火)19:00~6/15(月)23:59まで出演 谷佳 樹×平野 良:配信期間 6/16(火)19:00~6/22(月)23:59まで出演 安西慎太郎・林田航平:配信期間 6/23(火)19:00~6/29(月)23:59まで
2020年06月03日テレビアニメ「ダンガンロンパ3」の初舞台化『ダンガンロンパ3 THE STAGE 2018 ~The End of 希望ヶ峰学園~』が7月27日(金)より上演される。【チケット情報はコチラ】2014年から続く舞台版『ダンガンロンパ』シリーズの3作目にして完結編である本作。“超高校級”の才能を持つ高校生同士による“コロシアイ”の真相を“学級裁判”で突き止めるハイスピード推理アクションゲームのアニメ版第3弾を原作に、学級裁判のないコロシアイが描かれる。脚本・演出は西森英行。主人公・苗木誠は西銘駿が演じる。開幕に際して西銘が「舞台シリーズ『1』と『2』に比べても、今作はシリアスなシーンが続きます。人の命の重みがすごく感じられる作品ですし、そういうところを大切にお芝居したいと思っているので、泣いたり感動したり、胸をうたれてほしいです」と語ったように、これまでよりも人間ドラマが濃厚に描かれた作品。“コロシアイ”という非日常的な出来事のなかで引きずり出される人間の姿は意外なほどリアルだ。追い込まれた人間たちは、何が見えなくなり、何に気付き、何を求めるのか…登場人物それぞれの選択が切ないほどあらわになっていく。また、脚本・演出の西森が「舞台作品、アニメーション、ゲームの『ダンガンロンパ』シリーズの歴史をいただき、それを踏まえてつくる集大成の作品」と語ったように、物語としての集大成という側面はもちろん、特に舞台シリーズ「1」「2」を観た人には印象的な振り付けや台詞も散りばめられているなど、あらゆる面で『ダンガンロンパ』の歴史が感じられる作品。その熱いドラマと、アニメーションやプロジェクションマッピング、ダンサーによる身体表現など華やかなエンターテインメント性が合わさった、舞台シリーズならではの表現に仕上がっている。キャストは、主演の西銘をはじめ、女優としてモデルとして注目を集める岡本夏美、小劇場から2.5次元作品まで舞台で活躍する神永圭佑、声優として活動し舞台は久しぶりの出演となる飯田里穂ら幅広いジャンルから揃い、そのひとりひとりがしっかりと存在感を放っている。お笑い芸人の竹若元博(バッファロー吾郎)の日替わりコーナーや、アイドルから女優に転身した市川美織の歌などにも注目だ。希望が絶望になり、絶望が希望になる瞬間を何度も目撃しながら、ラストに全貌を知ったとき、改めて「希望とはなにか」「絶望とはなにか」を考える作品。希望そして絶望を体現するキャスト達の熱を劇場で体感してほしい。公演は7月27日(金)から29日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、8月3日(金)から13日(月)まで東京・ヒューリックホール東京にて上演。取材・文:中川實穗
2018年07月25日劇作家の西森英行による書下ろしのふたり芝居『フェイス』が9月21日、浅草九劇で開幕。舞台『フェイス』チケット情報ある青年と精神科医の数年ぶりの再会から始まる物語。劇場に足を踏み入れると、そこには四方を客席が取り囲むひとつの空間が。観客はその空間(=密室)で繰り広げられるふたりのやり取りの始終を目撃することとなる。かつての、そして今のふたりの関係は…。その謎のひとつひとつが明かされていく一方で、現在進行形の事件の謎も投げかけられる。このふたつの謎解きが両輪となり進むサスペンスタッチの展開に引き込まれ、やがてたどり着く心の深淵。劇場空間が一体となって一気に駆け抜ける70分間、頭も心もフル回転し、観劇後は心地よい疲労と時間をかけて咀嚼したくなる余韻が残る。そんな密室劇、心理劇、ふたり芝居、客席が囲む舞台…さまざまな圧の中で、キャラクターに命を吹き込むのは伊藤裕一と坂元健児。圧をもろともせずに、見事にふたりだけの美しく、激しく、切ない世界を体現している。明かせないことが多くあるため、詳細を語ることは控えるが、伊藤の繊細さ、坂元の温かさを起点に、ふたりともこれまでに見せたことのないような表情、芝居を見せる。西森の脚本・演出は、自身が心理学に精通しているからこそのリアリティと演劇としてのエンターテインメント性を持ち合わせる。俳優が発する研ぎ澄まされた言葉、台詞がときに突き刺さり、ときに優しく包む。そんな緊張と緩和が織りなす展開に、客席から笑いがこぼれる瞬間も。小道具も最小限、そんなシンプルな舞台では芝居を彩る“音”、“光”も非常に大きな効果を持つ。舞台にのめり込むほどに目、耳、心の感度が自然と上がっていた。生の舞台の醍醐味がそこにあった。『フェイス』というタイトルに潜むふたつの意味、〔face…顔、表情、対面する/faith…信頼、信仰、誠実、約束〕が導く物語の結末は光なのか闇なのか。それは最終的には観る者に委ねられる。でも、きっと…。そう信じたくなる青年と精神科医の物語に、観劇後も心を寄せたくなる。公演は9月29日(金)まで浅草九劇にて上演。チケットは当日引換券が発売中。取材・文 功刀千曉
2017年09月22日植田圭輔と平野良がW主演を務める舞台『インフェルノ』が9月に開幕する。同作は、講談社「ARIA」にて連載中の同名漫画(原作:高殿円、漫画:RURU)が原作。孤児だった男ノエル(平野)とマフィアの御曹司リッカ(植田)の、血より濃い“親子”の絆を描くサスペンスアクション。脚本は原作者である高殿円が手がける。その稽古場にお邪魔した。【そのほかの画像はこちら】皇歴235年、かつての東京は今では“ラージ・プリズン”と呼ばれ、巨大な暗黒街と化していた。その場所にシマを持つマフィアの三大勢力のひとつ、コーザ・ファミリー。その御曹司として育ったリッカの傍には、10年前に“血の誓い”を交わし“息子”となったノエルがいる。スラムでの生活から救い出されて以来、リッカの唯一の家族となったノエル。ある日、コーザの次期ドンであるリッカの兄・サーシャが、新しい幹部を決めるゲームをすると言い出す――。この日、稽古が行われていたのは、リッカ、ノエル、サーシャ(藤田玲※この日の稽古は欠席)、クラウド(山内圭輔)、スネーク(桑野晃輔)、オリーブ(藤原祐規)、ブラック・サンタ(中村龍介)が集結するシーン。まず一度通した後、演出の西森英行から、芝居の動きに加え、客席から見えやすい動線や立ち位置など、かなり細かい部分まで調整が入っていく。台詞の中で特にハッキリ伝えたいワードを説明するなど、みせたい部分、そのみせ方をクリアにする、わかりやすい指示。登場人物の奥に潜んだ感情を、キャラクターの背景なども話しながら丁寧につめていた。キャストも気になる点は積極的に西森と話し、その結果、台詞の順番が変更することなどもあった。その後、再び同じシーンを始めると、一気に空気に飲み込まれた。サーシャの右腕・クラウドがノエルの怪しい過去を暴露し、リッカがノエルの潔白を懸けてルーレットを回すという、ふたりの一挙手一投足に火花が散るシーン。挑発と計算を伴い次々と揺さぶりをかけるクラウド。しかし、リッカが揺らいでないのは観ていて伝わる。リッカを演じる植田が醸し出す気高さや強さがその空間全体を飲み込んでいた。その後、物語はサーシャの鶴の一声で、執行役員の椅子を懸けたロシアンルーレットへとうつっていく。引き金を引けば死ぬかもしれない状況下での振舞いが、各キャラクターを表しており、印象的。銃をこめかみにつけ、ふっと表情を変えたノエルにヒヤッとさせられるものがあった。舞台『インフェルノ』は、9月3日(土)から11日(日)まで東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて上演。取材・文:中川實穗
2016年08月31日