【音楽通信】第138回目に登場するのは、シンガーソングライターとしての活動が7年目を迎え、20代最後となるニューアルバムをリリースする、山本彩さん!いろんなシチュエーションに合う楽曲が揃うアルバム【音楽通信】vol.138コンスタントに作品を発表し、ライブ活動も展開してきたシンガーソングライターの山本彩さん。最近では、バラエティ番組などでも元気な姿を届けています。そんな山本さんが、2023年5月17日に4thアルバム『&(アンド)』をリリースされるということで、お話をうかがいました。――前回、2020年10月にこのananwebで取材させていただきましたが、シンガーソングライターとして活動されてから今年で7年目となりますね。昨今は少し休養されたり、個人事務所を設立されたり、いろいろと整えられて。最近はバラエティ番組でもご活躍で、リフレッシュされてパワーアップされたように感じます。休養させていただいた際は歌っていなかった期間も長かったので、そのブランクを取り戻すのと、休む前よりは良い状態で今後も続けていきたいので、また一から歌のトレーニングや勉強をしました。まだ進化した感じはしないのですが、少しずつ自分のベストがわかってきて。あとは、もともとすぐ考え込んでしまうタイプだったのですが、いまはだいぶん気楽に物事をとらえられるようになりました。――2023年5月17日には、4枚目となるアルバム『&』をリリースされます。いつ頃からアルバム制作を始めていたのですか。一昨年から、アルバムを作ろうという話をしていました。新曲「劣等感」と「Bring it on」の2曲を収録しているのですが、まず「劣等感」を途中まで作り始めながらも完成はせず。休養のタイミングで一度制作を中断して、復帰してから「劣等感」を仕上げて、復帰後に「Bring it on」を書き終えました。――新曲は2曲とも山本さんが作詞と作曲を手掛けられていますね。そうです。「劣等感」は、もともと書きたい歌詞のテーマとしてあったんです。自分の中にある劣等感と戦っている葛藤みたいなものを描いていて、劣等感を抱きながらも自分が作られていく、戦っていく思いを込めた楽曲です。アレンジは(ボカロPやアレンジャーとして活動中の)100回嘔吐さんにお願いしたので、ギターロックとは違うテイストでのロックを表現できました。――もうひとつの新曲「Bring it on」はどのようなイメージで作っていかれたのですか。「劣等感」が“陰”の部分が強かったぶん、その反動もあってか、真逆の曲が書きたくなって。ツアーも決まっていたので、ツアーに向けて「やってやるぞ!」という気持ちも活かして“陽”なイメージで作りました。自分ならライブだったり、聴いてくださる方にとってはこれから挑んでいく何かだったり、そういったものに対して無敵にさせてくれるような強い曲になっています。――「Bring it on」のミュージックビデオもカッコいいですが、ライブでのパフォーマンスのことも考えながら作ったんですか。比較的、普段の自分のライブスタイルに近い形でミュージックビデオの撮影をさせていただきました。あとは、自分が楽屋で準備している状態から、ステージに上がっていくようなストーリーや背景をそのまま映像として出させていただきましたね。――あらためてアルバムタイトルの意味も教えてください。別人格ぐらいの楽曲ができたなと思うくらい、この新曲2曲だけでもすごく対照的なんです。ほかの収録曲に関しても、そのときどきで歌いたいことや考えも全然違う自分がいて、でもどれも全部あわせて自分ができているな、と。矛盾しているけれど両立してつながっているという意味を込めて、『&』というタイトルになりました。――1曲目「ドラマチックに乾杯」は、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『その女、ジルバ』(2021年)主題歌の軽快でラテンな楽曲ですね。ドラマ主題歌のお話をいただいて、台本を読ませていただいてから、曲を書かせていただきました。主人公が自分とも重なるところがあって、うまくいかないときも、ちょっとした人との出会いや自分が輝けるような場所との出会いによって、そういう小さなきっかけの連続で人生が変わっていくということが、すごくわかる気がして。そこを書きたいなと思ったので書かせてもらいながら、台本の中で印象的だった場面をイメージしながら歌詞にさせていただきました。――主題歌などのタイアップ曲とそうではない曲では作り方も違いますが、意識するところも違う点はあるのでしょうか。タイアップ曲は、たとえばドラマなら観ていると感情移入はするので、まったく自分の思いではないわけでもないんです。なので、自分の思いと誰かの思いを背負って曲作りをしているという、特別感があります。ある意味、自分の思いをそのまま歌にするのは自分勝手でもいいんですが、タイアップ曲だとそうじゃない側面もありますね。歌うときも、自分の思いだけを込めてというよりも、そのドラマを観てくださっている方に思いを馳せながら歌っています。――4曲目「ぼくはおもちゃ」は、NHK『みんなのうた』のために、山本さんが作詞作曲された曲ですね。『みんなのうた』ということで、番組を観てくださる方も、親御さんから小さなお子さんまで年齢層が幅広いなと。お子さんの耳にも残るようなサウンドにしたいなと思って、おもちゃの音を入れたり、身近な音を入れたりしているんですが、歌詞は少し大人も考えさせられるような内容にしたくて。歌をリアルタイムで聴いてくれていた子が大人になったときに、「こういう歌詞だったんだ」とあらためて考えてくれるような曲になったらいいなと思って、子どもらしさと大人っぽさを混ぜ合わせた楽曲にしました。――7曲目「あいまって。」は、大人っぽくアンニュイな印象です。どちらかというと山本さんはロックな楽曲のイメージがありますが、この曲でまた違った表情を見せています。この曲は、作詞作曲ともに(プロデューサーでシンガーの)yonkeyさんと共作させていただいて、アレンジもしていただいて。歌詞は、本当に会話の延長という感じなんです。「こういう歌詞にしたい」「こんな単語を使いたい」というように、その場でラリーをして、そのままプロットを立てて、自然と楽曲ができていきました。歌についても、この曲自体がyonkeyさんの成分がけっこう強めの楽曲なので、言っていただいたような自分のロックな成分をほぼ消すぐらいの感覚で、レコーディングもやらせていただいて。ビブラートは全部なしでとか、こぶしもなしでとか、そういうふうにディレクションをしていただいたので、この曲に合わせた歌唱をしています。――多彩な楽曲が収録されていますが、とくに7曲目以降、曲調やニュアンスなど、山本さんの多様な表情がうかがえる曲順になっているように感じました。9曲目「ラメント」もまったく雰囲気の違う楽曲です。とくに「ラメント」はアルバムの中でもちょっとジャンルが違うような楽曲なので、アルバムを通して、この曲はキーになるなとは思っていて。それを考えたうえで、この位置になった感じですね。――聴き手にはどんな風にアルバムを聴いてほしいでしょうか。喜怒哀楽が詰まっているアルバムなので、いろいろなシチュエーションに寄り添える曲が集まっています。たとえば、やる気になりたいときは「Bring it on」を聴いてほしいですし、ちょっとまだ進むほどの気力はないけどもう少ししたら頑張りたいなというときは「愛なんていらない」とか「あいまって。」を、ゆっくり始めようかというときは「ゼロ ユニバース」をおすすめしたいですし。そういうタイミングごとにきっと力になれる曲があるんじゃないかなと思うので、いろんなシチュエーションで聴いていただきたいです。――アルバムのジャケ写は、山本さんが合わせ鏡のようになっていますね。アルバムのコンセプトとしてもあったんですが、どれも違うけれど自分という意味を込めての多様性や二面性を、衣装の違いや目線の有り無しで違いを出して、このジャケ写でもそれを表現しています。――6月からは「SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR 2023 -&-」と題した全国ツアーを開催されますね。はい、1年半ぶりの全国ツアーでライブハウスをまわります。よりみなさんと距離が近いうえに、いま声出しも解禁されてきているので、ようやく本来のライブの形ができるかなと。さらに、今回はバンドでのライブ構成にしているので、バンドのライブに来た感じで楽しみにしていただきたいなと思っています。――アルバムはコロナ禍やお休みの期間を挟んで制作をされましたが、これまでの変化の心境が楽曲に反映されたところはありましたか。10曲目の「oasis」は、コロナ禍に差し掛かって、どうなるかわからない葛藤を書いた曲だったんです。でも、どんどん環境が良くなっていたからこその「Bring it on」みたいな楽曲が生まれたのかなと。状況が前進していないと、なかなかライブもどうしていいかわからない期間が続いていたので、いまやっと声が出せるようになって。それだけでも全然違いますし、少し前進したからこその心境が詰まっています。「山本彩といえば、この曲」という曲を作りたい――お話は変わりますが、2023年の現在、ハマっていることはありますか?最近はもっぱら仕事以外はオンラインゲームをしています。よくやっているのはFPS(ファーストパーソン・シューティングの略)という、一人称視点のシューティングゲーム『APEX LEGENDS』を友達と会話しながらやったり、謎解きのゲームをしたりしていますね。ストレス発散にもなりますし、楽しいです。――地元のお友達とゲームしているんですか。いえ、グループ時代の友達ですね。ゲームをしながら、電話をするような感じで、普段の話もしながらやっています。――おうちでゲームをしているとき以外は、お出かけされることも?わりと外出していますね。犬を飼っているので、そのおかげでけっこうフットワークが軽くなりました。毎月のようにどこかしらでワンちゃんのイベントをやっているので、そこへ出かけて、そこでしか出店されてないお店でグッズを見たり、散歩に行ったり、ドッグランに行ったりしていますね。――ワンちゃんの種類はなんですか。ヨークシャテリアです。実家ではトイプードルを飼っています。いてくれるだけですごく癒やされるので、仕事から疲れて帰っても、ワンちゃんがいると思ったら、もうどうでもいいみたいな気になります(笑)。――ワンちゃんのお散歩に行かれるのも健康的ですね。ツアーではけっこう体力を使うことがあると思いますが、何かコンディションを維持するためにやっていることはありますか。最近は、最低限の衣食住の生活基準みたいなものを上げようと、規則正しい生活をするようにしています。当たり前の話ではありますが、遅くなっても12時までにはベッドに入って、朝8時までには起きて、1日3食ちゃんと食べて、しっかり寝る。そのうえで、毎日犬の散歩をしているので、すごく良いリズムが自分の中でできています。そのおかげもあって、夜はちゃんと眠くなりますし、良い生活リズムに整いました。――生活リズムは大事ですよね。そういえば、阪神タイガースがお好きでしたね。以前、始球式をされたこともありました。そうなんです。過去に始球式は5回ぐらい、やらせていただきました。阪神が好きなので、この間は久しぶりにお仕事で甲子園に、プライベートでは神宮球場に野球観戦に行っていました。――いろいろなお話をありがとうございました! 最後に、今後の抱負を教えてください。いまは音楽を軸にさまざまなことやらせていただいます。これからもやりたいことを積極的にやっていて、音楽やほかのお仕事にもつなげていけるように頑張りたいですね。今年の7月で30歳になるので、より濃い音楽を作っていって、「山本彩といえば、この曲だよね」と言っていただけるような曲が1曲でも多く作れたらいいなと思っています。取材後記約2年半ぶりにananwebにご登場くださった、山本彩さん。以前は爽やかなショートカットだったのが、今回は艶やかなロングヘアになって、大人の女性の魅力がさらにアップ。「昔から髪型はロングとショートを繰り返していて、いまはロングの周期なんです」と笑顔で取材に応えてくださいました。そんな山本さんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみり山本彩PROFILE1993年7月14日、大阪府生まれ。2010年に発足したNMB48に1期生として8年間キャプテンを務め、中心メンバーとして活動。2016年、自身の目標であったシンガーソングライターとしての活動を始動させ、10月にデビューアルバム『Rainbow』をリリース。2018年10月27日、万博記念公園東の広場で卒業コンサート『SAYAKA SONIC ~さやか、ささやか、さよなら、さやか~』を開催。NMB48史上最大規模、約3万人を動員した初の野外コンサートとなった。11月4日、この日の卒業公演をもってNMB48を卒業。2019年2月、ユニバーサルミュージックへ移籍、ライブハウスツアー「I’m ready」を24会場27公演開催。4月17日に移籍第1弾シングル「イチリンソウ」をリリース。以降もコンスタントに作品を発表し、ライブ活動を展開。2023年5月17日、4thアルバム『&』をリリース。6月から全国14都市14公演をまわるツアー「SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR 2023 -&-」を開催。InformationNew Release『&』(収録曲)01.ドラマチックに乾杯02.against03.愛なんていらない04.ぼくはおもちゃ05.ゼロ ユニバース06.yonder07あいまって。08.劣等感09.ラメント10.oasis11.Don’t hold me back12.Bring it on2022年5月17日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)UMCK-1743(CD)¥3,300(税込)(初回限定盤)UMCK-7210(CD+DVD)¥4,950(税込)※三方背ケース仕様【初回限定盤の特典】・Music Video Clips(ゼロ ユニバース / against / ドラマチックに乾杯 / yonder – Lyric Video – / Don’t hold me back / Don’t hold me back – Dance Performance Video – / あいまって。- Lyric Video – / Bring it on)・Behind the Scenes of “&”(新曲レコーディング風景 / ジャケット写真撮影 / Music Video撮影などのメイキング映像)(FC限定盤)PROS-1927 (CD + DVD + Photo Book)¥9,900 (税込)※豪華BOX仕様【FC限定盤の特典】・SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” at EX THEATER ROPPONGI 2022.12.27(SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” at EX THEATER ROPPONGIのライブ映像を収録)・Documentary of SAYAKA YAMAMOTO 2022-2023(昨年8月に活動復帰として行われた SAYAKA YAMAMOTO SPECIAL LIVE STREAMINGから、昨年末のSAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” に密着したオフィシャルドキュメンタリー&独占インタビュー収録)・Exclusive Photo Book -Album “&” and SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now”-(アルバム『&』フォトセッション / SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now” ライブフォト)写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年05月15日株式会社にしむらコーヒーサービスが運営する、神戸で創業75年となる老舗珈琲店「にしむら珈琲店」は、オンラインストア『にしむら珈琲店ONLINE STORE』を内容を新たによりお買い物しやすくリニューアルし、2023年5月11日(木)に開設します。神戸の地を中心に、珈琲や、珈琲をより楽しんでいただくための洋菓子部門・パン部門も展開し、お客様に憩いの場を提供して参りましたが、これまで店舗でのみ提供していた珈琲や洋菓子の専門性の高い商品を、通販で楽しんでいただけるよう進めて参ります。リニューアルキャンペーン1. 50セット限定のお菓子とコーヒーのギフトボックス販売にしむらコーヒーのベーカリーカフェ部門「ブロートバール・セセシオン」の特徴がよく表れたお菓子のアソートと、にしむらコーヒーを代表するドリップバッグコーヒーのセットを限定50セットで発売します。―お菓子についてにしむらコーヒーとセセシオン・コンディトアアテリエのコラボによるこだわりのバウムに、さらにひと手間かけてブロートバール・セセシオンがラスク状のお菓子に仕上げ、贅沢なスイーツの一品となったバウムクーヘン・ツヴィーバック他、クロワッサンヌガーやおつまみブレッツェルがはいっています。―ドリップバッグについて長年の経験に裏打ちされた個別焙煎で6種の厳選豆の持ち味を最大限に引き出し、変わらず愛されてきたにしむらコーヒーが誇るオリジナルのブレンドである、にしむらオリジナルブレンドをはじめとしたにしむらコーヒーを代表する計7種のドリップがはいっています。2. お得なクーポンを発行いたします・5,000円(税込)以上ご購入5,000円(税込)以上ご購入時に使える500円(税込)のクーポン・10,000円(税込)以上ご購入10,000円(税込)以上ご購入時に使える1,000円(税込)のクーポン※オンラインストアでのクーポンはお一人様、1回のみ使用可能。※クーポンはご注文時のメールとは別で発行いたします。※クーポンのご利用期間は、2023年5月11日~2023年6月18日まで。3. 送料無料ラインの設定2023年6月18日(日)まで5,000円(税込)以上のご購入で、送料無料とさせていただきます。(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年05月15日【音楽通信】第137回目に登場するのは、素顔を見せず謎のベールに包まれながら、SNSをきっかけに大ブレイク中の新世代シンガー、yama!歌うことで自分の存在意義を確かめていた【音楽通信】vol.1372018年よりYoutubeをベースにカバー曲を公開し、音楽活動をスタートした、yamaさん。2020年4月に発表した、自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」が大ヒットし、ストリーミング再生で3億回を突破。さらに2020年の10月にはシングル「真っ白」でメジャーデビュー以降も、数々のドラマや映画の主題歌に抜擢されるなど、脚光を浴び続けています。芸術的なアイマスクとブルーのヘアスタイルという、ミステリアスなルックスも印象深いyamaさんが、2023年5月10日にニューシングル「slash(スラッシュ)」をリリースされるということで、音楽的ルーツを含めて、お話をうかがいました。――そもそもyamaさんが音楽にふれたきっかけや、影響を受けたアーティストから教えてください。幼少期は、歌うことで、自分の存在意義を確かめていました。なんの取り柄もないけれど、歌を歌っている瞬間は周囲の人たちが褒めてくれて、自分のことを見てくれていると気づいて、歌を歌うようになって。だんだんと歌うことが好きになって、歌っているときは、「自分が存在していてもいいんだ」と思える瞬間だったんですよ。よく聴いていた曲と言うと、もちろん音楽はずっと好きですが、特定のアーティストを応援するよりも、楽曲ごとに「いいな」と思うものをずっと聴いてきていて。その裏には、音楽に救いを求めているけれど、「自分も表現したい」という思いも常にありました。そんななかで、次第にいろいろな方の音楽も聴くようになって、メジャーアーティストで言えば東京事変さんなど、そのときに流行っているものからちょっとコアな楽曲まで聴いていましたね。でも、一番強く影響を受けているのは、ボーカロイドの楽曲たちです。中学生の頃、ボカロ曲を聴くようになってから、「カバーする文化もあるんだ」と知って、親に買ってもらったパソコンで宅録を始めました。――もともと、将来は音楽の道に行こうと思っていましたか?小学校低学年の頃、将来は音楽で食べていけたらいいな、歌手になれたらいいなと言っていたんですが、まだ幼いので現実の厳しさを知らず。でも、家族から、現実はそんなに甘くない、ということを心配と優しさから言われて。自分の力では難しいから、諦めたことも。だから、本当に「音楽で生きていけるかもしれない」と意識するようになったのは、普通に社会に出て、働き始めてからです。働きながら音楽活動も続けられたらとYouTubeには変わらずカバー曲を公開していたら、いまのレコード会社の方に声をかけてもらって。それから、音楽で食べていけるかもと思いました。――2020年10月には、シングル「真っ白」を配信リリースして、メジャーデビューされました。その後は歌番組の出演やライブなど、さまざまな音楽活動をされるようになりましたが、デビュー以前と以降で、心境の変化はありましたか。ありすぎてもう(笑)。日々、気持ちが変わっていっている感じがします。以前は田舎に住んでいて、メジャーデビューで上京するまでは保守的な性格だったので、何も変わりたくないし、変えたくないし、という確固たる自分の意見がありました。でも、メジャーデビューしてから、自分ひとりで成り立っているわけじゃないなと強く感じることが多々あって、もっと心を柔らかくしたいと。素直に、柔軟に、いい方向に進化していける自分でありたいと感じるようになったので、その心境の変化は大きいかもしれないです。色が違う3曲を楽しんで聴いてほしい――2023年5月10日、ニューシングル「slash」をリリースされます。まずこの曲を聴いた第一印象はいかがでしたか。これまでリリースしてきた楽曲とはまた違った、自分の新しい表現ができそうと言いますか。聴く人によっては、新しいと感じるような楽曲ではないかなと感じました。――「slash」は、4月9日から放送中のTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2(MBS/TBS系 毎週日曜午後5時)のオープニングテーマで好評のようですね。人気あるガンダムシリーズにご自身の歌声が乗るお気持ちは?すごく歴史のある「ガンダム」シリーズで愛されていますし、ファンの方もたくさんいらっしゃる作品なので、最初はプレッシャーもありました。でも、この楽曲を聴いて作品に寄り添いながら取り組んだので、もしも歌を気に入っていただけたのであれば、本当によかったというホッとしたような気持ちです。――楽曲自体もそうですが、アニメともあいまってとてもドラマチックに歌が届く印象を受けますが、歌うときに意識されていることはなんでしょうか。歌を聴いた人が、ドキドキするかどうかと言いますか。そのドキドキ感は、楽しさでもいいんですが、喜怒哀楽があるなかで、何かしらの衝撃を受けてほしいなと常々感じています。最近は、歌を表現するときに、どれだけ感情を込められるかを意識して歌っていますね。――「slash」は、直訳すると「斬りつける、一撃」という意味もあります。歌詞のサビで「slash your tears away(あなたの涙を切り捨てて) もう 逃げることはしない」と歌う部分に強さを感じますが、歌詞の世界観に入って、歌うこともありますか。そうですね。けっこう感情移入しています。もちろん「ガンダム」という作品があるうえでできた楽曲ですが、自分でも歌の言葉に共感することも多くて。自分自身に向けて、自分と対話をしているようなイメージで歌っています。この歌詞に「お前が嫌いだ」と歌う部分があるんですが、その“お前”は“自分”であり、自分に向かって言っている言葉。すべて自分との葛藤が言葉に表れているなぁと思って、すごく感情移入して歌っていますね。「slash」という言葉だけだと、斬りつけるような残虐な言葉に聞こえるかもしれないですが、それは必ずしも人に対しての意味ではなく、自分の中にある弱さや逃げている部分に対してだと思っていて。前へ進むために、そういった部分を斬っていくというイメージです。いろいろな感情を表現できるように、そしてこれまで見せていなかった本来の自分が持っている感情も込めようと挑戦した楽曲なので、その新鮮さも楽しんで聴いていただきたいですね。――2曲目の「いぶき」は、1曲目とガラリと変わって、軽やかでポップなナンバーですね。はい、カンロ「ピュレグミ」のCMソングとして使用していただいていて、テーマが“ときめき”なんです。いま季節的にも春ですし、ときめき、と聞いて連想するキラキラした風景や、ちょっと輝いている場面を意識しながら歌っていますね。曲によって、声のトーンや歌い方も、それぞれの曲に合った表現ができるようにしています。――3曲目「ストロボ」は、yamaさんの作詞作曲によるエモーショナルなオリジナル楽曲ですね。いつ頃作られた楽曲なのでしょうか。もう、納品ぎりぎりですね(笑)。今年に入って作りました。シングルを出すと決定していた段階で、自分で作詞作曲した楽曲を収録する、ということは決めていたんです。でも、なかなか降ってこないと言いますか、形にできなくて……。楽曲を作っては壊し、作っては壊しとやっていて、ぎりぎりでできたのがこの曲です。――どんな思いを込めて作られたんでしょうか?「ストロボ」というタイトルや歌詞にもありますが、閃きについて歌っています。パッと瞬間的に光る光=日常生活をしているうえで、心が動く瞬間だととらえていて。たとえばそれは自分にとってはライブをしているたった一瞬のその景色のことだったり。ライブ以外でも、生活していて頭に残って焼きついているもの、記憶だったり。どんなに暗闇にいても、それが瞬くことによって少しずつ足もとを照らしてくれて、ちょっとずつ進めるから、というイメージで作りました。――作曲される際は、ひとつのテーマを決めて作っていくような感じなのでしょうか。いろいろですね。毎回作り方は変わるんですが、多くの場合は「こういうメッセージを曲にしたい、音楽にしたい」と閃いて決まったら、すごくはやく作れます。決まったあとは、歌詞はすでにいくつか使いたいワードがあるから、メロディとコード進行をギターの弾き語りをしながら作っていって。ある程度、形になったら、全体の構成を考えながら、整えていく感じですね。逆に、テーマ性ではなく、「こういう音楽、こういう曲が欲しいな」というときに、ドラムから作るときもあります。でも、多くの場合は、メッセージが先にありますね。――それはやっぱりyamaさんが歌い手だからですか。そうですね、自分で作詞作曲する意味は、やっぱり偽りのない言葉かつ何かの条件にとらわれていないこと。ちゃんと自分軸で表現したいことを形にしたいと思っているので、メッセージに嘘はないようにと気をつけていますね。「ストロボ」の歌詞は、ずっと作りたかったテーマだったので、できてよかったです。――多彩な楽曲が収録された「slash」をどんなふうに聴いてほしいでしょうか。「slash」も「いぶき」も「ストロボ」も、それぞれに思いを込めている、色が違う3曲なので、楽しんで聴いてほしいですね。ずっと残り続けるものを届けたい――メジャーデビュー以前と以降で心境の変化があったお話もうかがいましたが、いまはほかのアーティストの方との交流やコラボレーションも増えていますね。2021年にyamaさんも「Hello/Hello feat. yama, 泣き虫」で参加された「MAISONdes(メゾンデ)」に、今年このananweb音楽取材でご登場いただいたのですが、asmiさんがyamaさんと交流したことがあるとお話されていました。asmiさん、そうですね。交流があります。ただ、自分に自信がないので、以前は本当にほかのアーティストさんと仲良くするなんて「自分なんぞが!」と思ってできなかったんですが、最近はできるようになりましたね。オープンにその人の考えを聞くことで刺激を受けることもありますし、こちらにも興味を持ってもらえることもあるので、人見知りですが、なるべくお話できるときはするようにしています。――最近は、ジェニーハイさんともコラボされていらっしゃいますが、どうでしたか?めちゃよかったですね(笑)。コラボさせていただいて、楽曲制作やミュージックビデオの撮影までご一緒させていただいて、すごく楽しかったです。やっぱり、自分以外のアーティストさんやグループ、バンドの方と関わると、すごく刺激を受けますね。いい経験になりました。――ほかの方とコラボして交流されることも気持ちの変化の表れでもあるのでしょうか。そうかもしれないですね。以前なら、もっと臆病になっていたと思います、自分でいいんだろうか、と。自信なさげに参加していたような気もします。でもいまは、声をかけていただいたからには全力でお応えしよう! という、前向きな気持ちになりましたね。――ソロでもコラボでも、歌うときは、受け手にどんなふうに届くといいなと思って歌っていますか?心配性で不器用でちょっと立ち止まることも多いという、自分自身の等身大の気持ちを歌で表現したときに、歌う自分のことは関係なく、音楽自体から何かを受け取ってもらえたらいいですよね。音楽を通して、少しでも癒やされたり、その人の人生や日常が豊かになればいいな、とずっと思っています。いまは簡単にいろいろな音楽を次から次へと聴ける時代ですが、そのなかでも自分の歌を聴くことで、何かしらの衝撃を感じてもらえればなと。ずっと残り続けるものを届けられたらと考えています。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後にyamaさんの今後の抱負をお聞かせください。これまで同様、ライブや音楽制作以外のことにも、熱量を注いでいるところです。常に、より大きなステージでワンマンライブをすることが目標。そして、もっと自分に正直に、自信を持って、ちゃんと自分の言葉を発言できるようになりたいですね。取材後記新世代シンガーのトップランナーであるyamaさんがananwebに登場。インタビューではしっかりとご自身のお気持ちを素直に聞かせてくださり、謎めいた存在でありながらも、音楽に向き合う強い意志を感じさせていただきました。そんなyamaさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみりyamaPROFILESNSを中心にネット上で注目を集める新世代シンガー。2018年よりYoutubeをベースにカバー曲を公開し、音楽活動をスタート。2020年4月に自身初のオリジナル楽曲としてリリースされた「春を告げる」はSNSをきっかけに急速にリスナーの心をつかみ、ストリーミング再生で3億回を突破。2023年5月10日、ニューシングル「slash」をリリース。InformationNew Release「slash」【Disc1 / CD 収録曲】01.Slash02.いぶき03.ストロボ2023年5月10日発売※収録曲は「Disc1」3曲目まで全形態共通。(通常盤)SRCL-12539(Disc1 / CD)¥1,320(税込)(完全生産限定盤)SRCL-12536-38(CD+BD+アクリルスタンド)¥4,400 (税込)※Disc1は通常盤と同じ。※Disc2 は「BD」Studio Live映像、「付属品」yamaアクリルスタンド。(期間生産限定盤)SRCL-12540-41(CD+BD)¥2,200 (税込)※Disc1は通常盤と同じ収録曲に加えて、期間生産限定盤のみの04.「slash anime ver.」も収録。※Disc2は「BD」TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングノンクレジット映像。写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり
2023年05月05日【音楽通信】第136回目に登場するのは、俳優として映画や舞台でも大活躍するなか、音楽活動でもソロアーティスト「MORISAKI WIN」としてニューアルバムをリリースする、森崎ウィンさん!ミャンマーで祖母が聴いていた洋楽に触れる【音楽通信】vol.136中学2年生でスカウトされ、芸能界へ入った森崎ウィンさん。2008年から12年間、ダンスボーカルユニットでメインボーカルとして活動後、2020年にアジアから世界に発信するエンターテイナー「MORISAKI WIN」名義にてソロアーティストとしてメジャーデビューし、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題を呼びました。さらには、俳優としても2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビューを果たし、2020年には映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在上演中のミュージカル『SPY×FAMILY』では主演のロイド役を務めるなど、多方面で大活躍されています。そんな森崎さんが、2023年4月19日に2枚目のフルアルバム『BAGGAGE』をリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――そもそも幼いときに音楽に触れたきっかけから教えてください。僕は小学校4年生で来日するまで、生まれ故郷のミャンマーでおばあちゃんと一緒に住んでいたんです。おばちゃんは音楽が好きでよく聴いていましたし、英語の先生だったので英語の授業で音楽を使って生徒に英語を教えていたので、小さいときから音楽にはよく触れていましたね。とくにマドンナやマイケル・ジャクソン、カーペンターズといった洋楽を聴いていました。日本に来てからは歌手になりたいと思っていたわけではなかったのですが、いまの事務所にスカウトされて「歌を歌ってみて」と言われ、歌えることがわかってダンスボーカルユニットに加入して、人前で歌うようになって。グループが解散後、お声がけいただいて、ソロとしてデビューすることになりました。――グループ活動とソロ活動はまた違いますよね。グループでの活動があるから、いまがあると思っています。それこそグループにいた当時から応援してくれているファンのみなさんがいらっしゃいますし、これまでの経験を経たことがいまのミュージカルなどのソロ活動にすごく影響を与えているので、グループ活動で培ったものはかなりためになっていますね。――その後、2020年7月に「MORISAKI WIN」として配信シングル「パレード‐PARADE」でソロアーティストとしてメジャーデビューされました。その間も俳優として数々の作品に出演され、2018年の映画『レディ・プレイヤー1』で注目を集めたことは飛躍の大きな転換期でもあったと思いますが、俳優活動と音楽活動の相互の影響はあるのでしょうか?まず歌もお芝居も好きなので、両方ともやれる環境がありがたいです。どの活動がどう影響しているのかは説明しづらいですが、結局のところ、表現するということ自体は変わらないのかなと。俳優をやっているからこそ学んだ表現が音楽に生かされていたり、音楽をやっているからこそ俳優に生かされていたりするものもあって。たとえば音楽活動でのリズム感や音の出し方も、俳優としても必要になってくる場合もあります。――そもそもスカウトされて芸能界に入られたときは受け身だったわけですが、どの活動にも抵抗はなかったんですね。実際にやってみると、どれも「楽しいじゃん!」って(笑)。それ以前はサッカー以外に興味がなかったんですが、やってみて「好きだな」「どんどん極めたい」と思うようになっていきました。どの活動も作り上げるまでは苦しい瞬間もあるんですが、どのジャンルにおいても、純粋に全部やりたいと思っているからこそ、やれる環境にいることがうれしいですね。聴いていると出かけたくなるようなアルバム――2023年4月19日、2枚目のフルアルバム『BAGGAGE』をリリースされます。まずはアルバムタイトルの意味からお聞かせください。いろいろなものを詰め込んだアルバムにしたくて、「BAGGAGE」というタイトルをつけました。その名の通り、旅のお供になるような、夏服もあれば冬服も持っていったよね、とさまざまなテイストの楽曲が詰め込まれたアルバムになったらいいなという願いを込めています。――まず1曲目「Move out」はウィンさんが歌詞を手がけられた軽快なバンドサウンドですが、どのようなことをイメージして作られましたか。楽曲が先行だったので、曲を聴いたときに、出かけたくなる曲だと感じました。僕はキャンプをやることがあるのですが、仕事というルーティンから抜け出して、キャンプのような全然違う旅に出かける瞬間をイメージして歌詞を書いていって。普段いる場所から抜け出して新しい世界の扉を開けるように、旅先でのハプニングさえもプラスにとらえたり、最終的にはいま世界で戦い合っているところからも抜け出してほしい思いも込めたり。歌詞を仕上げていくにつれて、世界観が壮大になっていった楽曲です。――続いて2曲目「Perfect Weekend」は、大人っぽいキャッチーな楽曲ですね。これはタイトルのように“最高の休日”を思い浮かべるような楽曲です。リズムが気持ちいいはやさで、どこか一歩ずつ踏みだしていくことを思わせる四つ打ちのサウンドに合うようなボーカルを意識して歌っていますね。――クールなサウンドの5曲目「No Limited」も作詞を手がけています。はい、これは「人生は無限大だよ」と、人生は一度きりだけれどできないことはないと歌っている楽曲です。誰かのためになればいいなと思って歌詞を書いていたのですが、聴き直してみると最終的には、自分自身を鼓舞するような楽曲になっていて。聴いていると「大丈夫だな、頑張ろう」と思える曲になったので、不思議な感覚の曲になりましたね。――6曲目「Love won’t die」は英語詞で歌う壮大なバラードで、続く7曲目「anymore」も全英語詞ですね。世界に向けて勝負していきたいのと、英語と日本語の歌を両方ともきれいに歌えるのは、僕にしかできないことでもあるから、その武器はちゃんと使っていきたいなと英語詞にしました。そして自分の故郷や家族をテーマにした6曲目「Love won’t die」は、日本語で綴るよりも英語で全世界の同じような状況の人たちの楽曲にもなればと、幅広く受け取ってもらえるように意識しています。7曲目「anymore」は既発曲で、シンガーソングライターのTHE CHARM PARKさんが書いてくださった曲です。純粋にギターのリフがカッコよくて、初めて曲を聴いたときに「これやりたい」となりました。――サウンドから入っていくこともあるのですね。それはけっこう大事です。自分がまずカッコいいと思えないと、自分がリリースする音楽を人に勧められないので、最初に曲を聴いたときの直感を大事にしていますね。――8曲目「BeFree」は、デビュー前にウィンさんが作詞と作曲をされた楽曲です。もともとはグループ活動をしていた2019年に作った曲です。グループでの自分のバースデーイベントのリード曲にもなればいいなと思って作った曲でしたが、今回のアルバムに収録する前に、一足早く昨年末から日本グッドイヤー「オールシーズンタイヤ」CMソングとしてオンエアされて。まさかタイヤのCMのタイアップがとれるほどの楽曲になるとは思わず、本当に有り難いですね。――グループにいらっしゃったときは曲を作ることもあったと。当時は、自分で曲を作って歌いたいという意欲が強くて、作っていました。ただ、やっぱり作家さんとは違って幅広く音楽理論を知らないので限界はありましたが、まだ意欲が消えたわけではないので、またタイミングを見て曲を作りたいです。――どのように曲作りをしているのですか。メロディから作っていきます。家でピアノを弾いてメロディを決めて、そこに歌詞をあてて自分で仮歌をとっていく感じですね。ピアノは、音楽活動をするときに以前から少し弾いていましたが、映画『蜜蜂と遠雷』で天才ピアニストの役を演じる際に本格的に習ったこともあって。歌詞を書くときは、フィクションもあればノンフィクションもあって、そのときどきで違います。この8曲目「BeFree」の場合は、純粋にライブに来てくれたみなさんが日常のいろいろなことから解放されたらいいな、と思って作りました。――9曲目のラブソング「My Place, Your Place」はどんな思いで歌っていますか。堂々と言葉にして伝えるには少し恥ずかしくなるような歌詞なんですが、音楽に乗せることによって、恥ずかしくならずに素直な気持ちを音楽の力を借りて伝えています。ずっと僕を応援してくれていてるファンのみなさんの思いに応えられる楽曲にもなればいいなという思いと、この楽曲を聴いて誰かへの自分の思いを馳せてみるようなときに聴いていただきたい楽曲ですね。――聴き手には、アルバムをどんなふうに聴いてほしいでしょうか。今回、聴いていると出かけたくなるようなアルバムになりました。遠出できないときや仕事の移動中でも聴いてくれたら、前に進むのがラクになるような楽曲になっていると思うので、ぜひ移動中に聴いていただきたいです。――4月から6月まではソロとして初の全国ツアー「MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR」を開催されます。ようやく全国ツアーができるようになりました。ずっとやりたかったんですが、スケジュールの都合やコロナ禍という状況もあって、今回ようやく行けます。まずは、これまでに培ったものを全国各地に生で届けに行くことをメインにやっていきたいなと。アルバムの楽曲ももちろん披露しますが、アルバムだけにフォーカスを当てたライブというより、いままでに発表してきた楽曲も歌って、いままでの僕の成長も伝わる構成のステージにできたらなと思っています。「森崎ウィンにしかできない世界観を作る」――現在は、5月までミュージカル『SPY×FAMILY』を上演中ですね。森崎さんは主演のロイド・フォージャー役ですが、手応えはいかがですか。楽しくやれていますし、すごく好評をいただいていまして、本当に有り難いです。――舞台に音楽活動にとご多忙ですが、お休みの日はありますか?休みはあるんですが、いつも何かしらのスケジュールが入っているので、連休がないんですよね。1日だけ休みがあっても、意外と何もできないので、疲れを癒すだけで1日が終わってしまいます。――そんななかでも趣味をされるようなことも?趣味といえば、キャンプですね。できれば一泊したいので、次の日が昼以降の仕事なら、キャンプに行くこともあります。でも、いまのように舞台をやっている時期は、家でやらなきゃいけないこともあって、なかなか行けませんね。休みの日は、外出中にできない洗濯や掃除といった家事をまとめてやっているので、時間に追われています。――ご多忙の様子が伝わります。お話は変わりますが、ファッションではどんなものを好んで選びますか。黒い服を選ぶことが多いです。“森崎ウィン”として人前に出ているときは派手な服も着るんですが、普段は派手な格好は選ばずに、なるべく地味でいたいかな。スタイリッシュで、落ち着いていてる感じのファッションがいいですね。――ウィンさんはジャンルレスにご活躍で、音楽ではラブソングを歌ったり、お芝居では恋愛をしたりすることがあるなか、魅力的な女性というとどんな人だと思いますか。しっかりと自分の芯を持っている女性は、魅力的ですね。バリバリ働いている女性は嫌いじゃないんです、カッコいいなって思います。最近は女性が主役の作品も増えましたし、女性がトップに立つような場面も多くて、応援したくなりますね。――今回は音楽取材をさせていただきましたが、ウィンさんにとっての“音楽”とは、どんな存在でしょうか。僕をいろいろな感情にさせてくれて、気持ちをさまざまな場所に連れていってくれるものです。音楽を聴いていると、癒されるだけでもないですし、時に怒りも覚えることもあるし、時に驚きもあるし。ひとつのジャンルにくくって言い表せない存在ですね。――いろいろなお話をありがとうございました! 最後に、今後の抱負をお聞かせください。森崎ウィンにしかできない世界観を作ることが目標です。ミュージカルをやって、映画をやって、ドラマをやって、CDを出してと、こんなに多岐にわたって活躍できている人はあまりいないと思うんですよね。日本の俳優が歌を歌ったとしても、これだけ洋楽をしっかりと歌えて、これだけ俳優もやって。僕にとってのエンターテイナー像を作り上げたいです。そのためには各方面に自分の代表作を作らなくてはいけないので、もちろん時間はかかると思うんですが、世界で活動している人たちはもっとスゴイ人たちがいっぱいいるので、成し遂げたいですね。取材後記さまざまなジャンルの壁を軽やかに飛び超えて、グローバルに活躍される、森崎ウィンさん。ミュージカルをされている合間のスケジュールで音楽取材を行いながらも疲れを見せず、ananwebの取材が始まる前には「やる気スイーッチ!」とご自身でスイッチを入れていただいていたのが印象的でした。不思議なキャラクターのウィンさんが、エンターテイナー「MORISAKI WIN」として放つニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・幸喜ひかり取材、文・かわむらあみりスタイリスト・森田晃嘉ジャケット¥106,700(サイ TEL:03-6407-0117)ネックレス¥19,800(マリハ TEL:03-6459-2572)その他スタイリスト私物森崎ウィンPROFILE1990年8月20日、ミャンマー生まれ。小学校4年生で来日。中学2年生でスカウトされ、芸能活動を開始。2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演し圧倒的な知名度を誇る。俳優としても活躍するなか、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビュー。2020年、映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』(メ〜テレ)では釜山国際映画祭 2021のASIA CONTENTS AWARDSにてBest Newcomer-Actor賞を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出された。ミュージカルでは、2020年の『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役、2021年の『ジェイミー』で主演ジェイミー役、2022年の『ピピン』日本公演の単独主演、2023年3月から5月までミュージカル 『SPY×FAMILY』で主演のロイド役を務める。歌手としては、2008年にダンスボーカルユニット「PRIZMAX」に加入し、メインボーカルを担当。2020年7月、「MORISAKI WIN」として1st EP『パレード – PARADE』でメジャーデビューし、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題に。5月には1stアルバム『Flight』をリリースし、5つの音楽配信サービスで1位を獲得。2022年は『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)の主題歌を担当した。2023年4月19日、2枚目のフルアルバム『BAGGAGE』をリリース。4月から6月は初の全国ツアー「MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR」を開催。InformationNew Release『BAGGAGE』【DISC1】(収録曲)01. Move out02. Perfect Weekend03. Live in the Moment04. Me, Myself and I05. No Limited06. Love won’t die07. anymore08. BeFree09. My Place, Your Place2023年4月19日発売*【DISC1】収録曲は全形態共通。<ECONOMY(DISC1 Only)>COCB-54356¥3,000(税込)<class W(2CD+Blu-ray+豪華フォトブック)>COZB-2006〜8¥12,000(税込)*三方背スリーブケース仕様。【DISC2】*<class W>のみ付帯。ACOUSTIC LIVE「CHRIS’s CHRISTMAS TIME IS HERE」2022 (at CottonClub Liveより)01.Take A Look At Me Now(フィルコリンズ/映画『カリブの熱い夜』より)02.SINGIN‘IN THE RAIN(映画、ミュージカル「雨に唄えば」より)03.Waving Through A Window(映画、ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」より)04.Fly Me to the Moon (ジャズのスタンダード・ナンバー)【Blu-ray】*<class W>のみ付帯。『MORISAKI WIN LIVE FIRST FLIGHT』(恵比寿ザ・ガーデンホール 2021/9/20)『MORISAKI WIN -Dancing Charter Night Flight- TYO』(人見記念講堂 2022/5/5)写真・幸喜ひかり 取材、文・かわむらあみり スタイリスト・森田晃嘉
2023年04月16日【音楽通信】第135回目に登場するのは“世界中の毎日をおどらせる”をテーマに、心地よい音楽を放ち続ける6人組バンド「Lucky Kilimanjaro(ラッキーキリマンジャロ)」のボーカル、熊木幸丸(くまきゆきまる)さん!大学のサークルで出会った6人で結成Lucky Kilimanjaroのフロントマン・熊木幸丸(Vo.)。【音楽通信】vol.1352014年に結成された6人組バンド、通称「ラッキリ」こと「Lucky Kilimanjaro」。2018年にEP『HUG』でメジャーデビューし、コンスタントにリリースやライブ活動を繰り広げて、2022年にはバンド史上最大動員の全国ツアーのファイナルをパシフィコ横浜にて開催し、大成功を収めました。バンドの要となっているのは、プロデューサーとしての目線でもメンバーを導いている、ボーカルの熊木幸丸さん。そんなラッキリが2023年4月5日に4thアルバム『Kimochy Season(キモチイシーズン)』をリリースされるということで、バンドを代表して、熊木さんにお話をうかがいました。――熊木さんが音楽に出会ったきっかけから教えてください。もともと両親ともに音楽が好きな家庭に育ちました。父は趣味でドラムやギターをやっていましたし、家族でキャンプに行くときも常に音楽が流れていて。僕自身は中学1年生ぐらいから「音楽を聴く趣味ってカッコいいな」という漠然とした思いから、CDショップでCDを借りるようになりました。ちょうどポルノグラフィティさんが発売されたベスト盤を聴いて「僕が好きな音楽ってこれかも」とビビッときて(笑)。そこからは自ら音楽を選んで、どんどん聴くようになったことが音楽人生のスタートですね。――日本のアーティストから聴き始めたと?そうですね。中学生では、ポルノグラフィティさん、Mr.Childrenさん、スピッツさん、BUMP OF CHICKENさんをよく聴いていました。自然とバンド形態の音楽に惹かれていって、ひたすらCDショップでレンタルしていました。――男性グループの曲をよく聴いていたんですね。確かに。中学生のときにカラオケによく行くようになって、自分で歌うことも好きになったので、カラオケで歌える曲を探して男性ボーカルの曲を聴くことが多かったのかもしれません。女性ボーカルだと、YUKIさんを聴くこともありましたね。――歌うことが好きで音楽の道を目指し始めたのでしょうか。当時は、ただ歌うことが好きなだけでした。中学3年でギターを始めてからは「ボーカルじゃなくてギターだ」と、自分の中のアイデンティティみたいなものが芽生えてきて。大学に入ってからはシンセサイザーも始めて、いろいろな音楽の広がりはあったんですが、就職活動をする頃になって「オリジナルのバンドをやりたいな」と思って始めたのが、Lucky Kilimanjaroなんです。だから、半ば趣味で始めたバンドといいますか。メジャーデビューするぞ、このバンドでやってやるぞという感じではまったくなくて。ちゃんと生活を考えたのはメジャーデビューしてからですね。――中学生のときにギターを始めたのは、何か曲を作ろうと?中学3年生は高校受験がありますよね。でも、僕は推薦で進学することが決まっていて、ほかの人より早く受験が終わって時間があったんです。友達はまだ受験勉強中だから遊んでくれないので、家にある父のギターを弾いたらモテるんじゃないかな、と思うようになって(笑)。熱中できるものが欲しいという気持ちもあって、ギターを始めてみました。――その後、大学のサークルで出会われた6人でラッキリを結成しています。いつから「世界中の毎日をおどらせる」というテーマを持つようになったんですか。もともとシンセを使って気持ちいいバンドをやりたいというのが、ラッキリのスタート時のテーマでしたが、「世界中の毎日をおどらせる」というコンセプトに至ったのは、メジャーデビューの時ですね。自分たちがどういうふうに楽曲を聴いてくれる人たちと向き合うのかを考えると「やっぱり踊らせたいよね」という意見が最初に合致して。バンドを通じてみんなが踊ってくれる、そういう社会を目指そうというところで、このコンセプトを立ち上げました。――熊木さんは、バンド活動と並行されてHey! Say! JUMPやDISH//などにも楽曲提供されています。そのソングライティング力の高さが周知されていてのオファーということですよね。オファーをみなさんからいただくときは、「ラッキリが好き」「聴いていて一緒にやってみたいと思った」と言ってくださることが多いです。そのなかで一緒にお話しさせていただいて、「この人のどういう面をブラッシュアップしたら面白いかな?」と僕なりに考えながら、制作をまとめていく感じですね。新作で「気持ちよく変化を伝えていく」――2023年4月5日、4枚目のアルバム『Kimochy Season』をリリースされます。これまで1年ごとにコンスタントにアルバムをリリースされていますが、今作に込められた思いをお聞かせください。たとえば、昨年はロシアとウクライナの戦争が始まったり、自分自身は結婚したり、非常に変化を感じることが多い時期を過ごしていました。それこそコロナ禍の状況もいろいろと変わっていくなかで、心がざわざわする年を過ごしながら、「こういう変化というものが実は人生には当たり前にあって、むしろ同じところに居続ける状態がもしかしたら普通ではないんだろうな」と思うようになって。そうなると、この変化をいかに乗りこなすかが、自分にとっても、僕らの音楽を聴いてくれる人にとっても、心を豊かにするひとつの方法になるんじゃないかと思って、「変化について歌おう」と思ったのが今回のアルバムにつながる思いの最初ですね。それを昨夏にシングル「ファジーサマー」として発表して。今作にも収録されているんですが、そこで思いを表現して、気持ちよく変化を伝えていこうというのが、今作のコンセプトになりました。――「ファジーサマー」がアルバムの発端、軸になっていたんですね。2曲目に「Kimochy」というアルバムタイトルにもかかるワードの楽曲があるので、この曲もアルバムの軸になったのかなと思いきや。むしろ「Kimochy」は補完的といいますか。変化を味わってねと言うと、かたい表現になってしまう気がして脱出方法を探していたときに、この「気持ちいい」という単語を英単語で書くことを思いついて。「やっぱり大事なのは結局、気持ちよさだよな」と。変化を楽しんで、気持ちよく思えるようにと、「Kimochy」という曲を書きました。アルバムは、季節の変化を聴いてくれる方にも感じやすいように、季節にまつわるサウンドや歌詞も書いています。――3曲目「Heat」は、どんなふうに生まれた曲ですか。僕、冬がすごく苦手なんです。寒さもあって100パーセントは能動的に動けなくなって、それはまるで人生を変化させてはいけないような感覚になるので(笑)、そこに熱を入れることで自分の人生を能動的にして、変化を生み出していこうという楽曲です。クールなサウンドがありつつ、ダイナミックに動くことは大切に組み上げていきました。アルバム全体でいうと、冬から始まって、最後は秋の曲で終わるという構成です。ワンシーズンがきれいに一周するようなイメージでまとめました。――6曲目「またね」は春の歌ですね。はい。春といえば、一番辛い変化は喪失だと思っていて。たとえば学校を卒業したり、仕事で転職したり、そういう瞬間は不安になることもありますよね。でも別れやさよならが未来への期待に変わるように、ダンスミュージックとして描いた曲ですね。喪失から何かが始まるといつも思っているから。自分の中で新しい道が見えているからこそ、何か前に進み出せるような力が持てるんだと思っていて、そういう気持ちを肯定して、より動かせるようにしたい気持ちを込めています。――どの曲も言葉選びにセンスや遊び心を感じさせます。熊木さんはバンドのフロントマンでもあり、全曲の作詞作曲を手がけていますが、いつもどのように歌詞が浮かび、曲を作っていかれるのでしょうか。僕が全部の曲のプロデュース、サウンドデザインをしていますが、曲によってスタートは違いますね。ギターを弾き語って言葉を思い浮かべながら歌っていって作ることもあれば、「これいいな」と直感で楽曲が生まれてきたり。でもどんな曲も、「こういうことを歌いたいな」というものが最初にありますね。あとは、あまり作品にする気はなくて、自分の練習として家の中でセッションをやっていて、「これいいかも」となったものをふくらませていくことも。けっこうランダムですね。――それはどういうときにひらめくんですか?いつでもありますね。たとえばこうやってインタビューさせていただくなかで、答えている僕の言葉って、ほぼ反射的に出ているもので。話しながら、「こういうことだと思うなあ」というようなところから、アイデアが出たりするんですよね。お風呂に入っているときも、本を読んでいるときも、Twitterを見ていて「これ面白いかもな」というところからも。――では日常的にいろいろなものに刺激を受けるといいますか。そうですね、やっぱり自分のビビッとくるところって、事前に準備ができないんですよね。それゆえにそこは系統立てないようにしようと思っています。だから、無駄なこともいっぱいやりますし、なんか面白くなさそうだけどとりあえずやってみるか、ということもいっぱいあります。――そういったこともおひとりで全部できてしまうわけですが、バンドで表現していく、ということが重要なところなんですよね?そうです。制作においてメンバーはむしろ、僕にアドバイスをくれる人たち。僕がワガママで出しているものに対して、「こっちのほうががいいんじゃない?」と提案してくれるアドバイザーのような存在です。ライブは、僕が作ったものを最終的にパッケージとして、どうやってお客さんとのコミュニケーションに落とし込むかという作業だと思っていて、そこはメンバーの力をふんだんに借りています。アレンジを組み替え直したりするような面でも、バンドの面白さが、Lucky Kilimanjaroらしく表現できているのかなと思っています。――Lucky Kilimanjaroらしい、というのはどういうことだと思われますか?それはメンバーに関わらずスタッフも含めて、Lucky Kilimanjaroという概念が成すお客さんとのコミュニケーションにおいて、チームで「世界中の毎日をおどらせる」ことに対して、それぞれが持つ引き出しの中からどういうアプローチができるかを考え続けられるのが、Lucky Kilimanjaroらしさなのかなと。――では一番聴き手の反応が見えるのがライブかと思いますが、5月から7月まで「Lucky Kilimanjaro presents. TOUR “Kimochy Season”」と題した全国ツアーを開催されますね。2022年は自分たちのワンマンだけではなく、フェスにもたくさん出させていただきました。そのなかで、お客さんが自由に、自分の気持ちを整理せずにそのままアウトプットできる場として、ライブをもっと続けたい気持ちが強くなって、より自由に踊ってもらうためにはどうしたらいいかを研究し続けた1年だったんです。そこから2023年になって、今回のアルバムは僕が好きなダンスミュージックをふんだんに取り込んでいて、よりみんなが心で踊れるライブができるんじゃないかなと思っていて。昨年の経験とこのアルバムがあれば、みんなが自由にとても楽しく気持ちよく踊れる空間を作れるはずだと、気合が入っています。ひたすら「いま面白いことをやりたい!」――お話は変わりますが、おやすみの日はどうお過ごしですか。音楽以外の時間だと、ご飯を食べたり、お酒を飲んだりすることが好きです。アルバムにも、お酒の曲がありますが、お酒を飲む時間がたまらなく好きで(笑)。本を読むのも好きですし、そうやって違う世界に連れて行ってくれる時間が大事ですね。あとはゲームがすごい好きなんですよ。小さいときはゲームデザイナーになりたいときもありましたね。――デザインをする側にご興味を持たれていたんですよね。ずっと物作りが好きなんです。両親が広告のデザインの仕事をやっていこともあって、当たり前に物作りの環境が家の中にありました。――クリエイティブな環境でずっと育っていらっしゃるんですね。小さい時からパソコンに触らせてもらって、描いたイラストを額縁に飾るような家庭だったので、クリエイティブに対して非常に伸ばしてくれるといいますか、認めてくれる家でしたね。そこから物作りが楽しくて、刺激的なことなんだと、自分の中の土台になっている感じがあります。――スタイリッシュな印象がありますが、ファッションで意識されていることは?楽な服装が一番好きです。外出着よりも、部屋着をいろいろと持っていますね。音楽を制作するなかでの楽さを重視して、サイズ感とかデザイン感で服を選んで、着て気持ちよくなる服が自分のなかのモードです。――今回のアルバムは変化がテーマというお話をされていましたが、生活の変化という面では、ご結婚されたというお話もされていましたね。メンバーでシンセサイザーを担当している大瀧真央と結婚しました。もともと一緒に暮らしていて、猫も飼っていた生活のままなので、あまり変わった実感はないんです。でも、やっぱり心持ちは、ちょっと違いますね。入籍してから1年ぐらいになりますが、心持ちのちょっとした変化は、作品にも入っているのかなとは思っています。ただ、より変化を感じるのは、これからなのかも。ふたりの生活が深まっていく時に、また新しい変化が生まれて、それを楽しめるといいなと。――ご両親がクリエイティブな環境を用意してくれたというお話もされていましたが、熊木さんのご家庭も未来の環境を整えようと考えることも?少なくとも自分の家族や自分がいる空間は、何かに挑戦できたり、ちょっと面白くなれたり、そういう気持ちよさがあるといいなと。この間も、リビングにDJミキサーを置こうかと考えて話すと、「邪魔だろ」と言われたり、でも「面白いかも」と言われたり(笑)。そういうふうに、自分のスタイルを決めこまず、心持ちも家庭の環境もどんどん変化を楽しんでいきたいです。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負をお聞かせください。個人的には、まだダンスミュージックや音楽で能動的に気持ちよく踊る体験に対して、すごくマイノリティだと考えていて。もっとみんなが自分の気持ちを自然に発露できるものとして、ダンスミュージックをちゃんと広めたいと思っています。まずはそこを突き詰めるのが当面の目標ですね。自分自身のことでいえば、音楽以外のことには飽きっぽいので、飽きないように楽しく何かをやり続けたいかな。あまり大きな目標もなく、ひたすら「いま面白いことをやりたい!」という感覚でいます(笑)。その積み重ねでいつの間にか知らないところにいると思うので、楽しみながら、活動していこうと思います。取材後記心地いい音楽でわたしたちを踊らせてくれる6人組バンド、Lucky Kilimanjaro。ananwebでは今回、バンドのフロントマンの熊木幸丸さんにご登場いただきました。インタビュー中に、メモを取る熊木さん。取材を受ける側の方がメモする姿が「珍しい」とお話しすると、「よく言われます」と笑顔。あふれでる発想力で、今後も素敵なダンスミュージックを届けてくれるはずです。そんな熊木さんのいるラッキリのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・幸喜ひかり取材、文・かわむらあみりLucky KilimanjaroPROFILE2014年、同じ大学の軽音サークルで出会った6人でバンド結成。2018年、EP『HUG』でメジャーデビュー。以降、コンスタントに配信リリースやライブ活動を展開。2020年にはメジャー初のアルバム『!magination』、2021年には2ndアルバム『DAILY BOP』、2022年には3thアルバム『TOUGH PLAY』をリリース。アルバムを携えたバンド史上最大動員の全国ツアーのファイナルをパシフィコ横浜で開催した。2023年4月5日には4thアルバム『Kimochy SEASON』をリリース。5月から7月は全国ツアー「Lucky Kilimanjaro presents. TOUR “Kimochy Season」を行う。InformationNew Release『Kimochy SEASON』(収録曲)01. 一筋差す02. Kimochy03. Heat04. 越冬05. 掃除の機運06. またね07. 咲まう08. 千鳥足でゆけ09. ファジーサマー10. 地獄の踊り場11. 闇明かし12. 辻13. 山粧う14. Kimochy(outro)2023年4月5日発売(通常盤)MUCD-1513(CD)¥2,970(税込)写真・幸喜ひかり 取材、文・かわむらあみり
2023年04月02日【音楽通信】第134回目に登場するのは、心地よいグルーヴ&ハーモニーを響かせ、新メンバーを迎えて第二章を迎えたボーカルグループ、Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)!歌が好きな音楽を愛する6人が集まった写真左から、かれん、MAYU、ミカ、アサヒ、結海、miyou。【音楽通信】vol.134力強い歌声と高度なアカペラをも歌いこなせる透き通ったハーモニーで、数々の楽曲を世に送り出してきた女性ボーカルグループ、通称“リトグリ”こと「Little Glee Monster」。2014年にシングル「放課後ハイファイブ」でメジャーデビュー以降もコンスタントに作品を発表し、2018年には初のアジアツアーを成功させるなど日本国内にとどまらない活躍ぶりで、脚光を浴び続けています。2022年に新メンバーを募集し、オーディションで7002人の応募者の中からミカさん、結海(ゆみ)さん、miyou(みゆ)さんの3人が加入。先輩メンバーとなったかれんさん、MAYUさん、アサヒさんの6人で、第二章をスタートしました。そんなリトグリが2023年3月22日に新体制となって初めてのEP『Fanfare』をリリースされるということで、先輩メンバーからMAYUさんとアサヒさんに、新メンバーから結海さんとmiyouさんにご登場いただき、お話をうかがいました。――今回はメンバー4人に集まっていただきました。おひとりずつ、お名前とご自身のチャームポイントから、教えてください。MAYUMAYUです。「手が細長いね」と褒めていただくことが多いので、手がチャームポイントです。アサヒアサヒです。チャームポイントといえば、えくぼでしょうか。結海新メンバーの結海です。チャームポイントは……きれいな眉毛です。miyou新メンバーのmiyouです。チャームポイントは、きれいな歯にします(笑)。――自己紹介ありがとうございます。Little Glee Monsterは2014年10月にシングル「放課後ハイファイブ」でメジャーデビューされて約10年経ちますが、先輩メンバーのMAYUさん、アサヒさんは振り返るといかがですか。MAYU 10代から20代という一番変化のある年齢をリトグリとして過ごしてきました。上京してきたメンバーもいたので、家族よりも近くでアーティストとして、人間として成長する姿を見てきていて。メンバーは同級生や地元のお友達とは違い、本当に「歌が好き」という理由だけでオーディションに応募してきた仲間です。アサヒは北海道出身ですし、私は大阪出身なので、この機会がなかったら出会うはずのなかった存在と出会えました。アサヒ本当にあっという間でした。最初はデビューできてうれしい気持ちと、デビューしてもやっぱり下積みが大事なので、一歩ずつ乗り越えてこうして10年目を迎えられるのは、これまでの積み重ねがあったからこそだなと。いま新メンバーと一緒に、素晴らしい10年目を迎えられたのは本当にうれしいですね。MAYU 昨年の夏にまたオーディションをして、わたしたちと同じく「歌が好き」というひとつの理由で集まった新しい仲間3人と出会うことができました。いろいろな変化を経験してきた濃い10年になりましたね。――2022年は5名体制から2人が卒業し、新メンバーを募集して、7002名の応募者からオーディションで勝ち進んだミカさん、結海さん、miyouさんの3人が加入しましたよね。昨年11月から6人の新体制になりましたが、新メンバーの結海さん、miyouさんの現在の心境は?miyou本当にびっくりすることがたくさんあります(笑)。これまで一視聴者としてリトグリの音楽を聴いていたときは、ただ「楽しい」という大きな感情しか抱かなかったんですが、加入してからは「すごいな」という尊敬の気持ちと、ひとつの曲に対していろいろな角度から練習したり、「こんなことを考えて歌っているんだ」と学ぶことがあったり。以前とは考え方や感じ方がすごく変わりましたね。結海先ほどアサヒさんも言っていたんですが、お姉さんメンバーのこれまでの長い積み重ねがあったからこそ、私たち新メンバー3人はまだ実績がなくてもすぐテレビに出られたり、すぐ大勢のお客さんの前で歌を披露する場が設けられていると思うんです。だから、日々感謝の気持ちを持ちながら、リトグリとして活動しています。新体制で初めてのEPをリリースMAYU。1999年9月12日、大阪府生まれ。メンバーカラーはエメラルドグリーン。――2023年3月22日に新体制で初めてのEP『Fanfare』をリリースされます。まずはアルバムタイトルの意味と、今作にも収録の昨年配信された新体制の初シングル「Join Us!」への思いなどからお聞かせください。MAYUアルバムタイトルは、「Join Us!」の歌詞に「ファンファーレ」という言葉が出てくることから付けました。「Join Us!」には、6人体制になって新たな出発をするお祝い、みんなで次のステップに行こうという意味があったので、そんな気持ちで歌っています。アサヒEPのジャケ写は明るくて華やかなイメージになっていますが、収録曲はどちらかというと、カッコいい曲や今までにないような感じのものもあって、多彩な曲が入っています。MAYU色とりどりに鮮やかでかわいいジャケ写と、中身のギャップも楽しんでもらえる要素かなと思います。――2曲目「WONDER LOVER」は、ダンサブルで大人っぽい楽曲ですね。miyou個人的には今まで歌ったことのないジャンルの曲でした。リトグリとしても、すごく新しい角度の楽曲で、新しい一面をお見せできた曲ではないかと思います。アサヒ。1999年5月13日、北海道生まれ。メンバーカラーはサンフラワー。――小粋でファンキーな3曲目「Rolling Rolling Rolling」についても教えてください。MAYU言葉遊びや歌い回し、メロディが独特で耳に残るんですが、歌うのはとても難しい曲ですね。「どこで息をしたらいいの!?」というくらい息をするタイミングがなくて。ひとりで歌うと大変な曲なので、ファンのみなさんがもしカラオケで歌うときは、2人以上がいいと思います(笑)。でも、みんなで盛り上がる曲でもあるので、どんどん歌っていただきたいですね。展開が変わったり、言葉のあてはめ方や区切る位置など、いろいろなパターンがある曲なので、私は歌うより、聴いてるほうが楽しいかも(笑)。アサヒ確かに、けっこう文字数が多い歌詞だから、口がまわらないことも(笑)。MAYUちょっとラップを歌っているような感じもあるんです。ここまで全部がすごくはやいラップっぽさのある曲は「Rolling Rolling Rolling」が初めてで。面白い曲ですし、カッコよさもある曲。「これリトグリ?」と思ってくれる意外性のある曲になるのではないかなと思います。アサヒ耳には残るから、わりとすぐに覚えられる曲なんですが、実際に歌い回しや歌い続けられるコツを習得するのは、意外と時間のかかった印象がありましたね。結海(ゆみ)。2004年5月29日、東京都生まれ。メンバーカラーはガーネット。――4曲目「HELLO NEW DAY」は、明るくて元気になれるような楽曲ですね。どのようなことを意識して歌いましたか。結海この曲は、「1日の始まりがみんなにとってハッピーでいい日になったらいいな」と思いながら、歌わせていただきました。miyou始まりといえば、新生活を迎える学生の方が聴いても、楽しい曲になっているのではないかと。結海毎朝、登校中に聴いていただいたり。miyouそう、楽しい気分で学校に行けるんじゃないかな。結海新生活にぴったりな曲となっております。――5曲目「Million Miles」は「2022富士山女子駅伝」テーマソングだった爽やかな楽曲ですね。結海ライブではすでに歌わせていただいてますね。MAYU実はこの曲は「Join Us!」の次に、6人体制でレコーディングした曲なんです。だからこの曲を聴くと、まだ6人になって間もなかった時期の声を思い出しますし、6人になってまた頑張っていこうという気持ちも重なる部分もあって。駅伝のテーマソングとして歌わせていただき“バトンをつなぐ”思いを込めて歌っているのですが、私たちもグループとしてあとにつないでいくという意味が重なる部分もあって、すごく好きな曲になりました。歌いつないでいく構成にもなっている素敵な曲です。miyou。2003年2月12日、大阪府生まれ。メンバーカラーはターコイズ。――今回、レコーディングの際は、先輩メンバーはどんなふうに新メンバーの方にアドバイスをされたんでしょうか。アサヒ……とくに何も先輩らしいことしてない(笑)。MAYUかもしれない(笑)。レコーディングでは、新メンバーの3人は基本的にみんなワンコーラスずつ歌って、歌割りを決めて、ひとりずつ録っていくスタイルでした。私たちも昔からひとりずつ録るんですが、新メンバー3人が「勉強しよう」と言って、一番器用に歌うオールラウンダーのかれんのレコーディング風景を見学しに行っていましたね。でも、私とアサヒは「恥ずかしいから来ないで〜」って(笑)。まだレコーディングにも慣れないなか、3人が自分たちで熱心に学んでいる姿はとても素敵でしたね。私たちが何かをするときは、6人もいるので、待ち時間もすごく長いんです。でも、そこでたわいもない話をしたりして、だんだん打ち解けていきました。空き時間も大事な時間になったと思います。――今年の4月と5月には「Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”」と題した東名阪のホールツアーが行われます。どのようなステージになりますか。miyou新体制を華やかに祝う“Fanfare”になるように、私たちの新しい声や新しいリトグリをたっぷりと披露させていただこうと思っています。6人でさらにリトグリの音楽を盛り上げていきたい――お話は変わりますが、みなさんは普段、美容面で気をつけていることはありますか。結海リトグリに加入させていただいてから、メイクさんにメイクをしていただく機会がすごく増えて、「肌をきれいにしないとな」と思い始めていたので、毎日パックをするようになりました。お風呂上がりにパックをして、外したあとには卵のように肌がツルツルになっているので、毎晩楽しみなんです。miyou私は水をいっぱい飲みますね。冬は寒いので、寝る前と朝起きたときに、白湯を飲むんですが…。MAYUえ! 意識高い!!miyouいえいえ〜(笑)! ただ、朝に白湯を飲むと、すぐ目も覚めるんです。味がないので、寝起きでも飲みやすくて。寝る前は、カラダもあったまって、ゆっくり寝れるのでオススメですよ。アサヒ私はあまり汗をかきにくいタイプなので、長くお風呂に入って、じんわりと汗をかくまで湯船に浸かるようにしていますね。MAYU私は高校生のときから美白成分が入っている同じ化粧水をずっと使っているんですが、久々にお会いした人に「肌、白いね」と言われることもあって。結海、miyouすごい〜!!MAYUもともと夏でも日焼けを気にしないようなタイプなんですが、きっと美白化粧水のおかげだなと思いましたね(笑)。即効性はないけれど、地道に積み重ねてきた結果は出るという。今後も続けていくと思います。――オフの日はどんなふうに過ごしていますか。結海ドラマや映画を観るのが好きなので、よく観ていますね。最近は、映画館で映画『タイタニック(タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター)』を観ました。miyou休みは家でなんにもしない日もありますし、ちょっと外出してリフレッシュしたいときは古着屋に行っていますね。かわいい服を見て、テンションを上げています。MAYU私も極端なんですが、1日ベッドで天井を見て終わる日もありますね。あとは友達が運転する車でドライブに行ったり、カラオケが好きなのでお酒を飲みながらカラオケをしたり。仕事で毎日のように歌っていますが、自分の中でカラオケはまったく別物なので、リフレッシュするためにカラオケによく行きます。アサヒ私は家から少し遠い場所にある回転寿司屋まで歩いて食べに行っていますね。miyou歩くの好きですよね?アサヒうん、人のマイブームをよく覚えてるね(笑)。遠い場所にお店があることによって、行くことで、少し運動を兼ねてるの。歩いて、食べて、歩いて…。結海プラマイゼロ!アサヒそう、プラマイゼロ(笑)!――ではみなさん、プライベートで今年やってみたいことはありますか?アサヒ今年は、免許を取りたいです。miyou私は最近引っ越しして、まだ何もないので、部屋を落ち着く場所に作り上げてみたいです。結海私はまだ髪の毛を染めたことないので、ちょっとでもいいので、染めてみたいな。MAYU今年、高校卒業でね。結海はい、卒業したらやってみたいですね。MAYU私も髪かな。いま髪を伸ばしているんですが、一度ショートカットにして、そこからまたのばしています。短くてもいいんですが、結海ちゃんぐらい髪の長さがあるほうが、ステージ映えして迫力も出るかなと。さらに長いエクステもつけたら、けっこういい長さになると思って、髪を伸ばしてからのことも楽しみにしています。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の「Little Glee Monster」としての抱負を代表してMAYUさんから教えてください。MAYU Little Glee Monsterは新しい3人の仲間に出会いました。6人ではすべてが初めての場所になっていきますし、ここからまた10年、そしてその先も長く活動していきたいと思っています。「いままで以上にキラキラして活動してるね」と言っていただけるように、6人でここからさらにリトグリの音楽を盛り上げていきたいですね。取材後記新たに6人体制となったLittle Glee Monsterから、ananwebではMAYUさん、アサヒさん、結海さん、miyouさんにインタビューさせていただきました。和気あいあいと楽しい雰囲気のなか、先輩メンバーのおふたりに導かれながら、新メンバーのおふたりもフレッシュに応えてくださいました。そんなリトグリのEPをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・オイケカオリ(ライブ写真)取材、文・かわむらあみりLittle Glee MonsterPROFILE“研ぎ澄ました歌声で人々の心に爪痕を残す”ことをテーマに結成されたボーカルグループ。現在のメンバーは、かれん、MAYU、ミカ、アサヒ、結海、miyouの6人。2014年、シングル「放課後ハイファイブ」でメジャーデビュー。2017年には初の武道館単独公演のほか、Earth, Wind & FireやAriana Grandeのツアーサポートアクトを務め、2018年には初のアジアツアーを成功させるなど日本国内にとどまらない活躍を続け、4年連続でNHK『紅白歌合戦』に出場。2022年7月より、新メンバー募集オーディション「M∞NSTER AUDITION」を開催。7002人の応募の中からミカ、結海、miyouの3人が新メンバーに決定し、第二章をスタート。新体制での新曲「Join Us!」を同年12月に配信リリース。2023年3月22日に、新体制となって初めてのEP『Fanfare』をリリース。4月と5月に「Little Glee Monster Live Tour 2023 Join Us!」を東京と大阪にて開催。InformationNew Release『Fanfare』(収録曲)01. Join Us!02. WONDER LOVER03. Rolling Rolling Rolling04. HELLO NEW DAY05. Million Miles2023年3月22日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)SRCL-12449(CD)¥1,980(税込)(初回生産限定盤A)SRCL-12445〜46(CD+BD)¥4,180(税込)*BD:「Little Glee Monster Live Tour 2023 Join Us!」1月7日昼公演ライブ映像全曲収録。(初回生産限定盤B)SRCL-12447〜48(CD+Photo Book)¥2,860(税込)*Photo Book:「Little Glee Monster Live Tour 2023 Join Us!」東京公演のライブ写真で構成。写真・オイケカオリ(ライブ写真) 取材、文・かわむらあみり
2023年03月21日【音楽通信】第133回目に登場するのは、NHK連続テレビ小説『おちょやん』の主題歌「泣き笑いのエピソード」や『六本木クラス』挿入歌「残影」も収録されたアルバムを発表する、秦 基博さん!2021年に迎えたデビュー15周年を超えて【音楽通信】vol.1332006年のデビュー以降、コンスタントに作品を発表し、多彩なライブ活動を展開しているシンガーソングライターの秦 基博さん。心に響く歌声で、わたしたちを魅了し続けてくれています。2021年にはデビュー15周年というアニバーサリーイヤーを迎えて、横浜アリーナと大阪城ホール、さらには日本武道館でコンサートを開催。2022年はドラマ『六本木クラス』挿入歌「残影」をリリースするなど、これまでに数々の映像作品やCMソングを手掛けています。そんな秦さんが、2023年3月22日に7枚目のオリジナルアルバム『Paint Like a Child』をリリースされるということで、お話をうかがいました。――以前ananwebでは、今回のアルバムにも収録されたNHK連続テレビ小説『おちょやん』の主題歌「泣き笑いのエピソード」のリリース時(2021年1月)に取材させていただきました。あれから2年、本格的にコロナ禍となって、現在は対策などにも慣れてきた時期ですね。いわゆるステイホーム期間はいろいろなことが止まって、音楽制作もライブも中止になりましたが、次第にその状況をみんなが受け入れっていっていたような時期でもありました。そんななかでも少しずつレコーディングも進んでいましたし、無観客の配信ライブを行うなどのできることを模索しましたね。2021年は、大きな会場でライブも開催させていただきました。――15周年を迎えられてのライブは、いつもと違った感慨深さはありましたか。そうですね。横浜アリーナと大阪城ホールの公演では、1日ずつ内容を変えて、初日に弾き語り、2日目にバンドスタイルと2daysで内容を変えました。15年間やってきた音楽スタイルがひとつではなく、弾き語りやバンドアンサンブルといろいろとやってきたので、両方を楽しんでもらえる2日間にしたくて、内容を変えて公演しました。15年のキャリアを経て、みなさんと一緒に大きい会場でライブを共有できる幸せを実感できましたね。3年3か月ぶりのニューアルバムが完成――2023年3月22日に、7枚目のニューアルバム『Paint Like a Child』をリリースされます。3年3か月ぶりとなるアルバムですが、いつ頃から制作されていましたか。2021年の秋ぐらいから、本格的にアルバムに向けた曲作りを始めました。――タイトルは、ピカソの残した言葉からつけたそうですね。以前から、すごく好きな言葉だったんです。いろいろなことを成し遂げてきたピカソほどの人が、晩年に「ようやく子どものような絵が描けるようになった」という言葉を残していて。子どものように無垢で無邪気で自由な表現が、さまざまなことを経験した先にあるんだとすれば、それは音楽を作るうえでも、ひとつの指針になるといいますか。自分でも、そんなふうに自由に音楽をより表現できたら楽しいな、という思いをずっと持っていました。だから、そのピカソの言葉が心の中にずっとあって、今回のアルバムを作るうえでのコンセプトにもふさわしいと思ったんです。いまの自分の思うままに、やりたいことを1曲ずつ突き詰めた結果、思い描いたアルバムが出来たと思います。――既発曲としては、2022年のテレビ朝日系木曜ドラマ『六本木クラス』挿入歌「残影」や『映画ざんねんないきもの事典』主題歌「サイダー」も収録されていますね。「残影」は、主人公のテーマということでしたので、彼がどんな人物でどうやって人生を過ごして、どんな思いでいるのかというところが、曲のもとになっています。圧倒的な絶望感があっても、心折れずに進む鉄の心を持つ主人公とまったく同じではないにしても、自分の中にもある絶望感やそれに抗うように前に進んでいこうとする気持ちを照らし合わせながら、曲を作っていきました。「サイダー」は、『ざんねんないきもの事典』で描かれる動物たちが“ざんねん”と言われてしまうけれど、生命が生きていることの喜びがそこにあると思ったんです。それぞれの個性は、もしかすると人から見たら残念に思われることだとしても、そもそも存在している、生きていること自体の素晴らしさや歓びを歌いたいと「サイダー」という曲が完成しました。――アルバムのタイトル曲でもある新曲「Paint Like a child」は、未来や希望を感じさせるナンバーですね。僕はだいたいメロディやサウンドから曲を作っていくんですが、この曲は、アルバムを象徴する1曲目になるような曲を作りたくて書きました。制作過程で、アルバムのタイトルを先に決めたのですが、そのタイミングでこの曲の歌詞を書いていたこともあり、タイトルトラックになりました。――新曲「Life is Art!」は明るくてどこか懐かしいナンバーですが、この曲はどのようなことをイメージして作られたのですか。ライブでもみんなで一緒に楽しめるレパートリーを、アルバムの中でも作りたい、と思って書き始めた楽曲です。歌詞では、カラフルな世界が描けたらいいな、というイメージがあったので、具体的に青や黄色、マゼンタなどの色を入れています。――新曲「イカロス」は、ピアノの調べに乗せて切ない心情を歌うバラードですが、どのように生まれた曲でしょうか。アルバムに向けて曲作りを始めたときに生まれた曲で、純粋にこういうメロディやサウンド感を作りたくて。ピアノが中心になりながら、コーラスの広がりや、シンセベースの重低音が彩どるサウンドのイメージがあって、サウンドが固まったときに、自然と“喪失”をテーマに歌おうと思ったんです。とはいえ、喪失に関する特別な理由があったわけではありませんが、できた曲の世界観に導かれながら、歌詞をじっくりと書いていきました。――この「イカロス」を主題歌にした映画『イカロス 片羽の街』が2023年2月からU-NEXTで配信されています。今回、「イカロス」にインスピレーションを受けた児山隆監督、枝優花監督、中川龍太郎監督の3人による、3本の映画が制作されました。「イカロス」のサウンドが出来たときに、その時点ではまだ歌詞はなかったんですが、メロディにすごく映像が合う、シーンや情景がすごく広がる曲だというイメージがありました。通常は、そこからミュージックビデオを作る流れになるんですが、今回は「映像との新しいアプローチはないか」という話になって。たとえば、タイアップがあればその作品に合わせた楽曲を書き下ろすことが多いんですが、逆に「曲をもとに映画を撮り下ろしてもらうことができないかな?」という話になり、3人の監督さんにオファーしたところ快諾してくださって、今回「イカロス」をもとにした映画化が実現しました。――すごいお話ですね、しかも一編ではなく三遍の物語があるという。本当に。「イカロス」という曲を物語にすると、どういう解釈を生むのか、どんな状況が広がるのか、とても興味深かったです。おひとりの監督さんに映画化していただくのももちろんうれしいのですが、何人かの監督さんがいると、曲からの解釈の違いや広がりがより感じられるので、お三方にお願いすることになりました。曲では“喪失”を歌っていて、映画では“喪失と再生”がテーマで、喪失した先の物語までを描いています。あとは僕の生まれた“横浜”が舞台というものがしばりとしてありましたが、それ以外は「自由に作ってください」とご依頼して、生まれてきた3つの物語でして。それぞれまったく違う物語が生まれました。内容はお任せだったので、出来上がるまでは監督のみなさんともお会いせずにいたんですが、完成してから取材で監督たちにお会いしたときに、それぞれの方のパーソナルな部分と結びついて、物語や映画が生まれるんだなと感じました。――秦さんの原曲から、監督がどのようにインスピレーションを受けたかということですものね。はい、曲をどう受け取ったかもそうですし、ご自身のどういう経験や思いと結びついたのか。いざ情景になったときに、どうやって映画になるのかなど、面白かったですね。映画監督は、そうした思いを映画で表現すると思うんですが、僕の音楽を受け取ったみなさんも、いろいろな景色や物語が広がって、それぞれに描いているものがあるのかなと。そういう広がりのある曲が書きたいと思っていますし、自分の音楽からみなさんの世界が広がっているといいなと思います。――ジャケ写はカラフルな色で絵が描かれていますね。実際に子どもたちが集まって、いろいろな絵を描いてくれました。クリエイティブディレクターの方のチームのアイデアで、アート教室に通う幼稚園生から中学生までの総勢46人の子どもたちが集まってくれたんです。「真っ白い紙に自由に絵を描いてください」とだけ言って、こんなに素敵なものができあがりました。――では、このアルバムがどんなふうに聴き手に届いてほしいでしょうか。僕自身は、音楽を作ることの楽しさと喜びを表現していけたらいいなと思うんですよね。もちろん生みの苦しみはついてまわるんですが、それも含めて、僕はこのアルバムで自分の描きたい音楽を思いっきり表現しました。だから、聴く方も楽しい気持ちやいろいろな気持ちになったりと、みなさんそれぞれの響き方や広がり方をしてくれたらいいですね。――4月から7月まで「HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2023 ―Paint Like a Child―」と題した全国ホールツアーを開催されます。どのようなステージになりそうでしょうか。今回はバンドアンサンブルでまわる久々のワンマンツアー、アルバムの世界をライブで再構築することになります。もちろんいままでの楽曲たちも織りまぜながら、アルバムの世界を中心に、楽しんでもらえるライブを作れたらと思っています。ツアーで音楽を共有できる瞬間が楽しみ――アルバムは“子どもの落書き”のように、はみ出していく自由さや遊び心がテーマとなっていますが、秦さんご自身が子どもの頃、一番熱中した遊びはなんでしたか?熱中していたことでいうと、野球とバスケです。わりとスポーツに熱中していたんですが、どれも小学生ぐらいから始めたんです。それまでは絵を描くのが好きでしたね。――今回のアルバムをきっかけに、また絵を描いてみようとは?いや、この子どもたちが描いてくれた絵を見たら、なおさら描けなくなる(笑)。みんな思い思いに線を描いたり、好きな色を選んで好きなものを描いていて、それがなんでこんな素敵になるの? と。全部子どもたちが自由にやった結果こうなっていて、大人の僕が描こうとすると、うまく描こうとして邪念が入るので、いまは難しそうです(笑)。――子どもたちは最強ですね(笑)。では普段、ライフスタイルにおいて気をつけていることはありますか。普段は激しい運動などはしていないですが、歌を歌いますしカラダが楽器なので、ストレッチを中心にやるよう、ジムに行くときもあります。すごく鍛えるわけではないんですが、柔軟性は保っておかないとカラダが固まるとあまりよくないので、そのあたりは気をつけていますね。――喉は何かケアをされているのですか?すごく特別なことは全然していません。しいて言えば、乾燥に気をつけるぐらい。少し乾燥しやすいときは、喉に良いハーブティーを飲んで、喉を潤したりするぐらいですね。基本的には、あまりナーバスになりすぎると、逆に疲れてしまうから。昔は、あれをしなきゃ、これをしなきゃという意識も強かったんですが、気にしすぎるほうがマインド的に良くないなと思ってやめたら、気が楽になりました。アマチュアの頃なんて、たいしたケアもせず、水さえ飲めば歌えていたので(笑)。マインド的には、それぐらいでちょうどいいなと思っています。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負をお聞かせください。この3年ぶりの新しいアルバムをみなさんにたくさん聴いていただきたいですし、ツアーでもみなさんにお会いしたいですね。音源を作って終わりではなく、ライブでみなさんと共有することで、その曲の本質を知るといいますか。「こういう曲の表情があったんだな」「この曲ってこんなふうに響いていくんだな」と、ライブをしてみないとわからないことがたくさんあります。そういったことを通して、やっと作品が完成していくから。ライブも楽しみですし、何よりも一緒に音楽を共有できる瞬間が待っているのが待ち遠しくて。またツアーが終わったら、自分の中で何かがまた芽生えてくるんじゃないかな、ということも自分自身、楽しみにしています。取材後記新作に込めた想いはもちろんのこと、新曲をもとにして映画が生まれたというお話も印象深かった、秦 基博さん。「絵を描こうとすると邪念が入る」というお話もありましたが、秦さんはどこか少年のような清らかさも思わせる、物腰の柔らかいお人柄。歌だけでなく、その人間力でも多くの方々を惹きつけているのではないかと感じました。そんな秦さんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・園山友基取材、文・かわむらあみりヘアメイク・鷲塚明寿美、スタイリスト・高橋 毅(Decoration)Tシャツ¥15,400(is-ness)、シャツ¥46,200、パンツ¥44,000(ともにRAKINES)、靴¥35,200(ORPHIC / alpha PR : 03-5413-3546)秦 基博PROFILE1980年10月11日、宮崎県生まれ、横浜育ち。A型。2006年11月、シングル『シンクロ』でデビュー。“鋼と硝子でできた声”と称される歌声と叙情性豊かなソングライティングで注目を集める一方、多彩なライブ活動を展開。2014年、 映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌「ひまわりの約束」が大ヒット、その後も数々の映画、CM、TV番組のテーマ曲を担当。デビュー10周年には横浜スタジアムでワンマンライブを開催。初のオールタイム・ベストアルバム『All Time Best ハタモトヒロ』は自身初のアルバムウィークリーチャート1位を獲得、以降もロングセールス中。2023年3月22日、7枚目のオリジナルアルバム『Paint Like a Child』をリリース。4月から7月に全19公演をめぐる全国ツアー「HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2023 -Paint Like a Child -」を開催する。InformationNew Release『Paint Like a Child』(収録曲)01. Paint Like a Child02.Trick me03.サイダー04. Life is Art !05. 残影06. Dolce07. 202208. 太陽のロザリオ09. 泣き笑いのエピソード10.イカロス2023年3月22日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)UMCA-10093(CD)¥3,300(税込)(初回限定盤)UMCA-19068(CD+BD)¥5,280(税込)*スリーブケース付。(Home Ground 限定盤)PROS-1924(CD+BD+インタビューブック+グッズ)¥10,450 (税込)*本体スケッチブック仕様。(Home Ground 限定盤)PROS-1925(CD+DVD+インタビューブック+グッズ)¥10,450 (税込)*本体スケッチブック仕様。写真・園山友基 取材、文・かわむらあみり ヘアメイク・鷲塚明寿美、スタイリスト・高橋 毅(Decoration)
2023年03月20日【音楽通信】第132回は、多彩なアーティストがコラボレーションして“六畳半ポップス”を発表し続けている音楽プロジェクト「MAISONdes(メゾン・デ)」。今回、MAISONdesの管理人さんと、「ヨワネハキ」や「PAKU」が大ヒットしてTikTokでバズを巻き起こしたasmi(アスミ)さんが登場!“六畳半ポップス”を生み出す音楽プロジェクト写真左から、asmi、管理人。【音楽通信】vol.132「架空の六畳半アパートの各部屋で生まれる、あなたの歌」をコンセプトにした、音楽プロジェクト『MAISONdes』。アパートの一室にアーティストが入居し(参加し)部屋番号を携えながら、毎回異なる歌い手と楽曲提供者がコラボレーションして、自由に楽曲を発表するという斬新なスタイルが話題を呼んでいます。なかでも、シンガーソングライターのasmiさんが2021年5月にMAISONdesに入居して発表した「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」は、「TikTok流行語大賞2021 ミュージック部門賞」を受賞してTikTok再生回数30億回を超えるバズヒット曲として脚光を浴びました。そんなMAISONdesが、2023年3月15日に、初めてのミニアルバム『ノイジールーム』をリリース。今回、各部屋の入居者となるアーティストを迎え入れる立場の管理人さんと、今作の収録曲にも参加しているasmiさんに、お話をうかがいました。――架空の六畳半アパートを軸に、アパートの一室にアーティストが入居して楽曲を発表していくという「MAISONdes」のコンセプトは、いつ頃から考えていたのですか?管理人2020年頃からです。実際に2021年2月にMAISONdesが始動して、現在で約2年が経ちました。――asmiさんは2019年から関西を拠点に音楽活動するなか、MAISONdesに入居されて発表された「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」が大ヒットされ、ご自身の歌が多くの聴き手に届いたという手応えはいかがですか?asmiたくさんの方々に歌を聴いてもらえるようになっても、大ヒットするという経験が初めてだったので、最初はなかなか実感がわかなかったんです。でも、配信リリースして半年ぐらい経ってから、ある日コンビニに買い物に行ったとき「ヨワネハキ」が流れてきて。思いがけず自分の声を聴いて、そこでやっと「自分の歌がさまざまな場所でたくさんの方に聴かれているんだな」と実感しました。あとは全然しゃべったことのない顔見知りぐらいの人や、地元の中学が同じだったけれどそんなに知らない人からもメッセージが来るようになって、私の同世代の人たちが歌を聴いてくれているんだなと、そういったことからも多くの人たちに歌が届いていることを感じましたね。管理人親戚も増えたんですよね?asmiなんか全然知らん人やけど、父から「サインしてほしい」と言われたとかで、書いたりしたことがありました(笑)。――asmiさんはMAISONdesとしても活動をすることで、ご自身の音楽活動にも刺激を与えることや変化があったのでしょうか。asmiMAISONdesで「ヨワネハキ」を歌ったことが、私の音楽の歴史において、すごく大きな転機になりました。自分ひとりの活動では、曲作りも歌も全部自分でやっていますが、「楽しそうだな」と思って参加したMAISONdesでは他の方に楽曲提供いただいて歌うのも初めてでしたし、本当にたくさんの方に歌を聴いてもらえるようになったのも初めての経験だったのでいま思い返しても、さまざまな可能性が広がったと思います。――MAISONdesの最初の配信リリースは、2021年2月の「Hello/Hello feat. yama, 泣き虫」でしたが、入居者の方は、どのように選んでいますか。管理人「このアーティストのこういう一面が見せられたら面白いだろうからちょっと一緒に制作してもらおうかな?」と考えて、こちらからお声をかけるケースもありますが、一方で、「MAISONdesに興味ある人はご連絡ください」というようにSNSで募集もしています。とはいえ、MAISONdesを始めた当初は興味を持ってくださる方がいませんでしたね。最近やっと「入居したいです」と連絡をくださる方が現れ始めました。その中には、正直なところ、どこのどなただか存じ上げていない方もいますが、「なんか面白いな」と感じてやり取りを重ね、入居していただいたケースもあります。asmiさんの「ヨワネハキ」のときは、和ぬかさんに楽曲を提供してもらってasmiさんに歌ってもらうよう組み合わせていくと、なんか面白いことが起きるんじゃないかな?と思い、また、おふたりにとっても、普段活動されて見せている姿とは少し違う魅力がMAISONdesとして出せるんじゃないかなと考えて、お二方にオファーさせていただきました。ミニアルバムは『うる星やつら』の記念作アパートの各部屋に入居者を受け入れる「MAISONdes」の管理人。素顔は謎に包まれている。――2023年3月15日にMAISONdes初のミニアルバム『ノイジールーム』をリリースされます。今回、ミニアルバムとして発表される理由はなんでしょうか。管理人約36年ぶりにテレビアニメ化された『うる星やつら』(フジテレビ系 毎週木曜24:55)のオープニング曲とエンディング曲を2クール連続でMAISONdesが担当させていただきまして、その記念としての作品になります。通常、アニメはワンクール3か月のところ、今回は2クールあり、さらにそのオープニングとエンディングのテーマを全部やらせていただくなんて、普通では考えられない大抜擢でして。しかも、MAISONdesという中身が何だかわからないものに対して(笑)。国民的アニメとがっつりとコラボレーションさせていただけたので、その楽曲をまとめた今回の活動の記念品という気持ちと、MAISONdesはこれまで配信曲のリリースが多かったのですが、CDとして世の中に形にして出したいと思って作りました。――asmiさんが歌う、現在『うる星やつら』のオープニング曲として放送されている「アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ」も収録されています。ボカロPとしても活動されるすりぃさんが楽曲提供された今作を最初に聴いた印象や、歌ってみての感触はいかがですか。asmi最初に曲を聴いたときは、めっちゃ可愛いのにめっちゃカッコいい! と感じました。カッコいい部分はすりぃさんが独自に持たれている雰囲気でもあると思いますし、可愛さは『うる星やつら』の世界観からすりぃさんが引っ張ってこられたんかなと、めっちゃ素敵やん! と。私があまり歌ったことのない曲調というのもありますし、歌ってみると、楽しいんですよね。歌詞もめっちゃ好きで、ラムちゃんの恋心みたいなものをすりぃさんが書かれたのかなと思いました。――実際にasmiさんの歌が、MAISONdesとして『うる星やつら』のオープニングテーマとしてテレビから聴こえてくるお気持ちはいかがですか。asmiすごく感動しました。私が歌った曲に乗って『うる星やつら』のキャラクターが動いていて、特にオープニングムービーの最後あたりに、ラムちゃんの唇が歌詞に合わせて動くところも、シンプルに「すごーっ!」って(笑)。――もともと『うる星やつら』自体はご存知でしたか?asmi知っていました。母がめっちゃ好きでアニメを観ていたということもありますし、昔の『うる星やつら』の「あんまりソワソワしないで〜」と歌う主題歌「ラムのラブソング」もめっちゃ聴いていました。――「アイワナムチュー」はすりぃさんとコラボされましたが、普段MAISONdesの他の参加アーティストの方とは交流はあるのでしょうか。asmiすりぃさんは一度お会いしたことはありますが、交流となると、2回以上会ったことがあるのはyamaさんかな。あとmeiyoさんも。2022年にリリースした私の曲「PAKU」を楽曲提供していただいたので、交流していますね。大阪在住のシンガーソングライター、asmi。「十代白書2020」グランプリ獲得。「CDショップ大賞」2021年関西ブロック受賞。MAISONdesとしては2曲発表している。――「PAKU」は「TikTok2022上半期トレンドチャレンジ部門賞」も受賞された可愛い曲ですよね。asmiありがとうございます。管理人そういえば、「ヨワネハキ」を作った和ぬかさんとは会ったことないですよね?asmiはい、一度もお会いしたことがないですね。管理人本当は存在しないのかもしれないですよ(笑)?asmiまさか〜(笑)! 今度会わせてください。――管理人さんは、歌い手と作り手をつなげるけれども、それぞれはそんなに接点はないんですね?管理人そうですね。「絶対に会って一緒に制作したい」という人もいるのでそれぞれでもありますが、基本的にはあえて会わないでいただくことが多いです。――あえて会わないという意図はなんでしょうか?管理人だいたい楽曲を作る人は、歌う人のことを想像しながら書く場合があると思いますが、作り手と歌い手の顔が見えたり、コミュニケーションを取ったりすると、ちょっとした遠慮が入るといいますか。本当に微々たるものかもしれませんが、「この人、これで嫌じゃないかな」と気を遣い合うと思うんですよね。歌う方も、「この歌い方、作った人的には大丈夫かな……」とか。それが良いように作用するときもありますが、せっかくMAISONdesという看板を背負ってやっていただくとなったら、極端に振り切ったことをやってほしいので、とくに希望がない場合は両者が会わないことが多いです。――今作には『うる星やつら』のタイアップ曲以外に新曲「トラエノヒメ feat. むト, Sohbana」「もういいもん feat. 缶缶, ハイノミ」の2曲が収録されています。管理人むトさんもSohbanaさんもけっこうお若くて。自分でSNSなどを駆使して活躍されている方で、面白い活動を行っている方ですし、缶缶さんとハイノミさんもそうです。今回CDを出すにあたって、みんなが知っている4曲をまとめるだけでなく、これらの曲に合う新曲を入れたくて、『うる星やつら』の世界観から遠くない楽曲を作っていただきました。――どんなふうに聴き手にMAISONdesの楽曲が届いてほしいですか?asmi MAISONdesは「六畳半アパートで生まれる、あなたの歌」というコンセプトがあるので、ひとりでイヤホンで聴いていただくことをイメージしています。ひとりで聴いたときに、みなさんが心の中で思っているのに言えない心の叫びを、私が歌で代弁できたらと思って歌っていますし、その気持ちが届くといいなと。――asmiさんは今後もまたMAISONdesに参加されることも?asmiお部屋の空きがあればぜひ(笑)。管理人参加いただけるのであればもちろん入居してください。お部屋の空きが多くて、家賃ばっかりかさんじゃって大変かもしれませんが(笑)。――MAISONdesに入居しているアーティストは、顔出しされていない方もいらっしゃいますが、今後ライブのご予定はありますか。管理人ライブといえば、それぞれに活動されている方が多いので、ご自身のライブでMAISONdesの曲を歌ってくださる方もいてすごくうれしいですし、どんどんいろいろな場所で歌ってほしいですね。asmiさんもライブで「ヨワネハキ」を歌ってくれていますし。asmiそうですね、歌わせていただいています。管理人 将来的にはMAISONdesへ入居してくださった方が集まってのイベントのようなものができるといいなあとは思っていますね。MAISONdesの歌は“誰かひとりのためのもの”――お話は変わりますが、asmiさんはメイクやファッションでお好きなものはありますか。asmi私はピンク色が好きなんです。衣装を着せてもらうときも、必ずどこかにピンク色を取り入れてもらっていて。今日は私服ですが、ワンポイントで胸元にピンク色の文字が入っています。メイクをするときは、チークをめっちゃ濃い目に入れるのが好きですね。――asmiさんは、以前ananwebのこの音楽取材にご登場いただいた新世代ラッパーのRin音さんと同じ事務所ですが、交流はありますか?asmiRin音くんは福岡在住で私は大阪在住なので、連絡を取ることはありますが、しょちゅう顔を合わせることはないですね。でも、お互いに東京に行く期間が同じときは「ごはん食べに行こうぜ!」とか言って(笑)、遊ぶことがあります。――asmiさんは今後、個人的にやりたいこと、音楽活動でやりたいことを教えてください。asmi音楽活動は、いままで同世代の子たちを意識して曲を作っていたところがあったんですが、「ヨワネハキ」を機にお子さんにも歌を聴いてもらえるようになって。お母さん世代の方からも「asmiちゃんの曲を流したら子どもが泣きやみました」というメッセージをいただくこともあって、すごく嬉しかったんです。だから、私より上の年代の人にも可愛い曲やなと思って聴いてほしいですし、同世代の子たちには共感して聴いてほしいですし、下の年代の子たちも楽しんで聴いてくれたら嬉しいなと。多くの人に歌を聴いてもらって、いつか京セラドームでライブができるようになりたいですね。個人的には、富士山に登りたいです。去年の元旦に東海道新幹線に乗っていて、きれいな富士山を見た瞬間、「登りたい」と。日本で一番高いところに行って、大きなパワーをもらってみたいと思いました。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、管理人さん、MAISONdesの今後の抱負をお聞かせください。管理人 MAISONdesは、すごく抽象的なものではありますが、だからこそできることがいっぱいあると思っていて。「架空のアパートって何?」という、世間ではよくわからないもの、というところからスタートしているからこそ、柔軟にいろいろなことにトライしていきたいですね。これからも楽曲を作って歌ってくださるアーティストが入居してくださる形はずっと変わりません。そもそもMAISONdesは「みんなの歌じゃなくていいから、誰かひとりのための歌であればいい」と思って始めました。漠然と多くの人に音楽を届けることもあるなかで、“誰のための歌なのか”を明確にして、音楽を作っていきたいという思いがあります。これからも、MAISONdesの歌が“誰かひとりのためのものである”ことだけは忘れないようにして、楽曲を届けていきたいですね。取材後記個人で活動するアーティストの方やSNSを中心に活動するネットクリエイターの方などがコラボして、色とりどりの歌を聴かせてくれる、架空のアパート「MAISONdes」。ananwebでは、管理人さんとasmiさんにお話をうかがいましたが、このプロジェクトから生み出される音楽の力を強く感じました。きっとあなたの心を満たしてくれる楽曲がこれからも届くはず。そんなMAISONdesのミニアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりMAISONdes PROFILEMAISONdes(メゾン・デ)は、「今最もSNSで使われる音楽」を生み出している架空のアパート。楽曲毎に部屋が割り振られ、部屋毎に歌い手と作り手を変えて、「六畳半ポップス」というポップミュージックを生み出している。地球かもしれないし、宇宙かもしれない。未来かもしれないし、過去かもしれない。決まっているのは、部屋のサイズが六畳半なことだけ。この場所、今の時代でしか生まれない歌い手と作り手のコラボレーションによって、それぞれの部屋の歌を発表している。それぞれの部屋に、それぞれの物語と歌があり、きっと、あなたが「自分の物語」だと感じる部屋が、ひとつはある。このアパートは、「あなたの歌」が見つかる場所。InformationNew Release『ノイジールーム』(収録曲)01. アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ02. トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ03. トラエノヒメ feat. むト, Sohbana04. もういいもん feat. 缶缶, ハイノミ05. アイタリナイ feat. yama, ニト。06. アイウエ feat. 美波, SAKURAmoti2023年3月15日発売*収録曲は全形態共通。(完全生産限定盤)SRCL-12440(CD+アクリルスタンド)¥7,700(税込)(期間生産限定盤)SRCL-12442(CD+BD)¥3,350(税込)※BD(ノンクレジットOP/ED2クール分収録)取材、文・かわむらあみり
2023年03月12日【音楽通信】第131回目に登場するのは、大阪の難波を拠点に活躍し、全国へと人気を拡大し続けているアイドルグループ、NMB48(エヌエムビーフォーティエイト)!小学生のときにアイドルに憧れるようになった山本望叶(やまもとみかな)。2002年3月11日、山口県生まれ。B型。身長162.1cm。ニックネームは「みかにゃん」。【音楽通信】vol. 131秋元康さんが総合プロデューサーを務め、大阪の難波に誕生したアイドルグループ、NMB48。現在、研究生を含む総勢61名が在籍し、「NMB48劇場(シアター)」では、パワフルなステージを披露しています。2011年7月、シングル「絶滅黒髪少女」でメジャーデビュー後もコンスタントに作品を発表し、2021年には結成当初から在籍していた一期生が全員卒業しました。そんなNMB48が、2023年3月8日に4枚目のアルバム『NMB13(なんばサーティーン)』をリリースされるということで、グループを代表して今回初センターを務める、山本望叶(やまもとみかな)さんにお話をうかがいました。――まずは自己紹介からお願いします。NMB48の山本望叶です。山口県出身の20歳です。――ライブでは自己紹介をするときに、定番の“キャッチフレーズ”もあるんですよね?はい、そうなんです。いつもライブのコール&レスポンスでやっているのは、「長州から歴史を変えるためにやってきた」と言うと、ファンの方が「みかにゃーん!」と返してくださるので、続けて「あなたの望みを叶えちゃる、山口県出身の山本望叶です」と言っています。――キャッチフレーズも教えていただいてありがとうございます。山本さんは2018年にNMB48に加入されましたが、そもそもアイドルを目指したきっかけはなんでしたか。小学生のときにアイドルに興味を持って、AKB48さんのような女性アイドルがすごく好きになって、憧れていました。中学2年生から、芸能界に入りたいと思って、実際にアイドルのオーディションを受け始めました。――アイドルに興味を持っていたということは、実際にライブに行くこともあったんですか。山口県にいたので、規模の大きなグループの方のライブとなると、東京や大阪でしか公演がなかったりするので、なかなか行けていなかったですね。でも、地元アイドルさんのライブにはよく行っていて、そのうち観る側ではなく、出るほうに憧れるようになっていきました。――もともと歌うことは好きだったんですか。あまり歌うことを意識したことはなかったんですが、2歳上の姉がいるので、姉と一緒にカラオケ行って、好きなアイドルさんの曲を歌っていましたね。元モーニング娘。の後藤真希さんやAKB48の板野友美さんが好きで、そんなカリスマ性のある、男女ともに支持されるようなアイドルに憧れていました。――ご出身は山口県ですが、大阪を拠点とするNMB48のどんなところに惹かれたのでしょうか。もともと48グループの中でもNMB48が一番好きで、大阪も好きで、大阪の人の情に厚くて温かいところや面白いところもすごく好きだったんです。だから、ずっとNMB48に入りたいと思っていたので、NMB48の一員になれてうれしいです。NMB48の魅力がたっぷり詰まっているアルバム――2023年3月8日に4枚目のアルバム『NMB13』をリリースされますね。約5年ぶりのアルバムになります。メンバーもそうですが、きっとファンの方も新しい作品を楽しみにしてくださっていたはずなので、みなさんの期待を上回るようなアルバムになっていたらいいなと思います。――山本さんは、NMB48に加入してから6年目にして、今作から初めてのセンターを務められますね。いままでセンターの経験がないので、初めは不安な気持ちが大きかったんです。でも、先輩メンバーさんに励ましの言葉をいただいたりして、ちょっと気が楽になったといいますか。最近「あまり気を張らずに楽しんでセンターに立とう」と思えるようになりました。センターはみんなが目標としているポジションなので、「しっかり務めないといけない」というプレッシャーもあったんですが、やっと「私なりのやり方でいいんだな」と思えるようになりましたね。――収録曲の新曲「Done(ダン)」は、クールでドラマチックなナンバーです。「Done」=「終わり」という意味の恋の未練を歌う曲ですね。アルバムはレコード会社を移籍させてもらってから初めてリリースする作品でもあるんですが、「Done」はサビで何度も「終わり」と歌っていて、いいのかな? と思ってしまう歌詞です(笑)。歌詞を全部読むとすごく切なくて、失恋をしたときに、さらに自分を追い込むといいますか。とことん落ちたいときもあると思うので、そういうときに聴いてほしい曲になっています。――「Done」のミュージックビデオはクールな印象ですが、振り付けのポイントはありますか。けっこう力強さを感じさせる振り付けになっているんですが、今回のテーマは“色っぽさやセクシーさ”なので、女性らしさも忘れずにパフォーマンスすることを意識しました。――今日着ているお衣装は、アルバムのジャケ写と同じ黒のお衣装ですね。衣装はメンバー全員、黒と白のモノトーンで、テーマはゴシックな感じです。そしてちょっとセクシーさもあって、強い女性をイメージしていますね。――ファンの方から“NMB48の国歌”と呼ばれる「青春のラップタイム」(2011年のNMB48デビューシングル「絶滅黒髪少女」のカップリング曲)は、現在のメンバー全員で歌った2023年新録バージョンも収録されていますね。この曲は、メンバーもファンの方も大切にしている曲です。リリース当時に歌っていたメンバーさんは全員卒業されて、いまのメンバーでまたこうしてCDに声が残るというのは、すごく感慨深いですね。ライブではほぼ毎回歌っている思い入れのある曲ですし、ライブで最後に披露する定番の曲でもあります。――昨年発売されたニューシングル「好きだ虫」も収録されていますね。「好きだ虫」もすごく盛り上がる曲で、劇場公演でも披露させていただいているんですが、ファンの方も歌にあわせてペンライトを振ってくださることもあって、これからまたライブでもたくさん披露することになるんじゃないかなと思います。――アルバムは4形態ありますが“TYPE-M”には、新ユニット「りぷりっぷる(山本望叶さん、小嶋花梨さん、坂田心咲さん、桜田彩叶さん、佐月愛果さん、新澤菜央さん、原かれんさん)」が歌う「Enjoy無礼講!」が収録されていますね。新ユニットの「りぷりっぷる」は、SNSに力を入れているメンバーを集めています。この曲は本当に可愛い曲で、テンションを上げたいときに聴いてほしいですね。歌詞もすごく明るくて、「好きなことをやるしかない」と歌っている、ハッピーになれる曲です。――収録曲の中で、とくに印象深い曲はありますか。やっぱり、りぷりっぷるの新曲ですね。「Enjoy無礼講!」のミュージックビデオもすごく可愛いらしくて、“ザ・アイドル”という感じのミュージックビデオになっているので、たくさんの方に観ていただきたいです。――可愛らしい感じというと、クールな「Done」とはまた違った世界観ですね。本当に真逆ですね。りぷりっぷるの衣装やセットはピンクと白でまとめていて、メンバーもみんなすごくテンションが上がって、ミュージックビデオを撮影しました。――ミュージックビデオも楽しみです。では、アルバム全体の聴きどころを教えてください。NMB48の魅力がたっぷり詰まっているアルバムです。可愛い曲もありますし、カッコいい曲もありますし、ちょっとクセの強い曲も、セクシーな曲もあって。どんな気分のときでもどれかしらにハマるという、聴いていて飽きないアルバムになっているので、ぜひ楽しんでいただきたいです。もっとNMB48の魅力を知ってほしい――「大阪が好き」だとおっしゃっていましたし、NMB48は関西をベースにしていますが、お笑いなどもお好きですか。お笑い番組やバラエティ番組をよく観ていて、昔からお笑いが好きですね。よく観ているのは『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系 毎週火曜午後11時15分)や『アメトーーク!』(テレビ朝日系 毎週木曜午後11時15分)といったトーク番組です。――普段、おやすみのときはバラエティ番組を観たりするんでしょうか。おやすみだと、家で寝ていることが多いかもしれません(笑)。「睡眠命」なので、何もなければ1日10時間ぐらいは寝られます。寝て、起きて、ご飯を食べて過ごしますね。外出するとすれば、姉とすごく仲が良くて友達みたいな関係なので、姉と遊ぶことが多いです。姉は東京に住んでいるんですが、まとまったやすみがあると「大阪に来て」と呼んだりして(笑)。ときどきは私が東京に行って、姉と遊ぶこともありますね。――ではいまハマっていることは?“平成”がすごく好きで、平成の頃の曲やファッションも好きなんです。私の音楽アプリには、最近の曲は全然入っていないですね。平成に流行った曲がすごく好きだから、浜崎あゆみさんとか、ORANGE RANGEさんとか、大塚愛さんなどが好きでよく聴いています。――今日も美しい山本さんですが、お気に入りのコスメはありますか。一番お気に入りのものだと、「クレ・ド・ポー ボーテ」の化粧下地ですね。人気の下地があるんですが、いろいろと試してみたなかでもこれは他とは全然違って、肌にすごくなじみますし、欠かせないものになっていて。美容は気になるので、SNSでバズっていたら試してみようと思いますし、知識が豊富なメイクさんに「おすすめのものありますか?」と聞いたりして、その都度気になるものを試しています。――普段ご自身でメイクされる際は、メイクのポイントはありますか。まつ毛にすごくこだわっています。黒が好きなので、まつ毛を黒のマスカラで、バサバサにするのが好きでなんです(笑)。――黒がお好きということで、普段のお洋服も黒系が多いんですか。黒は好きですし、白も好きですね。楽な服装がいいので、スウェットもよく着ます。ファッションのポイントでいえば、楽な服装かどうか、いかに歩きやすいか、寒くないかが大事。コーディネイトする必要がないから、セットアップも好きですね。――とても細身ですが、ダイエットとは無縁ですよね?いえ、常にダイエットしています。食べたい気持ちを我慢できるときは我慢しようと思っていて。なるべくお菓子は控えて、もともとお野菜やお魚が好きなので、そういったヘルシーなものを食べるように意識しています。――今日は朝早くから取材させていただいていますが、東京には滞在せずに日帰りで大阪へお帰りになるそうで、行き来するのも大変ではないですか?そうですね、疲れることももちろんあります。そういうときは、力をつけるためにダイエットを忘れて、食べていますね(笑)。昨日の夜に食べた、いぶりがっこチーズはめちゃくちゃおいしかったです。しぶいんですけど(笑)。――おいしそうです(笑)。ちなみに、山本さんは3月11日がお誕生日ですね。いま20歳で、今年21歳を迎えるということで、20代でこれからやっていきたいことといえば?やっぱり、いろいろなお仕事に挑戦したいなって思っています。まだあまり経験はないんですが、演技のお仕事にすごく興味があって、やってみたいなって。いま、「これまでで一番休みがなくていいな」と思っているので(笑)、どんどんお仕事がしたいですね。――さらなるご活躍が楽しみです。あらためてNMB48とはどんなグループですか?NMB48はみんなすごく一生懸命で、熱くて、グループへの愛もすごく強くて、お笑いにも貪欲です(笑)。ダンスの振り付けもすごく細かいところまで揃えていたりしていて、本当にみんながグループのことを思って一生懸命やっている泥臭いグループなので、そういったところをもっとたくさんの方に好きになっていただきたいですね。――では最後に、NMB48として、センターとして、今後の抱負をお聞かせください。常に思っているのは、NMB48に関わってくださる方への感謝の気持ちです。メンバーには「NMB48に入ってよかった」と思ってほしいですし、スタッフさんには「支えてきてよかった」と思ってほしいですし、ファンの方には「応援してよかった」と思ってもらいたいですね。もっと知名度を上げて、たくさんの方にNMB48の魅力をこれからどんどん知っていただけるよう、がんばります!取材後記大阪の難波から全国へと、笑顔と元気を届けてくれるNMB48。「みんなすごく一生懸命で、熱くて、グループへの愛もすごく強くて、お笑いにも貪欲」と山本望叶さんがグループを紹介してくれましたが、大阪出身の筆者としても、頼もしい限りです。インタビューにも一生懸命に応え、撮影では美しい表情を見せてくださった山本さんがセンターを務めるNMB48のニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・幸喜ひかり取材、文・かわむらあみりNMB48 PROFILE©UNIVERSAL MUSIC LLC.秋元康さんが総合プロデューサーを務めるアイドルグループ、NMB48(エヌエムビーフォーティーエイト)。東京・秋葉原のAKB48、名古屋・栄のSKE48に続いて、大阪・難波に誕生し、拠点としている。“会いに行けるアイドル”をコンセプトに、2010年10月に活動開始。2011年7月、シングル「絶滅黒髪少女」でメジャーデビュー。2023年3月8日、4枚目のアルバム『NMB13』をリリース。InformationNew Release『NMB13』(収録曲)01. Done02. 最高に下品なアタシ/小嶋花梨03. ワロタピーポー よくぼうもの04. 欲望者05. 僕だって泣いちゃうよ06. 床の間正座娘07. 母校へ帰れ!08. 初恋至上主義09. だってだってだって10. 恋なんか No thank you!11. シダレヤナギ12. 恋と愛のその間には13. 好きだ虫14. ごめん 愛せないんだ/Team N15. 涯/Team N16. ダンシングハイ/Team N17. 青春のラップタイム 2023*初回限定盤「Type-N」以外「Type-M」「Type-B」「劇場盤」あり。CD 収録曲はそれぞれ異なります2023年3月8日発売(初回限定盤Type-N)UMCK-7204(CD+DVD)¥3,850(税込)写真・幸喜ひかり 取材、文・かわむらあみり
2023年03月07日音楽フェス「山人音楽祭 2023」が、2023年9月23日(土・祝)・24日(日)の2日間、群馬・日本トーターグリーンドーム前橋にて開催される。音楽フェス「山人音楽祭」とは「山人音楽祭」は、群馬ロックフェスティバルとして2012年にスタートした音楽フェス。ロックバンド・G-FREAK FACTORY(ジー・フリーク・ファクトリー)が主宰を務め、国内のロックシーンを代表するアーティストが群馬の地に集結する。2023年の出演アーティスト2023年は、マキシマム ザ ホルモン、Creepy Nuts(クリーピーナッツ)、SHERBETS(シャーベッツ)、10-FEET(テンフィート)、HAWAIIAN6(ハワイアンシックス)らが出演。この時期、多くのフェスに出演する人気アーティストたちが、会場を盛り上げる。<出演者一覧>OVER ARM THROW/KUZIRA/Creepy Nuts/G-FREAK FACTORY/SHERBETS/SHANK/四星球/TETORA/10-FEET/バックドロップシンデレラ/ハルカミライ/HAWAIIAN6/FOMARE/フラワーカンパニーズ/HEY-SMITH/マキシマム ザ ホルモン/RED ORCA/LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS/ROTTENGRAFFTY/…and more※第2弾出演アーティスト開催概要音楽フェス「山人音楽祭 2023」開催日程:2023年9月23日(土・祝)・24日(日)開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00(終演 20:00予定)会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1-2-1)チケット情報チケット3次先行予約受付:5月20日(土)12:00~6月18日(日)23:59チケット料金:・1日券 8,000円(駐車場付は9,000円)・2日券 15,000円(駐車場付は17,000円)※駐車場付チケットは、先行受付のみの取り扱いとなる。※チケット情報詳細は公式サイト(を確認。
2023年03月03日【音楽通信】第130回目に登場するのは、バンドからソロアーティストへと音楽人生を駆け抜けながら、現在ソロ活動10周年というアニバーサリーイヤーを迎えた、藤巻亮太さん!大学生のときに曲を作るようになったことが転機【音楽通信】vol.130ロックバンドのレミオロメンのボーカル&ギターとしても活躍し、「3月9日」「粉雪」など数々のヒット曲を世に送り出してきた藤巻亮太さん。2012年からはソロ活動をスタートし、昨年、10周年を迎えました。そんな藤巻さんが、2023年1月25日に、4枚目となるオリジナルアルバム『Sunshine』をリリースされたということで、お話をうかがいました。――あらためて学生時代よく聴いていた音楽から教えてください。僕が中学生の頃はバンドブームでしたので、ユニコーンをよく聴いていました。高校生の頃からは洋楽も聴くようになって、オアシスやブラーといったイギリスのロックも好きになって聴き始めて。とくにレディオヘッドというロックバンドが好きで、レミロメンの頭文字はレディオヘッドの頭文字から取ったのですが、名前の由来になるぐらい聴き込んで、高校生ぐらいまでは日々UKロックばかり聴いていましたね。――2000年にレミオロメンを結成されて、2003年8月にシングル「電話」でメジャーデビューされましたが、学生時代から将来、音楽の道に行こうと考えていたんですか?そんなこともなかったんです。中学生のときにエレキギターを買って、いわゆる学園祭バンドを組んだぐらいです。高校生のときはバンドでギターを担当していましたが、(アメリカのインストゥルメンタルロックバンドの)ザ・ベンチャーズといった、ボーカルがいないようなバンドのカバーをしていました。途中からは、日本のロックバンドのTHE YELLOW MONKEYや、(アメリカのミュージシャンの)レニー・クラヴィッツのカバーをしながら、学園祭で歌ったりして、楽しく過ごしていました。大学生になってから、自分で曲を作るようになったことが、転機になりました。それまでは誰かの曲のカバーをして音楽を楽しんでいたんですが、曲を作る喜びに出会いまして。そこからレミオロメンを組んで、自分たちの音楽でどこまで行けるのか挑戦したくなったのが、19歳の頃ですね。――歌うことは、もともと得意だったのですか。中学生や高校生の頃は、みんなと同じでカラオケが好きというぐらいで、得意だとは思っていなかったです。だから、まさか将来、歌手になるとは思わなかったですね。――2012年2月にシングル「光をあつめて」でソロアーティストとしても活動をスタートされました。現在、ソロ活動10周年という節目でもありますが、振り返ってみていかがでしょうか。20代ではバンドで音楽を作って届けていく活動をさせてもらって、30代からは自分の名前で活動してきましたが、最初ひとりでは大変なことのほうが多くて。バンドのときよりも、うまくいかないことがたくさんあったのですが、そのぶんひとつずつの学びがあって、それが音楽に活かされている気がするんですよ。すごく大事な10年を積み重ねてきたと感じています。20代は音楽だけに集中する深く掘り下げる時期があって、30代でソロになってからは音楽以外のいろいろな出会いとともに、横に根をのばしていったような時期でもあって。たとえば登山家の野口健さんと出会って、一緒に世界中の山に登るようになって、山が好きで旅とともに写真も撮るようになりました。さらに体力作りの一貫として始めたフットサルも10年続いていて。そんな音楽以外のいろいろな出会いの中から、曲作りへのインスピレーションも得られるようになって、良いかたちで活動できています。前向きなエネルギーが伝わるニューアルバム――2023年1月25日に、前作から約5年ぶりとなるニューアルバム『Sunshine』をリリースされます。明るく、とても前向きさを感じさせるアルバムですね。ありがとうございます。この5年の間に、僕は野外フェス「Mt.FUJIMAKI」を主催するようになるなど、いろいろなチャレンジが増えていました。その中で自分自身と向き合ってきたものが、曲として蓄積されていって、いま自分の中にあるものを表現するためにまとめたものが、今回のアルバムに収録した12曲になります。――爽やかなメロディの2曲目「Sunshine」は、アルバムの表題曲でもありますね。この曲は、初期衝動とか最初にあったピュアなものが、自分の中に変わらずに今もあることを信じられたときにできた曲なんです。そもそも曲を作り始めた19歳の頃も、10代なりに悩むことがあって、気持ちの整理がうまくできないときもありました。僕の場合は、自分を取り巻く社会や世界がわからないときに曲を作ることで気持ちの整理ができて、いろいろなことを把握できるようになって、それが曇り空の中でも太陽を見つけるような作業だと感じています。これまでの道のりを光を頼りに歩いてきたという感覚。それは自分が音楽を作ることの原点のようにも思うんです。それから20年以上経っていますが、年齢を重ねるほど、さまざまなものがクリアになっていく反面、経験を重ねるほどわからなくなることも。でも、曲作りを始めたときもいまも、雲の中から光を見つける、曲を作ることは変わらない。曲を作っていくうちに「これはこういうことだったんだ」と発見する。世界は混沌としていても、自分で道筋を見つけて、照らされたものを信じて、それが指標になっているところがあります。だから、本当に1曲ずつ向き合うごとに光があって、それを信じて音楽を作っていこうと。いろいろな葛藤を超えて、光が見つかったときの喜びを伝えていきたいですね。先にこの「Sunshine」という曲ができていて、最後にアルバムのタイトルを決めようと思ったときに、 前向きさが伝わるタイトルであり、光を象徴している言葉だと思ってアルバムのタイトルにつけました。――そのお話をうかがうと、アルバムのジャケット写真は、光を見つけてつかんだイメージなんでしょうか。そうなんです。これは三角形のプリズムを持っていまして、プリズムは理科の実験などで光をあてると反対側から虹のように光の分散が見えることもありますよね。光にもいろいろなグラデーションがあって、このアルバムにも12曲分の光があるので、プリズムを持ったこのジャケットにしました。――軽快な6曲目「ゆけ」は、親子、夫婦、友達とさまざまな人間関係を後押ししてくれる印象がありますが、どのようなメッセージを込めて歌っていますか。30代で始めたサッカー友達がみんな独身だったのに、40代になるとどんどん結婚していって家庭ができて、大事なものが増えていくことを実感してきました。年齢を重ねながら、みんな自分の人生を大事に生きていることにあらためて気づかされたんです。コロナ禍や海外の戦争があるこの時代に翻弄されながらも、それぞれの人生を生きていて、実はシンプルに平穏に暮らしたいというところで、「何が一番大事なんだろう」と。そんなみんなの人生の未来が輝くようにと歌っています。――7曲目「オウエン歌」も力強く後押ししてくれる楽曲です。実はこの曲は、僕の後輩に向けて、送った曲なんです。母校が10数年前に統合されて新しい高校になったんですが、光栄なことにその校歌を作らせていただいたんです。それから、10周年のタイミングでその高校に行って、ライブと講演をさせていただいたときに、初めて高校生たちと交流させてもらって。彼ら彼女らが頑張りながら、一生懸命この時代を生きている姿を見たときに、自分にできることは音楽なので、応援したいと思って、後輩たちに送った曲なんです。それが聴いてくださる方一人ひとりの応援歌になったらうれしいですし、さまざまな方々のシチュエーションや背景の中で、感じ取ってくださればうれしいです。――昨年11月に配信されたTBS駅伝のテーマ曲にもなった1曲目「この道どんな道」は、「大丈夫」という歌詞が力強い曲ですが、オファーされてから書き下ろされたのですか。よくそう言われることもあるのですが、タイアップのお話の前にできていた曲なんです。この曲が書けたときに、自分のいまの立ち位置や、これからどんな気持ちで進んでいこうかということが明確になって、わりと素直に書けた曲でもありまして、この曲を気に入ってくださって使っていただきました。Aメロで「大丈夫」という言葉を4回繰り返すんですが、不安を抱えながら、それでも自分を信じて進んでいこうと思ったときに、まあ大丈夫だよって自分に諭すようにかけた言葉でもあります。“いまの時代は厳しい”と訴えかけるような言葉はたくさんあふれているんですが、「大丈夫だよ」とはなかなか言ってくれない。でも、実はみんなが求めているのはこういう言葉なのかなって。どんなことがあっても近くにいるよ、味方だよという思いが届いたらと思っています。――アルバムのラストを飾る12曲目「大地の歌」は、どのように生まれた曲ですか。この曲はでき方が特別なんです。J-WAVEの震災復興をテーマとした番組「HEART TO HEART」のナビゲーターを2019年度に務めさせていただいていたのですが、被災地にインタビューに赴いて、その現状を伝えていました。そもそも僕たちはまず“大地”から、衣食住すべて恵みをいただいていて、普段は感謝の気持ちを忘れるぐらい、自然に生活している。でも、大地というのは時として猛威をふるって、人の命を奪ってしまう災いにもなるということを1年間取材させていただいて感じました。人間は大地に生かされて翻弄されているけれど、被災地の福島県浪江町の方に「我々は過酷な状況にいることは間違いないんですが、不幸だとは思わないでいてほしい」と言われたことが印象に残っていて。確かに、周りの人が他人の幸不幸なんて決めることはできない。人はどう振る舞って、どういうふうに生きるか。人間の尊厳に触れた気がして、そのときにこの曲を作りました。――強いメッセージが込められた曲なんですね。そんなアルバムを引っ提げて、2月から3月は『藤巻亮太 Live Tour 2023「Sunshine」』と題したバンドツアーがありますが、どのようなステージになりそうでしょうか。このアルバムはかなりロックなアルバムで、バンドアレンジがすごく効いていて、ドラム、ベース、そして自分もエレキギターを弾いています。先ほど、前向きなアルバムとおっしゃってくださいましたが、アグレッシブなサウンドからもそういう部分は伝わるのかなと。このアルバムを引っ提げた全国7か所9公演のツアーになります。弾き語りやアコースティックでのライブも増えたんですが、久しぶりにドラム、ベース、ギター、藤巻という4ピースバンドで全国をまわってお届けします。季節が冬から春にかけてのツアーなので、ニューアルバムの曲だけではなく、季節を彩る曲やレミオロメン時代の曲も歌って、楽しんでいただけるツアーにしたいです。「しっかりと音楽を届けて活動していきたい」――お話はかわりますが、登山やフットサルのお話もされていましたね。最近は、おやすみの日はどのようにお過ごしですか。散歩に出かけて、普段とは違う景色の中を歩いています。散歩しながら頭が空っぽになる時間がすごく大事だと思っていて。いまの時期だとツアーの準備やこうしてプロモーションさせていただく時間も多いんですが、散歩することでまたリフレッシュして、違う角度からこのアルバムのことを見つめたり、新しい解釈でお話できたりするといいなと思っているんです。また次に向かう楽曲へのアイデアも、散歩の時間に浮かぶこともあるので、できる限りゆったりと過ごす時間を大事にして、休日は自分をフラットに戻していますね。――ライフスタイルにおいて普段気をつけていらっしゃることはありますか。健康面でいえば、ひとつはフットサル。週に1回か2回は何も考えずにカラダを動かしたいなと。ルーティーンになっているので、これが体力づくりの基礎になっています。あとはやっぱり柔軟が大事なので、ストレッチをよくするようになりました。しっかりケアすることで、この体力づくりがライブに活かされています。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。今年の2月からソロ活動が11年目に入ります。毎年ファンクラブの方に向けて“今年の漢字”というものを一字書いていて、「こういう年にしたいです」と、所信表明させてもらっているんです。今年は、さまざまなものを届けたいという意味で「届」を掲げさせてもらいました。ニューアルバム『Sunshine』が発売されることもそうですし、ツアーに出ることもそうですし。僕の音楽を手に取ってくださる方やライブに来てくださる方、こうして今日のインタビューもやらせていただいてananwebの記事を読んでくださる方にも、しっかりと音楽を届けていけたらという気持ちです。11年目も変わらずに音楽を届けていけるように活動していきたいですね。取材後記バンド時代からソロアーティストとしての現在まで、そしてこれからもわたしたちに光にあふれた色とりどりの音楽を届けてくれるであろう、藤巻亮太さん。ananwebのインタビューで“曲作りは曇り空でも太陽を見つけるような作業”というお話をされていたことが印象的でした。今年ソロ活動11年目に突入される藤巻さんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり藤巻亮太PROFILE1980年生まれ。山梨県笛吹市出身。2003年にレミオロメンの一員としてメジャーデビューし、「3月9日」「粉雪」など数々のヒット曲を世に送り出す。2012年、バンド活動休止を発表し、ソロ活動を開始。ソロアーティスとして1stアルバム『オオカミ青年』を発表以降も、2ndアルバム『日日是好日』、3rdアルバム『北極星』、レミオロメン時代の曲をセルフカバーしたアルバム『RYOTA FUJIMAKI Acoustic Recordings 2000-2010』をリリース。2018年からは自身が主催する野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI」を地元・山梨で開催するなど、精力的に活動を続けている。2023年1月25日、4thアルバム『Sunshine』をリリース。2月25日から『藤巻亮太 Live Tour 2023「Sunshine」』を開催。InformationNew Release『Sunshine』(収録曲)01.この道どんな道02.Sunshine03.裸のOh Summer04.僕らの街05.まほろば06.ゆけ07.オウエン歌08.千変万化09.Heroes(Album ver.)10.サヨナラ花束11.花びらのメロディー12.大地の歌2022年2月9日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)VICL-65771(CD)¥3,300(税込)(初回限定盤)VIZL-2145(2CD)¥4,400(税込)*初回限定盤のみ、10周年を記念し、藤巻本人がセレクトしたベストアルバムが付属。【ベストアルバム収録曲】01.オオカミ青年02.ハロー流星群 03.月食 04.光をあつめて 05.名もなき道 06.指先 07.花になれたら 08.8分前の僕ら 09.日日是好日 10.Blue Jet 11.マスターキー 12.北極星 13.3月9日 14.粉雪 15.ウイスキーが、お好きでしょ 16.Summer Swing取材、文・かわむらあみり
2023年02月08日【音楽通信】第129回目に登場するのは、一度聴いたら忘れられない艶やかなハスキーボイスでわたしたちを魅了する、デビュー25周年を迎えたシンガーソングライターのスガ シカオさん!「いまでもデビューの頃と同じ新鮮な気持ち」【音楽通信】vol.1291997年のメジャーデビュー以降、一度聴いたら忘れられないハスキーで艶やかな歌声と、ポップだけれどファンキーなサウンド、幅広い世代の心をとらえるソングライティングで、数多くのヒット曲を世に送り出してきたシンガーソングライターのスガ シカオさん。スガさんご自身の楽曲はもとより、スガさんと武部聡志さんらトップミュージシャンで結成されたバンド「kokua」によるNHK総合テレビ『プロフェッショナル 仕事の流儀』主題歌「Progress」や、SMAPへの「夜空ノムコウ」、KAT-TUNへの「Real Face」や嵐への「アオゾラペダル」などの楽曲提供者としても、その優れたセンスを世に知らしめています。そんなスガさんは、2022年2月にデビュー25周年を迎えました。2023年2月1日には、3年の歳月をかけて完成した25周年を締めくくるニューアルバム『イノセント』をリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――あらためてスガさんが学生時代によく聴いていた音楽や、影響を受けたアーティストから教えてください。学生時代からデビューまでは、ほとんどブラックミュージックしか聴いてこなかったです。70年代から2000年代までのソウル全般、ファンク、ニュージャックスイング、ディスコ、ブラックコンテンポラリー、R&B、ネオソウル、ジャズフュージョン、ヒップホップ……と寝ても覚めても、そういった音楽ばかりを聴きあさっていました。当時はレンタルCDが全盛の時代だったんですが、いろいろな音楽が聴きたくて、レンタルショップにあるCDとレコードを全部借りて聴き終えてしまったほど。日本のポップスも、あげたらキリがないくらいたくさん聴いていました。当時聴いていたレジェンドアーティストたちに、いまはかわいがってもらっています。――学生時代はたくさんの音楽に触れていたのですね。その後、スガさんは社会人生活を経て、1997年2月26日にシングル「ヒットチャートをかけぬけろ」でメジャーデビューされましたが、音楽の道を選んだきっかけはなんだったのですか。大学を卒業してからは会社員をしていたのですが、4年半勤めてアラサーに差し掛かる頃、アーティストになる夢を諦めきれず、27歳のときに退社を決意しました。当時メジャーデビューの限界は“30歳”だと言われていたので、「30歳までがんばってダメだったら潔く諦めよう」と思って、勝負をかけました。――昨年、デビュー25周年を迎え、今年は26年目に入りますね。当時と現在での内外での変化や、振り返ってみてのお気持ちはいかがでしょうか。いまでもデビューの頃と同じ新鮮な気持ちで音楽に向かえています。音楽業界は大きく変わってしまいましたが、パソコンの前でギターを持って集中してイメージを広げて曲を作る、自分の内面に潜って歌詞を削り出してくるといったスタイルは、当時とまったく一緒です。ただ、25年を経て、自分の武器になる声や歌詞やリズムなどには、あの頃より自覚的になったと思います。「これ以上はもうできないと思える」新作が完成――2023年2月1日に、ニューアルバム『イノセント』をリリースされますが、スガさんの楽曲は揺れ動く心情や強い言葉もスガさんの歌声を通すとすんなりと耳に馴染んで生々しくリアルに響きますね。まずは今作が完成した手応えからお聞かせください。デビューして25年も経って、こんなにも新鮮で初々しいアルバムを作れたことを素直に喜びたいです。出来上がっていくときのドキドキ感、思い通りにいかないときの焦燥感も含め、完成したときのやり切った感はすごかったですね。手応えというか、これ以上はもうできないと思える作品になりました。――昨年開催された全国10公演のツアー「大感謝祭 2022」でも披露された、セクシーな歌詞の新曲「バニラ」が1曲目に収録されています。1月18日に先行配信もされましたが、どのようなイメージから、この曲が生まれたのでしょうか。昔から性的なテーマの曲が大好物で、ほかの誰も触らないテーマなので、ぼくが一人でその歴史をどんどん開拓していこうと勝手に思っています(笑)。「バニラ」はSM的な内面感情を、自分なりに深く掘り下げた曲。メロディやアレンジを作っていく段階で、頭の中のそういった性的なイメージに火がついた感じです。ーー9曲目「灯火(ともしび)」は、関東電気保安協会「安全のプロ編」CMソングとしても流れていたあたたかいナンバーです。どのようなメッセージを込めて歌っていますか。関東電気保安協会のCM曲なので、なにか「光」をテーマにした曲を作りたかったんです。まだプロにもなれていなかったデビュー前の時代、はるか遠くのほうにある成功を光に例えて、届かないけれどがんばる景色を描きました。若い友人のアーティストたちも、いままさにそういう状況にいるので、彼らや彼女らに向けて作った曲でもあります。――切ないラブソングがストリングスとも相まって届く11曲目「国道4号線」は、どのように生まれた曲ですか。自分でも抑えられないくらいイメージや映像、言葉がどんどん頭の中にあふれてきてしまった曲です。本当はもっと長く歌詞やメロディを足して、壮大な映画のようなストーリーにしたかったんですが、さすがにそうもいかないので、このサイズで打ち切りました(笑)。渋谷で待ち合わせをしているシーンから始まる、映画みたいな切なくも苦しい曲です。――ヒャダインさんと組まれた13曲目「モンスターディスコ」は、フジテレビ系TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』エンディング主題歌としても親しまれたキャッチーなダンスナンバーで、お子さんたちにも響いた曲ですね。アニメを観ているお子さんに向けて作ったホラーソングなんです。ヒャダインに、「スガ シカオのイメージをぶち壊してくれ」って頼んだら、やれラップやれだの、ここにメロディを作ってだの、無茶振りの応酬を受けて、この曲が出来上がりました(笑)。その結果、歌詞もメロディもいままでやったことのない感じになっていて、ヒャダインに感謝です。――そうだったのですね(笑)。今作には、25周年を機に立ち上げたファンク集団「ファンクザウルス」の楽曲も4曲収録されています。ファンクザウルスでは、インパクトのある歌詞を陽気に聴かせてくださいますが、ソロと違う点として、ファンクザウルスで意識されている点はどこですか。ファンクザウルスは、とにかく大真面目にアホなことをやり尽くすバンドなんです。お客さんも一緒になって“ファンクバカ”になってもらって、泣くまで笑ってもらうというコンセプトで始めました。このタイプのバカバカしい歌詞を書かせたら、ぼくの右に出るものは日本にはいません、天才としか言いようがないかも(笑)。ちなみに次のファンクザウルスの新曲のタイトルは『スガ シカオで領収書ください』というバラードです!――わー、早く聴きたいです! デビュー記念日となる2023年2月26日には、中野サンプラザ公演を開催され、ファンクザウルスの初お披露目もあるようですね。そしてアルバム『イノセント』のツアーも行うご予定は?ファンクザウルスのステージは参加型ステージなので、お客さんもコーラスやペンライトでガンガンにステージを盛り上げてもらいます。いままでのような聴くライブではなく、騒ぐライブと位置付けているんですよ。そして『イノセント』のツアーもやりたいですが、まだ予定はないですね。「海外や踏み込んだことのないジャンルに進出したい」――少し普段のご様子もお聞かせください。音楽活動以外では、おやすみの日はどんなふうにお過ごしですか。趣味や現在ハマっているものもあれば教えてください。最近、休日に船釣りに行きました。朝5時集合で、東京湾のアジを大量に釣ってきたんです。自分で捌いて、刺身やなめろう、アジフライにして食べたんですが、最高でしたね。あと習い事が好きで、いまも英会話、ギター、たまにボイストレーニングと、いろいろやっています。できなかった何かができるようになると、すごく得した気になるんですよね。食べ歩きも好きで、70人くらいいる食べ歩き同好会みたいなものに入っているので、日本全国の美味しいものを探して、食べ歩いています。――多趣味で多彩でいらっしゃるんですね。ではライフスタイルにおいて、普段気をつけていることはありますか。体型がだらしなくならないように気をつけていますね。トレーニングはもとより、週に2回、10kmは歩いていますし、食べ物もかなり気をつけています。――いろいろなお話をありがとうございました。最後に、今後の抱負を教えてください。今年は、活動の幅を少し広げていきたいと思っています。たとえば、海外とか踏み込んだことのないジャンルとかに、どんどん進出していきたいですね。取材後記ファンクな要素をポップミュージックにちりばめて、多くの人たちを惹きつけ、何度も聴きたくなる楽曲にして届けてくださる、スガ シカオさん。デビュー25周年というアニバーサリーイヤーを迎えてもなお新鮮さを持ち続けて、また新しい楽曲を聴かせてくれるのはうれしい限りですよね。そんなスガさんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりスガ シカオPROFILE1997年2月、シングル「ヒットチャートをかけぬけろ」でメジャーデビュー。同年9月発売の1stアルバム『Clover』以降、これまですべてのオリジナルアルバムがオリコンTOP10 入りを記録している。2011年、所属事務所から独立。メジャーとインディーズの枠組みに捉われない独自の活動を行ったのち、2014年に両A面シングル「アストライド/LIFE」でメジャーシーンに完全復帰。2017 年にはデビュー20 周年を迎え、自身が主催する「スガフェス!」をさいたまスーパーアリーナと大阪城ホールで開催した。2021年12 月、デビュー25周年のキックオフ作品としてアルバム『SugarlessIII』をリリース。同年6月には、オリンピックや世界選手権で活躍する一流スケーターたちが繰り広げる「Fantasy on Ice 2022」にて、フィギュアスケーターの羽生結弦とコラボレーションしたことが大きな話題に。2022年2月、デビュー25周年を迎え、全国10公演をまわったホールツアー「大感謝祭 2022」は大盛況のうちに幕を閉じた。2023年2月1日、25周年を締めくくるニューアルバム『イノセント』をリリース。InformationNew Release『イノセント』(収録曲)01.バニラ02.さよならサンセット03.叩けばホコリばっかし(Short Mix)by ファンクザウルス04.痛いよ05.獣ノニオイ06.バカがFUNKでやってくる(Short Mix)by ファンクザウルス07.覚醒08.東京ゼロメートル地帯09.灯火10.メルカリFUNK(Short Mix)by ファンクザウルス11.国道4号線12.おれのせい by ファンクザウルス13.モンスターディスコ2023年2月1日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)VICL-65749(CD)¥3,300(税込)(初回限定版A)VIZL-2132(2CD)¥4,950(税込)*内容:『イノセント』+CD「ファンクザウルス」デビューEP(初回限定版B)VIZL-2133(CD+DVD)¥5,500(税込)*内容:『イノセント』+DVD「25周年ツアー 大感謝祭2022 東京国際フォーラム ホールA(2022.10.14)」/「バニラ」ミュージックビデオ完全版取材、文・かわむらあみり
2023年01月29日展覧会「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」が、2023年1月28日(土)から3月26日(日)まで八王子市夢美術館にて開催される。ますむらひろしの展覧会 - 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を漫画化「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」は、宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』を漫画化し、『銀河鉄道の夜・四次稿編』として世に送り出した漫画家・ますむらひろしの生原稿や創作資料などを紹介する展覧会だ。『銀河鉄道の夜・四次稿編』の漫画生原稿や資料が集結『銀河鉄道の夜・四次稿編』は、宮沢賢治が紡ぐ独特のファンタジーと、ますむらひろしの描く猫のキャラクターが交差し、昇華された、美しくも切ない世界観が魅力の漫画。展覧会「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」では、『銀河鉄道の夜・四次稿編』既刊全4巻のうち第1巻、第2巻にフォーカスし、ますむらひろしが描いた漫画生原稿やメモ、ラフスケッチ、資料などを展示する。表情豊かなキャラクター達の姿や、緻密に描き込まれたファンタジックな世界観に注目だ。【詳細】ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編会期:2023年1月28日(土)~3月26日(日)会場:八王子市夢美術館住所:東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F時間:10:00~19:00(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜日観覧料:一般 700円、学生・65歳以上 350円、中学生以下無料【問い合わせ先】八王子市夢美術館TEL:042-621-6777
2022年12月19日【音楽通信】第128回目に登場するのは、バラエティ番組でもひっぱりだこで若い世代を中心にカリスマ的人気を誇り、音楽活動では別名義で活動中のあのちゃんこと、anoさん!家では洋楽のバンドサウンドを聴いて育つ【音楽通信】vol.128現在、音楽活動のほかにもタレントやモデルとしても活躍し、若い世代を中心にカリスマ的人気を誇る、あのちゃん。テレビのバラエティ番組でもひっぱりだこで、かわいらしい話し方から繰り出すキレのある受け答えや、やわらかい雰囲気に見えてライブではシャウトするなど、静と動のギャップも魅力です。そんなあのちゃんは、「ano」名義でソロアーティストとして音楽活動をするなか、2022年10月に「普変」、11月に「ちゅ、多様性。」を配信リリースされたということで、お話をうかがいました。――anoさんが幼少時に音楽にふれたきっかけから教えてください。父がバンドをやっていた時期があったので、家にはいくつもギターがあって、アンプやピアノも置いてありました。家では洋楽がよく流れていましたし、幼稚園の送り迎えも洋楽のロックバンドの曲やヘビーメタルのような激しいサウンドが流れていた環境です。その頃はまだ物心がついていないから、音楽の良さをまだ理解できずに「うるさいなあ」と思っていましたね(笑)。母もザ・ビートルズやクイーンといった洋楽が好きでしたし、兄も音楽をやっていたので、自分は音楽に苦手意識があって。洋楽には詳しくなるけど、逆にみんな知っている童謡や昔話は知らなくて、こんなになっちゃいました。――ではいつ頃から音楽にご興味を持つようになったのでしょうか?中学生ぐらいからです。そのときは部活に入らなくてはいけない学校に通っていて、先生にバスケ部に入りなさいと言われて無理矢理入って、だんだんと真面目にやるようになってスポーツに打ち込んでいました。でも、すぐやる気ないように見られてしまって、みんなの前で怒られたりするのも嫌で。不登校になって、部活も辞めて。学校に行かずに家にずっといながらインターネットをしていたり、YouTubeを観ていたりするなか、音楽の動画も観ていろいろと知っていくと「面白いかも」と。家では音楽がずっと流れている環境だったこともあって、音楽は生活と切っても離せないものだと感じました。――音楽の道を目指すようになった理由はなんでしょうか。バンドの音楽をよく聴いていたから、バンドっていいな、と思いながら引きこもっていました。あるときTwitterに流れてきた「メンバー募集」に、バンドもできますって書かれていたので応募したら、ミュージシャンのメンバー募集ではなく、アイドルグループの募集で。受かると思わず応募したけれどバンドじゃないからと断っていたら、何十回も連絡をもらって、他のメンバーは審査をするなかで自分は「すぐ入ってくれ」と言われたので、そんな経験が初めてだったから、そこから活動を始めることにしました。――その後、2020年9月から「ano」としてソロでの音楽活動をスタートし、2022年4月にデジタルシングル「AIDA」でメジャーデビューされましたね。ソロだと意気込みは違いましたか。一度アイドルグループとしての表舞台を辞めていたので、ソロになったからといって、あまり意気込みはなかったです。ソロ活動は自分から出たものだけで音楽を作る感覚で自己満足だったから、誰かに届けようという気持ちはまったくなくて。一応リリースするものの、そこで多くの人から共感を得ようとは思っていなかったので、みんなからの反響が不思議な気持ちでしたね。これまでも「あのちゃんがボーカルギターで、この大人を集めて」というようなお話は何度もあって。でも、最初から決められていると自分のしたいこととは違うから、「それってバンドじゃないな」って。ちゃんとそこは第三者の声無しで、自分たちで関係性を築いていきたかったから、結成するまでに時間がかかっちゃいました。――バンドメンバーはご自身でお声をかけて?そうです。ひとりに声をかけて、その子の知り合いにまた声をかけて……という感じで。ぼく、全然友達がいなかったから。「じゃあ、この仲間で組もうぜ」というのができないですし、大人の力を借りるのも嫌だし。それですごく時間がかかりましたが、かかったかいがありました。――ギターはいつ頃から弾くようになりましたか。ギターは、当時のグループにいた6年ぐらい前からですね。その頃は全然ギターも好きじゃなかったから、ライブのためにはがんばって練習するけど、普段は触りたくないというスタンス。それが、ようやくバンドを始めてから好きになって「こんなにギターを弾いて歌うのは楽しいんだ!」って、思えるようになりました。――ご自身で作詞作曲をされることもありますし、anoさんは表現することがお好きなんですね。そうですね。自分で曲を作るときは、ギターを弾きながら、同時に歌詞を並べていく作業が多いです。降ってくるといいますか。作曲者が他にいる場合は、そのメロディにぼくが歌詞を乗っけるパターンが多いですね。新曲は「ぼくの曲にはいままでにない印象」――2022年11月23日には、TVアニメ『チェンソーマン』(テレビ東京系 毎週火曜24:00)のエンディングテーマ「ちゅ、多様性。」を配信リリースされました。エンディングテーマは12組のアーティストが週替わりで担当し、anoさんは第7話を担っていますが、作詞は音楽プロジェクト「相対性理論」元メンバーで音楽家の真部脩一さんとの共作ですね。はい、この曲は『チェンソーマン』でエンディングを担当する第7話を考えながら作りました。曲作りのときはまだアニメはできていませんでしたが、既刊されている漫画でアニメの第7話に当たる箇所を教えてもらっていたので何回も読んで、ストーリーとリンクしているようでしていないようなものを書きたくて。そこは真部さんが書いてきてくれた歌詞をぼくがぶち壊したりして(笑)、バランスを見ながら、書いていきました。共作は新鮮でしたね。――軽快な「ちゅ、多様性。」のサウンドがあがってきての印象はいかがでしたか。相対性理論の感じはありつつも、ぼくの曲にはいままでなかったような印象もあって、結果として新しく聴こえるというか。うまく曲ができてよかったな、と思いました。サウンドは、ちょっとポップにかわいく、でもカオスでというイメージが自分のなかにあって。その通りのものを真部さんが作ってくれました。――真部さんとのタッグは、anoさんのご希望だったのですか。前からお願いしてみたいなと思っていました。今回、好きな音楽家の方と組めたらいいなということもあって、他のアーティストの方の名前もあがっていましたが、ぼくは真部さん一択。真部さんからも、実は曲作りを一緒にしてみたかったと言ってくださいました。――レコーディングや歌唱の際、意識した点はありましたか。レコーディング中は、『チェンソーマン』の世界を意識して曲作りした部分もあったので、そのことや漫画を思い出して歌いました。ただ、意識的にというよりは、自然とその世界が浮かんでくる感じでしたね。――前作は、10月に「普変」が配信されていますが、クリープハイプの尾崎世界観さんが手がけた疾走感あふれるナンバーです。これまで尾崎さんの活動を見てきていて、自分も抱えている悩みが少しリンクするところがあると感じていました。ぼくの声やしゃべり方に対するアンチだったり、めんどくさいところにむかついていたり。そんなところも、尾崎さんは言葉選びが面白い人なので、すごくいい歌詞を書いてくれるんじゃないかなって。本来は、あまり人に歌詞をまるまる書いてもらうことはないんです。でも、今回は全部やってほしくて、頼みました。学生時代からの経験や感情みたいな自分のいままでの経験や、昔書いていたブログなども、こんなに資料はいらないよというものも、尾崎さんに渡して曲を作ってもらいました。――仕上がった曲を聴いてみていかがでしたか。本当に自分のことを書いてくれてるなって思いましたし、すごく救われました。この曲を歌える、自分が持てる武器なんだと思うと、すごい贈り物をくださったなと。ぼくと向き合って生まれた歌詞になっています。――11月25日に全国公開された映画『メイヘムガールズ』の主題歌として、anoさんが書き下ろされた曲「ンーィテンブセ」がいまスクリーンを彩っていますね。そうなんです。音楽家のANCHOR(アンカー)さんの作業スタジオに入って、一緒に曲を作っていきました。ANCHORさんがピアノを弾いてくれたり、ぼくが「こういうメロディは入れられないですか?」と提案したり。そうやって作っていきましたが、ソロでは初めての作り方でした。若い方がより共感していただけるような歌詞になっているんですが、毎日同じような生活を繰り返す大人の方にも共感してもらえるところはあるんじゃないかな。世の中は見えないものも多くあって、毎日同じことの繰り返しで、行ったり来たりしている人もいると思うんです。そういうなかで、気づいたら自分の心が限界で、自分を見失って生きてしまっている人たちが聴いてくれたらいいなって。大人になってしまうのはどうしようもないことですが、それでも世間に揉まれて自分を見失わず、あなたはあなたらしく生きてほしい、自分らしくいてと歌っています。――リリースが続きますが、今後はソロのライブツアーのご予定はありますか。やりたいですね。ソロでもツアーはやったことがなくて、コロナ禍でライブができない期間もありましたし、実際まだできていないので実現しないとなって。ファンの方もライブをめちゃめちゃ待ってくれているので、来年は実現できるようにがんばりたいです。「ano」の世界観をたくさんの人に知ってもらいたい――テレビなどでもご活躍を拝見していますが、『水曜日のダウンタウン』(TBS系 毎週水曜 午後10時)と『ラヴィット』(同局 毎週月〜金曜 午前8時)の合体企画で、大喜利芸人さんが遠隔操作する内容の際、あのさんのパフォーマンスに感嘆しました。バラエティ番組やお笑い芸人さんとの相性がとても良いように感じられます。バラエティと合っているのかどうか自覚はないんですが、なんでぼくにオファーが来たのかをまず考えて、そのときどきにできる限りのことをしているだけなんです。音楽活動をするとき、テレビ番組に出演するとき、モデル活動のときなど、意識して分けているわけではなくて。それぞれ求められることが違うので、そのときに対応しようとする自分が自然と出ている感じですね。――期待に応えようとがんばるという?たとえば『水曜日〜』の企画だったら、単純に「面白そうだな」って。でも、オファーがあるからといってなんでもやるわけではありません。いままでは誰にも期待されていないと思っていたので、期待に応えようもなかったんです。あの企画にはそうそうたる芸人さんがいましたし、生放送ですし、ちょっとでも間違ったことを言ってしまったらどうしようというプレッシャーはありましたね。でも、そんな感じで楽しんでいました。――ananwebの取材用に、あのさんご自身でメイクされて、衣装も決めていらっしゃったそうでありがとうございます。こだわりのメイクやお気に入りのファッションはありますか?できる限り、メイクはいつも服装に合わせています。今日は衣装が淡いから、いつもよりはガーリーな感じなので、なるべくリップの色も薄めにしていて。メイクや服は毎日違う系統を着るので、こだわりといえば、その日着たい服を着ることぐらい。逆に、“こういう服しか着ない”と、そこで自己表現をする人も多いと思うんです。でも、ぼくはわりとなんでも着て、それを自己流にすることが好き。ガーリーな服にスポーツブランドを合わせたり、羽織にロリータのブラウスを合わせたり。全部が違うジャンルだけど、毎日着たいものは違いますし、そのなかで遊ぶのが好きなんです。毎回「印象が違う」と言われるんですが、「それでいいや」って。自分を持っていれば、服が違っても、ブレなければいいと思っています。――とても華奢なあのさんですが、普段の食生活のご様子や美容法などはありますか。やっぱり、代謝も上がって健康にいいというところでは、お水をいっぱい飲んでいます。もともと炭酸水やジュースが苦手で、必然的に水をよく飲むから好きなんですよね。食事はすごく偏食家で、白米があまり好きではなく(笑)。前に偶然オートミールを食べたら、白米より好きな味だったんですよ。だから気に入ってオートミールをずっと食べていたら、実は食物繊維も豊富で、ダイエット食品としても使われていると知って、ラッキーって(笑)。肉ではササミが好きなんですが、自然とヘルシーなものなんですよね。でももともと偏食しがちなので、ドーナツを食べたいと思ったら1か月ずっとドーナツを食べ続けたり、一度に3つも4つも食べたりするので、意識していることがわりと少ないかな。好きなものを食べて、これで健康になれるんだったらいいなって思います。あとは、なるべくお化粧しない時間を作っていますね。肌が荒れやすくて、敏感肌なので、極力お仕事以外の時間は、メイクを落としています。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。ライブがしたいのはもちろんですが、「ano」としての世界観をもっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。それこそバラエティをやらせてもらうようないろいろな経験を積みながら、得たものを音楽と融合できたらいいなと。今後、自分のなかに蓄えたものをエンタメとして表現できたら、もっと世界が広がるな、面白そうだなって思います。取材後記儚げな印象もある、あのさんは、エンターテインメントの場にとてもしっくりくる逸材として、存在感を発揮していますよね。テレビウォッチャーでもあり、ダウンタウンが好きな筆者は、バラエティ番組での、あのさんの爆発力に魅了されています。今回はananwebでの「ano」さんの音楽活動についての取材ということで、音楽的なルーツから新曲への想いまでうかがうことができました。“自分”というものをしっかりと持つキュートなanoさんの新曲をみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・北尾渉取材、文・かわむらあみりanoPROFILE2020年9月より「ano」名義でソロアーティストとして音楽活動を開始。2022年4月、アニメ『TIGER & BUNNY 2』(Netflix)のエンディングテーマ「AIDA」でメジャーデビュー。ソロ活動以外にも、4人組バンド「I’s」のボーカル&ギターとしても活動中。10月に「普変」、11月に「ちゅ、多様性。」を配信リリース。音楽活動のほか、タレント、女優、モデルとマルチに活躍中。InformationNew Release「ちゅ、多様性。」2022年11月23日配信写真・北尾渉 取材、文・かわむらあみり
2022年12月05日2022年11月29日放送のバラエティ番組『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)に、俳優の大泉洋さんが出演。自宅で作っている料理のほか、通っている名店の味も再現して紹介しました。『日本料理 薬王寺中むら』の親子丼大泉さんが通う名店の1つが、東京都新宿区にある『日本料理 薬王寺中むら』。「新型コロナウイルス感染症で大変な時も、お弁当を親子丼も含めて、ずいぶんたくさん買っていただいて」と大泉さんに感謝している大将自ら、親子丼のレシピを快く番組に教えました。必要な材料が、こちらです!【材料】・鶏もも肉150g・卵2個・ごはん(かため)適量※以下、割り下・濃口しょうゆ15cc・薄口しょうゆ15cc・酒20cc・本みりん20cc・三温糖20g・だし汁100cc(かつおだし70ccと昆布だし30cc、合わせだしの素でもOK)小さめのフライパンに、用意した調味料をすべて入れたら、細かく刻んだ鶏肉の皮も適量入れて、中火で煮立たせ割り下を作ります。鶏皮を取り出したら、割り下にひと口大で炙った鶏もも肉を入れ、中火で一度沸かした後、弱火にして5分程度煮ましょう。その間に、卵1個に、さらに卵1個分の卵白を足して、サッと5秒ほど混ぜ合わせておきます。鶏肉が煮えたら、先ほどの溶き卵を入れ、箸でほぐしたり鍋を揺らしたりしつつ、卵を固めていきます。卵が8割ほど固まったら、かために炊いたご飯に適量で盛りつけ、とっておいた卵黄1個ぶんをといて、親子丼の上からかけて完成!※矢印をクリックすると、次の画像をご覧いただけます この投稿をInstagramで見る 家事ヤロウ!!!(テレビ朝日公式)(@kajiyarou)がシェアした投稿 とろっとした仕上がりに、レシピを見た人からは「とってもおいしそう」「黄身を最後にかけるなんて驚き」という声が寄せられたほか、「早速作ってみたら家族が大絶賛」というコメントも!親子丼が好きな人は、『日本料理 薬王寺中むら』流を試してみてはいかがでしょうか![文・構成/grape編集部]
2022年12月03日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第46回は、子どものいる既婚女性たちが、「夫を頼りにできない」と実感したエピソードをご紹介します。1.義両親の嫌味にヘラヘラしている【ママライフばんざい!】vol. 46恋人時代はカッコよく見えていた彼でも、結婚して夫になり、義実家や親戚などとの付き合いも出てくると「あれ? 実はそんなに頼りがいがないかも」と思う場面もあるのかもしれません。ママ友の中でもよく聞く話のひとつに、「義両親の嫌味にヘラヘラしている」夫を見ると、頼りないと実感するということがあります。妻にとっての義両親といえば、夫の両親なわけですが、必ずしも相性がいい場合ばかりではありませんよね。とはいえ、お盆やお正月、法事などで1年のうちに必ず顔を合わさなくてはいけないタイミングも。たとえイヤイヤだったとしても、とりあえずは夫の実家に顔を出すという人も多いのです。そんなときに、「たまにしか子どもの顔を見せに来ないなんて、どうしてそんなに忙しいの?」と嫌味たっぷりに言われたママがいたり、前に話した会話を忘れられて「そんな話は聞いた覚えがないし、秘密主義なんだねえ…?」と吐き捨てるように言われたママがいたり。とにもかくにも、義両親の癇に障る言動と認識されたら、子どもの前でもおかまいなしに嫌味口撃。でも、そこで妻を守るために夫が動いてくれたらいいのですが、嫌味を言う両親をただヘラヘラと笑って見ているだけ。だからこそ、そんな夫をもつ妻たちはウンザリしてしまうのです。確かに、自分の親に何も言えない、妻を守らないような夫は、役に立ちませんから。2.子どものことには無頓着続いては「子どものことには無頓着」な夫も、妻からすると期待できません。たとえば、子どもの初節句のようなイベントや、学校の参観日など、親子で育んでいきたい行事のことなんて頭にないというタイプもいます。仕事が多忙を極めてしまって、家庭のことがおろそかになってしまうのは、夫の職場の状況もあるのでなんともいえないこともあるでしょう。それでも基本的には、子どものことにまで気をまわせるかどうかは、夫の性格によるところも大きいのかも。とはいえ、子どもの行事を忘れるぐらいならまだカワイイもので、自分のことにしか関心がないタイプの夫だと、子どもの誕生日さえ忘れてしまうというウッカリ者もいるようです。さらには、毎日の子どもの育児にももちろん興味がなく、協力して育児をするなんてことも頭にないタイプの夫もいて、こういった夫は頼りにならないと妻が思っても仕方がありません。3.頼んだことを忘れる妻が頼んだことを忘れてしまう夫も、「役に立たないなあ」と思われてしまうことは少なくありません。何も大きなことを頼むわけではなく、たとえば「帰りにを買ってきてね」と頼んだ日用品を買ってこない夫。朝、家を出るとき、ついでにゴミ出しを頼んでも忘れてしまう夫。妻も忙しいときの食後、自分のぶんだけでも食器を洗ってと頼んでも、ひとつも洗い物をしない夫…。日常生活の中でのちょっとしたことばかりなのですが、頼みごとを忘れられる行動を積み重ねられると、そんな小さな頼み事さえもこなせない夫を目の当たりにして、妻たちは「頼りがいがないな」とつくづく思うのだそうです。つまりは、責任感のない様子にため息が出てしまうんですよね。とはいえ、夫には夫の事情があるのかもしれませんから、何度頼んでも忘れるようなら最初から期待しないでおくとイライラしなくて済むことも。しかし物理的な作業が軽減されるわけではないので、大変なときは両親にも頼ってみるなど、べつの方法も探っておくと安心です。生活しているといろいろなことがありますが、ママたちが安らげる家庭であるよう、応援しています。文・かわむらあみり©Zinkevych/Getty Images©PeopleImages/Getty Images©Kriangsak Koopattanakij/Getty Images文・かわむらあみり
2022年11月30日第10回となる『全音楽界による音楽会』3.11チャリティコンサート〜ジャンルを越えた音楽のチカラを!〜が、2023年3月11にサントリーホールで開催されることが決定した。「全音楽界による音楽会」は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の現状を見たコシノジュンコ、三枝成彰、堤剛、林真理子、矢内廣、湯川れい子ら、様々な音楽ジャンルを代表し、音楽に深く関わるメンバーが発起人となり、震災直後の同年4月にチャリティコンサートを開催したのが始まりとなった。コンサートの入場料は無料だが、入場時に一人につき1万円以上を寄付するというシステム。趣旨に賛同しボランティアで出演するアーティストやオーケストラの有志メンバーや、会場であるサントリーホールなど多方面からの協力を得て成立するチャリティコンサート。かかった費用以外の寄付金は全て「公益社団法人3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構(3.11塾)」を通じて、東日本大震災の遺児孤児を支援するための資金に充てられる。これまで3.11塾の塾生は、塾や家庭教師、音楽や芸術などの文化スポーツの支援を得て、医者、パイロット、音楽家、俳優、ビジネスマンなどの関連大学や専門学校に合格し、夢に向かって歩んでいる。総合司会を務めるのは、露木茂と永井美奈子。出演者は、五木ひろし、坂本冬美、平原綾香、水谷八重子、クミコ、LE VELVETS、川島ケイジ、紅林弥生、神楽坂女声合唱団、東京女声合唱団・The Voices of Japan(VOJA)、六本木男声合唱団ZIG-ZAG、安部潤、紅林弥生、クラシック界からは仲道郁代、横山幸雄、小林沙羅、市原 愛、服部百音、大谷康子、桜井万祐子、ジョン・健・ヌッツォ、樋口達哉、村松稔之を予定している。■三枝成彰 コメント前回の公演では18,203,757円のご寄付をいただきました。サントリーホールのご支援と出演してくれる皆様のご協力を得て、ノーギャラで出演していただき、多くの東日本大震災の遺児孤児の支援をさせていただいております。皆様のご厚意でずっと続けられていることを感謝しております。■湯川れい子(3.11顧問)コメントコロナ禍でも、いえ、コロナ禍だからこそ、生演奏と生の歌声に力を貰います。今年も実に贅沢な夜をプレゼントして頂ける事に感謝します。ご出演下さる皆様、お越し下さる皆様、心から感謝申し上げます。タイトル:第10回「全音楽界による音楽会」3.11チャリティコンサートジャンルを越えた音楽のチカラを!開催日時:2023年3月11日(土)18:00開演(予定)会場:サントリーホール(東京都港区赤坂1-13-1)入 場 料:無料(全席指定・事前予約必要・未就学児童入場不可・お一人様4枚まで)※入場時にお一人様1万円以上の寄付金を申し受けますチケット:12月15日(木)より受付を開始主催:第10回「全音楽界による音楽会」3.11チャリティコンサート実行委員会(公益社団法人3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構、エンジン01文化戦略会議)公式ホームページ 第10回「全音楽界による音楽会」3.11チャリティコンサートチケット販売サイト (PC・スマートフォン共通)サントリーホールチケットセンター0570-55-0017(オペレーター対応・10:00~18:00)/窓口お問い合わせ:公益社団法人3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構03(3584)1608(10:00~18:00、平日のみ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年11月30日【音楽通信】第127回目に登場するのは、数々の傑作を世に送り出し、結成34年のいまもなおライブや楽曲制作にと活躍しているバイタリティあふれるロックバンド、真心ブラザーズ!大学の音楽サークルで出会って結成【音楽通信】vol.1271989年に結成された、YO-KINGさんと桜井秀俊さんからなるロックバンド、真心ブラザーズ。高校野球の応援歌としても知られる「どか〜ん」や夏の名曲「サマー・ヌード」、インパクトのある「拝啓、ジョン・レノン」といった数々の傑作を世に送り出しています。デビュー34年目となるいまもなお、ライブや楽曲制作など、精力的な活動を展開している真心ブラザーズが、2022年10月26日にニューアルバム『TODAY』をリリース。音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――おふたりが小さい頃や学生時代は、どんな音楽を聴いていましたか。YO-KING小さい頃は、フォークソングを聴いていました。ニューミュージックやフォークソングと言われる音楽が、当時はまだテレビの歌番組『ザ・ベストテン』などから耳に入ってきたんですよね。歌番組から音楽を好きになっていって、その後、自分でも吉田拓郎さんやボブ・ディラン、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズといった洋楽も聴くようになりました。桜井僕もやっぱり『ザ・ベストテン』をよく観ていて、日本のヒット曲を聴いていて。実家が神奈川県にあるんですが、テレビ神奈川がアメリカのビルボードチャートの音楽を紹介する番組をやっていて、その頃はまだ珍しかったミュージックビデオを流し始めて、洋楽のヒット曲を知るようになりました。――1989年には、大学の音楽サークルで真心ブラザーズを結成されましたね。桜井そうです。YO-KING先輩は一歳年上の先輩でした。音楽サークルに入ったときは、すでにYO-KINGさんは同じ学年の人たちとロックンロールバンドをやっていて、僕も同い年同士でニューウェーブサウンドを主体としたバンドをやっていて。全然毛色の違う音楽をやっていたんですが、ある番組に出演するためにYO-KING先輩を誘いました。――大学生のときに、おふたりでフジテレビ系バラエティ番組『パラダイスGoGo!!』(1989〜1990年放送)のコーナー「勝ち抜きフォーク合戦」で10週連続勝ち抜き、同年9月にシングル「うみ」でメジャーデビューされました。桜井当時はフォークをやっているのは古い人という印象で、いまどきフォークをやっている人たち同士を対戦させるなんて、と思われるぐらいちょっと珍しい企画でしたね。でも、勝ち抜けばデビューできるというこの番組の企画はおもしろい。僕は音楽サークルの幹事長をやっていて、ある日、自宅にこの番組の担当者から電話がかかってきて、企画出演のオファーを受けたんです。サークルではYO-KING先輩がフォークに詳しかったので誘って。実際、10周勝ち抜けるぐらい強かったんですよ。審査員の先生方がフォーク界の大御所の方々だったので、ビシビシと心に刺さるものがあったんでしょうね。YO-KING 確かに。かまやつひろしさんも審査員でしたが、かまやつさんはロックもフォークもお好きな方で、最高の方です。あの番組でかまやつさんにお会いできたのは大きかったです。全然偉そうにしない方。いまも尊敬しています。――番組出演をした学生時代からデビュー34年となった現在まで、マインドは変わっていらっしゃらないように見受けられますが、変わったこと、変わらないことはありますか。YO-KINGシロウトっぽいところは変わっていないかもしれない。自分なりにあるにはあるんですが、プロ意識はそんなにないというか。けっこう、自分が変人なんだな、ということを最近ようやく認めるようになってきました(笑)。変、というか個性が強いほうが、芸術の世界は楽ですよね。変な人って、自分で普通だと思わないから、まさに俺のことかも。桜井僕もアマチュア感覚を失わないところは、変わっていないですね。要するに、「バンドをやるのが楽しい!」というような気持ち。いろいろな遊びがありますが、ギターにアンプをつなげて「おお!」と燃える気持ちはびっくりするぐらい昔もいまも変わらないです。年月を経ても、音楽をやっている楽しみやモチベーションはそのままですから。変わったことといえば、昔は、バンドメンバーやその仲間だけにウケる音楽を届けようと思っていたところがありました。でもいまは、もうちょっと向こう側に、世の中と自分の間にある窓のようなものに音楽が鳴っているようなイメージがあって。「これだともっとみんなとコミュニケーションがとれるかな?」という気持ちで音楽を届けているので、それをプロ意識と呼ぶとしたら、やっとプロになりました。ただ、そこに音楽作りにマーケティングが必要だとか数字がどうこうとか言われてしまうと、「それはできません、無理です」となります(笑)。「明るく、楽しく生きようね」という新作YO-KING(ヨーキング/Vocal, Guitar)。1967年7月14日生まれ。――2022年10月26日、18枚目のアルバム『TODAY』をリリースされました。YO-KING 『TODAY』は、「明るく、楽しく生きようね」というアルバム。コロナ禍になって、いろいろと大変な2、3年でしたが、「これからはどんどんよくなるぞ!」という思いを込めた作品です。桜井前作は2年前にリリースした『Cheer』というアルバムで、そのときはコロナ禍が始まってどうなるんだ? という空気の中で、意識して気分を上げていこうという気持ちで作ったもので、満足いく作品ができました。そこから2年を経て、ごく当たり前に「愛」や「自由」を言いたくなって。自分が自由でいたいほど、人の自由も思いやらないと嘘になります。それこそ、愛がすべてじゃないかなと。バブルの頃にはまったく思わなかったような世界の動きだと、こういった心情に気づくこともあるから。そういったことを音楽に込めて、みんながちょっとでも、楽しくなるきっかけになればと作りました。――アルバムのリード曲でもある1曲目はロックサウンドの「一触即発」ですが、YO-KINGさんはどのようなイメージで作られましたか。YO-KING これは最後に作った曲で、アルバムのリード曲になるようなポップでキャッチーなロックンロールです。自分の中からひねり出した曲。できてよかったです。――桜井さんが作った3曲目「群衆」はジャズのようで大人っぽい曲です。桜井この曲は、梅雨時にやっていられない気持ちと、どこに着地していいかわからない気持ちを表しています。歌詞には天気のことを書いていますが、天気に限らず、世の中も下げ止まりはあるのか。正しいか正しくないかはわからないけれど、そこに抗うのではなく、流れるか逃げるかという、弱音を吐いている曲ですね。――ピースフルな4曲目「LOVE IS FREE」は、YO-KINGさんが高らかに愛を歌っていますね。YO-KING愛って、やっぱりあるとお得なんです。得というのは、愛を感じて生きると楽ですから、それを歌いたいと思ったんですよね。愛の量と、幸福の量は、比例するんじゃないかと歌った実験作です。――この曲はシンガーソングライターの江沼郁弥さんが、トラックメイクからミキシングまでを担っていますね。YO-KING江沼くんは音楽先行でなく、同じサウナ好きという、プライベートでのつながりから、この曲を一緒にやることにしました(笑)。桜井これだけ長くやっていると、プライベートで出会う人も、仕事にもつながりやすいというか。大人になってから、先入観なしに相手をリスペクトできるようになりましたね。20代の頃は、世代もあるかもしれないですが、僕らの頃はバンド同士があまり仲が良くなかったんですよね。「音を憎んで人を憎まず」という言葉をレピッシュというバンドも言っていましたが、他のバンドの音楽は嫌いだけど、居酒屋とかで遭遇したらワイワイ飲むというような時代だったんです。2000年頃からはフェスというものが行われるようになって、リハもできないですし裸の状態でさらけだしていくような感じで。だからこそバックヤードでは、いろいろなバンドと交流するようになって「おもしろいな」と仲良くなって。それ以前と以降では、意識も少し違ってきました。――いまは近い距離の方々との制作が心地いいのですね。桜井勝手知ったる仲間たちもそうですし、何十年も前から知っているけれど、じっくり話したのは初めてでいまになって意気投合した人もいて。大人になると、そういったことも楽しいです。――しっとりと染みる7曲目「雨」は、WONK、millennium paradeのキーボーディストであり、King Gnuのサポートなどでも活躍中の江﨑文武さんによるピアノ伴奏一発録りだそうですね。YO-KINGそう。江崎くんも、一緒にご飯を食べていたときに「いつかなんか一緒に作ろうよ」という話をしていて、今回こういう形になりました。「雨」が仕上がって聴いてみると、素敵な曲だと思いましたね。歌も一緒に録ったんですが、歌っていて、気持ちよかった。いままでずっと音楽をやってきて、これまで組んだいろいろな鍵盤弾きの方も素晴らしかったですが、また素晴らしい人と出会えたなって。一人ひとり、弾き方も違って、みんな個性があります。桜井ピアノは、ギター以上に「同じ楽器なのに弾く人でこんなに違うんだな」と感じますね。桜井秀俊。(サクライヒデトシ/Vocal, Guitar)。1968年6月6日生まれ。――桜井さんが作った6曲目「Boy」は、おふたりのツインボーカルに惹きつけられますが、最初からふたりで歌う曲として作ったのでしょうか。桜井いえいえ、まったく。YO-KINGさん単独の歌でお願いしようと思っていたんですが、入り口のメロディが複雑だから、僕が仮歌を録音して聴いてもらっていて。すると、ボーカル録りの日に「この曲は桜井の歌から始めたほうがおもしろいんじゃないか?」という提案をされて、考えてもいなかったのでびっくりしましたが(笑)、こうなりました。――ラストを飾る10曲目は、『種から植えるTV』(テレビ東京系 毎週日曜 11:55)のテーマソングにもなっている「白い紙飛行機」です。桜井アルバムを作る前にオファーをいただいて、書き下ろしました。番組は、アンジャッシュの児嶋一哉さんがパーソナリティで、毎週農家さんから種をもらって、自分の畑を作っていこうという内容の企画なので、そういう曲にしようと思って。だから、この曲だけ、けっこう明るい。でも、アルバムのラストを飾ったことで、それまであった憂いを踏まえながら、ちょっと遠くまで連れていってくれるような明るさが出せました。こういうことがあるから、バンドを長くやっているとおもしろいです。YO-KINGこの曲が最後にきて、アルバムが明るく終わっているのが、すごくよかったですね。――おふたりでいつもどのように選曲されているのですか。桜井おたがいに曲を持ち寄っています。今回の場合、2月ぐらいから曲を出し合って。たとえば「Boy」は初期の段階でできていて、「これいい曲だから本番もレコーディングしようか」という話になったり。完成したアルバムは少し憂いのある感じで、この2年の影や移り変わる感じもあって、全体のテーマが浮かび上がってくると、録音予定だったけれどその要素がないものはテーマが濁るからよけたり、他の合う曲を入れたり。最終的に、1曲目「一触即発」のような曲ができて、「だるまに目が入ったぜ!」とうれしくて(笑)。完成できるかというスリルもあったんですが、ぎりぎりで目玉が入るというような流れがいつにも増してありました。今回は、さらに江﨑さんなど人との出会いやタイミングも合致して、人智を超えた流れができた、いいものができました。そこが、共同作業でやる芸術、創作物の楽しいところですね。YO-KINGこうして完成したアルバムを聴いてくれた人の心が、少しでも軽くなればいいなって思っています。――2022年11月から2023年1月まで『真心ブラザーズ ライブ・ツアー「FRONTIER」』と題した全国ツアーを開催されます。どのようなステージになりますか。桜井バンドメンバーが、サンコンJr(ウルフルズ)ら旧知の仲の、何も言わずともいいサウンドを出してくれる仲間です。昨年は「ORDINARY」というツアーをやって、世の中“ORDINARY=通常”じゃないところをあえてそう題して、自分たちのギアを上げました。そして今回の「FRONTIER」は、より昨年にも増して、ライブで味わう音楽時間は楽しいよね、という気持ちを取り戻そうという意味があって。トリッキーなことをやるというよりは、久しぶりに友達と会ってお酒を飲んで盛り上がるような、「やっぱりこうだよね!」という楽しさを取り戻す時間になったらいいなと思っています。これからも元気に音楽をやっていきたい――普段のご様子もうかがいます。最近ハマっていることや趣味はありますか。YO-KING公園に行ったり、自転車に乗ったりしていますね。電動付きの自転車、最高ですよ。自転車で東京の街を走っていると、いろいろと気づくこともあって。ある建物の前を通ったら、自転車のレーンがあって、車の駐車スペースがあって、車道があってと道路が整備されていて、ついに日本もここまで来たんだと。桜井ああ、自転車に配慮されていない場所だと、自転車レーンに車を駐車されることもあるから、ほんと怖いもんね?YO-KINGうん。そうやって今後も東京が自転車乗りにやさしい街になったらうれしいですね。――自転車で一番遠いところはどこまで行かれましたか?YO-KING家から10キロまでの距離を目安にしています。今日はこの取材のあと移動があるから自転車には乗ってきませんでしたが、10キロ以内なら、いつも自転車ですね。自転車とランニングは、有酸素運動でもあるから脳にいいです。桜井僕は以前から料理をするのが好きなんですが、コロナ禍のこの2年でさらに好きになりました。僕は左利きなので、和包丁だと使えないんですよ、片刃だから。でも2年半前ぐらいに京都へ行ったときに、「有次(ありつぐ)」という京都錦市場商店街にある刃物屋さんに、左利き用の三寸ぐらいの出刃包丁があって。さっそく買って、名前も入れてもらいました。そして魚が充実している「ビッグヨーサン」という素晴らしいスーパーで魚を買ってきて、その包丁で魚をさばくのが、趣味になってきました。僕が料理したものは家族に出しています。魚があまったら、刺身はヅケにして、酒飲みなのでつまみにしていますね。――おふたりともに健康面において、普段から意識されていることはありますか。YO-KINGたとえば「早寝早起き」と言いますが、あれはウソで、「早起き早寝」なんですよ。早起きするから、早く深く寝られる(笑)。次の日何をするのかによって変わりますが、一度明け方に起きてしまうと、僕は寝ませんね(笑)。今日も朝の5時15分に起きました。朝、いいですよ〜、気持ちいい。暗いうちから起きて、日の出の時間を過ごすこともすごく好きです。早起きすると、午前中は自分の能力が高くなるのもいいところ。午後に30分かかる作業が、午前中だと15分でできるというデータもあるらしくて。となると、午後で何かをやる2時間は、午前中の1時間なわけで、人生でいうと時間の価値がすごく高くなりますよね。朝活って、理にかなっている。ただ、仕事柄、いつも早く起きられないときもあるんですが、そんないろいろな毎日があるほうが、僕は好きです。今日の集合場所はここです、明日はここです、というような変化があって。性格的にひとつのことに決められているよりも、そういった臨機応変な毎日が心地いい。桜井僕はよく歩くようにしています。毎日歩いていて、以前は1日平均7キロ歩いていたんですが、そうすると1日の中で歩く割合がかなり高くなってきて(笑)、それはちょっと多いかなあと。早歩きして歩く時間を狭めるべきなのか、といまはいろいろと考えながら歩いています。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負をお聞かせください。YO-KINGオシャレになりたいですね(笑)。あと、スターになりたい。もっと、モテたいですね。――真心ブラザーズとしてですか?YO-KINGいや、個人的に(笑)。まあ、真心でもモテるに越したことはないですけど。モテたほうが楽しいじゃないですか、人生。嫌われるよりね。桜井ananwebに出たといえば、モテ要素になるんじゃないですか!?YO-KINGそうだね。『anan』といえば、「抱かれたい男」だ(笑)!桜井これからも元気に音楽をやっていければ、それだけでいいですね(笑)。ライブなどの音楽の現場もコロナ禍前の状態に戻りつつありますが、まだ制約は続いているので、今年はなんとか乗り切って、来年はもうちょっとのびのびとやらせてよという願いはあります。自分たちよりも、お客さんに楽しんでもらえたらいいなと。YO-KING最後に、真心としての抱負は……モテたほうがいいですよね(笑)? モテて、人気者になって、「楽しそうだな」って思われる人になりたいですね。取材後記日本のロックシーンになくてはならない存在のYO-KINGさん、桜井秀俊さんからなる、真心ブラザーズ。ananwebの取材では、和やかな雰囲気のなか、おふたりとも真摯にインタビューに応えてくださいました。これからのご活躍も楽しみです。そんな真心ブラザーズのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり真心ブラザーズPROFILE1989年、大学在学中に音楽サークルの先輩YO-KINGと後輩桜井秀俊で結成。バラエティ番組内のフォークソング合戦企画にて見事10週連続を勝ち抜き、同年9月にメジャー・デビュー。2014年、真心ブラザーズのレーベル「Do Thing Recordings」を設立。また、自身のバンドのほか、YO-KINGはメンバー全員フロントマンのドリームバンド「カーリングシトーンズ」のメンバーとして、 桜井はアーティストへの楽曲提供やサウンドプロデュース、サポートギタリストとして、それぞれのフィールドでも活躍中。2022年10月26日、ニューアルバム『TODAY』をリリース。11月から2023年1月までは、『真心ブラザーズ ライブ・ツアー「FRONTIER」』で全国をまわる。InformationNew Release『TODAY』(収録曲)01. 一触即発02. 君がすべてだったよ03. 群衆04. LOVE IS FREE05. 破壊06. Boy07. 雨08. ブレブレ09. うたたね10. 白い紙飛行機2022年10月26日発売COCP-41887(CD)¥3,300(税込)取材、文・かわむらあみり
2022年11月04日【音楽通信】第126回目に登場するのは、唯一無二の存在として、デビュー31年目を迎えてもなお輝き続ける、ミュージシャンのCharaさん!音楽との出会いは、幼稚園での伴奏体験【音楽通信】vol.1261991年のデビュー以降、オリジナリティあふれる楽曲や一度聴いたら忘れられないスウィートなウィスパーボイスで、圧倒的な存在感を放ち続けている、Charaさん。1996年には、女優として出演した岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』が公開され、日本アカデミー賞の主演女優優秀賞を受賞。劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加した主題歌「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」、翌年に発表したアルバム『Junior Sweet』は連続してオリコン1位のミリオンセラーを記録し大ヒットしました。この頃からファッション、ライフスタイルを含めた新しい女性像としての人気も獲得し、音楽活動においてはデビューより一貫した音楽的探求を続け、各時代を担う気鋭のアーティスト、クリエーターとのコラボレーション作品や活動が数多いことでも知られています。ずっと“愛”をテーマに曲を作り、わたしたちに素敵な歌声を届けてくれるCharaさん。2021年にデビュー30周年を迎え、2022年11月1日にシングル「A・O・U」をリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――Charaさんが音楽に出会ったきっかけから教えてください。わたしが「これは音楽に出会った」と明確に記憶している出来事があって、それは幼稚園のときのことでした。その頃はまだ音楽を習っていなかったですし、家にも楽器が無かったんですが、幼稚園のうさぎ組さんの教室に足踏みオルガンがあって。担任の先生が演奏してくださって、みんなでお歌を歌うんです。毎日歌う曲があって、帰る前に行う、さよならの会のときに「今日はこ〜れ〜でおわかれし〜ま〜しょ さよなら〜さよなら〜」(と実際に歌ってくださるCharaさん)という少しバロック調の歌があるんですが、毎日聴いているから耳で覚えていました。あるとき、休み時間にふと先生に「これ弾いていいですか?」と聞いた記憶があって。その後「先生の代わりに伴奏してくれる?」と言われたんです。いきなり先生に言われてドキドキしましたが、やってみました。毎日歌っている曲だから、いつも通りに大きなお口を開けてみんなで歌ってくれて。その伴奏をしたのが、わたしの音楽との出会いですね。そのときから、楽器ができると人の役にも立つし、コミュニケーションツールとして役に立ってくれたと感じて、いまでも楽しかったなあと思い出します。――幼稚園でみんなの伴奏をしたのは、楽器を習う前ですものね?全然前です。それまでは家にも紙の鍵盤しかなかったぐらいですから、要はイメージトレーニングですよ(笑)。それが役に立って、楽器を習っていないのに、耳で聴いた感覚だけでピアノが弾けたのかな。小さいときは音楽的に恵まれた環境じゃなかったからこそ、自分なりに独特な発想で何かを作り出そうとするようになったのかもしれませんね。――その後、実際に楽器を習うようになったのですね。幼稚園に付いているヤマハの音楽教室があったんです。仲良しのかすみちゃんが習っていて、一緒にいたいから、初めてお母さんに「わたしも行きたい」と頼んで音楽教室に通うようになって。そこは「先生が最初のフレーズを出すから続きを作っておいで」と、作曲の宿題が出る専門的な教室でした。――では、いつ頃から音楽の道を目指されましたか。最初に目指したのは、作家なんです。もともと作曲することが好きだから。高校生の頃からバンドをやっていましたが、歌ではなく、キーボードを担当していました。19歳ぐらいのときに、ソニーで新人を発掘する部署の方から、「ソロでやらない?」と歌うことを勧められてやってみたんです。――もともと歌の才能もあったからこそのデビューですね。この話を聞くとそう思いますよね?でも、そのときにできることを一生懸命やっていたら、未来につながるよと言いたい。まず才能は、自分を信じる力だと思うんですよね。わたしのデビューが決まったのは、レコード会社の偉い人が来て、その人のOKが出るとデビューできるらしいという「プレゼンライブ」でした。歌が下手で、うまく歌うことはもう諦めて、ライブではすごく踊っていたんです。「歌はだめだけど、全身でがんばる!」みたいな(笑)。ステージに立ったら、頭からつま先まで、全身で見せられるから。客席には白髪頭のおじさまが一番前にいらっしゃって、すごく踊っていて、その方の前に行ってグイグイわたしも踊って。あとでわかったのは、そのおじさまがレコード会社の一番偉い方で、言われた言葉が「歌はまだまだだけど、踊りがいいから」って。そのときは歌ではなく踊りをがんばったわけなんですが、それでデビューが決まったから、なんでもできることを最大限やるといいかなと。わかる人は、原石の状態でも見抜くんだと思うんですよね。――すごいお話です。そうして1991年9月にシングル「Heaven」でメジャーデビューされてから30周年を超え、現在31年目となりました。小さいときから何事もがんばりたいタイプなので、31年目にしてそういう積み重ねてきた「あきらめないでやってみる」という筋肉がしっかりとついているんです。その部分はずっと変わらず、そしてイメージすることも大事にしてきていて。たとえば子どものお誕生日会でも「おいしいって言ってくれるかな?」と、お母さんたちが子どもが喜んでくれるメニューを考えることにも似ているというか。「どうやっておもてなししようかな」という、サプライズを考える繰り返しが生活だから。わたしたちの音楽の仕事も、ステージでおもてなしをする要素がとても多いです。いまはコロナ禍でライブをすること自体が貴重なこともあって、より一層、毎回ライブでそういうことを考えるのが好きになりました。でもそれは日常生活でも好きなことなので、普段から、おもてなし筋肉がついてきているから、それがどんなことか知りたい方がいたらぜひ一度、ライブに来てください(笑)。ニューシングルも恋と愛にまつわるお話――2022年11月1日に、レコード会社を日本コロムビアに移籍しての第1弾シングル「A・O・U(エーオーユー)」をリリースされますね。そうなんです。これまで恋の歌や愛の歌しか歌っていないですが、わたしの中にないものは歌えないので、今回も恋と愛にまつわるお話。わたしが日常的に植物からパワーをもらっていることもあって、永久凍土の中に眠っていた約3万年前の植物の種から花が咲いたというニュースに興味を持って、「その花、うちでも咲かないかな?」って。それにインスパイアされて、わたしも不思議と突然お花が蘇って咲いたような気持ちにリンクして、勝手に涙が出た日があったんです。わたしの個人的な愛にまつわるお話と、そのインスパイアされたお花に合わせて、歌詞も書きました。タイトル「A・O・U」は、歌詞にもある“all of you”の訳です。あなた方すべてに、というような意味ですが、デモ曲ができたときすでに「all of you」と口ずさんでいて、いいなあって仮でタイトルをつけていたぐらい。最終的に「A・O・U」にしました。――今作は以前から制作でご一緒されることもある、ドラマーでもありシンガーでもあるmabanua(マバヌア)さんがサウンドプロデュースされていますね。mabanuaさんとは付き合いが長くて。彼がいまのように名プロデューサーになる以前のインディーズの頃からで、自分のアルバムを持ってスタジオに挨拶に来てくれたこともあって。彼のアルバムを聴いたら素晴らしくて、すぐ連絡をとりました。2010年ぐらいからの知り合いで、2011年にはわたしのアルバム『Dark Candy』を一緒に作っています。もうわたしの独特の曲作りの仕方にも慣れてきたんじゃないかな。Charaの作ったデモ曲の良いところをサウンドプロデューサーとして遠慮せずに出してくれるミュージシャンなので、やりやすいですね。――信頼されている感じが音からも伝わります。mabanuaさんは良き理解者なんです。知り合ったときから、素晴らしく成長していますね。――「A・O・U」は現在放送中のドラマ『最果てから、徒歩5分』(BSテレ東 毎週土曜 午後9時)の主題歌にもなっていますが、書き下ろしではなかったそうですね。曲ができたあとから、選んでいただきました。もしも主題歌にと意識していたら、また違った曲になったはず。でも、それで使ってもらえるのが美しいかたちかなって。実際、ドラマにも合っていたので良かったです。――カップリング曲「面影」は、しっとりと心地よいミディアムナンバーですね。Charaさんのライブでコーラスも担当されることのあるシンガーの竹本健一さんとの共作で、大橋トリオさんが演奏とサウンドプロデュースを担当されています。最近のライブステージでは、ほぼ竹本さんがコーラスとして、わたしの声に寄り添ってくださることが多いです。良き理解者になると、一緒に曲を作りたいんですよ。曲を作ってこそ、ミュージシャン同士の親友になれるというタイプなので、わたし。この曲は、最初から「面影」というタイトルをつけたくて、ピアノで作りました。そこでピアノに関して、アコースティックさにもエレクトリックピアノにもソウルにも理解があって、高度なアレンジが得意な人って誰だといったら、大橋さんしかいない。大橋さんも、mabanuaさんも、楽器を演奏されるので、ご自身のグルーヴもあって。もともと「A・O・U」も「面影」も春ぐらいに出したいと思っていたんです。でも、コロナ禍の制限もありますし、おふたりとも忙しいからスケジュール待ちもあって、いまのタイミングに。どちらも、昨年、レーベル移籍用に作ったデモの中に入っていた曲です。――「面影」で、Charaさんが「積み積み積みあげて」と歌われるところも好きです。とぅみ、とぅみ〜と聴こえるところでしょ(笑)? そういう、詞をリズムに乗せるやり方が、わたしらしさ。オノマトペもすごく好きですし、同じ言葉を繰り返したり、印象的になったりする歌詞が好き。フラットだけど、メロディに抑揚をつけていくのがけっこう好きで、ああなっちゃうんですよね。――いつも曲作りはどのようにされているのですか。どんな状況でも作ります。ただ、オンオフがあって、作るモードに入るかどうか、何を意識するかどうか。お題が出たらそれを意識したりもします。音楽に嫌われないよう何歳になっても勉強したい――最近は、阿部寛さん主演のディズニープラス「スター」日本初オリジナルドラマシリーズ『すべて忘れてしまうから』に、映像作品としては映画『スワロウテイル』以来26年ぶりにご出演されていますね。以前そのドラマインタビューもさせていただきましたが、配信後の反響はありましたか。ドラマのプロモーションでイベントを開催したときは、インスタやCharaのモバイルファンサイトに、ファンの方が書き込みや生チャットで感想を言ってくれましたね。基本的には、SNSでもエゴサーチとかしないからわからないんですが、気にしていたら生きていけないかもしれないから気にしない(笑)。ドラマでは、毎話別のアーティストがそれぞれ異なる曲をライブで披露しますが、わたしも5話では役の「カオル」として歌って、今後Charaとしても歌います。――ドラマも楽しみです! では普段のご様子もお聞かせください。おうちではどのようにお過ごしですか。家にいるとすごく忙しいです。主婦って、掃除とか、やろうと思えば限りなくやることがありますよね。この時期、寒くなったから、衣替えも大変。昨日は秋の風をベッドルームにいても感じられるようにと、風の流れを考えてベッドの位置をずらすうちに、部屋の模様替えになって(笑)。わりと内側から整理しようとするタイプなんです。家の掃除に限らず、なんでも表面的なところよりも、内側から整える。最近はキッチンに新しい調理道具をそろえて、包丁も錆びないようにと磨いたり。昔は全然そんなこと気にしませんでしたが(笑)、錆びを拭くのは自分の成長ですね。毎日、花もいけています。――Instagramにときどきワンちゃんが登場しますね。「モジョ」という犬とふたり暮らしをしています。2014年に我が家にやってきまして、もう9歳。おじさん犬です。――とても小さいので、見るとまだ赤ちゃんのような愛くるしさですよね!?だから、ちっちゃいおじさんをいつも抱っこしているんですよ(笑)。――ちっちゃいおじさん、可愛いですね(笑)。以前は娘さん(女優のSUMIREさん)と息子さん(俳優の佐藤緋美さん)も一緒に暮らしていたときは、育児や家事、仕事との両立で大変ではなかったですか。子どもが小さいときは、まだ体力あったから、なんとかやっていました。アーティストって、ひらめいたときに曲作りをやりたいんですが、時間的にはそうもいかない時期もあって。子どもが泣いていると子ども優先になるから、何時から何時はChara、帰ってきたらメインは子どものママって、仕事の時間の使い方を分けましたね。でも、音楽が好きだし楽器が好きだから、子どもと遊ぶのに楽器を使うこともあって。一緒に音楽を聴くときはお母さんのCharaの選曲で、本を読むテンポやリズム感もCharaっぽいかも。まあ、普通のお母さんですよ。――ファッションアイコンとしても輝くCharaさんですが、ファッションのこだわりはありますか。チクチクする素材が苦手なんですよね、かゆくなっちゃうから。買いに行くときは触って確かめますし、仕事でスタイリストさんがいるときは、一緒に洋服を見て最新のものを買います。アップデートするのはきらいじゃないので、ストリートカジュアルも取り入れて。若い人が着るブランドだからおばちゃんは着ちゃいけないとかは、わたしの中にまったくなくて。それは着たら恥ずかしいという、似合わないわたしになる前に、好きな洋服を着られる自分でいるように、多少は体型にも気をつけますけどね。洋服が好きだから。ヴィンテージクローズがけっこう好きです。60年代や70年代のデザインはやっぱり好きですね。新しいものにも、古いものにインスパイアされて作っているデザイナーさんもいますしね。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負をお聞かせください。好きでたまらない音楽から嫌われないように、何歳になっても、勉強したいです。もっと知りたいという気持ちがあるのは、ありがたいこと。だから抱負もたくさんあるんですが、あまりいろいろな街へコンサートに行けていないので、小編成やひとりでやるといったさまざまなスタイルでやってみたいですね。人生でやっていないこともまだあるので、着実にできることに向かって、いまリサーチ中です。あとは、みんなが「Chara、良かったねー!」って言ってもらえるような恋とか、結婚とかがあるのかも(笑)!? 『anan』にもときどき載っている占い師のルーシー・グリーンさんに、この間、友達と一緒にタロットで占ってもらう機会がありました。みんな「11月以降に出会いがある」って。「3月以降もまたいい感じです」って言われたから、今後が楽しみです(笑)。取材後記ひとりのミュージシャンとしても、女性としても、母としても、多くの女性が憧れる存在のCharaさん。ananwebの取材では、今回リモートインタビューをさせていただきましたが、画面に映るCharaさんがユラユラ揺れるときがあって「ごめんね、椅子がすごい揺れて(笑)。体幹を鍛える揺れる椅子で、テーブルは卓球台なんだよね(笑)」と、おしゃれな椅子と家具を画面で見せてくれるCharaさんがとっても可愛くて、楽しい時間を過ごさせていただきました。そんなCharaさんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!取材、文・かわむらあみりChara PROFILE1991年9月、シングル「Heaven」でデビュー。1992年の2nd アルバム『SOUL KISS』では、日本レコード大賞ポップ、ロック部門のアルバム・ニューアーティスト賞を受賞。1996年には、女優として出演した岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』が公開され、「第20回日本アカデミー賞」主演女優優秀賞を受賞。劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加した主題歌「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」、1997年のアルバム『Junior Sweet』と連続してオリコン1位のミリオンセラーを記録し大ヒットする。2019年、THE MILLENNIUM PARADEのシングル「Stay!!!」ではボーカルを担当。2018年12月、オリジナルアルバム『Baby Bump』をリリース。2020年2月にはYUKIとのユニット「Chara +YUKI(チャラユキ)」名義でミニアルバム『echo』をリリース。2021年9月にはデビュー30周年を迎えた。2022年11月、シングル「A・O・U」をリリース。InformationNew Release「A・O・U」(収録曲)01. A・O・U02. 面影03. A・O・U(Instrumental)04. 面影(Instrumental)2022年11月1日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)COCA-18047(CD)¥1,650(税込)(初回限定盤)COZA-1954-5(CD+Blu-ray Disc)¥4,950 (税込)【Blu-ray Disc収録予定曲】Chara’s Time Machine:30th Anniversary Liveせつないもの/初恋/FANTASY/才能の杖/Tiny Dancer/悲しみと美/タイムマシーン/ミルク/大切をきずくもの/hug/恋をした/しましまのバンビ/70%-夕暮れのうた/Swallowtail Butterfly ~あいのうた~/Time After Time/月と甘い涙/Duca/スカート/世界(JEWEL ver.)/Break These Chain/あたしなんで抱きしめたいんだろう? /やさしい気持ち/Happy Toy(7inchアナログ)※2022年12月3日発売COKA-92¥2,200(税込)(7inchアナログ収録曲)Side-A. A・O・USide-B. 面影取材、文・かわむらあみり
2022年11月01日【音楽通信】第125回目に登場するのは、数々のドラマやアニメの主題歌を担当し、あらゆるパフォーマンススタイルで日本だけでなく海外でもライブ活動を行っている伊江島出身のシンガーソングライター、Anly(アンリィ)さん!ロックが好きな父の隣で歌やギターに親しむ【音楽通信】vol.125沖縄本島からフェリーで約30分、北西に浮かぶ人口約4,000人という、風光明媚な伊江島出身のシンガーソングライター、Anlyさん。英語と日本語で綴られる歌詞や、さまざまなジャンルの音を楽曲の随所に感じさせるミックスサウンドが特徴。ループペダルを駆使したライブ、バンド編成ライブ、アコースティックギターでの弾き語りなど、イベントや会場にあわせてパフォーマンススタイルを変え、日本国内だけでなく、香港、台湾、ドイツなど海外でもライブを行っています。2017年リリースのテレビ東京系アニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』の主題歌「カラノココロ」は現在、ストリーミングで4,000万再生を超える異例のヒットを記録。以降も数々のタイアップ作品があるなかで、人気アニメの主題歌もリリースされ、アニメファンからも高い支持を得ています。そんなAnlyさんが、2022年10月12日にニューアルバム『QUARTER(クォーター)』をリリースされたということで、お話をうかがいました。――幼少時に音楽にふれたきっかけから教えてください。わたしは沖縄県の離島の伊江島出身で、小さい頃から、父が夕暮れになると家の縁側に座って、夕ご飯になるまでギターを弾く時間がありました。その時間に父の隣に座って、歌を歌ったり、ギターを弾いたり。音楽の一番古い記憶はそこですね。その4、5歳ぐらいのときから、ギターをおもちゃがわりに遊んで弾いていました。――お父さまは音楽がお好きだったんですね?そうですね、父は60年代や70年代のロックが好きで、母は民謡が好きで。いろいろな音楽が家で流れている環境でした。父はプロではありませんが、趣味でときどき友人たちとバンドをやって、ライブ活動もしていましたね。――ギターもお父さまから教わったのでしょうか。ギターに関しては、いくつかコードを教わったあとに、父と一緒に弾くよりは自分で好きな曲をひたすら聴いて「コードは何を弾いているのかな?」と耳コピしていました。――では、音楽の道を志したのはいつ頃になりますか。小さい頃から歌うことは好きでしたね。職業として歌手やシンガーソングライターを意識し始めたのは、中学校2年生のときです。歌手になるにはどうしたらいいのかと、それであれば自分で曲も作れたほうがいいということで、まず歌詞を書き溜めて。ノートの端々に思いついたことを書いて、そのノートがいっぱいになるまでやっていました。伊江島にいるときは、カバー曲を歌って、知り合いのライブに参加することも。自分のオリジナル曲を歌い出したのは、高校2年生のときです。最初に書いた曲は「虹」という曲で、「EMERGENCY」(2016年発売)というシングルのカップリングに入っています。この曲が、中学時代からノートに書き溜めていた歌詞をあわせて完成させた曲ですね。――2015年にメジャーデビューされてからは、日本以外にも香港、台湾、ドイツなど海外でもライブを行っていますね。ずっと海外でライブをしてみたいと思っていました。最近は、ループペダルというエフェクトを使いながら演奏するスタイルが多いので、その場で音楽を作っていく工程が海外の方も楽しんでくれている様子が、とくに台湾に行ったときに感じられて。2018年には、アジア各国を代表して選出された新人アーティストが競って、パフォーマンスをする大会「香港アジア・ポップミュージックフェスティバル」に出演し、優勝させていただきました。よりいっそう、また海外にもライブへ行きたいと思いましたね。――海外のライブは日本とは違う感じもありますか。盛り上がり方が、日本より一段階高めといいますか。歌を聴いても言葉はわからないことも多いと思うんです。でも、グルーヴやリズム感、メロディで楽しんでくださっているというシンプルなところを体感できますね。――そういった海外活動を経て、デビューから変わった点、変わらなかった点はありますか。変わった点で言うと、沖縄から上京してきて、東京を拠点に活動しているので、制作している楽曲が作り方も生まれ方も変わってきましたね。東京に来てからはスピード感のある楽曲も作れるようになりましたし、言葉がたくさん詰まったような、メロラップのような楽曲も増えました。変わらない点は、最近、伊江島のなまりが戻ってきました(笑)。ちょこちょこ自分のなかで、伊江島のなまりは好きなところで、「伊江島の人ということは変わってないな」って。コロナ禍で、前よりも両親と電話をすることが多くなったからだと思いますが、それは自分自身でもうれしかったです。あたためていた曲も収録した4thアルバム――2022年10月12日に、4枚目のアルバム『QUARTER』をリリースされました。いつ頃からか制作していたのですか。今年、4月から7月にかけて47都道府県をまわるツアーをやっていたので、それが終わってから追い込みで仕上げていきました。でもけっこう、数年前からできていた曲もあって、あたためていた曲を仕上げていったという感じですね。――タイトルの意味はなんでしょうか。『QUARTER』というタイトルは、わたしが日本とアメリカのクォーターというところ、25歳というところ、100歳まで生きるとして4分の1を過ごしたというところという複数の意味があって。さらにアルファベットでクォーターの「Q」は、最近キーアイテムにしているふうせんの形に似ていて、そういったいろいろな理由から、このタイトルをつけました。――ハードな印象の曲からゆったりと聴かせる曲まで、多彩な楽曲が収録されていますが、5曲目「Angel voice」はAnlyさんのシルキーボイスが堪能できるバラードですね。わたしの楽曲をよくアレンジしてくれているアリーザというアレンジャーさんが、ロサンゼルスにいて。コロナ禍が始まるよりだいぶ前に、L.A.に行ったときに、わたしが元ネタを持っていってアレンジしてもらうのではなく、一緒にアリーザと「曲を作ろう」となってできた楽曲です。その後、NHK『見たことのない文化財』(BS8K)のテーマ曲を書き下ろすことになって、歌詞を書き上げました。――9曲目「VOLTAGE」は、テレビ東京系アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』(テレビ東京系 毎週日曜 午後5:30)の1月クールのエンディングテーマでしたし、10曲目「カラノココロ – Matt Cab & MATZ Remix」は、2017年発売の『NARUTO-ナルト-疾風伝』オープニングテーマのリミックスと、NARUTOシリーズとご縁がありますね。今回収録している「カラノココロ」は、5年前にリリースした楽曲をリミックスしています。『NARUTO-ナルト-疾風伝』のオープニング曲として書き下ろした後、主人公ナルトの息子ボルトが主人公になった『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のために、「ボルトとVOLTAGEって言葉が似てる」ところから始まって、ボルトたちのキャラクターたちに向けての応援歌として、アニメの世界観にあわせて書き下ろしました。それまでは自分の生活にあるものを曲に組み込みたい、という気持ちが強かったのですが、「VOLTAGE」は真正面からアニメのためだけに書き下ろして、作っていくうちに自分にもどんどん曲がなじんできました。自然に「わかるな、この気持ち」「この言葉、元気出るな」って。良い作り方だったんじゃないかなと思っています。――アニメといえば、アルバムのラストを飾る13曲目「星瞬〜Star Wink〜」は、歌もストリングスも優しく染みる楽曲で、2021年公開のアニメ映画『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』の主題歌でしたね。夏目友人帳の世界観に向けて書いたところもあるのですが、2021年にシングルとしてもリリースしていた曲で、でも「星瞬〜Star Wink〜」はもともとあった楽曲なんです。沖縄で楽曲制作をしているすきまに散歩に行ったら、飛行機雲が空にあって、そこから歌詞が降りてきて。「あ、歌詞できそう。歌ができそう」と思い、「空には君の足跡」というワードが頭に浮かんで、そのまま歌詞を書きました。――6曲目「Homesick」は切ない恋心を歌った曲ですし、7曲目「KAKKOII」はリアルな心情のような歌詞が面白く、それぞれ曲調も異なり聴き手を楽しませてくれる印象です。いつも曲作りはどのようにしているのですか。先ほどお話ししたように降りてくるときもあれば、自分でトラックメイキングをして、「これすごく良いな、メロディつけておこう」とつけて置いておくこともあります。でも結果的には、自然に作ったものから曲を組み立てていくことが多いですね。――2022年10月から12月まで全国をまわるアルバムツアー「Anly “Loop Around the World”〜Track4/QUARTER TOUR〜」を開催されます。どのようなステージになりそうでしょうか。今回、ループペダルを使って、全国をまわっていくスタイルになります。ステージ上でギターを叩いた音とか、コーラスを録音してリピート再生させながら、それにあわせて曲を演奏する“ループペダルセット”として披露しています。だから、アルバムに収録している音源とは、またちょっと違ったアレンジでお届けすることになるかなあと。初めてライブに来る方は、「あの曲がこんなふうになるんだ」と、最初はもしかしたらびっくりするかもしれないですが(笑)。逆にそれは楽しみにもなってくると思うので、わたしもそういう気持ちでループペダルセットをやって“純度100パーセントAnly”というライブになっています。一緒に音楽を作っていく空間を楽しんでもらえたらうれしいですね。目標は故郷の伊江島で音楽フェスを開催すること――普段、日課になっていることやハマっているものがあれば教えてください。最近は、チョコレートプラネットさんとか、レインボーさんとか、お笑い芸人さんのYouTubeをよく観ます。発想豊かな人たちのものを観るのが好きで、日常で見過ごしているこういう人いるねとか、普通の言葉をゲームにできるんだという発明ぽいものを観ることができるので、よく観ていますね。――お気に入りのコスメやメイクがあれば教えてください。わたしの肌に合うんだろうなと、気づいたら『ケイト』のコスメばかり使っています。血色が良く見えるので、アイシャドウやチークは、オレンジ系にすることが多いですね。スキンケアは『イソップ(Aesop)』のスクラブ洗顔やクレンジングがお気に入りです。――食事やダイエットなど、美容面で気をつけていることはありますか。実は数年前まで、自分の体型を気にしすぎて、あまりご飯が食べられなくなったことがありました。その後、拒食からの過食になって。ご飯を食べること自体の意識をちょっと変えたんです。太るから食べないんじゃなくて、逆にいっぱい食べてみて感じたんですが、人間はそんなにすぐには太らないと知りました。それはわたしのなかで画期的な発見。ご飯を食べる量が、そこからは普通になったんですよ。おいしくご飯を食べたら、生活するうえでポジティブにもなるし、食べたいものを食べたいぶん食べることを肯定すると、いきすぎた量にならないんです。だから、いま体型を気にしすぎている女の子がいたら、心が苦しい気持ちがすごくよくわかるから、一緒にご飯を食べてあげたいって思います。好きなものを食べてほしいですし、体質にもよるかもしれませんが、「そんなすぐ太らないから大丈夫だよ」と女の子たちに言いたいですね。――では最後に、今後の抱負をお聞かせください。いままで通り、ジャンルにとらわれずに、自分の中で生まれた音楽をしっかりみなさんに届けられたらいいなと思っています。あとは、故郷の伊江島で、音楽フェスができたらいいなという目標があるので、これからも頑張ります。取材後記ドラマウォッチャーとして釘付けになって観ていたドラマの主題歌が、力強いボーカルとサウンドが印象的なAnlyさんのデビュー曲「太陽に笑え」でした。ananwebの取材では、音楽との出会いから今後の目標まで、いろいろなお気持ちを聞かせてくださいました。そんなAnlyさんの4枚目のアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりAnly PROFILE1997年1月、沖縄県伊江島生まれ。2015年11月、シングル「太陽に笑え」でメジャーデビュー。以降、コンスタントに作品を発表し、国内だけではなく海外でもライブ活動を行う。2022年、初の47都道府県ツアー「Anly“いめんしょり”-Imensholy Tour 47- 」を完遂。10月12日、ニューアルバム『QUARTER』をリリース。10月から12月まで全国をまわるアルバムツアー「Anly“Loop Around the World”〜Track4/QUARTER TOUR〜」を開催。InformationNew Release『QUARTER』(収録曲)01.Alive02.Welcome to my island03.Do Do Do04.IDENTITY05.Angel voice06.Homesick07.KAKKOII08.CRAZY WORLD09.VOLTAGE10.カラノココロ – Matt Cab & MATZ Remix11.KOMOREBI12.Saturday Kiss13.星瞬〜Star Wink〜2022年10月12日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)SRCL-12265(CD)¥3,300(税込)(初回生産限定盤)SRCL-12263~4(CD+DVD)¥6,500(税込)【DVD収録内容】Anly “いめんしょり”〜Imensholy〜Tour 47 SECRET FINAL LIVE at 伊江島 (2022/7/10)Anly “いめんしょり”〜Imensholy〜Tour 47 -Behind the scenes-“Loop Around the World ~Track3~”東京公演 @渋谷 duo MUSIC EXCHANGE(2021/11/28)取材、文・かわむらあみり
2022年10月19日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第45回は、「まさかこんな一面があるなんて…」と、結婚してからママたちが知った夫の嫌なところをご紹介します。1.レシート1枚でも無くすと嫌味【ママライフばんざい!】vol. 45たとえ熱愛を経て結婚しても、毎日顔を合わせていれば、どうしたってカッコつけてばかりもいられません。だからこそ家庭にいると、気を遣わずに心地よいスペースが得られる反面、まさかこんな人だったとは、というウンザリ気分を時に味わうこともあるようです。たとえばそれは、家計についてのこと。Aさんは、散財するタイプではありませんが、買い物時の計算が少し苦手で、ちょっとだけどんぶり勘定になりがちなところがあったそうです。対する彼女の夫はもともと細かい作業が好きなタイプとのこと。新婚当初は夫から何も言われなかったそうですが、しばらくすると「家計は俺がチェックしていくから」と一方的に言われ、以降はレシート1枚でも無くすと嫌味を言ってくるようになったそう。レシートを見ながら「これって本当に必要なモノなのか?」と、いちいち買い物に口出ししてくる細かさにウンザリしてしまうのだとか。とはいえ、やりくりを考えてくれていて「助かるな」と思いながらも、ときどきいきすぎて追及してくるところだけは「いつまでたっても慣れない」と嘆いているのでした。2.食事の用意ができていないと怒る続いては、食事の用意ができていないと怒る夫を持つBさんのこと。独身時代、一人暮らしの夫の部屋は散らかり放題で、食事はほとんどがコンビニで買ってきたお弁当だったのだとか。ふたりが付き合ってからは、せっせと身の回りの世話を焼いてくれるBさんにいたく感動していたらしく、結婚までの道のりも早かったのです。でもそれは、もしかすると自分で自分のことが何にもできないからかもしれないと感じることがあるとBさんは思うようで…。とくに、食事の用意ができていないと怒る夫にウンザリすることがあるそうです。誰だって体調がよくないときや、用事が入って食事の支度が遅くなるようなときって、ありますよね。でもその夫は、彼女の状況はおかまいなし。自分が仕事から帰った時間にちゃんと食事が用意されていないと「何やってんの?」と悪態をつくのだとか。そんなときに、たまには「自分でやれよ」と思うそうなのですが、それは口に出さないBさん。不機嫌な夫のグチを適度に流し、「今日はしんどくて用意できなかったごめんねー」と、出来合いのおかずを出すと、案外それでも納得するそうです。手料理にこだわりがあるというよりも、自分のために用意をしてくれるかどうかのほうが、夫には重要なようだとか。3.妻のスマホチェックをしたがる最後に、妻のスマホチェックをしたがる夫のいる、Cさんのこと。そもそも恋人時代から、溺愛と言っても過言ではないほど、愛されていた彼女。それは一過性のものではなく、結婚してからも、夫とラブラブな状態を保ち続けています。だからなのか、夫は仕事している最中に妻が何をしているかが気になるようで、帰宅すると「今日は何してた?」「スマホ見せて」と言うようになっていったのだとか。最初は自分の行動をアヤしむなんて、信頼されていないようでウンザリしていたCさんでしたが、うしろめたいところもないため、言われるがままにスマホを渡すと、安心する夫。スマホを見せるだけでホッとしてくれるなら、「別にいいか」と思ったCさんは、恒例の夫のスマホチェックにもだんだん慣れ、だんだんとあまり「見せて」とは言わなくなってきたのだそうです。そもそも人間性は変わらないと悟っているなら、 夫の嫌なところを指摘するより割り切った対応をしておいたほうが、無駄なエネルギーを使わずに済むかもしれません。とはいえ、無意識に女性を見下したり、自分勝手な行動をする男性はまだまだ多いようなので、そこをやんわり指摘してあげると、夫は自分のいたらなさに気づく場合もありそう。たとえば食事の用意がないだけで不機嫌になる夫だったら、「単なる食事係のようでいい気分はしないな」など感情的になるでもなく押し付けるでもなく、淡々と自分の気持ちを伝えてみる。そうすることで、夫は思いやりの欠如を自覚し改めるかもしれません。いずれにしても、みなさんの家庭が円満でありますように!文・かわむらあみり©Wavebreak/Getty Images©Moyo Studio/Getty Images©jacoblund/Getty Images
2022年10月18日【音楽通信】第124回目に登場するのは、ボカロP「バルーン」としても活躍しながら、現在は自分の声で歌うシンガーソングライターとしても活動し、とくに若い世代から絶大な人気を誇る、須田景凪(すだけいな)さん!ドラムに魅せられたのちボーカロイドの世界へ【音楽通信】vol.1242013年から「バルーン」名義でボカロPとして活躍、代表曲「シャルル」はセルフカバーと合わせて1億4000万回の再生回数を記録、3年連続で10代カラオケランキング1位になるなど若い世代の方を中心に絶大なる支持を獲得するなか、2017年からは自身の声で歌う「須田景凪」として活動を開始された須田景凪さん。バルーンとしても、須田景凪としても、注目を集めているなか、2022年10月7日に公開のアニメーション映画『僕が愛したすべての君へ』の主題歌と挿入歌となる両A面シングル「雲を恋う(くもをこう)/落花流水(らっかりゅうすい)」を配信リリース。さらに、声優としてもゲスト参加されたということで、お話をうかがいました。――そもそも須田さんの音楽との出会いから教えてください。ずっと音楽が流れている家庭で育ちました。両親ともに洋楽をよく聴いていた気がします。小学生のときに、幼馴染みから「かっこいい人たちがいる」とポルノグラフィティさんの曲「アポロ」を聴かせてもらって、その存在を知って。当時、アニメ『鋼の錬金術師』(MBS・TBS系ほか 2003〜04年)をよく観ていたんですが、ポルノグラフィティさんがオープニング曲を担当していた「メリッサ」という曲があって、そこで「音楽ってめちゃくちゃかっこいいな」と感じました。その後、中学2年生のときに同じ幼馴染みから、ポルノグラフィティさんのライブDVDを観せてもらって。サポートのドラマーの方がめちゃくちゃかっこよくて、その影響で自分でもドラムを習うようになりました。ドラムって全身を使ってダイナミックに動くじゃないですか。そこにすごく惹かれて、自分で楽器をやるようになったのは、それが入り口です。中学2年生から、高校、大学と長くドラムをやっていましたね。――ドラムをされていたら、バンドを組みたいという方向にはいかなかったのでしょうか。高校1年生から、組んだバンドがあって。そのバンドで売れたいから音大に行くというぐらい、本気でやっていましたね。大学は音大に行きましたが、そのぐらいの熱量を持って、ずっとドラムをやっていました。――では作詞作曲はいつ頃から?大学2年生ぐらいからですね。先ほどお話ししたバンドは、自分と高校の先輩とのツーピースバンドで、先輩が曲を作っていました。その当時はまだ自分自身では作曲のイロハも何もわからないときだったので、「ここをもっとこうしたらかっこいいんじゃないか?」というアイデアをわからないなりに先輩に話していたのですが、先輩と後輩という上下関係もあって、作曲する人は全員こだわりがあるのでことごとくアイデアが通らなくて。そんな状態が2年ぐらい続いて、ふと、そのアイデアだけで何曲か作れるんじゃないか?と思ったんです。その当時、自分はニコニコ動画というプラットフォームでゲーム実況の動画をよく観ていて。だから、ボーカロイドの存在も、もちろん知っていました。ボーカロイドカルチャーにはいろんな方がいらっしゃいますが、1週間前に作曲を始めました、というような人もいて。間口がとても広い環境なんです。しかも、ボーカロイドだったら、自分の音楽におけるワガママを100パーセント歌ってくれるというところから、「ボカロを用いて作曲したい」と思うようになりました。その頃はドラムしかしたことがなく、コーラスさえもしたことがなかったので、そもそも歌うという選択肢がなかったんですよね。作曲と同時にギターやピアノも始めたんですが、鼻歌で歌いながら曲作りをしていくなかで、それを続けていくと歌うことも好きになって、いまにつながるという感じです。――もともと音楽の才能をお持ちだったんですね。才能というものをあまり信じていないんですが、もともと一人っ子ということもあって。昔から、一人遊びをするのが好きなんです。淡々とした作業を黙々とやるのが好きで、自然と没入していったんだと思います。――ボカロPのバルーン名義で発表された代表曲「シャルル」は大ヒットされましたが、活動においてターニングポイントになった曲ですよね。そうですね、あの曲があったから、その後いろいろな可能性が広がっていきました。それと同時に、良い意味でボーカロイドカルチャーも変わった、と言っていただけることもあるので、「シャルル」という曲を書くことができて良かったです。――2017年10月には、ご自身で歌う「須田景凪」での活動を開始されました。「バルーン」から「須田景凪」へ活動スタイルを切り替えたきっかけは何だったんでしょうか。「シャルル」のセルフカバーは多くの方に聴いていただいていますが、ほかのバルーン名義の曲も、実は以前からときどきセルフカバーをしていました。例えば「朝を呑む」という曲とか。歌いたいから歌ってみたら、考えていたよりも何十倍もの方々に聴いていただいて、ありがたかったと同時に、考えるようにもなって。自分のなかで、バルーンというボカロPの楽曲は、誰が歌ってもカッコいいものを目指しているんです。でも「シャルル」は、8割くらい、自分が歌うために書いた曲だったので、それだと伝え方も変わってくると思いました。最初に曲を作るときに、ボーカロイド名義で歌うもの、自分で歌う名義のもの、と分けるようにして。それを決めないと、自分自身が混乱してしまう時期があったから。もうひとつの理由は、これはあくまで自分個人の考えなんですけど「ボカロPとしてのバルーンという人間を好きでいてくれる方がいたとして、ずっと追っていったら気づくともう自分の肉声でしか歌わない時期が生まれたら、それはもうボカロPじゃないよね」と自分では思ってしまって。僕は同時にいろいろなことをするのが苦手なので。それならしっかり名義を分けたほうが自分的にもリスナーの方的にも健全なのかな、と思い名義を分けました。どちらの名義でも、「良いものを書く」ことは、変わらない。ただ、須田景凪としての活動のほうがよりいっそう、自分の気持ちをのせやすいものを書いています。アニメーション映画の主題歌と挿入歌を配信リリース――2022年10月7日に両A面シングル「雲を恋う/落花流水」を配信リリースされました。「雲を恋う」は、映画『僕が愛したすべての君へ』の主題歌のオファーをいただいてから、そのときは映画を作る前の段階だったので、原作の小説を読ませていただいてから書き下ろしました。その後、主題歌を書き終わってから、絵コンテを見せていただく機会があって。挿入歌となった「落花流水」も作らせていただきました。この“僕愛”と同時に公開される、もうひとつの映画『君を愛したひとりの僕へ』では、“僕愛”で主題歌だった「雲を恋う」が挿入歌になっています。――2曲とも映画にぴったりで、とても物語の世界観を大事に、曲を描かれていますね。“僕愛”と“君愛”のどちらの作品を読んだときも、どちらも「自分」という核が強くあったうえでその後のストーリーの展開が起きていて。あえて「雲を恋う」では一人称、完全に自分目線で、青く未熟なさまを書きたいという気持ちが強くありました。このタイトルは、ことわざの「籠鳥雲を恋う(ろうちょうくもをこう)」からきています。とらわれている存在が自由な境遇に憧れているさまという意味なんですが、映画の主人公が感情を吐露できないもどかしさとリンクする部分があり、そこからつけましたね。そして仮に同じ人と何百年一緒にいたとしても、100パーセントわかりあうことは絶対にできないと思っていて。あくまで、ひとりとひとり、という部分は変わらない。でも、深い関係になるほど、ふたりだけにしか伝わらない空気感、密度だけでしか成り立たないものが増えてくるので、そういう部分にフォーカスして書きました。――では、「落花流水」はどのように曲作りされましたか。「雲を恋う」が一人称だとしたら、「落花流水」は三人称、俯瞰で見ている曲です。曲調は、挿入歌を初めて担当させていただくので、「雲を恋う」のミディアムスローな曲調よりもちょっとギャップがあったほうがいいなというところから、ストレートなJ-ROCK、J-POPを目指してできあがりました。――今回、映画にはゲスト声優としても参加されたことのみが発表されていますが、須田さんのせりふがどこなのか、観ていて最後までわかりませんでした(笑)。ということは、作品に馴染んでいたんでしょうか…。そういう意味では良かったです(笑)、初めてアフレコをさせていただいて、めちゃくちゃ難しかったです。歌も演技的要素はあるとは思うのですが、声優さんは100パーセント演技なわけじゃないですか。そこを振り切ってやるのって、当たり前ですが、すごい作業だなあと思いました。あと、担当させていただいたのは、本当につぶやくようなひとことだけのせりふなんですが、実際につぶやくだけだと映画で観たときに何を言っているか聞こえないし…。その空気感を推し量るのも難しくて、新鮮な作業でした。アニメーションと合わせてしゃべる、というのもすごく難しかったですね。――須田さんのファンの方には歌以外にも、映画のどの場面で声優としての声が聴けるのか、探すのも楽しみのひとつになりますね。では続いて、今回のシングルのジャケ写についても、お聞かせください。以前から好きな映像作家のtoubou.さんに描いていただきました。今年の3月に、toubou.さんが自主制作で出された『さざなみの少女たち』という、声や音楽以外、すべておひとりで作られて完結されている作品があって。それがめちゃくちゃ素敵で、単純にいちファンとして観ていて、今回のお話をしたら快く引き受けてくださいました。――“僕愛”と“君愛”の映画のトークショーに、主人公の暦の声優をされた宮沢氷魚さんと、“君愛”の主題歌を担当したSaucy Dogさんとともにご出演されていましたね。ライブ以外で人前に出るというのは非常に珍しいのではないですか。そうなんですよ。基本的に人前に出るときは歌うときなので、まさかトークだけで出るなんて(笑)。――宮沢さんとはもともと面識はあったのですか。宮沢さんは、「昼想夜夢」という僕のワンマンライブに来てくださったことがあって、ご挨拶させていただいて。そのときはライブが終わって5分後ぐらいだったので、記憶がだいぶ曖昧なんですが(笑)、とても親しみやすい方だなと思った印象があります。トークショーで久しぶりにお会いできて良かったです。誰が聴いても「いいよね」というポップスを追求――お話は変わりますが、最近ハマっているものはありますか。ダメージ加工のファッションが好きで、穴があいているデニムやスウェットも好きなんです。でも穴があいていなくても、「このパンツに穴があいていたらいいのにな」と思って、最近は自分で穴をあけていて(笑)。加工するときは、諸説あるんですがいろいろと調べまして、段ボールカッターで切ると、ダメージ加工ぽくなるかなあと試しています。――スタイリッシュな印象のある須田さんですが、今日もピアスがたくさんついていて、アクセサリーにもこだわりがありますか。今日は全部の穴にピアスをつけていませんが、全部で10個、耳に穴があいていますね。身につけているアクセサリーなどは、すべて私物です。ファッションは、そのときに着たいものを着て、アクセサリーもそのときにつけたいものを選んでいて。指輪はもっとつけたいですが、ギターを弾くときに邪魔になるので、必要最小限だけにしています。とくに左手はコードを押さえなくてはいけないので、多くはつけられません(笑)。でも、指輪をつけると気持ちが切り替わって、オンモードになれます。――シルバーアクセサリーがお好きなんですか?アイテムとしての色味だと、本当はピンクゴールドが一番好きなんですが、自分には似合わないので。結果的に、自分でもつけて好きなのは、くすんだシルバー系ですね。――ときどきInstagramなどで猫ちゃんの写真をアップされていますね。もう3〜4年前から飼っている、サイベリアンという種類の猫です。「ふとん」という名前です。小学1年生ぐらいから、ずっと実家で猫を飼っていました。たとえば、街に一軒、猫屋敷ってあるじゃないですか?僕の家がそうだったんです(笑)。家の外には常に5、6匹猫がいて、家の中にも5、6匹いて、だから猫がいるのが当たり前で、いないほうがソワソワしてしまいますね。でも猫は、ただ家にいて別の生活をしている存在、という認識なので、飼っているという認識もあんまりないところが楽ですし、好きですね。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負をお聞かせください。5月にワンマンライブがあったり、夏はフェスにも初めて出演させていただいたり、そこで来てくださった方々が、「シャルル」をはじめとして曲を知っていて反応してくれたことがすごくうれしかったんです。自分のやっている音楽はポップスだと思っているんですが、ポップスって誰が聴いても「いいよね」と思える力があるものだと感じているので、そういうものを自分でももっと突き詰めていきたいです。それが結果的に、自分の活動にプラスにつながっていったらいいなと思います。取材後記ボーカロイドカルチャーが変わるほどのヒット曲を生み出すボカロP「バルーン」としても、ご自身の声で歌う「須田景凪」さんとしても、数々の多彩な楽曲を聴かせてくださる須田さん。ananwebの取材時、撮影ではミステリアスな魅力を放ちながらも、インタビューでは柔和な物腰でひとつずつ丁寧に応えてくださいました。そんな須田さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・山本嵩取材、文・かわむらあみりヘアメイク・牛玖文哉スタイリング・荒木大輔ジャケット¥68,200(税込)、スウェット¥85,800(税込、ともにstein)問合先:ENKEL tel.03-6812-9897須田景凪PROFILE2013年より「バルーン」名義でニコニコ動画にてボカロPとしての活動を開始。2016年に発表された代表曲「シャルル」はセルフカバーバージョンと合わせ、YouTube での再生数は現在までに1億4000万回の再生を記録。JOYSOUNDの2017年発売曲年間カラオケ総合ランキングは1位、年代別カラオケランキングの10代部門では3年連続1位を獲得し、現代の若者にとって時代を象徴するヒットソングとなった。2017年10月、自身の声で描いた楽曲を歌う「須田景凪」として活動を開始。2021年2月、メジャー1stフルアルバム『Billow』をリリースし、オリコンウィークリーチャート7位にランクイン。作詞作曲編曲のすべてを手掛け、ベットルームで音源制作からレコーディング、音源発表まで行い、多くの若者から支持を集めている。2022年10月7日、ニューシングル「雲を恋う/落花流水」配信リリース。InformationNew Release「雲を恋う/落花流水」(収録曲)01. 雲を恋う02. 落花流水2022年10月7日発売写真・山本嵩 取材、文・かわむらあみり ヘアメイク・牛玖文哉 スタイリング・荒木大輔
2022年10月09日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第44回は、「え? そんな家庭もあるんだ」と筆者がちょっと驚いたいろいろな家庭の独特ルールをご紹介します。1.夜は12時を過ぎてから就寝【ママライフばんざい!】vol. 44同じ産院で知り合ったママ、保育園や幼稚園で同じクラスのママ、近所のママ友など、子どもが生まれるとさまざまなタイミングで、ほかのママたちと触れ合うことがあります。そんななかで、「独自ルールがあるんだなあ」とママ友に聞いて筆者がちょっと驚いたものをご紹介します。まずは、子どもと寝る時間が夜中の12時ごろだという、ママのお話から。まだ1、2歳という幼少期ながら、「毎日夜中に寝る」という家庭では、仕事の都合でパパの帰宅時間がいつも夜中になるんだとか。子どもがパパに会いたがるため起きていて、だんだんと就寝時間が遅くなっていって、すっかり帰宅時間の夜中に寝るクセがついてしまったそうです。でも、幼稚園が始まると朝早いし、大人はともかく子どものカラダによくないんじゃあ…とたずねると、「まあなるようになるかなって」という返事。なんともあっけらかんとした姿勢は、育児に悩んで落ち込むよりは、ポジティブな印象も受けました。生活サイクルは家庭によるとはいえ、できれば、深くならない時間に寝たほうが子どものカラダにはいいに越したことありませんが…。2.テレビは絶対に見せないときどき遭遇することがあるのが、子どもには「絶対にテレビは見せない」というママ。確かに、赤ちゃんや幼少期など、子どもが小さければ小さいときほど、テレビを見せるのはコミュニケーションレスになるなど、よくない影響が出ることもあると言われることも。テレビウォッチャーでもある筆者でさえも、我が子が小さいときはテレビを見せていませんでした(いまは見ています)。ただ、どんどん成長していく段階でやっぱりテレビは見せないという家庭もありますし、見せるとしても「教育番組だけ」など限定的に絞っている家庭もありました。子どもが小学生ぐらいになったら、まだドラマを見るのは早いかもしれませんし時間帯も遅いから見ないとしても、アニメやバラエティや歌番組など、けっこう楽しいものもたくさんあるんですけどね…。テレビを見る時間があったら勉強する、というのも家庭によってルールがあるでしょうし、ママだけでなくパパのキャラクターや仕事にもよるでしょうからなんとも言えません。「絶対に」見せないというママは、もちろん自分自身もテレビに興味がないので、テレビ好きママとしてはちょっとしょんぼりします。3.家庭でも英語で話す以前「胎教で英語を聴かせているの」というママがいましたが、子どもが0歳のときから「とにかく物心つく前から仕込みたいから!」と英語教材を大量に購入して、我が子に英才教育をほどこすママにときどき遭遇しました。ある程度の年齢になってから塾へ行く、習い事として英会話をするというだけでは足りないと、胎教や赤ちゃんのときから教育に熱心なママのなかには、“家庭では英語で話す”ことをルールとして課している家庭も。一方、あまり教育には興味がなかったり、ある程度の時期になったらすればいいと考えていたりするママは、子どもの教育の話は右から左に聞き流すということも。どのタイプだからダメ、こっちのタイプだからOK、というカテゴライズはまったくないですが、「うちはこうだからそっちもこうして!」とたまに考えを押し付けてくるママもいます。でもきっと、みんな違って、みんないいですよね?子どもでも大人でも、さまざまなタイプの人たちがいます。時に、よその家庭のルールにビックリすることもありますが、人は人、自分は自分。それぞれの家族にとっての安らげる家庭でありますように!文・かわむらあみり©Andrii Lysenko/Getty Images©PeopleImages/Getty Images©Basilico Studio Stock/Getty Images
2022年09月28日【音楽通信】第123回目に登場するのは、エンターテインメント精神にあふれる魅力が光る、ハロプロの個性派グループ、BEYOOOOONDS(ビヨーンズ)!3つのユニットが合体した現在12名のグループ写真左から、西田汐里、里吉うたの、前田こころ。【音楽通信】vol.1232018年に結成され、2019年にメジャーデビューした、BEYOOOOONDS。個性の違う「CHICA#TETSU」「雨ノ森 川海」「SeasoningS」という3つのユニットの合体グループでもあり、現在12名のメンバーからなるBEYOOOOONDSは、多くの楽曲に寸劇を取り入れるなど、ユニークさも加味したエンターテインメント精神にあふれる魅力が光ります。2019年には日本レコード大賞の最優秀新人賞、2020年には日本ゴールドディスク大賞のベスト5ニュー・アーティストを受賞。まだまだこれから大きく伸びていくに違いない、ハロー!プロジェクトの注目グループです。そんなBEYOOOOONDSが、2022年9月28日に2ndアルバム『BEYOOOOO2NDS(ビヨーンズ セカンド)』をリリースされるということで、グループを代表して西田汐里(にしだしおり)さん、前田こころさん、里吉うたのさんにお話をうかがいました。――おひとりずつ、所属ユニットとともに、自己紹介からお願いします。西田西田汐里、19歳です。私が所属する「CHICA#TETSU」は、スペイン語で女の子という意味の「CHICA」と、哲学の「TETSU」を表していて「物事を深く考える女の子」という意味が込められています。リーダーの一岡伶奈(いちおかれいな)ちゃんは鉄道が好きというのもあり、楽曲は駅や電車がモチーフになっていて、その駅、その路線ならではのちょっと切ない恋心を歌っていて。みなさんもよく通る駅を歌ったときは、共感してもらえる歌詞もあるかもしれません。BEYOOOOONDSのなかで「CHICA#TETSU」は、可愛い担当なんですよ(笑)。毎回ユニット4人全員で「一番可愛く見せよう!」と、気合を入れて歌っています。前田前田こころ、20歳です。私の所属する「雨ノ森 川海」は、一人ひとりの個性がとても強い5人組のユニットです。ユニット名は、人々の心に潤いを与えるグループになってほしいという思いから付けていただきました。普段はよくしゃべりよく笑う賑やかな私たちですが、楽曲を歌うときはガラッと雰囲気を変えるので、そのギャップが魅力かなと。「雨ノ森 川海」の楽曲は、女の子の複雑な感情を力強く表現していて、BEYOOOOONDSのときとは全然違う一面を見せていると思います。これからも私たちの成長に期待していただきたいです。里吉里吉うたの、21歳です。私の所属する「SeasoningS」はBEYOOOOONDS内で唯一のオーディション合格者3人のみで構成されたユニットなんです。特技を持ったメンバーを募集するオーディション「ハロー!プロジェクトONLY YOUオーディション」の合格者で、平井美葉(ひらいみよ)ちゃんと私がダンス、小林萌花(こばやしほのか)ちゃんがピアノを得意としています。「SeasoningS」では、メンバーそれぞれの特技を活かしたミュージカル調の楽曲が特徴。平均年齢22歳とBEYOOOOONDS内のユニットではもっとも年齢が高いので、ほかのメンバーからは、よく「お姉さんたち〜」と呼ばれています(笑)。――みなさんがハロプロに入ったきっかけを教えてください。西田まず「アイドルって楽しそうだな」と思い始めたのはアニメの『ラブライブ!』(TOKYO MXほか 第1期:2013年、第2期:2014年)を観たときです。当時小学生で、歌うことも踊ることも大好きだったので、よく姉とアニメの歌の振り付けをまねして歌っていました。小学校4年生の終わり頃、母がモーニング娘。’14さんのオーディションを見つけて、勧められたことがハロプロに入ったきっかけです。実はハロー!プロジェクトもモーニング娘。さんもほとんど知らなくて、何も知識がない状態で母に言われるがまま書類を送って。すると、なんと書類審査は通り、2次審査で落ちました!負けず嫌いだったので、オーディションに落ちたことが本当に悔しくて、毎日モーニング娘。さんの動画を見漁り、知っていくうちに好きになって「絶対ハロプロに入る!」と気持ちに火がつきました。そこからモーニング娘。′16さんのオーディションに応募し、メンバーにはなれなかったですが、ハロプロ研修生として活動していくことになりました。前田ハロプロに入るきっかけは、(モーニング娘。の元メンバー)工藤遥さんです。兄と工藤さんが幼なじみで、私も2歳の頃から仲良くしてもらっていて、工藤さんがハロプロエッグ(研修生)になったときに、ハロプロの存在を知りました。そして工藤さんがモーニング娘。さんに加入し、私もコンサートやイベントを観に行かせていただくようになり、どんどん大好きなりました。その頃私も「キラキラ輝くみなさんと一緒にステージに立ちたい」と思うようになり、何度かオーディションを受けた結果、ハロプロ研修生に加入することができました。約3年間研修生としてたくさんのことを学び、いまはBEYOOOOONDSとして活動させていただいています。小学生の頃からアイドルになるのが夢で、小学校の卒業アルバムにも「夢はハロー!プロジェクトのメンバー」と書いていました。ハロプロの一員として活動していることがいまでも夢のようです。里吉「ステージに立つ人間になりたい」と思ったのは、小さい頃にテーマパークダンサーの方のパフォーマンスを見たときです。小学校高学年の頃、ハロプロを知って、同世代の女の子がマイクを持って全力で歌って踊ってかっこいいライブをしている姿に夢中になりました。その後、ハロプロに入りたいと思ったのは、高校生のときです。進路に迷って自分の本当にやりたいことがなんなのか考えたときに、「ダンスとお芝居がしたい!」「大好きなハロプロのアイドルになりたい!」という結論に行き着いて。ちょうどそのタイミングでハロプロのグループであり、お芝居にも挑戦する新グループのオーディションが開催されることを知り、「これだ!」と直感的に感じて、オーディションを受けました。――2019年8月のメジャーデビューから3周年となりますが、当時と現在での心境の変化や違いはありますか。西田確実に違うのは、メンバーみんなのパフォーマンスのスキルです。3年間で思うように活動できない期間もありましたが、いろいろなステージを経験して、成長していったと思います。信頼感も3年間でかなり大きくなりました。メンバーの仲の良さも日々アップデートしています。みんな優しいから、私もみんなに優しくしたくて、優しいの相乗効果ができているなと(笑)。BEYOOOOONDSのためにたくさん考えてくださるスタッフさんと、優しいメンバーがいるので「みんなのためにも必ずいいステージにしたい」という気持ちが強くなりました。3年前は、がむしゃらにただ歌って踊って、時間がすぐに過ぎていってしまう感覚。でもいまは、応援してくださるみなさんの期待に応えるために、常にベストのものを届ける意識で活動しています。成長したBEYOOOOONDSがギュッと詰まったアルバム西田汐里。2003年6月7日、京都府生まれ。B型。座右の銘は「感謝の気持ちを忘れずに」。――2022年9月28日に、2ndアルバム『BEYOOOOO2NDS』をリリースされます。まずタイトルの意味や今作ができた手応えからお聞かせください。前田1stアルバムは『BEYOOOOOND1St』というタイトルで、今回2ndアルバムということで、シンプルに『BEYOOOOO2NDS』となっています(笑)。約2年10か月ぶりのアルバムということで、成長したBEYOOOOONDSがギュッと詰まった盛りだくさんなアルバムになりました。可愛い曲やかっこいい曲など、いろいろなジャンルに挑戦していたり、Interlude寸劇も収録されていたり。歌やダンスの成長だけではなく、演技力、表現力の成長も感じていただけるはず。私が初めて完成した音源を聴いたときに、改めてメンバーの成長を感じて、尊敬の気持ちがより高まりました。たくさんの方に聴いてほしいと自信を持って言える作品になっています。このアルバムを通して、より多くの方にBEYOOOOONDSのパワーが届くことを願っています。――今作は既発曲や新曲、初音源化作品を加えた13曲に、新曲にまつわる寸劇などが収録された全18曲の「DISC1」、グループ内3ユニットによる既発曲や新曲が収録された全6曲の「DISC2」という2枚組で構成されています。まずユニット曲が収録された「DISC2」からおたずねしますが、「CHICA#TETSU」の新曲は「待ち合わせは JR 梅田駅で」ですね。西田いままでは六本木、高輪ゲートウェイ、横浜と、関東の駅の楽曲を歌わせていただいていたのですが、今回は初めて関西に進出することができました(笑)! 今回も「CHICA#TETSU」の特徴である「可愛い×電車」の曲。大阪の梅田駅はとても迷いやすいと有名で、「JR梅田駅」は存在しない駅というのは、大阪に住んでいる方はみんな知っていることなのですが、今回はその架空名でのJR梅田駅で待ち合わせをするという曲になっています。少し聴くと続きも気になるストーリー性のある楽曲なので、無事に会うことはできたのか、楽しみにしながら聴いてもらいたいな(笑)。大阪ならではの歌詞や振り付けもたくさん出てくるので、大阪に住んでいる方もそうでない方にも、楽しんでもらえたらうれしいです。前田こころ。2002年6月23日、埼玉県生まれ。A型。座右の銘は「真剣勝負」。――「雨ノ森 川海」の新曲「循環」は、ユニット名にもまつわるような内容の歌詞となっていますね。前田歌詞の中に雨、森、川、海と出てきて、ついに「雨ノ森 川海」というグループ名の伏線回収をするような楽曲が来ました(笑)! 壮大かつ切ない恋物語を描いた、繊細で美しい歌詞がとても素敵なので、歌に乗せて大切に届けたいです。いままでの私たちユニットの楽曲とはまた違った雰囲気で、今回初めてミディアムバラードに挑戦しているので、新たな一面や成長を感じていただけるかなと。ほかのユニットのメンバーからも、歌もダンスもかっこいいとお墨付きをいただきました! いままでよりも少し大人のしっとりとした雰囲気も味わっていただけると思います。――「SeasoningS」の新曲「Get Back !ビニール傘の大冒険」は、ビニール傘の気持ちになれる歌詞のようですね。里吉歌詞は、人間の見ていない瞬間に自我を持って話し出すオモチャや動物のように、電車や駅に置き去りにされた傘たちが、いかにしてまた人間の元に戻れるか駅構内を大冒険するというストーリーです。とにかくコミカルで壮大なミュージカルのような1曲。曲の起承転結をしっかり演じられるように頑張っていますし、ビニール傘を使ったダンスにも注目していただきたいですね。――「DISC1」には、Interlude 寸劇「ノービヨンダ!ノーライフ」、Interlude 寸劇「こころとりかのドリームマッチ」、Interlude 寸劇「迷走委員会」と、寸劇ナンバーが収録されています。西田 「ノービヨンダ!ノーライフ」は、テレビショッピングのようなBGMから始まる、AIロボットビヨンダを中心とした寸劇です(笑)。清野桃々姫(きよのももひめ)ちゃんが、トークボックスで担当しているビヨンダに注目してください。「こころとりかのドリームマッチ」は、米派とパン派の主張が面白い寸劇。島倉りかちゃん演じる米派の女性は、こころ君に毎朝どんな朝食を用意しているのか、どんな争いになるのかも聴きどころです。里吉うたの。2000年9月22日、東京都生まれ。A型。座右の銘は「夢見ることができれば、それは実現できる」。里吉私は「迷走委員会」に参加しています。江口紗耶ちゃん演じる「幸せ笑っとけGOGO推進庁」の大臣の秘書役をしているのですが、大臣と秘書のなぜか息のあった掛け合いと、平井美葉ちゃん演じる議長、岡村美波ちゃん演じる野党党員のキャラクターの濃さにも注目してほしいですね。クスッと笑えるポイントがたくさんある寸劇になっています。――夏の全国ツアーを終え、秋からは「Hello! Project 2022 Autumn CITY CIRCUIT」が始まります。春、夏のツアーの手応えと、秋のツアーはどんなステージになるかをお聞かせください。前田これまで春、夏ツアーと初めて単独ホールツアーをやらせていただき、さらに単独日本武道館公演という大きな目標も達成し、夢がたくさん叶いました。毎公演ステージに立ち、きれいなペンライトが見えるたびに、多くの方々が来てくださっている現状にとてもビックリ。これだけ多くの方々がBEYOOOOONDSだけを観に来てくださっているということが、とてもうれしかったです。そういう一瞬ごとに改めて「BEYOOOOONDSは愛されているんだな」と感じられた幸せあふれるツアーでした。大きな夢を叶えた私たちですが、みんなもっと上を目指すぞという熱い気持ちは変わらず、その気持ちはより大きく膨らんでいて、そういう熱いところもBEYOOOOONDSの素敵なところだなと感じていて。秋ツアーでは、タイトルも「天高く、ビヨ燃ゆる秋」ということで、より熱く、パワーアップした、BEYOOOOONDSらしさ全開のショーをお見せします。どんなときもBEYOOOOONDSはみなさんの味方――お話は変わりますが、みなさんが最近ハマったものはありますか。また、休日はどのようにお過ごしですか。西田最近はマニキュアにハマっています。いままであまり興味がなかったのですが、マニキュアを塗り始めると、すごくきれいに塗れたときはうれしくて、そこから細かい作業をするのが好きかもと気づきました。休みの日は、好きなゲーム実況を見ながらのんびりパズルをして過ごしています。インドア派なのであまり外には出ないですね。前田最近は“1人〇〇”にハマっています。いままでは1人でどこかに行くことはなかったのですが、最近は1人映画、1人焼肉、1人ラーメンによく行きます(笑)。夜の人が少ない時間の映画館の雰囲気が特に好きで、とても落ち着く空間。1人なので、感想を共有できないのは少し寂しいですが、メンバーと会ったときに「この映画観たー?」などと情報交換する時間が楽しいですね。自分のペースでできるのが良いところなのですが、ご飯は誰かと一緒に食べるとより楽しいなとも思うので、メンバーとも行きたいです(笑)。休日は、お家でゆっくり録り溜めていたドラマを見たり、映画を観たり、YouTubeを見たり、愛犬とわちゃわちゃ遊んだりすることが多いですね。お家でゴロゴロしているとやっぱり眠くなってしまうのですが、お昼寝があまり好きではなく、睡魔と格闘しているときも……。里吉最近のマイブームは、ネイルです。もともとポリッシュを集めるのが好きだったのですが、今年に入ってついにセルフでジェルネイルに挑戦していて、それがすごく楽しい。細かい作業やアクセサリーなどのものづくりが好きなので、その延長線みたいな気持ちです。メンバーがネイルを褒めてくれたり、ブログに載せるとファンの方にも好評だったりするので、もっと上達できるようになりたいですね。――美容やダイエットなどで、普段から気をつけていることはありますか。西田 私はダイエットするのが苦手なので、なるべく太らないように、食べすぎた次の日は食事を控えめにするようにしています。また、リハーサルなどでずっと踊っていると太ももに筋肉がついてしまうので、それを防ぐためにストレッチ、マッサージをして着圧レギンスを履いて寝るように心がけていますね。あとはお肌のためにもきちんと睡眠をとること、ストレスをためないことを意識しています。前田まつ毛美容液を毎日欠かさず塗るようにしています。日々の積み重ねだと思うので、地道に頑張っていて、最近ちょっとまつ毛が伸びたような気がして。母に「伸びたよねー?」と言ったら、「わからない」と……めげずに地道に頑張ります(笑)。そして私は食べることを毎日の楽しみに生きているタイプで、無理な食事制限をするとストレスが溜まってしまうので、適度に食べ過ぎないよう気をつけつつも食を楽しむようにしています。食べちゃった罪悪感を抱くより、「おいしかった!」と幸せを感じて食べたほうが、吸収しにくいという話を聞いたことがあるので、それを信じています(笑)。里吉ヘアケアと美白ケアを大切にしています。トリートメントをしたり、ドライヤーにこだわったり、枕カバーをシルクに変えたり……。サラサラの長い髪はトレードマークでもあるので、いつもサラツヤでいられるように頑張っています。この夏は絶対日焼けしたくなくて、少し良い日傘を使ったり、日焼け止めはもう何本消費したかわからないくらい(笑)、暇さえあれば塗っていました。まだ日差しが強い日もあるので、継続していきます。――お気に入りのファッションやこだわりのコスメなどはありますか。西田こだわりのコスメは「オペラ リップティントN 06 PINKRED」です。メジャーデビューしたときからずっと愛用しているコスメなのですが、このリップをつけているときだけメンバーにもファンの方にも「リップ可愛いね」と褒めてもらえるんです! 色持ちもいいし、なにより褒めてもらえるのがうれしくてずっと使っています。前田もうすぐ秋ということで、大好きなジャケットの季節でとてもうれしいです(笑)。お洋服を買いに行くとついジャケットを買ってしまうので、家に帰ってからいつも「あ〜またジャケット買ってしまったぁ」となって。でもそのくらい好きで、年中無休でジャケットやジレを着ています。こだわりのコスメは、深めのカラーのリップ。こちらも1年中つけています。とくにお気に入りなのは「KATEのLIP MONSTER 05(ダークフィグ)」。使いすぎてもう3本目に。いつもコスメについての情報は、BEYOOOOONDSの美容番長、里吉うたのちゃんに聞くことが多くて、おすすめを教えてくれるので助かっています。里吉あまりお洋服のスタイルを限定しないようにと、今までガーリーなお洋服が多かったところ、最近はカジュアルなお洋服にも挑戦しています。みんなすごくオシャレなので、メンバーのファッションを参考にすることも。コスメの最近のお気に入りは、青みすぎず黄みすぎないニュートラルなカラーを選ぶことが多いですね。ずっと青みピンクが好きだったのが、苦手意識のあったブラウン等を選ぶことも増えて、またさらにメイクが楽しいです。――いろいろなお話をありがとうございました! では最後に、今後の抱負を教えてください。前田BEYOOOOONDSは優しさや愛にあふれるグループで、私はその空間がとても大好きなので、BEYOOOOONDSの輪をもっと広げていき、より多くの方々に私たちから幸せをお届けすることが目標です。日常の中で辛いこと、悲しいこと、苦しいこと、たくさんあるかもしれません。どんなときもBEYOOOOONDSはみなさんの味方なので、少しでも生きる支えになれたらうれしいですね。取材後記BEYOOOOONDSのユニット「CHICA#TETSU」から西田汐里さん、「雨ノ森 川海」から前田こころさん、「SeasoningS」から里吉うたのさんがananwebに登場してくださいました。BEYOOOOONDSというひとつのグループでありながら、キュートさもあり、ユニークさもあり、多面的にカラフルに輝いているみなさんです。そんなBEYOOOOONDSのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみりBEYOOOONDSPROFILE2018年10月に結成され、2019年8月、1stシングル「眼鏡の男の子/ニッポンノD・N・A!/Go Waist」でメジャーデビュー。「BEYOOOOONDS」は、「CHICA#TETSU」「雨ノ森 川海」「SeasoningS」という3つのユニットの合体グループとなっている。グループ名の語源は、英語のBeyond(ビヨンド)で、「〜を超えて」「〜の向こう側へ」という意味。既成の枠組みなどを超えて、自由に未来へ大きくビヨーンと伸びていってほしいという思いが込められている。2019年9月、1stシングルが日本レコード協会からゴールドディスク認定。12月、第61回日本レコード大賞「最優秀新人賞」受賞。2020年2月、第34回日本ゴールドディスク大賞「ベスト5ニュー・アーティスト」受賞。2021年3月、2ndシングル「激辛LOVE/Now Now Ningen/こんなハズジャナカッター!」をリリースし、 デビュー曲から2作連続オリコン週間ランキング初登場1位を獲得した。2022年9月28日、2ndアルバム『BEYOOOOO2NDS』をリリース。InformationNew Release『BEYOOOOO2NDS』<Disc1>BEYO盤(収録曲)01.虎視タンタ・ターン02.英雄~笑って!ショパン先輩~03.Interlude寸劇「ノービヨンダ!ノーライフ」04.Hey!ビヨンダ05.Interlude寸劇「ノービヨンダ!ノーライフ」後編06.Now Now Ningen07.涙のカスタネット08.激辛LOVE09.ハムカツ黙示録10.Interlude寸劇「こころとりかのドリームマッチ」11.Never Never know~コメ派とパン派のラブウォーズ~12.Interlude寸劇「こころとりかのドリームマッチ」後編13.ビタミンME14.フレフレ・エブリデイ15.Interlude寸劇「迷走委員会」16.GOGO大臣17.こんなハズジャナカッター!18.オンリーロンリー<Disc2>UNIT盤EPCE-770601. 待ち合わせは JR 梅田駅で(CHICA#TETSU)02. 循環(雨ノ森川海)03. Get Back !ビニール傘の大冒険(SeasoningS)04. 二年前の横浜駅西口(CHICA#TETSU)05. ヤバイ恋の刃(雨ノ森川海)06. ワタシと踊りなさい!(SeasoningS)2022年9月28日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)EPCE-7705〜6(2CD)¥3,300(税込)(初回生産限定盤)EPCE-7702〜4(2CD+Blu-ray Disc+ブックレット)¥6,600(税込)※Blu-ray Discの内容は、「虎視タンタ・ターン」を含むMV集・各ユニット曲Dance Practice Movie・メイキング映像。取材、文・かわむらあみり
2022年09月27日【音楽通信】第122回目に登場するのは、圧倒的な歌声が幅広い世代に支持されている、日本を代表するシンガー、Toshlさん!小学校の全校生徒の前で歌ったことが歌の原風景【音楽通信】vol. 122その卓越した表現力や一瞬で心をつかむハイトーンボイスなど、圧倒的な歌声が多くの人たちに支持されている、日本を代表するシンガーのToshlさん。音楽活動はもちろんのこと、絵画展を開催するなど、クリエイティブな才能を発揮し続けています。近年は多くのバラエティ番組への出演によって、お茶の間でも注目が集まり、世代を超えてファンが増加しています。そんなToshlさんが、2018年から発表している名曲カバーアルバム“IM A SINGER”シリーズの第3弾となる『IM A SINGER VOL.3』を9月28日にリリースされるということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――あらためてToshlさんの幼い頃の音楽環境から教えてください。母親がピアノ講師で、自宅でピアノ教室を開いていたものですから、小さい頃から家ではピアノの音が鳴っていました。ですが、ピアノを習ったことはなく、歌いたいがために独学でコードを練習するという環境。兄はフォークギターを弾いていたので、10歳ぐらいのときには、自分でも必然的にギターを弾きはじめるようになって。当時は、テレビの音楽番組やラジオの歌謡番組が好きで、よく観て聴いていた子どもでした。楽器を弾いたり、歌を歌いたいときは、当時はまだカラオケがない時代で、自分で伴奏をするしかなかったんです。その頃はアイドルが出ている雑誌『平凡』などを買うと、付録に歌本といわれるヒット曲の歌詞やコードが書いてあったので、知っている曲も知らない曲も、勝手に弾いて歌い始めた、というのが“自分で歌うことの始まり”だったと思います。――歌うことが楽しいと思った理由はなんだったのでしょうか。当時、バスに乗って下水処理場などを社会見学するような「学習旅行」というものがありまして、バスの中でみんなで歌うので、マイクがまわってくるんです。そのときに二葉百合子さんという、浪曲の歌手の方が発表した当時大ヒットしていた曲「岸壁の母」を歌ったんです。すると、大喝采を浴びまして。僕が女性の高い声でこぶしで歌うような曲を歌ったものですから、担任の先生がいたく感激をされて「あなたは今度、全校朝会で歌いなさい」と言われて、当時は全校生徒が1,500人ぐらいいたのですが、全校生徒の前で歌って1,500人から拍手喝采を浴びました。それから何度か、そういった機会を先生が設けてくださったので、何度も歌を歌って。「気持ちいいもんだな」「人前で歌うと拍手をもらえるんだ、歓声を受けるんだ」ということが、子ども心にすごくうれしかった。それが歌うということの原風景になっていると思います。――歌番組はもちろん、近年ではバラエティ番組にも参加されていますが、もともとバラエティ番組へ出演するきっかけはあったのでしょうか。歌を歌うことや人間関係について、行き詰まりを感じていた時期に、「新しいことにチャレンジしてみたい」と思ったことがきっかけですね。とはいえ、新しいことにチャレンジするときは不安もありましたが、まわりの信頼できるスタッフが後押しをしてくれたので、重い腰を上げて。そうすると「こういうオファーが来ています、こんな企画も」と、スタッフがバラエティへのチャレンジに誘ってくれたんです。最初は、僕がスイーツ好きだということを調べてくださった番組の方からの企画で、スイーツのロケをする番組でした。「スイーツのロケ?」と、最初はイヤイヤ参加していて(苦笑)。ですが、現場に行ったときに、スタッフのみなさんが一生懸命番組を作っていらっしゃる姿を目にして、考えが変わりました。その現場では、僕がテレビに出始めた頃と違って、カメラマンもアシスタントの方も、音声さんも音響さんも、ディレクターもプロデューサーも女性の方が多くて。スタッフの半数くらいの方が、女性という現場だったんです。その女性のスタッフの方々が汗をびっしょりかきながら、重い荷物を持って、一生懸命やってくださっているのを感じて、自分がイヤイヤそこにやらされる感いっぱいで参加しているのが恥ずかしくなって。みんなこうやっていい番組を作ろうと汗水たらしているのに、自分はなんなんだと。参加するには、みんなでいい番組を作らなくてはと反省しました。そこからですね。いまでも葛藤があるときもありますが、やると決めたら、音楽でもバラエティ番組でもなんでも、どんな仕事にしてもみんな真剣にやっているんだから、自分もそれ以上の気持ちでやらないとダメだと思って取り組んでいます。そこから始まったことが、いまの活動につながっています。――わが家の小学生の子どもも、バラエティ番組のToshlさんの歌を聴いて「あの歌のすごい人だ」と言っていますし、幅広い年代の方から反響があるのではないでしょうか。本当にうれしいですね。長い間歌ってきたなかで、いまが一番ポピュラリティーがあるとありがたく感じています。おっしゃってくださったように、子どもたちが応援してくれたり、「歌がうまいおじちゃん」と言ってくれたり(笑)、老若男女世代を超えたさまざまな方々の声はSNS等でメッセージを拝読することもあります。それが推進力にもなりますし、自分の殻を破って楽しくチャレンジしていくと、その先に必ず新しい感動があるんだな、と肌で感じていて。少しずつでも前に進んでいくこと、チャレンジすることは尊いことだなと思っています。ディズニー3部作が原点となったカバーアルバム――2022年9月28日に、カバーアルバムの大ヒット企画「IM A SINGER」シリーズの第3弾『IM A SINGER VOL.3』をリリースされます。前作から3年ぶりのタイミングとなりますね。いままで1年に1枚カバーアルバムを出してきたのですが、コロナ禍になりまして、全世界的に閉塞して萎縮する事態に直面して、一度アルバムの制作を延期にしていて。やっと第3弾が完成しました。歌いたいのに歌えない、届けたいのに届けられない、声を出したいのに出せないとなると、気持ちがヒリヒリしましたが、逆に、歌を歌うようになって以来一番「歌いたいんだ」という思いが湧き上がってきました。じゃあ、この状況のなかで歌うようにするには、どうしたらいいかとなったときに、今しかできないこと、今だからこそやりたいことを考えました。まず、最初に、キャンセルで空きが出ていた大きなコンサートホールをお借りして、たったひとりだけのお客さまの前で歌を歌うコンサートを開催する企画をしました。僕がお客さまになったら、たったひとりでコンサートホールを独り占めにして、推しのアーティストの歌をじっくり聴いてみたいですから。こんなこと、今しかできないな、と思いつきました。また、自粛ムードであらゆる仕事などもキャンセルとなり外出も憚れるような時期はひたすら絵を描いて、金沢21世紀美術館で美術展を、人数を制限させていただきながら開催させていただきました。どんな逆境でも匍匐前進して、運命を切り開いてやると決め、「プロジェクト運命」と名づけて、関係者の方々のご協力やファンのみなさんの心強い応援もいただきながら表現活動を続けることができました。深く感謝しています。そして今回、『IM A SINGER VOL.3』を届けることができてうれしいです。――今作には、ディズニー3部作が収録されていますね。音楽番組『題名のない音楽会』(テレビ朝日系 土曜午前10時)で披露され、同番組の司会者で俳優の石丸幹二さんとのデュエット曲「美女と野獣」、「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」、新たにカバーされた「スピーチレス~心の声」。ディズニーの名曲を歌いたいお気持ちが強かったそうですね。今回のアルバムに収録したい曲、歌いたい曲はたくさんあって当初悩みましたが、まずはやっぱりディズニーの曲が歌いたいと強く思いました。レコード会社の方がディズニーさんに打診してくださって、3曲歌ってもいいですよ、と言っていただいて。「3曲も歌っていいの!?」となって(笑)、厳選したのが今回の3曲です。今作は、ディズニーの音楽が、最初のスタート地点。世界中で多くの方が知っている楽曲であるということと、自分が感動した音楽であること、映画ももちろん素晴らしいということ。一番思い出深い曲は、「美女と野獣」なんです。24歳の時に、アメリカのロサンゼルスに渡って暮らしていたことがありました。その頃、ロサンゼルスのダウンタウンというエリアで、「ビューティー・アンド・ザ・ビースト」というミュージカルが公開されて。さっそく観劇したところ、ものすごく感激しまして、その後も何度も劇場に通いました。その帰り道に、ロサンゼルスのハリウッドにあるタワーレコードでミュージカルのサントラのCDも買って。その舞台で披露される英語が聞き取れるようになり、歌えるようになりたい、ということろから、自分の挑戦が始まりました。サントラを聴き込んでいましたね。さまざまな困難や葛藤の中でも、一生懸命やっていた青春の思い出もあり、ストーリーからは勇気や感動をもらって、背中を押してくれたあるいはなぐさめてくれた曲でもあって。ディズニーの中で一番好きな曲ですし、ディズニーのプリンセスの中では、(美女と野獣のヒロイン)ベルが一番憧れの女性でもあります。――石丸幹二さんとの「美女と野獣」のデュエットはいかがでしたか。石丸さんは日本でのミュージカル『美女と野獣』で、当時劇団四季にいらして、実際にビースト役を演じられた方。今回も楽しくデュエットさせていただきました。前作「VOL.2」のときに、キャッツの「メモリー」という曲を歌っていて、NHKの番組で披露するときに初めて石丸さんと出会ってデュエットさせていただいたことがありました。同年代で同郷ということでも盛り上がって、その際石丸さんが司会をなさっている「『題名のない音楽会』に出させてください」と自分からアピールしたところ、番組に何度も呼んでくださいました。また、石丸さんのラジオ番組に1か月間にわたりゲストとして招いていただき、ご縁が深くなって。石丸さんはアドバイスや心のうちを語ってくださるなど、プライベートなお話をさせていただくなかで、とても共鳴し、ともに高め合えるような関係となりました。今回デュエットで歌うときに、やはり石丸さんに歌っていただきたいと心よりお願いさせていただきました。――VOL.1と2では、男性曲と女性曲のカバーでしたが、今回VOL.3ではすべて女性シンガーのカバー曲です。選曲の決め手はどのようなものでしたか。選曲するときに、歌いたい曲ばかりで収集がつかなくなるんですよね。ただ、今回は最初に選んだディズニーの3曲が全部女性アーティストの曲だったので、まず女性の楽曲であることをカテゴリーにしようと選んでいきました。歌ってみたい曲、感銘を受けた曲などを自分で厳選していきまして、今回のラインナップになりました。絞るのが大変だったんですが、素敵な曲をみなさん歌ってもいいよ、と許可くださったので、ありがたかったですね。――カバー曲の一方で、今回はToshlさんの美しく切ないオリジナル楽曲「葉ざくら」も収録されていますが、どのようなシチュエーションで生まれた曲ですか。レコーディングを半年ほど、長い期間をかけて進めてきた間に、アレンジャーやレコード会社のスタッフの方など、みんなとコミュニケーションを取る時間を大事にしていて。僕が必ずスイーツを買っていって、レコーディング中に「モグモグタイム」と名付けて、いろいろな会話をするようにしました。そこでインスピレーションを受けて書こうと思ったのが、「葉ざくら」ともうひとつのオリジナル曲「しあわせになるんだよ」です。「葉ざくら」は、アレンジを担当してくれた川口大輔さんのプライベートスタジオでのモグモグタイムの際、遺影が飾られていたことに気づきました。「お父さまですか?」というお話から「そうなんです、こういう父でこうだった」という思い出のお話を拝聴した際、レコード会社のスタッフの方も加わって、他界した自分の父のことも思い出しながら切なくなりながら話して。一緒にいま作ってくれている大切なスタッフの思いも込めた楽曲を書きたい、そうすれば僕だけではなく、みんなの曲になるからという思いから作った曲です。「にゃんたろう」というワンちゃんを飼っているんですが、桜並木を一緒に散歩するのが好きで。その頃はちょうど桜の花が蕾から徐々に咲いて、やがて満開になり、そして散っていく桜の季節でした。葉ざくらになった頃、太い樹の幹からも、可憐な花が咲いていて、その周囲に新しい小さな芽が出ているのを見つけたんです。時の流れとともに、親から子へ、そして孫へ、さらにその先へ、連綿と続いてく命の連鎖を感じて、にゃんたろうを抱きながら何か「じ〜ん」とする感覚がありました。そこから「葉ざくら」のアイデアが生まれました。――オリジナル曲「しあわせになるんだよ」は、以前、ニンゲン観察バラエティ『モニタリング』(TBS系 毎週木曜午後8時)の企画で林家たい平さんとのコラボレーション曲としても披露されたウエディングソングですよね。そうなんです、番組のオーディション企画でたい平さんを選ばせていただきました。ふたりで歌わせていただく場合、どういうシチュエーションがいいかなと考えると、自分が好きなモニタリングはサプライズで結婚式をするとか、プロポーズするとか、新曲を披露するなら感動的なものがいいなと。たい平さんは娘さんがいらっしゃることも知り、そこで、娘さんへの思いをスタッフ複数人からもうかがって、父親になるとこういう気持ちになるんだなという思いと、自分の想いも重ね合わせ、親子の想いを書きました。――今回、カバー曲とオリジナル曲の両方を収録されていますが、歌唱する際はカバー曲よりもオリジナル曲のほうが歌いやすいなどの違いは感じるものでしょうか。歌いやすい曲というのはありません。カバーをさせていただくというのは、とてもプレッシャーがあります。本番のボーカルレコーディングの前に自分のスタジオでも練習レコーディングして、プリレコーディングを重ねています。カバー曲は、その楽曲自体や、その楽曲を歌われている歌手の方や、その楽曲のファンのみなさまになるべく失礼のないように準備をする、というのが礼儀だと思っています。楽曲を研究し、探求し、練習し、リスペクトを持って歌わせていただくために、しっかり準備をしてからレコーディングに臨みます。楽曲に対して心身を削るように深く取り組めば取り組むほど、自分へ返ってくるものも深くなるような気がしていて、それが自分の表現を進化、深化させてくれる大切なエレメントとなっているのかなとも思っています。挑戦を続け、日々何かを感じる心を大切に育む――お話は変わりますが、普段のご様子も教えてください。曲作りのお話の際もお名前が出ておりましたが、愛犬のにゃんたろうちゃんはインスタグラムにもときどき登場しますね。縁があって僕のところに来てくれて4年ぐらい経ちますが、にゃんたろうには、いつも救われています。――ワンちゃんですが、「にゃんたろう」というお名前なのですね?ニャンちゃんも好きなんですが、ワンちゃんなので(笑)。それから、にゃんたろうは「ワン」とは鳴かなくて、たまに鳴くときは「ぶ〜」と鳴きます。背中の模様だけ見ていると、ニャンちゃんにも見えるときがあります。「なんかどっちつかずだな、おまえ、犬なのか猫なのかはっきりせい!」というところからも「にゃんたろう」と名付けました(笑)。歌を歌ったり、絵を描いたり、日々クリエイティブなことをすると精神的にも肉体的にも疲弊することが多くて。そんなときに、にゃんたろうとの時間は、僕にとっての癒しであり、「にゃんくんのためにも頑張ろう!」と思えるかけがえのないパートナーです。――オリジナル曲「しあわせになるんだよ」に、「チワワの刺繍」という歌詞も出てきますよね。そうなんです、入れておきました(笑)。――音楽活動以外では、絵画展を開催されるほど絵を極めていらっしゃいますが、ご趣味というと絵のほかには、スイーツ作りでしょうか。最近はなかなかスイーツ作りができないんです。やるとすれば、料理は餃子を焼くぐらいはしますね(笑)。趣味とは言えないかもですが、絵をずっと描き続けています。先日も、何か月もかけて100号のキャンバス10枚を使用した大作の絵を完成させました。実は、数年前から山形県内に新しく建造する音楽ホールのプロデュースをさせていただいて、その会場の入り口正面に飾る絵を描かせていただきました。音楽ホールを作るという大きなプロジェクトに関わらせていただいたので、音響や音楽ホールの建築の勉強もして、プロデュースもさせていただきました。これも僕の新たな挑戦でもありました。自分でプロデュースしたコンサートホールでコンサートができることも夢のような話で、今からワクワクしています。ananwebの読者の方は女性が多いと思うので、みなさんもご興味があるかもしれませんが、実は僕、化粧品の研究をしています(笑)。これも趣味と言えるかわかりませんが、お肌のトラブルで悩んでいた時期もあり、とても興味があって。たとえばコンサートグッズなども、デザインなども含めなるべく全部自分で作るようにしています。音楽も絵もグッズなども創作作品という意味で同じだと思っていて、すべて自分でやれるところはやりたい。祖父が畳職人だったせいか、職人気質が好きで、何事にも自分の心を宿したいという気持ちがあって、それはお肌に対しても同じ。――すごくお肌がきれいですね。ありがとうございます。数年前から、「どういうものがどうお肌にきくのかな?」と、いろいろと試行錯誤しています。自分でいいものを作れないかな? と、化粧水や乳液、美容液について専門家の方にもお話をうかがったり、調べたりしています。歌でもアートでもグッズでも化粧品でも、なんでも、結局、みなさんが喜んでくださるようなものを創り出すことが楽しくて嬉しいし、それが自分の喜びなんです。――襟元のカメオも素敵ですが、こだわりがあるんでしょうか。8年ほど前に茶道を始めて、人に対するおもてなしの心や所作を学ばせていただいています。人になるべく嫌な思いをさせないよう、相手に対しての敬意が大事。身なりや立ち居振る舞いなどはできる限り、失礼のないように心掛けています。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。今回、ひとつのアルバムという作品が生まれました。たとえば『題名のない音楽会』で石丸さんと一緒に歌わせていただいた様子が先日オンエアされましたが、アルバムのレコーディングを経て、また新たに歌った「美女と野獣」は、自分の中でなんとなく成長しているようにも感じます。そうやって経験するたびに日々アップデートしてくのは、音楽も絵も、また、人との関わりもそう。ですから、常に挑戦を続けていくことにはゴールがないんですよね。日々、新しい何かに気づけたり出会えたりすることがあるので、そういう新鮮な感動を感じる心をこれからも大切に丁寧に育んでいきたいです。ananさんに出るのは30年ぶりぐらいなので、また出していただけるようにもっともっと張り切ってがんばります。取材後記ロックからポップスまで、多彩な楽曲で表情豊かに歌声を聴かせてくださるToshlさん。撮影では白いスーツを華麗に着こなし、さまざまなポーズをとってくださり、インタビューではひとつずつ真摯にお応えくださいました。圧巻の歌声は、新作でもたっぷり堪能することができます。そんなToshlさんのカバーアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・山本嵩取材、文・かわむらあみりToshlPROFILE2010年より本格的に「Toshl」名義での活動をスタート。聴き手の心をとらえて話さない圧倒的なボーカルで、名実ともに日本を代表するシンガーとして不動の地位を確立。2018年には20年ぶりのメジャーレーベル作品となる初のカバーアルバム『IM A SINGER』を全世界リリース。続編に期待する多くのファンの声に応えてリリースした、2019年のカバーアルバム第2弾『IM A SINGER VOL.2』は瞬く間にヒット。2020年には日本テレビ系ドラマ『ギルティ~この恋は罪ですか?~』主題歌「BE ALL RIGHT」を配信限定でリリースした。2022年9月、人気のカバーアルバム第3弾『IM A SINGER VOL.3』をリリース。また、2018年からは「龍玄とし」名義により表現活動において絵を描くことにも注力し、全国各地での個展を成功させた。音楽活動はもとより、バラエティ番組などへの出演により、マルチな才能を発揮。老若男女、世代を超えた新たなファン層が増え続けている。InformationNew Release『IM A SINGER VOL.3』(収録曲)01.タマシイレボリューション(Superfly)02.イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに03.美女と野獣※石丸幹二とデュエット04.三日月(絢香)05.難破船(中森明菜)06.葉ざくら(オリジナル曲)07.Hero(安室奈美恵)08.桃色吐息(高橋真梨子)09.スピーチレス~心の声10.You raise me up(ケルティックウーマン)11.しあわせになるんだよ(オリジナル曲)2022年9月28日発売*収録曲は全形態共通。*全形態ともに初回プレス分のみ封入特典あり。先着で特製トレカ(5種のうち1枚ランダム封入)付き、無くなり次第終了。(通常盤)TYCT-69244(CD)¥3,300(税込)(初回限定盤)TYCT-69243(CD+DVD)¥5,500 (税込)【DVD収録内容】「葉ざくら」MUSIC VIDEO /「葉ざくら」MUSIC VIDEO Making & Short Interview / Toshl SELF LINER NOTES OF “IM A SINGER VOL.3”/「葉ざくら」(弾き語り Live) /「桃色吐息」(弾き語り Live)/「しあわせになるんだよ」(弾き語り Live)写真・山本嵩 取材、文・かわむらあみり
2022年09月27日【音楽通信】第121回目に登場するのは、でんぱ組.incやももいろクローバーZへの楽曲提供や、ほかのアーティストとのコラボでも話題の弾き語りトラックメイカーアイドル、眉村ちあきさん!ライブの対バン相手により音楽に興味が湧く【音楽通信】vol.1212019年より“弾き語りトラックメイカーアイドル”として活動している、眉村ちあきさん。自身の音楽活動はもちろんのこと、でんぱ組.incやももいろクローバーZへの楽曲提供や、他アーティストとのコラボレーション曲を発表するなど、多彩な才能を発揮しています。そんな眉村さんが、2022年7月7日に初のEPをリリース。さらに、10月30日には、東京・LINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブを控えているということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――幼少時に音楽にふれたきっかけから教えてください。父が沖縄出身なので、家ではいつも沖縄民謡や沖縄のラジオが流れていました。でも、小さい頃に音楽に興味を持つことはなく、気になるようになったのは高校3年生から。K-POPが流行りだして、クラスのみんなで聴いたり踊ったりしていた普通のJKとして過ごしていました(笑)。そんななかで、テレビに出ているアーティストの方の歌を聴いて「これぐらいだったらわたしも歌えそう」と、なぜか自分でも歌える気がして。高校を卒業してから、縁あってアイドルグループに入ってライブ活動をするようになりました。ライブをするうちに対バン相手の音楽を細かく聴くようになっていって、「こういうジャンルがあるんだな」といろいろな音楽に興味を持ちはじめたので、ちゃんと音楽を聴きはじめたのは高校を卒業してからだといえますね。――いまは弾き語りトラックメイカーアイドルとしてご活躍中ですが、もともとご自身で楽器を始めたのはいつ頃だったのでしょうか。アイドルのときは歌だけに集中していたので、ギターを始めたのは20歳ぐらいからです。ソロになって最初の頃は、打ち込みのトラックメイクから始めて、遊ぶように音楽を作っていました。曲ができるとひとりでライブをするようになって、グループと違ってひとりだと何をしたらいいのかわからないから、楽器でも始めようかと。――もともと人前に出ることがお好きだったのでしょうか。そうですね、目立つことが好きかもしれないですね。保育園のときのお遊戯会では、客席にいる保護者たちの前に登場して、ひとりで歌う役をやって「なんて気持ちいいんだろう」と思っていました。親の会社の忘年会で、小学生のときからマイクを持って「みんな聞いてー!」とMCをしたことも(笑)。学校で合唱するときは、他の子のパートにつられて音程がはずれてしまう子もたまにいましたが、「なんでつられてるの?」と内心思っていましたね。大勢よりも、ひとりで歌ったほうが楽だなって。でも、高校生時代の自分のカラオケ動画を観ると、いまよりすごく下手なんです。だから、自分で歌がうまいと思って歌っているイタい人なんですが(笑)、自信だけはずっとありました。――2019年にデビューされましたが、節目の3年を超え、現在4年目を迎えられて心境はいかがですか。曲を作るうえで、気持ちいいものをひたすら求める、というスタンスはデビュー当時から何も変わっていません。でも、パフォーマンス面においては、まったく意識が違いますね。ブレスをマイクに入れるか入れないか、ひと息にも集中するようになりましたし、ライブの本番前に何を飲むか気をつけるようにもなりました。ひとつのライブに対しての意識が全然違いますね。事前に対バン相手にまつわるものを調べて、イントロで音に組み込んだら向こうのお客さんがうれしいんじゃないかとか、おもてなしの心が芽生えて。どうやったらもっと楽しんでもらえるかを以前の百倍ぐらい考えるようになりました。わたしの歌は1年前より百倍うまくなった――2022年7月7日にEP『マルコッパ達』を配信されました。現在放送中のTVアニメ『ちみも』(テレビ東京系 毎週木曜 深夜1時30分)の主題歌「マルコッパ」も収録されていますね。お話をいただいてから、初めてアニメのオープニング曲を書き下ろしました。アニメの曲といえば、有名な「おどるポンポコリン」が思い浮かぶんですが、0歳から100歳まで歌えるような、一度聴いたら忘れられないようなこの曲を超えたいなと。キャッチーな曲を作るのは得意なので、自分のなかのキャッチーさを全部「マルコッパ」に込めました。――2曲目の「レイニーデイ」は、ご自身でも歌うのが難しかったそうですね。ピッチを当てるのが難しいメロディを作ってしまったんです(笑)。たとえば「イエーーーイ!」と大きい声を伸ばし続けるのは、わたしとしては簡単なんですが、小さい声で細かく歌うのは音がズレやすいから難しくて、集中しないと歌えない。でも一見、小さい声より、大きい声で「イエーーーイ!」と歌う人のほうが声が出ていてうまいと思われやすいんですよね。本当はわたしもそっち派なんですが(笑)、それは簡単にできるから、今回は難しいメロディを歌うというのが新鮮でした。――EPの収録曲として、急きょ作った楽曲なんですか?いえ、EP用に作ったわけではなかったんですが、偶然EPの制作時期にできました。曲はいつも作りたくなったら作る感じなんです。この曲は、雨の日に聴けるような、気分が上がるような曲がほしいなと思って作って。それも友人の(歌手の)南波志帆ちゃんとご飯を食べているときに、ふと曲のイメージが浮かびました。彼女に「どんな顔がタイプなの?」と聞かれて、「目がギョロギョロしている人がスキ」と答えたら、「ああ〜後ろから後頭部をポンって叩いたら、ポロって落ちちゃうくらいに目が出てる人ね」と言われて。もしも本当にポンと叩いて両目が落ちて、その目玉がふたりで旅をしたらどうなるんだろう……ということを考えていたら、そこからこの曲ができたので、実はこの曲は目玉の旅の歌なんです(笑)。――目玉らしき言葉は歌詞に出てきませんが(笑)、お友達と食事中にフッと湧き出たイメージから曲ができたんですね。はい。だから、南波志帆ちゃんに、ありがとうって思っています。――ご本人もうれしいんじゃないですか、ふたりの会話から曲ができたこと。いえ、まだリリースしたことも言っていません(笑)。自分でも「そんなところから?」というところからイメージが湧くので、そんなときはすぐ「曲を作らなきゃ!」という気持ちになります。――3曲目は旧友という、音楽プロデューサーのTACOS BEATSさんと共作された「浜で聴くチューン」ですね。この曲は、TACOS BEATSさんのスタジオに遊びに行ったときにできた曲です。お茶やお菓子を持ってパーティをするつもりで行ったら、「ちょうどいま作ってるビート」と曲を聴かせてくれて、「じゃあメロディ入れていい?」と返してすぐ作りました。TACOS BEATSさんは、わたしが全然作らないベクトルの音楽を作っているので、新鮮です。わたしは歌詞とメロディをすぐ作ってしまうんですが、「あとはここの部分作ってね」と言うと「ちょっと時間ちょうだい」と言われて。翌週、スタジオに遊びに行ったら、曲が完成していました。――アーティストの方によって、曲作りのペースは違うこともありますよね。TACOS BEATSさんは、ビートはすぐに作ることができる方なんですが、わたしはビート作りに時間がかかるんです。人には人のやり方があるなと思いつつ、共作はすごく楽しかったですね。TACOS BEATSさんは、わたしがアイドルグループをやめてからやった、1回目か2回目のソロライブのときのPAさんだったんです。そこで仲良くなって、「眉村ちゃんはもっと曲をたくさん作ったら売れるよ」と言ってくれていて。まだ持ち曲が4曲ぐらいしかなく、お客さんもゼロのときでしたが、その言葉をモチベーションにして家に帰って曲を作る日々でした。トラックメイカーでもあるTACOS BEATSさんがプロデュースしていたアイドルグループと対バンしたのですが、彼の作った曲を彼女たちは歌っていて。いつかTACOS BEATSさんのようなトラックメイカーになりたい、いつか共演できるようにがんばると言っていたので、まさか一緒に曲を作る日がくるとは。いまは友達のように遊んでくれていますが、共作がリリースされることは、お父さんのように喜んでくれています(笑)。――ほかの方とのタッグという意味では、今年2月に発売されたアルバム『ima』ではシンガーソングライター堂島孝平さんとのコラボ曲がありましたし、堂島さんの8月発売のアルバムにも新コラボ曲「てんてん」が収録されていますよね。はい。堂島さんは、びっくりするぐらい考え方もすべてが似ていて、まるで自分としゃべっている感覚になるぐらいです(笑)。同じというのも恐縮ですが、メロディラインの作り方やライブのパフォーマンスにおいても、共感できるといいますか。もし同世代だったら、絶対負けないぞと火花がバチバチだったかもしれません。だから、実際には世代も違ってちょうどいいところが、仲良しの秘訣かも(笑)。でも、ステージの堂島さんしか知らないんです。プライベートの話は一度も聞いたことがないので、もしも一緒にご飯に行って、「あれ? 違うんだけど」となるのも怖いので、これ以上は深堀りしません(笑)。――いまが絶妙な距離感なんですね。コラボといえば、日米ロックユニットのザ・リーサルウェポンズと眉村さんのコラボ曲「サムライディスコ feat.眉村ちあき」も9月28日にリリースされます。この曲は演歌なんですよ。レコーディング当日に「演歌っぽく歌ってみて」と突然言われて、「え?演歌は聴いてきてない」と(笑)。ふたりの理想の形になるよう苦労しましたが、新しいジャンルを作ろうとしているその姿勢に刺激を受けました。――コラボ以外にも、でんぱ組.incとももクロのニューアルバムに楽曲提供されていますね。もともと相手の要望を聞くということができないタイプだったんですが(笑)、この2年ぐらいで映画の挿入歌や番組のテーマ曲を担当させていただく機会があって、相手の求めているものを作りながら自分の色を出す、というやり方を覚えて。今回、その経験をでんぱちゃんとももクロちゃんの2組に生かすことができました。2組とも女の子グループですし、わたしにしかできない歌詞に仕上げてもわかってくれるかなと。2組とも、取材などで歌詞について「すごくわかる」と言ってくれているので、こちらの気持ちが伝わっていてうれしいです。――2022年10月30日には、東京・LINE CUBE SHIBUYAでバンド形態のワンマンライブ「眉村ちあきの音楽隊 – Episode 2 -」を開催されますね。昨年2021年9月の東京・中野サンプラザの「- Episode 1 -」公演を経ての今回となります、どのようなステージになりそうですか。今回も音楽隊のメンバーは同じで、この1年で増えた新曲をこのバンドで披露します。わたしがレベルアップしたぶんだけ、レベルアップした曲をみなさんに聴いていただけますし、リハーサルで細かい部分まで指摘できるのも楽しみですし。音のひとつひとつにまで耳を研ぎ澄ませられるようになっていて、1年前よりも鋭い音を目指せる気がします。なんといっても、フロントマンとしてのわたしの歌が1年前より百倍うまくなっていますし、見せ方の意識も全然違うので、ぜひ期待して観に来てほしいですね。ライブを観たら悩みがなくなったと思わせたい――オフの日はどんなふうに過ごしていますか。最近“ひとりではしご酒”にハマっています。ひとりでお店に行っても、コロナ禍だから全然しゃべらないですし、隣の人もしゃべりかけてこないからちょうどいいんですよ。「ひとりはしご酒女」とキーワードで検索してYouTubeを見て、「この子が行っているこの店おいしそう」とそのお店に行ったり。もともとお酒に強くないですが、ひとり酒は楽しいです。――もともとのご趣味はなんですか。宝塚が好きで舞台をよく観に行きました。家でも真似してセリフを言っていたんですが、最近好きな子が辞めてしまって……。宝塚のほかにも、『鬼滅の刃』などの2.5次元ミュージカルや、劇団四季の『バケモノの子』も観ました。ステージの端から端まで観て、「この役者さんはすごく歌がいいな」と思ったら、帰ってから調べるという楽しみ方もあります。もともとパーティといいますか、みんなで歌って踊ってという状況が好きなんです。わたしもいつかステージでは、コーラスや楽器隊を後ろにたくさん従えて、グルグル回転する舞台装置も使ってみたいですね。――美容面は普段どうされていますか。とくにライブ前にはよく走ります。ステージの体力作りという面と、血行がよくなることで代謝がよくなり肌もキレイになるから。さらに、最近は配信もあるので、アップになったときになるべくみなさんに、肌がキレイでカワイイと思ってもらいたいんですよね。普段の食事内容もなんとなく気をつけてはいますが、ananwebを読んでいる美容に詳しい方からすると、たいしてタメになるようなことはないかも(笑)。朝ごはんはもりもり食べて、夜ごはんは少なめです。コロナ禍から自炊を始めましたが、朝ごはんは定食ぐらい品数をたくさん作って、自炊を楽しんでいますね。夜にお酒を飲むときは、おつまみをちょっと食べるだけにして、なるべく食べないようにがんばっています。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。いつか矢沢永吉さんのように、ドンと構えて、何を言っても人の心に響くような説得力がある人間になりたいですね。そのためにも、時には傷つくことや、人を憎むようなことがあってもいいと思いますし、いろいろな経験がしたいなと。歌詞に説得力をもたらすような人生を送りたいですし、説得力のある歌を歌えるようになりたい。「眉村ちあきのライブを観たら悩みなんてどっかいっちゃった」と思わせるぐらい、海のような大きな人間になりたいです。取材後記トラックメイカーアイドルとして表舞台で活動しながら、自身のオフィスである「(株)会社じゃないもん」の代表取締役社長を務め、ほかのアイドルの方への楽曲提供も手がけるなど、マルチな才能を持つ眉村ちあきさん。ananwebの取材では、ニコニコとほがらかな笑顔と不思議な世界観で、惹きつけてくださいました。そんな眉村さんのEPとワンマンライブをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・北尾渉取材、文・かわむらあみり眉村ちあきPROFILE東京都出身。弾き語りトラックメイカーアイドル。アイドルであり、作詞、作曲、編曲、トラックメイクまでを自ら行う。アイドルグループとして活動後、2016年2月より、眉村ちあき名義でソロ活動をスタート。2019年1月、インディーズでのベストアルバム『ぎっしり歯ぐき』をリリース。2019年5月、メジャー1stアルバム『めじゃめじゃもんじゃ』でデビュー。2022年2月、4thアルバム『ima』をリリース。7月、EP『マルコッパ達』をリリース。10月30日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにてバンド形態のワンマンライブ「眉村ちあきの音 楽隊 – Episode 2 -」を開催する。InformationNew Release『マルコッパ達』(収録曲)01.マルコッパ02.レイニーデイ03.浜で聴くチューン(眉村ちあき&TACOS BEATS)2022年7月7日発売写真・北尾渉 取材、文・かわむらあみり
2022年09月19日叶 匠壽庵の新ブランド「あもや」が、2022年9月20日(火)に伊勢丹新宿店にオープンする。叶 匠壽庵の銘菓「あも」滋賀県発祥の「叶 匠壽庵」は、やわらかなおもちを小豆でくるりと巻いた「あも」を看板商品に持つ和菓子店。一釜一釜職人が粒をつぶさぬよう丹精込めて炊いた甘さ控えめの「丹波大納言小豆」のつぶ餡と、とろけるような求肥のコンビネーションで、多くのファンから支持を集めている。「あも」に特化した新ブランド誕生へ今回そんな「叶 匠壽庵」の代表銘菓あもに特化した新ブランド「あもや」が誕生。スタンダードな「あも」「あも(こしあん)」に加え、通常店舗では季節限定で販売している「あも(蓬)」「あも(栗)」、さらに販売を休止していた“幻のフレーバー”「あも(くるみ)」も復活させた全5種類をそろえる。なお「あも(くるみ)」の販売は、2022年12月下旬までを予定。大切な人への手土産としてもおすすめなので、是非店頭へ足を運んでみてはいかがだろう。【詳細】「叶 匠壽庵 あもや」オープンオープン日:2022年9月20日(火)10:00~場所:伊勢丹新宿店本館地下1階 甘の味住所:東京都新宿区新宿3-14-1アイテム:・あも/あも(こしあん) 各1,296円・あも(蓬)/(栗)/(くるみ) 各1,404円日持ち:全種類共通 製造日より26日※くるみの販売は12月下旬まで※叶 匠壽庵通常店舗で販売のあも以外の和菓子は、取扱なし。(季節限定商品を除く)【問い合わせ先】TEL:03-3352-1111(大代表)
2022年09月19日【音楽通信】第120回目に登場するのは、高らかに愛を歌う「魔法の絨毯」でも知られる、シンガーソングライターの川崎鷹也さん!高校3年生の文化祭がきっかけで音楽の道を志す【音楽通信】vol.1202018年から、シンガーソングライターとして本格的に音楽活動をスタートさせた、川崎鷹也さん。2020年には、TikTokから楽曲「魔法の絨毯」が大ヒットして人気に火がつき、テレビ出演なども増加しました。2021年には、作詞家の松本隆さんのトリビュートアルバム『風街に連れてって!』に参加し、松本さんからは「君は最高だね、君は一生大丈夫だよ」と川崎さんの歌声を絶賛。そんな川崎さんが、2022年9月14日に、カバーEP『白』をリリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。――幼少時に音楽にふれたきっかけからお聞かせください。地元の栃木で、父親がライブバーを経営していたので、幼い頃からいつも身近に音楽がありました。ただ、親父はプレイヤーではないので、音楽をするようにすすめてくることもなく、とくに幼少期から音楽が大好きで歌手になりたかったわけではなかったですね。――では、いつ頃から音楽の道を志すようになりましたか。高校3年生の文化祭で、同級生でいまはマネージャーとなった親友と一緒に、歌を歌ったんです。そのとき大きいステージで歌を披露して、「もっとたくさんの人たちに歌を届けたい」と感じたことがきっかけで、音楽の道を目指すことになりました。それから上京して、音楽の専門学校に入学し、ギターで曲作りを始めて。上京するまでの10代の思春期の頃は、玉置浩二さん、清水翔太さん、高橋優さん、秦基博さん、ゆずさん……と、J-POPの第一線を走っている男性アーティストの方々の曲や、女性アーティストだとSuperflyさん、AIさんの曲を聴いていましたね。――2020年に「魔法の絨毯」がTikTokを起点にバイラルヒットし注目を集めました。音楽活動のターニングポイントとなった曲でもあると思うのですが、この曲のリリース前と後、そして現在と心境の変化はありましたか。やっぱり「魔法の絨毯」を聴いていただくようになる前と後では、聴いてくださる方の数も環境も変わりました。ただ、作りたい音楽やステージに向かう気持ちという面では、昔から何も変わっていないです。いつも第一に書きたいのは、何気ない日々やなんでもない毎日をいかに愛せるか、というところですね。――川崎さんは楽曲提供もされていて、韓国の5人組男性アイドルグループ「TOMORROW X TOGETHER」の8月にリリースされた日本3rdシングル「GOOD BOY GONE BAD」の収録曲「ひとりの夜(Hitori no Yoru)」を書き下ろされたそうですね。たまたまお声をかけていただいて、楽曲提供をさせていただきました。「TOMORROW X TOGETHERさんに歌っていただくなら、どんな曲がいいかな?」と向き合って書き上げた曲。愛することの切なさや深みを歌っていただければ、と作ったバラードになっています。想い出をつなぐ5曲を厳選したカバーEP――2022年9月14日に、カバーEP『白』をリリースされました。音楽プロデューサーの武部聡志さんがアルバム全曲のアレンジを担当されていますが、今回のEPのコンセプトやタイトルに込めた想いから教えてください。『白』というタイトルは、自分だけのパレットに色をつけていこう、という意味合いをこめています。これまで出会った方々から、そしてステージに立って勉強になったことや得られるものがあるなかで、「自分の色はいろいろな人との出会いで成り立っているな」ということを自負していて。このカバーEPに収録している5曲は、僕の思い出をつなぐ5曲を選ばせていただいているのですが、きっと聴いてくださる方々にもそれぞれの曲に想い出があるはず。だから、聴いた方々がそれぞれに色をつけていただいたらいいな、ということから『白』というタイトルにしました。武部さんは、これまでも番組出演やライブのステージでご一緒させていただく機会がとても多くて。今回、アレンジャーを入れて、僕はシンガーに徹して楽曲を表現したいという思いがありました。武部さんと音楽を作るということは、背筋を伸ばして襟を正しながら、真摯にあらためて音楽に向き合えることでもあります。今回のカバーEPを武部さんにアレンジしていただいたらうれしいな、とダメ元でお願いさせていただくと、快く受け入れていただきました。武部さんと一緒に制作させていただけて、すごく楽しかったです。――1曲目「愛燦燦」は、美空ひばりさんの名曲です。川崎さんのおばあさまがお好きな曲だそうですね。自分が家族を持って、子どもも生まれて、でもコロナ禍になってなかなか実家に帰ることができない日々が続きました。そんなときに、おじいちゃんやおばあちゃんと、あと何回一緒にご飯を食べられるだろうかとふと思うことがあって。それは僕だけでなく、みなさんも感じることがあるかもしれませんが、このカバーEPを作るとなったときに、「おばあちゃんに向けて作りたい」という気持ちが大前提として芽生えていました。幼少期の記憶として、おばあちゃんが美空ひばりさんの「愛燦燦」が好きだったことを覚えていたので、おばあちゃんに向けて、歌いました。――すでにおばあさまは川崎さんの「愛燦燦」を聴かれましたか?聴いたようです、僕の家族は聴いたかどうかはわかりませんが(笑)。あんまり自分の音楽のことを家族に言わないので……照れくさいのもありますが、とくに言わなくても伝わるものがあると思うので、音楽については言葉にしなくても大丈夫だと思っていますね。――2曲目「悲しみの果て」はエレファントカシマシの名曲ですし、4曲目「366日」はHYの人気曲です。両曲とも、親友であり現在のマネージャーさんとの想い出の曲だそうですね。そうです。「悲しみの果て」は、栃木から上京するときに、何もわからず不安でいたのですが、でも変な自信だけがある、という状態でした。そんな時期によくこの曲を聴いていて。いまはマネージャーとなった親友も、お笑い芸人を目指して東京へ出てくるタイミングで、おたがいに共通点がいっぱいあったんですよ。この曲は、悲しみの果てに何があるかわからないけれど突き進んでいく、というメッセージが強い楽曲なので、僕らはそこに背中を押されて。だから、親友に向けてでもあったり、原曲を歌う宮本浩次さんに向けてでもあったり、これから夢を追う若者たちに向けてでもあったり。宮本さんの力強い思いを僕がさらにみんなにつなげられたらいいなと思って、選びました。「366日」は、高校3年生の文化祭で歌った、音楽を始めるきっかけになったとお話ししていた曲です。当時カラオケでよく歌っていました。この曲を文化祭で歌っていなかったら、いまの僕はないと思いますし、数年の時を経て、カバーさせていただいてよかったです。――3曲目「元気を出して」は竹内まりやさんの名曲です。事務所の社長が好きな曲なんですが、これまで二人三脚で社長と一緒にやってきました。ライブのお客さんがゼロのときもありましたし、2人でたくさん悔しい思いをして。たくさん苦しいこともあって。苦楽をともにしてきたので、社長に恩返しをしたい気持ちで歌っています。――5曲目「メロディー」は、川崎さんが尊敬する玉置浩二さんの名曲ですね。もっとも背中を追い続けているのが、玉置浩二さんです。仮に玉置さんに、カバーした曲を聴いていただけたときに「ああ、川崎鷹也にカバーしてもらってよかったな」と思ってもらえるかどうか、見合えるように歌いました。プロ同士、同じミュージシャンとして、歌にどう向き合っていくかが重要なところだと思っています。その覚悟という点では、当初、玉置さんの曲を歌うということに対してあまり前向きではありませんでした。でも、武部さんは僕の玉置さんへの想いをご存知なので「今回歌わないのか?」と言われて、「歌わないです」とお答えして(笑)。「でも、大切な人との想い出の歌を5曲選ぶなら、自分自身へ向けた大切な曲、玉置の曲を入れないと。僕が玉置に言っておいてあげる」と武部さんに強く背中を押していただき、収録することを決意しました。僕が初めて弾き語りをした曲がこの「メロディー」です。玉置さんへの憧れも含めて、本当に思い入れの強い曲です。――実際に玉置さんにお会いしたことは?ないです。もしもプライベートでお会いしたら緊張してしゃべれないと思います(笑)。ただ、もし今後、一緒のステージに立たせていただける機会が来るとしたら、そんな光栄なことはないですね。そのときは全力で玉置さんにぶつかっていきたいと思います。――今回はカバーEPですが、オリジナル曲を歌うときと意識の違いなどはあるのでしょうか。カバーの難しいところは、すでに正解があること。カバー曲では歌のバランスだったり、自分の色をどのぐらい入れるのかだったり、調整して歌っていくことを意識しました。――聴き手にはどんなふうに聴いてほしいでしょうか。今回は弾き語りではなく、歌一本に集中して、歌の力を届けられたらと思っています。カバーさせていただいた曲は、僕がずっと聴いてきた音楽。本当にいい音楽は10年経っても20年経っても、ずっと誰かの心に残り続ける楽曲なんですよね。そういった曲を僕のファンのみなさんは若い世代の方が多いので、恐縮ながらいい楽曲との架け橋になって、「いい曲はずっと残り続けるんだよ」ということが伝わればいいなと思っているので、みなさんにも聴いてほしいですね。――カバー曲を披露するライブのご予定はありますか。10月にビルボードライブを行う予定があります。武部さんとともにステージを作らせていただくので、普段のライブではカバー曲はやらないのですが今回はEPの曲を中心に、候補としてあがっていたけれど入れられなかった曲、オリジナル曲も含めて披露する、ボリューミーなステージになると思います。全国のみなさんに恩返しや感謝を伝えたい――お話は変わりますが、おやすみの日はどんなふうに過ごしていますか。家族と過ごす日もあれば、ひとりでボーッとするときもあれば、映画を観るときもあれば、日によってさまざまですね。――おうちではどんなパパでいらっしゃいますか。最近のエピソードを教えてください。子どもを保育園に送ったり、お風呂に入れたりするのは、基本的に僕がやっています。お風呂の中では、僕と子どもの2人の時間。お風呂上がりにボタンを押して、ママを呼び出すんですが、僕と子どものルーティーンとして、迎えにきたママを笑わせるという一幕があります(笑)。――率先して育児をしてくれると、奥さまもうれしいですよね?どうなんでしょうね(笑)。でも子育ては一緒にするものだと思っているので、自然とやっています。ただ、僕は料理が作れないですし、仕事で遅いときは奥さんが寝かしつけまでひとりでやっているので、できることをやるのはごく当たり前な気がしますね。――お子さんはパパの曲を聴くことはありますか。聴くこともありますし、どこかで流れていてもパパの歌だとわかってくれていますね。もうすぐ3歳になるので、テレビに出ている僕の顔もわかりますし、僕の仲のいいミュージシャンがテレビに出ていてもわかったりしますよ。――子守唄を歌ってみようとは?子どもが生まれたての頃は、ギターを弾いてあげたりもしましたが、いまはもう3歳になるのでそろそろ「ウルサイ」と言われそうだから(笑)、やらないです。――川崎さんは素敵なラブソングを歌われていますし、実際にあたたかいご家庭を築いていらっしゃいますが、運命の人を見つける秘訣はありますか?僕は女心をわかっているわけではないんですが、相手に対する愛や思いは口に出して行動していますね。口にしないと、気持ちは3割しか相手には伝わらないといわれてもいるので、「ごめんね」や「ありがとう」もしかり、「ネイル変えた?」や「髪切った?」もしかり(笑)。男性って、心の中では思ってはいるけれど、言わないだけなんですよね。出会って7年、結婚4年ですが、奥さんにもカワイイなと思ったら「カワイイね」と言いますし(笑)。それは昔から変わらず、毎日言いますし、そういうところを大事にしています。だから、気になる人には思っていることを伝えたり、言ってくれる人を見つけたりするといいのかもしれませんね。――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。僕がいろいろな方に楽曲を聴いていただけるようになったのは、コロナ禍になってからなんですね。だからあらためて、僕の曲に出会ってくださった、全国のみなさんに、聴いていただいている恩返しや感謝を直接伝えていきたい。まだライブに来られない人もいますが、今年、来年と全国に行って、さまざまな思いを届けられたらいいなと。そして、いろいろなことにチャレンジし続ける人生を歩んでいけたらと思います。取材後記当時は彼女、現在奥さまへの愛を歌った「魔法の絨毯」など、女性の心をとらえるラブソングを数多く歌う、川崎鷹也さん。シンガーソングライターとしても才能を発揮されているなか、新作ではシンガーとして、思い入れのある楽曲を聴かせてくださいます。そんな川崎さんのカバーEPで、名曲がどのように変身しているかみなさんもチェックしてみてくださいね。取材、文・かわむらあみり川崎鷹也PROFILE1995年、栃木県生まれ。2018年、アルバム『I believe in you』でシンガーソングライターとして本的に音楽活動を開始。2020年8月、TikTokで「魔法の絨毯」が人気となり、同曲を使った動画が27,000本以上アップされ、Spotifyのバイラルチャートでは1位を獲得した。2021年7月、松本隆のトリビュートアルバム『風街に連れてって!』に参加し、大瀧詠一「君は天然色」をカバー。12月、初のメジャーアルバム『カレンダー』をリリース。2022年9月14日、カバーEP『白』をリリースする。InformationNew Release『白』(収録曲)01.「愛燦燦」(美空ひばり)02.「悲しみの果て」(エレファントカシマシ)03.「元気を出して」(竹内まりや)04.「366日」(HY)05.「メロディー」(玉置浩二)2022年9月14日発売*収録曲は全形態共通。(通常盤)WPCL-13399(CD)¥2,200(税込)(初回限定盤)WPZL-31994/5(CD+Blu-ray)¥2,750(税込)※7インチサイズ特殊パッケージ仕様。【Blu-ray収録内容】『白』LIVE STYLE MOVIES取材、文・かわむらあみり
2022年09月15日音楽を聴いて心が癒される経験はあるけれどこれって一体どういう仕組み?音楽心理学に詳しい星野悦子先生に教わりました。気分を楽しく盛り上げたり、悲しいムードに優しく寄り添ったり。私たちの生活に欠かせない音楽と人の感情には、いったいどんな結び付きがあるのだろう。「耳から入った音楽は、まず脳へと伝わり、そこから全身へ影響を及ぼします。自律神経系に作用して、興奮や鎮静、リラクセーションなどの効果をもたらすのです。同時に、心の状態にも変化を与え、感情や知覚、認知を刺激して、活性化したり沈静化したりすることがわかっています。音楽はテンポやリズム、メロディ、ピッチや音域、歌詞のメッセージ性などさまざまな要素で複雑に構成されていますが、それらが違えば私たちが受ける印象も変わり、自ずと心身の反応も変化します」例えば、アップテンポの曲には気分を高揚させる効果があり、ゆったりとしたテンポの落ち着いた曲には鎮静の作用が。そして、高音の方が明るい気分になりやすく、低音は暗い悲しい気分へと誘いやすいといわれているそう。「一般的には、癒されたい時=脳を休ませたい時ですよね。そういう時にあまり複雑な音楽を聴くと、頑張って曲を理解しようとして疲れてしまうんです。だから、やや遅めのテンポで、メロディの主張が強すぎない、シンプルなものがいいといわれています。その代表格がバロック音楽ですね。クラシックの名曲は数百年にわたり多くの人々に力を与えてきたわけで、やはりリラックス効果が大きいと感じます。癒しの楽器といえば昔からハープがよく知られ、聖書の中でも“王のメランコリー(鬱状態)を竪琴で癒した”というエピソードがあるほど。クラリネットやオーボエなどの木管楽器の音色がいいとする研究もあります」星野先生によると、その時の気持ちの状態に合ったテンポや曲調の音楽から聴き始める「同質の原理」というものが、音楽療法においては大原則なのだとか。「落ち込んでいる時にアップテンポな曲で無理やり気分を上げようとするのはあまり良くありません。まずは今のムードに合う静かな曲で気持ちを慣らしながら、そこから徐々に上げていきます。癒されたい時にもさまざまな段階があるので、“なんだかちょっと気分がダルい”くらいであれば楽しい曲を聴くのもアリだと思います。イライラしている時には、まず激しい音楽でストレスを発散させてから少しずつテンポを落として…という方法もありますよ。もちろん、音楽の好みは十人十色。にぎやかな高音が好きな人がいれば低音の響きが好きな人もいるので、音楽療法では処方箋のように個人に合ったものを取り入れるように努められています。また、自分で曲を選ぶという行為も実は大切です。人に無理やり聴かされるより自分で選択して聴いた方が、心に馴染みやすいはず。“今の自分が求めている曲はどんなものだろう…”と探してみるところから楽しんでもらえたらと思います」こんな時は どういう音楽を聴くといい?落ち着きたい時控えめな音量で、あまり耳に残らない音楽。意識の邪魔にならないような、耳に残りにくい=覚えにくい曲を。かといって複雑すぎる曲はNG。もちろん、聴く時の音量は抑えめに。「ローテンポの静かな曲で気分を落ち込ませすぎるとやる気が下がってしまうので、脳が興奮しない程度に、明るく軽い曲調のものを選ぶといいと思います。車を運転する時のBGMについても同様です」エネルギーを補いたい時エモーショナルで、少しアップテンポなもの。沈んだ気分を上げたい時は、まずは静かなものから聴き始めて、少しずつアップテンポに。「テンポが速くなるほど、また音量が増すほど生理的覚醒が上がります。元気を出したいならば、ポジティブなムードのある長調のメロディがおすすめです。あまり高揚しすぎるのが嫌な場合は、テンポが速めでも短調の曲がほどよい場合もあります」くつろぎたい時温かい音色や、ローテンポでメロディが綺麗な曲。アップテンポや激しいリズムの曲を避け、優しいメロディで心と体の緊張を解いていく。「対人関係で溜まったストレスを解消するには、抑揚が少ない、淡々とした曲がおすすめです。反対に、人恋しく寂しい気持ちを感じる時には、オペラのアリアや演歌のようにエモーショナルな歌も。歌詞に共感するうちに、前向きな気分になります」ほしの・えつこ心理学博士。上野学園大学音楽学部音楽学科の特任教授として教鞭を執るほか、日本音楽知覚認知学会監事や日本心理学会音楽心理学研究会の代表も務める。著書に『音楽心理学入門』(誠信書房)や『音楽知覚認知ハンドブック』(北大路書房)など。※『anan』2022年9月14日号より。イラスト・藤田 翔取材、文・大場桃果(by anan編集部)
2022年09月08日無料の野外音楽イベント「日比谷音楽祭 2023」が、2023年6月3日(土)・4日(日)に日比谷公園を中心に開催される。無料の野外音楽イベント「日比谷音楽祭」音楽プロデューサー、そして東京事変のメンバーでもある亀田誠治が主導する「日比谷音楽祭」は、人々が多様な音楽と自由に出会えるボーダーレスな音楽祭。日本の野外コンサートの歴史を作った聖地「野音」を擁する日比谷公園を舞台に、親子孫の3世代、その誰もに開かれた様々な催しが行われる。開催5年目を迎える2023年も、音楽を様々な形で体験するワークショップをはじめ、楽器体験ができる音楽マーケット、4年ぶりとなるフードブース出店、フードとお酒と音楽を夜の芝生の公園で楽しむ初のナイトプログラム「日比谷 YORU 喫茶」など、音楽ライブを中心に多彩な企画を実施予定だ。注目の出演アーティスト2023年の出演アーティストには、幅広い世代から支持を集める木村カエラや、代表曲「W / X / Y」で注目を集めるTani Yuuki(タニユウキ)、気鋭の4人組バンドWONK(ウォンク)などがラインナップ。桜井和寿、石川さゆり、KREVA、新妻聖子など、これまでにも日比谷音楽祭のステージを彩ってきた豪華アーティストたちも会場を盛り上げる。出演者一覧<出演者>上妻宏光、アスハン、石川さゆり、Ichika Nito、WONK、EXILE TETSUYA with EXPG、ermhoi with the Attention Please、Ovall、おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)、沖仁、小倉博和、小山田壮平、GAIA CUATRO、GAKU-MC、加藤登紀子、《聞かせ屋。けいたろう》、奇妙礼太郎、木村カエラ、KREVA、GOMA meets U-zhaan、桜井和寿、さなり、さらさ(Band set)、STUTS、世武裕子、SO-SO、soraya、ZOMBIE-CHANG、武部聡志、Tani Yuuki、チャラン・ポ・ランタン、帝国喫茶、DJ ダイノジ、 東儀典親、東儀秀樹、新妻聖子、秦 基博、半﨑美子、日比谷ブロードウェイ(井上芳雄・望海風斗・甲斐翔真)、平井秀明、深川バロン倶楽部、藤原道山、mahina、マレー飛鳥、みゆな、The Music Park Orchestra、民謡クルセイダーズ、Mega Shinnosuke、森 大翔、八木勇征・中島颯太(FANTASTICS)、ゆいにしお、弓木英梨乃、吉田篤貴、yonawo、YOYOKA、LIBERA、龍声 〜 Ryusei 〜 with 矢井田 瞳、Ryu Matsuyama (Solo)、ROTH BART BARON and more...開催概要「日比谷音楽祭 2023」開催日:2023年6月3日(土)・4日(日) 11:00~20:30予定※雨天決行、荒天中止。会場によっては雨天一時中断、もしくは中止になる場合あり。会場:日比谷公園(東京都千代田区日比谷公園)ほか入場料:無料※日比谷公園大音楽堂「YAON」ステ ージの公演については、鑑賞にあたり抽選制の無料鑑賞券(以下チケット)が必要。【YAON 鑑賞券について】<公演情報>■「Hibiya Dream Session 1」時間:6/3(土) 開場 17:30 / 開演 18:30 / 終演 20:30(予定)出演:The Music Park Orchestra with 上妻宏光、加藤登紀子、木村カエラ、世武裕子、Tani Yuuki、チャラン・ポ・ランタン、東儀典親、東儀秀樹、新妻聖子、藤原道山、YOYOKA、LIBERA■「Hibiya Dream Session 2」時間:6/4(日) 開場 13:30 / 開演 14:20 / 終演 15:40(予定)出演:The Music Park Orchestra with アスハン、石川さゆり、沖仁、KREVA、STUTS、秦 基博、ゆいにしお■「Hibiya Dream Session 3」時間:6/4(日) 開場 18:10 / 開演 19:10 / 終演 20:30(予定)出演:The Music Park Orchestra with 桜井和寿、さらさ、SO-SO、日比谷ブロードウェイ(井上芳雄 and more!)、YOYOKA<チケット抽選スケジュール>YAON(Hibiya Dream Session)のチケットは下記の2回抽選。・第1次抽選:プレイガイド事前抽選受付:各プレイガイド(イープラス、ローチケ、チケットぴあ)の抽選受付期間 : 4/25(火)12:00〜5/10(水)23:59当落発表 : 5/18(木)15:00予定※チケット代は無料。ただし、プレイガイド抽選の当選チケットはシステム手数料として1枚あたり電子チケットは220 円(税込)/紙チケットは340円(税込)の支払いが必要。・第2次抽選:アプリ当日抽選受付:「日比谷音楽祭公式おさんぽアプリ 2023」をダウンロードの上、アプリ内チケットページにご応募ください。受付期間:各開催日 10:00〜開演2時間前まで当落発表:各公演1時間30分前より発券
2022年09月03日