親族が所有していた、環境、アクセスともに良好な築30年のマンションをリノベーションして住むことにしたOさん夫妻。リノベーションを依頼したのは、エム・デザイン。「工事費を安くするのではなく、適正価格で提供したい」という、代表の藤原真紀子さんの考え方に共感したそう。設備の施主支給やDIYも取り入れ、工事費630万円(税・設計料込み)でラフでカッコいい住空間を手に入れました。■ 男前でインダストリアルなLDKもともとは地下で薄暗かったという室内。ベランダ側の2室を撤去し、奥のキッチンまで光を取り入れることで明るいLDKに一新しました。床は小学校の床をイメージし、ダメージ加工を施したオーク材を使用しています。また、LDKにはやや目立つ梁がありますが、モルタルでの補修と黒い塗装をすることで、インテリアにスッと溶け込むアクセントに。壁はモスグリーン、建具はネイビーで統一しています。壁付けだったキッチンは、コンロだけを切り離して2列配置に。「横移動より、振り向いた方が効率的」と妻。LDKのラフな空間に馴染むよう、システムキッチン側面の化粧板をはがし黒く塗装しました。また、洗面台の移動により置き場がなくなった洗濯機は、キッチンへ。台所仕事をしながら洗濯がこなせて便利で「ベランダに近いので、干すのもラクチン」とのこと。洗濯機左手のドアの先はサニタリースペースです。ダイニングは躯体や配管を現しにし、インダストリアルな雰囲気に。家電棚はダルトンのガレージ用。テーブルは集成材にオイルステインを塗り、アイアンの足を付けたオリジナルです。ラフでカッコいい空間に、男前テイストの家具がよく似合っています。■ LDKの一角を書斎や収納に有効活用明るいベランダ側には、ブックシェルフで間仕切りした書斎を設けました。小さな空間ですが、書類の整理やパソコン作業など、ひとりの時間を確保できる貴重なスペース。シェルフは木製で、フレームをツヤ消しの黒で塗装してアイアン風に仕上げています。リビングの一角には、シェルフを組み合わせたショップのストックヤード風の収納スペースが。天井の撤去で現れた天井吊り用の穴にボルトを差し込んで板を渡し、ハンガーバーをDIYしています。また、壁はトイレと洗面所以外、5日かけて自分たちで塗装。家具の多くもカスタマイズして、好みのテイストに仕上げています。■ オープンクローゼットでゆとりある寝室に8畳の洋室の壁もモスグリーンに塗装。LDKより明度を下げて落ち着きを演出しています。寝室にもともとあった壁一面の収納は、思い切って撤去。天井からガス管を吊り下げ、壁際をオープンなクローゼットスペースにすることで、広々とした寝室になりました。既存の洗面台を取り外し、洗濯機置き場だった場所に洗面台を新設。床はユニットバスの壁面に合わせて、モザイク柄のフロアタイルを採用しました。トイレの壁は明るいグリーンで爽やかな雰囲気に。また、玄関は既存の下駄箱を撤去し、たたきを拡張しました。それに伴い、隣接する洗面所の出入り口も移動。家全体の建具やクロスの統一感にもこだわり、玄関ドアの内側もネイビーに塗装しています。「素材や設備を自分で選べる自由度の高さは、リノベならでは。予算という制限はありますが、空間を一から作る作業は本当に楽しくって。予想以上の出来栄えで居心地がよく、家で過ごす時間が増えました」とOさん夫妻はうれしそうに語ってくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エム・デザイン撮影/山田耕司
2019年01月10日東京都品川区に住むKさん夫妻。夫が独身時代に3,100万円(購入時)で購入したマンションを、工事費700万円をかけてリノベーションして暮らしています。立地がよく、眼下に桜並木が広がる都内でも人気のヴィンテージマンション(昭和45年築)です。専有面積は51.09平米とややコンパクトで、直角三角形のような変形のワンルーム。本当は結婚を機に、住み替えを考えていました。ところが、なかなか気に入る物件に出会えないうちに、この部屋の素晴らしさを再認識したといいます。「とにかく桜が見事なんです」と妻。リノベーションは何社か選んだ中から、対応がスムーズだった空間社に依頼しました。夫婦ふたりで快適に住めるように計画が進むなか、急きょ子猫を家族に迎えることになったそうです。■ 猫トイレの置き場所に技アリ!「猫を飼うことはまったく考えていなかったのですが、ぱんちゃんに出会ってしまって……」と、Kさん夫妻。空間社は柔軟に対応し、猫の快適さもプラスした住まいになるよう工夫しました。今ではバターくん、みるくちゃんも加わり、夫妻は3匹の猫とともに暮らしています。猫を飼うにあたって、まず悩むのが猫トイレの置き場所ではないでしょうか。K邸の玄関からLDKへ向かう廊下の壁には小窓があり、そこを抜けると洗面台の下を利用した猫のトイレスペースになっています。洗面台の下の扉を閉めれば見えなくなるので、来客時も気になりません。猫トイレは下足棚の下にもあり、ぱんちゃんが乗っているものがそれ。深型で、砂が飛び散りにくいタイプです。下足棚は斜めの壁を利用していて、収納量を十分確保しつつ、オープンにすることで圧迫感をなくしています。リビングのドアには、キャットスルーを設けています。設計を担当した空間社・宮本泰則さんが、猫が通りやすい素材を厳選してつくった自信作です。リビングの壁面には、猫が大好きなキャットウォークを設置しました。夫愛用のオーディオ機器が収まるように造作された、テレビボードから上っていけるつくりです。■ 変形のワンルームを機能的に、暮らしやすく!キッチンは玄関の近く、壁が斜めになった部分にありましたが、明るい南側に移動してリビングと一体化。ダイニングテーブルを兼ねるアイランドキッチンとしました。10センチ角タイルや見切りのオーク材、腰壁の羽目板にレトロ感が漂うキッチンです。壁側にはIKEAのキャビネットを設置しました。扉の色と取っ手は空間に合うよう変更しています。キッチン隣の窓際は、妻のデスクコーナーです。春になると、この窓から桜並木が見下ろせます。以前は玄関土間に置いていたという洗濯機は、左手の白い扉の中に収めました。家事動線もスムーズです。unicoのソファを配したリビング。床にはオークの無垢フローリングを張りました。白い引き戸の先は寝室で、リノベ前は防音室があった部分を利用しています。寝室には内窓が設けられています。キッチンがあった場所には、本やCDがたっぷり収納できる書斎もつくりました。夫が趣味の楽器演奏を楽しむスペースになっています。トイレは床の白いタイル×黒い目地の組み合わせがアクセントになっています。洗濯機スペースだった玄関土間には、この空間のサイズに合わせてオーダーした収納家具とベンチを設置しました。夫妻にとって機能的で生活しやすく、猫たちも快適に暮らせるご機嫌な住まいとなりました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/空間社撮影/山田耕司
2018年12月30日やせない言い訳やめてみた12月19日、インスタグラムで約10万人にフォローされているルアナ(LUANA)氏によるダイエット法を掲載している新刊『宅トレだけでここまで変われる!やせない言い訳やめてみた』が発売された。A5判で112ページ、価格は1,300円(税別)、発売は主婦の友社からである。くびれ・美脚・美尻の作り方現在、33歳で3姉妹の母であるルアナ氏は、一人で続けるダイエットでは、食べ過ぎても咎める人もなく、やせても褒めてもらえないことから、挫折してしまうのではないかと考え、インスタグラムでその様子を公開。体重59kgからの12kgの減量に成功し、多くの女性の支持を集めている。新刊『宅トレだけでここまで変われる!やせない言い訳やめてみた』では、運動する時間がない、出産したから仕方ない、年齢で代謝量が落ちたから仕方ないといった自分に対する言い訳をやめて、糖質制限もジム通いもストレスもない自宅でできる簡単なトレーニングが紹介されている。基本となるのはワイドスクワットで、パーツ別ではくびれの作り方や美しい脚の作り方、美しいヒップの作り方も紹介。また、インスタグラムで募集した質問にルアナ氏が回答する「やせるQ&A」のページも設けられている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※宅トレだけでここまで変われる!やせない言い訳やめてみた - 株式会社 主婦の友社
2018年12月28日Iさん夫妻は東京都内で中古マンションを購入後、リノベーションして暮らしています。「雑誌やネットで見た施工例がおしゃれだったので」というnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼しました。また、物件探しから設計・施工まで、ワンストップでサポートしてもらえるところにも魅力を感じたといいます。購入したのは昭和59年築、専有面積66.08平米の物件です。広さや価格が希望通りで環境もよく、住みやすそうでした。リノベーションは1,200万円(税・設計料込み)で行いました。■ シンプルでナチュラルな北欧テイストに!北欧インテリアの特徴のひとつは、アクセントカラーを効果的に使うことです。I邸ではDK側の壁にブルーを使用しました。ディスプレイしたコーヒーグッズや北欧の雑貨が、ブルーの壁によく映えますね。リノベ前のLDと和室既存の間取りは3LDKで壁が多く、各部屋が薄暗かったそう。リノベではLDに隣接した和室を取り払って空間をひとつにまとめ、LDK一体型に変更しました。開放的で明るく、ぐんと広くなったLDK。床には、無垢で無塗装、幅広のオークフローリングをチョイスしました。北欧テイストにぴったりのナチュラルな雰囲気です。ソファーはイデー。ダイニングテーブルと椅子は、アアルトの代表作のひとつです。「買うならこれと、前から決めていました」(妻)。書斎コーナーのデスクや収納は、スウェーデンの建築家ニルス・ストリングがデザインした収納システム、string shelf(ストリング シェルフ)のパーツを組み合わせたものです。キッチンのバックカウンターはあとから変更しやすいように、無印良品の収納家具で構成しました。シンプルで北欧テイストにもフィットしています。「夫婦揃って植物を育てるのが好きなので、植物を飾りやすい空間にしたいとお願いしました」(妻)。インナーテラスをつくることは、nuリノベーションから提案されたそうです。LDKの一角をコンクリートブロックの腰壁とフレームで囲み、塩ビタイルを張りました。LDKの開放感や明るさは、リビングドアの大型ガラスを通して玄関側にも伝わります。■ 収納をたっぷり設けながら光と風を通す!玄関から見たリノベ前の様子リノベにあたって、いちばん叶えたかったというのが明るさです。「光が入ること、風が抜けることが基本。玄関に入ったときから明るい家がいいな、と思いました」(妻)。玄関にはもともと窓がありましたが、生かされていなかったのです。設計デザイナーの田村優樹さんが解決策として提案したのは、玄関土間と収納エリアとキッチンをオープンにつなげるプランでした。まず、玄関側にあった個室のひとつを土間とW.I.Cに変更。玄関窓を生かした土間は明るく、ゆとりのあるエントランス空間になりました。土間からW.I.Cへはそのまま入れるつくりです。靴を脱いだらW.I.Cでコートを脱ぎ、キッチンやリビングへ直行できます。W.I.Cは腰壁と内窓をパーティションに使ったセミオープンスタイルに。光を遮らない内窓効果で、住まい全体が明るくなりました。W.I.Cを抜けるとパントリー、さらにキッチンへと続きます。「動線がスムーズなので家事もしやすく、暮らしやすいです」と妻。ここは玄関窓とLD側の窓からの光と風の通り道でもあるため、ほどよい明るさが確保できました。パントリー内は奥行きの深い造作棚に収納グッズを組み合わせて整理整頓しています。洗面所はあえて隠さず、オープンなつくりにしました。「オープンにすることでいつもキレイにする習慣がつくし、ものが増えないからいいですね」(妻)。洗面所の背面にはトイレがあります。シンプルの極みのようなミニマムな個室空間に仕上げました。「住み心地はとてもいいです。明るくて暖かくて」(妻)。好きな植物や家具に囲まれた暮らしを楽しむ夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影/山田耕司
2018年12月27日夫の谷章生さんが設計事務所を設立するにあたり、仕事場を兼ねた住まいづくりを考えていた谷さん夫妻。もともと中古不動産の活用に興味があり、UR都市機構の築18年(取材時)の賃貸物件を気に入ってセルフリノベへの挑戦を決意。解体からスタートして、約3か月。工事費約90万円(税・材料費込み)で、素材にこだわったセルフリノベ空間を作りあげました。■ 勾配天井のLDKは解放感たっぷり間取りでこだわったのはLDKを広く取ること。もともと和室だった場所の天井を撤去したことで、LDKには勾配天井が出現しました。一番高いところで4mもあるというのは、最上階物件ならではの恩恵。そのおかげで、58平米とは思えないほどの開放的な空間を演出できています。リビングの壁は少しくすんだブルーが印象的。環境に配慮した珪藻土塗りで、色を混ぜて夫妻で仕上げたというオリジナルです。インテリアのアクセントになるうえ、空間にメリハリを生み出しています。リビングのシンプルなテレビ台の上には、お気に入りの雑貨を並べて賑やかに。国内外の旅先で買ったものも多いそう。そして、塗りムラがかえっていい味を出している、LDKのデスク側の珪藻土の壁。「手づくり感いっぱいですが、愛着が湧きます」と夫妻は笑って話してくれました。■ 環境や素材にこだわった床材やテーブル床材には、FSC(森林管理協議会)認定を受けた間伐材の檜を使用。「三重県の尾鷲(おわせ)まで行き、持続可能な森林づくりをしている速水林業を見学して、床材を注文しました」と谷さん。そこに合わせたのは、反りにくい足場板でつくった4mのダイニングテーブル。長〜いテーブルを生かして長〜い手巻き寿司をつくるホームパーティも楽しみました普段の食事はもちろん、打ち合わせやホームパーティの際にも活躍しているそう。また、そのテーブルに平行して、壁際にはデスクを造作してワークスペースに。ごくシンプルなデザインなので、デスク下は収納スペースとしても使えます。既存のキッチンは面材だけをリフレッシュ。toolboxの味のあるオークの挽き板を張っています。コンロ回りの壁のタイル貼りもDIYで。そして、キッチン側のテーブルの下は、家電などの収納スペースに。床の端材と無印良品のケースを組み合わせてつくりました。「家電やカトラリーなど、よく使うけど生活感が出やすいものをしまっておけるので助かっています」と妻。■ クロスや塗装で既存のものをリフレッシュエントランスの右手にある収納は既存のもの。扉に個性的な柄のクロスを貼ってリフレッシュしました。また、床はフローリングの余りを裏返して使用し、変化をつけています。DIYでつくった棚に写真やグリーンを飾ることで、ゆとりを感じられるスペースに。コストダウンも兼ねて、味のある既存建具は塗装して再利用。リビング扉はガラス入りなので、LDKの光を廊下まで届けてくれます。「古いものはよく見るとかわいいデザインだったりしますよね。塗装したらかなり印象が変わりました」と妻。無垢のフローリングにもしっくり馴染んでいます。寝室は既存の間取りのまま、内装だけを変更。LDK同様、壁は珪藻土塗りで、一面だけ色を入れてアクセントに。リラックスできそうな優しいニュアンスのグリーンが、コンパクトな寝室に広がりを感じさせてくれます。「表面的な仕上げの変更だけでなく、空間や間取りを自分たちの手作業で再編集する取り組みが、もっと増えたらいいと思います。中古不動産の活用や建築材料の再活用は、持続可能な都市づくりにつながるし、これからの時代の暮らし方に最適だと思うんです」と、谷さんは力強く語ってくれました。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計SUMIT(スミト)撮影山田耕司
2018年12月24日Hさん夫妻は東京都荒川区内で中古マンションを購入。910万円(税・設計料込み)でリノベーション後、家族4人で暮らしています。当初は新築マンションの購入を考えていたそうで、夫妻は海外生活の経験もあることから、新居ではゆったりと暮らせる広さと開放的な間取りをイメージしていました。ところが、新築では希望の予算・間取りを叶える物件が見つからなかったといいます。そんななか手にしたリノベーション専門誌『リライフプラス』でリノベの自由度の高さを知り、方向転換することに。そして購入時、築10年(平成17年築)と築浅で、しかも専有面積100.42平米というゆとりのある中古物件を見つけたのです。既存の間取りは3LDK+和室でしたが、開放的な間取りはどう叶えたのでしょうか。■ ゲストも楽しめるアイランドキッチンを造作!リノベの設計は『リライフプラス』を見て「デザインにひかれていた」というブルースタジオに依頼しました。LDKでまず目をひくのはアイランドキッチンです。「以前の家は独立タイプのキッチンだったので、新居では家族やゲストと調理も会話も楽しめるキッチンにしたいと思いました」と妻。既存では半独立タイプだったキッチンの壁を取り払い、まずはLDKを開放的な一体型に。さらにキッチンの位置を動かすことで、オープンなアイランド型を実現しました。キッチンはステンレスの天板とラワン材を組み合わせ、長さ2500㎜×幅920㎜のワイドサイズで造作。このサイズならば、ゲストが多くても対応できますね。キッチンには「隠す収納」と、食器などを飾って楽しむ「見せる収納」の両方を設けています。以前から使っていたダイニングテーブルやチェストは、キッチンやフローリングの色に合わせて夫がDIY で塗装したそう。ダイニングキッチンの床は配管を通すためにリビングより一段高くしましたが、それが程よいアクセントにもなっています。さらにダイニングキッチンの床には天然石のブラックスレートを採用することで、LDK一体型の空間を緩やかにゾーニングしています。■ 既存を生かすことで高級材インドネシアチークを採用!リビングダイニングにあった収納は取り除き、空間を広げました。広くなったリビングの一角には、子ども用の勉強スペースも設けています。夫がいちばんこだわったのが、フローリング材。使用したのは世界的に有名な高級材・インドネシアチークです。「赤みのある深い色みと味わいのあるツヤ感が気に入って、これだけはコストをかけても使いたいと思いました」と夫妻。そこでリノベ費用が予算オーバーしないよう、浴室や洗面室などはそのまま生かすことにしました。生かせるものが多いのは、築浅物件ならではですね。設備だけでなく、扉も既存にシートを貼って再利用しています。トイレでは、既存の手洗い器付き収納カウンターを利用することでコストを抑えました。しかし、便器を交換した上で、壁の一部には「どうしても使いたかった」というサブウェイタイルを貼ることでHさんの満足度をいっそう高めています。■ 将来の住まい方も考えたプランに玄関の脇には、土間仕上げのシューズインクローゼットを新設しました。「家族全員で出かけるときにも、荷物を取ったり置いたりという動線がスムースで、とても気に入っています」と妻。玄関ホールに面する個室は収納を取り払い、親子4人で使う広い寝室にしました。寝室入り口のドアの横に設けた鏡は、将来取り外して、ドアにすることができるそう。いずれ寝室を2つの子ども部屋として使えるよう配慮したものです。現在、子どもたちが遊び部屋として使っているのはこの個室。子どもたちが成長したら、ここを主寝室として使う予定です。新築ではなく、中古物件を自分たちに合わせてリノベにしたからこそできた工夫といえるかもしれません。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.27」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/ブルースタジオ撮影/水谷綾子
2018年12月18日都心で駅近など、立地条件の良い場所は物件価格も高めです。立地にこだわり、手ごろな価格でコンパクトな物件を選んだ人は、どんな部屋に住んでいるのでしょうか。そこには「省スペースを有効活用する方法」や「空間を広く見せるテクニック」など、部屋づくりの参考にしたいアイデアがたくさんありました。3つの実例をまとめてご紹介します!■ 1.コンパクト物件では引き戸がオススメOさん夫妻は約57平米の中古マンションをリノベーションし、部屋の真ん中に寝室兼ロフトの「箱」を設置しました。壁ではなく箱で空間を仕切ることで回遊性が生まれ、子どもがのびのび暮らせる家が実現。箱のある面にはソファ、別の面にはデスクを置いて、場所ごとに空間を使い分けています。また、Oさん宅はドアのほとんどを引き戸にしています。引き戸だと開閉時にドアが邪魔にならないので、コンパクト物件にはぴったりなんです。開けっ放しにしておけば適度に風が入り、換気にもなって、まさに一石二鳥です。詳しくは記事をチェック!部屋の真ん中に箱! 驚きのスペース活用術【リライフプラス】■ 2.キッチンの吊り戸棚をなくして空間がスッキリ!Nさん夫妻は東急線の3駅が徒歩圏内の住宅街で、52平米の中古物件を購入しました。工事費は800万円(税・設計料込み)。コンパクトな空間で快適に過ごすために、視界を遮らないオープンスタイルを採用。できるだけ壁をなくし、キッチンでは定番の吊り戸棚もなし。独立した寝室も作りませんでした。家具や配置に工夫を取り入れ、自然に空間を仕切ることで、常に部屋をフレキシブルに使っています。“あって当たり前”の先入観で判断せず、我が家にとって必要か不必要かを選択することで、コンパクトな空間でも狭さを感じずに暮らせます。詳しくは記事をチェック!52平米の箱に希望をすべてを詰め込んだリノベ【リライフプラス】■ 3.約50平米なのに広々LDKも大容量の収納も確保!Tさん夫妻は出産を機に引っ越しを考え、東急東横線沿線で約50平米の物件を見つけて1,380万円で購入、工事費850万円(税・設計料込み)でリノベしました。床にはオークの無垢材を使用し、壁の一部を板張りにするなど、ヴィンテージな雰囲気を楽しんでいます。LDKをできるだけ広く見せるように、寝室は高さ1mほどの壁で仕切っています。リビングから見るとスッキリした印象ですが、寝室側から見ると壁は本棚になっていて、ちょっとした収納棚としても使えます。さらに寝室の床は50cm高くなっていて、床下には収納スペースがたっぷり。コンパクト物件ながら広々としたLDKを確保できたTさん宅には、あちこちにスペースを有効活用するテクニックが散りばめられています。詳しくは記事をチェック!ヴィンテージ家具が映えるリノベ【リライフプラス】
2018年12月16日結婚後も賃貸マンションで暮らしてきたHさん夫妻。予算内で中古の一戸建ても買えそうでしたが、夫は大のインテリア好き。好みの空間に変える予算が取れる中古マンションを買って、リノベーションすることにしました。夫妻は埼玉県志木市で見つけた専有面積69平米の物件を1850万円で購入。昭和56年築で築年数は36年の団地でしたが、管理が行き届いていてエレベーターもあり、ペット飼育がOKだったのも決め手になりました。リノベ予算は1000万円と決めていましたが、実際は少々予算オーバーの1200万円(税・設計料込み)となりましたが、大いに納得のいくリノベとなりました。■ コンサルタントに頼まず予算は自力で算出!Hさんが家の購入を考えたのは、一戸建て新築物件の内覧会に参加したのがきっかけでした。しかし、その一戸建てを購入した場合、月収がローンの支払いだけでなくなってしまうことに気付いたそうです。それが、“家を買う”という選択と、収入に見合った借り入れ金額について考えるよいきっかけとなりました。リノベ予算は自力で算出。「コンサルタントに頼まず、自分たちでローンの組み方や税金などの勉強をして、銀行にもたくさん行きました」(夫)、「保険付きのローンがあることなども知り、勉強になりましたね」(妻)。リノベーションは、リノベーション専門誌『リライフプラス』で知ったアズ建設に依頼。同社の事例の回遊性の高い間取りや、ラフなディテールが気に入ったのが理由でした。当初のプランで上がってきた見積もり額は予算内の980万円でした。■ システムキッチンではなくオリジナルキッチンに変更!リノベ前のキッチン既存では独立型に近いキッチンでしたが、ベランダ側のLDと和室をつなげてつくった広い空間の中へ移動。オープンなキッチンとしました。当初の見積もりでは、キッチンはシステムキッチンの予定でした。しかし、自分たちの使い勝手や好みに合わせられるオリジナルキッチンに変更。コストが上がってもこだわりたかったといいます。料理に集中できる壁付けのキッチンには「どうしても入れたかった」という3口のコンロを採用。コンロ下の引き出し式の収納には、よく使う鍋やフライパンが収納できるようになっています。同じく造作したカウンターの足元には照明が仕込まれ、あたたかな雰囲気を醸し出します。キッチンのあった場所にはパントリーとワークスペースを設けました。パントリーはキッチンに隣接し、家事動線もコンパクトです。リビングでは、TVボードを既製品から造り付けに変更。無印良品のケースがぴったり収まるように造作しました。空間への馴染みのよさは、造り付けならではです。リビングにはインナーテラスがあります。愛犬・ショコラのハウスの定位置であり、室内干しにも大活躍。床の段差がベンチ代わりにもなり「外の木々が見えて癒やされます」(妻)。洗面台もメイク道具などの収納計画を立てた上で造り付けにしました。造り付けに変更してコストアップした分は、床材をカラマツからリーズナブルなオークに変えるなどして調整。それでも予算オーバーした分が許容範囲だと判断できたのは、資金計画から取り組んできたおかげです。■ 色でアクセントをプラスして、楽しい空間に玄関土間は左右に、端まで伸びています。土間の右側には自転車などを置き、左側にはアズ建設の施工事例を見て取り入れたかったというオープンなシューズクローゼットを造り付けました。イエローとブルーのニッチは、柳宗理が手掛けた、横浜市営地下鉄の駅の水飲み場をイメージしたもの。空間のよいアクセントになっています。ニッチの奥はキャンプ好きの夫妻ならではの収納スペースに。キャンプから帰宅後すぐに道具を片付けられるつくりにしました。愛犬が自由に家の中を歩き回れるよう、ドアはLDKとトイレだけに設置。その他は必要に応じてロールスクリーンで仕切ります。右のロールスクリーンはWICの入り口です。WIC内にはポールや棚板を設置し、使い勝手をよくしています。WICの一部には有孔ボードを張り、壁面も有効利用。クローゼット内に湿気が溜まらないように壁の上部を抜いています。寝室は1面だけアクセントウォールとして、温かみのある黄色を塗りました。寝室のコーナーにはガラスを入れて明るさと開放感をプラス。窓際のカウンター収納は追加工事で設置したものです。無印良品のボックスが入るサイズで造作しました。トイレは黄色をアクセントカラーに。おしゃれな波型の手すりはすべりにくく、握りやすいユニバーサルデザインでもあります。夫妻は、ともに40代。「リノベは今後の人生設計についても考えられる、よい機会になりました」と声をそろえます。収入やお金の使いどころ、暮らし方の見直しの適期だったのかもしれませんね。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アズ建設撮影/飯貝拓司
2018年12月10日以前は夫が結婚前に購入した東京都渋谷区内のマンションに住んでいた名塚さん一家。長男が生まれ「もう少し環境のよいエリアで暮らしたい」とリノベーション前提で、渋谷区内の中古マンションを探しました。探し当てたのは専有面積75平米、築年数56 年(昭和36 年築)のヴィンテージマンションです。名塚さんの希望はキッチンのサブウェイタイルや室内窓などを含めたフルリノベでした。譲れないところには予算をかけながらも、コスト削減の努力も行った夫妻。予算の800万円(税・設計料込み)を越えることなくフルリノベを実現させました。■ 室内窓の枠はスチールから木製に変えてコストダウン!リノベーションは、リノベのイメージづくりのために見ていたリノベーション専門誌『リライフプラス』で、「いいな」と思ったページのほとんどを手掛けていたエム・デザインに依頼しました。マンションは渋谷区の中でも資産価値の高いエリアにあります。「環境も眺めもいいし、価格も予算より安かったので、即決でした」(妻)。バルコニー素材はIKEAで購入し、夫がDIYで施工しました。リノベ前のLD「リビングの床は絶対にムク材がいい」と幅が広めのオークをチョイス。予算に見合うリーズナブルな価格のものを選びました。壁や躯体表しで高さを確保した天井は白とし、黒いフレームの室内窓や黒のライティングレールで空間を引き締めています。室内窓の枠は高くつくスチールではなく木製にすることでコストダウンしました。でも、しっかりと狙った雰囲気に仕上がっています。念願の室内窓はリビングと子ども室の間に設置しています。ガラス面を大きくし、リビングと子ども室を広く見せる効果も狙いました。室内窓のリビング側には本棚、そして子ども室側には同じ素材でデスクを造り付けています。■ サブウェイタイルは予定よりもたっぷりと使用!リノベ前のキッチン既存のキッチンは3方を壁で囲まれた閉鎖的なつくりでした。個室を取り払った部分にキッチンを移動した上で対面式にし、オープンなつくりに。システムキッチンはリーズナブルなタイプを選び、本体を隠す造作壁をつくりました。腰壁をワークトップよりも高く立ち上げ、カウンターを設置することでグレードアップさせました。キッチンはモノトーンでまとめました。壁は「どうしても取り入れたかった」という白のサブウェイタイル、床はグレーのタイル、ダクトは白く塗装しました。レンジフードはこの雰囲気に合わせて選んだものです。サブウェイタイルは最初の計画よりも貼る面積を拡大しました。天井と壁の境まで貼ったことによって目線が上に伸び、広がりが生まれました。キッチン背面に取り付けたオープン棚の見せる収納がアクセントになっています。■ 棚はリーズナブルなオープンスタイルに!広い土間も希望していた名塚さん。既存の納戸を玄関土間に組み入れ、土間スペースを広げました。集成材の棚板におしゃれなボックスやカゴを組み合わせ、オープン棚をセンスよく使っています。天井に取り付けたアイアンバーは夫の筋トレ用ですが、コート掛けや物干しにも重宝しているそうです。玄関のすぐ横にある収納は、主に長男用の「子ども用納戸」です。奥の有孔ボードを張った壁には帽子などを飾りながらディスプレイしています。手前は寝室、真ん中はトイレ、奥はサニタリーのドアです。少しずつデザインが違うドアを採用しています。サニタリーの位置は移動せず、ドアやバスタブの配置などを調整して使い勝手をよくしました。洗面台は造作し、キッチンと同じモルタルで仕上げています。トイレはモノトーンでまとめています。壁には吊り戸棚を造り付けるよりコストダウンできて使いやすいオープンな棚を取り付けました。こうして、どうしても叶えたかったことはきちんと実現させながら、コストパフォーマンスのいいリノベを行った名塚さんでした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/エム・デザイン撮影/中村風詩人
2018年12月03日愛犬・ぽっけちゃんとともに、愛知県名古屋市名東区のマンションに住むYさん夫妻。マンション探しを始めたのは結婚がきっかけでしたが、新築は好みに合わず、中古は外観や設備の古さが気になり、物件探しは難航したそうです。ようやく見つけたのは専有面積72.49平米、平成24年築という築浅で状態のよいマンション。名古屋で人気のリノベーション会社・エイトデザインに依頼して、夫妻の好みである「インダストリアル、ブルックリン、ロンドンのパブの3つを足した感じ」にリノベーションしました。リノベーションを担当したのは、思うような物件が見つからないときに出会い、家探しの相談などもするうちに意気投合したというエイトデザインの丹羽健太さんです。■ ファイナンシャルプランを作成して納得の予算に当初、Yさん夫婦が考えていた総予算は、物件と工事費込みで3,500万円ほどでした。しかし、エイトデザインの丹羽さんからは「無理して家を買うより、その後の生活を楽しく過ごすことの方が大切」とファイナンシャルプランの作成を勧められたそう。「今だけでなく、その後のお金の使い方まで考えることができてよかったです」と夫妻。マンションは2,700万円で購入できたので、650万円(税・設計料込み)をリノベの予算としました。リノベ前のLDKリノベ後のLDKリノベで最も力を入れたのはLDKです。本物のレンガの厚みを半分にして貼った、ブリックタイルの壁が目を引きます。本物ならではの風合いが、ロンドンのパブのような雰囲気を醸し出します。レンガの壁の上部に設けた滑り出し窓は、隣接するWICに光と風を届けるためのものです。夫がネットオークションで格安で手に入れた和建具に、鉄粉入りの塗装を施して造作しました。アンティーク材を使ったヘリンボーンに見える床は、実はビニールタイル。愛犬が走り回っても滑りにくいように取り入れたものです。オープン棚は足場板を長ネジでつないで造作しました。テレビとテレビ台を置く位置などにも配慮して、バランスよく設置されています。棚の上に飾られた小物にも、Yさん夫妻のセンスのよさがうかがえますね。■ 工事費650万円の理由は“間取り”と“既存”にあり!間取りで大きく変更したのは、リビングの隣にあった和室をWICにした点です。ふたりとも洋服が大好きなので、ゆとりのあるWICは必須でした。壁の一部を抜くことで、奥の寝室との行き来をしやすくしてあります。リノベ工事費が650万円に抑えられたのは、WIC以外で大きな間取り変更をしていないのが理由のひとつです。2つの洋室にも手をつけず、コストを抑えました。さらに、水回りはなるべく既存を利用しています。築浅の物件と巡り合えたおかげですね。既存を利用したとはいえ、どの空間からもYさん夫妻らしさがにじみ出ています。キッチン扉は塗装し、カウンターの腰壁には鉄板を張って大きめのボルトで留めてイメージを一新しました。キッチン上部にはラフな質感の足場板で吊り戸棚を造作しました。アイアンバーとワイングラスを吊る金物は施主支給品です。リノベ前の廊下各居室の建具も既存を塗装して再利用しています。トイレの建具だけは黒板塗装を施して、アクセントにしました。玄関は床をモルタルで仕上げ、収納の扉を塗装しただけですが、印象は大きく変わりました。洗面化粧台は機能的で使いやすかったため、既存のままです。ユニットバスは表面を削ってコーティングを施し、新品同様に生まれ変わりました。トイレは取り換えましたが、なんと夫の知人から「引っ越し祝いに」と贈られたものだとか。LDKのドアは造作しました。ガラス面にはリノベーション完成を記念して、夫妻が大切にしているもの、をテーマにしたサインが入っています。取材は第一子が誕生する前に行われました。今はいっそう賑やかで、楽しい空間になっていることでしょう。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/エイトデザイン撮影/田部雅生
2018年11月14日以前は都心にある55平米のマンションに住んでいたYさん夫妻。住み替えは積極的に考えていなかったそうですが、妻の実家近くで売りに出たヴィンテージマンションの一住戸の広さや管理体制に惚れ込み、一番乗りで申し込み、購入。「古きよきものは残そう」という姿勢でリノベに取り組むオフィス・エコーの江本響さんに依頼し、工事費1,420万円(税・設計料込、施主支給分は別途)で解放感のある空間にリノベーションしました。■ LDK横に寝室を配置し、視線の抜ける約30畳の空間にチークの木目の濃淡が美しい既存の壁面収納がしっくりなじむLDK。間仕切り壁の多い3LDKを贅沢に2LDKにつくり替え、フレンチヘンリボーンの床や海外の大きな家具が映える大空間に生まれ変わりました。そのすぐ横には、ガラスに囲まれた明るい寝室を配置。LDKからの視線の抜けのよさと、寝室としての機能のバランスを考えて、ガラス面の高さを決めています。外部に面した窓と屋内窓との相乗効果で、ひろびろ感がさらにアップ。「LDKと寝室を足すと約30畳で、かなりゆったり。すごく快適です」と夫妻。独立型キッチンをオープンスタイルに変えて、リビングダイニングと一体感をもたせたキッチン。天板はステンレスのオリジナルで、キャビネットはイケアのものを採用しました。オープン棚に並ぶ調理器具はシックな色調で統一し、既存部分を残したLDKにうまく馴染んでいます。リビングダイニングの一角につくられたコンパクトな書斎は、家で仕事をすることも多い夫のためのスペース。「子どもはこの段差が好きみたいで、友達が来るとここに集まって座っています」とのこと。窓際に視線を向けると、そこには陽がたっぷり差し込むサンルームが。リビングの風通しをよくし、寝室と外部との緩衝地帯にもなっています。マンションの管理規約で、洗濯物の乾燥は地下の乾燥室でしていますが、小さなものはここに干しています。今後は観葉植物を増やす予定だそう。■ 子ども室につながる便利な回遊土間長男が赤ちゃんだったときの等身大ポートレートがお出迎えしてくれる玄関。正面の壁はリブ材張りで、塗り壁主体の壁面のアクセントになっています。もともと個室と納屋があったスペースを縮小して、贅沢な広さを確保。そこに将来子ども室にする予定の個室をつくり、ぐるりと囲むようにL字型の土間を設けました。外から帰ってきてベビーカーやアウトドア用品などをそのまま置ける便利なこの土間。玄関土間から個室へ、個室から玄関ホールへと、ぐるりと回れる回遊動線になっています。土間の突き当りにあるこちらが、将来子ども室にする予定の個室です。■ ゆったりとした広さを確保したサニタリーサニタリーは配置を調整して広がりを確保しました。浴室をやや拡張し、洗濯機置き場を兼ねていたスペースを洗面室に一新。新しい浴室の壁面と既存壁との間の隙間を、洗面室側から使えるタオル収納に利用しています。以前洗面台があった場所は洗濯機置き場に変更(写真左)。玄関とサニタリーを仕切る建具は、前のキッチンで使われていたものを再利用しています。設備機器の調達には、夫が奮闘。ハーフユニットバスも温水洗浄便座もネットで購入して施主支給することで、コストダウンになりました。リノベが完成してしばらくたった頃、友人たちを招き、寿司職人に出張してもらって食事会を開いたそう。エクステンションのダイニングテーブルを広げ、キッチンで握ったばかりの寿司を味わい、大人6人と子ども2人で大いに盛り上がったとか。「すごく好評で、職人さんは、過去最高にやりやすかった、と言ってくれました」。Yさん一家は、広い空間ならではの生活を楽しんでいるようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計オフィス・エコー撮影遠藤 宏
2018年11月12日Iさん夫妻の住まいは、世田谷区にある3階建て集合住宅の1階。妻の亡き祖父が持ち主であったこの集合住宅は、祖父の自宅も兼ねていました。その祖父の住居部分と隣の賃貸部分をつなぐことで、96平米という大空間が出現。リノベーションは空間社に依頼し、工事費1,650万円(税・設計料込み)で夫妻の希望であった「楽しくホームパーティできる空間」を実現させました。■ キッチンはホームパーティを楽しめる空間に玄関を入ると、奥行きの深いLDKが目の前に広がります。祖父の住居部分を丸ごとLDK空間にあて、大きなアイランドキッチンを設置。そしてダイニングは、8~10人が余裕で使えるテーブルがゆったりを置けるほどの広さを確保しました。また、西側を書斎とカウンターで仕切り、ワークスペースとパントリーを設けてあります。ダイニングテーブルの先にはアイランドキッチンが。「料理していると、みんな自然とここに集まって手伝ってくれるんです」と妻。対面からもサイドからも調理に参加できて、ホームパーティを存分に楽しめます。幅2840mmというワイドサイズのキッチンの背後には、色鮮やかなカウンター。調理が効率よくはかどるレイアウトです。通路の幅は950mmを確保し、料理好きな夫妻が同時に作業してもラクにすれ違えます。また、キッチン通路の延長線上、書棚の奥にはパントリーがあります。1坪強の空間には、ストック食品や酒類のほか、掃除機や外出用の衣類なども収納されています。キッチンに立って玄関側を向いてみるとこんな景色。正面の玄関ホールの左右にリビングと多目的ルームを配置しました。ともに南側に面していて、日当たりは抜群。同一空間なのでキッチンまで光が届くそう。リビングはダイニングキッチンとひとつながりの空間にありますが、隣接するエントランスの奥行きを利用したゾーニングに。ほどよいこもり感のあるつくりになっています。ソファで読書やテレビにじっくりと集中できそう。■ つながり感も、こもり感もあるワークスペースLDKの一角には夫専用のワークスペースを実現。カウンターには夫の祖母の家で使われていた青森ヒバが使われています。オープンなつくりでありながら、中に入るとほどよいこもり感もあり、なんとも落ち着ける雰囲気です。こちらには造作のオープン棚を設置。「空間に背を向けていることに違和感があるので」という夫の希望で、デスクはLDKに面して付けられているのも特徴です。大空間の一角だから解放感があり、LDKにいる妻とのコミュニケーションも取りやすいそう。こちらはLDKとは引き戸で仕切られている多目的ルーム。引き戸の開閉により、LDKとのワンルームにも、個室にもできるフレキシブルな空間に。幅広の無垢ラスティックオークのフローリングからは木の美しさが感じられます。もともと賃貸部分だった空間の約半分を使い、ゆったりとした寝室に一新しました。大容量のクロゼットを置いても余裕の広さを確保。残り半分は水まわりにあて、相互の行き来を良好にしています。壁の一面だけミントグリーンの塗装を施してアクセントに。■ ゲストが多くても大丈夫!ゆとりのエントランス寝室の前から玄関側を向くと、右手には書棚が連なっています。エントランスは既存の2倍近く広めに取ったことで、ゲストが多い日でもゆったり。靴収納も扉のないオープンなつくりにしたため、空間がより広々と感じられます。玄関を入ると目の前がすぐ生活空間なので、必要に応じて引き戸を開閉して使っているそう。寝室と至近距離の位置に水まわりを配置。天井にはワークスペースにも使った夫の祖母宅の青森ヒバを。水に強いヒバの適材適所の再利用となりました。洗面台の壁面には、かわいい柄クロスや個性的なタイルなどで遊び心をプラス。タイルは「バティック」(名古屋モザイク)というシリーズの柄をランダムに組み合わせたそう。こうした仕上げや水栓、スイッチプレートなどは、妻がインスタグラムなどで探したイメージ画像をもとに、空間社がセレクト、提案をしました。祖父の計らいでつくられた2戸をつなげて、大胆にリノベーションをしたI邸。余裕の広さに加えて、夫妻の気さくで大らかな人柄が、訪れる人をもてなしてくれます。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工空間社撮影山田耕司
2018年11月09日神奈川県横浜市に建つ、平成10年築のマンションを購入したHさん夫妻。実は当初、3人の子どもたちとゆったり暮らせる戸建てを建築するつもりで土地を探していました。けれども、なかなか思うような土地が見つからず、諦めかけていたとき、不動産業者から内見を勧められたのがこのマンションでした。1階と地下1階からなるメゾネットタイプで、専有面積120平米という広さ。緑に囲まれ、専用庭もあって「戸建て感覚で暮らせそう」と感じたのが決め手になりました。そして、より上質な空間を目指し、1,080万円(設計料・施主支給別)でリノベーションしました。■ こだわったのは素材の質感や光の取り入れ方リノベ後のリビングダイニングリノベ前のリビングダイニング設計は、もともと戸建ての設計を頼もうと思っていたimajo designの今城敏明さん、由紀子さんにそのまま依頼しました。プロデュース会社ザ・ハウスで紹介され、空間づくりも人柄も気に入ってのことです。夫がこだわったのは、素材の質感や光の取り入れ方を重視した、家族が心地よく過ごせる空間です。LDKの床には既存の床暖房に対応しつつ、オークの無垢材部分が厚いものを採用しました。しっかりと質感が感じられる三層集成フローリングです。壁や天井には、吹き付け仕上げを採用しました。表面に凹凸ができるため、光が当たると豊かな表情が楽しめ、独特の高級感が生まれます。リノベ前のキッチンリノベ前は独立型のキッチンでしたが、オープンなスタイルに変更しました。壁を取り払ったおかげで、庭を眺めながら料理ができるようになりました。妻の希望通り天板にステンレスを使ったキッチンは、imajo designが家具工事で製作したものです。照明は手元を照らすものを選び、眩しく感じないように配慮しています。キッチンカウンターの笠木には、木目が美しく木の温もりが感じられるナラ無垢材を採用しました。出窓にもナラ無垢材を使用しています。対面式キッチンではありませんが、動線がリビングダイニングと一直線につながっています。「このほうが片付きやすく、リビングダイニングもすっきりします」と妻は言います。ダイニングスペースでは天板の厚みにまでこだわってオーダーしたアルダー材のテーブルが、やさしい雰囲気をかもし出しています。ソファなども含め、家具はインテリア好きの妻によるチョイスです。■ 5人家族がスムーズに暮らせるゆとりと工夫設計を担当したimajo designは、5人家族の暮らしやすさを考慮して玄関を広げました。引き戸の横にスリットを設け、暗くなりがちな廊下や玄関に光が届くようにしています。広げた玄関には引き戸を採用したシューズクロークを設け、扉をバタバタさせることなく出掛けられるよう配慮しました。3人の子どもたちが成長しても十分対応できるよう、リビング隣にあった洋室をウォークインクロゼットに変更しました。洗濯物の片付けもスムーズです。洗面室を広げて脱衣室と分けたところもポイントです。「パウダールームはリビングとつながっていて、ゲストが使うこともあるので、部屋のような心地よい空間にしたくて」と妻。家族が多いので、鏡もワイドです。トイレは床や壁、天井の仕上げをほかの部屋と統一しました。子ども室は、北側にあった2室をつなげて広いワンルームとしました。窓はすべて既存のままですが、壁を広げてサッシの枠を隠すことでスッキリと見えるようにしています。出入り口は2か所に設け、将来は2室に分けられるように計画されています。■ DIYはコストだけでなく後のメンテにもプラスに!地下室は寝室ですが、こちらは床のカーペットをシンプルでリーズナブルなシナ合板に張り替えるだけにして、コストバランスを取っています。地下室へ続く螺旋階段も、カーペットだった踏み板をシナ合板に張り替え、手すりを塗り替えました。そして、寝室の壁と天井はHさん夫妻がDIYで塗装しました。聞けば、1階の床のオイル仕上げもDIYしたそうです。DIYはコストダウンにつながりますが、慣れておけば後のメンテナンスにも役立ちます。「吹き付けの壁など減額案でも好みに合う素材を提案してもらったので大満足。物件を買う前から建築家に相談できたのもよかったと思います」とHさん夫妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/imajo designプロデュース/ザ・ハウス撮影/飯貝拓司
2018年11月07日出産をきっかけに「自分たちの好きなようにできる」家を購入することにしたOさん夫妻。住まい探しの際、最重視したのは立地。中古マンション+リノベ専門のスマサガ不動産の仲介で、立地・環境・価格のバランスがとれた約57平米のマンションを購入しました。そしてスマサガ不動産のプロデュースにより、設計はデザインライフ設計室の青木律典さんに依頼。家の真ん中に箱があるという個性的かつ快適な空間での暮らしを実現させました。■ 回遊性のある空間で、家族の気配を感じる暮らし壁一面の本棚、夫のワークスペース、大きなキッチン、たっぷりの収納など、夫妻のたくさんの要望を解決したのが、部屋の中央に設けたひとつの箱。箱型の個室を部屋の中央に置いたことで廊下がなくなり、その分、空間を有効に活用できるように。玄関からLDKに入ると目の前はスーッと視線が抜けるキッチン。キッチン本体の背面はオープン収納になっています。食器集めが趣味の妻も納得の、大容量の食器棚兼パントリーとして大活躍しているそう。棚板は数センチ単位で高さを変えられる可変性も。料理上手な妻は、長年の経験をふまえてキッチンの設備や作業スペースの広さまで細かくオーダー。キッチンで作業をしていても、後ろを通り抜けられる十分な幅もしっかり確保してあります。キッチンの真横に冷蔵庫、真後ろに食器棚、作業スペースの横がダイニングと、作業効率も抜群です。箱沿いに進みキッチンを抜けると、障子越しにやわらかい光が届くリビングダイニングに出ます。保温性と吸湿性に優れた障子は、明るさを伝えつつ直射日光を適度に遮る特性があります。光が拡散されて部屋全体が明るくなり、視覚的に広く見える効果も。そして、リビングには無印良品のい草ユニット畳を敷き、冬でも日差しが入ってポカポカと暖かいスペースに。3人で寝転がっているうちに、一度も外に出なかった日もあるそう。窓際には10センチほどの奥行きがある縁側的なスペースも。障子は写真奥のスペースにすべて引き込めるように設計しました。さらに、寒さが苦手な妻の希望で、障子の上には断熱用のシェードを設置しています。ソファの背面にあるのが、この部屋の中央を陣取る箱。この箱を配置することで、行き止まりがなく、ぐるりと部屋を一周できる回遊動線が生まれました。おかげでデッドスペースとなる廊下がなくなり、すべての空間が有効に活用されています。■ 箱の正体は、寝室兼ロフト!リビングからさらに箱沿いに進むと、妻のあこがれだった壁一面の本棚があるスペースが。本を入れれば入れるだけ断熱の効果も期待できるそう。最も冷気が入りやすい窓面には障子を設置し、ベンチの下にはガス式のパネルヒーターも取り付けました。そして右手の引き戸を開けると、箱の中がお目見えします。箱の中身は唯一個室にしたかったという寝室。寝るだけのスペースなので天井高を低く抑え、上部にロフトを作りました。現在は物置にしていますが、将来はキッズスペースとして活用することも考えているとか。さらに進むとぐるりと一周して玄関から入ってきた場所に戻ります。こちらは家に仕事を持ち帰った時に作業ができる夫待望のスペース。箱の側面に奥行きの浅い板を取り付けただけのシンプルなつくりですが、椅子とパソコンを置けば子どもと一緒に使えるファミリースペースに。ファミリースペースの後ろに設けた大容量のクローゼットは、全面に洋服をかけるポールがついているうえ、その上部にも下部にも収納スペースを確保。見せたくないものはすべてこちらにしまってスッキリ整えています。■ モルタル塗装の玄関から水まわりへ玄関は床だけでなく壁にもモルタル塗装を施して、シンプルに仕上げました。給排水管の勾配を確保するために床が上がって段差ができたため、緩やかなスロープに。ゆったりと広さを取ったので、ベビーカーを置いても余裕だそう。靴を置く棚は置くものによって高さを変えることができます。水まわりスペースは使い勝手が悪かったため、少々位置を変更しました。浴室の隣にあった洗濯機置き場は奥行きが深くドアを邪魔していたので、トイレ脇の給湯器があった場所に移動し、洗濯機横にはトイレを配置しました。個室がほとんどなく建具が少ないO邸ですが、窓の障子はもちろん、寝室・トイレ・クローゼットと、ほとんどのドアは引き戸を採用。省スペースにも一役買いつつ、開け放てば風を通せるというメリットも。もともと洗濯機があった場所は洗面スペースとし、同じ奥行きの棚を設けました。突き当たりのバスルームは、構造壁の都合で大きさを変更できずコンパクトですが、使い勝手は良好だそう。ドアを折り戸にして省スペースを実現しています。寝室兼ロフトの「箱」を中心にした回遊性のある暮らしをするなかで、「休日にリビングの畳で昼寝をしていると、幸せだな~って感じるんです」と妻。お互いの気配を常に感じられる空間での暮らしを楽しんでいるようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計デザインライフ設計室撮影飯貝拓司
2018年11月05日都内の便利な場所に中古物件を買って、リノベーションして住みたい。そんなNさん夫妻が選んだのは、東急線の3駅が徒歩圏内の住宅街の一角。建物の雰囲気や管理状態のよさを気に入り、見晴らしのよい52平米の角部屋を購入しました。設計は、アパレル会社で店舗ディスプレイの仕事をしている妻がベースを手がけ、コンパクトな空間を無駄なく使えるプランに。リノベーションは大和工芸に依頼し、妻の設計をベースに工事費800万円(税・設計料込み)で理想をすべて詰め込んだ空間を手に入れました。■ オープンスタイルのキッチンで開放感あるLDKに物件の専有面積は約52平米。もうすぐ第一子が誕生する夫妻にとっては決して広い面積ではありませんでしたが、コンパクトな空間を無駄なく使えるよう知恵を絞りました。玄関を入ってすぐの場所にあるキッチンは、吊戸棚をつくらずオープンスタイルに。その代わりにザ・コンランショップで購入したバスケットやイケアの棚を壁に取り付けて、見せる収納で収納量を確保しました。ヘンリボーンの床にマッチしたダイニングセットは、北欧のデザイナー 、イルマリ・タピオヴァラのヴィンテージ品なのだそう。既存の天井を抜いて高さを出し、躯体現しにすることでさらに広さを感じられる空間に。梁には薄いグレーのクロスを張ってアクセントにしました。「この梁がリビングとダイニングを緩く分けてくれて、結果的に空間にメリハリが生まれました」と夫。入居当初はテレビを置く予定はなかったそうですが、妻の妊娠を機に購入。飾り棚を利用して、AV機器をうまく収めています。LDKには、妻が「絶対確保したかった」という待望のウォークインクローゼットを設置。ゲストルームを最小限の広さに抑えたことで、約50平米の間取りでもこのスペースを実現できました。■ 寝室はあえてつくらず、唯一の個室はゲストルームにあえて寝室をつくらず、リビングの一角をベッドスペースにしました。ベッドは無印良品のスモールサイズを2つ並べて配置。レイアウトによって分けて置いたり、子どもが成長したら買い足したりできるなど、自由度を考えてのこと。床はナラの無垢フローリングをヘンリボーン張りにして、通常のフローリングよりも空間が表情豊かな仕上がりに。床材はショールームで確認し、幅や長さにもこだわっています。また、ベッドサイドの高い位置にコンセントを取り付け、スマートフォンの充電がしやすいように工夫。スイッチ類も、空間に似合うシンプルなデザインにこだわって選んでいます。室内のアクセントにもなっているグリーンのディスプレイ。ベッドスペースにまとめておくことで、大ぶりな鉢植えでも圧迫感がありません。ベッドスペースのとなりにある、唯一の個室はゲストルーム。親族や友人など来客が多いため、コンパクトながらもベッドを置いて泊まれるようにと、約3.5畳の空間を確保しました。「この部屋だけ、かわいいインテリアにして楽しんでいます」と妻。■ 省スペースを追求した玄関と水まわり玄関は限られたスペースを活用するために下駄箱はあえて造作せず、オープンな収納棚に。玄関の先にあるキッチンの対面には、キッチンと同じ高さの棚を購入して設置。ダイニング側からは見えないようになっていて、ごみ箱や食器類はこちらに収めています。サニタリースペースへはLDKからアクセスしやすい位置に。アメリカンな雰囲気が気に入っているというドアノブは、輸入建材ショップ、ジェイマックスで購入しました。インターホンは壁の色に合わせて黒をチョイス。洗濯機、トイレ、洗面台はひとつの空間にまとめることで、ゆったりしたスペースを確保。収納は造作せず、棚や収納ボックスを活用しました。3in1のサニタリーに続く浴室は、パナソニックのシステムバスの中でも最もコンパクトなタイプを採用しています。実際に住んでからのインテリアは、妻の膨大な情報収集の賜物。仕事柄、普段から「ピンタレスト」や「インスタグラム」などを活用して国内外のインテリア画像を収集しているという妻が先導して、夫妻好みのインテリアに仕上げています。工務店とそのイメージを共有しながら、ニューヨーク風リビングと北欧風ゲストルームを実現。約52平米というコンパクトな箱に、叶えたい事すべてを詰め込んだN邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工大和工芸撮影山田耕司
2018年11月01日「80平米以上」という条件で物件探しをしたという松田さん夫妻。購入したのは築25年、広さは約93平米の家。マンション自体が大規模修繕を終えたばかりで、外壁や窓が新しくなっていたことも決め手となりました。リノベーションはエイトデザインに依頼し、工事費1,000万円台(税・設計料込み)でキッチンが中心にあるカフェのような住まいを実現させました。■ 家の中心にカウンターキッチンを置いてカフェ風にタイル張りの大きなキッチンが中心にあるカフェのようなLDKは、間口が広いことで実現できました。ダイニングは対面式のカウンターがまさにカフェ風。天板がヘリボーンのカウンターはエイトデザインの家具ブランド「HACHIKAGU」のオリジナルです。来客時は2つを中央に移動してテーブルとして使うのだそう。リビングからキッチン&ダイニングを見たところ。左手は和室をなくして新たに設けた収納スペースです。その手前のスペースには既存の大きな梁を利用して、間接照明を設置しました。キッチンから水回りへつながる回遊動線も確保されていて、家事はラクラク。キッチンはL字型に配したことで、作業スペースも収納スペースもたっぷり確保できました。下部の収納は扉を設けず、使いやすさを重視。リビングからは死角になるスペースに冷蔵庫や電子レンジを置くという工夫も。そしてキッチン背面には、見せる収納を楽しむスペースが。お気に入りの食器や味わいのあるキッチングッズで楽しく演出しています。下部はカーテンで隠す収納にしました。また、照明器具のコードを吊している黒いスチールパイプには、エアプランツやフクロウのオブジェを飾り、ハードな雰囲気をやわらげています。■ 収納を工夫して空間をより広く!ダイニングの壁面には、既存の梁の下に飾り棚を設置。空間にゆとりがあるからこそ、松田さん夫妻の希望だった“見せる収納”を楽しむスペースが生まれ、グリーンや雑貨を並べて楽むことができています。上部から吊されたテラリウムもおしゃれ。飾り棚の横には味わいのあるトグルスイッチプレートを設置。ウォールステッカーが楽しさを演出しています。ダイニングの背面は、大きなウォークインクロゼットがあります。右手の壁面側にはハンガーパイプを設置。左手の壁にはアイアンバーを3段取り付けてバッグ類を吊して収納しています。■ 個室はシンプルに仕上げてコストダウン2つあった和室のひとつを子ども室に一新。床はタイルカーペットに変更し、壁と天井のクロスを張り替えてシンプルに仕上げました。約6畳の広さがあるので、大きな車型テントをおいてものびのびと遊べます。北側のバルコニーに面した寝室には、ブルーのカーペットタイルを採用しました。こちらはリビングに隣接する予備室。どちらの個室も仕上げを新しくしただけで空間は既存のまま。個室のコストを抑えた分、LDKのリノベを充実させました。ドアやクロゼットの扉も既存を塗装し直して使用しています。■ オープン棚がひろびろ玄関のポイント玄関を広くしたいという要望に応え、土間部分を広げて壁面にオープンな棚を設置。ワイドな棚とダクトが印象的な玄関になりました。「以前はベビーカーを置いたらいっぱいになってしまったけれど、土間が広いし棚も大きいのですっきりして快適です」と妻。正面のLDKへのドアは新たに製作したもの。ガラス入りなので視線が抜けて空間の広がりが感じられ、光も伝わってきます。ドアの木枠はほかの部屋に合わせてネイビーで統一しました。水回りは白でまとめてスッキリと。洗濯機をキッチン側に出したことで、洗面室は広いスペースを確保することができました。また、トイレは壁の一部をイエローに塗って明るい雰囲気を演出。「家でご飯を食べているだけで、お店にいるように楽しいので、あまり外に出掛けなくなりました。」と夫。2歳の長男もひろびろ空間を元気に走り回っており、家族みんなが楽しめる住まいが実現できたようです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工エイトデザイン撮影中村風詩人
2018年10月25日ヴィンテージ感のある素材や古いものが好きなSさん夫妻でしたが、以前住んでいた40㎡の賃貸マンションでは好きな家具をなかなか置けませんでした。いずれ住み替えようと資金作りを進めていたとき、すぐ近所で売りに出たマンションを気に入って購入し、リノベーションしました。下見の段階から相談していたnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼し、工事費1,100万円(税・設計料込み)で大好きな家具を思う存分置ける住まいを手に入れました。■ ヴィンテージ感をたっぷり取り入れたLDK「古いものにこだわっているわけではなくて、好きなデザインや素材感で選ぶと、結果的に古いものになるんです」と話すのは夫。ステンレス仕様のキッチンにはヴィンテージ感のあるギャラップのダイニングテーブルを合わせ、歳月を経た素材と新しいものをうまく調和させました。ダイニングの古いランプは「セローテアンティークス」で購入したもの。Sさん夫妻が厳選したモノだけが並ぶキッチンのオープン棚は、足場板を使用してラフな雰囲気に統一しました。「モノをしまい込むのは好きではないので、みんな出して、飾って楽しんでいます」と妻は話します。LDKと玄関ホールはスチール+ガラス製のオリジナルドアで仕切っています。配管を内蔵した柱は、絵や文字が書ける黒板塗装仕上げに。また、キッチンカウンターに設けた飾り棚には、古いカメラやシェーカーボックスなどが並んでいます。LDKのなかでひときわ存在感を放っている美しい食器棚は、リノベ工事中にネットで見つけて購入したもので、おそらくミッドセンチュリーのものだそう。同じくネットで購入したシェルフは、フレームがアンティークなのですが、強度に不安があったため棚板3枚を取り替えて使っています。東京蚤の市で購入したというブルーグリーンの古いトランクをローテーブル代わりに。窓際の壁には大小の額に収めた家族写真などが並び、リビングを彩っています。■ ゆとりある玄関から子ども室への動線玄関は拡張して広々とした空間に仕上げ、LDKとの間にはオリジナルドアをつけました。照明はダイニングのランプに似ていますが、こちらは新品。玄関の横には大容量のウォークインクローゼットと、さらにその奥にはもともと洋室だった約3畳の細長い子ども室。ウォークインクローゼットは建具ではなく、カーテンを取り付けることで出入りしやすくしました。■ 水まわりはLDKの一角に配置バスルームがあるのはなんとLDKの一角。洗濯機置き場もこちらにあります。洗面台は玄関ホールとキッチンの間に設置。帰宅して、手を洗ってLDKへ、という合理的な動線です。トイレは収納棚をつくらず、ネット状のボックスを取りつけて、トイレットペーパーのストックなどを収納しています。入居後も好きなアンティークショップのウェブサイトをこまめにチェックしているというSさん夫妻。実際に店に足を運ぶこともあれば、ネット通販を利用することもあるといいます。好きなものへの情熱と、情報に敏感なアンテナと、ブレない選択眼でセンスのよい生活空間をつくり出していました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影中村風詩人
2018年10月22日住んでいた賃貸マンションが手狭になってきたことから、マイホーム購入を検討し始めたSさん夫妻。できるだけ広いところで開放的に暮らしたいという思いを持ちながら内見をし、窓から敷地内の緑が見える約83平米のマンションを購入しました。リノベーションをするならここ、と思っていたブルースタジオに依頼。「TOKYO*STANDARD」というセレクト型のサービスを利用して、工事費1,070万円(税・設計料込み)で海外のリゾートコテージのような空間を手に入れました。■ 家族の気配を感じられるワンルームリノベ「ひろびろとした場所で開放的に暮らしたい」という夫妻の要望を聞いたブルースタジオの石井健さんは、東西の窓を生かしたワンルームのプランを提案しました。「僕らは海外旅行も好きで、海外のホテルのような暮らしにあこがれていました。意識したのはチェンマイにあるhoshihana village のコテージ」と夫。東西に伸びる部屋の真ん中に位置するのはダイニングスペース。2つ並べて吊したインダストリアルな雰囲気の照明がアクセントになっています。ふたりとも料理が好きというSさん夫妻。並んで作業することができるよう横に長いスタイルに。「見せるキッチンにしたい」と、キッチンにこだわった夫妻はステンレスの業務用キッチンを特注しました。キッチンのすぐ横にはベランダに面した大きな窓。敷地がゆったりとしていて、大きな木が多いという贅沢な環境です。目線の高さからはほぼ緑しか見えないので、ここが都内のマンションであるということをつい忘れてしまいそう。ベランダとは真反対の東側は、もともとは2つの個室が並んでいた寝室スペース。右側のオープン収納には夫の服を、新設した大型クロゼットの中には妻の服を収めています。■ 開放的なひろびろスペースにするたくさんの工夫西側の窓際にはインナーテラスを設けました。様々なグリーンを集めて育てることも、ふたりの共通の趣味。当初は梁の圧迫感を軽減するためにつくったインナーテラスでしたが、このスペースがあるおかげで真冬も植物の管理がしやすくなり一石二鳥とのこと。海外のバスルームで使われているようなヘキサゴンタイルを敷き詰めて、レトロで懐かしい雰囲気のインナーテラスに仕上げています。水まわりを1か所に集めたことで生まれたスペースを活用してできたのが、こちらのデスクコーナー。この部分だけ天井に無垢材を使用したことで、ほどよいこもり感が生まれました。オープン棚とデスクは、夫がDIYで製作しました。玄関をひろびろさせる工夫はシューズクロゼットに。土間続きのシューズクロゼットには、靴のほかにも旅行用のスーツケースなど、大きなものも収納しています。天井が高いので、夫のサーフボードも立て掛けられました。建具は設けず、リブ材でほどよく目隠しを。■ 海外のホテルをイメージしたサニタリールーム「海外のホテルのようなサニタリールームにしたい」という夫妻の要望から、壁と洗面台にサブウェイタイルを取り入れ、洗練された雰囲気に。背の高い夫に合わせて洗面台は少し高めに設置しました。土間を抜けて玄関を上がったすぐの場所にあるトイレ。ドアノブも海外のホテルをイメージして真鍮製をセレクトしています。サニタリールームと同様にトイレの壁も一部をサブウェイタイル仕上げに。白を基調としながら、味わいのある素材を取り入れたS邸。広いワンルームでありながら、素材感も楽しめる家に仕上がりました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計ブルースタジオ撮影中村風詩人
2018年10月17日都内の賃貸マンションに住んでいた頃から、ヴィンテージ家具や雑貨を集めていたTさん夫妻。出産を機に引っ越しを考え、「もともとリノベに興味があった」という夫は学生時代の先輩である、リノベる。の古久保拓也さんに相談。参加したイベントでデザイナーとして紹介されたのが、幼馴染の高津さんだったという縁もあり、リノベる。に物件探しから依頼。東急東横線沿線に希望の間取りの物件を見つけて1,380万円で購入し、工事費850万円(税・設計料込み)で武骨さもありながらあたたかい空間を手に入れました。■ 床レベルを上げた寝室のあるLDKオークの無垢材を張った床や一部板張りにした壁など、ヴィンテージな雰囲気のLDK。リビングに入ったときによりほっとできるようにと、玄関からリビングに入るまでの廊下、洗面脱衣所などは壁の塗装を光沢仕上げにするなど無機質な印象にし、コントラストをつけています。廊下のニッチには、気に入って買ったものの設置場所に困っていたアンティークのフレームシェルフがピッタリとはまりました。グリーンや小さな雑貨などをセンス良くディスプレイして楽しんでいます。T邸は専有面積が約50平米とコンパクト。LDKはできるだけ広く見せたいというTさんご夫妻の要望から、高津さんはリビングに高さ1mほどの壁をパーティションのように置いて、その奥を寝室にするプランを提案しました。床レベルを50cm上げ、床下には大容量の収納をつくって収納不足を解消。途中まで立ち上げた壁で空間を仕切り、寝室側は本棚にしました。その壁に沿わせるように、LDK側には作業テーブルを設置。グラフィックデザイナーである夫が仕事を持ち帰って、こちらで作業することもあるそうです。オレンジのボビーワゴンが差し色に。ダイニングキッチンの個性を際立たせている二重になったフレームタイプのダクトレールには、様々なものを吊り下げて楽しんでいます。存在感のあるデッキランプは、アンティークショップの「アンティスティック」で購入したもの。キッチンの棚に置いているのは、買い物カゴ!また、ダイニングのローテーブルにはトランクを利用。丸い小さな鉢は、綿棒の入れ物とセメントで夫が自作したそう。■ LDKを広く取った分、他はスペースを有効活用玄関は床をモルタルで仕上げ、大きな姿見を設置しました。その横に取り付けた照明は、工事現場仕様のものだそう。玄関からリビングに続く廊下横には大型のウォークインクローゼットがあり、夫妻の洋服などをまとめて収納しています。また、トイレと洗面脱衣所、洗濯機置き場は一か所にまとめて、スペースを有効活用しました。■ ヴィンテージ雑貨や家具が似合う空間に板張りにした壁に飾られているのは、アンティスティックで見つけたフランスの教材ポスター。不思議とこの空間にマッチしています。リノベをするにあたっての要望のひとつは、洋服のパタンナーであり、犬専用の帽子ブランド「I.M.GALLERY」を手掛ける妻の作業部屋の確保でした。長いテーブルが置ける日当たりのいいリビング、手持ちのヴィンテージ家具や雑貨が似合う空間、という要望も叶ったTさん夫妻のリノベ。住み始めてからも少しずつ小物を増やしたりグリーンを買い足したりしながら空間づくりを楽しんでいるそうです。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工リノベる。撮影遠藤 宏
2018年10月15日「自宅でお店を開くことができたら……」そんな夢が実現したらステキですね!自宅を仕事場にできたら通勤時間はゼロだし、子どもと一緒にいられる時間もしっかり確保できるし、まさに良いいこと尽くし。実際に店舗兼住宅を建てた人の暮らしはどのようになっているのでしょうか。3つの実例をまとめてご紹介します!■ 仕事とプライベートを区別する空間テクニック店舗と住宅のドアはそれぞれ別々です。プライバシーがしっかり守られているので、家族ものびのび過ごせます。自宅が職場でもONとOFFをさっと切り替えられるように、店舗と住居の内装のテイストにも大きな変化をつけていますよ。詳しくは記事をチェック!店舗と住宅のドアはそれぞれ別々です。プライバシーがしっかり守られているので、家族ものびのび過ごせます。自宅が職場でもONとOFFをさっと切り替えられるように、店舗と住居の内装のテイストにも大きな変化をつけていますよ。詳しくは記事をチェック!ワインレッドの外観が目印!離れながらつながるヘアサロン兼住居■ 7坪の雑貨ショップ兼住宅。驚きの空間利用塚本佳子さん宅は、約10坪の敷地に建てられた、7坪の雑貨ショップ兼住宅です。狭小住宅なのに店舗まで!一体どんなレイアウトになっているのかとっても気になりますね。建物は入ってすぐが店舗スペースで、2層半を貫く大きな吹き抜けがあります。目の前には食器をディスプレイした飾り棚がそびえ、上へと視線を誘うデザインで、不思議と狭さを感じません。この飾り棚の奥が住宅スペースになっています。店舗スペースと住宅が隣り合っていて、どちらに立っても空間を広く感じることができます。2階にはリビングと、ロフト部分に設置した畳スペースもあり、リラックスして過ごせる空間になっています。限られたスペースには、隠し収納もたっぷり。詳しくは記事をチェック!建坪わずか7坪!北欧雑貨店兼自宅を実現できた理由って?■ 住み心地も最高!絶景を望むレストラン兼住居山梨・西八千代郡の高台にあるイタリアンレストラン「イル ポッジョ」。夫が料理、妻がデザート担当と夫婦二人三脚で営んでいるお店で、屋外テラスには雄大な景色を望む特等席もあります。そんな武井さん夫妻のお宅は、店舗の2階。ふたりが子どもの頃から慣れ親しんできた絶景を店舗からも住居からも眺められるように設計をしたそうで、住居スペースに大きなバルコニーを作り、プライベートも存分に楽しんでいます。2階のキッチンや浴室からも絶景が眺められ、部屋のどこにいてもすがすがしい気分になれます。お店のヨーロピアンテイストにまとめられたインテリアにも、ぜひ注目してみてください。手作りしたというお店の壁やテーブル、家具がとってもステキです!詳しくは記事をチェック!南アルプスを一望!絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
2018年10月14日しっとりとした風情を醸す町・鎌倉でS夫妻が入手したのは、借地ではあるものの鶴岡八幡宮に近い72坪強の敷地。ここに夫妻は、あたかも八幡宮の延長のように緑をたたえ、質感も豊かな家を建築。雨に濡れて緑がいっそう映える日に訪問しました!■ 庭を囲うL字型の家。LDKから視界いっぱいに緑が!夫妻は建築家・彦根明さんに設計を依頼。彦根さんは鎌倉との調和を軸に、「幼児がいて共働き。猫と楽しく過ごせる家」などの要素を織り込んでプランニング。まず建物はL字型で、南東の庭を囲う構成。植栽は人気の造園家・荻野寿也さんです。庭に広く面しているLDK。遮るものがなく、どこからも庭が眺められる大空間です。ダイニングは吹き抜けで、2層分の大開口がダイナミック!LDKの前にはデッキが大きく張り出し、天気のいい日は室内外の一体感が楽しめます。すべてのサッシは風景によく馴染む木製を設置。キッチンはアイランド型を選択。壁面の収納カウンターともにオリジナルで、壁面側はまるでつくりつけ家具のようです。小さな開口や勝手口からも緑がチラリ。キッチンの脇につけた階段は、将来子どもの帰宅時にもコミュニケーションがとりやすそう。猫が壁の専用出入り口から顔を出しているのが分かりますか?「ワタシはここよー」■ 客間にも最適な、離れっぽい上質仕様の和室LDKと直角に庭を囲うのが和室。玄関部を挟み、LDK側とは離れのような心落ち着く空間です。美しい杉板張りの竿縁天井など要注目!和室から見た中庭。縁側の先にシダ類などの植栽が眺められ、視線の先にLD内の気配も感じられます。和室の左に見える建具は、組子細工で知られるタニハタの製品。和室の縁側はDKと直角に交わり、行き来しやすい位置関係。■ 自然の原風景のような庭。黒の塀が空間を引き締める!庭は高中低の木と下草が植えられ、季節ごと何かしら花が咲いて目を楽しませます。さらに川砂利が緩やかな曲線を描いて渓流を思わせ、岩を置いて木や草を植えることで自然の原風景を再現。広いデッキは言ってみれば貴船の川床のようなイメージです。鎌倉らしい黒の大和塀が、緑をいっそうくっきりと見せるのに効果的!この日、庭で見つけた可憐な花々。手水鉢は、ステンレスのバルブから水が1滴ずつ落ちる仕掛けです。吹き抜けの上下大開口を通じ、階段の上からも庭がダイレクトに眺めることができます。2階はプライベートと共用のスタディスペースで構成。木の扉の内部は将来の子ども室。開ければ階下と会話がスムーズで、猫もキャットウォークづたいに移動OK!吹き抜け沿いの廊下を活用した、家族共用のスタディスペース。スリット窓から、視線の先に八幡宮の茂みがとらえられます。1階西側に水回りを設置。バスルームはヒバ材と十和田石を組み合わせ、さらにバスタブからは坪庭の緑が眺められ、くつろぎ指数200%!■ 道路側にも植栽を施し、地域とさりげなく連係東の玄関側は、アプローチに沿って細い手すりとその手前に植栽を施しているのが特徴。「八幡宮が竹を渡して結界としているのと同じで、こちらは手すりが外部との分かれ目。植栽は町に提供している感覚です」(彦根さん)。奥に八幡宮の森が控えるS邸。手前部分が和室で、やや離れのような印象。道路側は開口を最小限とし、さらに雨どいを軒と一体化させてスッキリとした外観を実現しました。下の写真は木製格子とガラスを組み合わせた玄関引き戸。背の高いジュウガツザクラがこれから葉を茂らせ、玄関のさりげない目隠しになる予定。訪問者が玄関土間を入ると、正面の組子細工の建具とその先の庭がもてなします。いかがでしたか。内部は開放的でファミリーが暮らしやすく、外部は年月とともに樹木が成長して鎌倉の街並みに馴染んでいくS邸です。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/彦根建築設計事務所撮影/中村風詩人住まいの設計2017年9-10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「住む人に優しい 木の家、自然素材の家」 【第二特集】「緑と一緒に暮らしたい!ビューティフルガーデンハウス」
2018年10月13日木の家というとログハウスを連想しがちですが、もっとモダンで軽快な雰囲気の家に大注目!2人の子どものいるY夫妻が89坪の敷地に建てた、健康的で経年変化が楽しめ、メンテもしやすいイマドキの自然素材の家をご紹介します。■ 境界を曖昧にして自然を呼び込む家敷地は愛知県内にある妻の実家の隣。道路の向かいは公園で、遠くの美しい山並みも一望できる好ロケーション。夫妻はここになるべく健康的に過ごせる素材を使った家を建てたいと願いました。また、モダンであり、存在感のある外観を、との意向も。こうした思いを形にしたのは、建築家の吉村昭範+吉村真基さん(以下、吉村さん)。写真は敷地の一番奥から撮った外観で、東西2つのボリュームに分かれた建物が特徴です。東西の建物の間に配置した中庭は、公園のある道路側から続くような切り通し状の屋外空間。吉村さんは「眺望のいい立地を最大限生かし、敷地と遠くの風景をつなげられたら」と考えたそうです。外壁は耐候性に富んだレッドシダーを採用。テーブルとイスは、読書をするのもビールを飲むのも気持ちよさそう!さらに吹き抜け状の玄関ホールの壁も、外壁と同じレッドシダー。どこまでが屋外でどこから室内なのか意識的に曖昧とし、自然との一体感が楽しめる工夫です。レッドシダーはサイディングパネル(チャネルオリジナルの「ベベルノッティ」)仕様で、長期メンテナンス付き。「天然木ならではの経年変化を楽しめつつ、もし破損したら部分的に取り換えられる点がメリット。長く住み継いでもらえます」(吉村さん)。■ 勾配天井に梁が描くラインが奥行き感をアップ建物は、西側をLDKと子ども室、東側を寝室や水回りなどで構成。LDKは南北に長い空間で、一部を吹き抜けとして2階子ども室とコミュニケーションしやすい設計です。天井部に連続させた梁のラインがダイナミック!こちらはLDKの見返し。ソファの位置から中庭、さらに東側の主寝室まで目が届きます。奥行きを生かし、ゆったりと設置されたオリジナルのアイランドキッチン。収納側の壁には調湿効果のあるタイルが貼られ、白っぽい空間に変化をつけています。キッチンと玄関ホールは至近距離。広々としたホールで遊ぶ次男によく目が届きます。床はナラ材の三層フローリングで、色味が壁材とよくマッチ。質感豊かな突き板張りの玄関ドアも魅力的。エイジングが感じられるハンドルは、鉄にサビ感のあるタイルを溶着したものだそう。■ 木目も節も面白い構造用合板をインテリアに活用キッチンの真上にあたるのが子ども室。正面に勉強用のカウンターデスクを設置し、階下からさりげなく見守れるレイアウトです。天井の高い子ども室の北側には、秘密基地っぽいロフトを設置。また東側に洗面室とトイレを隣接させ、朝の支度も快適そう。天井部をクローズアップ。素材はベイ松の構造用合板で、木目や節をインテリアに生かしました。いわば、普段着感覚の自然素材といった印象!「全体的に木の影響でしょうか、この家はジメジメしないし、乾燥もし過ぎない。わが家にいらした方は皆さん、気持ちのいい家だねと言ってくれます」(妻)。こちらは東側の建物の主寝室。中庭に接し、植栽のグリーンも眺められます。テラス窓から中庭、さらに西側のリビングへもショートカットOK!下の写真は、向かいの公園からの外観。ガラス張りの奥に中庭が控えますが、建物は擁壁の上にあり、敷地の奥に寄せられているので視線が入りません。こちらは、敷地の奥にある庭で遊ぶ次男。シースルーの玄関ゾーンから、姿をキャッチできそう。素材のナチュラルな風合いを感じながら絶妙のオープン性とプライバシーへの配慮で、楽しく快適に暮らすYさん一家です。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/D.I.G Architects撮影/日紫喜政彦住まいの設計2017年9-10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「住む人に優しい 木の家、自然素材の家」 【第二特集】「緑と一緒に暮らしたい!ビューティフルガーデンハウス」
2018年10月10日横浜市内の社宅や海外での暮らしを経験後、長男も誕生して、自分たちの住まいを持つことにしたHさん夫妻。選んだエリアは下町の雰囲気が残り、交通の便もよい東京都江東区でした。購入したのは昭和60 年築のマンションですが、築年数の割にきれいで管理状態もよく、人気の物件です。Hさんはこの物件を1,000万円(税・設計料別)でリノベーションしました。設計は『リライフプラス』創刊号(2009年に発行)の巻頭特集に掲載されていた施工事例を見て決めたという設計事務所のAr.K+Reです。リノベでどうしても叶えたかったのが「パーケットフローリング」「アイランドキッチン」「広い浴室」の3つ。ところが、当初は予算オーバーだったといいます。■ こだわりのアイランドキッチンは分離発注で製作!専有面積78.28平米と狭いわけではありませんが、既存の間取りではリビングダイニング、キッチン、和室の3つに大きく分かれていました。リノベ前のLDAr.K+Reの南部健太郎さんは、まずこれらをワンルーム化しました。こうして、パーケットフローリングが映える広いリビングダイニングとアイランドキッチンを実現しました。パーケットフローリングに、夫こだわりのスタンダードトレードやパシフィックファニチャーサービスの家具がよく似合っていますね。アイランドキッチンは側面に使ったメラミン化粧板の黒が、インテリアがウッディになりすぎるのを抑えています。一般的にアイランドキッチンには「高い」というイメージがある上に、Hさんはオリジナルで製作したそうです。しかし、特別にお金をかけたわけではなく、機器類を別にすれば、かかったのは100万円ほどとか。「キッチン屋さんに丸ごと頼まず、家具屋さん、ステンレス屋さん、大工さんにバラバラに発注しました。手間はかかりますが、そのほうが安くできますから」と南部さん。このような製作方法を「分離発注」というそうです。ただし、厨房機器には予算を惜しみませんでした。IHクッキングヒーター、食洗機、オーブンレンジはミーレで統一しました。妻が「キッチンにはものすごくこだわりました」と話すのもうなずけます。一方の夫が熱望したのは、脚を伸ばせる広いバスタブです。ユニットバスではなく、在来工法で広い浴室を実現し、ホーロー製の大型バスタブを採用しました。タイルの床は洗面室とひと続きになっています。カウンター一体型の洗面ボウルはフィリップ・スタルクによるデザインです。LDKとサニタリーは引き戸でつながり、キッチンからは浴室が見通せるようになっています。洗面室には洗濯機もあるので、家事がしやすい動線になりました。サニタリーには、通風や除湿を図るための小窓がついています。この小窓と浴室乾燥機の相乗効果で、浴室、洗面室のモザイクタイルは「あまり掃除をしなくても大丈夫」と妻。レッドシダーの枠に輸入型ガラスをはめた小窓は、廊下の壁のアクセントにもなっています。小窓の向かい側にあるのは子ども室です。■ 優先順位を考えた変更で約100万円ダウンに成功!壁の仕上げは、漆喰か珪藻土にしたかったという夫妻。けれども、どこかで予算オーバーの分を削らなければいけませんでした。他の3つに比べれば「壁を漆喰か珪藻土に」という選択肢は優先順位が低かったそう。そこで、壁は塗装に変更。すると約100万円ダウンし、ほぼ予算内に収まったのです。壁は塗装にしたとはいえ、建具ひとつにも高級感が漂います。玄関の大型収納は寝室まで連続していますが、扉は建具屋さんがつくったオリジナルで、ルーバー風にデザインされていて陰影があり、単調な印象は受けません。トイレのドアと中の吊り戸棚には、キッチンの側面と同じ黒のメラミン化粧板を貼っています。廊下の突き当たりにあるLDKへの入り口には、型ガラスをはめ込んだ木のドアを採用しました。決して妥協せず、かといって無理もしなかったHさん。Ar.K+Reの南部さんのアドバイスを受けながら、予算とやりたいことのバランスを上手にとって、自分たち好みの生活空間を手に入れました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。設計/Ar.K+Re撮影/水谷綾子
2018年10月08日神奈川県横浜市の田中さんファミリーが住むのは、専有面積100平米を超えるメゾネットタイプのマンションです。リビングダイニングは一部が吹き抜け空間になっていて、開放感もたっぷり。昭和57年築の中古物件で、購入時には既に築30年以上でしたが、リフォーム済みだったためとてもきれいだったそうです。リノベーション前のリビングダイニングしかし田中さんは、住まいをより理想的な空間にするべく520万円(税・設計料込み)でリノベーションしました。低価格でリノベできたのは、生かせる既存部分が多かったからです。これはリフォーム済み物件の大きなメリットといえますね。■ 予算にメリハリをつけて憧れのヘリンボーン床を実現!設計・施工は、物件を見つけると同時に個別セミナーに参加したnu(エヌ・ユー)リノベーションへ依頼しました。nuリノベーションには「ECO」という既存の使える部分を生かしたリノベーションサービスがあり、一気に話が進んだといいます。妻が描いていた理想の住まいとは「ヘリンボーン張りの床、白い壁と天井、そこに少しずつ買い集めている大好きなアンティークのインテリアを並べて……」というものでした。その実現には壁と床の素材が重要と考えて、玄関からLDKまでの壁と床、天井は一新。シンプルを心がけ、空間は理想どおり白を基調としました。オーク無垢材を使ったこだわりのヘリンボーン張りの床は、予算の都合で家族がいつも一緒に過ごすリビングダイニングのみとしました。手前の床は乱尺張りです。すっきりとしたリビングダイニングに、妥協せずに集めてきたお気に入りの家具や照明がピッタリとはまっています。個性的なセルジュ・ムーユのランプもよいアクセントになっています。LDに隣接したもうひとつのリビングには、Pタイルを貼りました。床材の張り替えが、場を分ける役割も担っています。こちらのリビングは現在、妻の仕事部屋として使用中です。奥には天井までの棚が設置してあります。1センチ単位でセミオーダーに応じてくれる「本棚屋」に注文し、DIYで白く塗装しました。キッチンのバックカウンター棚も「本棚屋」でオーダーしたものです。置きたい物のサイズを細かく採寸して、ピッタリに収めています。以前の住まいで妻は「物に囲まれて毎日イライラしていた」と言いますが、信じられませんね。■ 既存を生かしながらDIYでもコストを圧縮間取りは変更しておらず、2階や玄関ホール奥の2室には手をつけませんでした。右手の洋室にはIKEAの「PAX」を置いて収納部屋に、左手の和室は家族の寝室として使用しています。個性的な洗面室の床や便器、トイレのドアも既存を利用しました。ただ、ユニットバスは交換し、洗面所も新しくつくり直しました。洗面所は壁の一部のみ薄いグレーの壁紙を貼ってアクセントにしています。妻が「描いていたイメージにピッタリだった」というサンワカンパニーの洗面台は、施主支給品です。キッチンはオールステンレスが理想でしたが、予算との折り合いがつかず木目調に。壁もタイルと決めていましたが、予算の都合でDIYしました。タイルは入居前から夫妻で貼り始めたそうです。当初は目地を白にしていましたが、汚れが気になるので入居後にグレーの目地を入れ直しました。DIYしたからこその、機転といえるかもしれませんね。玄関床のタイルもDIYです。ロッカーのような収納棚は靴入れです。「気に入ったものを見つけるまで“とりあえず”で妥協したくない」と妻。この棚に巡り合うまでは、下駄箱がなかったとか。単なる整理整頓ではなく根本的に暮らしを見直すため、妻はライフオーガナイザー®の資格を取得したといいます。すっきりと片付いた空間で厳選したインテリアに囲まれ、念願のシンプルライフを満喫する夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影/水谷綾子
2018年10月02日家を持つなら中古マンションをリノベーションしよう、と決めていた愛知県長久手市にお住まいのOさんファミリー。4歳の長男、1歳の長女がいる4人家族です。リノベーションはインターネットで知ったというエイトデザインに物件探しから依頼をしました。「見た瞬間に決めてしまった」という緑に囲まれた築37年の団地は、眺めの良さや、敷地内に公園があるところなど、環境面を気に入って購入しました。リノベーションのテーマは「家族がなんとなく集まって思い思いに過ごす」家だったそうです。■ ひとつ屋根に包まれるリビングダイニング既存の天井をはずしてできた大空間に、あえて傾斜天井をつけることで、ひとつ屋根に包まれているような温もりある雰囲気を作り上げました。その三角屋根が印象的なリビングには、エイトデザインが運営する「HACHI KAGU」に特注して作った大きなテーブルを配置しています。リビングの床材には素足にやさしい杉フローリングを使っていて、節が目立たないよう落ち着きのある色に塗装してあります。リビングとつながる板張りのキッチンは存在感たっぷり。リビングの隣に設けられたフリールームには大きな本棚を造作。こちらのフリールームは将来、子ども室にする予定なので、2部屋に分けられるように扉も2つ設置してあります。今はリビングとひと続きの空間となっていて、夫の書斎や作業スペースとして使っているそうです。■ 家族をいつも見守れるキッチンL字型に配された業務用キッチン。夫婦ふたりで立っても余裕の広さがあります。配管のために床が一段高くなっており、リビングダイニングとキッズスペースがよく見渡せます。キッズスペースはキッチンの南側にあった和室を一新。子どもが遊ぶ姿を、料理しながらしっかり見守ることができます。■ コンパクトだった部分を拡張して暮らしやすく狭かった玄関は土間を延ばして、壁面に収納を確保しました。土間の先には家族それぞれの収納スペースが設けられたウォークインクローゼットも新設しています。コンパクトだった洗面室は洗濯コーナーに変更し、浴室手前に新たに洗面室を設けました。また、浴室もワンサイズ大きくするなどして、暮らしやすさもアップさせてあります。「家族みんなが集まる場所をつくりたい」という要望は、築37年の団地のリノベーションによって見事に叶えられました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工エイトデザイン撮影中村風詩人
2018年09月26日東京都・新宿区にお住まいのSさんは、所有するマンションに空きが出たのをきっかけに、1・2階の3室をリノベーションして家族(妻、長女)と母の2世帯で住むことに。リノベーションを依頼したのは施工例が気に入ったというフィールドガレージ。「無骨で男っぽいだけだなくぬくもり感もある、バランスの取れた空間」を、工事費1,000万円(税・設計料別)でつくり上げました。■ バランスの決め手は、重厚感のあるブリックタイルの柱フィールドガレージから提案されたのは、ブリックタイル貼りの柱や壁付けの本棚がある、このラフスケッチ。「見た瞬間に気に入り、空間のイメージが固まりました。今ではこの家の象徴的な風景になっています」とSさん。Sさんはモードの最先端をいくアパレル会社の社員。部屋も洋服も自分を演出するという意味ではよく似ているそうで、店づくりの経験がリノベにも役立ったといいます。まずLDKは広く取り、大好きなヴィンテージ雑貨が自在に飾れるスケールを確保。古着屋や展示会の装飾をイメージし、壁は家具や雑貨が映える白をメインとしました。ローテーブルは「GALLUP」(東京・目黒)のもの。壁を飾るブリックタイル貼りの柱は、インテリアの一部のようです。レトロなポスターのモデルは、グラフィックデザイナーだったSさんの実父なのだそう。壁を撤去した際に現れた鉄骨を生かし、グレーに塗装をしました。メタリックな家具や雑貨と共鳴して、空間に一体感を生み出しています。手前に飾っているクジラモチーフのオブジェは、外国のフィッシュマーケットのサインプレート。出窓には車のパーツなどを入れるのに使われていたツールボックスを置き、名刺など小物の収納に活用しています。室内のいたるところで、古いタイプライター、オールドルアーコレクション、ミリタリーフィギュアなど、Sさんが長年かけて集めたヴィンテージ雑貨が棚や壁を彩っています。ダイニングテーブルのマガジンラックは、実は煙草の販売ツールで、アメリカの古いものなのだそう。「調理中も家族との会話を楽しみたい」という妻の希望から、キッチンは対面式に。造作したキッチンカウンターは、通路の邪魔にならないよう奥行きを浅くしました。前面は、家具との馴染みを考えてグレーに塗装。床には幅広のナラ材を使っています。■ 既存を活用しながら ”らしさ” をプラス玄関ホールは、隣接する個室の収納を取り払って拡張し、ゆとりある空間に。奥行きのある靴箱を新設しています。階段の壁と天井は白いクロスに交換。ヴィンテージのポスターを飾るうってつけの舞台となりました。2階は子世帯の寝室となっています。建具は既存を利用していますが、青銅色に塗装してイメージを一新しました。■ サニタリーのインテリアにもとことんこだわって手前から、ランドリー、洗面、キッチンと一直線に並んでおり、動線を短くしたことで家事効率がアップ。ミラーキャビネットの扉は、妻が「どうしても使いたかった」というインドネシアの古い窓枠を使っています。広々としたトイレには棚を造作し、雑貨を飾るディスプレイスペースに。照明の青銅色に合わせ、窓枠も同色で塗装しています。リノベーションを振り返り、「ヴィンテージのよさって、〇〇風など ”なんちゃって” にはない、時を経た味のようなもの。家も同じで、垂れたペンキで床が汚れてしまったり、オイルを塗って風合いを出すなど、すべてをつくり上げてしまうのではなく、長く住みながら手を加えることで味が出る。そうするうちに、全体がしっくりなじんでいくんじゃないのかな、と。リノベーションの楽しさは、そんなところにもあるように思います」と、Sさんは話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工フィールドガレージ撮影山田耕司
2018年09月25日たまプラーザの新築マンションに住んでいたNさんですが、家族が増えて手狭になったことから、近隣エリアで住み替えを検討。「味わいのある部屋に住みたかった」という夫の希望でリノベーションという選択に行き着き、横浜市内にある築30年超の団地を2,880万円で購入しました。リノベーションはブルースタジオに依頼。工事費1,420万円(税・設計料込み)で、まるで海外の家ようなゆとりある空間を作り上げました。■ 家の中心にオリジナルキッチンをキッチンが家の中心に設けられたN邸。構造上、それぞれの空間は奥まっていますが、キッチンに立ったときに部屋の端から端まで視線が抜けるよう設計されています。キッチンは、扉などもすべてオリジナル。キッチンの奥にはパントリーも新設し、収納量を確保しました。リビングダイニングは個室があったスペースを広げて開放的に。ソファは転居時にローラ アシュレイで購入したものです。ダイニングテーブルとベンチは、フローリングと同じ床材で造作して統一感を出しました。リビングダイニングの一角には家族で使えるスタディーコーナーを設置。その向かいには長女用の子ども室があり、ガーリーなテイストでコーディネートしています。■ ラグジュアリーなサニタリースペースキッチン横のワイドな引き戸を開けるとサニタリースペースが。こちらの引き戸はキッチンの扉とテイストを揃えて、スッキリとした空間に仕上げました。浴室はブラインドで目隠しをしています。■ パティオをイメージしたゆったりエントランス海外の生活スタイルを想定し、エントランスはパティオ(スペインの住宅でいう中庭)をイメージしてデザイン。居住空間につながる手前のスペースであるエントランスを贅沢に使ったことで、家全体がよりゆったりとした印象になりました。「団地に移り住んで、時間がゆっくりと流れるような暮らしと、広い住まいを手に入れることができました。理想とするインテリアにさらに近づけるよう、部屋づくりを今後も楽しんでいきたいです」と、妻は晴れ晴れした表情で答えてくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工ブルースタジオ撮影中村風詩人
2018年09月18日転勤や会社の寮住まいなどを経て、家づくりに踏み切ったTさん。ラフな内装と質感豊かな雰囲気を求めてリノベーションを選択し、都内で築11年のマンションを購入しました。ラフ案や見積もりを比較して決めたスタイル工房は、見積もりが丁寧で細かな部材の単価も分かりやすかったのが決め手とのこと。状態が良かった設備は既存のまま生かすことで、工事費400万円(税・設計料込み)で心地いい住まいを手に入れることができました。■ 2室をワンルームにしてくつろぎの大空間にもともと2部屋だったのを、壁を取り払って大きなワンルームに変更したLDK。床は割れやゆがみをあえて生かした無垢材、壁は漆喰の厚塗りで、ともに空間に温もりを添えています。リビングの広い壁面は、文庫本、CD、LPコード、レコードプレイヤーなどの収納棚やPCコーナーにフル活用。本棚の棚板は手ごろなツーバイ材を利用し、古材っぽく仕上げました。ダイニングテーブルは関西のインテリアショップで気に入って購入したもの。スリムな脚が特徴で、空間のセンターに置いても圧迫感がありません。■ 古材を生かしたバー仕様のキッチンキッチン本体は既存のまま活用しました。壁面にタイルを貼り、さらに吊り戸棚にタモ材の扉を造作してオリジナリティをプラス。カウンター内部は扉を一切つけずシンプルな仕様にしました。モノを出し入れしやすく、コストダウンにもひと役買っています。古材を張り合わせたヴィンテージ感のあるキッチンカウンターは、この家の印象を決定付ける要素のひとつ。ニッチに収納したボトルは取り出しやすく、パッと見はラフですが、手が込んだつくりです。また、キッチンのスチール製吊り戸棚には、底にグラスホルダーを設置。サッとグラスが引き出せて、バー気分を盛り上げてくれます。ライティングの工夫で、夜も安らぐT邸。廊下の照明をつければ、ドアの型板ガラスを通し、間接照明のような楽しみ方ができます。■ 無垢材を使った居心地のいい空間既存では平板な仕様でしたが、質感を重視して床は全体的に無垢材を採用しました。そして、LDK入り口のドアだけはアンティークのものに変更し、シックなブルーグレー色に塗装。広い面の型板ガラスが軽快な印象です。廊下からLDKに入る右手には洗面室があるのですが、そこには鏡張りの壁面が。こちらは既存をそのまま利用したもので、ドアを開けたとき、空間がより広く感じられる効果もあるそう。ベッドルームも、リビングと同じ漆喰塗りの壁、無垢板張りの床を採用し、居心地のよさを追求。ドアは既存をそのまま利用しています。「近くにはいい居酒屋も多いのですが、この家ができてすっかり家飲みが多くなり、友人もよく来ます」とTさんは楽しそうに話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工スタイル工房撮影中村風詩人
2018年09月14日星野ひろみさんは植物による空間づくりやプロダクトデザインを手掛ける「STEOR(ステア)」の代表です。「訪ねてきてくれたお客さまが、夢をもてる場所をつくりたい」と星野さんがアトリエ兼自宅を構えたのは、東京都葛飾区。一戸建てを購入後に約900万円(税込み)でリノベーションしました。■ 町工場だった建物をアトリエ兼住まいにアトリエは1階にあり、アンティークのインダストリアルランプが目を引きます。photo kenichi aikawa天井は鉄骨がむき出しで工場のようですが、実は本当に町工場だった建物なのです。以前も、床がモルタルで倉庫のようなところをアトリエ兼住まいにしていたそう。物件を見て「ここなら、素敵な空間にリノベできる!」と感じ、購入を即決したといいます。■ 荒川を越えてみたらそこに…アトリエの入り口は大きく開けることができ、中には車も停められます。車は作品の搬送などに使うため、仕事上どうしても必要だといいます。しかし、それが物件探しのネックにもなったそうで……、「100平米くらいの広さの中古物件を2、3か月かけて探しましたが、都心では地価が高くて。でも、荒川を越えると同じ価格で駐車場つきが可能になると分かったんです。すごい発見でしたね」と星野さん。購入したのは、築年数38年(昭和55年・1980年築)というレトロな物件です。物件を決めてからは、大好きなアンティークの家具なども買い集めたそう。設計・施工は、それらと調和する空間づくりのパートナーに相応しいと感じたhowzlife(ハウズライフ)に依頼しました。1階はほぼそのままの状態でアトリエにしましたが、もともと住宅だった2階は大幅に見直し、自宅としました。では、2階を見てみましょう。玄関を入るとすぐにたくさんのグリーンが迎えてくれます。左のドアはアンティークで、DIYで表面を削ったり塗装して仕上げたそうです。■ 建物のレトロな雰囲気に合わせた空間づくり個室だったスペースはリビングに。床に使われた無垢材、既存を生かした現しの柱、さらに周りを囲む植物も相まってまるで自然の中にいるようです。小さな作品の制作やプランニングは、ここで行うことも多いそう。リビングはダイニングやキッチンとも空間がつながっています。ダイニングテーブルそばの柱は既存で、ホゾ穴や傷がいい味を出しています。新たに取り入れた木材にはオイルを塗り、こういった既存の柱と色合いを合わせる配慮がされています。壁は漆喰塗りにし、新建材は使いませんでした。だからこそ、アンティークのインテリアも馴染んで見えるのでしょう。リノベ前は壁付けのキッチンでしたが対面式に変更し、外壁用のタイルを貼っています。パントリーの窓際には、植物がずらりと並びます。トイレは個室にせず、洗面脱衣室と一体化してゆったりとしたサニタリースペースとしています。窓のアイアンフレームはDIYで取り付けたもので、アンティークです。浴室がより明るく広々と感じられるように、ドアはガラス入りのものを選びました。窓際には植物も配置しています。「浴室の湿度はガガイモ科のディスキディアなど、熱帯の着生植物には最適なんですよ」と星野さん。洗濯機の上にはオープン棚を取り付け、カゴを利用してタオルなどを収納しています。■ 鳥やカメ、植物たちも大切なパートナーphoto kenichi aikawa星野さんの肩に乗っているのはコガネメキシコインコです。合わせて4羽のインコ、さらにカメとも同居中です。和室を変更してつくった寝室が、インコたちの居場所にもなっています。彼らはたくさんの癒し、日々の暮らしに活力をもたらしてくれる存在だといいます。室内には星野さんの作品もあちこちに。星野さんの中で生活と仕事は一緒になっていて、切り離すことができないもの。だからこそ、その舞台となる空間は「好きなところ」であることが大切と話す星野さん。そして、その好きなところで、好きなときに作品づくりを行っています。一緒に暮らす植物や生き物たちも含め、この家そのものが星野さんの「作品」なのかもしれませんね。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.27」も参考にしてみてくださいね。設計・施工/howzlife(ハウズライフ)撮影/幸田 森
2018年09月11日将来も考えて広さを最優先したSさん夫妻は、再開発が進む南千住エリアで築10年ほどの大規模マンションの一室を購入。購入代金がかさんだぶん、設備の既存利用とDIY前提で予算を組み、リノベ会社を検討。「そのくらいの予算でできると思いますよ」とさらりと言ってくれたエム・デザインに依頼し、工事費400万円(税・設計料込み)で ”築浅×リノベ” の住まいを手に入れました。■ 躯体現しでワイルドなリビングダイニングに「DIYに関しては、コストダウンも目的のひとつでしたが、壁を塗るのは楽しそうで、ぜひやってみたかった」という夫妻は、なんとすべての壁をDIYで塗装!キッチン横の美しい白いタイル貼りの壁も、夫妻がひとつひとつ貼ったそう。リビングダイニングの天井は躯体現しとし、ワイルドな印象に。「天井を撤去する費用はかかったけど、塗装の手間は省けました」と夫。手前には、置き畳を使って小上がりコーナーをつくりました。小上がりコーナーの壁面はグレーに塗装。暗めの色のため、奥行き感に加えて少し改まった雰囲気づくりもできました。また、リビングの一角にはラフなボックス棚を置いて植物などを飾り、コージーな雰囲気に。■ 黒いアイアン塗装でキッチンのイメージを一新キッチンは、既存のシステムキッチンとバックカウンターの面材にDIYで黒のアイアン塗装を施すことで、モダンにイメージチェンジ。夫妻が以前から持っていた食器棚をすっぽりと組み込んだキッチンカウンターは、枠となる板と天板をネット注文でカットしてもらってDIY。黒い塗装が壁面とコントラストを成しています。■ タイルと塗装で模様替えした水回り東側の個室をコンパクトにし、玄関とつながる土間スペースを新たに作成。多用途に使え、窓から墨田川の風景も楽しめる魅力的な小空間になりました。洗面台は既存利用をしましたが、新品同様キレイで、高機能&高品質。扉の上からDIYで塗装してあります。さらに壁には独特のゆらぎがあるテクスチャーのタイルを張って、ヴィンテージ感あふれる空間に。ふたりでショールームを回って好きなタイルを選んだそう。トイレの設備は既存を生かしてコストを抑え、床をモザイクタイル貼りでおしゃれに模様替え。黒い塗装の壁面にカラフルなパターンがよく映える空間になりました。ともに仕事が忙しい夫妻は、週末をフルに使ってもDIYが終わらず、後回しにできるところは入居後に作業をしたそう。そんなDIYをたっぷり取り入れたリノベーションを振り返って、夫は「工事予算は400万円で、どこまでできるか正直心配でした。でもエム・デザインさんの対応が柔軟で、いろいろと努力してくださり、感謝しています」と話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工エム・デザイン撮影中村風詩人
2018年09月10日