福島を拠点として活動するポップバンド・アキレスと亀が、新曲「タイムカプセル」を12月14日(水) に配信リリースした。「タイムカプセル」は、ヨシダユウスケ(Vo/Gt)が東日本大震災を経験して抱いた故郷への想いから生まれた楽曲。作曲家であるハヤシケイのアレンジによって、誰もが共感し得る高いメッセージ性を持ったバラードに仕上がっている。併せて、同曲のリリックビデオが公開された。映像にはヨシダの故郷である福島県大熊町の風景が映し出されており、町の景色を多くの人たちに知って欲しいという願いが込められている。■ヨシダユウスケ コメント「タイムカプセル」は僕の故郷である福島県大熊町での思い出と、そこで出会い共に育った友人たちへの想いを込めたとても個人的な曲です。東日本大震災からおよそ10年が経ち、街の中から僕の知る風景が徐々になくなりつつあること、それでも未来へ向かって復興していく街やそれを担う人たちの様子を、勝手ながら音楽の中に封じ込めたいと思いました。そして僕が尊敬する音楽家、ハヤシケイさんにアレンジをしていただきました。僕自身、ケイさんの音楽に何度も背中を押してもらった人間の1人です。今回その力を借りて、僕の個人的な曲から、より多くの人に届く形で、想いを重ねられるメッセージソングが生まれました。ぜひ、大切な場所で大切な人たちと一緒に聴いてもらえたら嬉しいです。アキレスと亀「タイムカプセル」リリックビデオ<リリース情報>アキレスと亀「タイムカプセル」Now On Saleアキレスと亀「タイムカプセル」ジャケット作詞作曲:ヨシダユウスケ編曲:ハヤシケイエンジニアリング:高橋徹(Studio UN)配信リンク:関連リンク公式サイト:::アキレスと亀official: ヨシダユウスケ: ともき: 中川彰: カレン:
2022年12月15日スペイン・マヨルカ島発のシューズブランド 「CAMPER(カンペール)」 は、カッティング・エッジなハイエンドライン 「CAMPER LAB (カンペール ラボ)」のメンズ&ウィメンズシューズ全商品の販売をカンペール公式オンラインストアにてスタートしました。新しいクリエイティブディレクター、Achilles Ion Gabriel(アキレス・イオン・ガブリエル)によるファーストコレクションは、2020年1月にパリ・メンズコレクションウィークで発表され、『シンプルでありながら洗練されていて、ちょっぴり皮肉めいている』その独創的で繊細なデザインが高く評価されました。ブランド発祥の地であるスペイン・マヨルカ島の伝統とスピリットを反映しながらも、「シュールな美しさ」と「ユーモアのセンス」という異なる要素を同時に追求した「矛盾の美しさ」を表現したコレクションに仕上がっています。CAMPER LAB2015年に展開を開始したカンペールのエクスクルーシブライン。最先端のテクノロジーと革新的なデザインを融合させたハイエンドな商品をラインアップ。カンペールラボストアと厳選されたセレクトショップにて展開中。CAMPER LAB公式オンラインストアで発売中 Ion Gabrielアキレス・イオン・ガブリエルは、パリを拠点に活動するフィンランド生まれのシューズデザイナー。「MARNI」をはじめ多くのデザイナーブランドでシューズのデザインを担当し、2012年には自身のブランド「ION」を立ち上げ、2019年6月よりカンペール ラボのクリエイティブディレクターに就任。Photo by Victor Staaf【CAMPER(カンペール)】スペイン・マヨルカ島で生まれたプレミアム・カジュアル・フットウエアブランド。地中海の豊かな自然にインスパイアされた先進的なデザインと、職人のクラフトマンシップに最先端イノベーションが融合して生まれた極上の履き心地が、「歩く」という移動手段を「楽しくて幸せな時間」へと昇華します。カンペールを履いて、いつもよりちょっぴり幸せな非日常の世界へ。Walk, Don’t Run.カンペール公式オンラインストア:日本公式インスタグラム:企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年10月28日子どもの身体の成長は、親にとって非常に気がかりですよね。お友だちと比べて背が低い、痩せている・太っているなど、細かいことを気にして不安になってしまうこともあるでしょう。でもその中で、「足の成長」について深く考えている保護者の方はあまり多くありません。足や足指の使い方、歩き方、靴の選び方など、正しい知識を身につけていないと、成長過程だけに限らず、大人になってからもさまざまな身体の不調の原因になってしまいます。今回は、成長期の今だからこそ正しい「足の知識」と「靴選び」について、親子で一緒に学んでいきましょう。今の子どもたちは“足力”が低下している!?昔の子どもと比較して、今の子どもの足は大きく変わっていっているといいます。その理由として、子どもを取り巻く環境の変化から自分の足で歩く機会が減っていること、そして「正しい靴を履いていない」ということが挙げられます。結果、現代の子どもたちは、知らぬ間にさまざまな足のトラブルを抱えているそう。足の健康科学の権威である桜美林大学特任教授の阿久根英昭先生は、子どもたちの“足力の低下”について警鐘を鳴らしています。最近の子どもたちは、屋外では靴、室内では靴下と、ほぼ1日中履き物を履いています。そのため、足の指をしっかりと開くことができなくなっているのです。(中略)『すべての足の指が開く子ども』はわずか11.3パーセント、『一部開く』は49.1パーセント、『すべて開かない』が39.6パーセントという調査結果もあります。(引用元:いこーよ|子どもの足のトラブル急増中!健康的な足作りとは?)足力の低下は、足の指で大きく地面を蹴る力がなくなっていることに起因しています。足の指を閉じたり開いたり曲げたりする機能が低下すると、バランスよく立つことが難しくなります。それだけではなく、身体全体にも大きな影響を及ぼす足力の低下は、小さな子どもを持つ親にとって見過ごすことができない問題なのです。姿勢の悪さも疲れやすさも原因は“足”にあった!子どもの足のトラブルとしてとくに問題視されているのが、「外反母趾」「浮き指」「偏平足」です。■外反母趾原因:足に合わない靴を履いている。状態:親指が付け根から曲がっている状態。身体に及ぼす影響:悪化すると親指の付け根が外側に飛び出し、激しく痛む。ヘルニアや顎関節症、頭痛、腰痛、ひざの痛みなどにつながることもある。■浮き指原因:足に合わない靴を履いている。状態:指が地面に着地しておらず足圧反応がない状態。身体に及ぼす影響:まっすぐ走れない、すぐに転倒するなどの問題が起こりやすくなる。姿勢に影響する場合も。■偏平足原因:環境の変化・歩く機会の減少など。状態:土踏まずがない状態。身体に及ぼす影響:バランスが取りにくく転倒しやすくなる。また痛みや疲れが多く出る場合も。足のクリニック表参道の桑原靖院長は、「疲れやすい」「姿勢が悪い」「走るのが極端に遅い」などの問題点が気になるようなら、まず足を観察するべきだと述べています。偏平足である場合、単純に土踏まずの有無が問題というよりも、足がねじれた状態で歩行していることが問題であり、その状態が続くと体のバランスが崩れ、足の筋肉や関節などに大きな負担がかかります。土踏まずがないと、効率よく蹴り返して歩くことができません。その結果、同じ距離を歩いたり走ったりしても、他の人に比べて大量のエネルギーを消費するため疲れやすくなるのです。また、重心がかかと寄りになってしまった結果、前後のバランスを整えるために首を前に突き出すことで“猫背”になります。猫背姿勢は筋肉の疲労を増大させるので、長く立っていられません。まずは足の指を使い、バランスを整えながら背筋を伸ばし姿勢を正しましょう。歩くときも、足の指を使ってしっかりと蹴り出すことを意識してください。足底にある筋肉や腱は、すべての足の指につながっていますから、丈夫で健常的な足づくりのためには、足の指を鍛錬することが大切なのです。(引用元:同上)足の指で踏ん張ることができないとすぐに転んで怪我をしやすくなります。これを機に、お子さんのバランス感覚や立ち姿勢を見直してみませんか?正しい靴のサイズの測り方を知っていますか?子どもたちに人気のスニーカー『瞬足(しゅんそく)』シリーズを生み出したアキレスでは、子どもの足の発育をサポートするために『足育(そくいく)』という理念を掲げてさまざまな活動を行なっています。アキレスでは、子どもの健やかな成長のためにはヨチヨチ歩きの時期からの「足」づくりが何よりも重要だと考えています。「人間が持つ足本来の機能を取り戻し、足の正しい育成を促すこと」、これこそが足を育てる=足育(そくいく)というアキレス独自の理念です。(引用元:アキレス足育相談室|よくある質問)「成長過程の子どもの足には極力負担をかけないことが大切」としているアキレスは、できるだけ裸足に近い感覚で歩くことを理想としています。「瞬足足育シリーズ」は、長年培ったアキレス独自の子どもの靴の設計基準・思想に、順天堂大学柳谷准教授のスポーツバイオメカニクス理論を融合させたシューズとして誕生し、今では全国の小学生から絶大な支持を得ています。ただしどんなに機能が優れていても、足に合わない靴では意味がありません。アキレスの公式サイトでは、正しい靴選びについて次のように解説しています。まずはかかとをしっかりと床につけて、かかとから一番長い指の先までを測ります。正しく測った足のサイズに「捨て寸(つま先余裕)」をプラスしたサイズの靴を選べば、靴の中で足のずれなどが起こりにくくなるそうです。参考までに「捨て寸」の目安をお伝えします。本来の足のサイズ:10.5~12.0cm捨て寸のサイズ:6mm前後本来の足のサイズ:12.0~15.0cm捨て寸のサイズ:7mm前後本来の足のサイズ:15.0~18.0cm捨て寸のサイズ:9mm前後本来の足のサイズ:18.0~24.0cm捨て寸のサイズ:10mm前後靴選びをする際には、「捨て寸」を忘れずに!半年に1度は足のサイズチェックを!最近では、大人顔負けのおしゃれなデザインの靴も比較的安価で手に入ることから、ファッションに合わせて選ぶ親御さんも増えています。また「どうせすぐにキツくなるから」と、あえて少し大きめサイズの靴を選ぶこともあるのではないでしょうか。しかしそれでは、歩くたびに足が前にずれてしまい、歩きにくいだけではなく足の発達にも悪影響を及ぼしてしまうのです。まずは親御さんが「足に合わない靴を履くことによるデメリット」を理解し、正しい靴選びの知識を身につけることが大切です。子どもは靴が足に合わなくても、なかなか痛みを訴えません。まだ足が柔らかいので、合わない靴でも履きこなしてしまうことが多いのです。(中略)子どもは全身の体が柔らかく、補正能力も強いため、もし足に弱点があっても、他の部位で補うことができます。そんな子どもが、もし足が痛いと訴えたら、相当悪くなっていると受け止めてあげてください。(引用元:時事メディカル|第12回 子どもの足トラブル、大人が気をつけて~自分で痛みを訴えることはまれです~)子どもは自分の不快感を言語化する能力が未熟です。だからこそ、親が気にかけてあげる必要があるのです。子どもの足は1年で1センチ伸びるので、できれば半年に一度はサイズのチェックをしましょう。足指を鍛えるおすすめの遊び全国で足育講演活動を行なっている「足と靴の専門家」山田宏大氏は、足で「グー・チョキ・パー」の『足じゃんけん』をすることで、足指が鍛えられると力説しています。最初はなかなか開いたり閉じたりできなくても、毎日続けるうちに次第に動かせるようになるとのこと。すると、浮き指だった足指がまっすぐに伸び、地面にしっかりと接地できるようになるのです。その結果姿勢がよくなり、身体が疲れにくくなったり、かけっこが速くなったりする効果も期待できるそう。ほかにも、縄跳びや雑巾がけ、平均台や砂山を登る遊びなども、バランスを取りながら足指が鍛えられるのでおすすめです。また山田氏は、浮き指になりやすい要因として「爪の切りすぎ」にも言及しています。爪を切りすぎてしまう深爪は、足指に力が入らなくなり、姿勢や走力やジャンプ力にも影響を及ぼすため、適度な長さを意識して切るようにしましょう。***アキレスでは、百貨店などで「足型測定会」を開催したり、首都圏の小学校で足の健康に関する出前講座を実施したりするなど、積極的な足育普及活動を行っています。子どもの健やかな成長のためにも、家族で足育について学んでみませんか?(参考)いこーよ|子どもの足のトラブル急増中!健康的な足作りとは?アキレス公式サイト|瞬足 足育シリーズアキレス足育相談室|よくある質問時事メディカル|第12回 子どもの足トラブル、大人が気をつけて~自分で痛みを訴えることはまれです~足育先生|気づかないうちに子どもの足に様々な症状が隠れていたら…③「浮き指」編
2019年03月25日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)が、原美術館で3日間のエキシビション「『INTERPRETATIONS, TOKYO』17世紀絵画が誘う現代の表現」を、3月29日から開催する。2019年3月にドリス ヴァン ノッテンの旗艦店、青山店がオープン10周年を迎える。その節目を祝して開催される本展では、17世紀のヨーロッパの巨匠エラルート・デ・ ライレッセ(Gerard de Lairesse )の巨大な2枚の絵画を、日本人の現代アーティストたちが再解釈したモノクローム作品が展示される。『アキレスとアガメムノンの口論』エラルート・デ・ライレッセ (1640-1711)、ベルギー、油絵・キャンバス、 H 3000mm x W 2140mmドリス ヴァン ノッテン青山店オープン時から店内に掲げられている画家エラルート・デ・ ライレッセによる鮮やかな巨大な2枚の絵画。2009年のオープン時にはこの2枚の絵画が、時間、国、色彩、表現方法を超えて対話する...というストーリーのもと、アーティストの堂本右美、蜷川実花、大庭大介が再解釈した作品が制作された。そこから10年の時を経た今、改めてエラルート・デ・ ライレッセの絵画を巡るストーリーをクローズアップ。ドリス・ヴァン・ノッテンにより選ばれた3人のアーティスト、安野谷昌穂、石井七歩、佐藤允が新たに解釈をアップデートする。元となる17世紀の2枚の絵画、10年前のオープン時の解釈作品、そして10年後の2019年に解釈された新たな作品は、どのように繋がり、現代へ現れるのだろうか?【イベント情報】「INTERPRETATIONS, TOKYO」17世紀絵画が誘う現代の表現会期:3月29日〜31日場所:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25時間:11:00〜17:00(日曜日のみ〜20:00)
2019年03月08日●事故後『キッズ・リターン』の色に変化映画『アウトレイジ 最終章』(公開中)に携わるスタッフたちの言葉を記録し、「アウトレイジ」シリーズ、及び北野武監督率いる北野組の魅力を探る短期集中連載「暴走の黒幕」(第1回:北野武第2回:森昌行プロデューサー第3回:音楽・鈴木慶一)。第4回は『みんな~やってるか!』(95)以降、北野映画の世界観を担ってきた美術・磯田典宏氏。セリフや編集、音楽に対する「引き算」的思考。徹底して無駄を省く中でメッセージ性を際立たせる北野イズムは、『アウトレイジ』(10)、『アウトレイジ ビヨンド』(12)に続いて完結する3部作の美術にどのように落とし込まれているのか。監督を"異業種"時代から支え続け、『BROTHER』(01)では異国の架け橋にもなって「引き算」を貫いた磯田氏。「まぁ、いいか」の逃げ道を選ばず、「片目つぶって、やっちゃえ」の覚悟には美術部の矜持が光る。○キアヌ・リーブス共演『JM』で「これでいいのか?」――北野監督作は『みんな~やってるか!』から参加されたそうですね。そうです。その前に、監督が出演した『教祖誕生』(93)を担当したことがきっかけです。『みんな~やってるか!』はシチュエーションがとにかく多かったので、助手さんをシーンごとに担当を割り当てて、その全体を統括するのが私の役目でした。「時代劇とSFはこの人で、ハエ男はこの人」みたいに。――「監督から具体的なオーダーはない」ということが複数の方の取材から分かりました。当時はいかがでしたか?『みんな~やってるか!』の撮影中、『JM』(95)というキアヌ・リーブス主演のハリウッド映画に出演されるため監督が一度抜けたことがありました。帰ってきて、美術に関して若干のイメージ変更があったのは、ハリウッドの影響を多少受けた部分もあったのではないかと思います。『JM』はほとんどがスタジオセット。日本の貧相なセットと比較すると「これでいいのか?」と思われたんでしょう。そのような経緯でイメージ変更していったような記憶があります。当時、監督は「自分は異業種」と感じていらっしゃった頃ではないかと。監督以外のメインスタッフは、映画でそれなりに実績があるスタッフばかり。そういう人たちが用意してくれたものに対して、「文句を言うべきではない」という思いもあったのではないかと。あれだけギャグ満載の映画なので、作り込んでいくのは相当な時間がかかります。コメディ要素が強いからこそセットは中途半端なものではなくて、よりリアルに作り込まないと面白くなりません。ハエ男は当時の特撮技術でどれだけのことができるのかも踏まえて、こだわり抜きました。――これまで14作を共にされていますが、どのあたりから監督が「異業種」ではなくなったと感じていらっしゃいますか?『みんな~やってるか!』が終わって、監督は事故に遭ってしまいました。その時のリハビリで絵を描きはじめて、イラストからはじまってどんどん大きいサイズになっていって。そうやって絵を描き続けていくと、「色」にこだわりが出てくる。『みんな~やってるか!』の時は完全にわれわれにお任せというか、相談ではなくて「これでいきます」という報告みたいなやりとりでした。事故後、『キッズ・リターン』(96)は「色」へのこだわりが出た作品です。「こういう色を使いたい」みたいな、具体的な注文もありました。――北野映画には、そうしたご自身の体験が映し出されているわけですね。その後も数々の作品を経て、『アウトレイジ』ではどのようなオーダーがあったのでしょうか。もう7年も前ですからね(笑)。登場人物たちは黒系統の衣裳なので、寄り画の時に違いが出るように気をつけました。北野映画にはたくさんのヤクザが登場しますが、必ずその事務所も出てきます。組長のデスクがあれば、その背景には代紋があって。飾りも含めて、過去の映画作品などを徹底的に調べ上げて、「これまでにないもの」を目指しました。監督と美術の関係は監督からの一方的な指示ではなく、美術パートが美術設定をしていきます。関西と関東で衣裳のトーンを変えて、それにともなってバックグラウンドをどれぐらいの色に持っていこうとか。例えば寄りの画でも、「花菱会のヤクザ」というのが伝わらないといけない。すべてセットでまかないきれないので、ロケセットで内部を加工することも想定したりするので衣裳合わせのやりとりもとても重要です。○たけし絵画をすべて使った『アキレスと亀』――『ビヨンド』『最終章』で登場する張会長(金田時男)の大豪邸。彼の権力の象徴しているような画力がありました。あれ、結婚式場なんです。――えっ!? そうなんですか。張会長が韓国のフィクサーでそれなりの権力を持っているとなると、相当な広い空間を贅沢に使うというのが課題になりました。それをセットで作るとなると難しいので、撮影が可能な大豪邸、並行して結婚式場のような施設も相当な数を見ました。あの長いテーブルと細長い部屋で会長の権力を象徴的に見せたかったんです。●"引き算"の許可が必要だった『BROTHER』――北野監督はどのタイミングで現場を確認されるんですか?事前に監督と製作部が話し合って、各担当はその監督イメージをもとに候補案を上げます。監督抜きのメインスタッフで話し合ってから、ロケハンに。大豪邸で芝居に使えそうなのがどこなのか。美術のアイデアを固めたら、監督抜きで撮影や照明も含めて見に行って、最終的には「A案、B案のどちらか」みたいに絞り込み、それから監督とのロケハン。監督には私が用意したイメージスケッチを片手に現場に立ってもらいます。一連の流れは結構時間をかけてますね。披露宴会場だけを見せるわけにもいかないですから。イメージスケッチを元にそこで監督のやりたい芝居も何となく見えてきます。これまでの14本の中で印象的だったのは『アキレスと亀』(08)。監督自身が描いた絵を全部使ってあるんですよ。少年期から年代ごとに3つの画廊が出てくるんですが、監督からは「各時代の違いを出したい」というお話があって、全部任せてくださいました。各時代に合った絵の額縁を業者さんに相談して、監督からもその都度リクエストが出て。もっとも効果的なものが何なのかをじっくり監督と話し合えたのは面白かったです。それから、監督が描かれた完成形の絵とは別に途中経過の絵も用意する必要がありました。監督は自分で描くとおっしゃっていたんですが、当然作る時間がない。最終的には美術部で用意することになりました。あの作品は美術装飾的にも面白い仕事でしたね。――北野組の現場では、監督のインスピレーション次第で変更になることもあると聞きました。美術周りでそのようなことはありましたか?急きょ変更になったことで思い出されるのは、『みんな~やってるか!』の銀行強盗。銀行の中で全員警察官のシーンがありますよね。あれ、当初は予定されてなかったんです。たしか、撮影当日だったかな。監督から「全員を警察官にしたい」というアイデアがあって、警察の衣裳装具が間に合うかの勝負でした。そういう、突然のひらめき。「すぐに撮りたい」ということではなくて、「こういうことをやりたいけど、今日中に間に合うならばやりたい」みたいに気を使っていただいています。――「アウトレイジ」では?比較的スムーズでした。『ビヨンド』の花菱会は神戸でロケをやっていて、実際の建物を使っています。『最終章』の事務所はすべてセット。セットを組んだ後、芝居の都合によっての変更案は監督からいくつかありました。――大友がマシンガンで蜂の巣にするシーンがありますが、あれもセットですか?あれは実際にあるホテルです。本当はスタジオで撮った方がもっといろいろなことができるんです。消え物といわれるテーブルの上のオードブルは床に落ちるとシミになるので水っぽいものは使えません。ロケセットでは、そういう制約も出てきます。○ハリウッドスタッフ「なぜ省くのか?」――音楽の鈴木慶一さんは監督との仕事の中で「引き算」を学んだとおっしゃっていました。不自然なもの、無駄を省いていくのは今回のシリーズでも踏襲されていると思うのですが、美術において「引き算」的なやりとりはありましたか?『HANA-BI』(98)は、たしかにどんどん引いていきましたね。引き算の美術。キャラクターの個性を出すには、いろいろなものを飾っていく、つまり足していくと出やすくなるし、引いていくことによって出にくくなる。引いていった場合、個性として見せたいポイントに何を置くのかが重要になるわけです。『BROTHER』もそうです。逆に『龍三と七人の子分たち』(15)はコテコテ(笑)。龍三のキャラクターを強く出すためには必要だったんです。それぞれの世界観にもよりますが、やっぱり全体的に見ても「引き算」的なやり方だと思います。必要以上に物を飾らない。『BROTHER』の時、ハリウッドで向こうのデコレーターに「とりあえず飾ってくれ」とお願いをしましたが、加えて「引き算」があることはあらかじめ言っておかないと対応してくれません。「なぜ省くのか?」となるわけです。つまり、置かれた物をいじる許可が必要なんです。――日米合作では、そういう違いもあるんですね。そうですね。プロダクションデザイナーという肩書きで現場に立つ以上、責任もあるし権利もある。私の一言ですべてが変わることもあるんですが、向こうは各ポジションでの責任がある。「飾り終えたもの」を確認してOKだったら、もうそれは動かせないんですよ。撮影中にやむを得ず動かさなきゃいけないとなった時に、そこに置いた人から「動かす」許可をもらうことが必要なんです。でもその人は現場にいない。僕らは触れられないから、現場担当者からデコレーターに電話してもらいます。「なぜ動かすのか?」「前もって決めてたじゃないか?」みたいにこじれるわけですが(笑)。ハリウッドは、そういうシステムみたいです。最終的には北野組のやり方に従っていただきましたけどね。「もう、しょうがないね」ということなんでしょうね。●「歩いたら終わり」「やっちゃえ」の境界線――どのような流れで日米のスタッフが結集したんですか?まずは、ユニオン(ハリウッドにおける俳優やスタッフなどの労働組合)を通して助手さんを手配します。美術部は面接をして、アートディレクターとセットデザイナーを何人か。合作映画は注目度が高いから、みんな参加したがるわけですよ。そうやってみなさん実績を作って、後の仕事をとっていく。1999年当時、北野組はヨーロッパの方では有名でしたが、ハリウッドではそこまでじゃなかったと思います。面接で対象となるのは、最低でも5人。こちらからお願いしていたのは「日本人を2人、残りを外国人」だったんですが、これは通訳的な人材も必要だったから。ところが、現地スタッフは「仕事に集中したい」「私は通訳じゃない」と言うわけです。そういう流れで、全員外国人のスタッフを起用することになりました。ユニオンには各作品の撮影案内が貼り出されています。各スタッフは、それを見て自分が参加したい作品に応募します。面接は、1人につきだいたい1時間。『GODZILLA』、『スターウォーズ』、『ターミネーター』など、有名作品を手掛けてきたスタッフもいました。その中で、2人が『キッズ・リターン』を観てきて、きちんと分析していたんですよね。赤と青のジャージを着ているけど、それはどういう意味なのかとか、すごく熱心に質問されました。ただし、プライベートな質問は一切禁じられています。――それだけの文化の違いがあるわけですが、また合作映画をやりたいというお気持ちは?やりたいですね。しがらみが一切なくて、本人が自ら選んで来ているわけですから。逆にプロデューサーからは「できなかったらクビにして構わない」と。一方で、仕事ができなかったら僕のこともクビにすると宣告されていました。たしか……美術予算をオーバーしたら即クビだったかな? セットデザイナーとの打ち合わせで僕のプランを伝えて、大道具さんも決まっているからそのまま予算内にできるのかを調整してもらいます。映画のためにプロダクションの1フロアーが貸し切ってあって、撮影が進むにつれて予算が膨らんでいくと呼ばれてチェックされます。美術はお金かかりますからね。考え方次第で結果が違うのはよくある話なんですけど。全部が全部100%の力でやるとお金が足りなくなるのは日本でも同じこと。ただし、「ここぞ」という時には装飾、美術にお金をかけるタイミングが絶対に来る。片目つぶって、やっちゃえみたいな(笑)。○「監督が歩いたら終わり」の緊張感――「アウトレイジ」シリーズでもそんな場面はありましたか?張会長の長テーブルでしょうね。僕が最初に考えていた長さに、さらに2メートル足しましたから(笑)。最初は「これでなんとか行けるだろう」からスタートするんですよね。大道具との打ち合わせでも常に考えていて、何度も下見をする。「予算オーバーするかもしれない」という危機感があっても、ここで2メートル足すことによって効果的になるのであれば思い切りも必要。椅子と床の敷物を増やしたりとか、別の問題も出てくるんですけどね。ただ、ここでの「まぁ、いいか」は後々自分が後悔することになる。後悔するくらいだったら、別のセットで節約したり、調整すればいいわけです。大切なのは、「張会長をどれだけ大きく見せられるか」「空間をどのように切り取るか」です。――決められた予算内でやりくりするのは、日米問わず同じということですね。ただ、美術的には「ここはこだわらないと」というポイントが必ずある。「お金がないからしょうがない」で諦めてしまうこともありますが、結果的に映画を観た時に残念な気持ちになる。もうちょっと考えられることがあったんじゃないかな、と。美術はいちばんお金を使うところでもありますから、「金食い虫」なんて言われることもありますけどね(笑)。――監督はあまり感想や評価などを口にしないとも聞きましたが、美術に対してはいかがですか?たしかにありません(笑)。昔、監督と一緒にロケハンした時のことなんですが、車から降りた時に「ここですよ」と案内した時の反応。それがヒントでした。監督がどんどん歩いていくと画角を狭くしているということなので、監督の中では納得していない。当然、われわれは納得してもらえる場所を探すつもりではあるんですが、監督はそこで何とかしようと整理する。一時期言われていたのは、「監督が歩いたら終わり」でした(笑)。――車から降りた時が運命の瞬間なわけですね。そうそう。「監督、違う方を見てます!」とかハラハラしたのを覚えています(笑)。■プロフィール磯田典宏北野武監督作品には『みんな~やってるか!』(94)以降、14作目の参加。『のぼうの城』(11/監督:犬童一心、樋口真嗣)で日本アカデミー賞最優秀美術賞、『Dolls [ドールズ]』(02)、『座頭市』(03)で同賞優秀美術賞を受賞。近作は、『想いのこし』(14/監督:平川雄一朗)、『おかあさんの木』(15/監督:磯村一路)、『四月は君の嘘』(16/監督:新城毅彦)、『ReLIFE リライフ』(17/監督:古澤健)、『ピーチガール』(17/監督:神徳幸治)など。(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
2017年10月27日●「何を撮るべきか」混迷期の3作を経て映画『アウトレイジ 最終章』(公開中)に携わるスタッフたちの言葉を記録し、「アウトレイジ」シリーズ、及び北野武監督率いる北野組の魅力を探る短期集中連載「暴走の黒幕」。第2回は『その男、凶暴につき』(89)以降、全ての北野作品のプロデューサーを務めている森昌行氏(第1回:北野武監督)。『アウトレイジ』(10)、『アウトレイジ ビヨンド』(12)に続いて完結する3部作は、どのような経緯で生まれたのか。出演者と番組スタッフの関係から、やがては18作もの映画を生み出す監督とプロデューサーの関係に。北野監督と森氏は30年以上のつき合いがある中で自然と距離を取り始め、「友人」ではなく「同志」となることを選んだ。北野武の作家性を「振り子」と表現する森氏。北野映画の“黒幕”ともいえるプロデューサーは、摩擦や抵抗、重力の中で揺れ動く振り子を冷静に見つめながら、自らの喉元に刃を突きつけるがごとく決断を下していた。○「本当に撮りたいものが分からない」――作家性の強い作品からの転換が『アウトレイジ』だったと聞いています。そもそも、『アウトレイジ』はどのような経緯で生まれたなのでしょうか?敢えてプロデューサー的な発言に徹しての発言をしようと思いますが(笑)、もちろん今でも作家性は最重要視していますし、だからこそ映画祭に行くわけで。単純にエンターテイメント性を追求する映画であれば、職業監督になってしまいますよね。『座頭市』(03)以外はオリジナルで、やっぱりそこにはこだわっています。『座頭市』の後が、『TAKESHIS’』(05)、『監督・ばんざい!』(07)、『アキレスと亀』(08)。作家性といえばこれらもまさしく作家性の強い3作なのですが、もちろん評価は観る人によって変わると思います。プロデューサーというものは、ビジネスサイドとクリエイティブサイドのブリッジの役割と位置づけています。クリエイティブ面においては、この3作は私にとって決して不満足なものではなかったのですが、ビジネス的な側面から言うと、正直言って興行的な成功には至らなかった。――そうだったんですね。監督はムッとするかも知れませんし、「俺の知ったこっちゃない」と言われるかもしれないんですけど(笑)。リクープメント(費用の回収)が果たせていない。いわゆる、ビジネス面においては、正直言うと合格点が貰える状態じゃなかった。「監督・北野武の混迷期」というか。「何を撮るべきか」という、一種の模索を展開していた時期だったと思います。要するに本当に撮りたいものが分からない中で、それを探りながら作ったのがあの3作。ただし、本人がそれを3部作と言いはじめたのは、2作目の『監督・ばんざい!』が終わったあたりからで、それを聞いて「3本で終わるんだ」「何か出口が見えたんだな」と何となく予感しました。――映画作りの中で方向性が見えたと。『アキレスと亀』の主人公は、絵の才能がないのに、あると信じ込んでいた。少年期から始まって、暗中模索しながら苦しむ姿が描かれていました。あれはまさしく北野武自身でもあったのかなと。その姿こそが「出口」。成功を求めることが目的ではなくていいんじゃないか。つまり、好きなことをやっている今こそ、好きなことをやって生きていこうとしているそのことこそが許されるとしたら、それは最高の贅沢ではないかということに気づいた。つまり、生きていてなおかつやることがあるということをもってよしとするべし。いちばん大事なことは商業的な成功や、有名になること以上に、自分のやりたいことができている幸せを実感すべきじゃないか。そういう1つの結論にたどり着いたのではないでしょうか。たけしさんにそのまま同じことが言えるとは思いませんが、映画を撮れる、続けられることが「監督・北野武」にとってはいちばん重要なことなんです。混迷期の中で何を撮るべきかを探ってきた北野武自身がそこにたどりついたのではないか。これが私の推察です。そこで改めてたけしさんからアイデアがたくさん出たんですが、私としてはそこでこそ「バイオレンス・エンターテイメント」を提案したわけです。――どのような狙いがあったんですか?北野映画の出発点は『その男、凶暴につき』(89)。そして、代表作といわれるのは『ソナチネ』(93)や『HANA-BI』(98)で、ヤクザとか暴力のバイオレンス・アクションが少なからずある作品を通して北野武は1つのスタイルを確立していきました。ただ、十八番のバイオレンス・アクションを作って貰うといっても、『その男、凶暴につき』や『ソナチネ』に回帰することではありません。監督はありとあらゆるチャレンジをしてきました。しかも、『座頭市』を除いてすべてオリジナルにこだわった作品です。『キッズ・リターン』(96)や『あの夏、いちばん静かな海』(91)のように、オリジナルの様々な作風を経て築き上げられるバイオレンス・エンターテイメントは、おそらくそれまでとは別のものになるんじゃないかと。その期待感を込めて、バイオレンス・エンターテイメントを、得意のヤクザ映画という範疇に求めたわけです。ただし、監督にお願いしたのは、『ソナチネ』を作ることが目的じゃない。だから、過去作に出演してきた北野組の印象が強い役者を外すことからスタートしました。――キャスティングが重要なわけですね。たけしさんには「役者の演技を褒められても映画の価値に繋がらない」という頑なな姿勢が、初期に見られました。でもそれは逆に言うと、役者に任せられなかったということ。撮りたいものを実現するために役者に芝居されちゃかなわないという一種の、作家性たるゆえんみたいなところでのこだわりがあったと思うんですね。そこに戻らず、役者然とした人を起用してみようと、今さら北野映画が遠慮する必要もない。「『ソナチネ』のような映画を作るのではない」というのも含め、キャスティングを全面的に変えることもお願いしつつ、バイオレンス・エンターテイメントを提案したのが『アウトレイジ』でした。●「なんとかしないと」で生まれた『ビヨンド』――プロデューサーの立場がよく分かるエピソードですね。4本もリクープメントできない作品を続けてしまうと、監督が滅びてしまう。つまり、もうチャンスが与えられない。監督生命が、ひょっとしたらそこで絶たれてしまうんじゃないか。そんな危機感がありました。出資社には3本も、宣伝費が回収できるかどうかというようなギリギリの状態でも続けさせて貰えたんです。本当は2作で「待った」をかけるべきだったのかもしれない。『座頭市』後が『TAKESHIS’』。あれは「フラクタル」というたけしさんがもともと持っていたアイデアの映画化だったんですが、その脚本を衣裳担当のヨウジヤマモトさんにお見せした時に、ヨウジさんがこうおっしゃったんです。「やっぱり、アーティスティックな人はこういう作品を経ないと次のステップに行けないものなんでしょうね」。つまり混迷期を乗り越えるためには、作品を撮り続けることでしか、出口は見えない。あの3作は、出資者の方々に耐えて貰った3部作でもありました。従って4作目でもそれを繰り返すことは、「待ったなし」の崖っぷちなんですよ。いくらメディアが「世界のキタノ」と持ち上げても、あるいは映画祭に出ていようとも、ビジネスという面においての成功者ではなくなってしまう。むしろ、敗者です。これだと監督生命が絶たれてしまいます。だからこそ、エンターテイメント作品を撮るのは必然。絶対にヒットさせなければならなかったんです。もう1つつけ加えると、『アウトレイジ』はもともと3部作として構成されたものではもちろんないわけで。1作で終わる予定でした。ところが、『アウトレイジ』を公開してそれまでの3作よりは客が入ったんですが、観客動員数は『BROTHER』(01)と同じぐらいの80万人ぐらいで100万人に届かなかった。ということは、リクープメントが難しいということ。興行が終わって数字を見た瞬間に、「なんとかしないと本当に監督業が続行できなくなってしまう」という危機感があったので、『アウトレイジ』のDVDを発売する直前に監督に「2作目作りませんか?」と提案しました。これを聞いた監督は、大ヒットしたおかげだと当然思いますよね。――これは書いても大丈夫ですか(笑)?大丈夫です(笑)。これは、プロデューサーとしての発言ですから。監督を騙したわけじゃなくて、興行成績の話なので。つまり、スマッシュヒットには違いないんです。決して失敗したわけではないので。1作しか作るつもりはなかったので、大友は最後に刺されるわけですよ。あそこで映画は終わった。ただ、私が申し上げたのは、「大友の死体は映ってませんよ」と(笑)。――たしかにそうですね。見事に騙されてしまいました(笑)。大友が生きていたというスタートでも、十分成り立つんじゃないか。それで考えて貰えるのであれば、良い方向に行くはず。きっと監督も思うところがあったんでしょう。「それはそれでありだね」と、わりとすんなり受け入れてくださった。そして、DVDの発売前に『アウトレイジ2』の制作決定情報をリリースしました。一種ヒット感の醸成ですね。するとDVDの売り上げに火がつき、なおかつ『アウトレイジ ビヨンド』にまでその影響力が及んで、『アウトレイジ』を超えるヒットになりました。それこそ、”ビヨンド”したわけです。監督の中では「第3作も」となるわけですが、そこは踏みとどまって貰いました。――舵取りが細かいですね。シリーズ物の一種の宿命で、3作目は落ちるんじゃないかと。ただ何となく続けていけば、人々の関心はどんどん離れていく。そうではなくて、違う方向に一旦振った方がよろしいのでは伝えました。監督からは、いろいろ提案があったのですが。かつてたけしさんがWEBだけで公開した『ヤクザ名球会』という短編小説があって、それをベースに『龍三と七人の子分たち』(15)が生まれました。同じヤクザ映画でも「新」「旧」の話で、半グレの若造と元ヤクザの老人が戦う。そちらをやったらどうでしょうと監督にお話して納得して貰いました。でも、監督としてはそれを終えると、やっぱり「アウトレイジ」に決着をつけたいと。私は『ビヨンド』で終わっても全然問題なかった。ものすごい余韻を残した終わり方ですよね。いろいろな想像をかき立てる、北野映画らしい終わり方でした。でも、監督は大友のその後を描いて「けじめ」をつけたくなった。一種の終止符を打つという意味での「最終章」だったわけです。そうして「アウトレイジ」は、結果的に3部作のシリーズになりました。それは監督にとって都合の悪い話ではなくて、あくまでプロデューサー的な視点があってご提案申し上げたこと。監督はそれを受け入れてくださった。お互いウソをついたわけではなく、このような事情をそんなに多くの言葉を交わさず理解し合って、監督は監督の解釈をされて制作に入りました。○オリジナルで勝負する気概――まずは監督からのアイデアがあって、それに対してプロデューサーの立場から意見する。これまでの北野映画はそうやって作られてきたんですか?できれば監督がおっしゃるものをすべて叶えたいんですが、ビジネス行為である以上、ビジネスパートナーたちの同意を得ることが重要です。この作品であればなにゆえに勝算ありかというビジネススキームが、今のプロデューサーには当然求められますから。だから、保険をかける意味で原作ものが増えていると思うんですよね。ただ、うちはオリジナルで勝負しています。一からプレゼンしないといけないわけですから、それなりの説得力がないといけない。そういう意味においては私が提案したものは比較的同意の得やすい、短く説明して同意が得られるものです。そういう流れの中でものを作らざるを得ないわけです。――白竜さんがジャパンプレミアの舞台挨拶で感極まっていらっしゃるのが印象的で。監督から「北野組やってよかったね」と言われたことへの感謝の気持ちが滲み出ていました。そうですね。「アウトレイジ」シリーズを経て、『ソナチネ』とは違う色がつきました。『アウトレイジ』のキャスティングにおいて、かつて『ソナチネ』や『BROTHER』に出演した寺島進の名前が出たこともありました。私が監督にお願いしたのは、「寺島を出すのであれば、反目で出してください」と。たけしさんと相対する勢力に置くのであれば、それは新しいかもしれない。でも、たけしさん側だったら『BROTHER』に勝てない。『BROTHER』では、兄貴と慕っていたわけですから。そのインパクトを思い出させることはあっても、それ以上のインパクトは得られない。だから、寺島の起用はあきらめて頂きました。白竜さんは『その男、凶暴につき』に出て頂きましたが「アウトレイジ」とは全く異なる殺し屋(というキャラクター)。大杉(漣)さんもたくさん出ていただいてきた方ではありますが、『最終章』では見事な反目として大変なことになってしまいます(笑)。●次作でプロデューサーから外れる極論――監督とプロデューサーの関係性は、作品を重ねるごとに変わっていったんですか?私は「常に新規」のつもりです。前がどうだったからとか、それは監督としての思いが継続していても、作り手たちは「これが最後かもしれない」という気持ちで臨まないといけません。「次があるさ」的な発想でものを作るのは、クリエイティブじゃない。だから、私たちにとっては毎回が新規。たとえば今回の『最終章』においても、いろいろな面を再考します。もちろん、別の作品に繋がることもあると思いますが、作り手には「新しい映画を作る」という重みを忘れないでほしいと思っています。――先ほど、混迷期を経てのシリーズとおっしゃっていましたが、「アウトレイジ」シリーズは監督にとって何期になるとお考えですか?エンターテイメント色、観客ありきという点においては、『ソナチネ』の時代にはなかったスタンスです。ただ、もともとエンターテイナーですからね。それをそのまま素直に表現する人ではなかったという意味では、やっぱり何か吹っ切れたんじゃないかと私は思います。やっぱり客が入らないと、始まらないよねと。監督特有の頑固さは今でもありますけど、人の意見を聞かない方ではないですし、やっぱりプラスアルファの方向でみんなが出すアイデアについては、採用するかどうかはともかくとして、ちゃんと聞き耳を傾け、良いものは採用して採り入れるようになりましたから。18本もの映画を通して、作家としてのたけしさんの変化ともいえると思います。○あえて埋めない距離感――最初は番組スタッフと出演者の関係で飲みに行ったりもしていたそうですが、徐々に距離を置くようになったと聞きました。仕事上のつき合いだけでも、同志になれると。今でもその関係性は変わらないんですか?変わらないですね。ますます一緒に動かなくなりました(笑)。オフィス北野ができて30年になりますが、ずっと変わりません。その前からのつき合いもありますが、そこの距離感が埋まることはないと思います。――それはたけしさんだけですか?一種の教訓みたいになっています。同志の付き合いは、「酒を酌み交わしてこそ」ということではない。誰であれ、私はそう思っています。仕事の話をするときは、仕事のスタンス。それはどれだけ親しくても関係ありませんよね。私は、たけしさんという人と仕事においてはパートナシップは守り続けると思いますけど、それ以外のことはあまり考えないようにしています。だから続けられてるんじゃないでしょうかね。そこを一緒くたにしてしまうと、会話も成り立たなくなる。「こう言ったじゃないか」「いいってことにしようよ」と変なところで予定調和が生まれる。基本的にマネージメントする立場では「ノー」ではなく「イエス」ではあるんです。本人がやりたいことをどう実現させるか。あるいは、どういうステージを作るかというのは基本だとは思うんですが、決して「イエスマン」になってはいけない。だから、すべてにおいて「ウェルカム」ではダメなんです。もちろん、才能に対する尊敬の念はありますけども、人間同士ですからね。やっぱりすべてに肯定的ではお互いのためにならない。たけしさんは仕事に対してはハッキリものを言う方で、なあなあを許さない方。適当な説明をしていると、「ごまかすな」とお叱りを受けます。そんなことは通用しない方なので。「アウトレイジ」は結果として3作になって、本人は「『アウトレイジ リボーン』もできる」とか言ってますけど、それは冗談として(笑)。プロデューサーの立場から区切っていくことが私の仕事です。○振り子の先を見据える観察眼――過去のインタビュー(キネ旬ムック フィルムメーカーズ『北野武 TAKESHI KITANO』98年)では、監督の世界観の幅を「振り子」と表現されていましたが、これから監督としての北野武にどのようなことを期待されていますか? 「アウトレイジ」が終わる寂しさも感じつつ、今後も楽しみです。本人は「バイオレンスをやったから、次は違うもの(恋愛映画)を撮りたい」と言ってますけど、「バイオレンス」と「愛」は実は振り子の関係で、また「バイオレンス」を描く時の表現の幅にも繋がる。今でも私の中での「監督・北野武」は振り子の人です。ただし、私が「振り子」と図式化した時点で、本人にとっては嫌悪感も抱く時期なのかなと思っています。ですから、振り子に変わる、なんというか「違う宇宙を作りたい」ぐらいの気持ちでいるんじゃないかと。「掴ませない」というのは、たけしさんが昔から言っていることなんです。「例え掴まれても、俺は逃げ切る」と。だから、逃げ切った先に、どのような景色が広がっているのか、もちろん私にも読めません。ただ、再び混迷期に入るとは思ってないです。たぶん何かを掴みとって、答えを出してくれるんじゃないか。ただ、今日言っていることと、明日言っていることが違う人ですからね(笑)。そういう意味では、宇宙がいくつもある人なんです。その掴みきれない面白さというか。今まで映画に限らずいろいろな話をしてきたんですが、そこの流れにはないものを、私としては期待しています。ただし、もちろん実現可能な範囲という条件で。プロデューサーという人種の限界のようなものがあるんですよね。ビジネスサイドに片足つっこんでますから。単なるパートナーであれば、「やっちゃえ! やっちゃえ!」なんですけどね。そうはいかない。ものすごい極論ですけど、次に何かをやるとういときに、私がプロデューサーであるべきかどうかまで含めて、考えることもあるかもしれないですね。――それも新たな挑戦領域ということですね。そうです。私はそこにこだわるわけじゃないですから。次なる宇宙のためには、そんなことがあってもおかしくないんじゃないでしょうか。(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
2017年10月13日●音楽・鈴木慶一に頼んだ「失礼なこと」「全員悪人」の『アウトレイジ』(10)、「一番悪い奴は誰だ?」の『アウトレイジ ビヨンド』(12)。そして、北野武監督にとって18作目にしてシリーズ完結作となる映画『アウトレイジ 最終章』のキャッチコピーは「全員暴走」。日本の二大勢力だった関東・山王組と関西・花菱会の抗争後、韓国の済州島に渡った元大友組の組長・大友(ビートたけし)。日韓を牛耳るフィクサー・張会長(金田時男)のもとで平穏な日々を過ごしていたが、花菱会の花田(ピエール瀧)がトラブルを起こし、「全員暴走」の渦中へと巻き込まれていく。人気シリーズの登場人物たちを暴走させていく一方、『アウトレイジ 最終章』は18作という北野組の歴史、そして暴走とは対極にある監督論が支柱となっている。短期集中連載「暴走の黒幕」では、本作に携わったスタッフたちの言葉を記録し、シリーズと北野組の魅力を探る。第1回は監督・脚本・編集の北野武(70)。アイデアノートから生まれた描写を、"引き算"と"リアル"の音と掛け合わせて"みんな"に委ね、最後は"俺"が自由に決める。○"引き算"の選択――音楽を担当された鈴木慶一さんは、監督との仕事を通じて「引き算」を学んだと。メインテーマで数秒無音の箇所がありますが、制作者としては「恐怖もあった」とおっしゃっていました。鈴木さんが怒ってなきゃいいけど。失礼なこと言ってるんだよね。音楽を聴いて、映像を思い出す映画ってあるじゃない? そうならないようにしてくれって(笑)。「これは音かな?」でいいと。『菊次郎の夏』(99)なんかは、あの曲を聴くとすぐに映画を思い出す。『ソナチネ』(93)の曲が何かに使われてても、映画を思い出すじゃない? そうじゃなくて、ただの「音」がよかった。だから、すごく失礼なの(笑)。――サントラを聴いても、どの場面なのかすぐに分からないですよね(笑)。うん、雑音に近くてすごくよかったね。――メインテーマの「無音」はテレビでいえば「放送事故」にもなると思うんですが、鈴木さんにはどのようにオーダーされたんですか?ある程度編集が終わると、タイムカウンターが下に出るから、「何秒から何秒までの間で音楽を付けて」と伝えて、「その後は雑音で」みたいに。音楽家としては面白くなかっただろうね(笑)。腕の見せどころがないというのは、つらいんじゃないかな。――鈴木さんは、表現の幅が広がったとおっしゃっていました。ただ、監督からの感想を聞いてないから不安だとも(笑)。バイオレンス映画なので、心地良いメロディーラインとリズムは必要なかったんだよね。マシンガン撃ちまくる時に良い曲がかかっちゃうと、「遊び」になっちゃうから。もっと、「ガッシャン!」「ドッカン!」でいい。なんだか分からない音。何て言うんだろ。ソフィスティケートって言うのかな。キレイに観せるような画の映画ではないから。「この野郎!」「バカ野郎!」と言ってるだけの映画。キレイな音楽は店内で流れる音楽ぐらい。だから、雑音でいいんだよね。――「アウトレイジ」シリーズだからこそ、その「雑音」が必要だったと。映画によっては、「ここでキレイな曲」というのはあってもいいけど。「アウトレイジ」は「音」が気になると、映像にも影響してしまう。相乗効果にならないんだよ。例えば、昔だったら勧善懲悪もので善良なヤツが車で乗りつけてきたら、そこでキレイな音楽かけてもいいんだろうけど。○本物の銃声にこだわるワケ――先ほどのマシンガンのシーンにもつながるのですが、「アウトレイジ」シリーズの銃声はすべて本物と聞きました。『BROTHER』(01)の時に録音したものが使われているそうですね。アメリカで『BROTHER』を撮影した時でも、拳銃には実弾が入ってない。火薬も3分の2とか、半分とか指定があるので、実際に撃ってみても銃を撃ってる実感がない。その音がリアルじゃないからね。それで音を録り直すことになった。音効さんも凝る人だからね。トカレフとかワルサーとか全部弾詰めて、それを撃った音を録音したんだよね。――観客は実弾の音を無意識に聞いているわけですね。うん。(ガンエフェクト師の)納富(貴久男)さんと拳銃の音を聴き比べて。マニアックな人は、みんな音を聞けば分かるんだよね。結局は弾入ってないし、相手が死ぬわけじゃないんだけど、どこかで凝りたいじゃない? 音まで偽物だとつまらないよね。だから、リアルにできるものはした方がいいと思って。●スタッフの意見を聞く「俺のやり方」――それが臨場感に繋がっているんですね。こうしてシリーズを完走されたわけですが、今後の作品作りにおいてどのような影響がありそうですか?「アウトレイジ」というか、バイオレンスには結局慣れてしまったのかな。他のラーメンが売れなければ、また売れてた担々麺やればいいんだみたいなところがあって。でも、ずーっとその専門店は嫌だし。だから、「アウトレイジ」は一応3部作で終わったけど、『アウトレイジ リボーン』みたいに続けることもできる(笑)。もしやるんだったら、すごいビッグな俳優ばかりでやるけど。それはそれで面白いと思うんだよね。うまい役者の掛け合い。ただね、世界的な傾向もあって。やっぱり時代がテロとかで落ち着かない時にこういう映画はあまり向かないとも思うんだよね。ベネチアなんかでも評判良いんだけど、それは「変わりモノ」としての扱いだと思う。だから、次はあまりやったことのない、男と女の話にしようかな、なんて考えてる。○"北野ノート"に書かれていた描写――楽しみにしています。いつもアイデアをノートに書き留めているそうですね(ロッキング・オン刊行『物語』より)。「アウトレイジ」のアイデアノートには、どのようなキーワードがあったのでしょうか。相手を痛めつける描写。たとえば、水野(椎名桔平『アウトレイジ』に登場)が菜箸を耳に指したりとか。今回やろうと思ってボツにしたけど(大杉)漣さんにハチミツをかけて、山の中に置いといて虫だらけにしちゃうとか(笑)。あとは、ピアノ線引いといて首ハネるとか、いろいろそういうことを考えてる。基本的に、最終章で花菱会の会長は神山(繁)さんの予定だったの。でも、神山さんが亡くなられて(今年1月に急逝)。だから、全然関係のない娘婿を会長にしちゃうのは、わりかし前から書いてあった。直参で体張ったヤツが相変わらず頭(かしら)で、会長の座に急に関係のない野村(大杉漣)が就いて揉め出す。あとは、大友が刑事を撃ち殺して張会長(金田時男)のシマの済州島に逃げるというのは『ビヨンド』の時に決まってて。張会長は、『ビヨンド』ではあまり出番がなかったけど、最終章ではまだ使えると思ってね。大友が日本に帰って、それから復讐戦が始まる。『ビヨンド』と『最終章』の脚本は、だいたい同時にできてたんだよね。――『最終章』は、大友が釣りを楽しんでいるシーンから始まります。個人的には「大友さん、やっと平穏な日々を過ごすことができたんだ……」と感慨深いものがありました。それからいつものように面倒なことに巻き込まれていくわけですが(笑)。うん(笑)。花菱会の花田(ピエール瀧)が済州島に遊びに来て暴れて。最初は放っとくつもりだったんだけど、今度は日本で張会長が狙われはじめたからそうはいかなくなって、大友の中では「これはやんなきゃいけないな」という感じだよね。――まずは暴力描写が浮かんで「アウトレイジ」シリーズが誕生したように、『ソナチネ』もエレベーターでの襲撃や、浜辺での相撲のシーンを最初に思いついたそうですね。うん。今回でいえば、マイクロバスの中での銃撃シーンは難しかったなぁ。あれ、「誰撃ったっけ?」みたいなシーンだよね。誰が動いて、誰が撃たれたのか。画像が暗くてね。だいたい台本通りになってるんだけど、パッと見た瞬間に誰が誰を撃ったのか分からない(笑)。――わずか数秒の出来事でしたね。大杉漣さんと松重豊さんが怒り狂うシーンがツボでした。何度観ても笑ってしまいます(笑)。お笑いっていうのは、自分に関係がなければ、ものすごい怒ってる人がいると笑っちゃうからね(笑)。自分に危害さえなければ絶対面白いんだよね。ところがその矛先が自分に向くと、恐怖で逃げたくなる。ヤクザが喧嘩して殴り合っているのはついつい見てしまう。でも、「何見てんだ! この野郎!」って言われたらみんな逃げる(笑)。そういうものだね。○北野組スタッフとの距離感――『全思考』(幻冬舎文庫)には、「俺は介護老人タイプ」「怒ったり、命令したりはしない。まずスタッフに聞く」「スタッフの能力を最大限に引き出すには、これがいちばん」とあったのですが、これは今も変わらずですか?やりたいことは、ほとんど決まってるんだよね。もちろん、もっといい意見があれば採用するんだけどね。「ああ、わかった。じゃあ、そうするよ」と言いながら、俺のやり方でやる。でも、今は半々ぐらいかな。結局、カメラマンとか照明の技術的な話もあるから、「これはできませんよ」となると、それに変わる方法を聞いて「こういうのはどうでしょう?」と言われれば、「じゃあ、それで」みたいに。そんな感じで相手の意見を聞いてる。助監(督)なんか優秀だから、言葉を直してもらったりもするけどね。「ちょっと、言葉尻ヘンです」って言われることもあってね。●なぜ編集が一番楽しいのか?――スタッフとの接し方は、作品を重ねるごとにそうなっていったんですか?最初の頃は「俺に何か言うんじゃねえ」みたいな感じでやってたけど、もう18本も一緒にやってるとね。お友だち状態になっちゃってるから、「たけしさんをみんなで支えなきゃ」という感じにできるだけなるようにしてる、それで手を抜きたい(笑)。「あー、調子悪い」ってボヤきながら何もしないで、「リハーサルも見ないから勝手にやってくれ!」と言いながら、横目でチラッと見たり(笑)。そうなるといいね。――先日のジャパンプレミアのときにも、台本を渡せばみんなが見事に演じてくれるとおっしゃっていたのも、同じようなことですかね(笑)。うん。役者さんたちは、まぁスタッフもそうなんだけど「良いところ」を見せたがるんだよね。だから、渡した台本以上の演技をしようとして努力する。照明さんでも夜の撮影の時に、違う機材を持って来て、「どうですかこれ?」「明かりが柔らかくなりましたよね?」って。「こういうこと考えてたの?」と聞くと、「もう、大変でしたよ(笑)」。そういうふうに勝手に自分たちで良いものを作ろうとしてくれる。最近は、ありがたいですよ。西田(敏行)さんも塩見(三省)さんも、思った以上に役を作ってきてくれる。時々、作りすぎて間違えちゃう人もいるけどね(笑)。――映画作り以外においても、そのような接し方を心掛けていらっしゃるんですか?お笑いなんかの方では、仕事の話じゃないんだけど。真面目な話なんかしなくて、くだらねぇことばっかり言ってて、それがいつの間にかネタになったり、次の仕事のアイデアになったり。生活自体が、映画を作ったり、ライブをやったり、いろんなところに繋がってるんだよね。「晩飯」がライブで、「朝飯」が映画みたいな。そうやって生活の中に入り込んじゃってる。あまり、客観的に見ることがないんだよね。だから、いろいろな仕事をやってるんだろうね。これが疲れねーんだよなぁ(笑)。「あー! この仕事疲れた」と思うのは、たぶん時間が長い時だけ。あとは何とも思わない。――どんな仕事でもですか?うん、だいたい。まぁ、体張ってケガする可能性があるのは別だけど。もう歳だからね。――火薬田ドンとか(笑)。うん。アレなんか、結構間抜けでくだらないことが一番神経使うよね。ケガしちゃいけないから。一番真剣な演技が、一番楽だったりね。ただ真剣にしゃべればいいじゃない? 不思議なもんだよなぁ。○一番の楽しみは撮り終わってから――同じく『全思考』(幻冬舎文庫)には、「いちばん面白いのは編集」とありました。どのようなところに魅力を感じていらっしゃるんですか?子供の頃、プラモデルのキットを買うと、解説書と部品が入ってたでしょ? あれが映画でいうところの「ラッシュ」(未編集映像)。「ラッシュ」を買ってきて、それを編集することがうれしいんだよね。俺らはその部品を撮るところからやってるから、だから「早く撮っちゃえ!」と。それを編集で組み立ててるわけだから、それは面白いよね。でもね、部品の「タイヤ」がないことに気づいたりするわけよ。「タイヤがないぞ!」となれば、その代わりにハンドルをくっつけたりなんかして(笑)。わかりゃしないよそんなもんって(笑)。そんなことが結構ある。「あっ、いけね!」となっても、「どうやってごまかそうか」というのも面白い。その前のシーンから「引っ張ってきちゃえ!」みたいなこととか、編集で強調したいところを無理やりトリミングしてもうちょっと大きくならないかなとか。今は(撮影した映像を)デジタル(データにして編集)して、それをまたフィルムに直すんだよ。見切れてるところも、少しだけずらしたり。やっぱり編集がいちばん面白いよね。――撮り終わってからの方が楽しみということですね(笑)。そうそう。こいつのセリフ気に入らないから取っちゃえ! とかね(笑)。カットして、こっちのセリフから始めちゃおうとかね。自由にできる。(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会■プロフィール北野武1947年1月18日生まれ。東京都出身。身長168センチ。O型。主演も務めた『その男、凶暴につき』(89)で映画監督デビュー。その後も、『3-4x10月』(90)、『あの夏、いちばん静かな海。』(91)、『ソナチネ』(93)、『みんな~やってるか!』(95)、『キッズ・リターン』(96)を世に送り、『HANA-BI』(98)は、第54回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。『菊次郎の夏』(99)、『BROTHER』(01)、『Dolls[ドールズ]』(02)に続いて、初の時代劇に挑んだ『座頭市』(03)は第60回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞。芸術家としての自己を投影した『TAKESHIS’』(05)、『監督・ばんざい!』(07)、『アキレスと亀』(08)の後、『アウトレイジ』(10)と続編の『アウトレイジ ビヨンド』(12)、『龍三と七人の子分たち』(15)。『アウトレイジ 最終章』は、18本目の監督作となる。
2017年10月08日北野武監督が、裏社会の男たちの抗争を描いた『アウトレイジ』シリーズの、前作から5年の月日を経て迎える最新作『アウトレイジ 最終章』。北野監督の18作目となる本作の公開を記念して、これまでの北野映画全17作品の歴史を“女子高生でも1分で学べる”ふり返り特別映像が公開された。発売が決定しているのは、既発の『キッズ・リターン』『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』『龍三と七人の子分たち』に加え、これまでBlu-ray化されていなかった『その男、凶暴につき』『3-4X10月』『あの夏、いちばん静かな海。』『ソナチネ』『みんな~やってるか!』『HANA-BI』『菊次郎の夏』『BROTHER』『Dolls』『座頭市』『TAKESHIS’』『監督・ばんざい!』『アキレスと亀』の13作品が新たに登場。最新作『アウトレイジ 最終章』公開直前に、『アウトレイジ』シリーズの復習だけでなく、北野監督作品全てをブルーレイで復習することができる。そして今回公開されたのは、女子高生でも北野映画の歴史が1分で学べるPV!映像では、1989年の監督デビュー作『その男、凶暴につき』以来、全世界を魅了し続け世界各国で様々な賞を獲得してきた北野監督が作り上げた各作品の名シーンとともに、中間テストの範囲が”たけし”と聞いたイマドキ女子高生たちが、「え!たけしって、範囲広くない!?」「映画結構やってるし、映画祭とか賞取りすぎ」「復習しなきゃ~」とリアルな会話が繰り広げられる。また、過去作だけでなく、もちろん最新作『アウトレイジ 最終章』の劇中シーンも盛り込まれ、実にユニークな映像となっている。『アウトレイジ 最終章』は10月7日(土)より全国にて公開。北野武監督<13作品>Blu-rayは9月27日(水)よりリリース開始。(cinemacafe.net)
2017年09月08日北野武の監督18作目にして、大ヒットバイオレンス・エンターテインメントのシリーズ最新作となる『アウトレイジ 最終章』。このほど、出演者のピエール瀧が「顔面世界遺産」とも形容した豪華キャスト陣による“強面バトル”の場面写真が一挙に解禁。また、本作公開を記念し、北野監督の13作品がBlu-ray化されることが決まった。関東「山王会」vs関西「花菱会」の巨大抗争後、大友は韓国に渡り、日韓を牛耳る“フィクサー”張会長の下にいた。そこに、韓国出張中の「花菱会」花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、韓国“フィクサー”vs関西「花菱会」が一触即発の様相となる中、「花菱会」では内紛が勃発。そして、大友が日本に戻ってくる…。前作から5年の月日を経て、最終章を迎える『アウトレイジ』シリーズ。今回解禁となったのは、シリーズを華々しく盛り上げてきたお馴染みのキャラクターや、本作から新たに参戦するインパクト満載の登場人物たち、“全面戦争”を迎えるアウトレイジ(極悪非道)を映し出した7点の場面写真。まずは、関東「山王会」vs関西「花菱会」の巨大抗争後、「張グループ」「花菱会」「山王会」「警察」が入り乱れる全面戦争を機に、全ての因縁に決着をつけるため、身を寄せていた韓国から日本へと戻ってきた大友(ビートたけし)と、大友を慕う市川(大森南朋)がいきり立ち、拳銃とマシンガンを手に何者かをにらみつけ、決着の時を思わせるワンシーン。さらに、シリーズ随一の強面キャラ「花菱会」若頭・西野(西田敏行)と若頭補佐・中田(塩見三省)に、本作よりシリーズに参戦する「花菱会」の新会長・野村(大杉漣)、幹部・花田(ピエール瀧)らの威圧感たっぷりな表情を見せている。また、花田の手下・丸山(原田泰造)が拳銃をかまえるシーンも。刑事・平山(中村育二)とすっかりアウトレイジ(極悪非道)たちの担当が板につき、表情に凄みを増した“マル暴”・繁田(松重豊)の姿も捉えている。本作よりシリーズに参戦したピエールさんが、「顔面世界遺産とも言える役者陣の“顔バトル”は、とにかく必見です(笑)」とコメントを寄せたように、それぞれの威圧感がハンパじゃない!唯一無二の“顔面力”が白熱する究極の抗争劇を予感させている。さらに、本作公開を記念し、すでに販売中の『キッズ・リターン』『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『龍三と七人の子分たち』4作品に加え、北野監督シリーズ13作品が新たにBlu-ray化に。高画質で色鮮やかに甦った、独特の映像美でも知られる北野作品を、この機会に観直してみては。『アウトレイジ 最終章』は10月7日(土)より全国にて公開。北野 武監督<13作品>Blu-rayは9月27日(水)よりリリース。価格:各3,800円(税抜)<作品ラインナップ(計13タイトル)>『その男、凶暴につき』『3-4X10月』『あの夏、いちばん静かな海。』『 ソナチネ』『みんな~やってるか!』『HANAーBI』『菊次郎の夏』『BROTHER』『Dolls』『座頭市』『TAKESHIS’』『監督・ばんざい!』『アキレスと亀』(text:cinemacafe.net)
2017年07月20日北野武の監督18作目となる最新作『アウトレイジ 最終章』の公開日が、10月7日(土)に決定。さらに、ビートたけしや西田敏行、新キャストも含めた豪華“コワモテ”俳優たちの名が1発の巨大な銃弾に刻まれた特報が、ティザービジュアルとともに解禁となった。関東「山王会」vs関西「花菱会」の巨大抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、日韓を牛耳る“フィクサー”張会長の下にいた。そこに、韓国出張中の「花菱会」花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、韓国“フィクサー”vs関西「花菱会」が一触即発の様相となる中、「花菱会」では内紛が勃発。そして、大友が日本に戻ってくる…。2010年『アウトレイジ』、2012年『アウトレイジ ビヨンド』と、シリーズ累計興収22億円超を記録した超人気シリーズが、前作から5年の月日を経て最終章を迎える。本シリーズは日本のみならず世界にファンを有する北野監督が、初めて手掛けたシリーズプロジェクトで、裏社会の男たちの抗争を描いたバイオレンス・エンターテインメント。今回、新たにシリーズに参戦するキャストとして、大友を慕う韓国・済州島グループの市川役に大森南朋、花菱会の花田役にピエール瀧、同若頭補佐・森島役に岸部一徳、花菱会の新会長・野村役に大杉漣、花田の手下・丸山役に原田泰造、関東の組織「山王会」木村組・吉岡役に池内博之ら豪華な面々が発表。大友役のビートたけし、花菱会・西野役の西田敏行、同・中田役の塩見三省、張会長の側近・李役の白竜、山王会・白山役の名高達男、同・五味役の光石研、警視庁・繁田役の松重豊ら、豪華な“全員悪人”の面々と共に、全面戦争へと突入する。このたび解禁となった特報でも、まずは、たけしさん演じる大友が登場!その後、巨大な弾丸に次々と超豪華キャスト陣の名前がクレジットされ、本シリーズらしい「全員暴走」を予感させる一瞬が映し出されていく。また、大友が銃をぶっ放すシーンもあり、今回の特報30秒の間だけでもすでに3発発砲。映像の最後には、「大友さん、これで最後ですよね」と聞かれるも、大友が「(これで)済んだと思うなよ」と裏切りの連続を示唆するセリフを言い放ち、まさに“全面戦争”前夜の様相を呈した特報は、「終結パート」を意味する音楽記号「コーダ」マークの入ったタイトルロゴで締めくくられている。先の読めない“裏切り”“駆け引き”“騙し合い”の末に、彼らはどんな決着をみせるのか?ますます期待高まる本作を、映像から確かめてみて。<新キャストよりコメント>■大森南朋役者を始めたころからずっと北野監督の映画に憧れていました。これまでも『dolls』『アキレスと亀』と2作品でお世話になってます。そして今回は、念願叶ってバイオレンス。念願叶って『アウトレイジ』。もうこんな幸せな事はありません。北野組の撮影現場、たけしさんの横で「あぁ オレ 今 夢が叶ってるぅぅ」って スゲェ小さい声で呟いてましたもん。■ピエール瀧初めて北野組に参加させていただきました、ピエール瀧です。全スタッフの見事なチームワーク、痺れるような本番の緊張感、そして時折垣間見ることができた監督の作品への姿勢と愛情、どれもが自分にとって素晴らしい体験でした。顔面世界遺産とも言える役者陣の“顔バトル”は、とにかく必見です(笑)■大杉漣24年前の『ソナチネ』が、初めての北野映画でした。ちょうど今回の出演で10本目になりますが、常連などと思ったことはありません。やはり作品は、ひとつひとつなのだと痛感します。北野組のあの独特な緊張感と世界観はたまりません。また味わいたくなるのは僕だけではないはずです。■原田泰造念願の北野組、それも大ファンである『アウトレイジ』に出演することが決まった時、嬉しさのあまり雄叫びを上げていました。現場では北野監督の包容力がとても大きく、夢見心地と緊張感が入り混じった味わったことのない気分で撮影に臨ませていただきました。僕も皆さん同様、暴走しております!公開を楽しみにしていてください!■池内博之自分が俳優としてデビューしてから、北野作品に出演することは自分の目標でもありましたので、決まった時は本当に嬉しくびっくりしました。現場は、スタッフ、キャストのとてつもない、いい緊張感が、リハから流れていて本番一発。テンポの速い撮影で、あっという間に終わるんです。たまに北野監督から演出上の指示がある以外は自由に演じさせてもらえるのですが、本気でやらないと見透かされてそうで、ある意味怖かったですね。なので1カット1カットを全力で生きないといけないという思いが凄くありました。■岸部一徳『座頭市』以来、久しぶりに参加しました。北野組の優しさ、静けさ、心地よさを感じた現場でした。言葉を使わない人間への愛情、そんなたけし映画が僕は好きです。『アウトレイジ 最終章』は10月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月18日1, 正座した状態で体を後ろに倒して脚を圧迫させて10秒キープ長座して血が流れるのを感じましょう。2 ,膝の裏、足裏、足の甲、足首の骨周り、アキレス健順番に揉んでいきます。スネを強く押し流し、最後はふくらはぎを揉んで膝裏のリンパへ流していきます。
2016年12月08日アキレスはこのほど、子供用携帯レインブーツ「Fit Packa! (フィットパッカ)」(税別5,900円)を発売した。販売場所は、全国の百貨店、ECサイト、アキレスウェブショップ。「Fit Packa! 」は、折りたたみ傘から着想を得て、女性用のレインブーツとして誕生。2014年の発売以降、子供用を要望する声が多かったことから、今回の製品化に至ったとのこと。同商品は、ボディーの素材が柔らかいため、折りたたんで小さな下駄箱にも収納できることを特徴としている。また、足にフィットして脱げにくいことから、雨の日の通学を快適にサポートするという。材質は軽量配合のラバーのため、持ち運びにも便利とのこと。サイズは15.0cm~24.0cm(ハーフサイズなし)。カラーは、ネービー1色での展開。かかと部分には手がふさがっていても脱げるように、キックダウングリップという突起を取り付けた。また、夜間でも安全に歩行できるように、リフレクター(反射体)もついている。
2015年09月10日アキレスは5月上旬より、レインブーツ「Fit Packa!(フィットパッカ)」(税別4,900円)を全国の靴専門店ほか、ECサイトやアキレスウェブショップにて販売を開始する。同商品は、働く女性のライフスタイルを応援するレインブーツとして開発されたもの。履いた時にフィットして脱げにくいことと、使わない時には折りたたんで付属のバッグに収納できることを特徴としている。潮干狩りなどの水辺や、野外フェスなどのアウトドアシーンでも快適に使用できるという。素材には軽量配合ラバーを採用。また、インヒールソール(かかと部分が高くなっている中敷き)で、履き心地だけでなく、シルエットにも配慮したとしている。カラーは、チャコール(千鳥格子柄)とオリーブ(カモフラージュ柄)の2色。サイズは、S(22.5~23.0cm)、M(23.5~24.0cm)、L(24.5~25.0cm)で展開する。
2015年05月02日神奈川県横浜市の新横浜ラーメン博物館は29日、フランス「ブイヨン」×日本「和だし」の融合をコンセプトにした「黄金に煌めく超絶~コンソメヌードル~」を販売する「NARUMI-IPPUDO」を期間限定オープンする。○黄金色のコンソメスープに和だしを合わせたラーメン同店は、同施設の20周年企画として発売するもの。同館は10年後をめどに欧州に進出することを発表しているが、「黄金に煌めく超絶~コンソメヌードル~」は「一風堂」の河原成美氏の協力を受け、10年後を見据え開発されたラーメンだという。さまざまある世界のだしの中、食の都「フランス」をテーマとし、フランスのだしである「ブイヨン」と日本の「和だし」を融合。丸鶏に鶏ガラ、牛のスネ肉、野菜類を5時間煮込んだブイヨンを作り、牛ミンチと野菜、牛スジ、アキレスを加えさらに5時間煮込み、黄金色に輝くコンソメスープを作成。そこに昆布などの和だしを加えラーメンスープを作っているという。麺は、フランス産のフランスパン専用粉と国産小麦をブレンド。もちもちとした食感と豊かなコシが同居した特製麺を使用。トッピングには牛ロースを使用したローストビーフをメインに、数種類のきのこを炒めた「きのこのソテー」、レッドオニオン、ルッコラをあしらった。価格は980円(税込)。別途入場券(大人310円・小学生、シニア100円・税込)が必要。場所は神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21。29日~2015年5月10日の期間限定出店。
2014年10月17日アキレスは10月上旬より、「見た目はフォーマル、履き心地はスニーカー」を実現した「ACHILLESSORBO(アキレス・ソルボ) Bizシリーズ」の新商品を発売する。○足の負担を軽減するビジネスシューズ同シリーズは、ビジネスシューズ市場の中でもアクティブなビジネスマンをターゲットにしたもの。「洗練された上品なデザインとフォルムを失わず、なおかつ心地よく履ける靴」をコンセプトに開発した、メイド・イン・ジャパンのビジネスシューズだという。新製品は、衝撃吸収力と圧力分散性能を持ち合わせた高機能スーパークッション「ソルボ」や足裏の動きに合わせて屈曲する「ポリウレタンソール」を採用。足の負担を軽減し、軽やかな歩きを実現できるという。ラインナップは「スリップオン」「プレーントゥ」「ストレートチップ」「スワローモカ」の4タイプで、価格は税別2万円。全国の百貨店やアキレスウェブショップなどで販売予定。
2014年09月30日(画像はプレスリリースより)ベネトンより新シューズ登場長く歩いても足が痛くならず疲れない靴。加えてオシャレなデザインであれば、女性なら誰でも1足は欲しいと思うでしょう。7月11日、アキレスは、「20km歩けるパンプス」として有名なベネトンの「ALL DAY Walk(オールデイウォーク)」からフラットシューズを新発売すると発表しました。オールデイウォークオールディウォークでは、スニーカーで使われている快適に歩く技術をパンプスに応用しており、踵部のインソールに低反発EVAが採用され、着地時の衝撃を吸収します。さらに、インソール全面には高反発EVAが配置されているため、スムーズな蹴り出しで歩行をサポートしてくれるのが嬉しいポイントです。意外に疲れる?!フラットシューズフラットシューズは、ヒールがないため歩きやすい印象がありますが、実際に履いてみると、ソールが薄くて足が疲れてしまうという欠点がありました。そこで、今回新発売されるフラットシューズでは、アウトソールにも高反発EVAを取り付け、反発性をさらにアップさせました。また、ベネトンらしいカラーバリエーションも魅力で、どれでもオシャレで上品な色使いです。靴選びに迷っているのなら、ベネトンのフラットシューズを手に取ってみてはいかがでしょうか。【参考】・アキレス プレスリリース(PR TIMES)
2014年07月12日(画像はプレスリリースより)アキレスのラバーブーツ「モントレ」から、折りたたみ傘の発想で新登場アキレス株式会社は、これから迎える梅雨の季節に向けて、突然の雨が降っても安心、女性用の折りたたみ傘のようなレインブーツ「Fit Packa! (フィットパッカ)」を、5月初旬より全国の靴専門店、有名ECサイト、アキレスウェブショップなどで発売を開始する。働く女性たちのライフスタイルを応援する「Fit Packa!(フィットパッカ)」は、雨の日でも楽しくなる、レインブーツなのにくるくる巻いて付属のバックに入れ携帯できるよう、軽量配合ラバーで持ち運びの快適さにもこだわり開発された。くるっと巻いて付属のバッグに収納できるベーシックなカラーと柄の3色のラインナップで、クラシックスニーカー風のレトロ調アウトソールがコーディネートを邪魔しない。かかと部分を高くしたインヒールインソールにしたことで履き心地もシルエットもしなやかなものとなった。ブーツインスタイルに対応できるよう履き口も広く、かかと部分に突起をつけたキックダウングリップを採用し、両手がふさがっていても靴を脱ぐことが可能となっている。サイズはS(22.5~23.0cm)、M(23.5~24.0cm)、L(24.5~25.0cm)の3サイズ展開で、価格は全て4,900円(消費税抜き)と、低価格を実現した。【参考リンク】▼アキレス株式会社プレスリリース/PR TIMES▼アキレス株式会社ウェブショップ
2014年04月27日(画像はプレスリリースより)開発テーマは「リラックス」アキレス株式会社は、イタリアを代表するグローバルカジュアルブランド「UNITED COLORS OF BENETTON.(ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン)」から女性用のカジュアルシューズ「obrlx(オブリラックス)」を2月上旬より発売します。オブリラックスとは、「oblique toe(オブリークトウ/親指が長くて他の指が徐々に短くなる日本人に多い足型形状)」と「relax」をかけ合わせた造語で、日々の仕事で窮屈な靴を履くことが多い女性の足を「リラックス」させるため開発されたカジュアルシューズです。日本人の足に合わせた設計ラスト(足形)はネーミングの通り、日本人に多い足形のオブリークトウ形状を採用し、アッパー(甲)は伸縮素材を使用することで足を優しく包み込む感覚を重視。インソール(中敷き)は高反発EVAを採用し、足裏に優しくフィットする設計になっています。ベネトンならではの可愛くポップなデザインラインアップは「シューレースタイプ」「スリップオンタイプ」「ストラップタイプ」の3タイプ8色、4,900円(税別)で、履きやすさはもちろん、可愛らしいカジュアルなデザイン展開となっています。平日はヒールを履いて頑張った足を、土日は「オブリラックス」で癒やしてあげるのもいいかもしれません。【参考リンク】▼アキレス株式会社 プレスリリース/PR TIMES
2014年02月03日アキレスは4月末より、人気アニメ「GO!GO!チャギントン」のキャラクターを新規導入し、2013年年間キャラクターシューズ商品として幼児向けに販売を開始する。『GO!GO!チャギントン』は、フジテレビ系列で放映中の、イギリス生まれの人気CGアニメーション番組。列車たちが暮す街「チャギントン」で、「ウィルソン」「ブルースター」「ココ」の見習い列車3人組が、様々な経験を積みながらともに成長してゆく物語となっている。今回発売の「チャギントン」シューズシリーズ第1弾は、主人公3人(ウィルソン、ブルースター、ココ)をそのままモチーフにした”チャギントンC-001”と、カラフルなプリントが特徴の”チャギントンC-003” の2タイプ5色のラインアップで展開。番組のエンディングに登場する、ジャンケントレインキッズダンサーも着用しているとのこと。子供の成長に合わせ、サイズ毎に親指・小指部分の側角度を設定したゆとりのあるつま先設計やサイズ別ソールのヒール差設計、レールをイメージしたフレキシブルな新設計ソールなど、同社の子供靴の「足育」設計思想が反映されているという。靴底は、柔らかく返りがよく底剥がれしにくい”子供の足にやさしい”ソールを採用。履きやすく履かせやすい”着脱かんたん”な履き口と、指先の圧迫感を軽減する、つま先ゆったりの足型形状(オブリークトウ)とした。サイズは13.0~18.0cm(2E)。ターゲットは幼児~園児で、男・女児兼用。価格は、各2,625円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月26日アキレスは9月中旬より、北欧のシューズブランド「Tretorn(トレトン)」を、全国の百貨店およびセレクトショップ、靴専門店にて展開する。「Tretorn」は、スウェーデンのヘルシンボリでラバー製品メーカーとして、ヘンリー・ダッカー氏によって創業。北欧(スカンジナビア)文化をルーツに、1950年からスニーカーの生産販売を開始。1960年代には当時プレッピースタイルのアイコンでもあった第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ氏が、1970年代にはテニスのスタープレイヤー、ビョルン・ボルグ氏が代表モデル「Nylite(ナイライト)」を愛用。これを受けて欧米や日本でも当時の若者の間で人気を博した。近年においても、有名アパレルブランドとのコラボレーションなどで再注目され、昨年には創業120周年を記念し、ニューヨークのソーホー地区に旗艦店がオープンしている。ブランドコンセプトは、おもに北欧スタイルを称賛する機能商品やレジャー商品を創造すること。スウェーデンの国民性のごとく、シンプルながら機能性とスタイリッシュさを備えた商品を提案する。9月中旬より展開される商品としては、2012年秋冬モデルのスニーカーやラバーブーツなど、12タイプ(メンズ9タイプ、レディース3タイプ)を予定している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月11日2003年にアキレス株式会社から発売された、ジュニア用スポーツシューズブランド『瞬足(しゅんそく)』。今や年間600万足を超す、販売実績を誇る定番のヒット商品だ。現在の児童数(幼稚園児・保育園児・小学生)が約1,000万人だから、およそ半数が使用していることになる。その『瞬足』シリーズに大人向け『大人の瞬足「絆」シリーズ』が登場。アキレスが「子どものころに『瞬足』があれば……」という多くの声に応えた開発したもので、春の運動会シーズンに向けてのお父さん・お母さんのための運動会限定モデルだ。ジュニア用スポーツシューズ『瞬足』は、アキレスが小学校のトラックが「左回り」であることから、左右非対称のソール部(靴底)を採用したのが最大の特長。「右足のインサイド」「左足のアウトサイド」にそれぞれスパイク状のグリップを装着し、左回りのトラックのコーナーを走りやすくしているという。これが子どもたちの間に口コミで広まり、短期でジュニア用スポーツシューズ市場を席巻したお化け商品だ。この『瞬足』の最大の特長である左右非対称のソールはもちろん『大人の瞬足「絆」シリーズ』にも採用されており、さらに小学校の校庭・園庭など大人にとっては狭いグラウンドを考慮し、大人の体重やスピードに対応する機能を搭載したということだ。そこで、現物を取り寄せ、実際に着用し、履き心地・走り心地を体感してみた。『大人の瞬足「絆」シリーズ』は、墨文字で「見てろ、親父の底力」と印刷された特製のカートンに入って、宅配便で届けられた。子どもの前で、かっこいい親父の姿を見せたいという父親心をくすぐるコピーだ。ちなみに母親向けの特製カートンには「走るって、楽しいかも」と記されているとのこと。シューズのカラーはブラックをベースに鮮やかなイエローグリーンとのコンビネーション。ほかに父親向けホワイトにシルバーを加えたタイプやレッドを貴重としたタイプなど全2タイプ5色、お母さん用は1タイプでレインボーとブラックの2色を用意。かかとには絆のロゴも入っている『大人の瞬足』のソール(靴底)を見ると、なるほど左右非対称で、右足の内側、左側の外側に大きめの瞬足スパイクが数多く配置されている。さらに大きめのスパイクを多数配し、グリップ性能は一般ジョギングシューズの15%もアップしたという(同社比)。また、ソール自体も薄めで、ヒール面の高さを押さえ、安定性を考えた低重心設計になっている。『大人の瞬足』に足を通してみると、かかとの形に合わせた丸みのある3D(立体状)ラスト(木型)と3D(立体状)インソール(中敷き)により、かかとをしっかりとホールドしてくれている。これなら、小学校のような狭いトラックでのコーナーや直線でも安定した走りができそうだ。さらに、装着された樹脂製のサイドスタビライザー(SJA6140,SJA6150に装着)によりアーチラインもフィットし、履き心地はとてもよい。走り心地はどうか確かめるために近所の代々木オリンピックセンター内のジョギングコースを走ってみた。かかとはしっかりホールドされて、本当にかかとがブレない。左カーブも全力疾走でも踏ん張りが効き、確かにスムーズに走り抜けられる。しかもソールは薄いが足底に疲労感はない。足が速い男子がモテるというのが小学校では定番だったが、足が速いお父さんも運動会でモテモテになれる……、そんな打算的な気持ちも浮かんでくるような走り心地だ。今回はアンツーカーでの試走だったが、『大人の瞬足』なら左回りでコーナーでは砂でとても滑りやすい学校の校庭でも転ばず、全力疾走できるかもしれない。そのほか『大人の瞬足』のインソールの表面には吸水性に優れた表面の素材と透湿性・通気性に優れた構造のDRYTEC(ドライテック)を採用することで、吸水・速乾性を確保し、足蒸れにも対応してくれている。さすがに年間600万足も売り上げた『瞬足』の大人バージョンの『大人の瞬足』。保護者の間でも大ヒットするかも。なお、価格は5,145円(税込)。全国のシューズ専門店、有名ECサイト、アキレスショップ、アキレスWEBショップなどを通して販売される。今年のお子さんの運動会は『大人の瞬足』のまさに左右非対称ソールの底力を借りて、お子さんに親父の底力を見せてみては……。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月05日いまや20代男子の代名詞となりつつある「草食系男子」。「出世欲がない」「デートでも割り勘」といった消極的なイメージを持たれがちな彼らだが、世に言う「草食系男子」は20代男子の実態にどれほど重なっているのだろうか?そこで、彼らと同世代の若手ビジネスマン447人にアンケートを実施し、彼らの草食度を調査。「スイーツが好き」が8割を超え、「家事全般を普通にこなせる」も7割を超えるなど、“らしさ”を示したが、意外にも「ロールキャベツ」ぶりがうかがい知れる結果となった。アンケートによると、仕事では「出世して重責を果たしたい」という若手ビジネスマンが74.2%。とはいえ、転職・独立起業志向は薄れ、今の会社で上を目指したいと考える人が圧倒的多数のよう。マイペースを守りたいというより上昇志向があるというのはやや意外!?そして、「自分に闘争心はある」と考える人は48.4%。「闘争心はない・あまりない」と答えた人のほうが少なかった。恋愛にも奥手のイメージがつきまとう草食系男子だが、予想に反し、57.3%が「女の子を自分から口説いたことがある」との答えが。オシャレでかっこいい外見と、がっつかないスマートな態度が女子ウケするのか、口説きの成功率は案外高いようだ。また、デートで飲食した勘定は「自分が多めに出す」と回答した人が62.1%と最多で、「自分が全部出す」と答えた男らしい人は25%。草食系男子は割り勘がスタンダードと言われるなか、割り勘派は12.9%と少数派にとどまった。ここまでは比較的、恋愛に積極的な姿勢がうかがえたが、62.7%もの若手ビジネスマンが「女の子といっしょに寝ても何もしないことがある」という。草食系の一面を表す結果ともいえるが、一般的にも、毎度事に至る絶倫は少数派なのかもしれない。恋愛にも消費にもガツガツしないといわれる草食系男子だが、内に秘めた欲望のマグマはいつ噴出してもおかしくない状態のようだ。もう少し彼らの実態に近づくため、草食と呼ばれる男たちの本音の一部を紹介する。●早く課長になりたい。(IT/営業職/27歳)部署内でトップセールスを記録するなど仕事は順調なよう。「僕より実績のないやつが昇進。早く認められたい」と闘争心がむき出しに。年収もあと20%増やしたいのだとか。●彼女が欲しい。(電気メーカー/技術職/28歳)夏に2年付き合った彼女と別れた。結婚を考えていたので、相当へこんだが、今は吹っ切れて毎週末合コンだとか。●スーツは仕事着と割り切ってきたけれど、いいスーツで何がどれだけ変わるんだろう?予算は思い切って、10万円。(生保/営業職/28歳)「スーツの似合う男性って素敵」と周りにスーツフェチの女子が多いとかで、ボーナスで奮発しようと。先輩からは身体にピタッとフィットするオーダーを勧められているよう。●料理が趣味なので、キッチンウェアをドイツのフィスラーというブランドで揃えたい。彼女の誕生日が近いので、手料理を振る舞って祝いたい。(機械メーカー/事務系専門職/26歳)道具に強いこだわりがあり、お気に入りのブランドで一式揃えたいらしい。彼女の誕生日には自慢の「牛スジとアキレスの煮込み」を作るとのこと。20代男子=草食系、という風潮あれど、彼らを十把一絡げに「草食」と括ってしまうのはまだ早い!?マイナビCOBS ONLINEアンケート「M1層の実態に関するアンケート」(2011.11インターネットログイン式アンケート)社会人男性447人が回答。フリーアンサーは編集部独自取材による。※マイナビニュースマガジン創刊号(2011年12月10日発行)より転載【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月29日BEAT TAKESHI KITANOの美術展『BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展』が4月13日(金)から東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。2010年の3月から6か月にわたってパリのカルティエ現代美術財団で開かれ大反響を呼んだもので、BEAT TAKESHI KITANOにとっては国内で開く初めての個展だ。『BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展』開催情報BEAT TAKESHI KITANOは『HANA-BI』『菊次郎の夏』『アキレスと亀』など、自ら監督した映画の中で絵画作品を発表、その色彩豊かな作品は高い評価を得ている。今回の展示は、その絵画に加え、パリで制作された立体作品、オブジェなど。彼ならではのユーモアと仕掛け盛りだくさんの世界が楽しめる。『BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展』は4月13日(金)から9月2日(日)まで開催。チケットの一般発売は3月10日(土)より。なお、一般発売に先がけてオリジナルグッズ付きチケットのセブン-イレブン先行 web販売を実施。2月11日(土・祝)10:00より受付スタート。画像1:Beat Takeshi Kitano, 2009 Acrylic paint on canvas, 91 x 117 cm Collection of the Fondation Cartier pour l’art contemporain (C) Office Kitano Inc.
2012年02月10日カンヌ映画祭のコンペティション部門でバイオレンス映画『アウトレイジ』が上映される“快挙”を成した北野武監督が、このほどシネマカフェほかの合同インタビューに応じ、本作に込めた思いから人間行動論までを語った。今回の暴力映画は「たまに食べたくなったカツ丼」新作は、ここ最近の3作『TAKESHIS’』、『監督・ばんざい!』、『アキレスと亀』と打って変わり、バイオレンスへの原点回帰とも言われる9年ぶりの力作。常に意表をついて周囲を驚かせる北野監督らしく、秀でたエンターテイメント作品として仕上がった。「前3作から“ゴダール病”とでも呼べるような自省的な内容の作品にはまっちゃって、先進的なアートとかワケ分かんないこと考えてやったら完全に失敗して、ダメだこりゃ、と。次、何やろう?と思ったら、暴力映画を全然撮っていないなって思って。食べ物と同じで、たまにはカツ丼食いたいな、と。ただ『ソナチネ』とかと比較されて、『何も進歩していない』とか言われるのは嫌だから、もうエンターテイメントだ!観客全員が喜べるようなものを撮ろうってなった。次に思いついた暴力シーンを書き出して、そっからストーリーを逆算したの。コイツはこう来てこう死ぬ、とか、こんな死に方はしないだろって。で、またひっくり返していって、こうなると思ったら大間違いだとか、ここで(観る側を)騙すとか、いろいろ考えて。そしたら完全にエンターテイメントだなって言える作品ができた」。5月のカンヌ国際映画祭ではコンペ上映され、激しい賛否両論で話題を振りまいた。ホラー、ファンタジーを好むティム・バートン監督が審査委員長を務めた賞レースでは賞を逃したものの、芸術性を好む同映画祭のメーン部門でヤクザもののバイオレンス・エンターテイメントが上映されただけで“珍事”だった。「海外のアート的なフェスティバルとかとは関係ねぇなと思ったら、急にカンヌとか呼ばれてしまって、これは結構大騒ぎになるぞ、って思ってたら、案の定、賛否両論になっちゃって。だから『ざまあみやがれ、こんな映画をコンペに選んだのはそっちなんだから、俺は知らないよ』って言ったんだけど。悪口言う人と褒める人と正反対で、まあまあっていう人がいなくて、いいか悪いかはっきりしていたね。でもまあ狙い通りだった。ショックな映画だろうな、とは思っていたから」。“全員悪人”をテーマに暴力団組織内部の抗争を描く同作では、自身、新たな試みとして主演と言えるキャラクターを7〜8人描く群像劇に挑戦。さらに北野組常連の俳優陣をキャスティングせず椎名桔平、三浦友和、國村隼、小日向文世、北村総一朗ら初タッグの俳優を揃えたのも新趣向。中でもインテリヤクザに扮した加瀬亮の怪演が、前評判を呼んでいる。「英語を使うシーンが途中からいっぱいあるインテリヤクザ役があって、英語も話せる役者を探していたら加瀬くんが来た。けど、普段の雰囲気からはどう見てもヤクザに見えないじゃない。どうしよう、と思ってメイクさんと相談して、オールバックにして、眉毛を剃ってみたり、結構苦労した。最終的に四角くて細いサングラスをかけさせたり。それでも『コノ野郎、バカ野郎』って怒鳴り合っている場面で、加瀬くんも入ってきて同じ台詞言っても全然怖くない。だから、この人は無口にしよう、でも、ひとつキレたら殴り出すという風に、徹底的に暴力に寄せた。キレたら怖い奴に設定に変えて台本を書き直して、かなり悪い奴に仕上がった。やっぱりパッと印象に残るようになったと思うし、うまいこといったかなって思うよね」。とはいえ、抗争の中心人物として動くのは、ビートたけし演じる、大友組の組長・大友。『戦場のメリークリスマス』を機に、俳優としても国内外で高い評価を得ているが、自身では顔をクシャクシャにして照れ笑いしながら厳しく自己評価する。「俺は基本的には演技、上手くないからねぇ。へたくそだから、しゃべんない方がいいもん。しゃべるとね、怪しいんだ俺は。『バカ野郎』なんて言ったら、単なる松村(邦洋)のモノマネになっちゃう。『ダンカン、バカ野郎』(松村さんによる、たけしさんのモノマネ)と変わってないって。『てめえ、何言ってんだ、バカ野郎』(本作の台詞)と同じだったっていう。だからできるだけ、怒鳴らないようにしようと思ったけど、みんなが怒鳴っているから、しょうがなくて怒鳴っていると、ふと我に返って、コレ、松村がモノマネするときと俺と、変わってないじゃないか、って(笑)」。大きな見どころのひとつが、バイオレンス描写の過激さ故に北野映画特有のバイオレンスと笑いが繋がって楽しめる感覚だ。「今回、あんまりにも描写が痛くてなぜか笑ってしまう。っていうか、これだけ追い込まれると人間笑うんだなって。編集していても順撮りじゃないから始めは気がつかなくて、ある程度繋がってくるとバカ笑いしちゃうシーンが出てきた。アレ?これ、お笑い映画撮っちゃった、参ったなーと思ったら、編集マンの人が『これだけ痛ければ笑いますよ、喜劇じゃないけど笑わずにはいられない状態になりますもの、これ』って。大丈夫かなって思っていたら、その感覚は世界共通で、カンヌでも観客がバカ笑いしてた。バカ笑いしている割にはみんな暴力映画って言っているわけ」。登場人物たちは、裏切り、騙し合いを続ける。北野監督の考える、人間の悪は?「悪っていうのは人間社会が進化する過程において、人間本来の欲望を規制するために、社会が悪と決め付けたこととも考えられる。例えば、人間が成長してある程度、性的能力とか体に備わって意識するようになったときには、ほかの奴を殴ってでも女を取るのが、生物として本能的だと思うよ。でもそれ、社会として成り立つために、悪=犯罪という括りを付けないと、人間社会自体が成り立たないというだけ。オットセイが周りの奴をかみ殺して十何匹もメスのオットセイをはべらせてハーレム作っているのを『恥ずかしくないのか、お前は。もっと女を分け与えろ、それじゃオットセイの社会は成り立たない』って言ったって、しょうがないじゃない。それは考えてないだけだもん。人間だったら少し頭が発達してきたから、弱者を救うことによって、全体的に盛り上げようとすることで、性とか食べ物の欲望とかそういうものを、独りよがりに行使することを悪としただけ。それがなきゃ、美味いものを食っている奴を後ろからぶん殴って、気絶している間に食って帰っちゃえばいいんだから。それは誰でもしたいと思うよ」。人間は欲望に抑制の効かない未完成な存在そういった悪とキッチリ一線ひけない人間の未熟さも明確に指摘する。「人間ってのは未完成な動物で、こういう暴力映画っていうと暴力は社会に対して悪影響があるんじゃないでしょうか?って言う。だけど拍手して観ている奴がいる。悪いことなら止めるんだけど止めないんだよ。食べ物でも何で腹いっぱい食っているんだ?肝臓壊したり糖尿になったり、体に悪いのになぜ食うかと言うと、頭と体のバランスが人間って全然取れていない。教えてくれないんだよ、体から信号出ていないんだもん。『それ以上食うと体に悪いです』なんて絶対言わないでしょ?だから食っちゃうの。それだけ人間ってね、欲望に対しては規制が効いていない、だからすごい未完成な動物なんだよ」。劇中、数人、生き残るワルがいる。現実社会で生き残るために必要なことは?「多分、グループがあってそこで生き残ろうとする。だから葛藤があるんじゃない?このグループじゃないところにポンと出ちゃえばいい。そうすればこのグループからしたらその人、関係ないだから、客観的に見たらその人、生き残っているってことじゃん、もしかしたらね。漫才ブームのときに一番最初に漫才辞めたの俺なんだもん、もう終わりだと思って。B&Bとかみんなそこにいたけど、俺、ポンと外に出ちゃった。で、結果的にブームはなくなって、たけしと紳助が漫才ブームを生き抜いたって言われるんだけど。俺、TVの次に、今度ラジオに行っちゃった。TV界からラジオに行っただけなんだけど、たけしはお笑いから生き抜いたってことになる。で、次に映画に行っちゃった。TVのタレントから俺だけ映画に行ったら、また生き抜いた、みたいなことを言われる。要するにグループの中に属さないってことじゃないかな。そうすりゃ生き抜いたことになる。怪しいんだけど、俺」。騙す、騙される、どっちが好き?の問いに、「あーあ」と嘆くような口調と優しい笑顔で答えた。「俺ら、騙す商売だからなぁ。騙す商売だけど、騙されることによってプラスマイナスゼロにしているところ、あるよね。よく騙されるの、騙してもらったお金、騙されてぼられているだけだよ」。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年06月10日映画監督・北野武が3月13日(土)、フランスから帰国した。9日(火)にフランス文化省から芸術文化勲章の最高章「コマンドール」を授与されたことを受けて成田空港で会見した北野監督は、金メダルのボケを繰り出しつつ「黒澤(明)さんがもらっているならすげぇ」と喜びの心境を語った。取材陣の拍手で出迎えられた北野監督は「えー、フランスの文化勲章ですから、これからは日本の文化勲章と人間国宝を一日も早くもらいたい。人間国宝をもらったら無銭飲食して捕まるのが私の夢なんで。日本の文化庁のみなさん、よろしく。紫綬褒章はいらないですから」とビートたけし節。「勲章ですがこれ…」と言いながら特製らしき金メダルを取り出すと「あ、バンクーバーって書いてある。バンクーバー、関係ないか」。いきなり大ボケを効かせて取材陣を爆笑させると「バレバレだったなー、メダル出した瞬間にバレてたな」と照れて頭をかいた。受章の報は、今回の個展と特集上映会のために渡仏した7日(日)の出発直前、所属事務所「オフィス北野」の森昌行社長から成田空港で聞かされた。「嬉しいニュースがあります」と前フリする森社長に「事務所の脱税がばれたか、山本モナの浮気現場が撮られたか、あとカミさんが死んだかぐらいかと思った」と言って困らせつつ、「ありがたいこった。それ黒澤さんももらったやつかな?と聞いたら、そうって言うから、そりゃすげぇ!って」と喜びをかみしめた。授章式は、パリ市内のパレ・ロワイヤルに受章者が出向くのが通例だが、北野監督の場合は、北野監督の個展を開催するカルティエ現代美術財団にフレデリック・ミッテラン文化相が出向いて行われる異例のものだった。ミッテラン文化相は「来る前に揉め事があったらしくて不機嫌だった」そうだが、北野監督と通訳とともに個展を鑑賞し終わると「(作品の内容の)くだらないことを通訳されて、すごく恥ずかしかったけど、ゲラゲラ笑ってくれた。すっかり笑顔になっちゃって。あまりにくだらないから」と大ウケだったという。同国からの勲章受章は、1999年の2等級下のシュバリエに続き2個目。会見に同席した森社長が読み上げた、フランス文化省から記した正式な受章理由は「映画監督としての活動は言うまでもなく、1つの才能を持った人ではない。人々を笑わせること、感動させることができ、怖がらせることもできる。あらゆる面で支持者を持つ。類を見ない自由さをもってモノづくりを進める直感的才能に対し、章を贈る」。北野監督は「『たけし城』なんかがヨーロッパでかなり人気が出てきて、ネット配信やyoutubeなんかで、こういう(芸人としての)仕事をやってるって(認知が)何年か前からあって、映画監督としてはTVの映像を流されるのはヤバイかな?と思ったら、フランス人の見方は、もっと才能があるんだっていう。お笑いが悪影響を及ぼす、なんて気はなくて、この人はまだいろんなことがやれるんだって感じがあって。だからギャング映画撮っても問題ないし、バカバカしいことをやってもそれはそれとして見てくれる。気が楽になった」と感想。「日本は違う。日本は漫才師が映画撮った、みたいな雰囲気があって、松本人志が映画撮ると、“かつて映画を撮ったお笑い人”の中に必ず俺が入っている」と日本の偏見にチクリとやりつつ「そういうことじゃなく、映画は映画、バラエティはバラエティって分けてくれるんで、ありがたいのと、フランス人、個人主義で誇り高いんで、ダメなところダメだと平気で言ってくれるし、まあ気をつけなきゃ、がんばんなきゃ」と自身にはっぱをかけていた。フランスでは10日から『アキレスと亀』が一般公開されたほか、北野監督作品の連続上映会がポンピドゥー・センターで11日から6月26日まで開催中。さらに北野監督制作の絵画やオブジェを展示した個展「Gosse de peintre -絵描き小僧」がカルティエ現代美術財団で11日から始まり、9月12日まで開催予定。森社長は、フランスで終了後は東京での開催を「想定しています」と話した。加えて、北野監督を約7年取材してきたフランス人ジャーナリストのミシェル・テマン氏による北野監督の自伝「KITANO PAR KITANO(キタノによるキタノ)」が先月24日に発売。日本でも8月に翻訳版が発売される。芸術の都をビートたけしと北野武が席捲中の様子だ。なお、日本では最新作『アウトレイジ』が6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開アキレスと亀 2008年9月20日よりテアトル新宿、銀座テアトルシネマにて公開© 2008『アキレスと亀』製作委員会■関連記事:“いい人”加瀬亮がヤクザ役でマジギレ!?たけし最新作、題名の意味は“極悪非道”「オレの売りは“外国では評価が高い”(笑)」世界のキタノ『アキレスと亀』を語るたけし、ヴェネチアから帰国早々『ポニョ』とミッキー・ロークへの怒りを爆発!巨匠・北野武監督作『アキレスと亀』ぺんてるくれよんセットを3名様にプレゼント【ヴェネチアレポート09】あの三巨匠だけじゃない!世界で活躍する日本人俳優たち
2010年03月13日北野武監督が『アキレスと亀』以来1年ぶりの新作にして、『BROTHER』(’01)以来、久々にヤクザを主人公にした本格バイオレンス作品として期待が集まる作品のタイトルが決定!その名も『アウトレイジ』(OUTRAGE=極悪非道)というストレートなタイトルで、しかも登場人物が全て“悪(ワル)”という、異色のバイオレンス・エンタテイメントになっている。物語は、関東一円を取り仕切る巨大暴力団組織である山王会の組長・関内が若頭の加藤に、直参である池元組の組長・池元について苦言を呈すところから始まる。加藤を通じて池元は、直系ではない村瀬組を締め付けるように命令を受ける。その後すぐさま、池元は灰化にある大友組の組長・大友に役目を言い渡す。命令はいつも小さい者へ弱い者へと流れゆく。大友はいつも、上の尻拭いや汚れ役に奔走させられたきたのだった。生き残りと面子を賭け、裏切りや駆け引きを駆使した激しい権力闘争が幕を開ける――。北野監督自ら、ビートたけしとして主人公・大友役を演じるほか、三浦友和(加藤役)、椎名桔平(大友組若頭・水野役)、加瀬亮(大友組組員・石原役)、さらに國村隼(池元役)、杉本哲太、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗(関内役)、塚本高史、中野英雄など、北野映画初登場の豪華俳優陣が集結している本作。注目は話題作への出演が続く加瀬亮のヤクザっぷり。柔和で親しみやすいイメージで語られることが多い彼だが、そんな世評とは裏腹に、これまでも『female フィーメイル』(短編「玉虫」)や『パッセンジャー』など狂気に満ちた役で存在感を示してきた。そして、本作でついに本格的なヤクザ役に初挑戦!その“キレ”の演技には監督が思わず拍手をする一幕もあったとか。監督からは「面白くて仕方ない」という発言が飛び出すなど、早くも本作に対する満足度と自信を感じさせる。今年の夏にクランクインし、現在、順調に編集作業が進められているとのこと。『アウトレイジ』は2010年全国にて公開。■関連作品:アウトレイジ 2010年、全国にて公開
2009年12月01日