「夫婦2人家族なのに、自宅の6人掛けテーブルも、なぜか隣同士に座る私たちでした。トッちゃんは、いつも横にいたんです……」夫・赤木俊夫さん(享年54)との幸せな歳月を昨日のことのように振り返るのは、妻の雅子さん(50)。目尻を下げ、思い出したようにこんなエピソードも明かす。「夫は使い古した下着で靴を磨くんです。それをリビングに2週間も置きっぱなしにしたことがあって。私はそれが、どうしてもイヤで“プチどっきり”のつもりで鞄にこっそり忍ばせたんです」俊夫さんは、職場からメールで一言「もう!」。それがちっともケンカにならず、笑いに変わる、仲むつまじい夫婦だった。そんな、ささやかな幸せにあふれた23年間にわたる結婚生活は、突然終わりを迎える。財務省近畿財務局職員だった俊夫さん。’18年3月7日、学校法人森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強制させられたことを苦に、自ら命を絶った。雅子さんは、昨年3月に、国と佐川宣寿元財務省理財局長(63)を相手に損害賠償を求め提訴。誰のどんな指示があったために、俊夫さんが死に至ったのか、その真実を明らかにしたいとの思いからだ。そこで真相解明の糸口となっていたのが、赤木ファイルである。雅子さんは、これまで国にファイルの開示を求めていたが、国はその存否さえ明らかにしてこなかった。しかし今回、6月23日に大阪地裁で行われた第4回口頭弁論にあたり、ついにその赤木ファイルが裁判資料として提出され、ついに内容が公開されたのだ。全518ページの膨大な赤木ファイルは、まさに俊夫さんが命を懸けて残した「国の改ざんの記録」。そして、決してやりたくない改ざんをやってしまった俊夫さんの悲痛な心の叫びでもある。■的中した雅子さんの懸念この日の弁論の最後に、雅子さんは背筋を伸ばし思いを述べた。「赤木ファイルを見て、手書きの文字が夫の字だとすぐにわかりました。夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを作ってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」雅子さんの知らなかった事実もたくさん記載されていたという。「夫が、具体的な説明もなしに、改ざんに反対をしても、一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが、わかりました」当時の俊夫さんの様子を、雅子さんはこう語っていた。「’17年に問題が発覚してからは、次第に夫から笑顔が消え、心療内科に通うようになりました。テレビで森友問題のニュースが流れても、何も聞けませんでした」いつも隣にいて、どんな話題も笑いに変わる夫婦だったのに、会話が極端に減ってしまったという。ファイルの開示により、ようやく当時の夫の心の内を知ることができたが、まだ納得できないところがあると雅子さんは語る。この日に公開されたファイルは、所々が黒く塗りつぶされている。その部分はほとんどが、財務省理財局や近畿財務局の職員名と思われる箇所。約400カ所もの“黒塗り”は、改ざんが「誰からの指示」だったのかを隠し続けているのだ。雅子さんはこの裁判の前に、「黒塗りだけはやめてほしい」と本誌に不安を漏らしていたが、その懸念が的中する形となった。さらに、麻生太郎財務大臣(80)はファイルが証拠として提出された際「再調査は考えていない」と即座に発言。国は幕引きを図ろうとしているようにみえる。なぜ国は、この事件を一刻も早く「なかったこと」にしようとしているのか。裁判後の夕刻、疲れた表情ながらも、雅子さんは本誌に決意を語ってくれた。「トッちゃんの、つらかった思いは、私が受け取りました。すべての黒塗りがなくなり、真相が明らかになるまで、最後までやり抜きます」
2021年06月29日学校法人森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題。改ざんの経緯を明らかにするカギとなっていたのが、当時改ざんを強制されたことを苦に自死した赤木俊夫さん(享年54)が残した「赤木ファイル」だった。妻の雅子さん(50)は昨年3月に、国と佐川宣寿元財務省理財局長(63)を相手に損害賠償を求め提訴。事件の真相解明をもとめ、ファイルの公開を要求してきたが、国はその存否さえ明らかにしてこなかった。しかし今回、6月23日に大阪地裁で行われた第4回口頭弁論にあたり、ついにその赤木ファイルが裁判資料として提出され、内容が公開となった。雅子さんが裁判後の夕刻、疲れた表情ながらも、本誌に心境を語ってくれた。「やっぱり、赤木ファイルには、“その名前”の記載があったんだなと思いました。それを隠したかったから、1年3カ月も国は出さなかったのかもしれない……」雅子さんが開口一番に言った「その名前」とは、安倍晋三前首相の妻・昭恵氏のことだ。そもそも、俊夫さんが財務本省からの指示で改ざんを強いられるきっかけとなったのは、’17年2月17日の国会における、安倍前首相の次の発言だと考えられている。「私や妻が(森友学園の問題に)関係しているということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」■「安倍さんは国会議員をまだされていますね」しかし、実際は「安倍昭恵総理夫人」の文字が森友学園に関する公文書に存在。そのため、その文言を消すために、この発言の直後から改ざんが始まったとみられていたのだ。今回の赤木ファイルの公開で、確かに総理の発言の直後から、改ざんが始まったことが明らかになった。《当該文書を確認していたところ……現時点で削除した方が良いと思われる箇所があります。当該箇所をマーキングしておきました》この改ざん指示の文章は、同年2月26日に財務省理財局係長から俊夫さんを含む近畿財務局職員7人に宛てられたメールの一部。そして《当該文書》には、次の部分がマーキングされていた。《打合せの際「……安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで映っている写真を提示)》その安倍前首相に、雅子さんはいま、こんな言葉を投げかける。「実際、安倍さんの名前と昭恵さんの名前が、赤木ファイルに出てきました。でもいま、安倍さんは国会議員をまだされていますね。あの国会での発言後、夫は改ざんを指示されたんです。『関係している』ことは明らかですよね。いま、何と答えるのか、安倍さんに直接、聞いてみたいです」そして、裁判は今後も続く。「理不尽なパワハラはどんな職業でも起こりうるし、いまもどこかで苦しんでいる人がいる。裁判を通して『やってはいけないことはやってはいけない』と伝えたい」最後に、雅子さんは言い切った。「トッちゃん(編集部注・俊夫さん)の、つらかった思いは、私が受け取りました。すべての黒塗りがなくなり、真相が明らかになるまで、最後までやり抜きます」
2021年06月29日「やっと、一歩、進んだ感じがします」どんよりとした雲のあいだから、ときおり陽光がのぞく日曜日の午後、本誌編集部を訪れた赤木雅子さんは、やや明るい声で言った。’18年3月7日、森友学園事件にまつわる公文書の改ざんを強制させられたことを苦に、財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(享年54)が、自ら命を絶った。23年間連れ添った妻・雅子さんは、財務省による改ざん事件の真相を解明するため、昨年3月に国などを相手に提訴。俊夫さんが改ざんの経緯を記したとされる“赤木ファイル”の公開を求めていた。国は、これまでファイルの有無について解答を拒んできた。しかし一転、5月6日にファイルがあることを認め、次回6月23日の弁論で、裁判資料として提出するというのだ。「それまでずっと、存在について尋ねても『探索作業中』と言われていました。あることは間違いないのに、あるともないとも明言せずに、逃げてきたんです。今回、公開が決まったことについて、弁護士の先生も『珍しいことですよ』とおっしゃっていました。おそらく世論の後押しのおかげだろうと」しかし、この公開を「まだ手放しでは喜ぶことはできない」と雅子さん。国や自治体、公的機関などが資料を開示する場合、都合の悪い部分や人物名を“事件と無関係”“公人ではない”などとして黒く塗りつぶすことが多いためだ。いわゆる“黒塗り”である。■国は黒塗りで何を隠したいのか?今回も国は「メールに記載されたパスワードや、裁判に関連しない第三者の個人情報などが含まれている」ことを理由に、資料の一部をマスキングするという。元NHK記者で森友事件に詳しいジャーナリストの相澤冬樹さんはこう指摘する。「赤木ファイルの資料の中には印刷されたメールが含まれています。おそらく俊夫さんが受け取っていたメールには『誰々がここを消せと言っている』という内容が含まれているはずです。もしそこに『安部昭恵』『首相夫人』などというワードがあったら、実際は当事者なのに、国は『第三者』という理屈で消してしまおうと考えるでしょう。生前、財務省の決裁文書から昭恵夫人にかかわる部分を消したとされる俊夫さんですが、誰の指示もないのに消すはずはありません。もし資料に記載がないというのなら、意図的に抜いている可能性が高いのです」一方で雅子さんは「この裁判資料のマスキングを指示されることによって、また公務員の誰かが苦しめられるのでは」と憂慮する。夫の俊夫さんが自責の念に苛まれた改ざん作業の中には、マスキングの作業も含まれていたのだ――。「夫の手帳には’17年2月26日から始まった改ざん作業についての記録が残されています。その中の3月7日ごろに『PDF、マスキング』というメモが残っているんです。マスキングをする人がいれば、その人も“真実を隠す”行為に手を染めることになってしまう。夫はそれを苦に命を絶ったのです。その再発だけは防いでほしい。それだけはやめてほしい」“赤木ファイル”の公開は今月23日。裁判への関心がより高まることで、マスキングされる部分が少しでも減るようにとの思いから、雅子さんはこの取材を受けたのだ。「夫が残した資料は、改ざんがどのように行われたかの経緯です。そこに登場する名前は、裁判に関係しないなんてことはないでしょう。私が知りたいのは真実です。だれが何を指示したがために、夫が資料を改ざんすることになったのか、それを明らかにしたいのです」
2021年06月14日平成時代を通して多くのファンに親しまれてきた、橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の新作が令和元年の今年も放送することが決定。併せて、プロデューサーの石井ふく子からのコメントが到着した。「渡る世間は鬼ばかり」は、弥生(長山藍子)、五月(泉ピン子)、文子(中田喜子)、葉子(野村真美)、長子(藤田朋子)の岡倉家5人姉妹とそれぞれの家族の悲喜こもごもを描いた物語。平成2年の放送開始以来、その時々の世の中の空気をとらえ、様々なメッセージを物語に反映させながら登場人物を描き、多くのファンに親しまれてきた。そんな平成時代の名物ドラマの新作が、令和元年の今年も放送することが決定した。プロデューサーの石井さんは、「平成2年に始まった『渡る世間は鬼ばかり』を通じて、視聴者の皆さんと一緒に平成時代を歩み続けることができたことは幸せで光栄なことでした」とこれまでの軌跡をふり返る。また、「一方でこの30年間で社会は大きく変化して人々は豊かになりましたが、家庭の在り方も変わり、家族がバラバラになってしまうのではないかと案じることもありました」と明かした。通算511作目となる本作については、「令和の時代にも『渡る世間は鬼ばかり』を作り続けられることをとてもうれしく思います。まだまだやることはいっぱいあると思っています。主な舞台となる『幸楽』を仕切るのは、赤木春恵さんから泉ピン子さんへ、そしてその娘、愛役の吉村涼さんへと交代して、登場人物の配置も変化してゆきます。橋田さんとも相談しながら、それでも変わらない家族の絆を描いていきます。新時代を迎えるにふさわしいドラマをお届けしたいと思います」と意気込みを語った。これまでもそれぞれの家庭の諸問題をリアルに投影してきたが、令和最初の放送となる本作ではどのようなストーリーが展開されるのか。新時代を生きるそれぞれの家族の行く末に注目したい。橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」は2019年、TBS系で放送。(text:cinemacafe.net)
2019年05月10日「4月上旬、武田鉄矢さんの古希のお祝いを兼ねた『3年B組金八先生』の同窓会が都内で開かれました。今回は浅野忠信さんも初めて参加し、過去最大人数で盛り上がったそうです」(テレビ局関係者)1979年から2011年までの32年にわたり、第8シリーズまで放送された、国民的人気ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)。主人公・坂本金八を演じた武田鉄矢(70)が、この4月に70歳の誕生日を迎えるのを機に、歴代の生徒役やスタッフが集まったという。古希の誕生日当日の昼前、都内のゴルフ練習場に来た武田に話を聞いた。「あ~はい、4日に集まりました。実は毎年、花見を兼ねて4月に集まっていたんです。私と柳井満プロデューサーがともにこの時期の生まれなもので。ただ、柳井さんが先年(16年)亡くなられて、私1人になって。でも、生徒たちが『これからも続けさせてほしい』と言ってくれて。特に今年は私の古希があったもんですから、集まりがよくて参加者は総勢100人近かったのかな」会場は、教え子の一人が営むイタリアンレストランだった。近年は柳井プロデューサーの遺影に一礼してから同窓会が始まるのが慣習だったという。「ちょっと切ないんですが、そこに君塚校長も加わったんです……」昨年11月、君塚校長役だった赤木春恵さん(享年94)が亡くなった。武田は通夜で「あの方から『上手ね』とか言われると力になる。子供をほめるみたいな、難しいことを言わず母親のような」存在だったと涙ながらに語っていた。「お2人の遺影に、一礼して献杯。会はそこから始まり、どんちゃん騒ぎになったんです。今年は、ずっと参加していなかった浅野(忠信)が来ましてね。浅野はパート3(第3シリーズ・88年)の生徒なんですけど、3カ月しか放送してないので、これまでパート3の教え子にはあんまり声がけしていなかったんです。そしたら、あいつらちょっとむくれちゃって(笑)。『パート3の僕らも先生、誘ってください!』って言うので、今回はパート3から10人ほど来たのかな。もう本当に懐かしくて……」浅野忠信(45)といえば、17年と18年に事務所社長だった実父が覚せい剤取締法違反で逮捕された。さらに今年2月には事務所の後輩で親友の新井浩文(40)も強制性交容疑で逮捕されるなど、心痛が絶えないはずだが――。「浅野とは2年前のドラマ『A LIFE~愛しき人』(TBS系)で共演以来、久しぶりに会いました。あの会だけは人生の成功や失敗なんて一切、関係ないんです。そちらさん(週刊誌)にお世話になるやつも中にはいるんですけど(笑)。だから、浅野にもいろいろあるかもしれないけど『冠も衣装もみんな脱ぎ捨てて、学生服に戻るようなつもりで来てくれないか』って言ったら、『はい、わかりました』と。それで、浅野は楽しそうに最後までいてくれたんですよ」
2019年04月18日今年も多くの偉大なスターが、たくさんの思い出をわれわれに残してこの世を去った。そんな故人と親交が深かった方々から届いた、愛あふれるラストメッセージを紹介。題して、「大好きなあなたへ最後のラブレター」――在りし日の姿に、心からの哀悼の意を表して。■赤木春恵さん(享年94・女優・11月29日没)へ。藤田朋子(53・女優)ある舞台でご一緒したときのことです。私は赤木さんを驚かせようと、赤木さんの楽屋に潜んだことがありました。鏡台の下に隠れて待っていた私は、赤木さんがお部屋に入ってきた瞬間、「わ!」と飛び出したのですが、にこにこしながら「まあ、いいのよ」とたおやかなお声。私が拍子を抜かして、「赤木さん、おはようございます」と挨拶すると、「何してるのぉ?おなかすいてなあ~い」と返され、私は返事に困ってしまいました。叱られたり、にらまれたり、ましてや怒鳴られたことなど一度もありませんでした。『渡る世間は鬼ばかり』では、目尻を釣り上げ、言いたい放題のキミさんを全力で演じていらした赤木さん。私の演じる長子も、わがまま放題な役柄でした。ドラマを見た人たちに、赤木さんが「意地悪な姑」と信じられていたのと同様、私のことを「わがままな嫁」と思ってくださる方がいることを誇りにし、長子を演じていこうと思っています。ご葬儀の出棺のとき、赤木のママの棺が表に出た瞬間、ふわぁーっと風が通りました。師走の風とは思えない、ママのように温かな優しい風でした。そう、赤木のママは、いつもそうやってみんなを優しく見守ってくれてた……。これからも、赤木のママが「いいわよ、朋子ちゃん」と笑ってくださるように、いただいた一つ一つの役に命を込めて演じ続けられるよう、想いを刻みます。ありがとうございました。
2018年12月26日「入院はしていましたが、頭はしっかりしていて、亡くなる前日まで家族と会話をしていました」涙声で語るのは、赤木春恵さん(享年94)の孫で俳優の野杁俊希さん(29)。『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の姑役で親しまれた赤木さんが東京都府中市の病院で逝去したのは11月29日のこと。1カ月ほど前から徐々に体力が低下し、最期は眠るように旅立ったという。生前の赤木さんが“私の宝物”と呼んでいた俊希さんは言う。「祖母は最近、こんな言葉をかけてくれていました。『あせらないで、お芝居も人生も、あせってもいいことはないから。そして、何があってもくじけないでね』。亡くなる直前まで何回も言ってくれたのですが、祖母と同じように役者の道を歩んでいる僕へ、先輩として遺してくれた言葉なのだと思います」赤木さんの長女・野杁泉さんによれば、10月31日に赤木さんが「いま、みっちゃんが“あやちゃん”って来たの」と語ったという。赤木さんの本名は小田章子、そしてソウルメイトとも呼んでいた森光子さん(享年92)は村上美津。2人は本名で呼び合っていた。「母は『みっちゃんと潮を噴き上げる魚の話をしたの』と、言っていました。森光子さんとはハワイでホエールウォッチングをしたこともあるそうで、夢の中のことだと思いますが、その思い出話を2人でしたというのです」(泉さん)赤木さんが森さんと出会ったのは’40年、慰問団(※戦地の兵士たちを慰問するための演芸派遣団)のトラックの上だったという。赤木さんは本誌に2人の友情についても語っていた。《森さんとは、目を見ただけでお互いの心と心が通い合う。私にとって森さんは、この世に二人といない“心の友”です》(本誌’11年10月11日号)夢での語らいは、旅立ちが近づいてきた赤木さんのために、天国からソウルメイトの森さんが訪れたということなのかもしれない。赤木さんの葬儀・告別式は12月4日に営まれた。葬儀委員長を務めたプロデューサーの石井ふく子さん(92)は言う。「生前、赤木さんからは“私の葬儀は取り仕切ってね”と言われていたのです。赤木さんの“夢”ではハワイのお話も出たそうですが、赤木さんも森さんもハワイがお好きで。私も、よくお2人を現地でお見かけしました。共演舞台の休憩時間にはお2人でずっと話し込んでいましたし、舞台終了後にはいつも手をつないで、食事に出かけていましたね。12年に森さんが逝去された後は、赤木さんはベッドサイドに、2人で撮った写真を飾っていました」天国で赤木さんは、迎えに来てくれた森さんと、思い出話に花を咲かせていることだろう。
2018年12月06日赤木春恵さんが11月29日、心不全のために亡くなった。94歳だった。赤木さんといえば、90年から続くドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)シリーズの姑・キミ役が有名。泉ピン子(71)演じる嫁・五月を振り回す役柄で、その強烈なキャラクターをお茶の間に届けた。いっぽう本来の赤木さんは、キミとは真逆のおっとりとした優しい性格。そのため当初キミを演じることに抵抗があったと、01年9月本誌に明かしていた。「あまりに自分の性格とキミが違いすぎるんですよ。イヤだな、こんなセリフは言いたくないな、みたいな連続でした。最近はようやく割り切って“これはお仕事だから”と思うようにしていますが、でも絶えず自分のなかでは葛藤があります」あるとき、キミの孫娘が「大学へ行きたい」というシーンがあった。「女の子は嫁に行くんだから大学になんか行く必要はない」と赤木さんは返すはずだったが、そのセリフだけどうしても覚えることができなかったという。カンペを使うことで、なんとか演じきることができたようだが――。「こんなことは長い女優生活で初めてのことだったので、心配になってお医者さんに診てもらったんです。そしたら、ボケたんじゃなくて“拒絶反応”みたいなものが出たんだろうって。自分でもわからない心の底のところで、どうしても言いたくないと思っているセリフだったらしいんです(笑)」絶えずキミを演じることに葛藤していたという赤木さん。「渡る世間」シリーズを卒業したのち、11年10月本誌にこう語っていた。「これからは、寡黙で優しいお母さん、おばあちゃんの役ができたらいいなと思います。亡くなるときに『赤木春恵という人は、いい人だった』と思われて死にたいですからね(笑)」赤木さんの大らかな優しさに、「渡る世間」シリーズの脚本家・橋田壽賀子(93)も感謝しているようだ。各スポーツ紙によると橋田は、赤木さんの訃報を受け「赤木さんの優しい人柄に接したおかげで、彼女の役を深く掘り下げて書くことができました」とコメント。続けて「優しさと厳しさと同時に表現できるけうな女優さんです。もうこんな女優さんは出てこないと思います」(原文ママ)と、その死を惜しんだという。赤木さんの優しさは、これからもみんなの胸に刻まれ続けることだろう――。
2018年11月29日58年に創刊され、多くの芸能人が登場してきた『女性自身』が2800号をむかえた。彼らは今、何をしているのか。“意外なその後”を大追跡! 13年に映画『ペコロスの母に会いに行く』で88歳の初主演を果たし、ギネス認定された赤木春恵(93)。 娘の野入泉さんにそんな彼女の現況を聞いた。 「15年に大腿骨を骨折し、手術でしか治らないと言われたのですが、高齢なので手術しませんでした。現在は車椅子生活で、施設に入っています。一部で認知症とかパーキンソン病とか言われていますが、そんなこともなく元気ですよ」 また今年3月の『ノンストップ』(フジテレビ系)では、赤木が福山雅治(48)と文通していることも明かされていた。 「昔のお友達と文通するのが楽しみですが、今は指先が震えて字が書けず、私が代筆することも多いですね」
2017年12月01日エディターであり古書店&ギャラリーを営みながら、1歳半の男の子を育てている赤木真弓さん。 <前編>赤木さんの「やさしさのヒミツ」 に続いて<後編>では、息子の温くんのために愛をこめて選んだという、こだわりの「子育てアイテム」をご紹介します。赤木真弓さん / 息子さん:温(おん)くん(1歳半)ライター、編集者。横浜のショップ「greenpoint books & things」店主。旅好きユニット「auk(オーク)」としても、雑誌の記事や本作りを行っている。著書に『ラトビア、リトアニア、エストニアに伝わる温かな手仕事』(誠文堂新光社)、共著に『ブルックリン・ネイバーフッド』、『オランダ・ショート・トリップ』(ともにスペースシャワーネットワーク)ほか。 やさしいママのモノ選び:手づくりや、素朴で安心素材のおもちゃを選ぶ赤木さん夫婦のお部屋にいると、なぜかついついリラックスしてしまいます。足場板を使ったフローリング、ヴィンテージの家具、蚤の市で見つけた置物など、ひとつひとつに二人の“好き”が感じられるからでしょうか。「新品より、味のあるものが好きなんです。アーティストの友人が作った手作りのモノや絵画など、ここにあるのは趣味で選んだものばかり。子どもができてからは、おもちゃも増えましたが、やっぱり手作りのものを与えて、その感覚を伝えたいと思うんです」赤木さんが子どものために作ったというお手玉は、あずきを布で包んだオリジナルのもの。手にした時の感触も、心地よいおもちゃです。「木の積み木は友人からの贈り物。minä perhonenのデザインで、色使いが気に入っています。積み木は子どもの脳の刺激にもよいと言われていますが、ナチュラルな素材ややさしい色彩の感触は、子どもの五感にもよい刺激になるのではと思います。いつか、子どもがもう少し大きくなったら、一緒に美術館にいって、いい刺激をたくさん吸収して欲しいんです」 やさしいママのモノ選び:「せいろとホーローバット」でつくるシンプルなおやつとごはん温くんのご飯は、野菜中心のヘルシーごはん。「せいろを使って、ごはんも野菜も全部蒸して作ります。おかゆもすべて一緒に作れるので、せいろは重宝しています。蒸した野菜は軽く塩をふってオリーブオイルをかけるだけ」 野菜好きの温くんは、お皿一杯の野菜も、ぱくぱく平らげてしまいます。お菓子も、できる限り手作りにしたいと心がけているそう。「最近、よく作るのはホーローバットを使った簡単デザート。バターを使わずに作るホーローバットのショートブレッドなどは、子どもも大好きです。味付けはきび糖と塩だけのシンプルなものですが、全粒粉を使っているので噛みごたえもあります。他にプリン、アイスなど、ホーローバットで簡単に作れるんです」赤木さんが食べ物にこだわるには理由があります。「子どもの健康を考えたら、やっぱりカラダにやさしい食べ物を手作りするのが一番。味覚は子どものうちに育つといいます。工夫次第で簡単に作れますから、仕事しながらでも手作りご飯にはこだわっています」 やさしいママのモノ選び:使うほど好きになる、自然派の「ヤシノミ洗剤」シリーズお子さんの五感を大切にしたり、肌にやさしい自然素材を選んだりと、「やさしさ」にこだわってモノ選びをしている赤木さんに、“人と地球にやさしい” 「ヤシノミ洗剤」シリーズ3点を体験してもらいました。「今まで、自然派洗剤ってあまりきれいに落ちないんじゃないかと心配していましたが、ヤシノミ洗剤は泡立ちがよく、食器もきれいに洗浄できますね。片手でワンプッシュで使えるのも、使いやすいです。キッチンに置いても絵になるボトルデザイン。コレだったら継続して使いたいなと思いますね」子どもたちの集う本屋さんを夢見て「子どもと一緒に過ごすことで、仕事の価値観も変わってきました」という赤木さん。これまでは自分の好みで、本も、雑貨も選んできたけれど、子どもができてからは、「子どもに喜んでもらえるもの」というものの見方をするようになったそう。「子どもがもう少し大きくなったら、私のお店、greenpoint books & thingsも変わっていくと思います。近所の人たちが集う商店街にある本屋ですから、いつか子どもたちが学校帰りに『ただいま』『遊びに来たよ』と立ち寄ってお店にくるようになったら、嬉しいですね。子どものうちにいろんな本を見て、刺激を受けて、視野を広げてくれるようになって欲しいと願っています」取材/文:東ミチヨ 撮影:林ひろし[PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】
2016年08月30日「やさしいママのヒミツ」第一回目は、エディターであり古書店&ギャラリーを営みながら、1歳半の男の子を育てている赤木真弓さんです。赤木真弓さん / 息子さん:温(おん)くん(1歳半)ライター、編集者。横浜のショップ「greenpoint books & things」店主。旅好きユニット「auk(オーク)」としても、雑誌の記事や本作りを行っている。著書に『ラトビア、リトアニア、エストニアに伝わる温かな手仕事』(誠文堂新光社)、共著に『ブルックリン・ネイバーフッド』、『オランダ・ショート・トリップ』(ともにスペースシャワーネットワーク)ほか。 悩みながらもたどり着いた自分らしい子育て、愛を込めて選んだわが子のための厳選アイテムとは? <前編>では、赤木さんの「やさしさのヒミツ」に迫ります。■「絵本」がつなぐ、ママと子どもの大切な時間ひだまりで、ほっこり。子どもと一緒に絵本を読みながら過ごす赤木さん。使い古されたテーブルや、木の温もりがやさしい家具、雑貨など、まるで外国のカフェみたいな和み空間は、書店オーナーの赤木さんならでは。「子どもの頃から本が好きでした。いつか自分の店を持ちたいと思っていましたが、ご縁があり、今は横浜の商店街でギャラリーを併設した書店を営んでいます」昔ながらのお店が今も立ち並ぶ商店街、山元町商店街で、国内外の古書と雑貨を扱うお店「greenpoint books & things」を経営する赤木さん。パリの古本屋さんみたいなお店の感性は、お家のインテリアやキッチンにも生かされています。■おやすみ前の「絵本遊び」で、仕事の疲れも癒される「子どもが生まれる前から、絵本が好きだったんです。絵本ならではの独特の色彩感覚や、シンプルな物語は、眺めているだけでも楽しいですよね。でも子どもが生まれてからは、『どんな本だったら喜んでくれるかな?』と選ぶ基準が変わりました。息子は、気に入った本があると、自分から『ママ、読んで』と言わんばかりにカゴから絵本を持ってきてリクエストするんです。まだ文字は読めない年齢ですが、そのときどきに好きな本があるみたいで」うちの猫、どれ? の問いに大はしゃぎしながら、絵本の猫を指さす1歳半の温(おん)くん。猫の絵本はお気に入りのひとつです。「お風呂上がりの、お休み前のちょっとした時間が絵本タイムなんですが、それは息子とコミュニケーションを楽しむ大切な時間。仕事の疲れも癒されます」そんな温くんとの大切な時間に寄り添うのが、やさしい肌触りのベビー服やタオル。「子どもの洋服やタオルに限らず、家族のお洗濯にはできるだけ肌にやさしい洗剤を使いたいと思っていたんです。だから、植物性で余計なものが入っていないヤシノミの洗濯用洗剤と柔軟剤は、発売された時から気になっていました。洗濯用洗剤は、一般的な洗剤となんら遜色ない洗浄力で不満はありませんし、特に気にいったのは柔軟剤です」「ヤシノミ柔軟剤でふっくら仕上げたベビー服やタオルは、無香料でナチュラルな感触が心地よく感じられます。うちには息子のほかに猫もいますので、香料のない柔軟剤をずっと探していたんです。今までの柔軟剤は、香りが強いものばかりで、子どもの洗濯には使えませんでしたから。これは余計な添加物が入っていないので、子どもの肌に触れても安心ですね。子どもにも動物にもやさしい点が、気に入っています」 ■自分の時間を作ると、子どもにやさしくなれる仕事をしながら子育てする赤木さんにとって、温くんと一緒に過ごす時間は、大切な時間。朝8時半に保育園に送り出したあと、9時から4時まで家事、仕事をこなし、夜の5時から8時半までは子どもの時間。一緒にご飯をたべたり、お風呂に入ったり、遊んだり。「以前は子育てに一生懸命になって、子どもとずっと一緒に過ごしていましたが、保育園に預けるようになってから、私自身、変わりました。いくらかわいい子どもとはいえ、ずっと一緒にいると、イライラしたり、疲れたりってありますよね。でも少し離れることで、愛おしい存在に思えて、少々のわがままも受け入れてあげようという心の余裕が生まれました。だっこしたり、愛情を注げるのも今のうちですしね」自分の時間をつくることで、子どもにもやさしくなれる。それが赤木さん流のやさしいママの秘密。「仕事をしたり、映画を見たり、友人とお茶したり。そういう何気ない自分の時間が、心の余裕となって、子育ても変わるということに気づきました」 ■「本」から学ぶ、 “都合のいい” 子育てそんな心の余裕を学んだのも、本から。「いくつもの育児本を読みましたが、本が言ってることはそれぞれ。だから自分にとって都合の良さそうなものだけを選んで、参考にしました」赤木さんが最近よく読んでいる本は、次の4冊。『子どもはみんな問題児』(新潮社)ぐりとぐらの作者、中川李枝子さんの書いた本。「そうか、子どもってみんなこうなんだ!」とおおらかな気持ちになれる本です。『毎日続くお母さん仕事』(後藤由紀子著/SBクリエイティブ)「静岡県・沼津市で雑貨店『hal』を営む、後藤さん流の家事や子育て術。まだ仕事と子育ての両立が上手くいかない私にとって、無理せず、頑張りすぎないという姿勢がとても参考になります。小学6年生まで抱っこして、愛情を注いでいたというエピソードは、私も真似したいと思います」ほかにも『チョッちゃんはもうじき100歳』(黒柳朝、黒柳徹子 著 / 主婦と生活社)、『子どもと一緒にスローに暮らすおかあさんの本』(藤田ゆみ 著 / アノニマスタジオ)などもおススメだそう。子育てに決まりはなく十人十色、自分らしいやり方を試行錯誤しながら楽しむ心の余裕があれば、働くママもいきいき暮らせそうですね。<後編>では、赤木さんが温くんのために愛をこめて選んだ「子育てアイテム」をご紹介します。 ※今回ご紹介した書籍・ 『ねこ ねこ こねこ』 ・ 『こねこのぴっち』 ・ 『ねこが いっぱい』 ・ 『子どもはみんな問題児』 ・ 『毎日続くお母さん仕事』 ・ 『チョッちゃんはもうじき100歳』 ・ 『子どもと一緒にスローに暮らすおかあさんの本』 取材/文:東ミチヨ 撮影:林ひろし[PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】
2016年08月29日広末涼子が主演を務め、滝藤賢一、一青窈など豪華キャストが出演し、ベストセラーとなった実話エッセイを映画化する『はなちゃんのみそ汁』。このほど、本作が12月19日(土)よりテアトル新宿&福岡にて先行公開、2016年1月9日(土)より全国公開となることが決定。温かいまなざしで愛娘を見つめる広末さんの姿が印象的な、ポスタービジュアルが解禁となった。ある日、乳がんを宣告された千恵(広末さん)。見えない不安に怯える千恵に、恋人の信吾(滝藤さん)は優しく寄り添いプロポーズ、2人は晴れて夫婦となる。やがて、抗がん剤治療の影響で卵巣機能が低下し、出産をあきらめていた千恵に、妊娠が判明。だが、出産するということは、がんの再発リスクが高まり、自らの命が危険にさらされることを意味していた。周りの支えで命を懸けて産むことを決意し、はなを無事出産した千恵。しかし、再び病魔が彼女を襲う。「私がいなくなっても、はなが暮らしていけるように…」。千恵はまだ幼い娘に、鰹節を削り、だしをちゃんととって作るみそ汁から、料理や家事の大切さを教えていく――。原作は、がんのためこの世を去った33歳の千恵さんと5歳の娘と夫、そんな家族の日々をつづったブログを基にした同名エッセイ。常に明るくひたむきに生きる安武一家の姿が日本中で大きな話題を呼び、関連書籍の出版やTVドラマ化、教科書への採用など社会現象を巻き起こした作品が、ついに映画でも登場する。結婚、妊娠、出産という人生の転機をがんと共に生き、食の大切さを娘に伝えようとした千恵を演じるのは、先日、3児の母となった広末さん。また、明るくひたむきに彼女を支える夫・信吾を滝藤さん、千恵の姉役を一青さんが務め、はな役には、1,000人超の応募者から選ばれた演技経験ゼロの新星・赤松えみなが抜擢された。監督&脚本は、ギネス認定された“世界最高齢の映画初主演女優”赤木春恵に岩松了、加瀬亮らが出演し、2013年キネマ旬報ベストテン日本映画第1位に輝いた『ペコロスの母に会いに行く』で脚本を手がけた阿久根知昭。本作で初のメガホンを握る。完成したポスタービジュアルには、広末さん演じる千恵と、えみなちゃん演じる娘・はながキッチンで手を取り、にこやかに向かい合う姿が。残り少ない命を覚悟した千恵が、自分がいなくなってもはなが元気に暮らしていけるようにと、鰹節を削るところから始めるみそ汁づくりを通して、“ちゃんと作ってちゃんと食べる”というメッセージを伝える重要なシーンを切り取っている。温かいまなざしで、娘を愛おしそうに見つめる表情が印象的な広末さん。本作で描き出される、おいしくてあったかくて、かけがえのない日々を象徴するビジュアルに仕上がっている。『はなちゃんのみそ汁』は12月19日(土)よりテアトル新宿&福岡にて先行公開、2016年1月9日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月03日「あの人は●●だから気をつけた方がいいわよ」新しい知人の話題になると、こんな風に教えてくれる人がいます。陰口のようにも聞こえる忠告です。その”●●”がわたしにとっては取るに足りない理由だったりすることもあるのですが、人によっては重要な”●●”なのかもしれません。きっとその人は、わたしに良かれと思って言ってくれたのでしょう。でもね、この「良かれ」って必要なんでしょうか?渡る世間にみる「良かれ」行動の真意現在は終了してしまった「渡る世間は鬼ばかり」の中で、最大の悪役といえば赤木春恵さん演じる幸楽の姑。嫁役の泉ピン子さんをいたぶる姿は秀逸でした。でも、あの姑だってきっと悪意はないんでしょう。ただ「あんたに良かれと思って、助言してやってるんだよ」というところでしょうか。でもそこには、善意よりもむしろ悪意を感じてしまいます。ピン子に代わって「良かれと思うな!」と叫びたかったことも、1度や2度ではありません。自分の悪意に、自分では気付きにくい良かれアドバスの多くは、とても独りよがりです。まるで相手のことを想っているかのような口ぶりでも、実際には「自分に良かれ」と思っているにすぎない、利己的な行為です。冒頭の話にしても、「あの人のココが気に入らないから、他人にも同じように思って欲しい」という意図が見え隠れします。人の評価に関する「良かれ」忠告は、アテにならないものです。そこに悪意といえるほどの感情はないかもしれませんが、自分では自分の悪意に気付きにくいことも事実。そして他人の悪意には敏感になるというのも、また事実でしょう。悪意にはどう対処すればいいの?誰しも多かれ少なかれ利己的な感情を持っているので、自分の損得を考えます。ですから、善意だけで行動するなんて、とても難しいでしょう。逆に言えば、他人の悪意に触れずに生きることも難しいということです。そんな環境で、他人の善悪を見抜いたところで、どうなるわけでもありません。大切なのは他人の価値観に振り回されて、自分の善意を見失わないことではないでしょうか。他人のことより、まずは自分!他人の言動の良し悪しなんて、実はどうでも良いことなのかもしれません。かのマザー・テレサがこんなことを言っています。正直で誠実であれば、人はあなたをだますかもしれません。それでも正直に誠実でいなさい。正直に誠実に行動していれば、どんな悪意に触れても、自分に裏切られることはありません。そして、自分の悪意に苦しむこともなくなるはずです。自分の悪意以上に厄介な感情なんて、そう多くはないでしょう。
2015年05月07日