医学的に広汎性発達障害(PDD)の発現時期は分かっているの?出典 : 広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:略称PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害があり、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類される発達障害のグループ です。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の診断カテゴリでは、このグループには自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害という5つの障害が含まれています。広汎性発達障害は、なんらかの先天的な遺伝要因と様々な環境要因に起因する何らかの障害が脳が発達する時期に起こり、それが成長段階で「広汎性発達障害」として発見されるとされています。要は先天的な素因によって起こる発達障害の一つとして医学的には捉えられています。広汎性発達障害は親のしつけや育て方の問題で広汎性発達障害が起こっているわけではないことがわかっています。広汎性発達障害は、だいたい3歳までの幼児期に何らかの症状が現れると言われています。広汎性発達障害の子どもをもつ親が、言語能力の遅れやこだわりなどの症状から何らかの疑いをもつ時期についても3歳未満が多いとされています。また、1歳半検診や3歳児検診などの乳幼児健康診断で広汎性発達障害を含む発達障害に関する何かしらの指摘があり、その後医師の診断により判明することもあります。中には子どもの頃に気づかず、大人になってから広汎性発達障害と診断された方もいます。不安障害やうつ病などの気分障害・睡眠障害などのいわゆる二次障害と呼ばれる症状や状態となり、その検査を通して広汎性発達障害に気づく人もいます。姫路心療内科 前田クリニック 「発達障害とうつの関係」埼玉県総合教育センター 「自閉症の理解と支援自閉症とは」広汎性発達障害の原因は?出典 : 現段階では正確な原因は解明されていませんが、脳機能の障害により症状が引き起こされるといわれています。その脳機能障害は、先天的な遺伝要因と、様々な環境要因が複雑かつ相互に影響し合って発現するというのが現在主流となっている説です。なお、広汎性発達障害という診断名は、アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版テキスト改訂版)の診断基準では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害という診断カテゴリに変更されています。以下の各症状の中には、自閉症スペクトラム障害の概念から除外されたものも含まれています。しかし、行政や医療機関で広汎性発達障害の名称を使用している場合も多いこと、すでにこの名称で診断を受けた人も多いことから、本記事では『ICD-10』の診断カテゴリに準拠して広汎性発達障害の名称でご説明します。以下の図で広汎性発達障害に含まれている各症状の原因について、それぞれご紹介します。Upload By 発達障害のキホン自閉症は脳の機能障害が原因と考えられていて、これには複数の遺伝子が関わっており、最近では父親の高齢化で自閉症の確率が高まるという研究報告や、妊娠時の体内環境の要因などが関連すると言われることもあります。しかしながら、これらは全てはっきりしたメカニズムが分かっておらず、医学的根拠については解明されていません。アスペルガー症候群も自閉症と同様に脳の機能障害である可能性が高いとされていますが、その全てが解明されている訳ではありません。小脳や脳内物質の異常、環境ホルモンやウィルス感染、成長環境での心理的要因など国内外で様々な研究が進められており、アスペルガー症候群の原因について医学的な裏づけを研究している段階です。レット障害(レット症候群)はほとんどが女児に見られる発達障害です。レット障害についてはX染色体上に存在する遺伝子の突然変異が原因だということが発見されました。1999年にMECP2という遺伝子が主な原因遺伝子であることが発見され、その後2004年にCDKL5、2008年にFOXG1という原因遺伝子も発見されています。女性の性染色体はXX型、男性はXY型であるため、レット障害は女児に多いと考えられています。また、男児の場合、遺伝子の異常で流産や死産してしまう可能性が高いですが、男児のレット障害も少数ながら報告されています。レット症候群|難病情報センター小児期崩壊性障害(CDD)はヘラー症候群とも呼ばれますが、その原因は現段階では解明されていません。今まで話していた子どもが言葉を話さなくなるなど精神発達の退行が症状として現れますが、脳や神経系の感染症などを発現後に小児期崩壊性障害となるケースも多く、脂質代謝異常や結節性硬化症など、さまざまな疾患と関連があると考えられています。特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)は特定不能とあるように、特定の原因は不明とされています。一部では遺伝要因と環境要因による相互作用ではないかと考えられています。自閉症やアスペルガー症候群の診断基準には当てはまらないが、その特徴を一部持っているという場合に診断されることが多いです。広汎性発達障害は親から子どもへ遺伝するの?出典 : 広汎性発達障害は先天的な遺伝的要因が関与している可能性が高いと言われています。双生児研究や家族間研究が盛んに行われてきました。以下のようなデータがあります。広汎性発達障害の一卵性双生児における一致率は70~90%であり、その遺伝率は90%とされている。よって広汎性発達障害は遺伝因子がその発症に大きな役割を果たしていると考えられている。(橋本亮太、安田由華、大井一高、福本素由己、高村明孝、山森英長、武田雅俊「モデル動物を用いた発達障害病態解析」 2009年より引用)一卵性双生児の場合、基本的な遺伝子情報は同じです。その一卵性双生児間で一人が広汎性発達障害である場合、もう一人も広汎性発達障害であるという確率が90%と高いことは、遺伝的要因が影響していると言われている根拠の一つとなっています。一方で、一致率が100%でないということは、遺伝以外の要因があることも示唆しているのです。つまり、広汎性発達障害は遺伝的要因が関係している可能性がありますが、必ずしも単純に親から子どもへ遺伝するというわけではありません。また。遺伝する確率や詳しい原因については研究段階で、発現するメカニズムなどは解明されていないのが現状です。障害のある親から障害のない子どもが産まれる場合もありますし、親族の広汎性発達障害のない場合でも障害のない親から障害のある子どもが産まれる場合もあります。きょうだい間でも上の子が広汎性発達障害だったからといって、下の子も必ず広汎性発達障害になるとは限りません。広汎性発達障害を検査する方法はあるの?出典 : 羊水検査やエコー写真などによって、出生前の妊娠中の段階で広汎性発達障害を検査する方法は今のところありません。原因遺伝子が確定されているレット障害(レット症候群)に関しては、出生後に遺伝子検査ができる場合もあります。しかし、その他の広汎性発達障害については、出生後も血液検査や遺伝子検査といった生理学的な方法で検査することはできません。一般的に子どもになんらかの症状や特性が現れてから、様々な心理検査や知能検査、保護者(親)に対する問診、子ども(本人)の行動観察、学校や家族からの情報提供などによって診断が行われます。診断基準は主にDSM-5やICD-10などが用いられます。診断はさまざまな情報や検査の結果から総合的に行われ、経過を見ながら慎重に行われます。レット症候群の遺伝子異常について|NPO法人レット症候群支援機構HP広汎性発達障害の治療法はあるの?出典 : 根本的な原因が解明されていないため、薬や手術などによる根本的な治療法は存在しません。一般的には環境調整や療育(りょういく)と呼ばれるトレーニングを行い、家庭での対応や専門機関による療育などによって子どもが自立して生活できるよう支援していきます。また、パニック症状やてんかん発作、感覚過敏など一部の症状に対して薬物療法が行なわれる場合もあります。療育は何歳からでも始めることができます。コミュニケーションの取り方がわかったり、療育の遊びを通して友達ができたりする子もいます。ストレスを抱えがちな親にとっても療育の場は相談できる場所であり、同じ悩みをもつ親同士の交流の場所ともなっています。療育の効果は個人差があり、子どもに合った療育が必要となりますが、子どもにとっても親にとっても療育は心の面でもサポートにもなると言えるでしょう。まとめ出典 : 広汎性発達障害の原因は遺伝的要因が有力とされていますが、必ずしも単純に遺伝するという訳ではなく、詳しい原因やメカニズムはいまだ解明されていません。一方で親の子育て方法が原因と言う心因論も誤りです。遺伝かどうか、原因は何かを探るだけではその子の生きやすさにはつながりません。その子が生きやすい環境を作ることがもっとも大切なことです。また、最近では3歳未満で診断されることも多いですが、見た目にも分かりづらいことから大人になるまで広汎性発達障害と気づかなかった方もいます。広汎性発達障害と気づき、療育などの適切なサポートを受けることは本人にとっても親にとっても大切なことです。少しでも気になることがあるようでしたら、専門機関での相談を受けてみてください。
2016年08月01日自閉症とは?Upload By 発達障害のキホン自閉症は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴があると言われています。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では広汎性発達障害というカテゴリーのもと、自閉症という障害名が使われています。一方、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)において自閉症のという障害名は廃止され、自閉症スペクトラムの障害名のもとに統合されました。そのため、今後自閉症という名称での診断は少なくなることが予想されますが、自閉症という名称は現在も一般的であり、また発達障害者支援法などの法律や文部科学省・厚生労働省などでも使用されています。以上をふまえ本記事では、下記の文部科学省の定義で示されるような概念における「自閉症」についてご紹介します。自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。自閉症の原因は何?出典 : 様々な議論が交わされていますが、自閉症の原因はいまだ特定されていません。しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、しつけや愛情不足といった親の育て方が直接の原因ではないことがわかっています。脳機能障害を引き起こすメカニズムとして、遺伝的な要因が原因の一部であると推測されています。何らかの先天的な遺伝要因に様々な環境的な要因が重なり、相互に影響しあって脳機能の障害が発現するのではないかという説が現在有力とされています。関連する遺伝子や環境要因については、現在さまざまな研究が進められていますが特定には至っておらず、また複数の要因や組み合わせが存在すると考えられます。それらがさまざまな道筋をたどって自閉症の特性となって現れると言われているのです。そのため全ての人にあてはまる唯一の原因はないとも考えられています。自閉症は親から子どもへ遺伝するの?確率は?出典 : 自閉症に関しては、双生児研究や家族間での一致率に関する研究が活発に行われ、遺伝子が近いほど一致率が高くなる傾向があるといわれています。このことからも、現段階で医学的な根拠はありませんが、自閉症の発現に何らかの遺伝的な要因が関係している可能性が高いと考えられます。ですが、これまでの研究で自閉症は単一の遺伝子が原因で起こる「メンデル型遺伝疾患」と呼ばれるタイプではなく、複数の遺伝子の変化が影響して起こる「多因子遺伝疾患」であることも推測されています。つまり親の遺伝子が単純に子どもに遺伝して自閉症になるわけではないということです。自閉症の遺伝要因は原因の一部にすぎず、自閉症のある親から、自閉症ではない子どもが生まれることもあれば、両親とも定型発達の場合でも自閉症のある子どもが生まれることもあるのです。遺伝する確率については、現在のところ不明です。親が自閉症だった場合で子どもも自閉症である確率も、調査によって数値がまちまちで確かな結果は出ていません。このことも、遺伝要因と環境要因の相互影響が複雑で、偶然性に左右される部分が多いことを示唆していると言えるでしょう。きょうだい(兄弟・姉妹)で自閉症である確率は?出典 : きょうだいに自閉症の人がいる場合はその弟妹も自閉症である確率はあるのでしょうか?きょうだい間での自閉症の一致率に関しては、以下のような報告があります。一卵性双生児のうちの1人が自閉症の場合に、もう1人も自閉症である割合は、報告によって差がありますが91~96%、二卵性では0~24%と、大きな開きがあります。兄弟姉妹では、1人が自閉症と診断された場合その兄弟姉妹が自閉症である割合は一般よりも高く、5~10%くらいと言われています。(服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊P.19より引用)医学的にはっきりした結論は出ていませんが、遺伝子配列が同じ一卵性双生児で一致率が高いことから、やはり遺伝的要因の関与が推測されます。一方で遺伝子配列が一致しても100%発現するのではないこともわかりました。これは遺伝要因と環境要因の相互影響説の根拠の一つとも言われています。また、きょうだいに自閉症の人がいる場合、一般より発現率が高くなる傾向があると言われていますが、遺伝的要素が強かったとしても、必ず自閉症が現れるわけではありません。兄・姉の特徴の全てがそっくりそのまま次に産まれてくる子どもに伝わるとは限りません。きょうだいだけでなく両親や祖父や祖母に顔が似ていたり、遺伝子の突然変異により両親にはない特徴が子どもにみられたりなど、受け継がれる要素や表れ方はさまざまです。もし、きょうだいに自閉症の子どもがいても、本人はそうでないこともあります。またきょうだいに自閉症のある人がいなくても自閉症の子どもが生まれてくる可能性もあるのです。つまり生まれてくるまで自閉症かどうかはわからないのです。自閉症は男女で発現率が違う?出典 : 調査によって数値にばらつきはありますが、自閉症は男性の発現率が女性に比べ高い傾向があると言われています。男女比は3~4:1で男子に多いと考えられてきたが、近年の調査では男女比の差は少なくなりつつある。(岡崎祐士/総編集『ICD-10精神科診断ガイドブック』中山書店、2013年/刊P.587より引用)男性と女性では脳の構造が違うことや、染色体の違いから、男性の方が自閉症の発生率が高いのではないかという説もありますが、原因はまだはっきり分かっていません。一方、男性と女性では症状にも少し違いがあり、男性は「コミュニケーション能力が低い」「言語の発育不足」などの症状がよりみられるといわれています。ところが女性の場合は男性と比べて症状が軽いので、自閉症であるとわかりくく、気づかないまま暮らしている人もいると推測されます。そのため統計に反映されていないのでは、という可能性も指摘されています。そのため、実際のところ4:1よりは男女差は少ないとする研究者もいます。自閉症を検査する方法はあるの?出典 : 現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査ではわかりません。これは自閉症の原因が完全には解明されておらず、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。自閉症の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいに何らかの症状をきっかけに専門機関を受診し、医師によって自閉症だと診断されます。診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いです。自閉症の原因はまだ解明されていない出典 : 現在の医学では、自閉症の原因は完全には解明されていません。自閉症については現在研究がさまざまな角度から盛んに行われ、検査法や治療法を含め原因の解明が切望されています。その中で、遺伝要因と環境要因の相互影響説といった輪郭がおぼろげながら見えてきたといえます。遺伝するかどうかというのは本人や家族にとって大きな関心事でしょう。また遺伝的要因が関係していると聞くと、不安を感じるかもしれません。しかし、現段階でわかっている範囲でも、自閉症の発現は様々な要因が複雑に影響しあい、いわば偶然性が大きいといえるのです。少なくとも「遺伝のせいで自閉症が発現した」というのは正確ではありませんし、単純に親から子へと遺伝するのではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。また「親の育て方のせい」というのも医学的に否定されています。自閉症は早期に症状に気づき、早期に療育や環境調整といった支援を始めることで、本人の生きづらさがかなり緩和できることがわかっています。個々のケースにとって原因をあれこれと追及し悩むことは、子どもの成長や支援にとってはあまり有益ではないかもしれません。周りや本人が適切な対処法を学ぶことによって、どうすれば本人にとって生きやすい環境が作れるかを考えていきましょう。参考書籍:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』(日本評論社,2015)参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊
2016年07月18日自閉症とは?出典 : 自閉症は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴があると言われています。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では広汎性発達障害というカテゴリーのもと、自閉症という障害名が使われています。一方、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)において自閉症という障害名は廃止され、自閉症スペクトラムの障害名のもとに統合されました。そのため、今後自閉症という名称での診断は少なくなることが予想されますが、自閉症という名称は現在も一般的であり、また発達障害者支援法などの法律や文部科学省・厚生労働省などでも使用されています。以上をふまえ本記事では、下記の文部科学省の定義で示されるような概念における「自閉症」についてご紹介します。自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。出典 : 自閉症の発現時期は分かっているの?出典 : 自閉症は生まれ持った脳機能障害により発現すると考えられています。しかし、その特徴は生まれてすぐに見られないことがほとんどです。脳や心身の成長と共に何らかの症状が出始め、3歳頃までに自閉症の症状が顕著になると言われています。家族が気づかなくても、保育園や幼稚園の先生に指摘されたり、乳幼児健診時に専門機関への受診をすすめられるケースもあります。ですが、周りや本人が症状に気づかない場合など、大人になるまで見過ごされている方もいるようです。つまり、自閉症を引き起こす脳機能障害の素因は先天的に発現しますが、自閉症の症状や特性は発達段階で現れ、それに気づいて初めて診断につながるのです。成長過程で、もしかしたら自閉症なのかも?と疑いを感じたら、身近な専門機関で相談し、必要ならば診断を受けることをおすすめします。相談ができる専門機関とは、児童の場合、各市区町村の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所等をさします。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者・生活支援センター、相談支援事業所などへ行ってみましょう。相談してみて障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらえます。自閉症の原因は?出典 : 様々な議論が交わされていますが、自閉症の原因はいまだ特定されていません。しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、親のしつけや愛情不足が直接の原因ではないことがわかっています。脳機能障害を引き起こすメカニズムとして、遺伝的な要因の関与の可能性が高いと推測されています。その先天的な遺伝要因にさまざまな環境的な要因が重なり影響しあって脳機能の障害が発現するのではないかという説が有力です。関連する遺伝子や環境要因については、現在さまざまな研究が進められていますが、具体的にはまだ解明されていません。また複数の要因や組み合わせが存在すると考えられます。それらがさまざまな道筋をたどって、その人の自閉症の特性となって現れると言われているのです。そのため全ての人にあてはまる唯一の原因はないとも考えられています。参考書籍:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』(日本評論社,2015)参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊自閉症は親から子どもへ遺伝するの?Upload By 発達障害のキホン自閉症に関しては、双生児研究や家族間での一致率に関する研究が活発に行われ、現段階で医学的な結論には至っていませんが、自閉症の発現に何らかの遺伝的要因が関係している可能性が高いと考えられます。一卵性双生児のうちの1人が自閉症の場合に、もう1人も自閉症である割合は、報告によって差がありますが91~96%、二卵性では0~24%と、大きな開きがあります。兄弟姉妹では、1人が自閉症と診断された場合その兄弟姉妹が自閉症である割合は一般よりも高く、5~10%くらいと言われています。(服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊P.19より引用)遺伝子配列が同じ一卵性双生児で一致率が高いことが報告されていることから、やはり遺伝的要因の関与が推測されます。一方で、遺伝子配列が一致していても100%発現するのではないこともわかりました。これは遺伝要因と環境要因の相互影響説の根拠の一つとも言われています。また、これまでの研究で自閉症は単一の遺伝子が原因で起こる「メンデル型遺伝疾患」と呼ばれるタイプではなく、複数の遺伝子の変化が影響して起こる「多因子遺伝疾患」であるとも考えられています。つまり親の遺伝子が単純に子どもに遺伝して自閉症になるわけではないということです。自閉症の遺伝要因は原因の一部にすぎず、よって、親が「自閉症」だからといって、子どもにも100%同症候群が遺伝するとは限らないのです。自閉症のある親から、自閉症ではない子どもが生まれることもあれば、両親とも定型発達の場合でも自閉症のある子どもが生まれることもあるのです。遺伝する正確な確率については、現在のところ不明です。親が自閉症だった場合で子どもも自閉症である確率も、調査によって数値がまちまちで確かな結果は出ていません。このことも、遺伝要因と環境要因の相互影響が複雑で、偶然性に左右される部分が多いことを示唆していると言えるでしょう。自閉症を検査する方法はあるの?Upload By 発達障害のキホン現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査では診断できません。これは自閉症の原因が完全には解明されておらず、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。自閉症の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいの間に何らかの症状をきっかけに専門機関を受診し、医師によって自閉症だと診断されます。診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いです。自閉症の治療法はあるの?Upload By 発達障害のキホン自閉症を根本的に治す薬や手術などの医療的な治療法は開発されていないため完治することはありません。ですが療育や環境調整を通して接し方や伝え方を工夫したり、二次障害や合併症の症状を緩和させる治療を受けることで、日常生活における本人の生きづらさを解消することができます。幼稚園や保育園、小学校に通うようになると、コミュニケーション能力が不足していることから、どうしても自分の思いをうまく伝えられなかったり、周りから孤立してしまったりと何かと不便を感じることがあると思います。上手にコミュニケーションをはかるためにも、日頃から自分の思いをどう伝えたら理解されるか、パニックにならないように落ち着いて生活するための訓練が必要になります。また、自閉症の子がのびのび生活するためには、周囲の理解と協力が必要不可欠です。パパ・ママはまず本人の性格や特性をよく理解し、根気よく周囲に説明をし続け過ごしやすい環境を整えてあげましょう。出典 : 自閉症は手術や薬などの医学的な方法で完治することはできません。しかし、小さいうちから療育センターに通うことで、精神的・身体的機能に対してある程度の効果が表れるようです。療育とは、以下のように定義されています。療育とは医療、訓練、教育、福社などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。療育はできるだけ早く始めると効果が出やすいと言われています。療育センターに通い、お子さんの良い部分を伸ばしましょう。具体的な自閉症の療育方法は色々ありますが、一般的には「言葉や行動を理解しやすくする」「コミュニケーションをとる練習」の2つに大きく分かれます。■言葉や行動を理解しやすくする自閉症の特徴の1つとして言葉を理解するのが難しいというものがあります。この特徴を減らすために、言葉で説明するのと同時に、絵などの視覚的な手だてをつかって説明します。例えば歯磨きをして欲しい時は、「歯を磨きます」と短い言葉で説明し、歯磨きをしている絵を見せます。聴覚と視覚を同時に使うことで、自閉症の人は意味を理解しやすくなります。一度理解してしまうと、同じ時間に同じことをするのは得意なので、問題なく歯磨きができるようになります。この療育方法を繰り返すことによって、できることが増えていきます。■コミュニケーションをとる練習コミュニケーションをとる練習も効果的です。挨拶を繰り返す練習をしたり、幼稚園や小学校についたら先生のところに行き昨日のできごとを話したり、人と関わる練習をしていきます。慣れてきたら簡単な仕事を担当してもらいます。仕事をすると褒めてもらえる、喜んでもらえるなど、色々な感情も同時に感じてもらい、本人の情緒が成長できるように練習を繰り返します。自閉症はまだ原因がはっきりしていない先天性の脳機能障害です。そのため現在の医療で完治させることは難しく、治すための薬も開発されていません。薬が処方されることがありますが、これは自閉症そのものを治すための薬ではなく、不安障害を抑える薬や、パニックを抑える薬など、自閉症の症状を緩和するためのものです。その他にも医師によって個人に合った薬を処方されますので、信頼できる医師に困っている症状を相談し、服薬で改善されるのか、それとも療育方法で改善できるのかを確認しましょう。薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはいけません。薬に頼り切って多用するのは避けましょう。薬の服用により特徴が緩和されている時には療育や教育の効果も上がりやすくなるとも言われています。自閉症の原因は一つではありませんUpload By 発達障害のキホン自閉症の原因はいまだわかっておらず、現在研究されています。自閉症の原因は一つではなく、人それぞれだという説が主流となりつつあります。また、母親の愛情不足やコミニュケーション不足が原因で発現はしないことははっきりしています。もし、身近な家族が自閉症と診断されても、家族の責任ではないのです。自閉症の原因やメカニズムが解明されれば、今後治療法なども発見される可能性もあるかもしれません。そのため多くの研究者が様々な研究を進めています。ですが、個々のケースにとって自閉症の原因をあれこれと考え悩むことは、子どもの成長や支援にとってはあまり有益ではないかもしれません。それよりも適切な対応法を周りが学ぶことによって、困ったことがあっても対処法も分かるようになり、本人にとって過ごしやすい環境を作ることができます。周りの人が自閉症と本人への理解を持ち、本人の気持ちに寄り添いながら、本人と一緒に最適な対応がとれるように学び、心がけましょう。
2016年07月16日質問:家族で「がん」になった人はいないので「がん保険」に加入しなくても良いのでは?「がん」発症の要因の約70%は生活習慣に起因するものといわれています。ご家族で「がん」になった方がいらっしゃらなくても、一定の割合でリスクがあると考えるべきですので、がん保険への加入をおすすめします。遺伝的要素は50%程度さまざまな研究が進むなかで、がんを誘発する遺伝子の存在が明らかにされてきました。これがいわゆる「がん家系」という言葉を生み出した一因ではないかと思います。実際、「大腸がん」や「乳がん」の発症例のなかに、遺伝的要素が認められるものがあるようです。国立がん研究センターがん情報サービスのサイトに掲載されている「人のがんにかかわる要因」によると、ハーバード大学のがん予防センターの推計で、喫煙、食事、運動、飲酒という代表的な生活習慣要因が68%を占めるようです。また、全部のがんのうち「遺伝するがん」は5%以下といわれ、「大腸がん」「乳がん」「前立腺がん」など遺伝素因の強いこれらのがんでも、たとえ遺伝子が100%一致している人がいたとしても、同じがんになる確率は10%~20%にすぎないとまとめています(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)。したがって、ご家族のなかに複数のがん経験者がいらっしゃる場合、ご本人もがん発症への注意が必要といえますが、ご家族のなかに発症者がいらっしゃらない場合でも、安心できるとはいえないでしょう。「喫煙」の有無や食生活など、生活習慣の要因が上位を占める「喫煙」と「がん」との因果関係が深いということが指摘されてからずいぶんたちました。若くして喫煙を始めた場合や喫煙年数が長く、喫煙本数が多いほど「がん」のリスクを高めるといわれています。日本においては「喫煙」に続く因子として「肝炎ウイルス(B型、C型)」や「ピロリ菌」、「ヒト・パピローマ・ウイルス」などの「感染性因子」、そして「飲酒」が続きます。他にも「塩分摂取」や「過体重・肥満(BMI25以上)」などが指摘されています(出典:国立がん研究センターによる「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」ホームページ )。まだ十分な研究結果が揃っていないとはいえ、今現在「喫煙」や「飲酒」や「食生活」など、身近な生活習慣が遺伝的要素より高い確率で「がん」につながるため、日々の生活習慣を見直すことで「がん予防」が可能であるといえるでしょう。日本人の3人に1人が「がん」で死亡、2人に1人が「がん」を経験する時代。突然の告知に対応できますか?厚生労働省の資料によると、日本人の2人に1人は「がん」を経験するといわれています。早期発見や医療技術の進歩で「治せるがん」が増えているといわれますが、治すためには適切な治療が必要です。がんが発見されたら初期段階のうちに治療を開始することで、治癒の確率をあげるといわれていますが、がんの治療には多大な費用がかかる場合があります。そんなときに役立つのが「がん保険」ではないでしょうか。ご自身の生活習慣を振り返るとともに、がん保険などの保障内容が十分か、見直してみてはいかがでしょうか。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年04月05日国立遺伝学研究所(遺伝研)は3月25日、ヒト培養細胞で特定のタンパク質を素早く分解除去する方法を開発したと発表した。同成果は、同研究所 新分野創造センター 分子機能研究室 鐘巻将人准教授らの研究グループによるもので、3月24日付けの米科学誌「Cell Reports」オンライン版に掲載された。タンパク質の機能を理解するためには、特定のタンパク質が消失した際の影響を観察することが有効であり、従来は短鎖干渉RNA(siRNA)を利用しタンパク質の発現を抑制することが多かった。しかし同手法では、タンパク質の消失に数日の時間を要するという問題がある。また、近年開発されたCRISPR/Casを利用した遺伝子ノックアウト細胞も使われるようになってきたが、細胞の中には約10%ほどノックアウトできない「必須遺伝子」が存在するため、現在の技術では機能の解明が難しいタンパク質が数多くあるといえる。そこで同研究グループは2009年に、植物細胞が持つオーキシン依存的タンパク質分解の仕組みをヒト培養細胞に移して、任意のタンパク質をオーキシン添加時に消失させる「オーキシンデグロン(AID)法」を開発している。AID法は、目的とするタンパク質を1時間程度で消失できることに加え、可逆的にタンパク質の「ある」「なし」を制御できることが特徴だが、同方法を行うためには、標的タンパク質の情報を持つ遺伝子を人為的に改変し、目印となる"分解タグ"の情報を持つDNA配列を導入する必要があった。そこで今回、同研究グループは、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas法を応用して分解タグを簡便に導入する技術の開発に成功し、これらの技術を組み合わせることにより、任意のタンパク質の「ある」「なし」を自在に制御できる技術「AID変異細胞の作成法」を完成させた。またこのタグを導入する技術を利用して、蛍光タンパクタグなども任意の遺伝子に導入することが可能になった。これにより、マウスなどのモデル生物でしかできなかった精緻な遺伝学研究が、ヒト細胞でも行うことができるようになる。同研究グループは、同技術により今後、がん細胞を含めたヒト細胞におけるさまざまな仕組みが解明されることが期待できるとしており、またマウスES細胞への技術応用も進めているという。
2016年03月25日【女性からのご相談】私は高校生です。最近母がうつ病になってしまい心配なのですが、うつ病が遺伝するのか心配です。私も母みたいにうつ病になってしまうのでしょうか?●A. うつ病が遺伝することはありませんので安心してください。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。お母様がうつ病とのこと、さぞかし心配ですね。ご相談のうつ病が遺伝しないか心配とのことですが、うつ病は遺伝することはありませんので、まずはご安心ください。これは多くの精神科医が認める事実です。●うつ病が遺伝することはないが、うつ病になりやすい家庭環境に要注意うつ病が遺伝しないことを案内しましたが、むしろ、うつ病になる原因は、本人の気質と家庭、仕事環境などのミスマッチ にあることが多いと言われています。相談者様のお母様がうつ病とのことですが、高齢になってからのうつ病は珍しくありません。逆に子育てが一段落したお母様だからこそ、今までのストレスの反動でうつ病になった可能性があります。まずは主治医の指示に従って、お母様を相談者様が支えてあげることが大事と言えます。相談者様は恐らく健康であると思われますので、うつ病に関する正しい知識をお母様の主治医から聞いて、その通りにお母様に接すればよいでしょう。うつ病は遺伝しませんが、うつ病のお母様との接し方を間違えると、それがストレスになり、家族もうつ病になってしまう 可能性もありますので、主治医の指示に十分に従うことが重要と言えます。例えば、フィンランドでは家族や友達同士の会話によるコミュニケーションを重視したうつ病の治療法を実践しているそうです。うつ病になってしまったお母様のためにも、家族で正しいうつ病の知識を身に付け、今まで頑張ってきたお母様を家族の会話で支えてあげることが肝要と言えるかもしれません。----------うつ病は悪化することもありますが、寛解することも多い病気です。お父様と一緒に家族でお母様を支えて、暖かい家庭でうつ病を克服してもらいましょう。【参考リンク】・諸外国の精神保健医療福祉の動向 | 厚生労働省(PDF)()●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年03月05日東北大学(東北大)は12月14日、遺伝性ミオパチーのひとつである筋変性疾患ジスフェルリン異常症を引き起こす遺伝子群を解明したと発表した。同成果は、同大学大学院医学系研究科 神経内科学分野 青木正志 教授らの研究グループ、および遺伝医療学分野 新堀哲也 准教授、青木洋子 教授らによるもので、12月10日付の米科学誌「Neurology Genetics」オンライン版に掲載された。ミオパチーは病状の進行とともに筋力の低下や筋肉の萎縮が生じる筋疾患の総称。成人で発病する遺伝性ミオパチーのなかで患者数の多いものが、肢帯型筋ジストロフィーと遠位型ミオパチーで、ジスフェルリン異常症は、DYSF遺伝子変異によっておこる肢帯型筋ジストロフィー2B型や三好型遠位型ミオパチーの総称となっている。ジスフェルリンは、筋細胞膜の傷害後の修復過程で重要な役割を持つタンパク質とされており、ジスフェルリン異常症の患者においては、ジスフェルリンの機能が失われることで、筋細胞の炎症や変性が生じると考えられている。先行研究では、ジスフェルリン異常症が疑われる160人のPCR-SSCP法によるDYSF遺伝子検査を行ってきたが、そのうちDYSF遺伝子に変異が確認できたのは約60%で、残りの患者では変異が確認されていなかった。今回の研究では、これらの患者を対象に、次世代シークエンサーを用いて筋疾患と関連することが知られている42遺伝子の翻訳領域を対象に遺伝子の配列決定を行い、原因遺伝子を探索した。この結果、解析した64名のうち新たに38名で症状と関連が疑われる原因遺伝子変異が確認された。骨格筋組織でジスフェルリンの発現の低下が確認されている90名の横断的解析では、その70%にDYSF遺伝子、10%にCAPN3遺伝子、5%にほかの遺伝子の変異が認められ、ジスフェルリン異常症を引き起こす遺伝子の種類やその割合などの具体的な遺伝子背景が明らかとなった。今後は解析を継続することで、ジスフェルリンの機能と密接に関わる新たな分子が明らかとなり、ジスフェルリン異常症の筋細胞膜の修復障害の病的機序が明らかとなる可能性があるという。
2015年12月15日「あなたがいいならそれでいいけど」は、坂上忍さんと土田晃之さんが毎週異なるテーマに小気味よく回答する『anan』人気連載。今回のテーマは「恋愛遺伝子」。どうしようもなく惹かれる男女は、「HLA遺伝子」という遺伝子で決まっているという説。女性は男性の体臭から嗅ぎ分ける能力があるとも?これについて坂上さんはどのような意見をお持ちなのでしょうか?***占いより、タチが悪い!別にこういうメルヘンな話があってもいいんだけど、「私たち、遺伝子レベルで結ばれているのよ」なんて真顔で言われたら、フツーは引きますよ。科学的な根拠があることと、それを信じ込んでしまうこととは、分けないとね。人間同士のつながりが遺伝子レベルで決まっているとしたら、人間の営みは、もうがんじがらめ。よくよく考えてみると、そんな二人が出会って一緒になったとしたら、逆に100%逃げられない関係になっちゃいませんか。遺伝子レベルとやらで人を好きになったとしたら…、その先には破局しかないですよね。科学的には最高の相性でも、最悪の相性にもなりかねないわけで。こういうものを信じすぎると、ただの足かせになっちゃう。いまの科学で実証されているとしても、それをよりどころにするのは避けたいですね。ニオイ、いわゆる体臭に惹かれるというのも、よく聞きますよね。僕の場合、過去の彼女のほとんどから言われてきたけど、無臭らしいです。ニオイに関しては優秀?それとも存在感ないってこと?◇さかがみ・しのぶ 俳優。『バイキング』(フジ月~金曜)メインMC。『ダウンタウンなう』『あのニュースで得する人・損する人』『有吉ゼミ』レギュラーほか、出演番組多数。※『anan』2015年11月4日号より。文・神保亜紀子(C)shapecharge
2015年11月02日国立遺伝学研究所(遺伝研)と理化学研究所(理研)は10月14日、脳の神経細胞の樹状突起に存在する「スパイン」と呼ばれる棘状構造の形態形成に「a2キメリン」というタンパク質が関与していることを発見したと発表した。「スパイン」の形態は脳機能に重要な影響を及ぼすと考えられている。同研究は国立遺伝学研究所形質遺伝研究部門 岩里琢治研究室の岩田亮平 研究員と、理研脳科学総合研究センター行動遺伝学技術開発チームの共同研究によるもので、10月7日(現地時間)に米科学誌「The Journal of Neuroscience」オンライン版に掲載された。これまで、マウスを用いた研究により記憶が形成される際にその記憶に使われるスパインの大きさと数が増大し、逆に使わない回路のスパインが小さくなり数が減少することがわかっている。また、自閉症や統合失調症患者の脳の多くで、スパイン形態の異常が発見されている。しかし、スパインの形態を制御している分子や、子供の時(発達期)のスパイン形成が大人のスパインにどのくらい影響を与えているのかはわかっていなかった。一方、脳で広く発現するαキメリンは、試験管レベルでは「細胞形態の制御」に関わることが示されていたが、生体でどのような役割をするかは解明されていなかった。同研究グループはこれまで、運動系神経回路では同タンパク質が神経細胞の軸索の形態を制御することで、神経回路の形成や動物の行動を制御していること、海馬依存的学習能力の向上は大人でのαキメリンの欠損ではなく、発達期での欠損によって引き起こされていることなどを明らかにしていた。今回の研究では、α2キメリンノックアウトマウスの海馬を解析した結果、αキメリンがスパインの大きさと数を抑制していることが判明。また、マウスが大人になってからα2キメリンをノックアウトしてもスパインの形態異常がみられなかった一方で、胎児期および子供の時期にα2キメリンをノックアウトしたマウスではスパインの形態異常が発生したことから、同タンパク質が子供の時期にはたらくことで、大人でのスパイン形態を制御していることが示唆された。また、さらに詳しく調査したところ、αスパインが子供の海馬ではたらくことで、大人になってからの海馬のスパイン形態と、海馬を用いる記憶能力を適度に保つ働きを担うことがわかった。同研究成果は今後、脳発達の理解や、自閉症などの病態解明にも役立つと期待される。
2015年10月14日「私の貧乳は、遺伝だから…」「小さいおっぱいに悩んでいるけれど、あきらめている」という女性はいませんか? そんなあなた、ちょっと待った! 貧乳がコンプレックスなら、小さい理由を知り、育乳して憧れのおっぱいを手にいれませんか? おっぱいが小さい理由は主に以下の5つです。■1.乳腺が少ない・張っていない乳腺は母乳をつくるための組織ですが、思春期頃から発達し始めます。また、血中のホルモンバランスによってその乳腺に張りが出たり、しぼんだりします。妊娠中や授乳期におっぱいが大きくなるのはこのためです。もともと乳腺の量が少ない場合や、乳腺が張っていない人は、おっぱいが小さいと言えます。■2.体脂肪が少ないおっぱいの約9割は脂肪です。この脂肪が少ないと、当然おっぱいのふくらみが小さくなります。特に体が丸みを帯びてくる思春期に無理なダイエットをしたり、体脂肪が燃える運動を過度にやっていたりする人は、その後もおっぱいに脂肪がつきにくい傾向にあります。■3.姿勢が悪い最近ではパソコンやスマホの使い過ぎで猫背になり、肩が前に出てしまうことでバストトップの位置が下がり、おっぱいの形が崩れてしまう人が多くなっています。おっぱいは垂れていると小さく見えるため、本来は大きい人でも「小さく見えている」可能性もあります。また、おっぱいが垂れるとフェイスラインもたるんでくるという恐ろしい現象が…。要注意です。■4.合わないブラジャーを着けているブラジャーは1日のほとんどの時間着用しているため、第2の皮膚と言っても過言ではありません。それほど重要なものなのに、実際のサイズよりも小さいものを着用している人がとても多いのです。合わないブラジャーを着けていると、本来おっぱいだった皮膚やお肉がはみ出てしまい、おっぱいが小さくなります。■5.筋肉のこわばりおっぱいの周辺の筋肉が凝り固まっていると、おっぱいの形を悪くしてしまいます。おっぱい上部(鎖骨の下あたり)にある小胸筋や、おっぱいの横(脇の下あたり)にある前鋸筋、肩甲骨を動かす役割をしている僧帽筋がこわばっている人は、おっぱいが小さくなりがちです。いかがでしたか? おっぱいが小さいことを遺伝だから仕方ないとあきらめているあなた、心当たりがありませんか? (1)に関しては自分ではなかなか改善できませんが、(2)~(5)に関しては努力次第で改善できますね。適度な体脂肪を維持し、姿勢を正し、適切なブラジャーを選び、おっぱい周辺のマッサージやエクササイズをすることでおっぱいを育てることが可能です。おっぱいは変化しやすい部位なので、何歳からでも変えることができますよ。さっそくトライして、美乳を手に入れてくださいね。
2015年05月12日順天堂大学は2月4日、遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子を新たに発見したと発表した。同成果は同大学医学部脳神経内科の服部信孝 教授、船山学 准教授らの研究グループによるもので、2月4日付で科学誌「LANCET Neurology」に掲載された。パーキンソン病は手足の震えや動きづらさなどの症状が進行する神経難病で、50~60代に発症することが多く、全国には14万人の患者がいる。根本的な治療法は見つかっておらず、全患者のうち5~10%を締める遺伝性パーキンソン病の原因解明が新規治療法の開発につながると考えられている。研究では、遺伝性パーキンソン病の家系から8人の患者と5人の非発症者に対し、神経学的診察とDNAの採取を行った。8人の患者のうち4人について次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析をし遺伝子配列を詳しく調べたところ、CHCHD2遺伝子に変異があることを発見した。この遺伝子異変は8人のパーキンソン病患者に共通していただけでなく、別の家系のパーキンソン病患者にも見られた。また、一般的な弧発型(散発的に発生すること)のパーキンソン病患者と健常対象者のCHCHD2遺伝子配列を比べた結果、特定の遺伝子多型を保有していた場合、保有していない人に比べて2.5~4.7倍パーキンソン病を発症しやすいことがわかった。CHCHD2はミトコンドリアの電子伝達系に係っていることが知られている。弧発型パーキンソン病でもミトコンドリア機能異常が発症原因の1つと考えられており、今回の研究によって遺伝型と弧発型にミトコンドリアに係る共通メカニズムが存在する可能性が明らかにされたこととなった。同研究グループは今後、CHCHD2遺伝子に変異が入ることでミトコンドリア機能異常をはじめとする病的な状態が、どのように神経細胞死につながるかを詳しく調べていくとしている。
2015年02月04日最適な睡眠時間は、人によって差があり、それは遺伝と環境によって決まると言われます。では、遺伝と環境と、どちらの影響が強いのでしょうか?環境を変えることで、体質を変えていくことは可能なのでしょうか?最適な睡眠時間は何時間?皆さんの最適な睡眠時間とは何時間ですか?4時間の方もいれば、9時間寝ないときついという方もいるでしょう。人によって最適な睡眠時間はバラバラです。この睡眠時間の差が生まれる原因としては、体質や生活習慣、気力などが考えられますが、大きく2つに分類できます。遺伝的に決まってしまっている部分と、外部環境によって変えることができる部分です。外部環境に含まれますが、生活習慣は睡眠時間に大きく影響していると考えられます。運動したり、たくさん食べたりした後は眠くなるように、生活習慣によって睡眠時間が変動することを感じた経験は誰しもあると思います。生活環境も遺伝も無視できない一部の研究者は、睡眠時間は生活環境によって変わると主張しています。つまり、生活習慣を変えるだけで、睡眠時間をコントロールできるということです。睡眠時間が長い人も、運動を減らしたり、食事を制限することで、睡眠時間を短縮できるという考えです。しかし、実際のところそうは上手くいきません。実際に最近の研究によると、遺伝による個人の必要睡眠量というのが、適切な睡眠時間を決める上で重要だと考えられています。しかし、どっちが重要かを白黒つけるのは非常に難しく、言えるのは生活習慣も遺伝も無視できない重要な要素であるということです。慢性睡眠不足な日本人が増えている残業が多かったり、帰りが遅かったり、深夜もメールやネットに熱中してしまったりと、慢性的に睡眠不足な人が増えているようです。これは環境の変化の影響もあるでしょう。インターネットを使えば、いつでも誰かと繋がることができますし、ショッピングだってできてしまいます。また、24時間営業のショップや漫画喫茶なども増え、時間に縛られることなく生活できるようになりました。便利ながらもそういった背景があり、睡眠不足の人が増えていると考えられます。もはや、睡眠不足は現代病であるとも言えます。一人一人が最適な睡眠時間をしっかりと確保して生活すべきではないでしょうか。Photo by elizabeth pfaff
2014年11月21日写真家のウルリック・コレットが、親子、兄弟、双子、いとこの顔写真を半分から合成し1枚の顔写真に仕上げるという「遺伝肖像(Genetic Portraits)」というシリーズを展開している。やはりおなじ遺伝子を多く持っているからなのだろうか?思ったほど違和感なく感じるから不思議だ。カラパイアブログ「カラパイア」では、地球上に存在するもの、地球外に存在するかもしれないものの生態を、「みんなみんな生きているんだともだちなんだ」目線で観察している。この世の森羅万象、全てがネイチャーのなすがままに、運命で定められた自然淘汰のその日まで、毎日どこかで繰り広げられている、人間を含めたいろんな生物の所業、地球上に起きていること、宇宙で起きていることなどを、動画や画像、ニュースやネタを通して紹介している。
2014年10月15日順天堂大学と理化学研究所(理研)は3月4日、がん研究所、米・ペンシルバニア大学との共同研究により、「遺伝性難聴」の内で50%以上という最大の割合を占める「GJB2(GAP JUNCTION PROTEIN, BETA-2)変異遺伝性難聴(コネキシン26遺伝子変異型難聴)」の原因である「GJB2(コネキシン26遺伝子)」変異によるメカニズムを明らかにしたと共同で発表した。成果は、順天堂大 医学部耳鼻咽喉科学講座の神谷和作講師、理研バイオリソースセンターらの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、3月4日付けで科学誌「Journal of Clinical Investigation」に掲載された。聴覚障害は出生児1000人に1人の割合で発症する、先天性疾患の中で最も高頻度に発生する疾患の1つで、その半数以上は遺伝子変異を原因とする遺伝性難聴だ(さらに遺伝性難聴は、まれだが皮膚疾患など難聴以外の症状を伴う「症候群性」と難聴を主症状とする「非症候群性」に分類される)。GJB2変異遺伝性難聴は冒頭で述べたように、その中でも日本においては最大となる50%以上もの割合を占めている。GJB2変異遺伝性難聴は難病に指定されており、常染色体劣性と常染色体優性の遺伝形式を持つ「感音性難聴」で、言語発達や教育にも大きな支障をきたしてしまう。また、現時点では同疾患に対する根本的な治療法や治療薬は存在していない。そして「コネキシン26」は、内耳の細胞間のイオン輸送を行うギャップ結合の構成要素の1つであり、内耳リンパ液のイオン組成を保つことにより音の振動を神経活動へ変換することを可能とする重要な分子だ。画像1は内耳・蝸牛の構造である。画像1の右上は内耳・「蝸牛」の位置で、右下は蝸牛の断面図。蝸牛管と呼ばれる空間は高いカリウムイオン濃度のリンパ液で満たされている。左上は蝸牛管の拡大図だ。音の振動を受けた「有毛細胞」では、リンパ液中の高濃度のカリウムイオンが細胞内に一気に流入することで、振動を電気信号に変換し神経活動を生み出している。このカリウムイオンの流れを表したのが画像1の左中央で、カリウムイオンはギャップ結合により細胞間で輸送され、再びリンパ液に戻されることにより、常に高いカリウムイオン濃度を維持している。つまりイオン輸送ができなければ、このリンパ液のカリウムイオン濃度が下がり、振動によるイオンの流入が起こらないために、音から神経活動への変換ができずに聴覚障害の状態となってしまうというわけだ。画像1の左下は、コネキシンは細胞膜で6個の集合体を形成し、これが隣り合う細胞の集合体と連結することにより、中央に分子の通路を持つギャップ結合を形成する(このギャップ結合は分子量約1000以下の低分子やイオンを濃度勾配によって透過させ、細胞間の物質輸送を可能とする)。なおコネキシンは耳以外にも心筋、眼の水晶体、皮膚など、体のさまざまな場所に存在してギャップ結合を形成しており、心筋のギャップ結合は細胞同士を電気的に結合させ、同期的な興奮伝達を行っている。全身で重要な役割を担っていることから、体のさまざまなコネキシン遺伝子が変異を起こしてしまうと、多くの難治性疾患が引き起こされてしまうというわけだ。またコネキシン26、「コネキシン30」は内耳ギャップ結合の主な構成要素であり、ギャップ結合の集合体(巨大なタンパク質複合体)を「ギャップ結合プラーク」と呼ぶ。なお内耳には、コネキシン26と同等のイオン輸送機能を持つほかのコネキシン分子も豊富に存在しており、コネキシン26の働きだけが低下したとしても、そのイオン輸送機能はある程度補完されることが予想されるという。それにも関わらず、なぜコネキシン26の変異を持つ遺伝性難聴患者が重篤な聴覚障害を示すのか、その原因はわかっていなかったのである。そこで研究チームは今回、コネキシン26変異がどのように難聴の原因となっているのかを調べるため、内耳においてコネキシン26遺伝子が部分的に欠損する新しい疾患モデルマウスを作成して研究を進めたというわけだ。コネキシン26変異を持つ患者は劣性遺伝型と優性遺伝型という異なる2種類の遺伝形式により発症し、類似した症状を示す。この点に注目し、2つの遺伝形式を持つコネキシン26遺伝子改変マウスにおける共通点が詳しく調べられた。その結果、2種類の難聴モデルマウスでは共に内耳の細胞から細胞へイオンを輸送するギャップ結合プラークが劇的に分断され(画像2)、大きさが27%程度にまで縮小し、それに伴いほかのコネキシンの量も33%程度にまで減少することが発見されたのである。これにより内耳のイオン輸送ができなくなり、音の振動を神経の電気信号に変換するための内耳リンパ液の組成が異常になるために難聴になると考えられるという(画像3)。この現象は胎生期から始まり、内耳のギャップ結合プラークの正常構造はコネキシン26の発現に完全に依存して維持されていることが証明された(画像4)。つまりギャップ結合プラークの集積・安定化には正常なコネキシン26が必須であり、変異または欠損があると、このタンパク質複合体は劇的に分断されてしまい、ほかのコネキシンと共に減少していくことが明らかになったというわけだ。そこで研究チームはさらに詳しく調べることにし、その結果、コネキシン26の変異により分断されたギャップ結合プラークの周囲では、分子「カベオリン1」および「同2」の量が増加し、これらが行う「エンドサイトーシス」と呼ばれる細胞膜の取り込みが過剰になることがギャップ結合崩壊の原因である可能性が示唆されたのである(画像5)。加えて、研究チームは患者と健常者のコネキシン26およびほかのコネキシンを同時にヒト培養細胞にて発現させ、ギャップ結合プラークの形状と物質輸送能の変化の解析を実施。すると、患者が持つ変異型コネキシン26やコネキシン26が欠損した状態のギャップ結合プラークは、やはり断片化されており、それに伴い物質輸送能も大きく低下していることが判明したのである(画像8)。画像8は、ヒト細胞と患者・健常者の遺伝子を組み合わせて内耳の病態を再現した際の蛍光顕微鏡画像。ヒト培養細胞に健常者の正常コネキシン26遺伝子および難聴者の変異遺伝子を内耳に存在するほかのコネキシン(コネキシン30)と共に導入することにより、内耳での病態を再現することが可能となった。ヒト遺伝性難聴で検出されているコネキシン26・R75W変異およびコネキシン26欠損状態においては、難聴モデルマウスと同様、ギャップ結合プラークが断片化していることが判明。それに伴い物質輸送能も大きく低下することが確認された。これまでコネキシン26変異型遺伝性難聴は、コネキシン26単独でのイオン質輸送能の低下が原因であると考えられてきたが、今回の研究によりコネキシン26がギャップ結合全体のタンパク質複合体を安定化させる役割を持ち、その働きが異常になった際に起こるギャップ結合複合体の崩壊によって内耳のイオン輸送能が低下することが、GJB2変異型遺伝性難聴の大きな原因になっていることが明らかになったというわけだ。現在のところ、この遺伝性難聴に対しては人工内耳や補聴器の適用があるものの、根本的な治療法、治療薬は存在しない。研究チームでは今回開発されたコネキシン26遺伝子欠損マウスを用いて、iPS由来細胞とコネキシン26の遺伝子治療を組み合わせた難聴治療実験を試行し、すでに有効な成果が得られているという。さらに、今回発見された患者の変異コネキシン26によるギャップ結合プラークの劇的崩壊現象は、培養細胞によっても容易に再現可能なため、この現象を有効性判定に利用すれば判定基準のなかった薬剤スクリーニングが可能になるとする。これらはコネキシン遺伝子の変異に起因する、心臓伝導障害(心疾患)、白内障、掌蹠角化症(皮膚疾患)などの多くの遺伝性・難治性疾患の病態メカニズム解明や創薬スクリーニングの指標としても大いに活用できると考えられるとしている。
2014年03月04日