公益財団法人 日本アレルギー協会(所在地:東京都千代田区、理事長:東田 有智、以下「当協会」)は、アレルギー疾患の患者の方々に向けての「重症/難治性喘息患者医療費一部助成事業」が内閣府より10月17日(火)付で認可され、同日付で事業を開始しましたのでお知らせします。日本アレルギー協会が「重症/難治性喘息患者医療費一部助成事業」を開始公益財団法人 日本アレルギー協会 公式サイト: ■「重症/難治性喘息」とは難治性喘息とは、気管支喘息のうち一般的な治療を行っても効果が不十分なもののことで、重症喘息とも呼びます。気管支喘息は空気の通り道である気道に炎症が起こり、咳や呼吸困難などの喘息発作を繰り返す病気です。■「重症/難治性喘息患者医療費一部助成事業」を開始アレルギー疾患の「重症/難治性喘息患者」に対する生物学的製剤は有効な治療法で、徐々に使用され始めていますが、従来の薬と比べて高額なことから治療を躊躇する患者も多く存在しているのが実情です。本事業は「療養費摘要区分エ」に相当する、世帯所得200万円以内で、且つ70歳未満の「重症/難治性喘息患者」に対する医療費の一部助成を行うことによって、「喘息患者の治療及び延命に寄与できる」事業として公益財団法人日本アレルギー協会が内閣府公益認定等委員会の認可を受けて開始する新しい事業となります。■助成金額について助成認定有効期間内(6ヶ月)に月額20,000円を最大4ヶ月(16週)、合計80,000円まで助成をいたします。■助成応募要項について1 助成対象者(1) 重症/難治性喘息患者(2) 高額療養費適用区分エに相当する世帯所得200万円以内の患者(3) 初めて生物学的製剤の投与を受ける患者もしくは生物学的製剤の投与経験がある患者で最終の投与から1年以上経過している患者(4) (1)、(2)、(3)を満たす患者で、主治医からの治療申請が出された患者(5) 70歳未満であること(6) 助成申請は、やむを得ない事情での治療中断等をした場合を除き、原則1回とします。有効判定期間内(※)に有効性が認められない患者には生物学的薬剤を変えて、更に4ヶ月投与します。その期間においても追加助成を行います。※有効判定期間内とは、生物学的製剤の有効性を判定する期間(4ヶ月)2 応募方法助成条件を満たす患者は日本アレルギー協会内の「重症/難治性喘息患者医療費助成基金事務局」に助成申請を郵送にて行っていただきます。この申請は、主治医のアドバイスを受け、患者自身が主治医とともに応募いただくものです。申請に必要な書類など詳しくは「重症/難治性喘息患者医療費一部助成事業」の公式サイトをご確認ください。「応募要項」、「審査選考等規程」、「申請書(患者用、主治医用)」の応募書類がダウンロードできます。公式サイト: ■新規事業設立の背景国内の喘息患者は約300万人存在し、喘息死は抑えられつつありますが「重症/難治性喘息患者」は喘息患者の5%を占める15万人存在し、そのうち年間世帯所得200万円以内の患者が15%の22,500人存在しています(協会調べ)。一方、喘息は指定難病とされていないため医療費助成の対象外となっています。そうした背景から当協会では、生物学的製剤による治療が必要にもかかわらず経済的理由や自身への効果の懸念から治療の開始を躊躇する患者に対して、基金を設立し医療費助成を行うことで、「重症/難治性喘息患者」に対する生物学的製剤の適正使用を推進してまいります。資金は、本基金に賛同する企業及び個人からの寄付を原資として、寄付額に見合う患者数を設定します。本事業では当初の4年間で1,000人の助成を目指しています。■日本アレルギー協会について当協会は経団連の援助を受け、昭和42年(1967年)12月に当時の厚生省(現在は厚生労働省)所管の財団法人として設立され、以来今日まで国民の保健と福祉に寄与するためアレルギーについての知識の普及、啓発活動、アレルギー研究の助成などを行ってまいりました。アレルギー疾患は年々増加の傾向を示していますが、この傾向は先進国ほどより著明です。わが国では現在、何らかのアレルギーを持っている国民は全人口の50%を超えるような状況にあり、今や国民病と言っても過言ではありません。日本アレルギー協会の究極の目的はアレルギー疾患の克服にあります。当協会は平成22年(2010年)9月、内閣府より公益財団法人としての認定を受けました。それに伴い日本アレルギー協会は決意を新たに、更なるアレルギー疾患の啓発に努力し、アレルギー患者さんの立場に立った疾患病態や治療についての知識の普及を通じてアレルギー疾患の克服に向かって尽力しております。■協会概要名称 : 公益財団法人 日本アレルギー協会所在地 : 東京都千代田区九段南4-1-8 第二小磯ビル2F代表者 : 理事長 東田 有智設立 : 昭和42年(1967年)12月公益法人認定: 平成22年(2010年)9月公益目的事業: アレルギーに関する研究助成、研修会・講演会、市民公開講座の開催、出版物の刊行、医療費の一部助成収益事業等 : 抗原輸入代行協会サイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月01日小児喘息とは?症状、特徴、原因など。「アレルギーアンケート」結果も喘息は、ある種の刺激によって気道に炎症が起こり、狭くなることで呼吸が苦しくなる状態を繰り返す病気です。気道とは、気管や気管支と呼ばれる、鼻や口から吸いこんだ空気を肺まで送る空気の通り道のことを言います。喘息がある人の気道は、慢性的な炎症があり過敏になっているため、ちょっとした刺激でも発作を起こしてしまいます。小児期に発症するケースを小児喘息と呼びます。2~3歳までの発症が約60~70%、6歳までが約80%といわれており、小児喘息がある患者さんの大部分は、小児期で治癒します。喘息の症状はさまざまですが、発作が起こると「呼吸困難」「ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴」「咳き込む」などの症状が表れます。発作は夜間から早朝にかけて生じやすいのが特徴です。喘息の診断は「症状の特徴や出現時期、頻度」「喘息の家族歴」「生活環境」などを聞いたりするほか、血液検査や呼吸機能検査などを行うことがあります。本人が症状を伝えるのが難しい場合などは、発作の様子を動画で撮影しておくと医師にも伝えやすく、おすすめです。喘息の重症度は、症状の頻度と強さで分類します。治療方法を決めるため、重症度の評価はとても大切です。・軽症間欠型頻度は週1回未満で夜間の発作は月2回未満。症状は軽度で持続しない。・軽症持続型頻度は週1回以上だが毎日ではなく、夜間の発作は月2回以上。月1回以上、日常生活や睡眠が妨げられるぐらいの発作がある。・中等症持続型頻度は毎日で、夜間の発作は週1回以上。週1回以上、日常生活や睡眠が妨げられるぐらいの発作があり、短時間作用性吸入β2刺激薬がほとんど毎日必要。・重症持続型頻度は毎日で、夜間発作もしばしばある。日々の生活に制限が生じるぐらい症状が強い。・最重症持続型重症持続型のうち、さらに治療を強化する必要があるものをいう。参考: 成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育|厚生労働省小児喘息の原因は完全には解明されていませんが、主な原因として「遺伝」「アレルギー」「ウイルス感染症」「食事」などが考えられます。両親のどちらかに喘息がある場合、発症リスクは25%、両親ともに喘息がある場合は50%になります。また、妊娠中の母親の喫煙や栄養不良、未熟児、低出生体重、母乳不足なども小児喘息の発症にかかわると言われています。ダニやほこり、犬猫の毛に対するアレルギー、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎なども小児喘息に影響します。幼少期のRSウイルスやライノウイルスの感染も危険因子です。また、ビタミンC、E、オメガ3脂肪酸の摂取不足や肥満もリスクがあります。喘息発作を引き起こす原因としては、風邪などの呼吸器感染症、ダニやほこりなどのアレルゲンとの接触、気温や気圧の変化、香りや煙の吸入、ストレスなどが考えられます。参考:小児の喘息|MSDマニュアルUpload By 発達障害のキホン発達ナビでは「わが家の「アレルギー事情」アンケート&エピソード募集!」としてアレルギーについてのアンケートを募集致しました。今回はその結果をご紹介致します。(2023年9月5日~9月7日までに実施/発達ナビ会員65名が回答)Upload By 発達障害のキホン「子どもに発達障害があり、なんらかのアレルギーがある」と答えた方が77%と一番多い結果となりました。多くのご家庭が発達障害とアレルギーに関して悩んでいるようです。また、小児喘息とアレルギー性鼻炎については併存することも多く、約7割の方が喘息とアレルギー性鼻炎を併存していると言われています。参考:わが家の「アレルギー事情」アンケート&エピソード募集!小児喘息の治療とは喘息の治療には、2種類あります。1つは喘息の発作が起きないようにするための治療、もう1つは発作が起きたときの治療です。発作が軽かったり、まれに発作を起こしたりするぐらいの症状であれば、発作が出たときにだけ薬を用いますが、たいていの場合は発作を予防するための治療を行います。喘息発作を起こさないためには、気道の炎症を鎮めることが大切です。そのために、吸入コルチコステロイド薬やロイコトリエン修飾薬という薬を用います。発作がないときにも治療を続けることで、発作が起こりにくくなるので、自己判断で中止するのはやめましょう。喘息の治療は、発作が出ることなく、呼吸の検査で問題がなくなることがゴールです。発作を予防するための吸入コルチコステロイド薬は、主に吸入薬として使用します。発作の重症度によって、薬の用量や吸入回数を増やします。吸入コルチコステロイド薬の副作用を心配する方がいらっしゃいますが、全身への副作用はほとんどありません。ただし、口内に残ると、のどの違和感やカンジタ症につながることがあるので、吸入後はうがいが必須です。うがいができないお子さんは吸入後に水を飲みましょう。ロイコトリエン修飾薬は、アレルギーに関わるロイコトリエンという物質の働きを阻害し、気道の炎症をおさえて気管支を広げる効果があります。内服薬として使用します。発作が起きたときは、気管支を広げて呼吸をスムーズにする短時間作用性気管支拡張剤を中心とした治療をします。発作が軽いうちに吸入することで、重症化を防ぐことができます。また、吸入や飲み薬が苦手なお子さまには、ホクナリンテープという皮膚に貼るタイプの薬を用いることがあります。発作が起こったときにどうすればいいか、薬の正しい使用法など、日ごろから主治医と相談しておきましょう。呼吸や咳が苦しくて眠れない、話せない、呼吸するとのどやろっ骨の間がはっきりへこむなどの症状があるときは、急いで医療機関を受診してください。救急車を要請してもいいでしょう。受診するまで、手持ちの短時間作用性気管支拡張剤を吸入します。小児喘息は、アレルギーの関与が強いことが分かっています。アレルギーを引き起こす原因=アレルゲンには、ダニやほこり、カビ、犬や猫の毛やふけ、花粉などがあります。喘息を引き起こすアレルゲンを調べるため、血液検査によるアレルギー検査を行うことがあります。ただし、検査で陰性だったとしても、実際にはアレルゲンになっていることもあるので注意が必要です。一方、検査で陽性になったものは、実際に喘息症状の要因になっていることが多くあります。小児喘息を悪化させないためにできること小児喘息の発作を起こさないためには、予防としての治療のほか、アレルゲンの排除も重要です。家庭では特に、ダニやほこり、ペットの毛などを避けましょう。喘息発作を起こさないために、できること・じゅうたんや畳ではなく、フローリングにする・床掃除を毎日する・布張りのソファはやめる・クッションや座布団を使わない・羽毛の枕は使わない・布団や枕は天日干しをして、掃除機をかける・ぬいぐるみを置かない・犬や猫などを飼わない(すでに飼っている場合には、過ごす部屋を分ける)・同居者に喫煙者がいれば、禁煙する・こまめに換気する喘息を悪化させないためには、気管支の状態を把握することも大切です。めいっぱい息を吐いたときの息の速さを測るピークフローメーターという器具を使うと、気管支の状態が数値で分かります。お子さんの場合、息切れの症状や発作について、自分ではうまく伝えられないことがあるので、ピークフローメーターを使用すれば、喘息の状態を客観的に判断することができます。数値が高いときは今の治療を続け、低いときは主治医と相談するといいでしょう。ピークフローメーターは、保険が適用され、比較的安価で購入することができます。入手方法については、主治医に相談をしましょう。小児喘息は、上手にコントロールして発作を防ぐ小児喘息の治療は、発作を防ぐために毎日行うことが不可欠です。発作がないからといって、自己判断で治療を中止するのはやめましょう。また、発作が起きたときの治療について、主治医と日ごろから相談しておきましょう 。喘息の状態をコントロールするために、ピークフローメーターで息の速さを測定したり、アレルゲンを除去したりすることも重要です。
2023年09月30日台風の通過後、ぜんそく患者が急増するという。突然発症するため、症状のない人でも警戒が必要だ。9月は台風のシーズン。マスクなどできちんと備えておこう。「長期的な温暖化に伴う水蒸気量の増加傾向の影響で雨量が増大した可能性がある」気象庁・異常気象分析検討会は、6月から7月後半にかけての「大雨事例」と7月後半以降の「顕著な高温」の分析結果を、8月28日にこう発表した。今夏の猛暑について「異常だった」と記者会見でも認めたのだ。同庁の「1か月予報(~10月1日)」では、東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美で、「平年より降水量が多い確率が40%ある」と8月31日に発表されていた。このような異常気象のなかで迎える本格的な台風シーズン。おやなぎアレルギークリニック院長であり、アレルギー専門医の小柳貴人さんは、意外な疾患に「備える必要がある」と話す。「古くから台風が通過した翌日には『ぜんそく』の患者さんが増えるといわれてきました。特にこの9月以降、台風のほか、ゲリラ豪雨も含めた『雷雨ぜんそく』には注意が必要です」この耳慣れない「雷雨ぜんそく」とは、一体どんな疾患なのか。誰でもかかりうるものなのだろうか。過去、世界を見渡せば「大発生して複数の死亡者が出たこともある」という雷雨ぜんそくについて、その特徴や、私たちにできる対策を小柳さんに聞いた。「まず、一般的なぜんそくの症状は、口から吸い込んだアレルギー物質が、気管支の表面の粘膜に付着することで起こります。すると粘膜が炎症を起こして腫れ、空気の通り道が狭くなり、呼吸しにくくなってしまいます。そのため、咳が止まらなくなったり、ゼーゼー、ヒューヒューというぜんめいが起きたりして、重症化すると呼吸困難になってしまうのが、ぜんそくです。最悪の場合、痰が詰まって酸素が行き届かなくなると、『ぜんそく死』もありうる。特に高齢の方に多いんです」このぜんそくの原因となるものはさまざまだが、「最も多い原因は、ダニの死骸などのハウスダストを吸い込んでしまうことです。台風のあとにぜんそくが多く発生する理由ははっきりとは解明されていませんが、その原因として、台風通過前後の気圧差による反応や、空気中に粉じんが巻き上がるということも考えられるでしょう」海外では、雷雨の後に雷雨ぜんそくが大発生した事例もあると語る小柳さん。「オーストラリアで’16年、強い雷雨が発生し、直後からぜんそく発作で治療を受けた人が、なんと1万3千人に達しました。なかには重症者もいて、最終的に9人の死者が出てしまったんです」このオーストラリアでの雷雨ぜんそくの大発生は、イネ科の植物の花粉がおもな原因とされたのだという。「普通、花粉の粒子は大きいので、吸い込んでも目や鼻、喉の粘膜に付着するまで(花粉症の発症)でとどまるのがほとんどです。しかし雷雨や豪雨などで水分を含むと、花粉は膨張して破裂し、粉々になります。その細かくなった粒子を吸い込んで気管支まで入ってしまうことが、雷雨ぜんそくの一因になるのではないかと考えられます」この、花粉由来による雷雨ぜんそくが、日本で大発生する可能性はどれくらいあるのだろうか。「日本で春に大流行するのはスギ花粉による花粉症で、成人の3~4割程度の方にスギ花粉症があると考えられます。イネ科植物の花粉症の患者はスギ花粉症よりも少ないですが、私が診察してきた肌感覚では、スギ花粉症の10分の1ほどの患者数ではないかと推測しています。その方々を中心に、今後、日本でも雷雨ぜんそくにかかる方が出る可能性は十分あるでしょう」実際に、台風や豪雨などのあとにぜんそくの症状で小柳さんのクリニックに来院した雷雨ぜんそくが疑われる人のうち「一定数は、以前にぜんそくがなかった方なんです」と小柳さん。健康な人でもある日突然、雷雨ぜんそくにかかることもあるのだ。「異常気象によって台風や豪雨、雷雨が増えれば、雷雨ぜんそくのような症状の方が激増してもおかしくない。特にこの秋は注意したほうがいいでしょう」来院してぜんそくと診断された人には、内服薬や吸入薬などを用いた外来通院治療を開始することが多いという。では、私たちが雷雨ぜんそくにならないためにできることとはなんだろうか。「まずは、マスクを着用することです。コロナ対策でポピュラーになったサージカルマスクや、N95マスクなどは、雷雨などによって粉々になった微細な花粉でもある程度ブロックできます。次に、雷雨の日や、台風通過の翌日は、できるだけ不要な外出を避けることです」まずは、この2つの予防法から始めて、台風や豪雨だけでなく、雷雨ぜんそくにもきちんと準備をしておこう。
2023年09月08日5歳の息子は、熱は下がっても咳だけ残るということがしばしば。特に運動後や就寝中などに咳が悪化し、あまりにひどいときは嘔吐してしまうこともありました。喘息の診断を受けていたのですが、薬をのんでも全然よくならなくて――!? セカンドオピニオンで「喘息」の診断を受けたが…この状況に耐えられなかった私は、かかりつけ医の小児科からセカンドオピニオンで呼吸器内科に息子を連れて行きました。 そこでは医師に「この子は喘息だよ」と診断されました。吸入や喘息の薬を処方してもらって息子の咳は、何とか完治。しかし、風邪を引くたびに咳だけが長引く状況は変わりませんでした。 そして冬の寒い時季に、またもや息子は発熱。数日で解熱はしましたが、咳だけはいつもの通り治りません。「吸入や喘息の薬で治るかな」と私は考えていました。しかし、今回はどれだけ喘息の薬を飲んでもまったく咳が良くなる気配がありません。 再びかかりつけ医へ相談咳で苦しむ息子に何もできずに私は涙が出てきました。しかし、一番つらいのは息子です。私はすがるような思いで再びかかりつけ医の小児科へ息子を連れて行き、今までの流れをすべて話しました。 私の話を聞いたかかりつけ医は「喘息じゃないから薬が効いてないんだよ」と。そのひと言がとても腑に落ちました。 かかりつけ医は「この症状だけじゃ喘息と判断できない」と漢方薬を処方。すると、息子の咳は次第に落ち着き、運動も就寝も問題なく過ごせるように! その後、風邪の際は咳止めの漢方薬をはじめから処方してもらうことで、息子の咳は以前のように悪化しなくなりました。咳だからまた喘息か、と思っていましたが、漢方が効いてよかったです。息子がつらい中、あちこちの病院に連れていくことに迷いもありましたが、再度かかりつけ医を受診してよかったと思った出来事でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/ふくふく ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:都 うめこ
2023年06月29日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は喘息をもっている妊婦さんからのご相談です。 Q.喘息持ちだと帝王切開でしか出産できませんか?私は喘息をもっている初産婦です。10月に出産予定ですが、ちょうどその時期だと喘息の症状が出やすい時期です。シムビコートを吸引していますが、喘息持ちの妊婦は何か出産のときに対処してもらえないのでしょうか? 帝王切開でしか産めませんか? 高塚あきこ助産師からの回答喘息の症状が出やすい時期でのご出産がご心配なのですね。喘息の症状や程度にもよりますが、喘息がある方でも、経腟分娩は可能ですよ。確かに、喘息の方には使えないお薬もありますが、違うお薬で対応することも可能ですし、喘息があるからということでの大きな制限はあまりないように思います。病院の方針によっても、多少異なることがあると思いますので、詳しくはおかかりつけの産婦人科でご相談なさってくださいね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 喘息合併妊娠 妊娠中はどうなる?・妊娠中の喘息治療は、基本的に妊娠前と同じようにおこないます。通常、妊娠して子宮が大きくなるとともに肺が圧迫され、呼吸機能は低下するため、特に喘息の女性は妊娠中に発作が起こらないように適切な薬物治療を続けることが重要です。 ・妊娠中に喘息の状態が不安定になると、母親の低酸素状態が胎児への酸素供給だけでなく、子宮や胎盤への血流を阻害して、胎児の発育や母体血圧などに悪影響を及ぼします。それにより、周産期死亡・妊娠高血圧症候群・流産・早産・胎児発育不全(FGR)・出生時低体重を起こすリスクが高くなることがわかっています。出血や下腹部痛、胎動の減少(胎動が自覚できるようになった以降)などの症状があれば、次の妊婦健診を待たずに早めに産婦人科を受診しましょう。 ・喘息を診る呼吸器やアレルギーの専門医、妊娠中から産後の経過を診る産婦人科医、生まれる赤ちゃんを診る新生児科医や小児科医の連携は必要不可欠です。各々の病院や地域の連携体制によって多少異なりますが、かかりつけの診療科が小規模のクリニックの場合、母体や赤ちゃんが早急に高度な医療を受けられように、規模の大きい病院へ転院をすすめられることもあります。 ・妊娠中は、喘息の治療を継続して、一般的な妊婦さんと同じような妊娠生活を送ること、発作が起こらないように対策することが重要です。アレルゲンとなる物質を最小限にするための環境整備、禁煙・分煙、心身の安静など、薬物治療と同じように取り組みましょう。 ・喘息のある人がインフルエンザにかかると、喘息を悪化あるいは重症化させることがあります。妊娠期間がインフルエンザの流行期と重なる場合は、妊婦さんおよび妊婦さんと同居する家族はインフルエンザワクチンの予防接種を受けましょう。妊婦さん用のワクチン接種については、かかりつけの産婦人科へ相談してください。 ・妊娠中に薬を使うことへ抵抗感をもつ妊婦さんがいますが、喘息の治療に使用する吸入ステロイド薬やβ2刺激薬などは、妊娠中も継続して使用可能な治療薬です。特にステロイドに対する偏見や誤解をもつ妊婦さんとそのパートナー、家族もいますが、胎児への影響の少ないステロイドを使用することで発作を予防すること、重症化を招かないことが母子の生命を守ります。喘息の治療や産婦人科の診療を専門としない者による情報やウワサに惑わされないように気をつけましょう。 ・妊娠初期に薬を使ってはいけないと思い治療を自己中断した妊婦さんや、妊娠中期以降に発作が起こらないことを理由に自己判断で減薬した妊婦さんに、発作が起きることがあります。使用する治療薬について心配なことや不安なことがあれば、自己中断はしないで担当医へ相談しましょう。 【妊娠中の喘息患者さんに使用できると考えられている薬剤と注意点】(引用改変:日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2018)吸入薬1.吸入ステロイド薬(パルミコート®キュバール®オルベスコ®)注12.吸入β2刺激薬SABA(メプチンエアー®)LABA(セレベント®)注23.吸入抗コリン薬(アトロベント®)注34.クロモグリク酸ナトリウム(インタール®)経口薬1.経口ステロイド薬(プレドニン®)注42.ロイコトリエン受容体拮抗薬(シングレア®キプレス®)注53.テオフィリン除放製剤(テオドール®)注64.経口β2刺激薬(ベネトリン®スピロペント®)5.抗ヒスタミン薬注5注射薬1.ステロイド薬(水溶性プレドニン®ソル・メドロール®)2.アミノフィリン(ネオフィリン®)3.アドレナリン(ボスミン®)注7その他貼付β2刺激薬ツロブテロール(ホクナリン®)注8 注1:ヒトに対する安全性のエビデンスはブデソニドが最も高い。注2:短時間作用性吸入β2刺激薬(SABA)に比べると長時間作用性吸入β2刺激薬(LABA)の安全性に関するエビデンスはまだ少ないが、妊娠中の投与の安全性はほぼ同等と考えられている。注3:長期管理薬として用いた場合の妊娠に対する安全性のエビデンスはなく、発作治療薬としてのみ安全性が認められている。注4:プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンは胎盤通過性が小さいことが知られている。注5:妊娠中の投与は有益性が上回る場合のみに限定するべきであるが、妊娠を知らずに服用していたとしても危険性は少ないと考えられている。ロラタジン、セチリジン、レボセチリジンの使用は比較的安全とされている。注6:中毒域の血清レベルのモニターが必要。血中濃度を5~12μg/mLを目標にする。注7:子宮動脈の収縮を惹起するためアナフィラキシーなどの場合のみ使用する。注8:吸入薬、経口薬に準じて安全と考えられているが、今後のエビデンスの集積が必要である。 喘息合併妊娠 出産はどうなる?基本的に、経腟分娩で出産することが可能です。妊娠中の喘息のコントールが良ければ、陣痛が来てから出産までの間に発作が起こることは稀です。一般的な妊婦さんと同じように、逆子や前置胎盤などの合併症を理由に帝王切開で出産することはあります。※参考:基礎知識(妊娠中)「【医師監修】気管支喘息のある女性の妊娠・出産について気をつけること」【監修:医師 太田 篤之 先生 産婦人科 | おおたレディースクリニック院長】
2019年08月30日息子は、軽い喘息持ちです。常に治療が必要なわけではなく、ときに冷気や風邪などを引き金にして発作がでる程度です。5歳くらいになると、呼吸器官の機能を計測して喘息なのかの判定が可能になるようですが、まだできない年齢の息子は「喘息の傾向あり」ということになっています。じつは私の妹も子どものころは喘息持ちでした。いまは普段の生活を送っている分には発作がでることはないのですが、アルコールを摂取すると発作がでるそうなのでお酒は一滴も飲みません。妹が小学校低学年のころが一番ひどく、夜に発作がでて、母と妹で夜間診療に駆け込んでいたのを、いつも父と家で心配しながら待っていた記憶があります。発作を起こした妹は、病院で吸入をしてもらうと落ち着くようでした。■妹が教えてくれた喘息の重宝アイテムそして妹の息子も喘息持ち。一緒に子連れで祖母の家に遊びに行ったときも、発作がでて慣れない土地で夜間診療に行ったりと大変そうでした。その後に生まれたわが息子も「喘息の傾向あり」と診断され、発作のたびに吸入に通う日々が始まりました。私も気管が弱いし、私の父も喘息傾向ありだったから、もしかしたら遺伝的なものもあるのかも…と思ったりもしています。「吸入大変だよね」ある日妹に漏らしたところ…私の勝手な思い込みで、吸入器は業務用の医療機器のイメージがあったので驚きました。その場で検索してみると、案外リーズナブルな価格で吸入器のネット通販がたくさん出てきて…。■「息が止まってしまったら…」眠れぬ夜を過ごす日々に変化が!うちの息子は発作はそんなに頻繁にはでないものの、風邪をひいているときなんかはずっと息苦しそうにしています。また、咳がひどく、しょっちゅうのように嘔吐してしまい、夜間は本当に心配。そうなってしまうと、ずっと様子を見守り、眠れぬ夜を過ごすことがよくありました。夜間診療に吸入してもらいにいくにも、寝ている長女を起こし、真夜中にたった1人でぐずる子ども2人を病院へ連れていくのは至難の業でした。というわけで、わが家も昨年、小児科に相談して吸入器を購入しました!しょっちゅう風邪をひいている冬場はすごくすごーく重宝しています。また、小児科の先生からは「眠っている間の吸入もOK」と言っていただいたので、お布団の中で半分まどろみながらサクッと吸入できるのは思いのほか便利です。薬剤は定期的にかかりつけ医に処方していただき、親子ともに体力的にも精神的にもとても楽になりました。喘息の子どもを持つ身としては、息苦しそうに呼吸する姿を見ていると、こっちも苦しくなりますよね。いつか息がとまってしまうんじゃないかって不安でいっぱいになるものです。子どもの喘息で悩んでいらっしゃる方には、こんな方法もあるよって知っていただきたくて、今回記事にいたしました。治療の一つの選択肢として覚えておいてもらえると嬉しいです。■アレルギー体質の息子に母ができることは?またうちの息子、アレルギー持ちでもあります。7ヶ月になった頃にパンを与えると途端に体中に発疹が!そのときにアレルギー検査をしてもらったのですが、パン以外にも卵とハウスダスト、ダニにもアレルギー反応が!そうかそうか、うちの部屋が汚いのも息子の喘息の原因になっていたのかも…反省。というわけで、できる限りアレルギー物質が少ない部屋にしたいと私が心がけていることをご紹介いたします。掃除の仕方は、まだ試行錯誤が必要かもしれません。でもズボラな私は毎日掃除できていなかったので、いまは少しでも子どもにとって良い環境を作っていきたいと思っています。小児喘息は、思春期ごろになると体力もついて治ることも多いと聞きますが、それまでの期間も不安ですし、そもそも治るかどうかも定かでない…。少しでも症状が楽になるように、できることはしながら、気長に付き合っていこうと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。喘息の吸入器使用についてはかかりつけの医師にご相談ください。
2018年12月28日元AKB48で女優の島崎遥香(23)が自身の抱えるぜんそくについて続けてツイート。どちらも1.2万件を超える「いいね」がつくなど、反響を呼んでいる。 島崎は7月22日の《この数年間もとまらない原因不明の咳と生涯生きてくのか?私は》というツイートに続き、23日にも《心と身体が元気な人に不調を理解してもらうのはとても難しい。ただ、理解してもらう必要性もないよ、そう言う人達に。悲しいけれど仕方がないことだとそう言い聞かせるしかない》と苦悩を吐露した。 これまでも、ぜんそくの発作に悩まされてきた島崎。とくに15年8月には症状が悪化し、1カ月あまり活動を休止。恒例のじゃんけん大会まで欠席することになった。 島崎のツイートには《同じ悩みを抱えた人がいるということに勇気を貰いました》《体は専門知識持った人なら理解してもらえるけど、心は同じ経験した人にしか理解してもらえないからね...すごい分かります》と多数の返信が寄せられている。《このツイートで少しでも楽になる人がいてくれたらなという思いでのつぶやき》という島崎の言葉通り、Twitter上には共感の声があふれた。 さらには《ぱるるのおかげで大切な人の気持ちが知れた。ありがとう》というツイートも。島崎の勇気あるツイートは、同じ悩みを抱える当事者以外まで届いたようだ。
2017年07月25日睡眠中に呼吸が止まってしまう病気、睡眠時無呼吸症候群。ひどくなると身の危険にもかかわるといわれているこの睡眠障害が、成人の気管支喘息と関係があるということが明らかにされました。その研究結果をご紹介します。睡眠障害と喘息の関係睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のことです。ひどい場合は、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こすこともあると言われています。また、睡眠中に呼吸が止まってしまうため、息苦しくなって夜、目が覚めることが多くなり、その結果、深く眠ることができず、日中の行動に支障が出てくる場合もあります。今年1月に睡眠時無呼吸症候群と気管支ぜんそくの間に、なんらかの関係があるという研究結果が発表されました。調査を行ったアメリカの研究者によると、「喘息にかかることが睡眠時無呼吸症候群を引き起こす危険因子になる」のだそうです。喘息は危険因子になるその研究によると、喘息にかかっている被験者のほうが健常者よりも数年後に睡眠時無呼吸症候群になる確率が高かったいうのです。ただ、「その原因が何か?」というところまではまだわかっていないようで、今後の研究でそのメカニズムが明らかになることに期待が集まっています。睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに症状がみられる病気なので、自分では気がつきにくいと言われています。そのため、家族など、自分以外の人に「寝ているときの呼吸がおかしい」「いびきが突然止まる」などと言われて、初めて病院にかかり睡眠時無呼吸症候群と診断されたという人も多いようです。睡眠時無呼吸症候群がもたらす危険睡眠時無呼吸症候群の人には下記のような症状が見られるそうなので、自分は大丈夫と思っている人も一度チェックしてみましょう。・睡眠中に呼吸が止まる・いつもいびきをかいている・よく夜中に目が覚める・よく寝汗をかく・起床時に熟睡感がない・日中に眠気やだるさを感じる睡眠時無呼吸症候群で怖いのは、本人に「熟睡できていない」という自覚がないことです。特に自覚のないまま日中を過ごしていることがあるので、昼間に眠気に襲われたり、集中力をかいて思わぬ事故を起こす可能性があります。実際に、睡眠時無呼吸症候群の患者は交通事故を起こす率が高いという報告もあるようです。周囲から指摘されたり、上の項目で当てはまる点が多い場合は、一度、お医者さんに相談してみたほうがよいかもしれません。photo by Lisa Marie Cannon
2015年08月09日とめたくてもとめられない――それが咳の厄介なところですよね。明日は朝が早いからしっかり寝ないと、と思っても咳がずーっとでていて眠れないなんてこともよく聞く話です。この厄介な咳にはどんな種類があるのでしょうか?睡眠を妨げる厄介な咳就寝時や睡眠中に突然出る咳というのは厄介で、辛いものですよね。せっかく気持ちよく寝ていたのに、目が覚めてしまって、翌日の寝不足につながったり……。ただ、「咳」と一言でいっても、咳にはいろいろな種類があるということをご存知ですか? 何が原因で起こっている咳なのかをしっかりつきとめることで、改善につながります。逆に、「何となく風邪かな」など、勝手な自己判断をしてしまうといつまでたっても症状はよくなりません。代表的な咳の疾患を以下にあげます。ご自身の症状にあてはまるものがないか一度、チェックしてみてください。代表的な3種類を紹介咳には主に、(1)咳喘息、(2)気管支喘息、(3)アトピー咳嗽の3種類があります。それぞれどのような症状がでるものか、解説したいと思います。(1)咳喘息・風邪の後にではじめることが多い。・痰はほとんどでない。・数カ月から数年など、長期間続く。・冷気を吸い込むなど、体温変化に伴い、咳が増悪する。(2)気管支喘息・ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸困難を伴う。・咳喘息から1~4割の人が気管支喘息に移行する。(3)アトピー咳嗽・咳喘息と似ているが、夜間や朝方ではなく、日中の温度変化で咳が誘発されることが多い。咳喘息のチェック項目とは?まず、大切なことは咳が長引くようであれば、自己判断をせず、まずお医者さんに相談しましょう。病院での治療や診査がどのように行われるのか簡単にご紹介します。咳喘息の診断基準は、7つのチェック項目があると言われています。咳が8週間以上持続しているか、胸部レントゲン写真で異常がみられないかなどをチェックします。7項目すべてを満たす場合は、咳喘息と診断されます。治療は、一般の咳止めや風邪薬は有効ではないと考えられているので、気管支拡張剤や吸入ステロイド剤が使われるようです。睡眠の妨げにもなる厄介な咳。悩まされている方はすぐに病院でチェックしてもらい、快眠ライフを手に入れましょう!Photo by Ryan Boren
2014年12月23日(画像はイメージです Fernando de Sousa)テルアビブ大学が発見2014年10月28日、テルアビブ大学は、喘息患者あるいは喘息発作を繰り返す人はそうでない人に比べて25%以上の割合でビタミンD欠乏症が見られたことを明らかにしました。研究成果はAllergy誌に2014年10月3日からオンライン版で公開されています。喘息とビタミンD炎症と気道の狭窄を主症状とする喘息は最近増加傾向にあります。喘息は治ることはありませんが、アレルゲンやその他の喘息発作の引き金になるものを避けることと薬物治療で管理することは可能になっています。ビタミンDは免疫調整作用を持つことから、喘息などの免疫に関連する疾患に有効であると信じられています。今まではビタミンDと喘息の関連を調べた研究はほとんどありませんでした。研究内容研究者はイスラエルのクラリス健康サービスにある約400万人分のカルテを分析しました。2008年から2012年までにビタミンDの測定が行われている308,000人のデータを抽出。その中で、喘息である人は21,237人(6.9%)でした。ビタミンDの測定率は全体の測定率5.7%と差はありません。分析の結果、ビタミンD不足は喘息の増悪のリスク比が25%上昇することが明らかになりました。喘息の増悪のない人では健常人とビタミンDの状態と違いはありませんでした。考察ビタミンDは太陽を浴びることで身体の中で合成されます。皮膚科の医師たちは紫外線の問題から他の方法でビタミンDを増やすことを勧めています。ビタミンDを増やす方法としては魚、卵、肝油、強化牛乳があります。またサプリメントも選択肢の一つです。今回の研究からはビタミンDが不足すると喘息が増悪することが示唆されました。薬剤でコントロールできないような喘息患者に遭遇した場合は血中ビタミンDを測定することを勧めています。【参考】・テルアビブ大学プレスリリース・Allergy掲載文献
2014年11月03日アステラス製薬とアストラゼネカは9月29日、タレントの乙葉さんと書道家の武田双雲さんを招き、喘息(ぜんそく)疾患啓発活動「チェンジ喘息! Voiceプロジェクト」発表会を都内にて行った。トークショーではおのおのが体験を交え、喘息への理解を呼びかけた。○喘息症状が出やすくなる秋10月、11月と季節の変わり目を迎え、日中の気温の差が大きくなってくる秋。この季節は喘息症状が悪化しやすく、患者にとってはつらい季節の到来となる。喘息は慢性的な気道の炎症が原因で起こり、気温差のほかにも花粉や風邪など、さまざまな原因で症状が悪くなってしまう。主な治療としては、気道炎症を抑制することが重要とされている。同プロジェクトは、喘息の症状が悪化しやすい秋に合わせてこれまでにも定期的に実施。喘息患者がその症状や不安をなくし、適切な治療を受けるために、医師に症状や不安を「声」にしてしっかりと伝える大切さを啓発していくことを目的としている。主催社を代表してあいさつしたアストラゼネカ マーケティング本部の太田篤氏は「喘息患者は近年、増加傾向にある」と、患者数の現状を話した。その上で「タバコの煙やお香など、普通の人にとって何気ないものが発作のきっかけになる。症状が出るかもしれないという不安などから、喘息によって生活の質が低下してしまっている。発作が起こらない、症状ゼロを達成するために、正しい情報を多くの人に理解してもらいたい」とプロジェクトの趣旨を語った。続いて、アステラス製薬 プロダクトマーケティング部の藤田英一氏がプロジェクトの概要を説明。「喘息患者さんの思いや声を集めて共有することで、患者さん一人ひとりが医師に症状を相談しやすくなる」ようにと、患者さんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)向上を目的に特設のウェブサイトを開設した。サイトでは、患者さんの体験をもとにしたショートムービーが見られるほか、喘息患者さんが抱えるさまざまな声や思いなどを「五-七-五」のリズムで自由に表現し、投稿する「みんなの喘息川柳コンテスト」を開催。12月1日17時まで同サイト内で募集し、来年1月に発表を予定している。○大体の患者さんはシャイトークショーには、8歳で喘息を発症したという乙葉さんと、妻と娘が喘息だという武田双雲さん、喘息治療の第一人者で国際医療福祉大学 教授 山王病院 アレルギー内科の足立満医師が登壇した。乙葉さんは、「以前は季節の変わり目や風邪をひいたりすると、すごく不安になっていた」と、喘息との長い付き合いを振り返った。「前は症状が出てから病院に行っていたけれど、今は症状が出る前に相談をするようになった。朝と夜の吸入治療が毎日の日課になっていて、それでこの季節も安心して過ごせる」と、治療が変わったことで気持ちも変わったと話した。家族が喘息だという武田さんは、「初めて妻の症状を目の当たりにしたとき、妻よりも不安になってしまった」と、自分に症状がないだけに不安が大きかったという。台風が喘息症状の悪化につながるケースもあるが「今日も妻が『台風来てるよ』と(体の状態から)教えてくれた。天気予報よりも敏感かも」と驚きつつも、「夫や父として、いろんなストレスを取り除いてあげるような存在でありたい」と、家族を思いやる胸の内を明かした。「大体の患者さんはシャイ」という足立先生は、「喘息の治療は、対処から予防に変わってきている」と治療方法の変化を説明。「限られた診療時間ではあるが、忙しそうだから……などと医師に遠慮することなく、予兆などの症状や不安をしっかり伝えてほしい。それが、患者さんにあった治療法につながる」と、不安を「声」に出して伝えることの大切さを訴えた。トークの最後には、「みんなの喘息川柳コンテスト」にちなみ、3人それぞれが考えた喘息川柳も披露された。トークの後は、武田さんが特別に書のパフォーマンスを披露。したためられた書「チェンジ喘息!」は、「喘」の「口」がハート型になっているユニークなものとなった。武田さんは「喘息という言葉をポジティブなものにしようと思った。ハートは大好きですよ」と語り、書の自己採点を聞かれると「満点です! 」と、笑顔を見せた。乙葉さんも「ハッピーな気持ちになれる書だったので、すごくステキ」と絶賛していた。
2014年09月30日メドピア株式会社は、同社が運営する医師コミュニティサイトMedPeerにて、「小児喘息治療のステロイド製剤使用状況」について調査を実施。約半数の医師がコルチゾールを選択することがわかった。日本アレルギー学会によって発表されている「小児気管支喘息の薬物療法における適正使用ガイドライン」では、経静脈的ステロイド投与の選択肢としてコルチゾール(ヒドロコルチゾン)、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンが併記されている。それを受けて同社では、医師の所属する施設における、ステロイド製剤の選択、使用状況を調査した。その結果、「まずはコルチゾールを使用しプレドニゾロンに変える」が20%、「コルチゾールを使用する」が18%、「まずはコルチゾールを使用しメチルプレドニゾロンに変える」が8%となり、第一選択としてコルチゾールを挙げた医師は計46%となった。コルチゾールを選んだ理由として、「即効性がある程度期待できるコルチゾールをまず使用する」、「内因性副腎皮質ステロイドへの影響が少ないコルチゾールを利用」といったコメントが見られる。また、「継続的に使用する場合はプレドニゾロンを使用する」といったコメントもあり、小児へのステロイド投与については、副作用の観点から慎重な意見が多いようだ。同調査は、一般内科、総合診療、呼吸器内科、アレルギー科、感染症科、小児科、小児外科、耳鼻咽喉科、救急医療科、家庭医療の医師を対象に実施。調査期間は2012年3月21日~3月27日。有効回答数は 1,079件。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月04日