黒澤明監督の『天国と地獄』が、スパイク・リー監督&デンゼル・ワシントン主演でハリウッドリメイクされることが分かった。「The Hollywood Reporter」などが報じた。AppleとA24の提携に基づく作品で、劇場公開後、Apple TV+で配信されるという。脚本はリー監督とアラン・フォックス。製作会社はA24、製作はエスケープ・アーティスツのトッド・ブラック(『イコライザー』シリーズ)、マンダレイ・ピクチャーズのジェイソン・マイケル・バーマン(『AIR/エア』)。3月に製作開始とのこと。リー監督とデンゼルはこれまでに『モ'・ベター・ブルース』『マルコムX』『ラストゲーム』『インサイド・マン』でタッグを組んでおり、今回が5度目となる。リー監督は以前より黒澤監督のファンであることを公言しており、1986年に自身がメガホンを取ったコメディ『She's Gotta Have It(原題)』は『羅生門』に影響を受けていると語ったことがある。黒澤監督の作品は海外で何度もリメイクされており、最近では2022年に『生きる』が『生きる Living』としてビル・ナイ主演で製作された。今回のリメイクについて、映画ファンは「基本的にリメイクは好きではないがリー監督とデンゼルのコンビなら素晴らしいものを作ってくれると信じている」などの感想をXに寄せている。(賀来比呂美)
2024年02月09日志田未来主演の「勝利の法廷式」。その最終話が6月15日深夜放送。ラストで明かされた蘭と黒澤との“繋がり”に「蘭ちゃんと黒澤さんの繋がりで大泣き」「黒澤さんの中で目標や夢が達成されてた」などの声がSNSに溢れている。子役時代に弁護士を演じ、その後実際に弁護士になった主人公が、一度は法律の世界を離れるも、天才脚本家の力を借りて弁護士に復帰。救えなかった友人の冤罪とそれに絡んだ連続殺人事件の謎に迫っていく…というオリジナルストーリーが展開してきた本作。幼少期に天才子役として活躍、その後弁護士となった神楽蘭を志田さんが演じるほか、蘭に自分の書いた脚本を演じさせる黒澤仁に風間俊介。大手弁護士事務所「流川綜合法律事務所」の所長・流川大治郎の息子・流川蒼に高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)。夫を殺したとして服役中の早乙女花に北乃きい。蒼の友人・速水政樹には泉澤祐希。流川綜合法律事務所で働く弁護士・藤堂亜蘭に遊井亮子。黒澤に協力するが妻を殺されてしまった椿九重に市川知宏。黒澤の婚約者で殺害された黛十和に入来茉里。花の夫でフリーライターをしていた早乙女蓮にカトウシンスケ。流川綜合法律事務所所長で蒼の父親の流川大治郎に升毅といった顔ぶれも出演した。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蘭が速水の部屋に行くと、速水にナイフを突き刺している黒澤がいた。黒澤は逮捕されるが彼は十和を殺した連続殺人犯が速水だと気づき、彼を殺そうとしたもののできず、ナイフを持った手を速水が掴み、自分で自分を刺したと話す。連続殺人の真犯人は速水であり、花の夫の蓮を殺したのも速水である可能性が高い。蘭はこの真実を明らかにして花の無実を証明しようとする…というのが最終回の展開。その後、速水が黒澤の婚約者を殺したこと、蓮を殺害したのは速水の父・芳野小太郎(矢島健一)だったこと、大治郎は小太郎に脅され花が裁判で負けるように仕向けたことなどが明かされた。すべてが終わった後、蘭は子役時代に「小さな弁護士コラン」で弁護士役を演じたから弁護士の仕事に興味を持てた、と黒澤に語る。その言葉を聞いた黒澤は「俺と同じだな」と口にする…実は「コラン」撮影時に黒澤は幼い蘭と出会っていた。コランの脚本家の息子であった黒澤は撮影現場を見学し、蘭に自分も脚本を書いたら出演してくれるかと問いかける。すると蘭は「ぜひ!じゃあ約束」と小指を差し出し、黒澤と指切りをする…。黒澤が脚本家を目指すきっかけが蘭で、自分の脚本を演じてもらうことが夢だったことに「蘭ちゃんとのつながり‥指切りしたからだったんだ‥」「黒澤さんの中で目標や夢が達成されてたんですね」「最後の蘭ちゃんと黒澤さんの繋がりで大泣きしてしまった」など、感動の声がSNSに溢れている。(笠緒)
2023年06月16日志田未来主演、風間俊介、高橋優斗共演の「勝利の法廷式」。その第6話が5月18日オンエア。蘭に“蓮殺しの犯人では”と問われた黒澤が発した言葉に「そこから違ったらもう何も分からん」「じゃあ誰なんだろう???」などの声が上がっている。天才子役からその後弁護士になるが、夫を殺したとされる親友を救えず法律の世界を離れた主人公。荒れた生活を送っていた彼女は、自分の名前で書かれたエッセイを発見する。執筆していた脚本家のもとに向かうと、彼は自分の台本通りに裁判を演じるよう告げ…というオリジナルストーリーが展開する本作。キャストは子役として台本を読んでいた経験から文字の暗記は得意なため、公判前に黒澤のシナリオを暗記して勝利を勝ち取っていく弁護士の神楽蘭に志田さん。婚約者が連続女性殺人事件の被害者で、事件を追いながら、蘭に自宅を事務所として貸すなど協力していく黒澤仁に風間さん。大手弁護士事務所「流川綜合法律事務所」を辞め、蘭のもとで弁護士をするようになった流川蒼に高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)。蘭と同じ元子役で親友だったが、連続殺人事件の犯人である夫を殺したとして服役中の早乙女花に北乃きい。花の夫でフリーライターだった早乙女蓮にカトウシンスケ。蘭と対峙する元同僚弁護士の藤堂亜蘭に遊井亮子。蒼の父親で流川綜合法律事務所所長の流川大治郎に升毅といった面々。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蘭はある医大での入試の不正に関する集団訴訟を起こしたいという依頼を受ける。依頼人はその医大の入試を受けた日奈(木下彩音)はじめ女子受験生3人と保護者たちで、日奈の母・理香子(中島ひろ子)が蘭に事情を話す。日奈は受験後の自己採点で合格圏内だと自信を持っていたが結果は不合格。その後、理香子と日奈宛に医大の全受験者の入試成績データを記した内部資料が届く。資料を見て理香子たちは、女子より男子を取りたいと考えた性差別ではないかと疑い、大学側に説明を求めるも大学側は否定。納得できない彼女たちは、裁判を起こすと決意したのだった…というのが6話のストーリー。内部資料を送った日奈の友人の医大生、栗原慧太を演じた小宮璃央に「小宮璃央くんが気になって見てた」「正義感が強くて友人思いの優しそうな大学生役がハマってました」といった声多数。「小宮くんこの前ちらっと観たドラマと雰囲気がらっと違う」「小宮君、呼び出し先生タナカのときと、全然違う」など、役作りを評価するコメントも。ラストでは、蘭が黒澤に対し“蓮を殺したのでは”と問うのだが、それに対し黒澤は“そもそも前提が間違ってる、蓮は連続殺人犯ではない”と反論する…。この黒澤の発言に「根本から違うって黒澤さん言ってたけど、根本すぎる……そこから違ったらもう何も分からん」「黒澤さんは犯人じゃないんだ、じゃあ誰なんだろう???」「早乙女蓮は女性連続殺人犯じゃない。じゃあ何で犯人とされてるの?」など、視聴者の間でも混乱が広がっている模様だ。【第7話あらすじ】蘭は黒澤に、花の夫・蓮を殺したのか?と問い詰める。一方、蒼も黒澤を探るために動き出す。そんな中、蘭は亜紀(穂志もえか)の依頼を受ける。市役所に勤めていた亜紀はクレーマーの田代(浜中文一)をなだめるため、上司の津田(和田聰宏)から土下座を強要されたという。相手の代理人は大治郎(升毅)だった。蘭はついに大治郎と直接対決することになる…。「勝利の法廷式」は毎週木曜23:59~読売テレビ・日本テレビ系で放送中。(笠緒)
2023年05月19日志田未来主演「勝利の法廷式」第4話が5月4日オンエア。風間俊介演じる黒澤の“素性”に「黒澤の憎しみは蘭に向いているんだろうか」「展開が予想外すぎて付いていけてない」など様々な声がネットを飛び交う状況となっている。元天才子役がその後弁護士となり、親友の弁護を担当するも彼女を救うことができず法律の世界から離れる。荒んだ生活を送っていた主人公だったが、自分の名前で書かれたブログを発見。書いていたのは謎の天才脚本家で、主人公は彼の力を借り弁護士活動を再開する…というオリジナルストーリーが展開する本作。出演は幼少期に天才子役として活躍、その後弁護士となるも親友を冤罪で殺人犯にしてしまった弁護士・神楽蘭役に志田さん。蘭と同姓同名でリーガルエッセイを執筆、自分が書いた脚本で蘭に裁判を“演じさせる”黒澤仁に風間俊介。蘭を慕って大手弁護士事務所「流川綜合法律事務所」から、彼女のもとにやってくる流川蒼に高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)。蘭が救えなかった親友の早乙女花に北乃きい。蘭の元同僚弁護士・藤堂亜蘭に遊井亮子。5年前、連続殺人事件の被害者となったフラワーデザイナーの黛十和に入来茉里。蒼の父親で流川綜合法律事務所所長の流川大治郎に升毅といった顔ぶれ。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蘭は特殊詐欺の“受け子”として逮捕された大学生・翼(奥野壮)の弁護を担当することに。接見のため警察署に来た蘭と蒼は刑事の北見(淵上泰史)から翼が容疑を否認していると聞かされる。翼は求人サイトで見つけたアルバイトに応募して指示通りに仕事をしただけと主張。翼が何も知らなかったと立証できれば罪には問われないため、蘭は「一緒に頑張りましょう」と翼を励ます。しかし裁判で検察官の堀内(阪田マサノブ)は、翼が特殊詐欺の受け子どころか指示役までしていた証拠を提示。翼を救うための筋書きが根底から覆されることとなる。実は翼の恋人は詐欺被害に遭い自死していた。恋人が生前“受け子”をするよう脅されていたことを知った翼は、詐欺組織を暴くため自ら一員となる道を選んでいた…というのが今回の物語。今回のエピソードで花の裁判の後、SNSで蘭を誹謗中傷していた相手が黒澤だったこと、また黒澤が十和の婚約者だったことも明かされた…。SNSには「黒澤の素性が徐々に明かされてきた」「黒澤さん何で蘭を誹謗中傷したんだろう」といった声とともに、黒澤の記した「悲しみは憎しみでしか完結しない」というワードに「悲しみは憎しみでしか完結しない 黒澤の憎しみは蘭に向いているんだろうか」といったコメントも寄せられる…。「え…あの………展開が予想外すぎて付いていけてないです……」「蘭ちゃん、明らかに黒澤の復讐の片棒担がされているな」「黒澤は例の事件の真犯人を知ってるの?それともあぶり出すためにいろいろやってる?」など、黒澤の真意が明かされ始めたことで、今後の展開についても視聴者の間で様々な憶測が飛び交う状況になっている。【第5話あらすじ】蘭の事務所に子役時代の友人・紗世(堀田茜)が妹に連れられてやってくる。もうすぐ結婚するという紗世だが、妹は姉が国際ロマンス詐欺に引っかかってしまったことに気づき、相談に来た。妹は蘭に紗世の目を覚ましてほしいと頼む。黒澤が「探偵になればいい」と言い出し、蘭たちはロマンス詐欺の相手、ハン・ジエンの正体を突き止めることに…。「勝利の法廷式」は毎週木曜23:59~読売テレビ・日本テレビ系で放送中。(笠緒)
2023年05月05日志田未来主演、風間俊介、高橋優斗共演の「勝利の法廷式」。その第3話が4月27日オンエア。黒澤の婚約者の指にはめられていた5つの指輪に「怖すぎる…」「意味わからん」などの声が続出。遺体のポーズにも「気になる」といった声が多数上がっている。天才子役からその後弁護士になるも、親友を救えず法律の世界を離れた主人公の前に謎の天才脚本家が現れる。彼の台本通りに裁判を“演じる”ことで主人公は再び法律の世界に帰ってきた…オリジナルストーリーで描かれる本作。キャストは幼少期に天才子役として有名になり、台本を読んでいた経験から文字の暗記は得意なため、公判前に黒澤のシナリオを暗記して勝利を勝ち取っていく神楽蘭に志田さん。ミステリーを中心に執筆する謎の脚本家で蘭に力を貸しつつ、過去に起きた連続殺人事件を追っている黒澤仁役に風間さん。蘭が以前在籍していた大手弁護士事務所「流川綜合法律事務所」を辞めて、蘭のもとで働く流川蒼役に高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)。また、蘭と同じ元子役で親友だったが、現在は服役中の早乙女花役に北乃きい。蘭の元同僚弁護士・藤堂亜蘭役に遊井亮子。蒼の父親で流川綜合法律事務所所長の流川大治郎役に升毅といった俳優陣も共演。3話では洋食屋の店主・立花洋子役で宮崎美子が、洋子の息子・立花光役で福山翔大がゲスト出演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蘭の事務所に母の弁護を依頼したいと光が訪れる。光の母で洋食屋の店主をしていた洋子が、料理人の清水を口論の末、階段から突き落としてしまったというのだ。光は母が清水に店を騙し取られたと主張する。蘭は洋子と接見し事情を聞く。洋子によれば、ずっと守ってきた店の味を大切にしてくれる後継者を探して清水と出会ったが、最初は真面目な人物に思われた清水は、契約を交わした途端ひょう変、店を潰して土地を売り払うと言い出したという。そんな清水にカッとなり彼を突き落としてしまったと語る洋子だが、蘭は洋子がそもそも清水を突き落としていないのでは?と考える…というのが今回の物語。これまでも回想シーンで描かれてきた黒澤の過去。雨のなか、倒れている婚約者・黛十和(入来茉里)らしき女性を呆然と見つめる黒澤…息絶えてると思われる女性の指には5つの指輪がはめられ、それと別に婚約指輪と思われるものも…視聴者からは「5個の指輪なんだろう…怖すぎる…」「なんで指輪5個もついてるん意味わからん」といった声とともに、自室で倒れている女性と同じポーズをとる黒澤にも「指輪気になってたけど、ポーズも気になるね」といった声も。黒澤の部屋の壁に貼られた新聞記事から「あの指輪は連続殺人の特徴(指輪殺人事件と称されてた)なのね」「5つの指輪は事件の犯人によって付けられたものなんだなぁ…だから婚約指輪が外れて落ちてたのか」など、事件の謎を読み解こうとする視聴者のツイートもTwitter上にアップされている。【第4話あらすじ】蘭は特殊詐欺事件で逮捕された大学生・翼(奥野壮)の弁護を担当することに。翼は“受け子”として一人暮らしの高齢者からキャッシュカードを騙し取ろうとしたのだ。翼は求人サイトで見つけたアルバイトに応募し、指示通りに仕事をしただけで詐欺とは知らなかったと容疑を否認。翼が何も知らなかったと立証できれば罪には問われない。蘭は「一緒に頑張りましょう」と翼を励ます…。「勝利の法廷式」は毎週木曜23:59~読売テレビ・日本テレビ系で放送中。(笠緒)
2023年04月28日志田未来が主演、風間俊介と共演する「勝利の法廷式」の第2話が4月20日オンエア。蘭が救えなかった親友の夫の“正体”が明らかになり、視聴者の間には「旦那さんを黒澤が殺したのか」など様々な憶測が広がっている。親友を救えなかったことで法律の世界から離れていた弁護士の前に、謎の天才脚本家が現れ、彼の力を借りて主人公が再び弁護士として親友の謎に挑んでいく…というオリジナルストーリーを描く本作。キャストは幼少期に天才子役として有名になり、台本を読んでいた経験から文字の暗記は得意なため、公判前に黒澤のシナリオを暗記して勝利を勝ち取っていく神楽蘭に志田さん。ミステリーを中心に執筆する謎の脚本家で、蘭と同姓同名でリーガルエッセイをWEBに載せ、彼女に弁護士への復帰を促し、自宅を事務所として使わせるなど協力する黒澤仁に風間さん。蘭も以前在籍していた大手弁護士事務所「流川綜合法律事務所」を辞め、蘭のもとに合流する流川蒼に高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)。蘭と同じ元子役で親友だったが、夫を殺したとして服役中の早乙女花に北乃きい。蘭の元同僚弁護士で彼女や蒼と対立する藤堂亜蘭に遊井亮子。蒼の父親で蘭たちの行動を邪魔する流川綜合法律事務所所長の流川大治郎に升毅といった面々。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蘭のもとに速水政樹(泉澤祐希)が弁護を依頼してくる。彼は蒼の大学時代の同級生で、フードデリバリーの配達員をしていたが、配達先の女性・結衣(生駒里奈)に訴えられたという。速水は結衣に届ける商品に自分の連絡先を書いたメモを添えていて、それを結衣の夫・大輔(白石隼也)が見つけ、ストーカー行為による慰謝料請求訴訟になった。しかし速水は、自分が結衣とコンタクトを取ろうとしたのは彼女がDVを受けているからだと告白する。裁判が始まると藤堂は、結衣が6年前までアイドル活動をしていて、速水が彼女のファンだったことを明かす。一方、近所の家の防犯カメラの映像を入手した蘭たちは、フードデリバリーの受け取りを置き配に設定したはずの結衣が、特定の配達員の時だけ直接受け取っていることに気づく…というのが2話のストーリー。視聴者からは「何度もアイドル生駒里奈に救ってもらった自分としては本当に泣いた」など、ゲスト出演した生駒さんに触れたコメントが多数寄せられる。ラストでは花が殺害したとされる夫の蓮(カトウシンスケ)が連続殺人事件の犯人だったことが明かされ、その事から視聴者の間には「黒澤は奥さんを連続殺人で殺されたのかな」「黒澤さん、連続殺人事件の被害者の身内ってことなんかな???」「指輪…婚約者?を連続殺人者に殺されて、旦那さんを黒澤が殺したのか」といった憶測も広がっている。【第3話あらすじ】蘭の事務所に母の弁護を依頼したいという青年・光(福山翔大)が訪れる。光の母で洋食屋の店主をしていた洋子(宮崎美子)は、料理人の清水を階段から突き落としていたが、光は母が清水に店を騙し取られたと主張。蘭たち3人は清水の詐欺を立証して情状酌量を狙うことにする…。「勝利の法廷式」は毎週木曜23:59~読売テレビ・日本テレビ系で放送中。(笠緒)
2023年04月21日志田未来主演のリーガルミステリー「勝利の法廷式」が4月13日スタート。志田未来と風間俊介に「天才コンビ」の声が上がるとともに、風間さん演じる黒澤の“過去”に「闇あるの… 何者…」「伏線だらけ」などといった反応も送られている。子役から弁護士になるが、とある冤罪をきっかけに法律の世界から離れ荒んだ生活を送る主人公が、謎の転載脚本家の力を借り弁護士活動を再開。救えなかった親友の事件の謎に挑んでいく…というオリジナルストーリーが展開する本作。幼少期に天才子役として活躍し、その後弁護士となるが親友を冤罪で殺人犯にしてしまい、法曹界から姿を消した弁護士・神楽蘭を志田さんが演じるほか、蘭と同姓同名でリーガルエッセイをWEBに載せる謎の脚本家・黒澤仁に風間俊介。大手弁護士事務所「流川綜合法律事務所」の所長・流川大治郎の息子・流川蒼に高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)。蘭と同じ元子役で親友だったが、殺人の容疑で連行され蘭が担当弁護士となるも敗訴。現在服役中の早乙女花に北乃きい。蘭の元同僚弁護士・藤堂亜蘭に遊井亮子。黒澤の書斎に出入りする椿九重に市川知宏。5年前に何者かに殺害されたフラワーデザイナー・黛十和に入来茉里。花の夫でフリーライターの早乙女蓮にカトウシンスケ。蒼の父親で政界、財界、法曹界に様々なパイプを持つ流川綜合法律事務所所長の流川大治郎に升毅といった顔ぶれも出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。蘭は親友・花の弁護を担当するものの敗訴、花を守ることができなかったことで自信を失い、弁護士の仕事を離れ自暴自棄の毎日を送っていた。そんななか、かつて勤めていた弁護士事務所の後輩・蒼から、弁護士が主人公で自分と同姓同名のブログが炎上していると知らされる。しかし蘭には身に覚えがなく、なりすましのブログ主に会いに行く。その人物、脚本家の黒澤は悪びれもせず、自分の作品としてブログを書いていると主張する…というのが1話の展開。困惑する蘭だがそこに成宮美咲(森カンナ)が訪ねてくる。美咲は神楽蘭のブログを読んで弁護を依頼。依頼を受けざるを得なくなる蘭だったが、第一回裁判で蘭が失敗し敗色が濃厚に。すると黒澤は第二回裁判の直前、蘭に一冊の台本を手渡し、「俺が書いた脚本を、お前が法廷で演じろ」と告げる…というのが1話の展開。SNSでは「志田未来・風間俊介の天才コンビで初回は本当に面白かった」「風間くん冷たい役いいよね笑 志田未来もいい感じ」「志田未来さんと風間俊介さんのコンビ良き」など、志田さんと風間さんの演技に賞賛のコメントが。またラストでは雨の中、倒れる女性の前で呆然とした表情を浮かべる黒澤の姿や、花の裁判に傍聴する様子などが回想シーンとして登場。「黒澤さん天才…って思ってたら闇あるの… 何者…」「黒澤さん何者……伏線だらけ」「なんだなんだ????黒澤さんの過去」など、黒澤の過去にも多くの注目が集まっている。【第2話あらすじ】蘭は黒澤の家で法律事務所を開業、そこに蒼も加わる。そんななか、蘭に弁護を依頼したいという速水政樹が事務所を訪れる。彼は蒼の大学時代の同級生で、フードデリバリーの配達員をして配達先の女性・結衣(生駒里奈)に訴えられたのだ。黒澤は速水がストーカー行為をごまかすためDVをでっち上げているのではと疑うが、速水を真面目で優しい人間だと信じている蒼は黒澤に反発する…。「勝利の法廷式」は毎週木曜23:59~読売テレビ・日本テレビ系で放送中。(笠緒)
2023年04月14日黒澤明が監督を務めた『隠し砦の三悪人』の舞台化が決定。7月28日(金) から8月13日(日) に東京・明治座、8月24日(木) から27日(日) に大阪・新歌舞伎座で上演されることが発表された。本作は、戦国の時代を舞台に敗北した秋月家の侍大将・真壁六郎太が、若く美しい世継ぎの姫と黄金200貫を無事に同盟国へ送り届ける使命を果たすため、偶然出会った百姓ふたりを巻き込んで、危機的状況下をくぐり抜けていく冒険活劇。主演を昭和の名優・三船敏郎が務めた映画版は、1958年の公開から長き時を経た今でも国内外から高い人気を誇っている。今回の舞台版は、お家復興のため、決死の脱出劇を繰り広げる屈強な侍大将こと主人公・真壁六郎太役を上川隆也、百姓の又七役を風間俊介、太平役を六角精児が務める。またヒロイン・雪姫役で櫻坂46の小林由依、真壁六郎太の最大のライバルである猛将・田所兵衛役で宇梶剛士が名を連ねている。上演台本・演出は、ストレートプレイからミュージカル、さらには『スーパー歌舞伎 II ワンピース』など様々なジャンルの作品を手がけている横内謙介が担当。併せて出演者5名と横内からのコメントが到着した。■上川隆也 コメントこれは一つの冒険です。超えて行かなければならない壁の高さは計り知れません。ですが、今年150周年を迎える明治座さんと、そして演出の横内さんとその冒険に出てみたいと思いました。これまで一度も舞台化されたことのない大名作に挑む試み。楽しんで頂ける作品にするべく力を尽くします。御期待下さい。■風間俊介 コメント『隠し砦の三悪人』 言わずと知れた、黒澤明監督の名作を、令和に舞台で皆様にお届けする。今、自分に、凄い事が始まると言い聞かせております。国内外問わず、多くの作品に影響を与え、今も色褪せない『隠し砦の三悪人』の舞台に出演させて頂くので、背筋を正しつつ、目一杯楽しみたいと思っています。この作品に溢れる覇気や活力を、客席で直に体感して頂けたら幸いです。■六角精児 コメント黒澤作品の舞台化を明治座で。しかもこのキャストで。「ただもう楽しみでしかない!」それに尽きます。全力で臨みたいと思います。■小林由依(櫻坂46)コメント『隠し砦の三悪人』という歴史ある素敵な作品に携わらせて頂き、とても光栄に思います。私自身、舞台経験があまり無いのですが、偉大な先輩方や演出の横内さんなど、様々な角度から舞台演劇のことを学び、成長し、皆様に素晴らしい作品をお届けできるよう努めたいと思います。この夏『隠し砦の三悪人』で、カンパニーの皆様、ご観劇くださる皆様と忘れられない夏の思い出が出来ることを楽しみにしています!■宇梶剛士 コメント『隠し砦の三悪人』の舞台に出演できる喜びと同時に身が引き締まる思いです。映画で描かれている空気感を自分なりに模索しながら、横内さんや上川さんはじめ共演者の方々と向き合って良い作品にしていきたいです。ぜひ劇場で、登場人物たちと一体となって戦国の世を楽しんでいただけたら嬉しいです。■横内謙介 コメント素晴らしいキャスト、スタッフとともに、歴史ある明治座で世界遺産ともいうべき名作『隠し砦の三悪人』の舞台化に挑めることを光栄に思います。完璧なる原作のストーリーはそのままに、映画ならではの表現を、生の舞台だからこその表現に、繊細かつ大胆に置き換えて、黒澤ヒューマニズムに溢れつつ血沸き肉躍る、王道を貫く大娯楽時代劇に仕上げたいと思います。映像は使わず、俳優の力と明治座の機構フル稼働で、演劇のチカラをご覧にいれます。<公演情報>『隠し砦の三悪人』原作:黒澤明 橋本忍 小國英雄 菊島隆三『隠し砦の三悪人』上演台本・演出:横内謙介出演:上川隆也 風間俊介 六角精児 小林由依 宇梶剛士 ほか【東京公演】日程:7月28日(金)〜8月13日(日) (全22公演)会場:明治座詳細はこちら:【大阪公演】日程:8月24日(木)〜8月27日(日) (全5公演)会場:新歌舞伎座詳細はこちら:
2023年04月06日とてもていねいに作られた、黒澤明『生きる』のイギリスによるリメイク作品が3月31日に日本公開される。あの伝説ともいえるブランコのラストシーンまで、不自然さがまるでなくって驚くはず。さすがに「いのちみじいかし、恋せよ乙女〜」という、あの歌は使われていないけれど……。『生きる LIVING』黒澤、橋本忍、小国英雄による原作をもとに、今回の脚本を書いたのはイギリス在住のノーベル賞作家カズオ・イシグロ。再映画化のきっかけを作ったのも、実は彼だそうだ。きっかけは、とあるレストランの一夜。映画オタクでもあるイシグロと旧知のプロデューサー、スティーヴン・ウーリーが食事の席で、1930年代から50年代に白黒映画を撮った著名人を話題にしていた。映画好きがそういうウンチクを語り合うのは楽しいもの。この夜もかなり盛り上がったという。たまたまその店に居合わせたのが、俳優のビル・ナイ。話の流れが、どうやらこの『生きる』と黒澤になったようで、夕食後、別のテーブルにいたビル・ナイにイシグロが「君が出るべき次回作がわかったよ」と声をかけた。笠井信輔さんの水先案内をもっと見る()(C)Number 9 Films Living Limited
2023年03月20日黒澤映画を世界で初めてミュージカル化した意欲作、ミュージカル『生きる』が、再び上演されることが決定した。2018年の初演、2020年の再演に引き続き今回が3度目の上演となる。初演以来、主演の渡辺勘治を演じ続けるのは、日本ミュージカル界のレジェンド、市村正親と鹿賀丈史。役所の市民課に30年休まず勤め続ける課長・渡辺勘治をダブルキャストで演じる。2020年舞台写真 渡辺勘治役 鹿賀丈史演出を手掛けるのは、世界の舞台で活躍する演出家の宮本亞門。脚本と歌詞は『アナと雪の女王』などのディズニー映画の訳詞を多く手掛けるほか、劇団四季ミュージカル『バケモノの子』やミュージカル『COLOR』などのオリジナルミュージカルを次々と発表している高橋知伽江。作曲と編曲は、ブロードウェイで今年上演されたミュージカル『Paradise Square』の作曲で本年度のトニー賞優秀作曲賞にノミネートされた作曲家、ジェイソン・ハウランドが手掛ける。今回の公演では、2020年の再演時に勘治の息子・光男を好演した村井良大以外のメインキャストを一新。物語の語り手として重要な役どころである小説家をダブルキャストで演じるのは、平方元基と上原理生。 渡辺勘治に再び生きる力を与える女性・小田切とよ役には、音楽座ミュージカルのヒロイン・高野菜々が挑む。光男の妻・一枝に実咲凜音、渡辺勘治の公園作りを妨害するヤクザ組長に福井晶一など、ミュージカル界の豪華な面々集結。そして、本作の登場人物の中でもっとも腹黒い人物の助役を鶴見辰吾が演じる。そのほか初演から出演し、独特な存在感で本作の世界観を体現している佐藤誓、重田千穂子も続投する。ミュージカル版の見どころは音楽。閉塞感漂う戦後直後の日本、そこに流れ込んでくる開放的なアメリカ文化、未来に向かって日本が立ち上がろとする民衆の力、そして渡辺勘治という無骨な男の生きざまをブロードウェイの鬼才によるさまざまなタイプの音楽で表現。1幕ラスト、渡辺勘治が残りの人生を悔いなく生きることを誓う曲「二度目の誕生日」はミュージカル史上に残る名曲となっている。ミュージカル『生きる』は、2023年9月に東京公演を新国立劇場中劇場にて上演後、大阪公演を予定。チケットは来年6月に発売予定だ。■演出:宮本亞門 コメント『生きる』を演出して、私自身、生きている今を大切に輝くものにしようと思いました。コロナ禍を経て、生きる大変さや素晴らしさを感じた方も多いでしょう。そんなあなたに、この作品はミュージカルの枠を超え、人はいつになってもリセットができると背中を押してくれます。今回の再演は新たな素晴らしいキャストも参加して一段と深くなります。ぜひ劇場に足をお運びください。必ずや今までにない体験、体感をお届けします。<公演情報>ミュージカル『生きる』ミュージカル『生きる』メインビジュアル■東京公演期間:2023年9月会場:新国立劇場 中劇場※大阪公演あり【キャスト】渡辺勘治:市村正親/鹿賀丈史(Wキャスト)渡辺光男:村井良大小説家:平方元基/上原理生(Wキャスト)小田切とよ:高野菜々(音楽座ミュージカル)渡辺一枝:実咲凜音組長:福井晶一助役:鶴見辰吾佐藤 誓重田千穂子田村良太治田 敦/内田紳一郎/鎌田誠樹/齋藤桐人/高木裕和/松原剛志/森山大輔/あべこ/彩橋みゆ/飯野めぐみ/五十嵐可絵/河合篤子/隼海 惺/原 広実/森 加織【ストーリー】市役所の市民課に30年休まず勤め続ける渡辺課長は、早くに妻を亡くし息子夫婦と同居している。そんなある日、胃がんが発覚し、自分の人生が残り少ないことを知った渡辺は、生まれて初めて自分の人生の意味を探し始める。そして彼は市民のために小さな公園を作ろうと奮闘する。公式HP:公式Twitter:
2022年12月17日黒澤明の不朽の名作『生きる』(1952年)を「日の名残り」「わたしを離さないで」などで知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロが脚本を手掛け、第二次世界大戦後のイギリスを舞台に蘇らせた『生きる LIVING』。この度、その予告編と特報が一挙に解禁となった。『ラブ・アクチュアリー』『アバウト・タイム愛おしい時間について』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどに出演しているイギリスの名優ビル・ナイが主演を務めた本作。監督は2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭クィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス。解禁となった予告編では、ビル・ナイ演じるウィリアムズが、仕事一筋で空虚で無意味な毎日を送る中、余命幾ばくもないことを宣告されるシーンから始まる。最期を知り、残された日々を大切に過ごしたい…そう願うようになる。誰かのために、その彼の小さな一歩が人々の心に火を灯していく。残された日々を宣告されたことにより、それまでの自分の人生をふり返り、「生きることなく、人生を終えたくない」と静かに、しかし心の中は懸命に、熱く生きることを選んだウィリアムズ。そして、黒澤監督『生きる』での名シーンを彷彿とさせる誰もいない公園での“ブランコ”シーンで映像は幕を閉じる。本作はすでにサンダンス映画祭、ヴェネチア国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭、トロント国際映画祭、さらに東京国際映画祭でも上映され、米国時間12月12日(月)夜に発表された第80回ゴールデン・グローブ賞にて主演男優賞(ドラマ部門)にビル・ナイがノミネートされた。『生きる LIVING』は2023年3月31日(金)より全国にて公開。2023年3月31日(金)より公開2023年3月31日(金)より公開2023年3月31日(金)より公開(text:cinemacafe.net)■関連作品:生きる LIVING 2022年10月24日より第35回東京国際映画祭にて公開©Number 9 Films Living Limited
2022年12月13日10月24日(月)より開催される「第35回東京国際映画祭」において、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督が、黒澤明賞を受賞したことが分かった。日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していきたいとの願いから、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として本年、14年ぶりに黒澤明賞が復活。これまで、スティーヴン・スピルバーグ監督、山田洋次監督、侯孝賢監督らが受賞した同賞。今年は、山田監督、仲代達矢、原田美枝子、川本三郎、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により選考。その結果、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント:蘇えりし者』などを手掛け、アカデミー賞監督賞をはじめとした数々の映画賞を獲得。最新作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』はヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映されることも決定しているイニャリトゥ監督。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した『淵に立つ』、最新作の『LOVE LIFE』は先日のヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、満場の喝采で迎えられた深田監督の2名に決定。イニャリトゥ監督において選考委員からは、デビュー作『アモーレス・ペロス』で世界の目をメキシコ映画に向けさせ、その後アカデミー賞を始めとする多くの賞を受賞しながらも、作品ごとに常に新しい試みに精力的に挑戦している姿勢が評価に値するということで受賞が決定。深田監督においては、作品性が若手映画監督として優れている点や、世界に向けて将来の活躍が期待される日本人監督である点などに加え、映画製作活動以外での精力的な活動についても評価の声が高いことから今回の受賞が決定した。なお、黒澤明賞の授賞式は10月29日(土)に帝国ホテルにおいて開催予定だ。「第35回東京国際映画祭」は10月24日(月)~11月2日(水)日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。「TIFFCOM2022」は10月25日(火)~27日(木)オンライン開催。(cinemacafe.net)
2022年10月08日「第35回東京国際映画祭」黒澤明賞の受賞者が、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督に決定した。東京国際映画祭は、日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していきたいとの願いから、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、本年14年ぶりに黒澤明賞を復活させた。過去にはスティーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞。今年は、山田洋次監督、仲代達矢、原田美枝子、川本三郎、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により、受賞者はイニャリトゥ監督と深田監督に決定した。イニャリトゥ監督は、2000年に『アモーレス・ペロス』で長編映画監督デビューし、同作で第53回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門、第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。以降『バベル』(2006年)、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)、『レヴェナント: 蘇えりし者』(2016年)と精力的に作品を発表しアカデミー賞監督賞をはじめとした数々の映画賞を獲得。最新作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は、本年度ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映されることも決定しており、11月より一部劇場でも公開される。選考委員からは、デビュー作『アモーレス・ペロス』で世界の目をメキシコ映画に向けさせ、その後アカデミー賞を始めとする多くの賞を受賞しながらも、作品ごとに常に新しい試みに精力的に挑戦している姿勢が評価に値するということで、本年度の受賞が決まった。なお、イニャリトゥ監督は東京国際映画祭では2009年に審査委員長を務めており、それ以来の参加となる。深田監督は、2016年『淵に立つ』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞し、同作で2017年には第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞したほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営危機に陥るミニシアターが続出したことに対し、同じく映画監督の濱口竜介らとともに全国の小規模映画館支援のためのクラウドファンディング『ミニシアター・エイド基金』を立ち上げるなど、若手映画監督としての枠を超えた活動も行っている。最新作の『LOVE LIFE』は、先日のヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、満場の喝采で迎えられたのは記憶に新しい。今回、選考委員からも作品性が若手映画監督として優れている点や、世界に向けて将来の活躍が期待される日本人監督である点などに加え、映画制作活動以外での精力的な活動についても評価の声が高く、今年度の受賞者として決定した。黒澤明賞の授賞式は10月29日(土)に帝国ホテルにおいて開催される予定だ。<第35回東京国際映画祭 開催概要>開催期間:2022年10月24日(月)~11月2日(水)会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区公式サイト: <TIFFCOM2022 開催概要>開催期間:2022年10月25日(火)~27日(木)(※オンライン開催)公式サイト:
2022年10月07日展覧会「脚本家 黒澤明」が、東京・京橋の国立映画アーカイブにて2022年8月2日(火)から11月27日(日)まで開催される。黒澤明の“シナリオ術”にフォーカス「脚本家 黒澤明」は、映画監督・黒澤明のシナリオ術に焦点を当てた展覧会。幾多の名脚本家たちとともに次々傑作映画を生み出した黒澤明は、自身もシナリオを執筆することで映画監督としての成長を遂げてきたのだった。「脚本家 黒澤明」では、黒澤明の“シナリオ作家”としての側面から、『七人の侍』(1954年)をはじめとする名作脚本の生成・変更の過程を分析し、他の監督たちに提供した脚本や、新たに発見された未映像化脚本について解析。黒澤明にインスピレーションを与えてきた文学作品など、“書く人”黒澤明の修業時代から後期作品までを紐解いていく。会場には、国立映画アーカイブの所蔵品に加え、黒澤資料の収集家、各地の資料館や黒澤作品の元スタッフ関係者などから貸与された資料が一堂に集結。新発見の脚本『ガラスの靴』をはじめ、映画化が実現しなかった幻の脚本や、黒澤自身で監督をせず、他の監督に提供した執筆脚本の数々も目にすることができる。『七人の侍』ストーリーはいかに構築されたのか?世界映画史において最高峰の1つである映画『七人の侍』のシナリオは、黒澤と橋本忍、小國英雄の3名による合作だった。侍たちそれぞれのキャラクターはどのように構想され、肉付けされていったのか、また、ストーリーの構造はいかに構築されたのかを、資料を通して解明。アイデアの源泉として注目されるソビエトの文学者ファジェーエフの小説にも触れながら、解説する。ドストエフスキーやシェイクスピアなど影響を与えた文豪たちまた、『白痴』のドストエフスキーや、『蜘蛛巣城』『乱』のシェイクスピア、『椿三十郎』『赤ひげ』『どですかでん』の山本周五郎など、黒澤の映画世界に大きな影響を与えた文学者たちの存在にも注目だ。文豪たちが生み出した物語や人間観は、黒澤映画の中にどのような影響をもたらしていたのかを考えるとともに、彼らと並び強い影響を与えたバルザックの小説についても、新たな考察を加える。【詳細】脚本家 黒澤明会期:2022年8月2日(火)~11月27日(日)会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)住所:東京都中央区京橋3-7-6休室日:月曜日および9月6日(火)~9日(金)、9月27日(火)~10月2日(日)は休室。開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)※毎月末の金曜日のみ開室時間を20:00まで延長。※入室は19:30まで■チケット料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)※65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料。※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。※( )内は20名以上の団体料金。※学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズ対象者は入室の際、証明できるものの提示が必要。※国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」)を提示すると、1回に限り団体料金を適用。※2022年11月3日(木)「文化の日」は、無料で観覧可能。【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年07月15日黒澤明監督の名作映画『生きる』をリメイクした映画『生きる LIVING』が、2023年3月31日(金)に公開される。黒澤明『生きる』イギリスを舞台にリメイク1952年に公開された映画『生きる』は、還暦直前に余命半年を告げられた役人が、人生を見つめなおす姿を描いた黒澤明監督の代表作。リメイク版の映画『生きる LIVING』では、第二次世界大戦後のイギリスを舞台にストーリーを展開する。『生きる LIVING』の主人公、ウィリアムズは、仕事一筋で空虚で無意味な毎日を送る中、余命幾ばくも無いことを宣告される。最期を知り、残された日々を大切に過ごしたい……、そう願うようになるウィリアムズ。それまでの自分の人生を振り返り、「生きることなく、人生を終えたくない」と静かに、しかし心の中は懸命に、熱く生きることを選んだウィリアムズの姿を描き出す。劇中には、黒澤明の『生きる』に登場する名シーンを彷彿させる、誰もいない公園での“ブランコ”シーンも。観るものの心に光を灯すような、感動の物語が紡がれる。ノーベル賞作家カズオ・イシグロが再構築リメイク版の脚本を手掛けたのは、小説『わたしを離さないで』などで知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロ。監督はオリヴァー・ハーマナスが務める。ビル・ナイが主演主演は、『ラブ・アクチュアリー』『ナターシャの歌に』などで知られ、ジョニー・デップ製作・主演作品『MINAMATA−ミナマタ−』への出演も記憶にあたらしいビル・ナイ。仕事に明け暮れていた中、“余命半年”と告げられる主人公・ウィリアムズを演じる。その他、Netflix作品「セックス・エデュケーション」のエイミー・ルー・ウッド、『パーティで女の子に話しかけるには』のアレックス・シャープ、トム・バークなどが出演する。■主人公ウィリアムズ…ビル・ナイ公務員として空虚な日々を送っていたが、ある日「余命半年」であると宣告される。余命宣告を受け、自分の人生を見つめ直す。■マーガレット…エイミー・ルー・ウッドウィリアムズのもとでかつて働いていた同僚。第80回ゴールデン・グローブ賞、主演男優賞にノミネート第80回ゴールデン・グローブ賞にて、主演のビル・ナイが主演男優賞(ドラマ部門)にノミネート。すでに世界の映画祭で上映され、オスカー候補とも言われる映画『生きる LIVING』の、今後の展開も要チェックだ。〈映画『生きる LIVING』あらすじ〉1953年。第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドン。公務員のウィリアムズは、今日も同じ列車の同じ車両で通勤する。ピン・ストライプ背広に身を包み、山高帽を目深に被ったいわゆる“お堅い”英国紳士だ。役所の市民課に勤める彼は、部下に煙たがられながら事務処理に追われる毎日。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る―。彼は歯車でしかなかった日々に別れを告げ、自分の人生を見つめ直し始める。手遅れになる前に充実した人生を手に入れようと。仕事を放棄し、海辺のリゾートで酒を飲みバカ騒ぎをしてみるが、なんだかしっくりこない。病魔は彼の身体を蝕んでいく…。ロンドンに戻った彼は、かつて彼の下で働いていたマーガレットに再会する。今の彼女は社会で自分の力を試そうとバイタリティに溢れていた。そんな彼女に惹かれ、ささやかな時間を過ごすうちに、彼はまるで啓示を受けたかのように新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変えることになる―。【詳細】映画『生きる LIVING』公開時期:2023年3月31日(金)出演:ビル・ナイ、エイミー・ルー・ウッド、アレックス・シャープ、トム・バーク原作:黒澤明監督作品『生きる』監督:オリヴァー・ハーマナス脚本:カズオ・イシグロ音楽:エミリー・レヴィネイズ・ファルーシュ製作:Number 9 Films
2021年12月19日黒澤明監督の『乱』で、日本人女性として初めてアカデミー衣装デザイン賞を受賞したワダエミさんが、13日に亡くなったことが明らかになった。84歳だった。ワダさんの訃報は「The Wrap」などアメリカの多数メディアも伝えている。ワダさんは20歳のときに演出家・監督の和田勉さんと結婚。画家を目指していたが、勉さんとの結婚をきっかけに舞台や映画の衣装デザインを手掛けるようになる。日本映画では市川崑監督の『鹿鳴館』、大島渚監督の『御法度』など、海外映画ではピーター・グリーナウェイ監督の『プロスペローの本』『ピーター・グリーナウェイの枕草子』、チャン・イーモウ監督の『HERO』『LOVERS』などの衣装デザインを担当した。映画のみならず、舞台やオペラの衣装も手掛け、93年のオペラ「オイディプス王」でエミー賞最優秀衣装デザイン賞を受賞した。Photo by Bryan Chan/Los Angeles Times via Getty Imagesツイッターではファンが「『乱』は私の大好きな映画の一つです。エミ・ワダの衣装は大変美しく、この素晴らしい映画に命を吹き込みました。どうか安らかにお眠りください」「エミ・ワダは、アカデミー衣装デザイン賞を受賞した人の中でも、最もその賞にふさわしい人だった」とワダさんに追悼メッセージを送っている。(Hiromi Kaku)
2021年11月22日秋田発、東京初出店の“文庫カフェ”コーヒーは朝昼晩で異なる味を提供秋田名物「こおり水」とは秋田から東京初出店。「本と珈琲とインクの匂い」を感じる“文庫カフェ”とは商業施設内の一角にありながら、懐かしさと異彩を放つ外観が目を引きます東京「日本橋髙島屋S.C.」の新館4Fに【黒澤文庫】がオープンしました。宮城県仙台市の【青山文庫】、秋田県秋田市の【赤居文庫】に続き、3店舗目となる今回は東京での初出店です。ここは、「本と珈琲とインクの匂い」を感じるカフェをコンセプトに、どこか懐かしさを感じさせる店構えと、一杯一杯丁寧に抽出したハントドリップ珈琲が楽しめます。本や雑貨、壁掛け時計に囲まれた郷愁漂う店内。座席は、カウンター席、中央の大きなテーブル席、2~4人掛けのテーブル席があります“文庫カフェ”とは、その名のとおり、たくさんの本に囲まれた図書館や古書店のようなカフェのこと。店内には至るところに書籍が書籍が飾られていて、すべての本を読むことができます。その並べ方には特徴があり、一般的なカテゴリー分けとは異なり、なんだか個性的。例えば、店内の中央テーブルには「ゴリラ」、「ノーベル賞」、「くじら」、「アインシュタイン」と、様々なカテゴリーの本がまとめて配置されていて、ゴリラに関する本を手に取ったことのない私は、その意外性に思わず興味をそそられてしまいました。そんなテーマの雑多さは、新しい本に出合えるワクワク感をも感じさせてくれます。中央テーブルにある「ゴリラ」のコーナー文庫の貸出コーナー(2週間/50円)もありますもちろん、こちらのウリは本だけではありません。一杯一杯丁寧に抽出したハントドリップ珈琲もお店のイチ推しのひとつ。中でも『黒澤文庫ブレンド』(660円)は、コーヒー豆の輸入や販売を行っている「ミカフェート」のJose(ホセ)・川島良彰氏とコラボレーションした、スペシャルブレンドです。『黒澤文庫ブレンド』。ライトボディの「グッドモーニングブレンド」、しっかりとしたボディがありながらもコーヒーの果実味も感じられる「アフタヌーンブレンド」、深煎りならではのコクが楽しめる「ナイトブレンド」、各660円『黒澤文庫ブレンド』は朝・昼・夜で使用を変えていて、オープンから12時までは「グッドモーニングブレンド」、12時~17時までは「アフタヌーンブレンド」、17時~閉店までは「ナイトブレンド」と、訪れる時間帯で味と香りの変化を楽しむことができます。『こおり水』や『モーニングセット』など、気になるメニューがたくさん!コーヒー以外にもさまざまなメニューが楽しめます。まず、夏の暑い日に食べてほしいのが、秋田の夏の風物詩「こおり水」。昭和初期の秋田にあった老舗店の夏の名物だったかき氷のことで、そのレシピを継承。少し溶け始めた貫目氷を薄く削ることでふんわりきめ細やかな氷の食感を表現し、優しい甘さの白滝シロップを混ぜるなどして、その味わいを忠実に再現しているそう。定番メニューの『あずき白玉こおり水』715円『抹茶こおり水』825円『レモンこおり水』825円。他にも『コーヒーこおり水』825円、『梅酒こおり水』660円、『カルピスこおり水』660円、『カルピスぶどうこおり水』660円、『いちごこおり水』715円、『グレープフルーツこおり水』825円この日は『レモンこおり水』を頂いたのですが、ふわふわとした氷の舌触りと、さっぱりとした爽やかな味わいが暑い夏にピッタリでした。他にも、『あずき白玉こおり水』などの定番メニューに加えて、『コーヒーこおり水』や『レモンこおり水』など自家製シロップを合わせた全9種をラインナップ。店内にあるガレットの焼き台で焼き上げる『ガレット/コンプレット』990円『苺とホワイトチョコのマウンテンケーキ』869円※1日5食限定また、朝限定の嬉しいサービスも。毎朝10時半~11時までの30分間、ドリンクを注文した人のみ、「グッドモーニングセット」が無料で食べられます。セットの食事は、トースト3種(ゆで卵がついた『グッドモーニングトースト』、チーズ×蜂蜜の『ハニートースト』、毎朝変わるトッピングを楽しめる『月替わりチーズトースト』)から1種と、『ひと口デザート』、『小倉あんバター』、それに『ストロベリーヨーグルト』or『フレンチドレッシングのサラダ』が選べます。これが無料なんてとてもお得ですよね。アイスコーヒーの氷が溶けても味が薄まらない客席の目の前で注がれる、喫茶店名物のレモン水ほかにも、焙煎にこだわったコーヒーメニュー、『焼きカレー』(935円)や『煮込みスパゲティ』(935円)、『コーヒー小豆醤油ロールケーキ』(440円)や『黒澤文庫のシベリア』など、ボリューム感と手作りにこだわったオリジナルのフードメニューも数多く揃います。ショッピングの合間に、昭和レトロな文庫カフェでほんの少しの間、時間を忘れて昭和へトリップしてみてはいかがでしょうか。黒澤文庫【エリア】銀座【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】1,001円~1,500円【アクセス】日本橋駅
2021年08月06日黒澤明監督の『生きる』(1952年)が、『Living』(原題)としてイギリスでリメイクされることになった。「The Hollywood Reporter」などが伝えた。監督は、2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス、脚本は日系イギリス人小説家で、ブッカー賞とノーベル文学賞の受賞者カズオ・イシグロ(「わたしを離さないで」)に決定。イシグロ氏は「私たちの多くは毎日長い時間、机やパソコンの画面の前に固定される生活を強いられています。新型コロナウイルスが発生してからはなおさらです。そんななか、全体像を見ようとすると、自分のがんばりがどれだけ役に立っているか可視化できず、悩んでいる人もいます。そういった人たちの心に響く物語になると信じています」と語っている。『キャロル』のプロデューサーコンビのスティーヴン・ウーリー&エリザベス・カールセンが製作を行い、「黒澤プロダクション」も関わる。主演は『ラブ・アクチュアリー』で英国アカデミー助演男優賞、『ナターシャの歌に』でゴールデングローブ主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞したビル・ナイが務める。共演者にはNetflixの「セックス・エデュケーション」でエイミー役を演じているエイミー・ルー・ウッドが決まっているという。『Living』の舞台は1952年のロンドンで、主人公は第二次世界大戦後に公務員として働くウィリアム。机の上に山積みになっている書類仕事を目の前にしながら、彼は病により余命わずかだと悟る。死を目前としたウィリアムは、単調な人生に意味を見出だす冒険を始めるのだった。『Living』は来春、イギリスで撮影開始予定。(Hiromi Kaku)
2020年10月16日黒澤明監督作、映画『羅生門』の公開70周年を記念した展覧会が、国立映画アーカイブ 展示室にて、2020年9月12日(土)から12日6日(日)まで開催される。その後、2021年2月6日(土)から3月14日(日)までは、京都府京都文化博物館 総合展示室を会場に実施予定だ。日本映画界の巨匠、黒澤明の代表作『羅生門』1950年に劇場公開された映画『羅生門』は、今でこそ、黒澤明の代表作として知られるが、当時国内では、大ヒットにはならなかった。しかし、黒澤明の芸術的な野心が認められ、 1951年9月には、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、1952年3月には、米国アカデミー賞名誉賞を受け、国際的な評価を確立。黒澤の、ひいては日本映画の水準の高さを世界に知らしめ、戦後復興の象徴とも言える作品となった。『羅生門』を“徹底解剖”、名優たちにも注目『羅生門』の凄さは、黒澤の卓越した演出力はもちろん、それまでの日本映画の作り方を革新した数々のスタッフワークにある。さらに、出演キャラクターの人物像をくっきりと創造した三船敏郎・京マチ子・森雅之・志村喬といった名優たちの存在もまた、『羅生門』を“代表作”にした所以だ。本展では、世界初展示の品も含め、名スタッフの功績をデジタル展示も用いて紹介するほか、名優にも注目する。さらに、ヴェネチアでの受賞をめぐる当時の資料や、この映画が世界に与えた影響についても触れる。第1章:企画と脚本『羅生門』は、名脚本家・橋本忍が、デビュー前に書いたシナリオをもとにした作品であり、完成までには多くの変転があったという。第1章では、芥川龍之介作品への着目から始まったアイディアが映画の企画となり、ひとつの映画シナリオへと結実するまでを紹介し、橋本忍の脚本術を紐解く。第2章:美術第2章で焦点を当てるのは、製作時から話題となっていた映画美術。一見安上がりな企画だった『羅生門』が、撮影準備中、黒澤のイメージが膨らむことで、通常の予算を上回る巨大なものとなった、その背景に迫る。第3章:撮影と録音太陽に向けられたカメラや近隣の水道を止まらせるほど大量の水を使った雨のシーンなど、『羅生門』の撮影は、唯一無二のエピソードをもつ。第3章では、撮影の宮川一夫、スクリプターの野上照代の撮影台本を使った新しいデジタル展示の試みや、関係者のインタビューを交えながら、撮影の秘密を明かす。第4章:音楽『羅生門』前後の黒澤作品の音楽を手掛けた早坂文雄は、優れた作曲家というだけではなく、黒澤の創作活動にも影響を与えた。有名なボレロ形式のテーマの楽譜スケッチなど、貴重な資料を通じて、第4章では、映画の構成を活かした早坂独自の創作術をかいまみる。第5章:演技第5章では、限られた登場人物と複雑な構成を持つ『羅生門』を成功させた、俳優たちの多大な貢献に着目。時代を超えた名俳優たちが、本作にどのように向き合ったかを三船敏郎と志村喬の撮影台本や、京マチ子旧蔵写真アルバムなどで紹介する。第6章:宣伝と公開第6章では、初公開からヴェネチア国際映画祭受賞後の凱旋上映やリバイバル公開など、国内上映の軌跡を追う。特に、劇場公開オリジナルポスターや公開直前に開催された特別試写会など、金獅子賞受賞前の『羅生門』を伝える貴重な資料を揃える。第7章:評価と世界への影響1951年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞は、世界が日本映画を“発見”したと同時に、日本映画界が世界に通用する自らの実力に気づくきっかけとなった。最終の第7章では、ヴェネチア映画祭出品の経緯とともに、受賞後の反響と影響を多角的に紹介する。三船敏郎の生誕100年記念展では『羅生門』上映も関連企画として「生誕100年 映画俳優 三船敏郎」も2020年10月2日(金)から10月22日(木)まで同館の長瀬記念ホール OZUで開催。戦後日本映画を代表するスターとして活躍しながら、監督、プロデューサーとしても活動し、世界中に多大な影響を与えた三船敏郎の軌跡を追う。同企画では、『羅生門』の上映も実施される。【詳細】公開70周年記念 映画『羅生門』展(Rashomon at the 70th Anniversary)会期:2020年9月12日(土)~12月6日(日)会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)住所:東京都中央区京橋3-7-6休室日:月曜日開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)料金:一般 250円、大学生 130円※シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む※学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズはそれぞれ入室の際、証明できるものを提示※国立映画アーカイブの上映観覧券(観覧後の半券可)提示で1回に限り一般200円、大学生60円※2020年11月3日(火・祝)は料金無料■巡回展 京都会場会期:2021年2月6日(土)~3月14日(日)会場:京都府京都文化博物館 総合展示室住所:京都府京都市中京区東片町623-1※展示内容は一部変更になる場合あり【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2020年08月22日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『Curry Spice Gelateria KALPASI(カルパシ)』のジェラートとカレーです。予約の取れないカレーの名店、千歳船橋『Kalpasi』が下北沢に新たなお店を……と聞けば高まらずにはいられないが、それがジェラート屋さんだった時の嬉しい裏切りったらなかった。ラインナップするのは、カルダモンピンクグレープフルーツ(気になる…)、レモングラスヨーグルト(爽やか…)、マサラチャイ(絶対うまい…)など定番と週替わり含めて約8種。カレー作りで培ったスパイスやハーブ使いが炸裂するなめらかなジェラートは夏の大正解だった。「うちは2種盛りのダブルで味を選んでもらってます。シングルは置いてないの。南インドのミールスと同じで、混ぜて味を変化させるところに醍醐味があるから」と、店主の黒澤功一さん。店のコース料理の最後で出していたジェラート作りに夢中になり、いつか“カレー屋のジェラテリアを”と夢想してきた。マサラチャイはパキスタンの茶葉をしっかり煮出し、数種のスパイスにピリリとブラックペッパーの刺激が走る爽快さ。焦がしマスタードシードココナッツは南インドの定番ソース・ココナッツチャトニが発想源だという。「スパイスは熱してこそ、という視点もありますが、氷点下でもこれだけ香りと味が広がる驚きを味わってほしいですね。冷たくて甘い。だけどこれもカレーの一部だ!なんて言う人もいます(笑)」。カレーの鬼才が拓く道で出会うのは、未知と好奇心に満ちたおいしさだった。ジェラートW 各¥530と共にカレーも楽しめる。こちらはクートゥ(野菜のカレー)にレモンチキンカレーとマトンキーマカレーをセットにしたカレー3種盛り¥1,390。カレーで口を燃やし、ジェラートで冷やし、また燃やし冷やしの永遠ループにハマりそう。Curry Spice Gelateria KALPASI東京都世田谷区北沢2-12-2サウスウェーブ下北沢1F 11:30~19:00(カレーは16:00LO)木曜休インスタグラムは@kalpasi_shimokitazawaひらの・さきこ1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)※『anan』2020年7月29日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2020年07月24日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2020年秋冬ウィメンズコレクションは、同シーズンのメンズコレクションのイメージソースにもなった黒澤明の傑作とも言われる『蜘蛛巣城』がインスピレーションとなった。ウィメンズコレクションでは、主人公・鷲津武時に寄り添い、彼を翻弄した妻・浅茅を表現している。主人公・武時を翻弄し続けた妻・浅茅とは『蜘蛛巣城』は、合戦で手柄をあげた主人公・武時が、森で出会った老婆の予言を発端に欲望と狂気に溺れていく物語。武時が精神崩壊したその裏には、妻である浅茅の存在があった。浅茅は、その中で夫である武時の野望の裏で、自身の野望も満たそうと企み、彼を翻弄していく。映画の世界を再現する“和”のディテール物語の舞台は戦国時代。その世界観を顕著に表すのは和服のディテールで、それは、肩衣のようなフリルの装飾、着物のような重なりのガウンコート、袖丈が長く振りのあるアウター、袴のようなシルエットのワイドパンツといった具合に表現されている。コートやワンピースには、帯のような腰ひもが取り付けられ、バックスタイルには“結び”が存在する。浅茅といえば、怜悧で美しい妻である一方、どこまでも不気味であり、それが『蜘蛛巣城』をより印象深い作品にした要因でもある。今回のコレクションでは、アンダーカバーの真骨頂であるグラフィックの掛け合いによって、そんな彼女の魅力が引き出されている。特にゴシック的なエッセンスが強く、着物のようなシルエットのガウンは、ダブルフェイスのストライプ柄。オーバーサイズのムートンジャケットは、ダークなレースプリントをあしらった。シルエットも同じく中世ヨーロッパを想わせ、特に象徴的なのが取り外し式の袖だ。リボンを結び取り付ける片袖は、パフスリーブなど大胆なシルエット。チェック柄の中綿コートはバックロングの余韻たっぷりで、まるでトレーンを引くドレスのような雰囲気を纏う。パニエとチュールで膨らんだドレスルックは、裾にかけては大胆なグラフィックを纏いながらも、トップにはフェザーを無数にあしらうことで、まるで不穏な霧に包まれる風景すら浮かびあがらせた。
2020年05月09日仕事人間の市民課長・渡辺勘治が、胃がんを患ったことを機に、自らの人生を見つめ直していく黒澤明監督の傑作『生きる』。その初ミュージカル化が決定し、市原隼人が渡辺の息子・光男役でミュージカル初出演を果たす。【チケット情報はこちら】20代前半、ブロードウェイでミュージカルに興味をもちつつも、自らにはむかないとこれまでオファーを断ってきたという市原。今回そんな彼の背中を押したのが…。「30歳を超えたころ、自分が守りに入ったなと感じる瞬間があったんです。その時、すごく悔しくて、寂しくて、自分は何をやっているんだろうと。そこからもっと何かを掴みにいきたいという欲が出てきて。ただ実を言うと、これも1度はお断りしているんです。でも“俺また守りに入った!”と気づいて、追いかけるようにやることを決めました」その初ミュージカル作品が『生きる』であったことは、「素直に嬉しい」と市原は顔をほころばせる。「内容とは反するかもしれませんが、僕は見ていてとても興奮するんですよね。すべての人物が生き生きとしていて、映る世界がすべて楽しそうで、どの場面を見ても生活感や人間味が溢れんばかり。さらに一生懸命愛情を込めて息子を育て、その幸せを大切にし続けた父の想いが、胸の奥まで突き刺さってきて…。さらに今回はミュージカルということで、メロディという表現方法がより人の感情を動かすのだと、事前のワークショップを通して学びました」光男の父・勘治をWキャストで演じるのは、市村正親と鹿賀丈史のふたり。「それぞれ違う生き方をしてこられた方々だというのはすぐに感じられましたし、きっと出来上がる舞台もまったく違うものになると思います。ただ根本にあるものはおふたりとも同じで、ずっと何かを大事にし続ける、守り続けるものがあって、しかもその守り方がとても優しい。あと市村さんはとにかく楽しい方です。気がついたら市村ワールドに引き込まれていて、ずっと居たくなるほど(笑)。鹿賀さんは言葉は少ないですが、現場のすべてを見られている、とても真摯な方という印象です」市原にとってターニングポイントになりそうな舞台だが、観る者にとっても忘れられない感動の1作となりそうだ。「老若男女問わず、気軽に楽しめる舞台だと思います。それでありながら、生きることがより楽しく、より深くなる舞台。この機会を逃すのは本当にもったいないと思いますので、ぜひ劇場に遊びにいらしてください」ミュージカル「生きる」は10月8日(月・祝) から28(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。チケットの一般発売は6月9日(土)午前10時より。なお、現在、プリセールを実施中。受付は6月8日(金)午後11時59分まで。取材・文:野上瑠美子
2018年06月08日映画監督・黒澤明の没後20年を記念し、彼の代表作のひとつである『生きる』が、珠玉のキャスト、スタッフによりミュージカル化される。今秋の開幕を前に、都内で製作発表が開かれ、Wキャストで主人公の渡辺勘治を演じる市村正親、鹿賀丈史らが登壇した。会見冒頭にはキャストが劇中ナンバー4曲を生披露。まずは小説家役であり、ストーリーテラーの役割も担う新納慎也が、オープニングナンバーの「運命の曲がり角」を歌う。『生きる』をどうミュージカル化するのか、というのは恐らく多くの人が抱く疑問だろう。しかしこの1曲を聴くだけで、ミュージカルとしての『生きる』の道筋がくっきりと浮かび上がってくるよう。その繊細ながらも力強いナンバーは、これから始まる物語への期待感を大いに高めてくれる。続いてヒロイン・小田切とよ役のMay’n、唯月ふうか(Wキャスト)が歌うのは、アップテンポなナンバー『ワクワクを探して』。さらに新納とのWキャストで小説家を演じる小西遼生が、渡辺にとって大きな転機となるナンバー『人生の主人になれ』を熱唱する。そして最後に市村と鹿賀のふたりが登場。あの名シーンを彷彿とさせるブランコをバックに、本作を象徴する昭和の名曲『ゴンドラの唄』を哀愁たっぷりに歌い上げる。そんなふたりの歌声に、一般公募で招待された150名のオーディエンスも聴き入っていた。その後は作曲・編曲のジェイソン・ホーランド、演出の宮本亜門、歌唱披露した6名に加え、渡辺の息子・光男役の市原隼人、渡辺の上司である助役役の山西惇が一堂に会し、それぞれ作品にかける思いを語った。演出の宮本は、「これは悲しい作品ではありますが、“生きる”という喜びを心から味わえる作品。古いどころか、むしろ今の人々の心に一段と訴えるものが出来ると思います」と意欲を見せる。市村はかつて自分が演じる渡辺と同じく胃がんを患っていたことを挙げ、「こういう役がきたのも、芝居の神様の采配かな」と感慨深げ。鹿賀も「いい年齢の時に、本当にいい作品に巡り合えた。ぜひ自分のものにしたい」と意気込む。また市原は、体調が優れない自分の父親から教わったという「動けるうちにいろんな世界を見た方がいい」との言葉に背中を押され、これまで避けてきたミュージカルへの出演を決めたという。世界進出も視野に、ミュージカルとなって新たに生まれ変わる名作『生きる』。黒澤ファンならずとも必見の舞台になりそうだ。取材・文:野上瑠美子
2018年04月11日展覧会「国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」が、旧・東京国立近代美術館フィルムセンターの国立映画アーカイブにて、2018年4月17日(火)から9月23日(日)まで開催される。「旅する黒澤明」展では、世界的な映画史上の巨匠・黒澤明監督作品のポスターを、黒澤明研究家である槙田寿文の所蔵品より84点紹介。西欧諸国やアメリカをはじめ、東欧、アジア、ラテンアメリカ、中近東など世界30か国のポスターを一度に見られる貴重な展示となる。また、黒澤明監督と海外との関わりを示す資料など61点も展示し、その卓越した国際性にフォーカスを当てる。展覧会最大の目玉は、日本初展示となる、1962年の作品『七人の侍』の8枚組ポスター。西ドイツの名デザイナー、ハンス・ヒルマンによる、238×332cmにも及ぶ大作だ。また、黒澤作品として実現しなかった外国との合作映画『トラ・トラ・トラ!』のスタッフ用ジャンパーから、同じく映画化に至らなかった『黒き死の仮面』の英語脚本、各国の映画宣伝ツールであるプレスシートやロビーカードまで、レアな品々を一挙に公開。世界の視点から、黒澤明監督作品の魅力を体感することができる。【開催概要】国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより会期:2018年4月17日(火)~9月23日(日)休室日:月曜日、8月7日(火)~12日(日)、9月4日(火)~7日(金)開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)会場:国立映画アーカイブ ※旧・東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)※2018年4月1日(日)より「東京国立近代美術館フィルムセンター」から「国立映画アーカイブ」に名称を変更。住所:東京都中央区京橋3-7-6料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)/シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMAT パスポート所持者、東京国立近代美術館及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。 ※()内は20名以上の団体料金。※学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズはそれぞれ入室の際に、証明できるものを提示。※国立映画アーカイブの上映企画を観覧した当日に限り、半券の提示により団体料金を適用。※2018年5月18日(金)は、「国際博物館の日」(毎年5月18日)を記念して展示を無料閲覧できる。■トークイベント ・マンハッタンの KUROSAWA―アメリカの黒澤明事情開催日:7月21日(土) 講師:平野共余子(映画史家、元ジャパン・ソサエティ映画部門ディレクター)・展示品解説―映画ポスター史の視点から開催日:8月25日(土) 講師:岡田秀則(当館主任研究員)・クロサワはどのように世界で発見されたのか?-展示資料の読み解き方開催日:9月8日(土) 講師:槙田寿文(黒澤明研究家、本展出品者)■『生きものの記録』ダイレクトプリント上映上映日時:第1回 4月17日(火) 19:00/第2回 4月21日(土) 13:00【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年04月05日現在製作中のウェス・アンダーソン監督の最新作『Isle of Dogs』(原題)。日本を舞台にしたストップモーション・アニメーションとなる本作のアイデアには、黒澤明監督の名作と伝説のストップモーション・アニメーションが影響を与えているという。このたび、日本のファンに向け、アンダーソン監督本人からその件にまつわるコメントがシネマカフェに到着した。全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』(’14)の製作陣が再結集する本作は、2018年に全世界公開予定。全編にわたり日本を舞台とし、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険を、『ファンタスティック Mr. Fox』(’09)と同じくストップモーション・アニメーションで描き出す。声優陣には、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スィントンほかアンダーソン監督作品常連の豪華俳優たちに加え、新たにスカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーヴ・シュレイバー、コーユー・ランキン、オノ・ヨーコら多彩な才能が集結する本作は、ただいま絶賛製作中だ。先日、海外ニュースサイト「IndieWire」でのインタビューにおいて、最新作『Isle of Dogs』のアイデアの源泉について語ったアンダーソン監督。アンダーソン監督がまず挙げているのが、60~70年代にTVアニメ(ストップモーション・アニメーション)として一世を風靡した「ランキン・バス クリスマス スペシャル」。日本では「ルドルフ赤鼻のトナカイ」でもお馴染みだ。アーサー・ランキン・Jr.とジュールズ・バスによる「ランキン・バス・プロダクション」のもと、日本の人形アニメの第一人者・持永只仁(MOMプロダクション)が人形製作を手がけた。アンダーソン監督は、この作品を子どものころに夢中で見ていたそうで、「いつか自分でもあんな作品(人形アニメーション)を作って見たかったんだよ」と語っている。そして、もう1つアイデアの源泉として挙げているのが、黒澤明監督。本作を制作にするにあたり、黒澤監督への熱烈なる敬愛を余すことなく表明しているアンダーソン監督は、「新作『Isle of Dogs』は黒澤作品からの影響のほうが(ストップモーション・アニメーションより)大きいかもしれないね」と断言。そこで、今回特別に日本のファンに向け、アンダーソン監督本人にお気に入りの黒澤作品を聞いてみると、「もちろんお答えするよ!挙げるとすれば、『天国と地獄』『悪い奴ほどよく眠る』『酔いどれ天使』かな」と、意外にも混沌とした社会を見つめた人間ドラマやサスペンスが並ぶ。また、1つめに挙げた「ランキン・バス・プロダクション」は、日米合作作品も多く残しており、のちに関連会社が宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』の制作母体となったことでも知られている。黒澤監督同様、宮崎監督作品にも深い敬意を持っていると常々明かしているアンダーソン監督の日本文化への愛が伝わってくるコメントだ。日本を舞台というだけでなく、日本のエンターテインメントの源流にまで視野に入れた最新作で、どのような世界が展開されるのか期待が膨らむ。『Isle of Dogs』(原題)は2018年、公開予定。(text:cinemacafe.net)
2017年03月23日黒澤明監督が手掛けた1985年公開の映画『乱』が、この度デジタル修復を行い、『乱 4K』として4月1日(土)より公開されることが決定。これにあわせて、初出しビジュアルと予告編も到着した。戦国時代。猛将・一文字秀虎は七十歳を迎え、家督を3人の息子に譲ろうとする。乱世にも関わらず息子たちを信じて老後の安楽を求める父に異を唱える三男の三郎を、秀虎は追放してしまう。だが一の城と二の城の城主となった太郎と次郎は、三郎の案じた通り、秀虎に反逆し、血で血を洗う争いが始まる。その陰には、実の父と兄を秀虎に殺された太郎の正室・楓の方の策謀があった…。『乱』は、構想10年、製作費26億円をかけて挑んだ黒澤監督の晩年の最高傑作。キャストには仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、原田美枝子、宮崎美子ら日本映画を代表する俳優たちが登場し、アカデミー賞ほか国内外の映画賞を多数受賞するなど大ヒットを記録した。そして今回、2015年に最先端技術でデジタル修復を行い、本作の圧倒的なスペクタクルと映像美を、4Kクオリティの素晴らしい画と音で楽しむことができるようになっているという。そしてこのほど公開されたビジュアルと予告編は、今回の上映のために新たにデザイン・編集した初出しの完全オリジナル。ポスタ-ビジュアルは、激しく壮大な騎馬合戦を背景に、鬼気迫る表情でたたずむ仲代さんの姿が目を引くインパクトのある作りに。また予告編では、寺尾さん、根津さん、原田さん、ピーターなど豪華キャスト陣も加わり、ダイナミックで色彩豊かな映像や、愛憎にまみれた家族同士の争いを展開する名シーンの数々が盛り込まれている。世界を代表する巨匠が自ら、「ライフワーク」だと宣言した究極の反戦ドラマ。迫力たっぷりの4Kで体験できるこの機会を、ぜひ見逃さないでいて。『乱 4K』は4月1日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか順次公開。(cinemacafe.net)
2017年02月09日佳境を迎えた大河ドラマ「真田丸」とともに、先週9月22日(木・祝)より全国公開され、話題を集める『真田十勇士』。本作で印象的な衣装の数々を手がけた、黒澤明監督の長女である黒澤和子によるデザイン画の数々が、いち早くシネマカフェに到着した。本作は、“天下一の名将・真田幸村の伝説は、実は猿飛佐助に仕組まれたものだった!”という大胆な発想をもとに、壮大な世界観とアクション、濃密な人間ドラマを描ききる新たな時代劇エンターテインメント。関ヶ原の戦いから14年。天下統一を目前にした徳川家康と、復権を狙う豊臣家の対立を背景に、“天下に並ぶ者なし”の名将・真田幸村の実像(?)と猿飛佐助や霧隠才蔵ら“十勇士”の活躍を描き出す。総勢500名以上のエキストラが参加した広大な土地での大規模ロケや、大阪城、出城・真田丸の巨大なセット。そして、役者が体当たりで挑んだアクションは、ハリウッド大作も負けず劣らずの臨場感で早くも話題を呼んでいる。そんな本作で、縦横無尽に動き回る猿飛佐助役の中村勘九郎ら超豪華キャスト陣を華やかに彩るのが、黒澤和子が手掛けた色鮮やかな衣装たち。黒澤さんは、1988年から“黒澤組”の衣装を担当するようになり、90年『夢』で衣装手伝い、『八月の狂詩曲』(’91)、『まあだだよ』(’93)、さらに山田洋次監督『たそがれ清兵衛』(’02)、フランソワ・ジラール監督『シルク』(’07)、北野武監督『アウトレイジビヨンド』(’12)、三谷幸喜監督『清須会議』(’13)、是枝裕和監督『そして父になる』(’13)などの衣装を手がけ、世界的にも高い評価を集めてきた。最近では、大人気連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の衣装監修も担当している。本作では、真田の家紋としてお馴染み「六文銭」が入った佐助の真っ赤な甲冑をはじめ、くノ一の火垂(大島優子)が身に着けている青い衣装や、淀殿(大竹しのぶ)の絢爛豪華な着物など、彼女の手掛けた衣装の数々は、身にまとった個性的なキャラクターたちをより魅力あるものにしている。目にも楽しい衣装の数々にもぜひ注目してみて。『真田十勇士』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月26日『七人の侍』と『荒野の七人』を原案に、いま新たに7人のアウトローたちを描く『マグニフィセント・セブン』。このほど、『七人の侍』を監督した世界の巨匠・黒澤明監督の命日となる本日9月6日(火)に、本作の予告編とポスタービジュアルがついに解禁!さらに主演のデンゼル・ワシントンとクリス・プラットから、コメント映像も到着した。西部開拓時代。ローズ・クリークの町の人々は、バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で絶望的な日々を送っていた。エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心に、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、スナイパーなど7人のアウトローを雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が、金のためだけではなくなっていることに気づく――。世界の名だたる巨匠が師と仰ぐ黒澤明監督の代表作『七人の侍』(’54)と、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移してリメイクした名作ウェスタン『荒野の七人』(‘60)が、いま改めて個性豊かな豪華キャスト陣で現代に蘇る本作。メガホンをとったのは、デンゼルの主演作『トレーニング デイ』『イコライザー』や、ジェイク・ギレンホール主演の『サウスポー』で、男たちの重厚なドラマを描いてきたアントワーン・フークア監督。今回、『七人の侍』『荒野の七人』、どちらのDNAも受け継ぎながら、初のリメイク作品を手掛けている。ついに解禁された日本版予告編では、無慈悲にも街を荒らされ、嘆く女性エマのセリフから始まる。主演を務めるデンゼルが演じるサムは、「復讐を望む?」と問いかけるが、彼女は「正義を復讐は手段よ」と決意の眼差しを向けている。続く映像では、サムの華麗な銃さばきが目を惹くが、そこで「もう閉店なのか?」と話す男ジョシュを演じるのが、『ジュラシック・ワールド』など話題作に引っ張りだこのクリス。彼が演じるジョシュは、愛嬌たっぷりでコミカルではありながら、おとこ気も感じさせる愛すべきキャラクターだ。そして、「Heavy Young Heathens」の「House of the Rising Sun」がクールに流れる中、イーサン・ホークやイ・ビョンホンらが演じる最強のワルたちが次々に暴れまわる! 「ド派手にやろうぜ」のセリフ通り、銃撃戦、爆発、ナイフさばきなど、怒濤のアクションシーンが連発。賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士。個性豊かな7人のアウトローたちが、彼らの流儀で悪を裁いていくさまをスタイリッシュに映し出していく。デンゼルとイーサン、そしてフークワ監督といえば、『トレーニング デイ』以来、実に15年ぶりとなるタッグ。デンゼルにとって初めてのアカデミー賞主演男優賞をもたらした監督でもあり、本作ではどのようなコンビネーションを見せてくれるのかは要注目。ストーリーの詳細はいまだ謎に包まれているが、この予告編の迫力には期待が高まらずにはいられない。また、アカデミー賞の前哨戦として知られる第41回トロント国際映画祭でのオープニング上映、現在開催中の第73回ベネチア映画祭でのクロージング上映も決定しており、世界的にも大きな注目を集めている本作。デンゼルとクリスの息の合った様子も伺えるコメント映像から、まずは確かめてみて。『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月06日映画『マグニフィセント・セブン』が、2017年1月27日(金)に公開される。1954年に公開された黒澤明監督の映画『七人の侍』。そして、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移し、1960年にハリウッドリメイクされた名作ウェスタン『荒野の七人』。これら最高峰の作品たちを原案にリメイクしたのが本作である。監督は『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』など、重厚な男たちのドラマを描いてきたアントワーン・フークア。主演には『トレーニング デイ』『イコライザー』のデンゼル・ワシントン、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンなど、国際色豊かな豪華キャストが集結する。なお本作は、2016年のトロント映画祭ではオープニング作品、ヴェネツィア映画祭ではクロージング作品として評価を受け、アメリカ初公開では初登場第1位のヒットを記録している。全て本物の巨大セットで撮影し、可能な限り実際のスタントを演じたというリアル感あふれるアクション作品だ。■ストーリーバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で、ローズ・クリークの町の人々は絶望的な日々を送っていた。そんな中、エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心としたギャンブラー ジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを復讐のために雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が金だけではなくなっていることに気付く。【作品詳細】『マグニフィセント・セブン』(原題:The Magnificent Seven)公開日:2017年1月27日(金) 全国ロードショー監督:アントワーン・フークアキャスト:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2016年07月10日第28回東京国際映画祭内にて、来る10月26日(月)、「歌舞伎座スペシャルナイト」として黒澤明監督作『虎の尾を踏む男達』のニュープリント上映と、歌舞伎俳優・片岡愛之助による歌舞伎舞踊が披露されることがこのほど決定した。今年も10月22日(木)~31日(土)に開催される東京国際映画祭。今回決定した「歌舞伎座スペシャルナイト」は、昨年より映画祭の新たな試みとして実施され好評を博し、今年も実施される運びとなった。2回目となる今年は、日本映画の巨匠・黒澤明監督が歌舞伎十八番の内「勧進帳」を題材に、第二次世界大戦前後に企画・撮影した『虎の尾を踏む男達』を、ニュープリント、英語字幕付きで上映。終戦の年1945年に完成された本作は、日本の検閲官により7年もの間封印されていたが、一部のGHQ担当官たちの政治を超えた芸術に対する理解によって、上映禁止を解除された経緯をもつ作品である。本作の上映前には、歌舞伎のみならずテレビや映画、舞台で幅広く活躍する片岡さんによる歌舞伎舞踊「雨の五郎」を上演。「雨の五郎」は、歌舞伎ならではの艶やかな口説きや、豪快な立ち廻りなどの見所満載の演目として、歌舞伎通からはじめて歌舞伎を観る人でも楽しむことができる。また、当日は江戸時代から歌舞伎鑑賞での楽しみの一つであるお弁当が、「歌舞伎座スペシャルナイト」特製のスペシャルメニューとして提供される。戦後70年の今年、国境を越えて愛された日本映画の名作と歌舞伎舞踏が堪能できる一夜をぜひチェックしてみて。「歌舞伎座スペシャルナイト」は10月26日(月)、第28回東京国際映画祭内にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月14日