第46回日本アカデミー賞で、有岡大貴(『シン・ウルトラマン』)、番家一路(『サバカン SABAKAN』)、松村北斗(『ホリック xxxHOLiC』)、目黒蓮(「月の満ち欠け」)、小野花梨(『ハケンアニメ!』)、菊池日菜子(『月の満ち欠け』)、生見愛瑠(『モエカレはオレンジ色』)、福本莉子(『今夜、世界からこの恋が消えても』)が新人俳優賞を受賞し、3月11日(金)に行われた授賞式に臨んだ。有岡さんは受賞の喜びをスピーチした後、「報告を受けたのがグループ(Hey! Say! JUMP)みんなで仕事をしているときでした。マネージャーさんに僕だけ別室に呼ばれて報告されて、ほかのメンバーは有岡が呼び出されたから怒られているのではと勘違いさせてしまって(笑)。控室に戻ったらみんながやけにやさしくて申し訳なかったです」とほっこりエピソードを話した。写真提供: 東京写真記者協会12歳という若さで新人賞を受賞した番家さんは、「オーディションで一番下手だった僕をここに立たせてくれた大人の人たちのおかげです。僕もこれから頑張っていきたいです」とコメント。松村さんは、「まずこの賞をいただけて本当にうれしく思います。選んでくれた人にゆっくりゆっくり恩を返しつつ、ゆっくり納得していただけるように今後、頑張っていきたいです」と言い、うれしさについても「なんかもう日常、一歩歩くごとに耳の穴から目の穴からこぼれ出そうなくらい毎日うれしいです」と独特の表現で語っていた。写真提供: 東京写真記者協会目黒さんは助演男優賞とのダブル受賞となった。新人俳優賞受賞については、「人生で一度しかいただけない貴重な賞をいただけてうれしく思います。ありがとうございます」と真摯に挨拶した後、「Snow Manのメンバーからは映画も『観たよ』と言ってくれて、今日も会場に来る前に『見ているから頑張ってね』と言ってくれて。これからもSnow Manの目黒として邁進していけたら」と決意を語っていた。小野さんは、「5歳からこの仕事をして19年くらいになります。いろいろなところで芸歴が長いねって言われるようになって、ある方に芸歴は売れてから数えるものだからと言われて。1年目はいつ言えるのかなって思っていたところで…この賞をいただけたので、やっと自信を持って1年目と言える、とてもうれしいです」と涙を流しながらうれしさを語った。写真提供: 東京写真記者協会菊池さんも、「すごく無名な私ですけど、そんな私に何よりこの作品で賞をいただけてありがたく思います。取るに足らない部分ばかりですが今だからこそ得られる感性があると信じています」と語った。生見さんは「こんなにも光栄な賞を頂けると思っていなかったのですごくうれしいです。初めての映画撮影で何もわからずたくさんの方に支えていただいて。この賞に恥じぬように、作品のひとつになれるように、ひとつひとつ丁寧に頑張っていきたいです」と今後の抱負も語っていた。写真提供: 東京写真記者協会福本さんは、「今、見守ってくださっているたくさんの方に支えられて賞をいただけて非常に光栄です。新人賞は新たなスタートだと思います。たくさんの方に見て知っていただけたので、女優として人間として成長して、映画を通して誰かの人生に輝く何かを残せるように頑張りたいです」と前を向いていた。なお、プレゼンターは第45回最優秀主演男優賞を受賞した西島秀俊が務めた。(cinamacafe.net)
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。優秀助演男優賞を受賞した柄本佑、窪田正孝、坂口健太郎、目黒蓮、横浜流星の中から最優秀助演男優賞に輝いたのは『ある男』の窪田。プレゼンターの鈴木亮平から名前が発表されると、窪田は「まさか本当にもらえると思ってなかったので、何も考えてませんでした。どうしよう」と驚きを見せる。窪田は「本当に『ある男』という作品で石川(慶)監督と出会って、『役の底の底の、本人の中身のもっと深い部分を見つめて撮りたい』と言われて、裸でいるよりも恥ずかしいくらい全部を剥き出しにして役にぶつかって、それを(安藤)サクラさんが受け止めてくれて、すごく幸せな家族像を描いてくれて」と感謝。「でもなんかそういう幸せって一瞬だし、嫌な気持ちになることって人生すごい多いと思うんですけど、そういう一瞬の人生をこの作品で描いていて、キーになる大役をやらせてもらえたことは、本当にこの仕事をしていてよかったなと、今この瞬間も噛み締めています」と心境を吐露した。さらに窪田は「僕も大好きな映画には国境がなくて、映画祭にも行かせてもらったんですけど、映画の力は本当に無限だし、いろんな人の心を温めてくれたり、言葉じゃないもので教えてくれたり、エネルギーや力というか、ポジティブなものが映画にはあるんだなということを一瞬一瞬で感じていて、この仕事に携わって、役者という仕事ができることにも本当に心から感謝しています」と気持ちを表した。(C)東京写真記者協会
2023年03月10日『ある男』の窪田正孝が、第46回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。窪田さんは本作が初の日本アカデミー賞受賞となり、名が呼ばれた瞬間は「ええ、うそ!?」と目を真ん丸にした後、石川監督たちと笑顔で喜び合っていた。助演男優賞には、柄本佑(『ハケンアニメ!』)、坂口健太郎(『ヘルドッグス』)、目黒蓮(『月の満ち欠け』)、横浜流星(『流浪の月』)と、20~30代の俳優勢がそろい踏み、誰が受賞してもおかしくない接戦ムードだった。『ある男』では、妻子と幸せに暮らしていたが、不慮の事故でこの世を去った後、別人の戸籍で生きていたことが判明する男Xを演じた窪田さん。どこかミステリアスで影のある一面を持つ一方、回想シーンではボクシングに没頭した過去や、幼い頃から抱えてきた生きづらさや苦しみを生々しく表現した。演じる上で苦労したことを聞かれた窪田さんは、「ストーリー的にはキーポイントになるので、なかなか情報を出しすぎてはいけなくて。役者は情報で体を埋めたほうが現場に居やすいけど、あえてグレーゾーンを残して演じる難しさはありました。監督と相談しながらやりました」と思い起こした。妻役の安藤サクラとのうなぎ屋でのシーンも、印象的だった窪田さん。当該シーンを振り返り、「ワンカット長回しで撮っていて、3回くらいテイクがいきました。もう…サクラさんがゾーンに入っているのがすごくて。役に自分を近づけるでもなく、逆でもなく、空間を丸ごと変えてしまう感覚は初めてでした。すごく引き込まれました」と安藤さんの俳優魂に触れて感銘を受けたことを伝えていた。最優秀賞で鈴木亮平から名前を呼ばれると、「ええ、うそ?」と席にいる監督らと顔を見合わせた窪田さん。壇上で鈴木さんと固い握手とハグを交わした。窪田さんは、「えっと…まさか本当にもらえると思っていなかったので…」と困惑をにじませつつも、スッとした表情に切り替わる。「『ある男』の作品で石川監督と出会って、役の底の底の本人の中身のもっと深い部分を見つめて撮りたい、と言われて。裸でいるより恥ずかしいくらい全部をむき出しにして役にぶつかって、サクラさんが受け止めてくれて。キーになる大役をやらせてもらえて本当にこの仕事をしていてよかったなと、今この瞬間もかみしめています」と語った。さらに「大好きな映画で、映画の国境がなくて映画祭にも行かせてもらったけど、映画の力は本当に無限だし、いろいろな人の心を温めてくれたり、言葉じゃないもので教えてくれるエネルギーや力、ポジティブなものが映画に本当にあると一瞬一瞬で感じています。この仕事に携われて、役者という仕事をできていることにも心から感謝しています」と、しっとりと語っていた。(cinamacafe.net)
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、レッドカーペットに受賞者たちが登場した。男性俳優陣としては、新人俳優賞の有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮、優秀助演男優賞の柄本佑、窪田正孝、坂口健太郎、目黒蓮、横浜流星、優秀主演男優賞の阿部サダヲ、大泉洋、妻夫木聡、二宮和也、松坂桃李、プレゼンターの鈴木亮平、西島秀俊、話題賞の松村北斗が登場。フォーマルに決めた男性陣が登場すると、会場からは歓声も。新人俳優賞のメンバーは緊張した面持ち、優秀助演男優賞・優秀主演男優賞のメンバーは笑顔で登場し、笑い合いながらレッドカーペットを満喫していた。(C)東京写真記者協会
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、レッドカーペットに受賞者たちが登場した。女性俳優陣としては、新人俳優賞の小野花梨、菊池日菜子、福本莉子、生見愛瑠、優秀助演女優賞の有村架純、安藤サクラ、尾野真千子、清野菜名、永野芽郁、松本穂香、優秀主演女優賞の岸井ゆきの、のん、広瀬すず、吉岡里帆、話題賞の田中真弓、名塚佳織、プレゼンターの有村架純、清原果耶が登場。笑顔で登場した女優陣だが、特に優秀主演女優賞の面々は客席に大きく手を振り笑顔を見せるなど、和気藹々とした雰囲気。それぞれに華やかなドレスで魅了した。(C)東京写真記者協会
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞授賞式が3月10日(金)に行われ、優秀賞を受賞した豪華俳優陣がレッドカーペットを歩いた。有観客100%での開催となった式典が、華々しく幕を開けた。本年のレッドカーペットは新人俳優賞からスタート。有岡大貴(『シン・ウルトラマン』)、番家一路(『サバカン SABAKAN』)、松村北斗(『ホリック xxxHOLiC』)、目黒蓮(『月の満ち欠け』)が横一列に並んだ。全員が黒のスーツ姿だが、有岡さんは白シャツに黒タイ、番家さんと松村さんは黒いシャツにノータイ、目黒さんは蝶ネクタイと個性も目立ち、4人は時折気恥ずかしそうな笑みを浮かべながら歩いた。写真提供: 東京写真記者協会続いて、同じく新人俳優賞を受賞した小野花梨(『ハケンアニメ!』)、菊池日菜子(『月の満ち欠け』)、生見愛瑠(『モエカレはオレンジ色』)、福本莉子(『今夜、世界からこの恋が消えても』)の4名が登場。男性勢と異なり、それぞれ華やか色のドレスを着用しにこにこと穏やかなムードでレッドカーペットを闊歩した。写真提供: 東京写真記者協会優秀助演女優賞からは、有村架純(『月の満ち欠け』)、安藤サクラ(『ある男』)、尾野真千子(『ハケンアニメ!』)、清野菜名(『ある男』/『キングダム2 遥かなる大地へ』)、永野芽郁(『母性』)、松本穂香(『“それ”がいる森』)が登場。あでやかなドレス姿を披露した面々、永野さんが清野さんの腕を取るそぶりを見せたり、尾野さんが大きく手を振ってみせたり、安藤さんがキラキラした黒のロングドレスの裾を踏まないようにと持ち上げながらかわいらしく歩いて見せたりと、楽し気な雰囲気。写真提供: 東京写真記者協会優秀助演男優賞の柄本佑(『ハケンアニメ!』)、窪田正孝(『ある男』)、坂口健太郎(『ヘルドッグス』)、目黒蓮(『月の満ち欠け』)、横浜流星(『流浪の月』)。ひげをたくわえた横浜さんは坂口さんとこづきあいをしながらうれしそうに歩いてみせ、一方、窪田さんは拍手をしながら、周りにしっかりと手を振り観客にもサービスした。写真提供: 東京写真記者協会そして、優秀主演女優賞の岸井ゆきの(『ケイコ 目を澄ませて』)、のん(『さかなのこ』)、広瀬すず(『流浪の月』)、吉岡里帆(『ハケンアニメ!』)がシックなドレスに身を包み登場。吉岡さんは白いドレスだったが、吉岡さん以外の3名は黒いドレスながらフレッシュな魅力を放つ。(なお、倍賞千恵子(『PLAN 75』)は後ほど登場)写真提供: 東京写真記者協会優秀主演男優賞の阿部サダヲ(『死刑にいたる病』)、大泉 洋(『月の満ち欠け』)、妻夫木聡(『ある男』)、二宮和也(『ラーゲリより愛を込めて』)、松坂桃李(『流浪の月』)がやってくると、会場はひときわワッという歓声に包まれた。二宮さんと大泉さんが歓談しながら前を歩き、松坂さんらも笑顔で続くようなレッドカーペット。阿部さんも集まった観客に手を振りたっぷりとサービスし、例年になく明るい雰囲気のレッドカーペットとなった。写真提供: 東京写真記者協会最後にはプレゼンターでもある昨年の受賞者、西島秀俊、有村さん、鈴木亮平、清原果耶が4人で登場。有村さんは、羽鳥慎一と授賞式の司会も務める。(cinamacafe.net)
2023年03月10日7日(現地時間)に行われていたアカデミー賞の最終投票時間に、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で主演女優賞候補のミシェル・ヨーが「VOGUE」誌のある記事をインスタグラムでシェアし、波紋を呼んでいる。「It's Been Over Two Decades Since We've Had a Non-White Best Actress Winner(直訳:非白人の主演女優賞受賞から20年以上が経っている)」というタイトルの複数ページに渡る記事だ。その一部には、ミシェルと同じく主演女優賞にノミネートされている『TAR/ター』のケイト・ブランシェットと、ミシェルを比較するような内容もみられる。ケイトはすでに主演女優賞、助演女優賞と2度のアカデミー賞に輝いており、「今回3度目の受賞となれば業界の巨匠として認められることになるだろう」というが、すでに十分その実力を示してきたケイトにその証明が再び必要かという疑問も呈している。一方で、ミシェルにとってアカデミー賞受賞は「人生を変えるものになり、永遠に名前の前に『アカデミー賞受賞者』が付くようになる」と書かれている。SNSユーザーは、この投稿がアカデミーのルール、特にNo.11の「References to Other Nominees(他の候補者に対する言及)」に抵触しているのではないかと声を上げている。このルールは具体的に「他の競争者の名前や(映画の)タイトルを挙げ、矛先を向けるような作戦」を明示的に禁止するというもの。ミシェルはこの投稿をすでに削除している。(賀来比呂美)■関連作品:TAR/ター 2023年5月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 FOCUS FEATURES LLC.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月09日《文:Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》今年もいよいよアカデミー賞が目前となった。コロナ禍が落ち着き、人々が少しずつ映画劇場に脚を伸ばし始めてから初の授賞式となる。ロサンゼルス在住筆者が見聞きしたオスカー前哨レポートをお届けする。主演男優賞は『エルヴィス』と『ザ・ホエール』に!?初の大作主演作にも関わらず、ロック界のKINGことエルヴィス・プレスリーを映画『エルヴィス』で熱演したオースティン・バトラー、そして『ザ・ホエール』で世紀のカムバックを果たしたブレンダン・フレイザー。今年のアカデミー主演男優賞争いではこの2人が注目を集めている。オースティン・バトラー Photo by Matt Winkelmeyer/Getty Imagesオースティンは、エルヴィスのティーン時代から晩年までを見事に演じ切り、その演技力は特筆に値する。オースティンのもうひとつの強みは、界隈で定評のある非常に好感の持てる人柄だ。それは、同僚映画人たちの投票で決定されるアカデミー賞においての強力な武器とも言える。続いて、ブレンダン・フレイザー。映画『ブラック・スワン』で名声を博したダーレン・アロノフスキー監督作品『ザ・ホエール』では重度の肥満症で死を目前にし、疎遠だった娘と心を繋げようとする孤独な中年男性チャーリーを熱演。第79回ヴェネチア国際映画祭で6分間に及ぶスタンディング・オベーションが送られ、思わず涙ぐむブレンダンの姿がニュースになった。その涙の影には、彼が経てきた悲痛な数年間が隠されていた。ブレンダン・フレイザーPhoto by Santiago Felipe/Getty Images映画『ハムナプトラ』シリーズで、90年代の世界的スターとなったブレンダンは、撮影時に度重なったケガがきっかけで、90年代後半から数年に渡り幾多の手術を受けなければならず、劣悪な健康状態が続いた。そんな折の2003年、ハリウッド外国人映画記者協会(= HFPA、ゴールデン・グローブ賞のお膝元)の会長からセクハラを受けたことをきっかけに鬱病を発症。結局7年近くに渡り完全にハリウッドから遠ざかる生活が続いた。そして長期に渡る精神・身体不調に向き合い続けた末に恵まれたのが、本作『ザ・ホエール』への主演だった。そのパフォーマンスへの称賛は、ブレンダンにとってセラピー的な役割を果たした記念すべきカムバックとなっている。合言葉はダイバーシティ/多様性今年のアカデミー賞は、ダイバーシティー/多様性がキーワードと言える。それを表しているのが、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』への注目度だろう。ダニエル・クワン監督作品、ミシェル・ヨー主演のSFアクション・コメディーは、アメリカ国内で限定劇場公開され、現在はHBO Max(米国)でストリーミング視聴が可能だ。ユニークなストーリーと映像、そしてアジア人俳優をメインキャストに起用という話題の作品だ。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』クワン監督は、米国FXネットワークで放映されたシリーズ「レギオン」で多くのエピソードを手掛け、その作風は一度見たら忘れられない。レイヤーを織りなすストーリー展開と、それを語る奇抜な映像は、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にも大いに駆使されている。本作は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のルッソ兄弟を製作総指揮に迎え、アカデミー賞受賞作を連打しているインディーズ映画の人気レーベルA24を配給に付けてアメリカ国内有数のメジャー映画祭であるSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に乗り込み、大いに注目を集めたことでも話題に。ミシェル・ヨー/第80回ゴールデン・グローブ賞 Photo by Gilbert Flores/Variety via Getty Imagesまた、ミシェル・ヨーが初めて主役を演じた作品であり、その夫役をキー・ホイ・クァンが演じたことも大きな話題となっている。この2人が受賞すればアジア人男優として初の助演男優賞、そしてミシェル・ヨーは初のアジア人主演女優賞受賞という快挙になる。キー・ホイ・クァン、成功への苦難80年代から映画ファンだった方々なら、映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)の「ショート・ラウンド役だったあの子」と言えばお分かりになると思うが、知らない映画ファンのためにキー・ホイ・クァンを簡単にご紹介すると、ショート・ラウンド役で成功を収めたあと、映画『グーニーズ』(1985)にも出演。80年代に一世を風靡した子役として話題を集めたが、子ども時代を過ぎると、キー・ホイ・クァンにはパッタリと仕事がなくなった。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』キー・ホイ・クァンの俳優としての情熱は不完全燃焼のままUSC(南カリフォルニア大学)に進学し、映画製作などを学び現場での助監督などで生活をしていたものの、演技に対する情熱はキー・ホイ・クァンの中で静かに燃え続けていた。しかしやがて40になり50になって、俳優の道を完全に諦めかけたことも多々あったという。だが約25年という年月が経過し、キー・ホイ・クァンに降って湧いたような幸運がやってきた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』への出演オファーだ。意気揚々と撮影を終えたキー・ホイ・クァンだが、映画というものは、撮影直後に公開されるものではない。編集があり広告宣伝期間があり公開までに1年近くかかることはザラだ。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』キャスト/全米映画俳優組合賞(SAG賞)授賞式Photo by Frazer Harrison/Getty Imagesキー・ホイ・クァンがバックステージ誌に語ったところでは、2021年撮影終了後から2022年初頭に本作が公開されるまでの1年間は地獄の日々だったという。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の撮影直後なのにも関わらず、2022年は俳優としての仕事は皆無で、鳴らない電話を毎日待ち続け、やがては勤務時間不足から、組合員用健康保険ですら失効になってしまったという。だが、このユーモアたっぷりで心温まる『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』がやっと公開されると、キーの世紀のカムバックが始まった。ゴールデングローブ助演男優賞、そしてSAG(全米俳優組合)助演男優賞の両方を勝ち取り、アカデミー賞を直前にキーのオスカー受賞は確実ではないかと噂されている。多様性とクライシス、間違いから学ぶ人種の多様性という話題からは少し外れるが、去年のウィル・スミスが起こしたビンタ事件への対応のお粗末で槍玉に挙げられたアカデミー協会は、以後2度と同じ失敗を繰り返さないために、クライシス・マネージメント(緊急事態コントロール)チームを導入した。先日、トム・クルーズなどの面々が出席して行われたアカデミー賞候補者昼食会では、アカデミー協会長ジャネット・ヤン氏が、「去年の授賞式で起きた事件におきましては、アカデミーの現場対応が全く成っておらず、容認されるべきものではありませんでした」と改めて遺憾の意を評した。そして、「今年の授賞式、そして以後あのような事件が起きぬように、同協会は改善に励んで参りました」とスピーチし、クライシス・マネージメントを導入することを発表すると共に、失敗から学び改善された授賞式を提供することを約束した。クリス・ロック、ウィル・スミス/第94回アカデミー賞授賞式 Myung Chun / Los Angeles Times via Getty Imagesアカデミー協会では、これまでに「白すぎるアカデミー」という言葉がバズりワードとなったほど白人優位の感があった。だが内外からの意見をもとに映画賞規定の見直しや内部改革を行い、一時期に比べて大きく前進した。とはいうものの、ハリウッド映画業界全体を見ると「ダイバーシティー/多様性」という観念は、だいぶ広まりつつあるが、その言葉自体がいまだにクロースアップされるという点から見ると、定着化にはまだ時間がかかりそうだ。ハリウッドでの多様性にせよ、アカデミー賞生放送中の失態にせよ、すべては間違いから学び、改善し前進することで世の中は良くなっていく。近い将来には「多様性」という言葉が不要になるような、ハリウッドでも世界でも多様性が当たり前になる日がくることを願っている。(Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美)
2023年03月08日3月10日に開催される第46回日本アカデミー賞授賞式で司会を務めるフリーアナウンサーの羽鳥慎一と女優の有村架純。羽鳥は2020年に俳優の西田敏行から受け継いで4度目、有村は昨年の日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞し、初の晴れ舞台となる。そんな二人が、コロナ禍以降、観客をフルに動員して開催される今年の授賞式への意気込みを語った。西田からバトンを引き継いだ際「自分に務まるのかな」と語っていた羽鳥。そこから4度目の大役となるが「やっぱりあそこまで多くの俳優さんと一度に出会うことがないので、いまだに全然慣れないですね」と苦笑いを浮かべる。そんな羽鳥の支えとなっているのが、タッグを組む女優だという。2020年は安藤サクラ、2021年はシム・ウンギョン、2022年は長澤まさみ、そして今年は有村とコンビを組む。羽鳥は「同じ俳優さん同士ということで、私では聞けないことはたくさんあります。有村さんはバラエティ力もありますし、もうお任せします」と期待を寄せる。昨年『花束みたいな恋をした』で最優秀主演女優賞を受賞した有村。主演女優賞に輝いた俳優は、日本アカデミー賞の司会をすることは慣例となっている。有村は「受賞したときは『来年の司会をやるんだな』というぐらいの気持ちだったのですが、昨年秋ぐらいから各映画賞が始まっていくなか、だんだんと意識するようになり、自然といろいろリサーチしながら作品を観ていたような気がします」と語る。羽鳥にとって4度目の司会となるが、今年はこれまでと大きく違っている点がある。最初に司会を務めた2020年3月は、日本でも新型コロナウイルスに対して非常に敏感になり始めた時期で、初の無観客での開催となった。そこから観客の数は少しずつ上限が増えていき、今年コロナ禍以降初となるフルの観客で行われる授賞式となった。会場には関係者を合わせ約1000人以上が集まるという。羽鳥は「以前、日本テレビのアナウンサー時代は、現場でインタビューをする役目を担っていたのですが、その時は100パーセントの観客だったので、あんな感じになるのかなと……。当時は緊張で吐きそうになるぐらいだったので、ちょっと怖いですね」と苦笑い。有村も「自分がしゃべるたびに、多くの人の目線が集まるというのは、とても怖いです」と羽鳥の気持ちに同意する。羽鳥からの期待を受けた有村。過去にはNHK紅白歌合戦や、日本レコード大賞などの司会を務めた経験があるが「私は感じたことを自分の言葉にするのに時間が掛ってしまうタイプなので、生放送だと自分が聞きたいなと思うことが浮かんでも、なかなかうまく話せないことが多かったんです。いつも『もうちょっと話せれば』と思っていました」と反省することが多かったという。それでも今回は「お互い俳優同士という立場なので、撮影の仕組みなど、少なからず寄り添えることがあるかなと思うので、今回受賞された作品を観て感じたことをメモして、しっかりとお話を引き出すことができるように頑張りたいです」と抱負を述べる。そんな有村だが、自身も『月の満ち欠け』で優秀助演女優賞を受賞し、演者としても授賞式に参加する。有村は「今年は司会を務めることになっていたので、まさか受賞するなんて思っていなかったんです。名前を挙げていただいたときは『そんなこともあるんだ』と驚きました」と笑う。『月の満ち欠け』では、有村のほか、優秀作品賞、優秀監督賞、優秀主演男優賞、優秀助演男優賞などを受賞しており、当日も共演した大泉洋や目黒蓮、廣木隆一監督らと場を共にする。有村は「私は、まだ映画のことを何も知らない20代前半のとき、廣木監督にいろいろなことを教えていただきました。今回の作品で3度目なのですが、ずっと成長を見守ってくださっていた監督の作品で賞をいただけたことがとても嬉しいです」と笑顔を見せると、大泉について「年々ぼやきが増している気がするので、当日も面白いトークで盛り上げてくださると思います」と述べる。羽鳥も「主演男優賞は大泉さんをはじめ、阿部サダヲさん、二宮和也さん、妻夫木聡さん、松坂桃李さんと賑やかなトークになりそう。有村さんを巻き込んで楽しいお話ができたら」と期待していた。『映画 ビリギャル』で第39回日本アカデミー賞・優秀主演女優賞と新人俳優賞を受賞した有村。そして昨年、第45回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得した。「新人賞のときは初めてのレッドカーペットで、大勢のお客さんの前でたくさんの俳優さんとご一緒したのも初めてでした。芸能界ってこんなに煌びやかな世界なんだなと思ったことを覚えています。廣木監督に映画のことを教えていただき、その後『映画 ビリギャル』によって作品への熱量があれば、それは多くの人に伝わるんだということを確信できました。そこから映画に対する思いがどんどん加速していって、いまに繋がっているような気がします」。映画への熱い思いは途切れることなく今に至っているという有村。少し変わってきたことは「現場で120パーセント出し切ることで精いっぱいだった」ことから「現場を楽しむ」こともできるようになってきたことだという。だからこそ、みんなで一生懸命作り上げた作品を称え合う日本アカデミー賞受賞式という場も「しっかり楽しみたい」と笑顔を見せる。羽鳥も「ちゃんとした式なので、すごく緊張する場にはなると思いますが、ワイワイ話をして『2022年度、お疲れ様でした』みたいな楽しい場になるように、しっかりと皆さんをサポート出来たら」と抱負を述べていた。第46回日本アカデミー賞 授賞式3月10日(金) 開催司会羽鳥慎一有村架純テレビ放送:日本テレビ21:00~22:54ラジオ放送:ニッポン放送27:00~29:00(深夜3時~5時)©日本アカデミー賞協会取材・文・撮影:磯部正和
2023年03月08日「第95回アカデミー賞」にて、『私たちの声』(原題:Tell It Like A Woman)の主題歌が歌曲賞にノミネートされたことを受け、短編『私の一週間』に出演した杏と、呉美保監督が授賞式へ出席することが分かった。『私たちの声』は、世界の映画界で活躍する女性監督と俳優が集結し、女性が主人公の物語を紡ぎ出した7つの短編から成るアンソロジー映画。実際の出来事から着想を得たエピソードや、物語仕立てのフィクションなど、世界各地を舞台に感動的で力強い物語が描かれる。キャストには、ジェニファー・ハドソン、カーラ・デルヴィーニュ、エヴァ・ロンゴリア、マーシャ・ゲイ・ハーデン、マルゲリータ・ブイらが名を連ねる。また、『私の一週間』という短編では、杏さんが主演。『そこのみにて光輝く』の呉監督がメガホンをとり、育児に仕事に多忙な日々を送る2児の母親のある1週間が描かれる。そしてこの度、歌曲賞にノミネートされた主題歌「Applause」は、セリーヌ・ディオンやシェール、レディー・ガガなどに多数の楽曲を提供したダイアン・ウォーレンが作詞・作曲を務め、ソフィア・カーソンが歌唱。2人はアカデミー賞授賞式内で生パフォーマンスすることが決定している。また、今回のノミネートで、これまでアカデミー賞に13回ノミネートされているダイアン・ウォーレンが、14回目のノミネートで初の受賞となるのか注目が集まっている。そんなノミネートを受けて授賞式に出席する杏さんは、「性に対してさまざまな議論がされはじめた昨今。完全なる一つの答えというのはいつまでも出ないかもしれません。ただ、考えるきっかけが増えている現状に、私たちは何かを変えたい、それに向かって行動したいと言う思いが世界中のそこここにあるのだと思います。作って発信し続けることに、意義を感じています。私は今回この映画に、呉美保監督と参加することができて、大変光栄に思っております。そして授賞式にも!日本での公開も決まり、これから楽しみがいっぱいです!」とコメント。呉監督も「まさか授賞式に参加できるなんて、身に余る光栄です。杏さんの世界デビューを誰よりも至近距離で見られることが、今からとっても楽しみです」と心境を明かしている。WOWOWでは、授賞式の模様を生中継するが、レッドカーペットからの中継には、2人も出演する予定。レポートを担当する中島健人(Sexy Zone)がインタビューを行う。「生中継!第95回アカデミー賞授賞式」は3月13日(月)7時30分~WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドにて生放送・ライブ配信(※日本時間)、字幕版は22時~。『私たちの声』は秋、新宿ピカデリーほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2023年03月06日本年度アカデミー賞で作品賞含む9部門ノミネートされているNetflix映画『西部戦線異状なし』のメイキング特別映像が公開された。アカデミー賞での多数ノミネートに加え、英国アカデミー賞で最多14ノミネート獲得し7部門にて受賞、ゴールデングローブ賞でも最優秀非英語映画賞ノミネートという高評価を獲得し話題を集めている本作。“絶望”と“恐怖”に溢れた第一次世界大戦の西部戦線で戦う若きドイツ軍兵士の心情と体験をリアルに描き出す人間ドラマだ。この度、Netflixにて『西部戦線異状なし:制作の舞台裏』として2月20日より独占配信されている作品が、アカデミー賞受賞の期待を込め、NetflixJapan公式YouTubeにて全編公開された。映像では、メイキングやインタビュー映像などの撮影風景が記録され、リアリティを徹底的に追求した制作のこだわりが語られている。緊張感に包まれた本編映像の一部とともに、監督を務めるエドワード・ベルガー(『パトリック・メルローズ』『ぼくらの家路』)による緻密な撮影手法が次々と明かされていく本映像。ベルガー監督は「今作のチームは本当に優秀だった。すばらしいメンバーに恵まれて幸運だよ。最高の顔ぶれが集まった、あのメンバーを超える制作陣はない」と、思い描く映像を高いレベルで形にしていく制作陣を絶賛。また、「どう撮影するべきか技術的な悩みもあった。こんなの撮れるのかと恐怖すら覚えた。映像化できるのか不安だった」、「(塹壕での撮影について)撮影可能だと確信できるまで信じられないほど長い期間を要した」など、リアリティにこだわり抜いた故の苦労もふり返った。撮影監督のジェームズ・フレンドも、「戦争当時も塹壕は人であふれていたはず。撮影中も100人以上がごった返していた。(美術担当は)塹壕を拡張したんだ。(撮影に合わせて)大きすぎず小さすぎず、的確なサイズにね。史上最高のセットだったと思う。撮影に携われて光栄だ」と、作品の出来栄えに自信を覗かせている。また、映像のクオリティを底上げしているのは、撮影技術や美術だけではない。兵士を演じるキャストたちは撮影に向けて特別な訓練を受けたそうで、主人公のパウルを演じるフェリックス・カメラーは「ぬかるみで転ばなかったのは訓練のおかげだよ。爆破シーンでの身のこなし方も覚えた。40キロの荷物を背負って200メートルを20回走った。途中で体が言うことを聞かなくなった...満身創痍だよ」と、兵士さながらの徹底した訓練について解説。さらに映像では、特殊効果や衣装、サウンドトラックなど様々な角度から制作陣の思いが語られている。Netflix映画『西部戦線異状なし』は独占配信中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-西部戦線異状なし
2023年03月03日本年度アカデミー賞ノミネートのドキュメンタリー『オール・ザット・ブリーズ』がU-NEXTにて見放題で独占配信開始されることが分かった。世界で最も人口の多い都市デリーでは、牛、ネズミ、サル、カエル、豚、昆虫、鳥が、人々と肩を寄せ合って生活している。しかし、深刻化する大気汚染の影響により、スモッグに覆われた空からトビが落ちてくるように…。そんな異常事態の中、デリーで暮らすナディームとサウドの兄弟たちは、工場でソープディスペンサーをつくる傍ら、トビをはじめとする猛禽類の保護活動を行う“ワイルドライフ・レスキュー”という団体を20年にわたり運営している。人間と生活圏を共有する動物たちは、いかにして都会の環境に順応しているのか…。本年度アカデミー賞のほか、英国アカデミー賞ノミネート、カンヌ国際映画祭、サンダンス映画祭、ゴッサム賞など数々の栄誉あるドキュメンタリー賞を受賞し「今年のベストドキュメンタリー映画」との呼び声も高い。詩情溢れる映像とともに兄弟たちの日常や葛藤を描き出す美しくユニークな本作は、「見事!駆り立てられ記憶に残る作品」(NPR)、「本年度最も魅力的な映画」(ヴォーグ)、「近年で最も美しいドキュメンタリー」(ロサンゼルス・タイムズ)など、海外メディアでも絶賛評が寄せられ、世界中の映画祭、映画賞を席巻中だ。「生きとし生けるものを区別すべきではない(One shouldn't differentiate between all that breathes)」という信念を胸に、昼夜を問わず地下に即席で作った小さな鳥病院でトビの保護に勤しむ兄弟たちの奮闘、そして環境汚染と治安悪化が進むデリーで人間と動物たちが共存する姿を追いかける。『オール・ザット・ブリーズ』はU-NEXTにて見放題で独占配信中。(text:cinemacafe.net)
2023年03月02日アカデミー賞の発表が近づくにつれて、本年度の賞レースもさらなる盛り上がりを見せていますが、もっとも注目を集めている1本といえば『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。数々の話題作がしのぎを削るなか、最多となる10部門で11ノミネートを果たしています。そこで、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。ミシェル・ヨーさん【映画、ときどき私】 vol. 554本作で、自身初となるアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたミシェルさん。受賞すればアジア系の俳優として初の受賞となるため、大きな関心が寄せられています。劇中で演じたのは、人生のどん底にいたにも関わらず「全宇宙を救えるのは君だけだ」と世界の命運を突然託されてしまう“普通のおばさん”エヴリン。見事な熱演ぶりで観客を魅了し、絶賛されています。前哨戦と言われるゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞に輝くなど、アカデミー賞受賞への期待も高まるなか、ananwebでは単独インタビューを実施。前向きに生きる秘訣や苦境に立たされたときの乗り越え方、そして日本を好きな理由などについて語っていただきました。―本作では「あのとき別の決断をしていたら別の人生があったのに……」ということも描かれており、これは誰もが一度は考えることだと思います。演じている際に、ご自身の人生における後悔などが頭をよぎることもあったのでしょうか。ミシェルさんもちろん、誰もがそう思うことはあるかもしれませんね。でも、私自身はいままで後悔をするような生き方はしていません。というよりも、失敗することがあってもそれはそれで認めて引きずらず、逆にそこから何を学べるのかを考えるようにしています。実際、失敗したことを後悔するよりも、そこからどうしたら前に進めるかを考えるほうが大切ですよね。とはいえ、私もこの作品を制作しているときに、「もしも……」と想像したことはありましたよ。ただ、いまの自分は幸せなので、そんなことを考えること自体が無意味だと気がついたんです。他人の言葉は聞かずに、自分の声にだけ耳を傾ける―素晴らしいですね。ゴールデングローブ賞の授賞式で行ったスピーチにも感銘を受けましたが、アジアを代表する女優であるミシェルさんほどの方でも、さまざまな差別を経験されていたことに驚きました。しかも、本作出演前には年を取ったことが理由で周囲から引退を勧められたこともあったとか。厳しい状況を乗り切るために意識していることはありますか?ミシェルさんまず大事なのは、そういうときの他人からの言葉は聞き入れないことです。私は自分の声にしか耳を傾けないようにしています。そもそも他人のほうが私のことを知っているわけはありませんよね?なので、必要のない意見は聞かなくていいと思っています。あと、私の場合は、俳優という職業柄いつオファーが来ても応えられようにするというのは重要です。それは体調面を含めたさまざまな準備のことですが、それらが整っていればチャンスをしっかりとつかむことができますから。とはいえ、確かに年齢が上がって行くにつれて少しずついろんな機会が狭まってしまうところがいまだにあるのは事実です。でも、最近は映画業界にも女性が増えていて活躍できる場が広がりつつあるので、これからも私は戦い続けていきたいと思っています。この役を演じるために、40年間準備をしてきたと感じる―「もっと前にこの作品に出ていたらキャリアも変わっていたかも」と感じたこともあったそうですが、このタイミングで本作に出演したことで得たものもあったのではないでしょうか。ミシェルさんもし私が若いころにこの映画の話があったら、きっと私はエヴリンの娘役を演じていたでしょうね。おそらく、それでもアジア人である私にとっては十分に大きなチャンスだったと思います。実は最近、女優のエマ・トンプソンと「役が人生のどの時期にやってくるのかは運命かもしれない」という話をしたことがありました。つまり、その役を演じる準備ができたときに、役が目の前に現れて私たちを見つけてくるんじゃないかということです。現に、私はこの役を演じるために40年間リハーサルをして準備してきたような気がしているんですよ。だからこそ、どれほど混沌としていて不条理なことがあっても、劇中ではさまざまな役を同時に演じることができたし、どんなキャラクターでもブレることなく理解することができました。―確かに、この役は60歳を迎えて年齢と経験を積み重ねたいまだからこそ表現できた部分があると感じました。ご自身でも成熟していくことの素晴らしさを実感したところもあったのでは?ミシェルさんそうですね。私たちは生まれたときから年を取る運命にあるので、年齢を重ねることは避けられません。若さにしがみつくことは不可能ですし、若さは私たちの手から離れていくものなので、それは仕方がないことですよね。でも、英語で「Grow Old Gracefully(優雅に年を重ねる)」という言葉があるように、どうしたら美しく年を重ねていくことができるかを考えることはできます。エヴリンのように短所があったとしても、知恵と強さを合わせ持った女性として周りに響くような人になることはできるはずです。日本の好きなところは、本質にある純粋さや奥深さ―まさにミシェルさんが体現されていることですね。また、監督であるダニエルズのおふたりは、本作を制作するうえで日本のアニメからもインスピレーションを受けているとお話されていますが、演じるうえで感じたことはありましたか?ミシェルさん日本のアニメやポップカルチャーなど、目に飛び込んでくるような刺激的なものから影響を受けているんだろうなというのは私にも伝わってきました。そのなかでも彼らが素晴らしいのは、原宿のようなカオスもしっかりと捉えられるところだと思っています。ただ、私もエヴリンと同じように「一体何が起きているんだ!」と現場で混乱してしまったこともありましたが(笑)。―ちなみに、ミシェルさんは日本に対してどのような印象をお持ちですか?ミシェルさんオー・マイ・ゴッド!日本には大好きなものがたくさんあるので、どこから始めたらいいのでしょうか……。とはいえ、まずは食べ物ですね(笑)。あと、私は日本で最高の休日を過ごしたこともあるんですよ。それは箱根に富士山を見渡せる素敵な家を持っている友人のところを訪ねたときのことですが、温泉に入って自然を堪能することができました。そういった純粋さや奥深さが日本文化の本質だと思いますし、そういうところが日本の好きなところです。また、日本の街はトレンディなのに伝統や歴史がある。その関係性とコントラストが日本の美しさを生み出していますし、それが日本に対して畏敬の念を抱く理由だと思います。観る方に好きなユニバースを選んで楽しんでほしい―ありがとうございます。本作ではまるで10本ほどの映画を観たような感覚に陥りましたし、細部にわたってさまざまなこだわりも感じました。見どころが多いので、もしそのなかでもミシェルさん的に注目してほしいポイントがあれば、日本の観客に教えてください。ミシェルさん確かに、この映画が10本分というのはその通りかもしれないですね!実際、SFとコメディとマーシャルアーツとドラマとホラーと5種類のジャンルが入っていて、それをいっぺんに体験できる作品となっていますから。ただ、改めていろいろ思い返すと私自身も一つを選ぶのは不可能なので、これはいい質問ですね。それくらい本当に見るべきところがたくさんありすぎる作品になっています。おそらく1回目は「え?どうなってるの?」となると思いますが、2回目、3回目となると少し落ち着いて観られるので「なるほど」となるかなと。そうなったときに、異なるユニバースやそれぞれのニュアンスを理解することができるはずです。とにかくいろいろと見逃してしまう可能性がたくさんある作品でもあるので、「何があっても上映中にお手洗いには行かないでくださいね」というのは伝えておきたいです(笑)。あとは、どのユニバースでも、観る方が好きに選んで楽しんでください。ぜひ、何回も観てほしいです。インタビューを終えてみて……。今回はオンラインでの取材でしたが、画面越しでもオーラがひしひしと伝わってきたミシェルさん。限られた時間ではあったものの、そのなかでも人生のヒントになるような素敵な言葉をたくさんいただき、感動しっぱなしの取材となりました。凛とした美しさと優しい笑顔はもちろん、知性が溢れる佇まいもまさに目指したい理想の女性像です。本作では、新境地で七変化するミシェルさんの魅力を堪能してください。アクションも笑いも涙も何でもあり!見たことのない映像と息つく間もない展開に、誰もがカオスの世界へと誘われる本作。奇想天外なストーリーに衝撃を受けながらも、そのなかにある普遍的な愛のメッセージには込み上げてくるものを感じるはず。あらゆる映画の醍醐味が体感でき、1本の映画とは思えない満足感を味わえる必見作です。取材、文・志村昌美ストーリー家族で経営するコインランドリーの税金問題に頭を悩ませているエヴリン。それに加えて、父親の介護や反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えていた。そんななか、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”が現れ、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と突如告げられる。まさかと驚いていたエヴリンだが、悪の手先に襲われるとマルチバースにジャンプ。そして、カンフーの達人である“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むことになるのだが……。異次元に引き込まれる予告編はこちら!作品情報『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』3月3日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー配給:ギャガ(c) 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月01日第95回アカデミー賞歌曲賞にノミネートされているインド映画『RRR』の劇中歌「Naatu Naatu」が、3月12日開催の授賞式にて生披露されることが分かった。同曲の歌手ラーフル・シプリガンジ&カーラ・バイラヴァがパフォーマンスを行うという。授賞式の製作総指揮・ショーランナーのグレン・ワイスとリッキー・カーシュナーが発表した。「Naatu Naatu」は『RRR』の中に登場する超高速のキレッキレダンス「ナートゥダンス」の楽曲。1月に行われたゴールデングローブ賞でも歌曲賞の候補となり、レディー・ガガやリアーナといった強豪を抑えて受賞した。授賞式では「Naatu Naatu」を披露するラーフル&カーラのほか、ソフィア・カーソン&ダイアン・ウォーレンが『Tell it Like a Woman(原題)』の「Applause」、リアーナが『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の「Lift Me Up」、デヴィッド・バーン&ステファニー・スー&音楽トリオ「Son Lux」が『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の「This is a Life」のパフォーマンスを行う。これら4曲と共に、『トップガン マーヴェリック』の「ホールド・マイ・ハンド」も歌曲賞にノミネートされており、これを歌っているレディー・ガガの出演に期待がかかる。(賀来比呂美)■関連作品:RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.
2023年03月01日生後15か月の幼い娘を殺害した罪に問われた、ある若い女性の裁判を描き、昨年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)と新人監督賞をW受賞、本年度アカデミー賞国際長編映画部門のフランス代表にも選出された『サントメール ある被告』(原題『Saint Omer』)が公開決定。7月14日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下(6月オープン)ほかにて順次公開されることになった。フランス北部の町、サントメールで実際にあった裁判をベースにした物語。若き女性作家ラマは、ある裁判を傍聴する。被告は、生後15か月の幼い娘を海辺に置き去りにし殺害した罪に問われた若い女性ロランス。セネガルからフランスに留学し、完璧な美しいフランス語を話す彼女は、本当に我が子を殺したのか?観客はラマの視点を通して、まるでその裁判に投げ込まれたかのようにスリルに満ちた時間を経験する。被告本人の証言も娘の父親である男性の証言も、何が真実か分からない。弁護士、検事、裁判官……そして偶然ラマは被告の母親と知り合う。映画はサスペンスフルに展開し、ラストでは人間の根源的なテーマを浮かび上がらせる。「2022年最高のフランス映画」との呼び声も高い本作の監督は、『私たち』(2021)で2021年ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門最優秀作品賞を受賞するなど、ドキュメンタリー作家として国際的に高い評価を受けてきたセネガル系フランス人女性監督アリス・ディオップ。本作が初めての長編劇映画ながら、卓越したドキュメンタリー的視点を交えて描く手法が絶賛され、いまや映画ファンが最も注目すべき監督の1人とされている。撮影監督は『燃ゆる女の肖像』でセザール賞はじめ数々の撮影賞に輝いたクレア・マトン。脚本に、フェミナ賞とゴンクール賞を受賞している作家、マリー・ンディアイが参加している。『サントメール ある被告』は7月14日(金)よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開予定。(text:cinemacafe.net)
2023年02月28日2023年3月10日、『第46回 日本アカデミー賞授賞式』が行われます。日本アカデミー賞とは、映画芸術、技術、科学の向上発展のために設けられました。民放公式テレビ配信サービス『TVer』では、授賞式当日に『ウェルカムレセプション』『レッドカーペット』の模様をライブ配信。また、『第46回 日本アカデミー賞授賞式』の地上波放送も、リアルタイム配信します。同年2月27日からは、『日本アカデミー賞特集』がスタート。主演男優賞、主演女優賞、新人俳優賞など各賞受賞者の出演ドラマを無料配信します。ほか、新人俳優賞受賞者6人全員のスペシャルインタビューの完全版も見ることができますよ。第46回『日本アカデミー賞』の受賞者はこちら。【第46回 日本アカデミー賞 受賞者(一部の賞を抜粋・敬称略)】<優秀主演男優賞>阿部サダヲ、大泉洋、妻夫木聡、二宮和也、松坂桃李<優秀主演女優賞>岸井ゆきの、のん、倍賞千恵子、広瀬すず、 吉岡里帆<優秀助演男優賞>柄本佑、窪田正孝、坂口健太郎、目黒蓮、横浜流星<優秀助演女優賞>有村架純、安藤サクラ、尾野真千子、清野菜名、永野芽郁、松本穂香<新人俳優賞>小野花梨、菊池日菜子、生見愛瑠、福本莉子、有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮最優秀主演男優賞、主演女優賞などの栄冠を手にするのは誰なのでしょうか。授賞式が楽しみですね。2023年2月27日現在、配信中の作品はこちらです。『微笑む人』(テレビ朝日系)松坂桃李『エアガール』(テレビ朝日系)広瀬すず/坂口健太郎『消えた初恋』(テレビ朝日系)目黒蓮/福本莉子『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)大泉洋『中学聖日記』(TBS系)有村架純『コウノドリ(2015)』(TBS系)坂口健太郎/清野菜名『リミット』(テレビ東京系)窪田正孝『元彼の遺言状』(フジテレビ系)大泉洋『兄友』(MBS系)横浜流星『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ系)清野菜名/横浜流星同年3月1日から配信予定の作品一覧はこちら。『コントが始まる』(日本テレビ系)有村架純『ハケンの品格(2007年)』(日本テレビ系)大泉洋『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)横浜流星/岸井ゆきの『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(日本テレビ系)窪田正孝『デスノート』(日本テレビ系)窪田正孝『Mother』(日本テレビ系)尾野真千子『今日から俺は!!』(日本テレビ系)清野菜名『親バカ青春白書』(日本テレビ系)永野芽郁/小野花梨『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日本テレビ系)岸井ゆきの『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系)松坂桃李『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)坂口健太郎『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)坂口健太郎『35歳の少女』(日本テレビ系)坂口健太郎『この恋あたためますか』(TBS系)菊池日菜子同月3日からは、有村架純さん、生見愛瑠さんが出演する『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)が配信されます。同月5日からは、過去の『日本アカデミー賞授賞式』の名場面の数々を限定配信。さらに、TVer限定で、小野花梨さん、菊池日菜子さん、生見愛瑠さん、福本莉子さん、有岡大貴さん、番家一路さん、松村北斗さん、目黒蓮さんのインタビュー完全版の配信も行われます。特別コンテンツ1(日本テレビ)新人俳優賞受賞の6人のインタビュー完全版特別コンテンツ2(日本テレビ)過去の新人俳優賞の名場面【配信日未定】『ユニコーンに乗って』(TBS系)永野芽郁上記ラインナップにない作品も配信予定だといいます。「このドラマ、見逃した!」という作品もあることでしょう。中には「懐かしい!」と思うドラマもあるかもしれません。『第46回 日本アカデミー賞授賞式』も楽しみですが、過去の作品も楽しんでみてくださいね![文・構成/grape編集部]
2023年02月28日25日(現地時間)、カリフォルニア大学のロイスホールで「アニメ界のアカデミー賞」と呼ばれるアニー賞授賞式が開催された。最高賞として位置づけられている長編作品賞には『私ときどきレッサーパンダ』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『長ぐつをはいたネコと9つの命』『ジェイコブと海の怪物』『ウェンデルとワイルド』がノミネートされており、『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が受賞した。同作は監督賞、キャラクターアニメーション賞など最多5部門受賞。デル・トロ監督は受賞スピーチで「言ってもいいですか?アニー賞がほしくてたまらなかったんです!」と喜びを爆発させた。短編ストップモーションアニメとしてYouTubeで誕生し、再生回数が5000万回以上を超えて長編アニメ化された『Marcel the Shell with Shoes on(原題)』は3部門を受賞。主人公のマーセルの声を務め、声優賞を獲得したジェニー・スレイトは、受賞スピーチで「ギレルモ・デル・トロ監督に全く同意です!私もアニー賞がどうしてもほしかったんです!」と“受賞仲間”のデル・トロ監督をまねて喜んだ。日本勢は、長編インディペンデント作品賞などにノミネートされていた湯浅政明監督の『犬王』は、残念ながら受賞ならず。堤大介監督の『ONI ~ 神々山のおなり』がテレビ・メディア部門の作品賞(リミテッドシリーズ)、プロダクション・デザイン賞(テレビ・メディア)の2部門で受賞した。堤監督は「この受賞は本作に関わった全てのスタッフの功績です。そしてなにより世界中のたくさんの方々に、日本の美しさを感じてもらいたくて制作した本作が、こうやって多くの人に認めてもらえたことを誇りに思います。この賞をきっかけに少しでも多くの日本の方々が『ONI ~ 神々山のおなり』を観てくれたらうれしいです」とコメント。東京・立川で4月2日まで開催中の「ONI展」で「より作品の魅力を感じていただける」として来場を呼び掛けている。(賀来比呂美)■関連作品:ギレルモ・デル・トロのピノッキオ 2022年11月25日より全国にて公開、12月9日よりNetflixにて配信
2023年02月27日3月12日(日本時間は13日)に授賞式が行われる米アカデミー賞。注目は、なんといっても作品賞。ノミネートされているのは、すでに日本で公開された『西部戦線異状なし』『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『イニシェリン島の精霊』『エルヴィス』『トップガン マーヴェリック』『逆転のトライアングル』の6本と、今後公開される『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日)、『フェイブルマンズ』(3月3日)、『TAR/ター』(5月12日)、『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(初夏公開)の4本だ。なかでも本命と目されているのは今週末公開の、スティーヴン・スピルバーグ監督『フェイブルマンズ』。今回はこの作品をご紹介します。『フェイブルマンズ』数々の大ヒット作、名作を手がけたスティーヴン・スピルバーグ監督。「私の作品のほとんどが、成長期に私自身に起こったことを反映したものだ」という言葉通り、彼の映画は彼の人生そのもの。変幻自在ともいえる題材の振れ幅の広さ、どんなテーマでも観る人を失望させないクオリティ。それを可能にしたのは何なのか、その創作の秘密がわかるのが、この作品。スピルバーグによる自伝的映画だ。タイトルの「フェイブルマン」は人名。複数だから、いうなれば“フェイブルマン家の人々”。スピルバーグという姓のドイツ語の語源から、戯曲の要約を意味する演劇用語「fabel」を見つけ、共同脚本のトニー・クシュナーがシャレっ気で名付けたそう。あくまでも自伝“的”映画なので、いろいろフィクションが盛り込まれているけれど、主人公サミーの家族が、科学者の父、ピアニストの母、4人兄妹であることや、一家の歴史は、スピルバーグ家そのものだ。高松啓二さんの水先案内をもっと見る()イラストレーション:高松啓二中川右介さん(作家・編集者)「……最後は、希望があるラストシーン。そのため、「いい映画を観た」「感動した」と思ってしまうが、なかなかどうしてシビアな映画だ」中川右介さんの水先案内をもっと見る()堀晃和さん(ライター・編集者)「……家族の微妙な人間模様を描きながら、サミーの映画への憧れがストレートに語られる構成が胸を打つ……」堀晃和さんの水先案内をもっと見る()(C)2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年02月27日日本公開から半年以上、全国各地の映画館でロングラン上映を続けている『PLAN75』。この度、第65回ブルーリボン賞にて主演女優賞(倍賞千恵子)&監督賞(早川千絵)を受賞したことを記念して、公開時のメイン館である新宿ピカデリーにて3月10日(金)より再々上映が決定した。6月の公開週にはメイン館の新宿ピカデリーの週末動員数で、『トップガン マーヴェリック』の動員を抑え1位を記録。シネスイッチ銀座では、金曜日の初回からチケットを求めて観客が長蛇の列をなし、土日も満席の回が続出。30代以降の映画ファンを中心に女性のグループ、夫婦・カップルなど複数での鑑賞が多く、幅広い客層に支えられてロングラン上映、現在、興行収入は3.4億円に迫っている。SNSを中心に「震えるほど感動」「頭から離れない」「“生きる”という命題を観る者に突きつける大傑作」など絶賛の声が多く寄せられたほか、“75歳以上に生死の選択権を与える<プラン75>の制度”に対して、賛否両論を巻き起こした本作。作品への口コミの高さに加え、キャスト陣の演技も高く評価され、第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、優秀脚本賞や第65回ブルーリボン賞 主演女優賞、監督賞をはじめとした国内の主要映画賞を獲得している。また、第47回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールド・シネマ部門や国際映画祭への出品も相次ぎ、フランス、シンガポール、タイ、台湾など30か国以上の国と地域で配給されるなど、世界各国でも評価を受けている。この度、3度目の新宿ピカデリーでの上映決定を受け、倍賞さんは「監督をはじめ、キャスト、スタッフの皆さんと同じ方向を向いて一生懸命に作り上げた作品を多くの方にご覧いただけて嬉しいです」とコメント。なお、早川監督は次回作に向け、脚本を執筆し始めているという。『PLAN 75』は3月10日(金)より新宿ピカデリーにて再々上映、全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:PLAN75 2022年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee
2023年02月24日第46回 日本アカデミー賞の話題賞結果が、23日深夜放送のニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木曜25:00〜27:00)内で発表された今回で46回目の開催を迎える“日本映画界最高の名誉”『日本アカデミー賞』(3月10日 グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールにて授賞式開催)。同賞において唯一、一般の映画ファンが投票に参加できるのが「話題賞」で、2月3日に投票が締め切られ、この度最終結果が明らかになった。作品部門では『ONE PIECE FILM RED』、俳優部門では『すずめの戸締まり』(声の出演)、『ホリック xxxHOLiC』に出演した松村北斗が選ばれた。同局では受賞者のスペシャルインタビューも交え、今年も日本アカデミー賞授賞式の模様を『オールナイトニッポン0(ZERO)〜第46回日本アカデミー賞スペシャル〜』として3月10日27時から2時間に渡って放送する。
2023年02月24日トム・クルーズ製作・主演『トップガン マーヴェリック』が、本年度・第95回アカデミー賞において作品賞、主題歌賞(Hold My Hand/レディー・ガガ)など6部門にノミネートされたことを記念し、3月3日(金)より再び“追いトップガン”を堪能できるスクランブル上映が決定した。アカデミー賞において、作品賞にトムの主演作がノミネートされたのは第69回『ザ・エージェント』以来、実に26年ぶり、もし受賞となればダスティン・ホフマンとのW主演作『レインマン』(第61回)以来、34年ぶり。長年アカデミー賞とは縁の離れていたトムながら、コロナ禍以降、厳しい状況にあった映画業界はこの作品なくしていまの再生と盛り上がりはなかったと言っても過言ではなく、本作『トップガン マーヴェリック』は作品賞を含む6部門で見事にノミネート。現地時間2月13日に開催された、今年のノミネートされた映画人が集う恒例の昼食会オスカー・ノミニーズ・ランチョンでは、スティーヴン・スピルバーグ監督がトムへ謝意と賛辞を直接送っている様子がキャッチされたことも話題をさらっている。ここ日本でも昨年5月に公開以降、数々の記録をことごとく塗り替えるハイペース飛行を続けており、2010年以降に日本で公開された実写映画のNo.1という記録を樹立。2023年に突入してなおいくつもの劇場で上映が続いていたなか、今回のアカデミー賞へのノミネートを記念して3月3日より全国175館(3月10日より106館)と拡大公開が緊急決定。ラスト胸熱ステッカー イメージ(※実際の商品とはデザイン・仕様が一部異なる場合あり)さらに入場者プレゼントとして、ノミネートされた賞が刻まれた「ラスト胸熱ステッカー」が全国25万枚限定で配布決定。IMAXなどのラージフォーマットでの上映も決定した。なお、日本での累積興行収入は2月19日までで135.7億円に到達。トム・クルーズ作品の日本歴代最高記録の『ラスト サムライ』(137億円)に迫っている(※興行通信社調べ)。『トップガン マーベリック』は全国にて公開中。3月3日(金)より全国175館、3月10日(金)より106館にて拡大公開。4K UHD、Blu-ray&DVD発売中。発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年02月21日先日開催された英国アカデミー賞で、助演男優賞(『イニシェリン島の精霊』)を受賞したバリー・コーガン。アイルランド・ダブリン出身の彼は、受賞スピーチで「これ(トロフィー)を、ぼくの出身地で、なにかになりたいと夢見ている子どもたちに捧げたいです」と地元愛を語って涙を誘っていたが、授賞式後、地元の母校に立ち寄ることも約束した。授賞式の翌日、アイルランドの公共放送RTEのニュース番組に、母校のオコンネル・セカンダリー・スクール(中学・高校)の生徒たちと恩師コナー・フラッド氏が出演。バリーの受賞を祝い、生徒はバリーが「世代を超えたインスピレーションを与えてくれました」と称賛した。フラッド氏は「バリーをテレビで見るたびに、ちょっと非現実的のように感じるのですが、本当に楽しくなるんです。彼が自分のため、家族のため、地元のためにやっていること、やってきたことは計り知れません」と語った。喜んだバリーはこのニュース動画をリツイートし、「すごくうれしい。全国放送で素敵なことを言ってくれてありがとう。地元に帰ったらフラッド先生と@coolyerを訪ねて思い出話がしたいなぁ。学校にも立ち寄るよ」とコメントしている。(賀来比呂美)■関連作品:イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2023年02月21日19日(現地時間)、ロンドンのサウスバンク・センター内ロイヤル・フェスティバル・ホールで英国アカデミー賞(BAFTA賞)授賞式が開催された。受賞結果は、最多14ノミネートを獲得していたドイツ映画『西部戦線異状なし』が7部門受賞。非英語映画では1988年に製作されたイタリア映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の5部門受賞が同賞史上最多だったが、その記録を更新する快挙を遂げた。授賞式では様々なハプニングがつきものだ。今回の英国アカデミー賞では助演女優賞の発表時に、受賞者がケリー・コンドンであるにもかかわらず、同賞にノミネートされていたキャリー・マリガンの名前が読み上げられるというミスが起きた。原因は明らかになっていないが、プレゼンターのトロイ・コッツァーと手話通訳者との間で行き違いがあった模様。主な受賞作品・受賞者は以下の通り。作品賞『西部戦線異状なし』主演女優賞ケイト・ブランシェット『TAR/ター』主演男優賞オースティン・バトラー『エルヴィス』助演女優賞ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』助演男優賞バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』監督賞エドワード・ベルガー『西部戦線異状なし』脚本賞『イニシェリン島の精霊』脚色賞『西部戦線異状なし』非英語映画賞『西部戦線異状なし』英国作品賞『イニシェリン島の精霊』アニメ賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(賀来比呂美)■関連作品:イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.西部戦線異状なし
2023年02月20日WOWOWで独占生中継される「第95回アカデミー賞授賞式」のスタジオゲストとして、映画監督&演出家の大友啓史の出演が決定した。番組案内役にジョン・カビラと宇垣美里、スペシャルゲストに中島健人(Sexy Zone)が出演する本番組。1月24日に発表されたノミネーションでは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多となる10部門11ノミネート、『トップガン マーヴェリック』は6部門にノミネートし注目が集まっている。昨年のアカデミー賞授賞式では、『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞し日本作品が評価されたが、今年も『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でミシェル・ヨーが主演女優賞にノミネートされ、アジアへの評価が高まっている。番組のスタジオゲストとして出演が決定した大友監督は、『るろうに剣心』シリーズや『3月のライオン』などを手掛け、現在は木村拓哉&綾瀬はるか共演の時代劇『レジェンド&バタフライ』が公開中だ。さらに、中島さんがMCを務め、生放送・ライブ配信でオスカーの行方を徹底予想する事前番組「第95回アカデミー賞直前総予想」のゲストとして、『モテキ』『バクマン。』「エルピス-希望、あるいは災い-」の大根仁監督が登場。そのほか、海外のエンターテインメントにも造詣が深いタレントの関根麻里、映画評論家・町山智浩、宮下兼史鷹(宮下草薙)も参加する。「第95回アカデミー賞授賞式」は3月13日(月)7時30分~WOWOWにて生中継・ライブ配信(※日本時間)。「第95回アカデミー賞直前総予想」は2月26日(日)20時~WOWOWにて生放送・ライブ配信。(cinemacafe.net)
2023年02月16日気鋭スタジオ「A24」が北米配給権を獲得、本年度アカデミー賞主演男優賞と英国アカデミー賞4部門にノミネートされている注目作が、『aftersun/アフターサン』の邦題で5月26日(金)より全国公開されることが決定した。11歳のソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点で綴る本作。2022年カンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手掛ける「A24」が北米配給権を獲得。昨年末には複数の海外メディアが<ベストムービー>に挙げ、毎年映画ファンが注目するオバマ元大統領の“お気に入り映画”にも選出された。また、第89回アカデミー賞作品賞など3冠に輝いた「A24」製作『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスが脚本に惚れこみ、プロデューサーに名乗りを上げた。ジェンキンスは映画祭での上映の際、何度も鑑賞しているにもかかわらず感極まり号泣してしまったという。多くを語らず、ミニマリスティックな演出で観る者に深い余韻をもたらす本作は、誰しもの心の片隅に存在する、大切なひととの大切な記憶を揺り起こす。陽光注ぐ浜辺、日焼け止めの香り、大きな波音、そしていまも残る父親の手の感覚…。「クイーン」&デヴィッド・ボウイの「アンダー・プレッシャー」や、「ブラー」の「テンダー」などのヒットソングに彩られながら、トルコの陽光降り注ぐリゾート地での夏休みが描かれる。ドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが、今作では愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートを果たしている。ソフィ役には半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオが抜擢。脚本・監督は、瑞々しい感性で長編デビューを飾ったスコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズが務めている。ひと夏の思い出を切り取った場面写真も解禁に!20年前にソフィが父親とともに過ごしたひと夏のかけがえのない思い出が切り取られた場面写真。若くして父親になったカラムと、思春期真っ只中のソフィはまるで年の離れた兄妹にも見える。トルコのリゾート地のキラキラした水面、移動のバスの中、片時も離れたくないとばかりに父の腕をぎゅっとつかむソフィ、娘を愛おしそうに見つめるカラムの視線など、宝もののような記憶が紡がれている、エモーショナルなカットが並んでいる。『aftersun/アフターサン』は5月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年02月16日第46回 日本アカデミー賞「新人俳優賞」受賞者撮りおろしビジュアル「NEW CINEMA FACE 2023 」が15日、公開された。同ビジュアルは、第35回(2011年)より開催し、今年で11年目を迎える新人俳優賞受賞者(小野花梨、菊池日菜子、福本莉子、生見愛瑠、有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮)の撮りおろし企画。2月23日〜3月16日、東京・渋谷 RAYARD MIYASHITA PARKに掲出される。毎年、期間限定で掲出されると多くの人々が現地を訪れ、映画ファンのフォトスポットとして話題となっています。一生に1度しか経験することができない新人俳優賞を受賞して、この企画に参加することを熱望する若手俳優も多くいる程、日本アカデミー賞授賞式の前のもう1つの企画として盛り上がりを見せているという。「新人俳優賞」は日本アカデミー賞の歴史の中で、第5回から設けられた。1982年の初回の受賞者は佐藤浩市、真田広之、中井貴一、石田えり、かとうかずこ、田中裕子。この6人に始まる歴代「新人俳優賞」受賞者はその後も「主演」「助演」で再び日本アカデミー賞を受賞されるなど各方面で活躍を続けている。選出は日本アカデミー賞協会会員約4,000人の投票により決定。原則として映画初出演でなくとも、主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象としている。○「新人俳優賞」受賞者 コメント「自分にとって『映画』とは? 10年後20年後の自分像は?」・小野花梨(『ハケンアニメ!』) コメント私にとって映画は敵であり味方ですね。自分を生かしているという意味では大きな味方だけど、その中で私は戦っていかなければならないですし、長くこのお仕事をしたいのなら評価され続けなければいけないというシビアさもある。どこかで誰かに求められていなくては出来ないお仕事ですから。10年後20年後も誰かに求めていただけるような存在でいられたらなと思います。・菊池日菜子(『月の満ち欠け』) コメント知らない世界を教えてくれるのが映画だと思います。自分のコミュニティの中だけで得られる知識や考えは、どうしても偏ってしまう部分があって、そういった部分を壊してくれるのが映画だと思っています。今後は感情を放出すること、演じること、表現することを楽しみながら俳優として生きていけたらいいなと。それを叶えるためにも今、もっともっと頑張ろうと思います。・生見愛瑠(『モエカレはオレンジ色』) コメントどれだけ眠くても夜更かししてしまうほど映画を見る時間は贅沢だなって思っています。普段生きていたら感じない感情に引きずられたり、自分にない価値観を知ることが出来て、すごく勉強になるし面白いです。10年後20年後、その時やりたいことが何かはわからないですけど、物を作ることがすごく好きなので、たくさん経験を積んで何かを作っていたらいいなって思っています。・福本莉子(『今夜、世界からこの恋が消えても』) コメント日常では体験できないことをスクリーンを通して体験できるところが映画の魅力だと思っています。行き詰まっている時に背中を押してもらったり、生きる上でのヒントが凄く詰まっている。将来的にもこのお仕事は続けられたらいいですね。この賞をきっかけに、いろんな作品、役、自分に出会って、お仕事じゃないところでもいろんなものを学んで、発見して、人として成長していけたらなと思います。・有岡大貴(『シン・ウルトラマン』) コメントいろんなことの源みたいな感じです。普段はグループで活動させてもらっていて、ライブもそうですが、日々インプットが必要だと感じていて。そんなときに劇場で映画を観ることでインスピレーションや刺激を受けて、本当に助けられています。この先も変わらず映画に触れていたいですし、もし俳優として呼んでいただけることがあるのならば、この賞に恥じないお芝居ができたらと思います。・番家一路(『サバカン SABAKAN』) コメント映画に出ている人はすごいなと思っていたので『サバカン SABAKAN』に出て、自分が映画の中にいるんだって考えたら不思議な気持ちになりました。また是非やりたいです。10年後20年後も俳優業を続けているか他の道に進むかはわからないけど、楽しんでいてほしいと思います。ほかの道は...お金持ちになりたいというか、楽しく生きていきたいので社長とか!?になりたいです。・松村北斗(『ホリックxxxHOLiC』) コメント映画は見に行こうと思わないと見られないけど、そういう意味で価値のある物を作って、受け取ってもらおうとする熱量みたいなものを感じます。僕を選んでくれた方に「やっぱりあの時、俺、私、間違ってなかったな。先見の明があったな」と思ってもらえるような10年後20年後でありたいし、映画に憧れみたいなものがあるのでお芝居は「頼むからやめてくれ」って言われるまで挑戦したいですね。・目黒蓮(『月の満ち欠け』) コメント映画は、明日も頑張ろうと思えるような、その先の人生になにか影響するような、不思議なパワーのあるエンターテインメントだと思っています。自分が出た作品も誰かを励ますことが出来たら嬉しいです。一回きりの人生なので、10年先も、20年先も悔いのない、少しでも楽しい時間が増えるような生き方ができていたらいいなと思います。
2023年02月15日第35回(2011年)より開催し、今年で11年目を迎える日本アカデミー賞新人俳優賞受賞者の撮りおろし企画「NEW CINEMA FACE」。今回も同賞に選ばれた小野花梨、菊池日菜子、生見愛瑠、福本莉子、有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮の新たな装いと表情によるビジュアルがRAYARD MIYASHITA PARKに登場する。日本アカデミー賞の歴史の中で、第5回から設けられた新人俳優賞。受賞者はその後も「主演」「助演」で 再び日本アカデミー賞を受賞するなど各方面で活躍を続けている。日本アカデミー賞協会会員約4,000人の投票により決定し、原則として映画初出演でなくとも、主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象とされる。そんな次世代の映画界を担う新人俳優賞受賞者たちが一堂に会する「NEW CINEMA FACE」は毎年、期間限定で掲出されると多くの人々が現地を訪れ、映画ファンのフォトスポットとして話題に。日本アカデミー賞授賞式の前のもう1つの企画として盛り上がりを見せている。なお、受賞者からは、自分にとって「映画」とは?10年後20年後の自分像は?という問いについてのコメントも到着している(五十音順)。小野花梨『ハケンアニメ!』私にとって映画は敵であり味方ですね。自分を生かしているという意味では大きな味方だけど、その中で私は戦っていかなければならないですし、長くこのお仕事をしたいのなら評価され続けなければいけないというシビアさもある。どこかで誰かに求められていなくては出来ないお仕事ですから。10年後20年後も誰かに求めていただけるような存在でいられたらなと思います。菊池日菜子『月の満ち欠け』知らない世界を教えてくれるのが映画だと思います。自分のコミュニティの中だけで得られる知識や考えは、どうしても偏ってしまう部分があって、そういった部分を壊してくれるのが映画だと思っています。今後は感情を放出すること、演じること、表現することを楽しみながら俳優として生きていけたらいいなと。それを叶えるためにも今、もっともっと頑張ろうと思います。生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』どれだけ眠くても夜更かししてしまうほど映画を見る時間は贅沢だなって思っています。普段生きていたら感じない感情に引きずられたり、自分にない価値観を知ることが出来て、すごく勉強になるし面白いです。10年後20年後、その時やりたいことが何かはわからないですけど、物を作ることがすごく好きなので、たくさん経験を積んで何かを作っていたらいいなって思っています。福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』日常では体験できないことをスクリーンを通して体験できるところが映画の魅力だと思っています。行き詰まっている時に背中を押してもらったり、生きる上でのヒントが凄く詰まっている。将来的にもこのお仕事は続けられたらいいですね。この賞をきっかけに、いろんな作品、役、自分に出会って、お仕事じゃないところでもいろんなものを学んで、発見して、人として成長していけたらなと思います。有岡大貴『シン・ウルトラマン』いろんなことの源みたいな感じです。普段はグループで活動させてもらっていて、ライブもそうですが、日々インプットが必要だと感じていて。そんなときに劇場で映画を観ることでインスピレーションや刺激を受けて、本当に助けられています。この先も変わらず映画に触れていたいですし、もし俳優として呼んでいただけることがあるのならば、この賞に恥じないお芝居ができたらと思います。番家一路『サバカンSABAKAN』映画に出ている人はすごいなと思っていたので『サバカンSABAKAN』に出て、自分が映画の中にいるんだって考えたら不思議な気持ちになりました。また是非やりたいです。10年後20年後も俳優業を続けているか他の道に進むかはわからないけど、楽しんでいてほしいと思います。ほかの道は...お金持ちになりたいというか、楽しく生きていきたいので社長とか!? になりたいです。松村北斗『ホリックxxxHOLiC』映画は見に行こうと思わないと見られないけど、そういう意味で価値のある物を作って、受け取ってもらおうとする熱量みたいなものを感じます。僕を選んでくれた方に「やっぱりあの時、俺、私、間違ってなかったな。先見の明があったな」と思ってもらえるような10年後20年後でありたいし、映画に憧れみたいなものがあるのでお芝居は「頼むからやめてくれ」って言われるまで挑戦したいですね。目黒 蓮『月の満ち欠け』映画は、明日も頑張ろうと思えるような、その先の人生になにか影響するような、不思議なパワーのあるエンターテインメントだと思っています。自分が出た作品も誰かを励ますことが出来たら嬉しいです。一回きりの人生なので、10年先も、20年先も悔いのない、少しでも楽しい時間が増えるような生き方ができていたらいいなと思います。「NEW CINEMA FACE 2023」は2月23日(木・祝)~3月16日(木)までRAYARD MIYASHITA PARK【South】2F入口横、渋谷駅方面エレベーター・2F歩道橋付近・3Fフードホール、【North】2Fエレベーター付近にて掲出。第46回 日本アカデミー賞授賞式は3月10日(金)にグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて開催。(text:cinemacafe.net)
2023年02月15日「第46回日本アカデミー賞」の優秀作品賞上映会が、2月17日(金)から23日(木・祝)の期間、T・ジョイPRINCE品川にて開催されることが決定した。今回上映されるのは、主人公の弁護士が“ある男”の真実に迫っていくヒューマンミステリー『ある男』、庵野秀明が企画・脚本、樋口真嗣が監督を務めた『シン・ウルトラマン』、大泉洋&有村架純&目黒蓮&柴咲コウ共演の数奇で壮大なラブストーリー『月の満ち欠け』、辻村深月原作のアニメーション業界で奮闘する者たちを描いたお仕事ドラマ『ハケンアニメ!』、広瀬すず&松坂桃李W主演『流浪の月』という、優秀作品賞全5作品。『ハケンアニメ!』そして、受賞作品別のトークショーも、実に3年ぶりに開催。樋口真嗣監督、石川慶監督、廣木隆一監督、吉野耕平監督ら、優秀賞受賞作品に深く携わった登壇者が、作品への思いや見どころ、知られざるエピソードや撮影の舞台裏などを語る。上映会は、オンラインチケット予約「KINEZO」にて販売(オンライン、窓口とも上映日の2日前より購入可能)。トークショー付の回は、オンライン・窓口とも2月11日(土)より購入可能となっている。「第46回日本アカデミー賞優秀作品賞上映会」は2月17日(金)~23日(木・祝)T・ジョイPRINCE品川にて開催。「第46回日本アカデミー賞」授賞式は3月10日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて実施。(cinemacafe.net)■関連作品:シン・ウルトラマン 2022年5月13日より全国東宝系にて公開Ⓒ2021「シン・ウルトラマン」製作委員会©️円谷プロ流浪の月 2022年5月13日より全国にて公開(c)2022「流浪の月」製作委員会ある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会ハケンアニメ! 2022年5月20日より全国にて公開©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会月の満ち欠け 2022年12月2日より全国にて公開©2022「⽉の満ち⽋け」製作委員会
2023年02月10日第95回アカデミー賞にてアンジェラ・バセットの助演女優賞やリアーナの主題歌賞、また前作に続く衣装デザイン賞など5部門にノミネートされている『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』。3月29日(水)からのMovieNEX発売を記念し、ワカンダの街並みや衣装デザインにまつわるエピソードが一部解禁された。解禁となった映像で、オコエ役のダナイ・グリラは「町並みに私のルーツが入ってて大喜びした。前作で監督が示してくれたルーツをいい加減に扱ってはいけないとね。監督はその点で毅然と対応してくれてすごく感謝してる」と喜びを口にする。また、前作『ブラックパンサー』でアカデミー賞を受賞している衣装デザイナーのルース・カーターは、川(リバー)部族の衣装について、「ワカンダを見ているとその概念を洗練させたくなる。新たな一団をデザインする必要にも迫られた。前作には登場しない“海軍”。彼らの基調は緑だから様々な色味を織り交ぜて、ワカンダのまだ見ぬ軍隊として印象づけた。ワカンダの三角形をあしらい階級を示す記章も加えた」と語るなど、2月9日の「服の日」に舞台の設定やデザインの詳細に触れることができる貴重な映像が公開された。アカデミー賞助演女優賞や衣装デザイン賞ノミネート!アンジェラ・バセット演じる女王ラモンダの衣装に注目「彼女の衣装は、美しさ、アフリカの王族、テクノロジーに基づいたものです」と語る、衣装デザイナーのルース・カーター。「ライアン・クーグラー監督は、ラモンダを演じるアンジェラ・バセットが国連の総会会場に入るときに、とても威厳のある、大きな存在感を放つものを身につけてほしいと強く望んでいました。国連には紫、宮殿には赤が選ばれました。彼女が身につける白にも、色の物語があります。アンジェラは間違いなく彼女のコスチュームに力を与えています。もちろん、アンジェラが10ガロン入りの帽子をかぶっても、うまくいきます」と言う。また、ラモンダのヘアスタイルについても、「彼女は世界で最も美しい女性の一人です。彼女のヘアカラーをホワイト、シルバー、グレーのトーンにしながらも、違う印象を与えるために短めにデザインしました。アンジェラは、私が知っている中で、白やグレーのトーンを身にまとい、なおかつ魅力的に見える唯一の女優です」とスタッフは明かしている。本作は、アカデミー賞にて助演女優賞、衣装デザイン賞、主題歌賞「Lift Me Up」、メイク・ヘアスタイリング賞、視覚効果賞の5部門にノミネートされている。『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』はデジタル配信中(購入)/3月29日(水)よりMovieNEX発売。© 2023 MARVEL発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー 2022年11月11日より全国にて公開©Marvel Studios 2022
2023年02月09日毎年、映画の祭典『アカデミー賞』の時期を迎えると話題になる、『ゴールデンラズベリー賞(通称:ラジー賞)』が、2023年、物議をかもしています。ラジー賞とは、アカデミー賞授賞式の前夜に、最低な映画を表彰するという、ノミネートされることそのものが不名誉な賞。その内容から、問題視されるのは今回が初めてのことではありませんが、2023年は、ラジー賞の最低女優賞に、12歳の俳優がノミネートされたことで、世間から批判の声が相次ぐ事態となりました。ラジー賞、12歳の俳優をノミネートし炎上今回、ノミネートされたのは、映画『炎の少女チャーリー』で主演を務めた、ライアン・キーラ・アームストロング。過去には、人気俳優のサンドラ・ブロックが最低女優賞にノミネートされたものの、表彰式の場を逆に作品の宣伝に変える対応が話題になったこともありました。しかし、それができたのは、ブロックが地位を確立した俳優であり、ラジー賞に対して皮肉で返すだけの経験もキャリアもあったからでしょう。12歳という若さの俳優に『最低女優賞』というレッテルを貼ることで、「彼女の将来をつぶしかねないのではないか」「いじめを助長する」と危惧する声も多く、後にラジー賞共同創設者のジョン・ウィルソンはアームストロングへの謝罪の声明とともに、候補から外したことも発表しました。また、18歳以上を対象にノミネートするガイドラインを設けたことも明かしたものの、その決定にもまた、多くのコメントが寄せられています。・もはやラジー賞を構成するすべての要素が時代遅れ。・そろそろラジー賞の開催そのものを止める時が来たのでは。・遅すぎるレベル。ガイドラインを設けたところで、不名誉な賞をもらうのは、年齢に関係なく嫌だろう。ラジー賞をエンタメととらえ、ユーモアに変える風潮を評価する声があるのも事実。しかし、時代が変われば社会の風潮も変わります。ラジー賞側が今回の騒動を受け、さらなる変革を加えるのかにも注目したいところ。なお、アームストロングが主演を務めた『炎の少女チャーリー』は、スティーヴン・キングの小説『ファイアスターター』を原作にしたホラー映画で、日本では2022年6月17日に公開されています。[文・構成/grape編集部]
2023年01月26日