世界中で読み継がれ、愛され続けている一大ロマン小説『風と共に去りぬ』。このたび林真理子さんが、ヒロインのスカーレット・オハラの一人称でこの名作の新訳に挑戦。その第1巻が刊行された。「私がはじめて『風と共に去りぬ』を読んだのは中学2年生の時。世の中のどこかに、こんなに華やかで波瀾万丈な人生があるんだって、憧れたものでした」アメリカの南北戦争前夜。南部の大農園〈タラ〉に暮らすスカーレットは、深い緑の瞳で周囲を魅了する最強のモテ女。周囲の女子からはやっかまれるが、スカーレットも彼女たちを馬鹿にしている。「昔はスカーレットってわがままで思慮が浅いなって思ったけれど、読み返して驚いたのが、物語の始まりで彼女はまだ16歳なんですよね。それなら仕方がない。それに、いちばん自分の悪口を言っていた女の子に復讐して、恋人をとっちゃうところなんかは小気味いいですし(笑)」その勝ち気で自己中心的な性格が、やがて激動の時代を生き抜いていくパワーになっていく。「悪女というより、そうせざるを得なかったんでしょうね。なんとなくワガママを言うのではなく、悪口を言われたから鼻を明かしてやるとか、生き抜くため我を通すとか、行動に明確な理由があるから憎めない。1930年代によくこんな現代的で魅力的な女性を書いたと思います」モテテクを知り抜くスカーレットだが、密かに好意を寄せていた文学青年アシュレが結婚すると知って動揺。しかも相手はダサいと見下していたメラニーだ。彼らの結婚を阻止しようと画策するスカーレットに近づくのは、ちょっと悪い匂いのする謎の男レット・バトラー。「中学生の頃はレットに憧れましたね。お金持ちで、色気があって、いつでも助けてくれるなんて最高。大人になってからは、優柔不断だけれども真面目で知的なアシュレもいいなとは思いましたが」やがて戦争が勃発。男たちは戦地へ赴き、女たちの生活は一変していく。2巻目以降は「血湧き肉躍る展開になります」と林さん。「当時エリートだった大学生や、お金持ちのお気楽な兄弟たちが戦地へ送られ、惨めに死んでいく。それが戦争なんだという描き方も上手いですよね。スカーレットたち主要人物だけでなく、他の人たちの人生や哲学も丁寧に描かれて読ませます」今後、あの名場面やこの名場面、大嫌いなメラニーとの関係の変化が、スカーレットの軽快な口調でどう再現されていくのか楽しみになる。原作タイトルには、南部の文化や風習の終焉という意味合いも。そこにはもちろん、奴隷制度も含まれる。「スカーレットにしてみたら、奴隷にも食べ物を与えて優しく扱っているのになんで悪く言われなきゃいけないの、という。その思想こそが間違いなんだけれど、ただ、そういう時代だったんだとも分かりますよね。現代ではその価値観が批判されることもありますが、今の基準に合わせて古典を矮小化することはないと思っています」むしろ、そうした価値観の変化を知るためにも有効な一冊といえる。「今はネットのニュースを読んで世の中を知った気になれるけれど、でも本を読むと、世の中はもっと広くて、いろんな人生があって、いろんな人がいるって分かる。そして、それらを一番教えてくれるのが、『風と共に去りぬ』。これを読んで、もっともっと恋や冒険に憧れを持ってもらえたら嬉しいですね」『私はスカーレット』I南部の大農園の娘、スカーレットは最強のモテ女。だが恋する相手は別の女性と結婚、戦争も勃発して…。一大ロマンの幕開け。小学館文庫第1巻600円はやし・まりこ1954年、山梨県生まれ。’82年に『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーに。’86年に『最終便に間に合えば』で直木賞など、多数の文学賞を受賞。小誌巻末のエッセイ「美女入門」を連載中。※『anan』2019年12月11日号より。写真・天日恵美子(林さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年12月04日『アベンジャーズ』シリーズでスカーレット・ウィッチを演じたエリザベス・オルセンが、婚約したという。「E!News」が報じた。お相手は交際歴2年半ほどの、インディポップバンド「Milo Greene」のフロントマン、ロビー・アーネット。メキシコでのバケーション中に出会ったという2人は、2017年2月から交際がうわさされていた。同年9月には、公のイベントであるエミー賞のプレパーティーにカップルとして初出席。以降、これまで順調に交際を続け、婚約に至ったようだ。エリザベスは過去に「ナルコス」の俳優ボイド・ホルブルックと婚約していたことがある。オルセン家では、エリザベスの姉アシュレー・オルセンにも婚約報道が出ている。アシュレーは先日、恋人のルイ・アイズナーとのディナーデートが目撃されたが、左手の薬指に黒い指輪をつけていたのだ。ただし、一般的な婚約指輪とは違い、ファッションリングである可能性も高く真偽は不明。とはいえ、交際歴2年で手をつないでディナーに行ったり、妹のメアリー=ケイト&オリヴィエ・サルコジ夫妻とダブルデートをしたりと、アシュレーの方も恋人との関係が良好であることは確かだ。(Hiromi Kaku)
2019年08月02日オリバーピープルズ(OLIVER PEOPLES)は、メアリー=ケイト・オルセンとアシュレー・オルセンが手掛けるファッションブランド・ザ ロウ(THE ROW)と再びコラボレーション。セカンドコレクションを2016年7月初旬より発売する。オリバーピープルズ独自のデザイン性に、オルセン姉妹の女性らしい解釈を加えたフレームとサングラスは、どれも表情豊か。テンプルエンドには、「オリバーピープルズ」と「ザ ロウ」のプラークをはめ込み、コラボレーションならではのアイコニックな印が記されている。また、サングラスにガラスレンズを採用。繊細なメタル加工など、ディテールのこだわりや美しい職人芸に触れることも本コレクションの魅力の一つだ。【アイテム詳細】オリバーピープルズ×ザ ロウ発売時期:2016年7月初旬・BOARD MEETING 43,000円+税・EMPIRE SUITE 40,000円+税・PARQUET 40,000円+税・SKYSCRAPER 42,000円+税【問い合わせ先】オリバーピープルズ 代官山TEL:03-6427-8930
2016年06月09日宝塚歌劇の宙組公演『風と共に去りぬ』が、9月27日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。マーガレット・ミッチェルのベストセラー小説が原作で、映画でも知られる本作。宝塚歌劇では1977年の初演以来、再演を重ね続けてきた代表作のひとつだ。宝塚歌劇宙組『風と共に去りぬ』のチケット情報南北戦争の開戦から1年後の1862年。南軍の軍事拠点となったアトランタに、義妹のメラニーらと暮らすためにやってきた未亡人のスカーレット。そこで再会したのは、北軍の封鎖を破り、軍需物資を南部へ運んで暴利を得たと噂されるレット・バトラー。メラニーの夫アシュレに想いを寄せるスカーレットは、かつて、アシュレに告白していたところを、レットに目撃されていたのだった。初めて会ったときから、スカーレットに惹かれていたレットと、自分の気持ちに正直に生き、アシュレを想い続けるスカーレット。戦争が激しくなる中で、それぞれの想いは……。トップスター凰稀(おうき)かなめが演じるレット・バトラーは、“男の中の男”。稽古段階では凰稀が「自分自身を、男役を一から洗い直している」と言うほどの役柄で、レットを演じることは大きな挑戦だ。そんな強い意志を持ちながら凰稀は厚みのあるレットを作り上げ、ワイルドな大人の男を熱演している。粗野な無頼漢だが、色気があり、ときに優しく、力強くスカーレットを包み込むレット。やはり一番の見どころは、スカーレットに裏切られたことを知り酒に酔ったレットが、悔しさと寂しさをにじませながら、スカーレットに怒りをぶつけるシーンだろう。凰稀の男役としての深みがより一層増しているようだ。スカーレットは、普段は男役の、朝夏(あさか)まなとと七海(ななみ)ひろきが役替わりで演じる。初日の朝夏が演じるスカーレットは、気が強くもチャーミング。どんな状況でも真っ直ぐに前を見て生き抜いていく強さや、アシュレを前にしたときの乙女な一面など、コロコロと表情を変えながら演じていく。スカーレットと彼女の“心の声”とのやり取りは、宝塚歌劇ならではのユニークな演出だ。また、悠未(ゆうみ)ひろは、優しいけれど弱くて優柔不断なアシュレ、実咲凛音(みさき・りおん)は、天使のように誰に対しても優しく懐の深いメラニー、男役の緒月遠麻(おづき・とうま)は、男勝りなカッコよさのあるレットの情婦ベルと、宙組の粒ぞろいなスターたちが、役の個性を繊細に捉えて演じており、凰稀をはじめ、大きな飛躍を見せる宙組の魅力がじっくりと味わえる作品となっている。兵庫公演は11月4日(月・祝)まで上演中。また、11月22日(金) ~ 12月23日(月・祝) まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは10月20日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2013年10月02日