日常生活で、グルグル目が回ったり、足元がフラフラしたりする「めまい」の症状を自覚したことはありませんか? 特に生理前や生理中に、めまいを起こしやすいという女性も少なくないはず。症状を改善するには、まず原因を探る必要があります。○生理前のめまいはPMSの可能性大生理前になると毎回決まってめまいが起こり、イライラやむくみなどの他の不調も併発する場合は、PMS(月経前症候群)である可能性が高いでしょう。PMSとは、生理が始まる14日前くらいから女性の心と体に起こる、さまざまな不調のこと。この時期には、排卵に続いて卵巣から「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が多く分泌されます。このホルモンは脳内の神経伝達物質や体の水分代謝に影響することから、めまいやふらつきのほか、頭痛、むくみ、肌荒れ、イライラ、情緒不安定といった心身の不調が出やすくなるのです。PMS対策の効果には個人差がありますが、極力ストレスを減らし、食生活や睡眠時間を見直して規則正しい生活を送ることを心がけてみましょう。ストレッチや散歩などの軽い運動をすると、滞っていた血行や代謝が促進されて、めまいをはじめとするPMSの症状が緩和される場合もあります。そのほか、ピルや漢方薬で治療する方法もあるので、症状がひどい場合は、一度、婦人科を受診しましょう。○生理中に疑われる貧血は?生理前ではなく生理中にめまいが起こる場合、「虚血性貧血」の可能性が考えられます。これは、生理によって子宮周辺に血液が集まり、脳に行く血液量が不足するために起こる症状で、生理中に起こる頭痛の原因ともいわれています。一方、貧血の中でもっとも多いのは、血液中の鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるもの。鉄分は、赤血球の中にある「ヘモグロビン」という成分の材料になります。鉄分が不足すると、酸素を全身に運ぶ役割を担っているヘモグロビンが減少します。すると体が酸素不足になり、めまいや頭痛、疲れやすい、体がだるいといったつらい症状が起きてしまうのです。鉄欠乏性貧血によるめまいの対策では、まず鉄分不足を補う必要があります。バランスのとれた食事を3食きちんととるとともに、レバー、青魚、小松菜、大豆などの鉄分が豊富に含まれる食材を積極的にメニューに取り入れましょう。食事内容の見直しだけでは改善されない場合は、婦人科や内科などの医療機関を受診してください。医療機関では、他に原因となっている病気がないか調べた上で、貧血の度合いに応じて、鉄剤の服用や注射などの貧血治療が行われます。○脳貧血と貧血は別物!?急に立ち上がったときにクラクラして、一瞬目の前が真っ暗になる「立ちくらみ」の症状が起こる場合は、貧血ではなく「脳貧血」の可能性もあります。貧血と脳貧血は、言葉は似ていますがまったくの別物。貧血は血液中のヘモグロビン量が低いのに対し、脳貧血は血液には異常がなく、立ち上がったときの血圧の低下により、脳の血流が一時的に低下することで起こるものなのです。そのため脳貧血は「起立性低血圧」とも呼ばれています。脳貧血は、低血圧気味の人や、ストレスや疲労で自律神経が乱れ気味な人、高齢者などに多い傾向があります。さらに生理中の女性も、体内の血液量が減って、脳に戻る血流が不足しやすくなるため、脳貧血が起こりやすくなります。脳貧血を防ぐためには、座った姿勢から立ち上がるときや、浴槽から上がるときにゆっくりと動くように心がけてください。水分が不足すると低血圧が悪化するため、こまめに水分を補給しましょう。また、むくみ予防の着圧ソックスをはくと、下半身の血液が心臓に押し上げられやすくなり効果的です。脚の筋肉を鍛えるトレーニングも、脚から心臓への血流をよくする効果があるため、脳貧血対策につながるといわれています。また、妊娠中にはPMSはありませんが、鉄欠乏性貧血によるめまい、脳貧血による立ちくらみに関しては、生理中以上にリスクが高まります。急に起こる脳貧血は特に、場所によっては転倒の危険もあるので要注意。妊娠中にめまいや立ちくらみの症状が気になるときは、健診の際に医師に相談するとともに、自分でもできる対策を心がけましょう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 鈴木俊治医師葛飾赤十字産院 副院長日本産婦人科医会 副幹事長1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。
2016年09月26日めまいがしたり、朝から疲労を感じる。もしかすると低血圧が影響しているかも知れません。体に優しい方法で低血圧に負けない習慣を見てみましょう。1.早い動きや急な動きを避けるしゃがんだり、座った姿勢からすばやく立ち上がったりしない。2.水をたくさん飲む水や果汁100%のジュースなどを多めに飲みましょう。自然のナトリウムを摂ることができます。3.塩分を少し多めにとる特に夏は発汗をします。おやつを食べるなら、チーズや塩味のアイスクリームなどを食べてみましょう。動脈の働きを良くします。4.カンゾウを摂るカンゾウエキス配合の食品やお茶がオススメです。 市販のカンゾウパウダーも売っていますよ!5.野菜、果物を食べる朝食で野菜や果物を食べるようにしましょう。ミネラルが豊富で天然の塩分を補給できます。6.むくみを取る足のむくみをとるようにマッサージをすると、静脈の働きを良くしてめまいを防げます。7.同じ位置に立ちっぱなしでいない同じ姿勢で立ちっぱなしでいるよりも歩いたりして体を動かす方がいいです。8.涼しい場所にいようクーラーが効きすぎて寒いのもいけませんが、涼しい場所や扇風機は血圧が下がるのを防ぎます。9.日中気温の高い時間帯は外出しないナチュラル素材で風通しの良いものを着て汗をかきすぎない工夫をしましょう。外出する時は帽子をかぶりましょう。生活習慣で少しでも低血圧を改善して、元気に1日を過ごしましょう!
2016年08月24日50代以降で、なにもしていないのに突然ふらふらっとめまいを感じるという方はいらっしゃいませんか?そんなときは、その前の行動をよく思い出してみてください。めまいの数分前に、座った姿勢から立ち上がっていたとしたら、それは死のリスクが増大しているサインかもしれません!今回は遅れてくるめまいと死のリスクに関する、少し怖いお話です。■死につながりやすい「隠れ起立性低血圧」立ち上がった直後にふらついたり失神状態になれば、多くの人が異常を感じるもの。医療機関を受診すると、まず疑われるのは脱水症状や服薬による急激な血圧下降などです。しかし立ち上がった直後ではなく、3分後など少し時間が経ってから起こるめまいは「原因が思い当たらない」と見逃されがちで、なかなか低血圧との関連を疑うことはできません。こうした少し遅れてくるめまいは遅延性の起立性低血圧と呼ばれ、急激な血圧低下が原因となって起こります。「隠れ起立性低血圧」ともいえるものです。そして今回、「このタイプのめまいを患っていると変性脳疾患の発生率が増加し、死亡率が著しく高まる」という研究が発表されました。見過ごせない深刻な病状のサインかもしれない、と研究者が警告しているのです。イギリスの報道機関『The Telegraph』を参考に、最新の研究を詳しく見ていきましょう。■遅延性めまいの54%は変性疾患予備軍これは、平均年齢59歳の165人を対象に行われた10年間の追跡調査で分かったもの。調査対象となった165人のうち、この種の遅延性めまいの症状が見られたのは42人。そのうちの29%が、その後10年の間に死亡したというのです。いっぽう、めまいの症状がなかったのは75人で、そのうち10年の間に死亡したのは9%。その差は歴然です。さらに、この遅延性めまいをたびたび感じる人のうち31%がパーキンソン病やレビー小体型認知症といった変性脳疾患を患っているということもわかったのです。このめまいがなく変性疾患を持つ人の割合が8%ということを考えると、こちらも見過ごすことのできない数字です。また、今回の研究では、この遅延性の起立性低血圧を患う人の半数以上にあたる54%でさらに深刻な病が進行しているということもわかりました。それらの病気は変性疾患のリスクを増大させるもので、やがては死のリスクも増大させます。■早期発見・早期治療をするためには……研究を行ったハーバード・メディカル・スクールのクリストファー・ギボンズ博士は、「この研究は、立ち上がってから3分後以降に起こる遅延性の起立性低血圧に注目した最初の研究です。われわれはこの研究によって、この種のめまいがさらに深刻な障害を見分ける手がかりになることを突き止めました」としています。また、「今回わかったことを医療の現場で活かせれば、死に直結する恐ろしい病気の早期発見・早期治療につなげることができます」と、今回の発見の意義を説明します。原因不明のめまいをたびたび感じるという人は、その前の行動をよく思い出してみてください。数分前に椅子から立ち上がっていたとしたら、それは起立性低血圧の一種かもしれません。そして、変性脳疾患を患っている可能性も……。どんな小さなものであっても、普段と違う症状は体からのSOSのサインである可能性があります。小さな異常を見過ごさず、早期発見・早期治療を心がけて健康な毎日を過ごしたいものです。(文/よりみちこ)【参考】※Feeling dizzy a few minutes after standing up could signal increased death risk-The Telegraph
2015年10月01日マキノ出版はこのほど、新刊『めまいは首をもめば治る』(著/入野宏昭)を発売した。同書の著者は、めまい専門の入野医院で院長を務める入野宏昭先生。同院では、めまいの治療として、首の過緊張をやわらげる「首の3点もみ」を行っている。その方法を取り入れた後のめまいの改善率は9割で、全国各地からその指導を求め、多くのめまい患者が訪れるという。同書によると、「あごを引き、顔を左に倒し、左耳の下から鎖骨へ伸びている筋肉をつかみ、上から下へもみます。そこで『痛い』『痛気持ちいい』という人」は要注意だとのこと。該当した場合は、「首こり」によるめまいの疑いがあるという。同書では、「首の3点もみ」をはじめとするマッサージやストレッチを紹介。「めまいダイアリー」も付いており、めまいの改善や再発予防に役立つ自力克服法も掲載している。価格は1,300円(税別)。
2015年06月16日「え? 今の揺れは地震? めまい?」……地震ではないのに揺れを感じ、吐き気やめまいなどを訴える「地震酔い」に悩む人が後を絶ちません。地震の影響なのか、めまいなのか、原因は耳なのか、心因性なのか、それともほかの病気なのか。めまいにまつわる悩みは多岐に及びます。めまいの原因とその対処法について、耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)院長の遠山祐司先生におたずねしました。■地震酔いは正常な反応――余震のたびに、船酔いのような感覚が続くのはなぜでしょうか?遠山先生人間は過去に経験をしたことのない加速度を感じると自律神経が緊張し、めまいや浮遊感を覚えることがあります。いつもと違う状況下にいる、ということを感知しているわけです。例えば、車、船、飛行機、それにジェットコースターなども含め、一定の速度にいたるまでの加速度と、振動の幅や持続時間、スピードなどが予測できない状態になると、脳が混乱して酔いやすくなるのです。いわゆる乗り物酔い(動揺病)を起こします。そのメカニズムは後で述べますが、これは病気の症状ではなくて、生理的な反応です。誰しも乗り物から降りた直後は、まだ乗り物に乗っている感覚やフワフワした感じがあるでしょう。しばらくすると元に戻ります。地震のあと、しばらくの間「地震酔い」を感じるのはこれと同様で、正常な反応ということになります。――不快感を伴うので、つらいのですが。遠山先生そうですね。余震がこう長く続くと、地震酔いも治まりません。「体が異常なのではないか」と心理的に不安になることもあると思います。余震が沈静化するとたいていの人の地震酔いは治まると予想できますが、それまでの現実的な不快感を緩和する方法は、後に紹介する10のポイントを試してみてください。■一過性ではない場合、耳鼻科で原因を探る――乗り物酔いと地震酔いのメカニズムは同じなのでしょうか。遠山先生個人差や例外はありますが、基本的には同じだと考えていいでしょう。乗り物酔いは、「視野からの情報」と、三半規管からの回転情報、耳石器からの傾きや直線加速度情報による「内耳情報」とが、予想外の情報に至ったときに第一段階として発症します。それらの情報が脳(大脳辺縁系)で不快だと判定されると、その下位にある視床下部のホルモンが分泌されて自律神経系の不安定な症状を誘発して起こります。――地震酔いなのか、めまいという病気なのか、どこで見分ければよいでしょうか。遠山先生地震酔いは、一過性の症状である場合がほとんどです。ただし、浮遊感やそれに伴う不快感に加えて、「立っていられないほど目が回る」、「倒れた」、「耳鳴り、難聴がある」、吐き気だけではなくて実際に吐いた」、「頭痛がひどい」、「呼吸困難」などの症状がある場合は、地震以外の原因によるめまい、もしくは何らかの疾患ということもあります。すぐに医師に相談してください。一過性ではなくて、ほかの機能の疾患であることも考えられます。――どこの科に行けばいいのでしょうか。遠山先生基本的には、耳鼻科です。人間の平衡感覚については、耳の奥にある内耳(三半規管や耳石器)が大きな役割を果たしていますが、そこに異常があるとめまいが起こることがあります。内耳が原因であるめまいかどうかは耳鼻科の検査でわかります。ただし、めまいの原因は多岐にわたるため、耳鼻科に限るわけではありません。内臓疾患が疑われる場合は内科へ、心因性の場合は心療内科や精神科、神経内科などになる場合もあります。耳鼻科で該当しなければ、ほかの科を紹介します。■地震酔い・めまいを自分でケアする10の方法――地震酔いやめまいを少しでも自分で緩和する方法はありますか。遠山先生「目から入る情報を変えてみる」などの方法をご紹介します。数字は優先順位を表します。<地震酔いやめまいの直後に行うケア>1 目を閉じて、深呼吸をするめまいがきたと同時に、座って、ゆっくりと目を閉じてください。数秒でいいので、目から入る情報を遮断します。そして、鼻から大きな息を吸って、口から吐くという深呼吸をします。立ったままだと、よろけたり転倒する、壁などに頭をぶつけたりする場合があるので気をつけてください。2目で確認する落ち着いたら、「視覚情報を意識する」ようにしてください。また、めまいがあっても比較的状況把握ができる状態なら、周囲のカーテン、植木の葉などを見て、揺れているかどうかを確認します。揺れていなければ、自分のめまいが原因だとわかります。原因を確信して不安にならないことが大事です。3 鏡のなかの自分の目を見る一点を見つめることで揺れや回転を制御するよう、脳へ働きかけます。「視覚性抑制」といいます。4 人さし指をみつめる人さし指を立てて、遠くから目の中央に向けて近づけます。人さし指に焦点を合わせて目で追ってください。3同様の働きがあります。5水、お茶を飲む身体の機能を飲むという行為に集中させると、症状も気分も落ち着くことがあります。<普段から心がけることで予防になる>6不眠を解消する震災の現場ではこれが一番難しいのですが、めまいは、睡眠不足のままだと治りません。処方された睡眠導入剤や精神安定剤を服用することで、めまいが改善することもよくあります。7肩こりを解消する平時にめまいを頻繁に起こす、また地震酔いがひどいときは、肩が凝っていることがよくあります。めまいの診察に何件も病院を回った結果、「原因は肩こりだった」ということも多いのです。首と肩のストレッチ、マッサージなどを試してください。誰かと肩をさすりあうことは、緊張やストレスを和らげるという意味でもお勧めです。8ウォーキングやストレッチをする日中に軽い運動をすると、体の機能のバランスを保つこと、また睡眠の質を上げるにも効果があります。特に、外気に触れるウォーキングはおすすめです。9好きな音楽を聴くなどリラックスをするテレビやネットなど目から入る情報より、耳から柔らかく入る情報のほうが脳への刺激が穏やかになります。ほかにも、自分に適した方法でリラックスすることが大切です。特に、地震酔い対策として効果的です。<地震酔いがひどくて以上の方法でも改善が見られない場合>10市販の乗り物酔いの薬を試す効果があるかどうか、3日ほど服用して様子を見ます。効果がなければ、医師の診断を受けてください。「乗り物酔いの場合は、外の空気に触れる、目に入る景色を変える、睡眠をとると楽になるでしょう。そこに地震酔いやめまいの緩和のヒントがあります」と遠山先生。耳と目は脳でつながっているといいますが、視覚情報を変えることと緊張を解くことが重要なポイントであるようです。監修:遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。医学博士。とおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)院長。(阪河朝美/ユンブル)【関連リンク】【コラム】常に揺れてる!? そんな不快な"地震酔い"の対処法は「遠くを見ること」【コラム】続く余震!地震の揺れによる酔いをさます方法は?【コラム】ハグするようにモミモミする「ハグモミ」で大切な人を癒そう!
2011年04月12日