クリエイティブディレクターの三浦崇宏(みうら・たかひろ)さんが10代から70代までの年齢も性別も職業もバラバラの9人と対談した『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)が4月に発売されました。「何者」かってなに?「何者」かになったほうがいいの?今の時代特有の“しんどさ”って?仕事やコミュニケーションの悩みあるあるなど、3回にわたって三浦さんにお話を伺いました。答えを出すまでのスピードが速すぎる——第1回目で三浦さんが今の時代特有のしんどさとして「自分と向き合う時間がないこと」とおっしゃっていましたが、世界や自分に問いを投げかけるよりも答えを出すことを迫られている面もあるのではと思いました。三浦崇宏さん(以下、三浦):答えを出すまでのスピードがみんな速すぎるんですよね。「カレーとラーメン、どっち食いたい?」って言われて、「カレーです」ってすぐ答えるじゃないですか。でも、ラーメンかもしれないですよね。その瞬間はカレーかもしれないんだけど、本当にカレーかな?とか。体調悪いから今カレーだけど、本当はラーメン食いたかったのかもとか、いろんなエクスキューズがあるじゃないですか。つまり、みんな答えを出すのが速すぎて、そうじゃない可能性を検討する時間がなくなっちゃってるんですよね。——しかもすぐ答えたり、決断できたりするほうが“できる人”とされるからすぐに答えようとしちゃいます。三浦:でも本当は、その答えじゃない可能性もある。仕事論で「1週間寝かせて100点を目指すよりも、翌日70点のものを出せ」とか言われるじゃないですか。仕事はだいたいそうかもしれないですが、でも人生まではそうする必要はないですよね。——いつの間にか一緒に考えていました。三浦:今の彼氏と結婚したほうがいいんだっけ?しないほうがいいんだっけ?って。本当は100点を出したいんだけど、今の彼氏は70点だけど結婚しちゃおうみたいな。そうじゃない可能性もある。頭がみんな良いから、選択肢を勝手に絞って、その選択肢の中で勝手に答えを出してっていうのをすごいスピードでやってるんですよね。だけど、選ばないという答えもあるかもしれない。そもそもその質問が間違ってる可能性もある。その選択肢が合ってるのか?そもそも答えってあるんだっけ?とか、早いほうが本当に評価されるんだっけ?とか。いろんな検討要素があるのにも関わらず、みんな自分で勝手に切り捨てて、勝手に答えを出してるんですよ。でも人生は仕事や学校じゃないから褒めてくれる人なんて誰もいなくて、結局その答えを自分で引き受けなきゃいけないですよね。それがみんなしんどいんだと思いますよ。僕は会社のみんなに「前提を疑うことを前提にしろ」っていつも言うんです。例えば、ウートピの広告を作れ、予算は1,000万円でメディアはSNS、Twitterで女性向けにって言われたら、そもそも女性向けでいいんだっけ?男性も読むかもしれないじゃんって。男性と女性を分ける意味あるんだっけ?とか。1,000万円って言うけど、PVを3倍にしたいんだったら3,000万円かかるし、その3,000万円で別のメディアにしてタイアップしたら回収できるじゃんとか。そもそもTwitterとかSNSがいいんだっけ?みたいな。もっと言うと、ウートピの広告って言ってるけど、そもそも女性がメディアを見る習慣を作らなきゃいけないから、ウートピだけの広告を作ってもしょうがないんじゃない?とか。与えられた前提のすべてをもう一回疑い直すのが大事だと思います。——受験勉強もそうですが、そもそもの質問や問題文を疑うことをしないんですよね。三浦:所与の条件の中で最適解を出すことが、知的な態度だと思われているけれど、所与の条件そのものを考えることのほうがはるかに知的なんじゃないかって。学校ではテストがあって一番早く正解を出した人が勝ちだけど、現実世界ではそのテストを解いてる間に映画を見てるやつのほうが感性が豊かになって、結果人生得してるなんてことがいくらでもあるじゃないですか。だから、前提を疑うのがすごく大事。そのためには、すぐに答えを出さなきゃいけないとか、目の前にあるものの中から選ばなきゃいけないってことを、一回壊す必要がある。——早速、答えを聞いてしまいますが壊す方法は?自分で意識していくしかないのでしょうか?三浦:そうです、自分で意識するしかない。結構みなさん、魔法の杖みたいに思っちゃうんだけど。この記事を読んだから、明日からすべてのものを疑うようになるとか。——思っちゃいますね。三浦:別の取材でも「忙しい中でどんなふうに本を読んでいるんですか?」って聞かれたんですが、ないんですよ、そんなの。「仕事の量を減らさないでゆっくり眠れて本も毎週5冊読める特別な方法」みたいなことはないんですよ。睡眠時間を削るしかないです。だから、前提を覆すことを前提にしろって言いますけど、簡単に言うと、毎朝唱えるしかないですよね。——結構地道なんですね。三浦:地道、地道。僕も毎週のように、「前提をぶっ壊すことが前提なんだよ」って仕事のときに言いますし。やっぱり繰り返していくしかないですね。「これから初めてユーミンを聴ける幸せな人たちへ。」が教えてくれること——学校と言えば、「できないことをできるようにしましょう」と言われてきた人も多いと思うのですが、それについてはどう思われますか?最近は「できるところを伸ばしましょう」と言われることも多いですが。三浦:基本はできることだけ伸ばしていけばいいんだと思います。世の中パズルなので、僕ができないことが得意な人はいくらでもいるので、全部できる必要はないかなって。ただ最近ちょっと思ったのは、できないことを楽しむことができたらもっといいなって。——どういうことですか?三浦:何かの広告のコピーで、「これから初めてユーミンを聴ける幸せな人たちへ。」っていうのがありましたが、面白いなって。それと同じように「フットサルができない幸せ」とか「パワポで資料を作るのが下手っていう幸せ」もあると思ってる。いつかいい年こいて、趣味として始めることもできるじゃないですか。——確かにそうですね。三浦:できないことがストレスと思ってるからいけなかったんだなって。できないことを楽しめるようになったら、もっと面白いですよね。できるほうが偉いって思ってたから、できないことが良くないって思ってたんですけど。もちろん仕事はできたほうが偉いし、早くてうまいほうがいいので、仕事では良いところだけ伸ばせばいいと思うんですけど、日常生活ではできないことがあったとしても、それを人一倍楽しめるスタンスであってもいいんじゃないかって。「早い!」「うまい!」ばかりが求められて褒められてきた世の中なので。それをやってること自体が楽しいって思えたら無敵なんだと思います。(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)■連載を最初から読む【第1回】隣の芝生がめちゃくちゃ青い…今の時代特有の“しんどさ”って?【第2回】つい「何か面白いことしましょうよ!」って言っちゃいがちな人へ
2021年05月18日クリエイティブディレクターの三浦崇宏(みうら・たかひろ)さんが10代から70代までの年齢も性別も職業もバラバラの9人と対談した『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)が4月に発売されました。「何者」かってなに?「何者」かになったほうがいいの?今の時代特有の“しんどさ”って?仕事やコミュニケーションの悩みあるあるなど、3回にわたって三浦さんにお話を伺いました。【前回は…】隣の芝生がめちゃくちゃ青い…今の時代特有の“しんどさ”って?別れ際は「ご機嫌よう」って帰ればいい——ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんとの対談が一番しっくりきました。というのは、「相手の時間を奪うことについてすごく繊細」「人にお願いごとをするのが苦手」とかウートピの読者にとっても“あるある”なのではと思ったんです。「ご飯行こうね」と社交辞令で言ってしまって後悔するとか……。三浦崇宏さん(以下、三浦):「今度ご飯行こうね」っていうサヨナラがあるじゃないですか。やりたいことと、言いたいことしか言わないって決めたらいいんじゃないですかね。本気で「今度ご飯行こうね!」って思ってたら言えばいいし。——逆に、言ってしまったら社交辞令で終わらせないでちゃんと行ったほうがいいのでしょうか?三浦:うん、でも言わなくていいと思うんですよね。「ご機嫌よう」って帰ればいい。ビジネスパーソンの男性がよく言うのが、「何か面白いことしましょうよ」。でも、そう言っている人たちが一緒に面白いことしてるの見たことあります?ないですよね。だったら言わなくていいですよね、そんなウソ。「ご機嫌よう」でいいじゃないですか。だから、本当にしたいこと以外、口にしないって決めたらいいんですよ。頼られるってそれだけでうれしい——人にお願いするのが苦手というのもすごく共感しました。三浦:龍崎さんにもまったく同じことを言ったんですけど、「頼る」コミュニケーションもあると思うんですよね。頼られるってうれしいんですよ。「今度こういうことあるから、手伝ってくれない?」とか「教えてほしいことがあるんだけど」って言われると自然にうれしいじゃないですか。もっと言うと、この人に必要とされていることだからうれしいんですよ。自分が頼みごとをされたり相談されたらうれしいのに、自分が頼む側になると忘れちゃうんですよね。——そうなんです。自尊心が低いんでしょうか?こんな私がお願いをするなんて申し訳ないと思ってしまう。三浦:うーん、自尊心もそうですし、臆病というか、自分が傷つくくらいだったら自分でやったほうがマシって思っているのかもしれないですね。僕、一応「The Breakthrough Company GO」って会社の社長なんですけれど、みんなが仕事をしているときに「昼飯行こうぜ」って言っても本当に誰からも返事がないときがあるんです。これって恥ずかしいですよね?インターンの学生の前で社員6人くらいに「飯行こうぜ」って誘ってみんなから無視されることもあって、インターン生から言われるんですよ。「三浦さんって、意外にあまり尊敬されてないんですね」みたいな。割とド直球で言われるんですよ。「え?まあそうね」みたいな。まあそうやって傷つくのが嫌だから、最初から誰も誘わないで一人でご飯行く人が多いんじゃないかな。でも、タイミングが合わなかっただけで、誘われるのがウザいとまでは思ってないと思うんですよ。断ればいいだけなので。だから、頼まれたり誘われたりすることは、そもそも気分が良いことなんだってことを知っておいてもいいのかもしれない。——言われてみればそうかもしれないです。三浦:インスタで知り合いがみんなで旅行に行ってるのを見て、たとえ自分は都合が悪くて行けなかったとしても声かけてほしいと思いますもん。行けないけど誘ってくれてうれしいってあるじゃないですか。だから、頼んだことに対して相手が受けてくれなかったとしても、頼むこと自体が相手を一つ喜ばせてるって思ったほうがいい。あなたは私にとって必要だよってことだから。——さっきのランチに誘って誰もこないとき三浦さんは傷つきますか?三浦:もう慣れてきちゃいましたけど、みんなに断られると悲しい気持ちにはなりますよね。——それって慣れですか?三浦:慣れもあるし。でも1回1回ちゃんと傷ついていったらいいんじゃないですか?傷つくってすごい体験——結局傷つきたくないって思っちゃうんです。三浦:失恋もそうだけど、いや、格闘技のほうがいいかな。僕はすごく格闘技が好きなんです。応援してる青木真也さんや昔だったら桜庭和志さんとか有名な選手がいるんです。そういう応援している人が負けるとまるで親が死んだくらい落ち込むんですよ。悲しいなって思うんですけど、ある日ふとした瞬間に気付いたのが、なんで俺はこんなに金を払って悲しい思いをしなきゃいけないんだろうって……。でも、冷静に考えたら、親も誰も死んでないし、金も損してないし、なのにこんな悲しい思いができるってすごく幸福なことだなって思ったんです。それと同じように、たとえ失恋したとしても傷ついた経験自体は、すごく大切なことだと思うんですよね。悲しかったりつらかったりしても、それを体験した事実自体はプラスだと思う。お金をだまし取られたとか暴力をふるわれたとか、そういうことじゃない限りは。僕はよく「ライフ・イズ・コンテンツ」って言うんですけど、自分の人生を物語だと捉えたときに、傷ついたことってすごく大事なシーンだなって思える。たとえ悲しいことがあったとしても。——ちゃんと傷つくことが大事なんですね。第1回でもおっしゃっていた「自分に問いかけてみる」とつながる気がします。三浦:そうだと思います。なんで私こんなに悲しいんだろう?あの人のことが本当に好きだったんだなって思えたら、すごくすてきなことだと思います。※次回は5月18日(火)公開です。(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)
2021年05月13日クリエイティブディレクターの三浦崇宏(みうら・たかひろ)さんが10代から70代までの年齢も性別も職業もバラバラの9人と対談した『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)が4月に発売されました。「何者」かってなに?「何者」かになったほうがいいの?今の時代特有の“しんどさ”って?仕事やコミュニケーションの悩みあるあるなど、3回にわたって三浦さんにお話を伺いました。「頑張りたくない私はダメなの?」女性に届いてほしいと思ったワケ——『「何者」かになりたい』は三浦さん初の対談集ですが、改めて女性読者も意識されたと伺いました。女性に読んでほしいのはなぜですか?三浦崇宏さん(以下、三浦):これまで3冊本を出してきたんですが、読者は男性が中心だったんです。それはありがたいことだし、今の世の中で男性と女性とで分けるのはナンセンスかもしれないですが、これまで僕の本を手に取ったことがない人にも届けたいと思って「女性にも読んでほしい」と考えました。——どんな女性たちに読んでほしいですか?三浦:現状、女性のほうが選択肢が少ないと思うんです。女性の場合は結婚や出産というライフイベントが働き方にどうしても影響してくる。だから女性がチャレンジすること自体がハードル高く感じられるというか、頑張ること自体がリスクだと思っている人が多いのかなと感じています。これは僕の友人の女性が言っていたんですが、「私はそこまで頑張りたくない。世間では頑張ることを良しとする風潮があるけれど、じゃあ頑張りたくない私はダメなの?」って。これはどちらが正しいとか正しくないとかではないと思うんです。頑張りたい人は絶対頑張ったほうがいいし、頑張りたくない人は頑張らなくてもいいと許されてもいいし。でも今って、正しいこととそうではないことがキッパリとあるような空気があって、頑張りたい人も頑張りたくない人もどちらも自分が否定されているような気がして悩んでいるんじゃないかな?と思ったんです。——確かにそんな空気を感じます。三浦:そうですね、だから、この本もいろいろしんどいことがあるけれど、その“しんどさ”に対して答えを出すよりは「俺も分かんないんだよね」みたいな寄り添う本にしたいと思いました。世の中や社会の中で居心地が良くなる本になるといいなって。一人一人と向き合って初めて見えてくる真実——ライターのくつざわさんやホテルプロデューサーの龍崎翔子さん、「ほぼ日」の糸井重里さんら9人のリーダーと対談していますが、対談形式にしたのは?三浦:対談形式にした理由は3つあります。一つは、どんな人でも悩んでいることを伝えたくて。一番のきっかけになったのはくつざわさんで、彼女は僕の友人でもあるのですが、すごく苦しそうに見えたんです。今はわりと肩の力が抜けたのかなと思っているんですけれど、当時はすごく苦しそうだった。——苦しそうというのは?三浦:例えば「お茶とオーツミルクどっちが飲みたい?」って聞いたら「私、いくつかの視点から検討していろいろ考えたんですけど、市場のトレンドから考えるとオーツミルクが飲みたいと思うんです」って答えちゃうみたいな……。もちろん例えなんですが、そういう感じの回答をしてくる子だったんです。僕もたまにあるから分かるんですけれど、ごまかしているときとか自分をよく見せたいときの話し方って何となく分かるんです。僕自身も基本的に同じようなことで悩んでいたりするから、ちょっと長く生きた分だけ何か伝えられることあるんじゃないかなと。二つ目が、亡くなってしまったのですが、博報堂時代に小沢正光さんというクリエイティブディレクターの大先輩がいたんです。その人が言っていたことで僕が今でも大事にしているのが「イノベーションは現場からしか生まれない」。ポン・ジュノ監督が『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞監督賞を受賞したときにマーティン・スコセッシの言葉を引用して「最も個人的なことは最もクリエイティブなこと」とスピーチした内容とも重なるのですが、普遍的真理って個別に真剣に向き合ったときに初めて見えてくるものだと思うんです。「人間の真実って何だろう?」と言ってても全然思いつかないけれど、(対談相手の)カツセマサヒコさんや佐渡島庸平さんとか一人一人と話していくうちに人間の真実が見えてくるというか……。いろんな人と個別に向き合っていくことでしか見えてこない今の時代共通の真実があるんじゃないかなと思ったんです。三つ目は、同じ人とずっと話していても飽きちゃうから。今回対談した人は年齢も職業もみんなバラバラなんですが、話していて本当に面白かったです。9人との対談を通しで全部読んでいくうちになんとなく見えてくるものがあればいいなと思いました。隣の芝生がめちゃくちゃ青い時代を生きている——対談で見えてきた今の時代特有のしんどさがあるとしたらどんなものでしょうか?三浦:今の時代特有のしんどさって二つあると思うんです。一つは比べてしまうことですね。選択肢が可視化されているでしょう。例えば、結婚したあの子と仕事を頑張ってる私みたいな。TwitterとインスタとFacebookを開けば、その人が何してるか分かっちゃうから。——全部分かっちゃいますね。三浦:それが全部じゃないんですよ。みんないいことだけアップしてる。旅行とか誕生日会とか良いことばかりあげているんですよ。でも自分の人生って当然トイレにも行くし、絶望もするし、風呂も入り忘れるし……。——ああ、メイクしたまま寝ちゃうし……。三浦:そういうことのほうが多いじゃないですか。だから今って他人の芝生がめちゃくちゃ青い時代を生きている。すぐ他人と比べちゃうし、相手の良いところしか見えてないからすごく負けたような、自分が間違っているような気がしちゃう。互いに良いところしか見せ合わないし、必要以上に他人と比較しちゃう。必要以上に自分の人生よりも他人の人生が良いって思いがちな時代。それが一つのしんどさです。もう一つのしんどさは、自分と向き合う時間がなくなってること。朝起きてから会社に行って、LINEのやりとりやTwitterやインスタを更新して、仕事のタスクに追われて、終わったらヨガとか習い事をして、帰ってきて洗い物して、寝る前にストレッチしてお風呂入るじゃないですか。本当に今私この仕事楽しいと思ってるかな?とか、今引っ越ししたいって思ってるのかな?とか自分のことを考える暇はないですよね。自分のことを一番置き去りにするじゃないですか。——してますね。それでみんな自分が何したいか分からないって言いますよね。三浦:そうそう。でも、自分が何したいか分からないじゃないんですよ。自分が何したいかを聞く時間をみんな持ってないんですよ。——自分に聞いてないってことですか?三浦:そうです。一人になって、「あれ?この本、本当に読みたかったっけ?」とか、「本当にこの仕事したかったっけ?」とか自分に聞いていない。面倒くさいから今の仕事してるだけ。辞めるのが面倒くさいんですよ。辞めたり、転職先を探したり、人に相談することのほうがはるかに面倒くさい。だったら今目の前にある仕事を頑張ったほうが楽なんですよ。だけど本当にそれをやりたいかは、また別の話ですよね。——確かに転職するのって面倒です。エージェントに登録して職務経歴書を更新してとかいろいろ考えるとこのままでいいかって思っちゃう。三浦:そう、忙しすぎて、他の人からの要望や他の人との連絡が多すぎて、自分という他者の存在のことをないがしろにしてしまっている。自分のことが一番自分で分からない時代。その二つだと思います。他人と比較してしまうことと、自分のことをちゃんと思いやったり、自分のことをちゃんと考える時間がなくなってる。この二つが今一番しんどいんじゃないですかね。「そうだね、シャワー浴びたいね」っていう本——三浦さん自身は自分に問いかけますか?今自分が何をしたいのかとか。三浦:僕は自分で自分に取材するようにしてます。自分と向き合わざるを得ない時間をどうやってつくるか。多分、サウナがはやってるのもそれだと思います。そういう時間を持ちたいってみんな思ってるんじゃないですかね。だからこの本もそんなことを考える助けになればいいなと思いました。『「何者」かになりたい』というタイトルですけど、何者かになったほうがいいよっていう意味じゃなくて、何者かになるってどういうことなんだろう?そして、なったからって本当に幸せなんだろうか、いや意外とそんなことないよっていう本なんですよ。何者かになりたい、本当はなりたくないかもしれない。でもちょっとなってみたい、みたいな案配というか。今まで何冊か本を出してきましたが、こういうふうに学んだほうがいいよ、こういうふうにしたほうがいいよっていう“上から系”の本が多かったのですが、今回は寄り添う形を意識しました。これって俺も分かんないけど、あなたも分からないんだねって。分からないことを確認し合う本です。——「しんどいよね」って言い合う感じですね。三浦:そうそう。恋愛相談と一緒です。「彼氏のこういうところが気に入らなくて」って相談されたときに「じゃあ別れなよ」って言う必要は全然なくて。むしろ本人はそんなこと言ってほしくなくて。「そうなんだ」「そこが気に入らないんだね」ってことですよね。僕もお付き合いしてる人に、「忙しくてシャワー浴びる時間もない!」って言われたときに「じゃあ15分早く起きればいいじゃん」って言ったらすごく怒られたんです。「じゃあなんて言えばよかったの?」って聞いたら「そうだよね、シャワー浴びたいよね」でいいって……。それ以来、彼女に何を言われても、「そうなんだ、シャワー浴びたいね」って言うようにしてますね。そんな感じのシャワー浴びたいねっていう本です。※次回は5月13日(木)公開です。(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)
2021年05月11日「ベター・コール・ソウル」「ブレイキング・バッド」の冴えない弁護士役で知られるボブ・オデンカークが主演、“何者でもない”主人公が痛快なハードボイルド・アクションを繰り広げる『Mr.ノーバディ』。この度、日本版ポスター&日本版予告映像が完成した。『ジョン・ウィック』シリーズの生みの親、脚本家デレク・コルスタッド、全編主人公目線のカメラワークで展開する挑戦作『ハードコア』のイリヤ・ナイシュラー監督がタッグを組んだ本作。日本版ポスターは、妻や息子からも相手にされないダメな父親で、一切コトを荒立てることなく何かに歯向かうこともない、ひたすらに地味な“何者でもない”(NOBODY)主人公のハッチが、顔一面に負傷を追いながら鋭い目線でこちらを睨みつける鮮烈な仕上がり。「火曜日、ゴミ当番。愛車は路線バス」と彼の退屈なルーティンを示したコピーが強烈に目を引く。併せて完成した日本版予告でも、家族にも隣人にも街のチンピラにもナメられまくるハッチが、ついに積年のストレスを爆発させた瞬間、有名アクションヒーローたちも顔負けの暴れっぷり。向かってくる敵をひたすらブチのめしまくる姿が映し出されており、センセーショナルな痛快アクションに期待が高まるばかりだ。冴えない中年男の主人公を演じたボブ・オデンカークは、プロデューサーとしてもこの作品に参画。従来このような映画では、悪者が自分よりもタフな“間違った男”に手を出してしまったことが発端となることが通例だったが、本作でボブが描こうとしたアイディアは、悪者が本来反撃なんてするはずのない“正解の男”に手を出したとしたら?というもの。「これまでにやったことのないような映画にしたいと思っていた。ハリウッドをよく知っている人なら、『Mr.ノーバディ』のような個性的な映画が作られる可能性が低いことを知っているだろう。最初から自分でスタントをやりたいと思っていたし、現代の最高のアクション俳優とまではいかなくても、それに匹敵するスタントをやりたいと思っていた」と、ボブは語っている。『Mr.ノーバディ』は6月11日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Mr.ノーバディ 2021年6月11日より全国にて公開© 2021 Universal Pictures
2021年04月22日女優の美山加恋が24日、東京・天王洲銀河劇場で行われた舞台『何者』の公開ゲネプロに、共演の阿部顕嵐(Love-tune)、長妻怜央(Love-tune)、鈴木勝大、宮崎香蓮、小野田龍之介、演出の丸尾丸一郎とともに登場した。同作は作家・朝井リョウによる同名の直木賞受賞作を映画化。就職活動を通して自分が何者かを模索する大学生の姿をヒリヒリと描く。2016年10月には、佐藤健主演で映画化された。舞台版の脚本は黒岩勉、演出は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が務める。美山は意識高い系女子・小早川理香を演じ、主演の阿部と緊迫感のあるシーンを演じきった。作品に合わせて、もしこの職業に就いていなかったらどの仕事がしたいか? という質問に、美山は「物心つく頃からこのお仕事してたので……」と悩みつつ、「『パティシエになりたい』って思った気がします。甘いもの作るのが好きだったので」と明かす。声優を務める『キラキラ☆プリキュアアラモード』でもパティシエに縁がある美山だが、稽古場には手作りの菓子などの差し入れをしていない様子で、阿部は「ケーキ待ってます」と期待を寄せた。また、阿部が「僕たちの仕事は家にいる以外は面接のようなもの。面接には慣れてると自負はしているんですけど……美容師ですかね」と答えると、小野田が「前置きはなんだったんだ!?」と的確なツッコミを入れる。さらに「すごい、いいのありますよ!」と自信を見せた長妻が「お母さんが履歴書を送ってしまったのが事務所に入ったきっかけだったので、最初の雑誌で将来みんなが『デビューしたい』とか書いているのに、俺、『消防士になりたい』って書きました」と明かすと、鈴木から「それとっておきの話だったの?」、小野田から「長妻くんが『いいことあります』と言った時は大概こんな感じ」とつっこまれていた。しかし小野田も「強いて言えば焼き鳥屋さん。串に鳥を刺す時、気持ちよさそうじゃないですか」と答え、周囲から「怖い怖い!」と総ツッコミを受ける。一方宮崎は「普段スーツを着ることないので、なんでもいいからスーツを着る仕事をしたいなと思います」と希望を語った。“高いビルフェチ”で「きれいな女性を見るのと同じ感覚でビルを見ている」という鈴木は、「職業というよりも、高層ビルで働いてみたいなと思います」と願望を明かす。「入構証をもらって、改札機みたいな機械に入って、外から透けて見えるエレベーターに乗りたい」と語り、「エリアでいうと、汐留が好き」と告白していた。
2017年11月24日●苦悩を身体で表現するアプローチも就職活動中の大学生たちが繰り広げる関係を、SNSなどの要素を絡めて描き、第148回直木三十五賞を受賞した朝井リョウの傑作『何者』。2016年10月には、佐藤健主演で映画化もされた同作が、11月25日より舞台で上演される。ジャニーズJr.内のユニット・Love-tuneの阿部顕嵐(あらん)が主演を務める同作は、キャストを実際に大学生に近い同年代でそろえ、新たな表現を見せるという。就職活動がひとつのフックともなっている同作は、マイナビニュースとしても気になる存在。今回は、演出を務める丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)に話を聞いた。○現代的な切り口に新たな挑戦――今回は朝井リョウさんの小説の舞台化ですが、原作についての印象はいかがでしたか?ビシバシと、物語と感情と人格が伝わってくる、すごく現代的な作品で面白かったですね。就活やSNSという部分を切り取ることで、生きるスタンスを表現できるんだ、と思って。映画版も観に行ったら満席で、若者から共感を呼んでいる作品だなと実感しましたね。――そういう「現代的な切り口」を舞台上でどう表していくのでしょうか。ふだんの舞台で映像を使ったことなかったんですが、今回は新しいことにもチャレンジしなきゃいけないと強く思いました。Twitterという現代的な感覚を、いかに舞台装置に落とし込むかという点が大きくて、これは映像を使わない手はないな、と。その上で映像だけに頼らず、様々な演出でお客さんと感情を共有できるように、原作を舞台に落とし込んでいきたいと考えています。――今回は出ている方も、もしかしたら観に来る方も作中の人物と同年代くらいなのかなと思いましたが、どうアプローチされるんですか?キャストに最初に伝えたのは「僕は演出家だけど、一方的な先生みたいなことはできないし、わからないことはキャストに聞くよ」ということでした。「君だったらどういう感情になるの?」とキャストに聞いて、一緒に作っていく感覚ですね。今の22歳の感覚なら、僕より顕嵐くんの方が絶対に知っているだろうし。――キャストから出てきたことで、はっとさせられたことなどはありましたか?例えば拓人の立ち位置についての議論や、キャラクターがどういうスタンスでいるのか、周りで起こっている出来事をどう見ているかといったことは、キャストの言葉で、はっとさせられることが多いです。特に大きかったことで言うと、舞台上では今回出てこない、烏丸銀次という役をどうするかは、話し合いを進める上で、最初に考えていたプランとは変わりました。○各キャストの印象は――今回出演される6名についてお話を伺えればと思います。二宮拓人役として主演を務める、阿部顕嵐さんについての印象はいかがですか?顕嵐くん、実は最初は心配はしていたんです。拓人の物語が一本の筋となっているので、顕嵐くんがどういう人かによって舞台が大きく変わるなと思っていて。でも、僕がイメージしていた表現ができるし、今回最後にやろうとしている、拓人の苦悩を身体で表現するということのアプローチも、できそうだと思う。だからすごく舞台『何者』の可能性が広がりました。顕嵐くんは、可能性の男だなと思っています。――阿部さんの存在が作品の可能性を広げているんですね。舞台の王道である、笑って泣いて共感して、何か新しいものを持って帰ってもらうということ、お客さんが劇場を出たときに、入る前と変わった気持ちを渡すということ。それが、顕嵐くんを通してできる気がしています。顕嵐くんは僕が行こうとしているところも理解してくれているし、顕嵐くんの行きたいところも僕は理解していて、お互いに明確に行先が見えている感じです。――続いて小早川理香役の美山加恋さん、今回は意識高い系女子ということで。お芝居の基礎ができているし、求心力がある女優さんだなと思います。あとは加恋ちゃんの新しいものを見せたいですよね。せっかく演出をさせてもらって、この舞台に出ているのであれば、なにかしら今までの加恋ちゃんにないものが、お客さんの中で作られるような部分を見せてあげたい。壊れる加恋ちゃんを見せたいなと思っています。●就活独特の強迫観念や焦りを理解してもらう○出演者に化学反応を――ちょっと斜に構えている宮本隆良役の、長妻怜央さん。阿部さんと同じユニットのメンバーなんですね。怜央くんも、本当にポテンシャルがすごいんですよ。つい見ちゃう。もちろんまだ、演技について知らないこともあるし、基礎を固めていかないといけない部分はあるんですが、怜央くんがそういう武器を持った時の強さが見えるから、少しでも高みに連れていけるような演出家になりたいなと思っています。顕嵐くんと怜央くんの同じユニットの安井(謙太郎)くんとは前に作品で一緒になったことがあるんですが、安井くんからは「うちの顕嵐と怜央がお世話になるのでよろしくお願いします」って、保護者みたいなメールがきました(笑)。――舞台経験はあまりないけど、それだけポテンシャルがあるんですね。まず、持って生まれたものがある子なんです。神様からのギフトを持っているから、まだ経験値がないだけであって、経験さえ積めば僕らでは手の届かないところに辿り着けるんじゃないかなと思います。――神谷光太郎役の鈴木勝大さんは、映画『帝一の國』などでも注目されていますね。勝ちゃんは、今回すごく頼りにしています。ガラッと場の空気を変えられる役者さんなんです。光太郎という役も実際そういうキャラクターだし、勝ちゃんが現れることによって、冷たい部屋が明るくなったり暖かくなったり、笑っちゃうような景色が見えたりする。笑える部分の雰囲気は、勝ちゃんが作ってくれますね。――それは、本人の資質も関係するものですか?ありますね。パンっと声が出て、カラッと心の状態を変えられる役者さんなんです。役者さんにもいろんなタイプがいて、徐々に変えていける人もいれば、ベタッとしたところが持ち味の人もいますが、勝ちゃんはカラッと変えていける人だと思います。――拓人から思いを寄せられる、田名部瑞月役の宮崎香蓮さんについてはいかがですか。ザッキーはすごく等身大の人、という印象です。もともとの才能よりも、努力で進んできた人だと思うんです。だから真摯に役に向き合えば、お客さんが最も感情を入れやすく、そこが武器になるはずです。ザッキーが舞台上で輝くと、お客さんはすごく勇気を持てるんじゃないかな。――サワ先輩役の小野田龍之介さんは、もうかなり経験も豊富で。もう、演出家にとって、役者というだけではなくて"参謀"みたいな感じですね。的確なことを言ってくれるし、この座組にいてくれてよかった。龍ちゃんには、みんなの声のトレーニングもやってもらっているんです。昔、鴻上(尚史)さんに「小劇場出身の役者は、無免許運転みたいなもの」と言われたことがあるんですが、僕らは演劇研修所とかでトレーニングを積んだわけじゃなくて、「アクセルふんだら進むから!」みたいな感じで公道を走っている状態(笑)。でも龍ちゃんは子どもの時からトレーニングを積んできていて、いわば免許皆伝です。だから、免許を持った参謀です。――色々なバックグラウンドの方がいる舞台ですよね。そうなんです。だから化学反応を起こさせて、強い作品をつくりあげていけたらと思います。○就職活動のリアリティも必要――「就職活動」がキーになる作品をステージ上で表すにあたって、演出でのポイントや、難しさはどのようなところですか?ショーアップされて見せる演出も考えています。しかし就活独特の強迫観念や焦り、そして同じ就活生でも色んなスタンスの人がいるという雰囲気を、6人がうまく表現していかないと、間口の狭い作品になってしまう。また、いかに就活をしたことない方にも彼らの気持ちを理解してもらうかは大きなチャレンジですね。エントリーシートとか、僕自身もものすごく悩んだ思い出があります。「自分の長所は?」とか、突きつけられるじゃないですか。人生でそういった場面は就活以外にももちろんいっぱいあるとは思いますが、多くの人にとって最初に来るものだし、日本は終身雇用みたいなイメージもあるから「今後の一生を決めるんだ」ということを思うと、震えて足がすくむ感覚です。――出てらっしゃるみなさんも、日々の選択はされていそうですよね。顕嵐くんも、タレントというのは「毎日就職活動しているようなもの」と言っていました。毎日評価を受けて、自分を良く見せることに立ち向かっているから。就活経験はなくても、あの6人の気持ちは、絶対キャスト自身も持っている感情だと思うんです。ただ、就活独特のあの雰囲気や空気感などがわかると、より舞台に重みやリアリティが出てくると思います。――拓人にとって、心の拠り所としての演劇という面があると思うのですが、丸尾さんも共感する部分はありますか?ありますね。演劇って、一月以上も役者やスタッフ、皆で作品に向き合うんで、終わった頃には家族みたいになってる。僕は劇団出身ですが、劇団なんて言いたいことを言い合う若干仲の悪い家族ですよ。今もそんな家族と演劇でご飯を食べていけたらいいなと思って、劇団を続けていますし。実は僕は就活で内定をもらってから劇団鹿殺しを旗揚げしたので、本当に就職するか悩んだんですよ。親からは「とりあえず就職してみたら。嫌だったらやめたらいいと思う。でもやらないのは食わず嫌いみたいなものだから」と言われて、旅行会社の営業部に入りました。営業自体は得意だったんですが、2年位経って、この先この仕事は僕よりも旅行に使命感を持っている人がやるべきだ、そんな自分がこのまま会社いたとしてもトップにはなれないし、僕は僕の好きな演劇に戻ろうと思って、今に至ります。――最後に、作品を観た方に、こういうことを感じてもらえるんじゃないか、という点を教えてください。役としての6人って、特別なギフトを持ってない人たちで、多くの方にとって近い存在なんです。その人たちが、結局は自分という頼りない情けない存在でも、前に進んでいくしかないと認めた時に、一つ大きな階段を昇って見える景色がかわってくる。お客さんが劇場を出たときに、身軽になって飛び立てるような舞台にしたいなと思います。
2017年11月14日DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」47回目のボヤきは「何者かになりたい私」です。【今週のボヤき】新卒で大手企業に入社して10年間働いたのち、ベンチャー企業に転職しました。前職では営業をやっていたのですが、あまりやりがいを感じることができず、自分の力を試してみたいと思い転職しました。いざ働いてみると、まわりは「何らかのプロフェッショナル」ばかりで気後れしています。少数気鋭の会社なので当然だとは思うのですが、みんな自分の“肩書き”に誇りを持ってプロの仕事をしている姿が眩しいです。翻って自分を考えてみると、一通りの売り上げや結果を出すことはできているのですが、「私は○○をやっています!」「○○のプロです」と堂々ということができません。営業が向いてはいるけれど、もっとほかにやりたいことがあるはず……といつも心のどこかで考えています。あなたは営業タイプ?それとも職人タイプ?営業のような様々な人と関わる仕事に求められるのは「浅く広く」といった万能タイプの能力で、プロフェッショナルな職人タイプの仕事に求められるのは「狭く深く」といった何かに特化した能力で、自分の関わることを好きになることができる柔軟な人は営業に向いていて、自分の好きになったものしか興味が持てない頑固な人はプロフェッショナルな仕事に向いていて、営業に向いている人は外交的で協調性があり広い視野を持っている反面、個人プレーが苦手で一点に集中することができない欠点を持っていて、職人タイプの仕事に向いている人は独創的で集中力があり深い視野を持っている反面、チームプレーが苦手で協調性に欠ける欠点を持っていたりします。人はないものねだりをする生き物だから…どちらも特性は一長一短で、正反対の性質を持っているものでして、お互いがお互いの欠けている部分を補い合い社会で共存しているもの。タイプは違えどその価値は等しくどちらも社会にとってなければならないものなんですよね。人というのは基本的にないものねだりをする生き物ですから、営業タイプの人は職人タイプの人に憧れを持っているものであり、職人タイプの人は営業タイプの人に憧れを持っているものなんですよ。自分が持っている能力は「当たり前」って思いがち自分の持っている能力って、それに慣れてくるとそれが「持っていて当たり前のもの」になってしまうんですよね。それが当たり前のものになってしまうと自分に足りないものばかりが目につくようになってしまい、自分の仕事に自信を持てなくなってしまうんですよ。そうなるとないものねだりで自分とは正反対の性質を持った人や職種への羨望が芽生えてしまうということです。自分にとって大事なものは何?自分の特化した能力は自分に欠けているものを補うためについた能力。欠点があるから長所ができるということ。おそらくは職人タイプに向いていない性格だから営業タイプに特化した能力がついたんじゃないですかね。自分の得意を活かしたほうが社会に貢献できるとは思いますが、その得意を見失っているのならあえて苦手分野に挑戦してみるのもいいのかもしれません。回り道をして自分にとって大事なものを再確認することはよくあること。立ち止まっているくらいなら一周回って戻ってきたほうが実りのある人生になると思いますよ。
2017年11月10日朝井リョウの直木賞受賞小説を原作にした舞台『何者』が11月25日(土)に開幕する。出演者の美山加恋と宮崎香蓮に話を聞いた。舞台『何者』チケット情報昨年映画化もされた本作は、就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生が、お互いを励まし合いながらも、友情、見栄、妬みといった様々な感情が交錯してゆく姿を描く。舞台化は初めてで、演出は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が手掛ける。「同世代ばかりの現場は久しぶり。楽しみです」と笑顔を見せるふたり。主演・阿部顕嵐(Love-tune/ジャニーズJr.)をはじめ、長妻怜央(Love-tune/ジャニーズJr.)、鈴木勝大、小野田龍之介ら原作にリアルな世代のキャストが揃った。美山も「わたしはちょうど来年が就職活動の年齢で。実際に学校の友達はインターンシップもあるし、(本作で重要な役割を担う)Twitterもやってますし、それを今、取材中なんです。人間関係がリアルなので、舞台でどう表現していこうかとワクワクしますね」。もともと原作を読んでいたという宮崎は「朝井さんの人間描写の鋭さやリアルさはゾクゾクします。特にこの作品は、覗き見のような感覚で読んでいると、最後にドキッとする展開があるので。舞台だとそれがより強く感じられるんじゃないかなと思いますし、そうつくっていきたいです」と魅力を語る。美山が演じるのは、留学帰りであらゆることに意識が高い女子・小早川理香。「プライドが高いのですが、それは自分に自信がないからなのかなと思ったりもします。前へ前へ、という向上心は女優っぽい考え方だなとも思うし、演じやすいんじゃないかな」(美山)。宮崎は、拓人が片思いをしている相手で、理香の友人でもある田名部瑞月を演じる。「強い子だなと思いました。何者でもない自分で生きていく覚悟ができているのか、就活を通してその覚悟を得たのか…。そういうところが上手く表現できたらと思います」(宮崎)。ほとんどの人が避けて通れない就職活動。“受かる者”“落ちる者”がハッキリとする世界だからこその、えぐられるような描写もあるが、本作は「カッコ悪くても、あがいたほうがいいんだって思うし、ああがんばろうって思える」と宮崎。「時期的にこの作品が見納めになる人もいるかもしれないので、2017年の最後にすごいもの観たなって思ってもらいたいです!」(美山)。舞台『何者』は、11月25日(土)から12月10日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。ぴあでは、特別サイトにて10月28日(土)午前10時からチケット発売予定。取材・文:中川實穗
2017年10月27日昨年、佐藤健が主演を務め、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみら豪華キャストで映画化され大ヒットとなった朝井リョウ原作「何者」の初舞台化が決定。主演を、阿部顕嵐(Love-tune/ジャニーズJr.)が務めることになった。■あらすじ二宮拓人は、就職活動を控えた御山大学社会学部の学生。同じ学部の光太郎とルームシェアをしており、光太郎はバンド活動に明け暮れているが、拓人は脚本家をしていた演劇サークル「劇団プラネット」をやめ、就職活動に専念していた。また、拓人は光太郎の元彼女・瑞月に片想いしているが、光太郎にも言えずにいる。ある日、同じアパートの真上の部屋の住人・理香と瑞月が留学仲間であること、理香は隆良と同棲していることを知る。瑞月と近づきたい拓人は、光太郎、瑞月、理香、隆良の就職活動を控えた大学生5人で、理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まることに。海外ボランティアの経験、サークル活動などの切り口や、手作り名刺、SNSのツールを駆使しつつ、就職活動に励む5人。5人はそれぞれに表面は強がりながら、自分の就職活動は順調であると虚勢を張りつつ、それぞれ面接を重ねていく。ある者は就職活動をせずに独立をめざすと公言しながら、裏で面接を受けていたり、ある者はOB・OGとのつながりを強調しているものの、全く相手にされていなくて空回りしていたり…。SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識、それぞれの抱く思いが複雑に交錯し、人間関係は徐々に変化していく。やがて、彼らの中に“内定”を得た者が現れたとき、これまで抑えられていた本音が顕わになっていく――。■気になるキャストは?原作を手がけたのは、神木隆之介や東出昌大ら、いま大活躍中の若手キャストで映画化もされた「桐島、部活やめるってよ」で、センセーショナルなデビューを飾った若手実力派作家・朝井氏。本作「何者」では直木賞を受賞した。その初の舞台化となる本作で、いつも冷静で無口、分析能力に長け、友人からも一目置かれる大学生、主人公・二宮拓人役を演じるのは、9月3日に最終公演を終えたばかりのミュージカル「魔女の宅急便」でトンボ役を務め、その演技が高評価を受けた阿部さん。また、エントリーシートやOB訪問などの活動にも余念がなく、留学帰りであらゆることに意識が高い女子・小早川理香役には、映画『いま、会いにゆきます』、ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」などで天才子役として注目を集め、現在放送中の「キラキラ☆プリキュアアラモード」ではテレビアニメ初主演も務める女優・美山加恋。理香と同棲している彼氏で、就活すること自体が格好悪いと思っており、自分はクリエイティブな活動で生きていきたいと思っている宮本隆良役には、今回、外部公演初出演となる長妻怜央(Love-tune / ジャニーズJr.)が決定。拓人とルームシェアをしている元バンドマン・神谷光太郎役には、舞台「シブヤから遠く離れて」や映画『帝一の国』などでの活躍も記憶に新しい鈴木勝大。拓人が片思いしている光太郎の元カノで、アメリカ留学経験があり、控えめでおとなしいが芯は強い性格の田名部瑞月役には、学園ドラマ「GTO」から大河ドラマ「花燃ゆ」まで幅広くこなす宮崎香蓮。さらに、拓人のサークルの先輩で理系の大学院2年生、面倒見がよく拓人が唯一本音を語れる相手でもあるサワ(沢渡)先輩役には、「パレード」「ミスサイゴン」「三銃士」などミュージカル界での活躍がめざましい小野田龍之介が決定。就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生たち。お互いを励まし合いながらも、友情、恋愛、裏切りといった様々な感情が交錯しながら人間としての成長していく生々しい物語が、舞台上ではどのように展開されていくのか、注目だ。■キャスト・スタッフのコメント到着■二宮拓人役:阿部顕嵐(Love-tune / ジャニーズJr.)初めての外部舞台の主演、そして「何者」の拓人役を演じると聞かされた時は、驚きと喜びが混じり合った複雑な気持ちになりました。原作「何者」を読んでみて、拓人の第一印象は余裕がなく斜に構えていてプライドが高いと感じました。拓人は大学生であり就活生。僕自身も現役大学生なので拓人と分かり合えるポイントは多々あると思います。ですからよりリアルに大学生、就活生としての心の不安などを共感して貰えるように演じたいと思っています。拓人役を他の「何者」でもなく僕が演じて良かったと言っていただける様に、拓人の人生を生きて全力で役と向き合いたいと思っています。■小早川理香役・美山加恋同世代が多いお芝居なのでどんな掛け合いや空気感になるか楽しみです。登場人物たちもちょうど同世代。私は就活はしていないのですが、きっと悩みや考え方が似ているところもあるはず。劇場でリアルなものを届けられるようじっくり稽古していきたいです。ぜひ劇場で「何者」の世界を共有していただければと思います。■宮本隆良役・長妻怜央(Love-tune / ジャニーズJr.)「何者」という作品に出演させていただけるという話を聞いた時、嬉しいと同時に注目されている作品なのですごいプレッシャーも感じました。就職活動に悩むリアルな日常の雰囲気を表現するのは難しいと思いますが、演出家さんや共演者の方々の助けを借りながら、精一杯頑張ります。僕が演じさせていただく宮本隆良という人物は、僕とは違ってハッキリ自分の考えを他人に伝える力があり、しっかり自分の理想を持っている人だなと思いました。しかし逆に、プライドが高いところは似ていると感じました。彼と僕の違う所と似ている所を研究し、自分なりの宮本隆良を演じていきたいと思います。しっかりと爪痕を残し僕の座右の銘である「常に全力投球」の言葉を忘れずに精一杯頑張っていきます。同じグループの阿部顕嵐とはライバルの気持ちでお互いを高め合っていきたいです。■神谷光太郎役・鈴木勝大神谷光太郎という人物に対して僕が思うことは、羨ましいなということです。ふわふわしているように見えて芯がある、天真爛漫なのに愛される。なんだかこいつズルいな! と感じました。でも、そんな光太郎にも夢との向き合い方の中で生まれた心の傷や闇を感じました。そこに向き合いながら光太郎が何者かを考えていければと思います。■田名部瑞月役・宮崎香蓮就活中の友人たちには、読ませられない。原作を読んだとき、そう思いました。わたしは就活を経験したことがありませんが、「自分を見つめ直すこと」をしている友人たちは本の中の登場人物たちと同様に、とても苦しそうだったからです。リアルで、怖くて、面白い、故に大好きな小説。その舞台化に携わることができて本当に嬉しいです。わたしも、自分を見つめ直し、苦しみたいと思います。是非劇場に観に来てください。■サワ先輩役・小野田龍之介「何者」舞台化に携わることが出来て光栄に思います。就活を経験した人、誰しもが「ドキッ!」とさせられる物語かと思います。映画版も舞台のように作られていたので、この作品が舞台化された時どの様になるのか楽しみです。■原作者:朝井リョウ『何者』を執筆していたころとは、作品に出てくる【就職活動】や【SNS】などのキーワードを取り巻く環境は大きく変化しています。そんな中、小説、映画、舞台と作品自体も変化できる機会に恵まれたことをとても幸せに思います。キャスト・スタッフの方々が「何者」をどのようにアップデートしてくださるのか、期待しています■演出家:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)僕も就職活動をしたことがある。履歴書の長所を書く欄に「僕は味噌汁の味噌になれます。様々な具材をまとめあげ……」などと書いた気がする。舞台「何者」に沢山の素晴らしい具材が集まってくれた。主人公・二宮拓人を演じる阿部顕嵐さんとは初めてだが、拓人役に通じる繊細な雰囲気と内に秘めた熱い心を感じ、一緒に作り上げていく作業に今からワクワクしている。他にも、美山加恋さん、長妻怜央さん、鈴木勝大さん、宮崎香蓮さん、小野田龍之介さんと、原作にリアルな世代の力のある方々に集まっていただき、素晴らしい「何者」の味付けが出来ることを確信している。「何者」東京公演は11 月25 日(土)~12 月10 日(日)まで天王洲銀河劇場にて上演。(text:cinemacafe.net)
2017年09月11日ジャニーズJr.のユニット・Love-tuneの阿部顕嵐が、舞台『何者』に主演することが10日、わかった。同作は作家・朝井リョウによる同名の直木賞受賞作を映画化。就職活動を通して自分が何者かを模索する大学生の姿をヒリヒリと描く。2016年10月には、佐藤健主演で映画化された。舞台版の脚本は黒岩勉、演出は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が務める。阿部は冷静で無口でクール、分析能力に長けた大学生・二宮拓人を演じる。また留学帰りの意識高い系女子・小早川理香役に美山加恋、理香と同棲中で就活すること自体が格好悪いと思っている青年・宮本隆良役に、外部公演初出演となる長妻怜央(Love-tune/ジャニーズ Jr.)が決定した。拓人とルームシェアをしている元バンドマン・神谷光太郎役として鈴木勝大、田名部瑞月役に宮崎香蓮、サワ先輩役として小野田龍之介が出演する。朝井は、「『何者』を執筆していたころとは、作品に出てくる【就職活動】や【SNS】等のキーワードを取り巻く環境は大きく変化しています」と状況を分析。「キャスト・スタッフの方々が『何者』をどのようにアップデートしてくださるのか、期待しています」と語った。演出の丸尾は、「主人公・二宮拓人を演じる阿部顕嵐さんとは初めてだが、拓人役に通じる繊細な雰囲気と内に秘めた熱い心を感じ、一緒に作り上げていく作業に今からワクワクしている」と期待を寄せる。「原作にリアルな世代の力のある方々に集まって頂き、素晴らしい『何者』の味付けが出来る事を確信している」と自信を見せた。公演は11月25日~12月10日まで、天王洲銀河劇場にて行われる。○阿部顕嵐コメント初めての外部舞台の主演、そして『何者』の拓人役を演じると聞かされた時は、驚きと喜びが混じり合った複雑な気持ちになりました。原作『何者』を読んでみて、拓人の第一印象は余裕がなく斜に構えていてプライドが高いと感じました。拓人は大学生であり就活生。僕自身も現役大学生なので拓人と分かり合えるポイントは多々あると思います。ですからよりリアルに大学生、就活生としての心の不安などを共感して貰えるように演じたいと思っています。拓人役を他の『何者』でもなく僕が演じて良かったと言って頂ける様に、拓人の人生を生きて全力で役と向き合いたいと思っています。○長妻怜央コメント『何者』という作品に出演させていただけるという話を聞いた時、嬉しいと同時に注目されている作品なのですごいプレッシャーも感じました。就職活動に悩むリアルな日常の雰囲気を表現するのは難しいと思いますが、演出家さんや共演者の方々の助けを借りながら、精一杯頑張ります。僕が演じさせていただく宮本隆良という人物は、僕とは違ってハッキリ自分の考えを他人に伝える力があり、しっかり自分の理想を持っている人だなと思いました。しかし逆に、プライドが高いところは似ていると感じました。彼と僕の違う所と似ている所を研究し、自分なりの宮本隆良を演じていきたいと思います。しっかりと爪痕を残し僕の座右の銘である「常に全力投球」の言葉を忘れずに精一杯頑張っていきます。同じグループの阿部顕嵐とはライバルの気持ちでお互いを高め合っていきたいです。
2017年09月10日朝井リョウの直木賞受賞作を映画化した『何者』(三浦大輔監督)が公開中だ。就職活動を通し自分が「何者」かを模索する5人の大学生を描く話題作。リアルな就活事情やSNSに翻ろうされる若者たちを“観察”した、新感覚の青春群像劇に共感と驚きの声があがっている。主演の佐藤健をはじめ、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之という人気、実力を兼ね備えた超豪華キャストが顔を揃えている点も大きな見どころ。劇中の登場人物がそうであったように、彼らもまた、かつては自身の夢や将来を見据えた“何者”であり、いまは役者としてその本領をいかんなく発揮している。あえて「役者という職業に就職した」という視点から、勢ぞろいした6人に「自分が役者だと実感する瞬間」を聞いた。佐藤健【冷静分析系男子@二宮拓人】デビューしたての頃は、いまみたいに役者としてやっていける自信はなかったですね。だから、実感する瞬間というよりは、徐々に仕事を重ねることで、あるとき「あっ、自分は役者になったんだな」と。年齢でいうと19歳ぐらいです。ちょうど「仮面ライダー電王」の頃ですね。気づいたら、とても忙しくなっていて、毎日現場に行き、一生懸命に芝居をする。その繰り返しをふり返る中で、『何者』風に言えば、役者という職業に就職したのかもしれません。有村架純【地道素直系女子@田名部瑞月】私自身は、「自分が女優」だとか、「女優になった」という風にあまり考えないで日々を過ごしているので、「役者だと実感する」という瞬間は意識していません。ただ、強いて言えば、17歳のときに事務所に入った瞬間ですね。文字通り、自分を取り巻く世界が180度変わりましたし、いまの私にとって、とても大きな出来事だったことに間違いはありません。二階堂ふみ【意識高い系女子@小早川理香】小さな頃から映画が大好きだったので、初めての映画(役所広司の初メガホン作『ガマの油』)で撮影現場に一歩足を踏み入れた瞬間の“アガった”感覚は、13歳だった私にとってとても鮮烈な瞬間でした。現場には私たち俳優部がいて、監督がいて、撮影部さんがいて、一緒に同じ作品を撮っている…。そんな風景を初めて目の当たりにして、学ぶことが多かったです。その仲間入りができた、という気持ちはいまも覚えていますね。菅田将暉【天真爛漫系男子@神谷光太郎】僕の場合、芸名が「菅田将暉」に決まったときです。当時16歳くらいですし、戸籍上の名前とはまったく違う、記号的ともいえる新しい名前で、世の中に出るわけですから、自分自身が「何者?」っていう(笑)。それがだんだん気にならなくなって、自分も役者なんだなって。ただ、共演する皆さんから「菅田くん」「将暉」って呼ばれると、いまも若干違和感はあります。岡田将生【空想クリエイター系男子@宮本隆良】この仕事をずっと続けていこうと心に決めたのは、20歳になる前に当時通っていた大学を辞めたときですね。具体的なきっかけというよりは、いろんな現場でお芝居と向き合いながら、自然と役者への思いが強くなっていきました。山田孝之【達観先輩系男子@サワ先輩】こういう仕事をしていると、ときにはファンの皆さんやお客様から批判的な意見をもらうこともありますよね。すると、やっぱり悔しい思いをするんですよ。その瞬間、自分はプロの俳優なんだなと実感しますね。こういう感覚は、役者を続けていく以上、常につきまとうもの。自分のもとに届く声にどう向き合うか?さっき言った悔しさも含めて、受け止めるようにしています。(text:Ryo Uchida/photo:Nahoko Suzuki)
2016年10月23日●就活は、ひとつの能力を試される教科テスト就職活動を通して、自分を模索する大学生たちの姿を描いた映画『何者』(公開中)。俳優・佐藤健が主演を務め、冷静分析系男子・二宮拓人を演じる。原作の朝井リョウは同作で平成生まれとして初めて直木賞を受賞。ともに平成元年生まれとして、プライベートでも交流を深めている。就活を題材にした作品というだけあり、マイナビニュースも注目せずにはいられないが、実際に就活を経験した朝井、映画を撮るにあたって体験した佐藤に、作品のこと、そして互いの仕事について話を聞いた。○タコパきっかけで知り合いに――もともとお知り合いだったというお二人ですが、意外とほかのインタビューでも出会いのきっかけを話されてないのかなと思いまして、伺っても大丈夫なものでしょうか。朝井:全然いいですよ。他の取材でも話しているんですけど、あまり使われなくて(笑)。というのも、私は覚えてるけど、彼は覚えてないんですよ。普通に、タコパ(たこ焼きパーティー)で出会いました。友人の家でたこ焼きを作っていたら、佐藤さんもその友人と仲が良く、深夜0時過ぎくらいにふらっと現れたんです。あまりに自然な登場だったので、「あ! 芸能人だ!」みたいな顔をしないように気を付けました。佐藤健に驚いてませんよ、みたいな顔をしていましたけど、内心大パニックでしたね。そのあと、オセロや人狼ゲームなどを一緒にやっていくうちに仲良くなっていきました。佐藤:人狼ゲーム、はまってたね。朝井:佐藤さんは本当にゲーム的なものに強くて。僕、自分でオセロすごく強いと思っていたんですけど、58対6とかで負けました。文壇でオセロが強いと噂の作家をふたりも差し向けたんですけど、佐藤さんが全勝でしたね。――様々なゲームを通じて交流を深められたと。それだけ、ふだんから仲が良いんですね。朝井:今はいいんですけど、この映画の結果次第でどうなるか……やっぱり友人関係の人と利害関係を結ぶのはよくないですね(笑)。○面接と人狼の関係――佐藤さんは、東宝さんに頼んで模擬就活を体験されたそうですね。佐藤:そうですね、東宝さんにご協力頂いて、体験させてもらいました。さすがに本物の面接ではないですが、リアルな就活生と面接をやらないと感覚がつかめないなと思いました。――朝井さんは実際に就活をされて、一度就職もされていますが、就職活動でひっかかったポイントはありましたか?朝井:マイナビさんにもお世話になりました(笑)。とにかく就活っていうのは人間総合力テストでもなんでもなくて、あるひとつの能力を試されているだけの教科にすぎないんだな、ということです。あとは、1を10にする嘘じゃなくて、0を1にする嘘をつくのはよくない、ということも身に染みて感じました。それこそ俳優とか、大勢の人の前で演技をすることに慣れていないと、0を1にする嘘をついたとき、身体に何かしらの反応が出るんですよ。背中が曲がってしまったり、目が泳いでしまったり。その面接は見事に落ちました。僕が人狼をあまり得意としない原因はそれかなと……。佐藤:わかる(笑)。朝井:佐藤さんはうまいんですよ。佐藤:それは努力の賜物だから。僕も最初顔に出てたけど、顔に出ないために集中してやる。自己催眠ですね。――就活という題材には、どんな理由があったんでしょうか?朝井:当時SNSなどを通して感じていた「若者同士のコミュニケーションの変容」が最も顕著になる舞台は「就活」かな、と勘が働いたんです。あと、実は小説を書くときに、ニッチな場面を細やかに描いたほうが普遍性が出てくるなというのを感じていて。みんなが知っていることを書こうとすると、逆に誰にも刺さらない作品ができあがる。就活という、人生で数カ月しかやらないようなことを緻密に緻密に書くことで、実はどの世代にも広まる話になる予感はしていました。――原作を読んで、佐藤さんの感想はいかがでしたか?佐藤:朝井くんは性格が悪いなと思いました(笑)。朝井:褒めてくれてます。佐藤:朝井くんは、作者として登場人物みんなに愛があるんですけど、全員のことを馬鹿にしてるんですよ(笑)。朝井:なんてことを! してません!佐藤:みんなを否定してる(笑)。でもね、愛があるのは伝わってきます。●菅田将暉はぴったりすぎた? 作品に起こそうとしたバグ○所属事務所の面接も見せてもらった――先ほど就活体験の話になりましたが、体験されてみて、実際の就活生に対してはどんな思いを持ちましたか?佐藤:素直に尊敬します。「これをやってるんだ」と思ったら、偉いなと。実は体験の他に、アミューズにも協力してもらい、本当に面接しているところを見る場も用意してもらいました。内定者を呼んで、実際の面接官の人とのやりとりを見せてもらったんです。朝井:うわ、超やだ!! 呼ばれた人、絶対ドキドキしてますよ。親とかにも「内定した」って言っちゃってるだろうに……。佐藤:それは最後に事情を説明して、僕のために集まってもらったので「ありがとうございました」とお礼を言いました。朝井:よかった……。佐藤:僕は帽子をかぶって、面接の様子を見て。本当に面接をしているから「好きな映画は?」という質問にも、全然僕と関係ない作品の名前が出てきました(笑)。やっぱり芝居って模倣なので、本物の人たちを見て取り入れるものだと思うんです。音楽家の役のときも料理人の役のときも、誰かになるときはいつも実際の現場を見せていただいております。○互いにすごいと思うところは――仲良しのお2人ですが、こうやってお仕事の話をすることはあるんですか?佐藤:きちんとお互いのことを話す場はなかったと思います。だからこうやって取材を受ける場で聞いて、初めていろいろ知ることができました。朝井:俳優同士って、お酒を飲みながら演技論を交わしているイメージがありますけど。佐藤:そういう人もいるのかもしれないですが、僕はあんまりないですね。朝井:それは意外。でも僕も同業者と飲んだりすることがありますが、お互いの作品の話とかはあんまりしないですね。最近面白かったラジオの話とか、お互いの失態を責め合ったりしています。――では、取材や一緒に仕事をしたことを通して、すごいと思ったことは。佐藤:朝井くんは、ほぼ全部すごいです。小説家ですけど、しっかり話せるところもすごいです。話の内容と、話し方と、両立するのはなかなか難しいと思っているので。朝井:佐藤さんはとにかく頭がいい。映像業界の方とお話する機会があると、実は「頭の良い俳優さんは貴重だ」という話を聞いたりするんです。書いてある台本を読んで演じること以上に、掘って演技をできる人は貴重だと。あとインタビューできちんと自分の言葉で話せる俳優も実は少ない、とか。――具体的にここがすごいな、と思ったことはありますか?朝井:実は、光太郎役が菅田将暉さんに決まる前に、誰がいいか話し合ったことがあったんです。光太郎と拓人ってルームシェアをするくらいの友人同士だけど、刺激しあっている間柄で、無邪気と思いきやちょっとした緊張感がある関係性。その役を誰にするかってことはつまり、撮影期間や宣伝期間を合わせたかなり長い時間を共にする俳優を誰にするか、って話でもあるわけです。佐藤健的には、一緒にいて気持ち良い人がいいはずなんです。でも、佐藤さんが挙げてくださった方は、名前は出せませんが、おそらくリアルな関係性でも一種の緊張感が生まれるような方だったんですよね。撮影期間や宣伝期間を過ごす自分自身よりも、作中のキャラクターを優先した自己犠牲精神に感銘を受けましたね。佐藤:思いついたんです。もちろん、今表に出ているのは最高のキャストだと思うんですけど、菅田将暉は誰が見ても光太郎にぴったりで、ど真ん中ストレートすぎるかなとも思ったんです。みんなぴったりすぎるから、"ずらし"が欲しかった。バグがあった時の方が、爆発力ができるんじゃないかなという説があって。朝井:我々の一説が。佐藤:結果的に、そのキャスティングは難しくて、もちろん映画を観たときに菅田で良かったなと思ったんですが(笑)。高度な演技も、まったく違和感なかったですよね。朝井:自分は大変になるかもしれないけど、作品として良くなる方を選ぶ人なんだなと思ったら、一緒にものを作る一員として、なんて誠実な、信頼できる人なんだろうと思いました。映画『何者』(公開中)作家・朝井リョウによるベストセラー『何者』を映画化。大学の演劇サークルに全力投球してきた拓人(佐藤健)、拓人の片思い相手・瑞月(有村架純)、拓人とルームシェア中の光太郎(菅田将暉)、瑞月の友達で意識の高い理香(二階堂ふみ)、理香と同棲中の隆良(岡田将生)。理香の家を"就活対策本部"として集まる5人だが、内定が決まり始めると状況が変わっていく。
2016年10月22日直木賞受賞作、朝井リョウさんの小説『何者』がついに映画化された。観た人の数だけ、必ず心に響くポイントがある作品。旬の俳優たちが顔を揃えた豪華なキャスティングも話題だが、その他、本作の「ここがすごい」を2つ、ご紹介!!【1】監督は、人間の内に秘めた本質をあぶり出す「三浦大輔」さん。三浦監督は、もともと劇団ポツドールを主宰する演劇人。後に自身で映画化も手掛けた岸田國士戯曲賞受賞作の『愛の渦』など、過激な性描写が取り沙汰されることが多いけれど、そこで描いてきたのは、本能が勝った瞬間に虚飾が剥がれてむき出しになる人間の本質。そのためのリアルを追求するため、クランクイン前に舞台さながらに稽古をおこなうなど、演劇的な手法も多く取り入れている。映像のなかにも演劇人らしい演出が登場するので要注目。【2】就職活動という現実に向き合う若者の姿が、息苦しいほどリアル。すでに就活を終えている人のなかには、今の就活ってこんななの?と驚く人もいるはず。WEBテストやエントリーシートなど、映画のなかで、“いま”のリアルな就活の様子が描かれる。なんと今回、山田孝之さんを除く、佐藤健さん、有村架純さんなどメインキャストの5人は、 プロデューサーの提案で、本物の就活生とともに実際に集団面接を受けるなど、生の就活の現場を体感したとか。熱心に活動しても、なかなか内定にたどり着かない人がいる一方、スタートが遅いにもかかわらず、あっさりと決まる人も。そんな現実の厳しさは就活以外でも誰もが突きつけられるだけに共感必至。彼らの焦燥が息苦しさを覚えるほどのリアルさで迫ってくる。※『anan』2016 年10月26日号より。
2016年10月21日恋愛、友情、就活というヒリヒリするような青春群像を追った映画『何者』。この作品の劇中音楽と主題歌を手掛けたのが中田ヤスタカさん。きゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeのプロデュースで広く知られる彼だが、これまでの作品とはかなり異なるインストゥルメンタル中心のサウンドでも手腕を発揮。サウンドトラックとしてリリースされる。「もともと僕は歌ものの作品を作ろうと思って音楽をはじめたわけではなく、昔から映画音楽などのインストを聴いてきて、影響も受けてきているし、映画音楽ならいつでも引き受けますよ!という気持ちはありました。ただ主役は映画なので、音楽もいわば演出の一つ。映画を通して音楽を聴いてもらうことに魅力を感じたので、すごくいい機会でした」いままでも映画やアニメの音楽、CM曲やTV番組のテーマなど、数々の音楽を手掛けてきた中田さんだが、この作品に関しては「実はすごく時間をかけた」とのこと。「いい曲を10曲作るなら早いんですけど、いい曲だったねーで終わっては成功とはいえないし、劇中音楽としては失敗ですよね。まず映画音楽としての役割を細かく詰めていくことに時間を使いました」サウンドトラックの曲名を見ると、「3人の出会い」とか「拓人の想い」、「ギンジとのやりとり」など、各シーンを具体的に想像させるタイトルが並んでいる。「劇中音楽はあくまでも“劇の伴奏”だと思うので、誰かの気持ちを心理的に増幅する曲もあれば、不安な心中をメロディで表したり、逆にわざと観客にミスリードさせたりとか、そういう役割を楽しみながら作っていきました」ひとつの部屋に集まった5人の男女が、それぞれの青春から就活戦線に向かう日々の心象風景に、緻密に寄り添うメロディ。ストーリーのリアルさと、俳優たちの演技に中田さんの音楽の効果がミックスして、観る側も痛みを伴うほど、深く心情を共有させてくれると感じる。少々ネタばらしになりつつも、いちばんのお気に入りシーンを中田さんに聞いてみた。「主人公の拓人(佐藤健)がすごいスピードで走るシーンがあるんですが、普通は走る足音や車の音など効果音も入るところですが、それが一切なく、ピアノのメロディだけで場面が進んでいくんです。そこは何度見てもいいなぁと思います」そして映画主題歌「NANIMONO」では、中田さんの曲を米津玄師がゲストボーカルで歌うという、初のコラボレーションが実現した。「劇中音楽と主題歌は同時進行で作りたくなくて、実はすべてが終わってから最後に作りました。制作するとき、インストとボーカル作品とは、使うチャンネルが違いますし、気分を切り替えてから作りたかったんです。自分のソロ楽曲に男性ボーカルを迎えるのは初めてでしたが、完成したものを監督さんはじめ、スタッフに聴いてもらったとき、いい映画になりそう、という空気を感じたので良かった。すべての曲は映画のために作っているので、上映中に楽しんでくれれば、僕としては満足なんですけど、サントラとして買ってくれたら、すごく嬉しい(笑)」今回、劇中音楽にがっちり取り組んだ中田さん。映画音楽を作る楽しさを十分に謳歌し、音楽家としていままで見せたことのない新しいステージを表現してくれたと感じる。「最近の映画、とくにハリウッド映画は、誰もが鼻歌で歌えるような≪主メロ≫のある曲が、少なくなっている気がします。かつてUnderworldの『ボーン・スリッピー』が、『トレインスポッティング』(※1996年のイギリス映画)のラストシーンに使われて、彼らのブレイクの瞬間をまざまざと見た気がしたんですが、ああいうドキドキするような音楽の使われ方もいいと思う。僕もいつか彼らのようなチャンスを、映画音楽で実現できたらいいな、と夢見ています」◇なかた・やすたかCAPSULEの活動の他、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデュース、最近ではリオ五輪閉会式「トーキョーショー」の音楽を手掛けた。独自の感性で多岐にわたる作品を制作するサウンドクリエイター。◇『NANIMONO EP/何者(オリジナル・サウンドトラック)』【2CD】¥2,000disc1:NANIMONO(feat.米津玄師)ほかREMIX含む全5曲。disc2:何者(オリジナル・サウンドトラック)。(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)※『anan』2016年10月26日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子
2016年10月19日朝井リョウの直木賞受賞作を映画化した『何者』の初日舞台挨拶が10月15日(土)、都内で行われ、佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之、三浦大輔監督が出席した。就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生を描いた話題作。主人公の冷静分析系男子・拓人を演じた佐藤さんは、「芝居そのものに、真摯に向き合えた作品。俳優として、身のある時間を過ごし、出演できたことを誇りに思える」と本作への思い入れを語った。また、地道素直系女子・瑞月役の有村さんは、「1つのシーンにかかる時間が多く、1日に撮れても2~3シーンだった。ここにいる皆さんと一緒にキャラクターを作っていくのが楽しかった」とふり返った。「この6人で誰が一番モテる?」という話題があがると、意識高い系女子・理香を演じた二階堂さんは「佐藤さんですね。もう本当に、人間的にカッコいいんですよ。男性にも女性にもモテるはず」と佐藤さん推し。空想クリエイター系男子・隆良役の岡田さんも「一緒にいて楽しい。すごく優しくて、僕に合わせて、レベルを下げてくれるんですよ(笑)」とこちらも佐藤さんにホレボレした様子。さらに映画の内容にちなみ、「誰とルームシェアしたい?」と問われた先輩役の山田さんが、「まったく干渉せずにいられると思う」と佐藤さんの名前を挙げると、当の佐藤さんは「こっちは気を使う!」とバッサリ。共演者からモテモテの佐藤さんだったが、「現実的にはまったくモテない」とこぼしていた。ちなみに佐藤さんがルームシェアしたいのは、天真爛漫系男子・光太郎役の菅田さんだといい「理由ですか?消去法です」とやはり山田さんとの“同せい”には抵抗がある様子だった。『何者』は全国東宝系にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月15日朝井リョウの直木賞受賞作を映画化した『何者』の完成披露試写会が8月30日(火)に開催。主演の佐藤健をはじめ、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之、三浦大輔監督がそろって舞台あいさつに登壇した。『何者』完成披露その他の写真就職活動に臨む若者たちが、互いに協力し合いつつも、内心では嫉妬や葛藤、焦燥に駆られ、複雑な感情を交錯させていくさまを描き出す。この日は、屋外でのレッドカーペットイベントが開催される予定だったが、台風の接近の状況を受けて、安全に配慮し中止となった。代わりに劇場内での舞台挨拶でも会場内にレッドカーペットが敷き詰められ、佐藤らキャスト陣は観客の間を通って登場し、大歓声を浴びた。登壇陣は全員、黒を基調としたフォーマルな衣裳だが、それぞれに異なるカラーをワンポイントの挿し色として取り入れている。佐藤は「現場で(佐藤、有村、二階堂、菅田、岡田の)5人でいることが多くて『戦隊っぽい』『ゴレンジャーじゃね?』と話してたんです。(舞台挨拶で)同じ色を挿し色にすることは多いけど、『何者』の場合は役の個性がみんな違うので、色を変えて立った方が合うと思ってやってみました」と意図を説明した。佐藤は赤、有村はピンク、二階堂はオレンジ、岡田は紫、菅田はスーツの左足の膝の部分に緑のスカーフを巻くという独特のセンスで、佐藤から「君の生き様が表れてる(笑)。足を折ったのかと思われそう」と突っ込まれていた。ちなみに佐藤演じる拓人と菅田が演じる光太郎はルームシェアしている親友同士で、有村演じる瑞月は光太郎の元カノ。しかし、拓人は瑞月にひそかに思いを寄せていて…という複雑な三角関係にある。菅田はこの関係性について「大変ですよ! みんなのタケルン(=佐藤)よりもモテる設定ですから!ドキドキでした」と述懐。光太郎は天真爛漫系と称される明るい男子だが「読み合わせで、有村さんに『光太郎のどうゆうところが好き?』と聞いたら『まっすぐなところ』と言われて、あまり考えずに演じようと思った」と振り返る。ここで佐藤が「それはノロケ?」と再びツッコミを入れ、菅田が「演技論です!」と返し、会場は笑いに包まれた。三浦監督は「企画が始まって約2年。やっと完成しました」と万感の思いを口にすると同時に、作品の出来栄えに関しても自信をうかがわせていた。『何者』10月15日(土)全国公開
2016年08月30日佐藤健や有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉らいま人気を集める俳優たちが勢ぞろいした映画『何者』。この度、本作のポスタービジュアルが解禁となった。原作は、平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した朝井リョウによるベストセラー「何者」(新潮文庫刊)。「桐島、部活やめるってよ」で等身大の高校生を描き切った朝井氏が、就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生を描いた話題作だ。主人公の冷静分析系男子・拓人役の佐藤さんを始め、拓人がほのかな恋心を抱き続ける地道素直系女子・瑞月役に有村さん、偶然にも拓人の部屋の上に住んでいた意識高い系女子・理香役に二階堂さん、拓人のルームメイトの天真爛漫系男子・光太郎役に菅田さん、理香と同棲している空想クリエイター系男子・隆良役に岡田将生、拓人が所属していた演劇サークルの先輩で5人を冷静に観察している達観系先輩男子・サワ先輩役に山田孝之が、演劇界の若き鬼才・三浦大輔監督のもとに集結した。このほど到着したのは、「恋愛、友情、就活、裏切り。これが僕たちのリアル。」というコピーが添えられた、本作の本ポスタービジュアル。ティザービジュアルで公開されたスーツ姿&真面目な表情で就活の履歴書用証明写真のようなビジュアルからは一変、今回は大学生らしい日常のふとした一瞬を切り取ったかのような自然な表情を見せる各キャストが切り取られている。ティザーポスターと同じ構図ながら、全く違う印象を感じさせる今回のビジュアルには、「面接の1分間は、ツイッターの140字のようなもの」「拓人くんの分析って説得力あるよね」など、登場人物たちのツイートも埋め込まれ、佐藤さん、有村さん、菅田さんの三角関係や、二階堂さん、岡田さんの意識高い系カップルの心の内がのぞける仕掛けが。ストーリーの要となるSNSの要素が色濃く感じさせるものとなっている。さらに今回は理香の家でくつろぐ5人、寄り添う瑞月と光太郎、意味深な表情で一点を見つめる拓人や隆良など、貴重な劇中の場面写真も併せて公開。なお、本作の劇場前売券は明日27日(土)から発売となっている。『何者』は10月15日(土)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)
2016年08月26日平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した、朝井リョウによるベストセラーを原作に描く『何者』。この度、本作の主題歌と劇中音楽をプロデューサー・DJの中田ヤスタカが担当することが決定、主題歌入りの予告編が公開された。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈…。様々なツールを駆使して戦っていく就活生たち。企業に入れば「何者」かになれるのか、自分は「何者」になりたいのか…。疑問や悩みを寄せ合い、一緒に過ごしていく5人だが、その関係は徐々に変化していく。やがて「内定者」が現れたとき、抑えられていた妬み、本音が露に…。そして、ようやく彼らは自分を見つめ直す。果たして自分は「何者」なのか――。本作は、就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生を描いた話題作。キャストには、主人公の冷静分析系男子・拓人役の佐藤健を始め、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之と、世代を代表する若手実力派俳優陣が集結している。また、演劇界の若き鬼才・ 三浦大輔が監督・脚本を担い、“痛いほど圧倒的な現代のリアル”が詰まったこの問題作を、深みのある演出で描く。「Perfume」「きゃりーぱみゅぱみゅ」のプロデュースをはじめ、国内トップアーティストへの楽曲提供を行い、幅広い世代から支持を集めるプロデューサー・DJの中田さん。彼が劇中音楽を手掛けるのは『LIAR GAME』シリーズ以来4年ぶりとなり、これまでのプロデュース作品とは一線を画した、アカデミックなサウンドメイキングと、キャストの心情の機微に寄り添うメロディーラインが映画全編にわたり緻密に展開されていく。また主題歌では、作詞&ゲストボーカルとして、楽曲だけでなくイラストアートワークや、ミュージックビデオも手がけるマルチクリエイター・米津玄師が参加することも決定。米津玄師がゲストボーカルを務めるのは今回の楽曲が初めて。本作で描かれている若者たちの葛藤や世代観を射抜く、米津さんによる等身大な歌詞と、中田さんによるダイナミックなダンストラックとの初コラボが実現している。中田さんは「映画『何者』の持つ独特な世界観の創造に携われたことをとても嬉しく思っています」と喜び、「新しく何かに挑む人々の背中を押してくれるような作品ですが、今回僕も音楽家としてこれまで世には発表してこなかった部分の表現も含んだものになっていますので、サウンドトラック、そして主題歌共に劇場にて楽しんでもらえたら幸いです」とメッセージを寄せた。さらに製作途中の映像を見た米津さんは、圧倒的に拓人に共感したと語り、「ほかの人が作った曲に言葉を乗せるのは初めての経験だったので不安もありましたが、映画を見終わったとき、彼の心情ならきっと歌詞にできるだろうと安心したのを憶えています」と話していた。また、今回は併せて全編に主題歌が流れる映画予告映像も解禁!ひとつの部屋に集まった5人の男女の恋愛、友情そして就活。「青春が終わる。人生が始まる」という象徴的なフレーズと共に、それぞれの青春から就職活動へ向かう姿を実力派俳優たちが圧巻の演技でリアルに表現。青春の爽やかさと毒々しさが融合した独特な世界観と、先の読めない展開をみせる新感覚の予告編となっている。昔から中田さんの音楽のファンと語る主演の佐藤さんは、「『何者の劇伴は中田ヤスタカでいこうと思う』と初めて聞いたときは正直、あのサウンドがこのかなりの演劇的な世界観の中で流れている想像ができませんでした。しかし先日初号を観た一応主演として芝居をさせてもらったぼくの感想は、『音楽に助けてもらったなあ…』でした」と、映画と音楽がマッチしていたとコメント。原作者の朝井氏も「普段慣れ親しんでいる“中田ヤスタカサウンド”とは全く違う音楽が、物語に潜む感情をぐっと膨らませたり、登場人物たちの言葉の意味をより匂い立たせたり…音楽を担当してくださると知ったときから本当に楽しみにしていましたが、想像以上の素晴らしさで感激しました」と絶賛していた。『何者』は10月15日(土)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)
2016年08月05日映画『何者』が、2016年10月15日(土)より全国の劇場で公開される。原作は、平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した、朝井リョウによるベストセラー『何者』。『桐島、部活やめるってよ』で等身大の高校生を描き切った朝井が、就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生を描いた話題作だ。本作の主演を務めるのは、『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』と立て続けに主演作が公開されるなど、今最も旬な俳優の一人・佐藤健。その他、初主演の民放連続ドラマが話題となっている有村架純をはじめ、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之と世代を代表する若手実力派俳優陣が集結した。監督・脚本は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』といった映画でも高い評価を得ている、演劇界の若き鬼才・三浦大輔が担当し、一筋縄ではいかない現代のリアルが詰まったこの問題作を、深みのある演出で描き出す。また、プロデューサー・DJの中田ヤスタカが本作の劇中音楽・主題歌を担当することが決定。作詞・ゲストボーカルとして、米津玄師も参加している。『何者』で描かれている若者たちの葛藤や世代観を射抜く、米津玄師による等身大な歌詞と、中田ヤスタカによるダイナミックなダンストラックが融合した主題歌となっている。さらに、バンド「忘れらんねえよ」と「LAMP IN TERREN」も楽曲を提供。劇中では「OVER MUSIC」というバンドのボーカル兼ギターを担当する光太郎を演じる菅田将暉が、実際にその曲をライブシーンで熱唱。撮影の約1ヶ月前から本格的に練習を開始し、本物のバンドさながらの勢いと一体感のある演奏を魅せ、疾走感あふれるナンバーやバラードなど計3曲を披露している。【作品情報】映画『何者』公開日:2016年10月15日(土)キャスト:佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之ほか監督・脚本:三浦大輔(『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』)原作:朝井リョウ『何者』(新潮文庫刊)©2016映画「何者」製作委員会【ストーリー】就活の情報交換のため一つの部屋に集まった、5人の22歳。かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。天真爛漫で何も考えていないようで、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月(有村架純)。人一倍「意識高い系」でありながら、結果が出ず不安を募らせていく理香(二階堂ふみ)。社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈...。様々なツールを駆使して戦っていく就活生たち。企業に入れば「何者」かになれるのか、自分は「何者」になりたいのか――。そんな疑問を抱えて就活を進める中、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、一緒に過ごすうちに、就活のやり方やスタンスに嫌悪感を覚えることもあり、徐々に人間関係が変化していく。そして拓人はサークルOBのサワ先輩(山田孝之)に相談するも、思うようにいかない現実に苛立ちを隠せなくなる。やがて「内定者」が現れたとき、抑えられていた妬み、本音が露になっていく。そして、ようやく彼らは自分を見つめ直す。果たして自分は「何者」なのか。
2016年05月14日俳優・佐藤健主演の映画『何者』(10月15日公開)のポスタービジュアルと特報映像が11日、公開された。ポスターは14日より全国映画館に展開される。平成生まれとして初めて直木賞を受賞した作家・朝井リョウ氏による同名のベストセラーを映画化。就職活動を通して自分が何者かを模索する5人の大学生(佐藤、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生)の姿をヒリヒリと描く。脚本・監督は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』等の作品を送り出した、劇団「ポツドール」の三浦大輔が担当する。ポスターは就活にちなみ、出演俳優陣の履歴書風のビジュアルに。また、SNSが重要となるストーリーに合わせて、Twitterアカウントに見立てたデザインとなっている。また、特報では佐藤らがリクルートスーツで面接や企業説明会に挑むリアルな就職活動の場面、大学生たちの日常の場面も公開されている。さらに佐藤演じる主人公の拓人が、多くの観客から拍手を送られるという、原作にはないオリジナル場面も盛り込まれている。
2016年05月11日『桐島、部活やめるってよ』の朝井リョウによるベストセラー小説を佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之らで映画化する『何者』のポスター画像と特報映像が公開になった。『何者』特報映像本作は、5人の大学生が就職活動を通して自分が“何者”かを模索する姿を描いた作品で、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』を手がけた劇団ポツドールの主宰者・三浦大輔が監督・脚本を担当する。就活の情報交換のために集まった5人の22歳は、企業に入れば何者かになれるのか、自分は何者になりたいのか、そんな疑問を抱えて就活をはじめる。5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、就活の取り組み方や姿勢に嫌悪感を覚えることもあり、徐々に人間関係が変化していく。思うようにいかない現実に直面する中、やがて“内定者”が現れ、抑えられていた妬みや本音が露になっていく。特報映像では、5人それぞれのキャラクターが紹介されている。かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)は、“冷静分析系男子”。天真爛漫で何も考えていないようで、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)は“天真爛漫系男子”。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月(有村架純)は“地道素直系女子”。人一倍、意識は高いが、結果が出ず不安を募らせていく理香(二階堂ふみ)は“意識高い系女子”。社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良(岡田将生)は“空想クリエイター系男子”。そして、サークルOBのサワ先輩(山田孝之)は“達観先輩系男子”。彼らは、自分は“何者”なのか?という誰しもが考えるであろう人生における究極のテーマに、就職活動の末、答えを出せるのか? 映画の公式サイトには「就活生は、観ないほうが良い。」と書かれている。『何者』10月15日(土)全国東宝系にてロードショー
2016年05月11日平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した、朝井リョウによるベストセラーを実写化する映画『何者』。この度、主演の佐藤健をはじめ、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生ら豪華俳優陣の出演が決定。演劇界の若き鬼才・三浦大輔が監督・脚本を務め、就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生の物語に挑戦する。就活の情報交換のため1つの部屋に集まった、5人の22歳。かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。天真爛漫で何も考えていないようで、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月(有村架純)。人一倍「意識高い系」でありながら、結果が出ず不安を募らせていく理香(二階堂ふみ)。社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈…。様々なツールを駆使して戦っていく就活生たち。企業に入れば「何者」かになれるのか、自分は「何者」になりたいのか――。そんな疑問を抱えて就活を進める中、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、一緒に過ごすうちに、就活のやり方やスタンスに嫌悪感を覚えることもあり、徐々に人間関係が変化していく。そして拓人はサークルOBのサワ先輩(山田孝之)に相談するも、思うようにいかない現実に苛立ちを隠せなくなる。やがて「内定者」が現れたとき、抑えられていた妬み、本音が露になっていく。そして、ようやく彼らは自分を見つめ直す。果たして自分は「何者」なのか。原作は、「桐島、部活やめるってよ」で等身大の高校生を描き切った朝井氏による、圧倒的なまでにリアルな就活生の物語を描写したベストセラー小説。実写化に挑むのは、演劇ユニット「ポツドール」主宰者として数々の話題作を上演しつつ、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』といった映画でも高い評価を得ている三浦監督。本作では脚本も担当し、舞台仕込みの演出で作品にさらなる深みを与える。主演には、『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』と主演作が立て続く、人気・実力共に兼ね備えた佐藤さん。共演者には、月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」主演の有村さんや、『蜜のあわれ』をはじめ映画界で実力派として活躍しながら、バラエティ番組にレギュラー出演する二階堂さん。そして『ピンクとグレー』『暗殺教室-卒業-』『デスノート 2016』と今年公開の出演作がすでに8本発表され、TVCMでもその顔を見ない日は無い菅田さん。松坂桃李、柳楽優弥が出演するドラマ「ゆとりですがなにか」では主演を務める岡田さん。さらに、数々の大ヒット作品に出演し、その存在感を増している山田孝之と、世代を代表する若手実力派俳優陣が集結する。各キャストからのコメントも到着した。■佐藤健(二宮拓人役)クランクイン前に何日間かキャスト全員が集まってリハーサルをやらせていただきました。にも関わらず撮影当日もまた鬼のようにリハを繰り返す、舞台稽古のような現場です。三浦監督のもと、キャスト一同三浦組の劇団員になったつもりで残りの撮影も全力を尽くしたいと思っております。この一筋縄ではいかない原作を、この一筋縄ではいかないキャスト、スタッフのみなさんと映画化できることを嬉しく思います。さて、どんな映画が出来上がるのでしょうか。ご期待ください。■有村架純(田名部瑞月役)この度、映画『何者』に出演させていただくことになり、役作りのための経験として就職活動の体験をさせていただきました。エントリーシートの記入や、面接官との質疑応答など、味わったことのない空気の中、周りの友だちはこのような経験を経て社会に出るのだと改めて感じると共に、自分自身がどうあるべきかを考えさせられました。就活生5人、同じ舞台でお芝居をすることが楽しみですし、たくさん刺激を受け、たくさん吸収したいと思います。とてもおもしろい作品になりそうだとワクワクしています。皆さんと精一杯頑張ります。■二階堂ふみ(小早川理香役)同じ世代間で感じる社会との距離や自分との向き合い、様々な感情が渦巻く『何者』。面白い作品にできたらと思います。三浦組、とても楽しみです!■菅田将暉(神谷光太郎役)想像を絶する群像劇。想像を絶するギターボーカル。想像を絶する就職活動。絶しまくりのスタートでしたが、神谷光太郎の『まっすぐさ』を武器に、いま、凄くワクワクしています。現場では毎日、佐藤健くんがニヤニヤしています。これは何かありますね(笑)何だか面白くなりそうな予感があります。予感で終わらせないように、ビシッとかましてやります!■岡田将生(宮本隆良役)宮本隆良。なかなかの曲者です。この曲者を三浦監督とどう創っていくか。撮影は始まっていますが、確実にいいキャラクターになる自信があります。この作品のいいスパイスになれるよう頑張っていきたいと思います。■山田孝之(サワ先輩役)以前から三浦監督とはお仕事をしたいと思っていたので、今回お声掛け頂いてとても嬉しく思っています。うわさには聞いていましたが、現場ではなかなかOKが出ず、何度も何度も最善を目指しテイクを重ねていますが、芝居を細部まで突き詰めさせてもらえるチャンスだと思い、必死について行っています。と、言いたいところですが実際はスターキャストが集まっていてヒット作の匂いがしたので便乗したと言うのが事実です。映画『何者』は10月15日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月11日「私はいったいなにをやってるんだろう。本当は今頃○○になっているはずだったのに」。そんな言葉が出る夜も、生きていればあるものです。「このまま歳をとって、何者にもなれずに終わるのかな......」なんて一抹の寂しさがよぎるのは、今に不満があるからなのかもしれません。そんな感傷的な気分になったときに、グッとしみ入る言葉がありました。それは益田ミリさんの著書『ほしいものはなんですか?』のなかから、「何にもなれなかった」とつぶやいたお母さんをみて、子どもが思ったこんなセリフです。ここに存在すること自体が、すごいこと木から落ちたどんぐりは全部が木になれるわけではなくて鳥に食べられたり踏まれてつぶれたり芽が出られないようなところに転がっていったり木になるってどんぐりには大変なことなんだって、先生が言ってただけどママは、もういるんだそれは、とても、すごいことなんだだぶんこのどんぐりにとっては(『ほしいものはなんですか?』125-126Pより)専業主婦だけでなく、会社員であっても何であっても、現状が理想とちがったときは「何者にもなれなかった」とつい思うこともあります。でもそれは描いていた理想とは違うだけで、「今の自分になれた」ということなのです。ここにこうして存在していること自体が凄いこと。それを改めて実感させてくれるお話です。[ほしいものはなんですか?]girl with bubbles via Shutterstock■ あわせて読みたい・さびしさのさきに、光がある。マーニーが教えてくれたこと・スマホ連動スマートコンロでオカンの味を再現できるのか?・「乾燥しやすくなった」がサイン。40代女性に増加中の「年齢敏感肌」・いつまでもキレイを死守したい、40代のための朝ごはん・メイクで憧れに近づく! 1人の女性が3か国の美女フェイスに変身
2014年10月02日