月に1回お届けしている、御神札の正しいお祀りの仕方や日々の奉仕。今回は「神棚におあげするお酒」について解説しましょう。神様はお神酒が大好き神棚にお米やお水とともにお供えするのがお酒です。昔から「お神酒の上がらぬ神はなし」といわれるほど、神様にお酒が捧げられてきました。というのも、お米から造られるお酒はお供え物のなかでも重要なもので、神社の祭祀には欠かせません。自宅の神棚にも、毎日は難しくても1日と15日など日を決めてぜひお酒をお供えしてください。お供えするには日本酒が基本ですが、なかには焼酎やワインなどをお神酒としてお上げしている神社もあります。瓶子という祭器具にお酒を注ぎ入れたら付属の蓋を外した状態で神棚においてください。入れ替えるのが面倒、という人はコンビニやスーパーで手に入るカップ酒や紙製容器に入ったお酒をそのまま置いてもOKです。お上げしたお酒はお神酒になる神棚にお上げしたお酒は、神様の御神霊が宿ってはじめて「お神酒」になります。結婚式でお神酒をいただく「夫婦固めの盃」や「親族固めの盃」は、人と人の縁を結ぶ役割を担っています。とてもありがたいものなので、お下げしたあとはそのまま飲むのがおすすめです。お酒に弱い人は湯船にいれて入浴をしたり、料理に使っても◎。なかには化粧水として精製水で薄めてパッティングしたり、床のお掃除に水で薄めて床拭きに使う“お清め”として活用する人も。自身が有用だと思うことに活用するとよいですね。神社へお酒を持っていくここぞというお願い事があるときや、願い事を叶えていただいたら神様に奉納するお酒を神社へ持っていきましょう。百貨店や酒屋で購入したお酒を奉納酒として使用することを伝えると、掛け紙を用意してくれます。1本でも奉納できますが、2本を用意して御神前にお供えし、1本をお神酒としてお下げ渡しいただける神社もあります。社務所へ「お酒を奉納したいのですが」と問い合わせると、お参りに行く神社では奉納酒を受け付けてくれるのか、どのようにしたらよいのか教えてくれますよ。●ライター大浦春堂社寺ライター、編集者。雑誌やWEBマガジンへ社寺参りに関する記事の寄稿を行う。著書に『御朱印と御朱印帳で旅する全国の神社とお寺』(マイナビ出版)のほか、『神様と暮らすお作法(協力:三峯神社)』(彩図社)、『神様が宿るお神酒』(神宮館)などがある。
2018年06月17日