東京バレエ団が、振付家・金森穣を演出・振付に迎えて送る新作グランドバレエ『かぐや姫』。2021年春にクリエーションを開始し、同年秋に第1幕、今春に第2幕を初演、と少しずつ披露されてきた本作が遂に今月、第3幕を加えた全幕バレエとしてのヴェールを脱ぐ。公演に先立ち、第3幕の通し稽古が公開された。ドビュッシーの《ビリティスの歌》より第7曲〈無名の墓〉が流れる中、かぐや姫(秋山瑛)が雪を見つめる幻想的な場面から、金森穣版『かぐや姫』の第3幕はスタートする。やがて彼女が眠りに就くと、光の精たちが厳かに登場。隊列をなし、かぐや姫を連れ去ろうとする。そこへ道児が現れ、光の精越しにかぐや姫と見つめ合う。互いの姿を追い求める恋人たち。展開する踊りを通して、人間の感情を持つふたりと、持たない精たちの対比も浮かび上がる。帝(大塚卓)、大臣(宮川新大、池本祥真、樋口祐輝、安村圭太)も姿を見せ、入り乱れていく。夢から醒めたかぐや姫のもとを、翁(木村和夫)が訪れる。かつては素朴だったが今では俗欲にまみれている翁は、かぐや姫を大臣の誰かに娶せようとし、従おうとしないかぐや姫に対して暴力的な態度に出る。諧謔的な翁の動きが、それまで幻想美に溢れていた舞台に強い色彩を与える。続いて大臣らの場面へ。牽制し合いながら、力強い踊りでかぐや姫に自らをアピールする大臣たちだったが、その誰一人としてかぐや姫の心とは響き合わない。一方、控えめな佇まいの女たちにかしずかれながらやって来た帝の孤独は、かぐや姫の孤独と相照らすかのよう。だからこそかぐや姫に惹かれる帝の情欲を、黒衣のダンサーたちの動きが体現。文楽や歌舞伎の黒衣を援用しながらそれにとどまらない役割を担わせているのも、本作の面白さだ。やがて、ドビュッシーの交響詩《海》第3楽章〈風と海の対話〉が響く中、男たちはかぐや姫そっちのけで反目し始め、世界は破壊と混乱、略奪で覆われていく。故郷の村を訪れたかぐや姫の眼前には、緑の精たちが力なく倒れている。それは、古今東西、様々に描かれ語られてきた終末的情景だ。そんな中、かぐや姫が取る行動とはーー。 ドビュッシーのピアノ独奏曲《夢想》と共に展開する美しい終幕の様子は、ぜひ本番で見届けてほしい。「かぐや姫が何のために来て、何を背負って月に帰ったのかを問いたい」通し稽古後には金森の囲み会見が行われた。今回、すでに発表した第1幕、第2幕を含め、全体を見直し、練り上げたという金森。第2幕には、気になる道児との関係を考える上で示唆的なシーンも付け加えられたようだ。かぐや姫が幼児から少女へと成長する第1幕は春〜夏、成人して宮廷へと赴く第2幕は秋と来て、この日披露された第3幕は冬。そこに金森は人間の営みそのもののイメージを託す。演出・振付を手がける金森穣Photo:Shoko Matsuhashi「この物語には、親と子の問題や、村と呼ばれる共同体の問題、貧富の問題、あるいは自然と人間など、様々な要素が含まれています。それらを全部ひっくるめて地球上の出来事として、月が外から眺めていて、そのメタファーとして四季がある。と同時に大事なのは、それが時の移ろいを意味しているということ。時が経過すれば、記憶も薄まっていきます」かぐや姫の地球上での半生を描くとともに、終盤には人間の醜さが飽和状態にまで達したかに見える本作。そのことと記憶の問題こそが、金森の問いかけたいことだ。「我々には、悲痛、苦悩を感じるあらゆるカオティックな出来事を乗り越えていく強さがあり、(それゆえに)それらのことが記憶として希釈され、忘れ去られていくと、人間はまた同じことを繰り返す。かぐや姫を通して登場人物たちが体験した色々なことが、彼らの記憶に刻まれたとして、いつまでそれを覚えていられるだろうか。今回、一番表現したかったことはそこです。 かぐや姫が何のために来て、何を背負って月に帰ったのか、ということを私は観客の皆さんに問いたいし、その問いへの答えは皆さん一人ひとりの心にあるのです」。月とかぐや姫と彼女を取り巻く登場人物たち、そして私たち観客の目に映るものを、しかと受け止めたい。取材・文:高橋彩子<公演情報>東京バレエ団 創立60周年記念シリーズ1「かぐや姫」全3幕 世界初演音楽:クロード・ドビュッシー演出振付:金森穣衣裳デザイン:廣川玉枝(SOMA DESIGN)美術:近藤正樹映像:遠藤龍照明:伊藤雅一(RYU)、金森穣演出助手:井関佐和子衣裳製作:武田園子(Veronique)【東京公演】2023年10月20日(金)〜10月22日(日)会場:東京文化会館出演10月20日(金)かぐや姫:秋山瑛道児:柄本弾翁:木村和夫影姫:沖香菜子帝:大塚卓10月21日(土)かぐや姫:足立真里亜道児:秋元康臣翁:木村和夫影姫:金子仁美帝:池本祥真10月22日(日)かぐや姫:秋山瑛道児:柄本弾翁:木村和夫影姫:沖香菜子帝:大塚卓【新潟公演】2023年12月2日(土)・12月3日(日)会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館〈劇場〉出演かぐや姫:秋山瑛道児:柄本弾翁:木村和夫影姫:沖香菜子帝:大塚卓チケット情報公式サイト
2023年10月13日東京バレエ団が、日本を代表する振付家のひとり、金森穣とのコラボレーションで放つ新作バレエ『かぐや姫』。その第2幕が世界初演される。2021年11月に第1幕を上演、そして今回第2幕を、さらに10月には新たに創作される第3幕を加えての全幕世界初演にのぞむという、3年がかりの大プロジェクトだ。一昨年11月にヒロインかぐや姫を初演した東京バレエ団プリンシパルの秋山瑛に、現在リハーサル中の第2幕の見どころや舞台への意気込みを聞いた。誰もが知る「かぐや姫」とは少し違う──『かぐや姫』第1幕が上演されてから約1年半。いま振り返ってみて、金森さんとの初のクリエーションはどのような経験だったと思われますか。振付家の創作の現場に立ち会えるというだけでも、とても貴重な経験でした。実際のところ、それを楽しむ余裕はなかったのですが──。当初私は、このバレエは私たちが子供の頃に本で読んでいた「かぐや姫」の物語をイメージしていたんです。竹から産まれた美しい姫が、求婚者たちに無理難題を言って拒み続け、月へと帰っていく、というおなじみのストーリーですよね。でも、この『かぐや姫』は少し違っていた。「竹取物語」をもとに穣さんが構想した物語で、第1幕では彼女が育っていく過程を描いていきます。とてもお転婆な少女ですが、道児という男性に出会い、心を通わせる場面もありました。──音楽は全編を通してドビュッシーの楽曲が用いられますが、「月の光」で踊られるかぐや姫と道児とのパ・ド・ドゥはとても美しく、印象的でした。私の勝手な解釈ではありますが、ふたりには何か心が感じ合うところはあった。でもあの時点では、それを恋だとわかってはいなかったのではないかな、と思っていました。第2幕のクリエーションに入って物語の続きを生きる中で「あのときの心惹かれる気持ちは恋だったんだなと」と。宮廷での華やかでありながら孤独な暮らしの中で大きく育っていると感じます。半年ぶりの稽古再開。時間をおいたからこそ気づいたこと──日本が発信するグランド・バレエを目指すべく、2021年から断続的にクリエーションを重ねられていますね。第2幕のリハーサルは、まず昨年10月に実施、その後半年をおいて再開されました。第2幕の舞台は宮廷へと移るそうですが、そこではどのようなドラマが展開されるのでしょうか。1幕の最後、欲に目がくらんだ翁は、かぐや姫を無理やり宮廷へと連れて行きます。翁にはかぐや姫にいい暮らしをさせてあげたい、という思いがあったかもしれませんが、かぐや姫は宮廷に馴染めない。教育係の秋見という女性から厳しい教育を受けたり、帝やその正室である影姫も彼女に大きく関わってきます。彼女を取り巻く人々も、第1幕とはがらりと変わり、さまざまな思惑が渦巻いています。かぐや姫はその中で、孤独を深めていくんです。東京バレエ団『かぐや姫』第2幕稽古風景photo_Shoko Matsuhashi──そうした物語は、あらかじめ金森さんから説明があったのですか。リハーサルの過程で、少しずつ説明をしてくださいました。自分の役のリハーサルだけでなく、影姫や帝のリハーサルを見て感じることもあります。たとえば影姫。とても魅力的な女性で、絶大な権力を持ち、大臣たちを翻弄する。でも、かぐや姫がやってきて、皆が彼女に興味を持っていることがわかると、彼女のことを目障りに思いながら、でもどこかシンパシーを感じるというか、孤独という点で似た部分を認める。いっぽうで、帝も孤独な人であり、かぐや姫に興味を抱くようになる。──それぞれの複雑な思いが描かれていくわけですね。昨年秋のリハーサルでは、第2幕をひととおり通すところまで出来上がりましたが、表現の部分まではまだまだで、それは4月のリハーサルでまた、というところで終わっていました。──それから半年空いてからの稽古。どんな気持ちで取り組まれていますか。時間が空いたからこそ気づいたこともあります。たとえば、歩いてそちらからこちらに行く、というとき、私はわりと普通にてくてくと歩いてしまっていましたが、足の出し方ひとつとっても、ほんの少しのニュアンスの違いで何かが表現できると気づいたんです。この3月にハンブルク・バレエ団の日本公演を観る機会があったのですが、彼らの舞台に接して、足の出し方だけでなく、手の動き、表情でこれほどまでにその人の感情が出てくるんだということを見せつけられて、私はもっと早くわかっていなければいけなかった! と痛感しました。東京バレエ団『かぐや姫』第2幕稽古風景photo_Shoko Matsuhashiもちろん、穣さんも佐和子さん(振付アシスタントの井関佐和子)もヒントをくださっていました。こうやって、すうっと手を下げるときも、私は普通、視線もいっしょに下げていきがちですが、たとえば視線は後から下げるとか、目のほうが先とか、そうした変化だけでも全然違うと。むしろ、それすらも自分の表現のために使えるのだと。が、あくまでも「ヒント」です。絶対にこう、と決めつけない。表現に関しては、「瑛がこうしたいというもの、かぐや姫はこういう女の子なんだということを、もっと出してほしい」と。もちろん、前回のリハーサルでも出そうとしていたのだけれど、出すためにはもっといろんな方法があるんだということに、今さらですが気づきました。たしかにリハーサルの記録映像を見ると、自分が伝えたいようには伝わっていない。受け身ではなく、もっと自分でやってみるべきだなと思うようになりました。東京バレエ団『かぐや姫』第2幕稽古風景photo_Shoko Matsuhashi知らないからこそ「リアル」になる新作ならではの役作りの難しさも──影姫という登場人物との対比が、とても重要になってくるようですね。影姫は本当に魅力的なキャラクターです。彼女と4人の大臣とのパ・ド・サンク(5人の踊り)はまさに穣さんならではの振付で、とてもスリリング。そんな彼女ですが、かぐや姫とは対照的な存在でありながら、どこか共鳴しているところがある。とても人間らしいというか、影があり、切なくて寂しい人のようにも思います。孤独に沈むかぐや姫が本を読んでいると、影姫もひとり、同じ本を読んでいる、という印象的なシーンもあります。第2幕はどちらかというと、影姫に寄せた物語と思えるほどで、それに対してかぐや姫をどう演じるのかが、また難しいところです。影姫を「嫌な人間」と完全に嫌うわけではなく、感じ合っているところもあるし、同時に帝の寂しさにも何となく気づいている。そしてそういう自分自身も孤独──。──クリエーションならではの悩みといえるのではないでしょうか。本当にそうです。どんな作品でも、過去に上演されたものであれば、結末はわかっている。だから、全体を通しての役作りにのぞむことができますが、正直なところ、穣さんの『かぐや姫』がどうやって終わるのか、いまの私たちは全然知らないんです。でも、着地点がわからないからこそ、ある意味、より「リアル」になるとも言えますね。第1幕での道児とのパ・ド・ドゥも、あの時点では、かぐや姫がその後宮廷で、どんなことになるのかなんて全く知らなかった。だからこそ、新鮮な気持ちで踊ることができたのかもしれません。この第2幕も、第3幕でかぐや姫がどうなるかわからない状態で踊ります。皆とはよく「3幕って、一体どうなるんだろう!?」と話しているのですが(笑)、そこを知らずにいるいまだからこそ、表現できる舞台になるかもしれない。刹那的な感じもしています。ダブルキャストは足立真里亜さんですが、彼女と私とでは全く違うかぐや姫になるのではないかとも思っています。──美術・衣裳は、第1幕とはがらりと変わって、抽象的なものになるそうですね。先日衣裳合わせをしましたが、どんな衣裳になるのかはまだ内緒です(笑)。全然違う雰囲気になりますから、第1幕をご覧になった方はきっと驚かれるのではないかと思います!迫力ある男性群舞や女性たちの美しい群舞など、見どころもたくさんあります。穣さんの振付は音楽と本当にぴったりあっているんです! 1幕もそうでしたが、この振付のために作曲されたのではないかと思うくらい。素晴らしい音楽の中に穣さんの言語で物語が語られてます。皆さまに楽しんでいただける作品になると思います。現代舞踊界を代表する3人の振付家作品に出演──同時上演されるジョン・ノイマイヤー振付の『スプリング・アンド・フォール』、ジェローム・ロビンズ振付『イン・ザ・ナイト』にも出演されますが、こちらのリハーサルの手応えはいかがですか。『スプリング・アンド・フォール』については、振付指導者のエドゥアルド・ベルティーニさんに見ていただいているのですが、振付家のノイマイヤーさん(ハンブルク・バレエ団芸術監督。3月の日本公演時に来団)もバレエ団にいらして、直接指導をしてくださいました。振付家ご本人が作品について語られると、本当に説得力があります。たとえば、第2楽章の女性たちはちょっと強い表現があって、「大地を感じて」とおっしゃっていたのが印象的でした。ロビンズの『イン・ザ・ナイト』も大好きな作品。生ピアノによるショパンの音楽で踊るのですが、3組のカップルがそれぞれパ・ド・ドゥを踊ります。纏う雰囲気や関係性がそれぞれのカップルで違っていて、エレガントな衣裳とシンプルなセット、そしてショパンの音楽が本当に素敵な作品です。初めてみた時から憧れていたので踊ることができて嬉しいです。今回の公演では、現代の3人の振付家の作品を一度に観ることができて、しかもそのうちのひとつが日本人振付家による作品の世界初演という、滅多にない機会となります。ぜひ多くの方々に楽しんでいただけたらと思っています。取材・文=加藤智子撮影=藤田亜弓★ぴあアプリ【よくばり❣ぴあニスト】限定、本公演の招待券を5組10名様にプレゼント! 詳細は下記申し込みボタンよりご確認ください。お申込みはこちら()<公演情報>東京バレエ団金森穣『かぐや姫』第2幕 世界初演ジェローム・ロビンズ『イン・ザ・ナイト』ジョン・ノイマイヤー『スプリング・アンド・フォール』2023年4月28日(金) 19:004月29日(土・祝) 14:004月30日(日) 15:00会場:東京文化会館上野の森バレエホリデイ2023開催!『かぐや姫』第2幕のほか、バレエを観る、踊る、聴く、知る、学ぶ、買う、遊ぶ...など、子どもから大人まで楽しめる、バレエを身近に親しむ3日間。■開催期間:2023年4月28日(金)~2023年4月30日(日)※28日はバレエ公演のみの開催■会場:東京文化会館■公式サイト:
2023年04月18日金森穣振付『かぐや姫』第1幕の世界初演を約1週間後に控えた東京バレエ団が、スタジオでの通し稽古を公開した。日本人振付家による新作上演に積極的に取り組む東京バレエ団。2019年の勅使川原三郎への委嘱に続く第二弾は、新潟を拠点に活動する舞踊団Noismの芸術監督で振付家の金森による“日本発のグランド・バレエ”だ。今回はその第1幕を世界初演、2年後に全幕作品として上演するという一大事業だ。プロローグ、観る者を物語の世界へ引き込むのは、トウシューズの女性たち=緑の精の群舞。音楽はドビュッシーの「海」だ。躍動感あふれる海のイメージは、陸上の竹やぶへと変化を遂げ、飯田宗孝演じる翁がかぐや姫を発見する場面へと連なる。この日ヒロインを演じたのは、公演2日目に登場する足立真里亜。翁の愛情をたっぷり受け、みるみるうちに成長した彼女は、村の童たちの兄貴分・道児(この日は秋元康臣が演じた)と惹かれ合う。しかし、竹やぶで金銀財宝を得た翁は、かぐや姫を連れて都へと向かい──。全編、ドビュッシーの彩り豊かな音楽で紡がれる本作には、冒頭の群舞に主役カップルのパ・ド・ドゥ、個性豊かなキャラクターと、物語バレエならではの要素が随所に散りばめられる。リハーサル後に囲み取材に応じた金森は、この日主役を務めた足立と秋元の演技を大いに評価するとともに、初日の主役、秋山瑛、柄本弾についても触れ、「彼らは全然違うはず。それは物語バレエの醍醐味。舞踊家の力によって、作品に新しい感情が加わったり、新しい視座が加わったりすることに期待する」と語った。日本最古の物語を題材としながら、環境破壊や格差の問題など、現代的な要素も盛り込まれた。竹やぶで金銀財宝を見つける翁の姿を見た村人たちが、自分も富を得ようと竹やぶを荒らすシーンに胸が痛むが、金森は「この作品がもし未来に残った時、そういう問題が提起されていた時代もあったねと言われるようになったら本望」という。同時上演はベジャール振付『中国の不思議な役人』、キリアン振付『ドリーム・タイム』。金森が欧州で師事した二人の巨匠の作品だ。「『この感じを金森は受け継いだのか』、と観ていただけることが嬉しい──そう思える年齢になった(笑)。二十代の頃は背を向けた時期もありましたが、得たものの大切さ、ありがたみを感じます」と、笑顔を見せた。公演は11月6日(土)、7日(日)、東京文化会館にて。文:加藤智子
2021年10月29日大ヒット「ガチ速」の続篇ではレシピを公開糖質を摂らず脂質を多く摂るダイエットのレシピを掲載している新刊『ガチ速“脂”ダイエット 極上レシピ大全』が扶桑社から発売された。A5判変型で価格は1540円(税込)である。著者は金森重樹氏で、同氏は今年7月、扶桑社から『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』を発表しており、新刊はその続篇となる。断糖高脂質食でも飽きずに痩せる4年前は体重90kgの肥満体型で、お腹が邪魔をして靴下を脱ぐことも難しい状態だったという金森重樹氏。そこから極力糖質を摂らず、脂質をたっぷり摂り、質的栄養失調予防のためにサプリメントを摂るという断糖高脂質食ダイエットを行うことで、あっという間に58kgまで体重を減らしている。断糖高脂質食ダイエットを解説した前著は発売前から重版がかかり、Amazonの複数のカテゴリーにおいてトップに輝いている。また、ミュージシャンのGACKT氏が絶賛し、お笑いコンビ「かまいたち」の山内健司氏も実践しているという。ただ、断糖高脂質食は食事のレパートリーが限られることが問題となっていた。新刊では、食べられる料理に幅を持たせようと全39種類ものレシピを公開。前菜、主菜、デザートと、幅広い料理が紹介されている。なお、前著同様、レシピパートにはフードコーディネーターの高橋ゆい氏が起用されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※ガチ速“脂”ダイエット 極上レシピ大全 - 書籍詳細 - 扶桑社
2020年12月24日法改正で6月からお得な返礼品が減っていくといわれている「ふるさと納税」だが、実はまだ“駆込み申請”したくなるものがたくさんあるという――。「6月から施行される『ふるさと納税』の新ルールは、“お得な”返礼品を禁止するようなものです。まさに『ふるさと納税』は大きな転換期を迎えています」そう語るのは、年間3,000万円以上を寄付し食料やレジャーなどの多くを返礼品でまかなっているという「ふるさと納税」の達人、金森重樹さん。’08年に、総務省の肝いりで始まった「ふるさと納税」は、出身地や応援したい自治体に寄付すれば返礼品がもらえることで人気に。’17年度の寄付金額の総額は3,653億円と過去最高を更新。スタートした’08年度の45倍になるまで膨らんだ。「当初『ふるさと納税』の大きな魅力は還元率、つまり寄付金の返礼割合の高さでした。たとえば1万円の寄付金で5,000円の牛肉が返礼品だった場合、還元率は50%に。なかには100%を超える高還元率の商品もあり、寄付が殺到しました」(金森さん)それだけ人気を集めている「ふるさと納税」が見直されることになったのはなぜか?経済紙記者が解説する。「それぞれの自治体に集まった寄付金は、財政が悪化した地方の活性化に一役買いました。ところが自治体が贈る返礼品の競争が過熱。寄付金が集まりやすい高額な家電製品や高い還元率の商品券を競い合うようにそろえるようになったのです」たまりかねた総務省は、3月28日に「ふるさと納税」の新ルールを発表。返礼品に対して<寄付金の30%以下><地場産品に限る>と条件を厳しくした。「この2つの条件を満たし、総務大臣に指定された自治体は6月以降も『ふるさと納税』の制度に参加でき、税制上の優遇措置を受けられますが、指定から外れた自治体は『ふるさと納税』の制度に参加することができません。当然、収入は激減してしまうでしょう」総務大臣に「社会的にも教育的にも悪影響が大きい」とまで言わしめた大阪府泉佐野市は、今月11日、八島弘之副市長が会見を開き、「総務省のやり方は、あまりにも一方的で姑息。今回の法改正が、実質的に『ふるさと納税』制度の終焉につながらないことを祈る」とけん制しながらも、新ルールのふるさと納税に参加することを発表している。私たちにも“おいしい返礼品”は、もうなくなってしまうのだろうか――。前出の金森さんが語る。「確かに高い還元率の商品や換金性の高い商品券は少なくなりましたが、新ルールに適応しているかどうか手探り状態で、ギリギリで攻めているようなお値打ちの返礼品も残っている場合もあります。ただ、6月になると出品されなかったり、寄付金額が上がったりする可能性も。今は、そんな“お得すぎる返礼品”をゲットできる最後のチャンスかもしれません」金森さんのアドバイスから本誌が選びだした、6月以降なくなる可能性がある人気返礼品は次のとおり。【 阿賀町(新潟県)】新潟県奥阿賀産こしひかり10kg(5kg×2袋)/寄付金額:1万4,000円大手航空会社のファーストクラスの機内食でも使用する米の産地から、雪蔵の低温貯蔵で新米のようなおいしさを維持した逸品。【 村山市(山形県)】2019年産「佐藤錦」1kgバラ/寄付金額:1万円最上川流域の豊穣な土地で生産者が丹精込めて育てた「食べるルビー」といわれる佐藤錦。高い糖度だけでなく酸味がほどよいバランス。【 都城市(宮崎県)】霧島酒造豪華4色セット/寄付金額:1万円色鮮やかな希少芋「タマアカネ」を使用した「茜」、気高い香りの「赤」から定番「黒」、復活した「白」と芋焼酎「霧島」を飲み比べで。【 都城市(宮崎県)】『愛』を込めて…愛のスコール250ml×60本/寄付金額:1万円しゅわっと甘酸っぱい口当たりのドリンクは’71年に宮崎ご当地「乳清炭酸飲料」として誕生したが、性別年齢問わず人気は全国区に。【 唐津市(佐賀県)】創業72年 老舗の極みハンバーグ12個入り 1.8kg/寄付金額:1万円老舗お肉屋さん自慢の佐賀牛と佐賀産豚肉をぜいたくに使用。大家族でも充実の量。ふわふわと軟らかくジューシーな肉汁がしたたる。【 唐津市(佐賀県)】NEWパック 佐賀県産 華味鳥もも肉(750g×4パック)/寄付金額:1万円海藻や果物、ハーブを混ぜた飼料で育て、肉の臭みが少ない銘柄鳥「華味鳥」を調理しやすい少量パックで。唐揚げや鍋物におすすめ。【 白糠町(北海道)】北海道海鮮紀行いくら(醤油味)500g(250g×2)/寄付金額:1万3,000円鮭の一大漁場である道東沖で9~10月にとれた成熟卵だけを使用。大きめの粒は、プチッとはじけるハリ感、濃厚なうま味が絶妙。【 紋別市(北海道)】オホーツク産大粒ホタテ(1.2kg)/寄付金額:1万2,000円流氷や荒波のなか稚貝から4年かけてじっくり育った、養殖とは違うコクとうま味と食感が持ち味。刺身、フライ、バター焼きなどに。【 泉佐野市(大阪府)】チョーヤ3年古酒&1年熟成梅酒飲み比べセット/寄付金額:1万500円南高梅の華やかな香りと酸味が特徴の「SINGLE YEAR」とブランデーのような重厚な香りの「AGE 3 YEARS」の飲み比べが楽しい。【 泉佐野市(大阪府)】超特盛国産豚肉のバラエティセット3kg!/寄付金額:1万5,000円名物メガ盛りセットも健在。国産豚肉の甘味が味わえる。ステーキ、とんカツ、しょうが焼きと幅広い料理で。大家族にも心強い味方。【 嬉野市(佐賀県)】佐賀牛A5しゃぶしゃぶすき焼き用[厳選部位]400g/寄付金額:1万円全国トップクラスの肉質を誇る黒毛和牛「佐賀牛」の厳選部位(ロース肉・モモ肉・ウデ肉)を見極めて。きめ細かな霜降りが美しい。人気の米や肉は、ブランド品でありながら、しっかりボリューム感もある逸品。また海の幸や果物には、質や量だけでなく、ストーリー性も商品に色を添えているのが特徴。品切れになる前に、この“やっぱりお得”な返礼品を、素早く見つけてゲットしよう!
2019年04月24日「6月から施行される『ふるさと納税』の新ルールは、“お得な”返礼品を禁止するようなものです。まさに『ふるさと納税』は大きな転換期を迎えています」そう語るのは、年間3,000万円以上を寄付し食料やレジャーなどの多くを返礼品でまかなっているという「ふるさと納税」の達人、金森重樹さん。’08年に、総務省の肝いりで始まった「ふるさと納税」は、出身地や応援したい自治体に寄付すれば返礼品がもらえることで人気に。’17年度の寄付金額の総額は3,653億円と過去最高を更新。スタートした’08年度の45倍になるまで膨らんだ。「当初『ふるさと納税』の大きな魅力は還元率、つまり寄付金の返礼割合の高さでした。たとえば1万円の寄付金で5,000円の牛肉が返礼品だった場合、還元率は50%に。なかには100%を超える高還元率の商品もあり、寄付が殺到しました」(金森さん)それだけ人気を集めている「ふるさと納税」が見直されることになったのはなぜか?経済紙記者が解説する。「それぞれの自治体に集まった寄付金は、財政が悪化した地方の活性化に一役買いました。ところが自治体が贈る返礼品の競争が過熱。寄付金が集まりやすい高額な家電製品や高い還元率の商品券を競い合うようにそろえるようになったのです」たまりかねた総務省は、3月28日に「ふるさと納税」の新ルールを発表。返礼品に対して<寄付金の30%以下><地場産品に限る>と条件を厳しくした。「この2つの条件を満たし、総務大臣に指定された自治体は6月以降も『ふるさと納税』の制度に参加でき、税制上の優遇措置を受けられますが、指定から外れた自治体は『ふるさと納税』の制度に参加することができません。当然、収入は激減してしまうでしょう」“還元率3割以下”というルールに対抗して、各自治体がいま、こぞって知恵を絞っているのが、いかに返礼品に付加価値をつけられるかということ。「牛肉や豚肉、鶏肉などは返礼品の定番ですが“おいしい”“ボリュームがある”だけでは、もはや人気にはなりえません。質や量、商品の物語性やレア感などさまざまな要素を兼ね備えた返礼品が満足度が高く、注目されています。そういった“コスパのよい”返礼品は、人気ランキングでも上位になるため、すぐに売り切れになってしまいます。気になる返礼品があるなら、こまめにチェックしたほうがいいでしょう」(金森さん)圧倒的なコスパで話題なのが、福岡県那珂川市の「博多の味本舗辛子明太子(無着色・二段仕込)500g」(寄付金5,000円)と宮崎県都農町の「迫力満点うなぎ蒲焼(長焼特大サイズ5尾入)」(寄付金額2万円)。寄付が殺到し、すぐに完売してしまうほどの人気ぶりだ。「返礼品が大量に届いても、食べきれないと心配する人がいるかもしれませんが、冷凍保存が利く肉や魚介類は多めに頼んでも、さほど問題にはなりません。また、最適なサイズにカットされていたり小分けにパックされていたりと、女性にうれしいサービスも、今後は大事なポイントになるかと。そして、旅行で楽しめる感謝券(地域振興券)や宿泊券なども関心を集めるでしょう。オーシャンビューや満天の星が見えるなど、還元率ではなく、新たな価値観で返礼品を選ぶことで、お得さを実感することができます」(金森さん)
2019年04月24日「6月から施行される『ふるさと納税』の新ルールは、“お得な”返礼品を禁止するようなものです。まさに『ふるさと納税』は大きな転換期を迎えています」そう語るのは、年間3,000万円以上を寄付し食料やレジャーなどの多くを返礼品でまかなっているという「ふるさと納税」の達人、金森重樹さん。’08年に、総務省の肝いりで始まった「ふるさと納税」は、出身地や応援したい自治体に寄付すれば返礼品がもらえることで人気に。’17年度の寄付金額の総額は3,653億円と過去最高を更新。スタートした’08年度の45倍になるまで膨らんだ。「当初『ふるさと納税』の大きな魅力は還元率、つまり寄付金の返礼割合の高さでした。たとえば1万円の寄付金で5,000円の牛肉が返礼品だった場合、還元率は50%に。なかには100%を超える高還元率の商品もあり、寄付が殺到しました」(金森さん)それだけ人気を集めている「ふるさと納税」が見直されることになったのはなぜか?経済紙記者が解説する。「それぞれの自治体に集まった寄付金は、財政が悪化した地方の活性化に一役買いました。ところが自治体が贈る返礼品の競争が過熱。寄付金が集まりやすい高額な家電製品や高い還元率の商品券を競い合うようにそろえるようになったのです」たまりかねた総務省は、3月28日に「ふるさと納税」の新ルールを発表。返礼品に対して<寄付金の30%以下><地場産品に限る>と条件を厳しくした。「この2つの条件を満たし、総務大臣に指定された自治体は6月以降も『ふるさと納税』の制度に参加でき、税制上の優遇措置を受けられますが、指定から外れた自治体は『ふるさと納税』の制度に参加することができません。当然、収入は激減してしまうでしょう」さらに、自治体を震え上がらせているのが、財政支援のために総務省が配分する地方交付税の存在。「総務省の要請に従わずに、昨年度360億円を超える寄付金を集めた大阪府泉佐野市、家電やギフト券を返礼品にして約249億円を集めた静岡県小山町など4市町に対して、毎年配分している特別交付税を実質ゼロに。総務省は否定しましたが、“見せしめ”の意味合いが強いといわれています」そんな総務省の方針に『ふるさと納税』に力を入れてきた自治体はどう思っているのだろうか――。特産品の海産物で、寄付金額を大幅にアップさせてきた自治体の担当者が小声で言う。「総務省による指定制度が開始されることになり、返礼品を大幅に見直さざるをえない状況です。そんなタイミングで、私どもの町の名が目立つことは、どうしても避けなければいけません」生活用品や家電製品などの返礼品をそろえていた別の自治体の担当者は、ため息をつきながら話す。「寄付金は過疎化に歯止めをかける貴重な財源でした。家電製品の返礼品も、特産品が乏しい町としては苦肉の策。もう大幅な収入減は免れられませんが、6月からの新ルールに従うしかありません」総務大臣に「社会的にも教育的にも悪影響が大きい」とまで言わしめた前出の泉佐野市は、今月11日、八島弘之副市長が会見を開き、「総務省のやり方は、あまりにも一方的で姑息。今回の法改正が、実質的に『ふるさと納税』制度の終焉につながらないことを祈る」とけん制しながらも、新ルールのふるさと納税に参加することを発表している。私たちにも“おいしい返礼品”は、もうなくなってしまうのだろうか――。前出の金森さんが語る。「確かに高い還元率の商品や換金性の高い商品券は少なくなりましたが、新ルールに適応しているかどうか手探り状態で、ギリギリで攻めているようなお値打ちの返礼品も残っている場合もあります。ただ、6月になると出品されなかったり、寄付金額が上がったりする可能性も。今は、そんな“お得すぎる返礼品”をゲットできる最後のチャンスかもしれません」
2019年04月24日「速やかに見直しを行っていただきたい!」2,000円で豪華な返礼品がもらえると大人気のふるさと納税。その一方で、高額な返礼品が問題に。国の意向に従わない自治体に対して、野田聖子総務大臣は、先月6日の会見でこう語気を強めた――。なにをそんなに怒っているのか、総務省市町村税課の担当者に説明してもらおう。「返礼品の還元率を寄付額の3割以下にすること。つまり1万円の寄付に対して3,000円のお肉の返礼品はいいですよ、という通知を全国の自治体に出したのが昨年4月のことです。それでも、いまだに見直す意向がなく、10億円以上の寄付金を受け入れている12自治体を公表に踏み切りました。約9割の自治体がルールを守っているなか、過熱しすぎたふるさと納税の制度を健全化する狙いがあります」この“返礼品3割ルール違反”と名指しされた自治体は次のとおりだ。「国から“叱られる”ほどお得な返礼品があったんだ」と、逆に注目を浴びてしまった12の自治体。そんな大人気の品がリストから外されてしまう前に、急いでチェックしよう!【大阪府泉佐野市】受入額:135.3億円寄付金受入額を前年より3.9倍伸ばして全国1位(’17年度)になった“関空”のお膝元の市。肉やビール、米、泉州タオル、航空会社「Peach」のポイントギフト、宿泊券など多彩な品物が人気に。平均還元率は4割程度とお得な返礼品も注目。見直しの意向がある。【佐賀県みやき町】受入額:72.2億円受入額は前年度の5倍で全国4位に浮上した人口約2万5,000人の町は、ロボット掃除機、液晶テレビ、空気清浄機などの家電、高級「佐賀牛」などの返礼品が人気。寄付金により高齢者の生活支援、人工知能を使った未来型農業などを展開。今後3割超の品は見直す意向。【佐賀県唐津市】受入額:43.9億円三大朝市“呼子の朝市”や唐津焼で知られる市は受入額でも全国7位に。特産品「佐賀牛」や玄界灘の剣先イカ、アジの海産物が人気。棚田栽培の「唐津上場産コシヒカリ」や「老舗肉屋の特上ハンバーグ」などグルメ通に評判の品がそろう。価格は再検討に入る可能性も。【静岡県小山町】受入額:27.4億円“金太郎生誕の地”でもある町の人気はアイスクリームや「リンガーハット」の全国で使える商品券、工場がある「アイリスオーヤマ」の家電。8月3日現在、見直しは検討していない。【佐賀県嬉野市】受入額:26.7億円日本三大美肌の湯「嬉野温泉」で名高い市は宿泊券や肉が人気。専門サイト「さとふる」で上半期1位になった「佐賀牛の切り落とし1kg」は5割超の還元率も下げる方向。【茨城県境町】受入額:21.6億円返礼品4割程度のブランド牛「常陸牛」や「県産のお米4種食べくらべ20kgセット」などコスパが魅力。西日本豪雨の被災支援の寄付金の受付けも実施。見直し作業に入っている。【滋賀県近江八幡市】受入額:17.7億円近江商人と安土城で知られる市は「近江牛」、アユ、米や地酒、寝具メーカー「東京西川」の高級マットレスなどが好評。3割超の返礼品の見直しや地場産品に力を注ぐ。【福岡県宗像市】受入額:15.6億円世界遺産登録の「沖ノ島」がある市は「宗像めんたいこ450g」、宗像産大麦使用の「キリン一番しぼり1ケース」、重量UPした「いちご」の返礼品が大ヒット。還元率は調整中。【岐阜県関市】受入額:14.1億円“日本一の刃物のまち”は「高級包丁」だけでなく爪切りやハサミなども充実。寄付金は地場産業の活性化に。「日本刀アイス」や懐かしの「たまごっち」「写ルンです」も登場。【大分県佐伯市】受入額:13.5億円日本有数のリアス式海岸が広がる市は干物など海産物が人気。かつては伊勢エビやすしなどの豪華返礼品も。注目は真珠の宝飾品。地元産品であることから見直す予定はない。【福岡県上毛町】受入額:12.1億円人口7,000人ほどの豊かな自然が魅力の町。九州産牛肉、ウナギ、ビールなどコスパがいい返礼品がそろう。放し飼いの地鶏の卵は申し込みが急増中。現在“通知”の検討を重ねている。【佐賀県基山町】受入額:10.9億円福岡市のベッドタウンでは、「佐賀牛」「肥前さくらポーク」のほか、メーカー、種類が充実したビールのラインナップが魅力。8月いっぱいでビールの取り扱い中止の方向。年間3,000万円以上も寄付している“ふるさと納税の達人” 金森重樹さんは、「返礼割合3割超」見直しという“ルール”について、次のように語る。「ふるさと納税は、地域のもっている有形無形の資産をPRする大事なツール。また地域振興、雇用創出など絶大な効果も見込まれます。だからこそ、各自治体は、先を争うように返礼品の充実につとめてきました。いま総務省が言うようにルールが強化されれば、寄付を申し込む私たちにとっても、手間を考えると、あまりメリットがなくなってしまいます。そうなれば自治体間の競争意識もなくなり、また“お役所仕事”に戻るだけでしょう。明らかに、ふるさと納税のブームに冷水を浴びせた“通知”だったと思います」
2018年08月18日「国から“叱られる”ほどお得な返礼品があったんだ」と、逆に注目を浴びてしまった12の自治体。そんな大人気の品がリストから外されてしまう前に、急いでチェックしよう!「速やかに見直しを行っていただきたい!」2,000円で豪華な返礼品がもらえると大人気のふるさと納税。その一方で、高額な返礼品が問題に。国の意向に従わない自治体に対して、野田聖子総務大臣は、先月6日の会見でこう語気を強めた――。なにをそんなに怒っているのか、総務省市町村税課の担当者に説明してもらおう。「返礼品の還元率を寄付額の3割以下にすること。つまり1万円の寄付に対して3,000円のお肉の返礼品はいいですよ、という通知を全国の自治体に出したのが昨年4月のことです。それでも、いまだに見直す意向がなく、10億円以上の寄付金を受け入れている12自治体を公表に踏み切りました。約9割の自治体がルールを守っているなか、過熱しすぎたふるさと納税の制度を健全化する狙いがあります」年間3,000万円以上も寄付している“ふるさと納税の達人” 金森重樹さんは、この総務省の方針に首をかしげる。「ふるさと納税は、地域のもっている有形無形の資産をPRする大事なツール。また地域振興、雇用創出など絶大な効果も見込まれます。だからこそ、各自治体は、先を争うように返礼品の充実につとめてきました。いま総務省が言うようにルールが強化されれば、寄付を申し込む私たちにとっても、手間を考えると、あまりメリットがなくなってしまいます。そうなれば自治体間の競争意識もなくなり、また“お役所仕事”に戻るだけでしょう。明らかに、ふるさと納税のブームに冷水を浴びせた“通知”だったと思います」総務省が“返礼品3割ルール”を厳しく指導し始めたことで、ふるさと納税は、大きな転換期を迎えたことは確かなようだ。総務省の改善要請はどういうものだったのか。さらには今後の対策について、当の12の自治体のうち寄付額トップ3の担当者に見解を聞いた。まず、前年度の3.9倍の寄付を集め’17年度の寄付額135億円と全国トップに躍り出たのは、大阪府泉佐野市。お値打ちの「黒毛和牛小間切れ切落し2.2kg」(寄付金額1万円〜)や米、ビールやソフトドリンクなどから、国内外の旅行に使える航空会社のポイントギフトや宿泊券など充実した返礼品が人気。還元率は、平均4割程度になっている。「集まった寄付金は、教育や子育て支援に活用させていただいています。総務省の通知を踏まえ、返礼品などについては、見直すべき点はしっかりと見直しつつ、ふるさと納税の健全な活用を図っていきたいと考えています」(泉佐野市政策推進課)前年度の5倍の寄付額72億円を集めた佐賀県みやき町は、ダイソンのドライヤー「スーパーソニック」、ロボット掃除機「ルンバ」などの電化製品や「『仔牛を産んでない国産牛』しゃぶすき2kg!スライス」(寄付金額1万円〜)など“コスパ返礼品”がとくに注目された。「総務省からは『今年8月までに見直せるか?』という問い合わせでしたが、返礼品のための設備投資をしている地元の業者もあり、その調整に間に合わないことを正直に伝えました。にもかかわらず、実名が公表されてしまって……。総務省の還元率の3割という要請に近づけられるよう、今後、見直していく予定です」(みやき町総務部)昨年4月の月間寄付額が約1億円だった佐賀県唐津市が、今年5月には約1.8億円に急増。ブランド牛「佐賀牛」や米、呼子の朝市の干物など、山海の幸の品ぞろえが充実。“お値打ち返礼品”とリピーターも多いのが特徴だ。「“見直しの意向がない自治体”と誤解されたようですが、当市は返礼品の取扱い数が多く、地元の事業者への影響も考えると、調整には当然時間がかかります。できるだけ早く見直し作業に入ろうと考えていますが、人手もかかりますので……」(唐津市企画政策課)これら公表された寄付額トップ3の自治体のみならず、ほかの9自治体も“立ち向かっている”わけではないようだ。金森さんが語る。「今後、総務省の締めつけも予想されるため、これまで高還元率を貫いてきた自治体も、この秋から返礼品を変更してしまう可能性はあるでしょうね」これからお得な返礼品をゲットするなら、総務大臣の言うように「速やかに!」が得策のようだ。
2018年08月18日「速やかに見直しを行っていただきたい!」2,000円で豪華な返礼品がもらえると大人気のふるさと納税。その一方で、高額な返礼品が問題に。国の意向に従わない自治体に対して、野田聖子総務大臣は、先月6日の会見でこう語気を強めた――。なにをそんなに怒っているのか、総務省市町村税課の担当者に説明してもらおう。「返礼品の還元率を寄付額の3割以下にすること。つまり1万円の寄付に対して3,000円のお肉の返礼品はいいですよ、という通知を全国の自治体に出したのが昨年4月のことです。それでも、いまだに見直す意向がなく、10億円以上の寄付金を受け入れている12自治体を公表に踏み切りました。約9割の自治体がルールを守っているなか、過熱しすぎたふるさと納税の制度を健全化する狙いがあります」年間3,000万円以上も寄付している“ふるさと納税の達人” 金森重樹さんは、この総務省の方針に首をかしげる。「ふるさと納税は、地域のもっている有形無形の資産をPRする大事なツール。また地域振興、雇用創出など絶大な効果も見込まれます。だからこそ、各自治体は、先を争うように返礼品の充実につとめてきました。いま総務省が言うようにルールが強化されれば、寄付を申し込む私たちにとっても、手間を考えると、あまりメリットがなくなってしまいます。そうなれば自治体間の競争意識もなくなり、また“お役所仕事”に戻るだけでしょう。明らかに、ふるさと納税のブームに冷水を浴びせた“通知”だったと思います」総務省が“返礼品3割ルール”を厳しく指導し始めたことで、ふるさと納税は、大きな転換期を迎えたことは確かなようだ。「たとえば、全国で使える三重県明和町などの『ふるなびグルメポイント』は還元率5割でしたが3割に変更。また鳥取県三朝町では、還元率5割の温泉旅館利用券を取りやめました。’15年、’16年度で受入額が全国1位だった宮崎県都城市は、牛肉や焼酎など還元率6割以上の返礼品を多くそろえていたのが魅力でしたが、還元率の見直しで、1位の座を譲ることに」(金森さん)さらに、総務省の改善要請は、還元率だけでは終わらなかった。「換金性の高い商品券や、電子機器、宝飾品などの“資産性の高い返礼品”も避けるよう、粘り強く働きかけていきます」(総務省)人気家電やパソコンなどを充実させて’16年度の寄付額72億円で全国2位だった長野県伊那市も、家電製品を見直したことで’17年度は、179位(約5億円)と大きく順位を下げたのだった。いっぽうで、要請に従わなかった自治体は、逆に昨年度から受入額を伸ばしている。「すべての自治体がルールを順守すれば、返礼品のコスパ度は下がり、われわれの選択肢も少なくなっていくでしょう。名指しされた、大阪府泉佐野市(135.3億円)や佐賀県みやき町(72.2億円)など12の自治体には、ぜひ今後も、総務省の“改悪ルール”に立ち向かってほしいところです」(金森さん)
2018年08月18日「『ふるさと納税』は、好きな自治体に寄付できる制度。その最大の魅力は、お礼として自治体から送られてくる返礼品です。これまでは男性目線のものが多く、どうしても肉や海産物が目立っていました。しかし最近になって、洗剤や化粧品など日用品をそろえる自治体が急増。家計を助けてくれたり、女子力をアップさせるものなど、女性目線の品物も充実してきています」 そう語るのは、自身も「ふるさと納税」を活用している税理士の眞喜屋朱里さん。’08年にスタートした「ふるさと納税」。初年度に集まった寄付金は約72億円だったが、年々注目度が高まり、’16年の寄付金は3,500億円になる見込み。これは’15年の実績の2倍以上!人気の秘密を探ってみると、その理由が見えてきた。 【1】主婦目線の返礼品が充実! 家庭で日常的に使う消耗品を返礼品にしている自治体が増えているという。 「2万円の寄付で届く約半年分の洗濯洗剤『アリエール』(岐阜県七宗町)や1万円の寄付で送られてくる96個の『トイレットペーパー』(岐阜県池田町)は助かりました。日用品を買うお金をランチに回せるので、主婦にとってはとてもお得です。そして何よりうれしいのがお米。全国の自治体が競うように銘柄米を返礼品にしています。相場は1万円の寄付で20キロほど。しかも、一度に大量にお米が届くのではなく、年に数回に分けて届けてくれる定期便もあります。主婦にとっては心憎いサービスです」(眞喜屋さん) 「ふるさと納税」で得た食品のみで家族4人で生活している達人・金森重樹さんも、こう語る。 「玉ねぎやじゃがいもなど同一の野菜だけが大量に届き、食べきれないこともあったのですが、最近は、いろいろな野菜が少しずつ入ったセットものの返礼品が増えています。また、肉や魚などの食材もいいのですが、共働き家庭や主婦が手を抜きたいときに助かるのが、ご当地名物の加工品。1万円の寄付でもらえる『美唄焼き鳥セット』(北海道美唄市)や『ふっくらとろける蒲焼(特大)』(福岡県福智町)は、調理不要で長期保存も可能なんです」 【2】大手家電メーカーの製品が返礼品に! 肉や魚、野菜といった食材が多い返礼品だが、このところ増えてきた家電製品も見逃せない。 「寄付金額はそれなりに上がりますが、長野県伊那市ではダイソンの家電が用意されていて、15万円で空気清浄機、20万円でロボット掃除機が返礼品として選べます。3万円の寄付で手に入る炊飯器(静岡県小山町)などは、還元率(コスパ)も高いといえるでしょう」(金森さん) 眞喜屋さんもこう語る。 「家電メーカーの城下町だったり、製造工場があったりする自治体では、家電が“特産品”になります。私も今年は電化製品を選ぼうと思っていて、今はベランダ掃除のために5万円の寄付でもらえる『高圧洗浄機』(広島県府中市)を申し込もうか検討しているところです」 【3】“行って楽しむ返礼品”が人気に! さらに最近、じわじわ増えてきたのが、寄付先の観光地などでの宿泊券や施設利用券。 「神奈川県湯河原町の『宿泊ギフト券』は還元率が寄付金額の50%。宿泊施設でしか利用できませんが、湯河原温泉は質の高い旅館が多いので、けっこうな頻度で利用しています。また宿泊券よりも還元率がいいのが、ご当地の商店やレストランで使える金券。『かつうら七福感謝券』(千葉県勝浦市)は1万円の寄付金で70%の還元率。加盟店もどんどん増えて、ますます便利になっています。住んでいるところの近くや、行きたい自治体の返礼品に金券や感謝券があれば狙い目です」(金森さん) なかには「1日町長体験」(福岡県みやこ町・寄付金額100万円)や「日帰り人間ドック」(奈良県生駒市・寄付金額15万円)なども。 「現地に行って、新鮮な魚介類を味わうツアーや、いちご狩り、田舎暮らしなど、地元体験型の返礼品も要チェックです」(眞喜屋さん)
2017年02月15日東京都町田市は、小田急金森泉地区において「町田市住みよい街づくり条例」第7条第1項に基づく「地区街づくりプラン(計画)」を5月16日に告示。条例第12条に基づく「街づくり推進地区」に指定した。なお、指定にともない、建築行為などを行う際は、条例第14条に基づく建築行為といった届出が必要になるとのこと。同地区は、1970年代の開発事業により形成された住宅地。1980年代半ばにはほぼ現在の街並みとなり、1985年に定められた自治会の建築協約によって市内でも良好な住環境を有する住宅地として維持されてきたという。しかし近年、敷地の細分化、緑の現象などにより住環境を維持していくことが困難になり、街づくりの問題点が浮上してきた。そこで、今後も現在の住環境を維持し安全に住みよい街にするため、地元自治会「街づくりを考える会」が中心となって話し合いを重ね、街づくりの方向をとりまとめた「地区街づくりプラン案」を作成。3月の説明会や街づくり審査会を経て同計画を策定した。指定地区は、町田市金森東3丁目、4丁目、小川2丁目の一部。届け出には、委任状や現況図、配置図などが必要となる。詳細は、同市公式ホームページ(を参照のこと。
2014年05月26日