モデルの野崎萌香(34)が2日までに自身のインスタグラムを更新。4月1日に「エイベックス・クラン」へ移籍したことを発表した。野崎は「皆様にご報告があります」と題し、「本日4月1日よりavexに所属する運びとなりました」と報告した。「実は一年ほどジュエリーデザイナー兼社長業をメインで活動させていただいていたのですが、今年からはモデル業に引き続き、お芝居やタレントとしてのお仕事など今までやってきた事に加えて新たな一面をより見ていただける様、日々色々な事にチャレンジしていきたいと思います」と、新たな挑戦に向かう意気込みをコメント。続けて「日本と世界の様々な分野での芸能のお仕事で活躍していくために邁進していく所存です」と伝えた。最後に「バイタリティーとパワーに溢れているavexに支えていただきながら一生懸命動いてくれるマネージャーさんたちと二人三脚で今日、新たな1歩を踏み出し新しい場所で輝ける様に精一杯努めて参ります」と締めくくった。
2024年04月02日タレント・野々村真(59)と野々村俊恵(60)夫妻の長女・香音(22)が1日、自身のインスタグラムを更新。香音は「この度、私、香音は、2024年3月31日をもちまして13年お世話になったスターダストプロモーションを退社し、ホリプロに所属させて頂くことになりました」と伝え「ここまで自分の道を共に歩んでくださったスターダストの社員の皆様、たくさんのことを学ばせて頂いた数々の先輩方には心から感謝しております」とつづった。続けて「これからも女優として、芝居を追求し、モデルとして、自分の創り出す世界観を伝えられるよう、より一層精進してまいります」と決意を新たにし「これからも応援よろしくお願いします!」と呼びかけている。
2024年04月01日岸谷香デビュー40周年の記念イヤーの始まりを告げる『岸谷香 感謝祭2024』が2024年2月23日、東京のEX THEATER ROPPONGIで開催された。この『感謝祭』は2020年から毎年2月に開催されている岸谷主催のイベントで、毎回豪華なゲストを招き、その夜にしかないスペシャルなコラボレーションを行うところに特色がある。5回目の開催となる今回は、岸谷の同級生でもあるトータス松本(ウルフルズ)と永井真理子という豪華なゲストを迎えての開催となった。『感謝祭』の趣旨は大きくふたつある。ひとつ目は観に来た人へ感謝の気持ちを音楽にして届けること、ふたつ目は参加するゲストに楽しんでもらうこと。つまり観る側も演奏する側も大いに楽しむことが最大の目標なのだ。この日、目標をはるかに越えて、楽しすぎる夜となった。『ポップンルージュ』(1989年から放送されていたラジオ番組)のジングル(番組の始まりで流れる短い音源)が流れて、ポニーテール姿で岸谷が登場すると、大きな拍手が起こった。2024年から一気に1989年にタイムトラベルしたかのような粋な演出だ。「まさか57になって、『ポップンルージュ』をできるとは思わなかったな。ラジオの前のみなさん、最後まで楽しんでいってね。本日のゲストは月曜日担当の永井真理子ちゃんです!」と岸谷の紹介で永井が登場すると、歓声が起こった。実は1989年当時の『ポップンルージュ』の月曜担当が永井、水曜担当が岸谷で、同じ帯番組のパーソナリティー同士という接点があったのだ。ラジオ番組という設定のもと、永井が1989年のヒット曲「ミラクルガール」を歌い始めると、さらに1989年ムードが色濃くなった。永井の伸びやかな歌声に、岸谷がキーボードを弾きながらハモっている。演奏はUnlock the girlsのメンバーで、下手側からYuko(Gt/Cho)、Yuumi(Ds/Cho)、HALNA(Ba/Cho)、そしてセンターには岸谷(Vo/Gt/Key/Cho)。懐かしさがありつつも、今の瞬間のキラキラとした輝きもある。観客がシンガロングする場面もあった。歌もコーラスも演奏も、そしてこんな空間が存在していること自体もミラクルと言いたくなる。ステージ上にはラジオのブース風のスペースがあり、テーブルを挟んでふたり向き合ってのトークコーナーもあった。「懐かしいなあ。超うれしいんだけど」と永井。「まさかこんな年になって、同じステージで歌える日がくるなんてね。真理ちゃん、あのころと全然変わってないよ」と岸谷が言うと、「香ちゃんこそ。ポニーテール、かわいい!」と永井。客席からも「かわいい!」の声。ふたりの息の合った会話が楽しい。当時のラジオリスナーにとっては、たまらない演出だろう。いや、当時を知らない人にも、この楽しい空気は届いたに違いない。永井のエネルギッシュな歌声とロックテイストあふれる演奏が会場内を揺らした「ハートをWASH!」では、永井のかけ声に合わせて、会場内が一斉にジャンプする場面もあった。「23歳のころをがむしゃらに生きた自分たちを振り返って、愛おしさも込めて、アレンジしました。真理ちゃんへのプレゼントです」との岸谷の言葉に続いて、永井の「23才」が披露された。23歳の頃の自分たちへのエールを送るような、温かさといとしさが詰まった歌と演奏だ。当時の思いと現在の思いとがミックスされた深みのある世界を堪能した。23歳以上の人の中には、もれなく今も23歳だったころの自分は存在しているだろう。演奏メンバーの3人は30代。多面的な「23才」の歌の世界が出現した。「ZUTTO」は永井の歌と岸谷のピアノとコーラスだけでの披露。ひとつひとつの歌詞を丁寧に紡ぐような、永井の丹念な歌声と、岸谷のたおやかなピアノが印象的だ。「ZUTTO」と「ミラクルガール」の作詞は亜伊林。2023年11月に逝去した作詞家の三浦徳子の別名義である。さまざまな思いが交錯するような歌声が深い余韻をもたらした。「感無量です。涙が出ちゃいそう」と永井。永井のゲストコーナーの最後は、「真理ちゃんにぴったりなナンバーを選んでみました」とのことで、プリンセス プリンセスの「だからハニー」が披露された。永井が歌い、Unlock the girlsのコーラスが加わると、会場内がドリーミーな空気に包まれた。1コーラス目のリードボーカルは永井、2コーラス目は岸谷で、かけあいコーラスもあり。永井と岸谷が並んでいる構図のなんと絵になることか。このふたりを観ているだけで、こちらの体の中にもエネルギーがあふれてきそうだ。夢のような共演だが、夢ではなく現実。「呼んでくれて、ありがとう」と永井。「こんなふうに出会えた奇跡に感謝だね」と岸谷。『ポップンルージュ』の「明日に乗り遅れないでね」という定番のフレーズをふたり一緒に発して、永井のゲストコーナーを締めくくった。続いてはUnlock the girlsのコーナーだ。岸谷はポニーテールから一転して、ミディアムヘアで登場。まずは、2023年のツアーでも披露している新境地を開拓した新曲「Beautiful」を演奏した。エレクトロ・テイストのあるダンスミュージックを、高揚感と浮遊感の漂うバンドサウンドとビビッドなコーラスワークで鮮やかに表現。Yuumiの自在なドラムに体が揺れる。岸谷がハンドマイクを持ち、ステップを踏みながら歌う姿が新鮮だ。セスナのエンジン音を連想させるHALNAの骨太なベースで始まったのは、プリンセス プリンセスの「世界でいちばん熱い夏」。この日は肌寒い天気だったが、冬から夏へ一気にワープするようなホットな演奏だ。「感謝祭、今年で5回目です。毎年毎年、なんでこんなに次から次へと楽しいことが出てくるんだろう、音楽って楽しいことがいっぱいあるんだなと、毎回思い知らされています」と岸谷。「また恋ができる」では、開放感と広がりのある歌声と演奏の中でたゆたっているのが気持ち良かった。この曲はラブソングであると同時に、音楽への愛の歌とも解釈できそうだ。岸谷とYukoのチャーミングなかけあいが楽しかったのは「Wrong Vacation」。メンバーそれぞれのソロプレイもあり、バンドの楽しさも伝わってきた。スケールの大きさと深遠さとを兼ね備えた歌と演奏が圧巻だったのは「Signs」だ。岸谷とYukoのエモーショナルなギター、YuumiとHALNAの伸びやかなコーラスも印象的だった。個々の声の特性を活かした自在な組み合わせのコーラスワークもUnlock the girlsの魅力のひとつだろう。Yuumiの力強いドラムとともに2人目のゲストであるトータス松本が登場すると、キャーという歓声。「エブリバディ・セイ・イエイ!」とトータスが叫び、客席とのコール&レスポンスが起こった。そのまま挨拶替わりに「ガッツだぜ!!」へ突入。トータスのパワフルな歌声に女性コーラスが加わる構図が新鮮だ。「紅一点」ならぬ「黒一点」。エネルギッシュなボーカルに応えるように、バンドの演奏もガッツにあふれている。<男も女も盛り上がってgo!>というフレーズが、この日のこの場面にぴったりだ。赤紫色のスーツ姿のトータスは、野に咲く花々を照らす朝陽のようでもあった。「呼んでくさってありがとうございます」とトータス。「同い年だけど、プリプリとウルフルズ、一緒になったことないんですよね」と岸谷。「ないですよ。だって(プリプリは)大先輩ですから」とトータス。ふたりがイベントで一緒になり、岸谷が『感謝祭』への出演を依頼し、トータスが快諾した経緯がある。Yuko、Yuumi、HALNAにとっては、多感な時期に出会ったのがウルフルズの音楽だった。演奏したい曲を挙げていったら、10曲(メドレーは8曲)になってしまい、どの曲も外せないとのことで、岸谷がアレンジして完成させたのが、このスペシャルメドレーだ。「ウルフルズメドレー、本邦初公開、前代未聞!」というトータスの紹介に続いて、メドレー1曲目の「笑えれば」が始まった。トータスのアコースティックギターの弾き語りに、Unlock the girlsのコーラスが加わる意外性のある構成だ。トータスの明朗な歌声と流麗なコーラスの組み合わせがいい。後半はバンドサウンド全開。観客全員をもれなく笑顔にする「笑えれば」だ。メドレーの曲名を挙げていくと、「笑えれば」~「かわいいひと」~「それが答えだ!」~「いい女」~「大阪ストラット」~「バカサバイバー」~「サムライソウル」~「ええねん」という8曲、16分あまり。次から次へと繰り出される名曲の数々に身を任せているのは、至福のひとときだった。いい歌、いい演奏、いい男、いい女たち。音楽的なアイディアも豊富で、工夫を凝らしたアレンジも見事だった。ぬくもりのある歌と演奏が染みてきた「かわいいひと」、爽快感あふれる「それが答えだ」、岸谷の歌声で始まり、トータスのハープが入る「いい女」、岸谷のクラビネット風キーボードと合いの手のようなキュートなコーラスが入り、途中で“六本木ストラット”へワープする「大阪ストラット」、フリ付きでの演奏となった「バカサバイバー」などなど。原曲の持ち味を生かしながらも、Unlock the girls風味も加えつつ。ゴスペル色のある岸谷のピアノとトータスの凜としたな歌声で始まったのは「サムライソウル」。ここではトータス、岸谷、Yukoのトリプルギターも実現。会場も一体となって歌ったのは「ええねん」だ。かつてトータスへの取材時に、「“ええねん”のもとになったのは“エーメン(アーメン)”という言葉の響き」と語っていたことがある。祈りと許容と肯定の思いの詰まったヒューマンな歌声は、時空を越えて今の時代にも真っ直ぐに届いてきた。ウルフルズの楽曲の素晴らしさを再認識するとともに、ウルフルズの音楽への愛とリスペクトにあふれるUnlock the girlsの演奏とコーラスにも胸が熱くなった。笑顔と涙を同時にもたらすステージだ。「こんな壮大なメドレーを作ってくれて、ありがとう」とトータス。トータスのコーナーの最後は「バンザイ~好きでよかった」。トータスと岸谷の歌声のハモリでの始まり。曲に込められた愛に、さらにこれでもかと愛を詰め込んでいくような歌と演奏だ。ウルフルズの音楽の根底には、愛とガッツが流れている。“人が人を思うことのかけがえのなさ”を描いた歌がたくさんある。そうしたウルフルズの音楽の根幹にある要素を、Unlock the girlsが見事に消化して表現していた。ルーツの音楽のジャンルは違うが、それぞれの音楽の核にある感情や衝動は、重なるところが大いにあるのだろう。本編最後のコーナーは再びUnlock the girls。ワイルドなシャウトで始まったのはファイティングスピリッツあふれる「WAR」だ。岸谷とYukoのユニゾンのギターもあり。YuumiとHALNAの生み出すグルーヴもダイナミックでエネルギッシュだ。戦火がモチーフになっていると思われる「And The Life Goes On」では、聴き手の意識を覚醒させるよう印象的なリフを織り交ぜながら、硬質なバンドサウンドを展開。終わりなき青春賛歌と表現したくなったのは「STAY BLUE」だ。最新のロックなUnlock the girlsの姿が見えてくる演奏の連続。岸谷の切れ味の鋭いテレキャスター、Yukoのニュアンス豊かなレスポールスペシャルというタイプの異なるツインギターを軸としたバンドサウンドも、Unlock the girlsの魅力のひとつだ。本編ラストはTRICERATOPSの和田唱との共作曲「ミラーボール」。ミラーボール型LEDの放つ七色の光が輝き、観客のハンドクラップも加わり、会場内にハッピーな空気が充満していく。演奏が終わった瞬間、客席から盛大な拍手とともに「最高!」との声がかかった。アンコールで、岸谷がシニヨンの髪型で登場して、Unlock the girlsのメンバーを紹介。さらにトータス、永井というゲスト陣も再登場して、プリンセス プリンセスの「Diamonds<ダイアモンド>」を全員でにぎやかに披露した。トータス、永井、岸谷が順番にリードボーカルを取ったのだが、トータスのパートでは、<悪いことしてへんで><ダイアモンドやね><オレを動かしている そんな気持ち>など、関西弁・男子バージョンになっていた。永井バージョンはキュート&カラフル。会場内が「フーッ」と一緒に歌っている。岸谷と永井がハモると、ワクワク感が倍増していく。同級生トリオとUnlock the girlsの放つ音楽という光が、会場内をキラキラ照らしていた。「世の中、いろいろなことがある中、コンサートができて、一緒に歌える世の中が戻ってきたことに感謝しながら、そして、私たちの音楽が何かの力になって届けばいいなと思いながら、ステージに立っていました」との岸谷の言葉もあった。アンコールの最後を締めたのは、Unlock the girlsによるプリンセス プリンセスの「HIGHWAY STAR」。この曲の<時を越えて旅は続いてく>というフレーズは、次のツアーの予告にも当てはまりそうだ。バンドは日々進化し続けている。それぞれの個性がさらに際立ち、より深いところで化学変化が起こっていると感じた。6月からUnlock the girlsでバンドツアーを行うことも発表された。40周年記念ツアーということで、プリンセス プリンセスのアルバムを1枚丸ごと演奏する企画もあるとのこと。観客が口々にアルバム名を叫んでリクエストする場面もあった。この企画は懐かしさとともに新鮮さをもたらすことになるだろう。どのアルバムが演奏されるかはツアー当日のお楽しみだ。『感謝祭』は、岸谷が聴き手への感謝を表す趣旨のイベントだが、「こちらこそ、おおきに」と感謝したくなるような、貴重な瞬間の連続だった。関西弁になったのは、もちろんトータスの影響である。ミラクルとガッツとキラキラが満載のスペシャルな感謝祭。令和の時代に昭和の空気をもたらし、冬に夏を到来させ、大阪から六本木へワープする。音楽とは時間も季節も空間も越えて届くものであることを実感した夜でもあった。時を越えて音楽の旅は続いていく。Text:長谷川誠Photo:MASAHITO KAWAI<公演情報>『岸谷香 感謝祭2024』2月23日 EX THEATER ROPPONGIセットリスト■w/永井真理子01.ミラクル・ガール02.ハートをWASH!03.23才04.ZUTTO05.だからハニー■Unlock the girls06.Beautiful07.世界でいちばん熱い夏08.また恋ができる09.Wrong Vacation10.Signs■w/トータス松本11.ガッツだぜ!!12.メドレー「笑えれば」~「かわいいひと」~「それが答えだ!」~「いい女」~「大阪ストラット」~「バカサバイバー」~「サムライソウル」~「ええねん」13.バンザイ ~好きでよかった~■Unlock the girls14.WAR15.And The Life Goes On16.STAY BLUE17.ミラーボール■ENCOREw/永井真理子、トータス松本18.Diamonds<ダイアモンド>■Unlock the girls19.HIGHWAY STAR<ツアー情報>岸谷香40th Anniversary LIVE TOUR 20246月14日(金) 神奈川・CLUB CITTA’6月16日(日) 宮城・仙台Rensa6月29日(土) 福岡・福岡トヨタホールスカラエスパシオ6月30日(日) 広島・CLUB QUATTRO7月13日(土) 北海道・札幌ペニーレーン247月20日(土) 大阪・心斎橋BIGCAT7月21日(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL7月27日(土) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)■ぴあアプリ先行受付:3月3日(日)23:59まで■岸谷香公式サイト:
2024年03月01日岸谷香が、「元気に楽しく音楽をやれていることに感謝し、お客様に喜んでいただけるように毎回ゲストを迎えて特別なセッションをする」恒例のコラボイベント『岸谷香感謝祭2024』を2月23日に東京・六本木のEX THEATERにて開催した。今回のゲストは、永井真理子とトータス松本(ウルフルズ)。永井真理子とは、曜日違いでお互いパーソナリティーをしていたTBSラジオ『ポップン・ルージュ』をオマージュし、ラジオ番組調にライブを展開。簡易スタジオブースも作り、当時の番組表などを紹介したり、トークでは架空のハガキも読む、徹底ぶり。「曲紹介し、そのまますぐにステージで演奏」というトーク&ライブ形式で展開。当時リスナーでもあった観客も多く、フロアを大いに盛り上げた。「昨年出会ったイベント現場で今回の参加を口説いた」と嬉しそうに岸谷が説明したトータス松本とのステージ。ゲスト決定後、自身のバンドUnlock the girlsメンバーとのミーティングで「あの曲はやりたい!」と意見が飛び交い収拾がつかず、結果、8曲を入れ込んだ大メドレーをリハーサルで固めデモ音源とし、ダメもとで共演スタイルを打診。トータスは「スタッフから話だけ聞いていたときは(8曲のメドレーは)『長いな』とは思いましたが、届いたリハ音源には岸谷さんとバンドの熱意がしっかり詰まっていて、それを聞いたら断る理由も全くなく、喜んでお受けしました」とMC。満員の会場からは惜しみない、割れんばかりの拍手を一手に受けとめた。アンコールでは、ステージ上の岸谷から、2024年の周年ツアー『岸谷香40th Anniversary LIVE TOUR 2024』の開催が発表に。しかも内容は「プリンセス プリンセスのアルバム、どれか1枚をフルカバーする」という周年ならではのもの。デビュー40周年。いつも前向きに音楽活動を続ける岸谷香に今年も大きな注目が集まりそうだ。40周年ツアーのチケットは、3月3日(日)までぴあアプリ先行を受け付けている。<ツアー情報>岸谷香40th Anniversary LIVE TOUR 20246月14日(金)神奈川・CLUB CITTA’open18:15 start19:006月16日(日)宮城・仙台Rensaopen16:15 start17:006月29日(土)福岡・福岡トヨタホールスカラエスパシオopen16:15 start17:006月30日(日)広島・CLUB QUATTROopen16:30 start17:007月13日(土)北海道・札幌ペニーレーン24open16:30 start17:007月20日(土)大阪・心斎橋BIGCATopen16:15 start17:007月21日(日)愛知・名古屋DIAMOND HALLopen16:15 start17:007月27日(土)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)open16:15 start17:00■ぴあアプリ先行受付:3月3日(日)23:59まで
2024年02月24日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「知ることで変わる毎日」。実は関わりがある政治と女性の健康課題。中元日芽香さんが若者の政治参加について発信を続ける能條桃子さんに聞きました。小さな声でも集まれば大きな力に。――海外では、生理用品に税金がかからない国もあります。日本では生理用品になかなか軽減税率が適用されないのはなぜですか。能條桃子(以下、能條):2019年に消費税の軽減税率制度が導入されたとき、その意思決定の場にほとんど女性がいなかったんです。それが、大きな理由のひとつだと思います。中元日芽香(以下、中元):1個数百円程度でも、日常的に利用する女性からすると、かなりの出費なのに…。切実さが理解されていないのですね。能條:もっと言えば“生理用品は自分で買って当然”という発想自体が変わっていけばいいなって。たとえばトイレットペーパーは、どこのトイレにも置いてあり、無料で使うことができるのが当たり前ですよね?最近では生理用品を学校に配布している自治体もありますが、首都圏のように女性議員が比較的多いエリアが中心で、地域差も激しいんです。――昨年11月から緊急避妊薬(アフターピル)の薬局での販売がようやく導入されました。ただ、あくまでも試験導入であり、課題も多いように感じますが…。能條:いま、緊急避妊薬を扱っている薬局は全国で145店舗のみ。購入できる場所は限られていて、近くにないという方も多いはず。しかも来店前に電話で訪問日時を決めるなど手間も多く、薬局では薬剤師の面談を受け、目の前で飲まないといけない…。女性の心理的な負担もかなり高いんです。中元:緊急避妊薬といえば、厚生労働省が行った薬局販売に対するパブリックコメント(※)はたくさんの声が集まったんですよね。能條:薬剤へのパブリックコメントって、通常は10件くらいしか集まらないんですが、今回は約4万6000件も集まったんです。そのうち97%が賛成の声で、それが国を動かしたといえると思います。中元:小さな声でもたくさん集まれば、大きな力になるのですね。能條:低用量ピルも、日本では1999年に認可されるまでは服用できなかった薬。当時の女性たちが声を上げて、変わったんです。中元:私はPMS症状の緩和のために、低用量ピルを服用していますが、いま快適に過ごせるのは、そのおかげなのですね。パブリックコメント以外にも、何かできることはあるのでしょうか。能條:女性のための政策に力を入れている候補者に投票することも大事ですが、投票後もできることはたくさんあります。たとえば政治家のSNSやホームページなどに、「生理用品の軽減税率適用を公約に掲げていたからあなたに投票しました。ぜひ実現してください」と、自分が投票した理由を送ってみる。それを見て、政治家はここにニーズがあると認識するんです。賛同する政策にSNSで「いいね!」をするだけでも、効果があると思いますよ。中元:まずは、関心や興味を持つこと。さらに、意思表示をしていくことも大事なのですね。能條:まだ課題が多い緊急避妊薬についても「当たり前のようにどの薬局でもすぐ買えて、安心して過ごせるようになったのは、私たちが声を上げたからだよ」って、いつか次の世代の女性や子供たちに言ってあげられるようになればいいなと思ってます。※「意見公募」のこと。行政機関が政令などを制定する際に、一般から意見を募る仕組み。女性の健康課題にまつわる主な議論。生理用品の軽減税率適用2019年に導入された軽減税率制度により、食料品などは消費税8%だが、生理用品は適用外。「女性の必需品である生理用品にも軽減税率の適用を」と署名活動も行われているが、現状、実現には至っていない。緊急避妊薬の薬局販売医師の処方箋が必要とされていた、緊急避妊薬。性交後72時間以内なら高確率で妊娠を防げるため、少しでも早くに服用できるよう薬局での販売が望まれていた。2023年11月より、試験販売が行われている。左・能條桃子さん1998年、神奈川県生まれ。若者の政治参加を促す「NO YOUTH NO JAPAN」と、政治のジェンダー平等を目指す「FIFTYS PROJECT」、2つの団体で代表を務めている。右・中元日芽香さん1996年、広島県生まれ。乃木坂46を卒業後、現在は心理カウンセラーとして活動。新著『なんでも聴くよ。中元日芽香のお悩みカウンセリングルーム』(文藝春秋)が発売中。ジャケット¥20,900トップス¥8,910(共にGALLEST/ワールド プレスインフォメーション TEL:03・6851・4604)スカート¥7,700(OPAQUE.CLIP TEL:03・6851・4604)その他はスタイリスト私物※『anan』2024年1月17日号より。写真・水野昭子スタイリスト・岡安幸代(中元さん)取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2024年01月16日岸谷香が、1月14日、六本木のBillboard Live TOKYOでビッグバンドを従えた特別なライブツアーのファイナルを敢行。満員の観客を大いに沸かせた。本公演は横浜、大阪、東京と3カ所(全6公演)を回るBillbordツアー。ピアノ兼バンドマスターに岸谷の盟友Sugarbeansを迎え、ドラム、ベース、トランペット×2、トロンボーン、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの豪華編成に。セットリストも大好きなElla Fitzgeraldのジャズナンバーを盛り込み、PRINCESS PRINCESS、奥居香、岸谷香、それぞれの時代からも選曲。岸谷香のヒストリーを垣間見れる凝縮されたステージ内容となった。MCでは「こんな風に豪華な演奏陣に囲まれて大好きな歌を歌えて、そしてそれを聴きに来て下さる皆さんがいて。本当にしあわせです」と感無量な笑顔を見せた岸谷。終演後も、満員の観衆からの惜しみない大きな拍手を全身で受け嬉しそうに応えていた。来月開催される、毎回ゲストを迎える恒例自主企画『岸谷香感謝祭 2024』(ゲスト:トータス松本、永井真理子)もソールドアウト。今年、デビュー40周年を迎え、ますます勢いに乗る岸谷香。今年も大きな注目を集めそうだ。<公演情報>『岸谷香 KAORI PARADISE 2024 新春スペシャル @Billbord LIVE TOKYO』1月14日(日) 東京・Billboard Live TOKYO【セットリスト】01. Mack The Knife (Ella Fitzgerald)02. Lullaby of Birdland (Ella Fitzgerald)03. Honeysuckle Rose (Ella Fitzgerald)04. ROLLIN’ ON THE CORNER (PRINCESS PRINCESS)05. 奇跡の時(奥居香)06. Ice Age ~氷河期の子供たち~(岸谷香)07. ジュリアン(PRINCESS PRINCESS)08. ある朝魔女になってたら(奥居香)09. VANISHING(奥居香)10. Diamonds〈ダイアモンド〉(PRINCESS PRINCESS)11. 台風の歌(PRINCESS PRINCESS)※()はオリジナルアーティスト<イベント情報>『岸谷香 感謝祭 2024』2月23日(金・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGI開場 16:45 / 開演 17:30出演:岸谷香 / Unlock the girlsゲスト:トータス松本(ウルフルズ)永井真理子岸谷香 OFFICIAL SITE:
2024年01月15日ananフェムケア委員会メンバーとして、誌面にたびたび登場している心理カウンセラーで、元乃木坂46メンバーの中元日芽香さん。その2作目となる著書『なんでも聴くよ。』は、中元さんならではのカウンセリング・エッセイだ。モヤモヤを抱える人のお守り代わりになる本を。「カウンセラーの活動を通じて、『お守り代わりになるような本が欲しい』という声をいただいたことが、執筆するきっかけになりました」本書のために悩みを募集したところ、幅広い年齢から300近い悩みが寄せられたという。「一つひとつに目を通してピックアップしました」と言う中元さん。本書に掲載されている38のお悩みは、「自分に自信を持つことができない」といったものから、「カッとしやすい先輩に、恐怖心を抱かず働くには」など対人関係に至る内容までさまざま。その悩みに対して中元さんなりの解釈を綴り、心の持ち方についてのアドバイスを送っている。なかでも、中元さんが特に心に残っているのは、「家族との関係を修復したい」という20歳の女性からの悩みだという。「友人などとは異なり、家族への感情は自分の意思で切り離すことが難しいものだと思います。お悩みの内容からも相談者さんの葛藤が伝わってきて、どのような言葉を送ればよいのだろうかと考え抜きました」全編を通じて感じるのは、中元さんの言葉選びの繊細さだ。「執筆中にも、心の苦しくなるようなニュースが連日報じられ、執筆する手を止めたことも。人の悩みを聴くというのは軽々しくできないこと。多様な悩みを抱えた人が読むことを想定し、断定する口調は避け、表現が適切か、推敲を重ねました」本書は“お悩み解決本”ではなく、“悩みを聴く本”だと中元さんは言う。「なんでも聴くよ。」というタイトルも、中元さん自身が執筆前から決めていたんだそう。「『ズバッと答えて解決!』という本ではありません。でも、悩みってズバッと解決できることばかりではないので。言語化できないモヤモヤを抱えている人に『自分もこういうことに悩んでいたのかもしれない』『こういう考え方もあるのか』といったように、何らかの気づきを得てもらえるような本を目指しました」また、カウンセリングに対する中元さんの思いも込められている。「カウンセリングを体験したことがない人は、見知らぬ人に相談すること自体に不安があると思います。本書を通じて、カウンセリングに安心感や親近感を覚えていただけたなら、こんなに嬉しいことはありません」『なんでも聴くよ。中元日芽香のお悩みカウンセリングルーム』一般の方から寄せられた38のお悩みに、中元さんが寄り添い、その背中を押すカウンセリング・エッセイ。まるでカウンセリングルームで話を聴いてもらっているような気分に。中元さん自身の適応障害の経験について綴ったコラムも。文藝春秋1430円なかもと・ひめか1996年、広島県生まれ。2012年、乃木坂46メンバーとしてデビュー。グループ卒業後、現在は心理カウンセラーに。著書に『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』(文藝春秋)。ジャケット¥20,900トップス¥8,910(共にGALLEST/ワールド プレスインフォメーション TEL:03・6851・4604)スカート¥7,700(OPAQUE.CLIP TEL:03・6851・4604)その他はスタイリスト私物※『anan』2024年1月3日‐10日合併号より。写真・中島慶子スタイリスト・岡安幸代インタビュー、文・音部美穂(by anan編集部)
2024年01月07日岸谷香のデビュー40周年のタイミングで開催される主催イベント『岸谷香感謝祭2024』のゲストは、トータス松本と永井真理子というバラエティーに富んだ組み合わせとなった。3人とも同学年という共通点がある。今回も、このイベントでしか観られないスペシャルな共演が実現するだろう。ここでは、岸谷と永井との対談をお届けする。このふたりは同学年である以外にも、いくつかの共通点がある。80年代末から90年代前半にかけての大きなムーブメントを乗り越えてきたこと、子育てのために約10年にわたる休止期間を経て、音楽活動を再開していること、『ポップン・ルージュ』というラジオ番組で、それぞれ曜日違いのパーソナリティーを務めていたことなどだ。当時の懐かしい話、音楽の再開の仕方、さらには『感謝祭』のアイデアまで、さまざまな話題に話が及んだ。――おふたりは同学年なんですね。永井そう、同学年なんですよ。生まれた年は私のほうが1年早いんですけどね。岸谷えっ、そうなの?ごめんなさい(笑)。私、ずっと自分が年上だと思ってた。80年代の時のイメージがあったから。永井私、あの頃って、子供みたいだったもんね。岸谷そう(笑)。ショートカットで、いつもタートルでジーンズで。そのイメージが強かったからね。そうか、同学年なんだ。永井そうなの。一緒なんですよ。――2024年の「感謝際」のもうひとりのゲストであるトータス松本さんも同学年なんですよね。永井そうか。岸谷この学年って、「ROOT 66」にちなんで、「66年の会」というのがあって、みんなで集まって、ライブをやっているんだけど、私は67年生まれだから、入ってないのね。永井私、66年生まれだけど、呼ばれたことがないよ。――ほぼ男性ミュージシャンの集まりのようです。岸谷66年生まれのミュージシャン、たくさんいるのよ。永井でも丙午(ひのえうま)だから、女性の人口は少ないんだよね。“この年に生まれた女が強い”と言われている世代だから、産むのを控える傾向があったから。でも実は女性アーティストは、多いんですよ。渡辺美里さん、中村あゆみさん、みんな一緒だよ。岸谷そうか、でもみんな、強そうだよね(笑)。――おふたりは同学年という以外にも、いろいろな共通点があります。80年代末から90年代にかけての大きなムーブメントを経験し、ともに武道館など大きなステージに数多く立っています。また、子育てもあり、10年ほどブランクがあったうえで、音楽活動を再開していることも共通します。岸谷ラジオも共通点ですね。『ポップン・ルージュ』という同じ番組をやっていて、真理ちゃんが月曜日、私が水曜日だったんですよ。永井そうそう。――まず、永井さんを『感謝祭』に誘った経緯を教えていただけますか?岸谷ふたりの共通の友人であるチエちゃん(長井千恵子さん)というギタリストがいて、昔から真理ちゃんと一緒にやっていたんだよね。永井やってた。20年くらい前からかな。岸谷それで、チエちゃんに会うと、いつも「真理ちゃんがね」という話はよくしていました。だから私もつい、「真理ちゃん」ってなれなれしく言っちゃうんだけど。チエちゃんを通してのつきあいで、真理ちゃんとは個人的に遊んだりはしてなかったけれど、同じラジオ番組だったから、横のつながりはあったんですよ。たまに特番があって、月曜から金曜までのパーソナリティーが全員集まったりしていたのね。永井そうそう。岸谷当時のラジオ番組は活気があったから、どこかで飲んでいて、「今日って、月曜日だから真理ちゃんの日じゃない?」って言って、酔っ払ったまま菓子折りを持って、真理ちゃんの番組に顔を出したり(笑)。そんなことができる番組だったんですよ。それで89年から90年まで一緒にすごしてきて、久しぶりに再会したのも、チエちゃんを通じてだったよね。永井そう。岸谷「真理ちゃんがオーストラリアに移住して、日本に戻ってきて、音楽を再開するにあたって、聞きたいことがあるみたいよ」「香ちゃんがボイトレどうやっているのか、知りたいみたいよ」って、チエちゃんが話していたのね。それで、3人で会ったんだよね。永井それがもう6年前のことだよね。私が復帰したころのことです。岸谷その時は、「イベントやフェスで会ったら楽しいよね。じゃあまたどこかで」って、バイバイしました。『感謝祭』が恒例になってきて、ふたりゲストがいるなら、ひとりは女性がいいなあと思っていたのね。それも一緒にいろいろやってくれる人が良くて、「ここをこう変えてもいい?」って言ったときに、一緒に楽しんでくれる人がいいなあって。それで温めていた隠し球にお願いしました(笑)。――永井さんは岸谷さんの誘いをどう感じましたか?永井とてもうれしくて。最初、チエちゃんを通じて聞いたんですよ。それでチエちゃんのLINEに、「うれしい!」「めちゃくゃ光栄!」って書きこみました。逆に、「こっちこそお願いします」って返事したのかな。岸谷いいお返事をいただけて、こちらこそ、ありがたかったです。私たちのファンって、長年応援してくだっている方も結構いらっしゃるので、そういう方にはツボなんじゃないかな。永井私も発表したときに、ファンの方が大喜びで。“あのラジオが流れていた頃の青春が蘇ってくる”そんな気持ちになったみたいなのね。岸谷私はその『ポップン・ルージュ』の時の作家の方ともまたご縁もあって、『オールナイト・ニッポン』の作家もやってもらっているのね。だから新しい試みとして、ラジオ的な演出をやるのもおもしろいかなって考えています。会話だけ、当時のラジオ風にしてみるとか。一瞬、観に来た人たちが、ラジオを聞いている感覚になるのもありかなって。永井それはおもしろそう!――当時のラジオを聞いていた人にも感涙のイベントになりそうです。永井きっと喜び、そして泣いちゃうと思います(笑)。岸谷もしかしたら、スタッフが当時のジングル音源とか、持っているかもしれない。「月曜日の永井真理子です」「水曜日の奥居香です」って、そんなことを言いながら、ジングルを使ってもいいし。永井それは最高にいい!(笑)岸谷曲紹介をラジオ風にやるのもおもしろいかも。話をしていると、いろいろアイデアが湧いてきます。やっぱり、当時の本物がふたりいるって素晴らしい!(笑)『感謝祭』って、お招きするアーティストの方にも楽しんでもらうのが大きなテーマなので、気楽に楽しんでください。永井良かった!おおいに楽しませてもらいます。うれしいです。――話が戻ってしまいますが、80年代にそういう形で出会って、お互いについて、どんな印象を持っていたのですか?岸谷しつこいようだけど、真理ちゃんと言えば、ショートカットで黒いタートル、ジーンズのイメージ(笑)。白いTシャツもあったね。黒いタートルか白いTシャツ。永井そうそう、あれは全部自前なの(笑)。――永井さんから見た岸谷さんは?永井もうピカピカしていましたね。そして、プリプリしていました(笑)。忘れられないのは、テレビで共演させていただいたことがあって、大きな楽屋で一緒になったときのこと。香ちゃんは覚えてないと思うけれど、「あっ、プリプリさんがいる!」と思って、楽屋のすみっこのほうで固まっていました。面と向かっては見られないんですが、鏡越しに見えちゃうわけですよ、そのピカピカが(笑)。ドキドキしちゃって、挨拶もうまくできなかった。岸谷えー、なんで?同い年でしょう。永井いやいやいや、先輩です。だって1年、プリプリのほうがデビューも早かったしね。で、鏡越しに見ていると、「なんだか、テレビを観ているみたいだぞ」って、「ダイアモンドだね~♪」ってつい口ずさみそうになって、ダメだ、今は本人がいるぞって(笑)。岸谷真理ちゃんはヨーグルトのCMやってたでしょ。永井やってた(笑)。岸谷そういうのを断片的に覚えているんだよね。――80年代末から90年代前半には、それぞれ大きなムーブメントを体験された共通点もあります。“ガールポップ”という言葉も生まれました。当時のそうした流れをどう感じていましたか?岸谷“ガールポップ”という言葉は強烈に覚えていますね。私たちはバンドだったから、その“ガールポップ”の仲間に入っていたのか、入れてもらってなかったのか、ちょっとイメージはわからないんだけど、真理ちゃんとか、あと、千里ちゃん(森高千里さん)とか、谷村有美ちゃんとか、女性アーティストがたくさん出てきた時代でもあったよね。永井そうだね。わりとソロの人が多かったのかな。岸谷華やかな時代というか、“ガールポップ”のイベントもあったよね。永井イベントもあったし、雑誌もあった。私としては、かなりボーイッシュだったので、「“ガールポップ”に入っていいんですか」みたいな感覚だったんだけどね。岸谷確かに髪は短かったけど、そこまでボーイッシュでもなかったというか、そんなに強そうでもなかったよね。永井うん。ちっちゃかったしね(笑)。岸谷真理ちゃんは、“ガールポップ”の象徴みたいなイメージがあるよね。私たちは、バンドのイメージが強かったんだと思うけど。あと、当時はイカ天から始まって、バンドブームもあったから。永井いろいろなブームが入り混じっていたと思います。――そうしたムーブメントの中で、おふたりともとても忙しいハードな日々を送っていたと思います。どのようにして、自分のペースを作り、乗り越えてきたのでしょうか?永井忙しかったでしょう?岸谷忙しかったと思うけど、若かったし、どっちかというと、“やった~! お客さんが増えたぞ”みたいな気持ちのほうが強かった気がする。会場がどんどん大きくなっていったことについても、まだ子供だし、怖い物知らずなところがあった気がする。不安もそんなになかったんじゃないかな。今とは時代が違うし。今は忙しくなると、メンタルが辛くなって、お休みするアーティストもたくさんいると聞くけれど、私たちの時代って、そっちに行かなかったんですよ。むしろ、「忙しくなってきた。やったぜ!」みたいな。永井それはバンドだからというのはあると思う。岸谷真理ちゃん、しんどかった?永井私はソロだから、まわりから、「もっとこっちがいいんじゃないか」「いや、あっちがいいんじゃないか」っていろいろと言われることがたくさんあるわけ。岸谷そうなんだ。永井そう。バンドは全部自分たちで作品を作るじゃない?で、「これしかないし」って言えるじゃない。でもソロだと、いくらでも味付けの仕方はあるわけで。だから、気がつくと、“えっ、こんな番組、私できないよ”みたいなことがあふれてしまって、気持ちがバーンと落ちてしまう時があったのね。“私は本当に自分を出せているのかな。苦しい苦しい苦しい”って。岸谷そっか。そこはやっぱりソロとバンドの違いなのかもしれないね。バンドだと、5人一緒になって、誰かの悪口を言って、発散することもできたしね。「なんだよ、アレ!」みたいな(笑)。永井私の場合は、そういうことを言ったら、逆に「いや、今は頑張りなさい」「走りながら悩みなさい」みたいな。岸谷ええっ!そうだったんだ。永井当時は葛藤があったけれど、そういう時があったから、今は何がやりたいとかやりたくないとか、しっかり選択できるようになったんだよね。あの時は若かったがゆえの苦しさでもあったし、今はそうした経験も良かったのかなと思っている。岸谷真理ちゃんにとってはハードな時代だったかもしれないけれど、当時は世の中もバブルだったし、なんでもかんでもキラキラしていた気がする。番組に出れば、誰か知っている人がいて、気安くしゃべっていたし。私としてつらい時があったとしたら、バンド内で、音楽の方向性について意見の違いが出た時かな。永井バンドはそこは難しいところだね。岸谷一長一短なんだよね。外部に対しては、みんなで一緒になって、悪口も言えるけれど、バンドの内部で意見が割れたときは、深刻だったし、解散することになったわけだし。そういう意味では、真理ちゃんは今も昔も永井真理子だよね。私の場合は、バンドだったのがひとりになり、休憩があって、またひとりだし、名前も変えちゃったしね。だから“ゼロから再出発”という感覚があった気がする。永井私はハタから見ていて、そういうところがかっこいいなと思っていた。ちゃんと名前も変えて、新しくゼロからスタートしているんだな、素敵だなって。岸谷あまり深く考えずに、子供ができた時に、名前も変えちゃったのね。離婚したらどうするんだろうと、ふと思ったんだけど、どうせプリンセス プリンセスじゃないんだったら、奥居香じゃなくたっていいやぐらいに考えていたというか。それはそれで良かったのかなと思いながら、今に至っています。永井ふたつ違う形で音楽ができるってことだしね。岸谷求められるものはそんなに変わらないというか、昔のものを求められることも多いんだよね。とは言え、やりたいことはぶっちぎってやっていこうと思っている。母親になると、少し視点が変わってくるから、昔のようなラブソングは書けなくなるのね。 書いてるつもりでも愛情の対象がずれてきたりするし、描くものが変化してきているし。でもそれは自分の中の自然の変化だからね。もう前とは名前も違うし、許してね、みたいな。そこは楽だったかもしれない。逆に真理ちゃんはずっと永井真理子だから、大変なところもあったんじゃない?永井いや、そんなにはないかな。――おふたりとも、子育てで10年ほど音楽活動を休止していたという共通点もあります。以前、岸谷さんが「自分の中からドレミファソラシドが消えた気がする」とおっしゃっていました。永井さんはお休みの間、音楽との関係は、どんな感じでしたか?永井私は真っ白になりました(笑)。とくに私はオーストラリアに行っちゃったし、子育てもしたかったし、1回真っ白になって、今までのことを見つめ直そうかなと思ったんですね。でも、海外に行くと、まったく日本の音楽を聴かなくなるから、自分は何者だったのかもわからなくなっちゃうの。岸谷そうだったんだ。永井立ち位置もわからなくなるし、自分なんか全然必要がないものなのかな、本当にステージに立っていた人間なのかなってところまで、いっちゃった。岸谷へぇー。永井気持ちが離れすぎちゃって。だから、そこからまた音楽に戻るエネルギーがなかなか湧いてこなかった。岸谷確かにエネルギーがいるよね。永井すごいいるでしょ。特にお休みした後なんかは、なかなか戻れない。だから、10年以上あいちゃった。――その間は、音楽を聴いたり、楽器にふれたりというのは?永井普通に一般人として、ラジオから聴こえる音楽にふれたりはしてました。洋楽だけですけど。これ、かっこいいなとか、そういう感じ。岸谷なぜオーストラリアだったの?永井本当はアメリカとかイギリスとか、音楽がいっぱいあるところに行きたかったんだけど、子供を抱えていくから、子供のいちばん過ごしやすいところがいいわけで、オーストラリアがいちばん受け入れ体制があったの。子供に優しくて、教育もとても良かったから。岸谷言葉は?永井言葉は全然わからなかったので、辞書を抱えて勉強した。岸谷学校に行ったの?永井子供はオーストラリアの地元に学校に行って、私も英語学校に通ったよ。全然うまくならなかったけどね。向こうで英語で仕事をしていれば、うまくなるけど、家の中では日本語を話しているから、一向にうまくならない(笑)。――休止期間があったことについて、岸谷さんはどう思っていますか?岸谷子育てをして、音楽から丸々離れちゃったことを、私は良かったなと思っています。1回違うことをすることで、リフレッシュするというか。私たちって、さんざん子育てやったわけじゃない?永井やったやった(笑)。お弁当を作って、学校に送ってね。岸谷“もう後悔はない”“うんざりしたよ”“疲れたよ”っていうくらい、子育てしたじゃない?そうやって子育てをやりきって、“はい、もうお終い!”ってとこまでやったから、「そろそろお母さんも好きなことをやっていい?」ってことで、音楽に戻ってこれたところはあるのね。永井それはとてもいいね。だったら、迷いなんてないよね。岸谷だから逆に、子供を産んですぐ仕事をしている子を見ると、“もったいないなあ”と思うことがあります。“初めて子供が立った瞬間を見逃しちゃうじゃん”って。永井私も休んでいる間は、完全におかあさんだけやっている日々でした。学校の送り迎えをしたり、お弁当を作ったり、子供のスポーツの試合に行って応援したり。――それぞれ音楽活動を再開するきっかけを教えてください。岸谷大きなきっかけになったのは、プリンセス プリンセスの再結成ですけど、その前に、夫が年に1回、AAAというエイズチャリティーのコンサートを武道館でやっていて、そこに参加していたことも大きかったと思っています。子育て中とはいえ、チャリティーだし、1日ぐらい出かけてもいいのかなって、年一だけで武道館に歌いにいってたのね。その時にイントロを聴いても、普通に歌い出せない瞬間があったの。ドレミファソラシドを確認したいなって。それまでは“パブロフの犬”じゃないけど、イントロが鳴ったら、黙っていても、歌が勝手に出てくるみたいな感じだったのね。それがシンガーだと思っていたんだけど、ドレミファソラシドを探さなきゃって思ったときに、私は本当に音楽家じゃなくなったんだなって悲しくなっちゃって。それで、リハビリみたいなことをバンドと始めたのが、音楽を再開するきっかけ。永井ああ、そうなんだ。震災がきっかけなのかと思っていた。岸谷震災がきっかけでもあるんだけどね。年1くらいで集まって、リハビリと称してライブをやっていたからこそ、震災が起こったときに、“自分たちのできることをやるために、プリンセス プリンセスを再結成しよう”って、決断できたんだと思う。真っ白なままだったら、あんなふうにはやれてなかったと思う。だって、かつてやったことのなかった東京ドームまでやったんだから、すごい道のりじゃない?永井そうだね。少しずつやることって大切だね。岸谷本当にそうなの。“3歩進んで2歩下がる”を繰り返して、“気づいたら5歩ぐらいは進んでた”っていうところで再結成を決めたのね。で、再結成して活動していったら、やっぱり音楽って楽しいなあって、改めて感じたのね。永井音楽を休んでた時間があるから、余計にやりたくなったんだよね、きっと。だから、休んでいた間もすごくいい時間だったんだと思う。岸谷真理ちゃんは再結成とか、そういうことではないじゃない?ボイストレーナーの先生を紹介した時が、音楽を再会する時期だったと思うけれど、なんでまたやろうと思ったの?永井あの時はちょうどデビュー30周年を迎える年で、年齢も50歳になる年だったのね。かと言って、声も体力も、今まで休んでいたところから、急にやれるようになるわけはないじゃない?岸谷どちらかというと、あちこちガタがくる年頃だしね(笑)。永井そうそう。でもそのタイミングで不思議と、今までお付き合いのあったミュージシャンとかファンの人が、“なにかまた始まるんじゃないか”って、私の背中をワイワイ押してくれたのね。私はそういうつもりじゃなかったんだけど、まわりが私の気持ちを底上げしてくれて、だんだんその気になってきたんだよ。逆にこれが最後のジャンプなのかもしれない、もしかしたらエネルギーが吹き上がるかもしれないと思って、香ちゃんにボイトレの先生を紹介してもらったの。でも、紹介してもらって良かった。岸谷本当に?永井本当に良かった。私、女性が年齢とともに高い音域が出なくなることを知らなくて、自分の声がちゃんと出なくなって、もう終わったと思っていたのね。発声を変えていかなきゃいけないということも知らなかったから、すごく悩んだんだけど、ボイトレの先生から喉の筋肉を鍛えることを教えていただいて、半年かけて、ライブをやったのね。岸谷オーストラリアは引き払ったの?永井そう。岸谷じゃあ行くのも転機だけど、引き払って戻って来るのも転機だね。永井そうなの。日本に帰ってきてから、2、3年あってから、音楽活動を再開したんだけど、自分でもよく始めたなと思う。10年休んでいたから、復帰するのに10年かかると思っていた。休んでいる期間が長ければ長いほど、若い時とは違うから、リハビリも長くかかるかなって。岸谷私も同じボイトレの先生に習っていて、最近も結構かよっているんだけど、我々の年代、女性は更年期もあるし、いろんなことが変わるじゃない。だから昔に戻ろうとしなくなったかな。永井あ、そうそう。それはある。岸谷だから、新しいプチシニア世代の自分になればいい、みたいなことは思った。永井それは私も思っている。岸谷昔のようにはできないわけだし、昔のようにやれたところで、やりたいことはそれじゃないかもしれないなって思う。休んでいた分、変身していいんだよねって。永井そう。私もまた新しく始められる気がした。声もやっぱり、少し下に下がったのね。でも上が減った分、下が広がったので、音域の広さ自体はそんなに変わっていないの。今の声って、嫌いじゃなくて。今の自分の言いたいことには、そっちの声のほうが合ってるっていうか。若い時にはピーピーした声が若い時の気持ちに合うのかなって。だったら、逆もいいのかもって思う。岸谷コンスタントに続けている人も、それなりにつらい時もいっぱいあるだろうしね。私たちはたまたま与えられた“子育て”という最高の理由があったから、気分を変えて、また戻ってこれたところはあるかもしれない。永井そういうところはあるね。岸谷私は子育て中は、外国のアーティストをまったく聴かなかったのね。来日しても観にいく時間がないから、2000年から10年、15年は洋楽の知識もぽっかり空いている。『感謝祭』で一緒にやるバンド、Unlock the girlsの若い子たちに教えてもらって、新たに今いろいろ聴いているところなの。それはそれでとてもいいものだなって。永井そうなんだ、すごい!しかもまた下の世代から教わるのが新鮮だね。岸谷バンドの子たちって、みんな89年生まれだから、私たちの当時の活動なんて、知らないのよ。だから曲の解釈も全然違うし、そこがおもしろいなって感じている。真理ちゃんの「ミラクル・ガール」もあの子たちだったら、全然違う解釈になるし、楽しくできたらいいなって思っています。永井あっ、それは私も楽しい。一緒に何か新鮮なものを作っていきたいな。岸谷結構極端にやるかもよ。永井極端にやってほしい(笑)。きっと観ている方も楽しいと思う。岸谷『感謝祭』はいつも、バンドの子たちとみんなで練りに練って、「これ、イエスと言ってもらえるかなあ」っていいながら、あれこれアレンジするのが楽しいんだよ。永井楽しみ。なんだかうれしいプレゼントみたい(笑)。――永井さんは久々に音楽活動を再開して、日本の音楽シーンについて感じたことはありますか?永井もう完全に浦島太郎状態ですね。全然わかりません。音楽のことも芸能界のこともわからないので、ポカーンです(笑)。岸谷日本のJ-POPだって独特の発展の仕方だしね。浦島太郎、わかる。日本に住んでいたって浦島太郎だよ。永井音楽は変わったと思いました。配信が主になったしね。私たちのころはCDしかなくて、下手したらアナログの時代だから。岸谷『感謝祭』の時にいつも思うのは、私たちの世代を知っていて、しかもこの世代を観ることをうれしく思ってくれる人が観にくるわけじゃない?今って、個人でチョイスする時代だから、こういう音楽が好き、ああいう音楽が好きって、チョイスして、そのグループの中ではよく知っているけれど、他のグループに行くと、誰もしらないという時代でしょ。だから『感謝祭』も、80年代の匂いやラジオを一緒に楽しくやっていた時代の匂いを楽しみたい人が来ると思うのね。そういう人たちに喜んでもらえるように、しっかり考えたい。永井そこにバンドのメンバーの若い子たちも入ってくるから、おもしろいよね。岸谷しかも、そこにトータス松本さんも参加するんだから、楽しいよね。トータスさんは、同学年だけど、デビューした時期が遅いから、私たちの世代のアーティストではないわけじゃない?――ウルフルズの「バンザイ」がヒットした頃って、おふたりとも活動を休止する時期ですもんね。永井そうなの。だから私は共演したことがないです。岸谷トータスさんとイベントで一緒になった時に、「『Diamonds』をバイトで皿洗いしながら、聴いていた」って言うから、「えっ、年は一緒じゃない?」って言ったら、「デビューが遅かったんだよ」って。あ、そうなんだと思ったことを覚えている。永井私は初めてお会いするんですよね。岸谷私もそんなに共演したことはないんだけど、トータスさんって、存在感があるし、私がやっている音楽とはちょっとジャンルも違うし、そういうところも楽しみ。あと、同い年でありながら、先輩風も吹かせられるしね(笑)。永井そっか。それは楽しみすぎる。――トータスさんが今回の『感謝祭』に参加される経緯は?岸谷トータスさんとは、今年3月に両国国技館で開催されたギターの弾き語りのイベント『J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2023 supported by 奥村組』で一緒になったのね。参加者全員が土俵のあるセンターステージで弾き語りをするイベントで、出番が最初のほうだったの。自分のステージが終わって、メイクも落として帰ろうかなという時に、トータスさんがやってきたので、「久しぶり~」って挨拶したんですね。その時に、「私はこういうイベントをやっているんだけど、良かったら出てよ?」って言ったら、「えっ、なんか目が怖いな」って。「怖くないよ、優しいよ。出てよ」って言ったら、「いいよ」って言ったんですよ。「今、いいよって言ったよね」って。それで本当に出てもらうことになりました。いい男だな、素敵な人だなと思って感激しました。同級生だけど、同級生じゃないみたいな不思議な感じ。――先ほどもラジオの話が出ましたが、『感謝祭』について、現時点で考えていることはありますか?岸谷今考え中ですね。真理ちゃんは女の子バンドとやったことはあるの?永井女の子バンドでは3年前くらいに『女祭』という企画イベントでやったことがある。若い子たちと一緒に。岸谷そっか。とにかく女の子バンドで一緒にやったら楽しいこと、考えます。まずともかくラジオがらみだね。永井懐かしいものとか、歌おうかな。岸谷曲に関してはご相談だけど、みんなが知っている曲は盛り上がるから、それもやって、一緒にやったら楽しい曲とか、考えます。――最後に観にくる人にメッセージをいただけますか?岸谷2020年からだから、『感謝祭』も5年目になるのかな。毎年、「今年は最高だったな。これ以上おもしろいことできるかな?」って思うんですけど、やりたいこと、やれることって、アーティストの数だけあって、ゲストが違うと、毎回カラーも変わるから、その中に入っていくのがすごく楽しいんですよね。今回は本当に同世代で、一緒に時代を駆け抜けた真理ちゃんだから、そこにヒントがある気がします。こうやって会って話しているだけで、どんどんアイデアが出てきているし。今後、ある時からちょっと気持ち悪いファンみたいに、ずっと真理ちゃんのことを考えるモードに入る予定です。寝ても覚めても、夢の中でも、ずっと真理ちゃんのことを考えて、アイデアを練ると思います。永井そうかそうか。私はまず、その仲間に入れていただけて、うれしいな。だから、できることはなんでもやります。岸谷言ったな(笑)。永井言ったよ。でも大丈夫(笑)。岸谷じゃあ、当時の私物のTシャツとジーンズ、持ってきてください(笑)。永井入るかな。っていうか、もう持ってないし(笑)。岸谷でも真理ちゃんはルックスの強烈な印象もあるし、例えば、みんなで真似したらおもしろいよね(笑)。みんなでお揃いのデニムとか、何か考えよう。私も衣装、探さなきゃ(笑)。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<公演情報>『岸谷香感謝祭2024』公演日:2024年2月23日(金・祝) 16:45開場/17:30開演会場:EX THEATER ROPPONGI出演:岸谷香/Unlock the girls/トータス松本(ウルフルズ) /永井真理子料金:全席指定9,000円※ドリンク代別途必要★チケット情報はこちら()関連リンク岸谷香 オフィシャルサイト:永井真理子 オフィシャルサイト:
2023年12月23日岸谷香のライブイベント『岸谷香 感謝祭2024』が、2024年2月23日(金・祝) に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催されることが決定した。『岸谷香 感謝祭』は、「日ごろの活動に感謝して特別な一夜をお見せしたい!」という岸谷の想いから、毎年2月に行われている自主企画ライブ。2024年は岸谷のデビュー40周年となる記念イヤーでもあり、その幕明けを飾る第1弾として開催される。今回はゲストにトータス松本(ウルフルズ)と永井真理子を迎え、この日限りのコラボレーションをそれぞれ披露する。チケットはぴあアプリ先行を12月10日(日) まで受付中。『岸谷香 感謝祭2024』ぴあアプリ先行の詳細はこちら!()<イベント情報>『岸谷香 感謝祭2024』2024年2月23日(金・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGI開場16:45 / 開演17:30出演:岸谷香 / Unlock the girlsゲスト:トータス松本(ウルフルズ) / 永井真理子【チケット情報】全席指定:9,000円(税込)※ドリンク代別途必要■ぴあアプリ先行:12月10日(日) 23:59まで詳細は こちら()岸谷香 オフィシャルサイト:
2023年12月04日京都の老舗お香専門店「松栄堂(しょうえいどう)」から「お香のカードゲーム くんくんくん」が登場。2023年12月1日(金)より、松栄堂各直営店などで発売される。京都のお香専門店「松栄堂」から“香り”のカードゲームが登場京都に創業して300年、宗教用の薫香から、茶の湯の席で用いられる香木や練香、手軽に使えるインセンスに匂い袋まで、様々なお香を作り続けている「松栄堂」。そんな老舗が新たに提案する「お香のカードゲーム くんくんくん」は、“香りでつながる”新感覚のカードゲームだ。ルールは全部で4種類カードゲームとして遊べるルールは、香りを頼りに同じカードを揃える「くんくんトレーニング」、3種の違う香り1枚ずつ揃える「ちがそろ! くんくんくん」、同じ香り3枚先に揃える「おなそろ! くんくんくん」、そして、香りについての質問を通して主役と同じ香りを当てる「しつもん! くんくんくん」の全4種類。自身の嗅覚を頼りに香りを揃えるシンプルなあそびかたから、質問形式で香りの表現を嗜むコミュニケーションゲームまで、様々な形で香りを楽しめるルールが用意されている。また、セットにはない追加のカードパックを購入すれば、香りの種類を増やしてゲームの難易度を上げることも可能だ。嗅覚のトレーニングキット、カードタイプのお香としてもこのほか、神経衰弱のように香りを判別することで嗅覚を鍛えるトレーニングキット、お気に入りのカードを名刺入れやお財布に入れて香りを楽しむカードタイプのお香としても利用できる。商品情報「お香のカードゲーム くんくんくん」発売日:2023年12月1日(金)価格:3,300円セット内容:お香カード3種(ピンク・黄・青 各3枚 保存袋入)/遊び方説明書/紙箱入販売場所:・松栄堂各直営店・香老舗 松栄堂 ウェブショップ・「ゲームマーケット2023秋」会場ブース日程:2023年12月9日(土)・10日(日)会場:東京ビッグサイト
2023年12月01日株式会社 松栄堂はこの度、香りに親しみ、香りに触れて遊べる「お香のカードゲーム くんくんくん」を発売いたします。火を使わずに香りを楽しめる「お香カード」をつかって、子どもからご高齢の方まで、気軽に楽しめるセットです。火を使わずに香りを楽しめる「お香カード」■「お香のカードゲーム くんくんくん」制作の背景松栄堂(しょうえいどう)は京都に創業して300年以上、今日まで香づくり一筋に歩んできたお香の専門店です。企業活動のテーマである「香りある豊かな暮らし」のもと、かねてより香りの可能性を追求してまいりました。昨今、デジタル化が加速度的に進む中で、多くの人びとが、いつでもオンラインでつながることができるようになりました。お香の専門店として私たちは、「香り」というリアルな感覚を通じてこそ楽しめるアナログゲームを提案いたします。対面で、一つの場を共有して遊ぶことのできる喜びを、香りが持つ不思議な力に託して。多くの団らんの場にお届けできれば、という思いから開発を進めてまいりました。香りに触れ、香りに親しみ、相手と交流しながら輪を広げていく――私たちが提案するのは、「香りでつながる」カードゲームです。■遊び方&活用方法「お香のカードゲーム くんくんくん」には、こんな楽しみ方があります。・カードゲームとして家族やお友達、親しい方と香りを楽しみながら遊ぶことができます。「くんくんくん」で遊べるゲームは4種類。香りを揃えて勝ち負けを決めるゲームや、質問形式で香りの表現を楽しむコミュニケーションゲームなど、1人~大人数で楽しむことができます。遊び方(1)くんくんトレーニング:カードの香りをかぎ、同じ香りを揃える。遊び方(2)ちがそろ! くんくんくん:3種の違う香り1枚ずつを先に揃えた人が勝ち。遊び方(3)おなそろ! くんくんくん:同じ香り3枚を先に揃えた人が勝ち。遊び方(4)しつもん! くんくんくん:香りについて質問し、主役と同じ香りを当てる。・嗅覚のトレーニングキットとして神経衰弱のように香りを判別し、嗅覚のトレーニングをすることもできます。・カードタイプのお香としてそのまま名刺入れやお財布に入れて、いつでもどこでも香りを楽しむことができます。■商品概要商品名: お香のカードゲーム くんくんくん発売日: 2023年12月1日価格: 3,300円(税込)セット内容: お香カード3種(ピンク・黄・青 各3枚 保存袋入)/遊び方説明書/紙箱入対象年齢: 6歳以上(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2023年11月22日グラビアイドルの佐々木萌香が19日、東京・新宿のブックファースト新宿店でカレンダー『佐々木萌香 2024年カレンダー』(発売中 3,080円税込 発売元:トライエックス)の発売記念イベントを行った。あざと可愛いレースクイーンとして大人気の佐々木萌香は、160cmの身長にB80・W62・H87というスレンダーボディが魅力の26歳。2020年末からグラビアにも積極的で、2021年には「グラビア・オブ・ザ・イヤー2021」のネクストブレイク賞、2022年には「記者・編集者が選ぶグラドルアワード2022」のグランプリにも選ばれた。その彼女が初めてのカレンダーを発売。今年4月に訪れたという沖縄・宮古島でロケが行われ、キュートな表情や大人っぽいしっとりとしたカットが掲載されるなど、彼女の魅力が凝縮された内容となっている。カレンダーでも着用したという競泳水着姿で報道陣の取材に応じた佐々木。初めてのカレンダーを手にしながら「今年は写真集も発売させてもらいましたが、初めて尽くしで今年はうれしいことでいっぱいです」と満面の笑みを浮かべ、「3月はリビングで撮りましたが、水も滴るショットで今日も競泳水着を着てきました。普段ならソファーでやる女の子座りを床で頑張ってやったんです。他には制服の写真があったり、大人っぽくアンニュイな感じのショットもあったりと、私的にはすごく気に入っているカレンダーです」と紹介。サイズはB3とビッグサイズで「思ったよりも大きいですね。本当ならトイレに飾って欲しいんですけど、このサイズだとトイレが狭く見えちゃうかも(笑)」としつつ、「佐々木家はエアコンの下に飾ります。広いお部屋やリビングに飾って欲しいですね」とファンにアピールした。残り1カ月半を切った2023年はレースクイーンの活動に加え、初めての写真集やカレンダーをリリースするなど大活躍の1年だった佐々木。「やっぱり写真集が大きかったですね。カレンダーと同じ宮古島で撮影したんですが、本当に楽しかったしファンの方も喜んでくれたモノを世に残せたので良かったと思います。ドラマの撮影とか今までやったことのないジャンルのお仕事にも挑戦できました」と充実した表情で、「来年はもっと飛躍出来たらと思います。プライベートも充実させながらお仕事をもっともっと頑張りたいですね」とさらなる活躍を誓っていた。
2023年11月20日フラワーガーデン「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」のクリスマスイルミネーションが、2023年12月1日(金)から12月25日(月)まで開催される。「練馬区立 四季の香ローズガーデン」2023年クリスマスイルミネーション「バラの香り」をテーマに園内で様々なバラを展示している「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」。毎年恒例となっているクリスマスイルミネーションでは、温かい光が夜のバラ園を彩る様子を楽しむことができる。温かなオレンジ色の光と冬ならではの花期間中は、温かいオレンジ色のイルミネーションが園内を彩る。光の天井、優しい灯りのクリスマスツリー、子どもたちに人気のウサギやクマなどの動物をモチーフにしたオブジェなどを設置し、クリスマス気分を盛り上げる。また、「色彩のローズガーデン」には、ホワイトクリスマスをイメージし、白を基調としたフォトスポットが出現。冬ならではの草花と共に、記念撮影が可能だ。クリスマスコンサートやポインセチアの販売会などさらに、クリスマスのギフトやお正月の飾り物としてもおすすめなポインセチアやシクラメンの花鉢販売会や、武蔵野音楽大学の木管五重奏団によるコンサートなど、様々な企画も用意する。期間中の土日は19時まで開園時間を延長なお、期間中の土・日曜日は、特別に開園時間を19時まで延長。普段は閉まってしまう時間帯の夜の園内にて、クリスマスイルミネーションをゆっくりと堪能できる。【詳細】「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」クリスマスイルミネーション開催期間:2023年12月1日(金)~12月25日(月)休園日:毎週火曜日時間:平日 16:00~17:00、土日 16:00~19:00場所:練馬区立 四季の香ローズガーデン「香りのローズガーデン」入園料:無料【施設情報】練馬区立 四季の香ローズガーデン「香りのローズガーデン」場所:東京都練馬区光が丘 5-2-6営業時間:9:00〜17:00休園日:毎週火曜日(火曜日が祝休日にあたる場合、その直後の祝休日でない日)および年末年始(12月29日~1月3日)
2023年11月04日2023年の岸谷香のライブ活動は実に多彩で濃密だ。2月には荻野目洋子と藤巻亮太をゲストに招いて『岸谷香感謝祭』を開催し、6月にはスガシカオ、馬場俊英、miwaとの弾き語り形式のツーマンツアー『2人ぼっちの大パーティー』を開催。それぞれ、ここでしか観られない素晴らしいコラボレーションが実現した。この他にも『The Unforgettable Day 3.11-2023-』『LuckyFes’23』『TOKYO GUITAR JAMBOREE 2023』など、さまざまなフェスやイベントにも参加している。さらに9月9日からは弾き語りツアー『KAORI PARADISE 2023』がスタート。そしてそのツアー終了後の11月24日からはUnlock the girlsでのバンドツアー『Kaori Kishitani Live Tour 2023 “56th SHOUT!”』も控えている。デビューから40年近くたった今もなお、新たな挑戦を続けている彼女の音楽への情熱はどこから来るのだろうか?主催イベントやライブについての思い、バンドツアーに向けての抱負、今後の展望などについて、話を聞いた。――2023年はライブ三昧の年になっています。しかも『岸谷香感謝際』や『2人ぼっちの大パーティー』など、岸谷さん主催のコンサートも数多く行っています。ライブの主催には、かなりの労力、エネルギーが必要だったのではないですか?『2人ぼっちの大パーティー』は準備があまりにも大変すぎたので、最終日本番前には「当分はいいかな」と考えていました。でもすべてのステージが終わった瞬間に、“なんて楽しかったんだろう!”と思いました。なので、毎年というわけにはいきませんが、3年に2回くらいのペースでやれたらいいなって考えています。ツーマンって、ワンマンとは違うおもしろさがありますね。――というと?対バン相手のステージを観に来たお客さんもいるわけじゃないですか。そういう方々にも、いいステージをお見せしたいという気持ちが強くなるせいか、ツーマンでは不思議なパワーが出るんですよ。スガさん、馬場さん、miwaちゃんのステージも素晴らしかったですし、貴重な経験になりました。スガさんとのツーマンでは、あだ名まで付けられました。――どんなあだ名ですか?“ブルドーザー”ってあだ名を付けられて、スタッフにも大ウケでした(笑)。――岸谷さんが情熱を持ってツーマンに臨んでいたから、そんなあだ名が付いたのではないですか?どうなんでしょう。いろいろな意味があるような気がしますが、命名者に聞いてみないとわかりませんね(笑)。――あだ名を付けられるって、同級生同士の共演ならではですよね。そういうところも楽しかったですね。馬場さんとは「人生という名の列車」を一緒に歌うこともできましたし、miwaちゃんとは世代が違うからこその楽しさを感じました。――さまざまな形態でのライブを精力的に行ってきています。これは意図しての展開なのですか?今年に関しては、“私のできることを全部並べました”という感じでやっています。まだ発表されてないスケジュールも含めて、本当にいろいろな形でライブをやっている実感があります。――ライブへのモチベーションが高いのは、どうしてなのでしょうか?コロナでライブを出来ない時期があったことが大きかったんだと思います。ライブを行うために必要なものを貯金する期間になりました。ピアノを練習する時間もありましたし、ライブアレンジ、曲の構成、演出など、ライブに必要なことについて、突き詰める時間になりました。ライブができない状況があったので、ピアノの弾き語りをYouTubeで定期的に配信した時期もあって。「あの曲をやって」「この曲をやって」って、私の想像が付かないような曲を視聴者がどんどんリクエストしてきたんですよ。――かなりたくさんの曲を生演奏されたんですよね。そこで再発見したこともたくさんありました。「えっ、この曲、やったことないよ」と言いながら、弾き語りでやってみたら、意外とおもしろい曲もあったんですね。そこからさらにアレンジを突き詰めて、弾き語りツアーのセットリストに入れた曲もいくつかあります。YouTubeでリクエストされなかったら、おそらく弾き語りでやることはなかったので、“無駄なことってないんだな”って思いました。あとは、ライブの構成や流れについて考えるようになって、よりライブが楽しくなったところもありました。実際のライブで活用できるくらい、ライブをやるために必要な能力の貯金が貯まったタイミングだったんじゃないかと思います。ついにその貯金を使うぞー!って(笑)。――ライブに必要な能力って、ステージで歌って演奏するだけでなく、ライブをトータルで表現していく能力ということでしょうか?そうですね。ここに来て、その楽しさを知ったという感じですね。大きかったのは弾き語りツアーなんじゃないかな。弾き語りって、ひとりで演奏して歌うことだけではなくて、アレンジを新たにゼロから作りあげる作業もあるし、流れを考える作業もあります。これがなかなか難しいという。――どういうところが難しいのですか?自分では、“こんな風に聴こえてほしい”と思って演奏したとしても、他人にそう聴こえるかどうかは別問題であるところですね。自分のイメージを主観的に追求することと観客の視点で客観的に判断することを両立させなきゃいけないので、その判断力を養う必要があります。――デビューから40年近くたった今も、さらなる成長を目指しているところが素晴らしいです。この1年で“自分がどんなミュージシャンなのか”を思い知ったことも、大きかったと思います。例えば、miwaちゃんとのツーマンで、何が一番のプライオリティーかということでは、miwaちゃんは「歌」と言ってましたが、私は歌ではないんですよ。馬場さんは「歌詞をしっかり表現したい」って言っていたけれど、私は歌詞へのこだわりはそこまでではないし。スガさんはスガさんで、私がどうやっても思いつかないようなコード進行を作る才能を持っていらっしゃるし。他のミュージシャンと共演することで、自分に足りない部分を思い知らされました。――岸谷さんは作曲・アレンジ・プロデュースへのこだわりを強く持っている印象を受けます。曲作りもアレンジも好きですし、プロデュースも好きですね。一時期、“私はプロデュースにあんまり向いてないな。自分のことしか考えられないタイプだな”って思っていたんですよ。でも最近になってイベントを主催する機会も増えてきて、やっぱりプロデュースするのが好きだなって再認識しました。――Unlock the girlsを組んでからは、バンドのプロデューサーという役割も担っていますよね。自分とは全然違う音楽を聴いてきた子たちと一緒に音楽を作るのは、とても楽しいです。みんなと一緒に曲を作る時に思っているのは、それぞれが持っているものをそのまま出してほしいということ。それぞれのメンバーから出てくるものをまとめる作業は大変かなと想像していたんですが、やってみたら、意外とできるものだなと思いました。今年からコンサート制作の経験豊富なプロデューサーが新たにチームに参加してくれたこともプラスになっていると感じています。――ブラスになっているのは、どんなことですか?そのプロデューサー、私の曲を全然知らないんですよ(笑)。せいぜい代表曲を何曲か知ってるくらい。でもそこもいいというか。私の曲を知らない人がどう感じるかは重要なことですし、客観的かつ的確に指摘してくれるので、とても参考になっています。弾き語りツアーなどで地方に行くと、「Diamonds<ダイアモンド>」と「世界でいちばん熱い夏」と「M」くらいしか知らないお客さんがたくさんいるんですが、そのプロデューサーが「いい」と言ってくれたら、そういう人たちにもちゃんと届くんだろうなって思えるようになりました。――来た人全員に届けるためには、構成や流れも重要な要素になるんですね。ある意味、「M」や「Diamonds<ダイアモンド>」の扱いって、とても難しいんですよ。これらの曲を何十年もやってきている側からしてみると、「『M』が良かったです」って言われることも、もちろんうれしいんですが、それだけじゃ困るというか。「今の岸谷香の音楽もいいね」「初めて聴いたあの曲、いいね。CD探してみようかな」って、他の曲にも興味を持ってもらいたいじゃないですか。――ミュージシャンとしては当然の思いですよね。私は“懐メロおばさん”みたいになるのはイヤだから、いかに昔の曲がコンサートの目玉にならないようにするか、いつも考えているんですね。そこでプロデューサーの指摘がとても参考になっています。なので、プロデューサーをリハーサルスタジオにお呼びして、通して聴いてもらって、「私はこういう意識でやっているけれど、そう聴こえますか?」と確認するようにしています。「だったら、この曲は入れ替えたほうがいいね」「ここはこういう照明の演出をすれば大丈夫」といった感じで、プロデューサーの意見を参考にしながらコンサートを組み立てています。――実際のコンサートで、そうしたやり方の成果を感じていますか?明らかな違いがありますね。その日のライブの舵を自分が取っているという実感があるんですよ。弾き語りは要素が少ないので、出発地点はいつもほぼ一緒なんですが、これまでは“その日の潮の流れによって行き先も変わるし、どこに到着するかわからない”という意識でやっていました。でも客観的な視点を意識するようになってからは、潮や風の流れによって迂回することもあるけれど、到着地点は常に一緒というライブができるようになってきました。その日のステージの出来が良くて、たまたま感動してくれたのではなくて、“感動してもらえるように組み立てているのだから、感動は必然”という風に意識も変わってきました。――客席の反応をコントロールすることも重要なんですね。以前はいかに大きな声援と拍手をもらうかということばかりを考えていましたが、客席に求める反応って、それだけじゃないなと気がつきました。例えば、ここはじっくり聴き入ってもらいたいから、拍手はいらないという場面でパラパラと拍手が来たら、舵を取れていないんですよ。そういう場面では拍手をさせないやり方が必要になります。これまでは行き当たりばったりでやっていたことでも、今は自分がイメージしたとおりのステージをできるようになってきました。――近年の岸谷さんの弾き語りのステージを観ていて感じるのは、1曲1曲の歌が深く染みてくるということです。流れ以外のことで、ステージにのぞむ意識で変わってきたことはありますか?弾き語りって、ひとりでやっているわけだから、個人的なメッセージを伝える意味あいもあると思うんですね。そうした時に、これまでの人生で感じたことを包み隠さず音楽で表現できたらいいなって思うようになってきました。例えば、大切な友達が亡くなってしまって感じたこと、命の尊さやその人が生きていた証しのかけがえのなさなど、素直に歌に込めて届けたいなって。もちろんライブってエンターテインメントだから、暗くなりすぎるのは違いますが、弾き語りだったら、そうしたテーマでも自然にさらっと歌うこともできるし、しっとりと届けることもできるし、ニュアンス豊かに表現できるところが魅力だと感じています。――弾き語りって、奥が深いですね。弾き語りのライブを観に来る人って、ハッピーになりたい人ばかりじゃないと思うんですよ。泣きに来る人もいるかもしれないですし、いろいろな瞬間があっていいのかなと考えています。幸いなことに私の曲って、基本的に明るいものが多いので、弾き語りで賑やかな気分になったり、しんみりしたり、いろいろな場面を作れるんじゃないかなと思っています。“新譜が出たから、新譜を中心にやります”ということではなくて、最近はコンサートの核になるものはなんなのかを意識するようになりました。――コンサートの核になるものって、どのようなものですか?その時々に歌いたいこと、届けたいことのファーストイメージ、テーマみたいなものを探し出して、そのイメージに沿って構成するようになってきました。今年、バート・バカラックが亡くなったじゃないですか。“今の私があるのは、バート・バカラックを始めとするさまざまな音楽家から影響を受けたからだ”という発想からストーリーを作って選曲したりもしています。バート・バカラックのことを思って書いた曲は、セットリストからはずれたんですけど、自分のスタート地点を意識するところはありますね。今年のライブの選曲で、スタッフから言われるまで気がつかなくて、びっくりしたことがありました。――それはどんなことですか?「今年はPRINCESS PRINCESSのオンパレードみたいだね」って言われたんですが、確かに多いんですよ。それもみんなが大好きなPRINCESS PRINCESSの曲ではなくて、ソロになって初めてやるPRINCESS PRINCESSの曲もいくつかあって。おそらく私が今年作りたかったシーンとPRINCESS PRINCESSの曲がたまたま合ったんだと思います。それらの曲をやるのがとても新鮮で楽しかったです。――例えば、どんな曲ですか?PRINCESS PRINCESSの再結成の時に初めて5人でやった「I LOVE YOU」とか、解散前に1回もステージでやっていない曲とか。選曲する時点でPRINCESS PRINCESSの曲かどうかを意識する必要はないな、その時々にやりたい曲をやるのがいいなって思うようになりました。――11月24日からバンド編成でのツアー『Kaori Kishitani Live Tour 2023 “56th SHOUT!”』が始まります。数字と“SHOUT!”という言葉が付いたツアーが最初にスタートしたのが2014年で、“47th SHOUT!”からでした。そもそもこういうタイトルにしたのはどうしてなんですか?新譜のないツアーだったので、“ツアータイトルを考えるのもめんどうだな。きっとこの先もずっと歌っていくだろうから、年齢でいいんじゃないかな?”っていうノリで、“47th SHOUT!”と付けて始めたら、いつのまにか50も越えて、56になっていました(笑)。――コロナ禍での中断はありましたが、ほぼ毎年の恒例のツアーとなっています。弾き語りとバンド編成というふたつの異なるツアーがあることで、観客もさまざまな楽しみ方ができますよね。基本的には弾き語りツアーは“KAORI PARADISE”、バンド編成でのツアーは“SHOUT!”で統一しています。ゆっくり座ってじっくり聴きたい、泣きたいという時には“KAORI PARADISE”、スカッとしたい時には“SHOUT!”に来てもらったら、観る目的が達成されるのではないでしょうか(笑)。ツアーが2種類あるおかげで、すべてを網羅する必要がなくなったので、構成を考えやすくなりました。“KAORI PARADISE”ではPRINCESS PRINCESS時代の曲が多めになることもあると思いますが、“SHOUT!”は、今の私の音楽、56歳のシャウトを楽しんでもらいたいですね。――ツアータイトルに年齢の数字が入っているのは、その時々のリアルタイムの音楽をやっていることの証しでもあるわけですね。そう考えています。56歳のシャウトが47歳のシャウトと同じになっちゃったら違うだろうし、今年は今年のシャウトになると思います。CDでリリースしていない新曲もやる予定です。――ツアータイトルの中に年齢という数字が入ることで、リスナーの人と一緒に年を重ねて併走しているというニュアンスも出てきそうですね。一生のファンみたいな人もいるでしょうしね。年齢をカウントすることで、この年はこうだった、あの年はこうだったって、自分の歴史と重ねやすいところはあると思います。――バンド編成のライブの魅力って、どんなところにあると考えていますか?エレキギターの楽しさに尽きますね。リハーサルで、エフェクターを踏んで、エレキギターのあの音色が響くだけで、テンションが上がりますから(笑)。自由度の高さもバンドの楽しさの1つですね。例えば、途中まで私がピアノを弾いて、間奏を入れて途中でギターに持ち替えて、私とYukoのツインギターで演奏するのもありですし。その場で出てきたアイディアを実行するのが楽しいです。――Unlock the girlsを結成して約6年とのことですが、変わってきたことは?どんどんバンドになってきていますよね。スタート時点では、Yuko・HALNA・Yuumiの3人と私とでは、年齢もキャリアも聴いてきた音楽もまったく違ったので、対等の関係になれるかどうか、それぞれ不安もあったと思うんですよ。でも今はみんな、機嫌が悪かったら、遠慮せずにそのまま機嫌の悪さを出すようになってきました。そうそう、バンドってこういうことだよねって(笑)。音楽的にもこの4人で演奏したら、こうなるなってイメージできるようになってきました。――バンドのオリジナリティーが確立されてきたということなのでしょうね。バンドになったとしか言いようがないですね。誰かが誰かに合わせるのではなくて、それぞれが自分のやりたいように演奏した結果、バンドの音になっているのが理想なんですよ。その境地に近づいている実感がありますね。一緒に曲を作ったり、ライブをやったり、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブを観に行ったり、みんなで集まってYouTubeのライブ映像を観たり。楽しいことも共有できているのが大きいですね。3人ともいろいろなところに出て行って演奏する機会があるんですが、“ホームは楽だな”って感じてくれたらと思っています。――バンドになったなと実感したのはどんな瞬間ですか?あるライブのリハの時にHALNAが「アンコールの曲の後奏、レッチリのあれにしちゃおうよ」と提案してきて、「いいね」「やろうやろう」とすぐに決まり、HALNAが本番でフリーの振りまで真似して、大ウケした瞬間ですね。観ている人たちはポカンとしたかもしれませんが、バンドって、たまには内輪ウケがあってもいいんじゃないかなと思います。――バンドの楽しさって、そういうところにもありますよね。ツアーでは新曲を披露する予定とのことですが、新曲の曲作りはどんな感じで進んだのですか?みんなで飲んでいる時に、「シャッフルの曲がないから、あるといいよね」「マイナーの曲もないから、やろうよ」って話していたんですよ。最初は「私はマイナーの曲は書かないんだよね」って言っていたのですが、他のメンバーがこれまでマイナーの曲を多くやってきたこともあり、「じゃあ作るか」ということになりました。その後、私が大本の音源を作り、その音源をもとにして、メンバーがちょっと変えてデモテープを作り、そこからさらにみんなで話しながら作っていったら、どんどん曲が良くなりました。――そうした作り方はバンドならではなんでしょうね。バンドっておもしろいなと思いました。今はすっかりライブモードになっているので、レコーディングもリリースの時期も決まっていませんが、ライブが一段落したら、作品作りをしたいですね。――バンドツアーは“56th SHOUT!”となるわけですが、今の時期について、どう感じていますか?いい時期だなと感じています。今が収穫期ですね。今まで一生懸命種をまいて育ててきて、音楽の果実を収穫している感覚があります。私はPRINCESS PRINCESSを解散して奥居香になって、その後、岸谷香になり、しばらく子育てでお休みして、名前がコロコロ変わったので、若い音楽ファンからすると、「あんた誰?」の極地だと思うんですね。Unlock the girlsでのバンド活動も始めて、ここ数年でやっと岸谷香としての音楽活動が落ち着いてきたかな、この時期を楽しみたいなという心境になっています。――収穫期とのことですが、収穫すると同時にまた種をまいているのではないですか?植物も花が咲いて、実がなって、その実が地面に落ちて、また種になったりするじゃないですか。音楽もそういう、いいサイクルでやっていけたらと思っています。――2024年にはデビュー40周年を迎えます。実感はありますか?40周年と言っても、私はほとんど10年は休んでいるようなものだから、中身は30年くらいの感覚ですね。だから今の私のミュージシャン年齢は46歳(笑)。周年にはまったく興味がないんですが、スタッフは周年が好きなので、今後、いろいろな展開があるかもしれません。私としては今年、自分ができることを全部並べたという意識があって、その流れが2024年頭まで続くイメージですね。2022年の年末に『KAORI PARADISE 2022 年末スペシャル』ということで、ビッグバンドと共演するステージを3本やったんですね。そのステージがとても楽しかったので、2024年の初めに再びビッグバンドと一緒にやる予定です。これまでにフルオーケストラとの共演はあるんですが、ビッグバンドとは、PRINCESS PRINCESS時代に、六本木PIT INNというライブハウスで遊びで1回やっただけだったんですよ。――これまで共演してことなかったのはどうしてなのですか?私は弦楽器には馴染みがあるんですが、管楽器ってほとんど馴染みがなかったんですよ。管楽器って、ジャズやブルースやR&Bを通っていないと、わからないところがあると思っていたから。私はブラックミュージックをほとんど通らないまま、ここまで来ちゃったので、“管楽器は得意じゃないな”という意識がありました。でも私の曲って基本は明るいし、ロックンロールもあるし、実は結構管楽器が入っているんですよ。友達のミュージシャンから「ビッグバンドとやってみない」と声をかけられて、やってみたらとても楽しかったんですね。なのでもう1回やりたいと思い、おそるおそる「また一緒にやってもらえますか?」と聞いたら、みなさん、快くOKしてくださって、再び共演できることになりました。最近の若いミュージシャンのやっているビッグバンドって、女の子たちもたくさんいて、次にやる時にも女の子が二人入る予定なので、今から楽しみです。ここに来て、また新たな音楽の楽しさと出会えました。――年々、音楽表現の幅が広がっているということですね。2024年も感謝祭をやる予定ですし、バンドでのツアーもやりたいし、弾き語りの一人旅もやりたいと思っています。何人か分のミュージシャン人生を一人で体験しているようで、とても欲張りに生きている気がします。“全力で仕事して全力で遊ぶ”というのが、2023年の私のモットーなのですが、実際に今年はおおいに働き、おおいに遊んでいます。――これだけ多種多様なライブ活動をやりながら、遊びも充実させるところが素晴らしいですね。大きな仕事が終わった翌日には「さらば!」って、さっさと日本を出国したこともありますね(笑)。子どもたちも大きくなったし、そういう過ごし方が私にとっては、いちばんハッピーなんですよ。ライブで放電した後には、いろいろな刺激を受けて充電することも必要だと思っています。海外にライブを観に行くことは私にとって最高の充電の1つですね。――岸谷さんの音楽活動、さらに自由自在になっているという印象を受けます。若い頃って、“自分はこういうミュージシャンだから、こういうことをしたらおかしいだろう”と、自分で自分を枠にはめてしまうところもありました。でも今は“何をやってもいいかな”と思うようになりました。死ぬまでに世界各国のいろいろな料理を食べておきたい、みたいなノリに近いのかな。やったことのないことをやっておきたいんですよ。やってないことって、まだまだたくさんあるので、楽しみは尽きないだろうなと思っています。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<公演情報>Kaori Kishitani Live Tour 2023 ”56th SHOUT!”11月24日(金) 名古屋BOTTM LINE開場18:15 / 開演19:0011月25日(土) 大阪BIGCAT開場16:15 / 開演17:0012月3日(日) 東京日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:0012月9日(土) 福岡トヨタホールスカラエスパシオ開場16:15 / 開演17:00チケット料金:全席指定8,500円(入場時ドリンク代が必要)()岸谷香 公式サイト:
2023年09月19日日本香堂のお香ブランド「セントスケープ(Scentscape)」から、2023年の新作として「りんご&金木犀」や「抹茶ラテ」などが登場。日本香堂の「セントスケープ」から秋冬の新作お香「セントスケープ」は、「移りゆく季節とともにカラフルに広がる“香り(scent)と景色(scape)”」をテーマにしたお香ブランド。2種類の香りを独自に掛け合わせた「今、聞きたい」(=その香りをゆっくりと味わうこと)香りを展開している。新作では、秋冬に旬を迎える果実に相性の良い⾹りを掛け合わせた「りんご&金木犀」「ペア―&ホワイトムスク」「柚子&ベルガモット」の3種類、落ち着きのあるウッディ調をベースにした「ゼラニウム&ヒノキ」「ウード&バニラ」、温かい飲み物に⽢いミルクを掛け合わせた「カフェモカ」「ミルクティー」「抹茶ラテ」の8種類を展開。各香りの心象風景をイメージしたグラデーションカラーに彩られたパッケージは、お香入れとしても使える設計だ。インテリアに取り入れやすいのが嬉しい。<香りのラインナップ>りんご&金木犀:甘酸っぱいりんごとすっきりとした金木犀のフルーティーフローラルの香りペア―&ホワイトムスク:ホワイトムスクとみずみずしく甘いペアーが織りなすフルーティームスクの香り柚子&ベルガモット:柚子とベルガモットが爽やかに煌めくグリーンシトラスの香りゼラニウム&ヒノキ:華やかなゼラニウムと清涼感のあるヒノキのフローラルウッディの香りウード&バニラ:香り深いウードに温もりあるバニラが心地よく包むウッディアンバーの香りカフェモカ:ミルクたっぷりのエスプレッソにカカオを添えたカフェモカの⾹りミルクティー:濃いめの紅茶にスチームミルクをふんわりのせたミルクティーの⾹り抹茶ラテ:上品な抹茶に⽢いミルクが溶けこむ濃厚な深みのある抹茶ラテの⾹り【詳細】セントスケープ 秋冬新商品発売日:2023年8月1日(火)希望⼩売価格:1,650円(全種共通)お香サイズ:約140mm、1本あたりの燃焼時間:約25分、内容量:約32g■取扱い店舗香十 盛岡店、香ぎゃらりぃ(大丸東京店、小田原店、名古屋三越栄店、松坂屋静岡店、芦屋モンテメール店、ラシック福岡天神店、博多阪急店)、フレグラボ 星ヶ丘三越店、全国の雑貨店、お香ショップ、銀座蔦屋書店
2023年09月02日「筆文字アート×コーチングの伝道師 岩本 香」(奈良県、代表:岩本 香)はこの度、「ラジオ放送局 ゆめのたね」で放送される「となりのみなみさんと「はなそ!」」(関西チャンネル、毎週水曜日 12:00-12:30、パーソナリティ:みなみ ゆみ)に出演いたします。「となりのみなみさんと「はなそ!」「筆文字アート×コーチング」の伝道師 岩本 香は、長年の保育教諭勤務の経験を活かし、子どもだけではなく、女性の活躍を応援し、すべての人が輝ける未来に向かえるように筆文字アーティストとして×コーチとしての想いをラジオ放送局のゆめのたねでお話させていただきます。詳細: ■番組情報ラジオ放送局 ゆめのたね「となりのみなみさんと「はなそ!」」関西チャンネル 毎週水曜日|12:00~12:30 放送パーソナリティ:みなみ ゆみ岩本 香出演<全4回>9月6日 (水)12:00-12:309月13日 (水)12:00-12:309月20日 (水)12:00-12:309月27日 (水)12:00-12:30■筆文字アートについて筆文字アートとは、筆ペン、カラー筆ペン、パステルなどを使って、気軽で誰でも書(描)けるアートです。岩本自身、幼少期は絵を書(描)くことが苦手でしたが、筆文字アートに出会い、自身が書いたキャラクター「にこ(ニコ)ちゃん」が誕生しました。自分の分身であり、誰でも書(描)ける「にこ(ニコ)ちゃん」を通じて、表現をしていく活動をしています。ラジオでは岩本が筆文字アートに出会ったきっかけや、コーチングと出会い救われ、その想いを全ての方に伝えていきたいという想いをお話させていただきます。筆文字アート(1)筆文字アート(2)■岩本 香子どもが大好きで、小学校の時に保育職の仕事がしたいと思い、保育職に就く。町の公務員として約30年間で保育職、教育委員会、子育て支援センターに勤務する。教育委員会に配属した時には、社会教育主事を取得。生涯学習講座を担当し、子どもから高齢者の方が生きいきと楽しく学習できるよう講座内容を6年間で100講座、計画・運営し好評を得る。教育委員会から保育職に戻った時に、みんなのために何ができるのだろうと考えていた時に、コーチングを学ぶ。コーチングを通じて、みんなの支えになりたい!!と考え、現在は保護者支援や後輩の育成を行い、心に寄り添える保育者を目指している。そのコーチングを学んでいる時に、筆文字アートに出会い、筆文字アーティストとしてみんなの心を癒したいと思い、毎日Instagramで発信している。<経歴>保育教諭勤務WWFA認定 プロコーチ筆文字アーティスト筆文字セラピスト(R)■「筆文字アート×コーチングの伝道師 岩本 香」概要代表者 : 岩本 香所在地 : 奈良県橿原市山之坊町1URL : Facebook : Instagram: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月01日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「フェムケアアイテムの選び方」。自分に合うフェムケアアイテムを選ぶためには?中元日芽香さんと一緒に『Biople』の店舗を訪れ、ポイントを伺いました。デイリーケアに注目すれば心身の状態は変わっていく。フェムケアアイテムを数多く取り揃えている『Biople』。お話を伺ったBiople企画/コンシェルジュトレーナー・中條直子さんによれば、初めてフェムケアアイテムを買いに訪れる人が増えているそう。「初めての方へのおすすめは、デリケートゾーンのデイリーケアアイテム。ボディソープではなく、デリケート部分専用のソープで洗うなど、日々のケアにプラスするだけで気になる不快感の対策として、体を心地よい状態に保つことができるので試してほしいです」フェムケアアイテムにハードルの高さを感じるという人は、ホルモンバランスを整えてくれるハーブティーやフードなど手軽なものから取り入れるのもおすすめだ。「“これがいい”というのは人それぞれ。ライフスタイルなどによって異なるので、まずは試すことから。肌荒れや、眠りが浅いといった悩みを抱えるお客様をカウンセリングする際、ホルモンバランスに話題が及ぶと『そういえば、生理周期が乱れているかも』と初めて気づく場合も多いんです。アイテムを生活に取り入れることが、ご自身の体の状態と向き合うきっかけになるよう願っています」中元さんが気になった商品はコレ!女性に必要な栄養素を手軽に摂れる人気商品!【VEGE KITCHEN】Beauty Snacking ドライなつめ「鉄分や葉酸、食物繊維も摂れて、おいしく栄養補給できるのがうれしい。小腹がすいた時にサクッと食べられるのもいいですね。ダントツ人気という理由もうなずけます」(中元さん)。20g¥453デリケートゾーンの乾燥対策に【NaturaMoon】デリケートケアローション「とろみがあるのに、サラリとしたつけ心地。フェムケアグッズを買う時は、香りが好みかどうかを重視しているのですが、これは優しい香りで、とても気に入りました」。120ml¥1,980ハーブの力で女性特有の不調を緩和【HERBORISTERIE】タンチュメール for woman「ハーブの浸出液を、水に溶かして飲むだけという手軽さに惹かれました。インナーケアは初心者ですが、続けやすそう。体の外側だけでなく内側からのケアにも気を配りたいです」。30g¥3,024月の周期に合わせた4種類のハーブティー【SONNENTOR】ビューティフル マジックムーンティー「ネットで見かけて気になっていました。月のリズムに合わせてブレンドされたお茶が4種類入っているので、体調管理に気を配るきっかけによさそうだと思いました」。28袋入り¥1,512すべてビープル TEL:03・5774・5565Biople 三軒茶屋店東京都世田谷区三軒茶屋1‐33‐15‐1FTEL:03・6450・7341 11時~20時中條直子さんBiople企画/コンシェルジュトレーナー。2005年入社。企画担当として、ビープルなどのオーガニック商品セレクトを担当。コンシェルジュトレーナーとして、店舗でカウンセリングを行うことも。なかもと・ひめか1996年4月13日生まれ。2012年、乃木坂46メンバーとしてデビュー。現在は心理カウンセラーとして活動。ananフェムケア委員会メンバーとして誌面にもたびたび登場。ブラウス¥13,200(nee mee/nee meeカスタマーセンターec@shop-neemee.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年7月19日号より。写真・水野昭子スタイリスト・岡安幸代取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2023年07月15日岸谷香が主催する弾き語り形式のツーマンツアー『ふたりぼっちの大パーティー』、6月18日の東京公演の対バンゲストはmiwaである。ふたりはこれまでも、テレビの音楽番組やイベントで何度も共演している。近年の共演は、2022年8月に山形で開催された、武部聡志プロデュースのコンサート「TIMELESS SESSIONS in 山形 2022」だった。岸谷がピアノを弾き、miwaがPRINCESS PRINCESSの名曲「M」を歌う貴重なコラボレーションも実現。これまでの共演の積み重ねが今回のツーマンにつながった。弾き語りに情熱を持って向き合ってきたふたりの対談。世代こそ違うが、たくさんの共通点が浮上した。たとえば、「母親の手作り弁当」や「リビングでの楽器練習」。ふたりの音楽の源泉は近いところにありそうだ。コラボレーションへの期待がさらに高まる対談となった。――岸谷さんがmiwaさんをツーマンライブに誘った経緯を教えてください。岸谷バンド時代に、いろいろやりつくした気がしていたんですが、ひとりで音楽活動を再開してから、やりたいことがどんどん増えてきたんですね。50歳を越えてからイベントをやるようになり、“コラボっておもしろいな”と思うようになりました。“世の中にはツーマンという形式があるらしい”と聞きつけて、弾き語りのコラボって、そんなにないから、おもしろいんじゃないかなって。去年、武部聡志さんの山形のイベントに呼んでもらった時に、miwaちゃんとコラボさせてもらったんですが、その時に、miwaちゃんが歌ったユーミンの「Hello, my friend」のカバーがとても良くて。『FNS歌謡祭』でも、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」を気持ち良さそうにギターを弾きながら歌っていたなとか、いろいろと思い出したんですね。miwaちゃんとコラボできたら、おもしろいんじゃないかなって。世代も違うし、出てくれるかどうかわからないけれど、聞くだけ聞いてみようと、スタッフにご相談したのが経緯です。――miwaさんは、岸谷さんからの誘いがあって、どう感じましたか?miwa『FNS歌謡祭』や武部さんのイベントなどで、何度かセッションさせていただいたことはありましたが、ツーマンライブに、しかも、大事な東京公演にお誘いしていただいたのが、とても光栄でした。山形で一緒にセッションさせていただいた時はライブ配信があり、画面越しに見てくださった方も含めて、世代を越えて反響があったんです。今回、こうして誘っていただいたということは、岸谷さんの中でも、悪い思い出ではなくて、いい思い出にしていただけているのかなと思いました。岸谷とてもいい思い出ですよ。miwa私自身、山形のイベント、リハーサルから和気あいあいとしていて、とても楽しかったんです。武部さんと親しいミュージシャンが集まっていて、それぞれ楽器を弾くメンバーだったので、武部さんを介して、みなさんと仲良くやれたのがうれしかったです。岸谷あの時、武部さんが掲げていたテーマは、“楽器を弾く人たち”だったんですよ。その前年度は、“ザ・シンガー”がテーマとのことでしたが、楽器好きが集まったのも、良かったなと思います。――山形のイベントでは、一緒に「M」をやられたんですよね。miwaそうなんですよ。なんと岸谷さんがピアノを弾いてくださって、“えっ、私が歌っていいんですか?”って(笑)。私の歌に合わせて伴奏してくださってることが夢みたいで、信じられないような時間でした。歌い始める時も、私のほうを見て、合わせてくださって。多分、岸谷さんはご自分で弾き語りする時は、間のことなんか考えず、自分のタイミングで弾いて歌われていると思うので、大変恐縮しつつも、“幸せだな、なんて贅沢なんだろう”と思いながら歌っていました。岸谷いえいえ(笑)。私は歌手の伴奏をするのが好きなのね。自分も歌手だけど、シンガーって、人それぞれ個性があるので、こんな楽しいことはなくて。自分自身、歌いながら弾くから、手が歌についていくことを知っていて、歌われると、必然的に手はついていくようになっているのね。ふたりでひとつのことをやっている感じが、とても楽しくて大好き。miwaちゃん、歌がとても素直でストレートだから、主人公が想像できるんですよ。miwaちゃんの歌う「M」の主人公って、私とは違って、いい子なんだろうなって思いながら演奏していました(笑)。とても良かったです。miwaありがとうございます。岸谷アーティストって、歌への興味が強い人、楽器への興味が強い人、いろいろなタイプがいるけど、両方への興味を持っているという意味では、似たところがあるかもしれない。音楽って、なかなか孤独なものだから、共有するチャンスって、そうはないんだけど、伴奏している時は、共同作業という感じがしました。“一緒に”という感覚が貴重だし、楽しかった。――これまで何度も共演されていますが、印象に残った会話はありますか?miwa『MUSIC FAIR』でご一緒させていただいたことがあるのですが、リハーサルが終わった時に、廊下で話をさせていただいて、「実家に住んでいて、母親が作ったおにぎりやお弁当を持ち歩いています」とお話ししたら、岸谷さんが「同じ~!」っておっしゃって、「えー、同じですか!」って(笑)。岸谷思い出しました。「私もPRINCESS PRINCESS時代、そうだったんだよ」という話をしたよね。同じような感じなんだなという印象がありました。世代はまったく違うけれど、miwaちゃんとは、同じような感じがする瞬間があります。miwa私はその時、“この話で初めて共感してもらえるアーティストの方に出会えた!”って思いました(笑)。岸谷なかなかいないよね、家からお母さんの作ったおにぎりを持って、取材に行く人なんて(笑)。miwa母親がPRINCESS PRINCESSの大ファンで、山形のイベントを観て、とても感激してました。「うらやましい!」って(笑)。子どものころも、母がPRINCESS PRINCESSの音楽を聴いていたので、自然に耳に入ってくる環境でした。――おふたりとも、音楽活動の柱のひとつとして弾き語りをされています。弾き語りの楽しさと難しさについて、どう感じていますか?miwa私は今、弾き語りのツアー中(※5月で終了)なんですが、流れで始まらない感じが怖いなって感じています(笑)。バンドがいる時は前奏が始まってから、私の歌が始まることが多いので、流れでライブがスタートする感じがするのですが、弾き語りは私が弾き始めるまでライブが始まらないじゃないですか。ライブを始める瞬間って緊張するなぁって、久しぶりに思いました。しかもコードを一個間違えたミスが、こんなに目立つのかって(笑)。岸谷バンドだったら、知らんぷりだよね(笑)。そうしたら誰も気づかないうちに、どんどん先に進んでいく(笑)。miwaちゃんはアコースティックギターだけでやっているの?miwaはい。アコギだけでやっています。岸谷アコギだけでやるのは大変だよね。――岸谷さんはアコギとピアノ、交互ですもんね。岸谷ギターとピアノでやっていると、あっちに行ったり、こっちに行ったりできるし、自分が飽きないので、成立しているところはありますね。でもアコギ1本だと、ずっと真ん中にいるわけだから、大変だと思う。――miwaさんは2011年から定期的に弾き語りでツアーをやられていますが、弾き語りツアーをやろうと思ったのはどうしてなのですか?miwaバンドツアーでは行けない県に行こうと思ったのがきっかけです。例えば、今回も11年半ぶりに青森に行きました。弾き語りはフットワークが軽いので、ひとりでいろんな県に行けるじゃないですか。普段はライブに来られない人、ライブを見たことのない人にも見てもらいたくて始めました。岸谷私もまったく同じ。大所帯になると、大きい都市に限定されてしまうから。私は、県庁所在地じゃないところにも、積極的に行きたいと思っているのね。愛知県でやる場合でも、名古屋には行かないけど、その隣町には行くとか。だからスケジュール帳を見ても、“これは何県だろう?”ってすぐにはわからないことがあります。そういう場所に素晴らしいホールがあったり、ベーゼンドルファーのすごいピアノがあったり。びっくりするようなピアノやホールとの出会いも、弾き語りツアーの楽しみのひとつだと思う。――弾き語りで心がけていることはありますか?岸谷miwaちゃんはストリートでやってきた背景もあるから、必然的に以前からひとりという状況があったでしょ。miwaはい。岸谷私はバンドから始めたので、ひとりになったスタートの時点で、“大丈夫かな?5分の1になっちゃった”というネガティブな感覚があって、“ひとりで持つかなあ”という不安を抱きながら始めたのね。サポートに入ってもらうやり方もあるけど、バンドメンバーのスケジュール調整が大変だし、バンドあがりなので、メンバー選びのハードルが高くなるので、“めんどくさいなぁ。ひとりでやるよ”みたいな(笑)。それで弾き語りを始めたんだけど、最初は全然思いどおりにできなかったのね。miwaそうなんですか?岸谷アコギの弾き語りにした時に、“みんな同じじゃん”っていう感じになっちゃった気がしたの。でもそのうち、アレンジをすればいいんだと気がついて。自分が過去に作った曲でも、“ひとり用に新たにアレンジを作る”と考えたら、楽しいかもって思うようになってきたんだよね。たとえば、イントロに全然関係ないものをつけて、歌いだして、「あっ、この曲なんだ」って、感動があるじゃない?そんな感動のさせ方もあるなとか、やりながら、いろいろ発見があって、弾き語りがおもしろくなってきました。miwa弾き語りだと、ギター1本でサウンドを全部表現しなきゃいけないので、難しいところがあるなぁと感じます。ギターだけで、“あの曲だな”ってところまでいかなければいけないので、やるべきことがたくさんありますよね。――弾き語りは、客席の反応も独特なのではないですか?岸谷弾き語りは、みんなで「わーっ!」って騒ぐタイプのライブではないから、お客さんの感情の変化がわかりやすいですよね。たとえば、みんなが大好きなフレーズをずっとやらずにいて、最後にポンって入れたら、マンガの吹き出しみたいにわかりやすく、「おおっ!」って感じになったり。それで味をしめたところはありますね(笑)。間違えたり、止まったり、その日によって全然感じが違うし、観ている人も受け止め方が違うし。毎回違うところがおもしろいんじゃないかな。――miwaさんは、弾き語りの醍醐味をどういうところに感じていますか?miwaシンプルになればなるほど、歌詞やメロディの魅力に改めて気づけるところですね。弾き語りを聴いてもらうことで、曲の一番根本にあるところを、改めて紐解いてもらえるところがいいなあと感じてます。“この曲って、こんな美メロだったんだ”みたいな(笑)。通常のライブでは、盛り上がる曲だったのに、弾き語りでシンプルにやったら、実はちょっと泣けるメロディだったんだなって発見があったりしますから。あとは、相当練習してのぞむので、やればやるほど自分のギターの腕が上がるところがいいですね。岸谷私の場合は簡単にめげてしまって、“この曲を弾き語りでやるのは無理!”ってさっさと見切りをつけて、全然違う方向から考えてみることもよくあって。どんなに頑張っても、ギター1本でコード感を出せないなという時には、一から考え直しています。バービー人形のかわいい洋服を全部ひっぺがして、さあ、何を着せようかみたいな感じ(笑)。ある時、みんなが大好きな盛り上がる曲を、バラードに変えてやってみたことがあったのね。そうしたら、いけるじゃんって手応えがあって、その時、弾き語りって、おもしろいなって思いました。音楽って、正解がひとつじゃないから。miwa確かに。岸谷実は今度のツーマンで、miwaちゃんの曲で、私が好きな曲をカバーさせてもらおうと思っているのね。miwaちゃんのファンは、なんの曲が始まったかわからなくて、歌い出したら、“あっ、この曲なんだ!”というふうにしたいなって。miwaそれはとても楽しみです。岸谷「それ、違ったね」と言われるかもしれないけど、せっかくだから、“おもしろい”って思ってもらえるように仕上げたいな。miwaそうやっていろいろ工夫できるのは、岸谷さんが楽器がお上手だからだと思います。もともとですか?それとも弾き語りをするようになって、さらに上達されたのですか?岸谷もともとは全然弾けなかった。そもそもギターって、PRINCESS PRINCESSになってから手にした楽器だから。最初はピアノ、それからベースとドラムを少しやって、最後がギター。だから弾き語りを始めたころは、ギターの弾き語りが全然できなくて、ピアノが9割だった。でもルーパーを使い出してから、ギターもおもしろくなってきたのね。そういう意味では、遅ればせながら50過ぎてから少し進歩はしてるのかな。“こういう風に弾きたいんだけど、弾けない”という現実を目の当たりにするでしょ。それで、何年かに一回の割合で、猛練習する期間があって、狂ったように練習してみるっていう。だから今も発展途上ですね。miwa磨き続けているところがすごいです。岸谷だって、弾きたいことが弾けないんだもん(笑)。――miwaさんは、ギターの練習は?miwa高校生の時がいちばん練習していました。まだ何も弾けない時に、毎週習いに行って、いろいろなワザを教えてもらっていました。当時はカバーではなくて、純粋にコピーしていたので、教えてもらったワザをあまり使う機会がなかったんですよ。でも最近、ようやく自分の楽曲に、そのワザを取り入れられるようになってきました。岸谷へえー!どんなワザか知りたい!miwaスライドして弾くとかです。レコーディングの時には、ソロを弾く機会がないので、スライドを弾くこともないのですが、弾き語りのライブで取り入れたら、「ギターが上手くなったね」って褒めていただけたんです(笑)。そうやって、高校の時に練習していたものが役に立つんだなと思いました。岸谷素晴らしい!私は、「don’t cry anymore」をmiwaちゃんがひとりでやっている映像をめっちゃ観ていたんだけど、Aメロでガッと落ちるじゃない?弾き語りをやり続けていると、強弱がとても重要だということに行き着くと思うんだけど、miwaちゃんがちゃんと下げていたので、“わかってるな”って(笑)。miwaそう言っていただけると、うれしいです。岸谷「don’t cry anymore」を聴いていると、今のmiwaちゃんの持っている雰囲気とはまた違って、ファイティングポーズみたいなものを感じたのね。だけど東京でお母さんにおにぎりを作ってもらっていたって言うし、不思議だなって、いろいろ想像しながら聞いています。miwaめちゃめちゃ聞き込んでくださってる(笑)。岸谷さんは楽器の特別練習の期間って、具体的にどんなことをされているんですか?岸谷今はYouTubeがあるから、検索するといろいろ出てくるし、やりやすいんだけど、少し前まではその術がなかったから、友達のミュージシャンの上手な子を呼んで、「ご飯食べさせてあげるから、ちょっと来て、ちょっと弾いてみて」って(笑)。運指がわからない時は、「撮っていい?」って録画して、どうやって弾いてるのかチェックしたり。教科書みたいなものがないから、一生懸命、見よう見真似(笑)。あとはもうひたすら、ああでもないこうでもないって、一日中、楽器の前にいるみたいな感じ。miwaどれくらい練習されるのですか?岸谷今年のゴールデンウィークは、何年かぶりぐらいでライブがなかったので、ここだと思って、ずっと練習していた。子供たちももう独立しちゃったし、好き放題、自分のものを置けるから、ピアノとアコギとエレキと小さいアンプと小さいシンセとか、いろんなものをリビングに置いてあるのね。朝起きて、お花に水をあげて、コーヒーを飲んで、食事しながらCDをかけて、“あれ?これどうやってるんだろう”って気になったら、楽器を持って弾きながら研究して、気がついたら、もう夕方じゃんみたいな(笑)。miwaリビングってとこ、すごく似ています。私もピアノとギターをリビングに置いています。“これでいいのだろうか”と思いながら(笑)。岸谷本当?いいんだよ(笑)。昔、矢野顕子さんのお宅にお邪魔した時に、リビングのど真ん中にグランドピアノが置いてあって、“かっけー!”と思ったのね(笑)。“ミュージシャンとして長くやってる人って、これなんだろうな”、“音楽が生活の一部ということでいいんだな”って(笑)。だから思いついたらすぐメモできるように、五線紙をいろんなところに置いてあるのね。“あっ!”ってひらめいたら、すぐ書いている。miwa私も昔から食卓で曲を作ってました。実家にいる時、母親が目の前でサスペンスドラマとかを見てるのに、私は全然関係ない歌詞を書いていたり(笑)。――日常の中でいつでも音楽に集中できるところは共通しているのではないですか?岸谷そこがいちばん似てるとこかもしれませんね。その日、とくに予定がないと、延々練習したり。miwa練習期間って、すぐに過ぎていきますよね。一日かけて練習しているのに、“2曲しか練習してなかった。これじゃセットリストが終わらないや!”って(笑)。岸谷さんざん練習して、できるようになったことがあればまだしも、できるようになったことが何もないような気がすると、“今日の一日は何だったんだろう”って、むなしくなることもある(笑)。でもそれが多分、必要な栄養を取る時間なんだろうなって思う。「練習」というと、かっこよく聞こえるけど、結局好きだからいじってるだけなんだけどね。miwa私は、リビングの食卓にスマホを置いて、ギターを弾いてる映像をスタッフに送って、「このギターの演奏、どうですか?」って聞いたりしているんですよ。あと、妹に送って、「これ、どう思う?」って聞いたり。岸谷へえ~!miwa妹は結構まともな返答をしてくれるんですよ。「2番のサビは、もうちょっと抑え目に弾いた方がいいと思うよ」とか、プロデューサーみたいな妹(笑)。岸谷すごくいいね。客観的という意味で、いちばん困るのは弾き語りだから。私も最近、客観的な耳を持った人を見つけたのね。で、「私が思っている通りにあなたに伝わってるかどうか知りたいので、感想を聞かせて」って。その答えが私のイメージと全然違っていると、ガクッみたいな(笑)。やってるつもりと聴いている印象とでは全然違うことがあるから、人の意見って大切だよね。miwa妹はリハーサルにも一緒に付き合ってくれるんですよ。温存したいから声を出したくない、でもギターを練習したい時には、代わりに歌ってくれます。岸谷仮歌もできる妹!miwaそうなんです。妹の歌に合わせて弾けるから、とてもいい練習になります。岸谷いいな。私もそんな有能な妹がほしい!(笑)――弾き語りの難しさは、どういうところに感じていますか?miwa弾き語りのセットリストがいちばん悩むかもしれないです。いろんなタイプの人がいると思うんですよ。普段のバンドスタイルが好きで、盛り上がりたい人、しっとり聴きたい人、いろんな人が集まってるけど、出ている音はギターと歌だけなので、どういうバランスで皆さんを楽しませるか、悩みますね。どう始まってどう終わると、皆さんが良かったと思ってくれるのかなって。岸谷ライブって正解がないから、難しいよね。単体の1曲ずつですら、その日どうなるかなんて、始まってみないとわからないところもあるし。コンディションや気分でも違う雰囲気になるし。船は出たけど、どこの港に着くのか、見切り発車するみたいな。弾き語りを始めたころは、“どこに行くかは、その日の様子や流れ次第だから、どこかに着けばいいや”と思っていたんだけど、最近は“自分でもっと舵を取りたいな、目的地を決めてスタートしたいな”って思うようになったのね。だから、セットリストが難しいのはよくわかる。ひとりでやっていると、どれぐらいの間をあけるのかとか、全部を自分ひとりで決められるわけじゃない?そういうところも含めて楽しめたらいいな。どこまで待ったっていいし、間を怖がらなくていいし。miwa弾き語りって、感覚が研ぎ澄まされますよね。だから拍手がいつ鳴り止むかとか、しっかり察知しますよね。岸谷会場によって拍手の長さがとても長い時と“えっ、もう終わり?”という時があったり(笑)。でもきっとその拍手も、こっちがそうさせてるんだと思う。だから、拍手が短い時はサラッとした演奏だったんだろうし、長い時はなにかがヒットしたんだろうし。全部こっちが作っていると考えると、めっちゃ集中力がいるよね。miwaはい。めっちゃ集中します。岸谷一本やると、次の日、頭皮のあたりがすごく凝っているのがよくわかる(笑)。――弾き語りをやることで、改めて曲作りについて気づいたことはありますか?岸谷真面目に曲作りをしてきて良かったなぁと思いますね。曲が丸裸になるので、自分で“よし!”って納得できるとこまで追求した作品じゃないと、弾き語りではやれないですから。miwaちゃんもきっととても真面目に努力してきてるよね。だから誘いたくなったんだと思います。miwaありがたいです。弾き語りをやっていると、改めてメロディの強さを確認できるところはありますね。アレンジが良くて、曲の雰囲気が良くて、歌詞の内容にも共感してくれているから、好きになってくれたんだろうなという前提がありつつも、“私の書いたメロディもいいのではないかな”って(笑)。メロディはとても大事な役目を担っているから、これからもいいメロディを書いていきたいと思います。――岸谷さんもメロディに対するこだわりが強いですよね。岸谷私は本当に言葉より音符のタイプなのね。だから、自分の曲でも他人の曲でも、12個しかない白い鍵盤と5個しかない黒い鍵盤の織りなす綺麗なメロディには感動するし、この先何年音楽を続けられるかわからないけど、いいメロディを書くことは、一生のお題だと思っていますね。――作詞についてもうかがいたいのですが。岸谷私はできることなら、書きたくないんですよ(笑)。miwa一緒です(笑)。岸谷本当?とってもそんな風には見えないけど。miwa最近ようやく、歌詞を書いていて、楽しいなって感じるようになりました。――楽しさを感じるようになったきっかけはありますか?miwa大学院に2年間行って、3月に卒業したんですけど、その2年間で、大学院の人とオンラインでやり取りしたり、長い文章を書いたりするようになって、活性化されたのかもしれません。でもこれまでは、この1番と2番を書くのがどれだけ苦痛だったかって(笑)。岸谷わかる!(笑)私の場合は最初に書き出す時に、上に言葉を書けるように、“1番のA”とか、まず線だけ引くのね。メロディとブレスによって、これぐらいの文字数が入るって、だいたいわかるから。“1番のBは2行分、サビは3行分”とか、線を引いた時に、“この線の上を全部埋めるのか。遠い道のりだな”って、めっちゃ気が重くなるという(笑)。あの気の重い感じが嫌なの。miwaわかります(笑)。――でも克服してきているわけですよね。岸谷いや、もうしょうがなく(笑)。バンドの時は他に歌詞を書くメンバーがいて、その人たちが責任を持って書いてくれていたので、「ここは嫌だ」とか言えたんだけど、プロの作家の方には、言いにくいじゃない?だったら、デタラメでもいいから、自分で書いた方が気が楽かなと思って書き出したのね。でも、できることならば書きたくない(笑)。今は作詞のパートナーがいて、ちょっと年下の女の子なんだけど、とても才能があるので、「忙しいとこ、ごめん、ちょっとここの歌詞、あいてるんだけど、入れてみない?」って、頼んだりしています(笑)。miwa私も共作することもあります。それもあって、気が楽になった面はありますね。海外の人とコライトする機会があって、英語で一緒に書いて、あとで日本語に直すこともあるんですよ。ソングライティングキャンプに参加して、一緒に海外の女の子と作ったりしています。岸谷へえ~、すごい!今の世の中の流れを聞いた気がしました。勉強になる(笑)。――『ふたりぼっちの大パーティー』、どんな感じでやろうと思っていますか?岸谷“ひとりとひとりでふたり”ではなく、せっかくふたりが集まったんだから、観たことのない3個目のものが生まれたらいいですね。弾き語りって、メロディとコードしかないから、それぞれの個性がより際立つんですよ。ちょっとした歌い回しとか手癖とか。せっかくだから、その違いが融合することで、お客さんが驚いたり、楽しんだりできるものをお見せしたいなと思っています。miwa弾き語りという形態でのツーマンは初めてなので、正解がわからないですけど、コラボもあるとのことで、ワクワクしています。お客さんもきっと同じように、ワクワクしてくれるんじゃないかなって思っています。――ツーマンライブを観に来る人たちに向けて、メッセージをいただけますか?岸谷私は今日の取材でいろいろとお話して、miwaちゃんと一緒にやりたいという気持ちがさらに強くなったんですよ。好きだなと思う人と一緒にやる時って、みんな、がんばれるし、1+1が2じゃなくて、もっといろんなものが出てくるはずだから、楽しい本番になるだろうなって思っています。miwaちゃんのファンの方々と一緒に、miwaちゃんの素敵なところを共有できたら最高ですね。miwa私もとても楽しみにしています。岸谷さんのピアノやギターと一緒に歌わせてもらえる機会がまたあって、贅沢な時間を味わえることがうれしいです。もちろん私のパートは責任を持ってがんばって弾き語りをさせていただきますし、何よりもコラボの時間がとても楽しみです。岸谷miwaちゃんと一緒にやるとなると、アイディアがいろいろ湧いてきます。後でこっそり相談しようと思っています(笑)。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<ライブ情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール開場18:15 / 開演19:00ゲスト:スガ シカオ6月11日(日) 大阪・BIGCAT開場16:15 / 開演17:00ゲスト:馬場俊英※予定枚数終了6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:00ゲスト:miwa★6月8日(木)18:00より若干数の追加販売決定!!!(先着販売)申し込みはこちら()※予定枚数に達し次第受付終了チケット料金:全席指定7,000円(税込)※ドリンク代別途必要関連リンク岸谷香 公式サイト:( )miwa 公式サイト:
2023年06月08日岸谷香にとって初となる弾き語り形式のツーマンツアー『2人ぼっちの大パーティー』がまもなく開催される。6月11日(日) の大阪公演の対バンゲストは馬場俊英である。もともとは5年前の2018年2月13日に、馬場が中心となって開催されたイベント、『TOYONAKA LIVE SQUARE 2018』に、岸谷がゲストとして参加したことがきっかけで、今回の共演が実現した。名古屋公演のゲストであるスガシカオと同様に、馬場も岸谷と同級生という共通点がある。柔らかさと揺るぎなさを兼ね備えているところもどこか似ている。ふたりのなごやかな会話から、ツーマンライブのコラボレーションのアイデアが生まれ、発展していく様子にワクワクしてしまった。ライブへの期待がふくらむ実り多き対談となった。――岸谷さんが馬場さんを弾き語りツーマンのゲストとして誘った経緯を教えてください。岸谷『TOYONAKA LIVE SQUARE 2018』に馬場さんに呼んでいただき、あのイベントを経験したおかげで、いろいろなつながりができましたし、貴重な体験になりました。私はもともとバンドマンだったので、自分ひとりだけが、どこかのイベントに呼ばれることは、なかったんですね。時代的にフェスもなかったので、イベントに参加する経験がほとんどありませんでした。その後、PRINCESS PRINCESSの再結成があり、フェスやイベントなど、人が集まる機会が増えていて、“今の世の中って、こんなに変わっているんだ”って実感しました。そして、お会いしたこともなかったのに、馬場さんに声をかけていただき、たくさん刺激を受けて、自分でもイベントをやりたいという気持ちが強くなりました。なので、“鶴の恩返し”じゃないですけど、関西で自分のイベントをやる時には、馬場さんをお誘いしようと決めていました。馬場ありがとうございます。――馬場さんは、2018年のイベントで、どういう理由から岸谷さんに声をかけたのですか?馬場お誘いしたのは、岸谷さんへのリスペクトの気持ちが強かったからです。日本の音楽史に足跡を残して、新たな音楽の歴史を切り開いた方ですし、来ていただけたらうれしいなって。でも、声をかけさせていただいたものの、内心では「きっと無理だろうな」と思っていたんですよ。参加いただけると返事をいただき、とてもうれしかったことを覚えています。――そこでできたつながりが、また、さらなるつながりを生んでいくところが素晴らしいですね。岸谷本当にそうだと思います。あの時、藤巻亮太くんも参加していて、イベントが終わってから、楽屋でちょっとだけビールを飲んで話したんですね。あの出会いがあって、藤巻くんのフェスに呼んでもらうことになり、そのお返しとして、私の『感謝祭』に出演していただいた流れもありました。この歳になると、自分と人がつながることの大切さを実感するのと同時に、人と人とをつなげる役割を果たしている人って、いいなと思うようになったんですね。自分もそういう役割を果たせるようになりたいと思ったし、馬場さんにイベントで呼んでもらったおかげで、つながりが広がった経緯もあるし、あの時のお礼をしたいなって。馬場そうなんですね。声をかけていただいて、最初は“なんで僕なんだろう?”と思ったんですが、とてもうれしいですし、楽しみです。――2018年当日のセットリストを確認すると、「Diamonds(ダイアモンド)」「世界でいちばん熱い夏」「ハッピーマン」「M」と4曲で一緒にコラボしているんですね。馬場「ハッピーマン」では僕も少し歌わせてもらい、「M」はハモリをやらせていただきました。岸谷当日、リハをやっていたら、「『M』をハモっていいですか?」と馬場さんが言うので、「もちろんどうぞ」って、その場で決めて、一緒にやりました。馬場直前に負担をかけてしまって、申し訳なかったのですが。岸谷いえいえ、あの日は特別な準備もしていないのに、いろんなことがたくさんできちゃった、みたいなところはありましたよね。馬場狙っていたところはありました(笑)。でも僕がハモったことで。曲が台無しになったら、お客さんに怒られるじゃないですか。緊迫しながらも、そういう貴重な機会はなかなかないので、自分としてはチャレンジでもありました。――それぞれの音楽をどう感じていますか?岸谷馬場さんのCDを聴いて感じるのは、ミュージシャンとして、ここまで直球かというくらい、ストレートな人はそうはいないなということでした。私もハタから見たら、ストレートな人という印象があると思いますが、私は実はこっそり変化球を投げるタイプなんですね。馬場さんこそ、正面からまっすぐストレート直球だなぁって感じています。馬場もともとそういうキャラじゃないんですけど、そういうところがお客さんに響いて、自分としてもここをやるんだなって、決断の時期がありました。そう決めたら、どんどんその気になったというか。でも時には変化球も投げたいんですよ。――馬場さんは、ソロデビューする前には、バンドをやっていたんですよね。馬場そうです。岸谷バンド時代は変化球を投げなかったんですか?馬場バンド時代は変化球もやっていました。もともとメッセージ性のある曲はあまり作っていませんでした。アレンジも好きなようにやっていましたし、語りかける対象もいませんでしたし。少しずつお客さんが来てくれるようになり、メッセージ性のある曲も作るようになりました。――馬場さんは岸谷さんの音楽について、どう思っていますか?馬場まず、2018年に初めて一緒にステージに立たせていただいた時に、感慨深いものがありました。岸谷さんは、僕にとってはテレビで見ていた人なので、共演できて、“ついにここまで来たか”と(笑)。リハーサルも印象深かったです。スタジオに2、3時間来てくれて、その場を見事に仕切ってくれて(笑)。さすがだなと思いました。岸谷すみません(笑)。「ここは違う」とか、すぐに言っちゃうんですよ(笑)。馬場いや、初めて会ったメンバーに、適切に指示を出してくれてありがたかったです。風のように現れて、テキパキ指示を出し、風のように去っていき、かっこいいなあって。やはり場面場面で戦ってきたミュージシャンなんだなという印象を持ちました。ほんの数時間で、“テレビで見ていた人”から、“一緒に演奏する音楽仲間”みたいになって、本番がますます楽しみになり、「M」のコーラスを作ったんですよ。当日はもうひとり、広沢タダシという男性のシンガーソングライターがいて、男性で二声なので、あまり重くなるのもうっとうしいかもしれないと思いながら、でもこの日だけのバージョンでやりたいなって。岸谷そうやって考えてきてくれるのが、うれしかったですし、テンションが上がりました。せっかく出会ったんだから、どうせなら、観たことも聴いたことのないものをやるほうが楽しいですから。――「ハッピーマン」はどういう感じでやったんですか?馬場バンドでやって、僕が少しメインも歌わせてもらって。岸谷優しい声でね。馬場女性でロックでギターが炸裂して、というタイプの曲って、あまりないので、演奏していて楽しかったです。岸谷さんはロックのアイドルがいたんですか?岸谷いえ、私はもともとピアノをやっていたんですね。なので、クラシックも含めて、幅広くいろいろなジャンルの音楽を聴いていました。もちろんプリテンダーズも好きだったし、ブライアン・アダムスも追っかけちゃうくらい好きだったけど、80年代の多様な音楽がある時代の中で育ってきたので、広く浅くいろいろな音楽を聴いて育ってきました。馬場だから、あんなに幅広い曲を書けるんですね。岸谷あまりこだわりがないのかもしれません。当時の私たちの世代って、「ロックなの?ロックじゃないの?」みたいな垣根があったんじゃないですか。どっちかじゃなきゃいけないのかなって思っていました。「Diamonds(ダイアモンド)」や「世界でいちばん熱い夏」を作った時は、「ロックじゃないじゃん」って言われることもあって、“えっ?ロックじゃなきゃダメなの?”って(笑)。馬場バンドをやっていたころ、僕はイエローモンキーみたいになりたかったんですよ。でも、そういうキャラじゃなかったので、これは違うかなって(笑)。僕も岸谷さんと一緒で、いろんな音楽を聴いて育ってきました。『ザ・ベストテン』から始まって、洋楽、MTV、なんでも聴いていました。岸谷誕生日が1カ月しか違わないので、似たような音楽の環境だったと思うんですが、選び放題の時代でしたよね。日本のバンドだと、ゴダイゴやKODOMO BAND(旧表記は子供ばんど)が好きで、その後、RCサクセションが好きになりました。馬場ゴダイゴは僕も大好きでした。サザンオールスターズもRCサクセションも大好きで。KODOMO BANDは、追っかけみたいになっていました(笑)。岸谷あとは『ベストヒットUSA』で紹介された音楽を聴いたり。馬場僕も『ベストヒットUSA』、よく観ていました。――同級生ですし、聴いてきた音楽もかなり重なっていると言えそうですね。岸谷重なっていると思いますね。今回、名古屋でツーマンをやるスガさんも同級生で、同じ時代に育ってきて、共通する音楽も聴いてきているんですよ。それなのに、みんな、まったく違う音楽をやっているところがおもしろいですよね。――馬場さんのルーツには、フォークもありそうですよね。馬場僕は中学の頃はフォークでした。だから、バンドで挫折して、ひとりでやり始めてから、もともとフォークも好きだったことを思い出しました。それで、自分が感じたことを歌詞に書き、ギターを弾きながら歌うようになり、だんだん今の形に近づいたんですよ。岸谷私はフォークを通っていなくて。そこが馬場さんと違うところですね。中学のころはディープパープルやレインボー。リッチー・ブラックモアの夢を見ていましたから。私の原点にある“ジョンジョンジョン”というギターの音は、そこから来ていますね(笑)。馬場当時は、ギターヒーローがいて、ギターがかっこいい時代でしたよね。岸谷でも私は当時ギターは弾いていなかったんですよ。馬場いつからギターなんですか?岸谷私は16歳でデビューしたんですね、PRINCESS PRINCESSと同じメンバーで。その時はベースだったんですよ。でもバンド内でいろいろあり、“ギターを持っとけ、歌も歌え”ということになり、「えっ、私ですか?」という感じで、ギターも弾くようになりました。スタートはピアノで、学生のころはベース、ドラムも少しやって、ギターはバンドでデビューしてからですね。馬場最後がギターって、珍しいパターンですね。でも今思えば、全部やっていて良かったのではないですか?岸谷そうですね。楽器のこともいろいろわかるし、純粋に楽器が好きなんですよ。――馬場さんもバンドで活動したのちに、ソロデビューして、弾き語りもやっていますし、さまざまな形態で音楽をやってきたという点では、共通していますよね。馬場僕の場合は、好きな者同士が集まって勝手にバンドをやっていただけですから、岸谷さんとは状況が違いますよね。多くの人たちが関わる中バンドで活動するとなると、難しいことがたくさんあるんだろうなと思います。岸谷バンドって枠みたいなもので、その枠からはみ出したことはできないよ、みたいな制限のあるものだと思っています。馬場あっ、よくわかります。僕も、もともとバンドの音楽が好きで聴いてきているから、ライブをやる時はバンドだし、重視しているのはバンドサウンドなんですね。で、バンドの個性は何かと考えると、“そこにいる人でなんとかする”ってことだと思うんですよ。バンドは、これはできない、あれもできないという制限の中でやりくりするおもしろさがありますよね。「もがき」がいいというか。岸谷バンドでやっている時には、その制限がうっとうしく感じる時もあるんですけど、いざ、バンドをやめてソロになると、その枠がなくなるわけじゃないですか。自由にやれる状況になると、“あれっ?何をしたらいいんだっけ?”って、とまどってしまう時期がありました。あのサークルの中にいるのって、居心地が良かったんだなって(笑)。“隣の芝生は青い”じゃないけど、バンドを解散したことで、制約って素敵なものだったんだなと気づく瞬間がありました。馬場ひとりでやってると、好きな人を呼べますし、自由にできるんだけど、それだけに逆に、何がしたいのかがわからなくなることがありますよね。――ソロになって、自分の音楽にたどりつくまでは、どのような感じだったのですか?馬場いや、まだたどりついていないのかもしれません。今もずっと試行錯誤している感覚はあるんですよ。自分で曲を作っても、それがいいのかどうかも、よくわかりませんし。でも、ライブでやるうちに、だんだんわかってくるというか。これはまたやるべき曲だなとか、いい曲なのかなとか、力があるのかなとか、コンサートをやることで、お客さんというか、“場”が教えてくれるんですよ。それで、ライブをやることで、だんだん“こういうところが自分らしいんだな”って見つけていく感じですね。岸谷私の場合も、曲を作ってレコーディングした時に、“これはいいじゃん”と思っても、実際にライブでやってみると、しっくり来なくて、だんだんやらなくなってしまった曲もあって。音楽って、ライブでやってみないとわからないところがありますよね。紆余曲折いろいろなことをやってきて最近思うのは、制約があることの楽しさですね。とくに弾き語りは、究極の制約じゃないですか。ひとりしかいないから、ギター1本かピアノ1本か、頑張ってルーパーを使うかしか、やり方がない。その制約のある感じが、バンドみたいで楽しいなと思っています。制約があるから、私なんじゃないかな、それって自分にしかできないことなんじゃないかなって。馬場僕もそう思いますね。歳を重ねてきて、だんだん“どう思われてもいいか”みたいな境地になってきました(笑)。失敗してもいいというか。“取り繕って、良いとこだけを見せよう”という気持ちがなくなってきました。岸谷私は50歳になってから、女の子たちとバンドをやっていて、弾き語りとバンドを並行してやっているんですね。ひとりの時って、本当にかっこうをつけてないことがよくわかります。バンドの時はかっこをつけてるなって自分でも感じることがあります(笑)。どっちも楽しいんですが、バンドと弾き語りって、似たところがありますよね。私の中で一番違う感覚になるのがソロなんですよ。ソロでサポートメンバーに入ってもらうと、自分の居場所がよくわからなくなることがあります。バンドだと、みんなで責任を持つという意識がありますが、ソロでサポートメンバーが入っているときって、責任の持ち方が難しいんですよ。弾き語りはすべて自分の責任ですし、わかりやすい良さがありますよね。――馬場さんは、弾き語りについてどう思っていますか?馬場身軽にできますし、演奏しながら途中で変えたり、1小節伸ばしたり繰り返したり、自由度が高いので、気楽という言葉が合ってるかどうかわかりませんが、気楽に勝負できるところが好きです。岸谷気楽な部分と最高に緊迫する部分、両方ありますよね。馬場確かにそうですね。僕が人のコンサートを観にいく時って、その人のことを見ようとする傾向があります。どんな風にそこに存在しているのかに感動することが多いんですよ。だから自分のコンサートでも、“自分をさらけだして帰れたら成功なんだろうな”と思うようになってきました。――岸谷さんはアコギとピアノとを交互に演奏するスタイルの弾き語りですが、馬場さんはずっとアコギ1本でやっているのですか?馬場それがですね、今年からキーボードも弾き始めました。岸谷マジですか?いいこと聞いちゃった(笑)。馬場これまでは曲作りで弾くくらいだったので、運指も自己流なんですが、この歳になって、挑戦するところをお客さんに見せたくなりました。そうなると、あまり変なことはできないので、練習して、前のツアーでは3分の1ぐらいキーボードでやりました。でもまだまだなんですよ。僕もそうですが、きっとお客さんも“ギターでやればいいのに”って思っていますね(笑)。ピアノ向きの曲もあるじゃないですか。過去のコンサートではそういう曲は、はずしていました。でもやりやすい曲ばかりをやっていると、似た傾向の曲ばかりになってしまうので、キーボードの合う曲をキーボードで演奏する挑戦をしています。岸谷決めた!ツーマンでは一緒にピアノを弾きましょう(笑)。馬場ただ、僕はトランスポーズ(移調機能)で弾いていて、CとGとDしか弾けないんですよ。夏から弾き語りのツアーもやるので、今練習中ですが、やれることは限られています。岸谷連弾しましょう(笑)。今、馬場さんとお話していて、アイデアがどんどん湧いてきました(笑)。コラボって、その日だけのチャームポイントがないとダメだなと思っていたのですが、今日そこがしっかり見えました(笑)。馬場楽しそうですね。でもできるかな。岸谷安心してください。馬場さんが練習してできるようになったピアノの弾き語りの音源をもらって、それにアレンジをつけるので、弾き方を変えなくても大丈夫です。馬場ありがとうございます(笑)。「ここを変えて」と言われても、おそらく対応はできませんが、頑張ります。――馬場さんは、キーボードの弾き語りをやってみて、気づいたこことはありますか?馬場ギターの弾き語りとはかなり感覚が違いますね。ギターの弾き語りはお客さんのほうを向いて歌いますが、キーボードは横を向いて歌うことが多いじゃないですか。ステージにいる気分が違う気がします。――岸谷さんは、ピアノの弾き語りとギターの弾き語りの違いをどう感じていますか?岸谷私は馬場さんとは逆で、ピアノよりもギターの方が下手だったんですね。だから最初は、ギターの割合が少なかったんですよ。で、ある時気づいたのは、“ギターの弾き語りに説得力があるのは前を向いているからだな”ということでした。そう気づいてからは、ギターをもうちょっと弾けるようになりたいと思って練習して、今はギターもピアノと同じ割合で弾き語りするようになりました。馬場ピアノは鏡に向かって弾いているような気分になることがありますね。懺悔しつつ演奏しているみたいな(笑)。椅子の高さとか、マイクスタンドの位置とか、今研究しているところです。岸谷確かにピアノって、ちょっとしたことでしっくりこないこともありますね。ギターはその点、“だいたいでいいよ”って感じだし、マイクも歌いながらいじっちゃうし。――それぞれの曲作りの方法についても、うかがいたいのですが。岸谷さんは、先に曲を書くとおっしゃってましたよね。岸谷そうですね。馬場さんは先に歌詞を書いているんですか?馬場歌詞が先の時もありますが、歌詞と曲を一緒に作ることが多いですね。歌詞とメロディーでハマったフレーズが1個でてきたら、そこから広げていくやり方です。歌詞が多い曲は、歌詞から書いていきます。自分なりに歌詞が気に入って、感動がある時には、曲ができるのが待ちきれないんですよ。早くゴールしたいから、曲は歌えればいいみたいな感じになることもあります。岸谷私は逆で、歌詞は全部「ラララ」でいいかなって思うことがあるくらいですね(笑)。いつも歌詞を書くのに苦労しています。――馬場さんは、歌詞がでてこないことはありますか?馬場曲と詞が同時に出てくる時は、わりとすんなりいくことが多いですが、歌詞が残ってしまって、ゴールにたどり着かず、何年もさまよってしまうこともあります(笑)。――さまよってしまった時はどうするんですか?馬場曲作りでいうと、コロナ禍になってから、『マンスリーミュージックショー』というのをやったんですよ。毎月新曲を1曲作ってCDにして届けるという企画。ストックなしのガチ企画で、10カ月連続でやりました。でも最後のほうは本当につらくて、後悔しました(笑)。岸谷連絡をくれたら、曲を作ったのに(笑)。馬場いや、そんなことをしてもらったら、申し訳ないですよ(笑)。その企画を2021年にやって、やりきったら消耗してしまって、それからは作っていません。それはきっと新しい気分になったからだと思います。“あと何年くらいできるかな”とか、“どういう曲を作るのがいいんだろう”とか、いろいろ考え始めてしまったんですよ。それで、これは少し時間をおいて作ったほうがいいのかなという結論に達しました。岸谷私は書く気にならない時は、まったく書かないですね。その気ゼロみたいなことはよくあります。サウンドやアレンジで頭がいっぱいになる時は、興味のすべてがそちらに向いてしまうんですよ。今も曲作りモードというよりは、ライブモードですね。馬場僕も岸谷さんと一緒で、今はライブモードだと思います。岸谷書きたい時が書く時だし、書きたくない時は書く時じゃないんだろうって思います。若い時って、頭の中の引き出しの中はパンパンで、いくらでも書けたんですが、長くやってくると、頭の中や胸の中の引き出しというは、満タンの状態ではなくなるんですよ。“あの音楽のあの演奏が最高”とか、ときめきを感じた時に、少しずつたまっていくものだろうなって感じています。だから、無理して急いで作る必要はないし、満を持して、“今これを聴いてほしいよ”という時に作って発表することを大事にしたいです。馬場僕も同じように思っています。本当にいいものをいいタイミングで出せたらと考えています。――ツーマンという形態については、どう感じていますか?馬場コラボレーションって、自分が作ったのではない曲を歌う楽しさがありますよね。自分の体に入っていない曲だと、ここの節はこうなっているんだなって、歌うことで、気がつくことがあるんですよ。PRINCESS PRINCESSの曲は入っているので、そうはならないかな(笑)。でも、実際に自分が歌ってみることで、発見することはありますよね。力のある曲って、実際に人前で歌ってみることで、そのパワーを実感できるものなので。そういう発見が次につながることがありますね。岸谷実際に歌ってみて、わかることって、ありますよね。――連弾の話もでましたが、コラボレーションで、ほかに考えていることはありますか?馬場実は岸谷さんとコラボレーションしたい曲を考えてきたんですよ。僕が20代の頃に見ていたテレビドラマで『ダブル・キッチン』というのがあって、そのドラマの主題歌がPRINCESS PRINCESSの「だからハニー」で、大好きだったんですよ。この曲を一緒にやらせていただけないかなって。岸谷ぜひぜひ。「これがやりたい」と言ってもらえると、うれしいですし、コラボって、“なぜこれをやるのか?”の理由があったほうがおもしろいですよね。馬場『ダブル・キッチン』は、ほのぼのするホームドラマなんですが、「だからハニー」の“トゥルルルッツ”というところで、胸がいっぱいになるんですよ(笑)。一緒にやれるのは、うれしいですし、ハモらせてもらえると最高ですね。岸谷いいですね。私は馬場さんの「ボーイズ・オン・ザ・ラン」もいいかなと思っています。馬場「ボーイズ・オン・ザ・ラン」はいろんな人とやらせてもらう機会のある曲なんですが、女性とはやったことがないです。岸谷私が“ボーイズ”に参加するのもおもしろいですよね。実はこの曲とどっちがいいかなって、迷っている曲があって、「人生という名の列車」なんですよ。「昭和四十二年」という歌詞があって、生まれ年も一緒だし、同級生ならではのコラボができそうかな、でも9分やるのかなとか(笑)。馬場今、バンドでツアーを回っていて、「人生という名の列車」もやっているんですが、長いので大変なんですよ。岸谷やるならば、いろいろ工夫する必要があるかもしれないですね。――貴重なコラボレーションになるのは、間違いなさそうです。岸谷ピアノとギターとが使えるから、ピアノピアノもあれば、ピアノギターもありますよね。ギターギターの組み合わせもあるし、途中で楽器を変えるやり方もあるし、どんどんアイデアが湧いてきますね(笑)。馬場さんがピアノを弾いている横に行って、「ちょっとどいてよ」って、代わりに私がピアノを弾いて、馬場さんがギターを弾き始めるとかね。馬場おもしろそうですね。岸谷同級生同士だし、小学校の男女のノリで(笑)。今日、話をしていて、“馬場さんと同級生だな”という感じがしました。当日、ライブを観に来る人にも、そういうところも含めて、楽しさが伝わったらいいですね。じゃあ、「馬場くんと岸谷くん」でいきましょうか(笑)。同級生って、呼び捨てかな。でもさすがに、馬場さんを呼び捨てにはできないから。なんて呼びます?馬場「香ちゃんと馬場くん」ですかね(笑)。――クラスメートっぽいですね。ツーマンの魅力満載のステージになりそうです。馬場ツーマンって、ステージ上の出会いもありますが、お客さん同士の出会いもあるだろうし、初めてステージを観る出会いもあるだろうし、岸谷さんとのツーマンライブも、出会いにあふれる一日にできたらいいですね。岸谷2018年の豊中のイベントに参加した時も、馬場さんのファンの方々から、温かい拍手をいっぱいいただいたんですね。あの時に私がもらったように、新しい音楽との出会いや新しいファン同士の出会いを、馬場さんのファンの方にもお返しできたらと思っています。これまで聴いたことのない馬場さんの連弾など、馬場さんのファンの人も喜んでくれることを用意したいです。――観に来る方にメッセージをいただけますか?岸谷今日の対談でいろいろなことが見えてきました。ツーマンライブの企画がこんなに進展する取材もそうはないと思うんですが、多分、多分ファンの方々が想像される、100倍くらいおもしろいステージができるんじゃないでしょうか。今回のツーマン、ゲストが3人いらっしゃるんですけど、それぞれまったく違う3日間になると思います。馬場さんとのツーマンも想像を絶するような楽しい日にしますので、楽しみにしていてください。馬場公演ごとに違うゲストを迎えてコラボをするという今回の企画、自分でやるとしたら相当なチャレンジなんですよ。気持ちの面でも勇気が必要だろうし、企画を聞いた時に、岸谷さんほどのキャリアを持っている方が、こうやって新しいことをやるのは、すごいなあと思いました。年齢も同じなので、余計にそう感じました。チャレンジしている姿がかっこいいですし、その企画に呼んでもらってうれしいです。いいライブにして、お客さんにも大いに楽しんでもらって、“音楽ってやっぱりいいな”という気持ちを持って帰ってもらえるよう頑張ります。ピアノも練習します(笑)。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<ライブ情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール開場18:15 / 開演19:00出演:岸谷香/スガ シカオチケット発売中()※予定枚数に達し次第受付終了6月11日(日) 大阪・BIGCAT開場16:15 / 開演17:00出演:岸谷香/馬場俊英※5/29(月)18:00より若干数の追加販売決定!!!(先着販売)申し込みはこちら()※予定枚数に達し次第受付終了6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:00出演:岸谷香/miwaチケット発売中()※予定枚数に達し次第受付終了チケット料金:全席指定7,000円(税込)※ドリンク代別途必要関連リンク岸谷香 公式サイト:( )馬場俊英 公式サイト:
2023年05月29日「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」の紫陽花やハーブガーデンが、2023年5月末頃より見ごろを迎える。「練馬区立 四季の香ローズガーデン」1,300株以上の紫陽花が開花それぞれテーマの異なる2つのローズガーデンとハーブガーデンを中心に、季節の移ろいに合わせて咲く花々を展示している「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」。初夏の園内には、山紫陽花を中心に1,300株以上の紫陽花が開花。様々な色彩や花形の紫陽花が、この季節ならではの風情ある一景を見せてくれる。また、その甘く華やかな香りで人気のユリも各所に開花。白やピンクなど様々な色で咲くユリは、品種により開花時期が異なるため、様々な色彩や香りを長い期間に渡って楽しめるという。ハーブガーデンも見頃に紫陽花の開花と合わせて、180品種以上のハーブが楽しめるハーブガーデンも最盛期となる。様々な料理を引き立てるハーブが咲く「キッチンガーデン」、ハーブティーに最適なハーブに焦点を当てた「ティーガーデン」、ポプリなリース、ハーブ染めなどに用いられるハーブを集めた「ポプリガーデン」の3つのガーデンに、個性豊かなハーブが咲く。開催概要「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」紫陽花・ハーブシーズン見頃:2023年5月末頃場所:練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン(東京都練馬区光が丘 5-2-6)開園時間:9:00〜17:00休園日:毎週火曜日(火曜日が祝休日にあたる場合、その直後の祝休日でない日)および年末年始(12月29日~1月3日)入園料:無料
2023年05月26日岸谷香にとって初となる弾き語り形式のツーマンツアー『ふたりぼっちの大パーティー』の6月9日の名古屋公演の対バンゲストは、スガ シカオである。2022年にスガがナビゲーターを務めていたラジオ番組『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』に、岸谷がゲストとして出演した経緯もあり、今回の共演が実現した。それぞれ表現している音楽のタイプは異なるが、共通点は少なくない。同級生であり、幼少期からの生活圏も近く、同じ時代を同じ風土で育ってきたのだ。また、弾き語りからバンドスタイルまで、幅広い形態で音楽活動を展開している点も共通する。今回の共演からマニアックなコード進行の話まで、このふたりならではの興味深い対談となった。――岸谷さんが弾き語りツーマンライブの開催を決めた経緯と、スガさんを誘った理由を教えてください。岸谷私は16歳の時からPRINCESS PRINCESSで、いろいろな種類のライブをやってきたので、“やり尽くした”的なところがあったんですね。でも近年は、さまざまなフェスが開催されるようになってきたじゃないですか。私がバンドで活動していたころは、現在のような形のフェスはなく、その後、10年ほど子育てで音楽活動をお休みしていたので、浦島太郎状態だったんですね。スガ浦島太郎(笑)。岸谷近年はそうしたフェスにも呼ばれるようになり、人とコラボするおもしろさを知り、50歳の誕生日を迎えた時に、呼ばれるばかりではなくて、一緒にやりたいと思っている人をお呼びして、イベントをやりたいという欲が出てきたんですよ。世の中にはツーマンという形態があることを聞きつけ(笑)、興味が芽生え、私が一緒にやりたいと思う人とやりたいという気持ちが強くなりました。スガさんのラジオ番組に出演させていただき、話も合いそうだし、聴いてきた音楽も合いそうだし、でもやってる音楽は大きく違うところがおもしろいな、一緒にやってみたいな、スガ シカオワールドに足を踏み入れたいなと思い、声をかけさせていただきました。そうしたら、一緒にやってくださるとのことで、感謝です。スガいやいや、こちらこそ感謝ですよ。僕はもうここ10年くらい、アコースティックツーマンは死ぬほどやっているんですよ。年10本以上はやっているかな。岸谷えっ、スガさん主催で?スガいや、僕は1本もツーマンを主催したことはないです。単独での弾き語りツアーを、年15本くらいやっているので、自分主催ではやってませんが、アコースティックツーマンだと、気軽にできますし、特別なことをやる感はあまりなく、年中やっています。おもしろいなと思う人や知り合いから声がかかったら、ジャンルが違ってもまったく問題なくOKという。自分にとって、弾き語りはライフワークみたいになっているので、持ち技や持ち曲も日々開拓しています。なので、今回もお話をいただいて、即乗りでした(笑)。岸谷ありがとうございます。スガ僕はシンガーソングライターなんで、バンドで動くとなると、サポートのメンバーを呼んでこなきゃいけないので、スケジュールも含めて大変なんですよ。その分アコースティックは僕ひとりだから、すぐ行けますしね。岸谷さんとのツーマン、楽しみです。僕が知っている女性アーティストって、結婚されてお子さんができて、休みに入って、音楽への情熱がなくなっていく方が結構いらっしゃるんですね。もったいないなって、いつも思っているんですが、岸谷さんはずっと情熱的で。話をしていても、新しい音楽も聴いているし、新しい音楽へのトライもされていて、その姿勢もリスペクトですよね。自分のやりたい音楽を見つけてやり続けているのは、素晴らしいなと思っています。岸谷そう言っていただけると、うれしいですね。でも一時期、音楽への情熱がまったくなくなったんですよ。子供生まれて10年くらいは、「私って、音楽やってたんだっけ?」という感じになっちゃったんですね。でも、そのタイミングで、PRINCESS PRINCESSの再結成があり、しかも自分のために始めたことでもなく(東日本大震災の復興支援が目的)、予定もしていなかったことだったので、無欲で音楽と向き合えたんですね。あの時は、その先でまた音楽をやろうと思っていませんでした。私たちにできることは再結成だ、どうやらそれによって、たくさんの人たちが、“よし頑張るぞ”という気持ちになってくれるようだ、だったらやるしかないという感じだったんですよ。再結成の活動が2012年12月31日の紅白出場まで続いて。翌年(2013年)の1月1日からすっかりお母さんに戻ったんですが、ふと、去年はなんか楽しかったな、いっぱい笑ってたなって思っちゃったんですよ。スガああっ!それで音楽に戻されちゃったんですね(笑)。岸谷そう!どうやら私は音楽をやっていて、相当楽しかったんだなって、気がついちゃったんですよ。なので、子供たちのことが落ち着いたら、またやろうかなってぼちぼち始めて、今に至ったという。多分、この計画性のなさが良かったんじゃないかと思います。情熱をキープしようとすると、大変だから。スガ無理しないのが良かったですかね。岸谷そうそう。音楽に切迫したものを感じてなかったから、再び、情熱を燃やせたのかなと思います。辛かったことが一個もないうちに、さっさと辞めちゃったし(笑)。スガそこにこだわってないところが、すごいですね。思い切りがいいというか、潔いというか。岸谷生きていくために音楽をやるのではなくて、好きで音楽をやっていて、結婚して、子供が生まれたら、そっちのほうが大変じゃないかってことになったので。スガなるほどねぇ。岸谷おかげで音楽の世界に戻ってきたら、“え、世の中ってこんななってんの?”みたいな(笑)。驚きましたけど、だから新鮮な気持ちでやれているんだと思います。――スガさんは、音楽への情熱に関しては、いかがですか?インディーズでの活動期間があったり、“HITORI SUGAR”ということで弾き語りツアーをやったり、自らのスタイルを刷新しながらアグレッシヴな音楽活動を展開しているという印象を受けます。スガ僕は人生の立ち位置みたいなものが、あまり変わっていないから、そのまま来ている感じがしますね。外から見ると、アグレッシヴで挑戦的に見えるかもしれないんですけど、同じところにいられないからなんですよ。同じところで安定してると嫌になっちゃうんですね。岸谷私もそこは同じかもしれない。飽きやすい(笑)。スガそう、飽きちゃうし、つまんなくなっちゃうんですよ。違う場所に行きたくなるから、結果的にそれが挑戦してるように見えるんだけど、新しいことを開拓するぞとか、そこまでの意気込みがあるわけではないんですね(笑)。岸谷私は、今回一緒にツーマンができるってことで、スガさんの曲を毎日聴いているんですよ。スガあっ、なんか、すみません(笑)。岸谷すると、いろいろ発見があって。このコード、どうなっているんだろうって、鍵盤を持ってきて、確かめたり。夢の中でも、あのコードはどうなっているんだろうって考えちゃうくらい(笑)。それで出した結論が、“こんなイカした同級生はいないよ”ってことでした(笑)。スガいやいや、そんなことはないですよ(笑)。岸谷曲、歌詞、音、なにもかも並べてみた時に、こんなことをやれる同級生はいないなって。本当にシビれます。どんな子供だったら、こんな大人になるんだろうって。スガいやぁ、びっくりするぐらい普通で(笑)。岸谷渋谷区の普通の子供?スガ飛び抜けたエピソードも何にもないですよ。成績も良くもなく、悪くもなく、別に音楽の成績も良くもなく、悪くもなく。尖ったところも出っ張ったところもない人間です(笑)。岸谷曲はどうして書き始めたんですか?スガバンドはやっていたんですが、ギタリストだったんで、別に曲を作るとか、歌うとかってこともなく。友達の結婚式で歌わなきゃならないんで、まともな曲作ろうよってことで、作ったことはあったけど、それ以外はロクに作ったこともなかったんですよ。歌詞も全然書けなくて。ずっとバンド関連の友達に歌詞を書いてもらっていたんですが、24歳ぐらいの時に、そいつに「曲を書くのは嫌だ」って言われたんで、自分で書くようになったんですが、それまで全然書けなかったし、歌詞もまったくダメで。岸谷わからないものですね。歌詞の人なんじゃないかなと思って聴いてました。単語の選び方のセンスもとても好きですし、かっこいいなあって。スガいやいや、当時、すでにPRINCESS PRINCESSはヒット曲をガンガン飛ばして、テレビや雑誌に出まくっていたわけでしょう。僕が22歳の頃はまったく歌詞を書いていなくて、「プリプリの中で誰が好き?」とか、友達と話している頃ですよ(笑)。――同級生だから、計算がわかりやすいですね。スガみんなが知っている存在でしたからね。その人とツーマンをやることになるなんて、当時は想像もつかないですよね。――その当時、スガさんはどんなバンドをやっていたんですか?やはり、プリンスやスライ&ザ・ファミリー・ストーンに通じるような音楽をやっていたんですか?スガいや、もっとコミックバンドみたいなファンクバンドでした。バカばっかり集まって(笑)。岸谷同じ時代を同じように生きてきて、今こんな違う音楽をやってるっていうのが本当におもしろいですね。マニアックなことを聞いていいですか?コード進行もおもしろくて。曲はギターで作っているんですか?スガいや、楽器は使わないです。岸谷あっ、そうなんだ。スガ楽器を使うと、手癖が出て、同じ曲になっちゃうから。岸谷なるほど。スガさんの曲をコピーしていると、ピアノだったら、絶対にこういかないなってところがたくさんあるの。だから、どういう発想でこうなったのかなって。スガ高校生の時にギターが上手くなりたくて、スクールに通ったんですね。でも入るスクールを間違えちゃって、松本英彦のジャズ・スクールで(笑)。訳もわからず、ジャズのコードだけを練習させられてたんですね(笑)。なので、そのコードトーンがずっと頭の中に鳴っているという。岸谷なるほどね。♭13(フラット・サーティーンス)が結構出てくるのは、そのせいなんですね。スガそうなんですよ。ジャズでは♭13って、最初に覚えさせられますから。高校1年生の時にそのコードをガンガン叩き込まれたので、多分そこに基づいたメロディが出てくるのだと思います。岸谷だからピアノで弾こうとすると、3度音程はメジャーとマイナーのどっちも合わないので、どっちを弾いたらいいのって、困ってしまうんですね。スガ3度音程、ギタリストは弾きたくないんですよ。岸谷3度弾くと、説明が多くなりすぎて、ダサくなることがありますよね。スガそうそう!(笑)だから常に3度は抜くし、そうすると、ソロも取りやすくなるという。3度を抜いて、テンションコードを加えるのが、習性になっています。まさか、♭13の話になるとは思いませんでした。丁寧に聴いていただき、ありがとうございます。岸谷スガさんの曲を聴いていて、楽しくなっちゃって、2曲ぐらい、スガさんと一緒にやりたい曲があって。ピアノできちんと弾くと、どうしてもおかしい感じになる曲があるので、スガさんと一緒にやる時だけ、ウーリッツァを登場させようかなと考えています。3オクターブとちょっとしかない小さいウーリッツァを持っているので、持ち運びもできるし、ちょっと不自由な中でやるのもおもしろいかなって。スガいやぁ、よくわかってらっしゃる!(笑)ピアノでやると、ピアノの世界になっちゃうけど、ウーリッツァでやると、ブラックミュージックの世界になりますもんね。岸谷あくまでもアイディアの段階なので、実現するかどうかはわかりませんけど。挫折したら、ごめんなさいってことで。――スガさんは、岸谷さんの曲を聴いて、感じたことはありますか?スガこんな声はいないなってことですね。今の日本のJ-POPって、“声の時代”だと思っています。声色の個性や歌の上手など、声にまつわることが中心になって回っているなって。そういう意味でも、この声はすごいなと思います。問答無用で聴く人を元気にさせる声なんですよ。岸谷押しが強いっていう言い方もありますね(笑)。スガそういう言い方もありますが(笑)、バンドの中では、繊細な声だと負けちゃうから、やっぱりバンド出身の人なんだなって改めて思ったし、その声が活きる曲を作っていますよね。岸谷私は、音楽の中で興味を持ったのは、歌ではなくて、楽器が先だったんですよ。歌が最後で、「えっ?私が歌うの?」みたいな(笑)。だから歌の上手さにも無頓着で、“自分の歌とは何ぞや”みたいなことも考えたこともなくて。ただ、“自分の曲を歌うのは自分しかいないな。他の人に歌ってもらうのはなんか違うな”みたいな感じで、自分の歌を確立していったので、自分の曲がこういう歌手にさせているのかもしれません。自分の歌を歌うためだけに歌を始めたので、歌手としては全然ダメだなって思っています。スガいや、すごい声だと思うけどなぁ。岸谷それを言うなら、スガさんの声でしょ。スガ僕の声はバンドの中では、みんながサポートしてくれないと、存在できない声なんですよ。エレキギターと同じ音質なので、混じってしまうと、前に出ない声。アコースティックだと楽なんだけど、バンドでやる時は、アレンジをしっかり考えないと、潰されます。だから、太くてパンチ力のある声は憧れですよ。でもパワフルな声の持ち主って、みんな、僕の声が「いい」って言うんですけどね。岸谷“隣の芝生は青い”から、違う者同士でそう感じることはあると思いますね。――話は戻ってしまいますが、スガさんは、歌詞を書けるようになったきっかけはありますか?スガいや、ずっと箸にも棒にもならなかったんですが、デビューが近くなってから、だんだん曲が書けるようになってきたんですよ。だって、デビューの時は7曲しかありませんでした。岸谷え、それって、すごいですね。スガそう。しかも1曲を作るのにとても時間がかかって、困ったもんだなってところからのスタートでした。アレンジも自分でやっていたので、曲を作るのが大変すぎて、歌詞なんかどうでもよくて、歌入れの前の日にバーッと書いて、終わりみたいな感じでした。でも、デビューして、だんだん歌詞が評価されるようになってきて、“オレって、歌詞が結構書けるのかな?”みたいな(笑)。気がついたら、なぜか書けるようになっていたという感じです。岸谷天職ということで、導かれてきたんですかね。普通は、みんな、“成功するまでは田舎に帰らないぞ”って覚悟を決めて、頑張ってきて、成果が出るじゃないですか。スガいや、頑張ることは頑張っていましたよ(笑)。岸谷計画どおりの人生という感じではないですよね。スガそれはそうですね。30歳までどこにも引っかかってなかったら、普通は音楽、やめますもんね(笑)。岸谷スガさんのデビューが1997年ということは、PRINCESS PRINCESSの解散と入れ替わりですよね。スガ僕はかなり遅いデビューですよね。岸谷でもそのあと、すぐに世の中で知られていたでしょ。「夜空ノムコウ」がスガさんの曲だって、知ってたもん。スガ「夜空ノムコウ」が1998年なんで、デビュー直後ですからね。岸谷デビューしてすぐに大ヒットしたイメージがありますよ。スガデビューしてからはそうですけど、デビューまでが遅かったですね。30歳ですし、デビューの1年前なんて、何もなかったですよ。契約もないし、事務所もないし、職もない(笑)。だから突然変わったんですよね。でもデビューのタイミングで、才能が開花してくれて、良かったですよ。岸谷早けりゃいいってもんじゃないから、人それぞれに開花のタイミングがあるんじゃないですか。スガでも同年代でも、若い頃からカリスマのようになった人もいますし、当時は、“同じように音楽をやっているのに、一体オレは何をやっているんだろう”って、大層うらやんだもんですよ。――でも開花の早さよりも、今も活動し続けていることのほうがはるかにすごいことですよね。才能はもちろん、努力し続けるすごさもあるのではないですか?スガ好きなことをやっているわけで、努力という言葉は、あまり使いたくなくて。ただ、才能という言葉だけで片付けるのも、違う気もしますし。ただ、岸谷さんを見ていて思うのは、やっぱり才能のすごさですよ。「戻ってみようかな」って思ったからって、普通だったら、再び曲を書けないですよ。岸谷それはモードってことだと思います。お母さんモードになっている時は、1曲どころか1小節も出てきませんでしたから。そのころは、“私は生き物として変わったんだろうな”と思っていたんですよ。“昔はどうやって曲を書いていたんだろう?細胞が違うんだろうな。だったら一生おかあさんでいいや”って。でもPRINCESS PRINCESSで音楽活動をすると決めて、1年半くらい準備している期間に、だんだん昔の細胞に戻ってきて、音楽って楽しいというモードに戻れたんだと思います。私はデビューから数えると、来年で40周年くらいなんですけど、実際の活動期間でいうと、10年くらい休んでいるので、30年くらいの感覚なんですよ。そこも大きいかもしれません。充電期間がある分だけ、ずっとやっている人よりは、飛び上がる力が残っているのかなと(笑)。――その10年を考えると、同級生で、なおかつお互いにデビューから30年くらい活動しているということでは、岸谷さんとスガさんの活動期間、帳尻が合っているかもしれませんね。スガ全然合ってないですよ(笑)。――ここまでの道筋は違うものの、同級生のおふたりが弾き語りのツーマンで共演するのは、興味深いことです。それぞれ弾き語りについて思うことをうかがいたいのですが。岸谷スガさんがそもそもギタリストだったっていう話を聞いて、ものすごくビビってます。早く家に帰って練習しなきゃって(笑)。――スガさんは、エフェクターやルーパーも駆使して、スラム奏法も使って、工夫しながら弾き語りをやられていますよね。スガ僕は鍵盤ができないので、アコギ1本でやるしかないですから。でも普通に2時間やると、お客さんが飽きちゃうんですよ。岸谷前にもスガさんはそうおっしゃってましたけど、絶対にそんなことはないと思いますよ。でも、思っちゃうんですよね、“聴いている人、飽きちゃうんじゃないかな”って。スガ1時間くらいだといいんだけど、2時間、ポロンポロンだけだと飽きちゃうから、いろいろ手を変え品を変え(笑)。本当は楽器も替えたいところなんですが、ギター以外はできないので、リズムを出したり、いろいろ催し物をやったりして、飽きさせないようにしているだけで。本当は、2時間ギターだけのシンプルな弾き語りを目指したいんです。岸谷私もまったく同じことを感じています。みんなが飽きるんじゃないかということもあるし、自分も同じことばかり続けるのが苦手ということもありますね。私も手を変え品を変えたいタイプなんですよ。でもレディ・ガガやテイラー・スウィフトやルーファス・ウェインライトも、弾き語りでそんなに大したことをやっているわけじゃないですよね。だから、もしかしたら弾き語りって、ちょっと考え方が違うのかなと思うこともあります。その人がそこでやってりゃいい、みたいところに立ち戻るのもありなのかなって。スガなるほどね。存在して、歌を歌ってること自体が弾き語りみたいな。岸谷本当はそれで成立するのかなと思ったり。スガオレの場合は、マインド的にそこには行けないと思う。そういう人たちはきっと、“お客さんが飽きないかな?”とか、考えないですよね。岸谷確かに。私の場合は、自分がつまらなくなるのが大きいと思います。1番と2番でもアレンジを変えたくなりますから。スガさんの曲だと、グルーヴがほしくなるんじゃないですか?スガでも、アコギだけだとグルーヴが出ないんですよ。だから諦めて、テンポをゆっくりにしてやったりしています。自分で弾き語り全国ツアーを回る時は、オープニングアクトとして、地元の弾き語りやってるアーティストに2、3曲やってもらっているので、なんだかんだ80組くらい見てきてるんですよ。そうすると、カラオケを出して、ギターを弾きながら歌っている人が多くて。岸谷えっ?弾き語りで?スガそう。それって弾き語りじゃないんじゃないかと思うんですが、若いヤツらは、そういう感覚なんですよ。「トラック、出します」みたいな。トラックという時点で、すでに昔とは感覚が違うんだなと感じます。弾き語りの幅がますます広くなっているというか。何でもありの総合格闘技みたいになってきてる感じがします。オーソドックスなギターだけの人もいますが、2曲オーソドックスにやって、「最後に新曲を」と言って、CDかけて、バッキングトラックをフルオケで出して歌ったり。そういうものなんだな、今という感じがするなあって。で、そういうやり方を目の当たりにして、がっつりトラックを出して、歌ったこともあるんですが、そうすると、弾き語り感がまったくなくて。岸谷それはないでしょ。スガそう、ないんですよ。“オレが演奏してオレが歌う”みたいな感じがないので、最近は自分以外の音はどんどん外していく傾向があって、かなりシンプルに戻しました。岸谷私もシンプルになってきましたね。以前は、“ここでコーラスがほしい”と思って、ルーパーでコーラスを重ねたり。スガやったやった(笑)。岸谷サービス精神があるから、いろいろやってきて、ベースで弾き語りをやったこともありました。ピアノでアルペジオを1個弾いて、ずっと流したこともあります。だけど、ピアノはライン楽器じゃないから、重ねるごとに音質が悪くなっていくので、これはダメだなって。最終的に10本の指でできることだけ、弾けばいいっていう風に、一周回って今戻ってきています。スガ僕は結構ルーパーは使ってますけどね。岸谷私もルーパーは使いますけどね。友達のミュージシャンを見ていると、ルーパーの使い方もいろいろなんだなって、発見がありますね。私はルーパーでリズムは出さないんですよ。メロディ楽器の助っ人として使って、本来のバッキングは自分でやってます。バッキングをルーパーに入れて、上物を自分でやっている人も多いですよね。スガ僕はそのパターンが多いですね。あと、サウンドコラージュみたいなこともやっています。どのコードにも合わないようなフワ~ッとした音をずっと流している上で、弾き語りすると、景色ができるんですよ。岸谷ええっ、見たい!スガで、一番いいところでバーンと切って、現実に戻すみたいな使い方をしていますね。――ひとりで観客と向き合っているという、弾き語りのマインド的な部分で、思うことはありますか?スガ自分だけの長い長い弾き語りのツアーだと、自分がどこにいるのかわからなくなることはありますね。というのは、ライブハウスの景色って、そんなに変わらないから。演奏する曲もほぼ一緒だし。自分で自分のパフォーマンスに飽きることもあるんですが、今回のツーマンは、1回だけですし、お互いのお客さんが入り乱れているだろうから、“いいところも見せないとマズいな!”という緊張感もあるし、マインド的な懸念はないですね。岸谷私は楽器を持って、一緒にステージに立てることがとてもうれしくて。“神様、私に楽器を与えてくれてありがとうございます”って心から思いますね。というのは、楽器をやらない人には、この楽しさがわからないだろうから。かつて、“ギターもピアノもなぜ思うように弾けないんだろう”ってイラっとすることが多かったんですが、最近やっと、“できないことはたくさんあるけれど、人と一緒にやるのは、なんておもしろいんだろう”という域に来たんですよ。スガセッションの楽しさですね。岸谷そう。スガ シカオワールドがあまりにもすごすぎちゃって、私には絶対に書けない曲を一緒にできるのが、楽しみすぎます。スガそれはこっちのセリフですよ(笑)。岸谷いえいえ。だから今は、もし自分がこの曲を書いていたとしたら、どう演奏するのかなって考えながら、一生懸命コピーして練習してます。私、スガさんの曲でやりたいのが、いくつかあるんですよ。スガどの曲ですか?岸谷「アシンメトリー」とか。スガまた、難しい曲にいきますね(笑)。岸谷だってあの曲、すっごい好きなんだもん。コード進行もかっこいいし。スガそんなこと、ないですよ(笑)。岸谷いや、だから一生の記念に一緒にプレイさせていただきたいんです。ひとりでやる予定でした?スガ全然OKですよ。いつもやっているので。キーは大丈夫ですか?岸谷歌はもちろん、スガさんに歌ってもらうんですよ。ハモったりはするけど。私が今思っているのは、スガさんがひとりで弾き語りしている音源をいただいて、それに私が勝手にアレンジして乗っかるというやり方。「私は横からお邪魔しますね」というやり方を取りたいなって。スガなるほどなるほど。いいですね。セッションっぽいですね。楽しみです。岸谷でもスガさんがPRINCESS PRINCESSの曲をやるイメージはわかないですね。スガ確かに。オレが歌うイメージ、まったく湧かないですね(笑)。どうしたもんか。岸谷私はあと、「Progress」もやりたいなと思っていて。あの曲だったら、ピアノもいけるかなと。スガ確かにピアノもありですね。岸谷今回は生ピアノのある会場を選んでいるので、あとは、アコギとウーリッツァを持っていこうかなと思っています。――スガさんはツーマンをたくさんやられてきて、ツーマンの心得みたいなものはありますか?スガ心得は特にないですけど、セッションがお客さん的にはいちばんの楽しみだと思うので、そこがおもしろくできるといいですよね。僕らはよく、どちらの曲でもないカバーをしています。岸谷確かに、カバーもありですよね。一緒にやる理由があるといいかなと思います。同級生ということで、同じ時代に同じような音楽を聴いてきたもの同士という共通点もあるでしょうし。――観にくる人に向けて、メッセージをいただけますか?スガ岸谷さんのように、バンドマンあがりで、シンガーソングライター的な活動もやっている人とのツーマンは、多分やったことがないと思うんですよ。ミュージシャンとしてのキャラクターも音楽性も全然違うから、かなりおもしろいことになると思います。岸谷似たタイプの人たちが一緒にやるのも、ひとつのやり方だと思いますけど、今回はまったく違いますね。スガほとんどの場合は、似たような人たちなんですよ。こんなに違うと、とてもおもしろいと思います。自分でも楽しみです。岸谷男性と女性というところでも、すでに声のバラエティもあるし、今回は「飽きる飽きない」とか考えずに、お互いの違いを大いに楽しみながら、できるんじゃないかと思います。今回のツーマンのおもしろポイントは、“隣の芝生は青い”ということかもしれませんね。一緒にやらせていただくのが、楽しみです。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<ライブ情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール開場18:15 / 開演19:00ゲスト:スガ シカオ6月11日(日) 大阪・BIGCAT ※SOLD OUT開場16:15 / 開演17:00ゲスト:馬場俊英6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:00ゲスト:miwaチケット料金:全席指定7,000円(税込)※ドリンク代別途必要チケット発売中:関連リンク岸谷香 公式サイト:( )スガ シカオ 公式サイト:
2023年05月23日練馬区立 四季の香(かおり) ローズガーデンは、「2023 ローズガーデンフェスティバル」を2023年5月28日(日)まで開催。“348品種のバラ”が見頃に「2023 ローズガーデンフェスティバル」期間中は、爽やかな紅茶の香りを楽しめるシンボルローズ“四季の香”など、348品種の春バラが見頃に。フルーティーな香りやスパイシーな香りなど6種類の香りの違いごとに作庭した「香りのローズガーデン」や、バラをカラーごとに配置した「色彩のローズガーデン」で、美しく咲き誇るバラを堪能できる。ピンクのローズソフトもまた、「2023 ローズガーデンフェスティバル」では、日替わりで様々なショップが出店するマルシェや、フラコンサート、第一園芸のガーデナーと共に庭を散策するガーデンツアーを開催。四季の香マーケット&カフェでは、高知県立牧野植物園オリジナル和三盆や鮮やかなピンク色のローズソフトを展開する。【詳細】「2023 ローズガーデンフェスティバル」期間:2023年4月29日(土)~5月28日(日)※フェスティバル期間中は火曜日も開園。場所:練馬区立 四季の香 ローズガーデン住所:東京都練馬区光が丘5-2-6開園時間:9:00~18:00(通常より1時間延長)入園料:無料
2023年05月11日アロマには免疫活性やセルフメンテナンスの役割も!英国IFA認定アロマセラピスト 濱美奈子氏による『アロマ調香講座』が池袋コミュニティ・カレッジで開催されます。同講座は全3回で、開催日は5月26日(金)、6月30日(金)、7月28日(金)です。第1回は、調香の基本や精油を使った調香方法について学んだ後、アロマミストを製作します。第2回はロールオンアロマ製作、第3回はアロマフレグランス製作を予定しています。1回毎の申し込みも可能です。1回当たりの受講料は会員が5,610円、一般が6,160円、3回分の受講料は会員が16,830円、一般が18,480円となっています。1回毎の申し込みは電話(03-5494-5488)で、3回分の申し込みは池袋コミュニティ・カレッジのホームページで受け付けています。占星術アロマテラピー(R)などを考案濱美奈子氏は、航空会社在職中からアロマテラピーに関する勉強をはじめ、1996年から講師、セラピストとしての活動を開始しました。その後、1人1人の内面に寄り添う占星術アロマテラピー(R)と占星術アロマテラピー(R)精油を考案。2007年から、占星術アロマテラピー養成コースを行っています。2018年には、女優の羽田美智子氏とともにアロマテラピーブランド「M’s aroma」を立ち上げました。現在は、アロマセラピストや講師、コンテンツの制作、執筆など、多方面で活躍しています。(画像は濱美奈子オフィシャルサイトより)【参考】※池袋コミュニティ・カレッジ※濱美奈子オフィシャルサイト
2023年05月09日株式会社 松栄堂(代表取締役社長:畑 正高)は、日本のお香文化を紐解く書籍『香が語る日本文化史 香千秋』を2023年2月25日に出版しました。『香が語る日本文化史 香千秋』は、2001年に刊行した『香千載』(光村推古書院)を大幅に増補改訂したもので、多くの資料を通じて、日本のお香文化へ多角的にアプローチします。URL: 『香が語る日本文化史 香千秋』表紙お香の歴史はいつから?平安貴族が作った香りとは?戦国大名とお香の関わりって?源氏香ってどんなもの?江戸時代から十二代続く京都の香老舗に生まれた著者が、100年ごとに時代を追って、香を軸に日本文化を見つめます。典雅な香道具や歴史的資料など、豊富なカラー図版も見どころ。巻末に「源氏香図・系図香図・三種香図」一覧つき。日英文併記。■3つの特長・「香」を軸に日本の文化史を通覧する、ユニークな構成。・これまでの関連書籍にはなかった「日英文併記」により、日本の香りに関心の高い国内外の読者へ訴求します。・豊富なカラー図版により、視覚的にも理解を促進します。■著者紹介畑 正高昭和29年京都生まれ。同志社大学卒業。1年渡英の後、香老舗 松栄堂に入社。平成10年、同社代表取締役社長に就任。香文化普及発展のため国内外での講演・文化活動にも意欲的に取り組む。著書に「香清話」(淡交社)、「香三才」(東京書籍)などがある。■翻訳者紹介マイケル ジャメンツ昭和23年アメリカ生まれ、ハーバード大学博士課程修了後、平成7年から京都に住み、京都大学などで非常勤講師をつとめながら、中世文学研究と英語翻訳に携わる。■ふたつの連動企画で、もっとお香に詳しくなる!〈新書籍発刊記念展「香千秋」〉会期:3月28日(火)~4月18日(火)場所:松栄堂 薫習館(京都市中京区烏丸通二条上ル東側)概要:松栄堂本店に隣接する小さな香りの博物館「薫習館(くんじゅうかん)」で開催します(入場無料)。本書に登場する香道具の展示をはじめ、手に取って本書をご覧いただけます。薫習館では他にも、貴重な天然香料の香りを体験できるスポットや、お線香作りのジオラマ展示など、日本のお香にまつわるさまざまな企画を展開中です。〈匂い香づくりワークショップ〉会期 : 4月17日(月)・18日(火)場所 : 大垣書店(京都市) 京都本店イベントスペース「催」参加費 : 1,980円(税込)概要 : タブレット状の原料を自由に組み合わせて、オリジナルの香りを作ることができます。仕上がった香りはカラフルな巾着袋に入れて、匂い袋としてお持ち帰りいただけます。詳細・お申し込み: 松栄堂ウェブサイトでご確認ください。 ■商品情報書名 :香が語る日本文化史 香千秋発売日 :2023年2月25日著者 :畑 正高訳者 :マイケル ジャメンツ定価 :1,980円(税込)版型 :B5判 並製ページ数 :116ページISBNコード:978-4-9912784-0-2 C0076 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月30日毎年2月に開催される岸谷香のスペシャル企画ライブを、今年も『岸谷香 感謝祭2023』として開催。相変わらずパワフルな歌とギター、ゲストとの趣向を凝らしたセッションで観客の興奮をあおり続けるライブは、選曲も歌も演奏もEX THEATER ROPPONGIという会場にふさわしく、高級感がありながら遊び心満載な“大人の祭り”となった。4回目となるこの感謝祭は、新作を引っさげたツアーや外部のイベント出演とは違い、岸谷の楽曲アレンジと構成で作られる内容となるため、場内には最初からどこかそわそわウキウキした空気が漂っている。自身のバンド・Unlock the girlsのメンバーとともに登場し、一曲目の「49thバイブル」から岸谷本人もいきなりトップギアに入ったのがわかった。というか、肩だしシャツ+穴あきジーンズ+チェーンベルトというファッションで、いきなりハイトーンボイスを披露されたら、観客だってトップに入れざるを得ない。「久しぶりだね、この感じ。今日は健康と、ライブができる音楽に感謝、来てくれたゲストに感謝、そしてみんなにも感謝!いろんな感謝を込めて。最後まで楽しんでください」歯切れのいい挨拶のあと、肩からエレキギターを下げて「MELODY MELODY」へ。年齢を重ねるにつれ声が甘くなり、むしろ少女のような可愛さが出てきているのはなぜなのだろうか。プリンセスプリンセス時代のハスキーなのに高音域に艶のある歌声も良かったが、現在の張りがありながらも滑らかな歌声も、岸谷香ならではの抑揚豊かなメロディをとても鮮やかになぞっていく。岸谷は今でもなおエレキをガンガン弾きまくるのだが、その歌声は激しい伴奏や緻密なソロといったロックサウンドと好相性だった。スペシャル企画ライブということで、この日はふたりのゲストを招き、それぞれとのコラボコーナーで盛り上がる。まず一人目は、10年ほど前のイベント出演を機に知り合い、これまで何度かステージで共演してきたという後輩世代の藤巻亮太。柔らかく、少し鼻にかかった藤巻の歌声は濃厚な甘さと渋さを持っていて、そのデュエットはなんだか豪華なスイーツのよう。岸谷香いわく「初めて聞いたとき、私マネしてないよ!って思わず言っちゃったくらい、私の世界観と似てる曲だなと思ったの」という藤巻の楽曲「南風」はもちろん、岸谷がKeyとコーラスを担当する「3月9日」も、どちらの楽曲であってもおかしくないくらいマッチしていて、ふたりが音楽人として惹かれあう理由を物語っていた。特に、岸谷のKeyによるイントロから始まった「粉雪」は鳥肌モノ。藤巻の歌声をサビから一斉に女性コーラスが包み込むアレンジは、これまでの同曲とまったく違う景色を見せた。藤巻が舞台袖に引いたあとすぐ、歌いだしが〈雪が降ってた〉から始まる「また恋ができる」に続いたのも、「粉雪」の風景を引き継ぎたい岸谷の計らいだったのだろう。「久しぶりに声出しOKだし、みんな“ああ”とか言っちゃったりして」と可愛らしくコールを促して、「Diamond<ダイアモンド>」をサービス。それこそ何十年も前に聞きまくった曲だから尚更思うのだが、昔の曲をなぜこうも懐メロ感なく聞かせることができるのか。もちろん楽曲そのものに対する懐かしさは、誰しもの中に回顧的なものとしてある。でもそれ以上に、今の自分の表現のひとつとしてこの曲と向かい合っている岸谷の姿勢が、きちんと楽曲に新鮮さを与えていたのだと思う。原曲へのリスペクトと音楽への探求心がバランスよく保たれた同曲は、これまでさんざん聴きまくってきた人の耳にも快適だった。そして後半には、二人目のゲストである荻野目洋子を招き入れ、ビート強めな曲を続けて盛り上がる。この土地で聞くことに感動すら覚える「六本木純情派」と、スパンコール攻めのスカート&ピンヒールブーティという荻野目ちゃんを目の前に、テンション上がらないわけがない。1992年に岸谷が楽曲提供したというキュートなポップス「ラストダンスは私に」、荻野目のウクレレ演奏にあわせ、岸谷とバンドメンバー全員がコーラスに徹した「虫のつぶやき」など、一曲ごと様々なアプローチで楽しんでいく。聞けばふたりの出会いは岸谷が赤坂小町の頃で、歌番組での共演やラジオ出演、楽曲提供やスーパーでの遭遇など、ゆっくりながら大切に距離を縮めてきた間柄なんだそう。アーティストとして尊敬しあいながら、お互い女性として憧れを抱いている関係性が、見ていて微笑ましかった。何より岸谷と荻野目、キャラは違えど情熱の持ち方が似ているのだ。おそらくプリプリ時代以上にギターやピアノに対する熱意やこだわりが増している岸谷と、ここ数年になってギターをはじめ、全曲自作のアルバムをアナログ盤でリリースするに至ったという荻野目。いくつであろうが自分の興味関心にまっすぐ突っ込んでいくふたりのパフォーマンスからは、とてつもないエネルギーが伝わってきた。「それでは、全力でダンシングしてください!」という掛け声を合図に、本家はもちろん岸谷もダンスを披露する「ダンシングヒーロー」、荻野目がエレキギターをかき鳴らす「OH YEAH!」と続け、客席はこの日一番の歓声とジャンプを見せた。コラボ後は、再び岸谷とバンドメンバーだけで「Unlocked」「バタフライ」などロックチューンを続けてラストを目指す。疾走感ある曲でギターテクを見せつけたと思ったら、「Dump it!」ではハンドマイクで客に詰め寄り、豪快なシャウトを決める。これ、もはやあっけに取られるレベル。これだけの長い年月、ロックアーティストであり続け、演奏テクを磨き続け、声を張り上げられる自分をキープできている人はそうそういないのだ。ラストの「Signs」で見せた速弾きソロは鳥肌立つほどカッコよく、そのハードロック魂に心の底からしびれた。アンコールでは、再び藤巻と荻野目を呼び込み、今もなおあちこちで歌い継がれる名曲バラード「M」を全員で披露。やはり前述した「Diamond<ダイアモンド>」同様、この曲もじつに新鮮な響きを持っていいて、曲の素晴らしさにあらためて気づかされる。この『岸谷香 感謝祭』は、本人もMCで言っていたように、岸谷本人にとっての音楽やファンへの感謝を示すことを目的に開催された。しかし、岸谷香がこれまで築いてきた自分と音楽の絆の強さと、新たに描こうとしている世界観を感じられるライブから得られたものは、見る側にとってあまりにも大きい。情熱を注ぎ続けることの尊さを実感させてくれたことへ、こちらこそ感謝したくなるライブだった。Text:川上きくえ<公演情報>岸谷香 感謝祭20232月23日(木・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGIセットリスト1. 49th バイブル2. MELODY MELODY3. STAY BLUE<w/藤巻亮太>4. 雨上がり5. 南風~ミラーボール6. 3月9日7. この道どんな道8. 粉雪9. また恋ができる10. Diamonds<ダイアモンド><w/荻野目洋子>11. 六本木純情派12. ラストダンスは私に13. 虫のつぶやき14. ダンシングヒーロー15. OH YEAH!16. Unlocked17. バタフライ18. Dump it!19. Signs<アンコール>1. M2. ハッピーマン<ライブ情報>岸谷香 プレミアムアコースティック 2マンライヴ6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール6月11日(日) 大阪・BIGCAT6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール※各地対バン相手は後日発表一般発売日:4月15日(土) 予定藤巻亮太 Live Tour 2023『Sunshine』※終了分は割愛3月3日(金) 宮城・仙台Rensa3月5日(日) 福岡・DRUM LOGOS3月10日(金) 愛知・新栄シャングリラ3月11日(土) 広島・CLUB QUATTRO3月19日(日) 大阪・umeda TRAD3月21日(火・祝) 山梨・甲府CONVICTION3月22日(水) 山梨・甲府CONVICTION藤巻亮太『THANK YOU LIVE 2023』3月9日(木) 東京・I’M A SHOW関連リンク岸谷香 HP:荻野目洋子 HP:藤巻亮太 HP:
2023年03月02日「お仏壇のよねはら」を運営する株式会社 一ヨ米原仏具店(所在地:北海道札幌市、代表取締役:米原 実)は、国産を中心とした上質なお香を豊富に取り揃えた北海道初のセレクトショップ「kuyu(くゆ)」を2023年3月6日(月)、札幌市中央区にオープンいたします(取り扱い商品数:12ブランド約500点)。「kuyu」詳細URL: 創業126周年の老舗が厳選したお香アイテム■店舗の特徴*創業126周年の老舗が厳選したお香アイテムを豊富にラインナップ先人から受け継がれる日本の美しい香文化を、日々のくらしの中で気軽に楽しんでほしい。〈kuyu〉は、そんな想いから誕生したお香のセレクトショップです。創業126年の歴史を紡ぐ仏具専門店「お仏壇のよねはら」が大切な方を想う心に寄り添う香りをお届けしてきた経験を活かし、厳選した多彩なお香アイテムをラインナップしました。国内の主要ブランドはもちろん、話題の商品をいち早くご紹介いたします。*試し焚きが出来るくつろぎのスペースをご用意お香の香りは火をつける前と後で違いがあります。実際に焚いた香りを確認いただけるスペースをご用意しました。街の喧騒を忘れさせる落ち着いた雰囲気の中、試し焚きをしながらじっくりとお気に入りの香りを見つけていただけます。*各種ワークショップの開催店内にはフリースペースを開設。各種ワークショップの開催や、地域の方のコミュニティスペースとしてもご利用いただく事を予定していますイメージ画像外観■おすすめアイテム<hibi レギュラーボックス8本入り> 770円(税込)日常に10分、自然のアロマを。~ Natural “aroma” for 10 minutes every day. ~マッチを擦るように火をつけて、立ちのぼる自然の香りに身をゆだねて。hibiは、着火具がなくても手軽に使えるお香スティック。淡路島のお香と、播磨のマッチ。兵庫県のふたつのものづくりの伝統が出会って生まれました。レギュラーボックス(専用マット付)は初めてhibiを購入される方におすすめです。お香スティック8本と専用のお香マットがセットになっています。hibi レギュラーボックス8本入り<Daily INCENSE 5種アソート> 1,760円(税込)毎日使いたい、スタンダード。長い年月の間、産地で毎日作られているスタンダードなものを使いやすい大きさ、使いやすい量、近くに置いておきたいパッケージにリデザイン。毎日使いたいアイテムをとり揃えました。 長く愛されるものにはどれも理由があり、暮らしの道具や文化的なものなど、“使う”ということを考えて作られたものばかり。デザインをして新しいものを作るのではなく、今あるものをよりよくする。シンプルで飽きのこないDailyをお楽しみください。2つのテーマ/各6本×5種類の香り少しの量でいろんな香りを楽しめるアソートボックス。スタンダードな香りやハーブの香りを織り交ぜ、カテゴリーごとにセットしたアソートメント。これからお香を始める方や、ギフトとしてもおすすめです。Daily INCENSE 5種アソート■店舗概要店舗名 : kuyu(くゆ)開店日 : 2023年3月6日(月)所在地 : 〒064-0804 北海道札幌市中央区南4条西2丁目2(一ヨ米原仏具店内)アクセス: 地下鉄東豊線「豊水すすきの」駅3番出口徒歩1分地下鉄南北線「すすきの」駅3番出口徒歩2分営業時間: 9:30~18:00定休日 : 木曜日(6~8月は無休)電話番号: 011-511-5000URL : ロゴ■会社概要商号 : 株式会社一ヨ米原仏具店代表者 : 代表取締役 米原 実所在地 : 〒064-0804 北海道札幌市中央区南4条西2丁目2設立 : 1956年10月(創業明治30年)事業内容: 寺院仏具・納骨堂設計・施工仏壇・仏具・神具小売・卸墓石設計・施工結婚式場設計・施工資本金 : 2,000万円URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】お香セレクトショップ kuyuTEL : 011-511-5000お問い合せフォーム: info@kuyukou.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月28日2月23日(木・祝) に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催された『岸谷香 感謝祭2023』のオフィシャルレポートが到着した。岸谷香が「元気に楽しく音楽をやれている事に感謝し、お客様に喜んで頂ける様に、毎回ゲストを迎え特別なセッションをする」、毎年2月に開催している年1回恒例のコラボイベント『岸谷香 感謝祭』。2月23日(木・祝) ソールドアウトの東京・EX THEATER ROPPONGIにて、自身のガールズバンド“Unlock the girls”とともに、荻野目洋子と藤巻亮太を迎え、全21曲を披露し、満員の観客を魅了した。プリンセス プリンセス時代の曲から現在のソロ曲など新旧織り交ぜ、今の岸谷香を真っ直ぐ表現するセットリスト。挨拶代わりに3曲披露し、「雨上がり」のギターの前奏に乗せて藤巻亮太を呼び込む。岸谷は、「ふたりの初めての出会い」や、「藤巻君の曲は大好きな曲が多い」というエピソードも披露。お互いの曲を組み合わせた「南風~ミラーボール」のメドレー、岸谷のピアノと藤巻のエレキギターというふたりだけで、しっとりと聞かせた名曲「3月9日」、新曲の「この道どんな道」、そして最後は今の季節にぴったりの「粉雪」と、誰もが納得の圧巻なステージを披露した。岸谷香×藤巻亮太藤巻を送り出した後、「また恋ができる」をしっとり聴かせ、「Diamonds<ダイアモンド>」で客席は一気に盛り上がる。続いて迎えたゲストは荻野目洋子。ご存知「六本木純情派」のイントロで呼び込まれた荻野目は、圧倒的なステージを披露し、観客も釘付け。岸谷が荻野目に提供した「ラストダンスは私に」、荻野目のウクレレ伴奏とヴォーカルをメンバー全員でコーラスで支えアコースティックに聞かせた「虫のつぶやき」、そしてお待ちかねの「ダンシングヒーロー」では、荻野目の切れのあるダンスに合わせて、ギターを降ろし自身も全力で踊る岸谷香。笑顔のふたりに満員の観客が大いに沸いた。ラストは「OH YEAH!」。荻野目はヴォーカルとともにエレキギターで、全員でセッション。息の合った、特別なコラボレーションとなった。岸谷香×荻野目洋子そこからは「Unlocked」「バタフライ」「Dump it!」と、自身のバンド「Unlock the girls」とともに、今の岸谷香の楽曲たちを披露。ラストの「Signs」では、圧巻のギターソロを魅せ、本編を終えた。Unlock the girlsアンコールはゲストも併せて、全員でステージに。岸谷のピアノの前奏が始まると、どよめきと大きな拍手が起こった「M」。荻野目、藤巻、岸谷の3人で歌い分け、ギターソロは藤巻と岸谷のツインを披露。ゲストを送り出し、岸谷のソロ曲「ハッピーマン」で終演。贅沢な一夜限りのステージとなった。予期せぬダブルアンコールを受け、ひとりでステージに出てきた岸谷から、「今年6月に自身の企画でアコースティックのツーマンライヴを東京、名古屋、大阪で開催します!対バン相手は全部違います!」と発表。満員の観客からどよめきと惜しみない拍手が送られ、イベントは幕を閉じた。<公演情報>岸谷香 感謝祭20232月23日(木・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGIセットリスト1. 49th バイブル2. MELODY MELODY3. STAY BLUE<w/藤巻亮太>4. 雨上がり5. 南風~ミラーボール6. 3月9日7. この道どんな道8. 粉雪9. また恋ができる10. Diamonds<ダイアモンド><w/荻野目洋子>11. 六本木純情派12. ラストダンスは私に13. 虫のつぶやき14. ダンシングヒーロー15. OH YEAH!16. Unlocked17. バタフライ18. Dump it!19. Signs<アンコール>1. M2. ハッピーマン<ライヴ情報>岸谷香 プレミアムアコースティック 2マンライヴ6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール6月11日(日) 大阪・BIGCAT6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール※各地対バン相手は後日発表一般発売日:4月15日(土) 予定関連リンク岸谷香 HP:荻野目洋子 HP:藤巻亮太 HP:
2023年02月24日「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」では、イースターシーズンの期間限定イベント「2023 ハッピーイースター」を、2023年3月18日(土)から4月16日(日)までの期間で開催される。「練馬区立 四季の香 ローズガーデン」1万本のチューリップで春色にそれぞれテーマの異なる2つのローズガーデンを中心に、園内で多種多様なバラを展示している「練馬区立 四季の香(かおり)ローズガーデン」。今回のイースターイベントでは、春を代表するチューリップにフィーチャー。品種100種類以上、約10,000本のチューリップが園内を春色に染める。チューリップの摘みとり体験、日替わりマルシェ期間中は、自宅に持ち帰れるチューリップの摘みとり体験、手作りの雑貨やお菓子、アロマ関連のショップが日替わりで出店する「春のローズガーデンマルシェ」、オリジナルのイースターエッグづくりが楽しめる「お絵かきイースターエッグ」、第一園芸のフローリストが子ども向けにバラの花かんむりを作るイベントなど、様々な企画が楽しめる。週末&祝日限定のカフェもさらに、土・日・祝日には「四季の香カフェ」がオープン。イースターをモチーフにした限定スイーツ「春のイースターパフェ」のほか、定番人気の「ガーデンパフェ」や各種ドリンクを散策の合間に楽しめる。開催概要「2023 ハッピーイースター」開催期間:2023年3月18日(土)〜4月16日(日)※毎週火曜日は園が休園日のため休みとなる。3/21(火)の祝日は開園、3/22(水)が臨時休園となる。時間:9:00〜17:00場所:練馬区立 四季の香ローズガーデン「香りのローズガーデン」入園料:無料【施設情報】四季の香ローズガーデン住所:東京都練馬区光が丘 5-2-6営業時間:9:00〜17:00休園日:毎週火曜日(火曜日が祝休日にあたる場合、その直後の祝休日でない日)および年末年始(12月29日〜1月3日)入園料:無料
2023年02月22日お香をたく時間を豊かに演出し、そのまま置いておくだけでインテリアの一部になる、個性派のインセンスホルダーをセレクト。美しいデザインを揺らめく煙とともに眺め、視覚でもお香を楽しんで。真鍮の輝きと、優美なラインが魅力的。ロンドンのデザインスタジオによる手作りのインセンスホルダーは、小ぶりながらも存在感のある真鍮製。経年変化して、使うほどにアンティークのような趣に。写真のようにいくつか並べて飾るのもおすすめ。各¥7,700(Subtle Bodies/JAU)シンプルで力強い形が、空間のアクセントに。ミニマルな形が目を引くインセンスバーナー。マットに仕上げたアルミニウム素材も、モダンなムードを演出するポイント。オーストラリア・メルボルンを拠点とするデザインスタジオから。¥5,500(Lightly/JAU)情緒深い月夜の景色をミニマルに表現。京都で安土桃山時代から続くお香の老舗による、香皿と香立てのセット。月が水面に映る様子から着想を得た、静寂を感じさせるデザインが美しい。香立ての位置は自由に配置できるので、自分好みに楽しみたい。¥4,620(薫玉堂 TEL:075・371・0162)独創的な世界観で魅了するドイツ発の陶芸ブランドから。デザイナー、ベルンハルト・クーンが生み出す作品は、ポエティックでどこかファニー。水鳥の形をしたインセンスホルダーは、愛らしい表情に注目を。他にゾウやライオンも。¥5,390(クーン ケラミック/エイチ・ピー・デコ TEL:03・3460・0313)ぴたりと合わせれば、キューブ形のお香立てに。淡路島在住の現代美術作家・南野佳英が作るインセンスホルダーは、台風で倒れた椨(たぶ)の木で作られたもの。お香の主原料としても使われる椨は、深みのある色合いが特徴。CUBE5955点セット¥13,750(√595)※『anan』2023年2月8日号より。写真・多田 寛スタイリスト・池田沙織文・間宮寧子(by anan編集部)
2023年02月02日毎年恒例になっている岸谷香主催イベントの4回目となる『岸谷香感謝祭2023』のゲストは荻野目洋子と藤巻亮太のふたり。合計4回にわたってお届けしている記事、今回は岸谷×荻野目対談の後編だ。 前編() では、ふたりがいかに母親であることとミュージシャンであることを両立しているか、踏み込んだ話となった。今回は楽器、曲作り、バンド、さらにイベントに向けての思いなど、音楽に関するさまざまな話題について、話が広がった。――活動休止期間を経たことで、練習に対する意識が変わってきたとのことですが、ライブに対する意識で変わってきたところはありますか?岸谷ありますね。“ライブの出来”はもちろん重視しますが、自分が満足するだけじゃなくて、みんなに楽しんでもらいたいという思いが、より強くなってきました。大事にしているものも、少し変わってきた気がします。荻野目どう変わってきたんですか?岸谷子供がいなかった頃は、“音楽が私のすべて”という意識でやっていたのね。ところが練習はそんなにしませんでした。「練習通りに本番ができるわけないじゃない?」みたいな。当時の自分を叩きたくなりますけど(笑)。今はできるかぎり練習しないと、気が済まなくなりました。子供が熱を出して、「リハに行けないけど、本番は行きます」みたいな状況になったとしても、“これまでしっかり練習してきたから大丈夫”って、練習した事実が自分を支えてくれると、ステージに立てるんですよ。以前は怠け者でしたが、勤勉になりました(笑)。岸谷香荻野目そうなんですね。私は昔から練習は好きだったんですよ。ただ、若い頃はドラマの仕事など掛け持ちがあるので、思うようにいかないことが多々ありました。20歳のころに1度だけ武道館をやらせてもらったんですが、振り付けとか、覚えることがいっぱいあるのに、練習時間が限られていて。時間が全然足りなくて、“もっともっと練習をしなきゃ”ってところで本番を迎えたんです。不安とプレッシャーとの戦いがすごすぎて、自分が辛すぎる、みたいな。今の自分からすると、「そんなに力を入れなくていいよ」って声をかけてあげたいくらいでした。岸谷以前の自分を叩きたい私とは大違いですね。荻野目今も練習は好きなので、やりたいと思ったらとことん、ご飯も作らずにやりたくなります。さすがにそれは無理だから、今日は何時までって決めて、練習部屋で練習して、時間が来たら、家に帰り、母としてやるべきことをやっています。そういう意味では、切り替えがうまくなったのかもしれません。今日はここまでしか出来なかったけど、納得はしているということですね。荻野目洋子岸谷私が練習をよくするようになったのは、時間が限られていることも大きいと思いますね。今は子供たちが大きくなって、解放されましたが、ある時期は、限られた時間だからこそ、余計に大事というか、“練習をやりたい”という気持ちが強くなってました。荻野目確かに時間が限られていると、尊いものに感じますよね。練習している時間すらもキラキラしているなって(笑)。岸谷そうそう。以前は「練習、えーっ!」って言ってたのに、今は「みんな、練習しようよ」って率先してやっているという(笑)。――しばらく音楽から離れていたから、余計にそう感じるのではないですか?岸谷あとは、やっぱり家に帰ったら、やらなきゃいけない家事があるからじゃない?シンデレラの屋根裏部屋が待ってるからこそ、それまではキラキラしていたいということですね(笑)。――音楽の練習はどのようにやっているのですか?荻野目私はその時によって、今日は歌だけ、今日はウクレレだけって決めて、練習しています。サザンオールスターズの関口和之さんに声を掛けていただいて、一緒にウクレレバンドをやらせてもらっているので、ウクレレバンドの活動の前は、ウクレレの練習をしています。岸谷ウクレレ、難しくないですか?荻野目ギターよりも簡単だと思います。ギターよりもすぐに音が出るので。岸谷そっか。私、実はハワイで調子に乗って、割といいウクレレを買ったんですよ。でもギターを先に始めちゃってると、「なんでこれでDが出るんだろう?」って、違和感満載で馴染めませんでした。結局、ウクレレを始めたばかりのスタッフに、「貸してあげるね」って言って、結果あげたみたいな(笑)。荻野目えー、あげたんですか。ギターを弾くのが上手すぎるから、そうなるんでしょうね。岸谷弦の数も違うし、並びも違うでしょ。ミラレソシミ以外には弦が並んじゃいけないと思っているから。荻野目私はそういう覚え方をしてなくて、手でなんとなく弾いてます。岸谷そのほうがいいのかも。音で考えちゃうと、馴染めない。荻野目ウクレレバンドのライブが近づいてきたら、そっちに集中して、新鮮な気持ちで、高木ブーさんやよっちゃん(野村義男)たちと一緒に演奏させてもらっています。バンド活動って、楽しいですね。岸谷楽しいよねえ。――久々に音楽活動を再開して、時代の空気の違いを感じた部分はありましたか?岸谷今って、なんでもありだな、こうじゃなきゃいけないという枠がなくなってきたんだなと感じています。80年代の頃は“バンドはこう”、“アイドルはこう”というように型にはめる風潮があったじゃない?荻野目そうですね。岸谷今はみんなが自由に発信していますよね。ただし、この世代は知ってるけど、この世代は知らないみたいに、音楽を聴く層が細分化している難しさもあると思いますけど、自由なところはいいですよね。デビューした頃、「楽器なんか持ってないで、踊りなさい」と言われましたから。荻野目つい最近まで、アイドルと呼ばれる人たちは、「こうしたほうが売れるよ」って、型にはめられる傾向がありましたよね。でも最近は、わかりやすいところでは、BTSさんもある時から自分たちで楽曲を作り始めていますし、それぞれが自分たちのやりたいことをやれるようになってきたんだなと感じています。娘がその世代なので、全部教えてもらっています。「苦しいときは苦しさを歌詞に込めているんだよ」って娘が熱く語ってくれて(笑)。楽曲にその時の心情が反映されているから、お客さんも応援したくなるんだろうな、私も自分から発信しないといけないなあと思いました。香さんのように自分で曲を作ってやってこられている方とは違って、私は“作られる側”というところが最初にあって、その中でもがいてきたので、これからはもっと自分から発信しないといけないなって痛感しています。上手い下手じゃなく、発信したいことを形にしていくことが大事だなって。――荻野目さんの作ったNHKみんなの歌の「虫のつぶやき」、いい曲ですよね。岸谷虫の歌、作ったんですか?荻野目作ったんですよ。子供のころから虫が好きで。珍しいと言われるんですけど、虫の気持ちになると、言いたいことが出てくるんです。たとえば、蛾の気持ちになったら、“なんで蝶に似ているのに、蝶と違って嫌われるんだろう”みたいなことが出てくるので、そういうことを歌にしました。岸谷確かに蝶だと、急にかわいいイメージになるもんね。荻野目そういうことを人間界に置き換えてみると、共通項があるなって。あの曲を自分で作ったときに、言いたいことを言えた気がして、充実感がありました。多分、香さんはそういう充実感をいっぱい経験されていると思いますけど。岸谷歌詞はすごく時間がかかるし、言葉は果てしなくあるので、私にとっては、作詞を書くほうが大変ですね。作曲はドレミファソラシドの中で作るから、ひらめきとアイデアでの勝負みたいなところはあるんだけど、歌詞はどうにでも変えられるし、何でもいいから、逆にとても難しいです。だから、歌詞ができた時の充実感はよくわかります。“やっと生まれた~!”みたいな。あの感覚があるからこそ、次に向かえるんですよ。私の場合は、だいたい曲が先なんだけど、白紙の歌詞カードを見ると、先が遠すぎて、やる気が起きません(笑)。なんとか書かずにすませられないかって毎回考えるんですが、書かなければ終わらないので、頑張って書いています。荻野目同時に作ることはないんですか?岸谷ほとんどないかな。私はメロディや和声のジャンルのミュージシャンなので、本当は歌詞を書きたくないのね。PRINCESS PRINCESSの時は、作詞にこだわりのあるメンバーがいたので、「そっちは任す。私はこっち」という感じで分担作業をしてました。「たまには香が書きなよ」と言われて、「えーっ」って言いながら書くこともありましたけど。きちんとした内容の歌詞は、他のメンバーが書いてくれるから、私は「彼氏がほしい」とか、どうでもいい歌詞を書いたほうが、それぞれの違いが出て、おもしろいかなって、気楽に書いていました。でもひとりになったら、きちんとした歌詞も書かなきゃいけなくなったんですね。「ラララでいい」と言われたら、「ラララ」で出したいくらい。だから苦痛ですけれど、できた時の喜びが大きいので、頑張れるという。白紙の歌詞カードを見ると、気が遠くなるけれど、早くあの喜びにたどり着きたいと思って頑張っています(笑)。荻野目同時はないんですね。私は「虫のつぶやき」を書いた時は詞と曲が同時だったんですよ。できあがった時は、本当に言いたいことを言えたので、うれしかった。岸谷それは先に言いたいことを書いて、そこにメロディを付けるということではなくて?荻野目じゃなくて、ウクレレを弾きながら同時に作りました。――岸谷さんが荻野目さんを『感謝祭』に誘った経緯を教えていただけますか?岸谷『感謝祭』、コラボが楽しいからで始めたところがあります。バンドも楽しいんだけど、バンドだけだと、一緒にやる人が限られてしまうので、いろいろな人とコラボをしたくなるんですね。他の人のイベントに呼ばれるうちに、私もやってみたいと思うようになりました。自分が知らない世界を見たいという思いもあるので、自分の友達、好きな人、憧れた人などて、頭の中で思い浮かべて、この人と一緒にやったら、何か楽しいことができるんじゃないかなって感じた人をお誘いしています。2022年は根本要さんと和田唱くんという男性ミュージシャンをゲストとしてお招きしたから、2023年は女子がいいなあ、パフォーマンスとしても華やかなものにしたいなあと考えていたので、洋子ちゃんがぴったりだな、適任者だなって(笑)。荻野目ありがとうございます!岸谷洋子ちゃんとは前から接点はありましたけれど、最近になって赤い糸がより太くなってつながってきたので、いい機会だなと思い、お誘いしました。洋子ちゃんの曲は、ダンスビートのものもあるので、ダンスビートをやるのも楽しいですしね。それでスタッフを通じてお願いしたら、洋子ちゃんからすぐに、「声をかけていただいてありがとうございます」というメールをいただいて、「いえ、こちらこそ。楽しいことをやりましょう」って。荻野目以前からちょこちょこつながりそうで、でも仕事ではそこまでしっかりとつながれていなかったので、とてもうれしかったです。香さんとどういう曲をやったらいいかなって、ずっと考えていたんですよ。岸谷今朝もメールをいただいて、「今日は何を着ますか?」という流れから、「リンダ・ロンシュタットのカバーをしたら楽しいかなあと考えています」といったことも書かれていて。私からも、「ダンシング・ヒーロー」という曲から、バナナラマの「ヴィーナス」に通じるものを感じていたので、「『ダンシング・ヒーロー』と『ヴィーナス』をアレンジしてくっつけたら楽しいんじゃないかなって思うんですけど、どうですか?」って電話をしたんですね。そうしたら、「『ヴィーナス』、昔アルバムでカバーしてました」って。会話をしている段階からすでに楽しいですね。――第1回目の『感謝祭』では、岸谷さんが森高千里さんと一緒に「十七才」を歌って踊ったのは素晴らしいサプライズでした。会場内もとても盛り上がりました。荻野目それは楽しそうですね。岸谷いろいろな楽しみ方があると思うんですけど、観に来ている人たちも80年代を知っている人たちが多かったんです。ある程度、年を重ねてきている人たちが、少年少女の顔になって、うれしそうな表情を浮かべているのを見ると、やっぱり音楽って素晴らしいなあって思うんですよ(笑)。洋子ちゃんもヒット曲を持ってますし、やりたいこともたくさんありますね。『感謝祭』に来る方々が知ってる曲がいいだろうな、みんなが楽しめるのがいいだろうなということは考えています。うちのバンドは30代の女の子3人なので、女の園という感じになると思いますよ。――荻野目さんは女性バンドの中で歌った経験は?荻野目SHOW-YAさんと共演させていただいたことがあります。岸谷SHOW-YAは友達だから言うけど、今やっているUnlock the girlsは、SHOW-YAと真逆という感じですね。SHOW-YAはみんな、私よりもお姉さんだし、タイプがちょっと違いますよね。ああいう大人の感じはなくて、かわいい感じなんだけど、女の子のグルーヴがすごいんですよ。荻野目バンドはどういう風に結成したんですか?岸谷50歳になったときに、「よし!」って気合いを入れて新たにスタートを切れる最後のタイミングかもしれないなと思ったんですね。これはネガティブな意味ではないんですけど、長い年月をかけて熟成させていくものに挑戦するのは、気力的にも体力的にも50歳が最後かもしれないと考えたときに、やりたいなと思ったのが女の子バンドだったんですよ。荻野目そうなんですね!岸谷PRINCESS PRINCESSを解散した時には、“一生、女の子バンドはやらない”って思ったんですが、またやりたくなりました。まわりから反対されるかと思ったら、「いいじゃないですか」ってことになり、信用できる音響や楽器のスタッフから「香さんに紹介したいと思っていた子たちがいるんです」と言われて会ってみたら、この子たちとだったら楽しいことがやれそうだなと感じて、今に至っています。荻野目私は今、バンド編成でステージに立つ時は、ドラムはGRACE(ex.麝香猫)にお願いしています。ベースが御供(信弘)さんなんですよ。香さんの話をしたら、「えー!」って驚いてました。岸谷御供さんとは『Mt.FUJIMAKI』でもご一緒しましたね。GRACEは元気ですか?荻野目元気ですよ。実は20代でツアーを回った時に組んだバンドのドラムがGRACEだったんです。岸谷あっ、そうなんだ。やっぱり縁のある人って、どこかでつながりがあるんですね。大先輩のSHOW-YAもそうですが、GRACEがいた麝香猫、ノーマ・ジーン、Reg-Winkなど、女の子バンドのメンバーと、当時、家で飲んだりしていました。いろいろつながりがあって、おもしろいですね。荻野目私もバンドが大好きなので、『感謝祭』、とても楽しみにしています。岸谷ギターも弾くとのことですから、せっかくだからギターも持ってきてください。女の子全員でやるのも楽しそうなので。荻野目ギターは技術的には全然なのですが、簡単なものだったら弾かせていただきます。岸谷せっかくだから、「ここじゃなきゃ、こんなことはしないよ」みたいなことがあると、おもしろいですよね。ここじゃなきゃできないことをやれたらと思っています。荻野目踊りますか?岸谷死ぬほど恥ずかしかったけれど、「17才」も全力で踊ったんですよ。今回も何か、洋子ちゃんと一緒にやれたらいいな。荻野目じゃあ、ぜひ(笑)。岸谷「ダンシング・ヒーロー」のYouTubeを見たんですが、これは難しいなあ、「17才」のフリとはちょっと違うなあって、ひるんでますけど(笑)。でも、女の子たちだから、ステップだけでも一緒に踏んだら、楽しいと思うし、女の子らしい衣装を着たいですね。そういうことが好きなんでしょうね。荻野目香さんは、きっと私よりもそういうことが好きなんじゃないですか。岸谷そうだと思う。だからバンドの子たちにも、「足をこうやって、ステップを踏むんだよ」って言ったら、「弾きながら、やるのは無理です」「ダメダメ、練習してやるの」って(笑)。だんだん馴染んできてます。彼女たちも自分たちがやったことのないことを楽しんでくれているし、ダンスビートをやるとなったら、最高に盛り上がると思います。荻野目藤巻さんも参加されるんですよね。藤巻さんはどんな感じで?岸谷藤巻くんは対極の感じになると思います。こっちは“華やか”で、藤巻くんと一緒にやるのは“ストイック”な感じ。私がピアノを弾いて、藤巻くんがアコギを弾いて、ふたりだけでやるのも楽しいかなって考えてます。女の子だけでやるところでは、女の子の持っている魅力を最大限に発揮して、華やかにパフォーマンスをやるのが好きなんですよ。千里ちゃんのときも「絶対にミニスカートをはこう!」って言ってたのね。だって男の子にはできないんだよ(笑)。荻野目確かに。岸谷「千里ちゃんの衣装、借りていいですか?」ってお願いして借りて、ふたりでおそろいの衣装を着て、踊ったんですよ(笑)。一生のなかで恥ずかしい瞬間のランキングの上位何個かの中に確実に入るんですが、恥ずかしがっているよりも、楽しもうと思ったし、実際にとても楽しかったんですよ。女性としてパフォーマンスをやるのは、なんて楽しいんだろうと思いました。荻野目私も華やかな衣装も好きなんですけど、同じミニスカートでもティナ・ターナーみたいな感じ、ちょっとロックな感じが好きなんですよ。岸谷わかるわかる。洋子ちゃん、タイトなミニで、スパンコールのスカートとか、はいていましたよね。荻野目今、話をしていて、『感謝祭』で何を着ようかなって、いろいろイメージが広がりました(笑)。色でカラフルさを出そうかなとか(笑)。岸谷ゲストの方がステージに上がるだけで、色がパッと変わるんです。これは、自分がゲストをお招きする立場になって、初めて気づいたことなんですが、そこも楽しいところですね。みんな、存分にやって、という感じです。アレンジに関しては、Unlock the girls風に変えさせてもらいたいなと考えています。もし、いやだと思うところがあったら、はっきり言ってね。荻野目まったく大丈夫です。私もバンドでアレンジしてやるのは好きだし、そういうことも含めて、楽しみにしています。せっかくだから香さんと一緒に、普段はやれないコラボレーションをするのが楽しみです。――観にくる人に向けて、メッセージをいただけますか?岸谷こうやって話をすると、私と洋子ちゃんって、共通することもあるし、つながっているところもたくさんあることがわかるんですよ。でもふたりの名前をパッと言われた時には、“どこにつながりがあるの?”って思われる方もたくさんいらっしゃると思います。だからこそ、何をするんだろうというワクワク感が高いだろうし、おもしろいコラボをできる気がします。荻野目香さんが毎年やられているイベントに出させていただけることは光栄ですし、藤巻さんも同じ日に出られるということで、そちらも観たくなりますし、とても楽しみにしています。せっかくだから、意外性があったほうが楽しいだろうし、来て下さったお客さまに「おもしろかった」って思ってもらえるような選曲をしたいですね。ファンの方からのコメントで、「香さんが書いた『ラストダンスは私に』はやるんですか?」と書いてくれている人もいるんです。やるかやらないかはわかりませんが、香さんと一緒にやるからこそ、みたいなところも出せたらとも思います。岸谷5人のバンドだったら、どうやるか、みたいなことでアレンジを変えてやるのもおもしろいかもしれないですね。で、洋子ちゃんにもギターを弾いてもらって。荻野目いいですね!その時はコードと譜面をよろしくお願いします。早めにいただけたら、練習します!岸谷洋子ちゃんのファンの方々にも、「おもしろかった。かわいかった。楽しかった」って感じていただけるように全力でやります。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<公演情報>『岸谷香 感謝祭2023』2023年2月23日(木・祝) OPEN 16:45 / START 17:30会場:EX THEATER ROPPONGI出演:岸谷香 / Unlock the girlsゲスト:荻野目洋子 / 藤巻亮太チケット料金:全席指定9,000円(ドリンク代別、税込)発売中:関連リンク岸谷香 公式サイト:荻野目洋子 Twitter:
2023年01月26日