「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています。それを改善するためにも、最初に自分の腸の健康状態を把握してください」(松生院長・以下同)松生院長監修のもと本誌が作成した、次のチェックリストをやってみよう。□ふだんから、野菜や生の果物をあまり食べない□水分をあまり取らない□炭水化物の摂取を避けている□牛肉や豚肉、加工肉(ベーコン、ソーセージなど)をよく食べる□下痢と便秘を繰り返している□排便後も残便感がある□排便時にときどき下血することがある□運動をしない□肥満気味だ□過度の飲酒や喫煙の習慣があるチェック数が、「3個以下」=特に問題なし。「4~5個」=やや問題があるので、チェック項目を見直そう。「6~8個」=要注意。生活習慣の改善を。「9個以上」=全面的な生活習慣の見直しが必要。近年、はやっている“炭水化物抜きダイエット”。「米やパンといった炭水化物は食物繊維と糖質でできています。食物繊維の摂取量が減ると、腸内に老廃物がたまりやすくなってしまいます。つまり便秘になりやすくなるわけです」一方、肉は大腸がんのリスクを高めるといわれているので、取りすぎは気を付けたい。さらに、夜にトイレに起きるのが、めんどうくさいなどの理由で、水分摂取を控えている人も注意が必要だ。「本来、便は腸内で泥状になっており、S状結腸で初めて固形便になります。水分が不足すると、S状結腸に至る前に固形化してしまって、便秘を引き起こします」食事や水分だけではなく、運動不足も腸の大敵だ。「大腸は、内容物を肛門のほうに送り出すぜん動運動を行っているのですが、筋力が衰えると、ぜん動運動が起こりにくくなり、便を押し出す力が弱くなってしまいます」
2018年11月12日「今回の検査結果では、乳がんのリスク値がやや高めでした。これをもって即、がんがあると判断するわけではありませんが、精密検査で確定診断を受けることをお勧めします。専門科のある医療機関へ紹介状を書きますよ」記者が受けた検査結果をもとに、丁寧に解説してくれるのは大泉中央クリニック院長の砂村眞琴氏。2週間前、記者が受けたのは「サリバチャッカー」という検査だ。砂村氏が開発した、わずか0.2~0.4ミリリットルの唾液でがんのリスクを判定するというもの。検査室の長机には梅干しの入った瓶が置かれている。「自然の唾液が必要なので、香りだけ嗅いで、唾液が上がってくるのを待ちましょう」と看護師さん。酸っぱい香りに誘われ、ある程度唾液が口にたまったら、太めのストローでつるっと垂らす――。唾液を収めた容器を看護師さんに手渡し、検査終了。採取した唾液はフリーザーで冷凍され、クール便で衛生検査センターに送られ解析される。体への負担もゼロというこの検査は、慶應義塾大学先端生命科学研究所と東京医科大学発の医療ベンチャー「サリバテック社」が開発。同社のCEOであり、東北大学で長く消化器外科手術に従事した砂村氏が、’10年から「体に負担の少ない検査法を開発したい」と、ヒトの体から出る「代謝物質」である唾液に着目。治験を経て、’17年に実用化となった。検査の鍵となるのは、がん患者から出る、「ポリアミン類」という特異的な物質でスペルミン、スペルミジンなどだ。それら8種類の物質の濃度から最新AI(人工知能)がリスク解説するのがこの検査の特徴である。「自覚症状の出にくい膵がんも、早期の段階で発見できる可能性があります」(砂村氏)結果は、膵臓・大腸・乳腺・肺・口腔の5つのがんそれぞれについて、0~1までのリスク値を算出。ABCDでリスクを示し、CDと判定されれば専門科で精密検査を受けるよう勧められる。さて、記者の検査結果では、大腸がんはB、肺がんはAと判定されたが、乳がんはCであったことから、冒頭のように、砂村先生から「何年も検査を受けていないのなら、これをきっかけに受けたほうが」とアドバイスをいただいた。現在全国20カ所の医療機関で検査でき、費用は2万~4万円(税抜き)程度であるが、今後、検査を受けられる医療機関が広がり、多くの人に利用してもらうことで、1万円以下に価格を下げていきたいという。「身体的な負担や、面倒くさいということで、長年検診から足が遠のいている方に活用してほしい。簡易検査にありがちな検査しっぱなしを避けるため、この検査後のフォローをする医療機関も増やしています」(砂村氏)
2018年10月28日「胃カメラを飲んだり、マンモグラフィーとか面倒くさい」と思われがちながん検診だが、今回本誌では、唾液や血液、尿といった手軽に採取できるもので、かなりの確度でリスクの判断が可能になる「お手軽がん検診」を取材した。わずか0.2~0.4ミリリットルの唾液でがんのリスクを判定するという「サリバチャッカー」。体への負担もゼロというこの検査は、慶應義塾大学先端生命科学研究所と東京医科大学発の医療ベンチャー「サリバテック社」が開発。同社のCEOであり、東北大学で長く消化器外科手術に従事した、大泉中央クリニック院長の砂村眞琴氏が、’10年から「体に負担の少ない検査法を開発したい」と、ヒトの体から出る「代謝物質」である唾液に着目。治験を経て、’17年に実用化となった。検査の鍵となるのは、がん患者から出る、「ポリアミン類」という特異的な物質でスペルミン、スペルミジンなどだ。それら8種類の物質の濃度から最新AI(人工知能)がリスク解説するのがこの検査の特徴である。「自覚症状の出にくい膵がんも、早期の段階で発見できる可能性があります」(砂村氏)結果は、膵臓・大腸・乳腺・肺・口腔の5つのがんそれぞれについて、0~1までのリスク値を算出。ABCDでリスクを示し、CDと判定されれば専門科で精密検査を受けるよう勧められる。現在全国20カ所の医療機関で検査でき、費用は2万~4万円(税抜き)程度であるが、今後、検査を受けられる医療機関が広がり、多くの人に利用してもらうことで、1万円以下に価格を下げていきたいという。全国1,300カ所で実施されている「AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング)」は味の素社が開発した、血液によるがん検査。アミノ酸研究で世界をリードする同社ならではの、アミノ酸による解析に基づく。「血液中にある約20種類のアミノ酸バランスにより、各部位別のがんに罹患したときのパターンをそれにどれだけ近いかによってリスクを評価します」(同社・森妹子氏)わずか5ミリリットル(小さじ1杯)の血液で、胃、大腸、肺、膵臓に加え、女性の場合は、乳がんおよび、卵巣・子宮体がんの7つのがんのリスクがA~Cの3段階のランクで示される。従来からあった、がんの生産するタンパク質で発見する「腫瘍マーカー」検査と比較しても、感度が高いというデータもある。「放っておくとがん化する前がん病変を検知する可能性も高いので、医師は、気になる方には、年1度くらいの受診をお勧めしています」費用は2万3,000~2万5,000円程度。ただし、こちらもあくまでリスク検査。森さんはこう話す。「従来の検診も大事にしながら、併用して受けていただくとより安心だと思います。検査とはあくまで『網でふるいにかける』作業。AICSは早期発見に不得手な部位もあり、必ず漏れは生じます。何重にも網をかけると、早期発見の可能性はより高まります」確定診断に限りなく近いという「マイクロアレイ血液検査」は、金沢大学発のベンチャー企業キュービクスが、世界で初めて開発した、血液で消化器がんの有無を判定できる検査法だ。がんに関する遺伝子を載せた「DNAチップ」を使い、4万4,000もの遺伝物質を解析し、「がんに特有の核酸」の有無や構成パターンを解析するというもの。同大の金子周一教授の事業化の要請に、’04年に同社社長に就任したのは丹野博氏。「体の中を巡っている血液ががん細胞を感知し、発見していくので、がんの大小にかかわらず感知率も非常に高い。従来のCTやMRIと異なり、体への負担がないところも、これを広めたいと思った理由です」(丹野氏)受けられる医療機関などは現在1,000カ所。普及へのハードルがあるとすれば、医療機関により異なるものの、7万~10万円程度とやや高価なことか。「各部位2万円程度で受けられる検査キットの開発・商品化を進めています」(丹野氏)今後はインド、ドイツの企業とも契約し、世界進出も視野に入れていくという。「早く検査を受けたいのですが」と、いまからそんな問い合わせが多数寄せられているというのが、HIROTSUバイオサイエンス社の「N-NOSE」。東大大学院在学中より「線虫」(体長は約1ミリの生物)を研究してきた生物学者・廣津崇亮氏が、「がん探知犬」から着想を得、がんが発する匂いをとらえて、がんの有無を判定できないかと考えたという。’20年1月に実用化(予定)のこの検査は犬より多い嗅覚受容体を持つ線虫の特性を利用する。「検査法はいたってシンプル。シャーレの上に尿を1滴垂らし、線虫が寄っていくかどうかで、がんの有無を9割という高い精度で判別します。1次スクリーニング検査なので、ここで陽性反応が出た方は、精密検査に進むことになります」(同社広報)この検査の特徴は、5大がんをはじめとする18種類を感知できること(’18年10月現在)。1回8,000円程度(予定)という安価な設定であることも期待が高まっている。「結果が陰性でも、半年とか1年ごとに受けておけば、陽性に転じたときに早期で見つかる可能性が高い。諸外国に比べると、日本の検診率はまだまだ低いので、この傾向に歯止めをかけたいのです」(同社広報)がんには早期発見がいちばん大切だ。気になる人は、これら「お手軽がん検診」を試してみては--。
2018年10月28日日本人の2人に1人がかかる「がん」。今年9月上旬、国立がん研究センター(東京都中央区)が初めて公表した「がん患者の3年生存率」は、71.3%で、乳がんはステージ1では100%、乳がん全体でも95.2%となった。「かんの摘出手術をしたとしても入院期間は短くなり、通院しながら抗がん剤治療を受けるケースも増えてきました。“がん”と宣告されても、治療をすれば社会復帰できる時代になりましたので、慌てて仕事を辞めないこと。医療費の支払いという経済的な負担が伴いますので、治療を金銭面で支えてくれる公的制度を知っておくと安心できます」そうアドバイスするのは、『大図解届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。そこで、がんなど病気にかかったときの、経済的負担を支える制度について教えてもらった。■払い過ぎた税金が戻ってくる1月から12月までに自己負担した医療費が10万円(または所得の5%)以上かかった場合、確定申告をすると、10万円を超えた分が所得から差し引かれる「医療費控除」が受けられる。計算方法は、「1年間に医療費として支払った額」から高額療養費の給付や医療保険の給付金など「補てんされる額」を引き、さらに「10万円」を引くと医療費控除の額になり、税率に応じて税金が還付される。たとえば、医療費控除の30万円の人が、所得税の税率が10%だった場合、3万円が還付される計算になる。通院の交通費、医師の処方による医薬品は医療費控除の対象になるが、疲労回復のためのマッサージ代は対象外など、細かく分かれているので国税庁のホームページを参考にしよう。なお、専業主婦の妻ががんになった場合は、夫が加入する保険の被扶養者なので高額療養費制度、付加給付は利用できる。会社勤めしていないので傷病手当金はもらえないが、障害年金は夫が会社員の場合は、妻は「第3号被保険者」として国民年金に加入しているので障害基礎年金がもらえる。夫が自営業の場合は、専業主婦の妻自身も国民年金に加入しているので障害基礎年金を受け取れる。医師は医療費や使える制度について教えてくれるわけではない。そんなとき、病院内の「医療ソーシャルワーカー」や、全国400以上あるがん診療連携拠点病院にある「がん相談支援センター」では、社会福祉士や看護師らが、生活面での相談に乗ってくれる。気になること、わからないことはそのままにしないで、何でも聞いてみよう。
2018年10月17日日本人の2人に1人がかかる「がん」。今年9月上旬、国立がん研究センター(東京都中央区)が初めて公表した「がん患者の3年生存率」は、71.3%で、乳がんはステージ1では100%、乳がん全体でも95.2%となった。「かんの摘出手術をしたとしても入院期間は短くなり、通院しながら抗がん剤治療を受けるケースも増えてきました。“がん”と宣告されても、治療をすれば社会復帰できる時代になりましたので、慌てて仕事を辞めないこと。医療費の支払いという経済的な負担が伴いますので、治療を金銭面で支えてくれる公的制度を知っておくと安心できます」そうアドバイスするのは、『大図解届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。そこで、がんなど病気にかかったときの、経済的負担を支える制度について教えてもらった。■働くことが困難になったら病気やケガによって仕事や生活が制限されるようになった場合、現役世代の人でも年金がもらえる制度が「障害年金」。目、聴覚、手足などの障害、精神障害のほかに、呼吸器、心臓、腎臓、血液の疾患、糖尿病、そしてがんなど内臓疾患の人でももらえる。「たとえば、直腸がんを患い手術を受けて人工肛門にした、咽頭がんで摘出手術をした人などは、障害年金の対象の可能性があります」国民年金から支給される「障害基礎年金」、厚生年金から支給される「障害厚生年金」があり、もらうためには初めて医師の診断を受けた日(初診日)に65歳未満で、初診日から1年6カ月経過した日に要件を満たす障害がある、といった条件がある。また、国民年金の被保険者は市区町村、厚生年金の被保険者は年金事務所で手続きをして、医師の診断書が必要になる。「障害の等級は1級から3級まであり、障害基礎年金の1級は年額97万4,125円(’18年度)、2級は77万9,300円(同)になっています。自営業の人は、妻と(高校卒業していない)子の3人家族の場合、1級と認定されると年119万8,425円、2級は100万3,600円になります。それに対して、会社員は月収30万円とすると、1級は年221万225円、2級は185万7,900円と、2倍近くの年金がもらえます」障害年金の認定は、目に見えて体の機能が変わった場合だけでなく、がん治療による倦怠感や麻痺、しびれ、貧血、下痢など客観的にわかりにくい内部障害の場合にも該当する可能性があるので、「もらえないかも」と1人で勝手に判断しないこと。主治医に「障害年金を申請したい」と話したうえで、仕事や生活に支障をきたしていることを具体的に伝えてみよう。
2018年10月17日日本人の2人に1人がかかる「がん」。今年9月上旬、国立がん研究センター(東京都中央区)が初めて公表した「がん患者の3年生存率」は、71.3%で、乳がんはステージ1では100%、乳がん全体でも95.2%となった。「がんの摘出手術をしたとしても入院期間は短くなり、通院しながら抗がん剤治療を受けるケースも増えてきました。“がん”と宣告されても、治療をすれば社会復帰できる時代になりましたので、慌てて仕事を辞めないこと。医療費の支払いという経済的な負担が伴いますので、治療を金銭面で支えてくれる公的制度を知っておくと安心できます」そうアドバイスするのは、『大図解届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。そこで、がんなど病気にかかったときの、経済的負担を支える制度について教えてもらった。■医療費が戻ってくるたとえば、入院や手術で100万円の医療費がかかったとしても、窓口で支払うのは3割負担の30万円。ここから自己負担限度額を超えた分が戻ってくるというのが「高額療養費制度」。「一般的な所得の会社員(70歳未満、年収350万~770万円)が入院・手術して1カ月で100万円の医療費がかかったケースでは、8万7,430円が自己負担限度額で、21万2,570円が払い戻される計算になります。手続きは会社員なら勤務先を通じて健康保険組合、協会けんぽで、国民健康保険に加入する自営業の人は市区町村の国民健康保険課で行います。直近12カ月で3回以上、自己負担限度額を超えた月がありますと、4回目からは『多数該当』として自己負担限度額は4万4,400円と低くなり、戻ってくるお金は25万5,600円になります」(井戸さん・以下同)また、高額療養費制度は手続きしてから指定の口座に振り込まれるまで3カ月ほどかかるが、加入する健康保険で「限度額適用認定証」を申請して、病院で提示すれば、窓口での負担は限度額で済む。もちろん、生計を一にする家族が使った医療費もまとめて計算できる「世帯合算」にも適用できる。さらに、従業員が700人を超えるような大手企業の健康保険組合では、独自の自己負担限度額を設けているケースもあるという。「『付加給付』といい、たとえば、窓口負担が30万円の人でも、『付加給付』の自己負担限度額が2万5,000円だったとしますと、27万5,000円戻ってくることになります。なお、この制度は高額療養費制度と併用可能です」夫の会社の福利厚生を知らない、という人は今すぐチェック!■欠勤したときに給料の一部がもらえる治療が長引いたり、体調が戻らなかったりして、会社を欠勤するようになって給料が支払われないとき、健康保険から「傷病手当金」がもらえる。「連続して3日間の待期の後、4日目以降の仕事に就けなかった人は、4日目から最長1年6カ月、給料の3分の2程度の支給額がもらえます。月収30万円の人が60日休業した場合、約40万円がもらえる計算になります。届け出は勤務先を通じて健康保険組合・協会けんぽに申請し、その際、医師の意見書が必要になります。国民健康保険にない制度なので自営業の人はもらえませんが、パート勤務でも健康保険に加入すれば給付の対象になります」
2018年10月17日今では日本人の国民病ともいわれる「がん」。厚生労働省によると、生涯でがんにかかる可能性は男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されています。皆さんも自分がいつか、がんになる可能性について考えたことがあるかもしれません。そこで今回は「がんに関する意識調査」についてのお話です。■ 2人に1人はがんになる可能性があると認識がんに関する情報提供事業、先端がん医療技術の開発・普及支援事業を展開する「株式会社GMS」は、自身が「がん」と診断された経験がなく、身内にも「がん」経験者のいない、全国の20歳から59歳までの男女500名を対象に「がん」に対する意識調査を実施しました。まずは、自分が「がん」になる可能性があると思うか、についての結果を見てみると……、「可能性がある」「どちらかというとある」という回答を合わせると、55.8%の人ががんになる可能性を認識していることが判明しました。年代別でみてみると、自分ががんになる可能性を認識しているのは50代の62.7%がトップ。自身の加齢という要素だけでなく、「知人ががんになった」などと耳にすることも増えるからだと考えられます。foly / PIXTA(ピクスタ)■ 「がん対策」している人は何をしている?50%以上の人が将来のがんの可能性を認識していることが明るみになったこちらの調査。Fine Graphics / PIXTA(ピクスタ)しかし、実際にがん予防の対策を行ったことがある人はわずか16.2%。認識はあるものの、予防や対策をされている方は少数派なんですね。確かに日ごろの生活習慣の積み重ねが、がんの原因を作ると何となく分かっていながらも、急に改善することって難しいですよね。実際にがん対策をされた方の内容を見てみると、食生活、運動、禁煙、禁酒など、あらゆる病気の対策になりそうなメジャーな対策が並びます。プラナ / PIXTA(ピクスタ)しかし、「国立がん研究センター」によると、”禁煙・節酒・食生活・適度な運動・適正体重”、この5つのすべての健康習慣をすべて実践することは、がんリスクをほぼ半減できるとありますし、freeangle / PIXTA(ピクスタ)健康的な生活を意識することはがん対策に欠かせないことであることが分かります。■ 「がん検診」の受診率が低い要因とは?がん対策をしている割合が低いのであれば、もちろん「がん検診」の受診の割合も低いと予測がつきますよね。がん対策の一つに挙がる”がんの早期発見”ですが、3人に2人ががん検診を受けたことがないと回答しています。がん検診を受けない理由を見てみると、費用の問題、面倒などが上位に挙がります。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)確かに、”乳がん検診”を例に挙げると、普段はあまり利用しない乳腺外科で受診することになり、“怖い”と毎回感じてしまいますし、子宮けいがん検診などは、対象の年齢でなければ自己負担額が高い場合もあるため何となく後回しにしてしまうんですよね……。このような背景から、がん検診が億劫ということは筆者も理解できます。しかし、がんは“早期発見・早期治療”でその多くは治せるという時代。やはり定期的な受診はかなり有効ながん対策の一つといえるでしょう。よっしー / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?がん保険に加入しているから大丈夫と構えている人でも、がん治療は日々進化していることもあり、保険に加入してるのに受けたい治療が受けられないというケースも珍しくはないようです。がん検診、自身の身体のがんリスクを下げる対策も重要ですが、がん医療費を備えること、保険の見直しなどもがん対策の一つと言えるのではないでしょうか。【参考】※2人に1人は「自分がいつか、がんになる可能性はある」と認識しているGMS調べ 「がんに関する意識調査 2018」※がん対策について-厚生労働省※科学的根拠に基づくがん予防-国立がん研究センター
2018年10月16日外見ケアに携わる分田貴子医師の新刊がん治療による見た目の変化への対処法を解説している書籍『女性のがんと外見ケア』が発売された。A5判で144ページ、法研より1,600円(税別)で刊行されている。著者は東京大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科学助教で、がん相談支援センター副センター長、外見ケアが専門の分田貴子氏である。抗がん剤・放射線の副作用と対処法日進月歩のがん治療は救命率を向上させている。しかし、抗がん剤や放射線などのがん治療が患者の外見に大きな変化を与えてしまうこともある。外見はその人にとって心の問題と直結し、QOL(生活の質)に大きく関わっている。分田貴子氏は、国立がん研究センター中央病院で免疫治療を研究し、患者の外見変化の問題を目の当たりにしたことから、カバーメイクの研究を始めている。その後、イギリスでの研修を経て、東大病院にカバーメイク・外見ケア外来を立ち上げている。新刊では、がん治療の副作用による外見の変化をカバーメイクや、ウィッグ、補正下着で目立たなくする活用法を解説。まず女性に多いがんについて解説され、抗がん剤治療と放射線治療の副作用やその対処法について、心のケアについて、また、東大病院の外見ケアサービスについても触れている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※女性のがんと外見ケア
2018年10月03日今月15日、国立がん研究センターが新しいデータを発表した。’14年に、新たにがんと診断された人は約86万7000人で、過去最高を更新。また、’18年には100万人を超える人が、がんになると予測されている。そこで、がんに対する必要な備えを経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。沖縄県の翁長雄志知事や漫画家のさくらものこさんなど、がんで亡くなる方が相次いでいます。もしがんになったらと不安になる方、体はもちろん、お金も心配だという方も多いでしょう。なかでも住宅ローンの返済は切実です。住宅ローンを組む多くの方は、契約者が死亡、あるいは高度障害に陥った場合、「団体信用生命保険(以下、団信)」でローンが完済される契約をします。ですが、がんなどで働けないときの保障は、通常、付いていません。ところが最近、病気に対する保障の付いた団信が増えてきました。新しく登場したのは「がん50%保障団信」です。がんと診断されたら、住宅ローンの残高が50%免除されるもので、’15年末からじぶん銀行が、今年8月からソニー銀行が扱い始めました。以前から、がんや脳疾患などの特定の病気になると、残りの住宅ローンが完済される「特定疾病保障付き団信」はありました。これと比べると、がん50%保障団信は、がん限定でローン残高も完済ではないなど、保障が少ないように感じます。ですが、大きな違いは保険料なのです。特定疾病保障付き団信は、住宅ローンの金利が0.3%程度上乗せされるものが多いです。たとえば3000万円を30年ローンで借りた場合、金利が0.3%上乗せされると、約150万円余計に払うことになります。これが30年分の保険料、つまり、年間約5万円かかるのです。私は金利を上乗せしてまで、保障を広げる必要はないと思います。これに対し、がん50%保障団信は、上乗せ金利がありません。保険料負担ゼロで、がんへの備えができるとうたっています。ただ50歳以上の方は、契約できないことが多いです。また、ネット銀行での契約には、書類を自分で不備なく用意する手間と時間がかかることにも注意しましょう。がん50%保障団信を含め、病気保障まで付いた団信はどんなものでも、住宅ローンの総支払い額を比較することが大切です。上乗せ金利にかかわらず、通常は不要な手数料や、住宅ローン金利そのものの高さによって、総支払い額が増えるケースもあるからです。今年4月から、前立腺がんの粒子線治療や、食道がんのロボット手術などが保険適用となりました。公的健康保険は少しずつ、がん治療をはじめとする先進医療の保険適用を拡充しています。先進医療だと10割自己負担で300万円かかった治療でも、保険適用になると現役世代の多くは3割負担で済みます。さらに高額療養費制度が利用でき、一般的な収入の現役世代なら、月9万円ほどの負担に抑えられます。過度な心配をせずに、必要な備えを見極めたいものです。
2018年09月28日「今でも、がん=死とイメージする人は少なくありません。しかし確実に、がんと共に生きていく時代が近づいています」とは、医療ガバナンス研究所理事長で腫瘍内科の上昌広医師。国立がん研究センターが9月11日、がん患者の「3年生存率」を初めて公表した。写真の表は、日本人に多い「5大がん」のステージ別のデータだ。上医師が解説する。「これは11年にがんと診断された全国約30万人のデータから算出したもので、がん全体の3年生存率は71.3%にものぼることが分かりました。これまでは約10年前に診断されたがん患者の5年生存率が一般的だったので注目を集めています。3年生存率の公表には、5年分のデータが揃うのを待たずして、最新治療を受けた患者の状態を把握するためのデータが算出できるという利点があるのです」今回公表されたデータのなかで、とりわけ3年生存率が高いのが乳がんだ。ステージ1では100%、全体でも95%を超えている。だが気がかりなのは、もっとも助かりやすい乳がんであっても、がん細胞がほかの部位に転移するステージ4になると生存率が54.4%に急落してしまうことだ。熊本大学乳腺内分泌外科の岩瀬弘敬教授は“生死を分ける境目”をこう語る。「まず、転移した部位がどこかによって生存率の明暗が分かれます。リンパ節や骨ならば3年後も70%以上の生存率が見込めますが、肝臓や肺などほかの臓器に転移した場合は3年後で50%を切ってきます。また進行が速いか遅いかというがんの性質によっても変わります。ステージ4と一口に言っても、小林麻央さん(享年34)の場合は発症してから亡くなるまでが短かったので進行の早いがんだったと考えられます。半面、再発しても10年以上生きている人も少なからずいます。とはいっても、やはり早期発見がもっとも大切です」女性の11人にひとりがかかるといわれる乳がんは、がんのなかでも唯一、自分で発見できる病気。乳がんで死なないためには、日常生活のなかでいかに自分の体をケアするかが重要だ。女性のがんのなかで最も死亡者が多いのが、大腸がん。ステージ4になると一気に生存率が下がり、30・3%になる。だが、東京女子医科大学病院がんセンター長の林和彦医師は「ステージ4でも絶望的になってはいけない」と語る。「ステージ4のがんは以前までは“末期がん”と呼ばれていましたが、今の医療現場ではもうそんな言葉は使われていません。医療の進歩により、ステージ4で転移がある進行がんでも、薬物療法でがんを縮小させたり、症状を抑えたりすることが可能になりました。その結果、ステージ4から3に下がることもあります。もはや、ステージ4は“死の境目”ではないのです」3年生存率のデータをひも解くことで見えてきた、がんに克つ希望。しかし、東京医療保険大学の副学長で外科医の小西敏郎教授は“3年生存率データへの過信”にこう警鐘を鳴らす。「3年生存率といっても、がんの部位ごとに治るまでの期間が異なります。つまり、“3年生きたからがんが治った”と安心してしまうのはとても危険です。たとえば、胃がんや大腸がんは5年が判断の目安。乳がんの場合は10年以上経ってから再発することがいくらでもあるので油断できません」06年に胃がん、09年に前立腺がんを経験している小西教授。2度の生還から“がんに克つ境目”を知る小西教授の話には生存率を上げるヒントが多い。「今は、私のように何種類ものがんにかかる時代。よく陥りがちなのが、1度がんになったときの担当医に定期的に経過を診てもらっているから安心だと思い込んでしまうこと。専門医は他のがんに気がつかないことも多いのです。私は体全体のがん検診を受け続けたことで、前立腺がんを早期発見することができたのです」がんの啓蒙活動を行っている、東京大学医学部附属病院・放射線科の中川恵一准教授は最後に言う。「実は先進国のなかで、がんで命を落とす人が増えている国は日本だけなんです。がん検診受診率の低さが主な理由といえます。また、がんのことを知らずに効果のあやしい代替医療や民間医療に走る患者が多いのが現状です」「がんに克つ」には、まずは早期発見。ステージ3や4でも過度な不安を抱かず、冷静な判断で適切な治療を選ぶことが重要なのだ。
2018年09月20日「早期発見が大事」と定期的ながん検診を勧められることは多いが、現場の専門医はその「異常なし」という結果を、「早計に信じてはいけない」と警鐘を――。「当院では、杉並区に依頼されて区民のがん検診などを受け付けていますが、胸部エックス線検査による肺がんの見落としがわかったのは初めてのこと。過去に健診を受けた9,424人の方の画像を再度読影したところ、新たに44人が要精密検査という結果が出ました」(「河北健診クリニック」広報課)7月17日、東京都杉並区の河北健診クリニックで、胸部エックス線検査で肺がんが見落とされた40代女性が亡くなったと、同病院が会見を開いて謝罪した。死亡した女性は、4年前の健診で内科医が肺がんの疑いを指摘したものの、専門医である放射線科医が“異常なし”と判断。その後、2回の検査でも、病変が見落とされたという。ようやく肺がんがわかったのは、今年4月。女性患者が受診したほかの医療機関からの指摘がきっかけとなったのだった。6月8日には、千葉大学医学部附属病院で9人の患者が、放射線診断専門医による画像診断書で記されたがんの所見を、担当医に見落とされるなどして、2人が死亡したことが報道されたばかり。日本医療機能評価機構によると、画像診断書の確認不足は、去年までの過去3年で、47件が報告されている。医療ガバナンス研究所理事長で、医師の上昌広さんは「氷山の一角で、こうした見落としはもっとあるはず」と指摘する。「初期の肺がんは優秀な専門医であっても単純な胸部エックス線で見つけることは困難なため、自治体で行われるような肺がん検診では“見落とし”となることが多いといわれます。より精度を高めるには、被ばくのリスクはありますがCT画像が必要でしょう。いっぽうの千葉のケースは、放射線診断専門医の報告を見落とした担当医の怠慢と、それを許した病院の責任。このようなマネジメント力が欠如した病院は、ほかにもあります。残念ながら、どちらのケースも、全国の病院で潜在的にあると思います」どんなに医療機材が進歩しても読影するのは人間。当然ミスも出てくるだろう。匿名を条件に、放射線診断専門医は次のように語る。「部位にもよりますが、CT画像からがんを含めた病変を100%見つけ出すことはできないでしょう。CTで肺がんを見つける専門医でも、優秀層の医師で精度は90%ほど、その次のランクで80%ほどと思われます。乳がんの検診マンモグラフィ読影認定医師でも、ほぼ同等の精度といわれています」ということは、優秀な医師でも10~20%以上の見落としの可能性があるということになる。さらに経験の浅い医師では、その可能性が上がるのではないだろうか。数字の差は、どこで生じるのか。常磐病院(福島県いわき市)の乳腺外科医・尾崎章彦さんが語る。「大きな病院であれば“複数の医師の目”でチェックされるので、リスクを下げられます。私自身も先輩医師に指摘されて、スルーしていた影に気づき、ヒヤリとしたことがあります」人間ならではの“思い込み”もあるという。「病気は、教科書どおりの典型的な見え方をするケースばかりではありません。このような画像であれば異常、ここまでなら正常として考えられるという微妙なラインを自分なりに引いて診断をするのですが、経験が少ない医師においては、その線引きが大きくずれることがありえます。加えて、画像診断において、医師は前回検査を参考にします。大きく変化がなければ『正常』として流してしまうリスクがあります」このような人間の感覚を補うのが、人工知能のAIだ。まだ研究ベースというが、がんの発見率は80~90%にも上るという。「専門医2人が見逃したがんを、AIが見つけ出すというケースも実際に出てきています。専門医の目、そしてAIの組み合わせで精度を高められると思います。最近では、遠隔で画像診断してくれるクリニックや団体も増えてきています。放射線の専門医不足に困る医療機関は、積極的に導入すべきだと考えます」(上さん)読影ばかりでなく、その前提となる検査でも複数の組み合わせが有効だ。前出の尾崎さんが語る。「若い女性は乳腺が発達しているため、マンモグラフィでは乳房全体が白っぽく見えるケースが多い。しかし、しこりも白く写りますので、見つけるのが難しいこともあります。超音波検査を併用することで、見落としのリスクが下がるといわれています。大腸がんに関しては、検便よりも大腸内視鏡検査のほうが、胃がんに関してはバリウムよりも胃カメラのほうが精度が高い。肺がん発見には、エックス線よりCTが有効です。各市区町村で行われるがん検診ではそこまでカバーできていないケースもあるので、心配な人は専門機関に相談するのがよいでしょう」もちろん、患者の自己防衛ばかりではなく、本来は医療側の意識改革が急務のはず。「千葉大のケースは、医療機関としてはあるまじき行為です。しかし現場サイドからすると、たとえば肺がんを疑われるケースで呼吸器科の先生がCTをオーダーして、放射線診断専門医が見ても肺に異常がなければ、安心してしまうこともあるでしょう」(上さん)そのため、その後に放射線科医が全身の画像を読影したレポートを作成。そこに想定外のがんが見つかるケースもあるが……。「現実的には、担当医は数多くの患者に追われて個々のケースを忘れてしまったり、レポートの封筒すら開けないことも」(上さん)同様のミスを出さないためにも、情報は患者に積極的に公開すべきと前出の放射線診断専門医は言う。「結果的に、がん告知が担当医からではなく、レポートでなされる問題もあるため、担当医からの反対の声もあるかもしれません。たしかに検査は担当医がオーダーしますが、検査情報は本来、患者さんのものであるべきです」医療は誰のためのものか――。各医療機関は、その原点に立ち返ることを忘れないでほしい。
2018年07月26日「当院では、杉並区に依頼されて区民のがん検診などを受け付けていますが、胸部エックス線検査による肺がんの見落としがわかったのは初めてのこと。過去に健診を受けた9,424人の方の画像を再度読影したところ、新たに44人が要精密検査という結果が出ました」(「河北健診クリニック」広報課)7月17日、東京都杉並区の河北健診クリニックで、胸部エックス線検査で肺がんが見落とされた40代女性が亡くなったと、同病院が会見を開いて謝罪した。死亡した女性は、4年前の健診で内科医が肺がんの疑いを指摘したものの、専門医である放射線科医が“異常なし”と判断。その後、2回の検査でも、病変が見落とされたという。ようやく肺がんがわかったのは、今年4月。女性患者が受診したほかの医療機関からの指摘がきっかけとなったのだった。6月8日には、千葉大学医学部附属病院で9人の患者が、放射線診断専門医による画像診断書で記されたがんの所見を、担当医に見落とされるなどして、2人が死亡したことが報道されたばかり。日本医療機能評価機構によると、画像診断書の確認不足は、去年までの過去3年で、47件が報告されている。医療ガバナンス研究所理事長で、医師の上昌広さんは「氷山の一角で、こうした見落としはもっとあるはず」と指摘する。「初期の肺がんは優秀な専門医であっても単純な胸部エックス線で見つけることは困難なため、自治体で行われるような肺がん検診では“見落とし”となることが多いといわれます。より精度を高めるには、被ばくのリスクはありますがCT画像が必要でしょう。いっぽうの千葉のケースは、放射線診断専門医の報告を見落とした担当医の怠慢と、それを許した病院の責任。このようなマネジメント力が欠如した病院は、ほかにもあります。残念ながら、どちらのケースも、全国の病院で潜在的にあると思います」検査方法や病院の管理システムなどの問題もあるが、根本的な問題は、読影能力に優れた放射線の専門医不足にあるという。匿名を条件に、放射線診断専門医がこのように解説する。「CTやMRIを動かすのにコストが変わらないため、一部の臓器のみでなく、現在では全身を撮影することが多くなりました。ところが、たとえば呼吸器科の医師は呼吸器に注目し、ほかの臓器の読影は不得手です。そこで必要なのは、全身の画像を読影できる、放射線診断専門医のような医師です。都内の病院ならこうした放射線医が常駐しているケースが多いですが、地方では人員不足で、募集している病院がたくさんあります」OECD加盟国のなかで、日本は医療機関のCTやMRIは高い品質を誇っているが、放射線科医の数は最下位だという。「放射線診断専門医1人が担当するCTやMRIの機材の台数ですが、アメリカでは1人当たり0.66台であるのに対し、日本では4.29台と、一人ではまかないきれない台数となります」かつての“フィルム時代”は、1センチ間隔で撮影していた。たとえば40センチの肺なら、40枚の画像を見る必要がある。「しかし、現在は医療技術の発達によって、推奨されている1ミリごとの輪切りとなると、400枚もの画像を見ることに。それを何十人分も見るのです」
2018年07月26日ダイエット中の発病で大腸がんの発見が遅れた。急きょ手術したものの人工肛門に。しかしがんと向き合ったら、いらないものがはっきりして生活が身軽に――。 「肛門から数センチのところにがんができてしまったから、手術では肛門の周辺をまるで茶筒を抜くようなイメージで、ざっくり切除。その後、左右のお尻を強引につなぎ合わせたので、お尻の割れ目がなくなっちゃったんですよ」 開口一番にそう語るのは、マンガ家の内田春菊さん(58)。大腸がんが原因で、人工肛門の生活になるまでの経緯をまとめた『がんまんが』(ぶんか社)が注目されている。同作品の表紙に描かれている女性の左脇腹にある、赤いおできのようなものが目を引く。 「穴を開けた脇腹から、体内で切り離した大腸を出しているんです。ここから排せつできるよう、人工肛門の袋を装着しました。慣れれば、意外に楽なんです」(内田さん・以下同) 達観したように見えるほど、時にユーモアを交え、時に淡々と語る内田さん。内田さんは、’15年の年末から抗がん剤治療を開始。’16年4月、がんを切除するため手術に臨む。3時間半の大手術だった。 「人工肛門については、ほぼつけることになりそうだと聞いていましたが、一縷の望みを捨てたくないんですね。そういった意味では、覚悟はできていませんでした。だから入院当日に、人工肛門をつける場所を決めて、おなかにマーキングしたときは“なんで?まだ決まっていないのに”って」 現在、身につけている1枚800円ほどの使いきりの袋や、2日で1回くらい取り替える500円ほどのフィルターなどの器具は、これから一生涯使い続けることになる。 「でも、慣れれば着脱は簡単だし、排せつ物をためる袋は1日1回、取り替えるだけ。袋は中身の見えないタイプもあるんです。お風呂も普通に入れますから、まだ行っていませんが、温泉にだって入れます」 それでも、けがなどで四肢を切断したとき、切断した部分が痛むような“幻肢痛”に悩まされることもある。 「同じようなことを体験しました。おなかが痛くなると、ないはずの直腸あたりが痛むことはあったりします。でも、出る爽快感は味わえなくても、散々悩まされた便秘の苦しみからは解放されました。将来、介護生活になっても、おむつの取り替えの必要はないし下の世話は楽だなんて思ったりして(笑)」 患部も、息子が「梅干しみたい」と表現したそのままの形状だ。 「おなかから取り出した大腸の表面はクニャクニャしていて、お風呂に入ると色が白くなったり、体調を崩すと赤い点々が出てきたり。けっこう“表情”があって、今は愛おしい存在です」 自分の体を受け入れ“無理はしない”ことも心がけるようになった。依存症のように飲んでいたお酒も、やめてから1年ほどたった。 「医者から『がん患者にお酒までやめろとは言えない』と言われていましたが、飲みすぎは何しろ大腸に悪いし、絶対に再発は防ぎたいので。そもそも悩みを忘れるためにお酒を飲んでいましたが、それで解決するわけではないから。結局同じことで翌日はまた落ち込むんですね。だったら、最初から悩みに向き合い、受け流していけばいいんですね」 酒と同時に、これまで絶やさなかった恋愛も卒業。 「私の男性遍歴を知っている親しい友人からは『絶対無理でしょ』って言われますが。親からの虐待があって、そこで男性に愛情を求めていた部分もあったんですけどね。4人の子どもに恵まれたし、閉経して、もう出産することもないから必要ない気がするんですよ。がんになっていろいろ割り切れたから、酒も恋愛も捨てられました。人生で重荷だったことが2つも消えて、身軽になりました」 がんと共存していくなかで、これまでの悩みも小さく思えるようになった。そうすると、がんを前向きに捉えられるようにもなった。 「当初は人工肛門のことを描く自信はなかったし、迷いもありました。でも今では“大ネタもらっちゃったな”という思いです」 そして現在は、続編としてストーマ(人工肛門の総称)生活を描いた「すとまんが」を執筆中だ。 「今、がんになって改めて感じるのは、これまでと変わらず子どもに囲まれて、マンガを描けることが本当に幸せだということ」 自分の体に変化があったからこそ、当たり前と思っていた日常に幸せがあるのだと再確認できたのだった。
2018年04月08日●乳がん検診を受けるための3パターン日本人女性に多くみられる乳がんを予防するため、日本では40歳以上の女性に対して2年に1度の乳がん検診が推奨されている。だが、毎日の仕事や家事・育児に追われて行く機会を逸したり、「痛そう」などの不安から検診を自粛したりする女性も少なくないだろう。それでも、定期的な検査によってリスクの芽を早めに摘み取れるのは自明の理。他の誰でもない自分の命に直結しかねない検診なので、その内容やメリット・デメリットをきちんと把握しておきたいところだ。今回は胸部・乳腺外科の法村尚子医師に「乳がん検診のいろは」についてうかがった。――一般的な乳がん検診ではどのような検査をするのでしょうか。乳がん検診を受けるには、主に「住民健診」「職場検診」「個人検診」の3通りの方法があります。住民健診は各自治体が住民を対象に実施する検診、職場検診は勤務先の健康保険組合または事業所(会社など)で行っている健康診断、個人検診は自分で自由に施設や検診内容を選んで受ける検診です。最も一般的である住民健診では、基本的に40歳以上の方に2年に1度のマンモグラフィによる検診を行っているところが多いです。マンモグラフィは乳房のレントゲン検査で、板で乳房をはさみ圧迫して撮影します。マンモグラフィ検査では、しこりとして触れることができる前の早期乳がんを発見できる可能性があります。以前は必須であった視触診ですが、早期の乳がんを発見できる可能性は低く、現在は任意となっています。基本的に乳がん検診ではマンモグラフィを行うことが多いですが、自治体や職場によってはエコー検査を追加しているところもあります。また検診内容を自由に決められる個人検診では、マンモグラフィとエコー検査の両方、またはどちらかを選べます。――若年での乳がん発病もリスクとして考えられますが、検診は希望すれば10代や20代でも検査可能なのでしょうか。個人検診であれば、年齢に関わらずどなたでも検査を受けられます。住民健診、職場検診では費用の補助があるのに対し全額自己負担ですが、検診内容や受けたい施設を自由に選ぶことができます。――マンモグラフィのメリット・デメリットを教えてください。メリットは「がんの疑いがある小さな石灰化も検出できるため、乳がんの早期発見につながる」という点ですね。逆にデメリットは「乳腺濃度の高いデンスブレストでは、しこりを見つけにくい」「微量ながら被爆がある」「乳房を圧迫するため、痛いこともある」などです。●日本人女性はマンモグラフィでは乳がんを見つけにくい!?――日本人女性にはデンスブレストの女性が多いと聞いたことがあります。デンスブレストについて詳しく教えてください。一般的に女性の乳房は、年齢が若い頃には乳腺が発達しており、年齢を重ねるととともに乳腺が脂肪に置き換わっていきます。マンモグラフィで撮影した乳房の構成は「脂肪性」「乳腺散在」「不均一高濃度」「高濃度」の4つに分類されます。乳腺が発達しているほどマンモグラフィでは白く写り、脂肪が多くなると黒く写ります。デンスブレストとは、乳腺が発達して白く写る高濃度乳腺のことです。マンモグラフィ撮影では乳腺も乳がんも白く写ります。脂肪性乳房で黒っぽく写っている中に白く写る乳がんを探すのは見つけやすいですが、デンスブレストでは全体が白く写っている乳房の中に白く写る乳がんを探すため、見つけにくいケースがあります。若い人の方が乳腺が発達している場合が多いですが、乳腺の量には個人差があります。また、アジア人にはデンスブレストが多いと言われています。――ではデンスブレストの場合、エコー検査をする重要性が増してくるということでしょうか。そうですね。エコー検査では乳腺は白く、大半の乳がんは黒く写ります。白い中に黒いものを見つけるので比較的発見しやすく、デンスブレストの方はマンモグラフィにエコー検査も加えると、より乳がんを見つけやすくなります。エコー検査には、乳腺濃度の高いデンスブレストでも乳がんを見つけやすいというメリットがある一方で、「小さな石灰化は見えない」「技師の技量で検査の精度が左右される」というデメリットもあります。このようにマンモグラフィとエコーには、どちらもメリット・デメリットがあるため、どちらの検査が優れているということはありません。「どちらも受けることで、より乳がんを見つけやすくなる」という認識を持ってもらえればと思います。※写真と本文は関係ありません○取材協力: 法村尚子(ノリムラ・ショウコ)胸部・乳腺外科2005年香川大学医学部医学科卒。現在、高松赤十字病院胸部・乳腺外科副部長。乳腺外科を中心に女性が安心して受けられる医療を提供。また、En女医会に所属し、ボランティア活動や各種メディアにて医療情報を発信している。資格乳腺専門医、外科専門医、がん治療認定医などEn女医会とは150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。
2017年10月26日「がん治療に明るい光が見えています。がんと診断されてから5年後に生存する人の割合を示す『5年生存率』が、昨年より0.9%上昇。65.2%になりました(’17年8月・国立がん研究センター発表)。そのいっぽうで、がん患者へのアンケートから『働くがん患者の年収は、平均2割減少した』ことがわかりました。減少の理由は、休職、業務量のセーブ、退職がトップ3です。なかには『収入ゼロになった』人が18%もいて、『半分以下になった』人が47%に上ります(’17年8月・ライフネット生命保険調べ)。小林麻央さんなど、がんで命を落とす方もいて、がんへの恐怖はなかなかぬぐえません。しかし、経済的なことに限定すれば、制度を知って賢く利用することで、不安を軽減することができます」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。ただし、それらの制度は自己申告制。知らなかったために生活が困窮することのないよう、荻原さんが“がんの不安を軽減することができる”制度を解説してくれた。 【1】高額療養費制度 「医療費は収入や年齢によって、月々の負担上限が決まっています。たとえば、70歳未満の年収370万〜770万円の方なら、自己負担は月約9万円。それを超えて支払った医療費は、申請すれば返金されます。入院の場合は『限度額適用認定証』を受けておくと、医療機関への支払い自体が限度額になるよう計算してくれ、大金の支払いや返金手続きは不要です。詳しくは、病院窓口にお問い合わせください」 【2】医療費控除 「1の高額療養費制度での返金や民間保険の給付金などを差し引いても、年間の医療費が10万円を超える場合は、確定申告して医療費控除を受けましょう。医療費控除は、5年間さかのぼって申告することができます。体調が落ち着いてからでも間に合いますから、領収証はきちんと保管しておきましょう。先のアンケート調査でも、1の高額療養費制度は病院からの指導もあるようで、利用率が92%ですが、2の医療費控除の利用率は58%。忘れずに申告したいものです」 【3】傷病手当金 「会社員の方なら仕事を休んでも、給料の約3分の2が、最長1年半の間、傷病手当金として支給されます。パートの方なども、社会保険に加入していれば支給対象です。また、1年半を超えても病状が思わしくなく働けない場合は、障害年金が受給できることもあります」 これら公的支援を利用すると、医療費の自己負担はかなり抑えられる。東北大学・濃沼信夫氏の’10年の調査では、がん患者の医療費は平均101万円かかるが、公的支援や民間保険などの給付が平均62万5,000円あった。これを差し引くと、実質負担の平均は約40万円。思ったより負担が少ないと感じる人も多いのでは。 「昨年12月に、改正がん対策基本法が成立し、がん患者が働き続けられるよう配慮することが、事業主の責務として盛り込まれました。がんになったからといって、すぐに辞めないことが大切です。身近にも、がん治療をしながら働いている方が増えてきたように思います。制度などは企業の方針を待たねばなりませんが、私たちはできるだけの応援をしていきたいものです。日本人の2人に1人はがんになるといわれている時代です。お互いさまの精神で、助け合っていきましょう」
2017年09月01日乳がんを経験し、講演などの活動を行う女優の音無美紀子さん(67)と「がん哲学外来」理事長で、がん患者やその家族と対話し、生きる希望を与えている順天堂大学医学部の樋野興夫教授(63)。2人に1人が罹患する時代に、がんやがん患者とともに生きてきたお2人が、病いにどう向き合えばいいかを語り合った。 音無さんは’88年に乳がんが見つかり、当時標準治療だった全摘手術を受けた。手術後は、うつになり「死にたい」と苦しんだという。 音無「10時間に及ぶ手術、その後のリハビリと奮闘しましたが、抗がん剤の点滴治療のミスをきっかけに心を閉ざしてひきこもり状態に」 樋野「がん告知を受けた人の約3割に音無さんと同じようにうつ的な症状が現れます」 音無「眠れない、食べられない、何もできない。当時、そういうのは、心が弱い人がなる“ノイローゼ”だと思い込んで、恥ずかしくて病院にも行けなかった。告知されてからの闘病の苦しみ、『なぜ私が?』という恨みや未練も重なり、つらかった。いくら医療技術は進歩しても、人間の“心”は同じ気がしますね」 樋野「はい。医師には最先端の治療を確立することと、もう一つ『人間的な責任で手を差し伸べる』という使命がありますが、それが失われようとしています。そこで私は’08年に『がん哲学外来』を立ち上げました。患者さんとご家族に、『病気であっても病人ではない』『がんも単なる個性である』というような言葉の処方箋を出しています」 音無「言葉といえば、ある日、当時小学生だった娘の『ママなんで笑わないの?』の言葉にハッと気づかされたんです。左胸を全摘してから自分の体もそうですが、いっさい鏡を見られなくなったんです。鏡を見てみると口角も上がらないし、どう笑えばいいのかさえ忘れてしまっていて。娘に言われてから意識して鏡で笑顔をつくるようになりました。少しすると口紅もつけてみよう。美容室にも行こうと、徐々に元気になれました」 樋野「家族の『言葉の処方箋』に助けられましたね。私の哲学外来では一人1時間、カルテもなし。お茶を一緒に飲みながら話を聞いて対話するだけです。どんな病気なのか。なぜここに来たのかをじっくり聞くうちに本音を吐露していきます。自殺を考えていた人に『あなたには役割がある。存在には意味がある』と伝えると、自分ができることを探し始めます。その患者さんが自ら『メディカルカフェ』を開き、同じ苦悩する人の悩みに耳を傾ける人もいるんです」 音無「私自身、“心が重い日々”が続きましたが、一歩を踏み出すことで変わりました。うつで、夏休みに娘をどこにも連れていけないとき、『絵日記を書く材料がない』って言われたんです。娘は『ママと、目玉焼きをつくりたい』と言うから『それならできるかも』と、勇気を出してやってみたら『ママすごい』と娘が喜んでくれました。翌日、『じゃあ、おにぎりをつくろうか』と言って三角おにぎりをむすんだ私に『すごい』と娘が言ってくれて。本当に小さな一歩でしたが、これをきっかけに気持ちが回復していきました」 樋野「家族の接し方では、懸命に尽くすつもりが、気持ちの押し付けになる“よけいなおせっかい”が多い。ふだんは話もしないのに病気になると、途端に世話を焼く。それが患者の悩みや負担につながっています。そんな人に私は『偉大なるおせっかいであれ』と伝えます。同じ部屋にいて寄り添うだけでいいんです。夫婦でリビングに無言で1時間一緒にいる。“よけいなおせっかい”だと思われないように、お互いが一緒にいることで安心できる関係をふだんからつくっておきましょう。大事なのは相手に関心を持つこと。『後ろからじっと見守る』イメージです」 音無「私たちも仕事が忙しく、ふだんは対話の時間が多かったわけではないのですが、主人(俳優の村井國夫さん)は私が病気のことを人に言えずに苦しんでいることを見てくれていたようです。『もうさらけだせば』という思いが助けになりました。がんになって13年後、’01年に主人がテレビ番組でポロッと私のことを話したところ大反響で、それをきっかけに私も『徹子の部屋』に出演して闘病について告白でき、ようやくラクになりました」
2017年07月22日エムティーアイ運営の健康情報サービス「ルナルナ」はこのほど、シンクパールと共同で実施した「職場での婦人科検診制度について」の調査結果を発表した。同調査は2月18・19日、20~50代以上の女性1万1,676名を対象にインターネットで実施したもの。初めて婦人科検診を受けたきっかけについて聞くと、「自治体からのお知らせ・クーポン」(34.7%)が最も多く、次いで「自分の職場の健康診断」(24.1%)となった。最近では著名人の乳がんや子宮頸がんなどの婦人科疾患発症が話題になっているが、そういった報道によって自身の意識や行動に変化はあったか尋ねたところ、41.2%が「自分の健康について考えるようになった」と回答した。33.5%は「実際に検診に行った」と答えている。次に、20~50代以上の働く女性を対象に、自身の職場に婦人科検診を受けられる制度はあるか聞くと、「ない」が45.4%で、「自分の職場にある」(39.7%)を上回った。職業別でみると、「自分の職場にある」が半数を超えたのは正社員(51.4%)のみで、その他は検診制度がない人が多いことがわかった。「自分の職場」もしくは「家族の職場」に婦人科検診を受診できる制度があると回答した人に、実際に受けている検診の種類について尋ねたところ、乳がん検診は自己負担あり・なしに関わらず約30%が受けていることがわかった。子宮頸がん検診も、自己負担なし35.8%・自己負担あり30.2%で受診率は3割を超えている。職場に婦人科検診を受けられる制度がないと回答した人に、もし職場に受けられる制度があった場合に活用したいか尋ねると、58.2%が「自己負担がないなら受けたい」、33.1%が「自己負担があっても受けたい」と答えた。合わせると、9割以上の人が受診したいと回答している。
2017年03月02日2013年11月に鼻のてっぺんに皮膚がんの一種“基底細胞がん”ができ、手術で取り除いたことを公にしていたヒュー・ジャックマン。昨年2月9日(現地時間)に「(4回目の)除去手術を受けた」とSNSでファンに報告してからわずか1年、再び手術を受けたことを月曜日(現地時間)に明かした。過去、肩にも同じがんができて手術を受けたことも告白しているので、実に6回目の手術であった。今回SNSに掲載した、鼻にガーゼとテープを貼った自撮り写真は、昨年の手術時よりもずいぶんと痛々しい。ヒュー本人もその姿を気にしたのか、「ガーゼを貼っている方が貼っていない状態より見た目がひどい!」とコメントを添えている。「頻繁な検診と、素晴らしいお医者さんたちのおかげで、すべて順調だよ。とにかく日焼け止めを塗ってね!」といつものようにファンに日焼け止めの必要性を訴えた。アメリカの皮膚がんに関する慈善団体「スキン・キャンサー・ファンデーション」によると、アメリカにおいて基底細胞がんは、年間300万人が診断を受けているという、珍しくないタイプのがんだそうだ。また、外科的手術で早々と対処すれば、転移することはほとんどないとのこと。(Hiromi Kaku)
2017年02月14日メディカルメイクアップアソシエーションはこのほど、「がん患者と一般生活者のがん治療における見た目の悩みに関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2017年1月、がんの化学療法による治療を行っている・または治療を経験した515名と一般生活者520名を対象に、インターネットで実施したもの。がんの化学療法による治療を経験した人に、外見面でどのような変化が生じたか聞くと、58.3%が「頭皮の脱毛」と答えた。「皮膚の変色/色素沈着」「むくみ」「爪の変形」は約3割が経験している。がんの化学療法による治療を経験し、社会復帰をするにあたって困ったことを尋ねたところ、もっとも多かったのは「体力面の変化」(67.9%)だった。また、全体の48.5%が「外見の変化」と答えている。特に女性では59.5%と、約6割が外見の変化に困ったと回答している。がんの化学療法による治療を経験し、外見面に変化が生じたことで日常生活にどのような影響があったか尋ねたところ、「日常生活の活動に対してモチベーションが下がった」(38.3%)、「外出をためらうようになった」(36.8%)が多かった。がんの化学療法による外見の変化について、周りの人にはどのように接してほしいか聞くと、男性の74.9%、女性の70.6%が「これまでと変わりなく接する」と答えた。一般生活者に、身近な人が化学療法によるがんの治療(抗ガン剤治療)中に外見の変化を経験した場合、どのように対応するか尋ねたところ、「外見の変化があったとしても患者に変わらずに接する」が54.2%でもっとも多かった。一方で、「外見に触れないようにする」(36.0%)など、意識してしまう人も見られた。がんの化学療法を行った人を対象に、外見の変化に対して、対策をとっているか尋ねたところ、55.3%が「やっていない」と答えた。「やっている」と答えた人に具体的な対策方法を聞くと、女性は「医療用ウィッグ」、男性は「肌のケア」が最も多い結果になった。皮膚の変色に対しメイクアップをした結果、どのような変化があったか聞くと、47.5%が「精神的に明るくなった」、45.0%が「外出が積極的にできるようになった」と答えた。がんの化学療法による外見の変化に対応する方法について、どのように情報収集したか聞くと、女性では「インターネット検索」(50.0%)が多かった。情報収集の際に感じた課題について尋ねると、「治療についての情報を優先するため聞きづらい」(46.4%)、「どこで探していいか分からなかった」(37.7%)という回答が多くなっている。治療中の人に、がんの化学療法による外見の変化の悩みについて、もっと知りたいものを尋ねたところ、「適切な肌のケア」(46.8%)、「爪のケア」(44.3%)、「医療用ウィッグ」(39.2%)が多かった。
2017年02月13日質問:がんのごく初期でも何か自分で分かるようなサインはないのでしょうか?父方、母方両方の3親等以内の親族にがんで亡くなった方が複数います。皆さん気付いた時にはすでに手遅れ、というレベルでした。私自身も常に気を付けて検診も受けてはいますが、ごく初期でも何か自分で分かるようなサインはないのでしょうか?例えば、胃がんや大腸がんなどは全く無自覚のまま進行してしまうものなのでしょうか?東京都:そらまめさん(42)回答:「がん」の初期症状についてお答えします。――がんの初期症状として見られる症状親族にがんの患者さんが多いおうちを「がん家系」と呼びますね。確かにがんの中には遺伝性が強いものもありますが、ほとんどは体質(遺伝)と環境の組み合わせによって発症するといわれています。もちろん純粋に「○○がんになりやすい体質」というのもあるでしょうが、それ以外に家族の中で食習慣や運動習慣などを共有することが多いため、同じ部分に負荷がかかりやすい、ということもあるでしょう。がんの初期症状として見られる症状について、簡単にご説明したいと思います。ひと口にがんの初期症状といっても、場所により症状の出方が大きく異なりますので、今回はご質問にあった胃がんと大腸がんについて、お話ししましょう。1.胃がんもともと日本人に多いとされてきたがんですが、近年減少傾向にあります。初期症状としては、食欲不振、吐き気、胸やけ、胃部不快感、黒色便(胃からの出血の可能性があります)、体重減少、貧血などが挙げられます。症状自体、普段でもよくみられることなので、見分けがつきにくいことがありますが、何日か続くようなら胃がん、あるいは胃炎や胃潰瘍の可能性があります。2.大腸がん食生活の欧米化とともに最近増えてきているがんの一つです。本当に早期のがんは、便潜血が陽性であったり、他の病気で内視鏡検査を行って偶然見つかったりすることが多いようです。少し進行すると、便秘がちになる、便に血が混じる、便秘と下痢を繰り返す、下痢便しか出なくなる、貧血といった症状が出てくることがあります。早期の大腸がんでは自覚症状が出にくいので、40歳を過ぎたら定期的に健診を受けることが大切です。<定期検診の重要性>ご相談者さまはいつも検診も受けていらっしゃるとのこと、これは本当に大切なことですのでぜひ継続してください。多くの場合、検診を定期的にきちんと受けていれば、手遅れになるまで見つからないということはあまりありません。がんの初期症状は、自分の身に起こるとなかなかそれとは気付きにくいものです。何か変だなと思ったら、早めに受診してくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:子宮頸がん検診で「異形成」との診断。3カ月ごとの定期検診で経過観察と言われました。28歳の女性です。先日、子宮頸がんの検診に行ったところ、「異形成」だと診断されました。私にはパートナーがおり、1~2年後には結婚・出産を考えています。3カ月ごとに定期的に検診をして経過を追っていくように言われましたが、経過を追っていくうちに異形成が消失することもあるのでしょうか?また、もしがん化した場合にはどのような治療が必要になるのでしょうか?その後、赤ちゃんを産むことはできるのでしょうか?海外在住:neneanoneさん(28)回答:子宮頸部の「異形成」についてお答えします。――「異形成」と「がん」の違い子宮頸がん検診で異形成を指摘されたとのこと、ご心配ですね。ご相談者さまの人生において大きな問題ですし、異形成の程度など個々のケースにより、扱いが異なることがありますので、詳しいことは実際に診察をされている主治医の先生にお尋ねになることをおすすめしますが、私の方からは一般的なことについてのみお話しさせていただきますね。子宮頸部の異形成についてですが、これはがんとは異なるので、すぐに治療を行うことは少ないと思います。経過の中で異形成がどうなっていくか、あるいはどのタイプのヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているかなどによって、全体を見て判断されます。子宮頸部の異形成が軽度であれば、9割以上が自然治癒するとされています。ご相談者さまが主治医に指示されたように、数カ月おきに細胞診(あるいは組織診やコルポ診と呼ばれるもの)を行って経過を見る方法が一般的です。多くは自身の免疫力によってHPVを自然に排除していくと考えられますので、異形成が軽度であれば、必要以上に心配せず、規則正しい生活や栄養バランス、適度な運動や休息を心がけて、定期的な受診を続けられるのがよいと思います。異形成が中等度と判断された場合、中等度の中でも異形成の程度や、HPVのタイプなどによって対応が異なりますが、多くは軽度異形成と同様に経過を見てから、必要に応じて治療を考慮することになります。高度異形成の場合、子宮頸がんの上皮内がんと呼ばれる、0期のがんを含むこともあるので、予防的に手術を行い、病理診断などを行うこともあります。<「異形成」と診断された後の妊娠・出産>子宮がん検診で認められたほとんどの異形成、および子宮頸がんの0期では子宮摘出の必要はなく、将来的な妊娠・出産は可能です。高度異形成および上皮内がんでは、円錐切除術といって、異常部分を円錐型に切り取る方法が広く行われていますが、その他にもレーザーを用いたり、電気伝導性のワイヤーを用いたりする治療も行われます。がん化した場合でも、1a期までであれば、大抵は将来の妊娠・出産に備えて子宮を残すことは可能ですが、医師の判断により残せないこともあるようです。今回は、きちんと検診を受けておられたということで、異形成の段階で見つかって本当に良かったと思います。このまましっかり経過を見ていけば、今後の妊娠・出産に影響が出る可能性は低いと思います。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:男女・年齢などでがんになる確率は違うものなのでしょうか?祖父をがんで亡くしており、義父にもがんが見つかりました。医療の進歩により、かつては致命的だった他の病気などで命を落とすことが少なくなった分、がんになる確率はとても高いと思いますが、男女・年齢などで確率は違うものなのでしょうか?がんの治療は昔と比べてだいぶ進歩していると聞きますが、治療で助かる人と助からない人の違いはありますでしょうか?また、治療にお金をかければかけるほど治りやすくなるものでしょうか?東京都:たもさん(32)回答:「がん」についてお答えします。――性別や年齢で「がん」になる確率は変わるのか?ご家族にがんにかかられた方が複数いらっしゃるということで、ご心配でしょうね。やはり、身近でがんの宣告・闘病を目の当たりにすると、いろいろな不安や疑問も湧いてくるかと思います。ご相談のなかに複数のご質問があるようなので、ひとつずつお答えしたいと思います。まず、性別や年齢などでがんになる確率は異なるのかというご質問についてですが、これは大きく異なるというご返答になるかと思います。最近発表された日本の統計によると、がん全体で見ると男女とも50歳前後からがんにかかられる方が増加し、高齢になるほど確率が上がります。また、30代の後半から40代では女性の方がややがんの罹患率が高いのに対し、60代以降になると女性よりも男性の罹患率の方が明らかに高い、という特徴もあるようです。また、がんの種類についても、食道がん、胃がん、肺がんなどは男性に多い傾向があり、女性はがんのなかでも肺がんや大腸がんなどに加え、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどに罹患される方が多くおられます。従って、年齢によってがんの罹患率は大きく異なりますし、男女でもがんの確率や部位などはやや差がある、ということはいえるかと思います。<「がん」は早期発見・早期治療が大事>次に、治療で助かる人と助からない人の差についてのご質問ですね。これは、非常に難しいご質問ですが、主に治癒率、生存率の差は、がんの種類とステージ、つまり進行度によって変わってきます。確かにおっしゃるように、医学は日々進歩しており、例えば胃がんの場合では胃の粘膜下層と呼ばれる比較的浅い層までにとどまっているがんであれば、9割以上という高い確率で治癒が望めます。しかし、全身に転移が広がっている症例では1割前後とかなり厳しい生存率になります。従って、がんの早期発見、早期治療が、治療で助かるための一番のポイントということになります。また、お金をかけるほど治りやすくなるのか、ということに関しては、日本では多くのがん治療が保険診療で行われており、お金を多くかければ治療に変化がある、という状況ではありません。ただ、一部保険適用になっていない治療法を自費診療で行っている医療施設もありますし、患者さんによっては日本で行っていない新しい治療法を試みるために海外に渡航される方などもいますので、お金をかけることで、選択肢としては広がるかもしれません。ご参考になれば幸いです。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:がんは遺伝すると聞いたことがあります。生活習慣が異なってもがんは遺伝するのでしょうか?現在、第一子を妊娠中の30歳です。夫の母がぼうこうがんに、私の母が卵巣がんになり、手術は成功したものの、転移の恐怖や、後遺症で苦しんでいます。がんは遺伝するとも聞いたことがあります。実際のところ、生活習慣が異なっても遅かれ早かれがんは遺伝するのでしょうか?愛知県:とちおとめ♪さん(30)回答:「ぼうこうがん」と「卵巣がん」の遺伝性についてお答えします。――「ぼうこうがん」の遺伝性ご妊娠中とのことで、おめでとうございます。また、義理のお母さまがぼうこうがん、実のお母さまが卵巣がんにかかられたということで、大変でしたね。がんの原因に関しては、さまざまな研究が進められていますが、子宮頸がんなどのようにウイルスとの関連がある程度明らかになっているものもありますが、多くは遺伝的なものと生活習慣の組み合わせで生じるものとされています。義理のお母さまがかかられたぼうこうがんに関しては、遺伝性のものは少ないとされており、喫煙との関連性が非常に高いといわれています。それ以外に、特定の染料を使う職業や皮革製品の製造などに携わる人の発症率が高いことも指摘されていて、職業による発がんも見られるとされています。<「卵巣がん」の遺伝性>一方、お母さまがかかられた卵巣がんに関しては、一部遺伝性があることがはっきりしています。およそ5~10%の卵巣がんは、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」によるものと考えられており、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子という遺伝子の変異が関与するといわれています。これらは、遺伝子検査で調べることができます。遺伝性乳がん卵巣がん症候群が疑われる場合としては、若くして乳がんを発症していること、両方の乳房に乳がんを発症すること、乳がんと卵巣がんの両方を発症すること、家系内に乳がん・卵巣がん・すい臓がん、または男性の乳がんの患者さんがいるなどといったケースが挙げられます。ご相談者さまの場合は、家系内に卵巣がんの患者さんがお母さまだけであり、ある程度お年を召してからの発症ということならば、遺伝性のものである可能性はそう高くはないでしょう。ご心配であれば念のため検査を受けてもよいかもしれません。また、卵巣がんは原因がはっきりしないものが多くを占めますが、初経(初潮)が早かった人(12歳以下)、閉経が遅かった人(55歳以上)、30歳以降に出産した人、妊娠や出産経験がない人、排卵誘発剤による不妊治療を受けた人などが、相対的にリスクが高いとされています。がんの多くは遺伝性ではありませんし、その後の生活習慣が発症に大きな影響を与えると考えられています。食事のバランスや運動習慣、生活のリズム、禁煙などに気をつけて生活することで多くは予防できると思われます。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:がんは遺伝するものと聞くのですが、わたしにも同じ部位に遺伝でがんができますか?先日祖父が脳梗塞で倒れました。幸い脳梗塞は軽いもので、発見も早かったので大事には至りませんでしたが、詳しく検査してみると胃がんが発見されました。ある程度進行したがんのようで、祖父は胃を全摘出する手術を受けました。がんを摘出したことにより、祖父は元気を取り戻し、今では以前より元気に過ごしております。がんは遺伝するものとよく聞くのですが、わたしにも同じ部位に遺伝でがんができるものなのでしょうか?福島県:クローバーさん(26)回答:「がん」の遺伝性についてお答えします。――「がん」の遺伝性おじいさまが脳梗塞で倒れられて、脳梗塞は軽症であったものの、検査によって進行胃がんが発見され、胃の全摘手術を受けられたということですね。短期間の間に大きな病気に二つもかかられて、ご本人はもちろんのことご家族も大変に心配されたことでしょう。ご質問いただきました、がんの遺伝性についてお答えしたいと思います。がんには数多くの種類がありますが、発生するがんの中で明らかに遺伝によるものと認められるのはわずかに約1%であるともいわれます。ずいぶん少ないように思いますが、実際には同じ家族の中で数人が同じタイプのがんにかかったという話を耳にすることも多いですよね。では、なぜ同一家系内に同じがんが多いような印象があるのでしょうか。これは、食事の好みや運動習慣をはじめとする生活習慣が、家族や親戚内で共通する場合が多いためと考えられています。多くのがんはいわゆる遺伝子による遺伝と、環境・生活習慣の微妙なバランスで発生することがわかっています。家族として生活していると、どうしても食事や運動習慣などの選択基準や好みは似通ってくることが多いものです。<「がん」の予防法について>がんのなかでも、胃がんは、スキルス胃がんと呼ばれる若年女性に多いタイプを除き、遺伝性よりも食生活やピロリ菌感染の有無の方が発病に関連が深いとされています。具体的には、塩分量の多い食事を避け、野菜や果物を多くとり(一日400g以上が望ましいといわれています)、熱い食べ物や飲み物は避け、またピロリ菌が陽性の場合はしっかり除菌を行うことで、ご家族に胃がんの方がいても多くの場合、胃がんを予防することができると考えられています。また、過度のストレスは万病の元になります。忙しい現代においてなかなか難しいこととは思いますが、できればある程度若いうちに、心からリフレッシュできるストレス解消法を見つけておきたいものです。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日乳がん闘病中のフリーアナウンサー・小林麻央が13日、自身のブログを更新し、「がんこな人はがんになりやすい」と言われていることについて、「私も、たぶん、がんこです笑」と明かした。麻央は「今日、乳がんの方と会って、お話しをしたのです!私にとっては、初めてのことです」と報告。「同じ病でも病状によって、全く違いますし、同じ治療をしていても、副作用の出方によって、全く違います」とした上で、「でも、今日は、そういうところを超えた、心のお話しができて、とても癒されました」と伝えた。そして、「がんこな人はがんになりやすいと、よく聞くけれど、私も、たぶん、がんこです笑」と打ち明け、「主人には不動明王ならぬ、不動麻央(まおう)と呼ばれます」と夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵とのやりとりを告白。「もっと心を柔軟に解放してあげたいです」と記した。さらに、「いつも思っていたことがあるのです。主人は、縛られるものが多いのに、いつも自由です。私は、自由なのに、いつも何かに縛られています」と夫と比較。「『結婚しても、あなたの人生だから、あなたの好きに生きてください』と、言われたのを思い出します」と振り返り、「自分の本当の『好き』を見つけるつもりです」とつづった。
2016年10月14日がんは今や誰にとっても他人事とはいえない病気。国立がん研究センターが発表した「2016年がん統計予測」によると、2016年のがん罹患数予測は101万200例(男性57万6,100例、女性43万4,100例)で、昨年よりも約28,000例増加しているといいます。今回ご紹介する『がんは治療困難な特別な病気ではありません!』(真柄俊一著、イースト・プレス)の著者は「がんと食」「自然治癒力」を軸に置いたがん専門クリニックで多くの患者さんのがんを治すのに成功しています。そこで本書の中から、あまり知られていないがんに関するデータをご紹介します。■日本と欧米の「がん死亡率」には大きな差があるイギリス、フランス、アメリカ、日本の「がん死亡率」の推移を比較すると、1950年の時点では、日本人のがんでの死亡率は最も少なく、トップのイギリスの40%程度でした。その後各国ともに死亡率が上昇しますが、1990年頃を境に日本以外の3カ国はがん死亡率が軒並み下がり始めます。しかし日本だけはぐんぐん死亡率が上昇し、90年代半ばでアメリカを抜き、2000年代に入るとフランスを抜き、主要先進国の中でがん死亡率が1、2を争う国になってしまいました。もし他の3つの国のように日本も死亡率が下がっていたとしたら、10万人以上が亡くならずにすんだという計算になります。■アメリカではがん死亡率が20%も減少しているアメリカでは1970年代から国をあげてがんの対策を行ってきました。そのため、1990年を境にがん死亡率が年々減少しています。アメリカがん協会は2013年版の発表で、ピークとなった1991年から20%減少したと述べています。著者は、日本とアメリカではがん医療の違いがはっきりあるといいます。日本では臓器転移のあるがんの場合、治癒は困難で「がん放置療法こそが最善である」という風潮があります。しかし、アメリカの医療現場でそんな指導をする医師がいれば、医師免許が剥奪されてもおかしくありません。■肉の発がん性はタバコ並みに高いことが明らかに2015年10月、IARC(国際がん研究機関)が「肉にはアスベストやタバコ並みの発がん性がある」と発表しましたが、うやむやのうちにこの話題は消えてしまいました。しかし、WHO(世界保健機関)の傘下であるIRACが肉や肉加工品の発がん性をはっきり認めたということは極めて重要です。動物性食品の危険性に関する研究は進んでおり、イギリスの研究論文では「赤身肉の大量消費は体内のDNAにダメージを与え、がんの発生を引き起こす」と発表しているのです。■じつは移民労働者は高齢者ほど元気に生きているイギリス王立会議の医師トロウエル博士は、「先進国民は動物タンパク狂」だと指摘しています。肉食中心の食生活が現代病の原因だということです。同じように食生活と病気の発生について指摘している医師は大勢いるといいます。1972年にアメリカ人医師がハワイに赴任した際、ハワイの農園で働く日系人は高齢者ほど元気だということに気づきました。アメリカ本土では同じ年代の老人たちは心臓疾患やがん、リウマチなどの何かしらの病気を抱えているのが普通でした。しかし、ハワイの農園で働くアジア系の高齢者たちは病気とは無縁。90歳になっても元気に働いている人もいました。ところが、そんな移民の人たちも第2世代になるとやや不健康、第3世代以降では本土のアメリカ人と同様、肥満や糖尿病、心臓病などを抱えていました。さらに彼らの食生活について調査すると、上の世代では出身地で食べていた米と野菜を多く食べていたものの、子どもたちの世代になると食生活が欧米化していました。やがて食事を植物性食品から動物性食品に変えるととたんに病気になるとわかりました。実際、彼のもとを訪れた乳がん患者が動物性食品と油脂分をやめ、穀物は全粒粉、果物や野菜を多くとる食事に変えたところ、がんを克服し、トライアスロン選手になって30年経った今も活躍しているそうです。*本書では病院で治らないといわれたがんが「自然療法」によって完治した事例も掲載されています。がんには特効薬がなく、未だ解明されていないことも多いです。しかし、いつ誰がかかってもおかしくない病気だからこそ、最新の情報やデータをチェックしておきたいものです。(文/平野鞠) 【参考】※真柄俊一(2016)『がんは治療困難な特別な病気ではありません!』イースト・プレス※2016年のがん統計予測-国立研究開発法人国立がん研究センター
2016年10月11日俳優のベン・スティラー(50)が、2年前に前立腺がんと診断されていたことを明かした。医者に前立腺がんと診断された際、ベンはその予期せぬ診断にあっけに取られたという。4日にラジオ局シリウスXMの『ザ・ハワード・スターン・ショー』に出演したベンは「予期していなかったよ。そんなこと考えたこともなかったんだ」「まずはじめに一体何が起きるのかわからなかった。だからすごく怖かったね。全てが止まってしまったよ。だって将来何があるのかわからないから、映画に出演する計画も立てることができないからね」と当時の胸中を語った。ベンが前立腺がんの闘病生活について明かすことを決めた理由は、前立腺がん抗原検査を受けることへの意識を高めるためだという。妻クリスティン・テイラーとの間に娘エラ(14)、息子クイン(11)を持つベンは「前立腺がん抗原検査について話したかったんだ。このテストによって僕の人生は救われたと思うからね」「死亡する原因となるがんの中でこれは2番目なんだけど、完治することのできる可能性が高いがんの1つでもあるんだよ」と続ける。そんなベンは、『スクール・オブ・ロック』のマイク・ホワイトが脚本を手掛け、ブラッド・ピットの製作会社プランBがプロデュースを務める新作コメディ映画『ブラッズ・ステイタス』に出演することが決まっている。同作品の中でベンは、幸せな家庭を築き、素晴らしいキャリアを持ちながらも昔の同級生の生活に嫉妬心を抱く主役のブラッドを演じる。その一方でベンは、ダスティン・ホフマンとアダム・サンドラーと共演した『ザ・マイロウィッツ・ストーリーズ』の撮影が終了したばかりだ。(C)BANG Media International
2016年10月06日エムティーアイが運営する健康情報サイト「ルナルナ」はこのほど、「乳がんと検診について」の調査結果を発表した。同調査は8月、10~50代以上の会員3万9,153名を対象にインターネットで実施したもの。乳がんのセルフチェックをしたことがあるか尋ねたところ、35.3%が「ある」と回答。64.7%は「ない」「やり方がわからない」と答えている。乳がん検診についてどのような方法を知っているか聞くと、74.1%が「マンモグラフィー」と回答した。自由回答にも「名前はわからないが胸を機械で挟むもの」といった回答が目立ち、マンモグラフィーのイメージが強いことがわかった。次いで「触診」(66.9%)、「エコー」(49.3%)となっている。実際に乳がん検診を行ったことがあるか尋ねると、30代前半までは受けたことがないと回答した人が大半だった。20~24歳に至っては、94.1%が「受けたことがない」と回答している。30代後半になると、その割合はほぼ半々になり、40代以降は受けたことがあると回答した人が圧倒的に多いという結果になった。50歳以上は83.6%が「受けている」と答えている。検診に行ったきっかけで最も多いのは、「自治体からのお知らせ」(40.5%)で、次いで「年齢と共になんとなく」(36.3%)となった。検診を受けたことがないと回答した人に、その理由を聞くと、最も多かった理由は「面倒・忙しい」(36.2%)だった。以後、「痛そう」(36.1%)、「費用への不安」(35.8%)と続いている。検診を受けてどうだったか尋ねたところ、72.9%が「受けてよかった・安心できた」と回答した。次いで多かったのは、「定期的に受診しようと思った」(38.3%)、「思ったよりも簡単な検診だった」(34.8%)となっている。ルナルナベーシックコース監修医・松村圭子医師によると、乳がんは自分で見つけることのできる数少ないがんであるという。定期的に自己検診する人ほど、小さい段階でがんを発見することができるとのこと。ルナルナファミリーコース監修医・竹内正人医師も、「乳がんは一般的に進行速度が遅いがん。まずは検診を受けてほしい」と自己チェックを含む定期検診を呼び掛けている。
2016年09月27日有名人が乳がんになったことを告白するたび、乳がん検診の大切さが取り沙汰されます。何度も聞いてわかってはいるけど、子どもの定期検診のほうが優先で、自分の健康管理のことは後回しにしがち。なかなか検診に行けない…とお悩みのママさん。乳がん検診は、自宅でもできるんです。■乳がんは自分で発見できる乳がんは、「自分で発見できる唯一のがん」と言われています。早期発見できれば、治癒率は約90%。早期発見するためには専門機関へ定期検診に行くことがベターですが、自己検診でも見つけることが可能です。■知っておきたい、乳がんの自己検診方法・目で確かめる1.両腕を上げて、左右の乳房、乳輪、乳頭の形、大きさなどの変化を確かめます。2.腕を腰にあてて、腕を前後に動かし、胸を変形させて乳房の変化を確認します。 ・手で確かめる3本指の腹で「の」字を描くようにして、腕を伸ばした脇の下から胸全体の乳腺を確かめるようにチェックしてください。前回触った感覚と比較し、硬いところがないかどうかをチェックします。 このとき、素手よりも触感の感度が高められるグローブ、「ブレストケアグラブ」を使えば、より異常を感知しやすくなります。使い捨て式で、焼却時にはダイオキシンが発生しないように作られています。自己検診は、気がついたときにいつでもおこなえますが、生理後1週間あたりがタイミングとしてベター。もちろん、時間を見つけて専門家がいる施設で定期的に検診を受けることも大切です。(情報提供: 株式会社ICST )これなら、いますぐにでも乳がん検診ができます。昔から、子を持つ母に向けて言われる、「あなたひとりの体じゃないんだから」という言葉があります。ひとりの女性としてはもちろん、元気なママ、笑顔の妻でいるためにも、こまめにチェックしておきたいところです。・ ブレストケアグラブ (株式会社ICST)
2016年06月17日歌舞伎俳優の市川海老蔵(38)が10日、自身のブログを更新し、乳がん検診に行くというコメントが多く寄せられていることを明かした。9日に緊急会見を開き、妻でフリーアナウンサーの小林麻央(33)が乳がんを患っていることを公表した海老蔵。この日のブログでは、「本日乳がんの検査に行った方や これから検査に行くと言った方々のコメントもチラホラと」と、検診についての報告が寄せられていると伝えた。「これってマオがとても喜ぶなぁと思いました」と続け、「マオは元気になったら少しでも世の中の為に役立ちたいと思っているようで…」と麻央夫人の思いを説明。「私の気持ち的には、マオ凄すぎる…という感想ですが…」とつづった。そして、「今回の事で多くの方が検査をして場合によっては救われる方も出てくる」とし、「その様なとらえ方ならば昨日の会見はよかったな と栃木向かいながら思ってます」と公表した意義について言及した。
2016年06月10日