女性芸人の層が厚い昨今、芸はもちろん、パーソナリティや個性が際立つ時代になってきました。そんな中で、他とは違う、ちょっと異色の光を放っているのが、バービーさん。笑いの向こうにある素顔は、いったいどんな人?ということで、会いに行ってきました!――バービーさんは、いわゆる女性芸人として活躍しつつ、ふるさと北海道の町おこしを手伝っていたり、さらには心理学やジェンダー論などにご興味があったり。いろんな顔をお持ちですよね。最近やっと、“お笑いのバービー”と、“本名の笹森花菜”、2つの自分がいることをハッキリ言えるようになったんですよ。ずっと、芸人として仕事をしている以上、お笑い以外に興味を持っている自分を出しちゃいけないんじゃないかと思っていたんですけど…。――そう思えたきっかけは?2年前、33歳くらいのときだったと思うんですが、もう我慢しないで、やりたいこと全部やっちゃおうって思った瞬間があって。――その当時、仕事で行き詰まっていたりされたんですか?う~ん…。仕事はとても充実していました。でもだからこそ本名の“笹森花菜”のほうが、「もっと私を大事にして!」と言い出しまして(笑)。確かに考えてみると、最初の5年くらいはただただ必死に仕事だけをしてきて、少し余裕が出たあとは、ストレス発散といえば、夜の街に飲みに行くくらいで。もちろんいろんな楽しいことにトライはしていましたが、ほとんどすべてが“芸人バービー”の表現のためだったんですよね。今思うと、“笹森さん”はすごく行き詰まってたんだと思います。そこで、“バービー”であるために我慢していた、“笹森さんがやりたいこと”を、もう全部やっちゃおうと思って、はじめて1週間のお休みをもらいました。――“笹森さん”のために、まず何をしようと思いました?なんて言えばいいのかな、利害関係のない、ワクワクすることをしようって思いました。当時の私はたぶん“これ、仕事に繋がる?”みたいな考えに支配されていたので、まずそれをやめようと。一度バービーを捨てて、何をしたら笹森さんはワクワクするのか、それを自分の中で因数分解していって、出てきたのが利害関係なく、何かの、誰かの役に立ちたい、という答えだったんです。それでロンドンで開催される「チェルシー・フラワー・ショー」という園芸の祭典に、ボランティアでお手伝いに行きました。そこでの経験を通して、私は、何かを橋渡しすることに快感を感じるのかもってことに、ちょっと気が付きまして…。――橋渡し、とは?例えば、こっちで何かが余って困っているとして、別の場所ではそれが不足して困っている。そういう状況を橋渡ししたい。需要と供給が繋がることにワクワクするし、成功するととても気持ちいいんです。田舎と都会、国内と海外、消費者と企業…、いろんな橋渡しがしたいんですよ。――そもそもバービーさんが橋渡しにワクワクする理由、あるいは根源って、何なんでしょう…?一つには、家族の中でのポジショニングかもしれません。私は4人きょうだいの末っ子で、結構クールだったんです。ちょっと家の中が険悪になると、「ギスギスしてんな、よし、私の出番か」みたいに、冷静に家族間の潤滑油役を買って出る、みたいな。その頃から困っている人がいると“なんとかしなきゃ!”みたいな気持ちがあったのかなぁ…。あと、私、大学で仏教哲学を学んでいるんですが、それが自分の考えのベースになっているところがあって。例えば般若心経などに出てくる“色即是空”という言葉があるんですが、それって“自分で見た世界は、自分にとっては存在するわけだから、その世界を他者からとやかく言われようと、関係ない。自分の好きにやればいい”というような概念だと私は解釈していて。つまり、人にはみな、その人なりの宇宙が平等にあり、一人一人がその宇宙を全うするべき、と思ってるんです。でも世の中にはいろんな足かせや邪魔があり、その宇宙を全うできていない人がいる。私にとってそれが“困ってる人”で、その足かせを一緒にどけることができたら…という気持ちが、“橋渡し”に繋がるという感じでしょうか。――出身地の夕張郡栗山町の町おこしに協力されているのも、その気持ちから、という感じですか?まさにそうですね。あと最近、下着のプロジェクトがやっと形になりまして。――ピーチ・ジョンとコラボで下着を作ったという企画ですね。もともと、私自身胸が大きいので、リーズナブルな可愛いブラがないことにはずっと悩んでいて。他にも、ワイヤーがキツくてかぶれるとか、海外のブラだとサイズはあるけれど脇肉ケアがいまいちだとか、下着に関しては思うことがたくさんあったんです。で、まったく別の、町おこし関連のミーティングでお目にかかった方に、なぜか「私、ずっと下着を作りたくて…」ってポロッと言っちゃったら、「それいい!」と盛り上がりまして。そこから紆余曲折ありましたが、最終的にピーチ・ジョンさんとご縁があり、やっと形になりました。――具体的に、どんなランジェリーなんですか?胸の大きさにかかわらず、同じように可愛い下着があったらいいのになっていうのが、最初の出発点。実際私のインスタのDMに、下着や体の悩みを書いてくれる人が結構いて、「既製品に自分のサイズがないから、私の体は普通じゃないんだって思う」なんてメッセージをもらったことも。“下着で困っている人”と“企業”の橋渡しをすることで、そんな思いをする人が一人でも減ってくれたら、本当に嬉しい。おっぱいってジェンダーの象徴的なパーツで、他者から評価されやすいうえコンプレックスを持ちやすい箇所。だけど、自分の体は自分のものなんだし、自分で好きにしていいじゃないですか。私がギャグでお尻を出したりするのは、それなんですよ。――バービーさんの世の中へのコミットの仕方は、しなやかで、ユーモアがありますよね。別に世の中と戦っていこう、みたいな気持ちがあるわけじゃないんです。男も女も、不平等で理不尽な目に遭っている人の手助けがしたい、それだけなんですよ。バービー1984年生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「フォーリンラブ」メンバー。本名・笹森花菜。東洋大学インド哲学科卒業後、お笑い養成所の放送作家コースに入所したが、事務所の勧めで芸人コースに。’07年にハジメとフォーリンラブを結成。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、『バービー・郡司の深夜教室Q組』(MBSラジオ)などに出演中。なんと構想2年以上!自らの下着に関する体験と、SNSを通じて寄せられたフォロワーの悩みを商品に反映したランジェリーを、3シリーズ展開。ブラはアンダー90、Gカップなどのグラマーサイズを、ショーツは全5サイズを展開する。2月5日より全国のピーチ・ジョンストアと公式オンラインストアにて発売。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・谷口夏生(ラッキースター)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2020年01月08日前作で売り上げトップを取った吉本坂46の若手ユニット、RED。3rdシングルで念願の表題曲「不能ではいられない」を歌うことに!吉本坂46のダンス選抜REDが初の表題曲をゲット!榊原:やっといただけたチャンス。全力で頑張ります!多田:僕はダンスが苦手と言い続けてきたのに、ダンス選抜のREDにいるんです。「さすがは吉本、人の話聞いてなかったんかい!」と思ってるんですけど(笑)。池田:僕も、だいぶダンス下手です…。運動神経悪い芸人なんで。多田:それでセンター張るって、お前、めちゃくちゃ頑張ってんな!池田:手脚が長いんで、なんとか。――池田さんから自己PRが出たので、他のお二人もぜひ。池田:僕、もっとありますよお~。笑顔とか!多田:恥ずかしいんですけど、不器用さがいいと言ってもらえます。榊原:顔面偏差値は高いかと(笑)。池田:高すぎるわ!――曲のポイントは?榊原:シンメの光永(ひなた)がボーイッシュな声で現代のいろんな形の恋愛を表現してるところかな。多田:池田の爽やかな歌い出し。しっかりセンターの務めを果たしてくれてます。池田:僕は最初に聴いた時から口ずさめたサビですね。ライブではノリノリでみんなと歌いたいです。――芸人や俳優とアイドルの切り替えはどうしていますか?池田:僕、恥ずかしいくらい切り替えてるかも…。普段コントで女装が多いので、吉本坂では男らしい面を出すようにしてます。榊原:普段は俳優として役を演じているので、吉本坂の時は100%“榊原徹士”でいます。クラスメイトみたいに、できるだけファンの方々と近い距離でいたいんです。多田:僕は正直、「どうしたらええんや…」と思いながら、つっこみ握手会してます。髪がきれいな人には「きれいすぎやろ!」とか。池田:褒めツッコミ!しっかりアイドルしてるじゃないですか。――最後に今後の目標を。榊原:REDの16人で歌番組に出たいです!多田:カウントダウンライブの合流に遅れて「あいつら、紅白らしいで」って言われたいわあ。池田:去年のひょっこりはん(笑)。吉本坂全員で、Re:Japanみたいにボックス踏めたら最高!3rdシングル『不能ではいられない』【映像盤CD+DVD】¥1,727【通常盤A CD 】¥1,182【通常盤B CD】¥545映像盤には、グループ全員となる45人で歌う「めっけもん」も収録。(Sony Music)よしもとざかフォーティーシックス吉本興業所属の約6000人からメンバーを選抜。2018年8月20日結成。写真は選抜チーム「RED」。左から、榊原徹士、池田直人(レインボー)、多田智佑(トット)。『吉本坂46が売れるまでの全記録』(テレビ東京)が放送中。※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。写真・内山めぐみ取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2020年01月04日女優の佐久間由衣さんが「転機となった作品のひとつ」と語る初主演映画『“隠れビッチ”やってました。』が絶賛公開中。女優としての大きな飛躍の秘訣は決して折れない体育会系マインドにありました。主演させていただいたのはまだどこか夢みたいな気持ち。モデルとして活動をスタートさせ、‘17年に出演したNHK連続テレビ小説『ひよっこ』で女優としても一躍脚光を浴びた佐久間由衣さん。周りの人を自然と笑顔にさせる柔和でお茶目なキャラクターとは裏腹に、仕事に向き合う姿勢は体育会系で男前。そんなブレない強さで難役に挑んだ初主演映画『“隠れビッチ”やってました。』が公開中。――佐久間さんは、愛されたいという欲求のあまり、清純派を装いながら男をゲーム感覚で落とし、「好き」と言われることだけを生き甲斐にしている隠れビッチの荒井ひろみを演じていますが、共感できる部分はありましたか?佐久間:ひろみの行動は置いておいて、父親との関係性や家庭不和が原因で自分に自信が持てなくなってしまったバックボーンとか、愛されることでしか自分の存在意義を見出せず、自分のことを好きと言ってくれる三沢さん(森山未來)に対して求めすぎてしまうようなところは共感…というか、理解できる部分ではありました。――そんなひろみを演じるうえで、意識したことは?佐久間:父親のトラウマがあるにせよ、隠れビッチをやっているときのひろみは本当に満たされていたと思うんです。そのときそのときを全力で生きている彼女には好感が持てるし、「体の関係も持ってないんだし、何が悪いの?」と本気で思っている子なので、どれだけ気性が激しくても猟奇的には見えないようにしたかったし、ちゃんとそこに自分なりの正義があるような女の子にしたいなと思いました。――三沢さんに向けた「私のこと好きなんでしょ?私のすべてを受け入れる義務があるの!」というセリフがとても印象的でした。佐久間:すごいですよね(笑)。でもひろみは本当にそう思っているんです。そこには「私はあなたに対してこんなに愛を与えているのに、なんであなたは私を愛してくれないの!」という思いもあったりして。思ったことがうまくいかないだけで、自分の心をうまくコントロールできなくなってしまう子なんですよね。三沢さんはただ、ひろみに頼まれた牛乳を買ってくるのを忘れただけなのに(笑)。――初主演のプレッシャーは?佐久間:なかったです(笑)。クランクインの前は少しあったような気もするんですけど、インしてからはそんなことを考える余裕がなくて。とにかく一つ一つのシーンを全力で走り抜けた感じですね。――監督から、かなり厳しい指導があったと伺いました。佐久間:そうですね。作品に入る前から、三木(康一郎)監督から「自分が思ってるより大変になるよ」と言われていたんです。現場で反抗することもありましたけど(笑)。――反抗!(笑)というと?佐久間:何回やっても「違う!」の一点張りなので、「わからないので教えてください」って言い返したり、悔しくて返事をしなかったら、「聞こえてる?わかった?」って怒られたり(笑)。でも監督は、私のテンションを上げるためにあえて、そう向き合ってくれたのだと思います。三木さんに対するリスペクトの思いもありますし、全ては作品を良くするために、お互いにそのときそのとき思ったことを言い合っていました。――今までの作品と比べても厳しかったですか?佐久間:出会った監督の中で、一番厳しかったです。三木さんとは以前ドラマでご一緒させていただいたんですけど、そのときはそんな感じじゃなかったんです。だからそのぶん、作品に対する愛情やいいものにしたいという気持ちが強いんだろうなって。その思いは、すでに衣装合わせや本読みの段階から伝わってきていました。――いろいろ言われて、心が折れそうにはなりませんでした?佐久間:折れないです!(即答)――さすが…!やっぱり体幹がしっかりしていると、メンタルもブレなくなるんですかね。以前のインタビューでも「ランや乗馬を始めてからメンタルが鍛えられた」とおっしゃっていたので。佐久間:あはははは(笑)。そうですね、もともとマインドが体育会系なので、心が折れやすくはないと思います。でも今回は本当に厳しいご指導をいただいて、それでも心が折れなかったのは、三木さんだったからっていうのはありますね。お芝居がしたいという思いが抑えきれなくなったんです。――小さい頃からモデルや女優の仕事に興味があったんですか?佐久間:いえ、まったく。スカウトしていただいて、興味本位で事務所に入ったんです。――他に憧れていた職業や夢は?佐久間:いっぱいありましたよ。漫画家とか、お笑い芸人とか…。――お笑い芸人…!?(笑)佐久間:友達とコントを作って、ムービーを撮ることにハマっていたんです。とにかく楽しかったんですよね、ボケることが(笑)。――昔から人前に立つことに抵抗はなかったのでしょうか。佐久間:う~ん…。内弁慶なんですよね。知っている人の前ではなんでもオープンにできるんですけど、知らない人の前で何かを披露するのは、もう本当にやめてくださいっていう感じというか…(笑)。――そんな中、芸能界で生きていくことを決心したのは?佐久間:高校卒業と同時に留学をしようと思って、そのタイミングで事務所もやめるつもりでした。でも最後に、「雑誌の専属モデルオーディションを受けてみない?」と言われてダメ元で受けてみたら、グランプリに選んでいただいて。そこで自分の気持ちが変わったというか、やらせていただくからには雑誌の顔として恥のないようにしっかりやろうと思ったんです。――そこからなぜ女優の道へ?佐久間:お芝居をやりたいと思っていたというよりも、映画やドラマを見ることが好きだったんです。いざモデルのお仕事を始めてみたら、そのお芝居の世界をより身近に感じるようになって、「やりたい」という気持ちが抑えられなくなってきて。もちろん、モデルさんのお仕事で得たものもたくさんありましたし、楽しんでいましたが、もっともっとお芝居の世界に入って、見たことのない景色を見てみたいと思うようになって。それで、ここまでは受け身できたけど、ここからは自分で発信していかないといけないなと思って雑誌の専属モデルを卒業し、いろんなお芝居のオーディションを受けさせてもらうようになったんです。今はお芝居の世界にいられることが幸せだし、とにかくいろんな人に出会って、もっともっと恩返しもしたいし、人としても大きくなりたいなぁという気持ちです。ちょっと恥ずかしいですけど(笑)。――女優としてターニングポイントになった作品はなんですか?佐久間:それこそ、『“隠れビッチ”やってました。』かもしれないです。今までの自分のキャリアの中で、一番ショッキングな出合いというか。これだけ錚々たるキャストの皆さんを巻き込んで、しかもそこに主演として立たせていただくということは、まだどこか夢みたいな気持ちもあるんです。三木さんや森山未來さんとの出会いも大きかったですし。これで一つ、自分の代表作と言えるものができたんじゃないかなと思っています。――過去に大きな壁にぶち当たって、くじけそうになったことは?佐久間:思うようにいかないことがあっても、その作品をやらせていただくことを決めたのは自分なので、くじけないしブレないです。どんなトラブルも、どんな悪条件の中での撮影でも、最後まで絶対に走り抜けるという思いでやらせていただいています。評価としてはわからないですけど(笑)。公開中の映画『“隠れビッチ”やってました。』で佐久間さんの演じる26歳の独身女・荒井ひろみの趣味&特技は異性にモテること。モテテクで相手を翻弄し、告白させたら即フェイドアウト。そんな隠れビッチ女が、その根源にある過去や本当の自分と向き合っていく姿を描く。出演/佐久間由衣、村上虹郎、大後寿々花、小関裕太、森山未來ほか。さくま・ゆい1995年3月10日生まれ、神奈川県出身。2013年にモデルデビューし‘14年に映画『人狼ゲーム ビーストサイド』で女優デビュー。NHK『ひよっこ』で注目を浴び、現在はドラマ『ニッポンノワール -刑事Yの反乱-』に出演中。12/13には映画『屍人荘の殺人』が公開。スウェット¥45,000デニム¥62,000(共にイザベル マラン エトワール)スニーカー¥79,000(イザベル マラン)以上イザベル マラン TEL:03・5772・0412右手薬指のリング¥130,000月型ピアス(片耳)各¥110,000(以上オー/ハルミ ショールーム TEL:03・6433・5395)※『anan』2019年12月18日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)スタイリスト・柳田真樹ヘア&メイク・宮本佳和(BE NATURAL)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年12月17日「徳井さんは俳優顔負けのルックスで下ネタを話しても視聴者に嫌われないので、ゴールデン帯から深夜帯まで幅広く愛される唯一無二の存在でした。しかし、騒動後でも起用を続けるのはさすがに難しく、各局の編成は頭を抱えています」(テレビ局関係者)10月下旬に、東京国税局から1億3千800万円の無申告と所得隠しを指摘されていたことが発覚したチュートリアル・徳井義実(44)。釈明会見では「意図的ではない」と説明するも、事態を重く見たテレビ各局は降板や出演シーンをカットするなど対応していた。多数のレギュラー番組でMCをこなしていた徳井だけに、その影響も甚大。そこで各局も“ポスト徳井”探しに水面下で奔走しているという。別のテレビ局関係者はこう語る。「徳井さんの穴は大きく、現時点では各局ともにまだ決定的な代役は見つかっていないそうです。しかし来春の改編期を目安に、本格的な後継者探しに向けて調整しているといいます」今回、本誌は複数の関係者の証言をもとに、“ポスト徳井”が期待されるタレント15名のゴールデン帯の番組1本あたりのギャラを独占取材!長らく第一線で活躍し続けた徳井の後継者探しは一筋縄ではいかないようだ。「そもそも徳井さんはバラエティから情報番組まで幅広くこなすMC力に加え、華のあるキャラを持っています。博多大吉さん(48)や麒麟の川島明さん(40)といったベテラン勢の名前はよく上がりますが、多忙でオファーも簡単には通りません。すべてを満たす代役はかなり限られるのでギャラが安価で注目度の高い若手を複数起用する案が出ています」そんな若手芸人の中で頭ひとつ抜けているのが霜降り明星の粗品(26)だ。「粗品さんは昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)と今年3月の『R-1グランプリ』(フジテレビ系)で史上初の二冠を達成し、“お笑い第7世代”と称される20代で一番の有望株と言われています。『衝撃のアノ人に会ってみた!』(日本テレビ系)では徳井さんと共演しており、未来の後継者候補です。また少し上の世代にはなりますが、オリエンタルラジオの藤森慎吾さん(36)も経験豊富な恋愛エピソードトークなどに定評があり、徳井さんがコメンテーターを務めていた『TERRACE HOUSE』(フジテレビ系)の後任にはぴったりでしょう」(ある放送作家)非吉本の若手も負けていない。「メイプル超合金のカズレーザーさん(35)は、数々のクイズ番組で優勝するなど博学なので、オファーを考えている情報番組が多いそうです。歯に衣着せぬ発言でゲストにもずばずば切り込めるので、ワイドショーでの活躍も期待されています」(前出・放送作家)未来の徳井候補となれる若手はいったい――。
2019年11月22日●「ライバルという考えは1ミリも持ってない」“お笑い第7世代”の一員として注目を集めているお笑いコンビ・宮下草薙の草薙航基と宮下兼史鷹(みやした けんしょう)。草薙のネガティブな妄想に宮下がツッコんでいく漫才が人気で、バラエティ番組でもそのキャラクターがウケている。2日に生配信されたAbemaTVの特番『全国JKDKガチ投票今本当に流行ってるもの選挙2019夏』(『JKDKガチハヤリ選挙』)では“第7世代”の4組が集結し、霜降り明星、四千頭身、EXITと共演。番組終了後に草薙航基にインタビューし、“第7世代”の関係やブレイクの手応えなどを聞いた。また、番組にちなんでコンビの間で流行っていることを尋ねると、2人の微笑ましい関係性を知ることができた。――“お笑い第7世代”が豪華集結しましたが、共演していかがでしたか?宮下:これだけそろうことはなかなかないので、シンプルに楽しかったですし、落ち着いてできました。あの人たちの顔を見ると安心しますね。草薙:面白い人たちばかりで、すべったり変な感じになってもみんなでフォローしてくれて優しかったです。――ライバルというより仲間という印象が強いですが、実際どうなんでしょうか?宮下:ライバルという考えは1ミリも持ってないですね。“第7世代”というチーム感が強すぎて、だれかがウケたらうれしいし、すべったら悔しいし。草薙:初めて出る番組のときに、すでに出演したことがある人にどんな感じだったか聞いたりもします。あと、同世代もそうですけど、上の人たちもすごく優しくしてくれて、番組でいつも助けてもらっています。宮下:時代がケンカを求めていないというか、その空気を察しているからなのか、みんな仲良くやろうという感じですね。――テレビ番組にも多く出演されていますが、ブレイクを感じる瞬間はありますか?宮下:歩いていて「宮下草薙じゃない?」って言われると認知してくれているんだなとは思います。草薙:まだまだ全然ですけどね。EXITさんとか見るとすごいですから、それと比べると。――今後、“第7世代”としてどう盛り上がっていきたいですか?宮下:僕らはそんな前のめりじゃないので。召集されればもちろん喜んでいきますけど、ぬるっと入れたみたいな(笑)。あの面々に入れてもらえていることがありがたいです。草薙:キラキラしすぎていて脱退したいって言っていたこともあったよね(笑)。でも、みなさんが受け入れてくださるのでそれに甘えています。●草薙が映画に夢中! 2人で映画館に行く仲良しぶり――『JKDKガチハヤリ選挙』では若者に流行っているものがランキングで発表されましたが、コンビの間で今流行っているものは何でしょうか?草薙:この間、番組の企画として、15年ぶりに宮下と映画館に映画を観に行って、そこからすごい映画にハマってしまって。そのときは『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』を観て、そのあと『天気の子』も2人で観に行って(笑)――お二人で!?宮下:映画を観てから、仕事終わりに毎晩誘ってくるんですよ(笑)。IMAXを見せたら感動しちゃって、上映中って私語厳禁ですけど、感動してしゃべっていました。草薙:興奮しちゃって「すごい!」って(笑)。宮下が映画詳しいので、オススメを聞いてDVD借りて観たりもしています。――すごい仲が良いんですね!宮下:特に仲良いと思っていなかったんですけど、ピリピリしている空気が漂っているコンビもいるって聞いて、そのときに仲良いほうなんだなって思いました。フリーの時代があったからなのかなと思います。草薙:事務所を辞めてフリーでやっていたときに、周りに馴染めなくてずっと2人でいて…。宮下:2人で隅っこのほうにいたり、公園でネタ合わせをしたり、本当に2人でずっと一緒にいたので。――最後に今後の目標をおきかせください。宮下:深夜にひっそりと2人で番組を持ちたいなと。さまぁ~ずさんが大好きで、『さまぁ~ず×さまぁ~ず』みたいな番組を持てたら僕は幸せです。草薙:僕はそれを一緒にやりたいです。■プロフィール宮下草薙草薙航基(1991年8月23日生まれ、愛知県名古屋市出身)と宮下兼史鷹(1990年11月16日生まれ、群馬県佐波郡出身)によるお笑いコンビ。太田プロダクション所属。ともに太田プロエンタテイメント学院東京校 芸人コース5期生卒業。宮下は在学中から2016年頃までピンで活動、草薙は数々のコンビ解消を経て、2016年1月に宮下草薙を結成した。2017年12月31日深夜に放送された『ぐるナイ おもしろ荘 若手にチャンスを頂戴 今年も誰か売れてSP』(日本テレビ)で3位に入賞して話題に。『ネタパレ』(フジテレビ)や『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)など、さまざまな番組で活躍している。
2019年09月18日運命共同体、友達みたいなバディを、ピン芸人・レッドブルつばささんが3組セレクト。愛するバディを語ります。そもそもコンビを組めること自体が運命的だと、レッドブルつばささん。「コンビは二人一組になってからがスタートです。ただ、僕自身もそうですが、相方が見つからなくてピン芸人になる場合も少なくありません。家族や恋人でもないのに、“一生この人と一緒にやっていきたい!”と思える相手と出会えるのは、それだけですごく幸せなことなんじゃないのかなと」特に惹かれるのは、紹介する3組のように昔なじみの関係で組んだケース。「芸人になることを目指す人が集う養成所ではなく、学校で出会い、純粋に“友達として面白い”と思ったところから始まったコンビには、物語を感じます。友人でありながら仕事仲間として同じゴールを目指す姿を見たり、“自分をうまく生かせるのは相方だけ”と、互いに信頼し合っていることが伝わってくると、グッときてしまう。ネタはもちろんですが、その二人だからこそ生まれる空気も、笑いに繋がっているんだと思います」千鳥大悟×ノブ“天丼”だけでネタを成立させる!関係性が醸し出す、唯一無二の笑い。ロケ番組で、キャッキャと楽しそうにしている姿が印象的な千鳥さん。「大悟さんがボケて、ノブさんがつっこむというやりとりが延々と繰り返される様に私たちは笑いますが、それは二人も同じ。特に大悟さんは、ノブさんが自分の発言の意図を汲んで的確に返してくれることが嬉しく、つっこまれた時に笑顔になる。だからこそ貪欲にボケ続けるし、“相方を笑わせたい”“この人じゃなきゃダメだ”という想いが伝わってきます」ちどり2000年結成。高校時代に出会い、大悟さんがノブさんを誘った。「M-1グランプリ2003」で決勝に進出しブレイク。『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)、『相席食堂』(朝日放送)などに出演。霜降り明星せいや×粗品相方の面白さに惚れ込んでコンビ結成。二人でいることこそが、笑いの秘訣。粗品さんがせいやさんに惚れ込み、コンビを結成。「もともと粗品さんはピン芸人で、『オールザッツ漫才』で最年少優勝するほどの腕の持ち主。一人でもやっていけたはずなのに、高校時代から『一番面白い』と思うせいやさんと、念願叶ってコンビを組みました。そして、売れない時期を乗り越え、大ブレイク。粗品さんは一人で出ている時でも必ず相方の話をするのですが、“この人しかいない!”という想いが伝わり、胸が熱くなります」しもふりみょうじょう2013年結成。高校時代に漫才コンテストで知り合った。「M-1グランプリ2018 」優勝。『衝撃のアノ人に会ってみた!』(日本テレビ系)などにレギュラー出演している。オードリー若林正恭×春日俊彰陰と陽、まさに正反対。彼らのケミストリーがクセになる。人見知りで考え込みがちな若林さんと、それを吹き飛ばす太陽のような春日さん。「若林さんが売れないことに焦って相談した時に、春日さんは『どうしても幸せなんですけど』と返しました。また、解散を告げようと家を訪ねた時には、録画したプロ野球の試合を応援する春日さんを見て、考え直したこともあったそう。考えや性格がまるで違う二人が、コンビという一番身近な存在としてあることに、尊さを感じずにいられません」オードリー2000年結成。高校時代の同級生。『ソレダメ!~あなたの常識は非常識!?~』(テレビ東京系)、『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)など数多くのレギュラー番組に出演。レッドブルつばささんピン芸人として活動、舞台などに出演。芸人のことを書いたエッセイ本『【あなた】が幸せになるまで死にたくない』を発売。ブログも人気。※『anan』2019年9月4日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2019年09月02日せいやさんが跳びはねてハイテンションでボケて、粗品さんがキラーワードで突っ込む。若さとセンスと笑いへのパッションがまぶしい漫才コンビ。平成生まれ初の『M-1グランプリ』チャンピオン。お笑い界期待値No.1の霜降り明星が『M-1』優勝後の変化や、今後の目標について語ってくれました。――’18年『M-1グランプリ』初の決勝進出にして、優勝となったんですね。せいや:嬉しかったです。去年1年は『M-1』のことだけ考えてふたりで死ぬほど努力したんで。寝る間を削って毎日ネタ考えて、作戦会議もいっぱいしたよなぁ。粗品:自分らの個性とか、『M-1』の性質とか、あらゆること考えて、どの段階でどのネタをするかもかなり話し合いました。――凄い。おふたりともとてもクレバーで、しかも努力家ですね。粗品:でないと、激戦の『M-1』は取れないと思います。――優勝して人生変わりました?粗品:変わりましたね。誇りを持って仕事できるようになりました。家族も喜んでくれたし。――そういえば、粗品さんは1000万円の賞金で親孝行するって宣言されてましたが。粗品:僕、高校時代に父ちゃんが亡くなってるんですけど。お墓買えてなくて、ずっと母ちゃんの部屋にお骨があったんですよ。だから、賞金でお墓を買いました。けど、お墓ってめっちゃ高くて、賞金だけでは足らんかったです(笑)。――優勝してモテるようになったとかは、ないですか?せいや:モテかぁ……。粗品:モテるようになったかどうかはわかりませんけど、女性ファンは増えましたね。ただ、20代のコンビにしては、女性ファンの比率は高くなくて、シブいですけど。せいや:うちはわーきゃー言わず、ネタをしっかり聞いてくれるファンが多いんで、ありがたいですね。――せっかくなので、読者に「相方のここがモテ要素だ」というアピールをしてもらえますか?せいや:粗品はスタイルがいいんで。もっとファッションとか気をつかったらモテると思うんですけどね。はっきり言って“イモい”。しかもオタク気質やから、アニメのTシャツを着たりする、“イモオタ”なんですよ(笑)。粗品:“イモオタ”って言うな!これは理由があんねん。『M-1』優勝してから急にオシャレになったりしたら、気持ち悪いやろ?だから、あえて昔から持ってる服ばっかり着てるんですよ。――対して、粗品さんから見たせいやさんのモテ要素は?粗品:せいやは母性本能をくすぐるところがあるじゃないですか。見た目、ほぼ2歳児ですから(笑)。せいや:2歳児よりは大きいわ。――では、相方より自分のほうがモテるぞと自信のあるところは?せいや:僕は粗品より女性に対して優しいという自信があります。粗品:えー、そうかぁ?せいや:僕は妹が2人いる長男なんで、女の子に優しくするのが当然 と思ってるんです。だから女の子に顔蹴られても、怒らない。粗品:それは怒れよ。っていうか、好きなプレイってだけやろ(笑)。せいや:僕は女性には思いっきり甘えてほしいタイプなんですよ。粗品:それをいうたら、真っ向からかぶるけど。僕は、父ちゃん亡くなってからひとりで、母ちゃんを支えてきたんで。女性ファーストでいったら、僕のほうが意識高いと思う。――どちらも女性に優しいということで。では、最後にこれからの目標を聞かせてください。粗品:テレビやいろんな場で活躍していきたいというのもあるんですけど、劇場でお客さんの前で漫才をすることは、ずっと大切にしていきたいと思っています。どんな時も、漫才は僕らの味方やから。せいや:僕も同じ気持ちです。僕らは出会ったきっかけも漫才、人生を変えてくれたのも漫才。根っこに漫才があって、その上でいろいろな活動があるわけですからね。――本当に漫才が好きなんですね。ひょっとして『M-1』にもう1回出たいと思ってますか?せいや:出られるなら出たいです。あの緊張感の中で漫才するのは好きなんで。でも、難しいのがわかってるから、出ませんけど。その分の熱量を「しもふりチューブ」で燃やしていきたいんです。まだ慣れないメディアですし、また下積みからやっていく覚悟です。粗品:そしてゆくゆくは、劇場でトリを務められて、大きな笑いもとれる“最高峰の漫才師”になりたいというのが、僕らの目標です。しもふりみょうじょう2013年結成。『霜降りバラエティ』(テレビ朝日系)が毎週木曜25:59~放送中。ボケ担当のせいやは1992年東大阪市生まれ。高校時代いじめられた時にお笑いでハネ返した経験があるタフなハートの持ち主。ツッコミ担当の粗品は’93年大阪市生まれ。ピン芸ネタを競う『R-1ぐらんぷり』2019年で優勝した、卓越したセンスとテクを持つ実力派。「しもふりチューブ」という公式YouTubeチャンネルを開設し、毎日18時にアップ中。目標としている「漫才100本」を披露していくほか、オリジナルゲームや、さまざまな企画にも挑戦している。最新情報は、Twitter(@shimofuri_tube)で発信。企画や質問、コメントはメール(shimofuri@omo.jp.net)にて随時受付中。※『anan』2019年9月4日号より。写真・小林真梨子インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年09月01日昨年の若手漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』に史上最年少で王者になり、一気に注目度が高まっている霜降り明星。長身でクールな粗品さんと、丸っこくてキュートなせいやさんのコンビネーションは抜群。新世代の旗手として、新しい笑いにチャレンジし続けています。――今年7月からYouTubeで公式チャンネル「しもふりチューブ」を開設されましたね。粗品:はい。いろんなメディアに興味がある若い世代に向けて、面白いことしたいと思ったので。せいや:「漫才100本アップ」という目標を掲げてるんです。――それって他のお仕事も忙しい中で大変じゃないですか?せいや:時間的には大変ですけど、自由に好きな笑いができることに、ワクワクしてます。漫才だけじゃなく、ものまねやギャグ、いろんな企画をやっていくつもりです。粗品:僕らこれまで滅茶苦茶たくさんネタ作ってきたんで、もったいないなぁと思ってね。今とは逆の、僕がボケて、せいやがツッコミやってる漫才とかもあります。――昔の漫才を今またやってみて、違う感覚はありましたか?粗品:いろいろ思い出して、オモロかったですね。このネタやってた頃、俺ら腐ってたなぁとか。せいや:認められへんでしんどかったなぁとかね。だから、僕ら的には気持ちのこもったひとつひとつの漫才になってると思いますね。――コンビ結成5年目で『M-1グランプリ』を制したおふたりは、すぐに売れっ子になったイメージがありますが、違うんですか?粗品:いやいや、コンビ組んで3~4年ぐらいまでは地獄でしたよ。自分らでは面白いことしてるつもりやのに、認めてもらえなくて。もちろん全然食べられへんし。せいや:ほんましんどかった。うちは、粗品がピン芸人としてひとりで2年ぐらいやった後に僕とコンビを組んだという、変な結成の仕方をしてるんで、他の人とはまた違う苦労があったんです。――そもそもコンビを組んだいきさつを教えていただけますか?粗品:高校時代に別々のコンビで「ハイスクール漫才」というコンテストに出場した時に、初めて会って、「オモロいヤツがおるなぁ」と、連絡先を交換したんが最初です。高校卒業後、僕はピン芸人としてやるようになって、その時からこいつと漫才がやりたいとずっと思ってたんです。せいや:「コンビ組もう」って最初言われた時は、僕は断ったんですよ。大学に進学してから、学生生活のほうが楽しくなって、お笑い活動をやめてたんで。それでもまた、誘ってくれたんですよ。――なぜそこまでして、せいやさんと組みたかったんですか?粗品:せいやが誰よりも面白かったからです。ふたりで漫才やってプロとして通用するのはこいつしかおらん、と思いました。せいや:今の言葉、太字で書いておいてください(笑)。粗品はとにかく熱いんですよ。また誘われた時も、「おまえとやったら3年で売れる」とか、ガーッと語られて。こんなに自分が必要とされてるなら、頑張ってみようかと二十歳の時に決意したんです。ところが、ふたりで活動を始める直前に粗品がピンで評価されてしまって…。――関西で年末に生放送されてる『オールザッツ漫才』の若手コンテストのコーナーで、2012年に粗品さんがピン芸人として、史上最年少で優勝したんですよね。せいや:そうなんです。僕は生でテレビ見ながら、これでコンビ組もうって約束はなくなった、粗品はこのままピンでやっていくやろうなぁと、胸を締め付けられるような思いでいたんです。粗品:でも僕はせいやと漫才がやりたかったんで。せいや:それをテレビで言うてくれたんですよ。それで、年明けてすぐにコンビ結成しました。――すでに評価された粗品さんと組むのはプレッシャーですよね。せいや:そうなんですよ。僕は素人の大学生でしたから、まわりは「なんであんなヤツと組むんや」とか、「粗品ひとりでやってたほうが良かった」とかいう意見がほとんどでした。僕も哀しいし、粗品も悔しかったと思います。――コンビを組んで漫才のネタはすぐにできたんですか?粗品:最初のを作る時も10本作るうちの1本だと思ってたので、どんどん作っていった感じです。せいや:僕ら自分でネタを書いてやってきた経験がありますからね。ファストフード店で何時間も粘りながら、ふたりでゲラゲラ笑いながらネタを考えて合わせていく。それは、最初から今までずっと変わってないですね。粗品:いろいろネタ作って、’14年に『THE MANZAI』で、準決勝までいったのが初めての成果なんですけど。そこから乗り切れなくて。せいや:粗品は「3年で売れる」って綿密に計画たててたのに、その時期になっても全然やったから、焦りは凄かったよね。粗品:’16年に『M-1』で準決勝までいって、次の年に『ABCお笑いグランプリ』取って、やっとノってきましたけど。それまでは本当に腐ってました。しもふりみょうじょう2013年結成。『霜降りバラエティ』(テレビ朝日系)が毎週木曜25:59~放送中。ボケ担当のせいやは1992年東大阪市生まれ。高校時代いじめられた時にお笑いでハネ返した経験があるタフなハートの持ち主。ツッコミ担当の粗品は’93年大阪市生まれ。ピン芸ネタを競う『R-1ぐらんぷり』2019年で優勝した、卓越したセンスとテクを持つ実力派。「しもふりチューブ」という公式YouTubeチャンネルを開設し、毎日18時にアップ中。目標としている「漫才100本」を披露していくほか、オリジナルゲームや、さまざまな企画にも挑戦している。最新情報は、Twitter(@shimofuri_tube)で発信。企画や質問、コメントはメール(shimofuri@omo.jp.net)にて随時受付中。※『anan』2019年9月4日号より。写真・小林真梨子インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年09月01日強烈なキャラと客に媚びない芸風で、ブレイク芸人の仲間入りをしたお笑いコンビ、野性爆弾のくっきーさん。今年の春にはNYのアート展にも初出品するなど、アーティストとしても注目を浴びる。デビューから25年、曲げずに貫いてきた壁の壊し方を、本人に直撃した!野性爆弾・くっきー流、壁を壊し続けるヒント。今、テレビで見ない日はないというくらい大ブレイク中の、野性爆弾・くっきーさん。芸人としてはもちろん、アーティストやバンドマンとして、さまざまなフィールドを縦横無尽に渡り歩いている。突破のヒント1:今を頑張る。――今の状況は、想像できていましたか?くっきー:そもそも売れたいとか、何年後にこうなっていたいとかをリアルに考えたことがなかったんです。よくNSCの先生に「計画を立てろ」と言われてましたけど、それってダサくないですか?(笑)10億円や家が欲しいとかはありますけど、その日のことしか考えてないんで。もちろん、芸人として瞬間瞬間は必死でやっていましたが、“今日、この仕事が終わったら次の仕事を頑張ろう”って、1日分のタンパク源しかない感じなんです。それに、テレビに出たいという気持ちも、もちろんあったけど、劇場で漫才をやる以外にどうしたらええのか、わからんかったんで。デビューから今まで、先が見えへんからこそ、一日の出番を頑張るというそのスタンスは変わってないし、だから今も、なんとなく仕事が増えてきたなって感じです。もちろん、明確に変わったなと思う瞬間もありますけどね。陣内(智則)さんが紹介してくれて『キャラパレード』に出始めてから、ええ感じになりました。だけど“僕の何がええのん”って、ほんまに不思議。時空が歪んでるってよく言ってますけど、ひん曲がった時代なんじゃないですか(笑)。――やめようと思ったり、停滞を感じたことはありましたか?くっきー:何度かあったし、他の道を考えたりもしました。タトゥーの彫り師になりたくて、相方にやめると言ったこともありました。そしたら、「アイボン」したてみたいに目をジャブジャブさせながら「もうちょっとやっていたい」と言ったんで、続けることにして。そのくせ、ネタはぴくりとも作らんし、覚えてもくれない。あの時の涙はなんやったんやろうって思いますけどね(笑)。そもそも、コンビを組んだ記憶もないですし。――えっ!くっきー:なんとなくコンビって感じにはなってるけど、正式には組んでないですから。「付き合って」と言うてないのに付き合ってるアベックみたいな。――NSCの同期には次長課長やチュートリアル、ブラックマヨネーズなど名だたる方々がいます。売れる彼らを見て嫉妬したり、焦ったりはしませんでしたか?くっきー:まったくないです。ずっと一緒に遊んでいたんで、ツレが売れて嬉しかったです。“よかったよかった”って思うだけで。あんまり何にも思ってないんですよ。――先輩に相談はしましたか?くっきー:「どうしたら売れますか」なんてダサくて聞けないですよね(笑)。そもそも売れてへん先輩に相談しても、どうしようもないでしょ。みんなで「売れへんね」とケタケタ笑うだけで。でも、そういう生活が楽しかった。仕事は月に2~3本の舞台だけで借金まみれやったけど、一番楽しかったです。突破のヒント2:自分を曲げない。――では、どうやって売れない時期を乗り越えたのでしょうか。くっきー:自分を曲げないというのは一つありましたね。お客さんに合わせた笑いをしない。というか、合わせ方がわからないから、できへんのです。お笑い自体は好きで見てましたけど、ネタの作り方が一切わからないし、勉強もしてなかった。自分が面白いと思うものを固めて出してるだけやったから、どないもこないもならんですよ、そんな汚い芸は(笑)。でも、当時僕たちが出ていた「心斎橋筋2丁目劇場」には、なだぎ(武)さんやザコシショウさん、ケンドーコバヤシさんがいて、そしてその上にバッファロー吾郎さん、さらに上からリットン調査団が見下ろしている感じやったんですね。みんなスベっても平気で、「へへへ」って笑ってたから、スベることが恥ずかしいとか、恐怖だと感じたことがなかったんです。たとえスベっても、なだぎさんがツッコんで笑ってくれるし。バッファローさんからは、強い鋼の精神をもらいました。おかげで、めっちゃスベって、地球が自転している“ウー…”っていう音が聞こえるくらい静まりかえった瞬間も、面白いと思えるようになりました。そう、芸人には、“チーム曲げない”と“チーム売れたい”がいるんです。――というのは?くっきー:自分が面白いと思うことを一番出したいのが“チーム自分を曲げない”で、バッファローさんや僕らはそっち。“売れたい”のほうは、こっちのほうがウケるからこうしようができる、超優秀な人たち。でも、僕は“曲げない”のほうが面白い人が多い気がするし、売れるんちゃうかなって思ってます。そもそもの考え方が変わっている奴だから、そんなに数もいないですし。千鳥や、友近もそう。ブラマヨは“売れたい”という思いを“曲げない”奴やしね。一番ダサいのは、“チーム曲げないぶってる”の人。ぶっとんでるフリをして近づいてくるけど、本物の曲げない人は気づきますから。突破のヒント3:しがらみから逃げる。――2008年には東京に拠点を移しています。くっきー:よく出演してた「うめだ花月」が閉まって大きい劇場ができることになったんです。そこで仕事すると、いろんな師匠に会わざるをえなくて。僕、苦手だったんですよ。ちゃんとウケはる面白い人もたくさんいるけど、なかには、なんでこいつに頭下げないかんのやろ、という人もおったから、挨拶するのが煩わしくて東京に行くことにしました。もちろん、それだけが理由ではないですけどね。でも、東京の「ルミネtheよしもと」に出ると、やっぱりそこにも師匠がいてはるんです。結局、逃れられませんでしたわ(笑)。――テレビの仕事も多い今、自分のやりたいことが制限されてしまうことはありますか?くっきー:これまでは、どんな汚いことや歪なことでも、思いついた話をパーンとしゃべっていたんです。テレビでは、それを一回呑み込んで、ちょっと角を取ったやつを出す作業をしているけど、番組や時間帯を見ながら、どこまでいけるかと様子見ながら右往左往する感じが楽しいですね。ようは“チコ”なのか“チポコ”なのか“男性器”なのか“陰茎”なのか、その言い方を変えている感じですね。突破のヒント4:欲を先送りにしない。――今後の目標はありますか?くっきー:今までと変わらず、一日を必死でやることを積み重ねていくだけじゃないですか。スケジュールも2週間分しか知らないし。(手で視界を限定しながら)ここだけを見るのを続けていくだけです。――くっきーさんのように、“ここだけを見る”ことが難しい人も、世の中には多いと思います。くっきー:たぶん、そういう人はマイナス思考なんでしょうね。僕、超ド級のプラス思考ですから。欲しいものは絶対に手に入ると思っているし、実際、手に入れてきました。たとえば、欲しいギターがあると借金を重ねてもすぐに買う。絶対になんとでもなる、と思っているんです。それは、子どもの頃、親と買い物に行った時に、おもちゃが欲しくて嘘泣きをして手に入れた経験があるから。意地でも手に入れなアカンと思うし、その方法を見つけるようになったんやと思う。だから、今欲しいと思うものを、無理にでも買ってみるといいんじゃないですか?マックスで欲しい時に勝ち取ると、鉈で太い竹を切るくらい気持ちいいから、そうするクセがつくと思いますよ。やせいばくだん・くっきー1976年3月12日生まれ。滋賀県出身。『野性爆弾のザ・ワールド チャネリング』(Amazonプライム)などレギュラー番組多数。アートワークをおさめた『くっきずむ』(美術出版社)が発売中。※『anan』2019年7月31日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2019年07月30日水田信二さんの屁理屈ボケと、川西賢志郎さんの臨機応変なツッコミで大人気の実力派コンビ・和牛。漫才への情熱からあふれる相方愛まで、おふたりの気になる素顔に大接近しました。――相方さんのどんなところが“ええとこ”と感じてますか?川西:水田君は、イヤなことねちねち言うヤツって思われるかもしれないけど。まぁ、それはそれでホンマな部分もあるし(笑)。でも可愛らしい部分もいーっぱいあるんです。仲のいいメンバーといたら誰よりもはしゃぐし、好きなサッカーをやる時は誰よりも走る。お腹すいたら食べて、眠たかったらすぐ寝る。“少年やん”っていうぐらいストレート。――川西さんの良さは?水田:スタイル。カッコよさがちょうどいいですよね。――バラエティ番組の調査で、並みいるイケメン俳優と並んで川西さんは「寝てみたい男」にランキングされたんですもんね。水田:かといって、めちゃくちゃカッコいいってわけじゃないじゃないですか(笑)。でも、そこがいい。カッコよすぎたら、面白いかどうかなんかどうでもよくて、姿だけ見ていたいってなるでしょ?川西は、しゃべってる内容を邪魔しないギリギリのカッコよさ。まさに“漫才をするための肉体”を持っている男だと思います。川西:それは言いすぎ(笑)。まぁ、見た目で得はしてるかなぁって思います。こうしてプロのカメラマンさんが上手に撮ってくれはったら、ごまかしもきいてしゅっとしてると言ってもらえるし。でも笑ってもらえるぐらいに、適度な崩れ方してるブスなんですよ。水田:いや、ブスじゃない。笑える男としてはいちばんカッコいい。――中身はどうなんですか?水田:川西の中身はタダのオッサン。へしことか好きですし。川西:へしこって青魚の珍味で、おいしいやん。別に食べてもええがな(笑)。水田:しぶい酒のアテ(つまみ)が好きなオッサン。5種盛りとか頼みたがる。アテ大好きっこ。川西:それをおまえも嬉しそうに一緒につまんで食べるやん(笑)。水田:それから、川西は間違いなく“努力の人”です。川西:ありがとう。最近、どんな取材でもそう言うてくれるよね。水田:仕事のための努力は惜しまない。それは売れてない時も忙しくなってからもブレてない。川西:それでいうたら、水田君ももちろん努力の人です。――女性ファンも多いおふたりなので。今後アンアンのどんな特集なら登場してもらえますか?水田:バーベキュー特集とか。川西:水田君、料理は得意やけど、キャンプなんか行かへんやん。水田:だから、企画で行きたい。川西:じゃあ、僕は釣り好きやから磯釣り特集がいい。水田:アンアンやから、カッコいい写真も撮らなあかんで。川西:わかった。濡れた白いシャツ着て、磯釣りするがな(笑)。水田:では、モテ磯釣り特集で。川西:そんなんでモテるかぁ(笑)。――漫才形式でのご回答ありがとうございます。ところで、今年の『M‐1』も出場されるんですか?水田:出ます。川西:準備はしています。――チャンピオン宣言は?川西:毎年宣言してきましたけど。まぁ、宣言して取れるもんでもないということもわかったし(笑)。水田:結果はどうあれ、おじいちゃんになるまで一緒に漫才をやっていこうと決めているので。自分らが面白いと思う漫才を作ってできればいいなと思います。――お仕事の話になると、ものすごく真面目で謙虚ですね。水田:人生のグラフを描く企画があっても、僕らは大きな浮き沈みがなくて面白みがないって言われてしまうんですけど(笑)。一歩ずつしか進めないんですよ。川西:漫才道は奥が深いし、まだまだ勉強中なんでね。不器用な僕らはこれからもコツコツやっていくしかないんです。わぎゅう2006年コンビ結成。『M‐1グランプリ』’16~’18年の3年連続準優勝。ボケ担当の水田信二(左)は’80年生まれ、愛媛県出身。調理師免許を持ち、料理人として働いた経験あり。チャームポイントはサッカーで鍛えた太もも。ツッコミ担当の川西賢志郎(右)は’84年生まれ、大阪府出身。酒とお祭りと釣りを愛する男。チャームポイントはスレンダーな腕に浮き出た血管。現在、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)水曜日、『王様のブランチ』(TBS系)などで活躍中。毎年行っている人気の単独ライブ、今年は「和牛の全国ツアー2019『いま、会いにゆきます~そして漫才します~』」。新作漫才数本とふたりが企画したお楽しみコーナーで構成される。昨年は水田さんのギター演奏が披露されたが、今年は何が飛び出すか?7/21広島、8/1愛媛、8/11宮城、8/18大阪、8/30北海道、9/20東京にて公演。※『anan』2019年7月17日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年07月13日若手漫才日本一決定戦、『M‐1グランプリ』で史上初3年連続準優勝。ボケの水田信二さんとツッコミの川西賢志郎さんからなる、実力派コンビ・和牛。ネタの豊富さ、テクニックの見事さを支持するお笑いファンは多く、一方で彼らのすっきりしたルックスと上品な芸風に魅了される女性ファンも急増中です。――昨年の『M‐1グランプリ』も残念でしたね。審査員の松本人志さんをはじめ、高い評価をしてくださった方も多かったのに。川西:優勝を逃した直後は「また負けたぁ。キツいなぁ」「これからどうしようか」とは思いましたけど。落ち着いてからは、また新しい気持ちで漫才に取り組んでいこうってプラスにとらえてますね。水田:僕ら2015年で6位やった時も含めて、『M‐1』決勝に4回出てるんですけど、7本も漫才やってるんですよね。僕らが最高と思う大会で、僕らが面白いと思う漫才をそれだけ披露できたんで、わりとすっきりしてるんですよ。川西:負けて出て、また負けて出て(笑)。“毎回惜しいとこまでいってる人たち”という認識で注目してもらえて、仕事が増えたというのもありますしね。――毎年恒例の単独ライブツアーが今年は「いま、会いにゆきます~そして漫才します~」というタイトルで全国8か所で開催されます。どんな構成ですか?水田:去年は漫才を4本と、あとはみんなで楽しめる企画だったんですけど、今年は漫才多めでいこうと思います。――漫才は新しく作るんですか?川西:ツアーのために新しく作るものもあるし、毎月新ネタは作っているので、できたものを練ってやるということもありますね。――そんなに新ネタを作るのは大変じゃないですか。川西:時間はかかりますね。でも新ネタを作るというのは漫才師として、大事な作業ですから。水田:漫才に関してはふたりで議論になることもあるし、大変ではありますけど。でも、しんどいとか、イヤって感覚はないですね。――和牛の漫才を生で見たいというお客さんも多く、今いちばんライブのチケットが取れないコンビと評判ですよね。川西:特に去年は大きな劇場でツアーをしたので、正直、そんなにお客さんが来てくださるか、不安やったんです。それがどこも満員になって、嬉しかったですね。水田:僕ら4~5人しかお客さんいないライブからスタートして、なかなか人気出なかったんでね。川西:全国ツアーを始めた最初の頃は気負いすぎてましたけど、今回は自分たちも楽しくできて、お客さんにも楽しんでもらえるライブにできたらいいなと思います。――テレビ出演も増え、お忙しい中で息抜きはなんですか?水田:酒と漫画ですかね。――どんな漫画が好きですか。水田:いっぱいありすぎて、ひとつに決められないですね。今20以上の連載を読んでるんで。電子書籍で買ってるんですけど、一晩で100冊買ったこともあります。『M‐1』が終わった夜ですけど。――川西さんの息抜きは?川西:僕もお酒と、ごはん食べることと、あとは睡眠です。――お酒を飲んだらどうなるタイプですか?川西:ただただ、眠た~くなる。水田:僕は酔うと甘えたくなるタイプです。特に女性とふたりきりで飲んでる時は(笑)。――おふたりとも独身ですが、恋するとどうなるタイプですか?水田:川西は顔に出さないです。川西:僕は何に対しても感情の振り幅が薄いんですよ。喜んでても疲れてても、あまり激しく表に出ないんで。恋愛をしてる時も態度にあまり出ないですね。水田:コンビ組んで13年になりますけど、川西の恋愛にほとんど気づいたことがない。川西:彼女がいる時も、たぶん相方にはバレてないと思います。水田:川西が他の誰かと恋愛の話をしてるのを横で聞いて「へぇ、今彼女おるんやぁ。へぇ~~」ってやっとわかったりする。川西:まぁ、コンビで「今、誰かとつきあってんの?」なんて話をわざわざしませんからね。逆に水田君が他の人としゃべってるの聞いて、「あぁけっこう長いことつきあってるんや」とか、「この会話の感じは別れたってこと?」とか、じわっとわかるんです。――コンビを組む相手を探していたおふたりが初めて会った時、水田さんがいきなり恋バナをしたって聞いたことがあるんですが。川西:水田君がバイト先で気になる子にどう近づいたらいいかっていうのを、恋愛相関図みたいなのを描いて、見せてくれました。水田:コンビ組む前の初顔合わせの段階だったんで、相方に恋愛を語ってる感覚はなくて。でもよう考えたら、知り合ってすぐそんなこと言うのはどうかと思うけど。川西:でもそれが水田君の魅力やと思ったなぁ。僕ら吉本の養成所の同期やったけど、面識はなかったし、年齢も違うから、そうやってぱっと距離を詰めてくれたのは、すごくありがたかった。――関西で放送されている冠番組『和牛のギュウギュウ学園』で水田さんは、好きになった相手は絶対落とす“恋愛スナイパー”だとおっしゃってましたよね。水田:僕はすぐ人を好きになる“恋多き男”なんです(笑)。――今でもスナイプの腕は発揮されてるんですか?水田:「可愛い」とか、「好き」とか思う人はいっぱいいますけど、今はその場かぎりで終わってしまう一目惚ればっかり。川西:昔はバイト先とか接点が多い人が相手やったから、スナイプできたみたいなんですけど。今は一撃で仕留める投げナイフみたいなの持ってないと難しいよなぁ。水田:だから、最近はスコープから覗いてるだけで、撃ち落とせてない恋愛スナイパーなんです(笑)。わぎゅう2006年コンビ結成。『M‐1グランプリ』’16~’18年の3年連続準優勝。ボケ担当の水田信二(1枚目写真右)は’80年生まれ、愛媛県出身。調理師免許を持ち、料理人として働いた経験あり。チャームポイントはサッカーで鍛えた太もも。ツッコミ担当の川西賢志郎(左)は’84年生まれ、大阪府出身。酒とお祭りと釣りを愛する男。チャームポイントはスレンダーな腕に浮き出た血管。現在、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)水曜日、『王様のブランチ』(TBS系)などで活躍中。毎年行っている人気の単独ライブ、今年は「和牛の全国ツアー2019『いま、会いにゆきます~そして漫才します~』」。新作漫才数本とふたりが企画したお楽しみコーナーで構成される。昨年は水田さんのギター演奏が披露されたが、今年は何が飛び出すか?7/21広島、8/1愛媛、8/11宮城、8/18大阪、8/30北海道、9/20東京にて公演。※『anan』2019年7月17日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年07月13日オリジナリティの高いコントで定評のあったチョコレートプラネットが、モノマネがきっかけで大注目の存在に。松尾駿さんがフルメイクで「どんだけ~!」とIKKOさんになり、長田庄平さんが着物姿で「そろり、そろり」と狂言師・和泉元彌さんになる姿で、多くの人を楽しませています。――今日は素顔なので印象が違いますが。モノマネの扮装でテレビに出ることも多いですよね。松尾:テレビにはIKKOさんの格好で出てるほうが多いですからね。もう自分が誰だかわからない。長田:そこまできたら、もう病気ですね(笑)。松尾:笑福亭鶴瓶師匠がラジオ番組に呼んでくださったんですけど、それまで僕らのことをモノマネ芸人だと思ってたらしいです。――IKKOさんのモノマネを始めたのはいつからですか?松尾:家でテレビを見ながら「どんだけ~!」と言ってみたら、声が似てたんで、ライブでやったりしてたんですけど。本格的にやったのは、3年前モノマネ番組にちゃんと扮装して出たのが最初です。――メイクがとても上手ですよね。松尾:基本は、テレビ局のメイクさんにやっていただいてるんですけど。自分でもつけまつげがつけられるようになったし。メイクに興味がどんどんわいてきてますね。――つけまつげは自前ですか?松尾:はい。今日も持ってます。――衣装はどうしてるんですか?松尾:テレビでは今、IKKOさんからいただいたお洋服を着ています。最近は毎年年末にお正月番組用のお着物も贈ってくださるんですよ。衣装さんに着付けしてもらったら、「これ、すごくいい着物ですよ」って言われました。――ご本人公認ですし、IKKOさんの分身って感じですね。松尾:最初の頃は、僕がふざけて「師匠」と呼んでたんですけど。IKKOさんがいつからか僕のことを「妹」と呼んでくれて。今は「姉」と「妹」でやっています。長田:姉妹共演も多いしね。――長田さんが真似されてる和泉元彌さんとも、最近、テレビで初対面されましたよね。長田:僕はビジュアルから入るタイプで、見た目が近い元彌さんの真似を始めたんですけど。ツイッターを通じて、ご本人に「流派は何ですか?」と聞かれたんですよね。実は僕、中学の文化活動で狂言を習っていたことがあり、別の流派だったらしくて。「和泉流を習いに来てください」と言われていたのが、番組で実現しました。松尾:最近は、IKKOさんと元彌さんのふたりで、番組に出たりしてるみたいですからね。長田:ここまできたかって感じですよね(笑)。――そもそもコンビを組まれたきっかけは何なんですか?長田:NSCという養成所の同期で、最初は別々のグループでやってたんですけど、どちらも解散した時に、松尾から誘われたんです。松尾:最初の頃、僕は長田さんのこと嫌いだったんですよ。長田さんはふたつ年上だったし、ゴリゴリの関西弁で、威張ってたから。長田:威張ってはないって(笑)。松尾:授業が始まってからは面白い人だなぁと思ってはいたんですけど。僕が新しい相方を探していた時に、同期のシソンヌというコンビから、同じ日に別々に「長田くんと組めば?」と言われて。その日のうちに誘いました。長田:最初は断ったんですよ。あの頃の松尾は怖かったから。今はふっくらしてるけど、当時はガリガリで、眉毛を剃ってて、頭は五厘刈り。反社会勢力そのものって感じやったもん。松尾:でも話してみると、なんか合ってたんですよね。お互いにそんなにお笑いに詳しくはなくて。長田:そうそう。僕は地元の京都から脱出したくて、東京の養成所に入っただけで。「この道で成功してやろう!」みたいな鼻息荒いヤツと組んだらしんどいなぁと思ってたんで。お笑いに対する温度感が同じ気がして、「とりあえずやってみようか」と始めたら、そのままずるずると…。松尾:それが今年で14年目。こんなに長くふたりでお笑いをやるとは思ってなかったですね。左・長田庄平(おさだ・しょうへい1980年生まれ、京都府出身。ネタと小道具作り、主にボケを担当)右・松尾駿(まつお・しゅん1982年生まれ、神奈川県出身。主にツッコミを担当)2006年に結成し、『キングオブコント』の決勝に3度進んだ実力派お笑い芸人。長田さんの息抜きは温泉めぐり、松尾さんはお酒を飲んでクラブで踊ること。「CHOCOLATE PLANET HOUSE vol.1 LIVE TOUR 2019」は3/15、16大阪・YES THEATER、3/25おかやま未来ホール、4/12名古屋・東文化小劇場、4/14福岡・西鉄ホール、4/21札幌市教育文化会館小ホール、5/13仙台市福祉プラザふれあいホール、5/18、19東京・CBGKシブゲキ!!で開催。新作コントはもちろん、「完成度高すぎ」と大評判の“TT兄弟”ネタやモノマネが披露されるかも。※『anan』2019年2月13日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年02月10日振り返れば、昭和の終わりとともに『ひょうきん族』が幕を閉じ、ダウンタウンやウッチャンナンチャンらお笑い第三世代が中心に。そして昨年はハナコに霜降り明星と若手が躍進。これからの笑いはどうなる!?『東京ポッド許可局』の3人が、お笑い界を総括します。M-1がきっかけで、お笑いはスポーツへと進化した。プチ鹿島:平成元年が1989年だから、平成の初期は‘90年代ですね。サンキュータツオ:‘90年代は間違いなくダウンタウンでしょう。マキタスポーツ:前にPK(=プチ鹿島)が、ダウンタウンの笑いを格闘技になぞらえてリアル路線って言ってたよね。鹿島:ダウンタウンもそうだし、バラエティ番組も‘90年代はファンタジーからリアルへ向かっていった時代でしたよね。それ以前の芸人って、戦後から続く昭和の演芸文化を通過してきた人たちだったでしょう。タツオ:(明石家)さんまさんも落語家に弟子入りしたところからキャリアがスタートしてますし。マキタ:(ビート)たけしさんもストリップ劇場から出てきた人だしね。鹿島:それまでの笑いは演芸としてショーアップされたものだったのが、ダウンタウンが出てきたことによって、街で一番ケンカが強いやつが勝つストリートファイトになった。マキタ:芸能界の先輩はもちろん、プロ野球選手だろうがお相撲さんだろうがメッタメタに殴るスタイル。タツオ:関西のストリート上がりがダウンタウンだとしたら、関東にはとんねるずがいて。鹿島:もうめちゃくちゃリアルだよ。タツオ:そういったリアル路線の10年を経て、‘01年に『M-1グランプリ』が始まって競技化しました。マキタ:M-1を機に、笑いが採点式のスポーツになった。タツオ:一般の人が笑いを審査する『爆笑オンエアバトル』が盛り上がったり、‘03年には『エンタの神様』、‘04 年には『笑いの金メダル』と、お笑いを競技として楽しむ番組もどんどん出てきて。鹿島:競技化と並行するように、‘02年頃に大衆的な芸風でダンディ坂野さんが人気者になったでしょう。あのときお笑いが民主化されたなって思った。それまでは特別な人にしか許されていなかったのが、一気に開かれた感じ。マキタ:お笑いが会員制からオープン制になったんだ。鹿島:視聴者からの投稿を紹介する『爆笑問題のバク天!』(‘03年~)からアンガールズやレイザーラモンが出てきたりもしましたし。マキタ:その頃に、よしもと以外の事務所の養成所にも人が集まるようになって、お笑いが学校化したよね。鹿島:学校で勉強するって、わかりやすい民主化の表れですよね。マキタ:それまで素人と玄人の境界がはっきりあったのが、ベルリンの壁が崩壊したみたいに、民主化とオープン化が進み、学校を出たチルドレンたちがどんどん登場して、整ったフォーマットに従って誰でも参加できて能力を発揮できるようになった。お笑い史にとって‘00年代最大の変革はそれじゃないかな。鹿島:だからM-1で一夜にしてスターが誕生するのもそうだし、お笑いに夢があったんですよね。マキタ:夢あった。‘07年のサンドウィッチマンとか、ドラマティックだったし、センセーショナルだったよ。タツオ:10年ごとにまとめると、異能のお笑い怪獣たちの‘90年代、競技を勝ち抜いたスター選手たちの‘00年代、そして民主化されたことで誰もがお笑いに参加できるようになった‘10年代っていう感じですかね。鹿島:笑い飯が優勝してM-1が一度幕引きをしたのって何年だっけ?タツオ:‘10年ですね。高度に発達したお笑いマナー、揺り戻しとしての裸芸。鹿島:やっぱりそうか。このあたりから下克上が通用しなくなってる。タツオ:『キングオブコント』や『R-1ぐらんぷり』で優勝しても、まだバイト辞められないですからね。マキタ:芸能界をコンビニでたとえると、優勝したくらいじゃ定番商品として並べてくれない。タツオ:一応は新商品として短期間は陳列してくれるけど、棚のほとんどがロングセラーでいっぱいだから。鹿島:それは夢ないなー。マキタ:側(がわ)じゃなくて質のほうの話をすると、やっぱりダウンタウンは確実に世間のお笑いレベルを引き上げたと思う。レベルというか、解像度っていうのかな。民主化にも繋がることだけど、中学生とか高校生にまでお笑い用語を浸透させた。タツオ:ツッコミとかボケとか、オチとかフリとかね。鹿島:大きく言えば関西のノリ。専門用語や関西弁の言葉はもちろん、笑いの文化を一般的なものにしたね。マキタ:さんまさんの影響もあるとは思うんだけど。ほら、『笑っていいとも!』でタモリさんに「そこは拾わんとアカンやろ~」とかってしつこく言って、タモリさんがうっとうしそうにイヤがるっていうやつ。鹿島:くやしそうに「いまのはひと笑いいけたやろ~」とかってね。マキタ:そういう、よしもとの楽屋でのマナーが全国放送で流れてた。タツオ:その時代を境に、芸人はピコピコハンマーを捨てたんですよね。昔はピコッて叩くだけで成立してたのが、ちゃんと言葉でツッコむようになった。そこからさらに進んで、「ちゃんとボケろや~」みたいに、チームプレーとしてのパスまわしやゴールが設定されているゲームにまでなって。マキタ:そのあたりから、お笑いが高度に発達しすぎたよね。タツオ:ゆえに、揺り戻しもきてますよね。裸芸のアキラ100%が『R-1ぐらんぷり2017』で優勝したし、とにかく明るい安村がブレイクした。鹿島:『R-1ぐらんぷり2016』で(ハリウッド)ザコシさんが優勝したときは、久しぶりに夢あるなって思ったね。しかも地下ライブでやってるのと同じネタで勝負してた。マキタ:『キングオブコント2018』で唯一言葉に頼らないネタをやったのが優勝したハナコだったよね。ほかはみんな言葉を駆使する笑いで、気を抜いたら置いていかれる。タツオ:M-1にしても、言葉による笑いが主流ですからね、いまは。東京ポッド許可局“屁理屈をエンターテインメントに!”をモットーにマキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの文系お笑い芸人3人の局員がひっそり語らう深夜の人気番組。TBSラジオで毎週月曜24時~放送中。※『anan』2019年1月16日号より。写真・田村昌裕(FREAKS)文・おぐらりゅうじ(by anan編集部)
2019年01月13日TBSラジオ『東京ポッド許可局』に出演する文系お笑い芸人、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの3人が、まるっと振り返り。「平成お笑い論」をお届けします。品質保証と安定供給。平成を体現する有吉弘行。サンキュータツオ:平成の30年で芸人の仕事が爆発的に増えました。プチ鹿島:芸人の数も増えたしね。タツオ:情報番組のキャスターから、俳優に芥川賞作家まで、いまやどこにでも芸人がいますよ。鹿島:ひとつのきっかけは『アメトーーク!』じゃないですか。スニーカーとか家電とか、好きなものを熱く語る○○芸人というパッケージで芸人の魅力をプレゼンする番組。タツオ:キャスティングする側としてはかなり参考になりますよね。マキタスポーツ:たけしさんが映画監督になったり作家として本を出すっていうマルチ化とはまったく意味合いが違うよね。たけしさんの場合はオフェンスの要として点をとってほしいから依頼が来るわけだけど、ほかの芸人に声がかかるのは、ディフェンスとしての機能を求められてる。鹿島:新番組が始まるときに、決してメインではないけど、とりあえずレギュラーとして呼ばれる感じね。タツオ:たけしさんは完全にメインディッシュで、いま器用になんでもこなせる芸人は、塩こしょうというか、化学調味料ですよね。マキタ:とりあえずぶっかけとけば食える味になるっていう。もしくは出汁。それぐらい芸人の能力が平成の30年で信用されるようになった。と同時に、芸人はタレント化しないと食えない時代になったともいえる。タツオ:芸一本のネタだけで稼ぐことはだいぶ難しくなりましたよ。鹿島:ヤンチャな不良というか、ならず者の雰囲気はもう芸人に求められてないよね。いま一番ちゃんとしてないといけないのが芸人だもん。タツオ:そもそも出自が違いますからね。野良からはい上がってきたような人たちではなく、きちんと学校で訓練されて、かつ優秀な成績をおさめた人たちが芸人として売れていく。いまの芸人は品質保証の安定供給です。マキタ:町にマズいラーメン屋がなくなったように、いまつまらない芸人っていない。そういう仕事は『あらびき団』が最後だったんじゃない。鹿島:平成を通じて洗練されたという意味では、その象徴が猿岩石の有吉(弘行)さんじゃないですか。マキタ:『電波少年』で出てきたときは野良犬みたいな男だったのに、いまじゃスーツ着て安心感の塊。日本一のマスターオブセレモニーだよ。タツオ:しかも途中、表舞台から消えてるし。そこから再浮上して天下獲ったのはすごいですよ。鹿島:まさに平成を体現してる。マキタ:路地裏のマズいラーメンから仕込み期間を経て、日本中に愛される味になったね。鹿島:最近とくに痛感するのは、ものまねって普遍的だなぁと。マキタ:本当にそう。テレビを中心としたど真ん中の芸能界とは違う世界にいるけど、ものまね芸人ほど時代に左右されない芸人はいないね。タツオ:コロッケさんのディナーショーとか、ショーパブでも、いまはお客さんいっぱい来てますしね。鹿島:その流れでいくと、綾小路きみまろさんが‘00年代初頭にブームになったのは、来るべき高齢化社会を如実に表してたんじゃないですか。タツオ:僕の考えでは、綾小路きみまろさんはわかりやすく高齢者向きです、って宣言してるけど、そこはあえて言わずに、高齢者に向けたネタでも現役バリバリを装うような芸人が出てきたら最強だと思うんです。マキタ:そこは鉱脈あると俺も思う。自分を年寄りとは認めたくない初老の人たちはいまものすごいボリュームゾーンだから、当てたらでかいよ。鹿島:次の時代にお笑いで天下獲るなら、若い人たちにキャーキャー言われるよりも、高齢者から支持されたほうが手堅いってことか。タツオ:言うなればハズキルーペ芸ですよ。ハズキルーペって10代や20代には知られてないけど、高齢層にはものすごく響いてるわけですよね。マキタ:正直な話、俺はすでにそっちを狙ったネタ作りはじめてます。タツオ:マジですか!?鹿島:ここにいた!ハズキ芸人!マキタ:だってもう俺の年になったら、若い人に合わせるより高齢層に向けたほうがよっぽど自然だもん。鹿島:でもそんなこと言ったら僕らの番組『東京ポッド許可局』もまったく若者に向けてしゃべってないよ。タツオ:ほんとだ!おじさんとおばさんにしかわからない話ばっかり。俺らすでにハズキ芸人だったんだ。鹿島:そういう芸風のほうがこれからの時代、スポンサーもつきやすい。マキタ:なにより頑丈だしね。お尻で踏んでも壊れない。タツオ:出た、おやじギャグ!東京ポッド許可局“屁理屈をエンターテインメントに!”をモットーにマキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの文系お笑い芸人3人の局員がひっそり語らう深夜の人気番組。TBSラジオで毎週月曜24時~放送中。※『anan』2019年1月16日号より。写真・田村昌裕(FREAKS)文・おぐらりゅうじ(by anan編集部)
2019年01月12日お笑い芸人の土田晃之が、28日に放送されたラジオ番組『日曜のへそ』(ニッポン放送/毎週日曜12:00~13:40)で、「お笑い界にもドラフト制があったら面白いのでは?」という提言をした。先日開催されたプロ野球のドラフト会議を受けて、「野球だけじゃないですか? こんな騒がれるのは」とその特異性を指摘した土田。「芸人とかあります?『あいつが今年ナベプロに入った』みたいな」と例え、さらには「ドラフトやればいいのにね! 芸人も」と語った。続けて土田は、芸能プロダクションが運営する芸人養成学校は数多くあるものの、そこにいる生徒は「プロ」ではないため、各プロダクション合同でドラフトが出来るのではないかと主張。「そんなのやってくれたらちょっと面白いですけどね。第1巡選択希望選手○○(ツッコミ)みたいな(笑)」と言い、「M‐1やR-1、キングオブコントみたいに、吉本さんあたりがこういうのやってくれたら」と、希望を述べた。また、土田がドラフトを指名する立場だったら誰を取るかという話になると「さんまさん取りたいです」と言い、「でも、さんまさんとかダウンタウンさんとかになっちゃうと、FA扱いというか…FA権も芸能界、欲しいよね!」と新たな提案をしていた。その上で「もしFA権があったら、ウチの事務所(太田プロダクション)なんか有吉とか必死で引き止めにいくでしょうね。『よそ行かないでくれ!』みたいな(笑)」と冗談交じりに話し「そんなのやってくれたら、芸能界もちょっと面白かったりするんじゃないかと思いますよね」と持論を展開した。
2018年11月01日30代半ば、ひょんなことから“姉妹”となったお笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹。「どこにいても違和感があるんですよ、私たち」。そう言いながら今日も、優しさ溢れるユーモアを振りまきます。ピンクのドレス、おかっぱ 頭、そしてメガネ。お揃いポイントが三拍子そろったこの二人。姉妹になって約10年、気がつけば国民全員の“親戚のおばさん”のような立ち位置になりました。なぜだか分からないけれど、そこにいるだけで面白い。他の女芸人とはまったく違う雰囲気を漂わせるお二人の、愛らしい素顔に迫ります。――改めて伺いますが、お二人は本当の姉妹ではないんですよね?美穂:うふふふ…。江里子:ちょっと、うふふふ、じゃないわよ美穂さん。違います、赤の他人です、顔がそっくりなだけです(笑)。――30代中頃からお二人で芸人として活動されていると伺っていますが、そもそもの出会いは?江里子:もともと20代前半の頃に劇団の養成所で知り合ったんです。お互いにそれぞれ、何か面白いことがしたいと思ってオーディションを受けて、養成所に入っていたんですが、なんか似たような顔の人がいるな、と。――劇団ということは、女優志望だったんですか?江里子:ええと、特にそういうわけでもなく…。美穂:だからといって、お笑いがしたいわけでもなく…(笑)。江里子:私たちが入った養成所を持っていた劇団は、お笑いと演劇の境をいってるようなところがあったんです。なので私は、幅広く面白いことを学べる場所なのではと思い、そこを受けたんですよね。美穂:私はなんかこう、ぼんやりと、ちょっと演劇とかできたらいいなぁっていうか。先のことはあんまり考えてなかったですね。――その頃から、お互いに運命の人だという感覚はありました?江里子:いえいえ。最初はあんまりしゃべってなかったわよね。美穂:養成所に入って半年過ぎた頃にちょっと話す機会があって、好きなお笑いとか、芝居の趣味が似通ってたから、意外と気が合う人なのかしら、と思ったのか…。ま、顔も似てますし。――その頃お互いに、どんなお笑いが好きだったんですか?美穂:私はつぶやきシローさん。江里子:え?!シティボーイズさんじゃないの?美穂:あ、そうだった(笑)。江里子:忘れないでよ(笑)。でも、美穂さんのほうがなんとなーく、お笑いに関しては図抜けたものがある感じはしてましたけどね。私にジャイアント馬場さんの写真を送りつけてきたりとか…。――え、どういうことですか?江里子:それは養成所を出てからの話なんですが、バイト中に時間が余ったみたいで…って、仕事中に時間が余ること自体おかしな話なんですけど、よく時間つぶしに手紙を書いてたんですよ、美穂さんが。それである日、手紙に「今日は良いおまけが入っているぞ」と添え書きがあって。見たら、雑誌から切り抜いたジャイアント馬場さんの写真が(笑)。――美穂さん、それはどういう意図だったんでしょうか…。美穂:お姉さんだったら、その面白さを分かってくれるかしら、というのがあったんです。――江里子さんの反応は?江里子:電話で「いいわね」とか伝えてた気がします(笑)。美穂:で、「あ、分かってくれたわ」って(笑)。――養成所を出たあとは、別々に活動されていたんですか?江里子:私は別の養成所に入ったり、大学の友人と演劇をやったりしてたんですが、美穂さんは友人とお笑いトリオを組んでたわよね。美穂:そう。<らくだかばん>ね。――すごい名前ですね…。美穂:それで、人力舎さんの新人オーディションを受けたりして。江里子:私それ、応援に行ったの覚えてるわ。確かそのオーディション、1対1の対戦型だったんだけど、負けたわよね。美穂:負けた負けた。ダブルスコアくらいで負けたわね(笑)。それで、一人が辞めたいって言い出して、解散(笑)。――そしてお二人は姉妹に?江里子:いえいえ(笑)。まだそのあと紆余曲折があるんですが、まあそこは端折らせていただいて…。美穂さんが<らくだかばん>の頃から私は阿佐ヶ谷に住んでまして、美穂さんがよく遊びに来てたんです。それである日、町内の鰻屋さんで鰻を食べているとき、店主の方に「そんなに似ているなら、阿佐ヶ谷に住んでいるよく似た姉妹ってことで、何かやったらいいじゃないの」とお声がけいただいたんです。私は「そんな話がありました~」とブログに書きつつ、半分冗談で、「せっかく名付けていただいた阿佐ヶ谷姉妹、呼んでいただけたらなんでもやりま~す」と書いたら、「お笑いライブ、出る?」と誘われまして。それが阿佐ヶ谷姉妹のスタートですね。美穂:私は、「1回だけだったら」というつもりだったんですけど。江里子:由紀さおりさんと安田祥子さん姉妹がトルコ行進曲を歌われているんですが、それを延々歌う、というオマージュネタをやったんです。4分の持ち時間だったのに、のんびりしてて、結果8分。――それがウケて、今に至る、ということですか?江里子:ウケたかは…。美穂:そうねぇ、ウケてはいなかったと思う…(笑)。江里子:みなさん、クスクスしてましたね。なにこの変な人たちっていう意味の笑いは起きてた気はしますけど(笑)。美穂:常に私たち、流動的なんです。コンセプトを話し合う、とかまったくないですし…。江里子:ピンクのドレスを着たのも、由紀さおりさんと安田祥子さんがピンクのドレスを着ているビデオを見たからっていう…。普通の格好でもよかったんですけれど、そうすると本当にただの地味なおばさん二人組になってしまって、誰だか分からないのではと不安で。名前が少しでも浸透するまでは…と思ってたんですが、まさか11年もこれを着続けるとは(笑)。美穂:昔は私たち、普段もピンクなんて全然着なかったのに。江里子:このぼんやりとした感じのピンクが、ちょうどいいのよね。美穂:中身が地味だから、落ち着くのよね(笑)。――お二人の笑いは、体を張るでもないし、激しいボケとツッコミでもない、他の芸人さんたちとは違うオリジナルな芸風だと思います。うまく言えないですが、じわじわくる感じというか…。美穂:そもそも私たち、お笑い向きの顔でもないですしね。なんていうか、ちょっとじっとりしてる。江里子:あぁ、分かる。じっとりしてるわね、私たち。湿度が高い。美穂:じっとり、じんめり(笑)。江里子:あと、私たちがいた養成所で、私は“足さない笑い”というのを学んだ気がしていて。具体的にそう言われたわけではないんですが、諸先輩方の背中を拝見する中で、すごくそれを感じたんですよ。だから私たちのやってることって、派手さがないんです。もっと言うと、足し算の笑いの作り方が分からない(笑)。美穂:明確なボケとツッコミではないから、そういう意味でもちょっとぼんやりしているのかも。天然の人と、たしなめの人がやってるから、あまりキツい感じにならないってことなのかしら。江里子:た、たしなめ?美穂:そう。お姉さんがたしなめ担当よ。江里子:たしなめ…(笑)。まあ私たちって、いわゆる“おばさんあるある”的なことをやっていますが、おばさんたちをただぶった切るのとは違って、妹が好き勝手なことを言ってるのを姉がたしなめる形なんですよね。多少キツいこと言ってもお許しをいただいているのは、両方ともおばさんだし、姉妹だしってことがあるからな気もします。美穂:実際一緒に住んでましたし、まあ今はアパートの隣同士の部屋ですけれども。でも私、お姉さんがいるおかげで、ちゃんと仕事ができてるなって思ってます。江里子:やだ!そんな話初めて聞いたわ…。美穂:だってほら、取材のとき、ちゃんとしゃべってくれますから。今日もそうですけど。江里子:そこ?!(笑)でも、今回私たちの暮らしを題材にしたエッセイが一冊の本にまとまって、お互いのキャラクターが今までよりハッキリした気がしたわよ。美穂:私は結構、日頃の鬱憤の原因になっているお姉さんの性質を暴露しましたし、そういう意味ではいいストレス発散になりました。江里子:私も、美穂さんの暴露のおかげで、ありのままを書くしかないんだと腹をくくることができまして(笑)。でも自分と、そして美穂さんを客観的に見ることができた、良い機会だったと思います。――拝読していて、日々もめ事はありつつも、なんだかとても幸せそうに暮らしている感じが、すごく印象的でした。美穂:幸せ?どうかしら(笑)。江里子:フフフフフ(笑)。でも確かに、ああでもない、こうでもないって小競り合うこともありますが、ごはんを一緒に食べたり、おしゃべりしながら一駅歩いたり。そういうお仲間がいることって、すごく幸せだなぁって思いますね。美穂:幸せだけど、地味ね(笑)。江里子:いいじゃないの(笑)。今20~30代の女性で、ひとりぼっちだと思っている人もきっといると思うんですが、おばさんになったら、こういう形の友情や幸せが待ってるかもしれないってことを知ってもらえたら…って、ちょっとかっこつけかしら(笑)。美穂:いつか親や独り者のお友達と集まって、一つのアパートに住むのが私たちの夢なんです。その名も<阿佐ヶ谷ハイム>。そのために、仕事頑張らなきゃって。――ということは、目指せ冠番組、とかですかね。江里子:いえいえ、そういうことではなくて、日々健康で働ければ、と思ってます。美穂:これからは健康が大事よね。江里子:この間、健康のためのストレッチ特集みたいな番組に呼んでいただけて、すごく嬉しかったので、健康系のお仕事をいただけると嬉しいです(笑)。美穂:そういうの、いいわね。人間ドック行く企画とかね。ぜひお待ちしております。あさがやしまい写真1枚目右・渡辺江里子(1972年生まれ、栃木県出身)、左・木村美穂(1973年生まれ、神奈川県出身)によるお笑いコンビ。‘07年に結成。バラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』内で披露した由紀さおりと安田祥子姉妹の物まねで注目を浴び、ブレイクした。以降バラエティ番組での活躍はもちろん、江里子さんは女優としてドラマに出演することも。※『anan』2018年9月5日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材協力・フルーツパーラー たなか
2018年08月31日クルマと一緒に過ごす、 旅の楽しみ方を知るカートラジャパン2018実行委員会は、屋内・屋外統合型のカートラベルイベント「カートラジャパン2018」を9月に幕張メッセ国際展示場で開催します。開催概要について開催日は、2018年9月28日(金)~30日(日)の3日間、チケットは、一般(高校生以上) 800円 (当日:1,000円)、小人(小・中学生) 500円(当日:600円)、ペットケア費1頭500円(2頭以上:1,000円)となります。クルマで楽しむ旅を提案「カートラジャパン2018」は、クルマと旅をテーマにした屋内EXPO会場と都心での車中泊・テント泊体験ができる屋外キャンプ会場を統合した日本最大級のカートラベルイベントになります。同イベントの屋内会場では、キャンピングカーや車中泊仕様車の展示、車中泊ギアの販売・アウトドアのワークショップ、車中泊等に関するマナー講習などを行う予定です。また、屋外会場では、屋外ステージとして「音楽LIVE」や「お笑いLIVE」、「野外シアター」で映画上映、天体観測、朝ヨガ、電動バイク試乗会が計画されています。他にも会場では「ママキッズフェスタ2018」と「いぬのきもちフェスタ2018」も同時開催されます。(画像はプレスリリースより)【参考】※カートラジャパン2018実行委員会のプレスリリース※カートラジャパン2018公式サイト
2018年08月28日顔は笑っていても、目の奥は眼光鋭いまま。“いかにも芸人”な佇まいの千原せいじさん。弟とのコンビ「千原兄弟」は今年で30周年。アフリカに行くのは、バイトだそうです。アンアン読者にとっての千原せいじさんとは、“言葉が通じないアフリカでなぜか上手くコミュニケーションをとっているおもしろい芸人さん”かもしれません。だがしかし、せいじさんの本業はそれではないのです。12年ぶりに本業のコントでステージに立たれると聞き、その心境を伺いました。――久しぶりに、千原兄弟でライブをやるそうですね。12年ぶりということですが、何か心境の変化があったのですか?千原せいじ:いえいえ、ジュニア(弟で相方の千原ジュニアさん)が勝手に決めたんですよ。去年かな、ジュニアが一人コントのライブをやったとき、僕もゲストで出てたんですが、ちょうどアフリカから帰ってきた日かなんかで、疲れてたから、出番終わってさっさと家帰って、寝とったんです。そうしたらエンディングでジュニアが、「来年は2人でしますわ」みたいなことを言うたらしくて。僕はそれを後日、別の人と飲んでる席で、誰かから聞いたっていう。――結構大事な業務連絡なのに、人づてだったとは…。千原:そうですそうです(笑)。――おそらくいろんな方から、12年ぶりだとか、結成30周年だとか、そういうお声がかかると思うんですが、プレッシャーとか緊張感はありますか?千原:ないですね。しいて言うならば、物覚えが悪なってんちゃうやろか、とか、喉潰しやすくなってんちゃうやろか、とか。あと、体動くんかなぁとか、そんなことばっかりですね。でも楽しみですよ、楽しみしかないです。ただ、ネタを作るのはジュニアやからねぇ。それが出来上がるまで僕はやることがないんですよ。だからあの、今、妊婦ですわ、ジュニアが。で、僕は生まれるのを待っている、なんも役に立たへん親父です。――旦那さんとしては、奥さんのことを心配したり、「頑張れ!」と手を握ってあげたりとかはされないのですか…?千原:もちろん心配ですよ。でも僕は立ち会い出産派でもないので、ただひたすら待ってるだけです。あいつもたぶん、勝手に産むわってタイプなんで。――生まれたら、子育ては手伝いますか?千原:はい、一緒に育てます…って、気持ち悪!(笑)兄弟で気持ち悪い話ですけどね。でも、そういう感じですよ。コントを育てていく過程はすごく楽しい。どうやろなぁ、1発目、2発目の稽古あたりがすごく楽しいんかなぁ…。何度も何度も稽古を繰り返して、本番に向けて作り上げていくんですけれど、本番はやっぱり、観てもらう、笑ってもらうためにやるっていう部分が大きくなってくるんですよね。そうなると、ホンマの意味で“自分が楽しい”っていうのとは別やと思うんです。でもなぁ、ホントはそれではあかんねんけどな。お客さんの前でも、最高に楽しまないと…。――それこそ30年やってらしても、その境地にはなかなかたどり着けないものなのですか?千原:そうねぇ…。前に友達のミュージシャンから、プリンスのライブで、音響のスタッフの人が客と一緒に「イェーッ!!」って超楽しんでるのを見たって話を聞いて。以来、自分もスタッフもお客さんも、全員が楽しめるのが一番ええなぁって思うんですけどね。まだね、どこか本番は、“よそゆき”みたいな感じがあるんですよ。そこをね、もっと普段着みたいな、お客さんがいてへんときにキャッキャやってる感じでできたらいいんですけどね。でも今回、それこそ12年ぶりやから、今までより普通にできるかも…って気持ちもあります。まあね、そんときになってみないと分からない。なにせまだ出産前なんで(笑)。ちはら・せいじ1970年生まれ、京都府出身。お笑いコンビ「千原兄弟」のメンバー。高校卒業後NSCに入学、’89年に弟の千原ジュニアとコンビを結成。大阪でブレイクし、’96年に東京へ。レギュラー出演しているバラエティ『世界の村で発見!こんなところに日本人』(朝日放送・テレビ朝日系)で、アフリカ54か国を次々に訪れる様子が話題に。12年ぶりとなる単独ライブ「赤いイス」を、8月24~26日の3日間、恵比寿ザ・ガーデンホールで開催。公演に関する問い合わせは、チケットよしもと予約問い合わせダイヤル TEL:0570・550・100へ。また、アフリカでも通用する独特のコミュニケーション術を記した著書『がさつ力』(小学館よしもと新書)が好評発売中。※『anan』2018年8月8日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)(by anan編集部)
2018年08月13日東京進出後、千鳥が初めて関東圏で持った冠番組『いろはに千鳥』。埼玉の街をユル〜く、時には文句タラタラで歩く千鳥がやみつきに!――ロケ台本はあるんですか?大悟:な~んもないです。ノブ:ロケ地に着いて「とりあえず30分、何か面白いことして」と言われるだけ。でも、この番組、予算はないけどスタッフさんに知恵があるから、たとえば、アンアンさんの取材という1アイデアさえあれば1本作っちゃうんですよ。この写真撮ってくれたあの“クセ”カメラマンなんて、ディレクターの大好物です。大悟:くわえてた爪楊枝捨てようとしたら「そのままで」って!千鳥史上もっともイタい写真になってるんちゃうかな。――失礼しました(笑)。番組内でよく「ロケが長い」と苦情を言ってますが、最長記録は?ノブ:朝6時集合で、深夜1時終了とか。でも、1日8本撮れるんならそんなにギャラは悪くないかと思って頑張れます。1本はめっちゃ安いから、騙されてるんですけど(笑)。大悟:僕ら以上にスタッフが大変。ノブ:ADが次々に辞めていく…。今日も新人が入ってきたけど、「お願いします」の挨拶が別れの「お疲れさまでした」に聞こえました。大悟:たしかに辞め面してたなあ。ノブ:1日がかりで秘境やグルメをただ紹介するだけのロケだと、「銀シャリに行かせえ!」ってなるけど(笑)、そういうタイプの番組じゃないから、僕らは楽しくやってます。――’14年から番組を続けて、埼玉への愛着は深まりましたか?大悟:そう聞かれても、行くのは中小企業とかばっかで、埼玉らしいところを全然、知らないんでねえ…。ノブ:でも、行田の足袋工場は嬉しかった!あ、違ったわ…。ロケ後にドラマ『陸王』で注目が集まったいい話しようと思ったけど、あれ『旅ずきんちゃん』のロケだ。大悟:『いろはに千鳥』で、そんないいとこ行かん。――今回発売されたDVD3巻で、おすすめの回は?大悟:「終わらない手紙」(『れ』収録)。8本撮りの8本目でぐっだぐだになりながら、視聴者が一生懸命書いてくれた手紙をノブが必死に読んでいる横で屁こいた記憶が(笑)。ノブ:(芸人の)武将様登場回(『そ』収録)もぜひ。これきっかけで東京進出もあり得たくらい面白い!――強烈キャラの素人さんも魅力的。大悟:関西だと「面白いでっしゃろ!」みたいな人が多いけど、埼玉の人は「私、普通ですよ」って感じなのに実は変わってる。そのくらいのほうがロケしてて面白いですね。――最後に、番組における野望を。ノブ:天下統一!埼玉からどんどん陣地(放送するネット局)を広げたいですね。ただ、東京でだけは流してほしくない。夜のお姉ちゃん遊びの話とかしてるんで(笑)。大悟:本当に頑張ってるスタッフさんらにDVD収入を分配したい。絶対、吉本が一銭もあげないですけど。ちどりボケ担当の大悟(写真左)、ツッコミ担当のノブ(右)による人気お笑いコンビ。2000年結成。共に岡山県出身。現在、『天才てれびくんYOU』(NHK Eテレ)、『イッテンモノ』(テレビ朝日)などにレギュラー出演中。発売中のDVD第6弾『た』『れ』『そ』には、クセがすごい衣装探しや名物企画「コンテンポラリーダンス」など神回を多数収録。「全部OAしてるからあるはずがない」(ノブ)未公開シーンの特典付き。各巻¥3,600/テレビ埼玉現在も、毎週火曜23時~テレ玉ほかで放送中。※『anan』2018年6月20日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2018年06月14日あえて昭和風に言うならば、まさに凸凹コンビ。のほほんとした優しい雰囲気が魅力の澤部佑さん。尖った刃のような鋭さを持つ岩井勇気さん。「ハライチ」として活躍するお二人にお話を聞きました。最近また、友達みたいな距離感に戻ってきてます。知っている人も多いかもしれませんが、ハライチの出会いは幼稚園時代。小学校5年生で同じクラスになり、いつの間にやら意気投合。同級生に「二人のノリにはついていけないよ…」と言われたコンビは、32歳になる今も、共に同じ道を歩んでいます。――二人のノリと雰囲気は、小学校5年生くらいからず~っと変わらない感じなんでしょうか?澤部:あ、たぶんそうなんでしょうね(笑)。ずっと、同じことを面白いと思えているところは、ハライチの強みだと思います。まあ一方では、進化してないってことかもしれないですけど。岩井:あぁ、そうね(笑)。――幼稚園で出会い、友達になったのが小学校5年生と伺っています。クラスが一緒になって、いきなり仲良くなったんですか?岩井:最初は、見てるテレビが一緒程度の話だったと思いますよ。たぶん『ボキャブラ天国』の話とかしてたんじゃないかな。でも同じものを面白いと思ってると、それだけで仲良くなるじゃないですか。そこからです。澤部:6年生になって一緒に学級新聞を作り始めまして。壁貼りの新聞。そこにオリジナルのカードゲームを付けて、「やりたい人は取ってください」ってしたんですけど、誰も取ってくれなくて(笑)。結局二人でやるっていう、ね。岩井:うん。当時流行ってた<遊☆戯☆王>のカードみたいに、ゲーム性も持たせたんですけど。全然ウケなかったですね。あと、俺はマンガを描いてたな。で、澤部が小説を書いて。澤部:そうそう、二人でそれぞれ連載を持ってました。なんか、放課後に二人でキャッキャしながら作ってたのを覚えてます。その工程が、すごく楽しかったんだと思います。――岩井さんは?岩井:えー…、僕もキャッキャしてたと思います。はい、してました、してました(苦笑)。澤部:当時本当に二人で話すのが楽しくて、給食の時間に食べる班が違うのに、ずーっと二人で喋ってて。担任の先生に「お前らちょっと仲良すぎる」って怒られたり。仲良すぎるから怒られるって、意味分からないですよね。でも友達とかからも、「二人のノリにはついていけない」とか言われてた気がします。――ハライチでは、ネタを書いてるのは岩井さんですよね。岩井さんにとって澤部さんは、ご自身のネタを最も理想の形にしてくれる表現者、という感じですか?岩井:まあ、そうなんじゃないですか?ていうか、澤部は表現者でしかないですから(笑)。澤部:ちょっと!“理解のある表現者ですね”って言ってくれてるのに、その言い方!岩井:だって、澤部は表現者としか言いようがないじゃないか…。作ってるのは俺だし。あ、でも、前に役者さんにネタを書いたことがあって、それをやってもらったとき、結構面白かったんです。だから俺、誰に書いても面白いんだなって思いましたけどね(笑)。澤部:(笑)。岩井:でも、そのパターンはかなり稀有で、基本、芸人って、他の人とやらないんで、あんまりよく分からない。芸人は、意外と貞操観念が強いんです。うちのコンビはうちのコンビ、みたいなのが。――くだらない質問ですが、澤部さんは、岩井さんのネタが一番面白いと思ってますか?澤部:どうなんですかね…(ニヤニヤ)。でもたまに聞くんですけれど、よそのコンビは、初見でネタ合わせをしてもあんま笑わないことが多くて、ネタを書いている方がイライラする、とかって。そういう感じはないよな、と思いますけどね、うちは。岩井:うん。澤部:だいたい、こいつのスマホにざっくり書いてあるものを送ってもらって、それでネタ合わせをしていくんですけど、その間にも書いていないことをバンバン言ってくるんですよ。それが面白くて、思わず笑いながらツッコんだりとか…。結構いつも、楽しくやらせてもらってますね(笑)。――お笑いのコンビは、仲良しという概念だけではやっていけないですよね。ビジネスパートナーとしてのドライな一面も必要だと思います。ただ、やはりお互いどこか尊敬しているところがあるからこそ、長くコンビが続くのでは…と、ファンからすると夢を見てしまう部分があるのですが…。澤部:ん~、ある、んじゃないですかね。上手くいってるコンビは、やっぱりそれを持っていると思いますよ。それがなくなったら、解散ってことでしょう。岩井:ハライチがなんで長くやっているのかって、解散の理由がないからです。――活動を始めてからこれまでに、解散していくコンビをたくさん見ていると思うんですが…。岩井:澤部が言った尊敬云々もそうかもしれないけれど、売れないから解散するんだと思います。澤部:おい(笑)。岩井:そりゃそうですよ。そういう時期がなかったから。だからめちゃくちゃラッキーなんです、我々は。澤部:確かに、早めにテレビにも出させていただいて…。ネタのこととかでケンカはありますけれど、他で揉める要素は…。岩井・澤部:ないですよね。――揃った!!澤部:だからいいんです(笑)。――これだけ長くやってきて、改めて伺いますが、最近のお二人はどういう関係性なんですか?澤部:仲悪くなるってことはなかったんですが、一時期ビジネスパートナー寄りになった時期があり、最近はまたちょっと、戻ってきてますかね、友達に。岩井:うん。――そのきっかけは?岩井:……売れたからじゃないですか?(笑)澤部:そればっか(笑)。――でも、大事なんですね、売れるって。岩井:大事大事。澤部:だってカネがないとバイトしないといけなくなって、ネタ合わせの時間が減るわけじゃないですか。あと、心がどんどんギスギスしてくるし。――売れてよかったですね。岩井:よかったです(笑)。澤部:真面目に答えると、ラジオをやってるのも大きいと思いますよ。ラジオでフリートークをしながらふざけ合ってると、昔を思い出すというか、自分たちのノリを確認できる。岩井:そうだね。会っていない時間のお互いのことを報告し合う感じも、いいんでしょうね。ハライチとしてのコンビ活動以外に、最近では個人としても大活躍。“お笑い界きってのアニメ好き”といわれる岩井さんは『ハライチ岩井勇気のアニニャン!』( TBS ラジオ、火曜21:00~)にパーソナリティとして出演中。澤部さんは、台本のない旅バラエティ『なりゆき街道旅』(フジテレビ系、日曜12:00~)にレギュラー出演中。左・岩井勇気さん、右・澤部佑さん。共に1986年生まれ、埼玉県上尾市原市出身。幼稚園時代に知り合い、‘05年にコンビを結成、特待生としてお笑いスクールに入学。‘09年、M-1グランプリの決勝に進出し、注目される。以降TVのバラエティ番組や、ラジオなどで活躍。岩井さんがボケとネタ作りを担当、澤部さんがツッコミ担当。※『anan』2018年6月6日号より。写真・小笠原真紀取材、文・河野友紀(by anan編集部)
2018年05月31日「面白トーク」が身につく、お悩み別・ステップアップ術を公開!話題がつまらない、だらだら話してしまう、臨場感がない…。そんなダメトークのような状況に陥ってしまう原因はいろいろ。ここではその症状と対策を、放送作家の田中イデアさんが具体的に解説してくれました。そもそも緊張してしまって、うまく話せない。ウケなかったらどうしよう、自分のせいで座が白けたら。心配ばかりが頭に渦巻いて話せない、あるいは話しだしても自信がなく尻つぼみになってしまう…。「これは自分の気持ちに問題があるパターンです。いきなりネタを練ったりするのではなく、まずはコミュニケーションの基本から見直しを」(田中さん)【対策】メンタルを作る。◎対策01:中途半端な自意識を捨てよう!場を盛り上げないと、と変に気負ったり、あるいは空気を壊してはいけないと自制しすぎたり。「裏を返せばこれは、自分を中心に考えているから起きること。中途半端な自意識が、話すことを妨げているのです」。そこから脱出するには?「自分はこの場では主人公ではない、と割り切るのが早道。プロの芸人じゃないのだから、人はそれほど自分に期待していないし、話したことも明日にはすべて忘れられていると思えば、気持ちも楽になります。変な自意識を捨てればその場の話題に集中でき、気負いなくトークにも加われるようになるはずです」◎対策02:行きつけの店で練習する。「緊張を解いて話し上手になりたいなら、とにかく話す機会を増やして慣れることが先決」と、田中さん。とはいえ初対面の相手だとハードルが高いし、いつも接している人たちに対してふだんのキャラからいきなりおしゃべりになるのもなかなか難しい。田中さんが練習相手としておすすめするのは、“ほどほど”に知り合いの人たち。「例えば、よく行くカフェやショップ、美容院のスタッフ。こちらの話を無条件に聞いてくれる人たちですし、接客のプロでもある。こちらが話し下手でも気にしないはずです」。まずは入りやすいところから挑戦を。◎対策03:それでもダメなら最初は“リアクター”に。自意識を捨てて、話しやすい人を相手に練習。それでもやっぱりスベって自信がなくなる…というなら。「面白いことを言った人に対して反応する、“リアクター”に徹するのもアリです。発言はしなくても場を盛り上げる役になれるし、トークの雰囲気に慣れるのにもいい。話し上手な人と接することで面白く話すヒントが見つかるというメリットもあります」。「へえ~」「そうなんだ~!」「からの~」など、ありきたりな相づちでかまわない。「『面白く返そう』などと気負わなくて大丈夫。早く、しっかりとリアクションをするのがコツです」自信のあるネタを選んでいるのにウケない。とっておきのネタを披露したのに、あれ?周りがどんどん引いている気配。そんな空回りトークは、「話の中身に原因があるのかもしれません。そもそもネタの内容が不適切だったり、オチがはっきりしないために、面白くなりそうな話がただの自慢やグチで終わっているというケースが考えられます」【対策:ネタの選び方を見直す。】◎対策01:他の人が共感できるネタを選ぶ。「面白い話で人が笑うのは、そこに“共感”があるから。他人が『ありかも』と思えるネタを選ぶのが前提です。例えば、飲み会で酔って寝ている間に油性ペンでまぶたに目玉の落書きをされてしまった、なら笑えますが、部長にのしかかられてとっさに殴ったら流血してしまった、は共感しづらい。聞き手が笑いよりも、嫌悪感や嫉妬などネガティブな感情を多く抱きそうな話はしないのが基本です」。行きすぎたグチや自慢話のほか、「『子どもの頃よく文房具屋で万引していて』など、反社会的な内容も不適切」。笑い話として許される範囲のネタを選ぼう。◎対策02:ちゃんとオチのある話を選ぶ。「笑いは、話が進むにつれて高まる“緊張”と、予想しない結末による“緩和”の落差で生まれます」。緊張と緩和は、お笑いではいわゆるフリとオチと呼ばれるもので、「この差が大きいほど面白い話になる。例えば浮気性の彼氏がLINEで自分の後輩を口説いているのを発見して、携帯をお風呂に沈めてやった、という話をしたとします。その後の展開が“携帯が壊れた”では意外性がなくオチません。でも、“完全防水の携帯でダメージゼロだった”なら落差が大きく、オチになる。このフリとオチの仕組みを参考に、ネタを選んでみてください」。◎対策03:ときには脚色も有効な手段。緊張と緩和の落差をより広げるために、ストーリーにちょっとした脚色を加えるのも一案。「仕事ができて格好いい、素敵な男性にデートに誘われたけれど、私服がダサかった、という話を女友達にしたとしましょう。キモとなるのは服のダサさ具合。ポロシャツのワンポイントがダサいアニメのキャラクターだったくらいではオチず、自慢と受け取られる可能性大です。多少誇張し、“全面アニメキャラプリントのTシャツ”くらいに言うのも手」。でも、やりすぎは禁物。「嘘くさくなりそうだったら、途中で『~だったりして』と、妄想オチにまとめるのも手です」田中イデアさん放送作家、プラトン企画代表。“社会と笑い”をテーマにTV・ラジオ番組の構成を担当。独自の分析によるユーモア理論をまとめた『お笑い芸人に学ぶ ウケる! トーク術』(立東舎文庫)ほか、著書多数。芸人養成講座で、講師も務める。※『anan』2018年3月7日号より。イラスト・サヲリブラウン取材、文・新田草子(by anan編集部)
2018年03月06日グラビアアイドルの和地(わち)つかさが2日、東京・新宿の福家書店 新宿サブナード店で2018年カレンダー(発売中 2,700円税込 発売元:トライエックス)の発売記念イベントを行った。2018年カレンダーの発売記念イベントを行った和地つかさ2013年デビューした和地つかさは、148cmの低身長と88cmのHカップバストというアンバランスさが魅力のグラビアアイドル。ここ最近はバラエティー番組や舞台などに出演するなど、グラビア以外のフィールドでも活躍が目立つ。そんな彼女の初めてとなる来年のカレンダーは、B2版8枚で構成。これまでリリースしたDVDのロケの合間に撮影したという写真から抜粋したもので、可愛い表情からHカップバストを堪能できるカットなど、和地の魅力が詰まった内容となっている。クリスマスが近いということで、サンタクロースの帽子と紅白のビキニ姿で登場した和地は「カレンダーは一つの目標だったので、すごくうれしいです。母親は4枚も買ってくれました(笑)」と初めてのカレンダーに喜びを隠さず、「セクシーな感じが多いんですが、セクシー過ぎないで上品というか、"カワセクシー"な感じですね(笑)。子供っぽい写真もありますし、色んな姿を見ていただけると思います」とカレンダーを紹介。お気に入りを「11~12月に載っている赤の変形水着を着た写真」とあげて、「この顔は自分じゃないみたいな大人っぽい顔をしています。自分のキャラクターとしては子供っぽいんですが、この写真を自分で見てもドキドキしちゃいました。それに変形水着はグラビアでしか着ないので、胸がキレイに見えると思います」とアピールした。カレンダーのイベントということで、今年1年を振り返ってもらうと「今まではグラビアのお仕事がメインだったんですが、今年はテレビとかにも出せてもらう機会が増え、DVDじゃ見られない素の私を色んな方に見てもらえたと思います。酔っ払った姿を見て高感度が上がったというファンの方もいたみたいだし、女性ファンも増えました」とテレビの効果に満足げ。来る2018年は「面白いと言われたいんです。アイドルの子って可愛い感じが多いと思いますが、グラビアアイドルとして面白いと言われるように頑張ります。目指すはお笑いグラドル!」と宣言していた。
2017年12月03日野性的な身体能力と、規格外の天然キャラで、人気急上昇中のお笑い芸人、みやぞんさん。いつも明るく朗らかな笑顔に癒される彼の、テレビでは見せない素顔に迫ります。笑顔でいれば、10年後はもっと幸せになってます。インタビューを始める前に「アンアンです」と言うと、「知ってます、知ってます!エーエヌ、エーエヌですよね!」と、空中に指でアルファベットを書きながらニッコリ。昨年、人気番組『世界の果てまでイッテQ!』の人気企画「世界の果てまでイッタっきり」の新メンバーに抜擢され、驚異の身体能力を披露し次々に難題をクリア。一躍人気者になった、ANZEN漫才のボケ担当、みやぞんさん。それ以来、持ち前の明るさと飾らない性格が愛され、バラエティ番組に引っ張りだこ!そんな大ブレイク中のみやぞんさんに、これまでの生い立ちや生き様、今後について語っていただきました。――ずば抜けた運動神経、ギターで即興ソングを披露する音楽センスなど、多彩な才能をお持ちですが、なぜお笑い芸人に?みやぞん:相方のあらぽんに誘われたんです~。あらぽんとは、同じ保育園に通っていた幼なじみ。昔からよく遊んでいたんですが、ちょうど僕らが中学生の頃、空前のお笑いブームだったんです。だから僕たちも「MIX」というコンビを組んで、遊び半分で漫才していました。『オールナイトケニア』というオリジナルのラジオ番組を作って、テープに録音したり。ハハッ。――『オールナイトケニア』…?みやぞん:そう、本物は『オールナイトニッポン』ですが、僕らはまだまだ足元にも及ばない存在ということで、日本から遠く離れたケニア。いつかニッポンに近づきたいね、という思いで作っていました。誰かに聴かせるわけでなく、ふたりでこっそり楽しんでいたんですが、当時から今のようにギターを弾いて即興ソングを歌ったり、ネタを考えたりして遊んでいました。――なるほど。お笑いの原点ですね。ギターも独学で習得されたんですよね。いちど聞いたらメロディを覚えてしまうとか?みやぞん:絶対音感、というのが僕にあるかはわかりませんが、知っている曲だったらすぐ弾けますよ。何か好きな曲ありますか?――え、じゃあオフコース…。みやぞん:さよなら~さよなら♪(と、あの名曲を弾くみやぞんさん)――バッチリじゃないですか!みやぞん:今初めて弾きましたけど、聴いたことがある曲なら何でも弾けます。というのも僕、テレビに出る前まで、新田の立ち飲みバーで「流し」をやっていたんです。ギターを抱えてお客さんのリクエストに応えて演奏するやつです。狭い店内だから邪魔にならないように、背中でギターを弾きながら歩いたら、すごく盛り上がって!みんなが笑顔になってくれるので、今でも背中ギターは得意技ですね。――昔から音楽が好きだった?みやぞん:そうですね、中学生の頃にはギターもピアノも独学で弾けるようになっていました。大人になるまで、ギターのAマイナーを発見したのは自分だと思っていましたから(笑)。世間知らずですみません。――いえいえ(笑)。よく聴いていた曲はありますか?みやぞん:どの曲も好きですけど、美空ひばりさんの「愛燦燦」は思い出深い曲ですね。中学2年の時、テニスで足を複雑骨折してしまい、手術をすることになったんですが、その手術の同意書に、好きな曲を書く項目があったんです。麻酔が効くまでリラックスするために流す音楽についての質問だったみたいなんですが、そこにうちの母が間違って、「愛燦燦」と、自分が大好きな曲名を書いてしまったんです。だから手術の時、「愛燦燦」が大音量で流れて、それは今でも忘れられない思い出です~(笑)。――『世界の果てまでイッテQ!』で、習得までに1年はかかるという難技を数日で成功させるなど、視聴者を毎回驚かせていますが、運動神経も昔から抜群だったんですか?みやぞん:コツを掴むのはウマかったかもしれません。好きなことって何時間でも集中してできるじゃないですか。それと同じように、スポーツもそうだし、『イッテQ』のロケもそうですが、何か物事に取り掛かる時は、“楽しいぞ~、ハマるぞ〜”という方向に自分の脳を持っていくと、ウマくいくんです。――中学時代にはテニスで足立区2位、高校では野球部に所属し、エースで4番。輝かしい経歴をお持ちですもんね。みやぞん:でも僕、自分からやりたいと思ったことがあまりないんです。来るもの拒まずって感じで、偶然出合ったものにとりあえず挑戦するというスタンスが多いです。野球だって、中学の時にテニスコートに入ってきたボールを投げ返したら、ちょうど視察に来ていた高校の野球部の監督にスカウトされたのがきっかけですから…。だからどれも自分の意思じゃないんですよね。でも、いちど始めると極めたくなっちゃうんですよ。なんでも楽しんだもん勝ちです。ハハッ。――でも『イッテQ』の過酷なロケで、何をやってもできない時は、いちど練習から離れて何もやらないことがありますよね?みやぞん:気分が乗らない時は何をやっても意味がないと思うんです。僕はいつも、疲れる前にまずは休むというスタンスでいます。だって疲れてから休んだら回復にもっと時間がかかるし、良いモチベーションを保っていられないじゃないですか。それに、ずっと続けていると、そのことが嫌いになって、またやるのがシンドクなる。だからもっと続けたい、やりたいと思うくらいのところで、潔く離れてみるんです。そうすると、良い気分でまた始められるんですね。――普通なら一分一秒でも練習していたいと思うはずですが、不安やプレッシャーを感じることはありませんか?みやぞん:もちろん感じます。人間は必ず不安やプレッシャーを感じるようにできていると思うので。でもそんな時は、みんなは僕がやれると思ってこのロケに呼んだわけだから、成功しないはずがないって思うようにしています。そうやって自分で自分の心をプラスに持っていくようにすると、気持ちがラクになるし、どんな苦難にも立ち向かえるようになるんです~。――メンタルが強いですね。人と比べることもないんでしょうか?みやぞん:人と比べても意味なくないですか。苦しくなるだけだし、比べるから挫折するんです。もちろん挫折を味わうことも大切ですけど、自分は自分。自分の中で成功だと思えばそれでいいじゃないですか。――なるほど、それでは今のご自身の大ブレイクについてはどう感じていますか?みやぞん:いや、正直わからないです。目の前のことを一生懸命やっていたら、たまたまテレビにたくさん呼んでもらえるようになったというだけなんで…。僕自身は何も変わっていないです。もちろん街で声を掛けられることは多くなりましたが、『イッテQ』のロケで月の半分くらいは海外にいるので、あまり実感がないんですね(笑)。みやぞん(ANZEN漫才)1985年4月25日生まれ。東京都出身。本名は宮園大耕。足立区生まれの幼なじみ・あらぽんと、2009年11月にお笑いコンビ「ANZEN漫才」を結成。事務所の先輩・どぶろっく唯一の弟子で、歌ネタが得意。2016年、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)に出演し、一躍有名に。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)では、アクロバット闘牛や少林寺の奥義「水上漂」を成功させる超人ぶりを披露。他に『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)などのバラエティ番組でも活躍中。ANZEN漫才で、11/3に広島文化学園大学・短期大学長束キャンパスと長崎県立大学佐世保校の文化祭に出演予定。※『anan』2017年10月25日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2017年10月22日日本音楽事業者協会(音事協)主催のお笑いコンテスト「あなたが選ぶ! お笑いハーベスト大賞2016」の本選会が16日、都内で行われ、お笑いトリオのトンツカタンが優勝した。音事協が毎年主催している「お笑いハーベスト大賞」は、新人や若手のお笑い芸人を"ハーベスト(収穫)"する賞レースイベント。この日は4月から6月にかけて予選会を勝ち抜いた21組のお笑いタレントが勢揃いし、準決勝で自慢のネタを披露。トンツカタン、ハナコ、やさしい雨、ヤングウッズ、マツモトクラブの5組が決勝に進出し、その5組によるネタ勝負でトンツカタンが7代目の王者に輝いた。準決勝と決勝で菅原好謙と櫻田佑がキスをするネタを披露して優勝したトンツカタン。ネタの考案者でもある森本晋太郎は「この2人がキスをしたら面白いかなと思って書きました」と明かし、キスをした櫻田は「最初は戸惑いもありましたが、キスを重ねていく内にお互い唇を求め合うようになりました」と驚かせば、新婚の菅原も「女房より櫻田の方が多いですよ」と笑わせる場面も。男性同士のキスと言うことで、同性愛をイメージするが、森本は「(キスのネタは)偶然そうなりました。でも準決勝のネタは同性愛ではなく、キスのはなかさ、キスの良さを唇と唇が触れ合う良さを伝えたかったんです。接吻のストーリーなので、同性愛とは違いますね。決勝のネタも幽霊同士のキスなので、同性愛とは一線を画したコントだと思っています。キス以外のネタの方が多いですよ!」と同性愛を否定していた。そんな彼らは、アンジャッシュやアンタッチャブル、おぎやはぎらが在籍するプロダクション人力舎所属のお笑いコンビ。初めてのタイトル獲得で賞金50万円を手にし、動画配信サービス「Hulu」の配信番組出演権も手にした。森本は「本当にこの賞レースを勝てたのはうれしいです」と喜びつつも、「去年のキングオブコントでは2回戦止まりだったので、ハーベストに泥を塗らないように他の賞でもいい結果を出したい」と意欲満々。また、3人ともアルバイトをしながら芸能活動をしているが、既婚者の菅原は若干立場が異なるようで、「僕は後輩に奢るために週1でコンビニのバイトをしています。基本的に奥さんからお小遣いをもらい、バイトもしなくていいよと言われてますから。元々ヒモだったんですが、ヒモから昇格して今は奥さんの扶養家族です!」と笑わせていた。なお、同コンテストの模様は、8月6・7日にBS日テレ(ともに24:00~25:00※日時は未定ながらCS日テレでも放送予定)で放送するほか、Hulu(8月6・7日 25:00~)でも配信される。
2016年07月17日お笑いと言えば「吉本」?お笑い芸人になりたい、そう思ったことはありませんか。事務所によって、所属芸人のカラーは結構ちがうもの。男性の「お笑い芸人になるとしたら入りたい事務所」をランキングにしてみました。>>女性編も見るQ. お笑い芸人になるとしたら入りたい事務所は?(複数回答)1位吉本興業42.7%2位ホリプロ12.5%3位松竹芸能9.7%4位ワタナベエンターテインメント6.7%5位マセキ芸能社6.3%■吉本興業・「一番有名だから」(25歳/食品・飲料/技術職)・「お笑いと言えば『吉本』だと思うので、そこで力を発揮したい」(34歳/電機/技術職)・「事務所の力があるので、仕事が多くもらえそう」(25歳/自動車関連/専門職)・「面白い人がたくさんいるから、刺激を受けそう」(35歳/人材派遣・人材紹介/技術職)・「大阪人だから。新喜劇に出たいです」(22歳/学生)■ホリプロ・「最近よく出てきているような気がする」35歳/自動車関連/営業職)・「女優さんも所属しているから」(25歳/医療福祉/専門職)・「かわいい子と知り合いたい」(26歳/小売店/販売職・サービス系)■松竹芸能・「伝統はあるけどライバルが少ないと思うから」(31歳/機械・精密機器/技術職)・「吉本だと、人気者が多すぎて目立てないと思うので」(28歳/団体・公益法人・官公庁/専門職)■ワタナベエンターテインメント・「すぐにテレビに出られそう」(25 歳/不動産)・「芸に秀でている人が多い気がするから」(29歳/専門職)■マセキ芸能社「ウッチャンナンチャンさんに学びたい」(27歳/運輸・倉庫/販売職・サービス系)「狩野英孝さんがいる事務所だから」(25歳/金融・証券/営業職)総評1位は「吉本興業」。一番有名で仕事が多くもらえそうという意見のほか、面白い人がたくさんいる中で力をつけたいという意見が目立ちました。2位は「ホリプロ」。女優やアイドルのイメージが強く、かわいい人と知り合いたいという意見が多くありました。いろんなジャンルの人や仕事と出会えるというイメージも。3位は「松竹芸能」。吉本興業と比較した意見が多く、伝統があり、かつ吉本興業ほどライバルが少なく目立てそう、という理由のようです。このアンケートをきっかけに、忘れかけていた芸人の夢を思い出した、という人もいるのでは?養成学校を持っている事務所も多いので、その門を叩いてみてはいかがでしょう。(文・OFFICE-SANGA澤田千春)調査時期:2012年2月24日~2012年2月29日調査対象:マイナビニュース会員調査数:男性352名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】好きな「お笑い芸人が監督の映画」ランキング【男性編】恋愛上手だと思う女性お笑い芸人ランキング【男性編】頭が良さそうなお笑い芸人ランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年04月24日お笑いブームが定着したようにも思われる今日このごろ。私も毎日テレビにかじりついてお笑い番組を見ていますが、ちょっと敷居が高いか興味はありつつもなかなかお笑いライブに行けずじまいでした。しかし、お笑い好きを名乗る以上、ぜひ一度は行ってみなければ!でなきゃお笑い語れないんじゃないの!? でも、どんな格好をしていけばいいの?なんか持って行くものは?分からないことばかりなので、年間100本以上のライブに行っているというお笑い通のSさん(32歳/技術系)とYさん(28歳/出版)にお話を聞いてみました。――年間100本ということは、月に最低8本以上ということですよね。それだけ足を運ばせるお笑いライブの面白さってなんでしょう?Sさん「芸人さんと同じ空間にいるという臨場感や生ならではの緊張感ですね。会場に居るしか体験できないプレミア感が味わえます」Yさん「同じネタでも、テレビでは基本、短くなっているので、ネタの『遊び部分』も見られるのはいいですね。あと、テレビでは見られない素の部分や、きわどい発言も多々あるので、そういうのが好きな人は特に楽しめると思います(笑)」――なるほど。そのようにお笑いライブに行く中で持っていくといいなーというものってあります?Sさん「劇場は空調の関係で客席が寒いことが多くて。特に夏場。ひざ掛けやストールがあるといいかも。あと、終演後だけでなく、たまに事前アンケートをライブで使用することがあるので、筆記具は持って行ったほうが無難です」Yさん「うん、筆記具はあると便利。ライブによっては15組ぐらい出てくるので、コンビ名とやったネタのタイトルをメモしておくといいかも。飲食がOKなら、笑うとのどがかわくので、飲み物はあったほうが良いですね」――初めてライブに行く人に「こうすると楽しい!」というオススメの楽しみ方ってありますか?Yさん「なんでしょうね……。1人で行くのもいいけど、友達と一緒に行ったほうが楽しいかな。終わったあとライブの感想を言い合うのも楽しみのひとつです」Sさん「肩の力を抜いて気楽に見に行くのがいいと思います。敷居が高いなんてことは全くないので。あとは、自分がされたらイヤなことをしない、という基本的な観劇のマナーを守ればいいかと」Yさん「笑うのはいいんですけど、大きな声でおしゃべりする人もたまにいるので。中には、ネタ中に芸人さんに話しかける人も……」Sさん「目当てじゃない芸人さんの出番だからってしゃべっちゃう人、いるんですよねぇ(苦笑)」――最低限のマナーは守ってほしいと。Yさん「聞くと当たり前のことばかりなんですけど、実際に行くと守れない人がたくさんいるのがちょっと悲しいところです」――最後に、劇場に行った際、注目してほしい芸人さんがいらしたらぜひ!Sさん「カリカ、犬の心、ライスです。カリカは突拍子もない世界観のコントがくせになります」Yさん「私は囲碁将棋とチーモンチョーチュウ。囲碁将棋は若手の注目株で、同期はハリセンボンとかしずるですね。チーモンチョーチュウは不条理なボケの白井さんと保護者のようなやさしいツッコミの菊地さんの漫才が絶妙です」実は一番、白熱したのが、ライブ中のマナーについて。「そんな人いるんですか!?」というような奇想天外な方もいらっしゃるようで……。Sさんは、お風呂に入っていないとしか思えない人が隣に座り、ネタの記憶がほとんど残らなかったことがあるそうな。リラックスしつつも、くれぐれもマナーには気をつけたいところ。年末のM-1グランプリも近づいてきましたし、この冬はお笑いライブで笑って体を温めてみてはいかが?(ふくだりょうこ/プレスラボ)【関連リンク】「ヒットエンドラ~~ン!」……あの芸人のネタの意外な由来とは?お笑い芸人さんたちの芸の由来や意味を調べてみました。ルミネtheよしもと新宿ルミネにて毎日お笑いライブが開催されています。
2009年12月06日