株式会社世界文化社は、2021年2月20日に発売した書籍『飛田さんの料理の工夫』の重版を決定いたしました。新型コロナウイルスの影響で、自宅で食事をする人が増えました。しかし、同時に毎日のごはん作りにヘトヘトになっている主婦も多いと聞きます。そんな日々が続くと、どうしても「料理=面倒くさい」と感じてしまうもの。しかし、食材のおいしさを引き出すコツさえ知っていれば、家にある食材だけでサッと炒めたり、調味料であえたりするだけでも簡単にご飯を作れるのです。本書では、料理家として、主婦として長年家族のご飯を作り続けてきた飛田和緒さんが、時間も食材も賢く使う「料理の工夫」や「シンプルレシピ」を伝授します。この度、発売直後から主婦を中心に話題となり、発売から3週間での重版が決定いたしました。■毎日の料理がもっと楽になる「食材の扱い方」や「シンプルレシピ」を紹介本書では、素材別においしく食べきるための扱い方や工夫を提案しています。丸ごと1本使ったにんじんカレー、冷凍ミニトマトのスープ、1個丸ごとゆでて使い切るキャベツレシピなど、食材本来のおいしさを活かした、すぐに作れるシンプルレシピを90品紹介。本書で提案する素材に合わせた調理法を身につければ、もっと自由に気持ちよく料理ができるようになります。<著者プロフィール>飛田和緒(ひだかずを)東京都生まれ。高校3年間を長野県で過ごす。現在は、神奈川県の海辺の町で夫と娘の3人で暮らす。毎日の暮らしから生まれる、素材を生かしたシンプルなレシピに定評がある。ここ数年は、みそやアンチョビなどの保存食作りにも力を入れている。著書に『飛田和緒のおうち鍋』『飛田和緒の郷土汁』(ともに小社刊)など多数。<目次>1章:「野菜」の工夫2章:「卵・こんにゃく・豆腐類」の工夫3章:「肉」の工夫4章:「魚」の工夫5章:「乾物」の工夫6章:「毎日の暮らし」の工夫『飛田さんの料理の工夫』著者:飛田和緒発売日:2021年2月20日(土)定価:1,540円(税込)発行:世界文化社企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2021年04月02日50代を迎え、“おとな"には十分な年になった今だから思うこと、日々のことを、海辺の家に住む料理家・飛田和緒さんが「自分の言葉で伝えたい」と飾らない言葉で綴りました。著者にとっては10年ぶりのエッセイ集。読むほどに、年を重ねることが楽しく思えてきます。本書の一部をご紹介します【01:料理家という仕事をしていても】料理家という肩書ではあるが、料理をつくるのが根っから好きなのかと自問する。もし、いつも隣にわたし好みの味をつくってくれる人がいて、食べたいときにさっと料理が出来上がってくるとすれば、きっとわたしは台所に立たないのではないかと思うときがある。それが実際にはままならないから、自分でつくるしかないのだ。どちらかといえばつくるより、食べることが好き。おいしいものを食べたい一心。ただ食いしんぼなのだ。わたしの料理は18歳のときに親元を離れて自分の台所を持ったときから始まった。最初はテレビや雑誌で見かけたレシピをつくってみたり、バイトをしていた洋食屋さんのまかないや居酒屋のおいしかったメニューをまねしてみたり。お金もない学生だから、そんなにぜいたくなものを食べていたわけではないが、自分がおいしいと思ったものは、できる限りその味に近づくようつくってみたいと台所に立っていた。お店ではひと皿しか食べられないけれど、家で同じようにつくれば食べたいだけ食べられる、そんな食い意地が実験的な料理を生むこともあった。おいしいものを食べると台所仕事にも変化がある。わたしの母は歳で父のところへお嫁にきた。その当時はなんにも食べられない、なんにもつくれないただのやせっぽちだったと聞いている。父は食べる、飲むがとても好きな人だったので、母をあちこち付き合わせてせっせとおいしいものを食べさせたのだそう。いろんな味を食べた結果、母は少しずつ偏食がなくなり、料理への興味がわいてきて、わたしがもの心ついたときには、母は料理上手なお母さんになっていた。お客さんの多い家だったこともあり、母は家族以外の人にもごはんをつくり、酒の肴をこしらえるという毎日。相当鍛えられたんだろう。今ではわたしと争うようにして新しい料理にも果敢に挑戦している。わが夫もふたり暮らしが長かったこともあり、外食にはいろいろと連れていってくれた。外国へ旅しても中心は食べることばかり。若い頃はきっと情熱的な思いもあったんだろうが、もう知り合って四半世紀を過ぎようとしている今は食べることだけでつながっているのではとさえ思う。わが家はちょっと出遅れた子育ての真っ最中。そんな中でもなんとかやりくりしておいしいものを食べに出かける機会をつくるようにしているが、おかしいことに夫婦の外食事情が変わってきた。夫はせっかくだからおいしいお酒をゆっくり楽しみたい。わたしは食べることに真剣になりたい。お酒なら家でゆっくり飲んだほうがいいと思うように。子連れだから、外食の時間も限られるので、母親はそんな考えになるのかもしれない。そんなこともあって、最近わたしはひとりで大好きな味を食べに出かけるように。といっても3、4か月に一度くらいの割合。そこで食べる時間のために働いているといってもいいくらいに、熱をあげている味がいくつかある。軽井沢で食べるモロッコ料理(残念ながらこのお店はクローズした)、熊本の桜肉、長野で食べる江戸前寿司、山奥で食べるきのこづくしの料理。まったくジャンルは違うが、それぞれわたしの舌にどんぴしゃり。わざわざその料理を食べるだけのために飛行機に乗り、新幹線に乗って移動する。うまいものを食べたい気持ちになることも、たいへんなエネルギーがわいてくるものなのだ。そして、それらの料理は、まねしようとも思わない。あれこれと考えずに一心不乱に食べるのみ。そんな恋しい味があるって幸せだなとしみじみ思う。さて、おいしいものを食べて帰ってきたわたしの料理に変化が見られるかどうかは?......そんなわがままを許してくれる家族に感謝しなければならない。【本書のもくじ】storyI:仕事の話storyII:食いしんぼの話storyIII:家の話storyIV:おしゃれの話storyV:ものの話storyVI:日々の話著者プロフィール飛田和緒(ひだかずを)東京都生まれ。高校3年間を長野で過ごし、山の幸や保存食のおいしさに開眼する。現在は、神奈川県の海辺の町に夫と高校生の娘と3人で暮らす。近所の直売所の野菜や漁師の店の魚などで、シンプルでおいしい食事をつくるのが日課。気負わずつくれる、素材の旨味を生かしたレシピが人気の料理家。Instagram@hida_kazuo書誌情報タイトル:『おとなになってはみたけれど』発売:2021年3月2日定価:1650円(本体1500円+税)判型:四六判発売元:株式会社扶桑社ISBN:978-4-594-08738-8【購入リンク】Amazonへ楽天ブックスへ本書の内容、取材などについては下記へお問い合わせください株式会社扶桑社宣伝部PR担当fusoshapr@fusosha.co.jp企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2021年03月20日長野県松本市の野外音楽フェス「りんご音楽祭」のオーディションステージ「RINGOOO A GO-GO」で出場を勝ち取り、その出演者の中でグランプリを決めるライブショーケース「ゴーゴーアワード」で2017年度グランプリに輝いたのが、5人組バンドall about paradise。結成からまだ1年数か月という彼らに注目だ。サトーカンナ(Vo/Syn/Pad)、飛田興一(Ds/Pad/Cho)、三山義久(G)、有澤太郎(G/Cho)、西原浩(B/Syn)で昨年1月に結成し、都内を中心に活動。他の賞レースライブにも出演するなど、ここまで順風満帆に見えるが、「このバンドを組むまではとんとん拍子じゃなかった」(カンナ)、「組む直前は音楽はもういいかなと思ってた」(三山)と話す実は苦労人。別のバンドでそれぞれ活動していた彼らの転機は2016年11月。飛田が企画するイベントに出演していたカンナの歌声に惚れ込んだ飛田は、「すごいボーカリストを見つけた」とすぐにバンド仲間の三山と西原に連絡。年明け早々スタジオに入ることになり、カンナは音楽仲間の有澤を誘った。「この日だけギターが必要なんだと思って行ったら、夜には“よろしく”って」(有澤)とすぐに意気投合したそうだ。カンナは、「こんなにカッコイイ演奏をする3人がどうしてブレイクしてないのか。だからブレイクさせないといけないなって」と使命感を持ったそう。バンドの舵取りをするカンナへの信頼は厚く、「これまでアンダーグラウンドでやってきたけど、カンナちゃんと出会ったことで大衆に聴いてもらいたいなと自分の気持ちも変わった。この出会いがそのまま自分たちの音楽になっている」と飛田。それぞれやってきた音楽のジャンルは様々だが、各楽器が単体でリフを演奏する楽曲の化学反応は魅力的だ。また、20代から40代までの年齢差もいい方向に向かっているようで、「常に情報交換している感じ。若い人たちからは、ありのままでいいということを教わりました」と飛田。西原も「いまの若い人たちは音楽の捉え方が違う。だから面白いんですよね」と5人の歯車は合うべくして合ったようだ。時おり冗談を交え、ふざけ合うメンバー同士はムードもいい。「出身や年齢の違うメンバーがその違いを認め合って、いい曲を作ったり、いい時間を過ごすっていうことができる場所、それがパラダイス(楽園)。all about paradiseは、それを体現していくバンドにしたいですね」(カンナ)グランプリの賞品として、今年も「りんご音楽祭」(9月22日(土)・23日(日))に出演するall about paradise。これからいろんなシーンで彼らの名前を目にしそうだ。取材・文:門 宏★以下のリンクより「all about paradise」をお気に入り登録して、彼らの情報をゲット!
2018年05月01日料理は好きだし楽しいけれど、わからないまま放置している料理にまつわるあれやこれや、心当たりは、ありませんか?料理家・飛田和緒さんが、みなさんの悩みにわかりやすく答えてくれました。今回は「夏の味噌汁」についてです。爽やか野菜やピリ辛食材で食欲アップ、具だくさんでおかず代わりにしても。さっぱり、ひんやりな料理に偏りがちな夏のごはん。でも、「冷房や冷たい飲み物で夏の体は疲れ気味です。1日1回は食事で温かい汁物を。味噌汁は一番身近なスープですし、発酵食品である味噌には体を温める力もある。夏こそ、味噌汁です」と、料理家・飛田和緒さん。「夏のみずみずしい野菜でさっぱりと。食欲がないときは辛み食材や肉のうま味を加えて。油揚げや揚げ玉も、少し加えると味にメリハリが出ます」味噌は好みのものを。だしも、かつお節で引くのが面倒なら、顆粒だしで十分だそう。「2種の味噌を混ぜたり、あごや昆布のだしに変えてみたり。時々そんな変化を持たせると、飽きずに楽しめますよ」ディップなど味噌づかいのアイデアも紹介。日本古来の万能調味料で、夏の体を健やかに!つまみも具になる「夏野菜」手近な野菜で作れるのが、味噌汁の最大の魅力。「夏なら、トマトやなす、枝豆など。わざわざ用意せずとも、おつまみやおかずの残りを使えばOK 」。この3種のほか、焼きとうもろこしもおいしい!【トマト】酸味とうま味が味噌やだしの風味にぴったり。「プチトマトでもいいし、湯むきにしても。ごまを加えると良いアクセントに」【ゆで枝豆】さやごと入れ、「さやに絡んだ汁を吸いながら豆を食べる。これがおいしいんです」。おつまみを取り分けて、翌日の味噌汁に。【焼きなす】「焦げた風味が加わると、いつものお味噌汁がまた違うおいしさに」。焼きなすをおかずにするとき、多めに作ってぜひ試して。冷蔵庫が空っぽでもOK !「超シンプル」同じ味噌ばかりで飽きてきたら、「辛み食材を足すと新鮮な味わいに。ゆず胡椒や豆板醤は豆腐やきのこなど何にでも合い、生姜のすりおろしは、玉ねぎなど甘みのある食材と好相性」料理する元気がないときは「おかずも兼ねて」暑くて食欲がない、料理したくない…というなら、「具が多めの、おかずも兼ねた味噌汁に。ごま油やにんにくの香りを生かすのがコツです」。ごはんと漬物を添えれば、立派な献立に。【夏の豚汁】オクラやいんげん、なすやトマトを切って豚肉と一緒にごま油で炒め、だしと味噌を加えて出来上がり。みょうがを加えてさらに香りよく。【卵とキムチ】だしで味噌を溶いてキムチを加え、卵を落として半熟に。とろりと流れる黄身も絶品の、簡単チゲ風。「納豆を加えてもおいしいですよ」ひだ・かずを料理家。家庭料理を中心に数多くの著書を持つほか、雑誌やテレビなどで幅広く活躍。主な著書に『主菜』『常備菜』(共に主婦と生活社)など。※『anan』2017年7月19日号より。イラスト・SANDER STUDIO小野寺光子取材、文・新田草子(by anan編集部)
2017年07月18日昨年、好評を博したPUMAとのスニーカーコラボレーション「ewohaku」に続き、「ewokiru」をテーマにアートを身にまとえるTシャツを発表したスポークン ワーズ プロジェクト(spoken words project)のデザイナー、飛田正浩。自ら染めやプリントまで手がける手作業の服作りを実践してきた彼に、亀戸にあるアトリエを訪れ、ファッションとの向き合い方を訊いた。■目指してきたのは「世の中にないもの」ーーこのところファッションの世界でも“手仕事”に注目が集まってきていますが、飛田さんはスポークン ワーズ プロジェクトで手作業の服作りを続けてらっしゃいますよね。はい。もう語るのも面倒になるくらい(笑)ずっと続けてきています。生地を作るにしろ、パターンを引くにしろ、専門のスペシャリストが世にはいて、洋服は作られている。だけど、そこには決まりごとも多々あって、時々「あれ?」と疑問にぶつかることがあるんです。培われてきたものは大切ですが、やっぱり既成概念を壊していかないと、新しいものは生まれてこない。だから、とらわれないために自分でやっているという面もあります。ただデメリットもありますよ。原画を描いて、自分で染色してプリントするとなると、作れる量は自ずと決まってくるし、そのルーティンワークがどこまで必要なのかという疑問も出てくる。だけど、僕の中では“ファッション×アート”が変わらないテーマで、常日頃から「世の中にないものを作りたい」と考えているんです。亀戸にあるspoken words projectのアトリエーーそのアプローチは立ち上げ当初から?紆余曲折ありました。美大(多摩美術大学染織デザイン科卒業)で学んだのですが、四浪して入ったクセに学校にはろくに行かず音楽ばかりやっていたひどい学生(笑)。卒業制作で初めて洋服を縫った時に、「あ、やりたかったのはこれだった」と気づくんです。そこから服作りは独学で模索。ただ“商品を作る”という考えが持てなかった。ずっと音楽を作ってきたから、“作品作りをしている”という感覚だったんですよね。当時は時代的にも、純粋に芸術をやっていこうとする人間が周りにも多かったから、“表現”を軸に生活をしていくことには抵抗ありませんでした。今思うと、非常に向こう見ずなんですけどね。でも、それじゃ服は売れない(笑)。いろんな葛藤を経験して、一時は染色やプリントも封印して、いわゆる量産をする“既製服”のアパレルビジネスもやってみました。ただ、無理に既製服を作ろうとすればするほど悪くなっていく。だから、もうこれで最後だと決意して、ワンピースたった1型に絞って、1点1点全て違う加工のコレクションを発表したんです。それが評価されて、エージェントがついてビジネスになった。ラックだとひとつの大きな塊に見えるものが、手に取るとそれぞれに違う、手作業の量産。自分でも「これだ」と確信できました。初めて“作品”と“商業”が融合できた瞬間だったんですよね。ーー封印を解くことで、逆に進むべき道が開けたんですね。アパレルの王道は歩んでこなかったから、無知ゆえの遠回りや苦労をさんざんしてきました。でも、それこそデザインについては浪人していた時期に一番勉強した気がするし、迷ってきたから見えたものもありますよね。今は“手作業のブランドである”ことは、むしろどうでもいいと思っているんです。PUMAとのプロジェクトを通じてより明確になってきたのですが、結局僕はアートをやりたいんですよね。となると、常に刺激的でなければいけないし、フレッシュであり続けなければいけない。ストーリーやコンセプトさえしっかりあれば、あとは服作りのやり方はどんなモノでもいいんです。染色やプリントという手法に執着するのではなく、ただ“作品”に向き合うことこそ大切だって。後半「アパレルビジネスの常識ではあり得ないことをする使命感 spoken words project デザイナー飛田正浩--2/2」に続く。
2016年06月07日