データ・アプリケーションは1月13日、電力小売全面自由化に向け電気事業者向けに統合EDI(電子データ交換)ソフトであるACMS(エーシーエムエス)シリーズの最新版(バージョン4.4)を販売開始した。発売するのは企業内外のシステムおよびアプリケーションをシームレスに連携するB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」、企業間のデータ交換を行う環境を構築するB2Bサーバ「ACMS B2B」となり、価格はいずれも税別でACMS E2X(基本機能)は150万円~、ACMS B2B(同)は50万円~、ACMS運用監視機能(オプション)は50万円~。2016年4月からの電力小売全面自由化では中立的民間機関である広域機関が主体となり、電力システム改革が行われる。広域機関は、一般家庭や企業などの需要者から電力供給契約の切り替えを受けて、小売電気事業者と一般送配電事業者間の電力託送契約の切り替え手続きを円滑化する「スイッチング支援システム」を開始。また、電気事業者から提出される供給計画・連系線利用計画・発電計画・需給計画などの各種計画情報をもとに電力の需給調整を行う「広域機関システム」を開始することに加え、新電力会社は顧客の合計需要量を予測しつつ、自身の発電所出力や購入電力の合計が30分単位で一致するように調整するため、同時同量を行う仕組みを構築している。最新版では、電気事業者が電力広域的運営推進機関(広域機関)のシステムと連携するために必要な通信プロトコルを新たに追加し、電気事業者が行う電力託送契約のスイッチングを効率的に支援する。ACMSシリーズは、すでに電気事業者が各種計画情報を広域機関に提出する際のシステム連携もサポートしているほか、Webアプリケーションのブラウザ操作を自動化するオプション製品の「ACMS WebAgent」では新電力会社が行う同時同量に必要な30分電力量データを一般送配電事業者Webアプリケーションからダウンロードできるという。
2016年01月13日東北電力と北芝電機は1月13日、電力損失の低減と長寿命化等を実現した新型配電用変圧器を開発したと発表した。両社は平成21年に、CO2排出削減など環境負荷の低減を目的として、ナタネ油を絶縁油に採用した「環境調和型変圧器」を開発している。今回開発した新型変圧器では、最新の設計技術に基づき冷却性能のさらなる向上を図るとともに、両社の共同研究により、ナタネ油の特性を細部にわたり解析し、この結果を設計に反映した。これにより、従来の環境調和型変圧器に比べ、変圧する際の電力損失を15%低減。さらに、変電所に変圧器を設置する際、従来は変電所構内で変圧器の部品の一部を組み立てていたが、付設する放熱器の見直しにより、工場で組み立てを完成させ、そのまま搬送して設置することが可能となった。また、変圧器は巻線絶縁紙に含まれる水分量が多くなることで劣化が進むが、今回、吸水力が高いというナタネ油の特性に着目し、構造・設計を見直したことなどにより、定格連続運転における期待寿命が30年から60年に延びたという。今後東北電力としては、管内の主に6万6000Vの配電用変圧器について、低損失かつ植物油を採用した変圧器の導入を進め、環境負荷の低減を図っていくとしている。平成28年4月より25台/年程度を導入予定。
2016年01月13日日本航空(JAL)は8日、新電力の洸陽電機と提携し、電力購入でマイルが貯まる同社初のサービスを開始すると発表した。○電力会社との提携は初4月の電力小売り完全自由化を巡っては、KDDI、JXホールディングス、東京ガスなどが参入を表明。顧客の取り込みのため、独自の割引プランやポイント付与サービスを実施するとしている。このたび航空大手のJALと業務提携を発表したのは、兵庫県神戸市に本社を置き「enesys」のブランド名でサービスを提供する洸陽電機。4月より、洸陽電機が自社で提供する電力サービス利用者を対象にJALマイレージを積算する。JALマイレージバンクは、2012年10月時点の会員数が2,500万人を超す国内最大級のマイレージサービス。ビックカメラ、NTTドコモ、東京海上日動火災保険など様々な企業と提携しているが、電力会社との提携は全国初となる。洸陽電機の担当者によると、現時点では電気購入の契約特典及び毎月の使用電力量に応じたJALマイレージ積算サービスを検討しているという。マイルの積算率や詳細条件については後日発表予定。
2016年01月13日KDDIは、電力サービス「auでんき」の発表会を19日に開催することを明らかにした。同社は、4月からスタートする電力小売の自由化に伴う事業を開始すると昨年10月に発表していた。今回の発表会では、サービスの料金プランや、提供開始時期などの詳細がアナウンスされると思われる。電力サービスは、ソフトバンクも開始することを発表しており、競合する携帯キャリアとしてKDDIが、どのようなサービスを展開するのか注目が集まる。発表会には、代表取締役執行役員専務の石川雄三氏のほか、ゲストとして菅田将暉さんも出席する予定。なお、ストリーミング中継などは行わない。
2016年01月13日●「ソフトバンクでんき」とはソフトバンクは12日、電力サービス「ソフトバンクでんき」を4月1日より提供開始すると発表した。東京電力との業務提携による料金プランを、東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリアで展開する。28日から予約の受付を開始する予定。本稿では、都内で行われた記者説明会の模様をお伝えする。○使わない分はTポイントを付与説明会の冒頭、ソフトバンクの代表取締役社長兼CEOである宮内謙氏が登壇して概要を説明した。ソフトバンクでんきは、4月から開始される電力小売自由化に伴うもの。「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」、「バリュープラン」の3つの料金プランを用意する。バリュープランを例にとると、従来の東京電力のプランとの比較では300kWhを超えれば安くなる仕様。毎月8,000円~16,000円相当を利用する家庭なら、割安を実感できるという。あまり使わない月は東電のプランより高くなるが、その分についてはデータ容量の付与か、Tポイントで還元される。例えば当月使用量が200kWhの場合、データ容量3GBかTポイントが1,000ポイント付与される。○おうち割では8万円おトクなケースもソフトバンクではこのほか、携帯電話による通信サービス、光回線によるインターネットサービスと電力サービスを連携させた「でんきセット」など、いくつかの割引サービスからなる「おうち割」を提供する。例えばバリュープランを契約した戸建住宅3人家族で、「おうち割 でんきセット」を利用したモデルケース(東京電力エリア)では、年間で最大80,920円相当が割り引かれるという。宮内氏は「今後あらゆるサービスがスマートフォンの上に乗ってくる。それを、できるだけ安く提供することで、お客様の家計をサポートしていきたい」と説明した。このほか、ソフトバンクグループでは再生可能エネルギーの取り組みも進めている。太陽光、風力などで発電した電力を利用者に提供するサービス「FITでんきプラン」をなるべく早い時期に導入したい考えだ。●トレンディエンジェルが魅力をアピール○トレエンがアピール記者説明会には、特別ゲストとして女優の内田恭子さん、お笑いコンビのトレンディエンジェル、CMでおなじみのダンテ・カーヴァーさんが招かれた。家庭をもつ内田さんは、ソフトバンクと東京電力の割引サービスに「家計が助かる」と興味津々。また、トレンディエンジェルの2人は「まだM1グランプリの優勝賞金をもらっていないので、小麦粉を食べて節約している。ソフトバンクの電力プランにお得さを感じる」とアピールしていた。○学割プランも発表なお、記者説明会では「ギガ学割」も発表された。データ容量の上限に不満をもつ学生に向けた学割サービスで、25歳以下の利用者が対象。「乗り換え」あるいは「新規」でソフトバンクの携帯電話を契約した場合、本人およびその家族は、毎月3GB×36カ月のデータ容量(※その後、6GBに増量を発表。家族は3GBのまま)か、ホワイトプラン基本使用料3年間0円のどちらかの特典を選択できる。「機種変更」した場合は、前述のデータ容量が付与される。こちらは1月15日より受付を開始する。●東電と提携する理由○なぜ東電とソフトバンクが? ドコモとの提携も?記者説明会の最後に質疑応答の時間が設けられ、宮内社長と、東京電力のカスタマーサービス・カンパニーの眞田秀雄氏が記者団の質問に回答した。2017年4月にはガスの小売全面自由化が予定されている。これに関して、都市ガスとの提携も視野に入れているのかといった質問に宮内氏は「自由化されるサービスについては、取り組んでいきたい。ガスに関しても検討していく」と回答。東京電力、ソフトバンクがお互いの会社に期待するものとして、宮内氏は「東京電力さんは、電気の供給力がある。発送電分離など、新しいことにも積極的に取り組んでおられる」、眞田氏は「東京電力では、全国のお客様に向けて営業していきたい。また電気以外のサービスを開発して、付加価値を創造していきたい。その点で、ソフトバンク様は強力なパートナーとなる」としている。東京電力がNTTドコモやKDDIと提携する可能性について、眞田氏は「まずはソフトバンク様と提携させていただいた、ということ」と答えるにとどまっている。FITでんきの発表時期について、宮内氏は「なるべく早く発表させていただく。風力、火力などでプランは分けず、FITでんきプランとして提供する」とコメント。今後のソフトバンクショップの活用方法について、宮内氏は「最近では、スマートフォンやeコマースの使い方をお教えしている。今後は電力なども含めて、トータルにアドバイスできる店に作り替えていきたい。東京電力さんは、これまで電力に関してあまり営業をされてこなかった。そこで、我々のもつソフトバンクショップで、お客様に電気を説明していきたい」と言及した。電力プランでも解約金は発生するのか、といった質問に眞田氏は「1年契約、2年契約の2つのプランを用意している。解約金の設定は、東京電力で設定している。例えば2年契約の場合、バリュープランであれば2,500円、プレミアムプランであれば5,000円ほどの解約金が発生する」とのこと。原発事故を起こした東京電力と提携した理由について問われると、宮内氏は「大変な事故だったと認識している。一方で、電気の小売が自由化され、安心・安全にお得にお客様に提供できるという段階にきている。ソフトバンクとしてはFITでんきで全てがまかなえるとは考えていない。そこで、東電さんと提携した」と回答。眞田氏は「東電の電気を使っていただくとご理解いただいている。何ら矛盾はないと考えている」と説明した。ソフトバンクの携帯を解約すると電気が使えなくなるのか、という質問に眞田氏は「今回発表したプランは、あくまで東京電力とお客様の契約となる。割引の特典はなくなってしまうが、電気自体はお使い頂ける。(ソフトバンクオリジナルの)バリュープランの場合は、お客様にご意志をお伺いするなどしたい」と答えている。
2016年01月12日ソフトバンクは1月12日、今年4月電力小売り全面自由化に伴い、新たな電力サービス「ソフトバンクでんき」を4月1日より提供すると発表した。新サービスでは、東京電力との業務提携により、「スタンダード(S/L/X)」「バリュープラン」「プレミアムプラン」の3種類のプランを東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリア提供を開始する。東京電力との提携を通じて提供される「バリュープラン」では、支払うでんき料金に応じてTポイントが1000 円につき5ポイント付与される。同日、携帯電話、自宅のインターネット、電気に関するサービスをソフトバンクでまとめて契約すると割引が適用される「おうち割」が1月28日より提供されることも発表された。「ソフトバンクでんき」は「おうち割」の対象サービスで、ソフトバンク携帯電話または「SoftBank 光」などの固定通信サービスの顧客向けに提供される。「ソフトバンクでんき」とソフトバンク携帯電話または「SoftBank 光」などの固定通信サービスをセットで契約する「おうち割 でんきセット」で、ソフトバンク携帯電話の代表回線または固定通信サービスの利用料金から最大 月額300円の割引が適用される。例えば、従量電灯B(40A)で月間の平均でんき使用量が392kWhの一戸建てに住む3人世帯が「ソフトバンクでんき」の「バリュープラン」に変えた場合、でんき料金の割引額、「おうち割」適用に伴う割引額、T ポイント付与数の合計で年間約8920 円相当得するという。
2016年01月12日ソフトバンクは12日、電力サービス「ソフトバンクでんき」を4月1日より提供開始すると発表した。事前申し込み受付は28日から行う。「ソフトバンクでんき」は、電力小売り全面自由化に伴った電力サービス。ブランド名は昨年12月に発表されていたが今回、詳細が明らかになった。プランは、「スタンダード(S/L/X)」、「バリュープラン」、「プレミアムプラン」の3種類で、4月1日より東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリアのユーザー向けに提供が開始され、順次全国へ拡大していく。利用料金は、ソフトバンクが提供する通信サービスとの合算支払いが可能。東京電力との提携により提供されるプランでは、支払う電力量料金に応じて1,000円につき5ポイントのTポイントが付与される。それぞれのプランの詳細は以下のとおり。スタンダードS/L/X「スタンダードS」はアンペアブレーカ契約で60Aまで使うユーザー向け、「スタンダードL」はユーザー取り付けのブレーカによる契約で6kVA以上のユーザー向けとなる。「スタンダードX」は、スマートメーターによって計測された30分ごとの使用電力量を使って、過去1年の使用実績から基本料金を決定するプランだ。バリュープラン東京電力とのアライアンスによる共同プラン。電力量料金が300kWhまでは定額、超えると割安になる単価設定が特徴。300kWhに満たない場合は、使わなかった電力量に応じてTポイントの付与もしくは、ソフトバンクの携帯電話で使用可能なデータ量での還元が受けられる。還元単位は月の使用量が300kWhより下回った5kWhごと(端数切り捨て、月最大100kWhまで)。付与されるTポイント/データは、50ポイント/0.15GB。プレミアムプラン電力量料金が400kWhまで定額、超えると割安になる単価設定のプラン。使用量の多い大家族などのユーザー向けだとしている。このほか、再生可能エネルギーに由来する電力の使用を希望するユーザー向けに「FITでんきプラン(再生可能エネルギー)」も今後提供するという。同プランの詳細については、準備が整い次第案内するとのこと。
2016年01月12日東京電力は7日、4月の電力小売全面自由化に向けたサービスメニューを発表した。予約受付は1月8日から開始する。○Tポイント、Pontaポイントなども実施4月からの電力小売完全自由化を巡っては、東京ガスやKDDI、JXホールディングス、楽天などが参入を表明。既存の電力各社は、新サービスや価格改定、提携企業とのセットプランなどで、顧客の引き止めと取り込みを図っている。東京電力が発表した新サービスメニューは、スタンダードプラン、プレミアムプラン、スマートライフプラン、夜トクプラン。プランによってはソフトバンクなどの提携先セットプランを選択することもできる。料金はプランによって異なるが、3LDKのマンションに住む4人家族で従来の契約電流が40アンペア、平均使用量が400kWh/月の場合、従来の料金は月額1万1,000円だが、スタンダードSプランへの乗り換えで月額料金は1万900円相当になる。Web申し込みポイントは500ポイント、毎月貯まるポイントは540ポイントで年間1,000円相当安くなる。また、提携先とのセットプランによる割引も行う。例えば提携先のニチガスとのセットプランを選択した場合、ガス代と電気代が合わせて1年間で6,500円相当安くなるという。また、TポイントやPontaポイントなどが貯まるポイントサービスや新Webサービスも提供予定とのこと。
2016年01月08日東京電力は1月7日、今年4月に実施される電力小売全面自由化に向けた新たなサービスメニューを発表した。料金プランの先行予約は、電話では1月8日から、Webサイトでは1月15日から受付を開始する。家庭向けの新たな料金プランは、スタンダードプラン、プレミアムプラン、スマートライフプラン、夜トク8,12。スタンダードプランは、現在の標準的なプラン(従量電灯B・C)に準じたベーシックな料金設定(従量制)。基本料金が固定型のスタンダードS/Lとスマートメーターによって基本料金が決められるスマート契約のスタンダードXが用意されている。スマート契約は、スマートメーターで計測した過去1年間(その月と前11カ月)の各月のピーク電力のうち、最も大きい値を契約電力とする。その契約電力に料金単価を乗じることにより、基本料金が算出される。プレミアムプランは、電力量料金が400kWhまで定額、400kWhを超えると割安になる単価設定で、電気代が月額1万7000円以上の顧客向けに推奨されている。スマートライフプランは、夜間蓄熱式機器1kVA以上の設置が条件となる。昼間料金はスタンダードプラン並みで、午前1時~午前6時までの夜間料金が割安となり、オール電化の顧客向けのプラン。4月からは、電気料金の支払い、Webサービスの利用などに応じてたまるポイントサービスが提供される。電気料金1000円につき5ポイントがたまり、TポイントかPontaポイントを選択すると、その後は自動的にポイントがたまる。Webを利用しない家庭もくらしTEPCOのマイページ内にポイントがたまる。電気料金などにポイントを充当できるサービスのリリースが2017年春を目途に予定されている。充当サービスには、Tポイント、Pontaポイント、くらしTEPCOのマイページ内のポイントが利用できるとしている。そのほか、通信・インターネット、暮らし・住まい、家電、音楽配信、ガス・エネルギー各社との提携が発表されており、提携先が提供するプラントセット契約することで、毎月の料金が得するプランが提供される予定。
2016年01月08日東京電力は、2016年4月からスタートする電力小売全面自由化に向け、新電気料金プランを発表した。従来通りの従量電灯B・Cのほか、夜間の電気料金を割安にするプラン、SoftBankやニチガスと提携したセットプランなどを提供する。○ブランドスローガンは「挑戦するエナジー」説明会の冒頭、小早川智明氏は、「2016年4月にホールディングカンパニー制に移行し、『東京電力エナジーパートナー株式会社』として新しい価値の創造に挑戦したい。変化はチャンスと捉え、お客様に電気を安定的にお届けし、ライフスタイルやライフステージに合わせたサービスメニューを提供する。さらに、福島復興に向けた原資の創出とグループ全体の企業価値の向上を目指していく」と決意を語った。新サービスについては、「経済的価値(おトク)」「付加価値(安心・便利)」「利用価値(省エネ・快適)」の3つを軸に提供していく方針を示した。○ファミリー世帯向けの「スタンダードプラン」新料金プランについては佐藤梨江子氏が説明。一般家庭向けの料金プランは、基本料金が固定の「スタンダードS」と「スタンダードL」、さらに、過去1年間の使用実績から基本料金を決める「スタンダードX」の3つだ。これらのスタンダードプランは現在の電気料金が8,000円~17,000円程度(300kWh~599kWh)の家庭向け。たとえば、契約電流が40A、月の平均使用量が400kWhの3LDKに住む4人家族で「スタンダードS」を適用した場合、毎月一定のポイントが貯まるほか、Webサイトから申し込むと500ポイントの特典(契約時に一括付与)が付くなど、従来の料金プラン「従量電灯B」と比較して、1年間で約1,000円相当がおトクになる。スタンダードSとニチガスとのセットプランだと、1年間で約6,500円相当おトクに使えるという。ただし、料金が割引になるというわけではなく、あくまでポイント付与というかたちだ。スタンダードSとLの基本料金が固定なのに対し、スタンダードXはブレーカーで制限するのではなく、スマートメーターによって計測された30分ごとの使用電力量を使い、過去1年間の使用実績から基本料金を決める。過去1年間における各月のピーク電力のうち、最も大きいものが契約電力となり、基本料金が算出される仕組みだ。なお、貯まったポイントは1円相当となり、TポイントかPontaポイントに交換可能だ。消費税や再生可能エネルギー発電促進賦課金、延滞利息などを除いた電気料金1,000円につき5ポイントが貯まる。電気料金にポイントを充当できるサービスは2017年春にリリース予定だ。○電気をたくさん使うなら「プレミアムプラン」月の電気代が17,000円以上(600kWh以上)と、電気をたくさん使用するユーザー向けのプランが「プレミアムプラン」だ。大家族やペットのいる家庭などを想定する。400kWhまでを定額料金とし、401kWh以上の単価を割安にするプランだ。3月31日までに2年契約へ加入したユーザーに、キャンペーン特典として12,000ポイント付与する。たとえば、契約電流が50A、月の平均使用量が700kWhの4LDKに住む家族が、2年契約で先行予約した場合、電気料金が2年間で約14,800円割引になるほか、ポイントを合わせると約29,300円相当おトクになる計算だ。プレミアムプランには、電気設備にトラブルが生じた場合に対応してくれる「電気の駆けつけサービス」も付く。ニチガスとのセットプランでは、2年間で約40,800円相当おトクになるという。○オール電化住宅向け「スマートライフプラン」エコキュートやIHクッキングヒーターなどを導入したオール電化住宅向けのプランが「スマートライフプラン」。昼間の料金はスタンダードプラン相当だが、夜間にうまく電気を使うことで電気料金を節約できる。エコキュートやIHクッキングヒーターなど住宅設備が故障した場合の修理サービスも含まれる。○夜間の電気料金が安くなる「夜トク8」「夜トク12」DINKS(共働きで子どもを持たない夫婦)など、夜間に電気を多く使う人向けのプランが「夜トクプラン」。「夜トク8」は夜23時から朝7時まで、「夜トク12」は夜21時~朝9時まで電気を割安で使える。たとえば、契約電流が50A、月の平均使用量が500kWhで夜型のライフスタイルなら、夜トク12の場合、電気料金が1年間で3,300円割引になるほか、ポイントを合わせると約4,500円相当おトクになる。○21社との提携先セットプランも用意セット料金プランは、SoftBankやUSEN、ニチガス、川島プロパン、ビックカメラなど21社と提携。提携先は今後も拡大していく方針だ。さらに、電力全面自由化を受け、エリアも拡大していく。4月以降は中部電力と関西電力サービスエリアの顧客獲得に向け、中部電力サービスエリアでは、スタンダードS・L・Xとプレミアムプランを、関西電力サービスエリアではスタンダードXとプレミアムプランを用意する。いずれのエリアでも提携先セットプランを選択可能だ。新料金プランは1月8日9時から電話で申し込み受付を開始。1月15日9時からはWebでも先行予約を受け付ける。○東京ガスとの比較説明会の終了後に行われた質疑応答では、積極的に宣伝している東京ガスとの比較についての質問があった。これについては急きょ資料が配られ、プレミアムプラン(2年契約の先行予約)の場合、東京ガスの「ずっとも電気1」と比べて月あたり約450円おトクになると説明した(契約電流が50A、月の平均使用量が700kWhで計算)。
2016年01月08日ドスパラは6日、microUSB端子(オス)を両端に備え、接続した2台のデバイス同士で電力をシェアできる充電ケーブル「DN-13424」を、同社運営の「上海問屋」にて販売開始した。価格は699円(税込)。充電ケーブルは一端が充電用、もう一端が給電用になっており、microUSB搭載のスマートフォンやタブレットなどを両端に接続すると、一方からもう一方へ電力を供給可能。外出先などでどうしても充電が必要な時、一緒にいる家族や友人から電力を分けてもらえるアイテムだ。なお、同製品の利用には、給電側の機器がUSB OTG(USB On-The-Go)機能に対応している必要がある。インタフェースはmicroUSB。付属の変換アダプタを使用すると、通常サイズのUSBにも対応する。
2016年01月07日ジュピターテレコム(J:COM)は低圧電力小売りサービスに4月から参入する。1月6日には「J:COM電力 家庭用コース」の先行申し込み受付を開始し、報道関係者向けの説明会を開催した。○J:COMサービス利用者は電気料金が安くなるJ:COMが新たにサービスを開始するのは「J:COM電力 家庭用コース」。J:COMサービスエリア内の戸建て、集合住宅各戸を対象としており、同社が提供するケーブル多チャンネル放送、高速インターネット、固定電話いずれかの長期契約利用者は、電気料金の従量部分(※)が地域電力会社と比べて最大10%割引されるというものだ。※電気料金は一般的に、「基本料金(最低料金)+従量料金+燃費費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」の合計。このうち、使った分だけ請求される従量料金を割り引く。たとえば、東京電力管内で「従量電灯B」に相当する「J:COM電力 家庭用コース 従量B」では、10~60Aまで契約アンペアを選べて月額基本料金は東京電力と共通。従量分については、第1料金(120kWhまで)、第2料金(120kWh~300kWhまで)、第3料金(300kWh以上)の段階別に、それぞれ東京電力の料金から0.5%、1%、10%割り引かれる仕組みだ。そのほか、東京電力で「従量電灯C」に相当する「J:COM電力 家庭用コース 従量C」の場合も、月額基本料金は東京電力と同じ1kVAあたり280.8円で、「J:COM電力 家庭用コース 従量B」と同様に従量分が3段階で割引となる。戸建て(関東)の平均的な月間電気使用量485kWh(年間では5,820kWh)であれば、年間の電気代は約6,804円安くなる計算だ。○顧客満足度の向上がねらい記者説明会に登壇した堀田氏は「あくまでお客様の満足度向上が一番の目的」と、新規事業参入の経緯について説明。さらに、「既存のサービスに加えて電力までワンストップでサービスを提供することで、ユーザーにとっての利便性を向上させたい。カスタマーサービスなど地域密着型のサポート体制を築いてきた強みを生かせると考えている。電力で勝負するわけではない」と述べ、収益性を重視した新規参入ではないことを強調した。J:COMの電力事業である「J:COM電力」は、50kW以上の高圧小口需要家を対象とした2005年5月の規制緩和を受け、2012年12月に「J:COM電力 マンション一括コース」を開始。大規模マンションを対象としたもので、契約には全戸の同意や、受変電設備・メーターなど機器の交換が必要であることから限定的なサービスとして提供していたが、2016年4月からの電力小売りの全面解禁によって、より多くの人に対して提供可能になる。J:COMによると、2015年12月末時点での「J:COM電力 マンション一括コース」の契約実績は約7万4,000世帯。今回の新サービスについては「2~3年以内にサービス加入者の20%以上、すなわち100万世帯以上の加入を目指したい」(堀田氏)と目標を掲げた。○ファミリー層にうれしいプランサービス概要についてのプレゼンテーションを行った高橋氏によると、「すでに実施しているサービスで考えると、電力サービスは最も解約抑制効果が高い」とのこと。現時点では既存のポイントサービスと提携する予定はなく、「防災番組の配信など、あくまでCATV事業者としての独自サービスを提供することを検討している」と、他事業者との差別化戦略を語った。なお、これまで同様、電力の調達と受給管理は住友商事グループの電力事業者・サミットエナジーが担当する。発電所から各住戸までの送電・配電網などは地域電力会社の設備を使用。機器の交換や新しい機器の設置、および工事は不要で、手続きも専用ダイヤルもしくはWebサイトから申し込むだけ。1月14日からはジェイコムショップ店頭や地域の営業スタッフを通じても申し込みが可能となる。
2016年01月06日ソフトバンクは25日、電力サービス「ソフトバンクでんき」を2016年4月より提供すると発表した。明らかになったのはブランド名だけで、そのほかの詳細は2016年1月中にアナウンスするとしている。「ソフトバンクでんき」は、2016年4月からの電力小売り全面自由化に伴い提供される家庭向け電力サービス。ソフトバンクは、電力サービスへの参入を11月に表明しており、今回はブランド名が発表された。電力と携帯電話や光回線による通信・インターネットサービスの共同商品をユーザーに提供していくという。
2015年12月25日東京ガスは12月24日、2016年4 月の低圧電力の販売開始を控え、総合エネルギーに関するサービスプラン「ずっともプラン」を発表した。同プランは、ガスに加え、電気やインターネット・サービスを組み合わせることが可能。料金メニューは、「ずっとも電気1」(東京電力の従量電灯Bに類似)、「ずっとも電気2」(東京電力の従量電灯Cに類似)、「ずっとも電気3」(東京電力の低圧電力に類似)の3種類が用意されている。同社のガスと電気を契約した場合に利用可能な「ガス・電気セット割」も提供され、電気料金の基本料金が月額250円割引になる。同社によると、東京ガスのガスを契約していて、電気の年間使用量が4700kWhの顧客が東京ガスの電気契約を申し込んだ場合、年間約4~5000円得するという。さらに、同社のガスと電気を契約したうえで、同社が提携しているプロバイダーが提供する光回線サービスとインターネット接続サービス(プロバイダサービス)を一括で提供するインターネットサービスの料金を割引するサービスもある。インターネットサービス提供にあたり、ビッグローブ、NTTコミュニケーションズ、楽天、クックパッドなどと業務提携を締結した。そのほか、「生活まわり駆けつけサービス」やポイントサービス「パッチョポイント」も提供される。
2015年12月25日ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は12月22日、HEMS(※)利用世帯の蓄積データを分析して、主要家電における季節ごとの電力使用状況について発表した。調査の対象となったのは75世帯で、調査期間は2014年1月から12月。※HEMS:Home Energy Management Systemの略。家電や電気設備とつなぎ、エネルギー使用状況を可視化したり、自動制御したりするためのシステム。調査結果によれば、年間を通じてもっとも電力を使用するのは冷蔵庫で、世帯の年間電力使用量の約13%を占めた。ただし、12月から2月までの冬季はエアコンの電気使用量が冷蔵庫を上回っている。家電製品の電力使用量は季節によって変化。その内訳をみると、たとえばエアコンは6月から8月までの夏季において、電気使用割合が全体の約12%だったのに対し、冬季は約16%に上昇。反対に、冷蔵庫は夏季が18%を占めるのに対し、冬季は8%まで縮小する。冷蔵庫は夏季が冬季の1.7倍、エアコンは冬季が夏季の約2倍の電力使用量になった。このように、夏季と冬季で電力使用量の差が大きい冷蔵庫とエアコンで、1日の電力使用量推移を調査。1日あたりの電力使用量推移をみると、冷蔵庫は食事の準備時間と思われる8時、13時、19時付近でわずかに増える。また、全国の家電量販店にて販売された冷蔵庫(容量400L台)の年間消費電力量平均値は2012年が367kWh、2013年が321kWh、2014年が274kWhであり、年々省エネ化が進んでいることがわかる。一日を通じて電力使用量に大きな変動はなく、時間帯よりも外気温や冷蔵庫の省エネ性能が増減に影響を与えると予想される。一方、エアコンの1日あたりの電力使用量推移は、夏季には気温が上昇する午後から上昇し始め、20時台にピークとなる。冬季には7時台と20時台にピークが見られ、時間帯による変化が目立った。ちなみに、HEMS利用世帯へのアンケート調査(59のHEMS利用世帯が対象)では、エアコンの平均的な設定温度が冷房使用時で26℃、暖房使用時で22.8℃であることがわかった。資源エネルギー庁はエアコン設定温度目安を冷房で28℃、暖房で20℃としており、実際の設定温度と2~3℃の差がある。
2015年12月22日東京電力と東京ガスは12月21日、2016年1月より、東京電力のスマートメーターおよびスマートメーターシステムを活用した東京ガスの検針業務の自動化に関する共同実証試験を開始すると発表した。同実証実験では、東京都小平市の約500戸の住宅において、東京電力がすでに設置しているスマートメーターと、東京ガスが新たに設置した試験用のガスメーターを無線通信で接続したうえで、東京電力のスマートメーターシステムを活用し、東京ガスが試験用ガスメーターの検針データを取得する通信試験を実施する。期間は2016年1月から8月までの8カ月間で、東京ガスが通信成功率や通信所要時間などの確認を行うことで、検針業務の自動化に必要な装置やシステム全体の性能・有効性を検証し、東京電力はスマートメーターおよびスマートメーターシステムを活用した新たな事業展開に向けて、技術・運用面での課題抽出を行う予定だ。
2015年12月22日SAPジャパンは12月15日、電力・ガス事業者のデジタル化を支援する組織として、新たに「ユーティリティ・デジタルトランスフォーメーション・オフィス」を同社の公益事業統括本部内に、同日付けで設立した。バイスプレジデント公共・公益・通信統括本部統括本部長の佐藤知成氏は、新組織を立ち上げた理由について、「当社は"デジタルトランスフォーメーション"という戦略を掲げているが、これを推進するにあたり、25のインダストリーに分けている。エネルギーが供給されて初めて、他の事業も成立する。したがって、それらの中でも、ユーティリティー事業はすべての事業につながる重要な事業だとして、ドイツの本社で最初にデジタルトランスフォーメーションを行う事業と決定した」と説明した。同社は昨年10月に公益事業本部を設立し、2016年予定の電力小売全面自由化や2017年予定の都市ガス小売自由化などを見据えた変革を支援してきたが、今回の新組織設立はこの取り組みをさらに発展・強化するものとなる。現在、新組織には5名在籍しており、1年以内に20名まで拡充する計画で、公益事業統括本部としては、60名体制でスタートしたところ、100名まで拡充する構えだ。「ユーティリティ・デジタルトランスフォーメーション・オフィス」の具体的な事業内容については、ユーティリティデジタルトランスフォーメーションオフィスシニアディレクターの田積まどか氏が説明を行った。田積氏は、「電力・ガス事業においては、2016年の電力小売自由化、2017年のガス小売自由化、2020年の電力発送電分離、2022年のガス導管分離といった改革が計画されているが、その先にはデジタルエネルギーネットワークへの移行が控えている。デジタルエネルギーネットワークでは、すべての参加者はデジタルで連携し、IoT(Internet of Things)を活用するわれわれは、顧客のデジタルエネルギーネットワークへの移行をサポートしたい」と、新組織の目標を語った。同社は、公益事業のデジタル化を実現するためのフレームワークとして「SAP Utilities Digital Transformation」を提供する。このフレームワークは、同社の次世代ビジネススイート「SAP S/4HANA」をコアとして、サプライヤー、顧客、従業員、設備のデジタルトランスフォーメーションを実現していく。新組織はこのフレームワークをもとに、IoT技術で集めたビッグデータを活用することで設備や装置の予知保全やピーク需要予測の精度向上を実現したり、また、デジタル化によりビジネスプロセスやビジネスモデルを再構築したりといった形で、ビジネスの変革を支援する。田積氏によると、これまで手組みのシステムを中心に利用してきた国内の電力会社だが、新料金のメニュー作成に手組みのシステムでは半年ほどかかっているなど、市場の変改についていってないことを実感しており、ビジネスにスピード感が必要であると考えているという。
2015年12月16日●責任を果たしながら自由化による競争に臨む2016年4月に電力自由化を迎える。加えて東京電力の場合、燃料・火力発電事業の「東京電力フュエル&パワー」、一般送電事業の「東京電力パワーグリッド」、小売電気事業の「東京電力エナジーパートナー」に分社化。それぞれを東京電力ホールディングスの傘下に置いて、事業展開していくことになる。まさに大きな地殻変動が訪れるといってよい。事実、東京電力 フュエル&パワー・カンパニーの経営企画室長 酒井大輔氏は、「電力自由化とホールディングス制への同時移行は電力会社では初となり、私たちにとって大変なチャレンジになる」と身を引き締める。これまで東京電力は、首都圏を中心にした固定された市場の中で、競争相手不在という環境で事業を続けてきた。だが、電力自由化を迎えることで、ほかの地域で電力供給を行ってきた会社や、石油・ガスなどのエネルギー企業との競争を強いられることになる。それは、小売部門とは直接関係しない燃料調達・発電を手がける東京電力フュエル&パワーも例外ではなく、ほかの発電事業者と市場でせめぎ合う構図が生じる。加えて東京電力はただ単に競争に勝てばよいというわけではない。得た利益を福島復興の原資に充てなくてはならないという重い責任も負っている。そうした厳しい環境にある東京電力の燃料調達・発電部門が取り組まなくてはならないのは「調達規模拡大」と「燃料費削減」の2点といえるだろう。○中部電力と合弁会社を設立した意味2015年4月に東京電力と中部電力は、燃料上流(掘削など)・調達から発電までのサプライチェーン全体を統合し、国際競争力のある電力・ガスの供給を行える会社として「JERA」を設立した。これはまさに燃料の調達規模拡大に向けた動きで、「供給先の多様化」と「大規模数量のコミットによる好条件の獲得」への施策だという(酒井氏)。調達規模拡大だけではなく、輸送タンカーを東京電力と中部電力で融通し合うなど、フレキシブルな運用で最適化を目指す。一方、燃料費削減について、東京電力は「高効率LNG火力発電」に期待を寄せている。火力発電のおもな燃料は、石炭、LNG(液化天然ガス)、石油などだが、記述した順で燃料費を抑えられる。もっともコストを抑制できるのは石炭だが、排出する二酸化炭素量に問題があり、石油はコストがかかるうえやはり二酸化炭素の排出量に難がある。気候変動枠組条約第21回 締約国会議「COP21」が今まさに開催中で、温暖化対策に向けて各国が枠組み作りを目指している時代にこれらによる発電力強化は考えにくい。その点LNGは、発電コストがあまりかからず二酸化炭素の排出量も少なくて済む。実際、東京電力の火力発電所15カ所のうち、LNG火力が大部分を占める。東京電力の2014年間発電電力量のうち、67%がLNG火力によるものだったことをみても、その重要性が分かるだろう(水力・新エネルギーなどを含む)。●世界最高水準の高効率LNG火力を急ピッチで建設だが、単にLNG火力であればよいというわけではない。発電効率の高い最新式のLNG火力へ移行することで、発電コストを押し下げることが必要。特に東京電力は、前述したように重い責任を負っており、ライバル企業以上に利益追求に努力しなくてはならない。こうした情勢の中、東京電力火力発電のモデルケースといってもよいのが川崎火力発電所だ。この発電所で採用されているのは「MACC」(More Advanced Combined Cycle)と呼ばれる発電プラント。これは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電システムで、1500℃の高温燃焼ガスによりガスタービンを稼働させ、熱効率約59%を実現している。ちなみに熱効率とは燃料の持つエネルギーを100とした場合、電気エネルギーをどれだけ取り出せたかを示すもの。約59%という数値は、東京電力のどの火力発電所よりも高い。川崎火力発電所では、現在、1号系列「1軸」「2軸」「3軸」、2号系列「1軸」の計4軸のMACC発電プラントが稼働している。それぞれ50万kWの出力を有しており、計200万kWの発電が可能だ。さらに2号系列「2軸」「3軸」に71万kWの出力となる「MACC Ⅱ」発電プラントを急ピッチで建設中。これはMACCよりもさらに高温な1600℃級の燃焼ガスを利用した発電プラントで、世界最高クラスの熱効率約61%(暫定約58%)を目指す。なお、この2号系列2基の発電プラントは、「2軸」が平成28年7月、「3軸」が平成29年7月に営業運転開始予定だったが、それぞれ平成28年1月、平成28年10月に前倒しさせた。これは少しでも設備効率化を早め、燃料使用量を低減するためだという。さらにガスタービン稼働時に発生する排熱を回収し、その熱で作った蒸気を付近のコンビナートに提供する取り組みを実施している。通常、各工場はそれぞれ蒸気ボイラを設置して原料の加熱などを行うが、この取り組みによりその必要がなくなる。現在、千鳥・夜光コンビナート地区の10工場が川崎発電所の蒸気を利用。年間で原油換算約2.0万キロリットルの燃料、約4.6万トンの二酸化炭素排出量の削減効果があるという。高効率の発電プラントを導入したり、排熱を利用した事業を開始したりと、収益向上のための施策を進める東京電力。電力自由化は、原発事故の影響による顧客離れを生む可能性はあるが、これまでリーチできなかった地域にアプローチしたり、グローバルでエネルギー事業を展開したりと、好機とも捉えられる。企業収益力を強化して、福島復興へと役立ててもらいたい。○全面自由化前夜……夜明けを待つ電力会社の動静●電力小売自由化目前! 過熱する首都圏の需要争奪戦の現状【後編】●電力小売自由化目前! 過熱する首都圏の需要争奪戦の現状【前編】●東京電力が高効率LNG火力発電への切り換えを急ぐ理由●“守り”ではなく“攻め”へ! 電力小売自由化に向けた東京電力の戦略
2015年12月04日ルネサス エレクトロニクスは12月3日、直流(DC)電力を用いる機器向けにUSB Power Delivery(USB PD)の最新規格に対応したコントローラLSI「μPD720251」を発表した。USB PDは、USBケーブルを介して、従来のUSB規格で実現していた最大7.5WのDC供給電力を13倍強となる100W(20V/5A)まで高める規格。これにより、電力供給にUSBケーブルを利用する機器においては、ケーブル1本でデータ通信と電力給電を同時に行うことが可能となる。CPUとして独自の低消費電力コア「RL78」を採用しているほか、フラッシュROM、オシレータ、パワーオンリセット回路なども内蔵しているため、外付け部品の削減が可能。さらに、受電側、給電側などニーズに合わせた各種リファレンスボードも用意しており、カスタマの開発効率を実現する。なお、同製品は、12月よりサンプル価格1000円(税別)でサンプル出荷を開始し、2016年5月より月産100万個で量産を開始することを計画している。また、同製品を搭載した各種リファレンスボードも2016年2月より順次提供が開始される予定だという。
2015年12月03日ロームは11月27日、同社の特定小電力無線通信モジュールが国際無線通信規格「Wi-SUN」の新たな規格「Wi-SUN Profile for Echonet Single-Hop HAN(Wi-SUN HAN)」の認証を取得したと発表した。「Wi-SUN HAN」は、Wi-SUNアライアンスが策定したHAN(Home Area Network)向けの無線規格で、スマートコミュニティ構築に欠かせないHEMSコントローラやエアコン、照明などのHEMS機器に適しているとされる。従来の「Wi-SUN Echonet Profile」規格がBルートと呼ばれるスマートメーターとHEMSコントローラをつなぐ1対1の通信に対し、「Wi-SUN HAN」ではHEMSコントローラと各家電製品をつなぐ1対多の通信が可能となる。同社は今回、新たに「Wi-SUN HAN」に対応したソフトウェアを開発し、「Wi-SUN HAN」の認証ならびにCTBU(Certified Test Bed Unit)認証を取得した。今後は、同ソフトウェアの提供を開始し、2016年1月に汎用無線通信モジュールとして量産・販売を開始する予定だ。
2015年11月27日富士通は11月12日、富士通研究所が開発した光ファイバー超多点温度センシング技術による火力発電所の設備異常検知システムを東北電力と共同で開発し、東北電力秋田火力発電所において実証実験を実施したと発表した。火力発電所の設備において安定稼働を維持していくためには、燃料配管やボイラー煙道などさまざまな場所での温度変化を監視し、その結果から設備の状況を常に把握しておくことが早期に異常を検知するうえで重要となる。しかし、半導体式温度センサーや熱電対式温度センサーなどの「ポイント式温度センサー」による異常検知では、センサーごとに通信ケーブルが必要となることや、火力発電所特有の厳しい制約により、設置可能なセンサーの場所や数に制限があった。光ファイバーによる温度測定は、数km以上の光ファイバー上を10cm間隔で連続的に温度測定できるうえ、電気ではなく光を用いた温度測定技術であるため、防爆にかかわる制約を受けず、発電所関連のさまざまな設備に導入できるというメリットがある。導入コストも、ポイント式温度センサーを活用した場合より抑えることが可能だ。富士通と東北電力は、2014年6月から2015年の3月にかけて光ファイバー超多点温度センシング技術を用いて、東北電力秋田発電所の燃料配管と蒸気配管、ボイラー煙道の温度変化を継続的に測定し、設備異常をより精微にリアルタイム検知する実証実験を行った。この結果、蒸気配管内の水蒸気の異常な液化や滞留の発生を検知することができたうえ、蒸気配管と燃料配管の温度上昇・低下タイミングの比較から、それぞれの配管が正常な状態であるかどうかを把握することにも成功した。また、120℃に達する高温の排気ガスが排出され、継続的な振動にさらされるボイラー煙道においても、60日間連続での温度監視を実現し、高温・高振動環境下でも同技術を活用したリアルタイム温度監視を行い、設備の異常検知が可能であることを実証できたとしている。富士通は今後、同システムをベースに、発電所だけでなく化学プラントなどのさまざまな施設・設備へのビジネス展開を目指していくという。
2015年11月12日グリーン・シップは11月10日、平成28年4月に全面自由化される電力小売の主戦場である東京と大阪居住の一般世帯に対し、11月8日、変更する意思、変更先予定、選定重視項目等についてアンケートを実施し、その結果を発表した。調査方法は、アウトバウンドIVR調査(ロボットコール調査)で、サンプル数は東京23区(566件)、大阪市(517件)。それによると、東京、大阪共に4月以降に電力会社の変更を予定している世帯は「できるだけ早く、いずれは変更」「変更する予定ない」「わからない」が1/3ずつ。現時点で3割が変更すると回答したという。月額電気代が2万以上の世帯は、東京では「変更予定」が50.1%と高いが、大阪の場合は「変更予定」20.8%、「わからない」54.2%と慎重派が多いという。変更先としては、東京は「東京ガス」(16.6%)、大阪は「大阪ガス」(19.7%)と、ガス会社が高いが、変更先は「まだ決めていない」は東京が47.9%、大阪が46.2%と未定の人も多い。選定で重視する項目については、東京が「料金の安さ」35%、「サービス品質高く保守充実」15.0%、「再生可能エネルギー多く利用」14.5%で、大阪は「料金の安さ」が34.8%、「サービス品質高く保守充実」10.8%、「生活パターンにあったサービス料金」9.3%、「再生可能エネルギー多く利用」8.1%と続いている。
2015年11月11日●料金戦略は限界の水準2016年4月からの電力小売全面自由化がスタートする。これまで、一般家庭などでは、自分が住む地域の電力会社から電力を購入する仕組みとなっていたが、電力小売全面自由化によって、あらゆる電力小売会社のなかから、自分にあった会社を選んで、自由に契約できるようになる。対象となる口座数は7,000万契約以上。7兆5,000億円規模の市場が自由化され、地域ごとに分割した全国10の電力会社によって独占されていた市場に風穴があくことになる。「新電力」と呼ばれる電力小売事業を行う「特定規模電気事業者」への参入予定企業は、今年9月時点で760社を超えており、8月3日からは小売電気事業者の登録手続きが開始されている。電力小売会社同士による競争原理が働き、料金面やサービス面でのメリットを享受できるとの期待も高まっている。○セットメニューにしか活路がみえない事情こうしたなか、注目を集めているのが、国内全体の35%を占め、最大市場を主戦場とする東京電力の取り組みだ。関東エリアにおけるシェア100%の東京電力は、まさに「守り」の立場。福島第一原発による爪痕の影響が、東京電力離れを加速するとの見方も出ている。新規参入組の提案として前面に出てくるのは、やはり料金戦略だろう。身軽な企業体質を生かしたり、セットメニューによるお得感を出したりすることで、東京電力からの顧客を奪おうとしている。電力小売全面自由化で先行している海外市場では、住宅保険などの金融サービス、自動車保険や修理などと連携した自動車関連サービス、携帯電話などの通信関連サービス、配管清掃をはじめとする住宅関連サービスなどとセットにする例が出ており、その競争は熾烈化。スポーツ観戦への招待や、有名人のサインをプレゼントするといったメニューまで用意されるというエスカレートぶりとなっている。英国では、さまざまなメニューが乱立したことで料金体系が複雑化。電気小売事業者に対して、提示できる料金メニューの数が制限される事態にまで発展しているほどだ。日本でも同様に、まずはセットメニューによる提案が各社の料金戦略を左右することになりそうだ。実は、料金戦略は、セットメニューに頼らざるを得ない理由がある。東京電力によると、電気に関わるコストの約70%が発電によるものであり、送電部分に関わるコストが約25%を占めるという。つまり、価格差の余力となるのは残り数%の部分になるのだ。「『kWhあたりいくら』といった競争は、原価構造、コスト構造の観点からは、すでに厳しい状況にあるといわざるをえない」(東京電力)とする。料金単体での競争は限界があり、そのため、各社はセットメニュー競争に走らざるをえないというわけだ。●複数企業との連携でサービス提供だが、この点でも東京電力はすでに手を打ち始めている。リクルートおよびロイヤリティマーケティングと業務提携し、ウェブサービスやポイントサービスと連動させる方向を模索。また、ソフトバンクとの提携では、電力と通信、インターネットサービスを組み合わせた共同商品販売および新サービスの開発に着手していることを明らかにしている。さらに、カルチュア・コンビニエンス・クラブとは、ポイントサービスに関しての業務提携も発表。複数の企業との提携によって、セットメニューを用意する考えだ。実は海外では、セットメニューを強化するために、電力会社が自動車関連サービス企業、通信関連サービス企業を買収するといった異業種買収の動きも出始めているという。電力小売全面自由化の動きが、異業種を巻き込んだ再編劇へとつながっているわけで、今後、日本でも同様の動きがみられるかが注目されよう。○“攻め”のよりどころとなる3つの要素東京電力の戦いどころは、セットメニューだけではない。むしろ、それは各社横並びの状況になり“守る”という点では力不足だ。だが、東京電力に一方的に“守る”戦略で終わるつもりはないようだ。というのも、東京電力には“攻め”の要素がないわけではないからだ。そうした観点でみると、東京電力には3つのビジネスチャンスがあるといっていい。1つは、これまでの電力事業ノウハウを生かした省エネ化の提案だ。東京電力の執行役員 カスタマーサービス・カンパニー バイスブレジデントの佐藤梨江子氏は「電力小売全面自由化後には、まずは料金面に注目が集まることは確か」としながらも、「だが早晩、中身の議論になってくるはずだ」と予測する。「電気は、色も形も味もない。また、電気を使うことそのものに喜びや価値はない。本質的には、電気を使うことで電気製品が稼働し、それによって喜びを感じたり、生活を豊かにすることが目的となる。そこにフォーカスする必要がある。そうした点からも、料金だけが取りざたされる状況には忸怩たるものがある」と語る。東京電力 カスタマーサービス・カンパニー 経営企画室の眞田秀雄室長も、「使う電気量全体を引き下げることで、トータルとして料金が安くなるという提案こそが、利用者にとっても社会全体にとっても意義がある。単なる料金引き下げやセットメニューの提案ではなく、エネルギーコスト全体を引き下げる提案で差別化したい」と語る。ここで東京電力の切り札となるのがスマートメーターだ。東京電力ではスマートメーターの設置を加速しており、これを活用することでIoTと連動。細かいエネルギー制御により、省エネ提案などの差別化へとつなげる考えだ。「従来は電気メーターのところにまで電気を届けて終わりだったが、今後は電気をどう使うのかといったところにまで踏み込んで利便性や安心・安全を届け、付加価値提案を行える『みらい型インフラ企業』を目指す」(東京電力の眞田室長)とする。東京電力では、2014年4月からスマートメーターの設置を開始。2015年9月末時点で、285万台のスマートメーターを設置しているという。2016年からは年間570万台規模で設置を加速する計画だ。また、スマートメーカーで計測した30分ごとの電気の使用量を、同社が提供する「でんき家計簿」で見える化するなどのサービスも開始する予定。これにより、料金プランの最適化提案も行うことができるようになるという。●新規参入事業者として関東以外へ2つめは、東京電力のサービスエリア以外への進出だ。東京電力は、関東エリアでは100%の市場占有率を持つが、それ以外の地域のシェアは0%となる。まさにホワイトスペースともいえる市場が広く存在するのだ。関東エリアでは、東京電力の打ち出す施策によっては、独禁法などの制限を受ける可能性があるが、それ以外のエリアでは、新規参入事業者の立場と同じ。東京電力でも、「関東エリア以外では、自由な手の打ち方ができると考えている。関東エリアとは営業手法やプロモーション手法も変わってくるだろう。関東エリアとは違った料金設定も想定される」(東京電力の眞田室長)とする。ここでは先に触れた提携戦略も重要な意味を持つ。東京電力が提携を発表しているロイヤリティマーケティングは、全国に約6950万の顧客を持ち、同様にソフトバンクは約3700万、カルチュア・コンビニエンス・クラブは約5300万の顧客を持つ。重複する顧客もあるが、この提携によって、全国の幅広い顧客にアプローチできる環境が整うというわけだ。そして、3つめが、2016年の電力小売全面自由化に続く、2017年のガス小売全面自由化をきっかけにした取り組みである。すでに自由化されている年間10万立方メートル以上の大口需要家市場においては、東京電力はすでに4位に入る取引規模を持つ。さらに輸入LNGは、都市ガスの原料として利用されているが、発電用燃料としても活用されているため、電力会社はすでにその調達ルートを確保しているともいえる。すでに輸入調達量では、東京電力が国内トップとなっている。こうした優位性を生かしながら、電気とガスとを組み合わせたエネルギーのトータル活用提案が行えるというわけだ。ガスの小売全面自由化は、東京電力にとっては、重要な“攻め”の切り札になるといえよう。こうしてみると、東京電力にとって新規参入事業者から“守る”だけでなく“攻め”の領域も少なくない。東京電力は攻守両面から、電力小売全面自由化の市場で戦うことになる。そのバランスが、独り立ちすることになる同社の電力小売事業の成否を左右することになりそうだ。○全面自由化前夜……夜明けを待つ電力会社の動静●電力小売自由化目前! 過熱する首都圏の需要争奪戦の現状【後編】●電力小売自由化目前! 過熱する首都圏の需要争奪戦の現状【前編】●東京電力が高効率LNG火力発電への切り換えを急ぐ理由●“守り”ではなく“攻め”へ! 電力小売自由化に向けた東京電力の戦略
2015年11月09日KDDIは20日、2016年4月からの電力小売りの全面自由化に伴い、電力小売り事業に参入することを決定し、経済産業省資源エネルギー庁へ小売電気事業者の登録を申請したと発表した。KDDIは、ICTの利活用によって"より効率的"で"より利便性"の高いエネルギーサービスを提供し、顧客の新たなライフスタイル創造に貢献することを目的に、約4,400万(2015年6月末時点)のauユーザーを中心に全国(沖縄県・一部離島を除く)で「auでんき」を提供していく。エネルギーサービスの提供にあたっては、今後一般電気事業者やさまざまな事業者と連携の実現に向け、準備を進めていくとしている。「auでんき」のサービス提供にあたっては、全国約2,500店舗(2015年6月末時点)のauショップやお客さまセンター等を活用したカスタマーサポート体制を構築。また、電気料金と通信料金とのセット割引やスマートフォンを活用した便利でおトクなサービスの提供も予定している。サービスの詳細ならびに提供開始に向けた具体的なスケジュールについては、決定次第発表するとしている。KDDIは、今後も通信事業(モバイル通信サービス、固定通信サービス)を基盤として、auスマートパスやビデオパス等のコンテンツ事業、auかんたん決済やau WALLET等の決済事業、auショップを活用した物販事業など、ネットとリアルを融合した"あたらしい価値"を顧客に提供していくとしている。「auでんき」特設サイトはこちら。
2015年10月20日KDDIは20日、電力小売事業に参入すると発表した。2016年4月からスタートする電力小売の自由化に伴い開始する事業で、本日20日に経済産業省資源エネルギー庁に小売電力事業者の登録申請を行った。同社は約4400万のauユーザーを中心に全国で「auでんき」を提供する。auでんきは、既存の電力会社の変電所、配電線等の設備を使用したサービスで、利用者には、電気料金と通信料金のセット割引やスマートフォンを活用したサービスの提供などを行う予定。サービス提供にあたっては、全国約2500店のauショップやお客さまセンター等を活用したカスタマーサポート体制を構築する。料金プランなどのサービス詳細については発表されておらず、後日アナウンスするという。
2015年10月20日東京ガスは15日、2016年4月の電力小売全面自由化に合わせて電力事業に本格的に参入するため、経済産業大臣に小売電気事業登録申請書を提出した。東京ガスグループは、首都圏を中心に都市ガス事業を中心に1,100万件超の顧客にエネルギーを提供している。また、これまでコージェネレーションやエネファーム(家庭用燃料電池)などの分散型電源を活用したガスと電気の最適システムを顧客に提案してきた。2000年から開始した電力事業においては、新電力として首都圏で最大規模の発電所を所有し、安定供給に努め、大口の顧客にはエネットを通じて電力販売を実施してきた。都市ガス事業や電力事業を通じてこれまでに築いてきた顧客とのつながりや発電所などの資産、需給管理の運用ノウハウなどを活用して、今後も電源の拡充や大口の顧客への電力販売の拡大を進めることに加えて、電力の全面自由化を契機に家庭や業務用の顧客に対する電力小売事業に参入し、「安定供給の確保」 「低廉な電気料金の実現」「顧客の選択肢の拡大」に貢献する。2016年4月から家庭や業務用の顧客に対する低圧電力の販売を開始する。販売エリアは、主に東京ガスの供給エリアを中心とした関東圏で販売。東京ガスライフバル・エネスタ・エネフィットなど東京ガスグループによる販売とともに、住宅・建築・設備や通信・情報サービスの業界の事業者、卸先の都市ガス事業者、LPG事業者など、様々な業界とのパートナーシップを通じた販売に関しても協議を進めていく。託送料金認可を踏まえ、家庭や業務用の顧客からの契約申込みを2016年1月より受け付ける。電気料金低減に対するニーズを踏まえ、低廉な料金体系を構築。ガスと電気のセットメニューを軸に、通信、各種サービスなどを加えたセットメニューの提供を検討するとともに、請求の一本化などにより、顧客の利便性向上に努める。さらには、住宅・建築・設備などの業界とともに、顧客にお得なメニュー・サービスを検討していく。料金体系については、託送料金認可などを踏まえ、決定・公表する予定。"お得な商品・サービス"として、エネルギー(電気・ガス)と光回線をセットにしたサービスを、インターネット接続事業者と連携し、顧客に提供する(2016年4月開始予定)。また、東京ガスの各種サービスを使用した場合にポイントが貯まり、くらしに役立つ特典と交換が可能な独自のポイントサービスを導入する(2016年4月開始予定、当面はmyTokyoGas会員を対象)。他社ポイントとの交換も検討する。さらに、現在提供しているくらしに関わる安心サービス「マイツーホー(※)」などに加え、住宅における水まわり、鍵、ガラスのトラブル時に、24時間365日の受付で出張・一次復旧を行う生活まわり駆けつけサービスを提供する(2016年4月開始予定)。※ 通信機能付きガスメーターと東京ガスの24時間監視センター「ステーション24」を通信回線で結び、 外出先からでもガスの消し忘れを確認、遮断できるなど、顧客の安心を遠隔で操作するサービス外出先から子供の帰宅確認ができる見守りサービスなどもオプションとして順次追加していく予定。
2015年10月16日経済産業省は8日、2016年4月の電力小売全面自由化に先立ち、電力販売を行う「小売電気事業者」として40社を登録したと発表した。○昭和シェル石油やケイ・オプティコムなど40社を登録同省は、2015年8月3日より、小売電気事業者の事前登録の申請受付を開始。小売電気事業者の登録に際しては、電力取引監視等委員会に対して意見聴取を行うこととされており、今回40社について同委員会から回答があった。同省は、その回答を踏まえ、電力小売事業者登録の第1弾として、昭和シェル石油やケイ・オプティコムなど40社を登録した。同省によると、事業者からは申請に関する問い合わせが「毎日のようにある」という。今後は、10月7日までに申請のあった80社についても、審査が終了次第、順次登録を行っていくとしている。
2015年10月09日野村総合研究所は8日、2016年4月に始まる「電力小売り自由化」の影響に関する調査を実施した。○重視する点、「自然エネルギー由来」は10%のみアンケートで「電力会社を乗り換える際に重視する要素」について、「価格(電気料金)」「エネルギー源」「手続きのたやすさ」「安心感」「実績」の5つの選択肢の中から最も重視するものを調査した。その結果最も重視されているのは「価格(割引メニュー・セット割引等)」で、46%を占めた。続いて、「新電力会社に対する安心感(信頼度)」「切り替えの手続きが容易であること」(共に15%)、「新電力会社のサービス実績(経過年)」(14%)となった。「電力発生源が自然エネルギーであること(太陽光・風力など)」という要素は10%にとどまった。○5%の値引率で1,800億円の電気料金が移行続いて、料金以外の要素を設定した上で、既存の電力会社の料金に対する値引き率と電力会社の変更の関係について、アンケート調査を行った。設定条件・エネルギー源:石油・天然ガス・変更手続き:携帯電話会社の変更手続きと同程度・安心感:新電力会社は多くの人が知っている大企業・実績:1年未満(まわりに新電力会社を利用している人がまれな状態)結果、「5%の値引き率」では、乗り換え意向を持つ世帯の割合が3%にとどまるのに対して、「10%の値引き」では16%となった。全国の家庭向けの電気料金に金額換算すると、新電力会社に移行する電気料金は、「5%値引き」で約1,800億円、「10%の値引き」では、約8,900億円と推計される(金額は値引き後の料金)。「5%の値引き率」で推計したときに、「新電力会社への乗り換え率」が最も高い都道府県は、「東京都」の3.8%だった。一方、最も乗り換え率が低いのは「岩手県」(2.6%)となった。
2015年10月09日マネーフォワードと中部電力は9月29日 、中部電力のビジネスユーザー向けに、マネーフォワードのクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計・確定申告」と電力サービスとのパッケージプランの開発・販売を行うべく業務提携することを発表した。2016年4月開始の電力の小売全面自由化に向けて、中部電力は電力に加えて、さまざまな新サービスを提供することにより、ユーザーの多様なニーズに応えることを目指しているという。同社は、飲食店、小売店、理美容店、診療所を中心に、多くの個人事業主・中小企業ユーザーを抱えており、そうしたユーザーに共通した課題の1つが「会計業務の負担が大きい」ことだという。今回の業務提携によって、電力サービスと会計ソフトを組み合わせたパッケージプランを開発し、中部電力のビジネスユーザー向けに新たな付加価値を提供するとしている。
2015年09月30日データ・アプリケーション(DAL)は9月29日、電力小売全面自由化に向けて、同社の統合EDI(電子データ交換)製品である「ACMS(エーシーエムエス)シリーズ」の最新版(バージョン4.4)において、電力会社や新電力会社(PPS)などの各電気事業者が、電力広域的運営推進機関(広域機関)のシステムと接続するために必要なプロトコルと新しい認証方式をサポートすると発表した。新製品の導入により、電気事業者は、電力託送契約を変更する際の託送異動業務を支援するために広域機関が提供する「スイッチング支援システム」とのシステム連携およびデータ交換や、供給計画・連系線利用計画・発電計画・需給計画などの各種計画情報を広域機関に提出する際のシステム連携およびデータ交換を、効率的かつ確実に行うことが可能になり、これらの業務を同一システムで統合運用可能になるとしている。同シリーズは、JX手順のサーバとクライアントをサポートしており、最新版ではサーバ側に広域機関が指定するJX手順の新しい認証方式をサポートするため、新たな開発が不要で自社システムと広域機関システムを自動連携するとのこと。データ・フォーマット変換/データ送受信/通信障害時の再送信などを全て自動で行うため、手作業による入力ミスやファイル作成負荷、提出漏れなどのヒューマン・エラーのリスクが発生しないと同社はいう。同シリーズは既に電力会社での導入実績があるといい、また広域機関システムも「ACMS E2X」を採用しているとのこと。同シリーズの最新版の導入により、電気事業者は広域機関システムとスイッチング支援システムの両システムとの自動連携が用意となり、さらに統合運用により運用コストを大きく削減できるとしており、同社は広域機関に届け出済みの新電力会社717社(2015年9月2日現在)を中心に積極的に販売活動を展開するとのこと。対応する製品は、企業内外のシステムおよびアプリケーションをシームレスに連携するB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X(イーツーエックス)」、および、企業間のデータ交換を行う環境を構築するB2Bサーバ「ACMS B2B」と「ACMS B2B LE」の3製品。販売パートナー経由で、2015年12月に発売を予定している。
2015年09月30日